JP7146711B2 - 結像光学系、投写型表示装置、および撮像装置 - Google Patents

結像光学系、投写型表示装置、および撮像装置 Download PDF

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Description

本開示の技術は、結像光学系、投写型表示装置、および撮像装置に関する。
従来、液晶表示素子又はDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)等のライトバルブに表示した画像をスクリーン等に拡大投写する投写型表示装置が広く用いられている。投写型表示装置に適用可能な光学系としては例えば、下記特許文献1、下記特許文献2、および下記特許文献3に記載の光学系が知られている。
特許文献1には、縮小側共役面上に配置された画像表示素子に表示された画像を、拡大側共役面上に拡大像として投写可能な結像光学系であって、拡大側から順に、第1光学系と、第2光学系とから実質的になる結像光学系が記載されている。この結像光学系は、第2光学系が画像表示素子上の画像を中間像として結像させ、第1光学系がこの中間像を拡大側共役面上に結像させるように構成されている。
特許文献2および特許文献3には、縮小側の第1の像面から拡大側の第2の像面へ投写する系であって、2つの中間像を結像し、そのうちの拡大側の中間像よりも拡大側に正のパワーの反射面を含むように構成された系が記載されている。
特開2017-211477号公報 国際公開第2014/103324号 国際公開第2016/068269号
投写型表示装置は広い画角を有することが求められており、近年ではより大きな画像表示素子に対応可能なことも求められている。特許文献1の結像光学系は、中間像を1回のみ結像する構成のため、より大きな画像表示素子に適用しようとすると、最も拡大側のレンズ径が大きくなってしまい、製造が困難になり、また、装置の大型化を招いてしまう。
特許文献2および特許文献3の系では、拡大側の中間像よりも拡大側にパワーを有する反射面を配置しているため、光軸付近の光束はスクリーンに到達できず結像に用いることができない。つまり、イメージサークルのうち光軸付近を含む半分以上の領域が使用できないという不都合がある。
本開示は、上記事情に鑑みなされたものであり、広い画角を有しながら、レンズ径が小さく抑えられ、光軸付近を含むイメージサークルの広域を使用可能であり、良好な光学性能を有する結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、およびこの結像光学系を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
本開示の技術の一態様に係る結像光学系は、拡大側結像面と縮小側結像面とを共役にする結像光学系であって、上記結像光学系は、拡大側結像面と共役な位置にある第1中間像と、第1中間像より縮小側の光路に位置しかつ第1中間像と共役な位置にある第2中間像とを形成し、拡大側から縮小側へ光路に沿って順に、第1光学系と、第2光学系と、第3光学系とからなり、第1光学系の全てのレンズの拡大側の面は第1中間像より拡大側の光路に位置し、第2光学系の全てのレンズの拡大側の面は第1中間像より縮小側でかつ第2中間像より拡大側の光路に位置し、第3光学系の全てのレンズの拡大側の面は第2中間像より縮小側の光路に位置し、パワーを有する反射部材を含まない。
第1光学系の焦点距離をf1とし、第1光学系と第2光学系との合成焦点距離をf12とし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、上記態様の結像光学系は、下記条件式(1)および(2)を満足することが好ましい。また、上記態様の結像光学系は、条件式(1)および(2)を満足した上で、下記条件式(1-1)および(2-1)の少なくとも一方を満足することが好ましい。
1<|f1/f|<5 (1)
0.8<|f12/f|<3 (2)
1.5<|f1/f|<3 (1-1)
1<|f12/f|<2 (2-1)
結像光学系の縮小側のバックフォーカスをBfとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、上記態様の結像光学系は、下記条件式(3)を満足することが好ましく、下記条件式(3-1)を満足することがより好ましい。
5<|Bf/f| (3)
6<|Bf/f|<20 (3-1)
縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、上記態様の結像光学系は、下記条件式(4)を満足することが好ましく、下記条件式(4-1)を満足することがより好ましい。
1.9<|Ymax/f| (4)
2.1<|Ymax/f|<3.2 (4-1)
縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、縮小側結像面から結像光学系へ光軸に平行で光軸からYmaxの高さで光線を入射させた場合に、第1中間像が空気間隔の内部に位置する場合は第1中間像が位置する空気間隔を第1空気間隔とし、第1中間像がレンズの内部に位置する場合は第1中間像が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第1空気間隔とし、第1空気間隔内の上記光線を延長した第1延長線と、光軸とのなす角度をθとし、第1延長線と光軸との交点である第1交点が第1中間像より拡大側に位置する場合のθの符号を負とし、第1交点が第1中間像より縮小側に位置する場合のθの符号を正とし、θの単位を度とした場合に、上記態様の結像光学系は、下記条件式(5)を満足することが好ましく、下記条件式(5-1)を満足することがより好ましい。
-15<θ<15 (5)
-13<θ<13 (5-1)
縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、縮小側結像面から結像光学系へ光軸に平行で光軸からYmaxの高さで光線を入射させた場合に、第2光学系の最も拡大側のレンズ面での光線の光軸からの高さをh1とし、第1中間像が空気間隔の内部に位置する場合は第1中間像が位置する空気間隔を第1空気間隔とし、第1中間像がレンズの内部に位置する場合は第1中間像が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第1空気間隔とし、第1空気間隔内の上記光線を延長した第1延長線と、光軸との交点を第1交点とし、第1交点と、第2光学系の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離をdd1とし、第3光学系の最も拡大側のレンズ面での上記光線の光軸からの高さをh2とし、第2中間像が空気間隔の内部に位置する場合は第2中間像が位置する空気間隔を第2空気間隔とし、第2中間像がレンズの内部に位置する場合は第2中間像が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第2空気間隔とし、第2空気間隔内の上記光線を延長した第2延長線と、光軸との交点を第2交点とし、第2交点と、第3光学系の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離をdd2とし、|h1/dd1|および|h2/dd2|のうち値の大きい方をhdA、小さい方をhdBとした場合、上記態様の結像光学系は、下記条件式(6)および(7)を満足することが好ましい。
0.1<hdA<1 (6)
0.03<hdB<0.3 (7)
第1光学系の最も拡大側のレンズ面で、最大画角の主光線の光軸からの高さの絶対値が最大になり、最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの光軸上の距離をTLとし、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、最も拡大側のレンズ面での最大画角の主光線の光軸からの高さをhとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、上記態様の結像光学系は、下記条件式(8)を満足することが好ましく、下記条件式(8-1)を満足することがより好ましい。
20<(TL×Ymax)/(|h|×|f|)<60 (8)
30<(TL×Ymax)/(|h|×|f|)<50 (8-1)
第1光学系の焦点距離をf1とし、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、最も拡大側のレンズ面での最大画角の主光線の光軸からの高さをhとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、上記態様の結像光学系は、下記条件式(9)を満足することが好ましく、下記条件式(9-1)を満足することがより好ましい。
1.2<(f1×Ymax)/(|h|×f)<4 (9)
1.5<(f1×Ymax)/(|h|×f)<3 (9-1)
上記態様の結像光学系に含まれる全ての光学素子は共通の光軸を有することが好ましい。
