JP7112287B2 - 素子基板、記録ヘッド、記録装置、及び素子基板の製造方法 - Google Patents

素子基板、記録ヘッド、記録装置、及び素子基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は素子基板、記録ヘッド、記録装置、及び素子基板の製造方法に関し、特に、例えば、温度検出素子を内蔵した素子基板を組み込んだ記録ヘッドをインクジェット方式に従って記録を行うために適用した記録装置に関する。
インクジェット記録ヘッドは、より高画質、より高速記録を求めて、記録素子とノズルの高密度化及び多数のノズルを配列する構成へと変化している。特に近年になって、記録用紙のような記録媒体の幅に渡って素子基板を複数配置したフルライン記録ヘッドが多数、提案されてきている。
一方、ノズル数の増加に伴い、ノズルの目詰まりやインク供給経路内に混入した気泡やノズル表面の濡れ等により、一部のノズルでインクの吐出不良が発生する確率が高くなる。そこで、吐出不良を発生したノズルを特定して画像の補完記録や記録ヘッドの回復処理にフィードバックさせる技術がより重要となっている。特許文献1、特許文献2では、記録素子各々に絶縁膜を介し薄膜抵抗体で形成される温度検知素子を設け、ノズル毎の温度情報を検出して温度変化から吐出不良のノズルを特定する構成を開示している。これにより、画像の補完記録や記録ヘッドの回復処理にフィードバックさせる技術が提案されている。
特開2008-023987号公報 特開2012-250511号公報
特許文献2は検知し易くするために温度変化を強調する駆動パルスを印加して吐出検査する方法を開示している。このような駆動方法も有効ではあるが、温度変化を検知する感度を大幅に向上させるには、記録素子の直下に絶縁膜を介して温度検知素子を配置した構造とし、記録素子と温度検知素子の距離をできるだけ近づけることが望ましい。特許文献2で開示されているインクジェット記録ヘッド基板を例にとると、ヒータと温度検知素子との間の層間絶縁膜を薄くできればよい。
しかしながら、層間絶縁膜は、配線と別の配線と間の電気絶縁性と配線そのもののカバレッジを確保する厚さが必要とされる。また、特許文献2に記載のような構成であると、層間絶縁膜は、温度検知素子に接続される厚膜の配線に起因する段差部分のカバレッジを確保する厚さが必要とされる。このため、記録素子と温度検知素子の距離は、配線層間の絶縁膜の厚さに制限されてしまう。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、電気熱変換素子と温度検知素子との間の層間絶縁膜の厚さを薄く形成し、温度検出の感度を向上させることが可能な素子基板、記録ヘッド、記録装置、及び、その素子基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の素子基板は次のような構成からなる。
即ち、多層構造の素子基板であって、基体と、前記基体の表面の側に形成された配線層と、前記配線層を覆う第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜の表面に形成された温度検知素子と、前記第1の層間絶縁膜を貫通し、前記温度検知素子と前記配線層のうちの第1の配線とを電気的に接続する第1の電気接続部材と、前記温度検知素子の表面及び前記第1の層間絶縁膜の前記表面に形成された第2の層間絶縁膜と、前記基体の前記表面に直交する方向から見て少なくとも一部が前記温度検知素子と重なる位置に配置され、前記第2の層間絶縁膜の表面に形成された電気熱変換素子と、少なくとも前記第2の層間絶縁膜を貫通し、前記電気熱変換素子と前記配線層のうちの第2の配線とを電気的に接続する第2の電気接続部材とを有することを特徴とする。
また本発明を別の側面から見れば、多層構造の素子基板の製造方法であって、表面の側に配線層が形成された基体に対して、前記配線層を覆う第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜に前記配線層に達する第1のビアホールを形成する工程と、前記第1のビアホールを金属の材料で埋め、前記第1の層間絶縁膜の表面を平坦化して、第1の電気接続部材を形成する工程と、前記第1の電気接続部材を含む前記第1の層間絶縁膜の前記表面の領域に温度検知素子を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜の前記表面及び前記温度検知素子の表面に第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2の層間絶縁膜の表面に電気熱変換素子を形成する工程とを有することを特徴とする素子基板の製造方法を備える。
さらに本発明を別の側面から見れば、上記構成の素子基板を用い、前記電気熱変換素子を記録素子として用い、該記録素子によりインクに熱エネルギーを与えてインクを吐出する記録ヘッドであって、前記記録素子の近傍に備えられ、インクを吐出する吐出口と、前記記録素子にインクを供給する供給口と、前記供給口と前記吐出口に連通し、前記記録素子の発熱によりインクが発泡する圧力室とを有することを特徴とする記録ヘッドを備える。
