JP7125958B2 - 判定装置、判定方法、プログラム及び検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流れる液体の異常状態を判定する判定装置、判定方法及びプログラム、並びに、判定装置を備えた検知装置に関するものである。
ポンプの吸入側などにおいて液体の圧力が飽和蒸気圧より低下すると、液体が急激に気化して気泡となるキャビテーションが発生する。ポンプの吸入側でキャビテーションが発生した場合、ポンプの全揚程が低下してしまい、所望の性能が得られなくなる。また、キャビテーションは、ポンプの軸振動、羽根車の応力変動、騒音の原因にもなる。配管のバルブなどの絞りでは、絞り部分又はその直近の下流側でキャビテーションが発生する場合がある。点検などの際に配管内へ空気が混入した場合にも、キャビテーションと同様な問題を生じることがある。
下記の特許文献1には、流量と圧力の関係を示すデータからキャビテーションの発生を検知するキャビテーション検知装置が記載されている。このキャビテーション検知装置は、流量検出器及び圧力検出器からの検出信号に基づいて、流量に対する全揚程データ(揚程曲線)を作成し、この作成した全揚程データが予め記憶した正常時の全揚程データに比べて所定の値以下の値を示す場合、キャビテーションが発生したと判定する。
実開昭64-29299号公報
上述した特許文献1に記載のキャビテーション検知装置では、運転時の全揚程データを作成するために、流量の検知信号に加えて、遠心ポンプにおける吸入側と吐き出し側の圧力の検知信号をそれぞれ用いる必要がある。そのため、検知信号の種類が多いことにより処理が複雑になるという不利益や、検出器の数が多いことにより装置の構成が複雑になるという不利益がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流れる液体にキャビテーションが発生したり空気が混入したりする異常状態を簡易な処理で判定できる判定装置とその方法及び判定用のプログラムを提供すること、並びに、そのような異常状態を簡易な構成で検知できる検知装置を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る判定装置は、流れる液体に気泡が含まれた状態又は前記液体にキャビテーションが発生した状態を異常状態として判定する判定装置であって、前記液体には、少なくとも前記異常状態でない場合に圧力の脈動が存在し、前記液体の圧力を測定した測定データに基づいて、前記脈動の大きさに関わる圧力脈動量を算出する算出部と、算出された前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定する判定部とを有する。
この構成によれば、少なくとも前記異常状態でない場合に存在する前記脈動の大きさに関わる前記圧力脈動量が前記圧力の前記測定データに基づいて算出され、算出された前記圧力脈動量に基づいて前記異常状態か否かが判定される。従って、前記液体の前記圧力を測定した前記測定データを用いる簡易な処理によって、前記液体の状態を判定することが可能となる。
記判定部は、算出された前記圧力脈動量が予め設定されたしきい値より小さい場合に、前記異常状態であると判定する。
この構成によれば、前記異常状態になったときに前記圧力脈動量が減少することを利用して、前記圧力脈動量と前記しきい値とを比較する簡易な処理により、前記異常状態か否かの判定が行われる。
好ましくは、前記しきい値は、前記液体に気泡が含まれておらず、かつキャビテーションが発生していない状態(以下、「正常状態」と記載する場合がある。)における前記圧力脈動量の下限として設定された値である。
この構成によれば、前記液体に気泡が含まれておらず、かつキャビテーションが発生していない前記正常状態における前記圧力脈動量の下限として、前記しきい値が設定される。そのため、前記圧力脈動量と前記しきい値とを比較する処理により、前記異常状態が精度よく判定される。
好ましくは、前記圧力の前記脈動は、前記液体が流れる管路において前記液体を送り出すポンプの働きに伴って生じた脈動である。
この構成によれば、前記圧力の前記脈動が前記ポンプの働きに伴って生じる脈動であるため、前記ポンプの性能や特性が既知である場合に、前記異常状態における前記圧力脈動量の変化の程度を正確に見積もり易くなり、前記液体の前記異常状態の判定を精度よく行うことが可能となる。
好ましくは、前記算出部は、前記測定データに基づいて、第1時間幅における前記圧力の二乗平均平方根に応じた数値を前記圧力脈動量として算出する。
この構成によれば、前記第1時間幅における前記圧力の二乗平均平方根に応じた数値を前記測定データに基づいて算出する簡易な演算により、前記圧力脈動量が算出される。
好ましくは、前記算出部は、前記第1時間幅を持つ算出対象期間を第2時間幅ずつシフトさせながら、前記算出対象期間内における前記圧力の二乗平均平方根に応じた数値を前記圧力脈動量として繰り返し算出し、前記判定部は、1以上の前記算出対象期間について算出された1以上の前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定する。
