JP7145574B1 - シールド掘進機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールド掘進機のビットに装着されるセンサの損傷および劣化を防止することができる。【解決手段】泥土圧シールド掘進機1のカッタヘッド2の裏面には、掘削土砂の温度を測定するための温度センサ20a~20dが、そのセンサ本体部S1をカッタヘッド2の前面のビット4bに形成された孔Hs内に挿入させた状態で設置されている。温度センサ20a~20dは、そのセンサ本体部S1以外の部分を収容するケース50kを、カッタヘッド2とその裏面の固定板50pに穿孔された貫通孔50h1、50h2に挿入させて着脱自在の状態でカッタヘッド2に固定されている。ビット4bの交換時には温度センサ20a~20dを取り外しておくことにより、ビット4bの交換時に生じる温度センサ20a~20dの損傷および劣化を防止できる。【選択図】図11

Description

本発明は、シールド掘進機に関し、例えば、シールド掘進機による掘削中の各種状況をリアルタイムに把握するセンサの構造に関するものである。
シールド掘進機は、その前面に設けられたカッタ盤を地山の切羽に押し当てて回転させながら前進することにより地山に掘削坑を形成する掘削機器である。このシールド掘進機においては、掘削中の各種状況をリアルタイムに把握するため、温度センサ等のような各種センサをカッタビットの近傍に装備していることがある。
このようなシールド掘進機のセンサ構造については、例えば、特許文献1に記載があり、カッタビットに設けられた凹部(有底の孔)内に温度センサを仕込むことにより、掘削中の土砂温度をより高い精度で把握するとともに、その土砂温度の情報に基づいて掘削土砂に注入する添加材の注入条件を制御する技術が開示されている。
特開2015-21340号公報
ところが、上記したシールド掘進機においては、上記センサが固定されているので、カッタビットの交換時にカッタビットとセンサとが干渉(接触)してセンサに損傷を与えてしまう場合がある。また、カッタビットを溶接または溶断するときに高温になるためセンサを劣化させてしまう場合がある。
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、シールド掘進機のカッタビットに装着されるセンサの損傷および劣化を防止することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のシールド掘進機は、機器本体の周方向に沿って回転自在の状態で前記機器本体の進行方向の前面に支持されたカッタ盤と、前記カッタ盤に設けられた複数個のカッタビットと、前記複数個のカッタビットのうちの前記カッタ盤のスポーク部に設置された第1のカッタビットにおける前記カッタ盤に対向した底面に開口して形成された凹部に、円柱棒状のセンサ本体部の外周および先端が非接触の状態で設けられた温度センサと、前記温度センサを前記カッタ盤に着脱自在の状態で固定する固定構造体と、を備え、前記固定構造体は、表面に前記第1のカッタビットが取り付けられた前記カッタ盤に穿孔されて前記凹部と連通する第1の貫通孔と、前記カッタ盤の裏面側に設置された固定板と、前記固定板を着脱自在の状態で前記カッタ盤に固定するボルトと、前記固定板に穿孔されて前記第1の貫通孔と連通する第2の貫通孔と、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔内に挿入された筐体とを有し、前記筐体は、前記センサ本体部の後端に設置された引出部を取り囲むように収容する筒状体と、前記筒状体の前記第1のカッタビット側である先端に設けられ、前記センサ本体部を前記凹部に突出した状態で保持する保持部と、前記筒状体の後端側に設けられた蓋部とを有し、前記保持部の内周と前記引出部の外周との螺合部はテーパをつけたネジ構造とされるとともに、前記保持部の外周と前記筒状体の内周との螺合部はテーパをつけたネジ構造とされ、前記保持部と前記センサ本体部との間には第1の封止部材が、前記保持部と前記筒状体との間には第2の封止部材が、前記筒状体と前記第2の貫通孔と間には第3の封止部材が、それぞれ設けられている、ことを特徴とする。
本発明によれば、シールド掘進機のカッタビットに装着されるセンサの損傷および劣化を防止することが可能となる。
本発明の一実施の形態である泥土圧シールド掘進機の内部を側面から透かして見せた構成図である。 (a)は図1の泥土圧シールド掘進機のカッタヘッドの正面図、(b)は図1の泥土圧シールド掘進機の位置Aを矢印で示す方向から見た構成図である。 図1の泥土圧シールド掘進機のカッタヘッドの正面図である。 図3のカッタヘッドの要部拡大正面図である。 図4のI-I線の断面図である。 (a)は図5のカッタヘッドの外周側に設けられた温度センサの拡大断面図、(b)は図6(a)の温度センサの平面図である。 (a)は図1の泥土圧シールド掘進機の添加材注入部の正面図、(b)は図7(a)のII-II線の断面図図である。 図5のカッタヘッドの前面において温度センサが配置されたビットとその周辺の要部平面図である。 図8のIII-III線の断面図である。 図8のIV-IV線の断面図である。 図10の破線で囲んだ部分の拡大断面図である。 図1の泥土圧シールド掘進機の添加材注入系統の一例の構成図である。 図1の泥土圧シールド掘進機の基本的な添加材の注入タイミングの一例を示す図である。
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本実施の形態の泥土圧シールド掘進機の内部を側面から透かして見せた構成図、図2(a)は図1の泥土圧シールド掘進機のカッタヘッドの正面図、図2(b)は図1の泥土圧シールド掘進機の位置Aを矢印で示す方向から見た構成図である。
