JP7146829B2 - 画像処理装置及び画像処理装置を備えた搬送装置 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理装置を備えた搬送装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置に関し、例えばコンテナ(トラックの荷室)内に段積みされた矩形箱形の物品を搬送するための搬送装置に用いられる画像処理装置、及び画像処理装置を備えた搬送装置に関する。
例えば段ボール箱等の矩形箱形の段積みされた物品をロボットハンドで保持して荷下ろし可能な搬送装置が提供されている。ロボットハンドを備えた搬送装置で物品を荷下ろしすることによって、省人化や作業の効率化を図ることができる。この搬送装置では、物品認識手段によって段積みされた物品の位置と姿勢を高精度で把握することで、より精確に物品を保持することができる。特許文献1には、物品の位置と姿勢を検出するための距離センサを、段積みされた物品の上方に配置した構成が開示されている。特許文献1記載の発明は、距離センサを移動または回転させて物品までの距離を複数位置で検出することで、物品に関する三次元の点群データを取得する構成になっている。特許文献2には、段積みされた複数の物品の上辺を検出し、当該上辺の位置に基づいて上側に積まれた物品から保持する搬送装置について開示されている。
特許第5429614号公報 特許第6172293号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明のように、三次元の点群データを利用して物品の位置と姿勢を認識する場合、データ数が多いために認識処理に時間が掛かってしまう。荷下ろし作業を効率よく行うためには、できるだけ物品の認識処理の時間を短縮できることが望ましい。また、特許文献2記載の発明のように、物品の上辺のみを検出する場合、物品の精確な位置と姿勢を把握することが難しい。そこで、認識処理の時間を短縮化しつつ、物品の精確な位置と姿勢を把握できる物品認識手段が望まれている。
本発明は、認識処理の時間を短縮化することができ、かつ物品の位置と姿勢を高精度で把握することができる物品認識手段を提供することを目的とする。
本開示の一つの特徴によると、搬送装置の画像処理装置は、撮影手段と画像距離センサを有している。撮影手段は、段積みされた矩形箱形の物品を撮影して画像データを取得する。画像距離センサは、物品までの距離を物品の複数位置に対して測定して距離データとして取得する。画像処理装置には、画像処理回路と位置算出回路とロボット制御回路が設けられている。画像処理回路は、画像データから物品の撮影方向正面側の正面四隅を検出し、距離データから正面四隅までの距離を取得する。位置算出回路は、物品の正面四隅までの距離に基づいて物品の位置と姿勢を算出する。ロボット制御回路は、物品の位置と姿勢に基づいて、物品を保持する保持ハンドと、保持ハンドを移動させるロボットアームを制御する。
従って、画像距離センサが取得した距離データの中から物品の正面四隅までの距離のみを利用して物品の位置と姿勢を把握する。そのため、認識処理に必要なデータ数を少なくできる。これにより、認識処理の時間を短縮化することができ、かつ画像距離センサと対向する物品の矩形面の位置と姿勢を高精度で把握することができる。また、認識処理に必要なデータ数は、物品の大きさによらず物品の個数で決まる。そのため様々なサイズの物品の正面四隅を検知する際においても、短い処理時間で位置と姿勢を把握することができる。
本開示の他の特徴によると画像処理回路は、画像データから物品の撮影方向正面側の正面中心領域を検出し、距離データから正面中心領域までの距離を取得する。位置算出回路は、物品の正面四隅および正面中心領域までの距離に基づいて物品の位置と姿勢を算出する。
従って、物品1個あたりで正面四隅と正面中心領域の計5カ所の距離データを取得して認識処理する。これにより、認識処理を短時間で行うことができる。また、物品の正面四隅までの距離と、正面中心領域までの距離をそれぞれ検出することで、画像距離センサと対向する物品の矩形面の位置と姿勢をより高精度で把握することができる。例えば、矩形箱形の物品が段ボール箱等である場合、正面中心領域が正面四隅よりもわずかに張り出した位置にあり、矩形面が平面状でない場合等がある。このような場合においても、画像距離センサと対向する物品の矩形面の形状を概略的に把握しつつ、当該矩形面の位置と姿勢をより高精度で把握することができる。
