(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態に係る電力管理システム1は、図1に示すように、電力情報システム2と、インタフェースシステム3と、を備えている。
電力情報システム2は、電力を出力可能な発電システム100における当該電力に関する通知情報を生成する。本実施形態では、発電システム100は、パワーコンディショナ101と分散型電源102とを含む。
以下では、分散型電源102は、太陽電池を有していることを想定する。ただし、分散型電源102は、太陽電池の代わりに、又は太陽電池に加えて、蓄電池、燃料電池、例えば、化石エネルギーを利用するエンジン(ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ガスタービンエンジンなど)等を有していてもよい。分散型電源102が、太陽電池と蓄電池とを有している場合、発電システム100は、創蓄連係システムであってもよい。
発電システム100における「電力に関する通知情報」とは、例えば、電力に関して計測された物理量の情報を含んでもよい。物理量は、例えば、太陽電池(分散型電源102)の発電量(kWh)や、パワーコンディショナ101の変換効率(出力電力/入力電力)等でもよい。物理量は、瞬時電力(kW)でもよい。発電量は、時間単位、日単位、又は月単位の量でもよい。また「電力に関する通知情報」は、計測された物理量に基づく発電システム100の状態(出力電力の低下状態、故障状態等)の情報を含んでもよい。
インタフェースシステム3は、ユーザU1(図1参照)から入力情報を取得し、かつ当該入力情報の取得をトリガーとして出力情報を出力する。インタフェースシステム3は、ユーザインタフェース30を有している。本実施形態では、ユーザインタフェース30が、人工知能(AI:Artificial Intelligence)技術を適用したスマートスピーカ(いわゆる「AIスピーカ」)であることを想定する。すなわち、ユーザインタフェース30は、対話型の音声入力に対応したスピーカである。
電力情報システム2は、インタフェースシステム3と通信可能に接続される。電力情報システム2又はインタフェースシステム3は、入力情報が、発電システム100に関連する第1情報群に属するか、当該第1情報群以外の第2情報群に属するかを判定する判定部X1(図2C参照)を有している。本実施形態では一例として、インタフェースシステム3が、判定部X1を有しているものとする。
本開示で言う「入力情報が第1情報群(又は第2情報群)に属する」とは、「入力情報が第1情報群(又は第2情報群)に該当する」という概念だけでなく「入力情報に対する最適解(応答)が第1情報群(又は第2情報群)に該当する」という概念も含む。
電力情報システム2は、少なくとも判定部X1において入力情報が第2情報群に属すると判定すると、インタフェースシステム3から出力情報として通知情報を出力させる。言い換えると、通知情報を出力するための最低条件が、「判定部X1において入力情報が第2情報群に属すると判定する」ことである。以下では、この条件を「基本条件」と呼ぶこともある。基本条件を満たさない限り、通知情報は、出力されない。逆に、基本条件を満たしたとしても、付加的な条件(後述する第1条件、第2条件及び特定条件等)が設定されている場合には、全ての条件が満たされた場合のみ、通知情報は、出力される。
この構成によれば、入力情報が、発電システム100に関連する第1情報群以外の第2情報群に属する場合に、入力情報の取得をトリガーとして通知情報が出力される。したがって、発電システム100に関する情報がユーザU1に伝わる可能性の向上を図ることができる。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態の電力管理システム1について、図1~図3を参照して詳しく説明する。
電力管理システム1は、上述の通り、電力情報システム2、及びインタフェースシステム3を備えている。また電力管理システム1は、図1に示すように、発電システム100、分電盤103、1又は複数の負荷105(図示例では1つのみ)、ルータ4、及び第2サーバ32(天気予報サーバ)等を、更に備えている。電力管理システム1は、発電システム100の電力を管理するシステムである。
(2.2)発電システム
以下、発電システム100について簡単に説明する。
発電システム100は、図1に示すように、電力の需要家の施設200内に設置された負荷105と電気事業者(例えば電力会社)等の有する電力系統104とに電力を出力可能である。「電力系統104に電力を出力する」とは、余剰した余剰電力を電力系統104に逆潮流させて「売電する」ことを意味する。
ここでは施設200は、戸建の住宅であることを想定する。したがって、ここで言うユーザU1とは、戸建の住宅の複数の住人(家族)のうちの一人に相当する。しかしながら、施設200は、集合住宅(マンション)であってもよい。更に、施設200は、住宅に限らず、非住宅、例えば、オフィスビル、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、学校、ホテル、旅館、病院、老人ホーム、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅、空港等であってもよい。
発電システム100は、上述の通り、パワーコンディショナ101(電力変換装置)と分散型電源102と有している。分散型電源102は、太陽電池を含む。分散型電源102は、更に蓄電池等を含んでもよい。
発電システム100は、分電盤103を介して電力系統104に接続されている。分電盤103は、パワーコンディショナ101及び電力系統104の少なくとも一方から供給される電力を負荷105に出力する。パワーコンディショナ101は、直流-交流変換、及び交流-直流変換の双方向の電力変換を行うように構成されている。またパワーコンディショナ101は、電力情報システム2の(後述する)計測装置20と通信可能に接続されている。
発電システム100で発電される電力が、負荷105で消費する電力(すなわち自家消費電力)を超えている場合、余剰電力が生じる。負荷105が複数個ある場合、複数個の負荷105の消費電力の合計が、自家消費電力となる。また、余剰電力とは、発電システム100の発電電力から消費する電力を引いた電力である。
