JP7127624B2 - 電池パック - Google Patents

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Description

本開示は、電池パックに関する。
たとえば、特開2011-96465号公報(特許文献1)には、交互に積層された2次電池および冷却板を備えるバッテリシステムが開示されている。冷却板は、その両側に配置された2次電池の主面部に接触して設けられ、可撓性を有する第1の平板および第2の平板と、第1の平板および第2の平板の間に介在する中間樹脂部とを有する。第1の平板および第2の平板と、中間樹脂部の隔壁部とに囲まれた位置には、冷媒が流れる通路が形成されている。
このほか、従来の電池パックを開示する文献として、特開2017-183071号公報(特許文献2)、特開2008-124033号公報(特許文献3)および特開2012-59380号公報(特許文献4)がある。
特開2011-96465号公報 特開2017-183071号公報 特開2008-124033号公報 特開2012-59380号公報
上述の特許文献1に開示されたバッテリシステムにおいては、2次電池の膨張に伴って、第1の平板および第2の平板が撓むとともに、中間樹脂部の隔壁部が弾性変形することによって、2次電池の膨張を冷却板により吸収する。この際、冷媒が流れる通路が押しつぶされるため、冷媒の流量が減少し、2次電池の冷却効率が低下する可能性がある。
そこで本開示の目的は、上記の課題を解決することであり、単電池の膨張時であっても、単電池の冷却効率が高く維持される電池パックを提供することである。
本開示に従った電池パックは、第1単電池と、第1単電池に対して積層される第2単電池と、第1単電池および第2単電池の間を通るように設けられ、第1単電池および第2単電池の間において、第1単電池および第2単電池の積層方向における外力を受けた場合に弾性変形が可能な配管部材とを備える。配管部材は、第1単電池および第2単電池の間に配置され、冷媒が流通する第1冷媒通路と、第1単電池および第2単電池の間に配置される第2冷媒通路とを形成する。電池パックは、配管部材に設けられ、第1冷媒通路内の圧力が上昇した場合に開弁して、第2冷媒通路に冷媒を流通させる弁部材をさらに備える。
このように構成された電池パックによれば、配管部材が、第1単電池および第2単電池の膨縮運動に伴って弾性変形することによって、第1単電池および第2単電池の寸法変動を吸収することができる。また、配管部材の変形に伴って、冷媒が流通する第1冷媒通路が押しつぶされると、第1冷媒通路内の圧力が上昇する。これにより、弁部材が開弁し、冷媒が流通する通路として第2冷媒通路が追加される。結果、第1単電池および第2単電池の膨張時にあっても、第1単電池および第2単電池の間における冷媒の流量が十分に確保されるため、第1単電池および第2単電池の冷却効率を高く維持することができる。
以上に説明したように、本開示に従えば、単電池の膨張時であっても、単電池の冷却効率が高く維持される電池パックを提供することができる。
実施の形態における電池パックを示す上面図である。 図1中のII-II線上の矢視方向に見た電池パックを示す側面図である。 図1中のIII-III線上の矢視方向に見た電池パックを示す側面図である。 図3中のIV-IV線上の矢視方向に見た電池パックを示す断面図である。 単電池の膨張時における電池パックを示す側面図である。 図5中のVI-VI線上の矢視方向に見た電池パックを示す断面図である。
本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、実施の形態における電池パックを示す上面図である。図1を参照して、本実施の形態における電池パック10は、車両駆動用の電源を構成している。電池パック10は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能なバッテリから電力供給されるモータとを動力源とするハイブリッド自動車、外部充電が可能なプラグインハイブリッド自動車、もしくは、電気自動車などに搭載される。
電池パック10は、複数の電池スタック21(21X,21Y,21Z)と、ケース体12とを有する。
電池スタック21は、複数の単電池(26A,26B,26C,26D,26E,26F,26G)と、エンドプレート22およびエンドプレート23と、拘束バンド(不図示)とを有する。