本実施の形態の泥土圧シールド掘進機1は、カッタヘッド(カッタ盤)2により掘削された土砂を切羽と機器本体3との間の室内に充満させ、これに添加材を注入して混錬することにより土砂を塑性流動性(自由に変形および移動できる性質)および止水性の高い泥土にし、その土圧により切羽の安定性を図りながら掘削坑を構築する掘削機器である。
特に限定されるものではないが、泥土圧シールド掘進機1の掘削外径は、例えば5900mm程度、機長は、例えば7140mm程度である。また、泥土圧シールド掘進機1の運転は、その後方の後続台車SB内の運転室内でオペレータにより制御される。また、その運転室内に設けられた制御部Cにより泥土圧シールド掘進機1の全体の動作が制御される。この制御部Cは、運転室内に設けられた表示部Dに電気的に接続されており、表示部Dには、制御部Cから送られた各種情報が表示される。
カッタヘッド2は、地山の切羽を掘削する部材であり、機器本体3の前面に機器本体3の周方向に沿って回転自在の状態で設置されている。このカッタヘッド2には、例えば、円盤状のスポーク型が採用されている。すなわち、図2(a)に示すように、カッタヘッド2は、中央のハブ部2aと、ハブ部2aから外周に向かって放射状に延びる6本のスポーク部2bと、スポーク部2bの延在方向の中途部同士を結ぶ中間リング部2cと、スポーク部2bの先端部同士を結ぶ外周リング部2dと、これらの部材間に形成された貫通孔2eとを備えている。このように本実施の形態においては、カッタヘッド2の一例として開口率の大きなスポーク型を採用することにより、カッタヘッド2と機器本体3との間の室内に礫を極力割らずに取り込むことができる。
カッタヘッド2の掘削面には、複数のカッタビット(以下、単にビットという)4a~4dが設置されている。カッタヘッド2の中央のハブ部2aには、センタービットと称するビット4aが設置されている。また、各スポーク部2bには、複数のビット(第1のカッタビット)4bが規則的に並んで設置されている。なお、ハブ部2aには、コーンヘッド型のローラビット等のような他の掘削部材が設置される場合もある。また、スポーク部2bには、ビット4bの他に、ローラビット等のような他の掘削部材が設置される場合もある。
外周リング部2dにおいて切羽側の前面には、複数のビット4cがその刃を外周側に向けた状態で並んで装着されている。また、外周リング部2dの外周面には、例えば、コピービットと称する2個のビット4dが対極となるように設置されている。このビット4dは、急曲線施工時の余掘りや泥土圧シールド掘進機1の姿勢制御等を行う役割を備えている。
また、ハブ部2aおよびスポーク部2bには、添加材注入部5a1,5a2,5a3,5a4が設けられている。この添加材注入部5a1~5a4は、例えばベントナイト系の添加材のような作泥土材をカッタヘッド2の前面の切羽に向けて注入する構成部である。なお、添加材注入部5a1~5a4の各々から注入される添加材には、ベントナイト系の添加材に代えて気泡材を用いてもよいし、ベントナイト系の添加材と気泡材との両方を用いてもよい。
中間リング部2cにおいて隣接するスポーク部2b,2b間の中央には、制限突起2fが設けられている。カッタヘッド2で掘削された土砂は貫通孔2eを通じて後述のチャンバ6(図1参照)内に取り込まれるが、制限突起2fは、貫通孔2eの開口面積を規制することで、地中の巨礫や玉石等が貫通孔2eを通じてチャンバ6内に入り込むのを規制する部分である。この制限突起2fの表面にもビット4bが設けられている。
一方、機器本体3は、図1に示すように、ガーダー部の前胴プレート3aと、その後方のテール部の後胴プレート3bとを備えている。前胴プレート3aおよび後胴プレート3bは、例えば円筒状の鋼製板により形成されており、機器本体3の外形を形成するとともに、機器本体3の内部に中空空間を形成する外装体である。前胴プレート3aと後胴プレート3bとは、前胴プレート3aの後端側において後胴プレート3bの先端部分が前胴プレート3aの内周面に接した状態で入り込むことで係合されている。
前胴プレート3aの前面側において、その前面から機器本体3の内方に後退した位置には、機器本体3内の中空空間を切羽側と機内側とに分ける隔壁7が設けられている。この隔壁7の切羽側(すなわち、上記カッタヘッド2と隔壁7との間の空間)が上記チャンバ6となっている。また、隔壁7の機内側には、添加材注入部5bと、カッタ駆動体8と、中折れジャッキ9aと、シールドジャッキ9bと、スクリューコンベア10と、土圧検出部11とが設けられている。
添加材注入部5bは、機器本体3の外回りやチャンバ6内に向けて添加材を注入する機器であり、添加材注入部5bの注入口を機器本体3の外部に表出させた状態で隔壁7の外周近傍に設けられている。添加材注入部5bから注入される添加材には、例えばベントナイト系の添加材のような作泥土材が使用される。なお、添加材注入部5bから注入される添加材には、ベントナイト系の添加材に代えて気泡材を用いてもよいし、ベントナイト系の添加材と気泡材との両方を用いてもよい。
チャンバ6は、カッタヘッド2により掘削された土砂等が取り込まれる空間である。このチャンバ6内において、隔壁7の前面にはチャンバ6内に突出する円柱状等の練混ぜ翼15a,15bが設けられている一方、カッタヘッド2の背面にはチャンバ6内に突出する円柱状等の練混ぜ翼16a,16bが設けられている。これらの練混ぜ翼15a,15b,16a,16bは、カッタヘッド2の径方向の位置が互いにずれており、カッタヘッド2が回転するとチャンバ6内に入り込んだ土砂とチャンバ6内に注入された添加材とを混合するとともに撹拌する役割を備えている。
