<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲーム及び2ベットゲームは設定されない。すなわち、本実施形態では、3ベットゲームのみが設定される。
図8及び図9は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第27小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、15枚のメダル払出が行われる。
図10(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第4小役~第27小役は、主に、第1小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第4小役~第27小役の入賞が成立した場合、1枚のメダル払出が行われる。第4小役~第27小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8に示すように、これら第4小役入賞~第27小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役~第27小役の入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出されるメダルは、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第11再遊技入賞がある。図9に示すように、これら第1再遊技~第11再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図10(d)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図12(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図12(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。第2再遊技入賞が成立する場合、遊技状態の移行は生じないものの、遊技者にとって有利な報知モードへの移行が生じ、メダル獲得が期待できるATモードが開始される。なお、ATモードについては後に詳細に説明する。
第3再遊技及び第4再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第5再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図10(e)に示すように、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図10(f)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図11(a)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第8再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図11(b)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第9再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第11再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図11(c)及び図11(d)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞又は第11再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第9再遊技又は第11再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第9再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第11再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第9再遊技入賞と第11再遊技入賞とを区別することが可能である。第10再遊技は、これら第9再遊技や第11再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
より詳しくは、第10再遊技入賞は、第9再遊技に当選している場合であって、且つ第9再遊技入賞を成立させることができない場合に成立し、また、第11再遊技に当選している場合であって、且つ第11再遊技入賞を成立させることができない場合に成立する。すなわち、第10再遊技入賞が成立した場合、第9再遊技に当選しているのか、それとも第11再遊技に当選しているのか、の区別がつきにくくなっている。言い換えると、第9再遊技と第11再遊技のいずれに当選しているかの判別を行うためには、左リール32Lに「チェリー」を狙って操作する必要がある。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,JAC入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図11(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図11(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
JAC入賞は、第1BB状態や第2BB状態中にのみ成立し得るものである。左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、JAC入賞となる。JAC入賞が成立した場合、遊技状態がJAC状態に移行する。図12(c)に示すように、有効ラインMLにJAC入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「白7」図柄が揃って停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを2枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する場合がある下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作手段を設けてもよく、下表示部69全体を操作可能な操作手段としてもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の各種記憶情報をクリアする場合や、当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図13及び図14のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図15参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図14に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理とを説明する。
図15は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主制御装置101のメイン処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
ステップS201では、駆動用の初期化処理として、スタックポインタの値をCPU102内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU102内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS202ではリセットスイッチ72の操作がなされているか否か、より詳しくは、リセット検出センサ72aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、リセットスイッチ72が操作されている場合、ステップS203にて、RAMクリア処理として、RAM106に記憶されているデータを全て消去する。
ステップS202にてリセットスイッチ72が操作されていない場合、又はステップS203のRAMクリア処理を実行した後は、ステップS204にて、設定キーが設定キー挿入孔73に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは、設定キー検出センサ73aからON信号を受信しているか否かを判定する。今回の電源投入時(復旧時)に、設定キーのON操作がなされている場合には、ステップS205に進み、有利区間用情報の初期化処理を実行する。
ここで、本スロットマシン10には、ストップスイッチ42~44の操作順序によって得られる利益が異なる役の入賞が成立する場合があり、当該操作順序の報知が指示モニタ68等により行われる場合がある。そして、当該操作順序の報知が行われる場合がある有利区間と、操作順序の報知が行われない通常区間とが区別されており、ステップS205の有利区間用情報の初期化処理は、かかる有利区間に関する情報を全て消去するための処理である。つまり、有利区間用情報の初期化処理が行われることにより、有利区間が通常区間に設定される。
続くステップS206では、当選確率設定処理を行う。
当選確率設定処理について、その概要を説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。当選確率の設定処理では、所定の操作として、リセットスイッチ72の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、リセットスイッチ72が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。
ステップS204にて設定キーのON操作がなされていないと判定した場合、又はステップS206の処理を行った後は、ステップS207にて、停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグがセットされていない場合には、ステップS208にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS207にて停電フラグがセットされている場合には、ステップS209以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM106のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS209ではRAM判定値が正常か否かを判定する。具体的には、RAM106のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM106のデータは正常であると判定する。
ステップS209においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM106のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS210にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート104内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート104に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うとともに、リセットスイッチ72がON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS209においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS211に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU102のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS212において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置81に送信する。その後、ステップS213にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS214にてスタート検出センサ41a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS215にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS104)が実行されることとなる。
次に、メイン処理のステップS208にて実行される通常処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。通常処理は、遊技に関わる主要な制御を行うための処理である。
先ずステップS301では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS302では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS303~ステップS312に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS303では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS304では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS305ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。既に説明した通り、本スロットマシン10では、3ベットゲームのみを実施可能としており、規定数として3のみが設定されている。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS304の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS305にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS306にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS306の処理を実行した後は、ステップS307にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS304の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS308にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS309では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS310の抽選処理、ステップS311のリール制御処理、ステップS312のメダル払出処理を順に実行し、ステップS303に戻る。
次に、ステップS310の抽選処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
ステップS401では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS402では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを取得する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。なお、抽選テーブルの取得処理について詳細には、遊技状態の説明に際して詳細に説明するが、ここでは、ボーナス状態移行前の状態について説明する。
すなわち、今回のゲームが第1BBや第2BBといったボーナスに当選しておらず、通常遊技状態である場合、ステップS402では通常遊技状態用抽選テーブルを取得する。図19は、通常遊技状態で取得される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを取得した後、ステップS403ではインデックス値IVを1とし、続くステップS404では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS401にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS405ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS406にて、ステップS405にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS406にて第2小役当選フラグ及び第3小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS406にて第1BB当選フラグ及び第1再遊技当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS406にて第2BB当選フラグ及び第1再遊技当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS303参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態においては、持ち越し状態用の抽選テーブルが参照されてゲームの抽選処理が行われる。持ち越し状態用抽選テーブル(図20)では、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値が設定されている。
なお、持ち越し状態用抽選テーブルを別途用意するのではなく、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS406にて、第1BB,第2BBに対応する役(リプ重複第1BB、リプ重複第2BB)以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BBに対応する役以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない構成としてもよい。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグ及び第1再遊技当選フラグをセットせず、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第4小役当選フラグ、第5小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする構成としてもよい。
ステップS405にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS407にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS408ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図19に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、約27.3分の1である。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、約107分の1である。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、約6560分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、それぞれ約18.2分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、約219分の1である。リプ重複第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、約20.1分の1である。リプ重複第2BBに当選となる確率(IV=26の際に当選となる確率)は、約6.7分の1である。これらリプ重複第1BBとリプ重複第2BBとのいずれかに当選となる確率(IV=25,26の際に当選となる確率)は、合わせて約5分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。通常遊技状態においては重複1枚役(IV=24)やJAC(IV=27)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。通常遊技状態において、いずれの役にも当選しない確率(外れ結果となる確率)は0となっている。
第1BB又は第2BBに当選している状況で取得される持ち越し状態用の抽選テーブル(図20)では、第1BBや第2BBに対応するリプ重複第1BBとリプ重複第2BBの当選確率が通常遊技状態用の抽選テーブルと異なり、その他の抽選確率は通常遊技状態と持ち越し状態とで同じ確率となっている。すなわち、持ち越し状態用の抽選テーブルでは、リプ重複第1BBとリプ重複第2BBとに当選する確率(IV=25,26の際に当選となる確率)はゼロである。そして、持ち越し状態用の抽選テーブルでは、これらリプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選しない分、いずれの役にも当選しない確率(外れ結果となる確率)は、約5.02分の1である。なお、通常遊技状態用の抽選テーブルや持ち越し状態用の抽選テーブルは、上記ステップS402の処理にて状態に応じて取得される。
ちなみに、通常遊技状態では、第1BB状態や第2BB状態での増減分を除いて、1ゲーム当たり約1.92枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約1.92枚)、持ち越し状態では、第1BB状態や第2BB状態での増減分を除いて、1ゲーム当たり約2.52枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約2.52枚)。
ステップS406にて当選フラグをセットした後、又はステップS408にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS409に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS410では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS401~ステップS408の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS410の処理を実行した後は、ステップS411にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS412では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS406にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第4小役当選フラグ、第5小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第4小役、第5小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第2小役当選フラグ及び第3小役当選フラグがセットされた場合、第2小役及び第3小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS413では、ステップS412にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。かかる優先設定処理について、詳細には後に説明するが、基本的には、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BBに当選したゲームや第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第2小役及び第3小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第2小役、第3小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BBに当選したゲームや第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技及び第2再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。そして、本実施形態では、リプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選することで第1BBや第2BBに当選する構成としており、これらリプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選する場合、第1BBや第2BBだけではなく第1再遊技にも当選する。そのため、第1BBや第2BBに当選するゲームでは、第1BBや第2BBではなく、第1再遊技入賞が成立することになる。
ステップS413の処理を実行した後は、ステップS414にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS311のリール制御処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS501において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS409にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS502では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS503では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS504に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS503に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS505にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS506~ステップS512に示す停止制御処理を行う。
ステップS506では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS507では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS507では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS508では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS509では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS510にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS511では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS512にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS503に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図19、図20参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図22は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第12小役入賞、第13小役入賞及び第16小役入賞の他に第1小役入賞も成立し得るように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記の通り第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第12小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第13小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第16小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第13小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第16小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第13小役入賞が成立する余地は残るものの、第12小役入賞及び第16小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第13小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第13小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第13小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第13小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第13小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第13小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第13小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第15小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第15小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第13小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第13小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第15小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第13小役図柄と第15小役図柄とは、第13小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第15小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第15小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第13小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第13小役入賞及び第15小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞、第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
ここで、本実施形態では、抽選処理(図18)の優先設定処理(ステップS413)において、複数の小役の当選フラグが設定されている場合の優先順位として、図柄数優先制御と、枚数優先制御とのいずれかに基づいてその優先順位が設定される。すなわち、上記の通り、例えば、ボーナスと小役(メダル払出が発生し得る第1小役~第27小役)が重複して当選している場合には、小役の入賞が優先的に成立するように設定され、ボーナスと再遊技が重複して当選している場合には、再遊技の入賞が優先的に成立するように設定される。これに対して、複数の小役同士が重複して当選している場合には、入賞時の特典として払い出されるメダル数が共通する小役をグループ分けしたうえで、各グループの入賞図柄として対応付けられている図柄数が多いグループの小役の入賞が優先的に成立するように設定する図柄数優先制御と、入賞時の特典として払い出されるメダル数が多いグループの小役の入賞が優先的に成立するように設定する枚数優先制御と、のいずれかの制御により優先順位が設定される。
例えば、中順押しベル1において中→左→右の操作順序に対応付けられた第1小役入賞、第12小役入賞、第13小役入賞及び第16小役入賞の場合について説明する。第1小役入賞が成立すると15枚のメダル払出が発生するのに対し、第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞が成立すると1枚のメダル払出が発生する。この場合、入賞時の特典として払い出されるメダル数が共通する小役のグループ分けとしては、15枚のメダル払出が発生する第1グループ(第1小役)と、1枚のメダル払出が発生する第2グループ(第12小役、第13小役及び第16小役)と、なる。そして、図柄数優先制御においては、例えば中リール32Mにおける第1グループの入賞図柄(中リール32Mの第1小役図柄)は、「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいて4つ設けられており、中リール32Mにおける第2グループの入賞図柄(中リール32Mの第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄)は、「リプレイ」図柄及び「赤貝」図柄であり、中リール32Mにおいて5つ設けられており、第2グループの入賞図柄の方が多いため、第2グループの小役入賞が優先的に成立するように設定される。これに対して、枚数優先制御においては、メダル払出数の多い第1グループの小役入賞が優先的に成立するように設定される。つまり、中順押しベル1において中→左→右の操作順序で操作された場合、図柄数優先制御が適用される場合、第12小役入賞、第13小役入賞又は第16小役入賞が成立するように制御されるのに対し、枚数優先制御が適用される場合、第1小役入賞が成立するように制御される。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が第1小役に対応付けられている中→左→右の順で操作された場合において、図柄数優先制御が適用される場合、中リール32Mにおける第1小役図柄は「ベル」図柄であり、第12小役図柄及び第13小役図柄は「リプレイ」図柄であり、第16小役図柄は「白7」図柄である。この場合、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、「ベル」図柄と、「リプレイ」図柄又は「白7」図柄とを同時に有効ライン(上段)に停止させることが可能であれば、「リプレイ」図柄又は「白7」図柄を優先して有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。「リプレイ」図柄及び「白7」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、その操作タイミングに関わらず、有効ラインに第12小役図柄、第13小役図柄及び第16小役図柄のいずれかが停止する。そして、残りの左リール32Lと右リール32Rとは、上記の通り、既に停止している図柄との関係で、入賞し得る小役を最大限入賞させるように停止制御が行われる。つまり、中順押しベル1当選時において、図柄数優先制御が適用されると、中ストップスイッチ43が最初に操作されても、第1小役入賞の余地がなく、第12小役入賞、第13小役入賞及び第16小役入賞のいずれかが成立することとなる。
これに対して、中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が第1小役に対応付けられている中→左→右の順で操作された場合において、枚数優先制御が適用される場合、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、「ベル」図柄と、「リプレイ」図柄又は「白7」図柄とを同時に有効ライン(上段)に停止させることが可能であれば、第1小役図柄たる「ベル」図柄を優先して有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。「ベル」図柄は、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、その操作タイミングに関わらず、有効ラインに第1小役図柄が停止する。第1小役については、中リール32Mだけでなく、左リール32Lと右リール32Rについても図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されているため、その操作タイミングに関わらず、有効ラインに第1小役図柄を停止させることが可能である。そのため、中順押しベル1に当選となり、中→左→右の順で操作された場合において、枚数優先制御が適用される場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
上記中順押しベル1に限られず、各押し順ベルでは、第1小役に対応する操作順序に、当該第1小役だけではなく1枚メダル払出となる第4小役~第27小役が複数設定されている(図22)。そして、いずれの押し順ベルであっても、第1小役に対応する操作順序では、第1小役とは異なるグループの入賞図柄数のほうが多くなるように設定されている。
本実施形態では、通常遊技状態や第1BB乃至第2BBの持ち越し状態においては、基本的に図柄数優先制御が適用されて、各小役間の優先順位が設定される構成としている。つまり、通常遊技状態や第1BB乃至第2BBの持ち越し状態においては、押し順ベル当選時の操作順序が払出メダル数の多い第1小役入賞に合致したものであっても、図柄数優先制御によって第1小役ではなく、他の1枚メダル払出となる第4小役~第27小役の入賞が優先して成立する。
ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、第1小役当選フラグがセットされ、他の1枚メダル払出となる第4小役~第27小役当選フラグはセットされない。そのため、共通ベルに当選した場合において、図柄数優先制御が適用されても、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS511にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS513にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS514にてボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理は、入賞結果に基づいて第1BB状態や第2BB状態といったボーナス状態へ移行させる処理等を行う。当該ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。続くステップS515では、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて表示モードの移行等を行わせるための処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS516にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS517にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS312のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第11再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS304)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
<ボーナス状態処理>
リール制御処理におけるステップS514のボーナス状態処理を、図23のフローチャートに基づいて説明する。上記のように、ボーナス状態処理は、リール制御処理(図21)における払出判定処理(ステップS513)と入賞結果対応処理(ステップS515)との間で起動される処理である。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS602に進む。
ステップS602では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進む。
ステップS603では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、ステップS604に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1BB持ち越しフラグ又は第2BB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。第1BB持ち越しフラグは、第1BB当選を持ち越している持ち越し状態であることをCPU102が把握するためのフラグであり、第2BB持ち越しフラグは、第2BB当選を持ち越している持ち越し状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。すなわち、本実施形態では、第1BB当選を持ち越している情報と、第2BB当選を持ち越している情報とがそれぞれ記憶され、CPU102はいずれのBB当選を持ち越している状態かを把握することが可能となっている。いずれかのBB持ち越しフラグがセットされている場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。
いずれのBB持ち越しフラグもセットされていない場合、ステップS605にて当選しているBBに対応するBB持ち越しフラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする処理を実行してから、ボーナス状態処理を終了する。より詳しくは、ステップS605では、第1BB当選フラグがセットされている場合には第1BB持ち越しフラグをセットし、第2BB当選フラグがセットされている場合には第2BB持ち越しフラグをセットする。
ステップS603にて、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したと判定した場合、ステップS606に進む。ステップS606では、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「140」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS606にてBBカウンタに「140」が入力されることにより、140枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態や第2BB状態が終了するように設定される。ステップS607では、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグをクリアする。
そして、ステップS608では、今回入賞したBBに対応する持ち越しフラグをクリアする。すなわち、第1BB入賞が成立した場合において、第1BB持ち越しフラグがセットされている場合には、第1BB持ち越しフラグをクリアし、第1BB持ち越しフラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。また、第2BB入賞が成立した場合において、第2BB持ち越しフラグがセットされている場合には、第2BB持ち越しフラグをクリアし、第2BB持ち越しフラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。なお、第1BB持ち越しフラグや第2BB持ち越しフラグがセットされている場合とは、第1BBや第2BBの当選ゲームでその入賞が成立しなかった場合であり、第1BB持ち越しフラグや第2BB持ち越しフラグがセットされていない場合とは、第1BBや第2BBの当選ゲームでその入賞が成立した場合である。
その後、ステップS609にて、今回入賞したBBに対応するBB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。すなわち、第1BB入賞が成立した場合には第1BB状態フラグをセットし、第2BB入賞が成立した場合には第2BB状態フラグをセットする。これにより、次ゲームからはステップS601にて肯定判定することになる。
続くステップS610では、各種フラグ格納エリア106dに、対応するBB入賞ゲームフラグをセットする処理を実行する。すなわち、第1BB入賞が成立した場合には第1BB入賞ゲームフラグをセットし、第2BB入賞が成立した場合には第2BB入賞ゲームフラグをセットする。各BB入賞ゲームフラグは、今回のゲームでBB入賞が成立したことをCPU102が把握するためのフラグであり、1ゲームの終了に際して(次のゲームの開始に際して)クリアされるフラグである。ステップS610の処理を実行した後は、ボーナス状態処理を終了する。
ステップS601にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS611に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理として、終了判定処理を行う。
ここで、ステップS611の終了判定処理について、図24のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、各種フラグ格納エリア106dにJAC状態フラグがセットされているか否かを判定することにより、現在のボーナス状態がJAC状態であるか否かを判定する。JAC状態とは、ゲームの抽選結果がJAC当選となり(IV=27の際に当選となり)、JAC入賞が成立した場合に移行し、予め定められた所定回数(本実施形態では8回)の小役入賞が成立するか、予め定められた所定回数(本実施形態では12回)のゲームが実行されるまで継続する状態である。
JAC状態ではない場合には、ステップS702にてJAC当選フラグがセットされており、JAC当選している状態であるか否かを判定する。JAC当選している状態である場合、ステップS703に進む。
ステップS703では、今回のゲームの結果としてJAC入賞が成立したか否かを判定する。JAC入賞が成立していない場合、ステップS704に進み、各種フラグ格納エリア106dにJAC持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。JAC持ち越しフラグは、JAC当選を持ち越している持ち越し状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。すなわち、本実施形態では、ボーナス状態への移行契機となる第1BB当選や第2BB当選だけでなく、ボーナス状態中の内部状態の移行契機となるJAC当選についても次のゲーム以降に持ち越し可能な構成としている。JAC持ち越しフラグがセットされていない場合には、ステップS705にてJAC持ち越しフラグをセットする処理を実行する。
ステップS703にてJAC入賞が成立した判定した場合、ステップS706に進む。ステップS706では、各種カウンタエリア106eに設けられたJAC第1カウンタに「8」を入力するとともに、JAC第2カウンタに「12」を入力する処理を実行する。JAC第1カウンタは、JAC状態における小役の上限入賞回数を規定するためのカウンタであり、JAC第2カウンタは、JAC状態における上限ゲーム数を規定するためのカウンタである。すなわち、JAC状態は、8回の小役入賞又は12回のゲームの消化で終了するように設定される。その後、ステップS707では、JAC当選フラグをクリアし、ステップS708にてJAC持ち越しフラグをクリアする処理を実行し、ステップS709にてJAC状態フラグをセットする。なお、ステップS708にてJAC持ち越しフラグがセットされていなければ、その状態を維持する。これにより、ボーナス状態中の内部状態がJAC状態に移行し、次回のステップS701にて肯定判定することになる。
ステップS702にてJACに当選していないと判定した場合、ステップS704にてJAC持ち越しフラグがセットされていると判定した場合、又はステップS705若しくはステップS709の処理を実行した後は、ステップS710に進む。ステップS710では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立している場合、ステップS711にてBBカウンタから今回の入賞に基づくメダル払出数を減算する処理を実行する。なお、ステップS710にて小役入賞が成立していると判定する場合とは、JAC状態ではない状況で小役入賞した場合である。
ステップS701にてJAC状態であると判定した場合、ステップS712に進む。ステップS712では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立している場合、ステップS713にてJAC第1カウンタから1を減算するとともに、ステップS714にてBBカウンタから今回の入賞に基づくメダル払出数を減算する処理を実行する。ステップS712にて小役入賞が成立していないと判定した場合や、ステップS714の処理を実行した後は、ステップS715にてJAC第2カウンタから1を減算する処理を実行する。そして、ステップS716にてJAC第1カウンタ又はJAC第2カウンタが0であるか否かを判定する。いずれかのカウンタが0である場合、ステップS717にて他方のJACカウンタも0にクリアするとともに、JAC状態フラグをクリアする処理を実行する。これにより、JAC状態が終了し、次のステップS701では、否定判定することになる。
ステップS710若しくはステップS716にて否定判定した場合、又はステップS711若しくはステップS717の処理を実行した後は、ステップS718に進む。ステップS718では、BBカウンタが0以下となっており、ボーナス状態の終了条件が成立しているか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には、そのまま、終了判定処理を終了する。
終了条件が成立している場合には、ステップS719にて滞在しているBB状態フラグをクリアする。その後、ステップS720にて、各種フラグ格納エリア106dに今回終了するBB状態に対応するBB終了ゲームフラグをセットする処理を実行してから、終了判定処理を終了する。すなわち、第1BB状態を終了する場合には、第1BB終了ゲームフラグをセットし、第2BB状態を終了する場合には、第2BB終了ゲームフラグをセットする。各BB終了ゲームフラグは、今回のゲームでBB状態が成立したことをCPU102が把握するためのフラグであり、1ゲームの終了に際して(次のゲームの開始に際して)クリアされるフラグである。
すなわち、本実施形態では、ボーナス状態中の状態として、JACに当選していない状態(BB第1状態)と、JACに当選しているもののJAC入賞前の状態(BB第2状態)と、JAC状態(BB第3状態)とが設定されており、ボーナス状態に移行すると、BB第1状態からBB第2状態を経て、又はBB第2状態を経ずにBB第3状態へ移行し、BB第3状態が終了するとBB第1状態へ移行する構成としている。そして、BB状態の上限払出数に達すると、BB第1状態~BB第3状態のいずれであっても、BB状態が終了する。すなわち、JAC状態において小役の上限入賞回数や上限ゲーム数に達していなくても、BB状態は終了する。
このようにボーナス状態中の内部状態の移行が生じることで、ボーナス状態中の各ゲームの抽選確率が変化する。ここで、各ゲームの抽選処理(図18)にて行われる、抽選テーブルの取得処理について、図25のフローチャートに基づき説明する。抽選テーブルの取得処理は、抽選処理におけるステップS402にて実施される処理である。
ステップS801にてBB状態フラグの有無を判定し、セットされていない場合には、ステップS802にてBB持ち越しフラグの有無を判定する。BB状態フラグもBB持ち越しフラグもセットされていない場合は、通常遊技状態であり、この場合、ステップS803にて通常遊技状態用抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。また、BB状態フラグはセットされていなくてもBB持ち越しフラグがセットされている場合は、いずれかのBB持ち越し状態であり、この場合、ステップS804にて持ち越し状態用抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
BB状態においては、ステップS801にて肯定判定し、ステップS805に進む。ステップS805では、JAC持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。JAC持ち越しフラグがセットされている場合は、BB第2状態であり、この場合、ステップS806にてBB第2状態用抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。JAC持ち越しフラグがセットされていない場合には、ステップS807にてJAC状態フラグがセットされているか否かを判定する。JAC持ち越しフラグもJAC状態フラグもセットされていない場合は、BB第1状態であり、この場合、ステップS808にて、BB第1状態用抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。JAC状態フラグがセットされている場合は、BB第3状態であり、この場合、ステップS809にてBB第3状態用抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
これらBB第1状態用抽選テーブル~BB第3状態用抽選テーブルについて、図26~図28に基づき説明する。図26はBB第1状態用抽選テーブルの一例を示し、図27はBB第2状態用抽選テーブルの一例を示し、図28はBB第3状態用抽選テーブルの一例を示している。
BB第1状態において、JACに当選する確率(IV=27の際に当選となる確率)は約3.0分の1である。また、共通ベルに当選する確率(IV=10の際に当選となる確率)や、押し順ベルに当選する確率(IV=11~22の際に当選となる確率)、スイカに当選する確率(IV=23の際に当選となる確率)は、いずれも通常遊技状態や持ち越し状態と同じ確率であり、共通ベルが約6560分の1であり、押し順ベルは合わせて約1.5分の1であり、スイカは約219分の1である。BB第1状態において、インデックス値IV=1~9、24~26のポイント値PVには0が設定されており、各種再遊技や、重複1枚役、リプ重複第1BB、リプ重複第2BBには当選しない。ちなみに、BB第1状態においては、外れ結果とはならないように設定されている。そして、BB第1状態では、1ゲーム当たり約2.92枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約2.92枚)。
上記の通り、BB第1状態においてJACに当選し、そのJAC当選が持ち越されるとBB第2状態へ移行する。BB第2状態においては、共通ベルや押し順ベル、スイカの当選確率はBB第1状態と同じ確率であるのに対して、各再遊技に当選し得るように設定されており、いずれかの再遊技に当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、約3.0分の1である。つまり、BB第2状態となると、BB第1状態においてJAC当選となる分のポイント値PVが再遊技当選となる分のポイント値PVに割り振られており、BB第2状態においても外れ結果とならないように設定されている。つまり、BB第2状態では外れ結果とならないこと、及び小役や再遊技の方がボーナスの一種であるJACよりも優先して入賞が成立するように制御されることから、基本的には、JAC入賞を成立させることはできず、BB第1状態においてJAC当選となったゲームにてJAC入賞を成立させなかった場合は、そのままJAC入賞が成立することなくボーナス状態が終了することになる。
本実施形態では、BB第2状態において押し順ベルに当選した場合、ストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役入賞に対応付けられた操作順序であれば、第1小役入賞が成立し得るようになる。
ここで、上記のように、小役同士の重複当選が生じている場合、図柄数優先制御に基づき優先順位の設定が行われる場合と、枚数優先制御に基づき優先順位の設定が行われる場合とがあり、通常遊技状態や持ち越し状態においては、基本的には図柄数優先制御にて優先順位の設定が行われる構成としている。
より詳しくは、抽選処理(図18)におけるステップS413の優先設定処理では、図29のフローチャートに示すように、ステップS901にてJAC持ち越しフラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS902にて図柄数優先制御に基づき優先順位の設定を行う。そのため、押し順ベル当選時において、ストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役入賞に対応付けられた操作順序であっても、1枚メダルの払出が行われるグループである第4小役入賞~第27小役入賞が優先して成立することで、第1小役入賞は成立しない。
これに対して、ステップS901にてJAC持ち越しフラグがセットされていると判定した場合、ステップS903にて枚数優先制御に基づき優先順位の設定を行う。そのため、押し順ベル当選時において、ストップスイッチ42~44の操作順序が第1小役入賞に対応付けられた操作順序であると、15枚メダルの払出が行われるグループである第1小役入賞が、1枚メダルの払出が行われる第4小役入賞~第27小役入賞よりも優先して成立し、第1小役入賞が成立する。
ステップS902又はステップS903の処理を実行した後は、ステップS904にてその他の優先設定処理を行ってから、本設定処理を終了する。ステップS904では、ボーナス、小役、再遊技同士の優先設定を行う。これらの優先順位は上記の通りであり、ボーナスよりも小役が優先し、小役よりも再遊技が優先して入賞が成立する。
このように、BB第1状態において、JAC当選となってそのJAC入賞を回避することでBB第2状態となり、押し順ベル当選時に第1小役入賞を成立させることが可能となる。そして、BB第2状態では、1ゲーム当たり約1.15枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.15枚)。
これに対して、BB第1状態においてJAC当選となったゲームにてJAC入賞を成立させることで、BB第3状態に移行する。BB第3状態においては、共通ベルの当選確率(IV=10の際に当選となる確率)が約8.9分の1として設定されており、BB第1状態やBB第2状態よりも高くなるように設定されている。これに対して、BB第3状態においてはインデックス値IV=11~22のポイント値PVに0が設定されており、押し順ベルには当選しないように設定されている。その他、BB第3状態においては、インデックス値IV=1~9,25~27のポイント値PVも0が設定されており、これらに対応する役に当選しないように設定されている。BB第3状態において、いずれの役にも当選とならない外れ結果となる確率は、約5.7分の1となっている。そして、BB第3状態では、1ゲーム当たり約0.66枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.66枚)。
上記のように、共通ベルに当選した場合、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず15枚払出となる第1小役入賞が成立する。つまり、BB第3状態においては、約8.9分の1の確率で第1小役入賞が成立する。これに対して、BB第2状態では、押し順ベル当選となった場合であっても、その操作順序が、6通りの操作順序のうち、第1小役に対応付けられた1の操作順序に合致するものでなければ第1小役入賞は成立し得ない。そうすると、約1.5分の1の確率で押し順ベル当選となる場合の、6分の1で第1小役入賞が成立することになり、約9.0分の1の確率で第1小役入賞が成立することになる。つまり、BB第3状態は、他の状態と比較して、メダル増加契機となるメインの第1小役入賞が他の状態よりも成立し易い状態といえる。
但し、BB第2状態において、押し順ベルの操作順序のうち第1小役入賞に対応付けられた操作順序の報知(押し順報知)が行われる場合がある。この場合、BB第2状態において約1.5分の1で第1小役入賞を成立させることが可能となる。なお、BB第2状態において押し順報知が行われ、押し順ベル当選時に第1小役入賞を成立させることが可能となると、1ゲーム当たり約7.91枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラス約7.91枚)、多くのメダル増加が期待できるようになる。以下、その押し順報知を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図30のフローチャートを参照しながら、ステップS410にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するモードとしてのATモード(アシストタイムモード、ナビモード、特定状態)への移行抽選等を行う処理である。
より詳しくは、先ず、ステップS1001にて各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされるフラグである。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップS1002にて有利区間移行抽選処理を実行する。
有利区間移行抽選処理では、図31のフローチャートに示すように、ステップS1101にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS1102にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図34に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図34にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカ、重複1枚役、リプ重複第1BB、リプ重複第2BB、JACが設定されている。すなわち、通常遊技状態や持ち越し状態、BB第1状態~BB第3状態において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS1102にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS1103にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS1103ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS1104にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS1105にて、移行抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合には、そのまま有利区間移行抽選処理を終了する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS1101にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS1102~ステップS1105の処理を省略することも可能である。
ステップS1105にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS1106にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行してから、有利区間移行抽選処理を終了する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップS1001にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、又はステップS1002にて有利区間移行抽選処理を実行した後は、ステップS1003に進む。ステップS1003では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、そのATモードへの移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、ATモードフラグは、ATモードへ移行する際にセットされるフラグである。つまり、ステップS1003では、既にATモードへの移行が確定している状況又は移行済みの状況であるか否かを判定する。ステップS1003にていずれのフラグもセットされておらず、未だATモードへの移行が確定していない状況である場合には、ステップS1004にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS1003にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS1005にてAT連荘用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップS1004のAT抽選用処理について図32のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1201にて、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定することで、BB状態であるか否かを判定する。BB状態である場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。すなわち、本実施形態では、第1BB状態や第2BB状態においては、ATモードへの移行抽選を行わない。
BB状態ではない場合、ステップS1202にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS1203にて、ATモード抽選テーブルを取得する処理を実行する。
ATモード抽選テーブルの取得処理では、現状の状況に応じた抽選テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。すなわち、図33に示すように、ステップS1301にて有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされておらず通常区間である場合、ステップS1302にて通常区間用ATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
有利区間である場合、ステップS1303にて各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、有利区間であってATモード移行抽選の当選前の状態として、通常モードとCZモードとが設けられており、CZモードは通常モードよりもATモードへの移行抽選に当選し易いモードとして設定されている。CZモードフラグは、現状のモードがCZモードであることをCPU102が把握するためのフラグであり、CZモードへ移行する場合にセットされる。
AT抽選用処理が実施される有利区間において、CZモードフラグがセットされていない場合とは、現状のモードが通常モードであることを意味する。この場合、ステップS1304にて、通常モード用ATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。ステップS1303にてCZモードフラグがセットされている場合、現状のモードがCZモードであることを意味する。この場合、ステップS1305にて、CZモード用ATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
これら各ATモード抽選テーブルは、図34に示すように、通常区間用ATモード抽選テーブル→通常モード用ATモード抽選テーブル→CZモード用ATモード抽選テーブルの順でATモード移行抽選の当選確率が高くなるように設定されており、通常区間用ATモード抽選テーブルが最もATモード移行抽選の当選確率が低く、CZモード用ATモード抽選テーブルが最もATモード移行抽選の当選確率が高くなるように設定されている。より詳しくは、通常区間においては、ATモード移行抽選に当選し得る契機結果としてチェリーCとスイカだけが設定されており、他の抽選結果ではATモード移行抽選に当選しないように設定されている。これに対して、有利区間においては、共通ベル、押し順ベル、重複1枚役、リプ重複第1BB、リプ重複第2BB及びJACを除く各抽選結果がATモード移行抽選に当選し得る契機結果として設定されている。そして、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Bの方がATモード移行抽選に当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Cの方が更にATモード移行抽選に当選し易い、といったように、概して、ゲームの抽選結果としての当選確率(出現率)の低い結果ほど、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプAやチェリーAに関しては、当選確率設定処理(ステップS206)にて設定される設定値によって、ATモード移行抽選の当選確率が異なり、出玉率が高くなるように設定される設定値ほど(設定値が高くなるほど)、ATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
なお、通常区間において、これら共通ベルや押し順ベルでもATモード移行抽選が行われるようにしてもよいし、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果は上記のものに限定されない。例えば、通常モードとCZモードとで、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類が異なることでCZモードの優位性を担保してもよく、この場合、ATモード移行抽選の契機となる遊技結果の種類がCZモードの方が多くなるようにするとよい。更にこの場合、ATモード移行抽選の当選確率自体は通常モードとCZモードとで同じものとしてもよい。CZモードを複数設け、一のCZモードではチャンス目にてATモード移行抽選に当選し易く、他のCZモードではチェリーにてATモード移行抽選に当選し易いといったように、それぞれのCZモードで異なるATモード移行抽選テーブルを設定してもよい。
AT抽選用処理の説明に戻り、ステップS1203にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS1204にて、ATモード移行抽選を実行する。なお、ATモード移行抽選においても、有利区間移行抽選と同様に、各種カウンタエリア106eから抽選用の乱数を取得して、その乱数を用いて抽選を行う構成としている。かかる抽選用の構成は、以下の他の抽選についても同様であり、その説明は省略する。
ステップS1205では、ATモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS1206にて、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされておらず、通常区間におけるATモード移行抽選に当選した場合、ステップS1207にて有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。ステップS1206にて有利区間フラグがセットされている場合、又はステップS1207にて有利区間当選ゲームフラグをセットした後は、ステップS1208にて、ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。
続くステップS1209では、今回のATモードの継続率を設定するための、継続率抽選処理を実行する。本実施形態では、ATモード中の所定の判定契機で継続抽選が行われ、当該継続抽選に当選した場合にはATモードが継続し、継続抽選に非当選となった場合にはATモードが終了する場合がある構成としている。ステップS1209の継続率抽選処理は、かかる継続抽選の当選確率を決定するための処理である。継続率抽選処理では、今回のATモード移行当選の契機となった遊技結果によって、選択される継続率が異なり得るように設定されている。本実施形態では、ATモードの継続率として60%継続モード、70%継続モード、80%継続モード及び90%継続モードが設定されており、これらのうち一の継続モードを抽選により決定する。ステップS1209では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する継続率抽選テーブルに基づき継続率を抽選により決定する。継続率抽選テーブルは、図35に示すように、例えば、チャンス目Aを契機としてATモード移行当選となった場合には、70%継続モードが最も選択され易く、チャンス目Bを契機としてATモード移行当選となった場合には、60%継続モードが最も選択され易くなるように設定されている。
ステップS1209にて継続率抽選処理を実行した後は、ステップS1210にて、その抽選結果に対応する継続率フラグをセットする。すなわち、60%継続モードが選択された場合には60%フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットし、同様に、70%継続モードが選択された場合には70%フラグ、80%継続モードが選択された場合には80%フラグ、90%継続モードが選択された場合には90%フラグをセットする。
ステップS1211では、前兆ゲーム数抽選処理を実行する。前兆モードは、ATモード移行当選となったことを、ATモード移行当選の報知(ATモード当選報知演出)が行われるよりも前に示唆する示唆演出が、補助表示部65やスピーカ64等に行われるモードである。前兆モードは、最大32ゲーム継続するように設定されており、ステップS1211の抽選処理にて、0~32のいずれかの前兆ゲーム数が抽選により決定される。
ステップS1212では、ステップS1211にて決定した前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア106eの前兆カウンタに入力し、ステップS1213にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行する。前兆カウンタは、前兆モードにて1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタであり、前兆フラグは、前兆モードに設定された状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップS1214にて、前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆コマンドは、前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、前兆モードにおいて天井カウンタが0となるまでの残りのゲーム数の情報、すなわち、前兆モードのゲーム数の情報が含まれる。
ステップS1205にてATモード移行抽選に非当選であったと判定した場合、ステップS1215に進む。ステップS1215では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間である場合、ステップS1216にて各種カウンタエリア106eの天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、所定の設定契機から、ATモード移行抽選に当選することなく消化され得る最大ゲーム数を規定するものである。天井カウンタは、1ゲーム毎に1ずつ減算され、0となることでATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行が確定する。すなわち、ステップS1217では、ステップS1216の処理結果に基づいて、天井カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、上記ステップS1208に進み、ATモード当選フラグをセットする。ステップS1208以降の処理は上述の通りである。
