JP7113034B2 - 多孔成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔成形体に関する。
多孔成形体として、微小な空孔部がフィルム面に沿って規則的に複数並んで形成されることによりハニカム構造とされたフィルム状の多孔成形体(以下、多孔フィルムと称する)が知られている。このハニカム構造を有する多孔フィルムは、結露法(Breath Figure法とも呼ばれる)により製造される。結露法は、フィルムを形成するための疎水性の素材が含まれる溶液を流延することにより流延膜を形成し、この流延膜に結露させた後に溶媒と水滴とを蒸発させることによりフィルムを製造する方法である。この結露法で得られる多孔フィルムは、水滴が鋳型となって極めて微小な多数の空孔部が規則的な配列をなした状態に形成されているので、例えば、細胞を培養する培養担体(細胞培養基材)、癒着防止材料、あるいはろ過フィルタなどの医療分野に有用である。
また、特許文献1には、形成される空孔部の径が上記の結露法により製造される多孔フィルムよりも大きく、かつ親水性の素材で構成された多孔フィルムが記載されている。特許文献1の多孔フィルムは、エマルションから製造されている。特許文献2にも、エマルションから製造され、親水性の素材で構成された多孔フィルムが記載されている。
また、特許文献3には、セルロースを含む逆オパール構造体が記載されている。この特許文献3の構造体は、薄膜状であり、粒径が200nm~500nmのシリカ粒子等から得たコロイド結晶にセルロースを含む溶液を含浸させて製造される。この構造体はコロイド結晶を鋳型として得られるため、得られる構造体の空孔部の径も、コロイド結晶の径と同程度となっている。
国際公開第2017/104610号 特開昭56-61437号公報 特開2009-268836号公報
結露法により製造される多孔フィルムは、水滴を上記のように鋳型とするという製造方法から、構成する素材が疎水性に限られる。また、結露法で形成できる成形体は、フィルムという薄物である。また、特許文献1~3の手法は、親水性の素材で多孔成形体が得られるものの、得られる多孔成形体はフィルムという薄物に限られる。そして、特許文献2の多孔フィルムは、空隙率(空孔部が占める体積の比率)は高いものの、空孔部の配列状態は整然さに欠けており、規則性があるとは言いがたい。この点、多孔成形体としてフィルムよりも厚い三次元立体物であり、空孔部がどの部分であっても規則性をもって密に配列したものがあれば、多孔成形体の用途が広がる。
そこで、本発明は、親水性材料からなり、空孔部がどの部分であっても規則性をもって密に配列した多孔成形体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の多孔成形体は、親水性材料で形成され、表面に開口する空隙を有する。この空隙は、最密充填構造で配列した球状の複数の空孔部が互いに連通することにより形成される。表面は、曲面を有する。空孔部の直径は、150μm以上750μm以下の範囲内である。親水性材料は、ポリアクリルアミド、水溶性ポリマー、多糖類、タンパク質、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種であり、かつ、純水に対する溶解度が0.2g/ミリリットル以上である。
開口は、表面に規則的に配列することが好ましい。また、開口は、直径が同一で形成されることが好ましい。
最密充填構造は、六方最密充填構造および/または立方最密充填構造であることが好ましい。
多孔成形体全体に対する空隙の体積分率は、74%以上であることが好ましい。
互いに接する空孔部の中心間の長さは、空孔部の直径より小さいことが好ましい。
球状の複数の空孔部のサイズ分布は、5%以下であることが好ましい。
親水性材料は、生体適合性を持つことが好ましい。また、親水性材料は、コラーゲン、ポリグリコール酸、およびキトサンならびにコラーゲン、ポリグリコール酸、およびキトサンの誘導体または混合物から選ばれることが好ましい。また、親水性材料は、生分解性を持つことが好ましい。
本発明によれば、親水性材料からなり、空孔部がどの部分であっても規則性をもって密に配列した多孔成形体が提供される。
本発明の第1実施形態の多孔成形体の斜視図である。 本発明の多孔成形体の表面の一部を示す概略平面図である。 本発明の多孔成形体の断面の一部を示す概略断面図である。 空孔部の構造を模式的に示す説明図である。 接する空孔部の関係を模式的に示す説明図である。 第1実施形態における多孔成形体をデジタルカメラにより撮影した画像である。 第1実施形態における多孔成形体の光学顕微鏡による撮影画像である。 第1実施形態における多孔成形体のX線CT画像である。 本発明の多孔成形体を製造する工程を説明するフロー図である。 成形材料調整工程の説明図である。 立体化工程および連続相除去工程の説明図である。 硬化工程の説明図である。 分散相除去工程および洗浄工程の説明図である。 本発明の第2実施形態における多孔成形体の表面の一部を示す概略平面図である。 本発明の第3実施形態における多孔成形体の端面の説明図である。
