JP7135455B2 - スラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スラリーの送液に関し、より詳しくは、スラリー送液配管の閉塞を防止するためのスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法に関する。
スラリーの送液は、固形分の輸送方式の一つとして多く用いられている。例えば、有用金属を含む鉱石から目的成分を濃縮して精鉱を得る処理法や、硫酸等の浸出剤を用いて有用金属を浸出する処理法などは水を基本媒体とすることから湿式処理として知られ、これらの処理に先立ち固形分のスラリー化が行われる。
個々の工程間のスラリーの輸送にはポンプと配管等の送液設備が用いられる。液単独を送液する場合と異なり、スラリーを送液する場合には比重や粘度等の物性値に基づいて送液設備を設計することがより重要である。ポンプに関して言えば、ポンプ能力が不足する場合には送液自体が出来ない一方、ポンプ能力が過大で配管径が小さい場合には配管の摩耗が顕著となる場合がある。
例えば、特許文献1には、原料鉱石から鉱石スラリーを製造する鉱石スラリーの製造方法において、解砕・分級段階で除去されたオーバーサイズ粒子の一部を、鉱石スラリー濃縮段階に装入添加することによって、鉱石スラリーの粘度上昇を抑制できることが記載されている。
特許第5257501号公報
しかしながら、特許文献1のような方法を用いた場合であっても、スラリー送液ポンプの停止等は起こりうる。スラリー送液ポンプの停止が一定時間以上となると送液配管中で固形分が沈降し、配管が閉塞してしまう。配管が閉塞した場合には、水で押し流すことで閉塞が解消する場合もあるが、固形物が密に詰まって閉塞している場合には配管を外して詰まりを除去することが必要になる。当然、この期間は操業を停止することとなり、経済性の面で好ましくない。
そこで本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、スラリー送液ポンプが停止した場合でも、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となるスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を提供する。
本発明者等は、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避する方法について検討を重ね、ポンプ停止時に配管内のスラリーがスラリー仮受け槽に排出されるように設計することで、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の一態様は、第1の槽から第2の槽へと第1の流路を介してスラリーを送るスラリーの搬送設備であって、第1の流路は、スラリー送液ポンプと、第1の槽とスラリー送液ポンプとを接続し第1の遮断弁を備える第1の配管と、スラリー送液ポンプと第2の槽とを接続し第2の遮断弁を備える第2の配管とを有し、第2の配管は、第2の遮断弁と第2の槽との間の配管から分岐してスラリー仮受け槽へとつながり、ドレイン弁を備える分岐用配管を有しており、スラリー仮受け槽が、第1の槽であり、第2の配管は分岐配管の分岐点よりも上流に分岐用遮断弁を備え、第2の配管は、スラリー仮受け槽より上部に位置する区間を備えることで、スラリー送液ポンプ停止時には、分岐用配管からスラリーをスラリーの自重によりスラリー仮受け槽へと排出する。
本発明の一態様によれば、スラリー送液ポンプ停止時には、分岐用配管からスラリーをスラリー仮受け槽へと排出することができるため、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。また、配管内のスラリーをそのまま第1の槽に戻し入れることができるため効率的である。また、分岐配管の分岐点よりも上流に分岐用遮断弁を備えることにより、スラリー送液ポンプ停止時に、分岐点よりも下流側のスラリーを選択的に分岐用配管へと導くことができる。
また、本発明の一態様では、複数の分岐用配管を備えていてもよい。
複数の箇所に分岐用配管を備えることにより、効率的に配管内のスラリーを排出することができる。
本発明の他の態様は、上述したスラリーの搬送設備を用いたスラリーの送液方法であって、スラリー送液操業時の異常を検知する異常検知工程と、異常を検知した際にスラリー送液ポンプを停止するポンプ停止工程と、第1の遮断弁と第2の遮断弁とを閉鎖状態とし、ドレイン弁を開放状態とする弁開閉工程とを有し、弁開閉工程におけるドレイン弁の操作によって、スラリー送液ポンプが駆動することなく、分岐用配管からスラリーがスラリー仮受け槽へと排出されるようにする。