この構成によれば、前記第1時間幅を持つ前記算出対象期間における前記圧力脈動量が、前記算出対象期間を前記第2時間幅ずつシフトさせながら、繰り返し算出される。前記異常状態か否かの判定は、1以上の前記算出対象期間について算出された1以上の前記圧力脈動量に基づいて行なわれる。これにより、前記算出対象期間を前記第2時間幅ずつシフトさせながら、前記圧力脈動量に基づく前記異常状態の判定を繰り返し行うことが可能となる。
好ましくは、前記算出部は、一連の複数の前記圧力脈動量に基づいて、前記圧力脈動量のばらつきの大きさに関わる脈動変化量を更に算出し、前記判定部は、前記一連の複数の前記圧力脈動量について算出された前記脈動変化量に基づいて、前記圧力の前記脈動の過渡的な変化が収束したか否かを判定し、前記過渡的な変化が収束したと判定した場合に、前記一連の複数の前記圧力脈動量における1以上の前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定する。
この構成によれば、前記圧力脈動量のばらつきの大きさに関わる前記脈動変化量が、前記一連の複数の前記圧力脈動量に基づいて算出され、この算出された前記脈動変化量に基づいて、前記圧力の前記脈動の過渡的な変化が収束したか否かが判定される。そして、前記過渡的な変化が収束したと判定された場合に、前記一連の複数の前記圧力脈動量における1以上の前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かの判定が行われる。これにより、前記過渡的な変化が収束していないときの不正確な前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かの判定が行われ難くなる。
本発明の第2の態様に係る判定方法は、流れる液体に気泡が含まれた状態又はキャビテーションが発生した状態を異常状態として判定する判定方法であって、前記液体には、少なくとも前記異常状態でない場合に圧力の脈動が存在し、前記液体の圧力を測定した測定データに基づいて、前記脈動の大きさに関わる圧力脈動量を算出することと、算出した前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定することとを有し、前記異常状態か否かの判定は、算出された前記圧力脈動量が予め設定されたしきい値より小さい場合に、前記異常状態であると判定することを含む
本発明の第3の態様に係るプログラムは、1以上のコンピュータを上記第1の態様に係る判定装置として機能させるプログラムである。
本発明の第4の態様に係る検知装置は、流れる液体に気泡が含まれた状態又は前記液体にキャビテーションが発生した状態である異常状態の発生を検知する検知装置であって、前記液体には、少なくとも前記異常状態でない場合に圧力の脈動が存在し、前記液体の圧力を測定する圧力センサと、前記圧力センサの測定結果を示す測定データに基づいて前記異常状態を判定する上記第1の態様に係る判定装置とを有する。
本発明によれば、流れる液体にキャビテーションが発生したり空気が混入したりする異常状態を簡易な処理で判定できる判定装置とその方法及び判定用のプログラムを提供できる。また本発明によれば、そのような異常状態を簡易な構成で検知できる検知装置を提供できる。
図1は、本実施形態に係る検知装置の構成の一例を示す図である。 図2A及び図2Bは、ポンプの吸入側における正常状態及びキャビテーション発生状態の各圧力波形を例示する図である。図2Cは、図2A及び図2Bの圧力波形から計算した圧力脈動量(RMS値)を示す図である。 図3A及び図3Bは、ポンプの吸入側における正常状態及び空気混入状態の各圧力波形を例示する図である。図3Cは、図3A及び図3Bに示す圧力波形から計算した圧力脈動量(RMS値)を示す図である。 図4は、本実施形態に係る判定装置による判定動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図5A及び図5Bは、本実施形態に係る検知装置の変形例を示す図である。 図6A及び図6Bは、ポンプの吐き出し側における正常状態及びキャビテーション発生状態の各圧力波形を例示する図である。図6Cは、図6A及び図6Bの圧力波形から計算した圧力脈動量(RMS値)を示す図である。 図7A及び図7Bは、ポンプの吐き出し側における正常状態及び空気混入状態の各圧力波形を例示する図である。図7Cは、図7A及び図7Bに示す圧力波形から計算した圧力脈動量(RMS値)を示す図である。 図8は、本実施形態に係る判定装置による判定動作の一変形例を説明するためのフローチャートである。