[第1実施形態]
本発明の一例である多孔成形体(以下、成形体とも称する)10を図1に示す。多孔成形体10は、円柱体、すなわち断面円形の円柱状に形成されており、底面10Bの直径D10が10mm、高さH10が10mmである。ただし、形状および大きさはこの例に限定されず、直行する3方向の寸法のうち最も小さい寸法が1mmを超えていればよい。多孔成形体10は、その内部に空隙12を有しており、表面10Sには複数の開口部12aが形成されている。開口部12aは、空隙12が表面10Sに露呈したものである。すなわち、成形体10は、表面10Sに開口した空隙12を有している。なお、図1においては、図の煩雑化を避けるために、多数の開口部12aのうちの一部のみを描いてある。
図2に示すように、成形体10の内部において球状の複数の空孔部13が連なり、これらの空孔部13が空隙12を構成している。各空孔部13は、仮想的に区画した概念上の空間部分であり、各空孔部13および空隙12は親水性材料で画定されている。すなわち、成形体10は親水性材料で形成されており、空隙12は、球状の複数の空孔部13が、空孔部13間の隔壁14に形成されている連通口12bによって互いに連通していることにより、形成されている。空隙12は、最密充填構造で配列した球状の複数の空孔部13が互いに連通することにより形成される。図2に示すように、空隙12は、表面10Sに開口している。空隙12が表面10Sに形成している開口部に符号12aを付す。空隙は、最密充填構造で配列した球状の空孔部13が互いに連通したものであり、かつ、表面10Sに開口し、開口部12aを形成する。概ね同サイズの空孔部13が、表面10Sにおいても、成形体10の内部においても、最密充填構造で配列している。
例えば、表面10Sに垂直な方向から成形体10を見たときに、任意の1つの空孔部13を中心にした六角形の各頂点に周囲の6個の空孔部13が配された状態に、各空孔部13が密に配列されている。これにより成形体10は、蜂の巣状となるハニカム構造となっている。なお、本明細書において「ハニカム構造」とは、2次元の配列のみならず、3次元の空間充填構造をも意味する。また、表面10Sをなしている複数の空孔部13の図2の紙面奥行方向にも、同様にハニカム構造を成す複数の空孔部13が有る。そのため、図2に示すように、開口部12aには、図2紙面奥行方向の空孔部13間の隔壁14が確認される。このため、開口部12aは規則的に配列し、また、開口部12a内には、空孔部13が接する他の空孔部13と連通する連通口12bが規則的に配列している。したがって、成形体10の表面においては、開口部12aの直径が同一で形成される面が形成され、成形体10において、表面10Sの開口部12aの直径はほぼ同一である。成形体10は円柱体であるので、成形体10の側面および底面のそれぞれを表面ということができるが、成形体10の各面において、開口部12aが規則的に配列し、開口部12aの直径は各面でほぼ同一である。本発明の成形体においては、成形体の形状にかかわらず、成形体の外面すべてを「表面」ということができる。したがって、例えば、成形体の表面が曲面である場合にも、表面においては開口部12aが規則的に配列し、開口部12aの直径はほぼ同一となる。
複数の空孔部13は球形であるが、上記の通り最密充填構造で配列していることから厳密な真球形ではなく、真球が幾分ひずんだ球形となっている。したがって、接する空孔部13は、空孔部13の直径D1(図5参照)よりも、空孔部13と空孔部13が接する他の空孔部13との中心間距離D2(図5参照)が小さい。これにより、連通口12bが形成され、空孔部13同士が連通した空隙12が形成される。なお、親水性材料の種類によっては、空孔部13は変形自在となる。空孔部13の直径D1と中心間距離D2との比率は、製造条件によって変えることができる。複数の空孔部13は、図2および図3に示すように、接する空孔部13すべてと連通しており、隔壁14が連通口12bを形成する。したがって、空隙12は、成形体10を貫通する。また、図3に示すように、成形体10には、開口部12bの直径が等しい断面10cが存在する。このように、空孔部13同士が連通し、空隙12が貫通しているから、成形体10は、例えば、細胞培養基材、光散乱フィルタ、吸音材、ろ過フィルタなど種々の用途に用いることができる。
最密充填構造とは、空孔部13が六方最密充填構造として配列している状態と、立方最密充填構造(面心立方格子構造)として配列している状態との両方がある。六方最密充填構造の領域と、立方最密充填構造の領域とが、混在している場合もある。図4に示すように、一例として、成形体10のある部分において、空孔部13は六方最密充填構造で3次元で配列する。つまり、球状の空孔部13が、破線で示す第1層Iにおいて2次元的に最密に配列し、第1層Iに重なるように二点破線で示す第2層IIにおいて2次元的に最密に配列し、第3層IIIにおいてさらに重なるように2次元的に最密に配列することにより、3次元の六方最密充填構造で配列する。成形体10において、隔壁14および柱10dが、空隙12および空孔部13を形成する。
