JP7116625B2 - スタジアム用投光器 - Google Patents
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Description
反射形の照明器具には、複数のLEDを水平方向に並べて収納する収納凹部の内壁面が反射面に構成された車両用の照明装置(例えば特許文献2)や、複数のLEDを水平方向に並べ、かつ、隣接する反射体の一部をオーバーラップさせた欠陥検査用の光源装置(例えば特許文献3)が開示されている。
しかし、特許文献2、3に記載されるような構成は、上下方向に配光範囲を拡げることが難しい。また、特許文献2、3の構成は水平方向に広い範囲に光を照射するので、仮にスタジアム用投光器にそのまま適用すると、投光器内に左右に並ぶ光源からの光が重なり、スタジアム内を水平方向に移動する人(例えば、野球や陸上の競技者)にグレアとして認識されるおそれを招く。
また、上記スタジアム用投光器において、前記投光ユニットの、上端に位置する反射鏡の上側の反射面及び下端に位置する反射鏡の下側の反射面は、前記オーバーラップさせた箇所よりも光出射側である前側に延長する放物面又は楕円反射面である
図1は本発明の実施形態に係る照明器具1の左側面図である。また、図2は照明器具1の右側面図、図3は正面図、図4は下面図である。以下の説明において、上下左右及び前後の各方向は、照明器具1を基準にした各方向である。また、図中、符号FRは前方向を示し、符号UPは上方向を示し、符号RHは右方向を示している。
アーム12は、投光ユニット10の左右を上下方向に延びる左右のアーム部13と、各アーム部13の下端間を架橋し、投光ユニット10の下方に位置する底フレーム部14とを一体に備え、照明器具1の前面視で上方が開口するコ字形状のフレームに形成されている。このアーム12は、一枚の金属製の板材を折り曲げて形成され、照明器具1の左右中心位置を基準にして左右対称形状である。なお、アーム12を複数の板材を接合して製造してもよく、製造方法は適宜に変更してもよい。
左右のアーム部13は、底フレーム部14の左右から前上方に向けて斜め、かつ直線状に延びることによって、互いに平行に配置されている。本実施形態では、各アーム部13の傾斜角度θ(図1)が約55度である。但し、傾斜角度θは55度に限定されず、投光ユニット10のサイズ等に応じて適宜に変更される。
左右の拡幅部14Kは、底フレーム部14の左右から左右外側、かつ上方に向かって斜めに延びる第1傾斜板部14K1と、第1傾斜板部14K1の上端から鉛直方向に沿って上方に延びる第2板部14K2と、第2板部14K2の上端から左右内側かつ上方に向かって斜めに延びて左右のアーム部13の下端とつながる第3傾斜板部14K3とを一体に備えている。
図1~図4には拡幅部14Kの曲げの変曲点を線で示している。もちろん変曲点が明確でない連続的な曲面によって拡幅部14Kが形成されていても良い。
また、拡幅部14Kの形状調整によってアーム部13の間隔の調整が可能である。また、照明器具1を架台に取り付けた状態で強風を受けた際、拡幅部14Kによって、アーム部13から底フレーム部14に伝達される外力を緩和する効果も期待できる。
投光ユニット10毎にハンドル16を設け、各ハンドル16により各投光ユニット10の上下の向きを独立して調整可能にしたので、各投光ユニット10の向きの調整自由度を向上できる。
これに対し、本構成では、複数の投光ユニット10をアーム12にまとめて支持し、このアーム12を架台に取り付けるので、照明器具1をコンパクトにでき、架台の小型化、及び取付作業の短時間化や容易化がし易くなる。
次に投光ユニット10のケース21について説明する。なお、各投光ユニット10のケース21は同一部品である。
図5はケース21を前面カバー11と共に示す側面図である。
ケース21は、アルミニウム合金等の高熱伝導材のダイカスト成形によって形成されており、前方が開口する中空の箱形状に形成される。このケース21は、図3に示すように、照明器具1の前面視で、上下方向に比して左右方向に長い四角形状に形成されている。また、ケース21の背面には、多数の放熱フィンからなる放熱部22が一体に形成される。
また、これら張出部23は、各投光ユニット10の上下回動角(取付角度とも称する)を示す目盛表示体として機能する角度表示板31を取り付けるための一対の突出部23Bを有している。
次いで、ケース21とアーム12の連結構造、及び角度表示板31について説明する。
図6は上側の投光ユニット10のケース21とアーム12の連結構造の一例を示す分解斜視図であり、下側の張出部23とアーム12を連結する場合を示している。張出部23には、角度表示板31を間に挟んでアーム部13が取り付けられる。