図1は、本実施形態に係る検知装置の構成の一例を示す図であり、判定装置20は、入力部21と、表示部22と、測定データ取得部23と、記憶部24と、処理部25とを有する。図1に示す検知装置1は、管路5の中を流れる液体9の異常状態を検知する装置であり、圧力センサ10-1と判定装置20を有する。この異常状態は、液体9にキャビテーションが発生した状態、又は、管路5内への空気の混入などによって液体9に気泡が含まれた状態である。
圧力センサ10-1は、管路5の中を流れる液体9の圧力を測定する装置であり、例えば、圧力を受けて変形するダイヤフラムの変位をひずみゲージや静電容量センサなどによって検出する。図1の例において、管路5には液体9を送り出すためのポンプ6が設けられている。圧力センサ10-1は、ポンプ6の吸入側の管路5において液体9の圧力を測定する。
ポンプ6には種々のタイプのポンプを用いることが可能であり、例えば、回転する羽根車により液体に圧力を与えるターボ型ポンプ(遠心ポンプ、軸流ポンプ、斜流ポンプなど)や、容積の変化により液体を移送する容積型ポンプ(往復ポンプ、回転ポンプなど)を用いることができる。
液体9には、少なくとも上述した異常状態でない場合において、圧力の脈動が存在する。この脈動は、例えば、液体9を送り出すポンプ6の働きに伴って生じた脈動である。圧力センサ10-1により測定される圧力の波形には、この脈動の成分が含まれている。
判定装置20は、圧力センサ10-1が測定した液体9の圧力の測定データに基づいて、液体9が異常状態でない場合に存在する液体9の圧力の脈動を監視し、その圧力脈動状態の変化から、液体9が異常状態であるか否かを判定する。
入力部21は、ユーザの指示を処理部25へ入力するための機器である。例えば入力部21は、マウス、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、押しボタン、回転スイッチなど、ユーザの操作に応じた信号を生成する1以上の入力機器を含む。
表示部22は、処理部25において生成される映像データを表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを含む。
測定データ取得部23は、圧力センサ10-1が測定結果として出力する圧力測定信号Sp1に基づいて、液体9の圧力の値を表す測定データを取得する。例えば測定データ取得部23は、アナログ信号である圧力測定信号Sp1を一定の周期でサンプリングし、デジタル値の測定データに変換するA/D変換器を含む。
記憶部24は、後述する処理部25のプロセッサによって実行されるプログラムPGを記憶する。また記憶部24は、処理部25における処理の実行過程で繰り返し使用される定数データや、一時的に保存される変数データなどを記憶する。例えば、記憶部24は、測定データ取得部23において取得される測定データや、測定データに基づいて後述する算出部251により算出される圧力脈動量を記憶する。
記憶部24に格納されるプログラムPGは、例えば、処理部25が備える任意の入力インターフェースに接続された記憶装置(USBメモリなど)から読み出されたものでもよいし、処理部25に接続される任意の記録媒体読み取り装置において記録媒体(光ディスクなど)から読み出されたものでもよいし、処理部25が備える任意の通信インターフェースを介して外部のサーバ装置などからダウンロードしたものでもよい。
記憶部24は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部24が複数の記憶装置から構成される場合、記憶装置の種類は1種類でも複数種類でもよい。例えば記憶部24は、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスクなど)を含んでよい。
処理部25は、判定装置20の全体的な動作を制御する装置であり、圧力センサ10-1の測定データに基づいた液体9の異常状態の判定に関わる処理を実行する。処理部25は、記憶部24に格納された1以上のプログラムPGの命令コードに従って処理を実行する1以上のプロセッサ(CPU、MPUなど)を含む。1以上のプロセッサがプログラムPGの命令コードに従って処理を実行することにより、処理部25は1以上のコンピュータとして動作する。例えば処理部25は、液体9の異常状態の判定に関わる処理を、上述した1以上のコンピュータとして実行してよい。
なお、処理部25は、特定の機能を実現するように構成された1以上の専用のハードウェア(ASIC、FPGAなど)を含んでもよい。この場合、処理部25は、液体9の異常状態の判定に関わる処理の少なくとも一部を、専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
処理部25は、液体9の異常状態の判定に関わる処理を実行する要素として、算出部251と判定部252を含む。
算出部251は、圧力センサ10-1において液体9の圧力を測定した測定データに基づいて、圧力の脈動の大きさに関わる圧力脈動量を算出する。例えば算出部251は、測定データ取得部23において取得される圧力センサ10-1の測定データに基づいて、所定の第1時間幅における圧力の二乗平均平方根(root mean square:以下、「RMS」と記す場合がある。)に応じた数値を圧力脈動量として算出する。
