JP7144632B1 - メンテナンスシステム、および、メンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンスを要する機器を適切に把握する。【解決手段】本発明のメンテナンスシステムは、複数のメータそれぞれに対応付けられたセンサノードと、センサノードに接続され、センサノードを通じてメータの情報を収集する中継器と、センサノードおよび中継器を通じ、マルチホップ形式のセンサネットワークによってメータの情報を収集するセンター制御部と、センサネットワークのメンテナンスを制御するメンテナンス制御部と、を備え、メンテナンス制御部は、Lowlink法を用いてセンサネットワーク内のセンサノードの探索番号を更新し、同一の探索番号を有するセンサノードをグループ化し、グループ単位でセンサネットワークをメンテナンスする。【選択図】図26

Description

本発明は、センサネットワークのメンテナンスシステム、および、メンテナンス方法に関する。
ガス事業者や電力事業者は、需要者が消費したガスや電力の使用量を積算するため、需要箇所にガスメータや電力メータを配置している。また、近年では、通信機能を備え、ガス事業者や電力事業者との間で双方向にデータ通信を行い、ガスや電力の使用量を自動的に遠隔検針可能なスマートメータの設置が促進されている。かかるスマートメータは、ガスや電力といったインフラ網の安全性や利用効率を高めるための情報源としても利用できる。
また、上述したスマートメータとガス事業者や電力事業者とのデータ通信を実現すべく様々な手段が提案されている。例えば、スマートメータに近距離の無線機を設け、メッシュ型のネットワークを形成したり、LTE(Long Term Evolution)といった携帯電話網によってスター型のネットワークを形成したり、電力線通信によるスター型のネットワークを形成することが考えられる。
また、特許文献1には、センサノード通信端末毎のセンサ情報がデータサーバに蓄積され、蓄積されたセンサ情報がデータ管理部で分析されるセンサネットワークシステムが開示されている。かかるデータ管理部は、故障診断アルゴリズムにしたがって、センサノード通信端末の自己診断を実施し、故障と判定されたセンサノード通信端末のメンテナンスを実施可能となっている。
特開2016-103187号公報
例えば、ガスの使用量などを計測するメータごとにセンサノードが対応付けられ、センサノードおよび中継器を通じてメータの情報がセンター装置に収集される構成のセンサネットワークがある。このセンサネットワークでは、メータの交換に合わせてセンサノード等が新たに設置されるため、時間の経過とともにセンサネットワークが拡張または変更される。そのため、このセンサネットワークでは、各機器の設置状況や通信環境などが、時間の経過とともに変化することがある。そうすると、例えば、センサノード間の無線接続を確立し難くなるなどの事態が生じることがあり、メンテナンスを要する機器が生じることがある。しかし、メンテナンスを要する機器を適切に把握することは容易ではない。
本発明は、メンテナンスを要する機器を適切に把握することが可能なメンテナンスシステム、および、メンテナンス方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のメンテナンスシステムは、複数のメータそれぞれに対応付けられたセンサノードと、センサノードに接続され、センサノードを通じてメータの情報を収集する中継器と、センサノードおよび中継器を通じ、マルチホップ形式のセンサネットワークによってメータの情報を収集するセンター制御部と、センサネットワークのメンテナンスを制御するメンテナンス制御部と、を備え、メンテナンス制御部は、Lowlink法を用いてセンサネットワーク内のセンサノードの探索番号を更新し、同一の探索番号を有するセンサノードをグループ化し、グループ単位でセンサネットワークをメンテナンスする。
メンテナンス制御部は、センサネットワーク内のセンサノードに対し、ホップ数の昇順となるように探索番号を付与し、センサノードの探索番号を更新するとしてもよい。
メンテナンス制御部は、センサネットワーク内のセンサノードに対し、順次ホップ数が異なるように探索番号を付与し、センサノードの探索番号を更新するとしてもよい。
メンテナンス制御部は、グループ化されたグループ内において他のセンサノードとの通信成功率差が第1差分閾値以上であるセンサノードをメンテナンスの対象とするとしてもよい。
メンテナンス制御部は、グループ化されたグループ間において他のグループとの通信成功率差が第2差分閾値以上であるグループをメンテナンスの対象とするとしてもよい。
上記課題を解決するために、複数のメータそれぞれに対応付けられたセンサノードと、センサノードに接続され、センサノードを通じてメータの情報を収集する中継器と、センサノードおよび中継器を通じ、マルチホップ形式のセンサネットワークによってメータの情報を収集するセンター制御部と、を有するセンサネットワークのメンテナンスを実行する本発明のメンテナンス方法は、Lowlink法を用いてセンサネットワーク内のセンサノードの探索番号を更新し、同一の探索番号を有するセンサノードをグループ化し、グループ単位でセンサネットワークをメンテナンスする。
本発明によれば、メンテナンスを要する機器を適切に把握することが可能となる。
メンテナンスシステムが適用されるセンサネットワークの概略的な構成を示した説明図である。 センター装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。 メータデータベースの構成を説明するための説明図である。 トポロジー推定装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。 トポロジー推定部の処理を説明するための説明図である。 第1実施形態にかかるトポロジー推定方法の流れを示したフローチャートである。 トポロジー推定部の他の処理を説明するための説明図である。 トポロジー推定部の他の処理を説明するための説明図である。 メンテナンス装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。 第2実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第2実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第2実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第2実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第2実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第2実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第2実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第3実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第3実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第3実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第3実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第3実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 第3実施形態にかかるメンテナンス制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。 Lowlink法の流れを示したフローチャートである。 メンテナンス制御部の処理を説明するための説明図である。 メンテナンス制御部の他の処理を説明するための説明図である。 グループ化のイメージを説明するための説明図である。 グループ内のメンテナンスを説明するための説明図である。 グループ間のメンテナンスを説明するための説明図である。 グループ間のメンテナンスを説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(センサネットワーク100)
図1は、メンテナンスシステム1が適用されるセンサネットワーク100の概略的な構成を示した説明図である。図1に示すように、センサネットワーク100は、複数のメータ110と、複数のセンサノード112と、複数の中継器114と、センター装置116と、基地局118とを含んで構成される。
メータ110は、例えば、スマートメータであり、需要者、すなわち、個別住宅や集合住宅の各住戸単位で設置される。メータ110は、ガス事業者から需要者にガスを供給したり、電力事業者から需要者に電力を供給したりする場合に、少なくともガスや電力の使用量を自動的に検針する装置である。本実施形態では、説明の便宜上、ガス事業者によるガスのメータ110について例示するが、電力(電気)にも適用できることは言うまでもない。
センサノード112は、メータ110それぞれに対し1対1に対応付けられて設置され、少なくともメータ110で利用される情報(データ)の送受信を行う。
中継器114は、異なるネットワーク同士を接続するゲートウェイ機器として機能し、複数のセンサノード112のいずれかに対応付けて設置される。中継器114は、その中継器114に対応付けられたセンサノード112と有線で通信を確立するとともに、センター装置116との通信を確立する。そして、中継器114は、対応付けられたセンサノード112を通じて、周囲の1または複数のセンサノード112と無線通信を確立する。
ただし、センサノード112同士の通信は、近距離無線で実現されているため、全てのセンサノード112が、中継器114に対応付けられたセンサノード112と、無線通信を直接確立できるとは限らない。この場合、センサノード112は、無線通信可能な他のセンサノード112を1または複数回ホップ(経由)して中継器114に接続される。こうして、中継器114は、対応付けられたセンサノード112および周囲の他のセンサノード112を通じて、各センサノード112の情報をセンター装置116に送信するとともに、センター装置116の情報を周囲のセンサノード112に送信することができる。つまり、中継器114は、マルチホップ形式でセンサノード112と通信しメータ110の情報収集し、センター装置116は、中継器114と通信を確立し、メータ110の情報を受信する。なお、このとき、伝達される情報には、情報が伝達される際に経由した中継器114および基地局118を特定する識別子も含まれるので、センター装置116は、その情報の発信元と経路を特定することができる。
センター装置116は、コンピュータ等で構成され、ガス事業者や電力事業者といったセンサネットワーク100の管理者側に属する機器である。センター装置116は、1または複数の中継器114と通信を確立して、情報を収集または送信する。なお、メータ110が設置されている位置(座標情報)は、センター装置116において導管マッピング(GISシステム)を通じて管理されている。したがって、メータ110に設置されるセンサノード112の位置や、センサノード112と併設される中継器114の位置も導管マッピングによって特定できる。
基地局118は、中継器114およびセンター装置116のいずれとも通信を確立でき、中継器114とセンター装置116との通信を中継する。
上述したようなセンサネットワーク100を構築することで、ガス事業者の検針員がメータ110を直接検針しなくても、検針情報を収集(自動検針)することが可能となり、業務の効率化を図ることができる。
ここで、各装置間の通信について説明する。例えば、中継器114と基地局118との無線通信、および、基地局118とセンター装置116との通信は、携帯電話網やPHS(Personal Handyphone System)網等の、例えば、LTEといった、通信量に応じて通信料が生じる既存の有料通信網が用いられる。かかる有料通信網は、ガス事業者や電力事業者と異なる、例えば、通信事業者が管理している。
センサノード112同士は、例えば、920MHz帯を利用するスマートメータ用無線システム(U-Bus Air)を通じた無線通信を確立する。かかるセンサノード112同士の無線通信は無料であることを想定しているが、有料か無料かは問わず、少なくとも中継器114とセンター装置116との間の通信より通信コストが低ければよい。このような無線通信により、中継器114は、有料通信網を通じて、センター装置116と接続されると共に、スマートメータ用無線システムを通じて各センサノード112と接続される。
センサネットワーク100では、需要者単位で、メータ110およびセンサノード112が配置されている。また、上述したように、メータ110およびセンサノード112に対し、中継器114が併設される場合もある。センター装置116は、センサノード112や中継器114を通じてメータ110の情報を収集、または、メータ110を制御する。したがって、センサノード112や中継器114は、需要者が存在するあらゆる位置に配置されることとなる。
ここでは、センサノード112から中継器114までのスマートメータ用無線システムと、中継器114からセンター装置116までの既存の有料通信網とを併用することで、センサノード112とセンター装置116との通信を低コストで実現する。すなわち、中継器114は、別途の通信料が不要なアドホック通信を通じて複数のセンサノード112から情報を収集する。そして、中継器114は、通信料を費やすものの、例えば1日に1回の短時間で、収集した情報を一度にセンター装置116に送信する。こうして、中継器114の有料通信網の利用を最小限に留めることができ、センサネットワーク100全体の通信コストを削減することが可能となる。
また、上記スマートメータ用無線システムは、近距離無線を想定しているため、無線通信に費やす電力は比較的少ない。したがって、センサノード112の電源は、電池等で賄うことができ、センサネットワーク100の消費電力を削減することが可能となる。有料通信網は、スマートメータ用無線システムと比べると相対的に電力を消費し易いので、大容量の電池もしくは別途の電源を要する。しかし、センサノード112に対して中継器114の絶対数が少なく、かつ、1台当たりの通信頻度および通信時間が少ないので、全てのセンサノード112から携帯電話網を常時利用する場合に比べ、消費電力を極めて低く抑えることができる。
また、センサネットワーク100では、1つの中継器114に割り当てが可能なセンサノード112の数(換言すると、メータ110の数)の許容される最大値を示す許容値が予め決められている。当該許容値は、例えば、47などであるが、中継器114が取り付けられているセンサノード112の仕様により任意に設定することができる。中継器114が取り付けられているセンサノード112は、当該中継器114に割り当てられたセンサノード112の数および当該許容値を把握している。中継器114は、割り当てられたセンサノード112に対応するメータ110と通信を確立する。
また、メータ110とセンター装置116との通信経路のうち、相対的にセンター装置116に近い方を上流と呼ぶ場合があり、相対的にセンター装置116から遠い方を下流と呼ぶ場合がある。また、1つの中継器114に割り当てられたセンサノード112であり、当該中継器114よりも下流のセンサノード112のことを、中継器114の配下と呼ぶ場合がある。当該中継器114および当該中継器114の配下のセンサノード112は、同一の識別子(後述するネットワークID)が付されて管理される。
図2は、センター装置116の概略的な構成を示した機能ブロック図である。センター装置116は、センター通信部122と、センター保持部124と、センター制御部126とを含んで構成される。
センター通信部122は、基地局118を通じて中継器114と通信を確立する。センター保持部124は、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、センター装置116に用いられる導管マッピングや、後述するメータデータベース等、各種情報を保持する。センター制御部126は、プロセッサと、プログラムを格納するメモリとで構成される。センター制御部126は、プロセッサがプログラムを実行することで、センサネットワーク100全体を管理する。センター制御部126は、例えば、1日毎に所定時刻となると、各々の中継器114を通じて、各々のメータ110の情報を取得する。また、センター保持部124には、各々のメータ110に関する各種の情報が含まれるメータデータベースが記憶されている。
図3は、メータデータベースの構成を説明するための説明図である。メータデータベースでは、センサネットワーク100に用いられる全てのメータ110に対し、メータID、ネットワークID、中継器ID、メータ110に対して1ホップ上流のセンサノードID、通信成功率、ホップ数などが対応付けられている。
