以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、図面、及び以下の説明において、R方向は、基台10の径方向であり、レンズ30の径方向に一致する。また、θ方向は、基台10の周方向でありレンズ30の周方向に一致する。また、Z方向は、光軸方向であり、レンズ30の軸方向に一致し、基台10の高さ方向にも一致する。R方向、θ方向、及びZ方向は、互いに直交する。また、以下の説明で、上側とは、光軸方向における光出射側とは反対側を指し、下側とは、光軸方向の光出射側を指す。また、以下で説明する傾斜溝を、Z方向に対して傾斜すると共に互いに対向する一対の内側壁面を有する構造であって、一対の内側壁面の間に位置する嵌合部の少なくとも一部を一対の内側壁面でガイドすることで、嵌合部が、一対の内側壁面の延在方向に沿って移動することを可能とする構造として定義する。したがって、傾斜溝は、底部が存在する構造でもよいが、以下で説明する傾斜溝51のように、光軸方向に対して傾斜する細長い長孔形状を有する貫通孔の構造を有して、回転部材若しくは光学ブロック(レンズアッセンブリ)の側壁を厚さ方向に貫通してもよい。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
図1は、本開示の一実施形態に係る照明装置1の斜視図である。図1に示すように、照明装置1は、埋込型ユニバーサルダウンライトであり、ホール等の建物の天井に埋め込み配置され、下方に出射される出射光の光軸方向を変動させることができる。より詳しくは、図1に示すように、照明装置1は、基台10を備える。基台10は、照明装置1の筐体の上側を構成し、有底円筒状部11を有する。基台10は、有底円筒状部11内に光源62(図4参照)を取り付ける光源固定部(取付台)として機能し、光源62に対して静止している静止部に含まれる。基台10は、上方に突出する複数のフィン12を有し、基台全体が、光源62で発生する熱を放散させるヒートシンクとしても機能し、特にフィン12が光源62からの熱を外気に放熱する。このため、基台10は、金属材料等の熱伝導率の高い材料によって構成されると好ましい。基台10は、例えば、アルミダイカスト等で、有底円筒状部11とフィン12を一体成形することで構成される。なお、基台は、有底円筒状部とフィンを接合する構成でもよい。この場合、例えば、有底円筒状部に設けた突起を、フィンに設けられた孔に挿入した後に塑性変形させることで、有底円筒状部とフィンを接続してもよい。なお、基台は、フィンを有さなくてもよい。
照明装置1は、更に、バネ取付部材15、光軸調整用部材17、及び枠体20を備える。バネ取付部材15、光軸調整用部材17、及び枠体20の夫々は、アルミニウム等の金属材料、又はポリブチレンテレフタレート等の樹脂材料によって好適に形成される。基台10、バネ取付部材15、光軸調整用部材17、及び枠体20は、次に示す如く一体化される。詳しくは、図1に示すように、バネ取付部材15は、環状平板部15aと、2つのバネ取付部15bを含み、2つのバネ取付部15bは、環状平板部15aの周方向に間隔をおいた状態で環状平板部15aから下側に突出する。また、枠体20は、筐体の下側を構成する筒状部材であり、環状円板状の上側端面(図示せず)を含む。また、図2、すなわち、光軸調整用部材17の斜視図に示すように、光軸調整用部材17は、環状平板部17a、上側基台固定部17b、及び下側基台固定部17cを含み、上側基台固定部17bは、環状平板部17aから上側に突出する一方、下側基台固定部17cは、環状平板部17aから下側に突出する。
再度、図1を参照して、バネ取付部材15の環状平板部15aと枠体20の上側端面とで光軸調整用部材17の環状平板部17aを挟持した状態で、環状平板部15aを枠体20の上側端面にねじ27で固定する。この固定で、バネ取付部材15、光軸調整用部材17、及び枠体20が一体化される。図2に示すように、上側基台固定部17bは、長孔17dを有し、下側基台固定部17cは、円筒孔17eを有する。図1を参照して、基台10は、枠体20に対して所望の角度で傾斜している状態で長孔17dと円筒孔17e(図2参照)を用いて枠体20にねじ止めされる。