第1時間幅においてn個の測定データX1,X2,…,Xnが取得されるものとすると、算出部251が算出する圧力脈動量Xrmsは例えば次の式で表される。
Figure 0007125958000001
この場合、算出部251は、第1時間幅を持つ算出対象期間を所定の第2時間幅ずつシフトさせながら、算出対象期間内における圧力の二乗平均平方根に応じた数値を圧力脈動量として繰り返し算出してもよい。例えば第2時間幅においてm個の測定データが取得されるものとすると、算出部251は、測定データ取得部23において新たにm個の測定データが取得される度に、最新の測定データを含む一連のn個の測定データに基づいて、式(1)により圧力脈動量Xrmsを算出する。
なお、圧力脈動量Xrmsの算出に用いられる測定データX1,X2,…,Xnは、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタなどの任意のフィルタにより圧力の直流成分が予め除去されたものであることが望ましい。圧力の直流成分を除去せずに圧力脈動量Xrmsを算出した場合、圧力脈動量Xrmsの算出結果には、脈動とは無関係な直流成分が多く含まれることとなり、本来の脈動成分が相対的に小さくなる。直流成分を除去した測定データから圧力脈動量Xrmsを算出することによって、圧力脈動量Xrmsの算出結果に直流成分が含まれなくなるため、後述する判定部252における異常状態の判定精度を高め易くなる。この場合、直流成分の除去に用いるフィルタは、デジタルフィルタでもアナログフィルタでもよい。
他方、圧力の直流成分が十分に小さい場合には、このようなフィルタによる直流成分の除去を省略してもよい。この場合、後述する判定部252において、圧力の直流成分を見込んだしきい値TH1を設定すればよい。
判定部252は、算出部251において算出された圧力脈動量に基づいて、液体9が異常状態にあるか否かを判定する。例えば判定部252は、算出部251において算出された圧力脈動量が予め設定されたしきい値TH1より小さい場合、液体9が異常状態にあると判定する。
このしきい値TH1は、例えば、液体9に気泡が含まれておらずかつキャビテーションが発生していない状態(正常状態)における圧力脈動量の下限として設定された値である。後述するように、異常状態における圧力脈動量は正常状態における圧力脈動量に比べて小さくなる。従って、正常状態の下限値であるしきい値TH1よりも圧力脈動量が小さくなった場合、液体9が異常状態になっているとみなすことが可能になる。
なお、判定部252による液体9の異常状態の判定は、一連の測定データに基づいて算出される一連の複数の圧力脈動量に基づいて行ってもよい。複数の圧力脈動量に基づいて判定を行うことにより、判定結果の確実性を高めることができる。
例えば判定部252は、複数の算出対象期間(第1時間幅の期間)について複数の圧力脈動量が算出された場合、算出された複数の圧力脈動量に基づいて圧力脈動量の代表値(平均値、最大値、最小値、中央値など)を算出し、算出した代表値に基づいて液体9の異常状態を判定してよい。具体的には、判定部252は、算出した代表値としきい値TH1とを比較し、代表値がしきい値TH1より小さい場合、液体9が異常状態にあると判定してよい。
また、判定部252は、複数の圧力脈動量が算出された場合、算出された複数の圧力脈動量としきい値TH1とをそれぞれ比較し、これらの比較結果に基づいて液体9の異常状態を判定してもよい。例えば、判定部252は、一連の測定データに基づいて順次に算出された一連のp個(pは1より大きい自然数を示す。)の圧力脈動量がいずれもしきい値TH1より小さい場合、液体9が異常状態にあると判定してよい。あるいは、判定部252は、一連のp個の圧力脈動量におけるq個(qはpより小さい自然数を示す。)以上の圧力脈動量がしきい値TH1より小さい場合、液体9が異常状態にあると判定してもよい。
図2A及び図2Bは、ポンプ6の吸入側で測定された液体9の圧力の波形を例示する図である。図2Aは正常状態の圧力波形を示し、図2Bはキャビテーションが発生した状態の圧力波形を示す。図2Cは、図2A及び図2Bの圧力波形から計算した圧力脈動量(圧力のRMS値)を示す図である。
図3A及び図3Bは、ポンプ6の吸入側で測定された液体9の圧力の波形を例示する図である。図3Aは正常状態の圧力波形を示し、図3Bは空気混入状態(外気が液体9中に混入した状態)の圧力波形を示す。図3Cは、図3A及び3Bの圧力波形から計算した圧力脈動量(圧力のRMS値)を示す図である。
図2A、図3Aから分かるように、液体9が正常状態の場合(異常状態でない場合)、液体9には定常的な脈動が存在する。この圧力の脈動は、管路5においてポンプ6が液体9を送り出す働きに伴って生じたものである。液体9が異常状態(キャビテーション発生状態、空気混入状態)になると、液体9に含まれる気泡が減衰要素として働くことにより、図2B、図3Bに示すように、正常状態から定常的に存在している圧力の脈動が小さくなる。そのため、図2C、図3Cに示すように、圧力波形から算出した圧力脈動量(圧力のRMS値)は、異常状態において正常状態よりも小さくなる。判定部252は、正常状態の場合と比べた圧力脈動量の減少から、液体9が異常状態になったことを判定する。
