JP7126677B2 - 電動アシスト軽車両の給電装置 - Google Patents
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Description
図15に示すように、この電動自転車10には、車輪14のリム18に互いに周方向に隣接して複数個の中継コイル11を配置し、また、フレーム19には、前記中継コイル11の両側に対峙して受電コイル12が取り付けられている。この受電コイル12は、ケーブル15によりバッテリー13に接続されている。
前記電動自転車10の駐輪装置16の路面には、前記前輪14の両側に位置して給電コイル17が埋設されている。
多くの自転車の車輪には、アルミリムが用いられており、特許文献1に示すような給電装置をアルミリムの自転車に採用しようとすると、路面に近い磁界21がアルミリムを通過し、中継コイルとの結合係数が極端に低下する。
この事実を実証するため、図13に示すような給電装置を用いて非接触給電のコイル同士の結合率が低下することを以下の実験により検証した。
このような構成において、リム18がアルミからなる場合、大半の磁界21がアルミリムを通過し、中継コイル11との結合係数kが0.0330と極端に低く、給電効率ηが16.8%に低下することが判明した。
駐輪装置16に設けた電動アシスト軽車両10の給電装置9の給電コイル17と、前記電動アシスト軽車両10の車輪14に設けた中継コイル11を磁気結合して電力を伝送するようにした電動アシスト軽車両の給電装置9において、
前記給電装置9は、前記車輪14の両側に隙間をもって対峙して配置されたフェライトコア22と、このフェライトコア22に巻回した前記給電コイル17と、前記フェライトコア22の前記給電コイル17を巻回しないで露出した磁界発生のための磁極部22aとを有し、この磁極部22aと前記車輪14の導電性のリム18との間を3mm以上離して形成したことを特徴とする。
車輪14がタイヤ25と導電性リム18を具備した電動アシスト軽車両10であって、この電動アシスト軽車両10に給電するための駐輪装置16に設けた給電装置9の給電コイル17と、前記車輪14に設けた中継コイル11とを磁気結合して電力を伝送するようにした電動アシスト軽車両の給電装置9において、
前記中継コイル11を、前記車輪14の車軸27と前記導電性リム18との間に配置し、
前記給電コイル17を巻回したフェライトコア22を、給電時に前記車輪14が隙間を持って入れるように両側にコの字形に形成し、
このフェライトコア22の両側上部にそれぞれ、前記給電コイル17を巻回しないで露出した磁界発生のための磁極部22aを、給電時にこれらの磁極部22aの間の磁界中に前記中継コイル11が配置されるように形成し、
前記給電コイル17による給電時に、前記両側の磁極部22aの間を通過する磁界が前記中継コイル11を通過するが、前記導電性リム18をできるだけ通過しないように、前記磁極部22aと前記導電性のリム18との間を、3mm以上離して形成したので、車輪14に導電性のリム18を有するものであっても、電力伝送の損失が少なく、かつ、結合効率の高い給電装置を提供することができる。
前記フェライトコア22は、両側に隙間をもって車輪14が入れるようなコ字形に一体に連結してなるので、給電装置を簡単な構成とすることができる。
前記フェライトコア22は、両側に隙間をもって車輪14が入れるような2個の別部材からなり、それぞれのフェライトコア22の上部に、磁極部22aを形成したので、車輪14が入れる隙間Bを車輪の幅に応じて構成でき、しかも伝送の損失が少なく、かつ、効率の良い構成とすることができる。
前記中継コイル11は、前記車輪14と一体に回転するように、前記磁極部22aの磁界中に配置され、この中継コイル11の他端に、コンデンサ29を介在して2段目の中継コイル11xを接続し、この2段目の中継コイル11xに受電コイル12を磁気結合したので、磁界による伝送距離を広く設定することができる。
前記中継コイル11は、前記車両10のフレーム19と一体に固定的に、前記磁極部22aの磁界中に配置され、この中継コイル11の他端に、コンデンサを介在して出力したので、駐輪時に中継コイル11が1個でも給電装置との位置合わせが必要なくなる。
前記中継コイル11は、前記車輪14と一体に回転するように、前記磁極部22aの磁界中に所定の間隔で複数個を相互に並列に配置され、これらの中継コイル11の他端に、コンデンサを介在して2段目の中継コイル11xを接続し、この2段目の中継コイル11xに受電コイル12を磁気結合したので、駐輪時に複数個のうちのいずれかの中継コイル11が給電装置と磁気結合し、位置合わせが必要なくなる。また、車輪14の回転バランスに偏りがなくなる。