球状の複数の空孔部13のサイズ分布は、5%以下であることが好ましい。ここで、空孔部13のサイズとは、空孔部13に外接する球体を仮定し、その球体の直径をいう。また、空孔部13のサイズ分布とは、成形体10が有する全ての空孔部13のサイズにおいて、平均値に対する標準偏差の割合をいう。したがって、成形体10全体に対する空隙12の体積分率は、空孔部13が最密充填構造であることから、約74%となる。なお、空隙の体積分率は74%以上とすることができる。例えば、空孔部のサイズを大小二種類とすることなどにより、空隙の体積分率は74%以上となる。空隙の体積分率の上限については、構造体としての強度を保つ理由により、90%以下である。
空孔部13の直径D1は、400μmであるが、この例に限られず、1μm以上1mm以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、150μm以上750μm以下の範囲内、さらに好ましくは、200μm以上600μm以下の範囲内である。成形体の形状およびサイズは問わないが、一例として、本実施例の成形体10は、図1に示すように、底面が直径10mm、高さが10mmの円柱体である。なお、成形体とは、厚みがフィルムよりも大きく1mm以上であるものを立体構造体である成形体とみなしている。
成形体10は、前述の親水性材料としてのポリアクリルアミドで形成されている。成形体10を形成する親水性の他の素材としては、例えば、各種水溶性ポリマー、多糖類(例えば、セルロースまたはキトサン等)、タンパク質(例えば、コラーゲンまたはフィブロイン等)などが挙げられ、これらのうちの少なくとも2種の混合物であってもよい。親水性の素材で形成されている成形体10は、例えば、細胞培養基材、光散乱防止フィルタ、吸音材、ろ過フィルタなど種々の用途に用いることができる。
なお、親水性とは、純水に対する溶解度が0.2g/ミリリットル以上であることを意味し、疎水性とは、純水に対する溶解度が0.01g/ミリリットル以下であることを意味する。純水に対する溶解度は、本実施形態では、OECD guidelines for the Testing of Chemicalsに記載のTest No.105:Water Solubility(OECDは、経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development))により求めている。なお、後述の成形材料20が界面活性剤を含有している場合には、得られる成形体10にも界面活性剤が含まれている場合がある。
以上のように空孔部13が規則性をもって密に配列している成形体10の態様は、例えば、図6に示す通りデジタルカメラにより撮影した画像と、図7に示す通り光学顕微鏡による撮影画像と、図8に示す通りX線CT(Computed Tomography,コンピュータ断層撮影)画像とにより確認している。図6は、後述の方法で得られた成形体10を、容器内の水中に浸漬した状態にし、容器外から撮影した画像である。容器の上部には白い蓋があり、図6は、この蓋をヒトの指で摘まむことにより容器を支持した状態で撮影した画像となっている。図7は、図6と同じく容器内で水中浸漬状態としている成形体10を撮影した画像である。また、図8の画像は、後述の方法で得られた成形体10を水中で保存しておき、その後、水から取り出し、凍結乾燥したものを撮影した画像である。
図9に示すように、成形体10は、成形材料調製工程と、立体化工程と、連続相除去工程と、硬化工程と、剥取工程と、分散相除去工程と、洗浄工程とを有する製造方法により製造される。
成形体10は成形材料20(図12参照)から製造され、成形材料調整工程は、この成形材料20を製造する工程である。成形材料20は、エマルション(エマルジョン、乳濁液)であり、図10に示すように分散相21である液滴を油相、連続相22を水相としている。連続相22には、成形体10を構成する材料の原料が、硬化性化合物として含まれる。上記したとおり、この例の硬化性化合物は、硬化後、親水性材料となる。この例の硬化性化合物はアクリルアミドとしている。なお、連続相22には、硬化性化合物の溶剤が含まれていてもよい。分散相21である液滴は、成形体10における空孔部13の鋳型(テンプレート)として機能するものであり、本例ではポリジメチルシロキサンを含む。
連続相22は前述のように硬化性化合物を含む。本例では、連続相22は硬化性化合物とこの硬化性化合物の溶剤としての水とを含有しているが、硬化性化合物が疎水性の液体である分散相21と非相溶の液体である場合には、連続相22は水を含有していなくてもよい。なお、疎水性の液体と非相溶であるとは疎水性の液体に対する溶解度が0.01g/ミリリットル以下であることを意味する。連続相22が水相である場合の硬化性化合物としては、親水性モノマーに硬化性官能基が修飾された化合物が挙げられ、有機合成のハンドブック(例えば、有機合成実験法ハンドブック(有機合成化学協会))などに掲載されている方法で、エネルギ線硬化性(光硬化性を含む)及び/または熱硬化性をもつ官能基を修飾することで得ることができる。
