JP7140885B2 - 活性酸素供給装置、活性酸素による処理装置及び活性酸素による処理方法 - Google Patents

活性酸素供給装置、活性酸素による処理装置及び活性酸素による処理方法 Download PDF

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本開示は、活性酸素供給装置、活性酸素による処理装置及び活性酸素による処理方法に向けたものである。
物品等の除菌を行う手段として、紫外線、及び、オゾンが知られている。特許文献1は、紫外線による除菌が、除菌対象物の紫外線が照射される部分に限定されるという課題に対して、オゾン供給装置と紫外線発生ランプと撹拌装置とを有する殺菌装置を用いて、紫外線発生ランプより生成する紫外線をオゾンに照射することにより発生する活性酸素を撹拌して試料の影の部分も殺菌する方法を開示している。
特開平1-25865号公報
本発明者らが、特許文献1に係る殺菌方法による除菌性能について検討したところ、従来のオゾンのみを用いた除菌方法による除菌性能と同等程度である場合があった。活性酸素の除菌能力は、本来オゾンの除菌能力をはるかに上回ると言われているところ、このような検討結果は予想外のものであった。
本開示の一態様は、被処理物の表面に活性酸素をより効率的に供給し得る活性酸素供給装置、被処理物の表面を活性酸素でより効率的に処理し得る活性酸素による処理装置、及び、被処理物の表面を活性酸素でより効率的に処理し得る活性酸素による処理方法の提供に向けたものである。
本開示の少なくとも一つの様態によれば、少なくとも一つの開口部を有する筐体と、該
筐体の内にプラズマ発生装置と紫外線光源とを具備し、該プラズマ発生装置はプラズマアクチュエータであり、該プラズマアクチュエータは、誘電体と、該誘電体の第1の表面に設けられた第1の電極と、該誘電体の該第1の表面とは反対側の第2の表面に設けられた第2の電極とを備え、かつ、該第1の電極と該第2の電極とは該誘電体を挟んで斜向かいにずれて配置されており、該第1の電極と該第2の電極との間に電圧を印加することにより、該第1の電極の縁部から該誘電体の該第1の表面の該第1の電極で被覆されていない露出部に沿って、オゾンを含む誘起流を生じさせるものであり、該プラズマアクチュエータは、該誘起流が該開口部から該筐体の外に流出するように配置されており、該紫外線光源は、紫外線を該誘起流に照射し、該誘起流中に活性酸素を発生させる活性酸素供給装置が提供される。
また、本開示の少なくとも一つの様態によれば、被処理物の表面を活性酸素で処理する処理装置であって、少なくとも一つの開口部を有する筐体と、該筐体の内にプラズマ発生装置と紫外線光源とを具備し、該プラズマ発生装置はプラズマアクチュエータであり、該プラズマアクチュエータは、誘電体と、該誘電体の第1の表面に設けられた第1の電極と、該誘電体の該第1の表面とは反対側の第2の表面に設けられた第2の電極とを備え、かつ、該第1の電極と該第2の電極とは該誘電体を挟んで斜向かいにずれて配置されており、該第1の電極と該第2の電極との間に電圧を印加することにより、該第1の電極の縁部から該誘電体の該第1の表面の該第1の電極で被覆されていない露出部に沿って、オゾンを含む誘起流を生じさせるものであり、該プラズマアクチュエータは、該誘起流が該開口部から該筐体の外に流出するように配置されており、該紫外線光源は、紫外線を該誘起流に照射し、該誘起流中に活性酸素を発生させる活性酸素による処理装置が提供される。
さらに、本開示の少なくとも一つの態様によれば、被処理物の表面を活性酸素で処理する処理方法であって、
少なくとも一つの開口部を有する筐体と、該筐体の内にプラズマ発生装置と紫外線光源とを具備し、該プラズマ発生装置はプラズマアクチュエータであり、該プラズマアクチュエータは、誘電体と、該誘電体の第1の表面に設けられた第1の電極と、該誘電体の該第1の表面とは反対側の第2の表面に設けられた第2の電極とを備え、かつ、該第1の電極と該第2の電極とは該誘電体を挟んで斜向かいにずれて配置されており、該第1の電極と該第2の電極との間に電圧を印加することにより、該第1の電極の縁部から該誘電体の該第1の表面の該第1の電極で被覆されていない露出部に沿って、オゾンを含む誘起流を生じさせるものであり、該プラズマアクチュエータは、該誘起流が該開口部から該筐体の外に流出するように配置されており、該紫外線光源は、紫外線を該誘起流に照射し、該誘起流中に活性酸素を発生させる活性酸素による処理装置を用意する工程と、該活性酸素による処理装置と、該被処理物とを、該開口部から該誘起流を流出させたときに該被処理物の
表面が曝される相対的な位置に置く工程と、該開口部から該誘起流を流出させて、該被処理物の表面を活性酸素で処理する工程と、を有する活性酸素による処理方法が提供される。
本開示の一態様によれば、被処理物の表面に活性酸素をより効率的に供給し得る活性酸素供給装置、被処理物の表面を活性酸素でより効率的に処理し得る活性酸素による処理装置及び被処理物の表面を活性酸素でより効率的に処理し得る活性酸素による処理方法を得ることができる。
本開示の一態様に係る活性酸素供給装置の構成示す概略断面図。 本開示の一態様に係るプラズマ発生装置の構成を示す概略断面図。 本開示の一態様に係るプラズマアクチュエータの説明図。 本開示の一態様に係る活性酸素供給装置の寸法説明図説明図。 本開示の他の一態様に係る活性酸素供給装置の平面図。 図5のAA線断面図。 本開示の他の一態様に係る活性酸素供給装置を用いた処理方法の概略説明図。
以下、図面を参照して、この開示を実施するための形態を、具体的に例示する。ただし、この形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、開示が適用される部材の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この開示の範囲を以下の形態に限定する趣旨のものではない。
また、本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
また、本開示に係る「除菌」の対象物としての「菌」とは微生物を指し、該微生物には、真菌、細菌、単細胞藻類、ウイルス、原生動物等に加え、動物又は植物の細胞(幹細胞、脱分化細胞、分化細胞を含む。)、組織培養物、遺伝子工学によって得られた融合細胞(ハイブリドーマを含む。)、脱分化細胞、形質転換体(微生物)が含まれる。ウイルスの例としては、例えば、ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIVウイルスなどが挙げられる。また、細菌の例としては、例えば、ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、炭そ菌、結核菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、連鎖球菌などが挙げられる。さらに、真菌の例としては、白癬菌、アスペルギルス、カンジダ等が挙げられる。
さらに、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中に同一の番号を付し、その説明を省略する場合がある。
さらにまた、本明細書において、本開示の活性酸素供給装置および本開示の活性酸素による処理装置を総称して、単に「活性酸素供給装置」ともいう。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る殺菌装置の除菌能力が限定的である理由
を以下のように推測している。
特許文献1は、オゾンに対して、紫外線を照射することで、オゾンを励起し、極めて除菌力の高い活性酸素を生成している。ここで、活性酸素とは、スーパーオキシドアニオンラジカル(・О )、ヒドロキシルラジカル(・ОH)等の反応性の高い酸素活性種の総称で、それ自身がもつ高い反応性により、細菌やウイルスを即座に酸化分解できる。
しかしながら、オゾンは紫外線を極めてよく吸収するため、特許文献1に係る殺菌装置においては、活性酸素の発生は紫外線発生ランプの近傍に限定されると考えられる。すなわち、紫外線発生ランプから離れた位置に存在するオゾンにまでは紫外線が十分到達せず、紫外線発生ランプから離れたところでは活性酸素は発生し難いと考えられる。
また、活性酸素は非常に不安定であり、・О の半減期は10-6秒、・ОHの半減期は10-9秒と極めて短く、速やかに安定な酸素、水に変換される。そのため、紫外線発生ランプの近傍で生成した活性酸素を、受動的に殺菌装置の本体内部に充満させることは困難であると考えられる。言い換えれば、特許文献1に係る殺菌方法による除菌は、実質的にはオゾンによって行われていると考えられる。そのため、特許文献1に係る殺菌方法による除菌性能が、従来のオゾンのみを用いた除菌方法による除菌性能と同等程度となっているものと考えられる。
