JP7143550B2 - レーダ画像処理装置、レーダ画像処理方法及びレーダ画像処理プログラム - Google Patents
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Description
図1は、実施の形態1に係るレーダ画像処理装置2を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係るレーダ画像処理装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
レーダ画像格納部1は、例えば、第1の記憶回路によって実現される。
レーダ画像格納部1は、合成開口レーダから出力されたレーダ画像を記憶している。
図1に示すレーダ画像処理装置2では、レーダ画像格納部1が、レーダ画像処理装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、レーダ画像格納部1が、レーダ画像処理装置2の内部に設けられていてもよい。
図1に示すレーダ画像処理装置2では、合成開口レーダが移動体に搭載され、レーダ画像格納部1、レーダ画像処理装置2及び処理後画像格納部3が、地上局に搭載されており、合成開口レーダからレーダ画像がレーダ画像格納部1に転送されることを想定している。しかし、これは一例に過ぎず、レーダ画像格納部1及びレーダ画像処理装置2についても、移動体に搭載されており、レーダ画像処理装置2から虚像除去後のレーダ画像が処理後画像格納部3に転送されるものであってもよい。
レーダ画像処理装置2は、レーダ画像格納部1により記憶されているレーダ画像に映っている像が、真像であるのか、虚像であるのかを識別する。
レーダ画像処理装置2は、レーダ画像に映っている虚像を除去し、虚像除去後のレーダ画像を処理後画像格納部3に出力する。
処理後画像格納部3は、レーダ画像処理装置2から出力された虚像除去後のレーダ画像を格納する。
図1に示すレーダ画像処理装置2では、処理後画像格納部3が、レーダ画像処理装置2の外部に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、処理後画像格納部3が、レーダ画像処理装置2の内部に設けられていてもよい。
虚像抑圧部11は、レーダ画像格納部1により記憶されているレーダ画像を取得する。
虚像抑圧部11は、レーダ画像に対する圧縮センシング処理を実施することによって、レーダ画像に含まれている虚像を抑圧する。
虚像抑圧部11は、虚像抑圧後のレーダ画像を像識別部12に出力する。
像識別部12は、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像を、当該レーダ画像のアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている真像候補の信号スペクトルを算出する。
像識別部12は、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する信号スペクトルの角度が第1の閾値よりも小さければ、真像候補が真像であると判定する。
像識別部12は、信号スペクトルの角度が第1の閾値以上であれば、真像候補が虚像であると判定する。
画像変換部13は、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像を取得する。
画像変換部13は、虚像抑圧後のレーダ画像を2値化画像に変換し、2値化画像を仮真像候補選別部14に出力する。
仮真像候補選別部14は、画像変換部13から出力された2値化画像の中で、1の画素値を有する画素が集まっている、1つ以上の画素群のそれぞれを仮真像候補として特定する。
仮真像候補選別部14は、特定した仮真像候補のうち、含んでいる画素の数が第2の閾値よりも少ない仮真像候補を破棄する。第2の閾値は、仮真像候補選別部14の内部メモリに格納されていてもよいし、レーダ画像処理装置2の外部から与えられるものであってもよい。
仮真像候補選別部14は、破棄せずに残っている仮真像候補を真像候補抽出部15に出力する。
真像候補抽出部15は、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像を取得する。
真像候補抽出部15は、虚像抑圧後のレーダ画像から、仮真像候補選別部14により破棄されないで残っている仮真像候補と画素位置が同じ画素群を真像候補として抽出する。
像識別処理部16は、真像候補抽出部15により抽出された真像候補をアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、真像候補の信号スペクトルを算出する。
像識別処理部16は、真像候補の信号スペクトルをハフ変換することによって、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する信号スペクトルの角度を算出する。
像識別処理部16は、信号スペクトルの角度が第1の閾値よりも小さければ、真像候補が真像であると判定する。