メータIDは、メータ110を一意に識別する識別子である。ネットワークIDは、1つの中継器114および当該中継器114の配下のセンサノード112のグループを一意に識別する識別子である。共通の中継器114が割り当てられる各メータ110には、同一のネットワークIDが付される。中継器IDは、メータ110に対応付けられたセンサノード112が実際に通信を確立している中継器114を一意に識別する識別子である。1ホップ上流のセンサノードIDは、メータ110に対応するセンサノード112よりも1ホップ上流のセンサノード112を一意に識別する識別子である。通信成功率は、メータ110とセンター装置116との間の、通信の試行回数に対する通信が成功した回数の割合である。ホップ数は、メータ110に対応するセンサノード112から、中継器114が取り付けられているセンサノード112までのホップ数である。
なお、メータデータベースは、例示した情報に限らず、メータ110に関する任意の情報を含んでもよい。例えば、メータデータベースには、メータ110に対応するセンサノード112に中継器114が取り付けられているか否かを示す中継器取付情報が、メータIDに対応付けられていてもよい。また、メータデータベースには、毎日のロードサーベイの成功または失敗の結果を示すロードサーベイ情報が、メータIDに対応付けられていてもよい。また、メータデータベースには、メータ110の設置工事を行った日、メータ110に対応するセンサノード112の設置工事を行った日(施工日)、メータ110に対応するセンサノード112がセンサネットワーク100に接続された日(接続日)、メータ110に中継器114が取り付けられた日、メータ110から中継器114が取り外された日など各種の工事に関する履歴を示す工事情報が、メータIDに対応付けられていてもよい。
(第1実施形態にかかるトポロジー推定システム)
ところで、センサネットワーク100では、検定有効期間が、例えば、10年といったように定まっており、その検定有効期間の満了に伴い、経年劣化による不具合を防止するため、メータ110を交換している。また、メータ110の交換に伴ってセンサノード112や中継器114も交換する場合がある。以後、検定有効期間が満了することを、検満と呼ぶ場合がある。
例えば、センサノード112が取り付けられていないメータ110の検満によって、メータ110を交換し、交換後のメータ110にセンサノード112を新たに取り付けることがある。このようにしてセンサノード112が増えると、場合によっては、センサノード112に対する中継器114の数が不足することがある。中継器114の数が不足する場合には、中継器114を新たに設置(換言すると、後付け設置)する必要がある。また、メータ110が設置されている建物が取り壊されるような場合、メータ110、センサノード112または中継器114も撤去されることもある。さらに、センサノード112の周囲に建物が新たに建設されるなどによって、センサノード112間の通信の確立が成功し難くなることもある。このように、センサネットワーク100では、各機器の設置状況や通信環境などが、時間の経過とともに変化することがある。
このように変化を伴うセンサネットワーク100におけるメータ110およびセンサノード112の故障診断やメンテナンスを実行するためには、まず、センサネットワークのトポロジー(接続関係)を推定しなければならない。ここでは、センサネットワーク100のトポロジーを適切に推定することを目的とする。
なお、センサネットワーク100では、マルチホップ形式を採用しており、中継器114と各センサノード112との通信を確立するためには予めトポロジーを把握しておく必要がない。したがって、既存のセンサネットワーク100ではトポロジーが生成されていない。
図1に示すように、本実施形態のセンサネットワーク100のトポロジー推定システムは、トポロジー推定装置130を備える。トポロジー推定装置130は、センター装置116と通信を確立することができ、センター装置116のセンター保持部124から必要な情報を取得することができる。センサネットワーク100では、上記のように、トポロジーは把握されていないが、中継器114と各センサノード112との通信が確立されたことにより、センサノード110のホップ数は把握されている。そこで、トポロジー推定装置130は、センサネットワーク100の運用時におけるホップ数に基づいてセンサネットワーク100のトポロジーを推定する。
図4は、トポロジー推定装置130の概略的な構成を示した機能ブロック図である。トポロジー推定装置130は、トポロジー通信部132と、トポロジー保持部134と、トポロジー制御部136とを含んで構成される。
トポロジー通信部132は、有線通信または無線通信によってセンター装置116と通信を確立する。トポロジー保持部134は、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成される。トポロジー保持部134は、トポロジー通信部132を通じてセンター装置116から取得された、メータデータベースに含まれる情報や導管マッピングの情報などの各種の情報を保持する。トポロジー制御部136は、プロセッサと、プログラムを格納するメモリとで構成される。
トポロジー制御部136は、トポロジーを推定する際に必要な情報をセンター装置116から取得してトポロジー保持部134に記憶させる。トポロジー制御部136は、プログラムを実行し、トポロジー保持部134に記憶した情報(例えば、メータデータベース)を参照して、センサネットワーク100のトポロジーを推定する。
図5は、トポロジー制御部136の処理を説明するための説明図である。図5に示すセンサネットワーク100においてセンサノード112は丸「○」で表され、ホップ数が丸の中の数値で示される。例えば、図5(a)の左上に位置する中継器114に対応付けられたセンサノード112はホップ数が0なので、丸の中には「0」が付されている。また、他のセンサノード112は、そのホップ数に応じて「1」~「4」の数値が付されている。
トポロジー制御部136は、トポロジー保持部134に保持されたメータデータベースを参照し、同一のネットワークIDを有する、すなわち、図5に示した共通の中継器114が割り当てられるメータIDと、そのホップ数、接続日を取得する。
トポロジー制御部136は、ホップ数に対し、以下の考え方に基づいてトポロジーを推定する。例えば、N+1ホップ(N≧0の整数)のセンサノード112は少なくとも1台のNホップ数のセンサノード112と接続しているはずである。これは、N+1ホップ数のセンサノード112は、Nホップ数のセンサノード112と接続されているからこそホップ数がN+1になることに基づいている。また、N+Mホップ(M≧2の整数)のセンサノード112とNホップ数のセンサノード112とは、直接的には(1ホップでは)接続されていないはずである。これは、仮に、N+Mホップ数のセンサノード112とNホップ数のセンサノード112とが接続されているとすると、N+Mホップ数のセンサノード112はN+1のセンサノード112となり、N+Mホップ数のセンサノード112とはならないことに基づいている。
図6は、トポロジー推定方法の流れを示したフローチャートである。トポロジー制御部136は、上記の考え方に基づいて、図5(a)に示されたセンサネットワーク100のトポロジーを推定するトポロジー推定方法を実行する。ここでは、ホップ数に加え、センサノード112の接続日に基づいてセンサネットワーク100のトポロジーを推定する。
まず、トポロジー制御部136は、任意のN+1ホップ数のセンサノード112を抽出する(S10)。次に、トポロジー制御部136は、センサネットワーク100に接続された接続日に基づいて、任意のN+1ホップ数のセンサノード112が接続していると判定する対象から、所定のNホップ数のセンサノード112を一旦除外する(S12)。これは、以下の理由に基づく。すなわち、次のステップS14において、相対距離が第1規定値以下となるNホップ数のセンサノード112と、任意のN+1ホップ数のセンサノード112とが接続されていると判定されると(S16におけるYES)、その後のステップS18~S22の接続判定処理が実行されなくなる。そうすると、本来、ステップS18~S22の接続判定処理によって、N+1ホップ数のセンサノード112と接続されている可能性が高いと判定されるべきNホップ数のセンサノード112の接続判定処理自体が実行されないこととなる。
そこで、ここでは、センサネットワーク100に接続された接続日に基づいて、任意のN+1ホップ数のセンサノード112が接続していると判定する対象から、所定のNホップ数のセンサノード112を一旦除外する。そして、ステップS18~S22の接続判定処理によって、本来接続されている可能性が高いと判定されるべきNホップ数のセンサノード112を抽出できるようにする。なお、所定のNホップ数のセンサノード112を除外したままだと、かかるNホップ数のセンサノード112がステップS14の接続判定処理の対象とならない。そこで、後述するように、ステップS24において、所定のNホップ数のセンサノード112に対し、ステップS14と同様の接続判定処理を再度行うこととする。
図7は、トポロジー制御部136の他の処理を説明するための説明図である。ここでは、メータデータベースにおいて、メータIDに、センサノード112の接続日が対応付けられているとする。ここで、接続日は、センサノード112がセンサネットワーク100に初めて接続されたタイミングを示し、年、月、日で表される。なお、接続日に時刻を含んでもよい。
具体的に、ステップS12において、トポロジー制御部136は、センサネットワーク100に接続された接続日が、N+1ホップ数のセンサノード112の接続日より遅いNホップ数のセンサノード112を、N+1ホップ数のセンサノード112が接続していると判定する対象から除外する。
図7(a)において、1ホップ数のセンサノード112の接続日がそれぞれ1/1、3/1、4/1であったとする。また、2ホップ数のセンサノード112の接続日が3/1であったとする。なお、ここでは、説明の便宜上、月/日で表し、年および時刻を省略するが、全て等しい年に接続されているものとし、時刻は任意とする。
ここで、2ホップ数のセンサノード112が接続された接続日である3/1には、接続日が4/1の1ホップ数のセンサノード112はセンサネットワーク100に接続されていないので、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112は、接続日が4/1の1ホップ数のセンサノード112が存在しない状態でセンサネットワーク100に接続されていることになる。すなわち、少なくとも3/1において、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112は、その相対距離に拘わらず、接続日が3/1以前の1ホップ数のセンサノード112のいずれかと接続されていることになる。
したがって、トポロジー制御部136は、図7(b)において実線で示した2ホップ数のセンサノード112が接続していると判定する対象から、2ホップ数のセンサノード112より接続日が後である4/1に接続された1ホップ数のセンサノード112を一旦除外する(図7(b)中「×」で示す)ことができる。こうして、トポロジー制御部136は、残りの、接続日が3/1以前(1/1や3/1等)の1ホップ数のセンサノード112のうちから、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112が接続されている可能性が高い1ホップ数のセンサノード112を抽出することができる。
なお、1ホップ数のセンサノード112の接続日が3/1より遅い4/1であったとしても、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112と、接続日が4/1の1ホップ数のセンサノード112との相対距離が規定値以下であれば、後述するステップS24において両者は接続していると判定されるので問題ない。
図6に戻り、トポロジー制御部136は、導管マッピングの情報を参照して、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112の設置位置(緯度、経度、標高)を導出する。また、トポロジー制御部136は、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112の設置位置と、ネットワークIDが等しいセンサネットワーク100上の全てのNホップ数のセンサノード112の設置位置とから両者の相対距離を導出する。ここで、相対距離は、2つのセンサノード112間の直線的な距離を言う。そして、トポロジー制御部136は、導出した相対距離が第1通信距離条件を満たすと、すなわち、相対距離が第1規定値以下であれば、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112と、第1通信距離条件を満たすNホップ数のセンサノード112とは接続していると判定する(S14)。
ここで、第1規定値は、センサノード112に対応付けられたメータ110が設置された住戸同士の種別に応じた距離、すなわち、通信が可能と判断できる予め定められている距離であり、例えば、戸建同士間であれば30m、戸建と鉄筋集合住宅間であれば20m、鉄筋集合住宅同士間であれば10mとなる。こうして、図5(b)に実線で示したように、例えば、ホップ数「0」のセンサノード112とホップ数「1」のセンサノード112が接続され、ホップ数「1」のセンサノード112とホップ数「2」のセンサノード112が接続され、ホップ数「2」のセンサノード112とホップ数「3」のセンサノード112が接続され、ホップ数「3」のセンサノード112とホップ数「4」のセンサノード112が接続される。
次に、トポロジー制御部136は、ステップS14において、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112が、いずれかのNホップ数のセンサノード112と接続されたか否か判定する(S16)。その結果、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112と接続されたNホップ数のセンサノード112がない場合(S16におけるNO)、トポロジー制御部136は、センサネットワーク100に接続された接続日が、N+1ホップ数のセンサノード112の接続日から所定日数(例えば、3日)前までのいずれかであるNホップ数のセンサノード112が存在するか否か判定する(S18)。その結果、センサネットワーク100に接続された接続日が、N+1ホップ数のセンサノード112の接続日から所定日数前までのいずれかであるNホップ数のセンサノード112が存在していれば(S18におけるYES)、トポロジー制御部136は、センサネットワーク100に接続された接続日が、N+1ホップ数のセンサノード112の接続日から所定日数前までのいずれかである1または複数のNホップ数のセンサノード112のうち、N+1ホップ数のセンサノード112と相対距離が最も短いNホップ数のセンサノード112と、N+1ホップ数のセンサノード112とが接続していると判定する(S20)。
図8は、トポロジー制御部136の他の処理を説明するための説明図である。ここでは、説明の便宜上、センサノード112の接続日に加え、参考として施工日も示している。ここで、施工日は、センサノード112がセンサネットワーク100に施工されたタイミングを示し、年、月、日で表される。なお、施工日に時刻を含んでもよい。なお、メータ110とセンサノード112とが同タイミングで施工される場合、施工日として、メータ110がセンサネットワーク100に配置された年、月、日を採用してもよい。
図8(a)において、1ホップ数のセンサノード112の接続日がそれぞれ1/1、3/1、4/1であり、施工日がそれぞれ1/1、3/1、4/1であったとする。また、2ホップ数のセンサノード112の接続日が3/1であり、施工日が2/1であったとする。なお、ここでは、説明の便宜上、月/日で表し、年および時刻を省略するが、全て等しい年に接続および施工されているものとし、時刻は任意とする。
そして、2ホップ数のセンサノード112との相対距離が規定値以下の1ホップ数のセンサノード112が1台もなかったとする。この場合、図7を用いて説明したように、トポロジー制御部136は、接続日に基づいて、2ホップ数のセンサノード112が接続していると判定する対象から、2ホップ数のセンサノード112より接続日が後である4/1に接続された1ホップ数のセンサノードを除外している。こうして、トポロジー制御部136は、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112が、残りの、接続日が1/1の1ホップ数のセンサノード112および接続日が3/1の1ホップ数のセンサノード112のうちいずれかと接続していると、対象を限定することができる。
ここで、2ホップ数のセンサノード112は2/1に施工されている。仮に、施工日が2/1の2ホップ数のセンサノード112と、接続日が1/1かつ施工日が1/1の1ホップ数のセンサノード112とが接続されていた場合、2ホップ数のセンサノード112の接続日は、2ホップ数のセンサノード112の施工日である2/1となるか、少なくとも2/1から所定日数以内になるはずである。しかし、2ホップ数のセンサノード112の接続日は、施工日である2/1から所定日数より後の3/1となっている。したがって、トポロジー制御部136は、2ホップ数のセンサノード112が接続していると判定する対象から、少なくとも、施工日が1/1の1ホップ数のセンサノード112を除外することができる。
