JP7116421B2 - タンパク質凝集防止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、タンパク質凝集防止剤に関する。本発明のタンパク質凝集防止剤は、界面活性剤を使用しなくても、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集を防止することから、例えば、酵素の保存剤、抗体医薬、体内のアミロイド凝集抑制剤などの種々のタンパク質の凝集防止が望まれる用途に使用することが期待されるものである。
酸性条件下でのタンパク質の凝集を防止することができるタンパク質凝集防止剤として、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルおよびポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含むタンパク質凝集防止剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記タンパク質凝集防止剤は、界面活性剤が使用されていることから、酸性条件下である程度のタンパク質の凝集を抑制することができる。
しかし、タンパク質凝集防止剤に界面活性剤が含まれている場合、当該タンパク質凝集防止剤の用途に制約があることから、近年、界面活性剤を使用しなくてもタンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤の開発が望まれている。
特開2006-343201号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、界面活性剤を使用しなくても、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を提供することを課題とする。
本発明は、以下のものに関する。
[1] タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤であって、
式(II):
Figure 0007116421000001
(式(II)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示す)で表されるスルホベタインモノマーに由来する繰り返し単位を有する末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーと、
貴金属粒子と
を含有し、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが、スルファニル基によって貴金属粒子に化学吸着していることを特徴とするタンパク質凝集防止剤。
[2] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが、さらにカルボキシル基を有する前記[1]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[3] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが、式(II)で表されるスルホベタインモノマー、および式(III):
HOOC-R-S-C(=S)-S-R (III)
(式(III)中、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、カルボキシル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基を示す)
で表される化合物を含むモノマー成分を重合することによってスルホベタインポリマーを調製し、得られたスルホベタインポリマーを還元することによって得られるものである、前記[1]または[2]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[4] Rが、シアノ基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基である前記[3]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[5] Rが、炭素数1~8のアルキレン基である前記[3]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[6] Rが、炭素数1~6のアルキレン基である前記[3]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[7] Rが、カルボキシル基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基である前記[3]~[6]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[8] Rが、炭素数1~18のアルキル基である前記[3]~[6]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[9] Rが、炭素数1~12のアルキル基である前記[3]~[6]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[10] 式(III)で表される化合物が、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸、4-[(2-カルボキシエチルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]-4-シアノペンタン酸、2-{[(2-カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸、4-シアノ-4-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸および2-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸からなる群から選ばれる少なくとも一つである前記[3]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[11] 式(III)で表される化合物が、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸である前記[3]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[12] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量が、3,000~140,000である前記[1]~[11]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[13] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量が、4,000~70,000である前記[1]~[11]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[14] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量が、4,500~56,000である前記[1]~[11]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[15] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが、式(IV):
Figure 0007116421000002
(式(IV)中、n個のRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、n個のXは、それぞれ独立して-NH-基または-O-基を示し、およびnは、平均重合度であって、10~500の数を示す)
