JP7116912B2 - ウィック、ループ型ヒートパイプ、冷却装置、電子機器、及びウィック製造方法 - Google Patents

ウィック、ループ型ヒートパイプ、冷却装置、電子機器、及びウィック製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウィック、ループ型ヒートパイプ、冷却装置、電子機器、及びウィック製造方法に関するものである。
従来から、作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮器とを備える冷却手段に用いられ、気相に相変化した作動流体を輸送する複数の気相流体溝を有し、前記蒸発器の内部に設けられる多孔質体で構成されたウィック知られている。
例えば、特許文献1には、次のようなウィックを、ループ型ヒートパイプの蒸発器の内部に設けたものが記載されている。
多孔質ゴムから構成される一端側が閉塞された円柱状の中空部材であり、蒸発器の筐体に接する外周面の周方向に直交する方向に、気相流路となる複数の気相流体溝(蒸気排出溝)が形成されたウィックであり、このウィックを蒸発器の内部に設けている。
具体的には、発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムから構成されたウィックを蒸発器の筐体に有する円柱形状の内部空間の内径よりも大きな上記ウィックを蒸発器の筐体内に圧入している。
加えて、このウィックを構成する多孔質ゴムの、多孔質の気泡構造の諸元(仕様、製造時の条件)が、平均空孔径が50[μm]以下、空孔率が20[%]以上80[%]以下、連泡率が25[%]以上100[%]以下が望ましいとされている。
そして、これらの構成により、蒸発器の筐体の内面に対するウィックの密着性の確保と、ウィックの外周面近傍等の局所的な空孔のつぶれの抑制とを容易に行え、良好な冷却性能を得ることができるとされている。
しかしながら、近年、電子機器等に用いる冷却手段には、冷却性能のさらなる向上の要請が以前にも増して高まっている。
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮器とを備える冷却手段における前記蒸発器の内部に設けて用いるための、気相に相変化した作動流体を輸送する複数の気相流体溝を有し、かつ多孔質体で構成されたウィックであって、前記多孔質体は、連通した複数の空孔を有する弾性体であり、当該ウィックは、前記蒸発器の内に接触することになる前記気相流体溝を有した側の表面から内部に向かって密度が減少していることを特徴とする。
本発明によれば、冷却手段の冷却性能のさらなる向上が実現可能なウィックを提供できる。
一実施形態に係るループ型ヒートパイプの一例を示した概略説明図。 図1における破線で示すa―a断面で切断したときの仮想的な断面を示す図。 従来の一般的なループ型ヒートパイプの概略説明図。 一実施形態に係るループ型ヒートパイプに設けるウィックの密度分布の説明図。 冷却性能試験に用いる実施例と比較例のサンプルの諸元、及び試験結果の説明図。 一実施形態に係る電子機器に備えるループ型ヒートパイプの別例を示した概要説明図。
以下、本発明を適用したウィックを内部に設けた蒸発器と、凝縮機とを備えた冷却手段として、ループ型ヒートパイプ(以下、ループ型ヒートパイプ1という)の一実施形態について、適宜、図を用いて説明する。
ここで、本実施形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付す。また、同一符号を付した構成要素について、一度説明した後では、その説明を適宜、省略する。
図1は、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1の一例を示した概略説明図であり、図2は、図1における破線で示すa―a断面で切断したときの仮想的な断面を示す図である。
図1に示すループ型ヒートパイプ1は、内部に水、アルコール、アセトン、代替フロン等の凝縮性流体からなる作動流体が封入されており、次のようなものを備えている。発熱部から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発部2と、蒸発部2から導かれた気相の作動流体を液相へと凝縮させる凝縮部3を備えている。また、蒸発部2から凝縮部3へ気相の作動流体を流通させる蒸気管4と、凝縮部3から蒸発部2へ液相の作動流体を流通させる液管5も備えている。
蒸発部2は、内部にウィック6が収容された受熱部7と、液相の作動流体を貯留するリザーバ部8とで構成されている。
受熱部7には蒸気管4の一端部が連結され、リザーバ部8には液管5の一端部が連結されている。また、蒸気管4と液管5のぞれぞれの他端部は凝縮部3に連結されている。凝縮部3は、外周面にアルミニウム製の薄板状のフィン32が多数設けられたステンレス製のパイプ31で構成されている。
ウィック6は弾性をもつ多孔質体である。また、ウィック6の図1図中の底面には、蒸気管4側の端部から反対側の方向に渡って複数の気相流体溝(グルーブ)10が設けられている。
複数の気相流体溝10は、図1における破線で示すa―a断面で切断したときの仮想的な断面を示す図2のように、ウィック6の底部に等間隔に設けられている。ここで、図2においては、気相流体溝10の寸法は実寸より大きな比率で描かれている。また、ウィック6の厚みは、蒸発部2の受熱部7の筐体の内寸よりも若干大きい寸法に設定されている。
上述したようにウィック6の厚みを設定することで、受熱部7内にウィック6が収容された状態では、ウィック6が受熱部7の内面に対して密着する。また、ウィック6が受熱部7に対して密着していることで、発熱部の熱が受熱部7の筐体を通してウィック6に効率良く伝達される。一方、気相流体溝10が設けられた部分においては、受熱部7の筐体との間に空間部が形成されている。
ウィック6は多孔質体、つまり多孔質材料で構成されているため、リザーバ部8内に貯留される液相の作動流体は毛細管現象によってウィック6内に浸透する。この毛細管現象によってウィック6は液相の作動流体を凝縮部3から蒸発部2へ送るポンプの役割も果たす。
