以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
本実施の形態における通信装置間の直接通信の方式はLTEあるいはNRのサイドリンク(SL)であることを想定しているが、直接通信の方式は当該方式に限られない。また、「サイドリンク」という名称は一例であり、「サイドリンク」という名称が使用されずに、ULが、SLの機能を含むこととしてもよい。
また、ULとSLとが、時間リソース、周波数リソース、時間・周波数リソース、送信電力制御においてPathlossを決定するために参照する参照信号、同期するために使用する同期信号(PSSS/SSSS)のいずれか1つ又はいずれか複数の組み合わせの違いによって区別されてもよい。
例えば、ULでは、送信電力制御においてPathlossを決定するために参照する参照信号として、アンテナポートXの参照信号を使用し、SL(SLとして使用するULを含む)では、送信電力制御においてPathlossを決定するために参照する参照信号として、アンテナポートYの参照信号を使用する。
また、本実施の形態では、通信装置が車両に搭載される形態を主に想定しているが、本発明の実施形態は、この形態に限定されない。例えば、通信装置は人が保持する端末であってもよいし、通信装置がドローンあるいは航空機に搭載される装置であってもよい。
(サイドリンクの概要)
本実施の形態では、サイドリンクを基本技術とすることから、まず、基本的な例として、サイドリンクの概要について説明する。ここで説明する技術の例は3GPPのRel.14等で規定されている技術である。当該技術は、NRにおいて使用されてもよいし、NRでは、当該技術と異なる技術が使用されてもよい。
サイドリンクには、大きく分けて「ディスカバリ」と「コミュニケーション」がある。「ディスカバリ」については、図2Aに示すように、Discovery period毎に、Discoveryメッセージ用のリソースプールが確保され、通信装置(UEと称される)はそのリソースプール内でDiscoveryメッセージ(発見信号)を送信する。より詳細にはType1、Type2bがある。Type1では、通信装置が自律的にリソースプールから送信リソースを選択する。Type2bでは、上位レイヤシグナリング(例えばRRC信号)により準静的なリソースが割り当てられる。
「コミュニケーション」についても、図2Bに示すように、SCI(Sidelink Control Information)/データ送信用のリソースプールが周期的に確保される。送信側の通信装置はControlリソースプール(PSCCHリソースプール)から選択されたリソースでSCIによりデータ送信用リソース(PSSCHリソースプール)等を受信側に通知し、当該データ送信用リソースでデータを送信する。「コミュニケーション」について、より詳細には、モード1とモード2がある。モード1では、基地局から通信装置に送られる(E)PDCCHによりダイナミックにリソースが割り当てられる。モード2では、通信装置はリソースプールから自律的に送信リソースを選択する。リソースプールについては、SIBで通知されたり、予め定義されたものが使用される。
また、Rel-14では、モード1とモード2に加えて、モード3とモード4がある。Rel-14では、SCIとデータとを同時に(例:1サブフレームで)、周波数方向に隣接したリソースブロックで送信することが可能である。なお、SCIをSA(scheduling assignment)と称する場合がある。
「ディスカバリ」に用いられるチャネルはPSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)と称され、「コミュニケーション」におけるSCI等の制御情報を送信するチャネルはPSCCH(Physical Sidelink Control Channel)と称され、データを送信するチャネルはPSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)と称される。PSCCHとPSSCHはPUSCHベースの構造を有し、DMRS(Demodulation Reference Signal、復調参照信号)が挿入される構造になっている。
サイドリンクに用いられるMAC(Medium Access Control)PDU(Protocol Data Unit)は、図3に示すように、少なくともMAC header、MAC Control element、MAC SDU(Service Data Unit)、Paddingで構成される。MAC PDUはその他の情報を含んでも良い。MAC headerは、1つのSL-SCH(Sidelink Shared Channel)subheaderと、1つ以上のMAC PDU subheaderで構成される。
図4に示すように、SL-SCH subheaderは、MAC PDUフォーマットバージョン(V)、送信元情報(SRC)、送信先情報(DST)、Reserved bit(R)等で構成される。Vは、SL-SCH subheaderの先頭に割り当てられ、通信装置が用いるMAC PDUフォーマットバージョンを示す。送信元情報には、送信元に関する情報が設定される。送信元情報には、ProSe UE IDに関する識別子が設定されてもよい。送信先情報には、送信先に関する情報が設定される。送信先情報には、送信先のProSe Layer-2 Group IDに関する情報が設定されてもよい。
サイドリンクのチャネル構造の例を図5に示す。図5に示すように、「コミュニケーション」に使用されるPSCCHのリソースプール及びPSSCHのリソースプールが割り当てられている。また、「コミュニケーション」のチャネルの周期よりも長い周期で「ディスカバリ」に使用されるPSDCHのリソースプールが割り当てられている。
また、サイドリンク用の同期信号としてPSSS(Primary Sidelink Synchronization signal)とSSSS(Secondary Sidelink Synchronization signal)が用いられる。また、例えばカバレッジ外動作のためにサイドリンクのシステム帯域、フレーム番号、リソース構成情報等のブロードキャスト情報(broadcast information)を送信するPSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)が用いられる。PSSS/SSSS及びPSBCHは、例えば、1つのサブフレームで送信される。PSSS/SSSSをSLSSと称してもよい。
なお、本実施の形態で想定しているV2Xは、「コミュニケーション」に係る方式である。ただし、本実施の形態では、「コミュニケーション」と「ディスカバリ」の区別が存在しないこととしてもよい。また、本実施の形態に係る技術が、「ディスカバリ」で適用されてもよい。
(システム構成)
図6は、本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。図6に示すように、本実施の形態に係る無線通信システムは、基地局10、通信装置20A、及び通信装置20Bを有する。なお、実際には多数の通信装置が存在するが、図6は例として通信装置20A、及び通信装置20Bを示している。
図6において、通信装置20Aは送信側、通信装置20Bは受信側を意図しているが、通信装置20Aと通信装置20Bはいずれも送信機能と受信機能の両方を備える。以下、通信装置20A、20B等を特に区別しない場合、単に「通信装置20」あるいは「通信装置」と記述する。図6では、一例として通信装置20Aと通信装置20Bがともにカバレッジ内にある場合を示しているが、本実施の形態における動作は、一部の通信装置20がカバレッジ内にあり、他方の通信装置20がカバレッジ外にある場合にも適用できる。
本実施の形態において、通信装置20は、例えば、自動車等の車両に搭載された装置であり、LTEあるいはNRにおけるUEとしてのセルラ通信の機能、及び、サイドリンク機能を有している。更に、通信装置20は、GPS装置、カメラ、各種センサ等、報告情報(位置、イベント情報等)を取得する機能を含む。また、通信装置20が、一般的な携帯端末(スマートフォン等)であってもよい。また、通信装置20が、RSUであってもよい。当該RSUは、UEの機能を有するUEタイプRSUであってもよいし、基地局の機能を有するgNBタイプRSUであってもよい。
なお、通信装置20は1つの筐体の装置である必要はなく、例えば、各種センサが車両内に分散して配置される場合でも、当該各種センサを含めた装置が通信装置20である。また、通信装置20は各種センサを含まずに、各種センサとデータを送受信する機能を備えることとしてもよい。