このような考察から、本発明者らは、寿命が短い活性酸素を用いて被処理物を処理するうえでは、被処理物や被処理表面をより能動的に活性酸素雰囲気下に置くことが必要であることを認識した。そして、かかる認識の下で本発明者らが検討した結果、以下で説明する活性酸素供給装置によれば、被処理物をより能動的に活性酸素雰囲気下に置くことができることを見出した。なお、本開示において、活性酸素による被処理物の「処理」には、活性酸素による被処理物の被処理面の表面改質(親水化処理)、除菌、消臭、漂白の如き、活性酸素によって達成し得るあらゆる処理を含むものとする。
以下、図1を用いて本開示の一態様に係る活性酸素供給装置101について説明する。本開示の一態様に係る活性酸素供給装置101は、少なくとも一つの開口部106を有する筐体107内に紫外線光源102と、プラズマ発生装置103とを具備する。
紫外線光源102は、紫外線を誘起流105に照射し、誘起流105中に活性酸素を発生させる。図1中、符号104は被処理物である。
また、プラズマ発生装置103の一態様の断面構造を図2に示す。該プラズマ発生装置は、誘電体201の一方の表面(以降、「第1の表面」ともいう)に第1の電極203、第1の表面とは反対側の表面(以降、「第2の表面」ともいう)に第2の電極205が設けられた、いわゆる誘電体バリア放電(Dielectric Barrier Discharge:DBD)プラズマアクチュエータ(以降、単に「DBD-PA」と記載する場合がある)である。図2中、符号206は誘電体基板、符号207は電源である。
プラズマ発生装置103において、誘電体201を挟んで配置された第1の電極203と第2の電極205とは、斜向かいにずれて配置されている。これらの電極間(両電極間)に電圧を印加することで、第1の電極203から第2の電極205に向けてプラズマ202が発生し、第1の電極203の縁部204から誘電体201の第1の表面の露出部(第1の電極で被覆されていない部分)201-1に沿って表面プラズマ202による噴流状の流れが誘起される。また同時に、容器内の空間から電極に向かう、空気の吸い込み流れも発生する。該表面プラズマ202中の電子は、空気中の酸素分子に衝突し、該酸素分子を解離させ、酸素原子を生じさせる。生じた酸素原子は未解離の酸素分子と衝突して、オゾンが発生する。したがって、表面プラズマ202による噴流状の流れと空気の吸い込み流れとの作用により、第1の電極203の縁部204から誘電体201の表面に沿って、高濃度のオゾンを含む誘起流105が発生する。
そして、プラズマ発生装置103は、誘起流105が、開口部106から筐体107外に流出し、被処理物104の処理表面104-1に供給されるように配置されている。
すなわち、本開示の一態様に係る活性酸素供給装置においては、プラズマ発生装置103からのオゾンを含む誘起流105が、開口部106から筐体107外に流出し、被処理物104の処理表面104-1に供給され、紫外線光源102が紫外線を誘起流105に照射して誘起流105中に活性酸素を発生させることにより、処理表面104-1近傍の領域、具体的には例えば処理表面から高さ1mm程度までの空間領域(以降、「表面領域」ともいう)に活性酸素を能動的に供給することができる。そのため、生成した活性酸素が酸素及び水に変換される前に、該活性酸素を被処理物の表面に供給することができる。その結果として、被処理物104の処理表面104-1は、活性酸素によってより確実に処理される。
<電極及び誘電体>
第1の電極及び第2の電極を構成する材料としては、良導電性の材料であれば、特に限定されることない。例えば、銅、アルミ、ステンレス鋼、金、銀、プラチナなどの金属、および、それらにメッキや蒸着をしたもの、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどの導電性炭素材料、および、それらを樹脂などと混合した複合材料などを用いることができる。第1の電極を構成する材料と第2の電極を構成する材料とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
これらのなかでも、電極の腐食を避けて放電の均一化を図る観点から、第1の電極を構成する材料はアルミニウム、ステンレス鋼又は銀であることが好ましい。同様の理由で、第2の電極を構成する材料もアルミニウム、ステンレス鋼又は銀であることが好ましい。
また、第1の電極及び第2の電極の形状は、平板状、ワイヤ状、針状などを特に制限なく採用することができる。好ましくは、第1の電極の形状は平板状である。また、好ましくは、第2の電極の形状は平板状である。第1の電極及び第2の電極の少なくとも一の電極が平板状である場合、該平板のアスペクト比(長辺の長さ/短辺の長さ)が2以上であることが好ましい。
第1の電極及び第2の電極の少なくとも一の電極は、頂角が45°以下である(すなわち、電極が尖っている)ことも好ましい態様であるが、これに限定されない。なお、図面においては、第1の電極及び第2の電極の頂角はいずれも90°である場合を示しているが、頂角が45°を超える態様も本開示に含まれる。
誘電体は、高い電気絶縁性を有する材料であれば、特に限定されることない。例えば、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの樹脂、ガラス、セラミックス、および、それらを樹脂などと混合した複合材料などを用いることができる。これらのなかでも、電流がリークした場合でも延焼しにくいことから、誘電体がセラミックス又はガラスであることが好ましい。
<プラズマアクチュエータ>
プラズマアクチュエータは、誘電体を挟んで第1の電極と第2の電極を設け、両電極間に電圧を印加することによりオゾンを含む誘起流を生じさせうるものであれば、特に限定されない。
プラズマアクチュエータにおいて、第1の電極と第2の電極の最短距離が短いほどプラズマが発生しやすい。そのため誘電体の膜厚は電気絶縁破壊しない範囲であれば薄膜であるほど好ましく、10μm~1000μm、好ましくは10μm~200μmとすることができる。また、第1の電極と第2の電極の最短距離は、200μm以下であることが好ましい。
図3は、オゾン発生装置であるプラズマアクチュエータの第1の電極203と第2の電極205のオーバーラップについての説明図である。プラズマアクチュエータの断面図である。
斜向かいに配置した第1の電極203及び第2の電極205は、断面図の上側から見たときに、第1の電極の縁部が、誘電体を挟んで第2の電極の形成部分に存在していてもよ
い。すなわち、第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んでオーバーラップするように設けられていてもよい。この場合、第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んで重なっている部分において電圧印加時に絶縁破壊しないようにすることが好ましい。
また、第1の電極と第2の電極が断面図の上部から見て、離れている場合には、電極間距離が離れることによる電界の弱まりを補うために電圧を高めることが好ましい。第1の電極の縁部と第2の電極の縁部との重なりは、オーバーラップする長さを正とすると、断面図の上部から見て、-100μm~+1000μmとすることがより好ましい。
電極の厚みとしては、第1の電極及び第2の電極ともに特に限定は無いが、10μm~1000μmとすることができる。10μm以上であると、抵抗が低くなりプラズマの発生がしやすくなる。1000μm以下であると、電界集中が起こりやすくなるためプラズマが発生しやすくなる。
電極の幅としては、第1の電極及び第2の電極ともに特に限定されないが、1000μm以上とすることができる。
また、第2の電極の縁部が露出している場合、第2の電極の縁部からもプラズマが発生し、第1の電極由来の誘起流105とは反対側の向きの誘起流が生じ得る。本態様に係る活性酸素供給装置においては、被処理物の表面領域以外の活性酸素供給装置の内部空間のオゾン濃度はできる限り低くしておくことが好ましい。また、誘起流105の流れを乱すような気体の流動を容器内に発生させないことが好ましい。そのため、第2の電極由来の誘起流を発生させないことが好ましい。そこで、第2の電極205は、図2及び図3に示すように誘電体基板206の如き誘電体で被覆したり、誘電体201に埋め込み、第2電極の縁部からのプラズマの発生を防止したりすることが好ましい。