またさらに本発明を別の側面から見れば、上記構成の記録ヘッドを用いて、インクを記録媒体に吐出して画像を記録する記録装置を備える。
またさらに本発明を別の側面から見れば、多層構造の素子基板であって、基体と、前記基体の表面の側に形成された配線層と、前記配線層を覆う第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜の表面に形成された温度検知素子と、前記第1の層間絶縁膜を貫通し、前記温度検知素子と前記配線層のうちの第1の配線とを電気的に接続する第1の電気接続部材と、前記温度検知素子の表面及び前記第1の層間絶縁膜の前記表面に形成され、前記第1の層間絶縁膜よりも薄い第2の層間絶縁膜と、前記第2の層間絶縁膜の表面に形成された電気熱変換素子と、少なくとも前記第2の層間絶縁膜を貫通し、前記電気熱変換素子と前記配線層のうちの第2の配線とを電気的に接続する第2の電気接続部材とを有することを特徴とする素子基板を備える。
従って本発明によれば、電気熱変換素子と温度検知素子との間の層間絶縁膜を薄く形成することができ、温度検知の感度が向上するという効果がある。これにより、例えば、素子基板を組み込んだインクジェット記録ヘッドのインク吐出状態の判定精度が向上する。
本発明の代表的な実施例である記録ヘッドを備えた記録装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 素子基板のレイアウト図である。 記録素子と温度検知素子と配線とが多層構造で形成される素子基板を示す図である。 温度検知素子の温度応答を熱伝導計算した温度波形を示す図である。 多層構造の素子基板の製造方法を示す図である。 フルライン記録ヘッドを示す斜視図である。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」(「記録素子」と言う場合もある)とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
以下に用いる記録ヘッド用の素子基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(built-in)」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<記録装置の概要説明(図1~図2)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を用いて記録を行なう記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すようにインクジェット記録装置(以下、記録装置)1はインクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)3をキャリッジ2に搭載し、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させて記録を行う。記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクタンク6を装着する。インクタンク6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、電気熱変換素子(ヒータ)を備えている。この電気熱変換素子は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換素子にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。なお、記録装置は、上述したシリアルタイプの記録装置に限定するものではなく、記録媒体の幅方向に吐出口を配列した記録ヘッド(ラインヘッド)を記録媒体の搬送方向に配置するいわゆるフルラインタイプの記録装置にも適用できる。
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、ROM602、特殊用途集積回路(ASIC)603、RAM604、システムバス605、A/D変換器606などで構成される。ここで、ROM602は後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納する。ASIC603は、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する。RAM604は、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等として用いられる。システムバス605は、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行う。A/D変換器606は以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給する。
