<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図12参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上方には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「砂浜ステージ」,「深海ステージ」の2つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「砂浜ステージ」→「深海ステージ」→「砂浜ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「砂浜ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面視下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図12参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒~90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物64aが開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、及び「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。また、大当たり種別が「大当たりA」の場合は、大当たり終了後の付加価値としてパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。この特別図柄の高確率状態は次に特別図柄の大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりB」の終了後は付加価値として特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態(時短中よりも当たり確率が低い状態)のことを示す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数を共通とし、大当たりの種別に応じて大当たりの終了後に「特別図柄の高確率状態」となるか「普通図柄の時短状態」となるかを変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、普通図柄の時短状態として、第1入球口64に付随する電動役物64aを開放する時間を長くしたり、1回の普通図柄の当たりで電動役物64aを開放する回数を増やしても良い。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)で構成された主図柄は「確変図柄」に相当する。16R確変大当たりである「大当たりA」が発生する場合に同一の確変図柄の組み合わせが停止表示される可能性がある。また、偶数番号(2,4,6,8)で構成された主図柄は、「通常図柄」に相当する。16R通常大当たりである「大当たりB」が発生する場合には、必ず同一の通常図柄の組み合わせが停止表示される。また、「大当たりA」となった場合の一部でも、同一の通常図柄の組み合わせが停止表示される。これにより、通常図柄が停止表示された場合にも、大当たりAとなったことを期待させることができる。
なお、第3図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm4が形成されている。この小表示領域Dm4は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dm4において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dm4に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図4(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図4(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本実施形態では、保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄が最大4個表示される。
なお、本実施形態では、保留図柄の個数を保留球数に対応させて可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としてもよい。
次に、図5から図7を参照して、本実施形態のパチンコ機10における表示演出の1種である連続変身演出について説明を行う。連続変身演出は、第3図柄の変動表示中にリーチ状態が発生した場合に実行される可能性がある表示演出である。ここで、リーチ状態とは、左図柄列Z1および右図柄列Z3が同一の数字からなる主図柄で停止表示され、中図柄列Z2のみが変動表示中である状態を指す。リーチ状態になると、中図柄列Z2が停止表示されることにより同一の図柄が3個揃う可能性があることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
連続変身演出は、リーチ状態が発生した後で、遊技者の大当たりに対する期待感をさらに向上させるために実行される演出であり、詳細については後述するが、主表示領域Dmに表示される男の子のキャラクタ811(図5(a)参照)が、時間の経過、又は遊技者の枠ボタン22に対する操作(押下)に応じて0~n回(nは1以上の自然数)変身する(態様が変更される)演出である。この連続変身演出では、基本的にキャラクタ811の変身回数が多くなるほど大当たりとなる期待度が高くなる構成となっており、最大でキャラクタ811が5回変身する可能性がある演出である。
なお、1の連続変身演出における最大の変身回数(連続変身演出の演出種別)は、連続変身演出を開始するよりも前に予め決定される。より具体的には、後述する変身演出選択テーブル222b(図15(a)参照)を用いた抽選により、1~5回のいずれかの回数が決定される。この連続変身演出は、予め決定された上限回数の変身に成功するか、上限回数に到達するよりも前に、連続変身演出の演出種別毎に定められている演出時間となった場合に終了される。なお、本第1実施形態では、連続変身演出の最大の変身回数を、変身演出選択テーブル222bを用いた抽選により決定する構成としていた。即ち、連続変身演出の演出種別に応じて最大の変身回数が決定される構成としていたが、これに限られるものではなく、連続変身演出を開始する前に最大の変身回数を決定できる構成であればよい。具体的には例えば、前回の大当たりが終了した後の変動回数に応じて連続変身演出の上限回数を設定しても良い。変動回数が多いほど上限回数が多くなる構成とした場合は、特別図柄の抽選に外れ続けることに対して遊技者にメリットを感じさせることができるので、特別図柄の抽選に多くの回数連続して外れ続ける状態(所謂ハマり)が発生したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できる。また、変動回数が少ないほど上限回数が多くなる構成とした場合は、短い間隔で大当たりに当選した(所謂連荘状態となった)場合に、賞球を獲得すること以外にもメリットを感じさせることができるので、遊技者をより楽しませることができる。更に、特定の範囲(例えば、変動回数が100~200の範囲)で上限回数が多くなる構成とすれば、当該特定の範囲におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
図5(a)は、この連続変身演出が開始される(連続変身演出に発展する)ことを示す変身発展態様が表示されている場合における第3図柄表示装置81の表示内容を示した図である。図5(a)に示した通り、変身発展態様が表示されると、主表示領域Dmの中央下部に男の子のキャラクタ811が表示されると共に、キャラクタ811の上方に、横長略長方形形状の表示領域HR1が表示される。この表示領域HR1には、「連続変身チャンス」という文字と、「変身回数が多い程期待度UP!」という文字とが表示される。なお、「連続変身チャンス」とは、連続変身演出を示す演出名である。表示領域HR1に表示されたこれらの文字により、遊技者に対して連続変身チャンス(連続変身演出)が開始されることを容易に理解させることができる。この変身発展態様は、1秒間表示され続け、1秒間が経過すると、連続変身演出が開始される。
なお、図5(a)に示した通り、変身発展態様が表示されると、主表示領域Dmにおける右上部分に、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させるための小表示領域Dm4が形成される。これにより、変動表示が継続されていることを遊技者に対して容易に理解させることができる。この第3図柄の簡易表示は、連続変身演出、およびその後の発展演出の演出時間の間、継続する。
変身発展態様の表示時間が経過した後で設定される連続変身演出では、枠ボタン22(図1参照)の押下を促す演出が表示される。具体的には、図5(b)に示した通り、主表示領域Dmにおけるキャラクタ811の左側に、横長略長方形形状の表示領域HR2が表示され、その表示領域HR2の内側に枠ボタン22を模した画像(PUSHボタンPB)が表示される。また、表示領域HR2の内部におけるPUSHボタンPBの下方には、時間の経過に応じて長さが短くなっていく、斜線が付されたスクロールバーSBが表示される。このスクロールバーSBは、枠ボタン22に対する操作を有効とする操作有効期間の残り時間を示したものである。本実施形態において、操作有効期間は5秒間が設定されるので、スクロールバーSBは、操作有効期間が開始されてから5秒間を掛けて長さが0になる。このスクロールバーSBを表示させることにより、遊技者に対して操作有効期間の残り時間を容易に認識させることができる。
なお、本実施形態では、操作有効期間が終了するまでの残り時間を、スクロールバーSBの長さによって表示(示唆)する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、残りの秒数をそのまま数字で表示させ、時間経過に応じてカウントダウンしていく構成とすることにより、残りの操作有効期間が遊技者にとって認識可能となるように構成してもよい。また、例えば、枠ボタン22を模したPUSHボタンPBの彩色を残りの操作有効期間に応じて可変させていくことにより、残り時間を遊技者に示唆する構成としてもよい。具体的には、例えば、残り時間が4秒以上の場合には、PUSHボタンPBの色を青色で表示し、残り時間が3秒以上、4秒未満の場合には、PUSHボタンPBの色を緑色で表示し、残り時間が2秒以上、3秒未満の場合には、PUSHボタンPBの色を黄色で表示し、残り時間が1秒以上、2秒未満の場合には、PUSHボタンPBの色をオレンジ色で表示し、残り時間が1秒未満の場合には、PUSHボタンPBの色を赤色で表示する構成としてもよい。また、操作有効期間が終了するまでの残り時間は、遊技者に必ずしも示唆する必要はない。操作有効期間の残り時間の示唆表示を省略することにより、表示制御を簡素化することができるので、パチンコ機10の処理負荷を軽減することができる。
表示領域HR2に加えて、キャラクタ811に対して正面視右側には、「PUSHで変身だ!」という文字が付された吹き出し型の表示領域HR3が表示される。これらの表示領域HR2、および表示領域HR3の表示内容により、遊技者に対して枠ボタン22を押下することでキャラクタ811が変身する(キャラクタ811の態様が変わる)可能性があることを認識させることができる。
また、表示領域HR3の右下側には、今回の連続変身演出においてキャラクタ811が変身した合計回数を示すための横長略長方形形状の表示領域HR4が形成される。この表示領域HR4には、例えば、図5(b)に示した通り、「変身×0」という文字が表示される。この文字は、変身が成功した回数に応じて更新されていく。具体的には、キャラクタ811が変身に1回成功すると、「変身×1」という文字に更新され、変身に2回成功すると、「変身×2」という文字に更新される。以下同様に、変身回数が3回となった場合に、「変身×3」という文字に更新され、変身回数が4回となった場合に、「変身×4回」という文字に更新され、変身回数が5回となった場合に、「変身×5回」という文字に更新される。この表示領域HR4に表示された文字を確認することで、遊技者は今回の連続変身演出における変身回数を容易に理解することができる。
図6(a)は、設定された操作有効期間内に遊技者が枠ボタン22を押下し、キャラクタ811が変身に成功した場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図6(a)に示した通り、枠ボタン22を操作有効期間内に押下すると、表示領域HR2において、PUSHボタンPBが押し込まれたような見た目の態様に変更され、操作有効期間が終了される。また、キャラクタ811の態様が、例えば、剣と盾を所持した冒険者を模した態様に変更される。また、表示領域HR4において、変身回数を示す文字に1が加算されて更新される。図6(a)では、「変身×1」に更新された場合を例示している。この変身に成功したことを報知する態様(成功報知態様)は1秒間継続し、当該成功報知態様が終了した後は、操作有効期間が再度設定される。そして、以降は、変身回数が上限に達するか、演出期間が経過するまで操作有効期間と、成功報知態様とが繰り返される。
一方、図6(b)は、設定された有効期間内に枠ボタン22を遊技者が押下せず、且つ、変身に成功した場合を示した図である。図6(b)に示した通り、枠ボタン22を押下しなかった場合にも、最大の変身回数に達していなく、且つ、演出時間が所定期間以上残っている(残りの変動時間が所定の下限時間以上となっている)と判別された場合には、操作有効期間が経過したことを契機として成功報知態様が実行される。なお、詳細については後述するが、所定の下限時間は、連続変身演出の演出種別(最大の変身回数)に対応付けて変身演出選択テーブル222bに規定されている。
枠ボタン22を操作有効期間の間に押下した場合も、操作有効期間が経過するまで枠ボタン22の押下をしなかった場合も、最大の変身回数に達していなく、且つ、残りの変動時間が所定の下限時間以上となっていれば、成功報知態様が実行される。しかしながら、本実施形態では、全ての変身が、操作有効期間の経過を契機として実行された場合に、上限回数の変身(成功報知態様)が実行されるよりも前に、演出期間が経過する長さとなるように演出期間が設定されている。言い換えれば、上限回数分の操作有効期間(および上限回数分の成功報知態様の演出期間)の総和が、連続変身演出の演出期間よりも長くなるように操作有効期間が設定される。
このように構成することで、1の連続変身演出において設定される各操作有効期間において、枠ボタン22を押下して操作有効期間が経過するよりも前にキャラクタ811を変身させなければ、演出種別毎に設定されている最大回数の変身を実行させることが不可能となる。また、操作有効期間が開始されてから、枠ボタン22が押下されるまでの期間が短いほど、その後に設定される操作有効期間の開始タイミングを早めることができるので、実行可能な変身の回数を、上限値の範囲内で増加させていくことができる。よって、上限回数の変身を行わせたい(なるべく多くの変身を行わせたい)と考える遊技者に対して、各操作有効期間において、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。従って、遊技者の連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。また、連続変身演出に参加しない(枠ボタン22を押下しない)遊技者が本パチンコ機10で遊技を行った場合には、本来は期待度が高い(変身の上限回数が多い)連続変身演出の場合にも、比較的少ない変身回数で連続変身演出の演出期間が経過してしまうことになる。これにより、少ない変身回数となる場合として、上限回数が多い(即ち、大当たりの期待度が高い)連続変身演出であるにもかかわらず演出期間が経過することにより少ない変身回数で終了してしまうケースを発生させることができる。これにより、少ない変身回数で連続変身演出が終了した場合でも、大当たりに対する期待感を高めることができる。
図7(a)は、成功報知態様において冒険者とは異なる態様に変身した場合の例を示した図である。図7(a)の例では、変身回数が3回目において、キャラクタ811がガンマンを模した態様に変身した場合を例示している。本第1実施形態では、このガンマンを模した態様や、上述した冒険者を模した態様等、変身回数に応じた複数の態様が用意されている。
なお、本第1実施形態では、変身に成功した場合の態様を変身回数に応じて固定としていたが、これに限られるものではない。例えば、成功報知態様を行う毎に、キャラクタ811の態様を抽選等により決定してもよい。これにより、連続変身演出のバリエーションを多様化することができるので、遊技者の連続変身演出に対する興趣を向上させることができる。また、抽選等で成功報知態様の態様を決定する場合には、特別図柄の大当たりとなる変動表示の場合にのみ決定され得る態様や、特別図柄の大当たりとなる変動表示の場合に決定され易くなる態様、特別図柄の外れとなる変動表示の場合に決定され易くなる態様等を設ける構成としてもよい。このように構成することで、変身回数だけでなく、変身が成功した場合におけるキャラクタ811の表示態様にも注目して連続変身演出中の遊技を行わせることができる。
図7(b)は、連続変身演出において、変身に失敗したことを報知する態様(失敗報知態様)が表示された場合における、第3図柄表示装置81の表示内容を示した図である。図7(b)に示した通り、変身に失敗した場合は、表示領域HR2のPUSHボタンPBが真っ二つに割れた態様で表示されると共に、キャラクタ811が落胆した表情で表示される。また、キャラクタ811の右上側には、「終了・・・」という文字が表示された表示領域HR5が表示される。これらの表示により、連続変身演出が終了した(変身回数が確定した)ことを認識させることができる。
なお、本第1実施形態では、連続変身演出が終了した後で、大当たりか否かの報知を行うための発展演出に移行する。発展演出には複数の種別が設けられており、残りの変動時間、および今回の特別図柄の抽選の当否に応じて1の発展演出の種別が選択され、実行される。この発展演出の詳細について、図8(a),(b)を参照して説明する。
まず、図8(a)は、連続変身演出から発展演出へと移行することを示す移行演出の表示態様を示した図である。図8(a)に示した通り、移行演出が実行されると、主表示領域Dmにキャラクタ811と、怪獣812とが睨み合う画像が表示されると共に、キャラクタ811と怪獣812との中間に、「VS」という文字が付された表示領域HR6が表示される。また、表示領域HR1に、「敵を倒せ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、キャラクタ811が敵(即ち、怪獣812)を倒すことにより、大当たりとなることを遊技者に対して容易に認識させることができる。
また、図8(a)に示した通り、移行演出が実行されると、怪獣812の下方に表示領域HR7が表示される。この表示領域には、当該移行演出の終了後に実行される発展演出の期待度を示す1または複数の星印が表示される。図8(a)は、星印が2つ表示されている場合を例示している。この星印の個数は、連続変身演出における変身回数と同一の個数になる。図示については省略したが、星印の個数に連動して(即ち、連続変身演出における変身回数に連動して)、怪獣812の態様も可変される。即ち、星印の数が多いほど、怪獣812が弱そうな見た目(即ち、キャラクタ811が勝利し易そうな見た目)で表示され、星印の数が少ないほど、怪獣812が強そうな見た目(即ち、キャラクタ811が勝利し易そうな見た目)で表示される。このように構成することで、連続変身演出の結果(成功報知態様の表示回数)と、その後の発展演出とがリンクしているかのような印象を遊技者に対して抱かせることができる。よって、連続変身演出における変身回数(成功報知態様の表示回数)が大当たりとなる期待度を示唆していることを、遊技者に対してより容易に理解させることができる。
なお、この移行演出、および上述の失敗報知態様(図7(b)参照)は、失敗報知態様が実行された時点における残りの変動時間に応じて表示期間の長さが可変される。これは、各発展演出の演出期間が固定(30秒、33秒、36秒、39秒、42秒、および45秒のいずれか)であるのに対して、連続変身演出が開始されてから最後の操作有効期間が終了するまでに要する期間は、遊技者が枠ボタン22を押下するタイミングに応じて可変するためである。よって、本実施形態では、操作有効期間が終了するタイミング(即ち、失敗報知態様の開始タイミング)において残りの変動時間を判別し、残りの変動時間で実行可能な最長の演出期間の発展演出を選択する。そして、残りの変動時間と、選択した発展演出の演出期間との差分の期間を用いて失敗報知態様、および移行演出を実行する構成としている。これにより、発展演出の演出時間のバリエーションを少なくすることができるので、発展演出を表示させるための各種データの容量を削減することができる。また、失敗報知態様、および移行演出の表示期間を、残りの変動時間に応じて動的に可変させることにより、発展演出の開始時点における残りの変動時間と、発展演出の演出時間とに齟齬が生じてしまうことを抑制することができる。即ち、残りの変動時間の方が長くなることで、発展演出が終了したにも拘わらず第3図柄の変動が停止しなかったり、逆に、発展演出の演出期間の方が長くなることで、第3図柄の変動が終了した時点で発展演出が終了しないという事態が生じてしまうことを防止することができる。従って、発展演出の終了タイミングと、第3図柄の変動表示の終了タイミングとを一致させることができるので、違和感の無い表示演出を提供することができる。なお、移行演出の演出時間が何秒に設定されたとしても、発展演出への切り替わりが不自然とならないように、移行演出が設定された期間の間は、図8(a)に示した態様に対して、大きな態様の変化が起こらないように構成している。即ち、図8(a)に例示した画像を静止画で表示させるか、または、キャラクタ811、およびキャラクタ812が自己の呼吸等に合わせて周期的に肩を上下させる程度の態様の変化に留まる(特別なアクションを行わない)ように構成される。これにより、移行演出の実行期間によらず、発展演出に切り替わる際の表示態様を同等とすることができるので、移行演出から発展演出に切り替わる際に、遊技者に対して見た目に違和感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、図8(b)を参照して、発展演出の演出態様の経時変化について説明する。ここで、本第1実施形態では、発展演出として、当たり発展演出A~F、および外れ発展演出A~Fの12種類が設けられている。当たり、及び外れ発展演出Aは、共に演出期間が30秒の表示演出であり、当たり、及び外れ発展演出Bは、共に演出期間が33秒の表示演出である。以下同様に、当たり、および外れ発展演出C~Fは、それぞれ36秒、39秒、42秒、および45秒の演出期間の表示演出として構成されている。連続変身演出における最後の操作有効期間の終了時には、残りの変動時間を超えない範囲で最も長い演出期間の発展演出が選択される。
図8(b)に示した通り、本第1実施形態では、発展演出を実行するための元となる表示演出(ベース演出)のデータが用意されている。この元となる表示演出(ベース演出)は、表示期間が45秒間で構成されており、この元となる表示演出(ベース演出)の最初から、または途中から演出を実行することにより、対応する演出期間の発展演出を実行可能に構成されている。即ち、発展演出は、演出期間毎に別個の演出が用意されているのではなく、1のベース演出のデータを用いて各表示期間の発展演出のデータを生成する構成としている。このように構成することで、発展演出を実行するためのデータを削減することができるので、パチンコ機10の記憶容量を削減することができる。
図8(b)に示した通り、ベース演出の最初の3秒間は、キャラクタ811がズーム表示された表示態様となる。そして、次の3秒間で、キャラクタ811が怪獣812に対して攻撃を行う演出が実行される。次いで、敵である怪獣812がズーム表示された表示態様が3秒間表示され、その後、怪獣812がキャラクタ811に対して攻撃を行う表示態様が3秒間に渡って表示される。その後、キャラクタ811の顔と、怪獣812の顔とがズーム表示される表示態様を3秒間に渡って表示させた後、キャラクタ811と怪獣812とが互いに激しく攻防を繰り広げる演出、および当該バトルの勝敗(結果)を報知する演出が30秒間に渡って表示される。このように、ベース演出は、大きく分けて、3秒間の表示態様5つと、30秒間の表示態様1つとに区切って構成されている。これらのいずれかの表示態様の区切り位置から表示演出を開始させることにより、発展演出を違和感なく表示させることができる。
より具体的には、図8(b)に示した通り、当たり、及び外れ発展演出Aを実行する場合には、ベース演出における15秒経過時以降の30秒間の表示態様を表示させることにより、演出期間が30秒の発展演出を実行する。同様に、当たり、及び外れ発展演出Bを実行する場合には、ベース演出における12秒経過時以降の33秒間の表示態様を表示させ、当たり、及び外れ発展演出Cを実行する場合には、ベース演出における9秒経過時以降の36秒間の表示態様を表示させる。また、当たり、及び外れ発展演出Dを実行する場合には、ベース演出における6秒経過時以降の39秒間の表示態様を表示させ、当たり、及び外れ発展演出Eを実行する場合には、ベース演出における3秒経過時以降の42秒間の表示態様を表示させる。一方、当たり、及び外れ発展演出Fを実行する場合には、ベース演出を最初から最後まで表示させることにより、45秒間の発展演出を実行する。
なお、ベース演出は、上述した怪獣812とバトルする態様のもの以外にも、複数の表示演出が用意されている。いずれの表示演出を元にして発展演出を実行するかについては、抽選により決定される。また、元となる各表示演出には、大当たり用の態様と、外れ用の態様とがそれぞれ用意されている。
また、本第1実施形態では、ベース演出を、連続変身演出の実行後以外でも転用可能に構成している。即ち、リーチ状態が発生した後、連続変身演出を介さずに、直接、または他の予告演出を介して、ベース演出を実行することにより、大当たりとなるか否かを報知可能に構成している。これにより、ベース演出の汎用性を高めることができるので、演出を実行するために必要なデータを削減することができる。また、連続変身演出を介さずにベース演出を実行する場合にも、実行する変動表示の変動時間に合わせてベース演出の最初から、あるいは途中から演出を実行可能に構成されている。これにより、異なる変動時間の変動表示に対しても、ベース演出を用いた演出を実行することができる。
このように、本第1実施形態では、発展演出を表示させるためのベース演出を用意しておき、当該ベース演出に、演出の区切りが良い箇所を、発展演出の個数分だけ設定している。各区切り箇所は、残りの演出時間が各発展演出の演出時間に一致するように設定されている。これにより、各発展演出の演出時間に渡る、自然な見た目の表示演出を提供することができる。また、元となる1の演出態様から複数の演出時間が異なる発展演出を実行可能に構成することにより、発展演出の種別(演出時間)毎に、別々の演出データを用意する場合に比較して、各発展演出を表示させるために必要なデータを削減することができる。よって、パチンコ機10の記憶容量を削減することができる。
なお、本第1実施形態では、ベース演出を元にして、演出時間が異なる複数の発展演出を実行可能に構成していたが、これに限られるものではない。発展演出の演出時間に応じて、表示態様が全く異なる表示演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、発展演出を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図9(a),(b)を参照して、表示演出として連続変身演出が設定された場合における表示態様の経時変化について具体的に説明する。図9(a),(b)では、変身の上限回数が3回の連続変身演出が設定された場合を例にとって説明を行う。まず、図9(a)は、連続変身演出の実行中に枠ボタン22を遊技者が一度も押下しなかった場合における演出態様の計時変化を示した図である。
図9(a)に示した通り、連続変身演出は、変動時間が60秒の変動演出(スーパーリーチ)の実行期間中に設定される。この連続変身演出が設定された変動表示において、変動開始から10秒間の間は、主表示領域Dmにおいて第3図柄の変動表示が実行される(図4(b)参照)。そして、変動開始から10秒が経過した時点で、リーチ状態が発生すると共に、連続変身演出に発展することを遊技者に示唆する変身発展態様(図5(a)参照)が1秒間に渡って表示される。
変身発展演出の表示期間が経過すると、1回目の変身に対応する操作有効期間が設定される。枠ボタン22を遊技者が押下しない場合、この操作有効期間は5秒間に渡って(変動開始から16秒経過時まで)継続する。そして、操作有効期間が経過したことを契機として、1回目の成功報知態様が表示される。この成功報知態様は1秒間の間継続し、1秒が経過した時点(変動開始から17秒の時点)で、成功報知態様が終了すると共に、2回目の変身に対応する操作有効期間が設定される。この2回目の操作有効期間も、枠ボタン22の押下がなければ5秒間(変動開始後17秒~22秒に渡って)継続する。そして、1秒間の成功報知態様が設定された後で、3回目の操作有効期間が設定される。この3回目の操作有効期間も、枠ボタン22の操作がなければ5秒間(変動開始後23秒~28秒に渡って)継続する。そして、操作有効期間が終了する変動開始後28秒(残りの変動時間が32秒)のタイミングで、残りの変動時間が少ない(残りの変動時間が下限値として設定されている38秒未満である)と判別されて、変身の上限回数に到達していなくても、1秒間の失敗報知態様が設定される。即ち、変身の上限回数として3回が設定されていたにも拘わらず、変身回数が2回で連続変身演出が終了する。
なお、成功報知態様を設定するのに十分な演出時間が残っているか否か判別するための条件は、後述する変身演出選択テーブル222b(図15(a)参照)によって規定されている。具体的には、最大(上限)の変身回数に応じて(即ち、連続変身演出の演出種別に応じて)、成功報知態様を設定可能な残りの変動時間の下限値(閾値)が規定されている。残りの変動時間が下限値を上回っている状態で操作有効期間が終了された場合は、変身の上限回数に到達していないことを条件として、成功報知態様を設定する。一方、残りの変動時間が下限値未満となってから操作有効期間が終了された場合には、変身の上限回数に到達しているか否かに拘らず、失敗報知態様を設定する。
次に、図9(b)を参照して、変身の上限回数が3回の連続変身演出が設定され、遊技者が操作有効期間において積極的に枠ボタン22を押下した場合の演出態様の経時変化について説明する。
図9(b)に示した通り、1回目の変身に対応する操作有効期間において、1秒経過時点(変動開始から12秒時点)で遊技者の枠ボタン22に対する押下を検出した場合には、操作有効期間が打ち切られて、1回目の成功報知態様が表示される。成功報知態様の表示期間である1秒が経過すると、2回目の変身に対応する操作有効期間が設定される(変動開始から13秒時点)。この2回目の操作有効期間において、1秒が経過した時点(変動開始から14秒時点)で再度、枠ボタン22に対する押下を検出した場合には、同様に操作有効期間が打ち切られて、2回目の成功報知態様が表示される。そして、成功報知態様の表示期間である1秒間が経過すると(変動開始から15秒時点)、3回目の操作有効期間が設定される。この3回目の操作有効期間が開始されてから2秒間が経過した時点(変動開始から17秒時点)で枠ボタン22に対する押下を検出した場合には、残りの変動時間が十分に(43秒間)残っているので、3回目の成功報知態様を表示させる。その後、3回目の成功報知態様の表示期間が経過したことを契機として、4回目の操作有効期間が設定される。この4回目の操作有効期間において、2秒が経過した時点(変動開始から20秒時点)で再度、枠ボタン22に対する押下を検出した場合には、既に今回の連続変身演出の上限の変身回数を実行済みであるため、失敗報知態様が設定される。
失敗報知態様(および失敗報知態様後の移行演出)の表示期間は、残りの変動時間である40秒間と、移行演出後に実行される発展演出の演出時間との差分に基づいて決定される。上述した通り、発展演出の種別は、残りの変動時間を超えない範囲で最も長い演出時間の種別が選択される。残りの変動時間が40秒の場合、失敗報知態様および移行演出の最短の表示期間である2秒間を加味すると、最長で38秒間を発展演出に用いることができる。しかしながら、上述した通り、発展演出の演出時間としては、30秒間、33秒間、36秒間、39秒間、42秒間、45秒間の6通りのみが用意されている。よって、38秒間よりも演出期間が短い36秒間の発展演出(発展演出C)が、今回の発展演出として設定される。そして、残りの変動時間である40秒と、発展演出Cの演出期間である36秒との差分の4秒間が、失敗報知態様、および移行演出の表示期間に設定される。具体的には、4秒間を等分して、失敗報知態様の表示期間、及び移行演出の表示期間としてそれぞれ2秒間が設定される。
このように、残りの変動時間と、発展演出の演出時間との差分を、失敗報知態様の表示期間と、移行演出の演出期間とにより吸収する構成とすることで、発展演出の演出時間のバリエーションが少なくても、変動停止のタイミングと発展演出の終了タイミングとを確実に一致させることができる。これにより、発展演出の演出時間のバリエーションを少なくすることができるので、発展演出を表示させるための各種データの容量を削減することができる。また、失敗報知態様、および移行演出の表示期間を、残りの変動時間に応じて動的に可変させることにより、発展演出の開始時点における残りの変動時間と、発展演出の演出時間とに齟齬が生じてしまうことを抑制することができる。即ち、残りの変動時間の方が長くなることで、発展演出が終了したにも拘わらず第3図柄の変動が停止しなかったり、逆に、発展演出の演出期間の方が長くなることで、第3図柄の変動が終了した時点で発展演出が終了しないという事態が生じてしまうことを防止することができる。従って、発展演出の終了タイミングと、第3図柄の変動表示の終了タイミングとを一致させることができるので、違和感の無い表示演出を提供することができる。
図9(b)に示した通り、残りの変動時間が40秒の状態で失敗報知態様の開始タイミングとなった場合は、失敗報知態様、および移行演出の表示時間として各2秒間が設定される。そして、移行演出の終了後は、演出時間が36秒の発展演出Cが実行される。これにより、第3図柄の変動が停止されるタイミング(変動開始から60秒が経過したタイミング)と、発展演出の終了タイミングとを丁度一致させることができる。
このように、遊技者が操作有効期間において枠ボタン22を積極的に押下することで、操作有効期間を短縮し、より多くの成功報知態様を表示させることができる。即ち、連続変身演出において、設定されている上限の変身回数まで変身を行わせ易くなるので、変身回数から演出の期待度をより正確に予測させることができる。よって、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を押下させることができるので、連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。また、連続変身演出に参加しない(枠ボタン22を押下しない)遊技者が本パチンコ機10で遊技を行った場合には、本来は期待度が高い(変身の上限回数が多い)連続変身演出の場合にも、比較的少ない変身回数で連続変身演出の演出期間が経過してしまうことになる。これにより、少ない変身回数となる場合として、上限回数が多い(即ち、大当たりの期待度が高い)連続変身演出であるにもかかわらず演出期間が経過することにより少ない変身回数で終了してしまうケースを発生させることができる。これにより、少ない変身回数で連続変身演出が終了した場合でも、大当たりに対する期待感を高めることができる。
なお、本実施形態では、失敗報知態様の表示時間と、移行演出の表示時間とを可変させることにより、残りの変動時間と、発展演出の演出時間とのギャップを吸収可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、失敗報知態様の演出期間は固定とし、移行演出の表示時間のみを可変させる構成としてもよいし、逆に、失敗報知態様の演出期間のみを可変させる構成としてもよい。また、失敗報知態様、および移行演出の表示期間は固定とし、発展演出の一部の演出期間(例えば、第3図柄が確定表示されている期間等)を可変させる構成としてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物64aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図10参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図11,12を参照して説明する。図11(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図11(b))は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図11(b)の202b1参照)。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図11(b)の202b2参照)。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図11(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~28」が規定されている(図11(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図11(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図12参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図13を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図22参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図30参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図22参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、特別図柄の確変状態である場合には、特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~9」のいずれであるか判別されて、「0~9」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0~399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「0~9」の10個なので、特別図柄の確変中に特別図柄の大当たりとなる確率は、1/40(10/400)となる。また、特別図柄の低確率状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「200」であるか判別されて、「200」であれば大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0~399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「200」の1個のみなので、特別図柄の低確率状態おいてに特別図柄の大当たりとなる確率は、1/400となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図11(b)を参照して上述したように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~49」であった場合の大当たり種別は「大当たりA」となる(図11(b)の202b1参照)。また、値が「50~99」であった場合の大当たり種別は「大当たりB」となる(図11(c)の202b2参照)。このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90~97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0~89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90~97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80~97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図30参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図12参照)は、上述した通り、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図12(a)~(d)を参照して変動パターン選択テーブル202dの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202dは、図12(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図12(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図12(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図12(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図12(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図12(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0~50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51~179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180~198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図12(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0~79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80~99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0~98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99~198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0~149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150~197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図12(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0~89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90~99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図13に戻って説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図11(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図11(c)を参照して上述した通り、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5~28」となっている(図11(c)の202c1参照)。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」に設定しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5~204」となっている(図11(c)の202c2参照)。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図10に戻り、説明を続ける。RAM203は、図13に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図30参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図29参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図10に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fとを少なくとも有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1~C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1~C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1~C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図25のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図23のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図23のS206、図25のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図27のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図26のS505参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図27のS605)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図27のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期状態がオフに設定されており、特別図柄の大当たりAの終了時にオンに設定される(図31のS1014参照)。一方、特別図柄の抽選において大当たりとなった場合には、その大当たりの開始を設定する際にオフに設定される(図23のS213参照)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図24参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203eが参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203eの状態がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図24のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、大当たりBとなる度に、その大当たりBの終了時に値が100にセットされる(図31のS1013参照)。また、大当たり種別に関わらず、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合は、その大当たりの開始を設定する中で値が0に設定される。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値、および確変フラグ203eの状態が参照され、時短中カウンタ203fの値が1以上であるか、確変フラグ203eの状態がオンであれば、普通図柄の時短中と判別される。この場合、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS509参照)。一方、時短中カウンタ203fの値が0であり、且つ、確変フラグ203eの状態がオフであれば、普通図柄の通常状態と判別されて、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS510参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物64aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図14、及び図15を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の詳細について説明する。まず、図14(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図14(a)に示した通り、ROM222には、変動パターンテーブル222aと、変身演出選択テーブル222bと、発展演出態様選択テーブル222cとが少なくとも設けられている。
変動パターンテーブル222aは、主制御装置110において変動パターン選択テーブル202dを参照して選択された変動演出の大まかな表示態様(変動時間)に基づき、変動演出の詳細な表示態様を特定するために用いられる。より具体的には、主制御装置110により選択された表示態様を通知するための変動パターンコマンドを受信した場合に、変動パターンテーブル222aに規定されている変動パターンの中から1の変動パターン(変動演出の詳細な表示態様)を抽出(特定)する(図42のS5003参照)。この変動パターンテーブル222aに規定された変動パターンのうち、少なくとも変動時間が60秒のスーパーリーチに対応する変動パターンには、上述した連続変身演出(図5~7参照)を実行するか否かを示す情報も含まれている。
変身演出選択テーブル222bは、変動パターンテーブル222aから、連続変身演出を伴う変動パターンが選択された場合に、当該連続変身演出の演出態様を決定するために参照されるデータテーブルである。この変身演出選択テーブル222bの詳細について、図15(a)を参照して説明する。
図15(a)は、変身演出選択テーブル222bの規定内容を示した図である。図15(a)に示した通り、この変身演出選択テーブル222bは、変動パターンの種別(当否)、およびRAM223に設けられた演出カウンタ223nの値毎に、連続変身演出の演出態様が規定されている。図15(a)に示した通り、連続変身演出の演出態様には、連続変身演出A~Eの5種類が設定されている。
連続変身演出Aは、変身(成功報知態様)の最大(上限)回数が1回の連続変身演出であり、変身が可能な残変動時間の下限値は設定されていない。このため、連続変身演出Aが実行されると、遊技者が操作有効期間中に枠ボタン22を押下したか否かとは無関係に、成功報知態様が1回表示された後で、失敗報知態様が表示される。なお、図15(a)に示した通り、連続変身演出Aは、当たりスーパーリーチの場合で、且つ、演出カウンタ223nの値が「0」であった場合にのみ、選択される可能性がある。即ち、最大の変身回数が1回であれば、当該連続変身演出Aが設定された変動表示で大当たりとなることが確定する。上述した通り、連続変身演出では、基本的に変身回数(成功報知態様の表示回数)が多くなるほどに大当たりの期待度が高くなるが、連続変身演出Aの場合(最大回数が1回の場合)のみ、例外的に大当たりが確定する構成としている。これにより、意外性のある演出を提供することができる。
連続変身演出Bは、変身(成功報知態様)の最大(上限)回数が2回の連続変身演出であり、当たりスーパーリーチでは、演出カウンタ223nの値が「1~19」の範囲だった場合に選択される。一方、外れスーパーリーチの場合には、演出カウンタ223nの値が「0~44」の範囲だった場合に選択される。演出カウンタ223nは、「0~99」の範囲で更新されるループカウンタであるので、連続変身演出Bは、連続変身演出が決定された当たりスーパーリーチの場合の19%(19/100)の割合で決定される一方、連続変身演出が決定された外れスーパーリーチの場合の45%(45/100)の割合で決定される。このため、外れスーパーリーチの方が、連続変身演出Bが決定される割合が高くなる(大当たりの期待度が低い)。
また、連続変身演出Bでは、変身が可能な残変動時間の下限値が41秒に設定される。ここで、連続変身演出の1回目の操作有効期間が開始するのは、残変動時間が49秒の時点(変動開始から11秒経過時点、図9(a),(b)参照)である。よって、連続変身演出の1回目の操作有効期間が設定されてから、2回目の操作有効期間が終了するまでの期間を8秒(49秒-41秒)以内に抑えなければ、成功報知態様の表示回数が1回止まりとなってしまう。即ち、枠ボタン22を押下することで1回目、および2回目に設定される操作有効期間を途中で打ち切らなければ、2回目の操作有効期間の途中で変身が可能な残変動時間の下限値を下回ることとなる。これにより、積極的に枠ボタン22を押下することで操作有効期間を打ち切らなければ、連続変身演出Aが設定されたことにより変身回数が1回となったのか、連続変身演出Bが設定されて変身回数が1回となったのかを見分けることが遊技者にとって不可能となる。上述した通り、連続変身演出Aは、大当たりが確定する演出である一方で、連続変身演出Bは、大当たりの期待度が低い演出である。よって、連続変身演出Aであるか、連続変身演出Bであるかを見分けることで、大当たりの期待度を正確に知ることができるので、操作有効期間において、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
連続変身演出Cは、変身(成功報知態様)の最大(上限)回数が3回の連続変身演出であり、当たりスーパーリーチでは、演出カウンタ223nの値が「20~44」の範囲だった場合に選択される。一方、外れスーパーリーチの場合には、演出カウンタ223nの値が「45~89」の範囲だった場合に選択される。よって、連続変身演出Cは、連続変身演出が決定された当たりスーパーリーチの場合の25%(25/100)の割合で決定される一方、連続変身演出が決定された外れスーパーリーチの場合の45%(45/100)の割合で決定される。このため、外れスーパーリーチの方が、連続変身演出Cが決定される割合が高くなる(大当たりの期待度が低い)。また、連続変身演出Bに比べると、当たりスーパーリーチの場合に決定される割合が高くなっているので、連続変身演出Bに比べると連続変身演出Cの方が大当たりとなる期待度が高くなる。
また、連続変身演出Cでは、変身が可能な残変動時間の下限値が38秒に設定される。よって、連続変身演出の1回目の操作有効期間が設定されてから、3回目の操作有効期間が終了するまでの期間を11秒(49秒-38秒)以内に抑えなければ、成功報知態様の表示回数が2回止まりとなってしまう。枠ボタン22に対する押下を行わず、各操作有効期間を満了させた場合には、11秒経過時点で丁度、2回目の操作有効期間が終了するためである(1回目の操作有効期間5秒+1回目の成功報知態様1秒+2回目の操作有効期間5秒)。これにより、積極的に枠ボタン22を押下することで操作有効期間を打ち切らなければ、連続変身演出Cであるか、後述の連続変身演出Cよりも大当たり期待度が高い連続変身演出D,Eであるのかを見分けることが遊技者にとって不可能となる。よって、変身回数(成功報知態様の表示回数)から、今回の変動表示の期待度を正確に予測したいと考える遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
連続変身演出Dは、変身(成功報知態様)の最大(上限)回数が4回の連続変身演出であり、当たりスーパーリーチでは、演出カウンタ223nの値が「45~79」の範囲だった場合に選択される。一方、外れスーパーリーチの場合には、演出カウンタ223nの値が「90~98」の範囲だった場合に選択される。よって、連続変身演出Dは、連続変身演出が決定された当たりスーパーリーチの場合の35%(35/100)の割合で決定される一方、連続変身演出が決定された外れスーパーリーチの場合の9%(9/100)の割合で決定される。このため、当たりスーパーリーチの方が、連続変身演出Dが決定される割合が高くなる(大当たりの期待度が高い)。また、連続変身演出B,Cに比べると、当たりスーパーリーチの場合に決定される割合が高くなり、且つ、外れスーパーリーチの場合に決定される割合が低くなっているので、連続変身演出B,Cに比べると大当たりとなる期待度が高くなる。
また、連続変身演出Dでは、変身が可能な残変動時間の下限値が連続変身演出Cと同一の38秒に設定される。よって、連続変身演出の1回目の操作有効期間が設定されてから、3回目の操作有効期間が終了するまでの期間を11秒(49秒-38秒)以内に抑えなければ、成功報知態様の表示回数が2回止まりとなってしまう。また、3回目の操作有効期間が終了するまでの期間を11秒以内に抑えられたとしても、4回目の操作有効期間が終了するまでの期間が11秒を超えてしまった場合、成功報知態様の表示回数が3回止まりとなってしまう。これにより、積極的に枠ボタン22を押下することで操作有効期間を打ち切らなければ、連続変身演出C~Eの何れであるのかを見分けることが遊技者にとって不可能(困難)となる。よって、変身回数(成功報知態様の表示回数)から、今回の変動表示の期待度を正確に予測したいと考える遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
連続変身演出Eは、変身(成功報知態様)の最大(上限)回数が5回の連続変身演出であり、当たりスーパーリーチでは、演出カウンタ223nの値が「80~99」の範囲だった場合に選択される。一方、外れスーパーリーチの場合には、演出カウンタ223nの値が「99」の場合にのみ選択される。よって、連続変身演出Eは、連続変身演出が決定された当たりスーパーリーチの場合の20%(20/100)の割合で決定される一方、連続変身演出が決定された外れスーパーリーチの場合の1%(1/100)の割合で決定される。このため、当たりスーパーリーチの方が、連続変身演出Eが決定される割合が高くなる(大当たりの期待度が高い)。また、外れスーパーリーチの場合に決定される割合が、連続変身演出B~Dに比較して極端に低いので、連続変身演出B~Dに比べて大当たりとなる期待度が高くなる。
この連続変身演出Eは、連続変身演出の演出種別の中で最も多くの回数の変身が実行され得る種別である。連続変身演出Eにおいて、5回の変身に成功した場合には、その後に失敗報知態様が表示されることはなく、5回目の成功報知態様の表示期間が経過した後で直接移行演出(図8(a)参照)が開始される。
また、連続変身演出Eでは、変身が可能な残変動時間の下限値が連続変身演出C,Dと同一の38秒に設定される。よって、連続変身演出の1回目の操作有効期間が設定されてから、3回目の操作有効期間が終了するまでの期間を11秒(49秒-38秒)以内に抑えなければ、成功報知態様の表示回数が2回止まりとなってしまう。また、3回目の操作有効期間が終了するまでの期間を11秒以内に抑えられたとしても、4回目の操作有効期間が終了するまでの期間が11秒を超えてしまった場合、成功報知態様の表示回数が3回止まりとなってしまう。更に、4回目までの操作有効期間の終了タイミングを11秒以内に抑えられたとしても、5回目の操作有効期間の終了タイミングが11秒を超えてしまった場合、成功報知態様の表示回数が4回止まりとなってしまう。これにより、積極的に枠ボタン22を押下することで操作有効期間を打ち切らなければ、連続変身演出C~Eの何れであるのかを見分けることが遊技者にとって不可能(困難)となる。よって、変身回数(成功報知態様の表示回数)から、今回の変動表示の期待度を正確に予測したいと考える遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
このように、本実施形態の連続変身演出には、5種類の演出種別が設けられている。各演出種別は、変身の上限回数が異なって構成されており、キャラクタ811が変身した回数(成功報知態様の表示回数)で大当たり期待度を示唆可能に構成されている。また、連続変身演出B~Eに関しては、遊技者が操作有効期間の間に積極的に枠ボタン22を押下して操作有効期間を打ち切らなければ、上限回数の変身を表示させることができないように構成されている。これにより、連続変身演出の期待度を正確に知りたいと希望する遊技者に対して、操作有効期間の間に積極的に枠ボタン22を押下させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
また、連続変身演出に参加しない(枠ボタン22を押下しない)遊技者が本パチンコ機10で遊技を行った場合には、本来は期待度が高い(変身の上限回数が多い)連続変身演出の場合にも、比較的少ない変身回数で連続変身演出の演出期間が経過してしまうことになる。これにより、少ない変身回数となる場合として、上限回数が多い(即ち、大当たりの期待度が高い)連続変身演出であるにもかかわらず演出期間が経過することにより少ない変身回数で終了してしまうケースを発生させることができる。よって、少ない変身回数で連続変身演出が終了した場合でも、大当たりに対する期待感を高めることができる。
図14(a)に戻って説明を続ける。発展演出態様選択テーブル222cは、発展演出の演出態様が規定されたデータテーブルである。この発展演出態様選択テーブル222cは、連続変身演出における最後の操作有効期間が終了した場合に参照され、残りの変動時間に基づいて発展演出の態様を決定するために用いられる。この発展演出態様選択テーブル222cの詳細について、図15(b)を参照して説明する。
図15(b)は、発展演出態様選択テーブル222cの規定内容を示した図である。図15(b)に示した通り、この発展演出態様選択テーブル222cには、残りの変動時間(残変動時間T)、および今回の変動表示の種別(外れスーパーリーチであるか、当たりスーパーリーチであるか)毎に、選択すべき発展演出の演出種別が規定されている。
具体的には、最後の操作有効期間の終了時点において、残変動時間Tが、32秒≦T<35秒の範囲であれば、演出時間が30秒間の発展演出が選択される。即ち、今回の変動表示が当たりスーパーリーチであれば、演出時間が30秒間の当たり発展演出Aが選択され、外れスーパーリーチであれば、演出時間が30秒間の外れ発展演出Aが選択される。
また、残変動時間Tが、35秒≦T<38秒の範囲であり、今回の変動表示が当たりスーパーリーチであれば、演出時間が33秒の当たり発展演出Bが選択され、外れスーパーリーチであれば、演出時間が33秒の外れ発展演出Bが選択される。残変動時間Tが、38秒≦T<41秒の範囲であり、今回の変動表示が当たりスーパーリーチであれば、演出時間が36秒の当たり発展演出Cが選択され、外れスーパーリーチであれば、演出時間が36秒の外れ発展演出Cが選択される。
同様に、残変動時間Tが、41秒≦T<44秒の範囲であり、今回の変動表示が当たりスーパーリーチであれば、演出時間が39秒の当たり発展演出Dが選択され、外れスーパーリーチであれば、演出時間が39秒の外れ発展演出Dが選択される。残変動時間Tが、44秒≦T<47秒の範囲であり、今回の変動表示が当たりスーパーリーチであれば、演出時間が42秒の当たり発展演出Eが選択され、外れスーパーリーチであれば、演出時間が42秒の外れ発展演出Eが選択される。残変動時間Tが、47秒≦T<48秒の範囲であり、今回の変動表示が当たりスーパーリーチであれば、演出時間が45秒の当たり発展演出Fが選択され、外れスーパーリーチであれば、演出時間が45秒の外れ発展演出Fが選択される。
なお、上述した通り、変動表示の終了タイミングと、発展演出の終了タイミングとがずれてしまうことを防止するために、残変動時間Tと、発展演出態様選択テーブル222cから選択した発展演出の演出時間との差分に応じて、失敗報知態様の表示時間と、移行演出の表示時間とを可変させる構成としている。これにより、残変動時間Tの長さに関係なく、発展演出の終了タイミングを変動表示の終了タイミングに一致させることができる。よって、遊技者にとって違和感の無い演出を提供することができる。
次に、図14(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の詳細について説明する。図14(b)は、RAM223の規定内容を示したブロック図である。
図14(b)に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、有効期間フラグ223eと、有効期間タイマ223fと、変身回数カウンタ223gと、変身演出中フラグ223hと、成功報知態様タイマ223iと、失敗報知態様タイマ223jと、移行演出時間タイマ223kと、発展演出格納エリア223mと、演出カウンタ223nとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞を検出した場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図41のS4908参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図41のS4902参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図42のS5002参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図33のS4002参照)の中で、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図41のS4905参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図42のS5009参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が設定される(図42のS5011参照)。
有効期間フラグ223eは、連続変身演出における操作有効期間の期間内であるか否かを示すフラグである。この有効期間フラグ223eがオンであれば、操作有効期間中であることを意味し、オフであれば、操作有効期間ではないことを意味する。この有効期間フラグ223eは、連続変身演出の開始タイミングになったと判別された場合にオンに設定される(図37の(a)のS4403参照)。また、成功報知態様の表示期間が経過し、且つ、成功報知態様の表示回数(変身回数)が5未満であると判別された場合にもオンに設定される(図38のS4605参照)。一方、操作有効期間の間に枠ボタン22に対する押下を検出した場合、及び、枠ボタン22の押下を検出することなく、操作有効期間として設定された5秒間が経過した場合にオフに設定される(図35のS4201参照)。この有効期間フラグ223eがオンの間は、枠ボタン22に対する押下(操作)を有効として取り扱う。即ち、有効期間フラグ223eがオンの状態で枠ボタン22が押下された場合には、成功報知態様、または失敗報知態様を表示させるための変身設定処理(図35参照)が実行される。
有効期間タイマ223fは、連続変身演出における操作有効期間の残り時間をカウントするためのタイマである。有効期間の開始条件が成立した場合(連続変身演出の開始タイミングとなるか、成功報知態様の終了タイミングとなった場合)に、この有効期間タイマ223fに対して5秒に対応するタイマ値(5000)が設定される(図37のS4403、図38のS4605参照)。この有効期間タイマ223fのタイマ値が1以上の場合には、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理の中で、1ミリ秒毎に実行される有効期間中処理(図37(b)参照)により、値が1ずつ減算(更新)される。この有効期間タイマ223fの値によって、操作有効期間が経過したか否か判別され、操作有効期間が経過したと判別された場合には、成功報知態様、または失敗報知態様を表示させるための変身設定処理(図35参照)が実行される。
変身回数カウンタ223gは、1の連続変身演出において成功報知態様(図6、図7(a)参照)が表示された(キャラクタ811が変身に成功した)回数をカウントするためのカウンタである。この変身回数カウンタ223gのカウンタ値は、成功報知態様の表示が決定される毎に1ずつ加算(更新)される。本第1実施形態における連続変身演出では、この変身回数カウンタ223gの値が、連続変身演出の演出種別毎に定められている上限値(図15(a)参照)となった否かによって、変身の上限回数に到達したか否かが判別される(図35のS4203参照)。上述した通り、変身の上限回数分の成功報知態様が表示され、その後に操作有効期間が終了した場合は、終了時点で残変動時間の下限値に到達しているか否かに拘らず、失敗報知態様が表示される。これにより、連続変身演出の各演出種別における変身の最大(上限)回数に差をつけることができるので、最大(上限)の変身回数によって大当たりとなる期待度を示唆することができる。
変身演出中フラグ223hは、連続変身演出の実行中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば連続変身演出の実行中であることを意味し、オフであれば連続変身演出の実行中でないことを意味する。ここで、連続変身演出の実行中とは、変身発展態様の終了(1回目の操作有効期間の開始)タイミングから、移行演出の終了(発展演出の開始)タイミングまでの間を意味する。この変身演出中フラグ223hは、連続変身演出の実行が決定された変動表示において、変身演出の開始タイミングである変動開始から11秒経過時点になったと判別された場合に、オンに設定される(図37のS4404参照)。一方、この変身演出中フラグ223hは、移行演出の表示期間が経過したと判別された場合にオフに設定される(図40のS4804参照)。
成功報知態様タイマ223iは、成功報知態様の表示時間を計時するためのタイマである。成功報知態様の表示条件が成立した場合は、この成功報知態様タイマ223iに対して、成功報知態様の表示期間に対応するタイマ値が設定される。なお、成功報知態様が表示される条件は、上述した通り、成功報知態様の表示回数が、連続変身演出の演出種別毎に定められた上限回数未満であり、且つ、操作有効期間の終了時点の残変動時間が、連続変身演出の種別毎に定められた下限時間以上となっていることである。この成功報知態様タイマ223iは、成功報知態様の表示タイミングになったと判別された場合に、1秒間に対応するタイマ値(1000)が設定される(図35のS4212)。そして、メイン処理の演出更新処理(図33のS4012参照)において、1ミリ秒毎に実行される成功報知態様中処理の中で値が1ずつ減算(更新)される(図38のS4601参照)。
失敗報知態様タイマ223jは、失敗報知態様の表示時間を計時するためのタイマである。失敗報知態様の表示条件が成立した場合は、この失敗報知態様タイマ223jに対して、失敗報知態様の表示期間に対応するタイマ値が設定される。なお、失敗報知態様が表示される条件は、上述した通り、成功報知態様の表示回数が、連続変身演出の演出種別毎に定められた上限回数以上となっているか、又は、操作有効期間の終了時点の残変動時間が、連続変身演出の種別毎に定められた下限時間未満となっていることである。この失敗報知態様タイマ223jは、失敗報知態様の表示タイミングになったと判別され、発展演出の演出態様が選択された場合に、残りの変動時間と、発展演出の演出時間とに応じた表示時間に対応するタイマ値が設定される(図35のS4208参照)。そして、メイン処理の演出更新処理(図33のS4012参照)において、1ミリ秒毎に実行される失敗報知態様中処理の中で値が1ずつ減算(更新)される(図39のS4701参照)。
移行演出時間タイマ223kは、移行演出の表示時間を計時するためのタイマである。移行演出の表示条件が成立した場合は、この移行演出時間タイマ223kに対して、移行演出の表示期間に対応するタイマ値が設定される。なお、移行演出は、失敗報知態様の表示時間が経過するか、または、連続変身演出Eにおいて5回目の成功報知態様の表示時間が経過した場合に表示が開始される。この移行演出時間タイマ223kは、移行演出の開始時に、残りの変動時間と、移行演出後に実行する発展演出の演出時間との差分時間に対応するタイマ値が設定される(図38のS4610、図39のS4704参照)。そして、メイン処理の演出更新処理(図33のS4012参照)において、1ミリ秒毎に実行される移行演出中処理の中で値が1ずつ減算(更新)される(図40のS4801参照)。
発展演出格納エリア223mは、発展演出の種別を示す情報を格納するための記憶領域である。この発展演出格納エリア223mには、連続変身演出の最後の操作有効期間が終了したことに基づいて、残りの変動時間に応じて発展演出態様選択テーブル222c(図15(b)参照)から発展演出の演出態様が選択された場合に、当該演出態様に対応するデータが格納される。移行演出の開始時には、この発展演出格納エリア223mに記憶されたデータから発展演出の態様(演出時間)を判別して、残りの変動時間と発展演出の演出時間との差分時間が移行演出の表示時間として設定される。また、移行演出の終了時には、この発展演出格納エリア223mに記憶されたデータに基づいて、開始させる発展演出の種別を特定する。
なお、発展演出の種別に対応するデータは、例えば4ビットのデータで構成され、例えば、1~3ビット目が変動時間を示すデータ、4ビット目が当否を示すデータを格納するエリアとして用いられる。具体的には、1~3ビット目が「001B」であれば、演出時間が30秒の発展演出を示し、「010B」であれば演出時間が33秒の発展演出を示し、「011B」であれば、演出時間が36秒の発展演出を示す。また、「100B」であれば、演出時間が39秒の発展演出を示し、「101B」であれば演出時間が42秒の発展演出を示し、「111B」であれば、演出時間が36秒の発展演出を示す。そして、最上位ビット(4ビット目)が1(ハイ)であれば、当たりに対応する発展演出であることを意味し、最上位ビット(4ビット目)が0(ロー)であれば、外れに対応する発展演出であることを意味する。よって、例えば、発展演出格納エリア223mに「1010B」というデータが格納されていれば、今回の発展演出が、33秒の演出時間で当たりとなる発展演出(即ち、当たり発展演出B)であることを意味する。
演出カウンタ223nは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223nは、0から99の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図33参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。なお、演出カウンタ223nは、演出の種別毎に別々のカウンタを有している。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図41参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図16を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図28参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図16を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図16は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型フラッシュメモリ234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型フラッシュメモリ234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型フラッシュメモリ234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型フラッシュメモリ234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型フラッシュメモリ234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型フラッシュメモリ234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型フラッシュメモリ234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型フラッシュメモリ234dは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型フラッシュメモリ234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図43のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図43のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型フラッシュメモリ234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型フラッシュメモリ234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図21参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図45(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図43のS6003,S6004参照)。
ここで、図17を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図17は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図17(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図17(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図17(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図17(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図17(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図17(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図18を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図18は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図18(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図18(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図18に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図18(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである砂浜ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される砂浜ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、深海ステージに対応する背面Bは、図18(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図16参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を模した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、魚のキャラクタ311、女性のキャラクタ312、男性のキャラクタ313等の様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成されている。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知するための演出である。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が普通入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物64aが開放される機会も多くなるので、球が第1入球口64へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物64aが開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない副図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。また、各遊技メニュー画面に対応する表示データテーブルについてもこのデータテーブル格納エリア233bに格納されている。
ここで、図19を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図19は、表示データテーブルのうち、変動演出用の表示データテーブル(変動表示データテーブル)の一例を模式的に示した模式図である。変動表示データテーブル等の表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図19の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図21参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザーの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図20を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図20は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図20のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図20のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図20の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図17(a)~(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図43参照)の中でオンに設定される(図43のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図55(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図45(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図46~図51参照)および表示設定処理(図52~図54参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図55(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図55(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図56参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図45(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図52のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図21を参照して、描画リストの詳細について説明する。図21は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図21に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)、各種コメントの順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側(最背面の描画階層)に配置し、最後に描画したスプライトが最も前面側(最前面の描画階層)に配置することができるのである。なお、コメント表示機能がオンである場合に最も前面側(最前面の描画階層)に配置される画像は、コメントを構成する文字画像である。コメントを最も前面側(最前面の描画階層)に配置することにより、遊技者に対してコメントをより明瞭に視認させることができる。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図52のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図43のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図56参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図56のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図56のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図57のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図57のS7802参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図22から図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した場合に0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び始動入賞処理の詳細は、図23~図25を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図26および図27を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図23は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であると判別した場合は(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図24を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図24を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S211の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、確変フラグ203eをオフにリセットすると共に、時短中カウンタ203fの値を0にリセットして(S213)、大当たりの開始を設定する(S214)。S214の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図30参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203fの値が0より大きい値(1以上の値)であるかを判定し(S215)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S215:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S216)、処理をS217へと移行する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S215:No)、S216の処理をスキップして、処理をS217へと移行する。S217の処理では、特別図柄の変動停止を示す停止コマンドを設定して(S217)、本処理を終了する。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図24は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図22参照)の特別図柄変動処理(図23参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203eがオンであるかを判定する(S302)。確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。
確変フラグ203eがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0~9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「200」のみが設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が「200」に一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲にあれば、大当たりA(16R確変大当たり)であると判定し(図11(b)の202b1参照)、「50~99」の範囲にあれば、大当たりB(16R時短大当たり)であると判定する(図11(b)の202b2参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、上述した通り、変動パターン選択テーブル202d(図12参照)に規定されている。S307の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0~89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90~97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0~79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80~97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択テーブル202d(図12参照)の規定内容とを比較することにより、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。S309の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
S307の処理またはS309の処理が終了した後で実行されるS310の処理では、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図30参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図25は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球(入賞)を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入球(入賞)したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S408)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図26は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、現在が普通図柄の時短状態中であるかを判別する(S508)。具体的には、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるか、または、確変フラグ203eがオンの場合に普通図柄の時短状態であると判別し、時短中カウンタ203fの値が0、且つ、確変フラグ203eがオフであれば、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S508:Yes)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S509)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)の202c2参照)。
一方、S508の処理において、普通図柄の時短状態中ではないと判別した場合は(S508:No)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,29~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(c)の202c1参照)。
次に、S509またはS510の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S511)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S511:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S512)。このS512の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS514へと移行する。
一方、S511の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S511:No)、外れ時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S514の処理へ移行する。
S514の処理では、普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S514)、普通図柄の時短状態中であれば(S514:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S515)、本処理を終了する。一方、S514の処理において、普通図柄の通常状態であると判別した場合は(S514:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S516)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなるので、普通図柄の抽選頻度が高くなる。よって、普通図柄の抽選で当たりとなる頻度が高くなることにより、第1入球口64に付随する電動役物64aが開放され易くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S517)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S515の処理またはS516の処理によって予め設定された時間である。
S517の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S517:No)、本処理を終了する。一方、S517の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過したと判別した場合は(S517:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S518)。S518の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S512の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S518の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S512の処理またはS513の処理で設定された表示態様で、停止図柄(普通図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S519)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S519:Yes)、次に、現在が普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S520)、時短状態中であると判別した場合は(S520:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間、および開放回数として、「1秒間×2回」を設定し、S523の処理へと移行する。一方、S520の処理において、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別した場合は(S520:No)、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間、および開放回数として、「0.2秒間×1回」を設定し、S523の処理へと移行する。
S523の処理では、S521、又はS522の処理で設定された時間および開放回数の、電動役物64aの開閉制御開始を設定し(S523)、本処理を終了する。S523の処理によって、電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物64aの開閉制御が開始され、S521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物64aの開閉制御が継続される。一方、S519の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S519:No)、S520~S523の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図27は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定した場合は(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図28は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図29を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図29は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図30のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図30を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901~S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図22参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図23参照)や始動入賞処理(図25参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図25参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図31参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS523の処理によって電動役物64aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物64aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図24参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図24参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図24参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS515の処理またはS516の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS518の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図26参照)のS512の処理またはS513の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901~S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図28のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901~S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図29のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図31は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図30参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図23参照)のS214の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合は(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1010)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1009の処理において、エンディングの演出の開始タイミングでないと判定した場合は(S1009:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S1011)、エンディング演出の終了タイミングで内と判別した場合は(S1011:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1011:Yes)、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別する(S1012)。
S1012の処理において、大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判別した場合は(S1012:No)、時短中カウンタ203fの値に100を上書きすることにより、大当たり終了後に100回の普通図柄の時短期間が付与されるように設定して(S1013)、処理をS1015へと移行する。一方、S1012の処理において、今回の大当たりが大当たりAであると判別した場合は(S1012:Yes)、確変フラグ203eをオンとすることで、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるように設定し(S1014)、処理をS1015へと移行する。
S1013の処理、又はS1014の処理後に実行されるS1015の処理では、大当たりが終了した後の特別図柄の抽選状態(特別図柄の確変状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか)を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1015)、大当たりの終了を設定して(S1016)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図32から図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図32は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S3901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4018の電源断処理(図33参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3902)。図33を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図33のS4015:Yes参照)、S4018の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4017の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
S3902の処理において、電源断処理中フラグがオフであれば(S3902:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3903)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3906の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3903:Yes)、S3904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3903:No)、S3908へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3903:Yes)、S3904へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3903:No)、S3908へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S3902:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4018の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3904の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3904)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3905:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3906)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3905:No)、RAM223の異常を報知して(S3907)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3908の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3908)。電源断フラグはS4018の電源断処理の実行時にオンされる(図33のS4017参照)。つまり、電源断フラグは、S4018の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4018の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3908:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S3909)、RAM223の初期値を設定した後(S3910)、割込み許可を設定して(S3911)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS3908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3904からS3906の処理を経由してS3908の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3908:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3909をスキップして、処理をS3910へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S3910)、割込み許可を設定して(S3911)、メイン処理へ移行する。
なお、S3909のクリア処理をスキップするのは、S3904からS3906の処理を経由してS3908の処理へ至った場合には、S3904の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図33は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS4001の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S4001)、1m秒以上経過していなければ(S4001:No)、S4002~S4012の処理を行わずにS4013の処理へ移行する。S4001の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S4002~S4012が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4013のコマンド判定処理や、S4014の変動表示設定処理を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4013の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4014の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4001の処理で1m秒以上経過していれば(S4001:Yes)、まず、S4003~S4014の各処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを表示制御装置114に対して送信する(S4002)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4008の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4003)、その後、電源投入報知処理を実行する(S4004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4005の処理へ移行する。
S4005の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4006)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4007)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、枠ボタン22が押下されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を設定する処理である。即ち、連続変身演出の操作有効期間において枠ボタン22が押下された場合に、成功報知態様、または失敗報知態様を表示させるための処理である。この枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図34を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S4008)、その後音編集・出力処理を実行する(S4009)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4009の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S4010)、その後メニュー設定処理が実行される(S4011)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4008のランプ編集処理が実行される。なお、S4009の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。メニュー設定処理では、遊技メニュー画面が表示されている場合における遊技者の操作内容に応じた処理が実行される。
S4011の処理後は、変動表示の実行中において、残りの変動時間や各種タイマの値等に応じて演出態様を可変させるための演出更新処理を実行し(S4012)、処理をS4013へと移行する。なお、この演出更新処理(S4012)の詳細については、図36を参照して後述する。
S4013の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S4013)。このコマンド判定処理の詳細については、図41を参照して後述する。そして、コマンド判定処理が終了すると、変動表示設定処理が実行される(S4014)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図42を参照して後述する。
S4014の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4015)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4015の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4015:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4017)、電源断処理を実行する(S4018)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4019)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4015の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4015:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4016)、RAM223が破壊されていなければ(S4016:No)、S4001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4016:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4007)について説明する。図34は、この枠ボタン入力監視・演出処理を示すフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(図34参照)は、上述した通り、枠ボタン22の入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理(図34参照)では、まず、有効期間フラグ223eがオンであるか否かを判別し(S4101)、オフであれば(S4101:No)、操作有効期間ではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。操作有効期間でなければ、枠ボタン22の押下を検出したとしても、失敗報知態様、または成功報知態様を表示させる可能性がないためである。
一方、S4101の処理において、有効期間フラグ223eがオンであると判別された場合は(S4101:Yes)、現在が操作有効期間であることを意味するので、次に、枠ボタン22の押下を検出したか判別する(S4102)。S4102の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S4102:Yes)、成功報知態様、または失敗報知態様を設定するための変身設定処理を実行して(S4103)、本処理を終了する。この変身設定処理(S4103)の詳細については、図35を参照して後述する。一方、S4102の処理において、枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合は(S4102:No)、S4103の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図35を参照して、上述した変身設定処理(S4103)の詳細について説明する。この変身設定処理では、まず、有効期間フラグ223eをオフに設定すると共に、有効期間タイマ223fを0にリセットする(S4201)。これにより、連続変身演出における操作有効期間の終了を設定する。