像識別処理部16は、信号スペクトルの角度が第1の閾値以上であれば、真像候補が虚像であると判定する。第1の閾値は、像識別処理部16の内部メモリに格納されていてもよいし、レーダ画像処理装置2の外部から与えられるものであってもよい。
像識別処理部16は、虚像抑圧後のレーダ画像に映っている虚像を除去し、虚像除去後のレーダ画像を処理後画像格納部3に出力する。
虚像抑圧回路21、画像変換回路22、仮真像候補選別回路23、真像候補抽出回路24及び像識別処理回路25のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
レーダ画像処理装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、虚像抑圧部11、画像変換部13、仮真像候補選別部14、真像候補抽出部15及び像識別処理部16におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
図4は、実施の形態1に係るレーダ画像処理装置2の処理手順であるレーダ画像処理方法を示すフローチャートである。
図5は、像識別処理部16の処理手順を示すフローチャートである。
レーダ画像格納部1により記憶されているレーダ画像には、図6Aに示すように、焦点の合っている目標の真像と、焦点が合わずにぼけている虚像とが映っている。
図6Aは、レーダ画像格納部1により記憶されているレーダ画像を示す説明図である。
図6Aに示すレーダ画像は、アジマス軸とレンジ軸との空間を表す画像である。
圧縮センシング処理は、レーダ画像が疎であると仮定し、低PRFで撮像された際の合成開口レーダの受信信号から、通常のPRFで撮像された際の合成開口レーダの受信信号を復元する処理である。圧縮センシング処理によって復元された合成開口レーダの受信信号から算出されるレーダ画像は、虚像抑圧後のレーダ画像に相当する。
低PRFは、目標のドップラ周波数よりも低い周波数であり、通常のPRFは、目標のドップラ周波数よりも高い周波数である。レーダ画像が疎とは、レーダ画像が、電力がゼロの画素を含んでいることを意味する。
虚像抑圧部11は、虚像抑圧後のレーダ画像を像識別部12に出力する。
図6Bは、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像を示す説明図である。
虚像抑圧後のレーダ画像には、図6Bに示すように、電力が抑圧された虚像が映っている。それぞれの虚像に対する抑圧量は、様々であり、虚像抑圧後のレーダ画像には、図6Bに示すように、電力が十分に抑圧されている虚像のほか、電力が十分に抑圧されずに残っている虚像がある。
なお、虚像抑圧部11による虚像の抑圧処理により、レーダ画像に含まれている雑音成分も抑圧される。
画像変換部13は、虚像抑圧後のレーダ画像を2値化画像に変換し、2値化画像を仮真像候補選別部14に出力する(図4のステップST2)。
即ち、画像変換部13は、虚像抑圧後のレーダ画像に対するCFAR(Constant False Alarm Rate)処理を実施することにより、レーダ画像に含まれているそれぞれの画素に対応する行列要素を有する閾値行列を算出する。
閾値行列に含まれているそれぞれの行列要素の値は、レーダ画像に含まれている複数の画素のうち、当該行列要素と対応している画素の電力が、電力閾値よりも大きければ1、電力閾値以下であれば0である。CFAR処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
画像変換部13は、閾値行列を2値化画像として、仮真像候補選別部14に出力する。2値化画像についても、レーダ画像と同様に、アジマス軸とレンジ軸との空間を表す画像である。
仮真像候補選別部14は、以下に示すように、2値化画像に含まれている誤検出像を除去する処理を行う。
仮真像候補選別部14は、図7に示すように、仮真像候補に含まれている画素の数が第2の閾値よりも少なければ、当該仮真像候補が誤検出像であると判定して、当該仮真像候補を破棄する(図4のステップST4)。
仮真像候補選別部14は、図7に示すように、仮真像候補に含まれている画素の数が第2の閾値以上であれば、当該仮真像候補が誤検出像ではないと判定して、当該仮真像候補を破棄しない。
第2の閾値としては、例えば、レーダ画像に映る可能性がある目標の中で、想定される最小の目標の真像に含まれる画素の数が設定される。
図7は、仮真像候補選別部14による誤検出像の破棄処理を示す説明図である。
図7において、左側の2値化画像は、誤検出像の破棄が行われる前の2値化画像であり、右側の2値化画像は、誤検出像の破棄が行われた後の2値化画像である。
残っている仮真像候補のうち、互いに隣り合っている2つの仮真像候補の距離が近い場合、互いに隣り合っている2つの仮真像候補は、1つの目標についての仮真像候補が、2つに分かれてしまっているものである可能性が高い。