また、図2において、610は画像データの供給源となる図1に示したホストやMFPに対応するホスト装置である。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス等をパケット通信により送受信する。このパケット通信については後で説明する。なお、インタフェース611としてUSBインタフェースをネットワークインタフェースとは別にさらに備え、ホストからシリアル転送されるビットデータやラスタデータを受信できるようにしても良い。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリントスイッチ622、回復スイッチ623などから構成される。
630は装置状態を検出するためのセンサ群であり、位置センサ631、温度センサ632等から構成される。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM604の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して発熱素子(インク吐出用のヒータ)を駆動するためのデータを転送する。加えて、この記録装置には、ユーザインタフェースとしてLCDやLEDで構成される表示部が備えられている。
次に、上記構成の記録装置に搭載する記録ヘッドに実装される素子基板の実施例を説明する。
<素子基板の説明(図3~図4)>
図3は素子基板のレイアウトを示す図である。
図3において、(a)は直角でない角(鈍角と鋭角)を備える平行四辺形形状の素子基板401の全体的なレイアウトを模式的に示す図であり、(b)は素子基板401のa-a’線に沿う断面図である。
以下、基板402の各層の構成を説明するにあたり、ノズルプレート403が設けられる側の面を表面、その反対側の裏面として記載する。また、基板402における積層方向において、ノズルプレート403が設けられる側を上、反対側を下として記載する。
図3(a)に示すように、基板402上に形成されたノズルプレート403には、予め定められた間隔で設けられた複数の吐出口408を配列したノズル列404が複数配列されている。そして、各吐出口に対応するように基板402に記録素子と温度検知素子が作り込まれて配置されている。ここでは、ノズル列404が4列配置した例が図示されている。基板402の周縁部には、外部配線と接続する電極端子405が設けられている。
図3(b)に示すように、記録素子109とその直下に設けられる温度検知素子106が一対を成して独立供給口406の間の梁部に配置される。ノズルプレート403には、記録素子109に対応するようにインク流路の独立供給口406と連通した圧力室407と吐出口408が形成される。記録素子109が通電すると発熱してインクを加熱するとインクが圧力室で発泡する。そして、その発泡によりインク液滴が吐出口408から吐出される。なお、記録素子109の両側に設けられた独立供給口406のうちの一方を排出口として、供給口から記録素子109を通って排出口へインクを流すようにインクを循環させる構成であってもよい。
図4は基板に形成された記録素子を含むその近傍の多層構造101を示す図である。
図4(a)は温度検知素子106を記録素子109の直下の層に層間絶縁膜107を介してシート状に配置した様子を示す上面図である。図4(b)は図4(a)における破線x-x’に沿った断面図であり、図4(c)は図4(a)における破線x-x’とは直交する破線y-y’に沿った断面図である。なお、温度検知素子106と記録素子109とは積層方向(シリコン基体の表面に直交する方向)から見て互いに少なくとも一部が重なるように配置されていればよい。
図4(b)と図4(c)において、シリコン基体100上に積層した絶縁膜102の上にアルミニウム等からなる配線103が形成され、さらに配線103の上に層間絶縁膜104が形成される。層間絶縁膜104の表面は平坦化されている。配線103と、チタン、および窒化チタン積層膜等からなる薄膜抵抗体の温度検知素子106とが層間絶縁膜104に埋め込まれたタングステン等からなる導電プラグ(電気接続部材)105を介して電気的に接続される。また、温度検知素子106を覆うように温度検知素子106と記録素子109との絶縁を確保するための層間絶縁膜107が形成される。このような構成とすることで、温度検知素子106を被覆する層間絶縁膜107は、数10nm程度の薄膜である温度検知素子106と記録素子109との絶縁を確保すればよいので、層間絶縁膜107を薄くすることができる。なお、層間絶縁膜107の厚みt2は、記録素子109を駆動するための電流が流れるために十分な厚さとされた配線層103を覆う層間絶縁膜104の厚みt3(配線層103がない部分の厚み)よりも薄くすることができる。
そして、配線103と、タンタル窒化珪素膜等からなる電気熱変換素子(ヒータ)として作用する記録素子109とが、層間絶縁膜104と層間絶縁膜107とを貫通するタングステン等からなる導電プラグ(電気接続部材)108を介して電気的に接続される。
なお、導電プラグ108の代わりに、層間絶縁膜104を貫通する導電プラグとこれとは別の工程で形成した層間絶縁膜107を貫通する導電プラグとを、中間の配線層からなるスペーサを介して接続して構成された電気接続部材を用いてもよい。このように下層の導電プラグと上層の導電プラグを接続する際は、中間の配線層からなるスペーサを挟んで接続されるのが一般的である。しかしながら、この実施例に適用する場合、中間の配線層となる温度検知素子の膜厚が数10nm程度の薄膜のため、ビアホール形成の際、スペーサとなる温度検知素子膜に対するオーバエッチ制御の精度が求められる。また、温度検知素子層のパターンの微細化に不利にもなる。