図1に示すように、枠体20の中心軸の延在方向がZ方向に略一致している状態では、基台10は、ねじ21で紙面における長孔17dの右端に固定される。ねじ21による固定位置が、紙面における長孔17dの左側に移動するにしたがって、基台10が、枠体20に対して傾斜する。これにより、基台10が枠体20に対して所望の角度傾斜している状態で基台10を枠体20に固定できる。
照明装置1は、更に、2つの取付バネ23を備える。2つの取付バネ23は、枠体外側にその中心軸を挟んで枠体20の径方向に対向するように配置され、各取付バネ23は、バネ取付部15bに固定される。取付バネ23は、例えば、屈曲部を有する金属板によって構成され、板バネ構造を有する。取付バネ23を歪ませて、取付バネ23を埋め込み孔の周囲に当接させる。これにより、照明装置1は、取付バネが埋め込み孔内面から受ける水平方向の力で天井の埋め込み孔内面に固定される。
バネ取付部15bは、枠体20に取り付けられるので、枠体20に対して静止し、天井の埋め込み孔にも静止する。したがって、枠体20が埋め込み孔に対して静止するので、枠体20に対して傾斜角度を調整できる基台10を天井に対して所望の角度だけ傾斜させることができる。よって、基台10に固定される光源62(図4参照)から出射させる出射光の光軸を、鉛直方向に対して所望の角度だけ傾斜させることができるので、照射領域の自由度を格段に高くできる。なお、取付バネは3以上設けられてもよい。また、照明装置の天井への取付構造は、照明装置を天井に固定できる構造であれば如何なる構造でもよく、取付バネを含まなくてもよい。
照明装置1は、光源に対するレンズの光軸方向位置を変動させることができ、出射光を狭角制御できるようになっている。次に、このことについて説明する。図3は、照明装置1の主要構成の分解斜視図である。また、図4は、基台10の主面24に配置されている状態の光源モジュール60を示す斜視図であり、図5は、枠体20の中心軸がZ方向に略一致している状態における照明装置1の断面図である。
図3に示すように、照明装置1は、基台10及び枠体20に加えて、レンズ30、レンズホルダ40、及び回転部材50を備える。また、図4に示すように、照明装置1は、基台10の主面に固定される光源モジュール60を備え、光源モジュール60は、基板61と、光源62を有する。基板61は、平面視で略矩形の形状を有し、光源62は、円板状の形状を有し、基板61の下面(実装面)の略中央に配設される。光源モジュール60は、例えば、COB(Chip On Board)構造を有し、光源62は、基板61に実装された複数のLED(light emitting diode)と、複数のLEDを封止する封止部材を含む。
基板61は、例えば、セラミックス基板、樹脂基板、又はメタルベース基板等で構成される。詳述しないが、基板61には、一対の電極端子と、所定パターンの金属配線が形成される。一対の電極端子は、LEDを発光させるための直流電力を外部から受電するために設けられる。また、所定パターンの金属配線は、LED同士を電気的に接続するために設けられる。
LEDは、発光素子の一例である。LEDは、例えば、単色の可視光を発するベアチップで構成され、通電されれば青色光を発する青色LEDチップで構成される。複数のLEDは、例えば基板61にマトリクス状に配置される。なお、LEDは、基板に1つのみ実装されてもよい。封止部材は、例えば、透光性樹脂で構成され、蛍光体を含む。蛍光体は、LEDからの光を波長変換する役割を果たす。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体粒子を分散させた蛍光体含有樹脂で構成される。光源モジュール60が白色光を出射し、LEDが青色光を発光する青色LEDチップである場合、蛍光体粒子は、例えばYAG系の黄色蛍光体で構成される。
