以下の説明では、開示内容のシステムおよび方法、ならびに開示内容の完全な理解をもたらすために、かかるシステムおよび方法が動作し得る環境に関する多くの特定の詳細が示される。しかしながら、当業者には、開示された主題はかかる特定の詳細なしに実施されても良いこと、および当技術分野において周知の特定の特徴は詳細に説明せず、開示内容を複雑にするのを避けていることが明白となる。さらに、以下に記載される実施形態は例示的なものであり、開示内容の範囲内にある他のシステムおよび方法が存在することが企図されていることが理解される。
本明細書に記載される種々の技術は、フィルタレス入れ物を使用する1つまたは2つ以上の凍結させた食品または飲料液体の包装、およびこの凍結液体内容物を高品質で美味しい食品または飲料製品に効率的に転換する方法を提供する。単一チャンバのフィルタレス入れ物は、機械利用式システムが入れ物を収容し、凍結液体内容物の融解および/または希釈を容易にして、その入れ物から直接所望の風味、効能、体積、温度、および口当たりのある飲用可能な液体飲料または食品を、ブリューする必要なく簡便に適時に生成することができるように設計し得る。簡素にするために、凍結させた食品または飲料液体を1つまたは複数の「凍結液体内容物」という場合がある。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を作り出すために凍結される液体は、任意の凍結させた液体の物質で良く、幾つかの実施形態では、これはいわゆるエキス、例えば、溶媒を用いてある種の溶解可能な固体を除去することによって得られる製品に由来し得る。
例えば、エキスは、水を使用してコーヒー粉または茶葉由来の特定の望ましい溶解性固体を除去して作り出しても良い。いくぶん紛らわしいことに、高固形分の特定の液体エキスは、頻繁に濃縮エキスと呼ばれている。この文脈における「濃縮」という用語の使用は、高固形分が純粋に固体の溶媒抽出によって成されるか、濃縮の二次的なステップによって達成されるかのいずれかに、完全に正確に拠る場合も拠らない場合もある。この二次的なステップでは、効能または濃度を高めるために、例えば熱または冷蔵を用いた逆浸透や蒸発などの何らかの手段によって、溶媒が液体から除去される。
固形物を抽出または溶解することによって(例えば、粉/葉などをひとまとめに処理することができる工場で別個に)飲料製品を作製するためのシステムである「ブリューワ」とは対照的に、飲料の作製を容易にするよう本明細書において説明する装置は、ブリューワではない。これとらは異なり、本装置は、あらかじめブリューした凍結液体内容物から飲料を作製するために使用できる小出し機能により融解および/または希釈を行う。
凍結液体内容物を製造するために使用される液体は、純粋な濃縮物、例えば果汁濃縮物やブロス濃縮物を作り出すために果汁やスープなどの飲用可能な混合物から水または他の溶媒を除去することによってのみ得られる製品であっても良い。幾つかの実施形態では、練乳を作り出すために、水分を乳から除去することがある。輸送コストおよび貯蔵スペースを低減するために、または、簡便性のためか、希釈を介して作製される製品の効能と供給するサイズに多様性があることからか、例えば水分活性の低下に起因して抗菌活性が増強されることなどにより貯蔵寿命が向上することから、高いTDS値および/または濃度が望ましい場合がある。これらの詳細は、バリエーションを例示することを意図しているが、任意の液状食品または飲料製品が、それがどのように作り出されているかにかかわらず、また固体の内容物にかかわらず、本開示の範囲内に入る。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物または物質は、コーヒーまたは茶のエキス、レモネード、果汁、ブロス、液体乳製品、アルコール、シロップ、粘性液体、または任意の凍結された液状食品のいずれか1つであり得る。凍結液体内容物は、栄養価の有無にかかわらず作り出された物質であっても良く、天然または人工的に風味が付いていても良く、保存剤などの有無にかかわらず包装されても良い。凍結液体内容物は、炭水化物、タンパク質、ミネラル、およびエネルギー、または代謝を支える他の栄養素を構成し得る。凍結液体内容物は、とりわけ、ビタミン、カルシウム、カリウム、ナトリウムおよび/または鉄などの添加物を含むか、またはそれで増強され得る。凍結液体内容物は、抗菌性添加剤、酸化防止剤、および合成化合物および/または非合成化合物などの保存剤を含むことができる。保存料としては、乳酸、硝酸塩および窒化物、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシ安息香酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、二酸化硫黄および亜硫酸塩、ソルビン酸およびソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロール、アスコルビン酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸および没食子酸ナトリウム、脱酸素剤、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、クエン酸(およびクエン酸塩)、酒石酸およびレシチン、アスコルビン酸、フェノラーゼ、ローズマリーエキス、ホップ、塩、砂糖、酢、アルコール、ケイソウ土、および安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。列挙したこの添加物は、本明細書に記載の技術の範囲内にあることが意図されており、具体的に言及された添加物は、例示的なものに過ぎず、その誘導体および他の化学化合物を含むこともできることが理解されよう。
凍結液体内容物または物質は、懸濁固形物を有していてもいなくても良く、溶解しない固体を含んでいても良い。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物が製造される濃縮物、エキス、または他の飲用可能流体形態は、凍結前に溶媒に完全に溶解する添加物を含み得る。また、幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、包装プロセスの間に凍結液体内容物内に溶解しないが、所望の特徴を有する飲料製品または食品の作製中に機械利用式システムが溶解する組成物の塊を含み得る。