S4201の処理が終了すると、次に、変身回数カウンタ223gの値を読み出して(S4202)、読み出した変身回数(成功報知態様の表示回数)が、今回実行している連続変身演出の変身の上限回数に一致しているか否かを判別する(S4203)。S4203の処理において、変身回数カウンタ223gの値が上限値に一致していると判別した場合は(S4203:Yes)、変動表示における残りの変動時間を特定し(S4204)、その特定した残りの変動時間(T)に対応する発展演出の演出態様を、発展演出態様選択テーブル222c(図15(b)参照)から選択する(S4205)。
S4205の処理が終了すると、選択した発展演出の演出態様に対応するデータを発展演出格納エリア223mに記憶し(S4206)、S4204の処理で特定した残りの変動時間と、S4205の処理で選択した発展演出の演出時間との差分から、今回の失敗報知態様の表示時間を算出する(S4207)。具体的には、残変動時間Tから発展演出の演出時間を減じた時間の半分の時間を失敗報知態様の表示時間として特定する。次に、特定した失敗報知態様の表示時間に対応するタイマ値を失敗報知態様タイマ223jに設定して(S4208)、本処理を終了する。
一方、S4203の処理において、変身回数カウンタ223gの値が上限回数未満であると判別した場合は(S4203:No)、残りの変動時間(T)が、成功報知態様を表示可能な期間内であるか(今回の演出種別に対応する下限値以上の値であるか)を判別する(S4209)。S4209の処理において、成功報知態様を表示可能と判別した場合は(S4209:Yes)、成功報知態様の表示を設定するためのS4210~S4212の各処理を実行する。即ち、変身回数カウンタ223gの値に1を加算して更新し(S4210)、変身回数カウンタ223gの値に応じた成功報知態様を設定し(S4211)、成功報知態様タイマ223iの値に1秒に対応するタイマ値を設定して(S4212)、本処理を終了する。
これに対し、S4209の処理において、成功報知態様を表示することができない(残変動時間Tが、変身演出選択テーブル222bに規定された下限値未満である)と判別した場合は(S4209:No)、失敗報知態様の表示を設定するための、上述したS4204~S4208の処理を実行して、本処理を終了する。
この変身設定処理(図35参照)により、演出種別毎に設定されている下限の残変動時間を下回らない範囲で枠ボタン22を押下することで、変身の上限回数を限度として、成功報知態様を表示させることができる。また、下限の残変動時間未満で枠ボタン22を押下した場合には、変身の上限回数に到達しているか否かに拘わらず、失敗報知態様を表示させることができる。これにより、遊技者に対して、下限の残変動時間を下回らない範囲でより多くの成功報知態様を表示させたいと思わせることができるので、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。よって、連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。また、連続変身演出に参加しない(枠ボタン22を押下しない)遊技者が本パチンコ機10で遊技を行った場合には、本来は期待度が高い(変身の上限回数が多い)連続変身演出の場合にも、比較的少ない変身回数で連続変身演出の演出期間が経過してしまうことになる。これにより、少ない変身回数となる場合として、上限回数が多い(即ち、大当たりの期待度が高い)連続変身演出であるにもかかわらず演出期間が経過することにより少ない変身回数で終了してしまうケースを発生させることができる。これにより、少ない変身回数で連続変身演出が終了した場合でも、大当たりに対する期待感を高めることができる。
次に、図36を参照して、上述した演出更新処理(S4012)の詳細について説明する。この演出更新処理(S4012)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、変動表示の実行中において、残りの変動時間や各種タイマの値等に応じて演出態様を可変させるための処理である。図36は、この演出更新処理を示すフローチャートである。
この演出更新処理(図36参照)では、まず、変動表示の実行中であるか否かを判別し(S4301)、変動表示中でないと判別した場合は(S4301:No)、そのまま本処理終了してメイン処理(図33参照)に戻る。一方、S4301の処理において、変動表示中であると判別した場合は(S4301:Yes)、次に、変身演出中フラグ223hがオンであるか(即ち、連続変身演出の実行中であるか)否かを判別する(S4302)。S4302の処理において、変身演出中フラグ223hがオフであると判別した場合は(S4302:No)、残りの変動時間に基づいて連続変身演出を開始するか否かの判定を行うための変身演出開始判定処理を実行して(S4303)、本処理を終了する。この変身演出開始判定処理(S4303)の詳細については、図37(a)を参照して後述する。
また、S4302の処理において、変身演出中フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4302:Yes)、連続変身演出の実行中であるので、まず、有効期間フラグ223eがオンであるか否かを判別し(S4304)、オンであれば(S4304:Yes)、操作有効期間が終了したか否かを判別するための有効期間中処理を実行して(S4305)、本処理を終了する。この有効期間中処理(S4305)の詳細については、図37(b)を参照して後述する。
一方、S4304の処理において、有効期間中フラグ223eがオフである(即ち、操作有効期間中ではない)と判別した場合は(S4304:No)、次いで、成功報知態様タイマ223iの値が0より大きいか(成功報知態様の表示中か)否かを判別し、(S4306)、0より大きい値であれば(S4306:Yes)、成功報知態様の終了タイミングかを判別するための成功報知態様中処理を実行して(S4307)、本処理を終了する。この成功報知態様中処理(S4307)の詳細については、図38を参照して後述する。
S4306の処理において、成功報知態様タイマ223iの値が0である(即ち、成功報知態様の表示中ではない)と判別した場合は(S4306:No)、次に、失敗報知態様タイマ223jの値が0より大きいか(失敗報知態様の表示中か)否かを判別し(S4308)、0より大きい値であると判別した場合は(S4308:Yes)、失敗報知態様の終了タイミングを判別するための失敗報知態様中処理を実行して(S4309)、本処理を終了する。この失敗報知態様中処理(S4309)の詳細については、図39を参照して後述する。
S4308の処理において、失敗報知態様タイマ223jの値が0である(即ち、失敗報知態様の表示中ではない)と判別した場合は(S4308:No)、移行演出時間タイマ223kの値が0より大きいか(即ち、移行演出の実行中であるか)否かを判別し(S4310)、0より大きいと判別した場合は(S4310:Yes)、移行演出から発展演出に切り替えるか否かの判定を行うための移行演出中処理を実行して(S4311)、本処理を終了する。なお、この移行演出中処理(S4311)の詳細については、図40を参照して後述する。一方、S4310の処理において、移行演出時間タイマ223kの値が0であると判別した場合は(S4310:No)、そのまま本処理を終了してメイン処理(図33参照)に戻る。
この演出更新処理(図36参照)を実行することにより、連続変身演出の進行状況に応じて適切な制御を実行することができるので、連続変身演出における演出態様の更新を好適に実行することができる。
次に、図37(a)のフローチャートを参照して、上述した変身演出開始判定処理(S4303)の詳細について説明する。この変身演出開始判定処理(S4303)は、上述した通り、残りの変動時間に基づいて連続変身演出を開始するか否かの判定を行うための処理である。
変身演出開始判定処理(図37(a)参照)では、まず、連続変身演出の開始タイミング(変動開始から11秒が経過したタイミング)であるか否かを判別し(S4401)、連続変身演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S4401:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、連続変身演出の開始タイミングであると判別した場合は(S4401:Yes)、まず、連続変身演出を開始するための表示用コマンドを設定する(S4402)。次いで、有効期間タイマ223fに対して5秒間に対応するタイマ値(5000)を設定し、有効期間フラグ223eをオンに設定する(S4403)。そして、変身演出中フラグ223hをオンに設定して(S4404)、本処理を終了する。
この変身演出開始判定処理(図37(a)参照)を実行することにより、連続変身演出の実行が設定された変動表示が実行される毎に、同一のタイミングで連続変身演出を正確に実行することができる。
次に、図37(b)のフローチャートを参照して、上述した有効期間中処理(S4305)の詳細について説明する。この有効期間中処理(S4305)は、上述した通り、操作有効期間が終了したか否かを判別するための処理である。
有効期間中処理(図37(b)参照)では、まず、有効期間タイマ223fの値を1減算することにより更新する(S4501)。なお、有効期間中処理(図37(b)参照)は、1ミリ秒毎に実行されるので、有効期間タイマ223fは、1ミリ秒毎に値が1ずつ減算される。
S4501の処理が終了すると、次に、S4501の処理で減算した後の有効期間タイマ223fの値が0になったか否かを判別し(S4502)、有効期間タイマ223fの値が0でなければ(S4502:No)、操作有効期間の終了タイミングではないため、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S4502の処理において、減算後の有効期間タイマ223fの値が0になったと判別した場合は(S4502:Yes)、変身回数(成功報知態様の表示回数)、および残りの変動時間(T)に応じて、表示させる表示態様を判定するための、上述した変身設定処理(S4503、図35参照)を実行して、本処理を終了する。なお、変身設定処理(S4503)の詳細については、既に図35を参照して上述しているので、その詳細な説明については省略する。
次に、図38のフローチャートを参照して、上述した成功報知態様中処理(S4307)の詳細について説明する。この成功報知態様中処理(S4307)は、上述した通り、成功報知態様の終了タイミングを判別するための処理である。
この成功報知態様中処理(図38参照)では、まず、成功報知態様タイマ223iの値を1減算することで更新し(S4601)、減算後の成功報知態様タイマ223iの値が0になったかを判別する(S4602)。S4602の処理において、成功報知態様タイマ223iの値が0でないと判別した場合は(S4602:No)、成功報知態様の終了タイミングではない(成功報知態様が継続する)ので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4602の処理において、減算後の成功報知態様タイマ223iの値が0であると判別した場合は(S4602:Yes)、成功報知態様の表示時間(5秒間)が経過したことを意味するので、表示期間が終了した後の演出態様を設定するためのS4603~S4611の処理を実行する。具体的には、まず、変身回数カウンタ223gの値が5であるか否かを判別する(S4603)。
S4603の処理において、変身回数カウンタ223gの値が5でないと判別した場合は(S4603:No)、操作有効期間の開始を通知するための表示用コマンドを設定する(S4604)。ここで設定された表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S4002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、操作有効期間の開始を通知するための表示用コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において操作有効期間に対応する表示態様(図5(b)参照)を実行する。
S4604の処理の終了後は、有効期間タイマ223fに対して5秒に対応するタイマ値を設定すると共に、有効期間フラグ223eをオンに設定することで操作有効期間の開始を設定し(S4605)、本処理を終了する。これにより、新たな操作有効期間を開始させることができる。
一方、S4603の処理において、変身回数カウンタ223gの値が5であると判別した場合は(S4603:Yes)、既に5回の成功報知態様を表示済みであり、これ以上操作有効期間を設定する必要が無いことを意味するので、残りの変動時間(T)に応じた態様の発展演出、および移行演出の決定を行う。具体的には、変動表示の残りの変動時間(T)を特定し(S4606)、特定した残りの変動時間(T)に対応する発展演出の演出態様を、発展演出態様選択テーブル222c(図15(b)参照)から選択する(S4607)。
S4607の処理が終了すると、次に、選択した発展演出の演出態様に対応するデータを発展演出格納エリア223mに記憶し(S4608)、残りの変動時間(T)と、S4607の処理で選択した発展演出の演出時間との差分を、移行演出の演出時間として特定する(S4609)。そして、特定した演出時間に対応するタイマ値を移行演出時間タイマ223kに設定し(S4610)、移行演出の開始を示す表示用コマンドを設定して(S4611)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S4002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、移行演出の開始を通知するための表示用コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において移行演出(図8(a)参照)を開始する。
次に、図39のフローチャートを参照して、上述した失敗報知態様中処理(S4309)の詳細について説明する。この失敗報知態様中処理(S4309)は、上述した通り、失敗報知態様の終了タイミングを判別するための処理である。
失敗報知態様中処理(図39参照)では、まず、失敗報知態様タイマ223jの値を1減算し(S4701)、減算後の失敗報知態様タイマ223jの値が0になったか否かを判別する(S4702)。S4702の処理において、失敗報知態様タイマ223jの値が0になっていない判別した場合は(S4702:No)、失敗報知態様の終了タイミングでは無いことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4702の処理において、失敗報知態様タイマ223jの値が0になったと判別した場合は(S4702:Yes)、失敗報知態様の終了タイミングになったことを意味するので、残りの変動時間(T)と、発展演出格納エリア223mに格納されているデータが示す態様の発展演出の演出時間との差分を取り、当該差分時間を移行演出の演出時間として特定する(S4703)。そして、特定した演出時間を移行演出時間タイマ223kに設定し(S4704)、移行演出の開始を示す表示用コマンドを設定して(S4705)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S4002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、移行演出の開始を通知するための表示用コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において移行演出(図8(a)参照)を開始する。
次に、図40のフローチャートを参照して、移行演出中処理(S4311)の詳細について説明する。この移行演出中処理(S4311)は、上述した通り、移行演出の終了タイミングを判別するための処理である。
移行演出中処理(図40参照)では、まず、移行演出時間タイマ223kの値を1減算して(S4801)、減算後のタイマ値が0になったかを判別する(S4802)。S4802の処理において、移行演出時間タイマ223kの値が0になっていないと判別した場合は(S4802:No)、移行演出の終了タイミングでは無いことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4802の処理において、移行演出タイマ223kの値が0である(即ち、移行演出の終了タイミングである)と判別した場合は(S4802:Yes)、次いで、発展演出格納エリア223mに格納されているデータに対応する発展演出の開始を設定する(S4803)。そして、変身演出中フラグ223hをオフに設定し(S4804)、変身回数カウンタ223gの値を0にリセットして(S4805)、本処理を終了する。なお、上述した通り、失敗報知態様、および移行演出の表示時間は、発展演出の終了タイミングと変動表示の終了タイミングとが丁度一致するように設定されている。よって、S4803の処理で設定した発展演出を、変動の終了タイミングで終了させることができる。従って、演出態様を好適に実行することができる。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4013)について説明する。図41は、このコマンド判定処理(S4013)を示したフローチャートである。コマンド判定処理(S4013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図33参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4901)。変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4901:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンに設定し(S4902)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4903)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4901:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S4904)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S4904:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S4905)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S4906)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S4904:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S4907)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S4907:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S4908)。また、S4908の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S4908の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S4908の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S4908の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知する表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S4907の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4907:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S4909)。そして、入賞情報コマンドを受信したと判定した場合には(S4909:Yes)、受信した入賞コマンドの情報を、対応する入賞情報格納エリア223aに設定して(S4910)、メイン処理に戻る。
S4909の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判定した場合は(S4909:No)、次いで、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S4911)。そして、オープニングコマンドを受信したと判定した場合には(S4911:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定して(S4912)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S4002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
S4911の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S4911:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否か判定する(S4913)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S4913:Yes)、受信したラウンド数コマンドから、大当たりのラウンド数を抽出する(S4914)。そして、抽出したラウンド数を第3図柄表示装置81に対して表示させるように表示制御装置114に指示するための表示用ラウンド数コマンドを設定して(S4915)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S4002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始する。
S4913の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4913:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S4916)。そして、エンディングコマンドを受信した場合には(S4916:Yes)、エンディング演出の表示態様などを設定するエンディング設定処理を実行して(S4917)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S4002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S4916の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S4916:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S4918)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
このコマンド判定処理を実行することにより、主制御装置110から出力されたコマンドに応じて適切な処理を実行することができる。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4014)について説明する。図42は、この変動表示設定処理(S4014)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4014)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図33参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する処理である。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S5001)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S5001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5008の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S5001:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S5002)、次いで、コマンド判定処理(図41参照)のS4903の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別に基づいて、変動パターンテーブル222aから今回の変動表示の変動表示態様を決定する(S5003)。
そして、決定した変動パターン種別が、連続変身演出を伴う態様であるか否かを判別し(S5004)、連続変身演出を伴う態様であると判別した場合は(S5004:Yes)、変身演出選択テーブル222b(図15(a)参照)と、演出カウンタ223nの値とに基づいて連続変身演出の態様を決定し(S5005)、処理をS5006へと移行する。一方、S5004の処理において決定した変動パターン種別が、連続変身演出を伴わない態様であると判別した場合は(S5004:No)、S5005の処理をスキップして、処理をS5006へと移行する。
S5006の処理では、S5003の処理で決定した変動表示の態様を表示制御装置114に対して通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S5006)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S5007)。S5007の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S5008の処理へ移行する。
S5008の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S5008)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S5008:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S5009:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S5009)、次いで、コマンド判定処理(図41参照)のS4906の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S5010)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S5011)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S5012)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図43から図57を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせてコマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図43を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図43は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型フラッシュメモリ234dに格納されることにより、NOR型フラッシュメモリは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図44を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図44は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従い、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図43のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図43のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a、およびデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができる。従って、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型フラッシュメモリ234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型フラッシュメモリ234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図44に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101、およびS6102の処理を行わずに、S6103~S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図43の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図55(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示するための常駐画像転送設定処理が実行される(図55(a)のS7602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図45(b)参照)において、図17に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図17(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図45(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図45(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図45(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図45(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図21参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図45(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図17に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図46~図51を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)等によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図52~図54を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図55および図56を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図21に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図57を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図17に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図46~図51を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図46は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図46に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S6404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図47(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図47(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
S6502の処理では、S6501の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。
次いで、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理(図52参照)では、S6504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理(図52参照)では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図46の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図47(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図47(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図45(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603の処理によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図46に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図48(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図48(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。次いで、S6701の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6702)。
そして、S6701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6703)、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6705)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6704の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6702の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
図46に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図48(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図48(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図46の説明に戻る。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図49を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図49は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ、確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図46の説明に戻る。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、背面画像変更コマンドがあれば(S6414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図50(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図50(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図46の説明に戻る。S6414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6416)、エラーコマンドがあれば(S6416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図50(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図50(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図46の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、連続変身演出に関連するコマンドがあるかを判別し(S6418)、連続変身演出に関連するコマンドがあれば(S6418:Yes)、変身演出関連コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
なお、連続変身演出に関連するコマンドとは、例えば、操作有効期間の開始を示す表示コマンドや、各報知態様(成功報知態様、失敗報知態様)の表示開始を示す表示コマンドや、移行演出の開始を示す表示コマンドや、発展演出の開始を示す表示コマンド等が挙げられる。これらの表示態様を表示させるための表示データテーブルは、変動表示データテーブル等と同様に、データテーブル格納エリア223bに格納されている。変身演出関連コマンド処理(S6419)を実行することにより、連続変身演出に関連するコマンドから、表示開始が指示された表示態様の種別や、表示時間等を判別して、対応する表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定される。
ここで、図51を参照して、変身演出関連コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図51は、変身演出関連コマンド処理を示すフローチャートである。この変身演出関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した連続変身演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
変身演出関連コマンド処理では、コマンドが示す演出に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7201)、設定した表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S7202)。次に、コマンドが示す演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7203)、ポインタ233fを初期化して(S7204)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。なお、連続変身演出は、変動表示の実行中に設定される演出態様の一種であり、連続変身演出が実行されたということは、変動パターンコマンドが設定された(変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)を実行した)後、変動パターンが終了する前に実行される。よって、デモ表示フラグ、確定表示フラグは、変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)の中で既にオフに設定されているので、変身演出関連コマンド処理(図51参照)では、これらのフラグを改めてオフにする必要が無い。
図46に戻って説明を続ける。S6418の処理において、連続変身演出に関連するコマンドが無いと判別されると(S6418:No)、次いでその他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6420)、S6401の処理へ移行する。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402~S6420の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401~S6420の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図17に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)および停止種別コマンド処理(図47(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図52~図54を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図52は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図52に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7301:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7302~S7304の処理をスキップし、S7305の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7302)、S7303,S7304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7304)。
ここで、図53を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図53は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7401)。
タスク処理(図45(b)のS6304参照)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図52の説明に戻る。警告画像設定処理(S7304)の後、又は、S7303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7303:No)、次いで、S7305の処理へ移行する。
S7305では、ポインタ更新処理を実行する(S7305)。ここで、図54を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図54は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7502)。その結果、End情報であれば(S7502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S7503)、デモ表示データテーブルであれば(S7503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7505)、本処理を終了して表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S7503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル、メニュー表示データテーブル、および二次元コード表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図52に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S7306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S7306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7309:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S7315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7309の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7309:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7316:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図17(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図55、及び図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図55(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図55(b)を参照して後述する。
一方、S7601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次いで、図55(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7602)について説明する。図55(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7701)、転送指示を送信していれば(S7701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7702)。このS7702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7702:Yes)、S7703の処理へ移行する。また、S7701の処理の結果、画像コントローラ237に対して未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7701:No)、S7703の処理へ移行する。
S7703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図45(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図46~図51参照)および表示設定処理(図52~図54参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図56参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図55(a)のS7601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7603)について説明する。図56は、この通常画像転送設定処理(S7603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7802)、転送データ情報であれば(S7802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7804)、S7805の処理へ移行する。
また、S7802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7802:No)、S7803及びS7804の処理をスキップして、S7805の処理へ移行する。S7805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7805)、転送指示を設定していれば(S7805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7806)。
このS7806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、本処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S7806:Yes)、S7807の処理へ移行する。また、S7805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7805:No)、S7807の処理へ移行する。
S7807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7807)、転送開始フラグがオンであれば(S7807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7808)、S7803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S7809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S7809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S7809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S7810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7812)、S7813の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S7812の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S7813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7813)。このS7813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図57を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図57は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、図21に示す描画リストを生成する(S7901)。即ち、S7901の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。また、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトを最も背面側に配置させることができ、最後に描画したスプライトを最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態のパチンコ機10では、遊技者の興趣を向上させるための演出態様の一つとして、連続変身演出を実行可能に構成している。この連続変身演出は、第3図柄表示装置81において、キャラクタ811が1~5回変身する態様の演出であり、基本的に、変身回数が多いほど大当たりの期待度が高いことを示唆する演出である。この連続変身演出の実行中には、枠ボタン22に対する押下(操作)を有効とする操作有効期間が複数回設定される。この操作有効期間の間に枠ボタン22に対する押下を検出するか、または、操作有効期間(5秒間)が経過した場合に、キャラクタ811が変身に成功する態様の演出(成功報知態様)が実行される可能性がある。より具体的には、上記2種類のいずれかの条件が成立した場合に、連続変身演出の演出種別毎に予め定められている変身の上限回数に到達していなく、且つ、残りの変動時間が、演出種別毎に予め定められている下限値以上となっていれば、キャラクタ811が変身に成功する(成功報知態様が表示される)。一方、変身の上限回数に到達しているか、または、残りの変動時間が下限値未満となっていれば、変身に失敗する態様の演出(失敗報知態様)が実行されて連続変身演出が終了する。
操作有効期間は、遊技者の遊技方法に応じて長さが可変する。即ち、操作有効期間の間に枠ボタン22に対する押下を検出した場合には、その時点で操作有効期間が打ち切られて報知態様(成功報知態様、または失敗報知態様)が表示される。また、各操作有効期間は、操作有効期間の経過を契機に全ての成功報知態様が表示された場合に、上限回数分の成功報知態様が表示されるよりも前に連続変身演出の演出期間が経過するように設定される。言い換えれば、全ての変身が、操作有効期間の経過を契機として実行された場合に、上限回数の変身(成功報知態様)が実行されるよりも前に、演出期間が経過する長さとなるように演出時間(演出種別毎に定められている下限の残変動時間)が設定されている。これにより、操作有効期間が開始された場合に、積極的に枠ボタン22を押下して操作有効期間を早い段階で終了させなければ、上限回数まで変身させることができない。よって、連続変身演出において上限回数の変身を確認したいと考える遊技者に対し、積極的に枠ボタン22を押下させることができるので、遊技者の連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。
また、連続変身演出の実行中における遊技者の遊技方法(枠ボタン22を操作有効期間中に積極的に押下するか否か)に応じて、その後の演出態様(成功報知態様の表示タイミングや、表示回数)を可変させることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
また、連続変身演出に参加しない(枠ボタン22を押下しない)遊技者が本パチンコ機10で遊技を行った場合には、本来は期待度が高い(変身の上限回数が多い)連続変身演出の場合にも、比較的少ない変身回数で連続変身演出の演出期間が経過してしまうことになる。つまり、期待度が低い(変身の上限回数が少ない)演出種別と、期待度が高い(変身の上限回数が多い)演出種別とを区別し難くし、比較的低い期待度に対応する態様で連続変身演出を実行することができる。よって、見かけ上、低い期待度に対応する態様であっても、大当たりに繋がる場合を増加させることができるので、少ない変身回数で連続変身演出が終了した場合でも、大当たりに対する期待感を高めることができる。
また、本第1実施形態では、連続変身演出が終了した後に、特別図柄の抽選結果を報知するための発展演出を実行する構成としている。この発展演出は、演出時間が異なる複数の種別が設けられている。ここで、連続変身演出の演出時間は、遊技者が各操作有効期間に枠ボタン22を押下するタイミングに応じて可変する。このため、連続変身演出が終了するタイミングも一定とはならず、連続変身演出が終了した時点における残りの変動時間が可変する。よって、本実施形態では、連続変身演出の最後の操作有効期間が終了するタイミングにおいて、残りの変動時間を判別し、残りの変動時間で実行可能な演出期間の発展演出を選択する。そして、残りの変動時間と、選択した発展演出の演出期間との差分の期間を用いて失敗報知態様、および移行演出を実行する構成としている。これにより、発展演出の演出時間のバリエーションを少なくすることができるので、発展演出を表示させるための各種データの容量を削減することができる。また、失敗報知態様、および移行演出の表示期間を、残りの変動時間に応じて動的に可変させることにより、発展演出の開始時点における残りの変動時間と、発展演出の演出時間とに齟齬が生じてしまうことを抑制することができる。即ち、残りの変動時間の方が長くなることで、発展演出が終了したにも拘わらず第3図柄の変動が停止しなかったり、逆に、発展演出の演出期間の方が長くなることで、第3図柄の変動が終了した時点で発展演出が終了しないという事態が生じてしまうことを防止することができる。従って、発展演出の終了タイミングと、第3図柄の変動表示の終了タイミングとを一致させることができるので、違和感の無い表示演出を提供することができる。
なお、本第1実施形態では、操作有効期間の間に枠ボタン22の押下を検出すると、操作有効期間を打ち切って、成功報知態様、または失敗報知態様を表示させる構成としていたが、操作有効期間を打ち切る(短縮する)条件は、これに限られるものではない。例えば、第1入球口64に対する新たな入球を検出した場合に、操作有効期間を打ち切って、成功報知態様、または失敗報知態様を表示させる構成としてもよい。
本第1実施形態では、操作有効期間の間に枠ボタン22の押下を検出した場合は必ず操作有効期間を打ち切って(短縮して)成功報知態様、または失敗報知態様を表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、操作有効期間の間に所定回数の枠ボタン22の押下を検出したことに基づいて、操作有効期間を終了させる構成としてもよい。また、この場合において、操作有効期間を打ち切るのに必要な押下回数として、毎回同一の回数を設定する構成としてもよいし、操作有効期間の開始タイミングとなる毎に、抽選により押下回数をランダムに定める構成としてもよい。このように構成することで、変身の最大回数を正確に判別したいと考える遊技者に対して、より積極的に枠ボタン22を押下させることができる。よって、遊技者の連続変身演出に対する参加意欲をより向上させることができる。更に、操作有効期間を打ち切るのに必要な押下回数を決定する場合に、実行している連続変身演出の演出種別や変身の上限回数に到達しているか否か、特別図柄の抽選結果等、操作有効期間を設定する際の状況に応じて、選択され易い押下回数を可変させる構成としてもよい。具体的には、例えば、外れとなる変動表示よりも、大当たりとなる変動表示の方が、少ない押下回数が選択され易くなるように構成してもよい。また、例えば、変身の上限回数が多い連続変身演出の方が、少ない押下回数が選択され易くなるように構成してもよいし、変身の上限回数に到達している場合よりも、変身の上限回数に到達していない場合の方が、少ない押下回数が選択され易くなるように構成してもよい。このように構成することで、操作有効期間が終了するまでの押下回数にも注目して枠ボタン22を押下させることができるので、連続変身演出の実行中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第1実施形態では、操作有効期間の間に枠ボタン22の押下(操作)を検出した場合に、必ず操作有効期間を打ち切って報知態様(成功報知態様、または失敗報知態様)を表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、枠ボタン22の押下を検出した場合に、操作有効期間を打ち切るか否かを抽選により決定しても良い。また、例えば、枠ボタン22を複数設ける構成とし、操作有効期間毎に、押下を検出した場合に操作有効期間を打ち切って報知態様を表示させる(または表示させるか否かの抽選を行う)ものと、押下を検出しても操作有効期間が打ち切られない(または、低確率でしか操作有効期間が打ち切られない)ものとに振り分ける(区分する)構成としてもよい。このように構成することで、いずれの枠ボタン22を押下すれば操作有効期間を打ち切らせることができるのかを考えながら連続変身演出中の遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1実施形態では、操作有効期間が設定されると、枠ボタン22の押下を検出しない限り、操作有効期間が終了するまで報知態様が表示されない構成としていたが、本構成に限定されるものではなく、枠ボタン22の押下を検出しなくても、操作有効期間が打ち切られる場合を設けてもよい。具体的には、例えば、操作有効期間が設定される毎に、期間の途中で打ち切るか否かを抽選により決定する構成としてもよい。また、例えば、連続変身演出の種別に対応させて、枠ボタン22の押下を検出しなければ操作有効期間が途中で打ち切られない種別と、枠ボタン22の押下を検出しなくても操作有効期間が途中で打ち切られる種別とを設ける構成としてもよい。
本第1実施形態では、連続変身演出における変身の上限回数として、1~5回の範囲の値が設定され得る構成としていたが、上限回数は任意に定めてもよい。設定され得る上限回数の範囲を狭くする(例えば、1~3回にする)ことにより、各変身回数に対する大当たり期待度の差を少なくすることができるので、連続変身演出が少ない変身回数で終了した場合にも、遊技者に大当たりに対する期待感を抱かせることができる。また、逆に、設定され得る上限回数の範囲を広くする(例えば、1~10回にする)ことによって、遊技者に枠ボタン22を押下(操作)させる機会をより多くの回数与えることができる。よって、遊技者の連続変身演出に対する参加意欲をより向上させることができる。また、本第1実施形態では、連続変身演出において、最低でも1回変身に成功する(成功報知態様が表示される)構成としていたが、少なくとも一部の演出種別において、変身の上限回数が0回に設定される(変身に1回も成功しない)構成としてもよい。また、変身の上限回数だけでなく、操作有効期間の長さ、成功報知態様、失敗報知態様、および移行演出の表示期間等も、任意に定めてよい。
本第1実施形態では、全ての連続変身演出の種別において、枠ボタン22を一度も操作しなかった(即ち、途中で打ち切られた操作有効期間が無かった)場合に、種別に対応する上限回数の成功報知態様が表示される(キャラクタ811が変身に成功する)よりも前に連続変身演出が終了する長さの操作有効期間を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。一部の連続変身演出の種別では、枠ボタン22を全く押下しなかった場合でも、種別に対応する上限回数まで成功報知態様を表示可能に構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を押下したくない遊技者が遊技を行っている場合にも、上限回数まで成功報知態様が表示される場合を設けることができる。よって、枠ボタン22を押下したくないと考えてパチンコ機10で遊技を行う遊技者に対しても、連続変身演出を楽しませることができる。
本第1実施形態では、操作有効期間の終了条件に関係なく、成功報知態様の表示回数(変身回数)が上限に到達していなく、且つ、操作有効期間の終了時点における残りの変動時間が下限の時間以上となっていれば、変身に成功する(成功報知態様を表示させる)構成としていたが、これに限られるものではない。操作有効期間の終了条件(操作有効期間として設定された時間が経過したのか、枠ボタン22の押下を検出したのか)に応じて、成功報知態様が表示される割合を可変させる構成としてもよい。
本第1実施形態では、1の連続変身演出における1~4回目の成功報知態様の表示時間が経過した場合に、新たに5秒間の操作有効期間を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。連続変身演出の開始時に、1の操作有効期間を設定する構成とし、枠ボタン22に対する押下を検出した場合には、操作有効期間を中断させる(有効期間タイマ223fの減算をストップさせる)構成としてもよい。そして、成功報知態様の表示回数が上限回数に満たない場合には、表示時間が経過した後で、中断させていた操作有効期間を再開する(有効期間タイマ223fの減算を再開させる)構成としてもよい。また、操作有効期間の長さは、最大の成功報知態様の表示回数に応じて可変させる構成としてもよい。このように構成することで、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、有効期間タイマ223fの値をリセットする必要がなくなるので、処理負荷を軽減することができる。この場合において、枠ボタン22に対する押下を検出しない期間が所定期間継続した場合にも、上限回数に到達しない範囲で成功報知態様を表示させる構成としてもよい。このように構成することで、上述した第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の動作を実現することができる。なお、有効期間タイマ223fの減算を中断させるのではなく、成功報知態様の表示時間中も有効期間タイマ223fの減算は継続させてもよい。そして、成功報知態様の表示時間中は、枠ボタン22に対する押下を検出しても、当該押下を無効として扱う構成としてもよい。このように構成した場合にも、上記第1実施形態と同一の動作を実現できる。
本第1実施形態では、移行演出の表示時間を可変させることで、その後の発展演出の終了タイミングと変動時間の終了タイミングとを一致させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、移行演出の表示時間は1秒間に固定化する構成とし、発展演出の終了後に(または発展演出の一部として)、設定した発展演出の演出時間と、残りの変動時間との差分を埋め合わせるための演出を実行する構成としてもよい。このように、演出の最後で時間を調節する構成とすることで、単に残変動時間を演出時間に設定するというより単純な制御で演出の終了タイミングと変動表示の終了タイミングとを一致させることができる。
本第1実施形態では、操作有効期間の間に枠ボタン22に対する押下(操作)を検出した場合、即座に(操作有効期間が経過するよりも前に)報知態様(成功報知態様、又は失敗報知態様)を表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、枠ボタン22に対する押下を検出した場合には、所定期間(例えば、1秒間)を経て、報知態様が表示されるように構成してもよい。この場合において、所定期間(例えば、1秒間)の間に、枠ボタン22の押下を受け付けたことを遊技者に報知する演出を実行する構成としてもよい。枠ボタン22に対する押下を検出してから、報知態様を表示させるまでの間に所定期間を設定することにより、当該所定期間の間、いずれの報知態様が表示されるのかを遊技者に想像させる機会を与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この場合において、所定期間(枠ボタン22が押下されてから報知態様が表示されるまでの間の期間)を固定としてもよいし、遊技者が枠ボタン22を押下するタイミングに応じて所定期間を可変させる構成としてもよい。所定期間を可変させる場合の具体例としては、例えば、操作有効期間の終了タイミングまで1秒以上の余裕がある場合に1秒間を設定し、操作有効期間の終了タイミングまで1秒未満の状態で枠ボタン22に対する押下を検出した場合には操作有効期間の終了タイミングで報知態様を表示させる構成としてもよい。これにより、操作有効期間が設定されてから報知態様が表示されるまでの期間が、枠ボタン22を押下しなかった場合よりも長くなってしまうことを防止することができる。また、例えば、枠ボタン22の押下タイミングによらず、操作有効期間の終了タイミングで報知態様を表示させる構成としてもよい。
本第1実施形態では、操作有効期間が経過する前に枠ボタン22を押下せずに操作有効期間を経過させた場合よりも、枠ボタン22を押下して操作有効期間を打ち切った方が報知態様の表示タイミングが早くなる構成としていたが、これに限られるものではない。連続変身演出の種別の一部又は全部において、枠ボタン22を押下した方が、報知態様の表示タイミングが遅くなる構成としてもよい。即ち、枠ボタン22の押下を検出した場合に、押下を検出したことを示す所定の押下演出が所定期間(例えば、5秒間)設定されるように構成してもよい。言い換えると、元々設定されていた操作有効期間が終了するタイミングよりも後で押下演出が終了するように押下演出の演出期間を設定する構成としてもよい。このように構成することで、枠ボタン22を押下した場合に、必ず報知態様が即座に表示される訳ではなく、むしろ報知態様の表示タイミングが遅れてしまう場合も設けることができるので、枠ボタン22を押下した方がよいのかどうかを遊技者に毎回予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、図83を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。上述した第1実施形態では、失敗報知態様が実行された時点における残りの変動時間に応じた長さの移行演出を実行する構成としていた。また、移行演出の態様として、発展演出の開始タイミングとなるまで、所定の静止画(または態様が大きく変化しない動画)を表示しておく構成とし、移行演出の終了タイミング(実行期間の長さ)によらず、発展演出への切り替わり時に表示態様が不自然となってしまうことを防止できる構成としていた。
これに対して本変形例では、移行演出を、比較的態様の変化が大きい演出態様と、態様の変化が少ない(無い)演出態様とで構成した。そして、移行演出の終了タイミングが、比較的態様の変化が少ない演出態様が表示されている期間内となるように構成した。これにより、移行演出の実行中における表示態様の自由度を高めることができる。なお、移行演出の自由度を高めたことにより、移行演出の演出時間のみで、発展演出の演出時間と、残りの変動時間との差分の時間をカバーする構成とした。即ち、本変形例では、失敗報知態様の表示期間を1秒間に固定化している。
図83を参照して、本変形例における移行演出について説明する。なお、本変形例では、上述した第1実施形態における発展演出と同様に、移行演出を実行するための元となるベース演出のデータが用意されている。ベース演出は、表示期間が4秒間で構成されており、ベース演出の最初から、または途中から演出を実行することにより、対応する演出期間の移行演出を実行可能に構成されている。
図83に示した通り、本変形例の移行演出を実行するためのベース演出のデータは、1のデータの中に大別して4種類の表示態様のデータが含まれている。具体的には、図83に示した通り、ベース演出の冒頭の1秒間(第1区間)のデータは、キャラクタ811が発展演出において戦う対象(怪獣812)を探し回る演出に対応するデータで構成されている。また、ベース演出の1秒経過時点~2秒経過時点(第2区間)に対応するデータは、敵である怪獣812のシルエットがキャラクタ811の前に現れる演出に対応するデータで構成されている。即ち、遊技者にとって、今回キャラクタ811と戦う怪獣812が、いずれの種別であるのかが不明となる態様の演出に対応するデータで構成されている。この演出により、遊技者に対して何れの種別の怪獣812と戦うのかを想像させることができる。
また、ベース演出の2秒経過時点~3秒経過時点(第3区間)に対応するデータは、今回の発展演出においてキャラクタ811と戦う怪獣812の種別が明らかとなる演出に対応するデータで構成されている。即ち、シルエットで表示されていた怪獣812のシルエットが外れ、キャラクタ811と戦う怪獣812の態様が表示される演出に対応するデータで構成されている。この演出により、その後に実行される発展演出の期待度を、怪獣812の種別によって遊技者に示唆することができる。
このように、冒頭~1秒経過時点(第1区間)に対応する演出と、1秒経過時点~2秒経過時点(第2区間)に対応する演出と、2秒経過時点~3秒経過時点(第3区間)に対応する演出とは、第3図柄表示装置81における表示態様の変化が比較的大きい演出で構成されている。即ち、キャラクタ811が様々な場所に移動したり、キャラクタ811の前に、突然怪獣812のシルエットが出現したり、シルエットで表示されていた怪獣812のシルエットが解消されたりといった、表示内容の一部が全く異なる内容に変更される演出が実行される。
これらに対して、ベース演出の3秒経過時点~4秒経過時点(第4区間)に対応するデータは、キャラクタ811と、第2区間の演出で報知された種別の怪獣812とが対峙する静止画(図8(a)参照)が表示される演出に対応するデータで構成されている。即ち、時間が経過しても表示態様の変化が無い(比較的小さい)態様の演出に対応するデータで構成されている。この第3区間の範囲内に、発展演出への切り替わりのタイミングが来るように移行演出を実行することにより、発展演出へと切り替わる際の見た目が不自然となってしまうことを防止することができる。
また、図83に示すように、本変形例では、ベース演出において3種類の開始タイミング(第1~第3区間の先頭位置)が設定されている。移行演出の演出期間に応じて、3種類の開始タイミングの何れを開始タイミングに設定するかが選択される。これらの開始タイミングは、いずれも演出の区切りが良い箇所に設定されているので、いずれの開始タイミングから移行演出が開始されたとしても、遊技者に違和感を抱かせることなく移行演出を確認させることができる。ここで、本変形例では、第1実施形態と同様に、失敗報知態様の表示開始タイミングにおける残りの変動時間と、発展演出の演出時間との差分が2秒~5秒の範囲内となるように発展演出の演出時間(演出種別)が決定される。本変形例では、上述した通り、失敗報知態様の表示期間が1秒に固定化されているので、移行演出の演出期間は1秒~4秒の範囲内となる。本変形例では、この移行演出の演出期間に基づいて、移行演出のベース演出をいずれの開始タイミングから開始させるのか決定する構成としている。
より具体的には、移行演出の演出期間が1秒以上、2秒未満の場合には、ベース演出のデータのうち、3つめの開始タイミング(第3区間の冒頭)から先のデータを、今回の移行演出を実行するためのデータとして設定する。これにより、移行演出の終了タイミング(移行演出時間タイマ223kの値が0となるタイミング)を、第4区間内にすることができる。つまり、1秒以上、2秒未満の演出期間の中で、まず、第3区間の1秒間の演出を実行し、次いで、移行演出の終了タイミングまで第4区間の演出(静止画)を表示させる。これにより、発展演出へと切り替わるタイミング(移行演出の終了タイミング)を第4区間の範囲内とすることができるので、遊技者にとって自然な見た目で演出を切り替えることができる。
また、移行演出の演出期間が2秒以上、3秒未満の場合には、ベース演出のデータのうち、2つめの開始タイミング(第2区間の冒頭)から先のデータを、今回の移行演出を実行するためのデータとして設定する。これにより、演出期間が1秒以上、2秒未満の場合と同様に、移行演出の終了タイミング(移行演出時間タイマ223kの値が0となるタイミング)を、第4区間の範囲内にすることができる。つまり、2秒以上、3秒未満の演出期間の中で、第2区間の1秒間の演出と、第3区間の1秒間の演出とを実行し、次いで、移行演出の終了タイミングまで第4区間の演出(静止画)を表示させる。これにより、発展演出へと切り替わるタイミング(移行演出の終了タイミング)を第4区間の範囲内とすることができるので、遊技者にとって自然な見た目で演出を切り替えることができる。
更に、移行演出の演出期間が3秒以上、4秒未満の場合には、ベース演出のデータのうち、1つめの開始タイミング(第1区間の冒頭)から先のデータを、今回の移行演出を実行するためのデータとして設定する。これにより、他の場合と同様に、移行演出の終了タイミング(移行演出時間タイマ223kの値が0となるタイミング)を、第4区間の範囲内にすることができる。つまり、3秒以上、4秒未満の演出期間の中で、第1区間~第3区間それぞれの1秒間の演出を実行し、次いで、移行演出の終了タイミングまで第4区間の演出(静止画)を表示させる。これにより、発展演出へと切り替わるタイミング(移行演出の終了タイミング)を第4区間の範囲内とすることができるので、遊技者にとって自然な見た目で演出を切り替えることができる。
以上説明した通り、本変形例では、連続変身演出と、発展演出との繋ぎの演出である移行演出を実行する場合に、表示態様が比較的大きく変化する態様に対応する演出データ(第1区間~第3区間の演出データ)と、表示態様が変化しない(変化が比較的少ない)態様に対応する演出データとを含んで構成されたベース演出のデータを用いて移行演出を実行する構成とした。また、移行演出の演出時間に応じて、ベース演出に対して予め設定されている複数の開始タイミングのうち、いずれか1の開始タイミングから移行演出の開始を設定する構成としている。言い換えれば、移行演出の演出時間に応じて、当該移行演出の実行に用いるデータの範囲を選択する構成としている。このように、1のベース演出を用いて演出時間の異なる移行演出を実行可能に構成することで、移行演出を実行するための表示データを削減することができるので、パチンコ機10の記憶容量を削減できる。
また、本変形例では、移行演出の演出時間によらず、表示態様が変化しない(変化が比較的少ない)態様に対応する演出データに基づく演出の表示中に移行演出の終了タイミングとなるように、開始タイミングを選択する構成としている。このように構成することで、移行演出を終了して発展演出に切り替える際に、遊技者にとって自然な見た目とすることができる。
なお、本変形例では、ベース演出に対して3つの開始タイミングを設定していたが、これに限られるものではなく、任意に定めてもよい。
本変形例では、移行演出の演出時間を調節することにより、残りの変動時間と、発展演出の演出時間との差分の時間を埋める構成としていたが、これに限られるものではない。上記第1実施形態と同様に、失敗報知態様と移行演出とで残りの演出時間を調節する構成としてもよい。この場合において、失敗報知態様に対しても、移行演出と同様にベース演出を設ける構成としてもよい。そして、ベース演出の演出データのうち、失敗報知態様の表示期間に応じた範囲の演出データを用いて失敗報知態様を表示させる構成としてもよい。このように構成することにより、失敗報知態様と移行演出とのバリエーションを多様化させることができる。
<第2実施形態>
次に、図58から図64を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、1の連続変身演出において操作有効期間中に一度も枠ボタン22を押下しなかったと仮定した場合に、上限回数の成功報知態様が表示されるよりも前に、連続変身演出が終了する長さの操作有効期間を設定する構成としていた。言い換えると、全ての変身が、操作有効期間の経過を契機として実行された場合に、上限回数の変身(成功報知態様)が実行されるよりも前に、演出期間が経過する長さとなる演出期間を設定する構成としていた。また、操作有効期間において、枠ボタン22を押下した場合に、操作有効期間を打ち切る構成とすることにより、枠ボタン22を積極的に押下して操作有効期間を打ち切る遊技方法を行った場合にのみ、上限回数の成功報知態様が表示され得る構成としていた。
これに対して本第2実施形態では、操作有効期間の間に枠ボタン22を押下したか否かに拘わらず、操作有効期間の開始時に設定された期間が経過するまでは、成功報知態様、または失敗報知態様が表示されない構成としている。即ち、操作有効期間が設定されてから、成功報知態様、または失敗報知態様が表示されるまでの期間を短縮することが不可能に構成している。また、各操作有効期間において遊技者が枠ボタン22を押下したか否かを判別し、枠ボタン22に対する押下が行われなかった操作有効期間が連続しているほど、設定される操作有効期間が長くなる構成としている。このように構成することで、上記第1実施形態と同様に、遊技者が枠ボタン22を積極的に押下した場合にのみ、変身回数を演出種別毎に設定された上限回数に到達させることが可能としている。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図58を参照して、本第2実施形態の連続変身演出の実行中における演出態様の経時変化について説明する。図58(a)は、変身の最大回数が4回であり、各操作有効期間の間に遊技者が枠ボタン22を押下しなかった場合における演出態様の経時変化を示した図である。また、図58(b)は、変身の最大回数が4回であり、各操作有効期間の間に遊技者が枠ボタン22を積極的に押下した場合における演出態様の経時変化を示した図である。
本第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、連続変身演出が設定されているスーパーリーチ変動が実行された場合は、変動開始から11秒経過時点で1回目の操作有効期間が設定される。なお、本第2実施形態では、操作有効期間が途中で打ち切られることがないので、操作有効期間の開始時に、操作有効期間後に表示される報知態様(成功報知態様、または失敗報知態様)まで含めた態様を予め決定する。即ち、操作有効期間の開始時に、操作有効期間中の演出態様と、報知態様とをまとめた一連の演出態様の表示開始を設定する構成としている。以下、1の操作有効期間と、当該有効期間後に設定される1の報知態様とで構成される演出態様のことを、変身演出態様と称する。
なお、何れの報知態様(成功報知態様、または失敗報知態様)が表示される変身演出態様を設定するかについては、変身演出態様の開始時(操作有効期間の開始時)に、変身演出態様が終了する時点(報知態様が終了する時点)での残りの変動時間を予め判別することにより決定する。具体的には、まず、後述する期間選択テーブル222d(図60参照)を用いて、変身演出態様の表示期間を決定する。次いで、決定した表示期間から予測される、変身演出態様の終了時点での残変動時間(T)と、連続変身演出の演出種別毎に規定されている残変動時間の下限値とを比較する。そして、変身演出態様が終了する時点の残変動時間(T)の予測値が、下限値に対して5秒以上大きい値の場合に、操作有効期間の経過後に表示される報知態様として、成功報知態様が表示される変身演出態様を選択する構成としている。一方、その他の場合には、失敗報知態様を設定する。なお、5秒とは、操作有効期間が開始されてから、報知態様の表示が終了するまでの最短時間(変身演出態様の表示期間の最小値)である。即ち、報知態様の終了後、5秒以上余裕があると判別される場合は、少なくとも失敗報知態様を伴う新たな変身演出態様を新たに1回表示させるだけの表示時間を確保できるので、成功報知態様を表示させる。一方、変身演出態様の終了後、下限値に対する余裕が5秒未満と予測された場合は、新たな変身演出態様を表示させるだけの表示期間を確保することができないため、失敗報知態様を伴う変身演出態様を設定することにより、連続変身演出を終了させる。これにより、残りの変動時間に応じて臨機応変に変身演出態様の種別を可変させることができる。
図58(a)に示した通り、1回目の変身演出態様として、表示期間が5秒間(操作有効期間が4秒間)の変身演出態様が設定される。これにより、1回目の変身演出態様の表示期間が経過した時点における残変動時間の予測値は44秒となる。詳細については図60を参照して後述するが、今回の連続変身演出(変身の最大回数が4回の連続変身演出D2)では、下限の残変動時間が24秒に設定されており、予測した残変動時間は下限値に対して5秒以上大きい値となっている。よって、1回目の変身演出態様として成功報知態様を伴う変身演出態様が設定される。
図58(a)に示した通り、操作有効期間として設定された4秒間が経過したことを契機として、1回目の成功報知態様が表示される。なお、詳細については後述するが、1の連続変身演出において、枠ボタン22が一度も押下されなかった操作有効期間の連続回数が、後述する非押下回数カウンタ223rによってカウントされる。この非押下回数カウンタ223rのカウンタ値に応じて、設定される操作有効期間の長さ(変身演出態様の表示期間の長さ)が可変される(カウンタ値が多いほど、長い期間が設定される、図60(c)参照)。今回は、1回目の操作有効期間であるため、非押下回数カウンタ223rに対して1が設定される。
1回目の成功報知態様の表示期間(変身演出態様の表示期間)が経過すると(変動開始から16秒経過時点)、2回目の変身演出態様が設定される。この2回目の変身演出態様の表示期間は、非押下回数カウンタ223rの値である1に対応する7秒間(うち、操作有効期間が6秒間)が設定される。2回目の変身演出態様が終了する時点での残変動時間は37秒であり、下限値に対して5秒以上の余裕があるので、2回目の変身演出態様も成功報知態様を伴う態様が設定される。これにより、図58(a)に示した通り、6秒間の操作有効期間が経過した後、1秒間の成功報知態様が表示される。
2回目の変身演出態様の終了タイミング(変動開始から23秒時点)になると、3回目の変身演出態様が設定される。この3回目の変身演出態様の表示期間としては、非押下回数カウンタ223rの値である2に対応する9秒間(うち、操作有効期間が8秒間)が選択される。3回目の変身演出態様が終了した時点の残りの変動時間は28秒になり、下限値である24秒に対する余裕が5秒未満であるので、3回目の変身演出態様は、失敗報知態様を伴う態様に設定する。これにより、図58(a)に示す通り、8秒間の操作有効期間と、1秒間の失敗報知態様とが表示され、その後に移行演出が実行される。即ち、上限回数である4回の変身(成功報知態様の表示)を行わずに、2回の変身を行っただけで連続変身演出を終了させる。なお、本第2実施形態では、連続変身演出の演出種別毎に、発展演出の演出時間が予め定められている。移行演出は、残りの変動時間と、発展演出の演出時間との差分の時間が設定される。図58(a)の例では、5秒間の演出時間の移行演出が設定された後、23秒間の発展演出(当たり発展演出D2)が実行される。
また、図58(b)に示した通り、連続変身演出において、遊技者が毎回の操作有効期間で枠ボタン22を押下した場合には、1~5回目の各変身演出態様の演出期間が、それぞれ最も短い5秒間に設定される。これにより、最大回数である4回の変身を連続変身演出の演出期間内に収めることができる。
このように、遊技者が操作有効期間において枠ボタン22を積極的に押下することで、短い操作有効期間を設定させることにより、より多くの成功報知態様を表示させることができる。即ち、連続変身演出において、設定されている上限の変身回数まで変身を行わせ易くなるので、変身回数から演出の期待度をより正確に予測させることができる。よって、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を押下させることができるので、連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。また、連続変身演出に参加しない(枠ボタン22を押下しない)遊技者が本パチンコ機10で遊技を行った場合には、本来は期待度が高い(変身の上限回数が多い)連続変身演出の場合にも、比較的少ない変身回数で連続変身演出の演出期間が経過してしまうことになる。これにより、少ない変身回数となる場合として、上限回数が多い(即ち、大当たりの期待度が高い)連続変身演出であるにもかかわらず演出期間が経過することにより少ない変身回数で終了してしまうケースを発生させることができる。これにより、少ない変身回数で連続変身演出が終了した場合でも、大当たりに対する期待感を高めることができる。
<第2実施形態における電気的構成>
次に、図59、および図60を参照して、本第2実施形態における電気的構成について説明する。まず、図59(a)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示したブロック図である。
図59(a)に示した通り、本第2実施形態におけるROM222は、第1実施形態におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、期間選択テーブル222dが新たに追加されている点で相違している。また、変身演出選択テーブル222b、および発展演出態様選択テーブル222cの内容が一部変更となっている。
期間選択テーブル222dは、新たな変身演出態様を設定する際に参照されるデータテーブルであり、非押下回数カウンタ223rの値毎に、変身演出態様の表示期間の長さと、操作有効期間の長さとを規定したデータテーブルである。
図60(c)に示した通り、非押下回数カウンタ223rの値「0」に対しては、変身演出態様の表示期間として「5秒」、操作有効期間として「4秒」が対応付けて規定されている。このため、非押下回数カウンタ223rの値が0の状態で新たに変身演出態様を設定する場合には、4秒間の操作有効期間を含む5秒間の変身演出態様が選択される。なお、非押下回数カウンタ223rが0となるのは、連続変身演出における最初の操作有効期間の開始時か、または、1回前の操作有効期間において枠ボタン22に対する押下を検出している場合である。
また、非押下回数カウンタ223rの値「1」に対しては、変身演出態様の表示期間として「7秒」、操作有効期間として「6秒」が対応付けて規定されている。このため、非押下回数カウンタ223rの値が1の状態で新たに変身演出態様を設定する場合には、6秒の操作有効期間を含む7秒間の変身演出態様が選択される。なお、非押下回数カウンタ223rの値が1になるのは、1の連続変身演出において、2回前の操作有効期間において枠ボタン22の押下を検出し、且つ、1回前の操作有効期間において枠ボタン22の押下を検出しなかった場合か、または、連続変身演出の最初の操作有効期間において枠ボタン22の押下を検出しなかった場合である。
また、非押下回数カウンタ223rの値「2以上」に対しては、変身演出態様の表示期間として「9秒」、操作有効期間として「8秒」が対応付けて規定されている。これにより、1の連続変身演出において、枠ボタン22に対する押下が検出されなかった操作有効期間が2回以上連続し、非押下回数カウンタ223rの値が2以上となっている場合は、8秒間の操作有効期間を含む、9秒間の表示期間の変身演出態様が設定される。なお、変身演出態様を設定する際には、当該設定しようとしている変身演出態様が終了した時点における残変動時間が判別(予測)される。そして、残変動時間が演出種別毎に設定されている下限値未満になると判別された場合には、期間選択テーブル222dの規定内容に拘わらず、最短の操作有効期間を設定するように変更される。これにより、発展演出の演出期間を確保することができる。
このように、本第2実施形態では、変身演出態様の表示期間(操作有効期間)を設定する場合に、1の連続変身演出において当該設定しようとしている操作有効期間よりも前に設定された操作有効期間における、枠ボタン22に対する操作状況を加味して、変身演出態様の表示期間(操作有効期間)の長さを決定する構成とし、過去に枠ボタン22の押下が検出されなかった操作有効期間が存在すると、設定される操作有効期間が長くなり易くなる構成としている。より具体的には、枠ボタン22の押下が検出されなかった操作有効期間の連続回数が多いほど、長い時間の表示期間(操作有効期間)が設定される構成としている。これにより、遊技者が枠ボタン22を積極的に押下しなければ、変身演出態様の表示期間が長くなっていき、成功報知態様を表示させる機会が少なくなる。よって、成功報知態様をより多く表示させたいと考える遊技者に対して、連続変身演出の実行中に積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
なお、本第2実施形態では、枠ボタン22に対する操作を検出すると、非押下回数カウンタ223rの値を0にリセットする構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、枠ボタン22に対する操作を検出した場合に、非押下回数カウンタ223rの値から1を減算する構成としてもよい。このように構成することで、非押下回数カウンタ223rの値が多くなる程に、その後の操作有効期間を短くすることが困難となるので、遊技者に対して毎回の操作有効期間において枠ボタン22を押下しようというモチベーションを抱かせることができる。よって、遊技者の連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。
本第2実施形態では、非押下回数カウンタ223rの値が2以上となっている場合に、同一の長さ(9秒間)の変身演出態様が表示される構成としていたが、これに限られず、非押下回数カウンタ223rの値が2より大きい範囲でも、カウンタ値が増加する程、変身演出態様の表示期間を長くする構成してもよい。
次に、図60(a)を参照して、本第2実施形態における変身演出選択テーブル222bの詳細について説明する。この変身演出選択テーブル222bは、第1実施形態における変身演出選択テーブル222bと同様に、変動パターンテーブル222aから、連続変身演出を伴う変動パターンが選択された場合に、当該連続変身演出の演出態様を決定するために参照されるデータテーブルである。
図60(a)に示した通り、本第2実施形態における変身演出選択テーブル222bには、連続変身演出A2~E2の5種類の演出種別が規定されている。連続変身演出A2は、第1実施形態における連続変身演出Aに対応する演出種別であり、最大(上限)の変身回数、および対応付けられている演出カウンタ223nの値については、連続変身演出Aと同一である。同様に、連続変身演出B2は、第1実施形態における連続変身演出Bに対応し、連続変身演出C2は、第1実施形態における連続変身演出Cに対応し、連続変身演出D2は、第1実施形態における連続変身演出Dに対応し、連続変身演出E2は、第1実施形態における連続変身演出Eに対応しており、最大(上限)の変身回数と、対応付けられている演出カウンタ223nの値とが同一になっている。
また、図60(a)に示した通り、連続変身演出A2は、残変動時間の下限が39秒に設定されている。つまり、連続変身演出A2の最後の報知態様が終了するタイミングにおける残変動時間が39秒以上となるように、各変身演出態様(操作有効期間、報知態様)が設定される。同様に、連続変身演出B2は、残変動時間の下限が34秒に設定され、連続変身演出C2は、残変動時間の下限が29秒に設定され、連続変身演出D2は、残変動時間の下限が24秒に設定され、連続変身演出E2は、残変動時間の下限が19秒に設定されている。これらの残変動時間の下限値は、各演出種別に対応する発展演出の演出時間に対して1秒を加算した値が設定されている。即ち、連続変身演出の終了後に、少なくとも1秒間の移行演出を経て、対応する発展演出を実行可能な時間が設定されている。なお、1の連続変身演出における全ての操作有効期間において枠ボタン22を押下した場合には、上限回数の成功報知態様を表示させることができるのに加え、残変動時間が変身演出選択テーブル222bに規定されている下限値に一致したタイミングで、連続変身演出が終了するように、構成されている。
次に、図60(b)を参照して、本第2実施形態における発展演出態様選択テーブル222cの詳細について説明する。この発展演出態様選択テーブル222cは、第1実施形態における発展演出態様選択テーブル222cと同様に、連続変身演出が終了した後に実行される発展演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。
図60(b)に示した通り、本第2実施形態における発展演出態様選択テーブル222cは、連続変身演出の種別、および特別図柄の抽選結果と、発展演出の演出態様(演出時間)とが一対一対応となっている。具体的には、演出種別として連続変身演出A2が実行された場合には、演出時間が38秒間の発展演出が選択される。即ち、今回の変動表示が当たりスーパーリーチであれば、演出時間が38秒間の当たり発展演出A2が選択され、外れスーパーリーチであれば、演出時間が38秒間の外れ発展演出A2が選択される。
同様に、演出種別として連続変身演出B2が実行された場合には、演出時間が33秒間の当たり発展演出B2、または外れ発展演出B2が選択され、連続変身演出C2が実行された場合には、演出時間が28秒の当たり発展演出C2、または外れ発展演出C2が選択される。また、演出種別として連続変身演出D2が実行された場合には、演出時間が23秒間の当たり発展演出D2、または外れ発展演出B2が選択され、連続変身演出E2が実行された場合には、演出時間が18秒の当たり発展演出E2、または外れ発展演出E2が選択される。このように、連続変身演出の演出種別と、発展演出の演出態様とを対応付けて規定しておくことにより、発展演出の演出種別を選択する際の処理負荷を軽減することができる。
次に、図59(b)を参照して、本第2実施形態におけるRAM223について説明する。図59(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図59(b)に示した通り、本第2実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、表示期間中タイマ223pと、非押下回数カウンタ223rと、押下済フラグ223sと、移行演出フラグ223tとが追加されている点で相違している。また、成功報知態様タイマ223iと、失敗報知態様タイマ223jとが削除されている点でも相違している。
表示期間中タイマ223pは、1の変身演出態様が開始されてから、当該変身演出態様の表示期間が終了するまでの期間を計時するタイマである。この表示期間中タイマ223pは、メイン処理(図33参照)の中で1ミリ秒毎に実行される有効期間中処理2の中で値が1ずつ更新される(図63のS4511参照)。
非押下回数カウンタ223rは、1の連続変身演出において、枠ボタン22の押下が検出されなかった操作有効期間の連続回数をカウントするためのカウンタである。この非押下回数カウンタ223rは、操作有効期間において枠ボタン22が1回も押下されていない場合に、値に1が加算される(図63のS4514参照)。この非押下回数カウンタ223rの値と、期間選択テーブル222dの規定内容とに基づいて、変身演出態様の表示期間(および操作有効期間)の長さが決定される。
押下済フラグ223sは、1の操作有効期間において、枠ボタン22に対する押下を検出したか否かを示すフラグであり、オンであれば枠ボタン22に対する押下を検出済みであることを意味する。一方、オフであれば、当該操作有効期間の間に一度も枠ボタン22が押下されていないことを意味する。この押下済フラグ223sは、枠ボタン入力監視・演出処理2において、操作有効期間の間に枠ボタン22の押下を最初に検出した場合にオンに設定される(図61のS4112参照)。また、操作有効期間の終了時に非押下回数カウンタ223rの値を更新した後でオフに設定される(図63のS4515参照)。
移行演出フラグ223tは、実行中の変身演出態様の表示期間が終了するタイミングとなった場合に、移行演出を設定すべきか否かを示すフラグである。この移行演出フラグ223tがオンであれば、変身演出態様の表示期間が終了するタイミングで移行演出の開始を設定すべきであることを意味し、オフであれば、新たな変身演出態様を設定すべきであることを意味する。この移行演出フラグ223tは、新たな変身演出態様を設定する場合に、当該変身演出態様が今回の連続変身演出における最後の変身演出態様であると判別された場合にオンに設定される。即ち、変身演出態様の表示期間の終了タイミングが、演出種別毎に規定されている残変動時間の下限値から5秒以内になると判別した場合に、オンに設定される(図64のS5116参照)。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図61から図64を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図61を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理2(S4021)の詳細について説明する。この枠ボタン入力監視・演出処理2(S4021)は、第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図34参照)に代えて実行される処理であり、枠ボタン22の押下を監視して、押下された状況に応じた制御を行うための処理である。
この第2実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理2(図61参照)のうち、S4101,S4102の各処理では、それぞれ第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図34参照)のS4101,S4102の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理2(図61参照)では、S4102の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S4102:Yes)、次に、押下済フラグ223sがオンであるか否か判別する(S4111)。S4111の処理において、押下済フラグ223sがオンであると判別した場合は(S4111:Yes)、今回検出した押下が、操作有効期間における初回の押下ではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4111の処理において、押下済フラグ223sがオフであると判別した場合は(S4111:No)、操作有効期間における最初の押下を検出したことを意味するので、まず、押下済フラグ223sをオンに設定する(S4112)。そして、非押下回数カウンタ223rの値を0にリセットし(S4113)、押下に対応する押下演出を設定して(S4114)、本処理を終了する。なお、押下演出とは、枠ボタン22が押下されたことを遊技者に対して報知するための演出であり、例えば、枠ボタン22を模した画像が押し込まれた態様の画像を表示させたり、所定の効果音を発生させる演出のことである。
次に、図62を参照して、演出更新処理2(S4022)について説明する。この演出更新処理2(S4022)は、第1実施形態における演出更新処理(図36参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理(図36参照)と同様に、変動表示の実行中において、残りの変動時間や各種タイマの値等に応じて演出態様を可変させるための処理である。
この第2実施形態における演出更新処理2(図62参照)のうち、S4301~S4304,S4310、およびS4311の各処理では、それぞれ第1実施形態における演出更新処理(図36参照)のS4301~S4304,S4310、およびS4311の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における演出更新処理2(図62参照)では、S4304の処理において、有効期間フラグ223eがオンであると判別した場合に(S4304:Yes)、第1実施形態における有効期間中処理(図37(b)参照)に代えて、有効期間中処理2を実行し(S4321)、本処理を終了する。この有効期間中処理2(S4321)は、第1実施形態における有効期間中処理(図37(b)参照)と同様に、操作有効期間の終了タイミングを判別するための処理である。この有効期間中処理2(S4321)の詳細については、図63を参照して後述する。
また、演出更新処理2(図62参照)では、S4304の処理において有効期間フラグ223eがオフであると判別した場合に(S4304:No)、次いで、表示期間中タイマ223pの値が0より大きい値であるかを判別し(S4322)、0であると判別した場合は(S4322:No)、処理をS4310へと移行する。一方、S4322の処理において、表示期間中タイマ223pの値が0より大きいと判別した場合は(S4322:Yes)、表示期間中処理を実行して(S4323)、本処理を終了する。この表示期間中処理(S4323)は、変身演出態様の表示期間が終了するタイミングを判別するための処理であり、その詳細については図64を参照して後述する。
次に、図63を参照して、上述した有効期間中処理2(S4321)の詳細について説明する。この有効期間中処理2(S4321)は、上述した通り、操作有効期間の終了タイミングを判別するための処理である。
有効期間中処理2(図63参照)では、まず、有効期間タイマ223fの値と、表示期間中タイマ223pの値とを共に1ずつ減算して更新する(S4511)。次いで、減算後の有効期間タイマ223fの値が0になったか(操作有効期間の終了タイミングになったか)否かを判別し(S4512)、0になっていなければ(S4512:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4512の処理において、有効期間タイマ223fの値が0になったと判別した場合は(S4512:Yes)、押下済フラグ223sがオンであるか否かを判別する(S4513)。S4513の処理において、押下済フラグ223sがオフであると判別した場合は(S4513:No)、今回の操作有効期間の間に、枠ボタン22に対する押下が検出されなかったことを意味するので、非押下回数カウンタ223rの値に1を加算して更新し(S4514)、処理をS4515へと移行する。
これに対して、S4513の処理において、押下済フラグ223sがオンであると判別した場合は(S4513:Yes)、操作有効期間の間に少なくとも1回、枠ボタン22に対する押下を検出しているので、S4514の処理をスキップして、処理をS4515へと移行する。S4515の処理では、有効期間フラグ223eをオフに設定することで操作有効期間の終了を設定すると共に、押下済フラグ223sをオフに設定して(S4515)、本処理を終了する。
この有効期間中処理2(図63参照)を実行することにより、枠ボタン22に対する押下が検出されなかった操作有効期間の連続回数を示す非押下回数カウンタ223rの値を適切に更新することができる。よって、その後の操作有効期間を、適切な長さに設定することができる。
次に、図64を参照して、上述した表示期間中処理(S4323)の詳細について説明する。図64は、この表示期間中処理(S4323)を示すフローチャートである。
表示期間中処理(図64参照)では、まず、表示期間中タイマ223pの値を1減算し(S5101)、次いで、減算後の表示期間中タイマ223pの値が0であるか否かを判別する(S5102)。S5102の処理において、減算後の表示期間中タイマ223pの値が0でないと判別した場合は(S5102:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5102の処理において、減算後の表示期間中タイマ223pの値が0になったと判別した場合は(S5102:Yes)、変身演出態様の表示期間が終了するタイミングであることを意味するので、新たな変身演出態様、または移行演出のいずれかを設定するための処理を実行する。
具体的には、まず、移行演出フラグ223tがオンであるか否かを判別し(S5103)、オンであると判別した場合は(S5103:Yes)、移行演出を設定すべきであることを意味するため、まず、今回の演出種別に対応する発展演出の態様を、発展演出態様選択テーブル222c(図60(b)参照)から選択して、その読み出した発展演出の態様に対応するデータを発展演出格納エリア223mに格納する(S5104)。次いで、残りの変動時間と、S5104の処理で発展演出態様選択テーブル222cから選択した発展演出の演出時間との差分を、今回設定する移行演出の演出時間に設定して(S5105)、本処理を終了する。このS5105の処理を実行することにより、発展演出の演出時間と、残りの変動時間との差分を移行演出の演出時間によりカバーすることができるので、変動表示の終了タイミングと、発展演出の終了タイミングとを一致させることができる。
一方、S5103の処理において、移行演出フラグ223tがオフであると判別した場合は(S5103:No)、新たに変身演出態様を設定すべきであることを意味するため、まず、非押下回数カウンタ223rの値に対応する変身演出態様の表示期間、および操作有効期間を、期間選択テーブル222dから読み出す(S5106)。次いで、読み出した表示期間は、今回設定されている連続変身演出の演出期間の範囲内であるかを判別する(S5107)。より具体的には、現時点の残変動時間から、読み出した表示期間を減じた時間が、演出種別毎に予め定められている下限値以上となるか否かを判別する。
S5107の処理において、変身演出態様の表示期間が連続変身演出の演出期間の範囲を超えると判別した場合は(S5107:No)、変身演出態様の表示期間を、連続変身演出の演出期間に収めるために、最も短い5秒間の表示期間を設定する。即ち、表示期間中タイマ223pに対して5秒に対応するタイマ値を設定すると共に、有効期間タイマ223fに4秒に対応するタイマ値を設定する(S5108)。次いで、設定した表示期間で失敗報知態様が表示される種別の変身演出態様を設定し(S5109)、移行演出フラグ223t、および有効期間フラグ223eを共にオンに設定して(S5110)、本処理を終了する。即ち、長い操作有効期間が選択され、変身演出態様の終了タイミングが連続変身演出の演出期間を超えてしまうと判別された場合には、最短の表示期間に切り替えられると共に、連続変身演出が打ち切られる。
S5107の処理において、変身演出態様の終了タイミングが、連続変身演出の演出期間の範囲内であると判別した場合は(S5107:Yes)、S5106の処理で読み出した表示期間に対応するタイマ値を表示期間中タイマ223pに設定すると共に、読み出した操作有効期間に対応するタイマ値を有効期間タイマ223fに設定する(S5111)。次いで、有効期間フラグ223eをオンに設定することで操作有効期間を開始させる(S5112)。
S5112の処理が終了すると、次に、S5106の処理で読み出した表示期間が経過するタイミング(変身演出態様の終了タイミング)が、連続変身演出の演出時間が終了する5秒前以降であるか(下限の残変動時間に対して5秒以内であるか)否かを判別し(S5113)、表示期間が経過する時点で演出期間に対して5秒以上の余裕があると判別した場合は(S5113:No)、変身回数カウンタ223gの値に1を加算して更新し(S5114)、S5111の処理で設定した表示期間で終了する、成功報知態様を伴う変身演出態様の実行を設定して(S5115)、本処理を終了する。
一方、S5113の処理において、表示期間の終了タイミングが、演出期間が終了する5秒前以降であると判別した場合は(S5113:Yes)、今回設定する操作有効期間で連続変身演出を終了させるために、移行演出フラグ223tをオンに設定する(S5116)。そして、変身回数カウンタ223gの値が4であるか否かを判別し(S5117)、値が4であると判別した場合は(S5117:Yes)、処理をS5114へと移行して5回目の成功報知態様の実行を設定する。本第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、成功報知態様の最大回数は5回であり、5回目の成功報知態様を設定した後は、直接移行演出を実行する構成としている。
これに対し、S5117の処理において、変身回数カウンタ223gの値が4でない(3以下である)と判別した場合は(S5117:No)、S5111の処理で設定した表示期間の経過時に終了する、失敗報知態様を伴う変身演出態様の実行を設定して(S5118)、本処理を終了する。
この表示期間中処理を実行することにより、枠ボタン22に対する押下を検出しなかった操作有効期間の連続回数に応じて操作有効期間の長さを可変させることができる。
以上説明した通り、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、連続変身演出の各操作有効期間において遊技者が枠ボタン22を押下したか否かを判別し、枠ボタン22に対する押下が行われなかった操作有効期間が連続しているほど、設定される操作有効期間が長くなる構成としている。このように構成することで、上記第1実施形態と同様に、遊技者が枠ボタン22を積極的に押下した場合にのみ、変身回数(成功報知態様の表示回数)を演出種別毎に設定された上限回数に到達させることが可能としている。よって、上限回数まで変身を行わせたいと考える遊技者に対して、枠ボタン22を積極的に押下させることができるので、遊技者の連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、本第2実施形態では、非押下回数カウンタ223rの各値に対して、1の変身演出態様の表示期間が対応付けられていたが、これに限られるものではない。枠ボタン22の押下を検出しなかった操作有効期間の連続回数によって、選択される表示期間の傾向を異ならせることができればよく、例えば、非押下回数カウンタ223rの各値に対して、選択すべき表示期間の候補を複数対応付けて規定する構成としてもよい。そして、候補の中から抽選により1の表示期間を選択する構成としてもよい。また、表示期間の抽選においては、非押下回数カウンタ223rの値が大きいほど、長い表示期間が選択される割合を高くする構成としてもよい。このように構成することで、設定される表示期間の長さにランダム性を付与することができる。更に、この場合において、特別図柄の抽選結果に応じて、選択され易い表示期間を異ならせる構成としても良い。このように構成することで、成功報知態様の表示回数だけでなく、変身演出態様の表示期間の長さにも注目して遊技を行わせることができるので、連続変身演出の実行中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第2実施形態では、枠ボタン22の押下を検出しなかった操作有効期間の連続回数に応じて、設定する操作有効期間の長さを可変させる構成としていたが、これに限られるものではない。遊技者が枠ボタン22を押下した方が、より多くの成功報知態様の表示回数となり易く設定できればよく、例えば、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の連続回数をカウントする構成としてもよい。そして、カウントした連続回数が多いほど、設定される操作有効期間の長さが短くなるように構成してもよい。そして、枠ボタン22を積極的に押下して連続回数のカウント値を多くし、より短い操作有効期間が設定されなければ、演出種別毎に設定されている上限の変身回数に到達する前に連続変身演出が終了するように構成してもよい。このように構成することで、上述した第2実施形態と同様に、より多くの成功報知態様を表示させたい遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。即ち、連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。
本第2実施形態では、枠ボタン22に対する押下が検出されなかった連続回数を、1の連続変身演出内でカウントする構成としていたが、これに限られるものではなく、過去の連続変身演出における連続回数を引き継いでカウントする構成としてもよい。即ち、前回の連続変身演出の終了時における非押下回数カウンタ223rのカウンタ値を保持しておき、次の連続変身演出では、保持しておいた非押下回数カウンタ223rの値からカウントを開始する構成としてもよい。この場合において、非押下回数カウンタ223rそのものを前回の連続変身演出の終了時における状態のまま保持してもよいし、連続変身演出の終了時に、非押下回数カウンタ223rの値をRAM223の所定の記憶領域に退避させておき、連続変身演出の開始時に、退避させておいたカウンタ値を再度、非押下回数カウンタ223rに対してセットする構成としてもよい。このように構成することで、1の連続変身演出における遊技者の操作状況を、次回以降にも引き継ぐことができるので、操作を行わなかった場合の影響をより大きくすることができる。よって、遊技者に対してより積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
<第3実施形態>
次いで、図65から図67を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、連続変身演出の演出種別毎に、変身の上限回数が定められており、変身回数が上限回数未満で、且つ、残変動時間が下限値以上となっている状態で操作有効期間が終了した場合には、必ず変身に成功する(成功報知態様が表示される)構成としていた。
これに対して本第3実施形態では、変身回数が上限回数未満の場合に、成功報知態様を表示させるか否かを抽選により決定する構成としている。また、成功報知態様が表示される割合は、大当たりとなる変動表示の方が、外れとなる変動表示よりも高くなるように構成している。これにより、成功報知態様の表示回数が多くなった場合における、大当たりに対する期待度を第1実施形態よりも更に向上させている。更に、操作有効期間が経過することにより実行される抽選よりも、枠ボタン22を押下することで実行される抽選の方が、成功報知態様が表示される割合が高くなる構成としている。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成>
まず、図65を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222について説明する。図65(a)は、第3実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である、図65(a)に示した通り、本第3実施形態におけるROM222は、第1実施形態におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、変身可否判定テーブル222eが追加されている点で相違している。
変身可否判定テーブル222eは、報知態様(成功報知態様、または失敗報知態様)の表示条件が成立した場合に、成功報知態様を表示させるか、失敗報知態様を表示させるかを判定するために参照されるデータテーブルである。この変身可否判定テーブル222eの詳細について、図65(b)を参照して説明する。