仮真像候補選別部14は、残っている仮真像候補の中で、互いに隣り合っている2つの仮真像候補の距離を算出する。2つの仮真像候補の距離を算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
以下、仮真像候補選別部14によるいずれかの仮真像候補の破棄処理を具体的に説明する。
仮真像候補選別部14は、虚像抑圧後のレーダ画像から、2つの仮真像候補のうち、一方の仮真像候補と画素位置が同じ画素群を抽出する。
仮真像候補選別部14は、抽出した画素群を構成している複数の画素の電力P1を互いに比較することによって、最も大きな電力P1,maxを特定する。
また、仮真像候補選別部14は、虚像抑圧後のレーダ画像から、2つの仮真像候補のうち、他方の仮真像候補と画素位置が同じ画素群を抽出する。
仮真像候補選別部14は、特定した電力P1,maxと、特定した電力P2,maxとを比較し、電力P1,maxが電力P2,max以上であれば、一方の仮真像候補を残して、他方の仮真像候補を破棄する。
仮真像候補選別部14は、電力P1,maxが電力P2,maxよりも小さければ、他方の仮真像候補を残して、一方の仮真像候補を破棄する。
仮真像候補選別部14は、破棄せずに残っている仮真像候補を真像候補抽出部15に出力する。
図8Aは、4つの仮真像候補(1)~(4)が含まれている2値化画像を示している。
図8Aに示す2値化画像では、仮真像候補(1)と仮真像候補(2)との距離がL1-2、仮真像候補(1)と仮真像候補(3)との距離がL1-3、仮真像候補(1)と仮真像候補(4)との距離がL1-4である。
仮真像候補(2)と仮真像候補(3)との距離がL2-3、仮真像候補(2)と仮真像候補(4)との距離がL2-4である。仮真像候補(3)と仮真像候補(4)との距離がL3-4である。
図8Aに示す2値化画像では、距離L1-2、距離L1-3及び距離L1-4のいずれも、第3の閾値以上である。また、距離L2-3及び距離L2-4のいずれも、第3の閾値以上である。距離L3-4は、第3の閾値よりも短い。
図8Cは、仮真像候補選別部14により破棄されずに残っている仮真像候補(1)~(3)を示している。
図8Cの例では、距離L3-4が第3の閾値よりも短く、仮真像候補(4)が有する画素の最大電力が、仮真像候補(3)が有する画素の最大電力よりも小さいために、仮真像候補(4)が破棄されている。
真像候補抽出部15は、虚像抑圧後のレーダ画像から、仮真像候補選別部14により破棄されないで残っている仮真像候補と画素位置が同じ画素群を真像候補として抽出する(図4のステップST5)。
図1に示すレーダ画像処理装置2では、真像候補抽出部15が、虚像抑圧後のレーダ画像から、仮真像候補と画素位置が同じ画素群を真像候補として抽出している。しかし、これは一例に過ぎず、真像候補抽出部15は、仮真像候補に含まれている複数の画素の中で、最大の電力を有する画素を特定し、虚像抑圧後のレーダ画像から、特定した画素を含む周辺領域と画素位置が同じ画素群を真像候補として抽出するようにしてもよい。ただし、当該画素を含む周辺領域は、仮真像候補の全てを含む領域であるものとする。
合成開口レーダでは、一般的に、方位分解能を高めるため、受信信号を積分する。受信信号の積分時間内に、レーダ装置と目標との距離変化であるレンジマイグレーションRが合成開口レーダの距離分解能を超えると、レーダ画像が劣化する。したがって、レーダ画像処理装置2が、例えば、レーダ画像を再生する際に、レンジマイグレーションRを補正する信号処理を行う。
レンジマイグレーションRは、以下の式(1)のように表される。
式(1)において、R0は、合成開口レーダの観測領域に存在している目標と合成開口レーダとの最接近時の距離である。
λは、合成開口レーダから放射されるレーダ信号である電波の波長、fηは、ドップラ周波数、Vrは、合成開口レーダ本体の実効速度である。
一方、虚像は、レンジマイグレーションR(R0,fη)が補正されても、虚像には、以下の式(2)に示すレンジマイグレーションRresidual(fη)が残存する。
式(2)において、Raは、虚像自体が有するレンジマイグレーションである。
R’0は、合成開口レーダの観測領域外の虚像となる反射点と合成開口レーダとの最接近時の距離である。
nは、虚像のエイリアシングの回数、fPRFは、PRFである。
式(3)において、θnは、合成開口レーダの本体を中心とする、目標の真像と虚像がなす角度であり、合成開口レーダの観測領域幅に相当するドップラ周波数とPRFとの関係から求まる。
レンジマイグレーションR(R0,fη)の補正後であっても、例えば、図9Bに示す虚像には、式(2)で表されるレンジマイグレーションRresidual(fη)が残存する。このため、図9Bに示す虚像の信号スペクトルは、図10Bに示すように、ドップラ周波数軸に対して斜めになる。
図9Bは、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている虚像の一例を示す説明図である。
図10Aは、真像がアジマス軸方向にフーリエ変換されることによって算出された真像の信号スペクトルの一例を示す説明図である。