図1A~1Eは、凍結液体内容物を保持する入れ物を通して機械利用式システムによって加圧されるか重力が供給される希釈液の所望の流れを可能にするために、凍結液体内容物がいかに構造化され、包装できるかについての多様な実施形態を示す。希釈液は、凍結液体内容物への熱伝達を促進することに加えて、乱流運動を作り出すのに有効であり、それにより、本明細書に記載された技術の範囲外ではない種々の方法で融解を促進する。入れ物内で、凍結液体内容物は、任意の有用な形状または大きさに凍結し得る。
図1Aには、入れ物110の断面図が示されており(封止する蓋は所定の位置にない)、この入れ物は、凍結液体内容物120を包装するためのキャビティを画定する。凍結液体内容物120は、入れ物に液体を充填し、次にこの液体を凍結させることによって定位置で凍結されても良く、あるいは凍結内容物を特定の形状に凍結し、次に入れ物内に配置しても良い。この場合、凍結液体内容物が示されており、入れ物の底部から移動されて、出口針が穿孔するための隙間を可能にし、入れ物の凍結液体内容物の外面の周りに通路を作り出して、融解/希釈液が入れ物を通って、また凍結液体内容物の周りの所望の流れを生み出して、所望の風味、濃度、体積、口当たりおよび温度を生じさせる。図1Bは別の実施形態を示しており、この実施形態では、凍結液体内容物が、入れ物の外側に適合するように構成された形状に成形されて、続いて装填されており、その結果あらかじめ成形された形状が、本体の貫通穴130および下方の逃げ部132を画定して、出口針の穿孔に適応させ、閉塞や背圧なしで、そこにわたり所望の液体の流れをもたらすようにしている。図1Cは、複数の種々の形状および大きさで設けられた複数の凍結液体内容物片140~180を示し、入れ物を通って凍結液体内容物の周りの所望の液体の流れを提供する大きな空間を有する。幾つかの実施形態では、封止入れ物内の凍結液体内容物は、複数の濃縮物および組成物を含むことができる。例えば、凍結液体内容物140および150はレモネード濃縮物を含むことができ、同時に凍結飲料濃縮物160,170,180は茶濃縮物を含み、その結果「アーノルドパーマー」を得ることができる。
図1Dおよび図1Eは、ドーム195(双安定またはその他)を有する底部を含む、代替的に成形された入れ物115の実施形態を示す。図1Dでは、入れ物115は、凍結液体内容物が加えられ、所定の位置で凍結され、初期の状態で示されており、底部には凍結ドーム構造195が設けられ、ドーム構造が初期位置にあり、入れ物から外側に膨らんでいて、完全になっている。図1Eは、ドーム195が入れ物のキャビティの内側に向かって二次位置に移動し、その結果液状凍結液体内容物190が、戻るか、入れ物の内側底部と凍結液体内容物の底部との間の空間またはボイドを「交換」しながら、上方に移動してヘッドスペース内に入った後の入れ物115の状態を示している。この移動は、望ましいことに、入れ物の底部に出口穿孔針のための空間を作り出し、任意の融解/希釈液が凍結液体内容物の外側の周りを通るための流路も形成する。
図1Fは、多面形状を有する入れ物196を示す。この実施形態では、入れ物196は異なる形状部分196A~196Eを含む。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を充填、融解および希釈するプロセスは、全般的に、入れ物の大きさまたは形状の影響を受けないことがある。幾つかの実施形態では、例えば、凍結液体内容物の制限のない放出を促進および容易化し、針による穿孔に対応し、凍結液体内容物の周りに隙間を発生させて液体を希釈するための態勢が整った流路などを促進し得る幾何学形状の使用に関し、特定の設計を考慮できる。例えば、凍結液体内容物と接触する入れ物の側壁にある正の(非係止の)抜き勾配について、1つまたは2つ以上のかかる設計上の考慮事項を満たすことができる。抜き勾配は、例えば、入れ物の底部から入れ物の上部に向かって外側へ側壁をテーパ状にする(例えば、入れ物の直径が入れ物の頂部に近づくほど大きくなる)ように、入れ物の側壁をテーパ状にすることによって達成することができる。これは正の抜き勾配を生み出すことができ、その結果凍結液体内容物を入れ物の底部から押し出すと、凍結液体内容物の側面の周りに隙間を生じる(例えば、それは凍結液体内容物が入れ物の側面に対して機械的に係止するのを回避する)。かかる正の抜き勾配は、入口針から入れ物を穿孔する出口針に流れる液体などの、入れ物を通って移動する液体を希釈するための自然の流路を作り出すために、使用することができる。
図1Gは、蓋198を備えた入れ物197を示しており、この蓋は、消費者が取り外し得るプルタブ199を有する。プルタブ199は、入れ物197と組み合わせて、ストローまたは類似のデバイスの使用を容易にするために、取り外すことができる。別の例として、入れ物197への希釈流体の導入を容易にするために、プルタブ199を取り外すことができる。
図2Aは、成形シールクロージャ、例えば蓋構造体118を含む入れ物の斜視図であり、蓋構造体118には穿刺部210がもうけられるのが良く、それにより幾つかの実施形態では、融解剤としても作用し得る希釈流体を、入れ物中に導入することができる。蓋構造体118は、ある特定の場合には蓋の穿孔を必要としないで凍結液体内容物への接近のために蓋の手作業による取り外しを可能にするタブ119を有するのが良い。この蓋構造体は、単一ストリームリサイクルに向けた努力をより良く支えるために、入れ物と同じ材料から作ることができる。蓋構造体は、収容システムが作り出す力で増減し得る、融解/希釈液などにより作られる内部圧力に適切に耐えるのに十分なゲージ厚さで作ることができる。例えば、融解を促進する振動、遠心または回転用プラットホームなど、あるいは注入される希釈液の流量は、蓋、シール、および入れ物にかかる圧力に影響を与える。さらに、収容システムによってなされる穿孔は、気密シール、蓋、および入れ物に生み出される圧力に影響を及ぼす可能性がある。蓋は、ヒートシールまたはクリンピング、ラジアルフォールディング、音波溶接などの任意の適切な手段によって入れ物に取り付けることができ、機能は、内部キャビティを封止し、ガスまたは水分の移動に対するバリヤとして作用する蓋の任意の機構または形態によって、達成することができる。
図2Bは、2つの穿孔215を含む穿刺した蓋の代替の実施形態を示す。図2Cは、封止された入れ物から希釈液が出られるようにする底部穿刺部220を示す。しかしながら、これらの例は、穿刺(複数可)が入れ物の任意の場所で行われ得るため、例示的であることを意図している。所望の融解および希釈環境のため、および最終的には適時に所望の飲料を作り出すために、溶剤、希釈剤、液体、例えば水、ガスまたは蒸気を小出しする特定の場所で、穿刺部を作ることができる。穿刺部は、例えば、特大の固形物(凍結または不溶性固形物)を入れ物から小出しすることを可能にするために、必要に応じて任意の大きさとすることができる。幾つかの変形例では、穿孔は、流体、アイス、スラッシュ、またはスムージーのような飲料を作り出すために、特定の大きさの凍結構造が漏れ出し、入れ物から小出しされることを可能にできる。さらに、複数の穿刺部は、融解/希釈流体が入れ物に投入されるとき、入れ物の排水をもたらすのに好都合であり得る。