一方、施工日が3/1の1ホップ数のセンサノード112の接続日である3/1は、2ホップ数のセンサノード112の接続日である3/1と等しい。すなわち、施工日が3/1の1ホップ数のセンサノード112の接続日は、2ホップ数のセンサノード112の接続日である3/1から所定日数(例えば、3日)前までのいずれかとなっている。したがって、トポロジー制御部136は、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112が、接続日が3/1の1ホップ数のセンサノード112のうち相対距離が最も短い1ホップ数のセンサノード112と接続していると判定することができる。ここで、「相対距離が最も短い」としたのは、接続日が3/1の1ホップ数のセンサノード112が複数存在する場合、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112と相対距離が最も短い1ホップ数のセンサノード112が、接続日が3/1の2ホップ数のセンサノード112と接続されている可能性が最も高いからである。
なお、ここでは、センサネットワーク100に接続された接続日が、N+1ホップ数のセンサノード112の接続日から所定日数(例えば、3日)前までのいずれかのNホップ数のセンサノード112を、N+1ホップ数のセンサノード112と接続していると判定する例を挙げて説明した。これは、センサノード112はそれぞれ独立して他のセンサノード112と通信を確立するので、仮に、N+1ホップ数のセンサノード112が、Nホップ数のセンサノード112の接続に基づいて、Nホップ数のセンサノード112に接続されたとしても、接続日が必ずしも等しい(同日)とは限らないからである。したがって、ここでは、接続日から所定日数前、例えば、3日前から接続日までの範囲であれば、Nホップ数のセンサノード112の接続に基づいて、N+1ホップ数のセンサノード112がNホップ数のセンサノード112に接続されたと判定することができる。
かかる構成により、本来接続されている可能性が高いと判定されるべきNホップ数のセンサノード112を安定的に抽出することが可能となる。
図6に戻り、センサネットワーク100に接続された接続日が、N+1ホップ数のセンサノード112の接続日から所定日数前までのいずれかであるNホップ数のセンサノード112が存在しなければ(S18におけるNO)、トポロジー制御部136は、当該抽出したN+1ホップ数のセンサノード112が、Nホップ数のセンサノード112の中で相対距離が最も短いNホップ数のセンサノード112に接続していると判定する(S22)。
ここでは、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112が、実際には、いずれのNホップ数のセンサノード112と接続されているかは特定できないが、N+1ホップである限り、少なくともNホップ数のセンサノード112と接続しているはずである。したがって、N+1ホップ数のセンサノード112が、相対距離が最も短いNホップ数のセンサノード112に接続しているとしている。こうして、図5(b)に破線で示したように、例えば、ホップ数「2」のセンサノード112とホップ数「3」のセンサノード112が接続される。
次に、トポロジー制御部136は、ステップS12で除外したNホップ数のセンサノード112に対し、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112との相対距離が第1規定値以下であれば、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112と、第1通信距離条件を満たすNホップ数のセンサノード112とは接続していると判定する(S24)。こうして、ステップS12で除外したNホップ数のセンサノード112についても、ステップS14同様の接続判定処理を実行することができる。
続いて、トポロジー制御部136は、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112の位置情報と、ネットワークIDが等しいセンサネットワーク100上の全てのN+1ホップ数のセンサノード112の位置情報とから両者の相対距離を導出する。そして、トポロジー制御部136は、相対距離が第2通信距離条件を満たす、すなわち、相対距離が第2規定値以下であれば、抽出したN+1ホップ数のセンサノード112と、第2通信距離条件を満たすN+1ホップ数のセンサノード112とは接続していると判定する(S26)。こうして、図5(b)に一点鎖線で示したように、例えば、ホップ数「1」のセンサノード112同士が接続され、ホップ数「2」のセンサノード112同士が接続される。
なお、第1規定値同様、第2規定値は、メータ110が設置された住戸同士の種別に応じて異なる。したがって、ステップS26における相対距離も、メータ110が設置された住戸同士の種別、例えば、戸建同士間、戸建と鉄筋集合住宅間、鉄筋集合住宅同士間のいずれであるかに応じ、係数を乗じて(重み付けをして)判定するとしてもよい。
なお、N+1ホップ数のセンサノード112同士は、N+1ホップ数のセンサノード112とNホップ数のセンサノード112と異なり、必ずしも接続されているとは限らない。そうすると、N+1ホップ数のセンサノード112同士の接続判定については、N+1ホップ数のセンサノード112とNホップ数のセンサノード112のように、いずれかのセンサノード112には接続されているはずであるという考え方を採用する必要がない。したがって、N+1ホップ数のセンサノード112同士については、N+1ホップ数のセンサノード112とNホップ数のセンサノード112におけるステップS16~S22のような処理は行わない。
トポロジー制御部136は、ネットワークIDが等しいセンサネットワーク100上の全てのセンサノード112についてステップS10~S26の処理が行われたか否か判定する(S28)。その結果、全てのセンサノード112についてステップS10~S26の処理が行われていれば(S28におけるYES)、トポロジー制御部136は、当該トポロジー推定方法を終了する。また、全てのセンサノード112についてステップS10~S26が行われていなければ(S28におけるNO)、トポロジー制御部136は、新たなN+1ホップ数のセンサノード112を抽出する処理(S10)からを繰り返す。
かかるトポロジー制御部136によるトポロジー推定方法によって、センサネットワーク100のトポロジーを適切に推定することが可能となる。
また、ここでは、図5(b)に示したようなトポロジーが参照され、センサノード112がどのようなルートで接続されているかが把握される。さらに、センサノード112の位置関係から、特定ルートや長距離伝搬を特定することも可能となる。
ここで、特定ルートは、図5(b)に示したように、迂回ルートがない、すなわち、そのルートの下流のセンサノード112が当該ルートを経由しないと上流の中継器114と通信できないルートを言う。また、特定ルートの上流の端末を特定ルート端末と呼ぶ場合がある。
特定ルート端末は、下流に多くのセンサノード112が接続される可能性が高いので、消費電力が増加し易く、故障時に影響が大きくなる。一方、特定ルート端末は、下流のセンサノード112の数を把握し易いので、センサネットワーク100の組み替えによって消費電力を容易に分散でき、また、故障の影響を受けるセンサノード112を把握し易い。
長距離伝搬は、図5(b)に示したように、相対距離が所定値(例えば、50m)以上のルートを言う。また、長距離伝搬の上流の端末を長距離伝搬端末と呼ぶ場合がある。
長距離伝搬は通信成功率を低下させる可能性がある。長距離伝搬端末、すなわち、長距離伝搬の上流のセンサノード112の通信成功率が高く、かつ、長距離伝搬の下流のセンサノード112の通信成功率が低い場合、その原因は、長距離を無線で繋げることによる電波変動が考えられる。
かかる構成により、センサネットワーク100のトポロジーを高精度に推定することが可能となる。
なお、図6で説明した各処理は、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、その順を入れ替えてもよい。また、その間に並列的あるいはサブルーチンによる処理を含めることもできる。
(第2実施形態にかかるメンテナンスシステム)
上記のトポロジー推定システムによって、センサネットワーク100のトポロジーが推定される。また、トポロジー推定システムによって、特定ルートや長距離伝搬も特定される。このような、センサネットワーク100では、例えば、センサノード112間の無線接続がされ難くなるなどの事態が生じることがあり、メンテナンスを要する機器が生じることがある。しかし、メンテナンスを要する機器を的確に把握することは容易ではない。
そこで、図1に示すように、本実施形態のセンサネットワーク100のメンテナンスシステム1は、メンテナンス装置150を備える。メンテナンス装置150は、センター装置116と通信を確立することができ、センター装置116のセンター保持部124から必要な情報を取得することができる。
図9は、メンテナンス装置150の概略的な構成を示した機能ブロック図である。メンテナンス装置150は、メンテナンス通信部152と、メンテナンス保持部154と、メンテナンス制御部156とを含んで構成される。
メンテナンス通信部152は、有線通信または無線通信によってセンター装置116と通信を確立する。メンテナンス保持部154は、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成される。メンテナンス保持部154は、メンテナンス通信部152を通じてセンター装置116から取得された、メータデータベースに含まれる情報や導管マッピングの情報などの各種の情報を保持する。メンテナンス制御部156は、プロセッサと、プログラムを格納するメモリとで構成される。メンテナンス制御部156は、プロセッサがプログラムを実行することで、メンテナンス制御部156といった機能モジュールとして機能する。
メンテナンス制御部156は、後に詳述するが、センサネットワーク100のメンテナンスに関する制御を行う。メンテナンス制御部156は、メンテナンスに関する制御を行う際の必要な情報をセンター装置116から取得してメンテナンス保持部154に記憶させる。メンテナンス制御部156は、メンテナンス保持部154に記憶された情報を参照して、メンテナンスに関する制御を行う。
ここで、メンテナンス制御部156は、複数のメータ110のいずれかをメンテナンスの判定対象である対象メータとし、対象メータに対応するセンサノード112を対象センサノードとする。また、メータ110とセンサノード112とが対応つけられているため、説明の便宜上、センサノード112と通信を確立することを、メータ110と通信を確立する、と表現する場合がある。同じく、センサノード112に中継器114が取り付けられることを、メータ110に中継器114が取り付けられる、と表現する場合がある。
メンテナンス制御部156は、対象メータの通信成功率が所定値未満であるか否かを判定する。対象メータの通信成功率は、対象メータとセンター装置116との間の、通信の試行回数に対する通信が成功した回数の割合を示す。メンテナンス制御部156は、通信成功率が所定値未満であれば、対象メータ(より正確には、対象センサノード)に中継器114が取り付けられているか否かを判定する。メンテナンス制御部156は、中継器114が取り付けられていれば、中継器114、対象センサノードの順に通信が確立するか判定する。
このように、メンテナンス制御部156は、対象メータに関して、複数段階の判定を行うことで、メンテナンスの要否およびメンテナンスの内容を判定する。そして、メンテナンス制御部156は、対象メータを順次変更していき、複数のメータ110の各々について、複数段階の判定を行う。これにより、メンテナンス制御部156は、メンテナンスが必要なメータ110を抽出することができるとともに、対処方法を決定することができる。
また、メンテナンス制御部156は、対象メータに中継器114が取り付けられていなければ、対象メータのロードサーベイの失敗が所定日数以上継続しているか否かを判定する。ロードサーベイは、センター装置116がメータ110の情報を収集することである。ロードサーベイの失敗とは、センター装置116とメータ110との通信が確立できなかったことなどにより、メータ110の情報を収集できなかったことに相当する。ロードサーベイの失敗が所定日数以上継続していれば、メンテナンス制御部156は、対象メータの上流のセンサノード112に中継器114が接続されているか否かを判定する。一方、ロードサーベイの失敗が所定日数未満であれば、メンテナンス制御部156は、通信成功率差が所定値以上であるか否かを判定する。通信成功率差は、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112に対応するメータ110の通信成功率と、対象メータの通信成功率との差である。
このように、メンテナンス制御部156は、判定条件をさらに付加することで、メンテナンスの要否の判定を、より精度よく行うことができる。以下、第2実施形態にかかるメンテナンス制御部156の動作の流れを詳述する。
図10~図16は、第2実施形態にかかるメンテナンス制御部156の動作の流れを説明するフローチャートである。図10の「A」は、図11の「A」に続いている。図11の「B」は、図12の「B」に続いている。図11の「C」は、図13の「C」に続いている。図13の「D」は、図14の「D」に続いている。図14の「E」は、図15の「E」に続いている。図15の「F」は、図16の「F」に続いている。
メンテナンス制御部156は、所定周期(例えば、1日ごと)で繰り返される所定タイミングとなると、複数のメータ110のいずれかを対象メータとして、図10~図16の一連の処理を実行する。そして、メンテナンス制御部156は、対象メータを順次変えていき、図10~図16の一連の処理を、全ての対象メータに対して実行する。
まず、図10で示すように、メンテナンス制御部156は、対象メータがセンサネットワーク100に参入中であり、かつ、対象メータの通信成功率が所定値未満であるか否かを判定する(S10)。ここで、メータデータベースにおいて対象メータのメータIDにいずれかの中継器IDが関連付けられていれば、メンテナンス制御部156は、対象メータがセンサネットワーク100に参入中と判定する。これに対し、対象メータのメータIDにいずれの中継器IDも関連付けられていなければ、メンテナンス制御部156は、対象メータがセンサネットワーク100から離脱している(参入中ではない)と判定する。つまり、ネットワークに参入しているとは、メータ(より具体的には、メータに対応するセンサノード)が中継器114を通じて通信が可能な状態となっていることに相当する。また、メンテナンス制御部156は、メータデータベースから対象メータの通信成功率を取得することができる。所定値は、例えば、98%などに設定されるが、センサノード112の仕様やセンサノード112の設置位置などによって任意に設定することができる。
対象メータがセンサネットワーク100から離脱している、あるいは、対象メータの通信成功率が所定値以上である場合(S10におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータの設定が失敗しているか否かを判定する(S11)。ここで、メータ110は、初期状態では、ロードサーベイ機能の有効化がなされておらず、ロードサーベイが行われない設定となっている。このため、センター装置116は、メータ110が設置された後に、遠隔制御で、当該メータ110のロードサーベイ機能の有効化をオンにする設定を行うとともに、ロードサーベイの開始タイミングの設定を行う。ステップS11では、具体的には、このようなロードサーベイ機能の有効化およびロードサーベイの開始タイミングの設定などがされているかを判定する。
対象メータの設定が失敗している場合(S11におけるYES)、メンテナンス制御部156は、センター装置116から遠隔操作で対象メータの再設定を行う内容のメンテナンスを提示し(S12)、当該対象メータについての処理を終了する。対象メータの設定が失敗していない場合(S11におけるNO)、メンテナンス制御部156は、経過観察とする内容のメンテナンスを提示し(S13)、当該対象メータについての処理を終了する。経過観察は、今回は何もしないで様子を見ることである。
対象メータがセンサネットワーク100に参入中であり、かつ、対象メータの通信成功率が所定値未満である場合(S10におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードに中継器114が取り付けられているか否かを判定する(S14)。例えば、メータデータベースには、メータ110に対応するセンサノード112に中継器114が取り付けられているか否かを示す中継器取付情報が、メータIDに対応付けられている。メンテナンス制御部156は、この中継器取付情報を参照して、対象メータに対応する対象センサノードに中継器114が取り付けられているか否かを判定することができる。
対象メータに中継器114が取り付けられている場合(S14におけるYES)、メンテナンス制御部156は、センター装置116と中継器114との通信が確立するか否かを判定する(S15)。ここでは、メンテナンス制御部156は、中継器114宛ての通信をセンター装置116に実際に試行させてもよいし、センター保持部124に記憶されている直近の通信履歴を参照してもよい。