なお、封止部材は、例えば、全てのLEDを一括封止してもよく、複数のLEDを列ごとにライン状に封止してもよく、各LEDを1つずつ個別に封止してもよい。また、光源は、LED以外の発光素子で構成されてもよく、半導体レーザ素子や、有機EL(Electro Luminescence)素子若しくは無機EL素子等の固体発光素子等で構成されてもよい。又は、光源は、白熱灯や蛍光灯で構成されてもよい。
図4に示すように、基板61は、基台10の主面24に設けられた凹部64に収容される。また、照明装置1は、図示しない2つの基板ホルダを有し、2つの基板ホルダは、基板61の下側かつ長手方向又は幅方向の両側に配置される。基板ホルダは、例えば、基台10に固定された状態でZ方向から見たときに基板の長手方向又は幅方向の両側端部61eに重なる基板受部(図示せず)を有する。基板61は、基板受部で主面24側に押圧されることで基台10に固定される。図5を参照して、レンズ30は、Z方向に関して、光源62(図4参照)よりも光出射側に配置される。より正確には、レンズ30におけるZ方向の光出射側の端面96は、光源62よりもZ方向の光出射側に位置する。また、レンズホルダ40は、レンズ30を取り囲むように配置され、回転部材50は、レンズホルダ40を取り囲むように配置される。
図6は、レンズホルダ40とそれに保持されたレンズ30とで構成されるレンズアッセンブリとしての光学ブロック70の斜視図である。また、図7は、レンズホルダ40の斜視図であり、図8は、レンズ30の斜視図である。図6に示すように、レンズホルダ40は、環状部材であり、レンズ30を取り囲むように配置される。レンズホルダ40は、アルミニウム等の金属材料、又はポリブチレンテレフタレート等の樹脂材料によって好適に形成される。また、レンズ30は、透光性を有する透光性材料によって構成され、アクリル、ポリカーボネート、シリコーン等の透明樹脂材料、又は、ガラス材料によって形成されると好ましい。
図7に示すように、レンズホルダ40は、θ方向に間隔をおいて配置される3つの係止部41を有し、各係止部41は、Z方向に延在する。係止部41は、R方向内方に凸の凹面41aを含み、凹面41aはR方向外方を向き、Z方向に延在する。係止部41の役割については後で説明する。また、レンズホルダ40は、3つのレンズ嵌合部42を有し、3つのレンズ嵌合部42は、θ方向に略等間隔に配置されて内周側に配置される。レンズ嵌合部42は、R方向内方に突出する突出部で構成される。図8に示すように、レンズ30は、Z方向下側に行くにしたがって末広がりとなる形状を有する。レンズ30は、外周側の下側端部にθ方向に略等間隔に配置される3つのホルダ嵌合部31を有する。ホルダ嵌合部31は、レンズ嵌合部42(図7参照)の形状に対応する形状であって、R方向内側に窪む凹部で構成される。レンズ嵌合部42をホルダ嵌合部31に圧入で嵌合させることで、レンズ30がレンズホルダ40に固定され、その結果、図6に示す光学ブロック70が構成される。ホルダ嵌合部31は、第1係合部の一例であり、レンズ嵌合部42は、第2係合部の一例である。
次に、回転部材50に対する光学ブロック70の相対移動可能な統合構造について説明する。図7に示すように、レンズホルダ40は、外周側に2つの嵌合爪48を有する。2つの嵌合爪48は、R方向に対向するように配置され、各嵌合爪48は、一対の傾斜面48a,48bを有する板形状を有する。各傾斜面48a,48bは、Z方向に対して傾斜する方向に延在する。
図9は、回転部材50の斜視図である。図9に示すように、回転部材50は、略円筒状の部材であり、θ方向に間隔をおいて配置される2つの傾斜溝51を有する。傾斜溝51は、螺旋溝の一部からなる形状を有する。傾斜溝51は、Z方向に対して傾斜し、θ方向一方側に行くにしたがって回転部材50のZ方向下側からZ方向上側まで延在する。傾斜溝51は、回転部材50を厚さ方向に貫通する細長い長孔形状の貫通孔の構造を有し、Z方向に対向する一対の内壁面(傾斜面)51a,51bを含む。