図2Dは、機械利用式システムに下向きに装填された入れ物260の蓋250から液体を入れるために、入れ物270の周辺に近接して位置を定めた4つの穿刺部(230~233)を有する実施形態を示す。この実施形態に示すように、入れ物の蓋の中心付近に穿刺部240を設けて、融解および希釈した凍結液体内容物を入れ物から排出させることができる。この図面では、凍結液体内容物(図示せず)が、上下逆の入れ物のドーム形の底部内で凍結され、液体が入れ物のテーパ状の側面により出口の穿孔へ再度方向付けられる所望の流動環境を可能にする。この実施例では、融解および希釈された液体は、収容装置により設けられる単一または複数のノズルから入れ物を出て、飲用するための第2の入れ物に流入することができる。
幾つかの実施形態において、これらの入れ物に含まれる凍結液体内容物は、抽出プロセス中適切なときに、脱気または脱酸素された溶媒(例えば、水)を使用することを含め、脱気または脱酸素した場合に、より良好に保存できる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を製造するために使用する液体は、鮮度、風味、味および栄養に関してピーク時の品質で凍結できる。コーヒーベースの飲料などの幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、抽出直後、ピークの風味の期間中に急速冷凍されて、最適な味、芳香および全体的な品質を保存し、その後、味と芳香を保存するために凍結状態で小出しされる。例えば、エスプレッソ濃縮物は、焙煎後0~36時間以内に粉砕し、粉砕した直後にブリューし、ブリューイングプロセス中に脱酸素水を使用して保存して、最高の味にすることができる。
ブリューした直後のこのピークの風味の期間中に、液体濃縮物、エキス、または他の飲用可能流体を急速冷凍することにより、エキスのピーク時の風味、最適な味、芳香および全体的な品質を得ることができる。さらに、この急速冷凍した液体を、MAP技術(本明細書でさらに記載)を用いてガス不透過性およびリサイクル可能な入れ物に包装することによって、およびその後貯蔵および最終消費者へ供給する間に凍結状態を維持される液体内容物を提供することによって、新鮮な風味はほぼ無期限に維持することができる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物と入れ物の側面との間に生じた結合(接着)を除去するのを後に容易にするために、入れ物の選択および制御された一部分から熱を除去することによって、凍結液体内容物を凍結することができる。例えば、ある実施形態では、液体内容物を入れ物に入れ、液体が液体の上面で凍結開始して、次いで下方へ凍結していくように熱を除去する。そうすることにより、凍結液体内容物と入れ物の側壁の内側との間の接着が減少する。
幾つかの実施形態では、内容物の品質を他の何らかのFDAの食品安全方法、例えば炭酸飲料を作製するために使用されるシロップで維持できるならば、包装材を凍結させない状態で流通させることができる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を凍結して、決して融解しないようにしても、流通中に1回または多数回融解するようにしても良い。凍結液体内容物の凝固点未満の温度での入れ物の流通および維持は、品質保全および栄養豊富な食品の安全性という側面が高まる可能性があるが、すべての実施形態にとって必要とされるわけではない。幾つかの実施形態では、飲料濃縮物は急速冷凍され、飲用用に調製する直前に融解および/または希釈する準備ができるまで、入れ物内で凍結されたままにされる。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、層状および/または混合様式で構成された複数の凍結液体内容物として、包装することもできる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、充填されていない領域を維持している間に内容物が入れ物のキャビティ部内に収まり、また収容システムが実施する特定の穿刺に対し内容物を再配置することができる限り、任意の形状または複数の幾何学形状に構成しても良い。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を粉砕または浸して軟化して、凍結液体内容物の表面積を増加させて融解の速度を上げることができる。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を含む液体は、計量された後に入れ物内に入れて凍結し得る。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を作り出すために使用される流体は、入れ物に供給する前に凍結しても良く、例えば、型の中であらかじめ凍結して、押し出し、凍結し、切って大きさを合わせるなどの手段をとり、次いで何らかの望ましい形状の凍結した固体として入れ物に堆積し得る。これは、凍結液体内容物が穿刺用に指定された入れ物の領域に干渉しないようにした、テーパ状部分を有する入れ物の寸法と連携して成し遂げることができる。例えば、凍結液体内容物は、図1Aに示すように、入れ物の頂部、底部、または他の第1または第2の端部よりも直径が大きいので、穿刺領域から離れるように移動するように成形しても良い。別の言い方をすれば、凍結液体内容物は、第1段階または別個のステップで作り出され、次いで、機械利用式小出しシステムが収容し得る入れ物に受け入れられ、挿入され、封止され得る。幾つかの実施形態では、液体飲料濃縮物はスラリーまたは液体として受け入れられ、凍結され、入れ物内で順に、または同時に封止される。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、機械利用式システムが液状凍結液体内容物を容易に融解および/または希釈し、内容物を所望の風味、効能、体積、温度、および口当たりの飲用可能な液体に転換することができるように、効能、形状および大きさを備え、入れ物内で構造化される。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載された技術を用いた、凍結液体内容物を保持/貯蔵するための入れ物は、連続した閉鎖した底部と、底部から延びる連続する側壁と、封止可能な頂部開口部とを有するカップ型の部分を含み、底部から遠ざかるにつれて外に向くテーパ状の連続的な側壁によって画定される。壁は、ある種の穿刺部、凍結液体内容物の移動および流れの実施を妨げるフィルタまたは他の内部の特徴により中断されない。