作動流体としては、水、アルコール、アセトン、代替フロン等の凝縮性流体が用いられる。また、作動流体はウィック6に浸透しやすいようにウィック6との濡れ性が良好なものが良い。濡れ性はウィック6と作動流体との接触角で測定することができる。接触角が90[°]以上であると、作動流体がウィック6に浸透することができないため、接触角は90[°]未満である必要がある。
本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1においては、発熱部からの熱が蒸発部2(受熱部7)の筐体を通してウィック6内の液相の作動流体に伝達されると、その熱で作動流体が蒸発して気相に変化する。蒸発して気相に変化した作動流体は気相流体溝10を通って蒸気管4へと送られる。そして、気相の作動流体は蒸気管4を通って凝縮部3へと送られる。
凝縮部3においては、内部(パイプ31)を通過する作動流体の熱がフィン32を介して外部に放出されることで、作動流体の温度が低下して凝縮し、気相から液相へと変化する。液相に変化した作動流体は液管5を通って蒸発部2へ移動し、毛細管現象によってリザーバ部8から再び受熱部7の内部に設けたウィック6内に浸透する。このような作動流体の循環が行われることで、発熱部の熱が連続して外部に放出され、冷却対象が冷却される。
ここで、従来の、蒸発器の内部にウィックが設けられたループ型ヒートパイプの問題に関して、図を用いて説明しておく。
図3は、従来の一般的なループ型ヒートパイプ100の概略説明図である。
一般的に、ループ型ヒートパイプ100は、図3に示すように、外部から受熱して作動流体を液相から気相に蒸発させる蒸発部102と、外部に放熱して作動流体を気相から液相に凝縮させる凝縮部103を備えている。また、蒸発部102から凝縮部103へ気相の作動流体を流通させる蒸気管104と、凝縮部103から蒸発部102へ液相の作動流体を流通させる液管105も備えている。
蒸発部102の内部には、多孔質体(多孔質材)で構成されたウィック106が収容されており、液管105から送られた液相の作動流体がウィック106の微細な孔を毛細管現象によって浸透してウィック106の外表面に染み出す。このとき、蒸発部102と接触する発熱部(冷却対象)からの熱が蒸発部102の筐体を通してウィック106に伝達されることにより、その熱で作動流体が蒸発して気相に変化する。そして、気相に変化した作動流体は蒸気管104を通って凝縮部103へ移動する。
凝縮部103においては、作動流体の熱が外部に放出されることで、作動流体の温度が低下し液相へと変化する。そして、液相に変化した作動流体は液管105を通って蒸発部102へ移動し、再びウィック106内に浸透する。このように、ループ型ヒートパイプ100においては、作動流体の相変化を利用し、作動流体を循環させ、蒸発部102で吸収した熱を凝縮部103へと移送することで、冷却対象を効率良く冷却することができる。
ここで、冷却効率を良くするためには蒸発部102との密着性を確保し、ウィック106の毛細管力で作動流体を循環させ、且つ圧力損失を最小限にするためにウィック106には高い浸透性が必要である。
このような課題に対して、特許文献2には、次のようなループ型ヒートパイプが記載されている。
ウィックの外周面に形成する外側溝に加え、ウィックの内周面に長さ方向に延びる内側溝を形成している。そして、ウィックが蒸発器の筐体内に圧入されて収容されたときに内側溝が閉じられるように変形することで、ウィックの外径寸法に製造誤差が生じても外周面近傍における空孔のつぶれを抑制するというものである。
そして、これらの構成により、ウィックの外周面近傍の細孔がつぶれたり、ウィックの外面が蒸発器の筐体の内面と良好に接触していなかったりして性能が悪い蒸発器が得られてしまうことを抑制できるウィックを安定した形で量産できるとされている。
しかしながら、特許文献2に記載のウィックでは、ウィックの内周面と外周面の両方に溝を形成する加工が複雑になることで、コスト増を招いたり、製造したウィックの諸元(仕様、製造時の条件)によっては、所望の冷却性能を得ることができなかったりするおそれがあった。
そこで、本実施形態では、ウィック6を以下に示すように構成することとした。
図4は、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1に設けるウィック6の密度分布の説明図である。
本実施形態のウィック6は表面から内部に向かって密度が減少する密度分布を持ち、特に気相流体溝10の間の蒸発部2との接触面に密度分布が存在することで、ウィック先端部の倒れを防止する機能を付与することができる。図4は、ウィック6の密度分布の概要を表す図だが、実際はグラデーションのように連続した密度減少分布を持つ。
また、上述したように、ウィック6の厚みは蒸発部2の受熱部7の筐体の内寸よりも若干大きい寸法に設定されている。このため、受熱部7内にウィック6が収容された状態では、ウィック6が受熱部7の内面に対して密着する。このように、ウィック6が受熱部7に対して密着していることで、発熱部の熱が受熱部7の筐体を通してウィック6に効率良く伝達される。また、ウィック6は、液相と気相とを分離して気相の作動流体がリザーバ部8に逆流するのを防止する機能も果たす。一方、気相流体溝10が設けられた部分においては、受熱部7の筐体との間に空間部が形成されている。また、ウィック6は、液相と気相とを分離して気相の作動流体がリザーバ部8に逆流するのを防止する機能も果たす。
そして、発熱部からの熱が蒸発部2の筐体を通してウィック6内の液相の作動流体、もしくは蒸発部2の底面とウィック6の接触面のエッジ部の間に生じる三相界線液架橋部に伝達されると、その熱で作動流体が蒸発して気相に変化する。蒸発して気相に変化した作動流体は気相流体溝10を通って蒸気管4へと送られる。
次に、本実施形態のループ型ヒートパイプ1の受熱部7(蒸発部2)の内部に設けるウィック6について詳しく説明する。
本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1(冷却装置)に用いられるウィック6は、多孔質材料(多孔質体)により構成されている。本実施形態では、多孔質材料に弾性を持たせることで、蒸発部2(受熱部7)の筐体に対するウィック6の密着性を高める。これにより、蒸発部2の筐体からウィックへの熱伝達効率が良好に得られるようになり、ループ型ヒートパイプ1の冷却性能をさらに向上させることが可能となる。または、正しく密着された場合の本来の冷却性能を実現するためのウィック6及び蒸発部2(蒸発器)がより容易に製造できるようになる。