図10に示すように、光学ブロック70においてR方向外方に突出する嵌合爪48を、回転部材50の傾斜溝51に嵌合させることで、光学ブロック70と回転部材50が一体に統合され、回転部材アッセンブリ80が構成される。嵌合爪48は、傾斜溝51内を傾斜溝51の延在方向に移動可能になっている。光学ブロック70が、図10に示す状態から回転部材50に対して図10にθ1に示す方向に相対回転すると、レンズ30が回転部材50に対してZ方向上側に移動する。このように、傾斜溝51内における嵌合爪48の存在位置を調整することで、回転部材50に対するレンズ30のZ方向位置を調整できるようになっている。
次に、基台10に対する回転部材アッセンブリ80の取付構造について説明する。図3に示すように、基台10は、2分割構造を有し、第1部材10aと第2部材10bを含む。図11は、基台10の第1部材10aの斜視図である。図11に示すように、基台10は、主面24側からZ方向下側に延在する複数の柱状部(リブ)18を有する。柱状部18は、光源62に対して静止している静止部の一例である。柱状部18の先端面は、R方向内方側に凸の凸面18aとなっている。本実施例では、図11に示す第1部材10aが、2つの柱状部18を有し、第2部材10bが、1つの柱状部(図示せず)を有する。
3つの柱状部18の凸面18aは、回転部材アッセンブリ80に含まれるレンズホルダ40の3つの係止部41の凹面41a(図10参照)に係止される。その後、図12、すなわち、図1と異なる角度から見たときの照明装置1の斜視図に示すように、ねじ88で第1部材10aと第2部材10bを一体化することで、回転部材アッセンブリ80が基台10に取り付けられ、基台10と一体化される。
図5に示すように、回転部材50は、第1環状フランジ部57と、それよりもZ方向下側に位置する第2環状フランジ部58を有し、Z方向におけるそれらのフランジ部57,58の間には、環状溝59が設けられる。また、基台10は、Z方向下側にR方向内方側に突出する環状突出部19を有する。第1部材11aと第2部材11bが一体化されて、基台10と回転部材アッセンブリ80が統合された状態で、環状突出部19は環状溝59内に配置される。Z方向から見たとき、第1環状フランジ部57は、環状突出部19に重なる部分を有し、基台10においてZ方向下側に位置する環状端面14は、第2環状フランジ部58に重なる部分を有する。図5に示すように、第1環状フランジ部57の下面が環状突出部19の上面に接触している状態で、環状端面14は、第2環状フランジ部58の上面に僅かな隙間を介してZ方向に対向する。基台10に対する回転部材50の下側移動は、環状突出部19で規制され、基台10に対する回転部材50の上側移動は、基台10の環状端面14で規制される。その結果、回転部材50は、基台10に対してZ方向位置が略変化しない状態で基台10に対して相対回転可能となる。上記僅かな隙間が存在するため、回転部材50を基台10に対して円滑に回転させることができる。基台10に対する回転部材50のZ方向位置は、その僅かな隙間のZ方向長さだけ変動する。よって、繰り返しになるが、基台10に対する回転部材50のZ方向位置は略変動しない。
再度、図9を参照して、回転部材50は、人がそれをつかんで回転させるための環状の把持部52をZ方向下側に有する。図13、すなわち、照明装置1を下から見たときの斜視図に示すように、基台10と回転部材50に間には隙間が存在する。したがって、人が、指をその隙間に挿入して回転部材50の把持部52を回転させることができ、基台10に対して回転部材50をθ方向の双方向に自在に回転させることができる。