幾つかの実施形態では、入れ物は、凍結液体内容物を貯蔵するためのキャビティを含む。凍結液体内容物を封入する包装材は、上記においてまたは以下において「入れ物」と称されているが、かかる包装材は、別の言い方をすれば、カートリッジ、カップ、パッケージ、ポーチ、ポッド、容器、カプセルなどと説明できる。入れ物は、任意の形状、スタイリング、色または組成とすることができ、小出し装置と協働して液状化環境を向上させる様式にすることができる。包装材は、柔軟性であって良く、決まった形状を有しても良く、またはそれらの組み合わせであって良い。審美的または機能的な理由、例えばポッドに適用されるポッド検出機能または運動駆動機能を補完するという理由のために、入れ物の壁は凹形および/または凸形にし、特定のインターフェースの寸法を一定に保ちながら、異なるポッドの大きさを提供することができる。同様に、色および/または形状は、情報をディスペンサに伝えるのに使用できる。
例えば、図6および図7は、同一の端部の幾何学形状および高さを有するが、異なる側壁の外形を有する入れ物610および710の2つのバージョンを示す。異なるように湾曲した側壁から、凍結液体内容物およびヘッドスペースに利用可能な異なる内部容積が作り出されるが、その2つの端部の直径およびそれらの全体の高さは同じである。
幾つかの実施形態では、入れ物の外面は、凍結液体内容物を加熱および/または融解するために使用され得る赤外線エネルギーの吸収を高めるように設計された材料で、着色またはコーティングされる。幾つかの実施形態では、入れ物側壁の形状は、第1または第2の端部から得られる断面で見た場合、星形または他の非円形であり、例えば、周の表面積が平らな円柱または円錐の表面積よりはるかに大きく、それによって凍結濃縮物の加熱および融解を、比例して速くなるよう促進するものである。これは、熱が入れ物を介して凍結液体内容物に伝わる表面積を増加させること、入れ物内に融解を促進するより乱れた流れの環境を作り出すこと、または1つまたは複数の出口孔から離れるよう液体を導くことを含む多くの方法で、融解を効率的に促して、入れ物内でのより優れた熱伝達効率を促すことができる。
幾つかの実施形態では、図8および図9に示すように、「鍵型結合特徴部」620または621が存在し、これは凍結液体内容物の融解および希釈中の内部の乱流を促進するのに寄与でき、入れ物を充填するために使用される内容物または製品群を識別するのにも使用し得る。
幾つかの実施形態では、入れ物は、MAPのガス環境の維持を補助するために、入れ物を封止するためのクロージャを含む。この場合、蓋と入れ物との間に形成される気密シールは、パッチ、接着剤、コルク、ヒートシール、クリンピングなどを含むが、これらに限定されない種々の方法を使用して達成することができる。幾つかの実施形態では、クロージャは、例えば、前述したように蓋にあるプルタブを用いて手動で取り外すことができるように設計でき、飲用可能飲料を調製するための機械利用式システムが利用できない場合に、凍結液体内容物が他の方法で利用できるようにし得る。幾つかの実施形態では、装置は、機械利用の小出しシステムに入れ物を装填する前に、機械が実施する穿孔の代わりに、手動の穿孔を必要とすることがある。
凍結液体内容物は、ガスの移動の制御をもたらす物質で包装しても良く、例えば、入れ物は、包装された凍結液体内容物の鮮度および芳香を保存するための長期間続く保存用の包装材を作り出すため、ガス不透過性材料で構成し得る。例えば、入れ物は、アルミニウム基板または他の金属材料で構成され、必要に応じて、食品との接触のためにFDAによって承認されたコーティングで典型的に準備される。別の例(例えば、リサイクル性が重大な関心事でない場合)で、入れ物は、例えば、EVOHプラスチックの層を含む多層バリヤフィルムから構成されても良い。幾つかの実施形態では、入れ物が金属から製造される場合、入れ物は、好ましくはアルミニウムなどの特に熱伝導性のある材料から作られ、これにより、特に加熱された希釈液が凍結液体内容物を融解するための主要な手段ではない場合、より速い熱伝達を支持する。幾つかの実施形態では、包装材は、溶解および食され得る食用包装材料を含み得る。幾つかの実施形態では、入れ物およびそのクロージャは、ガス不透過性のリサイクル可能な材料で構成され、クロージャおよび他の包装材の特徴を含む使用済入れ物を、その全体でリサイクルすることができる。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、ヘッドスペースを有するか、ヘッドスペースを有さないか、限られたヘッドスペースで包装される。上述したように、ヘッドスペースは、凍結液体内容物の頂部と入れ物の蓋またはクロージャ分との間に任意選択的に配置される封止される入れ物内の過剰な大気を示している。さらに、アルゴン、二酸化炭素、窒素、または空気または酸素よりも化学的に活性が低いことが知られている別のガス状化合物などのMAPガスを使用して、包装入れ物の任意のヘッドスペースを好都合なように充填することができる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物の頂部または最外層またはエンベロープは、防腐用バリヤとして作用し得る、凍結、脱気された水のコーティングで積層しても良い。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、可撓性入れ物内で真空封止される。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、内容物と、特に酸素ガスであるが同様に芳香を運び去る任意のガスもある大気との表面領域接触を最小限に抑えるように、入れ物内に包装される。