ステップS1215又はステップS1217にて否定判定した場合、ステップS1218~ステップS1224にて疑似前兆モード用の処理を行う。本実施形態では、前兆モードと同じ又は似た示唆演出が発生するものの、最終的にはATモードへの移行が許容されることのATモード当選報知演出が行われることなくその演出モードが終了する疑似前兆モード(所謂ガセ演出が発生するモード)が設定されている。すなわち、ステップS1218では、当該疑似前兆モードであることをCPU102が特定するための疑似前兆フラグが各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かを判定し、既にセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。
疑似前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS1219にて疑似前兆モードに設定するか否かを抽選により決定する。かかる抽選については、例えば、ゲームの抽選結果として当選しにくい(出現率が低い)結果ほど疑似前兆モードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されている。続くステップS1220では、ステップS1219の疑似前兆抽選に当選したか否かを判定し、非当選であった場合にはそのままAT抽選用処理を終了する。疑似前兆抽選に当選した場合、ステップS1221にて疑似前兆モードのゲーム数を抽選により決定する。かかる抽選については、例えば、ゲームの抽選結果として当選し易い(出現率が高い)結果にて疑似前兆モードへの移行抽選に当選した場合には比較的長いゲーム数の疑似前兆モードが設定されるように設定されている。そして、ステップS1222では、ステップS1221にて決定された疑似前兆モードのゲーム数を各種カウンタエリア106eに設けられた疑似前兆カウンタに入力する処理を実行する。その後、ステップS1223にて疑似前兆フラグをセットし、ステップS1224にて、疑似前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。疑似前兆カウンタは、疑似前兆モードのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、疑似前兆コマンドは、疑似前兆モードに設定されたことを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、疑似前兆モードの残りゲーム数の情報が含まれ、表示制御装置81では、その疑似前兆モードの残りゲーム数に応じて示唆演出の発生抽選を行ったりする。
<AT連荘用処理>
次に、ステップS1005にて実行されるAT連荘用処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT連荘用処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、所定の開始契機から終了契機までのATモードを1セットとして実行されるATモードのセット数の上乗せ(ストック)等を行うための処理である。
すなわち、ステップS1401では、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定することにより、BB状態であるか否かを判定する。BB状態ではない場合、ステップS1402にて、各種フラグ格納エリア106dに移行許可フラグがセットされているか否かを判定する。移行許可フラグは、ATモードにおいてBB入賞を成立させることが可能となり、入賞許可条件(移行許可条件)が成立している状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。移行許可フラグがセットされている場合、そのままAT連荘用処理を終了する。
ステップS1401にてBB状態であると判定した場合と、ステップS1402にて移行許可フラグがセットされていないと判定した場合とは、ステップS1403に進む。ステップS1403では、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS1404~ステップS1414にて各種テーブル記憶エリア105aからストック抽選テーブルを取得する処理を実行する。
すなわち、ステップS1404では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS1405にてAT用報知フラグが各種フラグ格納エリア106dにセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグは、ATモード当選報知演出が実行されたことをCPU102が把握するためのフラグであり、ATモードへの移行抽選に当選したことや天井に到達したことが、既に報知された状態であることを示すフラグである。本実施形態では、ATモード当選報知演出が実行された後、ゲームの抽選結果が所定の開始契機となる結果(通常リプA~C)となることでATモードが開始される。すなわち、ATモードフラグがセットされておらず、AT用報知フラグがセットされていない状況とは、ATモード当選フラグはセットされているものの、ATモード当選報知演出の実行前の状況であり、ATモードフラグがセットされておらず、AT用報知フラグがセットされている状況とは、ATモード当選報知演出は実行されたものの、ATモード開始前の状況である。ステップS1405にて否定判定した場合、ステップS1406にて、AT当選報知前用のストック抽選テーブルを取得し、ステップS1405にて肯定判定した場合、ステップS1407にて、AT移行前用のストック抽選テーブルを取得する。
また、ステップS1404にてATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS1408にてBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップS1409にてBB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1409にてBB持ち越しフラグがセットされていない状況とは、主に、ATモードにおいてBB当選前の状況である。ステップS1409にて否定判定した場合、ステップS1410にてBB持ち越し無し用のストック抽選テーブルを取得し、ステップS1409にて肯定判定した場合、ステップS1411にてBB持ち越し有り用のストック抽選テーブルを取得する。
ステップS1408にてBB状態であると判定した場合、ステップS1412にて、JAC持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。JAC持ち越しフラグがセットされておらず、BB第1状態又はBB第3状態である場合は、ステップS1413にてJAC持ち越し無し用のストック抽選テーブルを取得し、JAC持ち越しフラグがセットされており、BB第2状態である場合は、ステップS1415にてJAC持ち越し有り用のストック抽選テーブルを取得する。
これらのストック抽選テーブルは、図37に示すように、AT当選報知前(ステップS1406)とAT当選報知後AT移行前(ステップS1407)とを比較すると、AT当選報知前よりもAT当選報知後AT移行前の方がストック抽選に当選し易くなるように設定されている。そのため、ATモードに当選した後、ATモード当選報知が行われるまでの前兆モードや、ATモード当選報知後、ATモード開始までにおいてもストック抽選が行われる構成において、AT当選報知前よりも当選報知後の方が優遇されているといえる。これは、ATモードがなかなか開始されないことによる遊技者の苛立ちを解消するうえで、前兆モードは未だATモードへの移行が生るか否かが遊技者には特定しにくい状況であるのに対して、当選報知後移行前においてはATモードへの移行が生じることは把握しており、AT開始待ちであることの違いによるものである。
また、BB状態移行前においては、BB持ち越しフラグ無し(ステップS1410)とBB持ち越しフラグ有り(ステップS1411)とを比較すると、BB持ち越し有りよりもBB持ち越し無しの方がストック抽選に当選し易くなるように設定されている。BB状態においては、JAC持ち越しフラグが無いBB第1状態やBB第2状態よりも、JAC持ち越しフラグがあるBB第2状態の方がストック抽選に当選し易くなるように設定されている。
各種ストック抽選テーブルを取得した後は、ステップS1415にてストック抽選を実行し、ステップS1416にて当該ストック抽選に当選したか否かを判定する。ストック抽選に当選している場合、ステップS1417にて各種カウンタエリア106eに設けられたストックカウンタに1を加算する処理を実行する。そして、ステップS1418にてストックコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT連荘用処理を終了する。ストックカウンタは、ATモードのセット連荘数をCPU102が把握するためのカウンタであり、ストックコマンドはストック抽選に当選したことの情報を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ステップS1416にてストック抽選に非当選であったと判定した場合には、そのままAT連荘用処理を終了する。なお、ストック抽選にて複数セットのストックに当選する場合があるように設定してもよく、その場合、ストックカウンタにそのセット数に対応する値を加算するとともに、そのセット数の情報をストックコマンドに含ませる構成としてもよい。
抽選結果対応処理(図30)において、ステップS1005のAT連荘用処理を実行した後は、ステップS1006にてボーナスAT開始用処理を実行する。ボーナスAT開始用処理は、BB入賞を成立させてもよい状況であり、入賞許可条件が成立したことの報知(移行許容報知)を実行するための処理である。
<ボーナスAT開始用処理>
すなわち、ボーナスAT開始用処理では、図38のフローチャートに示すように、ステップS1501にて、BB状態であるか否かを判定する。BB状態である場合には、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。続くステップS1502では、BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合には、未だ移行許可とすることができないため、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。続くステップS1503では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。
ATモード中においてBB当選している場合、ステップS1504にて、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であり、BB入賞を成立させることが可能なゲームであるか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、第1BBや第2BBに当選する場合、第1再遊技との重複当選となる(リプ重複第1BB、リプ重複第2BB)ため、第1BBや第2BBの当選ゲームで第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることはできない構成としている。つまり、BB入賞を成立させることが可能なゲームとは、BB当選後のゲームであって、ゲームの抽選結果が外れ結果であるゲームである。外れ結果ではない場合は、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。外れ結果である場合、ステップS1505にて、各種フラグ格納エリア106dに移行許可フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS1506にて、入賞許可コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ボーナスAT開始用処理を終了する。入賞許可コマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。ステップS1504にて、今回のゲームの抽選結果が外れ結果ではない場合、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。
抽選結果対応処理(図30)の説明に戻る。
ステップS1004又はステップS1006の処理を実行した後は、ステップS1007にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役とは、押し順ベルのほか、通常リプA、通常リプB、通常リプCを含む結果である。通常リプA、通常リプB、通常リプCは、いずれも複数の再遊技に重複して当選となる結果であり、ストップスイッチ42~44の操作順序によって入賞を成立させる再遊技が異なり得るように設定されている。
具体的には、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、第2再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、左ストップスイッチ42又は右ストップスイッチ44が最初に操作された場合には、第1再遊技入賞が成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。但し、これら通常リプA、通常リプB、通常リプCにおいて、重複当選している再遊技のうちのいずれの再遊技入賞が成立しても、付与される特典は再遊技であり、成立する再遊技の種類だけが異なるものである。言い換えると、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず再遊技入賞が成立するものの、操作順序によって停止出目が異なる遊技結果である。そして、通常リプA、通常リプB、通常リプCは、ATモードの開始契機となっており、ATモード当選フラグがセットされており、且つ第2再遊技入賞が成立し得るゲームにてATモードが開始される。
ステップS1007にて押し順役当選であると判定した場合、ステップS1008にてATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS1009にて押し順報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。ステップS1007又はステップS1008にて否定判定した場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<押し順報知の概要>
ステップS1009にて実行される押し順報知用処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図39を参照しながら説明する。図39(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図39(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図39(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図39(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、ATモード当選報知が行われてATモードフラグがセットされる等、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(有利状態、特定状態)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図40を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図40(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図40(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図40(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順報知用処理>
次に、ステップS1009にて実行される押し順報知用処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1601では、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされていない場合とは、ATモード当選後、未だATモードへの移行が生じていない場合である。この場合、ステップS1602にて、AT報知用フラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされておらず、AT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモード移行抽選に当選しているものの、未だ前兆モード中であることを意味する。この場合、今回のゲームでは押し順報知を発生させず、そのまま押し順報知用処理を終了する。AT報知用フラグがセットされている場合には、ステップS1603に進む。
ステップS1603では、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれかであるか否かを判定する。通常リプA~通常リプCではなく、押し順ベルである場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。通常リプA~通常リプCのいずれかである場合、ステップS1604にて各種フラグ格納エリア106dにAT開始用フラグをセットする。AT開始用フラグは、今回のゲームからATモードが開始されることをCPU102が把握するためのフラグである。その後、ステップS1605にて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS1606にて、第2再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出として、中ストップスイッチ43を最初に操作すべき順序の押し順報知演出や、「中から狙え!!」といった表示や音声ナビ等が行われるとともに、第2再遊技入賞に対応する図柄の報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1601にてATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS1607に進む。ステップS1607では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベルであるか否かを判定する。押し順ベルではない場合、そのまま押し順報知用処理を終了する。押し順ベルである場合、ステップS1608にて、上記の移行許可フラグがセットされているか否かを判定する。移行許可フラグがセットされていない場合には、ステップS1609にていずれかのBB状態であるか否かを判定する。ステップS1608にて移行許可フラグがセットされていると判定した場合と、ステップS1609にて移行許可フラグはセットされていないもののBB状態ではないと判定した場合とは、ステップS1610に進み、今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS1611にて、第1小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。一方、移行許可フラグがセットされておらず且つBB状態である場合には、ATモード中であっても押し順ベル当選時の押し順報知を行うことなく、そのまま押し順報知用処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップS515にて実施される入賞結果対応処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップS1701にて、ゲーム数管理処理を行う。ゲーム数管理処理では、CZモードのゲーム数や前兆モードのゲーム数を管理するための処理を行う。
より詳しくは、図43のフローチャートに示すように、ステップS1801にて、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB状態である場合にはそのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、仮に、CZモード中や前兆モード中においてBB状態への移行を生じさせたりした場合には、前兆モードやCZモードのゲーム数の管理は行われない。いずれのBB状態でもない場合には、ステップS1802に進み、CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS1803にてCZカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1804にてCZカウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS1805にてCZモードフラグをクリアするとともに、CZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。CZモードフラグをクリアすることでCZモードが終了して通常モードに移行する。
ステップS1805の処理を実行した後は、ステップS1806にて天井ゲーム数の設定処理を実行する。天井ゲーム数の設定処理では、天井カウンタに予め定められた100~999のうちのいずれかの値を入力する処理である。いずれの値を天井カウンタに入力するかは、抽選により決定される。天井ゲーム数の設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1802及びステップS1804のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1806の処理を実行した後は、ステップS1807に進む。ステップS1807では、前兆フラグ又は疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのフラグもセットされていない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。いずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS1808に進み、前兆カウンタや疑似前兆カウンタを1減算する処理を実行する。すなわち、ステップS1808では、前兆モードであれば前兆カウンタを1減算し、疑似前兆モードであれば疑似前兆カウンタを1減算する。
ステップS1808の処理を実行した後は、ステップS1809にて前兆フラグがセットされており、且つ前兆カウンタが0となったか否かを判定する。すなわち、前兆モードにおいて前兆ゲーム数が0となった場合、ステップS1810に進み、前兆フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1811にて、AT用報知フラグをセットし、ステップS1812にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、ゲーム数管理処理を終了する。AT用報知フラグがセットされることにより、上記の押し順報知用処理にて第2再遊技入賞用の押し順報知を発生させるための処理が行われるようになる。また、AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモード移行抽選に当選し、ATモードへの移行が許容された状態となったことの報知として、ATモード当選報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1809にて、前兆カウンタが0ではなかったり、前兆フラグではなく疑似前兆フラグがセットされている場合は、ステップS1813に進む。ステップS1813では、疑似前兆カウンタが0であり、且つ疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1813にて肯定判定した場合、ステップS1814にて疑似前兆フラグをクリアする処理を実行してから、ゲーム数管理処理を終了する。これにより、疑似前兆モードが終了することになる。また、ステップS1813にて否定判定し、疑似前兆カウンタが0ではなかったり、0であるものの疑似前兆フラグではなく前兆フラグがセットされている場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。
入賞結果対応処理の説明に戻り、ステップS1701にてゲーム数管理処理を実行した後は、ステップS1702にて、AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、AT開始用フラグは、ATモードへの移行を生じさせる場合に第2再遊技入賞が可能となるゲームでセットされるフラグであり、より詳しくは、AT用報知フラグがセットされている状況で通常リプA~通常リプCに当選したゲームの開始時にセットされるフラグである。AT開始用フラグがセットされている場合には、ステップS1703にてATモード当選フラグをクリアし、ステップS1704にてAT報知用フラグをクリアし、ステップS1705にてAT開始用フラグをクリアする。そして、ステップS1706にてATモードフラグをセットし、ステップS1707にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする。継続フラグは、ATモードの所定の継続判定の際にATモードを継続すると判定するためのフラグである。
その後、ステップS1708にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、開始するATモードの継続率等に応じたATモード開始演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1702にてAT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1709に進む。ステップS1709では、ATモードフラグがセットされており、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合、そのまま入賞結果対応処理を終了する。ATモード中である場合には、ステップS1710にて、今回のゲームの遊技結果に基づいて、ATモードの継続の管理を行うAT継続設定処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
<AT継続設定処理>
AT継続設定処理では、図44のフローチャートに示すように、ステップS1901にて、いずれかのBB入賞ゲームフラグがセットされているか否かを判定することにより、今回のゲームにていずれかのBB入賞が成立したか否かを判定する。上記の通り、BB入賞ゲームフラグは、入賞結果対応処理の直前に実施されるボーナス状態処理にてセットされるフラグである。
本実施形態では、ATモードの継続判定を、BB入賞時からBB終了時に実行する構成としている。より詳しくは、BB終了時までにATモードの継続条件が成立していないとATモードが終了する構成となっており、BB終了時にATモードの継続条件が成立していると、少なくとも次のBB状態終了時まではATモードの継続する構成としている。すなわち、ステップS1901は、ATモードの継続判定を行うタイミングに含まれるか否かを判定する処理である。
今回のゲームにてBB入賞が成立した場合には、ステップS1902にてストックカウンタが0であるか否かを判定する。ストックカウンタが1以上である場合、ステップS1903にてストックカウンタを1減算する処理を実行し、ステップS1904にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT継続設定処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81では、今回入賞したBB状態において、ATモードが継続することに対応する継続演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS1902にてストックカウンタが0である場合には、ステップS1905にて継続抽選処理を実行する。かかる処理では、上記ATモード移行抽選に当選した場合に行われる継続率抽選に基づいて、ATモードを継続させるか否かを抽選により決定する。すなわち、60%フラグがセットされており、60%継続モードである場合、ステップS1905の継続抽選に60%の確率で当選し、90%フラグがセットされており、90%継続モードである場合、ステップS1905の継続抽選に90%の確率で当選する、といった具合で、継続抽選を行う。
ステップS1906では、ステップS1905の継続抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS1904に進み、継続コマンドをセットしてからAT継続設定処理を終了する。継続抽選に非当選である場合、ステップS1907にて継続フラグをクリアしてから、ステップS1908にて非継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT継続設定処理を終了する。非継続コマンドを受信した表示制御装置81では、今回入賞したBB状態において、ATモードが継続しないことに対応する非継続演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。例えば、ATモードへ移行してからストック抽選に当選しないままBB入賞が成立し、ステップS1905の継続抽選に非当選となった場合、ATモード移行時にセットされた継続フラグがステップS1907にてクリアされることになる。
ステップS1901にてBB入賞ゲームではないと判定した場合、ステップS1909にていずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定することにより、BB状態中であるか否かを判定する。BB状態中である場合、ステップS1910にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされていない場合とは、上記ステップS1907、ステップS1908にてBB入賞時に非継続とされ、それ用の演出が行われている場合である。この場合、ステップS1911にてストックカウンタが0であるか否かを判定する。継続フラグがセットされておらず、且つストックカウンタが1以上である場合とは、BB入賞時には非継続とされたものの、BB状態中の抽選結果対応処理(AT連荘用処理)にてストック抽選に当選した場合である。この場合、ステップS1912にて継続フラグをセットする処理を実行し、ステップS1913にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、AT継続設定処理を終了する。表示制御装置81において継続コマンドをBB状態中に受信した場合、補助表示部65やスピーカ64での非継続用の演出が継続用の演出に書き換えられて実行されるように制御する。ステップS1910にて継続フラグがセットされている場合や、ステップS1911にてストックカウンタが0である場合には、そのままAT継続設定処理を終了する。
ステップS1909にてBB状態中ではないと判定した場合、ステップS1914にて、いずれかのBB終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定することにより、今回のゲームがBB状態の終了ゲームであるか否かを判定する。上記の通り、BB終了ゲームフラグは、入賞結果対応処理の直前に実施されるボーナス状態処理にてセットされるフラグである。
終了ゲームではない場合には、そのままAT継続設定処理を終了する。終了ゲームである場合、ステップS1915にて移行許可フラグをクリアする処理を実行する。続くステップS1916では、継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、そのままAT継続設定処理を終了する。この場合、BB状態終了後もATモードも継続し、BB当選した後、入賞許可フラグがセットされた後、BB入賞を成立させることで、ステップS1901にて肯定判定して、その後の継続判定が行われることになる。
これに対して、ステップS1916にて継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1917にてATモードフラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1918にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT継続設定処理を終了する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモードが終了することの報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<有利区間のゲーム数・差枚数管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間のゲーム数や差枚数を管理したりするための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図45を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図18)におけるステップS414にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS2001では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS2001にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS2002に進む。
ステップS2002では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされている場合、ステップS2003にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、上記有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS2004にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS2005にて有利区間フラグをセットする。有利区間フラグをセットすることにより、通常区間から有利区間に移行することとなる。そして、ステップS2006にて、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものであり、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
続くステップS2007では、有利区間移行ゲーム用処理を実行する。有利区間移行ゲーム用処理は、有利区間への移行が生じたゲームにて行われる指示機能に関する処理である。
<有利区間移行ゲーム用処理>
有利区間移行ゲーム用処理について、図46のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2101では、いずれかのBB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。BB持ち越しフラグがセットされている場合、ステップS2102にて、各種テーブル記憶エリア105aから天井ゲーム数テーブルを取得する。天井ゲーム数テーブルは、図47に示すように、100ゲームから999ゲームまでの間で一の天井ゲーム数がランダムに決定されるように設定されており、100ゲーム、200ゲーム、300ゲーム、、、999ゲームといったようにおよそ100ゲーム単位で選択され易いゲーム数が設定されている。また、天井ゲーム数テーブルでは、設定値によって選択され易い天井ゲーム数が異なり、設定値が高くなるほど(出玉率が高い設定値となるほど)短い天井ゲーム数が選択され易くなるように設定されている。
ステップS2102て天井ゲーム数テーブルを取得した後は、ステップS2103にて天井ゲーム数の抽選処理を実行する。そして、抽選により決定された天井ゲーム数を、ステップS2104にて天井カウンタに入力する処理を実行してから、本有利区間移行ゲーム用処理を終了する。上記の通り、天井カウンタはAT抽選用処理にて1ゲーム毎に1ずつ減算され、0となることで、ATモード移行抽選に当選することなくATモード当選フラグがセットされる。
ちなみに、ステップS2102~ステップS2104の処理が天井ゲーム数の設定処理であり、上記ゲーム数管理処理(図43)におけるステップS1806では、天井ゲーム数テーブルの取得処理(ステップS2102)、天井ゲーム数の抽選処理(ステップS2103)及び天井カウンタの入力処理(ステップS2104)を実行する。
なお、ステップS2102にて取得する天井ゲーム数テーブルと、ステップS1806にて取得する天井ゲーム数テーブルが異なるものであってもよく、より詳しくは、有利区間移行ゲームにて設定される天井ゲーム数と、CZモード終了に伴い設定される天井ゲーム数とが異なるゲーム数であってもよく、例えば、有利区間移行ゲームにて設定される天井ゲーム数よりも、CZモード終了に伴い設定される天井ゲーム数の方が少ないゲーム数が天井ゲーム数として設定され易くなっていてもよく、その逆であってもよい。
ステップS2101にてBB持ち越しフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2105にて、いずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB状態フラグがセットされており、BB状態中に生じた有利区間への移行である場合、ステップS2106にて、各種フラグ格納エリア106dに移行済みフラグをセットしてから、ステップS2102~ステップS2104にて、上記の天井ゲーム数の設定を行い、その後、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
本実施形態では、BB入賞時とBB状態の終了時に有利区間を終了させる場合がある構成としており、移行済みフラグは、BB状態中に有利区間を移行させた場合には、当該BB状態の終了時に有利区間を終了させないようにするためのフラグである。すなわち、BB入賞時とBB終了時に有利区間を終了させ得る場合、BB入賞に伴い有利区間を終了させた後、BB状態中に有利区間へ再移行した場合であってもその後、BB終了といった有利区間の終了契機が生じ得る構成となる。そのため、BB入賞時に有利区間を終了させた(BB状態中に有利区間へ再移行させた)場合と、BB入賞時に有利区間を終了させていない(BB状態中に有利区間への移行が生じていない)場合とを区別する必要があり、上記の移行済みフラグは、それをCPU102が区別するためのフラグである。
これに対して、BB当選を持ち越しておらず且つBB状態でもない状況で有利区間への移行が生じた場合、ステップS2107にて、CZモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS2108にてCZカウンタに32を入力してから、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
すなわち、BB当選を持ち越している状況やBB状態である状況で有利区間へ移行する場合には、通常モードへ移行し、BB当選を持ち越しておらず且つBB状態でもない状況で有利区間へ移行する場合には、CZモードへ移行し、BB当選の持ち越しの有無及びBB状態か否かによって、有利区間移行時のモードが異なる。そして、通常モードよりもCZモードの方がATモード移行抽選の当選確率が高いことから、BB当選を持ち越している状況やBB状態である状況で有利区間へ移行するよりも、そうではない状況、すなわちBB当選前やBB当選ゲームにて有利区間へ移行したほうが遊技者にとって有利となる。
区間表示第1処理の説明に戻り、ステップS2002にて有利区間フラグがセットされている場合、ステップS2008に進む。ステップS2008では、ATモードフラグ又はCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、ATモードの当選報知演出が行われた後、ATモードフラグがセットされることにより、押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態となり、区間表示器の報知開始条件が成立することになる。また、本スロットマシン10では、区間表示器の報知開始条件として、押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態だけでなく、押し順報知が発生し得るATモードへの移行抽選に当選し易くなるCZモードに移行することも報知開始条件として設定されている。なお、CZモードにおいて押し順報知が発生し得る構成とし、当該CZモードに移行すること自体が押し順役当選時の押し順報知が発生し得る状態として報知開始条件成立としてもよい。
ステップS2008にてATモードフラグ又はCZモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS2009にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS2001にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS2010にて、通常モード中であるか否かを判定する。通常モードである場合には、ステップS2011にて、有利区間中の表示を終了する処理を実行する。具体的には、第8表示用セグメントN8を点灯状態から消灯状態に切り替える処理を行う。これに対して、ステップS2010にて通常モード中ではない場合、有利区間中の表示が継続される。具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。
ステップS2003にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合と、有利区間当選ゲームである場合(ステップS2007の処理を実行した後)と、押し順報知が発生し得る状況や押し順報知が発生する状態への移行抽選に当選し易い状況ではない場合(ステップS2008にてATモードフラグ及びCZモードフラグのいずれもがセットされていないと判定した場合)と、ステップS2011にて区間表示器の表示を終了した場合は、ステップS2012に進む。また、ステップS2009にて表示開始処理を実行した後と、ステップS2010にて通常モードであると判定した後は、ステップS2013にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモードフラグがセットされている場合も、ステップS2012に進む。ステップS2012では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS2013にてCZモードフラグではなくATモードフラグがセットされていると判定した場合は、ステップS2014に進む。ステップS2014では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS2012又はステップS2014の処理を実行した後は、ステップS2015にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS2016にて、ステップS2015の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a~第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS2016では、ステップS2015の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a~77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS2016の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS2015の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS516にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(ボーナス状態処理、入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS2201では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS2202にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS2202の処理を実行した後は、ステップS2203にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS2203のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップS2203のMY更新処理を実行した後は、ステップS2204にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS2205にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、ATモード開始時において、有利区間ゲーム数AGが1450となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(いずれかのBBを少なくとも1回消化する)よりも先に有利区間の上限ゲーム数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATモード開始時において、有利区間増減枚数MYが2300となっている等、このままATモードを行っても、そのATモードの終了条件(BBの上限払出数=140)よりも先に有利区間の上限増加数に達するような状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップS2206では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS2207にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS2208では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS2209にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行ってから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS2209のデータ初期化処理について、より詳しくは、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間フラグや、ATモード当選フラグやATモードフラグ、継続フラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、前兆モード用の前兆カウンタ、CZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ちなみに、上記メイン処理におけるステップS205における有利区間用情報の初期化処理も、上記ステップS2209と同様に、有利区間についての変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行うものである。
ステップS2206にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS2210に進み、いずれかのBB入賞ゲームフラグがセットされているか否かを判定することにより、今回のゲームにていずれかのBB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞が成立している場合、ステップS2211にて、ATモード当選フラグ、ATモードフラグ及び各種CZモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。すなわち、ステップS2210及びステップS2211の処理は、通常モード中であってATモード当選前のBB入賞ゲームか否かを判定する処理である。
通常モード中であってATモード当選前のBB入賞ゲームである場合には、ステップS2207に進み、ステップS2207~ステップS2209の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。これに対して、通常モード中であってATモード当選前のBB入賞ゲームではない場合には、有利区間を終了せずに、そのまま区間表示第2処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、BB入賞が成立したゲームが、有利区間中の内部モードによって当該有利区間の終了契機となったり、終了契機とならなかったりし、有利区間における通常モード中のATモード当選前のBB入賞であれば有利区間の終了契機となり、通常モード中以外のモードや通常モード中のATモード当選前であれば有利区間の終了契機とならない。このようにすることで、BB入賞をどのようなタイミング(内部モード)で成立させるか、といった点に注目させることができ、単にBBに当選させて入賞させ、BBに付随する特典を得る、といった従来のスロットマシンとは大きく異なる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
ステップS2210にてBB入賞ゲームではないと判定した場合、ステップS2212にて、いずれかのBB終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定することにより、今回のゲームがBB状態の終了ゲームであるか否かを判定する。BB状態の終了ゲームである場合、ステップS2213にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。上記の通り、継続フラグは、ATモード移行時にセットされ、ATモードを非継続とする場合に、ボーナスAT状態の開始時にクリアされるフラグである。
継続フラグがセットされている状況でのBB当選ゲームであれば、有利区間を終了させずにそのまま区間表示第2処理を終了する。また、継続フラグがセットされていない状況でのBB終了ゲームである場合、ステップS2214に進み、移行済みフラグがセットされているか否かを判定する。移行済みフラグは、BB状態中に有利区間に移行した場合にセットされるフラグである(ステップS2106)。移行済みフラグがセットされている場合には、ステップS2215にて、移行済みフラグをクリアしてから、本区間表示第2処理を終了する。この場合、有利区間は終了しない。
これに対して、継続フラグがセットされていない状況でのBB終了ゲームである場合であって、且つ移行済みフラグがセットされていない場合、ステップS2207~ステップS2209の有利区間終了用の処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。
すなわち、本実施形態においては、ATモードの継続条件が成立の有無によって、BB状態の終了が有利区間の終了契機となったり、有利区間の終了契機とならなかったりし、ATモードの継続条件が成立していない状況でのBB終了であれば有利区間の終了契機となり、継続条件が成立している状況でのBB終了であれば終了契機とならない。このように、ATモードの継続条件が成立していない場合においては、単にBB状態が終了するだけでなく有利区間も終了するようにしたことで、BB状態とATモードとの重複によるボーナスAT状態といった有利な状況の直後に有利区間すら終了し得る、といった有利度の両極端な状況が連続するようにしたことから、当該ボーナスAT状態の有利度が際立ち、その有利度の差によりボーナスAT状態の注目度を好適に高めることが可能となる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図49を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図49に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、第2小役(スイカ)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームにて有利区間が開始され(当該ゲームが有利区間移行ゲーム)、当該ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。なお、上記の有利区間移行ゲーム用処理(図46)は、当該スイカ当選に基づき有利区間に移行したゲームにおいて、有利区間に移行した後に実施される処理である。
そして、有利区間中においてATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びATモードフラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、押し順報知による恩恵を享受可能な状況であることを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。言い換えるならば、第8表示用セグメントN8が点灯していない状況においては、押し順報知は発生しないため、ゲームを潔く終了することも可能となる。
<演出設定処理>
次に、表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図50のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS2301にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS2302にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS2301にて否定判定した場合、又はステップS2302の処理を実行した後は、ステップS2303にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS306にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS2304にてベット時演出設定処理を実行する。ベット時演出設定処理では、今回のベット操作に基づく演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御するための処理を行う。
ステップS2303にて否定判定した場合、又はステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2305にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS411にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図30)にてセットされる前兆コマンドや疑似前兆コマンド、ストックコマンド、入賞許可コマンド、押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS2306にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS2305にて否定判定した場合、又はステップS2306の処理を実行した後は、ステップS2307にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図21)のステップS505にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS2308にて各停止操作時演出設定処理を実行する。各停止操作時演出設定処理では、今回の停止操作に基づく演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御するための処理を行う。
ステップS2307にて否定判定した場合、又はステップS2308の処理を実行した後は、ステップS2309にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図21)のステップS517にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図42)にてセットされるAT開始コマンド、CZ終了コマンド、AT当選報知コマンド、継続コマンド、非継続コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS2310にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS2309にて否定判定した場合、又はステップS2310の処理を実行した後は、ステップS2311にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS2311では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図55~図57の表示演出の概要図等を参照しながら説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS2306の開始時演出設定処理について、図51のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2401では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、CZモード、ATモードのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、CZモードフラグ、ATモードフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。ステップS2401では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS2402では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2403にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS2204にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA~通常リプCのいずれかであるか否かを判定する。通常リプA~通常リプCであるゲームにて押し順報知コマンドがセットされる場合とは、ATモードの開始ゲームであることを意味し、この場合、ステップS2405にて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64等を制御する。
ステップS2404にて否定判定する場合とは、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であることを意味し、この場合、ステップS2406にて第1小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64等を制御する。
ステップS2402にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS2407にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、特定役としてチャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを設定している。図34に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選においては、特定役以外の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS2408にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。特定役報知としては、例えば、図55(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。上記のように、ATモード移行当選となる確率が特定役の種類によって異なることから、特定役の種類へ高い関心が寄せられており、上記のように特定役報知が行われた場合、いずれの結果当選であるかの判別が試みられるものと考えられる。
ここで、特定役のうち、特に、チェリーA及びチェリーBと、チェリーCとでは、前者のチェリーA及びチェリーB当選となると、弱チェリーリプレイたる第9再遊技入賞が可能となるのに対して、後者のチェリーC当選となると、弱チェリーリプレイたる第9再遊技入賞の他に強チェリーリプレイたる第11再遊技入賞が可能となる、といった違いがあり、且つ、チェリーA~チェリーCのいずれであっても、チェリーこぼしリプレイたる第10再遊技入賞が可能となると、といった共通点がある。つまり、第9再遊技入賞や第10再遊技入賞が成立した場合には、チェリーA~チェリーCのいずれの当選の可能性もあり、第11再遊技入賞が成立した場合には、チェリーA~チェリーCのうちのチェリーC当選であったことが確定する。この場合、チェリーA~チェリーCのいずれの当選であるかを判別しようとするためには、第11再遊技入賞に対応する図柄を狙って、該当図柄が有効ラインに停止することでチェリーC当選であると判別でき、狙ったのにも関わらず該当図柄が有効ラインにしなければ、チェリーA又はチェリーBであると判別可能である。左リール32Lにおいて、第11再遊技入賞に対応する図柄は、「BAR」図柄である。つまり、この場合、少なくとも左リール32Lの9番目の「BAR」図柄を狙って停止操作することで、チェリーCであるか否かの判別を行うことが可能である。なお、左リール32Lの5番目の「リプレイ」図柄が中段に到達したタイミングから、左リール32Lの8番目の「BAR」図柄が中段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の停止操作が行われた場合には、左リール32Lの中段に「BAR」図柄を停止させることが可能である。
ちなみに、かかる操作態様にて操作した場合、左リール32Lにおいて第1BBや第2BBに対応する「白7」図柄を有効ラインに停止させることはできないし、左リール32LにおいてJACに対応する「赤貝」図柄を有効ラインに停止されることもできない。
ステップS2403若しくはステップS2407にて否定判定した場合、又はステップS2405、ステップS2406若しくはステップS2408の処理を実行した後は、ステップS2409に進む。ステップS2409では、連続演出設定処理を実行する。そして、ステップS2410にてボーナスAT用処理を実行し、ステップS2411にてその他の開始時演出の設定処理を行ってから、開始時演出設定処理を終了する。ステップS2411では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<連続演出設定処理>
ステップS2409の連続演出設定処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。連続演出設定処理では、前兆モードや疑似前兆モードにおいて、そのゲーム数が0となるよりも前に連続演出を実行するための処理である。連続演出は、複数のゲームに亘って一連の演出が行われるものであり、その一連の演出における結果報知として有利な結果報知と不利な結果報知とのいずれかが報知される演出である。結果報知は、例えば、一連の演出の最終ゲームに行われるように設定されており、より具体的には、例えば、主人公のキャラクタと敵キャラクタとが対決する対決演出としての連続演出では、複数のゲームに亘って当該対決演出が行われ、その結果報知として主人公のキャラクタが勝利する演出が有利な結果報知であり、主人公のキャラクタが敗北する演出が不利な結果報知である。例えば、ATモードの当選の可否を報知する連続演出では、有利な結果報知が行われるとATモード当選が報知され、不利な結果報知が行われるとATモード非当選が報知される。
さて、連続演出設定処理では、先ずステップS2501にて、今回受信している開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS2502にて、当該前兆コマンドに含まれる前兆モードの前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタに入力する処理を行う。連続演出カウンタは、前兆モードや疑似前兆モードの残りゲーム数や連続演出の開始ゲームをCPU181が把握するためのカウンタである。そして、連続演出カウンタが連続演出開始に対応する値となると、連続演出が開始される。ステップS2502の処理を実行した後は、ステップS2503にて各種フラグ格納エリア183aに前兆フラグをセットする処理を実行する。前兆フラグは、前兆モード中であることをCPU181が把握するためのフラグである。
ステップS2501にて前兆コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2504にて今回受信している開始時コマンドとして疑似前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。疑似前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS2505にて、当該疑似前兆コマンドに含まれる疑似前兆モードの疑似前兆ゲーム数を、上記の連続演出カウンタに入力する処理を行う。そして、ステップS2506にて、各種フラグ格納エリア183aに疑似前兆フラグをセットする処理を実行する。疑似前兆フラグは、疑似前兆モード中であることをCPU181が把握するためのフラグである。
ステップS2504にて否定判定した場合、又はステップS2503若しくはステップS2506の処理を実行した後は、ステップS2507に進む。ステップS2507では、前兆フラグ又は疑似前兆フラグがセットされているか否かを判定する。これらいずれかのフラグがセットされている場合には、ステップS2508にて連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS2509にて、連続演出カウンタが連続演出に対応する数であるか否かを判定する。本実施形態では、例えば、4ゲームに亘って行われる連続演出が設定されており、この場合、ステップS2509では、連続演出カウンタが0~4である場合に、連続演出に対応する数であると判定する。
連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS2510にて、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合には、ステップS2511に進み、各種テーブル記憶エリア182aから前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2513にて、前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が有利な結果報知として終了することを示す演出データとなっている。
ステップS2510にて前兆フラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、疑似前兆フラグがセットされている場合には、ステップS2512に進む。ステップS2512では、各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2513にて、擬似前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データ又は継続しないことを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が不利な結果報知として終了することを示す演出データとなっている。
ステップS2513の処理を行った後は、ステップS2514て連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合には、ステップS2515にて前兆フラグ又は疑似前兆フラグをクリアする処理を行ってから、本連続演出設定処理を終了する。ステップS2507、ステップS2509又はステップS2514にて否定判定した場合は、そのまま連続演出設定処理を終了する。
<ボーナスAT用処理>
次に、ステップS2410にて実行されるボーナスAT用処理について、図53のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2601では、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、そのままボーナスAT用処理を終了する。ATモード中である場合には、ステップS2602にてBB状態中であるか否かを判定する。ATモード中であって且つBB状態ではない状態とは、ボーナスATの開始待ちの状況であることを意味し、より具体的には、ATモードが開始されてからBB入賞までの状況や、BB状態が一旦終了し次のBB当選待ちの状況や、BB当選後、入賞許可待ちの状況である。この場合、ステップS2603にて、BB入賞待ち状態用の演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。BB入賞待ち状態用の演出は、例えば、各ゲームの抽選結果に対応する演出(抽選結果を示唆する演出)の他、ボーナスATの待ち状態であることを遊技者が明確に認識可能なように、他の状態の演出とは異なる態様の演出として設定されている。
続くステップS2604では、入賞許可コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、入賞許可コマンドは、ボーナスAT開始待ちの状況において、いずれかのBBを入賞させることが可能なゲームにて主制御装置101から出力されるコマンドであり、より詳しくは、いずれかのBBに当選しているボーナスAT開始待ちの状況において、ゲームの抽選結果が外れ結果となった場合に出力されるコマンドである。入賞許可コマンドを受信している場合、ステップS2605にて、BB入賞許可報知用処理を実行する。BB入賞許可報知処理では、BB入賞を成立させるべきタイミングであることを遊技者に把握させるBB入賞許可報知として、例えば、図55(a)に示すように、補助表示部65にて、当選しているBBの種類を報知するとともに、男性のキャラクタが「狙うんだ!!」と叫んでいる様子を表示する。当選しているBBの種類を報知する場合、例えば、第1BBに当選している場合の第1BB報知では、第1BB入賞が成立する停止出目(中ラインL2に「白7」図柄が揃って停止する停止出目)を表示し、第2BBに当選している場合の第2BB報知では、第2BB入賞が成立する停止出目(中ラインL2に左から「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止する停止出目)を表示するとよい。
ステップS2602にてBB状態中であると判定し、現状がボーナスAT状態である場合、ステップS2606に進む。ステップS2606では、各種カウンタエリア183bに設けられたBBカウンタに1を加算する処理を実行する。BBカウンタは、ボーナスATモード中のゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、より詳しくは、ATモード且つBB状態である状況にて、今回のBB状態の終了に伴ってATモードが終了するか否かを報知するうえで、各ゲームの演出内容を決定するためのカウンタである。
ここで、本実施形態におけるボーナスAT状態中の演出の概要について、図56及び図57を参照しながら説明する。
本実施形態では、ボーナスAT状態にて主人公キャラクタと敵キャラクタとのバトル演出が行われ、ATモードが継続する場合には主人公キャラクタが全ての敵キャラクタを倒して勝利する継続演出が行われ、ATモードが終了する場合には敵キャラクタを倒し切らずに主人公キャラクタが敗北する終了演出が行われる。例えば、ボーナスAT状態の1ゲーム目では、図56(a1)に示すように、マシンガンを構えた主人公キャラクタが表示された後、図56(a2)に示すように、3体のゾンビの敵キャラクタが表示される。この場合、当該バトル演出の終了時までに3体のゾンビを全て倒すことができれば継続演出となり、1体でも残れば終了演出となる。
例えば、ボーナスAT状態の2ゲーム目では、図56(b1)に示すように、主人公キャラクタがマシンガンにて攻撃を仕掛ける様子が表示された後、図56(b2)に示すように、その攻撃によって敵キャラクタの数が1体減った様子(倒した様子)が示される。また、図56(c1)に示すように、ボーナスAT状態の3ゲーム目では、更に主人公キャラクタが攻撃を仕掛け、図56(c2)に示すように、敵キャラクタの数が更に1体減った様子が示される。
その後、ボーナスAT状態の4ゲーム目では、当該バトル演出の結果報知として、上記の継続演出と終了演出とのいずれかが表示される。継続演出の場合、図57(a1)に示すように、主人公キャラクタの攻撃によって最後の敵キャラクタが吹っ飛ばされる様子が表示され、図57(a2)に示すように、主人公キャラクタが雄たけびを挙げて勝利を喜ぶ様子が示されるとともに、「WIN」といった文字表示により、当該バトル演出の結果が継続演出であることが明示される。これにより、今回のボーナスAT状態後もATモードが継続することを遊技者は明確に把握可能となる。終了演出の場合、図57(b1)に示すように、敵キャラクタが襲い掛かってくる様子が表示され、図57(b2)に示すように、主人公キャラクタが仰向けに倒れてしまう様子が表示されるとともに、「LOSE」といった文字表示により、当該バトル演出の結果が終了演出であることが明示される。これにより、今回のボーナスAT状態の終了に伴い、ATモードも終了することを遊技者は明確に把握可能となる。
ボーナスAT用処理の説明に戻り、ステップS2606にてBBカウンタの加算処理を実行した後は、ステップS2607にて各種フラグ格納エリア183aに継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグは、ボーナスAT状態の開始時(BB入賞時)において主制御装置101から継続コマンドを受信したことに基づきセットされ、次回のボーナスAT状態の開始時に継続コマンドを受信しないことに基づきクリアされるフラグであり、ボーナスAT状態中のバトル演出を継続演出とするか否かをCPU181が把握するためのフラグである。継続フラグがセットされている場合、ステップS2608にて、各種テーブル記憶エリア182aから継続用の演出テーブルを取得する。そして、ステップS2609にて、継続用の演出テーブルとBBカウンタとから、対応するボーナスAT状態用の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の演出として設定する処理を行う。継続用の演出テーブルから特定されるボーナスAT状態用の演出データとしては、特にBBカウンタが結果報知を行う4ゲーム目に対応する4である場合、図57(a)の継続演出が設定されている。
これに対して、ステップS2607にて継続フラグがセットされていない場合、ステップS2610にて各種フラグ格納エリア183aに復活フラグがセットされているか否かを判定する。復活フラグはボーナスAT状態の最中で(BB状態中に)主制御装置101から継続コマンドを受信したことに基づきセットされ、次のボーナスAT状態の開始時に継続コマンドを受信していないことに基づきクリアされるフラグである。復活フラグがセットされている場合、ステップS2611にて、各種テーブル記憶エリア182aから復活用の演出テーブルを取得する。そして、ステップS2609にて、復活用の演出テーブルとBBカウンタとから、対応するボーナスAT状態用の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の演出として設定する処理を行う。復活用の演出テーブルから特定されるボーナスAT状態用の演出データとしては、特にBBカウンタが結果報知を行う4ゲーム目に対応する4である場合、図57(b)の終了演出が設定されているととともに、BBカウンタが4よりも大きい値であってBB終了ゲームの次ゲーム開始時のベット操作までの間で、主人公キャラクタが立ち上がって再度バトルに臨む様子が表示される復活演出が設定されている。例えば、復活演出がBB終了ゲーム中に設定されている場合、図57(c1)に示すように、ATモード終了演出が行われるゲームにおいて、ATモードが終了することやATモードの継続ゲーム数や獲得メダル数の報知が行われた後、図57(c2)に示すように、上記の復活演出が行われ、遊技者は、ATモードが継続することを明確に把握可能となる。