前記フェライトコア22に前記車輪14を入れたときの両側の隙間が20mmで、前記磁極部22aと前記導電性のリム18との間を8mm離して形成したので、導電性のリム18による悪影響を排除し、伝送の損失が少なく、かつ、磁気結合効率の良い構成とすることができる。
前記フェライトコア22に車輪14を入れたときの両側に隙間は、10~30mmとしたので、車輪14の幅の異なる多くの車両に対応することができる。
駐輪装置16に設けた電動アシスト軽車両10の給電装置9の給電コイル17と、前記電動アシスト軽車両10の車輪14に設けた中継コイル11を磁気結合して電力を伝送するようにした電動アシスト軽車両の給電装置9において、
前記給電装置9は、前記車輪14の両側に隙間をもって対峙して配置されたフェライトコア22と、このフェライトコア22に巻回した前記給電コイル17と、前記フェライトコア22の前記給電コイル17を巻回しないで露出した磁界発生のための磁極部22aとを有し、この磁極部22aと前記車輪14の導電性のリム18との間を3mm以上、好ましくは、8mm以上離して形成する。
また、前記中継コイル11は、前記車両10のフレーム19と一体に固定的に、前記磁極部22aの磁界中に配置され、この中継コイル11の他端に、コンデンサを介在して出力してなるものとすることができる。
前記フェライトコア22に車輪14を入れたときの両側に隙間は、10~30mmとすることが好ましい。
図1から図3において、駐輪装置16の車止め20に電動自転車10の車輪14を駐輪したとき、車輪14が入り込む位置に、本発明の電動アシスト軽車両10の給電装置9が設置される。
この電動アシスト軽車両10の給電装置9は、タイヤ25とリム18からなる車輪14が余裕をもって入り込めるように、両側に隙間Bを持ったコ字形のフェライトコア22と、このフェライトコア22の両側に分割して巻かれた給電コイル17とからなり、このフェライトコア22の両側上部には、それぞれ給電コイル17を巻回していない磁界発生のための磁極部22aを形成し、これらの磁極部22aの間の磁界中に中継コイル11を配置する。この中継コイル11は、前記リム18と車軸27との間のホーク24の両側に取り付けられる。
前記給電コイル17には、コンデンサ28を介してインバータ電源23が接続される。
なお、前記フェライトコア22は、コ字形に一体に連結しているものに限られず、両側のフェライトコア22、22が互いに独立して対峙しているものであってもよい。
また、中継コイル11は、前記リム18と車軸27との間のホーク24の片側だけに取り付けたものであってもよい。
駐輪装置16における給電装置9に、電動自転車10の車輪14を入れて、給電装置9にスイッチを入れると、インバータ電源23からの高周波信号が給電コイル17に加えられ、LC発振回路で発振してフェライトコア22における磁極部22a間に磁界21が交互に発生する。この磁界21が中継コイル11を通過してこの中継コイル11にて給電装置9からの電力を取得し、さらに2段目の中継コイル11xと受電コイル12の磁気結合により受電コイル12に電力が伝送され、整流平滑回路31で整流平滑化してバッテリー13に充電する。
ここで、磁気結合時の損失を抑制し、効率的に電力を伝送するための機構を説明する。
前記中継コイル11は、車軸27に取り付けられた2段目の中継コイル11xにコンデンサ29を介して接続され、この2段目の中継コイル11xは、車両10のフレーム19に取り付けられた受電コイル12と磁気結合している。
前記給電コイル17に磁気結合された中継コイル11と2段目の中継コイル11xとコンデンサ29からなる2段方式のLC回路は、さらに、受電コイル12とコンデンサ32からなるLC回路に磁気結合される。
図14において、給電装置9に対応する給電側トランス33と、リム18と中継コイル11を有する受電側に対応する受電側トランス34を構成する。前記給電側トランス33は、フェライトコア22にボビン35をもって給電コイル17を巻回し、前記フェライトコア22の一端面が露出するように絶縁層36を介してアルミケース37で保護する。同様に、前記受電側トランス34は、フェライトコア38にボビン35をもって中継コイル11を巻回し、前記フェライトコア38の一端面が露出するように絶縁層40を介して前記リム18に見立てたアルミケース41で保護する。この受電側トランス34の絶縁層40の厚さが前記距離Aに対応する。