また、通信装置20のサイドリンクの送信の処理内容は基本的には、LTEあるいはNRでのUL送信の処理内容と同様である。例えば、通信装置20は、送信データのコードワードをスクランブルし、変調してcomplex-valued symbolsを生成し、当該complex-valued symbols(送信信号)を1又は2レイヤにマッピングし、プリコーディングを行う。そして、precoded complex-valued symbolsをリソースエレメントにマッピングして、送信信号(例:complex-valued time-domain SC-FDMA signal)を生成し、各アンテナポートから送信する。
また、基地局10については、LTEあるいはNRにおける基地局10としてのセルラ通信の機能、及び、本実施の形態における通信装置20の通信を可能ならしめるための機能(例:リソースプール設定、リソース割り当て等)を有している。また、基地局10は、RSU(gNBタイプRSU)であってもよい。
また、本実施の形態に係る無線通信システムにおいて、通信装置20がSLあるいはULに使用する信号波形は、OFDMAであってもよいし、SC-FDMAであってもよいし、その他の信号波形であってもよい。また、本実施の形態に係る無線通信システムにおいては、一例として、時間方向には、複数のサブフレーム(例:10個のサブフレーム)からなるフレームが形成され、周波数方向は複数のサブキャリアからなる。また、サブキャリア間隔に応じて、スロットの時間長及び1サブフレームあたりのスロット数が定まることとしてもよい。また、1スロットあたりのシンボル数が14シンボルであってもよい。
本実施の形態では、通信装置20は、自律的にSL信号送信のためのリソースをリソースプールから選択するモード(以降、モード4と呼ぶ)、基地局10からSL信号送信のためのリソースがダイナミックに割り当てられるモード(以降、モード3と呼ぶ)のいずれのモードも取り得る。モードは、例えば、基地局10から通信装置20に設定される。
図7に示すように、モード4の通信装置(図7ではUEとして示す)は、同期した共通の時間・周波数グリッドから無線のリソースを選択する。例えば、通信装置20は、バックグラウンドでセンシングを行って、センシング結果の良好なリソースであって、他の通信装置に予約されていないリソースを候補リソースとして特定し、候補リソースから送信に使用するリソースを選択する。
V2Xを使用した通信の一例として、図8に示すように、複数の通信装置20(図8では通信装置20A~20C)をグループ化し、グループ内の通信装置20B、20Cが、代表となる通信装置20Aにデータ(例:センサが感知したデータ)をSLで送信し、代表の通信装置20Aが集約したデータを基地局10にULで送信する技術が検討されている。また、代表の通信装置20Aが基地局10から受信したデータを通信装置20B、20Cに送信することとしてもよい。
(課題について)
上述した通信を実現するにあたり、既存技術を利用して、SLリソースとULリソース(DLリソース)を通信装置20に独立に割り当てることが考えられる。しかし、SLリソースとULリソースを通信装置20に独立に割り当てる場合、代表通信装置20が、グループ内の別の通信装置20から受信したデータをULで送信するタイミングが明確ではない。
また、SLリソースとDLリソースを通信装置20に独立に割り当てる場合、代表通信装置20が基地局10から受信したデータをSLで送信するタイミングが明確ではない。つまり、サイドリンクの通信のタイミングと、代表通信装置と基地局との間の通信のタイミングとの関係が明確でないという課題がある。
サイドリンクの通信のタイミングと、代表通信装置と基地局との間の通信のタイミングとの関係が明確でない場合、例えば、代表通信装置20が、グループ内の別の通信装置20から受信したデータをULで送信するまでに時間がかかることを許容してしまうという問題がある。代表通信装置20が、グループ内の別の通信装置20から受信したデータをULで送信するまでに時間がかかると、サービス性が低下する恐れがある。
以下、上記のような課題を解消する技術の例としての実施例を説明する。以下、実施例1~4を説明するが、実施例1~4は、それぞれ単独で実施してもよいし、いずれか2つ、いずれか3つ、又は全部を組み合わせて実施することとしてもよい。
以下の実施例1~4においては、複数の通信装置のグループと、グループ内の代表通信装置が既に決定されていることを想定している。複数の通信装置のグループと、グループ内の代表通信装置は予めRRCシグナリング等で設定しておくこととしてもよいし、参照信号の受信品質等に基づいて、基地局10あるいは通信装置20自身が、複数の通信装置のグループと、グループ内の代表通信装置を決定することとしてもよい。
なお、グループ内に代表通信装置が存在しないこととしてもよい。つまり、通信装置において、代表通信装置と非代表通信装置の区別がないこととしてもよい。この場合、例えば、グループ内の1つ又は複数の通信装置へのULリソースの割り当てと、グループ内の全体の通信装置へのSLリソースの割り当てとが同時に行われる。
なお、以下の実施例の説明では、特に断らない限り、送受信されるものを「信号」と記述する。この「信号」は、例えば、データ、制御情報、又は、データ+制御情報である。
(実施例1)
まず、実施例1を説明する。実施例1では、グループに対し、SLリソースと、当該SLリソースに紐付られたULリソースとが割り当てられる。なお、これを、ULリソースと、当該ULリソースに紐付られたSLリソースとが割り当てられると記述してもよい。また、これらを、"SLリソースと、当該SLリソースに関連付けられたULリソースとが割り当てられる"、"ULリソースと、当該ULリソースに関連付けられたSLリソースとが割り当てられる"と記述してもよい。なお、代表通信装置が存在しない場合等には、SLリソースと、ULリソースとが紐付けられないこととしてもよい。この場合、例えば、PHYレイヤにおいては、SLリソースとULリソースとの紐付けはなされないが、上位レイヤにおいて、SL送信及びUL送信(実施例4では、DL受信とSL送信)を紐付ける制御がなされることとしてもよい。また、"SLリソースとULリソースとの紐付けがなされる"を広く考え、上位レイヤにおいて、SL送信及びUL送信(実施例4では、DL受信とSL送信)を紐付ける制御がなされることも、"SLリソースとULリソースとの紐付けがなされる"ことに含まれることとしてもよい。
これにより、SL送信に対するUL送信のタイミングが明確になり、例えば、代表通信装置20が、グループ内の別の通信装置20から受信したデータをULで送信するまでに要する時間を短くすることができる。
図9を参照して、実施例1の動作例1を説明する。図9に示す動作例1は、通信装置20が使用するSLのリソースが、ULのリソースとともに基地局10からダイナミックに割り当てられる場合の例である。
図9に示す例では、通信装置20A、及び通信装置20Bが1つのグループを形成している。なお、より多くの通信装置がグループを形成し得るが、図9では動作を分かり易くするために、グループに属する2つの通信装置を示している。
代表通信装置は通信装置20Aである。以下、通信装置20Aが代表であることがわかるように「通信装置20A(代表)」と記載する。
図9に示す例において、例えば通信装置20BにおいてSLで送信するべき信号(例:制御情報、データ、又は、制御情報+データ)が発生したものとする。S101において、通信装置20Bは、SR(Scheduling Request)を基地局10に送信する。
また、上記のようにSRを基地局10に送信することに代えて、S101´で点線で示すように、通信装置20BがSRをSLで通信装置20A(代表)に送信し、当該SRを受信した通信装置20A(代表)がSRを基地局10に送信してもよい。なお、S101´に関し、通信装置20A(代表)が送信するSRは、グループ内の他の通信装置あるいは通信装置20A(代表)自身が送信しようとするデータに対するSRも含まれる場合があるので、通信装置20A(代表)が送信するSRと、通信装置20Bから受信するSRとは同じでなくてもよい。この点は、図10のS101´、図11のS111´、及び図12のS111´についても同様である。
なお、通信装置20Bは、SRとともに、あるいはSRに代えて、BSR(Buffer Status Report)を基地局10あるいは通信装置20A(代表)に送信してもよい。また、S102以降の動作を行う前に、S101(S101´)のようにSR/BSRの送受信を行うことは必須ではない。
