JP7145430B2 - ヘッドアップディスプレイおよびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体 - Google Patents
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Description
本開示は、ヘッドアップディスプレイおよびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体に関する。
特許文献1は、ヘッドアップディスプレイにおいて、プリズムを介してLCDパネルの表示画面を斜め方向から見ることにより、LCDパネルに表示された画像が奥行方向に傾斜された虚像となって表示出力されることを開示している。特許文献1では、プリズムによって生じる色収差を、表示画像の段階でRGB出力について波長別に補正することで、プリズムを介してRGB画像が合成された段階で元画像と同じ、色ずれのない画像を出力している。
従来のヘッドアップディスプレイでは、虚像を路面に沿って表示するため、表示画像を大きく傾斜させる必要があり、虚像のコントラスト低下を招いていた。本開示は、表示デバイスのコントラストを低下させることなく、虚像を路面に沿って表示させることのできるヘッドアップディスプレイおよびこのヘッドアップディスプレイを搭載した移動体を提供する。
本開示のヘッドアップディスプレイは、
画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、
前記ヘッドアップディスプレイは、
前記画像を表示する表示デバイスと、
前記画像を拡大して投影する投射光学系と、
前記投射光学系は前記画像からの光路の順に配置された第1光学素子および第2光学素子と、を有し、
前記第1光学素子および第2光学素子は、
前記虚像の上端に相当する光路を上光線、下端に相当する光路を下光線とし、
前記第1光学素子および前記第2光学素子の発散作用を負、収斂作用を正としたとき、
以下の条件式(1),(2)を満足するヘッドアップディスプレイ。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
ただし、
P_u1:前記第1光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l1:前記第1光学素子が下光線に作用する局所パワー
P_u2-P_l2>0・・・(2)
ただし、
P_u2:前記第2光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l2:前記第2光学素子が下光線に作用する局所パワー
画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、
前記ヘッドアップディスプレイは、
前記画像を表示する表示デバイスと、
前記画像を拡大して投影する投射光学系と、
前記投射光学系は前記画像からの光路の順に配置された第1光学素子および第2光学素子と、を有し、
前記第1光学素子および第2光学素子は、
前記虚像の上端に相当する光路を上光線、下端に相当する光路を下光線とし、
前記第1光学素子および前記第2光学素子の発散作用を負、収斂作用を正としたとき、
以下の条件式(1),(2)を満足するヘッドアップディスプレイ。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
ただし、
P_u1:前記第1光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l1:前記第1光学素子が下光線に作用する局所パワー
P_u2-P_l2>0・・・(2)
ただし、
P_u2:前記第2光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l2:前記第2光学素子が下光線に作用する局所パワー
本開示におけるヘッドアップディスプレイおよびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体は、第1光学素子と第2光学素子におけるこれらの局所的な正負のパワーが、条件式(1),(2)を満足するので、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|を減少させることができる。その結果、表示デバイス110のコントラストの低下を防ぐことができ、虚像Iを路面Rに沿って明瞭に表示させることに有効である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、図1~3を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1. ヘッドアップディスプレイの全体構成]
本開示のヘッドアップディスプレイ100の具体的な実施の形態及び実施例を、図面を参照して、以下、説明する。
図1は、本開示に係るヘッドアップディスプレイ100を搭載した車両200の断面を示す図である。図1に示すように、ヘッドアップディスプレイ100は、車両200のウインドシールド220下部のダッシュボード210内部に配置される。観察者Dは、ヘッドアップディスプレイ100から投射される画像を虚像Iとして認識する。
以下、図1~3を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1. ヘッドアップディスプレイの全体構成]
本開示のヘッドアップディスプレイ100の具体的な実施の形態及び実施例を、図面を参照して、以下、説明する。
図1は、本開示に係るヘッドアップディスプレイ100を搭載した車両200の断面を示す図である。図1に示すように、ヘッドアップディスプレイ100は、車両200のウインドシールド220下部のダッシュボード210内部に配置される。観察者Dは、ヘッドアップディスプレイ100から投射される画像を虚像Iとして認識する。