上記態様の結像光学系は、光路を折り曲げる2つ以上の光路偏向部材を含むように構成してもよい。
本開示の技術の別の態様に係る投写型表示装置は、光学像を出力するライトバルブと、上記態様の結像光学系とを備え、上記態様の結像光学系は、ライトバルブから出力された光学像をスクリーン上に投写する。
本開示の技術のさらに別の態様に係る撮像装置は、上記態様の結像光学系を備えている。
なお、本明細書の「~からなり」、「~からなる」は、挙げられた構成要素以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、並びに、絞り、フィルタ、およびカバーガラス等のレンズ以外の光学要素、並びに、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、および手振れ補正機構等の機構部分、等が含まれていてもよいことを意図する。
非球面を含むレンズに関するパワーの符号および面形状は、特に断りが無い限り近軸領域で考えることにする。条件式で用いている「焦点距離」は、近軸焦点距離である。条件式で用いている値は、特に断りが無い限り、無限遠物体に合焦した状態においてd線を基準とした場合の値である。本明細書に記載の「イメージサークル」は、最大有効像円を意図している。本明細書に記載の「d線」、「C線」、および「F線」は輝線であり、d線の波長は587.56nm(ナノメートル)、C線の波長は656.27nm(ナノメートル)、F線の波長は486.13nm(ナノメートル)である。
本開示の技術によれば、広い画角を有しながら、レンズ径が小さく抑えられ、光軸付近を含むイメージサークルの広域を使用可能であり、良好な光学性能を有する結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、およびこの結像光学系を備えた撮像装置を提供することができる。
本開示の実施例1の結像光学系に対応し、本開示の技術に係る実施形態の一例の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 比較例として、パワーを有する反射部材を含む系におけるイメージサークルの使用可能領域および使用不可能領域を示す図である。 条件式中の記号の一例を示す要部拡大図である。 条件式中の記号の一例を示す要部拡大図である。 本開示の実施例1の結像光学系の各収差図である。 本開示の実施例1の変形例1-1の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例1の変形例1-2の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例2の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例2の結像光学系の各収差図である。 本開示の実施例2の変形例2-1の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例3の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例3の結像光学系の各収差図である。 本開示の実施例3の変形例3-1の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例3の変形例3-2の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例3の変形例3-3の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例4の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の実施例4の結像光学系の各収差図である。 本開示の実施例4の変形例4-1の結像光学系の構成と光束を示す断面図である。 本開示の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。 本開示の別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。 本開示のさらに別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。 本開示の一実施形態に係る撮像装置の正面側の斜視図である。 図22に示す撮像装置の背面側の斜視図である。
以下、本開示の技術に係る実施形態の一例について図面を参照して詳細に説明する。図1に本開示の一実施形態に係る結像光学系の光軸Zを含む断面における構成を示す。図1に示す構成例は、後述の実施例1に対応している。図1では、左側を拡大側、右側を縮小側としており、軸上光束2および最大画角の光束3も合わせて示している。
本開示の技術に係る結像光学系は、投写型表示装置に搭載される投写光学系とすることもでき、また、デジタルカメラ等に搭載される撮像光学系とすることもできる。以下では本開示の技術に係る結像光学系について、投写光学系の用途で使用される場合を想定して説明する。
結像光学系が投写型表示装置に搭載されることを想定して、図1には結像光学系の縮小側に光学部材PPを配置した例を示している。光学部材PPは、各種フィルタ、カバーガラス、および色合成プリズム等を想定した部材である。光学部材PPはパワーを有しない部材であり、光学部材PPを省略した構成も可能である。
また、図1には、結像光学系が投写型表示装置に搭載されることを想定して、スクリーンScr、およびライトバルブの画像表示面Simも図示している。投写型表示装置においては、画像表示面Simで画像情報を与えられた光束が光学部材PPを介して結像光学系に入射され、結像光学系によりスクリーンScr上に投写される。以下の説明において、「拡大側」はスクリーンScr側を意味し、「縮小側」は画像表示面Sim側を意味する。スクリーンScrは本開示の「拡大側結像面」の一例であり、画像表示面Simは本開示の「縮小側結像面」の一例である。結像光学系は、拡大側結像面と縮小側結像面とを共役にする作用を有する。
結像光学系は、拡大側から縮小側へ光路に沿って順に、第1光学系G1と、第2光学系G2と、第3光学系G3とからなる。一例として、図1の結像光学系では、第1光学系G1は拡大側から縮小側へ順にレンズL1a~L1fからなり、第2光学系G2は拡大側から縮小側へ順にレンズL2a~L2kからなり、第3光学系G3は拡大側から縮小側へ順に、レンズL3a~L3gと、開口絞りStと、レンズL3h~L3nとからなる。
結像光学系は、リレータイプの光学系であり、拡大側結像面と共役な位置にある第1中間像MI1と、第1中間像MI1より縮小側の光路に位置しかつ第1中間像MI1と共役な位置にある第2中間像MI2とを形成する。すなわち、拡大側結像面、第1中間像MI1、第2中間像MI2、および縮小側結像面は全て共役な位置にある。
第1光学系G1の全てのレンズの拡大側の面は第1中間像MI1より拡大側の光路に位置する。第2光学系G2の全てのレンズの拡大側の面は第1中間像MI1より縮小側でかつ第2中間像MI2より拡大側の光路に位置する。第3光学系G3の全てのレンズの拡大側の面は第2中間像MI2より縮小側の光路に位置する。すなわち、あるレンズが第1光学系G1に含まれるか第2光学系G2に含まれるかは、そのレンズの拡大側の面と第1中間像MI1との位置関係により決まる。従って、あるレンズの内部に第1中間像MI1が位置する場合は、そのレンズは第2光学系G2ではなく第1光学系G1に含まれることになる。但し、上記の各レンズの拡大側の面と各中間像との位置関係は光軸上におけるものである。例えば、第1光学系G1の「全てのレンズの拡大側の面は第1中間像MI1より拡大側の光路に位置する」とは、第1光学系G1の全てのレンズの拡大側の面の光軸上の位置が第1中間像MI1の光軸上の位置より拡大側の光路に位置することを意味する。第2光学系G2および第3光学系G3についても同様である。なお、接合レンズについては、1つの接合レンズ内の全てのレンズは同一光学系に含まれることが好ましいため、接合レンズの最も拡大側の面を上記の「拡大側の面」として上記「位置」を考えることにする。
図1の例では、第1光学系G1と第2光学系G2との間に第1中間像MI1が形成され、第2光学系G2と第3光学系G3との間に第2中間像MI2が形成されている。図1に示す第1中間像MI1および第2中間像MI2は、各中間像の光軸上の位置がわかるように光軸付近を含む一部のみを簡略的に点線で示しており、正確な形状を表すものではない。
中間像を形成する系は、広い画角を確保しながら拡大側のレンズの大径化を抑制することができるので、広い画角が要求される投写型表示装置の用途に好適である。特に、中間像を2回形成する系は、中間像を1回のみ形成するものに比べて、広い画角を確保しながら拡大側のレンズ径を小さくすることがより容易になり、また、像高毎に光束が分離する箇所が増えるため軸外収差の補正に有利となる。よって、中間像を2回形成する結像光学系は、拡大側のレンズ径を小さくしながら、広い画角と大きなイメージサークルを有し、かつ歪曲収差および像面湾曲が良好に補正された光学系の実現に有利となる。