発電システム100が、分電盤103を介して、余剰電力を電力系統104に出力することにより(逆潮流電力の発生)、発電システム100を所有する需要家は、電気事業者に電力を売ることができる。
ここで言う負荷105は、例えば電気機器からなる。図示例では、負荷105の数は1個であるが、一般的な戸建ての住宅内に設置されている電気機器であることを考慮すれば、複数個であってもよい。具体的には、負荷105は、例えば、電気給湯器、冷蔵庫、エアコンディショナ、洗濯機、炊飯器、電気暖房器具、風呂用の電気湯沸かし器等に該当してもよい。
(2.3)インタフェースシステム
インタフェースシステム3は、電力管理システム1に適用され得る。インタフェースシステム3は、ユーザU1から入力情報を取得し、かつ当該入力情報の取得をトリガーとして出力情報を出力するように構成されている。
インタフェースシステム3は、1又は複数のユーザインタフェース30と、当該ユーザインタフェース30を管理する1又は複数の第1サーバ31(解析サーバ)と、を有している。ここでは説明の便宜上、ある1つの施設200に着目しているため、ユーザインタフェース30が1つであるものとする。しかし、複数の施設200の各々に、1つのユーザインタフェース30があり、1つの第1サーバ31が、複数の施設200の複数のユーザインタフェース30を一括的に管理してもよい。
ユーザインタフェース30は、上述の通り、一例としてスマートスピーカである。ユーザインタフェース30は、例えば、施設200内の複数の住人(複数のユーザU1)が比較的集まり易い居間等に配置されている。ユーザインタフェース30が複数あり、それらが施設200内の複数の部屋に分散的に配置されてもよい。
ユーザインタフェース30は、図2Bに示すように、取得部300と出力部301とを有している。取得部300は、ユーザU1からの音声入力を入力情報として取得するマイクロフォンである。出力部301は、入力情報に応答する応答情報を、出力情報として音声出力するスピーカである。ただし、出力部301は、通知情報も、出力情報として音声出力し得る。言い換えると、出力部301は、応答情報のみを出力する場合もあれば、通知情報のみを出力する場合もあれば、応答情報と通知情報との両方を出力する場合もある。
ユーザインタフェース30は、図2Bに示すように、制御部302、及び通信部303を更に有している。
制御部302は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部302として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。制御部302は、例えば、音声の録音、加工、及び変換等を行う機能を有している。
通信部303は、ルータ4を介して、第1サーバ31と通信するための通信インタフェースである。通信部303は、制御部302の制御下で、録音されたユーザU1からの音声(入力情報)を、第1サーバ31に送信する。
ルータ4は、施設200内に設置されて、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信方式により、ユーザインタフェース30の通信部303、計測装置20、及び表示装置21と、無線接続される。またルータ4は、インターネット等のネットワークNT1に接続されていて、施設200の外部にある第1サーバ31、及び第2サーバ32等と通信可能である。
第1サーバ31は、AIアシスタント機能を有するサーバ装置である。第1サーバ31は、クラウド(クラウドコンピューティング)を構築していてもよい。第1サーバ31は、音声認識を行う機能を有している。第1サーバ31は、例えば、ユーザインタフェース30から入力された音声(入力情報)に対する認識結果について、ディープラーニングによって応答の最適解を常に機械学習している制御部310を有している。
制御部310は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部310として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
第1サーバ31の制御部310は、入力情報を受け取った時点での最適解を、ルータ4を介して、ユーザインタフェース30から、入力情報に応答する「応答情報」として出力する。特に、制御部310は、図2Cに示すように、識別部311を有している。言い換えると、制御部310は、識別部311としての機能を有している。
識別部311は、ユーザU1を識別するように構成されている。識別部311は、ユーザインタフェース30から入力された音声(入力情報)に基づいて、音声入力を行ったユーザU1を識別する。制御部310は、例えば、自身のメモリに、施設200内の複数の住人(家族)全員分の音声データを予め記憶している。識別部311は、そのメモリを参照して、音声入力を行ったユーザU1が、誰であるか(例えば、父親か、母親か、子供か等の類別)を識別する。
第1サーバ31は、ネットワークNT1に接続されている様々なプラットフォーム上のサービスを利用可能となっている。第2サーバ32は、そのようなサービスを提供する複数のサーバ装置の1つに相当し、例えば、天気の予報情報の発信をサービスとして提供しているサーバ装置である。第1サーバ31は、入力情報が天気の予報情報の要求に関するものと認識した場合、第2サーバ32にその要求を行い、予報情報を取得する。
ユーザインタフェース30は、対話型の音声入力に対応したスピーカであるため、様々な入力情報が存在し得る。第1サーバ31の制御部310は、ユーザU1の入力情報に対して、人工知能により自然言語理解処理を行う。具体的には、制御部310は、入力情報から、ユーザU1が何を望んで発話したかを理解するための意図分類処理を行ったり、入力情報に含まれている要素(名称、場所、時間等)を抽出するための要素抽出処理を行ったりする。そして制御部310は、ユーザU1との対話を成立させるために、意図と要素に対する最適解(文字データ)を求め、それを音声データに変換して、ユーザインタフェース30から、音声により応答情報を出力する。
なお、ユーザインタフェース30は、例えば、ユーザU1から、特定のキーワードを含む入力情報(音声入力)を取得すると、消費電力を抑えた待機状態から、通常の稼働状態に切り替わるように構成されてもよい。