(多孔質材料)
多孔質材料に用いられる多孔質体としては、発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムが好適として挙げられるが、弾性体であればこの限りではない。ここで弾性体とは主にゴム材料が好適に用いることができるが、プラスチックでも用いることができる。弾性体であることの目的は多孔質材料の蒸発機への容易な密着であるから、多孔質材料よりも圧縮弾性率が低い、つまり変形しやすい材料であれば一定の効果を奏することができる。
これらの多孔質体は、内部に作動流体を浸透させ作動流体に対して毛細管力を良好に生じさせるために、連通した複数の空孔が形成されており、多孔質材料の平均空孔径、空孔率、連泡率は、それぞれ、次の範囲に設定されることが好ましい。
(平均空孔径)
多孔質体はその毛細管力によって作動流体を移動させてループ型ヒートパイプ1を駆動させる機能を担うことから、より大きな毛細管力が得られるように多孔質体の平均空孔径は小さい方が好ましい。
多孔質体の平均空孔径(ウィックの空孔半径:rwick)と毛細管力(毛細管圧:ΔPcap)は、下記数式1を用いて表される。
ΔPcap=2σcosθ/rwick ・・・ (式1)
ここで、σは作動流体の表面張力、θはウィックと作動流体との接触角である。
上述した式1からわかるように、ウィックの細孔半径が小さいほど毛細管圧は大きくなる。また、ループ型ヒートパイプ1を動作させるには、毛細管力(毛細管圧:ΔPcap)と全圧力損失:ΔPtotalが、次の式2を満たす必要がある。
ΔPcap≧ΔPtotal ・・・ (式2)
さらに、全圧力損失:ΔPtotalは、次に式3を用いて求められる。
ΔPtotal=ΔPwick+ΔPgroov+ΔPVL+ΔPcond+ΔPLL+ΔPgrav ・・・ (式3)
ここで、ΔPwickはウィックの圧力損失、ΔPgroovは気相流体溝10の圧力損失、ΔPVLは蒸気管の圧力損失、ΔPcondは凝縮部の圧力損失、ΔPLLは液管の圧力損失、ΔPgravは重力による圧力損失である。
上述したように、より大きな毛細管力を得られるようにするために、多孔質体の平均空孔径は小さい方が好ましく、具体的には50[μm]以下であるのが良い。細孔径ピークが50[μm]より大きいと、ループ型ヒートパイプを駆動させる十分な毛細管力が得られ難くなるからである。好ましくは細孔径ピークが30[μm]以下であり、より好ましくは平均空孔径が10[μm]以下である。
さらに好ましくは5[μm]以下であり、ウィックの厚みが極めて薄い場合には1[μm]以下や0.1[μm]以下でも機能させることはできるが、下限の値としては0.1[μm]以上が好ましい。
ここで、平均空孔径は、多孔質体の断面をレーザー顕微鏡で撮影し、得られた画像を画像処理により空孔の面積を測定することで求めることができる。
(空孔率)
ウィック6に用いられる多孔質体の空孔率は、高いほどループ型ヒートパイプ1を駆動させるのに有利である。具体的には、多孔質体の空孔率は20[%]以上が好ましい。空孔率が20[%]未満になると、ループ型ヒートパイプ1の駆動が困難になる。より好ましくは空孔率が50[%]以上である。空孔率は、次の式4により算出できる。
空孔率([%])=(多孔質体の比重-ソリッドの比重)/(ソリッドの比重)×100 ・・・ (式4)
(連泡率)
ウィック6に用いられる多孔質体の連泡率は、高いほど液相の作動流体がウィックに浸透するのに有利である。具体的に、多孔質ゴムの連泡率は25[%]以上であるのがよい。好ましくは連泡率が50[%]以上であり、より好ましくは連泡率が75[%]以上である。連泡率は、多孔質ゴムの場合はメタノール浸漬重量増加率を測定することで得られる。
(熱伝導率)
ウィック6に用いられる多孔質体(多孔質材料)の熱伝導率は、高いほど多孔質体に侵入した液相の作動流体が蒸発器より熱を受け取るのに有利である。具体的な目安としては、0.01[W/(m・K)]以上であるのがよい。好ましくは0.1以上である。ここで、熱伝導率とは発泡構造や空隙も含めた熱伝導率を指し、JISR2616に説明されるような方法に則って測定したものである。
(気相流体溝)
気相流体溝10は気相となった作動流体が通過する通り道であり、また、溝部の多孔質体と蒸発部2の間に三相界線液架橋部が生じ、主にそこから作動流体の蒸発が行われるので、その形状や体積は性能に影響を与える。
気相流体溝10の圧損(圧力損失)を減らしながら、液架橋部を増やせるように、凹/凸の比率は75[%]以下であるのがよく、好ましくは50[%]以下である。また、溝の幅は10[mm]以下であるのがよく、好ましくは1[mm]以下である。
気相流体溝10の深さは、剛性を保てる限り、深いほど多孔質体の液供給面からの距離が近くなり、液供給が容易になるので、10[mm]以下であるのがよく、1.5[mm]以下であるのが好ましい。
(多孔質ゴムの製造方法)
ウィック6に用いられる多孔質ゴムは、化学発泡法又は水発泡法によって製造することができる。化学発泡法は、発泡剤を添加することにより発泡構造を形成する方法である。これに対して、水発泡法は、水を主成分とする溶媒と液状ゴムとを乳化させ、溶媒を除去することで発泡構造を形成する方法である。特に、水発泡法は化学発泡法に比べて高い空孔率で微細な空孔を均一に形成することが可能である。このため、多孔質ゴムの発泡状態を上述の好ましい範囲に調整するには、水発泡法を用いることが好ましい。以下、水発泡法を用いてウィック用の発泡シリコーンゴムを製造する方法について説明する。
(水発泡シリコーンゴムの製造方法)
水発泡法により発泡シリコーンゴムを製造するには、市販されている2液型の液状シリコーンゴムに触媒、界面活性剤、架橋剤を添加し、混合する。そして、溶媒としての水(必要に応じてアルコール混合)に必要に応じて添加剤、充填剤、分散剤等を混ぜ、液状シリコーンゴムと同等の粘度にした混合溶液と合わせて撹拌してエマルション組成物を調整する(乳化工程)。
ここで、液状シリコーンゴムと混合溶液との配合比率は、所望の空孔率により調整する。エマルション中の微粒子状の水分が蒸発してセルとなるので、例えば、液状シリコーンゴムと混合溶液との配合比率を1:1にすると、空孔率50[%]の多孔質体を得ることができる。