で表される前記[1]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[16] 式(IV)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、炭素数1~8のアルキレンを示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示す前記[15]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[17] Rが、シアノ基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基である前記[15]または[16]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[18] Rが、炭素数1~8のアルキレン基である前記[15]または[16]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[19] Rが、炭素数1~6のアルキレン基である前記[15]または[16]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[20] nが、15~400である前記[15]~[19]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[21] nが、20~200である前記[15]~[19]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[22] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの量が、貴金属粒子100質量部あたり、5~60質量部である前記[1]~[21]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[23] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの量が、貴金属粒子100質量部あたり、10~40質量部である前記[1]~[21]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[24] タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤であって、式(I):
Figure 0007116421000003
(式(I)中、n個のRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、n個のXは、それぞれ独立して-NH-基または-O-基を示し、およびnは、平均重合度であって、10~500の数を示す)
で表される基を表面に有する貴金属粒子を含有することを特徴とするタンパク質凝集防止剤。
[25] 式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、炭素数1~8のアルキレンを示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示す前記[24]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[26] Rが、シアノ基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基である前記[24]または[25]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[27] Rが、炭素数1~8のアルキレン基である前記[24]または[25]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[28] Rが、炭素数1~6のアルキレン基である前記[24]または[25]に記載のタンパク質凝集防止剤。
[29] nが、15~400である前記[24]~[28]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[30] nが、20~200である前記[24]~[28]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[31] 式(I)で表される基の量が、貴金属粒子100質量部あたり、5~60質量部である前記[24]~[30]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[32] 式(I)で表される基の量が、貴金属粒子100質量部あたり、10~40質量部である前記[24]~[30]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[33] Rが、水素原子である前記[1]~[32]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[34] Rが、-(CH)-基、-(CH-基または-(CH-基である前記[1]~[33]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[35] Rが、-(CH-基である前記[1]~[33]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[36] Rが、メチル基、エチル基またはプロピル基である前記[1]~[35]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[37] Rが、メチル基またはエチル基である前記[1]~[35]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[38] Rが、メチル基である前記[1]~[35]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[39] Rが、メチル基、エチル基またはプロピル基である前記[1]~[38]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[40] Rが、メチル基またはエチル基である前記[1]~[38]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[41] Rが、メチル基である前記[1]~[38]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[42] Rが、-(CH)-基、-(CH-基または-(CH-基である前記[1]~[41]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[43] Rが、-(CH-基である前記[1]~[41]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[44] Xが、-NH-基である前記[1]~[43]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[45] 貴金属が、金、白金または銀である前記[1]~[44]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[46] 貴金属が、金である前記[1]~[44]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[47] 貴金属粒子の平均粒子径が、1~100nmである前記[1]~[46]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[48] 貴金属粒子の平均粒子径が、1~20nmである前記[1]~[46]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[49] 貴金属粒子の平均粒子径が、1~10nmである前記[1]~[46]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤。