高濃度オゾンを含む誘起流105は、第1の電極203の縁部204から誘電体201の第1の表面の露出部201-1に沿った表面プラズマによる噴流状の流れ方向、すなわち、第1の電極203の縁部204から誘電体の第1の表面の露出部201-1に沿う方向に流れる。この誘起流は、数m/s~数十m/s程度の速度を持った、高濃度オゾンを含む気体の流れである。
プラズマアクチュエータの第1の電極203と第2の電極205の間にかける電圧としては、プラズマアクチュエータにプラズマを生じさせることができる態様であれば特に制限されない。また、直流電圧でも、交流電圧でもよいが、交流電圧であることが好ましい。また、該電圧をパルス電圧とすることも好ましい態様である。
さらに、該電圧の振幅、周波数は、誘起流の流速、誘起流中のオゾン濃度を調整するために適宜設定することができる。この場合、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を生成させるために必要なオゾン濃度を誘起流中に発生させること、生成された活性酸素を、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を維持した状態で被処理物の表面領域に供給すること、などの観点から適宜選択するとよい。
例えば、該電圧の振幅は1kV~100kVとすることができる。さらにまた、該電圧の周波数は好ましくは1kHz以上、より好ましくは10kHz~100kHzとすることができる。
該電圧を交流電圧とする場合、該交流電圧の波形は特に制限されず、サイン波、矩形波、三角波などを採用できるが、電圧の立ち上がりの早さの観点からは矩形波であることが好ましい。
該電圧のデューティー比も適宜選択可能であるが、電圧の立ち上がりが早いことが好ましい。好ましくは、波長の振幅の底から頂点に達する電圧の立ち上がりが、400,0000V/秒以上となるように電圧を印加する。
なお、第1の電極203と第2の電極205の間に印加する電圧の振幅を、誘電体201の膜厚で除した値(電圧/膜厚)は、10kV/mm以上とすることが好ましい。
<紫外線光源および紫外線>
紫外線光源としては、オゾンを励起し、活性酸素を生成させうる紫外線を照射できるも
のであれば特に限定されない。また、該紫外線光源は、オゾンを励起し、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を得るために必要な、紫外線の波長及びその照度を有していれば特に限定されない。
例えば、オゾンの光吸収スペクトルのピーク値が260nmであることから、該紫外線のピーク波長は、220nm~310nmであることが好ましく、253nm~285nmであることがより好ましく、253nm~266nmであることがさらに好ましい。
具体的な紫外線光源としては、石英ガラス内にアルゴンやネオン等の不活性ガスと共に水銀が封入されてなる低圧水銀ランプや、冷陰極管紫外線ランプ(UV-CCL)、紫外LEDなどが使用できる。低圧水銀ランプや冷陰極管紫外線ランプの波長は、254nmなどから選択するとよい。一方、紫外LEDの波長は、出力性能の観点から、265nm、275nm、280nmなどから選択するとよい。
<プラズマ発生装置、紫外線光源及び被処理物の配置>
活性酸素供給装置101においては、オゾンを含む誘起流を生じさせるプラズマ発生装置103の位置は、紫外線光源102から照射された紫外線によって該誘起流105が、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量が維持された状態で、開口部から筐体外に流出し、被処理物の表面に供給されるように配置されていれば特に限定されない。
例えば、紫外線によって発生した活性酸素を含む誘起流105が、最短距離で、被処理物の表面に供給されるようにプラズマ発生装置と紫外線光源とを配置するとよい。
また、例えば、プラズマアクチュエータの第1の電極の縁部から誘電体の第1の表面の露出部201-1に沿った方向の延長線上に被処理物の処理表面104-1が含まれるように配置するとよい。
さらに、活性酸素供給装置の開口部を鉛直下方に向けた場合において、プラズマアクチュエータの第1の電極の縁部から誘電体の第1の表面の露出部201-1に沿う方向の延長線201-1-1と水平面(鉛直方向と直角な平面)とのなす狭角θ(以降、プラズマアクチュエータ入射角度、PA入射角度ともいう。図4を参照)は、処理の目的に応じた有効活性酸素又は有効活性酸素量を維持した状態で、被処理物の表面領域まで誘起流を能動的に供給し得る角度、又は、活性酸素により処理し得る角度であれば特に制限されないが、0°~90°であることが好ましく、30°~70°であることがより好ましい。
プラズマ発生装置と紫外線光源とを、上記のように配置することで、ある程度の流速を有する、活性酸素を含む誘起流を、被処理物の表面近傍の領域に局所的に供給すること又は活性酸素により処理することができる。
紫外線光源は、紫外線を誘起流に照射し、該誘起流中に活性酸素を発生させ、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量が維持された状態で被処理物の表面での処理が可能なように配置されていれば、それ以外は特段限定されない。
上述のように、オゾンを含む誘起流が、被処理物の表面近傍の領域に能動的に供給されている。また、紫外線を誘起流に照射することで誘起流中に活性酸素を発生させることができる。そのため、該誘起流に紫外線が照射されることで、オゾンが励起され、活性酸素が発生した状態の誘起流を、被処理物の表面に能動的に供給することができ、また、被処理物の表面の活性酸素濃度又は活性酸素量を有意に高めることができる。
紫外線光源とプラズマ発生装置との相対位置は、誘起流中に活性酸素を発生させ、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量が維持された状態で被処理物の表面での処理が可能なように各々が配置されていれば、それ以外は特段限定されない。
また、紫外線光源とプラズマ発生装置との距離も処理の目的によって変化するので、一概には規定できないが、例えば、10mm以下とすることが好ましく、4mm以下とすることがより好ましい。ただし、紫外線光源から10mm程度以内の所にプラズマ発生装置を置く必要はなく、後述する紫外線の照度や波長などとの関係で誘起流中の活性酸素を処理の目的に応じた有効濃度とすることができれば、紫外線光源とプラズマ発生装置との距
離は特に制限されない。
また、紫外線光源及びプラズマ発生装置の少なくとも一方に移動手段を設け、紫外線の照度が均一となるように紫外線光源及びプラズマ発生装置の少なくとも一方を移動自在とすることも好ましい態様である。
活性酸素供給装置と被処理物との相対的な位置は、誘起流中に活性酸素を発生させ、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量が維持された誘起流に被処理物の表面が曝されるように各々の少なくとも一方が配置されていればよい。
また、紫外線光源は、紫外線が被処理物の表面を照射可能な位置に配置されていても、紫外線が被処理物の表面を照射可能でない位置に配置されていてもよい。紫外線光源からの紫外線が被処理物の表面を照射可能でない場合であっても、本態様に係る活性酸素による処理装置であれば、誘起流中の活性酸素に被処理面が曝されることにより処理することが可能である。さらに、紫外線による除菌処理においては、除菌されるのは、紫外線が照射された面のみである。しかしながら、本開示に係る活性酸素供給装置による除菌処理においては、活性酸素が到達し得る位置に存在する菌は除菌することができる。従って、例えば、外部からの紫外線照射では除菌が困難な、繊維間に存在する菌であっても除菌し得る。
一方、紫外線光源からの紫外線が、開口部を介して筐体外に置かれた被処理物の表面を照射可能に配置されている場合、誘起流中に存在している未分解のオゾンを、被処理面においてその場的(in situ)に分解し、被処理面上において活性酸素を発生させ得る。その結果、処理の程度や処理の効率をより一層高めることができる。
この場合において、被処理物の表面における紫外線の照度または開口部における紫外線の照度は特に限定されないが、例えば、被処理物の表面または開口部においても、誘起流に含まれるオゾンを分解し、誘起流中に活性酸素を発生させ、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を生じさせうる紫外線の照度に設定することが好ましい。具体的には、例えば、被処理物の表面における紫外線の照度または開口部における紫外線の照度の具体例として、40μW/cm以上であることが好ましく、100μW/cm以上であることがより好ましく、400μW/cm以上であることがさらに好ましく、1000μW/cm以上であることが特に好ましい。該照度の上限は特に制限されないが、例えば10000μW/cm以下とすることができる。
