JP7130366B2 - 通信装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置およびその制御方法に関する。
近年、様々な電子機器に無線通信機能が搭載されており、このような無線通信機能が搭載された電子機器は年々小型化され、電子機器内では多くの部品や配線が近接して配置されている。それらの部品や配線からはノイズが発生し、無線通信機能に悪影響を及ぼすおそれがある。
特許文献1には、無線通信装置が接続されるデータ通信装置において、メインCPUの動作クロックの逓倍周波数が、無線通信装置が無線通信に使用する周波数帯域に妨害を与えないようにクロック制御を行う点が開示されている。
特開2001-217743号公報
電子機器に無線通信機能を搭載する場合、無線通信機能を実現する無線通信用の電子回路基板を、電子機器のメイン電子回路基板に有線接続し、無線通信用の電子回路基板とメイン電子回路基板との間において無線通信により送受信するデータが伝送される。このとき、無線通信用の電子回路基板とメイン電子回路基板との間では、有線通信のデータ通信によるノイズが発生し得る。このデータ通信によるノイズも、無線通信に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本発明は、有線通信のデータ通信により発生するノイズが無線通信性能へ及ぼす悪影響を低減することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る通信装置の一態様は、使用周波数帯が異なる複数の無線通信方式に対応した無線通信を行う第一の通信手段と、データ通信に使用する基本周波数が異なる複数の有線通信方式に対応した有線通信を行う第二の通信手段と、前記第一の通信手段による前記無線通信のデータ転送速度を取得する取得手段と、前記複数の無線通信方式のうち前記第一の通信手段が使用する無線通信方式と前記取得手段により取得されたデータ転送速度とに基づいて、前記基本周波数が、前記第一の通信手段が使用する無線通信方式の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となり、かつ、実効データ転送速度が、前記取得手段により取得されたデータ転送速度以上となるように、前記第二の通信手段が使用する有線通信方式を前記複数の有線通信方式から選択する選択手段と、を備える。
本発明によれば、有線通信のデータ通信により発生するノイズが無線通信性能へ及ぼす悪影響を低減することができる。
本実施形態に係る無線通信装置を備える電子機器の構成例である。 無線通信装置の構成例を示す図である。 無線通信装置のハードウェア構成図の一例である。 電子機器の機能ブロック図の一例である。 USB規格の説明図である。 ノイズの周波数スペクトルのイメージ図である。 第一の実施形態の通信制御部と無線通信装置との間のシーケンス図である。 第一の実施形態の有線通信方式の選択処理を示すフローチャートである。 第二の実施形態の通信制御部と無線通信装置との間のシーケンス図である。 第二の実施形態の有線通信方式の選択処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態に係る無線通信装置20を備える電子機器10の構成例である。本実施形態では、電子機器10に、無線通信装置20が搭載されている場合について説明する。ここで、電子機器10は、例えばデジタルカメラとすることができ、無線通信装置20は、無線信号により他の無線通信装置と通信を行う無線通信モジュールとすることができる。
本実施形態における電子機器10は、複数の通信アプリケーション(以下、「通信アプリ」ともいう。)を、使用周波数が異なる複数の無線通信をそれぞれ利用して同時に実行することができる。
無線通信装置20は、複数の無線通信規格に準拠した複数の無線通信方式に対応した無線通信機能を有する。本実施形態では、無線通信装置20が使用する無線通信規格は、無線LANの通信規格であるIEEE802.11規格シリーズである場合について説明する。ここで、IEEE802.11規格シリーズは、少なくともIEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格、IEEE802.11g規格、IEEE802.11n規格、IEEE802.11ac規格およびIEEE802.11ax規格を含むが、これら以外のIEEE802.11関連の規格を含んでもよい。上記の各無線通信方式において、無線通信を行う上で使用する周波数帯(使用周波数帯)は、2.4GHz帯および5GHz帯の少なくとも一方である。
無線通信装置20は、利用する通信アプリに応じて、例えば5GHz帯を使用するIEEE802.11a規格と2.4GHz帯を使用するIEEE802.11b規格といった複数の無線通信規格に準拠した複数の無線通信を同時に行うことができる。尚、無線通信装置20が無線通信を「同時」に行うとは、例えば5GHz帯と2.4GHz帯のように互いに異なる周波数帯を用いた複数の無線ネットワークに無線通信装置20が同時に参加又は構築している状態であることを含む。自装置がアクセスポイント(AP)として動作する場合、互いに異なる周波数帯を用いた複数の無線ネットワークを同時に構築している状態である。一方、自装置がアクセスポイント(AP)に接続する装置(STA)として動作する場合、互いに異なる周波数帯を用いた複数の無線ネットワークに同時に参加している状態である。又は、自装置がAPとしての動作とSTAとしての動作を行っている場合は、自装置が構築している無線ネットワークの周波数帯と自装置が参加している無線ネットワークの周波数帯とが異なっている状態である。即ち、無線通信装置20が無線通信を「同時」に行うとは、無線による実際のデータ通信は異なる周波数帯それぞれを時分割で切り替えながら行われるが、無線通信装置20が異なる周波数帯の無線ネットワークに同時に参加又は構築している状態であることを含む。