本開示の他の特徴によると撮影手段と画像距離センサは、段積みされた複数の物品の画像データと距離データを同時に取得する。
従って、複数の物品の位置と姿勢を同時に把握することができる。これにより、物品の位置と姿勢を認識するまでの時間を短縮させることができる。また、一度に複数の物品の位置と姿勢を認識することで、物品を保持する順番を、搬送作業の効率がよくなるように選択し易くなる。これにより、作業時間をより短縮させることができる。
本開示の他の特徴によると画像処理装置を備えた搬送装置は、保持ハンドとロボットアームと台車を備えている。台車は、ロボットアームを搭載して移動可能である。撮影手段と画像距離センサは、台車に搭載されている。
従って、例えばコンテナ(トラックの荷室)や工場の倉庫等の様々な場所に段積みされている物品に対応して、特段の装置を別途設置することなく物品の位置と姿勢を把握することができる。また、保持ハンドとロボットアームによる搬送作業の合間に、台車に搭載した撮影手段による画像データの取得と、画像距離センサによる距離データの取得を行うことができる。そのため、作業時間を短縮化して作業効率を高めることができる。また、例えば物品がコンテナ内等に段積みされている場合、コンテナの天井近くまで物品が積まれていることがあり、物品の上方から物品の位置と姿勢を認識し難い場合がある。あるいは、物品認識手段を搬送装置1とは別体でコンテナ内に設置することが難しい場合もある。本開示の特徴により、物品が段積みされている場所によらず物品の位置と姿勢を把握できる。
本実施形態に係る搬送装置の全体側面図である。 コンテナ内に段積みされた物品の正面図である。 画像処理装置の画像処理回路で認識した各物品の正面図である。 本発明に係る保持ハンドの側面図である。 本発明に係る保持ハンドが物品を吸着した際の側面図である。 本発明に係る保持ハンドの受け部を延ばした際の側面図である。 本発明に係る画像処理装置における物品認識に係る各構成のブロック図である。 本発明に係る画像処理装置によって、全物品の位置と姿勢を認識するフローチャートを示す図である。 本発明に係る画像処理装置によってピッキング対象の物品の位置と姿勢を認識し、搬送装置によって物品をピッキングするフローチャートを示す図である。
次に、本実施形態を図1~9に基づいて説明する。図1に示すように搬送装置1は、物品30の位置と姿勢を認識するための画像処理装置7を備えている。また、搬送装置1は、台車2と、台車2の上側に搭載されたロボットアーム3と、ロボットアーム3の先端部に設けられた保持ハンド(ロボットハンド)4を備えている。台車2は、例えばコンテナや工場の倉庫等の床面上を自走可能である。以下の説明において、コンテナ(トラックの荷室)34内に段積みされた物品30を荷下ろしするための搬送装置1を例示する。物品30は、例えば段ボール箱等のように矩形箱形を有している。物品30は、上下方向に段積みされ、かつ奥行き方向に多数列積み込まれている。上下前後左右方向については、搬送装置1側から見た場合で規定し、物品30の手前側を前側とし、奥行き側を後側とする。
図1に示すように、台車2は、クローラ形式の走行装置である。台車2は、無限軌道2aと駆動輪2bを備えている。電動モータの駆動によって駆動輪2bを回転させることで無限軌道2aが動作する。無限軌道2aの動作によって台車2がコンテナ34の床面上を移動する。
図1に示すように、台車2には、6軸制御で多関節のロボットアーム3が搭載されている。ロボットアーム3は、台車2の上面から延びる第1アーム3aと、第1アーム3aの先端に連結される第2アーム3bと、第2アーム3bの先端に連結された第3アーム3cを備えている。第3アーム3cの先端に保持ハンド4が支持されている。画像処理装置7は、撮影部7aと制御装置7bを備えている。撮影部7aと制御装置7bは、台車2上に搭載されている。撮影部7aには、撮影手段(2Dカメラ)10と画像距離センサ(TOFカメラ)11が搭載されている。撮影手段10と画像距離センサ11は、物品30の前面側を撮影できるように、奥行き方向(後方)を向いて設けられている。
図4に示すように、保持ハンド4は、物品30を吸着可能な吸着部5と、物品30を下方から支持可能な受け部6を備えている。吸着部5は、ロボットアーム3に連結された支持部5aによって支持されている。吸着部5は、支持部5aに対してばね力により上下にフローティング支持されている。吸着部5の後部には、複数の吸着パッド5bが後方を向いて設けられている。吸着部5には、特に図では見えていないが吸引ホースが配管されている。吸引ホースは、一端が吸着パッド5bに接続され、他端が保持ハンド4の外部に設けられた吸引機に接続されている。吸引機を起動させてエアを吸引させることで、吸着パッド5bで負圧が発生し、これにより吸着パッド5bで物品30の前面を吸着することができる。