また、本開示の技術に係る結像光学系は、パワーを有する反射部材を含まないように構成されており、そのため、光軸付近の光束もスクリーンScr上での像の形成に使用可能となる。この点について、図2に示す比較例を参照しながら説明する。図2は、特許文献2に記載されたようなパワーを有する反射面を含む系において、イメージサークル内に画像表示面Simを配置する場合の使用可能領域と使用不可能領域を示す図である。パワーを有する反射面を含む系では、光軸Zの付近の光束を使用できないため、図2に斜線部として示すように、イメージサークルICのうち半分以上が画像表示面Simを配置できない使用不可能領域となる。この系では、画像表示面Simを配置可能なのは図2の白抜きで示す領域のみとなり、イメージサークルICのうち半分未満の狭い領域しか使用できない。
これに対して、本開示の技術に係る結像光学系は、パワーを有する反射部材を含まないため、光軸付近の光束も使用可能であり、イメージサークルのうち光軸部分を含む半分以上の領域が使用可能となる。図1の結像光学系は、イメージサークル全域の光束を使用可能であり、イメージサークル全域が画像表示面Simを配置するために使用可能な領域となる。本開示の技術に係る結像光学系は、このように設計自由度が高いため、画像表示面Simの中心が光軸上にある構成だけでなく、画像表示面Simの中心を光軸Zに対して偏位させて配置する構成にも好適である。
次に、本開示の技術に係る結像光学系の好ましい構成について説明する。結像光学系は、第1光学系G1の焦点距離をf1とし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、下記条件式(1)を満足することが好ましい。条件式(1)は第1中間像MI1のリレー倍率に関する式である。条件式(1)の下限以下とならないようにすることによって、球面収差、像面湾曲、および非点収差の補正が容易になる。条件式(1)の上限以上とならないようにすることによって、第1中間像MI1の近傍のレンズの径を小さくすることが容易になる。さらに下記条件式(1-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
1<|f1/f|<5 (1)
1.5<|f1/f|<3 (1-1)
また、結像光学系は、第1光学系G1と第2光学系G2との合成焦点距離をf12とし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)は第2中間像MI2のリレー倍率に関する式である。条件式(2)の下限以下とならないようにすることによって、球面収差、像面湾曲、および非点収差の補正が容易になる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることによって、第2中間像MI2の近傍のレンズの径を小さくすることが容易になる。さらに下記条件式(2-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
0.8<|f12/f|<3 (2)
1<|f12/f|<2 (2-1)
結像光学系は、条件式(1)および(2)を満足することが好ましい。また、条件式(1)および(2)を満足した上で、条件式(1-1)および(2-1)の少なくとも一方を満足することが好ましい。
結像光学系は、結像光学系の縮小側のバックフォーカスをBfとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、下記条件式(3)を満足することが好ましい。「縮小側のバックフォーカス」は、最も縮小側のレンズ面から結像光学系の縮小側の焦点位置までの光軸上の空気換算距離である。条件式(3)の下限以下とならないようにすることによって、投写型表示装置で用いられる色合成プリズム等を挿入するための十分な長さのバックフォーカスを確保することができる。さらに下記条件式(3-1)を満足することが好ましい。条件式(3-1)の下限以下とならないようにすることによって、より長いバックフォーカスを確保することができる。条件式(3-1)の上限以上とならないようにすることによって、光学系の大型化を抑制できる。
5<|Bf/f| (3)
6<|Bf/f|<20 (3-1)
結像光学系は、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)の下限以下とならないようにすることによって、広い画角を確保することに有利となる。さらに下記条件式(4-1)を満足することが好ましい。条件式(4-1)の下限以下とならないようにすることによって、より広い画角を確保することに有利となる。条件式(4-1)の上限以上とならないようにすることによって、第1光学系G1のレンズの大径化を抑制しながら収差補正を行うことが容易となる。
1.9<|Ymax/f| (4)
2.1<|Ymax/f|<3.2 (4-1)
結像光学系は、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、縮小側結像面から結像光学系へ光軸Zに平行で光軸ZからYmaxの高さで光線3cを入射させた場合、以下に述べるθについて下記条件式(5)を満足することが好ましい。図1の結像光学系を部分的に拡大した図3にθの一例を示す。θは以下のように定義される。第1中間像MI1が位置する空気間隔を第1空気間隔とする。第1空気間隔内の光線3cを延長した図3の二点鎖線で示す第1延長線4と、光軸Zとのなす角度がθである。θの単位は度とする。θの符号は、第1延長線4と光軸Zとの交点である第1交点P1が第1中間像MI1より拡大側に位置する場合に負とし、第1交点P1が第1中間像MI1より縮小側に位置する場合に正とする。図3の例ではレンズL1fとレンズL2aの間が第1空気間隔である。図3では図の煩雑化を避けるため一部のレンズの符号を省略している。なお、ここで用いる第1中間像MI1の位置は、光軸上における第1中間像MI1の位置とする。また、図3の例とは異なり、第1中間像MI1がレンズの内部又はレンズの面上に位置する場合は、第1中間像MI1が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第1空気間隔とする。
-15<θ<15 (5)
-13<θ<13 (5-1)
-10<θ<10 (5-2)
条件式(5)の下限以下とならないようにすることによって、第1中間像MI1が小さくなり過ぎないため、つまり、第2光学系G2および第3光学系G3を合成した光学系のリレー倍率が小さくなりすぎないため、結像光学系全体の拡大倍率を確保しながら、第1光学系G1が担う倍率および性能の負担を軽減することができるので、第1光学系G1での収差補正が容易になる。仮に、第1光学系G1が担う倍率および性能の負担が大きい場合に収差を良好に補正しようとすると、第1光学系G1の全長が長くなってしまうか、第1光学系G1の最も拡大側のレンズ面から第1光学系G1の拡大側瞳位置までの距離が長くなり拡大側のレンズが大径化してしまう。条件式(5)の上限以上とならないようにすることによって、第1中間像MI1が大きくなり過ぎないため、光線の収束用に第1光学系G1に持たせる正のパワーが強くなり過ぎることがなく、第1中間像MI1より拡大側のレンズの大径化を抑制しながら広い画角を得ることに有利となる。さらに上記条件式(5-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができ、上記条件式(5-2)を満足する構成とすれば、さらにより良好な特性とすることができる。
結像光学系は、条件式(4)および(5)を満足することが好ましい。また、条件式(4)および(5)を満足した上で、条件式(4-1)、(5-1)、および(5-2)のうちの少なくとも1つを満足することが好ましい。
また、結像光学系は、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、縮小側結像面から結像光学系へ光軸Zに平行で光軸ZからYmaxの高さで光線3cを入射させた場合、以下に述べる|h1/dd1|について下記条件式(10)を満足することが好ましい。図3にh1およびdd1の一例を示す。h1およびdd1は以下のように定義される。第2光学系G2の最も拡大側のレンズ面での光線3cの光軸Zからの高さをh1とする。条件式(5)の説明において定義した第1交点P1と、第2光学系G2の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離をdd1とする。
0.03<|h1/dd1|<1 (10)
0.03<|h1/dd1|<0.85 (10-1)
0.1<|h1/dd1|<0.85 (10-2)
条件式(10)の下限以下とならないようにすることによって、第1中間像MI1近傍の光線3cの光軸Zに対する傾き角が小さくなり過ぎないため、第1中間像MI1近傍のレンズの大径化を抑制することができる。また、条件式(10)の上限以上とならないようにすることによって、第2光学系G2および第3光学系G3を合成した光学系のリレー倍率が小さくなり過ぎないため、結像光学系全体の拡大倍率を確保しながら、第1光学系G1が担う倍率および性能の負担を軽減することができるので、第1光学系G1での収差補正が容易になる。仮に、第1光学系G1が担う倍率が大きくなった場合に収差を良好に補正しようとすると、レンズの大径化を招いてしまう。さらに上記条件式(10-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができ、上記条件式(10-2)を満足する構成とすれば、さらにより良好な特性とすることができる。