図65(b)は、この変身可否判定テーブル222eの規定内容を示した図である。図65(b)に示した通り、変身可否判定テーブル222eには、連続変身演出が設定されている変動表示の変動種別(当たりスーパーリーチであるか、外れスーパーリーチであるか)、および操作有効期間の終了条件毎に、成功報知態様の表示が決定される演出カウンタ223nのカウンタ値(乱数値)の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図65(b)に示した通り、変動種別が当たりスーパーリーチであり、且つ、枠ボタン22の押下を検出したことにより操作有効期間が終了した場合、演出カウンタ223nの値として「0~79」の範囲が対応付けて規定されている。演出カウンタ223nの取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、成功報知態様を表示させると判別されるカウンタ値(乱数値)の個数が80個なので、当たりスーパーリーチの実行中において、操作有効期間が終了した場合に成功報知態様が表示される割合は80%(80/100)である。
一方、変動種別が外れスーパーリーチであり、且つ、枠ボタン22の押下を検出したことにより操作有効期間が終了した場合、演出カウンタ223nの値として「50~99」の範囲が対応付けて規定されている。演出カウンタ223nの取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、成功報知態様を表示させると判別されるカウンタ値(乱数値)の個数が50個なので、外れスーパーリーチの実行中において、操作有効期間が終了した場合に成功報知態様が表示される割合は50%(50/100)である。
このように、当たりスーパーリーチの実行中に操作有効期間が終了すると、80%の割合で成功報知態様が表示されるのに対し、外れスーパーリーチの実行中に操作有効期間が終了しても、50%の割合でしか成功報知態様が表示されないので、成功報知態様の表示回数が増加するほど、当たりスーパーリーチが実行されている可能性が高くなる。よって、成功報知態様がより多くの回数継続することを願って連続変身演出中における遊技を行わせることができる。
また、図65(b)に示した通り、変動種別が当たりスーパーリーチであり、且つ、枠ボタン22の押下を検出せずに操作有効期間終了した場合、演出カウンタ223nの値として「0~49」の範囲が規定されている。演出カウンタ223nの取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、成功報知態様を表示させると判別されるカウンタ値(乱数値)の個数が50個なので、当たりスーパーリーチの実行中において、操作有効期間が終了した場合に成功報知態様が表示される割合は50%(50/100)である。
一方、変動種別が外れスーパーリーチであり、且つ、ボタン22の押下を検出せずに操作有効期間終了した場合、演出カウンタ223nの値として「60~99」の範囲が対応付けて規定されている。演出カウンタ223nの取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、成功報知態様を表示させると判別されるカウンタ値(乱数値)の個数が40個なので、外れスーパーリーチの実行中において、操作有効期間が終了した場合に成功報知態様が表示される割合は40%(40/100)である。
このように、当たりスーパーリーチの実行中に操作有効期間が終了すると、50%の割合で成功報知態様が表示されるのに対し、外れスーパーリーチの実行中に操作有効期間が終了しても、40%の割合で成功報知態様が表示される。即ち、枠ボタン22の押下を検出したことにより操作有効期間が終了した場合に比較して、当たりスーパーリーチの場合と、外れスーパーリーチの場合とで成功報知態様の表示が決定される割合の差が少なくなっている。よって、枠ボタン22を押下せずに操作有効期間を経過させた場合は、成功報知態様が表示されても、大当たり期待度がそれほど高くならない。このため、連続変身演出の実行中に大当たり期待度をより正確に推測したいと考える遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
また、枠ボタン22を押下せずに操作有効期間を経過させた場合には、当たりスーパーリーチの実行中であっても、50%の割合でしか成功報知態様が表示されない構成としている。即ち、枠ボタン22の押下を検出して操作有効期間が終了した場合よりも、成功報知態様が表示され難い構成となっている。言い換えれば、枠ボタン22をあまり押下しない遊技者が遊技を行うと、大当たりとなる場合にも、比較的少ない成功報知態様の表示回数で、連続変身演出が終了し易くなる。よって、少ない成功報知態様の表示回数で大当たりとなる場合を増加させることができるので、少ない成功報知態様の表示回数で連続変身演出が終了したとしても、大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図66、および図67を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図66は、枠ボタン入力監視・演出処理3(S4031)を示すフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理3(図66参照)は、第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図34参照)に代えてメイン処理の中で実行される処理であり、操作有効期間の間に枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、対応する演出を設定するための処理である。
この枠ボタン入力監視・演出処理3(図66参照)のうち、S4101、およびS4102の各処理では、それぞれ第1実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理(図34参照)のS4101、およびS4102の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理3(図66参照)では、S4102の処理において、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合に(S4102:Yes)、第1実施形態における変身設定処理(図35参照)に代えて、変身設定処理3を実行し(S4121)、本処理を終了してメイン処理(図33参照)に戻る。この変身設定処理3(S4121)の詳細について、図67を参照して説明する。
図67は、変身設定処理3(S4121)を示すフローチャートである。この変身設定処理3(S4121)は、第1実施形態における変身設定処理(図35参照)と同様に、残変動時間や変身回数等に応じて対応する報知態様の表示を設定するための処理である。
この変身設定処理3(図67参照)のうち、S4201~S4208、およびS4210~S4212の各処理では、それぞれ第1実施形態における変身設定処理(図35参照)のS4201~S4208、およびS4210~S4212の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における変身設定処理3(図67参照)では、S4203の処理において、変身回数カウンタ223gの値が、今回の連続変身演出の演出種別に対応する上限の変身回数未満であると判別した場合に(S4203:No)、残りの変動時間が成功報知態様を表示可能(変身が可能)な期間内であるか否かを判別する(S4221)。即ち、残りの変動時間が、演出種別毎に規定されている下限値以上となっているかを判別する。
S4221の処理において、成功報知態様の表示(変身)が可能な期間ではないと判別した場合は(S4221:No)、失敗報知態様の設定、および発展演出の演出種別の選択を行うために、処理をS4204へと移行する。一方、S4221の処理において、現在が成功報知態様の表示を設定可能な期間内であると判別した場合は(S4221:Yes)、まず、変身可否判定テーブル222e(図66(b)参照)と、演出カウンタ223nの値とを読み出す(S4222)。次いで、演出カウンタ223nの値が、変身可否判定テーブル222eに規定されている、成功報知態様の表示決定(変身の成功)に対応するカウンタ値に一致するかを判別する(S4223)。
S4223の処理において、成功報知態様の表示決定に対応するカウンタ値であると判別した場合は(S4223:Yes)、成功報知態様を表示させるために、S4210へと処理を移行する。一方、S4223の処理において、成功報知態様の表示決定に対応するカウンタ値でないと判別した場合は(S4223:No)、失敗報知態様を表示させるために、処理をS4204へと移行する。
この変身設定処理3により、成功報知態様を表示するか否かを変動表示の種別、および操作有効期間の終了条件に応じた抽選確率で抽選することができるので、成功報知態様の表示回数に基づいて、遊技者に対して今回の変動表示の結果が当たりとなるのかどうかを予測させることができる。よって、操作有効期間が終了した後に表示される報知態様の種別により注目して遊技を行わせることができる。
以上説明した通り、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、連続変身演出が設定された変動表示の変動種別に応じて、成功報知態様の表示が決定される割合を異ならせ、大当たりとなる場合の方が、外れの場合よりも高い割合で成功報知態様の表示が決定される構成としている。このように構成することで、成功報知態様が表示されるか否かにより注目して遊技を行わせることができる。また、少しでも多くの回数、成功報知態様が表示されるのか否かを確認して、大当たりの期待度をより正確に判定したいと考える遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。よって、連続変身演出に対する参加意欲を向上させることができる。
また、本第3実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、枠ボタン22を押下して操作有効期間を打ち切ることにより、演出種別毎に設定されている上限回数まで成功報知態様が表示され得る構成としている。即ち、本第3実施形態では、遊技者が枠ボタン22を積極的に押下して操作有効期間を途中で打ち切り、且つ、成功報知態様を表示させるか否かの抽選に当選し続けた場合に、上限回数まで成功報知態様が表示され得る構成としている。このため、第1実施形態に比べると、成功報知態様が表示される回数が少なくなり易い。つまり、当たりとなる場合も、外れとなる場合も、成功報知態様の表示回数が比較的少なくなり易いので、少ない回数で連続変身演出が終了したとしても、当たりとなることに対して期待感を抱かせることができる。よって、遊技者の連続変身演出に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第3実施形態では、枠ボタン22の押下を検出したことに基づいて操作有効期間が終了した場合と、枠ボタン22の押下を検出せずに操作有効期間が終了した場合とで、成功報知態様を表示させるか否かの抽選確率を異ならせている。そして、枠ボタン22の押下を検出せずに操作有効期間が終了した場合には、当たりスーパーリーチの場合と外れスーパーリーチの場合とで、成功報知態様の表示が決定される抽選確率の差が少なくなるように構成している。このように構成することで、枠ボタン22を押下せずに操作有効期間を経過させた場合は、成功報知態様が表示されても、大当たり期待度がそれほど高くならないので、連続変身演出の実行中に大当たり期待度をより正確に推測したいと考える遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
なお、本第3実施形態では、成功報知態様を表示するか否かの抽選に漏れた場合に、失敗報知態様を表示させて連続変身演出を終了させる構成としていたが、必ずしも連続変身演出を終了させる必要はない。例えば、成功報知態様を表示させる回数でなく、操作有効期間を設定する回数の上限値を定めておき、当該上限値に到達するまでは、失敗報知態様が表示されたとしても連続変身演出を継続させる(失敗報知態様の終了後に新たな操作有効期間を設定する)構成としても良い。このように構成することで、成功報知態様の表示抽選を、より多くの回数に渡って行わせることができる。また、積極的に枠ボタン22を押下して操作有効期間を打ち切ることにより、更に多くの回数に渡って成功報知態様の表示抽選を行わせることができる。よって、成功報知態様が表示された割合から、当たりとなるのか、外れとなるのかを遊技者により正確に予測させることができる。従って、連続変身演出においてより積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
本第3実施形態では、特別図柄の抽選結果によらず、枠ボタン22を押下した場合の方が、枠ボタン22の押下を検出せずに操作有効期間が経過した場合よりも成功報知態様を表示するか否かの抽選における当選確率を高く構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選が大当たりとなった場合には、枠ボタン22を押下した方が、成功報知態様の表示抽選の当選確率を高くする一方で、特別図柄の抽選が外れとなった場合には、枠ボタン22を押下してもしなくても当選確率が同一となるように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を押下して成功報知態様が表示された場合における、大当たり期待度をより高めることができるので、遊技者に対してより積極的に枠ボタン22を押下させることができる。また、例えば、枠ボタン22を押下した方が、成功報知態様の表示抽選の当選確率を高くする一方で、特別図柄の抽選が外れとなった場合には、枠ボタン22を押下した場合に当選確率が低くなるように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を押下して成功報知態様が表示された場合に、大当たり期待度をより高くすることができる。また、成功報知態様を表示させるか否かの抽選確率を、特別図柄の抽選結果のみに依存させる構成としてもよい。つまり、操作有効期間中に枠ボタン22の押下を検出した場合も、枠ボタン22の押下を検出せずに操作有効期間が経過した場合も、同一の確率で成功報知態様を表示させるか否かの抽選を行う構成としてもよい。
<第4実施形態>
次に、図68から図72を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、成功報知態様を表示させるか否かを抽選により決定し、抽選に当選した場合に成功報知態様を表示させる構成としていた。また、当たりスーパーリーチの実行中の方が、外れスーパーリーチの実行中よりも成功報知態様の表示決定がなされる抽選確率を高く設定していた。これにより、成功報知態様の表示回数が増加するほど、遊技者の大当たりに対する期待感をより向上きる構成としていた。
これに対して本第4実施形態では、1の連続変身演出における所定期間(前半2回の操作有効期間)の間に、枠ボタン22に対する押下状況(遊技者の操作状況)を判別し、当該判別結果に応じて成功報知態様が設定される割合を可変させる構成としている。つまり、連続変身演出において、操作有効期間が設定された場合に積極的に枠ボタン22を押下する遊技者であるか否かを判別し、判別結果に応じて当たりか否かの期待度を示唆する方式(報知態様を選択する際の選択率)を異ならせる構成としている。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第3実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第4実施形態における電気的構成>
まず、図68、および図69を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223の構成について説明する。まず、図68を参照し、ROM222の詳細について説明する。まず、図68(a)は、第4実施形態における発展演出態様選択テーブル222cを示すブロック図である。
図68(a)に示した通り、本第4実施形態の発展演出態様選択テーブル222cは、変身回数カウンタ223gの値、および変動表示の変動種別毎に、選択すべき発展演出の演出態様が対応付けて規定されている。
なお、変身回数カウンタ223gの値に応じて発展演出の演出態様を決定できるのは、上述した第2実施形態と同様に、本第4実施形態では操作有効期間が途中で打ち切られることがない構成としているためである。更に、本第4実施形態では、第1実施形態や第3実施形態と同様に、操作有効期間として必ず5秒間が設定される構成となっている。このため、失敗報知態様の表示を設定する時点における変身回数カウンタ223gの値と、残変動時間との関係が一対一対応となる。例えば、変身回数カウンタ223gの値が2であれば、5秒間の操作有効期間が3回と、1秒間の成功報知態様が2回とが表示されたことを意味するので、失敗報知態様の表示を設定する時点での経過時間は必ず28秒となる(連続変身演出が開始されるまでの11秒+5秒×3+1秒×2)。つまり、残変動時間が32秒となる。よって、失敗報知態様の表示期間である1秒間と、移行演出の表示期間である1秒を加味すると、発展演出として30秒間の演出を実行すれば、変動表示の終了タイミングと発展演出の終了タイミングとを一致させることができる。
同様に、変身回数カウンタ223gの値が4であれば、5秒間の操作有効期間が5回と、1秒間の成功報知態様が4回とが表示されたことを意味するので、失敗報知態様の表示を設定する時点での経過時間は必ず40秒となる(11秒+5秒×5+1秒×4)。つまり、残変動時間が20秒となる。よって、失敗報知態様、および移行演出の演出時間を減じた18秒の発展演出を実行すれば、発展演出の終了タイミングを変動表示の終了タイミングに合わせることができる。
図68(a)に示した通り、発展演出態様選択テーブル222cにおいて、変身回数カウンタ223gの値「2」に対しては、演出時間が30秒間の発展演出が対応付けて規定されている。即ち、当たりスーパーリーチに対して、演出時間が30秒間の当たり発展演出A4が、外れスーパーリーチに対して、演出時間が30秒間の外れ発展演出A4が対応付けて規定されている。
同様に、変身回数カウンタ223gの値「3」に対しては、演出時間が24秒間の発展演出が対応付けて規定されている。即ち、当たりスーパーリーチに対して、演出時間が24秒間の当たり発展演出B4が、外れスーパーリーチに対して、演出時間が24秒間の外れ発展演出B4が対応付けて規定されている。また、変身回数カウンタ223gの値「4,5」に対しては、演出時間が18秒間の発展演出が対応付けて規定されている。即ち、当たりスーパーリーチに対して、演出時間が18秒間の当たり発展演C4が、外れスーパーリーチに対して、演出時間が18秒間の外れ発展演出C4が対応付けて規定されている。
このように、発展演出態様選択テーブル222cを参照することにより、変身回数カウンタ223gの値に応じて、残りの変動時間にマッチする発展演出の種別を決定することができるので、発展演出の終了タイミングと、変動表示の終了タイミングとを一致させることができる。
次に、図68(b)~(d)を参照して、本第4実施形態における変身可否判定テーブル222eの詳細について説明する。まず、図68(b)は、本第4実施形態における変身可否判定テーブル222eの構成を示したブロック図である。図68(b)に示した通り、本第4実施形態における変身可否判定テーブル222eは、連続変身演出において枠ボタン22を押下する傾向にある遊技者が遊技を行っていると判別された場合に、成功報知態様を表示させるか否かを判別するために用いられる押下傾向用テーブル222e1と、枠ボタン22を押下しない傾向にある遊技者が遊技を行っていると判別された場合に、成功報知態様を表示させるか否かを判別するために用いられる非押下傾向用テーブル222e2とで少なくとも構成されている。
なお、本第4実施形態では、連続変身演出の開始後、2回の操作有効期間に渡って、遊技者の傾向を判別する構成としている。即ち、最初の2回の操作有効期間で2回とも枠ボタン22の押下を検出した場合は、積極的に枠ボタン22を押下する傾向の遊技者が遊技を行っていると判別する。一方、それ以外の場合は、枠ボタン22を押下しない傾向の遊技者が遊技を行っていると判別する。なお、遊技者の傾向を判別するために、最初の2回の操作有効期間では、終了後の報知態様として必ず成功報知態様を設定する構成としている。即ち、遊技者の傾向を判別する前に失敗報知態様を表示させ、連続変身演出を終了させてしまうことが無いように構成されている。
図68(c)は、押下傾向用テーブル222e1の規定内容を示した図である。図68(c)に示した通り、押下傾向用テーブル222e1には、1の連続変身演出における操作有効期間の設定回数、および変動種別毎に、成功報知態様を表示させると判断される演出カウンタ223nの値が対応付けて規定されている。
具体的には、変動種別が当たりスーパーリーチの場合、連続変身演出における3~5回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~79」が対応付けて規定されている。これにより、連続変身演出の3~5回目の操作有効期間が終了した場合には、80%の割合で成功報知態様が表示される。
一方、変動種別が外れスーパーリーチの場合、連続変身演出における3回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~59」が対応付けて規定され、4回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~39」が対応付けて規定され、5回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~19」が対応付けて規定されている。
このため、外れスーパーリーチが実行されている場合には、当たりスーパーリーチに比較して成功報知態様の表示が決定され難くなる。更に、操作有効期間が多くなるほど、成功報知態様の表示が決定され難くなる。このため、成功報知態様の表示回数が多くなるほど、大当たりとなる期待度が高まる。よって、枠ボタン22を押下する傾向にある遊技者に対して、成功報知態様がより多くの回数、表示されることを期待して遊技を行わせることができる。
図68(d)は、非押下傾向用テーブル222e2の規定内容を示した図である。この非押下傾向用テーブル222e2は、押下傾向用テーブル222e1(図68(c)参照)と同様の構成となっている。即ち、図68(d)に示した通り、1の連続変身演出における操作有効期間の設定回数、および変動種別毎に、成功報知態様を表示させると判断される演出カウンタ223nの値が対応付けて規定されている。
具体的には、変動種別が当たりスーパーリーチの場合、連続変身演出における3回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~39」が対応付けて規定され、4回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~79」が対応付けて規定され、5回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~39」が対応付けて規定されている。即ち、当たりスーパーリーチの実行中は、奇数回目(3回目、および5回目)の操作有効期間の終了時に成功報知態様が設定され難くなる一方で、偶数回目(4回目)の操作有効期間の終了時に成功報知態様が設定され易くなる。
一方、変動種別が外れスーパーリーチの場合、連続変身演出における3回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~69」が対応付けて規定され、4回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~49」が対応付けて規定され、5回目の操作有効期間に対して、演出カウンタ223nの値の範囲として「0~69」が対応付けて規定されている。即ち、外れスーパーリーチの実行中は、当たりスーパーリーチの場合とは逆に、奇数回目(3回目、および5回目)の操作有効期間の終了時に成功報知態様が設定され易くなる一方で、偶数回目(4回目)の操作有効期間の終了時に成功報知態様が設定され難くなる。
よって、奇数回目の操作有効期間が終了した後は、失敗報知態様が表示された方が大当たりとなる期待度が高まる一方で、偶数回目の操作有効期間が終了した後は、成功報知態様が表示された方が大当たりとなる期待度が高まる。よって、奇数回目の操作有効期間においては、期間の終了後に失敗報知態様が表示されることを期待して遊技を行わせることができる一方で、偶数回目の操作有効期間においては、期間の終了後に成功報知態様が表示されることを期待して遊技を行わせることができる。
このように、枠ボタン22を押下する傾向の遊技者と、押下し難い傾向の遊技者とで、成功報知態様を表示させるか否かの抽選方法(抽選に用いるテーブル)を異ならせている。これにより、枠ボタン22を押下する傾向の遊技者が遊技を行っている場合には、成功報知態様の表示回数が多くなるほど大当たり期待度が高くなる遊技性を提供することができる。一方で、枠ボタン22を押下し難い傾向の遊技者が遊技を行っている場合には、奇数回目に成功報知態様が表示されると大当たり期待度が低下し、偶数回目に成功報知態様が表示されると大当たり期待度が向上する遊技性を提供することができる。
また、1の連続変身演出における最初の2回の操作有効期間において、枠ボタン22を押下するかしないかで、成功報知態様を表示させるか否かの判定に用いるテーブルを切り替えることができる。即ち、大当たりの期待度を示唆する方法(遊技性)を切り替えることができるので、遊技者に対して好みの示唆方法を選択させることができる。よって、遊技者毎の趣向に合わせた示唆方法を実現することができる。また、1の示唆方法に飽きてしまっても、他方の示唆方法に切り替えることができるので、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)できる。
なお、本第4実施形態では、大当たりとなる期待度を成功報知態様の表示タイミングからより正確に判別できるように、連続変身演出の種別として、最大の変身回数が5回の連続変身演出のみが設定される構成としている。このように構成することで、失敗報知態様が表示される場合を、変身可否判定テーブル222eに基づく成功報知態様の表示抽選に漏れた場合に限定することができる。よって、大当たりとなる期待度を遊技者により正確に予測させることができる。
次に、図69を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。図69は、RAM223の構成を示したブロック図である。図69に示した通り、本第4実施形態におけるRAM223は、第3実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、押下済フラグ223sと、押下回数カウンタ223uとが設けられている点で相違する。
押下済フラグ223sは、第2実施形態と同様に、1の操作有効期間において枠ボタン22に対する押下を検出したか否かを示すフラグである。また、押下回数カウンタ223uは、連続変身演出における前半2回の操作有効期間のうち、枠ボタン22に対する押下を検出した操作有効期間の回数をカウントするためのカウンタである。この押下回数カウンタ223uのカウンタ値に基づいて、遊技者の傾向(枠ボタン22を押下する傾向の遊技者が遊技を行っているのか否か)が判別される。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図70から図72を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図70を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理4(S4041)について説明する。この枠ボタン入力監視・演出処理4(S4041)は、第3実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理3(図66参照)に代えて実行され、枠ボタン22に対する押下を監視して、押下を検出した場合に対応する演出を表示させるための処理である。
この第4実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理4(図70参照)のうち、S4101,S4102の各処理では、それぞれ第3実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理3(図66参照)のS4101,S4102の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理4では、S4102の処理において、枠ボタン22に対する押下を検出したと判別した場合に(S4102:Yes)、押下済フラグ223sがオンであるか否かを判別し(S4131)、押下済フラグ223sがオンであれば(S4131:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4131の処理において、押下済フラグ223sがオフであると判別した場合は(S4131:No)、押下済フラグ223sをオンに設定し(S4132)、次いで、押下回数カウンタ223uの値に1を加算して更新する(S4133)。そして、押下を検出したことを遊技者に報知する押下演出を設定して(S4134)、本処理を終了する。この第4実施形態における枠ボタン入力監視・演出処理4(図70参照)では、押下回数カウンタ223uを枠ボタン22に対する押下に応じて更新できるので、遊技者の枠ボタン22に対する押下の傾向を、押下回数カウンタ223uの値に応じて判別することができる。
次に、図71を参照して、有効期間中処理4(S4331)について説明する。この有効期間中処理4(S4331)は、第3実施形態(および第1実施形態)における有効期間中処理(図37(b)参照)に代えて実行される処理であり、操作有効期間の終了タイミングで対応する制御を行うため処理である。
この第4実施形態における有効期間中処理4(図71参照)のうち、S4501,S4502の各処理では、それぞれ第3実施形態における有効期間中処理(図37(b)参照)と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における有効期間中処理4(図71参照)では、S4502の処理において、減算後の有効期間タイマ223fの値が0であると判別した場合に(S4502:Yes)、次いで、押下済フラグ223sをオフに設定し(S4531)、変身設定処理4を実行する(S4532)。この変身設定処理4は、第3実施形態における変身設定処理3(図67参照)と同様に、連続変身演出における報知態様を選択するための処理である。この変身設定処理4(S4532)の詳細については、図72を参照して後述する。
S4532の処理が終了すると、次に、変身回数カウンタ223gの値が2であるか否かを判別する(S4533)。即ち、上述した通り、本第4実施形態では、1回目、および2回目の操作有効期間が終了した後は、必ず成功報知態様が表示される(変身に成功する)。そして、2回の操作有効期間において、遊技者が枠ボタン22を押下した回数により、遊技者の傾向を判別する。このS4533の処理では、遊技者の押下の傾向を判別するタイミングとなったか(前半2回の操作有効期間が終了したタイミングであるか)否かを判別している。
S4533の処理において、変身回数カウンタ223gの値が2ではないと判別した場合は(S4533:No)、遊技者の押下の傾向を判別するタイミングではないので、そのまま本処理を終了する。一方、S4533の処理において、変身回数カウンタ223gの値が2であると判別した場合には(S4533:Yes)、遊技者の押下の傾向を判別して、成功報知態様を表示させるか否かの抽選に用いるテーブルを設定するためのS4534~S4536の処理を実行する。
具体的には、押下回数カウンタ223uの値が2であるか否かを判別し(S4534)、押下回数カウンタ223uの値が2であると判別した場合は(S4534:Yes)、成功報知態様を表示させるか否かの抽選(変身可否の判定)に用いるテーブルとして、押下傾向用テーブル222e1(図68(c)参照)を設定し(S4535)、本処理を終了する。押下回数カウンタ223uの値が2ということは、連続変身演出における前半2回の操作有効期間において、2回とも遊技者が枠ボタン22を押下していることを意味するため、積極的に枠ボタン22を押下する遊技者が遊技を行っている可能性が高いからである。
一方、S4534の処理において、押下回数カウンタ223uの値が1以下であると判別した場合は(S4534:No)、枠ボタン22を押下し難い傾向の遊技者が遊技を行っている可能性が高いと判別して、成功報知態様を表示させるか否かの抽選に用いるテーブルとして、非押下傾向用テーブル222e2(図68(d)参照)を設定し(S4536)、本処理を終了する。
次に、図72を参照して、上述した変身設定処理4(S4532)の詳細について説明する。図72は、この変身設定処理4(S4532)を示すフローチャートである。この変身設定処理4(S4532)のうち、S4201,S4202,S4206、およびS4210~S4212の各処理では、それぞれ第3実施形態における変身設定処理3(図67参照)のS4201,S4202,S4206、およびS4210~S4212の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における変身設定処理4(図72参照)では、S4202の処理が終了すると、S4202の処理で読み出した変身回数カウンタ223gの値が2以上であるか否かを判別する(S4231)。S4231の処理において、変身回数カウンタ223gの値が2未満であると判別した場合は(S4231:No)、今回の変身設定処理4が、連続変身演出の前半2回の操作有効期間のどちらかが終了したタイミングで実行されたことを意味する。上述した通り、前半2回の操作有効期間が終了した後は、必ず成功報知態様を表示させるので、この場合は、成功報知態様を設定するためのS4210~S4212の処理を実行して、本処理を終了する。
一方、S4231の処理において、変身回数カウンタ223gの値が2以上であると判別した場合は(S4231:Yes)、変身可否判定テーブル222eのうち、有効期間中処理4(図71参照)において設定されたテーブル(押下傾向用テーブル222e1、または非押下傾向用テーブル222e2のいずれか)と、演出カウンタ223nの値とを読み出す(S4222)。なお、上述した通り、押下傾向用テーブル222e1を参照して成功報知態様の表示可否を判定することにより、成功報知態様の表示回数が多くなる程大当たり期待度が高くなる遊技性(期待度の示唆方法)を実現することができる。一方、非押下傾向用テーブル222e2を参照して成功報知態様の表示可否を判定することにより、奇数回目の操作有効期間後に成功報知態様が表示されると大当たり期待度が低くなり、偶数回目の操作有効期間後に成功報知態様が表示されると大当たり期待度が高くなる遊技性(期待度の示唆方法)を実現することができる。
S4222の処理が終了すると、次に、読み出した演出カウンタ223nの値が、テーブルに規定された成功報知態様の表示(変身の成功)に対応するカウンタ値であるかを判別し(S4223)、成功報知態様の表示(変身の成功)に対応するカウンタ値であれば(S4223:Yes)、成功報知態様を表示させるためのS4210~S4212の処理を実行して、本処理を終了する。
一方、S4223の処理において、演出カウンタ223nの値が、テーブルに規定された成功報知態様の表示に対応するカウンタ値の範囲外であると判別した場合は(S4223:No)、発展演出態様選択テーブル222cから、変身回数カウンタ223gの値、および今回の変動表示の変動種別に対応する発展演出の態様を読み出す(S4232)。次いで、選択した発展演出の対応に対応するデータを、発展演出格納エリア223mに格納し(S4206)、失敗報知態様を設定する(S4233)。次いで、失敗報知態様タイマ223jの値に対して1秒に対応するタイマ値を設定して(S4234)、本処理を終了する。
この変身設定処理4(図72参照)を実行することにより、遊技者の枠ボタン22に対する押下の傾向に応じて大当たりとなる期待度の示唆方法を可変させることができるので、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
以上説明した通り、第4実施形態におけるパチンコ機10では、連続変身演出における所定期間の間に、現在遊技を行っている遊技者が枠ボタン22を押下する傾向にある遊技者であるか否かを判別(識別)可能に構成している。そして、操作有効期間において枠ボタン22を積極的に押下する傾向の遊技者と、そうでない遊技者とで、連続予告演出における期待度の示唆方法(遊技性)を異ならせる構成としている。即ち、枠ボタン22を積極的に押下する傾向の遊技者が遊技を行っていると判別された場合には、成功報知態様の表示回数(変身に成功する回数)が多くなる程、大当たりとなる期待度が高くなる示唆方法を設定する構成としている。一方、枠ボタン22を押下しない傾向の遊技者が遊技を行っていると判別された場合には、奇数回目の操作有効期間後に成功報知態様が表示されると、大当たりとなる期待度が低下し、偶数回目の操作有効期間後に成功報知態様が表示されると、大当たりとなる期待度が向上する示唆方法を設定する構成としている。
このように構成することで、多様な示唆方法を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、1の連続変身演出における最初の2回の操作有効期間において、枠ボタン22を押下するかしないかで、成功報知態様を表示させるか否かの判定に用いるテーブルを切り替えることができる。即ち、大当たりの期待度を示唆する方法(遊技性)を切り替えることができるので、遊技者に対して好みの示唆方法を選択させることができる。よって、遊技者毎の趣向に合わせた示唆方法を実現することができる。また、1の示唆方法に飽きてしまっても、他方の示唆方法に切り替えることができるので、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)できる。
なお、本第4実施形態では、連続変身演出における前半2回の操作有効期間において遊技者の傾向を判別する構成としていたが、遊技者の傾向を判別する方法はこれに限られるものではない。遊技者の傾向を、最初の1回の操作有効期間における押下状況で判別する構成としてもよい。これにより、連続変身演出において、より多くの回数の時間、遊技者毎の傾向に合わせた示唆方法を実行することができる。また、逆に、3回以上の操作有効期間に渡る押下状況に応じて、遊技者の傾向を判別する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者の傾向をより正確に判別することができる。また、連続変身演出において設定される操作有効期間とは別に、遊技者の傾向を判別するための期間を設ける構成としても良い。具体的には、例えば、連続変身演出を開始する前に、枠ボタン22に対する押下を促す演出(押下演出)を1又は複数回表示させ、当該1又は複数の押下演出における押下状況に基づいて、遊技者の傾向を判別する構成としてもよい。このように構成することで、連続変身演出の全ての報知態様を、遊技者の傾向に応じた示唆方法に設定することができる。
本第4実施形態では、連続変身演出における変身の上限回数として、必ず5回が設定される構成としていた。即ち、失敗報知態様が表示されるのは、変身可否判定テーブル222eに基づいて実行された、成功報知態様を表示させるか否かの抽選に漏れた場合に限定する構成としていたが、これに限られるものではない。上記各実施形態と同様に、変身の上限回数が異なる複数の種別を設ける構成としても良い。このように構成することで、失敗報知態様が表示された場合に、変身可否判定テーブル222eに基づく抽選で失敗報知態様が選択されたのではなく、今回の連続変身演出における変身の上限回数に到達したために失敗報知態様が表示された可能性があると遊技者に思わせることができる。よって、変身可否判定テーブル222eに基づく抽選で失敗報知態様が決定されたと仮定した場合に、大当たりの期待度が低くなるタイミングで失敗報知態様が表示されたとしても、大当たりに対する遊技者の期待度が低下してしまうことを抑制することができる。
本第4実施形態では、枠ボタン22を積極的に押下する遊技者に対しては、成功報知態様の表示回数が多くなるほど大当たりとなる期待度が高くなるように構成する一方で、枠ボタン22をあまり押下しない傾向の遊技者に対しては、奇数回目に連続変身演出が終了すると大当たりとなる期待度が高くなるように構成したが、これに限られるものではない。枠ボタン22を積極的に押下する遊技者であるか、あまり押下しない遊技者であるかによって期待度の示唆方法が異なっていればよく、例えば、枠ボタン22を積極的に押下する遊技者に対しては、偶数回目で連続変身演出が終了すると大当たりとなる期待度が高くなる一方、枠ボタン22を押下しない遊技者に対しては、連続変身演出が少ない変身回数で終了するほど大当たり期待度が高くなる構成としてもよい。また、例えば、変身の回数の傾向を異ならせるのに代えて、又は加えて、変身に成功した(成功報知態様が表示された)場合において大当たり期待度がアップする表示態様の法則を、遊技者の傾向に応じて異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、枠ボタン22を押下する傾向の遊技者の場合は、キャラクタ811の背面に表示される背面画像の種別によって期待度を示唆する構成としてもよい。即ち、背面画像が荒野→山→海の順で期待度が高くなっていく構成としてもよい。これに対し、枠ボタン22を押下しない傾向の遊技者の場合は、背面画像はランダムに設定する代わりに、キャラクタ811の表情により期待度を示唆する構成としてもよい。即ち、キャラクタ811の表情が、無表情→笑顔→怒り顔の順で期待度が高くなっていく構成としてもよい。また、例えば、連続変身演出の実行中における示唆方法を遊技者の傾向に応じて変更するのに代えて、または加えて、発展演出の内容を傾向に応じて異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、枠ボタン22を積極的に押下する遊技者の場合は、発展演出においてキャラクタ811が怪獣812に対して攻撃を加えるほど、大当たりとなる期待度が高くなる一方で、枠ボタン22を押下しない遊技者の場合には、キャラクタ811が怪獣812から攻撃されるほど、大当たりとなる期待度が高くなる構成としてもよい。
<第5実施形態>
次に、図73から図82を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、1の連続変身演出において、遊技者の枠ボタン22に対する押下の傾向を判別して、当該判別結果に応じて大当たり期待度の報知方法を異ならせる構成としていた。
これに対して本第5実施形態では、過去の連続変身演出における遊技者の枠ボタン22に対する押下の状況から、連続変身演出の態様を異ならせる構成とした。具体的には、枠ボタン22を積極的に押下する遊技者に対しては、操作有効期間の設定回数が比較的多い演出態様を実行する構成とした。一方で、枠ボタン22を押下し難い傾向にある遊技者に対しては、操作有効期間の設定回数を少なくする代わりに、長い発展演出を設定する構成とした。これにより、積極的に枠ボタン22を押下する遊技者に対しては、より多くの回数、枠ボタン22を押下する機会を与える一方で、押下を行いたくない遊技者には、押下の機会を減らす代わりに、発展演出をより長い時間、楽しませることができる。よって、遊技者毎の趣向に合わせた演出を実行することができる。
また、本第5実施形態では、連続変身演出において失敗報知態様が表示された場合にも、操作有効期間の設定回数(2回、または5回)が残っていれば、連続変身演出を終了させずに再度、操作有効期間を設定する構成としている。即ち、枠ボタン22を積極的に押下する傾向の遊技者が遊技を行っているにも拘わらず、操作有効期間が少ない回数で終了してしまうことを防止(抑制)している。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図73を参照して、本第5実施形態における発展演出について説明する。本第5実施形態では、上述した通り、枠ボタン22を押下する傾向の遊技者であるか否かを判別し、判別結果に応じて枠ボタン22を積極的に押下する傾向(参加頻度が高い傾向)の遊技者に対しては、より多くの操作有効期間を設定する構成としている。また、枠ボタン22をあまり押下しない傾向(参加頻度が低い傾向)の遊技者に対しては、操作有効期間の設定回数を少なくする一方で、発展演出の演出時間を延ばす構成としている。なお、詳細については後述するが、本第5実施形態では、この演出時間を延ばした発展演出(低参加頻度用の発展演出)の前半において、キャラクタ811が洞窟を探索してアイテムを収集する演出を実行する構成としている。発見したアイテムは、その後に行われる怪獣812とのバトルにおいて、キャラクタ811を有利とするものである。この洞窟を探索する演出(探索演出)は、キャラクタ811が発見したアイテムの個数により、大当たりとなる期待度を示唆する構成となっている(アイテムが多いほど、怪獣812に勝利し易いことを示唆している)。即ち、参加頻度が低い遊技者に対して、少ない回数の操作有効期間とした場合には、キャラクタ811が変身するか否かによって期待度を示唆する演出の実行回数が減少する代わりに、探索演出によりキャラクタ811が発見するアイテムの個数で期待度を示唆可能に構成している。これにより、操作有効期間の設定回数が少ない場合にも、設定回数が多い場合と同等の期待度示唆の機会を与えることができる。
図73(a)は、上述した探索演出における表示内容の一例を示した図である。図73(a)に示した通り、探索演出が開始されると、キャラクタ811が洞窟の奥へと向かって進行する演出が表示される。また、主表示領域Dmの上方に表示された表示領域HR1には、「探索モード」という文字と、「アイテムをGETする程期待度UP!」という文字とが表示される。更に、主表示領域Dmの右下に表示された表示領域HR4には、「アイテム×0」という文字が表示される。この表示領域HR4に表示された文字は、キャラクタ811が発見したアイテムの個数に応じて更新される。なお、キャラクタ811は、1の探索演出で最大3個のアイテムを発見することができる。
図73(b)は、探索演出の実行中にキャラクタ811がアイテムを発見した場合における表示態様の一例を示した図である。この場合、主表示領域Dmの中央に表示された宝箱をキャラクタ811が開ける演出が実行され、宝箱の中からアイテムが出現する。また、宝箱の右側には、獲得したアイテムの種類を報知するための表示領域HR5が表示される。図73(b)の例では、表示領域HR5に対して、「パワーアップドリンクGET!!」という文字が表示される。また、表示領域HR4に表示される文字が、「アイテム×1」に更新される。この表示領域HR4に表示される数字によって、遊技者に対して大当たりとなる期待度を示唆することができる。なお、探索演出では、宝箱をキャラクタ811が発見したものの、アイテムが出現しない演出も実行される可能性がある。即ち、探索演出では、基本的に宝箱を3回発見し、3回のうち、何回アイテムを発見するかによって期待度を示唆する構成となっている。
このように、本第5実施形態では、遊技者の連続変身演出に対する参加頻度が低い場合に、連続変身演出における操作有効期間の設定回数を少なくする代わりに、探索演出を実行する構成としている。この探索演出では、キャラクタ811が発見したアイテムの個数により大当たりとなる期待度を示唆することができる。これにより、操作有効期間の設定回数が少ない場合にも、設定回数が多い場合と同等の期待度示唆の機会を与えることができる。
次に、図74を参照して、連続変身演出に対する参加頻度が低いと判別した場合、および参加頻度が高いと判別した場合における、演出態様の経時変化について説明する。まず、図74(a)を参照して、遊技者の参加頻度が低い場合における演出態様の経時変化について説明する。
図74(a)に示した通り、参加頻度が低いと判別された場合には、操作有効期間が2回のみ設定される。即ち、4秒間の操作有効期間と、1秒間の報知態様とが2回ずつ設定される。図74(a)の例では、1回目の報知態様として失敗報知態様が設定され、2回目の報知態様として成功報知態様が設定される。なお、図74(a)に示した通り、本第5実施形態では、失敗報知態様が表示されても、規定回数の操作有効期間が設定されるまでは、連続変身演出を終了しない構成としている。これにより、大当たりとなる期待度を、成功報知態様の表示回数に応じてより正確に推測させることができる。
2回目の報知態様の表示期間が終了すると、次いで、1秒間の移行演出が設定される。移行演出が終了すると、発展演出が開始される。この参加頻度が低い場合の発展演出では、まず、15秒間の探索演出(図73(b)参照)が実行される。この探索演出では、上述した通り、キャラクタ811が発見したアイテムの個数によって大当たりとなる期待度を示唆する演出が実行される。そして、15秒間の演出期間が経過すると、怪獣812とバトルする態様の演出が実行される。図74(a)の例では、23秒間の演出期間の間に怪獣812に勝利する態様の当たり発展演出A5が実行される。
このように、参加頻度が低い場合には、連続変身演出において設定される2回の操作有効期間により、大当たり期待度を示唆する機会が2回与えられる。加えて、探索演出により大当たり期待度を示唆する機会が3回与えられる。よって、大当たり期待度を示唆する機会が合計5回与えられる。
次に、図74(b)を参照して、遊技者の参加頻度が高いと判別された場合における演出態様の経時変化について説明する。図74(b)に示した通り、遊技者の参加頻度が高い場合には、4秒間の操作有効期間と、1秒間の報知態様とが5回ずつ表示される。即ち、図74(b)に示した通り、1回目の報知態様として失敗報知態様が表示され、2回目の報知態様として成功報知態様が表示され、3回目の報知態様として失敗報知態様が表示され、4回目、及び5回目の報知態様として成功報知態様が表示される。なお、図74(b)に示した通り、本第5実施形態では、操作有効期間において枠ボタン22に対する押下を検出した場合にも、操作有効期間が打ち切られない構成としている。これにより、連続変身演出の演出時間を固定化することができるので、その後に実行される発展演出の演出時間も固定化することができる。よって、発展演出の演出時間毎に様々な態様を用意しておく必要が無いので、発展演出を表示させるための記憶容量を削減することができる。
5回目の報知態様の表示期間が終了すると、移行演出が表示され、その後、演出時間が23秒の当たり発展演出A5が表示される。このように、遊技者の参加頻度が高い場合には、連続変身演出において必ず5回の操作有効期間が設定されるので、参加頻度が低い場合と同様に、大当たり期待度を示唆する機会が5回与えられる。
<第5実施形態における電気的構成>
次に、図75、および図76を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223の構成について説明する。まず、図75(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図75(a)に示した通り、本第5実施形態におけるROM222は、第4実施形態におけるROM222の構成に対して、有効期間回数テーブル222fが追加されている点で相違している。
有効期間回数テーブル222fは、連続変身演出において設定する操作有効期間の回数を、押下傾向フラグ223yの状態毎に規定したデータテーブルである。なお、押下傾向フラグ223yは、遊技者の連続変身演出に対する参加度合い(操作有効期間中に枠ボタン22を積極的に押下する遊技者であるか否か)を示すフラグである。この押下傾向フラグ223yがオンであれば、積極的に連続変身演出に参加する遊技者であることを意味し、オフであれば、連続変身演出に対する参加頻度が低い遊技者であることを意味する。
この有効期間回数テーブル222fの詳細について、図75(b)を参照して説明を行う。図75(b)は、有効期間回数テーブル222fの規定内容を示した図である。図75(b)に示した通り、押下傾向フラグ223yの状態「オン」に対しては、操作有効期間の設定回数として「5回」が対応付けて規定されている。このため、連続変身演出に対して積極的に参加する(枠ボタン22を積極的に押下する)遊技者が遊技を行っている場合には、連続変身演出において操作有効期間が5回設定される。設定された5回の操作有効期間が終了した後で表示される報知態様のうち、成功報知態様が表示される回数(割合)によって、遊技者に対して大当たりに対する期待度を示唆することができる。
なお、本実施形態では、上述した第3実施形態と同様に、大当たりとなる場合には、各操作有効期間が終了した後に80%の割合で成功報知態様が表示される一方で、外れとなる場合には、50%の割合で成功報知態様が表示されるように、変身可否判定テーブル222eが設定されている。よって、成功報知態様の表示回数が多くなる程、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
また、図75(b)に示した通り、押下傾向フラグ223yの状態「オフ」に対しては、操作有効期間の設定回数として「2回」が対応付けて規定されている。このため、連続変身演出に対する参加頻度が低い(枠ボタン22を押下する頻度が低い)遊技者が遊技を行っている場合には、連続変身演出において操作有効期間が2回設定される。設定された2回の操作有効期間が終了した後で表示される報知態様のうち、成功報知態様が表示される回数(割合)によって、遊技者に対して大当たりに対する期待度を示唆することができる。
なお、連続変身演出に対する参加頻度が遊技を行っている場合には、参加頻度が高い遊技者の場合に比較して操作有効期間の設定回数が3回分少なくなる。即ち、連続変身演出において大当たり期待度を示唆する回数が減ってしまう。この示唆回数の減少をカバーするために、本第5実施形態では、発展演出において期待度を示唆する演出(探索演出)を実行する構成としている。これにより、参加頻度が低い遊技者に対しても、参加頻度が高い遊技者と同等の大当たり期待度の示唆回数を担保することができる。また、操作有効期間の設定回数を少なくする代わりに発展演出の演出時間を長くすることにより、枠ボタン22を押下したくないと考える遊技者の趣向に合った演出態様を提供することができる。
次に、図76を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。図76は、RAM223の構成を示したブロック図である。図76に示した通り、本第5実施形態におけるRAM223は、第4実施形態におけるRAM223の構成(図69参照)に対して、有効期間回数カウンタ223wと、報知態様タイマ223xと、押下傾向フラグ223yと、総押下回数カウンタ223aaと、総有効期間回数カウンタ223abとが少なくとも追加されている。また、成功報知態様タイマ223iと、失敗報知態様タイマ223jとが削除されている。
有効期間回数カウンタ223wは、1の連続変身演出において操作有効期間が設定された回数をカウントするためのカウンタである。この有効期間回数カウンタ223wの値は、連続変身演出における1回目の操作有効期間を設定する際に値に1が設定される(図78のS4412参照)。また、新たな操作有効期間を設定する毎に、値が1ずつ加算される(図80のS5209参照)。この有効期間回数カウンタ223wの値は、報知態様の表示期間が経過する毎に、新たに操作有効期間を設定するか、移行演出を設定するかの判別に用いられる。即ち、有効期間回数カウンタ223wの値が有効期間回数テーブル222fに規定する操作有効期間の設定回数未満であれば、新たな操作有効期間を設定する。一方、有効期間回数カウンタ223wの値が有効期間回数テーブル222fに規定する設定回数に一致した場合は、移行演出の開始を設定する。
報知態様タイマ223xは、操作有効期間が終了した後に設定される報知態様の表示期間をカウントするためのカウンタである。この報知態様タイマ223xは、成功報知態様、または失敗報知態様の表示を設定する毎に、1秒に対応するタイマ値が設定される(図79のS4241参照)。この報知態様タイマ223xの値が0になった場合に、成功報知態様、または失敗報知態様が終了したと判別され、新たな操作有効期間を設定するか、移行演出を設定するかが判別される。
押下傾向フラグ223yは、遊技者が積極的に連続変身演出に参加する傾向であるか否かを示すフラグである。この押下傾向フラグ223yがオンであれば、遊技者が積極的に連続変身演出に参加する(枠ボタン22を積極的に押下する)傾向であることを意味し、オフであれば、遊技者の連続変身演出に対する参加頻度が低いことを意味する。なお、参加頻度は、トータルの操作有効期間の設定回数に対する、遊技者が枠ボタン22を押下した(参加した)操作有効期間の回数の割合によって判別される。具体的には、遊技者が枠ボタン22を押下した操作有効期間が、全体の8割を上回っている場合に、積極的に連続変身演出に参加する傾向の遊技者が遊技を行っていると判別する。この押下傾向フラグ223yは、1の連続変身演出が終了する毎に、当該連続変身演出における遊技者の参加状況(枠ボタン22を押下した回数)に応じて更新される(図82のS5305,S5306参照)。
総押下回数カウンタ223aaは、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の総回数をカウントするためのカウンタである。即ち、パチンコ機10に対して電源が投入されてからの、全ての枠ボタン22に対する押下を伴う操作有効期間の回数が、この総押下回数カウンタ223aaによってカウントされる。この総押下回数カウンタ223aaのカウンタ値と、電源が投入後に設定された全ての操作有効期間の回数(後述する総有効期間回数カウンタ223abのカウンタ値)とに基づいて、枠ボタン22を押下する割合(遊技者の傾向)が判別される。この総押下回数カウンタ223aaは、1の連続変身演出が終了する毎に、当該連続変身演出における遊技者の参加状況(枠ボタン22を押下した回数)に応じて更新される(図82のS5302参照)。
総有効期間回数カウンタ223abは、操作有効期間の総回数をカウントするためのカウンタである。即ち、パチンコ機10に対して電源が投入されてからの、全ての操作有効期間の回数が、この総有効期間回数カウンタ223abによってカウントされる。この総有効期間回数カウンタ223abの値と、総押下回数カウンタ223aaの値とに基づいて、枠ボタン22を押下する割合(遊技者の傾向)が判別される。この総有効期間回数カウンタ223abは、総押下回数カウンタ223aaと同様に、1の連続変身演出が終了する毎に、当該連続変身演出における遊技者の参加状況(枠ボタン22を押下した回数)に応じて更新される(図82のS5301参照)。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図77から図82を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図77のフローチャートを参照して、本第5実施形態における演出更新処理5(S4051)について説明する。この演出更新処理5(S4051)は、第4実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(図36参照)と同様に、変動表示の実行中において、残りの変動時間や各種タイマの値等に応じて演出態様を可変させるための処理である。
この第5実施形態における演出更新処理5(図77参照)のうち、S4301,S4302,S4304、およびS4310の各処理では、それぞれ第4実施形態における演出更新処理(図36参照)のS4301,S4302,S4304、およびS4310の各処理と同一の処理が実行される。
また、第5実施形態における演出更新処理5(図77参照)では、S4302の処理において、変身演出中フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4302:Yes)、連続変身演出の開始タイミングを判別するための変身演出開始判定処理5を実行して(S4341)、本処理を終了する。この変身演出開始判定処理5(S4341)の詳細については、図78(a)を参照して後述する。
また、本第5実施形態における演出更新処理5(図77参照)では、S4304の処理において、有効期間フラグ223eがオンであると判別した場合に(S4304:Yes)、有効期間の終了タイミングを判別するための有効期間中処理5を実行して(S4342)、本処理を終了する。この有効期間中処理5(S4342)の詳細については、図78(b)を参照して後述する。
一方、S4304の処理において、有効期間フラグ223eがオフであると判別した場合は(S4304:No)、次に、報知態様タイマ223xの値が0より大きい値であるかを判別し(S4343)、0より大きい値であれば(S4343:Yes)、報知態様の表示期間中であることを意味するので、報知態様の終了タイミングを判別するための報知態様中処理を実行して(S4344)、本処理を終了する。この報知態様中処理の詳細については、図80を参照して後述する。
S4343の処理において、報知態様タイマ223xの値が0であると判別した場合は(S4343:No)、移行演出時間タイマ223kの値が0より大きい値であるか(移行演出の表示時間中であるか)を判別し(S4310)、移行演出時間タイマ223kの値が0であれば(S4310:No)、そのまま本処理を終了する。これに対して、S4310の処理において、移行演出時間タイマ223xの値が0より大きい値であれば(S4310:Yes)、移行演出の終了タイミングを判別するための移行演出中処理5を実行して(S4345)、本処理を終了する。この移行演出中処理5(S4345)の詳細については、図81を参照して後述する。
次に、図78(a)を参照して、変身演出開始判定処理5(S4341)の詳細について説明する。この変身演出開始判定処理5(S4341)は、第4実施形態(および第1実施形態)における変身演出開始判定処理(図37(a)参照)と同様に、連続変身演出の開始タイミングを判別するための処理である。
この第5実施形態における変身演出開始判定処理5(図78(a)参照)のうち、S4401,S4402、およびS4404の各処理では、それぞれ第4実施形態における変身演出開始判定処理(図37(a)参照)のS4401,S4402、およびS4404の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における変身演出開始判定処理5(図78(a)参照)では、S4402の処理が終了すると、次に、有効期間タイマ223fに対して4秒間に対応するタイマ値を設定すると共に、有効期間フラグ223eをオンに設定する(S4411)。次に、有効期間回数カウンタ223wの値に1を設定して(S4412)、処理をS4404へと移行する。
この第5実施形態における変身演出開始判定処理5(図78(a)参照)を実行することにより、毎回同一のタイミング(変動開始から11秒経過時点)で連続変身演出の開始を設定できると共に、有効期間回数カウンタ223wのカウントを開始させることができる。
次に、図78(b)を参照して、上述した有効期間中処理5(S4342)の詳細について説明する。この有効期間中処理5(S4342)は、第4実施形態における有効期間中処理4(図71参照)と同様に、操作有効期間の終了タイミングを判定し、操作有効期間が終了した場合には、対応する報知態様を表示させるための処理である。
この第5実施形態における有効期間中処理5(図78(b)参照)のうち、S4501,S4502、およびS4531の各処理では、それぞれ第4実施形態における有効期間中処理4(図71参照)のS4501,S4502、およびS4531の各処理と同一の処理が実行される。また、第5実施形態における有効期間中処理5(図78(b)参照)では、S4502の処理が終了すると、成功報知態様、または失敗報知態様の何れかの表示を設定するために、第4実施形態における変身設定処理4(図72参照)に代えて、変身設定処理5を実行して(S4541)、本処理を終了する。この変身設定処理5(S4541)の詳細について、図79を参照して説明する。
図79は、この変身設定処理5(S4541)を示すフローチャートである。この変身設定処理5(S4541)のうち、S4201,S4202,S4210,S4211,S4222,S4223、S4233の各処理では、それぞれ第4実施形態における変身設定処理4(図72参照)のS4201,S4202,S4210,S4211,S4222,S4223、S4233の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における変身設定処理5(図79参照)では、S4233、またはS4211の処理が終了すると、報知態様タイマ223xの値に対して、1秒に対応するタイマ値を設定し(S4241)、本処理を終了する。
次に、図80を参照して、上述した報知態様中処理(S4344)の詳細について説明する。この報知態様中処理(S4344)は、上述した通り、報知態様(成功報知態様、または失敗報知態様)の表示時間の終了タイミングを判別する処理である。
この報知態様中処理(図80参照)では、まず、報知態様タイマ223xの値を1減算し(S5201)、減算後のタイマ値が0になったか否かを判別する(S5202)。S5202の処理において、報知態様タイマ223xの値が0になっていないと判別した場合は(S5202:No)、報知態様の表示時間(1秒間)が経過していないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S5202の処理において、減算後の報知態様タイマ223xの値が0になったと判別した場合は(S5202:Yes)、新たな操作有効期間、または移行演出の何れかを設定するための処理を実行する。具体的には、押下傾向フラグ223yと、有効期間回数カウンタ223wの値とを読み出して(S5203)、これらと有効期間回数テーブル222fの規定内容とを比較する(S5204)。
S5204の処理による比較を行った結果、有効期間回数カウンタ223wの値が、押下傾向フラグ223yの状態に対応する上限値に一致するか否かを判別し(S5205)、上限値に一致すると判別した場合には(S5205:Yes)、移行演出を設定する。より具体的には、1秒に対応するタイマ値を移行演出時間タイマ223kに設定し(S5206)、移行演出の開始を示す表示用コマンドを設定して(S5207)、本処理を終了する。
一方、S5205の処理において有効期間回数カウンタ223wの値が、押下傾向フラグ223yの状態に対応する上限値に一致しないと判別した場合には(S5205:No)、新たな操作有効期間を設定する。具体的には、有効期間タイマ223fの値に対して4秒間に対応するタイマ値を設定し、有効期間フラグ223eをオンに設定する(S5208)。次いで、有効期間回数カウンタ223wの値に対して1を加算して(S5209)、本処理を終了する。
この報知態様中処理(図80参照)を実行することにより、報知態様(成功報知態様、または失敗報知態様)の終了タイミングを正確に判別し、対応する制御(移行演出の開始設定、または新たな操作有効期間の設定)を行うことができる。
次に、図81を参照して、上述した移行演出中処理5(S4345)の詳細について説明する。この移行演出中処理5(S4345)は第4実施形態(および第1実施形態)における移行演出中処理(図40参照)に代えて実行される。
この移行演出中処理5(図81参照)のうち、S4801、およびS4802の各処理では、それぞれ第4実施形態における移行演出中処理(図40参照)のS4801、およびS4802の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における移行演出中処理5(図81参照)では、S4802の処理において、減算後の移行演出時間タイマ223kの値が0になったと判別した場合に(S4802:Yes)、次いで、押下傾向フラグ223yがオンであるかを判別する(S4811)。S4811の処理において、押下傾向フラグ223yがオンであると判別した場合は(S4811:Yes)、今回の抽選結果に対応する発展演出を、探索演出(探索モード)が終了した後の演出時間から開始させるように設定して(S4812)、処理をS4814へと移行する。
一方、S4811の処理において、押下傾向フラグ223yがオフであると判別した場合は(S4811:No)、今回の抽選結果に対応する発展演出を、探索演出(探索モード)から開始させるように設定して(S4813)、処理をS4814へと移行する。
このように、本実施形態では、押下傾向フラグ223yの状態(遊技者の傾向)に応じて、発展演出を探索演出から開始させるか、探索演出の終了後から開始させるのかを切り替えることができる。これにより、残りの変動時間にマッチした発展演出を実行することができる。
S4812、またはS4813の処理後は、今回の連続変身演出における遊技者の参加頻度に応じて遊技者の傾向(押下傾向フラグ223yの状態)を更新するための、押下傾向更新処理を実行する(S4814)。この押下傾向更新処理(S4814)の詳細については、図82を参照して後述する。S4814の処理後は、変身演出中フラグ223hをオフに設定し(S4815)、変身回数カウンタ223gの値と、有効期間回数カウンタ223wの値とを共に0にリセットして(S4816)、本処理を終了する。
次に、図82を参照して、上述した押下傾向更新処理(S4814)の詳細について説明する。図82は、この押下傾向更新処理(S4814)を示すフローチャートである。押下傾向更新処理(S4814)では、まず、有効期間回数カウンタ223wの値を、総有効期間回数カウンタ223abの値に加算することにより、今回の連続変身演出において設定された操作有効期間の回数を、トータルの操作有効期間の設定回数に反映させる(S5301)。次に、押下回数カウンタ223uの値を、総押下回数カウンタ223aaの値に加算することにより、今回の連続変身演出において枠ボタン22に対する押下を検出した操作有効期間の回数を、枠ボタン22に対する押下を検出した操作有効期間のトータル回数に反映させる(S5302)。
S5302の処理が終了すると、次に、更新後の総押下回数カウンタ223aaの値を、更新後の総有効期間回数カウンタ223abの値で除した値を算出し(S5303)、当該算出した値が0.8よりも大きい値かを判別する(S5304:Yes)。S5304の処理において、算出した値が0.8よりも大きい値であると判別した場合は(S5304)、操作有効期間が設定された場合に、8割以上の割合で枠ボタン22を押下している(即ち、積極的に連続変身演出に対して参加する遊技者が遊技を行っている)ことを意味するので、押下傾向フラグ223yをオンに設定して(S5305)、本処理を終了する。
これに対して、S5304の処理において、算出値が0.8以下であると判別した場合は(S5304:No)、操作有効期間中に枠ボタン22を押下する頻度が比較的低い遊技者が遊技を行っていることを意味するので、押下傾向フラグ223yをオフに設定して(S5306)、本処理を終了する。
この押下傾向更新処理(図82参照)を実行することにより、連続変身演出が終了する毎に、当該連続変身演出における遊技者の参加状況を加味して、遊技者の傾向を更新することができる。
以上説明した通り、本第5実施形態におけるパチンコ機10では、連続変身演出に対する遊技者の参加状況(操作有効期間の総回数に占める、枠ボタン22が押下された操作有効期間の割合)に基づいて、連続変身演出における演出態様を異ならせる構成とした。即ち、連続変身演出に積極的に参加する(操作有効期間の間に枠ボタン22を積極的に押下する)遊技者が遊技を行っている場合には、連続変身演出において比較的多い回数(5回)の操作有効期間を設定する代わりに、発展演出の演出時間を短くする構成としている。一方、連続変身演出にあまり参加しない(操作有効期間の間に枠ボタン22をあまり押下しない)遊技者が遊技を行っている場合には、連続変身演出において比較的少ない回数(2回)の操作有効期間を設定する代わりに、発展演出の演出時間を長くする構成としている。このように構成することで、連続変身演出に積極的に参加する傾向の遊技者に対しては、連続変身演出に参加するより多くの機会を与えることができる。一方、連続変身演出にあまり参加しない傾向の遊技者に対しては、連続変身演出に参加する機会を少なくし、発展演出をより長い時間、楽しませることができる。よって、遊技者の傾向に合わせて演出を好適に設定することができる。
なお、本第5実施形態では、電源が投入されてから設定された全ての操作有効期間の回数に対する、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の割合によって、遊技者の傾向を判別する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技を行っている遊技者を識別する機能をパチンコ機10に設けておき、それまでとは異なる遊技者が遊技を開始したと判別(認証)される毎に、遊技者の傾向を新たに判別する構成としても良い。即ち、異なる遊技者が遊技を開始したことを検出した場合に、総押下回数カウンタ223aaの値と、総有効期間回数カウンタ223abの値とを0にリセットする構成としてもよい。これにより、遊技者毎の傾向をより正確に判別することができるので、より遊技者の傾向に即した演出を実現することができる。なお、遊技を行っている遊技者を識別する機能としては、例えば、公知の顔認証機能や、指紋認証機能や、声紋認証機能等が挙げられる。また、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)から、現在遊技を行っている遊技者の情報を取得可能に構成してもよい。即ち、カードユニットに投入されているカードの種別を示す情報(例えば、カードのシリアルナンバーや、会員ナンバー)をカードユニットからパチンコ機10に対して出力可能に構成する一方で、パチンコ機10側では、カードユニットから出力された情報からカードの種別を識別可能に構成する。そして、カードユニットから出力された情報に基づいて、同一のカードが投入されている間は同一の遊技者が遊技を行っていると判別する構成としてもよい。
更に、遊技者の所持する携帯端末(携帯電話、スマートフォン、タブレット等)と、その携帯端末と通信可能なサーバーと、そのサーバーと通信可能なパチンコ機10とで構成された公知の遊技システムに対して適用してもよい。即ち、サーバーにおいて、遊技者毎の個別の情報(遊技履歴、発生させた演出の種別や回数等)を蓄積しておき、当該サーバーに蓄積された情報を、対応する携帯端末(遊技者毎に付与されたログインIDとパスワードでサーバーにアクセスした携帯端末)を介して閲覧したり、蓄積された情報に基づいてパチンコ機10の設定を変更したりすることが可能に構成された遊技システムに対して適用してもよい。より具体的には、サーバー側で蓄積する遊技履歴の情報に、上述した総押下回数カウンタ223aaの値と、総有効期間回数カウンタ223abの値とを含めておく。そして、パチンコ機10で遊技を開始する際には、サーバーに蓄積(記憶)されている総押下回数カウンタ223aaの値と、総有効期間回数カウンタ223abの値とを、遊技を開始するパチンコ機10に対して反映させることにより、異なる日や、異なる台で遊技者が連続変身演出に参加した割合を反映させることができる。よって、遊技を行う日時や、遊技を行う台(ホール)を変わったとしても、遊技者毎の傾向を正確に判別して、遊技者の傾向にあった演出態様を設定することができる。
なお、遊技システムにおいて、サーバーの情報をパチンコ機10に反映させる方法としては、例えば、サーバーとパチンコ機10とで共通の符号化規則に基づいて生成されるパスワードをパチンコ機10またはサーバーに設定する方法が挙げられる。即ち、遊技を開始する場合には、サーバーに接続した携帯端末から、サーバーに対して遊技開始を行うためのパスワードを要求する。サーバーは、接続している携帯端末に対応する遊技履歴等を上述した符号化規則に基づいてパスワードに変換する。当該パスワードを遊技者がパチンコ機10に入力すると、上述した符号化規則に基づいて、パスワードを総押下回数カウンタ223aaの値や、総有効期間回数カウンタ223abの値等に変換し、RAM223等に設定する。これにより、携帯端末の操作者が前回遊技を終了した直後の遊技履歴の状態から、遊技を開始させることができる。また、遊技を終了する場合には、パチンコ機10に対して遊技終了に対応するパスワードを生成させるための所定の操作(例えば、パチンコ機10のメニュー画面で遊技終了に対応する選択肢を選択する、等)を行う。所定の操作に基づいて、現在の総押下回数カウンタ223aaの値や、総有効期間回数カウンタ223abの値を含む遊技履歴を上述した符号化規則に基づいてパスワードに変換し、第3図柄表示装置81に対して表示させる。表示されたパスワードを、サーバーに接続した携帯端末により、サーバーに対して出力する。サーバー側では、パスワードを遊技履歴に対応する情報に変換して、接続している携帯端末の操作者に対応する情報を更新する。これにより、パチンコ機10と、サーバーとで、遊技者毎の個別の情報を共有、および更新していくことができる。
本第5実施形態では、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の回数が、トータルの操作有効期間の回数に対して8割を超えているか否かで、連続変身演出が設定された変動表示における演出態様(操作有効期間の設定回数や、発展演出の態様)を可変させる構成としていたが、演出態様を可変させる閾値は、8割に限られず、任意に定めてもよい。また、本第5実施形態では、連続変身演出枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の割合が8割を超えている場合に設定する(設定され易い)演出態様と、8割以下の場合に設定する(設定され易い)演出態様とを切り替える構成としていたが、遊技者の傾向をより細かく判別し、演出態様もより細分化させる構成としてもよい。具体的には、例えば、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の割合が2割以下の場合に、操作有効期間の設定回数が1回の連続変身演出を設定し、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の割合が2割を上回り、且つ、4割以下の場合に、操作有効期間の設定回数が2回の連続変身演出を設定し、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の割合が4割を上回り、且つ、6割以下の場合に、操作有効期間の設定回数が3回の連続変身演出を設定し、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の割合が6割を上回り、且つ、8割以下の場合に、操作有効期間の設定回数が4回の連続変身演出を設定し、枠ボタン22の押下を検出した操作有効期間の割合が8割を上回っている場合に、操作有効期間の設定回数が5回の連続変身演出を設定する構成としてもよい。即ち、遊技者の傾向(連続変身演出に対する参加頻度)に応じて、操作有効期間の回数や、発展演出の演出時間が異なる5種類の演出態様の種別から1の種別を設定する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者毎の傾向によりマッチした演出態様を提供することができる。
本第5実施形態では、枠ボタン22に対する押下(操作)を検出した操作有効期間の割合によって遊技者の傾向を判別する構成としていたが、遊技者の傾向を判別する方法は、これに限られるものではない。例えば、連続変身演出のほかにも、枠ボタン22の押下を促す他の演出を搭載しているパチンコ機10の場合には、当該他の演出において枠ボタン22を遊技者が押下した割合も加味して、枠ボタン22を押下する傾向(連続変身演出に参加する傾向)の遊技者であるか否かを判別する構成としてもよい。
<第6実施形態>
次に、図84から図89を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1から第5実施形態では、大当たり遊技(特典遊技)の実行中に開放される特定入賞口(大開放口)として、第1入球口64の直下に単一の特定入賞口65aを設ける構成としていた。特定入賞口65aは、遊技盤13における正面視中央下部に横長矩形状に設けられていたので、特定入賞口65aには、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側に設けられた流路に向けて発射された(左打ちされた)遊技球も、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に設けられた流路に向けて発射された(右打ちされた)遊技球も入球し得る構成となっていた。
これに対して本第6実施形態では、遊技球が入球した場合に付与される特典(賞球の個数)が異なる2種類の特定入賞口を設ける構成とした。具体的には、遊技球が入球する毎に7個の賞球が付与される左特定入賞口650Laを、第1入球口64の下方の領域のうち左側に設けると共に、10個の賞球が付与される右特定入賞口650Raを、第1入球口64の下方の領域のうち右側に設ける構成とした。つまり、遊技盤13における正面視中央下部において左特定入賞口650Laと右特定入賞口650Raとを左右対称となる配置に設ける構成とした。これら2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)は、通常時は遊技球が入球困難な状態に設定され、大当たりのラウンドが開始されると、どちらか一方の特定入賞口が入球可能な状態になる。また、詳細については後述するが、各特定入賞口(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)が入球可能な状態に設定されると、左打ちされた遊技球も、右打ちされた遊技球も共に入球可能となる構造となっている。これにより、大当たり中に遊技者に対して好みの発射方向を自由に選択させることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図84を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図84は、本第6実施形態における遊技盤13の正面図である。図84に示した通り、本第6実施形態では、第1実施形態における可変入賞装置65が削除されている。また、第1入球口64に対して正面視左下側に左可変入賞装置650Lが設けられていると共に、第1入球口64に対して正面視右下側には右可変入賞装置650Rが設けられている。
図84に示した通り、左可変入賞装置650Lは、正面視左側面に遊技球が入球可能な左特定入賞口650Laが設けられている。この左特定入賞口650Laを介して遊技球が左可変入賞装置650Lへと入球することにより、遊技者に対して7個の賞球が払い出される。左特定入賞口650Laは、常時開放されている状態となっており、正面視右方向から左可変入賞装置650Lへと到達した遊技球が常に入球可能となる。しかしながら、左可変入賞装置正面視右下方向へ下る向きの傾斜を形成する複数の釘が配置されており、左打ちされた遊技球のほとんどは当該傾斜を介して第1入球口64の下方の領域に到達するので、遊技球は第1入球口64の下方の領域において右下方向へと流下する。即ち、左特定入賞口650Laから離れる向きに流下していくこととなるため、通常時においては遊技球が左特定入賞口650Laに入球することができない。また、遊技盤13の釘等の配置は左右対称となっており、右可変入賞装置650Rの上方には左下方向に下る向きの傾斜が形成されているが、左可変入賞装置650Lと右可変入賞装置650Rとは十分距離が離れているので、右打ちされて右可変入賞装置650Rの上方の釘が成す傾斜を流下した遊技球が直接左特定入賞口650Laへと入球する可能性もない。更に、図84に示した通り、左可変入賞装置650Lの右側面(開口部が設けられている面)は、下側よりも上側の方が正面視右方向にせり出して構成されている。これにより、遊技球が上方からほぼ垂直に流下してきたとしても、せり出した部分に阻害されることにより左特定入賞口650Laへと入球することをより確実に防止(抑制)することができる。なお、右可変入賞装置650Rは、配置が左可変入賞装置650Lと左右対称になっている点、および遊技球が入球すると10個の賞球が払い出される点以外は左可変入賞装置650Lと同一であるため、その詳細な説明については省略する。
図84に示した通り、左可変入賞装置650Lと、右可変入賞装置650Rとの間には、正面視手前側と奥側とに出没動作(可変動作)が可能な2つの可変部材650Lb,650Rbが設けられている。これらの可変部材650Lb,650Rbは、通常時は正面視奥側に埋没した(即ち、ベース板60の奥側に埋没した)状態となっているので、第1入球口64の下方の領域へと流下した遊技球の進行が可変部材650Lb,650Rbによって妨げられることはない。
詳細については図85を参照して後述するが、可変部材650Lbは、正面視手前側へと突出動作を行うことにより、正面視左下方向に下る向きの傾斜を形成する。この傾斜は、左可変入賞装置650Lの右側面における下端付近まで続いているので、可変部材650Lbが成す傾斜を流下した遊技球は、左特定入賞口650Laへと誘導される。また、可変部材650Rbは、正面視手前側へと突出動作を行うことにより、正面視右下方向に下る向きの傾斜を形成する。この傾斜は、右可変入賞装置650Rの左側面における下端付近まで続いているので、可変部材650Rbが成す傾斜を流下した遊技球は、右特定入賞口650Raへと誘導される。
大当たりの各ラウンドでは、大当たり種別に応じた可変部材が正面視手前側へと突出した状態になるので、大当たり種別に応じて異なる可変入賞口へと遊技球が入球し易くなる。より具体的には、大当たりA6(16ラウンド確変大当たり)の各ラウンドでは可変部材650Rbが突出することにより、比較的賞球が多い(即ち、10個の)右特定入賞口650Raへと遊技球が入球し易くなる。これに対し、大当たりB6(7ラウンド確変大当たり)、および大当たりC6(7ラウンド時短大当たり)の各ラウンドでは、可変部材650Lbが突出することにより、比較的賞球が少ない(即ち、7個の)左特定入賞口650Laへと遊技球が入球し易くなる。
図84に示した通り、可動部材650Lb,650Rbは、いずれも突出した状態(突出位置に配置されている状態)において、上方より第1入球口64の下方へと到達したほぼ全ての遊技球を受け止めることが可能な構成となっている。これにより、可動部材650Lb,650Rbのどちらかが突出位置に配置されている状態においては、左打ちされた遊技球も、右打ちされた遊技球も共に突出した状態の可動部材650Lb,650Rbによって受け止められて、可動部材が成す傾斜より対応する特定入賞口(可動部材650Lbに対応する左特定入賞口650La、または可動部材650Rbに対応する右特定入賞口650Raのいずれか)へと誘導される。よって、左可動部材650Lbが出没動作(可変動作)を行う大当たり種別になった場合も、右可動部材650Rbが出没動作(可変動作)を行う大当たり種別になった場合も、遊技球の発射方向によらず好みの発射方向へと遊技球を発射し続けるだけで、対応する特定入賞口(左特定入賞口650La、または右特定入賞口650Raのいずれか)へと遊技球を入球させることができる。よって、大当たりになる毎に、遊技者に対して好みの発射方向を選んで大当たり中の遊技を行わせることができる。
このように、本第6実施形態では、大当たり種別に応じて大当たり遊技中に遊技球が入球可能となる特定入賞口を可変させる構成としている。そして、遊技球が入球可能となっている特定入賞口の種別に拘わらず、左打ちされた遊技球も右打ちされた遊技球も、入球可能となっている特定入賞口へと誘導される。即ち、左打ちされた遊技球も右打ちされた遊技球も到達可能な領域(第1入球口64の下方の領域)に対して2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)を設ける構成としている。そして、各特定入賞口へと遊技球を誘導するための各可動部材が、第1入球口64の下方の領域(特定領域)に到達したほぼ全ての遊技球を対応する特定入賞口へと誘導可能となるように可変動作するように構成している。これにより、大当たり遊技の実行中における遊技球の発射方向によらず、遊技球を特定入賞口へと入球させることができる。言い換えれば、いずれかの可動部材が突出位置に配置されている間は、遊技領域に到達可能な発射強度(少なくとも戻り球防止部材68を越えて遊技球を飛翔させることが可能な発射強度)で発射された遊技球の大半(第1入球口64や一般入賞口63に入球せずに特定領域に到達した遊技球)を特定入賞口へと入球させることができる。よって、大当たり遊技の実行中において、特定入賞口へと入賞(入球)できずにアウト口66へと流下してしまう遊技球をより少なくすることができるので、大当たり遊技の実行中における遊技効率を向上させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、2つの特定入賞口は、互いに遊技球が入球した場合に付与される特典(払い出される賞球の個数)が異なって構成されている。そして、大当たり種別に応じて大当たり遊技の実行中に遊技球が入球可能となる特定入賞口の種別を異ならせている。このように構成することで、大当たり種別毎の有利度合いの差をより大きくすることができる。即ち、大当たりのラウンド数や、大当たり遊技の実行が終了した後で移行する遊技状態の種別に加え、特定入賞口に入球する毎に付与される特典(払い出される賞球数)も、大当たり種別に応じて異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。特に、大当たりのラウンド数は、任意の値を無制限に定めることができるものではなく、上限値(例えば、16ラウンド)以下の範囲内で設定しなければならないものである。このため、ラウンド数のみで、払い出される賞球面に差をつけるのには限界がある。また、上限値(16ラウンド)の範囲内で大当たり種別毎の有利度合いの差を大きくしようとすると、比較的不利な種別の大当たりのラウンド数を少なくするしかないので、有利度合いの差を大きくするほど、不利な種別の大当たりの期間が短くなってしまう。よって、特に、大当たり遊技の実行中に所定の表示演出(大当たり遊技専用の特定のキャラクタの表示等)や音声演出(特定の楽曲の再生等)を実行する場合は、不利な種別の大当たりとなった場合に遊技者が大当たり遊技中に実行される演出(表示演出や音声演出)を十分に楽しむよりも前に大当たり遊技の実行が終了してしまう可能性がある。
これに対し、付与される特典(払い出される賞球の数)が異なる複数の特定入賞口を設け、大当たり種別に応じて入球可能となる特定入賞口を異ならせる構成とすることにより、ラウンド数を少なくしすぎることなく(即ち、大当たり遊技中に実行される各種演出の実行期間を十分に確保しつつ)、大当たり種別毎の有利度合いに差をつけることが可能となる。詳述すると、有利な種別の大当たりにおいては、大当たりの各ラウンドで、付与される特典(賞球数)が多い特定入賞口(即ち、右特定入賞口650Ra)を入球可能に設定する一方で、不利な種別の大当たりにおいては、大当たりの各ラウンドで、付与される特典(賞球数)が少ない特定入賞口(即ち、左特定入賞口650La)を入球可能に設定する。これにより、不利な種別の大当たりのラウンド数を少なくし過ぎることなく、大当たり種別毎の有利度合いに差をつけることができる。よって、大当たり遊技中に実行される各種演出の実行期間を十分に確保しつつ、大当たり種別毎にメリハリをつけることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図85を参照して、本第6実施形態における2つの可変入賞装置(左可変入賞装置650L,右可変入賞装置650R)の構成について、より詳細に説明する。図85(a)は、左可変入賞装置650Lの左特定入賞口650Laが入球(入賞)可能な状態となっている場合における正面斜視図であり、図85(b)は、右可変入賞装置650Rの右特定入賞口650Raが入球可能な状態になっている場合の正面斜視図である。
図85(a)に示した通り、左特定入賞口650Laが入球可能な状態では、可動部材650Lbが正面視手前側に突出した状態となる。これにより、図85(a)に示した通り、可動部材650Lbのうちベース板60よりも正面視手前側に突出した部分は、右上方向から左下方向に向かって下る向きの傾斜を形成するので、第1入球口64の下方の領域(特定領域)に到達した遊技球を、左特定入賞口650Laが設けられている正面視左下方向へと誘導して左特定入賞口650Laに入球させることができる。また、右特定入賞口650Raの左上側が可動部材650Lbによって塞がれた状態となるため、右特定入賞口650Raへと遊技球を入球させることが不可能(困難)になる。よって、左特定入賞口650Laが入球可能な状態になっている場合においては、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球を、確実に左特定入賞口650Laのみへと入球させることができる。
これに対し、右特定入賞口650Raが入球可能な状態においては、図85(b)に示した通り、可動部材650Rbが正面視手前側に突出した状態となる。これにより、図85(b)に示した通り、可動部材650Rbのうちベース板60よりも正面視手前側に突出した部分は、左上方向から右下方向に向かって下る向きの傾斜を形成するので、第1入球口64の下方の領域(特定領域)に到達した遊技球を、右特定入賞口650Raが設けられている正面視右下方向へと誘導して右特定入賞口650Raに入球させることができる。また、左特定入賞口650Laの右上側が可動部材650Rbによって塞がれた状態となるため、左特定入賞口650Laへと遊技球を入球させることが不可能(困難)になる。よって、右特定入賞口650Raが入球可能な状態になっている場合においては、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球を、確実に右特定入賞口650Raのみへと入球させることができる。
次に、図86を参照して、上述した可動部材650Lb,650Rbの詳細な構成について説明する。図86の説明において、図の下側が遊技盤13の手前側方向を示し、上側が遊技盤13の奥側方向を示す。まず、図86(a)は、可動部材650Lb、および650Rbの上面図である。図86(a)の左側に示した通り、可動部材650Lbは、横長略長方形形状のベース部材650Lb1と、そのベース部材650Lb1の左右の端部から遊技盤13の奥側に向かって突出する形で、突出部650Lb3,650Lb4がそれぞれ設けられている。図示については省略したが、これらの突出部650Lb3,650Lb4は、それぞれベース部材650Lb1に対して逆側の端部が左可変入賞装置用ソレノイド(図示せず)に接続されている。左可変入賞装置用ソレノイドを駆動する(ソレノイドをオンに設定する)ことで、突出部650Lb3,650Lb4を介してベース部材650Lb1が正面視手前向きに可動され、ベース板60の奥側に埋没した状態からベース板60の手前側へと突出した状態に可変する。一方で、左可変入賞装置用ソレノイドがオフになると、ベース部材650Lb1が正面視奥向きに可動され、ベース板60の奥側に埋没した状態となる。
図86(a)に示した通り、ベース部材650Lb1の中央には、正面視手前側から奥側に向かう切欠き部650Lb5が設けられており、正面視奥側に設けられている接続部650Lb2のみによってベース部材650Lb1の左側と右側とが離反せずに接続されている。切欠き部650Lb5の幅は、少なくとも可動部材650Rbの厚みよりも広い幅で構成されている。詳細については後述するが、この切欠き部650Lb2に可動部材650Rbを係合させることにより、各可動部材650Lb,650Rbを互いに干渉せずに独立して出没動作させることができる。
図86(a)に示した通り、可動部材650Rbは、切欠き部650Rb5の向き(配置)が可動部材650Lbと逆向きになっている以外、可動部材650Lbと同一の形状で構成されている。可動部材650Rbの切欠き部650Rb5は、ベース部材650Rb1において、正面視奥側から手前側に向かって設けられており、正面視手前側に設けられている接続部650Rb2のみによってベース部材650Lb1の左側と右側とが離反せずに接続されている。通常状態においては、図85に示した通り、可動部材650Lbと、可動部材Rbとが互いに交差した状態でベース板60よりも奥側に収納された状態となる。このとき、可動部材650Lbと、可動部材650Rbとは、切欠き部分650Lb5と切欠き部650とが係合した状態となる。即ち、可動部材650Lbの接続部650Lb5と、可動部材650Rbの接続部650R5とが対向した状態で収納される。このように収納すること、2つの可動部材650Lb,650Rbを、比較的少ないスペースに収納することができるので、パチンコ機10の限られたスペースを有効活用することができる。
図86(b)は、可動部材650Rbが突出動作を行った場合における各可動部材650Lb,650Rbの上面図である。図86(b)に示した通り、可動部材650Rbが突出動作を行うと、ベース板60よりも手前側に可動部材650Rbのベース部材650Rb1のほぼ全体が露出する。これにより、ベース部材650Rb1は、右特定入賞口650Raに向かって下る向きの傾斜を形成するので、第1入球口64の下方の領域(特定領域)に到達した遊技球は、傾斜に沿って右特定入賞口650Raへと誘導される。
図86(c)は、可動部材650Lbが突出動作を行った場合における各可動部材650Lb,650Rbの上面図である。図86(c)に示した通り、可動部材650Lbが突出動作すると、動作が進むにつれて、可動部材650Lbの接続部650Lb2が可動部材650Rbの接続部650Rb2に近接していく。この突出動作は、接続部650Lbが接続部650Rb2に接触する継続し、各接続部が互いに接触することにより、可動部材650Lbの突出動作が妨げられて動作停止する。このため、可動部材650Lbは、図86(c)に示した通り、突出位置において少なくとも接続部650Lb2がベース板60よりも奥側に収納された状態となる。なお、ベース部分のうち奥側の一部(接続部650Lb2を少なくとも含む範囲)が収納された状態になっていても、ベース板60よりも手前側に突出している範囲は遊技球が十分に通過可能となる幅が露出した状態となる。よって、可動部材650Lbが突出位置に配置されている場合に、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球を、ベース部材650Lb1の成す傾斜によって確実に左特定入賞口650Laへと誘導することができる。
<第6実施形態における電気的構成>
次に、図87を参照して、本第6実施形態における主制御装置110に設けられているROM202、およびRAM203の構成について説明する。まず、図87を参照して、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図87(a)は、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図87(a)に示した通り、本第6実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bには、大当たりA6,B6,C6の3種類の大当たり種別が規定されている。
図87に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、「大当たりA6」が対応付けて規定されている。「大当たりA6」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりA6」になると、大当たりの各ラウンドで右特定入賞口650Raが入球可能な状態になる(即ち、可動部材650Rbが突出位置に可変する)。このため、「大当たりA6」は、ラウンド数が最も多く、大当たり終了後の遊技状態が有利となり(即ち、普通図柄の時短状態よりも有利な特別図柄の高確率状態が設定され)、大当たり中に入球毎に付与される特典(払い出される賞球数)も多く(10個に)なる。よって、「大当たりA6」は、最も遊技者に有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA6」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「0~4」の5個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりA6」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~49」の範囲に対しては、「大当たりB6」が対応付けて規定されている。「大当たりB6」は、ラウンド数が7ラウンドであり、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりB6」になると、大当たりの各ラウンドで左特定入賞口650Laが入球可能な状態になる(即ち、可動部材650Lbが突出位置に可変する)。このため、「大当たりB6」は、ラウンド数が比較的少なく、大当たり終了後の遊技状態が有利となり(即ち、普通図柄の時短状態よりも有利な特別図柄の高確率状態が設定され)、大当たり中に入球毎に付与される特典(払い出される賞球数)が比較的少なく(7個に)なる。よって、「大当たりB6」は、大当たり後の遊技状態の面では最も有利な大当たり種別の一種であるが、大当たりにおいて獲得可能な賞球数の面では少なくとも「大当たりA6」よりも遊技者に不利となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB6」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「5~49」の45個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりB6」が決定される割合は45%(45/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対しては、「大当たりC6」が対応付けて規定されている。「大当たりC6」は、ラウンド数が7ラウンドであり、大当たり終了後100回の特別図柄の変動表示が終了するまでの間に限り、普通図柄の時短状態が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりC6」になると、大当たりの各ラウンドで左特定入賞口650Laが入球可能な状態になる(即ち、可動部材650Lbが突出位置に可変する)。このため、「大当たりC6」は、ラウンド数が比較的少なく、大当たり終了後の遊技状態が不利となり、大当たり中に入球毎に付与される特典(払い出される賞球数)が比較的少なく(7個に)なる。よって、「大当たりC6」は、大当たり後の遊技状態の面でも、大当たりにおいて獲得可能な賞球数の面でも最も不利となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC6」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「50~99」の50個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりC6」が決定される割合は50%(50/100)である。
なお、本第6実施形態におけるROM202の構成は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容以外変更されていないため、ROM202のその他の構成の説明については省略する。
次に、図87(b)を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のRAM203の構成について説明する。図87(b)は、本第6実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図87に示した通り、本第6実施形態におけるRAM203の構成は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図10参照)に対して、可動種別格納エリア203aaが追加されている点で相違している。
可動種別格納エリア203aaは、大当たりの各ラウンドにおいて可動(突出)させる可動部材の種別を示すデータを格納するための記憶領域である。大当たりになると、この可動種別に対して大当たり種別に応じた可動部材を示すデータが格納される。より具体的には、大当たりに当選し、大当たりA6が決定された場合には、可動種別格納エリア203aaに対して可動部材650Rbを示す「01H」が格納される一方で、大当たりB6,C6のどちらかが決定された場合には、可動種別格納エリア203aaに対して可動部材650Lbを示す「02H」が格納される(図88のS322,S323参照)。大当たり遊技の実行中は、新たなラウンドの開始タイミングとなる毎に、可動種別格納エリア203aaに格納されているデータが識別されて、データに対応する可動部材の突出動作が設定される(図89のS1021参照)。また、この可動種別格納エリア203aaに格納されるデータは、初期値が「00H」に設定されており、大当たり終了時にも初期値にリセットされる(図89のS1024参照)。初期値である「00H」は、大当たり遊技の実行中ではない(即ち、可動部材の種別が特定されていない)状態であることを意味する。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図88、および図89を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図88を参照して、本第6実施形態における特別図柄変動開始処理6(S221)について説明する。この特別図柄変動開始処理6(S221)は、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図24参照)に代えて特別図柄変動処理(図23参照)の中で実行される処理であり、特別図柄変動開始処理(図24参照)と同様に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この第6実施形態における特別図柄変動開始処理6(図88参照)のうち、S301~S311の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図24参照)のS301~S311の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における特別図柄変動開始処理6(図88参照)では、S306の処理において大当たり種別に応じた表示態様を設定した後は(S306)、今回の大当たり種別が大当たりA6であるか否かを判別し(S321)、今回の大当たり種別が大当たりA6でないと判別した場合は(S321:No)、可動種別格納エリア203aaに対して可動部材650Lbを示す「02H」を格納して(S322)、処理をS307に移行する。
一方、S321の処理において、今回の大当たり種別が大当たりA6であると判別した場合は(S321:Yes)、可動種別格納エリア203aaに対して可動部材650Rbを示す「01H」を格納して(S323)、処理をS307に移行する。S322,S323の各処理で可動種別格納エリア203aaに対して格納したデータは、大当たりにおいて新たなラウンドが開始される際に参照され、格納されているデータに対応する可動部材が突出位置に可動される。
次に、図89を参照して、本第6実施形態における大当たり制御処理6(S921)の詳細について説明する。図89は、この大当たり制御処理6(S921)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理6(S921)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図31参照)に代えてメイン処理(図30参照)の中で実行される処理であり、大当たり制御処理(図31参照)と同様に、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口の状態の設定を行うための処理である。
この第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)のうち、S1001~S1004,S1006,S1007,S1009~S1011、およびS1013~S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図31参照)のS1001~S1004,S1006,S1007,S1009~S1011、およびS1013~S1016の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)では、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングになったと判別された場合に(S1004:Yes)、可動種別格納エリア203aaに格納されているデータに対応する可動部材の突出動作を設定する(S1021)。より具体的には、可動種別格納エリア203aaに「01H」が格納されている場合には、可動部材650Rbの突出動作を設定することで右特定入賞口650Raに入球可能となるように設定する。一方、可動種別格納エリア203aaに「02H」が格納されている場合には、可動部材650Lbの突出動作を設定することで左特定入賞口650Laに入球可能となるように設定する。S1021の処理が終了すると、処理をS1006へと移行する。
また、本第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)では、S1007の処理において、大開放口(特定入賞口)の閉鎖条件が成立したと判別した場合に(S1007:Yes)、可動種別格納エリア203aaに格納されているデータに対応する可動部材の埋没動作を設定して(S1022)、本処理を終了する。即ち、可動種別格納エリア203aaに「01H」が格納されている場合には、可動部材650Rbの没入動作を設定することで右特定入賞口650Raに入球不可能となるように設定する。一方、可動種別格納エリア203aaに「02H」が格納されている場合には、可動部材650Lbの没入動作を設定することで左特定入賞口650Laに入球不可能となるように設定する。
また、本第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)では、S1015の処理が終了すると、次に、可動種別格納エリア203aaに格納されているデータを「00H」にリセットして(S1024)、処理をS1016に移行する。この大当たり制御処理6(図89参照)により、左特定入賞口650Laと右特定入賞口650Raとのうち、大当たり種別に対応する特定入賞口が入球可能となるように、各可動部材の可変動作を適切に制御することができる。
以上説明した通り、本第6実施形態におけるパチンコ機10では、特定領域に対して付与される特典が異なる2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、および右特定入賞口650Ra)を設ける構成とし、大当たり種別に応じて入球可能となる特定入賞口を可変させる構成とした。より具体的には、突出動作を行うことにより、特定領域へと流下した遊技球を左特定入賞口650Laへと誘導する傾斜を形成する可動部材650Lbと、特定領域へと流下した遊技球を右特定入賞口650Raへと誘導する傾斜を形成する可動部材650Rbとが、左特定入賞口650Laと、右特定入賞口650Raとの間に設けられている。左特定入賞口650Laが入球可能となる大当たり種別(大当たりB6,C6)では、大当たりの各ラウンドで可動部材650Lbが突出動作を行うように制御される。一方で、右特定入賞口650Raが入球可能となる大当たり種別(大当たりA6)では、大当たりの各ラウンドで可動部材650Rbが突出動作を行うように制御される。
可動部材650Lb、および可動部材650Rbは、いずれも、突出位置に配置された状態において、特定領域へと流下したほぼ全ての遊技球を受け止めることが可能な幅で構成されている。このため、いずれかの可動部材が突出位置に配置されている状態においては、特定領域へと流下した遊技球をほぼ確実に、対応する特定入賞口へと入球させることができる。ここで、特定領域(第1入球口64の下方の領域)は、発射方向によらず、一般入賞口63や第1入球口64に入球しなかったほぼ全ての遊技球が到達可能に構成されている。つまり、左打ちされた遊技球も、右打ちされた遊技球も、そのほとんど(9割以上)が特定領域へと到達する構成となっている。よって、左可動部材650Lbが突出位置に配置される大当たり種別になった場合も、右可動部材650Rbが突出位置に配置される大当たり種別になった場合も、遊技球の発射方向によらず、対応する特定入賞口(左特定入賞口650La、または右特定入賞口650Raのいずれか)へと遊技球を入球させることができる。従って、大当たりになる毎に、遊技者に対して好みの発射方向を選んで大当たり中の遊技を行わせることができる。
また、本第6実施形態では、左可変入賞装置650Lと、右可変入賞装置650Rとを左右方向に並べて配置する構成とし、且つ、遊技球が入球可能となる面(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)を対向させて配置する構成としている。そして、各可動部材により、各特定入賞口へと向けて下る向きの傾斜を形成することで各特定入賞口へと遊技球が入球可能となる状態を構成している。言い換えれば、遊技球が通常時には進行しない方向に各特定入賞口を設けておき、各可動部材により遊技球の進行方向を通常とは異なる方向に可変させることで各特定入賞口へと入球可能な状態としている。これにより、上述した第1実施形態等の特定入賞口65aの構成(通常時にも遊技球が進行する流路の途上に設けられ、当該流路を流下した遊技球の大部分を流入させるように開放される構造)に比較して、各特定入賞口をコンパクト化することができる。即ち、各特定入賞口を、遊技球1個分以上2個分未満の面積で構成することができるので、特定入賞口の小面積化を実現することができる。よって、各可変入賞装置をコンパクト化することができるので、2つの可変入賞装置が盤面上において示す面積を小さくすることができるので、盤面構成の自由度を高めることができる。ここで、大当たり遊技の実行中に開閉される大入賞口(特定入賞口)が盤面上に複数設けられている遊技機では、それぞれの大入賞口を、大入賞口が設けられている流路と略同一の幅で開放可能に構成するのが一般的である。また、複数の大入賞口は、1の流路において正面視上下方向に並べて配置させ、大当たり中に同一の流路へと遊技球を発射し続けるだけでいずれの大入賞口にも遊技球を入球可能に構成しているものが一般的である。しかしながら、この構成では大入賞口の個数が増加するほど設置面積が増大するので、盤面構成の自由度が低減してしまうという問題点がある。これに対して本第6実施形態では、上述した通り、各可変入賞装置をコンパクトに構成することができるので、盤面構成の自由度を向上させることが可能となる。
また、本第6実施形態では、2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)は、互いに遊技球が入球した場合に付与される特典(払い出される賞球の個数)が異なって構成されている。そして、大当たり種別に応じて大当たり遊技の実行中に遊技球が入球可能となる特定入賞口の種別を異ならせている。このように構成することで、大当たり種別毎の有利度合いの差をより大きくすることができる。即ち、大当たりのラウンド数や、大当たり遊技の実行が終了した後で移行する遊技状態の種別に加え、特定入賞口に入球する毎に付与される特典(払い出される賞球数)も、大当たり種別に応じて異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。特に、大当たりのラウンド数は、任意の値を無制限に定めることができるものではなく、上限値(例えば、16ラウンド)以下の範囲内で設定しなければならないものである。このため、ラウンド数のみで、払い出される賞球面に差をつけるのには限界がある。また、上限値(16ラウンド)の範囲内で大当たり種別毎の有利度合いの差を大きくしようとすると、比較的不利な種別の大当たりのラウンド数を少なくするしかないので、有利度合いの差を大きくするほど、不利な種別の大当たりの期間が短くなってしまう。よって、特に、大当たり遊技の実行中に所定の表示演出(大当たり遊技専用の特定のキャラクタの表示等)や音声演出(特定の楽曲の再生等)を実行する場合は、不利な種別の大当たりとなった場合に遊技者が大当たり遊技中に実行される演出(表示演出や音声演出)を十分に楽しむよりも前に大当たり遊技の実行が終了してしまう可能性がある。