このような事情を鑑み、この実施例のように層間絶縁膜104と層間絶縁膜107とを貫通させた導電プラグ108を採用することが好ましい。
なお、配線103は、温度検知素子106に接続される温度検知素子用の配線103aと、記録素子109に接続される記録素子用の配線103b(電気熱変換素子用の配線)と、を含んでいる。これらの配線103aと配線103bとは電気的に独立している。この実施例では、同じ層として構成された配線103からそれぞれの配線103a、配線103bが形成されているが、積層方向において異なる層として形成された配線層からそれぞれの配線を形成してもよい。
次に、シリコン窒化膜などの保護膜(被覆膜)110、そして保護膜110の上にタンタルやイリジウム、これらの積層膜などを含む耐キャビテーション膜111を形成して素子基板402となる。さらに、感光樹脂等からなるノズル形成部材112で吐出口113が形成される。
なお、この実施例では、上述のように記録素子109と下層に配置された厚膜の配線103とを導電プラグ108を介して接続している。また、層間絶縁膜107の表面は平坦化されている。このため、厚膜の配線103に起因する段差が素子基板の表面側に生じていないため、記録素子109を覆う保護膜110を薄く形成してもカバレッジを確保することができる。そのため、保護膜110を薄く形成して温度検知素子106からインクとの界面までの距離を短くすることができ、インクとの界面である耐キャビテーション膜111の表面の温度状態を検知する感度を高めることができる。
このように、この実施例の素子基板は、配線103の層(以下、配線層103)と記録素子109の層の中間に独立した温度検知素子106の中間層を設けた多層構造101となっている。なお、温度検知素子106よりも下側に、配線層103が埋め込まれた層間絶縁膜104が複数積層されていてもよい。この場合、異なる層間絶縁膜に埋め込まれた複数の配線層同士をプラグを介して接続すればよい。
なお、ノズル形成部材112は図3におけるノズルプレート403に対応している。
図4(a)に示されるように、記録素子109と配線層103を接続する導電プラグ108は複数、記録素子109の左右の縁部にそって設けられる。一方、温度検知素子106と配線層103を接続する導電プラグ105は複数、温度検知素子106の上下の縁部にそって設けられる。このように、導電プラグ108と導電プラグ105とが設けられる位置は異なっており、複数の導電プラグ108が配列する方向と複数の導電プラグ105が配列する方向とは互いに交差する(この実施例では直交する)ようになっている。
このような導電プラグの配列により、素子基板を上面から見ると温度検知素子膜と記録素子膜とが重畳する領域は広くなり、記録素子の温度変化により伝導する熱を温度検知素子膜がより効率的に検知でき、その結果、より感度の高い温度検知が実現される。加えて、記録素子109と配線層103との電気接続を行う導電プラグ108と、温度検知素子106と配線層103との電気接続を行う導電プラグ105の配置位置を異ならせるとともに、温度検知素子膜と記録素子膜とが重畳する領域以外に配置している。このような配置により、温度検知素子の感度向上に加え、素子基板の平面領域の有効利用を図り、素子基板401のサイズの大型化を抑制している。
なお、温度検知素子106に接続される導電プラグ105は、温度検知素子106に電流を流すために、少なくとも一対の導電プラグ105が設けられていればよい。また、記録素子109に接続される導電プラグ108は、記録素子109に電流を流すために、少なくとも一対の導電プラグ108が設けられていればよい。この少なくとも一対の導電プラグ108のうちの一方は、図4(a)の左右方向(第1の方向)における記録素子109の一端部に接続され、少なくとも一対の導電プラグ108のうちの他方は他端部に接続されている。また、少なくとも一対の導電プラグ105は、図4(a)の上下方向(第2の方向)に離れて配置されている。
なお、この実施例は、図4(a)のように、温度検知素子106の一縁部に複数の導電プラグ105が配列された構成であるが、この配列方向に延びた形状である1つの導電プラグを設けた構成でもよい。また、記録素子109に接続される導電プラグ108も同様の構成としてもよい。
次に、この実施例の多層構造にあたり配慮した熱伝導について説明する。
多層構造に形成された電気熱変換素子(ヒータ)を記録素子として用いる際には、熱を効率的にインクに加えるために記録素子とシリコン基体の間にはある程度熱伝導性が低い蓄熱層が存在することが好ましい。一方、記録素子の高速駆動のためには、余剰の熱をすばやく拡散して不必要なインク沸騰現象が生じないようにある程度の熱伝導性も求められる。