ステップS2710にて継続フラグも復活フラグもセットされていない場合、ステップS2712にて各種テーブル記憶エリア182aから非継続用の演出テーブルを取得する。そして、ステップS2609にて、非継続用の演出テーブルとBBカウンタとから、対応するボーナスAT状態用の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の演出として設定する処理を行う。非継続用の演出テーブルから特定されるボーナスAT状態用の演出データとしては、特にBBカウンタが結果報知を行う4ゲーム目に対応する4である場合、図57(b)の終了演出が設定されている。
ここで、復活用の演出データテーブルを利用して取得される演出データと、非継続用の演出データテーブルを利用して取得される演出データとは、バトル演出の開始ゲームから結果報知が行われるゲームまでの内容が同じ内容となるように設定されており、同じ演出データを取得するようにデータテーブルが設定されている。そのため、演出データの共用化が図られている。
ステップS2609にてボーナスAT状態中用の演出を設定した後は、ステップS2613にて今回のゲームの抽選結果がJAC当選であるか否かを判定する。JAC当選である場合、ステップS2614にてJAC回避報知用処理を実行する。JAC回避報知用処理では、JAC入賞を回避させるための報知を行う処理であり、より具体的には、入賞回避報知が補助表示部65等にて行われるようにするための処理である。上記のように、有効ラインに左から「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「白7」図柄が停止するとJAC入賞を成立するところ、左リール32Lの有効ライン(中段)に「赤貝」図柄が停止不可となるタイミングでストップスイッチ42の停止操作を行うことでJAC入賞を回避することが可能である。より詳しくは、左リール32Lの0番目の「リプレイ」図柄が中段に到達するタイミングから4番目の「赤貝」図柄が中段に到達するタイミングを避けて停止操作することで、JAC入賞を回避可能である。
入賞回避報知としては、図55(b)に示すように、3つ設けられているストップスイッチ42~44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。上記のように、各ゲームの抽選結果が特定役当選である場合も、特定役報知として図55(b)の報知が行われる。JAC入賞を回避させるための入賞回避報知は、当該特定役報知と同じ内容となっており、演出データの共用化が図られている。これは、JAC入賞を回避するためのストップスイッチ42~44の操作タイミングと、特定役の種類を判別するためのストップスイッチ42~44の操作タイミングとが重複していることによるものである。つまり、本実施形態では、特定役の種類を判別するための操作タイミングにてストップスイッチ42~44の停止操作が行われると、JAC入賞を回避可能である。
ステップS2604若しくはステップS2613にて否定判定した場合、又はステップS2605若しくはステップS2614の処理を実行した後は、ステップS2615に進む。ステップS2615では、ストックコマンドを受信したか否かを判定する。ストックコマンドを受信している場合には、ステップS2616にてストック報知用処理を実行する。ストック用報知処理では、主制御装置101のストック抽選(図36参照)に当選したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。ストック報知用の演出としては、例えば、補助表示部65にて「Vストック!!」と文字表示を行うとともに、スピーカ64から「キュピピピキュイィィィン!」といった激しい電子音が発せられるように設定されており、ストック抽選に当選したことを遊技者が明確に把握可能となっている。付け加えると、ストック報知用の演出を上記のように激しい演出とすることで、当該遊技機を遊技している遊技者だけでなく、その遊技機付近に設置されている遊技機(例えば、3台隣まで)を遊技している遊技者も、上記ストック報知用の演出が行われていることを把握可能であり、それを通じて当該遊技機を遊技している遊技者の優越感を高めることが可能となっている。ステップS2615にて否定判定した場合、又はステップS2616の処理を実行した後は、ボーナスAT用処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、ステップS2310にて実行される全停止時演出設定処理について、図54のフローチャートに基づき説明する。全停止時演出設定処理は、1ゲームの終了に際して実行される演出を設定するための処理である。
ステップS2701では、AT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドを受信している場合、ステップS2702にてATモード当選報知用処理を実行する。ATモード当選報知用処理では、例えば、補助表示部65にて、「AT GET!!」と表示するとともに、それ用の効果音をスピーカ64から出力する。
ステップS2701にてAT当選報知コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2703にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップS2704にてATモード開始報知用処理を実行する。ATモード開始報知用処理では、今回開始するATモードの継続率等に応じたATモード開始演出が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。例えば、ATモード開始演出では、「AT START!!」といった文字表示を補助表示部65にて行い、その文字表示や文字表示のエフェクトの色を継続率に応じて異ならせる。
ここで、本実施形態では、ATモードへ移行した後、ボーナスAT状態への移行が許容され、その後、継続フラグがない状況でボーナスAT状態が終了すると、一旦、有利区間は終了するものの、有利区間への再移行に際して、CZモードに設定される。そして、CZモードは設定されているゲーム数内でATモード移行抽選に当選しなければ、通常モードに設定される、といったように、ATモード開始からCZモード終了まで、各状態やモードを移行させながら一連の有利な状態が実行される。上記ATモード開始演出は、かかる一連の有利な状態の開始用の演出である。
ステップS2703にてAT開始コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2705にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップS2705にてATモード終了報知用処理を実行する。ATモード終了報知用処理では、ATモードが終了することを報知するとともに終了するATモードの継続ゲーム数や獲得メダル数を報知するATモード終了演出(図57(c1)参照)が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS2705にてATモード終了報知用処理を実行した後は、ステップS2706にて、CZモード開始報知用処理を実行する。既に説明した通り、本実施形態では、継続フラグがセットされていない状況でBB状態が終了するとATモード及び有利区間が終了する。そして、このようにBB状態終了に際して有利区間が終了した後、有利区間への再移行に際して、BB持ち越しフラグがセットされておらず且つBB状態でなければ(ステップS2101及びステップS2105:NO)、CZモードに移行する構成としている。ステップS2706のCZモード開始報知用処理は、次ゲームの開始時(例えば、ベット時演出として)にCZモード開始演出が行われるように設定を行う処理である。CZモード開始報知用処理では、ATモード自体は終了してしまったものの、ATモードへの移行抽選の高確率であるCZモードへの移行が生じ、ATモードの引き戻しのチャンスであることを報知するために、例えば補助表示部65にて「復活を目指すんだ!!」といった文字表示を行うとともに、スピーカ64からそれ用の効果音を出力する。
ここで、ステップS2705にて設定するATモード終了演出と、ステップS2706にて設定するCZモード開始演出とは途切れなく実行されるように設定されており、より詳しくは、ATモード終了演出は、次ゲーム開始時のベット操作まで実施され、当該次ゲーム開始時のベット操作に基づいてCZモード開始演出に切り替わる。この場合、上記の復活用の演出テーブルから特定されるボーナスAT状態用の演出データとして、ボーナスAT状態の終了ゲームにて当該ATモード終了演出が実行されてから、次ゲーム開始時のベット操作に基づいて復活演出が実行されるパターンが設定されている。つまり、ATモード終了演出が実行された場合であっても、次ゲーム開始時のベット操作までATモードの終了は確定せず、ベット操作時に復活演出が行われればATモードは継続し、ベット操作時にCZモード開始演出が行われればATモードは終了する。このようにすることで、BB状態終了に伴い継続条件非成立であれば有利区間が終了する構成において、継続条件が成立していないことが、演出内容から明確に把握されてしまう事象を回避することができる。
付け加えると、上記のように、CZモードは、BB持ち越しフラグがセットされていない状況で有利区間に移行することで設定されるところ、CZモード開始演出は、CZモードに設定されるよりも前に当該CZモードに移行することの報知を行うものである。このようにすることで、ATモードとCZモードとが一連の有利区間であるかのように感じさせることが可能となり、CZモードに移行する場合の有利区間を、あたかも先の有利区間中の情報が引き継がれているものと思わせることができる。
ちなみに、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は、有利区間が終了するボーナスAT状態終了ゲームにおけるメダル払出の完了時にその有利区間中である旨の表示を終了する。そして、CZモードフラグがセットされることに基づいて、表示開始処理(ステップS2009)によりその表示が開始される。つまり、補助表示部65やスピーカ64における上記のATモード開始からCZモード終了までの一連の有利な状態の有利演出は、一旦、通常区間に移行する場合であっても途切れなく実行される一方、区間表示器は、通常区間に移行することに合わせて、一旦、表示を終了し、有利区間への移行に基づき再度表示が開始される。このようにすることで、有利区間の継続性を利用した不正行為を、遊技ホールの管理者等が好適に特定可能としながら、遊技者に向けた演出効果を好適に期待できるようになる。
ステップS2705にてAT終了コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2708にてCZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップS2709にて、CZモード終了報知用処理を実行する。
CZモード終了報知用処理では、CZモードが終了したことのCZモード終了演出(例えば、「残念だったな」といった文字表示やその効果音)が行われるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。なお、CZモードが終了することで上記の一連の有利な状態が終了することになり、CZモード終了演出は、当該一連の有利な状態における有利演出の終了時に実行される演出といえる。
ステップS2708にてCZ終了コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2710にて継続コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、継続コマンドは、継続条件が成立しているボーナスAT状態の開始時に主制御装置101から出力される他、ボーナスAT状態の最中に継続条件が成立した場合に出力されるコマンドである。継続コマンドを受信している場合、ステップS2711に進み、今回のゲームがボーナスAT状態の開始ゲームであるか否か、すなわちいずれかのBB入賞が成立したゲームであるか否かを判定する。ボーナスAT状態の開始ゲームである場合、ステップS2712にて、継続フラグをセットする処理を実行する。かかる処理を行うことにより、以降のボーナスAT用処理(図53)において、継続用の演出テーブルを利用した演出設定が行われる。
ステップS2711にてボーナスAT状態の開始時ではないと判定した場合とは、ボーナスAT状態の最中に継続条件が成立したことを意味する。この場合、ステップS2713にて復活フラグをセットする処理を実行する。かかる処理を行うことにより、以降のボーナスAT用処理(図53)において、復活用の演出テーブルを利用した演出設定が行われる。
ステップS2710にて継続コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2714に進み、非継続コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、非継続コマンドは、継続条件が成立していないボーナスAT状態の開始時に主制御装置101から出力されるコマンドである。非継続コマンドを受信している場合、ステップS2715にて継続フラグや復活フラグをクリアする処理を実行する。詳しくは、継続フラグがセットされている場合にはそれをクリアし、継続フラグがセットされていなければその状態を維持する。また、復活フラグがセットされている場合にはそれをクリアし、復活フラグがセットされていなければその状態を維持する。かかる処理を行うことにより、以降のボーナスAT用処理(図53)において、非継続用の演出テーブルを利用した演出設定が行われる。
ステップS2702、ステップS2704、ステップS2707、ステップS2709、ステップS2712、ステップS2713及びステップS2715のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2714にて否定判定した後は、ステップS2716にてその他の全停止時演出の設定処理を行ってから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップS2716では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<遊技進行の様子>
遊技の流れを、図58~図60のタイミングチャートを参照しながら説明する。
先ず、有利区間の開始や終了について説明する。
t1のタイミングで遊技ホールの営業開始前等に設定変更が行われる場合、上記メイン処理(図16)の有利区間用情報の初期化処理(ステップS205)にて有利区間フラグがクリアされる。その結果、有利区間は終了し通常区間に設定される。但し、上記設定変更が行われる場合であっても、各種BBに当選していることの情報(BB持ち越しフラグ)はクリアされず、BB持ち越し状態は維持される。遊技が開始され、間もなくt2のタイミングにて有利区間移行抽選に当選することによって有利区間に移行する。この場合、BB持ち越しフラグがセットされていることからして、有利区間移行ゲーム用処理(図46)では、通常モードへ移行させるとともに天井ゲーム数の設定処理(ステップS2102~ステップS2404)が行われる。t3のタイミングで、例えば、天井ゲーム数の消化を契機としてATモードへ移行したとすると、ATモードの開始ゲームにて継続フラグがセットされる(ステップS1707)。なお、ATモード当選フラグがセットされるタイミングとATモードへの移行が生じるタイミングとは若干のずれがあるものの、図ではt3としてまとめて記載している。また、ATモードへの移行に際して、区間表示器として第8表示用セグメントN8の表示が開始され、補助表示部65やスピーカ64では、ATモード開始演出が行われ、ATモード中の演出の有利演出が開始される。
その後、t4のタイミングの外れ結果であるゲームにて持ち越しているBBの入賞が許容される。この場合、区間表示第2処理(図48)では、ATモードフラグがセットされており、移行許可条件の成立している状況でのBB入賞であるため、有利区間を終了させない(ステップS2211:NO)。また、BB入賞が成立すると、AT継続設定処理(図44)においてBB入賞時の継続判定(ステップS1901~ステップS1908)が実施される。例えば、ストックカウンタが1である場合(ステップS1902:NO)や、ストックカウンタが0であっても継続抽選に当選した場合(ステップS1906:YES)、継続フラグは維持され、継続コマンドが主制御装置101から表示制御装置81へ出力される。その結果、t4のタイミングから開始されるボーナスAT状態は、継続用の演出テーブルを利用した演出が行われる。
t5のタイミングでBB状態が終了する場合、BB終了時の継続判定(ステップS1914~ステップS1918)では、ATモードを継続させるための処理が行われて、継続フラグは維持される(ステップS1916:YES)。その結果、区間表示第2処理(図48)では、継続フラグがセットされており、継続条件が成立している状況でのBB終了であるため、有利区間を終了させない(ステップS2213:YES)。
t5のタイミングでBB状態が終了した後、間もなく、t6のタイミングにていずれかのBBに当選する。その後、t7のタイミングの外れ結果であるゲームにて、t6にて当選したBBの入賞が許容される。この場合も、ATモードフラグがセットされている状況でのBB入賞であるため、有利区間は終了しない。但し、t7のタイミングのAT継続設定処理では、継続抽選に非当選となって継続条件が非成立であることを示しており、この場合、継続フラグがクリアされ(ステップS1907)、非継続コマンドが主制御装置101から表示制御装置81へ出力される。その結果、t7のタイミングから開始されるボーナスAT状態は、非継続用の演出テーブルを利用した演出が行われる。
t8のタイミングでBB状態が終了する場合であって、当該t8のタイミングまでにストック抽選に当選しなかった場合、当該t8のBB終了時の継続判定では、ATモードフラグがクリアされる(ステップS1917)。そして、区間表示第2処理(図48)では、継続フラグがセットされておらず、継続条件が成立していない状況でのBB終了であるため、有利区間終了用の処理が行われる(ステップS2213:NO)。なお、t8のタイミングで終了するBB状態中においては、有利区間への移行が生じていないため、移行済みフラグはセットされていない。また、有利区間の終了に際して、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示は終了する。これに対して、t8のタイミングにてAT終了用コマンドが主制御装置101から表示制御装置81へ出力されることから、ATモード終了演出が行われるとともに、CZモード開始演出が行われ、補助表示部65やスピーカ64でのATモード開始演出からCZモード中の演出を含めた一連の有利演出は継続される。
t8にてBB状態及び有利区間が終了した後、間もなく、有利区間移行抽選処理によって、有利区間へ再移行する(t9)。この場合、第1BBや第2BBの持ち越し前での有利区間への移行であり、有利区間移行ゲーム用処理(図46)では、CZモード移行用の処理(ステップS2107及びステップS2108)が行われる。つまり、t9にて移行する有利区間は、CZモードに設定される。その後、t10のタイミングでいずれかのBBに当選し、BB持ち越し状態となる。また、t9のタイミングでCZモードへの移行が生じる場合、区間表示器の表示も再開する。なお、補助表示部65やスピーカ64での有利演出は、t8~t9のタイミングも含めて継続されている。
CZモードにおいては、通常モードよりもATモード移行抽選の当選確率が高く設定されている。そのため、例えば、CZモード中であるt11のタイミングにて、ATモード移行抽選に当選した場合、再度、ボーナスAT状態への移行が許容される(t12)。図では、BB入賞時の継続判定(ステップS1901~ステップS1908)にて非継続であると判定された場合を示しており、t11のタイミングでセットされた継続フラグがt12のタイミングでクリアされている。
BB状態が終了するt13のタイミングにて、継続フラグがセットされていないため、当該t13にてBB状態が終了すると、有利区間も終了する。そして、t14のタイミングで、第1BBや第2BBに当選した場合、すなわち、リプ重複第1BBやリプ重複第2BB当選となった場合、当該ゲームにて有利区間に移行する。この場合、BB当選を持ち越していない状況での有利区間への移行であるためCZモードに設定される。なお、BB持ち越しフラグはBB当選ゲームにてBB入賞を成立させなかった場合に、当該ゲームの終了に際してセットされる。そのため、有利区間に移行したt14の次ゲームから、BB持ち越し状態となる(t15)。また、上記t8~t9のタイミングと同様に、t13のタイミングで区間表示器の表示は終了し、t14のタイミングで区間表示器の表示が再開される。これに対して、t13~t14のタイミングを含めて、補助表示部65やスピーカ64でのATモードとCZモードとの一連の有利演出は継続されている。
t14にて移行したCZモードが、ATモード移行抽選に当選することなくt16のタイミングにて終了すると、有利区間は維持されるものの通常モードに移行する。この場合、通常モードへの移行に際して(CZモードの終了に際して)、天井ゲーム数の設定処理が行われる(ステップS1806)。通常モードにおいては、当該設定された天井ゲーム数を消化するか、ATモード移行抽選に当選するかことによって、ATモードへ移行することになる。また、t16のタイミングで通常モードへ移行することから、区間表示器の表示は終了し、補助表示部65やスピーカ64での有利演出も終了する。
t17のタイミングで設定変更が行われる場合、上記のように有利区間フラグがクリアされるため、設定変更後は通常区間から遊技が開始される。この場合も、設定変更ではBB当選情報(BB持ち越しフラグ)はクリアされないため、持ち越し状態で遊技が開始されることになる。そうすると、t18のタイミングで有利区間へ移行する場合、CZモードではなく通常モードとして有利区間の設定が行われる。
次に、BBの入賞許可条件が成立していない状況(ATモードではない状況)でBB入賞が成立した場合の様子について、図59を参照しながら説明する。
BB持ち越し状態であるt21のタイミングで有利区間に移行すると、通常モードに設定されるとともに天井ゲーム数が設定される。上記のように、天井ゲーム数の消化(t24)によりATモードへの移行が生じるものの、ここでは天井ゲーム数の消化の前であるt22のタイミングで、BB入賞を成立させた場合を示している。この場合、区間表示第2処理では、入賞許可条件が成立していない状況でのBB入賞として、有利区間終了用の処理が行われる(ステップS2211:YES)。
BB状態においても有利区間移行抽選は行われるところ、BB状態へ移行して間もなく、t23のタイミングにて有利区間移行抽選に当選し、有利区間への移行が生じる。この場合の有利区間移行ゲーム用処理(図46)では、BB状態中の有利区間移行として、移行済みフラグのセットと天井ゲーム数の設定処理とが行われる(ステップS2105:YES)。
ここで、BB状態中においては、ATモード移行抽選は行われない(ステップS1201:YES)。また、BB状態においては天井ゲーム数のカウント(ステップS1216)も行われない。そのため、BB状態が如何に長く継続しても、そのBB状態においてATモードへの移行が生じることはないし、BB状態の各ゲームがATモードへの移行し易さに寄与することもない。しかも、ATモード中ではないBB状態においては、上記のように押し順報知は発生しないため、持ちメダルは減少することになる。つまり、ATモードに移行することなくBB状態に移行させてしまうと、遊技者に不利な事象が生じることになる。ちなみに、当該BB状態は、上限払出数である140枚のメダル払出が発生するまで継続する。
t25のタイミングでBB状態が終了する場合、継続フラグはセットされていないものの、上記のようにステップS2106にてセットした移行済みフラグによって、有利区間は終了しない。そして、BB状態が終了して、間もなく、t26のタイミングにてBB当選し、再度、BB持ち越し状態となる。
同様に、t23にて設定された天井ゲーム数となるt31のタイミングよりも前であって、ATモードへの移行が生じる前のt27のタイミングにてBB入賞を成立させると、有利区間が終了する。そして、BB状態中のt28のタイミングにて有利区間に移行し、移行済みフラグのセット及び天井ゲーム数の設定が行われる。そして、t29のタイミングでBB状態が終了すると、その後、間もなく、t30のタイミングにて、BB持ち越し状態に再移行する。
t28にて設定された天井ゲーム数となるt32のタイミングまで通常モードのゲームを消化することで、ATモード当選フラグがセットされる。但し、t28からt29までのBB状態中は天井ゲーム数のカウントは行われないため、天井ゲーム数の減算に寄与するゲームはt29からt32までのゲームである。また、上記のように、ATモード当選フラグがセットされると前兆モードに設定されるところ、ATモード当選報知前(ATモード移行前)のt33にてBB入賞を成立させると、有利区間は終了せず、ATモード当選フラグはクリアされない。但し、当該t33にて入賞させたBB状態は、ATモード中のBBではないためボーナスAT状態ではなく、メダル増加は見込めないし、当該BB状態中に前兆モードも進行しない。この場合、当該t33にて入賞させたBB状態が終了するt34のタイミングから前兆モードが再開されて、その前兆モードのゲーム数が0となるt35のタイミングにてATモード当選報知が行われる。
次に、ボーナスAT状態においてメダル増加が生じる仕組みについて、図60を参照しながら説明する。
t41のタイミングでBB持ち越し状態中に有利区間への移行が生じると、上記のように通常モードに設定されれる。t42のタイミングで、通常モード中にBB入賞を成立させると、有利区間が終了することと、BB状態中のt43のタイミングで有利区間に再移行することとは、上述の通りである。
既に説明した通り、BB状態は、JAC当選前のBB第1状態と、JAC当選後であってJAC当選を持ち越しているBB第2状態と、JAC入賞後のBB第3状態が設定されている。t42にてBB状態が開始されると、先ずBB第1状態となる。このBB第1状態では、押し順ベルの他に、JACに当選し得るものとなっている。そして、JAC持ち越しフラグがセットされていない状況では図柄数優先制御が行われることから(図29参照)、押し順ベル当選時の押し順が第1小役に合致したものであっても、第1小役以外の1枚払出となる第4小役~第27小役入賞が優先して入賞する。つまり、押し順ベル当選時に15枚払出となる第1小役入賞は成立しない。
t44のタイミングでJAC当選した場合であって、当該JAC当選ゲームにてJAC入賞を成立させることができなかった場合、JAC持ち越し状態としてBB第2状態となる。この場合、JAC持ち越しフラグがセットされていることから枚数優先制御が行われることとなり(図29参照)、押し順ベル当選時の押し順が第1小役に合致したものであれば、第1小役入賞が成立し、15枚のメダル払出を受けることが可能となる。但し、この状況は通常モードであり、押し順報知が行われないことから、押し順ベル当選時の押し順が第1小役に合致するのは稀(6分の1の確率)であり、多くのメダル増加は見込めない。
ボーナス(第1BB、第2BB、JAC)と小役や再遊技とが重複当選している場合には、小役や再遊技が優先して入賞することと、BB第2状態においては外れ結果とならないように設定されていることと(図27参照)から、BB第2状態においては、JAC入賞は成立しにくく、基本的には、一旦、BB第2状態となると、t45のタイミングのBB状態の終了時までBB第2状態が維持される。なお、BB第2状態においてJAC入賞が生じる場合とは、当選している小役を取りこぼし、且つJAC図柄を有効ラインに停止させることができた場合である。
t45にてBB状態が終了した後、間もなく、t46のタイミングにてBB持ち越し状態に再度移行する。t47のタイミングでATモードへ移行し、t48のタイミングでBB入賞を成立させた場合、ATモード中のBB状態としてボーナスAT状態が開始される。このボーナスAT状態は、上記のようにBB第1状態から開始される。t49のタイミングでJAC当選した場合、上記のようにJAC回避報知用処理(ステップS2614)にて、入賞回避報知(図55(b))が発生する。ここでは、入賞回避報知に従わず、JAC入賞を成立させた場合を示しており、この場合、t48のタイミングからBB第3状態となる。
BB第3状態においては、不問ベルの当選確率が向上することで、第1小役入賞が成立し易くなる。不問ベルには第1小役だけが対応付けられているため、当選時の押し順や優先制御に関わらず、第1小役入賞が成立することになる。そして、BB第3状態における不問ベルの当選時の第1小役出現率は、BB第1状態やBB第2状態における押し順ベル当選時の第1小役出現率よりも高いことから、押し順報知が発生しない状況下においては、BB第3状態はBB第1状態やBB第2状態よりも有利な状態といえる。
t50のタイミングでBB状態が終了し、ここでは、継続条件が成立しておらず、有利区間も終了する場合を示している。その後、t51のタイミングにて有利区間への再移行が生じ、BB当選を持ち越していない状況での有利区間移行であることから、CZモードに設定される。t52のタイミングでBBに当選し、ATモードへの移行が生じる前であるt53のタイミングでBB入賞を成立させてしまった場合、t43の場合と同様に、押し順報知が発生しないBB状態となる。
但し、t53のタイミングのBB入賞は、CZモード中のBB入賞であるため、有利区間は終了せず、CZモードは維持される。また、当該BB状態中はCZモードのゲーム数のカウントが停止される。なお、当該BB状態中においては、ATモード移行抽選は行われない。
押し順報知が発生しないため、t54のタイミングでJAC当選した場合においてJAC入賞を成立させることができないと、BB第2状態となる。つまり、t53からt54はBB第1状態であり、t54からBB状態が終了するt55まではBB第2状態である。そして、BB第2状態において押し順が第1小役に合致したものであれば、第1小役入賞が成立し得るものの、そもそも押し順報知は発生しないため、第1小役入賞の出現率は、BB第3状態のものよりも低い。
上記のように、CZモード中に移行したBB状態であっても、BB状態中はATモード移行抽選は実施されないものの、CZモードのゲーム数のカウントも行われないため(図43参照)、当該BB状態が終了するt55のタイミングでも、再度、CZモードは継続し得る。
t56のタイミングでBBに当選し、t57のタイミングでATモードへの移行が生じた場合、t58にてBB入賞を成立させると、ボーナスAT状態が開始される。t59のタイミングでJAC当選した場合、JAC回避報知用処理により入賞回避報知(図55(b))が発生する。ここでは、入賞回避報知に従って、JAC入賞を回避させた場合を示しており、この場合、t59のタイミングからBB第2状態となる。
ボーナスAT状態中のBB第2状態では、押し順ベル当選時の押し順報知に従うことで第1小役入賞を成立させることが可能となる。この場合、第1小役入賞の出現率は、押し順報知が発生しないBB第2状態の6倍となり、BB状態が終了するt60のタイミングまで、多くのメダル獲得が期待できるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
区間表示第2処理において、ATモード中に第1BB入賞や第2BB入賞を成立させた場合には有利区間を終了させずにボーナスAT状態へ移行させる一方、通常モード中に第1BB入賞や第2BB入賞を成立させた場合には有利区間を終了させる構成としたことで、ATモード中においては各BB状態をボーナスAT状態として多くのメダル増加を見込めるといった恩恵を享受できるようにし、通常モード中においてはボーナスAT状態による恩恵を享受させないようにし、BB入賞のタイミングによってBB状態での利益を大きく異ならせることが可能となる。よって、BB入賞のタイミングへの関心を高め、通常モード中においてBB当選していても、ATモードへ移行するまでBB入賞させないように待機する、といった遊技を行わせることが可能となる。
通常モードにおいてBB入賞させて、通常区間へ移行した後、有利区間へ再移行する際には、通常モードに設定される構成としている。すなわち、有利区間移行抽選処理や、有利区間移行用の区間表示第1処理は、BB状態中も実施されることから、BB入賞に基づいて有利区間が終了した後、BB状態中の有利区間移行抽選処理にて有利区間移行当選となると、有利区間への移行が生じる。この場合、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行であっても、通常モードに設定される構成としている。このように、通常モードにおいてBB入賞させてもその後に再移行する有利区間が有利となる事象を生じさせないようにし、通常モードにおいてBB入賞させないように促すことが可能となる。
しかも、有利区間の終了に際して、有利区間情報の初期化処理が行われて天井ゲーム数の消去(天井カウンタの初期化処理)が行われ、また、通常モードへ移行する際には、天井ゲーム数の設定処理が行われるところ、通常モード中にBB入賞させると、天井ゲーム数が再設定され、それまでのゲーム数が無駄となってしまう構成としている。このことからも、通常モード中にBB入賞させないように促すことが可能となっている。
ATモード中にBB入賞させた場合に移行するボーナスAT状態では、BB状態中に当選し得るJAC入賞を回避することでJAC持ち越しフラグがセットされ、そのJAC持ち越しフラグがセットされている状況で押し順ベル当選となることに基づいて、15枚払出となる第1小役入賞が成立し得るようになる構成とした。つまり、BB状態において、15枚払出となる第1小役入賞を成立させるには、押し順ベル当選時に押し順報知が発生するだけでは足りず、JAC持ち越しフラグがセットされていることも必要となる。このようにすることで、ATモードではない状況にてBB入賞させ、押し順ベル当選時にたまたま操作順序が第1小役入賞に対応したものであったとしても、JAC持ち越しフラグがセットされていなければ第1小役入賞は成立しないようになる。また、JAC持ち越しフラグがセットされている場合であっても、第1小役入賞に対応する操作順序に合致しないと第1小役入賞は成立しないため、通常モード中のBB状態にて第1小役入賞を成立させるハードルを高めることが可能となり、通常モード中においてBB入賞させないようにするとともに、ATモード中のBB状態(ボーナスAT状態)との有利度の差を大きくすることが可能となる。
AT抽選用処理では、BB持ち越しフラグがセットされているBB持ち越し状態においてATモード移行抽選を実行可能な構成とし、更に、入賞結果対応処理でも、BB持ち越し状態においてATモードへ移行させる処理を実行可能な構成としたことから、通常区間や通常モード等においてBB当選した場合、ATモードへの移行が生じるまでそのBB入賞を成立させないで維持する、といった遊技性を好適に実現することができる。
通常遊技状態において、第1BBはリプ重複第1BBにて当選となり、第2BBはリプ重複第2BBにて当選となるところ、これらの当選確率は、それぞれ約20.1分の1と約6.7分の1であり、合計すると約5分の1である。かかる確率は、通常リプA~通常リプC、チャンス目A~チャンス目C及びチェリーA~チェリーCのいずれかのリプレイに当選する確率(約7.30分の1)よりも高い確率であり、BB状態の終了後は比較的高確率でいずれかのBBに当選する構成といえる。このような構成とすることで、ボーナスAT状態の連荘性を好適に実現することができる。
ATモード移行抽選の契機となるチェリーA~チェリーCは、ATモード移行抽選においてその当選確率が大きく異なっている。そのため、いずれのチェリーを契機としてATモード移行抽選が行われたかに遊技者の関心が寄せられる可能性が高い。チェリーA~チェリーCは、その入賞態様がそれぞれ異なっており、いずれのチェリー入賞であるかを判別するには、左リール32Lに「BAR」図柄を狙って停止操作する必要がある。かかる左リール32Lに「BAR」図柄を狙って行う操作態様は、第1BB入賞や第2BB入賞に対応する「白7」図柄を有効ラインに停止させることができない操作態様である。このようにすることで、ATモードへの移行を心待ちにしている遊技者が、誤って第1BB入賞や第2BB入賞を成立させてしまう事象の発生を好適に抑制することが可能となる。
ATモード当選フラグがセットされている状況であれば、BB入賞が通常モードであっても有利区間を終了させない構成とした。このようにすることで、せっかくATモードに当選しているのにもかかわらず、誤ってBB入賞させてしまったため有利区間が終了してATモード当選も消滅してしまう、といった不都合を発生させないようにすることができる。但し、ATモード当選フラグがセットされている状況であっても、BB入賞を成立させた場合、ATモードフラグはセットされる前であるため、ボーナスAT状態として恩恵は享受できない。このようにすることで、ATモード当選を早期に察知できた遊技者と、察知できない遊技者との公平性が担保されるし、ATモードに当選しているか否かといった前兆モードや疑似前兆モード中の演出を最後まで楽しませることが可能となる。
本実施形態ではBB状態の終了に際して有利区間を終了させ、通常区間に移行させる構成としているところ、有利区間へ再移行する際に、BB持ち越しフラグがセットされていないことを条件としてCZモードに設定する構成としている。このようにすることで、ボーナスAT状態の終了に際して、一旦、有利区間を終了させつつ、直後に、有利区間に再移行する場合にはBB持ち越しフラグがセットされていないためCZモードに設定されるようになり、ボーナスAT状態の後にCZモードに設定されるようにすることが可能となる。
そして、有利区間移行時にBB持ち越しフラグがセットされている場合には通常モードに設定する構成としていることから、例えば、ATモード中に遊技ホールの閉店を迎えた場合、その後、設定変更によって有利区間用情報の初期化処理が実行されれば、ATモード中の情報を消去して次の日に当該ATモード中の情報を持ち越さないようにすることが可能であり、その際に、通常区間に設定されたとしても、BB持ち越しフラグさえ維持されていれば、朝一にCZモードに設定されてしまうことを回避することが可能である。
これに対して、リセットスイッチ72を操作しながら遊技機の電源を投入すると、メイン処理ではRAMクリア処理が実行されることから、有利区間用情報だけでなく、BB持ち越しフラグやBB状態フラグ等、RAM106に記憶されている各種情報が初期化される。この場合、電入後は、通常区間となり、且つBB持ち越しフラグがセットされていない状況となるため、その後に有利区間移行が生じる場合は、CZモードに設定される可能性が高い。このようにすることで、朝一状態等で、CZモードに設定されにくくしたり、CZモードに設定され易くしたりする設定を、遊技ホールの管理者が行うことが可能となり、遊技機の仕様をうまく利用して遊技設定を行うことが可能となる。
また、例えば、遊技ホールの営業中に、ATモード中において遊技機の不具合が生じた場合等、遊技機の電源を一旦遮断する(電断状態とする)必要がある場合であっても、設定変更さえ行わなければ(設定キー挿入孔73のON操作を行わなければ)、メイン処理において有利区間用情報の初期化処理は実行されないため、ATモード中の情報は維持されるし、BB持ち越しフラグも維持される。この場合、電源遮断前のATモード中の情報を引き継いだまま遊技を再開することが可能である。
更に、本実施形態では、継続フラグがセットされていない状況でのBB状態終了時に有利区間を終了させるようにした。このようにすることで、ATモードの終了に際して、BB持ち越しフラグがセットされていない状況で有利区間が終了され、再度、有利区間に移行する場合には、BB持ち越しフラグ無しでの有利区間移行として、CZモードに設定されることになる。これにより、ATモード終了後の引き戻しモードを、有利区間を一旦終了させながら実現することが可能となり、通常モードよりも実質的に有利な状態(ATモード及びCZモード)を有利区間を跨いで継続させる、といった遊技性を実現できる。そして、このような有利区間を跨いで実質的に有利な状態が継続し得る構成とすることで、上限ゲーム数や上限増加枚数といった強制終了条件により強制終了が行われる有利区間であっても、上記の有利な状態がこれら上限ゲーム数や上限増加枚数を超過することが許容されるようになる。
BB状態の終了に際して有利区間を終了する場合、ATモード終了演出に続けてCZモード開始演出が行われるようにした。すなわち、CZモード移行前であるBB終了ゲームにてCZモード開始演出を実行する構成とした。このようにすることで、有利区間を跨いで有利な状態が継続していることを、遊技者に意識させることなく遊技を楽しませることが可能となる。
これに対して、BB状態の終了に際して有利区間を終了する場合、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示は終了し、有利区間への移行に際してCZモードに設定する場合には移行時に表示が開始される構成とした。つまり、上記のように、補助表示部65やスピーカ64での有利な状態についての有利演出は有利区間を跨いで継続する一方、区間表示器による表示は、有利区間を跨いで継続せず、有利区間の終了に際して、一旦、表示を終了する構成としている。このようにすることで、有利区間が終了していることを、例えば、遊技ホールの管理者等は確認することができ、実質的に有利な状態のゲーム数や増減枚数が、有利区間の上限ゲーム数や上限増加枚数に縛られることなく超過し得ることを利用した不正行為を発見する際の手助けとすることが可能となる。
継続フラグがセットされている状況であれば、BB状態の終了に際して有利区間を終了させないようにしたことから、BB終了後、再度BB当選させることで、ボーナスAT状態に再移行させることができ、小役確率(JAC確率)が変化し得るボーナス状態としての第1BB状態や第2BB状態をボーナスAT状態として連荘させる、といった面白みのある遊技性を実現することができる。
継続フラグがセットされていない状況でBB状態が終了する場合に有利区間を終了させる構成において、BB入賞時に有利区間を終了させた場合には、当該入賞させたBB状態の終了時には再度有利区間を終了させないようにした。より詳しくは、BB状態中に有利区間に移行した場合には、入賞時に有利区間が終了された場合であり、この場合、有利区間移行時に移行済みフラグをセットする構成とし、BB状態の終了時に継続フラグがセットされていなくても、移行済みフラグがセットされている場合には有利区間を終了させないようにした。これにより、有利区間を不必要に終了させることなく、不要な処理を排除して、処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
BB持ち越しフラグがセットされていない状況で有利区間に移行する場合、CZモードに設定される構成において、リプ重複第1BBやリプ重複第2BBといった、有利区間の移行契機役としての第1再遊技と重複結果を契機として各BBに当選となる構成とし、通常区間において第1BBや第2BBの当選ゲームで有利区間に移行する構成とした。このようにすることで、通常区間であって、BB持ち越しフラグがセットされていない状況からは、第1BBや第2BBの重複結果を契機として有利区間に移行する場合であっても、第1BBや第2BBとは重複しない他の有利区間移行の契機結果(通常リプA等)を契機として有利区間に移行する場合であっても、いずれもCZモードに設定されるようになる。これにより、ATモード終了時に有利区間を終了させたのにもかかわらず、CZモードに設定されないといった不都合を生じさせないようにすることができるし、ATモード終了に際して事前にCZモード開始演出を実行したのにもかかわらず、CZモードに設定されないといった不都合を生じさせないようにすることができる。
<変形例1>
本変形例では、ATモードにおけるBBの入賞許可条件の成立し易さが、当選しているBBの種類によって異なる。図61は、本変形例におけるボーナスAT開始用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、ボーナスAT開始用処理は、抽選結果対応処理(図30)にいて、ATモードに当選している状況で実施される処理(ステップS1006)である。
ステップS2801ではBB状態であるか否かを判定する。BB状態である場合には、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。BB状態ではない場合、ステップS2802に進み、ATモード中であるか否かを判定する。ATモード中ではない場合には、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。BB状態ではなく、且つATモード中である場合、ステップS2803に進み、移行許可フラグがセットされているか否かを判定する。
移行許可フラグがセットされていない場合、ステップS2804にて、いずれかのBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BBに当選している場合、ステップS2805に進み、当選しているBBの種類を把握する処理を実行する。ステップS2804にていずれのBB当選フラグもセットされていない場合と、ステップS2805の処理を実行した後は、ステップS2806にて、ストックカウンタを確認することで、現状のストック数を把握する。そして、ステップS2807にて、各種テーブル記憶エリア105aから移行許可抽選テーブルを取得する処理を実行し、ステップS2808にて、移行許可抽選処理を実行する。移行許可抽選処理では、BBの入賞許可条件を成立させるか否かの移行許可抽選を行う。
移行許可抽選テーブルは、図62に示すように、BB当選の有無と、BB当選している場合には当選しているBBの種類と、ストック数と、ゲームの抽選結果とによって、移行許可抽選の当選確率が異なっている。具体的には、BB当選している場合の方がBB当選していない場合よりも移行許可抽選に当選し易く、BB当選している場合においては、第1BBに当選している場合よりも第2BBに当選している場合の方が移行許可抽選に当選し易く、また、ストックが少ない場合(ない場合)の方がストックが多い場合(ある場合)よりも移行許可抽選に当選し易くなるように設定されている。つまり、第2BBに当選しており、且つストックが少ない場合が最も移行許可抽選に当選し易く、いずれのBBにも当選しておらず、且つストックがある場合が最も移行許可抽選に当選しにくくなっている。
なお、本実施形態では、ゲームの抽選結果に関わらず、移行許可抽選の当選確率が一律となっているが、抽選結果によって当選確率が異なる構成としてもよい。また、本実施形態では、外れ結果でも移行許可抽選を行う構成としているが、外れ結果では移行許可抽選を行わない構成としてもよく、逆に、外れ結果では移行許可抽選を行う一方、他の小役や再遊技結果では移行許可抽選を行わない構成としてもよい。
ステップS2808にて移行許可抽選処理を実行した後は、ステップS2809にて、移行許可抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合、ステップS2810にて移行許可フラグをセットする処理を実行する。
ステップS2803にて移行許可フラグがセットされていると判定した場合、ステップS2809にて移行許可抽選に非当選であると判定した場合、又はステップS2810にて移行許可フラグをセットする処理を実行した後は、ステップS2811に進む。ステップS2811では、いずれかのBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。いずれかのBBに当選している場合、ステップS2812にて、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であるか否かを判定する。ステップS2812の処理は、上記ステップS1504の処理と同様であり、BB入賞を成立させることが可能なゲームか否かを判定する処理である。
外れ結果ではない場合には、そのままボーナスAT開始用処理を終了する。外れ結果である場合、ステップS2813にて、上記の移行許可フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS2814にて入賞許可コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ボーナスAT開始用処理を終了する。移行許可フラグがセットされていない場合、ステップS2815にて入賞回避コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ボーナスAT開始用処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ATモードに移行した場合であっても、移行許可抽選に当選しなければ、BB持ち越し状態中の入賞許可コマンドは出力されない。また、移行許可抽選は、BB当選前から実施される。
次に、本変形例におけるAT連荘用処理について、図63のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2901では、いずれかのBB状態であるか否かを判定する。BB状態ではない場合、ステップS2902にて、移行許可フラグがセットされているか否かを判定する。移行許可フラグがセットされていない場合、ステップS2903~ステップS2918にてストック抽選用の処理を実行する。ステップS2903~ステップS2918の処理は、上記ステップS1403~ステップS1418の処理と同様である。
但し、本変形例では、ステップS2902にて移行許可フラグがセットされている場合、ステップS2919にて、いずれかのBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS2907に進む。既に説明した通り、ステップS2907は、ATモード当選報知後であってATモード移行前のストック抽選テーブルを取得する処理であり、ストック抽選の当選確率が比較的高いテーブルにてストック抽選を行うための処理である(図37)。
上記のように、本変形例では、BB当選前から実施される移行許可抽選に当選することで移行許可フラグがセットされ得る構成としている。そして、BB当選前に移行許可フラグがセットされている状況を、比較的ストック抽選に当選し易くすることで、BB当選前に移行許可当選となることで、ストック抽選を受ける機会が少なくなることへの代償とすることができる。
また、上記のように、本変形例では、第1BBに当選している状況と第2BBに当選している状況とでは、第2BBに当選している状況の方が移行許可抽選に当選し易くなっている。そのため、第2BBに当選している状況のほうが、比較的速やかにボーナスAT状態が開始されることとなり、ボーナスAT状態間のBB入賞待ちの状況による持ちメダルの減少を抑制することが可能となる。但し、ボーナスAT状態の開始待ちの状況においても、上記のようにストック抽選が行われる構成であるから、第1BBに当選している状況と第2BBに当選している状況とを比較すると、ストック抽選を多く受けるといった観点では第1BBに当選している状況の方が遊技者は好ましいものとなる。このようにすることで、例えば、ストック数が少ない場合や、ATモードに移行したての序盤の状況においては、ストック数を多くすべく第1BBに当選することに期待させ、ストック数が十分に多い状況や、有利区間の上限に近い状況等においては、ボーナスAT状態間の持ちメダルの減少を抑制すベく、第2BBに当選することに期待させることが可能となる。このようにすることで、状況に応じて期待させるBBを異ならせ、遊技の多様化が図られるとともに、遊技者の多様なニーズに応じた遊技を提供可能となる。
図64は、本変形例における、ボーナスAT用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記第1の実施形態におけるボーナスAT用処理と比較して、BB入賞待ち状態での処理の内容が異なっている。すなわち、ステップS3001~ステップS3003は上記ステップS2601~ステップS2603と同様であり、ATモード中であって、BB状態ではない状況での、演出設定処理を行う(ステップS3003)。その後、ステップS3004では、入賞許可コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS3005にてBB入賞許可報知用処理を実行する。この場合、図55(a)に示す、入賞許可報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われる。
入賞許可コマンドを受信していない場合、ステップS3006にて、入賞回避コマンドを受信しているか否かを判定する。入賞回避コマンドを受信している場合、ステップS3007にて、BB入賞回避報知用処理を実行する。BB回避報知用処理では、BB入賞を回避させるための報知を行う処理であり、より具体的には、入賞回避報知が補助表示部65等にて行われるようにするための処理である。上記のように、有効ラインに左から「白7」図柄、「白貝」図柄、「チェリー」図柄が停止すると第1BB入賞を成立し、左から「白7」図柄、「白貝」図柄、「BAR」図柄が停止すると第1BB入賞を成立するところ、左リール32Lの有効ライン(中段)に「白7」図柄が停止不可となるタイミングでストップスイッチ42の停止操作を行うことで第1BBや第2BBの入賞を回避することが可能である。より詳しくは、左リール32Lの19番目の「白貝」図柄が中段に到達するタイミングから3番目の「白7」図柄が中段に到達するタイミングを避けて停止操作することで、第1BBや第2BBの入賞を回避可能である。
BB入賞を回避させるための報知としては、図55(b)に示す、入賞回避報知が行われるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。上記のように、各ゲームの抽選結果が特定役当選である場合や、JAC入賞を回避するための報知も、図55(b)の報知が行われる。BB入賞を回避させるための入賞回避報知も、JAC入賞を回避させるための入賞回避報知や、特定役報知と同じ内容となっており、演出データの共用化が図られている。これは、第1BB入賞や第2BB入賞を回避するためのストップスイッチ42~44の操作タイミングと、特定役の種類を判別するためのストップスイッチ42~44の操作タイミングやJAC入賞を回避するためのストップスイッチ42~44の操作タイミングとが重複していることによるものである。つまり、本実施形態では、特定役の種類を判別するための操作タイミングにてストップスイッチ42~44の停止操作が行われると、JAC入賞だけでなく第1BB入賞や第2BB入賞を回避可能である。
このように、特定役の種類を判別可能な操作態様にて操作を行うことで、JACだけでなく、第1BBや第2BB入賞を回避することが可能となる。これにより、遊技に慣れていない遊技者が、誤って第1BB入賞や第2BB入賞を成立させてしまって不利益を被ることを回避することが可能となる。
以上のように、本変形例では、第1BBや第2BBに当選している状況で、直ぐにボーナスAT状態への移行が許容されるのではなく、移行許可抽選に当選することで、ボーナスAT状態への移行が許容される構成としたことから、ボーナスAT状態の連荘性により多くのメダル獲得を可能としながらも、かかる移行許可抽選の当選確率をうまく調節することで、メダルの増加スピードやボーナスAT状態間の移行許可待ち状態でのメダルの減少スピードをうまく調節することが可能となる。
この場合、第1BBに当選している状況と、第2BBに当選している状況とで、各BB入賞を可能とする外れ結果となる確率は共通しているものの、上記の移行許可抽選の当選確率を異ならせたことにより、各BBの持ち越し状態用の抽選テーブルを個別に設定することなく、各BB当選時のメダルの増減スピードをそれぞれ異ならせることが可能となる。
なお、第1BBに当選している状況と、第2BBに当選している状況とで、各BB入賞を可能とする外れ結果となる確率は完全に同じでなくてもよく、遊技者が識別困難な程度に異なっていてもよい。この場合、かかる第1BBに当選している状況と、第2BBに当選している状況との外れ結果となる確率差よりも、第1BBに当選している状況と、第2BBに当選している状況との移行許可抽選の当選確率の確率差の方が大きくなるようにするとよい。
ここで、通常モードからATモード移行抽選を経てATモードに移行し、ATモード移行後、移行許可抽選を経てボーナスAT状態への移行が生じ得る構成であることから、ボーナスAT状態への移行を生じさせるためには、ATモード移行抽選と、移行許可抽選といった複数の抽選にて当選する必要がある。このようにすることで、ボーナスAT状態へ移行させることの困難性が高まり、ATモード移行抽選にすら当選していない状態(通常モード)や、ATモード移行抽選には当選しているけど移行許可抽選には当選していない状態(ATモード且つボーナスAT状態前)といったように、複数の状態を経てボーナスAT状態へ移行させることを、各状態も含めて、存分に楽しませることが可能となる。
このような複数段階の状態を経て、ボーナスAT状態へ移行させる構成において、上記変形例では、第2BBを持ち越している状況の方が第1BBを持ち越している状況よりも移行許可抽選に当選し易くなるようにしていることから、例えば、第2BBを持ち越している状況でATモードに移行した後は、第1BBを持ち越している状況でATモードに移行した場合よりも、比較的早期にボーナスAT状態への移行が生じるようになる。しかも、ボーナスAT状態とボーナスAT状態との間においても、第2BBに当選した場合の方が、第1BBに当選した場合よりも早期にボーナスAT状態へ移行することになり、ボーナスAT状態における連荘スピードは第2BB当選時の方が優れている。このようにすることで、当選するBBによって、ATモード移行後やボーナスAT状態間のゲーム数や持ちメダルの減少数を調節することが可能となり、遊技の多様化を通じて遊技の興趣向上が図られる。
いずれかのBBに当選し、且つ移行許可抽選に当選した後はストック抽選が行われないことから、移行許可抽選に当選し易いほど、ストック抽選が行われる回数が少なく、ストック抽選には当選しにくくなる。つまり、移行許可抽選の当選しにくいほど、ストック抽選に当選し易くなる。このようにしたことから、ATモード移行後やボーナスAT状態間のゲーム数が長くなることによって、持ちメダルが減少し得る点を、連荘数(ストック数)によってうまくフォローすることができる。また、例えば、ストック数が少ない状況では、移行許可抽選に当選しにくく、ストック抽選を多く受けられる可能性が高い第1BBに当選すること(第1BBに当選していること)を期待し、ストック数が多い状況では、持ちメダルの減少を抑えるべく第2BBに当選すること(第2BBに当選していること)を期待する、といったように、ストック数によって当選を期待するBBの種類を異ならせることができ、遊技の面白みが向上する。
そして、各ゲームの抽選処理にて第1BBの当選確率と第2BBの当選確率とが異なっており、これら第1BBと第2BBの当選確率を調節することで、ボーナスAT状態間の持ちメダル数を調節したり、連荘数を調節したりすることが可能である。ちなみに、上記のように、本実施形態では、第1BBよりも第2BBの方が当選し易いことから、移行許可抽選に当選し易くストック抽選を受けられにくい第2BB持ち越し中の状況が生じ易い遊技性となり、ボーナスAT状態間の持ちメダルの減少が少ない構成となり、ボーナスAT状態とボーナスAT状態との間のゲームを含めて、ATモード中の1ゲーム当たりの期待増加枚数が比較的多くなる設定とすることができる。これに対して、第1BBの方が第2BBよりも当選し易い構成とすると、移行許可抽選に当選にくくストック抽選を受けられ易い第1BB持ち越し中の状況が生じ易い遊技性となり、一旦、ATモードへの移行が生じた場合には、比較的、長くATモードを継続させて楽しませることが可能な設定となる。
BB当選前よりもBB当選後の方が、移行許可抽選の当選確率が高くなるようにしていることから、BB当選後において、比較的速やかにボーナスAT状態へ移行させることが可能となる。また、ストック抽選の当選確率はBB当選前の方がBB当選後よりも高くなるようにしていることから、BB当選前はストック抽選に当選することを期待させ、BB当選後はボーナスAT状態までのメダル減少を抑制すべく移行許可抽選に当選することを期待させる、といったようにBB当選前後で遊技内容を大きく異ならせることができ、遊技の興趣向上が図られる。
上記の通り、移行許可抽選に当選していない状況では、押し順報知用処理(図41)において、BB状態ではないことを条件として押し順ベル当選時の押し順報知が発生する。つまり、移行許可抽選に当選していない状況でBB状態へ移行させると、ATモードであっても、押し順ベル当選時の押し順報知が発生しない。その結果、ボーナスAT状態としての恩恵を享受することができなくなり、より詳しくは、持ちメダルが減少するといった遊技者にとっての不利益が発生する。このようにすることで、ATモードに移行した後や、ボーナスAT状態とボーナスAT状態との間において、移行許可抽選に当選するまでBB入賞を遅延させることが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ATモード移行抽選に当選した場合、ATモード当選報知が行われる前に、第1BBや第2BBの入賞が許容される場合がある。先ず、図65を参照しながら、本変形例において設定されている入賞態様や抽選テーブルの変更点について説明する。
図65(a)に示すように、本変形例では、入賞態様として、上記第1の実施形態のものに加えて、第12再遊技と第13再遊技とが設定されている。第12再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインに停止することで入賞が成立する。第12再遊技は、左リール32Lの対応図柄が、第1BBの対応図柄と異なっており、中リール32Mと右リール32Rとの対応図柄が第1BBの対応図柄と共通している。そのため、第12再遊技は、第1BBテンパイ外れとなる入賞態様とも称することができる。
第13再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインに停止することで入賞が成立する。第13再遊技は、左リール32Lの対応図柄が、第2BBの対応図柄と異なっており、中リール32Mと右リール32Rとの対応図柄が第2BBの対応図柄と共通している。そのため、第13再遊技は、第2BBテンパイ外れとなる入賞態様とも称することができる。
図65(b)に示すように、本変形例においてインデックス値IV=1,2の通常リプA,通常リプBに当選となった場合には、上記第1の実施形態の各再遊技等に加え、第12再遊技と第13再遊技にも当選する。より詳しくは、通常リプAに当選となる場合に第1再遊技及び第2再遊技に加えて第12再遊技にも当選し、通常リプBに当選となる場合に第1再遊技、第2再遊技及び第3再遊技に加えて第13再遊技にも当選する。そして、第12再遊技及び第13再遊技は、通常リプA,通常リプBの当選時において、右リール32Rからストップスイッチ42~44が停止操作された場合に入賞が成立するように、設定されている。
図66は、本変形例におけるAT抽選処理のフローチャートの一部を示している。
本変形例では、ステップS1206にて有利区間フラグがセットされている場合や、ステップS1207にて有利区間当選ゲームフラグをセットした後、又は、ステップS1217にて天井カウンタが0である場合には、ステップS3101に進む。ステップS3101では、ステップS1208と同様に、ATモード当選フラグをセットする。続くステップS3102では、ステップS1209と同様に、継続率抽選処理を実行し、ステップS3102では、ステップS1210と同様に、継続率フラグをセットする処理を実行する。
ステップS3104では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定することにより、CZモード中であるか否かを判定する。CZモード中ではない場合には、ステップS3105~ステップS3108にて、上記ステップS1211~ステップS1214と同様に、前兆モードの設定用の処理を行ってから、AT抽選用処理を終了する。
CZモード中である場合、ステップS3109に進み、直移行抽選処理を実行する。直移行抽選処理は、ATモード当選フラグがセットされた場合において、前兆モードやATモード当選報知演出を介することなく、直接、ボーナスAT状態を開始可能とするための直移行抽選を実行する処理である。直移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから、直移行抽選テーブルを取得するとともに、当選しているBBの種類に応じて、直移行抽選を行う。直移行抽選テーブルは、図66(b)に示すように、第1BBに当選している場合のほうが、第2BBに当選している場合よりも、直移行抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、直移行抽選処理が行われる時点において、いずれのBBにも当選していない状況であれば、直移行抽選に非当選となるように設定されている。
ステップS3109にて直移行抽選処理を実行した後は、ステップS3110にて直移行抽選に当選しているか否かの判定を行う。非当選である場合、ステップS3105に進み、上記の前兆モードの設定用の処理を行ってから、AT抽選用処理を終了する。直移行抽選に当選している場合、ステップS3111にて直移行報知フラグをセットしてから、AT抽選用処理を終了する。直移行報知フラグは、上記の直移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。
図67を参照しながら、本変形例におけるボーナスAT開始用処理を説明する。
本変形例では、ATモードフラグがセットされていない場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS3201にてBB状態ではないと判定し、ステップS3202にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合において、ステップS3203にてATモードフラグがセットされている場合は、上記ステップS1504~ステップS1506の処理と同様に、ステップS3204~ステップS3206にて、移行許可フラグをセットするとともに、入賞許可コマンドを出力設定する処理を実行する。
ステップS3203にてATモードフラグがセットされていない場合とは、ATモード当選フラグがセットされている場合であり、ATモードの開始前の状況であることを意味する。この場合、ステップS3207に進み、直移行報知フラグがセットされているか否かを判定する。直移行報知フラグがセットされている場合とは、上記の直移行抽選に当選した場合である。この場合、ステップS3208に進み、BB入賞が可能なゲームであるか否かの判定を行う。かかる処理は、上記のステップS1504の処理と同様であり、今回のゲームの抽選結果が外れ結果であるか否かを判定する処理である。外れ結果である場合、ステップS3209に進み、AT開始用フラグをセットする処理を実行し、ステップS3210にて移行許可フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS3211にて入賞示唆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、ボーナスAT開始用処理を終了する。
本変形例における、入賞結果対応処理について、図68のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3301にてゲーム数管理処理を実行した後は、ステップS3302にて、AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。AT開始用フラグがセットされている場合とは、上記のように、ATモード当選報知演出が行われてAT用報知フラグがセットされた後、通常リプA~通常リプCに当選したゲームと、直移行抽選に当選した後のBB入賞可能なゲームとのいずれかである。AT開始用フラグがセットされている場合、ステップS3303に進み、今回のゲームの遊技結果が通常リプA~通常リプCのいずれかの入賞であるか否かを判定する。通常リプA~通常リプCのいずれかの入賞である場合、ステップS3304~ステップS3309にて、上記のステップS1703~ステップS1708と同様に、ATモード開始用の処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップS3303にて通常リプA~通常リプCの入賞ではないと判定した場合とは、直移行抽選に当選している場合であり、この場合、ステップS3310に進む。ステップS3310では、いずれかのBB入賞ゲームフラグがセットされているか否かを判定することにより、BB入賞が成立しているか否かを判定する。BB入賞が成立している場合、ステップS3311~ステップS3317にてATモード開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS3311では、ATモード当選フラグをクリアする。続くステップS3312では、直移行報知フラグをクリアする。そして、ステップS3313では、AT開始用フラグをクリアする。ステップS3314では、ATモードフラグをセットし、ステップS3315では、継続フラグをセットする。ステップS3316では、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。そして、ステップS3317にて、AT継続設定処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップS3317でのAT継続設定処理は、ボーナスAT状態の開始時に継続条件の成立の有無を確認するための処理であり、より具体的には、図44におけるステップS1901~ステップS1908の処理が実行されることになる。
ステップS3310にて、BB入賞が成立していないと判定した場合、ステップS3318にて、AT開始用フラグをクリアする処理を行ってから、入賞結果対応処理を終了する。この場合、再度、BB入賞が可能なゲームとなるまで、ATモードが開始されないことになる。
ステップS3302にて、AT開始用フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3319にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合には、ステップS3320にてAT継続設定処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。また、ATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
このように、CZモード中にATモード当選フラグがセットされ、直移行抽選に当選すると、前兆モードやATモード当選報知演出や、ATモード開始からボーナスAT状態の開始までの待ち状態を介することなく、直接、ボーナスAT状態が開始される。そのため、ボーナスAT状態の開始までに生じ得る持ちメダルの減少を抑制することが可能となる。
本変形例では、上記のように、第1BBテンパイ外れの入賞態様が設定された第12再遊技と、第2BBテンパイ外れの入賞態様が設定された第13再遊技とが設けられている。そして、これら第12再遊技や第13再遊技を利用して、上記ボーナスAT状態の直移行を期待させる期待演出が行われる。かかる期待演出は、表示制御装置81のCPU181にて実行される入賞示唆報知用処理にて設定される。入賞示唆報知用処理は、例えば、開始時演出設定処理(図51)におけるその他の開始時演出の設定用の処理(ステップS2411)にて実行される処理である。
入賞示唆報知用処理では、図69(a)のフローチャートに示すように、先ず、ステップS3401にて、入賞示唆コマンドを受信しているか否かを判定する。入賞示唆コマンドは、上記のように直移行抽選に当選している状況で、BB入賞が可能なゲームにて主制御装置101から出力されるコマンドである。入賞示唆コマンドを受信している場合には、ステップS3402にて、当選しているBBを把握することで今回の報知内容を設定するともに、ステップS3403にて、入賞示唆報知演出の設定処理を行ってから、入賞示唆報知用処理を終了する。入賞示唆報知演出としては、図70(a1)や図70(b1)に示すように、図55(a)の入賞許可報知に加えて、右リール32Rから停止すべき旨を示唆するように、左向きの矢印が表示される。
例えば、第1BBに当選しており、ステップS3402にて第1BB用報知が設定されたうえで、ステップS3403の入賞示唆報知が行われた場合において、右リール32Rから第1BB入賞を狙って停止操作を行うと、図70(a2)に示すように、右リール32Rと中リール32Mにおいて、第1BB入賞に対応する図柄が有効ラインに停止する。なお、図においては、識別し易いボーナス図柄として「白7」図柄を表示しているが、図のように右リール32Rの中段に「白7」図柄が停止する場合、右リール32Rの有効ラインである上段には「チェリー」図柄が停止しており、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止する場合、中リール32Mの有効ラインである上段には「白貝」図柄が停止している。
また、例えば、第2BBに当選しており、ステップS3402にて第2BB用報知が設定されたうえで、ステップS3403の入賞示唆報知が行われた場合において、右リール32Rから第2BB入賞を狙って停止操作を行うと、図70(b2)に示すように、右リール32Rと中リール32Mにおいて、第2BB入賞に対応する図柄が有効ラインに停止する。なお、図においては、識別し易いボーナス図柄として「赤7」図柄と「白7」図柄を表示しているが、図のように右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する場合、右リール32Rの有効ラインである上段には「BAR」図柄が停止しており、中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止する場合、中リール32Mの有効ラインである上段には「白貝」図柄が停止している。
これに対して、ステップS3401にて入賞示唆コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS3404に進み、BB持ち越し状態であるか否かの判定を行う。BB持ち越し状態である場合、ステップS3405にてCZモード中であるか否かを判定する。CZモード中である場合、ステップS3406にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA及び通常リプBのいずれかの当選であるかを判定する。通常リプA及び通常リプBのいずれかに当選している場合、ステップS3407にて、疑似入賞示唆報知抽選処理を実行する。疑似入賞示唆報知抽選処理は、直移行抽選に当選していない状況で上記の入賞示唆報知演出として疑似入賞示唆報知演出を実行するか否かの抽選を行うための処理である。疑似入賞示唆報知抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから疑似入賞示唆テーブルを取得して疑似入賞示唆報知演出を発生させるか否かの抽選を行う。疑似入賞示唆テーブルは、図69(b)に示すように、第1BB用の疑似入賞示唆報知演出と第2BB用の疑似入賞示唆報知演出との当選確率が設定されており、第1BBのものの方が第2BBのものよりも当選し易くなるように設定されている。
ステップS3407にて疑似入賞示唆報知抽選処理を実行した後は、ステップS3408にて、当該抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS3409にていずれのBBに対応する疑似入賞示唆報知演出に当選したかを把握したうえで、ステップS3403にて疑似入賞示唆報知演出の設定処理を行ってから、本入賞示唆報知用処理を終了する。