これに対し、付与される特典(払い出される賞球の数)が異なる複数の特定入賞口を設け、大当たり種別に応じて入球可能となる特定入賞口を異ならせる構成とすることにより、ラウンド数を少なくしすぎることなく(即ち、大当たり遊技中に実行される各種演出の実行期間を十分に確保しつつ)、大当たり種別毎の有利度合いに差をつけることが可能となる。詳述すると、有利な種別の大当たりにおいては、大当たりの各ラウンドで、付与される特典(賞球数)が多い特定入賞口(即ち、右特定入賞口650Ra)を入球可能に設定する一方で、不利な種別の大当たりにおいては、大当たりの各ラウンドで、付与される特典(賞球数)が少ない特定入賞口(即ち、左特定入賞口650La)を入球可能に設定する。これにより、不利な種別の大当たりのラウンド数を少なくし過ぎることなく、大当たり種別毎の有利度合いに差をつけることができる。よって、大当たり遊技中に実行される各種演出の実行期間を十分に確保しつつ、大当たり種別毎にメリハリをつけることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、可動部材毎に独立した駆動源を設ける構成としていたが、1の駆動源で2つの可動部材650Lb,650Rbを制御可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、駆動源として1のモータのみを設ける構成とし、各可動部材650Lbが没入位置(埋没位置)に配置されている状態でモータを正方向(第1の方向)に駆動させることにより、可動部材650Lbのみが突出位置に向けて可動する一方で、モータを負方向(第2の方向)に駆動させることにより、可動部材650Rbのみが突出位置に向けて可動するように構成してもよい。即ち、1のモータの回転軸に対して、可動部材650Lbに駆動力を伝達するための左傾斜用ギアと、可動部材650Rbに駆動力を伝達するための右傾斜用ギアとの2種類を設けておき、左傾斜用ギアは、各可動部材の没入位置において、モータが正方向に回転した場合にのみ可動部材650Lbを駆動できるような歯の配置にしておく。つまり、可動部材650Lb側のギアと、左傾斜用ギアとが、モータの正回転時にのみ係合するような範囲に歯を配置しておく。また、右傾斜用ギアは、各可動部材の没入位置において、モータが負方向に回転した場合にのみ可動部材650Rbを駆動できるような歯の配置にしておく。つまり、可動部材650Rb側のギアと、右傾斜用ギアとが、モータの負回転時にのみ係合するような範囲に歯を配置しておく。このように構成することで、1の駆動源で2つの可動部材650Lb,650Rbを別個に可動させることができるので、部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第6実施形態では、各可変入賞装置を第1入球口64の下方に配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路の途中に各可変入賞装置を設ける構成とし、いずれかの可動部材が突出位置に配置されている状態で右打ちされた遊技球が、ほぼ全て特定入賞口へと誘導されるように構成してもよい。また、逆に、可変表示装置ユニット80の左側に設けられている流路の途中に各可変入賞装置を設ける構成とし、いずれかの可動部材が突出位置に配置されている状態で左打ちされた遊技球が、ほぼ全て特定入賞口へと誘導されるように構成してもよい。可変表示装置ユニット80の右側の流路や、左側の流路は、第1入球口64の下方の領域に比較してスペースが狭いので、各可変入賞装置と各可動部材とが盤面上において占める面積をより小さくすることができる。なお、この場合は、流路の幅に合わせて各可動部材の幅および傾斜角度を調節すればよい。
<第6実施形態の変形例>
次に、図90から図92を参照して、第6実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第6実施形態では、2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、および右特定入賞口650Ra)を設ける構成とし、各特定入賞口に対応する可動部材を突出させることにより、特定入賞口へと向かう傾斜を形成させて、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球が当該特定入賞口へと誘導される構成としていた。
これに対して本変形例では、2つの可動部材に代えて、特定領域における2つの特定入賞口の間において正面視左右方向に平行移動が可能な単一の移動部材650bを設ける構成としている。この移動部材650bは、詳細については後述するが、その左側が正面視左下方向に向かう向きの傾斜を形成する一方で、その右側が正面視右下方向に向かう向きの傾斜を形成している。左特定入賞口650Laを入球可能な状態とする場合は、移動部材650bを正面視左方向へと平行移動させて左特定入賞口650Laへと隣接させることにより、移動部材650bの左側の傾斜によって左特定入賞口650Laへと遊技球を誘導可能に構成する。逆に、右特定入賞口650Raを入球可能な状態とする場合は、移動部材650bを正面視右方向へと平行移動させることにより、移動部材650bの右側の傾斜によって右特定入賞口650Raへと遊技球を移動可能に構成する。このように、単一の移動部材650bを左右に平行移動させることにより各種可動部材を駆動するためのソレノイドの個数を削減することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
この第6実施形態の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について、図90を参照して説明する。図90は、本変形例における遊技盤13の盤面構成を示した図である。図90に示した通り、本変形例における遊技盤13は、上述した第6実施形態における遊技盤13の盤面構成(図84参照)に対して、可動部材650Lb,650Rbに代えて移動部材650bが設けられている点で相違する。
この移動部材650bは、図90に示した通り、略三角形形状で構成され、通常時(大当たり遊技の実行中でない場合)は、各特定入賞口の中間位置で静止した状態となる。この状態(図90参照)では、移動部材650bと、各特定入賞口との間に遊技球1個分以上のスペースが生じた状態となる。よって、通常時において特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球は、移動部材650bと左特定入賞口650Laとの間の流路、または移動部材650bと右特定入賞口650Raとの間の流路を流下してアウト口66へと誘導される。
次に、図91を参照して、移動部材650bの詳細な構造について説明する、図91(a)は、移動部材650bの上面図であり、図91(b)は、移動部材650bの正面図であり、図91(c)は、図91(b)に示すXCI-XCI断面図である。図91(a)~図91(c)に示した通り、移動部材650bは、略三角柱形状の部材の背面側に、横長略長方形形状の平板状の突出部650bbが突出して構成されている。図示については省略したが、突出部650bbは移動部材用モータ(図示せず)に接続されており、移動部材用モータが正方向に駆動することで突出部650bbに対して正面視左方向への駆動力が伝達されて、移動部材650bが正面視左方向へと平行移動する。また、移動部材用モータが負方向に駆動することで突出部650bbに対して正面視右方向への駆動力が伝達されて、移動部材650bが正面視右方向へと平行移動する。
図91(a)~(c)に示した通り、移動部材650bの正面視右側、および正面視左側には、それぞれ遊技球1個分以上の幅の右斜面650b1、左斜面650b2が設けられている。上方から移動部材650bに到達した遊技球は、右斜面650b1、または左斜面650b2のいずれかに沿って下方へと流下する。
図91(d)は、移動部材650bの正面斜視図である。図91(d)に示した通り、移動部材650bの突出部650bbは、ベース板60に空けられている左右移動用孔650baを介してベース板60よりも奥側に内包されている。突出部650bbのうち正面視奥側の端部は、上述した通り移動部材用モータに接続されている。移動部材用モータによって移動部材650bに対して左右方向の駆動力が働くと、突出部650bbは、左右移動孔650baに沿って左右方向に移動する結果、移動部材650bが左右方向に平行移動する。
次に、図92を参照して、移動部材650bの配置毎の遊技球の流下方向について説明する。図92(a)は、移動部材650bが正面視左方向に平行移動した状態における遊技球の流下方向を示した図である。図92(a)に示した通り、移動部材650bが正面視左方向に平行移動し、左特定入賞口650Laに隣接した状態となっている場合は、左方向から特定領域へと到達した遊技球(即ち、左打ちされた遊技球)が、移動部材650bにおける正面視左側の斜面へと落下し、斜面に沿って流下することにより左特定入賞口650Laへと入球する。一方で、右方向から特定領域へと到達した遊技球(即ち、右打ちされた遊技球)は、移動部材650bと右可変入賞装置650Rとの間のスペースを通過してアウト口66の方向に流下する。これにより、移動部材650bが左方向に平行移動した状態においては、遊技球を左特定入賞口650Laに対してのみ入球させることができる。
図92(b)は、移動部材650bが正面視右方向に平行移動した状態における遊技球の流下方向を示した図である。図92(b)に示した通り、移動部材650bが正面視右方向に平行移動し、右特定入賞口650Raに隣接した状態となっている場合は、右方向から特定領域へと到達した遊技球(即ち、右打ちされた遊技球)が、移動部材650bにおける正面視右側の斜面へと落下し、斜面に沿って流下することにより右特定入賞口650Raへと入球する。一方で、左方向から特定領域へと到達した遊技球(即ち、左打ちされた遊技球)は、移動部材650bと左可変入賞装置650Lとの間のスペースを通過してアウト口66の方向に流下する。これにより、移動部材650bが右方向に平行移動した状態においては、遊技球を右特定入賞口650Raに対してのみ入球させることができる。
このように、第6実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、可動部材650Lb,650Rbに代えて、単一の移動部材650bを左右方向に平行移動させることにより移動方向に対応する特定入賞口(左特定入賞口650La、および右特定入賞口650Raのいずれか)へと遊技球が入球可能な状態を形成する構成としている。このように構成することで、1の駆動源(移動部材用モータ)で2つの特定入賞口の状態を切り替える(入球可能な状態と入球困難な状態とを切り替える)ことができる。よって、上述した第6実施形態に比較して、駆動源の個数を削減することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
また、大当たり遊技の実行中は、移動部材650bの左右両側に設けられている傾斜によって、移動部材650bに近接している側の特定入賞口へと遊技球が誘導されるので、移動部材650bの左右方向の配置を視認するだけで、遊技球を入球させ易い発射方向を遊技者に対して容易に理解させることができる。即ち、移動部材650bが正面視右側に可動され、右特定入賞口650Raに近接した状態となっている場合には、右打ちを行うことにより、遊技球を容易に右特定入賞口650Raへと入球させることができる。一方、移動部材650bが正面視左側に可動され、左特定入賞口650Laに近接した状態となっている場合には、左打ちを行うことにより、遊技球を容易に左特定入賞口650Laへと入球させることができる。
また、本変形例では、上述した第6実施形態と同様に、左可変入賞装置650Lと、右可変入賞装置650Rとを左右方向に並べて配置する構成とし、且つ、遊技球が入球可能となる面(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)を対向させて配置する構成としている。これにより、第6実施形態と同様に、各特定入賞口の面積としては、遊技球1個分以上の面積を確保すればよく、特定入賞口の小面積化を実現することができる。即ち、各可変入賞装置をコンパクト化することができるので、2つの可変入賞装置が盤面上において示す面積を小さくすることができる。よって、盤面構成の自由度を高めることができる。
なお、第6実施形態の変形例では、各特定入賞口を左右方向に配置すると共に、移動部材650bを各特定入賞口の間で左右方向に可動可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、各特定入賞口を上下方向に配置すると共に、移動部材650bを一方の特定入賞口に近接した位置から他方の特定入賞口に近接した位置まで上下方向に可動可能に構成してもよい。また、この場合において、移動部材650bのうち、特定入賞口が配置されている側の側面とは逆側の側面の傾斜を削除してもよい。このように構成することで、各可変入賞装置と、移動部材650bとが盤面上において占める面積を小さくすることができるので、パチンコ機10の盤面構成の自由度をより高めることができる。
<第6実施形態の第2の変形例>
次に、図137、及び図138を参照して、上述した第6実施形態におけるパチンコ機10の第2の変形例について説明する。上述した第6実施形態におけるパチンコ機10では、2つの可動部材650Lb,650Rbを駆動(出没動作)させるための駆動源(ソレノイド)を、可動部材毎に別々に(独立して)設ける構成とし、各可動部材の可動条件が成立した場合は、対応する駆動源を駆動させることにより可動部材を可変動作(出没動作)させる構成としていた。
これに対して本第2の変形例では、1の駆動源で複数(2つ)の可動部材650Lb,650Rbを制御可能に構成している。より具体的には、可動部材650Lb,650Rbを可変動作(出没動作)させるための駆動源として、単一のモータ(駆動用モータ6500)のみを設ける構成とし、各可動部材650Lb,650Rbがどちらも埋没位置に配置されている状態で駆動用モータ6500を正方向に駆動することにより、可動部材650Lbが突出位置に可変動作する一方で、駆動用モータ6500を負方向に駆動することにより、可動部材650Rbが突出位置に可変動作する構成としている。これにより、複数の可動部材を少ない駆動源で可変動作させることができるので、部品点数の削減によりパチンコ機10の原価率の低減を図ることができる。
この第6実施形態の第2の変形例におけるパチンコ機10が、第6実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、可動部材650Lb,650Rbの構成を変更した点である。その他の構成については、第6実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
図137は、第6実施形態の第2の変形例における各可動部材650Lb,650Rbを示した斜視図である。図137は、各可動部材650Lb,650Rbが、共に埋没位置に配置されている状態を示している。図137に示した通り、本第2の変形例における各可動部材650Lbでは、第6実施形態における可動部材650Lbに設けられていた突出部650Lb3,650Lb4が削除され、代わりに、可動部材650Lbに対して正面視奥側に突出して設けられている略円柱形状の突出部650Lb6と、その突出部650Lb6における可動部材650Lbとは逆側の端に接続されているギア部材650Lb7とが設けられている。また、可動部材650Rbについても同様に、突出部650Rb3,650Rb4が削除され、代わりに、可動部材650Rbに対して正面視奥側に突出して設けられている略円柱形状の突出部650Rb6と、その突出部650Rb6における可動部材650Rbとは逆側の端に接続されているギア部材650Rb7とが設けられている。
加えて、本第2の変形例では、図137に示した通り、可動部材650Lbに設けられているギア部材650Lb7と、可動部材650Rbに設けられているギア部材650Rb7との間には、円形で正面視奥側の側面にギア歯が設けられていると共に、正面視手前側の側面にギア歯が設けられていない円形ギア6500aが設けられている。この円形ギア6500aは、下方に配設されている駆動用モータ6500の駆動軸に接合されており、駆動用モータ6500が駆動されると、駆動軸の回転動作に連動して、駆動軸の回転方向と同一方向に同一周期で回転動作を行う。この円形ギア6500aは、ギア歯が設けられている側面が正面視奥側に配置されて、ギア部材650Lb7のギア歯にも、ギア部材650Rb7のギア歯にも歯合していない状態となっている配置(図137参照)が初期配置に設定されている。この円形ギア6500aの初期配置では、各可動部材650Lb,650Rbが没入位置に配置された状態となる。また、円形ギア6500aは、駆動用モータ6500が正方向に駆動されることにより、可動部材650Lbのギア部材650Lb7のギア歯と円形ギア6500aのギア歯とが歯合する向きに回転動作する一方で、駆動用モータ6500が負方向に駆動されることにより、可動部材650Rbのギア部材650Rb7のギア歯と円形ギア6500aのギア歯とが歯合する向きに回転動作する。
次に、図138を参照して、円形ギア6500aが正方向、および負方向に回転動作を行った場合における各可動部材650Lb,650Rbの動作について説明を行う。まず、図138(a)を参照して、駆動用モータ6500が正方向に駆動された場合における各可動部材650Lb,650Rbの動作内容について説明する。図138(a)は、駆動用モータ6500が正方向に駆動された場合の各可動部材650Lb,650Rb、および円形ギア6500aの上面図である。
図138(a)に示した通り、駆動用モータ6500が正方向に駆動されて、駆動用モータ6500の駆動軸に接合された円形ギア6500aが反時計回りに回転動作を行うと、円形ギア6500aに対して正面視左側に配置されていたギア部材650Lb7のギア歯と、円形ギア6500aの側面の一部の範囲に設けられているギア歯とが歯合する。よって、円形ギア6500aが反時計回り方向に回転する回転力が、回転部材6500aと歯合したギア部材650Lb7に伝達して、ギア部材650Lb7に対して正面視手前側方向に向かう向きの駆動力が働く。これにより、ギア部材650Lb7に接合されている可動部材650Lbにも正面視手前側に向かう向きの駆動力が働いて、可動部材650Lbが正面視手前側に突出動作を行う。これにより、可動部材650Lbが突出位置に配置される。一方、可動部材650Rbのギア部材650Rb7は、可動部材650Lbが没入位置から突出位置に可変動作を行っている間(即ち、円形ギア6500aが反時計回りに約180度回転動作を行っている間)、ギア部材650Rbのギア歯と歯合する位置に、円形ギア6500aのうちギア歯の設けられている範囲が配置されないので、ギア部材650Rb7が可動されることはない。よって、可動部材650Lbが没入位置(埋没位置)から突出位置に可動する間、可動部材650Rbが可変動作を行うことはない。なお、可動部材650Lbを突出位置から没入位置(埋没位置)へと可動させる場合は、駆動用モータ6500を負方向に原点位置まで駆動させることにより、円形ギア6500aが原点位置まで時計回りに回転動作を行うと共に、ギア部材650Lb7が没入位置まで戻る。この間も、可動部材650Rbのギア部材650Rb7のギア歯と円形ギア6500aのギア歯とが歯合することはないため、可動部材650Rb7が可動することはない。
図138(b)に示した通り、駆動用モータ6500が負方向に駆動されて、円形ギア6500aが時計回りに回転動作を行うと、円形ギア6500aに対して正面視右側に配置されていたギア部材650Rb7のギア歯と、円形ギア6500aの側面の一部の範囲に設けられているギア歯とが歯合する。よって、円形ギア6500aが時計回り方向に回転する回転力が、回転部材6500aと歯合したギア部材650Rb7に伝達して、ギア部材650Rb7に対して正面視手前側方向に向かう向きの駆動力が働く。これにより、ギア部材650Rb7に接合されている可動部材650Rbにも正面視手前側に向かう向きの駆動力が働いて、可動部材650Rbが正面視手前側に突出動作を行う。これにより、可動部材650Rbが突出位置に配置される。一方、可動部材650Lbのギア部材650Lb7は、可動部材650Rbが没入位置から突出位置に可変動作を行っている間(即ち、円形ギア6500aが時計回りに約180度回転動作を行っている間)、ギア部材650Lbのギア歯と歯合する位置に、円形ギア6500aのうちギア歯の設けられている範囲が配置されないので、ギア部材650Lb7が可動されることはない。よって、可動部材650Rbが没入位置(埋没位置)から突出位置に可動する間、可動部材650Lbが可変動作を行うことはない。なお、可動部材650Rbを突出位置から没入位置(埋没位置)へと可動させる場合は、駆動用モータ6500を正方向に原点位置まで駆動させることにより、円形ギア6500aが原点位置まで反時計回りに回転動作を行うと共に、ギア部材650Rb7が没入位置まで戻る。この間も、可動部材650Lbのギア部材650Lb7のギア歯と円形ギア6500aのギア歯とが歯合することはないため、可動部材650Lb7が可動することはない。
以上説明した通り、第6実施形態における第2の変形例では、1の駆動用モータ6500の駆動方向に応じて、複数の可動部材を別個に可変動作させることが可能に構成している。より具体的には、駆動用モータ6500を回転動作の原点位置から正方向に約180度回転動作させることにより、可動部材650Rbを没入位置(埋没位置)に配置させたまま、可動部材650Lbを没入位置(埋没位置)から突出位置へと可変動作させることができる一方で、駆動用モータ6500を回転動作の原点位置から負方向に約180度回転動作させることにより、可動部材650Lbを没入位置(埋没位置)に配置させたまま、可動部材650Rbを没入位置(埋没位置)から突出位置へと可変動作させることができる。このように構成することで、複数の可動部材をより少ない駆動源で可変動作させることができるので、部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価を低減させることができる。
なお、第6実施形態における第2の変形例では、1の駆動源(駆動用モータ6500)のみで可動部材650Lbと、可動部材650Rbとを可動させる構成としていたが、これに限られるものではなく、他の駆動源を追加して設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、一方の可動部材に対して、第2の駆動源を駆動用モータ6500とは別に設けておく構成とし、第2の駆動源が設けられている側の可動部材を可動させる条件が成立した場合の少なくとも一部においては、第2の駆動源を駆動させることによって可動させる構成としてもよい。駆動用モータ6500のみでは、一方の可動部材が可動している間(没入位置とは異なる位置に配置されている間)、他方の可動部材を可動させることができない(対応するギア部材のギア歯と円形ギア6500aのギア歯とが歯合し得ない)ので、同時に複数の可動部材を埋没位置以外の配置に可動させることが不可能である。これに対して、第2の駆動源を設けることにより、一方の可動部材を可動している間に他方の可動部材の可動条件が成立した場合に、両方の可動部材を正常に可動させることができる。なお、本変形は、特に、左可変入賞装置650L、または右可変入賞装置650Rのうちどちらか一方を、第1入球口64と同一の性能を有する(即ち、遊技球が入球することで特別図柄の抽選の契機となる)第2入球口とし、対応する可動部材を普通図柄の抽選で当たりとなった場合に突出位置に可動する電動役物として構成する場合に有効である。大当たり遊技の実行中であっても、遊技球がスルーゲート67を通過することで普通図柄の当たりとなる可能性があるので、大当たりのラウンド期間と普通図柄の当たりとなったことに基づく電動役物の開放期間とが重複する可能性があるためである。
第6実施形態における第2の変形例では、1の駆動源(駆動用モータ6500)により2つの可動部材650Lb,650Rbを可動させることが可能に構成しているが、1の駆動源により複数の部材を可動させる技術は、特定入賞口の開閉制御への適用に限定されるものではない。例えば、複数の演出用の役物を可動させる際に、本変形例の構成の駆動用モータ6500を採用してもよい。
第6実施形態、およびその変形例では、左特定入賞口650La、および右特定入賞口650Raが常時開放された状態とし、各特定入賞口を遊技球の流下方向(正面視上下方向)に対して直交した向きとなるように配置することにより、通常時(大当たり遊技の実行中以外の状態)に遊技球が各特定入賞口へと入球してしまうことを防止(抑制)する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、各特定入賞口を開閉するための開閉扉を可動部材とは別に設ける構成としてもよい。そして、大当たり遊技状態においては、大当たり種別に対応する開閉板(可動部材によって特定領域に到達した遊技球が誘導され易くなる特定入賞口に付随する開閉板)のみを開放させる構成としてもよい。このように構成することで、通常時に遊技球が特定入賞口へと入球して大当たり遊技状態でないにもかかわらず賞球が払い出されてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを防止できる。また、この場合において、可動部材を大当たり種別とは無関係に周期的に、またはランダムに可動させる構成としてもよい。このように構成することで、開閉扉が開放された状態の特定入賞口に対して、可動部材により遊技球が誘導され易くなっているタイミングを狙って遊技球を発射する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この遊技性を実現する場合は、第6実施形態の変形例における移動部材650bを用いた方が、いずれの特定入賞口へと遊技球が誘導され易くなっているかが遊技者にとって理解し易くなるため、より効果的である。なお、可動部材を周期的に、またはランダムに可動させる期間は、大当たり遊技の実行中のみでもよいし、パチンコ機10に対して電源が投入されている間は常時可動し続けるように構成してもよい。なお、上述した第6実施形態の変形例における各特定入賞口に対して開閉扉を設ける変形を施す場合において、移動部材650bの配置を左特定入賞口650Laと右特定入賞口650Raとの中間位置に固定しておくと共に、各開閉扉が移動部材650bの方向に向けて傾倒することで、移動部材650bの側面と傾倒した開閉扉とで特定入賞口へと向かう流路を形成することにより、各特定入賞口が入球可能な状態となる構成としてもよい。このように構成することで、各特定入賞口へと入球可能な状態において、遊技球を対応する特定入賞口へと誘導可能となる幅が広くなるので、無駄球が発生する可能性を低減することができる。よって、遊技者の利益をより多くすることができる。
上記第6実施形態、およびその変形例では、遊技球が右特定入賞口650Raへと入球した場合に10個の賞球が払い出される一方で、左特定入賞口650Laに入球した場合には7個の賞球が払い出される構成としたが、各特定入賞口へと遊技球が入球した場合に付与される特典の量は任意に定めることができる。この場合に、必ずしも右特定入賞口650Raへと入球した場合に付与される賞球数を、左特定入賞口650Laへと入球した場合に付与される賞球数よりも多くする必要は無い。例えば、付与される賞球数を一致させても良いし、左特定入賞口650Laに入球した方が右特定入賞口650Raに入球するよりも付与される賞球数を多くする構成としてもよい。また、各特定入賞口へと入球した場合に付与される特典は賞球に限られるものでもない。例えば、大当たり遊技の実行中に一方の特定入賞口へと遊技球が入球した場合は、賞球のみが払い出される一方で、他方の特定入賞口へと遊技球が入球した場合は、賞球が払い出されるのに代えて、又は加えて、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が特典として付与される構成としてもよい。
上記第6実施形態、およびその変形例では、特定領域に2つの特定入賞口を設ける構成とし、大当たり種別に応じて入球可能な状態となる特定入賞口を切り替える構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特定領域に設けられている2つの特定入賞口のうち、一方又は両方を、特別図柄の抽選の契機となる入球口(第2入球口)としてもよい。即ち、2つの特定入賞口のうち少なくとも1つを、第1入球口64と同一の機能を有した第2入球口で構成してもよい。この場合において、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に可動部材650Lb,可動部材650Rb(移動部材650b)を所定の可動パターンで可動させる構成としてもよい。なお、特定入賞口と、第2入球口との組み合わせに変形する場合は、各入賞口(特定入賞口、および第2入球口)が入球可能となる条件が同時に成立し得るため、第6実施形態における可動部材のように、各入賞口へと入球可能な状態を形成するための可動部材が独立して動作可能になっているものの方が望ましい。スルーゲート67は遊技球が常時通過可能な状態とされ、且つ、普通図柄の抽選は大当たり遊技の実行中も通常時と同様に実行される。よって、大当たりの各ラウンドのラウンド遊技中(特定入賞口に対応する可動部材が突出位置に配置されている間)に普通図柄の抽選で当たりとなり、第2入球口に対応する可動部材が突出位置に可動する条件が成立する可能性がある。このため、第6実施形態の変形例における移動部材650bのように、一方の入球口のみにしか入球可能な状態を形成することができない可動部材を採用してしまうと、少なくとも一方の入賞口へと入球可能となる条件が成立したにもかかわらず、入球可能となる状態にすることができなくなってしまうという不具合が発生し得る。よって、第6実施形態で例示したように、各入賞口に対応する別個の可動部材をそれぞれ独立して可動制御させることが可能な構成を採用することにより、各入賞口が入球可能となる条件が重複して成立したとしても、各入賞口に対応する可動部材を同時に可動させることができる。少なくとも一方の入賞口へと入球可能となる条件が成立したにもかかわらず、入球可能となる状態にできなくなってしまうという不具合を抑制できる。
上記第6実施形態、およびその変形例では、特定領域(第1入球口64の下方の領域)において2つの特定入賞口を左右に対向させて配置させる構成とし、各特定入賞口へと向かう傾斜を形成することにより特定領域へと到達した遊技球を対応する特定入賞口へと誘導する構成としていたが、特定入賞口の配置および特定入賞口へと遊技球を入球させるための構成は、これらに限られるものではない。例えば、第1実施形態における可変入賞装置65と同様の構成で、付与される賞球数が互いに異なる2つの可変入賞装置を特定領域において縦に並べて構成してもよい。そして、大当たり種別に応じて開放される特定入賞口を異ならせる構成としてもよい。
上記第6実施形態、およびその変形例では、大当たり種別に応じて入球可能となる特定入賞口を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別に代えて、又は加えて、大当たりのラウンド数に応じて入球可能となる特定入賞口を異ならせる構成としてもよい。これにより、制御の自由度をより高めることができる。
上記第6実施形態、およびその変形例では、左特定入賞口650Laと、右特定入賞口650Raとを対向させて構成していた。即ち、左特定入賞口650Laと、右特定入賞口Laとを左右に並べて配置させると共に、左特定入賞口650Laを正面視右向き、右特定入賞口650Raを正面視左向きに構成していたが、必ずしも各特定入賞口を対向させる必要はない。可動部材650Lbが突出位置に配置されている間に入球可能(入球容易)となり、且つ、可動部材650Rbが突出位置に配置されている間、および各可動部材が埋没位置(没入位置)に配置されている間に入球不可能(入球困難)となる位置に左特定入賞口650Laが設けられていると共に、可動部材650Rbが突出位置に配置されている間に入球可能(入球容易)となり、且つ、可動部材650Lbが突出位置に配置されている間、および各可動部材が埋没位置(没入位置)に配置されている間に入球不可能(入球困難)となる位置に右特定入賞口650Raが設けられているのであればどのような構造であってもよい。具体的例としては、例えば、図136に示したように、左特定入賞口650Laの入球面と、右特定入賞口650Raの入球面とが平行となるように配置してもよい。即ち、図136に示した通り、可動部材650Lbの左下側に対して、ベース板60を貫通した貫通穴で構成されている左特定入賞口650Laを設けると共に、可動部材650Rbの右下側に対してベース板60を貫通した貫通穴で構成されている右特定入賞口650Raを設ける構成としてもよい。また、各特定入賞口の周囲に対して、対応する可動部材が突出位置に配置されている状態において可動部材を流下してきた遊技球を特定入賞口へと誘導する人共に、対応する可動部材が没入位置(埋没位置)に配置されている状態において流下してきた遊技球が特定入賞口に到達することを防止(抑制)するための外縁部650La1,650Ra1を設ける構成としてもよい。即ち、図136に示した通り、左特定入賞口650Laの周囲に対して、略逆「コ」の字型の周縁部650La1を設ける構成とする。通常時に流下してきた遊技球は、周縁部650La1の上側の辺、および左側の辺によって左特定入賞口650Laに到達することが防止される。また、可動部材650Lbが突出位置に配置されている状態においては、可動部材650Lbを介して左下方向へと流下してきた遊技球が、周縁部650La1の下側の辺が成す正面視右上側から左下側に下る向きの傾斜によって、左特定入賞口650Laへと誘導される。また、図136に示した通り、右特定入賞口650Raの周囲に対して、略「コ」の字型の周縁部650Ra1を設ける構成とする。通常時に流下してきた遊技球は、周縁部650Ra1の上側の辺、および右側の辺によって右特定入賞口650Raに到達することが防止される。また、可動部材650Rbが突出位置に配置されている状態においては、可動部材650Rbを介して右下方向へと流下してきた遊技球が、周縁部650Ra1の下側の辺が成す正面視左上側から右下側に下る向きの傾斜によって、右特定入賞口650Raへと誘導される。このように、左特定入賞口650Laと右特定入賞口650Raとを対向させて構成しなかったとしても、上述した第6実施形態と同様の遊技性を実現することができる。
上述した第6実施形態、およびその変形例では、大当たりの各ラウンドにおいて、対応する可動部材を突出位置に可動させることにより、左特定入賞口650Laに入球可能となる状態と、右特定入賞口650Raに入球可能となる状態とを形成する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左特定入賞口650Laに入球可能となる状態と、右特定入賞口650Raに入球可能となる状態とが、遊技球の通過に応じて切り替わる構成としてもよい。この場合において、遊技球が通過する毎に構造的に状態(配置)が切り替わる可動部材を採用する構成としてもよいし、遊技球の通過を検出するためのセンサを設けておくことにより、制御的に実現する構成としてもよい。
<第7実施形態>
次に、図93から図108を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第6実施形態では、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に対して、遊技球が入球した場合に払い出される賞球の個数が互いに異なる2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、および右特定入賞口650Ra)を設ける構成とし、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンドで入球可能となる特定入賞口の種別を可変させる構成としていた。
これに対して本第7実施形態では、第6実施形態における左特定入賞口650La、右特定入賞口650Raに代えて、大当たり遊技の実行中に遊技球が入球することで大当たり終了後に確変遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)が付与される契機となる2つの確変入賞口(左確変入賞口655La、右確変入賞口655Ra)を設ける構成としている。大当たりの1ラウンド目においては、2つの確変入賞口のうちいずれか一方が、所定期間(例えば、1秒間)入球可能な状態に設定される。即ち、1の可動部材が突出位置に可動することで、一方の確変入賞口に向けて下る向きの傾斜を形成する。詳細については図95を参照して後述するが、この1ラウンド目において一方の確変入賞口が入球可能となる所定期間(1秒間)は、右打ちされて特定領域に到達した遊技球と、左打ちされて特定領域に到達した遊技球とのうち、一方が確変入賞口に入球可能となり、他方が入球困難となる期間で構成されている。このため、大当たりの1ラウンド目においては、遊技者に対して、確変入賞口へと入球可能となる発射方向を予測して遊技球を発射させるという斬新な遊技性を実現することができる。
この第7実施形態におけるパチンコ機10が、第6実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第6実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図93を参照して、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図93は、本第7実施形態における遊技盤13の正面図である。図93に示した通り、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成は、第6実施形態における遊技盤13の盤面構成(図84参照)に対して、左可変入賞装置650Lに代えて左確変入賞装置655Lが設けられている点、右可変入賞装置650Rに代えて右確変入賞装置655Rが設けられている点、2つの可動部材650Lb,650Rbが設けられている領域の下方に、可変入賞装置65が設けられている点でのみ相違している。
左確変入賞装置655L、右確変入賞装置655Rには、それぞれ第6実施形態における左特定入賞口650La、右特定入賞口650Raと同一形状の左確変入賞口655La、右確変入賞口655Raが設けられている。このため、通常時(大当たり遊技の実行中以外の状態)において特定領域へと到達した遊技球は、左確変入賞口655Laにも、右確変入賞口655Raにも入球することなく、アウト口66の方向へと流下する。また、可動部材650Lbが突出した状態においては、可動部材650Lbにより左確変入賞口655Laへと向かう向きの傾斜(正面視右上方向から左下方向に下る向きの傾斜)を形成するので、特定領域へと到達した遊技球は左確変入賞口655Laへと誘導される。一方で、可動部材650Rbが突出した状態においては、可動部材650Rbにより右確変入賞口655Raへと向かう向きの傾斜(正面視左上方向から右下方向に下る向きの傾斜)を形成するので、特定領域へと到達した遊技球は右確変入賞口655Raへと誘導される。なお、上述した通り、可動部材650Lbまたは可動部材650Rbが突出位置に配置されるのは1ラウンドにおける1秒間(所定期間)のみであるので、いずれかの可動部材が突出位置に配置されている間に遊技球が特定領域に到達したとしても、突出位置に配置されてから1秒間が経過するまでの間に対応する確変入賞口まで到達することができなかった場合は、可動部材が没入することにより遊技球がアウト口66の方向へと流下する。
可変入賞装置65は、第1実施形態等の遊技盤13に設けられていた可変入賞装置65と同一の構成である。即ち、遊技球が入球可能な特定入賞口65aと、その特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とで構成されている。本第7実施形態における特定入賞口65aは、大当たりの2ラウンド目以降の各ラウンドで遊技球が入球可能な開状態に設定される。より詳述すると、大当たりの1ラウンド目においては、大当たり種別に応じて可動部材650Lb、または可動部材650Rbのうちいずれかが、1秒間だけ突出位置に可変される。一方で、大当たりの2ラウンド目以降の各ラウンドでは、各可動部材650Lb,650Rbが没入した状態のまま維持されると共に、特定入賞口65aの開閉板が前方側に開放されて特定入賞口65aへと遊技球が入球可能な開状態を形成する。この開状態は、ラウンドが開始してから30秒間が経過するか、或いは、遊技球が特定入賞口65aへと10個以上入球するまで継続する。大当たりの1ラウンド目にいずれかの確変入賞口(左確変入賞口655La、または右確変入賞口655Ra)へと遊技球が入球することにより、大当たり終了後に確変遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)が付与される一方で、大当たり遊技の実行中に1度も確変入賞口に遊技球が入球しなかった場合は、大当たり終了後に100回の時短遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)が付与される。よって、確変入賞口に遊技球が入球するか否かに応じて大当たり終了後の有利度合いが可変するので、遊技者に対して1ラウンド目に確変入球口へと遊技球が入球するか否かにより注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図94を参照して、左確変入賞装置655L、右確変入賞装置655Rの詳細について説明する。図94(a)は、本第7実施形態の遊技盤13における特定領域部分の拡大正面図であり、図94(b)は、図94(a)に示すXCIV-XCIV断面図である。図94(b)に示した通り、左確変入賞装置655Lと、右確変入賞装置655Rとは、ベース板60の奥側において繋がっている。より具体的には、図94(b)に示した通り、左確変入賞装置655Lの内部に設けられ、左確変入賞口655Laに入球した遊技球をベース板60の背面側に誘導して排出するための左確変流路655Ldと、右確変入賞口655Raに入球した遊技球をベース板60の背面側に誘導して排出するための右確変流路655Rdとが、ベース板60の背面側において合流している。また、左確変流路655Ldと、右確変流路655Rdとが合流する位置には、入球した遊技球をパチンコ機10の外部へと排出するための排出口656が設けられている。なお、図示については省略したが、この排出口656には、遊技球の通過を検出可能な球通過スイッチ(確変スイッチ)が設けられている。確変スイッチの通過を検出することにより、いずれかの確変入賞口へと遊技球が入球したと判別されて、大当たり終了後の遊技状態が確変遊技状態に設定される。
このように、各確変入賞装置を内部で合流させ、いずれかの確変入賞口へと入球した遊技球を1の排出口656により排出させる構成とし、更に、当該1の排出口の通過を監視することによりいずれかの確変入賞口へと遊技球が入球したか否かを判別する構成とすることにより、確変スイッチの個数を最小限に限ることができる。即ち、確変入賞装置毎に確変スイッチを設けた場合、最低でも2つの確変スイッチを設ける必要があるが、本第7実施形態の構成とすることにより、1の確変スイッチのみで2つの確変入賞口のどちらかに遊技球が入球したということを正確に判別することができる。よって、確変スイッチの個数の低減により、パチンコ機10の原価を低減することができる。また、各確変入賞装置を内部で合流させることにより、1の入賞装置として取り扱うことができる。ここで、遊技規則において、大当たり遊技の実行中に入球可能となる入賞装置の個数には上限(例えば、2個)が設定されている。よって、本第7実施形態のように、2つの確変入賞装置を1の入賞装置として取り扱う構成とすることにより、遊技規則上の入賞装置の数を減らすことができるので、遊技規則をより満たしやすいパチンコ機10を提供することができる。
次に、図95を参照して、本第7実施形態において大当たりの1ラウンド目に可動部材650Rbが突出位置に配置される大当たり種別となった場合の、1ラウンド目の遊技球の流下方向について説明する。なお、説明の簡略化のため、以降の説明では、可動部材650Lbが突出位置に配置される可動パターン(開放パターン)を、左確変入賞口655Laに入賞し易い開放パターンという意味で、「左Vの開放パターン」と称する。一方で、可動部材650Rbが突出位置に配置される可動パターン(開放パターン)のこと、右確変入賞口655Raに入賞し易い開放パターンという意味で、「右Vの開放パターン」と称する。
図95(a)は、右Vの開放パターン(可動部材650Rbが突出位置に配置される可動パターン)が決定され、遊技者が左打ちを行った場合における遊技球の流下方向を示した図である。図95(a)に示した通り、左打ちされた遊技球は、特定領域に対して正面視左方向から可動部材650Rb上に落下する。可動部材650Rbは、正面視左上方向から右下方向に向かって下る向きの傾斜を形成しているので、遊技球の流下の勢い(左下方向への運動量)が削がれることはない。よって、可動部材650Rbが突出位置に配置されている1秒間の間に、右確変入賞口655Raへと比較的容易に入球させることができる。
図95(b),(c)は、右Vの開放パターンが決定され、遊技者が右打ちを行った場合における遊技球の流下方向を示した図である。図95(b)に示した通り、右打ちされた遊技球は、特定領域に対して正面視右方向から可動部材650Rb上に落下する。この場合、図95(b)に示した通り、遊技球は正面視左方向へと向かう勢い(運動量)を有しているので、当該勢いが削がれる(運動量が0になる)までの間、可動部材650Rb上を正面視左上方向に転動する。そして、可動部材650Rbが成す傾斜により左上方向への転動の勢いがなくなる(運動量が0になる)と、遊技球は可動部材650Rbが成す傾斜に沿って、正面視右下方向への転動を開始する。しかしながら、遊技球の運動量が0になるまでには比較的長い時間(例えば、0.5秒間)を要するため、その後、運動量が0の状態から徐々に加速して右確変入賞口655Raに到達するだけの時間が残らない。よって、図95(c)に示した通り、遊技球が可動部材650Rb上を正面視右下方向に向かって転動する途中で1秒間が経過してしまい、可動部材650Rbが没入されてしまう。即ち、右確変入賞口655Raへと向かう向きの傾斜が無くなってしまうため、可動部材650Rb上を転動していた遊技球は下方へと落下し、アウト口66を介して排出される。このため、右Vの開放パターンが決定された場合に、遊技者が右打ちを行ってしまうと、可動部材650Rbが突出位置に配置されている1秒間の間に右確変入賞口655Raへと到達させることは極めて困難になる。
なお、左Vの開放パターンが決定された場合については、右Vの開放パターンとは左右が逆の動作になるだけで、本質的には右Vの開放パターンと同一である。よって、図示については省略して簡単に説明するが、左Vの開放パターンが決定された場合に右打ちを行うと、遊技球が特定領域に対して正面視右方向から左向きの運動量を有した状態で進行するので、当該運動量を保持したまま、可動部材650Lbの傾斜に沿って左確変入賞口655Laへと入球(入賞)する。一方で、左Vの開放パターンが決定された場合に左打ちを行うと、遊技球が特定領域に対して正面視左方向から右向きの運動量を有した状態で進行する。よって、可動部材650Lbに落下した遊技球は、0.5秒程度、可動部材650Lbが成す傾斜において右上方向に転動した後、傾斜に沿って正面視左下方向へと流下する。よって、右Vの開放パターンが決定されて右打ちした場合(図95(b),(c)参照)と同様に、左確変入賞口655Laへと到達するよりも前に可動部材650Lbが没入して、遊技球がアウト口66へと流下する。
ここで、本第7実施形態の遊技盤13は、左打ちを行った場合も、右打ちを行った場合も、発射された遊技球が特定領域へと到達するまでに1秒程度の期間を要する。よって、大当たりの1ラウンド目において突出位置に配置される可動部材の種別を確認してから遊技球を発射する方法では、特定領域へと遊技球が到達する前、若しくは特定領域に到達した直後に1秒間が経過して可動部材が没入位置に戻されてしまう。つまり、可動部材の種別を確認してから遊技球を発射したとしても確変入賞口へと遊技球を入球させることが不可能となるように構成されている。よって、確変入賞口へと遊技球を入球させたいと考える遊技者に対して、大当たりの1ラウンド目において、いずれかの可動部材が突出位置に可動するよりも前に、突出位置に可動される可動部材の種別を予測して、その予測した発射方向に遊技球を発射させることができる。これにより、遊技者が突出位置に配置されると予測した可動部材と、実際に突出位置に配置された可動部材とが一致していれば、遊技球を確変入賞口へと入球させることが可能となる一方で、予測と逆の可動部材が突出位置に配置された場合には、遊技球を確変入賞口へと入球させることが困難になる。従って、毎回の大当たりの1ラウンド目において、突出位置に配置される可動部材の種別(確変入球口に対して入球し易くなる発射方向)をより真剣に予測して遊技球を発射させるという斬新な遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、詳細については図98(b)を参照して後述するが、本第7実施形態では、1ラウンド目において左Vの開放パターン(可動部材650Lbが突出位置に可動される開放パターン)の大当たり種別が決定される割合の方が、右Vの開放パターン(可動部材650Rbが突出位置に可動される開放パターン)の大当たり種別が決定される割合よりも高くなるように構成されている。一方で、左Vの開放パターンが設定される各大当たり種別の平均のラウンド数は、右Vの開放パターンが設定される各大当たり種別の平均のラウンド数よりも少なくなるように構成されている。よって、大当たりの1ラウンド目において、毎回右打ちを行うことにより、高い割合(70%の割合)で大当たり終了後に確変遊技状態が付与されるものの、比較的多いラウンド数(10ラウンド以上)の大当たり種別が決定された場合に、確変遊技状態が高い割合で終了してしまうこととなる。一方で、毎回、開放パターンを予測して、発射方向を可変させる遊技方法を行うと、確変遊技状態への移行を確定させ、更に多いラウンド数(10ラウンドや16ラウンド)の大当たり遊技を行わせるという遊技者にとって非常に有利な状況が発生する可能性があるが、遊技者の予測の精度によっては、確変遊技状態へと移行する割合が大幅に低くなってしまう(例えば、50%以下の割合となってしまう)虞がある。
このように構成することで、遊技者が大当たりにおける何の要素を優先するかに応じて、大当たりの1ラウンド目における遊技方法を切り替えさせることができる。より具体的には、確変遊技状態が設定される割合を最も重要視する(優先させる)遊技者に対しては、大当たりの1ラウンド目において毎回右打ちを行うことで、約70%という高い割合で確変状態が付与される遊技方法を選択させることができる。一方で、16ラウンドや10ラウンドという比較的多いラウンド数の大当たりをより有利にしたい(ラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態も有利にしたい)と考える遊技者に対して、今回の大当たりが多いラウンド数の大当たりであるか否かを予測し、予測結果に応じて遊技球の発射方向を異ならせるという遊技方法を選択させることができる。また、例えば、通常状態で当選した大当たり(所謂、初当たり)については、確変遊技状態の設定割合を重視して右打ちを行う一方で、確変遊技状態の間に当選した大当たり(所謂、連荘当たり)については大当たり種別を予測して発射方向を切り替える遊技方法や、初当たりについては大当たり種別を予測して発射方向を切り替える一方で、連荘当たりでは確変遊技状態の設定割合(即ち、連荘する割合)を重視して右打ちを行うという遊技方法等、様々な遊技方法を遊技者に選択させることができる。よって、遊技者毎の好みの遊技性を選択して遊技を行わせることができるので、遊技者毎に異なる趣向に合わせた幅広い遊技性を実現することができる。よって、万人受けするパチンコ機10を実現できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図96を参照して、本第7実施形態における大当たりの1ラウンド目の間に第3図柄表示装置81において表示される表示態様について説明する。図96は、大当たりの1ラウンド目における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図96に示した通り、大当たりになると、主表示領域Dmにおける左上部分、および右上部分に対して、それぞれ横長略長方形形状の表示領域HR8、および表示領域HR9が形成される。表示領域HR9の内側には、現在が大当たり遊技の実行中であることを示す「大当たり」という文字が表示される。これにより、大当たり遊技の実行中であることを遊技者に対して理解させることができる。
また、表示領域HR8の内側には、大当たりの進行状況を示す各種情報(現在のラウンド数と、最大のラウンド数と示す表示、および1の大当たりにおいて獲得した累計の賞球数と、獲得可能な最大の賞球数とを示す表示)が表示される。なお、1ラウンド目の間は、最大のラウンド数や獲得可能な最大の賞球数は、遊技者に対して秘匿される。即ち、図96に示した通り、ラウンド数を示す表示として、「ROUND:01/???」と表示されると共に、賞球数を示す表示として、「GET:0000/???」と表示される。これは、最大のラウンド数や最大の賞球数を先に表示させてしまうと、その表示内容を視認した遊技者に対して大当たり種別を認識されてしまい、可動する可動部材の種別(確変入賞口へと入球可能になる発射方向)も特定されてしまう虞があるためである。よって、本第7実施形態では、少なくとも1ラウンドが終了するまでの間、ラウンド数や最大の賞球数等、大当たり種別を特定可能となる情報を秘匿する構成としている。これにより、突出位置に可動される可動部材の種別を遊技者が特定するための手掛かりを無くすことができるので、より真剣に、突出位置に可動される可動部材の種別(確変入賞口へと入球可能となる発射方向)を選択させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、表示領域HR8,HR9の下方には、左打ちを行うか、右打ちを行うかを遊技者に対して選択するように促すための表示態様(選択演出)が表示される。より具体的には、図96に示した通り、主表示領域Dmにおける略中央部分に表示領域HR10が形成されると共に、その内側に「選べ!!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmのうち表示領域HR8の下方(主表示領域Dmのうち左半分)には、「期待度 Low」という文字が表示された横長略楕円形の表示領域HR11と、「ラウンド数 High」という文字が表示された横長略楕円形の表示領域12と、「左打ち」という文字が表示され、左向きの矢印を模した左向き矢印画像YG1とが表示される。一方で、主表示領域Dmのうち表示領域HR9の下方(主表示領域Dmのうち右半分)には、「期待度 High」という文字が表示された横長略楕円形の表示領域HR13と、「ラウンド数 Low」という文字が表示された横長略楕円形の表示領域HR14と、「右打ち」という文字が表示され、右向きの矢印を模した右向き矢印画像YG2とが表示される。
これらの表示内容により、左打ちを行った場合、確変入賞口へと遊技球が入球する期待度は低いものの、遊技球が入球した場合にはラウンド数が多い種別の大当たりである可能性が高いということを遊技者に対して理解させることができる。また、右打ちを行った場合、確変入賞口へと遊技球が入球する期待度は高いものの、遊技球が入球した場合にはラウンド数が少ない種別の大当たりである可能性が高いということを遊技者に対して理解させることができる。よって、各発射方向の意味を理解した上で、確変入賞口へと入球可能になる発射方向を予測して遊技球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図97を参照して、大当たりの1ラウンド目において各可動部材に設定され得る開放パターンについて説明する。図97(a)は、右Vの開放パターンが設定された場合における各可動部材の可動位置の経時変化を示した図であり、図97(b)は、左Vの開放パターンが設定された場合における各可動部材の可動位置の経時変化を示した図である。
図97(a)に示した通り、右Vの開放パターンが設定されると、1ラウンドが開始されてから1秒経過時点において、可動部材650Rbが突出位置に可動される。この可動部材650Rbが突出した状態は1秒間継続し、突出位置に可動されてから1秒間が経過すると、可動部材650Rbがベース板60の内部に埋没する。以降は大当たりが終了するまで可動部材650Rbが埋没したままの状態に維持される。一方で、可動部材650Lbは、図97(a)に示した通り、大当たり中一貫して埋没した状態に維持される。なお、図97(a)に示した通り、1ラウンドが開始されると、選択演出(図96参照)が開始される。より具体的には、1ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して1ラウンド目の開始を示すラウンド数コマンドが出力されると、主制御装置113から、表示制御装置114に対して、選択演出の実行開始が指示される。この選択演出を視認した遊技者が左打ちを行った場合は、突出位置に可動された可動部材650Rbが形成する傾斜を介して右確変入賞口655Raへと遊技球が入球可能となる。一方、選択演出を視認した遊技者が右打ちを行った場合は、右確変入賞口655Raへと遊技球が誘導されるよりも前に可動部材650Rbが没入するので、遊技球を右確変入賞口655Raへと入球させることができない。
図97(b)に示した通り、左Vの開放パターンが設定されると、1ラウンドが開始されてから1秒経過時点において、可動部材650Lbが突出位置に可動される。この可動部材650Lbが突出した状態は1秒間継続し、突出位置に可動されてから1秒間が経過すると、可動部材650Lbがベース板60の内部に埋没する。以降は大当たりが終了するまで可動部材650Lbが埋没したままの状態に維持される。一方で、可動部材650Rbは、図97(b)に示した通り、大当たり中一貫して埋没した状態に維持される。1ラウンドの開始時から表示される選択演出を視認した遊技者が、右打ちを行った場合は、突出位置に可動された可動部材650Lbが形成する傾斜を介して左確変入賞口655Laへと遊技球が入球可能となる。一方、選択演出を視認した遊技者が左打ちを行った場合は、左確変入賞口655Laへと遊技球が誘導されるよりも前に可動部材650Lbが没入するので、遊技球を左確変入賞口655Laへと入球させることができない。
<第7実施形態における電気的構成>
次に、図98(a)を参照して、本第7実施形態における主制御装置110に設けられているROM202の構成について説明する。図98(a)は、ROM202の構成を示したブロック図である。図98(a)に示した通り、本第7実施形態におけるROM202の構成は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるROM202の構成(図11(a)参照)に対して、開放パターンテーブル202aaが追加されている点で相違している。また、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更となっている点でも相違している。その他の構成については、上述した第6実施形態におけるROM202の構成と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
開放パターンテーブル202aaは、各開放パターン(右Vの開放パターン、および左Vの開放パターン)において可動部材に対して設定すべき可変動作を規定したデータテーブルである。大当たりの1ラウンド目の開始時には、この開放パターンテーブル202aaから今回の大当たり種別に対応する開放パターン用のデータが読み出されて、可動部材の可変動作として設定される(図101のS1103,S1104参照)。
次に、図98(b)を参照して、本第7実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図98(b)は、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図98(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、「大当たりA7」が対応付けて規定されている(図98(b)の202b1参照)。この「大当たりA7」は、ラウンド数が16ラウンドと最も多く、大当たりの1ラウンド目に右Vの開放パターンが設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA7」に対して5個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されているので、大当たりとなった場合に「大当たりA7」が大当たり種別として決定される割合は5%(5/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~29」の範囲に対しては、「大当たりB7」が対応付けて規定されている(図98(b)の202b2参照)。この「大当たりB7」は、ラウンド数が10ラウンドと「大当たりA7」に次いで多く、大当たりの1ラウンド目に右Vの開放パターンが設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB7」に対して25個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されているので、大当たりとなった場合に「大当たりB7」が大当たり種別として決定される割合は25%(25/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~69」の範囲に対しては、「大当たりC7」が対応付けて規定されている(図98(b)の202b3参照)。この「大当たりC7」は、ラウンド数が7ラウンドと「大当たりA7」や「大当たりB7」よりも少なく、大当たりの1ラウンド目に左Vの開放パターンが設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC7」に対して40個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されているので、大当たりとなった場合に「大当たりC7」が大当たり種別として決定される割合は40%(40/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~89」の範囲に対しては、「大当たりD7」が対応付けて規定されている(図98(b)の202b4参照)。この「大当たりD7」は、ラウンド数が5ラウンドであり、全ての大当たり種別の中で2番目にラウンド数が少ない大当たり種別である。また、「大当たりD7」は、1ラウンド目に左Vの開放パターンが設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD7」に対して20個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されているので、大当たりとなった場合に「大当たりD7」が大当たり種別として決定される割合は20%(20/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対しては、「大当たりE7」が対応付けて規定されている(図98(b)の202b5参照)。この「大当たりE7」は、ラウンド数が2ラウンドと最も少なく、1ラウンド目に左Vの開放パターンが設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE7」に対して10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されているので、大当たりとなった場合に「大当たりE7」が大当たり種別として決定される割合は10%(10/100)である。
このように、本第7実施形態では、「大当たりA7」、又は「大当たりB7」となった場合に右Vの開放パターンが設定される一方で、「大当たりC7」~「大当たりE7」となった場合に左Vの開放パターンが設定される構成としている。「大当たりA7」(振り分け5%)と「大当たりB7」(振り分け25%)とのどちらかが決定される割合は30%であるので、右Vの開放パターンが設定される割合(30%)は、左Vの開放パターンが設定される割合(70%)よりも低く構成されている。よって、確変遊技状態が設定される割合を最も重要視する(優先させる)遊技者に対しては、大当たりの1ラウンド目において毎回右打ちを行うことで、約70%という高い割合で確変状態が付与される遊技方法を選択させることができる。一方で、16ラウンドや10ラウンドという比較的多いラウンド数の大当たりをより有利にしたい(ラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態も有利にしたい)と考える遊技者に対して、今回の大当たりが多いラウンド数の大当たりであるか否かを予測し、予測結果に応じて遊技球の発射方向を異ならせるという遊技方法を選択させることができる。また、例えば、通常状態で当選した大当たり(所謂、初当たり)については、確変遊技状態の設定割合を重視して右打ちを行う一方で、確変遊技状態の間に当選した大当たり(所謂、連荘当たり)については大当たり種別を予測して発射方向を切り替える遊技方法や、初当たりについては大当たり種別を予測して発射方向を切り替える一方で、連荘当たりでは確変遊技状態の設定割合(即ち、連荘する割合)を重視して右打ちを行うという遊技方法等、様々な遊技方法を遊技者に選択させることができる。よって、遊技者毎の好みの遊技性を選択して遊技を行わせることができるので、遊技者毎に異なる趣向に合わせた幅広い遊技性を実現することができる。よって、万人受けするパチンコ機10を実現できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図98(c)を参照して、本第7実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203の構成について説明する。図98(c)は、RAM203の構成を示したブロック図である。図98(c)に示した通り、本第7実施形態におけるRAM203は、上述した第6実施形態におけるRAM203の構成(図87(b)参照)に対して、確変設定フラグ203baと、確変通過カウンタ203bbと、入賞個数カウンタ203bcと、残球タイマフラグ203bdと、残球タイマ203beと、排出個数カウンタ203bfとが追加されている点で相違している。
確変設定フラグ203baは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変入賞口に遊技球が入球したか否かにより決定される。より具体的には、排出口656に設けられている上述した確変スイッチを遊技球が通過した場合に、この確変設定フラグ203baがオンに設定される(図103のS1305参照)。一方、この確変設定フラグ203baは、大当たりの終了時にオフに設定される(図102のS1205参照)。なお、この確変設定フラグ203baは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203baがオンに設定されている場合には、電源断が遮断される前に遊技球が確変スイッチを通過していたかを判別し、通過していたと判別できた場合にのみ、確変設定フラグ203baを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチを通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203bbが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203baのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、ホールの被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203bbは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)の終了後に確変スイッチを通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203bbと後述する排出個数カウンタ203bfとの合計により、1ラウンド目において確変入賞口に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203bbは、1ラウンドが終了した後の所定期間(所謂、球はけ期間)において、確変スイッチの通過を検出する毎に値が1ずつ加算されて更新される(図104のS1409)。また、確変入賞口に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図104のS1415)。なお、この確変通過カウンタ203bbは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203bcは、大当たり遊技における各ラウンドにおいて、確変入賞口655La,655Ra、または特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた入球検出スイッチ(図示せず)、または確変入賞装置に設けられた上述した確変スイッチを遊技球が通過したと検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図103のS1303)。一方、1のラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65、および確変入賞装置に入賞した個数(入賞個数カウンタ203bcの値と確変通過カウンタ203bbとの合計値)と、排出された個数(排出個数カウンタ203bfの値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図104のS1415参照)。なお、この入賞個数カウンタ203bcの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
残球タイマフラグ203bdは、ラウンドが終了した時点において可変入賞装置65、または確変入賞装置の内部に遊技球が残存している場合に、残存している遊技球を排出させるための球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203bdがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203bdがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203beが1ずつ加算されて更新される(図104のS1405参照)。
残球タイマ203beは、1のラウンドが終了して特定入賞口65aまたは確変入賞口655La,655Raが入球困難な状態に可変した時点において、可変入賞装置65、または確変入賞装置(左確変入賞装置655L、右確変入賞装置655R)の内部に遊技球が残存していた場合に、当該残存していた遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。遊技球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本第7実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203beの上限値として設定されている。この残球タイマ203beの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65、または確変入賞装置への入賞個数と、排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図104のS1411)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65、または確変入賞装置内で遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、不正に確変入賞装置内に遊技球を残存させておき、大当たりの1ラウンド目となったタイミングを見計らって遊技球を確変スイッチに流下させる不正行為を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチを遊技球が通過しても確変設定フラグ203baをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
排出個数カウンタ203bfは、大当たりの各ラウンドにおいて、可変入賞装置65、または確変入賞装置から外部に排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203bfは、各可変入賞装置(可変入賞装置65、または確変入賞装置)から遊技球を排出するための球排出口を遊技球が通過する(球排出口に設けられている球排出口スイッチが遊技球の通過によりオンになる)毎に、値が1ずつ加算されて更新される(図104のS1403参照)この排出個数カウンタ203bfは、可変入賞装置65、または確変入賞装置に入賞した遊技球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる(図104のS1415)。
次に、図99を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成について説明する。図99は、RAM223の構成を示したブロック図である。図99に示した通り、本第7実施形態におけるRAM223の構成は、上述した第6実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、V入賞済フラグ223aaが追加されている点で相違している。
V入賞済フラグ223aaは、大当たりの1ラウンド目において、既に確変スイッチを遊技球が通過したことを検出済みであるか否かを示すフラグである。このV入賞済フラグ223aaがオンであれば、確変スイッチの通過を検出済みであることを意味し、オフであれば、確変スイッチの通過を未検出であることを意味する。このV入賞済フラグ223aaは、大当たりの1ラウンド目において、確変スイッチの通過を検出する毎に主制御装置110から出力される確変入賞コマンドを最初に受信したことに基づいてオンに設定される(図108のS5503参照)。また、このV入賞済フラグ223aaは、1ラウンド目の終了タイミングにおいて、V入賞済フラグ223aaがオンであると判別された場合にオフに設定される(図107のS5404参照)。このV入賞済フラグ223aaがオンに設定されるタイミングで、確変入賞口へと入賞したことを遊技者に対して報知するV入賞成功演出が実行される。このV入賞成功演出を実行することで、遊技者に対して自己の選択(発射方向)が合っていたこと、および大当たりの終了後に確変遊技状態に移行することを認識させることができるので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
<第7実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図100から図104を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図100を参照して、本第7実施形態における大当たり制御処理7(S931)について説明する。この大当たり制御処理7(S931)は、主制御装置110のメイン処理(図30参照)において、第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)に代えて実行される処理である。
この第7実施形態における大当たり制御処理7(図100参照)のうち、S1001~S1004、およびS1009~S1011の各処理では、それぞれ第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)のS1001~S1004、およびS1009~S1011の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における大当たり制御処理7(図100参照)では、S1004の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合に(S1004:Yes)、ラウンドおよび大当たり種別に応じた開放動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行して(S1031)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(S1031)の詳細については、図101を参照して後述する。
また、本第7実施形態における大当たり制御処理7(図100参照)では、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1011:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行して(S1032)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S1032)の詳細については、図102を参照して後述する。
また、本第7実施形態における大当たり制御処理7(図100参照)では、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判定した場合には(S1011:No)、特定入賞口65a、および確変入賞口への入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行する(S1033)。尚、この入賞処理(S1033)の詳細については、図103を参照して後述する。入賞処理(S1033)の終了後は、特定入賞口65a、および確変入賞口に対して入球した遊技球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S1034)、本処理を終了する。これらの入賞処理(S1033)、および異常処理(S1034)の詳細については、それぞれ図103、および図104を参照して後述する。
次に、図101を参照して、上述した大当たり動作設定処理(S1031)の詳細について説明する。図101は、大当たり動作設定処理(S1031)を示したフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1031)は、上述した通り、ラウンドおよび大当たり種別に応じた開放動作を設定するための処理である。
大当たり動作設定処理(図101参照)では、まず、1ラウンド目の開始タイミングであるか否かを判別し(S1101)、大当たりの1ラウンド目の開始タイミングではないと判別した場合は(S1101:No)、特定入賞口65aの開放を設定して(S1102)、処理をS1105に移行する。
一方、S1101の処理において、1ラウンド目の開始タイミングであると判別した場合は(S1101:Yes)、今回の大当たり種別に対応する開放パターンを、開放パターンテーブル202aaから読み出す(S1103)。このS1103の処理では、今回の大当たり種別が大当たりA7または大当たりB7であれば、右Vの開放パターン(図97(a)参照)で可変動作を行うためのデータを読み出す一方で、今回の大当たり種別が大当たりC7からE7のいずれかであれば、左Vの開放パターン(図97(b)参照)で可変動作を行うためのデータを読み出す。
S1103の処理が終了すると、次いで、S1103の処理で読み出された開放パターンの開始を設定して(S1104)、処理をS1105に移行する。S1102、またはS1104の処理後に実行されるS1105の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1105)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(図101参照)を実行することにより、大当たり種別に応じて、可動部材650Lb,650Rbを適切な開放パターンで可変制御することができる。
次に、図102を参照して、大当たり終了処理(S1032)の詳細について説明する。この大当たり終了処理(S1032)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。この大当たり終了処理(S1032)では、まず、確変設定フラグ203baがオンであるか否かを判別し(S1201)、確変設定フラグ203baがオフであると判別した場合は(S1202:No)、今回の大当たりの間に確変入賞口(左確変入賞口655La、および右確変入賞口655Ra)へと遊技球が1個も入球(入賞)しなかったことを意味するので、時短中カウンタ203fの値に100を設定することで大当たり終了後の遊技状態を時短遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)に設定して(S1202)、処理をS1204に移行する。
一方、S1201の処理において、確変設定フラグ203baがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、今回の大当たりの間に確変入賞口へと遊技球が入球したことを意味するので、確変フラグ203eをオンに設定することで大当たり終了後の遊技状態を確変遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)に設定して(S1203)、処理をS1204へ移行する。
S1202、又はS1203の処理後に実行されるS1204の処理では、S1202、又はS1203の処理によって設定した大当たり後の状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1204)、確変設定フラグ203baをオフに設定して(S1205)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(図102参照)を実行することにより、確変設定フラグ203baの状態に応じて適切な遊技状態を設定することができる。
次に、図103を参照して、入賞処理(S1033)の詳細について説明する。この入賞処理(S1033)は、上述した通り、特定入賞口65a、および確変入賞口への入賞に応じた処理を行うための処理である。この入賞処理(S1033)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S1301)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65a、または確変入賞口が入球可能な状態になってからインターバル期間が終了するまでの期間である。S1301の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、いずれかの特定入賞口(特定入賞口65a、または確変入賞口)への入賞を検出したかを判別し(S1302)、特定入賞口(特定入賞口65a、または確変入賞口)への入賞を検出していないと判別した場合は(S1302:No)、処理をS1304へと移行する。一方、特定入賞口に対する入賞を検出したと判別した場合は(S1302:Yes)、入賞個数カウンタ203bcの値に1を加算して更新して(S1303)、処理をS1304へと移行する。
S1304の処理では、確変スイッチを遊技球が通過したか否かを判別して(S1304)、確変スイッチを通過したと判別した場合は(S1304:Yes)、確変設定フラグ203baをオンに設定し(S1305)、確変スイッチを遊技球が通過したことを音声ランプ制御装置113に通知するための確変入賞コマンドを設定して(S1306)、処理をS1307に移行する。これに対し、S1304の処理において確変スイッチを遊技球が通過していないと判別した場合は(S1304:No)、S1305,S1306の各処理をスキップして、処理をS1307に移行する。
S1307の処理では、入賞個数カウンタ203bcの値が10以上の値となったか否かを判別して(S1307)、入賞個数カウンタ203bcの値が10以上の値になったと判別した場合は(S1307:Yes)、S1309の処理へと移行して、今回のラウンドの終了を設定する。一方、S1307の処理において、入賞個数カウンタ203bcの値が10未満であると判別した場合は(S1307:Yes)、次に、ラウンド時間が経過したか否かを判別し(S1308)、ラウンド時間が経過していれば(S1308:Yes)、S1309の処理へと移行して、今回のラウンドの終了を設定する。一方、ラウンド期間が経過していないと判別した場合は(S1308:No)、ラウンドを終了する必要がないため、そのまま本処理を終了する。なお、S1308の処理では、今回のラウンドが1ラウンド目の場合、設定されている開放パターンの終了タイミングとなっていればラウンド時間が経過したと判別する一方で、2ラウンド目以降の場合は、ラウンドの開始から30秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別する。
S1309の処理では、特定入賞口(特定入賞口65a、または確変入賞口)の閉鎖を設定し(S1309)、特定入賞口が閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを設定する(S1310)。次いで、残球タイマフラグ203bdをオンに設定することで球はけ期間を設定して(S1311)、本処理を終了する。
次いで、図104を参照して、異常処理(S1034)の詳細について説明する。この異常処理(S1034)は、上述した通り、特定入賞口65a、および確変入賞口に対して入球した遊技球が正常に排出されたかを判別するための処理である。この異常処理(S1034)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S1401)、ラウンド有効期間でなければ(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1401:Yes)、次いで、遊技球が球排出口スイッチを通過したか(各可変入賞装置から遊技球を排出するための排出口から遊技球が排出されたか)を判別する(S1402)。
S1402の処理において、遊技球が球排出口スイッチを通過したと判別した場合は(S1402:Yes)、排出個数カウンタ203bfの値に1を加算し(S1403)、S1404の処理へ移行する。一方、S1402の処理において、遊技球が球排出口スイッチを通過していなければ(S1402:No)、S1403の処理をスキップしS1404の処理へ移行する。
S1404の処理では、残球タイマフラグ203bdがオンであるかを判別し(S1404)、残球タイマフラグ203bdがオフであると判別した場合は(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1404の処理において、残球タイマフラグ203bdがオンであると判別した場合は(S1404:Yes)、現在が球はけ期間中であることを意味するので、残球タイマ203beの値に1を加算して更新する(S1405)。次に、残球タイマ203beの値が上限値であるか(即ち、球はけ期間の終了タイミング(ラウンド終了から0.8秒経過時)であるか)を判別し(S1406)、残球タイマ203beの値が上限値でない(球はけ期間の終了タイミングではない)と判別した場合は(S1406:No)、現在が1ラウンド目の終了後の球はけ期間であるか否かを判別し(S1407)、1ラウンドが終了した後の球はけ期間であると判別した場合は(S1407:Yes)、次いで、確変スイッチを遊技球が通過したか否か判別し(S1408)、確変スイッチを遊技球が通過していないと判別した場合は(S1408:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1408の処理において、確変スイッチを遊技球が通過したと判別した場合は(S1408:Yes)、確変通過カウンタ203bbの値に1を加算し(S1409)、確変設定フラグ203baをオンに設定して(S1410)、本処理を終了する。これに対し、S1407の処理において、今回の球はけ期間が、2ラウンド目以降のラウンドが終了した後の球はけ期間であると判別した場合は(S1407:No)、S1408~S1410の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S1406の処理において、残球タイマ203beの値が上限値である(球はけ期間の終了タイミングである)と判別した場合は(S1406:Yes)、次いで、排出個数(排出個数カウンタ203bfの値)が、入賞個数(入賞個数カウンタ203bcの値と、確変通過カウンタ203bbの値との合計値)と一致しているかを判別する(S1411)。
S1411の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S1411:No)、エラーコマンドを設定し(S1412)、S1413の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、確変入賞口が入球困難な状態となっている間に確変スイッチに遊技球を通過させる不正行為を抑制できる。
一方、S1411の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S1411:Yes)、S1412の処理をスキップし、S1413の処理へと移行する。S1413の処理では、残球タイマフラグ203bdをオフに設定し(S1413)、次いで、残球タイマ203beの値をリセットする(S1414)。その後、入賞個数カウンタ203bc、排出個数カウンタ203bf、確変通過カウンタ203bbの値をそれぞれリセットし(S1415)、本処理を終了する。
この異常処理(図104参照)を実行することにより、各可変入賞装置(可変入賞装置65、および確変入賞装置)の内部で球詰まりが生じる等により、各特定入賞口(特定入賞口65a、および各確変入賞口)へと入球した遊技球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第7実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図105から図108を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図105を参照して、本第7実施形態におけるコマンド判定処理7(S4061)について説明する。このコマンド判定処理7(S4061)は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)に代えて実行される処理であり、第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)と同様に、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドを解析し、その未処理のコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第7実施形態におけるコマンド判定処理7(図105参照)のうち、S4901~S4910、およびS4918の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)のS4901~S4910、およびS4918の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態におけるコマンド判定処理7(図105参照)では、S4909の処理において、未処理のコマンドの中に入賞情報コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4909:No)、次いで、当たりに関連するコマンドを受信したか否かを判別する(S4921)。ここで、当たりに関連するコマンドとは、具体的には、オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、閉鎖コマンド、確変入賞コマンド、エンディングコマンド等である。
S4921の処理において、当たりに関連するいずれかのコマンドを主制御装置110から受信していると判別した場合は(S4921:Yes)、当たりに関連する未処理のコマンドの種別を解析して、コマンドの種別に応じた制御を実行するための当たり関連コマンド処理を実行し(S4922)、本処理を終了する。この当たり関連コマンド処理(S4922)の詳細については、図106を参照して後述する。一方、S4921の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に当たりに関連するコマンドが含まれていないと判別した場合は(S4921:No)、処理をS4918へと移行する。
次に、図106を参照して、上述した当たり関連コマンド処理(S4922)の詳細について説明する。図106は、この当たり関連コマンド処理(S4922)を示したフローチャートである。この当たり関連コマンド処理(S4922)のうち、S4911~S4917の各処理は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)の中で実行していたS4911~S4917の各処理をそのまま移植しているに過ぎないので、ここではその詳細な説明については省略する。
第7実施形態における当たり関連コマンド処理(図106参照)では、S4913の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4913:No)、次いで、未処理のコマンドの中に閉鎖コマンドが含まれているか否かを判別する(S4951)。S4951の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に閉鎖コマンドが含まれていると判別した場合は(S4951:Yes)、大当たりの1のラウンドの終了タイミングであることを意味するので、ラウンド終了時の演出態様を設定するための閉鎖コマンド処理を実行して(S4952)、本処理を終了する。この閉鎖コマンド処理(S4952)の詳細については、図107を参照して後述する。
一方、S4951の処理において、閉鎖コマンドを受信していないと判別した場合は(S4951:No)、次いで、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に確変入賞コマンドが含まれているか否かを判別し(S4953)、確変入賞コマンドが含まれていると判別した場合は(S4953:Yes)、確変スイッチを遊技球が通過したことを検出したタイミングであることを意味するので、確変スイッチの通過回数に応じた制御を行うための確変入賞コマンド処理を実行して(S4954)、本処理を終了する。この確変入賞コマンド処理(S4954)の詳細については、図108を参照して後述する。また、S4953の処理において、未処理のコマンドの中に確変入賞コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4953:No)、処理をS4916に移行する。
次に、図107を参照して、上述した閉鎖コマンド処理(S4952)の詳細について説明する。この閉鎖コマンド処理(S4952)は、上述した通り、ラウンド終了時の演出態様を設定するための処理である。この閉鎖コマンド処理(S4952)では、まず、今回終了したのが大当たりの1ラウンド目であるか否かを判別し(S5401)、大当たりの1ラウンド目ではないと判別した場合は(S5401:No)、ラウンド数に応じた態様のインターバル演出の実行を設定して(S5402)、本処理を終了する。一方、S5401の処理において、今回終了したラウンドが1ラウンド目であると判別した場合は(S5401:Yes)、次に、V入賞済フラグ223aaがオンであるか否かを判別する(S5403)。
S5403の処理において、V入賞済フラグ223aaがオンであると判別した場合は(S5403:No)、1ラウンドの間に確変入賞口(左確変入賞口655La、または右確変入賞口655Raのいずれか)への入賞を検出済みであることを意味するので、V入賞済フラグ223aaをオフに設定して(S5404)、処理をS5402へと移行する。一方、S5403の処理において、V入賞済フラグ223aaがオフであると判別した場合は(S5403:No)、1ラウンドの間に確変入賞口へ遊技球を入球させることができないまま大当たりの1ラウンドが終了したことを意味するので、確変入賞口へと遊技球を入賞させることができなかったことを遊技者に報知するためのV入賞失敗演出を設定して(S5405)、本処理を終了する。このV入賞失敗演出を実行することにより、確変入賞口へと遊技球が入球しなかったこと(遊技者が選択した発射方向と、実際に遊技球が確変入賞口へと入賞し易くなる発射方向とがマッチしていなかったこと)を遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者に対して、次回の大当たりでは遊技球が確変入賞口へと入賞(入球)するように、より真剣に発射方向を予測しようと思わせることができる。従って、次回の大当たりに対する遊技者のモチベーションを向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図108を参照して、上述した確変入賞コマンド処理(S4954)の詳細について説明する。図108は、確変入賞コマンド処理(S4954)を示したフローチャートである。この確変入賞コマンド処理(S4954)は、上述した通り、確変スイッチの通過回数に応じた制御を行うための処理である。
この確変入賞コマンド処理(S4954)では、まず、V入賞済フラグ223aaがオンであるか否かを判別し(S5501)、V入賞済フラグ223aaがオフであると判別した場合は(S5501:No)、今回の確変入賞コマンドが、大当たりの1ラウンド目における最初の確変スイッチの通過に基づいて出力されたコマンドであることを意味するので、確変入賞口へと遊技球が入球したことを報知するためのV入賞成功演出の実行を設定し(S5502)、V入賞済フラグ223aaをオンに設定して(S5503)、本処理を終了する。このV入賞成功演出を実行することにより、確変入賞口へと遊技球が入球したこと(遊技者が選択した発射方向と、実際に遊技球が確変入賞口へと入賞し易くなる発射方向とがマッチしていたこと)を遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、S5501の処理において、V入賞済フラグ223aaがオンであると判別した場合は(S5501:Yes)、既にV入賞成功演出を実行済みであることを意味するので、V入賞成功演出を重複して実行することを防止するために、S5502,S5503の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中に遊技球が入球することで大当たり終了後に確変遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)が付与される契機となる2つの確変入賞口(左確変入賞口655La、右確変入賞口655Ra)を設ける構成としている。大当たりの1ラウンド目においては、2つの確変入賞口のうちいずれか一方が入球可能な状態に設定される。即ち、1の可動部材が突出位置に可動することで、一方の確変入賞口に向けて下る向きの傾斜を形成する。大当たりの1ラウンド目において可動部材が突出位置に配置されている期間は1秒間と短いため、遊技球が可動部材の上面を転動する時間をなるべく短くしなければ、可動部材が形成する傾斜に沿って確変入賞口へと遊技球が入球するよりも前に可動部材が埋没してしまい、遊技球が確変入賞口へと入球できなくなってしまう。本第7実施形態では、可動部材650Lbが突出位置に配置されている場合に左打ちを行うと、右打ちを行った場合よりも可動部材650Lbの上面を転動する時間が長くなるので、左打ちを行うと左確変入賞口655Laに遊技球を入球させることが困難になる一方で、右打ちを行うと左確変入賞口655Laに遊技球を入球させることが容易となる。これに対し、可動部材650Rbが突出位置に配置されている場合に右打ちを行うと、左打ちを行った場合よりも可動部材650Rbの上面を転動する時間が長くなるので、右打ちを行うと右確変入賞口655Raに遊技球を入球させることが困難になる一方で、右打ちを行うと左確変入賞口655Raに遊技球を入球させることが容易となる。ここで、大当たりの1ラウンド目において、突出位置に配置される可動部材の種別を演出態様等から事前に遊技者が察知することが困難となるように構成されているので、遊技球が入球可能となる発射方向(突出位置に配置される可動部材の種別)を遊技者に対して予測させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第7実施形態では、大当たりの1ラウンド目にいずれかの確変入賞口が入球可能となる(即ち、いずれかの可動部材が突出位置に可変する)構成としていたが、これに限られず、いずれかの確変入賞口を入球可能な状態に設定するラウンドは任意に定めてもよい。また、確変入賞口を入球可能な状態に設定するラウンドは、1回に限られるものでもなく、1の大当たりにおいて2回以上設定しても良い。この場合において、確変入賞口が入球可能な状態に設定される最初のラウンドで確変入賞口へと遊技球を入球させることができた場合に、次以降に確変入賞口が入球可能な状態に設定されるラウンドで、遊技球が入球可能となる発射方向を遊技者に対して報知(ナビ)する構成としてもよい。
本第7実施形態では、大当たりの1ラウンド目において、遊技球が確変入賞口に到達するまでに要する期間を遊技球の発射方向に応じて異ならせる構成としていた。即ち、可動部材650Lbが突出位置に配置されている場合には、左打ちにより特定領域に到達した遊技球よりも、右打ちにより特定領域に到達した遊技球の方が、短い期間で左確変入賞口655Laへと到達し易くなる構成としていた。また、可動部材650Rbが突出位置に配置されている場合には、右打ちにより特定領域に到達した遊技球よりも、左打ちにより特定領域に到達した遊技球の方が、短い期間で右確変入賞口655Raへと到達し易くなる構成としていたが、これに限られるものではない。確変入賞口が入球可能な状態となるラウンドにおいて、確変入賞口へと到達するまでに要する期間が短くなる打ち出し方向は固定としてもよい。即ち、全ての大当たり種別において、右打ちを行った方が、左打ちを行うよりも、確変入賞口へと到達するまでに要する期間が短くなるように構成してもよいし、逆に、左打ちを行った方が確変入賞口へと到達するまでに要する期間が短くなるように構成してもよい。
本第7実施形態では、突出位置に配置されている可動部材の種別に応じて、対応する1の確変入賞口へと到達するまでの期間が右打ちと左打ちとで異なる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左確変入賞口655Laを、左打ちを行った場合にのみ遊技球が入球する可能性がある位置に配置させると共に、右確変入賞口655Raを、右打ちを行った場合にのみ入球する可能性がある位置に配置させる構成とした上で、各確変入賞口へと到達するまでの期間を大当たり種別に応じて異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、1の大当たり種別では、右打ちにより発射された遊技球が右確変入賞口655Raへと到達するまでの期間よりも、左打ちにより発射された遊技球が左確変入賞口655Laへと到達するまでの期間の方が短くなるように構成する一方で、他の大当たり種別では、左打ちにより発射された遊技球が左確変入賞口655Laへと到達するまでの期間よりも、右打ちにより発射された遊技球が右確変入賞口655Raへと到達するまでの期間の方が短くなるように構成してもよい。また、この場合において、右打ちにより入球可能な入賞口と、左打ちにより入球可能な入賞口とは、必ずしも共に確変入賞口である必要は無く、一方又は両方を、遊技球が入球することにより単に賞球の払出のみが行われる特定入賞口に置き換える構成としてもよい。また、大当たり種別に応じて右打ちを行った場合に入賞口へと到達するまでの期間と、左打ちを行った場合に入賞口へと到達するまでの期間とを異ならせるのではなく、到達するまでの期間は大当たり種別と無関係に一定であってもよい。つまり、釘や風車等の配置により、右打ち又は左打ちのうち一方で入賞口を狙った方が、他方で入賞口を狙うよりも入賞口へと到達するまでの期間が短くなるように構成しても良い。
<第7実施形態の変形例>
次に、図133から図135を参照して、上述した第7実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第7実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中に入球可能となる入賞装置として、2つの確変入賞装置(左確変入賞装置655L、右確変入賞装置655R)と、1の可変入賞装置65とを設ける構成とし、大当たりのラウンドに応じて入球可能となる入賞装置の種別を可変させる構成としていた。即ち、大当たりの1ラウンド目では、いずれかの確変入賞口(左確変入賞口655La、右確変入賞口655Ra)を入球可能な状態に設定する一方で、大当たりの2ラウンド目以降では、特定入賞口65aを入球可能な状態に設定する構成としていた。
これに対して本変形例では、2つの確変入賞装置(左確変入賞装置655L、右確変入賞装置655R)のみを設ける構成とし、確変入賞装置の内部に複数の流路(確変スイッチが設けられている流路と、確変スイッチが設けられていない流路と)を設けた上で、大当たりのラウンド数に応じていずれかの確変入賞口(左確変入賞口655La、右確変入賞口655Ra)へと入球した遊技球が振り分けられる流路を可変させる構成としている。より具体的には、大当たりの1ラウンド目において確変入賞口へと入球した遊技球は、確変入賞装置の内部に設けられている複数の流路のうち、確変スイッチが設けられている流路に振り分けられる一方で、大当たりの2ラウンド目以降に確変入賞口へと入球した遊技球は、確変スイッチが設けられていない流路に振り分けられるように制御される。このように構成することで、2つの確変入賞装置のみによって、確変入賞口に入球することにより大当たり終了後に確変遊技状態が付与されるラウンド(1ラウンド目)と、遊技球を特定領域に発射し続けることにより多量の賞球を獲得できるラウンド(2ラウンド以降)とを設けることができる。
この第7実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第7実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、可変入賞装置65が削除されている点、左確変入賞装置655L、および右確変入賞装置655Rの内部構造が変更となっている点、および各可動部材650Lb,650Rbの動作内容が変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第7実施形態におけるパチンコ機10と同一である。
まず、図133を参照して、第7実施形態の変形例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図133は、本変形例における遊技盤13の正面図である。図133に示した通り、本変形例における遊技盤13では、第7実施形態における遊技盤13に対して、可変入賞装置65が削除されている点で相違している。また、詳細については図134を参照して後述するが、各確変入賞装置(左確変入賞装置655L、および右確変入賞装置655R)の内部構造も上述した第7実施形態から一部変更となっている。その他の盤面構成については、第7実施形態におけるパチンコ機10と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次いで、図134を参照して、本変形例における各確変入賞装置の内部構造について説明する。図134は、本変形例の遊技盤13のうち、特定領域付近の拡大正面図である。図134に示した通り、本変形例では、左確変入賞装置655L、および右確変入賞装置655Rの内部、且つ、ベース板60の背面側において、左確変入賞口655La、および右確変入賞口655Raに入球した遊技球が流下する複数の流路が設けられている。より具体的には、左確変入賞装置655Lの下流側は、2つの流路(確変誘導流路655Ld1、通常誘導流路655Ld2)に分岐しており、確変誘導流路655Ld1の下流には、確変スイッチが設けられている確変入球口656aが配設されている。大当たり遊技の実行中に遊技球が確変誘導流路655Ld1を流下することにより遊技球が確変入球口656aへと誘導された場合には、当該遊技球が必ず確変スイッチを通過するので、大当たりの終了後の遊技状態が確変遊技状態に設定される。なお、確変入球口656aへと入球して確変スイッチを通過した遊技球は、そのまま外部へと排出される。
一方、通常誘導流路655Ld2の下流には、遊技球を外部へと排出するための球排出口656b1が設けられている。この球排出口656b1には、確変スイッチが設けられていないので、遊技球が球排出口656b1を通過したとしても、大当たり終了後の遊技状態に何ら影響を及ぼさない。言い換えれば、大当たり遊技の実行中における球排出口656b1の通過回数とは無関係に、確変スイッチを遊技球が1回でも通過していれば、大当たり遊技の実行が終了した後の遊技状態として確変遊技状態が設定され、確変スイッチを遊技球が1回も通過していなければ、大当たり遊技の実行が終了した後の遊技状態として時短遊技状態が設定される。
また、図134に示した通り、確変誘導流路655Ld1と、通常誘導流路655Ld2とに分岐する位置には、遊技球をいずれかの流路(確変誘導流路655Ld1、通常誘導流路655Ld2のいずれか)に振り分けるための流路振り分け弁655Lcが設けられている。この流路振り分け弁655Lcは、大当たりの1ラウンド目において正面視左方向に傾倒した状態(正面視左上側から右下側へと下る向きの傾斜を形成した状態)となる(図134参照)。即ち、通常誘導流路655Ld2の上流側が流路振り分け弁655Lcによって閉鎖されると共に、確変誘導流路655Ld1の上流側が開放された状態となる。この状態で左確変入賞口655Laへと入球した遊技球は、上流側が開放されている確変誘導流路655Ld1へと振り分けられて、確変入球口656aへと誘導される。このため、大当たりの1ラウンド目に遊技球を左確変入賞口655Laへと入球させることができれば、左確変入賞口655Laへの入球に対する賞球が付与されるのに加えて、確変スイッチに遊技球を通過させることができるので、大当たり終了後の遊技状態として確変遊技状態が付与される。
これに対し、大当たりの1ラウンド目が終了し、球はけ期間が経過すると、流路振り分け弁655Lcは正面視右方向に傾倒動作を行う。これにより、確変誘導流路655Ld1の上流側が流路振り分け弁655Lcによって閉鎖されると共に、通常誘導流路655Ld2の上流側が開放された状態となる。この状態で左確変入賞口655Laへと入球した遊技球は、上流側が開放されている通常誘導流路655Ld2へと振り分けられて、通常誘導流路655Ld2の下流側の球排出口656b1へと誘導される。このため、大当たりの2ラウンド目以降においては、遊技球を左確変入賞口655Laに入球させても、当該入球した遊技球が確変スイッチを通過できないので、単に左確変入賞口655Laへの入球に対する賞球のみが付与される。
なお、図134に示した通り、右確変入賞装置655Rの内部構造は、左確変入賞装置655Lの内部構造を左右対称にしたに過ぎないため、簡単に説明するが、大当たりの1ラウンド目では右確変入賞装置655Rの内部に設けられている流路振り分け弁655Rcが正面視右側に傾倒することで確変誘導流路655Rd1の上流側が開放される(通常誘導流路655Rd2の上流側が閉鎖される)。これにより、大当たりの1ラウンド目に右確変入賞口655Raに入球した遊技球は、確変誘導流路655Rd1へと振り分けられて確変入球口656aへと入球する。一方、大当たりの2ラウンド目以降においては、流路振り分け弁655Rcが正面視左側に傾倒することで通常誘導流路655Rd2の上流側が開放される(確変誘導流路655Rd1の上流側が閉鎖される)。これにより、大当たりの2ラウンド目以降に右確変入賞口655Raへと入球した遊技球は、通常誘導流路655Rd2へと振り分けられて球排出口656b2に入球する。
次いで、図135を参照して、確変入賞装置内の各流路振り分け弁655Lc,655Rcの動作パターン(流路の切替パターン)について説明する。図135は、可動部材650Lb,655Rbに対して左Vの開放パターンが設定された場合における可動部材650Rbの可変動作の経時変化と、確変入賞装置内の流路の切り替わりの経時変化とを対比して示した図である。
図135に示した通り、大当たりの1ラウンド目において、可動部材650Rbが突出位置に突出される1秒経過時点までは、各流路振り分け弁655Lc,655Rcが各通常誘導流路(通常誘導流路655Ld2、通常誘導流路655Rd2)へと遊技球を振り分ける配置に保持される。そして、大当たりの1ラウンド目が開始されてから1秒間が経過し、可動部材650Rbが突出位置に可動すると、各流路振り分け弁655Lc,655Rcが各確変誘導流路(確変誘導流路655Ld1、確変誘導流路655Rd1)へと遊技球を振り分ける配置(図134参照)に可動する。この確変誘導流路へと遊技球を振り分ける配置は、1ラウンド目が終了して可動部材650Rbが突出位置から没入位置に可動された後も継続し、1ラウンド目の終了から0.5秒間が経過することにより、再び、各流路振り分け弁655Lc,655Rcが各通常誘導流路(通常誘導流路655Ld2、通常誘導流路655Rd2)へと遊技球を振り分ける配置に戻される。この1ラウンドが終了してからの0.5秒間は、所謂球はけ期間である。即ち、1ラウンドの終了間際に確変入賞口へと入球した遊技球が確変入球口656aへと到達するのに十分な期間が設定される。0.5秒間の球はけ期間を設定しておくことにより、1ラウンドの終了間際に確変入賞口へと入球したにもかかわらず大当たり終了後に確変状態が付与されないという状況が発生してしまうことを抑制することができるので、遊技者がパチンコ機10やホールに対して不信感を抱いてしまうことを防止できる。
1ラウンド目の終了以降は、大当たりが終了するまでの間、各流路振り分け弁655Lc,655Rcの配置が切り替わることがない。よって、大当たりの2ラウンド目以降に確変入賞口(左確変入賞口655La、右確変入賞口655Raのいずれか)へと入球した遊技球は、球排出口656b1,656b2のいずれかへと誘導される。一方、可動部材650Rbは、2ラウンド目以降も突出位置へと可動される。即ち、1ラウンド目に突出位置へと可動された可動部材が2ラウンド目以降も突出位置へと可動される。即ち、確変入賞口へと入球し易くなる(遊技球を発射してから確変入賞口に入球するまでの期間が短くなる)発射方向が1の大当たりにおいて固定化される。これにより、1ラウンド目に突出位置に可動された可動部材の種別を確認するだけで、大当たりの各ラウンドで確変入賞口に入球し易くなる発射方向を遊技者に容易に認識させることができるので、大当たり遊技をスピーディーに消化したいと考える遊技者に対しては、確変入賞口に入球するまでの期間が短くなり易い発射方向へと遊技球を発射させることができる。一方で、大当たり遊技をより長い時間をかけて消化したい(じっくりと楽しみたい)と考える遊技者に対して、確変入賞口に入球するまでの期間が長くなり易い発射方向へと遊技球を発射させることができる。これにより、遊技者毎の趣向に応じた遊技方法を遊技者自身に選択させることができる。
なお、左Vの開放パターンが設定される大当たりにおいては、大当たりの各ラウンドで可動部材650Lbが突出位置に可動される以外は全く同一の動作となる。つまり、確変入賞装置の内部における流路の切替パターン(各流路振り分け弁655Lc,655Rcの動作パターン)については、右Vの開放パターンが設定される大当たりと全く同一になる。