図2に示すように、無線通信装置20は、電子回路基板21と、無線通信を行うための電磁波の送受信を行うアンテナ22と、WiFiチップ23と、コネクタ24と、コネクタ24にその一端が接続された有線通信用のケーブル25と、を備える。ケーブル25は、フレキシブルケーブルであり、ケーブル25の他端は、電子機器10のメイン電子回路基板(不図示)に接続されたコネクタ11に接続されている。つまり、無線通信装置20の電子回路基板21は、電子機器10のメイン電子回路基板と有線により接続されている。この電子回路基板21とメイン電子回路基板との間では、無線通信装置20が無線通信を行うデータ(例えば、映像データ)が伝送される。このように、無線通信装置20は、無線通信機能と有線通信機能とを有する。
本実施形態では、無線通信装置20は、複数の有線通信規格に準拠した複数の有線通信方式に対応した有線通信機能を有する。例えば、無線通信装置20は、有線通信規格として、USB1.0、USB1.1、USB2.0、USB3.0およびUSB3.1を使用できるものとする。
有線通信においては、データ通信を行う上で、データ通信を起因とするノイズ(データノイズN)が発生し得る。このデータノイズNをアンテナ22が受信すると、無線通信に悪影響を及ぼすおそれがある。無線通信装置20は、上述したように無線通信機能と有線通信機能とを有しており、小型な電子機器10に組み込まれる場合、電子回路基板21自体が非常に小さい場合がある。その場合、電子回路基板21上に設けられた、無線通信を行うためのアンテナ22と、有線通信を行うためのケーブル25、コネクタ24および電子回路基板21上の配線等との距離が近くなる。すると、有線通信のデータノイズNをアンテナ22が受信しやすくなり、無線通信に悪影響を及ぼしやすくなる。
上記の有線通信のデータノイズNは、有線通信のデータ転送速度によって異なる周波数帯に発生する。USB規格においては、USB1.0からUSB3.1のそれぞれにおいてデータ転送速度が異なるため、データノイズNが発生する周波数帯も異なる。そこで、本実施形態では、無線通信装置20が無線通信に使用する無線通信方式(規格)に応じて有線通信方式(規格)を切り替えることで有線通信のデータ転送速度を変更し、データノイズNが無線通信へ与える悪影響を低減するようにする。具体的には、USBのデータ通信に使用する基本周波数が、無線通信の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となるように、有線通信方式(規格)を切り替えるようにする。
本実施形態では、無線通信装置20は、使用周波数帯が異なる複数の無線通信を同時に行うことができる。したがって、本実施形態では、USBのデータ通信に使用する基本周波数が、同時に行われる複数の無線通信の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となるように、有線通信方式(規格)を切り替えるようにする。
図3は、無線通信装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
電子機器10は、無線通信装置20との通信を制御する通信制御部100を備える。通信制御部100は、例えば上述したメイン電子回路基板に実装することができる。この通信制御部100は、I/F部101と、ホストCPU102と、記憶部103と、を備える。I/F部101は、USBインターフェースである。ここで、USB1.0からUSB3.1は、それぞれ互換性を有するため、I/F部101は、USB1.0からUSB3.1までのいずれのインターフェースとしても動作することができる。I/F部101の動作の切り替えは、ホストCPU102によって行われる。
ホストCPU102は、一つ又は複数のCPUによって構成され、電子機器10における動作を統括的に制御する。記憶部103は、ホストCPU102が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶する。記憶部103は、例えば、一つ又は複数のROM、RAM、HDD、フラッシュメモリまたは着脱可能なSDカードなどの記憶媒体により構成することができる。ホストCPU102は、記憶部103に記憶された制御プログラムを実行することで各種の機能動作を実現する。なお、本実施形態において、電子機器10はデジタルカメラであるため、図2に示すハードウェア構成の他に、撮像部や表示部等を有する。
無線通信装置20は、I/F部201と、制御部202と、記憶部203と、無線部204と、アンテナ制御部205と、を備える。I/F部201は、USBインターフェースである。I/F部201は、図2に示すケーブル25を介して、通信制御部100のI/F部101に接続されている。このI/F部201は、I/F部101と同様に、USB1.0からUSB3.1までのインターフェースとして動作することができる。I/F部201の動作の切り替えは、制御部202によって行われる。
制御部202は、無線通信装置20における動作を統括的に制御する。制御部202は、一つ又は複数のCPUにより構成することができる。記憶部203は、例えば一つ又は複数のROM、RAM等の記憶媒体により構成され、制御部202が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶する。無線部204は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信を行う。無線部204は、WiFiチップ23により構成することができる。アンテナ制御部205は、2.4GHz帯および/または5GHz帯で通信可能な上述したアンテナ22の出力制御を行う。
図4は、電子機器10のソフトウェア機能ブロックの一例である。この図4に示す各部の機能は、通信制御部100または無線通信装置20が有するCPUがプログラムを実行することで実現することができる。