S102、S103において、基地局10は、PDCCHによりDCI(下り制御情報)を送信する。S102、S103において送信されるDCIは、例えば、グループ共通のRNTI(又は、通信装置20A(代表)と通信装置20Bが共に保持する通信装置20A(代表)のRNTI)を用いることで、グループ内の通信装置20(図9の例では通信装置20A(代表)と通信装置20B)がともに復号できる1つのDCIである。当該DCIには、例えば、通信装置20Bに割り当てられたSLリソースの情報と、通信装置20A(代表)に割り当てられたULリソースの情報が含まれる。当該ULリソースはSLリソースに紐付られたリソースである。なお、DCIに含まれる割り当てリソースの情報をスケジューリング情報と称してもよい。また、スケジューリング情報が、割り当てリソースの情報と、その他の情報(例:データの変調方式、再送・新規送信)を含むものであってもよい。また、SLリソースの割り当て情報として、SL送信用のリソースの割り当て情報とSL受信用のリソースの割り当て情報が含まれていてもよい。また、例えば、「サイドリンク」という名称が使用されずに、ULが、SLの機能を含む場合において、基地局10から割り当てられるULリソースの一部又は全部がSLに使用するためのリソースであってもよい。
この場合に、当該DCIを受信した通信装置20Bは、DCIにより指定されるSLリソースを使用してSL送信を実行する(S104)。また、当該DCIを受信した通信装置20A(代表)は、DCIにより指定されるSLリソースでSL受信を実行する(S104)。更に、当該DCIを受信した通信装置20A(代表)は、当該SLリソースで受信した信号を、DCIにより指定されるULリソースを使用して基地局10に送信する(S105)。
なお、通信装置20A(代表)は、S104においてSLで受信した信号の一部しかS105における一度のUL送信により送信できなかった場合、更にSRあるいはBSRによりULリソースの要求を基地局10に対して行い、残りの信号を基地局10に送信してもよい(S106)。
S102、S103において、基地局10は、グループ共通のRNTIを用いることで、グループ内の通信装置20(図9の例では通信装置20Aと通信装置20B)が共通に復号できるDCI(便宜上、DCI-SLと呼ぶ)と、個別のRNTI(ここでは、通信装置20A(代表)のRNTI)で復号できるDCI(便宜上、DCI-ULと呼ぶ)とを送信してもよい。この例において、DCI-SLには、通信装置20BのSL送信に割り当てられたSLリソースの情報が含まれる。また、DCI-ULには、通信装置20A(代表)のUL送信に割り当てられたULリソースの情報が含まれる。
なお、図9において、通信装置20Bは、DCIのULリソースの割り当て情報を受信する必要がないことから、基地局10から通信装置20A(代表)へのDCI送信のステップ番号(S102)と、基地局10から通信装置20BへのDCI送信のステップ番号(S103)を異なるものにしている。ただし、通信装置20Bは、DCIのULリソースの割り当て情報を受信することでSLのリソース位置を判定することとしてもよい。例えば、通信装置20Bは、PDCCHを除く該当スロットのリソース(時間・周波数リソース)からULに割り当てられた部分を除いた場所をSL用リソースとみなすこととしてもよい。もしくは、ULリソースの割り当て情報とSLリソースの割り当て情報を通信装置20A(代表)と通信装置20Bの両方が受信しても良い。これらの場合には、S102とS103は共通になる。つまり、例えば図9のS103をS102と読み替えることとしてもよい。当該S102で送信されるDCIは、例えば、ULのみ、又は、UL/SL両方のスケジュール情報を含む。
この場合に、通信装置20Bは、DCI-SLにより指定されるSLリソースを使用してSL送信を実行する(S104)。また、通信装置20A(代表)は、DCI-SLにより指定されるSLリソースでSL受信を実行する(S104)。更に、通信装置20A(代表)は、当該SLリソースで受信したデータを、DCI-ULにより指定されるULリソースを使用して基地局10に送信する(S105)。
図10は、実施例1の動作例2を示す。図9と異なる部分を説明する。図10に示す例では、S102、S103において、基地局10はDCI-SLを送信し、通信装置20Bと通信装置20A(代表)は当該DCI-SLを受信し、SLリソースを把握する。S104において通信装置20Bは、当該SLリソースを用いてSL送信を行い、通信装置20A(代表)は、当該SLリソースを用いてSL受信を行う。
S105において、基地局10はDCI-ULを送信し、通信装置20A(代表)は当該DCI-ULを受信し、ULリソースを把握する。S106において、通信装置20A(代表)は、当該ULリソースを用いて信号を基地局10に送信する。
図11は、実施例1の動作例3を示す。図11に示す動作例3は、通信装置20が使用するSLのリソース(あるいはリソースプール)が、基地局10からの上位レイヤシグナリング(例:MACシグナリング、RRCシグナリング)により通信装置20に設定される場合の例である。
動作例1と同様に、図11に示す動作例3では、通信装置20A、通信装置20Bが1つのグループを形成している。なお、より多くの通信装置がグループを形成し得るが、図11では動作を分かり易くするために、グループに属する2つの通信装置を示している。代表通信装置は通信装置20Aである。
S110において、基地局10から各通信装置20に対してSLリソースが設定される。当該設定されるSLリソースの情報は、ブロードキャストされるシステム情報に含まれていてもよいし、同期信号あるいはSSBに含まれていてもよいし、グループ単位あるいは通信装置個別に通知されるRRCメッセージ等に含まれていてもよい。
当該設定されるSLリソースは、通信装置20が実際にSL送信に使用するリソースであってもよいし、リソースプールであってもよい。当該設定されるSLリソースがリソースプールである場合において、通信装置20は、当該リソースプールの中から、例えば、干渉の小さいSLリソースを選択してSL送信に使用する。
また、当該設定されるSLリソースは、通信装置20がSL送信に使用するリソースの候補の集合であってもよい。この場合において、例えば、通信装置20A(代表)がリソースの候補の集合の中から、通信装置20Bに使用させるSLリソースを選択し、SLの制御情報(SCI)を使用して、通信装置20Bに対して選択したSLリソース(リソースのインデックス等)を通知することとしてもよい。
例えば通信装置20BにおいてSLで送信するべき信号(例:制御情報、データ、又は、制御情報+データ)が発生したものとする。S111において、通信装置20Bは、SR(あるいはBSR)を基地局10に送信する。
また、上記のようにSRを基地局10に送信することに代えて、S111´で点線で示すように、通信装置20BがSRをSLで通信装置20A(代表)に送信し、当該SRを受信した通信装置20A(代表)がSRを基地局10に送信してもよい。なお、S112以降の動作を行う前に、S111(S111´)のようにSR/BSRの送受信を行うことは必須ではない。
S112において、基地局10は、PDCCHによりDCI(下り制御情報)を送信する。S112において送信されるDCIは、例えば、個別のRNTI(ここでは通信装置20A(代表)のRNTI)を用いることで復号できるDCIである。当該DCIには、例えば、通信装置20A(代表)に割り当てられたULリソースの情報が含まれる。当該ULリソースはSLリソースに紐付られたリソースである。
S113において、通信装置20Bは、S110において設定されたSLリソースを使用してSL送信を実行する。また、通信装置20A(代表)は、S110において設定されたSLリソースを使用してSL受信を実行する。
S114において、通信装置20A(代表)は、当該SLリソースで受信した信号を、DCIにより指定されたULリソースを使用して基地局10に送信する。
なお、通信装置20A(代表)は、S113においてSLで受信した信号の一部しかS114における一度のUL送信により送信できなかった場合、更にSRあるいはBSRによりULリソースの要求を基地局10に対して行い、残りの信号を基地局10に送信してもよい(S115)。
図12は、実施例1の動作例4を示す。図11と異なる部分を説明する。図12に示す例では、S112において、通信装置20Bは、S110において設定されたSLリソースを用いてSL送信を行い、通信装置20A(代表)は、当該SLリソースを用いてSL受信を行う。
S113において、基地局10はDCIを送信し、通信装置20A(代表)は当該DCIを受信し、ULリソースを把握する。S114において、通信装置20A(代表)は、当該ULリソースを用いて、S112で受信した信号を基地局10に送信する。
なお、実施例1において、基地局10があるグループの通信装置20に割り当てるSLリソースは、他のグループに割り当てられるSLリソースと重複していてもよい。