硬化性化合物は、本例では紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性化合物としているが、これに限られない。硬化性化合物としては、エネルギ線の照射より硬化するエネルギ線硬化性化合物、加熱により硬化する熱硬化性化合物、イオン反応により硬化するイオン硬化性化合物を用いることができる。エネルギ線の照射により硬化するエネルギ線硬化性化合物の一例は、紫外線等の光の照射により硬化する光硬化性化合物である。なお、イオン硬化性化合物としては、アルギン酸ナトリウムをカルシウム(Ca)イオン等の多価カチオンと反応させる系等が挙げられる。
硬化性化合物は、生体適合性を有することが好ましい。これにより、細胞培養基材、止血材、癒着防止材、及び/または創傷被覆材などに用いられる成形体10が得られる。なお、生体適合性とは、生体内(消化管の内部も含む)に留置した場合及び生体外部に貼り付けた場合において、生体への毒性など生体に有害な影響を与えない性質を意味する。
成形材料20は、連続相22に、硬化性化合物を硬化させるための架橋剤を含有していてもよく、本例でもN,N’-メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業社製)を架橋剤として含有している。また、連続相22には、硬化性化合物の硬化を開始させるための開始剤を含有していてもよく、本例でもIRUGACURE(登録商標)2959(BASF SE製)を開始剤として含有している。
分散相21の液滴は柔軟性があり変形自在であることが好ましく、本例でもそのようにしている。また、分散相21である液滴の径は、20μm以上1mm以下の範囲内であることが好ましい。20μm以上であることにより、20μm未満である場合に比べて、液滴同士の合一が起こりにくく、変形自在な液滴の分散相51としてより確実に保持される。1mm以下であることにより、1mmより大きい場合に比べて、放置状態において液滴の形状をより確実に球形に保持できる。分散相51の径は、0.1mm以上1mm以下の範囲内であることがより好ましく、0.2mm以上0.6mm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
分散相21と連続層22との比重に差があることが好ましい。分散相21の比重をY1とし、連続相22の比重をY2とするときに、Y1-Y2で求める比重差は、0.001以上であることが好ましく、本例では0.080としている。比重差が0.001以上であることにより、0.001未満である場合に比べて、分散相21を成形材料20内において、鉛直方向において偏在、すなわち下方に偏在させることが容易になる。このように、分散相21と連続相22とが成形材料20内において鉛直方向でより容易に分離するため、立体化工程において、分散相21同士がより確実に接した状態で成形材料20を保持することができる。また、成形体10を製造する場合には、立体化工程と硬化工程とにおいて分散相21の浮上が抑えられるから、容易に成形体10が製造できる。
比重差は、0.001以上0.200以下の範囲内であることがより好ましい。0.200以下であることにより、0.200を超える場合に比べて、液滴である分散相21同士の合一が、より確実に及び/またはより長期に、抑えられる。例えば、比重差が大きすぎる場合には、下方に偏在した状態(沈殿状態)にある分散相21が押しつぶされ、液滴としての安定状態が乱されることがあるからである。比重差は、0.030以上0.150以下の範囲内であることがさらに好ましく、0.050以上0.100以下の範囲内であることが特に好ましい。
比重Y1と比重Y2とは、25℃における水の比重を1とする基準で求めている。本実施形態では、より具体的には、後述の第1液35の比重をY1とし、後述の第2液36の比重をY2としており、第1液35の比重は、25℃において体積Vの第1液35及び第2液36をそれぞれ準備し、準備した第1液35及び第2液36の質量Wをそれぞれ10回測定し、測定値毎にW/Vの式で算出する。そして、算出した10個の算出値の平均値を比重Y1及びY2として求めている。
成形材料20は、分散相21の体積比率が0.5以上0.9以下の範囲内であり、このように高い体積比率で分散相21を含有する。分散相21の体積比率は、分散相21の体積をX1とし、連続相22の体積をX2とするときに、X1/(X1+X2)で求める。分散相21の体積比率が0.5以上であることにより、0.5未満である場合に比べて、分散相21である液滴が互いに接した状態で配置し、その配列はより規則的になる。分散相21の体積比率が0.9以下であることにより、0.9を超える場合に比べて、分散相21同士の合一化が、より確実に抑制できる。そのため、均一な大きさの空孔部13が規則的に配列した成形体10がより製造しやすい。