図10Bは、虚像がアジマス軸方向にフーリエ変換されることによって算出された虚像の信号スペクトルの一例を示す説明図である。
図10A及び図10Bから明らかなように、真像の信号スペクトルの形状と、虚像の信号スペクトルの形状とが異なっている。
虚像抑圧部11によって、低PRFで撮像されたレーダ画像に含まれている虚像の抑圧処理が行われても、図10Aに示すように、真像の信号スペクトルに関する形状の特徴は失われていない。また、図10Bに示すように、虚像の信号スペクトルに関する形状の特徴は失われていない。
像識別処理部16は、真像候補の信号スペクトルを同一画像内に収めるため、平滑化後の信号スペクトルの中で、電力が最も低いアジマス軸方向のセルを検出する。そして、像識別処理部16は、検出したセルを、信号スペクトルの端の位置に移動させるため、平滑化後の信号スペクトルに含まれている画素をアジマス方向に循環シフトする(図5のステップST12)。
像識別処理部16が、平滑化後の信号スペクトルの画素をアジマス方向に循環シフトすることにより、目標の形状又は空間分布等の影響が軽減される。
虚像抑圧部11による虚像の抑圧処理によって、レーダ画像に含まれている雑音成分も抑圧されているため、虚像抑圧部11による虚像の抑圧処理が行われていない場合と比べて、像識別処理部16による信号スペクトルの角度算出精度が向上する。
また、信号スペクトルの画素を循環シフトしているため、循環シフトしていない場合と比べて、像識別処理部16による信号スペクトルの角度算出精度が向上する。
図11Bは、レーダ画像格納部1により記憶されているレーダ画像に含まれている虚像を示す説明図である。
図11Aに示すレーダ画像には、真像のほかに、雑音成分が含まれている。また、図11Bに示すレーダ画像には、虚像のほかに、雑音成分が含まれている。
図11Cは、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている真像を示す説明図である。
図11Dは、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている虚像を示す説明図である。
虚像抑圧部11による虚像の抑圧処理によって、レーダ画像に含まれている雑音成分も抑圧されるため、図11Cに示すレーダ画像は、図11Aに示すレーダ画像と比べて、含まれている雑音成分が減少している。また、図11Dに示すレーダ画像は、図11Bに示すレーダ画像と比べて、含まれている雑音成分が減少している。
図12Bは、虚像抑圧部11による虚像の抑圧処理が行われていないレーダ画像(図11Bに示すレーダ画像)に含まれている虚像の信号スペクトルを示す説明図である。
図12Cは、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像(図11Cに示すレーダ画像)に含まれている真像の信号スペクトルを示す説明図である。
図12Dは、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像(図11Dに示すレーダ画像)に含まれている虚像の信号スペクトルを示す説明図である。
虚像抑圧部11による虚像の抑圧処理によって、レーダ画像に含まれている雑音成分も抑圧されるため、図12Cに示すレーダ画像に含まれている真像の信号スペクトルの方が、図12Aに示すレーダ画像に含まれている真像の信号スペクトルよりも、信号スペクトルの形状が高精度に算出されている。また、図12Dに示すレーダ画像に含まれている虚像の信号スペクトルの方が、図12Bに示すレーダ画像に含まれている虚像の信号スペクトルよりも、信号スペクトルの形状が高精度に算出されている。
像識別処理部16は、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1よりも小さければ(図5のステップST14:YESの場合)、真像候補が真像であると判定する(図5のステップST15)。
像識別処理部16は、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1以上であれば(図5のステップST14:NOの場合)、真像候補が虚像であると判定する(図5のステップST16)。
像識別処理部16は、図5のステップST11~ST16の処理を繰り返すことによって、真像候補抽出部15により抽出された真像候補の全てが、真像であるのか、虚像であるのかを識別する(図4のステップST6)。
像識別処理部16は、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像から、識別した虚像を除去し、虚像除去後のレーダ画像を処理後画像格納部3に出力する。
実施の形態2では、像識別部12が、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1よりも小さくても、信号スペクトルの長さLenが第4の閾値Th4よりも短ければ、真像候補が虚像であると判定するレーダ画像処理装置2について説明する。