エマルションは、ホモジナイザーや、必要に応じて超音波処理を伴う攪拌機を用い、上記条件を満足するような気泡分布が得られるよう撹拌手段、撹拌時間、撹拌速度(例えば300~1500[rpm])などの各種撹拌条件を調整する。
その後、調整されたエマルション組成物を金型に注入し、1~24時間放置することでミセルの移動を促し、表面から内部に向かって密度が減少する領域を増加させる。その後、一次加熱することでエマルション組成物内の水分を蒸発させずにシリコーンゴムを硬化させて所定の形状に成型する(一次加熱・成型工程)。ここで、一次加熱は、加熱温度が80~130[℃]の範囲、加熱時間が30~120分の範囲で行う。特に、加熱温度が90~110[℃]、加熱時間が60~90分であることが好ましい。
次に、一次加熱後の多孔質体から水分を除去するために二次加熱を行う(二次加熱工程)。二次加熱は、加熱温度が150~300[℃]、加熱時間が1~24時間の範囲で行う。特に、加熱温度が200~300[℃]、加熱時間が3~5時間であることが好ましい。このような二次加熱を行うことで、多孔質体から水分を除去し、シリコーンゴムの最終的な硬化を完了させる。
次に、水発泡法によりシリコーンゴムを製造するときの、平均空孔径、空孔率、連泡率の調整方法について説明する。
(平均空孔径の調整方法)
平均空孔径は、乳化工程における撹拌手段の撹拌強度を変更することで調整することができる。乳化工程においては、水を主成分とする溶媒が撹拌手段によって撹拌されることにより細かい微粒子状セルとなり、その後の二次加熱工程でその溶媒の水分が蒸発することで空孔が形成される。すなわち、乳化工程において溶媒がより細かい微粒子状セルとなるように撹拌することで、平均空孔径を小さくすることができる。具体的には、撹拌時間を長く、撹拌速度を速くするなど、撹拌強度を高くする撹拌条件を選択することで平均空孔径を小さく調整することが可能である。
(空孔率の調整方法)
空孔率は、液状シリコーンゴムと混合溶液との配合比を変更することによって調整することができる。これは、混合溶液中の水分が蒸発することで空孔が形成されるためである。混合溶液の比率を高くすると空孔率を大きくすることができる。
(連泡率の調整方法)
連泡率は、シリコーンゴム組成物の界面活性剤の量又は種類を選択することで調整することが可能である。
(熱伝導率の調整方法)
熱伝導率は、シリコーンゴム組成物の空孔率と平均空孔径を制御することで調整することが可能である。
次に、水発泡法を用いてウィック用の発泡ウレタンゴムを製造する方法について説明する。
(水発泡ウレタンゴムの製造方法)
水発泡ウレタンゴムは、上述した水発泡シリコーンゴムの製造方法における液状シリコーンゴムに代えて、液状ウレタンゴムを用いることで製造することができる。液状ウレタンゴムとしては市販の1液もしくは2液型の液状ウレタンゴムを用いることができる。耐水性の観点からウレタン材料はエーテル系が好ましい。また、耐熱性の観点から一次加熱温度及び二次加熱温度はウレタン材料の耐久温度よりも低いことが望ましい。一次加熱温度は70~110[℃]の範囲、二次加熱温度は80~110[℃]の範囲で材料が劣化しない温度を選択することが好ましい。また、水発泡ウレタンゴムの平均空孔径、空孔率、連泡率は、上述の水発泡シリコーンゴムに関する調整方法と同様の方法で調整が可能である。
(冷却性能試験)
次に、上述したウィック6の条件の主要な数値範囲内の実施例、及び数値範囲外の比較例を設定して行った冷却性能の試験について、適宜、図を用いて説明する。
本冷却性能試験では、図5に示した複数の実施例のウィックサンプルを水発泡シリコーンゴム、水発泡ウレタンゴム、化学発泡シリコーンゴムによって作成し、各サンプルをループ型ヒートパイプに用いた場合の冷却性能の試験を行った。
また、複数の比較例として、ウィックサンプルを水発泡シリコーンゴム、金属であるSUS、セラミックであるアルミナ、化学発泡ウレタンゴム、化学発泡シリコーンゴムによって作成し、各サンプルをループ型ヒートパイプに用いた場合の冷却性能の試験を行った。
(実施例1)
図5に示した各多孔質体の材質(材料)のうち、多孔質材料に用いた発泡シリコーンゴムは、以下の条件で製造したが、これに限定されるものではない。
この実施例1を例に挙げて説明する。まず、液状ゴムに架橋剤及び界面活性剤を添加し、水を体積比1対1となるように混合し、シリコーンゴム組成液を調合した。次いで、調合した組成液をPRIMIX社製ホモミキサーにて1500[rpm]で10分間撹拌し、エマルション組成物を得た。
そして、エマルション組成物が注入される領域が、厚さ3[mm]、60[mm]角の直方体形状を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方に幅1[mm]、高さ1[mm]の突起が2[mm]ピッチで形成された形状を持つ金型に、このエマルション組成物を注入し、1時間静置した後、1時間加熱する一次加熱及び4時間加熱する二次加熱を行った。
これにより、エマルション組成物が金型と接していた表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の水発泡シリコーンゴムは、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方には幅1[mm]、深さ1[mm]の溝が2[mm]ピッチで形成された形状であった。
(実施例2)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ3[mm]、60[mm]角の直方体形状を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方に幅0.5[mm]、高さ1[mm]の突起が1[mm]ピッチで形成された形状を持つ金型を用いて、実施例1と同様に作製した。
このように作成することで、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の水発泡シリコーンゴムは、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方には幅0.5[mm]、深さ1[mm]の溝が1[mm]ピッチで形成された形状であった。
