JP7131406B2 - 正極材料、及びその製造方法、電池、並びに電子機器 - Google Patents
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Description
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy、フーリエ変換赤外分光法)測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である。
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である正極材料を製造する正極材料の製造方法であって、
アモルファスのLi2CoP2O7に熱処理を施すこと含む。
前記正極材料が、組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である。
正極材料を含む正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に設けられた電解質を有する電池と、
前記正極及び前記負極と電気的に接続された電子回路と、
を備え、
前記正極材料が、
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である。
また、1つの側面として、電池容量を向上できる正極材料の製造方法を提供できる。
また、1つの側面として、高い電池容量を有する電池を提供できる。
また、1つの側面として、高い電池容量を有する電池を備える電子機器を提供できる。
開示の正極材料は、組成式Li2CoP2O7で表される。
正極材料は、X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有する。
正極材料は、FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、ピークの半値幅が、73cm-1未満である。
・電圧が4.9Vと高い
・下記(I)式のように正極材料内の全てのリチウムイオンが充放電に利用されると仮定した場合の容量密度が、216mAh/gと大きい
Li2CoP2O7⇔CoP2O7+2Li++2e-(I)
しかし、現状では、理論容量密度の約40%にあたる90mAh/gの容量密度しか実証できていない。
そして、本発明者は、アモルファス構造でも結晶化手前の状態を得るべく鋭意検討した結果、アモルファス構造のLi2CoP2O7を加熱し、X線回折においてシャープな回折ピークが観察される手前であり、かつ、FT-IR測定において、P2O4のピークが明瞭に観察される状態にすることで、Li2CoP2O7の容量を上げることができることを見出し、開示の技術の完成に至った。
また、FT-IR測定において、P2O4のピークが明瞭に観察される状態とは、FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、ピークの半値幅が、73cm-1未満であることを指す。
以下に、X線回折の測定条件を示す。
・装置名:ATX-G(RIGAKU社製)
・線源:Cu-Kα
・加速電圧及び電流:50kV及び300mA
・サンプリング幅:0.004°
・走査幅:8°~45°
以下に、FT-IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy、フーリエ変換赤外分光法)測定の測定条件を示す。
・装置名:Nicolet 860(Thermo Fisher Scientific社製)
・測定配置:反射法(入射角85度)
・偏光:なし
・分解能:4cm-1
該当ピークの左側(高波数側)の極小の吸光度(BG)と、該当ピークのピークトップの吸光度(Pt)とを用い、以下により1/2ピーク値(Ph)を求める。
Ph=((Pt-BG)/2)+BG
その後、Phの値をとる該当ピーク左側曲線の波数(Phw)を読み取り、ピークトップの波数(Ptw)との差を求める。そして、最後に、その差を2倍して半値幅とする。
なお、図1において、縦軸の「E」は「10のべき乗」を表す。例えば、「E+00」は、「1」を表し、「E-01」は、「0.1」を表し、「E-02」は、「0.01」を表す。図5、図6、図7も同様である。
開示の正極材料の製造方法は、アモルファスのLi2CoP2O7に熱処理を施すことを含む。
ここで、アモルファスのLi2CoP2O7は、例えば、X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に回折ピークを有さず、かつFT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、ピークの半値幅が、73cm-1以上である。
薄膜状のアモルファスのLi2CoP2O7の厚みとしては、例えば、0.01μm~1μm程度の範囲の中から、目的とする電池容量や、電池形状に応じて適宜選択することができる。
熱処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、400℃以上600℃以下などが挙げられる。
熱処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10秒間~10分間などが挙げられる。
熱処理は、酸素含有雰囲気下で行うことが好ましい。酸素含有雰囲気としては、例えば、大気などが挙げられる。
開示の電池は、正極材料を含む正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた電解質とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
正極材料は、開示の正極材料である。