角度表示板31は、断面凹状の円板形状に形成された表示本体32を有し、この表示本体32には、張出部23の締結孔23Aに連通する貫通孔32Aと、張出部23の一対の突出部23Bが係合する一対の係合孔32Bが設けられる。
表示本体32は、目盛り32Mの領域の少なくとも一部がアーム部13の外側に露出する(図2参照)。これにより、アーム12の外側から目盛り32Mを視認でき、印部13Sによって投光ユニット10の上下回動角を特定することができる。
ハンドル16の基端部には、アーム部13の裏側に配置される挟持部材43に通すねじ部16Aと、このハンドル16の基端部を所定の工具によって回転可能にする工具操作部16C(本構成では六角形状に張り出す形状)とが一体に設けられている。
ハンドル16のねじ部16Aは、挟持部材43の貫通孔43Aに通され、被締結部品であるナット46に締結される。これによって、挟持部材43とアーム部13との間に角度表示板31が挟持され、投光ユニット10の回動が規制される。
但し、投光ユニット10の回動を規制・解除する構造は、この構造に限定されず、他の回動規制構造を適用してもよい。
他方のストッパー35Bは、アーム部13の回動方向他側に位置するように、角度表示板31を裏側(投光ユニット10側)から貫通し、アーム部13が回動方向他側に回動した際にストッパー35Bに当接し、アーム部13のそれ以上の回動が規制される。
これらストッパー35A、35Bの位置を調整することによって、アーム12の回動範囲が規制される。本構成では、これらストッパー35A、35Bによって、各投光ユニット10の回動範囲を、隣接する他の投光ユニット10と接触しない範囲に規制している。
なお、ストッパー35A、35Bの構成は図6に示した構成に限定されず、投光ユニット10の回動範囲を規制可能な他の構成を適用してもよい。
投光ユニット10の上下回動角を調整する場合、その作業を行う作業員の位置によっては、角度表示板31の外側(アーム12側)の面に設けられた上記目盛り32Mを見難い場合がある。
そこで、本構成では、図7に示すように、角度表示板31の裏側、つまり、投光ユニット10側の面にも目盛り32Mを設けている。なお、図7では投光ユニット10を下側に30度傾けた例を示している。また、本構成では、図1に示すように、投光ユニット10の左側にも、右側と同様に、両面に目盛り32Mを設けた角度表示板31を設けている。
また、アーム部13の裏面(投光ユニット10側の面)にも、印部13Sと同様の印部13Sが設けられ、この印部13Sと目盛り32Mとによって、投光ユニット10の上下回動角を容易に確認でき、所望の角度に調整し易くなる。
本構成では、同図7に示すように、角度表示板31の裏側(投光ユニット10側)の面にも、目盛り32Mと印部13Sを設けている。これによって、下側の投光ユニット10の角度表示板31については、裏側から上下回動角を確認し易い。
前面カバー11は、投光ユニット10の前面10Fに着脱自在に取り付けられる。この前面カバー11は、投光ユニット10のケース21の左右から前方に延びる左右の側板部11Sと、左右の側板部11Sの上縁間をつなぐと共に前方に向けて延びる庇部11Tとを一体に備えている。
庇部11Tは、投光ユニット10の前面10Fから投光ユニット10の器具光軸に沿って前方へ延びる板形状を有し、より具体的には、器具光軸よりも前下がりの傾斜で前方へ延びる板形状に形成されている。また、左右の側板部11Sは、庇部31Tの左右端と投光ユニット10の前面10Fとの間を覆う側面視で台形状の板材で形成されている。
さらに、前面カバー11の側板部11Sの形状調整によって、投光ユニット10の左右へも漏れ光を抑制でき、左右への漏れ光による周囲環境への影響も抑制可能である。
図2に示すように、各投光ユニット10を水平方向の向きに調整した場合、各投光ユニット10から器具光軸に沿って出射される光の最大範囲である領域R1は互いに重ならず、各投光ユニット10から器具光軸に沿って出射される光が、隣接する他の投光ユニット10で遮られることがない。
また、上側の投光ユニット10を、下方に隣接する投光ユニット10よりも、光の照射側である前方にずらして支持するので、上側の投光ユニット10から器具光軸の下方に向けて出射される光についても下側の投光ユニット10で遮られ難くなる。
図8は各投光ユニット10を下方向きに調整した場合を示している。この図に示すように、各投光ユニット10を下方向きにした場合も、器具光軸に沿う光の最大範囲である領域R1は、各投光ユニット10で重ならず、各投光ユニット10から器具光軸に沿って出射される光が、隣接する他の投光ユニット10で遮られることがない。