[50] タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤の製造方法であって、前記式(II)で表されるスルホベタインモノマー、および前記式(III)で表される化合物を含むモノマー成分を重合することによって、スルホベタインポリマーを調製し、
得られたスルホベタインポリマーを還元することによって、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを調製し、
得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを貴金属粒子と混合することを含む方法。
[51] 式(III)で表される化合物の量が、式(II)で表されるスルホベタインモノマー1モルあたり、0.01~0.5モルである前記[50]に記載の方法。
[52] 式(III)で表される化合物の量が、式(II)で表されるスルホベタインモノマー1モルあたり、0.03~0.3モルである前記[50]に記載の方法。
[53] 貴金属粒子の量が、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマー100質量部あたり、10~100質量部である前記[50]~[52]のいずれか一つに記載の方法。
[54] 貴金属粒子の量が、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマー100質量部あたり、20~70質量部である前記[50]~[52]のいずれか一つに記載の方法。
[55] タンパク質と、溶媒または分散媒と、前記[1]~[49]のいずれか一つに記載のタンパク質凝集防止剤とを混合することを含む、タンパク質の凝集を防止する方法。
[56] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子の量または式(I)で表される基を表面に有する貴金属粒子の量が、タンパク質1質量部あたり、0.01~10質量部となるように、タンパク質凝集防止剤を使用する前記[55]に記載の方法。
[57] 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子の量または式(I)で表される基を表面に有する貴金属粒子の量が、タンパク質1質量部あたり、0.1~1質量部となるように、タンパク質凝集防止剤を使用する前記[55]に記載の方法。
[58] タンパク質と、溶媒または分散媒と、タンパク質凝集防止剤とを含む混合物中のタンパク質の含有率が0.001~20質量%となるように、タンパク質と、溶媒または分散媒と、タンパク質凝集防止剤とを混合する前記[55]~[57]のいずれか一つに記載の方法。
[59] タンパク質と、溶媒または分散媒と、タンパク質凝集防止剤とを含む混合物中のタンパク質の含有率が0.01~10質量%となるように、タンパク質と、溶媒または分散媒と、タンパク質凝集防止剤とを混合する前記[55]~[57]のいずれか一つに記載の方法。
本発明によれば、界面活性剤を使用しなくても、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤が提供される。
本発明のタンパク質凝集防止剤は、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーと、貴金属粒子とを含有し、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが、スルファニル基によって貴金属粒子に化学吸着していることを特徴とする。ここで、化学吸着とは、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーのスルファニル基(-SH)の硫黄原子と貴金属粒子とが配位結合を形成しているか、またはスルファニル基から水素原子が脱離し、その硫黄原子と貴金属粒子とが共有結合を形成していることを意味する。
末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーは、式(II):
Figure 0007116421000004
で表されるスルホベタインモノマーに由来する繰り返し単位を有する。前記繰り返し単位は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
式(II)において、Rは、水素原子またはメチル基であり、好ましくは水素原子である。
は、炭素数1~4のアルキレン基である。本発明において、アルキレン基は、直鎖状でもよく、分枝鎖状でもよい。以下に記載のアルキレン基も同様である。炭素数1~4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基(-(CH)-)、エチレン基(-(CH-)、プロピレン基(例、-(CH-)およびブチレン基(例、-(CH-)が挙げられる。これらの基のなかでは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、メチレン基、エチレン基およびプロピレン基が好ましく、-(CH)-基、-(CH-基および-(CH-基がより好ましく、-(CH-基がさらに好ましい。
およびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基である。本発明において、アルキル基は、直鎖状でもよく、分枝鎖状でもよい。以下に記載のアルキル基も同様である。炭素数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基が挙げられる。これらの基のなかでは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、メチル基、エチル基およびプロピル基が好ましく、メチル基およびエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
は、炭素数1~4のアルキレン基である。炭素数1~4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基(-(CH)-)、エチレン基(-(CH-)、プロピレン基(例、-(CH-)およびブチレン基(例、-(CH-)が挙げられる。これらの基のなかでは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、メチレン基、エチレン基およびプロピレン基が好ましく、-(CH)-基、-(CH-基および-(CH-基がより好ましく、-(CH-基がさらに好ましい。
Xは、-NH-基または-O-基である。これらの基のなかでは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、-NH-基が好ましい。
式(II)で表されるスルホベタインモノマーとしては、例えば、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリルアミドブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネートなどの3-[(3-(メタ)アクリルアミドアルキル)ジアルキルアンモニオ]アルカン-1-スルホネート;