(実施例3)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ3[mm]、60[mm]角の直方体形状を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方に、底面幅が0.6[mm]、上面幅が1[mm]、高さ1[mm]の逆台形状の突起が2[mm]ピッチで形成された形状を持つ金型を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の水発泡シリコーンゴムは、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面のうち1面に密度分布を持ち、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(実施例4)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ3[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の水発泡シリコーンゴムは、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面に密度分布を持たず、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(実施例5)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ5[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の水発泡シリコーンゴムは、厚さが5[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面に密度分布を持たず、幅1[mm]、深さ1、5[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(実施例6)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ5[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡ウレタンゴムを得た。また、成型後の水発泡ウレタンゴムは、厚さが5[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面に密度分布を持たず、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(実施例7)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ5[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、また、水の代わりに化学発泡剤を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が107[μm]の化学発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の化学発泡シリコーンゴムは、厚さが5[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面に密度分布を持たず、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(実施例8)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ5[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、また、水の代わりに化学発泡剤を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が94[μm]の化学発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の化学発泡シリコーンゴムは、厚さが5[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面に密度分布を持たず、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(比較例1)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ3.5[mm]、60[mm]角の直方体形状を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方に幅1[mm]、高さ1.5[mm]の突起が2[mm]ピッチで形成された形状を持つ金型を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の水発泡シリコーンゴムの蒸発器底面との接触面を切削することにより、蒸発器底面との接触面に表面から内部への密度分布を持たず、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方には幅1[mm]、深さ1[mm]の溝が2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(比較例2)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ5.5[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が5[μm]の水発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の水発泡シリコーンゴムを切削することにより、蒸発器底面との接触面、及び溝境界面に表面から内部への密度分布を持たず、厚さが5[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方には幅1[mm]、深さ1[mm]の溝が2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(比較例3)