また、上下の投光ユニット10をそれぞれ独立して回動できるので、上下の投光ユニット10の向きを異ならせることが可能であり、同じ器具光束を有する1台の投光ユニットに比して、照射範囲、及び空間照度等の調整自由度が向上する。
本発明の照明器具の技術を使用して例えば地面から斜め上方に光を照射する照明器具を作る場合には、本実施例とは逆に、照明器具1のアーム12を底フレーム部14から離れるほどアーム部13が照射側と逆方向に傾くように構成することで、上下の各投光ユニット10を斜め上方に向けても、各投光ユニット10を近接配置した状態に維持でき、同じ器具光束を有する1台の投光ユニットと同様の照射が可能である。
また、上下の投光ユニット10を独立して回動できるので、上下方向に広い照射が可能であり、上下方向に広い空間の照明がし易くなる。
また、複数の投光ユニット10は、上下に隣接する1組の投光ユニット10から構成されるが、上下に隣接する複数組の投光ユニット10から構成されてもよい。本構成では、各組の投光ユニット10のうち、上側の投光ユニット10の第1回動軸15Aは下側の投光ユニット10に寄せた位置に設けられ、下側の投光ユニット10の第2回動軸15Bは上側の投光ユニット10に寄せた位置に設けられるので、各投光ユニット10を回動しても各投光ユニット10を近接した状態に維持できる。
また、アーム12は、照明器具支持用の架台に取り付けられる取付部として機能する底フレーム部14を有し、底フレーム部14と各アーム部13との間に、拡幅部14Kを有するので、アーム部13と底フレーム部14との変形をそれぞれ抑制したり、アーム部13と底フレーム部14との連結強度を向上させたりすることができる。これにより、別体の補強部材を設けることなく、アーム12の剛性を高めることができる。
また、各投光ユニット10の回動範囲を、隣接する他の投光ユニット10と接触しない範囲に規制するストッパー35A、35Bを有するので、各投光ユニット10が接触する事態を容易に避けることができる。
さらに、角度表示板31は、投光ユニット10と一体に回動する構成とされ、角度表示板31には、この角度表示板31に対するアーム12の回動範囲を規制することによって、投光ユニット10の回動範囲を規制するストッパー35A、35Bが設けられる。これによって、角度表示板31を利用して投光ユニット10の回動範囲を規制でき、部品点数の削減やストッパー機構の簡易化を図ることができる。
(光学系について)
図9は投光ユニット10を光学系と共に正面から見た図であり、図10は図9のA-A断面図(横断面図)であり、図11は図9のB-B断面図(縦断面図)である。
投光ユニット10は、光源部51と反射体52との組み合わせからなる光源ユニット53を、上下方向に多列(本実施形態では2列)で備えると共に、水平方向にも多列(本実施形態では8列)で備えている。なお、各光源ユニット53は同一である。
光源部51は、複数(本実施形態では3個)の光源54を有し、これら光源54は上下方向に沿って配列される。各光源54には、例えば、COB型LED等のLEDが用いられる。COB型LEDは、SMD型LEDに比べ、1つの光源に多数のLED素子が集積されているため、高出力を得ることができる。なお、光源54はLEDに限定されず、LED以外の発光素子を用いてもよい。
これにより、図10に示すように、水平方向では、各光源54の光が反射鏡56によって高精度に配光制御される。図10及び図11中、符号L1は光源54の光軸(光源部51の光軸にも相当)を示し、符号LA~LLは各光源54の光の一部を示している。また、図10中、符号θAは、光軸L1を基準にして光源54から直接出射される範囲を示している。
なお、反射面56Aは、狭角配光とする反射面に限定されず、隣接する光源ユニット53で反射される光との重なりをグレアを抑制可能な範囲内に抑える反射面にすればよい。例えば、水平方向の光源ユニット53間の間隔を拡げた場合、中角配光に近い反射制御を行う反射面56Aにしてもよい。
このため、同図11に示すように、各切欠部56Kを通じて、各光源54から斜め下方に出射される光LD、LEが斜め下方に向けて出射される。これら光LD、LEは、図10に示した角度θA以上で光源54から出射される広角側の光である。
つまり、水平方向では反射面56Aに入射する広角側の光を、上下方向では、反射面56Aに入射させずに直接出射させることができ、隣接する各光源54からの光が重なることで、上下方向に広い角度範囲で投光ユニット10から光を照射することができる。