本実施の形態においては、虚像Iは、路面Rに沿って表示させる。このように、虚像Iを路面Rに沿って表示させることにより、奥行き感のある自然なAR(Augmented Reality)表示を実現させることができ、ドライバーの認識力をアップさせることができる。
図2は、本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。図3は、本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ100の投射光学系を説明するための模式図である。
図2に示すように、ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイス110と、投射光学系140と、を備える。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイス110が拡散特性を有する光学部材となっており、表示デバイス110に表示する画像を投射光学系140を介してウインドシールド220に投射する。投射された光は、ウインドシールド220において反射され、観察者Dの視点領域300に導かれる。これにより、ヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像Iを視認させる。ここで、視点とは、観察者Dの目をレンズと考えた場合の主点であり、視点領域300とは、虚像Iを欠けることなく視認できる、観察者Dの視点の位置する領域である。
ここで、本開示において、前方とは、観察者Dから見て車両200のウインドシールド220のある方向である。後方とは、前方の反対の方向である。また、下方とは車両200が走行する地面の方向である。上方とは、下方の反対の方向である。内側とは、運転席の観察者Dから見て助手席側である。外側とは、内側の反対方向である。
ここで、図2に示すように、表示デバイス110から出射する光線のうち、視点領域300の中心に到達する光線のうち、虚像Iの上端I_uに相当する光線を上光線Luとし、虚像Iの上端I_lに相当する光線を下光線Llとする。また、表示デバイス110から出射する光線のうち、虚像Iの中心部を通り、視点領域300の中心に到達する光線を基準光線Lcとする。すなわち、観察者Dから見た場合、基準光線Lcは、虚像Iの中心から観察者Dの視点までの光路に相当する。観察者Dが視認する基準光線Lcは、実際には表示デバイス110から光学系を経て観察者Dに到達したものである。そのため、虚像Iの中心から出射する基準光線Lcに対応する、表示デバイス110から観察者Dに到達するまでの光線も基準光線Lcと表現される。また、これらの光線に対応する光路も同様に基準光線Lcと表現される。ただし、観察者Dの視点が視点領域300の中心にあるものとする。
表示デバイス110は、図示しないCPU等の制御部による制御に基づき、表示画像を表示する。表示デバイス110には、例えば、バックライト付きの液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode)、プラズマディスプレイなどを用いることができる。また、表示デバイス110として、光を拡散または反射するスクリーンと、プロジェクタや走査型レーザを用いて画像を生成してもよい。表示デバイス110は、道路進行案内表示や、前方車両までの距離、車のバッテリー残量、現在の車速など、各種の情報を表示することができる。また、表示デバイス110は、投射光学系140やウインドシールド220で発生する歪みや、図示を省略するカメラで取得する観察者Dの位置に応じて、あらかじめ画像を電子的に歪ませておくことで、観察者Dに良好な虚像Iを視認させることができる。また、表示デバイス110は、投射光学系140で発生する色収差に応じて、あらかじめ複数波長の表示画素を表示位置毎にずらして表示することで、観察者Dに良好な虚像Iを視認させることができる。
投射光学系140は、負のパワーを有する第1光学素子としての自由曲面レンズ123と、正のパワーを有する第2光学素子としての自由曲面ミラー125とを備える。ここで、負のパワーとは発散作用を意味し、正のパワーとは収斂作用を意味する。投射光学系140は、自由曲面レンズ123によって拡大された画像を、自由曲面ミラー125を介して反射することにより、ウインドシールド220に投射する。
[1-1-2.表示デバイスおよび投射光学系の構成]
本実施の形態においては、虚像Iは、観察者Dの視線に対して傾斜しており、路面Rに沿って表示される。このように虚像Iを傾斜して表示するため、表示デバイス110は、図3に示すように、基準光線Lcに対して反時計回り方向に角度|θ1|傾けて配置されている。
投射光学系140は、表示デバイス110からの光路の順に、負のパワーを有する自由曲面レンズ123と、正のパワーを有する自由曲面ミラー125とが配置されている。投射光学系140は、自由曲面レンズ123と自由曲面ミラー125とにより、テレフォト型と呼ばれる光学系になっている。
但し、従来のテレフォト型光学系とは異なり、自由曲面レンズ123および自由曲面ミラー125において、部分的に曲率を変え、下光線Llに対応する部分と、上光線Luに対応する部分とで、負のパワーおよび正のパワーが異なるように構成している。
自由曲面レンズ123は、図3に丸印Aで示す下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l1が、丸印Bで示す上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u1に比べて弱くなるように構成されている。なお、自由曲面レンズ123において、上光線Luに対応する部分から下光線Llに対応する部分まで、負のパワーは滑らかに変化するように構成されている。