なお、本実施形態においては、以下に示す各機能ブロックは、ソフトウェアプログラムとして機能が実現されるものとして説明するが、本機能ブロックに含まれる一部または全部をハードウェアにより実現してもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路を生成すればよい。FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略である。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現するようにしてもよい。なお、図4に示した機能ブロック図は一例であり、複数の機能モジュールが1つの機能モジュールを構成するようにしてもよいし、いずれかの機能モジュールが複数の機能を行うモジュールに分かれてもよい。
通信制御部100は、通信アプリ部111と、無線制御部112と、通信方式選択部113と、通信方式切替部114と、データ送受信部115と、を備える。通信アプリ部111は、無線通信装置20の無線通信によりデータを外部の通信装置へ転送する通信アプリを実行する。通信アプリ部111が実行する通信アプリは、例えばデジタルカメラにより撮像された画像をスマートフォンやPCといった外部の通信装置に転送する通信アプリなどとすることができる。通信アプリ部111は、複数の通信アプリを同時に実行することが可能である。また、通信アプリ間での無線通信の干渉を回避するため、各通信アプリが使用する無線通信の使用周波数は異なるものとする。
無線制御部112は、通信アプリ部111が実行する通信アプリが使用する無線通信の使用周波数に応じて、無線通信装置20の無線通信に使用される無線通信方式を設定し、無線通信装置20の後述する無線送受信部211を制御する。
通信方式選択部113は、無線通信装置20による無線通信に使用される無線通信方式に応じて、後述するデータ送受信部115による有線通信に使用される有線通信方式を選択する。具体的には、通信方式選択部113は、無線通信の使用周波数帯に、有線通信の基本周波数が重ならない、あるいは近接しない有線通信方式を選択する。無線通信装置20において複数の無線通信が同時に行われる場合、通信方式選択部113は、使用される複数の無線通信の使用周波数帯に、有線通信の基本周波数が重ならない、あるいは近接しない有線通信方式を選択する。有線通信方式の選択方法については後述する。
通信方式切替部114は、データ送受信部115による有線通信に使用される有線通信方式を、通信方式選択部113において選択された有線通信方式に切り替える。データ送受信部115は、USB規格に準拠した有線通信方式により無線通信装置20とデータ通信を行う。
無線通信装置20は、無線送受信部211と、通信方式切替部212と、データ送受信部213と、を備える。
無線送受信部211は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信方式により、外部の無線通信装置との間で無線信号を送受信する。通信方式切替部212は、データ送受信部213による有線通信に使用される有線通信方式を、通信制御部100の通信方式選択部113において選択された有線通信方式に切り替える。データ送受信部213は、USB規格に準拠した有線通信方式によりデータ通信を行う。
以下、有線通信方式の選択方法について説明する。
まず、USB規格について説明する。図5は、USB規格における物理層データ転送速度、アプリケーション層の実効データ転送速度および基本周波数の関係を示す図である。ここで、アプリケーション層の実効データ転送速度は、理論上のデータ転送速度ではなく、アプリケーションの利用時に実際に出すことのできるデータ転送速度を示している。また、基本周波数は、データ通信に使用する周波数帯において、およそエネルギーが最大となる周波数である。この基本周波数が、無線通信の使用周波数帯に重なると、データ通信により発生するデータノイズNがアンテナ22から混入し、無線通信に悪影響を与えることになる。
図5に示すように、USB規格では、データ転送速度が高速な規格が策定されており、基本周波数が、無線LANにおいて使用される2.4GHz帯あるいは5GHz帯に重なる、あるいは近接する規格が存在する。USB3.0は、データ転送に使用する基本周波数が2.5GHzであり、データノイズNの周波数帯が無線LANにおいて使用される2.4GHz帯に近接する。また、USB3.1は、データ転送に使用する基本周波数が5GHzであり、データノイズNの周波数帯が無線LANにおいて使用される5GHz帯に重なる。基本周波数において発生するデータノイズNは、高調波において発生するデータノイズNとは異なり、ノイズとしてのレベルが大きいため、無線通信に与える影響も大きい。
そこで、図4の通信方式選択部113は、上述したように、無線通信の使用周波数帯に、有線通信の基本周波数が重ならない、あるいは近接しない有線通信方式を選択する。つまり、通信方式選択部113は、無線LANにおいて2.4GHz帯が使用される場合には、有線通信の基本周波数が当該使用周波数帯に最も近いUSB3.0以外の有線通信規格に準拠した有線通信方式を選択する。また、通信方式選択部113は、無線LANにおいて5GHz帯が使用される場合には、有線通信の基本周波数が当該使用周波数帯に一致するUSB3.1以外の有線通信規格に準拠した有線通信方式を選択する。また、通信方式選択部113は、無線LANにおいて2.4GHz帯と5GHz帯の両方が同時に使用される場合には、USB3.0およびUSB3.1以外の有線通信規格に準拠した有線通信方式を選択する。