図4に示すように、受け部6は、保持ハンド4の下部に設けられている。受け部6は、支持部5aに支持されている。受け部6は、吸着部5とは独立して、支持部5aに対してばね力により上下にフローティング支持されている。受け部6の後部の受け台6bは、電動モータと動滑車機構により二段階で前後方向に変位可能である。受け部6の前部の受け台収容部6aは、受け台6bを前後方向に変位可能に支持している。図5に示すように、物品30の前面に保持ハンド4が接近する場合、受け台6bは、段積みされた下側の物品30と当接しないように、前側へ退避して、受け台収容部6aに収容された状態になっている。図6に示すように、保持ハンド4が段積みされた物品30を前側へ移動させる段階で、受け台6bが後方へ変位するように動作される。受け台6bの前後方向の動作は、吸着保持した物品30の移動(ロボットアーム3の動作)に同期してなされる。受け台6bが後方へ変位することで、吸着保持した物品30が下方から受けられる。受け部6で下方から受けられることにより、物品30の変形あるいは吸着パッド5bからの離脱が防止され、ひいてはロボットアーム3の高速動作が可能となっている。
図1に示す撮影手段10と画像距離センサ11は、図2に示す境界線L1と境界線L2の左右方向の間、および境界線L3と境界線L4の上下方向の間で設定される矩形の撮影範囲毎に段積みされた複数の物品30を撮影する。撮影手段10は、当該撮影範囲の2次元画像データを取得する。画像距離センサ11は、TOF(Time-оf-Flight)カメラと称され、当該撮影範囲に対して照射したパルス光の反射時間を測定することで、撮影範囲をピクセル単位で区切った複数位置について、各位置までの距離データを取得する。換言すると、画像距離センサ11は、一度の撮影で、撮影範囲の各位置までの距離データを面(2次元)のデータとして取得する。TOFカメラによれば、作業場所の明るさに左右されずに距離データを取得可能である。
図7に示すように、制御装置7bは、画像処理制御ユニット21とプログラマブルロジックコントローラ(PLC)24とロボットコントローラ(ロボット制御回路)25を備えている。画像処理制御ユニット21は、画像処理回路22と位置算出回路23を備えている。画像処理回路22は、撮影手段10で取得した画像データに基づいて、個々の物品30の前面(撮影方向正面)の正面四隅31(図3参照)と正面中心(正面中心領域)32(図3参照)を検出する。さらに、画像処理回路22は、撮影手段10で取得した画像データに基づいて、検出した正面四隅31と正面中心32までの距離を、画像距離センサ11で取得した距離データの中から取得する。位置算出回路23は、画像処理回路22で取得した正面四隅31と正面中心32までの距離に基づいて、物品30の前面の三次元位置と傾き(姿勢)を算出する。プログラマブルロジックコントローラ24は、画像処理制御ユニット21から受信した物品30の前面の三次元位置と傾きについての入力信号と、予め設定されたプログラムに基づいて、出力信号をロボットコントローラ25に送信する。ロボットコントローラ25は、プログラマブルロジックコントローラ24から送られる信号に基づいて、ロボットアーム3と保持ハンド4の動作を制御する。
図1~9に基づいて、画像処理装置7によって物品30の前面の三次元位置と傾きを検知して物品30を荷下ろしする一連の流れを説明する。まず、図8に示すステップ(以下、STと略記する)01で、台車2をコンテナ34内に段積みされた物品30の手前に移動させる。台車2を停止させ、ロボットアーム3を作動させて、物品30を撮影する撮影位置に撮影手段10と画像距離センサ11を移動させる(ST02)。撮影位置に移動した撮影手段10と画像距離センサ11は、図2に示す境界線L1と境界線L2の左右方向の間、および境界線L3と境界線L4の上下方向の間の撮影範囲の複数の物品30を同時に撮影する(ST03)。