センター装置116と中継器114との通信が確立しない場合(S15におけるNO)、メンテナンス制御部156は、中継器114に関するメンテナンスを提示し(S16)、当該対象メータについての処理を終了する。具体的には、メンテナンス制御部156は、中継器114が不良であり、中継器114を交換するメンテナンスを提示する。
センター装置116と中継器114との通信が確立する場合(S15におけるYES)、メンテナンス制御部156は、センター装置116と対象センサノードとの通信が確立するか否かを判定する(S17)。ここでは、メンテナンス制御部156は、対象センサノード宛ての通信をセンター装置116に実際に試行させてもよいし、センター保持部124に記憶されている直近の通信履歴を参照してもよい。
センター装置116と対象メータとの通信が確立しない場合(S17におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードまたは対象メータに関するメンテナンスを提示し(S18)、当該対象メータについての処理を終了する。具体的には、メンテナンス制御部156は、対象センサノードまたは対象メータの不良であり、対象センサノードまたは対象メータを交換するメンテナンスを提示する。また、メンテナンス制御部156は、対象センサノードと対象メータとの間の結線不良であるという内容のメンテナンスを提示してもよい。また、メンテナンス制御部156は、対象センサノードまたは対象メータの詳細なメンテナンス内容を調査するための作業者を現地に派遣することを提示してもよい。
センター装置116と対象センサノードとの通信が確立する場合(S17におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータについての設定情報が、センター装置116から当該対象メータに再送されているか否かを判定する(S19)。
対象メータについての設定情報が再送されている場合(S19におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータの上流の中継器114が不良であり、当該中継器114を交換するメンテナンスを提示(S20)し、当該対象メータについての処理を終了する。なお、メンテナンス制御部156は、中継器114の交換に限らず、中継器114、センサノード112またはメータ110の設定値を遠隔操作で設定する内容のメンテナンスを提示してもよい。
対象メータについての設定が再送されていない場合(S19におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータが監視対象外のメータ110であるか否かを判定する(S21)。監視対象外のメータ110とは、ロードサーベイを行わない契約となっているメータ110のことである。
対象メータが監視対象外のメータ110である場合(S21におけるYES)、メンテナンス制御部156は、当該対象メータについての処理を終了する。対象メータが監視対象外のメータ110ではない場合(S21におけるNO)、メンテナンス制御部156は、センター装置116から遠隔操作で対象メータの再設定を行う内容のメンテナンスを提示し(S22)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS14において、対象メータに中継器114が取り付けられていない場合(S14におけるNO)、メンテナンス制御部156は、「A」に進み、図11の「A」以降の処理を行う。
図11で示すように、「A」に進んだメンテナンス制御部156は、対象メータのロードサーベイの失敗が所定日数以上継続しているか否かを判定する(S30)。例えば、メータデータベースには、毎日のロードサーベイの成功または失敗の結果を示すロードサーベイ情報が、メータIDに対応付けられている。メンテナンス制御部156は、このロードサーベイ情報を参照して、ロードサーベイの失敗の継続日数を導出し、導出した継続日数を所定日数と比較する。また、所定日数は、例えば、7日などに設定されるが、センサノード112の仕様やセンサノード112の設置位置などによって任意に設定することができる。
対象メータのロードサーベイの失敗が所定日数以上継続している場合、換言すると、ロードサーベイの失敗の継続日数が所定日数以上の場合(S30におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ステップS31の処理に進む。これに対し、対象メータのロードサーベイの失敗が所定日数以上継続していない場合、換言すると、ロードサーベイの失敗の継続日数が所定日数未満の場合(S30におけるNO)、メンテナンス制御部156は、ステップS37の処理に進む。
ステップS31において、メンテナンス制御部156は、対象メータの上流のセンサノード112に中継器114が接続されているか否かを判定する(S31)。ステップS31の判定は、対象メータの上流の中継器114が取り外されているかを判定することに相当する。例えば、メータデータベースには、中継器114が取り付けられた日、中継器114が取り外された日などの各種の工事に関する履歴を示す工事情報が、メータIDに対応付けられている。メンテナンス制御部156は、対象メータの設置位置の周囲において、中継器114が取り外された履歴があり、その後に中継器114が取り付けられた履歴がなければ、対象メータの上流に中継器114が接続されていないと判定することができる。
対象メータの上流のセンサノード112に中継器114が接続されていない場合(S31におけるNO)、メンテナンス制御部156は、取り外された中継器114の配下だったセンサノード112を再起動する、または、取り外された中継器114を所定のセンサノード112に取り付ける内容のメンテナンスを提示し(S32)、当該対象メータについての処理を終了する。センサノード112が再起動されると、再起動されたセンサノード112は、周囲に別の中継器114のネットワークがあれば、当該別の中継器114のネットワークに参入することができる。また、取り外された中継器114が再びセンサノード112に取り付けられると、中継器114が取り外される前のネットワークを復元することができる。なお、中継器114は、取り外される前に取り付けられていたセンサノード112に取り付けられるが、取り外される前に取り付けられていたセンサノード112の周囲の別のセンサノード112に取り付けられてもよい。
対象メータの上流のセンサノード112に中継器114が接続されている場合(S31におけるYES)、メンテナンス制御部156は、センター装置116と対象センサノードとの通信が確立するか否かを判定する(S33)。ここでは、メンテナンス制御部156は、対象センサノード宛ての通信をセンター装置116に実際に試行させてもよいし、センター保持部124に記憶されている直近の通信履歴を参照してもよい。
センター装置116と対象センサノードとの通信が確立しない場合(S33におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードに関するメンテナンスを提示し(S34)、対象メータについての処理を終了する。具体的には、メンテナンス制御部156は、対象センサノードの不良という内容のメンテナンスを提示してもよいし、対象センサノードの電池電圧が低下したという内容のメンテナンスを提示してもよい。
センター装置116と対象センサノードとの通信が確立する場合(S33におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータについての設定情報が当該対象メータに再送されているか否かを判定する(S35)。対象メータについての設定情報が再送されていない場合(S35におけるNO)、メンテナンス制御部156は、センター装置116から遠隔操作で対象メータの再設定を行う内容のメンテナンスを提示し(S36)、当該対象メータについての処理を終了する。対象メータについての設定情報が再送されている場合(S35におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ステップS37の処理に進む。
ステップS37において、メンテナンス制御部156は、対象メータの1ホップ上流のメータ110の通信成功率と、対象メータの通信成功率との差を示す通信成功率差が、所定値以上であるか否かを判定する(S37)。通信成功率差は、当該1ホップ上流のメータ110の通信成功率に対する当該対象メータの通信成功率の低下の程度を示す。対象メータの通信成功率は、対象センサノードの通信成功率と概ね同じである。対象メータの1ホップ上流のメータ110の通信成功率は、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112の通信成功率と概ね同じである。例えば、メンテナンス制御部156は、メータデータベースを参照し、当該1ホップ上流のメータ110の通信成功率から、当該対象メータの通信成功率を減算して、通信成功率差を導出し、導出された通信成功率差を所定値と比較する。所定値は、例えば、2%などに設定されるが、この例に限らず、センサノード112の仕様やセンサノード112の設置位置などによって任意に設定することができる。
通信成功率差が所定値以上である場合(S37におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードの上流のセンサノード112が特定ルート端末または長距離伝搬端末であるか否かを判定する(S38)。特定ルート端末は、上述したように、当該特定ルート端末の下流のセンサノード112が、唯一、当該特定ルート端末を経由しないと上流の中継器114と通信できないような配置となっているセンサノード112を示す。また、長距離伝搬端末は、上述したように、当該特定ルート端末の下流のセンサノード112との相対距離が所定値(例ば、50m)以上となるセンサノード112を示す。かかる特定ルート端末および長距離伝搬端末は、上述したトポロジー推定システムによって特定される。
対象センサノードの上流のセンサノード112が特定ルート端末または長距離伝搬端末である場合(S38におけるYES)、メンテナンス制御部156は、「B」に進み、図12の「B」以降の処理を行う。これに対し、通信成功率差が所定値未満である場合(S37におけるNO)、または、対象センサノードの上流のセンサノード112が特定ルート端末または長距離伝搬端末ではない場合(S38におけるNO)、メンテナンス制御部156は、「C」に進み、図13の「C」以降の処理を行う。
図12で示すように、「B」に進んだメンテナンス制御部156は、対象メータから所定距離以内に、対象メータとは別のメータ110が存在するか否かを判定する(S40)。具体的には、メンテナンス制御部156は、導管マッピングの情報を参照して、対象メータの設置位置の周囲のメータ110を抽出し、抽出したメータ110ごとに抽出したメータ110の設置位置と対象メータの設置位置との間の距離を導出し、導出した距離と所定距離とを比較する。メンテナンス制御部156は、導出した距離が所定距離以下であれば、対象メータから所定距離以内に別のメータ110が存在すると判定する。所定距離は、例えば、30mなどであるが、センサノード112の無線通信が可能な距離を考慮して任意に設定することができる。
対象メータから所定距離以内に、対象メータとは別のメータ110が存在しない場合(S40におけるNO)、メンテナンス制御部156は、中継器114を後付けする、または、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S41)、当該対象メータについての処理を終了する。中継器114は、対象メータが当該中継器114を通じてセンター装置116と通信することが可能な範囲に後付けされる。ネットワークの再構築については、例えば、対象メータ、対象センサノード、あるいは、対象メータの上流の中継器114を、センター装置116から遠隔操作で再起動させる。例えば、中継器114が再起動されると、当該中継器114がセンサノード112の割り当てを再度行うため、再起動の前と比べ、より適切なセンサノード112を当該中継器114の配下にすることができ、対象メータの通信成功率を向上させることができる。
対象メータから所定距離以内に、対象メータとは別のメータ110が存在する場合(S40)、メンテナンス制御部156は、存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられているか否かを判定する(S42)。センサノード112が取り付けられていないメータはスマートメータではないので、この判定は、存在したメータ110がスマートメータであるか否かの判定に相当する。
存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられていない場合(S42におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータの周囲のメータ110が検満に至るのを待つ内容のメンテナンスを提示し(S43)、当該対象メータについての処理を終了する。このような周囲のメータ110の検満待ちは、対象センサノードと通信接続できるセンサノード112が対象センサノードの周囲に発生するまで待機することになるため、経過観察と概ね同じである。
存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられている場合(S42におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築するメンテナンスを提示し(S44)、当該対象メータについての処理を終了する。この場合、対象センサノードとは別のセンサノード112が、対象メータの周囲にあるため、対象センサノードを再起動させる。これにより、対象センサノードを、現在接続されている上流のセンサノード112から離脱させ、対象センサノードを当該別のセンサノード112に接続させることができ、対象センサノードの通信成功率を向上させることが可能となる。
また、図13示すように、「C」に進んだメンテナンス制御部156は、対象メータが設置されている建物が、所定戸以上の鉄筋集合住宅であるか否かを判定する(S50)。所定戸は、例えば20戸とするが、1つの中継器114に割り当て可能なセンサノード112の数の許容値を考慮して、任意に設定することができる。
対象メータが設置されている建物が所定戸以上の鉄筋集合住宅である場合(S50におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータの上流の中継器114が当該建物内にあるか否かを判定する(S51)。これは、対象メータが当該建物内の中継器114のネットワークに参入しているか否かの判定と同じことである。
対象メータの上流の中継器114が当該建物内にない場合(S51におけるNO)、メンテナンス制御部156は、当該建物内に中継器114が十分に設置されているか否かを判定する(S52)。具体的には、メンテナンス制御部156は、当該建物内の戸数(換言すると、メータ110の総数)を、当該建物内の中継器114の台数で除算して、当該建物内の1つの中継器114に割り当てられるセンサノード112の数を示す割当数を導出する。中継器114では、割り当てが可能なセンサノード112の数の許容値が予め決められているため、ここでの割当数が小さいほど、中継器114における割り当ての余裕があり、当該建物内に中継器114が多く設置されていることを示す。メンテナンス制御部156は、導出された割当数が所定値未満であれば、中継器114が十分に設置されていると判定する。所定値は、例えば、30などであるが、1つの中継器114に割り当て可能なセンサノード112の数の許容値を考慮して、任意に設定することができる。
当該建物内に中継器114が十分に設置されている場合(S52におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S53)、当該対象メータについての処理を終了する。当該建物内に中継器114が十分に設置されていない場合(S52におけるNO)、メンテナンス制御部156は、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S54)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS51において、対象メータの上流の中継器114が当該建物内にある場合(S51におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードと、対象センサノードの上流における中継器114が取り付けられているセンサノード112との間のホップ数が、所定ホップ数以上であるか否かを判定する(S55)。所定ホップ数は、例えば、4ホップとするが、センサノード112の仕様やセンサノード112の設置位置などによって任意に設定することができる。
ホップ数が所定ホップ数以上である場合(S55におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S56)、当該対象メータについての処理を終了する。