3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]エタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシメチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシエチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシプロピル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジメチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジエチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジプロピルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-アクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネート、3-[(3-メタクリロイルオキシブチル)ジブチルアンモニオ]ブタン-1-スルホネートなどの3-[(3-(メタ)アクリロイルオキシアルキル)ジアルキルアンモニオ]アルカン-1-スルホネートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのスルホベタインモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味する。アクリルアミドおよびメタクリルアミドは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。アクリレートおよびメタクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。アクリル酸およびメタクリル酸は、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーは、本発明の目的を阻害しない範囲内で、式(II)で表されるスルホベタインモノマーとは異なる他のモノマーに由来する繰り返し単位を有していてもよい。他のモノマーとしては、例えば、水溶性モノマーが挙げられる。
水溶性モノマーは、25℃の水100gに対して50g以上の量で溶解する性質を有するモノマーを意味する。水溶性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリルモルホリド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-モノメチル(メタ)アクリルアミド、N-モノエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水溶性モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの水溶性モノマーのなかでは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から(メタ)アクリルアミド、N-ビニルピロリドンおよび(メタ)アクリロニトリルが好ましく、(メタ)アクリルアミドおよびN-ビニルピロリドンがより好ましい。
また、他のモノマーとしては、例えば、水不溶性モノマーが挙げられる。水不溶性モノマーは、25℃の水100gに対して50g未満の量で溶解する性質を有するモノマーを意味する。
水不溶性モノマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ基含有(メタ)アクリレート、脂環基含有(メタ)アクリレート、アリール基含有(メタ)アクリレート、アリール基含有(メタ)アクリレート以外の芳香族系モノマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水不溶性モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルコキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルコキシ基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
脂環基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの脂環基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アリール基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの炭素数6~15のアリール基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアリール基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アリール基含有(メタ)アクリレート以外の芳香族系モノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの芳香族系モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
式(II)で表されるスルホベタインモノマーとは異なる他のモノマーに由来する繰り返し単位の量は、式(II)で表されるスルホベタインモノマーおよび他のモノマーに由来する全ての繰り返し単位の量あたり、好ましくは50モル%未満、より好ましくは30モル%未満、さらに好ましくは10モル%未満である。
式(II)で表されるスルホベタインモノマーおよび必要に応じて他のモノマーを含むモノマー成分を重合させる方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合法のなかでは、溶液重合法が好ましい。
モノマー成分を溶液重合法によって重合させる場合には、例えば、モノマー成分を水性溶媒に溶解させ、得られた溶液を攪拌しながら重合開始剤を当該溶液に添加することによってモノマー成分を重合させることができるほか、重合開始剤を水性溶媒に溶解させ、得られた溶液を撹拌しながらモノマー成分を当該溶液に添加することによってモノマー成分を重合させることができる。
水性溶媒は、水または水と水以外の親水性有機溶媒との混合溶媒である。水性溶媒における水の含有率は、通常、50質量%以上、100質量%以下である。
親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの炭素数が1~4の1価の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライムなどのエーテル;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどのアミド;ジメチルスルホキシド、スルホランなどのイオウ含有有機溶媒などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの親水性有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの親水性有機溶媒のなかでは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、炭素数が1~4の1価の脂肪族アルコールが好ましく、メタノール、エタノールおよびプロパノールがより好ましく、メタノールおよびエタノールがさらに好ましい。
水性溶媒の量は、特に限定されないが、通常、モノマー成分100質量部あたり、50~400質量部であることが好ましく、100~350質量部であることがより好ましい。
モノマー成分を重合させる際には、得られるスルホベタインポリマーの分子量を調製するために連鎖移動剤を用いることが好ましい。好適な連鎖移動剤としては、例えば、カルボキシル基を有するチオカルボニルチオ基含有化合物などが挙げられる。
カルボキシル基を有するチオカルボニルチオ基含有化合物は、好ましくは式(III):
HOOC-R-S-C(=S)-S-R (III)