ここで、上述した構成を有する検知装置1において液体9の異常状態を判定する動作について説明する。図4は、判定装置20による判定動作の一例を説明するためのフローチャートである。
測定データ取得部23は、圧力センサ10-1において測定された液体9の圧力を示す圧力測定信号Sp1に基づいて、圧力の測定データを一定の時間毎に取得する(ST100)。
算出部251は、測定データ取得部23において取得された測定データに基づいて、圧力の脈動の大きさに関わる圧力脈動量を算出する(ST105)。例えば算出部251は、第1時間幅における圧力のRMS値を圧力脈動量として算出する。この場合、算出部251は、第1時間幅を持つ算出対象期間を第2時間幅ずつシフトさせながら、算出対象期間内における圧力の二乗平均平方根に応じた数値を圧力脈動量として繰り返し算出してよい。例えば、第1時間幅においてn個の測定データが取得され、第2時間幅においてm個の測定データが取得されるものとすると、算出部251は、ステップST100においてm個の測定データが新たに取得される度に、最新の測定データを含む一連のn個の測定データに基づいて、式(1)により圧力脈動量Xrmsを算出してよい。
判定部252は、ステップST105において算出された圧力脈動量に基づいて、液体9が異常状態であるか否かを判定する。例えば判定部252は、正常状態における圧力脈動量の下限として設定されたしきい値TH1と圧力脈動量とを比較し(ST120)、この比較結果に基づいて、液体9が異常状態であるか否かを判定する。すなわち、判定部252は、圧力脈動量がしきい値TH1より小さい場合に(ST120のYes)異常状態と判定し(ST125)、圧力脈動量がしきい値TH1より大きい場合に(ST120のNo)正常状態と判定する(ST130)。
なお、判定部252は、一連の測定データに基づいて算出された一連の複数の圧力脈動量に基づいて圧力脈動量の代表値(平均値など)を算出し、この代表値をステップST120においてしきい値TH1と比較してもよい。
また判定部252は、ステップST120において、一連の複数の圧力脈動量(若しくは代表値)としきい値TH1とをそれぞれ比較し、これらの比較結果に基づいて、液体9が異常状態であるか否かを判定してもよい。例えば、判定部252は、一連のp個(p>1)の圧力脈動量(若しくは代表値)がいずれもしきい値TH1より小さい場合、液体9が異常状態にあると判定してよい(ST125)。あるいは、判定部252は、一連のp個の圧力脈動量においてq個(q<p)以上の圧力脈動量(若しくは代表値)がしきい値TH1より小さい場合、液体9が異常状態にあると判定してもよい(ST125)。
処理部25は、判定部252による判定結果に関する情報を表示部22に表示する(ST135)。例えば処理部25は、判定部252の判定結果を示す文字や画像などを表示部22に表示する。また処理部25は、判定部252において異常状態と判定された場合、スピーカなどの任意の報知手段によって異常状態の発生をユーザに報知してもよいし、任意の通知手段(電子メールなど)によって異常状態の発生を他の装置に通知してもよい。
処理部25は、入力部21などにおいて判定動作の終了の指示が入力されるまで、上述したステップST100~ST135の処理を繰り返す(ST140)。
以上説明したように、本実施形態によれば、液体9が異常状態でない場合に存在する圧力の脈動の大きさに関わる圧力脈動量が、圧力センサ10-1による液体9の圧力の測定データに基づいて算出され、この算出された圧力脈動量に基づいて、異常状態か否かの判定が行われる。従って、液体9の圧力を測定した測定データを用いる簡易な処理によって、液体9の異常状態を判定することが可能となる。また、液体9の流量の情報を用いずとも液体9の異常状態を判定できるため、液体9の流量の検知器を省略することが可能であり、装置の構成を簡易化できる。
本実施形態によれば、異常状態となる前から存在する液体9の脈動の変化に基づいて異常状態か否かの判定が行われることにより、異常状態に伴って発生する現象(管路5の振動、騒音など)が顕著になる前の早いタイミングで異常状態の発生を検知することができる。異常状態を早期に検知できるため、この検知結果に応じてポンプ6や不図示の弁などにより液体9の流量を制御することが可能となり、異常状態に伴う振動などの現象から管路5やポンプ6などの部品を保護し易くなる。
本実施形態によれば、異常状態となる前から存在する液体9の脈動がポンプ6の働きに伴って生じる脈動であることにより、ポンプ6の性能や特性が既知である場合、異常状態における圧力脈動量の変化の程度を正確に見積もり易くなる。これにより、液体9の異常状態の判定を精度よく行うことが可能となる。