幾つかの実施形態では、入れ物は内側に、入れ物の側面または底面から凍結液体内容物を移動させるのに必要な力を大幅に低減する材料でコーティングして、凍結液体内容物の経路からのまたは穿孔針の作用による移動を容易にし、液体を融解および/または希釈して出口穿孔部に至る途中で凍結液体内容物の外面周囲を通る、制限のない経路を作り出す。幾つかの実施形態では、入れ物の底部は、ドーム構造(双安定性など)を組み込んでおり、これは、液体内容物の充填および凍結中に入れ物の底部から離れるように下方に膨張し、その後凍結後に、その第2の安定した態勢に上向きに反転されて、凍結液体内容物を入れ物の底部から離して保持して、針の貫通および/または出口穿孔部へ向かう途中凍結液体内容物の外面の周囲で希釈液が流れるよう促すことができる。幾つかの実施形態では、ドームは、製品を消費者に出荷する前に工場で反転される。幾つかの実施形態では、ドームは、使用する直前に消費者によって、または挿入および針の貫通の一部として機械によって反転される。幾つかの実施形態では、ドームは機械によって反転される。これらの実施形態は単なる例であり、凍結液体内容物または飲料製品の移動を容易にし得る入れ物の機能または特徴を限定するように言及してはいない。さらに、上記の実施例では、凍結液体内容物は、穿孔針またはドームによってヘッドスペース内に上方に移される。しかしながら、他の実施形態では、凍結液体内容物は、入れ物の未充填領域内へと異なる方向(例えば、下方または側方)に移ることができ、依然本発明の範囲内にある。同様に、凍結液体内容物は、入れ物の底部または上部を貫通する針による破壊を容易にする形状および大きさであって良い。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、特定の大きさおよび形状の入れ物に包装して構造化することができ、入れ物が、現在の機械利用の希釈システム、または所望の風味、効能、体積、温度および口当たりの飲料を作り出すべく溶質の抽出またはコーヒーのブリューを容易にするように設計された市販のシステムにより収容されるのを可能にする。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物の包装は、凍結濃縮物が小出し中に融解したり紫外線へ暴露されたりすることから保護する追加のバリヤまたは二次包装を含む。例えば、入れ物内に包装された凍結液体内容物を段ボール箱の中にさらに包装することは、断熱層を付加し、そのため、例えば熱損失や融解が望ましくない場合、凍結液体内容物のかかる熱損失や融解を遅らせる。
本技術の実施形態では、凍結液体内容物から食品または飲料を作り出すための装置は、好都合なことに、他のフィルタ付き飲料用入れ物の間でもとりわけ、例えば米国特許第5,325,765号に例証されるような、現在利用可能なフィルタ付き入れ物と区別できるような、フィルタレスの入れ物を含む。フィルタレス入れ物、そして例えば(1)融解および/または希釈およびその後の供給中に凍結液体内容物を(実質的に)完全に除去すること、および(2)構造の均質な材料を使用することにより、入れ物がリサイクルに理想的に適合するものとなる。
幾つかの実施形態では、入れ物は、機械利用式システムによって収容されるように構成され、そこから小出しされた液体を受け入れて、凍結液体内容物の融解および/希釈を促して所望のセットの特徴を有する飲用可能な液体製品へ至ることができる。
幾つかの実施形態では、入れ物は、融解した内容物および機械利用式システムからの添加された希釈液すべてを含められるほど大きくすることができ、完成した製品はそこから直ちに飲用できる。希釈液を加えるために使用される穿孔は、希釈および/または融解された内容物を第2の入れ物に小出しするのと対照的に、ストローまたは他の手段を後続的に用いて、入れ物から直接飲用するのにふさわしいものにしても良い。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を含む入れ物は、一部制御された構成で提供され、一部制御された構成は、シングルサーブの大きさのフォーマット、または数杯分を作り出すための一括供給サイズのフォーマットを含むことができる。幾つかの実施形態では、機械利用式システムは、凍結液体内容物の融解および希釈を容易にする任意の方法、形状、または形態の入れ物(複数可)を収容することができる。幾つかの実施形態では、機械利用式システムは、製品のより大きなアレイの可能性のために、複数の入れ物のタイプや大きさを収容することができる。
幾つかの実施形態では、入れ物は、消費者によって、または機械利用式システムによって穿孔されても良い。例えば、消費者は、機械利用式システムが入れ物を受け入れる前に、パッチを除去して入れ物内に作られた穿孔を露出させることができる。あるいは、機械利用式システムは、穿刺針または入れ物を破裂させる圧力を含む種々の方法を利用して、封止されている入れ物を穿孔することができる。
幾つかの実施形態では、包装は、より高い温度または機械的作用にさらされた後にのみ穿孔可能となる場合がある。例えば、包装は、凍結液体内容物が加熱されたときに浸透することができるスポンジ状の材料で作られても良い。別の実施例では、凍結液体内容物は、機械で駆動された針がより小さい力で入れ物および内容物に貫通できるように、上記作用に起因して解凍または液状化される。
上述したように、穿孔は単一の孔であっても良い。幾つかの実施形態では、複数の穿孔を複数の場所で入れ物に設けることができる。全般的に、融解した凍結液体内容物を濾す必要がないので、本明細書に記載の穿孔は、融解/希釈液、ガス、または蒸気の導入、または融解した凍結液体内容物を入れ物から排出することを意図している。幾つかの実施形態では、入れ物を穿孔し、プッシュロッドなどを導入して、凍結液体内容物の全体を入れ物から移動させた後、融解および希釈する。幾つかの実施形態では、穿孔は段階的に、つまり小出しプロセスの異なる間隔で、段階的になるように、1つの穿孔、次いで別のまたは複数の穿孔を行っても良い。機械利用式システムは、凍結液体内容物を移動することができ、または消費者は、凍結液体内容物を移動させてそれを包装材から取り出し、凍結液体内容物のみをシステムに装填しても良い。幾つかの実施形態では、入れ物は、飲料製品のいずれも無駄にしないように、また入れ物からリサイクル用の汚染物質を除去するように、凍結液体内容物全体が、融解の前または後に入れ物を出られる場所で、機械利用式システムが穿孔する。幾つかの実施形態では、凍結内容物は、入れ物から絞り出される。他の実施形態では、穿孔器は、凍結内容物を入れ物から押し出す。蓋を取り外すのにブレードが用いられるのが良く、あるいは、変形例として、圧力により蓋が勢いよく開いてポッドから外れるようにしても良い。