このように、本変形例では、盤面に対して2つの確変入賞装置のみを設ける構成とし、確変入賞装置の内部において、大当たりのラウンド毎に確変スイッチを通過可能とするか通過困難とするかを切り替える(流路振り分け弁655Lc,655Rcの配置を可変させる)構成としている。このように構成することで、第7実施形態における可変入賞装置65を削除することができるので、パチンコ機10の部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価を低減することができる。
なお、本第7実施形態、およびその変形例では、大当たりの1ラウンドが開始されてからいずれかの可動部材650Lb,650Rbが突出位置に可動されるまでの間、必ず選択演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、所定の割合(例えば、大当たりとなった場合の1%の割合)で、選択演出に代えて確変入賞口へと入球可能となる発射方向を報知する報知演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、報知演出が実行された場合に遊技者を喜ばせることができる。
本第7実施形態、およびその変形例では、2つの確変入賞口を左右方向に対向させて配置する構成としていたが、これに限られるものではない。少なくとも一方を、第1入球口64と同一の機能を有する(即ち、遊技球が入球することで特別図柄の抽選が実行される)入球口(第2入球口)に置き換えると共に、第1入球口64に付随して設けられている電動役物64aを削除してもよい。そして、普通図柄の抽選で当たりになった場合には第2入球口へと入球可能となる側の可動部材を突出位置に可動させる構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態において、特定領域に到達した遊技球を第2入球口へと効率良く入球させることができるので、時短状態中の遊技効率をより向上させることができる。この場合において、普通図柄の時短状態が設定される確変遊技状態、および時短遊技状態の間は、第2入球口へと入球し易くなる(遊技球を発射してから第2入球口に入球するまでの期間が短くなり易い)方向を遊技者に対して報知する構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の当たりとなって可動部材が突出位置に配置されている期間の間に、より確実に遊技球を第2入球口に入球させることができる。
<第8実施形態>
次に、図109から図113を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第6実施形態におけるパチンコ機10では、2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、および右特定入賞口650Ra)を設ける構成とし、各特定入賞口に対応する可動部材を突出させることにより、特定入賞口へと向かう傾斜を形成させて、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球が当該特定入賞口へと誘導される構成としていた。
これに対して本第8実施形態では、第6実施形態における2つの可動部材が組み合わさった形状の1の可動部材657bを設ける構成とし、可動部材657bの可動位置(突出量)に応じて、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球が入球可能となる(即ち、可動部材657bにより誘導される)入賞口の種別を異ならせる構成とした。また、本第8実施形態では、第6実施形態における2つの特定入賞口に代えて、1の特定入賞口657aと、1の一般入賞口630とを設ける構成とした。そして、可動部材657bが完全に突出位置に配置されることにより、特定入賞口657aへと遊技球を誘導可能な傾斜を形成する一方、可動部材657bが埋没位置(没入位置)から突出位置へと可動する途中の中間位置においては、一般入賞口630へと遊技球が誘導され得る構成としている。
この第8実施形態におけるパチンコ機10が、第6実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、左特定入賞口650Laに代えて一般入賞口630が設けられている点、右特定入賞口650Raに代えて特定入賞口657aが設けられている点、可動部材650Lb,650Rbに代えて可動部材657bが設けられている点、主制御装置110に設けられているROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第6実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図109を参照して、本第8実施形態における可動部材657bについて説明する。図109(a)は、可動部材657bの正面斜視図であり、図109(b)は、可動部材657bの正面図であり、図109(c)は、可動部材657bを正面視左側から見た場合の側面図である。図109(a)~(c)に示した通り、本第8実施形態における可動部材657bは、正面視手前側に、右上方向から左下方向に向かって下る向きの傾斜を形成する前側傾斜部材657bfが設けられており、正面視奥側に、左上方向から右下方向に向かって下る向きの傾斜を形成する後側傾斜部材657bbが設けられている。図109(a)~(c)に示した通り、これらの前側傾斜部材657bfと、後側傾斜部材657bbとは、それぞれの側面の略中央部分で接合されて1の部材として構成されている。
また、図109(a),(c)に示した通り、後側傾斜部材657bbのうち奥側の側面の2箇所が棒状に突出している。図示については省略したが、この突出した部分の先端(後側傾斜部材657bbとは反対側の端部)には、可動部材657bを出没動作(可変動作)させるための可動部材用ソレノイドが接続されている。大当たりの各ラウンドでは、可動部材用ソレノイドが駆動されて可動部材657bが突出位置へと可変される。なお、詳細については図111を参照して後述するが、本第8実施形態では、大当たり種別に応じて各ラウンドにおける可動部材657bの出没動作を異ならせ、大当たり遊技の実行中に一般入賞口630へと入賞する機会が多くなり易い出没動作が設定される大当たり種別と、少なくなり易い出没動作が設定される大当たり種別とを設ける構成としている。大当たり遊技の実行中は、一般入賞口630へと遊技球が入球する程大当たり中に獲得できる賞球数が増加するので、一般入賞口630へと入賞する機会が多くなり易い出没動作の大当たり種別が決定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図110を参照して、本第8実施形態における可動部材657bの動作内容について説明する。図110(a)は、可動部材657bが突出動作を行ってから突出位置に配置されるまでの間に一時的に配置される中間位置に配置されている場合を示した図である。図110に示した通り、可動部材657bが突出動作を行い、前側傾斜部材657bfのみがベース板60よりも手前側に突出した状態(後側傾斜部材657bbのみが埋没した状態)になると、前側傾斜部材657bfが形成する右上側から左下側へと下る傾斜によって、特定領域に到達した遊技球が一般入賞口630へと誘導される状態を一時的に形成する。大当たりの各ラウンドは、特定入賞口657aへと規定個数(10個)以上の遊技球の入球を検出したか、規定個数が入球するよりも前に規定時間(30秒間)が経過した場合に終了するので、一般入賞口630へと遊技球がどれだけ入球したとしても、ラウンドの終了条件に影響することはない。つまり、一般入賞口630へと遊技球を入球させる程、大当たりの賞球が多くなるので、一般入賞口630へと遊技球が入球するほど、遊技者を喜ばせることができる。よって、突出動作を行っている間に配置され得る中間位置(図110(a)参照)となっている間において、遊技者に対して積極的に遊技球を特定領域に向けて発射させることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
図110(b)は、可動部材657bが突出位置に配置されている状態を示した図である。図110(b)に示した通り、可動部材657bが突出位置に配置された状態になると、前側傾斜部材657bfに加え、後側傾斜部材657bbもベース板60よりも手前側に突出した状態となる。これにより、特定領域へと到達した遊技球は、後側傾斜部材657bbへと落下して、後側傾斜部材657bbが形成する正面視左上方向から右下方向へと下る向きの傾斜によって特定入賞口657aへと誘導される。即ち、可動部材657bが突出位置(図110(b)参照)に配置されることにより、特定入賞口657aへと入球し易い状態を形成する。
このように、本第8実施形態では、可動部材657bの配置(突出量)に応じて、特定領域に到達した遊技球が誘導される入賞口を異ならせる構成としている。可動部材657bが突出位置に到達するまでの間に配置され得る中間位置においては、遊技球が一般入賞口630へと誘導され易い状態(第1誘導状態)を形成し、可動部材657bが突出位置に配置されることにより、特定入賞口657aへと遊技球が誘導され易い状態(第2誘導状態)を形成する。これにより、第1誘導状態の間に遊技球が一般入賞口630へと誘導される程、大当たり遊技状態中に獲得可能な賞球数が増加するので、遊技者に対して第1誘導状態の間に積極的に遊技球を特定領域に向けて発射させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する参加意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、可動部材657bの配置が図110(a)に示した中間位置に完全に一致していなくても、中間位置を含む所定の可動範囲内に可動部材657bが配置されていれば、遊技球が前側傾斜部材657bfによって一般入賞口630へと誘導される状態となる。より具体的には、例えば、可動部材657bのうち前側傾斜部材657bfがベース板60から全体の約7割が突出した配置から、後側傾斜部材657bbがベース板60から全体の約3割が突出した配置となるまでの間は遊技球が一般入賞口630へと誘導され得る状態となる。
次に、図111を参照して、本第8実施形態における突出部材657bの可動パターンについて説明する。本第8実施形態では、大当たりの各ラウンドにおいて可動部材657bに対して設定される可動パターンとして、2種類の可動パターン(可動パターンA,B)が設けられている。可動パターンAは、一般入賞口630へと遊技球を入球させる機会が可動パターンBよりも多くなる(即ち、第1誘導状態となる回数が多くなる)可動パターンである。まず、図111(a)を参照して、可動パターンAが設定された場合における可動部材657bの可動位置の経時変化について説明する。
図111に示した通り、可動パターンAが設定されると、大当たりのラウンド開始と同時に可動部材657bが突出位置へと可動開始する。図111に示した通り、ベース板60の内部に埋没していた可動部材657bが突出位置へと突出するまでには、2秒間を要する。この突出位置まで可動する2秒間のうち、約0.7秒間は、一般入賞口630へと遊技球が誘導される状態(第1誘導状態、図110(a)参照)になる。よって、ラウンド開始直後から遊技球を特定領域に向けて発射し続けることにより、第1誘導状態の間に一般入賞口630へと遊技球が入球する可能性がある。大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口657aに対する入球個数には上限値(10個)が設定されているものの、一般入賞口630に対する入球個数には何ら制限が課されていないため、遊技球が一般入賞口630へと入球するほど、払い出される賞球数が多くなる。よって、遊技者に対して積極的に遊技球を発射させることができる。
図111(a)に示した通り、突出位置に配置された状態(特定入賞口657aへと遊技球が誘導される第2誘導状態)は、2.5秒間継続する。この2.5秒間の間は、遊技球が特定領域に到達する毎に特定入賞口657aへと誘導されるので、特定入賞口657aへの入球毎に賞球を獲得することができる。なお、遊技球は最短で0.6秒間隔で発射することが可能に構成されているので、ラウンド開始時から遊技球を発射示続けることにより、2.5秒間の間に4個から5個程度の遊技球を特定入賞口657aに入球させることができる。
図111(a)に示した通り、可動部材657bが突出位置に配置されてから2.5秒間が経過すると(即ち、ラウンドの開始から4.5秒間が経過すると)、可動部材657bが埋没位置(没入位置)へ可動開始する。この埋没位置への可変動作は、突出位置への可変動作と同様に2秒間かけて行われる。即ち、突出位置への可変動作と全く逆の動作が実行されるので、埋没位置への可変動作の間も、約0.7秒間、第1誘導状態となる。よって、埋没位置への可変動作の間も、遊技球を特定領域へと発射し続けることにより1個から2個程度の遊技球を、一般入賞口630へと入球させることが可能となる。これ以降も、図111(a)に示した通り、埋没位置から2秒間かけて突出位置へと可動し、突出位置に配置された状態が2.5秒間維持され、突出位置から2秒間かけて埋没位置へと可動する動作が0.5秒間間隔で2回繰り返される。このため、可動パターンAで可動部材657bが可動された場合、第1誘導状態は最大で6回設定される。なお、可動パターンAは、特定入賞口657aへと遊技球が10個入球した時点で、図111(a)に示す全ての可変動作が完了していなくても強制的に終了される。なお、可動部材657bが突出位置に配置される期間は、合計で7.5秒間(2.5秒間×3回)となるので、0.6秒間隔で遊技球を発射し続けることにより、12~13個程度の遊技球を到達させることが可能となる。よって、遊技球を発射し続けるだけで、規定個数(10個)の遊技球を特定入賞口657aへと確実に入球させることができる上に、最大6回の第1誘導状態を設定させることができる。よって、特定入賞口657aへの規定個数分の入球に対する賞球に加え、第1誘導状態に最大6回設定されることによる一般入賞口630への入賞に基づく賞球を獲得することができる。従って、規定個数分の賞球を上回る個数の賞球を毎回のラウンドで容易に獲得することができるので、遊技者の満足感をより大きなものにすることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
図111(b)は、可動パターンBで可動部材657bが可動された場合における可動部材657bの可動位置の経時変化を示した図である。図111(b)に示した通り、可動パターンBが設定されると、ラウンドの開始直後に2秒間かけて可動部材657bが突出位置へと可動し、突出位置に配置された状態が最大で26秒間(ラウンド開始から28秒間が経過するまで)継続し、26秒間が経過した時点で埋没位置(没入位置)へと2秒間かけて可動される。このため、可動パターンBが設定された場合に一般入賞口630へと入球可能となる第1誘導状態になるのはラウンド開始直後とラウンド終了時の2回のみである。
このように、本第8実施形態では、可動部材657bに設定される可動パターンに応じて、可動部材657bが第1誘導状態(一般入賞口630へと遊技球が誘導され易い状態)となる回数が異なって構成されている。第1誘導状態となる回数が多ければ、大当たり遊技の実行中に獲得可能な賞球数も多くなるので、第1誘導状態が多く設定され易い可動パターンAとなることにより、遊技者に対してより大きな喜びを抱かせることができる。よって、設定される可動パターンにより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第8実施形態における電気的構成>
次に、図112を参照して、本第8実施形態における主制御装置110のROM202に設けられている第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する、図112は、本第8実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。なお、本第8実施形態におけるROM202の構成は、第6実施形態におけるROM202の構成に対して第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が変更となっている点以外は同一であるため、第1当たり種別選択テーブル202b以外の説明については省略する。図112に示した通り、本第8実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bには、大当たりA8~E8の5種類の大当たり種別が規定されている。
図112に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、「大当たりA8」が対応付けて規定されている(図112の202b1参照)。「大当たりA8」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後に確変遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりA8」になると、大当たりの各ラウンドで、可動部材657bが可動パターンA(第1誘導状態となる回数が多くなり易い可動パターン)で可動される。このため、「大当たりA8」は、ラウンド数が最も多く、大当たり終了後の遊技状態が有利となり(即ち、時短遊技状態よりも有利な確変遊技状態が設定され)、大当たり中に一般入賞口630へと入球する機会が多くなる(大当たりの各ラウンドに払い出される賞球数が多くなる)。よって、「大当たりA8」は、最も遊技者に有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「0~4」の5個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりA8」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~29」の範囲に対しては、「大当たりB8」が対応付けて規定されている(図112の202b2参照)。「大当たりB8」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に確変遊技状態が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりB8」になると、大当たりの各ラウンドで、可動部材657bが可動パターンA(第1誘導状態となる回数が多くなり易い可動パターン)で可動される。このため、「大当たりB8」は、ラウンド数が「大当たりA8」に次いで多く、大当たり終了後の遊技状態が有利となり(即ち、時短遊技状態よりも有利な確変遊技状態が設定され)、大当たり中に一般入賞口630へと入球する機会が多くなる(大当たりの各ラウンドに払い出される賞球数が多くなる)。よって、「大当たりB8」は、「大当たりA8」に次いで遊技者に有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「5~29」の25個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりB8」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~54」の範囲に対しては、「大当たりC8」が対応付けて規定されている(図112の202b3参照)。「大当たりC8」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に確変遊技状態が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりC8」になると、大当たりの各ラウンドで、可動部材657bが可動パターンB(第1誘導状態となる回数が少ない可動パターン)で可動される。このため、「大当たりC8」は、ラウンド数が「大当たりA8」に次いで多く、大当たり終了後の遊技状態が有利となるが、大当たり中に一般入賞口630へと入球する機会が少なくなる(大当たりの各ラウンドに払い出される賞球数が比較的少なくなる)。よって、「大当たりC8」は、「大当たりA8」や「大当たりB8」に比べて賞球面で遊技者に不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「30~54」の25個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりC8」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「55~69」の範囲に対しては、「大当たりD8」が対応付けて規定されている(図112の202b4参照)。「大当たりD8」は、ラウンド数が7ラウンドであり、大当たり終了後に確変遊技状態が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりD8」になると、大当たりの各ラウンドで、可動部材657bが可動パターンB(第1誘導状態となる回数が少ない可動パターン)で可動される。このため、「大当たりD8」は、大当たり終了後の遊技状態が有利となるが、ラウンド数が最も少ない上に、大当たり中に一般入賞口630へと入球する機会も少なくなる(大当たりの各ラウンドに払い出される賞球数が比較的少なくなる)。よって、「大当たりD8」は、大当たり終了後の遊技状態の面では有利であるものの、賞球面で遊技者に最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「55~69」の15個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりD8」が決定される割合は15%(15/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~99」の範囲に対しては、「大当たりE8」が対応付けて規定されている(図112の202b5参照)。「大当たりE8」は、ラウンド数が7ラウンドであり、大当たり終了後に100回の時短遊技状態が付与される大当たり種別である。更に、「大当たりE8」になると、大当たりの各ラウンドで、可動部材657bが可動パターンB(第1誘導状態となる回数が少ない可動パターン)で可動される。このため、「大当たりE8」は、大当たり終了後の遊技状態が不利となり、ラウンド数が最も少なく、更に大当たり中に一般入賞口630へと入球する機会も少なくなる(大当たりの各ラウンドに払い出される賞球数が比較的少なくなる)。よって、「大当たりE8」は、大当たり終了後の遊技状態の面でも、賞球面でも遊技者に最も不利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「70~99」の30個であるので、大当たりに当選した場合に「大当たりE8」が決定される割合は30%(30/100)である。
このように、本第8実施形態では、大当たり種別に応じて大当たり遊技の各ラウンドで可動部材657bに設定される可動パターンを異ならせて構成している。これにより、一般入賞口630に入球する機会が多く与えられる可動パターンAが設定される大当たり種別(大当たりA,Bのいずれか)になることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第8実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図113を参照して、本第8実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理8(S941)について説明する。この大当たり制御処理8(S941)は、第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)に代えて実行される処理であり、第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)と同様に、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口の状態の設定を行うための処理である。
この第8実施形態における大当たり制御処理8(図113参照)のうち、S1001~S1004,S1006,S1007,S1009~S1011,S1013~S1016、およびS1022の各処理では、それぞれ第6実施形態における大当たり制御処理6(図89参照)のS1001~S1004,S1006,S1007,S1009~S1011,S1013~S1016、およびS1022の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第8実施形態における大当たり制御処理8(図113参照)では、S1004の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合(S1004:Yes)、大当たり種別に対応する可動パターン(可動パターンA,Bのいずれか)の開始を設定して(S1041)、処理をS1006へと移行する。より具体的には、今回の大当たりが大当たりA8,B8のいずれかであれば、可動部材657bの可動パターンとして可動パターンAを設定する一方、大当たりC8~E8のいずれかであれば、可動部材657bの可動パターンとして可動パターンBを設定する。
また、本第8実施形態における大当たり制御処理8(図113参照)では、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングになったと判別した場合に(S1011:Yes)、今回の大当たり種別が大当たりE8であるか否かを判別し(S1042)、大当たりE8であると判別した場合は(S1042:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を時短遊技状態に設定して大当たりを終了するために処理をS1013へと移行する。一方、S1042の処理において、今回の大当たり種別が大当たりE8ではない(大当たりA8~D8のいずれかである)と判別した場合は(S1042:No)、大当たり終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定して大当たりを終了するために処理をS1014へと移行する。
以上説明した通り、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、正面視右上方向から左下方向へと下る向きの傾斜を形成する前側傾斜部材657bfと、正面視左上方向から右下方向へと下る向きの傾斜を形成する後側傾斜部材657bbとが前後方向に組み合わさった形状の1の可動部材657bを設ける構成とし、可動部材657bの可動位置(突出量)に応じて、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球が入球可能となる(即ち、可動部材657bにより誘導される)入賞口の種別を異ならせる構成としている。より具体的には、前側傾斜部材657bfのみがベース板60よりも手前側に突出し、後側傾斜部材657bbがベース板60の内側に収納された配置では、前側傾斜部材657bfが形成する正面視右上方向から左下方向へと下る向きの傾斜により、特定領域に到達した遊技球が可動部材657bに対して正面視左側に配置されている一般入賞口630へと誘導され易い状態を形成する。これに対し、可動部材657bが完全に突出した状態(突出位置に配置された状態)においては、後側傾斜部材657bbが形成する正面視左上方向から右下方向へと下る向きの傾斜により、特定領域に到達した遊技球が可動部材657bに対して正面視右側に配置されている特定入賞口657aへと誘導され易い状態を形成する。一般入賞口630は、大当たり遊技の実行中に遊技球がどれだけ入球したとしても、ラウンドの終了条件に影響を及ぼさないので、大当たり遊技の実行中に一般入賞口630へと遊技球が入球するほど獲得できる賞球数が多くなる。よって、可動部材657bが突出位置へと到達するまでの間の中間位置(前側傾斜部材657bfにより一般入賞口630へと遊技球が誘導され易くなる第1誘導状態)において、積極的に遊技球を特定領域へと発射させることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する参加意欲を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの各ラウンドにおいて可動部材657bに対して設定される可動パターンとして、1のラウンドの間に第1誘導状態となる回数が多くなり易い可動パターンAと、第1誘導状態となる回数が少なくなり易い可動パターンBとの2つの可動パターンのいずれかが設定される構成としている。より具体的には、大当たりA8,B8のいずれかになると、大当たりの各ラウンドにおいて可動部材657bが可動パターンAで可動されるのに対し、大当たりC8~E8のいずれかになると、可動部材657bが可動パターンBで可動される構成としている。これにより、第1誘導状態となる回数が多くなる大当たりA8,B8のどちらかとなることをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、可動パターンAと可動パターンBとの2種類の可動パターンを設ける構成としていたが、可動パターンは2種類に限定されるものではなく、2種類よりも多くてもよいし、少なくてもよい。可動パターンの種類を1種類に減らすことにより、新たなラウンドの開始時に大当たり種別に応じて可動パターンを選択する制御処理を行わなくて済むようになるので、大当たり遊技の実行中における処理負荷を軽減することができる。また、可動パターンの種別を2種類よりも増加させ(例えば、5種類)、第1誘導状態となる回数をより多様化させることにより、設定される可動パターンに対してより注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、大当たり種別に応じて大当たりの各ラウンドで可動部材657bに設定する可動パターンを可変させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別に代えて、又は加えて、ラウンド数に応じて可動パターンを切り替える構成としてもよい。これにより、可動部材657bの動作を更に多様化させることができるので、新たなラウンドが開始される毎に、可動部材657bに対して設定される可動パターンに注目して遊技を行わせることができる。
本第8実施形態では、大当たりA8,B8のどちらかになった場合に可動パターンAが設定され、大当たりC8~E8のいずれかになった場合に可動パターンBが設定される構成としていたが、これに限られるものではなく、可動パターンの種別と大当たり種別との対応関係は任意に定めることができる。例えば、本第8実施形態とは逆に、ラウンド数が少ない大当たり種別(例えば、7ラウンドの大当たり)となった場合に可動パターンAを設定する構成としてもよい。このように構成することで、ラウンド数が少ない大当たり種別になった場合に、大当たりの各ラウンドで獲得可能な賞球数が多くなり易くなるため、少ないラウンド数の大当たりが決定されたことに対して遊技者が落胆してしまうことを抑制することができる。
<第8実施形態の変形例>
次に、図114を参照して、上述した第8実施形態の変形例について説明する。この第8実施形態の変形例では、上述した第8実施形態における可動部材657bに代えて、回動部材658が設けられている点で相違している。この回動部材658は、図114(a)~(c)に示した通り、回転軸658aを回転軸として正面視時計回り方向に回転動作が可能に構成されている。この回動部材658の上端が特定入賞口657aの下端に再近接する状態(図114(c)参照)まで回動することにより、特定入賞口657aへと入球し易い状態を形成する。即ち、回動部材658が形成する正面視左上側から右下側へと下る向きの傾斜によって、特定領域に到達した遊技球が特定入賞口657aへと誘導される状態を形成する。大当たりの各ラウンドでは、回動部材658が所定の回動パターンで回転動作するように制御されることで、特定入賞口657aへと遊技球が入球可能な状態となる。なお、詳細については後述するが、回動部材658が特定入賞口657aに入球可能な配置(図114(c)参照)となるまでの間の回動位置(回転角度)に応じて、入球可能な入賞口が可変する構成となっている。即ち、上述した第8実施形態と同様の動作を実現することができる。
回動部材658は、通常時においては、図114(a)に示したように、鉛直方向に起立した状態となる。この状態で特定領域に到達した遊技球は、回動部材658と一般入賞口630との間のスペース(回動部材658の正面視左側)、または回動部材658と特定入賞口657aとの間のスペース(回動部材658の正面視右側)を通過してアウト口66へと流下する。
図114(b)は、回動部材658が特定入賞口657aへと遊技球を誘導可能となる状態に回動するまでの間に一時的に配置される中間位置を示した図である。図114(b)に示した通り、中間位置では、回動部材658が正面視右上側から左下側に下る向きの傾斜を形成するので、特定領域に到達した遊技球が一般入賞口630へと誘導され易い状態を形成する。この状態で更に回動部材658が回動されると、図114(c)に示した特定入賞口657aに入球し易い状態となる。特定入賞口657aへと遊技球が入球し易い状態を解除する場合は、回転軸658aを回転軸として回動部材658を正面視反時計回りに回転動作させることにより図114(a)に示した状態に戻される。
このように、第8実施形態の変形例では、一般入賞口630と特定入賞口657aとの間に回転動作する回動部材658を設ける構成とした。この回動部材658は、回転位置(回転角度)に応じて、一般入賞口630へと遊技球を誘導可能な傾斜を形成する配置(図114(b)参照)と、特定入賞口657aへと遊技球を誘導可能な傾斜を形成する配置(図114(c)参照)とを少なくとも取り得る。より具体的には、大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口657aに遊技球が入球可能な状態まで回動部材658が回動する途中の中間位置において、一時的に一般入賞口630へと遊技球が入球可能な状態に配置される。これにより、第8実施形態と同様に、大当たり遊技中に一般入賞口630へと遊技球が入球するほど大当たりにおいて獲得可能な賞球数が増加する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この第8実施形態の変形例における回動部材658を、上述した第6実施形態、および第7実施形態に転用することもできる。より具体的には、可動部材650Lb,650Rbに代えて回動部材658を設ける構成とし、第6実施形態における左特定入賞口650La、第7実施形態における左確変入賞口655Laを入球可能とする場合には、回動部材658を反時計回りに回転動作させて正面視右上側から左下側に下る向きの傾斜を形成すればよい。また、第6実施形態における右特定入賞口650Ra、第7実施形態における右確変入賞口655Raを入球可能とする場合には、回動部材658を時計回りに回転動作させて正面視左上側から右下側に下る向きの傾斜を形成すればよい。
本第8実施形態では、中間位置に配置されている状態において、一般入賞口630へと遊技球が誘導され易くなるように構成していたが、一般入賞口630へと誘導され易くなる状態は中間位置に限られるものではなく、開放位置、または閉鎖位置を含む可動範囲で一般入賞口630へと遊技球が誘導され易くなるように構成してもよい。また、遊技球が誘導され易くなるのは一般入賞口630に限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選の契機となる入賞口であっても良いし、大当たり終了後に確変状態が付与される契機となる確変入賞口であっても良いし、大当たりの開始の契機となる入賞口(所謂、2種タイプのV入賞口)であっても良い。また、遊技者に特典が付与されなくても良い(例えば、アウト口)。
<第9実施形態>
次に、図115から図123を参照して、第9実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第8実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中に所定の可動パターン(可動パターンA,Bのいずれか)で可動される可動部材657bの可動位置(突出量)に応じて、入賞可能となる入賞口を可変させる構成としていた。これにより、特定領域へと遊技球が到達するタイミングに応じて遊技球が誘導される入賞口を可変させ、大当たり遊技の実行中に獲得可能な賞球の個数を可変することが可能に構成していた。
これに対して本第9実施形態では、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に可動される電動役物640aの可動位置に応じて、入球し易い入球口の種別が可変する構成とした。これにより、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が高い時短遊技状態において、遊技球が入球する入球口の種別に注目して遊技を行わせることができる。
この第9実施形態におけるパチンコ機10が、第8実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられているROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図115を参照して、本第9実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図115は、本第9実施形態における遊技盤13の正面図である。なお、上述した第8実施形態の説明では、遊技盤13の盤面構成の説明を省略して第6実施形態における遊技盤13から入れ替えられた構成(一般入賞口630、特定入賞口657a、可動部材657b)についてのみ説明したので、本第9実施形態における遊技盤13の説明においては、説明を分かり易くするために、第6実施形態における遊技盤13(図84参照)との差異について説明する。
図115に示した通り、本第9実施形態における遊技盤13は、第6実施形態における遊技盤13(図84参照)に対して、第1入球口64に付随して設けられていた電動役物64aが削除されている点、左可変入賞装置650L、右可変入賞装置650Rが削除されて可変入賞装置65が設けられている点、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に設けられている流路に対して、遊技球が入球可能な第2入球口640と、その第2入球口640に付随した電動役物640aと、第2入球口640に対して正面視左側に設けられ、遊技球が入球可能な一般入賞口63と、が設けられている点で相違する。第2入球口640は、遊技球が入球することで特別図柄の抽選が行われる契機となる入球口である。即ち、第1入球口64と同等の性能を有している。なお、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に遊技球が第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、第1入球口64に対する入球回数とは別個に最大4回まで保留される。また、第1入球口64への入球に対する保留球と、第2入球口640への入球に対する保留球とが同時に存在する場合は、第2入球口640への入球に対する保留球に基づく特別図柄の抽選が優先的に実行される。
なお、詳細については図116を参照して後述するが、本第9実施形態では、第2入球口640に付随して設けられ、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に第2入球口640へと遊技球が入球可能な開状態に可動する電動役物640aの可動位置に応じて、電動役物640aへと到達した遊技球の進行方向が可変する構成となっている。この電動役物640aの可動位置毎の遊技球の進行方向について、図116を参照して説明する。
図116は、右打ちにより可変表示装置ユニット80に対して正面視右方向に設けられている流路へと打ち込まれた遊技球が電動役物640aに到達した場合における遊技球の流下経路を、電動役物640aの可動位置毎に示した図である。図116(a)は、電動役物640aが第2入球口640を閉鎖している状態(電動役物640aが閉鎖位置に配置されている状態)を示しており、図116(b)は、電動役物640aが第2入球口640を開放する開放位置に可動する途中の中間位置に配置されている状態を示しており、図116(c)は、電動役物640aが開放位置に配置されている状態を示している。
図116(a)に示した通り、電動役物640aが閉鎖位置に配置された状態では、右打ちにより可変表示装置ユニット80の右側に向けて発射された遊技球は、閉鎖されている第2入球口640と、一般入賞口63との間のスペースを流下する。図116(a)に示した通り、一般入賞口63の上方に配置されている、正面視左上方向から右下方向へと下る向きの傾斜を構成する複数の釘は、一般入賞口63の右上に配置されている、正面視右上方向から左下方向へと下る向きの傾斜を構成する複数の釘よりも右方向に突出している。よって、電動役物640aが閉鎖位置に配置されている状態において、右打ちされた遊技球が一般入賞口63へ向けて流下する可能性は極めて低くなる。
図116(b)に示した通り、電動役物640aが開放位置に可動する途中の中間位置においては、右打ちされた遊技球が電動役物640aの先端部分に衝突し易くなる。遊技球が電動役物640aの先端部分に衝突することにより、当該衝突した遊技球が正面視左方向に反射されて一般入賞口63が設けられている方向へと誘導され易くなる。これにより、一般入賞口63への入球に基づいて所定個数の賞球(例えば、10個)を獲得し易くなる。
なお、本第9実施形態では、図116(b)に示した配置に完全に一致していなくても、中間位置を含む所定の可動範囲内(例えば図116(b)に示した配置の前後約1割の可動範囲)にあれば、一般入賞口63へと遊技球が誘導可能となる構成となっている。このため、一般入賞口63へと遊技球が誘導される可能性をより高めることができる。
図116(c)に示した通り、電動役物640aが開放位置に配置された状態(第2入球口640が開放された状態)においては、右打ちされた遊技球は、基本的に電動役物640aにより第2入球口640へと誘導される。なお、電動役物640aが完全に開放された状態においては、電動役物640aの先端部分の高さよりも、一般入賞口63の右上に配置されている、正面視右上方向から左下方向へと下る向きの傾斜を構成する複数の釘のうち上端の釘が配置されている高さの方が高くなる。よって、例え遊技球が電動役物640aの形成する経路に沿って第2入球口640へと入球せず、電動役物640aに衝突して正面視左方向に反射されたとしても、複数の釘の上方を通過して一般入賞口63へと到達することは困難となる。従って、電動役物640aに衝突して左方向に反射された遊技球は、図116(c)に示した通り、電動役物640aの先端よりも左側のスペースを通過して下方へと流下する。
このように、本第9実施形態では、電動役物640aの可動位置に応じて、遊技球が一般入賞口63に誘導され易い状態を形成したり、第2入球口640へと誘導され易い状態を形成したり、いずれの入球口へも入球し難い状態を形成したりする。よって、普通図柄の抽選で当たりとなった場合には、遊技球が電動役物640aに到達した際の電動役物640aの可動位置に注目して遊技を行わせることができる。なお、本第9実施形態では、一般入賞口63に入球した方が、第2入球口640に入球するよりも付与される賞球が多くなるように構成されている。よって、電動役物640aが開放位置に可動する途中の中間位置において遊技球が電動役物640aに到達する程、遊技者にとって有利となる。従って、電動役物640aの可動位置により注目させる遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態における電気的構成>
次に、図117(a)を参照して、本第9実施形態における主制御装置110に設けられているROM202の構成について説明する。図117(a)は、本第9実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図117(a)に示した通り、本第9実施形態におけるROM202の構成は、第8実施形態(および第1実施形態)におけるROM202の構成(図11(a)参照)に対して、第2当たり種別選択テーブル202baが追加されている点で相違している。
第2当たり種別選択テーブル202baは、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、電動役物640aの開放パターンを決定するために参照されるデータテーブルである。この第2当たり種別選択テーブル202baの詳細について、図117(b)を参照して説明する。
図117(b)は、第2当たり種別選択テーブル202baの規定内容を示した図である。図117(b)に示した通り、第2当たり種別選択テーブル202baには、普通図柄の状態毎に、電動役物640aに設定される開放パターンの種別と、各開放パターンが決定される第2当たり種別カウンタの値とが対応付けて規定されている。より具体的には、図117(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態において、第2当たり種別カウンタの値が「0~94」の範囲に対しては、電動役物640aが「0.1秒間×5回」開放される開放パターンが対応付けて規定されている(図117(b)の202c1参照)。第2当たり種別カウンタが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、電動役物640aが「0.1秒間×5回」開放される開放パターンに対して対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「0~94」の95個なので、普通図柄の低確率状態において、電動役物640aが「0.1秒間×5回」開放される開放パターンが決定される割合は95%(95/100)である。電動役物640aが開放される0.1秒間の間に遊技球を第2入球口640へと入球させることは極めて困難になるので、例え5回開放されたとしても、「0.1秒間×5回」の開放パターンが設定されている間に遊技球を第2入球口640へと入球させることはほぼ不可能となる。
また、普通図柄の低確率状態において、第2当たり種別カウンタの値が「95~99」の範囲に対しては、電動役物640aが「2秒間×1回」開放される開放パターンが対応付けて規定されている(図117(b)の202c2参照)。第2当たり種別カウンタが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、電動役物640aが「2秒間×1回」開放される開放パターンに対して対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「95~99」の5個なので、普通図柄の低確率状態において、電動役物640aが「2秒間×1回」開放される開放パターンが決定される割合は5%(5/100)である。2秒間の間に第2入球口640へと遊技球を入球させることは容易となるので、「2秒間×1回」の開放パターンは、第2入球口640へと遊技球が入球し易い開放パターンである。
このように、普通図柄の低確率状態においては、普通図柄の当たり確率が低い上に、普通図柄の当たりになったとしても、その大半が「0.1秒間×5回」の開放パターンとなるため、普通図柄の低確率状態において右打ちを行っても第2入球口640へと遊技球を入球させることが極めて困難になる。一方で、電動役物640aが「0.1秒間×5回」開放される開放パターンで可動されると、短い期間の間に連続して、電動役物640aが閉鎖位置と開放位置との間の中間位置(図116(b)参照)に配置される。よって、電動役物640aが「0.1秒間×5回」の開放パターンで開放動作が行われている間は、右打ちを行うことにより比較的払い出される賞球数が多い一般入賞口63へと高い割合で入球する。よって、「0.1秒間×5回」の開放パターンで開放動作が行われている間に右打ちを行うことで遊技者にとって有利になる。
加えて、図示については省略したが、本第9実施形態では、普通図柄の低確率状態において第2入球口640へと入球したことに基づいて特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の変動時間として極めて長い変動時間(例えば、300秒間)が設定される構成となっている。つまり、特別図柄の低確率状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、その後5分間に渡って特別図柄の抽選が実行されない不利な状態となる。よって、普通図柄の低確率状態においては、「2秒間×1回」の開放パターン(第2入球口640へと入球し易い開放パターン)が行われている間に右打ちを行うと遊技者にとって不利となる。このため、本第9実施形態では、普通図柄の低確率状態において第2入球口640へと入球させることがほぼ不可能な「0.1秒間×5回」の開放パターンが決定された場合には遊技者に右打ちを促す報知(右打ちナビ演出)を行う一方、第2入球口640へと入球容易となる「2秒間×1回」の開放パターンが決定された場合には、右打ちナビ演出を行わない構成としている。これにより、一般入賞口63へと入球させる機会を遊技者に対して最大限与えつつ、普通図柄の低確率状態において遊技者に過剰に不利となる(特別図柄の抽選が5分以上行われない不利な状態となる)ことを防止することができる。
なお、以降の説明では、簡略化のため、第1入球口64へと入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選、および変動表示を「第1特別図柄の抽選」、および「第1特別図柄の変動表示」と称し、第2入球口640へと入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選、および変動表示を「第2特別図柄の抽選」、および「第2特別図柄の変動表示」と称する。
図117(b)に示した通り、普通図柄の時短状態においては、第2当たり種別カウンタの値が「0~29」の範囲に対しては、電動役物640aが「0.1秒間×5回」開放される開放パターンが対応付けて規定されている(図117(b)の202c3参照)。第2当たり種別カウンタが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、電動役物640aが「0.1秒間×5回」開放される開放パターンに対して対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「0~29」の30個なので、普通図柄の時短状態において、電動役物640aが「0.1秒間×5回」開放される開放パターンが決定される割合は30%(30/100)である。
また、第2当たり種別カウンタの値が「30~99」の範囲に対しては、電動役物640aが「2秒間×1回」開放される開放パターンが対応付けて規定されている(図117(b)の202c4参照)。第2当たり種別カウンタが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、電動役物640aが「2秒間×1回」開放される開放パターンに対して対応付けられている乱数値(カウンタ値)は「30~99」の70個なので、普通図柄の時短状態において、電動役物640aが「2秒間×1回」開放される開放パターンが決定される割合は70%(70/100)である。
このように、普通図柄の時短状態においては、普通図柄の当たり確率が高くなる上に、普通図柄の当たりになると、70%の割合で「2秒間×1回」の開放パターンとなるため、普通図柄の時短状態において右打ちを行い続けることにより、第2入球口640へとコンスタントに遊技球を入球させ続けることができる。また、「0.1秒間×5回」の開放パターンが選択されると、一般入賞口63へと遊技球が入球し易くなるので、賞球をより多く獲得することができる。更に、普通図柄の時短状態では、第2特別図柄の変動表示の変動時間が短くなる(第1特別図柄の変動時間と同等になる)ので、短い間隔で多くの回数の第2特別図柄の抽選を行わせることができる。これらにより、普通図柄の時短状態が設定されている間は、右打ちを行った方が遊技者に有利となるので、普通図柄の時短状態が設定されている間は、右打ちナビ演出が実行され続ける。
時短遊技状態において右打ちを行い続け、「2秒間×1回」の開放パターンが連続して実行されることにより、持ち球を減らさずに第2特別図柄の抽選を連続して実行させることができる。また、時短状態において、運良く「0.1秒間×5回」の開放パターンが多く選択されると、時短回数を減らさずに一般入賞口63への入球による賞球を獲得することができる。このため、遊技者に対して、時短遊技状態の間に、開放位置に配置される期間が短い開放パターン(即ち、第2入球口640へと入球させる機会が比較的少ない開放パターン)が決定されることを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図117(c)を参照して、本第9実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203の構成について説明する、図117(c)は、本第9実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図117(c)に示した通り、本第9実施形態におけるRAM203の構成は、第8実施形態(および第6実施形態)におけるRAM203の構成(図87(b)参照)に対して、特別図柄保留球格納エリア203aに代えて、第1特別図柄保留球格納エリア203a1と、第2特別図柄保留球格納エリア203a2とが設けられている点、および特別図柄保留球数カウンタ203cに代えて、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1と、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2とが設けられている点で相違している。また、可動種別格納エリア203aaが削除されている点でも相違している。
第1特別図柄保留球格納エリア203a1は、第1入球口64へ入球したタイミングで取得された各種カウンタ値を格納するための記憶領域であり、第2特別図柄保留球格納エリア203a2は、第2入球口640へ入球したタイミングで取得された各種カウンタ値を格納するための記憶領域である。第1特別図柄保留球格納エリア203a1と、第2特別図柄保留球格納エリア203a2とは、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄保留球格納エリア203aと同様の構成となっている。即ち、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。特別図柄の抽選が行われる場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203a2の保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。一方、第2特別図柄保留球格納エリア203a2の保留第1エリアに各カウンタ値が格納されていない場合(第2特別図柄の保留球が0の場合)は、第1特別図柄保留球格納エリア203a1の保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。即ち、本第9実施形態では、第2特別図柄の抽選の方が、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行される。
第1特別図柄保留球数カウンタ203c1は、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタであり、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2は、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203c1は、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図119のS424参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1は、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図118のS228参照)。第2特別図柄保留球数カウンタ203c2は、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図119のS430参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2は、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図118のS223参照)。
<第9実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図118から図122を参照して、本第9実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図118を参照して、本第9実施形態における特別図柄変動処理9(S141)について説明する。この特別図柄変動処理9(S141)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動処理(図23参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動処理(図23参照)と同様に、第1図柄表示装置37における変動表示、および第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターン等を設定するための処理である。
この第9実施形態における特別図柄変動処理9(図118参照)のうち、S201,S202、およびS208~S217の各処理では、それぞれ第8実施形態(第1実施形態)における特別図柄変動処理(図23参照)のS201,S202、およびS208~S217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における特別図柄変動処理9(図118参照)では、S202の処理において、特別図柄の変動中ではないと判別した場合に(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)を取得して(S221)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0より大きい値であるか否かを判別する(S222)。
S222の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S222:Yes)、次いで、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)から1を減算して更新し(S223)、更新後の第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S224)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S224の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203a2に格納されたデータをシフトする(S225)。S225の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203a2の保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、処理をS208へと移行する。
一方、S222の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0より大きい値(1以上の値)でない(即ち、0である)と判別した場合は(S222:No)、次いで、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)を取得して(S226)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が0より大きい値であるか否かを判別する(S227)。
S227の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が0より大きい値(1以上の値)でない(即ち、0である)と判別した場合は(S227:No)、第1特別図柄の保留球も、第2特別図柄の保留球も存在せず、特別図柄の変動表示を新たに開始させることができないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S227の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S227:Yes)、次いで、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)から1を減算して更新し(S228)、更新後の第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を示す特図1保留球数コマンドを設定する(S229)。ここで設定された保留球数コマンドは、特図1保留球数コマンドと同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
S229の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203a1に格納されたデータを、S225の処理と同様の方法によりシフトして(S230)、処理をS208へと移行する。
次に、図119を参照して、本第9実施形態における始動入賞処理9(S142)の詳細について説明する。この始動入賞処理9(S142)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、第8実施形態(および第1実施形態)における始動入賞処理(図25参照)に代えて実行される処理であり、第1入球口64、および第2入球口640への入球を検出した場合に、対応する制御を実行するための処理である。
この始動入賞処理9(S142)では、まず、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S421)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、S421の処理において、遊技球が第1入球口64に入賞したと判別した場合は(S421:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(第1特別図柄の抽選に対応する変動表示の保留回数N1)を取得する(S422)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S423)。
そして、S421の処理において、第1入球口64へ入賞していないと判別した場合(S421:No)、或いは、第1入球口64への遊技球の入賞があっても、S423の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が4未満でない(即ち、4である)と判別した場合は(S423:No)、処理をS427へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S421:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が4未満であれば(S423:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)を1加算する(S424)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を示す特図1保留球数コマンドを設定する(S425)。
ここで設定された特図1保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S425の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図22参照)のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203a1の空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S426)、処理をS427へと移行する。尚、S426の処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S427の処理では、遊技球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S427)。本処理でも、S421の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理に渡って検出する。そして、S427の処理において、遊技球が第2入球口640に入賞したと判別された場合は(S427:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(第2特別図柄の抽選に対応する変動表示の保留回数N2)を取得し(S428)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S429)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S427:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S429:No)、処理をS433へと移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S427:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が4未満であれば(S429:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)に1を加算する(S430)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S431)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S431の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図22参照)のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203a2の空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S432)、S433の処理へ移行する。尚、S432の処理では、S426の処理と同様に、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S433の処理では、始動入賞に基づいて取得した各種カウンタ値から当否を先読みするための先読み処理を実行して(S433)、本処理を終了する。この先読み処理の詳細について、図120を参照して説明する。
図120は、先読み処理(S433)を示すフローチャートである。この先読み処理(S433)では、まず、今回の始動入賞処理9(図119参照)において第1入球口64、または第2入球口640に対する新たな入球を検出していたか否かを判別し(S1501)、新たな入球を検出していないと判別した場合は(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1501の処理において、新たな入球を検出していたと判別した場合は(S1501:Yes)、次に、検出した入球に対応する保留球数が上限値(即ち、4)であるか否かを判別し(S1502)、上限値であると判別した場合は(S1502:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S1502の処理において、保留球数が上限値未満であると判別した場合は(S1502:No)、入球を検出した時点で取得された各種カウンタ値(始動入賞処理9(図119参照)のS426、またはS432の処理で格納された各種カウンタ値)に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S1503)。
S1503の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S1504)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図121を参照して、本第9実施形態における普通図柄変動処理9(S143)について説明する。この普通図柄変動処理9(S143)は、第8実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図26参照)に代えて実行される処理であり、第2図柄表示装置83において行う普通図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作などを制御するための処理である。
この第9実施形態における普通図柄変動処理9(図121参照)のうち、S501~S519の各処理では、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図26参照)のS501~S519の各処理と同一の処理が実行される。また、本代9実施形態における普通図柄変動処理9(図121参照)では、S519の処理において今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に(S519:Yes)、第2当たり種別選択テーブル202baを参照して電動役物640aに対して設定する開放パターンを決定して当該決定した開放パターンに基づく開放動作を開始させるための電動役物動作開始処理を実行して(S531)、本処理を終了する。この電動役物動作開始処理(S531)の詳細について、図122を参照して説明する。
図122は、上述した電動役物動作開始処理(S531)を示したフローチャートである。この電動役物動作開始処理(S531)では、まず、第2当たり種別選択テーブル202ba(図117(b)参照)を読み出して(S1601)、読み出したテーブルから、現在の普通図柄の状態と、第2当たり種別カウンタの値とに対応する開放パターンを読み出す(S1602)。ここで、現在の普通図柄の状態は、確変フラグ203eがオンであるか、又は時短中カウンタ203fの値が1以上であれば普通図柄の時短状態であると判別される一方で、確変フラグ203eがオフであり、且つ、時短中カウンタ203fの値が0であれば普通図柄の低確率状態であると判別される。上述した通り、普通図柄の低確率状態においては、第2当たり種別選択カウンタの値が「0~94」の範囲にあれば開放パターンとして「0.1秒×5回」が選択される一方、第2当たり種別選択カウンタの値が「95~99」の範囲にあれば開放パターンとして「2秒×1回」が選択される。また、普通図柄の時短状態においては、第2当たり種別選択カウンタの値が「0~29」の範囲にあれば開放パターンとして「0.1秒×5回」が選択される一方、第2当たり種別選択カウンタの値が「30~99」の範囲にあれば開放パターンとして「2秒×1回」が選択される。
S1602の処理が終了すると、次に、S1602の処理で読み出した開放パターンによる電動役物640aの開閉制御の開始を設定する(S1603)。そして、現在が普通図柄の低確率状態であるか(確変フラグ203eがオフ、且つ、時短中カウンタ203fの値が0であるか)否かを判別し(S1604)、普通図柄の低確率状態であれば(S1604:Yes)、次いで、S1603の処理で開始を設定した開放パターンが「0.1秒間×5回」の開放パターンであるか否かを判別する(S1605)。S1605の処理において、今回開始を設定した開放パターンが「0.1秒間×5回」の開放パターンであると判別した場合には(S1605:Yes)、「0.1秒間×5回」の開放パターンが開始されたことを音声ランプ制御装置113に対して通知するための開放開始コマンドを設定して(S1606)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113では、開放開始コマンドを受信することにより、遊技者に対して右打ちを促す右打ちナビ演出を実行する。これにより、一般入賞口63へと入球させる機会を多く得られる「0.1秒×5回」の開放パターンが設定された場合に、一般入賞口63へと入球させる機会を遊技者に確実に与えることができる。よって、最も不利な通常遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)において、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
一方で、S1604の処理において現在が普通図柄の時短状態であると判別した場合(S1604:No)、およびS1605の処理において「2秒×1回」の開放パターンが設定されたと判別された場合は(S1605:No)、S1606の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
<第9実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図123を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。図123は、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理9(S4071)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理9(S4071)は、第8実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)に代えて実行され、第8実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)と同様に、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドを解析し、その未処理のコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第9実施形態におけるコマンド判定処理9(図123参照)のうち、S4901~S4918の各処理では、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)のS4901~S4918の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態におけるコマンド判定処理9(図123参照)では、S4909の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に入賞情報コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4909:No)、次いで、未処理のコマンドの中に開放開始コマンドが含まれているか否かを判別し(S4931)、未処理のコマンドの中に開放開始コマンドが含まれていると判別した場合は(S4931:Yes)、遊技者に対して右打ちを促す演出態様の右打ちナビ演出を設定して(S4932)、本処理を終了する。一方、S4931の処理において、未処理のコマンドの中に開放開始コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4931:No)、処理をS4911へと移行する。
S4932の処理によって右打ちナビ演出を設定することにより、一般入賞口63へと入球させる機会を多く得られる「0.1秒×5回」の開放パターンが設定された場合に、一般入賞口63へと入球させる機会を遊技者に確実に与えることができる。よって、最も不利な通常遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)において、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
以上説明した通り、第9実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に開放位置に可動される電動役物640aが開放位置に可動されるまでの間に一時的に配置され得る中間位置において遊技球が電動役物640aへと到達した場合に、第2入球口640の左側に配設されている一般入賞口63へと遊技球が誘導され易くなる盤面構成とした。これにより、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が高い時短遊技状態において、遊技球が入球する入球口の種別に注目して遊技を行わせることができる。また、本第9実施形態では、電動役物640aの開放パターンとして、中間位置に配置され易い(中間位置に配置される回数が多い)が、第2入球口640へと入球し難い(第2入球口640の開放期間が短い)開放パターンと、中間位置に配置され難い(中間位置に配置される回数が少ない)が、第2入球口640へと入球し易い(第2入球口640の開放期間が長い)開放パターンと、が少なくとも設けられている。中間位置に配置され易い(中間位置に配置される回数が多い)開放パターンが設定されることにより、一般入賞口63へと遊技球を入球させて多量の賞球を獲得する機会が得られるので、遊技者に対して第2入球口640へと入球し易い開放パターンよりも、第2入球口640へと入球し難い開放パターン(即ち、一般的な遊技機において不利な開放パターン)となることを期待して時短遊技状態中の遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。更に、本第9実施形態では、通常遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)において、電動役物640aが中間位置に配置され易い(中間位置に配置される回数が多い)開放パターンの実行が決定された場合に、右打ちナビ演出(第2入球口640に向けて遊技球を発射することを示唆する演出)を実行する構成としている。このように構成することで、遊技者にとって最も不利な遊技状態において、普通図柄の当たりとなる毎に一般入賞口63へと入球させて賞球を獲得する機会を与えることができる。よって、不利な遊技状態において遊技が単調となってしまうことを抑制できる。従って、通常遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第9実施形態では、通常遊技状態において、電動役物640aが中間位置に配置され易い(中間位置に配置される回数が多い)開放パターンの実行が決定された場合にのみ、右打ちナビを実行する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の当たりとなった場合に開放パターンによらず右打ちナビ演出を実行する構成としてもよいし、中間位置に配置され難い(中間位置に配置される回数が少ない)が、第2入球口640へと入球し易い(第2入球口640の開放期間が長い)開放パターンが開始された場合にのみ右打ちナビ演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、通常遊技状態において第2入球口640への入球機会を増加させることができるので、通常遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できる。
本第9実施形態では、中間位置に配置されている状態において、一般入賞口63へと遊技球が誘導(反射)され易くなるように構成していたが、一般入賞口63へと誘導され易くなる状態は中間位置に限られるものではなく、開放位置、または閉鎖位置を含む可動範囲で一般入賞口63へと遊技球が誘導され易くなるように構成してもよい。また、遊技球が誘導され易くなるのは一般入賞口63に限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選の契機となる入賞口であっても良いし、大当たりの開始の契機となる入賞口(所謂、2種タイプのV入賞口)であっても良い。また、遊技者に特典が付与されなくても良い(例えば、アウト口)。
本第9実施形態では、普通図柄の時短状態が設定されている間と、普通図柄の低確率状態で、且つ、普通図柄の当たりとなって「0.1秒間×5回」の開放パターンが決定された場合とでのみ右打ちナビ演出を実行する構成としていたが、右打ちナビ演出の実行タイミングはこれに限られるものではない。例えば、時短状態中に普通図柄の当たりとなり、時短状態の終了後に普通図柄の変動が終了して「0.1秒間×5回」の開放パターンが開始される場合には、当該「0.1秒間×5回」の開放パターンが終了するまでの間、時短状態中に実行していた右打ちナビ演出を延長させる構成としてもよい。これにより、遊技者が左打ちに戻した直後に右打ちナビ演出が実行され、遊技者を戸惑わせてしまうことを抑制できる。
本第9実施形態では、第2入球口640を開放および閉鎖する電動役物640aの可動位置に応じて一般入賞口63に入球し易い状態と、第2入球口640に入球し易い状態と、いずれの入球口にも入球し難い状態とが切り替わる構成としていたが、本構成は第2入球口640に限られるものではない。例えば、特定入賞口を本第9実施形態における第2入球口640および電動役物640aと同様の構成とし、一般入賞口63の配置も本第9実施形態と同様にしてもよい。このように構成することで、大当たり遊技中に一般入賞口63へと入球させる機会を与えることができるので、大当たり遊技中に付与される賞球数を増加させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第10実施形態>
次に、図124から図126を参照して、第10実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1~第9実施形態では、遊技盤13の盤面構成(釘の配置や風車の配置等)がほぼ左右対称となっており、遊技盤13において可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(右打ちされた遊技球)と、左側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(左打ちされた遊技球)とで、遊技球が発射されてから特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達するまでの期間が略同一となるように構成されていた。
これに対して本第10実施形態では、遊技盤13において可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(右打ちされた遊技球)の方が、左側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(左打ちされた遊技球)よりも特定領域に到達するまでの期間が長くなるように構成した。加えて、本第10実施形態では、特定入賞口65aが開放されている場合において、可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路を流下した遊技球よりも、可変表示装置ユニット80の左側に設けられている流路を流下した遊技球の方が、特定入賞口65aに入球する割合が高くなるように構成されている。
この第10実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
図124は、本第10実施形態における遊技盤13の盤面構成を示した図である。図124に示した通り、第10実施形態における遊技盤13の盤面構成は、上述した第1実施形態における遊技盤13の盤面構成(図2参照)に対して、遊技盤13における可変表示装置ユニット80の右側に、遊球が内部へと入球可能な迂回役物700が設けられている点で相違している。詳細については図125を参照して後述するが、この迂回役物700は、右打ちされた(遊技盤13の右側に打ち出された)遊技球が特定入賞口65aへと到達するまでの時間を長くするために設けられている。言い換えれば、迂回役物700は、左打ちにより発射された遊技球が特定入賞口65aへと到達するまでの期間よりも、右打ちにより発射された遊技球が特定入賞口65aへと到達するまでの時間の方が長くなるように、右打ちされた遊技球の流下時間を長くすることができる。なお、本第10実施形態では、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間が1秒間~2秒間となるのに対して、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間は7秒間~8秒間となるように構成されている。
ここで、図125を参照して、本第10実施形態における迂回役物700の詳細について説明する。図125は、迂回役物700を模式的に示した模式図である。図125に示した通り、迂回役物700は、その上部に開口部710が設けられている。右打ちにより発射された遊技球は、この開口部710を介して迂回役物700の内部へと進入できる。また、迂回役物700の下部には、迂回役物700内を流下した遊技球を迂回役物700の外部へと排出するための開口部720が設けられている。更に、迂回役物700には、内部に進行した球が開口部720を介さずに外部へと排出されることを防止するために、周縁部730によって正面視手前側、奥側、および左右方向の4方向を囲まれている。この周縁部730は、半透明な部材(例えば、PS材)によって構成されているので、球が流下する様子を遊技者が容易に視認することができる。
また、周縁部730のうち、正面視奥側の平面は、ベース板60と略同一平面となるように組み付けることができるので、周縁部730とベース板60との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。更に、周縁部730のうち、正面視手前側の平面と、ガラスユニット16とは、前面枠14が閉鎖された状態において隙間無く接触するように構成されているので、周縁部730とガラスユニット16との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。
図125に示した通り、迂回役物700の内部には、迂回役物700の下方へ向かって傾斜した複数の流路(誘導流路740~790)が設けられている。各誘導流路740~790において、球が接触する面は略平板形状となっており、その幅は周縁部730の内側部分の幅(正面視奥側の内壁と、正面視手前側の内壁との間の距離)と略同一となるように構成されている。即ち、周縁部730の内側部分と、各誘導流路740~790との間に隙間が生じることで、その隙間を球が通過してしまうことを防止できるように構成されている。
図125に示した通り、誘導流路740,760,780は、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜している。また、誘導流路750,770,790は、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜している。そして、迂回役物700の上側から順番に、誘導流路740,750,760,770,780,790が配置されている。即ち、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜した流路と、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜した流路とが交互に設けられている。
開口部710へと入球した遊技球は、まず、誘導流路740へと落下し、その誘導流路740の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。そして、遊技球が誘導流路740の下端まで到達すると、遊技球は誘導流路740から誘導流路750に向けて落下する。そして、落下した遊技球は、誘導流路750に沿って正面視右下方向へと流下する。流下した遊技球が誘導流路750の下端へ到達すると、遊技球は誘導流路760へと落下し、誘導流路760の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。
遊技球は、以降も流路に沿って流下する動作と、下側の流路へと落下する動作とを交互に繰り返す。そして、最終的に遊技球は誘導流路790の下端へ到達し、誘導流路790の下端から開口部720に向けて落下する。これにより、迂回役物700へと入球した球が開口部720を介して迂回役物700の外部へと排出される。遊技球の流下する流路が変わる度に、遊技球が流下する向きが変わるので(即ち、右下方向から左下方向、若しくは左下方向から右下方向に変わるので)、流路が変わる度に遊技球の流下する勢い(流下速度)を削ぐことができる。よって、開口部710を介して迂回役物700へと入球した遊技球が、開口部720を介して外部へと排出されるまでの時間を長くすることができる。これにより、遊技盤13の左側へと遊技球を発射するのに比べて、遊技盤13の右側へと球を発射した場合に球が遊技盤13の下部(第1入球口64や可変入賞装置65が配設されている領域)へと到達する時間を長くする(7秒以上にする)ことができる。
また、図125に示した通り、各誘導流路740~790は、それぞれ流路支持軸741~791によって軸支されており、各流路支持軸を回転軸として、時計回り、または反時計回りに回動可能に構成されている。また、回動動作は、各誘導流路740~790の下側に設けられた回動停止部材742a~792a、又は回動停止部材742b~792bに対して各誘導流路740~790の下面が接触することにより停止する。この回動動作について、誘導流路740を例に取って説明する。
上述した通り、誘導流路740は、流路支持軸741を回転軸として回動可能に構成されている。この回動動作は、誘導流路740を流下する遊技球の重みに基づいて行われる。具体的には、遊技球が誘導流路740の上半分を流下する場合に、遊技球の重みによる負荷が誘導流路740の上半分にかかることにより、誘導流路740の上半分を下方向へ回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742bに接触することで停止する。この回動停止部材742bにより、誘導流路740が時計回りに回動しすぎてしまい、誘導流路740の傾きが逆向きになってしまうことを抑制できる。
ここで、回動停止部材742bは、略円柱形状の部材であり、周縁部730の手前側の内壁、および奥側の内壁とそれぞれ接合されている。即ち、誘導流路740の下面が接触した際の衝撃で、その位置がずれてしまわないように構成されている。なお、他の回動停止部材742a~792a、および回動停止部材752b~792bについても、その構造は回動停止部材742bと同様である。
一方、球が誘導流路740の下半分を流下する場合は、遊技球の重みによる負荷が誘導流路740の下半分にかかるので、誘導流路740の下半分を下方向へと回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で反時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として反時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742aに接触することで停止する。この回動停止部材742aにより、誘導流路740が反時計回りに回動しすぎてしまうことを抑制することができる。つまり、誘導流路740の傾きが大きくなりすぎて、遊技球の勢いを削げなくなってしまうことを抑制することができる。よって、右打ちにより発射された遊技球を、確実に7秒以上かけて遊技盤13の下方(第1入球口64や特定入賞口65aが配設されている領域)に流下させることができる。なお、各誘導流路740~790の傾きが最大となった状態で遊技球が流下すると、遊技球が第2入球口640へと到達するまでに7秒となるように、各誘導流路740~790の経路長、および最大傾斜角度が設定されている。全ての誘導流路740~790が最大傾斜角を保ったまま遊技球が流下するのは稀であるので、遊技球が第2入球口640へと到達する時間を確実に7秒以上とすることができる。
このように、遊技球の重みによる負荷に基づいて各誘導流路740~790の傾きが変化するように構成することで、各誘導流路740~790を流下する遊技球の流下速度を可変させることができる。よって、遊技球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間をばらつかせることができる。また、上記の説明では1個の球が誘導流路740上を進行した場合について説明したが、実際の遊技中には複数の球が同一の誘導流路上を進行する状態も起こり得る。この場合には、各誘導流路740~790の回動動作を更に不規則とすることができるので、遊技球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間をばらつかせることができる。
また、図125に示した通り、各誘導流路740~790は、上面の左右両端の角に比べて、下面の左右両端の角が丸くなるように加工している。このように構成することで、各誘導流路740~790が回動する場合に、下面の角と周縁部730の内壁部分とを接触し難くすることができる。よって、各誘導流路740~790を、周縁部730に対してより近い位置に配置できるので、各誘導流路740~790と、周縁部730との間に隙間ができ、その隙間に遊技球が挟まってしまったり、その隙間を遊技球が通過してしまったりすることを抑制することができる。なお、各誘導流路740~790は、遊技球が流下していない状態において、自重により傾きの最も大きい配置へと戻るように構成されている。例えば、球が誘導流路740を流下していない状態においては、誘導流路740の自重により、流路支持軸741を回転軸として正面視反時計回りに回動する。この回動動作は、誘導流路の下面が回動停止部材742aに接触するまで行われ、回動停止部材742aへと接触することにより停止する。同様に、誘導流路750~790は、遊技球が流下していない状態において、自重により各回動停止部材752a~792aへと接触するまで回動動作を行うように構成されている。これにより、各誘導流路750~790が回動動作を行っている途中で遊技球が流下するか、各誘導流路750~790の回動動作が終了した状態で遊技球が流下するかに応じて球の流下速度を異ならせることができる。
なお、各誘導流路740~790が自重では回動せず、遊技球の通過によってのみ回動するように構成してもよい。また、例えば、各誘導流路740~790をモータ等により規則的に、或いは不規則に回動させるように構成してもよい。
図124に戻って説明を続ける。図124に示した通り、迂回役物700の下方には、迂回役物700の下端側の開口部720を介して迂回役物700から流出した遊技球の流下方向を制限するように多数の釘が配置されている。これらの釘によって、迂回役物700から流出した全ての遊技球を、可変入賞装置65に対して正面視左側に設けられている曲面部材800に落下させることができる(第1入球口64の方向へ遊技球が流下してしまうことを抑制できる)。この曲面部材800に落下した遊技球は、曲面部材800の上面を転動し、可変入賞装置65の方向へと誘導される。図124に示した通り、可変入賞装置65と、曲面部材800との間は非常に狭い(遊技球一個分未満の幅しかない)ため、特定入賞口65aが開放されている状態において、曲面部材800の左端まで誘導されたほぼ全ての遊技球を、特定入賞口65aへと入賞(入球)させることができる。これに対し、可変入賞装置65に対して正面視左側には、可変入賞装置65の下方のアウト口66へと遊技球を誘導するための比較的広い(遊技球一個分を上回る幅の)スペース(流路)が設けられている。このため、特定入賞口65aが開放されている場合において、遊技球を左打ちによって発射した場合、多くの遊技球が特定入賞口65aへと入球するものの、一部の遊技球(例えば、10球に1球の割合)が特定入賞口65aへと入球せずに、可変入賞装置65の左側からアウト口66へと誘導される。
このように、本第10実施形態では、遊技盤13における正面視右側の流路に対して迂回役物700と、曲面部材800とを設ける構成としている。これらにより、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間を、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間よりも長くすることができる。なお、基本的には右打ちの方が特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなるが、遊技球の反射方向や射出状況等に応じては、左打ちの方が特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなる可能性も0ではない(例えば、左方向に発射した遊技球が一時的に静止した場合や、可変表示装置ユニット80の左側の流路で球詰まりが生じた場合等)。このため、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下(通過)した遊技球は、左側の流路を流下(通過)した遊技球に比較して、特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなり易くなる(左側の流路を流下した遊技球の方が、特定入賞口65aに到達するまでの期間が短くなり易くなる)とも言い換えることができる。
また、本第10実施形態では、特定入賞口65aが開放されている場合において、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合を、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合よりも高くすることができる。これにより、スピーディーに大当たり遊技を進行させたい(早期に大当たり遊技を終わらせたい)と考える遊技者に対して、大当たり遊技の実行中に、多少の損失(10球に1球程度の割合の無駄球)を覚悟の上で、左打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。一方で、無駄球(損失)を可能な限り発生させたくないという遊技者に対して、大当たり遊技の期間が長くなることを覚悟の上で、右打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。よって、遊技者毎に、大当たり遊技の実行中において、好みの遊技性を選択させることができるので、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を実現することができる。なお、大当たりの各ラウンドは、ラウンド開始から30秒間が経過するか、或いは、30秒間が経過する前に10個以上の遊技球が特定入賞口65aへと入球した場合に終了される。大当たりの各ラウンドが開始してから遊技球を右打ちにより発射し始めたとしても、30秒間が経過するよりも前に10個の遊技球を、迂回役物700を通過させて特定入賞口65aへと入球させることができる(13秒~14秒程度で10個の遊技球を入球させることができる)。よって、右打ちを行った場合に、賞球面で不利となる(規定個数の遊技球が特定入賞口65aに入賞する前にラウンドが終了してしまう)ことを抑制できる。
次に、図126を参照して、本第10実施形態における大当たり遊技の実行中の表示態様について説明する。図126は、大当たり中における第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの表示態様の一例を示した図である。
図126に示した通り、本第10実施形態では、大当たりになると、主表示領域Dmにおける正面視左上側と、正面視右上側とに、略長方形形状の表示領域HR15,HR16が形成されると共に、表示領域HR15、および表示領域HR16の下方に、略長方形形状で表示領域HR15,HR16よりも面積が大きい表示領域HR17が形成される。表示領域HR15に対しては、左向きの矢印を模した画像が表示されると共に、「左打ちで高速モード」という文字と、「大当たりを素早く消化できるよ」という文字とが表示される。これらの表示内容により、大当たり中に左打ちを行うと、大当たりを比較的短い期間で消化することができる(大当たりが比較的高速で進行する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図126に示した通り、表示領域HR16に対しては、右向きの矢印を模した画像が表示されると共に、「右打ちで低速モード」という文字と、「大当たりをじっくり消化できるよ」という文字とが表示される。これらの表示内容により、大当たり中に右打ちを行うと、大当たりを比較的長い時間をかけて消化することができる(大当たりが比較的低速で進行する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図126に示した通り、表示領域HR17に対しては、大当たり中であることを示す各種の画像や情報が表示される。具体的には、図126に示した通り、表示領域HR17における中央部分に、金貨が大量に入っている宝箱を模した画像TBが表示されると共に、表示領域HR17の内部における右上側に、「大当たり」という文字が付された表示領域HR19が形成される。これらの表示内容によって、大当たり遊技の実行中であることを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域HR17の内部における左上側には、大当たりの進行状況(ラウンド数や、払い出された賞球数)を示す文字を表示するための表示領域HR18が形成される。図126の例では、「ROUND:01/16」という文字(現在のラウンド数と、最大のラウンド数との対比を示す情報)と、「GET:0000/1600」という文字(現在までの賞球の払い出し個数と、最大の払い出し個数との対比を示す情報)とが表示される。これらの表示領域HR18に表示される表示内容により、大当たりの進行状況を遊技者に対して容易に理解させることができる。
以上説明した通り、本第10実施形態では、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間が、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間よりも長くなるように構成している。加えて、本第10実施形態では、特定入賞口65aが開放されている場合において、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合を、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合よりも高くする構成としている。これらの構成により、スピーディーに大当たり遊技を進行させたい(より短い時間で多量の賞球を獲得したい)と考える遊技者に対して、大当たり遊技の実行中に、多少の損失(10球に1球程度の割合の無駄球)を覚悟の上で、左打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。一方で、無駄球(損失)を可能な限り発生させたくないと考える遊技者に対しては、大当たり遊技の期間が長くなることを覚悟の上で、右打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。よって、遊技者毎に、大当たり遊技の実行中において、好みの遊技性を選択させることができるので、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を実現することができる。
なお、本第10実施形態では、迂回役物700を可変表示装置ユニット80の右側に設けることで、右打ちにより発射された遊技球が可変入賞装置65へと到達するまでの期間を、左打ちにより発射された遊技球が可変入賞装置65へと到達するまでの期間よりも長くなるように構成していた。即ち、右打ちにより発射された遊技球が流下する際の経路長を、左打ちにより発射された遊技球が流下する際の経路長よりも長くすることにより、右打ちを行った方が、左打ちを行うよりも流下時間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路において、迂回役物700に代えて公知のクルーン手段を設ける構成としてもよい。このように構成することで、クルーン手段に到達してからクルーン手段を通過するまでの期間を長くすることができるので、右打ちにより発射された遊技球の流下時間を長くすることができる。また、例えば、迂回役物700に代えて、遊技球の流下を所定期間停止させる役物を可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路に設ける構成としてもよいし、ベース板60のうち、遊技盤13の右側を、左側よりも摩擦係数が高い物質(例えば、ゴム等の弾性体)で構成することにより、遊技盤13の右側を流下する遊技球の流下速度がベース板60との摩擦によって減速され易く構成してもよい。また、迂回役物700に代えて、可変表示装置ユニット80の左側の流路と、右側の流路とで釘の配置を異ならせることにより、右側の流路を流下した方が、左側の流路を流下した場合よりも遊技盤13における下方の領域(第1入球口64や可変入賞装置65が配置されている領域)に到達するまでの期間が長くなるように構成してもよい。
本第10実施形態では、大当たり中に第3図柄表示装置81において、左打ちを行った場合の遊技性と、右打ちを行った場合の遊技性とをそれぞれ表示領域HR15、および表示領域HR16に対して表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり中には、左打ちを促す画像のみを表示させる構成としてもよいし、右打ちを促す画像のみを表示させる構成としてもよい。左打ちを促す画像のみを表示させる構成とすることにより、大当たりを短時間で終了させることができるので、多量の賞球を短い時間で獲得させることができる。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。また、右打ちを促す画像のみを表示させる構成とすることにより、無駄球(特定入賞口65aに入球せずにアウト口66に入球してしまう遊技球)を減らすことができるので、1の大当たりにおける遊技者の利益をより大きくすることができる。
また、大当たり中に遊技者に対して発射方向を報知する場合において、大当たりの種別や、大当たり中に実行される演出の種別等に応じて、報知する発射方向を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、確変大当たりになった場合に、奇数の数字が付された主図柄(確変図柄)が揃う変動表示演出(確変大当たりになった場合のみ実行される演出態様)を実行するか、偶数の数字が付された主図柄(通常図柄)が揃う変動表示演出(通常大当たりとなった場合に必ず実行される演出態様)を実行するかを抽選により決定する構成とする。そして、通常大当たりとなるか、確変大当たりになり、且つ、抽選により通常図柄が揃う演出が決定された場合には、大当たり中に確変大当たりであるか否かを報知する演出を実行する構成とする。この場合において、確変大当たりであるか否かを報知するための演出態様(例えば、大当たりの最終ラウンドまで確変大当たりであるか否かが分からない態様の演出と、1ラウンド目の終了時に即座に報知される演出態様と、大当たりの各ラウンドのどこで報知されるか分からない演出態様とのいずれか)を、遊技者に対して選択させる(即ち、遊技者が操作可能なボタンやレバー等の操作手段を設け、操作内容に対応する演出態様を決定する)構成とした上で、当該演出態様の選択を1ラウンド目に実行してもよい。そして、演出態様を選択させるための時間をより長く確保するために、通常図柄が揃う変動表示演出により報知された大当たり(通常図柄報知の大当たり)の1ラウンド目においては、右打ちを示唆する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して演出態様を選択させるための期間をより長く確保することができるので、遊技者に対してより確実に好みの演出態様を選択させることができる。一方で、1ラウンド目において遊技者に何らの選択も促さない場合(例えば、確変図柄が揃う変動表示演出により大当たりが報知された場合)には、大当たり中に左打ちを報知する構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが終了するまでの期間を短くすることができるので、比較的短時間で多量の賞球の払出を受けることができる。
また、例えば、通常大当たりとなるか、確変大当たりになり、且つ、抽選により通常図柄が揃う演出が決定された場合に、大当たりの1ラウンド目において確変大当たりか否かを報知する演出を実行する構成とし、当該演出の中で、操作手段に対する操作を促す演出(操作演出)を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、操作手段として遊技者が押下可能なプッシュボタンを設ける構成とし、所定期間内にプッシュボタンを連続して押下するように促す演出を実行する。そして、プッシュボタンに対する押下回数に応じて、表示態様が可変する(例えば、インジケータのゲージが貯まっていく)構成とし、押下に連動して表示態様が特定の表示態様に可変する(例えば、ゲージがインジケータの最大まで貯まる)ことにより確変大当たりであることが報知される構成としてもよい。この場合において、通常大当たりとなるか、確変大当たりになり、且つ、抽選により通常図柄が揃う演出が決定された場合(操作演出が実行される場合)には大当たりの1ラウンド目に右打ちを報知する構成とすることで、1ラウンドのラウンド期間を比較的長くすることができるため、操作演出を行うための期間をより長く確保することができる。よって、操作演出の演出効果をより高めることができる。一方で、確変大当たりになり、且つ、抽選により確変図柄が揃う演出が決定された場合(操作演出が実行されない場合)には、1ラウンド目に左打ちを報知する構成とすることで、大当たりが終了するまでの期間を短くすることができる。よって、比較的短時間で多量の賞球の払出を受けることができる。
また、確変大当たりであるか否かの報知を行う際の演出態様を選択させるのに代えて、例えば、1ラウンド目において、大当たり遊技の実行中に再生される楽曲(音声による演出)の種別を選択可能に構成し、楽曲を選択するための期間(選曲期間)の間は少なくとも右打ちを報知する構成としてもよい。より具体的には、大当たりの1ラウンド目において、楽曲(音声による演出)の種別を選択するための選曲メニュー画面を第3図柄表示装置81に対して表示させる。この選曲メニュー画面には、パチンコ機10に設定されている複数(例えば、10個)の楽曲のそれぞれに対応する画像が表示される。また、パチンコ機10に対して、枠ボタン22に代えて、又は加えて、遊技者が操作可能なボタン等の操作手段を設ける構成とし、操作手段に対する操作内容に応じて選曲メニュー画面に表示されている1の画像を選択可能に構成する。例えば、選曲メニュー画面において、各楽曲に対応する画像を縦一列に配置させると共に、1の画像(例えば、中央に表示されている画像)が点灯した見た目となり、その他の画像が消灯した見た目となるように構成する。また、操作手段として、上移動に対応するボタン(上ボタン)と、下移動に対応するボタン(下ボタン)と、決定操作に対応するボタン(決定ボタン)との3種のボタンを設ける構成とする。そして、選曲期間中に上ボタンに対する押下を検出することで、押下直前まで点灯した見た目となっていた画像が消灯した見た目に切り替わると共に、1つ上側に配置されていた画像が点灯した見た目に切り替わるように構成する(点灯した見た目の画像が1つ分だけ上側に移動する)。また、下ボタンに対する押下を検出した場合も同様に、点灯した見た目の画像が1つ分だけ下側に移動するように構成する。更に、選曲期間中に決定ボタンに対する押下を検出することで、押下の時点で点灯した見た目となっている画像に対応する楽曲を、今回の大当たり中に再生させる楽曲として決定する構成とする。即ち、1ラウンド目の終了時から大当たりの最終ラウンドの終了まで再生させる楽曲として設定する。このように構成することで、大当たり中に遊技者の好みの楽曲を再生させることができるので、大当たり遊技中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
係る状況下において、大当たりの1ラウンド目において左打ちを報知する構成とした場合、1ラウンド目が比較的早期に終了してしまうため、選曲期間も短くなってしまう。このため、遊技者が好みの楽曲を上ボタン、および下ボタンに対する操作により選択し、決定ボタンにより再生を設定させるよりも前に選曲期間が終了してしまう可能性がある。これに対して選曲期間が設定される大当たり(楽曲を選択する演出の実行が決定されている大当たり)の1ラウンド目(選曲期間)の間に右打ちを報知する構成とすることにより、1ラウンド目のラウンド期間を比較的長い期間にすることができるので、遊技者が選曲メニュー画面の中から好みの楽曲を探して(対応する画像が点灯した見た目となるように上ボタンや下ボタンを操作して)決定する(決定ボタンを押下する)ための期間をより長く確保することができる。これにより、遊技者を焦らせることなく、好みの楽曲を確実に選択させることができるので、楽曲を選択する際における遊技者の利便性を高めることができる。また、選曲期間が設定されない大当たり(通常の大当たり演出が実行される大当たり)の1ラウンド目の間に左打ちを報知する構成とすることにより、遊技が間延びしてしまうことを防止し、スピーディーに大当たり遊技を消化させることができる。よって、大当たり中に実行される演出態様に応じて適切な発射方向を遊技者に対して報知することができる。
更に、1ラウンド目に選曲期間を設定する等、遊技者に対して操作手段に対する操作を促す演出(操作演出)が大当たりとなった場合における所定割合で実行される場合において、遊技者の過去の操作状況(操作履歴)に応じて1ラウンド目に報知する発射方向を可変させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、操作演出が設定された大当たりの1ラウンド目において遊技者が操作手段に対する操作を行ったか否かの情報(操作履歴)を記憶しておくことが可能に構成する。そして、操作演出が設定された大当たりを開始する場合には、記憶しておいた過去の操作履歴に基づき、過去の所定回数(例えば、5回)の操作演出が設定された大当たりに渡って遊技者が操作を行っていない場合には、左打ちを報知する構成とする一方で、所定回数以内の大当たりにおいて遊技者が操作を行っていた場合には右打ちを報知する構成としてもよい。即ち、操作演出が実行されても操作を行わない傾向の遊技者に対しては、左打ちを報知することにより大当たりの1ラウンド目をより早期に終了させることで短時間に多量の賞球を獲得できる遊技性を実現する一方、操作演出中に積極的に操作を行う傾向の遊技者に対しては、右打ちを報知することにより操作演出の実行期間を長期化し、操作演出において遊技者が操作手段に対する十分な操作を行うための期間を確保することができる。よって、遊技者の傾向に応じた遊技性を実現することができる。
本第10実施形態では、右打ちを行った方が、左打ちを行った場合よりも特定入賞口65aへの入球率が高くなる盤面構成とすることにより、右打ちの方が賞球面で若干有利となる構成としていたが、右打ちを賞球面で有利にするための構成は、これに限られるものではない。例えば、右打ちにより発射された遊技球と、左打ちにより発射された遊技球とで特定入賞口65aに入球する割合は同一としておく代わりに、特定入賞口65の右側(即ち、左打ちされた遊技球が入球困難となり、且つ、右打ちされた遊技球が入球可能となる位置)に、賞球数が比較的多い(例えば、15個)一般入賞口を設ける構成としてもよい。即ち、特定入賞口65aが開放されている状態において、左打ちされた遊技球は基本的に特定入賞口65aに入球し、一部の遊技球は特定入賞口65aへ入球できずにアウト口66に流下する一方で、右打ちされた遊技球は基本的に特定入賞口65aに入球し、一部の遊技球が一般入賞口へ入球する構成としてもよい。このように構成することで、右打ちを行った場合には、一般入賞口に入球して得られる賞球が、大当たりによる賞球(即ち、特定入賞口65aに遊技球が入球したことによる賞球)に加えて付与されるので、大当たり中に右打ちを行った方が賞球面で有利とすることができる。よって、より多くの賞球を獲得したいと考える遊技者に対して、大当たりの期間が長くなることを覚悟の上で、右打ちを行わせることができる。一方で、より短い期間で大当たりの賞球を獲得したいと考える遊技者に対しては、賞球面で右打ちよりも多少不利になることを覚悟の上で、大当たり中に左打ちを行わせることができる。