また、結像光学系は、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、縮小側結像面から結像光学系へ光軸Zに平行で光軸ZからYmaxの高さで光線3cを入射させた場合、以下に述べる|h2/dd2|について下記条件式(11)を満足することが好ましい。図1の結像光学系を部分的に拡大した図4にh2およびdd2の一例を示す。h2およびdd2は以下のように定義される。第3光学系G3の最も拡大側のレンズ面での光線3cの光軸Zからの高さをh2とする。第2中間像MI2が位置する空気間隔を第2空気間隔とする。第2空気間隔内の光線3cを延長した図4の二点鎖線で示す第2延長線5と、光軸Zとの交点を第2交点P2とする。第2交点P2と、第3光学系G3の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離をdd2とする。図4の例ではレンズL2kとレンズL3aの間が第2空気間隔である。図4では図の煩雑化を避けるため一部のレンズの符号を省略している。なお、ここで用いる第2中間像MI2の位置は、光軸上における第2中間像MI2の位置とする。また、図4の例とは異なり、第2中間像MI2がレンズの内部又はレンズの面上に位置する場合は、第2中間像MI2が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第2空気間隔とする。
0.03<|h2/dd2|<1 (11)
0.03<|h2/dd2|<0.85 (11-1)
0.1<|h2/dd2|<0.85 (11-2)
条件式(11)の下限以下とならないようにすることによって、第2中間像MI2近傍の光線3cの光軸Zに対する傾き角が小さくなり過ぎないため、第2中間像MI2近傍のレンズの大径化を抑制することができる。また、条件式(11)の上限以上とならないようにすることによって、第3光学系G3のリレー倍率が小さくなり過ぎないため、結像光学系全体の拡大倍率を確保しながら、第2中間像MI2より拡大側の光学系が担う倍率および性能の負担を軽減することができるので、これらの光学系での収差補正が容易になる。仮に、第2中間像MI2より拡大側の光学系が担う倍率が大きくなった場合に収差を良好に補正しようとすると、レンズの大径化を招いてしまう。さらに上記条件式(11-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができ、上記条件式(11-2)を満足する構成とすれば、さらにより良好な特性とすることができる。
結像光学系は、条件式(10)および(11)を満足することが好ましい。また、条件式(10)および(11)を満足した上で、条件式(10-1)、(10-2)、(11-1)、および(11-2)のうちの少なくとも1つを満足することが好ましい。
結像光学系は、上記の|h1/dd1|および|h2/dd2|のうち、値の大きい方をhdA、小さい方をhdBとした場合、下記条件式(6)および(7)を満足することが好ましい。図3および図4に示す例では、|h1/dd1|=0.16、|h2/dd2|=0.813であるから、hdA=|h2/dd2|、hdB=|h1/dd1|となる。
0.1<hdA<1 (6)
0.1<hdA<0.85 (6-1)
0.03<hdB<0.3 (7)
0.1<hdB<0.3 (7-1)
hdA=|h2/dd2|、hdB=|h1/dd1|となる場合は、条件式(6)の下限以下とならないようにすることによって、第2中間像MI2近傍の光線3cの光軸Zに対する傾き角が小さくなり過ぎないため、第2中間像MI2近傍のレンズの大径化を抑制することができる。また、条件式(6)の上限以上とならないようにすることによって、第3光学系G3のリレー倍率が小さくなり過ぎないため、結像光学系全体の拡大倍率を確保しながら、第2中間像MI2より拡大側の光学系が担う倍率および性能の負担を軽減することができるので、これらの光学系での収差補正が容易になる。仮に、第2中間像MI2より拡大側の光学系が担う倍率が大きくなった場合に収差を良好に補正しようとすると、レンズの大径化を招いてしまう。さらに上記条件式(6-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
hdA=|h2/dd2|、hdB=|h1/dd1|となる場合は、条件式(7)の下限以下とならないようにすることによって、第1中間像MI1近傍の光線3cの光軸Zに対する傾き角が小さくなり過ぎないため、第1中間像MI1近傍のレンズの大径化を抑制することができる。また、条件式(7)の上限以上とならないようにすることによって、第2光学系G2および第3光学系G3を合成した光学系のリレー倍率が小さくなり過ぎないため、結像光学系全体の拡大倍率を確保しながら、第1中間像MI1より拡大側の光学系が担う倍率および性能の負担を軽減することができるので、これらの光学系での収差補正が容易になる。仮に、第1中間像MI1より拡大側の光学系が担う倍率が大きくなった場合に収差を良好に補正しようとすると、レンズの大径化を招いてしまう。さらに上記条件式(7-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。なお、hdA=|h1/dd1|、hdB=|h2/dd2|となる場合は、上記の条件式(6)の効果と条件式(7)の効果とが入れ替わる。
結像光学系は、縮小側がテレセントリックに構成されていることが好ましい。投写型表示装置において結像光学系とライトバルブの間に配置される色合成プリズムは入射光の角度によって分光特性が変化する。このような入射角依存性を有する部材と併用される結像光学系は縮小側がテレセントリックに構成されていることが望ましい。なおここでいう「テレセントリック」は主光線の光軸Zに対する傾きが0度のものに限定されず、±3度の誤差を許容するものとする。図1の結像光学系は、縮小側がテレセントリックに構成されており、上記説明で用いられた光線3cが最大画角の主光線に相当する。なお、図1の例とは異なり開口絞りを含まない系においては、拡大側から縮小側へ向かう方向に光束を見た場合に、縮小側結像面である画像表示面Simの任意の点に集光する光束の断面において上側の最大光線と下側の最大光線との二等分角線を主光線の代用としてテレセントリック性を判断してもよい。
結像光学系は、第1光学系G1の最も拡大側のレンズ面で、最大画角の主光線の光軸Zからの高さの絶対値が最大になることが好ましい。この構成に加え、最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの光軸上の距離をTLとし、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、最も拡大側のレンズ面での最大画角の主光線の光軸Zからの高さをhとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、結像光学系は、下記条件式(8)を満足することが好ましい。条件式(8)の下限以下とならないようにすることによって、拡大側のレンズの大径化を抑制することに有利となる。条件式(8)の上限以上とならないようにすることによって、広い画角を得ながら良好な収差補正、特に歪曲収差の補正および非点収差の補正を行うことに有利となる。さらに、下記条件式(8-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
20<(TL×Ymax)/(|h|×|f|)<60 (8)
30<(TL×Ymax)/(|h|×|f|)<50 (8-1)
また、結像光学系は、第1光学系G1の焦点距離をf1とし、縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、最も拡大側のレンズ面での最大画角の主光線の光軸Zからの高さをhとし、結像光学系の焦点距離をfとした場合、下記条件式(9)を満足することが好ましい。条件式(9)の下限以下とならないようにすることによって、拡大側のレンズの大径化を抑制することに有利となる。条件式(9)の上限以上とならないようにすることによって、広い画角を得ながら良好な収差補正、特に歪曲収差の補正および非点収差の補正を行うことに有利となる。さらに、下記条件式(9-1)を満足する構成とすれば、より良好な特性とすることができる。
1.2<(f1×Ymax)/(|h|×f)<4 (9)
1.5<(f1×Ymax)/(|h|×f)<3 (9-1)
結像光学系に含まれる全ての光学素子は共通の光軸Zを有することが好ましい。このようにした場合は、イメージサークル全域を使用可能な構成にすることにより有利となり、また、構造を簡略化できるので低コスト化を図ることができる。