さらに、紫外線光源と被処理物の表面との距離も処理の目的によって変化するので、一概には規定できないが、例えば、10mm以下とすることが好ましく、4mm以下とすることがより好ましい。ただし、紫外線光源から10mm程度以内の所に被処理物の処理表面があるように被処理物を置く必要はなく、紫外線の照度などとの関係で誘起流中の活性酸素を処理の目的に応じた有効濃度とすることができれば、紫外線光源と被処理物との距離は特に制限されない。
また、プラズマアクチュエータにおける、誘起流に紫外線を照射しない状態での単位時間あたりのオゾン発生量としては、例えば、15μg/分以上であることが好ましい。より好ましくは30μg/分以上である。該オゾン発生量の上限は特に制限されないが、例えば1000μg/分以下である。
誘起流の流速としては、例えば、生成された活性酸素を処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を維持した状態で被処理物の表面領域まで能動的に供給し得る速度であればよい。例えば、上記の通り0.01m/s~100m/s程度である。
上述のようにプラズマアクチュエータから生じる誘起流中のオゾンの濃度や誘起流の流速は、電極や誘電体の厚みや材質、印加する電圧の種類、振幅、周波数などにより制御することができる。
<筐体および開口部>
本開示の活性酸素供給装置は、少なくとも一つの開口部106を有する筐体107と、筐体内に配置された紫外線光源102と、プラズマ発生装置103とを具備する。
該開口部は、プラズマ発生装置103から生じる誘起流105が筐体107外に流出されるような態様であれば特に制限されない。開口部の大きさ、開口部の位置、開口部と被処理物との相対位置は、例えば、生成された活性酸素を、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を維持した状態で被処理物の表面領域まで能動的に供給し得るように適宜選択することができる。
本開示の活性酸素供給装置は、被処理物の除菌用途だけでなく、被処理物に活性酸素を供給することで実施される用途全般に用いることができる。例えば、本開示の活性酸素供給装置は、被処理物の消臭用途、被処理物の漂白用途、被処理物の親水化表面処理などにも用いることができる。
また、本開示の活性酸素による処理装置は、被処理物を除菌する処理を行うだけでなく、例えば、被処理物を消臭する処理、被処理物を漂白する処理、被処理物を親水化する表面処理などにも用いることができる。
なお、本開示において「有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量」とは、被処理物に対する目的、例えば、除菌、消臭、漂白または親水化などを達成するための活性酸素濃度又は活性酸素量をいい、プラズマアクチュエータを構成する電極、誘電体の厚み、材質、印加する電圧の種類、振幅及び周波数、紫外線の照度及び照射時間、PA入射角度などを用い、目的に応じて適宜調整ができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本開示をさらに詳細に説明するが、本開示の態様はこれらに限定されない。
<実施例1>
1.活性酸素供給装置の作製
誘電体としてのガラス板(縦5mm、横(図1における紙面奥行方向)18mm、厚さ150μm)の第1の面に縦2.5mm、横15mm、厚さ100μmのアルミニウム箔を粘着テープで貼り付けて第1の電極を形成した。また、当該ガラス板の第2の面にも縦3mm、横15mm、厚さ100μmのアルミニウム箔を、第1の面に張り付けたアルミニウム箔と斜向かいとなるように粘着テープで貼り付けて第2の電極を形成した。さらに、第2の電極を含む第2の面をポリイミドテープで被覆した。こうして、第1の電極と第2の電極とが誘電体(ガラス板)を挟んで幅0.5mmに亘ってオーバーラップするように設けられてなるプラズマアクチュエータを作製した。このプラズマアクチュエータを2個用意した。
次に、活性酸素供給装置101の筐体107として、ABS樹脂製の、高さ25mm、幅20mm、長さ170mm、厚さ2mmであり、断面形状が図1に示す略台形状のケースを用意した。該ケースは、その一面に、幅7mm、長さ166mmの開口部106を有していた。次いで、該筐体107の斜辺部分の内壁に、先に作製した2個のプラズマアクチュエータを固定した。具体的には、プラズマアクチュエータ103を、誘電体201の第1の表面の露出部201-1に沿う方向の延長線201-1-1と被処理物の処理表面104-1との交点のなす角θ(上述PA入射角度)と同値)が45°であった。
さらに、筐体内に、紫外線ランプ102(冷陰極管紫外線ランプ、商品名:UW/9F89/9、スタンレー電気社製、直径9mmの円筒状、ピーク波長=254nm)を配置した。紫外線ランプ102とプラズマアクチュエータの誘電体201の第1の表面の露出部201-1との距離(図4における符号403)が2mmとなり、かつ、筐体107の開口部106に平板を当接させたときに該紫外線光源と該平板の該紫外線光源に対向する側
の面との距離(図4における符号401)が3mmとなるように配置した。こうして本実施例に係る活性水素供給装置(活性酸素による処理装置)を作製した。
この活性酸素供給装置101における活性酸素の供給口となる開口部106の位置に照度計(商品名:分光放射照度計USR-45D、ウシオ電機社製)を置いて紫外線の照度を測定した。スペクトルの積分値から、1370μW/cmであった。このとき、プラズマアクチュエータから発生するオゾンによる紫外線の遮蔽の影響を受けないように、プラズマアクチュエータには電源を入れなかった。被処理物は例えば、該開口部106の位置に置かれることから、かかる条件で測定された紫外線の照度を、被処理物の表面における紫外線の照度とみなした。
続いて、プラズマアクチュエータ103から発生するオゾン量を算出するため、活性酸素供給装置101を、容積が1リットルの密閉容器(不図示)に入れた。該密閉容器にはゴム栓で封止可能な孔部が設けられており、該孔部から注射器で内部の気体を吸引できるようにした。そして、プラズマアクチュエータ103に振幅2.4kV、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加して1分後に、密閉容器内の気体を100ml採取した。採取した気体をオゾン検知管(商品名:182SB、光明理化学工業社製)に吸引させ、プラズマアクチュエータ103からの誘起流に含まれる測定オゾン濃度(PPM)を測定した。測定されオゾン濃度の値を用いて、次式により、単位時間あたりのオゾン発生量を求めた。
Figure 0007140885000001
その結果、単位時間あたりのオゾン発生量は39μg/分であった。このとき、紫外線光源から照射される紫外線によるオゾンの分解の影響を受けないように、紫外線光源には電源を入れなかった。
最後に、プラズマアクチュエータ103と紫外線ランプ102の両方ともが稼働している場合のオゾン発生量を測定した。プラズマアクチュエータ103の稼働条件は、プラズマアクチュエータ103のみを稼働した場合に39μg/分のオゾンを発生する条件である。また、紫外線ランプ102の稼働条件は、紫外線ランプ102のみを稼働した場合に1370μW/cmの照度になる条件である。その結果、プラズマアクチュエータ103と紫外線ランプ102の両方ともが稼働している場合のオゾン発生量は、8μg/分であった。39μg/分からの減少分の31μg/分が、活性酸素に変化したオゾンの量であると考えられる。
2-1.処理(親水化)試験
ポリプロピレン樹脂製試験片(TP技研社製)を縦15mm、横15mmの正方形に切断したものを被処理物104として用意した。該被処理物を、上記1で作製した活性酸素供給装置101の開口部106に、図4における距離405が3mmとなるように配置した。次いで、プラズマアクチュエータに振幅2.4kV、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加するとともに、1時間紫外線を照射して、被処理物の表面処理を行った(処理時間1時間)。その後、該ポリプロピレン樹脂板の誘起流で処理した面の水に対