この場合、第1BB用の疑似入賞示唆報知演出が設定された場合には、図70(a1)の演出が発生し、第2BB用の疑似入賞示唆報知演出が設定された場合には、図70(b1)の演出が発生する。すなわち、疑似入賞示唆報知演出と、入賞示唆報知演出とで、補助表示部65やスピーカ64での演出内容は同じ内容となっており、直移行抽選に当選し第1BB入賞や第2BB入賞を成立させてもよい状況であるか否かを、その演出内容からは判別することが困難となっている。
しかも、第1BB用の疑似入賞示唆報知演出が行われた場合において、今回の当選結果が通常リプAであり、第12再遊技に当選している場合であって、右リール32Rから第1BB入賞を狙って停止操作を行うと、図70(a2)に示すように、右リール32Rと中リール32Mにおいて、第1BB入賞に対応する図柄が有効ラインに停止する。また、第2BB用の疑似入賞示唆報知演出が行われた場合において、今回の当選結果が通常リプBであり、第13再遊技に当選している場合であって、右リール32Rから第2BB入賞を狙って停止操作を行うと、図70(b2)に示すように、右リール32Rと中リール32Mにおいて、第2BB入賞に対応する図柄が有効ラインに停止する。つまり、入賞示唆報知演出が行われた場合と、疑似入賞示唆報知演出が行われた場合とで、右リール32Rと中リール32Mとの停止図柄からは、いずれの演出であるか、すなわち、第1BB入賞や第2BB入賞が成立するか否かを判別することが困難である。
その後、左リール32Lを停止操作すると、入賞示唆報知演出が行われた場合であれば、第1BB入賞や第2BB入賞が成立して、上記のようにボーナスAT状態が開始される。これに対して、疑似入賞示唆報知演出が行われた場合であれば、第12再遊技入賞や第13再遊技入賞が成立して、ボーナスAT状態は開始されない。
以上のように、本変形例によれば、第1BBや第2BBに当選している状況でATモードへの移行抽選の当選を待つといった遊技性において、ATモード移行抽選に当選した場合、前兆モードやATモード当選報知演出を介することなく入賞示唆報知演出が行われる場合があるようにし、かかる入賞示唆報知演出が行われた際に対応するBB入賞が成立すると、ボーナスAT状態が開始されるようにした。このようにすることで、前兆モード等を介さない分だけボーナスAT状態が開始されるまでの持ちメダルの減りを抑制することが可能となり、前兆モードを介する場合とそうではない場合とがあるようにすれば、持ちメダルの増減態様や第1BBや第2BBの入賞許可待ちの状況での遊技の多様化が図られる。
そのうえで、入賞態様として第1BBテンパイ外れとなる第12再遊技や、第2BBテンパイ外れとなる第13再遊技を設け、疑似入賞示唆報知演出が発生し得るようにしていることから、上記の前兆モードを介さないでボーナスAT状態が開始されるパターンの確率(直移行抽選の当選確率、入賞示唆報知演出の発生率)を高め過ぎることなく、第1BBや第2BBの入賞許可待ちの状況での遊技の興趣向上を図ることができる。
第1BBや第2BBに未当選の状況では直移行抽選に当選していても入賞示唆報知演出は発生し得ないようにしていることから、第1BBや第2BBの入賞許可待ちの状況での遊技の興趣向上を、入賞示唆報知演出によって図ることの意義をより好適に高めることができる。つまり、第1BBや第2BBに当選していない状況も含めて入賞示唆報知演出が発生し得る構成とすると、入賞示唆報知演出の意味する点に第1BBや第2BBに当選しているか否かを示唆する点も含まれるようになり、発生意義の希釈化が懸念される。その点、上記構成のようにすることで、入賞示唆報知演出の発生意義を第1BBや第2BBの入賞許可の可否に集約させることが可能となり、発生時の注目度をより好適に高めることができる。
既に説明した通り、通常モードにおいてATモード当選フラグがセットされていない状況で第1BBや第2BB入賞を成立させた場合、有利区間が終了し得る構成としているところ、このような遊技性を前提として入賞示唆報知演出を発生させる構成とすることで、第1BBや第2BBの入賞許可条件(ATモード移行当選)が成立していると遊技者に感じさせる効果がより高められる。つまり、入賞許可条件が成立していない状況では、第1BBや第2BBの入賞が成立した場合には不利な状況へ移行するのであるから、そのような状況で遊技機側から第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることの指示演出が行われるはずがない、といった遊技者心理を利用することで、入賞示唆報知演出や疑似入賞示唆報知演出が行われた場合の期待感をより好適に高めることができる。
しかも、入賞示唆報知演出や疑似入賞示唆報知演出が発生し得るCZモードはATモード移行抽選の当選確率が通常モードよりも高いことからして、入賞示唆報知演出や疑似入賞示唆報知演出が発生した場合に、それが、入賞許可条件が成立したことに起因するものである(入賞示唆報知演出である)と思わせ易くなっている。
疑似入賞示唆報知演出が発生してBB入賞が成立しなかった場合に、自らの停止操作の失敗が原因で入賞が成立しなかったと勘違いするなどして、次ゲーム以降で再度第1BB入賞や第2BB入賞を狙って操作してこれらBB入賞を成立させてしまうことも懸念されるところ、入賞示唆報知演出や疑似入賞示唆報知演出は、入賞許可条件が成立していない状況でBB入賞を成立させても有利区間終了が制限されるCZモード中に発生する構成としている。このようにすることで、入賞示唆報知演出や疑似入賞示唆報知演出が行われた場合の期待感を高めながらも、これらの演出によって誤ってBB入賞を成立させてしまった場合の遊技者の不利益を少なくすることが可能となる。
但し、CZモード中であっても、入賞許可条件が成立していない状況でBB入賞させた場合には、ボーナスAT状態へは移行しないことから、入賞示唆報知演出や疑似入賞示唆報知演出の意義は担保されている。
一般的に、通常時においては左リール32Lから操作されることが多いことを前提とし、第12再遊技や第13再遊技を、左リール32Lの対応図柄だけ第1BBや第2BBと異ならせ、中リール32Mや右リール32Rの対応図柄を第1BBや第2BBと共通のものとし、疑似入賞示唆報知演出が発生した場合に右リール32Rから操作させる構成としたことで、通常時においては第1BB入賞や第2BB入賞が成立するのでは、といった期待を抱かせることなく、疑似入賞示唆報知演出が発生した場合の期待感を高めることが可能となる。
<変形例3>
上記第1の実施形態では、第1BBや第2BBに当選する場合、いずれも第1再遊技との重複当選として当選する構成としたが、本変形例では、第1BBと第2BBとで重複当選の有無が異なっている。
図71(a)に示すように、本変形例では、上記第1の実施形態の各入賞態様に加え、第28小役が設定されている。第28小役は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインに停止することで入賞が成立する。3ベットゲームにおいて第28小役入賞が成立すると、1枚のメダル払出が行われる。
図71(b)に示すように、本変形例の通常遊技状態用の抽選テーブルでは、インデックス値IV=25の際に当選となると、第1BB当選フラグに加えて、上記の第28小役当選フラグがセットされる。これに対して、インデックス値IV=26の際に当選となると、第2BB当選フラグだけがセットされる。そして、第1BBや第2BBは、これらインデックス値IV=25,26以外では当選しない。つまり、第1BB当選となるゲームでは、第28小役にも当選となり、第2BB当選となるゲームでは、他の小役や再遊技には当選とならない。
図71(c1)は、第1BB当選となるゲームの停止出目の一例を示し、図71(c2)は、第2BB当選となるゲームの停止出目の一例を示している。上記のように、第1BB当選となるゲームでは、第28小役にも当選する。そして、小役とBBとが重複当選している場合の停止制御では、小役に対応する図柄を優先して有効ラインに停止させるように制御することから、第1BB当選となるゲームでは、第1BB入賞に対応する図柄を狙って停止操作しても、第28小役入賞が成立することになる。また、通常区間において第28小役当選となることで、有利区間移行抽選が行われ、当該移行抽選の当選確率は本変形例では100%としている。ちなみに、第28小役は、他のインデックス値IVの際に当選となった場合には、当選フラグがセットされないように設定されており、第28小役入賞が成立するゲームは第1BB当選ゲームに限定されている。つまり、第28小役は、第1BBに当選していることを報知するとともに、当選ゲームにて第1BB入賞を成立させないようにする、所謂リーチ目役としての機能を有するものである。そうすると、第1BB当選ゲームでは第28小役入賞が成立し、それ以降の第1BBの持ち越し状態においては、外れ結果であるゲームであれば、第1BB入賞に対応する図柄を狙って停止操作すれば第1BB入賞が成立し得るものの、当該第1BB入賞に対応する図柄を有効ラインに停止できないタイミングで停止操作を行うと、いずれの結果入賞も成立しない、所謂外れ目が有効ラインに停止する。なお、第1BB当選ゲーム以降の持ち越し状態や、BB状態中においても、第28小役に当選し得るようにしてもよく、その場合、遊技状態によって当選確率が異ならないようにするとよい。
これに対して、第2BB当選ゲームでは、第2BB当選フラグだけがセットされ、第2BB入賞に対応する図柄を狙って停止操作した場合には、第2BB入賞が成立するものの、当該第2BB入賞に対応する図柄を有効ラインに停止できないタイミングで停止操作すると、いずれの結果入賞も成立しない、所謂外れ目が有効ラインに停止する。そして、第2BB当選ゲームだけでなく、それ以降の第2BBの持ち越し状態においても、外れ結果であるゲームであれば、第2BB入賞に対応する図柄を狙って停止操作すれば第2BB入賞が成立し得るものの、当該第2BB入賞に対応する図柄を有効ラインに停止できないタイミングで停止操作を行うと上記外れ目が有効ラインに停止することになる。
したがって、第1BBや第2BBの入賞を狙って停止操作していないことを前提とすると、第1BBは停止出目から当選の有無を判別することが可能である一方、第2BBは停止出目からは当選の有無を判別することが困難となる。
上記のように、本スロットマシン10においては、ボーナスAT状態の終了時において継続条件が成立していなければ、当該ボーナスAT状態の終了とともに有利区間が終了し、その後、有利区間へ再移行する場合にはBB当選を持ち越していない状況となることからCZモードへの移行が生じ得るものである。そして、第1の実施形態においては、第1BB当選ゲームや第2BB当選ゲームは、いずれも第1再遊技と重複当選し、仮に、通常区間において、有利区間移行前に重複リプ第1BBや重複リプ第2BBに当選した場合であっても、当該ゲームにて重複当選している第1再遊技によって有利区間に移行するとともに、当該ゲームでは第1BBや第2BBの当選フラグがセットされているだけで持ち越しフラグはセットされていないとしてCZモードへの移行を許容する構成としていた。
これに対して、本変形例では、通常区間において第1BBに当選する場合には第28小役当選を契機として当該ゲームにて有利区間へ移行する一方、第2BBに当選する場合には当該ゲームでは有利区間に移行しない構成となる。
以下、本変形例における、有利区間の移行と移行時のモードについて、図72のタイミングチャートを参照しながら説明する。
例えば、第1BB当選を持ち越している状況で遊技が開始され、t71のタイミングで第1BBを持ち越している状況で有利区間に移行した場合、上記のように通常モードに設定される。t72のタイミングでATモードに移行し、t73のタイミングでボーナスAT状態が開始され、継続条件が成立しないままt74のタイミングで当該ボーナスAT状態が終了したとする。この場合、上記のように、t74のタイミングで有利区間は終了する。
t75のタイミングで、インデックス値IV=25の際に当選となり、第1BB当選フラグと第28小役当選フラグがセットされた場合、当該ゲームの有利区間移行抽選にて当選となり有利区間に移行する。この場合、第1BBの当選ゲームにて有利区間に移行することになるため、持ち越しフラグがセットされていない状況での移行となり、CZモードに設定される。なお、図においては、第1BB当選ゲームと、第1BB持ち越しフラグがセットされるゲームとを同じt75のタイミングとして表示している。そして、当該第1BBに当選したゲームでは、リーチ目役としての第28小役入賞が成立することになり、遊技者は、第1BBに当選したこととともに、CZモードに設定されたこととを明確に把握することが可能となる。
t76のタイミングでATモードに移行し、t77のタイミングでボーナスAT状態が開始され、継続条件が成立しないままt78のタイミングで当該ボーナスAT状態が終了したとする。この場合も、t78のタイミングで有利区間は終了する。
t79のタイミングで、インデックス値IV=26の際に当選となり、第2BB当選フラグがセットされた場合、当該ゲームの有利区間移行抽選では当選とならず、有利区間に移行しない。そうすると、その後、t80のタイミングにて有利区間移行抽選が行われて当選となると、第2BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行となり、通常モードに設定される。そして、当該第2BBに当選したゲームでは、リーチ目役としての第28小役入賞は成立しない。
t81のタイミングでATモードへ移行し、t82のタイミングでボーナスAT状態が開始され、継続条件が成立しないままt83のタイミングで当該ボーナスAT状態が終了したとする。この場合も、t83のタイミングで有利区間は終了する。
その後、t84のタイミングで第1BB当選フラグと第28小役当選フラグがセットされると、上記と同様に、当該ゲームにて有利区間に移行することになり、CZモードに設定される。
以上のように、本変形例によれば、第28小役と重複当選となる第1BBと、第28小役と重複当選とならない第2BBとで、有利区間に移行する場合の有利度が異なり、第28小役と重複当選となる第1BBに当選した場合にはCZモードに設定され、第28小役と重複当選とならない第2BBに当選した場合には当該ゲームでは有利区間に移行せず、その後に通常モードに設定される場合がある。このようにすることで、いずれのBBに当選するかへの関心を高めるとともに、第28小役入賞を目安として、CZモードに設定されたのか通常モードに設定されたのかを遊技者は判別することが可能となる。
ちなみに、第28小役と重複当選とならない第2BBに当選した場合であっても、それよりも前にBBと重複当選とならない他の結果を契機として有利区間への移行が生じていれば、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行としてCZモードに設定されることになる。
つまり、有利区間移行とBB持ち越しフラグのセットとが行われるリーチ目役重複BBだけでなく、BB持ち越しフラグのセットだけが行われて有利区間移行が生じない単独BBを設けることで、通常区間において、BB持ち越しフラグがセットされている状況をボーナスAT状態後にも生じ得るようにすることが可能となる。これにより、ボーナスAT状態後に、CZモードに設定される場合と通常モードに設定される場合とがあるようになり、BB持ち越しフラグの有無によって有利区間移行時のモードを設定する構成における遊技性を好適に高めることが可能となる。
言い換えると、有利区間への移行契機役として、第1BBや第2BB以外の他の結果(第1再遊技~第11再遊技、第1小役~第28小役)を契機結果とすると、契機結果とBBとの重複結果と、契機結果を含む一方、BBを含まない単独結果と、を有する構成とすることで、重複結果を契機として有利区間に移行する場合と、単独結果を契機として有利区間に移行する場合とで、移行する有利区間の有利度が異なり、重複結果当選に基づいて有利区間に移行する場合にはCZモードに設定され、単独結果当選に基づいて有利区間に移行する場合には、それよりも前にBB当選していることを条件として通常モードに設定される構成となる。このような構成とすることで、有利区間移行契機となる結果への関心を高め、遊技の興趣向上が図られる。
この場合、単独結果当選に基づいて有利区間に移行する場合には、それよりも前にBB当選していなければ通常モードではなくCZモードに設定されることから、BB当選と単独結果当選の後先も含めて、有利区間移行タイミングと有利区間移行契機とへの関心を高めることが可能となる。
<変形例4>
本変形例では、通常モードのATモード移行抽選の当選確率が、第1BBを持ち越している場合と第2BBを持ち越している場合とで異なるようにする。
図73は、本変形例におけるATモード抽選テーブルの取得処理を示すフローチャートである。
ステップS3501では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされておらず、通常区間である場合には、ステップS3502にて通常区間用のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
ステップS3501にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS3503にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップS3504にて第1BB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS3505にて通常モード用の第1BB持ち越し時のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。第1BB持ち越しフラグがセットされていない場合には、ステップS3506にて通常モード用の第2BB持ち越し時のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。ステップS3503にて、CZモードフラグがセットされていると判定した場合には、ステップS3507にて、CZモード用のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
第1BB持ち越し時のATモード抽選テーブルと、第2BB持ち越し時のATモード抽選テーブルとは、図74に示すように、いずれもCZモード用のATモード抽選テーブルを用いた場合よりもATモード移行抽選に当選しにくく、且つ通常区間用のATモード抽選テーブルを用いた場合よりATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されており、更に、第1BB持ち越し時のATモード抽選テーブルを用いた場合の方が第2BB持ち越し時のATモード抽選テーブルを用いた場合よりもATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。つまり、ATモード移行抽選に当選しにくい通常モードにおいて、第1BBを持ち越している状況のほうが第2BBを持ち越している状況よりもATモードに移行し易い。
以上のように、本変形例では、持ち越しているBBの種類によって、ATモード移行抽選の当選確率を異ならせる構成としたことで、ボーナスAT状態終了後、いずれのBBに当選するかへの関心を高め、遊技の興趣向上が図られる。
ATモード移行抽選がBB当選を持ち越している状況で行われ得るものであって、ATモード移行抽選に当選することなくBB入賞を成立させると不利となる(有利区間が終了したり、ボーナスAT状態への移行が生じない)構成においては、BB入賞を成立させないようにしながらATモード移行当選を待つ遊技性となり、このような遊技性において持ち越しているBBの種類によってATモード移行抽選の当選確率を異ならせることで、BB当選前においてもATモード移行抽選への関心を高めることができる。つまり、BB持ち越しを前提とすると、いずれのBBに当選していても、直ぐに入賞させることができないのであるから、BBの種類への関心が低下することも考えられる。その点、上記構成のように、ATモード移行抽選のスタートラインとなるBB当選の種類によってATモード移行抽選の当選確率が異なるようにすれば、直ぐに入賞を成立させることができないBBであっても遊技者の関心を集めることが可能となる。
ここで、BB持ち越しフラグがセットされていない状況とは主に通常区間であり、BB持ち越しフラグがセットされている状況とは有利区間であり、ATモード移行抽選の当選確率は有利区間の方が高くなるように設定されているし(図34)、有利区間においては天井ゲーム数の設定が行われることからしても、BB持ち越しフラグがセットされていない状況よりもBB持ち越しフラグがセットされている状況の方がATモードへの移行が生じ易い状況といえる。このような前提のもと、持ち越しているBBの種類によって有利区間中のATモード移行抽選の当選確率が異なるようにすることで、BBの種類数を変更するだけで、ATモード移行抽選の当選確率を異ならせることができ、BB持ち越しフラグがセットされる状況での遊技が多様化される。
有利区間移行ゲーム用処理においては、BB持ち越しフラグがセットされていない状況でCZモードに設定する構成であるため、BB持ち越しフラグのセットはCZモードへの移行後である。このような構成であっても、ATモード抽選テーブルを異ならせるだけであるため、CZモードに設定する際に、事前に当選するBBを予測したり、BB当選時におけるBB入賞の有無を事前に予測するといったような複雑な構成を用いることなく、CZモード中のATモード移行抽選の当選確率を異ならせることが可能となる。
この場合、例えば、上記第1の実施形態における変形例1のように、通常モードやCZモードからATモード移行抽選を経てATモードに移行し、ATモード移行後、移行許可抽選を経てボーナスAT状態への移行が生じ得る構成のように、当選しているBBの種類によって移行許可抽選の当選確率が異なる構成に、本変形例におけるATモード移行抽選の当選確率を持ち越しているBBの種類によって異ならせる構成を適用すると、ボーナスAT状態への第1段階目の抽選と、第2段階目の抽選とのいずれもが、当選しているBBの種類によってその抽選確率が異なる構成となる。
上記変形例では、第1BBを持ち越している状況の方が第2BBを持ち越している状況よりもATモード移行抽選に当選し易い構成であり、このような構成において、例えば上記第1の変形例のように、第2BBを持ち越している状況の方が第1BBを持ち越している状況よりも移行許可抽選に当選し易い構成とすると、第1BBを持ち越している状況では、ATモードに移行し易い一方、ATモード移行後、ボーナスAT状態までのゲーム数が長くなり易く、第2BBを持ち越している状況では、ATモードに移行しにくいものの、ATモード移行後は、比較的速やかにボーナスAT状態に移行する、といったように、持ち越しているBBによって、遊技性が大きく異なることとなり、遊技の多様化を通じて、遊技の興趣向上が図られる。
これに対して、例えば上記第1の変形例とは逆に、第2BBを持ち越している状況よりも第1BBを持ち越している状況の方が移行許可抽選に当選し易い構成に本変形例を適用すると、第1BBを持ち越している状況では、ATモードに移行し易く、ボーナスAT状態までのゲーム数も短くなり易く、第2BBを持ち越している状況よりも、ATモード移行からボーナスAT状態までの道のりが比較的有利な状態となる。このようにしても、持ち越しているBBによって、遊技性が大きく異なることとなり、遊技の多様化を通じて、遊技の興趣向上が図られる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、有利区間の終了タイミングを上記第1の実施形態のものと異ならせる。すなわち、上記第1の実施形態では、ATモードの継続条件が成立していない状況でBB状態が終了する場合に有利区間を終了させていたところ、本実施形態では、ATモードの継続条件が成立していない状況でBB当選した場合に有利区間を終了させる。なお、通常モードにおいてBB入賞を成立させた場合に有利区間を終了させる点は、上記第1の実施形態と同様である。以下、上記の変更に伴う処理構成の変更箇所を説明する。
<AT継続設定処理>
図75は、本実施形態におけるAT継続設定処理を示すフローチャートである。
本実施形態におけるAT継続設定処理は、上記第1の実施形態のものと比較して、継続条件が成立していない状況でのBB終了時にATモードフラグをクリアしない点が相違しており、その他は第1の実施形態のものと同様である。
すなわち、ステップS3614にていずれかのBB終了ゲームフラグがセットされていると判定した場合、ステップS3615にて移行許可フラグをクリアした後、ステップS3616にて継続フラグの有無を判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合には、そのままAT継続設定処理を終了する。かかる処理は、上記第1の実施形態と同様である。これに対して、ステップS3616にて継続フラグがセットされておらず、継続条件が成立していない場合には、ATモードフラグをクリアすることなく、ステップS3617にてAT終了用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT継続設定処理を終了する。
<区間表示第2処理>
本実施形態における区間表示第2処理について、図76のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態における区間表示第2処理は、上記第1の実施形態のものと比較して、有利区間の終了条件が相違しており、その他は第1の実施形態のものと同様である。
すなわち、ステップS3706にて、有利区間の上限ゲーム数又は上限増加枚数に達していないと判定した場合、ステップS3710にていずれかのBB入賞ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。BB入賞ゲームである場合、ステップS3711にて通常モードにおけるATモード当選前のBB入賞であるか否かを判定する。通常モードにおけるATモード当選前のBB入賞である場合は、ステップS3707~ステップS3709にて有利区間終了用の処理を行う。ステップS3711にて否定判定した場合には、有利区間を終了させない。これらの処理については、上記第1の実施形態と同様である。
ステップS3710にてBB入賞ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3712にていずれかのBB当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。各BB当選ゲームフラグは、各BB当選の当選ゲームにてセットされ、当該当選ゲームの終了に際してクリアされるフラグである。BB当選ゲームである場合、ステップS3713にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされておらず、継続条件が成立していない状況でのBB当選である場合には、ステップS3707~ステップS3709にて有利区間終了用の処理を行う。BB当選ゲームではない場合や、BB当選ゲームであっても継続条件が成立している場合には、有利区間を終了させない。
ちなみに、本実施形態では、以下の有利区間移行ゲーム用処理において、BB状態中の有利区間移行時に移行済みフラグをセットする処理(ステップS2105及びステップS2106)が設けられていない。そのため、本実施形態における区間表示第2処理でも、有利区間を終了する際の移行済みフラグを確認する処理が設けられていない。これは、上記のように、第1の実施形態では、BB入賞時に有利区間を終了させた(BB状態中に有利区間へ再移行させた)場合と、BB入賞時に有利区間を終了させていない(BB状態中に有利区間への移行が生じていない)場合とを、BB終了時に区別する必要があったのに対して、本実施形態では、BB終了時に有利区間を終了しないため、そのように区別する必要がないためである。
<有利区間移行ゲーム用処理>
次に、ボーナスAT状態の終了後のCZモードへの移行を生じさせるための変更点を説明する。上記第1の実施形態では、BB終了時に有利区間を終了させる構成としていたことから、ボーナスAT状態の終了に伴い有利区間が終了する場合には、BBに当選していない状況となる。そこで、BB当選が持ち越されていない状況で有利区間への移行が生じた場合にはCZモードに設定し、BB当選が持ち越されている状況で有利区間への移行が生じた場合には通常モードに設定する構成としていた。
これに対して、本実施形態では、BB当選時に有利区間を終了させる構成としていることから、当該有利区間の終了契機となったBB当選を持ち越すと、有利区間へ移行する状況は当該BB当選が持ち越されている状況となる。そこで、本実施形態では、有利区間移行時のBB当選の持ち越しの有無によって、CZモードと通常モードのいずれに設定するかを、上記第1の実施形態とは逆の構成とする。
すなわち、本実施形態における有利区間移行ゲーム用処理では、図77のフローチャートに示すように、ステップS3801にていずれかのBB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。そして、いずれかのBB持ち越しフラグがセットされている場合には、ステップS3802~ステップS3805にてCZモードに設定するための処理を行い、BB持ち越しフラグがセットされていない場合には、ステップS3806~ステップS3808にて通常モードに設定するための処理を行う構成としており、上記第1の実施形態と逆になっている。
具体的には、ステップS3801にて、いずれかのBB持ち越しフラグがセットされていると判定した場合、ステップS3802にて、第1BB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。第1BB当選を持ち越している状況である場合、ステップS3803にて各種フラグ格納エリア106dに第1CZモードフラグをセットする処理を実行する。これに対して、第1BB当選ではなく第2BB当選を持ち越している状況である場合、ステップS3804にて各種フラグ格納エリア106dに第2CZモードフラグをセットする処理を実行する。本実施形態では、CZモードとして、第1CZモードと第2CZモードとが設定されており、第1CZモードフラグと第2CZモードフラグとは、CZモードに設定されていること、及びいずれのCZモードに設定されているかをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS3803又はステップS3804の処理を実行した後は、ステップS3805にてCZカウンタにCZモードのゲーム数に相当する「32」を入力してから、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
ステップS3801にてBB持ち越しフラグがセットされていない場合、ステップS3806にて、天井ゲーム数テーブルを取得し、ステップS3807にて天井ゲーム数の抽選処理を実行し、ステップS3808にて天井カウンタに天井ゲーム数を入力する処理を実行してから、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。ステップS3806~ステップS3808の処理は、上記ステップS2102~ステップS2104の処理と同様である。
<ATモード抽選テーブルの取得処理>
本実施形態におけるATモード抽選テーブルの取得処理について、図78のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3901では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされておらず、通常区間である場合には、ステップS3902にて通常区間用のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
ステップS3901にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS3903にて第2CZモードフラグがセットされているか否かを判定する。第2CZモードフラグがセットされていない場合、ステップS3904にて第1CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS3905にて通常モード用のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。ステップS3904にて第1CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS3906にて第1CZモード用のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。ステップS3903にて、第2CZモードフラグがセットされていると判定した場合には、ステップS3907にて、第2CZモード用のATモード抽選テーブルを取得してから、本取得処理を終了する。
第1CZモード用のATモード抽選テーブルと、第2CZモード用のATモード抽選テーブルとは、図79に示すように、いずれも通常区間用や通常モード用のATモード抽選テーブルを用いた場合よりもATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されており、更に、第1CZモード用のATモード抽選テーブルを用いた場合の方が第2CZモード用のATモード抽選テーブルを用いた場合よりもATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。つまり、第1BB当選を持ち越している状況で有利区間に移行して第1CZモードに設定された場合の方が、第2BB当選を持ち越している状況で有利区間に移行して第2CZモードに設定された場合よりもATモード移行抽選に当選し易くなっている。そうすると、継続条件が成立することなくボーナスAT状態が終了した後、第1BBに当選して有利区間が終了するか、第2BBに当選して有利区間が終了するかによって、その後のATモードの再移行(引き戻し)確率が異なっており、第1BBに当選して有利区間が終了する場合の方がATモードの再移行確率が高くなる。
ちなみに、第1CZモードに設定される場合、当該第1CZモード中にATモード移行抽選に当選する確率は約70%であり、第2CZモードに設定される場合、当該第2CZモード中にATモード移行抽選に当選する確率は約40%である。
<メイン処理>
上記のように、本実施形態では、BB当選を持ち越している状況で有利区間に移行するとCZモードに設定され、BB当選を持ち越していない状況で有利区間に移行すると通常モードに設定されため、電源投入時等において有利区間用情報の初期化処理が行われた場合、BBに当選している旨の情報(BB持ち越しフラグ)が残存すると、遊技開始直後の有利区間移行時にCZモードに設定されることになる。そこで、本実施形態では、メイン処理にて有利区間用情報の初期化処理が行われる際に、BB持ち越しフラグも消去する構成としている。
すなわち、本実施形態におけるメイン処理では、図80に示すように、ステップS4004にて設定キーのON操作がなされていると判定した場合において、ステップS4005にて有利区間用情報の初期化処理を実行した後、ステップS4006にて、持ち越し情報の初期化処理を実行する。持ち越し情報の初期化処理は、上記のBB持ち越しフラグを消去する処理である。つまり、ステップS4005にて有利区間情報の初期化処理が行われる場合、BB持ち越しフラグもクリアする構成とする。これにより、遊技開始直後にCZモードに移行する事象が生じないようになる。
ステップS4006の処理を実行した後は、ステップS4007にて当選確率設定処理を実行する。ステップS4001~ステップS4003及びステップS4008~ステップS4016の処理は、上記ステップS201~ステップS203及びステップS207~ステップS215の処理と同様であるため、説明を省略する。
<遊技の流れ>
本実施形態において有利区間が移行したり終了したりする様子を、図81のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、本明細書において、タイミングチャートのタイミング番号が実施形態を跨いで重複する場合があるが、それぞれ各実施形態特有の番号として扱うものとする。
t1のタイミングでスロットマシン10の設定値に変更(当選確率設定処理)が行われると、有利区間である旨の情報(有利区間フラグ)や、BBの持ち越し情報(BB持ち越しフラグ)が消去される。遊技開始後、t2のタイミングで、例えば、リプ重複第1BBに当選したとする。この場合、当該ゲームにて有利区間への移行が生じるため、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行となることから、通常モードに設定される。
t3のタイミングで、例えば、天井ゲーム数の消化によってATモードへ移行した場合、継続フラグがセットされ、その後、t4のタイミングでボーナスAT状態が開始される。t5のタイミングでボーナスAT状態が終了する際に、継続条件が成立している(継続フラグがセットされている)場合、当該ボーナスAT状態の終了後、t6のタイミングで再度、BBに当選しても有利区間は終了せず、当該t6のタイミングで当選したBBについて、t7のタイミングからボーナスAT状態が開始される。
t8のタイミングで継続条件が成立していない状況で当該ボーナスAT状態が終了する場合、t9のタイミングでBB当選すると、当該当選ゲームにて有利区間が終了する。その後、t10のタイミングで有利区間への移行が生じると、BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行となり、CZモードに設定される。
CZモード中にATモード移行抽選に当選する等して、t11のタイミングでATモードへ移行すると、継続フラグがセットされる。その後、t12のタイミングからボーナスAT状態が開始され、t13のタイミングで当該ボーナスAT状態が終了する。t14のタイミングで再度BB当選する際に、継続フラグがセットされていないため、当該t14のタイミングで有利区間が終了する。そして、直後のt15のタイミングで有利区間への移行が生じ、この場合、BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行であるため、t10の場合と同様に、CZモードに設定される。
CZモードの規定ゲーム数(32ゲーム)以内でATモード移行抽選に当選しなかった場合、t16のタイミングでCZモードが終了し、通常モードに移行する。この場合、天井ゲーム数の設定が行われる。その後、t17のタイミングで、設定値の変更(当選確率設定処理)が行われると、有利区間である旨の情報(有利区間フラグ)や、BBの持ち越し情報(BB持ち越しフラグ)が消去される。
ちなみに、本実施形態においても、t9~t10及びt14~t15にて、一旦、有利区間が終了する際に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示は、一旦、終了する。すなわち、t3~t9、t10~t14、t15~t16は点灯状態であり、t9~t10とt14~t15は消灯状態となる。これに対して、ATモード開始演出から、CZモード終了演出までの一連の有利演出は、t3~t16まで継続する。つまり、t8やt13のボーナスAT状態の終了に際して、ATモード終了演出が行われるとともにCZモード開始演出が行われ、有利区間を跨いで有利演出が継続されることになる。
このように、本実施形態では、BB持ち越しフラグがセットされている状況で有利区間への移行が生じるとCZモードに設定される。さらに、本実施形態では、有利区間移行時にセットされているBB持ち越しフラグの種類(当選しているBBの種類)によって、設定されるCZモードが異なっている。
すなわち、図82のタイミングチャートにおいて、t21のタイミングで移行した有利区間において、t22のタイミングでATモードに移行し、t23~t24にてボーナスAT状態が実施されたとする。t25のタイミングで、第1BBに当選した場合、継続フラグがセットされていないため、当該t25のタイミングで有利区間は終了する。その直後であるt26のタイミングで有利区間に移行する場合、第1BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行であるため、ここで設定されるCZモードは第1CZモードとなる。そして、第1CZモード中にATモード移行抽選に当選する等して、t27のタイミングでATモードへの移行が生じると、t28のタイミングから第1BB状態によるボーナスAT状態が開始される。
t29のタイミングで継続条件が成立することなくボーナスAT状態が終了し、t30のタイミングで第2BBに当選した場合、継続フラグがセットされていないため、当該t30のタイミングで有利区間は終了する。その直後であるt31のタイミングで有利区間に移行する場合、第2BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行であるため、ここで設定されるCZモードは第2CZモードとなる。そして、第2CZモード中にATモード移行抽選に当選する等して、t32のタイミングでATモードへの移行が生じると、t33のタイミングから第2BB状態によるボーナスAT状態が開始される。
t34のタイミングで継続条件が成立することなくボーナスAT状態が終了し、t35のタイミングで第2BBに当選した場合、継続フラグがセットされていないため、当該t35のタイミングで有利区間は終了する。その直後であるt36のタイミングで有利区間に移行する場合、t31の場合と同様に、第2CZモードに設定される。
CZモードの規定ゲーム数以内でATモード移行抽選に当選しなかった場合、t37のタイミングで第2CZモードが終了し、通常モードに移行する。この場合、天井ゲーム数の設定が行われる。例えば、ATモード当選前であるt38のタイミングにて第2BB入賞を成立させると、第1の実施形態と同様に、有利区間は終了する。そして、第2BB状態中のt39のタイミングで有利区間に再度移行することになり、この場合、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行となることから、通常モードに設定される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態では継続条件が成立していない状況でボーナスAT状態が終了した後、BB当選に基づいて有利区間を終了させ、通常区間に移行させる構成としているところ、有利区間へ再移行する際に、BB持ち越しフラグがセットされていることを条件としてCZモードに設定する構成としている。このようにすることで、BB当選に際して、一旦、有利区間を終了させつつ、直後に、有利区間に再移行する場合にはBB持ち越しフラグがセットされているためCZモードに設定されるようになり、ボーナスAT状態の後にCZモードに設定されるようにすることが可能となる。
そして、有利区間移行時にBB持ち越しフラグがセットされていない場合には通常モードに設定する構成とし、設定変更によって有利区間用情報の初期化処理が行われる際には持ち越し情報の初期化処理も行われるようしたため、例えば、ATモード中に遊技ホールの閉店を迎えた場合、その後、設定変更によって有利区間用情報の初期化処理が実行されれば、ATモード中の情報を消去して次の日に当該ATモード中の情報を持ち越さないようにすることが可能であり、その際に、BB持ち越しフラグもクリアされるようになるため、通常区間に設定されたとしても、BB持ち越しフラグがセットされていない状況から遊技が開始されることになり、朝一にCZモードに設定されてしまうことを回避することが可能である。
有利区間へ移行する際にセットされているBB持ち越しフラグの種類によって、ATモード移行抽選の当選確率の異なる第1CZモードに設定される場合と第2CZモードに設定される場合とがあるようにしたため、単にBB持ち越しフラグがセットされていれば良いだけでなく、当選するBBの種類もATモードの引き戻しの可否に関与するようになり、当選BBへの注目度をより好適に高めることが可能となる。
特に、当選し易い第2BBの持ち越し情報がセットされている場合に移行する第2CZモードよりも、当選しにくい第1BBの持ち越し情報がセットされている場合に移行する第1CZモードの方がATモード移行抽選に当選し易い構成としたことで、第1BBに当選することの希少性とその恩恵とのバランスを担保することができる。よって、遊技者にとっての有利度を高め過ぎないようにしながら、ボーナスAT状態後に、CZモードといった所謂ATモードの引き戻しゾーンを設定することが可能となる。
この場合であっても、第1BBと第2BBとのいずれに当選してもボーナスAT状態の有利度は同じであり、より具体的には、第1BB状態と第2BB状態との終了条件である上限払出数は共通している。このようにすることで、一旦、ATモードへ再移行さえすれば、いずれのCZモードを介していてもATモード中の有利度を共通化させることができ、メダル増加のチャンスをより平等に生じさせることができる。言い換えると、第2CZモードを介してATモードへ再移行させた場合であっても、第1CZモードを介してATモードへ再移行させた場合と同程度の利益を享受することができ、第2CZモード中の遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記第1の実施形態のようにATモードへ移行した後や、ボーナスAT状態の後、移行許可抽選を経て、持ち越し中のBB入賞が許容される構成としてもよく、この場合、第1BBを持ち越している場合と第2BBを持ち越している場合とで、移行許可抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。このようにすることで、第1CZモードを介してATモードへ再移行する場合と、第2CZモードを介してATモードへ再移行する場合とで、ボーナスAT状態自体の有利度を共通化させながらも、ボーナスAT状態移行までに要するメダル数(ゲーム数)を、それぞれの段階(CZモード、ATモード)で変化させることが可能となる。よって、遊技の多様化に大きく貢献させることができる。
本実施形態においても、第1BBや第2BBに当選となる場合を、第1再遊技と重複当選となるリプ重複第1BBやリプ重複第2BBが契機となるようにしていることから、BB当選に際して有利区間が終了する場合、当該有利区間の終了ゲームでBB入賞が成立することが制限されている。このようにすることで、有利区間の終了ゲームの次ゲームを、より確実にBB持ち越しフラグがセットされているゲームとすることができる。つまり、BB当選に基づいて有利区間を終了させるとともに、当該ゲームにてBB入賞を成立させてしまうと、通常区間においてBB状態が消化されることになり、当該BB状態中に有利区間への移行が生じ得るようになる。そうすると、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行として、通常モードに設定されることになる。その点、上記構成のように、少なくとも有利区間終了ゲームの次ゲームをBB持ち越しフラグがセットされている状況となるようにすることで、当該ゲームで有利区間移行契機となる役に当選すれば、BB持ち越しフラグ有りでの有利区間移行としてCZモードに設定することが可能となる。
ちなみに、第1の実施形態のように、BB持ち越しフラグの有無に関わらず、BB状態中に有利区間へ移行させる場合に、予め定められたモード(通常モード)に設定する構成とし、本実施形態ではBB状態中であればCZモードに設定する構成としてもよい。但し、この場合、通常モード中のBB入賞に基づいて有利区間を終了させてそのBB状態中である場合と、BB当選ゲームで有利区間を終了させ且つBB入賞させ、そのBB状態中である場合とを区別する必要があり、構成の複雑化が懸念される。
また、本実施形態における区間表示第2処理では、BB入賞ゲームが主に通常モード以外であれば有利区間を終了させない処理と、BB当選ゲームにて有利区間を終了させる処理とを有し、BB入賞ゲームで有利区間を終了させない処理の方が、BB当選ゲームにて有利区間を終了させる処理よりも優先して実行される構成としている。そのため、仮に、BB当選ゲームでBB入賞を成立させた場合は、BB入賞が、ATモードフラグがセットされている状況であることから、有利区間は終了しない。但し、第1BBや第2BBが第1再遊技と重複当選することによって、BB当選ゲームでBB入賞が成立しないことが担保されていることは上述の通りである。
<変形例1>
本変形例では、有利区間の強制終了条件との関係について説明する。既に説明した通り、有利区間は、上限ゲーム数(1500ゲーム)の消化、又は上限枚数(2400枚)の増加により強制終了される(区間表示第2処理)。例えば、ボーナスAT状態中に強制終了条件が成立した場合、本スロットマシン10では、BB状態中であるか否かに関わらず、強制終了条件の成立時に有利区間を終了させる。この場合、BB状態中に、再度、有利区間へ移行する可能性が高く、そうすると、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行となることから、通常モードに設定されることになる。なお、BB状態中に強制終了条件が成立した場合において、BB終了を待って、有利区間を終了させる構成としても、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行となることから、通常モードに設定されることになる。そこで、本変形例では、所定の条件を満たした場合には、強制終了条件成立前に、有利区間を終了させる。
すなわち、本変形例における区間表示第2処理では、図83のフローチャートに示すように、ステップS4112にていずれかのBB当選ゲームフラグがセットされていると判定した場合、ステップS4113にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされていない場合のBB当選であれば、上記第2の実施形態と同様に、ステップS4107~ステップS4109にて有利区間終了用の処理を実行する。
継続フラグがセットされている状況でのBB当選である場合、ステップS4114にて、有利区間ゲーム数AGと有利区間増減枚数MYとを把握したうえで、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数よりも特定ゲーム数(100ゲーム)だけ少ない所定ゲーム数(1400ゲーム)に達しているか、有利区間増減枚数MYが上限枚数よりも特定枚数(200枚)だけ少ない所定枚数(2200枚)に達しているかを判定する。所定ゲーム数に達しておらず、且つ所定枚数にも達していない場合、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、有利区間は終了しない。
これに対して、ステップS4114にて、所定ゲーム数に達しているか、所定枚数に達しているかのいずれかである場合、ステップS4115にて、今回当選したBBが第1BBであるか否かを判定する。第1BB当選である場合には、ステップS4107に進み、ステップS4107~ステップS4109にて有利区間終了用の処理を実行する。今回当選したBBが第2BBである場合(ステップS4115:NO)、有利区間を終了することなく、区間表示第2処理を終了する。
上記のように、所定ゲーム数に達しているか所定枚数に達しているかのいずれか、といった事前終了条件が成立している場合とは、このままATモードを継続させても、まもなく有利区間の強制終了条件により有利区間が強制終了される可能性が高いことを意味する。そこで、本変形例では、このような事前終了条件が成立している状況であれば、第1BB当選を条件として、一旦、有利区間を終了させる構成としている。この場合、第1BB当選を持ち越している状況で有利区間への再移行が生じることから、当該有利区間に再移行する際には、ATモード移行抽選の当選確率が比較的高い第1CZモードに設定される。
ここで、本変形例では、事前終了条件の設定に際し、特定ゲーム数に亘って有利区間を継続させた場合に期待できるメダル増加数(特定枚数)よりも、第1CZモードを経てATモードへ再移行することで期待できるメダル増加数の方が多くなるように、特定ゲーム数や特定枚数を設定している。つまり、上記のように、所定ゲーム数や所定枚数となっている状況で第1CZモードに再移行させた方が、期待できる平均メダル増加数は多くなる。しかも、第1CZモードに再移行させれば、有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数AG)や増加枚数(有利区間増減枚数MY)を一旦リセットしたうえで、再度、ATモードへの移行を生じさせることが可能であり、獲得可能となる最大メダル増加数は圧倒的に多くなる。なお、上記のように第1CZモードへ移行させた場合であっても、当該第1CZモード中にATモード移行が生じずに、通常モードに移行する場合もあり得る。
本変形例では、事前終了条件が成立している場合であっても、第2BBに当選している場合には、有利区間を終了させない構成としている。第2BBに当選している場合、有利区間に再移行する際には、ATモード移行抽選の当選確率が比較的低い第2CZモードに設定される。本変形例では、特定ゲーム数に亘って有利区間を継続させた場合に期待できるメダル増加数(特定枚数)の方が、第2CZモードを経てATモードへ再移行することで期待できるメダル増加数よりも多くなるように、特定ゲーム数や特定枚数を設定している。つまり、上記のように、所定ゲーム数や所定枚数となっている状況で第2CZモードに再移行させるよりも、そのままATモードを継続させた方が、期待できる平均メダル増加数は多くなる。そこで、上記のように、事前終了条件が成立している場合であっても、第2BB当選であれば、有利区間を終了させないようにしていることから、有利区間を途中で終了させることが、遊技者にとっての不利益とならないように配慮がなされている。
なお、上記変形例では、事前終了条件が成立している場合に有利区間を終了させる場合がある構成としたが、事前終了条件が成立している場合において、いずれかの超過フラグがセットされている場合に有利区間を終了させる場合がある構成としてもよい。
すなわち、区間表示第2処理における残ゲーム数管理処理では、例えば、ストックカウンタの値とボーナスAT状態の消化に要するゲーム数との積と、現状の有利区間ゲーム数AGと、の合計が上限ゲーム数を超過している、といったように、事後的に上限ゲーム数に達することを当該上限ゲーム数に達するよりも前に特定した場合には第1超過フラグをセットする。また、区間表示第2処理における残枚数管理処理では、例えば、ストックカウンタの値とBB状態での増加枚数との積と、現状の有利区間増減枚数MYと、の合計が上限枚数を超過している、といったように、事後的に上限枚数に到達することを当該上限枚数に達するよりも前に特定した場合には第2超過フラグをセットする。
第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている場合には、例えば、ストック抽選に当選し、ストックカウンタを増加させても強制終了によってその増加分の利益を享受することができない。そこで、例えば、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況でストック抽選に当選した場合、ストックカウンタの増加に加えて又は代えて、遊技者に別の特典として、有利区間を強制終了条件成立前に終了させて、CZモード(第1CZモード)から、再チャレンジさせる構成としてもよい。より詳しくは、例えば、第1超過フラグや第2超過フラグがセットされている状況でストック抽選に当選した場合、その当選したことの特別情報を記憶しておき、上記の事前終了条件が成立している状況において、当該特別情報が記憶されていれば、BB当選に基づいて有利区間を終了させる構成としてもよい。
上記変形例では、事前終了条件が成立している場合には第1BB当選に基づいて有利区間を終了させる構成としたが、事前終了条件が成立している場合には、第1BB当選だけでなく第2BB当選でも有利区間を終了させる構成としてもよい。この場合、事前終了条件が成立した場合に継続フラグがセットされていてもそれをクリアする構成とすることで、第1BB状態や第2BB状態の終了時にATモード終了演出を実行することが可能となる。
また、上記変形例では、事前終了条件が成立している状況におけるBB当選ゲームにて有利区間を終了させる構成としたが、第1の実施形態において、事前終了条件が成立している状況におけるBB状態の終了ゲームにて(終了に基づいて)有利区間を終了させる構成としてもよい。すなわち、図48の区間表示第2処理において、ステップS2213にて肯定判定した後、ステップS4114の処理に移行する構成とする。この場合、ステップS2212にてBB終了ゲームフラグがセットされており、ステップS2213にて継続フラグがセットされている場合であっても、事前終了条件が成立している場合には(ステップS4114:YES)、ステップS2207~ステップS2209の有利区間終了用の処理に移行する構成とする。なお、この場合、有利区間終了時においては、BB当選前であるため、ステップS4115の処理は行わないようにするとよい。上記のように、第1の実施形態では、有利区間移行ゲーム用処理において、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行であれば、有利な側のCZモードに設定される構成としているところ、上記のようにすることで、事前終了条件が成立している状況でBB状態が終了し、BB持ち越しフラグがセットされていない状況で有利区間を終了させることで、その後に、有利区間へ再移行する場合にも、BB持ち越しフラグがセットされていない状況である可能性が高まり、CZモードから再チャレンジさせることが可能となる。
<変形例2>
上記のように、本実施形態では継続条件が成立していない状況でBB当選となると有利区間を終了させる構成である。但し、区間表示第2処理においては、かかるBB当選の有無の判定処理よりも前に、通常モード中でのBB入賞の有無の判定を行う構成としている。また、本実施形態では、継続条件が成立していない状況でBB状態が終了する場合、ATモードフラグをクリアしないため、少なくとも次にBB当選となって有利区間が終了させるまでは、ATモードであることになる。そうすると、ボーナスAT終了後においてBB当選となった場合、継続条件が成立していなくても、当該ゲームにてBB入賞を成立させることに成功した場合には、BB当選の有無の判定を行うことなく区間表示第2処理は終了されることから(ATモード中のBB入賞であると判定されることから)、有利区間は終了しない。本変形例では、かかる事象を利用した遊技性を創出する。
図84(a)は、本変形例における通常遊技状態用の抽選テーブルの一部を示している。本変形例における変更点としては、第1BBや第2BBの当選契機として、インデックス値IV=25,26のリプ重複第1BBとリプ重複第2BBとに加えて、インデックス値IV=28,29の単独第1BBと単独第2BBとが設定されている点である。すなわち、本変形例では、リプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選となった場合には、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグに加えて、第1再遊技当選フラグがセットされ、単独第1BBや単独第2BBに当選となった場合には、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグだけがセットされる。そうすると、リプ重複第1BBやリプ重複第2BBに当選となった場合には、上記のように当選ゲームでは第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることができないものの、単独第1BBや単独第2BBに当選となった場合には、入賞に対応する図柄を狙って停止操作することで、第1BB入賞や第2BB入賞を当選ゲームにて成立させることが可能である。ちなみに、本変形例では、単独第1BBと単独第2BBとの当選確率は、いずれも約32.8分の1であり、同じ確率となっている。
図85(a)は、本変形例におけるボーナスAT開始用処理を示すフローチャートである。
ステップS4201ではBB状態ではないことの判定を行い、ステップS4202ではBBに当選していることの判定を行い、ステップS4203ではATモード中であることの判定を行う。これらステップS4201~ステップS4203は、上記ステップS1501~ステップS1503の処理と同様である。
ステップS4204では、継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合は、ステップS4205にてBB入賞を成立させることが可能なゲームである(外れ結果である)ことの判定を行い、ステップS4206にて移行許可フラグをセットし、ステップS4207にて入賞許可コマンドをセットしてから、ボーナスAT開始用処理を終了する。ステップS4205~ステップS4207の処理は、上記ステップS1504~ステップS1506の処理と同様である。
ATモード中において継続フラグがセットされていない状況にてBB当選する場合とは、継続条件が成立しないままボーナスAT状態が終了した後、最初のBB当選ゲームであることを意味する。この場合、ステップS4204にて否定判定し、ステップS4208にて、各種フラグ格納エリア106dに継続チャンスフラグをセットする。継続チャンスフラグは、上記のように継続条件が成立せずにボーナスAT状態が終了した後、最初のBB当選ゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップS4209にて、継続チャンスコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。継続チャンスコマンドを受信した表示制御装置81では、継続チャンス演出として、当該ゲームにてBB入賞を成立させることができれば有利となる(ATモードが継続する)ことを示唆するように、例えば、図84(b)に示すように、第1BBと第2BBとの入賞が成立する図柄組合せを表示するともに、「狙うでござる!!」といった文字表示を行う。
本変形例においては、CPU102は、入賞結果対応処理内にて又は入賞結果対応処理が実施される度に、図85(b)の継続チャンス用処理を行う。
継続チャンス用処理では、ステップS4211にて上記の継続チャンスフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていなければ、そのまま継続チャンス用処理を終了する。継続チャンスフラグがセットされている場合、ステップS4212にて、いずれかのBB入賞ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。BB入賞ゲームフラグがセットされており、当該BB当選ゲームにて対応するBB入賞を成立させることに成功した場合、ステップS4213~ステップS4215にてボーナスAT状態の開始用の処理を行う。すなわち、ステップS4213では移行許可フラグをセットし、ステップS4214では継続フラグをセットする。そして、ステップS4215にてAT継続設定処理を実行する。
ステップS4212にて否定判定した場合、又はステップS4215の処理を実行した後は、ステップS4216にて継続チャンスフラグをクリアしてから、継続チャンス用処理を終了する。
この場合、図85(c1)や図85(c2)に示すように、継続チャンス演出が行われたゲームにおいて、第1BB入賞を成立させることに成功した場合には、第1BB状態によるボーナスAT状態が開始され、第2BB入賞を成立させることに成功した場合には、第2BB状態によるボーナスAT状態が開始される。ここで、第1BBと第2BBとでは、その入賞が成立するための対応図柄が、左リール32Lと中リール32Mとで共通しており、右リール32Rが異なっている。そして、右リール32Rにおいて、第1BBに対応する図柄は「チェリー」であり、第2BBに対応する図柄は「BAR」図柄である。右リール32Rにおいて、「チェリー」図柄と「BAR」図柄とは、最大で4図柄分の間隔を隔てて配置されており、「チェリー」図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで停止操作を行うと、「BAR」図柄を有効ラインに停止させることはできず、「BAR」図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで停止操作を行うと、「チェリー」図柄を有効ラインに停止させることはできない関係となっている。
つまり、継続チャンス演出が発生した場合、遊技者は、勘に頼る等していずれのBBを狙うかを選択したうえで停止操作を行う必要がある。そして、その選択が正しければ、対応するBB入賞が成立してATモードを継続させることが可能であるのに対して、その選択が正しくなかったり、今回のBB当選ゲームが、リプ重複第1BBやリプ重複第2BBであった場合には、図84(c3)に示すように、第1BB入賞や第2BB入賞に対応する図柄組合せは有効ラインに停止せず、外れ対応の図柄が有効ラインに停止するか、第1再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインに停止することになる。
以上のように、本変形例によれば、区間表示第2処理においてBB入賞時に有利区間を終了させる処理と、BB当選時に有利区間を終了させる処理とが設定されていることを利用して、斬新な遊技性を実現できる。
すなわち、BB当選となる場合を、第1再遊技といった有利区間への移行契機役と重複当選となるリプ重複第1BBやリプ重複第2BBの他に、第1再遊技等の移行契機役と重複当選とならない単独第1BBや単独第2BBを設けたことで、ボーナスAT状態の終了後、BB当選ゲームで有利区間及びATモードが終了する構成においてBB当選ゲームでBB入賞を成立させることが可能となる。この場合、BB入賞が成立した際にATモードフラグがセットされていれば有利区間を終了させないようにする処理と、継続フラグが無い状況でのBB当選ゲームにて有利区間を終了させる処理とを有する構成において、BB入賞ゲームで有利区間を終了させないようにする処理の方が優先して行われるようにしていることから、BB当選ゲームでBB入賞させることに成功すれば、継続フラグが無い状況でのBB当選であっても有利区間を終了させないようにして、ATモードを継続させる(ボーナスAT状態へ移行させる)ことが可能となる。このようにすれば、本来ならば楽しみにすべきであるBB当選に基づいて有利区間が終了し得るような構成において、BB当選によるメリットを高めることが可能となる。
第1BBと第2BBとを比較すると、左リール32Lと中リール32Mとで対応図柄が共通しており、右リール32Rの対応図柄が異なっている。このような構成とすることで、左リール32Lや中リール32Mから、第1BB入賞や第2BB入賞を狙って停止操作する場合には、いずれのBBに当選しているかの判別ができず、右リール32Rを停止させることでいずれのBBに当選しているかの判別が可能となり、停止操作の態様によって、その判別可能となるタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者の自らの選択が合っていたか否かの答え合わせのタイミングを遊技者自身が選択することができ、遊技の面白みが高められている。
ちなみに、本実施形態ではBB持ち越しフラグがセットされている状況で有利区間移行を生じさせた場合には、その有利区間はCZモードに設定される。つまり、単独BB当選ゲームで入賞を成立させることができず、有利区間が終了した場合であっても、その後、有利区間へ再移行する場合にはCZモードに設定されることなる。このようにすることで、単独BB当選時の遊技者の選択ミスでの遊技者の不利益が大きくなり過ぎないようにすることができるし、各リプ重複BB当選に基づいて有利区間が終了する場合と、各単独BB当選に基づいて有利区間が終了する場合とがある構成において、両者の有利度を共通化させることができる。
また、上記のように単独BBを設けることで、本実施形態においても、有利区間への移行契機役として、第1BBや第2BB以外の他の結果(第1再遊技~第11再遊技、第1小役~第27小役)を契機結果とすると、契機結果とBBとの重複結果と、契機結果を含む一方、BBを含まない単独結果と、を有する構成となる。そして、本実施形態では、BB持ち越しフラグがセットされている場合の有利区間移行の方が有利であることから、例えば、電源投入時に設定変更が行われて、有利区間情報や持ち越し情報の初期化処理が行われた場合において通常区間から遊技が開始される場合、重複結果当選に基づいて有利区間に移行する場合には通常モードに設定され、単独結果当選に基づいて有利区間に移行する場合には、それよりも前に上記の単独BBに当選していればCZモードに設定される構成となる。つまり、朝一状態において、契機結果よりも前に単独BBに当選させることで、CZモードから有利区間を開始させることが可能となる。このようにすることで、ATモード終了に際しての遊技性だけでなく、通常区間での遊技性も向上させることが可能である。
<変形例3>
本変形例では、設定変更用の操作が行われた場合の変形例を説明する。図86は、本変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
本変形例におけるメイン処理では、ステップS4304にて設定キーのON操作がなされていると判定した場合において、ステップS4305にて有利区間用情報の初期化処理を実行した後、ステップS4306にて、BB状態情報の初期化処理を実行する。BB状態情報の初期化処理では、BB状態フラグがセットされている場合にはそれをクリアし、また、JAC当選フラグやJAC持ち越しフラグ、各JACカウンタやBBカウンタ等のBB状態用の各種情報をクリアする処理である。その後、ステップS4307にて持ち越し情報の初期化処理を実行してから、ステップS4308の当選確率設定処理を実行する。
ステップS4301~ステップS4303及びステップS4309~ステップS4317の処理は、上記ステップS201~ステップS203及びステップS207~ステップS215の処理と同様であるため、説明を省略する。
すなわち、本変形例では、BB状態中にホールの閉店を迎えた場合には、設定変更用の操作を行うことで、当該BB状態中であることの情報も消去することが可能となる。BB状態中にホールの閉店を迎えた場合とは、ボーナスAT状態中に遊技ホールの閉店を迎えた場合や、ATモードやCZモードや通常モードにおいて移行許可フラグがセットされていない状況でBB状態に移行させた場合が考えられる。
特に、ボーナスAT状態中に閉店を迎えた場合において、仮に有利区間用情報を消去する一方、BB状態である旨の情報が消去されない構成とすると、電源投入後は、ボーナスAT状態として復帰するのではなく、ボーナスAT状態ではないBB状態として復帰することになる。そして、BB状態はATモード移行抽選等を行わない構成であるし、BB状態は上限払出数に達するまで当該BB状態が継続するところ、ボーナスAT状態ではないBB状態においては、当該上限払出数に達するまでに多くのゲーム数を要し、ATモード移行抽選が非実行のままその多くのゲーム数を消化する必要が生じてしまう。そうすると、例えば、遊技ホールにおいて、開店までにそのBB状態を終了させることは作業効率を大幅に低下させる要因となるし、仮にBB状態を維持したまま開店させると遊技者に多大な不利益を与えかねない。その点、上記のように有利区間用情報の消去に伴い、BB状態中であることの情報も消去させる構成としたことで、上記の不都合を回避することが可能となる。
なお、上記の変形例は、第2の実施形態に限られず、第1の実施形態にも適用可能であり、第1の実施形態においては、有利区間用情報の消去に際して、BB当選情報は消去しない一方、BB状態中の情報は消去する構成とするとよい。
<変形例4>
本変形例では、天井ゲーム数の管理に関する変形例を説明する。
既に説明した通り、BB状態中は天井ゲーム数のカウントは行われず、仮に通常モードにおいてBB入賞を成立させても、そのBB状態中のゲームは天井ゲーム数に寄与しない構成としている。そして、上記第1の実施形態や第2の実施形態では、通常モード中のBB入賞に基づき有利区間を終了させる構成としており、当該通常モード中のBB入賞により天井ゲーム数が再設定される(その後に移行する有利区間にて再設定される)構成としていた。本変形例では、その天井ゲーム数の再設定が行われないようにする。
すなわち、本変形例における区間表示第2処理では、図87のフローチャートに示すように、ステップS4406にて有利区間の上限ゲーム数や上限増加枚数に達していないと判定した場合、ステップS4410にて、いずれかのBB当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。BB当選ゲームである場合、ステップS4411にて、各種フラグ格納エリア106dに終了済みフラグがセットされているか否かを判定する。終了済みフラグは、継続条件が成立していない状況でのBB当選に基づいて、一旦、有利区間を終了させた後であることを、CPU102が把握するためのフラグである。終了済みフラグがセットされていない場合、ステップS4412にて継続フラグがセットされているか否かを判定し、継続フラグがセットされていない場合、ステップS4413にて上記の終了済みフラグをセットしてから、ステップS4407~ステップS4409の有利区間終了用の処理を実行する。なお、終了済みフラグは有利区間用情報には含まれず、かかる有利区間終了用の処理ではクリアされないものとする。ステップS4411にて終了済みフラグがセットされている場合や、ステップS4412にて継続フラグがセットされている場合は、有利区間を終了させることなく、そのまま区間表示第2処理を終了する。
本変形例では、BB入賞時の有利区間終了用の処理は設けられていない。
本変形例における入賞結果対応処理では、図88(a)のフローチャートに示すように、AT開始用フラグがセットされており(ステップS1702)、ATモードの開始用の処理(ステップS1702~ステップS1708)に際して、継続フラグをセットした後(ステップS1707)、ステップS4501にて上記の終了済みフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS1708にてAT開始コマンドをセットする処理を実行する。
また、本変形例における有利区間移行ゲーム用処理では、図88(b)のフローチャートに示すように、ステップS3801にていずれかのBB持ち越しフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS4502にて、上記の終了済みフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、ステップS4503~ステップS4505にて、上記ステップS2106~ステップS2108の天井ゲーム数の設定処理を実行する。これに対して、終了済みフラグがセットされている場合には、ステップS4506にて各種カウンタエリア106eに設けられた保存用カウンタの値を天井カウンタに入力するとともに、当該保存用カウンタの値をクリアしてから、有利区間移行ゲーム用処理を終了する。
図による詳細な説明は省略するが、本変形例では、電源投入時のメイン処理(図80)において、有利区間用情報の初期化処理に際して、天井カウンタの値を初期化(0にクリア)する場合に、当該天井カウンタの値を保存用カウンタに入力する。なお、保存用カウンタは、終了済みフラグと同様に、有利区間用情報には含まれず、有利区間用情報の初期化処理ではクリアされないものとする。
つまり、例えば、電源投入時のメイン処理(図80)に際して、有利区間用情報の初期化処理が行われて、有利区間から通常区間に設定された場合であっても、終了済みフラグや保存用カウンタは初期化されないため、その後、遊技が開始されて通常区間から有利区間に移行した場合、終了済みフラグ及び保存用カウンタによって、初期化前の天井ゲーム数が引き継がれる構成となる。
天井ゲーム数が設定される様子について、図89のタイミングチャートを参照しながら説明する。
t41のタイミングでATモードに移行し、t42のタイミングでボーナスAT状態が開始された場合において、継続条件が成立することなくt43のタイミングで当該ボーナスAT状態が終了したとする。この場合、直後の、t44のタイミングでBB当選すると有利区間が終了し、上記のように終了済みフラグがセットされる。そして、t45のタイミングで有利区間に再移行する場合、CZモードに設定される。t46のタイミングでATモードへの移行が生じないままCZモードが終了すると、通常モードへの移行が生じるとともに、天井ゲーム数の設定が行われる。
通常モードにおいて、ATモードへの移行が生じていないt47のタイミングで、BB入賞を成立させた場合、本変形例ではBB入賞時に有利区間は終了しないため、t47のタイミングでは有利区間は終了しない。当該t47のタイミングで入賞させたBB状態がt48のタイミングで終了し、その後、t49のタイミングで再度BB当選したとする。この場合、上記のように終了済みフラグがセットされていることから、有利区間は終了しない。その為、有利区間の再移行は生じず、天井ゲーム数の再設定も行われない。なお、t47からt48のBB状態中のゲームでは、天井ゲーム数のカウントは行われない。但し、当該t47からt48のBB状態中のゲームでも、有利区間ゲーム数AGのカウントは行われる。