図14は、実施の形態2に係るレーダ画像処理装置2のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図14において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
像識別部17は、虚像抑圧部11による虚像抑圧後のレーダ画像を、当該レーダ画像のアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている真像候補の信号スペクトルを算出する。
像識別部17は、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1よりも小さく、かつ、信号スペクトルの長さLenが第4の閾値Th4以上であれば、真像候補が真像であると判定する。
像識別部17は、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1以上、又は、信号スペクトルの長さLenが第4の閾値Th4よりも短ければ、真像候補が虚像であると判定する。
像識別処理部18は、図1に示す像識別処理部16と同様に、真像候補抽出部15により抽出された真像候補をアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、真像候補の信号スペクトルを算出する。
像識別処理部18は、真像候補の信号スペクトルをハフ変換することによって、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する信号スペクトルの角度α及び信号スペクトルの長さLenのそれぞれを算出する。
像識別処理部18は、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1よりも小さく、かつ、信号スペクトルの長さLenが第4の閾値Th4以上であれば、真像候補が真像であると判定する。
像識別処理部18は、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1以上、又は、信号スペクトルの長さLenが第4の閾値Th4よりも短ければ、真像候補が虚像であると判定する。第1の閾値Th1及び第4の閾値Th4のそれぞれは、像識別処理部18の内部メモリに格納されていてもよいし、レーダ画像処理装置2の外部から与えられるものであってもよい。
像識別処理部18は、図1に示す像識別処理部16と同様に、虚像抑圧後のレーダ画像に映っている虚像を除去し、虚像除去後のレーダ画像を処理後画像格納部3に出力する。
虚像抑圧回路21、画像変換回路22、仮真像候補選別回路23、真像候補抽出回路24及び像識別処理回路26のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
レーダ画像処理装置2が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、虚像抑圧部11、画像変換部13、仮真像候補選別部14、真像候補抽出部15及び像識別処理部18におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
像識別処理部18は、真像候補抽出部15から真像候補を受けると、図1に示す像識別処理部16と同様に、真像候補をアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、真像候補の信号スペクトルを算出する。
像識別処理部18は、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1よりも小さく、かつ、信号スペクトルの長さLenが第4の閾値Th4以上であれば、真像候補が真像であると判定する。
像識別処理部18は、信号スペクトルの角度αが第1の閾値Th1以上、又は、信号スペクトルの長さLenが第4の閾値Th4よりも短ければ、真像候補が虚像であると判定する。
像識別処理部18は、虚像抑圧後のレーダ画像から、識別した虚像を除去し、虚像除去後のレーダ画像を処理後画像格納部3に出力する。
Claims (7)
- レーダ画像に対する圧縮センシング処理を実施することによって、前記レーダ画像に含まれているアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像を抑圧する虚像抑圧部と、
前記虚像抑圧部による虚像抑圧後のレーダ画像を、当該レーダ画像のアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている真像候補の信号スペクトルを算出し、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する前記信号スペクトルの角度が第1の閾値よりも小さければ、前記真像候補が真像であると判定し、前記信号スペクトルの角度が前記第1の閾値以上であれば、前記真像候補がアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像であると判定する像識別部と