する接触角を測定し、処理前の接触角と比較した。接触角の測定は、23℃、50%RHにて、測定器として自動接触角計(商品名:DMo-602、共和界面化学社製)を用い、液滴は0.5μLの水を用い、滴下500m秒後の角度を測定し、5点を平均した値を採用した。なお、当該ポリプロピレン樹脂板の表面の処理前の接触角は102°であった。
2-2.処理(除菌)試験
(1)除菌試験用試料の調製
除菌性能の検証試験に用いるための試料を以下の方法により3個用意した。
不特定多数の人間が出入りしている、水、アルコール等による清拭が1週間にわたり実施されていないドアのノブに、スタンプ培地(商品名:ぺたんチェック25 PT1025 栄研化成社製)を25g/cmの圧力で10秒間押し当てたのち、当該スタンプ培地を温度37℃の環境下に12時間置いた。当該スタンプ培地に発育したコロニーを、滅菌綿棒を用いて採取し、蒸留水に分散させた菌液を調製した。この菌液を蒸留水で10倍に希釈した希釈菌液0.1mlを新たなスタンプ培地(ぺたんチェック25 PT1025、栄研化成社製)に塗抹し、温度37℃の環境に12時間置いた。その結果、200CFU/ml~300CFU/mlの菌の発育が観察された。そこで、上記希釈菌液0.1mlを、濃度70%のアルコールで表面を清浄化したガラス板(縦15mm、横15mm、厚さ2mm)の当該表面全面に塗抹した。その後、温度37℃の環境に1時間置き、水分を除去した。こうして、計3個の除菌試験用の試料を調製した。
(2)除菌試験
各試料の被処理面上に、活性酸素供給装置101を、図4における距離405が3mmとなるように配置した。また、試料104の幅方向(図4における左右方向)の中心位置は、開口部106の幅方向の中心位置と一致させ、また、試料104の奥行方向(図4における紙面奥行方向)の中心位置と開口部106の奥行方向の中心位置とも一致させた。次いで、プラズマアクチュエータ103に振幅2.4kV、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加するとともに、プラズマアクチュエータ103のガラス板201の紫外線ランプに対向する側の表面における照度が1370μW/cmとなるように紫外線ランプを点灯させ、誘起流及び被処理面に10秒間紫外線を照射し、開口部106から、活性酸素を含む誘起流を流出させて、被処理面104-1を処理した(処理時間10秒)。次に、試料の被処理面にスタンプ培地(商品名:ぺたんチェック25 PT1025
栄研化成社製)を25g/cmの圧力で10秒間押し当てたのち、当該スタンプ培地を温度37℃の環境下に12時間置いた。そして、該スタンプ培地上に発育したコロニー数から生残菌数を算出した。各試料から得られた生残菌数の平均値を10倍したものを、本実施例に係る除菌試験におけるコロニー数とした。得られたコロニー数から、以下の基準(Ten Cateの判定表示方法)で除菌性能を評価した。
-:発育無し
±:コロニー数<10個
+:コロニー数10個~29個
++:コロニー数30個~100個
+++:コロニー数>100個
++++:コロニー数無数
2-3.処理(漂白)試験
(1)漂白試験用試料の調製
チリソース(商品名:ペッパーソース、タバスコ社製)を長繊維不織布(商品名:ベンコットM-3II、旭化成社製)でろ過して固形分を除去した。得られた液体中に、紙ワイパー(商品名:キムワイプS-200、日本製紙クレシア社製)を10分間浸した。続いて、紙ワイパーを取り出し、水洗した。水洗は、洗液が目視にて着色しなくなるまで繰
り返した。その後、乾燥させた。次いで、該チリソースによって赤色に染められた紙ワイパーから、縦15mm、横15mmの試料を3つ切り出した。
(2)漂白試験
得られた漂白試験用試料の被処理面上に、活性酸素供給装置101を、図4における距離405が3mmとなるように配置した。試料104の幅方向の中心位置は、開口部106の幅方向中心位置と一致させ、また、試料104の奥行き方向の中心位置と開口部106の長手方向中心位置とも一致させた。次いで、プラズマアクチュエータ103に振幅2.4kV、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加するとともに、プラズマアクチュエータ103のガラス板201の紫外線ランプに対向する側の表面における照度が1370μW/cmとなるように紫外線ランプを点灯させ、誘起流及び被処理面に10分間紫外線を照射して、被処理面104-1の一部に活性酸素を含む誘起流を供給した(処理時間10分)。次いで、被処理面上から活性酸素供給装置101を取り除き、処理前の試料と比較して、どの程度脱色されたかを目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:完全に漂白された。
B:チリソースの赤色がわずかに残っていた。
C:チリソースの赤色が多少残っていた。
D:活性酸素が供給されなかった部分の色と差がなかった。
2-4.処理(消臭)試験
(1)消臭試験用試料の調製
ファブリックミスト(商品名:ファブリックミスト リネン、サボン社製)に、紙ワイパー(キムワイプS-200、日本製紙クレシア製)を10分間浸漬した後、取り出し、6時間自然乾燥させた。次いで、紙ワイパーを縦10mm、横10mmのサイズに切り取り、消臭試験用試料を得た。
(2)消臭試験
各試料の被処理面上に、活性酸素供給装置101を、図4における距離405が3mmとなるように配置した。試料の幅方向の中心位置は、開口部の幅方向中心位置と一致させ、また、試料の奥行き方向の中心位置と開口部の長手方向中心位置とも一致させた。次いで、プラズマアクチュエータに振幅2.4kV、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加するとともに、プラズマアクチュエータ103のガラス板201の紫外線ランプに対向する側の表面における照度が1370μW/cmとなるように紫外線ランプを点灯させ、誘起流及び被処理面に10秒間紫外線を照射して、被処理面の一部に活性酸素を含む誘起流を供給した(処理時間10秒)。次いで、被処理面上から活性酸素供給装置を取り除いた。そして、処理された試料の臭気が、活性酸素による処理を行っていない試料との対比においてどの程度残存しているかを下記の強度基準で評価した。なお、評価は5人の被験者に対して行い、少なくとも3名が選択した強度基準を採用した。
A:無臭。
B:やっと検知できる臭い(検知閾値)。
C:ファブリックミストの臭いであるとわかる弱い臭い(認知閾値)。
D:未処理の試料と差異がない。
<実施例2>
実施例1の紫外線ランプ102の電圧を24Vから12Vに低下させ、照度を低下させた以外は実施例1と同様にして活性酸素供給装置を作製し、評価した。
<実施例3~6>
紫外線光源の波長ならびにプラズマアクチュエータの誘電体の厚みおよび材質を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして活性酸素供給装置を作製し、評価した。
なお、実施例6では紫外線光源として紫外LED(ピーク波長280nm)を用いた。
<比較例1~3>
比較例1~3は各々以下のような構成とした以外は実施例1と同様の条件とした。
比較例1:プラズマアクチュエータに電圧を印加せず、紫外線を照射しなかった。
比較例2:プラズマアクチュエータに電圧を印加し、紫外線を照射しなかった。
比較例3:プラズマアクチュエータに電圧を印加せず、紫外線を照射した。
<実施例7>
1.活性酸素による処理装置の作製、及び特性評価
まず、図6に示す活性酸素供給装置600の筐体601を用意した。図5は、図6に係る活性酸素供給装置の、筐体601の開口部605を有する面の側からみた平面図である。筐体のサイズは、開口部605が鉛直下方を向くように置いたときに、高さが20mm、奥行きが150mm、幅が20mmであった。また、開口部605は、幅が7mm、長さが15mmであった。なお、開口部605は、図5に示すようにその長手方向が、該筐体の奥行方向と一致するように設けられていた。
また、実施例1と同様にプラズマアクチュエータ103を作製した。次いで、該プラズマアクチュエータ103を、図6に示すように、筐体601の内壁に固定した。具体的には、プラズマアクチュエータ103の第1の電極203の一端が、紫外線ランプ102の中心と水平方向で一致する位置であって、かつ、該プラズマアクチュエータ103からの誘起流105が開口部605から流出するように固定した。ここで、プラズマアクチュエータ103の紫外線光源に対向する側の面と、紫外線ランプ102との距離(図7中の符号607)を2mm、プラズマアクチュエータ103の下端から開口部605の下端(筐体の外側)までの距離(図7中の符号609)を1mmとした。紫外線ランプ102としては、実施例1と同様に、冷陰極管紫外線ランプ(商品名:UW/9F89/9、スタンレー電気社製、ピーク波長=254nm)を用いた。