ここで第1サーバ31の制御部310は、図2Cに示すように、判定部X1を更に有している。言い換えると、制御部310は、判定部X1としての機能を有している。
判定部X1は、入力情報(文字データ)が、発電システム100に関連する第1情報群に属するか、当該第1情報群以外の第2情報群に属するかを判定(以下、判定処理と呼ぶこともある)するように構成されている。ここでは判定部X1は、入力情報が、第1情報群に該当するか、第2情報群に該当するかを判定するが、上述の通り、得られた最適解が、第1情報群に該当するか、第2情報群に該当するかを判定してもよい。
まず第1情報群について説明する。第1情報群は、発電システム100に関連する情報の集まりである。電力を連想させる多数の用語(類似語)は、第1情報群として制御部310のメモリ内に予め記憶されてもよいし、制御部310が、プラットフォーム上のサービスを利用して随時最新の類似語をダウンロードしてもよい。用語の一例は、電力(量)、電気(量)、ワット、キロワット、放電(量)、充電(量)、発電(量)、電圧(値)、電流(値)、太陽電池、太陽光等である。判定部X1は、入力情報に第1情報群の用語が1つでも含まれていれば、入力情報が第1情報群に属すると判定する。
次に第2情報群について説明する。第2情報群は、第1情報群以外の情報の集まりである。第2情報群は、例えば、「おはよう」、「おやすみ」等の日常会話に相当する用語を含み得る。また第2情報群は、待機状態から稼働状態に切り替えるための特定のキーワードを含み得る。その他にも、第2情報群は、音楽や動画の再生要求、天気予報やニュースの読み上げ要求、電子メール等の送受信要求、及び、IoT(Internet of Things)機器(テレビジョン、照明機器等)の制御要求に関する用語を含み得る。ここでは判定部X1は、入力情報に第1情報群の用語が1つも含まれていなければ、入力情報が第2情報群に属すると判定する。
ただし、判定部X1は、入力情報に第2情報群の用語が1つでも含まれていれば、入力情報が第2情報群に属すると判定してもよい。また、もし入力情報に、第1情報群の用語及び第2情報群の用語の両方が含まれている場合、判定部X1は、例えば優先的に、入力情報が第2情報群に属すると判定してもよい。
第1サーバ31は、ルータ4を介して、判定部X1における判定結果を、電力情報システム2の計測装置20に送信する。ここでは一例として、判定結果が「入力情報が第2情報群に属する」場合のみ、第1サーバ31は、通知情報の要求信号を、電力情報システム2の計測装置20に送信する。言い換えると、判定結果が「入力情報が第1情報群に属する」場合、通知情報の要求信号は、送信されない。第1サーバ31は、通知情報の要求信号に、識別部311の識別結果(ユーザU1の類別)、及び入力情報を取得したタイムスタンプ等を含めた上で計測装置20に送信する。
ただし、第1サーバ31は、意図分類処理を通じて、ユーザU1が実際に電力、特に発電システム100の発電量等について質問していると理解すると、最適解として、発電量に関する情報を、電力情報システム2へ要求する必要がある。この場合、第1サーバ31にとっては、第2サーバ32に天気の予報情報を要求する場合と同様に、発電システム100に最適解に必要な情報を要求する要求信号を送信する。
そして第1サーバ31は、ルータ4を介して、通知情報(文字データ)を受け取ると、その内容を音声データに変換して、ユーザインタフェース30から、音声により通知情報を出力する。ここではユーザインタフェース30は、入力情報に応答する応答情報を先にユーザU1に返し、さらに応答情報の後に連続して通知情報を通知する。ただし、応答情報が、音楽等の再生であれば、音楽等の再生前に通知情報が通知されてもよい。
文字データから音声データへ、及び音声データから文字データへの変換機能は、第1サーバ31ではなく、ユーザインタフェース30にあってもよい。第1サーバ31は、変換後の入力情報(文字データ)を、ユーザインタフェース30から受信してもよい。また第1サーバ31は、求めた最適解(文字データ)や計測装置20から受け取った通知情報(文字データ)を、ユーザインタフェース30に送信し、ユーザインタフェース30にて音声データに変換させて音声出力させてもよい。
(2.4)電力情報システム
電力情報システム2は、電力管理システム1に適用され得る。電力情報システム2は、発電システム100における電力に関する通知情報を生成するように構成されている。具体的には、電力情報システム2は、図1に示すように、計測装置20を有している。計測装置20は、図1では、分電盤103の外に配置されているが、分電盤103内に収容されてもよい。また電力情報システム2は、表示装置21を更に備えているが、表示装置21は、電力情報システム2にとって必須の構成要素ではなく、適宜に省略されてもよい。
計測装置20は、有線によって(無線でもよい)パワーコンディショナ101と通信可能に接続されている。計測装置20は、パワーコンディショナ101から、発電システム100に関する情報を含む電気信号を定期的に受信する。「発電システム100に関する情報」とは、例えば、分散型電源102の発電量、パワーコンディショナ101の変換効率に関する情報等であり、以下では、単に「発電情報」と呼ぶこともある。計測装置20は、発電情報に基づいて、ユーザU1に通知するべき通知情報(例えば文字データ)を生成する。なお、通知情報の詳細は後述する。
また計測装置20は、分電盤103における主幹回路、及び複数の分岐回路を流れる電流を監視するように構成されてもよい。計測装置20は、例えば、主幹回路の計測点を流れる主幹電流を計測する主幹電流センサ、及び各分岐回路を流れる分岐電流を計測する分岐電流センサと、信号ケーブルを介して電気的に接続される。計測装置20は、各電流センサから電気信号を取得し、その電気信号に基づいて、電流(例えば電流波形、実効値等)を求める。計測装置20は、主幹電流センサから取得した電流値と、電圧センサから取得した主幹回路の電圧値とを用いて、主幹回路を通過する電力(受電電力、又は逆潮流電力)を求めてもよい。
ここで計測装置20は、図2Aに示すように、制御部210と、通信部220とを備えている。
