JP7138866B2 - 情報表示装置、方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
その一因は、機械装置を用いて行った分析に基づく味わいの評価と、人が試飲して行った官能評価とに、無視できないズレが生じていることにあると考えられる。
また、人による官能評価とも良好に合致する呈味の醸造酒の検索に必要な操作を、的確に行い得るようにすることを目的とする。
醸造酒の官能評価に関連する呈味名称を有する小領域の集まりとして構成される呈味領域と、醸造酒の2つの分析項目に基づく直交座標軸で規定される座標平面とを重ね、前記呈味領域を視認可能に表示パネルに表示する情報表示装置であって、
醸造酒の各分析項目の測定値を記憶装置にて醸造酒毎に保持する醸造酒保持手段と、
前記直交座標軸が基づく2つの分析項目の測定値から当該測定値を持つ醸造酒の前記座標平面内での位置を示す位置情報を生成する位置生成手段と、
前記座標平面の全象限に散らばる中から抽出した醸造酒についての官能評価語句を用いたクラスター分析により生成した各クラスターが前記座標平面内で占める領域を規定する情報を前記小領域の領域情報として保持するとともに、前記官能評価語句に基づいて各クラスターに付した呈味名称を保持する小領域保持手段と、
前記領域情報及び呈味名称を前記小領域保持手段から取得して前記各クラスターの小領域を呈味名称と併せて前記表示パネル上に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。
呈味領域12a内に表示される呈味としては、例えば、キレ、コク、ふくよか、すっきり、おだやか、を例示することができる。
記憶装置30は、タブレット等のコンピュータシステムと一体でもよいが、例えば、ネットワークを介して繋がるサーバ等に設けられていてもよい。
醸造酒としては、例えば、日本酒、ワイン、ビールを例示することができる。
分析項目としては、例えば、酸味、旨味、塩味、苦味、渋味、にが味(苦味雑味)、渋味刺激、うま味、旨味コク、NS(日本酒度)、甘味、コク、キレ、果実味を挙げることができる。
構成1に於いて、
さらに、
前記呈味領域内の任意の位置を選択する入力に応じて当該位置の位置情報を持つ醸造酒の各分析項目の測定値を前記醸造酒保持手段から取得して、基準酒のF検定配列値として設定する基準酒設定手段と、
前記基準酒と近い位置の位置情報を持つ醸造酒の各分析項目の測定値を前記醸造酒保持手段から取得して、比較酒のF検定配列値として設定する比較酒設定手段と、
前記基準酒と比較酒の各配列値を用いるF検定によりP値を求めて前記基準酒と比較酒の呈味の特性の類似度合を示す一致度とする一致度演算手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。
直交座標軸の縦軸としては、例えば、キレ(=日本酒度-3)を用い、横軸としてはコク(=塩味-日本酒度/10-1.5)を用いるように構成してもよい。
醸造酒の官能評価に関連する呈味名称を有する小領域の集まりとして構成される呈味領域と、醸造酒の2つの分析項目に基づく直交座標軸で規定される座標平面とを重ね、前記呈味領域を視認可能に表示パネルに表示する情報表示方法であって、
前記直交座標軸が基づく2つの分析項目の測定値から当該測定値を持つ醸造酒の前記座標平面内での位置を示す位置情報を各醸造酒について生成し、
前記位置情報を用いて前記座標平面の全象限に散らばる中から抽出した醸造酒についての官能評価語句を用いたクラスター分析により複数のクラスターを生成し、
前記各クラスターに属する醸造酒の位置情報に基づいて各クラスターが前記座標平面内で占める領域を規定する情報を生成して前記小領域の領域情報とし、及び、各クラスターに前記官能評価語句に基づく呈味名称を付与し、
前記表示パネル上の呈味領域に前記領域情報及び呈味名称を用いて各クラスターに対応する小領域及び呈味名称を表示する、
ことを特徴とする情報表示方法。
表示パネルを備えたコンピュータを、構成1又は構成2の情報表示装置として機能させるためのプログラム。