自由曲面ミラー125は、図3に丸印Cで示す下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が、丸印Dで示す上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2に比べて弱くなるように構成されている。なお、自由曲面ミラー125において、上光線Luに対応する部分から下光線Llに対応する部分まで、正のパワーは滑らかに変化するように構成されている。
以上のように、自由曲面レンズ123における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u1、並びに、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2は、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
自由曲面レンズ123および自由曲面ミラー125が、条件式(1),(2)を満たすことにより、下光線Llに作用する部分においては、テレフォト作用が弱くなり、光路が増加する。また、上光線Luに作用する部分においては、テレフォト作用が強くなり、光路が減少する。
その結果、表示デバイス110は、図3に点線で示す従来の位置の表示デバイス110aに比べて、下光線Llに対応する部分は矢印Eで示すように自由曲面レンズ123から遠ざかるように後退し、上光線Luに対応する部分は矢印Fで示すように自由曲面レンズ123に近づくように前進することになる。つまり、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|は、従来の位置の表示デバイス110aにおける傾斜角に比べて小さくなる。
このように、本実施の形態における投射光学系140は、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|を減少させることができるため、表示デバイス110のコントラストの低下を防ぐことが可能となる。
本実施の形態によれば、コントラストを低下させることなく、虚像Iを路面Rに沿って表示させることができ、奥行き感のある自然で明瞭なAR表示を実現させることができる。したがって、ドライバーの認識力をさらにアップさせることができる。
[1-2.効果等]
実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140と、を備える。投射光学系140は、表示デバイス110からの光路の順に、第1光学素子としての自由曲面レンズ123と、第2光学素子としての自由曲面ミラー125とを有する。虚像Iの上端に相当する光路を上光線Lu、下端に相当する光路を下光線Llとし、自由曲面レンズ123における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーをP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーをP_u1とする。また、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーをP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーをP_u2とする。自由曲面レンズ123と自由曲面ミラー125におけるこれらの局所的な正負のパワーは、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140と、を備える。投射光学系140は、表示デバイス110からの光路の順に、第1光学素子としての自由曲面レンズ123と、第2光学素子としての自由曲面ミラー125とを有する。虚像Iの上端に相当する光路を上光線Lu、下端に相当する光路を下光線Llとし、自由曲面レンズ123における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーをP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーをP_u1とする。また、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーをP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーをP_u2とする。自由曲面レンズ123と自由曲面ミラー125におけるこれらの局所的な正負のパワーは、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイによれば、自由曲面レンズ123と自由曲面ミラー125におけるこれらの局所的な正負のパワーが、条件式(1),(2)を満足するので、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|を減少させることができる。その結果、表示デバイス110のコントラストの低下を防ぐことができ、虚像Iを路面Rに沿って明瞭に表示させることができる。
(実施の形態2)
次に、図4を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
図4は、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100における表示デバイス110および投射光学系140の構成を示す図である。図4に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、第1光学素子として、自由曲面レンズ123の代わりに、自由曲面ミラー124を備える。
次に、図4を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