(式(III)中、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、カルボキシル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基を示す)で表される化合物である。式(III)で表される化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
式(III)のRのなかでは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、シアノ基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1~8のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1~6のアルキレン基であることがさらに好ましい。
は、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、カルボキシル基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~18のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~12のアルキル基であることがさらに好ましい。
式(III)で表される化合物としては、例えば、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸、4-[(2-カルボキシエチルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]-4-シアノペンタン酸、2-{[(2-カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸、4-シアノ-4-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、2-[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボキシル基を有するチオカルボニルチオ基含有化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中で、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸が好ましい。
モノマー成分中において、式(II)で表されるスルホベタインモノマー1モルあたりの、式(III)で表される化合物の量は、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、好ましくは0.01~0.5モル、より好ましくは0.03~0.3モルである。
式(II)で表されるスルホベタインモノマーおよび式(III)で表される化合物を含むモノマー成分を重合することによってスルホベタインポリマーを調製し、得られたスルホベタインモノマーを後述するように還元することによって、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを製造することが好ましい。
末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーは、式(II)で表されるスルホベタインモノマーとは異なる他のモノマーに由来する繰り返し単位を有していてもよいが、式(II)で表されるスルホベタインモノマーに由来する繰り返し単位、並びに式(III)で表されるチオカルボニルチオ基含有化合物に由来する構造(HOOC-R-)およびスルファニル基(-SH)からなることが好ましい。
モノマー成分を重合させる際には、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾイソブチロニトリル、アゾイソ酪酸メチル、アゾビスジメチルバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ベンゾフェノン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、ベンゾケトン誘導体、フェニルチオエーテル誘導体、アジド誘導体、ジアゾ誘導体、ジスルフィド誘導体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。重合開始剤の量は、特に限定されないが、通常、モノマー成分100質量部あたり0.05~20質量部程度であることが好ましい。
モノマー成分を重合させる際の重合反応温度および雰囲気については、特に限定がない。通常、重合反応温度は、50~120℃程度である。重合反応時の雰囲気は、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気であることが好ましい。また、モノマー成分の重合反応時間は、重合反応温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、3~20時間程度である。
以上のようにしてモノマー成分を重合させることにより、スルホベタインポリマーが得られる。スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、好ましくは3,000~140,000、より好ましくは4,000~70,000、さらに好ましくは4,500~56,000である。スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、以下の実施例の欄(調製例1)に記載の方法に基づいて測定したときの値である。
スルホベタインポリマーの平均重合度は、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、好ましくは10~500、より好ましくは15~400、さらに好ましくは20~200である。
スルホベタインポリマーの平均重合度は、以下の実施例の欄(調製例1)に記載の方法に基づいて測定した重量平均分子量、並びにポリマーの合成に使用したスルホベタインモノマー(特に、式(II)で表されるスルホベタインモノマー)および連鎖移動剤(特に、式(III)で表される化合物)の分子量から算出される値である。
前記で得られたスルホベタインポリマーを還元させることにより、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを製造することができる。
末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、好ましくは3,000~140,000、より好ましくは4,000~70,000、さらに好ましくは4,500~56,000である。末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、以下の実施例の欄(調製例1)に記載の方法と同様にして測定することができる。また、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、以下の実施例の欄(調製例1)に記載の方法に基づいて測定した、前駆体であるスルホベタインポリマーの重量平均分子量から算出することができる。
末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーは、好ましくは、式(IV):
Figure 0007116421000005
(式(IV)中、n個のRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、n個のXは、それぞれ独立して-NH-基または-O-基を示し、およびnは、平均重合度であって、10~500の数を示す)
で表される末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーである。