通信部220は、ルータ4を介して、インタフェースシステム3の第1サーバ31と通信するための通信インタフェースを含む。言い換えると、電力情報システム2は、インタフェースシステム3と通信可能に接続される。通信部220は、制御部210の制御下にて、第1サーバ31から、判定部X1の判定結果、識別部311の識別結果、及びタイムスタンプ等を受信する。また通信部220は、制御部210の制御下にて、通知情報(文字データ)を、第1サーバ31に送信する。
また通信部220は、ルータ4を介して、表示装置21と通信するための通信インタフェースを含む。さらに通信部220は、有線によってパワーコンディショナ101と通信するための通信インタフェースを含む。
制御部210は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部210として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
制御部210は、発電システム100に関する発電情報、並びに、負荷105で消費される消費電力や、電力系統104からの受電電力、逆潮流電力に関する情報(買電情報、売電情報)を、自身のメモリ等に履歴として記憶する。また制御部210は、発電情報に基づいて、発電システム100に関する異常の有無を監視し、異常があれば異常情報(エラーメッセージ等)を生成する。「発電システム100に関する異常」とは、例えば、発電システム100全体の出力の低下、及びパワーコンディショナ101の故障等を含み得る。「出力の低下」の要因は、太陽電池のパネルの不具合(地震等の災害や積雪によるパネルの破損等)であったりパネル上の汚れであったりパネルに対する日照量の低下(影の発生)であったりする。特に「出力の低下」は、ユーザU1にとっては、発電システム100の導入によって見込まれる利益(例えば売電収益)が損なわれる問題となり得る。
制御部210は、通信部220から、ルータ4を介して、上述した発電情報、買電情報、売電情報、異常情報等を、表示装置21へ定期的に送信する。発電情報等は、リアルタイムの情報、時間単位、日単位、月単位、及び年単位の情報等を含み得る。表示装置21は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイのような薄型のディスプレイ装置である。ユーザU1は、表示装置21から発電情報、買電情報、売電情報、異常情報等を随時閲覧できる。これらの情報は、文字データとして表示されてもよいし、グラフ化されたデータとして表示されてもよい。また異常情報の通知は、表示装置21に備え付けの表示ランプ等の点灯により行われてもよい。
計測装置20は、少なくとも第1サーバ31から「入力情報が第2情報群に属する」という判定結果を、通知情報の要求信号として受信すると、発電情報に基づいて、ユーザU1に通知するべき通知情報(文字データ)を生成する。計測装置20は、通知情報を音声データで生成してもよい。
以下、通知情報について詳しく説明する。通知情報は、発電システム100に関する情報として、発電情報及び異常情報等の少なくとも一方を含む。また通知情報は、買電情報、及び売電情報等を更に含んでもよい。また発電情報は、発電量の実績値だけでなく発電量の予測値に関する情報も含んでもよい。具体的には、計測装置20は、特定の期間における天気の予報情報に基づいて、特定の期間における発電システム100の発電量を予測し、当該発電量を通知情報に含めてもよい。特定の期間は、例えば1日であり、発電量は、入力情報を取得した当日の予測値でもよいし、翌日の予測値でもよい。
通知情報は、単に予測値のみを含むだけでなく、予測される発電量(発電電力)の過不足に関する情報を含むことが望ましい。計測装置20は、例えば、目標となる発電量(目標値)が設定されていれば、目標値の75%しか達成できないという旨を、通知情報に含めてもよい。この場合、発電電力の過不足に関する情報がユーザU1に伝わる可能性の向上を図ることができる。通知情報の一例は、「今日の天気は、晴れです。発電量も良好です。」といった、数値を含まないメッセージであってもよい。
計測装置20は、天気の予報情報を、第1サーバ31を経由して第2サーバ32から取得してもよいし、第1サーバ31を経由せずに直接第2サーバ32から取得してもよい。天気の予報情報は、第2サーバ32から1時間毎に定期的に送信されて、制御部210のメモリ等にプールされてもよい。
ここでは計測装置20の制御部210は、基本条件と、第1条件とを満たしたときに、インタフェースシステム3から出力情報として通知情報を出力させる。ただし、第1条件は、付加的な条件であり、必須の条件ではない。制御部210は、基本条件のみを満たせば、インタフェースシステム3から出力情報として通知情報を出力させてもよい。
「基本条件」は、上述の通り、判定部X1において入力情報が第2情報群に属すると判定することである。言い換えると、計測装置20が、第1サーバ31から「入力情報が第2情報群に属する」という判定結果を通知情報の要求信号として受信すると、基本条件は、満たされる。
第1条件は、インタフェースシステム3が所定の期間の中で初めて入力情報を取得することである。第1条件は、ユーザU1の類別に依存しない。すなわち、複数の住人のうちあるユーザU1が所定の期間の中で初めて音声入力を行った時には第1条件は満たされるが、その後で別のユーザU1が所定の期間の中で音声入力を行った時には第1条件は満たされない。言い換えると、制御部210は、自身のメモリ内に所定の期間内における音声入力(判定結果の受信)の回数を記憶しており、判定結果を受信する度に当該回数に1を加算する。制御部210は、判定結果を受信した時にその回数が2回以上であれば、通知情報を生成しない。制御部210は、所定の期間が終了すれば、回数をクリアする。
あるいは、付加的な条件として第1条件の代わりに第2条件が設定されてもよい。第2条件は、判定部X1が所定の期間の中で初めて入力情報が第2情報群に属すると判定することである。
上述した所定の期間は、例えば1日であり、所定の期間の始まりは当日0時であることを想定するが、特に限定されず、1週間、又は1ヶ月でもよい。計測装置20は、インタフェースシステム3が入力情報を取得したタイムスタンプを第1サーバ31から受信している。制御部210は、タイムスタンプと自身に内蔵されるタイマとに基づいて、第1条件(又は第2条件)に関する判定を行う。