これに対し、本構成では、反射鏡56の反射面56Aを相対的に狭角の配光タイプとし、各反射面56Aの一部を互いにオーバーラップさせた状態で連接し、オーバーラップさせた箇所である切欠部56Kを通じて、光源54からの広角側の光LD、LEを出射させるので、水平方向にはグレアを抑制可能に配光制御し、上下方向には広い角度範囲に光を照射することができる。
また、図11に示すように、切欠部56Kの下方に連なる反射鏡56に対応する光源54からは、斜め上方に向けて広域側の光LJ、LKが出射され、これら光LJ、LKも切欠部56Kを通じて投光ユニット10から照射される。
本構成では、切欠部56Kを通じて上方に照射される光LJ、LKは、前面カバー11の庇部11Tに入射し、庇部11Tによって下方に向けて反射される。
また、光源54から上方に向けて出射される光の一部(図11中、例えば光LL)についても、庇部11Tに入射し、庇部11Tによって下方に向けて反射される。
また、反射面56Aは、光源54の光を狭角配光とする反射面に形成されるので、光源54の光の出射範囲を相対的に狭い範囲に絞りながら、上下方向には広い角度範囲に照射できる。
例えば、照明器具1は、アーム12に2台の投光ユニット10を上下方向に並べて支持する場合を例示したが、3台以上の投光ユニット10を上下方向に並べて支持してもよい。また、投光ユニット10及びアーム12の形状、及び各部の構成を適宜に変更してもよい。
また、角度表示板31の形状及び構成についても適宜に変更してもよい。また、上述の実施形態では、角度表示板31を、各投光ユニット10の左右にそれぞれ設ける場合を説明したが、左右一方に設けるようにしてもよい。左右一方に角度表示板31を設けた場合でも、この角度表示板31には両面に目盛り32Mを有するので、片面にしか目盛り32Mを有しない場合と比べ、投光ユニット10の回動角を確認し易くなる。
10 投光ユニット
10F 投光ユニットの前面(光出射面)
11 前面カバー(前側部材)
11S 側板部
11T 庇部
11X 光反射面
12 アーム
13 アーム部
13S 印部
14 底フレーム部
14K 拡幅部
15A 第1回動軸
15B 第2回動軸
16 ハンドル
21 ケース
22 放熱部
23 張出部(回動軸取付部)
31 角度表示板(両面目盛表示体)
32 表示本体
32M 目盛り
35A、35B ストッパー
43 挟持部材
51 光源部
52 反射体
53 光源ユニット
54 光源
56 反射鏡
56A 反射面
56K 切欠部
R1 投光ユニット毎の器具光軸に沿う光の最大範囲
L 器具光軸の方向
DA 投光ユニットの離間距離
LA~LL 光源の光
θ 傾斜角度
θA 直接光範囲を示す角度
Claims (7)
- 光源部と、光源部の光を反射する反射体とを有する投光ユニットを備え、前記投光ユニットの光をスタジアムに投光するスタジアム用投光器において、
前記反射体は、放物面又は楕円反射面からなる反射面を有する複数の反射鏡を有し、各反射鏡は、各反射面の一部を互いにオーバーラップさせた状態で上下方向に連接され、前記オーバーラップさせた箇所を通じて、水平方向では前記反射面に入射する前記光源部の広角側の光を、上下方向では直接出射させ、
前記投光ユニットの、上端に位置する反射鏡の上側の反射面及び下端に位置する反射鏡の下側の反射面は、水平方向では前記反射面に入射する前記光源部の広角側の光を反射させる反射面であることを特徴とするスタジアム用投光器。 - 前記光源部は、前記反射鏡毎に光源を有することを特徴とする請求項1に記載のスタジアム用投光器。
- 前記反射面は、前記光源の光を狭角配光とする反射面であることを特徴とする請求項2に記載のスタジアム用投光器。
- 前記反射体と前記光源部とからなる光源ユニットを、少なくとも水平方向に複数個配列していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスタジアム用投光器。
- 前記光源ユニットを、上下方向に複数個配列していることを特徴とする請求項4に記載のスタジアム用投光器。
- 前記投光ユニットの光出射側である前側に設けられ、
前記投光ユニットから出射される上下方向の光の一部が入射し、所定方向に反射する前側部材を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスタジアム用投光器。 - 前記投光ユニットの、上端に位置する反射鏡の上側の反射面及び下端に位置する反射鏡の下側の反射面は、前記オーバーラップさせた箇所よりも光出射側である前側に延長する放物面又は楕円反射面であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスタジアム用投光器。
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