図4は、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100における表示デバイス110および投射光学系140の構成を示す図である。図4に示すように、本実施の形態のヘッドアップディスプレイ100においては、第1光学素子として、自由曲面レンズ123の代わりに、自由曲面ミラー124を備える。
本実施の形態においても、自由曲面ミラー124は、下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l1が、上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u1に比べて弱くなるように構成されている。なお、自由曲面ミラー124において、上光線Luに対応する部分から下光線Llに対応する部分まで、負のパワーは滑らかに変化するように構成されている。
自由曲面ミラー125は、実施の形態1と同様に、下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2に比べて弱くなるように構成されている。自由曲面ミラー125においても、上光線Luに対応する部分から下光線Llに対応する部分まで、正のパワーは滑らかに変化するように構成されている。
以上のように、自由曲面ミラー124における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u1、並びに、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2は、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
自由曲面ミラー124および自由曲面ミラー125が、条件式(1),(2)を満たすことにより、下光線Llに作用する部分においては、テレフォト作用が弱くなり、光路が増加する。また、上光線Luに作用する部分においては、テレフォト作用が強くなり、光路が減少する。
その結果、表示デバイス110は、自由曲面ミラー124および自由曲面ミラー125に以上のような局所的なパワーの差を設けない場合の表示デバイスに比べて、下光線Llに対応する部分は自由曲面ミラー124から遠ざかるように後退し、上光線Luに対応する部分は自由曲面ミラー124に近づくように前進することになる。つまり、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|は、自由曲面ミラー124および自由曲面ミラー125に以上のような局所的なパワーの差を設けない場合の表示デバイスにおける傾斜角に比べて小さくなる。
このように、本実施の形態における投射光学系140は、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|を減少させることができるため、表示デバイス110のコントラストの低下を防ぐことが可能となる。
本実施の形態によれば、コントラストを低下させることなく、虚像Iを路面Rに沿って表示させることができ、奥行き感のある自然で明瞭なAR表示を実現させることができる。したがって、ドライバーの認識力をさらにアップさせることができる。
[2-2. 効果等]
実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140と、を備える。投射光学系140は、表示デバイス110からの光路の順に、第1光学素子としての自由曲面ミラー124と、第2光学素子としての自由曲面ミラー125とを有する。虚像Iの上端に相当する光路を上光線Lu、下端に相当する光路を下光線Llとし、自由曲面ミラー124における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーをP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーをP_u1とする。また、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーをP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーをP_u2とする。自由曲面ミラー124と自由曲面ミラー125におけるこれらの局所的な正負のパワーは、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140と、を備える。投射光学系140は、表示デバイス110からの光路の順に、第1光学素子としての自由曲面ミラー124と、第2光学素子としての自由曲面ミラー125とを有する。虚像Iの上端に相当する光路を上光線Lu、下端に相当する光路を下光線Llとし、自由曲面ミラー124における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーをP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーをP_u1とする。また、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーをP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーをP_u2とする。自由曲面ミラー124と自由曲面ミラー125におけるこれらの局所的な正負のパワーは、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイによれば、自由曲面ミラー124と自由曲面ミラー125におけるこれらの局所的な正負のパワーが、条件式(1),(2)を満足するので、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|を減少させることができる。その結果、表示デバイス110のコントラストの低下を防ぐことができ、虚像Iを路面Rに沿って明瞭に表示させることができる。