凍結液体内容物の全てまたは一部が入れ物から別個のチャンバ(すなわち、融解容器)中に移される実施形態に関し、入れ物内での調製に関連して最終食品または飲料製品を調製するために用いられる種々の技術の全ては、同等に当てはまり、最終製品を容器から小出しすることができる。例えば、別個のチャンバを加熱、攪拌、および入れ物中への希釈液の注入について説明したのと同じ仕方で加熱することができ、攪拌することができ(以下に説明するように)、そしてこの別個のチャンバは、膨張液を受け入れることができる。分かりやすくするために、本発明の内容物を収容した入れ物に対する製品調製作用を実施する観点で本発明の具体化例を説明するが、別個のチャンバに対してこれらの作用を行うことは、本発明の範囲に含まれる。
穿孔は、凍結液体内容物が融解および/または希釈される前、後、またはその間に行うことができる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、理想的な飲料用に小出しされる希釈剤により希釈される前に、融解され、入れ物を出る。本技術の幾つかの実施例では、内容物を次のまたは二次的な入れ物に小出しする前に、凍結液体内容物は、小出しされる液体を用いて希釈され得る。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を融解し、同時に希釈する。例えば、幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を収容する入れ物に液体を導入して、凍結液体内容物を同時に融解および/または希釈することができる。
入れ物内の凍結液体内容物の周りまたは内部に、加圧した液体を押し込むことは、融解速度を促進するのに有効であり得るが、同じ結果を達成し、このプロセスの速度を速める他の方法が存在する。図3は、凍結液体内容物を同時に融解および/または希釈するために加圧された液体を使用しない、所望の飲料を作製するための方法を示す。凍結液体内容物は、穿孔可能な入れ物内に封入される(310)。入れ物は、機械利用式システムによって穿孔され、収容され、凍結液体内容物は、外部熱源などの融解構成要素を介して液状化される(320)。本明細書に記載の技術の凍結液体内容物から飲用可能な液状製品を作製するプロセスは、中に貯蔵するために封止される入れ物に内容物を入れる最初のステップによって行うことができる。入れ物は、凍結した食品または飲料を消費可能な液状食品または飲料の形態に融解するための外部熱源を介して、入れ物に熱を加える機械利用式システムによって収容され、封止されたエンクロージャは、飲用可能な液体飲料を封止されたエンクロージャから直接小出しするのを可能にするように穿孔される。
幾つかの実施形態では、凍結液体内容物に含まれる負のエネルギーは、ディスペンサ内の冷蔵システムを必要とせずに、ディスペンサから冷たい飲料を促す方法として、消費可能な食品または飲料を製造するために使用される希釈液、ガス、または蒸気からの過剰な熱を吸収する。冷たい状態で提供することを意図した飲料に関与するこの実施形態では、凍結液体内容物の融解および希釈は、外部の熱、周囲温度の希釈液内に含まれるエネルギー、および融解/希釈液と凍結液体内容物との間の相対的な運動の利用の組み合わせを利用して、液状化を増強し、完成した製品の全体的な温度を最も低くする目的で、注意深く管理される。
さらに図3を参照すると、入れ物から出ている融解状態の飲料内容物は、二次的ステップでまたは所望の希釈剤と一斉に機械利用式システムを介して、小出しされた追加の液体で希釈される(330)。融解された内容物は、希釈用の別個の液体を添加する前、後または同時に、希釈されずに小出ししても良い。これは、機械利用式システムによって一緒に小出しされる前に2つの液体を混合する液体リザーバ内に融解状態の飲料内容物を捕捉するステップを含むのが良い。分配されると、二次的入れ物が、適宜、融解状態の内容物および希釈剤を受け入れる(340)。
幾つかの実施形態では、融解/希釈された内容物を集めるために使用される二次的な入れ物は、液状食品または飲料を保持することが知られている任意の入れ物を含むことができる。この二次的な入れ物は、入れ物、魔法瓶、マグカップ、カップ、タンブラー、ボウルなどとすることができる。この二次的な入れ物は二次的な包装に含まれても、含まれなくても良い。注意されるべきこととして、この例には、即席の米または麺を入れるスープ用ボウルを含む飲食者用包装材があり、これは凍結液体内容物を融解および/または希釈し、二次的な包装に排出した後に、スープを作るために組み合わせる、凍結液体ブロス濃縮物の入れ物と共に販売されている。あるいは、二次的な入れ物は、消費者が別個に準備しても良い。
幾つかの実施形態では、消費者は、凍結液体内容物を希釈しない飲料を望むことができ、例えば、凍結液体内容物は、既に適切な風味、量、および効能になっている。例えば、凍結液体内容物は、飲用に所望のTDSレベルで、例えばエスプレッソまたはホットファッジソースで既に存在していて、所望の温度および口当たりで融解および小出しすることのみ必要であるようにしても良い。例えば、機械利用式システムは、コイルヒータに対するよう熱伝導性の入れ物を置くことによって、または赤外線を照射することによって、または加熱されたガスまたは蒸気を入れ物の外側に当てて、その後内容物が所望の温度に到達した後に入れ物を穿刺することによって、凍結液体内容物を融解しても良い。さらに、凍結液体内容物は、機械利用式システムから次の入れ物に都合良く小出しすることができる。幾つかの実施例では、蓋は、入れ物から直接飲用するために融解および加熱の前または後に取り外される。
図4A~4Dは、幾つかの実施形態による種々の異なる入れ物を収容することができる例示的な機械利用の装置を示す。システムは、例えば、融解システムであっても良い。入れ物は、例えば、種々の大きさおよび形状の、種々の異なるフィルタレス入れ物を含むことができ、それぞれが、いくらかの量の凍結液体内容物を保持する。この装置は、本明細書で説明するように、所望の特徴を有する飲料製品または食品を作り出す目的で、融解、希釈および供給機能を実行するように構成することができる。
図4Aでは、システム400(本明細書では、「ディスペンサ」とも呼ばれる)は、種々の大きさおよび/または形状の入れ物を装填できるカセット430を含む。いったん1つの入れ物を装填すると、カセット430は、入れ物がメインシステム本体410の中心にくるまで、隙間トンネル435を通って適所に滑動することができる。融解システム400を利用するための指示は、ディスプレイ420を介してユーザに伝え得る。入れ物の凍結液体内容物を融解/希釈するために使用する溶媒(例えば水)は、必要になるまで保持タンク440に貯蔵される。