本実施形態によれば、異常状態になったときに圧力脈動量が減少することを利用して、圧力脈動量としきい値TH1とを比較することにより、異常状態か否かを簡易な処理で判定できる。
本実施形態によれば、液体9に気泡が含まれておらずかつキャビテーションが発生していない正常状態における圧力脈動量の下限として、しきい値TH1が設定される。そのため、圧力脈動量としきい値TH1とを比較する処理により、異常状態を精度よく判定できる。
本実施形態によれば、圧力センサ10-1の測定結果として得られる一連の測定データに基づいて、第1時間幅における液体9の圧力のRMS値を算出する簡易な演算により、液体9の圧力脈動量を算出できる。
本実施形態によれば、第1時間幅を持つ算出対象期間における圧力脈動量が、算出対象期間を第2時間幅ずつシフトさせながら、繰り返し算出される。異常状態か否かの判定は、1以上の算出対象期間について算出された1以上の圧力脈動量に基づいて行なわれる。これにより、算出対象期間を第2時間幅ずつシフトさせながら、圧力脈動量に基づく異常状態の判定を繰り返し行うことが可能となる。この場合、一連の測定データに基づいて算出される一連の複数の圧力脈動量に基づいて異常状態の判定を行うことにより、判定結果の確実性を高めることができる。
次に、本実施形態に係る検知装置の幾つかの変形例について説明する。
(変形例1)
図5Aは、本実施形態に係る検知装置の一変形例を示す図であり、ポンプ6の吐き出し側で測定された液体9の圧力に基づいて異常状態を判定する例を示す。図5Aに示す検知装置1は、ポンプ6の吐き出し側の管路5において液体9の圧力を測定する圧力センサ10-2と、圧力センサ10-2が測定した圧力の測定データに基づいて、液体9が異常状態であるか否かを判定する判定装置20とを有する。判定装置20の構成は、既に説明した図1に示す判定装置20と同様である。
図6A及び図6Bは、ポンプ6の吐き出し側で測定された液体9の圧力の波形を例示する図である。図6Aは正常状態の圧力波形を示し、図6Bはキャビテーションが発生した状態の圧力波形を示す。図6Cは、図6A及び図6Bの圧力波形から計算した圧力脈動量(圧力のRMS値)を示す図である。
図7A及び図7Bは、ポンプ6の吐き出し側で測定された液体9の圧力の波形を例示する図である。図7Aは正常状態の圧力波形を示し、図7Bは空気混入状態の圧力波形を示す。図7Cは、図7A及び図7Bの圧力波形から計算した圧力脈動量(圧力のRMS値)を示す図である。
図6A、図7Aから分かるように、ポンプ6の吐き出し側においても、液体9が正常状態の場合(異常状態でない場合)、液体9には定常的な脈動が存在する。液体9が異常状態(キャビテーション発生状態、空気混入状態)になると、図6B、図7Bに示すように、ポンプ6の吐き出し側でも圧力の脈動が小さくなる。そのため、図6C、図7Cに示すように、圧力波形から算出したRMS値(圧力脈動量)は、異常状態において正常状態よりも小さくなる。従って、ポンプ6の吐き出し側で液体9の圧力を測定する場合でも、正常状態の場合と比べた圧力脈動量の減少から、液体9が異常状態になったことを判定することができる。
(変形例2)
図5Bは、本実施形態に係る検知装置の一変形例を示す図であり、複数の場所で測定された液体9の圧力に基づいて異常状態を判定する例を示す。図5Bに示す検知装置1は、ポンプ6の吸入側の管路5において液体9の圧力を測定する圧力センサ10-1と、ポンプ6の吐き出し側の管路5において液体9の圧力を測定する圧力センサ10-2と、この2つの圧力センサ(10-1,10-2)が測定した圧力の測定データに基づいて、液体9が異常状態であるか否かを判定する判定装置20とを有する。本変形例における判定装置20は、既に説明した判定装置20(図1)と概ね同様の構成を有するが、複数の場所で測定された液体9の圧力の測定データを扱う点に関して、測定データ取得部23、算出部251及び判定部252の動作が判定装置20(図1)と若干異なる。
本変形例における測定データ取得部23は、圧力センサ10-1,10-2の測定結果を示す圧力測定信号Sp1,Sp2に基づいて、圧力センサ10-1,10-2の測定データをそれぞれ取得する。例えば測定データ取得部23は、圧力測定信号Sp1,Sp2をそれぞれ一定の周期でデジタル値の測定データに変換する。
本変形例における算出部251は、圧力センサ10-1が測定した測定データに基づいて圧力脈動量を算出するとともに、圧力センサ10-2が測定した測定データに基づいて圧力脈動量を算出する。すなわち、算出部251は、2つの圧力センサ(10-1,10-2)が測定した2つの場所の測定データについて2種類の圧力脈動量を算出する。