本発明の他の態様によれば、弁開閉工程において、スラリーの流路を変更することで、配管内のスラリーをスラリー仮受け槽へと排出することができるため、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。
このとき、本発明の他の態様では、スラリーを構成する固形中の45μm以下の粒径を有する粒子の比率が50%以下であるように調整してもよい。
スラリーを構成する固形中の粒径を調整することで、スラリーの粘度の上昇を抑えることができ、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのをより防止することができる。
また、本発明の他の態様では、スラリーを構成する固形分と懸濁させる媒体の比重の比が2.0以上であるとしてもよい。
上記比率の場合、スラリーを静置した際に固形分が沈澱しやすくなるが、本発明を適用することにより、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを防止することができる。
また、本発明の他の態様では、ドレイン弁の開閉をスラリー送液ポンプの停止から設定時間後に行ってもよい。
ドレイン弁の開閉を設定時間後に行うことで、配管内に滞留したスラリーをより効率よく排出することができる。
本発明によれば、スラリーの送液を伴う工程において、スラリー送液ポンプが停止した場合でも、固形分によるスラリー送液配管の閉塞が回避され、閉塞除去のための作業を特段行うことなく、スラリーの送液が再開可能である。
本発明の第1の実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。
本発明を適用した具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下の順序で図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが可能である。
1.本発明の概要
2.スラリーの搬送設備
3.スラリーの送液方法
<1.本発明の概要>
本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備は、例えばニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法(High Pressure Acid Leach法:HPAL法)による湿式製錬プロセスおける鉱石スラリーの移送設備として用いられる。具体的には、以下に説明するような場面に適用することができる。
例えば、ニッケル酸化鉱に含まれるクロマイトを回収する技術がある。この技術は大量処理装置(具体的にはシェークアウトマシーン等)によって機械的な操作でオーバーサイズを分離したニッケル酸化鉱をスラリー化し、ハイドロサイクロンや比重分離機等を用いて、ニッケルを多く含む粒度の細かいゲーサイトと粒度の大きなクロマイトを分離する技術である。
原料のニッケル酸化鉱を供給するバルク処理は、鉱石の特性(湿潤した鉱石が固着したり、大塊の鉱石によって搬送設備が詰まったり破損したり等)上、工程が断続的に停止する場合や負荷が増減する場合があり、下流に位置するクロマイト回収プラントも前工程の影響を受け、スラリー送液ポンプの運転が断続的に停止する場合がある。クロマイト回収プラントでは、前述のとおり粒度の細かいゲーサイトと粒度の大きなクロマイトを分離しており、クロマイト回収プラント内の下工程側では粒径の大きい固形分と媒体である水溶液との密度比が2以上であることから、スラリーを静置すると直ちに固形分が沈降する。すなわち、スラリー送液ポンプの停止が一定時間以上となると送液配管中で固形分が沈降し、配管が閉塞してしまう。
したがって、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を適用することにより、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、スラリー送液が安定的にできる。