分散相21の体積比率は、0.6以上0.85以下であることがより好ましく、0.7以上0.8以下であることがさらに好ましい。分散相21の体積比率の求め方としては、例えば、顕微鏡で観察される画像から求める方法がある。具体的には、成形材料20の観察画像から分散相21の液滴の平均サイズと個数密度とを求め、これら平均サイズと個数密度とから分散相21の体積比率を算出することができる。また、成形材料20の分散相21の体積比率と、得られる成形体10の空孔部13の体積比率とが同じ場合には、成形体10の観察画像から空孔部13の平均サイズと個数密度とを求め、これらから空孔部13の体積比率を求めることにより、これを成形材料20における分散相21の体積比率と見なしてもよい。
成形材料20は、界面活性剤を含有していてもよく、本例でも界面活性剤としてのポリビニルアルコールを含有している。界面活性剤としての他の例としては、アデカトール(登録商標)LA、NIKKOL Hexaglyn 1-M(モノミリスチン酸ヘキサグリセリル)等、HLB値は11以上16以下の程度の界面活性剤が挙げられる。
成形材料20は、比重調整剤を含有することが好ましい。この例では、分散相21の比重を大きくする化合物を比重調整剤として用いているが、比重調整剤は、分散相21と連続相22との少なくともいずれか一方の比重を調整(増減)するものであればよい。この例では、分散相21の比重を増加させるためにポリジメチルシロキサンよりも比重が大きいブロモベンゼンを比重調整剤として用いている。しかし、分散相21を油相とした場合に、分散相21の比重を大きくする比重調整剤は、これに限定されず、分散相21において溶解した状態で存在し、かつ、分散相21の成分(この例ではポリジメチルシロキサン)よりも比重が大きい化合物であればよい。例えば、クロロホルム、及び/または四塩化炭素を用いることができる。
比重調整剤は、本例のように分散相21に含有させることが好ましい。また、比重調整剤は、分散相21に対して1%以上30%以下の範囲内の質量割合で含有させることが好ましい。この質量割合は、分散相21の質量(比重調整剤の質量を含む)をM1とし、その分散相21に含まれている比重調整剤の質量をM2とするときに、(M2/M1)×100で求める百分率である。
成形材料20は、図10に示す基剤生成部25と、図11に示す調整部26とによりつくることができる。基剤生成部25は、成形材料20よりも分散相21の体積比率が小さいエマルション基剤37(図11参照)を生成する。基剤生成部25は、断面円形の第1管31と第2管32とを備える。第1管31は、分散相21になる第1液35を供給する。第2管32は、連続相22になる第2液36を送る。第1管31は、一端側が第2管32の中空部に配される状態に、第2管32の側面に嵌められている。第1管31の一端側の開口31aは、第2管32の中空部を一方向に流れる第2液36の流れの向き(第2液32の流れ方向の下流側)に向く状態で配されている。これにより、第1液35は、第2液36の流れ方向に開口31aから液滴として出される。また、開口31aは、第2管32の断面円形の概ね中央に位置している。
なお、本実施形態では、外径が0.8mm以上3.0mm以下の範囲内である第1管31と、内径が第1管31の外径よりも大きく、かつ、外径が概ね1.4mm以上4.0mm以下の範囲内である第2管32とを用いている。ただし、第1管31及び第2管32はこの例に限られない。
第1液35の送液流量をV1とし、第2液36の送液流量をV2とするときに、本実施形態では例えば、V1を3ミリリットル/hrとし、V2を4.5ミリリットル/hrとする条件で第1液35と第2液36とを供給することにより、分散相21を生成し、これにより、分散相21の径が均一なエマルション基剤37をつくっている。基剤生成部25は、分散相21の径が300μm以上1mm以下の範囲内という比較的大きい場合に特に有効である。
本例では、比重調整剤は、第1液35に含有させてある。これにより、比重調整剤を含有する分散相21が生成する。また、架橋剤と開始剤と界面活性剤とは、第2液36に含有させてある。これにより、架橋剤と開始剤とを含有する連続相22が生成し、かつ、連続相22中に分散相21の液滴が安定した状態に保持される。
得られたエマルション基剤37は、図11に示す調整部26の容器38に送られる。調整部26は、図11に示すように、エマルション基剤37を収容する容器38と、ポンプ39とを備える。ポンプ39は容器38中のエマルション基剤37から、第2液36を吸引し、これによりエマルション基剤37における分散相21の体積比率を高める。これにより、成形材料20が得られる。
立体化工程は、図12に示すように、成形体10の全体を含む大きさの容器41に成形材料20を収容する工程である。この例では、成形体10の外形(形および大きさ)である内壁を持った容器41を用いている、また、容器41は、光源40からの光が透過するガラス製である。硬化後の成形体10は親水性材料から形成されているので、容器41と成形体10との分離しやすさの点から、疎水性材料からなる容器41を用いても良い。収容した時点で、分散相21が互いに接した状態になっている場合には、すぐに硬化工程に供してもよい。また、収容した時点で、成形材料20に分散相21同士が離れている領域が認められた場合には、互いに接した状態になるまで静置あるいは穏やかに振動および/または揺動させるなどの処理を行ってから硬化工程に供するとよい。