正極は、開示の正極材料を少なくとも有し、更に必要に応じて、正極集電体などのその他の部を有する。
正極における正極材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状などが挙げられる。
正極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、Ti/Ptなどが挙げられる。
また、正極集電体
負極は、例えば、負極活物質を少なくとも有し、更に必要に応じて、負極集電体などのその他の部を有する。
負極は、負極活物質自体であってもよい。
負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状、円板状、薄膜状などが挙げられる。
負極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属元素を有する化合物が挙げられる。
アルカリ金属元素を有する化合物としては、例えば、金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物などが挙げられる。
アルカリ金属元素としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
金属単体としては、例えば、リチウムなどが挙げられる。
合金としては、例えば、リチウムを有する合金などが挙げられる。リチウムを有する合金としては、例えば、リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、リチウムを有する金属酸化物などが挙げられる。リチウムを有する金属酸化物としては、例えば、リチウムチタン酸化物などが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、リチウムを含有する金属窒化物などが挙げられる。リチウムを含有する金属窒化物としては、例えば、リチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物などが挙げられる。
負極集電体の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。
電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体電解質、非水電解液などが挙げられる。
電解質として固体電解質を用いることで、開示の電池は全固体電池となる。
固体電解質としては、電池反応を担うキャリアであるリチウムイオンの伝導性を有する固体の電解質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質などが挙げられる。
また、これらの固体電解質は、一種を単独で用いてよく、複数種を用いてもよい。
非水電解液としては、例えば、リチウム塩と、有機溶媒とを含有する非水電解液などが挙げられる。
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、六フルオロリン酸リチウム、四フルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒の含有量が、75質量%未満であると、非水電解液の粘度が増加し、電極への濡れ性が低下するため、電池の内部抵抗の上昇を招くことがあり、95質量%を超えると、イオン伝導度が低下し、電池の出力の低下を招くことがある。一方、有機溶媒の含有量が、前述のより好ましい範囲内であると、高いイオン伝導度を維持することができ、非水電解液の粘度を抑えることで電極への濡れ性を維持することができる点で有利である。
セパレータの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、セロハン、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布などが挙げられる。紙としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙などが挙げられる。
セパレータの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状などが挙げられる。
セパレータの構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
セパレータの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
正極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
正極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
正極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極ケースの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、ステンレス鋼、ステンレス鋼又は鉄にニッケルなどのめっきを施した金属などが挙げられる。
負極ケースの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、周囲が反り上がった底の浅い皿状、有底円筒形、有底角柱状などが挙げられる。
負極ケースの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。積層構造としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、及び銅の三層構造などが挙げられる。