を備えたレーダ画像処理装置。 - 前記像識別部は、
前記虚像抑圧部による虚像抑圧後のレーダ画像を2値化画像に変換し、前記2値化画像を出力する画像変換部と、
前記画像変換部から出力された2値化画像の中で、1の画素値を有する画素が集まっている、1つ以上の画素群のそれぞれを仮真像候補として特定し、特定した仮真像候補のうち、含んでいる画素の数が第2の閾値よりも少ない仮真像候補を破棄する仮真像候補選別部と、
前記虚像抑圧部による虚像抑圧後のレーダ画像から、前記仮真像候補選別部により破棄されないで残っている仮真像候補と画素位置が同じ画素群を真像候補として抽出する真像候補抽出部と、
前記真像候補抽出部により抽出された真像候補を前記アジマス軸方向にフーリエ変換することによって、前記真像候補の信号スペクトルを算出し、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する前記信号スペクトルの角度が前記第1の閾値よりも小さければ、前記真像候補が真像であると判定し、前記信号スペクトルの角度が前記第1の閾値以上であれば、前記真像候補がアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像であると判定する像識別処理部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。 - 前記仮真像候補選別部は、残っている仮真像候補の中で、互いに隣り合っている2つの仮真像候補の距離が第3の閾値よりも短ければ、前記2つの仮真像候補のうち、いずれかの仮真像候補を破棄することを特徴とする請求項2記載のレーダ画像処理装置。
- 前記像識別処理部は、前記真像候補の信号スペクトルをハフ変換することによって、前記信号スペクトルの角度を算出することを特徴とする請求項2記載のレーダ画像処理装置。
- 前記像識別部は、前記信号スペクトルの角度が前記第1の閾値よりも小さくても、前記信号スペクトルの長さが第4の閾値よりも短ければ、前記真像候補がアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像であると判定することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
- 虚像抑圧部が、レーダ画像に対する圧縮センシング処理を実施することによって、前記レーダ画像に含まれているアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像を抑圧し、
像識別部が、前記虚像抑圧部による虚像抑圧後のレーダ画像を、当該レーダ画像のアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている真像候補の信号スペクトルを算出し、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する前記信号スペクトルの角度が第1の閾値よりも小さければ、前記真像候補が真像であると判定し、前記信号スペクトルの角度が前記第1の閾値以上であれば、前記真像候補がアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像であると判定する
レーダ画像処理方法。 - 虚像抑圧部が、レーダ画像に対する圧縮センシング処理を実施することによって、前記レーダ画像に含まれているアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像を抑圧する処理手順と、
像識別部が、前記虚像抑圧部による虚像抑圧後のレーダ画像を、当該レーダ画像のアジマス軸方向にフーリエ変換することによって、虚像抑圧後のレーダ画像に含まれている真像候補の信号スペクトルを算出し、虚像抑圧後のレーダ画像におけるドップラ周波数軸に対する前記信号スペクトルの角度が第1の閾値よりも小さければ、前記真像候補が真像であると判定し、前記信号スペクトルの角度が前記第1の閾値以上であれば、前記真像候補がアジマスアンビギュイティと呼ばれる虚像であると判定する処理手順と
をコンピュータに実行させるためのレーダ画像処理プログラム。
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Title |
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Oishi, Noboru et al.,AZIMUTH AMBIGUITY DETECTION AND SUPPRESSION IN SAR IMAGES,IGARSS 2019-2019 IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium,米国,IEEE,2019年10月14日,IGARSS 2019,p.676-679 |
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