図13A、図13Bは、SLとULのリソースの割り当て例を説明するための図である。図13A、図13B(及び以降の同様の図)は時間方向(横)に着目した図であり、各スロットの周波数方向(縦)の長さは任意でよい。図13A、図13B(及び以降の同様の図)においては、送受信の時間単位(送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼んでもよい)として「スロット」を使用しているが、これは一例に過ぎない。「スロット」に代えて、「サブフレーム」が使用されてもよい。また、「スロット」、「サブフレーム」以外の時間単位(時間間隔と呼んでもよい)が使用されてもよい。
各スロットの時間長は、サブキャリア間隔に応じて定まるものであってもよい。また、各スロットの構成(DL領域のシンボル位置・シンボル長、Gap領域のシンボル位置・シンボル長、SL領域のシンボル位置・シンボル長、UL領域のシンボル位置・シンボル長等)は、予め各通信装置20に対してRRCシグナリング等で設定されることとしてもよいし、DCI等により動的に設定されるものであってもよい。
図13A、図13B(及び以降の同様の図)において、「DL」で示される領域は、DLに使用し得るリソース(具体的には1又は複数のシンボル)を示す。DL通信に実際に使用されるリソースは、「DL」で示される領域の中の一部のリソースであってもよいし、全部のリソースであってもよい。同様に、「SL」で示される領域は、SLに使用し得るリソースを示す。SL通信に実際に使用されるリソース(割り当てられる、あるいは選択されるリソース)は、「SL」で示される領域の中の一部のリソースであってもよいし、全部のリソースであってもよい。同様に、「UL」で示される領域は、ULに使用し得るリソースを示す。UL通信に実際に使用されるリソースは、「UL」で示される領域の中の一部のリソースであってもよいし、全部のリソースであってもよい。
図13Aは、SLリソースとULリソースとが同一のスロットに割り当てられる場合の例を示している。図13Aに示すように、当該スロットは、時間の早い順に、DL領域、SL領域、UL領域を含む。また、DL領域とSL領域との間に、DLとSLの切り替えのためのGapを有し、SL領域とUL領域との間に、SLとULの切り替えのためのGapを有する。なお、後述するように、Gapを省略することとしてもよい。図13Aに示すように、SLとULとを(Gapを挟んで)連続させることで、遅延を最小にできるので好ましい。ただし、SLとULとが非連続であってもよい。本明細書及び請求の範囲において、2つのスロットあるいは2つの領域が「連続する」とは、Gapを介して連続する場合と、Gapを介さずに連続する場合の両方を含む。
図13Aに示す例において、例えば、図9のS102において、通信装置20A(代表)は、図13Aに示すDL領域のDLリソースで、ULリソースの情報とSLリソースの情報とを含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20A(代表)は、当該DCIにより指定される、SL領域におけるSLリソースで通信装置20Bから送信されるSLの信号を監視し、受信する。また、通信装置20A(代表)は、DCIにより指定される、UL領域におけるULリソースで、通信装置20Bから受信した信号を送信する。
また、図13Aに示す例において、例えば、図9のS103において、通信装置20Bは、図13Aに示すDL領域のDLリソースで、ULリソースの情報とSLリソースの情報とを含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20Bは、当該DCIにより指定される、SL領域におけるSLリソースでSLの信号を送信する。
図11で説明した例のように、SLリソースを上位レイヤシグナリングで設定する場合においては、通信装置20BはDLによるDCIを受信しなくてもよいので、DL受信からSL送信への切り替えを無くすことができる。この場合、図14Aに示すように、DLとSLとの間のGapを設けないこととしてもよい。また、DL受信を行う場合でも、図17で後述するように、Gapを不要にできる場合がある。
図14Aの場合、例えば、通信装置20Bは、上位レイヤシグナリングで設定された、SL領域におけるSLリソースを使用してSLの信号を送信し、通信装置20A(代表)は、当該SLリソースで信号を受信する。
図13Bは、SLリソースとULリソースとが別々のスロットに割り当てられる場合の例を示している。SLリソースが割り当てられるスロットとULリソースが割り当てられるスロットが連続している。SL受信~UL送信の遅延を最小化する観点から、このようにSLリソースが割り当てられるスロットとULリソースが割り当てられるスロットが連続していることが好ましい。ただし、SLリソースが割り当てられるスロットとULリソースが割り当てられるスロットが非連続であってもよい。
図13B(a)の例では、SLリソースが割り当てられるスロットのDL領域のDLリソースでSLリソースの割り当て情報が送信され、ULリソースが割り当てられるスロットのDL領域のDLリソースでULリソースの割り当て情報が送信される。
図13B(a)に示すように、SLリソースが割り当てられるスロット#nは、時間の早い順に、DL領域、SL領域、UL領域を含む。また、DL領域とSL領域との間に、DLとSLの切り替えのためのGapを有し、SL領域と隣接スロットのDL領域との間にSLとDLの切り替えのためのGapを有する。また、ULリソースが割り当てられるスロット#n+1は、時間の早い順に、DL領域、UL領域を含む。また、DL領域とUL領域との間に、DLとULの切り替えのためのGapを有する。
図13B(a)に示す例において、例えば、図10のS102において、通信装置20A(代表)は、図13B(a)に示すスロット#nのDL領域のDLリソースで、SLリソースの情報を含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20A(代表)は、当該DCIにより指定される、SL領域におけるSLリソースで通信装置20Bから送信されるSLの信号を監視し、受信する。また、通信装置20A(代表)は、図13B(a)に示すスロット#n+1のDL領域のDLリソースで、図10のS105において、ULリソースの情報を含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20A(代表)は、当該DCIにより指定される、UL領域におけるULリソースで、通信装置20Bから受信した信号を送信する。
また、図13B(a)に示す例において、例えば、図10のS103において、通信装置20Bは、図13B(a)に示すスロット#nのDL領域のDLリソースで、SLリソースの情報を含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20Bは、当該DCIにより指定される、SL領域におけるSLリソースでSLのデータを送信する。
図12で説明した例のように、SLリソースを上位レイヤシグナリングで設定する場合においては、通信装置20BはDLによるDCIを受信しなくてもよいので、DL受信からSL送信への切り替えを無くすことができる。この場合、図14B(a)に示すように、DLとSLとの間のGapを設けないこととしてもよい。この場合、例えば、通信装置20Bは、上位レイヤシグナリングで設定された、SL領域におけるSLリソースを使用してSLの信号を送信し、通信装置20A(代表)は、当該SLリソースで信号を受信する。
図13B(b)は、SLリソースが割り当てられるスロットのDL領域のDLリソースでSLリソースの割り当て情報とULリソースの割り当て情報が送信される例を示す。
図13B(b)に示すように、SLリソースが割り当てられるスロット#nは、時間の早い順に、DL領域、SL領域を含む。また、DL領域とSL領域との間に、DLとSLの切り替えのためのGapを有し、SL領域と隣接スロットのDL領域との間にSLとULの切り替えのためのGapを有する。また、ULリソースが割り当てられるスロット#n+1はUL領域を含む。また、スロット#nのSL領域と、スロット#n+1のUL領域との間にSLとULの切り替えのためのGapを有する。このGapは、図13B(a)におけるスロット#n+1のDL領域であってもよい。つまり、図13B(a)の構成において当該DL領域でDL受信を行わない場合が図13B(b)に相当する。
図13B(b)に示す例において、例えば、図9のS102において、通信装置20A(代表)は、図13B(b)に示すDL領域のDLリソースで、ULリソースの情報とSLリソースの情報とを含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20A(代表)は、当該DCIにより指定される、SL領域におけるSLリソースで通信装置20Bから送信されるSLの信号を監視し、受信する。また、通信装置20A(代表)は、DCIにより指定される、UL領域におけるULリソースで、通信装置20Bから受信した信号を送信する。