上記構成において、人が把持部52を用いて基台10に対して回転部材50を回転させたとする。すると、光学ブロック70が、その係止部41の柱状部18への係止によって基台10に対して回転できない状態となっているため、回転部材50の回転と共に連れ回りすることがなく、回転部材50が、光学ブロック70に対して相対回転する。したがって、この相対回転によって、嵌合爪48が、傾斜溝51内を移動し、その結果、光学ブロック70が回転部材50に対してZ方向に相対移動する。よって、上述のように、回転部材50が回転しても、回転部材50のZ方向位置が殆ど変化しないので、光学ブロック70のZ方向位置を自在に変動させることができ、それに含まれるレンズ30のZ方向位置も自在に変動させることができる。
以上、光学ブロック(レンズアッセンブリ)70は、照明装置1に搭載される。また、光学ブロック70は、1以上のホルダ嵌合部(第1係合部)31をR方向(径方向)の外方側に有するレンズ30を備える。また、光学ブロック70は、レンズ30を取り囲むように配置され、ホルダ嵌合部31に係合するレンズ嵌合部(第2係合部)42を有することでレンズ30に相対移動不可に固定されるレンズホルダ40を備える。
本開示によれば、上述のように、光源62に対するレンズ30の高さ位置(Z方向位置)を調整できる構造を実現できる。更には、レンズ30がレンズホルダ40のみに接触して固定され、従来構造と異なりレンズ30が異なる2以上の部材に接触することがない。よって、照明装置1の構造を単純なものにし易くて、照明装置1のコンパクト化を実行し易く、照明装置1の製造コストも低減し易い。
また、ホルダ嵌合部31がレンズ30の外周縁部に設けられる凹部である一方、レンズ嵌合部42がレンズホルダ40においてR方向の内側に突出する突出部でもよい。そして、上記突出部が、上記凹部に対応する形状を有して凹部に嵌り込んでもよい。
上記構成によれば、レンズホルダ40に対するレンズ30の確実な固定を、簡単安価に実行できる。
また、レンズホルダ40が、Z方向に対して傾斜する一対の傾斜面48a,48bをZ方向(光軸方向)の両側端部に有する1以上の嵌合爪48をR方向の外方側に有してもよい。
本構成によれば、上述のように、嵌合爪48を回転部材50の傾斜溝51に収容することで、光学ブロック70を、光源62に対して静止している基台10に対してZ方向に移動させることができる。
また、回転部材50の傾斜溝51に収容される嵌合部が、Z方向に対して傾斜する一対の傾斜面48a,48bをZ方向(光軸方向)の両側端部に有する嵌合爪48で構成される。したがって、嵌合部を嵌合させる際により広範囲な外面部を傾斜溝51の一対の内壁面51a,51bに接触させることができる。よって、光学ブロック70がZ方向に移動する際の光学ブロック70の挙動を安定させることができる。
更には、レンズ30のZ方向の移動範囲の高さを必要として、所定以上の高さを必要とする側壁を有する傾斜溝51を光学ブロック70でなくて、光学ブロック70よりも径方向外側の回転部材50に配置できる。したがって、所定以上の高さを必要とする側壁をレンズ30の近傍に設ける必要がないので、レンズ30の設計の自由度を大きくでき、レンズ30のサイズも大きくし易い。
なお、本構成に関し、上記実施例のように、光学ブロック70が、θ方向に互いに間隔をおいて配置される複数の嵌合爪48を有し、回転部材50が、複数の傾斜溝51を有すると好ましく、各傾斜溝51に1つのみの嵌合爪48が収容されると好ましい。
また、レンズホルダ40が、θ方向に互いに間隔をおいて配置されると共に照明装置1の筐体のうちで光源62が固定されている基台(光源固定部)10に対して静止している複数の柱状部(静止部)18に係止される1以上の係止部41を有してもよい。また、係止部41がZ方向に延在してもよい。