第1条件(又は第2条件)が満たされず、通知情報を出力しないことが決定されると、計測装置20は、その旨を第1サーバ31に送信する。第1サーバ31は、応答情報だけを、ユーザインタフェース30から出力させる。
ところで、計測装置20は、インタフェースシステム3から、識別部311におけるユーザU1に関する識別結果も受信している。そして、計測装置20は、その識別結果に応じて、インタフェースシステム3から通知情報を出力させるか否かを決定するように構成されている。
具体的には、計測装置20は、その識別結果が例えば通知情報の通知の非対象者に該当すれば、インタフェースシステム3から通知情報を出力させない。例えば、住人の親が、子供や高齢者を非対象者として登録を希望する場合がある。計測装置20は、第1サーバ31側にて音声入力に基づき登録されている住人リストを受信して、当該リストを表示装置21に表示させて、(後述する)設定部X2により非対象者を選択できてもよい。この場合、ユーザU1の類別によっては、通知情報の出力を行わないといったことが可能となる。
また第1条件の代わりに、特定条件が付加的な条件として設定されてもよい。制御部210は、基本条件と、特定条件とを満たしたときに、インタフェースシステム3から出力情報として通知情報を出力させてもよい。
特定条件は、インタフェースシステム3の識別部311における識別結果に基づき、ユーザU1から規定の期間の中で初めて入力情報を取得したと判断されることである。具体的には、例えば、複数の住人のうちあるユーザU1が、規定の期間の中で初めて音声入力を行うと、特定条件は満たされるが、同じユーザU1がその規定の期間の中で再び音声入力を行っても、2回目以降は、特定条件は満たされない。一方、別のユーザU1が、規定の期間の中で初めて音声入力を行うと、特定条件は満たされる。規定の期間は、所定の期間と同様に、例えば1日であり、規定の期間の始まりは当日0時であることを想定するが、特に限定されず、1週間、又は1ヶ月でもよい。特定条件を設定することで、同じユーザU1が、入力情報に対して関連性の低い通知情報を規定の期間内に何度も受け取るといった状況を低減することができる。
制御部210は、図2Aに示すように、設定部X2を有している。言い換えると、制御部210は、設定部X2としての機能を有している。設定部X2は、通知情報に関する設定を受け付けるように構成されている。例えば、表示装置21が、タッチパネル型のディスプレイであれば、設定部X2は、表示装置21に対する操作入力に基づいて、通知情報に関する設定を行なってもよい。ユーザU1(又は施工者等でもよい)は、例えば、表示装置21に表示される設定画面上にて、タッチ操作により、通知情報として含めるべき情報の種類及び通知の非対象者の選択が可能であることが望ましい。またユーザU1は、上述した第1条件や第2条件、特定条件の選択も、設定画面上にて可能であることが望ましい。表示装置21は、設定画面上で選択された情報を、ルータ4を介して、計測装置20へ送信する。設定部X2は、当該選択された情報を、制御部210のメモリに記憶する。
このように設定部X2が設けられていることで、ユーザU1の要望又は設置環境に応じて、通知情報に関する設定を適宜に行うことができる。
(2.5)通知情報の階層構造
ところで、ユーザインタフェース30(スマートスピーカ)を利用するユーザU1にとっては、ユーザインタフェース30との対話により返ってくる応答情報と併せて通知情報が出力されると、不快に感じる可能性がある。例えば、ユーザU1が音楽や動画の再生要求、又はIoT機器の制御要求を行った場合に、通知情報が出力されると、不快に感じる可能性が高い。
したがって、第2情報群に含まれる用語の範囲は、「おはよう」、「おやすみ」等の日常会話に相当する用語や、待機状態から稼働状態に切り替えるための特定のキーワード、天気予報やニュースの読み上げ要求に関する用語に限定されることが望ましい。
また応答情報と併せて出力される通知情報が、例えば「今日の予測発電量は○○kWhです」又は「太陽電池の出力が低下しています」といった具体的な内容であると、ユーザU1が不快に感じる可能性がある。
そこで、通知情報は、階層化された情報であり、少なくとも上位情報と下位情報とを含むことが望ましい。上位情報は、下位情報に比べて、情報量(例えばデータ長)が少ないことが望ましい。上位情報は、例えば「電力に関するお知らせがあります」というメッセージを含む。緊急性のある異常情報が存在する場合には、上位情報は、例えば「電力に関する重要なお知らせがあります」というメッセージを含んでもよい。下位情報は、例えば「今日の予測発電量は○○kWhです」又は「太陽電池の出力が低下しています」等というメッセージを含む。通知情報は、上位情報と下位情報との中間概念に相当する1又は複数の中位情報を更に含んでもよい。
電力情報システム2は、判定部X1において入力情報が第2情報群に属すると判定すると、インタフェースシステム3から上位情報を出力させる。そして、ユーザU1が、上位情報に関心を寄せて、更なる通知情報の要求をユーザインタフェース30に発声すると、第1サーバ31は、ユーザU1から上位情報に対する要求があった旨を、計測装置20に送信する。そして、電力情報システム2は、インタフェースシステム3から下位情報を出力させる。なお、一定時間が経過しても、ユーザU1から上位情報に対する要求が無ければ、下位情報は、破棄されてもよいし、プールされてもよい。下位情報が、緊急性のあるメッセージを含む場合には、プールされて、例えば翌日以降に再び入力情報が第2情報群に属すると判定した場合に、通知情報として出力されることが望ましい。
このように通知情報が階層化された情報であることで、ユーザU1にとっては入力情報に対して関連性の低い通知情報を、段階的に知ることができ、利便性が向上される。
(2.6)動作
以下、電力管理システム1の動作について、図3を参照しながら簡単に説明する。ここでは一例として、入力情報は、「おはよう」とする。またユーザU1の識別については説明を省略する。
ユーザU1が、ユーザインタフェース30(図3ではユーザI/F)に対して「おはよう」と話しかける(ステップS1)。ユーザインタフェース30は、入力情報を録音して(ステップS2)、第1サーバ31に送信する(ステップS3)。