結像光学系内の各光学系は例えば以下のように構成することができる。第1光学系G1は最も拡大側に負メニスカスレンズを備えるように構成してもよく、このようにした場合は、広角化に有利となる。第1光学系G1は最も拡大側から順に連続して複数枚の負メニスカスレンズを備えるように構成してもよく、このようにした場合は、広角化により有利となる。第1光学系G1の最も縮小側のレンズは正レンズとしてもよく、このようにした場合は、レンズの小径化に有利となる。第2光学系G2の最も拡大側のレンズは正レンズとしてもよく、このようにした場合は、レンズの小径化に有利となる。第2光学系G2の最も拡大側のレンズ面は凸面としてもよく、このようにした場合はレンズの小径化に有利となる。第3光学系G3の最も縮小側のレンズは正レンズとしてもよく、このようにした場合は縮小側をテレセントリックに構成することに有利となる。
各光学系に含まれるレンズの枚数は、図1に示す例と異なる枚数にしてもよい。結像光学系に含まれるパワーを持つ光学素子は全てレンズであるように構成してもよい。結像光学系に含まれる全てのレンズはd線に対する屈折率が2.2以下であることが好ましく、現在のレンズ材料の入手性を考慮すると2以下であることがより好ましい。結像光学系は、回折光学面を含むように構成してもよい。あるレンズの面に回折光学面が設けられている場合は、その回折光学面も便宜的にレンズ面とみなして本開示の技術を適用することができる。結像光学系は、全画角が120度より大きいことが好ましく、125度より大きいことがより好ましく、130度より大きいことがさらにより好ましい。結像光学系は、Fナンバーが3以下であることが好ましい。結像光学系は、歪曲収差が-2%以上かつ+2%以下の範囲内に抑えられていることが好ましい。
図1には光路が直線状の結像光学系の例を示したが、これに限定されず、結像光学系は、光路を折り曲げるための光路偏向部材を備えて光路を折り曲げるように構成してもよい。光路偏向部材としては例えばミラー等の反射面を有する部材を用いることができる。光路を折り曲げることによって小型化に有利な構成にすることができる。例えば、後で変形例として述べる図6に示す結像光学系のように、光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1と、光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2とを含み、光路を2回折り曲げるように構成してもよい。光路を折り曲げる角度は厳密な90度に限らず、例えば±3度の誤差を含む角度としてもよい。折り曲げる角度を90度とすることが組み立て、製造上簡単な構成となるため好ましいが、必ずしも90度である必要はない。
光路偏向部材を配置する箇所としては、光路偏向部材の拡大側および縮小側で光路偏向部材に隣接する2つのレンズ面の光軸上の距離が、これら2つのレンズ面の有効径のうち大きいほうの有効径の60%以上の長さとなる空気間隔を選択することが好ましい。このような箇所に光路偏向部材を配置することによって、イメージサークルのうち光軸付近を含む半分以上の領域を使用可能な状態で光路を折り曲げることが可能になり、装置のコンパクト化および設置性の向上を図ることができる。より好ましくは、光路偏向部材の拡大側および縮小側で光路偏向部材に隣接する2つのレンズ面の光軸上の距離が、これら2つのレンズ面の有効径のうち大きいほうの有効径より長い空気間隔に光路偏向部材を配置することである。このような箇所に光路偏向部材を配置することによって、イメージサークル全域を使用可能な状態を損なうことなく光路を折り曲げることが可能になり、装置のコンパクト化および設置性のさらなる向上を図ることができる。
上記のような光路の折り曲げに適した箇所があれば、その箇所の数に応じて光路を折り曲げる回数は任意に設定可能である。光路を折り曲げる回数が2回ある場合は、2回とも同じ方向に光路を折り曲げるように構成してもよいし、1回目と2回目は互いに反対の方向に光路を折り曲げるようにしてもよい。また、図6に示す例では、2つの光路偏向部材による光路の折り曲げの前後において光軸Zが紙面内にあるように構成しているが、これに限定されず、紙面に垂直な方向に光路を折り曲げてもよい。但し、光路を折り曲げる方向はイメージサークルの使用可能領域を考慮して適宜設定することが好ましい。
なお、本開示の技術に係る「拡大側」および「縮小側」は、光路に沿って決められるものであり、これは折り曲げられた光路を形成する結像光学系についても同様である。例えば折り曲げられた光路を形成する結像光学系における「レンズAはレンズBより拡大側にある」は「レンズAはレンズBより拡大側の光路にある」と同じ意味である。よって、折り曲げられた光路を形成する結像光学系における「最も拡大側の~」は、光路上における並び順として最も拡大側という意味であり、距離的にスクリーンScrに最も近いということを意味するものではない。
上述した好ましい構成および可能な構成は、任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用されることが好ましい。本実施形態によれば、広い画角を有しながら、レンズ径が小さく抑えられ、光軸付近を含むイメージサークル内の広域の光束を使用可能であり、良好な光学性能を有する結像光学系を実現することが可能である。
次に、本開示の技術に係る結像光学系の数値実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1の結像光学系のレンズ構成と光束の断面図は図1に示したものであり、その構成および図示方法は上述したとおりであるので、ここでは重複説明を一部省略する。実施例1の結像光学系は、拡大側から縮小側へ順に、第1光学系G1と、第2光学系G2と、第3光学系G3とからなる。第1光学系G1は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL1a~L1fからなる。第2光学系G2は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL2a~L2kからなる。第3光学系G3は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL3a~L3gと、開口絞りStと、レンズL3h~L3nとからなる。第1光学系G1と第2光学系G2との間に第1中間像MI1が形成され、第2光学系G2と第3光学系G3との間に第2中間像MI2が形成されている。
実施例1の結像光学系について、基本レンズデータを表1Aおよび表1Bに、諸元を表2に、非球面係数を表3に示す。ここでは、1つの表の長大化を避けるため基本レンズデータを表1Aおよび表1Bの2つの表に分けて表示している。表1Aには第1光学系G1および第2光学系G2を示し、表1Bには第3光学系G3および光学部材PPを示す。表1Aおよび表1Bには、拡大側結像面から最も拡大側のレンズ面までの距離が1550の場合の値を示す。
表1Aおよび表1Bにおいて、Snの欄には最も拡大側の面を第1面とし縮小側に向かうに従い1つずつ番号を増加させた場合の面番号を示し、Rの欄には各面の曲率半径を示し、Dの欄には各面とその縮小側に隣接する面との光軸上の面間隔を示す。また、Ndの欄には各構成要素のd線に対する屈折率を示し、νdの欄には各構成要素のd線基準のアッベ数を示す。
表1Aおよび表1Bでは、拡大側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を正、縮小側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を負としている。表1Bでは開口絞りStに相当する面の面番号の欄に面番号と(St)という語句を記載している。表1のDの最下欄の値は表中の最も縮小側の面と画像表示面Simとの間隔である。
表2に、焦点距離の絶対値|f|、FナンバーFNo.、および最大全画角2ωの値をd線基準で示す。2ωの欄の(°)は単位が度であることを意味する。
基本レンズデータでは、非球面の面番号には*印を付しており、非球面の曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を示している。表3において、Snの欄には非球面の面番号を示し、KAおよびAmの欄には各非球面についての非球面係数の数値を示す。mは3以上の整数であり、例えば実施例1の非球面ではm=4、6、8、10である。表3の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。KAおよびAmは下式で表される非球面式における非球面係数である。
Zd=C×H/{1+(1-KA×C×H1/2}+ΣAm×H
ただし、
Zd:非球面深さ(高さHの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
H:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率
KA、Am:非球面係数
であり、非球面式のΣはmに関する総和を意味する。