このように、通信方式選択部113は、有線通信の基本周波数が、無線通信の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となるように、有線通信方式を選択する。ここで、無線LANにおいて2.4GHz帯が使用される場合には、上記所定の周波数帯域は、2.4GHz以上2.5GHz以下の周波数帯域、より好ましくは2GHz以上3GHz以下の周波数帯域に設定する。また、無線LANにおいて5GHz帯が使用される場合には、上記所定の周波数帯域は、5GHz以上6GHz以下の周波数帯域、より好ましくは4GHz以上7GHz以下の周波数帯域に設定する。尚、有線通信の基本周波数が無線通信の使用周波数帯から十分離れた周波数となることが望ましいため、上記所定の周波数帯域は、必ずしも上述の2GHz以上3GHz以下や4GHz以上7GHz以下に限定されるものではない。
また、本実施形態では、通信方式選択部113は、基本周波数が、無線通信の使用周波数帯を含む上記の所定の周波数帯域外となる有線通信方式のうち、データ転送速度が最大となる有線通信方式を選択する。具体的には、通信方式選択部113は、無線LANにおいて2.4GHz帯が使用される場合には、USB3.0以外の有線通信規格でデータ転送速度が最大であるUSB3.1に準拠した有線通信方式を選択する。
なお、無線通信装置20が、有線通信規格として、USB1.0~USB3.0を使用でき、USB3.1が使用できない場合には、USB3.0以外の有線通信規格でデータ転送速度が最大であるUSB2.0に準拠した有線通信方式を選択する。
図6(A)は、ノイズ源がクロックである場合のノイズの周波数スペクトルのイメージ図、図6(B)は、ノイズ源がデータ通信である場合のノイズの周波数スペクトルのイメージ図である。クロックは、一般的に一定の周期でON、OFFを繰り返すため、ノイズ源がクロックである場合、図6(A)に示すように、クロックノイズは狭帯域で現れる。そのため、クロックノイズが無線通信に悪影響を与えている場合には、クロック周波数を僅かに変更するだけで、狭帯域なクロックノイズを、無線通信の使用周波数帯域外に容易にシフトすることが可能であり、無線通信への悪影響を大幅に減らすことができる。
一方で、データ通信は、一般的にON、OFFの周期が一定ではないため、ノイズ源がデータ通信である場合、図6(B)に示すように、データノイズは広帯域で現れる。そのため、データ通信に使用する周波数帯において、エネルギーがおよそ最大となる周波数である基本周波数が、無線通信の使用周波数帯に重ならない場合であっても、無線通信の使用周波数帯にノイズ成分が存在してしまう場合がある。つまり、状況によっては、無線通信の性能が大きく劣化してしまう場合がある。
上述したように、データノイズは広帯域である。そのため、データ通信に使用する周波数帯において、エネルギーがおよそ最大となる周波数である基本周波数が、無線通信の使用周波数帯に重ならない場合であっても、無線通信の使用周波数帯にノイズ成分が存在してしまう場合がある。よって、無線LANにおいて2.4GHz帯が使用される場合には、基本周波数がGHz帯であるUSB3.1に準拠した有線通信方式を選択するのではなく、基本周波数がMHz帯であって、データ転送速度が最大となるUSB2.0を選択してもよい。
また、通信方式選択部113は、無線LANにおいて5GHz帯が使用される場合には、USB3.1以外の有線通信規格でデータ転送速度が最大であるUSB3.0に準拠した有線通信方式を選択する。なお、無線通信装置20が、有線通信規格として、USB1.0、USB1.1、USB2.0、USB3.0を使用でき、USB3.1が使用できない場合においても、USB3.0に準拠した有線通信方式を選択する。
また、上述したように、データノイズは広帯域である。そのため、データ通信に使用する周波数帯において、エネルギーがおよそ最大となる周波数である基本周波数が、無線通信の使用周波数帯に重ならない場合であっても、無線通信の使用周波数帯にノイズ成分が存在してしまう場合がある。よって、無線LANにおいて5GHz帯が使用される場合には、基本周波数がGHz帯であるUSB3.0に準拠した有線通信方式を選択するのではなく、基本周波数がMHz帯であって、データ転送速度が最大となるUSB2.0を選択してもよい。
図7は、通信制御部100と無線通信装置20との間のシーケンス図である。以降、アルファベットSはステップを意味するものとする。
まず、通信制御部100は、1つ目の通信アプリ1を起動し、その通信アプリ1で使用する無線通信の使用周波数(無線周波数)を5GHz帯に設定する(S101)。次に、通信制御部100は、基本周波数が、5GHz帯の周波数帯域と重ならない有線通信方式を選択する(S102)。図5で示される情報に基づき、ここでは有線通信方式としてUSB3.0が選択される。次に通信制御部100は、無線通信装置20に対して有線通信方式をUSB3.0に設定する指示を送信する(S103)。これにより、指示を受信した無線通信装置20は、有線通信方式をUSB3.0に設定する。さらに、通信制御部100は、無線通信装置20に対して無線通信の使用周波数を5GHz帯に設定して無線送受信部211を起動する指示を送信する(S104)。これにより、指示を受信した無線通信装置20は、PCやスマートフォンといった通信側の通信装置と5GHz帯を使用した無線通信を開始する(S105)。
その後、しばらくして、通信制御部100は、2つ目の通信アプリ2を起動する(S106)。このとき、通信制御部100は、既に起動している通信アプリ1との干渉を避けるために、通信アプリ2で使用する無線通信の使用周波数を2.4GHz帯に設定する。次に、通信制御部100は、基本周波数が、既に使用中の5GHz帯と新たに起動した2.4GHz帯の周波数帯域と重ならない有線通信方式を選択する(S107)。図5で示される情報に基づき、ここでは有線通信方式としてUSB2.0が選択される。次に通信制御部100は、無線通信装置20に対して有線通信方式をUSB2.0に切り替える指示を送信する(S108)。これにより、指示を受信した無線通信装置20は、有線通信方式をUSB2.0に切り替える。さらに、通信制御部100は、無線通信装置20に対して無線通信の使用周波数を2.4GHz帯に設定して無線送受信部211を起動する指示を送信する(S109)。これにより、指示を受信した無線通信装置20は、5GHz帯に加えて2.4GHz帯を使用した無線通信を開始する(S110)。