次に、撮影手段10によって画像データが取得され、画像距離センサ11によって距離データが取得される。画像処理回路22によって、撮影手段10で撮影した画像データから複数の物品30の隙間33が検出される(ST04)。図2に示すように、隙間33として、上下方向に延びた縦の隙間33aと、左右方向に延びた横の隙間33bが検出される。なお、矩形の隙間33cは、隙間33aと隙間33bに囲まれた矩形領域として検出されるが、上下方向または左右方向の長さが物品30として認識されるように設定された長さよりも小さいため、隙間33として認識されている。画像処理回路22で物品30として認識される上下方向または左右方向の長さは、例えば物品30の代表的なサイズに基づいて、上限または下限もしくはその両方を適宜設定してもよく、また、特に設定しなくてもよい。
次に、画像処理回路22によって、画像データで検出された隙間33が除去されて、図3に示すように複数の物品30の矩形の輪郭が同時に認識される(ST05)。図3で例示した場合では、物品30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g,30h,30i,30j,30k,30l,30m,30nの14個の矩形の輪郭が認識されている。画像処理回路22によって、認識された各物品30の正面四隅31が検出される。さらに、画像処理回路22によって、各物品30の前面(撮影方向正面)の正面四隅31の左右方向および上下方向の中間位置として正面中心32が検出される。
次に、画像処理回路22によって、撮影手段10によって取得された画像データと、画像距離センサ11によって取得された距離データが照らし合わされ、各物品30の正面四隅31と正面中心32に対応する位置の距離データが取得される(ST06)。正面四隅31と正面中心32の距離データに基づいて、位置算出回路23によって、各物品30の前面の三次元位置と傾きが算出される(ST07)。
一度の撮影でコンテナ34内を全て撮影範囲に収めることが難しい場合、撮影範囲をずらして複数回に分けて撮影する。コンテナ34内の全ての撮影範囲を撮影し終えていない場合(ST08)、ST02に戻って、異なる撮影位置から撮影手段10と画像距離センサ11で撮影して画像データと距離データを取得する。全ての撮影位置でコンテナ34内の全ての物品30を撮影し終えた場合、全ての物品30の情報を生成する(ST09)。例えば図3に示す撮影範囲内の物品30f,30nは、実際には撮影範囲よりも右側にも延びている(図2参照)。物品30f,30nのように撮影範囲の境界に位置して2つの撮影範囲で分けて撮影された物品30については、2つの撮影範囲の画像データを照らし合わせて、それぞれの画像データの物品30が、それぞれ別々の物品30であるか、1つの繋がった物品30であるかを画像処理回路22で判別する。1つの繋がった物品30であると判別した場合、画像データから新たに正面四隅31と正面中心32を算出し、新たに正面四隅31と正面中心32の距離データを取得する。そして、位置算出回路23によって、物品30の前面の三次元位置と傾きを再算出する。全ての物品30の情報が生成されたら、ロボットアーム3を作動させて、撮影手段10と画像距離センサ11は待機位置へ移動する(ST10)。
次に、全ての物品30の三次元位置と傾きの情報に基づいて、保持ハンド4による物品30の荷下ろし作業がなされる。物品30は、例えば図3に示す物品30a,30b,30c…等の順番で上側から順に荷下ろしされる。まず、ロボットアーム3を作動させて、ピッキング(保持)対象の物品30の手前の撮影位置に、撮影手段10と画像距離センサ11を移動させる(図9のST11)。
次に、図9を参照するようにピッキング対象の物品30の前面の三次元位置と傾きを再算出する。再算出する手順は、コンテナ34に段積みされた全ての物品30の前面の三次元位置と傾きを算出したST03~ST07と同様である。撮影位置に移動した撮影手段10と画像距離センサ11は、ピッキング対象の物品30の周辺を撮影範囲として撮影する(ST12)。画像処理回路22によって、撮影手段10で撮影した画像データから複数の物品30の隙間33が検出される(ST13)。画像処理回路22によって、画像データで検出された隙間33が除去されて、物品30の矩形の輪郭が認識される(ST14)。画像処理回路22によって、認識された各物品30の正面四隅31と正面中心32が検出される。画像データと距離データが照らし合わされることで、ピッキング対象の物品30およびその周辺の各物品30の正面四隅31と正面中心32に対応する位置の距離データが取得される(ST15)。位置算出回路23によって、正面四隅31と正面中心32の距離データに基づいて、ピッキング対象の物品30およびその周辺の各物品30の前面の三次元位置と傾きが算出される(ST16)。例えば、物品30をピッキングする際に、ピッキングした周囲の物品30の位置がずれる場合がある。物品30の前面の三次元位置と傾きをより高精度で把握するため、物品30をピッキングする度に、ピッキング対象の物品30およびその周辺の各物品30の前面の三次元位置と傾きを算出する。