SUS金属粉末が投入される領域が、厚さ3[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて焼結を行い、平均空孔径が60[μm]、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持つSUS多孔質焼結金属体を得た。このSUS多孔質焼結金属体の60[mm]角の平面のうちの一方を切削することにより、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝が2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(比較例4)
アルミナ金属粉末が投入される領域が、厚さ3[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて焼結を行い、平均空孔径が30[μm]、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持つアルミナ多孔質焼結金属体を得た。このアルミナ多孔質金属体の60[mm]角の平面のうちの一方を切削することにより、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝が2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(比較例5)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ3[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、また、水の代わりに化学発泡剤を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が80[μm]の化学発泡ウレタンゴムを得た。また、成型後の化学発泡ウレタンゴムは、厚さが3[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面に密度分布を持たず、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
(比較例6)
エマルション組成物が注入される領域が、厚さ5[mm]、60[mm]角の直方体形状を持つ金型を用いて、また、水の代わりに化学発泡剤を用いて、実施例1と同様に作製し、表面から内部にかけて密度が減少する密度分布を持ち、平均空孔径が107[μm]の化学発泡シリコーンゴムを得た。また、成型後の化学発泡シリコーンゴムは、厚さが5[mm]、60[mm]角の直方体形状の外形を持ち、60[mm]角の平面のうちの一方は、蒸発器底面に対して垂直な面を切削することにより、多孔質体の溝境界面に密度分布を持たず、幅1[mm]、深さ1[mm]の溝を2[mm]ピッチで形成された形状を得た。
そして、各サンプルのウィックを図1に示すループ型ヒートパイプと同様の構成のループ型ヒートパイプ1に用いた。具体的に、受熱部7は、内部が幅60[mm]、長さ60[mm]、厚さ10[mm]の直方体とし、肉厚は3[mm]のものを製作した。
受熱部7の液管側の面には多孔質体を蒸発部2内面に密着させるための突起を5[mm]間隔で設けた。突起の大きさは5[mm]×5[mm]であり、突起高さは7[mm]であった。リザーバ部8は、外径φ70[mm]、内径φ68[mm]、長さ40[mm]の円筒とした。凝縮部3は、外径φ10[mm]のステンレス管に厚さ0.3[mm]、1辺100[mm]のアルミニウム製のフィン32を5[mm]間隔で80枚取り付けたものとした。
蒸気管4は、外径φ8[mm]、内径φ6[mm]、長さ300[mm]のステンレス管で構成し、液管5も、外径φ8[mm]、内径φ6[mm]、長さ300[mm]のステンレス管で構成した。また、作動流体として、エタノールを100ml封入した。各サンプルのウィック6と作動流体の接触角は、いずれも90°未満であった。ここで、エタノールを使用したのは実験の再現のためであり、接触角や膨潤の観点から問題がないことが確認できていれば、エタノールではなくとも本実施形態の効果を得ることができる。
また、上述した各構成部材等の組立のときには、気相流体溝10の溝倒れの評価を行った。具体的には、ウィック6を受熱部7に組付けて盖をするときに、側面などから気相流体溝10の状態を観察できるようにしておき、組付け後に気相流体溝10に溝倒れがあるかを目視で判定した。
上述したように作成したループ型ヒートパイプ1を蒸発部2と凝縮部3とが水平になるように設置し、蒸発部2にヒータを接触させた。そして、ヒータへの印加電力を調整して200Wの熱量を30分間付与し、蒸発部2の温度を測定した。また、液管側にキーエンス製のコリオリ式流量計を設置し、その時の冷媒の循環量を測定した。
次に、上述した本実施形態のウィック6を用いたループ型ヒートパイプ1を好適に備えることができる電子機器20の例について、図を用いて説明しておく。
図6は、本実施形態に係る電子機器20に備えるループ型ヒートパイプ1の別例を示した概要説明図。
図6に示したループ型ヒートパイプ1の別例は、図1に示した例とは異なり、蒸発部2の筐体(ケース)に有する円柱形状の内部空間の内径よりも少し大きなウィックを蒸発器の筐体内に圧入しているものである。
但し、本実施形態に係る電子機器の冷却手段としては、図6に示したループ型ヒートパイプに替えて図1に示したループ型ヒートパイプ1を用いることができるが、上述した各実施例、及び各比較例の冷却性能の試験については、あくまでも図1、2に示したものを用いている。
図6に示す電子機器20は、光学ユニット21を備えるプロジェクタであり、このプロジェクタは、本実施形態を適用する電子機器の一例である。
ここで、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1を適用可能な電子機器はプロジェクタに限られるものではない。プロジェクタに限らず、プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置、パーソナルコンピュータ、サーバ、電子黒板、テレビ、ブルーレイレコーダ、ゲーム機等の種々の電子機器に適用可能である。
また、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1や冷却装置は、電子機器以外のものにも適用可能である。例えば、反応炉を備える化学プラント等を冷却する冷却装置や、サーバーラック等の電子機器に付随した容器や建物に、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1や冷却装置を適用しても良い。