また、図13B(b)に示す例において、例えば、図9のS103において、通信装置20Bは、図13B(b)に示すDL領域のDLリソースで、ULリソースの情報とSLリソースの情報とを含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20Bは、当該DCIにより指定される、SL領域におけるSLリソースでSLの信号を送信する。
図11で説明した例のように、SLリソースを上位レイヤシグナリングで設定する場合においては、通信装置20BはDLによるDCIを受信しなくてもよいので、DL受信からSL送信への切り替えを無くすことができる。この場合、図14B(b)に示すように、DLとSLとの間のGapを設けないこととしてもよい。この場合、例えば、通信装置20Bは、上位レイヤシグナリングで設定された、SL領域におけるSLリソースを使用してSLの信号を送信し、通信装置20A(代表)は、当該SLリソースで信号を受信する。
実施例1(実施例4も同様)において、Gap長はUE capability(通信装置20の能力)に基づいて決定されても良い。送受信の切り替えがSymbol長と比べ十分短い時間でなされる場合はGapを省略しても良い。
実施例1で説明した動作により、SLにより信号を受信した代表通信装置20が、ULで当該信号を送信するタイミングが明確になる。また、SL受信からUL送信にかかる時間を最小化できる。
ここで、図15~図17を参照してGapの必要性の一例を説明する。図15~図17におけるDL領域、UL領域、SL領域を示すそれぞれの四角の箱は横方向が時間を示し、各箱の横方向の長さは同じであるとする。各箱は例えば1スロットを示す。
図15の例は、基地局10による通信装置20の送信タイミング調整がない場合の例を示す。図15に示すように、基地局10がDLで送信した信号は、ある時間(ΔDL)後に通信装置20に受信される。通信装置20は、受信から送信への切り替え時間(ΔTRX)後に、ULで信号を送信する。基地局10は、ある時間(ΔUL)後に当該ULの信号を受信する。このため、スロット(あるいはフレーム)のタイミングとして、図示するΔtotalのずれが発生する。
図16の例は、基地局10による通信装置20の送信タイミング調整がある場合の例を示す。この場合、例として、基地局10は通信装置20に対し、Δtotalだけ送信タイミングを早めるように調整を行っている。
図16に示すように、基地局10がDLで送信した信号は、ある時間(ΔDL)後に通信装置20に受信される。通信装置20は、受信タイミングに対し、Δtotalだけ送信タイミングを早めてUL送信を行う。ただし、Δtotalだけ送信タイミングを早めることで、DL受信との重複が発生するため、その重複部分をGapとすることで、UL送信とDL受信が重複することを回避している。
図17の例は、基地局10からのDL受信と、SL送受信の例を示す。図17に示すように、基地局10がDLで送信した信号(例:DCI)は、ある時間(ΔDL1)後に代表通信装置20に受信される。また、当該DCIは、ある時間(ΔDL2)後に非代表通信装置20に受信される。
非代表通信装置20は、受信から送信への切り替え時間(ΔTRX)後のタイミングで、SL信号を送信する。また、代表通信装置20は、ΔTRXと伝搬遅延時間(ΔSL)後のタイミングでSL信号を受信する。
これにより、基地局10のDL送信と、代表通信装置20によるSL受信とのタイミングのずれはΔtotal=(ΔDL2-ΔDL1)+ΔTRX+ΔSLとなる。このΔtotalは、DLとSL間の切り替え時のGapとなる。
ここで、通信装置20間の距離が十分に短く、ΔDL1=ΔDL2かつΔSL=0とみなせる場合、Δtotal=ΔTRXとなる。更にΔTRX=0とみなせる場合、DLとSL間の切り替え時のGapは不要である。ただし、SLからULへ切り替えにはDLからULへの切り替えと同じ理由でGapが必要となる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2は実施例1と組み合わせて実施されてもよいし、実施例1とは別に単独で実施されてもよい。ここでは、実施例2は実施例1と組み合わせて実施されるものとして説明する。つまり、ここで説明する実施例2は、実施例1の動作を前提とする。
実施例2では、ULのスケジューリング(すなわち、ULリソースの割り当て)において基地局10から通信装置20に通知する情報(例:DCI)に、UL送信を行う通信装置20を指定する情報を含むこととしてよい。言い換えると、基地局10から通信装置20に通知する情報(例:DCI)に、代表となる通信装置20を指定する情報を含む。
より具体的には、例えば、RRCシグナリング等により、基地局10から、複数の通信装置20に対して、当該複数の通信装置20があるグループに属することを示す情報を通知する。つまり、基地局10から当該複数の通信装置20に対してグループを設定(configure)する。そして、基地局10は、DCIで、当該グループ内でUL送信を実行させる通信装置20に対し、UL送信を実行することを指示する情報を含むDCIを送信する。UL送信を実行することを指示する情報は、例えば、通信装置20のインデックスであってもよい。また、UL送信を実行することを指示する情報は、通信装置20個別の特定のRNTIであってもよい。当該特定のRNTIは、RRCシグナリング等により、グループの設定情報とともに、当該グループ内の各通信装置20に対して基地局10から設定されるものであってもよい。
例えば、基地局10は、グループ内で特定の通信装置20にUL送信を実行させる場合において、当該特定の通信装置20の特定のRNTIでCRCをマスクしたDCIを送信する。グループ内の複数の通信装置20のうち、当該DCIをデコードできた当該特定の通信装置20がUL送信を行うことを認識する。また、特定のRNTIでCRCをマスクしたDCIは、実施例1で説明したDL領域で送信される、ULリソースの情報を含むDCIであってもよい。
つまり、DCIは、通信装置20にUL送信を行うことを指示する情報と、UL送信のためのULリソースの情報とを含むこととしてもよい。また、通信装置20にUL送信を行うことを指示する情報を含むDCIと、UL送信のためのULリソースの情報とを含むDCIとが別々に基地局10から送信されてもよい。
上記のように、UL送信を実行させる通信装置20を基地局10から指定できるようにすることで、例えば、UL送信を交代制にすることができる。通常、SL送信よりもUL送信のほうが消費電力が大きいため、UL送信を交代制にすることで、特定の通信装置20の消費電力が過大になるこことを回避できる。
また、UL送信を実行させる通信装置20を基地局10から指定できるようにすることで、例えば、UL品質の良い通信装置20を動的にUL送信させる通信装置20として選択することができる。これにより、周波数利用効率を向上させることができる。
UL送信を実行させる通信装置20として基地局10から指定する通信装置20の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。
基地局10から複数の通信装置20がUL送信を実行する通信装置20として指定された場合において、例えば、指定された複数の通信装置20はそれぞれ、UL送信を行わない各通信装置20から同じ情報を受信する。つまり、例えば、通信装置20A~20Dのグループにおいて、通信装置20A,20BがUL送信を行う通信装置として指定された場合において、通信装置20Aは、通信装置20Cからデータ1を受信し、通信装置20Dからデータ2を受信し、通信装置20Bも、通信装置20Cからデータ1を受信し、通信装置20Dからデータ2を受信する。
そして、通信装置20A,20Bは、同じULリソースを使用してデータ1とデータ2を基地局20に送信する。また、通信装置20A,20Bは、異なるULリソース(異なる時間・周波数リソース)を使用してデータ1とデータ2を基地局10にダイバーシティ送信することとしてもよい。
また、基地局10から複数の通信装置20がUL送信を実行する通信装置20として指定された場合において、当該複数の通信装置20間で送信する情報を分担することとしてもよい。これはマルチユーザMIMOの送信に相当する。分担の方法は、例えば、基地局10から当該複数の通信装置20に対し、UL送信指示情報とともにDCI等で通知してもよいし、UL送信指示情報とは別に、DCI、MAC、RRCのいずれか1つ又はいずれか複数の組み合わせで通知してもよい。また、分担の方法を、基地局10から当該複数の通信装置20に対して指定することに代えて、分担の方法が予め定められていて(例:規格書に規定)、複数の通信装置20は当該規定に従った分担方法で送信を行ってもよい。