図4Bおよび図4Cを参照すると、入れ物がシステムとの相互作用のために適切に配置されると、針支持アーム450は、例としてのみで、電気的またはガスが駆動する異形を含むモータ451、および/またはねじ452を含むことができる任意の公知の手段を用いて、針457が入れ物のクロージャの端部を穿刺するまで、入れ物の方に移動される。
入れ物を穿刺するため手動のレバーを使用することも、本発明の範囲内である。針の形状は、突出した先端部を含むことができ、そのため出口箇所までの流路を促進するために凍結液体内容物の一部を削り、破砕し、または除去するために、特定の深さや角度まで、入れ物内に挿入できる。針457は、入れ物および/または凍結液体内容物の貫通を促すために、ある深さでらせん運動するように回転することができる。変形例として、針は、穿刺後に、入れ物内の第2の深さまでまたは入れ物から完全に退いて、初期の小出し圧力を緩和するか、妨害のない穿孔の出口を提供することができる。針は、入れ物への挿入前または挿入中に加熱することができる。加熱されたプローブを、小出しされる内容物の融解を促進するために、穿刺の1つを通して入れ物に挿入しても良い。入れ物の設計およびその内容物に応じて、第2の針支持アーム455を、同様のモータ454および駆動用のねじ455を使用して入れ物の底部を貫通するように、入れ物に向かって移動させることができる。ヒータ、例えばプレートヒータやIR加熱源(図示せず)を、所望の選択された製品およびプロセスに応じて、凍結液体内容物を予熱または融解するために、使用することができる。必要なときに、保持タンク440内に貯蔵された融解/希釈液は、配管(図示せず)を利用して、熱交換器(図示せず)を通過し、針457を通り抜けて、穿刺されたばかりの入れ物に入ることができる。その後、融解液は針456を介して入れ物から出すことができる。一実施形態では、穿孔針457は、特定の実施例ではカプチーノやラテなどのコーヒーベースの乳製品用に泡状の口当たりを作り出すために、液状化した製品を空気にさらすための方法として、高温の液体、蒸気、ガス、またはそれらの任意の組み合わせを、ポッドに直接注入することができる。一実施形態では、ポッド内に注入された針は、出口構造を含まず、純粋にポッドを安定させるために使用しても良い。
別の実施形態では、変形例として、サイズの異なる入れ物を受け入れるディスペンサのキャビティは、受け入れられている容器の形状に応じて引っ込み可能であるのが良い穿孔器を有しても良い。針、裁断器、ブレード、粉砕器などであるのが良い穿孔機は、任意公知の機械的手段、例えば穿孔器を回転させて入れ物から遠ざけて入れ物の穿刺を回避するためのピボット、穿孔器を摺動させてこれが挿入状態の入れ物の邪魔にならないようにするための伸縮機構体、必要に応じて穿孔器を昇降させるためのステップモータなどにより駆動されるねじ機構体、ばね駆動装置、ロールまたはコイルから「小出しされ」て使用後にこの場所に戻されるフレキシブル管または他の代替手段を利用して引っ込み可能であるのが良い。幾つかの実施形態では、穿孔器は、モータまたはソレノイドによって動かされるのが良い。幾つかの実施形態では、穿孔器は、直線的に動かされるのが良く、他方、他の実施形態では、穿孔器は、開口部の周囲周りの幾分複雑な経路を通って、例えば円形経路に沿って動かされるのが良い。幾つかの実施形態では、この円形経路は、蓋の一部分を完全に外すための円一周を説明していると言える。他の実施形態では、円形経路は、蓋を入れ物に対して保持してこれが緩くならないよう保つために蓋に小さな「ヒンジ」を残すよう円一周に満たない経路を説明していると言える。
幾つかの実施形態では、固定されまたは調節可能な穿孔器は、凍結内容物が針の穿通を妨げる場合に穿孔器またはディスペンサに対する損傷を阻止する手段としてばね押し式であるのが良い。ばね押し圧力は、入れ物またはその凍結内容物によって妨げられると、ディスペンサによって検出可能である。ばね押しおよび解除はまた、例えば熱の供給、攪拌、または希釈剤の供給をトリガしまたは終了させるために融解および希釈プロセスを含むシーケンスを開始させるために使用されるのが良い。幾つかの実施形態では、針は、例えば凍結愛用物の液状化を促進するための手段として入れ物の計画された攪拌を許容するよう動くことができ、そして運動により調整することができるチャネルを提供するようフレキシブル管に取り付けられるのが良い。
幾つかの実施例では、穿孔器は、熱安定性ポリマーで構成されている。他の実施形態では、穿孔器は、1種類または2種類以上の金属、例えばステンレス鋼またはアルミニウムで作られている。幾つかの具体化例では、構成材料とは無関係に、穿孔器は、約-40°F~約300°F(-40.0℃~148.9℃)の温度にさらされたときに物理的劣化に抵抗する。他の実施形態では、穿孔器は、約0°F~約250°F(-17.8℃~121.1℃)の範囲にさらされたときに物理的劣化に抵抗する。ディスペンサの出口側で用いられる穿孔器の種々の実施形態の特性とディスペンサの入口側で用いられる穿孔器の種々の実施形態の特性は、互いに同様に当てはまる。
図10A~10Eに示すように、針の小出しまたは排出用オリフィス(複数可)またはレリーフを、1000Aの場合のような点1001、または他の場所に配置しても、図10Aでのように軸方向に、または図10Cおよび図10Dでのように側方1004に位置合わせするが軸方向通路(複数可)1005、1006と流体連通させても良く、その結果、入れ物内に注入された液体が、凍結液体内容物の中心から離れるように導かれ、入れ物の側壁に対して凍結液体内容物を移動または回転させることを場合によって促すことができる。針の強度および耐久性に関する懸念は、図10Bのような十字形1003の針構造1000Bで対処することができる。例10Eは、まず鋭い先端1007で入れ物の閉鎖した端部を容易に穿孔し、次に融解/希釈された液体を針の側孔1009から排出しながら、貫通することなくドーム状端部1008で凍結液体内容物を支えるように利用でき、それにおいて、これらの側孔は、入れ物の閉鎖した端部の内面に隣接して配置される。
穿孔針のねじ状部分は、回転し、出ていく流体の流れを導くためにアルキメデスのポンプのように使用することができる。
図4Dは、幅広い範囲の飲料、スープなどを融解装置で使用できるように、種々の入れ物の大きさおよび形状を保持することができるカセットまたは他の装置のための一実施形態を示す。
図5は、機械のカセット(例えば、図4Aのカセット430)が収容することができる入れ物の大きさおよび形状の範囲を示す。各々元のものと交換可能である種々のカセットがあるが、種々の孔の大きさと形状があり、ブリューワは、無数の異なる入れ物を収容することができる。当業者は、凍結液体内容物を充填、融解および希釈するプロセスが、幾つかの実施形態では、入れ物の大きさまたは形状に一般的に影響されないことを認識するであろう。