各表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmm(ミリメートル)を用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。また、以下に示す各表では所定の桁でまるめた数値を記載している。
Figure 0007146711000001
Figure 0007146711000002
Figure 0007146711000003
Figure 0007146711000004
図5に、拡大側結像面から最も拡大側のレンズ面までの距離が1550の場合の実施例1の結像光学系の各収差図を示す。図5では左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示す。球面収差図では、d線、C線、およびF線に関する収差をそれぞれ実線、長破線、および短破線で示す。非点収差図では、サジタル方向のd線に関する収差を実線で示し、タンジェンシャル方向のd線に関する収差を短破線で示す。歪曲収差図ではd線に関する収差を実線で示す。倍率色収差図では、C線、およびF線に関する収差をそれぞれ長破線、および短破線で示す。球面収差図のFNo.はFナンバーを意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。
上記の実施例1に関する各データの記号、意味、記載方法、および図示方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても基本的に同様であるので、以下では重複説明を省略する。
図6および図7に実施例1の変形例として光路を折り曲げた例を示す。図6に示す変形例1-1の結像光学系は、実施例1の結像光学系に2つの光路偏向部材を追加して光路を2回折り曲げるように構成したものである。変形例1-1の結像光学系では、第1光学系G1の最も縮小側に光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1が配置され、第2光学系G2の内部に光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2が配置されている。
図7に示す変形例1-2の結像光学系は、実施例1の結像光学系に3つの光路偏向部材を追加して光路を3回折り曲げるように構成したものである。変形例1-2の結像光学系では、第1光学系G1の最も縮小側に光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1が配置され、第2光学系G2の内部に光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2および光路を90度折り曲げる第3光路偏向部材R3が配置されている。
[実施例2]
実施例2の結像光学系のレンズ構成と光束の断面図を図8に示す。実施例2の結像光学系は、拡大側から縮小側へ順に、第1光学系G1と、第2光学系G2と、第3光学系G3とからなる。第1光学系G1は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL1a~L1fからなる。第2光学系G2は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL2a~L2kからなる。第3光学系G3は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL3a~L3eと、開口絞りStと、レンズL3f~L3kとからなる。第1光学系G1と第2光学系G2との間に第1中間像MI1が形成され、第2光学系G2と第3光学系G3との間に第2中間像MI2が形成されている。
実施例2の結像光学系について、基本レンズデータを表4Aおよび表4Bに、諸元を表5に、非球面係数を表6に、各収差図を図9に示す。表4A、表4B、および図9には拡大側結像面から最も拡大側のレンズ面までの距離が1240の場合のデータを示す。
Figure 0007146711000005
Figure 0007146711000006
Figure 0007146711000007
Figure 0007146711000008
図10に実施例2の変形例として光路を折り曲げた例を示す。図10に示す変形例2-1の結像光学系は、実施例2の結像光学系に2つの光路偏向部材を追加して光路を2回折り曲げるように構成したものである。変形例2-1の結像光学系では、第1光学系G1の最も縮小側に光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1が配置され、第2光学系G2の内部に光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2が配置されている。
[実施例3]
実施例3の結像光学系のレンズ構成と光束の断面図を図11に示す。実施例3の結像光学系は、拡大側から縮小側へ順に、第1光学系G1と、第2光学系G2と、第3光学系G3とからなる。第1光学系G1は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL1a~L1mからなる。第2光学系G2は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL2a~L2gからなる。第3光学系G3は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL3a~L3eと、開口絞りStと、レンズL3f~L3hとからなる。第1光学系G1と第2光学系G2との間に第1中間像MI1が形成され、第2光学系G2と第3光学系G3との間に第2中間像MI2が形成されている。
実施例3の結像光学系について、基本レンズデータを表7Aおよび表7Bに、諸元を表8に、非球面係数を表9に、各収差図を図12に示す。表7A、表7B、および図12には拡大側結像面から最も拡大側のレンズ面までの距離が752.7の場合のデータを示す。
Figure 0007146711000009
Figure 0007146711000010
Figure 0007146711000011
Figure 0007146711000012
図13、図14、および図15に実施例3の変形例として光路を折り曲げた例を示す。図13に示す変形例3-1の結像光学系は、実施例3の結像光学系に2つの光路偏向部材を追加して光路を2回折り曲げるように構成したものである。変形例3-1の結像光学系では、第2光学系G2の最も拡大側に光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1が配置され、第2光学系G2の最も縮小側に光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2が配置されている。
図14に示す変形例3-2の結像光学系は、実施例3の結像光学系に2つの光路偏向部材を追加して光路を2回折り曲げるように構成したものである。変形例3-2の結像光学系では、第1光学系G1の内部に光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1が配置され、第2光学系G2の最も拡大側に光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2が配置されている。
図15に示す変形例3-3の結像光学系は、実施例3の結像光学系に4つの光路偏向部材を追加して光路を4回折り曲げるように構成したものである。変形例3-3の結像光学系では、第1光学系G1の内部に光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1が配置され、第2光学系G2の最も拡大側に光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2が配置され、第2光学系G2の最も縮小側に光路を90度折り曲げる第3光路偏向部材R3が配置され、第3光学系G3の内部に光路を90度折り曲げる第4光路偏向部材R4が配置されている。
[実施例4]
実施例4の結像光学系について、レンズ構成と光束の断面図を図16に示す。実施例4の結像光学系は、拡大側から縮小側へ順に、第1光学系G1と、第2光学系G2と、第3光学系G3とからなる。第1光学系G1は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL1a~L1nからなる。第2光学系G2は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL2a~L2hからなる。第3光学系G3は、拡大側から縮小側へ順に、レンズL3a~L3fと、開口絞りStと、レンズL3g~L3kとからなる。第1光学系G1と第2光学系G2との間に第1中間像MI1が形成され、第2光学系G2と第3光学系G3との間に第2中間像MI2が形成されている。
実施例4の結像光学系について、基本レンズデータを表10Aおよび表10Bに、諸元を表11に、非球面係数を表12に、各収差図を図17に示す。表10A、表10B、および図17には拡大側結像面から最も拡大側のレンズ面までの距離が752.7の場合のデータを示す。
Figure 0007146711000013