(実施の形態3)
次に、図5を用いて、実施の形態3を説明する。
次に、図5を用いて、実施の形態3を説明する。
[3-1.投射光学系の組み合わせ]
上述した実施形態では、自由曲面レンズ123または自由曲面ミラー124における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l1が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u1が強くなるように構成した。さらに、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2が強くなるように構成した。
上述した実施形態では、自由曲面レンズ123または自由曲面ミラー124における下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l1が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u1が強くなるように構成した。さらに、自由曲面ミラー125における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2が強くなるように構成した。
しかしながら、投射光学系140において、局所的なパワーに差を設ける構成は、以上のような組み合わせに限定されるものではなく、前記条件式(1),(2)を満足し、結像することでできれば、これ以外の組み合わせでもよい。
図5は、前記条件式(1),(2)を満足し、結像することができる、第1光学素子と第2光学素子の局所的なパワーの組み合わせを示す図である。図5においてNo.6に示す組み合わせが、実施の形態1と実施の形態2の組み合わせである。図5においては、負のパワーを単に「負」と表し、正のパワーを単に「正」と表している。
[3-1-1. No.1]
図5に示すNo.1の組み合わせは、第2光学素子については、上述した実施の形態と同様に、正のパワーを有する光学素子とし、下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2が強くなるように構成した例である。
図5に示すNo.1の組み合わせは、第2光学素子については、上述した実施の形態と同様に、正のパワーを有する光学素子とし、下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2が強くなるように構成した例である。
しかし、第1光学素子については、上述した実施の形態とは異なり、正のパワーを有する光学素子とし、下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l1が強く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u1が弱くなるように構成している。
このような構成の場合には、テレフォト型の光学系にはならず、主点はテレフォト型の光学系に比べて表示デバイス110側に移動することになる。特に、第1光学素子における下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l1が、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u1よりも強いため、下光線Ll側の主点は、上光線Luよりも表示デバイス110側に移動する。その結果、表示デバイス110は、下光線Llに対応する部分は第1光学素子から遠ざかるように後退し、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|は、第1光学素子および第2光学素子に以上のような局所的なパワーの差を設けない場合の表示デバイスにおける傾斜角に比べて小さくなる。
[3-1-2. No.2]
図5に示すNo.2の組み合わせは、第1光学素子についてはNo.1と同様の構成である。しかし、第2光学素子については、下光線Llに作用する部分が局所的に負のパワーP_l2であり、また、上光線Luに作用する部分が局所的に正のパワーP_u2となるように構成した例である。
図5に示すNo.2の組み合わせは、第1光学素子についてはNo.1と同様の構成である。しかし、第2光学素子については、下光線Llに作用する部分が局所的に負のパワーP_l2であり、また、上光線Luに作用する部分が局所的に正のパワーP_u2となるように構成した例である。
このような構成の場合には、テレフォト型の光学系にはならず、下光線Ll側の主点は、No.1の場合に比べて、さらに表示デバイス110側に移動する。その結果、表示デバイス110は、下光線Llに対応する部分は第1光学素子から遠ざかるように後退し、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|は、第1光学素子および第2光学素子に以上のような局所的なパワーの差を設けない場合の表示デバイスにおける傾斜角に比べて小さくなる。
[3-1-3. No.3]
図5に示すNo.3の組み合わせは、第1光学素子についてはNo.1と同様の構成である。しかし、第2光学素子については、負のパワーを有する光学素子とし、下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l2を、上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u2よりも強くなるように構成した例である。
図5に示すNo.3の組み合わせは、第1光学素子についてはNo.1と同様の構成である。しかし、第2光学素子については、負のパワーを有する光学素子とし、下光線Llに作用する部分の局所的な負のパワーP_l2を、上光線Luに作用する部分の局所的な負のパワーP_u2よりも強くなるように構成した例である。