次に、認識した複数の物品30の中からピッキング対象の物品30を探す(ST17)。ST16で算出された物品30の前面の三次元位置と傾きに基づいて、ピッキング対象の物品30の位置情報が更新される(ST18)。図4に示すように、ピッキング対象の物品30の前面の正面四隅31と正面中心32の位置情報に基づいて、正面中心32を目標にしてピッキング対象の物品30に保持ハンド4を接近させる。図5に示すように、ピッキング対象の物品30の前面に吸着パッド5bを当てる。吸引機を起動させて、吸着パッド5bを物品30の前面に吸着させる。図6に示すように、吸着パッド5bに物品30を吸着させた状態で、ロボットアーム3によって保持ハンド4を前方へ移動させる。保持ハンド4とともに物品30が前方へと移動するのに合わせて、受け部6を後方へ延ばす。物品30は、受け部6に載せられて下側から支持される。かくして、ピッキング対象の物品30がピッキング(保持)される(ST19)。保持ハンド4によれば、例えばコンテナ34の天井近くまで積まれた物品30(図1参照)を吸着パッド5bに吸着させて前方へとピッキングすることで、コンテナ34の天井に干渉されずに容易に物品30を荷下ろしすることができる。
次に、ピッキングされた物品30は、当該物品30をコンテナ34から搬出するための不図示のコンベヤへと移載される。コンベヤは、搬送装置1とは別体に設けられる。物品30を保持した状態で、ロボットアーム3によって保持ハンド4をコンベヤ上方に移動させる(ST20)。ST18で更新されたピッキング対象の物品30の前面の正面四隅31の位置情報に基づいて、コンベヤ上でピッキング対象の物品30の高さを計測する(ST21)。これにより例えば位置算出回路で算出した物品30の高さ情報が精確であるか否か確認でき、高さ情報が万一間違っていた場合でも更新できる。そのため保持ハンド4及び物品30の万一の故障等を防止できる。コンベヤ上方に移動した保持ハンド4は、受け部6を退避させつつ物品30の下面をコンベヤ上に載せて、吸引機を停止させる。これにより、ピッキング対象の物品30がコンベヤ上へと移載される(ST22)。保持ハンド4が全ての物品30をピッキングし終えていない場合(ST23)、新たなピッキング対象の物品30を撮影して画像データと距離データを得るため、ST11に戻って撮影手段10と画像距離センサ11を撮影位置へ移動させる。全ての物品30をピッキングしてコンベヤに移載した場合(ST23)、保持ハンド4を待機位置へ移動させる(ST24)。以上により搬送装置1による物品30の荷下ろし作業が終了する(ST25)。
以上説明した本実施形態の搬送装置1の画像処理装置7によれば、図1に示すように、撮影手段10と画像距離センサ11を有している。撮影手段10は、段積みされた矩形箱形の物品30を撮影して画像データを取得する。画像距離センサ11は、物品30の複数位置に対して物品30までの距離を測定して距離データとして取得する。図7に示すように、画像処理装置7には、画像処理回路22と位置算出回路23とロボットコントローラ25が設けられている。画像処理回路22は、画像データから物品30の撮影方向正面側の正面四隅31(図3参照)を検出し、距離データから正面四隅31までの距離を取得する。位置算出回路23は、正面四隅31までの距離に基づいて物品30の前面の三次元位置と傾きを算出する。ロボットコントローラ25は、物品30の三次元位置と傾きに基づいて、物品30を保持する保持ハンド4と、保持ハンド4を移動させるロボットアーム3を制御する。
従って、画像距離センサ11が取得した距離データの中から物品30の正面四隅31までの距離のみを利用して物品30の前面の三次元位置と傾きを把握する。そのため認識処理に必要なデータ数を少なくできる。例えば点群データを取得できるカメラを使用して物品の正面の位置と姿勢を算出する場合、上下方向と左右方向に所定の間隔(例えば5mm間隔)で点群データが取得される。そのため物品30の正面の大きさが大きいほど点群データの数が多くなる。例えば高さと左右幅が300mmの物品30の正面を5mm間隔で認識する際には、物品1個あたりで3600個の点群データが取得される。すなわち、物品30が30個ある場合には108000個のデータを処理する必要がある。