以上のように、基本周波数が、複数の通信アプリで使用する複数の無線通信の使用周波数のいずれとも重ならないように、有線通信で使用する有線通信方式を切り替える。
図8は、通信制御部100が所定の通信アプリを起動した際の有線通信方式の選択処理手順を示すフローチャートである。図8に示す処理は、通信制御部100が有するCPUが、必要なプログラムを読み出して実行することにより実現される。ただし、図4に示す各機能モジュールのうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで図8の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、上記CPUの制御に基づいて動作する。
まずS1において、通信アプリ部111は、電子機器10のユーザの指示に基づいて通信アプリを開始し、通信アプリで使用する無線通信の使用周波数(無線周波数)の設定を行う。次にS2では、基本周波数が、通信方式選択部113は、起動中の全通信アプリで使用している無線通信の使用周波数と重ならない有線通信方式を選択する。例えば、先に5GHz帯の周波数帯域を使用する通信アプリを起動済で、新たに2.4GHz帯の周波数帯域を使用する通信アプリを起動した場合、両方の周波数帯域を避ける必要がある。この場合、通信方式選択部113は、USG2.0に準拠した有線通信方式を選択する。なお、通信方式選択部113は、起動中の通信アプリが無い場合、新たに起動した通信アプリが使用する無線通信の使用周波数だけを考慮して、有線通信方式を選択する。
S3では、データ送受信部115は、通信アプリによるデータ送受信を行う。つまり、データ送受信部115は、S2において選択された有線通信方式により無線通信装置20へデータを送信する。S4では、通信アプリ部111は、ユーザからの通信アプリの終了指示が検出されたか否かを判定し、終了指示が検出された場合には図8の処理を終了し、終了指示が検出されない場合にはS5に移行する。
S5では、通信制御部100は、通信アプリで使用中の無線通信の使用周波数に変更があるか否かを判定し、変更が検出された場合はS6に移行し、変更が検出されない場合はS3に移行する。ここで、無線通信の使用周波数の変更は、ユーザが指示する場合や、無線通信装置20が通信状況に応じてより通信品質の良い使用周波数へ自律的に切り替える場合がある。S6では、通信制御部100は、無線通信の使用周波数の変更に伴って、現在使用中の有線通信方式の切り替えが必要か否かを判定し、切り替えが必要である場合はS2に移行して再度有線通信方式を選択し、切り替えが必要でない場合はS3に移行する。
以上説明したように、本実施形態における無線通信装置20は、複数の無線通信方式に対応した無線通信機能と、データ通信に使用する基本周波数が異なる複数の有線通信方式に対応した有線通信機能とを有する。また、無線通信装置20は、使用周波数が異なる複数の無線通信を同時に行うことができる。そして、無線通信装置20は、複数の無線通信を同時に行う場合、基本周波数が、同時に行われる複数の無線通信の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となるように、有線通信で使用する有線通信方式を切り替える。
このように、無線通信装置20は、使用周波数が異なる複数の無線通信が同時に行われる場合においても、基本周波数が、複数の無線通信の使用周波数のいずれとも重ならないよう、有線通信方式を切り替えることができる。これにより、有線通信を用いたデータ通信により発生するノイズが無線通信に悪影響を与えることを抑制することができる。したがって、無線通信装置20の通信能力の低下を抑制し、通信スループットの低下を抑制することができる。
ところで、有線通信方式(規格)としてSDIO(Secure Digital Input / Output)のようなパラレル通信の通信方式がある。SDIOを使用した場合、SDIOクロック線を伝搬するクロック信号の周波数を無線通信の使用周波数帯に応じて変更することができる。これにより、無線通信への影響を低減することが可能である。しかしながら、USBのようなシリアル通信の通信方式を使用する場合、USBにはクロック線はなく、またデータ転送速度を任意に変更することもできない。
これに対して、本実施形態における無線通信装置20は、データ通信に使用する基本周波数が異なる複数の有線通信方式に対応した有線通信機能を有し、無線通信の使用周波数帯に応じて有線通信方式を切り替える。したがって、クロック線を持たず、データ転送速度を任意に変更できない有線通信方式を採用した場合であっても、データ通信により発生するノイズが無線通信に悪影響を与えることを抑制し、無線通信性能の劣化を低減することができる。
また、無線通信装置20は、有線通信方式の切り替えに際し、基本周波数が上記所定の周波数帯域外で、且つ複数の有線通信方式のうちデータ転送速度が最大である有線通信方式を選択し、切り替えることもできる。この場合、データ通信により発生するノイズが無線通信に悪影響を与えることを抑制しつつ、無線通信の高速性を活かすことができる。
さらに、無線通信装置20は、有線通信規格としてUSB規格を採用する。USB規格は、データ転送速度が異なる規格を複数有しており、かつそれらは互換性を有する。USB1.1からUSB3.1までは上位互換であるため、USB規格に準拠した有線通信方式を採用すれば、ハードウェアを変えることなくデータ転送速度を切り替えることが可能となる。つまり、無線通信の使用周波数帯に応じて、有線通信のデータ転送速度を切り替えて使用したい場合に、複数の有線通信用のハードウェアを電子回路基板21に実装する必要がない。そのため、その分のコストカットや基板面積の縮小が図れる。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