実施の形態の醸造酒検索装置は、図2に示すように、タッチパネル(表示装置兼入力装置)10を備えたコンピュータシステム20上で実現される。換言すれば、コンピュータシステム20には、該システム20を醸造酒検索装置として機能させるためのプログラムがインストールされており、適宜の操作入力により起動されて、図5に例示する処理が実行される。記憶装置30は、図示の例ではコンピュータシステム20内に組み込まれているが、これは例示であり、例えば、通信装置60経由でネットワークを介して繋がるサーバ等に設けられていても良い。記憶装置30内のデータベース31には、日本酒、各種のワイン、ビール等の醸造酒の各種のデータ(図9~図11に例示)が個々の醸造酒別に保持されており、醸造酒検索機能に於いて適宜に読み出されて処理に供される。処理は、CPU41やメモリ43等を備えた制御装置40により実行される。その他、音声出力用のスピーカ50等も搭載されている。なお、コンピュータシステム20の構成は、図示の例に限定されず、醸造酒検索装置としての機能を実現できる構成であればよい。コンピュータシステム20の具体例としては、例えば、タブレット、スマートフォン、ノートパソコン、デスクトップパソコン等の公知の機器を挙げることができる。また、図9~図11に例示するデータベース31内のデータ項目は例示であり、図示の項目以外にも、各種の項目のデータが保持されている。例えば、醸造酒の画像、名称、容量、製造元、説明文、価格(改訂可能)等、である。当然ながら、新たな醸造酒を適宜に追加可能であり、既存の醸造酒を適宜に削除可能である。
図1に示すように、タッチパネル10の画面領域(表示領域)12内に、醸造酒(日本酒)の呈味(例:キレ、コク、ふくよか、すっきり、おだやか)を表示するための呈味領域12aが設定される。この呈味領域12aは、タッチパネル10に於いてタッチ操作が検出される領域(検出領域)14内の座標平面14aの領域と合致されている。
また、次候補を指示する入力操作に応じて(S17)表示する場合や、所定の時間間隔を空けて順番に表示する場合には、呈味の特性が、選択された位置の醸造酒と近い(類似する)順に表示されるように、表示の順番を決めてもよい。
醸造酒の味わいは複数種類の分析項目の値によって決まるのであるが、各分析項目の値が味わいに対して独立に作用するのではなく、分析項目間の相互作用もまた、味わいに寄与していると考えられる。このため、2種の醸造酒に関して呈味の特性の近さ(類似する度合)を調べる場合は、分析項目間の相互作用をも考慮する必要がある。
図7は日本酒の場合であるが、図8にはワインの場合を示す。ワインの場合も日本酒と同様にして、重み値を乗算した値を用いている。
図3では、選択された醸造酒(日本酒)の画像や名称とともに、当該醸造酒の呈味の特性を分析項目別に図解するレーダーチャートを併せて表示している。
日本酒の味わいを分かり易く表現するための二次元マップが、幾つかの団体から提供されている。しかし、何れのマップも、マップ上の表現と、実際に日本酒を飲んだときの官能評価との間に、乖離が生ずるという課題が指摘されている。
そこで、塩味、酸味、旨味、苦味、渋味を測定可能な味覚センサに着目し、味覚センサによる検出結果と、実際に飲んだときの官能評価とを組み合わせることを試み、試験・検討を重ねて、良好な結果を得た。
前述の呈味領域12aと座標平面14aの構成は、この結果を利用している。
即ち、図示のように、
(a)「コクのある」「後味しっかり」「厚みのある」「ふくらみのある」
(b)「まるみのある」「おだやか」
(c)「先味しっかり」「爽やかな」「ソフトな」「キレのよい」
(d)「すっきりとした」「軽快な」「サラリとした」
の、4個のクラスターに分かれた。
そこで、上記(a)~(d)のクラスターに、
(a)コク
(b)ふくよか
(c)キレ
(d)すっきり
の語句を設定し、二次元散布図中で当該のクラスターが位置する領域の名称として付与した。さらに、専門のパネリストによる官能評価を行い、中心部の領域に、別途、
(d)おだやか
の名称を付与した。
このようにして、図4(d)に示す領域図が得られ、これに基づき、前述の呈味領域12aと座標平面14aが構成された。
所定の2つの分析項目に基づく直交座標軸で規定され、分析値保持手段31が持つ各醸造酒が対応付けて設定される座標平面14aと、
前記座標平面14a上に設定され、醸造酒の各呈味を表す小領域から成り、表示装置10の画面上に表示される呈味領域12aと、
前記呈味領域12a内の位置が選択されると、当該選択された位置に対応付けられている醸造酒の選択として処理する手段と、
を有する操作入力装置、
として、表現され得る。この操作入力装置は、所望の呈味の醸造酒を、直感的に選択したいというような用途に用いることができる。
料理と醸造酒には、相性がある。
例えば、野菜の煮物は、純米大吟醸酒又は純米吟醸酒又は吟醸酒であって、且つ、図12に示す呈味領域12a内のX軸方向「2」且つY軸方向「2」又は「3」の領域に位置する日本酒と相性が良い。つまり、「ふくよか」の中央付近の領域や、「おだやか」の領域に位置する日本酒との相性が良い(図14・質問2の項目下「煮物」参照)。なお、図14に於いて、JDは純米大吟醸酒、JGは純米吟醸酒、Jは純米酒、を意味する。