図6に示すループ型ヒートパイプ1の蒸発部2(特に受熱部7)は、光学ユニット21の発熱部に対して接触するように配置されている。蒸発部2は発熱部から熱を吸収して冷却対象(発熱部、光学ユニット又はプロジェクタ)を冷却する。
凝縮部3は、プロジェクタ本体の筐体側面に設けられた排気ファン22の近傍に配置されている。排気ファン22が外部に空気を排出することで、凝縮部3の周囲に気流が発生し、当該気流によって凝縮部3が冷却され、凝縮部3における放熱効果が向上する。
また、排気ファン22が設けられた筐体側面とは反対側の側面には給気口23が設けられており、給気口23から吸気された空気がプロジェクタ内を通って排気ファン22から排出される。この図6に示す例では、プロジェクタを冷却する冷却装置として、ループ型ヒートパイプ1と、ループ型ヒートパイプ1の放熱効果を高めるための排気ファン22とを備えているが、排気ファン22の替わりに凝縮部3へ空気を送風する送風ファンを設けても良い。また、ファンを備えず、ループ型ヒートパイプ1のみ備える冷却装置であっても良い。
以上、本実施形態について、図面を参照しながら説明してきたが、具体的な構成は、上述した本実施形態のウィック6を備えたループ型ヒートパイプ1の構成に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等を行っても良い。
例えば、図1、図2、図4、図6を用いて説明した本実施形態のループ型ヒートパイプ1は、いずれも蒸発部2、及び凝縮部3を1つ備えた構成について説明したが、本実施形態のループ型ヒートパイプの構成は、このような構成に限定されるものではない。蒸発部2、及び凝縮部3の少なくともいずれかを2以上備えるループ型ヒートパイプにも適用可能である。
また、図1、図2、図4、図6を用いて説明した本実施形態のループ型ヒートパイプ1は、いずれも蒸発部2の内部にウィック6を1つ設けた構成について説明したが、複数のウィックを並列に備える構成にも適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
凝縮性流体などの作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発部2(受熱部7)などの蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮部3などの凝縮器とを備えるループ型ヒートパイプ1などの冷却手段に用いられ、気相に相変化した作動流体を輸送する複数の気相流体溝10などの気相流体溝を有し、前記蒸発器の内部に設けられる多孔質体で構成されたウィック6などのウィックにおいて、前記多孔質体は、連通した複数の空孔を有する発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムなどの弾性体であり、当該ウィックは、前記蒸発器の内部に接触する前記気相流体溝を有した側の接触面から内部に向かって密度が減少していることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
蒸発器の内部に設けるウィックは、気相流体溝を有した側の接触面から内部に向かって密度が減少しているので、多孔質体の剛性を確保し、蒸発器との接触面からの作動流体蒸発を防ぐことで、多孔質体と蒸発器の密着性を向上させる。
このように密着性を高めることで、気相流量の増加と流量低下防止の効果が得られ、十分な冷却性能が得られるようになる。さらに、気相流体溝の溝寸法の許容範囲を大きく取ることが可能になり、より高温・高圧で動作させることができるようになる。
よって、冷却手段の冷却性能のさらなる向上が実現可能なウィックを提供できる。
(態様B)
(態様A)において、前記多孔質体の前記気相流体溝との境界面は、内部に向かっての密度減少がないことを特徴とする。
これによれば、多孔質体への作動流体の供給を十分に行うことで、より高い冷却性能が得られるようになり、より高温・高圧で動作させることができるようになる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、前記多孔質体の前記気相流体溝が前記蒸発器に接触する側の接触面に直交する方向の寸法が、前記接触面に直交する方向の前記蒸発器の内寸よりも大きいことを特徴とする。
これによれば、ウィックと蒸発器の形状寸法に高い精度なくとも、十分な冷却性能を得られるようになる。さらに、溝寸法の許容範囲をより大きく取ることが可能となる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記多孔質体は平均空孔径が100[μm]以下の発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムであることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
多孔質体が弾性体であることにより、蒸発器の筐体との密着性を増すことができるとともに、多孔質体の毛細管力を高めることが可能となり、冷却手段の冷却性能をより高めることができるウィックを提供することができる。
(態様E)
(態様D)において、前記発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムは、水発泡シリコーンゴム又は水発泡ウレタンゴムであることを特徴とする。
これによれば、多孔質セル同士の連通化比率が高まることで、多孔質体の毛細管力を高めながらも、気体通気性を確保することが比較的、容易かつ安価に可能となる。
(態様F)
凝縮性流体などの作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発部2(受熱部7)などの蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮部3などの凝縮器とを備えるループ型ヒートパイプ1などのループ型ヒートパイプにおいて、前記蒸発器の内部に、(態様A)乃至(態様E)のいずれかのウィック6などのウィックを設けることを特徴とする。