また、隔壁7の面内中央側に設けられた練混ぜ翼15bは、その先端側からチャンバ6内に向けて添加材を注入する添加材注入部を兼ねている。この練混ぜ翼15bから注入される添加材には、例えば気泡材が使用される。なお、練混ぜ翼15bから注入される添加材には、気泡材に代えてベントナイト系の添加材を用いてもよいし、ベントナイト系の添加材と気泡材との両方を用いてもよい。
カッタ駆動体8は、カッタヘッド2を回転させる駆動源である。ここでは、カッタ駆動方式として中間支持駆動方式が例示されており、カッタ駆動体8は、図1に示すように、カッタヘッド2の正面内の中央と外周とのほぼ中央の位置に、カッタヘッド2の周方向に沿って複数個並んで配置されている。
中折れジャッキ9aは、前胴プレート3aと後胴プレート3bとを連結するとともに、泥土圧シールド掘進機1の推進方向を修正する機器であり、図1に示すように、機器本体3内において前胴プレート3aと後胴プレート3bとの境界を跨ぐ位置に、泥土圧シールド掘進機1の周方向に沿って複数個並んで配置されている。この中折れジャッキ9aに圧油を供給し前胴プレート3aと後胴プレート3bとを予め決められた方向および角度に屈折させた状態で泥土圧シールド掘進機1を推進することにより、泥土圧シールド掘進機1の推進方向を制御することが可能になっている。
シールドジャッキ9bは、機器本体3の後方に設置されたセグメントSGに反力をとって泥土圧シールド掘進機1を前進させるための推進力を発生させる機器であり、図1に示すように、機器本体3内において前胴プレート3aと後胴プレート3bとの境界を跨ぐ位置に、図2(b)に示すように、泥土圧シールド掘進機1の周方向に沿って複数個並んで配置されている。
スクリューコンベア10は、チャンバ6内に取り込まれた土砂を機外に排出するための機器であり、図1に示すように、機器本体3の底部において隔壁7を貫通しチャンバ6内に配置された土砂取込端部10aから機器本体3の後方において機器本体3の高さ方向中央より若干高い位置に配置された排出端部10bに向かって斜め上向きに連続的に延在した状態で設けられている。
このスクリューコンベア10としては、例えば、リボン式のスクリューコンベアが使用されている。すなわち、スクリューコンベア10の管内には回転軸を持たない螺旋状のブレード10cが回転自在の状態で設置されている。回転軸を持つスクリューコンベアの場合は礫等により閉塞し易いのに対して、リボン式のスクリューコンベア10の場合は搬送可能な礫等の最大径を搬送路の半径以上とすることができ、回転軸を持つスクリューコンベアでは搬送し得ないような大きな礫等をも搬送することができる。これにより、本実施の形態においては、スクリューコンベア10によって巨礫を排出することができるので、カッタヘッド2と機器本体3との間のチャンバ6内に、巨礫を極力割らずに取り込むことができる。なお、特に限定されるものではないが、スクリューコンベアの外径は、例えば、850mm程度である。
このようなスクリューコンベア10の後方の排出端部10bには排土管(図示せず)が連結されており、スクリューコンベア10によって排出端部10bに搬送された土砂は、排土管を通じてズリ搬出台車(図示せず)等に搬送されるようになっている。なお、特に限定されるものではないが、排土管の外径は、例えば、600mm程度、長さは、例えば、30m程度である。
土圧検出部11は、チャンバ6内の泥土による圧力を歪ゲージによって電気信号に変換するセンサ部であり、その土圧検出面をチャンバ6内に配置した状態で設けられている。これにより、本実施の形態においては、土圧検出部11によって検出されたチャンバ6内の泥土圧が予め決められた値の範囲になるように管理することによって切羽の安定性を図りながら掘削処理を進めることができる。
このような本実施の形態の泥土圧シールド掘進機1は、特に、巨礫(特に限定されるものではないが、例えば、直径が600mm程度)が混在する玉石混じり砂礫層や玉石層を含む地山を掘削する場合に好適であるが、巨礫が混在しない玉石混じり砂礫層や玉石層あるいは通常の砂礫層に適用することもできる。
次に、図3は図1の泥土圧シールド掘進機のカッタヘッドの正面図、図4は図3のカッタヘッドの要部拡大正面図、図5は図4のI-I線の断面図、図6(a)は図5のカッタヘッドの外周側に設けられた温度センサの拡大断面図、図6(b)は図6(a)の温度センサの平面図、図7(a)は図1の泥土圧シールド掘進機の添加材注入部の正面図、図7(b)は図7(a)のII-II線の断面図である。なお、図5は断面図であるが図面を見易くするためにハッチングを省略している。
本実施の形態の泥土圧シールド掘進機1においては、図3~図5に示すように、カッタヘッド2の正面内および外周面内に、掘削土砂の温度(以下、土砂温度という)を測定する複数の温度センサ(センサ)20a~20eが配置されている。
各温度センサ20a~20eは、例えばシース型熱電対で構成されており、故障に強い上、場所をとらず安価なのでカッタヘッド2に複数配置することが可能である。このため、カッタヘッド2の前面および外周側の土砂温度の測定精度を向上させることができる。なお、図3は正面図であるが図面を見易くするため温度センサ20a~20eの配置領域にハッチングを付した。
カッタヘッド2の正面内の温度センサ20a~20dは、所定のスポーク部2bにおいて異なる回転軌跡上、すなわち、カッタヘッド2の径方向の異なる位置に分散された状態で配置されている。各温度センサ20a~20dは、図5に示すように、センサ本体部S1とこれに電気的に接続された配線L1とを有しており、そのセンサ本体部S1をビット4bに内包させてカッタヘッド2に着脱自在の状態で固定されている。なお、温度センサ20a~20dを着脱自在の状態で固定するための構造例については後述する。
一方、カッタヘッド2の外周面内の温度センサ20eは、図5および図6に示すように、センサ本体部S2とこれに電気的に接続された配線L2とを有している。温度センサ20eのセンサ本体部S2は、ビット4bの隣接間の位置において、測定面を外周リング部2dの内周面に接触させ着脱自在の状態で設置されている。