第1サーバ31は、ユーザU1の入力情報に対して、人工知能により自然言語理解処理を行う(ステップS4)。第1サーバ31は、「おはよう」が電力を連想させる用語を含んでいないことから、入力情報が第2情報群に属すると判定する(判定処理:ステップS5)。第1サーバ31は、通知情報の要求信号を、計測装置20に送信する(ステップS6)。
計測装置20は、要求信号を受信すると、基本条件と第1条件(所定の期間の中で初めて入力情報を取得)とを満たしているか判定する(条件判定:ステップS7)。この動作例では、ユーザU1が、1日のうちで初めてユーザインタフェース30に話しかけたため、基本条件と、第1条件とは満たされる。計測装置20は、要求信号に応じて、「電力に関するお知らせがあります」というメッセージの通知情報(文字データ)を生成して送信する(ステップS8)。
一方、第1サーバ31は、入力情報に対する最適解を求める(ステップS9)。第1サーバ31は、最適解として、例えば、あいさつに対する返信、及び今日の主要ニュースを選択するかもしれない。第1サーバ31は、応答する応答情報として「おはようございます、今日のニュースは・・・」という音声メッセージの応答情報を生成する。
第1サーバ31は、通知情報を音声データに変換し、応答情報と併せてユーザインタフェース30に送信する。ユーザインタフェース30は、応答情報及び通知情報を音声出力する。
このように本実施形態においては、入力情報(例えば「おはよう」)が、発電システム100に関連する第1情報群以外の第2情報群に属する場合に、入力情報の取得をトリガーとして通知情報が出力される。したがって、発電システム100に関する情報がユーザU1に伝わる可能性の向上を図ることができる。
特に、本実施形態では、特許文献1とは異なり、ユーザU1からの入力情報をトリガーとして通知情報を出力する、能動型の通知を実現している。つまり、特許文献1では、モニター装置から一方的に発電システムに関する情報を通知しているのみである。一方、本実施形態では、ユーザU1からの能動的な行動である発声(音声入力)と連動して、発電システム100に関する通知情報を出力するため、通知情報が出力された時点で、ユーザU1がユーザインタフェース30の傍に居る可能性が高い。したがって、ユーザU1は、発電システム100に関する情報の中でも、太陽電池の故障や出力低下等のネガディブな情報を、より速やかに知り得る。その結果、発電システム100の保守性も向上される。
また第1条件(又は第2条件)を満たしたときに、通知情報が出力されるため、ユーザU1にとっては入力情報に対して関連性の低い通知情報を、所定の期間内に何度も受け取るといった状況を低減することができる。
またインタフェースシステム3は、入力情報に応答する応答情報と、通知情報との両方を、出力情報として出力する。そのため、ユーザU1にとっては本来的な入力情報に応答する応答情報を知ることができ、その上で、発電システム100に関する情報がユーザU1に伝わる可能性の向上を図ることができる。
さらにユーザインタフェース30が、ユーザU1からの音声入力を入力情報として取得する取得部300と、通知情報を出力情報として音声出力する出力部301と、を有している。そのため、ユーザU1にとっては、音声により入力を行うことができ、また音声により通知情報を受け取ることができるため、インタフェースシステム3の利便性が向上される。また例えば、比較的安価なスマートスピーカを、インタフェースシステム3の構成要素の1つとして利用できる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る電力管理システム1と同様の機能は、電力管理システム1の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
本開示の電力管理システム1における、計測装置20の制御部210、ユーザインタフェース30の制御部302、及び第1サーバ31の制御部310は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部210、制御部302、及び制御部310としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、計測装置20、ユーザインタフェース30及び第1サーバ31の各々における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは、これらに必須の構成ではない。計測装置20、ユーザインタフェース30及び第1サーバ31の各々の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、計測装置20の少なくとも一部の機能、例えば、計測装置20の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、基本例のように、計測装置20の複数の機能が1つの筐体内に集約されてもよい。
(3.1)変形例1
以下、電力管理システム1の本変形例(変形例1)について、図4及び図5を参照しながら説明する。ただし、基本例の電力管理システム1と共通する構成要素については同じ参照符号を付して、適宜にその説明を省略する。
基本例のインタフェースシステム3は、スマートスピーカであるユーザインタフェース30を有していた。変形例1のインタフェースシステム3は、図4に示すように、ユーザインタフェース30の代わりに、ユーザインタフェース30Aを有している点で基本例と異なる。ユーザインタフェース30Aは、インターネット接続可能なテレビジョン受信機(スマートテレビ)である。
ユーザインタフェース30Aは、図5に示すように、取得部305と、表示部306と、制御部307と、通信部308と、を有している。
取得部305は、ユーザU1からの所定の操作入力を入力情報として取得する。取得部305は、例えば、リモートコントローラからの赤外線信号(制御信号)を受光する受光部である。表示部306は、通知情報を出力情報として表示する液晶画面である。
制御部307は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部307として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