この実施例では、記録素子109の直下に配置された層間絶縁膜104は厚さt1の蓄熱層として機能し、記録素子109の直下に配置された層間絶縁膜107は厚さt2の蓄熱層として機能する。また、図4(b)、(c)に示すように、記録素子109の直下には放熱用の金属層115が設けられている。また、金属層115の裏面と接し、シリコン基体100の表面へ向かって延在する、シリコン基体100に熱伝導させるための放熱用のプラグ114が設けられている。これらの金属層115とプラグ114とが記録素子109からの放熱経路を構成している。放熱用の金属層115は、積層方向から見て記録素子109及び温度検知素子106の少なくとも一部と重なる位置に配置されており、記録素子109と同様の形状となっている。配線103の一部分でもある金属層115は、上述の配線103aや配線103bとは電気的に独立されている。
なお、厚さt1は、層間絶縁膜104のうちの金属層115の上に位置する部位の厚みである。また、厚さt2は、層間絶縁膜107のうちの温度検知素子106の上に位置する部位の厚みである。このような放熱経路を備えて適切な蓄熱と放熱の特性を備えた構成にしている。
次に、温度検知素子106の層を記録素子109と放熱配線115の中間に設けるにあたっての要件を挙げる。
厚さt2の層間絶縁膜107は、温度検知素子106と記録素子109とを確実に絶縁すること、さらに温度検知素子106の放熱要素としてのはたらきの影響を抑えること、これらを満足する範囲で設定しなければならない。このため、層間絶縁膜107の厚さt2は0.2μm以上であることが好ましい。一方で、温度検知素子106の感度を向上するためには、層間絶縁膜107の厚さt2は0.5μm以下であることが好ましい。即ち、層間絶縁膜107の厚さt2=0.2μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
蓄熱の観点から、層間絶縁膜104と層間絶縁膜107の蓄熱層としての厚みの合計t1+t2は、所定の厚みが必要となる。また、配線層103を確実にカバレッジするために、通常、厚みt1が配線層103の厚み以上となるように層間絶縁膜104を形成する。ここで、配線層103は記録素子109の駆動する電源またはGNDの配線であるため、大電流が流れる。そのため、低抵抗化と所定の電流密度以下を満足させるために、配線層103は数μm程度(例えば1μm)の十分な厚さが必要とされる。なお、配線層103と同じ工程で形成する金属層115も配線層103と同等の厚さで形成される。
即ち、十分な厚さを備える配線層103のカバレッジのためにt1を厚くしつつ、蓄熱層としての厚みの合計t1+t2を所定の厚みとすることが求められる。一方で、層間絶縁膜107は、絶縁性と放熱影響の要件を満足させながら、できるだけ温度変化に対する感度を得ることが求められる。これらの要件を満足させるために、この実施例のように、厚さt1とt2の配分をt1>t2とすることが好ましい。
また、図4(a)に示すように、温度検知素子106の導電プラグ105は、記録素子109からの放熱を抑えるために記録素子109と交差しない領域に設けている。即ち、温度検知素子106の導電プラグ105は、積層方向から見て記録素子109と重ならない領域に設けている。さらに、交差しない領域に導電プラグ105を設けることで、記録素子直下の面積全体で温度が検知され、できるだけダイナミックレンジの大きな検知信号を得るうえで有利にもなる。
図4(d)と図4(e)は、この実施例に従う多層構造に適応した温度検知素子の別な形状を示す図である。
図4(d)と図4(e)に示すように、温度検知素子116の形状は複数の折り返しがある蛇行形状となっている。図4(d)に示す温度検知素子116の平面形状は、y方向(即ち、図4Dの上下方向)に折り返した形状であり、図4(e)に示す温度検知素子116の平面形状は、x方向(即ち、図4Eの左右方向)に折り返した形状である。このような形状は、抵抗値を増加させ、より大きい検知電圧を発生させる場合に有効な形状である。
<熱伝導特性(図5)>
図5は層間絶縁膜107が厚さt2である場合の温度検知素子106の温度応答を熱伝導計算した結果を示す図である。
この計算条件は次の通りである。
層間絶縁膜107の厚さ(t2):
t2=0.4μm、t2=0.9μm
熱源となる記録素子109のサイズ:
幅15.6μm×長さ23.6μm×厚さ20nm
発熱量:4.8×1016w/m3
発熱時間:0.7μ秒
初期温度:常温。
図5において、波形201は記録素子109の温度変化、波形202は耐キャビテーション膜111の温度変化、波形203はt2=0.4μmの層間絶縁膜107の温度変化、波形204はt2=0.9μmの層間絶縁膜107の温度変化である。波形203と波形204との比較から、厚さt2=0.9μmの層間絶縁膜の温度変化に対し、この実施例に従う厚さt2=0.4μmの層間絶縁膜の温度変化は、ピーク温度では約100℃高くなることが分かる。また、層間絶縁膜107の厚さt2を0.4μm以下とすることが特に好ましいことがわかる。
このように記録素子109と温度検知素子106との間の層間絶縁膜107を薄くすることにより、減衰が抑えられた高速で先鋭な温度波形が得られ、耐キャビテーション膜111界面の温度状態を検知する感度が向上する。
<素子基板の製造工程(図6A~図6B)>