このような温度センサ20a~20eのセンサ本体部S1,S2は、図5に示すように、配線L1,L2を通じてカッタヘッド2の面内中央側に配置された分配器21に電気的に接続され、分配器21からカッタヘッド2の面内中央の添加材注入管5tに沿って延び、上記した制御部C(図1参照)に電気的に接続されている。これにより、本実施の形態においては、土砂温度が、リアルタイムで測定され制御部Cに送信されるようになっている。そして、制御部Cにおいては、温度センサ20a~20eから送信された温度情報に基づいて、カッタヘッド2の前面内および外周面内の温度分布をグラフ化(可視化)するとともに、添加材の注入条件を調整するようになっている。この添加材の注入条件の調整については後述する。
また、図3に示すように、本実施の形態の泥土圧シールド掘進機1においては、複数の添加材注入部5a1~5a4がカッタヘッド2の正面内の異なる回転軌跡上に分散して配置されている。ここでは、例えば、カッタヘッド2の正面内中央に添加材注入部5a1が配置され、カッタヘッド2の正面内最外周に添加材注入部5a4が配置され、それらの間の2箇所に添加材注入部5a2,5a3が配置されている。これにより、添加材の注入制御をより多様化させることができるので、掘削土砂の塑性流動化をより精度良く効率的に行うことができる。
また、添加材注入部5a2と、添加材注入部5a3,5a4とは、中央の添加材注入部5a1を挟んで左右に離れて配置されている。これにより、添加材をカッタヘッド2の前面内においてより広い範囲に行き渡らせることができる。なお、図3の破線は添加材注入部5a2~5a4の回転軌跡を示している。
各添加材注入部5a1~5a4は、図7に示すように、カッタヘッド2の前面と背面とを貫通する貫通穴22に装着された添加材注入管5tと、添加材注入管5tの先端面の添加材注入口5mの前方に配置された保護板5pとを備えている。
添加材注入管5tは、添加材を泥土圧シールド掘進機1の後方からカッタヘッド2の前面側に導く配管である。この添加材注入管5tの添加材注入口5mの前方において、その添加材注入口5mから離れた位置には、添加材注入口5mを覆うように保護板5pが設置されている。
この保護板5pは、添加材注入口5mが掘削土砂等で塞がれてしまうのを防ぐ部材であり、図7(b)に示すように、断面逆コ字状に形成されている。保護板5pは、添加材注入口5mを覆うように凹部側をカッタヘッド2の前面に向け、長手方向両端の脚部をカッタヘッド2の前面に溶接させた状態で設けられている。また、保護板5pを正面から見て保護板5pの短方向両側面には、添加材注入口5mと外部とを連通する開口部が形成されており、添加材注入口5mから吐出された添加材は該開口部を通じて外部に吐出されるようになっている。
次に、本実施の形態のシールド掘進機1のビット4b、温度センサ20a~20dおよび温度センサ20a~20dを着脱自在にするための構造例について図8~図11を参照して説明する。図8は図5のカッタヘッドの前面において温度センサが配置されたビットとその周辺の要部平面図、図9は図8のIII-III線の断面図、図10は図8のIV-IV線の断面図、図11は図10の破線で囲んだ部分の拡大断面図である。なお、各温度センサ20a~20dの構造は同じなので、代表として温度センサ20aを示して説明する。また、図9および図10は断面図であるが図面を見易くするためハッチングを省略している。
まず、図8~図10に示すように、ビット4bは、例えば、直方板状に形成されており、ビット4bの刃先側に設けられた複数個の超硬チップ4bcと、基台部4bsとを有している。図8および図9に示すように、超硬チップ4bcは、例えば、タングステンカーバイトとコバルトとの合金からなり、基台部4bsの長手方向に沿って互いに距離を隔てた状態で並設されている。
図8~図10に示すように、ビット4bの基台部4bsは、例えば、SS400、S25CまたはSKC24等のような鋼材からなり、刃先側の超硬チップ4bcを切羽側に向けた状態でカッタヘッド2に溶接されている。ただし、ビット4bは溶接されている場合に限定されるものではなく、例えば、ボルト等により着脱自在の状態で装着されている場合もある。
また、図8~図11に示すように、ビット4bの基台部4bsにおいてカッタヘッド2に対向する面(ビット取付面)内の中央には、有底の孔(凹部)Hsが形成されている。この孔Hsは、例えば、平面視で円形状に形成されており、基台部4bsのビット取付面から超硬チップ4bcに向かって延び、超硬チップ4bcに達することなくビット4bの高さ途中で終端するように形成されている。特に限定されるものではないが、孔Hsの直径は、例えば、10mm程度である。
次に、図8~図11に示すように、温度センサ20aは、センサ本体部S1と、その後端の引出部LDと、配線L1とを有している。温度センサ20aのセンサ本体部S1は、例えば、円柱棒状に形成されており、その後端の引出部LDを介して配線L1と電気的に接続されている。特に限定されるものではないが、センサ本体部S1の直径は、上記した孔Hsの直径より小さく、例えば、直径4mm程度である
この温度センサ20aのセンサ本体部S1は、ビット4bの孔Hs内に挿入されている。センサ本体部S1のうち、孔Hsに挿入されている部分の長さは、例えば、39mm程度である。なお、センサ本体部S1の外周は孔Hsの内周から離れている。また、孔Hsの深さは、センサ本体部S1の先端部の位置よりも深くなるように形成されており、センサ本体部S1の先端部は孔Hsの底部から離れている。