また、上述した例以外にも、例えば、上工程や下工程で処理速度が変動するので、これに合わせて送液流量の調整で対応する必要がある。トラブル等により送液流量を極端に落とす際は、流量がポンプの動作範囲に収まらない場合があり、この場合には間欠送液で対応することになる。この間欠送液においてポンプの停止時間が長い場合にはスラリー送液配管内で固形分が沈降し、配管を閉塞させる場合があった。一度配管が閉塞した場合には工程を停止し、配管を開放して閉塞物を物理的に除去する必要があり、大口径の配管の場合には人員の確保に加え重機等の手配も必要となり工程停止期間が長くなるという問題があった。
このような場合にも本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を適用することにより、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、スラリー送液が安定的にできる。
<2.スラリーの搬送設備>
次に、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備の構成について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。本発明の一態様は、第1の槽11から第2の槽12へと第1の流路F1を介してスラリーを送るスラリーの搬送設備10であって、第1の流路F1は、スラリー送液ポンプPと、第1の槽11とスラリー送液ポンプPとを接続し第1の遮断弁V1を備える第1の配管T1と、スラリー送液ポンプPと第2の槽12とを接続し第2の遮断弁V2を備える第2の配管T2とを有し、第2の配管T2は、第2の遮断弁V2と第2の槽12との間の配管から分岐してスラリー仮受け槽13へとつながり、ドレイン弁V3を備える分岐用配管T3を有しており、第2の配管T2は、スラリー仮受け槽13より上部に位置する区間を備えることで、スラリー送液ポンプP停止時には、分岐用配管T3からスラリーをスラリー仮受け槽13へと排出する。
このような構成とすることにより、スラリー送液ポンプP停止時には、ドレイン弁V3を開けることで、分岐用配管T3からスラリーをスラリー仮受け槽13へと排出することができるため、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。
第1の槽11及び第2の槽12は、例えば、スラリー貯槽やシックナー等である。第1の槽11、第2の槽12は例えば撹拌機14を備えることで貯留槽の固形分の沈降を防ぐことができる。スラリー送液は、第1の槽11と第2の槽12との間に接続されたスラリー送液ポンプPとスラリー輸送配管(第1の配管T1、第2の配管T2)を用いて行われる。第1の槽11とスラリー送液ポンプPの間には、第1の遮断弁V1が備えられており、スラリー送液ポンプPが停止した際に第1の遮断弁V1は閉止し、スラリー送液ポンプPの吸引側にかかる第1の槽11からの背圧を遮断することによって、スラリー送液ポンプPのシール部破損によるスラリーの漏えいと吸引側配管(第1の配管T1)の閉塞を防止する。
スラリー送液ポンプPの吐出側にはポンプ停止時に閉止する第2の遮断弁V2と開放するドレイン弁V3を有する。第1の遮断弁V1、第2の遮断弁V2、及びドレイン弁V3は手動の弁でも良いが、自動弁とすることが好ましい。これらの自動弁はポンプ停止から動作までの時間を任意に設定することが可能である。スラリー送液ポンプPが何らかの理由で停止した場合に、設定した時間経過後に自動弁が動作することで、スラリー送液配管内のスラリーがドレインされ、送液配管内が固形分により閉塞するのを防止する。
ドレイン弁V3からドレインされるスラリーは、スラリー仮受け槽13に排出される。第2の配管T2は、スラリー仮受け槽13より上部に位置する区間を備えることで、スラリー送液ポンプP停止時には、スラリーの自重により分岐用配管T3を通ってスラリー仮受け槽13に排出されるように設計されることが好ましい。あるいは、スラリー送液ポンプPとは別のスラリー排出用のスラリー送液ポンプを備えることで配管内のスラリーをスラリー仮受け槽13へ送液するようにしても良い。スラリー仮受け槽13に排出されたスラリーは、ポンプ等により第1の槽に返送することもできる。スラリー仮受け槽13(水だめ等)に備えられたポンプは、水だめの液面の高さによって作動・停止するものが一般的に用いられる。