こうして得られた活性酸素供給装置600について、プラズマアクチュエータ103のガラス板201の紫外線ランプに対向する側の表面に照度計(商品名:分光放射照度計USR-45D、ウシオ電機社製)を置いて紫外線の照度を測定した。スペクトルの積分値から、1370μW/cmであった。また、照度計を開口部605に接して配置したと
きの紫外線の照度は、0.3μW/cmであった。このことから、開口部からの紫外線
の漏洩は実質的にないことを確認した。
次に、紫外線によるオゾンの分解の影響を受けないように、紫外線ランプの電源を入れずに、プラズマアクチュエータ103の両電極間に振幅2.4kV、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加して5分後に、開口部から流出する誘起流を50ml採取した。採取した気体をオゾン検知管(商品名:182SB、光明理化学工業社製)に吸引させ、プラズマアクチュエータからの誘起流に含まれるオゾン濃度を測定したところ70ppmであった(読取値×2)。
次いで、プラズマアクチュエータの両電極間に振幅2.4kV、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加し、また、紫外線ランプを、プラズマアクチュエータ103のガラス板201の紫外線ランプに対向する側の表面における照度が1370μW/cmとなるように紫外線ランプを点灯させた。そして、このときの開口部から流出する誘起流中のオゾン濃度を上記と同様にして測定した。その結果、18ppmであった。これらの結果から、この誘起流中には、52ppmのオゾンが紫外線によって分解された活性酸素が含まれていると考えられる。
2.処理試験
上記1で作製した活性酸素供給装置を用いて、実施例1に記載の処理(表面改質、除菌、消臭、漂白)試験と同様にして処理試験を行った。
2-1.表面改質(親水化処理)試験
各試料の被処理面上に、本実施例に係る活性酸素供給装置を、筐体の開口部を有する外表面と該被処理面との距離(図7中の符号611)が2mmとなるように設置した。このとき、試料の幅方向(図7における左右方向)の中心位置は、開口部の幅方向中心位置と一致させ、また、試料の奥行き方向(図7における紙面奥行方向)の中心位置と開口部の長手方向中心位置とも一致させた。それ以外は、実施例1に記載の親水化処理試験と同様にして親水化処理試験を行った。
2-2.除菌試験
各試料の被処理面上に、本実施例に係る活性酸素供給装置を、筐体の開口部を有する外表面と該被処理面との距離(図7中の符号611)が2mmとなるように設置した。このとき、試料の幅方向(図7における左右方向)の中心位置は、開口部の幅方向中心位置と一致させ、また、試料の奥行き方向(図7における紙面奥行方向)の中心位置と開口部の長手方向中心位置とも一致させた。また、誘起流に対する紫外線の照射時間を30秒(処理時間30秒)とした。それら以外は、実施例1に記載の除菌試験と同様にして除菌試験を行った。
2-3.漂白試験
各試料上に、活性酸素供給装置を、筐体の開口部を有する外表面と該被処理面との距離(図7中の符号611)が2mmとなるように設置し、誘起流に対する紫外線の照射時間を20分(処理時間20分)とした以外は実施例1に記載の漂白試験と同様にして漂白試験を行った。
2-4.消臭試験
各試料の被処理面上に、活性酸素供給装置を、その開口部の下端と該被処理面との距離が2mmとなるように設置した。このとき、試料の幅方向(図7における左右方向)の中心位置は、開口部の幅方向中心位置と一致させ、また、試料の奥行き方向(図7における紙面奥行方向)の中心位置と開口部の長手方向中心位置とも一致させた。また、誘起流に対する紫外線の照射時間を20秒(処理時間20秒)とした。それら以外は、実施例1に記載の消臭試験と同様にして消臭試験を行った。
Figure 0007140885000002

表中、PAはプラズマアクチュエータを表し、UVは紫外線を表す。また、オゾン濃度は、紫外線光源に電源を入れなかった場合のオゾン濃度を示す。
実施例1~7、比較例1~3の活性酸素供給装置の装置条件、プラズマアクチュエータのみを稼働した場合のオゾン濃度、UV冷陰極管のみを稼働した場合の紫外線の照度、接触角の低下、除菌/消臭/漂白の各処理の評価結果を表1に示す。
接触角の低下は、比較例3のように紫外線では起こらなかった。また、比較例2のようにオゾンの発生している場合には接触角が低下した。さらに、オゾンの発生と紫外線の照射を両方行っている場合には、活性酸素の反応性の高さによりさらに接触角が低下した。
比較例1では、プラズマアクチュエータも活性酸素も稼働していないため、紫外線、オゾン、活性酸素による除菌、消臭、漂白の効果がなかった。比較例2では、オゾンによる除菌、消臭、漂白の効果が多少見られたが、実施例1~7には及ばなかった。比較例3では、紫外線による除菌の効果が多少見られたが、消臭、漂白の効果は見られなかった。
<実施例8>
実施例1で作製した活性酸素供給装置を用いて、以下の手順にて大腸菌の除菌試験を実施した。なお、本除菌試験に用いる器具は全て、オートクレーブを用いた高圧蒸気滅菌を行ったものを用いた。また、本除菌試験はクリーンベンチ内で行った。
まず、LB培地(トリプトン2g、イーストエクストラクト1g、塩化ナトリウム1gに蒸留水を入れ200mlにしたもの)の入った三角フラスコに、大腸菌(商品名「KWIK-STIK(大腸菌(Escherichia coli)ATCC8739)、Microbiologics社製)を入れ、温度37℃で48時間、80rpmで振とう培養した。培養後の大腸菌の菌液は9.2×10(CFU/ml)であった。
この培養後の菌液0.010mlを縦3cm、横1cm、厚さ1mmのスライドガラス(松波硝子、型番:S2441)上にマイクロピペットを用いて滴下し、当該マイクロピペットの先端で菌液をスライドガラスの一方の面の全面に塗布して試料No.8-1を作製した。また、同様にして、試料No.8-2~8-3を作製した。
次に、試料No.8-1を、10mlの緩衝液(商品名「Gibco PBS」、 Thermo Fisher Scientific社)を入れた試験管に1時間浸漬した。なお、スライドガラス上の菌液が乾かないように、菌液のスライドガラスへの滴下から、緩衝液への浸漬までの時間を60秒とした。
次に、試料No.8-1を浸漬後の緩衝液(以降、「1/1液」ともいう)1mlを9mlの緩衝液が入った試験管に入れて希釈液(以降、「1/10希釈液」)を調製した。緩衝液での希釈倍率を変更したこと以外は同様にして、1/100希釈液、1/1000希釈液、及び、1/10000希釈液を調製した。
次いで、1/1液から0.050mlを採取し、スタンプ培地(ぺたんチェック25 PT1025 栄研化成社製)に塗抹した。この操作を繰り返して、1/1液が塗抹されたスタンプ培地を2つ作成した。2つのスタンプ培地を恒温槽(商品名:IS600;ヤマト科学社製)に入れ、温度37℃で24時間培養した。2つのスタンプ培地上に発生したコロニー数をカウントし、その平均値を算出した。
1/10希釈液、1/100希釈液、1/1000希釈液及び1/10000希釈液についても上記と同様にして、希釈液毎に2つの塗抹済スタンプ培地を作成し、培養した。そして、各希釈液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0007140885000003
上記表2に示した結果から、1/10000希釈液を培養したときのコロニー数が21であること、従って、試料No.8-1に係る1/1液の0.050ml中に存在する菌数は、21×10=210000(CFU)であることが分かった。
次に、試料No.8-2~8-3について、以下の操作を行った。
縦30cm、横30cm、厚さ5mmのプラスチック平板の中央に、縦3.5cm、横1.5cm、深さ2mmの凹部を設け、該凹部内に、各試料のスライドガラスの菌液塗布面とは反対側の面が該凹部の底面と接するように上記スライドガラスを設置した。そして、該プラスチック板の上面に、活性酸素供給装置を、その開口の長手方向の中心が、該凹部の長手方向中心と一致し、かつ、その開口の幅方向の中心が該凹部の短手方向の中心と一致するように置いた。凹部の深さが2mmであり、スライドガラスの厚みが1mmであるため、各試料の菌液付着面と、活性酸素供給装置の開口とは直接接触しなかった。