t50のタイミングで、t46にて設定した天井ゲーム数を消化すると、ATモードへの移行が生じる。この場合、ATモードの開始に際して、終了済みフラグがクリアされる。そして、t51のタイミングでボーナスAT状態が開始される。当該ボーナスAT状態が終了するt52のタイミングにおいては、継続条件が成立しており、t53のタイミングでBBに再当選した場合であっても、有利区間は終了しない。さらに、この場合、終了済みフラグもセットしない。
t54のタイミングでボーナスAT状態が開始され、t55のタイミングで継続条件が成立することなく当該ボーナスAT状態が終了した場合、続くt56のタイミングでBB当選すると有利区間が終了する。この場合、上記のように終了済みフラグがセットされる。その後、t57のタイミングで有利区間に再移行する場合、CZモードに設定される。
以上のように、本変形例によれば、ボーナスAT終了後のBB当選時に、一旦、有利区間を終了させた後は、通常モードにおいてBB入賞させる等して新たなBB当選が生じても有利区間は終了せず、天井ゲーム数は維持される。そのため、通常モードにおいてBB入賞を繰り返すことによって、延々と天井に到達できない、といった事象を生じさせないようにすることができる。
また、終了済みフラグを有利区間用情報とは別管理とし、有利区間用情報の初期化処理に際してクリアされない構成としたことで、設定変更等に伴い有利区間用情報の初期化処理が行われた場合であっても、ATモード当選前にBB当選時の有利区間の終了の有無によって設定変更の有無(初期化処理の有無)が遊技者に見抜かれることを回避することできる。より詳しくは、有利区間用情報の初期化処理に際して天井カウンタの値を保存用カウンタに退避する構成としていることから、設定変更等に伴い天井ゲーム数がリセットされた場合であっても、有利区間移行後に、リセット前の天井ゲーム数が引き継がれることになる。よって、天井ゲーム数からのATモード移行によって、設定変更の有無が遊技者に見抜かれることを回避可能となる。
なお、上記のように、通常モード中にBB入賞を成立させても天井ゲーム数の再設定を行わないようにしても、BB状態中のゲームでは天井ゲーム数のカウントは行われないし、ATモード移行抽選も行われない。その一方で、有利区間ゲーム数AGのカウントは行われるため、仮に、その後にATモードに移行した場合、有利区間の上限ゲーム数までのゲーム数が、途中で入賞させたBB状態中のゲーム数の分だけ少なくなる。つまり、通常モード中にBB入賞を成立させることは、基本的には遊技者にとって不利な状況を生じさせる行為である、といった前提を保ったまま、天井ゲーム数の再設定だけを行わないようにしている。このようにすることで、通常モード中に誤ってBB入賞を成立させてしまった行為とその罰則とのバランスを適正化することが可能となる。
有利区間用情報の初期化処理に際して、天井カウンタの値を保存用カウンタへ退避させる構成としたが、退避させない構成としてもよい。この場合、有利区間移行ゲーム用処理において、終了済みフラグがセットされていても天井ゲーム数の設定処理を行う構成とするとよい。この構成においては、設定変更等に際して有利区間用情報の初期化処理が行われると、有利区間に関する情報が消去され、その後に有利区間移行時に天井ゲーム数の再設定が行われる一方、終了済みフラグは初期化処理に際してクリアされないことから、有利区間移行後、ATモードへ移行するよりも前にBB当選した場合に当該BB当選ゲームでの有利区間終了が回避される。
上記変形例は、第1の実施形態にも適用可能であり、この場合、上記ステップS4410の処理を、いずれかのBB終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定する処理に変更し、BB終了ゲームである場合、終了済みフラグがセットされておらず(ステップS4412:NO)、継続フラグがない(ステップS4413:NO)ことを条件として、ステップS4413にて終了済みフラグをセットする構成とするとよい。このようにしても、その後、通常モードにおいてBB入賞を成立させて、有利区間の終了契機としてのBB終了ゲームが再度生じたとしても、上記の終了済みフラグがセットされているため、有利区間を終了させないようにすることが可能である。
また、上記の終了済みフラグは、有利区間移行時にセットする構成としてもよい。より詳しくは、有利区間移行ゲーム用処理において終了済みフラグをセットする構成としてもよい。このようにすることで、終了済みフラグを有利区間用情報として扱うことも可能であり、有利区間の強制終了時や、設定変更時の有利区間情報の初期化処理に際して当該終了済みフラグをクリアすることも可能であり、有利区間用情報の初期化処理に際して天井カウンタをクリアするだけで保存用カウンタに値を退避させておく必要もない。この場合、設定変更に伴い有利区間用情報の初期化処理が行われることで、天井ゲーム数もクリアされることになる。
上記変形例では、BB当選ゲームにて有利区間を一旦終了させた場合に、終了済みフラグをセットし、その後のBB当選ゲームにて有利区間の終了を制限する構成としたが、第1の実施形態や第2の実施形態のように、BB入賞ゲームにて有利区間を終了させる場合があることを前提とし、当該BB入賞ゲームにて終了済みフラグがセットされている場合には有利区間を終了させないようにする一方、BB入賞ゲームにて終了済みフラグがセットされていない場合には有利区間を終了させる構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第2の実施形態のように継続条件が成立していない状況でのBB当選時に有利区間を終了させる構成としたうえで、当該有利区間を終了させるBBの種類を予め指定する構成とする。
<AT継続設定処理>
図90(a)は、本実施形態におけるAT継続設定処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT継続設定処理は、入賞結果対応処理(図43)において、ATモードフラグがセットされている場合に実施される処理である。
本実施形態では、ステップS4601にていずれかのBB終了ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。BB終了ゲームではない場合に、そのままAT継続設定処理を終了する。BB終了ゲームである場合、ステップS4602にて、各種テーブル記憶エリア105aから次回BB抽選テーブルを取得し、ステップS4603にて、次回BB抽選を実行する。次回BB抽選は、今回終了するBB状態の次に当選するBBを指定し、当選したBBが指定したBBであれば有利区間を継続させ、当選したBBが指定したBBとは異なるBBであれば有利区間を終了させる構成において、当該次に当選するBBを指定するための処理である。なお、以下の説明では、当該次回BB抽選にて指定するBBを、「次回指定BB」とも称する。
次回BB抽選テーブルは、図90(b)に示すように、第1BBと第2BBとで次回指定BBとして設定される確率が異なっており、第1BBの方が第2BBよりも次回指定BBとして設定され易くなっている。図90(c)にまとめて示すように、通常遊技状態用抽選テーブル(図19)において、第1BBの当選確率は約20.1分の1であり、第2BBの当選確率は約6.7分の1であり、第1BBよりも第2BBの方が当選し易い。つまり、第1BBと第2BBとを比較すると、第1BBは、次回指定BBとして選択され易い一方、当選確率は低く、第2BBは、次回指定BBとして選択されにくい一方、当選率は高くなるように設定されている。
ステップS4603にて次回BB抽選を実行した後は、ステップS4604にて、次回BB抽選の結果が第1BBであるか否かを判定する。次回指定BBが第1BBである場合には、ステップS4605にて第1BB用フラグをセットし、ステップS4606にて第1BB用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT継続設定処理を終了する。また、ステップS4604にて、第1BBではなく第2BBである場合には、ステップS4607にて第2BB用フラグをセットし、ステップS4608にて第2BB用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT継続設定処理を終了する。第1BB用コマンドを受信した表示制御装置81は、次回指定BBが第1BBとして設定されてことに対応する演出(例えば、「第1BB当選を目指せ!!」といった文字表示やそれに対応する効果音)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。また、第2BB用コマンドを受信した表示制御装置81は、次回指定BBが第2BBとして設定されてことに対応する演出(例えば、「第2BB当選を目指せ!!」といった文字表示やそれに対応する効果音)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。この場合、次回指定BBが第1BBとして設定されてことに対応する演出と次回指定BBが第2BBとして設定されてことに対応する演出とは、遊技者が識別可能なように異なっている。
但し、これら次回指定BBが第1BBとして設定されてことに対応する演出と次回指定BBが第2BBとして設定されてことに対応する演出とが明確に判別できないようにしてもよい。例えば、各演出を抽選により決定するような構成としたうえで、第1BB用コマンドを受信した場合の方が第2BB用コマンドを受信した場合よりも、次回指定BBが第1BBとして設定されてことに対応する演出が選択され易い構成としてもよく、その抽選による演出の選択肢に、いずれのBBが次回指定BBとして設定されたかを判別できない演出が行われる場合も含む構成としてもよい。更に、抽選結果や次回指定BBに関わらず、いずれのBBが次回指定BBとして設定されたかを判別できない演出が実行される構成としてもよい。
また、次回指定BBが第1BBとして設定されてことに対応する演出と次回指定BBが第2BBとして設定されてことに対応する演出とのいずれを実行するかの抽選確率を、設定された次回指定BBに関わらず、次回BB抽選の確率に対応する確率で実行する演出が選択される構成としてもよい。つまり、次回指定BBが第1BBとして設定されてことに対応する演出を約70%の確率で実行し、次回指定BBが第2BBとして設定されてことに対応する演出を約30%の確率で実行する構成としてもよい。更に、次回BB抽選における選択率に対応する選択率演出(特定演出)を実行する構成としてもよい。すなわち、例えば、「第1BBなら継続チャンス!!第2BBなら継続ピンチ!!」といった文字表示やそれ用の効果音が発せられるように、補助表示部65やスピーカ64が制御される構成としてもよい。
<区間表示第2処理>
次に、本実施形態における区間表示第2処理について、図91のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、ステップS2205にて残枚数管理処理を実行した後、ステップS4701にて有利区間の上限ゲーム数又は上限増加枚数に達しているか否かを判定する。いずれかの上限に達している場合には、ステップS4702~ステップS4704にて有利区間終了用の処理を実行する。ステップS4701にていずれの上限にも達していないと判定した場合、ステップS4705にて、いずれかのBB入賞ゲームフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4706にて通常モードにおいてATモード当選前のBB入賞であるか否かを判定する。通常モードにおいてATモード当選前のBB入賞である場合、ステップS4702~ステップS4704にて有利区間終了用の処理を実行する。通常モード以外でのBB入賞である場合には、有利区間を終了することなく、そのまま区間表示第2処理を終了する。これらステップS4701~ステップS4706の処理は、上記ステップS2206~ステップS2211の処理と同様である。
ステップS4705にてBB入賞ゲームではないと判定した場合、ステップS4707にていずれかのBB当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。BB当選ゲームである場合には、ステップS4708にて第1BB当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。第1BBの当選ゲームである場合、ステップS4709にて第1BB用フラグがセットされており、次回指定BBが第1BBであったか否かを判定する。次回指定BBが第1BBであり、第1BBに当選した場合、ステップS4710にて、当該第1BB用フラグをクリアしたうえで、区間表示第2処理を終了する。この場合、有利区間は終了しない。これに対して、ステップS4709にて第2BB用フラグがセットされており、次回指定BBが第2BBであったのにもかかわらず、第1BBに当選した場合、ステップS4711にて、当該第2BB用フラグをクリアしたうえで、ステップS4702~ステップS4704にて有利区間終了用の処理を実行する。
ステップS4708にて第1BB当選フラグがセットされておらず、第2BBの当選ゲームである場合、ステップS4712にて、第2BB用フラグがセットされており、次回指定BBが第2BBであったか否かを判定する。第2BB用フラグがセットされておらず、次回指定BBが第1BBであったのにも関わらず、第2BBに当選した場合、ステップS4713にて、当該第1BB用フラグをクリアしたうえで、ステップS4702~ステップS4704にて有利区間終了用の処理を実行する。次回指定BBが第2BBであり、第2BBに当選した場合、ステップS4714にて、当該第2BB用フラグをクリアしたうえで、区間表示第2処理を終了する。この場合、有利区間は終了しない。
<遊技の流れ>
本実施形態における遊技の流れについて、図92のタイミングチャートを参照しながら説明する。
t1のタイミングで第1BB当選を持ち越している状況でATモードに移行し、t2のタイミングで第1BB状態によるボーナスAT状態が開始されたとする。t3のタイミングで当該ボーナスAT状態が終了する場合、次回BB抽選が行われる。t3においては、次回指定BBが第1BBとして設定され、第1BB用フラグがセットされる。そして、t4のタイミングで第1BBに当選すると、次回指定BBと当選したBBとが合致しているため、有利区間は終了せず、当該第1BB状態によるボーナスAT状態がt5のタイミングで開始される。
t6のタイミングでボーナスAT状態が終了する場合、同様に次回BB抽選が行われ、この場合、次回指定BBが第2BBとして設定されて第2BB用フラグがセットされる。そして、t7のタイミングで第2BBに当選すると、次回指定BBと当選したBBとが合致しているため、有利区間は終了せず、当該第2BB状態によるボーナスAT状態がt8のタイミングで開始される。
t9のタイミングでボーナスAT状態が終了する場合、同様に次回BB抽選が行われ、この場合、次回指定BBが第2BBとして設定されて第2BB用フラグがセットされる。そして、t10のタイミングで第1BBに当選すると、次回指定BBと当選したBBとが合致していないため、有利区間は終了する。その後、t11のタイミングで有利区間に移行する場合、第1BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行となるため、第1CZモードに設定される。
t12のタイミングでATモードへの移行が生じると、t13のタイミングから第1BB状態によるボーナスAT状態が開始される。t14のタイミングでボーナスAT状態が終了する場合、同様に次回BB抽選が行われ、この場合、次回指定BBが第1BBとして設定されて第1BB用フラグがセットされる。そして、t15のタイミングで第2BBに当選すると、次回指定BBと当選したBBとが合致していないため、有利区間は終了する。その後、t16のタイミングで有利区間に移行する場合、第2BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行となるため、第2CZモードに設定される。
その後、t17のタイミングでATモードへの移行が生じないまま当該第2CZモードが終了すると、通常モードに移行する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモード中において継続用のBBを設定し(第1BB用フラグや第2BB用フラグをセットし)、次に当選したBBが対応するBBであれば有利区間を終了させずにATモードを継続させる一方、対応しないBBであれば有利区間を終了させてATモードを終了させる構成としたことで、当選したBBの種類によって、ATモード中のBB状態としてのボーナスAT状態の恩恵を享受できるようになる場合と、ATモードが終了してボーナスAT状態の恩恵を享受できなくなる場合とが生じ、いずれのBB当選となるかへの関心を高め、従来にはない面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
この場合、継続用のBBの設定は、BB当選からBB状態の終了までの間で行われ、より詳しくは、BB状態の終了時に行われるようにしている。複数のBB当選が重複することがないことを前提とすると、BB当選からBB状態の終了までの間で継続用のBBの設定が行われるようすれば、継続用のBBの設定がBB当選前に確実に実行されるようになる。そして、BB終了時に継続用のBBの設定が行われるようにすることで、例えば、設定した継続用のBBについての演出を行う場合において、当選しているBBや実行中のBB状態と、継続用のBBとが混同されにくくなり、上記の遊技性を好適に楽しませることが可能となる。
ここで、上記のように第1BB状態と第2BB状態とでは、BB状態中の上限払出数や抽選テーブルに差異はなく、BB状態としての有利度は同じである。但し、次回指定BBとしては第1BBの方が選択され易いため、ボーナスAT状態終了後に当選するBBとしては、第1BBの方が第2BBよりも有利なBBといえる。そして、設定された次回指定BBを遊技者が明確に把握できない演出が行われるような構成とし、例えば、上記の選択率演出(「第1BBなら継続チャンス!!第2BBなら継続ピンチ!!」)が行われるような構成とすると、ボーナスAT終了後は、第2BBよりも第1BBに当選することに期待するものと考えられる。
その一方で、ボーナスAT状態後に第1BBに当選したとしても、次回指定BBとして第2BBが設定されていた場合には、有利区間は終了することになる。この場合、遊技者の落胆度合いは計り知れないものとなり得る。
そこで、上記実施形態においては、第1BB当選に基づいて有利区間が終了した場合には、ATモード移行抽選に当選する確率が比較的高い第1CZモードに設定される構成としたことから、ボーナスAT状態終了後に、期待通りの第1BBに当選したのにもかかわらず有利区間が終了してしまったことに基づく遊技意欲の低下を、第1CZモードといったATモードへの引き戻し期待度の高さによってうまくフォローすることが可能となる。
各ゲームの当選確率においては、第1BBよりも第2BBの方が当選し易い構成としている。そのため、ボーナスAT状態終了後において、有利な第1BBの当選確率が抑えられた構成となり、有利度のバランスが担保されているし、第1BBに当選した場合の嬉しさをより向上させることが可能となる。
有利区間の終了に際して有利区間情報の初期化処理が行われて、有利区間毎に情報がリセットされることを前提としながら、有利区間の終了契機となったゲームの結果情報を利用して、次回の有利区間の有利度を設定する構成としたことで、連続する有利区間同士を関連付けることが可能となる。
特に、持ち越し可能なボーナスとしての第1BBや第2BBの当選情報を利用する構成としたことで、既存の構成をうまく利用して、複雑な構成を用いることなく有利区間同士の関連付けを行うことが可能となる。
その一方で、第1BBや第2BBに当選して有利区間が終了した場合において、その第1BB入賞や第2BB入賞を有利区間再移行前に成立させてしまうと、第1BB持ち越しフラグや第2BB持ち越しフラグ無しの有利区間移行となり、通常モードに設定される。この場合、先の有利区間の情報が次の有利区間へ引き継がれないようになるし、当該次の有利区間は、先の有利区間の情報を引き継いだ場合よりも不利な状態となる。よって、このような不利な事象を生じないようにすることを通じて、遊技者を、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させないように促すことが可能となり、うまく有利区間同士の情報の引き継ぎを行わせることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、ATモード移行後のボーナスAT状態の回数によって、次回BB抽選にて選択される次回指定BBの種類が異なり得る。図93(a)は、本変形例におけるAT継続設定処理を示すフローチャートである。
ステップS4801では、BB終了ゲームであるか否かの判定を行い、BB終了ゲームではない場合には、そのままAT継続設定処理を終了する。BB終了ゲームである場合には、ステップS4802にて、各種カウンタエリア106eに設けられた連荘カウンタに1を加算する処理を行う。連荘カウンタは、ATモード移行後のボーナスAT状態の回数をCPU102が把握するためのカウンタである。連荘カウンタの加算処理を行った後は、ステップS4803にて次回BB抽選テーブルを取得してから、ステップS4804にて次回BB抽選を行う。
本変形例における次回BB抽選テーブルは、図93(b)に示すように、連荘カウンタの値に応じて、次回指定BBとして設定するBBが異なり得るように設定されている。例えば、連荘カウンタが1~11であれば、第1BBの方が第2BBよりも次回指定BBとして設定され易く、連荘カウンタが13~23であれば、第2BBの方が第1BBよりも次回指定BBとして設定され易く、連荘カウンタが25以上であれば、次回指定BBとして設定され易さが第1BBと第2BBとで同じ程度となるように設定されている。また、本変形例では、第1BBと第2BBとのいずれか一方が次回指定BBとして設定される場合の他、第1BBと第2BBとのいずれもが次回指定BBとして設定される場合があるように設定されている(連荘カウンタ=12、24)。
ステップS4804にて次回BB抽選を行った後は、ステップS4805にて次回指定BBとして第1BBと第2BBとのいずれもが選択されたか否か(連荘カウンタ=12,24でダブル当選であったか否か)を判定する。ステップS4805にて肯定判定した場合、ステップS4806にて第1BB用フラグをセットするとともに、ステップS4807にて第2BB用フラグをセットし、ステップS4808にて共通用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT継続設定処理を終了する。この場合、区間表示第2処理では、第1BBと第2BBのいずれに当選している場合であっても、有利区間を終了させずに、ATモードを継続させる。なお、区間表示第2処理の終了に際して、当選したBBに対応するBB用フラグだけでなく、他方のBB用フラグもクリアする構成とするとよい。また、共通用コマンドを受信した表示制御装置81は、次回指定BBが第1BB及び第2BBとして設定されてことに対応する演出(例えば、「連荘確定!!」といった文字表示やそれに対応する効果音)が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS4805にてダブル当選ではないと判定した場合、ステップS4809にて、次回指定BBとして第1BBが選択されたか否かを判定し、第1BBである場合には、ステップS4810にて第1BB用フラグをセットし、ステップS4811にて第1BB用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT継続設定処理を終了する。また、第2BBである場合には、ステップS4812にて第2BB用フラグをセットし、ステップS4813にて第2BB用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT継続設定処理を終了する。
以上のようにすることで、ボーナスAT終了後において、第1BBと第2BBとのいずれに当選すればよいかがボーナスAT状態の連荘数によって変化し、遊技の多様化が図られる。
特に、各ゲームの抽選処理としては、第1BBよりも第2BBに当選し易い構成としていることから、次回指定BBとして第1BBよりも第2BBの方が設定され易い状況(連荘カウンタ=13~23)では、次回指定BBとして第2BBよりも第1BBの方が設定され易い状況(連荘カウンタ=1~11)よりもATモードの継続率が高くなる。このように、次回指定BBの選択率を連荘カウンタによって変化させるだけでATモードの継続率を変化させることが可能となり、連荘数との関係で遊技の興趣向上を容易に図ることができる。
より詳しくは、上記構成では、ボーナスAT状態を11回まで連荘させれば後はATモードの継続率が高くなる、といったように目指すポイントが明確化され、先ずは、低い連荘率のもとで何とか11回までは継続させ、それ以降は高い連荘率によって優越感に浸りながら遊技を行うことが可能となる、といったように遊技の面白みが高められている。
<変形例2>
次回BB抽選テーブルの変形例を、図94の例示に基づき説明する。
図94(a)は、次回指定BBの選択に、今回終了するBBも関与する例を示している。この例では、AT継続設定処理において、第1BB終了ゲームフラグがセットされており、第1BB状態を終了する場合、次回指定BBとして第1BBの方が第2BBよりも選択され易く、第2BB終了ゲームフラグがセットされており、第2BB状態を終了する場合、次回指定BBとして第2BBの方が第1BBよりも選択され易くなるように設定されている。このようにすることで、自らの停止操作によって入賞させたBBとの関係で次回指定BBが設定されるため、遊技機側で次回指定BBを設定する構成であっても、その設定に遊技者が関与しているように感じさせることが可能であり、遊技への注目度をうまく高めることが可能となる。
図94(b)は、当選確率設定処理により設定される設定値が、次回指定BBの選択に関与する例を示している。この例では、設定値が高くなるほど、次回指定BBとして第2BBが選択される割合が多くなるように設定されている。上記のように、各ゲームの抽選処理において第1BBよりも第2BBの方が当選確率が高いため、次回指定BBとして第1BBが設定されるよりも第2BBが設定された方が、ATモードが継続する可能性は高い。つまり、上記のように、設定値が高くなるほど第2BBが選択され易くなるようにすることで、設定値が高くなるほどATモードの継続率が高くなる、といった構成とすることが可能となる。このようにすれば、第1BBや第2BBの当選確率を設定値によって変化させなくても、BB当選に基づいて有利区間が終了する場合があるといった遊技性と関連付けながら、設定値によって出玉率をうまく調節することが可能となる。
図94(c)は、有利区間ゲーム数AGが、次回指定BBの選択に関与する例を示している。この例では、有利区間ゲーム数AGの値が大きくなるほど、次回指定BBとして第2BBが選択される割合が多くなるように設定されている。本スロットマシン10では、ほぼ有利区間に滞在していることを前提とした遊技性であり、ATモードへの移行が生じないほど、ATモード移行時における有利区間の上限ゲーム数まで残りゲーム数が少なくなり得る構成である。その点、上記のようにすることで、ATモードへの移行がなかなか生じなかった場合には、ATモードの序盤から次回指定BBとして第2BBが選択され易くなり、ATモード移行までの所謂はまりへの補填とすることが可能である。
<変形例3>
上記第3の実施形態では、ボーナスAT状態終了後において、次回指定BBとして選択され易い有利なBBに当選したのにもかかわらず有利区間が終了してしまうことの補填として、ATモード移行抽選に当選し易いCZモードへの移行を生じさせる構成としたが、本変形例では、その補填のための構成を変更する。図95は、本変形例における有利区間移行ゲーム用処理を示すフローチャートである。有利区間移行ゲーム用処理は、有利区間への移行を生じさせたゲームの開始時(区間表示第1処理)にて実施される処理である。
ステップS4901にて、いずれかのBB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行である場合、ステップS4902に進み、第1BB持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。第1BB持ち越しフラグがセットされている場合、ステップS4903にて設定示唆演出の高確率コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップS4902にて、第1BB持ち越しフラグではなく第2BB持ち越しフラグがセットされている場合、ステップS4904にて、設定示唆演出の低確率コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。ステップS4903又はステップS4904の処理を実行した後は、ステップS4905にてCZモードフラグをセットし、ステップS4906にてCZカウンタに32を入力してから、本有利区間移行ゲーム用処理を終了する。また、ステップS4901にて否定判定した場合には、ステップS4907~ステップS4909にて天井ゲーム数の設定処理を行ってから、本有利区間移行ゲーム用処理を終了する。設定示唆演出の高確率コマンドを受信した表示制御装置81は、設定値を示唆する設定示唆演出が比較的高確率で発生する高確率状態に設定し、設定示唆演出の低確率コマンドを受信した表示制御装置81は、設定示唆演出が比較的低確率で発生する低確率状態に設定する。
すなわち、本変形例では、第1BBと第2BBのいずれに当選して有利区間が終了した場合であっても、その後に有利区間に移行する際には、同じCZモードに設定される。その一方で、第1BBに当選して有利区間が終了した場合には、設定示唆演出の高確率状態となり、第2BBに当選して有利区間が終了した場合には、設定示唆演出の低確率状態となる。
設定示唆演出を実行するための、表示制御装置81の設定示唆用処理について、図96(a)のフローチャートを参照しながら説明する。設定示唆用処理は、例えば、開始時演出設定処理(図51)のステップS2411のその他の開始時演出の設定処理にて実施される処理である。
ステップS5001では、今回開始するゲームの抽選結果が特別演出Aを実行する契機となる抽選結果であるか否かを判定する。特別演出Aとは、設定値を示唆する示唆報知演出のうちの一演出であり、特別演出Aを実行する契機となる抽選結果としては本変形例ではチェリーAが設定されている。すなわち、本変形例では、チェリーAに当選した場合に、設定示唆報知としての特別演出Aが発生し得る。
今回のゲームの抽選結果がチェリーAである場合、ステップS5002に進み、特別演出A用の設定示唆演出の抽選処理を実行する。特別演出A用の設定示唆演出の抽選処理では、図96(b)に示すように、設定示唆演出の高確率状態であれば、設定2,4,6が設定1,3,5よりも高確率で当選するように設定されている。また、設定示唆演出の低確率状態であれば、設定2,4,6の方が設定1,3,5よりも高確率で当選するものの、その差が高確率状態の場合よりも小さくなるように設定されている。
ステップS5003では、上記ステップS5002の示唆抽選に当選したか否かを判定し、非当選である場合にはそのまま設定示唆用処理を終了する。当選である場合には、ステップS5004にて設定示唆演出としての特別演出Aが実行されるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。特別演出Aとしては、例えば、補助表示部65に所定のキャラクタ(例えば男の子のキャラクタ)が登場するとともに、所定の効果音(例えば、「イエス!!」)が発せられる演出が設定されている。
ステップS5001にて、特別演出Aの実行契機となる抽選結果ではないと判定した場合、ステップS5005にて、今回開始するゲームの抽選結果が特別演出Bを実行する契機となる抽選結果であるか否かを判定する。特別演出Bとは、設定値を示唆する示唆報知演出のうちの一演出であり、特別演出Aとはその演出内容(表示内容、効果音、演出発生タイミングの少なくとも1つ)が異なる演出であり、特別演出Bを実行する契機となる抽選結果としては本変形例ではチェリーBが設定されている。すなわち、本変形例では、チェリーBに当選した場合に、設定示唆報知としての特別演出Bが発生し得る。
今回のゲームの抽選結果がチェリーBである場合、ステップS5006に進み、特別演出B用の設定示唆演出の抽選処理を実行する。特別演出B用の設定示唆演出の抽選処理では、図96(b)に示すように、設定示唆演出の高確率状態であれば、高設定ほど高確率で当選するように設定されている。また、設定示唆演出の低確率状態であっても高設定ほど当選するものの、その差が高確率状態の場合よりも小さくなるように設定されている。
ステップS5007では、上記ステップS5006の示唆抽選に当選したか否かを判定し、非当選である場合にはそのまま設定示唆用処理を終了する。当選である場合には、ステップS5008にて設定示唆演出としての特別演出Bが実行されるように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。特別演出Bとしては、例えば、補助表示部65に所定のキャラクタ(例えば女の子のキャラクタ)が登場するとともに、所定の効果音(例えば、「きゃはっ!!」)が発せられる演出が設定されている。
以上のように、ボーナスAT状態後に、第1BBに当選した際に有利区間が終了した場合に、設定示唆演出の高確率状態とすることで、次回指定BBとして設定され易く、有利なBBに当選したのにもかかわらず有利区間が終了してしまったことに対して、設定値の予測や特定を行い易くなるといった事象により補填とすることが可能となる。このようにすることで、出玉率に影響を与えにくい範囲で補填を行う構成とすることが可能となり、その補填を手厚くしようとするあまり、出玉率が高くなり過ぎてしまう事象を回避することができる。
なお、上記のように、有利区間移行時にセットされている持ち越しフラグの種類によって、設定示唆演出の高確率状態とするか低確率状態とするかを異ならせる、といった構成は、他の実施形態に適用してもよい。また、第1BB持ち越しフラグがセットされている状況で有利区間に移行した場合は設定示唆演出の低確率状態に設定し、第2BB持ち越しフラグがセットされている状況で有利区間に移行した場合は設定示唆演出の高確率状態に設定する、といったようにセットされている持ち越しフラグと設定される設定示唆演出の状態の高低との関係が、上記のものと逆としてもよい。
更に、有利区間移行時にセットされている持ち越しフラグの種類によって、設定示唆演出の高確率状態と低確率状態とのいずれかに設定する構成としたうえで、CZモードではなく通常モードに設定する構成としてもよい。つまり、図95において、BB持ち越しフラグの有無に関わらず通常モードに設定する構成としたうえで、第1BB持ち越しフラグがセットされている場合には、設定示唆演出の高確率状態に設定し、第2BB持ち越しフラグがセットされている場合には、設定示唆演出の低確率状態に設定し、更に、いずれの状態に設定する場合であっても、天井ゲーム数の設定処理を行う構成としてもよい。この場合、第1BB持ち越しフラグ及び第2BB持ち越しフラグのいずれもがセットされていない場合には、上記第2BB持ち越しフラグがセットされている場合の低確率状態よりも更に低確率な状態に設定する構成としてもよく、第2BB持ち越しフラグがセットされている場合の低確率状態と同じ状態に設定する構成としてもよく、第1BB持ち越しフラグがセットされている場合の高確率状態よりも更に高確率な状態に設定する構成としてもよく、第1BB持ち越しフラグがセットされている場合の高確率状態と同じ状態に設定する構成としてもよく、第1BB持ち越しフラグがセットされている場合の高確率状態よりも低確率であって且つ第2BB持ち越しフラグがセットされている場合の低確率状態よりも高確率な状態に設定する構成としてもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態では、ボーナスAT状態後、所定ゲーム数以降で第2BBに当選すると有利区間が終了し得る構成とする。図97(a)は、本実施形態における通常遊技状態用の抽選テーブルの一部を示している。
本実施形態では、インデックス値IV=25の際に当選となると、第1BB当選フラグがセットされ、インデックス値IV=26の際に当選となると、第2BB当選フラグがセットされ、これらインデックス値IV=25,26の際に当選となった場合に第1BB当選フラグや第2BB当選フラグ以外の当選フラグはセットされない。つまり、第1BBや第2BBはいずれも他の役との重複当選ではなく、単独当選となる構成としている。
第1BBと第2BBとの当選確率について、本実施形態では、第1BBには約6.7分の1の確率で当選し、第2BBには約20.1分の1の確率で当選し、第1BBの方が第2BBよりも当選し易くなるように設定されている。
また、第1BB状態と第2BB状態とでは、本実施形態では設定される上限払出数が異なり、第1BB状態では上限払出数が140枚として設定される一方、第2BB状態では上限払出数が20枚として設定され、第1BB状態の方が第2BB状態よりも遊技者にとって有利な状態として設定されている。
さらに、第1BBに当選となった場合と、第2BBに当選となった場合とで、各ゲームのリール制御が異なり、特に、各BB当選フラグがセットされているゲームにおいて、BB入賞を成立させることができず、且つ他の役の入賞を成立させることができない場合のリール制御が異なっている。
より詳しくは、第1BB当選フラグがセットされているゲーム、すなわち、第1BB当選ゲームとそれ以降の持ち越し状態のゲームであって、更に外れ結果となったゲームにおいて、第1BB入賞を成立させることができないタイミングで停止操作が行われると、図97(b1)に示すように、中ラインL2に「ベル」図柄が揃って停止する。本実施形態では、中ラインL2に「ベル」図柄が揃って停止する停止態様(有効ラインに、左から「ベル」図柄、「リプレイ」図柄、「スイカ」図柄が停止する停止態様)は、入賞用の停止態様として設定されておらず、遊技状態の移行や再遊技は付与されないし、メダル払出も行われない。つまり、中ラインL2に「ベル」図柄が揃って停止する停止態様は、本実施形態では、第1BB当選を報知するための所謂リーチ目としての機能をなすものである。
これに対して、第2BB当選フラグがセットされているゲーム、すなわち、第2BB当選ゲームとそれ以降の持ち越し状態のゲームであって、更に外れ結果となったゲームにおいて、第2BB入賞を成立させることができないタイミングで停止操作が行われると、図97(b2)に示すように、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされていない場合にも停止し得る所謂外れ目が停止する。
つまり、通常遊技状態において、入賞許可報知が行われるよりも前には第1BB入賞や第2BB入賞を成立させないような停止操作が行われていることを前提とすると、第1BBに当選した場合には、上記リーチ目の停止によって第1BBに当選したことを把握可能となる一方、第2BBに当選した場合には、上記リーチ目が停止しないことから第2BBに当選したことを把握することができない。言い換えると、通常遊技状態において、第1BBの当選確率の分母以上のゲーム数を消化するなど、しばらく遊技しても上記のリーチ目が停止しないことを通じて、既に第2BBに当選していることを予測することも可能である。
図97(c)は、本実施形態における有利区間移行ゲーム用処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、有利区間移行時のBB持ち越しフラグの有無に関わらず、一律で、通常モードに設定する。つまり、有利区間移行ゲーム用処理では、BB持ち越しフラグの有無に関わらず、ステップS5101にて天井ゲーム数テーブルを取得し、ステップS5102にて天井ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS5103にて天井ゲーム数を天井カウンタに入力する処理を実行する。
<区間表示第2処理>
図98は、本実施形態における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップS5201にて有利区間中であると判定した場合、ステップS5202にて、各BB当選フラグ、各BB持ち越しフラグ、各BB状態フラグのいずれもがセットされておらず、現状の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合、ステップS5203にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBB後カウンタを1加算する処理を実行する。BB後カウンタは、設定変更後やBB状態の終了後のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、いずれかのBBに当選することでクリアされる。
ステップS5202にて否定判定した場合、又はステップS5203の処理を実行した後は、ステップS5204に進み、ステップS5204~ステップS5207の有利区間中のゲーム数や増減枚数の管理用の処理を実行する。これらステップS5204~ステップS5207の処理は、ステップS2202~ステップS2205の処理と同様である。
ステップS5208では、有利区間の上限ゲーム数又は上限増加枚数に達したか否かを判定する。いずれかの上限に達している場合には、ステップS5209~ステップS5211にて有利区間終了用の処理を実行する。ステップS5208にていずれの上限にも達していないと判定した場合、ステップS5212及びステップS5213にて、通常モードにおけるATモード当選前のBB入賞ゲームであるか否かを判定する。なお、本実施形態ではCZモードは設けられておらず、ステップS5213では、ATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれもがセットされていない場合に、通常モードにおけるATモード当選前であると判定する。通常モードにおけるATモード当選前のBB入賞ゲームである場合、ステップS5209~ステップS5211にて有利区間終了用の処理を実行する。これらステップS5208~ステップS5213の処理も、ステップS2206~ステップS2211の処理と同様である。
ステップS5212にてBB入賞ゲームではないと判定した場合、ステップS5214にていずれかのBB当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。BB当選ゲームである場合、ステップS5215にて、上記のBB後カウンタが20よりも大きい値か否かを判定する。すなわち、ステップS5215の処理は、BB状態の終了後、次のBB当選が所定ゲーム数として20ゲーム以内に生じたか否かを判定する処理である。
BB後カウンタが20よりも大きい値であり、BB状態の終了後、所定ゲーム数を超えてBB当選した場合、ステップS5216にてBB後カウンタを0にクリアする処理を実行してから、ステップS5217にて、今回当選したBBが第2BBであるか否かを判定する。第2BB当選ゲームフラグがセットされており、第2BBの当選ゲームである場合、ステップS5209~ステップS5211にて有利区間終了用の処理を実行してから、区間表示第2処理を終了する。一方、ステップS5217にて第1BB当選ゲームフラグがセットされており、第1BBの当選ゲームである場合、有利区間を終了させることなく区間表示第2処理を終了する。
これに対して、ステップS5215にて20ゲーム以内のBB当選であると判定した場合、ステップS5218にて当該BB後カウンタを0にクリアする処理を実行してから、有利区間を終了させることなく区間表示第2処理を終了する。すなわち、BB状態の終了後、所定ゲーム数以内にBB当選した場合には有利区間を終了させない。すなわち、BB状態の終了後、所定ゲームを超えてBB当選した場合、第1BB当選であれば有利区間を終了させない一方、第2BB当選であれば有利区間を終了させる。
<遊技の流れ>
本実施形態における遊技の流れを、図99のタイミングチャートを参照しながら説明する。
第2BB当選を持ち越している状況であるt1のタイミングで、ATモードに移行した場合、t2のタイミングで第2BB状態によるボーナスAT状態が開始される。なお、上記のように本実施形態における第2BB状態は、上限払出数が20枚となっており、払出数が当該20枚以上となるt3のタイミングで当該ボーナスAT状態は終了する。
t3のタイミングでBB状態が終了すると、BB後カウンタの計測が開始される。そして、BB後カウンタが20に達する前であり、t3のBB状態の終了後20ゲーム以内であるt4のタイミングで第1BBに当選した場合、上記のリーチ目が停止することにより第1BBに当選したことを遊技者は把握可能となる。そして、この場合、t4のタイミングでは有利区間は終了することなく、t5のタイミングから当該第1BB状態によるボーナスAT状態が開始される。第1BB状態における上限払出数は140枚であり、払出数が当該140枚以上となるt6のタイミングで当該ボーナスAT状態は終了する。
t6にてBB状態が終了してから、20ゲームを超えるt7のタイミングで第1BBに当選した場合、リーチ目が停止する。そしてこの場合、有利区間は終了しない。リーチ目は第1BBに当選してから第1BB状態に移行するまでのゲームにて出現し得る(t7、t8)ため、当該第1BB当選を遊技者が見逃しにくくなっている。そして、t9のタイミングから当該第1BB状態によるボーナスAT状態が開始される。
t10のタイミングでBB状態が終了してから、20ゲーム以内であるt11のタイミングで第2BBに当選した場合、リーチ目は停止しない。但しこの場合、BB終了後、20ゲーム以内のBB当選であるため、有利区間は終了しない。そして、t12のタイミングから第2BB状態によるボーナスAT状態が開始される。
t13のタイミングでBB状態が終了してから、20ゲームを超えるt14のタイミングで第2BBに当選した場合も、リーチ目は停止しない。但しこの場合、BB終了後、20ゲームを超えての第2BB当選であるため、有利区間は終了する。このように、t1のタイミングでATモードに移行して第2BB状態によるボーナスAT状態(t2~t3)を連荘のスタートとし、t13にてBB終了してから20ゲームを超えて第2BBに当選するt14までが、ボーナスAT状態の連荘によるひとまとまりの有利状態である。
そして、t15のタイミングで有利区間に移行する場合、通常モードとして天井ゲーム数の設定処理が行われる。例えば、天井ゲーム数を消化するt16のタイミングでATモードに移行すると、t17のタイミングで第2BB状態によるボーナスAT状態から再度上記ひとまとまりの有利状態がスタートする。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
BB状態の終了後に第1BB当選した場合には有利区間を終了させない一方、第2BBに当選した場合には有利区間を終了させる場合がある構成とし、第1BBに当選した場合にはリーチ目が停止し第2BBに当選した場合にはリーチ目が停止しないようにしたことで、BB状態の終了後、リーチ目の出現の有無によって有利区間が継続するか否かを判断させることが可能となる。
第2BB当選であっても、BB状態後20ゲーム以内の当選であれば、有利区間を終了させないようにしたことで、BB状態後20ゲーム以内であればいずれのBB当選でもATモードは継続し、20ゲームを超えてからは、第1BB当選だけATモードが継続する、といった遊技性となる。このようにすることで、BB状態後、20ゲーム以内にいずれかのBBに当選することに期待させ、20ゲーム以内に当選しなければ、以降は第2BB当選とならないこと、すなわち、第1BB当選となることへ期待させる、といったように、BB状態終了後のゲーム数に応じた各状況で、強烈なドキドキ感を提供可能な遊技性を実現できる。
但し、第1BB状態と第2BB状態とを比較すると第1BB状態の方が終了条件としての上限払出メダル数が多く、遊技者にとって有利であることから、BB状態後の20ゲーム以内の当選であっても有利な側の第1BBに当選することを期待させることができ、両BBの有利度の差を大きくすることを通じて、いずれのBBに当選するかへより大きな関心を寄せさせることができる。
本実施形態においても、ATモード終了後、再移行した通常モードとしての有利区間にてBB入賞を成立させると、有利区間は再度終了する。この場合、BB状態中の有利区間移行時に再度通常モードに設定され、天井ゲーム数の設定処理が行われる。このようにすることで、第2BB当選にてATモードが終了した後は、その第2BB当選を、再度ATモードに移行するまで維持する、といった遊技性が実現される。この場合、第2BBに当選している状況では上記のようにリーチ目が出現しないことから、ATモードに移行するまでの間のゲームでリーチ目が出現することによってBB入賞を成立させてもよい状況となったと勘違いさせてしまうことを抑制し、ATモード移行まで第2BB入賞を待機する遊技性を好適に実現することができる。
<変形例>
上記第4の実施形態ではBB状態の終了後のゲーム数を、BB後カウンタにて把握していたが、本変形例では、BB状態の終了時に設定されるRT状態にて把握する。
図100(a)は、本変形例における区間表示第2処理を示すフローチャートである。
ステップS5301では、状態情報格納エリア106cのRT状態フラグの有無を確認することで、遊技状態がRT状態であるか否かを判定する。本実施形態では、図100(b)に示すように、第1BBの終了時に20ゲームの固定RT状態に設定され、当該RT状態フラグは第1BB状態の終了ゲームにおいて実行されるボーナス状態処理(図23)において第1BB終了ゲームフラグをセットする際に、あわせてセットされる。また、RT状態フラグがセットされている場合、各ゲームの抽選処理ではRT状態用の抽選テーブルを用いて役の抽選を行う。図による詳細な説明は省略するが、本変形例におけるRT状態用の抽選テーブルは、基本的には、通常遊技状態用の抽選テーブルと同じであり、例えば、通常リプA~通常リプBの個別の当選確率が通常遊技状態とRT状態とで異なる一方、通常リプA~通常リプBの当選確率の合算確率は通常遊技状態とRT状態とで同じとなっている。なお、通常遊技状態とRT状態とで通常リプA~通常リプBの合算確率が異なる構成としてもよく、他の再遊技の当選確率を異ならせてもよい。そして、第2BB状態の終了時にはRT状態に設定されない。
ステップS5301にてRT状態フラグがセットされていると判定した場合、ステップS5302にて、各種カウンタエリア106eに設けられたRTカウンタを1減算する処理を実行する。RTカウンタは、RT状態の残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、第1BB終了時にRT状態に設定する際に固定RT状態のゲーム数に相当する20が入力される。ステップS5303では、RTカウンタが0となり、RT状態の残りゲーム数が0となったか否かを判定する。残りゲーム数が0である場合、ステップS5304にてRT状態フラグをクリアする処理を実行する。
ステップS5301にてRT状態フラグがセットされていない場合、ステップS5303にてRTカウンタが0ではない場合、又はステップS5304にてRT状態フラグをクリアした後は、ステップS5305に進む。ステップS5305~ステップS5313の処理は、上記ステップS2201~ステップS2209の処理と同様である。
ステップS5310にて、有利区間の強制終了条件が成立していない場合、ステップS5314にてBB入賞ゲームであるか否かを判定する。BB入賞ゲームである場合、ステップS5315にてATモード当選フラグ又はATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれもセットされていない場合には、ステップS5311に進み、有利区間終了用の処理を実行する。いずれかのフラグがセットされている場合、本変形例では、ステップS5316にて第1BB当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。第1BB当選ゲームフラグがセットされており、第1BB当選ゲームで入賞を成立させた場合には、ステップS5311に進み、有利区間終了用の処理を実行する。第1BB当選ゲームフラグがセットされていない場合には、有利区間を終了させることなく、そのまま区間表示第2処理を終了する。
ステップS5314にてBB入賞ゲームではないと判定した場合、ステップS5317にていずれかのBB当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。BB当選ゲームである場合、ステップS5318にてRT状態であるか否かを判定し、RT状態ではない場合、ステップS5319にて第2BBの当選ゲームであるか否かを判定する。RT状態ではなく、且つ第2BB当選ゲームである場合は、ステップS5311に進み、有利区間終了用の処理を実行する。これに対して、BB当選ゲームではない場合や、RT状態中のBB当選ゲームである場合、RT状態ではない状態での第1BB当選ゲームである場合は、有利区間を終了することなく、そのまま区間表示第2処理を終了する。
本変形例では、RT状態中のリール制御が上記第4の実施形態と異なっている。すなわち、図100(c)に示すように、RT状態中においては、第1BBに当選している場合であっても、第1BB入賞を成立させることができないタイミングで停止操作が行われた場合、中ラインL2に「ベル」図柄が揃って停止する停止態様とならず、リーチ目が停止せずに、外れ目となる。つまり、RT状態においては、第1BBと第2BBとのいずれに当選した場合であっても、リーチ目からその当選の有無を判断することはできない。そして、RT状態後においては、上記第4の実施形態と同様に、第1BBに当選している場合にはリーチ目が停止し得る一方、第2BBに当選している場合にはリーチ目が停止しない。
以上のようにBB状態後に移行し得るRT状態を用いても、BB状態終了後、所定ゲーム数以内のBB当選や所定ゲーム数を超えるBB当選であっても第1BB当選であれば有利区間を終了させない一方、所定ゲーム数を超えるBB当選のうち第2BB当選である場合には有利区間を終了させる、といった上記第4の実施形態と同様の遊技性を創出可能である。
特に、本変形例では、第1BB状態後はRT状態に設定する一方、第2BB状態後はRT状態に設定しない構成としたことで、ATモード中に2回連続で第2BB当選となった場合にATモード(有利区間)が終了する構成となる。このようにRT状態といった既存の構成を有利区間の終了条件にうまく適用することで、比較的簡素な構成にてボーナスAT状態の連荘性能を規定することが可能となる。
また、本変形例では、第1BB当選であっても当選ゲームで第1BB入賞を成立させてしまうと、有利区間が終了する。このようにすることで、第1BB当選に基づいてリーチ目が出現する機会をより確実に確保することができ、リーチ目出現の有無によって有利区間継続の有無を判断させる遊技性を好適に実現することができる。
そして、本変形例では、RT状態中は第1BBに当選していてもリーチ目が停止しないようにしたことで、RT状態中においては、いずれかのBBに当選することを期待させ、RT状態中は第1BBに当選することに期待させるといった遊技を行わせるうえで、RT状態中においてはBB種別の有無に関わらずBB当選に期待させる遊技性を抹殺しない範囲で、リーチ目出現による有利区間継続の有無の判断を行わせる遊技を行わせることが可能となる。つまり、仮にRT状態においてリーチ目が停止し得る構成とすると、第1BBに当選したほうが有利であることからして、RT状態でもリーチ目が停止することに期待するようになり、RT状態中とRT状態後の遊技性の差が小さくなり、せっかくのRT状態の遊技性が低下する可能性があるからである。
しかも、第1BBの方が第2BBよりも当選し易い構成であることからしても、RT状態中に第1BB当選時にリーチ目が出現しないようにする機会が増えるし、演出等によってBB当選を察知した後、最後までBB種別への興味を薄れさせないようにすることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)天井ゲーム数を抽選により決定する構成としたが、一律で所定ゲーム数(999ゲーム)を設定する構成としてもよい。このようにすることで、比較的短い天井ゲーム数が設定されることを期待して、通常モードにおいてBB入賞を繰り返す行為を抑制することができる。
(2)設定されている天井ゲーム数を、補助表示部65等による演出等によって示唆する構成としてもよい。ATモード当選前にBB入賞させることで、天井ゲーム数が再設定されるところ、このようにすることで、遊技者は、かかる演出によって天井ゲーム数を予測したり把握したりし、ATモード当選前にBB入賞を成立させて天井ゲーム数を再設定させるか否かを判断させることが可能となる。
(3)通常モードに移行する場合に、天井ゲーム数の設定処理を行う構成としたが、有利区間に移行する際に、設定されるモードに関わらず、天井ゲーム数の設定処理を行う構成としてもよい。この場合、CZモード中においても天井カウンタの減算を行う構成としてもよく、CZモード中においては天井カウンタの1ゲーム当たり減算スピードが、通常モード中のそれよりも早くなる構成としてもよい。また、BB持ち越しフラグの有無によって、設定する天井ゲーム数が異なり得る構成としたり、天井ゲーム数の設定処理に際して取得する(利用する)天井ゲーム数テーブルを異ならせる構成としてもよく、短いゲーム数の天井ゲーム数が設定され易いことを通じて有利な有利区間として設定する構成としてもよい。
また、CZモードから通常モードに移行する際に天井ゲーム数の設定処理を行う構成において、CZモード中のゲーム数(32)を差し引いて天井ゲーム数の設定を行う構成としてもよい。
(4)BB状態中にJAC当選を持ち越すことで、押し順ベル当選且つ押し順正解時の第1小役入賞が生じる構成としたが、JAC当選の持ち越しの有無に関わらず、押し順ベル当選であって押し順が第1小役に合致してさえいれば第1小役入賞が成立し得る構成としてもよい。また、押し順ベル当選時に、1枚払出となる小役のグループと、15枚払出となる小役のグループの他に、1枚よりも多く15枚よりも少ない3枚払出となる小役のグループを設け、JAC当選を持ち越しており且つ押し順が第1小役入賞に合致するものであれば15枚払出となる第1小役入賞が成立し、JAC当選を持ち越しておらず且つ押し順が第1小役入賞に合致するものや上記3枚払出となる小役入賞に合致するものであれば3枚払出となる小役入賞が成立し、JAC当選を持ち越しの有無に関わらず押し順が第1小役入賞や上記3枚払出となる小役入賞に合致しないものであれば1枚払出となる小役入賞が成立したり取りこぼしとなる構成としてもよい。
(5)BB状態へ移行させることで、押し順ベルの当選確率がそれまでの状態(通常遊技状態や持ち越し状態)よりも高くなる構成としてもよい。
(6)ATモード移行抽選の契機役のうち、特定役をチェリーA~チェリーC、チャンス目A~チャンス目C及びスイカとして設定し、BB入賞を回避可能なストップスイッチ42~44の操作態様であれば、これらの特定役の種類を判別することが可能となり得る構成としたが、例えば、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞が生じ得る場合と取りこぼしが生じ場合とがある取りこぼし結果を設け、当該取りこぼし結果の入賞成立を可能となるタイミングにてストップスイッチ42~44の操作を行えばBB入賞が回避される構成としてもよい。
また、特定役のうち、チェリーAやチェリーBとチェリーCとのATモード移行抽選の当選確率の相違を、特定役の種類判別(BB入賞回避用の操作態様にて操作させること)の動機付けとしたが、ATモード移行抽選の有無が異なることを特定役の種類判別の動機付けとしてもよい。また、入賞する結果によって得られる特典が異なるように特定役を構成し、かかる特典として有利な特典が得られるようにすることをBB入賞回避用の操作態様にて操作させることの動機付けとしてもよい。
(7)有利区間中の通常モードやCZモード中にBB状態へ移行させた場合、当該BB状態にて押し順報知が発生しない構成としたが、発生する構成としてもよい。この場合、ATモード中にBB状態へ移行させた場合よりも押し順報知の発生率が低くなる構成とするとよく、より詳しくは、ATモード中にBB状態へ移行させた場合が最も押し順報知が発生し易く、通常モード中にBB状態へ移行させた場合が最も押し順報知が発生しにくくなるようにするとよい。
(8)有利区間移行抽選の当選確率を100%としたが、それよりも低い当選確率としてもよい。特に、第1BBや第2BBとの重複当選となる第1再遊技や第28小役を契機とする(リプ重複第1BBやリプ重複第2BB、リーチ目重複BBを契機とする)有利区間移行抽選において、当選しない場合があるようにすることで、これらを契機として有利区間への移行が生じない場合もあるようになる。そうすると、例えば、第1の実施形態において、ボーナスAT状態終了に際して有利区間も終了した後、リプ重複第1BBに当選した場合において、第1BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行が生じる場合と、第1BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行が生じない場合とがあるようになる。つまり、後者の場合は、その後の他の小役等を契機として有利区間に移行する際には第1BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行となり、CZモードではなく通常モードに設定されることになる。このようにすることで、ボーナスAT状態後の引き戻しゾーンが、100%付与されるものではなくなり、遊技の興趣向上が図られる。
(9)BB持ち越し状態において、インデックス値IV=25、26にも当選し得る構成としてもよく、この場合、インデックス値IV=25、26に当選した場合には、第1再遊技当選フラグをセットする一方、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグをセットしない構成とするとよい。この場合、BB持ち越し状態においてインデックス値IV=25、26にて当選となる確率と、他の遊技状態(例えば通常遊技状態)においてインデックス値IV=25、26にて当選となる確率とが同じ確率となるようにすることが好ましい。さらにこの場合、持ち越し状態にてBB入賞を可能とすべく、通常遊技状態においても外れ結果となり得るように設定するとよい。
(10)BB状態中に有利区間への移行が生じた場合、不利な側の通常モードに設定する構成としたが、BB状態中に有利区間への移行が生じた場合、有利な側のCZモードに設定する構成としてもよい。この場合、BB状態中に有利区間への移行が生じていてもBB終了時に有利区間を終了させる構成とするとよい。このような構成であっても、少なくともBB状態中はATモード移行抽選が実施されないことや天井ゲーム数のカウントも実施されないことによりCZモードの恩恵を実質的に享受することはできない。
(11)有利区間移行ゲーム用処理において、BB持ち越しフラグの有無を把握することによって、移行させる有利区間の有利度を設定する構成としたが、BB当選フラグの有無を把握することによって、移行させる有利区間の有利度を設定する構成としてもよい。この場合、BB当選ゲームとBB持ち越し状態とを区別するためには、BB当選フラグがセットされており、且つBB当選ゲームフラグがセットされている場合にBB当選ゲームであると判定し、BB当選フラグがセットされており、且つBB当選ゲームフラグがセットされていない場合にBB持ち越し状態であると判定するとよい。
(12)有利区間移行ゲーム用処理において、遊技状態がBB状態へ移行することになるBBについての当選情報(BB持ち越しフラグ)の有無を把握することによって、移行させる有利区間の有利度を設定する構成としたが、BBに関する当選情報ではなく、他の抽選結果に関する当選情報の有無を把握することによって、移行させる有利区間の有利度を設定する構成としてもよい。例えば、遊技状態の移行は生じない結果としてチェリー当選を持ち越し可能な構成とし、当該チェリーに当選していることに対応する情報が記憶されている状況で有利区間に移行した場合と、チェリーに当選していることに対応する情報が記憶されている状況で有利区間に移行した場合とで、設定する有利区間の有利度を異ならせてもよい。
(13)有利区間移行ゲーム用処理において、BB持ち越しフラグがセットされている場合とセットされていない場合とで、有利区間の有利度を異ならせたが、有利区間移行ゲーム用処理にて有利区間の有利度の抽選を行う構成とし、BB持ち越しフラグの有無によってその抽選結果が異なり得る構成としてもよい。例えば、第1の実施形態では、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行の方が、BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行よりも、CZモードに設定される確率が高くなる、といった構成としてもよい。また、第2の実施形態では、BB持ち越しフラグがセットされている状況での有利区間移行の方が、BB持ち越しフラグがセットされていない状況での有利区間移行よりも、CZモードに設定される確率が高くなる、といった構成としてもよい。
(14)有利区間移行ゲーム用処理において、BB持ち越しフラグの有無だけでなく他のパラメータも利用して、又は他のパラメータを利用して、有利区間の有利度を設定する構成としてもよい。他のパラメータとしては、例えば、設定値や、有利区間移行契機となった遊技結果等が考えられる。より詳しくは、例えば、設定値が高いほど、有利区間移行時にCZモードに設定される確率が高くなり、また、例えば、当選確率が低い結果を契機として有利区間に移行するほどCZモードに設定される確率が高くなる構成としてもよい。
(15)BBの種類として、第1BBと第2BBとを設けたが、BBを1種類としてもよく、3種類以上設定してもよい。3種類以上のBBを設定することで、BB当選やBB入賞、BB状態の終了によって有利区間を終了させたり、次回指定BBと異なるBB当選にて有利区間を終了する一方、次回指定BBと合致するBB当選にて有利区間を終了しない構成において、より遊技の多様化が図られる。なお、次回指定BBを設定する構成においては、次回指定BBを2種類以上のBBを設定する構成としてもよいし、次回指定BBを1種類だけ設定する構成としてもよい。次回指定BBとして設定するBBの種類を多くすることで、当選するBBが次回指定BBと合致する確率が高められ、次回指定BBとして設定するBBの種類を少なくすることで、当選するBBが次回指定BBと合致する確率が低くなる。
(16)通常モードやCZモードであってもATモード当選後であれば、BB入賞させても有利区間を終了させない構成としたが、有利区間を終了させる構成としてもよい。このようにすることで、より慎重なBB入賞が求められることになる。
(17)BB入賞が成立したゲームにて有利区間を終了させる構成としたが、BB状態に移行するゲーム(BB入賞の次のゲーム)にて有利区間を終了させる構成としてもよい。また、BB状態の終了ゲームにて有利区間を終了させる構成としたが、BB状態が終了して通常遊技状態やRT状態に移行するゲーム(BB状態終了ゲームの次のゲーム)にて有利区間を終了させる構成としてもよい。これらの場合、BB入賞ゲームフラグやBB終了ゲームフラグが、少なくとも次ゲームの有利区間終了用の処理(区間表示第2処理)まで維持される構成とするとよく、より詳しくは、BB入賞ゲームの次のゲームであることや、BB終了ゲームの次のゲームであることをCPU102が特定可能なフラグ等を用いる構成とするとよい。
(18)有利区間移行抽選に当選したゲームにて有利区間に移行する構成としたが、有利区間移行抽選に当選したゲームの次ゲームにて有利区間に移行する構成としてもよい。この場合、リプ重複第1BB等を契機として有利区間移行抽選に当選した場合、次ゲームの第1BB持ち越しフラグがセットされているゲームにて有利区間への移行が生じる構成となる。
(19)BB状態中に有利区間の移行が生じ得る構成としたが、BB状態中は有利区間の移行が生じ得ない構成としてもよく、BB状態中は有利区間の移行契機役に当選しない構成としてもよい。
(20)リセットスイッチ72の操作において、エラー解除用の操作とRAMクリア用の操作とを区別可能としてもよく、エラー解除用のリセットスイッチと、RAMクリア用のリセットスイッチと、を別々に有する構成としてもよい。このようにすることで、遊技ホールの営業中のエラー解除用のリセットスイッチの操作によって、有利区間情報や持ち越し情報、BB状態情報の初期化処理(RAMクリア処理)が行われることを回避することができる。
(21)移行許可抽選テーブルにおいて、ストック数が0である場合よりも1以上である場合の方が移行許可抽選に当選しにくくなる構成としたが、ストック数に応じて移行許可抽選の当選確率が異なる構成であればよく、その境界となるストック数は上記のものに限定されないし、その境界は1つでなくてもよく複数段階あってもよい。例えば、ストック数が4以下である場合と5以上である場合とで、移行許可抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。また、ストック数が4以下である場合と5以上10以下である場合と11以上である場合とで、移行許可抽選の当選確率が異なる構成としてもよい。ストック数が多いほど移行許可抽選に当選し易くなる構成としてもよい。BB当選前の方がBB当選後よりも移行許可抽選の当選確率が高く構成としてもよいし、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい第1BBの方が当選し易い第2BBよりも、移行許可抽選に当選し易い構成としてもよい。
(22)区間表示器としての第8表示用セグメントN8を、ATモード中だけでなくCZモード中においても点灯させる構成としたが、CZモード中においては点灯しない構成としてもよい。この場合であっても、補助表示部65等による一連の有利演出によって、有利区間を跨いでひとまとまりの有利状態が継続している印象を遊技者に与えることが可能である。
(23)区間表示器としての第8表示用セグメントN8をCZモード中も点灯させる構成において、通常モードへの移行に際して消灯させる構成としたが、通常モードに移行しても点灯させたままの構成としてもよい。
(24)CZモードへの移行に際して区間表示器の表示を開始する場合、ATモードへの移行に際して区間表示器の表示を開始する場合と、区間表示器及び又は他の報知手段(補助表示部65等)による報知態様を異ならせる構成としてもよい。より詳しくは、CZモードへの移行に際して区間表示器の表示を開始する場合、ATモードへの移行に際して区間表示の表示を開始する場合よりも、遊技者に識別困難な態様にて表示を開始したり、遊技者に識別困難な態様にてその表示開始時の演出を行う構成とするとよい。
(25)BBの種類によって、当選時の有利区間の終了の有無を異ならせる構成を、入賞時やBB状態の終了時に有利区間を終了する構成に適用してもよい。より詳しくは、例えば、第1BB入賞であれば有利区間を終了させる一方、第2BB入賞であれば有利区間を終了させない構成としたり、その逆の構成としてもよい。また、第1BB状態終了時には有利区間を終了させる一方、第2BB状態終了時には有利区間を終了させない構成としたり、その逆の構成としてもよい。
更に、これらの構成を組み合わせてもよく、当選時と入賞時、状態終了時、との有利区間の終了の有無の関係が異なる構成としてもよい。より詳しくは、例えば、第1BB当選ゲームでは有利区間を終了させる一方、第2BB当選ゲームでは有利区間を終了させないようにし、第1BB入賞ゲームでは有利区間を終了させない一方、第2BB入賞ゲームでは有利区間を終了させる構成としてもよい。また、第1BB当選ゲームでは有利区間を終了させない一方、第2BB当選ゲームでは有利区間を終了させるようにし、第1BB状態の終了ゲームでは有利区間を終了させる一方、第2BB状態の終了ゲームでは有利区間を終了させない構成としてもよい。
(26)BB終了後、所定ゲーム数に亘って第2BB当選ゲームの有利区間終了が制限される構成としたが、例えば、特定結果としてチェリーAに当選したゲームから所定ゲーム数に亘って第2BB当選ゲームの有利区間終了が制限される構成としてもよいし、RT状態の終了後、所定ゲーム数に亘って第2BB当選ゲームの有利区間終了が制限される構成としてもよい。
(27)有利区間移行抽選の契機役を、通常遊技状態等にて当選し得る全ての結果としたが、これを変更してもよい。例えば、押し順ベルは有利区間移行抽選の契機役となる一方、各種再遊技は契機役とならない構成としてもよく、スイカは契機役となる一方、押し順ベルや各種再遊技は契機役とならない構成としてもよい。これらの場合において、各種遊技状態にて当選確率の変化が生じない役や、設定値に関わらず当選確率が共通する役を有利区間移行抽選の契機役とするとよい。
(28)3ベットゲームのみを実行可能な遊技機を前提として説明したが、2ベットゲームや1ベットゲームも実行可能な構成としてもよい。この場合、例えば、2ベットゲームと3ベットゲームとを実行可能な構成とし、2ベットゲームにて第1BBや第2BBに当選可能であり、且つ3ベットゲームでは第1BBや第2BBに当選不可であり、更に、2ベットゲームでは第1BB入賞や第2BB入賞を成立可能であり、且つ3ベットゲームでは第1BB入賞や第2BB入賞を成立不可とする。また、2ベットゲームよりも3ベットゲームのほうがATモード移行抽選の当選確率を高くする。このようにすると、3ベットゲームにてATモード移行抽選に当選させ、ATモード移行後、2ベットゲームに切り替えて第1BB状態や第2BB状態によるボーナスAT状態を遊技させる、といった遊技性とすることができる。この場合、3ベットゲームにて、意図せず第1BB入賞や第2BB入賞を成立させてしまうこと(有利区間を終了させてしまうこと)を回避させることができる。
(29)次回BB抽選をBB状態終了に際して実行する構成としたが、少なくともBB当選ゲームからBB状態終了までの間であれば、次のBB当選前に次回指定BBの設定を完了させることは可能である。
(30)次回BB抽選が複数回実行される構成としてもよい。この場合、例えば、各ゲームの抽選処理にて当選し易い側の第2BBが次回指定BBとして設定された方が、有利区間が継続する可能性は高くなるところ、先の次回BB抽選にて第2BBではなく第1BBが次回指定BBとして設定された場合、後の次回BB抽選にて再度第2BBを次回指定BBとして設定するか否かの抽選を行う一方、先の次回BB抽選にて第2BBが次回指定BBとして設定された場合、後の次回BB抽選は行わない構成としてもよいし、ダブル当選となるか否かの抽選を実行する構成としてもよい。
(31)連荘カウンタを利用して次回指定BBの設定を行う構成において、ATモード中の第1BB状態と第2BB状態とのいずれも連荘カウンタの計測対象とする構成に限定されず、例えば、第1BB状態の回数は連荘カウンタに加算する一方、第2BB状態の回数は連荘カウンタに加算しない構成としてもよい。
(32)ATモードを開始させる場合、通常リプA~通常リプC当選を待ってATモードを開始させる構成としたが、抽選結果に関わらず、ATモードを開始させる構成としてもよい。この場合、例えば、ATモード開始ゲームにおいてスタートレバー41の操作に基づき、ストップスイッチ42~44の停止操作が有効となるよりも前の無効期間中に、所定の図柄組合せを仮停止させる演出を行う構成としてもよい。所定の図柄組合せとしては、例えば、上記各実施形態において第2再遊技入賞が成立する場合に右上がりラインL5に停止するようにしていた「BAR」図柄、「BAR」図柄、「BAR」図柄といった図柄組合せや、「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄といった図柄組合せ(図12)を適用してもよく、いずれの図柄組合せを仮停止させるかを継続率に応じて異ならせる構成としてもよい。
(33)有利区間への移行を生じさせる区間表示第1処理を、ゲームの開始時として抽選処理内にて実行する構成とし、有利区間を終了させる区間表示第2処理を、ゲームの終了時としてリール制御処理内にて実行することを前提として説明したが、有利区間への移行タイミングや、有利区間の終了タイミングを上記のものと異ならせてもよい。例えば、有利区間への移行を生じさせる処理がゲームの終了時に実行され、有利区間を終了させる処理がゲームの開始時に実行される構成としてもよく、いずれの処理もがゲームの開始時に実行される構成としてもよく、いずれの処理もがゲームの終了時に実行される構成としてもよい。これらの場合、BB当選時に有利区間を終了させたり、BB入賞時に有利区間を終了させたり、BB終了時に有利区間を終了させたりする場合の上記記載した作用効果を得られる範囲で、各種処理を変更するとよい。