スラリー仮受け槽13としては、空の槽を用いることによって多量のスラリーを受け入れることができる。槽は蓋がなくてもよいが、雨水などが浸入した状態で用いると、スラリーを受け入れる余裕が少なくなる。スラリーが溢れても散逸しないように、槽を囲むように防液堤を設けてもよい。防液堤で囲まれた場面自体をスラリー仮受け槽13の代わりに用いてもよい。防液堤内が狭い場合は、場面を掘削することにより水だめを作り、この水だめをスラリー仮受け槽13の代わりに用いてもよい。スラリー仮受け槽13へのスラリーの排出経路は、配管をスラリー仮受け槽13の蓋または側壁に開口するように接続するか、スラリー仮受け槽13に蓋を設けず配管をスラリー仮受け槽13の上方で開口することによって構成する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。本発明の第2の実施形態に係るスラリーの搬送設備20は、スラリー送液ポンプPと、第1の槽21とスラリー送液ポンプPとを接続し第1の遮断弁V1を備える第1の配管T1と、スラリー送液ポンプPと第2の槽22とを接続し第2の遮断弁V2を備える第2の配管T2とを有する点は、第1の実施形態と同じであるが、第2の遮断弁V2と第2の槽22との間の配管から分岐してドレイン弁V5を備える分岐用配管T5が、第1の槽に接続されている点が異なる。また、本発明の第2の実施形態に係るスラリーの搬送設備20は、分岐配管T5の分岐点よりも上流(第2の遮断弁V2側)に分岐用遮断弁V4を備えていても良い。
本発明の第2の実施形態に係るスラリーの搬送設備20によれば、配管内のスラリーをスラリー仮受け槽を介することなくそのまま第1の槽21に戻し入れることができるため輸送エネルギーや輸送時間が少なくすむ。また、分岐用配管T5の分岐点よりも上流に分岐用遮断弁V4を備え、スラリー送液ポンプP停止時に閉じることにより、分岐点よりも下流側のスラリーを選択的に分岐用配管T5へと導くことができる。
図3は、本発明の第3の実施形態に係るスラリーの搬送設備の概略構成図である。本発明の第3の実施形態に係るスラリーの搬送設備30は、第1の実施形態で説明した、ドレイン弁V3を備える分岐用配管T3と、第2の実施形態で説明した、ドレイン弁V5を備える分岐用配管T5、分岐用遮断弁V4の両方を備える構成となっている。
本発明の第3の実施形態に係るスラリーの搬送設備30によれば、複数の箇所に分岐用配管T3、T5を備えることにより、配管内のスラリーを速やかに排出することができ固形分も残りにくい。また、スラリー送液ポンプPの吐出側に、第2の遮断弁V2や分岐用遮断弁V4を備えることにより、スラリー中の固形分が1箇所に殺到するのを防ぐことができる。具体的には、ポンプへの逆流、配管屈曲部への堆積、スラリー受け入れ側の槽の容量を超える流入を抑制することができる。すなわち、分岐用遮断弁V4から第2の槽32の間の配管内のスラリーは、分岐用配管T5を介して排出することができ、分岐用遮断弁V4から第2の遮断弁V2の間の配管内のスラリーは、分岐用配管V3を介して排出するというように、配管内のスラリーを分けて排出することができる。
<3.スラリーの送液方法>
次に、本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法におけるプロセスの概略を示す工程図である。本発明の一態様は、上述したスラリーの搬送設備を用いたスラリーの送液方法であって、スラリー送液操業時の異常を検知する異常検知工程S1と、異常を検知した際にスラリー送液ポンプを停止するポンプ停止工程S2と、第1の遮断弁と第2の遮断弁とを閉鎖状態とし、ドレイン弁を開放状態とする弁開閉工程S3とを有し、弁開閉工程におけるドレイン弁の操作によって、スラリー送液ポンプが駆動することなく、分岐用配管からスラリーがスラリー仮受け槽へと排出されるようにする。
上述したスラリーの搬送設備を用いて、弁開閉工程において、スラリーの流路を変更することで、配管内のスラリーをスラリー仮受け槽へと排出することができるため、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを回避し、安定的なスラリー送液が可能となる。以下、各工程について説明する。
異常検知工程S1は、通常のスラリー送液操業において、異常が生じたことを検知する工程である。異常な状態とは、停電や設備故障等が挙げられる。異常な状態は、例えば、制御部における計器等により検知しても良いし、目視による点検等で検知されても良い。なお、スラリー送液操業時の異常には、スラリー搬送設備の異常に限らず、下流の工程で異常が発生した場合も含まれる。
ポンプ停止工程S2は、異常を検知した際にスラリー送液ポンプを停止する工程である。例えば、第2の槽がシックナー等の場合には、下流の工程の設備が何らかの理由で停止した場合、スラリー送液ポンプが稼働したままであるとシックナーの容量を超えるスラリーが溢れ出してしまう。したがって、異常を検知した際には速やかにスラリー送液ポンプを停止することが好ましい。スラリー送液ポンプは、制御部からの制御により停止しても良いし、自動又は手動により停止しても良い。