図11(a)において、給電側トランス33と受電側トランス34の隙間B=10mmの時は、隙間が小さいので、距離Aが8mm、4mm、2mmの違いがあってもそれほど損失に大きな差がない。隙間B=15mmの図11(b)では、距離Aが8mmと4mmの損失の違いはあまりないが、2mmになると損失に大きな差があらわれる。隙間B=20mmになると、図11(c)のように、距離Aが8mmでの損失は少ないが、4mm、2mmになると大きな損失があらわれることを表している。
以上の図11及び図12から、出力電力が30Wでは、隙間B=20mmとすると、距離Aが8mmのときに損失が小さく、かつ、効率が良いことがわかる。
したがって、隙間B=20mmに設定したとき、距離Aを少なくとも8mmに設定すると、損失が小さく、かつ、効率が良いことがわかる。
図1に示す実施例では、車輪14に、扇形の中継コイル11を1つだけ設けた例を示したので、給電装置9と中継コイル11を磁気結合する位置に電動自転車10を駐輪する必要がある。そのため、図5及び図6に示すように、車輪14の全周囲に中心角120度の間隔で3個の中継コイル11(11a、11b、11c)を設けるようにすると、駐輪時の給電装置9と中継コイル11の位置合わせが必要なくなる。この時の等価回路は、図7のように示される。
Claims (8)
- 車輪14がタイヤ25と導電性リム18を具備した電動アシスト軽車両10であって、この電動アシスト軽車両10に給電するための駐輪装置16に設けた 給電装置9の給電コイル17と、前記車輪14に設けた中継コイル11とを磁気結合して電力を伝送するようにした電動アシスト軽車両の給電装置9において、
前記中継コイル11を、前記車輪14の車軸27と前記導電性リム18との間に配置し、
前記給電コイル17を巻回したフェライトコア22を、給電時に前記車輪14が隙間を持って入れるように両側にコの字形に形成し、
このフェライトコア22の両側上部にそれぞれ、 前記給電コイル17を巻回しないで露出した磁界発生のための磁極部22aを、給電時にこれらの磁極部22aの間の磁界中に前記中継コイル11が配置されるように形成し、
前記給電コイル17による給電時に、前記両側の磁極部22aの間を通過する磁界が前記中継コイル11を通過するが、前記導電性リム18をできるだけ通過しないように、 前記磁極部22aと前記導電性のリム18との間を、3mm以上離して形成したことを特徴とする電動アシスト軽車両の給電装置。 - 前記フェライトコア22は、両側に隙間をもって車輪14が入れるようなコ字形に一体に連結してなることを特徴とする請求項1記載の電動アシスト軽車両の給電装置。
- 前記フェライトコア22は、両側に隙間をもって車輪14が入れるような2個の別部材からなり、それぞれのフェライトコア22の上部に、磁極部22aを形成したことを特徴とする請求項1記載の電動アシスト軽車両の給電装置。
- 前記中継コイル11は、前記車輪14と一体に回転するように、前記磁極部22aの磁界中に配置され、この中継コイル11の他端に、コンデンサ29を介在して2段目の中継コイル11xを接続し、この2段目の中継コイル11xに受電コイル12を磁気結合してなることを特徴とする請求項1記載の電動アシスト軽車両の給電装置。
- 前記中継コイル11は、前記車両10のフレーム19と一体に固定的に、前記磁極部22aの磁界中に配置され、この中継コイル11の他端に、コンデンサを介在して出力してなることを特徴とする請求項1記載の電動アシスト軽車両の給電装置。
- 前記中継コイル11は、前記車輪14と一体に回転するように、前記磁極部22aの磁界中に所定の間隔で複数個を相互に並列に配置され、これらの中継コイル11の他端に、コンデンサを介在して2段目の中継コイル11xを接続し、この2段目の中継コイル11xに受電コイル12を磁気結合してなることを特徴とする請求項1記載の電動アシスト軽車両の給電装置。
- 前記フェライトコア22に前記車輪14を入れたときの両側の隙間が20mmで、 前記磁極部22aと前記導電性のリム18との間を8mm離して形成したことを特徴とする請求項1記載の電動アシスト軽車両の給電装置。
- 前記フェライトコア22に車輪14を入れたときの両側に隙間は、10~30mmとしたことを特徴とする請求項1記載の電動アシスト軽車両の給電装置。
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