一例として、SLの信号を受信した時間・周波数リソースに基づいて分担が決められてもよいし、SLの信号を送信した通信装置20のインデックス(UE-index)に基づいて分担が決められてもよい。
具体的には例えば、通信装置20A~20Dのグループにおいて、通信装置20A,20BがUL送信を行う通信装置として指定された場合を想定する。また、ある周波数以上の周波数の領域に属する時間・周波数リソースを時間・周波数リソースEとし、当該周波数以下の周波数の領域に属する時間・周波数リソースを時間・周波数リソースFとする。このとき、例えば、通信装置20Aは、時間・周波数リソースEで受信したデータを基地局10に送信し、通信装置20Bは、時間・周波数リソースFで受信したデータを基地局10に送信する。
また、例えば、通信装置20A~20Dのグループにおいて、通信装置20A,20BがUL送信を行う通信装置として指定された場合を想定し、通信装置20CのインデックスをUE-C、通信装置20DのインデックスをUE-Dとする。このとき、例えば、通信装置20Aは、送信元のUEインデックスがUE-Cである受信信号を基地局10に送信し、通信装置20Bは、送信元のUEインデックスがUE-Dである受信信号を基地局10に送信する。送信元のUEインデックスは、受信信号に含まれることとしてもよいし、受信信号の復号を行う場合において、復号の成功時に使用したUE個別のRNTIであってもよい。
また、UL送信を分担する場合において、UL送信を行う複数の通信装置20は、同じ信号をSLで受信し、異なる信号を送信することとしてもよいし、UL送信を行う複数の通信装置20はそれぞれ、自身が送信する信号のみを受信し、当該信号を送信することとしてもよい。例えば、通信装置20A~20Dのグループにおいて、通信装置20A,20BがUL送信を行う通信装置として指定された場合において、通信装置20Aは、通信装置20Cからデータ1を受信し、通信装置20Dからデータ2を受信し、通信装置20Bも、通信装置20Cからデータ1を受信し、通信装置20Dからデータ2を受信することとしてもよいし、通信装置20Aは、通信装置20Cからデータ1(通信装置20AがUL送信するデータ)を受信し、通信装置20Bは、通信装置20Dからデータ2(通信装置20BがUL送信するデータ)を受信することとしてもよい。
図18を参照して実施例2の動作例を説明する。図18は、通信装置20A~20Cがあるグループを構成する場合を示している。S201において、各通信装置20に対して、例えばRRCシグナリングで上記グループに属することを示す情報が送信され、グループの設定が実施される。図18に示す例では、代表通信装置は存在しないこととしてもよいし、UL送信を行う通信装置を代表通信装置であると解釈してもよい。
S202において、基地局10から通信装置20Aに対し、UL送信指示を含むDCIが送信される。これ以降、例えば、実施例1で説明した方法で、通信装置20AがUL送信を実行する。一旦なされたUL送信の指示は、当該UL送信の指示を受信した直後のUL送信のみで有効(つまり、当該UL送信後に解除)であってもよいし、例えば所定時間後、あるいは、所定数のスロットの時間後に、解除されることとしてもよいし、解除を指示するDCIが送信されることで解除されてもよい。解除を指示するDCIはグループ共通のRNTIでマスクされ、当該DCIには、別の通信装置20をUL送信を実施する通信装置20として指示する情報が含まれていてもよい。
S203において、例えば、通信装置20AをUL送信から解除する指示情報とともに、通信装置20BをUL送信を行う通信装置20として指定する情報を含むDCIが送信される。これ以降、例えば、実施例1で説明した方法で、通信装置20BがUL送信を実行する。S204の前の時点で、通信装置20BはUL送信指定装置から解除されるとする。
S204において、例えば、通信装置20Bと通信装置20CとをUL送信を行う通信装置20として指定する情報を含むDCIが送信される。これ以降、例えば、実施例1で説明した方法、及び実施例2で説明した方法で、通信装置20B及び通信装置20CがUL送信を実行する。
実施例2において、基地局10からUL送信の実行を指示された通信装置20はSLを監視(受信)する。当該通信装置20は、UL送信実行の指示を受信したスロットにおいて、SL送信を行わないこととしてもよい。また、UL送信実行の指示を受信した通信装置20以外の通信装置は、SL送信を行うが、SL受信を実行しないこととしてもよい。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。実施例3は、実施例1、実施例2、又は、実施例1+実施例2と組み合わせて実施されてもよいし、実施例1、2とは別に単独で実施されてもよい。ここでは、実施例3は実施例1と組み合わせて実施されるものとして説明する。つまり、ここで説明する実施例3は、実施例1の動作を前提とする。
実施例3では、代表の通信装置20がSL受信に失敗した場合において、当該代表の通信装置20、又は、基地局10が、代表の通信装置20以外の通信装置20(SL送信を実施する通信装置20)にSL再送要求を送信する。例えば、代表の通信装置20は、SL受信に失敗したことを、SL信号(データあるいは制御情報)に付加されるCRCのチェックがNGになったことで判断することができる。
実施例3における動作例を図19を参照して説明する。図19(a)の場合、S301において、通信装置20BはSLで信号を送信し、通信装置20A(代表)が当該信号の受信を試みるが、CRCチェックNGとなり、SL受信に失敗したと判断する(S302)。S303において、通信装置20A(代表)は、通信装置20Bに対してSL再送要求を送信する。当該SL再送要求は、PSBCHで送信してもよいし、SCIとしてPSCCHで送信してもよいし、これら以外のチャネルあるいは信号で送信してもよい。
図19(b)の場合、S311において、通信装置20BはSLで信号を送信し、通信装置20A(代表)が当該信号の受信を試みるが、CRCチェックNGとなり、SL受信に失敗したと判断する(S312)。ここでは、一例として、通信装置20Bから基地局10に送信されたSRに基づき割り当てられたSLリソースで通信装置20BからSLの信号が送信されたと想定する。この場合、基地局10は、SRを受信した後、所定時間が経過しても通信装置20A(代表)からULで信号を受信しないことを検知し、通信装置20A(代表)におけるSL受信が失敗であったと判断し、SL再送要求を通信装置20Bに送信する(S313)。当該SL再送要求は、例えばDCIを用いて実行される。
図19(c)の場合、S321において、通信装置20BはSLで信号を送信し、通信装置20A(代表)が当該信号の受信を試みるが、CRCチェックNGとなり、SL受信に失敗したと判断する(S322)。すると、通信装置20A(代表)は、SL受信に失敗したことを示す情報を基地局10に送信する(S323)。当該情報を受信した基地局10は、通信装置20A(代表)におけるSL受信が失敗であったと判断し、SL再送要求を通信装置20Bに送信する(S324)。当該SL再送要求は、例えばDCIを用いて実行される。
実施例3により、代表の通信装置20は、他の通信装置20からより確実に信号を受信することができる。
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4では、代表の通信装置20が、DLで受信した信号をSLで代表以外の通信装置20に送信する。この例は、例えば、代表の通信装置20が基地局10と良好に通信できるが、代表以外の通信装置20は基地局10と良好に通信できない場合等に特に効果的である。また、実施例4においても、実施例1と同様に、DLリソースとSLリソースとが紐付けられる(関連付けられる)ため、DL受信のタイミングとSL送信のタイミングとの関係が明確になり、DL受信からSL送信に係る時間を短縮できる(最小化できる)。
実施例4は、実施例1、実施例2、実施例3、実施例1+実施例2、実施例1+実施例3、実施例2+実施例3、又は、実施例1+実施例2+実施例3と組み合わせて実施されてもよいし、実施例1、2、3とは別に単独で実施されてもよい。ここでは、実施例4は実施例1と組み合わせて実施されることを想定している。
図20を参照して、実施例4の動作例を説明する。図20に示す動作例は、通信装置20が使用するSLのリソースが、DLのリソースとともに基地局10からダイナミックに割り当てられる場合の例である。
図20に示す例では、通信装置20A、通信装置20Bが1つのグループを形成している。なお、より多くの通信装置がグループを形成し得るが、図20では動作を分かり易くするために、グループに属する2つの通信装置を示している。通信装置20Aが代表である。