負極ケースの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
図2に示すリチウムイオン二次電池は、コイン型のリチウムイオン二次電池である。コイン型のリチウムイオン二次電池は、正極集電体11及び正極活物質層12からなる正極10と、負極集電体21及び負極活物質層22からなる負極20と、正極10及び負極20の間に介在する電解質層30とを備える。図2のリチウムイオン二次電池においては、正極集電体11及び負極集電体21は、各々、正極ケース41及び負極ケース42に対して、集電体43を介して固定されている。正極ケース41と負極ケース42との間は、例えば、ポリプロピレン製のパッキング材44で封止されている。集電体43は、正極集電体11と正極ケース41との間、及び負極集電体21と負極ケース42との間の空隙を埋めつつ導通を図るためのものである。
ここで、正極活物質層12は、開示の正極材料を用いて作製される。
開示の電子機器は、電池と、電子回路と、を備え、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
電池は、開示の電池である。
電子機器に備えられる電池の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、電池を複数個集めた電池パックとして電子機器に組み込んでもよい。
電子回路は、電池の正極及び負極と電気的に接続されている。
電子回路の材質、形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
電子回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、周辺ロジック部、インターフェース部、及び記憶部などを備え、電子機器の全体を制御するものであってもよい。
<X線回折>
<<試験体の作製>>
Pt/Ti/SiO2/Si基板(Pt:170nm、Ti:30nm、SiO2:100nm、基板厚み380μm)上に、正極活物質であるLi2CoP2O7の膜を、スパッタリング法(出力:110W、圧力:0.5Pa、ガス:Ar、スパッタ時間:85分間)により厚さ100nm成膜した。その後、大気中、525℃で2分間加熱処理をした。
以上により、X線回折測定用の試験体を作製した。
・装置名:ATX-G(RIGAKU社製)
・線源:Cu-Kα
・加速電圧及び電流:50kV及び300mA
・サンプリング幅:0.004°
・走査幅:8°~45°
<<試験体の作製>>
Pt/Ti/SiO2/Si基板(Pt:170nm、Ti:30nm、SiO2:100nm、基板厚み380μm)上に、正極活物質であるLi2CoP2O7の膜を、スパッタリング法(出力:110W、圧力:0.5Pa、ガス:Ar、スパッタ時間:85分間)により厚さ100nm成膜した。その後、大気中、525℃で2分間加熱処理をした。
以上により、FT-IR測定用の試験体を作製した。
・装置名:Nicolet 860(Thermo Fisher Scientific社製)
・測定配置:反射法(入射角85度)
・偏光:なし
・分解能:4cm-1
以下の方法により、5mmサイズの全固体電池を作製した。
酸化膜付きシリコンウエハー上に正極集電体となるTi(30nm)/Pt(170(nm)膜を製膜した。
次に、正極集電体上に、正極活物質であるLi2CoP2O7の膜を、スパッタリング法(出力:110W、圧力:0.5Pa、ガス:Ar、スパッタ時間:85分間)により厚さ100nm成膜した。その後、大気中、525℃で2分間加熱処理をした。
その後、正極活物質上に、固体電解質であるLi3PO4を、スパッタリング法により2.0μm成膜した。
更に、固体電解質上に、負極であるLiを、蒸着法により2.0μm成膜した。
以上により全固体電池を得た。
<<充放電評価条件>>
・充電:CC-CV、0.5mA、4.2V終止
・放電:CC、0.5mA、2V終止
・温度:室温
<試験体、及び全固体電池の作製>
実施例1において、Li2CoP2O7の膜を成膜する際に、大気中、525℃、2分間での加熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、各試験体及び全固体電池を作製した。
作製した各試験体及び全固体電池を、実施例1と同様に試験に供した。
FT-IR測定の結果を図6に示した。
充放電評価の結果を図9に示した。
なお、X線回折測定の結果は、図4と同様であった。
<試験体、及び全固体電池の作製>
実施例1において、Li2CoP2O7の膜を成膜する際に、加熱処理の条件を、大気中、525℃、5分間に変更した以外は、実施例1と同様にして、各試験体及び全固体電池を作製した。
作製した各試験体及び全固体電池を、実施例1と同様に試験に供した。
X線回折測定の結果を図4に示した。
FT-IR測定の結果を図7に示した。
充放電評価の結果を図10に示した。
<X線回折>
実施例1(図4)では、2θ=21.8°±0.5°には、Li2CoP2O7に由来する目立ったピークは存在しない。
一方、比較例2(図4)では、21.8°に、Li2CoP2O7に由来する半値幅が0.46°の回折ピークが認められ、結晶化していることが分る。
なお、図4において、符号Aのピークは、21.8°の回折ピークを示し、符号Bのピークは、基板に由来する回折ピークを示す。
これらの結果は、実施例1及び比較例1は、結晶構造を有する比較例2よりも不規則的な構造を有していることを示している。
実施例1(図5)では、700cm-1~800cm-1に、P2O7に由来する半値幅が46cm-1のピークが認められる。
比較例1(図6)では、700cm-1~800cm-1に、P2O7に由来する半値幅が74cm-1のピークが認められる。