nは、式(IV)で表される末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの平均重合度である。nは、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集抑制効果に優れたタンパク質凝集防止剤を得る観点から、好ましくは15~400、より好ましくは20~200である。
式(IV)で表される末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの平均重合度は、その前駆体であるスルホベタインポリマーの平均重合度と同じである。そのため、前駆体であるスルホベタインポリマーの平均重合度を上述のようにして算出することによって、式(IV)で表される末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの平均重合度も算出することができる。また、式(IV)で表される末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量を、以下の実施例の欄(調製例1)に記載の方法と同様にして測定することよって、その平均重合度を算出してもよい。
式(IV)で表される末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーにおける繰り返し単位は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。即ち、n個のRは、それぞれ同じものでもよく、異なるものでもよい。n個のR、n個のR、n個のR、n個のRおよびn個のXも同様である。
式(IV)で表される末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーにおける繰り返し単位は、1種のみであることが好ましい。即ち、式(IV)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示すことが好ましい。この態様において、Rが、炭素数1~8のアルキレンであることがより好ましい。
式(IV)中のR~RおよびXの好ましい基の説明は、式(II)における上記説明と同じであり、式(IV)中のRの好ましい基の説明は、式(III)における上記説明と同じである。
前記スルホベタインポリマーの還元のために、還元剤を使用することが望ましい。その還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、ジメチルアミンボランなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記還元剤は、通常、濃度が1~20質量%程度の水溶液として用いられる。前記スルホベタインポリマーを当該水溶液と混合し、得られた混合物に含まれているスルホベタインポリマーを室温~80℃程度の温度にて2~10時間程度還元剤で還元させることにより、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを得ることができる。
前記で得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーは、必要により、濾取し、水洗してもよい。
前記で得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーおよび貴金属粒子を混合することによって、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子を製造することができる。但し、本発明は、このような方法のみに限定されるものではない。
貴金属粒子としては、例えば、金、白金、銀などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの貴金属のなかでは、タンパク質凝集抑制効果を向上させる観点から、金が好ましい。貴金属粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、分散安定性の観点から、1~100nmであることが好ましく、1~20nmであることがより好ましく、1~10nmであることがさらに好ましい。この平均粒子径は、レーザー回析粒度分布測定装置〔(株)島津製作所製、品番:SALD7000〕で測定したときの値であり、体積平均粒子径を意味する。
末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーと貴金属粒子とを混合する際、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマー100質量部あたりの貴金属粒子の量は、特に限定されないが、表面被覆率の観点から、好ましくは10~100質量部、より好ましくは20~70質量部である。
末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーと貴金属粒子とを混合するときの温度は、室温~80℃程度であり、混合時間は、混合手段によって異なるが、通常、10~30時間程度である。
次に、前記混合物を、必要により遠心分離することによって、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子と、化学吸着していない末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーとを分離することができる。遠心分離された末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子は、水中に分散させ、得られた水分散体を濾過することにより、回収することができる。
本発明のタンパク質凝集防止剤中における末端スルファニル基含有スルホベタインポリマー(即ち、貴金属粒子に化学吸着した末端スルファニル基含有スルホベタインポリマー)の量は、特に限定されないが、タンパク質凝集抑制効果を向上させるとともに分散安定性を向上させる観点から、貴金属粒子100質量部あたり、好ましくは5~60質量部、より好ましくは10~40質量部である。
本発明のタンパク質凝集防止剤は、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子を含有するものであり、前記貴金属粒子のみで構成されていてもよく、必要により、本発明の目的を阻害しない範囲内で、水などの溶媒、添加剤を含有していてもよい。

末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子は、好ましくは、式(I):
Figure 0007116421000006
(式(I)中、n個のRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、n個のXは、それぞれ独立して-NH-基または-O-基を示し、およびnは、平均重合度であって、10~500の数を示す)
で表される基を表面に有する貴金属粒子である。
式(I)中のn(平均重合度)の説明は、式(IV)におけるn(平均重合度)の説明と同じである。
式(I)で表される基における繰り返し単位は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。即ち、n個のRは、それぞれ同じものでもよく、異なるものでもよい。n個のR、n個のR、n個のR、n個のRおよびn個のXも同様である。
式(I)で表される基における繰り返し単位は、1種のみであることが好ましい。即ち、式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示すことが好ましい。この態様において、Rが、炭素数1~8のアルキレンであることがより好ましい。
式(I)中のR~RおよびXの好ましい基の説明は、式(II)における上記説明と同じであり、式(I)中のRの好ましい基の説明は、式(III)における上記説明と同じである。