S401、S402において、基地局10は、PDCCHによりDCIを送信する。S401、S402において送信されるDCIは、例えば、グループ共通のRNTI(又は、通信装置20A(代表)と通信装置2020Bが共に保持する通信装置20A(代表)のRNTI)を用いることで、グループ内の通信装置20(図20の例では通信装置20Aと通信装置20B)がともに復号できる1つのDCIである。当該DCIには、例えば、通信装置20A(代表)に割り当てられたDLリソースの情報とSLリソースの情報が含まれる。
S403において、通信装置20(代表)は、DCIで割り当てられたDLリソースを用いて基地局10からDLの信号を受信し、当該信号を、DCIで割り当てられたSLリソースを用いて通信装置20Bに送信する(S404)。通信装置20Bは、DCIで割り当てられたSLリソースを用いて、通信装置20A(代表)から送信された信号を受信する。
実施例1の場合と同様に、SLリソースは、DCIではなく、上位レイヤシグナリング(RRC、MAC等)で通信装置20A(代表)と通信装置20Bに設定されることとしてもよい。その場合、DCIには、SLリソースの割り当て情報が含まれないこととしていよい。
図21A、図21Bは、DLとSLのリソースの割り当て例を説明するための図である。図13A、図13B等と同様に、図21A、図21Bは時間方向(横)に着目した図であり、各スロットの周波数方向(縦)の長さは任意でよい。また、送受信の時間単位(送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼んでもよい)として「スロット」を使用しているが、これは一例に過ぎない。「スロット」に代えて、「サブフレーム」が使用されてもよい。また、「スロット」、「サブフレーム」以外の時間単位(時間間隔)が使用されてもよい。
各スロットの時間長は、サブキャリア間隔に応じて定まるものであってもよい。また、各スロットの構成(DL領域のシンボル位置・シンボル長、Gap領域のシンボル位置・シンボル長、SL領域のシンボル位置・シンボル長、UL領域のシンボル位置・シンボル長等)は、予め各通信装置20に対してRRCシグナリング等で設定されることとしてもよいし、DCI等により動的に設定されるものであってもよい。
図21A、図21Bにおいて、「DL」で示される領域は、DLに使用し得るリソース(具体的には1又は複数のシンボル)を示す。DL通信に実際に使用されるリソースは、「DL」で示される領域の中の一部のリソースであってもよいし、全部のリソースであってもよい。同様に、「SL」で示される領域は、SLに使用し得るリソースを示す。SL通信に実際に使用されるリソース(割り当てられる、あるいは選択されるリソース)は、「SL」で示される領域の中の一部のリソースであってもよいし、全部のリソースであってもよい。
図21Aは、DLリソースとSLリソースとが同一のスロットに割り当てられる場合の例を示している。図21Aに示すように、当該スロットは、時間の早い順に、DL領域、SL領域を含む。また、DL領域とSL領域との間に、DLとSLの切り替えのためのGapを有する。当該Gapを設けない構成を採用することも可能である。
図21Aに示す例において、例えば、図20のS401において、通信装置20A(代表)は、図21Aに示すDL領域のDLリソースで、DLリソースの情報とSLリソースの情報とを含むDCIを基地局10から受信する。通信装置20A(代表)は、当該DCIにより指定される、DL領域におけるDLリソースで基地局10から送信される信号(例:データ)を受信する。また、通信装置20A(代表)は、DCIにより指定される、SL領域におけるSLリソースで、基地局10から受信した信号を送信する。
また、図21Aに示す例において、例えば、図20のS402において、通信装置20Bは、図21Aに示すDL領域のDLリソースで受信したDCIからSLリソースを把握し、SL領域における当該SLリソースで、通信装置20A(代表)から送信された信号を受信する。
図21Bは、DLリソースとSLリソースとが別々のスロットに割り当てられる場合の例を示している。DLリソースが割り当てられるスロットとSLリソースが割り当てられるスロットが連続している。DL受信~SL送信の遅延を最小化する観点から、このようにスロットが連続していることが好ましい。ただし、DLリソースが割り当てられるスロットとSLリソースが割り当てられるスロットが非連続であってもよい。
図21B(a)の例では、スロット#nはDL領域のみを有する。なお、スロット#nはDL領域の他にUL領域を含むこととしてもよい。また、スロット#n+1は、時間の早い順に、DL領域、SL領域を含む。また、DL領域とSL領域との間に、DLとSLの切り替えのためのGapを有する。
図21B(a)に示す例において、例えば、通信装置20A(代表)は、スロット#nのDL領域のリソースでDLリソースの情報を含むDCIを受信し、当該DLリソースで基地局10から信号を受信する。また、通信装置20A(代表)は、スロット#n+1のDL領域のDLリソースでSLリソースの情報を含むDCIを受信し、当該SLリソースで基地局10から受信した信号を送信する。通信装置20Bは、スロット#n+1のDL領域のDLリソースでSLリソースの情報を含むDCIを受信し、当該SLリソースで通信装置20A(代表)から送信された信号を受信する。
図21B(b)の例では、スロット#nはDL領域のみを有する。なお、スロット#nはDL領域の他にUL領域を含むこととしてもよい。また、スロット#n+1は、SL領域を有する。また、スロット#nのDL領域とスロット#n+1のSL領域との間に、DLとSLの切り替えのためのGapを有する。
図21B(b)に示す例において、例えば、通信装置20A(代表)及び通信装置20Bは、スロット#nのDL領域のリソースでDLリソースの情報とSLリソースの情報を含むDCIを受信し、通信装置20A(代表)は当該DLリソースで基地局10から信号を受信する。また、通信装置20A(代表)は、当該DCIで指定された、スロット#n+1のSL領域のSLリソースで基地局10から受信した信号を送信する。通信装置20Bは、スロット#n+1の当該SLリソースで通信装置20A(代表)から送信された信号を受信する。
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理動作を実行する基地局10及び通信装置20の機能構成例を説明する。基地局10及び通信装置は、本実施の形態で説明した実施例1~4の全ての機能を備えていてもよいし、実施例1~4のうちの一部のみの機能を備えてもよい。
<基地局10>
図22は、基地局10の機能構成の一例を示す図である。図22に示すように、基地局10は、送信部101と、受信部102と、設定情報管理部103と、制御部104とを有する。図22に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部101を送信機と称し、受信部102を受信機と称してもよい。
送信部101は、通信装置20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部102は、通信装置20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、受信部102は受信する信号の測定を行って、品質値を取得する機能を含む。
設定情報管理部103には、予め設定した設定情報、通信装置20から受信する設定情報等が格納される。なお、送信に関わる設定情報が送信部101に格納され、受信に関わる設定情報が受信部102に格納されることとしてもよい。制御部104は、基地局10の制御を行う。例えば、制御部104は、実施例1で説明したULリソースの割り当て、及びSLリソースの割り当て、及び、実施例4で説明したDLリソースの割り当て、及びSLリソースの割り当てを実行する。なお、送信に関わる制御部104の機能が送信部101に含まれ、受信に関わる制御部104の機能が受信部102に含まれてもよい。
また、例えば、制御部104は、グループを構成する複数の通信装置における少なくとも1つの通信装置を、アップリンク送信を実行する通信装置として選択するように構成され、送信部101は、前記制御部により選択された通信装置に対し、アップリンク送信の実行指示を含む制御情報を送信するように構成されてもよい。
<通信装置20>
図23は、通信装置20の機能構成の一例を示す図である。図23に示すように、通信装置20は、送信部201と、受信部202と、設定情報管理部203と、制御部204を有する。図23に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部201を送信機と称し、受信部202を受信機と称してもよい。また、通信装置20は、代表通信装置であってもよいし、代表通信装置以外の通信装置であってもよい。