連続層除去工程は、分散相21が互いに接した状態になった後、容器41の上部に、分散相21の配列がほぼ存在しない場合、すなわち、ほぼ連続相22のみが存在する場合、この連続相22を除去する工程である。連続相22の除去には、ポンプ39を用いることができる。
連続層除去工程の後の硬化工程は、図12に示すように、成形材料20の連続相22に含まれる硬化性化合物を硬化する工程である。本例の硬化性化合物であるアクリルアミドは光硬化性化合物であるので、硬化工程には、例えば、図12に示すように、光源40が用いられる。硬化工程は、容器41を前述の光源40下に載置し、成形材料20中の硬化性化合物を硬化する。成形材料20に光が照射されればよいから、光源40と容器41との位置関係は、特に限定されない。また、複数の光源40を容器41の周囲に配し、互いに異なる方向から容器41に向けて光を射出してもよい。光源40は、成形材料20を収容したガラス製容器41の上方に配してある。この状態で、光源40から硬化性化合物を硬化する光を射出することにより、透明な容器41を介して成形材料20に光が照射され、この照射により硬化性化合物が硬化し、成形材料20は連続相が固まった固化体42となる。なお、この例の光源40は光として紫外線を照射する。
硬化工程のための硬化装置は、光源40に限定されず、硬化手法に応じて決定される。例えば硬化性化合物が、加熱により硬化する熱硬化性化合物である場合には、硬化工程には加熱オーブン(加熱恒温槽)または赤外線ヒータなどの、各種加熱装置が用いられる。また、硬化性化合物が、イオン反応により硬化するイオン硬化性化合物である場合には、硬化装置として例えばイオン溶液を収容した液槽が用いられる。具体的手法としては、この液槽のイオン溶液(例えばカルシウムイオンを含有する液)を、成形材料20が入れられた容器41に、成形材料20の分散相21の配列を乱さないように少量ずつ注入することにより、イオン硬化性化合物(例えばアルギン酸ナトリウム)が硬化する。
剥取工程は、この硬化により得られた固化体42を容器41と分離する工程である。分離は、いずれの方法も採用でき、熱によって行っても良いし、物理的に剥離して行っても良い。熱によって行う場合は、容器41ごと、冷水と温水とに交互に浸漬させることができる。本例では、固化体42が収容された容器41を、25℃の水が収容されている浴槽の水中に浸漬することにより、容器41から固化体42を剥ぎ取っている。また、固化体42が収容された容器41を、互いに異なる第1浴槽(図示無し)と第2浴槽(図示無し)とに交互に繰り返し浸漬してもよい。この場合、第1浴槽と第2浴槽とは互いに温度差があればよい。また、物理的に剥離して行う場合は、固化体42の表面を一部削ることによって分離することができる。容器から剥離された固化体42は、分散相除去工程に供し、分散相21を除去することにより成形体10が得られる。
分散相除去工程は、図13に示すように、剥取工程により得られた固化体42から分散相21を除去する工程である。本例では、固化体42中の分散相21に溶解性を示し、かつ、固化体42中の連続相(硬化性化合物の硬化により生成した生成物)に対して非溶解性の液体45に、固化体42を浸漬することにより、固化体42から分散相21を除去している。この例で用いる液体は、アセトンであるが、アセトンに限定されない。なお、用いる液体45は、固化体42中の連続相に対する非溶解性は、全く溶解しないという意味に限定されず、用いる液体に対する硬化後の連続相の溶解度が0.01g/ミリリットル以下であれば非溶解性であるとみなしてよい。ただし、前述のように連続相において硬化性化合物の溶剤が残存している場合には、連続相の溶解度が0.01g/ミリリットルよりも大きくても、硬化性化合物の硬化により生成する生成物の溶解度が0.01g/ミリリットル以下であれば非溶解性であるとみなしてよい。固化体42中において分散相21が互いに接しているから、分散相21は除去されやすく、また、本例の浸漬のような乾燥以外の手法によっても分散相21が除去される。したがって、分散相21として用いる素材選定に自由度がある。このように、分散相21として用いる素材の自由度が高いから、分散相21とともに用いる連続相22の素材選定にも自由度が高く、その結果、種々の素材の成形体10が得られる。
洗浄工程では、分散相除去工程の後、水および/または溶剤に成形体10を浸漬することなどにより、成形体10が洗浄される。成形体10を、不純物を嫌う用途に用いる場合には、洗浄工程を行うことが好ましい。