図6A~図6Bは、図4(b)に示すx-x’断面図と図4(c)に示すy-y’断面図に対応させた多層構造101の製造工程の流れを示す図である。図6A~図6Bは(a)から(n)までの14の工程を示しており、(a)から(n)の方向に時間が流れる。また、図6A~図6Bにおいて、左側は図4(b)に示すx-x’断面に対応した図であり、右側は図4(c)に示すy-y’断面図に対応した図である。
・(a)工程(第1の層間絶縁膜の形成と平坦化)
シリコン基体上に積層した絶縁膜301の上に、配線層302をパターニングするためのエッチングマスクをフォトリソグラフィにより配線層302の上に形成する。具体的には、マスクとなるポジ型感光性レジスト材料を基板上にスピン塗布し、配線パターンが描画されたフォトマスクを介して露光を行い、現像することで配線層上にレジストパターンを形成する。
続いて、レジストパターンでマスクされていない領域の配線層302を、ドライエッチングにより除去することで配線パターンを形成する。その際、反応性イオンエッチングにより金属膜を異方性エッチングした後、フォトレジストをプラズマアッシング除去する。配線層302から配線パターンを形成する際には、温度検知素子308に接続される温度検知素子用の配線と記録素子314に接続される記録素子用の配線とが電気的に独立するように形成する。また、配線層302から上述した放熱用の金属層115も形成する。これにより製造工程の負荷を抑えることができる。
続いて、プラズマCVD法により、層間絶縁膜303としてシリコン酸化膜を配線層302の上に成膜する。その際、配線間の微細な隙間にも空隙なくシリコン酸化膜を埋め込むためにバイアススパッタの要素を重畳させたHDP(High Density Plasma)酸化膜も下層部に併用してシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜303を成膜する。
続いて、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によりシリコン酸化膜を研磨することにより層間絶縁膜303の上面を平坦化する。
・(b)工程 (ビアホールの形成)
層間絶縁膜303に導電プラグを形成するビアホールを、先に述べたフォトリソグラフィと同様のプロセスにより、ビアホール部がマスク開口したレジストパターンを形成する。続いて、誘導結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasma)リアクティブイオンエッチングによりビアホール304を開口する。これにより、ビアホール304から温度検知素子用の配線層302の表面の一部を露出させる。また、エッチングマスクとして使用したレジストはプラズマアッシングを行って除去する。
・(c)工程(第1のバリアメタルの形成)
コンタクトメタル、拡散防止膜としてチタン、および窒化チタン積層膜からなるバリアメタル305をスパッタリング成膜により形成する。
・(d)工程(第1のタングステン膜の成膜)
減圧CVD成膜により、導電プラグ材料としてタングステン膜306をビアホール内が十分に埋まる膜厚で成膜する。
・(e)工程(第1の研磨)
CMP法により、ビアホール内の導電プラグ307のみを残しつつ、層間絶縁膜303上のバリアメタル305とタングステン膜306を残差なく除去するよう研磨し、層間絶縁膜303の表面を平坦化する。
なお、この工程はエッチバック法を用いて導電プラグ材料とバリアメタルを除去する方法もある。
・(f)工程(温度検知素子の形成)
この実施例の温度検知素子として用いるチタン、および窒化チタン積層膜をスパッタリング成膜する。続いて、フォトリソグラフィでレジストマスクを成してドライエッチングにより温度検知素子308を形成する。
・(g)工程(第2の層間絶縁膜の形成と平坦化)
プラズマCVD法によりシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜309を温度検知素子308の上に成膜する。そして、CMPによりシリコン酸化膜を研磨して層間絶縁膜309の上面を平坦化する。
・(h)工程(ビアホールの形成)
層間絶縁膜303と層間絶縁膜309を貫通するビアホールを、先に述べたフォトリソグラフィと同様のプロセスで、ビアホール部がマスク開口したレジストパターンを形成する。続いて、誘導結合型プラズマリアクティブイオンエッチングにより、ビアホール310を開口する。これにより、ビアホール310から電気熱変換素子用の配線層302の表面の一部を露出させる。なお、エッチングマスクとして使用したレジストはプラズマアッシングを行って除去する。
・(i)工程(第2のバリアメタルの形成)
コンタクトメタル、拡散防止膜としてチタン、および窒化チタン積層膜からなるバリアメタル311をスパッタリング成膜により形成する。
・(j)工程(第2のタングステン膜の成膜)
減圧CVD成膜により、導電プラグ材料としてタングステン膜312をビアホール内が十分に埋まる膜厚で成膜する。
・(k)工程(第2の研磨)