本第10実施形態では、大当たりとなった場合に、単に右打ちした場合の特徴と、左打ちした場合の特徴とを表示領域HR15、およびHR16に対して表示させる構成としていたが(図126参照)、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の所定箇所(例えば、可変表示装置ユニット80の左側の流路、および右側の流路の途中)に、右打ちされているのか、左打ちされているのかを検出可能なセンサ等の検出手段を設ける構成とし、検出手段による検出結果から遊技者が遊技球を発射している方向を判別する構成としてもよい。そして、判別した発射方向に応じて大当たり中の演出を可変させる構成としてもよい。例えば、右打ちを検出した場合には、表示領域HR15が消灯し、表示領域HR16が点灯した見た目とする一方で、左打ちを検出した場合には、表示領域HR15が点灯し、表示領域HR16が消灯した見た目とする構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して、自己の選択した発射方向によりどのような遊技性になるのかを容易に理解させることができる。
<第11実施形態>
次に、図127から図132を参照して、第11実施形態におけるパチンコ機10について説明を行う。上述した第10実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13において、可変表示装置ユニット80の左側に設けられた流路を遊技球が流下した場合よりも、右側に設けられた流路を遊技球が流下した場合の方が、遊技盤13の下方の領域(第1入球口64や、可変入賞装置65が配置されている領域)に到達するまでの時間が長くなり易くなるように、各流路の経路長や遊技球の流下方向等を構成していた。加えて、第10実施形態におけるパチンコ機10では、特定入賞口65aが開放されている場合(即ち、大当たり遊技の実行中)において、左打ちによって遊技球を発射した場合よりも、右打ちによって遊技球を発射した場合の方が高い割合で特定入賞口65aに入賞(入球)し易くなるような盤面構成の遊技盤13を採用していた。
これに対して第11実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり中に開閉される可変入賞装置として、可変入賞装置65に加えて、右確変入賞装置659が設けられている。この右確変入賞装置659の右確変入賞口659aは、大当たりの1ラウンド目において入球可能な開放状態に設定され、上述した第7実施形態における左確変入賞口655La、右確変入賞口655Raと同様に、大当たり中に遊技球が入球することで大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、可変入賞装置65の特定入賞口65aは、大当たりの2ラウンド目以降に開放され、遊技球が入球することで所定数の賞球のみが付与される。また、右確変入賞口659aは、左打ちを行った場合も、右打ちを行った場合も遊技球が到達し得る位置に配置されており、詳細については後述するが、1ラウンド目において左打ちをし続けると、右確変入賞口659aが入球可能な状態の間に確変入賞装置659に到達する遊技球の個数は多くなるものの、到達した遊技球が右確変入賞口659a入球する割合は低くなるように構成されている。一方で、1ラウンド目において右打ちをし続けた場合は、右確変入賞口659aが入球可能な状態の間に確変入賞装置659に到達する遊技球の個数は少なくなるものの、到達した遊技球が右確変入賞口659a入球する割合が高くなるように構成されている。これらによって、大当たりの1ラウンド目における遊技性を、遊技球の打ち出し方向に応じて異ならせることができるので、遊技者毎に、好みの遊技性(右確変入賞口659aへの入球率が低い代わりに到達する遊技球数が多くなる遊技性と、到達個数が少ない代わりに入球率が高くなる遊技性とのいずれか)を選択させることができる。
この第11実施形態におけるパチンコ機10が、第10実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が第7実施形態における各種制御処理と同一になるように変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第10実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第10実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図127を参照して、本第11実施形態における遊技盤13の構成について説明する。図127は、本第11実施形態における遊技盤13の正面図である。図127に示した通り、本第11実施形態における遊技盤13では、第10実施形態における遊技盤13(図124参照)に設けられていた曲面部材800に代えて、曲面部材810が設けられている点で相違している。この曲面部材810の斜面の一部には、図127に示した通り、確変入賞装置659が配置されている。
確変入賞装置659は、その略中央部分に横長矩形状の右確変入賞口659aが設けられている。この右確変入賞口659aは、通常時には開閉扉659f1によって閉鎖されており(即ち、入球が困難な状態に設定されており)、大当たりの1ラウンド目が開始されると、開閉扉659f1が大当たり種別毎に予め定められている開閉パターンで開閉される。言い換えれば、大当たりの1ラウンド目において右確変入賞口659aに入球可能な状態と、入球困難な状態とが特定の切り替えパターンで切り替えられる。そして、開閉扉659f1が開放されている間(右確変入賞口659aに入球可能な状態の間)に、遊技球が右確変入賞口659aへと入球すると、大当たりの終了後の遊技状態が、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される(大当たり終了時に確変フラグ203eがオンに設定される)。これに対し、1の大当たりにおいて一度も右確変入賞口659aへと遊技球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される(時短中カウンタ203fの値に100が設定される)。言い換えれば、大当たり中に右確変入賞口659aへと遊技球が一度も入球しなかった場合よりも、右確変入賞口659aへと遊技球が入球した場合の方が、遊技者にとって有利となる(大当たり終了後の遊技状態が有利となる)。
図127に示した通り、右確変入賞口659aは、曲面部材810の上面の曲面状の経路に沿って配置されているので、迂回役物700を通過して曲面部材810に落下した遊技球は、曲面部材810の上面に沿って転動することにより、容易に右確変入賞口659aに到達することができる。加えて、図127に示した通り、曲面部材810の上面における左端と、右確変入賞口659aの左端とは、略同一水平面上に配置されている。また、遊技盤13における左側の流路の下方に設けられている曲面部材820は、その上面における右端の高さが、曲面部材810の条件における左端の高さよりも高くなるように構成されている。そして、曲面部材820と曲面部材810の間には、図127に示した通り、曲面部材820から曲面部材810に向かって下る向きの傾斜を形成するように複数の釘が配置されている。これらの構成により、左打ちされて可変表示装置ユニット80の左側の流路を通過した遊技球が曲面部材820の上面に到達した場合は、曲面部材820の上面を転動して曲面部材820の右端に到達する。そして、曲面部材820の右端から正面視右方へと射出された遊技球は、曲面部材820と曲面部材810との間に植立されている釘と干渉しながら正面視右下方向へと流下し、曲面部材810の左端へと到達する。曲面部材810に対して左側から曲面部材810の上面に到達した遊技球は、曲面部材810の上面を正面視右方向に転動していくことにより、右確変入賞口659aまで容易に到達することができる。このため、大当たりの1ラウンド目においては、右打ちを行った場合も、左打ちを行った場合も確変入賞装置659に対して遊技球を到達させることができる。よって、大当たりの1ラウンド目において、好みの方向に遊技球を発射させることができる。
次に、図128を参照して、確変入賞装置659の構造についてより詳細に説明する。図128(a)は、確変入賞装置659の開閉扉659f1が閉鎖された状態(右確変入賞口659aに遊技球が入球困難な状態)における確変入賞装置659の正面斜視図であり、図128(b)は、確変入賞装置659の開閉扉659f1が閉鎖状態から開放状態に切り替わる(右確変入賞口659aに遊技球が入球困難な状態から入球可能な状態に切り替わる)途中の状態における確変入賞装置659の正面斜視図である。
図128(a)に示した通り、右確変入賞口659aが閉鎖されている状態において、右確変入賞口659aを閉鎖する開閉扉659f1の左端と、曲面部材810の上面のうち、確変入賞装置659よりも左側の部分(左床面810b)とは、ほぼ段差無く滑らかに繋がっている。一方、開閉扉659f1の右端には、正面視左方から転動してきた遊技球が開閉扉659f1の上面を通過して右方向へと転動して行くことを抑制するための凸部659g1が設けられている。この凸部659g1は、開閉扉659f1の上面に対して突出しているため、開閉扉659f1の左方から開閉扉659f1上を転動してきた遊技球は、凸部659g1によって転動を妨げられて転動が停止する。図128(a)に示した通り、開閉扉659f1の上面は正面視右上方向から左下方向に向かって下る向きに傾斜しているので、凸部659g1によって転動が妨げられた遊技球は、開閉扉659f1の上面を正面視左下方向に向けて流下する。そして、左床面810bを正面視左方向に転動して、曲面部材810の左端からアウト口66の方向へと落下する。なお、確変入賞装置659よりも右側から流下してきた(右床面810aに沿って転動してきた)遊技球は、右床面810の傾斜によって流下の勢いが強くなっているため、開閉扉659f1が閉鎖されている状態においては、凸部659g1を乗り越えて、アウト口66の方向まで流下させることができる。このように、確変入賞装置659を傾斜させて配置したことにより、開閉扉659f1が閉鎖されている期間において、遊技球が開閉扉659f1の上部に貯まってしまうことを抑制し、アウト口66へと流下させることができる。
図128(b)に示した通り、大当たりの1ラウンド目において、右確変入賞口659aが入球可能な状態に切り替わる場合には、右確変入賞口659aの上方を塞いでいた開閉扉659f1が、正面視左方向にスライド移動することにより、開閉扉659f1が開放される。図128(b)に示した通り、開閉扉659f1の開放途中においては、正面視右側から転動してきた遊技球が右確変入賞口659aへと入球することができるものの、正面視左側から転動してきた遊技球は凸部659g1に阻まれて右特定入賞口659に入球することが困難になる。なお、詳細については図129を参照して後述するが、開閉扉659f1が完全に開放されると、凸部659g1の上端と左床面810bとがほぼ同一の高さとなる(ほぼ滑らかに連結される)ので、確変入賞装置659に対して左側から転動してきた遊技球も凸部659g1を通過して右確変入賞口659aに入球することができるようになる。
次に、図129を参照して、確変入賞装置659の開閉扉659f1が閉鎖されている場合、および開放されている場合における、確変入賞装置659に到達した遊技球の流下方向について説明する。まず、図129(a)は、開閉扉659f1が完全に開放されている状態における確変入賞装置659、および曲面部材810の断面図である。図129(a)に示した通り、開閉扉659f1が完全に開放された状態では、開閉扉659f1の右端に設けられている凸部659g1の上端と、左床面810bとの高さが略同一となるので、確変入賞装置659に対して正面視左方向から転動してきた遊技球は、凸部659g1を容易に通過することができる。即ち、凸部659g1に妨げられることなく、右確変入賞口659aに対して容易に入球(入賞)することができる。また、確変入賞装置659に対して正面視右方向から転動してきた(右床面810aに沿って流下してきた)遊技球についても、右確変入賞口659aに対する入球(入賞)を妨げるものが存在しないため、容易に右確変入賞口659aに入球(入賞)することができる。
図129(b)は、開閉扉659f1が完全に閉鎖されている状態における確変入賞装置659、および曲面部材810の断面図である。図129(b)に示した通り、開閉扉659f1が閉鎖された状態においては、右確変入賞口659aが開閉扉659f1によって塞がれてしまうため、遊技球が入球不可能となる。この状態において、確変入賞装置659に対して正面視左方向から転動してきた遊技球は、開閉扉659f1が形成する右上方向に登る向きの傾斜により、左下方向に下る向きの重力が作用するため、転動の勢いが削がれる。また、開閉扉659f1の右端には、開閉扉659f1の他の部分よりも上方に突出した凸部659g1が設けられているため、仮に右方向へ向かう転動の勢いが強く、開閉扉659f1をほぼ登りきることができたとしても、凸部659g1によって右床面810a側に到達することが妨げられる。よって、開閉扉659f1の傾斜に沿って左下方向へと流下し、曲面部材810の左端からアウト口66に向けて落下する。
一方で、確変入賞装置659に対して正面視右方向から転動してきた遊技球は、右床面810aが成す傾斜によって凸部659g1を乗り越えるための十分な勢いが付加された状態となっているので、凸部659g1を乗り越えて開閉扉659f1を通過することができる。これにより、曲面部材810の左端からアウト口66に向けて落下させることができる。
次に、図130、および図131を参照して、大当たりの1ラウンド目における開閉扉659f1(右確変入賞口659a)の開放パターンについて説明する。ここで、本第11実施形態では、大当たりの1ラウンド目において、右確変入賞口659aが比較的長い期間入球可能な状態に設定される大当たり種別(大当たりA11)と、比較的短い期間入球可能な状態に設定される大当たり種別(大当たりB11)とが設けられている。入球可能な状態が長くなると、遊技球を右確変入賞口659aに入球させる機会が多くなるので、大当たり終了後の遊技状態が有利な状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)に設定される可能性が高くなる。よって、大当たりA11の方が、大当たりB11よりも遊技者にとって有利な(大当たり終了後の遊技状態が有利な状態になり易い)大当たり種別であると言える。以降、説明の簡略化のため、大当たりA11の1ラウンド目において設定される右確変入賞口659aの開放パターンを、V入賞可能な開放パターンと称し、大当たりB11の1ラウンド目において設定される右確変入賞口659aの開放パターンを、V入賞困難な開放パターンと称する。
図130(a)は、V入賞可能な開放パターン(大当たりA11の1ラウンド目で設定される開放パターン)が設定された場合における、右確変入賞口659aの状態の経時変化を示した図である。V入賞可能な開放パターンが設定されると、まず、1ラウンド目の開始から1.5秒間の間、右確変入賞口659aが閉鎖された状態に保たれる。そして、1.5秒経過時点において、右確変入賞口659aが閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。なお、図130(a)に示した通り、右確変入賞口659aの開放動作が開始されてから右確変入賞口659aが完全に開放された状態となるまでには0.3秒を要する。このため、1ラウンド目の開始から1.8秒経過時点で完全に開放された状態となる。この完全に開放された状態は0.2秒間継続し、0.2秒経過時(即ち、1ラウンド目の開始から2.0秒経過時)に右確変入賞口659aの閉鎖動作が開始される。この閉鎖動作は、開放動作と同様に、0.3秒間で完了する(1ラウンドの開始から2.3秒が経過すると完全に閉鎖される)。そして、右確変入賞口659aが完全に閉鎖されると、右確変入賞口659aが閉鎖された状態が0.5秒間継続する。そして、0.5秒間が経過すると(即ち、1ラウンド目の開始から2.8秒間が経過すると)、再度、右確変入賞口659aが開放される。この開放動作では、1回目の開放動作と同一の動作が繰り返される。即ち、0.3秒間かけて完全に開放され、開放された状態が0.2秒間維持され、0.3秒間かけて閉鎖される。
その後も、0.5秒間の完全に閉鎖された状態と、0.8秒間の開放動作(右確変入賞口659aが0.3秒間かけて完全に開放され、開放された状態が0.2秒間維持され、0.3秒間かけて閉鎖される一連の動作)とが繰り返される。この繰り返し動作により、V入賞可能な開放パターンでは、大当たりの1ラウンド目において、0.8秒間の開放動作が6回繰り返される。また、図130(a)に示した通り、最後の開閉動作は1ラウンド目の開始から8.0秒間が経過した後で実行される。ここで、本第11実施形態では、第10実施形態と同様に、可変表示装置ユニット80の右側の流路に、遊技球の流下時間を長くするための迂回役物700が配設されている。右打ちされた遊技球が迂回役物700を通過することにより、遊技盤13の下方の領域(第1入球口64や可変入賞装置65、確変入賞装置659が等配設されている領域)に到達するまでの期間が、第5実施形態と同様に7秒~8秒となる。よって、大当たりの1ラウンド目に右打ちを開始した場合は、ラウンドの開始から少なくとも7秒間以上の時間をかけて遊技球が確変入賞装置659に到達する。よって、右打ちを行った場合には、V入賞可能な開放パターンにおける最後の開放期間の開始時(1ラウンド目の開始から8秒間経過時)前後で遊技球が確変入賞装置659に到達する。このため、1ラウンド目に右打ちを行った場合は、6回の開放期間のうち、最後の開放期間でのみ、右確変入賞口659aに対して遊技球を入球させることができる可能性がある。
これに対して大当たりの1ラウンド目に左打ちをし続けた場合は、1秒間~2秒間程度で遊技盤13の下方の領域(第1入球口64や可変入賞装置65、確変入賞装置659が等配設されている領域)に遊技球が到達するので、1ラウンド目の開始時に即座に左打ちをすれば、1回目の開放期間から遊技球を特定入賞口650aに到達させることができる。即ち、右確変入賞口659aへと入球させる機会を最大で6回得ることができる。しかしながら、上述した通り、左側から右確変入賞口659aに向けて転動してきた遊技球は、右側から転動してきた遊技球に比べて1の開放期間(開放が開始されてから完全に閉鎖されるまでの0.8秒間)において、右確変入賞口659aに対して入球可能となる期間が短くなる。更に、左打ちを行った場合には、右打ちを行った場合に比較して確変入賞装置659に到達することができない遊技球が多くなる。即ち、曲面部材820と曲面部材810との間に植立されている複数の釘の間をすり抜けることにより、遊技球が曲面部材810に到達できずにアウト口66へ入球する場合や、第1入球口64に入球する場合がある。よって、V入賞可能な開放パターンが設定された場合には、1ラウンド目に左打ちを行うことにより、右確変入賞口659aが開放されている間に到達する遊技球の個数は多いが、入球する割合が低くなり、且つ、無駄球も多くなる遊技性となる。これに対し、大当たりの1ラウンド目に右打ちを行った場合には、右確変入賞口659aが開放されている間に到達する遊技球の個数は少ないが、入球する割合が高くなる遊技性となる。よって、1ラウンド目の遊技性を、遊技球の発射方向に応じて可変させることができるので、大当たりの1ラウンド目における遊技者の興趣を向上させることができる。なお、大当たりの1ラウンド目において右打ちを行った場合も、左打ちを行った場合も1ラウンドの間に遊技球が入球する可能性は略同一(例えば、約80%の割合)となるように、開放期間や盤面構成等が設定されている。
図130(b)は、V入賞が困難な開放パターン(大当たりB11の1ラウンド目で設定される開放パターン)が設定された場合における、右確変入賞口659aの状態の経時変化を示した図である。V入賞が困難な開放パターンが設定された場合には、図130(b)に示した通り、1ラウンド目の開始と同時に右確変入賞口659aが開放され、完全に開放された直後に閉鎖される。よって、左打ちを行った場合も、右打ちを行った場合も、右確変入賞口659aが開放されている間に右確変入賞口659aへと遊技球を入球させることは極めて困難になる(1ラウンドの間に遊技球が入球する可能性はほぼ0%となる)。このため、大当たりに当選した場合に、遊技者に対して、大当たり種別が大当たりA11になる(V入賞可能な開放パターンが設定される)ことを期待させることができる。
図131は、V入賞可能な開放パターンが設定された場合における1の開放期間の間の開閉扉659f1の状態をより詳細に示した図である。図131に示した通り、開放動作が開始されるまでの間は、開閉扉659f1によって右確変入賞口659aの上部が塞がれた状態になるので、右確変入賞口659aに対して遊技球が入球不可能となる(図131(a)参照)。そして、開閉扉659f1の開放開始タイミングになると、開閉扉659f1が正面視左方向にスライド移動することにより、曲面部材810の内部へと収納されていく。開放動作の開始から0.1秒間が経過すると、右確変入賞口659aのうち、上方を開閉扉659f1で塞がれていない部分の幅が、遊技球1個分以上の幅となる(図131(b)参照)。これにより、右方向から転動してきた遊技球が右確変入賞口659aへと入球可能となる。一方で、左方向から転動してきた遊技球は、開閉扉659f1のうち、曲面部材810の内部に収納されていない部分が形成する右上方向に上る向きの傾斜と、凸部659g1とにより、右確変入賞口659aへと入球することが妨げられる。即ち、左側から転動してきた遊技球は、開閉扉659f1が完全に閉鎖されている状態と同様に、右確変入賞口659aへの入球が不可能となる。この、右側から転動してきた遊技球が右確変入賞口659aへと入球可能となり、且つ、左側から転動してきた遊技球が入球不可能となる状態は、0.1秒間の間継続し、0.1秒間が経過すると(即ち、開放動作の開始から0.2秒間が経過すると)、開閉扉659f1のほとんどが曲面810の内部に収納される(凸部659g1と左床面810bの右端との間の幅が遊技球1個分未満となる)ことにより、左床面810bの右端に到達した遊技球が、開閉扉659f1の上面を介さずに、直接凸部659g1の上方を通過することが可能となる(図131(c)参照)。よって、確変入賞装置659に対して正面視左側から転動してきた遊技球についても、凸部659g1を通過して右確変入賞口659aに入球可能となる。即ち、右方向から転動してきた遊技球(右打ちにより発射された遊技球)も、左方向から転動してきた遊技球(左打ちにより発射された遊技球)も、共に右確変入賞口659aに入球可能な状態となる。以降は、開閉扉659f1が完全に開放されるまでの間、両方向(右側、および左側の両方)から転動してきた遊技球が右確変入賞口659aに入球可能な状態となる。
図131に示した通り、開放動作が開始されてから0.3秒間が経過すると、開閉扉659f1が曲面部材810の内部に完全に収納され、凸部659g1のみが外部に露出した状態(開閉扉659f1が完全に開放された状態)となる(図131(d)参照)。この完全に開放された状態は、上述した通り0.2秒間継続し、0.2秒間が経過すると、閉鎖動作が開始される。この閉鎖動作は、開放動作と逆の動作が同一の時間(即ち、0.3秒)をかけて実行される。このため、開放動作が開始されてから開閉扉659f1が再度閉鎖されるまでの間において、確変入賞装置659aに対して遊技球が入球可能となる期間は、右打ち時において、開放動作の開始から0.1秒経過時から、開閉扉659f1が完全に閉鎖される0.1秒前までの0.6秒間となる。一方、左打ち時においては、開放動作の開始から0.2秒経過時から、開閉扉659f1が完全に閉鎖される0.2秒前までの0.4秒間となる。即ち、左打ちを行った場合よりも、右打ちを行った方が、確変入賞装置659に到達した遊技球が入球する割合は高くなる。
このように、本第11実施形態では、右確変入賞口659aに対して遊技球が可能となる期間を、確変入賞装置659に対して右側から到達した遊技球であるか、左側から到達した遊技球であるかに応じて可変させる構成としている。これにより、確変入賞装置659に対して右側から遊技球が到達した場合には、右確変入賞口659aへと入球することをより強く期待させることができる。更に、本第11実施形態では、上述した通り、右打ちを行った場合よりも、左打ちを行った場合の方が、大当たりの1ラウンド目においてより多くの遊技球が確変入賞装置659に対して到達する構成となっている。よって、大当たりの1ラウンド目において左打ちを行った場合には、遊技球が右確変入賞口659aに入球し難いが、入球させる機会が多い遊技性を実現することができる一方で、右打ちを行った場合には、遊技球が左確変入賞口659aに入球し易いが、入球させる機会が少ない遊技性を実現することができる。よって、遊技球の発射方向により大当たりの1ラウンド目における遊技性を変更することができるので、1ラウンド目における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、開閉扉659f1の右端に凸部659g1を設けることで、左側から転動してきた遊技球が右確変入賞口659aへと入球可能となる期間を、右側から転動してきた遊技球が入球可能となる期間よりも短くする構成としていたが、必ずしも凸部659g1を設ける必要はない。凸部659g1を削除したとしても、開閉扉659f1が形成する右上方向に登る向きの傾斜によって、開閉扉659f1の開放動作の途中(例えば、図131(b)に示す配置)において左側から転動してきた遊技球が右確変入賞口659aに入球することを抑制することができる。
次に、図132を参照して、本第11実施形態における大当たりA11(V入賞可能な開放パターンが設定される大当たり)の1ラウンド目における表示態様について説明する。図132は、大当たりA11の1ラウンド目において第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図である。図132に示した通り、大当たりA11の1ラウンド目が開始されると、第3図柄表示装置81の表示画面における表示領域HR15に対して、「左打ちで数打ちゃ当たるモード」という文字と、「到達数は多いけどVに入りにくいよ!」という文字と、左向きの矢印を模した画像とが表示される。これらの表示内容により、左打ちを行うと、確変入賞装置659に対して遊技球をより多く到達させることができる一方で、右確変入賞口659aに遊技球が入球し難くなる(V入賞し難くなる)遊技性になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図132に示した通り、表示領域HR16に対して、「右打ちで一撃必殺モード」という文字と、「到達数は少ないけどVに入り易いよ!」という文字と、右向きの矢印を模した画像とが表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うと、確変入賞装置659に到達する遊技球が少なくなる一方で、右確変入賞口659aに遊技球が入球し易くなる(V入賞し易くなる)遊技性になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図132に示した通り、第3図柄表示装置81における表示領域HR17には、確変入賞装置659、および曲面部材810を模した画像が表示される。また、右確変入賞装置659の正面視手前側には、アルファベットの「V」を模した装飾が施された状態が表示されると共に、表示領域HR17における正面視左上側には、「Vを狙え!!」という文字が表示された表示領域HR20が表示される。これらの表示内容により、「V」という文字を模した装飾が施されている確変入賞装置659に対して遊技球を入球させることにより、遊技者にとって有利な結果になること(大当たり終了後に特別図柄の確変状態となること)を遊技者に対して容易に理解させることができる。
加えて、図132に示した通り、表示領域HR17に対しては、確変入賞装置659を模した画像に対して正面視左側、および右上側に、それぞれ確変入賞装置659の方向を向いた矢印の画像が表示されている。確変入賞装置659を模した画像に対して正面視左側に表示されている矢印の画像には、「数打ちゃ当たる」という文字が付されており、正面視右上側に表示されている矢印の画像には、「一撃必殺」という文字が付されている。これらの表示内容により、遊技者が表示領域HR15の表示内容に従って左打ちを行った(数打ちゃ当たるモードを選択した)場合には、右確変入賞装置659に対して正面視左方向から遊技球が転動してくるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、遊技者が表示領域HR16の表示内容に従って右打ちを行った(一撃必殺モードを選択した)場合には、右確変入賞装置659に対して正面視右上方向から遊技球が転動してくるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、いずれの方向に注目すれば右確変入賞口659aに遊技球が入球するかどうかを確認できるのかということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
以上説明した通り、第11実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中(特別遊技状態中)に遊技球が入球することで遊技者に対して特典(賞球)が付与される可変入賞装置として、可変入賞装置65と、右確変入賞装置659との2種類を設ける構成としている。右確変入賞装置659の右確変入賞口659aは、大当たりの1ラウンド目において入球可能な開放状態に設定され、大当たり中に遊技球が入球することで、賞球に加え、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与される。よって、右確変入賞口659aに遊技球が入球するか否かによって、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利となるか否かが変わるので、大当たりの1ラウンド目において右確変入賞口659aへと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができる。
右確変入賞口659aは、左打ちを行った場合も、右打ちを行った場合も遊技球が到達し得る位置に配置されており、1ラウンド目において左打ちをし続けると、右確変入賞口659aが入球可能な状態の間に右確変入賞装置659に到達する遊技球の個数は多くなるものの、到達した遊技球が右確変入賞口659a入球する割合は低くなるように構成されている。一方で、1ラウンド目において右打ちをし続けた場合は、右確変入賞口659aが入球可能な状態の間に右確変入賞装置659に到達する遊技球の個数は少なくなるものの、到達した遊技球が右確変入賞口659a入球する割合が高くなるように構成されている。即ち、所定期間(1ラウンドの開放パターンが終了するまでの期間)の間に右確変入賞装置659に到達する遊技球の個数(右確変入賞口659aへと入賞させる機会の多さ)の面(要素)は、右打ちよりも左打ちの方が有利となるように構成している。また、右確変入賞装置659に対する入球し易さ(入球率)の面(要素)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるように構成している。これらによって、大当たりの1ラウンド目における遊技性を、遊技球の打ち出し方向に応じて異ならせることができるので、遊技者毎に、好みの遊技性(右確変入賞口659aへの入球率が低い代わりに到達する遊技球数が多くなる遊技性と、到達個数が少ない代わりに入球率が高くなる遊技性とのいずれか)を選択させることができる。よって、より多くの遊技者の趣向に適合する遊技性を実現できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、大当たりの所定期間(1ラウンド目)において、右打ちを行った場合には、左打ちを行った場合に比較して入球率の面で有利になる(右確変入賞装置659に到達した遊技球が右確変入賞口659aに入球し易くなる)構成とする一方で、左打ちを行った場合には、右打ちを行った場合に比較して到達個数の面で有利になる(より多くの遊技球が右確変入賞装置659に到達し易くなる)構成としていた。これにより、右打ちを行った場合と、左打ちを行った場合とで有利な面、および不利な面を異ならせる構成とすることにより、右打ちを行うか、左打ちを行うかを遊技者に選択させることができる遊技性を実現していたが、右打ちと左打ちとの優位性の違いはこれに限られるものではない。例えば、左打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(右打ちを行うと入球困難な)位置に、開放時間が短い(例えば、最大1秒間)が、遊技球の入球を検出した場合に付与される賞球が多い(例えば、入球1回あたり15個)特定入賞口を設け、右打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(左打ちを行うと入球困難な)位置に、開放時間が長い(例えば、最大5秒間)が、付与される賞球が少ない(例えば、入球1回あたり3個)特定入賞口を設ける構成としてもよい。そして、ラウンド毎に、開放される特定入賞口を交互に切り替える構成とし、ラウンド間のインターバルを極端に短くする(例えば、0.1秒にする)構成としてもよい。このように構成することで、大当たり中に左打ちをし続けた場合は、特定入賞口へと入球する遊技球の個数が少なくなり易いが、特定入賞口へ入球した場合に付与される賞球が多くなる遊技性を実現することができる。一方、大当たり中に右打ちをし続けた場合には、特定入賞口へとより多くの遊技球が入球し易いが、特定入賞口へ入球した場合に付与される賞球が少なくなる遊技性を実現することができる。よって、遊技者に対して好みの遊技性を選択して遊技を行わせることができる。また、例えば、左打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(右打ちを行うと入球困難な)位置に、可変入賞装置65を設け、右打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(左打ちを行うと入球困難な)位置に、右確変入賞装置659を設ける構成とし、1の大当たりにおいて右確変入賞装置659が開放される期間を、可変入賞装置65が開放される期間よりも短くなるように構成してもよい。即ち、1の大当たりにおいて右打ちをし続けると、右確変入賞口659aへと入球して大当たり後に確変状態が付与される可能性が高くなる一方で、得られる賞球が少なくなる構成とし、左打ちをし続けると、特定入賞口65aに多くの遊技球が入球することで多量の賞球を獲得可能となる一方で、右確変入賞口659aへと入球させることが困難になることで大当たり後の遊技状態が不利となる構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり中の発射方向毎に、優位性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この場合において、可変入賞装置65(入球に対して賞球のみが付与される可変入賞装置)と、右確変入賞装置659(入球に対して賞球が付与される上に確変状態も付与される可変入賞装置)との位置関係を逆にしてもよい。また、右打ちの方が有利な面(要素)と、左打ちの方が有利な面(要素)とを設定するのは、大当たりの1ラウンド目に限られるものではない。例えば、通常遊技中において、右打ちよりも左打ちの方が有利となる要素と、左打ちよりも右打ちの方が有利となる要素とを設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、左打ちで発射された遊技球が入球可能な左入球口と、右打ちで発射された遊技球が入球可能な右入球口とを設ける構成とし、いずれかの入球口に遊技球が入球した場合に特別図柄の抽選を実行する構成とする。そして、普通図柄の時短状態では、右打ちで右入球口を狙って遊技を行うことにより、左打ちよりも遊技効率の面で有利となる一方で、左打ちを行うと、遊技効率の面では右打ちよりも不利になるが、大当たりに当選した場合に右打ちよりも有利な大当たり種別(ラウンド数、または有利状態の継続率の面で有利になる種別)が選択され易くなる構成としてもよい。
本第11実施形態では、大当たりの所定期間(1ラウンド目)において、右打ちを行った場合には、左打ちを行った場合に比較して右確変入賞装置659に到達した遊技球が右確変入賞口659aに入球し易くなる構成とする一方で、左打ちを行った場合には、右打ちを行った場合に比較してより多くの遊技球が右確変入賞装置659に到達し易くなる構成としていた。これに加えて、大当たりの1ラウンド目における遊技球の発射方向を検出可能なセンサ等を遊技盤13に設ける構成としてもよい。そして、センサによって検出した発射方向に応じて、対応する演出を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、左打ちを検出した場合には、1ラウンド目の表示態様(図132参照)として、表示領域HR15が点灯し、表示領域HR16が消灯した見た目の表示態様とする一方で、右打ちを検出した場合には、表示領域HR16が点灯し、表示領域HR15が消灯した見た目の表示態様となるように設定してもよい。このように構成することで、遊技者に対して自己が選択した遊技性をより容易に理解させることができる。
本第11実施形態では、右確変入賞装置659の開閉扉659f1が正面視左方向にスライドすることで開放される構成とすることにより、右確変入賞装置659に対して右側から転動してきた遊技球の方が、左側から転動してきた遊技球よりも入球可能となる期間が長くなるように構成していたが、開閉扉659f1の形状および動作内容はこれに限られるものではない。例えば、開閉扉659f1は、正面視手前側から奥側に向けて開放される構成としてもよい。そして、開閉扉659f1における正面視右手前側の長さを、遊技球1個分以上、正面視左手前側の長さよりも短く構成してもよい。即ち、開閉扉659f1が正面視奥側に収納されていく際に、開閉扉659f1における左側よりも右側の方が早く遊技球が入球可能な状態となり、且つ、開閉扉659f1が閉鎖される際は、開閉扉659f1が正面して前側に突出していく際に、開閉扉659f1における左側の方が早く遊技球が入球不可能な状態となるように構成してもよい。このように構成した場合も、上述した第11実施形態と同様に、右確変入賞装置659に対して右側から転動してきた遊技球の方が、左側から転動してきた遊技球よりも入球可能となる期間が長くなるように構成することができる。
本第11実施形態では、盤面構成によって物理的に、右打ちよりも左打ちの方が有利となる面(即ち、右確変入賞装置659に到達した遊技球が右確変入賞口659aへと入球する割合)と、左打ちよりも右打ちの方が有利となる面(即ち、1ラウンド中に右確変入賞装置659へと到達可能な遊技球の個数)とを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、制御的に実現しても良い。より具体的には、例えば、右打ちを行っても、左打ちを行っても遊技球の到達割合が同等となる位置に右確変入賞口659aを設ける。そして、大当たりの1ラウンド目において、遊技者が右打ちを行ったか、左打ちを行ったかを検出可能に構成し、右打ちを行っていると検出した場合と、左打ちを行っていると検出した場合とで開放パターンを異ならせる構成としてもよい。即ち、右打ちを検出した場合は、右確変入賞口659aの開放回数は少ないが、各開放の開放期間が比較的長い開放パターンで右確変入賞口659aを開放させる一方で、左打ちを検出した場合は、右確変入賞口659aの開放回数が比較的多い一方で、各開放の開放期間が比較的短い開放パターンで右確変入賞口659aを開放させる構成としてもよい。また、遊技球の発射方向ではなく、ボタン等の操作手段を操作することにより、大当たりの遊技性を遊技者に選択させる構成としてもよい。
<第12実施形態>
次に、図139から図151を参照して、第12実施形態におけるパチンコ機10について説明を行う。上述した第6実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中に入球可能な状態が設定される2つの特定入賞口(左特定入賞口650La、右特定入賞口650Ra)を対向させて配置させると共に、特定入賞口の間に、各特定入賞口に対応する可動部材をそれぞれ配置させ、対応する可動部材を突出させることにより、対応する特定入賞口へと向かって下る向きの傾斜を形成する構成としていた。
これに対して本第12実施形態におけるパチンコ機10では、左特定入賞口650Laに代えて、第1入球口64と同一の性能を有する左第2入球口640Lを設ける構成としている。即ち、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとを対向させて配置させる構成とした。そして、普通図柄の当たりとなった場合には、第6実施形態における可動部材650Lbに代えて設けられている電動役物640Laを突出動作させることにより、左第2入球口640Lへと向かって下る向きの傾斜を形成する構成としている。
また、本第12実施形態では、大当たり遊技の実行中における特定のタイミングで普通図柄の当たりになると、当該大当たり遊技において通常よりも多くの賞球を獲得することが可能となる特別な状態を形成する。より具体的には、大当たりの各ラウンドにおいて、右特定入賞口650Raへと遊技球が8個または9個入球した状態(即ち、各ラウンドの上限の入賞個数である10個に対する残りの入球回数が2個以下の状態)で普通図柄の当たりとなり、電動役物640Laが突出位置に可動すると、普通図柄の当たりに基づく開放期間(2秒間)の間、電動役物640Laと、可動部材650Rbとの両方が突出された状態となり、右特定入賞口650Raにも、左第2入球口640Lにも遊技球が誘導されない代わりに、電動役物640Laと、可動部材650Rbとの交差位置周辺に対して遊技球を貯留(蓄積)させることが可能になる。この状態で電動役物640Laが閉鎖されると(即ち、普通図柄の当たりに基づく開放期間が経過すると)、貯留(蓄積)されていた遊技球が可動部材650Rbにより右特定入賞口650Raへと誘導されることにより、当該ラウンドの規定個数を超えて遊技球を右特定入賞口650Raへと入球させることが可能となる。
この第12実施形態におけるパチンコ機10が、第6実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、左特定入賞口650Laに代えて左第2入球口640Lが設けられている点、可動部材650Lbに代えて電動役物640Laが設けられている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第6実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図139を参照して、本第12実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図139は、本第12実施形態における遊技盤13の正面図である。図139に示した通り、本第12実施形態では、第6実施形態における可変表示装置ユニット80の左側の流路に設けられていた普通入球口(スルーゲート)67が削除されていると共に、右側の流路に設けられている普通入球口(スルーゲート)67の見た目の態様が第6実施形態から変更されている。より具体的には、図139に示した通り、「GO」という文字を模した装飾が施された態様に変更されている。また、本第12実施形態における遊技盤13では、第6実施形態における左特定入賞口650Laに代えて、左第2入球口640Lが設けられている。また、第1入球口64に付随して設けられていた電動役物64が削除されていると共に、可動部材650Lbに代えて、電動役物640Laが設けられている点で相違している。普通図柄の当たりになると、この電動役物640Laが突出位置に所定期間(2秒間×1回、または2秒間×2回)配置されることにより、特定領域(第1入球口64の下方の領域)に到達した遊技球が左第2入球口640Lへと入球し易い状態を形成する。
本第12実施形態では、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)になると、右打ちにより遊技を行うことを遊技者に報知するための画像(右打ち報知画像)が第3図柄表示装置81に対して表示される。普通図柄の時短状態(時短遊技状態、確変遊技状態)において、右打ち報知画像を表示させるのは、盤面構成上、左打ちされて特定領域に到達した遊技球よりも右打ちされて特定領域に到達した遊技球の方が、左第2入球口640Lへと入球するまでの期間が短いためである。遊技球の発射方向と入球するまでの期間との対応関係については、上述した第7実施形態において図95を参照して説明した内容であるので、ここでは簡単に説明するが、電動役物640Laが突出位置に配置された状態で、右打ちされて特定領域に右方向から到達した遊技球は、電動役物640Laの右上側から左下側へと下る向きの傾斜に沿って転動し、比較的短い期間で左第2入球口640Lへと入球する。これに対し、電動役物640Laが突出位置に配置された状態で、左打ちされて特定領域に左方向から到達した遊技球は、電動役物640Laが形成する傾斜とは逆方向に進行する(傾斜を登る向きに転動する)。その後、重力によって転動の勢いが削がれ、傾斜を登る向きの運動量が0になると、電動役物640Laが形成する傾斜に沿って左第2入球口640Lへと誘導される。つまり、右打ちされて特定領域に右方向から到達した遊技球に対して、左打ちされて左方向から到達した遊技球は、一旦傾斜を登ってから傾斜を下り始めるまでの間の期間が余分にかかるので、左第2入球口640Lに到達するまでの間の期間が長くなり易い。このため、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態において左打ちを行うと、普通図柄の当たりとなったことに基づく開放期間(電動役物640aが突出位置に配置される期間)の間に特定領域に到達した遊技球が、開放期間の終了までに電動役物640Laの形成する傾斜を下りきって左第2入球口640Lへと入球することが困難になる可能性がある。よって、本第12実施形態では、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態の間、右打ち報知画像を表示させることにより、遊技者に対して右打ちにより遊技を行うことを促す構成としている。このように構成することで、遊技者に対して普通図柄の時短状態の間、右打ちを行わせることができるので、普通図柄の当たりに基づく開放期間の間に特定領域に到達した遊技球を、より短い期間で左第2入球口640Lへと誘導することができる。よって、普通図柄の時短状態における遊技をより効率的に行わせることができる。
一方、普通図柄の時短状態が設定されない遊技状態においては、大当たり遊技の実行中も含め、特に発射方向の指定を行わないように構成している。大当たりの各ラウンドでは、ラウンド開始から30秒間が経過するよりも前に規定個数(10個)の遊技球を入球させることができれば、同じ個数の賞球を獲得することができる。ここで、遊技球は最短で0.6秒間隔で発射することができるので、10個の遊技球を発射するのに要する期間は6秒前後である。また、左打ちにより発射されて左方向から可動部材650Rbに到達した遊技球が、可動部材650Rbの形成する右下方向に向かう向きの傾斜を流下して右特定入賞口650Raへと入球するまでの期間は1秒程度となり、右打ちにより発射されて右方向から可動部材650Rbに到達した遊技球が、可動部材650Rbの形成する右下方向に向かう向きの傾斜を流下して右特定入賞口650Raへと入球するまでの期間は3秒程度となる。このため、大当たり遊技の実行中に右打ちを行ったとしても、左打ちを行ったとしても、遊技球を連続して発射し続ければ、10秒前後で10個以上の遊技球を右特定入賞口650Raへと入球させることができる。よって、発射方向にかかわらず、規定個数(10個)の遊技球を規定時間(30秒間)以内に右特定入賞口650Raへと入球させることができる。
なお、大当たり遊技の実行中であっても、普通入球口(スルーゲート)67を遊技球が通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選で当たりになると、電動役物640Laが突出位置へと可動される。即ち、可動部材650Rbと、電動役物640Laとが共に突出位置に配置された状態となる。この場合、可動部材650Rbと、電動役物640Laとが、それぞれの中間位置で交差した状態になるので、特定領域に到達した遊技球が、可動部材650Rbの上半分と、電動役物640Laの上半分とによって形成される領域内で滞留し易くなる状態を形成する。即ち、右特定入賞口650Raにも、左第2入賞口640Laにも遊技球を誘導することができない状態となる。この状態は、いずれの入球口(左第2入球口640L、右特定入賞口650Ra)にも遊技球が入球できない状態であるため、基本的には遊技者にとって不利な状態といえる。しかしながら、電動役物640Laが突出位置に配置されるタイミングによっては、遊技者にとって有利な状態にもなり得る。電動役物640Laが突出位置に配置されるタイミングと、遊技者の有利度合いとの関係について、図140を参照して詳述する。
図140(a)は、大当たりにおけるラウンド期間中(可動部材650Rbが突出位置に可動されている期間中)において、普通図柄の当たりとなって(即ち、左第2入球口640Lの開放期間が開始されて)電動役物640aが突出位置に可動された状態を示した図である。図140(a)に示した通り、電動役物640Laと、可動部材650Rbとの両方が突出位置に配置された状態になると、電動役物640Laと、可動部材650Rbとが交差することにより、お互いに一方が成す傾斜を中間位置付近で妨げ合う(堰き止め合う)状態となる。言い換えれば、電動役物640Laと、可動部材650Rbとが交差する位置に向けて、左右両側から下る向きの傾斜を形成した状態となる。これにより、特定領域に到達した遊技球は、電動役物640Laの上半分(右半分)と、可動部材650Rbの上半分(左半分)とに妨げられて左第2入球口640Lにも、右特定入賞口650Raにも入球不可能な状態となるので、電動役物640La、および可動部材650Rbのうち少なくとも一方が没入位置(埋没位置)に可動するまで遊技球が特定領域に残存し続ける。この状態(電動役物640Laと、可動部材650Rbとが共に突出位置に配置されている状態)となっている間は、特定領域に到達した遊技球がいずれの入球口へも入球することができない状態となるため、電動役物640Laと、可動部材650Rbとのうち一方のみが突出位置に配置されている状態に比較して、遊技者にとって不利な状態であると言える。なお、以降の説明では、簡略化のため、電動役物640Laと、可動部材650Rbとが共に突出位置に配置されている状態(大当たりのラウンド期間と普通図柄の当たりに伴う開放期間とが重複した状態)のことを、「突出重複状態」と称する。
突出重複状態で遊技球を特定領域に向けて発射し続けると、複数の遊技球が電動役物640Laの上半分と、可動部材650Rbの上半分とによって形成される領域(上部領域)に貯留(停留)される。複数の遊技球が上部領域に貯留(停留)された状態で、電動役物640La、および可動部材650Rbのうち少なくとも一方が没入位置(埋没位置)に可動することで、貯留(停留)されていた遊技球がいずれかの入球口に向けて流下する。以下、重複突出状態において先に没入位置(埋没位置)に可動した部材の種別(電動役物640La、可動部材650)毎に、上部領域に貯留(停留)されていた遊技球の流下経路を説明する。
図140(b)は、突出重複状態となった後で、普通図柄の当たりに伴う開放期間よりも先に大当たりのラウンドが終了して可動部材650Rbが没入位置(埋没位置)に可動した場合を示した図である。なお、先に大当たりのラウンドが終了する場合とは、例えば、大当たりのラウンドが開始されてから30秒間が経過する直前(例えば、29秒経過時)に普通図柄の当たりとなって電動役物640Laが突出位置に可動された場合や、普通図柄の当たりとなる直前に10個目の遊技球が可動部材650Rbの中間位置よりも下流側に転動し、普通図柄の当たりとなった直後に10個目の遊技球が右特定入賞口650Raへと入球した場合等である。
突出重複状態において、先に可動部材650Rbが没入位置(埋没位置)に可動すると、上部領域に貯留(停留)されていた遊技球は、電動役物640Laが形成する傾斜により、左第2入球口640Lへと誘導される。これにより、複数の遊技球がまとめて左第2入球口640Lへと入球する。なお、左第2入球口640Lへと入球した場合に付与される賞球数は1個に設定されているので、入球した分の個数の遊技球がそのまま賞球として返ってくるに過ぎず、持ち球が増加することはない。つまり、右特定入賞口650Raへと遊技球を入球させた場合(1個の入球に対して10個の賞球が付与される場合)よりも有利度合いが少なくなる。特に、ラウンドが開始されてから30秒間が経過する直前に電動役物640Laが突出位置に可動され、電動役物640Laが没入位置に可動されるよりも前に可動部材650Rbが没入位置に可動された場合は、当該ラウンドにおける規定個数(10個)未満の個数しか右特定入賞口650Raへと入球させることができなくなってしまったことになるので、電動役物640Laが突出位置に可動されなかった場合よりも、獲得できる賞球数の面で不利となる。
図140(c)は、突出重複状態となった後で、大当たりのラウンドが終了するよりも先に普通図柄の当たりに伴う開放期間が終了して、電動役物640Laが没入位置(埋没位置)に可動した場合を示した図である。なお、先に普通図柄の当たりに伴う開放期間が終了する場合とは、大当たりのラウンドが開始されてから28秒間が経過するよりも前で、且つ、右特定入賞口650Raに対して規定個数(10個)の遊技球が入球していない状態において普通図柄の当たりになった場合である。この場合、上部領域に貯留(停留)されていた遊技球は、可動部材650Rbが形成する傾斜により、右特定入賞口650Raへと誘導される。このため、複数の遊技球が連続して右特定入賞口650Raへと入球することになるので、特に、当該ラウンドで既に右特定入賞口650Raへと入球済みの遊技球の個数と、上部領域に貯留されている遊技球の個数との合計が規定個数を上回っている場合、電動役物640Laが没入位置に可動することで規定個数以上の遊技球を入球させることができる。即ち、1のラウンドにおける規定個数分以上の入球に対する賞球を払い出させることができるので、より多くの賞球を獲得することができる。よって、大当たり中に獲得できる賞球数が通常よりも多くなるため、遊技者にとって有利となる。
ここで、本第12実施形態では、大当たり中に普通図柄の当たりになると、電動役物640Laに対して「2秒間×1回」の開放パターンが設定される。遊技球の最短の発射間隔は0.6秒間なので、電動役物640Laが突出位置に配置される2秒間の間に遊技球を3個前後上部領域へと到達させることができる。よって、右特定入賞口650Raへと遊技球が8個または9個入球した状態で電動役物640Laが突出位置に配置された場合、高い確率で各ラウンドの規定の入球個数である10個を上回る個数の遊技球を右特定入賞口640Laへと入球させることができる。以降の説明では、簡略化のため、各ラウンドの規定の入球個数である10個を上回る個数の遊技球を右特定入賞口640Laへと入球させることを、「オーバー入賞させる」と称する。本第12実施形態では、普通図柄の当たりになったと仮定した場合にオーバー入賞が発生し易くなる普通入球口(スルーゲート)67に対する通過タイミングを遊技者に報知する演出(右打ちナビ演出、図141(a)参照)を実行可能に構成している。この右打ちナビ演出に従って遊技球をスルーゲート67に通過させ、狙い通りに普通図柄の当たりになれば、オーバー入賞を発生させ易い状態(図140(c)参照)となるので、大当たり遊技に対する遊技者の興趣をより向上させることができる。なお、遊技者が右打ちナビ演出に従って右打ちを行い、スルーゲート67に遊技球を通過させた結果、普通図柄の当たりとなった場合は、当該普通図柄の当たりが開始された(電動役物640Laが突出位置に可動された)ことに基づいて、上部領域へと遊技球を貯留することを促す演出(貯留演出、図141(b)参照)が実行される。この貯留演出により、遊技者がより容易にオーバー入賞を狙うことができる。
なお、図示については省略したが、電動役物640Laと、可動部材650Rbとがほぼ時間差無く没入位置(埋没位置)に可動した場合は、上部領域に貯留(停留)されていた遊技球が左第2入球口640L、および右特定入賞口650Raのいずれにも入球することができず、遊技盤13の下方に設けられたアウト口66へと流下する。このため、電動役物640Laと、可動部材650Rbとが時間差無く(例えば、0.5秒間以内に)没入位置に可動する動作を行った場合、賞球を獲得することができず、且つ、保留球が増えることもないため、遊技者にとって最も不利となる。
次に、図141(a)を参照して、上述した右打ちナビ演出の詳細について説明する。図141(a)は、右打ちナビ演出が発生した場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図141(a)に示した通り、大当たりのインターバル期間においては、主表示領域Dmにおける表示領域HR8の下方に横長略長方形形状の表示領域HR21が形成されると共に、表示領域HR9の下方に縦長略長方形形状の表示領域HR22が形成される。図141(a)に示した通り、表示領域HR21の内部には、「右打ちしてGOを通せ!!」という文字が表示される。また、表示領域HR22の内部には、スルーゲート67を模した画像と、そのスルーゲート67を模した画像を通過する向きの矢印を模した画像とが表示されると共に、矢印を模した画像の内側に「通せ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、スルーゲート67を遊技球が通るように右打ちを行えば何らかの利点があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本実施形態では、インターバル期間として設定される2秒間のうち、前半の1秒間の間、右打ちナビ演出を実行する構成としている。この1秒間の間に右打ちを行い、当該右打ちされた遊技球がスルーゲート67を通過した場合、8個~9個の遊技球が右特定入賞口650Raへと入球した状態で普通図柄の変動時間が経過する可能性を高めることができる。即ち、普通図柄の抽選で当たりになっていれば、8個~9個の遊技球が右特定入賞口650Raへと入球した状態で電動役物640Laが突出位置に配置される可能性が高くなるように構成している。上述した通り、8個~9個の遊技球が右特定入賞口650Raへと入球した状態で電動役物640Laが突出位置に可動すると、可動部材650Rbと電動役物640Laとの両方が突出位置に配置された突出重複状態となる。この突出重複状態の間に遊技球を発射し続けると、上部領域に対して3個前後の遊技球を貯留(停留)させることができる。この状態で開放期間(2秒間)が経過し、電動役物640Laが没入位置に可動すると、貯留されていた遊技球がまとめて右特定入賞口650Raに誘導されるので、オーバー入賞が発生する可能性が高くなる。よって、狙い通りにオーバー入賞が発生した場合には、遊技者の興趣をより向上させることができる。
なお、本第12実施形態において、普通図柄の当たりとなる確率は1/10である。即ち、右打ちナビ演出に従って右打ちを行うと、平均して10回に1回の割合で、8個~9個の遊技球が右特定入賞口650Raへと入球した状態で突出重複状態にすることができる。突出重複状態の間には、上述した通り、3個前後の遊技球を上部領域に貯留することができるので、電動役物640Laが没入位置に可動すると、平均して3個の遊技球が一度に右特定入賞口650Raへと入球する。8個の遊技球が右特定入賞口650Raに入球済みの状態で、追加で3個の遊技球が入球すると、規定個数(10個)よりも1個余分に遊技球が右特定入賞口650Raへと入球することになるので、払い出される賞球数が通常(規定個数の入球に対して払い出される賞球数)よりも10個多くなる。また、9個の遊技球が右特定入賞口650Raに入球済みの状態で、追加で3個の遊技球が入球すると、規定個数(10個)よりも2個余分に遊技球が右特定入賞口650Raへと入球することになるので、払い出される賞球数が通常(規定個数の入球に対して払い出される賞球数)よりも20個多くなる。よって、1/10の確率で、通常よりも10個~20個程度多くの賞球を獲得することができるので、大当たりのインターバル期間において、毎回右打ちナビ演出(図141(a)参照)に従って右打ちを行ってスルーゲート67を通過させた方が、大当たり遊技の実行中に獲得可能となる賞球数の期待値が多くなる。従って、遊技者に対して右打ちナビ演出が実行された場合に積極的に右打ちを行わせることができる。
次に、図141(b)を参照して、上述した貯留演出の詳細について説明する。図141(b)は、貯留演出が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。この貯留演出は、大当たりの各ラウンド期間において、右特定入賞口650Raに対して8個又は9個の遊技球が入球した状態で電動役物640Laが突出位置に可動され、0.5秒間が経過した場合に実行される演出である。この貯留演出は、電動役物640Laの開放期間の間に上部領域に遊技球を貯留させることを促し、オーバー入賞が発生し易い状態を形成するための演出である。
図141(b)に示した通り、貯留演出が実行されると、表示領域HR21に対して、「交差部分に球が貯まる程お得!?」という文字が表示される。また、表示領域HR22に対して、突出重複状態の電動役物640La、および可動部材650Rbを模した画像が表示されると共に、電動役物640Laと、可動部材650Rbとが交差する位置を向いた矢印を模した画像が表示される。この矢印を模した画像の内側には、「狙え!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して突出重複状態の間に上部領域へと遊技球を積極的に発射させることができる。これにより、本第12実施形態におけるパチンコ機10での遊技をあまり行ったことがない遊技者でも、オーバー入賞を容易に発生させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、突出重複状態となった時点で即座に貯留演出を実行するのでなく、0.5秒間が経過してから貯留演出を実行する構成としているのは、突出重複状態となった直後に規定個数の遊技球が右特定入賞口650Raへと入球し、ラウンドが終了してしまった場合に貯留演出が実行されることを防止する趣旨である。突出重複状態となる直前に可動部材650Rbを流下している遊技球が存在した場合、当該遊技球は突出重複状態となってから0.5秒間以内に可動部材650Rbを流下しきって右特定入賞口650Raへと入球する。このため、突出重複状態となってから0.5秒間が経過してもラウンドが終了していない場合は、普通図柄の当たりに伴う開放期間が経過するまでは大当たりのラウンドが終了する可能性がないため、上部領域へと遊技球を貯留することにより、高確率でオーバー入賞を発生させることができる有利な状態である。よって、本第12実施形態では、突出重複状態となってから0.5秒間が経過してもラウンドが終了していない場合にのみ、貯留演出を実行する構成としている。これにより、オーバー入賞が狙える場合にのみ正確に貯留演出を実行することができるので、貯留演出が実行された場合における遊技者の興趣をより向上させることができる。
次に、図142を参照して、第12実施形態における大当たりのラウンド期間中に普通図柄の当たりになる場合の演出態様の経時変化について説明する。図142に示した通り、大当たりのインターバル期間が開始されると、右打ちナビ演出(図141(a)参照)が実行される。この右打ちナビ演出は、1秒間に渡って実行される。この間に右打ちを行ってスルーゲート67に遊技球を通過させ、普通図柄の抽選で当たりになると、オーバー入賞し易くなる状態を形成する。右打ちナビ演出を視認してから遊技球を発射するまで、および発射された遊技球がスルーゲート67を通過するまでの期間を加味すると、スルーゲート67を通過するタイミングはインターバル期間の後半(1秒経過時~2秒経過時)となることが大半である。なお、図142では、右打ちナビ演出の実行中に右打ちを行った結果、インターバル期間の開始から1.5秒経過時にスルーゲート67を遊技球が通過した場合を例示している。
右打ちナビ演出が実行されてから1秒間が経過すると、右打ちナビ演出が終了して通常のインターバル演出に切り替わる。そして、更に1秒間が経過すると、インターバル期間(2秒間)が経過して次のラウンドが開始される。ラウンドが開始されると、可動部材650Rbが突出位置に可動されて右特定入賞口650Raが入球可能な状態となる。上述した通り、遊技球の発射間隔は最短で0.6秒間であるので、遊技者が遊技球を最短の発射間隔で発射し続けると、右特定入賞口650Raに対しては、約0.6秒間間隔で遊技球が入球する。このため、大当たりのラウンドが開始されてから5秒前後で、8個ないし9個の遊技球が右特定入賞口650Raに入球済みの状態となる。本第12実施形態において、大当たり遊技の実行中における普通図柄の変動時間は5.5秒間が設定されるので、ラウンド開始後、4.5秒~5.5秒経過時に普通図柄の変動期間が経過する(普通図柄の当たりであれば、電動役物640Laが突出位置に可動される)。このため、普通図柄の抽選で当たりになっていれば、8個前後の遊技球が右特定入賞口650Raに入球済みの状態で電動役物640Laが突出位置に可動された状態となる。なお、図142では、8個の遊技球が入球(入賞)済みの状態で電動役物640Laが突出位置に可動した場合を例示している。
図142に示した通り、電動役物640Laの開放期間が開始されてから0.5秒間が経過し、大当たりのラウンド期間が終了していなければ、貯留演出(図141(b)参照)が開始される。この貯留演出の実行中に遊技球を発射することで、上部領域に3個前後の遊技球を貯留(停留)させることができる。貯留演出は、電動役物640Laの開放期間(突出位置に配置される期間である2秒間)が経過すると同時に終了される。電動役物640Laが没入位置(埋没位置)に可動すると、上部領域に貯留されていた遊技球が一度に右特定入賞口650Raへと誘導される。そして、0.5秒程度でほぼ時間差なく右特定入賞口650Raへと入球する。これにより、大当たりの1のラウンドにおける右特定入賞口650Raへの規定の入球個数(10個)を超えて、遊技球を入球(入賞)させることが可能となる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第12実施形態の電気的構成>
次いで、図143を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成について説明する。図143は、第12実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図143に示した通り、本第12実施形態におけるRAM223の構成は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、貯留演出待機フラグ223baと、待機期間タイマ223bbと、入賞個数カウンタ223bcとが設けられている点で相違している。
貯留演出待機フラグ223baは、貯留演出(図141(b)参照)の実行条件が成立してから、実際に貯留演出を開始させるまでの間の待機期間(0.5秒間)であるか否かを示すフラグである。この貯留演出待機フラグ223baがオンであれば、貯留演出を開始させるまでの間の待機期間であることを示し、オフであれば、待機期間ではないことを示す。上述した通り、貯留演出は、大当たりのラウンド期間中、且つ、右特定入賞口650Raに8個又は9個の遊技球が入球済みの状態で、電動役物640Laが突出位置に配置されることで実行条件が成立し、この貯留演出待機フラグ223baがオンに設定される(図149のS5704参照)。この状態で、大当たりのラウンドが終了せずに待機期間(0.5秒間)が経過すると、貯留演出が開始されると共に、貯留演出待機フラグ223baがオフに設定される(図147のS5610参照)。また、待機期間の間に大当たりのラウンドが終了した場合も、この貯留演出待機フラグ223baがオフに設定される(図147のS5604参照)。
待機期間タイマ223bbは、貯留演出(図141(b)参照)の実行条件が成立してから、実際に貯留演出を開始させるまでの間の待機期間を計時するためのタイマである。この待機期間タイマ223bbには、待機期間の開始時に0.5秒間に対応するタイマ値が設定される(図149のS5705参照)。待機期間中は、大当たり中処理が実行される毎にこの待機期間タイマ223bbが更新され(図147のS5607参照)、タイマ値が0に更新されると、貯留演出の実行が開始される(図147のS5609参照)。また、待機期間タイマ223bbは、待機期間が経過するよりも前にラウンドが終了した場合に、0にリセットされる(図147のS5604参照)。
入賞個数カウンタ223bcは、大当たりの各ラウンドにおいて右特定入賞口650Raへの入賞個数をカウントするためのカウンタである。この入賞個数カウンタ223bcは、初期値が0に設定されており、右特定入賞口650Raへの入賞(入球)が主制御装置110により検出されて、大開放口入賞コマンドにより当該入賞が通知される毎に値が1ずつ加算されて更新される(図150のS4972参照)。また、この入賞個数カウンタ223bcは、大当たりの各ラウンドが終了する毎に、値が0にリセットされる(図147のS5603参照)。大当たりのラウンド期間中に普通図柄の当たりとなって電動役物640Laが突出位置に可動された場合は、この入賞個数カウンタ223bcのカウンタ値が参照され、値が8又は9であれば(即ち、当該ラウンドにおいて右特定入賞口650Raへの入賞個数が8個又は9個であれば)、待機期間が設定される(図149のS5704参照)。
<第12実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図144を参照して、本第12実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。図144は、第6実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図26参照)に代えて実行される普通図柄変動処理12(S151)を示したフローチャートである。この第12実施形態における普通図柄変動処理12(S151)のうち、S501~S515,S517~S520、およびS523の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図26参照)のS501~S515,S517~S520、およびS523の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第12実施形態における普通図柄変動処理12(図144参照)では、S514の処理において、普通図柄の時短状態中でない(確変フラグ203eがオフであり、且つ、時短中カウンタ203fの値が0である)と判別した場合は(S514:No)、普通図柄の変動時間を5.5秒間に設定して(S541)、本処理を終了する。この5.5秒間は、上述した通り、大当たりのインターバル期間中に実行される右打ちナビ演出(図141(a)参照)に従って右打ちにより遊技球をスルーゲート67に通過させた場合に、変動終了タイミングで右特定入賞口640Raに8個又は9個の遊技球が入球済みの状態となっている可能性が高くなる変動期間である。
また、本第12実施形態における普通図柄変動処理12(図144参照)では、S520の処理において、普通図柄の時短中でない(確変フラグ203eがオフであり、且つ、時短中カウンタ203fの値が0である)と判別した場合は(S520:No)、電動役物640Laの開放パターンとして、「2秒間×1回」の開放時間および回数の開放パターンを設定し(S542)、処理をS523へと移行する。一方、S520の処理において、普通図柄の時短中である(確変フラグ203eがオンであるか、又は、時短中カウンタ203fの値が1以上である)と判別した場合は(S520:Yes)、電動役物640aの開放パターンとして、「2秒間×2回」の開放時間および回数の開放パターンを設定し(S543)、処理をS523へと移行する。
また、本第12実施形態における普通図柄変動処理12(図144参照)では、S523の処理が終了すると、電動役物640Laの開放期間(突出位置に配置された状態)が開始されたことを音声ランプ制御装置113に通知するための普図開放コマンドを設定して(S544)、本処理を終了する。ここで設定された普図開放コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普図開放コマンドを受信すると、大当たりにおいて右特定入賞口650Raに8個又は9個の遊技球が入球した状態であるか(即ち、オーバー入賞を狙えるタイミングで電動役物640Laが突出位置に可動されたか)を判別し、オーバー入賞を狙えるタイミングであれば、貯留演出(図141(b)参照)の待機期間を設定する。
<第12実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図145から図151を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図145を参照して、本第12実施形態におけるメイン処理12について説明する。このメイン処理12は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図33参照)に代えて実行される処理である。
この第12実施形態におけるメイン処理12(図145参照)のうち、S4001~S4011、およびS4014~S4019の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図33参照)のS4001~S4011、およびS4014~S4019の各処理と同一の処理が実行される。また、本第12実施形態におけるメイン処理12(図145参照)では、S4011の処理が終了すると、第6実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(図36参照)に代えて演出更新処理12を実行し(S4081)、次いで、第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)に代えてコマンド判定処理12を実行して(S4082)、処理をS4014へと移行する。これらの演出更新処理12(S4081)、およびコマンド判定処理12(S4082)の詳細については、それぞれ図146~図151を参照して説明する。
まず、図146を参照して、上述した演出更新処理12(S4081)の詳細について説明を行う。この演出更新処理12(S4081)は、第6実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(図36参照)に代えて実行される処理であり、各種演出の実行中に表示態様等の更新を行うための処理である。この第12実施形態における演出更新処理12(S4081)のうち、S4301~S4311の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(図36参照)のS4301~S4311の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第12実施形態における演出更新処理12(図146参照)では、S4301の処理において、変動表示の実行中ではないと判別した場合(S4301:No)、大当たり中における演出態様の更新を行うための大当たり中処理を実行して(S4351)、本処理を終了する。この大当たり中処理(S4351)の詳細について、図147を参照して説明する。
図147は、大当たり中処理(S4351)を示したフローチャートである。この大当たり中処理(S4351)では、まず、大当たり遊技の実行中であるか否かを判別し(S5601)、大当たり遊技の実行中ではないと判別した場合は(S5601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5601の処理において、大当たり遊技の実行中であると判別した場合は(S5601:Yes)、次いで、大当たりのラウンドが終了するタイミングであるか否かを判別し(S5602)、ラウンドの終了タイミングであると判別した場合は(S5602:Yes)、入賞個数カウンタ223bcの値を0にリセットする(S5603)。次いで、貯留演出待機フラグ223baをオフに設定すると共に、待機期間タイマ223bbのタイマ値を0にリセットし(S5604)、終了したラウンドが最終ラウンドであるか否かを判別する(S5605)。
S5605の処理において、終了したラウンドが最終ラウンドではないと判別した場合は(S5603:No)、新たなインターバル期間の開始タイミングであることを意味するので、右打ちナビ演出(図141(a)参照)の開始を設定して(S5606)、本処理を終了する。一方、S5605の処理において、最終ラウンドの終了タイミングであると判別した場合は(S5603:Yes)、次のラウンドが存在せず、右打ちしてスルーゲート67に遊技球を通過させてもオーバー入賞を発生させることができないので、S5606の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S5602の処理において、大当たりにおけるラウンド期間の終了タイミングではないと判別した場合は(S5602:No)、次いで、貯留演出待機フラグ223baがオンであるか(即ち、貯留演出の実行開始を待機する待機期間であるか)否かを判別する(S5607)。S5607の処理において、貯留演出待機フラグ223baがオフであると判別した場合は(S5607)、待機期間ではないことを意味し、貯留演出を実行する可能性がないため、そのまま本処理を終了する。一方、S5607の処理において、貯留演出待機フラグ223baがオンであると判別した場合は(S5607:Yes)、まず、待機期間タイマ223bbの値を1減算することで更新し(S5608)、次いで、減算後のタイマ値が0になったか否かを判別する(S5609)。
S5609の処理において、減算後のタイマ値が0になったと判別した場合は(S5609:Yes)、待機期間が経過したことを意味するので、貯留演出の開始を設定し(S5610)、貯留待機フラグ223baをオフに設定して(S5611)、本処理を終了する。これに対し、S5609の処理において、減算後の待機期間タイマ223bbのタイマ値が0ではないと判別した場合は(S5609:No)、貯留演出の開始タイミングではないことを意味するので、S5610,S5611の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この大当たり中処理(図147参照)を実行することで、待機期間の経過を正確に判断して貯留演出の実行を設定することができる。待機演出を実行することにより、オーバー入賞をより容易に発生させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図148を参照して、本第12実施形態におけるコマンド判定処理12(S4082)について説明する。このコマンド判定処理12(S4082)は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)に代えて実行され、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。この第12実施形態におけるコマンド判定処理12(S4082)のうち、S4901~S4910、およびS4918の各処理では、それぞれ第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)のS4901~S4910、およびS4918の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第12実施形態におけるコマンド判定処理12(図148参照)では、S4909の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞情報コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4909:No)、次いで、受信したコマンドの中に普図開放コマンドが含まれているか否かを判別する(S4961)。S4961の処理において、普図開放コマンドが含まれていると判別した場合は(S4961:Yes)、普通図柄の当たりとなったことに基づく開放期間が開始されることを意味するので、開放期間の開始タイミングに応じた制御を実行するための普図開放コマンド処理を実行して(S4962)、本処理を終了する。この普図開放コマンド処理(S4962)の詳細については、図149を参照して後述する。
また、本第12実施形態におけるコマンド判定処理12(図148参照)では、S4961の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に普図開放コマンドが含まれていないと判別した場合(S4961:No)、次いで、未処理のコマンドの中に当たり関連のコマンドが含まれているか否かを判別する(S4963)。S4963の処理において、未処理のコマンドの中に当たり関連のコマンドが含まれていると判別した場合は(S4963:Yes)、当たり関連のコマンドの種別に応じた制御を行うための当たり関連コマンド処理12を実行して(S4964)、本処理を終了する。この当たり関連コマンド処理12(S4964)の詳細については、図150を参照して後述する。
また、本第12実施形態におけるコマンド判定処理12(図148参照)では、S4963の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S4963:No)、次に、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に状態コマンドが含まれているか否かを判別する(S4965)。この状態コマンドは、遊技状態が変更されたことを示すコマンドである。具体的には、確変大当たりが終了して確変遊技状態が設定されると、確変遊技状態への移行を示す状態コマンドが出力され、通常大当たりが終了して時短遊技状態が設定されると、時短遊技状態への移行を示す状態コマンドが出力され、時短遊技状態において100回の特別図柄の抽選が終了して通常遊技状態に移行すると、通常遊技状態への移行を示す状態コマンドが出力される。
S4965の処理において、未処理のコマンドの中に状態コマンドが含まれていると判別した場合は(S4965:Yes)、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための状態コマンド処理を実行して(S4966)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S4966)の詳細については、図151を参照して後述する。一方、S4965の処理において、未処理のコマンドの中に状態コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4965:No)、処理をS4918へと移行する。
次に、図149を参照して、上述した普図開放コマンド処理(S4962)の詳細について説明を行う。この普図開放コマンド処理(S4962)は、上述した通り、開放期間の開始タイミングに応じた制御を実行するための処理である。この普図開放コマンド処理(S4962)では、まず、大当たり中であるか否かを判別し(S5701)、大当たり中であると判別した場合は(S5701:Yes)、次いで、大当たりのラウンド期間中であるか否かを判別する(S5702)。S5702の処理において、ラウンド期間中であると判別した場合は(S5702:Yes)、次に、入賞個数カウンタ223bcの値が8又は9のどちらかであるか否かを判別し(S5703)、カウンタ値が8又は9であれば(S5703:Yes)、貯留演出待機フラグ223baをオンに設定することにより、貯留演出の待機期間を設定する(S5704)。そして、待機期間タイマ223bbに0.5秒間に対応するタイマ値を設定して(S5705)、本処理を終了する。これに対して、S5701の処理において、大当たり遊技の実行中でないと判別した場合や(S5701:No)、S5702の処理においてラウンド期間中でないと判別した場合(S5702:No)、S5703の処理において入賞個数カウンタ223bcの値が8でも9でもないと判別した場合は(S5703:No)、貯留演出の待機期間を設定せずに、そのまま本処理を終了する。
この普図開放コマンド処理(図149参照)を実行することで、オーバー入賞が狙えるタイミングで普通図柄の当たりになって電動役物640Laが突出位置に可動された場合に、貯留演出の実行を設定することができる。これにより、遊技者に対してオーバー入賞のチャンスであることを容易に理解させることができる。
次に、図150を参照して、上述した当たり関連コマンド処理12(S4922)の詳細について説明する。この当たり関連コマンド処理12(S4964)は、上述した通り、主制御装置110から受信した当たりに関連するコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。この当たり関連コマンド処理12(S4964)のうち、S4911~S4917の各処理は、第6実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図41参照)の中で実行していたS4911~S4917の各処理をそのまま移植しているに過ぎないので、ここではその詳細な説明については省略する。
第12実施形態における当たり関連コマンド処理(図150参照)では、S4913の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4913:No)、次いで、未処理のコマンドの中に大開放口入賞コマンドが含まれているか否かを判別する(S4971)。なお、大開放口入賞コマンドは、上述した通り、本第12実施形態における大当たり遊技の実行中に、右特定入賞口650Raへの入球(入賞)を検出する毎に主制御装置110から出力されるコマンドである。
S4971の処理において、未処理のコマンドの中に大開放口入賞コマンドが含まれていると判別した場合は(S4971:Yes)、入賞個数カウンタ223bcの値に1を加算して(S4972)、本処理を終了する。一方、S4971の処理において、未処理のコマンドの中に大開放口入賞コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4971:No)、処理をS4916へと移行する。この当たり関連コマンド処理12(図150参照)を実行することにより、右特定入賞口650Raに遊技球が入賞する毎に、音声ランプ制御装置113側でも入賞個数を正確に把握することができる。
次に、図151を参照して、上述した状態コマンド処理(S4966)について説明する。この状態コマンド処理(S4966)は、上述した通り、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための処理である。この状態コマンド処理(S4966)では、まず、状態コマンドにより通知された遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判別して(S5801)、時短遊技状態への移行を示すコマンドであると判別した場合は(S5801:Yes)、処理をS5803へと移行する。一方、S5801の処理において、時短遊技状態への移行を示すコマンドではないと判別した場合は(S5801:No)、次いで、確変遊技状態への移行を示すコマンドであるか否かを判別し(S5802)、確変遊技状態への移行を示すコマンドであれば(S5802:Yes)、処理をS5803へと移行する。時短遊技状態、または確変遊技状態への移行が通知された場合に実行されるS5803の処理では、右打ち状態の開始を示す右打ち報知画像の表示を設定し(S5803)、本処理を終了する。
なお、普通図柄の時短状態が設定される時短遊技状態、および確変遊技状態において右打ち報知画像を表示させるのは、より効率的に左第2入球口640Lへと遊技球を入球させるためである。即ち、上述した通り、電動役物640Laが突出位置に配置されている間に左打ちを行うと、普通図柄の当たりとなったことに基づく開放期間(電動役物640aが突出位置に配置される期間)の間に特定領域に到達した遊技球が、開放期間の終了までに電動役物640Laの形成する傾斜を下りきって左第2入球口640Lへと入球することが困難になる可能性がある。よって、本第12実施形態では、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態の間、右打ち報知画像を表示させることにより、遊技者に対して右打ちにより遊技を行うことを促す構成としている。このように構成することで、遊技者に対して普通図柄の時短状態の間、右打ちを行わせることができるので、普通図柄の当たりに基づく開放期間の間に特定領域に到達した遊技球を、より短い期間で左第2入球口640Lへと誘導することができる。よって、普通図柄の時短状態における遊技をより効率的に行わせることができる。
これに対し、S5802の処理において、確変遊技状態への移行を示すコマンドではないと判別した場合は(S5802:No)、次いで、通常遊技状態への移行を示すコマンドであるか否かを判別し(S5804)、通常遊技状態への移行を示すコマンドであると判別した場合は(S5804:Yes)、右打ち状態が終了したことを報知するための画像の表示を設定して(S5805)、本処理を終了する。一方、S5804の処理において、通常遊技状態への移行を示すコマンドではないと判別した場合合は、S5805の処理をスキップしてそのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、第12実施形態におけるパチンコ機10では、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとを対向させて配置させ、普通図柄の当たりとなった場合には、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとの間に設けられている電動役物640Laを突出動作させることにより、左第2入球口640Lへと向かって下る向きの傾斜を形成する構成としている。そして、普通図柄の時短状態が設定される時短遊技状態、および確変遊技状態では、電動役物640Laが形成する傾斜の向きと、遊技球の流下方向とを一致させるために、遊技者に対して右打ちを報知する(右打ち報知画像を表示させる)構成としている。このように構成することで、電動役物640Laに到達した遊技球が電動役物640Laの形成する傾斜を流下するのに要する期間を最低限にすることができるので、発射された遊技球を効率良く左第2入球口640Lへと入球させることができる。よって、時短遊技状態、および確変遊技状態における遊技を効率良く進めさせることができる。
また、本第12実施形態では、大当たり遊技の実行中における特定のタイミングで普通図柄の当たりになると、当該大当たり遊技において通常よりも多くの賞球を獲得することが可能となる特別な状態を形成する。より具体的には、大当たりの各ラウンドにおいて、右特定入賞口650Raへと遊技球が8個または9個入球した状態(即ち、各ラウンドの上限の入賞個数である10個に対する残りの入球回数が2個以下の状態)で普通図柄の当たりとなり、電動役物640Laが突出位置に可動すると、普通図柄の当たりに基づく開放期間(2秒間)の間、電動役物640Laと、可動部材650Rbとの両方が突出された状態となり、右特定入賞口650Raにも、左第2入球口640Lにも遊技球が誘導されない代わりに、電動役物640Laと、可動部材650Rbとの交差位置周辺に対して遊技球を貯留(蓄積)させることが可能になる。この状態で電動役物640Laが閉鎖されると(即ち、普通図柄の当たりに基づく開放期間が経過すると)、貯留(蓄積)されていた遊技球が可動部材650Rbにより右特定入賞口650Raへと誘導されることにより、オーバー入賞を発生させることが可能となる。これにより、大当たり遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。加えて、本第12実施形態では、右特定入賞口650Raに遊技球が8個又は9個入賞した状態で普通図柄の変動期間が経過する可能性が高くなるスルーゲート67への発射タイミングを右打ちナビ演出(図141(a)参照)により遊技者に報知する構成としている。これにより、遊技者に対して右打ちナビ演出が実行される毎に積極的にスルーゲート67を狙って遊技球を発射させることができるので、大当たり遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
なお、本第12実施形態では、大当たり遊技の実行中に、右打ちナビ演出や貯留演出が表示されている場合を除き、遊技方法(発射方法)を指定しない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右打ちナビ演出が実行されている場合以外、左打ちを行うように報知する構成としてもよい。このように構成することで、可動部材650Rbが形成する傾斜と、特定領域に入射した遊技球の流下方向とを一致させることができるので、右特定入賞口650Raへと遊技球が入球するまでの期間をより短縮することができる。よって、大当たり遊技をよりスピーディーに進行させることができる。また、スルーゲート67は可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路にのみ設けられているので、右打ちナビ演出が実行されている場合以外、左打ちを行うように報知することで、大当たり中に頻繁に普通図柄の当たりとなってしまうことを防止することができる。上述した通り、大当たりのラウンド期間中に普通図柄の当たりになると、突出重複状態(図140(a)参照)となり、左第2入球口640Lにも、右特定入賞口650Raにも遊技球が入球不可能な状態となる。このため、右特定入賞口650Raに対して遊技球が8個又は9個入球済みの状態以外においては、右特定入賞口650Raへと遊技球を入球させることができない上に、オーバー入賞を狙うことも困難な状態となるので、遊技者にとって好ましくない状態となってしまう。これに対して、右打ちナビ演出が実行されていない場合に左打ちを報知する構成としておけば、無駄に(即ち、オーバー入賞を狙うことが困難なタイミングで)普通図柄の当たりになってしまい、遊技球を右特定入賞口650Raへと入球させることを邪魔されてしまうことを防止することができる。
本第12実施形態では、左第2入球口640Lと、と、右特定入賞口650Raとを対向させて配置し、これらの中間に設けられた電動役物640Laと、可動部材650Rbとの可動位置の組み合わせに応じて入球可能となる入球口(遊技者にとっての有利度合い)が可変する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2入球口と、特定入賞口とを上下方向に並べて配置し、入球口の開閉状態の組み合わせにより入球し易い入球口が可変する構成としてもよい。より具体的には、例えば、1の流路の上流に第2入球口を設けると共に、下流に特定入賞口を設ける構成とし、第2入球口が開放されている状態では、特定入賞口が開放されているか否かによらず、特定入賞口へと遊技球が入球し難くなるように構成してもよい。また、逆に、特定入賞口を上流側、第2入球口を下流側に配置し、特定入賞口が開放されている状態では、第2入球口が開放されているか否かによらず、第2入球口に遊技球が入球し難くなるように構成してもよい。また、この入球口を縦に並べて配置させる場合において、2つの入球口は、遊技球が入球するよりも入球しない方が遊技者にとって有利となるもので構成してもよい。具体的には、例えば、遊技球の入球に対して付与される賞球数が少ない(1個や0個の)入球口で構成すると共に、各入球口の下流には、遊技球の入球に対して付与される賞球数が多い(例えば、10個の)一般入賞口を配置させる構成としてもよい。このように構成することで、各入球口が共に開放されている場合に一般入賞口に最も入賞し難くなる。即ち、片方の入球口のみが開放されている場合や、両方の入球口が閉鎖されている場合よりも、遊技球が一般入賞口まで到達し難くなる。よって、各入球口が共に開放されている状態を遊技者にとって最も不利な状態とすることができるので、各入球口が開放されないことを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第12実施形態の変形例>
次に、図152、および図153を参照して、第12実施形態の変形例について説明する。上述した第12実施形態におけるパチンコ機10では、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとを対向させて配置し、これらの中間に電動役物640Laと、可動部材650Rbとを設ける構成としていた。そして、普通図柄の当たり時には、電動役物640Laが突出位置に配置されることで左第2入球口640Lに向かって下る向きの傾斜を形成する一方で、大当たりのラウンド期間中は、可動部材650Rbが突出位置に配置されることで右特定入賞口650Raに向かって下る向きの傾斜を形成する構成としている。また、大当たりのラウンド期間中に普通図柄の当たりになることで、電動役物640Laと可動部材650Rbとの両方が突出位置に配置され、電動役物640Laと可動部材650Rbとの上側の上部領域に遊技球を貯留(停留)させることが可能な突出重複状態を形成する。遊技球が右特定入賞口650Raに対して8個または9個入球済みの状態で突出重複状態となり、上部領域に遊技球を複数貯留することで、電動役物640Laの開放期間の経過時に右特定入賞口650Raへと遊技球を、規定個数(10個)を超えて入賞させることが可能に構成していた。これにより、普通図柄の当たりとなるタイミングに注目して遊技を行わせることができる構成としていた。
これに対して第12実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、対向させて配置されている左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとに、それぞれを開閉可能な開閉板6400La、および開閉板6500Rbを設ける構成としている。開閉板6400Laと、開閉板6500Rbとは、互いに干渉し合わない構造となっており、普通図柄の当たりと大当たりのラウンド期間とが重複した場合にも、一方の開閉板が他方の入球口への入球を妨げずに開放可能に構成されている。このように構成することで、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりになった場合(即ち、左第2入球口640Lの開放条件と右特定入賞口650Raの開放条件とが重複して成立した場合)であっても、左第2入球口640Lにも、右特定入賞口650Raにも遊技球を入球可能とすることができる。よって、普通図柄の当たりとなる頻度によらず、大当たり遊技の実行中における遊技を効率良く進めることができる。
この第12実施形態の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について、図152を参照して説明する。図152は、第12実施形態の変形例における遊技盤13の正面図である。図152に示した通り、本変形例では、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとの間に、正面視略三角形形状の傾斜部材6500bが配置されている。この傾斜部材6500bの左右両側面は、図152に示した通り左下方向、および右下方向へ下る向きの傾斜を形成しているので、特定領域に到達した遊技球は、傾斜部材6500bが形成する傾斜により正面視左下方向、または正面視右下方向へと誘導される。
また、図152に示した通り、本変形例における左第2入球口640Lには、左第2入球口640Lを開閉可能な開閉板6400Laが付随して設けられている。この開閉板6400Laは、通常時は鉛直方向に起立した状態となることで正面視右方向からの遊技球の入球を妨げることが可能に構成されている。一方、普通図柄の当たりになると、開閉板6500Laが傾斜部材6500bに向けて右方向に傾倒することにより、左第2入球口640Lに向かって下る向きの傾斜を形成する。これにより、特定領域に到達した遊技球を左第2入球口640Lに誘導可能な状態を形成する。
また、図152に示した通り、本変形例における右特定入賞口650Raには、右特定入賞口640Raを開閉可能な開閉板6500Rbが付随して設けられている。この開閉板6400Rbは、通常時は鉛直方向に起立した状態となることで正面視左方向からの遊技球の入球を妨げることが可能に構成されている。一方、大当たりのラウンドが開始されると、開閉板6500Rbが傾斜部材6500bに向けて左方向に傾倒することにより、右特定入賞口650Raに向かって下る向きの傾斜を形成する。これにより、特定領域に到達した遊技球を右特定入賞口650Raに誘導可能な状態を形成する。
次に、図153を参照して、各開閉板6500La,6500Rbが開放されている状態における遊技球の流下方向について説明する。まず、図153(a)を参照して、開閉板6500Rbが開放されている場合の遊技球の流下方向について説明する。図153(a)に示した通り、開閉板6500Rbが開放されると、傾斜部材6500bの右側面に対して開閉板6500Rbがもたれかかった状態となる。即ち、図153(a)に示した通り、傾斜部材6500bと開閉板6500Rbとにより、右特定入賞口650Raに向けて下る向きの傾斜を形成する。この状態で傾斜部材6500bの右側に到達した遊技球は、右特定入賞口650Raへと誘導される。一方で、傾斜部材6500bの左側に到達した遊技球は、開閉板6500Laと傾斜部材6500bとの間の流路を通過して、アウト口66へと流下する。
次いで、図153(b)を参照して、開閉板6500Laが開放されている場合の遊技球の流下方向について説明する。図153(b)に示した通り、開閉板6500Laが開放されると、傾斜部材6500bの左側面に対して開閉板6500Laがもたれかかった状態となる。即ち、図153(b)に示した通り、傾斜部材6500bと開閉板6500Laとにより、左第2入球口640Lに向けて下る向きの傾斜を形成する。この状態で傾斜部材6500bの左側に到達した遊技球は、左第2入球口640Lへと誘導される。一方で、傾斜部材6500bの右側に到達した遊技球は、開閉板6500Rbと傾斜部材6500bとの間の流路を通過して、アウト口66へと流下する。
このように、本変形例では、開閉板6500Laが開放されていれば、開閉板6500Rbが開放されているか否かとは無関係に、左第2入球口640Lへと遊技球が入球し易い状態を形成する構成としている。同様に、開閉板6500Rbが開放されていれば、開閉板6500Laが開放されているか否かとは無関係に、右特定入賞口650Raへと遊技球が入球し易い状態を形成する構成としている。このように構成することで、大当たり遊技の実行中等、左第2入球口640Lの開放条件と、右特定入賞口650Raの開放条件とが重複して成立し得る状況においても、常に、開放された入球口に対して遊技球が入球し易い状態を形成することができる。即ち、上述した第12実施形態の突出重複状態のように、一時的に左第2入球口640Lにも右特定入賞口650Raにも遊技球が入球不可能となる状態を形成することがないので、大当たり遊技をスムーズに進行させることができる。よって、大当たり遊技中に右特定入賞口650Raへと入球不可能となることに対するストレスを感じさせることなく遊技を行わせることができるので、大当たり遊技を遊技者により楽しませることができる。
<第12実施形態の第2の変形例>
次に、図154を参照して、第12実施形態の第2の変形例について説明する。上述した第12実施形態では、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとを対向させて配置し、これらの間に設けられた電動役物640Laが突出位置に配置されることで、左第2入球口640Lに向かって下る向きの傾斜を形成し、左第2入球口640Lに遊技球が入球し易い状態となる構成としていた。また、左第2入球口640Lと、右特定入賞口650Raとの間に設けられた可動部材650Rbが突出位置に配置されることで、右特定入賞口650Raに向かって下る向きの傾斜を形成し、右特定入賞口650Raに遊技球が入球し易い状態となる構成としていた。また、電動役物640Laと可動部材650Rbとの両方が突出位置に配置された突出重複状態となっている間は、いずれの入球口にも入球不可能な状態を一時的に形成する構成としていた。即ち、突出重複状態になると、遊技球を各種入球口へと入球させることが困難となるので、遊技者にとって不利となる構成としていた。
これに対して第12実施形態の第2の変形例では、電動役物640Laに代えて設けられている電動役物640Caと、可動部材650Raとが交差する交差位置に中央第2入球口640Cを設ける構成とし、電動役物640Caのみが突出位置に配置されている場合よりも、突出重複状態となっている場合の方が中央第2入球口640Cへと遊技球が入球し易くなるように構成した。
この第12実施形態の第2の変形例におけるパチンコ機10の特定領域(第1入球口64の下方の領域)周辺の遊技球の流下方向について、図154を参照して説明する。図154(a)は、電動役物640Caが突出位置に配置されている一方で、可動部材650Raが埋没位置に配置されている場合における遊技球の流下方向を示した図である。なお、この状態が形成されるのは、主として大当たり以外の状態で普通図柄の当たりになった場合である。即ち、普通図柄の当たりとなる確率が高い(1/1.2)時短遊技状態や、確変遊技状態において形成され易い状態である。
電動役物640Caのみが突出位置に配置されている場合は、図154(a)に示した通り、電動役物640Caの形成する左下方向へと下る向きの傾斜により、遊技球が左下方向へと誘導される。図154(a)に示した通り、本第2の変形例では、電動役物640Caの略中間位置に中央第2入球口640Cが設けられているので、電動役物640Caが形成する傾斜に沿って流下した遊技球の一部が中央第2入球口640Cへと入球し、一部は中央第2入球口640Cを通過する。本第2の変形例では、電動役物640Caの下流側に入球口が設けられていないので、電動役物640Caを通過した遊技球は下方へと落下してアウト口66へと流下する。よって、特定領域に到達した遊技球の一部しか中央第2入球口640Cに誘導されないので、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態になっても、中央第2入球口640Cへの入球に基づく抽選は比較的実行され難い。
一方、図154(b)に示した通り、突出重複状態では、電動役物640Caが形成する傾斜に沿って流下した遊技球が直接中央第2入球口640Cに入球する場合の他、中央第2入球口640Cの位置を通過して可動部材650Ra側の傾斜まで転動した遊技球についても、最終的に中央第2入球口640Cへと誘導される。より具体的には、可動部材650Rb側の傾斜に転動した遊技球は、可動部材650Rbの形成する傾斜を運動量が0になるまで登っていく。そして、運動量が0になると、可動部材650Raの形成する傾斜に沿って右下方向へと転動する。これにより、遊技球は、中央第2入球口640Cが設けられている交差位置へと再度誘導される。仮に中央第2入球口640Cを再度通過して、電動役物640Caが形成する傾斜に進行したとしても、可動部材650Rbを登った場合と同様に、電動役物640Ca上を登り、運動量が0になり、電動役物640Ca上を左下方向に下って中央第2入球口640Caへと誘導される。このため、突出重複状態となっている間に特定領域に到達した遊技球は、途中で突出重複状態が解除されない限り、必ず中央第2入球口640Cへと誘導される。よって、本第2の変形例では、電動役物640Caのみが突出位置に配置されている状態よりも、突出重複状態の方が中央第2入球口640Cへと入球し易くなるため、中央第2入球口640Cへの入球率という観点では、突出重複状態が最も有利な状態となる。
特に、第1特別図柄の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)よりも第2特別図柄の抽選(中央第2入球口640Cへの入球に基づく抽選)の方が有利になり易い(大当たりとなった場合に有利な大当たり種別が決定され易い)構成としておけば、大当たり遊技の実行中に第2特別図柄の保留球をより多く貯めておきたいと思わせることができるので、遊技者に対して積極的にスルーゲート67を通過させ、突出重複状態となることを期待させながら遊技を行わせることができる。よって、大当たり遊技が単に賞球を得るための作業のようになってしまうことを抑制できるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第2の変形例では、時短遊技状態は、特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続し、且つ、確変遊技状態は、次に大当たりとなるまで継続する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短遊技状態、および確変遊技状態を特別図柄の抽選が4回実行されるまでの間のみに限定してもよい。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が優先的に実行される構成としてもよい。このように構成することで、大当たり遊技の終了時に第1特別図柄の保留球のみが存在する状態となった場合に、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選で時短遊技状態、または確変遊技状態の抽選回数が減算されてしまう。よって、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている間に実行される抽選を全て有利な第2特別図柄の抽選にしたいと考える遊技者に対して、大当たり遊技の実行中により多くの第2特別図柄の保留球を獲得したいと考えさせることができる。よって、大当たり遊技の実行中により多くの回数、突出重複状態にして中央第2入球口640Cへと入球し易い状況を形成したいと思わせることができるので、大当たり遊技の実行中に普通図柄の抽選結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、大当たり遊技が単調となってしまうことを防止できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第12実施形態の第2の変形例では、中央第2入球口640Cを電動役物640Caと、可動部材650Rbとの交差位置に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2入球口と特定入賞口とを入れ替えてもよい。このように構成することで、大当たり遊技の実行中に普通図柄の当たりになった方が、交差位置の特定入賞口へと遊技球がより入球し易くなるので、大当たり中に普通図柄の当たりになることを強く期待して遊技を行わせることができる。
上記各実施形態では、1の変動表示に対して、連続変身演出を設定する構成としていたが、必ずしも連続変身演出を1の変動表示の変動時間内に収める必要はなく、複数の変動表示の変動時間に渡って、連続変身演出を実行してもよい。即ち、変動開始時に複数の保留球が存在している場合に、各保留球の先読み結果(各保留球の当否や、変動種別等)に基づいて、連続変身演出を設定するか否か、および連続変身演出を設定すると判定した場合に、いずれの保留球に対応する変動表示まで連続変身演出を継続させるかを判定する構成としても良い。また、各保留球の先読み結果から、連続変身演出の演出時間を算出し、当該演出時間に応じて変身の上限回数を設定する構成としてもよい。このように構成することで、連続変身演出の演出時間をより長くすることができるので、成功報知態様の上限回数を増加させることができる。よって、成功報知態様を表示させる機会を遊技者に対してより多く与えることができるので、連続変身演出が実行された場合において、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、複数の変動表示に渡って連続変身演出を継続させる構成とすることにより、変身の成功(成功報知態様の表示回数)がどこまで継続するのかを、遊技者に対してより予測し難く構成することができる。よって、意外性のある演出を提供することができる。
また、複数の変動表示の変動時間に渡って連続変身演出を継続させる場合には、連続変身演出の進行状況(成功報知態様の表示回数や、残りの変動回数、保留球の変動時間等)に応じて、連続変身演出が終了するまでの変動回数や、成功報知態様の上限回数等を増減させる構成としても良い。これについて、変動開始時に、当該変動を含めた3回(当該変動+保留球2個分)の変動表示の表示期間に渡って、連続変身演出を実行し、3回目の変動表示で大当たりを報知すると判別した場合を例にとってより具体的に説明する。例えば、遊技者が操作有効期間の開始からほぼ間隔無く枠ボタン22を押下することにより、操作有効期間の大部分が短縮され、2回目の変動表示の途中で上限回数の成功報知態様の表示が終了してしまった場合には、2回目の変動表示の中で、連続変身演出を完結させる構成としてもよい。そして、本来連続変身演出を継続させるはずであった3回目の変動表示では、連続変身演出とは全く異なる演出を実行する構成としてもよい。また、3回目の変動表示の開始直後に連続変身演出の最後の操作有効期間が終了する場合には、例えば、変身の上限回数を増加させることにより、3回目の変動表示の演出時間が余ってしまうことを防止する構成としてもよい。このように、連続変身演出の進行状況に応じて臨機応変に演出態様を可変させることで、演出態様をより多様化させることができる。
上記各実施形態では、変動表示の実行中における演出として、連続変身演出を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりの実行中(例えば、1~5ラウンド)に連続変身演出を実行する構成としてもよい。この場合において、例えば、連続変身演出を、同一の通常図柄(偶数の数字を模した主図柄)が停止表示されることにより報知された大当たり(即ち、大当たりAであるか大当たりBであるかを識別困難な場合)において、実行する構成としてもよい。そして、連続変身演出における変身回数(成功報知態様の表示回数)が多いほど、例えば、大当たりの終了後が確変状態となる(今回の大当たりが大当たりAである)期待度が高くなる構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが、単に昇級を得るための作業のようになってしまうことを防止(抑制)し、大当たり中の遊技をより楽しませることができる。
なお、この場合において、各操作有効期間を打ち切る条件を、枠ボタン22の押下に代えて、例えば、特定入賞口65aに対する所定個数の遊技球の入球としてもよい。このように構成すれば、大当たり中に賞球を獲得するために特定入賞口65aへと遊技球を発射するだけで、連続変身演出にも参加することができる。よって、遊技者の利便性を高めることができる。
上記各実施形態では、キャラクタ811が変身するか否かの演出を1又は複数回実行する連続変身演出を前提として説明を行ったが、上記各実施形態に記載の技術思想は、連続変身演出への適用に限定されるものではない。例えば、2種類の結果(成功、又は失敗、勝利、又は敗北、確定、又は外れ等)のいずれかが単発で報知される演出(単発演出)について適用する構成としてもよい。即ち、単発演出において設定された操作有効期間の間に枠ボタン22に対する押下を検出したか否かに応じて、その後の表示態様や演出期間の選択方法等を可変させる構成としてもよい。また、押下を検出したか否かに応じて、必ずしも表示態様や演出期間の選択方法等を可変させる必要はない。一部、又は全部の操作有効期間において、当該操作有効期間の間に枠ボタン22に対する押下を検出した場合と、押下を検出せずに操作有効期間が終了した場合とで全く同一の報知態様(例えば、成功報知態様)を同一のタイミング(例えば、操作有効期間の終了タイミング等)で表示させる構成としてもよい。即ち、枠ボタン22が押下された場合に、押下を検出したことを報知する点のみを異ならせる構成とし、報知態様の決定タイミング、表示タイミングは共通としてもよい。また、枠ボタン22の押下を検出した場合に、必ずしも押下を検出したことを報知する必要は無い。更に、必ずしも遊技者が操作(押下)可能な枠ボタン22を設ける必要は無い。