本構成によれば、係止部41が、光源62に対して静止している柱状部18に係止される。したがって、回転部材50をそのZ方向位置が略変わらない状態で基台10に対して回転させたときに、光学ブロック70が基台10に対して連れ回ることを防止できる。よって、光学ブロック70のZ方向の移動を円滑かつ容易に実行できる。
また、係止部41がZ方向に延在するので、柱状部18に対する係止部41の係止箇所のZ方向長さを大きくでき、その係止を頑丈で確実なものとできる。よって、回転部材50に対する光学ブロック70の連れ回りを確実に防止でき、光学ブロック70のZ方向の移動時の挙動を安定させることができる。
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、レンズ嵌合部42が、R方向内方に突出する突出部で構成され、ホルダ嵌合部31が、R方向内側に窪む凹部で構成される場合について説明した。しかし、レンズ嵌合部が、R方向外側に窪む凹部で構成され、ホルダ嵌合部が、R方向外方に突出すると共にその凹部に嵌合する突出部で構成されてもよい。
また、回転部材50が傾斜溝51を有し、光学ブロック70が嵌合爪48を有する場合について説明した。しかし、光学ブロック(レンズアッセンブリ)が外周面に光軸方向に対して傾斜する傾斜溝を有してもよく、回転部材が、傾斜溝に嵌り込んで回転部材が回転すると傾斜溝内における存在位置が変動する嵌合爪を有してもよい。なお、この場合、光学ブロックが、θ方向に互いに間隔をおいて配置されると共にZ方向に対して傾斜する複数の傾斜溝をR方向の外方側に有し、回転部材が、複数の嵌合爪を有すると好ましい。そして、1つのみの嵌合爪を各傾斜溝に収容すると好ましい。
また、傾斜溝51が、回転部材50を厚さ方向に貫通する場合について説明した。しかし、傾斜溝は、回転部材又は光学ブロックの側壁部を厚さ方向に貫通しなくてもよく、一対の側壁部の間を連結する底部を有してもよい。但し、傾斜溝が、それが形成される部材を厚さ方向に貫通する貫通孔の構造であると、嵌合爪の該厚さ方向の寸法を大きくできて嵌合爪の体積を大きくできる。よって、嵌合爪の強度を大きくできて好ましい。
また、傾斜溝51に嵌り込む嵌合部が、一対の傾斜面48a,48bを有する板形状の嵌合爪48である場合について説明した。しかし、傾斜溝に嵌り込む嵌合部は、板形状以外如何なる形状でもよくて、例えば、ピン形状等を有してもよい。また、この場合、回転部材の内側に光学ブロックを配置した状態で先端部に雄ねじを有するピンを回転部材の外側から回転部材の傾斜溝を通過するように光学ブロックの側面の雌ねじに締め込むことで回転部材と光学ブロックを一体化してもよい。
また、レンズホルダ40が、θ方向に互いに間隔をおいて配置される3つの係止部41を有していたが、レンズホルダは、1以上の係止部を有すればよく、θ方向に互いに間隔をおいて配置される2以上の係止部を有すると好ましい。また、レンズホルダ40が、θ方向に互いに間隔をおいて配置される3つのレンズ嵌合部42を有し、レンズ30が、θ方向に互いに間隔をおいて配置される3つのホルダ嵌合部31を有する場合について説明した。しかし、レンズホルダは、1以上のレンズ嵌合部を有すればよくて、θ方向に互いに間隔をおいて配置される2以上のレンズ嵌合部を有すると好ましい。また、レンズも、1以上のホルダ嵌合部を有すればよくて、θ方向に互いに間隔をおいて配置される2以上のホルダ嵌合部を有すると好ましい。また、照明装置1が、θ方向に互いに間隔をおいて配置される2つの傾斜溝51を有する場合について説明した。しかし、照明装置は、1つのみの傾斜溝を有してもよく、θ方向に互いに間隔をおいて配置される3以上の傾斜溝を有してもよい。なお、照明装置が、N(Nは、いずれかの自然数)の傾斜溝を有する場合、回転部材が、基台に対して(360/N)°回転すればよく、照明装置が、2以上の傾斜溝を有する場合、回転部材が基台に対して360°回転する必要はない。