通信部308は、ルータ4を介して、インタフェースシステム3の第1サーバ31と通信するための通信インタフェースを含む。
例えば、ユーザU1がリモートコントローラを用いて、待機状態中のユーザインタフェース30Aの電源をオンするための所定の操作入力を行うと、ユーザインタフェース30Aは、電源をオンする一方で、その操作入力を入力情報として取得する。
ユーザインタフェース30Aは、ルータ4を介して、第1サーバ31に入力情報を送信する。第1サーバ31は、入力情報が、ユーザインタフェース30Aの起動に関する制御情報であるため、第2情報群に属すると判定し、計測装置20に、通知情報の要求信号を送信する。第1サーバ31は、計測装置20から通知情報を受信すると、ユーザインタフェース30Aの表示部306に表示中の情報画面上に、通知情報を文字データとして通知する。
この変形例1の構成によれば、ユーザU1にとっては、操作により入力を行うことができ、また表示部306への表示により通知情報を受け取ることができるため、インタフェースシステム3の利便性が向上される。特に、例えばスマートテレビを、インタフェースシステム3の構成要素の1つとして利用できる。
(3.2)その他の変形例
基本例では、計測装置20は、ルータ4を介して第1サーバ31と通信しているが、ルータ4を介してユーザインタフェース30(又は変形例1のユーザインタフェース31A)と通信してもよい。例えば、計測装置20は、通知情報の要求信号を第1サーバ31から受信する一方で、生成した通知情報を、第1サーバ31を経由せずに直接ユーザインタフェース30に送信してもよい。
基本例では、基本条件、第1条件、第2条件及び特定条件に関する条件判定の機能が、計測装置20の制御部210に設けられているが、判定部X1の機能と同様に第1サーバ31の制御部310に設けられてもよい。
また基本例では、判定部X1の機能が第1サーバ31の制御部310に設けられているが、判定部X1の機能は、電力情報システム2に設けられてもよい。例えば、計測装置20の制御部210が、判定部X1を有してもよい。この場合、計測装置20は、例えば、入力情報を、第1サーバ31を経由せずに直接ユーザインタフェース30から受信してもよい。
基本例では、計測装置20が、発電量、受電量、買電量、売電量等の電力量の計測を行なっているが、これらの情報の少なくとも一部を外部機器から取得してもよい。例えば、施設200内に、複数の負荷105を管理するための制御機器、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)コントローラが、設けられている場合には、計測装置20は、HEMSコントローラから電力量に関する情報を取得してもよい。あるいは、HEMSコントローラが、電力情報システム2の構成要素の1つであり、ルータ4を介して第1サーバ31からの通知情報の要求信号を受信したり、通知情報を生成して第1サーバ31に送信したりしてもよい。
基本例では、識別部311は、ユーザインタフェース30から入力された音声に基づいてユーザU1を識別する。しかし、ユーザインタフェース30は、カメラを有して、カメラで撮像された画像に基づいてユーザU1を識別してもよい。
基本例では、ユーザインタフェース30と計測装置20とが別体となっているが、一体となってもよい。例えば、計測装置20が、ユーザインタフェース30における取得部300の機能と出力部301の機能とを有してもよい。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係る電力管理システム(1)は、電力情報システム(2)と、インタフェースシステム(3)と、を備える。電力情報システム(2)は、電力を出力可能な発電システム(100)における当該電力に関する通知情報を生成する。インタフェースシステム(3)は、ユーザ(U1)から入力情報を取得し、かつ当該入力情報の取得をトリガーとして出力情報を出力する。電力情報システム(2)は、インタフェースシステム(3)と通信可能に接続される。電力情報システム(2)又はインタフェースシステム(3)は、入力情報が、発電システム(100)に関連する第1情報群に属するか、当該第1情報群以外の第2情報群に属するかを判定する判定部(X1)を有する。電力情報システム(2)は、少なくとも判定部(X1)において入力情報が第2情報群に属すると判定すると、インタフェースシステム(3)から出力情報として通知情報を出力させる。第1の態様によれば、入力情報が、発電システム(100)に関連する第1情報群以外の第2情報群に属する場合に、入力情報の取得をトリガーとして通知情報が出力される。したがって、発電システム(100)に関する情報がユーザ(U1)に伝わる可能性の向上を図ることができる。
第2の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1の態様において、電力情報システム(2)は、以下の通りであることが好ましい。すなわち、電力情報システム(2)は、入力情報が第2情報群に属し、かつ、第1条件及び第2条件のいずれかを満たした場合に、インタフェースシステム(3)から通知情報を出力させることが好ましい。第1条件は、インタフェースシステム(3)が所定の期間の中で初めて入力情報を取得することである。第2条件は、判定部(X1)が所定の期間の中で初めて入力情報が第2情報群に属すると判定することである。第2の態様によれば、ユーザ(U1)にとっては入力情報に対して関連性の低い通知情報を所定の期間内に何度も受け取るといった状況を低減することができる。
第3の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1の態様又は第2の態様において、電力情報システム(2)は、特定の期間における天気の予報情報に基づいて、特定の期間における発電システム(100)の発電電力を予測することが好ましい。通知情報は、予測される発電電力の過不足に関する情報を含むことが好ましい。第3の態様によれば、発電電力の過不足に関する情報がユーザ(U1)に伝わる可能性の向上を図ることができる。