CMP法により、ビアホール内の導電プラグ313のみを残しつつ、層間絶縁膜309上のバリアメタル311とタングステン膜312を残差なく除去するよう研磨し、層間絶縁膜309の表面を平坦化する。なお、この工程はエッチバック法を用いて導電プラグ材料とバリアメタルを除去する方法もある。
・(l)工程 (記録素子の形成)
記録素子として用いるタンタル窒化珪素膜等からなる電気熱変換素子(ヒータ)となる記録素子の膜をスパッタリング成膜する。そして、フォトリソグラフィでレジストマスクを成してドライエッチングにより記録素子314を形成する。
・(m)工程(素子基板の形成)
シリコン窒化膜などのパッシベーション膜(保護膜)315、タンタルなどの耐キャビテーション膜316を形成して素子基板となる。
・(n)工程(吐出口の形成)
ノズル形成部材317に感光性樹脂を使用し、フォトリソグラフィ技術を用いて吐出口を形成する。
従って以上説明した実施例に従えば、記録素子と温度検知素子との間の層間絶縁膜を薄く形成することができるので、温度検知素子の温度変化特性が記録素子の温度変化に良好に追従した特性となり、温度検知の感度が向上する。これにより、インク吐出状態の判定精度をより向上させることが可能となる。
なお、図7に示すように、複数の素子基板401を配置してフルライン記録ヘッド3を構成する場合、ヒータ列方向と同じ方向に複数の素子基板を配置したりすることができる。
101 多層構造、102 絶縁膜、103 配線、104 層間絶縁膜、
105 導電プラグ、106 温度検知素子、107 層間絶縁膜、
108 導電プラグ、109 記録素子、110 保護膜、
111 耐キャビテーション膜、112 ノズル形成材、113 吐出口

Claims (23)

  1. 多層構造の素子基板であって、
    基体と、
    前記基体の表面の側に形成された配線層と、
    前記配線層を覆う第1の層間絶縁膜と、
    前記第1の層間絶縁膜の表面に形成された温度検知素子と、
    前記第1の層間絶縁膜を貫通し、前記温度検知素子と前記配線層のうちの第1の配線とを電気的に接続する第1の電気接続部材と、
    前記温度検知素子の表面及び前記第1の層間絶縁膜の前記表面に形成された第2の層間絶縁膜と、
    前記基体の前記表面に直交する方向から見て少なくとも一部が前記温度検知素子と重なる位置に配置され、前記第2の層間絶縁膜の表面に形成された電気熱変換素子と、
    少なくとも前記第2の層間絶縁膜を貫通し、前記電気熱変換素子と前記配線層のうちの第2の配線とを電気的に接続する第2の電気接続部材とを有することを特徴とする素子基板。
  2. 前記第1の電気接続部材は第1のプラグであり、
    前記第2の電気接続部材は、前記第1の層間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜とを貫通する第2のプラグであることを特徴とする請求項1に記載の素子基板。
  3. 前記第1の電気接続部材は、前記直交する方向から見て前記電気熱変換素子と重ならない領域に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の素子基板。
  4. 前記第1の電気接続部材と前記第2の電気接続部材は、前記直交する方向から見て前記電気熱変換素子と前記温度検知素子とが重ならない領域に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の素子基板。
  5. 少なくとも一対の前記第1の電気接続部材と、
    少なくとも一対の前記第2の電気接続部材とを有し、
    前記少なくとも一対の第2の電気接続部材の一方は、前記電気熱変換素子の第1の方向における一端部に接続され、前記少なくとも一対の第2の電気接続部材の他方は前記第1の方向における前記電気熱変換素子の他端部に接続され、
    前記少なくとも一対の第1の電気接続部材は、前記第1の方向と交差する第2の方向に互いに離れて配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の素子基板。
  6. 前記第1のプラグを複数、前記第2のプラグを複数、設け、
    複数の前記第1のプラグを配列する方向と複数の前記第2のプラグを配列する方向とは互いに交差することを特徴とする請求項2に記載の素子基板。
  7. 前記温度検知素子は、蛇行形状をしていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の素子基板。
  8. 前記第2の層間絶縁膜の厚さは、前記第1の層間絶縁膜の厚さより薄いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の素子基板。
  9. 前記第2の層間絶縁膜のうちの、前記温度検知素子の上に位置する部位の厚さは、0.2μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の素子基板。
  10. 前記第2の層間絶縁膜のうちの、前記温度検知素子の上に位置する部位の厚さは、0.4μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の素子基板。