そして、本実施の形態のシールド掘進機1においては、各温度センサ20a~20d(図4および図5参照)を着脱自在の状態で固定するための固定構造体50を備えている。図8~図11に示すように、固定構造体50は、ケース(筐体)50kと、カッタヘッド2に穿孔された貫通孔(第1の貫通孔)50h1と、カッタヘッド2の裏面側に設置された固定板50pと、固定板50pを着脱自在の状態で固定するボルト50bと、固定板50pに穿孔された貫通孔(第2の貫通孔)50h2とを有している。
図9~図11に示すように、固定構造体50を構成するケース50kは、温度センサ20aのセンサ本体部S1以外の部分を密閉した状態で収容する筐体であり、筒状体50krと、筒状体50krの先端側(カッタヘッド2に対向する側)に設けられたホルダ部(保持部)50khと、筒状体50krの後端側に設けられた蓋部50kcとを有している。
筒状体50krは、例えば、鉄などの金属によって構成されており、温度センサ20aのセンサ本体部S1より後端部分を取り囲むように、例えば、円筒状に形成されている。特に限定されるものではないが、筒状体50krの外径は、例えば、40mm程度である。
ホルダ部50khは、温度センサ20aを保持し支える部分であり、例えば、ステンレス、鉄等の金属によって構成されている。ホルダ部50khは、温度センサ20aのセンサ本体部S1と引出部LDとの境界部を取り囲んだ状態で引出部LDに着脱自在の状態で装着されているとともに、筒状体50krの先端側の開口部を塞ぐように着脱自在の状態で装着されている。
ホルダ部50khの内周は、温度センサ20aの引出部LDの先端側外周とテーパネジ構造により螺合されている。例えば、ホルダ部50khの内周傾斜面に雌ネジが形成され、引出部LDの先端側の外周傾斜面に雄ネジが形成されている。また、ホルダ部50khの外周は、筒状体50krの先端側内周とテーパネジ構造により螺合されている。例えば、ホルダ部50khの外周傾斜面に雄ネジが形成され、筒状体50krの先端側の内周傾斜面に雌ネジが形成されている。このようにホルダ部50khを温度センサ20a(引出部LD)および筒状体50krに対してテーパネジ構造によって螺合したことにより、温度センサ20a~20dの設置位置における止水性を向上させることができるので、泥土圧シールド掘進機1内への漏水を抑制または防止することができる。
また、ホルダ部50khと温度センサ20aとの螺合部には図示しない封止用テープ(第1の封止部材)が装着されている。また、ホルダ部50khと筒状体50krとの螺合部には図示しない封止用テープ(第2の封止部材)が装着されている。さらに、筒状体50krの外周と固定板50pの貫通孔50h2の内周との間にはOリング(オーリング:第3の封止部材)50rが設けられている。これらにより、温度センサ20a~20dの設置位置における止水性をさらに向上させることができるので、泥土圧シールド掘進機1内への漏水を抑制または防止することができる。
蓋部50kcは、例えば、鉄などの金属によって構成されており、筒状体50krの後端側の開口部を塞ぐように筒状体50krの後端面に接合されている。蓋部50kcの外径は筒状体50krの外径より大径に形成されており、蓋部50kcの外周は筒状体50krの外周から外方に張り出している。なお、蓋部50kcの平面内中央には、蓋部50kcの厚さ方向の表裏面を貫通する貫通孔(図示せず)が穿孔されており、その貫通孔を通じて配線L1をケース50kの外部に引き出せるようになっている。この貫通孔にも封止部材等が装着されている。これにより、温度センサ20a~20dの設置位置における止水性をさらに向上させることができるので、泥土圧シールド掘進機1内への漏水を抑制または防止することができる。
次に、図8~図11に示すように、固定構造体50を構成する貫通孔50h1は、温度センサ20aの設置位置においてカッタヘッド2の厚さ方向の表裏面を貫通するように穿孔されている。貫通孔50h1は平面視で円形状に形成されており、その直径はケース50kを挿入できる程度の大きさに形成されている。
また、図9~図11に示すように、固定構造体50を構成する固定板50pは、例えば、鉄などの金属によって構成されており、温度センサ20aの設置位置においてカッタヘッド2の裏面に着脱自在の状態で設置されている。固定板50pは、平面視で長方形状に形成された平板で構成されている。なお、固定板50pの四辺外周には図示しない封止用シールが装着されている。これにより、温度センサ20a~20dの設置位置における止水性をさらに向上させることができるので、泥土圧シールド掘進機1内への漏水を抑制または防止することができる。
また、図9に示すように、固定板50pに対向するカッタヘッド2の裏面において貫通孔50h1の外周近傍には、固定板50pに向かって突出する凸部2pが形成されている。また、カッタヘッド2に対向する固定板50pの対向面において貫通孔50h2の外周近傍(すなわち、カッタヘッド2の裏面の凸部2pの対向位置)には凹部50pdが形成されている。そして、固定板50pは、カッタヘッド2の裏面の凸部2pと固定板50pの凹部50pdとが嵌合した状態で設置されている。すなわち、カッタヘッド2と固定板50pとの対向面において、貫通孔50h1,50h2近傍の面と、貫通孔50h1,50h2から離れた箇所の面とで高さ方向(固定板50pの厚さ方向)に段差を設けている。これにより、カッタヘッド2と固定板50pとを平坦面同士で重ねた場合に比べて、温度センサ20a~20dの設置位置における止水性を向上させることができるので、泥土圧シールド掘進機1内への漏水を抑制または防止することができる。
図8および図10に示すように、固定板50pにおいて、長手方向の両端近傍には、複数個のボルト50bが螺合されている。ボルト50bは、固定板50pを着脱自在の状態で固定するための締結部材であり、カッタヘッド2の前面からカッタヘッド2を介して固定板50pに螺合されている。このボルト50bにより固定板50pは着脱自在の状態で固定されている。