単電池26は、リチウムイオン電池である。単電池26は、直方体形状の薄板形状を有する。単電池26は、拘束面31および拘束面32と、頂面33と、底面34とを有する。拘束面31および拘束面32は、単電池26の外観をなす複数の側面(6つの側面)のうちで最も大きい面積を有する。拘束面31および拘束面32は、互いに水平方向における反対方向を向いている。頂面33は、上方を向いている。底面34は、下方を向いている。
複数の単電池26は、一方向(図1中の矢印101に示す方向であり、以下、「単電池26の積層方向」ともいう)に積層されている。複数の単電池26は、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間において、拘束面31と拘束面32とが向かい合わせとなるように積層されている。各電池スタック21において、単電池26A、単電池26B、単電池26C、単電池26D、単電池26E、単電池26Fおよび単電池26Gは、挙げた順に、単電池26の積層方向に並んでいる。なお、電池スタック21を構成する単電池26の数は、特に限定されない。
単電池26は、正極端子27と、負極端子28とを有する。正極端子27および負極端子28は、頂面33から突出している。複数の単電池26は、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間において、正極端子27と負極端子28とが並ぶように積層されている。積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間において、正極端子27と負極端子28とがバスバー(不図示)により接続されることによって、複数の単電池26は、互いに電気的に直列に接続されている。
エンドプレート22およびエンドプレート23は、単電池26の積層方向において、複数の単電池26の両側に配置されている。エンドプレート22は、単電池26の積層方向において、単電池26Aと隣り合って配置されている。エンドプレート23は、単電池26の積層方向において、単電池26Gと隣り合って配置されている。エンドプレート22およびエンドプレート23は、単電池26の積層方向が厚み方向となる平板からなる。エンドプレート22およびエンドプレート23は、単電池26の積層方向に延びる拘束バンドによって互いに連結されている。
複数の単電池26は、単電池26の積層方向において、エンドプレート22およびエンドプレート23により挟持されている。複数の単電池26は、エンドプレート22およびエンドプレート23の間において、単電池26の積層方向における拘束力を受けている。
電池スタック21は、全体として、直方体形状を有する。電池スタック21は、図1に示される上面視において、単電池26の積層方向が長手方向となり、単電池26の積層方向に直交する方向(矢印102に示す方向)が短手方向となる矩形形状を有する。
電池スタック21X、電池スタック21Yおよび電池スタック21Zは、挙げた順に、単電池26の積層方向に直交する方向(図1中の矢印102に示す方向)に並んでいる。なお、電池パック10を構成する電池スタック21の数は、特に限定されない。
ケース体12は、筐体からなる(図1中では、図示の便宜上、ケース体12の上面が透視されている)。複数の電池スタック21は、ケース体12に収容されている。
図2は、図1中のII-II線上の矢視方向に見た電池パックを示す側面図である。図3は、図1中のIII-III線上の矢視方向に見た電池パックを示す側面図である。図4は、図3中のIV-IV線上の矢視方向に見た電池パックを示す断面図である。
図1から図4を参照して、電池パック10は、配管部材41と、弁部材51とをさらに有する。
配管部材41は、冷媒が流通可能な通路を形成する部材である。冷媒は、液体であってもよいし、気体であってもよい。弁部材51は、配管部材41に設けられている。弁部材51は、配管部材41における冷媒流れを制御する。
配管部材41は、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間を通るように設けられている。配管部材41は、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間において、単電池26の拘束面32と、その単電池26に隣り合って配置された単電池26の拘束面31とに接触している。一例として、図4に示される断面位置でいえば、配管部材41は、単電池26Bおよび単電池26Cの間を通るように設けられている。配管部材41は、単電池26Bの拘束面32と、単電池26Cの拘束面31とに接触するように設けられている。
配管部材41は、複数の電池スタック21間に渡って、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間を通るように設けられている。