一方、画像処理装置7によれば、物品30が30個ある場合には各正面四隅31について計120個のデータを処理すればよい。これにより、認識処理の時間を短縮化することができ、かつ画像距離センサ11と対向する物品30の矩形の前面の三次元位置と傾きを高精度で把握することができる。また、認識処理に必要なデータ数は、物品30の正面の大きさによらず物品30の個数で決まる。そのため様々なサイズの物品30の正面四隅31を検知する際においても、短い処理時間で位置と姿勢を把握することができる。
また、画像処理装置7によれば、図7に示す画像処理回路22は、画像データから図3に示す物品30の撮影方向正面側の正面中心32を検出し、距離データから正面中心32までの距離を取得する。図7に示す位置算出回路23は、図3に示す物品30の前面の正面四隅31および正面中心32までの距離に基づいて物品30の前面の三次元位置と傾きを算出する。
従って、物品1個あたりで正面四隅31と正面中心32の計5カ所の距離データを取得して認識処理する。これにより、認識処理を短時間で行うことができる。また、物品30の前面の正面四隅31までの距離と正面中心32までの距離をそれぞれ検出することで、画像距離センサ11と対向する物品30の矩形の前面の三次元位置と傾きをより高精度で把握することができる。例えば、矩形箱形の物品30が段ボール箱等である場合、正面中心32が正面四隅31よりもわずかに前方に張り出した位置にあり、前面が平面状でない場合がある。このような場合においても、画像距離センサ11と対向する物品30の前面の形状を概略的に把握しつつ、物品30の前面の三次元位置と傾きをより高精度で把握することができる。
また、画像処理装置7によれば、図1に示すように、撮影手段10と画像距離センサ11は、段積みされた複数の物品30の画像データと距離データを同時に取得する。
従って、複数の物品30の前面の三次元位置と傾きを同時に把握することができる。これにより、物品30の前面の三次元位置と傾きを認識するまでの時間を短縮させることができる。また、一度に複数の物品30の前面の三次元位置と傾きを認識することで、保持ハンド4が物品30を保持する順番を、搬送作業の効率がよくなるように選択し易くなる。これにより、作業時間をより短縮させることができる。
また、画像処理装置7を備えた搬送装置1によれば、図1に示すように、保持ハンド4とロボットアーム3と台車2を備えている。台車2は、ロボットアーム3を搭載して移動可能である。撮影手段10と画像距離センサ11は、台車2に搭載されている。
従って、例えばコンテナ34や工場の倉庫等の様々な場所に段積みされている物品30に対応して、特段の装置を別途設置することなく物品30の前面の三次元位置と傾きを把握することができる。また、保持ハンド4とロボットアーム3による搬送作業の合間に、台車2に搭載した撮影手段10による画像データの取得と、画像距離センサ11による距離データの取得を行うことができる。そのため、作業時間を短縮化して作業効率を高めることができる。また、例えば物品30がコンテナ34内に段積みされている場合、コンテナ34の天井近くまで物品30が積まれていることがあり、物品30の上方から物品30の位置と姿勢を認識し難い場合がある。あるいは、画像処理装置7を搬送装置1とは別体でコンテナ34内に設置することが難しい場合もある。本開示の特徴により、物品30が段積みされている場所によらず物品30の位置と姿勢を把握できる。
以上説明した本実施形態の搬送装置1及び画像処理装置7には、種々変更を加えることができる。撮影手段10と画像距離センサ11を設ける場所を適宜変更してもよい。本実施形態では、上記するように撮影手段10と画像距離センサ11が台車2に搭載されている。これに代えて、例えば搬送装置1とは別体で撮影手段10と画像距離センサ11をコンテナ34内に設置する構成としてもよい。例えばロボットアーム3に対して不動である撮影台を設け、当該撮影台に撮影手段10と画像距離センサ11を設けてもよい。これらの配置により、ロボットアーム3が動作する際に、撮影手段10と画像距離センサ11が移動し難い。従って、撮影手段10と画像距離センサ11を撮影位置まで移動させる時間を短縮でき、これにより、搬送作業の効率化を図ることができる。
例えば、台車2に搭載されているロボットアーム3の後側や、保持ハンド4の受け部6の下方に撮影手段10と画像距離センサ11を設けてもよい。この配置により、ロボットアーム3によって保持ハンド4をピッキング対象の物品30の手前に移動させ、撮影手段10と画像距離センサ11で撮影した後、すぐに物品30を保持ハンド4で保持するステップに移行できる。従って、搬送作業の効率化を図ることができる。