  11. 前記直交する方向から見て前記電気熱変換素子及び前記温度検知素子の少なくとも一部と重なる位置に配置され、前記第1の層間絶縁膜に覆われた金属層をさらに有し、
    前記第2の層間絶縁膜のうちの、前記温度検知素子の上に位置する部位の厚みは、前記第1の層間絶縁膜のうちの、前記金属層の上に位置する部位の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の素子基板。
  12. 前記金属層の前記第1の層間絶縁膜が設けられる面の裏面と接し、前記基体の前記表面へ向かって延在するプラグを有すること請求項11に記載の素子基板。
  13. 前記第1の層間絶縁膜の前記表面と前記第2の層間絶縁膜の前記表面とは平坦化されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の素子基板。
  14. 前記電気熱変換素子を覆う被覆膜を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の素子基板。
  15. 多層構造の素子基板の製造方法であって、
    表面の側に配線層が形成された基体に対して、前記配線層を覆う第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の層間絶縁膜に前記配線層に達する第1のビアホールを形成する工程と、
    前記第1のビアホールを金属の材料で埋め、前記第1の層間絶縁膜の表面を平坦化して、第1の電気接続部材を形成する工程と、
    前記第1の電気接続部材を含む前記第1の層間絶縁膜の前記表面の領域に温度検知素子を形成する工程と、
    前記第1の層間絶縁膜の前記表面及び前記温度検知素子の表面に第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の層間絶縁膜の表面に電気熱変換素子を形成する工程とを有することを特徴とする素子基板の製造方法。
  16. 前記第1のビアホールとは異なる位置に、前記第1の層間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜を貫通し、前記配線層に達する第2のビアホールを形成する工程と、
    前記第2のビアホールを金属の材料で埋め、前記第2の層間絶縁膜の表面を平坦化して、第2の電気接続部材を形成する工程とをさらに有し、
    前記電気熱変換素子の形成する工程では、前記第2の電気接続部材を含む前記第2の層間絶縁膜の前記表面の領域に前記電気熱変換素子を形成することを特徴とする請求項15に記載の素子基板の製造方法。
  17. 前記第1の電気接続部材は第1のプラグであり、
    前記第2の電気接続部材は第2のプラグであることを特徴とする請求項16に記載の素子基板の製造方法。
  18. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の素子基板を用い、前記電気熱変換素子を記録素子として用い、該記録素子によりインクに熱エネルギーを与えてインクを吐出する記録ヘッドであって、
    前記記録素子の近傍に備えられ、インクを吐出する吐出口と、
    前記記録素子にインクを供給する供給口と、
    前記供給口と前記吐出口に連通し、前記記録素子の発熱によりインクが発泡する圧力室とを有することを特徴とする記録ヘッド。
  19. 前記記録ヘッドは、前記素子基板が複数配置されているラインヘッドであることを特徴とする請求項18に記載の記録ヘッド。
  20. 請求項18又は19に記載の記録ヘッドを用いて、インクを記録媒体に吐出して画像を記録する記録装置。
  21. 多層構造の素子基板であって、
    基体と、
    前記基体の表面の側に形成された配線層と、
    前記配線層を覆う第1の層間絶縁膜と、
    前記第1の層間絶縁膜の表面に形成された温度検知素子と、
    前記第1の層間絶縁膜を貫通し、前記温度検知素子と前記配線層のうちの第1の配線とを電気的に接続する第1の電気接続部材と、
    前記温度検知素子の表面及び前記第1の層間絶縁膜の前記表面に形成され、前記第1の層間絶縁膜よりも薄い第2の層間絶縁膜と、
    前記第2の層間絶縁膜の表面に形成された電気熱変換素子と、
    少なくとも前記第2の層間絶縁膜を貫通し、前記電気熱変換素子と前記配線層のうちの第2の配線とを電気的に接続する第2の電気接続部材とを有することを特徴とする素子基板。
  22. 前記第1の電気接続部材は第1のプラグであり、
    前記第2の電気接続部材は前記第1の層間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜とを貫通する第2のプラグであることを特徴とする請求項21に記載の素子基板。
  23. 前記第2の層間絶縁膜のうちの、前記温度検知素子の上に位置する部位の厚さは、0.2μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項21又は22に記載の素子基板。
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