このような構成の場合には、テレフォト型の光学系にはならず、下光線Ll側の主点は、上光線Lu側の主点に比べて、表示デバイス110側に移動する。その結果、表示デバイス110は、下光線Llに対応する部分は第1光学素子から遠ざかるように後退し、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|は、第1光学素子および第2光学素子に以上のような局所的なパワーの差を設けない場合の表示デバイスにおける傾斜角に比べて小さくなる。
[3-1-4. No.4]
図5に示すNo.4の組み合わせは、第2光学素子については、上述した実施の形態と同様に、正のパワーを有する光学素子とし、下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2が強くなるように構成した例である。
図5に示すNo.4の組み合わせは、第2光学素子については、上述した実施の形態と同様に、正のパワーを有する光学素子とし、下光線Llに作用する部分の局所的な正のパワーP_l2が弱く、また、上光線Luに作用する部分の局所的な正のパワーP_u2が強くなるように構成した例である。
しかし、第1光学素子については、下光線Llに作用する部分が局所的に正のパワーP_l2であり、また、上光線Luに作用する部分が局所的に負のパワーP_u2となるように構成した例である。
このような構成の場合には、上光線Luに対応する部分にテレフォト作用が働き、上光線Luの光路は、下光線Llの光路に比べて減少する。その結果、表示デバイス110は、上光線Luに対応する部分が第1光学素子に近づくように前進し、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|は、第1光学素子および第2光学素子に以上のような局所的なパワーの差を設けない場合の表示デバイスにおける傾斜角に比べて小さくなる。
[3-1-5. No.5]
図5に示すNo.5の組み合わせは、第1光学素子については、No.4の構成と同様である。しかし、第2光学素子については、下光線Llに作用する部分が局所的に負のパワーP_l2であり、また、上光線Luに作用する部分が局所的に正のパワーP_u2となるように構成した例である。
図5に示すNo.5の組み合わせは、第1光学素子については、No.4の構成と同様である。しかし、第2光学素子については、下光線Llに作用する部分が局所的に負のパワーP_l2であり、また、上光線Luに作用する部分が局所的に正のパワーP_u2となるように構成した例である。
このような構成の場合には、上光線Luに対応する部分にテレフォト作用が働き、上光線Luの光路は、下光線Llの光路に比べて減少する。その結果、表示デバイス110は、上光線Luに対応する部分が第1光学素子に近づくように前進し、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|は、第1光学素子および第2光学素子に以上のような局所的なパワーの差を設けない場合の表示デバイスにおける傾斜角に比べて小さくなる。
以上のように、第1光学素子と第2光学素子に局所的なパワーに差を設ける構成は、実施の形態1および実施の形態2のような組み合わせ(図5のNo.6)に限定されるものではなく、前記条件式(1),(2)を満足し、結像することでできれば、図5のNo.1からNo.5に示した組み合わせが可能である。
図5に示したいずれの組み合わせにおいても、本実施の形態における投射光学系140は、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|を減少させることができるため、表示デバイス110のコントラストの低下を防ぐことが可能となる。
本実施の形態によれば、コントラストを低下させることなく、虚像Iを路面Rに沿って表示させることができ、奥行き感のある自然で明瞭なAR表示を実現させることができる。したがって、ドライバーの認識力をさらにアップさせることができる。
[3-2. 効果等]
実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140と、を備える。投射光学系140は、表示デバイス110からの光路の順に、第1光学素子と、第2光学素子とを有する。虚像Iの上端に相当する光路を上光線Lu、下端に相当する光路を下光線Llとし、第1光学素子における下光線Llに作用する部分の局所的なパワーをP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的なパワーをP_u1とする。また、第2光学素子における下光線Llに作用する部分の局所的なパワーをP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的なパワーをP_u2とする。第1光学素子と第2光学素子におけるこれらの局所的なパワーは、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイの一例としてのヘッドアップディスプレイ100は、観察者Dに虚像Iを視認させるヘッドアップディスプレイである。ヘッドアップディスプレイ100は、表示デバイスの一例としての表示デバイス110と、投射光学系140と、を備える。投射光学系140は、表示デバイス110からの光路の順に、第1光学素子と、第2光学素子とを有する。虚像Iの上端に相当する光路を上光線Lu、下端に相当する光路を下光線Llとし、第1光学素子における下光線Llに作用する部分の局所的なパワーをP_l1、および上光線Luに作用する部分の局所的なパワーをP_u1とする。また、第2光学素子における下光線Llに作用する部分の局所的なパワーをP_l2、および上光線Luに作用する部分の局所的なパワーをP_u2とする。第1光学素子と第2光学素子におけるこれらの局所的なパワーは、以下の条件式(1),(2)を満足する。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