弁開閉工程S3は、第1の遮断弁と第2の遮断弁とを閉鎖状態とし、ドレイン弁を開放状態とする工程である。なお、第2の配管が分岐用遮断弁を有する場合には、分岐用遮断弁も閉鎖状態とする。
例えば、図1のスラリーの搬送設備を例に説明すると、通常稼働時には、スラリーは第1の流路F1を通って第1の槽11から第2の槽12へと送液される。そして異常を検知した場合には、スラリー送液ポンプPを停止する。また、第1の遮断弁V1と第2の遮断弁V2とを閉鎖状態とし、ドレイン弁V3を開放状態とする。第1の遮断弁V1を閉鎖状態とすることで、ポンプの吸引側にかかる第1の槽11からの背圧を遮断し、ポンプのシール部破損によるスラリーの漏えいと吸引側配管(第1の配管T1)の閉塞を防止する。また、第2の遮断弁V2を閉鎖状態とすることで、スラリー送液ポンプへのスラリーの逆流を防止する。そして、第2の配管T2は、スラリー仮受け槽13より上部に位置する区間を備えるように設計されていることで、ドレイン弁V3を開放状態とすることにより、配管内のスラリーは自重等によりスラリー仮受け槽13へと排出される。あるいは、スラリー送液ポンプPとは別の異常時用のスラリー送液ポンプを備えることで配管内のスラリーをスラリー仮受け槽13へ送液するようにしても良い。
また、図3に示すスラリーの搬送設備のように、更に分岐用遮断弁V4を備え、異常時に閉鎖状態とすることで、第2の遮断弁V2から分岐用遮断弁V4までの間の配管内のスラリーは、ドレイン弁V3を通って排出され、分岐用遮断弁V4から第2の槽32までの間の配管内のスラリーはドレイン弁V5を通って排出されるようにすることもできる。このようにすれば、スラリー中の固形分が1箇所に殺到するのを防ぐことができ、ポンプへの逆流、配管屈曲部への堆積、スラリー受け入れ側の槽の容量を超える流入を抑制することができる。
なお、設備の復旧等により、異常な状態が解消した場合には、ドレイン弁V3、V5を閉め、第1の遮断弁V1、第2の遮断弁V2及び分岐用遮断弁V4を開いて、スラリー送液ポンプPを動かすことにより、スラリーの送液を再開することができる。
本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法におけるスラリーの性状は、特に限定されるわけではないが、スラリーを構成する固形中の45μm以下の粒径を有する粒子の比率が50%以下であるように調整することが好ましい。鉱石スラリーの粒径や粒度分布は、鉱石スラリーの粘度と関連していることが知られており(例えば、上述した特許文献1)、スラリーを構成する固形中の粒径を調整することで、スラリーの粘度の上昇を抑えることができ、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのをより防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係るスラリーの送液方法では、スラリーを構成する固形分と懸濁させる媒体の比重の比が2.0以上であるとしてもよい。ニッケル酸化鉱に含まれるクロマイトの回収の例で説明したように、粒径の大きい固形分と媒体である水溶液との密度比が2.0以上であるとスラリーを静置した際に固形分が沈澱しやすくなるが、本発明を適用することにより、スラリー送液配管が固形分によって閉塞するのを防止することができる。
また、ドレイン弁V3、V5の開閉は、スラリー送液ポンプPの停止から設定時間後に行うこともできる。予め設定時間を設けておくことにより、スラリー送液ポンプP停止後に配管内でスラリーの逆流や滞留等を防止することができ、効率的に配管内のスラリーを排出するようにすることができる。設定時間としては、固形分の沈降速度によって加減でき、例えば5秒以上5分以下の時間とすることができる。
以下に示す実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示す構成図からなるスラリー送液用の設備構成にて、固形分を構成する粒子中の45%が粒径45μm以下であり、固形分の比重が2.5g/cm、水を媒体とするスラリーの送液を行った。
スラリー送液先の工程が設備トラブルにて停止したため、送液先のスラリー受け槽(第2の槽)のスラリー保有量が増加していった。受け入れ停止レベルまでスラリーを貯留し、これを契機として、第2の遮断弁V2と分岐用遮断弁V4が自動的に閉止し、ドレイン弁V5が自動的に開放し、続いて、スラリー送液ポンプが自動的に停止した。