比較例2(図7)では、700cm-1~800cm-1に、P2O7に由来する半値幅が42cm-1のピークが認められる。
これらの結果は、実施例1及び比較例2は、比較例1よりも規則的な構造を有していることを示している。
比較例1(図9)及び比較例2(図10)では、放電容量が少ないのに対し、実施例1(図8)では、放電容量が多い。
以上より、X線回折において明瞭なLi2CoP2O7のピークが見られないこと若しくは21°付近にみられる回折ピークの半値幅を0.46°より広くすることと、FT-IRにおいて700cm-1~800cm-1付近にP2O7のピークが認められ、かつそのピークの半値幅を73cm-1未満とすることで、比較例1及び比較例2の正極材料よりも電池容量を向上できる正極材料が得られており、更に、優れた電池容量を有する全固体薄膜リチウム二次電池が得られていることが確認された。
(1)X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有する。
(2)FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、ピークの半値幅が、73cm-1未満である。
〔加熱処理条件〕
・大気下450℃で2分間
・大気下500℃で2分間~5分間
・大気下525℃で30秒間~2分間
・大気下550℃で30秒間~2分間
(付記1)
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である、ことを特徴とする正極材料。
(付記2)
前記ピークの半値幅が、20cm-1以上70cm-1以下である付記1に記載の正極材料。
(付記3)
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である正極材料を製造する正極材料の製造方法であって、
アモルファスのLi2CoP2O7に熱処理を施すこと含むことを特徴とする正極材料の製造方法。
(付記4)
前記熱処理をする際の温度が、400℃以上600℃以下である付記3に記載の正極材料の製造方法。
(付記5)
前記熱処理が、大気雰囲気下で行われる付記3から4のいずれかに記載の正極材料の製造方法。
(付記6)
前記ピークの半値幅が、20cm-1以上70cm-1以下である付記3から5のいずれかに記載の正極材料の製造方法。
(付記7)
正極材料を含む正極と、
負極と、
前記正極と前記負極との間に設けられた電解質と、
を有し、
前記正極材料が、
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である、ことを特徴とする電池。
(付記8)
前記電解質が、固体電解質であり、前記電池が、全固体電池である、付記7に記載の電池。
(付記9)
前記ピークの半値幅が、20cm-1以上70cm-1以下である付記7から8のいずれかに記載の電池。
(付記10)
正極材料を含む正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に設けられた電解質を有する電池と、
前記正極及び前記負極と電気的に接続された電子回路と、
を備え、
前記正極材料が、
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である、ことを特徴とする電子機器。
(付記11)
前記電解質が、固体電解質であり、前記電池が、全固体電池である、付記10に記載の電子機器。
(付記12)
前記ピークの半値幅が、20cm-1以上70cm-1以下である付記10から11のいずれかに記載の電子機器。
11 正極集電体
12 正極活物質層
20 負極
21 負極集電体
22 負極活物質層
30 電解質層
41 正極ケース
42 負極ケース
43 集電体
44 パッキング材
Claims (8)
- 組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である、ことを特徴とする正極材料。 - 前記ピークの半値幅が、20cm-1以上70cm-1以下である請求項1に記載の正極材料。
- 組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である正極材料を製造する正極材料の製造方法であって、
アモルファスのLi2CoP2O7に熱処理を施すこと含むことを特徴とする正極材料の製造方法。 - 前記熱処理をする際の温度が、400℃以上600℃以下である請求項3に記載の正極材料の製造方法。
- 前記熱処理が、大気雰囲気下で行われる請求項3から4のいずれかに記載の正極材料の製造方法。
- 正極材料を含む正極と、
負極と、
前記正極と前記負極との間に設けられた電解質と、
を有し、
前記正極材料が、
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である、ことを特徴とする電池。 - 前記電解質が、固体電解質であり、前記電池が、全固体電池である、請求項6に記載の電池。
- 正極材料を含む正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に設けられた電解質を有する電池と、
前記正極及び前記負極と電気的に接続された電子回路と、
を備え、
前記正極材料が、
組成式Li2CoP2O7で表され、
X線回折(2θ=8°~45°)において、2θ=21.8°±0.5°に、回折ピークを有しない、又は、半値幅が0.46°超の回折ピークを有し、
FT-IR測定において、700cm-1~800cm-1にP2O7に由来するピークを有し、前記ピークの半値幅が、73cm-1未満である、ことを特徴とする電子機器。
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