次いで、活性酸素供給装置を作動させ、該スライドガラスの菌液塗布面を、活性酸素を含む誘起流で処理した。処理時間は、試料No.8-2は2秒、試料No.8-3は10秒とした。また、活性酸素供給装置を用いた処理過程で、スライドガラス上の菌液が乾かないように、菌液のスライドガラスへの滴下から、緩衝液への浸漬までの時間を60秒とした。
処理を終えた試料No.8-2~8-3の各々を、10mlの緩衝液(商品名「Gibco PBS」、 Thermo Fisher Scientific社)を入れた試験管に1時間浸漬した。次いで、各試料を浸漬後の緩衝液(以降、「1/1液」)1mlを9mlの緩衝液が入った試験管に入れて希釈液(1/10希釈液)を調製した。緩衝液での希釈倍率を変更したこと以外は同様にして、1/100希釈液、1/1000希釈液、及び、1/10000希釈液を調製した。
次いで、各試料の1/1液から0.050mlを採取し、スタンプ培地(商品名:ぺたんチェック25 PT1025、栄研化成社製)に塗抹した。この操作を繰り返して、各試料について、1/1液が塗抹されたスタンプ培地を2つ作成した。合計4つのスタンプ培地を恒温槽(商品名:IS600;ヤマト科学社製)に入れ、温度37℃で24時間培養した。各試料についての1/1液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。
1/10希釈液、1/100希釈液、1/1000希釈液及び1/10000希釈液についても上記と同様にして、希釈液毎に2つの塗抹済スタンプ培地を作成し、培養した。そして、各試料についての各希釈液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。結果を表3に示す。
Figure 0007140885000004
前記した通り、試料No.8-1に係る1/1液の0.050ml中の菌数は210000(CFU)であった。そして、除菌処理後の試料No.8-2および8-3に係る1/1液の菌数はいずれも0(CFU)であった。このことから、本実施例に係る活性酸素供給装置は、処理時間2秒の場合であっても99.999%((210000-1)/210000×100)以上の高効率で大腸菌を除菌できたことが分かった。
<比較例4>
実施例8に記載した試料No.8-1の調製方法と同様にして、試料No.C4-1~C4-2を作製した。この試料No.C4-1~C4-2について、活性酸素供給装置のプラズマアクチュエータに電圧を印加しなかった以外は、実施例8と同様にして処理を行った。処理時間は、試料No.C4-1は2秒、試料No.C4-2は10秒とした。処理を終えた試料No.C4-1~C4-2について、実施例8の試料No.8-1と同様にして緩衝液への浸漬を行った。そして、各試料の1/1液について、塗抹済スタンプ培地を作製し、培養した。各試料についての1/1液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントして平均値を算出した。その結果を表4に示す。
Figure 0007140885000005
処理後の試料No.C4-1の1/1液の培養結果から、処理後の試料No.C4-1に係る1/1液の0.050ml中に存在する菌数は、52(CFU)であった。一方、試料No.C4-2に係る1/1液の0.050ml中に存在する菌数は0(CFU)であった。従って、本比較例においては、処理時間が2秒の場合の大腸菌の除菌率は、99.98%(=(210000-52)/210000×100)であった。
実施例8では、前記した通り、処理時間2秒の場合の除菌率が、99.999%以上であったことから、紫外線のみによる処理は、紫外線照射と活性酸素とを併用した処理と比較して除菌効率が劣ることが確認された。
<比較例5>
実施例8に記載した試料No.8-1の調製方法と同様にして、試料No.C5-1~C5-2を作製した。この試料No.C5-1~C5-2について、活性酸素供給装置の紫外線ランプを点灯させなかった以外は、実施例8と同様にして処理を行った。従って、試料No.C5-1及びC5-2は、誘起流中のオゾンによって処理がなされたことになる。処理時間は、試料No.C5-1は2秒、試料No.C5-2は10秒とした。処理を終えた試料No.C5-1~C5-2について、実施例8の試料No.8-1と同様にして緩衝液への浸漬、希釈を行った。次いで、実施例8の試料No.8-1と同様にして各試料に係る1/1液、1/10希釈液、1/100希釈液、1/1000希釈液及び1/10000希釈液の各々について、2つの塗抹済スタンプ培地を作製し、培養した。そ
して、各試料についての1/1液及び各希釈液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。その結果を表5に示す。
Figure 0007140885000006
上記の結果のうち、処理後の試料No.C5-1の1/10000希釈液の培養結果から、処理後の試料No.C5-1に係る1/1液の0.050ml中に存在する菌数は、19×10=190000(CFU)であることが分かった。従って、試料No.C5-1を用いた実験例においては、大腸菌の除菌率は、9.5%(=(210000-190000)/210000×100)であった。
また、処理後の試料No.C5-2の1/10000希釈液の培養結果から、処理後の試料No.C5-2に係る1/1液の0.050ml中に存在する菌数は、8×10=80000(CFU)とであることが分かった。このことから、試料No.C5-2を用いた実験例においては、大腸菌の除菌率は、61.9%(=(210000-80000)/210000×100)であった。
実施例8では、処理時間2秒の場合であっても除菌率が99.999%以上であったことから、オゾンのみによる処理は、紫外線照射と活性酸素とを併用した処理と比較して除菌効率が大幅に劣ることが確認された。
<実施例9>
実施例8における試料No.8-1の調製において、スライドガラスを縦3cm、横1cmの定性濾紙(品番:No.5C、アドバンテック社製)に変更した。また、菌液を、濾紙の一方の面に滴下したのみとした。これら以外は試料No.8-1と同様にして試料No.9-1を調製した。
次に試料No.9-1について以下の操作を行った。
縦30cm、横30cm、厚さ5mmのプラスチック平板の中央に、縦3.5cm、横1.5cm、深さ2mmの凹部を設けた。該凹部内に、縦3.5cm、横1.5cmのろ紙を敷いた。この濾紙上に試料No.9-1を、その菌液滴下面が、凹部の底部に敷いた濾紙と対向するように設置した。そして、該プラスチック板の上面に、活性酸素供給装置を、その開口の長手方向の中心が、該凹部の長手方向中心と一致し、かつ、その開口の幅方向の中心が該凹部の短手方向の中心と一致するように置いた。凹部の深さが2mmであり、濾紙の厚みは1mm以下であるため、各試料の菌液付着面と、活性酸素供給装置の開口とは直接接触しなかった。次いで、活性酸素供給装置を作動させ、該濾紙の菌液滴下面を、活性酸素を含む誘起流で処理した。処理時間は10秒とした。また、活性酸素供給装置を用いた処理過程で、菌液を滴下した濾紙が乾かないように、菌液の濾紙への滴下から、緩衝液への浸漬までの時間を60秒とした。
処理を終えた試料No.9-1を、凹部の底部に敷いた濾紙と共に10mlの緩衝液(商品名「Gibco PBS」、Thermo Fisher Scientific社)を入れた試験管に1時間浸漬した。次いで、浸漬後の緩衝液(以降、「1/1液」)1mlを9mlの緩衝液が入った試験管に入れて希釈液(1/10希釈液)を調製した。緩
衝液での希釈倍率を変更したこと以外は同様にして、1/100希釈液、1/1000希釈液、及び、1/10000希釈液を調製した。
次いで、1/1液から0.050mlを採取し、スタンプ培地(商品名:ぺたんチェック25 PT1025 栄研化成社製)に塗抹した。この操作を繰り返して、1/1液が塗抹されたスタンプ培地を2つ作成した。合計2つのスタンプ培地を恒温槽(商品名:IS600;ヤマト科学社製)に入れ、温度37℃で24時間培養した。1/1液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。
1/10希釈液、1/100希釈液、1/1000希釈液及び1/10000希釈液についても上記と同様にして、希釈液毎に2つの塗抹済スタンプ培地を作成し、培養した。そして、各希釈液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。
<比較例6>
試料No.9-1と同様にして試料No.C9を調製した。