P_u2-P_l2>0・・・(2)
実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイによれば、第1光学素子と第2光学素子におけるこれらの局所的な正負のパワーが、条件式(1),(2)を満足するので、表示デバイス110の基準光線Lcに対する傾斜角|θ1|を減少させることができる。その結果、表示デバイス110のコントラストの低下を防ぐことができ、虚像Iを路面Rに沿って明瞭に表示させることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
図6は、表示デバイス110に表示される表示画像111を示している。観察者Dから見た虚像Iが、例えば矩形に見えるようにするためには、表示デバイス110に表示される表示画像111は、図6に示すように、虚像Iの上側に対応する下辺の幅狭く、虚像Iの下側に対応する上辺の幅が広い台形となる。また、表示デバイス110は、上述したように基準光線Lcに対して傾斜させるため、虚像Iの上下方向に対応する領域は、虚像上側よりも虚像下側が広くなっている。つまり、表示画像111の表示領域は、虚像Iの中心に対して、虚像Iの上側に対応する使用範囲よりも虚像Iの下側に対応する使用範囲の方が広くなっている。表示画像111をこのようにすることにより、観察者Dからは、矩形の虚像Iが、路面Rに沿って見えることになる。
図7は、表示デバイス110における表示画像111の画素のピッチを示す図である。図7に示すように、本実施の形態では、横の画素のピッチよりも縦の画素のピッチを粗くしている。上述したように、表示デバイス110を基準光線Lcに対して傾斜させることにより、虚像Iにおいては、縦の画素数が多くなってしまう。つまり、縦方向の使用領域が増えてしまう。そこで、図7に示すように、表示画像111において横の画素のピッチよりも縦の画素のピッチを粗くすることにより、虚像Iにおいては縦と横の画素数を一緒にすることができる。言い換えると、表示デバイス110の表示画像は、虚像Iの上下方向に相当する方向よりも虚像Iの左右方向に相当する方向の画素ピッチが細かくすることで、虚像Iにおいては縦と横の画素数を一緒にすることができる。
このような画素のピッチを実現するには、例えば、レーザをスクリーンに投影する形式の表示デバイスにおいて、スクリーンとして、レンズシートとレンチキュラーレンジシートを備え、このスクリーンのピッチを図7のようにすることが考えられる。このとき、画素ピッチはスクリーンのピッチに相当する。
移動体としては、自動車等の車両の他、ウインドシールドを有する自動二輪車、電車、バス、あるいは飛行機等も考えられ、これらの移動体に本開示のヘッドアップディスプレイ100を搭載することができる。
実施の形態1~3では、ヘッドアップディスプレイ100はダッシュボード210の下方に配置しているが、ダッシュボード210の上方に配置しても良い。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
実施の形態1~3では、虚像Iは路面Rに沿って表示させているが、観察者Dの視線に対して45度以上傾けることでも奥行き感を表現することができる。
(実施形態の概要)
(1)本開示のヘッドアップディスプレイは、画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、ヘッドアップディスプレイは、画像を表示する表示デバイスと、画像を拡大して投影する投射光学系と、投射光学系は画像からの光路の順に配置された第1光学素子および第2光学素子と、を有し、第1光学素子および第2光学素子は、虚像の上端に相当する光路を上光線、下端に相当する光路を下光線とし、第1光学素子および第2光学素子の発散作用を負、収斂作用を正としたとき、以下の条件式(1),(2)を満足するヘッドアップディスプレイである。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
ただし、
P_u1:前記第1光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l1:前記第1光学素子が下光線に作用する局所パワー
P_u2-P_l2>0・・・(2)
ただし、
P_u2:前記第2光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l2:前記第2光学素子が下光線に作用する局所パワー
(1)本開示のヘッドアップディスプレイは、画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、ヘッドアップディスプレイは、画像を表示する表示デバイスと、画像を拡大して投影する投射光学系と、投射光学系は画像からの光路の順に配置された第1光学素子および第2光学素子と、を有し、第1光学素子および第2光学素子は、虚像の上端に相当する光路を上光線、下端に相当する光路を下光線とし、第1光学素子および第2光学素子の発散作用を負、収斂作用を正としたとき、以下の条件式(1),(2)を満足するヘッドアップディスプレイである。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
ただし、
P_u1:前記第1光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l1:前記第1光学素子が下光線に作用する局所パワー
P_u2-P_l2>0・・・(2)
ただし、
P_u2:前記第2光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l2:前記第2光学素子が下光線に作用する局所パワー