ホップ数が所定ホップ数未満である場合(S55におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードのネットワーク離脱参入が頻発しているか否かを判定する(S57)。ネットワーク離脱参入は、対象センサノードが、その上流の中継器114の配下から切り離されること、または、対象センサノードが、別の中継器114の配下に加わることを示す。センサノード112がネットワークに参入すると、メータデータベースにおいて、当該ネットワークのネットワークIDが、当該センサノード112に対応するメータ110のメータIDに対応付けられる。また、センサノード112がネットワークから離脱すると、当該メータIDと当該ネットワークIDとの対応付けが解除される。このため、メンテナンス制御部156は、メータデータベースを参照して、対象メータにおけるネットワークIDの対応付けの時間推移を取得することで、ネットワーク離脱参入が頻発しているか否かを判定することができる。頻発とは、ネットワーク離脱参入の発生頻度が一般的な所定の発生頻度より多いことであり、具体的には、所定期間内におけるネットワーク離脱参入の発生回数が所定回数以上の場合を示す。所定期間は、例えば、1か月などであるが、任意に設定することができる。所定回数は、例えば、5回などであるが、センサノード112の仕様やセンサノード112の設置位置などによって任意に設定することができる。
ネットワーク離脱参入が頻発していない場合(S57におけるNO)、メンテナンス制御部156は、センター装置116から遠隔操作で対象メータまたは対象センサノードの稼働情報を取得して検討を要する内容のメンテナンスを提示し(S58)、当該対象メータについての処理を終了する。稼働情報は、例えば、センサノード112における、通信成功の累計回数や通信失敗の累計回数などの各種の通信履歴のログ情報であり、センサノード112の内部メモリに記憶されている。対象メータまたは対象センサノードの稼働情報は、さらなる具体的なメンテナンスを検討する際に利用される。
ネットワーク離脱参入が頻発している場合(S57におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータまたは対象センサノードの稼働情報を取得して検討を要する内容のメンテナンス、または、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S59)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS50において、対象メータが設置されている建物が所定戸以上の鉄筋集合住宅ではない場合(S50におけるNO)、メンテナンス制御部156は、「D」に進み、図14の「D」以降の処理を行う。
図14で示すように、「D」に進んだメンテナンス制御部156は、対象メータが設置されている建物が所定戸未満の鉄筋集合住宅であるか否かを判定する(S60)。ここでの所定戸は、ステップS50における所定戸と同じに設定される。
対象メータが設置されている建物が所定戸未満の鉄筋集合住宅である場合(S60におけるYES)、メンテナンス制御部156は、当該建物内に中継器114が設置されているか否かを判定する(S61)。
当該建物内に中継器114が設置されていない場合(S61におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータから所定距離以内に、対象メータとは別のメータ110が存在するか否かを判定する(S62)。
対象メータから所定距離以内に対象メータとは別のメータ110が存在しない場合(S62におけるNO)、メンテナンス制御部156は、中継器を後付けする、または、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S63)、対象メータについての処理を終了する。
対象メータから所定距離以内に対象メータとは別のメータ110が存在する場合(S62におけるYES)、メンテナンス制御部156は、存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられているか否かを判定する(S64)。
存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられていない場合(S64におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータの周囲のメータ110が検満に至るのを待つ内容のメンテナンスを提示し(S65)、当該対象メータについての処理を終了する。存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられている場合(S64におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築するメンテナンスを提示し(S66)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS61において、当該建物内に中継器114が設置されている場合(S61におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータの上流の中継器114が当該建物内にあるか否かを判定する(S67)。
対象メータの上流の中継器114が当該建物内にない場合(S67におけるNO)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S68)、当該対象メータについての処理を終了する。
対象メータの上流の中継器114が当該建物内にある場合(S67におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードと、対象センサノードの上流における中継器114が取り付けられているセンサノード112との間のホップ数が、所定ホップ数以上であるか否かを判定する(S69)。所定ホップ数は、ステップS55の所定ホップ数と同じに設定される。ホップ数が所定ホップ数以上である場合(S69におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S70)、当該対象メータについての処理を終了する。
ホップ数が所定ホップ数未満である場合(S70におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードのネットワーク離脱参入が頻発しているか否かを判定する(S71)。ネットワーク離脱参入が頻発していない場合(S57におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータまたは対象センサノードの稼働情報を取得して検討を要する内容のメンテナンスを提示し(S72)、当該対象メータについての処理を終了する。ネットワーク離脱参入が頻発している場合(S71におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータまたは対象センサノードの稼働情報を取得して検討を要する内容のメンテナンス、または、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S59)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS60において、対象メータが設置されている建物が所定戸未満の鉄筋集合住宅ではない場合(S50におけるNO)、当該建物が、鉄筋集合住宅ではなく、戸建てや木造集合住宅であるとみなせる。この場合、メンテナンス制御部156は、「E」に進み、図15の「E」以降の処理を行う。
図15で示すように、「E」に進んだメンテナンス制御部156は、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112が鉄筋集合住宅内に設置されているか否かを判定する(S80)。これは、鉄筋集合住宅に設置されているメータ110に対応するセンサノード112が対象メータの上流にあり、かつ、当該上流のセンサノード112と対象センサノードとが直接通信しているか否かの判定に相当する。
1ホップ上流のセンサノード112が鉄筋集合住宅内に設置されている場合(S80におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112に対応するメータ110(鉄筋集合住宅内のメータ110)の通信成功率と、対象メータ(鉄筋集合住宅外のメータ110)の通信成功率との差を示す通信成功率差が、所定値以上であるか否かを判定する(S81)。
通信成功率差が所定値以上である場合(S81におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112が設置されている鉄筋集合住宅内に、中継器114が存在するか否かを判定する(S82)。
当該鉄筋集合住宅内に中継器114が存在する場合(S82におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータから所定距離以内に、対象メータとは別のメータ110が存在するか否かを判定する(S83)。
対象メータから所定距離以内に対象メータとは別のメータ110が存在する場合(S83におけるYES)、メンテナンス制御部156は、存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられているか否かを判定する(S84)。
存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられている場合(S84におけるNO)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S85)、当該対象メータについての処理を終了する。
対象メータから所定距離以内に対象メータとは別のメータ110が存在しない場合(S83におけるNO)、または、当該別のメータ110が存在するが、存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられていない場合(S84におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータの周囲のメータ110が検満に至るのを待つ内容のメンテナンスを提示し(S86)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS80において、1ホップ上流のセンサノード112が鉄筋集合住宅内に設置されていない場合(S80におけるNO)、ステップS81において、通信成功率差が所定値未満である場合(S81におけるNO)、または、ステップS82において、当該鉄筋集合住宅内に中継器114が存在しない場合(S82におけるNO)、メンテナンス制御部156は、「F」に進み、図16の「F」以降の処理を行う。
図16で示すように、「F」に進んだメンテナンス制御部156は、対象センサノードのネットワーク離脱参入が頻発しているか否かを判定する(S90)。
ネットワーク離脱参入が頻発していない場合(S90におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードと、対象センサノードの上流における中継器114が取り付けられているセンサノード112との間のホップ数が、所定ホップ数以上であるか否かを判定する(S91)。
ホップ数が所定ホップ数未満である場合(S91におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータと、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112に対応するメータ110との距離が、所定距離以上であるか否かを判定する(S92)。
当該距離が所定距離未満である場合(S92におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータまたは対象センサノードの稼働情報を取得して検討を要する内容のメンテナンスを提示し(S93)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS90において、ネットワーク離脱参入が頻発している場合(S90におけるYES)、ステップS91において、ホップ数が所定ホップ数以上である場合(S91におけるYES)、または、ステップS92において、当該距離が所定距離以上である場合(S92におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータから所定距離以内に対象メータとは別のメータ110が存在するか否かを判定する(S94)。
対象メータから所定距離以内に対象メータとは別のメータ110が存在する場合(S94におけるYES)、メンテナンス制御部156は、存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられているか否かを判定する(S95)。
存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられている場合(S95におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築するメンテナンスを提示し(S96)、当該対象メータについての処理を終了する。
対象メータから所定距離以内に対象メータとは別のメータ110が存在しない場合(S94におけるNO)、または、当該別のメータ110が存在するが、存在したメータ110にセンサノード112が取り付けられていない場合(S95におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータの周囲のメータ110が検満に至るのを待つ内容のメンテナンスを提示し(S97)、当該対象メータについての処理を終了する。
第2実施形態にかかるメンテナンスシステム1によれば、センサネットワーク100において、メンテナンスを要する機器を把握することが可能となる。また、第2実施形態にかかるメンテナンスシステム1では、メンテナンスの内容を把握することも可能となる。
(第3実施形態にかかるメンテナンスシステム)
第2実施形態では、センサネットワーク100の任意のメータ110を対象メータとして各種の判定を行っていた。これに対し、第3実施形態では、集合住宅(より具体的には、鉄筋集合住宅)に設置されたメータ110のうち、センサネットワーク100に参入していないメータ110を対象メータとする。そして、第3実施形態のメンテナンス制御部156は、このような集合住宅に設置され、かつ、センサネットワーク100に参入していない対象メータについて各種の判定を行うことで、当該対象メータに対処するためのメンテナンスを提示する。
なお、第2実施形態では、ステップS50およびステップS60において鉄筋集合住宅に関する判定が行われるが、そもそもステップS10において、対象メータがセンサネットワーク100に参入していることを前提としている。これに対し、第3実施形態は、センサネットワーク100に参入していないメータ110を対象メータとする点において第2実施形態と異なる。以下、第3実施形態にかかるメンテナンス制御部156について説明する。
メンテナンス制御部156は、集合住宅に設置され、かつ、センサネットワーク100に参入していないメータを、対象メータとし、対象メータに対応するセンサノード112を対象センサノードとする。なお、集合住宅に設置され、かつ、センサネットワーク100に参入していないメータが複数ある場合には、それらのメータ110のうちいずれかを対象メータとする。
ここで、集合住宅内におけるセンサノード112が対応付けられたメータ110の数を、当該集合住宅内におけるセンサノード112が対応付けられていないメータ110を含むメータ110の総数で除算した指標を、メータ設置率とする。センサノード112が対応付けられたメータ110の数は、スマートメータの数に相当する。メータ設置率は、対象メータが設置されている集合住宅内におけるメータ総数に対するセンサノード112が取り付けられているメータ数の割合に相当する。
また、集合住宅内の戸数を、当該集合住宅内の中継器114の台数で除算した指標を、当該集合住宅内の1つの中継器114に割り当てられるセンサノード112の数を示す割当数をとする。また、集合住宅の戸毎に設置されているセンサノード112の総数に対する、当該集合住宅におけるセンター装置116と通信可能であるセンサノード112の数の割合を、ネットワーク参入率とする。
また、センサネットワーク100において、戸数が所定戸以上の集合住宅では、当該集合住宅内に中継器114を1つ以上設置する設計とする。なお、現在、当該集合住宅に中継器114が設置されていなければ、将来、当該集合住宅に中継器114を設置する予定とする。また、戸数が所定戸未満の集合住宅では、基本的には、当該集合住宅内に中継器114を設置しない設計とする。ただし、場合によっては、当該集合住宅内に中継器114を設置してもよい。所定戸は、例えば20戸とするが、1つの中継器114に割り当て可能なセンサノード112の数の許容値を考慮して、任意に設定することができる。
このように、集合住宅内の戸数によって中継器114の設置に関する設計方針が異なる。このため、メンテナンス制御部156は、対象メータが設置されている集合住宅の戸数が、所定戸数以上であるか、または、所定戸数未満であるかによって、処理の流れを異ならせる。
対象メータが設置されている集合住宅の戸数が所定戸数以上である場合において、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅におけるメータ設置率が、所定の第1閾値以上であるか否かを判定する。メンテナンス制御部156は、メータ設置率が第1閾値以上であれば、当該集合住宅における割当数が、所定の第2閾値以下であるか否かを判定する。メンテナンス制御部156は、当該割当数が第2閾値以下であれば、当該集合住宅におけるネットワーク参入率が第3閾値未満であるか否かを判定する。