上記各実施形態では、連続変身演出を、特別図柄の変動表示中に第3図柄表示装置81において実行する興趣演出の1種として実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりの実行中に興趣演出の1種として実行してもよいし、所謂保留予告演出の1種として実行してもよいし、所謂デモ演出中に実行してもよい。
上記各実施形態では、発展演出の終了タイミングと、第3図柄の変動表示の終了タイミングとが一致するように移行演出等の演出時間を設定する構成としていたが、終了タイミングを完全に一致させる必要はなく、自由度を持たせても良い。具体的には、例えば、発展演出の終了タイミングと、第3図柄の変動表示の終了タイミングとが、所定期間(例えば、0.1秒)の範囲内となるように、移行演出等の演出時間を設定する構成としてもよい。このように構成することで、移行演出等の演出時間の演算をアバウトにすることができるので、演算に要する処理付加を軽減することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(有効期間の合計を、演出期間よりも長くする)
1の演出期間において、特定の表示態様を表示可能な特定演出を実行する特定演出実行手段と、1の前記特定演出において表示する前記特定の表示態様の上限回数を設定する上限回数設定手段と、前記演出期間において予め定められた設定条件が成立したことに基づいて、特定期間を設定する特定期間設定手段と、その特定期間設定手段によって設定された前記特定期間において、第1条件が成立したことに基づいて前記特定の表示態様を表示させる第1態様表示手段と、前記特定期間において、前記第1条件が成立するよりも前に、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記特定の表示態様を表示させる第2態様表示手段と、を備え、前記特定期間設定手段は、1の前記演出期間において、前記特定の表示態様が前記第1態様表示手段のみによって表示された場合に、前記上限回数の前記特定の表示態様が表示されるよりも前に前記演出期間が終了する長さの前記特定期間を設定するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、特定の表示態様を表示可能な特定演出が特定演出実行手段によって実行される。1の特定演出において表示する特定の表示態様の上限回数が上限回数設定手段によって設定される。演出期間において予め定められた設定条件が成立したことに基づいて、特定期間が特定期間設定手段によって設定され、その特定期間設定手段によって設定された特定期間において、第1条件が成立したことに基づいて第1態様表示手段によって特定の表示態様が表示される。一方、特定期間において、第1条件が成立するよりも前に、第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、第2態様表示手段によって特定の表示態様が表示される。1の演出期間において、特定の表示態様が第1態様表示手段のみによって表示された場合に、上限回数の特定の表示態様が表示されるよりも前に演出期間が終了する長さの特定期間が特定期間設定手段によって設定される。
これにより、1の演出期間において、特定の表示態様が第1態様表示手段のみによって表示されてしまうと、上限回数の特定の表示態様が表示されるよりも前に特定演出の演出期間が終了してしまうので、第2態様表示手段により特定の表示態様が表示されること願って遊技を行わせることができる。よって、特定期間の間に、第2条件の成立有無に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第1態様表示手段は、前記特定期間が経過したことに基づいて、前記特定の表示態様を表示させるものであり、前記第2態様表示手段は、前記特定期間の間に前記第2条件が成立したことに基づいて、前記特定期間を終了して前記特定の表示態様を表示させるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1が奏する効果に加え、特定期間が経過したことに基づいて、第1態様表示手段により特定の表示態様が表示される一方で、特定期間の間に第2条件が成立したことに基づいて、第2態様表示手段により特定期間が終了されて特定の表示態様が表示されるので、第2条件が成立するタイミングが早いほど、早期に特定の表示態様を表示させることができると共に、早期に特定期間を終了させることができる。よって、第2条件が成立するタイミングが早いほど、1の演出期間において特定の表示態様の表示回数を増加させやすくなるので、特定の表示態様をより多く表示させたいと考える遊技者に対して、第2条件が早期に成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記第2態様表示手段は、1の前記特定期間において前記操作手段に対する所定回数の操作を検出したことに基づいて、前記特定の表示態様を表示させるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、1の特定期間において遊技者が操作可能な操作手段に対する所定回数の操作が検出されたことに基づいて、第2態様表示手段により特定の表示態様が表示されるので、より多くの特定の表示態様を表示させたいと希望する遊技者に対して、特定期間の間に積極的に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の特定演出に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記特定期間設定手段は、前記特定の表示態様の表示期間が終了したことに基づいて、前記特定期間を設定可能なものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、特定の表示態様の表示期間が終了したことに基づいて、特定期間設定手段により特定期間が設定されるので、特定期間と特定の表示態様の表示期間とが繰り返される。よって、特定期間が早期に終了する程、特定の表示態様の表示回数を多くすることができるので、より多くの特定の表示態様が表示されることを希望する遊技者に対して、特定期間が設定された場合に、より早く第2条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記上限回数設定手段は、第1回数と、その第1回数とは異なる第2回数とを少なくとも含む複数の回数の中から1の回数を前記上限回数として設定するものであり、前記第1回数は、前記判別手段により前記特定の判別結果となった場合に、前記第2回数よりも、前記上限回数設定手段によって設定される割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。第1回数と、その第1回数とは異なる第2回数とを少なくとも含む複数の回数の中から1の回数が上限回数設定手段により上限回数として設定される。第1回数は、判別手段により特定の判別結果となった場合に、第2回数よりも上限回数設定手段によって設定される割合が高くなるように構成されている。
これにより、判別手段により特定の判別結果となった場合は、上限回数として第1回数の設定割合が高くなるので、上限回数から判別手段による判別結果を遊技者に推測させることができる。よって、上限回数を正確に知りたいと希望する遊技者に対して、第2条件が成立することを強く期待して特定演出中の遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A5において、前記第1回数は、前記第2回数よりも多い回数であることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第2回数よりも第1回数の方が多いので、少なくとも第2回数よりも多い回数の特定の表示態様が表示されることを期待して遊技者に遊技を行わせることができる。よって、第2条件がより多くの回数成立することを期待させることができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記動的表示実行手段により前記識別情報の動的表示が実行されている間に、前記特定演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示の動的表示時時間が動的表示時間決定手段によって決定される。動的表示実行手段により識別情報の動的表示が実行されている間に、特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、識別情報の動的表示が実行されてから、終了するまでの間に遊技者が退屈してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A7において、前記特定演出の終了後に、前記特定演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2演出の演出時間を、残りの前記動的表示時間に基づいて決定する第2演出時間決定手段とを備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、特定演出の終了後に、特定演出とは異なる第2演出が第2演出実行手段によって実行される。第2演出実行手段により実行される第2演出の演出時間が、残りの動的表示時間に基づいて第2演出時間決定手段によって決定される。よって、特定演出が終了しても、残りの動的表示時間で第2演出を実行することができるので、特定演出が終了してから識別情報の動的表示が終了するまでの間に遊技者が退屈してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴B群>(1の変身演出中に、ボタンPUSHの回数が少ないほど変身までの期間が長くなっていく制御)
1の演出期間において、所定の演出態様が少なくとも1回表示される特定演出を実行する特定演出実行手段と、1の前記演出期間において、少なくとも前回の前記所定の演出態様の表示中に予め定めた特定条件が成立したかを判別する条件判別手段と、その条件判別手段による判別結果に基づいて、前記所定の演出態様の表示時間を決定して設定する表示時間設定手段と、を備え、前記表示時間設定手段は、前記条件判別手段により前記特定条件が成立したと判別された場合よりも、成立しなかったと判別された場合の方が、長い表示時間を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、1の演出期間において、所定の演出態様が少なくとも1回表示される特定演出が特定演出実行手段によって実行される。1の演出期間において、少なくとも前回の所定の演出態様の表示中に予め定めた特定条件が成立したかが条件判別手段によって判別され、の条件判別手段による判別結果に基づいて、所定の演出態様の表示時間が表示時間設定手段により決定して設定される。条件判別手段により特定条件が成立したと判別された場合よりも、成立しなかったと判別された場合の方が、表示時間設定手段により長い表示時間が設定される割合が高くなる。
これにより、特定条件が成立しなければ、所定の演出態様の表示時間が長くなり易くなるので、1の演出期間において実行される所定の演出態様の回数が少なくなる。よって、より多くの回数の所定の演出態様を表示させたいと考える遊技者に対して、所定の演出態様が表示される毎に、特定条件が成立することを期待させることができる。よって、特定条件が成立するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記条件判別手段は、前記操作手段に対する操作を検出した場合に、前記特定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作することにより特定条件が成立したと条件判別手段によって判別されるので、所定の演出態様の表示時間を短くしたいと考える遊技者に対して、所定の演出態様が表示される毎に、積極的に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者に対して遊技により積極的に参加させることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記条件判別手段は、1の前記演出期間において、前記特定条件が成立しなかった前記所定の演出態様の連続回数を判別するものであり、前記表示期間設定手段は、前記条件判別手段により判別された前記連続回数が多いほど、長い表示時間を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の演出期間において、特定条件が成立しなかった所定の演出態様の連続回数が条件判別手段によって判別される。条件判別手段により判別された連続回数が多いほど、長い表示時間が表示期間設定手段により設定される割合が高くなる。
これにより、特定条件が成立しなかった所定の演出態様が連続している程、長い表示時間が設定され易くなるので、1の演出期間において表示可能な所定の演出態様の回数が少なくなる。よって、所定の演出態様をより多く表示させたいと考える遊技者に対して、所定の演出態様が表示される毎に特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、1の前記演出期間において前記所定の演出態様を表示させる回数の上限を設定する上限回数設定手段を備えることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかが奏する効果に加え、1の演出期間において所定の演出態様を表示させる回数の上限が上限回数設定手段によって設定されるので、上限回数の範囲内でより多くの演出態様を表示させたいと思わせることができる。よって、特定条件が成立したか否かにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記表示時間設定手段により前記表示時間が決定されたことに基づいて、その決定された表示時間の前記所定の演出態様が予め定めた閾値よりも後に終了するかを判別する終期判別手段と、その終期判別手段により前記閾値よりも後に前記所定の演出態様が終了すると判別されたことに基づいて、前記表示時間設定手段により決定された前記表示時間が設定されることを回避する回避手段とを備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。表示時間設定手段により表示時間が決定されたことに基づいて、その決定された表示時間の所定の演出態様が予め定めた閾値よりも後に終了するかが周期判別手段により判別され、その終期判別手段により閾値よりも後に所定の演出態様が終了すると判別されたことに基づいて、表示時間設定手段により決定された表示時間が設定されることが回避手段によって回避される。
これにより、特定演出の演出時間が長くなりすぎてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機B5において、前記回避手段により前記表示時間の設定が回避された場合に、前記設定されることが回避された表示時間よりも短い長さの前記表示時間を設定するかを判別する設定判別手段を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、回避手段により表示時間の設定が回避された場合に、設定されることが回避された表示時間よりも短い長さの表示時間を設定するかが設定判別手段によって判別されるので、特定演出の演出時間が長くなりすぎない範囲で、より多くの所定の演出態様を表示させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記表示時間設定手段は、前記設定判別手段により前記短い長さの表示時間を設定すると判別されたことに基づいて、設定し得る最も短い長さの前記表示時間を設定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、設定判別手段により短い長さの表示時間を設定すると判別されたことに基づいて、表示時間設定手段により、設定し得る最も短い長さの表示時間が設定されるので、特定演出の演出時間が長くなりすぎてしまうことをより確実に抑制できるという効果がある。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記回避手段により前記表示時間が設定されることが回避された場合に、前記特定演出を終了させるかを判別する終了判別手段を備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかが奏する効果に加え、回避手段により表示時間が設定されることが回避された場合に、特定演出を終了させるかが終了判別手段によって判別されるので、予め定めた閾値を超える表示時間が決定されると、終了判別手段により特定演出の終了が判別される可能性がある。よって、なるべく短い表示時間が設定されることを願って遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴C群>(ボタンPUSHを行った方が、PUSHせずに有効期間が経過した場合よりも変身成功率を高くする制御)
特定演出を実行する特定演出実行手段と、1の前記特定演出の演出期間において、所定の判別を実行するための判別期間の設定回数を決定する判別期間回数決定手段と、1の前記特定演出の演出期間において、前記判別期間回数決定手段によって決定された回数の前記判別期間を設定する判別期間設定手段と、前記所定の判別として、前記判別期間の間に予め定められた特定条件が成立したかを判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、特定の表示態様を表示させるかを判別する第1態様表示判別手段と、前記条件判別手段により前記特定条件が成立したと判別されずに前記判別期間が経過したことに基づいて、前記特定の表示態様を表示させるかを判別する第2態様表示判別手段と、前記第1態様表示判別手段により前記特定の表示態様を表示させると判別される割合として、前記第2態様表示判別手段により前記特定の表示態様を表示させると判別される割合よりも高い割合を設定する割合設定手段とを備えることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、特定演出が特定演出実行手段によって実行される。1の特定演出の演出期間において、所定の判別を実行するための判別期間の設定回数が決定する判別期間回数決定手段によって決定される。1の特定演出の演出期間において、判別期間回数決定手段によって決定された回数の判別期間が判別期間設定手段によって設定される。所定の判別として、判別期間の間に予め定められた特定条件が成立したかが条件判別手段によって判別され、その条件判別手段により特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、特定の表示態様を表示させるかが第1態様表示判別手段によって判別される。条件判別手段により特定条件が成立したと判別されずに判別期間が経過したことに基づいて、特定の表示態様を表示させるかが第2態様表示判別手段によって判別される。第1態様表示判別手段により特定の表示態様を表示させると判別される割合として、第2態様表示判別手段により特定の表示態様を表示させると判別される割合よりも高い割合が割合設定手段によって設定される。
これにより、判別期間の間に特定条件が成立した方が、特定の表示態様が高い割合で表示される。よって、特定の表示態様を表示させたいと考える遊技者に対して、特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができる。また、特定条件が成立した場合には、特定の表示態様が表示されることをより強く期待させることができる。従って、特定演出の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記条件判別手段は、前記操作手段に対する操作が検出された場合に、前記特定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1が奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作が検出された場合に、条件判別手段により特定条件が成立したと判別されるので、判別期間の間に操作手段を操作することにより、特定の表示態様が表示される割合を高めることができる。よって、遊技者に対して積極的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて、前記特定演出を実行可能に構成されているものであり、前記割合設定手段は、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中よりも、前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中の方が、前記特定の表示態様を表示させると判別される割合を高く設定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。判別手段による判別が実行されたことに基づいて、特定演出実行手段により特定演出が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中よりも、特定の判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中の方が、割合設定手段により特定の表示態様を表示させると判別される割合が高く設定される。
これにより、特定の判別結果となった場合に、特定の表示態様が表示され易くなるので、特定の表示態様が表示された場合に、遊技者に対して特典遊技が実行されることに対する期待感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機C3において、前記割合設定手段は、前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中に、前記第1態様判別手段により前記特定の表示態様を表示させると判別される割合として第1の割合を設定し、前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中に、前記第2態様表示判別手段により前記特定の表示態様を表示させると判別される割合として前記第1の割合よりも低い第2の割合を設定し、前記外れ判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中に、前記第1態様表示判別手段により前記特定の表示態様を表示させると判別される割合として前記第1の割合よりも低い第3の割合を設定し、前記外れ判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中に、前記第2態様表示判別手段により前記特定の表示態様を表示させると判別される割合として前記第2の割合よりも低い第4の割合を設定するものであり、前記第1の割合と前記第3の割合との差分は、前記第2の割合と前記第4の割合との差分よりも大きいものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中に、第1態様判別手段により特定の表示態様を表示させると判別される割合として、割合設定手段により第1の割合が設定される。特定の判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中に、第2態様表示判別手段により特定の表示態様を表示させると判別される割合として、第1の割合よりも低い第2の割合が割合設定手段によって設定される。外れ判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中に、第1態様表示判別手段により特定の表示態様を表示させると判別される割合として、第1の割合よりも低い第3の割合が割合設定手段によって設定される。外れ判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中に、第2態様表示判別手段により特定の表示態様を表示させると判別される割合として、第2の割合よりも低い第4の割合が割合設定手段によって設定される。第1の割合と第3の割合との差分は、第2の割合と第4の割合との差分よりも大きく設定されている。
これにより、第2態様判別手段により特定の表示態様を表示させると判別されるよりも、第1態様表示判別手段により特定の表示態様を表示させると判別された場合の方が特典遊技の期待度が高いと遊技者に認識させることができる。よって、判別期間中に特定条件が成立した上で、特定の表示態様が表示されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C3又はC4において、前記判別期間回数決定手段は、前記外れ判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出よりも、前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の方が、前記判別期間の回数として多い回数を設定しやすくなるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、外れ判別結果となったことに基づいて実行された特定演出よりも、特定の判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の方が、判別期間回数決定手段によって多い回数が設定され易くなるので、判別期間の回数が多くなるほど、遊技者の特典遊技に対する期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記第1態様表示判別手段、または前記第2態様表示判別手段のいずれかにより前記特定の表示態様を表示させないと判別されたことに基づいて、前記特定演出を終了する特定演出終了手段を備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかが奏する効果に加え、第1態様表示判別手段、または第2態様表示判別手段のいずれかにより特定の表示態様を表示させないと判別されたことに基づいて、特定演出が特定演出終了手段によって終了されるので、より長く特定演出を楽しみたいと考える遊技者に対して、特定の表示態様が表示されることをより強く期待させることができる。よって、判別期間において特定条件が成立することをより強く願って遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C6において、識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示の動的表示時間を設定する動的表示時間設定手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記動的表示時間設定手段により設定された前記動的表示時間の範囲内で前記特定演出を実行するものであり、前記第1態様表示判別手段、または前記第2態様表示判別手段のいずれかにより前記特定の表示態様を表示させないと判別されたことに基づいて、残りの前記動的表示時間を判別する残時間判別手段と、その残時間判別手段により判別された前記残りの動的表示時間に基づいて、前記特定演出終了手段により前記特定演出が終了された後に実行する演出の演出時間を決定する演出時間決定手段とを備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行され、その動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示の動的表示時間が動的表示時間設定手段によって設定される。動的表示時間設定手段により設定された動的表示時間の範囲内で、特定演出実行手段により特定演出が実行される。第1態様表示判別手段、または第2態様表示判別手段のいずれかにより特定の表示態様を表示させないと判別されたことに基づいて、残りの動的表示時間が残時間判別手段によって判別される。残時間判別手段により判別された残りの動的表示時間に基づいて、特定演出終了手段により特定演出が終了された後に実行する演出の演出時間が演出時間決定手段によって決定される。
これにより、1の識別情報の動的表示において、特定演出の終了タイミングによらず、特定演出が終了した後の残りの動的表示時間で好適に演出を実行することができるという効果がある。
遊技機C7において、前記演出時間決定手段は、予め規定されている複数の異なる演出時間の中から、前記演出の終了タイミングが前記動的表示時間を超えない範囲で1の演出時間を決定するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7が奏する効果に加え、予め規定されている複数の異なる演出時間の中から、演出の終了タイミングが動的表示時間を超えない範囲で、演出時間決定手段により1の演出時間が決定されるので、演出時間を決定する際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴D群>(ボタンPUSH時の残りの変動時間と変身回数とに応じて変身の可否と、変身演出後の演出態様とを可変させる)
1の演出期間において、特定の演出態様が少なくとも1回表示される第1演出と、その第1演出の終了後に実行される第2演出とで少なくとも構成される特定演出を実行する特定演出実行手段と、1の前記第1演出において表示する前記特定の表示態様の上限回数を設定する上限回数設定手段と、予め定めた特定条件が成立したか判別される特定判別期間を、前記第1演出の実行中に1又は複数回設定する判別期間設定手段と、前記特定判別期間が経過したことに基づいて、前記特定の表示態様を表示させる第1態様表示手段と、前記特定判別期間の間に前記特定条件が成立したことに基づいて、前記特定判別期間を終了して前記特定の表示態様を表示させる第2態様表示手段と、1の前記第1演出の実行中に表示された前記特定の表示態様の表示回数を計数する態様表示回数計数手段と、前記第1演出の実行中に、前記態様回数計数手段により計数された前記表示回数と、残りの前記演出期間との少なくとも一方に基づいて、前記第2演出の演出時間を決定する演出時間決定手段とを備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、1の演出期間において、特定の演出態様が少なくとも1回表示される第1演出と、その第1演出の終了後に実行される第2演出とで少なくとも構成される特定演出が特定演出実行手段により実行される。1の第1演出において表示する特定の表示態様の上限回数が上限回数設定手段によって設定される。予め定めた特定条件が成立したか判別される特定判別期間が、判別期間設定手段により第1演出の実行中に1又は複数回設定される。特定判別期間が経過したことに基づいて、特定の表示態様が第1態様表示手段によって表示される。特定判別期間の間に特定条件が成立したことに基づいて、第2態様表示手段により特定判別期間が終了されて特定の表示態様が表示される。1の第1演出の実行中に表示された特定の表示態様の表示回数が態様表示回数計数手段によって計数される。第1演出の実行中に、態様回数計数手段により計数された表示回数と、残りの演出期間との少なくとも一方に基づいて、第2演出の演出時間が演出時間決定手段によって決定される。
これにより、第2演出の演出時間が、第1演出の状況に応じて可変するので、特定演出のバリエーションを多様化することができるという効果がある。
遊技機D1において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記判別期間設定手段は、前記特定判別期間として、前記操作手段に対する操作を有効とする期間を設定するものであり、前記特定条件は、前記操作手段に対する操作を検出した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定判別期間として、操作手段に対する操作を有効とする期間が判別期間設定手段によって設定される。操作手段に対する操作を検出した場合に特定条件が成立する。
これにより、より長い演出時間の第2演出を表示させたいと希望する遊技者に対して、積極的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、識別情報を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記動的表示時間決定手段により決定された前記動的表示時間内で、前記特定演出を実行するものであり、前記演出時間決定手段は、前記態様回数計数手段により計数された前記表示回数と、残りの前記動的表示時間との少なくとも一方に基づいて、前記第2演出の演出態様を決定するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行され、その動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示の動的表示時間が動的表示時間決定手段によって決定される。動的表示時間決定手段により決定された動的表示時間内で、特定演出実行手段により特定演出が実行される。態様回数計数手段により計数された表示回数と、残りの動的表示時間との少なくとも一方に基づいて、第2演出の演出態様が演出時間決定手段によって決定される。
これにより、識別情報の動的表示の実行中に、動的表示時間の範囲内で特定演出を実行することができるので、識別情報の動的表示の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記演出時間決定手段は、前記第2演出の演出時間として規定された複数の異なる演出時間の中から、前記特定演出の演出期間が終了するよりも前に前記第2演出が終了する範囲の最も長い演出時間を決定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、第2演出の演出時間として規定された複数の異なる演出時間の中から、特定演出の演出期間が終了するよりも前に第2演出が終了する範囲の最も長い演出時間が演出時間決定手段によって決定されるので、第2演出の演出時間をより長くすることができる。よって、遊技者の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D1からD4の何れかにおいて、前記特定演出は、前記第1演出、および前記第2演出のいずれとも異なる第3演出を含んで構成されているものであり、前記演出時間決定手段により決定された前記演出時間と、残りの前記演出期間との少なくとも一方に基づいて前記第3演出の演出時間を決定する第3演出時間決定手段を備えるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出、および第2演出のいずれとも異なる第3演出が特定演出に含まれる。演出時間決定手段により決定された演出時間と、残りの演出期間との少なくとも一方に基づいて第3演出の演出時間が第3演出時間決定手段によって決定される。
これにより、特定演出の実行中に、第1演出とも第2演出とも異なる第3演出を実行することができるので、特定演出の実行中における演出態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機D5において、前記第3演出は、前記第1演出が終了した後で、且つ、前記第2演出を開始する前に実行されるものであり、前記第3演出時間決定手段は、前記第1演出が終了した時点での残りの前記演出期間と、前記演出時間決定手段により決定された前記演出時間との差分に基づいて前記第3演出の演出時間を決定するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、第1演出が終了した後で、且つ、第2演出を開始する前に第3演出が実行される。第1演出が終了した時点での残りの演出期間と、演出時間決定手段により決定された演出時間との差分に基づいて第3演出時間決定手段により第3演出の演出時間が決定される。
これにより、特定演出の演出期間に合わせて第1演出、第2演出、および第3演出を実行することができるという効果がある。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記第2演出の演出態様を、前記態様回数計数手段により計数された前記表示回数に基づいて決定する演出態様決定手段を備えることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかが奏する効果に加え、第2演出の演出態様が、態様回数計数手段により計数された表示回数に基づいて演出態様決定手段によって決定されるので、第1演出と第2演出とが関連性のある印象を遊技者に抱かせることができる。よって、特定演出における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記第2演出を実行するために用いる実行情報を、前記第2演出の演出態様毎に記憶した記憶手段と、前記演出態様決定手段によって決定された前記演出態様に基づいて、対応する前記実行情報を前記記憶手段から選択する選択手段と、前記演出時間決定手段により決定された前記演出時間に基づいて、前記選択手段により選択された前記実行情報のうち、今回の前記第2演出の実行に用いる範囲を特定する特定手段と、を備え、その特定手段により特定された範囲の前記実行情報に基づいて、前記第2演出を実行する第2演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出を実行するために用いる実行情報が、第2演出の演出態様毎に記憶手段に記憶されている。演出態様決定手段によって決定された演出態様に基づいて、対応する実行情報が記憶手段から選択手段により選択される。演出時間決定手段により決定された演出時間に基づいて、選択手段により選択された実行情報のうち、今回の第2演出の実行に用いる範囲が特定手段によって特定される。特定手段により特定された範囲の実行情報に基づいて、第2演出実行手段により第2演出が実行される。
これにより、それぞれの実行情報から、演出時間が異なる複数の第2演出を実行することができるので、演出時間毎に個別に実行情報を記憶しておく場合に比べて、実行情報を記憶しておくために要する記憶領域を削減することができるという効果がある。
<特徴E群>(ボタンPUSHの傾向に応じて期待度の示唆態様を異ならせる)
1の演出期間において、所定の演出態様が複数回表示される特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段による前記特定演出の実行中に所定の表示条件が成立したことに基づいて、前記所定の演出態様として予め定められた複数の態様の中から1の演出態様を決定する演出態様決定手段と、その演出態様決定手段により決定された演出態様の表示を設定する演出態様設定手段と、1の前記演出期間において特定の判別を実行する特定判別手段と、その特定判別手段による判別結果に応じて、前記演出態様決定手段により決定される割合が高い演出態様を、少なくとも1の前記所定の演出態様を決定する場合に可変させる決定割合可変手段とを備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、1の演出期間において、所定の演出態様が複数回表示される特定演出が特定演出実行手段によって実行される。特定演出実行手段による特定演出の実行中に所定の表示条件が成立したことに基づいて、所定の演出態様として予め定められた複数の態様の中から1の演出態様が演出態様決定手段によって決定される。演出態様決定手段により決定された演出態様の表示が演出態様設定手段によって設定される。1の演出期間において特定判別手段により特定の判別が実行され、その特定判別手段による判別結果に応じて、演出態様決定手段により決定される割合が高い演出態様が、少なくとも1の所定の演出態様を決定する場合に、決定割合可変手段によって可変される。
これにより、特定判別手段による判別結果に応じて異なる演出態様が決定され易くなるので、特定の判別の結果に応じて特定演出の印象を異ならせることができる。よって、遊技者に飽きられ難い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記所定の演出態様が表示されている間に予め定められた特定条件が成立したかを判定する条件判定手段を備え、前記特定判別手段は、前記特定の判別として、1の演出期間において設定される少なくとも1の前記所定の演出態様において実行された前記条件判定手段による判定結果を判別するものであり、前記決定割合可変手段は、1の前記演出期間において、前記特定判別手段による判別の対象となった前記所定の演出態様よりも後に前記演出態様設定手段により設定される前記所定の演出態様について、前記演出態様決定手段により決定される割合が高い演出態様を可変させるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の演出態様が表示されている間に予め定められた特定条件が成立したかが条件判定手段によって判定される。特定の判別として、1の演出期間において設定される少なくとも1の所定の演出態様において実行された条件判定手段による判定結果が特定判別手段により判別される。1の演出期間において、特定判別手段による判別の対象となった所定の演出態様よりも後に演出態様設定手段により設定される所定の演出態様について、演出態様決定手段により決定される割合が高い演出態様が決定割合可変手段によって可変される。
これにより、特定判別手段による判別の対象となる所定の演出態様が表示されている間は、特定判別手段による判別状況に注目して遊技を行わせることができる一方、その後に設定される所定の演出態様では、いずれの演出態様が表示されるかに注目して遊技を行わせることができる。よって、所定の演出態様が設定されるタイミングに応じて、注目させるポイントを異ならせることができるので、特定演出の実行中における興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において、前記特定判別手段は、前記特定の判別として、1の演出期間において設定される少なくとも1の前記所定の演出態様のうち、前記条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定された前記所定の演出態様の回数を判別するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、特定の判別として、1の演出期間において設定される少なくとも1の所定の演出態様のうち、条件判定手段により特定条件が成立したと判定された所定の演出態様の回数が特定判別手段によって判別されるので、特定条件が成立した回数に応じて、設定され易い演出態様を可変させることができる。よって、特定条件が成立した回数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記特定条件は、前記所定の演出態様が表示されている間に前記操作手段に対する操作を検出した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、所定の演出態様が表示されている間に操作手段に対する操作を検出した場合に、特定条件が成立するので、遊技者が操作手段を操作するか否かで、演出態様を可変させることができる。よって、遊技者の選択により演出態様を可変できるので、より飽き難い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて前記特定演出を実行するものであり、前記決定割合可変手段は、前記特定判別手段による判別結果が第1の判別結果となり、且つ、前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中である場合、予め定めた特定回数目に表示される前記所定の演出態様を決定する際に、第1態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように可変し、前記特定判別手段による判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となり、且つ、前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中である場合、前記特定回数目に表示される前記所定の演出態様を決定する際に前記第1態様とは異なる第2態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように可変し、前記特定判別手段による判別結果が前記第1の判別結果となり、且つ、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中である場合、前記特定回数目に表示される前記所定の演出態様を決定する際に、前記第2態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように可変し、前記特定判別手段による判別結果が前記第2の判別結果となり、且つ、前記外れ判別結果となったことに基づいて実行された前記特定演出の実行中である場合、前記特定回数目に表示される前記所定の演出態様を決定する際に、前記第1態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように可変するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。判別手段による判別が実行されたことに基づいて特定演出実行手段によって特定演出が実行される。特定判別手段による判別結果が第1の判別結果となり、且つ、特定の判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中である場合、予め定めた特定回数目に表示される所定の演出態様を決定する際に第1態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように決定割合可変手段によって可変される。特定判別手段による判別結果が第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となり、且つ、特定の判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中である場合、特定回数目に表示される所定の演出態様を決定する際に、第1態様とは異なる台2態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように決定割合可変手段によって可変される。特定判別手段による判別結果が第1の判別結果となり、且つ、特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて実行された特定演出の実行中である場合、特定回数目に表示される所定の演出態様を決定する際に、第2態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように決定割合可変手段によって可変される。特定判別手段による判別結果が第2の判別結果となり、且つ、外れ判別結果となったことに基づいて実行された特定演出の実行中である場合、特定回数目に表示される所定の演出態様を決定する際に、第1態様を決定する割合が他の演出態様よりも高くなるように決定割合可変手段によって可変される。
これにより、特定判別手段による判別結果と、特定回数目の所定の演出態様とに応じて、特典遊技となる期待度を遊技者に推測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記所定の演出態様が表示されている間に予め定められた特定条件が成立したかを判定する条件判定手段を備え、前記特定判別手段は、前記特定の判別として、今回の前記特定演出よりも前に実行された少なくとも1の前記特定演出において実行された前記条件判定手段による判定結果に基づいて判別を実行するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の演出態様が表示されている間に予め定められた特定条件が成立したかが条件判定手段によって判定される。特定の判別として、今回の特定演出よりも前に実行された少なくとも1の特定演出において実行された条件判定手段による判定結果に基づいて、特定判別手段により判別が実行される。
これにより、以前に実行された特定演出における条件判定手段の判定結果によって、今回の特定演出における演出態様が可変するので、演出態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機E6において、前記特定判別手段は、今回の前記特定演出よりも前に実行された少なくとも1の前記特定演出において表示された前記所定の演出態様の回数と、前記条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定された前記所定の演出態様の回数とに基づいて判別を実行するものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、今回の特定演出よりも前に実行された少なくとも1の特定演出において表示された所定の演出態様の回数と、条件判定手段により特定条件が成立したと判定された所定の演出態様の回数とに基づいて、特定判別手段によって判別が実行されるので、特定条件が成立した所定の演出態様の回数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E7において、遊技を行っている遊技者を識別する識別手段を備え、前記特定判別手段は、同一の遊技者が遊技を行っていると前記識別手段により識別されている間に表示された前記所定の演出態様の回数と、前記条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定された前記所定の演出態様の回数とに基づいて判別を実行するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技を行っている遊技者が識別手段によって識別される。同一の遊技者が遊技を行っていると識別手段により識別されている間に表示された所定の演出態様の回数と、条件判定手段により特定条件が成立したと判定された所定の演出態様の回数とに基づいて、特定判別手段により判別が実行される。
これにより、遊技者毎の遊技結果に応じて、設定され易い演出態様の傾向を異ならせることができるので、遊技者に応じた演出を提供することができるという効果がある。
<特徴F群>(前半の演出と後半の演出との繋ぎを調節する)
第1演出と、その第1演出よりも後に実行される第2演出とで少なくとも構成される特定演出を1の演出期間内で実行する特定演出実行手段と、前記第1演出の実行中に、予め定められた終了条件が成立したかを判別する終了条件判別手段と、その終了条件判別手段により前記終了条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記第1演出を終了させる第1演出終了手段と、その第1演出終了手段により前記第1演出が終了されてから前記第2演出を開始するまでの間の期間の長さを、少なくとも残りの前記演出期間の長さに基づいて設定する期間設定手段と、その期間設定手段により設定された期間が経過したことに基づいて、前記第2演出を開始させる演出開始手段とを備えることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、第1演出と、その第1演出よりも後に実行される第2演出とで少なくとも構成される特定演出が特定演出実行手段により1の演出期間内で実行される。第1演出の実行中に、予め定められた終了条件が成立したかが終了条件判別手段によって判別され、その終了条件判別手段により終了条件が成立したと判別されたことに基づいて、第1演出終了手段によって第1演出が終了される。第1演出終了手段により第1演出が終了されてから第2演出を開始するまでの間の期間の長さが、期間設定手段により、少なくとも残りの演出期間の長さに基づいて設定される。期間設定手段によって設定された期間が経過したことに基づいて、第2演出が演出開始手段によって開始される。
これにより、第1演出が終了してから第2演出が開始されるまでの期間を、残りの演出時間に応じて可変させることができるので、特定演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機F1において、前記期間設定手段は、前記第1演出が終了されてから前記第2演出を開始するまでの間の期間の長さとして、前記1の演出期間が終了するまでに前記第2演出が終了する長さを設定するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1が奏する効果に加え、第1演出が終了されてから第2演出を開始するまでの間の期間の長さとして、1の演出期間が終了するまでに第2演出が終了する長さが期間設定手段により設定されるので、より好適に特定演出を実行することができるという効果がある。
遊技機F1又はF2において、前記第2演出として、演出時間が少なくとも異なる複数の演出種別の中から1の演出種別を選択する種別選択手段を備え、前記期間設定手段は、前記種別選択手段により選択された演出種別の演出時間に基づいて、前記第1演出が終了されてから前記第2演出を開始するまでの間の期間の長さを設定するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出として、演出期間が少なくとも異なる複数の演出種別の中から1の演出種別が種別選択手段により選択される。種別選択手段により選択された演出種別の演出時間に基づいて、第1演出が終了されてから第演出を開始するまでの間の期間の長さが期間設定手段により設定される。
これにより、第2演出の演出時間に応じて、第2演出の開始タイミングを設定することができるので、第2演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、1の前記第1演出において、予め定められた特定条件が成立する回数の上限を設定する上限回数設定手段と、1の前記第1演出の実行中に前記特定条件が成立した回数を計数する回数計数手段と、を備え、前記終了条件は、前記回数計数手段により計数された回数が、前記上限設定手段により設定された上限の回数以上となった場合に少なくとも成立するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の第1演出において、予め定められた特定条件が成立する回数の上限が上限回数設定手段によって設定される。1の第1演出の実行中に特定条件が成立した回数が回数計数手段によって計数される。回数計数手段により計数された回数が、上限設定手段により設定された上限の回数以上となった場合に少なくとも終了条件が成立する。
これにより、上限設定手段によって設定された上限の回数に応じて第1演出の終了タイミングが可変したとしても、第2演出の開始を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機F4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を有効とする操作有効期間を前記第1演出の実行中に1又は複数回設定する操作有効期間設定手段と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間が経過したことに基づいて、特定の表示態様を表示させる第1態様表示手段と、前記操作有効期間設定手段により設定された1の前記操作有効期間の間に前記操作手段に対する操作を検出したことに基づいて、前記操作有効期間を終了して前記特定の表示態様を表示させる第2態様表示手段と、を備え、前記特定条件は、前記特定の表示態様が表示された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作を有効とする操作有効期間が、第1演出の実行中に1又は複数回、操作有効期間設定手段により設定される。操作有効期間設定手段により設定された操作有効期間が経過したことに基づいて、特定の表示態様が第1態様表示手段により表示される。操作有効期間設定手段により設定された1の操作有効期間の間に操作手段に対する操作を検出したことに基づいて、第2態様表示手段により操作有効期間が終了されて特定の表示態様が表示される。特定の表示態様が表示された場合に特定条件が成立する。
これにより、遊技者が操作手段に対する操作を行ったタイミングに応じて操作有効期間の終了タイミングが可変することにより、第1演出の終了タイミングが可変したとしても、第2演出の開始を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記期間設定手段により設定された長さの前記期間で前記第1演出および前記第2演出のいずれとも異なる第3演出を実行する第3演出実行手段と、前記第3演出を実行するための演出データを記憶した演出データ記憶手段と、前記期間設定手段により前記期間の長さが設定されたことに基づいて、前記演出データ記憶手段から1の前記演出データを読み出すデータ読出手段と、そのデータ読出手段により読み出された前記1の演出データのうち、前記期間設定手段により設定された前記期間の長さに応じた範囲のデータを、前記第3演出を実行するためのデータとして設定するデータ範囲設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、期間設定手段により設定された長さの期間で第1演出および第2演出の何れとも異なる第3演出が第3演出実行手段により実行される。第3演出を実行するための演出データが演出データ記憶手段に記憶されている。期間設定手段により期間の長さが設定されたことに基づいて、演出データ記憶手段から1の演出データがデータ読出手段によって読み出される。データ読出手段により読み出された1の演出データのうち、期間設定手段により設定された期間の長さに応じた範囲のデータが、データ範囲設定手段により第3演出を実行するためのデータとして設定される。
これにより、第3演出を実行する場合に、1の演出データに基づいて演出期間が異なるデータを設定することができるので、第3演出を実行するためのデータが増大してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機F6において、前記演出データの少なくとも一部は、特定の静止画像を表示させるためのデータで構成されるものであり、前記データ範囲設定手段は、前記期間設定手段により設定された前記期間の長さに応じて前記特定の静止画像の表示時間が可変するように、前記第3演出を実行するためのデータの範囲を設定するものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出データの少なくとも一部が、特定の静止画像を表示させるためのデータで構成されている。期間設定手段により設定された期間の長さに応じて特定の静止画像の表示時間が可変するように、第3演出を実行するためのデータ範囲がデータ範囲設定手段によって設定される。
これにより、第3演出の演出時間が可変したとしても、特定の静止画像の表示時間が可変するだけなので、遊技者に対して表示内容に違和感を抱かせてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、識別情報を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記識別情報の動的表示を実行させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示の動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記動的表示時間決定手段により前記動的表示時間が決定されたことに基づいて、当該決定された動的表示時間内で前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行され、その動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示時間が動的表示時間決定手段により決定される。動的表示時間決定手段により動的表示時間が決定されたことに基づいて、決定された動的表示時間内で特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、特定演出を動的表示時間内で実行することができるという効果がある。
<特徴G群>(演出時間が不定の演出が終了した後の態様を調節する)
1の演出期間において、所定の第1演出を少なくとも含む特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記第1演出の実行中に、前記演出期間が経過するよりも前に予め定められた終了条件が成立したかを判別する終了条件判別手段と、その終了条件判別手段により前記終了条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記第1演出を終了させる演出終了手段と、その演出終了手段により前記第1演出が終了されてから前記演出期間が終了するまでの間の演出態様を、少なくとも残りの前記演出期間の長さに基づいて設定する演出態様設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、1の演出期間において、所定の第1演出を少なくとも含む特定演出が特定演出実行手段により実行される。第1演出の実行中に、演出期間が経過するよりも前に予め定められた終了条件が成立したかが終了条件判別手段により判別される。終了条件判別手段により終了条件が成立したと判別されたことに基づいて、第1演出が演出終了手段により終了される。演出終了手段により第1演出が終了されてから演出期間が終了するまでの間の演出態様が、少なくとも残りの演出期間の長さに基づいて演出態様設定手段により設定される。
これにより、残りの演出時間の長さに応じた演出態様を設定することができるので、特定演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機G1において、前記態様設定手段により設定される前記演出態様として、少なくとも演出時間が異なる複数の前記演出態様の種別の中から1の種別を選択する種別選択手段を備えることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、態様設定手段により設定される演出態様として、少なくとも演出じかんが異なる複数の演出態様の種別の中から1の種別が種別選択手段により選択されるので、残りの演出期間の長さに合った演出時間の演出態様を設定することができるという効果がある。
遊技機G2において、前記種別選択手段により選択された前記演出態様の演出時間と、残りの前記演出期間の長さとに基づいて、前記第1演出が終了されてから前記演出態様設定手段により設定される前記演出態様が開始されるまでの間の期間を設定する期間設定手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、種別選択手段により選択された演出態様の演出時間と、残りの演出期間の長里に基づいて、第1演出が終了されてから演出態様設定手段により設定される演出態様が開始されるまでの間の期間が期間設定手段により設定されるので、第1演出と、演出態様との間隔を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機G3において、前記期間設定手段は、前記演出態様設定手段により設定される前記演出態様が終了するタイミングと、前記演出期間が終了するタイミングとが所定期間の範囲内となるように前記期間を設定するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、演出態様設定手段により設定される演出態様が終了するタイミングと、演出期間が終了するタイミングとが所定期間の範囲内となるように、期間設定手段により期間が設定されるので、演出態様の終了タイミングを好適に設定することができるという効果がある。
遊技機G3又はG4において、前記期間設定手段は、前記第1演出が終了した時点における残りの前記演出期間の長さと、前記種別選択手段により選択された種別の前記演出態様の演出時間との差分の期間を、前記期間として設定するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G3又はG4が奏する効果に加え、第1演出が終了した時点における残りの演出期間の長さと、種別選択手段により選択された種別の演出態様の演出時間との差分の期間が、期間設定手段により設定されるので、演出期間の終了タイミングと、演出態様の終了タイミングとを一致させることができるという効果がある。
遊技機G1において、前記演出態様を実行するために用いられる演出データを記憶した記憶手段を備え、前記演出態様設定手段は、1の前記演出データのうち、残りの前記演出期間の長さに対応するデータの範囲を選択して設定するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出態様を実行するために用いられる演出データが記憶手段に記憶されている。1の演出データのうち、残りの演出期間の長さに対応するデータの範囲が演出態様設定手段により選択されて設定される。
これにより、1の演出データから演出時間が異なる複数の演出態様を設定することができるので、演出態様を表示させるためのデータ量を削減することができるという効果がある。
遊技機G6において、前記記憶手段に記憶された複数の前記演出データから、前記演出態様設定手段による前記演出態様の設定に用いる1の前記演出データを選択するデータ選択手段を備え、前記演出態様設定手段は、前記データ選択手段により選択された1の前記演出データのうち、残りの前記演出期間の長さに対応するデータの範囲を選択して設定するものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された複数の演出データから、演出態様設定手段による演出態様の設定に用いる1の演出データがデータ選択手段によって選択される。データ選択手段により選択された1の演出データのうち、残りの演出期間の長さに対応するデータの範囲が演出態様設定手段により選択されて設定される。
これにより、演出態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機G7において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記データ選択手段は、少なくとも前記判別手段による判別結果に基づいて、前記記憶手段から1の前記演出データを選択するものであることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。少なくとも判別手段による判別結果に基づいて、記憶手段から1の演出データがデータ選択手段によって選択される。
これにより、演出態様から特典遊技となるか否かを遊技者に予測させることができるので、遊技者に対して演出態様により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴H群>(右打ちされた球がアタッカーに到達するまでの期間を左打ちした場合よりも長くする)
第1方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が流下可能な第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球と、前記第2流路を流下した遊技球とが少なくとも入球可能な位置に設けられた入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第2流路は、前記第1方向に発射された遊技球が前記入球手段に到達するまでの期間よりも、前記第2方向に発射された遊技球が前記入球手段に到達するまでの期間の方が長くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、大入賞口が所定回数開閉される当たり状態に移行するものがある。係る従来型の遊技機では当たり状態の間に大入賞口へと遊技球を入賞させる毎に所定個数の賞球が付与されるので、遊技者に対して当たり状態を1つの楽しみに遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要があるため、当たり状態中における遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機H1によれば、第1方向に発射された遊技球が第1流路を流下し、第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が第2流路を流下する。第1流路を流下した遊技球と、第2流路を流下した遊技球とが少なくとも入球可能な位置に入球手段が設けられている。入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典が特典付与手段によって付与される。第1方向に発射された遊技球が入球手段に到達するまでの期間よりも、第2方向に発射された遊技球が入球手段に到達するまでの期間の方が長くなるように第2流路が構成されている。
これにより、少しでも早く遊技球を入球手段に到達させたいと考える遊技者に対して、第1流路を狙って遊技球を発射させることができる一方、比較的長い時間をかけて遊技球を入球手段に到達させたいと考える遊技者に対して、第2流路を狙って遊技球を発射させることができる。よって、遊技者毎の好みの発射方向を選択して遊技を行わせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機H1において、前記入球手段は、前記第2流路を流下した遊技球が入球する割合の方が、前記第1流路を流下した遊技球が入球する割合よりも高くなる位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第2流路を流下した遊技球が入球する割合の方が、第1流路を流下した遊技球が入球する割合よりも高くなる位置に入球手段が配置されているので、第1流路を流下すると、入球手段へと到達するまでの期間が短くなる反面、入球手段へと入球し難くなってしまう。一方、第2流路を流下すると、入球手段へ入球し易くなるものの、入球手段へと到達するまでの期間が長くなってしまう。よって、遊技者毎の趣向に合った発射方向を遊技者自身に選択させることができるという効果がある。
遊技機H1又はH2において、前記第2流路を流下する遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、第2流路を流下する遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、第2方向に発射された遊技球が入球手段へと到達するまでの期間を、より確実に第1方向に発射された遊技球が入球手段に到達するまでの期間よりも長くすることができるという効果がある。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定回数、前記第2位置から前記第1位置に可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が所定回数、第2位置から第1位置に可変する可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。
これにより、判別手段による判別で特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H4において、特定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を前記第1方向、および前記第2方向に発射可能な発射手段と、前記可変遊技の実行中において、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変されてから予め定められた特定個数以上の遊技球が前記入球手段へと入球したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置に可変させる第1可変制御手段と、前記可変遊技の実行中において、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置に可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記特定期間は、前記第2方向に向けて遊技球の発射を開始してから、前記特定の発射間隔で前記第2方向に発射された前記特定個数の遊技球が前記第2流路を流下し終わるまでの期間よりも少なくとも長いものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、特定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を第1方向、および第2方向に発射可能に構成されている。可変遊技の実行中において、可変手段が第2位置から第1位置に可変されてから予め定められた特定個数以上の遊技球が入球手段へと入球したことに基づいて、可変手段が第1可変制御手段によって第2位置に可変される。可変遊技の実行中において、可変手段が第2位置から第1位置に可変されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、第2可変制御手段により可変手段が第2位置に可変される。第2方向に向けて遊技球の発射を開始してから、特定の発射間隔で第2方向に発射された特定個数の遊技球が第2流路を流下し終わるまでの期間よりも少なくとも特定期間の方が長くなるように構成されている。
これにより、可変遊技の実行中において第2方向へと遊技球を発射した場合に、特定期間が経過するよりも前に特定個数の遊技球を入球手段に入球させることができるので、遊技者が損をしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機H4において、前記可変遊技実行手段は、前記可変遊技の実行中に特定条件が成立したことを契機として、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で前記第2位置に可変される第1可変動作を前記所定回数含む特定の可変パターンで、前記可変手段が可変するように制御するものであり、前記特定の可変パターンにおける1又は複数の前記第1可変動作の実行期間は、前記特定の可変パターンが開始されてから前記第1方向に発射された遊技球が到達可能となり、且つ、前記特定の可変パターンが開始されてから前記第2方向に発射された遊技球が到達困難となるものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変遊技の実行中に特定条件が成立したことを契機として、可変手段が第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で第2位置に可変される第1可変動作を所定回数含む特定の可変パターンで、可変遊技実行手段により可変手段が可変するように制御される。特定の可変パターンにおける1又は複数の第1可変動作の実行期間が、特定の可変パターンが開始されてから第1方向に発射された遊技球が到達可能となり、且つ、特定の可変パターンが開始されてから第2方向に発射された遊技球が到達困難となる。
これにより、第2方向に遊技球を発射すると、第1方向へ発射した場合よりも、入球手段へと遊技球が入球する機会が少なくなるので、第1方向に発射したいと遊技者に思わせることができるという効果がある。
遊技機H6において、前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の前記可変遊技において前記入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に第1遊技状態を設定し、1の前記可変遊技において前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の可変遊技において入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される一方、1の可変遊技において入球手段へと遊技球が入球した場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態が設定されるので、入球手段へと遊技球が入球するか否かに対してより注目して可変遊技の実行中における遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H6又はH7において、前記第1流路は、流下した遊技球を第3方向から前記入球手段に到達させるものであり、前記第2流路は、流下した遊技球を前記第3方向とは異なる第4方向から前記入球手段に到達させるものであり、前記可変手段は、前記第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が流下可能に構成され、且つ、前記第4方向側の方が前記第3方向側よりも高くなるように傾斜して配置されているものであり、前記入球手段は、前記可変手段が前記第1位置に可変されている状態において、遊技球が上方から入球可能となり、且つ、前記可変手段が前記第2位置に可変されている状態において、上方を前記可変手段により塞がれた状態となるものであり、前記可変手段は、前記第4方向側から前記第3方向側に向かう向きにスライドすることにより前記第2位置から前記第1位置に可変するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H6又はH7が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路を流下した遊技球が第3方向から入球手段へと到達する一方で、第2流路を流下した遊技球が第3方向とは異なる第4方向から入球手段へと到達する。可変手段が第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が流下可能に構成され、且つ、第4方向側の方が第3方向側よりも高くなるように可変手段が傾斜して配置されている。可変手段が第1位置に可変されている状態において、遊技球が上方から入球可能となるように入球手段が構成されている。また、可変手段が第2位置に可変されている状態において、入球手段の上方が可変手段によって塞がれた状態となる。第4方向側から第3方向側に向かう向きにスライドすることにより可変手段が第2位置から第1位置に可変する。
これにより、可変手段が第1位置に可変する途中において、第3方向側から到達した遊技球が入球手段へと入球し難くなる一方で、第4方向側から到達した遊技球が入球し易くなる。よって、可変遊技の実行中において第1方向に遊技球を発射するよりも、第2方向に発射した場合の方が入球手段へと到達した遊技球が入球手段に入球する可能性を高くすることができるという効果がある。
<特徴I群>(大当たり中に右打ちすると、ある面では左打ちよりも有利になるが、別の面では左打ちよりも不利になる)
第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも遊技球を発射可能な発射手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技における遊技者の有利度合いに関する第1要素を、前記特典遊技の実行期間に含まれる特定期間の間に前記第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第1方向に遊技球が発射され続けた方が遊技者に有利とする第1要素有利化手段と、前記第1要素とは異なる第2要素を、前記特定期間の間に前記第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第2方向に遊技球が発射され続けた方が遊技者に有利とする第2要素有利化手段と、を備えることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、大入賞口が所定回数開閉される当たり状態に移行するものがある。係る従来型の遊技機では当たり状態の間に大入賞口へと遊技球を入賞させることにより、賞球等の遊技者に有利となる所定の特典が付与されるので、遊技者に対して当たり状態を1つの楽しみに遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機I1によれば、第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも遊技球を発射可能に発射手段が構成されている。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技における遊技者の有利度合いに関する第1要素が、特典遊技の実行期間に含まれる特定期間の間に第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、第1方向に遊技球が発射され続けた方が第1要素有利化手段によって有利とされる。特典遊技における遊技者の有利度合いに関する第2要素が、特典遊技の実行期間に含まれる特定期間の間に第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、第2方向に遊技球が発射され続けた方が第2要素有利化手段によって有利とされる。
これにより、特典遊技の実行中に第1要素を有利にしたい遊技者に対して第1方向へと遊技球を発射させることができる一方で、第2要素を有利にしたい遊技者に対して第2方向へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技者毎の趣向に合った遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機I1において、前記第1方向に発射された遊技球と、前記第2方向に発射された遊技球とが少なくとも入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記特典遊技の実行中に、前記可変手段を予め定めた第1回数、前記第2位置から前記第1位置に可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球と、第2方向に発射された遊技球とが少なくとも入球可能な位置に入球手段が設けられている。入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球手段に入球困難となる第2位置とに可変手段が可変される。特典遊技の実行中に、可変手段が予め定めた第1回数、第2位置から第1位置に可変制御手段によって可変される。
これにより、入球手段へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、特典遊技の実行中における興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機I2において、前記第1要素有利化手段は、前記特典遊技の実行期間の間に前記第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第1方向に遊技球が発射され続けた方が前記入球手段へと入球する割合を高くするものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、特典遊技の実行期間の間に第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、第1方向に遊技球が発射され続けた方が入球手段へと入球する割合が第1要素有利化手段によって高くされるので、入球手段へと入球する割合が高い遊技性で特典遊技の実行中における遊技を行いたいと考える遊技者に対して、積極的に第1方向へと遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機I2又はI3において、前記第2要素有利化手段は、前記第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第2方向に遊技球が発射され続けた方が、前記特定期間の間に前記入球手段に到達する遊技球の個数を多くするものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2又はI3の奏する効果に加え、第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、第2方向に遊技球が発射され続けた方が、特定期間の間に入球手段に到達する遊技球の個数が第2要素有利化手段によって多くされるので、より多くの遊技球を入球手段に到達させたいと考える遊技者に対して、積極的に第2方向に遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機I4において、前記可変制御手段は、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で前記第2位置に可変される第1可変動作を前記特定期間の間に前記第1回数実行するものであり、前記第2要素有利化手段は、前記特定期間が開始されてから前記第1方向に発射された遊技球が、所定回数の前記第1可変動作の実行期間が終了するまでの間に前記入球手段に到達することを抑制するものであり、前記所定回数の前記第1可変動作の実行期間のうち少なくとも一部は、前記特定期間が開始されてから前記第2方向に発射された遊技球が到達可能となる期間であることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で第2位置に可変される第1可変動作が可変制御手段によって特定期間の間に第1回数実行される。特定期間が開始されてから第1方向に発射された遊技球が、所定回数の第1可変動作の実行期間が終了するまでの間に入球手段に到達することが第2要素有利化手段によって抑制される。所定回数の第1可変動作の実行期間のうち少なくとも一部は、特定期間が開始されてから第2方向に発射された遊技球が到達可能となる期間で構成されている。
これにより、第2方向に遊技球を発射した方が、第1方向に遊技球を発射した場合よりも多くの回数の第1可変動作の実行中に入球手段へと遊技球を到達させることができるので、入球手段へと入球させる機会をより多く得ることができるという効果がある。
遊技機I5において、前記第2要素有利化手段は、前記第1方向に発射された遊技球が前記入球手段へと到達するまでの期間が、前記第2方向に発射された遊技球が前記入球手段へと到達するまでの期間よりも長くなるように前記第1方向に発射された遊技球の流下速度を抑制するものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、第1方向に発射された遊技球が入球手段へと到達するまでの期間が、第2方向に発射された遊技球が入球手段へと到達するまでの期間よりも長くなるように、第2要素有利化手段によって第1方向に発射された遊技球の流下速度が抑制されるので、第1方向に発射された遊技球が、所定回数の第1可変動作が終了するよりも前に入球手段に到達することをより確実に防止できる。よって、第2方向に遊技球を発射した方が、より確実に入球手段へと入球させる機会を多くすることができるという効果がある。
遊技機I5又はI6において、前記第1可変動作は、前記第2位置から前記第1位置への可変が開始されてから、前記第1位置への可変が終了するまでの期間が予め定められた第2期間となるように前記可変手段が可変されるものであり、前記第1要素有利化手段は、前記第2方向に発射された遊技球が前記第2期間の間に前記入球手段へと到達した場合よりも、前記第1方向に発射された遊技球が前記第2期間の間に前記入球手段へと到達した方が前記入球手段に入球し易くするものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I5又はI6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変動作では、第2位置から第1位置への可変が開始されてから、第1位置への可変が終了するまでの期間が予め定められた第2期間となるように可変手段が可変される。第2方向に発射された遊技球が第2期間の間に入球手段へと到達した場合よりも、第1方向に発射された遊技球が第2期間の間に入球手段へと到達した方が第1要素有利化手段によって入球手段に入球し易くされる。
これにより、第1方向に遊技球を発射した場合は、可変手段が第1位置に可変されている第1期間に加えて、第2位置から第1位置に可変する途中の第2期間においても入球手段へと入球する可能性があるため、第1方向に遊技球を発射した方が、入球手段へと入球可能となる期間を長くすることができる。よって、遊技球を第1方向に発射した方が、第2方向に発射した場合よりも、入球手段に到達した遊技球が入球手段へと入球する可能性を高くすることができるという効果がある。
遊技機I7において、前記第1方向に発射された遊技球が流下可能であり、且つ、流下した遊技球を第3方向から前記入球手段に到達させる第1流路と、前記第2方向に発射された遊技球が流下可能であり、且つ、流下した遊技球を前記第3方向とは異なる第4方向から前記入球手段に到達させる第2流路と、を備え、前記可変手段は、前記第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が流下可能に構成され、且つ、上面における前記第3方向側の方が前記第4方向側よりも高くなるように傾斜して構成されているものであり、前記入球手段は、前記可変手段が前記第1位置に可変されている状態において、遊技球が上方から入球可能となり、且つ、前記可変手段が前記第2位置に可変されている状態において、上方を前記可変手段により塞がれた状態となるものであり、前記第1要素有利化手段は、前記第3方向側から前記第4方向側に向かう向きに前記可変手段をスライドさせることにより前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が、第1流路によって第3方向から入球手段に到達される。第2方向に発射された遊技球が、第2流路によって第3方向とは異なる第4方向から入球手段に到達される。可変手段が第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が可能となる。また、可変手段の上面における第3方向側の方が、第4方向側よりも高くなるように傾斜して構成されている。可変手段が第1位置に可変されている状態において、入球手段に対して遊技球が上方から入球可能となる一方で、可変手段が第2位置に可変されている状態において、入球手段の上方が可変手段によって塞がれた状態となる。可変手段が第2位置から第1位置に可変される際に、第1要素有利化手段によって第3方向側から第4方向側に向かう向きに可変手段がスライドされる。
これにより、第2方向に発射され、第2期間の間に第4方向側から可変手段の上面に到達した遊技球に対して、可変手段の上面の傾斜によって第4方向側へと戻す向きの重力を作用させることができるので、入球手段へと入球し難くすることができる。一方、入球手段の上方における第3方向側は、第4方向側よりも早く上方から入球可能な状態となるため、第1方向に発射され、第2期間の間に第3方向側から入球手段に到達した遊技球を入球し易くすることができる。よって、第2方向に発射された遊技球よりも、第1方向に発射された遊技球の方が、より確実に入球手段へと到達した場合の入球率を高くすることができる。
遊技機I2からI8のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の前記特典遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に第1遊技状態を設定し、1の前記特典遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I2からI8のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の特典遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される。一方、1の特典遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球した場合に第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。よって、入球手段へと遊技球が入球することによって、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が有利な第2遊技状態に設定されるので、入球手段へと遊技球が入球するか否かにより注目して特典遊技の実行中における遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴J群>(同一の領域に到達した遊技球が入賞し易いアタッカーを可変させる)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が到達可能な特定領域と、その特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与する第1特典付与手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与する第2特典付与手段と、前記特定領域に到達した遊技球が前記第1入球手段に入球可能となり、且つ、前記第2入球手段に入球困難となる第1位置と、前記第1入球手段に入球困難となり、且つ、前記第2入球手段に入球可能となる第2位置と、に少なくとも可変可能な可変手段と、その可変手段を、第1条件の成立に基づいて前記第1位置へと可変させ、前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて前記第2位置へと可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機J1によれば、遊技球を発射可能な発射手段により発射された遊技球が到達可能な位置に特定領域が設けられている。特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に第1入球手段と、第2入球手段とが設けられている。第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1特典付与手段により第1の特典が付与され、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典とは異なる第2の特典が付与される。可変手段が、特定領域に到達した遊技球が第1入球手段に入球可能となり、且つ、第2入球手段に入球困難となる第1位置と、第1入球手段に入球困難となり、且つ、第2入球手段に入球可能となる第2位置と、に少なくとも可変可能に構成されている。第1条件の成立に基づいて可変手段が可変制御手段により第1位置へと可変される一方で、第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて可変手段が可変制御手段により第2位置へと可変される。
これにより、可変手段の可変位置に応じて、特定領域に到達した遊技球が入球可能となる入球手段を異ならせることができるので、可変手段の可変位置に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1において、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは、盤面上において所定距離を離間させて配置されているものであり、前記可変手段は、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に配置されているものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、第1入球手段と、第2入球手段とが、盤面上において所定距離を離間させて配置されている。可変手段が、第1入球手段と、第2入球手段との間に配置されている。
これにより、第1入球手段と第2入球手段とに対して別々に可変手段を設けた場合に比較して構成を簡素化することができるという効果がある。
遊技機J1又はJ2において、前記可変手段は、前記第1位置と、前記第2位置と、前記第1入球手段および前記第2入球手段のいずれにも入球困難となる第3位置と、に少なくとも可変可能に構成されているものであり、前記可変制御手段は、前記可変手段を、前記第1条件の成立に基づいて前記第3位置から前記第1位置へと可変させ、前記第2条件の成立に基づいて前記第3位置から前記第2位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1又はJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1位置と、第2位置と、第1入球手段および第2入球手段のいずれにも入球困難となる第3位置とに少なくとも可変手段が可変可能に構成されている。第1条件の成立に基づいて可変手段が第3位置から第1位置へと可変制御手段により可変される一方で、第2条件の成立に基づいて可変手段が第3位置から第2位置へと可変制御手段により可変される。
これにより、第1条件も第2条件も成立していない状態では、第1入球手段へも第2入球手段へも入球困難になるので、第1条件、または第2条件のいずれかが成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機J3において、前記第1入球手段は、前記特定領域に対して第1の方向に設けられているものであり、前記第2入球手段は、前記特定領域に対して前記第1の方向とは異なる第2の方向に設けられているものであり、前記第1位置は、前記特定領域に到達した遊技球の進行方向が前記第1の方向になり易くなる位置であり、前記第2位置は、前記特定領域に到達した遊技球の進行方向が前記第2の方向になり易くなる位置であり、前記第3位置は、前記特定領域に到達した遊技球の進行方向が前記第1の方向および前記第2の方向のいずれとも異なる方向になり易くなる位置であることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段が、特定領域に対して第1の方向に設けられている一方で、第2入球手段が、特定領域に対して第1の方向とは異なる第2の方向に設けられている。可変手段が第1位置に配置されると、特定領域に到達した遊技球の進行方向が第1の方向になり易くなる一方で、第2位値に配置されると、特定領域に到達した遊技球の進行方向が第2の方向になり易くなる。これに対し、可変手段が第3位置に配置されると、特定領域に到達した遊技球の進行方向が第1の方向および第2の方向のいずれとも異なる方向になり易くなる。
これにより、第1の方向や第2の方向は、第1条件又は第2条件が成立していない状態で特定領域に到達した遊技球が進行する可能性が低くなるので、特定領域から第1入球手段までの間の構成や、特定領域から第2入球手段までの間の構成を必要最低限にすることができる。よって、構成をコンパクトにすることができるという効果がある。
遊技機J4において、前記第1入球手段は、前記特定領域から前記第1の方向以外の進行方向に進行した遊技球が入球し難くなるように構成されており、前記第2入球手段は、前記特定領域から前記第2の方向以外の進行方向に進行した遊技球が入球し難くなるように構成されていることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、第1入球手段が、特定領域から第1の方向以外の進行方向に進行した遊技球が入球し難く構成されている一方で、第2入球手段が、特定領域から第2の方向以外の進行方向に進行した遊技球が入球し難く構成されているので、第1条件や第2条件が成立していない状態で遊技球が第1入球手段や第2入球手段へと入球することを抑制できるという効果がある。
遊技機J1からJ5のいずれかにおいて、前記可変手段は、盤面上で出没動作が可能な第1可変部材と、その第1可変部材とは異なる第2可変部材とで構成されているものであり、前記第1位置は、前記第1可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出し、且つ、前記第2可変部材が盤面に埋没した配置となるものであり、前記第2位置は、前記第1可変部材が盤面に埋没し、且つ、前記第2可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出した配置となるものであり、前記第3位置は、前記第1可変部材と前記第2可変部材とが盤面に埋没した配置となるものであり、前記第1可変部材は、盤面に対して突出することで前記特定領域に到達した遊技球を前記第1入球手段へと誘導可能な流路を構成するものであり、前記第2可変部材は、盤面に対して突出することで前記特定領域に到達した遊技球を前記第2入球手段へと誘導可能な流路を構成するものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機Jに6よれば、遊技機J1からJ5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、盤面上で出没動作が可能な第1可変部材と、その第1可変部材とは異なる第2可変部材とで可変手段が構成されている。第1位置では、第1可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出し、且つ、第2可変部材が盤面に埋没した配置となる。第2位置では、第1可変部材が盤面に埋没し、且つ、第2可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出した配置となる。第3位置では、第1可変部材と第2可変部材とが盤面に埋没した配置となる。第1可変部材が盤面に対して突出することで特定領域に到達した遊技球を第1入球手段へと誘導可能な流路が構成される。第2可変部材が盤面に対して突出することで特定領域に到達した遊技球を第2入球手段へと誘導可能な流路が構成される。
これにより、突出している可変部材の種別によって入球可能となる入球手段を遊技者が容易に識別することができるという効果がある。
遊技機J6において、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは、盤面において正面視左右方向に所定の距離を空けて配置されているものであり、前記第1入球手段は、前記第2入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能であり、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されているものであり、前記第2入球手段は、前記第1入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能であり、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段と、第2入球手段とが盤面において正面視左右方向に所定の距離を空けて配置されている。第1入球手段は、第2入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能であり、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されている。第2入球手段は、第1入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能で有り、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されている。
これにより、可変手段が第3位置に配置された状態において、遊技球が第1入球手段や第2入球手段へと入球することを抑制できるという効果がある。
遊技機J6又はJ7において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が前記第3位置から前記第1位置又は前記第2位置に所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J6又はJ7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて可変手段が第3位置から第1位置又は第2位置に所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。
これにより、判別手段による判別の結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J8において、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記可変遊技の実行中に前記可変手段が前記第3位置から前記第1位置に所定回数可変される第1可変遊技と、前記可変手段が前記第3位置から前記第2位置に所定回数可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1の特典は、前記第2の特典よりも遊技者にとって有利な特典で構成されていることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、可変遊技の実行中に可変手段が第3位置から第1位置に所定回数可変される第1可変遊技と、可変手段が第3位置から第2位置に所定回数可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段により1の種別が決定される。第1の特典は、第2の特典よりも遊技者にとって有利な特典で構成されている。
これにより、第1可変遊技が実行された場合に、第2可変遊技が実行されるよりも遊技者に有利となるので、種別決定手段によって決定される可変遊技の種別に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J9において、前記第1可変遊技は、前記可変手段が前記第3位置から前記第1位置に第1の回数可変されるものであり、前記第2可変遊技は、前記可変手段が前記第3位置から前記第2位置に前記第1の回数よりも少ない第2の回数可変されるものであることを特徴とする遊技機J10。
遊技機J10によれば、遊技機J9の奏する効果に加え、第1可変遊技では、可変手段が第3位置から第1位置に第1の回数可変される一方で、第2可変遊技では、可変手段が第3位置から第2位置に第1の回数よりも少ない第2の回数可変されるので、第1可変遊技が実行されると、第2の特典よりも有利な第1の特典が付与され易くなる上に、可変手段が第1位置に可変される回数も多くなる。よって、第1可変遊技の優位性をより高めることができるという効果がある。
遊技機J1からJ5のいずれかにおいて、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは、盤面において正面視左右方向に所定の距離を空けて配置されているものであり、前記可変手段は、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間を正面視左右方向に可変可能に構成されているものであり、前記第1位置は、前記可変手段が前記第1入球手段に近接する位置であり、前記第2位置は、前記可変手段が前記第2入球手段に近接する位置であり、前記第3位置は、前記第1位置と前記第2位置との間の位置であることを特徴とする遊技機J11。
遊技機J11によれば、遊技機J1からJ5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段と、第2入球手段とは、盤面において正面視左右方向に所定の距離を空けて配置されている。可変手段が、第1入球手段と、第2入球手段との間を正面視左右方向に可変可能に構成されている。可変手段が第1位置に配置されると、可変手段が第1入球手段に近接する一方で、可変手段が第2位置に配置されると、可変手段が第2入球手段に近接する。可変手段が第3位値に配置されると、可変手段が第1位置と第2位置との間に配置される。
これにより、可変手段を左右に移動させるという比較的単純な動作により位置を切り替えることができるので、可変手段の可変動作を簡素な構成で実現することができるという効果がある。
遊技機J11において、前記可変手段は、左側面が正面視右上方向から左下方向に下る向きの傾斜を形成し、且つ、右側面が正面視左上方向から右下方向に下る向きの傾斜を形成しているものであり、前記第1入球手段は、前記第2入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能であり、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されているものであり、前記第2入球手段は、前記第1入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能であり、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されているものであり、前記第1位置は、前記可変手段の左側面が形成する傾斜により前記特定領域に到達した遊技球が前記第2入球手段側の方向から前記第1入球手段に到達するように流下可能となるものであり、前記第2位置は、前記可変手段の右側面が形成する傾斜により前記特定領域に到達した遊技球が前記第1入球手段側の方向から前記第2入球手段に到達するように流下可能となるものであることを特徴とする遊技機J12。
遊技機J12によれば、遊技機J11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段の左側面が正面視右上方向から左下方向に下る向きの傾斜を形成し、且つ、可変手段の→側面が正面視左上方向から右下方向に下る向きの傾斜を形成している。第1入球手段は、第2入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能であり、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されている。第2入球手段は、第1入球手段側の方向から到達した遊技球が入球可能であり、且つ、他の方向から到達した遊技球が入球困難となるように構成されている。可変手段が第1位置に配置されると、可変手段の左側面が形成する傾斜により特定領域に到達した遊技球が第2入球手段側の方向から第1入球手段に到達するように流下可能となる。可変手段が第2位置に配置されると、可変手段の右側面が形成する傾斜により特定領域に到達した遊技球が第1入球手段側の方向から第2入球手段に到達するように流下可能となる。
これにより、単に可変手段の側面の傾斜に沿って遊技球を流下させるだけで第1入球手段にも、第2入球手段にも遊技球を入球させることができるので、可変手段の構成をより簡素化することができるという効果がある。
遊技機J12において、前記第3位置は、前記可変手段の左端と、前記第1入球手段との間に遊技球1個分の幅以上の距離が空き、且つ、前記可変手段の右端と、前記第2入球手段との間に遊技球1個分の幅以上の距離が空くものであることを特徴とする遊技機J13。
遊技機J13によれば、遊技機J12の奏する効果に加え、可変手段が第3位置に配置されると、可変手段の左端と、第1入球手段との間に遊技球1個分の幅以上の距離が空き、且つ、可変手段の右端と、第2入球手段との間に遊技球1個分の幅以上の距離が空くので、可変手段が第3位置に配置されている状態において、第1入球手段や第2入球手段に遊技球が入球することをより確実に抑制できるという効果がある。
<特徴K群>(特定領域に到達した遊技球がアタッカーに入球するまでの期間を打ち出し方向で可変させる)
遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも発射可能な発射手段と、その発射手段により前記第1方向に発射された遊技球と、前記第2方向に発射された遊技球とが到達可能な位置に設けられている特定領域と、その特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと入球可能になる第1位置と、その第1位置とは異なり、且つ、前記入球手段へと入球可能になる第2位置と、前記入球手段へと入球困難になる第3位置とに少なくとも可変可能な可変手段と、予め定めた特定条件が成立したことに基づいて、前記可変手段が前記第3位置から前記第1位置に所定期間可変される第1可変動作と、前記可変手段が前記第3位置から前記第2位置に前記所定期間可変される第2可変動作とを少なくとも含む複数の可変動作のうちいずれかの可変動作で前記可変手段が可変するように制御する可変制御手段と、を備え、前記可変手段が前記第1位置に可変している状態では、前記第1方向に発射されて前記可変手段に到達した遊技球の方が、前記第2方向に発射されて前記可変手段に到達した遊技球よりも前記入球手段へと入球するまでの期間が短くなり易いものであることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機K1によれば、発射手段が、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも発射可能に構成されている。発射手段により第1方向に発射された遊技球と、第2方向に発射された遊技球とが到達可能な位置に特定領域が設けられている。特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられており、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。入球手段へと入球可能になる第1位置と、その第1位置とは異なり、且つ、入球手段へと入球可能になる第2位置と、入球手段へと入球困難になる第3位置とに少なくとも可変手段が可変可能に構成されている。予め定めた特定条件が成立したことに基づいて、可変手段が第3位置から第1位置に所定期間可変される第1可変動作と、可変手段が第3位置から第2位置に所定期間可変される第2可変動作とを少なくとも含む複数の可変動作のうちいずれかの可変動作で可変手段が可変するように可変制御手段によって制御される。可変手段が第1位置に可変している状態では、第1方向に発射されて可変手段に到達した遊技球の方が、第2方向に発射されて可変手段に到達した遊技球よりも入球手段へと入球するまでの期間が短くなり易くなるように構成されている。
これにより、可変手段が第1位置に可変された場合に、短い期間で入球手段に遊技球を入球させたいと考える遊技者に対して第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を選択させることができる一方で、すぐに入球手段へと遊技球を入球させたくないと考える遊技者に対して第2方向へと遊技球を発射する遊技方法を選択させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1において、前記所定期間は、前記第2方向に発射された遊技球が前記第1位置に可変している前記可変手段に到達して前記入球手段へと入球することが困難となる長さの期間であることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、所定期間が、第2方向に発射された遊技球が第1位置に可変している可変手段に到達して入球手段へと入球することが困難となる長さの期間で構成されているので、可変手段が第1位置に可変した場合に、第1方向へと遊技球を発射しなければ遊技球を入球手段へと入球させることが困難になるので、第1位置に可変するタイミングを予測して第1方向へと遊技球を発射する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K2において、前記可変手段が前記第2位置に可変している状態では、前記第2方向に発射されて前記可変手段に到達した遊技球の方が、前記第1方向に発射されて前記可変手段に到達した遊技球よりも前記入球手段へと入球するまでの期間が短くなり易いものであり、前記所定期間は、前記第2方向に発射された遊技球が前記第1位置に可変している前記可変手段に到達して前記入球手段へと入球することが困難となる長さの期間であることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第2位置に可変している状態では、第2方向に発射されて可変手段に到達した遊技球の方が、第1方向に発射されて可変手段に到達した遊技球よりも入球手段へと入球するまでの期間が短くなり易くなる。所定期間は、第2方向に発射された遊技球が第1位置に可変している可変手段に到達して入球手段へと入球することが困難になる長さの期間で構成されている。