上述した第一の実施形態では、無線通信の使用周波数帯近傍に有線通信の基本周波数が存在しないような有線通信方式を選択し、有線通信方式を切り替える場合について説明した。この第二の実施形態では、さらに、無線通信のデータ転送速度を考慮して有線通信方式を選択する場合について説明する。
本実施形態では、通信機器10が単一の通信アプリを使用する場合について説明する。
図9は、通信制御部100と無線通信装置20との間のシーケンス図である。
まず、通信制御部100は、所定の通信アプリを起動し、その通信アプリで使用する無線通信の使用周波数(無線周波数)を5GHz帯に設定する(S121)。次に、通信制御部100は、基本周波数が、5GHz帯の周波数帯域と重ならない有線通信方式を選択する(S122)。図5で示される情報に基づき、ここでは有線通信方式としてUSB3.0が選択される。次に通信制御部100は、無線通信装置20に対して有線通信方式をUSB3.0に設定する指示を送信する(S123)。これにより、指示を受信した無線通信装置20は、有線通信方式をUSB3.0に設定する。さらに、通信制御部100は、無線通信装置20に対して無線通信の使用周波数を5GHz帯に設定して無線送受信部211を起動する指示を送信する(S124)。これにより、指示を受信した無線通信装置20は、PCやスマートフォンといった通信側の通信装置と5GHz帯を使用した無線通信を開始する(S125)。
その後、無線通信装置20は、無線通信の相手装置から管理フレームを受信すると(S126)、受信した管理フレームに含まれる情報を通信制御部100へ通知する。
無線通信装置20は、無線LANのSTA(Station:端末局)として動作する場合、AP(Access Point:制御局)として動作する相手装置から、Beaconフレームと呼ばれる管理フレームを受信する。このBeaconフレームには、APがサポートする無線通信のデータ転送速度に関する情報が含まれる。また、無線通信装置20は、無線LANのAPとして動作する場合、STAとして動作する相手装置が無線ネットワークに接続する際に、Association Requestフレームと呼ばれる管理フレームを受信する。このAssociation Requestフレームには、STAが要求する無線通信のデータ転送速度に関する情報が含まれる。
無線通信装置20は、無線通信の相手装置から管理フレームを受信した場合、管理フレームに含まれる無線通信のデータ転送速度に関する情報(データ転送速度情報)を通信制御100へ通知する(S127)。ここでは、例として無線通信のデータ転送速度を150Mbpsとしている。
通信制御部100は、無線通信装置20から無線通信のデータ転送速度情報を受信すると、受信したデータ転送速度情報と、有線通信方式の実効データ転送速度とに基づき、有線通信方式を再度選択する(S128)。ここで、無線通信のデータ転送速度は150Mbpsなので、図5で示される情報に基づき、有線通信方式の実効データ転送速度が150Mbps以上であるUSB2.0、USB3.0或いはUSB3.1を選択すれば、転送速度として十分であることがわかる。そこで、通信制御部100は、USB2.0、USB3.0およびUSB3.1の中から、基本周波数が、無線通信装置20が使用する可能性のある全ての無線通信の使用周波数と重ならない有線通信方式を選択する。例えば、無線通信装置20が2.4GHz帯と5GHz帯とを使用する可能性がある場合、基本周波数がそれらと重ならないUSB2.0が選択される。
次に通信制御部100は、無線通信装置20に対して有線通信方式をUSB2.0に切り替える指示を送信する(S129)。これにより、指示を受信した無線通信装置20は、有線通信方式をUSB2.0に切り替える。その後、しばらくして、無線通信装置20が5GHz帯の通信品質の低下を検出するなどして無線通信の使用周波数を2.4GHz帯に切り替え(S130)、2.4GHz帯の通信を開始したものとする(S131)。このような場合であっても、予め有線通信方式はUSB2.0に切り替えられているため、無線通信の使用周波数の切り替えによって有線通信方式の切り替えは発生しない。
なお、図9に示す例では、無線通信装置20は、無線通信の相手装置から受信した管理フレームにより無線通信のデータ転送速度を取得する場合について説明したが、データ転送速度の取得方法は上記に限定されない。例えば、無線通信装置20の対応する無線通信規格に基づいて判断されるデータ転送速度を取得してもよい。つまり、無線通信装置20がIEEE802.11a規格とIEEE802.11b規格の2つの無線通信規格に対応している場合、無線通信の最大データ転送速度は54Mbpsである。そのため、当該最大データ転送速度を無線通信のデータ転送速度として取得してもよい。この場合、管理フレームを受信せずとも、無線通信のデータ転送速度を取得することができる。
図10は、通信制御部100が所定の通信アプリを起動した際の有線通信方式の選択処理手順を示すフローチャートである。図10に示す処理は、通信制御部100が有するCPUが、必要なプログラムを読み出して実行することにより実現される。ただし、図4に示す各機能モジュールのうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで図10の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、上記CPUの制御に基づいて動作する。