このように、メンテナンス制御部156は、対象メータに関して、複数段階の判定を行い、メンテナンスの要否およびメンテナンスの内容を判定する。なお、集合住宅に設置され、かつ、センサネットワーク100に参入していないメータが複数ある場合には、対象メータを順次変更していき、それら複数のメータの各々について、複数段階の判定を行っていく。これにより、メンテナンス制御部156は、メンテナンスが必要なメータを抽出することができるとともに、対処方法を決定することができる。
また、対象メータが設置されている集合住宅の戸数が所定戸数未満である場合において、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅におけるメータ設置率が、所定の第7閾値以上であるか否かを判定する。メンテナンス制御部156は、メータ設置率が第7閾値以上であれば、当該集合住宅内に中継器114が設置されているか否かを判定する。メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内に中継器114が設置されていれば、当該集合住宅におけるネットワーク参入率が、所定の第8閾値未満であるか否かを判定する。
このように、メンテナンス制御部156は、判定条件をさらに付加することで、メンテナンスの要否の判定を、より精度よく行うことができる。以下、第3実施形態にかかるメンテナンス制御部156の動作の流れを詳述する。
図17~図22は、第3実施形態にかかるメンテナンス制御部156の動作の流れを説明するフローチャートである。図17の「G」は、図18の「G」に続いている。図18の「H」は、図19の「H」に続いている。図17の「I」は、図20の「I」に続いている。図20の「J」は、図21の「J」に続いている。図21の「K」は、図22の「K」に続いている。
メンテナンス制御部156は、所定周期(例えば、1日ごと)で繰り返される所定タイミングとなると、集合住宅内におけるセンサネットワーク100に未参入の1つのメータ110を対象メータとして、図17~図22の一連の処理を実行する。そして、メンテナンス制御部156は、対象メータを順次変えていき、図17~図22の一連の処理を、全ての対象メータに対して実行する。
まず、図17で示すように、メンテナンス制御部156は、対象メータが設置されている集合住宅内の戸数が、所定戸(例えば20戸)以上であるか否かを判定する(S100)。集合住宅の戸数は、例えば、導管マッピングの情報を参照することで取得できる。当該戸数が所定戸未満である場合(S100におけるNO)、メンテナンス制御部156は、「I」に進む。「I」以降については、後述する。
当該戸数が所定戸以上である場合(S100におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータが設置されている集合住宅内におけるメータ設置率が、所定の第1閾値以上であるか否かを判定する(S101)。第1閾値は、例えば、80%などであるが、センサネットワーク100の規模などを考慮して任意に設定することができる。
メータ設置率が第1閾値未満である場合(S101におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータの周囲のメータ110が検満に至るのを待つ内容のメンテナンスを提示し(S102)、当該対象メータについての処理を終了する。
メータ設置率が第1閾値以上である場合(S101におけるYES)、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内の1つの中継器114に割り当てられるセンサノード112の数を示す割当数が、所定の第2閾値以下であるか否かを判定する(S103)。具体的には、メンテナンス制御部は、メータデータベースおよび導管マッピングの情報を参照し、当該集合住宅内の戸数を当該集合住宅内の中継器114の台数で除算して割当数を導出し、導出された割当数を第2閾値と比較する。第2閾値は、例えば、30などであるが、1つの中継器114に割り当て可能なセンサノード112の数の許容値を考慮して、任意に設定することができる。割当数が第2閾値以下であれば、当該集合住宅内に中継器114が十分に設置されていることに相当する。
割当数が第2閾値より大きい、すなわち、中継器114が十分に設置されていない場合(S103におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータが中継器設置不可物件であるか否かを判定する(S104)。中継器設置不可物件とは、メータ110の設置場所において中継器114を取り付けるスペースがなく、中継器114を取り付けることができないメータ110のことである。中継器設置不可物件であるか否かの情報は、例えば、メータデータベースの工事情報を参照して取得することができる。
対象メータが中継器設置不可物件である場合(S104におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータに隣接するメータ110に中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S105)、当該対象メータについての処理を終了する。隣接するメータ110は、例えば、対象メータからの距離が最も近いメータ110とされるが、対象メータから所定距離以内の任意のメータ110とされてもよい。また、メンテナンス制御部156は、中継器114の設置後、ネットワークを再構築させてもよい。ネットワークの再構築については、例えば、対象メータ、対象センサノード、あるいは、対象メータの上流の中継器114を、センター装置116から遠隔操作で再起動させる。
対象メータが中継器設置不可物件ではない、すなわち、中継器114を取り付けるスペースがある場合(S104におけるNO)、メンテナンス制御部156は、今後、当該集合住宅内に中継器114を設置する計画があるか否かを判定する(S106)。
中継器114を設置する計画がある場合(S106におけるYES)、メンテナンス制御部156は、当該計画によって中継器114が設置されるまで待つ内容のメンテナンスを提示し(S107)、当該対象メータについての処理を終了する。
中継器114を設置する計画がない場合(S106におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータに中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S108)、当該対象メータについての処理を終了する。この際、対象メータの設置状況を、写真等により確認させてもよい。
ステップS103において、割当数が第2閾値以下である、すなわち、中継器114が十分に設置されている場合(S103におけるYES)、メンテナンス制御部156は、「G」に進み、図18の「G」以降の処理を行う。
図18で示すように、「G」に進んだメンテナンス制御部156は、当該集合住宅におけるネットワーク参入率が、所定の第3閾値未満であるか否かを判定する。具体的には、メンテナンス制御部156は、メータデータベースおよび導管マッピングの情報を参照して、当該集合住宅内のセンサノード112の総数、および、当該集合住宅におけるセンター装置116と通信可能であるセンサノード112の数を取得する。メンテナンス制御部156は、当該集合住宅におけるセンター装置116と通信可能であるセンサノード112の数を、当該集合住宅内のセンサノード112の総数で除算して、当該集合住宅におけるネットワーク参入率を導出する。第3閾値は、例えば、98%などに設定されるが、センサネットワーク100の規模などを考慮して任意に設定することができる。
当該集合住宅におけるネットワーク参入率が第3閾値以上である場合(S110におけるNO)、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内のメータの第1平均通信成功率が、所定の第4閾値未満であるか否かを判定する(S111)。第1平均通信成功率は、集合住宅内におけるセンサノード112が取り付けられている個々のメータ110の通信成功率を、集合住宅内におけるセンサノード112が取り付けられているすべてのメータ110について合計し、その合計を、集合住宅内におけるセンサノード112が取り付けられているメータ110の数で除算した指標である。集合住宅内の個々のメータ110の通信成功率は、メータデータベースを参照することで取得できる。第4閾値は、例えば、98%などに設定されるが、センサノード112の設置位置やセンサノード112の数などによって任意に設定することができる。
当該第1平均通信成功率が第4閾値以上である場合(S111におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードの上流に位置する中継器114の配下のセンサノード112の総数が、所定数以上であるか否かを判定する(S112)。この際、中継器114は、集合住宅内にあってもよいし、集合住宅以外にあってもよい。また、この際、中継器114の配下のセンサノード112については、一部のセンサノード112が集合住宅以外に位置してもよい。所定数は、例えば、30などであるが、1つの中継器114に割り当て可能なセンサノード112の数の許容値を考慮して、任意に設定することができる。
対象センサノードの上流に位置する中継器114の配下のセンサノード112の総数が所定数以上である場合(S112におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S113)、当該対象メータについての処理を終了する。この際、集合住宅内のすべての中継器114およびセンサノード112を再起動させてもよいし、集合住宅内の一部の中継器114または一部のセンサノード112を再起動させるようにしてもよい。また、この際、集合住宅内だけでなく、集合住宅内の中継器114またはセンサノード112に関与する、集合住宅以外の中継器114またはセンサノード112を再起動させるようにしてもよい。
対象センサノードの上流に位置する中継器114の配下のセンサノード112の総数が所定数未満である場合(S112におけるNO)、メンテナンス制御部156は、経過観察とする内容のメンテナンスを提示し(S114)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS110において、ネットワーク参入率が第3閾値未満である場合(S110におけるYES)、または、ステップS111において、第1平均通信成功率が第4閾値未満である場合(S111におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードが当該集合住宅以外のセンサノード112に接続されているか否かを判定する(S115)。例えば、メンテナンス制御部156は、メータデータベースを参照し、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112に対応するメータ110を特定する。メンテナンス制御部156は、導管マッピングの情報を参照し、当該1ホップ上流のメータ110の設置位置と、対象メータの設置位置とが異なれば、当該1ホップ上流のメータ110が集合住宅以外に設置されている、すなわち、対象センサノードが当該集合住宅以外のセンサノード112に通信接続されていると判定する。
対象センサノードが当該集合住宅以外のセンサノード112に接続されていない場合(S115におけるNO)、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内に、中継器114の配下のセンサノード112の数が許容される最大値(許容値)となっているネットワークが存在するか否かを判定する(S116)。この際、当該ネットワークを構成するすべてのセンサノード112が集合住宅内にある場合だけでなく、当該ネットワークを構成する一部のセンサノード112が集合住宅内にある場合も、集合住宅内に当該ネットワークが存在すると判定してもよい。例えば、メンテナンス制御部156は、導管マッピングおよびメータデータベースを参照して、当該集合住宅内に設置されているメータ110を抽出する。メンテナンス制御部156は、メータデータベースを参照して、抽出したメータ110に対応するネットワークIDを取得する。メンテナンス制御部156は、メータデータベースを参照して、取得したネットワークIDごとに、当該ネットワークIDに対応付けられているメータ110の数を導出する。このメータ110の数は、中継器114の配下のセンサノード112の数に相当する。
当該集合住宅内に、中継器114の配下のセンサノード112の数が許容される最大値となっているネットワークが存在する場合(S116におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S117)、当該対象メータについての処理を終了する。この際、集合住宅内のすべての中継器114を再起動させるようにしてもよいし、集合住宅内の一部の中継器114を再起動させるようにしてもよい。
当該集合住宅内に、中継器114の配下のセンサノード112の数が許容される最大値となっているネットワークが存在しない場合(S116におけるNO)、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内において、対象センサノードが位置するパイプシャフトと、他のセンサノード112が位置するパイプシャフトとの間で、電波が届いていないかを判定する(S118)。例えば、メンテナンス制御部156は、センター装置116と、対象センサノードの1ホップ上流のセンサノード112に対応するメータ110との通信が成功し、センター装置116と対象メータとの通信が失敗する場合、パイプシャフト間で電波が届いていないと判定する。メンテナンス制御部156は、対象メータ宛ての通信などをセンター装置116に実際に試行させてもよいし、センター保持部124に記憶されている直近の通信履歴を参照してもよい。
パイプシャフト間で電波が届いていない場合(S118におけるYES)、メンテナンス制御部156は、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S119)、当該対象メータについての処理を終了する。
パイプシャフト間で電波が届いている場合(S118におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードを交換する、または、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S120)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS115において、対象センサノードが当該集合住宅以外のセンサノード112に接続されている場合(S115におけるYES)、メンテナンス制御部156は、「H」に進み、図19の「H」以降の処理を行う。
ここで、集合住宅内のセンサノード112が集合住宅以外のセンサノード112に接続されているとして、集合住宅内の当該センサノード112の上流の中継器114の配下のセンサノード112のグループを、建物外接続ネットワークとする。つまり、建物外接続ネットワークは、集合住宅内のセンサノード112が集合住宅以外のセンサノード112に接続される接続構成を含み、当該集合住宅内のセンサノード112の上流の中継器114の配下のセンサノード112で構成されるネットワークを示す。図18のステップS115がYESの場合、対象センサノードが当該集合住宅以外のセンサノード112に接続されているため、対象メータは、建物外接続ネットワークに属する。
図19で示すように、「H」に進んだメンテナンス制御部156は、対象メータが属する建物外接続ネットワーク内のメータ110のうち、集合住宅内のメータ数が、所定の第5閾値以下であるか否かを判定する(S130)。例えば、メンテナンス制御部156は、メータデータベースを参照して、対象メータに対応するネットワークIDを取得し、当該ネットワークIDが対応付けられている全てのメータ110を抽出する。メンテナンス制御部156は、導管マッピングを参照し、当該ネットワークIDが対応付けられているメータ110の中から、対象メータが設置されている集合住宅内にあるメータ110を抽出する。これにより、対象メータが属する建物外接続ネットワーク内のセンサノード112のうち、集合住宅内のメータ数を導出することができる。第5閾値は、例えば、30などであるが、1つの中継器114に割り当て可能なセンサノード112の数の許容値を考慮して、任意に設定することができる。
建物外接続ネットワーク内のメータ110のうち、集合住宅内のメータ数が、第5閾値を超える場合(S130におけるNO)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S131)、当該対象メータについての処理を終了する。この際、集合住宅内のセンサノード112に関与する、集合住宅以外の中継器114を、再起動させる。