本実施形態の作用を説明する。成形体10は、上述したとおり、成形材料20から得られる。成形材料20は、分散相21と連続相22とを含み、変形自在である分散相21である液滴は、成形体10における空孔部の鋳型(テンプレート)として機能する。分散相21が前述の体積比率で含まれているため、分散相21である液滴が互いに接した状態で配置し、その配列はより規則的になる。また、分散相21が互いに接した状態で配置しているから、分散相除去工程においては分散相が除去されやすく、その結果、空孔部13同士が連通した成形体10が得られる。このように、連続相22と分散相21とは互いに分離し、分散相21が、柔軟性があり変形自在であるため、重力により、成形体10の製造時に成形材料20を型である容器に入れるのみで、分散相21は自己組織的に3次元最密充填構造に配列する。なお、連続相22と分散相21との比重差が比較的小さい成形材料を用いる場合であっても、成形材料20を容器に入れ、放置することにより、分散相21は自己組織的に3次元最密充填構造に配列する。また、分散相21の液滴は変形自在であるため、立体化工程において、密な状態に含まれる分散相21は規則的な配列をより確実に形成しながら、重力により、下方に隙間があればそこへ移動する。そのため、成形体10は、より確実に規則性をもった配列で分散相21が分布し、かつ、分散相21同士がより確実に接した状態で配置する。また、分散相22は、一旦自己組織的に高度な規則性をもってある配列をとったとしても、再配列が可能である。また、多孔成形体の形状は容器の形状に沿うため、容易に、様々な形状の多孔成形体が得られる。
成形体10は、表面に開口する空隙12を有し、この空隙12は最密充填構造で配列した球状の複数の空孔部13が互いに連通することにより形成される。また、成形体10は、親水性材料からなり、分散相21が鋳型となる空孔部13が、表面、内部を問わず、どの部分であっても規則性をもって密に配列した成形体10である。なお、「どの部分であっても」とは、厳密性を意味するものではなく、成形体10のほとんどの部分において規則性をもって高度に配列し、角部およびへり部等の一部において配列が乱れた部分があっても良いことを意味する。成形体10の製造工程において、連続相22を除去する工程などにより、分散相21は容器10に沿って最密充填構造をとって高度に規則的に配列するため、成形体10の空孔部13の表面の開口部12aも、最密充填構造で高度に規則的に配列する。同様に、成形体10の内部においても、分散相21は最密充填構造をとって高度に規則的に配列するため、空孔部13も、最密充填構造で高度に規則的に配列する。また、容器として曲面を持った形状のものを用いた際には、成形体の表面も容器と同様の曲面となり、例えば、ゴルフボールの窪みのように、曲面に沿って開口部が高度に規則的に配列した成形体を得ることができる。したがって、成形体10は、大きさが均一な空孔部が最密充填構造で高度に規則的に配列し、これらは連通し表面に開口し、開口部も高度に規則的に配列するため、均一な空孔を有することが好ましい用途、空孔に緻密に物質等を充填することが好ましい用途、表面積が大きいことが好ましい用途に、好適である。また、同じ原料であれば、軽い成形体とすることができるため、軽いことが好ましい用途にも好適である。また、空孔部13の径が、分散相21の径を調整することにより、1μm以上1mm以下と広い範囲の径の多孔成形体または多孔質表面を持つ成形体が容易に得られる。したがって、空孔部のサイズ分布が小さく、しかも、空孔部の大きさを特定のものとでき、また、特定の空隙率に調整した成形体が容易に得られるため、ふるい、フィルタ等の用途にも好適である。
最密充填構造が、六方最密充填構造および/または立方最密充填構造であり、空孔部13がこの充填構造に沿った規則性をもって密に配列した成形体10であるから、空孔部13が規則的に配列することが好ましい用途に好適である。また、多孔成形体全体に対する空隙12の体積分率が、74%以上と高くできるため、空隙12が大きいことが好ましい用途に好適である。また、接する空孔部13の中心間距離D2が、空孔部13の直径D1より小さいため、空孔部13同士がより確かに連通する。このため、成形体10の空隙12が貫通することが好ましい用途に好適である。また、球状の複数の空孔部13のサイズ分布が、5%以下と小さいため、空孔部13の大きさが揃っており、空孔部13の大きさが揃っていることが好ましい用途に好適である。また、親水性材料が、生体適合性を持つため、成形体10を生物関連の用途に使用する場合に好適である。また、親水性材料が、コラーゲン、ポリグリコール酸、キトサンおよびヒドロキシアパタイトならびにコラーゲン、ポリグリコール酸、キトサンおよびヒドロキシアパタイトの誘導体または混合物から選ばれるものであることから、例えば、成形体10を人体に用いる用途に好適である。また、親水性材料が、生分解性を持つものであるため、環境への負荷が小さく好適である。
また、分散相21と連続相22との比重に差がある場合にはその比重差とが相まって、分散相21同士の接触面積がより増加する。そのため、得られる成形体10には、より大きな連通口12bが形成される。このように連通口12bがより大きく形成されることは、例えば成形体10を細胞培養基材として用いる場合において、培養された細胞間の相互作用経路が確保され有効である。
[第2実施形態]
第2実施形態の成形体50は、図14に示すように、空孔部13の六方最密構造の隙間に、空孔部13と異なる空孔部51が規則的に埋め込まれた構造となっている。したがって、成形体50の表面50aにおいては、空孔部13の開口13aと、空孔部51の開口51aとが、規則的に配列される。複数の開口13aは同一の直径であり、複数の開口51aは同一の直径である。また、空孔部13と空孔部51とは、接する部分において連通している。空孔部13および空孔部51からなる空隙52は、成形体50を貫通する。