本変形例における判定部252は、2つの場所の測定データについて算出された2種類の圧力脈動量に基づいて、液体9が異常状態にあるか否かを判定する。例えば判定部252は、2種類の圧力脈動量の各々について、既に説明した判定装置20(図1)の算出部251と同様な処理(例えば図4のステップST120~ST130)により、液体9が異常状態にあるか否かを仮判定する。そして判定部252は、2種類の圧力脈動量について得られた2つの仮判定の結果に基づいて、液体9が異常状態にあるか否かを最終的に判定する。例えば、判定部252は、2つの仮判定の結果が両方とも異常状態を示す場合に異常状態であると最終判定してもよいし、2つの仮判定の結果の少なくとも一方が異常状態を示す場合に異常状態であると最終判定してもよい。
また、本変形例では、異常状態にあるか否かの判定に、マハラノビス距離やナイーブベイズなどの統計量を用いてもよい。2つの場所で得られた測定データについて算出された2種類の圧力脈動量から、これらの統計量を算出することが可能である。異常状態か否かの判定に統計量を用いることによって、判定結果の確実性をより高めることができる。
なお、本変形例は、3以上の場所で測定された液体9の圧力に基づいて異常状態を判定する場合にも適用可能である。
本変形例では、複数の場所の測定データについて算出された複数種類の圧力脈動量に基づいて異常状態の判定が行われるため、判定結果の確実性をより高めることができる。
(変形例3)
本変形例は、ポンプ6の起動などに伴う圧力の脈動の過渡的な変化が収束した状態の圧力脈動量に基づいて判定が行われるように、上述した判定装置20における算出部251と判定部252の動作を変更したものである。
本変形例における算出部251は、一連の測定データに基づいて圧力脈動量を順次に算出するとともに、算出した一連の複数の圧力脈動量に基づいて、圧力脈動量のばらつきの大きさに関わる脈動変化量を更に算出する。例えば算出部251は、複数の圧力脈動量の分散や変化幅(最大値と最小値との差)を脈動変化量として算出する。
本変形例における判定部252は、一連の複数の圧力脈動量について算出された脈動変化量に基づいて、ポンプ6の起動などに伴う圧力の脈動の過渡的な変化が収束したか否かを判定する。例えば、判定部252は、算出部251で算出された脈動変化量としきい値TH2とを比較し、脈動変化量がしきい値TH2より小さい場合、圧力の脈動の過渡的な変化が収束したと判定する。そして、判定部252は、圧力の過渡的な変化が収束したと判定した場合に、一連の複数の圧力脈動量における1以上の圧力脈動量に基づいて、異常状態か否かを判定する。
図8は、本実施形態に係る判定装置による判定動作の一変形例を説明するためのフローチャートである。図8に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートにおけるステップST105とステップST120の間にステップST110及びステップST115を挿入したものであり、他のステップは図4に示すフローチャートと同じである。
ステップST110において、算出部251は、既に算出した一連の所定数の圧力脈動量に基づいて、圧力脈動量のばらつきの大きさに関わる脈動変化量(分散、変化幅など)を算出する。
ステップST115において、判定部252は、算出された脈動変化量としきい値TH2とを比較する。脈動変化量がしきい値TH2より大きい場合(ST115のNo)、判定部252は、圧力の過渡的な変化が収束していないと判定し、測定データ取得部23において圧力の測定データを取得するステップST100に戻る。脈動変化量がしきい値TH2より小さい場合(ST115のYes)、判定部252は、圧力の過渡的な変化が収束したと判定し、異常状態か否かの判定を行うステップST120以降の処理を実行する。ステップST100に戻ると、測定データ取得部23は、圧力センサ10-1において測定された液体9の圧力を示す圧力測定信号Sp1に基づいて、圧力の測定データを一定の時間毎に取得する。
このように、本変形例では、圧力脈動量のばらつきの大きさに関わる脈動変化量が、一連の複数の圧力脈動量に基づいて算出され、この算出された脈動変化量に基づいて、ポンプ6の起動などに伴う圧力の脈動の過渡的な変化が収束したか否かが判定される。そして、圧力の過渡的な変化が収束したと判定された場合に、一連の複数の圧力脈動量における1以上の圧力脈動量に基づいて、異常状態か否かの判定が行われる。これにより、過渡的な変化が収束していないときの不正確な圧力脈動量に基づいて異常状態か否かの判定が行われ難くなるため、判定結果の確実性をより高めることができる。
なお、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、更に種々のバリエーションを含んでいる。
例えば、上述した実施形態では、異常状態でない場合に存在する圧力の脈動が、ポンプ6の働きに伴って生じた脈動である例を挙げているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態において、検知装置は、圧力センサにおいて測定される液体の圧力に脈動(異常状態でない場合に存在する脈動)を生じさせるための脈動発生装置(振動発生器など)を備えていてもよい。これにより、例えばポンプから離れた場所にある流量制御弁の近くなどのように、ポンプの働きに伴って生じる圧力の脈動が微小な場所でも、脈動発生装置により生じさせた圧力の脈動の変化に基づいて、キャビテーションなどの異常状態を検知することが可能となる。