以上のような条件式を満足することにより、表示デバイスの基準光線に対する傾斜角を減少させることができる。その結果、表示デバイスのコントラストの低下を防ぐことができ、虚像を路面に沿って明瞭に表示させることができる。
(2)(1)のヘッドアップディスプレイにおいて、表示画像の表示領域は、虚像中心に対して、虚像の上側に対応する使用範囲よりも虚像の下側に対応する使用範囲の方が広い。したがって、観察者が虚像を観察すると、歪みのない自然な形状の虚像を観察することができる。
(3)(1)または(2)のヘッドアップディスプレイにおいて、表示デバイスの表示画像は、虚像の上下方向に相当する方向よりも虚像の左右方向に相当する方向の画素ピッチが細かい。したがって、観察者が虚像を観察すると、縦と横の画素数が一緒になった虚像を観察することができる。
(4)(1)ないし(3)のいずれか一のヘッドアップディスプレイにおいて、第1光学素子は自由曲面レンズである。したがって、上光線と下光線に作用する局所的パワーが上記条件式(1),(2)を満足するように構成することができる。
(5)(1)ないし(3)のヘッドアップディスプレイにおいて、第1光学素子は自由曲面ミラーである。したがって、上光線と下光線に作用する局所的パワーが上記条件式(1),(2)を満足するように構成することができる。
(6)(1)ないし(5)のヘッドアップディスプレイにおいて、第1光学素子は発散作用を有する。したがって、上光線と下光線に作用する局所的パワーが上記条件式(1),(2)を満足するように構成することができる。
(7)(1)ないし(6)のヘッドアップディスプレイにおいて、第2光学素子は自由曲面ミラーである。したがって、上光線と下光線に作用する局所的パワーが上記条件式(1),(2)を満足するように構成することができる。
(8)本開示の移動体は、(1)ないし(7)のヘッドアップディスプレイを搭載した移動体である。したがって、表示デバイスのコントラストの低下がなく、虚像を路面等に沿って明瞭に表示させることが可能な移動体を提供することができる。
本開示は、液晶ディスプレイ等の表示デバイス、および自由曲面レンズまたは自由曲面ミラー等の投射光学系を用いたヘッドアップディスプレイに適用可能である。具体的には、車両用などのヘッドアップディスプレイに、本開示は適用可能である。また、このヘッドアップディスプレイを搭載した車両等の移動体に適用可能である。
100 ヘッドアップディスプレイ
110 表示デバイス
111 表示画像
123 自由曲面レンズ
124 自由曲面ミラー
125 自由曲面ミラー
140 投射光学系
200 車両
210 ダッシュボード
220 ウインドシールド
300 視点領域
D 観察者
I 虚像
R 路面
Lc 基準光線
Lu 上光線
Ll 下光線
110 表示デバイス
111 表示画像
123 自由曲面レンズ
124 自由曲面ミラー
125 自由曲面ミラー
140 投射光学系
200 車両
210 ダッシュボード
220 ウインドシールド
300 視点領域
D 観察者
I 虚像
R 路面
Lc 基準光線
Lu 上光線
Ll 下光線
Claims (9)
- 画像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイであって、
前記ヘッドアップディスプレイは、
前記画像を表示する表示デバイスと、
前記画像を拡大して投影する投射光学系と、を有し、
前記投射光学系は、
前記画像からの光路の順に配置された第1光学素子および第2光学素子を有し、
前記第1光学素子および第2光学素子は、
前記虚像の上端に相当する光路を上光線、下端に相当する光路を下光線とし、
前記第1光学素子および前記第2光学素子の発散作用を負、収斂作用を正としたとき、
以下の条件式(1),(2)を満足するヘッドアップディスプレイ。
P_u1-P_l1<0・・・(1)
ただし、
P_u1:前記第1光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l1:前記第1光学素子が下光線に作用する局所パワー
P_u2-P_l2>0・・・(2)
ただし、
P_u2:前記第2光学素子が上光線に作用する局所パワー
P_l2:前記第2光学素子が下光線に作用する局所パワー - 前記表示デバイスにおける前記画像の表示領域は、虚像中心に対して、虚像の上側に対応する使用範囲よりも虚像の下側に対応する使用範囲の方が広い、
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。 - 前記表示デバイスの表示画像は、虚像の上下方向に相当する方向よりも虚像の左右方向に相当する方向の画素ピッチが細かい、
請求項1または請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ。 - 前記第1光学素子は自由曲面レンズである、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。 - 前記第1光学素子は自由曲面ミラーである、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。 - 前記第1光学素子は発散作用を有する、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。 - 前記第2光学素子は自由曲面ミラーである、
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ。 - 前記虚像は、前記観察者の視線に対して45度以上傾斜している、
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイを搭載した移動体。
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