Figure 0007146711000014
Figure 0007146711000015
Figure 0007146711000016
図18に実施例4の変形例として光路を折り曲げた例を示す。図18に示す変形例4-1の結像光学系は、実施例4の結像光学系に2つの光路偏向部材を追加して光路を2回折り曲げるように構成したものである。変形例4-1の結像光学系では、第1光学系G1の内部に光路を90度折り曲げる第1光路偏向部材R1が配置され、第2光学系G2の最も拡大側に光路を90度折り曲げる第2光路偏向部材R2が配置されている。
表13に実施例1~4の結像光学系の条件式(1)~(11)の対応値を示し、表14に条件式に関する数値を示す。実施例1~4はd線を基準波長としており、表13および表14にはd線基準での値を示す。
Figure 0007146711000017
Figure 0007146711000018
以上のデータからわかるように、実施例1~4の結像光学系は2.4以下という小さなFナンバーを有し、レンズ径を小さく抑えながらも、全画角で130度以上という広い画角を確保し、各収差が良好に補正されて高い光学性能を実現している。また、実施例1~4の結像光学系は、光軸付近を含むイメージサークル全域の光束を使用可能であり、縮小側がテレセントリックに構成されている。
次に、本開示の実施形態に係る投写型表示装置について説明する。図19は、本開示の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図19に示す投写型表示装置100は、本開示の実施形態に係る結像光学系10と、光源15と、各色光に対応したライトバルブとしての透過型表示素子11a~11cと、色分解のためのダイクロイックミラー12、13と、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14と、コンデンサレンズ16a~16cと、光路を偏向するための全反射ミラー18a~18cとを有する。なお、図19では、結像光学系10は概略的に図示している。また、光源15とダイクロイックミラー12の間にはインテグレーターが配されているが、図19ではその図示を省略している。
光源15からの白色光は、ダイクロイックミラー12、13で3つの色光光束(Green光、Blue光、Red光)に分解された後、それぞれコンデンサレンズ16a~16cを経て各色光光束にそれぞれ対応する透過型表示素子11a~11cに入射して変調され、クロスダイクロイックプリズム14により色合成された後、結像光学系10に入射する。結像光学系10は、透過型表示素子11a~11cにより変調された変調光による光学像をスクリーン105上に投写する。
図20は、本開示の別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図20に示す投写型表示装置200は、本開示の実施形態に係る結像光学系210と、光源215と、各色光に対応したライトバルブとしてのDMD素子21a~21cと、色分解および色合成のためのTIR(Total Internal Reflection)プリズム24a~24cと、照明光と投写光を分離する偏光分離プリズム25とを有する。なお、図20では結像光学系210を概略的に図示している。また、光源215と偏光分離プリズム25の間にはインテグレーターが配されているが、図20ではその図示を省略している。
光源215からの白色光は、偏光分離プリズム25内部の反射面で反射された後、TIRプリズム24a~24cにより3つの色光光束(Green光、Blue光、Red光)に分解される。分解後の各色光光束はそれぞれ対応するDMD素子21a~21cに入射して変調され、再びTIRプリズム24a~24cを逆向きに進行して色合成された後、偏光分離プリズム25を透過して、結像光学系210に入射する。結像光学系210は、DMD素子21a~21cにより変調された変調光による光学像をスクリーン205上に投写する。
図21は、本開示のさらに別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図21に示す投写型表示装置300は、本開示の実施形態に係る結像光学系310と、光源315と、各色光に対応したライトバルブとしての反射型表示素子31a~31cと、色分離のためのダイクロイックミラー32、33と、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム34と、光路偏向のための全反射ミラー38と、偏光分離プリズム35a~35cとを有する。なお、図21では、結像光学系310は概略的に図示している。また、光源315とダイクロイックミラー32の間にはインテグレーターが配されているが、図21ではその図示を省略している。
光源315からの白色光はダイクロイックミラー32、33により3つの色光光束(Green光、Blue光、Red光)に分解される。分解後の各色光光束はそれぞれ偏光分離プリズム35a~35cを経て、各色光光束それぞれに対応する反射型表示素子31a~31cに入射して変調され、クロスダイクロイックプリズム34により色合成された後、結像光学系310に入射する。結像光学系310は、反射型表示素子31a~31cにより変調された変調光による光学像をスクリーン305上に投写する。
図22および図23は、本開示の一実施形態に係る撮像装置であるカメラ400の外観図である。図22は、カメラ400を正面側から見た斜視図を示し、図23は、カメラ400を背面側から見た斜視図を示す。カメラ400は、交換レンズ48が取り外し自在に装着される、レフレックスファインダーを持たない一眼形式のデジタルカメラである。交換レンズ48は、本開示の実施形態に係る結像光学系49を鏡筒内に収納したものである。
カメラ400はカメラボディ41を備え、カメラボディ41の上面にはシャッターボタン42および電源ボタン43が設けられている。また、カメラボディ41の背面には、操作部44、操作部45、および表示部46が設けられている。表示部46は、撮像された画像および撮像される前の画角内にある画像を表示する。
カメラボディ41の前面中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント47が設けられ、マウント47を介して交換レンズ48がカメラボディ41に装着される。
カメラボディ41内には、交換レンズ48によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子(不図示)、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路(不図示)、およびその生成された画像を記録するための記録媒体(不図示)などが設けられている。カメラ400では、シャッターボタン42を押すことにより静止画又は動画の撮影が可能であり、この撮影で得られた画像データが上記記録媒体に記録される。
以上、実施形態および実施例を挙げて本開示の技術について説明したが、本開示の技術は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、および非球面係数等は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
また、本開示の技術に係る投写型表示装置も、上記構成のものに限定されず、例えば、光束分離又は光束合成に用いられる光学部材、およびライトバルブは、種々の態様の変更が可能である。ライトバルブは、光源からの光を画像表示素子により空間変調して、画像データに基づく光学像として出力する態様に限定されず、自発光型の画像表示素子から出力された光自体を、画像データに基づく光学像として出力する態様であってもよい。自発光型の画像表示素子としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)又はOLED(Organic Light Emitting Diode)等の発光素子が2次元配列された画像表示素子が挙げられる。
また、本開示の技術に係る撮像装置も、上記構成のものに限定されず、例えば、ノンレフレックス方式以外のカメラ、フィルムカメラ、ビデオカメラ、および映画撮影用カメラ等、種々の態様とすることができる。
2 軸上光束
3 最大画角の光束
3c 光線
4 第1延長線
5 第2延長線
10、49、210、310 結像光学系
11a~11c 透過型表示素子
12、13、32、33 ダイクロイックミラー
14、34 クロスダイクロイックプリズム
15、215、315 光源
16a~16c コンデンサレンズ
18a~18c、38 全反射ミラー
21a~21c DMD素子
24a~24c TIRプリズム
25、35a~35c 偏光分離プリズム
31a~31c 反射型表示素子
41 カメラボディ
42 シャッターボタン
43 電源ボタン
44、45 操作部
46 表示部
47 マウント
48 交換レンズ
100、200、300 投写型表示装置
105、205、305 スクリーン
400 カメラ
dd1 第1交点と第2光学系の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離