これにより、入球手段へと入球し易くなる発射方向を遊技者に素早く判断させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変制御手段による前記可変手段の前記可変動作を少なくとも含む可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかが奏する効果に加え、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変制御手段による可変手段の可変動作を少なくとも含む可変遊技が可変遊技実行手段により実行されるので、判別手段による判別の結果に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K4において、1の前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球した場合に、前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として遊技者に有利な第1遊技状態を設定し、1の前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に、前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、1の可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球した場合に、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として遊技者に有利な第1遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される一方で、1の可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態が遊技状態設定手段によって設定されるので、入球手段へと遊技球が入球するか否かにより注目して可変遊技の実行中における遊技を行わせることができる。よって、可変遊技に対する遊技者の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機K4又はK5において、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記可変遊技の実行中に前記可変手段が前記第1可変動作で制御される第1可変遊技を第1の割合で決定し、前記可変手段が前記第2可変動作で制御される第2可変遊技を前記第1の割合よりも高い第2の割合で決定する可変遊技種別決定手段を備えるものであることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K4又はK5の奏する効果に加え、可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、可変遊技の実行中に可変手段が第1可変動作で制御される第1可変遊技が可変遊技種別決定手段により第1の割合で決定される一方、可変手段が第2可変動作で制御される第2可変遊技が可変遊技種別決定手段により第1の割合よりも高い第2の割合で決定されるので、可変遊技が実行された場合に第2方向へと遊技球を発射した方が入球手段へと入球し易いのではないかと遊技者に思わせることができる。即ち、可変遊技種別決定手段により種別が決定される割合を手掛かりに入球手段に入球し易い発射方向を予測する遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K6において、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特定の特典を付与する第2特典付与手段と、を備え、前記可変遊技実行手段は、前記可変遊技の実行中に、前記可変入球手段を前記可変遊技の種別に応じて予め定められている回数、前記第2状態から前記第1状態に可変させ、前記可変入球手段が前記第2状態となっている期間のうち前記所定期間において前記第1可変動作、又は前記第2可変動作で前記可変手段が可変動作するように前記可変制御手段に制御させるものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変入球手段が可変可能に構成されている。可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2特典付与手段により特定の特典が付与される。可変遊技の実行中に、可変入球手段が可変遊技の種別に応じて予め定められている回数、第2状態から第1状態に可変されるように可変遊技実行手段が可変制御手段に制御させるとともに、可変入球手段が第2状態となっている期間のうち所定期間において第1可変動作、又は第2可変動作で可変手段が可変動作するように可変遊技実行手段が可変制御手段に制御させるので、可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球を入球させることができなかった場合にも、可変入球手段へと遊技球を入球させる機会が与えられる。よって、入球手段へと入球させることができなかった遊技者が落胆してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機K7において、前記第1可変遊技は、前記第2可変遊技よりも1の前記可変遊技の間に前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に可変される回数が多いものであることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、第1可変遊技になると、第2可変遊技よりも1の可変遊技の間に可変入球手段が第2状態から第1状態に可変される回数が多くなるので、第1可変遊技になることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴L群>(Vラウンド中に、V入賞し易い方向を予測して遊技球を発射させる演出)
遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも発射可能な発射手段と、その発射手段により前記第1方向に発射された遊技球と、前記第2方向に発射された遊技球とが到達可能な位置に設けられている特定領域と、その特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に設けられている入球手段と、所定の可変パターンで可変動作が可能な可変手段と、その可変手段に対して設定する可変パターンとして、予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、前記第2方向に発射されて前記特定領域に到達した遊技球よりも前記第1方向に発射されて前記特定領域に到達した遊技球の方が前記入球手段に入球し易くなる第1可変パターンを決定し、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記第1方向に発射されて前記特定領域に到達した遊技球よりも前記第2方向に発射されて前記特定領域に到達した遊技球の方が前記入球手段に入球し易くなる第2可変パターンを決定する可変パターン決定手段と、前記第1条件、または前記第2条件が成立したことに基づいて、前記第1条件と前記第2条件とのいずれが成立したのかを識別し難い演出態様の特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機L1によれば、発射手段が、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも発射可能に構成されている。発射手段により第1方向に発射された遊技球と、第2方向に発射された遊技球とが到達可能な位置に特定領域が設けられている。特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられている。可変手段が所定の可変パターンで可変動作可能に構成されている。可変手段に対して設定する可変パターンとして、予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、可変パターン決定手段により、第2方向に発射されて特定領域に到達した遊技球よりも第1方向に発射されて特定領域に到達した遊技球の方が入球手段に入球し易くなる第1可変パターンが決定される一方で、第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、第1方向に発射されて特定領域に到達した遊技球よりも第2方向に発射されて特定領域に到達した遊技球の方が入球手段に入球し易くなる第2可変パターンが可変パターン決定手段により決定される。第1条件、または第2条件が成立したことに基づいて、第1条件と第2条件とのいずれが成立したのかを認識し難い演出態様の特定演出が特定演出実行手段により実行される。
これにより、可変手段が第1可変パターンで可変されるのか第2可変パターンで可変されるのかが演出態様から識別し難くなるので、入球手段に対して入球し易くなる方向を予測して遊技球を発射させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L1において、前記第1可変パターンは、前記第1条件が成立した後の特定期間の間に前記第1方向に発射された遊技球が前記入球手段に入球可能となり、且つ、前記特定期間の間に前記第2方向に発射された遊技球が前記入球手段に入球困難になるものであり、前記第2可変パターンは、前記第2条件が成立した後の前記特定期間の間に前記第1方向に発射された遊技球が前記入球手段に入球困難となり、且つ、前記特定期間の間に前記第2方向に発射された遊技球が前記入球手段に入球可能になるものであり、前記特定演出実行手段は、少なくとも前記特定期間の間に渡って前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変パターンが設定されると、第1条件が成立した後の特定期間の間に第1方向に発射された遊技球が入球手段に入休暇の宇土なり、且つ、特定期間の間に第2方向に発射された遊技球が入球手段に入球困難になる。第2可変パターンが設定されると、第2条件が成立した後の特定期間の間に第1方向に発射された遊技球が入球手段に入球困難となり、且つ、特定期間の間に第2方向に発射された遊技球が入球手段に入球可能となる。少なくとも特定期間の間に渡って、特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、入球し易くなる方向を予測して、その予測した方向に対して特定期間の間に遊技球を発射させるという遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L1又はL2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変パターン決定手段により決定された可変パターンでの前記可変手段の可変動作を少なくとも含む可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1又は2の奏する効果に加え、判別条件の成立に基づいて実行される判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変パターン決定手段により決定された可変パターンで可変手段の可変動作を少なくとも含む可変遊技が可変遊技実行手段により実行されるので、判別手段による判別が実行される毎に、特定の判別結果になることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L3において、1の前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球した場合に、前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として遊技者に有利な第1遊技状態を設定し、1の前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に、前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、1の可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球した場合に、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により遊技者に有利な第1遊技状態が設定される一方で、1の可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態が設定されるので、可変遊技の実行中に、入球手段へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができる。よって、可変遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L3又はL4において、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記可変遊技の実行中に前記可変手段に前記第1可変パターンが設定される第1可変遊技を第1の割合で決定し、前記可変手段に前記第2可変パターンが設定される第2可変遊技を前記第1の割合よりも高い第2の割合で決定する可変遊技種別決定手段を備えるものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L3又はL4の奏する効果に加え、可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、可変遊技の実行中に可変手段に第1可変パターンが設定される第1可変遊技が可変遊技種別決定手段により第1の割合で決定される一方で、可変手段に第2可変パターンが設定される第2可変遊技が可変遊技種別決定手段により第1の割合よりも高い第2の割合で決定されるので、可変遊技が実行された場合に第2方向へと遊技球を発射した方が入球手段へと入球し易いのではないかと遊技者に思わせることができる。即ち、可変遊技種別決定手段により種別が決定される割合を手掛かりに入球手段に入球し易い発射方向を予測する遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L5において、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特定の特典を付与する第2特典付与手段と、を備え、前記可変遊技実行手段は、前記可変遊技の実行中に、前記可変入球手段を前記可変遊技の種別に応じて予め定められている回数、前記第2状態から前記第1状態に可変させる可変動作と、前記可変パターン決定手段により決定された可変パターンで前記可変手段が可変される可変動作とを実行するものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変入球手段が可変可能に構成されている。可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2特典付与手段により特定の特典が付与される。可変遊技の実行中に、可変入球手段を可変遊技の種別に応じて予め定められている回数、第2状態から第1状態に可変させる可変動作と、可変パターン決定手段により決定された可変パターンで可変手段が可変される可変動作とが可変遊技実行手段により実行される。
これにより、可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球を入球させることができなかった場合にも、可変入球手段へと遊技球を入球させる機会が与えられるので、入球手段へと入球させることができなかった遊技者が落胆してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機L1からL6のいずれかにおいて、前記第1条件、または前記第2条件が成立し、且つ、予め定められた特定条件が成立した場合に、前記特定演出実行手段により前記特定演出が実行されることを回避する回避手段と、その回避手段により前記特定演出の実行が回避されたことに基づいて、前記第1条件と、前記第2条件とのいずれが成立したのかを示す情報を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L1からL6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件、または第2条件が成立し、且つ、予め定められた特定条件が成立した場合に、特定演出実行手段により特定演出が実行されることが回避手段により回避される。回避手段により特定演出の実行が回避されたことに基づいて、第1条件と、第2条件とのいずれが成立したのかを示す情報を報知する報知演出が報知演出実行手段により実行される。
これにより、報知演出が実行されることにより入球手段に入球し易くなる発射方向を特定することができるので、報知演出が実行されるこにを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴M群>(アタッカーの可動開始から終了までの間の可動位置に応じて入賞し易いアタッカーが可変する)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記第1入球手段に遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変するように制御する可変制御手段と、を備え、前記第2入球手段は、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変するまでの間の可変位置に応じて前記可変手段に到達した遊技球の入球し易さが可変するものであることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機M1によれば、第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、第1入球手段に遊技球が入球困難になる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変するように可変制御手段によって制御される。可変手段が第2位置から第1位置へと可変するまでの間の可変位置に応じて、可変手段に到達した遊技球の第2入球手段に対する入球し易さが可変する。
これにより、可変手段の可変位置に応じて、第1入球手段へ入球し易くなるか、第2入球手段に入球し易くなるかが可変するので、可変手段の可変位置に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機M1において、前記第2入球手段は、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変するまでの間における特定範囲を可変している状態で前記可変手段に到達した遊技球が入球可能となるものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、可変手段が第2位置から第1位置へと可変するまでの間における特定範囲を可変している状態で可変手段に到達した遊技球が第2入球手段へと入球可能になるので、可変手段が特定範囲を可変している間に遊技球を可変手段に到達させようと工夫して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機M2において、前記特定範囲は、少なくとも前記第1位置を含まない範囲で構成され、前記第2入球手段は、前記可変手段の可変位置が前記特定範囲外である場合に、前記可変手段に到達した遊技球が入球困難になるものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、特定範囲は、少なくとも第1位置を含まない範囲で構成されており、可変手段の可変位置が特定範囲外である場合に、可変手段に到達した遊技球が第2入球手段へと入球困難になるので、遊技球を発射するタイミングをより工夫させることができるという効果がある。
遊技機M1からM3のいずれかにおいて、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは、左右方向に所定距離を空けて配置されているものであり、前記可変手段は、前記第1入球手段と前記第2入球手段との間に設けられ、前記第1入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第1傾斜部材と、前記第2入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第2傾斜部材とで少なくとも構成されているものであり、前記第1位置は、前記可変手段に到達した遊技球が前記第1傾斜部材を流下し易くなり、且つ、前記第2傾斜部材を流下し難くなる位置であり、前記第2位置は、前記可変手段に到達した遊技球が前記第1傾斜部材、および前記第2傾斜部材を流下し難くなる位置であることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M1からM3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段と、第2入球手段とが、左右方向に所定距離を空けて配置されている。第1入球手段と第2入球手段との間に設けられ第1入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第1傾斜部材と、第2入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第2傾斜部材とで少なくとも可変手段が構成されている。可変手段が第1位置に配置されると、可変手段に到達した遊技球が第1傾斜部材を流下し易くなり、且つ、第2傾斜部材を流下しがたくなる一方で、可変手段が第2位置に配置されると、可変手段に到達した遊技球が第1傾斜部材、および第2傾斜部材を流下し難くなる。
これにより、各傾斜部材が形成する傾斜によって各入球手段へと遊技球を流下させることができるので、遊技球を各入球手段へと誘導するための複雑な制御等を要しない。よって、構成を単純化することができるという効果がある。
遊技機M4において、前記可変手段は、盤面上で出没動作が可能に構成されているものであり、前記第1位置は、前記第1傾斜部材と、その第1傾斜部材よりも正面視手前側に設けられている前記第2傾斜部材との両方が盤面に対して正面視手前側に突出した配置となるものであり、前記第2位置は、前記第1傾斜部材と、前記第2傾斜部材との両方が盤面に埋没した配置となるものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が、盤面上を出没動作が可能に構成されている。可変手段が第1位置に配置されると、第1傾斜部材と、その第1傾斜部材よりも正面視手前側に設けられている第2傾斜部材との両方が盤面に対して正面視手前側に突出した配置となる。
これにより、可変手段を出没動作させるという単純な制御により入球可能となる入球手段を可変させることができるという効果がある。
遊技機M1からM5のいずれかにおいて、前記可変制御手段により前記可変手段に対して設定される可変パターンとして、前記第2位置から前記第1位置に可変する回数が多くなり易い第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記第2位置から前記第1位置に可変する回数が少なくなり易い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の中から1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段を備えることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M1からM5のいずれかが奏する効果に加え、可変制御手段により可変手段に対して設定される可変パターンとして、第2位置から第1位置に可変する回数が多くなり易い第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも第2位置から第1位置に可変する回数が少なくなり易い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の中から可変パターン決定手段により1の可変パターンが決定されるので、可変パターン決定手段によって決定される可変パターンに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M6において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、1の実行期間の間に前記特定条件が所定回数成立する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M6の奏する効果に加え、判別条件の成立に基づいて実行される判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、1の実行期間の間に特定条件が所定回数成立する可変遊技が可変遊技実行手段により実行されるので、判別手段による判別が実行される毎に、特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機M7において、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記特定条件が成立した場合に前記可変パターン決定手段により前記第1可変パターンが決定される第1可変遊技と、前記特定条件が成立した場合に前記可変パターン決定手段により前記第2可変パターンが決定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する可変遊技種別決定手段を備えることを特徴とする遊技機M8。
遊技機M8によれば、遊技機M7の奏する効果に加え、可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、特定条件が成立した場合に可変パターン決定手段により第1可変パターンが決定される第1可変遊技と、特定条件が成立した場合に可変パターン決定手段により第2可変パターンが決定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から可変遊技種別決定手段により1の種別が決定されるので、可変遊技の種別に応じて第2入球手段に入球し易くなる回数が可変するので、可変遊技の種別に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M8において、前記第1可変遊技は、前記第2可変遊技よりも1の前記可変遊技において前記特定条件が成立する回数が少なくなり易いものであることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M8の奏する効果に加え、第1可変遊技では、第2可変遊技よりも1の可変遊技において特定条件が成立する回数が少なくなり易いので、第1可変遊技となった場合に特定条件の成立回数が少ないことに対して遊技者が落胆してしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴N群>(電サポ中に、電チュー入賞し易い開放パターンよりも、電チュー入賞し難い開放パターンの方が賞球を多く獲得し易くなる)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段に遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、予め定められた第1条件の成立に基づいて、前記可変手段が所定の可変パターンで可変するように制御する可変制御手段と、その可変制御手段により前記可変手段が制御される前記可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの中から1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段と、を備え、前記第1可変パターンで前記可変手段が制御されている間は、遊技者に有利となる第2条件が、前記第2可変パターンで制御されている間よりも成立し易くなるものであることを特徴とする遊技機N1。
遊技機N1によれば、遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球手段に遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変される。予め定められた第1条件の成立に基づいて、可変手段が所定の可変パターンで可変するように可変制御手段によって制御される。可変制御手段により可変手段が制御される可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの中から可変パターン決定手段により1の可変パターンが決定される。第1可変パターンで可変手段が制御されている間は、遊技者に有利となる第2条件が、第2可変パターンで制御されている間よりも成立し易くなる。
これにより、第2条件の成立し易さを優先するか、入球手段への入球し易さを優先するかに応じて遊技者の期待する可変パターンを異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N1において、前記第1可変パターンは、前記第2可変パターンよりも、1の可変パターンの開始から終了までの間において前記可変手段が前記第1位置に可変される回数が多くなるように構成されているものであり、前記第2可変パターンは、前記第1可変パターンよりも、1の可変パターンの開始から終了までの間において前記可変手段が前記第1位置に可変される期間の合計が長くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変パターンは、第2可変パターンよりも、1の可変パターンの開始から終了までの間において可変手段が第1位置に可変される回数が多くなるように構成されている。第2可変パターンは、第1可変パターンよりも、1の可変パターンの開始から終了までの間において可変手段が第1位置に可変される期間の合計が長くなるように構成されている。
これにより、第1可変パターンであるか、第2可変パターンであるかを第1位置に可変される回数によって容易に区別することができるという効果がある。
遊技機N1又はN2において、遊技球が入球可能であり、且つ、前記可変手段が前記第1位置と前記第2位置との間の所定範囲を可変動作している間に前記可変手段に到達した遊技球が前記可変手段によって誘導され易くなる位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記所定の特典よりも多い第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を備えることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1又はN2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置と第2位置との間の所定範囲を可変動作している間に可変手段に到達した遊技球が可変手段によって誘導され易くなる位置に、遊技球が入球可能な第2入球手段が設けられている。第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典よりも多い第2の特典が第2特典付与手段により付与される。
これにより、第1可変パターンが設定されることにより第2の特典を獲得する機会をより多く得ることができるので、第1可変パターンが設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができる。
遊技機N3において、前記第2入球手段は、盤面上の特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に設けられているものであり、可変手段は、前記所定範囲を可変動作している場合に、流下してきた遊技球を前記特定領域へと反射し易くなるものであり、前記特定領域は、少なくとも前記可変手段が第1位置、又は前記第2位置に配置されている状態で前記可変手段へと流下してきた遊技球が到達困難となる領域であることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、盤面上の特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられている。可変手段が所定範囲を可変動作している場合に、流下した遊技球を特定領域へと反射し易くなる。少なくとも可変手段が第1位置、又は第2位置に配置されている状態で可変手段へと流下してきた遊技球が到達困難になるように特定領域が構成されている。
これにより、所定範囲を可変動作している間に遊技球を可変手段へと到達させようと工夫して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N1からN4のいずれかにおいて、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記入球手段への入球とは少なくとも異なる所定の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行可能な第2判別手段と、を備え、前記可変制御手段は、前記第2判別手段による判別で第2の判別結果となったことを前記第1条件の成立として、前記可変パターン決定手段により決定された可変パターンで前記可変手段が可変するように制御するものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N1からN4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別手段により第1の判別が実行され、第1判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。入球手段への入球とは少なくとも異なる所定の判別条件の成立に基づいて第2判別手段により第2の判別が実行される。第2判別手段による判別で第2の判別結果となったことを第1条件の成立として、可変パターン決定手段により決定された可変パターンで可変手段が可変するように可変制御手段により制御される。
これにより、入球手段へと入球することで第1の判別が実行されるので、第1可変パターン、又は第2可変パターンで可変手段が可変されている間に入球手段へと遊技球が入球するか否かにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N5において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が第1遊技状態に設定される第1特典遊技と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態に設定される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の前記特典遊技の種別を決定する特典遊技種別決定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも前記第2の判別で前記第2の判別結果になり難いものであることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が第1遊技状態に設定される第1特典遊技と、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が第1遊技状態とは異なる第2遊技状態に設定される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の特典遊技の種別が特典遊技種別決定手段によって決定される。第1遊技状態は、第2遊技状態よりも第2の判別で第2の判別結果になり難くなるように構成されている。
これにより、特典遊技種別決定手段により決定される特典遊技の種別に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N6において、前記第1可変パターンは、前記第2可変パターンよりも、1の可変パターンの開始から終了までの間において前記可変手段が前記第1位置に可変される回数が多くなるように構成されているものであり、前記第2可変パターンは、前記第1可変パターンよりも、1の可変パターンの開始から終了までの間において前記可変手段が前記第1位置に可変される期間の合計が長くなるように構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記第2判別手段による判別で前記第2の判別結果となった場合における前記可変パターン決定手段による前記第2可変パターンの決定割合が前記第2遊技状態よりも高くなるものであることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変パターンは、第2可変パターンよりも、1の可変パターンの開始から終了までの間において可変手段が第1位置に可変される回数が多くなるように構成されている。第1遊技状態では、第2判別手段による判別で第2の判別結果となった場合における可変パターン決定手段による第2可変パターンの決定割合が第2遊技状態よりも高くなる。
これにより、第1遊技状態では、入球手段へと比較的頻繁に遊技球が入球することにより効率良く第1の判別を実行させることができる。また、第1遊技状態において第1可変パターンが決定された場合には、第2条件が成立し易くなる。よって、可変パターンの種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N7において、遊技球が入球可能であり、且つ、前記可変手段が前記第1位置と前記第2位置との間の所定範囲を可変動作している間に前記可変手段に到達した遊技球が前記可変手段によって誘導され易くなる位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記所定の特典よりも多い第2の特典を付与する第2特典付与手段と、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球した場合に前記第1判別手段による前記第1の判別が実行される特定入球手段と、前記第2遊技状態において前記第2の判別結果となり、且つ、前記可変パターン決定手段により前記第1可変パターンが決定されたことに基づいて、前記第1方向とは異なる第2方向に遊技球を発射することを示唆する第2方向示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、を備え、前記入球手段は、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置と第2位置との間の所定範囲を可変動作している間に可変手段に到達した遊技球が可変手段によって誘導され易くなる位置に、遊技球が入球可能な第2入球手段が設けられている。第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、第2特典付与手段により所定の特典よりも多い第2の特典が付与される。第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球した場合に第1判別手段による第1の判別が実行される特定入球手段が設けられている。第2遊技状態において第2の判別結果となり、且つ、可変パターン決定手段により第1可変パターンが決定されたことに基づいて、第1方向とは異なる第2方向に遊技球を発射することを示唆する第2方向示唆演出が示唆演出実行手段によって実行される。第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられている。
これにより、第1可変パターンが決定された場合に、第2の特典を獲得する機会を遊技者に確実に与えることができるという効果がある。
<特徴O群>(不利な電サポ開放パターン時に電サポ方向へのナビを発生させる)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により特定方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段に遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、予め定められた特定条件の成立に基づいて、前記可変手段が所定の可変パターンで可変するように制御する可変制御手段と、その可変制御手段により前記可変手段が制御される前記可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの中から1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段と、少なくとも前記可変制御手段により前記第1可変パターンで前記可変手段が制御されている間、前記特定方向への遊技球の発射を示唆する示唆演出を実行可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機O1。
遊技機O1によれば、遊技球を発射可能な発射手段により特定方向に発射された遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられている。入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。可変手段が、入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球手段に遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能に構成されている。予め定められた特定条件の成立に基づいて、可変手段が所定の可変パターンで可変するように可変制御手段により制御される。可変制御手段により可変手段が制御される可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2可変合パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの中から1の可変パターンが可変パターン決定手段により決定される。少なくとも可変制御手段により第1可変パターンで可変手段が制御されている間、特定方向への遊技球の発射を示唆する示唆演出が演出実行手段によって実行される。
これにより、入球手段へと遊技球を入球させる機会を最大限、遊技者に与えることができるという効果がある。
遊技機O1において、前記特定方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の特典を付与する第2特典付与手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記特定条件が成立し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記特定条件が成立し難い第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で前記可変パターン決定手段により前記第1可変パターンが決定されたことに基づいて前記示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられている。第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2特典付与手段により第2の特典が付与される。所定の設定条件の成立に基づいて、特定条件が成立し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも特定条件が成立し難い第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第2遊技状態が設定されている状態で可変パターン決定手段により第1可変パターンが決定されたことに基づいて、演出実行手段により示唆演出が実行される。
これにより、遊技状態に応じて遊技球の発射方向を異ならせることができるので、遊技球の発射方向を打ち分ける楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
遊技機O2において、前記入球手段、又は前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、入球手段、又は第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて実行される判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、判別手段による判別が実行される毎に、特定の判別結果となることを期待させることができるという効果がある。
遊技機O3において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技実行手段による前記特典遊技の実行の終了条件が成立したことを前記所定の設定条件の成立として、1の遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O3の奏する効果に加え、特典遊技実行手段による特典遊技の実行の終了条件が成立したことを所定の設定条件の成立として、遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定されるので、特典遊技の終了後に設定される遊技状態に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機O1からO4のいずれかにおいて、前記可変手段は、前記第2位置から前記第1位置へと可変する間における所定の可変範囲を可変している場合に、前記所定の特典よりも多い第3特典が付与され易い状態を形成するものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O1からO4のいずれかが奏する効果に加え、第2位置から第1位置へと可変する間における所定の可変範囲を可変手段が可変している場合に、所定の特典よりも多い第3得点が付与されやすい状態が形成されるので、所定の可変範囲を可変している間に可変手段へと遊技球を到達させようと工夫して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O5において、遊技球が入球可能であり、且つ、前記可変手段が前記所定の可動範囲を可変している間に前記可変手段に到達した遊技球が前記可変手段によって誘導され易くなる位置に設けられている第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第3特典を付与する第3特典付与手段と、を備えることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が所定の可動範囲を可変している間に可変手段に到達した遊技球が可変手段によって誘導され易くなる位置に、遊技球が入球可能な第3可変手段が設けられている。第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第3特典付与手段により第3特典が付与される。
これにより、第3入球手段へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機O6において、前記第3入球手段は、盤面上の特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に設けられているものであり、可変手段は、前記所定の可動範囲を可変動作している場合に、流下してきた遊技球を前記特定領域へと反射し易くなるものであり、前記特定領域は、少なくとも前記可変手段が第1位置、又は前記第2位置に配置されている状態で前記可変手段へと流下してきた遊技球が到達困難となる領域であることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、盤面上の特定領域に到達した遊技球が入球可能な位置に第3入球手段が設けられている。所定の可動範囲を可変動作している場合に、流下してきた遊技球が可変手段により特定領域へと反射され易くなる。特定領域は、少なくとも可変手段が第1位置、又は第2位置に配置されている状態で可変手段へと流下してきた遊技球が第1位置、又は第2位置に配置されている状態で可変手段へと流下してきた遊技球が到達困難となる。
これにより、遊技球の経路に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴P群>(1の駆動源で2つの部材を独立して可動させる)
第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可変可能な第1可変手段と、第3位置と、その第3位置とは異なる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、特定の基準位置を起点として第1方向に駆動することで前記第1可変手段を前記第1位置から前記第2位置へと可変させ、前記特定の基準位置を起点として前記第1方向とは異なる第2方向に駆動することで前記第2可変手段を前記第3位置から前記第4位置へと可変させる駆動手段と、を備えることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、特定の入賞口を開閉させるための開閉板等の、モータ等で動作する可変部材を構成に含むものがある。かかる遊技機の中には、複数の可変部材を動作させることによって、多種多様な演出動作を実行することができるものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
係る従来型の遊技機として、例えば、始動入賞に基づく抽選で当たりとなった場合に開放される大開放口を複数設けておき、当たりの種別やラウンド数に応じて開放される大開放口を切り替えることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、可変部材の数が増加するほど、各可変部材の動作制御が複雑となってしまうため、複数の可変部材に対して好適に動作を設定することが困難となる虞があった。
これに対して遊技機P1によれば、第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに第1可変手段が可変可能に構成されている。第3位置と、その第3位置とは異なる第4位置とに第2可変手段が可変可能に構成されている。特定の基準位置を起点として、駆動手段が第1方向に駆動することで第1可変手段が第1位置から第2位置へと可変される。一方、特定の基準位置を起点として駆動手段が第1方向とは異なる第2方向に駆動することで第2可変手段が第3位置から第4位置へと可変される。
これにより、駆動手段により第1可変手段と、第2可変手段との両方を可変させることができるので、複数の可変手段をより好適に可変させることができるという効果がある。
遊技機P1において、前記駆動手段は、前記第1可変手段が前記第2位置に可変している状態で前記第2方向に駆動することで前記第1可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと可変させ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変している状態で前記第1方向に駆動することで前記第2可変手段を前記第4位置から前記第3位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変手段が第2位置に可変している状態で駆動手段が第2方向に駆動すると、第1可変手段が第2位置から第1位置へと可変される。また、第2可変手段が第4位置に可変している状態で駆動手段が第1方向に駆動すると、第2可変手段が第4位置から第3位置へと可変される。
これにより、単に駆動手段の駆動方向を切り替えることで各可変手段の可変方向を切り替えることができるので、駆動手段の構成をより簡素化することができるという効果がある。
遊技機P2において、前記第1可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変している間に、前記第2可変手段が前記第3位置から可変することを抑制する可変抑制手段を備えることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、第1可変手段が第2位置から第1位置に可変している間に、第2可変手段が第3位置から可変することが可変抑制手段によって抑制されるので、複数の可変手段をより好適に可変させることができるという効果がある。
遊技機P3において、前記第2可変手段が前記第4位置から前記第3位置に可変している間に、前記第1可変手段が前記第1位置から可変することを抑制する第2可変抑制手段を備えることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、第2可変手段が第4位置から第3位置に可変している間に、第1可変手段が第1位置から可変することが第2可変抑制手段によって抑制されるので、複数の可変手段をより好適に可変させることができるという効果がある。
遊技機P1からP4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を備え、前記第1位置は、前記第2位置よりも前記第1入球手段に遊技球が入球困難となる位置であり、前記第2位置は、前記第1位置よりも前記第1入球手段に遊技球が入球容易となる位置であり、前記第3位置は、前記第4位置よりも前記第2入球手段に遊技球が入球困難となる位置であり、前記第4位置は、前記第3位置よりも前記第2入球手段に遊技球が入球容易となる位置であることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P1からP4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変手段が第1位置になると、第2位置よりも第1入球手段に遊技球が入球困難となる一方で、第2位置になると、第1位置よりも第1入球手段に遊技球が入球容易となる。第2可変手段が第3位置になると、第4位置よりも第2入球手段に遊技球が入球困難となる一方で、第2可変手段が第4位置になると、第3位置よりも第2入球手段に遊技球が入球容易となる。
これにより、第1可変手段と第2可変手段との可変位置に応じて、入球可能となる入球手段が可変するので、可変手段の可変位置に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機P1からP5のいずれかにおいて、前記駆動手段は第1の回転方向と、その第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向とに回転駆動可能なモータで構成されているものであり、前記第1方向は、前記第1の回転方向であり、前記第2方向は、前記第2の回転方向であることを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P1からP5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段が、第1の回転方向と、その第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向とに回転駆動可能なモータで構成されている。第1方向は、第1の回転方向で有り、第2方向は、第2の回転方向である。
これにより、1のモータの回転方向を切り替えるだけで各可変手段の可動を制御することができるので、各可変手段を可変させるための構成を簡素化することができるという効果がある。
遊技機P6において、前記駆動手段の駆動力を前記第1可変手段に伝達するための第1ギアと、前記駆動手段の駆動力を前記第2可変手段に伝達するための第2ギアと、前記第1ギア、および前記第2ギアと歯合可能に構成され、前記モータの回転軸に取り付けられている第3ギアと、を備え、前記第1ギアは、前記駆動手段が前記特定の基準位置を起点として前記第1の回転方向に回転している間に配置され得る第1の回転範囲を回転している間に前記第3ギアと歯合し、且つ、前記第1の回転範囲外を回転している間に前記第3ギアと歯合しないように構成されているものであり、前記第2ギアは、前記駆動手段が前記特定の基準位置を起点として前記第2の回転方向に回転している間に配置され得る第2の回転範囲を回転している間に前記第3ギアと歯合し、且つ、前記第2の回転範囲外を回転している間に前記第3ギアと歯合しないように構成されているものであることを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段の駆動力が第1ギアによって第1可変手段に伝達される。駆動手段の駆動力が、第2ギアにより第2可変手段に伝達される。モータの回転軸に取り付けられている第3ギアが、第1ギア、および第2ギアと歯合可能に構成されている。駆動手段が特定の基準位置を起点として第1の回転方向に回転している間に配置され得る第1の回転範囲を回転している間に第1ギアと第3ギアとが歯合する一方で、第1の回転範囲外を回転している間は第1ギアと第3ギアとが歯合しないように第1ギアが構成されている。駆動手段が特定の基準位置を起点として第2の回転方向に回転している間に配置され得る第2の回転範囲を回転している間に第2ギアと第3ギアとが歯合する一方で、第2の回転範囲外を回転している間は第2ギアと第3ギアとが歯合しないように第2ギアが構成されている。
これにより、モータの回転軸に取り付けられている1の第3ギアのみで第1ギアと第2ギアとを駆動させることができるので、各可変手段を可変させるための構成をより簡素化することができるという効果がある。
遊技機P1からP7のいずれかにおいて、前記駆動手段は、前記第1可変手段が前記第2位置に可変している状態で前記第2方向に駆動することで前記第1可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと可変させ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変している状態で前記第1方向に駆動することで前記第2可変手段を前記第4位置から前記第3位置に可変させるものであり、前記第1可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変している間に、前記第2可変手段が前記第3位置から可変することを抑制する可変抑制手段と、前記第2可変手段が前記第4位置から前記第3位置に可変している間に、前記第1可変手段が前記第1位置から可変することを抑制する第2可変抑制手段と、前記第2可変手段の可変位置によらず、前記第1可変手段を前記第1位置と前記第2位置との間で可変させることが可能な第2駆動手段と、を備え、前記第1可変手段は、予め定められた特定条件が成立している間は前記第2駆動手段により可変され、前記特定条件が成立していない間は前記駆動手段により可変されるものであることを特徴とする遊技機P8。
遊技機P8によれば、遊技機P1からP7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変手段が第2位置に可変している状態で駆動手段が第2方向に駆動することで第1可変手段が第2位置から第1位置へと可変する。また、第2可変手段が第4位置に可変している状態で駆動手段が第1方向に駆動することで第2可変手段が第4位置から第3位置へと可変する。第1可変手段が第2位置から第1位置に可変している間に、第2可変手段が第3位置から可変することが可変抑制手段によって抑制される。第2可変手段が第4位置から第3位置に可変している間に、第1可変手段が第1位置から可変することが第2可変抑制手段により抑制される。第2可変手段の可変位置によらず、第1可変手段が第2駆動手段により第1位置と第2位置との間で可変される。予め定められた特定条件が成立している間は、第1可変手段が第2駆動手段によって可変される一方で、特定条件が成立していない間は、第1可変手段が駆動手段によって可変される。
これにより、第1可変手段を可動させる際の自由度をより高めることができるという効果がある。
遊技機P8において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、その第1判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段が前記第1位置から前記第2位置へと所定期間可変されるように制御する可変制御手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2可変手段が前記第3位置から前記第4位置へと所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第1位置は、前記第2位置よりも前記第1入球手段に遊技球が入球困難となる位置であり、前記第2位置は、前記第1位置よりも前記第1入球手段に遊技球が入球容易となる位置であり、前記第3位置は、前記第4位置よりも前記第2入球手段に遊技球が入球困難となる位置であり、前記第4位置は、前記第3位置よりも前記第2入球手段に遊技球が入球容易となる位置であり、前記可変制御手段は、前記可変遊技の実行中に前記第1の判別結果となった場合は、前記第2駆動手段により前記第1可変手段が可変されるように制御し、前記可変遊技が実行されていない間に前記第1の判別結果となった場合は、前記駆動手段により前記第1可変手段が可変されるように制御するものであることを特徴とする遊技機P9。
遊技機P9によれば、遊技機P8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1判別手段により判別が実行される。第1判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、第1可変手段が第1位置から第2位置へと所定期間可変されるように可変制御手段によって制御される。第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別手段による判別が実行され、その第2判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて、第2可変手段が第3位置から第4位置へと所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。第1可変手段が第1位置に可変されると、第2位置よりも第1入球手段に遊技球が入球困難になる一方で、第2位置に可変されると、第1位置よりも第1入球手段に入球容易となる。第2可変手段が第3位置に可変されると、第4位置よりも第2入球手段に遊技球が入球困難となる一方で、第2可変手段が第4位置に可変されると、第3位置よりも第2入球手段に入球容易となる。可変遊技の実行中に第1の判別結果となった場合は、第2駆動手段により第1可変手段が可変されるように可変制御手段によって制御される一方で、可変遊技が実行されていない間に第1の判別結果となった場合は、駆動手段により第1可変手段が可変されるように可変制御手段によって制御される。
これにより、第1可変手段と第2可変手段とが同時に可動する可能性があるか否かに応じて各可変手段を可変させるための駆動手段を切り替えることができるので、可動手段をより好適に可動させることができるという効果がある。
<特徴Q群>(発射方向によらず入球可能な可変パターンと、発射方向に応じて入球率が異なる可変パターンとがある)
遊技球を第1の発射強度と、その第1の発射強度とは異なる第2の発射強度と、で少なくとも発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、前記第1の発射強度、および前記第2の発射強度で発射された遊技球が少なくとも到達可能な位置に設けられ、前記入球手段に入球可能となる第1位置と、前記入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段に対して、予め定められた第1条件の成立に基づいて第1の可変パターンを設定する第1可変パターン設定手段と、前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、前記可変手段に対して前記第1の可変パターンとは異なる第2の可変パターンを設定する第2可変パターン設定手段と、を備え、前記第1の可変パターンは、前記第1の発射強度で発射された遊技球が進行し易い第1方向から前記可変手段に到達した遊技球と、前記第2の発射強度で発射された遊技球が進行し易い第2方向から前記可変手段に到達した遊技球とが前記入球手段に入球可能となるものであり、前記第2の可変パターンは、前記第1の可変パターンに比較して、少なくとも前記第2方向から前記可変手段に到達した遊技球が前記入球手段に入球し難くなるものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機Q1によれば、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、遊技球を第1の発射強度と、その第1の発射強度とは異なる第2の発射強度とで少なくとも発射可能に構成されている。第1の発射強度、および第2の発射強度で発射された遊技球が少なくとも到達可能な位置に可変手段が、入球手段に入球可能となる第1位置と、入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能に構成されている。可変手段に対して、予め定められた第1条件の成立に基づいて第1可変パターン設定手段により第1の可変パターンが設定される。第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、可変手段に対して第1の可変パターンとは異なる第2の可変パターンが第2可変パターン設定手段によって設定される。第1可変パターンが設定されると、第1の発射強度で発射された遊技球が進行し易い第1方向から可変手段に到達した遊技球と、第2の発射強度で発射された遊技球が進行し易い第2方向から可変手段に到達した遊技球とが入球手段に入球可能となる。第2可変パターンが設定されると、第2方向から可変手段に到達した遊技球よりも、第1方向から可変手段に到達した遊技球の方が入球手段に入球し易くなる。
これにより、第1可変パターンが設定されるか、第2可変パターンが設定されるかに応じて遊技球の発射強度を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、前記入球手段は、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記可変手段は、前記第1位置として、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1入球位置と、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる第2入球位置とに可変可能に構成されているものであり、前記第1の可変パターンは、前記可変手段が第1期間、前記第1入球位置に可変される可変パターンであり、前記第2の可変パターンは、前記可変手段が前記第1期間とは異なる第2期間、前記第2入球位置に可変される可変パターンであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1位置として、第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1入球位置と、第2入球手段に遊技球が入球可能となる第2入球位置とに可変手段が可変可能に構成されている。第1の可変パターンが設定されると、可変手段が第1期間、第1入球位置に可変される一方で、第2の可変パターンが設定されると、可変手段が第1期間とは異なる第2期間、第2入球位置に可変される。
これにより、第1入球手段と、第2入球手段とのいずれかに遊技球が入球することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q2において、前記第2入球位置は、前記第2の発射強度で発射された遊技球よりも、前記第1の発射強度で発射された遊技球の方が、遊技球が発射されてから前記第1入球手段へと入球するまでの間の期間が短くなり易くなるものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q2の奏する効果に加え、可変手段が第2入球位置に可変されると、第2の発射強度で発射された遊技球よりも、第1の発射強度で発射された遊技球の方が、遊技球が発射されてから第1入球手段へと入球するまでの間の期間が短くなり易くなるので、可変手段が第2入球位置に可変した場合に、遊技者に対して第1の発射強度で遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機Q2又はQ3において、前記可変手段が前記第2入球位置に配置されている状態において、前記第1の発射強度で発射されて前記可変手段に到達した遊技球が前記第2入球手段へと入球するまでに要する期間は、前記第2期間よりも短くなり易いものであり、前記可変手段が前記第2入球位置に配置されている状態において、前記第2の発射強度で発射されて前記可変手段に到達した遊技球が前記第2入球手段へと入球するまでに要する期間は、前記第2期間よりも長くなり易いものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q2又はQ3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第2入球位置に配置されている状態では、第1の発射強度で発射されて可変手段に到達した遊技球が第2入球手段へと入球するまでに要する期間が、第2期間よりも短くなり易くなる一方で、第2の発射強度で発射されて可変手段に到達した遊技球が第2入球手段へと入球するまでに要する期間は、第2期間よりも長くなり易くなる。
これにより、可変手段が第2入球位置に配置されている状態で第2の発射強度で遊技球を発射すると第2入球手段に入球するよりも前に可変手段が第2位置に可変してしまう可能性が高いため、第1の発射強度で遊技球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1からQ4のいずれかにおいて、前記第1の発射強度で発射された遊技球が少なくとも通過可能な位置に設けられた通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別を実行する通過判別手段と、を備え、前記第2可変パターン設定手段は、前記通過判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記第2の可変パターンを設定するものであることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q1からQ5のいずれかが奏する効果に加え、第1の発射強度で発射された遊技球が少なくとも通過可能な位置に通過手段が設けられている。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて通過判別手段により所定の判別が実行される。通過判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第2可変パターン設定手段により第2の可変パターンが設定される。
これにより、通過判別手段による判別で特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q5において、第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記通過判別手段による判別で第1の確率で前記特定の判別結果となる第1遊技状態を設定し、前記第1の設定条件とは異なる第2の設定条件が成立したことに基づいて前記第1の確率よりも高い第2の確率で前記特定の判別結果となる第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて、前記第1の発射強度で遊技球を発射することを促す特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の設定条件が成立したことに基づいて、遊技状態設定手段により、通過判別手段による判別で第1の確率で特定の判別結果となる第1遊技状態が設定される一方で、第1の設定条件とは異なる第2の設定条件が成立したことに基づいて、遊技状態設定手段により、第1の確率よりも高い第2の確率で特定の判別結果となる第2遊技状態が設定される。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されたことに基づいて、第1の発射強度で遊技球を発射することを促す特定演出が特定演出実行手段により実行される。
これにより、第2遊技状態が設定された場合に、第2入球手段へと入球し易い遊技方法を行わせることができるので、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q2からQ4のいずれかにおいて、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が所定回数、前記第1の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q2からQ4のいずれかが奏する効果に加え、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、可変遊技実行手段により可変手段が所定回数、第1の可変パターンで可変される可変遊技が実行される。
これにより、判別手段による判別で第1の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q2からQ4、Q7のいずれかにおいて、前記可変手段は、盤面上で出没動作が可能な第1可変部材と、その第1可変部材とは異なる第2可変部材とで構成されているものであり、前記第1入球位置は、前記第1可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出し、且つ、前記第2可変部材が盤面に埋没した配置となるものであり、前記第2入球位置は、前記第1可変部材が盤面に埋没し、且つ、前記第2可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出した配置となるものであり、前記第2位置は、前記第1可変部材と前記第2可変部材とが盤面に埋没した配置となるものであり、前記第1可変部材は、盤面に対して突出することで前記可変手段に到達した遊技球を前記第1入球手段へと誘導可能な流路を構成するものであり、前記第2可変部材は、盤面に対して突出することで前記可変手段に到達した遊技球を前記第2入球手段へと誘導可能な流路を構成するものであることを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q2からQ4、Q7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が、盤面上で出没動作が可能な第1可変部材と、その第1可変部材とは異なる第2可変部材とで構成されている。可変手段が第1入球位置に可変すると、第1可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出し、且つ、第2可変部材が盤面に埋没した配置となる。可変手段が第2入球位置に可変すると、第1可変部材が盤面に埋没し、且つ、第2可変部材が盤面に対して正面視手前側に突出した配置となる。可変手段が第2位置に可変すると、第1可変部材と第2可変部材とが盤面に埋没した配置となる。第1可変部材が盤面に対して突出することで、可変手段に到達した遊技球を第1入球手段へと誘導可能な流路が構成される。第2可変部材が盤面に対して突出することで、可変手段に到達した遊技球を第2入球手段へと誘導可能な流路が形成される。
これにより、突出している可変部材の種別によって入球可能となる入球手段を遊技者が容易に識別することができるという効果がある。
<特徴R群>(アタッカーと電チューとの開放タイミングに応じて有利度合いが可変する)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変する第1可変手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変する第2可変手段と、前記第1可変手段を、予め定められた第1条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変させる第1可変制御手段と、前記第2可変手段を、予め定められた第2条件の成立に基づいて前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態と、前記第1可変手段が前記第2位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態と、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態とは、互いに遊技者にとっての有利度合いが異なるものであることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機R1によれば、第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに第1可変手段が可変可能に構成されている。第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに第2可変手段が可変可能に構成されている。予め定められた第1条件の成立に基づいて、第1可変手段が第2位置から第1位置へと第1可変制御手段により第1期間可変される。予め定められた第2条件の成立に基づいて、第2可変手段が第4位置から第3位置へと第2可変制御手段により第2期間可変される。第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態と、第1可変手段が第2位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態と、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第4位置に可変した状態とは、互いに遊技者にとっての有利度合いが異なって構成されている。
これにより、第1可変手段と、第2可変手段との可変位置の組み合わせによって有利度合いが可変するので、各可変手段の可変位置に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機R1において、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態と、前記第1可変手段が前記第2位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態よりも、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態の方が遊技者にとっての有利度合いが高くなるものであることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態と、第1可変手段が第2位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態よりも、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第4位置に可変した状態の法が遊技者にとっての有利度合いが高くなるので、第1入球手段と、第2入球手段との両方が入球可能になることを避けたいと遊技者に願わせるという斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機R1又はR2において、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態は、前記第1可変手段が前記第2位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態よりも、遊技球が前記第2入球手段へと入球困難になるものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態は、第1可変手段が第2位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態よりも、遊技球が第2入球手段へと入球困難になるので、斬新な動作を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1からR3のいずれかにおいて、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態は、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態よりも、遊技球が前記第1入球手段へと入球困難になるものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1からR3のいずれかが奏する効果に加え、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態は、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第4位置に可変した状態よりも、遊技球が第1入球手段へと入球困難になるので、斬新な動作を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1からR4のいずれかにおいて、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与する第1特典付与手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の特典よりも多い第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を備えることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R1からR4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1特典付与手段により第1の特典が付与される。第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2特典付与手段により第2の特典が付与される。第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典よりも多い第2の特典が第2特典付与手段により付与される。
これにより、第2入球手段へと入球することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機R4において、前記第2可変制御手段により前記第2可変手段が前記第3位置へと可変された後で前記第2入球手段へと入球した遊技球の個数が特定個数以上となったことに基づいて、前記第2期間が経過しているか否かにかかわらず、前記第2可変手段を前記第4位置へと可変させる第3可変制御手段を備えることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R4の奏する効果に加え、第2可変制御手段により第2可変手段が第3位置へと可変された後で第2入球手段へと入球した遊技球の個数が特定個数以上となったことに基づいて、第2期間が経過しているか否かにかかわらず、第2可変手段が第3可変制御手段により第4位置へと可変されるので、遊技球が過剰に第2入球手段へと入球してしまい、第2の特典が付与され過ぎることを防止できる。よって、ホールに対して不測の不利益を与えることを防止できるという効果がある。
遊技機R5において、前記第1期間は、複数の遊技球を前記第1可変手段に到達させることが可能となる長さの期間で構成されているものであることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R5の奏する効果に加え、第1期間の長さが、複数の遊技球を第1可変手段に到達させることが可能となる長さで構成されているので、第1可変手段に複数の遊技球が到達した状態で第1期間が経過することにより、第2入球手段へと遊技球を一度に複数入球させることができる。よって、第2の特典を短期間で連続して獲得できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R5又はR6において、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、を備え、前記第1可変制御手段は、前記第1判別手段による判別で第1の判別結果となったことを前記第1条件の成立として、前記第1可変手段を前記第1位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機R7。
遊技機R7によれば、遊技機R5又はR6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過したことに基づいて、第1判別手段により第1の判別が実行される。第1判別手段による判別で第1の判別結果となったことを第1条件の成立として、第1可変手段が第1可変制御手段により第1位置へと可変される。
これにより、第1判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R7において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2可変制御手段により前記第2可変手段が前記第3位置へと所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機R8。
遊技機R7によれば、遊技機R8の奏する効果に加え、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段により実行される第2の判別で第2の判別結果となったことに基づいて、第2可変制御手段により第2可変手段が第3位置へと所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行されるので、第2判別手段による判別の結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴S群>(2つの入賞口間に設けられた振り分け部材により各入賞口の入賞可能状態を他方の入賞口の状態とは無関係に設定する)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に対して所定距離を離間させて設けられ、且つ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変する第1可変手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、前記第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変する第2可変手段と、前記第1可変手段を、予め定められた第1条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと第1期間可変させる第1可変制御手段と、前記第2可変手段を、予め定められた第2条件の成立に基づいて前記第4位置から前記第3位置へと第2期間可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記第1条件は、前記第2可変手段の配置によらず成立し得るものであることを特徴とする遊技機S1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機S1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段に対して、所定距離を離間させて遊技球が入球可能な第2入球手段が設けられている。第1入球手段と、第2入球手段との間に、第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能に構成された第1可変手段が設けられている。加えて、第1入球手段と、第2入球手段との間に、第2入球手段に遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変可能に構成された第2可変手段が設けられている。第1可変手段が、予め定められた第1条件の成立に基づいて、第1可変制御手段により第2位置から第1位置へと第1期間可変される。第2可変手段が、予め定められた第2条件の成立に基づいて、第2可変制御手段により第4位置から第3位置へと第2期間可変される。第1条件は、第2可変手段の配置によらず成立し得る条件である。
これにより、第1入球手段と第2入球手段との間に設けられている2つの可変手段の状態に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1において、前記第2条件は、前記第1可変手段の配置によらず成立し得るものであることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、第2条件は、第1可変手段の配置によらず成立し得る条件であるので、第1可変手段と第2可変手段とが互いの配置とは無関係に可変させればよいので、制御を簡素化することができるという効果がある。
遊技機S1又はS2において、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態と、前記第1可変手段が前記第2位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態と、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態とは、互いに遊技者にとっての有利度合いが異なるものであることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1又はS2の奏する効果に加え、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態と、第1可変手段が第2位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態と、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第4位置に可変した状態とが、互いに遊技者にとっての有利度合いが異なって構成されているので、第1可変手段と、第2可変手段との配置の組み合わせに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S3において、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態は、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態よりも遊技者にとって有利となるものであることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S3の奏する効果に加え、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第4位置に可変した状態は、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態よりも遊技者にとって有利となるように構成されているので、第1入球手段と第2入球手段との両方に入球可能となる状態にならないことを遊技者に期待させるという斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機S4において、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変した状態は、前記第1可変手段が前記第1位置に可変し、且つ、前記第2可変手段が前記第4位置に可変した状態よりも前記第1入球手段に遊技球が入球困難になるものであることを特徴とする遊技機S5。
遊技機S5によれば、遊技機S4の奏する効果に加え、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第3位置に可変した状態は、第1可変手段が第1位置に可変し、且つ、第2可変手段が第4位置に可変した状態よりも第1入球手段に遊技球が入球困難になるように構成されているので、第2可変手段が第4位置に可変されている間に第1条件が成立することを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S5において、前記第1可変手段が前記第1位置に可変され、且つ、前記第2可変手段が前記第3位置に可変された状態において、前記第1可変手段と前記第2可変手段とは、到達した遊技球を流下させずに保持することが可能な保持領域を形成するものであることを特徴とする遊技機S6。
遊技機S6によれば、遊技機S5の奏する効果に加え、第1可変手段が第1位置に可変された状態において、第1可変手段と第2可変手段とにより、到達した遊技球を流下させずに保持することが可能な保持領域が形成されるので、その後に第1入球手段が入球困難となるか、第2入球手段が入球困難となるかによって遊技球が入球可能となる入球手段を可変させることができる。よって、各可変手段の動作に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機S6において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与する第1特典付与手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の特典よりも少ない第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を備えることを特徴とする遊技機S7。
遊技機S7によれば、遊技機S6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1特典付与手段により第1の特典が付与される一方で、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2特典付与手段により第1の特典よりも少ない第2の特典が付与される。
これにより、保持領域に遊技球が保持されている場合において、先に第2可変手段が第4位置に可変することを期待させることができるという効果がある。
遊技機S1からS7のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する入球判別手段と、その入球判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて前記第2可変手段が前記第2可変制御手段により所定回数、前記第3位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第1可変制御手段は、前記通過判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて前記第1可変手段を前記第1位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機S8。
遊技機S8によれば、遊技機S1からS7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過したことに基づいて、通過判別手段による判別が実行される。第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて入球判別手段による判別が実行される。入球判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて第2可変手段が第2可変手段により所定回数、第3位置へと可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。通過判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて、第1可変制御手段により第1可変手段が第1位置へと可変される。
これにより、通過判別手段による判別結果と、入球判別手段による判別結果とに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴T群>(2つの入賞口間に設けられた振り分け部材を、入賞可能状態が重複しないように可動させる)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に対して所定距離を離間させて設けられ、且つ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段との間に設けられ、且つ、到達した遊技球の進行方向を前記第1入球手段に入球し易い第1進行方向と、前記第2入球手段に入球し易い第2進行方向と、前記第1入球手段と前記第2入球手段とのいずれにも入球し難い第3進行方向と、を少なくとも含む複数の方向のうちいずれかの進行方向に振り分ける振分手段と、その振分手段の状態を、第1期間の間、到達した遊技球が前記第3進行方向よりも前記第1進行方向に振り分けられ易くなる第1状態に設定する第1状態設定手段と、前記振分手段の状態を、第2期間の間、到達した遊技球が前記第3進行方向よりも前記第2進行方向に振り分けられ易くなる第2状態に設定する第2状態設定手段と、を備え、前記振分手段は、少なくとも前記第2状態に設定されている間、前記第1状態設定手段により前記第1状態に設定されることが抑制されるものであることを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、特定の入賞口を開閉させるための開閉板等の、モータ等で動作する可変部材を構成に含むものがある。かかる遊技機の中には、複数の可変部材を動作させることによって、多種多様な演出動作を実行することができるものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
係る従来型の遊技機として、例えば、始動入賞に基づく抽選で当たりとなった場合に開放される大開放口を複数設けておき、当たりの種別やラウンド数に応じて開放される大開放口を切り替えることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、可変部材の数が増加するほど、各可変部材の動作制御が複雑となってしまうため、複数の可変部材に対して好適に動作を設定することが困難となる虞があった。
これに対して遊技機T1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段に対して、所定距離を離間させて、遊技球が入球可能な第2入球手段が設けられている。第1入球手段と、第2入球手段との間には、到達した遊技球の進行方向を第1入球手段に入球し易い第1進行方向と、第2入球手段に入球し易い第2進行方向と、第1入球手段と第2入球手段とのいずれにも入球し難い第3進行方向と、を少なくとも含む複数の方向のうちいずれかの進行方向に振り分ける振分手段が設けられている。振分手段の状態が、第1状態設定手段により、第1期間の間、到達した遊技球が第3進行方向よりも第2進行方向に振り分けられ易くなる第2状態に設定される一方で、第2状態設定手段により、第2期間の間、到達した遊技球が第3進行方向しょりも第2進行方向に振り分けられ易くなる第2状態に設定される。少なくとも振分手段が第2状態に設定されている間、第1状態設定手段により振分手段が第1状態に設定されることが抑制される。
これにより、振分手段の状態を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機T1において、前記振分手段は、少なくとも前記第1状態に設定されている間、前記第2状態設定手段により前記第2状態に設定されることが抑制されるものであることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、少なくとも振分手段が第1状態に設定されている間、第2状態設定手段により振分手段が第2状態に設定されることが抑制されるので、振分手段の状態をより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機T1又はT2において、前記振分手段は、遊技球が前記第1入球手段に入球可能となり、且つ、前記第2入球手段に入球困難となる第1位置と、その第1位置よりも前記第1入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能な第1可変部材と、遊技球が前記第2入球手段に入球可能となり、且つ、前記第1入球手段に入球困難となる第3位置と、その第3位置よりも前記第2入球手段に入球困難となる第4位置とに可変可能な第2可変部材と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1状態設定手段は、前記第1期間の間、前記第1可変部材を前記第2位置から前記第1位置へと可変させるものであり、前記第2状態設定手段は、前記第2期間の間、前記第2可変部材を前記第4位置から前記第3位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T1又はT2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段が第1可変部材と第2可変部材とで少なくとも構成されている。第1可変部材は、遊技球が第1入球手段に入球可能となり、且つ、第2入球手段に入球困難となる第1位置と、その第1位置よりも第1入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能に構成されている。第2可変部材は、遊技球が第2入球手段に入球可能となり、且つ、第1入球手段に入球困難となる第3位置と、その第3位置よりも第2入球手段に入球困難となる第4位置とに可変可能に構成されている。第1状態設定手段により、第1期間の間、第1可変部材が第2位置から第1位置へと可変される一方で、第2状態設定手段により、第2期間の間、第2可変部材が第4位置から第3位置へと可変される。
これにより、状態に対応する可変部材を可変させるという比較的簡素な制御によって各状態を設定することができるので、状態を切り替える際の処理負荷を軽減できるという効果がある。
遊技機T1からT3のいずれかにおいて、前記第1入球手段は、少なくとも前記振分手段が前記第1状態に設定されている場合において、前記振分手段に対して第1の方向から到達した遊技球よりも、前記第1の方向とは異なる第2の方向から到達した遊技球の方が入球し易くなるものであり、前記第2入球手段は、少なくとも前記振分手段が前記第2状態に設定されている場合において、前記第2の方向から前記振分手段に対して到達した遊技球よりも、前記第1の方向から到達した遊技球の方が入球し易くなるものであることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T4によれば、遊技機T1からT3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも振分手段が第1状態に設定されている場合において、振分手段に対して第1の方向から到達した遊技球よりも、第1の方向とは異なる第2の方向から到達した遊技球の方が入球し易くなるように第1入球手段が構成されている。また、少なくとも振分手段が第2状態に設定されている場合において、第2の方向から到達した遊技球よりも第1の方向から到達した遊技球の方が入球し易くなるように第2入球手段が構成されている。
これにより、振分手段の状態に応じて、状態に応じた入球手段に遊技球が入球し易くなるように振分手段に到達する際の遊技球の方向を遊技者に調節させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲をより向上させることができるという効果がある。
遊技機T4において、前記振分手段は、前記第2の方向から到達した遊技球が前記第1進行方向に振り分けられて前記第1入球手段に到達するまでの長さが前記第1期間よりも長くなり易くなり、且つ、前記第1の方向から到達した遊技球が前記第2進行方向に振り分けられて前記第2入球手段に到達するまでの長さが前記第2期間よりも長くなり易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機T5。
遊技機T5によれば、遊技機T4の奏する効果に加え、第2の方向から到達した遊技球が第1進行方向に振り分けられて第1入球手段に到達するまでの長さが第1期間よりも長くなり易くなり、且つ、第1の方向から到達した遊技球が第2進行方向に振り分けられて第2入球手段に到達するまでの長さが第2期間よりも長くなり易くなるように振分手段が構成されているので、第1状態において遊技球が第2方向から振分手段に到達した場合と、第2状態において遊技球が第1方向から振分手段に到達した場合とでは、遊技球が各入球手段へと入球困難になる。よって、振分手段の状態に応じて振分手段に対する遊技球の到達方向を遊技者に対してより真剣に調節させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機T5において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1状態設定手段は、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定されたことに基づいて前記振分手段を前記第1状態に設定するものであり、前記第2状態設定手段は、前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定されたことに基づいて前記振分手段を前記第2状態に設定するものであることを特徴とする遊技機T6。
遊技機T6によれば、遊技機T5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段により1の種別が決定される。種別決定手段により第1特典遊技が決定されたことに基づいて、第1状態設定手段により振分手段が第1状態に設定される。種別決定手段により第2特典遊技が決定されたことに基づいて、第2状態設定手段により振分手段が第2状態に設定される。
これにより、特典遊技の種別に応じていずれかの入球手段へと遊技球が入球可能となるための振分手段に対する遊技球の到達方向を可変させることができるので、特典遊技の種別に応じた到達方向を選択して遊技を行う遊技性を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T6において、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特典遊技の実行中に前記第1入球手段と前記第2入球手段とのいずれかに遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態を設定し、前記特典遊技の実行中に前記第1入球手段と前記第2入球手段とのいずれにも遊技球が入球しなかったことに基づいて前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機T7。
遊技機T7によれば、遊技機T6の奏する効果に加え、第1入球手段、または第2入球手段へと遊技球を入球させることで遊技者にとって有利な第1遊技状態が設定されるので、特典遊技が実行された場合に、振分手段に対して設定される状態をより真剣に予測して、対応する到達方向となるように遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T6又はT7において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じた発射強度で遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、を備え、前記発射手段により発射された遊技球が、前記第1の方向から前記振分手段へと到達して前記第1入球手段に入球するまでの間の期間は、前記第1期間よりも短くなり易いものであり、前記発射手段により発射された遊技球が、前記第2の方向から前記振分手段へと到達して前記第2入球手段に入球するまでの間の期間は、前記第2期間よりも短くなり易いものであることを特徴とする遊技機T8。
遊技機T8によれば、遊技機T6又はT7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた発射強度で、発射手段により遊技球が遊技領域へと発射される。発射手段により発射された遊技球が、第1の方向から振分手段へと到達して第1入球手段に入球するまでの間の期間は、第1期間よりも短くなり易くなる。発射手段により発射された遊技球が、第2の方向から振分手段へと到達して第2入球手段に入球するまでの間の期間は、第2期間よりも短くなり易くなる。
これにより、振分手段が第1状態、又は第2状態に設定された後で遊技球を発射させると、振分手段に対する遊技球の到達方向によらず遊技球が対応する入球手段に入球不可能となるので、第1状態、又は第2状態に設定されるよりも前に振分手段に到達させる方向を選択して遊技球を発射させる遊技性を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA8、B1からB8、C1からC8、D1からD8、E1からE8、F1からF8、G1からG8、H1からH8、I1からI8、J1からJ13、K1からK8、L1からL7、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP9、Q1からQ8、R1からR8、S1からS8、T1からT8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB8、C1からC8、D1からD8、E1からE8、F1からF8、G1からG8、H1からH8、I1からI8、J1からJ13、K1からK8、L1からL7、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP9、Q1からQ8、R1からR8、S1からS8、T1からT8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB8、C1からC8、D1からD8、E1からE8、F1からF8、G1からG8、H1からH8、I1からI8、J1からJ13、K1からK8、L1からL7、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP9、Q1からQ8、R1からR8、S1からS8、T1からT8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機では、当たり状態の間に開放される大入賞口へと遊技球を入球させることにより所定の遊技価値が遊技者に付与されるので、当たりとなることを1つの楽しみに遊技者に遊技を行わせることができる(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の間が、単に大入賞口を狙って決まった方向に遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう場合があるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球可能な第1入球手段と、第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記第1入球手段に遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変するように制御する可変制御手段と、を備え、前記第2入球手段は、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変するまでの間の可変位置に応じて前記可変手段に到達した遊技球の入球し易さが可変するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第2入球手段は、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変するまでの間における特定範囲を可変している状態で前記可変手段に到達した遊技球が入球可能となるものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記特定範囲は、少なくとも前記第1位置を含まない範囲で構成され、前記第2入球手段は、前記可変手段の可変位置が前記特定範囲外である場合に、前記可変手段に到達した遊技球が入球困難になるものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは、左右方向に所定距離を離間させて配置されているものであり、前記可変手段は、前記第1入球手段と前記第2入球手段との間に設けられ、前記第1入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第1傾斜部材と、前記第2入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第2傾斜部材とで少なくとも構成されているものであり、前記第1位置は、前記可変手段に到達した遊技球が前記第1傾斜部材を流下し易くなり、且つ、前記第2傾斜部材を流下し難くなる位置であり、前記第2位置は、前記可変手段に到達した遊技球が前記第1傾斜部材、および前記第2傾斜部材を流下し難くなる位置である。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記可変制御手段により前記可変手段に対して設定される可変パターンとして、前記第2位置から前記第1位置に可変する回数が多くなり易い第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記第2位置から前記第1位置に可変する回数が少なくなり易い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の中から1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段を備える。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記第1入球手段に遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変するように制御する可変制御手段と、を備え、前記第2入球手段は、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変するまでの間の可変位置に応じて前記可変手段に到達した遊技球の入球し易さが可変するものである。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、前記第2入球手段は、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変するまでの間における特定範囲を可変している状態で前記可変手段に到達した遊技球が入球可能となるものである。
これにより、可変手段が特定範囲を可変している間に遊技球を可変手段に到達させようと工夫して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特定範囲は、少なくとも前記第1位置を含まない範囲で構成され、前記第2入球手段は、前記可変手段の可変位置が前記特定範囲外である場合に、前記可変手段に到達した遊技球が入球困難になるものである。
これにより、遊技者に対し、遊技球の発射するタイミングをより工夫させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは、左右方向に所定距離を離間させて配置されているものであり、前記可変手段は、前記第1入球手段と前記第2入球手段との間に設けられ、前記第1入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第1傾斜部材と、前記第2入球手段が設けられている方向へと遊技球を流下させることが可能な傾斜を形成する第2傾斜部材とで少なくとも構成されているものであり、前記第1位置は、前記可変手段に到達した遊技球が前記第1傾斜部材を流下し易くなり、且つ、前記第2傾斜部材を流下し難くなる位置であり、前記第2位置は、前記可変手段に到達した遊技球が前記第1傾斜部材、および前記第2傾斜部材を流下し難くなる位置である。
これにより、可変手段を出没動作させるという単純な制御により入球可能となる入球手段を可変させることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、前記可変制御手段により前記可変手段に対して設定される可変パターンとして、前記第2位置から前記第1位置に可変する回数が多くなり易い第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記第2位置から前記第1位置に可変する回数が少なくなり易い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の中から1の可変パターンを決定する可変パターン決定手段を備える。
これにより、可変パターン決定手段によって決定される可変パターンに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。