また、レンズホルダ40が、Z方向に延在する係止部41を有する場合について説明した。しかし、基台に対するレンズホルダの連れ回り防止を、それ以外の如何なる構造で行ってもよい。例えば、レンズホルダの高さ方向上側に径方向外方に延びる突出部を設け、この突出部の径方向外方側の先端部を、基台の内面に設けられた凹部に収容することでレンズホルダの基台に対する連れ回り防止を行ってもよい。そのような係止は、本実施例のように基台を分割構造にすることで実現できる。
また、光学ブロック70が、その係止部41の柱状部18への係止によって基台10に対して回転できない状態となる場合について説明した。しかし、光学ブロック(レンズアッセンブリ)は、光源に対して静止する静止部に対して周方向の狭い所定領域のみ周方向に回転可能になっていてもよく、回転部材が回転したとき、光学ブロックが周方向の僅かな範囲のみ回転部材に連れ回る構成でもよい。光源に対して静止している静止部に対する光学ブロックの相対回転を許容する構成を採用しても、相対回転の範囲を所定の周方向領域に制限することで光学ブロックの光軸方向の移動を円滑に実行できる。
また、回転部材50に、第1環状フランジ部57と、それよりもZ方向下側に位置する第2環状フランジ部58を設け、基台10の環状突出部19を、第1環状フランジ部57と第2環状フランジ部58の間に配置する場合について説明した。そして、回転部材50を、基台10に対するZ方向位置が略変わらない状態で回転可能にする構成を実現する場合について説明した。
しかし、実施例で説明した構成と異なる構成で、回転部材が、Z方向位置が略変わらない状態で基台に対して回転可能となるようにしてもよい。例えば、回転部材の第1環状フランジ部、回転部材の第2環状フランジ部、及び基台の環状突出部のうちの1以上は、環状構造でなくてもよく、非環状でもよい。
また、回転部材50が、2つの環状フランジ部を有し、基台10が、径方向内方に突出する1つの環状突出部19を有する場合について説明した。しかし、回転部材が、径方向外方に突出する1つのみの環状突出部を有し、基台が、径方向内方に突出すると共に光軸方向位置が異なる2つの環状フランジ部を有する構成でもよい。そして、照明装置が組み立てられた際、光軸方向から見たときに環状突出部の径方向外方の先端が2つの環状フランジ部の両方に重なる状態で、環状突出部が2つの環状フランジ部の間に位置してもよい。要は、照明装置は、回転部材がそのZ方向位置が略変わらない状態で基台に対して回転可能となる如何なる構造を有してもよい。
また、回転部材50が、光源62に対してZ方向位置が略変わらずに回転可能となっている構成について説明した。しかし、回転部材は、例えば、筒状の筐体の内周面に螺合するような構造でもよく、筐体に対してZ方向位置が変動可能な構成でもよい。そして、光学ブロック(レンズアッセンブリ)が、その周方向に互いに間隔をおいて配置される1以上の突出部又は凹部を径方向の外方側に有して、その突出部又は凹部が回転部材に設けられた凹部又は凸部に嵌合する構成でもよい。このようにして、レンズがZ方向に移動可能な構造を実現してもよい。
また、光学ブロック70が光源62に対してZ方向に移動可能な場合について説明した。しかし、レンズアッセンブリは光源に対してZ方向に移動不可能でもよい。
また、光学ブロック70を備える照明装置1が、枠体20の高さ方向に対する光軸方向の傾斜角度が変動可能な構成を有し、照明装置1が、所謂ユニバーサル型のダウンライトである場合について説明した。しかし、レンズアッセンブリを備える照明装置は、鉛直方向に対する光軸方向の傾斜角度を調整不可能な構成でもよく、ユニバーサル型の照明装置でなくてもよい。
また、ダウンライトやスポットライトは多種多様な構造が存在するが、本開示の技術は、それらの多種多様のダウンライトやスポットライトのうちのいずれの構造が基本となっていてもよい。また、光学ブロック70を備える照明装置1が、埋め込み型ダウンライトである場合について説明したが、レンズアッセンブリを備える照明装置は、レールに吊り下げられる形式や、天井に吊り下げられる形式でもよい。