まず、S21において、通信アプリ部111は、図8のS1と同様の処理を行う。次にS22では、通信方式選択部113は、基本周波数が、起動中の通信アプリで使用している無線通信の使用周波数と重ならない有線通信方式を選択する。S23では、データ送受信部115は、図8のS3と同様の処理を行う。S24では、通信アプリ部111は、図8のS24と同様の処理を行う。
S25では、通信制御部100は、図8のS25と同様に、通信アプリで使用中の無線通信の使用周波数に変更があるか否かを判定し、変更が検出された場合はS26に移行し、変更が検出されない場合はS27に移行する。S26では、通信制御部100は、図8のS26と同様に、無線通信の使用周波数の変更に伴って、現在使用中の有線通信方式の切り替えが必要か否かを判定する。そして、通信制御部100は、切り替えが必要であると判定した場合はS22に移行して再度有線通信方式を選択し、切り替えが必要でないと判定した場合はS27に移行する。
S27では、通信制御部100は、無線通信装置20がスマートフォンやPCといった無線通信の通信相手から管理フレームを受信したか否かを判定する。具体的には、通信制御部100は、無線通信装置20からデータ転送速度情報を受信したか否かを判定する。そして、通信制御部100は、データ転送速度情報を受信した場合にはS28に移行し、データ転送速度情報を受信しない場合にはS24に移行する。
S28では、通信制御部100は、データ転送速度情報に基づいて、切替可能な有線通信方式が存在するか否かを判定する。ここで、切替可能な有線通信方式とは、無線通信のデータ転送速度以上の実効データ転送速度を備え、かつ、基本周波数が、無線通信装置20が対応する全ての無線通信の使用周波数と重ならない有線通信方式である。そして、通信制御部100は、該当する有線通信方式が存在しないと判定した場合にはS24に移行し、該当する有線通信方式が存在すると判定した場合にはS29に移行して、該当する有線通信方式を新たに選択する。例えば、無線通信のデータ転送速度が150Mbpsで、無線通信装置20が対応する無線通信の使用周波数が2.4GHz帯と5GHz帯とである場合について考える。この場合、実効データ転送速度が150Mbps以上であり、かつ、2.4GHz帯と5GHz帯と重ならない基本周波数で動作するUSB2.0が選択される。
以上説明したように、本実施形態における無線通信装置20は、複数の無線通信方式に対応した無線通信機能と、データ通信に使用する基本周波数が異なる複数の有線通信方式に対応した有線通信機能とを有する。また、無線通信装置20は、無線通信のデータ転送速度を取得する。そして、無線通信装置20は、基本周波数が、対応する複数の無線通信の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となり、かつ、実効データ転送速度が、取得されたデータ転送速度以上となるように、有線通信で使用する有線通信方式を切り替える。
このように、無線通信装置20は、無線通信のデータ転送速度を満たす範囲で、使用可能性のある全ての無線通信の使用周波数と重ならない基本周波数で動作する有線通信方式を選択し、予め切り替えておくことができる。これにより、無線通信の使用周波数が切り替わっても、有線通信方式を切り替える必要がなくなる。その結果、有線通信方式の切り替えに伴って発生する通信制御部100と無線通信装置20との間の通信途絶を抑制し、通信速度の向上や遅延時間の低減が可能となる。
また、無線通信装置20は、自装置がアクセスポイント(AP)として動作する場合、APに接続する他の無線通信装置から送信される管理フレームを受信し、当該管理フレームに含まれるデータ転送速度に関する情報を取得することができる。また、無線通信装置20は、自装置がアクセスポイント(AP)に接続する装置(STA)として動作する場合、APから送信される管理フレームを受信し、当該管理フレームに含まれるデータ転送速度に関する情報を取得することができる。このように、無線通信装置20は、管理フレームをもとに、無線通信のデータ転送速度を精度良く取得することができる。
(変形例)
上記各実施形態においては、電子機器10がデジタルカメラである場合について説明したが、電子機器10はデジタルカメラに限定されるものではない。例えば、電子機器10は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、プリンタ、ビデオカメラ、スマートウォッチ、PDA等であってもよい。
また、上記各実施形態においては、無線通信装置20と有線通信を行う他の通信装置としてのメイン電子回路基板において、有線通信方式を選択する場合について説明した。しかしながら、無線通信装置20の電子回路基板において、有線通信方式の選択が行われてもよい。つまり、無線通信機能と有線通信機能とを有する無線通信装置が、自装置が無線通信に使用する無線通信方式に応じて有線通信方式を選択してもよい。この場合、図4における通信方式選択部113は、通信制御部100が備える必要はなく、無線通信装置20が通信方式選択部113に相当する機能モジュールを備える。
また、無線通信装置20は、電子機器10に組み込まれている必要はなく、電子機器10とは別の装置であってもよい。この場合にも、無線通信装置20が無線通信を行うためのアンテナが、電子機器10と無線通信装置20とを接続するケーブルやコネクタ等と近い場合には、有線通信のデータノイズが無線通信に悪影響を与えるおそれがある。そのため、上記のような通信システムにも本発明を適用することで、有線通信のデータノイズが無線通信に悪影響を与えることを抑制することができる。