ポンプ停止の3秒後に第1の遮断弁V1は閉止し、第2の遮断弁V2と分岐用遮断弁V4が閉止した1秒後にドレイン弁V3は自動的に開放した。スラリー送液配管内に残っていたスラリーの一部はドレイン弁V3を介し防液堤内の水だめへ、残りはドレイン弁V5を介しスラリー貯槽(第1の槽)へドレインされた。
1時間後、停止していたスラリー送液先の工程が稼働し、スラリー受け槽(第2の槽)のレベルが受け入れ停止レベルを下回ったため、スラリー送液ポンプが自動的に送液準備に入った。ドレイン弁V3、V5は閉止、第1の遮断弁V1、第2の遮断弁V2、分岐用遮断弁V4は開放した後にスラリー送液ポンプは稼働し、スラリー送液を再開した。本実施例によれば、スラリー送液配管やポンプがスラリー中の固形分により閉塞することなく、スラリーの送液を再開することができた。
以上の結果から、本発明の一実施形態に係るスラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法を適用することにより、スラリーの送液を伴う工程において、スラリー送液ポンプが停止した場合でも、固形分によるスラリー送液配管の閉塞が回避され、閉塞除去のための作業を特段行うことなく、スラリーの送液が再開可能となることが分かった。
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、スラリーの搬送設備及びスラリーの送液方法の構成も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10,20,30 スラリーの搬送設備、11,21,31 第1の槽、12,22,32 第2の槽、13,33 スラリー仮受け槽、14 撹拌機、P スラリー送液ポンプ、V1 第1の遮断弁、V2 第2の遮断弁、V3,V5 ドレイン弁、V4 分岐用遮断弁、T1 第1の配管、T2 第2の配管、T3,T5 分岐用配管、F1 第1の流路

Claims (6)

  1. 第1の槽から第2の槽へと第1の流路を介してスラリーを送るスラリーの搬送設備であって、
    前記第1の流路は、スラリー送液ポンプと、前記第1の槽と該スラリー送液ポンプとを接続し第1の遮断弁を備える第1の配管と、前記スラリー送液ポンプと前記第2の槽とを接続し第2の遮断弁を備える第2の配管とを有し、
    前記第2の配管は、前記第2の遮断弁と前記第2の槽との間の配管から分岐してスラリー仮受け槽へとつながり、ドレイン弁を備える分岐用配管を有しており、
    前記スラリー仮受け槽が、前記第1の槽であり、
    前記第2の配管は前記分岐配管の分岐点よりも上流に分岐用遮断弁を備え、
    前記第2の配管は、前記スラリー仮受け槽より上部に位置する区間を備えることで、前記スラリー送液ポンプ停止時には、前記分岐用配管から前記スラリーを該スラリーの自重により前記スラリー仮受け槽へと排出することを特徴とするスラリーの搬送設備。
  2. 複数の分岐用配管を備えることを特徴とする請求項に記載のスラリーの搬送設備。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスラリーの搬送設備を用いたスラリーの送液方法であって、
    スラリー送液操業時の異常を検知する異常検知工程と、
    前記異常を検知した際に前記スラリー送液ポンプを停止するポンプ停止工程と、
    前記第1の遮断弁と前記第2の遮断弁とを閉鎖状態とし、前記ドレイン弁を開放状態とする弁開閉工程と
    を有し、
    前記弁開閉工程における前記ドレイン弁の操作によって、前記スラリー送液ポンプが駆動することなく、前記分岐用配管から前記スラリーが前記スラリー仮受け槽へと排出されるようにすることを特徴とするスラリーの送液方法。
  4. スラリーを構成する固形中の45μm以下の粒径を有する粒子の比率が50%以下であることを特徴とする請求項に記載のスラリーの送液方法。
  5. スラリーを構成する固形分と懸濁させる媒体の比重の比が2.0以上であることを特徴とする請求項又は請求項に記載のスラリーの送液方法。
  6. 前記ドレイン弁の開閉を前記スラリー送液ポンプの停止から設定時間後に行うことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載のスラリーの送液方法。
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