次に、図8~図11に示すように、固定構造体50を構成する貫通孔50h2は、固定板50pの平面内のほぼ中央、すなわち、カッタヘッド2の貫通孔50h1と同じ面内位置に穿孔されている。貫通孔50h2は平面視で貫通孔50h1と同じ円形状に形成されており、その直径は貫通孔50h1と同じ寸法に形成されている。
このような本実施の形態においては、上記した固定構造体50によって温度センサ20a~20d(図4および図5参照)を着脱することが可能になっている。すなわち、温度センサ20a~20dは、貫通孔50h1,50h2にケース50kを挿入させた状態で固定されているとともに、ボルト50bを緩めて固定板50pを取り外してケース50kを貫通孔50h1から引き抜くことによりカッタヘッド2から取り外せるようになっている。なお、ケース50kの後端の蓋部50kcの外周部が固定板50pの貫通孔50h2より大きく外方に張り出しているので、固定板50pを取り外すと固定板50pとともにケース50kを貫通孔50h1から引き出すことができ、ケース50kとともに温度センサ20a~20dをカッタヘッド2から取り外せるようになっている。
ここで、温度センサ20a~20dを着脱することができない場合、ビット4bの交換時にビット4bと温度センサ20a~20dのセンサ本体部S1とが干渉(接触)して温度センサ20a~20dの細いセンサ本体部S1が曲がってしまう等、センサ本体部S1に損傷を与えてしまう場合がある。また、ビット4bを溶接または溶断するときに高温になるため温度センサ20a~20dを劣化させてしまう場合がある。これに対して本実施の形態においては、ビット4bの交換に際して、温度センサ20a~20dを取り外した後にビット4bを取り外し、ビット4bを取り付けた後に温度センサ20a~20dを取り付ける。これにより、ビット4bの交換時にビット4bが温度センサ20a~20dに干渉(接触)するのを防止することができるので、温度センサ20a~20dの損傷を防止することができる。また、溶接または溶断によりビット4bを交換する場合においても溶接および溶断時の熱に起因する温度センサ20a~20dの劣化を防止することができる。
また、温度センサ20a~20dを着脱自在とすると温度センサ20a~20dの設置箇所における止水性の低下が課題となる。これに対して本実施の形態においては、各温度センサ20a~20dの各部において上記した封止構造を取り入れたことにより、温度センサ20a~20dを着脱自在としても温度センサ20a~20dの設置箇所における止水性を向上させることができ、泥土圧シールド掘進機1内への漏水を抑制または防止することができる。
次に、図12は図1の泥土圧シールド掘進機の添加材注入系統の一例を示している。
各添加材注入部5a1~5a4の添加材注入管5tは、Y型ストレーナ22および接続部23を順に介して、添加材注入用のポンプ24に機械的に接続されている。添加材注入用のポンプ24は、上記した後続台車SB内に設置されている。
ここでは、添加材の注入系統が、例えば、カッタヘッド2の前面内の最外周および内周の添加材注入部5a4,5a2と、カッタヘッド2の前面内の中央および中間の添加材注入部5a1,5a3との2系統に分かれている。ただし、添加材の注入系統は図示したものに限定されるものではなく種々変更可能である。
また、各添加材注入部5a1~5a4の添加材注入管5tの流路途中には、電動式またはエア式のバルブ25が設けられている。各バルブ25は制御部Cに電気的に接続されており、制御部Cによりバルブ25の開閉動作が制御されている。すなわち、添加材の注入条件の制御を後続台車SBの運転室からの遠隔操作または自動制御により行えるようになっている。
次に、図13は図1の泥土圧シールド掘進機の基本的な添加材の注入タイミングの一例を示している。
各添加材注入部5a1~5a4から切羽への添加材の注入は、例えば、タイマー制御によるローテーション注入を基本としている。すなわち、添加材の注入箇所を時間毎に変えている。添加材の注入箇所を固定してしまうと、使用頻度の少ない添加材注入口5mで閉塞が生じる場合があるが、上記のように添加材の注入箇所を時間毎に変えることにより、添加材注入口5mの閉塞を抑制または防止することができる。
ただし、添加材の注入制御は、上記したタイマー制御に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えばプログラム制御やカッタヘッド2の位置検出機能を利用した角度制御方式を採用してもよい。角度制御方式を採用した場合は、例えば、カッタヘッド2の上半部のみを指定して添加材を注入したり、カッタ角度毎に切り替えて添加材を注入したりする。カッタヘッド2の上半部のみを指定して添加材を注入することにより、添加材の注入位置がスクリューコンベア10の下端の土砂取込口から遠くなるので、添加材と掘削土砂との攪拌混合の効果を向上させることができる。このため、掘削土砂の塑性流動性を向上させることができる。
添加材の注入量(注入時間)は、掘進速度や掘進データに応じて自動制御されており、掘進開始前に目標注入率を指定することにより自動的に制御されるようになっている。図13においては、各添加材注入部5a1~5a4での注入時間Taは、例えば、0.5分であり、4箇所あるので、サイクルタイムTは、例えば、2分とされている。また、各添加材注入部5a1~5a4の切り替え時には、例えば、5秒ほどのラップタイムTbを持たせている。
また、添加材の注入量や注入位置等のような注入条件は、カッタトルク、推力、推進速度、スクリューコンベア10のトルクに基づいて制御される他、本実施の形態においては、上記温度計20a~20eで測定された土砂温度に基づいて添加材の注入条件を制御することが可能な構成になっている。この土砂温度に基づく添加材の注入制御については後述する。