建物外接続ネットワーク内のメータ110のうち、集合住宅内のメータ数が、第5閾値以下である場合(S130におけるYES)、メンテナンス制御部156は、集合住宅以外のネットワークに接続される集合住宅内のメータ110の第2平均通信成功率が、所定の第6閾値未満であるか否かを判定する(S132)。第2平均通信成功率は、建物外接続ネットワークにおける集合住宅内の個々のメータ110の通信成功率を、建物外接続ネットワークにおける集合住宅内のすべてのメータ110について合計し、導出された合計を、建物外接続ネットワークにおける集合住宅内のメータ110の数で除算した指標である。第6閾値は、例えば、98%などに設定されるが、センサノード112の仕様やセンサノード112の設置位置などによって任意に設定することができる。
第2平均通信成功率が第6閾値以上である場合(S132におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードが位置するパイプシャフトと、他のセンサノード112が位置するパイプシャフトとの間で、電波が届いていないかを判定する(S133)。
パイプシャフト間で電波が届いていない場合(S133におけるYES)、メンテナンス制御部156は、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S134)、当該対象メータについての処理を終了する。
パイプシャフト間で電波が届いている場合(S133におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードを交換する、または、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S135)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS132において、第2平均通信成功率が第6閾値未満である場合(S132におけるYES)、メンテナンス制御部156は、集合住宅内のセンサノード112が接続できる集合住宅以外の接点が、2つ以上(複数)あるか否かを判定する(S136)。ここでの接点とは、集合住宅以外のネットワークに接続される集合住宅内のセンサノード112から見て、集合住宅内のセンサノード112が接続可能な集合住宅以外のセンサノード112のことである。すなわち、接点が複数あれば、集合住宅内のセンサノード112は、集合住宅以外のセンサノード112と接続可能な経路が複数あることになる。一方、接点が1つである場合、集合住宅内のセンサノード112は、集合住宅以外における接点である1つのセンサノード112を経由しなければ、センター装置116と通信することができないこととなる。
集合住宅内のセンサノード112が接続できる集合住宅以外の接点が2つ以上ある場合(S136におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S137)、当該対象メータについての処理を終了する。この際、集合住宅の外の中継器114を再起動させる。
集合住宅内のセンサノード112が接続できる集合住宅以外の接点が1つである場合(S136におけるNO)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する、または、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S138)、当該対象メータについての処理を終了する。
図17のステップS100において、集合住宅内の戸数が所定戸未満である場合(S100におけるNO)、メンテナンス制御部156は、「I」に進み、図20の「I」以降の処理を行う。
図20で示すように、「I」に進んだメンテナンス制御部156は、対象メータが設置されている集合住宅内におけるメータ設置率が、所定の第7閾値以上であるか否かを判定する(S140)。第7閾値は、例えば、80%などであるが、センサネットワーク100の規模などを考慮して任意に設定することができる。なお、第7閾値は、ステップS101(図17参照)の第1閾値と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
メータ設置率が第7閾値未満である場合(S140におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータの周囲のメータ110が検満に至るのを待つ内容のメンテナンスを提示し(S141)、当該対象メータについての処理を終了する。
メータ設置率が第7閾値以上である場合(S140におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータが設置されている集合住宅内に、中継器114が1つ以上設置されているか否かを判定する(S142)。
当該集合住宅内に中継器114が1つも設置されていない場合(S142におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象メータが中継器設置不可物件であるか否かを判定する(S143)。
対象メータが中継器設置不可物件である場合(S143におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象メータに隣接するメータ110に中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S144)、当該対象メータについての処理を終了する。また、メンテナンス制御部156は、中継器114の設置後、ネットワークを再構築させてもよい。
対象メータが中継器設置不可物件ではない場合(S143におけるNO)、メンテナンス制御部156は、今後、当該集合住宅内に中継器114を設置する計画があるか否かを判定する(S145)。
中継器114を設置する計画がある場合(S145におけるYES)、メンテナンス制御部156は、当該計画によって中継器114が設置されるまで待つ内容のメンテナンスを提示し(S146)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS142において、当該集合住宅内に中継器114が1つ以上設置されている場合(S142におけるYES)、または、ステップS145において、中継器114を設置する計画がない場合(S145におけるNO)、メンテナンス制御部156は、「J」に進み、図21の「J」以降の処理を行う。
図21で示すように、「J」に進んだメンテナンス制御部156は、当該集合住宅におけるネットワーク参入率が、所定の第8閾値未満であるか否かを判定する(S150)。第8閾値は、例えば、90%などに設定されるが、センサネットワーク100の規模などを考慮して任意に設定することができる。なお、集合住宅内の戸数が所定戸未満であり、ネットワーク参入率の分母が小さいため、ネットワーク参入率の誤差を考慮し、ここでの第8閾値は、集合住宅の戸数が所定戸以上のときのネットワーク参入率における第3閾値より小さい値としてもよい。
ネットワーク参入率が第8閾値以上である場合(S150におけるNO)、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内のメータ110の第1平均通信成功率が、所定の第9閾値未満であるか否かを判定する(S151)。第9閾値は、例えば、98%などに設定されるが、センサノード112の設置位置やセンサノード112の数などによって任意に設定することができる。
第1平均通信成功率が第9閾値以上である場合(S151におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードの上流に位置する中継器114の配下のセンサノード112の総数が所定数以上であるか否かを判定する(S152)。この際、中継器114は、集合住宅内にあってもよいし、集合住宅の外にあってもよい。また、この際、中継器114の配下のセンサノード112については、一部のセンサノード112が集合住宅以外に位置してもよい。所定数は、例えば、30などであるが、1つの中継器114に割り当て可能なセンサノード112の数の許容値を考慮して、任意に設定することができる。
対象センサノードの上流に位置する中継器114の配下のセンサノード112の総数が所定数以上である場合(S152におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S153)、当該対象メータについての処理を終了する。この際、集合住宅内のすべての中継器114およびセンサノード112を再起動させてもよいし、集合住宅内の一部の中継器114または一部のセンサノード112を再起動させるようにしてもよい。また、この際、集合住宅内だけでなく、集合住宅内の中継器114またはセンサノード112に関与する、集合住宅以外の中継器114またはセンサノード112を再起動させるようにしてもよい。
対象センサノードの上流に位置する中継器114の配下のセンサノード112の総数が所定数未満である場合(S152におけるNO)、メンテナンス制御部156は、経過観察とする内容のメンテナンスを提示し(S154)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS150において、ネットワーク参入率が第8閾値未満である場合(S150におけるYES)、または、ステップS151において、第1平均通信成功率が第9閾値未満である場合(S151におけるYES)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードが集合住宅の外のセンサノード112に接続されているか否かを判定する(S155)。
対象センサノードが当該集合住宅の外のセンサノード112に接続されていない場合(S155におけるNO)、メンテナンス制御部156は、集合住宅内のセンサノード112の1つもネットワークに参入できていないか否かを判定する(S156)。
集合住宅内のセンサノード112の1つもネットワークに参入できていない場合(S156におけるYES)、メンテナンス制御部156は、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S157)、当該対象メータについての処理を終了する。
集合住宅内のセンサノード112の少なくとも1つ以上はネットワークに参入できている場合(S156におけるNO)、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内において、対象センサノードが位置するパイプシャフトと、他のセンサノード112が位置するパイプシャフトとの間で、電波が届いていないかを判定する(S158)。
パイプシャフト間で電波が届いていない場合(S158におけるYES)、メンテナンス制御部156は、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S159)、当該対象メータについての処理を終了する。
パイプシャフト間で電波が届いている場合(S158におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードを交換する、または、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S160)、当該対象メータについての処理を終了する。
ステップS155において、対象センサノードが当該集合住宅の外のセンサノード112に接続されている場合(S155におけるYES)、メンテナンス制御部156は、「K」に進み、図22の「K」以降の処理を行う。
図22で示すように、「K」に進んだメンテナンス制御部156は、対象センサノードが属する建物外接続ネットワークにおける中継器114の配下のセンサノード112の数が、許容される最大値となっているか否かを判定する(S170)。
対象センサノードが属する建物外接続ネットワークにおける中継器114の配下のセンサノード112の数が、許容される最大値となっている場合(S170におけるYES)、メンテナンス制御部156は、ネットワークを再構築する内容のメンテナンスを提示し(S171)、当該対象メータについての処理を終了する。
対象センサノードが属する建物外接続ネットワークにおける中継器114の配下のセンサノード112の数が、許容される最大値未満である場合(S170におけるNO)、メンテナンス制御部156は、当該集合住宅内において、対象センサノードが位置するパイプシャフトと、他のセンサノード112が位置するパイプシャフトとの間で、電波が届いていないかを判定する(S172)。
パイプシャフト間で電波が届いていない場合(S172におけるYES)、メンテナンス制御部156は、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S173)、当該対象メータについての処理を終了する。
パイプシャフト間で電波が届いている場合(S172におけるNO)、メンテナンス制御部156は、対象センサノードを交換する、または、中継器114を後付けする内容のメンテナンスを提示し(S174)、当該対象メータについての処理を終了する。
第3実施形態にかかるメンテナンスシステム1によれば、センサネットワーク100において、メンテナンスを要する機器を把握することが可能となる。また、第2実施形態にかかるメンテナンスシステム1では、メンテナンスの内容を把握することも可能となる。
(第4実施形態にかかるメンテナンスシステム)
第2実施形態および第3実施形態では、センサネットワーク100における複数のメータ110それぞれを対象メータとして各種の判定を行っていた。しかし、センサネットワーク100では、1の中継器114に対して、例えば、50個のメータ110(センサノード112)が通信可能に配置される。故障診断やメンテナンスを、このような多くのメータ110に対し個々に行うと、処理が煩雑になり、完了するまでに時間を要してしまうおそれがある。
そこで、第4実施形態では、1の中継器114に接続されるメータ110(センサノード112)を、複数のグループに分け、グループ単位で、第2実施形態および第3実施形態のメンテナンスシステムを適用し、故障診断やメンテナンスを行う。
このようなグループ化を行うにあたっては、図5(b)のように推定されたトポロジーに対し、センサネットワーク100上の課題となり得る箇所、例えば、グラフ理論における関節点や橋を特定するアルゴリズムを適用する。本実施形態において関節点はセンサノード112であり、橋はセンサノード同士を接続する辺(通信経路)である。ここでは、関節点や橋を特定するアルゴリズムとして、深さ優先探索木(DFStree)を用いるLowlink法を挙げて説明する。
図23は、Lowlink法の流れを示したフローチャートである。ここでは、まず、センサネットワーク100の各センサノード112の探索順が例えば根から葉の向きに任意に決定され、探索番号(ord)が付与される(S180)。ここで、DFStreeの辺を探索番号順に探索したときに通らない辺を後退辺とする。そして、任意のセンサノード112の探索番号が、当該任意のセンサノード112から後退辺を1回だけ通って探索できるセンサノード112の探索番号より大きければ、任意のセンサノード112の探索番号が、後退辺を1回だけ通って探索できるセンサノード112の探索番号(Low)に更新される(S182)。また、DFStreeの辺を探索番号順に探索したときに、任意のセンサノード112の探索番号が、探索先のセンサノード112の探索番号より大きければ、任意のセンサノード112の探索番号が、探索先のセンサノード112の探索番号(Low)に更新される(S184)。
このようにLowlink法では、任意のセンサノード112、任意のセンサノード112からDFStreeの辺を探索番号順に(何度でも)進んだセンサノード112、および、任意のセンサノード112から後退辺を葉から根の向きに(1回だけ)進んだセンサノード112の探索番号は、全て、その探索番号の最小値(Low)で等しくなる。
図24は、メンテナンス制御部156の処理を説明するための説明図である。図24に示すセンサネットワーク100において、センサノード112は丸「○」で表され、ホップ数が丸の中の数値で示される。ここでは、上述したトポロジー推定システムにより、図24(a)のように、トポロジーが推定されたとする。
メンテナンス制御部156は、例えば、図24(a)のように、各センサノード112に探索番号を付与したとする。ここでは、ホップ数の昇順となるように探索するとし、例えば、ホップ数「0」のセンサノード112→ホップ数「1」のセンサノード112→ホップ数「2」のセンサノード112といった順に探索番号が付与されている。図24(a)における丸「○」の横の数値は更新後の探索番号が示され、さらに横に括弧書きで、最初に付与された探索番号が示されている。以後、個々のセンサノード112を特定するため、図24中、括弧書きで示す最初に付与された探索番号を「付与された探索番号」と呼ぶ。図24(a)では、まだ探索番号が更新されていないので、更新後の探索番号と、付与された探索番号が等しくなっている。
次に、メンテナンス制御部156は、センサネットワーク100内の後退辺を抽出する。ここでは、図24(b)に破線の矢印で示したように、付与された探索番号「2」のセンサノード112から付与された探索番号「0」のセンサノード112への辺、付与された探索番号「4」のセンサノード112から付与された探索番号「1」のセンサノード112への辺、付与された探索番号「8」のセンサノード112から付与された探索番号「3」のセンサノード112への辺、付与された探索番号「11」のセンサノード112から付与された探索番号「9」のセンサノード112への辺が後退辺となる。そうすると、メンテナンス制御部156は、図24(b)のように、付与された探索番号「2」のセンサノード112の探索番号を「0」に更新し、付与された探索番号「4」のセンサノード112の探索番号を「1」に更新し、付与された探索番号「8」のセンサノード112の探索番号を「3」に更新し、付与された探索番号「11」のセンサノード112の探索番号を「9」に更新する。