(34)区間表示第2処理において、有利区間の終了契機となるBB入賞ゲームであるか否かの判定処理と、有利区間の終了契機となるBB当選ゲームであるか否かの判定処理と、を有する構成において、BB入賞ゲーム側の判定処理をBB当選ゲーム側の判定処理よりも優先して(先に)実施する構成とすることで、BB当選ゲームでBB入賞させれば有利区間終了を回避可能としたが、BB当選ゲーム側の判定処理をBB入賞ゲーム側の判定処理よりも優先して(先に)実施する構成としてもよい。
(35)ATモードフラグがセットされていない状況で押し順報知が発生する構成としたが、ATモードフラグがセットされていなくても有利区間であれば押し順報知が発生し得る構成としてもよい。この場合、例えば、通常モードよりもATモードの方が、押し順報知が発生し易い構成とするとよく、CZモードよりもATモードの方が、押し順報知が発生し易い構成とするとよい。また、通常モードよりもCZモードの方が、押し順報知が発生し易い構成としてもよく、通常モードとCZモードとでは押し順報知の発生率が同程度としてもよい。これらの場合において、通常モードやCZモードにおいて押し順報知が発生する場合に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を開始する構成とするとよい。
(36)第1BB状態や第2BB状態がATモード中に実行されることで、ボーナスAT状態としてメダル増加が期待できる構成としたが、BB状態への移行を生じさせることなく、押し順報知の有無によってメダル増加が期待できる所謂疑似ボーナス状態を設定し、これらBB状態によるボーナスAT状態と、疑似ボーナス状態と、によってメダル増加が期待できる構成としてもよい。なお、疑似ボーナス状態として、例えば、所定ゲーム数に亘って押し順報知が発生し易くなる構成や、所定回数の押し順報知が発生する構成が考えられる。そして、この場合、JAC当選の持ち越しの有無に関わらず、押し順ベル当選時に第1小役入賞に対応する押し順で操作すれば第1小役入賞が成立する構成とするとよい。
(37)第1BB入賞や第2BB入賞が可能となるゲームにて、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間に亘って無効とするフリーズ演出を発生させる構成としてもよい。この場合、例えば、各リール32L,32M,32Rのうちの所定数(2つ)のリールを停止させた時点で上記フリーズ演出が発生する構成としてもよく、停止前にフリーズ演出が発生する構成としてもよい。このようなフリーズ演出を発生させることで、移行許可条件が成立しておらず、BB入賞を成立させた場合にボーナスAT状態が開始されないのにも関わらずBB入賞を成立させてしまうことを好適に回避させることができる。この場合、移行許可条件の成否に関わらず、共通するフリーズ演出を発生させる構成としてもよいし、移行許可条件が成立していない場合にはフリーズ演出を発生させる一方、移行許可条件が成立している場合にはフリーズ演出を発生させない構成としてもよい。フリーズ演出が行われる上記所定期間は、スムーズなストップスイッチ42~44の操作を妨げない程度の期間であることが好ましく、例えば、各リール32L,32M,32Rが定速周回する場合の所定周回(2周)分の期間を所定期間としてストップスイッチ42~44の操作を無効化させる構成としてもよい。
(38)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(39)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(40)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉調節を行う構成とし、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
パチンコ機においては、例えば、発射装置から発射された遊技球の数と、所定の入球部への入球に基づいて払い出される賞球数と、の差分である実増減球数を所定時間で除算した単位時間当たりの遊技球の増減数を、上記の出玉調節に用いる構成としてもよい。そして、その所定時間を複数設け、長い所定時間とそれよりも短い所定時間とで、それぞれ単位時間当たりの遊技球の増減数を算出し、それらを出玉調節に用いる構成としてもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとって有利となる特定事象(押し順報知且つ15枚ベル入賞)が発生し得る特定状態(有利区間)と、前記特定事象が発生しない通常状態(通常区間)とを有し、
前記特定状態として、第1特定状態(有利区間中の通常モードやCZモード)、第2特定状態(有利区間中のATモード)及び第3特定状態(ボーナスAT状態)が設定されており、
前記第1特定状態において前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB当選又は第2BB当選)であって、前記有効位置に当該特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、当該特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理におけるBB入賞ゲームで有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記第2特定状態において前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果(第1BB当選又は第2BB当選)であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記第3特定状態に移行させることが可能な第2移行手段(主制御装置101によるAT継続設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特別結果の入賞が第1特定状態であれば当該第1特定状態を含む特定状態自体が終了して通常状態へ移行する一方、当該特別結果の入賞が第2特定状態であれば第3特定状態へ移行する。これら第1特定状態、第2特定状態及び第3特定状態は遊技者にとって有利となる特定事象が発生し得る状態であることから、特別結果入賞が第1特定状態か第2特定状態かによって、特定事象が発生し得る状態の継続の有無が異なることとなる。このようにすることで、始動操作手段の操作に基づき各ゲームの抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき抽選結果に対応する絵柄組合せを停止させて入賞に対応する特典を得る、といった所謂スロットマシンの遊技を前提としながらも、どのタイミング(状態)でその入賞を成立させるかによって、当該入賞に対応する特典だけではなく、特定事象の発生の有無に関する有利度を変化させることが可能となる。
より詳しくは、特定事象の発生を望む遊技者としては、第1特定状態において特別結果当選とならないことを望むようになり、また、特別結果当選となっても特別結果入賞を成立させないように停止操作手段を操作すると考えられ、第2特定状態にて特別結果入賞を成立させることで、特別結果入賞による恩恵を享受しながらも特定事象が発生し得る特定状態を継続させることができるようになる。
しかも、第2特定状態にて特別結果入賞を成立させるように操作することで、特定事象が発生し得る特定状態ではあるものの、それまでの第2特定状態から第3特定状態への移行が生じるようになるため、第2特定状態と第3特定状態との有利度等の差によっては、特別結果入賞による恩恵とは異なる利益を享受させたりすることも可能である。
つまり、特別結果入賞は、特定状態の終了契機となるし、特定状態内部の状態移行契機ともなり、いずれの契機となるかによって遊技者の有利度が大きく異なることとなる。このようにすることで、特別結果入賞を成立させる際の注目度を高めることが可能となり、このような構成を用いた遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
特徴A2.前記第2特定状態よりも前記第3特定状態の方が、前記特定事象が発生し易い、又は前記特定事象の発生契機となる契機事象(押し順ベル当選)が発生し易い構成であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態において特別結果入賞を成立させることによって、特定状態を継続させることだけでなく、特定事象の発生率を向上させるといったメリットを生じさせることが可能となる。よって、第1特定状態にて特別結果入賞を成立させた場合と第2特定状態にて特別結果入賞を成立させた場合との有利度の差がより顕著なものとなり、特別結果入賞を成立させる際の注目度向上効果を高めることができる。
なお、上記構成は、「前記第2特定状態よりも前記第3特定状態の方が遊技者にとって有利な状態である」とも表現することが可能である。
特徴A3.前記通常状態から前記特定状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理にて有利区間へ移行させる処理を実行する機能)を備え、
前記第3移行手段は、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる場合、前記第1特定状態に移行させることが可能であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状態中に特別結果入賞を成立させると通常状態に移行するところ、当該通常状態から特定状態へ再移行する際には第1特定状態となり、第1特定態→通常状態→第1特定状態がループすることになる。つまり、第3特定状態への移行を遊技の目指すところとする場合、第1特定状態中に特別結果入賞させると第3特定状態への移行が生じないどころか、第3特定状態への移行を生じさせることが可能な第2特定状態すら移行させることができなくなる。このようにすることで、特別結果入賞を成立させるべきか否かにより関心を持たせ、第1特定状態中に特別結果入賞を成立させにくくすることができる。
特徴A4.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象は、少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果であることと、前記態様報知手段による前記態様報知が行われることと、が含まれる事象であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、態様結果当選時に第1操作結果入賞を成立させるか第2操作結果入賞を成立させるかといった利益の違いを、態様報知の有無により実現可能な構成を特定事象に適用することで、抽選手段による抽選確率(特に態様結果当選となる確率)を変化させることなく有利度を異ならせることが可能となる。つまり、態様報知の有無を異ならせるだけで特定事象の発生率を変化させることが可能となり、特別結果入賞により特定事象が生じ得る特定状態が終了するか否かを変化させるといった特徴A1の遊技機を、既存の構成から大きな変更を必要とせずに実現することが可能となる。
特徴A5.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて、遊技状態を前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別役(JAC)となる確率がそれまでの状態よりも高くなる特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記第3特定状態は、前記第2特定状態であって且つ前記特別状態である状況であり、
前記特定事象は、前記第1特定状態であって且つ前記特別状態である状況よりも前記第2特定状態であって且つ前記特別状態である状況の方が発生し易いことを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果入賞を成立させると特別役の当選確率が高くなる特別状態に移行し、第3特定状態とは、第2特定状態であって且つ特別状態である状況となる。そして、特定事象は第2特定状態であって特別状態である状況の方が第1特定状態であって特別状態である状況よりも発生し易いことから、仮に特別状態が第1特定状態にて実行されたとしても、特別役に当選し易くなるだけである。つまり、上記構成のようにすることで、特別状態が第1特定状態にて実行された場合と第2特定状態にて実行された場合との有利度の違いを、特別状態中の特定事象の発生率の違いを利用して実現することが可能となる。よって、所謂ボーナス状態としての特別状態中の当選確率の変化といった、比較的簡素な構成を利用して、特徴A1の遊技性を実現することができる。
特徴A6.前記特別役に当選したゲームにて、前記有効位置に当該特別役に対応する絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別役に当選していることに対応する特別役情報を記憶可能な特別役記憶手段(主制御装置101によるJAC持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象は、前記特別役情報が前記特別役記憶手段により記憶されている状況にて生じる一方、前記特別役情報が前記特別役記憶手段により記憶されていない状況では生じないものであることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態に移行して特別役に当選した場合において、当該特別役入賞を成立させてしまうと特定事象が生じなくなる。つまり、仮に第2特定状態にて特別状態へ移行させた場合であっても、特別役に当選した際に特別役入賞を成立させると、特定事象による恩恵を享受することができなくなる。このようにすることで、いかに特定役入賞を成立させないようにするかが遊技の肝となるし、また逆に、特定事象による恩恵を享受したくない場合には、それを許容することも可能となり、自らの操作に基づいて抽選結果に対応する入賞を成立させるといった所謂スロットマシンの醍醐味を活かした遊技性とすることができる。
特徴A7.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
前記特定事象は、前記特別役情報が前記特別役記憶手段により記憶されており且つ前記態様結果に当選している状況にて生じる一方、前記特別役情報が前記特別役記憶手段により記憶されておらず且つ前記態様結果に当選している状況では生じないものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態に移行することで当選し易くなる特定役を利用して、特定事象の発生率を高めることができる。この場合、態様結果の当選確率を特別状態とそうではない状態とで変化させる必要がないので、各ゲームの抽選系統の簡略化を図ることが可能となるし、例えば、遊技状態に応じて当選確率の差が無い結果を利用した所定の抽選を行う構成においては、かかる態様結果を当該所定の抽選の抽選契機とすることも可能となる。
特徴A8.前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報(BB持ち越しフラグ)を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101による対応するBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定状態から前記第2特定状態への移行抽選、及び前記第1特定状態から前記第2特定状態への移行処理は、前記特別結果記憶手段により前記特別結果情報が記憶されている状況で実行可能であることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状態にて特別結果入賞を成立させると特定状態が終了し、第2特定状態にて特別結果入賞を成立させると第3特定状態へ移行する、といった遊技性における肝となる第1特定状態から第2特定状態への移行抽選や移行処理が、特別結果に当選していることに対応する特別結果情報が記憶されている状況下で実行される。つまり、通常状態や第1特定状態にて特別結果当選となってもそれを直ぐに入賞させず、第1特定状態から第2特定状態への移行が生じてから特別結果入賞を成立させる、といった遊技性となる。このようにすることで、第2特定状態へ移行してから特別結果当選を待つよりも、よりスムーズに第3特定状態への移行を生じさせることが可能となる。
特徴A9.前記抽選手段による抽選結果として、新たな遊技媒体を用いることなく次ゲームを実行可能とする再遊技結果が設定されており、
少なくとも前記第2特定状態である状況を含む通常遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率は、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態において特別結果当選となる確率は再遊技結果となる確率よりも高くなるように設定されており、比較的当選し易い。このようにすることで、第2特定状態において速やかに第3特定状態への移行を生じさせることが可能となる。
特徴A10.前記抽選手段による抽選結果が第1特定役(チェリーC)である場合、所定の前記停止操作手段が第1タイミングにて操作された場合には前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止し、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングにて操作された場合には前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定役とは異なる第2特定役(チェリーA)である場合、所定の前記停止操作手段が前記第1タイミングにて操作された場合には前記有効位置に前記第1の絵柄組合せ及び前記第2の絵柄組合せとは異なる第3の絵柄組合せが停止し、前記第2タイミングにて操作された場合には前記第2の絵柄組合せが停止し、
所定の前記停止操作手段が前記第1タイミングにて操作された場合には前記有効位置に前記特別の絵柄組合せを停止させることができないことを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による抽選結果が第1特定役であるか第2特定役であるかを停止態様にて判別するためには第1タイミングにて操作する必要があるところ、かかる第1タイミングにて操作することで特別結果入賞を回避することが可能となる。このようにすることで、特別結果の入賞を成立させるタイミングが重要な遊技性において、特別結果入賞を回避するためだけの操作を強要せず、特定役の判別を行うための操作を行っていれば意図せず特別結果入賞が成立してしまう事象を回避させることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記抽選手段による抽選結果が第3特定役である場合、所定の前記停止操作手段が第1タイミングにて操作された場合には前記有効位置に前記第3特定役に対応する第3の絵柄組合せを停止させることが可能である一方、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングにて操作された場合には前記有効位置に前記第3の絵柄組合せを停止させることができない」といった構成としてもよく、当該構成を上記構成と併せ持つ構成としてもよい。
また、上記構成は、「前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第2特定状態への移行抽選を実行する第2特定抽選手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)を備え、前記第2特定抽選手段による前記移行抽選に当選となる確率又は前記移行抽選の実行の有無が、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定役である場合と前記第2特定役である場合とで異なっている」といった構成を有するようにすることで、第1タイミングにて操作することの意義をより高めることができ、それに伴い、意図しない特別結果入賞を回避できる可能性も高めることができる。
特徴A11.前記第2特定状態を介して前記通常状態へ移行してから前記第1特定状態へ移行した場合、少なくとも前記第2特定状態へ移行するまで、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しても前記通常状態へ移行することを制限する終了制限手段(主制御装置101による区間表示第2処理において終了済みフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態へ移行してから通常状態へ移行して第1特定状態へ移行した後は、再度第2特定状態への移行が生じるまで特別結果入賞が成立しても通常状態への移行が制限されている。このようにすることで、例えば、通常状態から第1特定状態へ移行する際に第2特定状態への移行までの天井ゲーム数が設定されるような構成において、第2特定状態へ移行する前に誤って特別結果入賞を成立させてしまって、天井ゲーム数が再設定されてしまう、といった事象を生じないようにすることができる。
特徴A12.前記第2特定状態への移行抽選を行う第2特定抽選手段(主制御装置101によりAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記第2特定抽選手段による移行抽選に当選した場合、前記第2特定状態へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定状態において、前記第2特定抽選手段による移行抽選に当選した後、前記第2特定移行手段により前記第2特定状態へ移行させるよりも前に前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合、前記通常状態へ移行することを制限する手段(主制御装置101によるATモード当選フラグがセットされている状況でBB入賞した場合に有利区間を終了させない処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状態において、第2特定抽選手段による移行抽選に当選した後、移行前に特別結果入賞を成立させた場合に、通常状態へ移行することが制限されている。このようにすることで、せっかく移行抽選に当選したのにもかかわらず、意図せず特別結果入賞を成立させてしまって遊技者が被る不利益が大きくなり過ぎることを回避することができる。
特徴A13.前記第1特定状態において、前記第2特定抽選手段による移行抽選に当選した後、前記第2特定移行手段により前記第2特定状態へ移行させるよりも前に前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合、前記第3特定状態へ移行することを制限する手段(主制御装置101によるATモードフラグがセットされていない状況でBB入賞した場合にボーナスAT状態が開始されないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定抽選手段による移行抽選に当選した後、移行前に特別結果入賞を成立させた場合に、通常状態へ移行しないものの、第3特定状態にも移行しない。このようにすれば、早期に第2特定状態への移行当選を察知できた遊技者と、そうではない遊技者との利益の平等化を図ることができる。
特徴A14.前記通常状態から前記特定状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理にて有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
前記特別結果に当選していることに対応する特別結果情報(BB持ち越しフラグ)を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101による対応するBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第3移行手段は、前記特別結果記憶手段により前記特別結果情報が記憶されている場合と、そうではない場合とで、前記通常状態から前記第1特定状態へ移行させる場合の当該第1特定状態の有利度を異ならせることが可能な手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選に基づいて特別結果入賞を成立させると、特別結果に当選していることに対応する特別結果情報が消去されることを前提とすると、特別結果入賞に基づき通常状態に移行した後、第1特定状態へ移行するまでに再度特別結果当選となるか否かや、特別結果情報が記憶されているか否かによって第1特定状態の有利度が異なることとなる。このようにすることで、特別結果当選への注目度を高めることが可能となるとともに、その特別結果当選に対応する特別結果情報が第1特定状態移行時に記憶されているようにしたり、記憶されていないようにしたりする構成を利用した遊技性を実現することが可能となる。
特徴A15.前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態(ボーナス状態)へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したことに基づいて当該特別状態を終了させる特別状態手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記第3移行手段は、前記特別状態において前記特別終了条件が成立するよりも前に前記第1特定状態へ移行させることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果入賞に基づいて特別状態へ移行するとともに通常状態に移行すると、当該特別状態の終了よりも前に第1特定状態へ移行する。そうすると、特別状態中に再度特別結果当選とならないことを前提とすると、特別状態中に第1特定状態へ移行する場合、特別結果当選に対応する特別結果情報が記憶されていない状況での移行となる。例えば、特別結果情報が記憶されていない状況での第1特定状態移行では不利となる構成とすると、第1特定状態中に特別結果入賞を成立させると、通常状態へ移行し、その後、特別状態中に再度第1特定状態へ移行する場合には必ず不利な第1特定状態へ移行することになるし、逆に特別結果情報が記憶されていない状況での第1特定状態移行では有利となる構成とすると、特別状態中に再度第1特定状態へ移行する場合には必ず有利な第1特定状態へ移行することになり、第1特定状態中に特別結果入賞を成立させた場合の有利度を一定化させることが可能となる。
特徴A16.前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態(ボーナス状態)へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したことに基づいて当該特別状態を終了させる特別状態手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特別状態が終了する場合において、予め定められた特定終了条件が成立している場合、前記特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させる第4移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB終了ゲームにて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A14又は特徴A15に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態が終了する場合とは、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されていない状況であることは明らかであり、このような状況で特定状態を終了させるようにすることで、その後、特定状態へ再移行する場合には、特別結果情報が記憶されていない状況のままである可能性が高い。つまり、第4移行手段にて特定状態が終了された場合、その後に特定状態へ再移行する場合には、特別結果情報が記憶されていない状況となり易くすることができる。そこで、特定状態移行時に特別結果情報の有無によって有利度が変化する特徴A14の構成に、本構成を適用することで、特別結果情報が記憶されていない状況での第1特定状態をうまく設定することが可能となる。
特徴A17.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合、予め定められた特定終了条件が成立していることに基づいて、前記特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させる第5移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB当選ゲームにて有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14又は特徴A15に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選した場合に特定状態を終了させれば、その後、特定状態へ再移行するまでに特別結果入賞を成立させていなければ、当該再移行時に、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されている状況のままとなる。つまり、第5移行手段にて特定状態が終了された場合、その後に特定状態へ再移行する場合には、特別結果情報が記憶されている状況となり易くすることができる。そこで、特定状態移行時に特別結果情報の有無によって有利度が変化する特徴A14の構成に、本構成を適用することで、特別結果情報が記憶されている状況での第1特定状態への移行をうまく設定することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB,第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者にとって有利となる特定事象(押し順報知且つ15枚ベル入賞)が発生し得る特定状態(有利区間)と、前記特定事象が発生しない通常状態(通常区間)とが設定されており、
予め定められた特定移行条件が成立した場合に、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)を備え、
前記特定移行手段は、
前記特別結果情報が記憶されている第1特別状況で前記特定状態へ移行させる場合、第1特定状態(通常モード)へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理においてBB持ち越しフラグがセットされている状況で通常モードに設定する処理を実行する機能)と、
前記特別結果情報が記憶されていない第2特別状況で前記特定状態へ移行させる場合、前記第1特定状態よりも遊技者にとって有利な第2特定状態(CZモード)へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理においてBB持ち越しフラグがセットされていない状況でCZモードに設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき各ゲームの抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき抽選結果に応じた停止結果として特典を得るといった所謂スロットマシンの遊技を前提として、その特典として特別状態への移行が生じる所謂ボーナスとしての特別結果の他に、特定事象が発生し得る特定状態と特定事象が発生しない通常状態とが設定されているため、特別状態と特定状態及び通常状態とを利用した遊技の多様化が図られる。
そのうえで、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されている第1特別状況と、特別結果情報が記憶されておらず特別結果に当選していない第2特別状況とで、特定状態へ移行する場合の特定状態の有利度が異なっており、第1特別状況にて特定状態への移行が生じると第1特定状態へ移行する一方、第2特別状況にて特定状態への移行が生じると第1特定状態よりも遊技者にとって有利な第2特定状態へ移行する。そのため、特定状態を有利に進行させるためには、特別結果情報が記憶されていない第2特別状況にて特定状態へ移行させるべきであり、特別結果情報の記憶の有無と特定状態への移行タイミングとの関係を利用した新たな遊技性を実現することが可能となる。この場合、例えば、特別結果情報が記憶されるよりも前に特定状態への移行を生じさせることができれば第2特定状態に設定される、といったように、特別結果当選と特定状態への移行契機となる結果との関係性を利用した遊技性を実現することも可能である。よって、遊技の興趣向上を図り遊技の注目度を高めることができる。
特に、特別状態への移行が生じ得るような第1特別状況で移行する特定状態を不利なものとすることで、所謂ボーナス状態としての特別状態と特定事象の発生との重複により有利度が高まり過ぎることを抑制することが可能であり、遊技の健全化を図ることができる。しかも、特別状態への移行が生じ得ないような第2特別状況で特定状態へ移行する場合を有利なものとすることで、いかに特別結果当選となるよりも前に特定状態への移行を生じさせるかが遊技の肝となり、これまでにない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴B2.遊技機本体に対して前方に向けて開放される前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉を開放することで操作可能となり、操作することにより遊技機の所定の第1設定を行うことが可能な第1操作手段(設定キー挿入孔73)と、
を備え、
前記第1操作手段の操作に基づき前記所定の第1設定を行う場合、前記特定状態であることの情報が消去される構成であり、
前記第1操作手段の操作に基づき前記特定状態であることの情報が消去される場合、前記特別結果情報は消去されないことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技ホールの管理者等が前面扉を開放して遊技機の所定の第1設定を行う際に、特定状態であることの情報が消去される。この場合、仮に特別結果に当選していることの特別結果情報も消去されてしまうと、その所定の第1設定後の状態は通常状態であって且つ特別結果情報が記憶されていない第2特定状況となり、その後、通常状態から特定状態へ移行すると有利な第2特定状態へ移行することになる。そこで、上記構成では、特別結果に当選していることの特別結果情報は消去せずに保持する構成としていることから、例えば朝一状態等、所定の設定が行われた後に第2特定状態へ移行し易い第2特定状況となることを回避することが可能となる。
特徴B3.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値を有し、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率設定処理を実行する機能)を備え、
前記第1操作手段の操作に基づき前記所定の第1設定として、前記設定手段による前記一の設定値の設定を行うことが可能な構成であることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技ホールの管理者が、日々、設定値の変更操作を行う場合、特定状態であることの情報は消去される一方、特別結果情報は消去されない。このようにすることで、日々の作業によって朝一状態が第2特定状態へ移行し易い第2特定状況となることを回避することが可能となる。
特徴B4.遊技機の電入状態と電断状態とを切り替える電源切替手段(電源スイッチ71)を備え、
前記電源切替手段による前記電入状態と前記電断状態との切り替えが行われる場合、前記第1操作手段の操作が行われていない場合には、前記特定状態であることの情報及び前記特別結果情報が消去されないことを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機の電源ON/OFFだけでは特定状態であることの情報は消去されない。つまり、電源ON/OFFに際して第1操作手段を操作すると、特定状態であることの情報が消去されて特別結果情報は消去されない一方、電源ON/OFFに際して第1操作手段を操作しないと、特定状態であることの情報及び特別結果情報が消去されない。このようにすることで、いずれの情報を消去するかや保持するかを遊技ホールの管理者が調節することが可能となる。
特徴B5.遊技機本体に対して前方に向けて開放される前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉を開放することで操作可能となり、操作することにより遊技機の所定の第2設定を行うことが可能な第2操作手段(リセットスイッチ72)と、
を備え、
前記第2操作手段の操作に基づき前記所定の第2設定を行う場合、前記特定状態であることの情報が消去される構成であり、
前記第2操作手段の操作に基づき前記特定状態であることの情報が消去される場合、前記特別結果情報を消去されることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技ホールの管理者等が前面扉を開放して遊技機の所定の第2設定を行う際に、特定状態であることの情報が消去される。この場合、特別結果に当選していることの特別結果情報も消去されるため、その所定の第2設定後の状態は通常状態であって且つ特別結果情報が記憶されていない第2特定状況となり、その後、通常状態から特定状態へ移行すると有利な第2特定状態へ移行することになる。上記構成は、このような事象を生じさせることを許容するものであり、上記構成を備えることにより、多様なニーズに応えることが可能となるし、特定状態であることの情報や特別結果情報のいずれもが記憶されていない工場出荷時の状態に初期化することも可能となる。
特徴B6.前記特定状態において予め定められた特定終了条件(継続フラグ無し)が成立している状況で前記特別状態が終了した場合、前記特定状態を終了させることが可能な特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において継続フラグがセットされていない状況でBB状態が終了する場合に有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において特定終了条件が成立している状況で特別状態が終了すると、当該特定状態も終了して通常状態に移行する。この場合、特別状態終了直後に特定状態へ移行する際には、特別結果に当選する前である可能性が高く、特別結果情報が記憶されていない第2特定状況での特定状態移行として、有利な側の第2特定状態へ移行する。つまり、一旦、特定状態は終了するものの、その後、有利な第2特定状態へ移行するため、特定状態が余韻を残しながら終了することになり、このような構成を利用した遊技性を創出することができるし、あっさりと終了してしまうような構成と比較して、遊技続行の意思決定への後押しとすることができる。
特徴B7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる確率よりも、前記通常状態において前記特定移行条件が成立する確率の方が高いことを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態の終了とともに通常状態へ移行した場合、特別結果当選となるよりも先に特定状態への移行が生じる可能性が高い。このようにすることで、特別結果情報が記憶されていない第2特定状況での特定状態移行として、有利な側の第2特定状態に移行し易くなる。
特徴B8.前記特定状態における特定演出を所定の演出手段にて実行可能な特定演出実行手段(表示制御装置81によるATモード及びCZモード中の演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出実行手段は、前記特定終了手段により前記特定状態が終了する場合、少なくとも前記特別状態が終了するゲームの次ゲームにおいて前記特定演出を実行可能である(ATモード終了報知演出に続けてCZモード開始演出が行われる)ことを特徴とする特徴B6又は特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態の終了に際して特定状態が終了するとしても、演出上、次ゲームにおいても特定状態における特定演出が継続される。このようにすることで、特定状態が一旦終了することを遊技者に悟られにくくし、終了前後の特定状態が一連の状態であることの印象を強く認識させることが可能となる。
特徴B9.少なくとも前記抽選手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
前記特定演出実行手段を有する第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備え、
前記第1制御装置は、前記特定状態である場合において所定の開始条件が成立したことに基づいて特定状態報知を開始し、当該特定状態が終了することに基づいて前記特定状態報知を終了することが可能な特定状態報知手段(区間表示器としての第8表示用セグメントN8)を備え、
前記特定終了手段により前記特定状態が終了する場合、前記特定状態報知手段による前記特定状態報知が終了することを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態報知手段による特定状態報知を確認することで、特定状態が終了したことを明確に把握することが可能である。このようにすることで、特定演出によって特定状態が継続しているかのような演出効果を期待しながらも、特定状態の継続性を利用した不正行為を好適に発見することが可能となる。
特徴B10.前記特定状態において前記特定終了条件(継続フラグ無し)が成立していない状況で前記特別状態が終了した場合、前記特定状態を終了させることなく当該特定状態が継続することを特徴とする特徴B6乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了条件が成立していなければ、特定状態は継続し、再度特定状態中の特別状態の実施が可能となる。このようにすることで、特定終了条件が成立するまで、特定状態中の特別状態を繰り返す遊技性が実現され、遊技の興趣向上が図られる。
特徴B11.前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合、前記特定状態を終了させることが可能な手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB入賞ゲームにて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて前記特定状態が終了した場合、当該特別状態が終了する場合に前記特定終了手段により前記特定状態が終了されることを制限する手段(主制御装置101による移行済みフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B6乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果入賞時にも特定状態が終了し得る構成において、当該特別結果入賞に基づく特別状態の終了時に更に特定状態を終了させようとすると、仮に特定状態中に特定状態への移行が生じていても2度手間となるし、特定状態に移行していなければ処理エラーの原因となり得るようになる。そこで、上記構成のように、特別状態の移行時に特定状態を終了させている場合には、特別状態の終了時に特定状態を終了させることが制限されるようにすることで、上記のような不都合が生じないようになる。
特徴B12.前記特別結果記憶手段は、前記特別結果に当選したゲームにて前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかったことに基づいて前記特別結果情報を記憶する構成であり、
前記特定移行手段は、前記特別結果に当選したゲームにおいて、前記特別結果情報が記憶されるよりも前に前記特定状態へ移行させる(有利区間移行用の区間表示第1処理はゲームの開始時であり、持ち越しフラグのセットはゲームの終了時である)ことを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となったゲームにて特定状態へ移行する場合、特別結果情報の記憶前に特定状態へ移行することになり、第2特定状況での特定状態移行として有利な側の第2特定状態に設定される。つまり、通常状態において特別結果当選となるよりも前のゲームにて特定状態への移行を生じさせる状況だけでなく、特別結果当選となったゲームにて特定状態への移行を生じさせる状況も第2特定状況に含まれることになる。仮に、特別結果当選ゲームでの特定状態移行を第1特定状況とする場合、第2特定状況での特定状態移行を生じ易くするためには、各ゲームにおいて特別結果当選となる確率を低く設定する必要がある。その点、上記構成のように特別結果当選ゲームでの特定状態移行を第2特定状況とすれば、各ゲームにおける特別結果当選となる確率を比較的高くすることが可能となり、特別結果入賞に基づく特別状態と特定状態とを利用した遊技性を実現するうえでの障壁をなくすことが可能となる。
特徴B13.前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記通常状態から前記特定状態への移行抽選を実行する特定抽選手段(主制御装置101による有利区間移行抽選処理を実行する機能)を備え、
前記特定移行手段は、前記特定抽選手段による前記移行抽選の結果が前記特定状態へ移行させることに対応する結果であることに基づいて、当該ゲームにて前記通常状態から前記特定状態へ移行させる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特定抽選手段による前記移行抽選の契機となる契機結果と、前記特定抽選手段による前記移行抽選の契機とならない非契機結果とが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる場合、前記契機結果となる場合と前記非契機結果となる場合とがあるように設定されていることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となったゲームにて特定状態への移行が生じ得る場合と、特別結果当選となったゲームにて特定状態への移行が生じ得ない場合とがあるようになる。より詳しくは、契機結果となる特別結果当選では、当該ゲームにて特定状態への移行が生じ得るため第2特定状況での特定状態移行として第2特定状態に設定される。これに対して、非契機結果となる特別結果当選では、当該ゲームにて特定状態への移行が生じないため、当該ゲームにて特別結果入賞を成立させずに特別結果情報が記憶されてしまうと、その後に特定状態への移行が生じると第1特定状況での特定状態移行として第1特定状態に設定される。このようにすることで、契機結果としての特別結果当選か、非契機結果としての特別結果当選かによって、その後の遊技性が大きく異なるようになり、特別結果当選への注目度を劇的に高めることが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者にとって有利となる特定事象(押し順報知且つ15枚ベル入賞)が発生し得る特定状態(有利区間)と、前記特定事象が発生しない通常状態(通常区間)とが設定されており、
予め定められた特定移行条件が成立した場合に、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)を備え、
前記特定移行手段は、
前記特別結果情報が記憶されている第1特別状況で前記特定状態へ移行させる場合、第1特定状態(CZモード)へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にてBB持ち越しフラグがセットされている場合にCZモードに設定する処理を実行する機能)と、
前記特別結果情報が記憶されていない第2特別状況で前記特定状態へ移行させる場合、前記第1特定状態よりも遊技者にとって不利な第2特定状態(通常モード)へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にてBB持ち越しフラグがセットされていない場合に通常モードに設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき各ゲームの抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき抽選結果に応じた停止結果として特典を得るといった所謂スロットマシンの遊技を前提として、その特典として特別状態への移行が生じる所謂ボーナスとしての特別結果の他に、特定事象が発生し得る特定状態と特定事象が発生しない通常状態とが設定されているため、特別状態と特定状態及び通常状態とを利用した遊技の多様化が図られる。
そのうえで、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されている第1特別状況と、特別結果情報が記憶されておらず、特別結果に当選していない第2特別状況とで、特定状態へ移行する場合の特定状態の有利度が異なっており、第1特別状況にて特定状態への移行が生じると第1特定状態へ移行する一方、第2特別状況にて特定状態への移行が生じると第1特定状態よりも遊技者にとって不利な第2特定状態へ移行する。そのため、特定状態を有利に進行させるためには、特別結果に当選している特別結果情報が記憶されている第1特別状況にて特定状態へ移行させるべきであり、特別結果情報の記憶の有無と特定状態への移行タイミングとの関係を利用した新たな遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図り遊技の注目度を高めることができる。
特に、特別状態への移行が生じ得るような第1特別状況で移行する特定状態を有利なものとすることで、所謂ボーナス状態としての特別状態と特定事象の発生との重複により有利度を高めることが可能であり、第1特定状態への注目度を好適に高めることができる。その結果、特定状態への移行が生じるまでに特別結果当選となることを願うようになり、各ゲームの抽選結果として特別結果となることへの注目度も高めることができる。
特徴C2.遊技機本体に対して前方に向けて開放される前面扉(前面扉12)と、
前記前面扉を開放することで操作可能となり、操作することにより遊技機の所定の設定を行うことが可能な操作手段(設定キー挿入孔73)と、
を備え、
前記操作手段の操作に基づき前記所定の設定を行う場合、前記特定状態であることの情報が消去される構成であり、
前記操作手段の操作に基づき前記特定状態であることの情報が消去される場合、前記特別結果情報を消去することが可能な消去手段(主制御装置101による持ち越し情報の初期化処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技ホールの管理者等が前面扉を開放して遊技機の所定の設定を行う際に、特定状態であることの情報が消去される。この場合、仮に特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されたままであると、その所定の設定後の状態は通常状態であって且つ特別結果情報が記憶されている第1特定状況となり、その後、通常状態から特定状態へ移行すると有利な第1特定状態へ移行することになる。そこで、上記構成では、特別結果に当選していることの特別結果情報も消去する構成としていることから、例えば朝一状態等、所定の設定が行われた後に第1特定状態へ移行し易い第1特定状況となることを回避することが可能となる。
特徴C3.前記特別結果として第1特別結果(第1BB)及び第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記特別結果記憶手段により前記第1特別結果に当選していることに対応する第1特別結果情報が記憶されている場合と、前記第2特別結果に当選していることに対応する第2特別結果情報が記憶されている場合とで、前記特定状態へ移行する場合に移行する前記第1特定状態の有利度が異なっていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態へ移行する際に、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されているか否かだけでなく、記憶されている特別結果情報の種類、すなわち当選している特別結果の種類によって、移行する第1特定状態の有利度が異なることとなり、当選する特別結果への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴C4.前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合に移行する第1特別状態と、前記有効位置に前記第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止した場合に移行する第2特別状態とで、前記特別終了条件が共通していることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果入賞に基づいて移行する第1特別状態と、第2特別結果入賞に基づいて移行する第2特別状態とで、特別終了条件が共通していることから、第1特別結果に対応する第1特別結果情報が記憶されている場合と第2特別結果に対応する第2特別結果情報が記憶されている場合とで、特定状態に移行する場合の第1特定状態の有利度が異なるものの、第1特別状態と第2特別状態の有利度(特別終了条件)を同等のものとすることが可能となる。このようにすることで、第1特定状態側の有利度の差を際立たせることができ、移行する第1特定状態への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴C5.前記抽選手段による抽選結果として、次ゲームを新たな遊技媒体を要さずに遊技可能とする再遊技結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果に当選となる場合、前記再遊技結果にも当選となるように前記特別結果と前記再遊技結果とが重複結果として設定されており、
前記駆動制御手段は、前記特別結果と前記再遊技結果とに当選している場合、前記再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止するように駆動制御する優先手段(主制御装置101による優先設定処理を実行する機能)を備え、
前記移行条件は、少なくとも前記再遊技結果に当選することで成立するものであることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常状態において特別結果に当選する場合、再遊技結果にも当選することから、そのゲームでは再遊技結果入賞が成立し、特別結果は特別結果記憶手段により特別結果情報として記憶されることになる。更に、再遊技結果当選に基づいて通常状態から特定状態に移行することから、この場合、特別結果に当選したゲームにて特定状態へ移行することとなり、特別結果情報が記憶されていない状況での移行として、第1特定状態よりも不利な第2特定状態へ移行することとなる。このようにすることで、例えば、特定状態であることの情報や特別結果に当選している特別結果情報の消去が行われる等して、通常状態且つ特別結果当選していない初期状態から遊技が開始される場合、特別結果当選に基づいて有利な第1特定状態へ移行することを回避することが可能となる。
特徴C6.前記抽選手段による抽選結果として、次ゲームを新たな遊技媒体を要さずに遊技可能とする再遊技結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特別結果と前記再遊技結果とに当選となる重複結果が設定されており、
前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記重複結果であり、前記特別結果と前記再遊技結果とに当選している場合、前記再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止するように駆動制御する優先手段(主制御装置101による優先設定処理を実行する機能)と、
前記特定状態において予め定められた特定終了条件(継続フラグ無し)が成立している状況で前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果の当選となった場合、前記特定状態を終了させることが可能な特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB当選ゲームにて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において特別結果に当選する場合、再遊技結果にも当選することから、そのゲームでは再遊技結果入賞が成立し、特別結果は特別結果記憶手段により特別結果情報として記憶されることになる。更に、特別条件が成立していると、特別結果当選に基づいて特定状態が終了して通常状態に移行することから、この場合、その後に特定状態に移行する際には、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶された状態で特定状態へ移行する可能性が高く、特別結果情報が記憶されている状況での移行として、第1特定状態へ移行することになる。このようにすることで、特別条件の成立に基づいて、特別結果当選時に特定状態を終了させたとしても、その後、有利な第1特定状態へ移行することに期待させることができ、有利な第1特定状態を介した特定状態の連荘性を実現することが可能となる。
特徴C7.前記特定終了手段は、前記特定終了条件が成立している状況において、前記抽選手段による抽選結果が所定の前記特別結果の当選となった場合、当該ゲームにて前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなければ前記特定状態を終了させることが可能な一方、当該ゲームにて前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合には前記特定状態を終了させないことを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了条件が成立している状況で特別結果当選となった場合であっても、当該ゲームで特別結果入賞を成立させることができれば、特定状態は終了しない。このようにすることで、特定終了条件が成立している状況で特別結果当選となるゲームを見定めるとともに、当該ゲームで特別結果入賞を成立させるように停止操作手段を操作する、といった遊技性が実現され、遊技の興趣向上が図られる。
特徴C8.前記特別結果として、第1特別結果と、当該第1特別結果とは異なる第2特別結果が設定されており、
前記特別移行手段は、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合に前記第1特別結果に対応する第1特別状態に移行させ、前記有効位置に前記第2特別結果に対応し前記第1特別の絵柄組合せとは異なる第2特別の絵柄組合せが停止した場合に前記第2特別結果に対応する第2特別状態に移行させるものであり、
所定の前記周回体において、前記第1特別の絵柄組合せを形成する第1特別絵柄(右リール32Rの「チェリー」図柄)を前記有効位置に停止させることが可能な第1のタイミングで対応する前記停止操作手段の停止操作を行うと、前記第2特別の絵柄組合せを形成する第2特別絵柄(右リール32Rの「BAR」図柄)を前記有効位置に停止させることができず、前記第2特別絵柄を前記有効位置に停止させることが可能な第2のタイミングで対応する前記停止操作手段の停止操作を行うと、前記有効位置に前記第1特別絵柄を停止させることができないことを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了条件が成立している状況で特別結果当選となり、当該ゲームで入賞を成立させることができれば特定状態が終了しない構成において、第1特別結果と第2特別結果とに対応する第1特別絵柄と第2特別絵柄とは同時に狙って停止操作できない関係となっている。そのため、その当選ゲームが第1特別結果であり且つ第1特別絵柄を停止可能なタイミングで操作した場合には特定状態の終了を回避できるものの、第2特別絵柄を停止可能なタイミングで操作してしまうと特定状態は終了し、逆に第2特別結果当選ゲームにて第2特別絵柄を停止させれば特定状態は終了しないものの、第1特別絵柄を狙ってしまうと特定状態は終了する。このようにすることで、特定状態の終了の有無との関係で、特別結果当選ゲームにていずれの特別結果を狙って停止操作するか、といった遊技性を実現することができ、遊技の面白みが格段に向上する。
しかも、特別結果当選となった場合であっても、重複結果であれば、これらを狙って停止操作して、狙いがあっていたとしても特別結果入賞は成立しない。このようにすることで、特定終了条件が成立している状況で特別結果当選となった場合に特定状態が終了することを回避可能な構成としながらも、その回避できる確率を、完全に遊技者の勘次第とするのではなく、重複結果の当選確率によってうまく調節することが可能となる。
特徴C9.前記特定事象を生じさせるための事象抽選(ATモード移行抽選)を実行可能な事象抽選手段(主制御装置101によるATモード抽選処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定状態の方が前記第2特定状態よりも、前記事象抽選手段による前記事象抽選の当選確率が高いことを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状態の方が第2特定状態よりも、特定事象を生じさせるための事象抽選に当選し易いことから、第1特定状態は第2特定状態よりも特定事象が生じ易い状態となる。このようにすることで、第1特定状態と第2特定状態との有利度の差を実現することが可能となる。
特徴C10.前記特定事象は前記特別状態において生じるものであり、
前記事象抽選手段による前記事象抽選に当選している状況で移行する前記特別状態の方が、前記事象抽選手段による前記事象抽選に当選していない状況で移行する前記特別状態よりも、前記特定事象が生じ易いことを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が特別状態中に発生することを前提とし、事象抽選に当選している状況で特別状態に移行させたほうが、事象抽選に当選していない状況で特別状態に移行されるよりも特定事象が生じ易くしたため、第1特定状態と第2特定状態との有利度の差は、特別状態にて発揮される構成となる。このようにすることで、特別状態への移行を持ち越している状況か否かによって移行する特定状態の有利度の差を特徴C1のように設定することの意義を高めることが可能となる。
特徴C11.前記事象抽選手段による前記事象抽選に当選している状況において、予め定められた移行許可条件(移行許可フラグがセットされていること)が成立している状況で前記特別状態への移行を生じさせた場合、当該特別状態にて前記特定事象が発生し得る一方、前記移行許可条件が成立していない状況で前記特別状態への移行を生じさせた場合、当該特別状態にて前記特定事象の発生が制限されることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態にて特定事象を発生させてその恩恵を享受するためには、事象抽選に当選するだけではなく移行許可条件が成立する必要がある。そのため、特定事象による恩恵の享受し易さを、事象抽選の当選確率だけでなく、移行許可条件の成立確率によっても調節することができ、出玉率の調節をより綿密に行うことが可能となる。
特徴C12.前記移行許可条件の成立確率が異なる複数の状態が設定されている(第1BB持ち越し中と第2BB持ち越し中とで移行許可抽選の当選確率が異なる)ことを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選し且つ事象抽選に当選しており、移行許可条件の成立待ちの状況においては、移行許可条件が成立し易い状態ほど、特別結果入賞を早期に入賞させることが可能となり有利となる。その点、移行許可条件の成立確率が異なる複数の状態を有していれば、いずれの状態にて移行許可条件の成立待ちの状況となるかによって有利度が異なることとなり、その状態への注目度を好適に高めることができる。
特徴C13.前記第1特定状態において、予め定められた移行条件(AT非当選のままCZモード終了)が成立したことに基づいて、当該第1特定状態から前記第2特定状態へ移行させる手段(主制御装置101によるCZモード終了時の天井ゲーム数の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されている状況で第1特定状態に移行した後、移行条件が成立すると第2特定状態に移行する。つまり、せっかく特別結果情報が記憶されている状況で第1特定状態に移行しても、その後、第2特定状態に移行することになる。このような構成とすることで、第1特定状態において、移行条件が成立するよりも前に特定事象による恩恵を享受できるような状況となることを目指す、といった面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
特徴C14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者にとって有利となる特定事象(押し順報知且つ15枚ベル入賞)が発生し得る特定状態(有利区間)と、前記特定事象が発生しない通常状態(通常区間)とが設定されており、
予め定められた特定移行条件が成立した場合に、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)を備え、
前記特定移行手段は、
前記特別結果情報が記憶されている第1特別状況で前記特定状態へ移行させる場合、第1特定状態(CZモード)へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にてBB持ち越しフラグがセットされている場合にCZモードに設定する処理を実行する機能)と、
前記特別結果情報が記憶されていない第2特別状況で前記特定状態へ移行させる場合、前記第1特定状態とは遊技者にとっての有利度が異なる第2特定状態(通常モード)へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にてBB持ち越しフラグがセットされていない場合に通常モードに設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき各ゲームの抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき抽選結果に応じた停止結果として特典を得るといった所謂スロットマシンの遊技を前提として、その特典として特別状態への移行が生じる所謂ボーナスとしての特別結果の他に、特定事象が発生し得る特定状態と特定事象が発生しない通常状態とが設定されているため、特別状態と特定状態及び通常状態とを利用した遊技の多様化が図られる。
そのうえで、特別結果に当選していることの特別結果情報が記憶されている第1特別状況と、特別結果情報が記憶されておらず、特別結果に当選していない第2特別状況とで、特定状態へ移行する場合の特定状態の有利度が異なっており、第1特別状況にて特定状態への移行が生じると第1特定状態へ移行する一方、第2特別状況にて特定状態への移行が生じると第2特定状態へ移行する。そのため、特定状態を有利に進行させるためには、特別結果に当選している特別結果情報の記憶の有無によって有利な側な特別状況にて特定状態へ移行させるべきであり、特別結果情報の記憶の有無と特定状態への移行タイミングとの関係を利用した新たな遊技性を実現することが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図り遊技の注目度を高めることができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとって有利となる特定事象(押し順報知且つ15枚ベル入賞)が発生し得る特定状態(有利区間)と、前記特定事象が発生しない通常状態(通常区間)とが設定されており、
予め定められた特定移行条件が成立した場合に、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた特定終了条件が成立した場合に、前記特定状態から前記通常状態へ移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定終了手段は、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果となった場合に、前記特定状態から前記通常状態へ移行させる第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB当選ゲームにて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合に、前記特定状態から前記通常状態へ移行させる第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB入賞ゲームにて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき各ゲームの抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき抽選結果に応じた停止結果として特典を得るといった所謂スロットマシンの遊技を前提として、特定事象が発生し得る特定状態と特定事象が発生しない通常状態とが設定されているため、各ゲームの抽選結果との関係で付与され得る特典と特定状態及び通常状態とを利用した遊技の多様化が図られる。
そのうえで、特定事象が発生し得る特定状態は、ゲームの抽選結果が予め定められた特別結果となることで終了する場合と、当該特別結果入賞が成立することで終了する場合とがあるため、特別結果当選となっただけで特定状態が終了したり、特別結果当選となっても特別結果入賞を回避することで特定状態を終了させないようにしたり、特別結果当選となっても特別結果入賞を成立させることで特定状態を終了させないようにしたり、といったようにすることができる。つまり、当選時に終了させる第1特定終了手段と、入賞時に終了させる第2特定終了手段と、のいずれかだけを有する遊技機と比較して、特定状態を終了させたり終了を回避させたりする場合のパターンが圧倒的に多様化され、一見、同じような事象を発生させる手段(特定状態を終了させる手段)であっても、あえて両方の手段を備えるようにすることで、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。よって、特定状態の継続性と、各ゲームの抽選結果との関連性だけでなく、各ゲームの抽選結果とその入賞の有無を利用した、斬新な遊技性を実現することができる。
特徴D2.予め定められた第1回避条件(継続フラグ有り)が成立している場合、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合であっても前記第1特定終了手段による前記特定状態の終了が回避される構成であり、
予め定められた第2回避条件(ATモード当選フラグ、ATモードフラグ、CZモードフラグのいずれかのフラグがセットされていること)が成立している場合、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合であっても前記第2特定終了手段による前記特定状態の終了が回避される構成であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となっても第1回避条件が成立していれば特定状態は終了せず、また特別結果入賞が成立しても第2回避条件が成立していれば特定状態は終了しない。このようにすることで、両回避条件との関係で、特別結果当選や特別結果入賞が成立しても特定状態を終了させないようにすることが可能となる。
特徴D3.前記第1回避条件と前記第2回避条件とは、異なる条件であることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴D2の効果をより明確に期待できる。
特徴D4.前記第1回避条件が成立しておらず、前記第2回避条件が成立している場合、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合であっても、当該ゲームにて前記有効位置に前記特別の絵柄組合せを停止させることで、前記特定状態は終了しないことを特徴とする特徴D2又は特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1回避条件が成立しておらず、特別結果当選となった場合には、本来であれば、第1特定終了手段により特定状態が終了するところ、第2回避条件が成立している場合には、当該ゲームにて特別結果入賞を成立させることで特定状態の終了を回避できる。このようにすることで、特定状態中の特別結果当選ゲームでの遊技性を劇的に向上させることができる。
特徴D5.前記特定終了手段は、
前記特定状態を終了させるか否かの終了判定処理において、
前記第1回避条件が成立していない状況で前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となったことの第1判定処理と、
前記第2回避条件が成立していない状況で前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止したか否かの第2判定処理と、
が設定されており、
前記第1判定処理にて、前記第1回避条件が成立していること及び前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果ではないことの少なくともいずれかであると判定した場合、前記特定状態を終了させずに前記終了判定処理を終了し、
前記第2判定処理にて、前記第2回避条件が成立していること及び前記特別の絵柄組合せが停止していないことの少なくともいずれかであると判定した場合、前記特定状態を終了させずに前記終了判定処理を終了するものであり、
前記第2判定処理の方が前記第1判定処理よりも先に実行されるように設定されていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成は特徴D4の具体的構成であり、上記構成のようにすれば、各処理の前後関係等の設定といった比較的簡素な構成にて特徴D4の効果を奏することが可能となる。
特徴D6.前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別結果記憶手段に前記特別結果情報が記憶されているゲームでは、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果に当選したゲームと、特別結果入賞が成立するゲームとが異なるゲームとなり得る。このような構成とすることで、特別結果当選時に特定状態が終了し、その後、再度、特定状態へ移行した場合において、特別結果入賞に基づいて特定状態を終了させる場合が生じる。よって、特別結果当選時と入賞時とで特定状態を終了させる手段を備える意義がより高められる。
特徴D7.前記特定移行条件は、前記特別結果記憶手段により前記特別結果情報が記憶されている状況にて成立し得るものであることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選にて特定状態が終了し、その後、特別結果情報が記憶されている状況で、特定状態へ再移行する場合有ることが明確化される。
特徴D8.前記抽選手段による抽選結果として、次ゲームを新たな遊技媒体を要さずに遊技可能とする再遊技結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果として、前記特別結果と前記再遊技結果との重複結果と、前記特別結果の単独結果と、が設定されており、