第4の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、インタフェースシステム(3)は、ユーザ(U1)を識別する識別部(311)を有することが好ましい。電力情報システム(2)は、識別部(311)におけるユーザ(U1)に関する識別結果に応じて、インタフェースシステム(3)から通知情報を出力させるか否かを決定することが好ましい。第4の態様によれば、例えば、ユーザ(U1)の類別(例えば子供等)によっては、通知情報の出力を行わないといったことが可能となる。
第5の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第4の態様において、電力情報システム(2)は、入力情報が第2情報群に属し、かつ、特定条件を満たした場合に、インタフェースシステム(3)から通知情報を出力させることが好ましい。特定条件は、識別結果に基づき、ユーザ(U1)から規定の期間の中で初めて入力情報を取得したと判断されることである。第5の態様によれば、同じユーザ(U1)が、入力情報に対して関連性の低い通知情報を規定の期間内に何度も受け取るといった状況を低減することができる。
第6の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、インタフェースシステム(3)は、取得部(300)と、出力部(301)と、を有することが好ましい。取得部(300)は、ユーザ(U1)からの音声入力を入力情報として取得する。出力部(301)は、通知情報を出力情報として音声出力する。第6の態様によれば、ユーザ(U1)にとっては、音声により入力を行うことができ、また音声により通知情報を受け取ることができるため、インタフェースシステム(3)の利便性が向上される。特に、例えば、比較的安価なスマートスピーカを、インタフェースシステム(3)の構成要素の1つとして利用できる。
第7の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、インタフェースシステム(3)は、取得部(305)と、表示部(306)と、を有することが好ましい。取得部(305)は、ユーザ(U1)からの所定の操作入力を入力情報として取得する。表示部(306)は、通知情報を出力情報として表示する。第7の態様によれば、ユーザ(U1)にとっては、操作により入力を行うことができ、また表示部(306)への表示により通知情報を受け取ることができるため、インタフェースシステム(3)の利便性が向上される。特に、例えばスマートテレビを、インタフェースシステム(3)の構成要素の1つとして利用できる。
第8の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、インタフェースシステム(3)は、入力情報に応答する応答情報と、通知情報との両方を、出力情報として出力することが好ましい。第8の態様によれば、ユーザ(U1)にとっては本来的な入力情報に応答する応答情報を知ることができ、その上で、発電システム(100)に関する情報がユーザ(U1)に伝わる可能性の向上を図ることができる。
第9の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、通知情報は、階層化された情報であり、少なくとも上位情報と下位情報とを含むことが好ましい。電力情報システム(2)は、判定部(X1)において入力情報が第2情報群に属すると判定すると、インタフェースシステム(3)から上位情報を出力させる。また電力情報システム(2)は、ユーザ(U1)から上位情報に対する要求を受けると、インタフェースシステム(3)から下位情報を出力させる。第9の態様によれば、ユーザ(U1)にとっては入力情報に対して関連性の低い通知情報を、段階的に知ることができる。したがって、利便性が向上される。
第10の態様に係る電力管理システム(1)に関して、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、電力情報システム(2)は、通知情報に関する設定を受け付ける設定部(X2)を有することが好ましい。第10の態様によれば、ユーザ(U1)の要望又は設置環境に応じて、通知情報に関する設定を適宜に行うことができる。
第11の態様に係る電力情報システム(2)は、第1~第10の態様のいずれか1つにおける電力管理システム(1)に適用される。電力情報システム(2)は、判定部(X1)を有し、かつ、入力情報をインタフェースシステム(3)から受信する。第11の態様によれば、インタフェースシステム(3)側の構成を簡素化することができる。
第12の態様に係るインタフェースシステム(3)は、第1~第10の態様のいずれか1つにおける電力管理システム(1)に適用される。インタフェースシステム(3)は、判定部(X1)を有し、かつ、通知情報を要求する要求信号を電力情報システム(2)に送信する。第12の態様によれば、電力情報システム(2)側の構成を簡素化することができる。
第13の態様に係る制御方法は、電力管理システム(1)の制御方法である。制御方法は、生成ステップと、取得ステップと、出力ステップと、判定ステップと、を有する。生成ステップにて、電力を出力可能な発電システム(100)における電力に関する通知情報を生成する。取得ステップにて、ユーザ(U1)から入力情報を取得する。出力ステップにて、入力情報の取得をトリガーとして出力情報を出力する。判定ステップにて、入力情報が、発電システム(100)に関連する第1情報群に属するか、当該第1情報群以外の第2情報群に属するかを判定する。少なくとも判定ステップにおいて入力情報が第2情報群に属すると判定すると、出力ステップにおいて出力情報として通知情報を出力する。第13の態様によれば、発電システム(100)に関する情報がユーザ(U1)に伝わる可能性の向上を図ることが可能な制御方法を提供できる。
第14の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに第13の態様における制御方法を実行させる。第14の態様によれば、発電システム(100)に関する情報がユーザ(U1)に伝わる可能性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
第2~10の態様に係る構成については、電力管理システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。