本発明のタンパク質凝集防止剤中における式(I)で表される基の量は、特に限定されないが、タンパク質凝集抑制効果を向上させるとともに分散安定性を向上させる観点から、貴金属粒子100質量部あたり、好ましくは5~60質量部、より好ましくは10~40質量部である。
本発明のタンパク質凝集防止剤は、タンパク質凝集抑制効果に優れていることから、例えば、酵素の保存剤、抗体医薬、体内のアミロイド凝集抑制剤などの種々のタンパク質の凝集防止が望まれる用途に使用することが期待されるものである。
本発明は、タンパク質と、溶媒または分散媒と、上述のタンパク質凝集防止剤とを混合することを含む、タンパク質の凝集を防止する方法を提供する。この方法において、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子の量または式(I)で表される基を表面に有する貴金属粒子の量は、タンパク質1質量部あたり、好ましくは0.01~10質量部、より好ましくは0.1~1質量部である。なお、前記「末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが化学吸着した貴金属粒子の量」とは「化学吸着した末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの量と貴金属粒子の量との合計」を意味し、「式(I)で表される基を表面に有する貴金属粒子の量」とは「式(I)で表される基の量と貴金属粒子の量との合計」を意味する。
溶媒または分散媒としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、水、トリスバッファー等が挙げられる。
タンパク質としては、例えば、リゾチーム、アルブミン、グロブリン、プロラミン、グルテリン、サイトカイン、インスリン、抗体、膜タンパク、糖タンパク等が挙げられる。
タンパク質と、溶媒または分散媒と、上述のタンパク質凝集防止剤とを含む混合物中のタンパク質の含有率は、好ましくは0.001~20質量%、より好ましくは0.01~10質量%である。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
調製例1
攪拌棒、ジムロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1L容のフラスコ内に、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート12mmol、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸0.6mmolおよび重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.12mmolをメタノール45mLおよび水15mLからなる混合溶媒60mLに溶解させることにより、溶液を得た。得られた溶液をフラスコ内に入れ、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコ内の内容物を70℃に昇温し、1時間撹拌した。その後、フラスコ内のモノマー成分を6時間重合させることにより、反応混合物を得た。得られた反応混合物を濾取し、メタノールおよび水を用いて洗浄し、乾燥させることにより、スルホベタインポリマーを得た。
次に、得られたスルホベタインポリマーの平均重合度をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析装置〔フェノメネックス社(Phenomenex,Ink)製、商品名:BioSeps2000〕および高速液体クロマトグラフィーデータシステム〔(株)島津製作所製、示差屈折率検出器〕で調べたところ、スルホベタインポリマーの重量平均分子量は6,000であった。この重量平均分子量、スルホベタインモノマー(即ち、3-[(3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-1-スルホネート)の分子量(278)および式(III)で表される化合物(即ち、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-2-メチルプロピオン酸)の分子量(364)を用いた次式から平均重合度(n)は20と算出された:n=(6,000-364)/278=20。
なお、前記で得られたスルホベタインポリマーの平均重合度をGPCで調べる際に展開液として0.1M臭化ナトリウム水溶液(pH:7.4)を用いた。また、標準液として昭和電工(株)製のプルランを用いた。
次に、前記で得られたスルホベタインポリマー10gを常温の5%水素化ホウ素ナトリウム水溶液100gに添加し、4時間撹拌することにより、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを含有する反応溶液を得た。得られた末端スルファニル基スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量は、その前駆体であるスルホベタインポリマーの重量平均分子量から5,800と算出した。
前記で得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを含有する反応溶液を濾過することにより、生成した末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを回収し、回収された末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを水洗することにより、精製した。
実施例1
調製例1で得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマー100gおよび金微粒子(平均粒子径:5nm)30gを混合し、得られた混合物を室温下で24時間撹拌することにより、式(I)で表される基を表面に有する金微粒子を含有する混合物を得た。
前記で得られた式(I)で表される基を表面に有する金微粒子を含有する混合物を遠心分離機に入れ、室温で回転数12,000rpmにて180分間撹拌することにより、式(I)で表される基を表面に有する金微粒子を分離し、分離された前記金微粒子を水中に分散させ、濾過により、前記金微粒子を回収し、これをタンパク質凝集防止剤として用いた。得られたタンパク質凝集防止剤中の式(I)で表される基の量(即ち、化学吸着した末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの量)は、金微粒子100質量部あたり、25質量部であった。
式(I)で表される基を表面に有する金微粒子を水に添加して、前記金微粒子の含有量が1質量%である分散液を調製した。得られた分散液に、リゾチームを含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を添加および混合して、混合物を得た(タンパク質(リゾチーム)1質量部あたりの式(I)で表される基を表面に有する金微粒子の量:0.56質量部、混合物中のタンパク質(リゾチーム)の含有率:0.05質量%)。得られた混合物を目視によって観察したが、リゾチームの凝集が認められなかった。
次に、前記で得られた混合物を90℃の温度で30分間加熱した後、室温に冷却した。この冷却した混合物を室温下で回転数12,000rpmにて30分間撹拌した後、上澄み液を回収し、波長280nmにおける吸光度を分光光度計〔(株)島津製作所、品番:UV-1600PC〕で測定し、リゾチーム由来の280nmの吸光度から上澄み液中の溶存リゾチーム量を定量した。
前記で定量した溶存リゾチーム量から、タンパク質凝集抑制率(%)を次式:
[タンパク質凝集抑制率(%)]
=([溶存リゾチーム量]÷[分散液に添加したリゾチーム量])×100
に基づいて求めたところ、タンパク質凝集抑制率は13%であった。
比較例1