次に、図1の泥土圧シールド掘進機1による泥土圧シールド工法の一例について説明する。
本実施の形態の泥土圧シールド掘進機1においては、カッタヘッド2を切羽に押し付け回転させながら機器本体3を推し進めることで地中に掘削坑を構築する。ここでは、例えば、粒径2mm未満の細粒(砂分)が20%を超えず、粒径2mm以上の礫石(礫分)が80%を超える地山が掘削対象とされている。
この掘削作業に際して、カッタヘッド2で掘削した土砂に上記添加材を添加するとともに、その土砂と添加材とをカッタヘッド2の回転やその回転に追従する練混ぜ翼16a,16b等の動作により撹拌混合して掘削土砂を塑性流動性と不透水性を持つ泥土に変換する。そして、その泥土をチャンバ6内およびスクリューコンベア10内に充満させ、その充満した泥土をシールドジャッキ9bの推進力により加圧して泥土圧を発生させ、この泥土圧を切羽の土圧に対抗させることで切羽の安定性を維持する。また、例えば、カッタヘッド2の回転速度を一定にし、シールドジャッキ9bの伸長速度やスクリューコンベア10の回転速度を調整し、チャンバ6内の泥土圧を上記土圧検出部11により測定しこれが一定になるようにすることで切羽の安定性を維持する。
添加材として加えるベントナイト系の添加材(作泥土材)は、土砂の塑性流動性や不透水性を高める作用を有する上、巨礫を破砕した礫や玉石等の礫分を掘削土砂とともに包み込んで当該礫分が掘削土砂から分離しないように掘削土砂と礫分との一体性を向上させる作用を有している。
一方、添加材として加える気泡材は、上記礫分がカッタヘッド2や隔壁7に付着するのを抑制する分離作用を有する上、ベントナイト系の添加材では得られないクッション作用により掘削土砂や作泥土材の圧縮性を高めてチャンバ6内やスクリューコンベア10内で礫分が転がり移動するのを抑制し、また、転がり移動したとしてもクッション作用により泥土圧の急激な変動を抑制する作用を有している。
このため、チャンバ6内への取り込みが好ましくないような巨礫が混在する玉石混じり砂礫層や玉石層が存在する地山を掘削する場合でも、泥土圧を安定化することができ、切羽の安定性を維持できる上、スクリューコンベア10による礫分の排土を円滑に移動させて閉塞の発生を防止でき、噴出が発生するのを防止することができる。
ところで、泥土圧シールド掘進機1による掘削作業に際し、掘削土砂が流動している場合は、土砂温度はほぼ均一に保たれるが、掘削土砂の塑性流動性が低下している場所では、掘削土砂とカッタヘッド2との摩擦による熱が発生するため、相対的に土砂温度が上昇する。
そこで、本実施の形態の泥土圧シールド掘進機1においては、掘進動作中にカッタヘッド2の前面および外周の土砂温度を温度計20a~20eにより測定し、その情報を制御部Cに送信する。
制御部Cでは、温度計20a~20eで測定された土砂温度値と、予め決められた管理温度値とを比較し、土砂温度値が管理温度値以上となる領域を高温領域として検出し、その高温領域を塑性流動性の不足領域として検出するとともに、カッタヘッド2の前面内および外周面内の温度分布をリアルタイムでグラフ化(可視化)して表示部Dに表示する。すなわち、カッタヘッド2の前面内および外周面内の温度分布図により掘削土砂の塑性流動性が不足している領域やビット4a~4dの摩耗が進行している領域を可視化する。これにより、カッタヘッド2の前面内および外周面内において掘削土砂の塑性流動性の不足領域やビット4a~4dの摩耗の進行領域を把握することができる。このため、カッタヘッド2の前面内および外周面内の掘削土砂の塑性流動性の状態と、ビット4a~4dの摩耗状態とを、より早く、より定量的に管理することができる。
また、制御部Cは、上記高温領域(塑性流動性の不足領域)が検出された場合は、図13で例示した添加材の基本的な注入制御を中断し、高温領域の掘削土砂の塑性流動性が高まるように、添加材の注入量、注入位置または配合等のような添加材の注入条件を調整する。具体的には、ポンプ24やバルブ25(図12参照)等の動作を制御することにより、高温領域(塑性流動性の不足領域)に近い添加材注入部5a1~5a4,5bから注入される添加材の量を必要量だけ増やすように調整する。所定の添加材注入部5a1~5a4からの添加材の注入量を増やすには、例えば、図13に示したサイクルタイムT中において、当該添加材注入部から注入される添加材の注入時間Taを相対的に長くすればよい。これにより、掘削土砂の塑性流動性の不足領域に、その塑性流動性を高める上で必要な量の添加材を注入することができる。すなわち、添加材の過不足が生じないように添加材を効率的に注入することができる。
上記した管理温度値は、例えば、複数段階に設定されている。ここでは、管理温度値は、例えば、30度以下、31~33度、34度以上とされている。そして、各温度計20a~20eで測定された土砂温度値が30度以下であれば、「良好な塑性流動性を維持した掘進状態である」と推定される。また、各温度計20a~20eで測定された土砂温度値が31~33度の範囲であれば、「掘削土砂の塑性流動性が低下の傾向にあり、要注意である」と推定される。さらに、各温度計20a~20eで測定された土砂温度値が34度以上であれば、「掘削土砂の塑性流動性が不足しており、対策が必要」と推定される。この場合は、上記したように添加材の注入条件を調整する。
このような添加材の注入条件の調整は、温度計20a~20eで測定された土砂温度値が管理温度値以下になるまで継続され、管理温度値以下になれば、掘削土砂の塑性流動性が回復したと推定され、図13で例示した基本的な注入制御に戻る。一方、添加材を増量しても土砂温度値が上昇する場合には、泥土圧シールド掘進機1の掘進動作を中断し、点検補修を実施する。