dd2 第2交点と第3光学系の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離
G1 第1光学系
G2 第2光学系
G3 第3光学系
h 最も拡大側のレンズ面での最大画角の主光線の光軸からの高さ
h1 第2光学系の最も拡大側のレンズ面での光線3cの光軸からの高さ
h2 第3光学系の最も拡大側のレンズ面での光線3cの光軸からの高さ
IC イメージサークル
L1a~L1n、L2a~L2k、L3a~L3n レンズ
MI1 第1中間像
MI2 第2中間像
P1 第1交点
P2 第2交点
PP 光学部材
R1 第1光路偏向部材
R2 第2光路偏向部材
R3 第3光路偏向部材
R4 第4光路偏向部材
Scr スクリーン
Sim 画像表示面
St 開口絞り
TL 最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの光軸上の距離
Ymax 最大像高
Z 光軸
θ 角度

Claims (18)

  1. 拡大側結像面と縮小側結像面とを共役にする結像光学系であって、
    前記結像光学系は、前記拡大側結像面と共役な位置にある第1中間像と、前記第1中間像より縮小側の光路に位置しかつ前記第1中間像と共役な位置にある第2中間像とを形成し、
    拡大側から縮小側へ光路に沿って順に、第1光学系と、第2光学系と、第3光学系とからなり、
    前記第1光学系の全てのレンズの拡大側の面は前記第1中間像より拡大側の光路に位置し、
    前記第2光学系の全てのレンズの拡大側の面は前記第1中間像より縮小側でかつ前記第2中間像より拡大側の光路に位置し、
    前記第3光学系の全てのレンズの拡大側の面は前記第2中間像より縮小側の光路に位置し、
    パワーを有する反射部材を含まず、
    前記第1光学系の焦点距離をf1とし、
    前記第1光学系と前記第2光学系との合成焦点距離をf12とし、
    前記結像光学系の焦点距離をfとした場合、
    1<|f1/f|<5 (1)
    0.8<|f12/f|<3 (2)
    で表される条件式(1)および(2)を満足する結像光学系。
  2. 前記結像光学系の縮小側のバックフォーカスをBfとし、
    前記結像光学系の焦点距離をfとした場合、
    5<|Bf/f| (3)
    で表される条件式(3)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  3. 前記縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、
    前記結像光学系の焦点距離をfとした場合、
    1.9<|Ymax/f| (4)
    で表される条件式(4)を満足する請求項1又は2に記載の結像光学系。
  4. 前記縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、前記縮小側結像面から前記結像光学系へ光軸に平行で光軸からYmaxの高さで光線を入射させた場合に、
    前記第1中間像が空気間隔の内部に位置する場合は前記第1中間像が位置する空気間隔を第1空気間隔とし、前記第1中間像がレンズの内部に位置する場合は前記第1中間像が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第1空気間隔とし、
    前記第1空気間隔内の前記光線を延長した第1延長線と、光軸とのなす角度をθとし、
    前記第1延長線と光軸との交点である第1交点が前記第1中間像より拡大側に位置する場合のθの符号を負とし、前記第1交点が前記第1中間像より縮小側に位置する場合のθの符号を正とし、θの単位を度とした場合に、
    -15<θ<15 (5)
    で表される条件式(5)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  5. 前記縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、前記縮小側結像面から前記結像光学系へ光軸に平行で光軸からYmaxの高さで光線を入射させた場合に、
    前記第2光学系の最も拡大側のレンズ面での前記光線の光軸からの高さをh1とし、
    前記第1中間像が空気間隔の内部に位置する場合は前記第1中間像が位置する空気間隔を第1空気間隔とし、前記第1中間像がレンズの内部に位置する場合は前記第1中間像が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第1空気間隔とし、
    前記第1空気間隔内の前記光線を延長した第1延長線と、光軸との交点を第1交点とし、
    前記第1交点と、前記第2光学系の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離をdd1とし、
    前記第3光学系の最も拡大側のレンズ面での前記光線の光軸からの高さをh2とし、
    前記第2中間像が空気間隔の内部に位置する場合は前記第2中間像が位置する空気間隔を第2空気間隔とし、前記第2中間像がレンズの内部に位置する場合は前記第2中間像が位置するレンズの拡大側に隣接する空気間隔を第2空気間隔とし、
    前記第2空気間隔内の前記光線を延長した第2延長線と、光軸との交点を第2交点とし、
    前記第2交点と、前記第3光学系の最も拡大側のレンズ面との光軸上での距離をdd2とし、
    |h1/dd1|および|h2/dd2|のうち値の大きい方をhdA、小さい方をhdBとした場合、
    0.1<hdA<1 (6)
    0.03<hdB<0.3 (7)
    で表される条件式(6)および(7)を満足する請求項1からのいずれか1項に記載の結像光学系。
  6. 前記結像光学系において、前記第1光学系の最も拡大側のレンズ面で、最大画角の主光線の光軸からの高さの絶対値が最大になり、
    最も拡大側のレンズ面から最も縮小側のレンズ面までの光軸上の距離をTLとし、
    前記縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、
    最も拡大側のレンズ面での最大画角の主光線の光軸からの高さをhとし、
    前記結像光学系の焦点距離をfとした場合、
    20<(TL×Ymax)/(|h|×|f|)<60 (8)
    で表される条件式(8)を満足する請求項1からのいずれか1項に記載の結像光学系。
  7. 前記第1光学系の焦点距離をf1とし、
    前記縮小側結像面での最大像高をYmaxとし、
    最も拡大側のレンズ面での最大画角の主光線の光軸からの高さをhとし、
    前記結像光学系の焦点距離をfとした場合、
    1.2<(f1×Ymax)/(|h|×f)<4 (9)
    で表される条件式(9)を満足する請求項1からのいずれか1項に記載の結像光学系。
  8. 前記結像光学系に含まれる全ての光学素子が共通の光軸を有する請求項1からのいずれか1項に記載の結像光学系。
  9. 光路を折り曲げる2つ以上の光路偏向部材を含む請求項1からのいずれか1項に記載の結像光学系。
  10. 1.5<|f1/f|<3 (1-1)
    で表される条件式(1-1)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  11. 1<|f12/f|<2 (2-1)
    で表される条件式(2-1)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  12. 6<|Bf/f|<20 (3-1)
    で表される条件式(3-1)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  13. 2.1<|Ymax/f|<3.2 (4-1)
    で表される条件式(4-1)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  14. -13<θ<13 (5-1)
    で表される条件式(5-1)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  15. 30<(TL×Ymax)/(|h|×|f|)<50 (8-1)
    で表される条件式(8-1)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  16. 1.5<(f1×Ymax)/(|h|×f)<3 (9-1)
    で表される条件式(9-1)を満足する請求項に記載の結像光学系。
  17. 光学像を出力するライトバルブと、
    請求項1から16のいずれか1項に記載の結像光学系とを備え、
    前記結像光学系は、前記ライトバルブから出力された前記光学像をスクリーン上に投写する投写型表示装置。
  18. 請求項1から16のいずれか1項に記載の結像光学系を備えた撮像装置。
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