成形体50は、分散相として、液滴の径の異なる2種類の分散相を用いた以外は第1実施形態と同様である。液滴の径が大きい分散相(以下、分散相1と称する)と、これよりも液滴の径が小さい分散相(以下、分散相2と称する)を用い、分散相1を含むエマルション基材と、分散相2を含むエマルション基材とを別々に製造したのち、調製部26において両者を混合する。その他の工程は、第1実施形態と同様である。
以上のとおり、液滴の径の異なる分散相を用いることにより、より空隙率が高い成形体を得ることができる。したがって、空孔により緻密に物質等を充填することが好ましい用途、より表面積が大きいことが好ましい用途に、好適である。また、液滴の径の異なる分散相を様々に調整することにより、1つの成形体において、空孔部の大きさを複数のものとすることができ、また、場合によってはその位置をも調整可能である。例えば、分散相の液滴の径が大きいものを容器の下部に配置し、これよりも液滴の径が少々小さい分散相を容器の中部に配置し、さらに液滴の径が小さい分散相を容器の上部に配置することにより、空孔部の配列が段階的に変化した多孔成形体を得ることができる。したがって、同じ成形体において、一部の領域毎に別の機能を持たせることが好ましい用途等に好適である。このように、連続相および分散相を調整することにより、空孔部を制御した成形体が容易に得られる。
[第3実施形態]
第3実施形態の成形体60は、図15に示すように、成形体60の一部の表面60aが曲面である。なお、図12においては、表面60aを成す空孔部61の一層を図示し、他は省略している。表面60aにおいても、開口部62の径D3は、ほぼ同一である。
成形体60は、曲面を有する容器を用いた以外は、第1実施形態と同様にして製造される。分散相21が、変形自在であり、曲面に追従して分散相が配列するため、図15に示すように、得られた成形体60は、曲面においても、開口部62の径D3が、表面に開口する開口部62すべてにおいて、ほぼ同一である。
以上のとおり、成形体の形状に関わりなく、表面において規則的に配列するほぼ同一径の開口を有することにより、細胞培養基材、ふるい等の用途に好適な表面形状とすることができる。
10 成形体
10c 断面
10d 柱
10B 底面
10S 表面
12 空隙
12a 開口部
12b 連通口
13 空孔部
14 隔壁
20 成形材料
21 分散相
22 連続相
25 基材生成部
26 調整部
31 第1管
31a 開口
32 第2管
35 第1液
36 第2液
37 エマルション基剤
38 容器
39 ポンプ
40 光源
41 容器
42 固化体
45 液体
50 成形体
51 空孔部
60 成形体
60a 表面
D1 空孔部13の直径
D2 空孔部13と接する空孔部13との中心間距離
D3 開口62の径
D10 直径
H10 高さ
I 複数の空孔部13の最密充填構造第1層
II 複数の空孔部13の最密充填構造第2層
III 複数の空孔部13の最密充填構造第3層

Claims (10)

  1. 親水性材料で形成され、表面に開口する空隙を有し、前記空隙は、最密充填構造で配列した球状の複数の空孔部が互いに連通していることにより形成され、
    前記表面は、曲面を有し、
    前記空孔部の直径は、150μm以上750μm以下の範囲内であり、
    前記親水性材料は、ポリアクリルアミド、水溶性ポリマー、多糖類、タンパク質、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種であり、かつ、純水に対する溶解度が0.2g/ミリリットル以上である多孔成形体。
  2. 前記開口は、前記表面に規則的に配列する請求項1に記載の多孔成形体。
  3. 前記開口は、直径が同一である請求項2に記載の多孔成形体。
  4. 前記最密充填構造は、六方最密充填構造および/または立方最密充填構造である請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔成形体。
  5. 多孔成形体全体に対する前記空隙の体積分率は、74%以上である請求項1~4のいずれか1項に記載の多孔成形体。
  6. 互いに接する前記空孔部の中心間の距離は、前記空孔部の直径より小さい請求項1~5のいずれか1項に記載の多孔成形体。
  7. 前記複数の空孔部のサイズ分布は、5%以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の多孔成形体。
  8. 前記親水性材料は、生体適合性を有する請求項1~7のいずれか1項に記載の多孔成形体。
  9. 前記親水性材料は、コラーゲン、ポリグリコール酸、およびキトサンならびにコラーゲン、ポリグリコール酸、およびキトサンの誘導体または混合物からなる群から選ばれる請求項1~7のいずれか1項に記載の多孔成形体。
  10. 前記親水性材料は、生分解性を有する請求項1~9のいずれか1項に記載の多孔成形体。
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