この試料No.C9について、活性酸素供給装置のプラズマアクチュエータに電圧を印加しなかった以外は、実施例9と同様にして処理を行った。すなわち、試料No.C9にはUV光のみを照射した。処理時間は10秒とした。処理を終えた試料No.C9について、実施例9の試料No.9と同様にして緩衝液に浸漬した。得られた浸漬後の緩衝液を用いた以外は実施例9と同様にして、1/1液、1/10~1/10000希釈液を調製した。調製した1/1液及び1/10~1/10000希釈液を用いた以外は実施例9と同様にしてスタンプ培地の作成、培養を行い、1/1液及び各希釈液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。
<参考例1>
試料No.9-1と同様にして試料No.R1を調製した。
未処理の試料No.R1を10mlの緩衝液(商品名「Gibco PBS」、Thermo Fisher Scientific社)を入れた試験管に1時間浸漬した。次いで、浸漬後の緩衝液(以降、「1/1液」)1mlを9mlの緩衝液が入った試験管に入れて希釈液(1/10希釈液)を調製した。緩衝液での希釈倍率を変更したこと以外は同様にして、1/100希釈液、1/1000希釈液、及び、1/10000希釈液を調製した。
次いで、1/1液から0.050mlを採取し、スタンプ培地(ぺたんチェック25 PT1025 栄研化成社製)に塗抹した。この操作を繰り返して、1/1液が塗抹されたスタンプ培地を2つ作成した。合計2つのスタンプ培地を恒温槽(商品名:IS600;ヤマト科学社製)に入れ、温度37℃で24時間培養した。試料No.R1についての1/1液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。
1/10希釈液、1/100希釈液、1/1000希釈液及び1/10000希釈液についても上記と同様にして、希釈液毎に2つの塗抹済スタンプ培地を作成し、培養した。そして、各希釈液に係るスタンプ培地毎に発生したコロニー数をカウントし、平均値を算出した。
実施例9、比較例6及び参考例1の結果を表6に示す。
Figure 0007140885000007
参考例1の1/1000希釈液の培養結果から、試料No.R1の1/1液の0.050ml中に存在する菌数は、5×10=5000(CFU)であることが分かった。また、実施例9に係る処理後の1/1液の0.050ml中の菌数は0(CFU)であった。このことから、実施例9における大腸菌の除菌率は、99.98%((5000-1/5000)×100)以上であることが分かった。一方、比較例6に係る1/1000希釈液の培養結果から、処理後の試料No.C6に係る1/1液の0.050ml中に存在する菌数は、2×10=2000(CFU)であった。従って、比較例6における大腸菌の除菌率は、60%((5000-2000)/5000)×100)であることが分かった。
ここで、試料No.9-1に対する活性酸素の処理は、試料No.9-1に係る濾紙の菌液滴下面とは反対側の面に対して行った。実施例9及び比較例6の結果から、活性酸素を能動的に被処理物に対して供給することによる除菌処理は、濾紙の表面に存在する大腸菌だけでなく、濾紙の内部に存在する大腸菌をより確実に除菌し得ることが分かった。この点において、本開示に係る除菌方法は、UV光の照射面しか除菌されないUV光のみを用いる除菌方法に対して優位性を有するものである。
101:活性酸素供給装置(活性酸素による処理装置)、102:紫外線光源(紫外線ランプ)、103:プラズマ発生装置(プラズマアクチュエータ)、104:被処理物、104-1:被処理物の処理表面、105:誘起流、106:開口部、107:筐体

Claims (11)

  1. 少なくとも一つの開口部を有する筐体と、該筐体の内にプラズマ発生装置と紫外線光源とを具備し、
    該プラズマ発生装置はプラズマアクチュエータであり、該プラズマアクチュエータは、誘電体と、該誘電体の第1の表面に設けられた第1の電極と、該誘電体の該第1の表面とは反対側の第2の表面に設けられた第2の電極とを備え、かつ、該第1の電極と該第2の電極とは該誘電体を挟んで斜向かいにずれて配置されており、該第1の電極と該第2の電極との間に電圧を印加することにより、該第1の電極の縁部から該誘電体の該第1の表面の該第1の電極で被覆されていない露出部に沿って、オゾンを含む誘起流を生じさせるものであり、
    該プラズマアクチュエータは、該誘起流が該開口部から該筐体の外に流出するように配置されており、
    該紫外線光源は、紫外線を該誘起流に照射し、該誘起流中に活性酸素を発生させる
    ことを特徴とする、活性酸素供給装置。
  2. 前記紫外線光源が発する紫外線のピーク波長が、220nm~310nmである、請求項1に記載の活性酸素供給装置。
  3. 前記開口部における紫外線の照度が、40μW/cm以上である、請求項1または2に記載の活性酸素供給装置。
  4. 前記プラズマアクチュエータにおける、前記誘起流に前記紫外線を照射しない状態での単位時間あたりのオゾン発生量が、15μg/分以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の活性酸素供給装置。
  5. 前記活性酸素供給装置の前記開口部を鉛直下方に向けた場合において、前記プラズマアクチュエータの前記第1の電極の縁部から前記誘電体の前記第1の電極で被覆されていない部分に沿う方向の延長線と水平面とのなす狭角θが、0°~90°である、請求項1~4のいずれか1項に記載の活性酸素供給装置。
  6. 前記紫外線光源と前記プラズマ発生装置との距離が、10mm以下である、請求項1~
    5のいずれか1項に記載の活性酸素供給装置。
  7. 前記紫外線光源が、前記開口部を介して前記筐体外に置かれた被処理物を照射可能に配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の活性酸素供給装置。
  8. 被処理物の表面を活性酸素で処理する処理装置であって、
    少なくとも一つの開口部を有する筐体と、該筐体の内にプラズマ発生装置と紫外線光源とを具備し、
    該プラズマ発生装置はプラズマアクチュエータであり、該プラズマアクチュエータは、誘電体と、該誘電体の第1の表面に設けられた第1の電極と、該誘電体の該第1の表面とは反対側の第2の表面に設けられた第2の電極とを備え、かつ、該第1の電極と該第2の電極とは該誘電体を挟んで斜向かいにずれて配置されており、該第1の電極と該第2の電極との間に電圧を印加することにより、該第1の電極の縁部から該誘電体の該第1の表面の該第1の電極で被覆されていない露出部に沿って、オゾンを含む誘起流を生じさせるものであり、
    該プラズマアクチュエータは、該誘起流が該開口部から該筐体外に流出するように配置されており、
    該紫外線光源は、紫外線を該誘起流に照射し、該誘起流中に活性酸素を発生させる
    ことを特徴とする、活性酸素による処理装置。
  9. 前記紫外線光源は、前記被処理物の表面を照射可能に配置されている、請求項8に記載の活性酸素による処理装置。
  10. 被処理物の表面を活性酸素で処理する処理方法であって、
    少なくとも一つの開口部を有する筐体と、該筐体の内にプラズマ発生装置と紫外線光源とを具備し、
    該プラズマ発生装置はプラズマアクチュエータであり、該プラズマアクチュエータは、誘電体と、該誘電体の第1の表面に設けられた第1の電極と、該誘電体の該第1の表面とは反対側の第2の表面に設けられた第2の電極とを備え、かつ、該第1の電極と該第2の電極とは該誘電体を挟んで斜向かいにずれて配置されており、該第1の電極と該第2の電極との間に電圧を印加することにより、該第1の電極の縁部から該誘電体の該第1の表面の該第1の電極で被覆されていない露出部に沿って、オゾンを含む誘起流を生じさせるものであり、該プラズマアクチュエータは、該誘起流が該開口部から該筐体の外に流出するように配置されており、該紫外線光源は、紫外線を該誘起流に照射し、該誘起流中に活性酸素を発生させる活性酸素による処理装置を用意する工程と、
    該活性酸素による処理装置と、該被処理物とを、該開口部から該誘起流を流出させたときに該被処理物の表面が曝される相対的な位置に置く工程と、
    該開口部から該誘起流を流出させて、該被処理物の表面を活性酸素で処理する工程と、を有することを特徴とする、活性酸素による処理方法。
  11. 前記紫外線光源と前記被処理物の表面との距離が、10mm以下である、請求項10に記載の活性酸素による処理方法。
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