さらに、上記各実施形態においては、無線通信装置20が使用する無線通信規格が、無線LANの通信規格であるIEEE802.11規格シリーズであり、無線通信装置20が使用する有線通信規格がUSB規格である場合について説明した。しかしながら、無線通信装置20が使用する無線通信規格および有線通信規格は、上記に限定されるものではない。例えば、有線通信規格として、PCI Express規格を使用してもよい。PCI Express規格は、Gen1、Gen2、Gen3およびGen4といった複数の規格を含む。例えば、無線通信の使用周波数帯が2.4GHz帯である場合、PCI Express2.0(Gen2)以外の有線通信方式を選択し、使用するようにしてもよい。また、無線通信規格として、例えばIEEE802.11adのような60GHz帯を使用する無線通信規格や、IoTやM2Mで使用される920MHz帯を使用する無線通信規格を使用してもよい。さらに、無線通信規格として、LTEで使用される800、1500、1800、2100MHz帯を使用する無線通信規格を使用してもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10…電子機器、20…無線通信装置、21…電子回路基板、22…アンテナ、23…WiFiチップ、24…コネクタ、25…ケーブル、100…通信制御部、111…通信アプリ部、112…無線制御部、113…通信方式選択部、114…通信方式切替部、115…データ送受信部、211…無線送受信部、212…通信方式切替部、213…データ送受信部、214…通信方式選択部

Claims (11)

  1. 使用周波数帯が異なる複数の無線通信方式に対応した無線通信を行う第一の通信手段と、
    データ通信に使用する基本周波数が異なる複数の有線通信方式に対応した有線通信を行う第二の通信手段と、
    前記第一の通信手段による前記無線通信のデータ転送速度を取得する取得手段と、
    前記複数の無線通信方式のうち前記第一の通信手段が使用する無線通信方式と前記取得手段により取得されたデータ転送速度とに基づいて、前記基本周波数が、前記第一の通信手段が使用する無線通信方式の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となり、かつ、実効データ転送速度が、前記取得手段により取得されたデータ転送速度以上となるように、前記第二の通信手段使用する有線通信方式を前記複数の有線通信方式から選択する選択手段と、
    備えることを特徴とする通信装置。
  2. 前記取得手段が取得するデータ転送速度は、前記第一の通信手段による無線通信の相手装置から送信される情報であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記通信装置はアクセスポイントとして動作し、
    前記取得手段が取得するデータ転送速度は、前記第一の通信手段による無線通信の相手装置であるステーションから送信される情報であることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記通信装置はステーションとして動作し、
    前記取得手段が取得するデータ転送速度は、前記第一の通信手段による無線通信の相手装置であるアクセスポイントから送信される情報であることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  5. 前記取得手段が取得するデータ転送速度は、前記第一の通信手段による無線通信の相手装置から送信されるBeaconフレームまたはAssociation Requestフレームに含まれる情報であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
  6. 前記複数の有線通信方式は、USB規格に準じた有線通信方式であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
  7. 前記複数の無線通信方式は、使用周波数帯が、それぞれ2.4GHz帯および5GHz帯であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信装置。
  8. 記第一の通信手段による無線通信の使用周波数帯が2.4GHz帯である場合、前記所定の周波数帯域2.4GHz以上2.5GHz以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信装置。
  9. 記第一の通信手段による前記無線通信の使用周波数帯が5GHz帯である場合、前記所定の周波数帯域5GHz以上6GHz以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の通信装置。
  10. 使用周波数帯が異なる複数の無線通信方式に対応した無線通信を行うとともに、データ通信に使用する基本周波数が異なる複数の有線通信方式に対応した有線通信を行う通信装置の制御方法であって、
    記無線通信のデータ転送速度を取得するステップと、
    前記複数の無線通信方式のうち使用する無線通信方式と前記取得されたデータ転送速度とに基づいて、前記基本周波数が、前記使用する無線通信方式の使用周波数帯を含む所定の周波数帯域外となり、かつ、実効データ転送速度が、前記取得されたデータ転送速度以上となるように、使用する有線通信方式を前記複数の有線通信方式から選択するステップと、
    含むことを特徴とする制御方法。
  11. コンピュータを、請求項1乃至9のいずれか1項に記載された通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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二条ねこ 他,[要注意]USB3.0は2.4GHz帯(Bluetooth等)と干渉し、ノイズを発生する問題,ギーク女子の"がじぇっと部"ログ,8vivid,2017年05月03日,第1-10頁,[検索日2021年12月28日],インターネット <URL:https://mupon.net/usb3noise/>

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