より具体的には、配管部材41は、複数の直線区間部61と、複数の反転区間部62とを有する。配管部材41は、直線区間部61において、単電池26の積層方向に直交する方向に沿って直線状に延びている。配管部材41は、反転区間部62において、単電池26の積層方向に直交する方向に沿った一方向から、その逆方向に反転するように延びている。直線区間部61と、反転区間部62とは、配管部材41の経路上において交互に並んでいる。配管部材41は、全体として、ミアンダ状に延びている。
配管部材41は、直線区間部61において、エンドプレート22および単電池26Aの間を通りながら、電池スタック21X、電池スタック21Yおよび電池スタック21Zを挙げた順に通り過ぎている。配管部材41は、反転区間部62において進行方向を反転させた後、単電池26Aおよび単電池26Bの間を通りながら、電池スタック21Z、電池スタック21Yおよび電池スタック21Xを挙げた順に通り過ぎている。
配管部材41は、先と同様に、反転区間部62における反転を挟みながら、直線区間部61において、単電池26B、単電池26C、単電池26D、単電池26E、単電池26Fおよび単電池26Gのうちの互いに隣り合う単電池26,26間を通るように設けられている。配管部材41は、単電池26Fおよび単電池26Gの間を通り、反転区間部62において進行方向を反転させた後、単電池26Gおよびエンドプレート23の間を通りながら、電池スタック21Z、電池スタック21Yおよび電池スタック21Xを挙げた順に通り過ぎている。
配管部材41は、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間において、単電池26の積層方向における外力を受けた場合に弾性変形が可能なように構成されている。
より具体的には、配管部材41は、少なくとも直線区間部61において、樹脂製のチューブから構成されている。配管部材41は、たとえば、ポリエステル糸によって補強された内周面を有するシリコーンゴム製チューブから構成されている。
配管部材41は、集合通路42と、複数の第1冷媒通路46と、第2冷媒通路47とを形成している。
集合通路42は、反転区間部62に設けられている。集合通路42には、複数の第1冷媒通路46に供給される冷媒が集合し、複数の第1冷媒通路46から排出された冷媒が集合する。
複数の第1冷媒通路46は、直線区間部61に設けられている。複数の第1冷媒通路46は、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間に配置されている。複数の第1冷媒通路46は、上下方向(図2中の矢印103に示す方向)に並んでいる。複数の第1冷媒通路46は、単電池26の積層方向に直交する方向に延びる両端において、集合通路42,42に接続されている。
なお、図2から図4中には、4本の第1冷媒通路46が示されているが、第1冷媒通路46の数は、1本であってもよいし、4本以外の複数本であってもよい。複数の第1冷媒通路46は、図2から図4中に示されるように別々のチューブによって設けられてもよいし、1本のチューブの内部に区画されて設けられてもよい。
第2冷媒通路47は、直線区間部61に設けられている。第2冷媒通路47は、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間に配置されている。第2冷媒通路47は、複数の第1冷媒通路46と上下方向に並んでいる。第2冷媒通路47は、単電池26の積層方向に直交する方向に延びる両端において、集合通路42,42に接続されている。第2冷媒通路47は、図1中の位置P(各直線区間部61における冷媒流れの上流側に対応)および位置Q(各直線区間部61における冷媒流れの下流側に対応)において、集合通路42,42に接続されている。
本実施の形態では、第2冷媒通路47が、上下方向において、正極端子27および負極端子28が設けられた頂面33よりも、底面34に近い側に設けられている。第2冷媒通路47は、上下方向に並ぶ複数の第1冷媒通路46のうち最も下側に配置された第1冷媒通路46の下方に設けられている。
第1冷媒通路46および第2冷媒通路47は、円形断面の通路形状を有する。複数の第1冷媒通路46は、互いに等しい通路面積を有する。第1冷媒通路46および第2冷媒通路47は、互いに等しい通路面積を有する。第1冷媒通路46および第2冷媒通路47は、互いに異なる通路面積を有してもよい。
図5は、単電池の膨張時における電池パックを示す側面図である。図6は、図5中のVI-VI線上の矢視方向に見た電池パックを示す断面図である。図5および図6は、それぞれ、通常時における電池パック10を示す図3および図4に対応している。