また、添加材の注入条件の調整は、自動でもよいし、オペレータが表示部D(図1参照)に表示された土砂温度分布図に応じて操作パネルを操作し制御部Cから各部(バルブ25やポンプ24等(図12参照))に指示を出すようにしてもよい。また、添加材の注入条件の調整は、掘進動作中に行ってもよいし、掘進動作の停止後に行ってもよい。
なお、管理温度値は、地山の状態やシールド掘進機の仕様により異なるので、工事毎に掘進初期段階の区間で得られるデータに基づいて補正を行うことが好ましい。また、各管理温度値および測定温度値は、表示部Dに表示されるようになっており、オペレータが双方の温度値を目視確認できるようになっている。
このように本実施の形態においては、泥土圧シールド掘進機1のカッタヘッド2の前面内および外周面内において掘削土砂の塑性流動性の不足領域に添加材を効率的に注入することができるので、掘削土砂の塑性流動性を効率的に向上させることができる。そして、より精度の高い添加材の注入管理と、掘削土砂の塑性流動化の管理とを行うことができる。
このため、掘削土砂による閉塞を抑制または防止することができる。また、複数のビット4a~4dのうち高温のビットに対して選択的に添加材を注入することができるので、塑性流動性不足に起因するビットの摩耗を低減することができる。また、泥土の適切な流動状態を維持することができるので、カッタトルクを低減することができる。さらに、添加材の過不足を抑制または防止することができるので、閉塞のみならず噴発の発生をも抑制または防止することができる。
したがって、閉塞、噴発およびビット4a~4dの摩耗に因る掘削作業の中断を低減することができ、より効率的な掘削動作を行えるので、掘削作業の工期を短縮することができ、巨礫を含む地盤であっても泥土圧シールド掘進機1の長距離施工を推進することができる。また、閉塞、噴発およびビット4a~4dの摩耗を低減することができるので、掘削作業にかかるコストを低減することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
前記実施の形態においては、ビットに内包され着脱自在とされるセンサとして温度センサを例示したが、これに限定されるものではなく種々変更可能であり、ビットに内包され着脱自在とされるセンサとして加速度センサを例示することもできる。
また、前記実施の形態においては、リボンスクリュー型のスクリューコンベアを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、リボン型と軸付き型とを組み合わせたスクリューコンベアを用いてもよい。
以上の説明では、本発明を中間支持駆動方式の泥土圧シールド掘進機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばセンターシャフト駆動方式や外周支持駆動方式の泥土圧シールド掘進機等、他のシールド掘進機にも適用できる。
1 泥土圧シールド掘進機
2 カッタヘッド
2a ハブ部
2b スポーク部
2c 中間リング部
2d 外周リング部
2e 貫通孔
2f 制限突起
2p 凸部
3 機器本体
4a~4c ビット
4bs 基台部
4bc 超硬チップ
4d コピービット
5a1~5a4 添加材注入部
5b 添加材注入部
5t 添加材注入管
5m 添加材注入口
5p 保護板
15a,15b 練混ぜ翼
16a,16b 練混ぜ翼
20a~20e 温度センサ(温度計)
21 分配器
22 貫通穴
24 ポンプ
25 バルブ
50 固定構造体
50k ケース
50kh ホルダ部(保持部)
50kr 筒状体
50kc 蓋部
50p 固定板
50pd 凹部
50h1,50h2 貫通孔
50b ボルト
50r Oリング
C 制御部
D 表示部
S1,S2 センサ本体部
L1,L2 配線
LD 引出部
Hs 孔
T サイクルタイム
Ta 注入時間
Tb ラップタイム

Claims (1)

  1. 機器本体の周方向に沿って回転自在の状態で前記機器本体の進行方向の前面に支持されたカッタ盤と、
    前記カッタ盤に設けられた複数個のカッタビットと、
    前記複数個のカッタビットのうちの前記カッタ盤のスポーク部に設置された第1のカッタビットにおける前記カッタ盤に対向した底面に開口して形成された凹部に、円柱棒状のセンサ本体部の外周および先端が非接触の状態で設けられた温度センサと、
    前記温度センサを前記カッタ盤に着脱自在の状態で固定する固定構造体と、
    を備え、
    前記固定構造体は、表面に前記第1のカッタビットが取り付けられた前記カッタ盤に穿孔されて前記凹部と連通する第1の貫通孔と、前記カッタ盤の裏面側に設置された固定板と、前記固定板を着脱自在の状態で前記カッタ盤に固定するボルトと、前記固定板に穿孔されて前記第1の貫通孔と連通する第2の貫通孔と、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔内に挿入された筐体とを有し、
    前記筐体は、前記センサ本体部の後端に設置された引出部を取り囲むように収容する筒状体と、前記筒状体の前記第1のカッタビット側である先端に設けられ、前記センサ本体部を前記凹部に突出した状態で保持する保持部と、前記筒状体の後端側に設けられた蓋部とを有し、
    前記保持部の内周と前記引出部の外周との螺合部はテーパをつけたネジ構造とされるとともに、前記保持部の外周と前記筒状体の内周との螺合部はテーパをつけたネジ構造とされ
    前記保持部と前記センサ本体部との間には第1の封止部材が、前記保持部と前記筒状体との間には第2の封止部材が、前記筒状体と前記第2の貫通孔と間には第3の封止部材が、それぞれ設けられている、
    ことを特徴とするシールド掘進機。
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