続いて、メンテナンス制御部156は、DFStreeの辺を根から葉の向きに探索したときに、任意のセンサノード112の探索番号が、探索先のセンサノード112の探索番号より大きければ、任意のセンサノード112の探索番号を探索先のセンサノード112の探索番号に更新する。ここでは、図24(c)のように、付与された探索番号「10」のセンサノード112の探索番号「10」が、探索先である付与された探索番号「11」のセンサノード112の探索番号「9」より大きいので、付与された探索番号「10」のセンサノード112の探索番号「10」が、探索先である付与された探索番号「11」のセンサノード112の探索番号「9」に更新される。同様に、付与された探索番号「5」のセンサノード112の探索番号「5」が、探索先である付与された探索番号「8」のセンサノード112の探索番号「3」より大きいので、付与された探索番号「5」のセンサノード112の探索番号「5」が、探索先である付与された探索番号「8」のセンサノード112の探索番号「3」に更新される。また、付与された探索番号「3」のセンサノード112の探索番号「3」が、探索先である付与された探索番号「4」のセンサノード112の探索番号「1」より大きいので、付与された探索番号「3」のセンサノード112の探索番号「3」が、探索先である付与された探索番号「4」のセンサノード112の探索番号「1」に更新される。また、付与された探索番号「1」のセンサノード112の探索番号「1」が、探索先である付与された探索番号「2」のセンサノード112の探索番号「0」より大きいので、付与された探索番号「1」のセンサノード112の探索番号「1」が、探索先である付与された探索番号「2」のセンサノード112の探索番号「0」に更新される。
ここで、根から葉の向きの辺を形成する2つのセンサノード112が、上流のセンサノード112に付与された探索番号<下流のセンサノード112の更新後の探索番号の関係となる場合、その辺は特定ルートであり、上流のセンサノード112は特定ルート端末となる。例えば、図24(c)において辺を一点鎖線で示したように、付与された探索番号「5」のセンサノード112に付与された探索番号「5」が、探索先である付与された探索番号「6」のセンサノード112の更新後の探索番号「6」より小さいので、探索番号「5」のセンサノード112は特定ルート端末となる。同様に、付与された探索番号「6」のセンサノード112および付与された探索番号「10」のセンサノード112も特定ルート端末となる。こうして、探索番号は図24(d)のように更新される。
図25は、メンテナンス制御部156の他の処理を説明するための説明図である。メンテナンス制御部156は、例えば、図25(a)のように、各センサノード112に探索番号を付与したとする。ここでは、図24(a)と異なり、ホップ数に拘わらず、探索毎に順次ホップ数が異なるように、例えば、反時計回りに探索するとして探索番号が付与されている。
次に、メンテナンス制御部156は、センサネットワーク100内の後退辺を抽出する。ここでは、図25(b)に破線の矢印で示したように、付与された探索番号「7」のセンサノード112から付与された探索番号「2」のセンサノード112への辺、付与された探索番号「8」のセンサノード112から付与された探索番号「0」のセンサノード112への辺、付与された探索番号「8」のセンサノード112から付与された探索番号「1」のセンサノード112への辺、付与された探索番号「12」のセンサノード112から付与された探索番号「9」のセンサノード112への辺が後退辺となる。そうすると、メンテナンス制御部156は、図25(b)のように、付与された探索番号「7」のセンサノード112の探索番号を「2」に更新し、付与された探索番号「8」のセンサノード112の探索番号を「0」に更新し、付与された探索番号「12」のセンサノード112の探索番号を「9」に更新する。
続いて、メンテナンス制御部156は、DFStreeの辺を根から葉の向きに探索したときに、任意のセンサノード112の探索番号が、探索先のセンサノード112の探索番号より大きければ、任意のセンサノード112の探索番号を探索先のセンサノード112の探索番号に更新する。ここでは、図25(c)のように、付与された探索番号「10」のセンサノード112の探索番号「10」が、探索先である付与された探索番号「12」のセンサノード112の探索番号「9」より大きいので、付与された探索番号「10」のセンサノード112の探索番号「10」が、探索先である付与された探索番号「12」のセンサノード112の探索番号「9」に更新される。同様に、付与された探索番号「7」のセンサノード112の探索番号「2」が、探索先である付与された探索番号「8」のセンサノード112の探索番号「0」より大きいので、付与された探索番号「7」のセンサノード112の探索番号「2」が、探索先である付与された探索番号「8」のセンサノード112の探索番号「0」に更新される。また、付与された探索番号「6」のセンサノード112の探索番号「6」が、探索先である付与された探索番号「7」のセンサノード112の探索番号「0」より大きいので、付与された探索番号「6」のセンサノード112の探索番号「6」が、探索先である付与された探索番号「7」のセンサノード112の探索番号「0」に更新される。また、付与された探索番号「3」のセンサノード112の探索番号「3」が、探索先である付与された探索番号「6」のセンサノード112の探索番号「0」より大きいので、付与された探索番号「3」のセンサノード112の探索番号「3」が、探索先である付与された探索番号「6」のセンサノード112の探索番号「0」に更新される。また、付与された探索番号「2」のセンサノード112の探索番号「2」が、探索先である付与された探索番号「3」のセンサノード112の探索番号「0」より大きいので、付与された探索番号「2」のセンサノード112の探索番号「2」が、探索先である付与された探索番号「3」のセンサノード112の探索番号「0」に更新される。また、付与された探索番号「1」のセンサノード112の探索番号「1」が、探索先である付与された探索番号「2」のセンサノード112の探索番号「0」より大きいので、付与された探索番号「1」のセンサノード112の探索番号「1」が、探索先である付与された探索番号「2」のセンサノード112の探索番号「0」に更新される。
また、図25(c)において辺を一点鎖線で示したように、付与された探索番号「3」のセンサノード112の付与された探索番号「3」が、探索先である付与された探索番号「4」のセンサノード112の更新後の探索番号「4」より小さいので、探索番号「3」のセンサノード112は特定ルート端末となる。同様に、付与された探索番号「4」のセンサノード112および付与された探索番号「10」のセンサノード112も特定ルート端末となる。こうして、探索番号は図25(d)のように更新される。
ここでは、Lowlink法によって更新された探索番号を用いて、センサノード112を複数のグループに分ける。具体的に、メンテナンス制御部156は、更新後の探索番号が等しいセンサノード112同士をグループ化する。そうすると、例えば、図24(d)や図25(d)のように、複数のグループが形成される。
ただし、本実施形態では、グループが大きすぎると、すなわち、1のグループに属するセンサノード112が多いと、グループ内のメンテナンス対象となる装置の特定精度が低くなるおそれがある。そこで、本実施形態では、グループ化は実行するものの、そのグループの大きさを制限してグループ数を増やす。そうすると、ホップ数の昇順となるように探索番号を付与した図24(d)の方が、順次ホップ数が異なるように探索番号を付与した図25(d)よりグループ数が多くなる。ここでは、図24(d)のトポロジーを用いてメンテナンスを実行することで特定精度を高めることができる。
図26は、グループ化のイメージを説明するための説明図である。メンテナンス制御部156は、図24(d)のトポロジーを探索番号が等しいグループ同士で纏め、図26のような簡易トポロジーを生成する。ここでは、更新された探索番号がそれぞれ「0」、「1」、「3」、「6」、「7」、「9」、「12」の7つのグループが生成される。メンテナンス制御部156は、グループ毎にグループ内のメンテナンスを実行し、その後、グループ間のメンテナンスを実行する。
図27は、グループ内のメンテナンスを説明するための説明図である。図27では、探索番号「9」のグループを例に挙げている。ここで、付与された探索番号「9」のセンサノード112および付与された探索番号「11」のセンサノード112の通信成功率はいずれも100%であったとする。一方、付与された探索番号「10」のセンサノード112の通信成功率は95%であったとする。この場合、グループ内において、付与された探索番号「9」のセンサノード112および付与された探索番号「11」のセンサノード112と、付与された探索番号「10」のセンサノード112との通信成功率差が第1差分閾値(例えば、2%)以上となる。なお、第1差分閾値は任意に設定することができる。
図27の例では、グループ内のセンサノード112は、いずれも2以上のセンサノード112と通信可能であり、通信の巡回路があるので、通信成功率は大凡等しくなるはずである。しかし、付与された探索番号「10」のセンサノード112の通信成功率は95%となっており、同グループの他のセンサノード112の通信成功率100%との通信成功率差が第1差分閾値以上となっている。この場合、メンテナンス制御部156は、図27中、太線で囲った、付与された探索番号「10」のセンサノード112に問題が生じている(例えば通信設定自体が誤っている)、または、付与された探索番号「10」のセンサノード112と、付与された探索番号「9」のセンサノード112との通信ルート、もしくは、付与された探索番号「10」のセンサノード112と、付与された探索番号「11」のセンサノード112との通信ルートの接続環境が悪化していると推定し、メンテナンスの対象とすることが可能となる。
図28、図29は、グループ間のメンテナンスを説明するための説明図である。図28では、探索番号「1」のグループと探索番号「3」のグループとを例に挙げ、図29では、探索番号「9」のグループと探索番号「12」のグループとを例に挙げている。
図28の例では、探索番号「1」のグループの通信成功率の平均値は100%であり、探索番号「3」のグループの通信成功率の平均値は95%であったとする。この場合、探索番号「1」のグループと、探索番号「3」のグループとの通信成功率差が第2差分閾値(例えば、2%)以上となる。
グループ間では、複数のセンサノード112同士がグループ間を跨いで通信している可能性があるので、通信成功率は大凡等しくなるはずである。しかし、下流に位置する探索番号「3」のグループの通信成功率の平均値は95%となっており、上流に位置する探索番号「1」のグループの通信成功率の平均値100%との通信成功率差が第2差分閾値以上となっている。この場合、メンテナンス制御部156は、探索番号「1」のグループと探索番号「3」のグループとの接続に問題が生じている(例えば通信設定自体が誤っている)と推定し、メンテナンスの対象とすることが可能となる。
また、図29の例では、探索番号「9」のグループの通信成功率の平均値は100%であり、探索番号「12」のグループの通信成功率の平均値は95%であったとする。この場合、探索番号「9」のグループと、探索番号「12」のグループとの通信成功率差が第2差分閾値(例えば、2%)以上となる。なお、第2差分閾値は任意に設定することができる。
上記のように、グループ間では、複数のセンサノード112同士がグループ間を跨いで通信している可能性があるので、通信成功率は大凡等しくなるはずである。しかし、下流に位置する探索番号「12」のグループの通信成功率の平均値は95%となっており、上流に位置する探索番号「9」のグループの通信成功率の平均値100%との通信成功率差が第2差分閾値以上となっている。また、付与された探索番号「10」のセンサノード112は特定ルート端末である。この場合、メンテナンス制御部156は、探索番号「9」のグループと探索番号「12」のグループとの接続、具体的に、付与された探索番号「10」のセンサノード112と、付与された探索番号「12」のセンサノード112との接続に問題が生じている(例えば通信設定自体が誤っている)と推定することが可能となる。
ここで、通信成功率を平均化しているのは、通常、グループ内では通信成功率が等しくなるはずなので、平均化して通信成功率の特定精度を高めるためである。ただし、図27で説明したように、グループ内に問題となるセンサノード112が存在する場合、そのセンサノード112を除外して通信成功率を平均化してもよい。さらに、グループ内に問題となるセンサノード112が存在する場合、そのセンサノード112が特定ルート端末や長距離伝搬端末であれば除外せず、巡回路が存在すれば除外して通信成功率を平均化してもよい。
かかる構成により、センサネットワーク100において、メンテナンスを要する機器を適切に把握することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記各実施形態にかかるメンテナンスシステム1では、トポロジー推定装置130やメンテナンス装置150がセンター装置116とは別に設けられ、トポロジー推定装置130のトポロジー制御部136がトポロジーを推定し、メンテナンス装置150のメンテナンス制御部156がメンテナンスを実行する例を挙げて説明した。しかし、トポロジー制御部136やメンテナンス制御部156をセンター装置116に設け、センター装置116において、トポロジーを推定したり、メンテナンスを実行し、トポロジー推定装置130やメンテナンス装置150を設けないとしてもよい。
また、コンピュータを、上記トポロジー推定装置130やメンテナンス装置150、メータ110、センサノード112、または、センター装置116として機能させるプログラムや、当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
なお、本明細書に示した各処理は、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
100 センサネットワーク
110 メータ
112 センサノード
114 中継器
116 センター装置
118 基地局
126 センター制御部
130 トポロジー推定装置
136 トポロジー制御部
150 メンテナンス装置
156 メンテナンス制御部

Claims (6)

  1. 複数のメータそれぞれに対応付けられたセンサノードと、
    前記センサノードに接続され、前記センサノードを通じて前記メータの情報を収集する中継器と、
    前記センサノードおよび前記中継器を通じ、マルチホップ形式のセンサネットワークによって前記メータの情報を収集するセンター制御部と、
    前記センサネットワークのメンテナンスを制御するメンテナンス制御部と、
    を備え、
    前記メンテナンス制御部は、
    Lowlink法を用いてセンサネットワーク内のセンサノードの探索番号を更新し、
    同一の探索番号を有するセンサノードをグループ化し、
    前記グループ単位で前記センサネットワークをメンテナンスするメンテナンスシステム。
  2. 前記メンテナンス制御部は、
    前記センサネットワーク内のセンサノードに対し、ホップ数の昇順となるように探索番号を付与し、
    前記センサノードの探索番号を更新する請求項1に記載のメンテナンスシステム。
  3. 前記メンテナンス制御部は、
    前記センサネットワーク内のセンサノードに対し、順次ホップ数が異なるように探索番号を付与し、
    前記センサノードの探索番号を更新する請求項1に記載のメンテナンスシステム。
  4. 前記メンテナンス制御部は、
    前記グループ化されたグループ内において他のセンサノードとの通信成功率差が第1差分閾値以上であるセンサノードをメンテナンスの対象とする請求項1から3のいずれか1項に記載のメンテナンスシステム。
  5. 前記メンテナンス制御部は、
    前記グループ化されたグループ間において他のグループとの通信成功率差が第2差分閾値以上であるグループをメンテナンスの対象とする請求項1から4のいずれか1項に記載のメンテナンスシステム。
  6. 複数のメータそれぞれに対応付けられたセンサノードと、前記センサノードに接続され、前記センサノードを通じて前記メータの情報を収集する中継器と、前記センサノードおよび前記中継器を通じ、マルチホップ形式のセンサネットワークによって前記メータの情報を収集するセンター制御部と、を有するセンサネットワークのメンテナンスを実行するメンテナンス方法であって、
    Lowlink法を用いてセンサネットワーク内のセンサノードの探索番号を更新し、
    同一の探索番号を有するセンサノードをグループ化し、
    前記グループ単位で前記センサネットワークをメンテナンスするメンテナンス方法。
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