また、上述した実施形態では、圧力センサ(10-1、10-2)からリアルタイムに得られる圧力の測定データに基づいて、判定装置20が液体9の異常状態を判定しているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、任意の記憶装置(例えば判定装置20の記憶部24など)に予め格納された時系列の圧力測定データに基づいて、判定装置が液体の異常状態を判定してもよい。
また、異常状態の検知対象となる液体が流れる場所は、図1の例に示すような管路に限定されない。すなわち、異常状態の検知対象となる液体が流れる場所は任意でよく、例えば管形状とは異なる形状を持った流路の中でもよいし、液体の流れを案内するための特定形状の物体によって囲まれていない場所でもよい。
1…検知装置、5…管路、6…ポンプ、9…液体、10-1,10-2…圧力センサ、20…判定装置、21…入力部、22…表示部、23…測定データ取得部、24…記憶部、25…処理部、251…算出部、252…判定部、PG…プログラム

Claims (9)

  1. 流れる液体に気泡が含まれた状態又は前記液体にキャビテーションが発生した状態を異常状態として判定する判定装置であって、
    前記液体には、少なくとも前記異常状態でない場合に圧力の脈動が存在し、
    前記液体の圧力を測定した測定データに基づいて、前記脈動の大きさに関わる圧力脈動量を算出する算出部と、
    算出された前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定する判定部とを有し、
    前記判定部は、算出された前記圧力脈動量が予め設定されたしきい値より小さい場合に、前記異常状態であると判定する、
    判定装置。
  2. 前記しきい値は、前記液体に気泡が含まれておらず、かつキャビテーションが発生していない状態における前記圧力脈動量の下限として設定された値である、
    請求項に記載の判定装置。
  3. 前記圧力の前記脈動は、前記液体が流れる管路において前記液体を送り出すポンプの働きに伴って生じた脈動である、
    請求項1又は2に記載の判定装置。
  4. 前記算出部は、前記測定データに基づいて、第1時間幅における前記圧力の二乗平均平方根に応じた数値を前記圧力脈動量として算出する、
    請求項1~のいずれか一項に記載の判定装置。
  5. 前記算出部は、前記第1時間幅を持つ算出対象期間を第2時間幅ずつシフトさせながら、前記算出対象期間内における前記圧力の二乗平均平方根に応じた数値を前記圧力脈動量として繰り返し算出し、
    前記判定部は、1以上の前記算出対象期間について算出された1以上の前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定する、
    請求項に記載の判定装置。
  6. 前記算出部は、一連の複数の前記圧力脈動量に基づいて、前記圧力脈動量のばらつきの大きさに関わる脈動変化量を更に算出し、
    前記判定部は、前記一連の複数の前記圧力脈動量について算出された前記脈動変化量に基づいて、前記圧力の前記脈動の過渡的な変化が収束したか否かを判定し、前記過渡的な変化が収束したと判定した場合に、前記一連の複数の前記圧力脈動量における1以上の前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定する、
    請求項に記載の判定装置。
  7. 流れる液体に気泡が含まれた状態又は前記液体にキャビテーションが発生した状態を異常状態として判定する判定方法であって、
    前記液体には、少なくとも前記異常状態でない場合に圧力の脈動が存在し、
    前記液体の圧力を測定した測定データに基づいて、前記脈動の大きさに関わる圧力脈動量を算出することと、
    算出した前記圧力脈動量に基づいて、前記異常状態か否かを判定することとを有し、
    前記異常状態か否かの判定は、算出された前記圧力脈動量が予め設定されたしきい値より小さい場合に、前記異常状態であると判定することを含む、
    判定方法。
  8. 1以上のコンピュータを請求項1~のいずれか一項に記載した判定装置として機能させるプログラム。
  9. 流れる液体に気泡が含まれた状態又は前記液体にキャビテーションが発生した状態である異常状態の発生を検知する検知装置であって、
    前記液体には、少なくとも前記異常状態でない場合に圧力の脈動が存在し、
    前記液体の圧力を測定する圧力センサと、
    前記圧力センサの測定結果を示す測定データに基づいて前記異常状態を判定する判定装置とを有し、
    前記判定装置が、請求項1~のいずれか一項に記載した判定装置である、
    検知装置。
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