図1から図6を参照して、弁部材51は、第2冷媒通路47における冷媒流れを制御する。弁部材51は、第1冷媒通路46内の圧力が上昇した場合に開弁して、第2冷媒通路47に冷媒を流通させる。
弁部材51は、図1中の位置P(各直線区間部61における冷媒流れの上流側に対応)において、集合通路42に対して第2冷媒通路47が接続される部分に設けられている。
弁部材51は、弁体52と、コイルバネ等の弾性体53とを有する。弁体52は、集合通路42から第2冷媒通路47に向けての冷媒の流入を規制する閉弁位置と、集合通路42から第2冷媒通路47に向けての冷媒の流入を許容する開弁位置との間で動作可能である。弾性体53は、弁体52を閉弁位置に向けて付勢している。
図3および図4に示されるように、通常時、複数の第1冷媒通路46に冷媒が流通することによって、その両側に配置された単電池26が冷却される。
図5および図6に示されるように、単電池26における充放電時のSOC(State of charge)変動または温度変動に伴って、単電池26の膨縮運動が発生する。これに対して、本実施の形態では、配管部材41が、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間において、単電池26の積層方向における外力を受けた場合に弾性変形が可能なように構成されている。このような構成により、配管部材41の弾性変形を通じて、単電池26の膨縮時の寸法変動を吸収することができる。
また、単電池26の膨張量が増すと、第1冷媒通路46がその両側の単電池26によって押しつぶされる。この場合、第1冷媒通路46における通路面積が小さくなって、複数の第1冷媒通路46における冷媒の流量が減少してしまう。
これに対して、本実施の形態では、弁部材51が、第1冷媒通路46内の圧力が上昇することによって開弁し、第2冷媒通路47に冷媒を流通させる。より具体的には、第1冷媒通路46における通路面積が小さくなると、第1冷媒通路46内を流通する冷媒の圧力が上昇する。このような冷媒の圧力が、集合通路42を通じて弁部材51に作用することによって、弁体52が、弾性体53の弾性力に抗しながら閉弁位置から開弁位置に向けて動作する。これにより、集合通路42から第2冷媒通路47に向けての冷媒の流入が許容され、冷媒が流通する通路として第2冷媒通路47が追加される。結果、単電池26の膨張時にあっても、積層方向において互いに隣り合う単電池26,26間を流れる冷媒の流量が十分に確保されるため、単電池26の冷却効率を高く維持することができる。
また、本実施の形態では、第2冷媒通路47が、上下方向において、正極端子27および負極端子28が設けられた頂面33よりも、底面34に近い側に設けられている。このような構成により、通常時には、複数の第1冷媒通路46を流通する冷媒により、発熱部である正極端子27および負極端子28を優先的に冷却する一方、単電池26の膨張時に追加される第2冷媒通路47は、単電池26の底面34側に配置することによって、正極端子27および負極端子28をより効率的に冷却することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示は、たとえば、車両駆動用の電池パックに適用される。
10 電池パック、12 ケース体、21,21X,21Y,21Z 電池スタック、22,23 エンドプレート、26,26A,26B,26C,26D,26E,26F,26G 単電池、27 正極端子、28 負極端子、31,32 拘束面、33 頂面、34 底面、41 配管部材、46 第1冷媒通路、47 第2冷媒通路、51 弁部材、52 弁体、53 弾性体、61 直線区間部、62 反転区間部。

Claims (1)

  1. 第1単電池と、
    前記第1単電池に対して積層される第2単電池と、
    前記第1単電池および前記第2単電池の間を通るように設けられ、前記第1単電池および前記第2単電池の間において、前記第1単電池および前記第2単電池の積層方向における外力を受けた場合に弾性変形が可能な配管部材とを備え、
    前記配管部材は、
    前記第1単電池および前記第2単電池の間に配置され、冷媒が流通する第1冷媒通路と、
    前記第1単電池および前記第2単電池の間に配置される第2冷媒通路とを形成し、さらに、
    前記配管部材に設けられ、前記第1冷媒通路内の圧力が上昇した場合に開弁して、前記第2冷媒通路に冷媒を流通させる弁部材を備える、電池パック。
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