これによれば、(態様A)乃至(態様E)のいずれかのウィックと同様な効果を奏することができるループ型ヒートパイプを提供できる。
(態様G)
凝縮性流体などの作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発部2(受熱部7)などの蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮部3などの凝縮器とを備える冷却装置において、前記蒸発器の内部に、(態様A)乃至(態様E)のいずれかのウィック6などのウィックを設けることを特徴とする。
これによれば、(態様A)乃至(態様E)のいずれかのウィックと同様な効果を奏することができる冷却装置を提供できる。
(態様H)
ループ型ヒートパイプ1などの冷却手段を備えた電子機器20などの電子機器において、前記冷却手段として、請求項7に記載の冷却装置を備えたことを特徴とする。
これによれば、(態様G)の冷却装置と同様な効果を奏することができる電子機器を提供できる。そして、冷却性能をさらに向上させることが可能となり、高発熱の電子機器を省スペースに実現することができる。
(態様I)
凝縮性流体などの作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発部2(受熱部7)などの蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮部3などの凝縮器とを備えるループ型ヒートパイプ1などの冷却手段に用いられ、気相に相変化した作動流体を輸送する複数の気相流体溝10などの気相流体溝を有し、前記蒸発器の内部に設けられる多孔質体で構成されたウィック6などのウィックを製造するウィック製造方法において、前記多孔質体は、連通した複数の空孔を有する発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムなどの弾性体であり、前記ウィックは、前記蒸発器の内部に接触する前記気相流体溝を有した側の接触面から内部に向かって密度が減少していることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
本態様のウィック製造方法で製造するウィックは、気相流体溝を有した側の接触面から内部に向かって密度が減少しているので、多孔質体の剛性を確保し、蒸発器との接触面からの作動流体蒸発を防ぐことで、多孔質体と蒸発器の密着性を向上させる。
このように密着性を高めることで、気相流量の増加と流量低下防止の効果が得られ、十分な冷却性能が得られるようになる。さらに、気相流体溝の溝寸法の許容範囲を大きく取ることが可能になり、より高温・高圧で動作させることができるようになる。
よって、冷却手段の冷却性能のさらなる向上が実現可能なウィックを製造するウィック製造方法を提供できる。
1 ループ型ヒートパイプ
2 蒸発部
3 凝縮部
4 蒸気管
5 液管
6 ウィック
7 受熱部
8 リザーバ部
10 気相流体溝
20 電子機器
特開2018-109497号公報 特開2011-190996号公報

Claims (9)

  1. 作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮器とを備える冷却手段における前記蒸発器の内部に設けて用いるための、気相に相変化した作動流体を輸送する複数の気相流体溝を有し、かつ多孔質体で構成されたウィックであって
    前記多孔質体は、連通した複数の空孔を有する弾性体であり、
    当該ウィックは、前記蒸発器の内に接触することになる前記気相流体溝を有した側の表面から内部に向かって密度が減少していることを特徴とするウィック。
  2. 請求項1に記載のウィックにおいて、
    前記多孔質体の前記気相流体溝との境界面は、内部に向かっての密度減少がないことを特徴とするウィック。
  3. 請求項1又は2に記載のウィックにおいて、
    前記多孔質体の前記気相流体溝が前記蒸発器に接触することになる側の表面に直交する方向の寸法が、前記表面に直交する方向の前記蒸発器の内寸よりも大きいことを特徴とするウィック。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載のウィックにおいて、
    前記多孔質体は平均空孔径が100[μm]以下の発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムであることを特徴とするウィック。
  5. 請求項4に記載のウィックにおいて、
    前記発泡シリコーンゴム又は発泡ウレタンゴムは、水発泡シリコーンゴム又は水発泡ウレタンゴムであることを特徴とするウィック。
  6. 作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮器とを備えるループ型ヒートパイプにおいて、
    前記蒸発器の内部に、請求項1乃至5のいずれか一に記載のウィックを設けることを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  7. 作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮器とを備える冷却装置において、
    前記蒸発器の内部に、請求項1乃至5のいずれか一に記載のウィックを設けることを特徴とする冷却装置。
  8. 冷却手段を備えた電子機器において、
    前記冷却手段として、
    請求項7に記載の冷却装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  9. 作動流体を液相から気相へと相変化させる蒸発器と、作動流体を気相から液相へと相変化させる凝縮器とを備える冷却手段における前記蒸発器の内部に設けて用いるための、気相に相変化した作動流体を輸送する複数の気相流体溝を有し、かつ多孔質体で構成されたウィックを製造するウィック製造方法において、
    前記多孔質体は、連通した複数の空孔を有する弾性体であり、
    当該ウィックは、前記蒸発器の内部に接触することになる前記気相流体溝を有した側の表面から内部に向かって密度が減少していることを特徴とするウィック製造方法。
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