前記駆動制御手段は、前記特別結果と前記再遊技結果とに当選している場合、前記再遊技結果に対応する絵柄組合せが停止するように駆動制御する優先手段(主制御装置101による優先設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、重複結果にて特別結果当選となった場合、当該ゲームでは特別結果ではなく再遊技結果入賞が成立し、単独結果にて特別結果当選となった場合、当該ゲームにて特別結果入賞が成立し得る。つまり、特定状態において重複結果当選となった場合、当該ゲームでは第1特定終了手段により特定状態が終了される可能性はあるものの、第2特定終了手段により特定状態が終了される可能性はなく、特定状態において単独結果当選となった場合、当該ゲームにて第1特定終了手段及び第2特定終了手段のいずれによっても特定状態が終了され得る。このような構成を用いれば、特別結果の当選契機によって特定状態を終了させ得るタイミングを異ならせることができ、斬新な遊技性の設計に役立てることができる。
特徴D9.前記特別結果として、第1特別結果と、当該第1特別結果とは異なる第2特別結果が設定されており、
前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合に前記第1特別結果に対応する第1特別状態に移行させ、前記有効位置に前記第2特別結果に対応し前記第1特別の絵柄組合せとは異なる第2特別の絵柄組合せが停止した場合に前記第2特別結果に対応する第2特別状態に移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
所定の前記周回体において、前記第1特別の絵柄組合せを形成する第1特別絵柄(右リール32Rの「チェリー」図柄)を前記有効位置に停止させることが可能な第1のタイミングで対応する前記停止操作手段の停止操作を行うと、前記第2特別の絵柄組合せを形成する第2特別絵柄(右リール32Rの「BAR」図柄)を前記有効位置に停止させることができず、前記第2特別絵柄を前記有効位置に停止させることが可能な第2のタイミングで対応する前記停止操作手段の停止操作を行うと、前記有効位置に前記第1特別絵柄を停止させることができないことを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果と第2特別結果とに対応する第1特別絵柄と第2特別絵柄とは同時に狙って停止操作できない関係となっているため、特別結果当選ゲームにて特別結果入賞を成立させるには、その当選ゲームが第1特別結果であり且つ第1特別絵柄を停止可能なタイミングで操作する必要があり、第2特別絵柄を停止可能なタイミングで操作してしまうと第1特別結果入賞は成立しない。逆に第2特別結果当選ゲームにて第2特別絵柄を停止させれば第2特定結果入賞は成立する一方、第1特別絵柄を狙ってしまうと第2特別結果入賞は成立しない。このように、いずれの特別結果でも当選ゲームとして第1特定終了手段の終了契機となるものの、その当選ゲームで第2特定終了手段の終了契機となるのは停止操作のタイミングが合致した場合だけである。よって、停止操作のタイミングとの関係で特定状態の終了契機を異ならせることが可能となり、それを利用した遊技性の構築に役立てることが可能となる。
特徴D10.前記特別結果として、第1特別結果と、当該第1特別結果とは異なる第2特別結果が設定されており、
前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合に前記第1特別結果に対応する第1特別状態に移行させ、前記有効位置に前記第2特別結果に対応し前記第1特別の絵柄組合せとは異なる第2特別の絵柄組合せが停止した場合に前記第2特別結果に対応する第2特別状態に移行させる特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定終了手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果(第2BB)である場合に前記特定状態を終了させ、
前記第2特定終了手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果(第1BB)である場合に前記特定状態を終了させることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果の種類によって、当選時に特定状態の終了契機となるものと入賞時に特定状態の終了契機となるものとがあり、いずれの特別結果かによって、特定状態の終了タイミングが異なる。このような構成を備えることで、当選している特別結果によって入賞を回避すべきか否かを判断させることが可能となる等、遊技の興趣向上を図るうえで、大いに役立てることが可能となる。
特徴D11.前記第1特定終了手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果(第1BB)である場合は前記特定状態を終了させない一方、
前記第2特定終了手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果(第2BB)である場合も前記特定状態を終了させることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果入賞時においては第1特別結果及び第2特別結果のいずれであっても特定状態が終了するものの、特別結果当選時においては第2特別結果当選時には特定状態は終了する一方、第1特別結果当選時には特定状態は終了しない。このようにすることで、いずれの特別結果入賞であっても特定状態が終了することを前提としながら、第1特別結果当選であれば特定状態終了が回避されることから、第2特別結果ではなく第1特別結果当選を望み、当選後は入賞させないようにするといった遊技性を実現することが可能となる。
特徴D12.所定の開始契機からのゲーム数が特定数以内である場合、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であっても、前記特定状態を終了させないようにすることが可能な手段(主制御装置101によるBB後カウンタが20以内であればBB当選ゲームにて有利区間を終了させないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の開始契機からのゲーム数が特定数以内であれば特別結果に当選しても特定状態は終了しない。つまり、特別結果に当選するのであれば特定数以内であることが求められ、かかる特定数以内でのゲームの注目度が好適に高められる。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも前記特別結果記憶手段に前記特別結果情報が記憶されている状況での前記抽選手段による抽選結果として、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せと一部の絵柄が異なる特定の絵柄組合せが停止することで前記特典付与手段により特典が付与される特定結果(第1BBテンパイリプ、第2BBテンパイリプ)が設定されており、
予め定められた移行許可条件(ATモード移行、又は直移行抽選に当選)が成立している状況で前記特別状態へ移行した場合、前記移行許可条件が成立していない状況で前記特別状態へ移行した場合よりも、当該特別状態が有利となる構成であり、
前記移行許可条件が成立していない状況で、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、所定の報知手段にて特別報知を実行可能な特別報知実行手段(表示制御装置81による疑似入賞示唆報知演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき各ゲームの抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき抽選結果に応じた停止結果として特典を得るといった所謂スロットマシンの遊技を前提として、その特典として特別状態への移行が生じる所謂ボーナスとしての特別結果が設定されており、移行許可条件が成立している状況で特定結果入賞が成立すると、移行許可条件が成立していない状況で特定結果入賞が成立した場合よりも、有利な特別状態となる。そのため、特別結果当選となっても有利な特別状態の恩恵を享受すべく、移行許可条件が成立するのを待ってから特別結果入賞を成立させる、といった遊技性が実現される。この場合、特別結果当選に対応する特別結果情報が記憶されている状況で、その特別結果入賞が成立する特別の絵柄組合せと一部の絵柄が異なる特定の絵柄組合せにて入賞が成立する特定結果が設定されており、移行許可条件が成立していない状況で特定結果当選となった場合に、特別報知が実行され得る。そのため、移行許可条件の成立を心待ちにしている遊技者に対して、特別報知と途中までの停止出目によって移行許可条件が成立したのでは、と期待させることが可能となるとともに、特別結果入賞を成立させるように停止操作手段が操作された場合であっても、特別結果ではなく特定結果入賞が成立し得るため、移行許可条件が成立していないのにもかかわらず、特別結果入賞を成立させないようにすることもできる。このようにすれば、移行許可条件の成立確率を高めることなく、移行許可条件成立待ちの状況での遊技性を向上させることができる。
特徴E2.前記特別報知実行手段は、前記移行許可条件が成立している状況で、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せを停止させることが可能なゲームにて、前記所定の報知手段にて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知に従って特別結果入賞を狙って操作した場合に、移行許可条件成立のもと特別結果入賞が成立する場合があるため、移行許可条件が成立していない状況での特別報知の信ぴょう性を高め、当該特別報知への注目度や期待度を劇的に高めることが可能となる。
特徴E3.前記特別結果記憶手段により前記特別結果情報が記憶されている状況で、前記移行許可条件が成立することが可能であることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となった場合、移行許可条件が成立するまでその当選情報を持ち越しながら遊技を行わせることができる。これにより、当該持ち越し中に特定結果当選時の特別報知を行う意義が高められ、持ち越し中の遊技性を向上させることができる。
特徴E4.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記移行許可条件が成立していない状況で、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合、前記特定状態を終了して前記通常状態へ移行させることが可能な特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB入賞時に有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度を異ならせる遊技性が実現される。そのうえで、態様報知は、特定状態中は実行され得るものの、通常状態では実行されないことから、特定状態である方が有利であり、遊技者は特定状態に滞在することを望むものと考えられる。そして、上記構成では、移行許可条件が成立していない状況で特別結果入賞を成立させると、特定状態から通常状態に移行してしまう場合があるようにしたことから、移行する特別状態を有利なものとして進行させるだけでなく、特定状態を終了させないようにする、といった観点からも移行許可条件が成立していない状況で特別結果入賞を成立させないことの意義が高められる。このようにすることで、特徴E1に記載した遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴E5.前記特別報知実行手段による前記特別報知が行われ得る状況において、前記特定終了手段による前記特定状態の終了を制限することが可能な手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、CZモード中にBB入賞を生じさせた場合は有利区間を終了させない処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行許可条件非成立時に特別状態へ移行させると特定状態が終了し得る構成において、特別報知が行われる状況においては、移行許可条件が成立していなくても特定状態の終了が制限される。このようにすれば、例えば、特別結果入賞が成立しなかった場合、それが自らの停止操作の失敗に起因するものであったと勘違いする等し、移行許可条件が成立していないのにもかかわらず、次ゲーム以降において特別結果入賞を成立させようとし、それにより特定状態が終了してしまうことを、好適に回避することが可能となる。
特徴E6.前記移行許可条件が成立し易い第1状態(CZモード)と、当該第1状態よりも前記移行許可条件が成立しにくい第2状態(通常モード)と、が設定されており、
前記特別報知実行手段は、前記移行許可条件が成立していない状況であって前記第1状態にて前記特別報知を実行する一方、前記移行許可条件が成立していない状況であっても前記第2状態では前記特別報知を実行しない又は前記第1状態である場合よりも実行しにくいことを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行許可条件の成立し易い第1状態にて特別報知が実行されることから、特別報知が行われた場合の期待感を高めることができる。言い換えると、移行許可条件の成立しにくい第2状態では特別報知が実行されない又は実行されにくい構成としたことから、特別報知の希少性を高めることができ、特別報知の発生率と移行許可条件の成立し易さとがリンクして、特別報知が行われた場合に移行許可条件が成立したのではと予測させ易くすることができる。
特徴E7.前記特別の絵柄組合せと前記特定の絵柄組合せとで、共通する絵柄の数(2)の方が異なる絵柄の数(1)よりも多くなるように設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別の絵柄組合せと特定の絵柄組合せとの類似性が高まるため、特別報知が行われた場合、途中までの停止出目から、特別結果入賞が成立するのでは、と思わせる効果を高めることができる。
特徴E8.前記特別報知実行手段は、前記特別の絵柄組合せと前記特定の絵柄組合せとで絵柄が共通する周回体に対応する前記停止操作手段が操作することの指示報知を前記特別報知にて実行可能であることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が行われたのにもかかわらず、特別の絵柄組合せと特定の絵柄組合せとで絵柄が相違する周回体から停止操作されてしまって、特別結果入賞が成立しないことが早々に把握されてしまうことを抑制することができる。
特徴E9.前記停止操作手段の操作順序に関わらず、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止可能であり、且つ、前記特別移行手段は、前記停止操作手段の操作順序に関わらず前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合、前記特別状態へ移行させることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別の絵柄組合せと特定の絵柄組合せとで絵柄が相違する周回体から停止操作された場合であっても、特別の絵柄組合せさえ停止すれば特別状態へ移行する。この場合、例えば、当該絵柄が相違する周回体を最初に停止させることによって、特別結果当選であることや特別結果当選ではないことを確定させることも可能である。このようにすることで、遊技者の意思により停止操作手段を操作して周回体を停止させて特典を得る、といった所謂スロットマシンの醍醐味を抹殺しない範囲で、特徴E1の遊技性を実現することができる。
特徴E10.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となった場合、前記停止操作手段が第1操作順序にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止する一方、前記停止操作手段が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止するものであることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果当選の当選確率を変化させることなく特定の絵柄組合せが停止する機会が制限することができる。よって、特別報知に対する期待感を好適に高めることが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態に移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したことに基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別結果として、第1特別結果(第1BB)と当該第1特別結果とは異なる第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記特別移行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第1特別状態へ移行させ、予め定められた第1特別終了条件が成立したこと基づいて当該第1特別状態を終了させ、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であり、前記有効位置に前記第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第2特別状態へ移行させ、予め定められた第2特別終了条件が成立したこと基づいて当該第2特別状態を終了させることが可能であり、
前記特別結果記憶手段は、前記第1特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該第1特別結果に当選していることに対応する第1特別結果情報を記憶可能であり、前記第2特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第2特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該第2特別結果に当選していることに対応する第2特別結果情報を記憶可能であり、
前記特別結果記憶手段に前記特別結果情報が記憶されている場合、前記抽選手段による抽選結果が特定結果(外れ結果)であるゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
予め定められた有利条件(ATモード移行、又は直移行抽選に当選)が成立している状況で前記特別状態へ移行した場合、前記有利条件が成立していない状況で前記特別状態へ移行した場合よりも、当該特別状態が有利となる構成であり、
前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報が記憶されている場合に前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率は、前記特別結果記憶手段に前記第2特別結果情報が記憶されている場合に前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率と同じ又は略同じ確率である一方、前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報が記憶されている場合に前記有利条件が成立する確率は、前記特別結果記憶手段に前記第2特別結果情報が記憶されている場合に前記有利条件が成立する確率と異なる確率である又は前記特定結果となる確率差よりも大きな確率差であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき各ゲームの抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき抽選結果に応じた停止結果として特典を得るといった所謂スロットマシンの遊技を前提として、その特典として特別状態への移行が生じる所謂ボーナスとしての特別結果が設定されており、有利条件が成立している状況で特別結果入賞が成立すると、有利条件が成立していない状況で特別結果入賞が成立した場合よりも、有利な特別状態となる。そのため、特別結果当選となっても有利な特別状態の恩恵を享受すべく、有利条件が成立するのを待ってから特別結果入賞を成立させる、といった遊技性が実現される。この場合、特別結果として第1特別結果と第2特別結果とが設定されており、いずれの特別結果であっても、特別結果となったゲームの他、特別結果情報が記憶されているゲームにて入賞が可能となる構成であり、特定結果となる確率は、第1特別結果情報が記憶されており第1特別結果の持ち越し中と、第2特別結果情報が記憶されており第2特別結果の持ち越し中とで同じ又は略同じ確率である一方、有利条件の成立確率は第1特別結果持ち越し中と第2特別結果持ち越し中とで異なっている。このようにすることで、各特別結果を持ち越している状況でのメダルの増減率(ベース)に差を設けなくても、有利条件の成立確率を調整するだけで有利な特別状態の移行率に差を設けることが可能となる。よって、第1特別結果と第2特別結果とを利用した遊技性の多様化を図ることが可能となる。
なお、「同じ又は略同じ確率である」とは、「遊技者がその差を識別することが困難な程度に同じ確率である」と表現してもよく、より詳しくは、「5%以内の差となる確率である」としてもよく、好ましくは「1%以内の差となる確率である」としてもよく、より好ましくは「0.1%以内の差となる同じ確率である」としてもよい。かかる「略同じ確率」といった表現を用いた他の特徴や他の特徴群における特徴についても、同様に表現を変更してもよい。
特徴F2.前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(ATモード)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない又は前記特定状態よりも実行されにくい通常状態(通常モード)と、が設定されており、
予め定められた第1判定契機に基づいて、前記通常状態から前記特定状態へ移行させることに対応する移行条件が成立しているか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、前記移行条件が成立しているとする結果であることに基づいて、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101によるATモードに移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、有利な前記特別状態への移行を許可することに対応する許可条件が成立しているか否かの許可判定を実行する許可判定手段(主制御装置101による移行許可抽選処理を実行する機能)と、
前記許可判定手段による許可判定の結果が、前記許可条件が成立しているとする結果であることに基づいて、前記有利条件を成立させる有利成立手段(主制御装置101による移行許可フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度を異ならせる遊技性が実現される。そのうえで、態様報知は、特定状態中は実行され得るものの、通常状態では実行されなかったり実行されにくかったりすることから、特定状態である方が有利であり、遊技者は特定状態に滞在することを望むものと考えられる。このような構成において、特定状態への移行条件が成立して特定状態に移行した後、更に、許可条件が成立することで、特別状態を有利な特別状態として実行可能とする有利条件が成立する。つまり、単に特定状態への移行が生じるだけで有利な特別状態とすることができるのではなく、更に特定状態にて許可条件が成立することが必要であり、このようにすることで、有利な特別状態の恩恵を享受するための困難性が高まり、その困難性ゆえ、有利な特別状態への関心を高めることが可能となる。また、特定状態に移行した後においても、特定状態であり且つ特別状態ではない状況と、特定状態であり且つ特別状態である状況とを特別結果当選を持ち越しながらも遊技させることが可能となるため、特別結果当選を持ち越した状況での遊技の興趣向上が図られる。
特徴F3.前記許可条件が成立していない状況で前記特別状態への移行が生じた場合、当該特別状態は、前記有利条件が成立している状況よりも不利な特別状態となることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態に移行した後において、許可条件が成立していない状況で特別状態へ移行させることが可能であるとともに、当該状況で特別状態へ移行させても有利条件が成立していないため、不利な特別状態となることが明確化される。このように規定することで、有利な特別状態の恩恵を享受するために、特定状態中に許可条件が成立するまで待つ必要がある遊技性を実現可能となる。
特徴F4.前記移行判定手段は、前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報及び前記第2特別結果情報のいずれかが記憶されている状況で前記移行判定を実行可能であり、
前記許可判定手段は、前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報及び前記第2特別結果情報のいずれかが記憶されている状況で前記許可判定を実行可能であることを特徴とする特徴F2又は特徴F3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各種特別結果の当選情報を持ち越している状況で、移行判定を受けることが可能であり、且つ許可判定を受けることが可能となる。そのため、移行条件が成立し、更に許可条件が成立するよりも前に、特別結果当選となった場合であっても、これらの移行条件や許可条件による有利条件が成立するまで特別結果入賞を待てばよくなる。よって、特別結果当選が有利条件成立まであるため有利な特別状態の恩恵を享受できないといった不都合を生じさせず、特別結果の当否よりも有利条件の成否に遊技者の関心を寄せさせることができる。
特徴F5.前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報が記憶されている状況で前記移行判定手段による移行判定にて前記移行条件が成立しているとする結果となる確率と、前記特別結果記憶手段に前記第2特別結果情報が記憶されている状況で前記移行判定手段による移行判定にて前記移行条件が成立しているとする結果となる確率と、が異なっている(第1BB持ち越しフラグがセットされている場合と第2BB持ち越しフラグがセットされている場合のATモード抽選テーブルの相違や、移行するCZモードの相違)ことを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの特別結果情報を記憶しているかによって移行条件の成立確率が異なるため、特別状態の契機となる特別結果の当選確率を調節することなく有利な特別状態への移行率を移行条件の成立確率によって調節することが可能となる。
特徴F6.前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報が記憶されている状況で前記許可判定手段による許可判定にて前記許可条件が成立しているとする結果となる確率と、前記特別結果記憶手段に前記第2特別結果情報が記憶されている状況で前記許可判定手段による許可判定にて前記許可条件が成立しているとする結果となる確率と、が異なっている(第1BB当選フラグがセットされている場合と第2BB当選フラグがセットされている場合とで移行許可抽選の当選確率が異なる)ことを特徴とする特徴F4又は特徴F5に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの特別結果情報を記憶しているかによって許可条件の成立確率が異なるため、特別状態の契機となる特別結果の当選確率を調節することなく有利な特別状態への移行率を許可条件の成立確率によって調節することが可能となる。
特徴F7.前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報が記憶されている状況で前記移行判定手段による移行判定にて前記移行条件が成立しているとする結果となる確率は、前記特別結果記憶手段に前記第2特別結果情報が記憶されている状況で前記移行判定手段による移行判定にて前記移行条件が成立しているとする結果となる確率よりも高い確率である一方、前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報が記憶されている状況で前記許可判定手段による許可判定にて前記許可条件が成立しているとする結果となる確率は、前記特別結果記憶手段に前記第2特別結果情報が記憶されている状況で前記許可判定手段による許可判定にて前記許可条件が成立しているとする結果となる確率よりも低い確率であることを特徴とする特徴F4乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果に当選している状況の方が、第2特別結果に当選している状況よりも、移行条件が成立し易く且つ許可条件は成立しにくくなる。この場合、第1特別結果に当選している状況の方が特定状態には移行し易く、且つ特定状態において有利な特別状態への移行の許可待ちの状況が長くなる。逆に、第2特別結果に当選している状況では特定状態には移行しにくいものの、特定状態においては比較的早期に有利な特別状態への許可条件は成立する。このように、移行条件と許可条件との組み合わせによって第1特別結果当選時と第2特別結果当選時との遊技の進行が大きく異なり、どちらで進行する方が有利かといった観点等で遊技者の興味を惹くことが可能となり、遊技の興趣向上が図られる。
特徴F8.前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報及び前記第2特別結果情報のいずれもが記憶されていない状況にて前記許可判定を実行した場合に前記許可条件が成立しているとする結果となる確率よりも、前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報及び前記第2特別結果情報のいずれかが記憶されている状況にて前記許可判定を実行した場合に前記許可条件が成立しているとする結果となる確率の方が高い確率である(BB当選フラグがセットされていない状況よりもBB当選フラグがセットされている状況の方が移行許可抽選の当選確率が高い)ことを特徴とする特徴F2乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果の当選後の方が特別結果当選前よりも許可条件が成立し易くなり、特定状態において特別結果当選後は比較的速やかに許可条件が成立して有利な特別状態による恩恵を享受させることができる。言い換えると、特別結果に当選したのにもかかわらずなかなか許可条件が成立しない、といった事象を生じにくくすることができ、スムーズな遊技進行が実現される。
特徴F9.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となる確率と、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果となる確率とが異なっている(第1BBと第2BBとの当選確率の相違)ことを特徴とする特徴F1乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別状態による有利な特別状態への移行率と第2特別状態による有利な特別状態への移行率とを、有利条件だけでなく、各特別結果の当選確率によっても調節することができる。ここで、有利な特別状態による恩恵を享受するためには、最終的に有利条件が成立する必要があるところ、第1特別結果と第2特別結果との当選確率の差は、各特別結果に当選していない状況で有利条件の成立を待つ期間と、各特別結果に当選している状況で有利条件の成立を待つ期間との、バランスに寄与するものといえる。つまり、第1特別結果に当選していない状況で有利条件の成立を待つ期間に対する第1特別結果に当選している状況で有利条件の成立を待つ期間の比は、第2特別結果に当選していない状況で有利条件の成立を待つ期間に対する第2特別結果に当選している状況で有利条件の成立を待つ期間の比よりも大きくなり易い。そこで、このような関係性を利用することで、各特別結果に当選している状況とそうではない状況との有利度等の差を利用した遊技性を実現することができ、遊技の興趣向上に役立てることが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
遊技者にとって有利となる特定事象(押し順報知且つ15枚ベル入賞)が発生し得る特定状態(有利区間)と、前記特定事象が発生しない通常状態(通常区間)とが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた契機結果(例えば、第1再遊技)であることを契機として、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果として、少なくとも前記特別結果と前記契機結果とを含む重複結果(リプ重複第1BB、リプ重複第2BB)と、前記契機結果は含む一方、前記特別結果は含まない単独結果(通常リプA)と、が設定されており、
前記特定移行手段は、
前記重複結果を契機として前記特定状態へ移行させる場合、第1特定状態(CZモード)へ移行させる第1特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にてBB持ち越しフラグがセットされていない場合にCZモードに設定する処理を実行する機能)と、
前記単独結果を契機として前記特定状態へ移行させる場合、前記第1特定状態とは遊技者にとっての有利度が異なる第2特定状態(通常モード)へ移行させる第2特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にてBB持ち越しフラグがセットされている場合に通常モードに設定する処理を実行する機能)と、
を備えていることが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定事象が生じ得るようになる特定状態への移行契機となる契機結果と、特別結果としての所謂ボーナスと、の重複結果に基づいて移行する特定状態と、契機結果は含む一方、特別結果は含まない単独結果に基づいて移行する特定状態とで、有利度が異なる。つまり、特定状態への移行契機となるのはあくまで契機結果であるものの、特別結果との重複の有無によって、移行する特定状態の有利度が異なることとなる。ここで、例えば、契機結果の種類によって移行する特定状態の有利度を異ならせる構成も考えられるが、その場合、契機結果の種類を大幅に増やす必要があったり、特定状態へ移行させる場合の処理が複雑化されたりする不都合が生じ得る。これに対して、上記のように重複の有無を利用することで、契機結果の種類の膨大化や処理の複雑化を招くことなく、特定状態の多様化を図ることが可能となる。
特徴G2.前記契機結果として第1契機結果(例えば、第1再遊技)と第2契機結果(第28小役)とが設定されており、
前記第1契機結果と前記特別結果とを含む結果を契機として移行する前記第1特定状態と、前記第2契機結果と前記特別結果とを含む結果を契機として移行する前記第1特定状態とは同じ有利度であり、
前記第1契機結果を含み前記特別結果を含まない結果を契機として移行する前記第2特定状態と、前記第2契機結果を含み前記特別結果を含まない結果を契機として移行する前記第2特定状態とは同じ有利度であることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果との重複の有無によって特定状態の有利度が異なるものの、重複している契機結果の種類によっては特定状態の有利度は変化しない。このようにすることで、遊技者が注目すべきポイントが特別結果との重複の有無に集約され、遊技のわかり易さが向上することを通じて、より遊技を楽しみ易くすることが可能となる。
特徴G3.前記特別結果として第1特別結果(第1BB)と第2特別結果(第2BB)と、が設定されており、
前記重複結果として、少なくとも前記契機結果と前記第1特別結果とを含む第1重複結果(リプ重複第1BB)と、少なくとも前記契機結果と前記第2特別結果とを含む第2重複結果(リプ重複第2BB)と、が設定されており、
前記第1重複結果を契機として移行する前記第1特定状態と、前記第2重複結果を契機として移行する前記第1特定状態と、の有利度が異なっていることを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果が複数あり、重複結果に含まれる特別結果の種類によって、第1特定状態の有利度が異なる。つまり、契機結果と特別結果との重複の有無だけでなく、特別結果の種類によっても特定状態の有利度が異なることになり、特定状態の多様化をより好適に図ることが可能となる。
特徴G4.前記特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特別結果に当選していることに対応する特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定移行手段は、前記特別結果記憶手段に前記特別結果情報が記憶されていない状況で前記単独結果を契機として前記特定状態へ移行させる場合、前記第1特定状態へ移行させる第3特定移行手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にてBB持ち越しフラグがセットされていない場合にCZモードに設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単独結果を契機として特定状態へ移行させる場合であっても、特別結果当選前の特別結果情報が記憶されていない状況であれば、重複結果を契機として移行する特定状態と同じ第1特定状態に移行する。この場合、例えば、第1特定状態の方が第2特定状態よりも有利な状態であれば、単独結果に基づいて特定状態に移行する場合であっても、それが特別結果当選前であることを遊技者は望むであろうし、逆に第1特定状態よりも第2特定状態の方が有利な状態であれば、特別結果当選後に単独結果に基づいて特定状態に移行することを遊技者は望むと考えられる。このようにすることで、単独結果に基づく特定状態の移行タイミングと、特別結果当選タイミングとの関係性を利用した遊技者の心を惹きつける面白みのある遊技性を創出することが可能となる。
なお、上記構成において「第3特定移行手段」を「第1特定移行手段」としてもよい。
特徴G5.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となることに基づいて、前記特定状態を終了して前記通常状態へ移行させる特定終了手段(主制御装置101によるBB当選ゲームにて有利区間を終了する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態中に特別結果当選となったことに基づいて、当該特定状態が終了する場合があるため、仮に当該特別結果当選時に特別結果入賞を成立させなかった場合、特別結果情報が記憶された状態で通常状態に移行することになる。そうすると、その後に、単独結果当選となることに基づいて特定状態へ移行すると、特別結果情報が記憶されている状況での単独結果を契機とする特定状態移行として、第2特定状態ではなく第1特定状態へ移行することになる。つまり、上記構成のようにすることで、例えば、通常状態において特別結果に当選し、その特別結果情報が記憶されている状況で単独結果を契機として特定状態への移行が生じる、といったパターンだけでなく、特別結果当選が特定状態中であってもよくなり、特別結果情報が記憶されている状況で単独結果を契機とする第1特定状態への移行を生じ易くすることができる。
特徴G6.前記特別結果は前記契機結果に含まれないことを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、特別結果の単独当選では特定状態への移行契機とならないことから、契機結果と特別結果とを含む重複結果と特別結果を含まない単独結果とを設定する遊技機において、構成の複雑化を招くことなく、特徴G1の遊技性を実現することができる。つまり、特別結果を契機として特定状態移行が生じる構成とすると、重複結果は、契機結果と特別結果とのいずれを契機として特定状態へ移行させるかを判別するための構成が必要になる等の不都合が生じ得るからである。
特徴G7.前記契機結果は、前記抽選手段による抽選結果として当選となる確率が、遊技状態に関わらず同じ確率となる結果として設定されていることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、契機結果の当選確率は遊技状態に関わらず変化しないため、特定状態へ移行確率も遊技状態によって変化しにくくなる。このようにすることで、複数の遊技状態を有する構成において、一の遊技状態から遊技を開始した遊技者と、他の遊技状態から遊技を開始した遊技者と、の公平性を担保することができる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「遊技状態として、所定の抽選処理における当選確率(JAC当選確率)が異なる第1遊技状態と第2遊技状態とが設定されており、
前記第1遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記契機結果となる確率と、前記第2遊技状態において前記抽選手段による抽選結果が前記契機結果となる確率と、が共通している」構成。
<特徴H群>
特徴H1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(ATモード)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない又は前記特定状態よりも実行されにくい通常状態(通常モード)と、が設定されており、
予め定められた判定契機に基づいて、前記通常状態から前記特定状態への移行判定を実行する特定移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理や天井ゲーム数のカウントを実行する機能)と、
前記特定移行判定手段による移行判定の結果が前記特定状態へ移行させることに対応する移行対応結果(ATモード移行抽選にて当選したことや天井ゲーム数に達したこと)であることに基づいて、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101によりATモード当選フラグがセットされた場合にATモードへ移行させるための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1特別結果(第1BB)であり、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第1特別状態へ移行させ、予め定められた第1特別終了条件が成立したこと基づいて当該第1特別状態を終了させ、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2特別結果(第2BB)であり、前記有効位置に前記第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第2特別状態へ移行させ、予め定められた第2特別終了条件が成立したこと基づいて当該第2特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記第1特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該第1特別結果に当選していることに対応する第1特別結果情報を記憶可能であり、前記第2特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第2特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該第2特別結果に当選していることに対応する第2特別結果情報を記憶可能な特別結果記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別結果記憶手段に前記第1特別結果情報が記憶されている第1特別状況において前記移行対応結果となるなり易さと、前記特別結果記憶手段に前記第2特別結果情報が記憶されている第2特別状況において前記移行対応結果となるなり易さとが、異なっていること(第1BB持ち越しフラグがセットされている場合と第2BB持ち越しフラグがセットされている場合とで、取得されるATモード抽選テーブルが異なる構成や、第1BB持ち越しフラグがセットされている状況で有利区間移行した場合は第1CZモードに設定され、第2BB持ち越しフラグがセットされている状況で有利区間移行した場合は第2CZモードに設定される構成)を特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、入賞することで第1特別状態に移行する第1特別結果や入賞することで第2特別状態に移行する第2特別結果といった所謂ボーナスが設定されているとともに、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度が異なるため、例えば、特定状態中に特別状態へ移行した場合にはその特別状態にて特定報知を行う一方、通常状態中に特別状態へ移行した場合には特定報知を行わない等して、特別状態と特定報知とを融合させた遊技性が実現可能である。
しかも、本遊技機においては、第1特別結果に当選していることの第1特別結果情報と、第2特別結果に当選していることの第2特別結果情報との、いずれかの結果情報を記憶している状況で特定状態への移行判定が行われる場合、いずれの結果情報を記憶しているかによって、特定状態へ移行させることに対応する移行対応結果となる確率が異なっている。このようにすることで、特定状態と特別状態との融合だけでなく、特別状態への移行前の状況においても特定状態との関連付けを行いながら興趣向上に役立てることができる。
特徴H2.前記第1特別状況にて前記特定移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行対応結果となるよりも前に前記第1特別状態へ移行させた場合、当該第1特別状態の終了後の状況は、前記第1特別状況よりも前記移行対応結果となりにくくなり、
前記第2特別状況にて前記特定移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行対応結果となるよりも前に前記第2特別状態へ移行させた場合、当該第2特別状態の終了後の状況は、前記第2特別状況よりも前記移行対応結果となりにくくなること(通常モードにてATモード移行当選前にBB入賞させることで有利区間が終了し、天井ゲーム数の設定処理が行われることによって、ATモード当選フラグがセットされにくくなること)を特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果情報や第2特別結果情報が記憶されている状況での特定移行判定手段による移行判定で移行対応結果となる確率は、第1特別状態や第2特別状態終了後の状況での移行判定で移行対応結果となる確率よりも高いため、特定状態へ移行させる(移行対応結果となる)ことを目指す遊技性としては、各特別結果当選となっても入賞を成立させずに移行判定を受けたほうが有利となる。このようにすることで、特別結果当選を持ち越しながら、すなわち入賞を回避させながら特定状態への移行判定を受けさせる、といったこれまでにない斬新な遊技性を実現することができる。
特徴H3.前記第1特別終了条件及び前記第2特別終了条件のいずれかが成立した場合に、前記特定状態を終了して前記通常状態へ移行させる手段(主制御装置101によるAT継続設定処理にてBB終了ゲームでATモードフラグをクリアする処理や区間表示第2処理にてBB終了ゲームで有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果情報や第2特別結果情報を記憶している状況で、記憶している特別結果情報に対応する確率で特定状態への移行判定が行われ、特定状態へ移行した場合であっても、特別結果入賞を成立させて特別状態を遊技した後は、特定状態が終了する。このような構成とすることで、特別状態後においても特定状態が延々と継続してしまうことが抑制され、特別結果当選→特定状態への移行判定→特定状態へ移行→特別状態→通常状態→特別結果当選、といったサイクルの遊技性を実現することができる。
特徴H4.前記第1特別終了条件及び前記第2特別終了条件のいずれかが成立した場合に、前記特定状態を終了せずに当該特定状態を維持する手段(主制御装置101によるAT継続設定処理にてBB終了ゲームでATモードフラグをクリアしない処理や区間表示第2処理にてBB終了ゲームであっても有利区間を終了させない処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態終了に際して特定状態が終了する場合があることを前提とし、特定状態が継続する場合もあるようにすることで、特定状態中の特別状態が連荘し得るようにすることができる。よって、かかる特別状態の連荘性により出玉増加の波を創出することができ、遊技の興趣向上が図られる。
特徴H5.前記第1特別状態において前記特定移行判定手段による前記移行判定が行われることを制限し、前記第2特別状態において前記特定移行判定手段による前記移行判定が行われることを制限する手段(主制御装置101によるBB状態中のATモード移行抽選や天井カウンタの減算処理を制限する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定移行判定手段による移行判定にて移行対応結果となる前に各特別状態へ移行させても、当該特別状態中は移行判定の実行が制限されるため、特定状態への移行を目指す遊技性においては、移行対応結果となる前に特別状態へ移行させることはメリットが少ないといえる。このようにすることで、特別結果情報が記憶されている状況で特定状態への移行判定を受ける遊技性を行い易くさせることができる。
特徴H6.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となる確率は前記第2特別結果となる確率よりも低い確率であり、
前記第1特別状況のほうが前記第2特別状況よりも、前記移行対応結果となるなり易いことを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率の低い側の第1特別結果に対応する第1特別結果情報が記憶されている第1特別状況の方が、当選確率の高い側の第2特別結果に対応する第2特別結果情報が記憶されている第2特別状況よりも、移行対応結果となり易い。このようにすることで、当選確率の低い側の第1特別結果に当選することのメリットを高め、第1特別結果当選となった場合の遊技者の喜びを移行対応結果になり易さによって体現することが可能となる。
特徴H7.前記第1特別終了条件と前記第2特別終了条件とが同じ条件であることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果と第2特別結果とで、当選確率や移行対応結果のなり易さが異なることを前提としながらも、移行する特別状態における終了条件は同じものとなり、第1特別状態と第2特別状態との有利度の差が生じにくくなる。このようにすることで、両特別結果の有利度の差を移行対応結果のなり易さといった差に集約化することができ、その移行対応結果の差への注目度を高めることが可能となる。
特徴H8.前記特定移行判定手段は、予め定められた移行情報群(AT抽選テーブル)と判定用乱数とを利用して、今回の前記判定用乱数が前記移行対応結果に対応しているか否かを判定する構成であり、
前記第1特別状況にて取得される前記移行情報群と、前記第2特別状況にて取得される前記移行情報群とが異なることで、前記移行対応結果のなり易さが異なることを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの特別結果情報が記憶されているかによって、取得する移行情報群としての所謂抽選テーブルが異なり、かかる移行情報群が異なることによって移行対応結果のなり易さが異なる構成となる。このようにすることで、移行対応結果のなり易さを調節しようとする場合、移行情報群の設定を異ならせるだけでよく、比較的簡素な構成にて遊技設計を行うことができる。
<特徴I群>
特徴I1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記特定状態において予め定められた上限条件が成立したことに基づいて、当該特定状態の残りに関わらず当該特定状態を終了する上限終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において上限ゲーム数や上限増加枚数に達したことに基づいて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定状態において前記上限条件が成立するよりも前である特定状況(有利区間ゲーム数AGが1400以上又は有利区間増減枚数MYが2200以上)にて、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合、又は前記特別状態が終了した場合、前記特定状態を終了する特定終了手段(主制御装置101によるBB当選ゲームにて有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYが終了条件を満たす値であれば有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度を異ならせる、といった遊技性が実現される。態様報知は、特定状態において実行され得るところ、特定状態は、予め定められた上限条件が成立すると終了する場合があり、特定状態の有利度があまりに高くなり過ぎないように設定されている。
この場合、特定状態が上限条件によって終了する構成とすると、例えば、所謂上乗せやストック等といった特定状態を継続可能とする事象が生じていたのにもかかわらず上限条件によって終了した場合は、遊技者はそれらの上乗せやストックが搾取されたかのように感じ、遊技続行の意思が低下し得る。そこで、上記構成においては、上限条件が成立するよりも前の特定状況において、所謂ボーナスとしての特別状態への移行が可能となる特別結果当選となった場合や、特別状態が終了して特別結果に当選していないことが明らかである場合に特定状態を終了させる構成とたことで、例えば当該ボーナス中に再度特定状態への移行が可能となるようにしたり、ボーナス当選情報の有無によって特定状態や態様報知が行われる状態への移行し易さが変化するといった構成を利用して、特定状態への再移行を期待させることが可能となる。これにより、上限条件にて終了してしまうことによる遊技意欲の低下を解消することができる。
特徴I2.前記上限終了手段により前記特定状態が終了した後よりも、前記特定終了手段により前記特定状態が終了した後の方が、その後に移行する前記特定状態が遊技者にとって有利な状態となることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限条件成立に基づいて上限終了手段により特定状態が終了する場合よりも、上限条件成立前に特定終了手段により特定状態が終了する場合の方が、その後に特定状態へ移行した際に有利となる。このような構成とすることで、上限条件の成立を待たずに特定終了手段により特定状態を終了させることのメリットを明確に生じさせることが可能となる。
特徴I3.前記特定終了手段により前記特定状態が終了し、その後、前記特定状態に移行した場合に得られる利益の方が、前記特定終了手段により前記特定状態を終了させず、前記上限条件が成立するまでに得られる利益よりも、遊技者にとって有利な利益となり得るように、前記特定状況が設定されていることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了手段により特定状態を終了させることのメリットがより明確化される。すなわち、特定終了手段により特定状態が終了されなければ、上限条件が成立するまで特定状態が継続し得たものであり、このようにまだまだ継続し得た特定状態をあえて終了させることのメリットを、上限条件成立までに得られるであろう利益よりも多い利益を得られることとすることで、特定終了手段により特定状態が終了することを遊技者が受け入れやすくなる。
特徴I4.前記特定終了手段は、前記特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合に前記特定状態を終了する構成であり、
前記特定状態として、第1特定状態(通常モード)と、当該第1特定状態よりも遊技者にとって有利な第2特定状態(CZモード)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であることに対応する特別結果情報(BB持ち越しフラグ)が記憶されていない状況で前記特定状態に移行した場合、前記第1特定状態に移行し、前記特別結果情報が記憶されている状況で前記特定状態に移行した場合、前記第2特定状態に移行する構成であることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特別結果に当選していることに対応する特別結果情報の有無によって特定状態移行時に有利度が異なる状態に移行する構成としたうえで、特別結果当選にて特定状態を終了させれば、特別結果入賞を成立させることなく、その後、特定状態へ移行させれば有利な側の第2特定状態へ移行させることが可能となる。一方、上限条件成立に基づいて特定状態が終了する場合には、特定状態終了後、特定状態へ再移行する場合に特別結果に当選していない場合もあり、不利な側の第1特定状態へ移行し得る。このようにすることで、特定状況において特別結果当選に基づき特定状態を終了させるメリットをより明確化することが可能となる。
特徴I5.前記特別結果として、第1特別結果(第1BB)と当該第1特別結果とは異なる第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であることに対応する第1特別結果情報(第1BB持ち越しフラグ)が記憶されている状況で前記特定状態に移行した場合の方が、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であることに対応する第2特別結果情報(第2BB持ち越しフラグ)が記憶されている状況で前記特定状態に移行した場合よりも、前記第2特定状態における有利度が高いものであり、
前記特定終了手段は、前記特定状況において前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合、前記特定状態を終了させる一方、前記特定状況において前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記特定状態を終了させないことを特徴とする特徴I4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果の当選に対応する情報が記憶されている状況で移行する場合と、第2特別結果の当選に対応する情報が記憶されている状況で移行する場合とで、第2特定状態の有利度が異なり、第1特別結果の方が第2特別結果よりも第2特定状態が有利なものとなる。このような構成において、特定状況にて第1特別結果であれば特定状態が終了し、第2特別結果であれば特定状態が終了しないようにしたことで、より有利な側の第2特定状態への移行が生じ得る状況だけ、上限条件成立前に特定状態を終了させる構成となる。このようにすることで、より上限条件成立前に特定状態を終了させることの実効性を高めることができ、言い換えるならば、上限条件成立前に特定状態を終了させたのにも関わらず、遊技者が期待するほど利益を享受できない、といった事象を生じにくくすることができる。
特徴I6.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となる確率の方が、前記第2特別結果となる確率よりも低い確率であることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果の希少性を利用して、有利な第2特定状態へ移行し得る状況の有利度を、第1特別結果の希少性によって、バランスを担保することができる。よって、上限条件を設けている意義に反しない範囲で、特定状態を中途で終了させて、有利な第2特定状態へ再移行させる、といった遊技性を実現することができる。
特徴I7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果の当選となる場合、他の遊技結果にも当選となるように、当該他の遊技結果と前記特別結果との重複結果が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記重複結果である場合、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せよりも前記他の遊技結果に対応する絵柄組合せが優先して停止可能となるようにする優先手段(主制御装置101による優先設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I5又は特徴I6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選となる場合、他の遊技結果にも当選となるため、当該ゲームでは特別結果入賞が成立せず他の遊技結果の入賞が成立する。そのため、特定状況にて特別結果当選となって当該ゲームにて特定状態が終了する場合、特別結果情報が記憶されている状況で通常状態が開始されることになる。このようにすれば、通常状態から再度特定状態へ移行する際に、特別結果情報が記憶されている状況となり易く、有利な第2特定状態へ移行させ易くなる。
特徴I8.前記特定終了手段は、前記特定状況において、前記特別状態の前記特別終了条件が成立した場合に前記特定状態を終了する構成であり、
前記特定状態として、第1特定状態(通常モード)と、当該第1特定状態よりも遊技者にとって有利な第2特定状態(CZモード)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であることに対応する特別結果情報(BB持ち越しフラグ)が記憶されていない状況で前記特定状態に移行した場合、前記第2特定状態に移行し、前記特別結果情報が記憶されている状況で前記特定状態に移行した場合、前記第1特定状態に移行する構成であることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、特別結果に当選していることに対応する特別結果情報の有無によって特定状態移行時に有利度が異なる状態に移行する構成としたうえで、特別状態が終了し、特別結果に当選していないこと、すなわち特別結果情報が記憶されていない状況であることが明らかである状況にて特定状態を終了させれば、その後、特別結果に当選することなく特定状態へ移行させれば有利な側の第2特定状態へ移行させることが可能となる。一方、上限条件成立に基づいて特定状態が終了する場合には、特別結果当選後、特別状態移行前や終了前であることも考えられ、この場合、特定状態終了後、特定状態へ再移行する場合に、不利な側の第1特定状態へ移行し得る。このようにすることで、特定状況において特別状態終了に基づき特定状態を終了させるメリットをより明確化することが可能となる。
特徴I9.前記通常状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となったゲームにて、前記特別結果情報が記憶されるよりも前に、前記特定状態へ移行させることが可能な手段(主制御装置101によるリプ重複第1BBやリプ重複第2BB当選に基づいて有利区間へ移行させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴I8の遊技機において、特別結果情報が記憶されていない状況にて特定状態が終了した後、特別結果当選となったゲームにて特別結果情報が記憶されるよりも前に特定状態への移行が生じることになる。その結果、特別結果当選に基づいて特定状態へ移行する際には、有利な側の第2特定状態へ移行することになり、特定状況において特別状態終了に基づき特定状態を終了させる意義を向上させることが可能となる。
特徴I10.前記特定状態において、予め定められた継続条件が成立しているか否かの継続判定を実行することが可能な継続判定手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB当選ゲームにて継続フラグがセットされているか否かを判定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定終了手段は、前記特定状態において前記特定状況となるよりも前の状況では、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記継続判定手段による継続判定の結果が前記継続条件が成立しているとする結果であれば前記特定状態を終了させない一方、前記継続判定手段による継続判定の結果が前記継続条件が成立していないとする結果であれば前記特定状態を終了させるものであり、前記特定状態において前記特定状況であれば、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記継続判定手段による継続判定の結果が前記継続条件が成立しているとする結果であっても前記特定状態を終了させることを特徴とする特徴I1乃至I9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において特別結果当選となった場合、特定状況前では継続条件が成立していれば特定状態は終了せず、継続条件が成立していなければ特定状態は終了するため、特定状況前においては、継続条件の成否によって特別結果当選時における特定状態の継続の有無を管理する構成となり、継続条件の成否への注目度を高めることができる。そのうえで、特定状況となった場合、継続条件が成立していても特別結果当選となれば特定状態が終了するため、特別結果の当選の有無へ注目度を高めることができる。つまり、特定状況前後において、遊技進行に合わせて遊技者が注目すべきポイントが変化することになり、遊技の単調化を抑制しながら遊技の興趣向上が図られる。
<特徴J群>
特徴J1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1特別結果(第1BB)であり、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第1特別状態へ移行させ、予め定められた第1特別終了条件が成立したこと基づいて当該第1特別状態を終了させ、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2特別結果(第2BB)であり、前記有効位置に前記第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第2特別状態へ移行させ、予め定められた第2特別終了条件が成立したこと基づいて当該第2特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記第1特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特定状態を終了させて前記通常状態に移行させる一方、前記第1特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せが停止した場合、当該特定状態を終了させずに維持する第1特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、ATモードフラグがセットされており且つ継続フラグがセットされていない状況で第1BB当選ゲームとなると有利区間を終了させる一方、第1BB入賞ゲームであれば有利区間を終了させない処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記第2特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第2特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、当該特定状態を終了させて前記通常状態に移行させる一方、前記第2特別結果に当選したゲームにて、前記有効位置に前記第2特別の絵柄組合せが停止した場合、当該特定状態を終了させずに維持する第2特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において、ATモードフラグがセットされており且つ継続フラグがセットされていない状況で第2BB当選ゲームとなると有利区間を終了させる一方、第2BB入賞ゲームであれば有利区間を終了させない処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、入賞することで第1特別状態に移行する第1特別結果や入賞することで第2特別状態に移行する第2特別結果といった所謂ボーナスが設定されているとともに、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度が異なるため、例えば、特定状態中に特別状態へ移行した場合にはその特別状態にて特定報知を行う一方、通常状態中に特別状態へ移行した場合には特定報知を行わない等して、特別状態と特定報知とを融合させた遊技性が実現可能である、
しかも、本遊技機においては、態様報知が行われ得る特定状態中に第1特別状態や第2特別状態への移行が許容される第1特別結果や第2特別結果に当選した場合、その当選ゲームにて入賞を成立させることに成功すれば特定状態は維持されるものの、当選ゲームにて入賞を成立させることに失敗すれば特定状態は終了する。つまり、当選ゲームにて入賞させることができれば、上記の特定状態中の特別状態としての恩恵を享受できる一方、当選ゲームにて入賞させることができなければ、その恩恵を享受できなくなる、といったように、当選ゲームでの入賞の成否がその後に獲得できる利益に与える影響が多大なものとなり、これにより、特定状態中に第1特別結果や第2特別結果の当選ゲームを見定めることの面白みが向上する。しかも、第1特別結果と第2特別結果とは、それぞれ第1特別の絵柄組合せと第2特別の絵柄組合せとにより入賞が成立し、入賞させるために狙うべき絵柄組合せが異なっている。このようにすることで、上記のように当選ゲームを見定める遊技によって遊技の興趣向上が図られるとともに、延々と特定状態が継続してしまう事象を好適に抑制することが可能となる。
特徴J2.前記特別状態である状況、及び前記特別状態ではない状況にて、前記抽選手段による抽選結果として前記態様結果となり得る構成であり、
前記特定状態であり且つ前記特別状態である状況において前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果であり、前記第1操作結果に対応する前記第1の操作態様にて前記停止操作手段が操作された場合、当該第1操作結果が入賞する一方、前記特定状態であり且つ前記特別状態ではない状況において前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果であり、前記第1操作結果に対応する前記第1の操作態様にて前記停止操作手段が操作された場合、当該第1操作結果が入賞しないことを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様結果当選時に第1操作結果に対応する第1の操作態様にて操作した場合に、特別状態中であれば当該第1操作結果の入賞が成立する一方、特別状態中では無ければ第1操作結果の入賞が成立しない。つまり、態様報知によって第1の操作態様が報知された場合に第1操作結果の入賞を成立させることが可能となり、態様報知の恩恵を享受できるのは、特別状態であることが必要となる。このようにすることで、特定状態且つ特別状態中の利益と、特定状態且つ特別状態ではない状態の利益との差が明確化され、特定状態中に各特別結果当選となった際に入賞させることのメリットを生じさせることが可能となる。
特徴J3.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により所定数の遊技媒体の払い出しを前記特典として付与される払出結果(第1小役~第27小役等)が設定されており、
前記第1特別状態及び前記第2特別状態は、移行前の状態と比較して前記抽選手段による抽選結果が所定の前記払出結果となる確率が変化し得るものである(特に、通常遊技状態とBB第3状態とで不問ベル当選確率が変化する)ことを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別状態や第2特別状態が、所定の払出結果の当選確率が変化するボーナス状態であることが明確化される。つまり、特定状態中にボーナス当選ゲームにてボーナス入賞を成立させることに成功すれば、特定状態が継続し且つそのボーナス状態の恩恵を享受できる一方、ボーナス当選ゲームにてボーナス入賞を成立させることに失敗すれば、その後のボーナス入賞によってボーナス状態自体の恩恵は享受できるものの、特徴J2のように特定状態は終了することによって、特定状態とボーナス状態との融合による恩恵は享受できない、といった遊技性を実現することができる。
特徴J4.所定の前記周回体において、前記第1特別の絵柄組合せを形成する第1特別絵柄(右リール32Rの「チェリー」図柄)を前記有効位置に停止させることが可能な第1のタイミングで対応する前記停止操作手段の停止操作を行うと、前記第2特別の絵柄組合せを形成する第2特別絵柄(右リール32Rの「BAR」図柄)を前記有効位置に停止させることができず、前記第2特別絵柄を前記有効位置に停止させることが可能な第2のタイミングで対応する前記停止操作手段の停止操作を行うと、前記有効位置に前記第1特別絵柄を停止させることができないことを特徴とする特徴J1乃至J3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果と第2特別結果とに対応する第1特別絵柄と第2特別絵柄とは同時に狙って停止操作できない関係となっているため、その当選ゲームが第1特別結果であり且つ第1特別絵柄を停止可能なタイミングで操作した場合には特定状態の終了を回避できるものの、第2特別絵柄を停止可能なタイミングで操作してしまうと特定状態は終了し、逆に第2特別結果当選ゲームにて第2特別絵柄を停止させれば特定状態は終了しないものの、第1特別絵柄を狙ってしまうと特定状態は終了する。このようにすることで、特定状態の終了の有無との関係で、特別結果当選ゲームにていずれの特別結果を狙って停止操作するか、といった遊技性を実現することができるし、特定状態を延々と継続させないことの機能がより好適に発揮される。
特徴J5.所定の前記周回体に配置されている前記第1特別絵柄の数と前記第2特別絵柄の数とが異なっていることを特徴とする特徴J4に記載の遊技機。
上記構成によれば、狙いが合致していなければ入賞が成立しない、といった特徴J4の構成において、対応する絵柄数が異なるため、入賞を成立させることの難易度が、第1特別結果と第2特別結果とで異なるようになる。この場合、例えば、遊技操作に慣れていない遊技者は、絵柄数が多い側の特別結果入賞を狙うであろうし、遊技に慣れている遊技者は、絵柄数に関わらず、勘頼りで特別結果を選択すると考えられる。このようにすることで、遊技操作に慣れていない遊技者であっても、特別結果当選時の遊技を好適に楽しむことが可能となる。
特徴J6.前記抽選手段による抽選結果として、少なくとも前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかと他の遊技結果とを含む重複結果(リプ重複第1BB、リプ重複第2BB)と、前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかを含む一方、前記他の遊技結果を含まない単独結果(単独第1BB、単独第2BB)と、が設定されており、
前記駆動制御手段は、前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかと前記他の遊技結果とに当選している場合、前記他の遊技結果に対応する絵柄組合せを優先して停止させるように駆動制御する優先手段(主制御装置101による優先設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J1乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、重複結果にて各特別結果当選となった場合、当該ゲームでは各特別結果ではなく他の遊技結果入賞が成立し、単独結果にて各特別結果当選となった場合、狙う絵柄が合致していれば、当該ゲームにて各特別結果入賞が成立し得る。つまり、特定状態において重複結果当選となった場合、当該ゲームでは入賞させることができないので特定状態が終了され、特定状態において単独結果当選となった場合、当該ゲームにてその終了を回避することの余地が生じ得る。このような重複結果を用いることで、遊技者の操作に関わらず特定状態を終了させることも可能となり、重複結果と単独結果との当選確率を調節するだけで、特定状態の強制終了率をうまく調節することが可能となる。