図13では、階層的な質問により料理を絞り込み、回答者の所望の料理を特定する(S61)。次に、当該絞り込まれた料理に対応する日本酒の種類(純米大吟醸酒/純米吟醸酒/純米酒/大吟醸酒/吟醸酒/本醸造酒/普通酒)と、呈味領域12a内での位置の範囲とを、図14に示す「料理-日本酒テーブル」を参照して特定し(S63)、当該特定した種類・位置範囲の日本酒を、データベース31内の日本酒のテーブル(図9(a)参照)から検索する(S65)。なお、図9(a)には、日本酒の種類の項目や、呈味領域12a内での位置の項目は明示されていないが、当然に、これらのデータが、各日本酒にについて保持されているものとする。
表示装置10を備えたコンピュータシステム20上に構成され、料理と醸造酒との相性を調べる相性判別装置であって、
醸造酒の各分析項目の値を醸造酒毎に持つ分析値保持手段31、及び、料理と相性の良い醸造酒の属性を料理別に保持する相性保持手段、を有する記憶装置30と、
所定の2つの分析項目に基づく直交座標軸で規定される座標平面14a上に、前記分析値保持手段31が持つ各醸造酒を対応付けて設定する醸造酒配設手段S01と、
醸造酒の呈味を表す呈味領域12aを前記座標平面14a上に設定するとともに前記表示装置10の画面上に表示する呈味表示手段S11と、
調査対象の料理が選択されると、当該選択された料理と相性の良い属性を前記相性保持手段から取得するとともに、当該属性により特定される各醸造酒を前記分析値保持手段31から取得して、前記表示装置10の画面上に表示する醸造酒表示手段と、
を有することを特徴とする相性判別装置、
として、表現され得る。
醸造酒側から相性の良い料理を調べる場合も、略同様である。
12 タッチパネル10の画面領域(表示領域)
12a 呈味領域
14 タッチパネル10のタッチ操作の検出領域
14a 座標平面
20 タブレット
30 記憶装置
31 データベースDB
40 制御装置
41 CPU
43 メモリ
50 スピーカ
60 通信装置
Claims (3)
- 醸造酒の官能評価に関連する呈味名称を有する小領域の集まりとして構成される呈味領域と、醸造酒の2つの分析項目に基づく直交座標軸で規定される座標平面とを重ね、前記呈味領域を視認可能に表示パネルに表示する情報表示装置であって、
醸造酒の各分析項目の測定値を記憶装置にて醸造酒毎に保持する醸造酒保持手段と、
前記直交座標軸が基づく2つの分析項目の測定値から当該測定値を持つ醸造酒の前記座標平面内での位置を示す位置情報を生成する位置生成手段と、
前記座標平面の全象限に散らばる中から抽出した醸造酒についての官能評価語句を用いたクラスター分析により生成した各クラスターが前記座標平面内で占める領域を規定する情報を前記小領域の領域情報として保持するとともに、前記官能評価語句に基づいて各クラスターに付した呈味名称を保持する小領域保持手段と、
前記領域情報及び呈味名称を前記小領域保持手段から取得して前記各クラスターの小領域を呈味名称と併せて前記表示パネル上に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。 - 請求項1に於いて、
さらに、
前記呈味領域内の任意の位置を選択する入力に応じて当該位置の位置情報を持つ醸造酒の各分析項目の測定値を前記醸造酒保持手段から取得して、基準酒のF検定配列値として設定する基準酒設定手段と、
前記基準酒と近い位置の位置情報を持つ醸造酒の各分析項目の測定値を前記醸造酒保持手段から取得して、比較酒のF検定配列値として設定する比較酒設定手段と、
前記基準酒と比較酒の各配列値を用いるF検定によりP値を求めて前記基準酒と比較酒の呈味の特性の類似度合を示す一致度とする一致度演算手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。 - 表示パネルを備えたコンピュータを、請求項1又は請求項2の情報表示装置として機能させるためのプログラム。
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JP2019236868A JP7138866B2 (ja) | 2019-12-26 | 2019-12-26 | 情報表示装置、方法、及びプログラム |
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