送信部201は、送信データから送信を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部202は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部202は受信する信号の測定を行って、品質値を取得する機能を含む。
設定情報管理部203には、予め設定した設定情報、基地局10から受信する設定情報等が格納される。なお、送信に関わる設定情報が送信部201に格納され、受信に関わる設定情報が受信部202に格納されることとしてもよい。制御部204は、通信装置20の制御を行う。なお、送信に関わる制御部204の機能が送信部201に含まれ、受信に関わる制御部204の機能が受信部202に含まれてもよい。
また、受信部202が、基地局からアップリンク用リソースの割り当て情報を受信するように構成され、送信部201が、前記アップリンク用リソースに関連付けられたサイドリンク用リソースで受信した信号を前記アップリンク用リソースで前記基地局に送信するように構成されてもよい。
前記受信部202は、例えば、前記アップリンク用リソースの割り当て情報と前記サイドリンク用リソースの割り当て情報とを含む制御情報を前記基地局から受信する。また、前記受信部202は、例えば、あるスロットにおけるサイドリンク領域で前記信号を受信し、前記送信部201は、当該スロットにおけるアップリンク領域で前記信号を送信する。また、前記受信部202は、あるスロットにおけるサイドリンク領域で前記信号を受信し、前記送信部201は、前記スロットと連続する別のスロットにおけるアップリンク領域で前記信号を送信することとしてもよい。
前記受信部202が前記信号の受信に失敗した場合において、前記基地局又は前記送信部201が、再送要求を送信することとしてもよい。
また、受信部202が、基地局からダウンリンク用リソースの割り当て情報を受信するように構成され、送信部201が、前記ダウンリンク用リソースで受信した信号を、当該ダウンリンク用リソースに関連付けられたサイドリンク用リソースで送信するように構成されてもよい。
<ハードウェア構成>
上記実施の形態の説明に用いたブロック図(図22~図23)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
また、例えば、本発明の一実施の形態における通信装置20と基地局10はいずれも、本実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図24は、本実施の形態に係る通信装置20と基地局10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の通信装置20と基地局10はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。通信装置20と基地局10のハードウェア構成は、図に示した1001~1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
通信装置20と基地局10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図22に示した基地局10の送信部101と、受信部102と、設定情報管理部103と、制御部104は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。図23に示した通信装置20の送信部201と、受信部202と、設定情報管理部203と、制御部204は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、通信装置20の送信部201及び受信部202は、通信装置1004で実現されてもよい。また、基地局10の送信部101及び受信部102は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、通信装置20と基地局10はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(実施の形態のまとめ)
本明細書には、少なくとも下記の通信装置及び基地局が開示されている。
<第1項>
基地局からアップリンク用リソースの割り当て情報を受信する受信部と、
前記アップリンク用リソースに関連付けられたサイドリンク用リソースで受信した信号を前記アップリンク用リソースで前記基地局に送信する送信部と
を備える通信装置。
上記の構成により、サイドリンクの通信のタイミングと、代表通信装置と基地局との間の通信のタイミングとの関係を明確にすることが可能となる。これにより、例えば通信の遅延を減少させることができる。
<第2項>
前記受信部は、前記アップリンク用リソースの割り当て情報と前記サイドリンク用リソースの割り当て情報とを含む制御情報を前記基地局から受信する
第1項に記載の通信装置。
上記の構成により、例えば、効率的な制御情報の受信が可能となる。
<第3項>
前記受信部は、あるスロットにおけるサイドリンク領域で前記信号を受信し、前記送信部は、当該スロットにおけるアップリンク領域で前記信号を送信する
第1項又は第2項に記載の通信装置。
上記の構成により、サイドリンクで信号を受信してから、アップリンクで送信するまでの時間を短くすることができる。
<第4項>
前記受信部は、あるスロットにおけるサイドリンク領域で前記信号を受信し、前記送信部は、前記スロットと連続する別のスロットにおけるアップリンク領域で前記信号を送信する
第1項又は第2項に記載の通信装置。
上記の構成により、サイドリンクで信号を受信してから、アップリンクで送信するまでの時間を短くすることができる。
<第5項>
前記受信部が前記信号の受信に失敗した場合において、前記基地局又は前記送信部が、再送要求を送信する
第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載の通信装置。
上記の構成により、例えば、アップリンク送信を行う通信装置は、確実の他の通信装置から信号を受信できる。
<第6項>
基地局からダウンリンク用リソースの割り当て情報を受信する受信部と、
前記ダウンリンク用リソースで受信した信号を、当該ダウンリンク用リソースに関連付けられたサイドリンク用リソースで送信する送信部と
を備える通信装置。
上記の構成により、サイドリンクの通信のタイミングと、代表通信装置と基地局との間の通信のタイミングとの関係を明確にすることが可能となる。これにより、例えば通信の遅延を減少させることができる。
<第7項>
グループを構成する複数の通信装置における少なくとも1つの通信装置を、アップリンク送信を実行する通信装置として選択する制御部と、
前記制御部により選択された通信装置に対し、アップリンク送信の実行指示を含む制御情報を送信する送信部と
を備える基地局。
上記の構成により、例えば、無線品質の良い通信装置にアップリンク送信を実行させることができる。また、上記の構成により、例えば、特定の通信装置のみにアップリンク送信を実行させることを回避でき、特定の通信装置の消費電力が過大になることを回避できる。
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、通信装置20と基地局10は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って通信装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局10が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、NR、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局10を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、通信装置20との通信のために行われる様々な動作は、基地局10および/または基地局10以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
通信装置20は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局10は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(enhanced NodeB)、ベースステーション(Base Station)、gNB、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示の全体において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。