調製例1で得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーをタンパク質凝集防止剤として用い、実施例1と同様にしてタンパク質凝集抑制効果を調べた。その結果、タンパク質凝集抑制率は0.02%であった。
比較例2
金微粒子(平均粒子径:5nm)をタンパク質凝集防止剤として用い、実施例1と同様にしてタンパク質凝集抑制効果を調べた。その結果、タンパク質凝集抑制率は9.0%であった。
実施例1および比較例1~2の結果から、実施例1で得られたタンパク質凝集抑制剤(即ち、式(I)で表される基を表面に有する金微粒子)は、比較例1で得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーからなるタンパク質凝集抑制剤および比較例2で得られた金微粒子からなるタンパク質凝集抑制剤と対比して、タンパク質凝集抑制効果に格別顕著に優れていることがわかる。
本発明のタンパク質凝集防止剤は、界面活性剤を使用しなくても、リゾチーム活性を維持し、タンパク質の凝集を効果的に抑制することができることから、例えば、酵素の保存剤、抗体医薬、体内のアミロイド凝集抑制剤などの種々のタンパク質の凝集防止が望まれる用途に使用することが期待されるものである。
したがって、本発明のタンパク質凝集防止剤は、例えば、食品加工分野、抗体医薬分野、移植医療分野、酵素製造分野、製薬関連分野などの種々の分野で使用することが期待される。
本願は、日本で出願された特願2016-130596号を基礎としており、その内容は本願明細書に全て包含される。

Claims (14)

  1. タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤であって、
    式(II):
    Figure 0007116421000007

    (式(II)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示す)で表されるスルホベタインモノマーに由来する繰り返し単位を有する末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーと、
    金粒子と
    を含有し、
    末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが、スルファニル基によって金粒子に化学吸着しており、並びに
    末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーが、式(II)で表されるスルホベタインモノマー、および式(III):
    HOOC-R-S-C(=S)-S-R (III)
    (式(III)中、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、カルボキシル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基を示す)
    で表される化合物を含むモノマー成分を重合させてなるスルホベタインポリマーの還元体であることを特徴とするタンパク質凝集防止剤。
  2. 式(III)中、Rは、シアノ基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、カルボキシル基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基を示す請求項1に記載のタンパク質凝集防止剤。
  3. 式(III)中、Rは、炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、炭素数1~18のアルキル基を示す請求項1に記載のタンパク質凝集防止剤。
  4. 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの重量平均分子量が、3,000~140,000である請求項1~3のいずれか一項に記載のタンパク質凝集防止剤。
  5. 末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーの量が、金粒子100質量部あたり、5~60質量部である請求項1~4のいずれか一項に記載のタンパク質凝集防止剤。
  6. タンパク質の凝集を防止するために用いられるタンパク質凝集防止剤であって、式(I):
    Figure 0007116421000008

    (式(I)中、n個のRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、n個のRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、n個のXは、それぞれ独立して-NH-基または-O-基を示し、およびnは、平均重合度であって、10~500の数を示す)
    で表される基を表面に有する金粒子を含有することを特徴とするタンパク質凝集防止剤。
  7. 式(I)中、Rは、シアノ基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示す請求項6に記載のタンパク質凝集防止剤。
  8. 式(I)中、Rは、炭素数1~8のアルキレン基を示す請求項6に記載のタンパク質凝集防止剤。
  9. 式(I)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、Rは、炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示す請求項6に記載のタンパク質凝集防止剤。
  10. 式(I)で表される基の量が、金粒子100質量部あたり、5~60質量部である請求項6~9のいずれか一項に記載のタンパク質凝集防止剤。
  11. 金粒子の平均粒子径が、1~100nmである請求項1~10のいずれか一項に記載のタンパク質凝集防止剤。
  12. 請求項1に記載のタンパク質凝集防止剤の製造方法であって、
    式(II):
    Figure 0007116421000009

    (式(II)中、Rは、水素原子またはメチル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1~4のアルキレン基を示し、およびXは、-NH-基または-O-基を示す)
    で表されるスルホベタインモノマー、および式(III):
    HOOC-R-S-C(=S)-S-R (III)
    (式(III)中、Rは、シアノ基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、カルボキシル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基を示す)
    で表される化合物を含むモノマー成分を重合することによって、スルホベタインポリマーを調製し、
    得られたスルホベタインポリマーを還元することによって、末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを調製し、
    得られた末端スルファニル基含有スルホベタインポリマーを金粒子と混合することを含む方法。
  13. 式(III)中、Rは、シアノ基を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、カルボキシル基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基を示す請求項12に記載の方法。
  14. 式(III)中、Rは、炭素数1~8のアルキレン基を示し、およびRは、炭素数1~18のアルキル基を示す請求項12に記載の方法。
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