特徴J7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果を含む前記重複結果となる確率と、前記第2特別結果を含む前記重複結果となる確率とが異なる確率となる得るように設定されている一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果を含む前記単独結果となる確率と、前記第2特別結果を含む前記単独結果となる確率とが同じ又は略同じ確率となるように設定されていることを特徴とする特徴J6に記載の遊技機。
上記構成によれば、絵柄を狙ってその狙いが合致していれば入賞が成立することになる単独結果については、第1特別結果と第2特別結果とで同じ又は略同じ確率であることから、どちらを狙ったほうが入賞易いといった事情がなく、遊技者の勘次第とすることができる。そのうえで、狙いが合致していても入賞が成立しない重複結果については、第1特別結果と第2特別結果との確率が異なり得るようにしたことで、どちらを狙うかを遊技者に選択させる遊技性を抹殺しない範囲内で、第1特別結果と第2特別結果との当選確率に差を生じさせることが可能となる。
特徴J8.前記特定状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかの当選となった特別ゲームにて、所定の報知手段にて当該特別ゲームである旨の特別報知を実行することが可能な特別報知手段(表示制御装置81による継続チャンス演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J1乃至J7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果や第2特別結果の当選ゲームにて特別報知が実行されるため、本遊技機の遊技の肝となる特別結果当選ゲームが見逃されてしまうことによって、入賞を成立させることができなかった、といった事象を生じさせないようにすることが可能となる。また、特別報知が行われることを前提とすることで、特定状態において毎ゲーム特別結果入賞を狙って遊技を行う必要がなくなり、遊技をスムーズに行わせることも可能となる。
特徴J9.前記抽選手段による抽選結果として、少なくとも前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかと他の遊技結果とを含む重複結果(リプ重複第1BB、リプ重複第2BB)と、前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかを含む一方、前記他の遊技結果を含まない単独結果(単独第1BB、単独第2BB)と、が設定されており、
前記駆動制御手段は、前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかと前記他の遊技結果とに当選している場合、前記他の遊技結果に対応する絵柄組合せを優先して停止させるように駆動制御する優先手段(主制御装置101による優先設定処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知手段は、前記単独結果を契機とする前記特別ゲームにて前記特別報知を実行可能であり、且つ前記重複結果を契機とする前記特別ゲームにて前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴J8に記載の遊技機。
上記構成によれば、重複結果であろうと単独結果であろうと、特別結果当選となった当選ゲームでは特別報知が行われるため、重複結果と単独結果とを用いて、絵柄を狙って狙いが合致していれば入賞する場合と、絵柄を狙って狙いが合致していなければ入賞しない場合と、絵柄を狙って狙いが合致していても入賞しない場合と、がある遊技性において、いずれの場合であっても絵柄を狙わせるきっかけとすることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を好適に図ることができる。
<特徴K群>
特徴K1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記特定状態として、第1特定状態(ATモード)と、当該第1特定状態よりも前記態様報知手段による前記態様報知が実行されにくい第2特定状態(通常モード)とが設定されており、
予め定められた特定移行条件(ATモード当選フラグがセットされること)が成立した場合に、前記第2特定状態から前記第1特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101によるATモードに移行させるための処理を実行する機能)と、
前記特定状態において予め定められた特定終了条件(BB当選)が成立した場合、当該特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB当選ゲームにて有利区間を終了する処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記特定移行条件が成立するよりも前に前記特定終了条件が成立した場合、前記特定終了手段により前記特定状態が終了されることを制限する終了制限手段(主制御装置101による区間表示第2処理において終了済みフラグがセットされている場合に有利区間を終了しない処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度を異ならせる遊技性が実現される。
態様報知は特定状態では実行される一方、通常状態では実行されないものであり、更に、特定状態において第1特定状態の方が第2特定状態よりも態様報知が実行され易い構成となっていることから、通常状態から特定状態として第2特定状態へ移行させ、その後、第1特定状態へ移行させることで、上記態様報知による恩恵を享受できるようになる構成が遊技の流れとなる。
このような構成において、第2特定状態から第1特定状態への移行が生じるよりも前に特定状態の終了条件としての特定終了条件が成立した場合、特定状態を終了しないようにしたことで、せっかく特定状態に移行したのにもかかわらず、第1特定状態の恩恵を享受することなく特定状態が終了してしまうことが制限される。よって、特定状態へ移行させて第2特定状態から第1特定状態を目指す遊技性が明確化され、遊技続行の意思決定の後押しとすることができる。
特徴K2.前記第2特定状態へ移行した場合、前記特定移行条件が成立するまでの特定数(ゲーム数)を成立用数として設定する特定設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数の設定処理を実行する機能)と、
前記第2特定状態における前記特定数が前記成立用数に達したことに基づいて前記特定移行条件を成立させる成立手段(主制御装置101による天井カウンタが0となったことに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記のように、第2特定状態から第1特定状態へ移行するまでに特定終了条件が成立しても特定状態は終了しないことから、かかる特徴K1の遊技機に本構成を適用することで、天井としての成立用数が設定される機会は、第1特定状態から第2特定状態へ移行した場合や、通常状態から第2特定状態へ移行した場合に限定される。これにより、成立用数が何度も再設定されることによって延々と特定移行条件に達しない、といった不都合を解消することができる。
特徴K3.前記第2特定状態の継続条件が成立しているか否かを判定する継続判定手段(主制御装置101による区間表示第2処理において継続フラグの有無を判定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定終了手段は、前記第2特定状態において前記継続条件が成立していない状況で前記特定終了条件が成立した場合には前記特定状態を終了する一方、前記第2特定状態において前記継続条件が成立している状況で前記特定終了条件が成立した場合には前記特定状態を終了しないことを特徴とする特徴K1又は特徴K2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態において継続条件が成立していない状況で特定終了条件が成立すると特定状態が終了する一方、第2特定状態において継続条件が成立している状況であれば特定終了条件が成立した場合であっても特定状態を終了させないようにすることができる。このようにすることで、例えば、特定終了条件を、特定状態を終了させるためだけでなく、他の用途(例えば、第2特定状態において有利な状態への移行を許容する移行条件)として用いることも可能であり、機能の集約化を図りながら遊技の興趣を向上させることが可能となる。
特徴K4.前記特定終了手段により前記特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させる場合、当該終了させたことに対応する終了情報を記憶する終了情報記憶手段(主制御装置101による終了済みフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記第2特定状態へ移行する場合、前記終了情報記憶手段に記憶されている前記終了情報を消去する手段(主制御装置101によるATモード開始時に終了済みフラグをクリアする処理を実行する機能)と、
予め定められた契機に基づき、前記特定状態に関する情報の初期化処理を実行可能な初期化手段(主制御装置101による有利区間用情報の初期化処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了制限手段は、前記特定終了条件が成立した場合において、前記終了情報記憶手段に前記終了情報が記憶されている場合、前記特定終了手段による前記特定状態の終了を制限する構成であり、
前記初期化手段による前記初期化処理が行われた場合であっても、前記終了情報記憶手段に記憶されている前記終了情報は消去されないことを特徴とする特徴K1乃至K3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了手段によって特定状態が終了された場合、終了情報が記憶され、その終了情報の有無により、以後の特定終了条件成立時の特定状態の終了を制限するか否かが決定される。この場合、終了情報は、特定状態に関する情報の初期化処理の対象となっていないため、例えば、遊技ホールの管理者等が、遊技機の設定に際して特定状態に関する情報の初期化処理を実行した場合であっても、終了情報は消去されない。そうすると、仮に、その後に通常状態から特定状態へ移行したとしても、終了情報は維持されているため、その後に特定終了条件が成立しても第2特定状態移行前であれば当該特定状態の終了が回避される。このようにすることで、上記初期化処理が行われたことを、特定状態の終了の有無によって遊技者に見抜かれることを抑制することが可能となる。
特徴K5.前記通常状態から前記特定状態へ移行する場合、予め定められた終了情報を記憶する終了情報記憶手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理にて終了済みフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記第2特定状態へ移行する場合、前記終了情報記憶手段に記憶されている前記終了情報を消去する手段(主制御装置101によるATモード開始時に終了済みフラグをクリアする処理を実行する機能)と、
予め定められた契機に基づき、前記特定状態に関する情報の初期化処理を実行可能な初期化手段(主制御装置101による有利区間用情報の初期化処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了制限手段は、前記特定終了条件が成立した場合において、前記終了情報記憶手段に前記終了情報が記憶されている場合、前記特定終了手段による前記特定状態の終了を制限する構成であり、
前記初期化手段による前記初期化処理が行われた場合、前記終了情報記憶手段に記憶されている前記終了情報も消去することを特徴とする特徴K1乃至K3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常状態から特定状態への移行が生じた場合、終了情報が記憶され、その終了情報の有無により、以後の特定終了条件成立時の特定状態の終了を制限するか否かが決定される。この場合、終了情報は、特定状態に関する情報の初期化処理の対象となっているため、例えば、遊技ホールの管理者等が、遊技機の設定に際して特定状態に関する情報の初期化処理を実行した場合、特定状態である旨の情報とともに、終了情報も消去される。この場合であっても、その初期化処理後、通常状態から特定状態へ移行する際に、再度終了情報が記憶されることから、第2特定状態への移行前に特定終了条件が成立した場合、当該特定状態の終了を回避することが可能である。
特徴K6.前記第2特定状態へ移行した場合、前記特定移行条件が成立するまでの特定数(ゲーム数)を成立用数として設定する特定設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数の設定処理を実行する機能)と、
前記第2特定状態における前記特定数が前記成立用数に達したことに基づいて前記特定移行条件を成立させる成立手段(主制御装置101による天井カウンタが0となったことに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記特定状態における強制終了条件を成立させるまでの所定数を把握する所定数把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGと有利区間増減枚数MYとの管理を行う処理を実行する機能)と、
前記特定状態における前記所定数が前記強制終了条件の成立に対応する数となった場合、前記特定状態を終了させる手段(主制御装置101による区間表示第2処理において強制終了条件成立に基づいて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定終了条件が成立する場合、予め定められた特別状態(第1BB状態、第2BB状態)への移行が生じる又は移行が可能となる構成であり、
前記終了制限手段による前記特定終了手段による前記特定状態の終了の制限対象となる前記特定終了条件に基づく前記特別状態は、前記成立手段による前記特定数の対象とならない一方、前記強制終了条件の前記所定数の対象となることを特徴とする特徴K1乃至K5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態移行前に特定終了条件成立に基づいて特定状態の終了が回避される構成において、特定終了条件の成立に基づいて、特別状態へ移行した場合であっても、当該特別状態中は、特定数の対象とならないことから天井までのゲーム数等に寄与しない一方、所定数の対象となることから特定状態の強制終了条件までのゲーム数等には寄与する構成となる。つまり、特定終了条件成立に基づいて、特定状態の終了を回避したとしても、天井までのゲーム数等を特別状態にて減算させることはできない一方、特定状態の残りゲーム数等は少なくなるので、その後に第2特定状態へ移行しても、享受できる利益が特別状態の分だけ少なくなる。よって、特定終了条件成立に基づいて特別状態に移行させても当該特別状態による遊技者にメリットはなく、特定終了条件を特別状態への移行等と兼用したとしても、特定状態を終了させないこと以上に遊技者を有利なものとしないようにすることができる。
特徴K7.前記終了制限手段は、前記第2特定状態にて前記特定終了条件が成立した場合には前記特定終了手段による前記特定状態の終了を許容する一方、前記第1特定状態にて前記特定終了条件が成立した場合には前記特定終了手段による前記特定状態の終了を制限することを特徴とする特徴K1乃至K6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態にて特定終了条件が成立した場合には特定状態が終了する一方、第1特定状態にて特定終了条件が成立した場合には特定状態は終了しない。このように特定終了条件を規定することで、第2特定状態へ移行することなく第1特定状態中に特定終了条件が成立しても特定状態を終了させないといった構成を、比較的簡素な構成にて実現することが可能となる。
特徴K8.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止したことを特別移行条件の成立として、遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態へ移行させ、予め定められた特別終了条件が成立したこと基づいて当該特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記特定終了条件は、少なくとも前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となること、前記特別移行条件が成立したこと、及び前記特別終了条件が成立したこと、のいずれかを含むことを特徴とする特徴K1乃至K7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入賞することで特別状態へ移行することとなる所謂ボーナスとしての特別結果の当選、特別結果の入賞、特別状態の終了のいずれかが特定終了条件に含まれており、これらボーナス当選したり入賞したり終了したりを契機として特定状態が終了する場合がある構成に、上記特徴K1の構成を適用することで、ボーナスを契機とする特定状態が終了する場面を限定的なものとすることができる。
特に特徴K7に本構成を適用すると、第2特定状態においてボーナスを契機として特定状態を終了させたり終了させなかったりすることできる。そのため、遊技者にとって有利なボーナスと態様報知が行われ易い第2特定状態との融合によって有利度を調節することを可能としながら、そのボーナスを特定状態の終了契機とすることも可能となる。よって、機能の集約化が図られるし、継続条件の有無によってボーナスへの期待感を変化させることも可能となる。
<特徴L群>
特徴L1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとって有利となる特定事象(押し順報知且つ15枚ベル入賞)が発生し得る特定状態(有利区間)と、前記特定事象が発生しない通常状態(通常区間)とが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1特別結果(第1BB)であり、前記有効位置に前記第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第1特別状態へ移行させ、予め定められた第1特別終了条件が成立したこと基づいて当該第1特別状態を終了させ、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2特別結果(第2BB)であり、前記有効位置に前記第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて遊技状態を第2特別状態へ移行させ、予め定められた第2特別終了条件が成立したこと基づいて当該第2特別状態を終了させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態において前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかに移行した場合、移行した前記第1特別状態又は前記第2特別状態にて前記特定事象が発生し得るようになる一方、前記通常状態において前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかに移行した場合、移行した前記第1特別状態又は前記第2特別状態にて前記特定事象が発生しない又は発生しにくい構成であり、
前記特定状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかである場合、当該特定状態を終了させて前記通常状態に移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において対応するBB用フラグとは異なるBBに当選した場合に有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合、前記特定終了手段により前記特定状態が終了されることを制限することが可能な第1終了制限手段(主制御装置101による区間表示第2処理において第1BB用フラグがセットされている状況で第1BB当選となった場合に有利区間を終了させないようにする処理を実行する機能)と、
前記特定状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記特定終了手段により前記特定状態が終了されることを制限することが可能な第2終了制限手段(主制御装置101による区間表示第2処理において第2BB用フラグがセットされている状況で第2BB当選となった場合に有利区間を終了させないようにする処理を実行する機能)と、
予め定められた設定契機に基づいて、前記第1終了制限手段により前記特定状態の終了が制限される第1制限状態(第1BB用フラグがセットされている状態)と、前記第2終了制限手段により前記特定状態の終了が制限される第2制限状態(第2BB用フラグがセットされている状態)と、を含むいずれかの特定制限状態に設定することが可能な制限設定手段(主制御装置101によるAT継続設定処理において第1BB用フラグや第2BB用フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、所謂ボーナスとしての第1特別状態への移行が可能となる第1特別結果と、第2特別状態への移行が可能となる第2特別結果と、が設けられており、特定状態中に第1特別状態や第2特別状態へ移行すると遊技者にとって有利となる特定事象が発生する一方、通常状態中に第1特別状態や第2特別状態へ移行すると特定事象が発生しないため、通常状態ではなく特定状態において第1特別状態や第2特別状態へ移行させることを目指し、例えば、第1特別結果や第2特別結果に当選して入賞待ちの状況で特定状態への移行を待つといった遊技性が実現される。
しかも、上記構成では、特定状態において第1特別結果や第2特別結果となると特定状態が終了される場合があることを前提とし、第1特別結果であれば特定状態の終了が制限される第1制限状態と、第2特別結果であれば特定状態の終了が制限される第2制限状態とを含む特定制限状態に設定される場合があるようにしている。そのため、特定状態において各特別状態への移行を目指しながら、制限状態に設定されていない側の特別結果となって特定状態が終了してしまわないように制限状態に設定されている側の特別結果当選を目指す、といった遊技性が実現され、これまでにない面白みのある遊技機を提供することが可能となる。
特徴L2.前記設定契機は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果及び前記第2特別結果のいずれかとなってから、対応する前記第1特別状態及び前記第2特別状態が終了するまでに生じるものであることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
各ボーナスが重複して当選しないことを前提とすると、各特別結果に当選した後、特別状態が終了するまでの間であれば、重複して特別結果に当選することがない。そこで、上記の特別結果当選から特別状態終了までの間で、特定状態の終了を制限する特別結果を設定する設定契機が生じるようにすることで、特別結果当選前に制限状態の設定を完了することが可能となる。
特徴L3.前記設定契機は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが終了する場合に生じることを特徴とする特徴L2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別状態や第2特別状態の終了に際して、特定状態の終了を制限する特別結果を設定する設定契機が生じるようにすることで、例えば、制限対象とする特別結果についての報知が行われる構成において、当選している特別結果や実行中の特別状態と、制限対象として設定された特別結果との混同を生じさせないようにすることができる。
特徴L4.前記制限設定手段は、前記設定契機に基づいて、いずれの制限状態の前記特定制限状態に設定するかの制限抽選を実行し、前記制限抽選の抽選結果に基づいて前記特定制限状態の設定を行うことを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、いずれの制限状態に設定されるかが制限抽選の結果によるものとなり、制限状態にランダム性を生じさせることが可能となる。このようにすれば、いずれの制限状態に設定されているかを演出等によって予測したりしながら、当選する特別結果の種類へ注目させることが可能となる。
特徴L5.前記制限設定手段は、前記特定状態において前記設定契機の回数又は前記第1特別状態及び前記第2特別状態の回数に応じて前記特定制限状態の設定を行うことが可能な手段(主制御装置101による連荘カウンタの値に応じて次回BB抽選を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において特別状態に移行した回数や特別結果当選から特別状態終了までに生る設定契機の回数に応じて、特定状態の終了を制限する特別結果を設定する構成としているので、例えば、第1回数目の設定契機であれば第1制限状態に設定され易い一方、第1回数目とは異なる第2回数目の設定契機であれば第2制限状態に設定され易い、といった遊技性を実現することが可能となり、第1特別状態と第2特別状態との有利度や制限状態の設定され易さを通じて、特別状態の平均連荘回数を遊技機側である程度管理することが可能となる。
なお、上記構成を特徴L4に適用する場合、「前記制限設定手段は、前記特定状態において前記設定契機の回数又は前記第1特別状態及び前記第2特別状態の回数に応じて前記制限抽選を行うことが可能な手段を備えている」と表現してもよい。
特徴L6.前記制限設定手段は、前記設定契機が生じた際に当選している又は滞在している前記特別状態の種類に応じて前記特定制限状態の設定を行うことが可能な手段(主制御装置101による今回のBBの種類に応じて次回BB抽選を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において設定契機が生じた際に当選している特別結果や特別状態の種類に応じて、特定状態の終了を制限する特別結果を設定する構成としているので、例えば、第1特別結果の次は第1制限状態に設定され易く、第2特別結果の次は第2制限状態に設定され易い、といった遊技性を実現することが可能となり、第1特別状態と第2特別状態との有利度や制限状態の設定され易さを通じて、特別状態の連続性や非連続性を遊技機側である程度管理することが可能となる。
なお、上記構成を特徴L4に適用する場合、「前記制限設定手段は、前記設定契機が生じた際に当選している又は滞在している前記特別状態の種類に応じて前記制限抽選を行うことが可能な手段を備えている」と表現してもよい。
特徴L7.遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値を有し、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定値設定手段(主制御装置101による当選確率設定処理を実行する機能)を備え、
前記制限設定手段は、前記設定値設定手段により設定されている設定値に応じて前記特定制限状態の設定を行うことが可能な手段(主制御装置101による設定値に応じて次回BB抽選を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値に応じて、特定状態の終了を制限する特別結果を設定する構成としているので、例えば、第1設定値が設定されている場合は第1制限状態に設定され易く、第2設定値が設定されている場合は第2制限状態に設定され易い、といった遊技性を実現することが可能となり、第1特別状態と第2特別状態との有利度や制限状態の設定され易さを通じて、特遊技媒体の増減率又は増減態様を調節することが可能となる。
なお、上記構成を特徴L4に適用する場合、「遊技媒体の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な複数段階の設定値を有し、当該複数段階の設定値のうちの一の設定値を設定する設定値設定手段(主制御装置101による当選確率設定処理を実行する機能)を備え、
前記制限設定手段は、前記設定値設定手段により設定されている設定値に応じて前記制限抽選を行うことが可能な手段を備えている」と表現してもよい。
特徴L8.少なくとも前記特定状態を含むゲーム数を把握するゲーム数把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGの管理を行う処理を実行する機能)を備え、
前記制限設定手段は、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数に応じて前記特定制限状態の設定を行うことが可能な手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGに応じて次回BB抽選を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態を含むゲーム数に応じて、特定状態の終了を制限する特別結果を設定する構成としているので、例えば、特定状態の序盤では第1制限状態に設定され易く、特定状態が進行するにつれて又は特定状態の終盤においては第2制限状態に設定され易い、といった遊技性を実現することが可能となり、第1特別状態と第2特別状態との有利度や制限状態の設定され易さを通じて、特定状態における遊技進行を多様化することが可能となる。
なお、上記構成を特徴L4に適用する場合、「少なくとも前記特定状態を含むゲーム数を把握するゲーム数把握手段(主制御装置101による有利区間ゲーム数AGの管理を行う処理を実行する機能)を備え、
前記制限設定手段は、前記ゲーム数把握手段により把握されるゲーム数に応じて前記制限抽選を行うことが可能な手段を備えている」と表現してもよい。
特徴L9.前記制限設定手段は、前記第1終了制限手段及び前記第2終了制限手段を今回の前記特定制限状態として設定することが可能であることを特徴とする特徴L1乃至L8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果に当選した場合に特定状態が終了しない第1制限状態と、第2特別結果に当選した場合に特定状態が終了しない第2制限状態と、のいずれかだけでなく、第1制限状態と第2制限状態とのいずれにも設定される場合がるようになるため、この場合、第1特別結果と第2特別結果のいずれに当選しても特定状態が終了しないようになる。これにより、いずれの特別結果に当選するかで特定状態の継続の有無が異なる遊技性の幅が広がり、特定状態の継続性を向上させることが可能となる。
特徴L10.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となる確率は、前記第2特別結果となる確率よりも低い確率となるように設定されており、
前記制限設定手段は、前記第2制限状態よりも前記第1制限状態を前記特定制限状態として設定し易いことを特徴とする特徴L1乃至L9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選しにくい第1特別結果での特定状態の終了が制限される第1制限状態のほうが、当選し易い第2特別結果での特定状態の終了が制限される第2制限状態よりも設定され易く、当選し易い第2特別結果の第2制限状態には設定されにくい構成となる。このようにすることで、特定状態を継続しにくくすることができ、出玉率が高くなり過ぎないようにすることができる。また、このような構成において、第1制限状態の方が第2制限状態よりも設定され易い構成であることからして、第1特別結果に当選した場合の方が第2特別結果に当選した場合よりも、特定状態の制限対象となり易い構成となり、第1特別結果の方が第2特別結果よりも有利といえる。そして、その有利な側の第1特別結果の方が第2特別結果よりも当選しにくい構成となっていることから、有利度と当選確率とのバランスを担保することが可能となる。
特徴L11.前記第1制限状態において前記特定終了手段により前記特定状態が終了した後の状態の方が前記第2制限状態において前記特定終了手段により前記特定状態が終了した後の状態が遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴L10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制限状態に設定されたのにもかかわらず第2特別結果当選となって特定状態が終了した後の状態の方が、第2制限状態に設定されたのにもかかわらず第1特別結果となって特定状態が終了した後の状態よりも遊技者にとって有利となる。つまり、当選した場合に制限対象とされ易く有利な側の第1特別結果の方が、当選した場合に制限対象とならず特定状態が終了した後の状態が有利となる。このようにすることで、せっかく有利な側の第1特別結果に当選したのにもかかわらず特定状態が終了してしまった場合の補償とすることができ、遊技意欲の低下を解消することが可能となる。
<特徴M群>
特徴M1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)と、が設定されており、
予め定められた移行契機(有利区間移行抽選に当選し有利区間へ移行させる)に基づいて、前記通常状態から前記特定状態へ移行させる特定移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理にて有利区間への移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了契機(セットされているBB用フラグと異なるBB当選)に基づいて、前記特定状態から前記通常状態へ移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB当選ゲームにて有利区間を終了する処理を実行する機能)と、
前記特定終了手段により前記特定状態から前記通常状態へ移行させる場合、当該特定状態にて利用した情報の初期化処理を実行する特定初期化手段(主制御装置101による有利区間用情報の初期化処理を実行する機能)と、
前記終了契機となったゲームの結果情報を、前記初期化手段による前記初期化処理の対象とならない特別結果情報として記憶可能な特別記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)と、
前記特定移行手段により前記通常状態から前記特定状態へ移行させる場合、前記特別記憶手段に記憶されている前記特別結果情報を利用して、前記特定状態の有利度を設定することが可能な特定設定手段(主制御装置101による有利区間移行ゲーム用処理においてBB持ち越しフラグの種類によってCZモードの設定を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度を異ならせる遊技性が実現される。
態様報知は特定状態では実行される一方、通常状態では実行されないものであり、特定状態の終了に際して、当該特定状態の初期化処理が行われるため、特定状態ではない通常状態においてそれ以前の特定状態の情報が引き継がれることがなく、例えば、有利な特定状態終了後の通常状態から遊技を開始した遊技者と、そうではない特定状態終了後の通常状態から遊技を開始した遊技者との遊技の公平性が担保され易い。
しかし、例えば、特定状態と特定状態との間が比較的短いスパンで生じるような構成においては、上記のような特定状態終了時の遊技者とその後に遊技する遊技者とが異なることに起因する不平等性は生じにくいものの、特定情報が引き継がれないことによって遊技の流れが遮断され、興趣向上をうまく図れないといった不都合がある。
そこで、上記構成では、特定状態の終了契機となったゲームの結果情報を特別結果情報として記憶し、その特別結果情報を利用して、次の特定状態移行時の有利度を設定するようにしたことで、特定状態にて利用した情報が終了時に初期化されるといった前提構成を覆すことなく、特定状態と特定状態とを跨いで情報を共有することができ、特定状態と特定状態とが連荘するような構成における遊技の興趣向上をうまく図ることが可能となる。
特徴M2.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果(第1BB、第2BB)であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合、当該特別結果に対応する特別特典(第1BB状態移行、第2BB状態移行)を付与することが可能であり、
前記終了契機は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となる場合に生じ得るものであり、
前記特別記憶手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であるゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記特別結果に当選していることに対応する情報を前記特別結果情報として記憶するものであり、
前記特別記憶手段に前記特別結果情報が記憶されているゲームでは、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止可能となる構成であることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選ゲームにて入賞が成立しなければその当選情報が持ち越される、といった従来からある構成を、特別結果情報に利用して特定状態間の情報の架け橋とすることで、比較的簡素な構成にて、特定状態の連荘時の興趣を好適に図ることが可能となる。
特徴M3.前記特別結果として、第1特別結果(第1BB)と前記第1特別結果は異なる第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記特別記憶手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であるゲームにて、前記有効位置に当該第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記第1特別結果に当選していることに対応する情報を第1特別結果情報として記憶するものであり、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であるゲームにて、前記有効位置に当該第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記第2特別結果に当選していることに対応する情報を第2特別結果情報として記憶するものであり、
前記特定設定手段は、前記第1特別結果情報を利用して設定する前記特定状態と、前記第2特別結果情報を利用して設定する前記特定状態とで、遊技者にとっての有利度が異なるように設定することを特徴とする特徴M2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果となったゲームにて特定状態が終了し、その第1特別結果の持ち越し情報としての第1特別結果情報を利用して設定する特定状態と、第2特別結果についての第2特別結果情報を利用して設定する特定状態とで、遊技者にとっての有利度が異なるように設定する。このようにすることで、特定状態の終了契機となった特別結果によって次の特定状態の有利度が設定される構成となり、特定状態を終了させるゲームですらその抽選結果へ関心を寄せさせることができる。
特徴M4.前記第1特別結果が前記特定状態における前記終了契機となる場合、当該特定状態において前記第2特別結果が前記終了契機とならないようになり、前記第2特別結果が前記特定状態における前記終了契機となる場合、当該特定状態において前記第1特別結果が前記終了契機とならないようになる構成であることを特徴とする特徴M3に記載の遊技機。
上記構成によれば、一方の特別結果が特定状態の終了契機となる場合、当該特定状態では他方の特別結果は終了契機とならないため、複数の特別結果が設定されていて、その特別結果を契機として特定状態が終了する場合とは、そもそも終了契機とならない側の特別結果とならず残念な側の特別結果となってしまったことを意味する。このような構成において、残念な側の特別結果となってしまったことを、次回の特定状態の有利度の設定に用いる構成とすることで、特定状態終了による喪失感を、次回の特定状態を有利とすることで補填するようにしたり、次回の特定状態を不利とすることで更に残念感を煽るようにしたりすることができ、連続する特定状態をうまく関連付けることが可能となる。
特徴M5.前記特別結果として、第1特別結果(第1BB)と前記第1特別結果よりも遊技者にとっての有利度が低い第2特別結果(第2BB、第2BB用フラグがセットされる確率が第1BB用フラグがセットされる確率よりも低いことに基づいて、第1BB当選よりも第2BB当選の方が不利となる)とが設定されており、
前記特別記憶手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であるゲームにて、前記有効位置に当該第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記第1特別結果に当選していることに対応する情報を第1特別結果情報として記憶するものであり、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であるゲームにて、前記有効位置に当該第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記第2特別結果に当選していることに対応する情報を第2特別結果情報として記憶するものであり、
前記特定設定手段は、前記第1特別結果情報を利用して設定する前記特定状態の方が、前記第2特別結果情報を利用して設定する前記特定状態よりも遊技者にとって有利となるように設定することを特徴とする特徴M2乃至M4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者にとって有利な第1特別結果となったゲームにて特定状態が終了し、その第1特別結果の持ち越し情報としての第1特別結果情報を利用して特定状態の有利度が設定される場合の方が、不利な側の第2特別結果についての第2特別結果情報を利用して特定状態の有利度が設定される場合よりも有利となるように設定される。このようにすることで、せっかく有利な側の第1特別結果に当選したのにもかかわらず特定状態が終了してしまったことを、次回以降時の特定状態の有利度によって補填することが可能となり、有利な第1特別結果の情報を、特定状態を跨いでうまく引き継ぐことが可能となる。
特徴M6.前記第1特別結果が前記特定状態における前記終了契機となる場合、当該特定状態において前記第2特別結果が前記終了契機とならないようになり、前記第2特別結果が前記特定状態における前記終了契機となる場合、当該特定状態において前記第1特別結果が前記終了契機とならないようになる構成であり、
前記第1特別結果よりも前記第2特別結果の方が前記終了契機に設定され易いことを特徴とする特徴M5に記載の遊技機。
上記構成によれば、一方の特別結果が特定状態の終了契機となる場合、当該特定状態では他方の特別結果は終了契機とならないため、複数の特別結果が設定されていて、その特別結果を契機として特定状態が終了する場合とは、そもそも終了契機とならない側の特別結果とならず残念な側の特別結果となってしまったことを意味する。このような構成において、残念な側の特別結果となってしまったことを、次回の特定状態の有利度の設定に用いる構成とすることで、特定状態終了による喪失感を、次回の特定状態を有利とすることで補填するようにしたり、次回の特定状態を不利とすることで更に残念感を煽るようにしたりすることができ、連続する特定状態をうまく関連付けることが可能となる。
しかも、上記構成では、第1特別結果よりも第2特別結果の方が終了契機として設定され易いため、特定状態を終了させない方が有利であることを前提とすると、第1特別結果となる方が有利といえる。そして、有利な側の第1特別結果となったのにも関わらず、特定状態が終了してしまった場合には、その後、再移行する特定状態が第2特別結果にて終了した場合よりも有利となる。このようにすることで、第1特別結果と第2特別結果との有利不利をうまく次の特定状態に引き継ぐことが可能となる。
特徴M7.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となる確率よりも、前記第2特別結果となる確率の方が高い確率であることを特徴とする特徴M5又は特徴M6に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利な側の第1特別結果は、そもそも各ゲームで当選しにくい結果となる。つまり、せっかく当選しにくい有利な第1特別結果に当選したのにもかかわらず特定状態が終了してしまった場合であり、第1特別結果にて特定状態が終了することをより残念に感じるであろう状況となる。このような構成とすることで、次回の特定状態の有利度にて補填することの意義が高められる。
特徴M8.前記特別記憶手段に前記特別結果情報が記憶されており、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止したことに基づいて、当該特別結果情報を消去することが可能な消去手段(主制御装置101によるBB入賞時にBB持ち越しフラグをクリアする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M2乃至M7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果情報として特別結果当選を持ち越している状況で特別結果入賞を成立させると、特別結果情報は消去される。この場合、特定設定手段は前回の特定状態終了時の特別結果情報を次回まで引き継がないようになる。このようにすることで、特定状態を跨いで特別結果情報を引き継ぐことを可能としながらも、それを引き継がないようにすることも可能であり、その引き継ぎの有無を遊技者の操作(入賞の成否)に委ねることで、遊技者の操作に基づき遊技結果に対応する入賞を成立させるといった所謂スロットマシンの醍醐味を抹殺しない範囲で特定状態の遊技性を向上させることが可能となる。
特徴M9.前記特別記憶手段に前記特定状態の前記終了契機としての前記特別結果情報が記憶されている状況で、次の前記特定状態への移行が生じるよりも前に当該特別結果情報に対応する前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合、当該次の前記特定状態への移行が生じるよりも前に当該特別結果情報に対応する前記特別の絵柄組合せが前記有効位置に停止しなかった場合よりも、当該次の前記特定状態が遊技者にとって不利となること(通常区間においてBB入賞させると、BB状態中の有利区間移行として通常モードに設定される)を特徴とする特徴M2乃至M8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態の終了契機となった特別結果の入賞を、次の特定状態移行前に成立させてしまうと、入賞を成立させなかった場合よりも次の特定状態は遊技者にとって不利な特定状態になる。このようにすることで、特定状態間の通常状態において特別結果入賞を成立させないように促すことができ、特別結果を利用して特定状態同士を関連付ける遊技を好適に実施させることができる。
特徴M10.前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態へ移行させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるBB状態へ移行させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M2乃至M9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選した情報が次ゲーム以降も持ち越される特別結果は、入賞することで遊技者にとって有利な特別状態への移行が生じる所謂ボーナスとなる。このような構成を利用することで、既存の構成をうまく利用しながら、特徴M1の優れた効果を期待できるようになる。
しかも、基本的にはボーナスが遊技者にとって有利な状態であるから早期に入賞を成立させるべきと考えられるものの、それをあえて入賞させずに持ち越すことで特定状態間を跨いで情報を持ち越すことが可能となるようにすることで、早期に入賞を成立させたい遊技者心理を逆手にとった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<特徴N群>
特徴N1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態へ移行させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定状態にて前記特別状態へ移行した場合、当該特別状態にて遊技者にとって有利な事象であって前記態様報知手段による前記態様報知に基づく特定事象を生じさせることが可能である一方、前記通常状態にて前記特別状態へ移行した場合、当該特別状態にて前記特定事象を生じさせない又は前記特定状態にて前記特別状態へ移行した場合よりも前記特定事象が生じにくくする特定手段(主制御装置101によるJAC持ち越し状態中の押し順ベル当選時の押し順報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別結果として、第1特別結果(第1BB)と前記第1特別結果は異なる第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記特別移行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、前記有効位置に当該第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を第1特別状態(第1BB状態)へ移行させ、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であり、前記有効位置に当該第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を第2特別状態(第2BB状態)へ移行させる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であって、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せを停止させることができないタイミングで前記停止操作手段が操作された場合、前記第1特別の絵柄組合せとは異なる出目であって、前記第1特別結果ではない場合には停止しない特定出目(リーチ目)が停止するように制御する第1停止制御手段(主制御装置101による第1BB当選時にリーチ目を停止させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であって、前記有効位置に前記第2特別の絵柄組合せを停止させることができないタイミングで前記停止操作手段が操作された場合、前記第2特別の絵柄組合せとは異なる出目であって、前記第2特別結果ではない場合にも停止可能な通常出目(外れ目)が停止するように制御する第2停止制御手段(主制御装置101による第2BB当選時にリーチ目を停止させないようにする処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合、前記特定状態を終了させない一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において第1BB当選ゲームでは有利区間を終了させない一方、第2BB当選ゲームにて有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、入賞することで特別状態に移行する所謂ボーナスが設定されているとともに、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度が異なるため、特別状態と特定報知とを融合させた遊技性が実現可能である、
態様報知は特定状態では実行される一方、通常状態では実行されないものであり、特定状態中に特別状態へ移行した場合、当該特別状態にて態様報知に基づく有利な特定事象が生じ得る一方、通常状態にて特別状態へ移行した場合は特定事象が生じなかったり生じにくかったりすることから、特別状態へ移行させるのであれば、特定状態中であったほうが遊技者にとって有利である。
ここで、本遊技機では、特定状態中に特別結果当選となると特定状態が終了する場合があり、より詳しくは、特別結果のうち第1特別結果であれば特定状態は終了しない一方、第2特別結果であれば特定状態は終了する。そのため、特定状態中に特別状態への移行を生じさせることを可能とする特別結果当選を期待させつつも、その特別結果が第2特別結果とならないようにすることに期待させ、特定状態中に当選する特別結果の種類へ大きな関心を寄せさせることができる。
そして、第1特別結果に当選した場合には、当選前には停止しない所謂リーチ目としての特定出目が停止し得る一方、第2特別結果に当選した場合には、当該リーチ目は停止せず、通常出目が停止し得ることから、第1特別結果に当選し、特定状態が継続していることを特定出目の出現によって把握させることができる。言い換えると、第2特別結果に当選してしまって、特定状態が終了してしまったことを特定出目が出現しないことによって把握させることができる。このようにすれば、各周回体を自ら停止させて特典を得るといったスロットマシンの遊技性において、周回体の停止出目との関係で特定状態の継続の有無を判断させる、といった新たな遊技を追加することができ、遊技の興趣向上が図られる。
特徴N2.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となったゲームにて、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せが停止した場合、前記特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させる手段(主制御装置101による区間表示第2処理において第1BB当選ゲームで入賞を成立させた場合に有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果当選に基づき特定状態の終了が制限されても、当該第1特別結果当選ゲームで第1特別結果入賞を成立させてしまうと、特定状態が終了する。そのため、特定状態を継続させるためには、第1特別結果と第2特別結果とのうち第1特別結果に当選することと、当該ゲームで第1特別結果入賞を成立させないことが必要となる。このようにすることで、第1特別結果当選ゲームにて特定出目が出現し易くなり、特徴N1の遊技性において、せっかく用意した特定出目が出現しないといった不都合を解消することができる。
特徴N3.前記特別状態が終了した後、所定ゲーム数以内に前記抽選手段の抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記特定終了手段による前記特定状態の終了を制限可能な制限手段(主制御装置101によるBB後カウンタが20以下での第2BB当選ゲームにて有利区間を終了させない処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1又は特徴N2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態後、所定ゲーム数以内での第2特別結果当選であれば、特定状態の終了が制限される。つまり、特別状態後、所定ゲーム数以内であれば、第1特別結果及び第2特別結果のいずれでも特定状態は継続し、所定ゲーム数を超過すると、第2特別結果当選に基づいて特定状態が終了し得る。このような構成とすることで、特定状態の継続の有無を特別結果の連荘とハマりとによって実現することが可能となり、特定状態中に特別状態に移行させることで有利となる遊技性の面白みを向上させることが可能となる。
特徴N4.前記特別状態が終了した後、前記所定ゲーム数に亘って継続する所定状態へ移行させる所定移行手段(主制御装置101による第1BB状態の終了後にRT状態に移行させる処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記特定状態であって且つ前記所定状態にて前記第2特別結果となった場合、当該特定状態の終了を制限する一方、前記特定状態であって且つ前記所定状態ではない状態にて前記第2特別結果となった場合、当該特定状態の終了を制限しないことを特徴とする特徴N3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態の終了後に設定され、所定ゲーム数に亘って継続する所定状態を利用して、第2特別結果当選時の特定状態の終了の有無を管理することが可能となる。このようにすることで、特別状態後のゲーム数を個別に把握する必要がなく、比較的簡素な構成にて特定状態の継続性を管理することが可能となる。
なお、「所定状態」について、より具体的には、「再遊技結果の当選確率が変化し得るRT状態」が挙げられる。
特徴N5.前記所定移行手段は、前記第1特別状態が終了した後は前記所定状態に移行させる一方、前記第2特別状態が終了した後は前記所定状態に移行させないことを特徴とする特徴N4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別状態の後は所定状態に設定されるため、その後の所定ゲーム数に亘って第2特別結果当選に基づく特定状態の終了が制限される一方、第2特別状態の後は所定状態に設定されないため、その後は所定ゲーム数以内であっても第2特別結果当選にて特定状態が終了する。つまり、特定状態にて2回続けて第2特別結果となることで、特定状態が終了する構成となる。このようにすることで、いずれの特別結果となるかを楽しませる遊技において、特別状態後に設定される所定状態といった比較的簡素な構成を利用して、遊技の面白みを大幅に向上させることが可能となる。
特徴N6.前記第1特別状態の方が前記第2特別状態よりも遊技者にとって有利な状態であることを特徴とする特徴N1乃至N5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、第1特別状態と第2特別状態との有利度の面からしても、第2特別結果に当選することが遊技者にとって不利なものとして設定されている。このようにすることで、第1特別結果と第2特別結果との有利度の差が大きくなり、いずれの特別結果に当選するかにより大きな関心を寄せさせることが可能となる。
特徴N7.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であるゲームにて、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止するまで当該特別結果であることに対応する特別結果情報(第1BB持ち越しフラグ、第2BB持ち越しフラグ)を記憶可能な特別記憶手段(主制御装置101によるBB持ち越しフラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態において予め定められた移行許可条件(ATモード当選)が成立している状況で、当該特定状態にて前記特別状態へ移行させた場合に当該特別状態にて前記特定事象が生じ得るようになり、
前記特定状態において前記移行許可条件が成立していない状況で、当該特定状態にて前記特別状態へ移行させた場合に当該特別状態にて前記特定事象が生じない又は前記移行許可条件が成立している状況で前記特別状態へ移行させた場合よりも前記特定事象が生じにくいことを特徴とする特徴N1乃至N6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行許可条件が成立していない状況で特別状態へ移行させても、特別状態中に特定事象が生じなかったり生じにくかったりするため、特定状態において移行許可条件が成立するまで特別結果入賞を待機させる、といった遊技性が実現される。つまり、特定状態にて第2特別結果当選となって特定状態が終了した後、直ぐに当該第2特別結果入賞を成立させず、特定状態への移行及び移行許可条件の成立を待ってから、当該第2特別結果入賞を成立させることで、当該第2特別結果による恩恵(第2特別状態中の特定事象)を受けることができる遊技性である。このような遊技性において、第2特別結果に当選している状況ではリーチ目としての特定出目は停止せずに通常出目しか停止しないため、第2特別結果当選を持ち越していることを意識させないようにしながら、特定状態への移行や移行許可条件の成立を待たせることができ、遊技の注目すべきポイントが分散されないようにして遊技中の演出効果を好適に高めることが可能となる。
特徴N8.前記特定状態において前記移行許可条件が成立していない状況で、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合、当該特定状態を終了させる手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてBB入賞ゲームで有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特別結果当選に基づいて特定状態が終了した後、特定状態へ移行しても、移行許可条件が成立する前に第2特別結果入賞を成立させてしまうと、特定状態が再度終了してしまう。このようにすることで、特別結果に当選している状況で、移行許可条件が成立するまで入賞させずに待つ、といった遊技を好適に行わせることが可能となる。
特徴N9.前記特定状態へ移行した場合、前記移行許可条件が成立するまでの特定の数(ゲーム数)が特定数(天井ゲーム数)を設定する所定数設定手段(主制御装置101による天井ゲーム数の設定処理を実行する機能)と、
前記特定状態に移行した後、前記特定の数が前記特定数に達したことに基づいて前記移行許可条件を成立させる成立用手段(主制御装置101による天井カウンタが0になることに基づいてATモード当選フラグをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴N8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態移行後、移行許可条件が成立するまでの所謂天井ゲーム数としての特定数が設定され、天井ゲーム数に達すると移行許可条件が成立するため、移行許可条件の成立前に特別結果入賞を成立させることで特定状態を終了させることは、天井ゲーム数がリセットされることにつながる。このようにすることで、特定状態中に移行許可条件が成立するまで特別結果入賞を待つ遊技性をより好適に実行させることが可能となる。
<特徴O群>
特徴O1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作されることで第1操作結果(第1小役)の入賞が可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作されることで前記第1操作結果とは異なる利益が付与され得る第2操作結果(第4小役~第27小役)の入賞が可能となる態様結果(例えば、押し順ベル)が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記態様結果である場合、前記第1の操作態様又は前記第2の操作態様を含む操作態様に関する態様報知を、所定の報知手段により実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順報知用処理を実行する機能)を備え、
遊技状態として、前記態様報知手段による前記態様報知が実行され得る特定状態(有利区間)と、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない通常状態(通常区間)と、が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特別結果であり、前記有効位置に前記特別結果に対応する特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態へ移行させることが可能な特別移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定状態にて前記特別状態へ移行した場合、当該特別状態にて遊技者にとって有利な事象であって前記態様報知手段による前記態様報知に基づく特定事象を生じさせることが可能である一方、前記通常状態にて前記特別状態へ移行した場合、当該特別状態にて前記特定事象を生じさせない又は前記特定状態にて前記特別状態へ移行した場合よりも前記特定事象が生じにくくする特定手段(主制御装置101によるJAC持ち越し状態中の押し順ベル当選時の押し順報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、予め定められた移行契機(第1BB状態終了)が生じた場合に移行し、予め定められた終了契機(20ゲームを消化)が生じた場合に終了する所定状態(RT状態)が設定されており、
前記特定状態であって且つ前記所定状態ではない状況にて前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合は当該特定状態を終了する一方、前記特定状態であって且つ前記所定状態である状況にいて前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果となった場合は当該特定状態を終了しない特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてRT状態中のBB当選ゲームでは有利区間を終了しない一方、通常遊技状態中の第2BB当選ゲームでは有利区間を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体を開始させ、停止操作手段の操作に基づきゲームの抽選結果に対応する停止結果として周回体を停止させることで当該抽選結果の入賞に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンにおいて、入賞することで特別状態に移行する所謂ボーナスが設定されているとともに、停止操作手段の停止操作の態様によって入賞する結果が異なる態様結果当選時に、停止操作の態様に関する態様報知が所定の報知手段により実行される場合があり、態様報知の有無によって有利度が異なるため、特別状態と特定報知とを融合させた遊技性が実現可能である。
態様報知は特定状態では実行される一方、通常状態では実行されないものであり、特定状態中に特別状態へ移行した場合、当該特別状態にて態様報知に基づく有利な特定事象が生じ得る一方、通常状態にて特別状態へ移行した場合は特定事象が生じなかったり生じにくかったりすることから、特別状態へ移行させるのであれば、特定状態中であったほうが遊技者にとって有利である。
ここで、本遊技機では、特定状態中に特別結果当選となると特定状態が終了する場合があり、より詳しくは、特定状態において所定状態中に特別結果となれば特定状態は終了しない一方、特定状態において所定状態中以外の状態で特別結果となれば特定状態は終了する。そのため、特定状態中に特別状態への移行を生じさせることを可能とする特別結果当選を期待させつつも、その特別結果が所定状態中に生じることに期待させ、特定状態中に当選する特別結果のタイミングへ大きな関心を寄せさせることができ、遊技の興趣向上が図られる。
特徴O2.前記特別結果として、第1特別結果(第1BB)と前記第1特別結果は異なる第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記特別移行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、前記有効位置に当該第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を第1特別状態(第1BB状態)へ移行させ、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であり、前記有効位置に当該第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を第2特別状態(第2BB状態)へ移行させる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であって、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せを停止させることができないタイミングで前記停止操作手段が操作された場合、前記第1特別の絵柄組合せとは異なる出目であって、前記第1特別結果ではない場合には停止しない特定出目(リーチ目)が停止するように制御する第1停止制御手段(主制御装置101による第1BB当選時にリーチ目を停止させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であって、前記有効位置に前記第2特別の絵柄組合せを停止させることができないタイミングで前記停止操作手段が操作された場合、前記第2特別の絵柄組合せとは異なる出目であって、前記第2特別結果ではない場合にも停止可能な通常出目(外れ目)が停止するように制御する第2停止制御手段(主制御装置101による第2BB当選時にリーチ目を停止させないようにする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定終了手段は、前記特定状態であって且つ前記所定状態ではない状況で前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果である場合、前記特定状態を終了させない一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果である場合、前記特定状態を終了させて前記通常状態へ移行させるものであり、
前記特定状態であって且つ前記所定状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であって、前記有効位置に前記第1特別の絵柄組合せを停止させることができないタイミングで前記停止操作手段が操作された場合、前記第1停止制御手段により前記特定出目が停止されることを制限する停止制限手段(主制御装置101によるRT状態中のリーチ目を停止させないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴O1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定状態ではない状況では、特別結果のうち第1特別結果であれば特定状態は終了しない一方、第2特別結果であれば特定状態は終了する。そのため、特定状態中に特別状態への移行を生じさせることを可能とする特別結果当選を期待させつつも、その特別結果が第2特別結果となるのであれば所定状態中であることに期待し、所定状態ではない状況であれば第1特別結果となることを期待する、といったように特定状態中に当選する特別結果の種類へ大きな関心を寄せさせることができる。
そして、第1特別結果に当選した場合には、当選前には停止しない所謂リーチ目としての特定出目が停止し得る一方、第2特別結果に当選した場合には、当該リーチ目は停止せず、通常出目が停止し得ることから、第1特別結果に当選し、特定状態が継続していることを特定出目の出現によって把握させることができる。言い換えると、第2特別結果に当選してしまって、特定状態が終了してしまったことを特定出目が出現しないことによって把握させることができる。
このような構成において、第1特別結果となってリーチ目としての特定出目が停止するのは、所定状態中以外の状態となる。そのため、所定状態中に特別結果当選となることで特定状態が継続するといった、所定状態中のドキドキ感を抹殺することなく、所定状態中以外の状態にて特別結果当選となることで特定状態が終了し得ることを特定出目により把握させる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
特徴O3.前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果となる確率の方が、前記第2特別結果となる確率よりも高い確率となるように設定されていることを特徴とする特徴O2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別結果の方が第2特別結果よりも当選し易い構成において、所定状態中の第1特別結果当選時の特定出目の出現が制限される構成となる。このようにすることで、所定状態中にいずれの特別結果となったかを特定出目の出現の有無によって把握できないようにする機会を増やし、特徴O2のような構成とすることの意義が高められる。
特徴O4.前記移行契機は前記特別状態の終了により生じるものであることを特徴とする特徴O1乃至O3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態終了後、終了条件が成立するまでの間に特別結果当選となっても特定状態が終了しないようになる。このようにすることで、特定状態中の特別状態の連荘性を所定状態と特定状態の終了の有無との関係といった、比較的簡素な構成によって実現することができる。
特徴O5.前記特別結果として、第1特別結果(第1BB)と前記第1特別結果は異なる第2特別結果(第2BB)とが設定されており、
前記特別移行手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特別結果であり、前記有効位置に当該第1特別結果に対応する第1特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を第1特別状態(第1BB状態)へ移行させ、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特別結果であり、前記有効位置に当該第2特別結果に対応する第2特別の絵柄組合せが停止した場合、遊技状態を第2特別状態(第2BB状態)へ移行させる構成であり、
前記移行契機は、前記第1特別状態が終了する場合は生じ得る一方、前記第2特別状態が終了する場合は生じ得ない又は前記第1特別状態が終了する場合よりも生じにくいことを特徴とする特徴O4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別状態の後は所定状態に設定されるため、その後、終了条件が成立するまで特別結果当選に基づく特定状態の終了が制限される一方、第2特別状態の後は所定状態に設定されないため、その後は特別結果当選にて特定状態が終了する。つまり、特定状態にて第2特別結果となった場合、当該第2特別結果に基づく第2特別状態後は、次の特別結果当選にて特定状態が終了し得る構成となる。このようにすることで、いずれの特別結果となるかを楽しませる遊技において、特別状態後に設定される所定状態といった比較的簡素な構成を利用して、遊技の面白みを大幅に向上させることが可能となる。
特徴O6.前記抽選手段による抽選結果として、前記特典付与手段により新たな遊技媒体を要することなく次ゲームを遊技可能とする再遊技が付与される再遊技結果が設定されており、
前記所定状態は前記抽選手段による抽選結果が所定の前記再遊技結果となる確率が通常遊技状態と異なる再遊技状態であることを特徴とする特徴O1乃至O5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技結果の当選確率が通常遊技状態と異なる所謂RT状態としての再遊技状態といった比較的簡素な構成を利用して、特定状態中の特別結果当選時の特定状態の継続性を設定することが可能となる。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴O群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴O群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。