例えば、ロボットアーム3または保持ハンド4の前側に撮影手段10と画像距離センサ11を設けてもよい。この配置により、保持ハンド4に保持された物品30を、例えば搬送装置1の前方に配置されたコンベヤに移載する際に、撮影手段10と画像距離センサ11を後方の段積みされた物品30側に向けることができる。そのため、ピッキング対象の物品30をコンベヤに移載している間または移載した直後に、次のピッキング対象の物品30を撮影手段10と画像距離センサ11で撮影することができる。従って、荷下ろし作業の作業時間の短縮化を図ることができる。
本実施形態で例示したコンテナ34に限らず、例えば工場の倉庫や船舶用のコンテナ等に段積みされた物品30を荷下ろしする際にも画像処理装置7を適用することができる。また、荷下ろしに限らず、例えば荷積みする際や段積みされた各物品30の位置を調整する際にも画像処理装置7を適用することができる。搬送装置1と画像処理装置7をそれぞれ別体に設けてもよい。ロボットアーム3として6軸制御の多関節ロボットを例示したが、より簡易な制御軸数の多関節ロボットを用いる構成としてもよい。吸着パッド5bで物品30の前面を吸着して保持する保持ハンド4を例示したが、例えば、吸着パッドで物品30の上面を吸着して保持する構成としてもよい。例えば、一対のクランプ機構によって左右方向または上下方向に物品30を挟み込んで保持する構成としてもよい。物品30の前面の正面四隅31の左右方向および上下方向の中間位置として正面中心32を検出する構成を例示したが、正面中心32に代えて、例えば、正面四隅31の中間部において上下左右方向に所定の拡がりのある正面中心領域を検出し、当該正面中心領域の距離データを取得する構成としてもよい。
1…搬送装置
2…台車、2a…無限軌道、2b…駆動輪
3…ロボットアーム、3a…第1アーム、3b…第2アーム、3c…第3アーム
4…保持ハンド(ロボットハンド)
5…吸着部、5a…支持部、5b…吸着パッド
6…受け部、6a…受け台収容部、6b…受け台
7…画像処理装置、7a…撮影部、7b…制御装置
10…撮影手段(2Dカメラ)
11…画像距離センサ(TOFカメラ)
21…画像処理制御ユニット、22…画像処理回路、23…位置算出回路
24…プログラマブルロジックコントローラ(PLC)
25…ロボットコントローラ(ロボット制御回路)
30,30a~30n…物品
31…正面四隅、32…正面中心(正面中心領域)
33…隙間
33a…(縦方向の)隙間、33b…(横方向の)隙間、33c…(矩形の)隙間
34…コンテナ
L1,L2、L3,L4…(距離データ検出範囲を示す)境界線

Claims (4)

  1. 搬送装置の画像処理装置であって、
    段積みされた矩形箱形の物品を撮影して画像データを取得する撮影手段と、
    前記物品までの距離を該物品の複数位置に対して測定して距離データとして取得する画像距離センサと、
    前記画像データから前記物品の撮影方向正面側の正面四隅を検出し、前記距離データから前記正面四隅までの距離を取得する画像処理回路と、
    前記正面四隅までの距離に基づいて前記物品の位置と姿勢を算出する位置算出回路と、
    前記物品の位置と姿勢に基づいて前記物品を保持する保持ハンドと該保持ハンドを移動させるロボットアームを制御するロボット制御回路を有する画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記画像処理回路は、前記画像データから前記物品の撮影方向正面側の正面中心領域を検出し、前記距離データから前記正面中心領域までの距離を取得し、
    前記位置算出回路は、前記正面四隅および前記正面中心領域までの距離に基づいて前記物品の位置と姿勢を算出する画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
    前記撮影手段と前記画像距離センサは、段積みされた複数の前記物品の前記画像データと前記距離データを同時に取得する画像処理装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載した画像処理装置を備えた搬送装置であって、
    前記保持ハンドと前記ロボットアームと該ロボットアームを搭載して移動可能な台車を備え、
    前記撮影手段と前記画像距離センサは、前記台車に搭載される搬送装置。
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