融解システムは、凍結液体内容物の液状化を促進するために、任意の熱源、運動、またはそれらの組み合わせを使用することができる。したがって、融解システムは、種々の熱源および/または運動を含むことができる。電磁線(例えば、高周波エネルギー、マイクロ波エネルギーなど)、加熱コイル、熱風、熱電プレート、加熱した液体の浴、蒸気、化学反応などはすべて、融解速度を促進し得る可能な熱源の例である。加うるに、遠心力を用いて運動を導入するのが良い。運動は、回転運動、揺動運動、ふれ回り運動、回転または直線往復運動(前後両方および上下の攪拌運動(例えば、振盪または揺さぶり)を含む)、または融解速度を速める手段としての振動プラットホームなどのうちの1つまたは2つ以上であるのが良い。別の実施形態では、注入された液体が生じさせる穿孔および圧力が、入れ物内の凍結液体内容物を回転および移動させて、液状化のための望ましい環境を作り出すことができる。しかしながら、当業者は、そのために種々の他の物理的運動原理およびメカニズムを使用して液状化を促進することができることを認識するであろう。本明細書で説明するように、種々の形態の運動、電気的な周波数/電磁エネルギー、および/または熱を用いて、凍結液体内容物の融解および温度の上昇を促進するために、手動または自動の(電子)機械利用の方法を使用することができる。かかる実施例では、穿孔針は、それらが範囲内の運動を実施または補完することができるように、ある範囲の運動を所与としても良い。例えば、遠心分離システムでは、針は入れ物と共に回転することができる。
システム400は、所望の食品および/または飲料を自動的に作り出すためのプログラミング命令とともに、内部電子部品、メモリ、および適切なコントローラを含む。システム400には、ディスプレイまたは他の公知の方法、例えばハンドヘルド装置からの無線での命令を介して、ユーザによる指示が与えられるのが良い。
完成した食品または飲料の提供は、消費者が望む温度で、消費者が直接飲用するのに適した方法によって、入れ物の凍結液体内容物から成すことができる。一実施形態では、ジュース、アイスコーヒー、ソーダなどのように通常冷たい状態で飲む飲料のために、凍結液体内容物を融解し、冷たい液体または周囲温度の液体で希釈して、凍結液体内容物を融解して、加熱は最小限行うようにする。
図11に示す特定の実施例では、テーパ状の側面520を有する入れ物を、入れ物の頂部および底部から穿刺し、頂部の穿刺針1000Dを介して周囲温度の液体を注入する。
液体が入れ物に注入されると、入れ物内の液体1101が、底部の穿刺針1000Bにより形成される入れ物の出口穿孔(複数可)から離れながら流れる様式で、機械利用の装置が入れ物を回転させ、トルクを生じさせ、入れ物と協働する。そのため、希釈液は、入れ物内でより長い時間にわたって凍結液体内容物190と相互作用し、凍結内容物と希釈液間でより多くの熱交換をもたらすことができる。液体の出口は、水の流れによって、または攪拌運動を減少または停止させることによって、効果的に制御することができ、この水の流れは、ポッドが容量に近づくか達したときに水を押し出す。オプションとして、底部穿刺針1000Bは、凍結液体内容物を入れ物の底部から移動させる。
図11に示す実施形態の幾つかの実施で、小出しシステムは、入れ物520を回転軸の回りで回転させるモータまたは他の公知の機構を含む。入れ物の半径および幾何学形状と協働して、軸の周りの回転によって液体に与えられた回転運動は、液体にかかる重力の通常の引張りを克服し、それにより液体を入れ物の側面に沿って、入れ物1101の底部から離れるように移動させる。針1000Bによって形成される穿刺部は、液体が移動したときに、生じた空のスペース内にあるように位置決めする。
幾つかの実施形態では、回転する液体の慣性により、入れ物内へ新しい液体を添加して所望の製品を押し出すまで、または回転速度が低下するまで、液体が入れ物の側壁に保持される。換言すると、入れ物および/または凍結液体内容物に付与される運動は、液体が液体入口から(頂部穿刺針1000D経由で)液体出口(底部穿刺針1000B経由で)までの流路を増大させる。運動が付与されない場合、注入された液体は、入口から出口までの直接経路を取る傾向がある。運動が付与された状態では、注入された液体は、入れ物の外壁に沿って出口まで移動する。かかる実施形態では、入れ物に入る液体の流量により、部分的に、融解した凍結内容物が入れ物内に存在する時間の量が制御される。この滞留時間は、凍結内容物と希釈液との間の温度交換、および最終的には流出する液状製品の温度に影響を及ぼす。幾つかの実施形態では、入れ物内に供給される希釈液の流速および圧力は、入れ物から清潔で均一に流出させるために入れ物に加えられる回転運動により与えられる移動の力を克服することによって、出口穿孔部(複数可)を通って押し出される液体の量に影響を及ぼす。幾つかの実施形態では、入れ物の回転を駆動するモータまたは他の機構は、供給されたまたは排出する液体の障害物にならないように配置される。例えば、モータまたは他の機構を入れ物の上または下に配置する必要なく、入れ物を軸の周りで駆動するために、ベルトまたは歯車システムなどを使用する。
攪拌/付与される運動の他の例について本明細書において説明するが、これらは本発明の範囲に含まれる。これら他種類の攪拌もまた、入れ物内における液体の滞留時間を増大させ、同様に液体入口から液体/製品出口までの入れ物を通る液体の流路を促進する。有利には、入れ物中に注入される液体は、攪拌の際に入れ物内を流れ続け、攪拌不足と比較して長時間にわたってこの動作を行う。これにより、注入された液体と凍結内容物との間における熱伝達が増大する。
凍結液体内容物が入れ物の底部から離れるように移動される実施形態では、移動は、ドーム状針1000Eによって達成し得る。幾つかの実施形態では、ドーム状針による移動は、上述のドーム(双安定型またはその他)の反転と結び付けられる。かかる場合、ドームは、入れ物の内部に向かって内側に湾曲した新たな安定した態勢をとり、凍結内容物を入れ物の底部から離して保持する。これは、ドーム状針1000Eが入れ物と接触したままではない場合でも起こり得る。幾つかの実施形態では、ドーム状針1000Eは、入れ物の底部を押し、入れ物の材料の曲げまたは塑性変形によりわずかな移動を生じさせる。
幾つかの実施形態では、遅延した作用が生じて、針で入れ物の底部を穿孔する。これは、単にドーム状の端部が閉鎖された端部を破裂させるのに十分な力を針に加えることによって、生じ得る。
幾つかの実施形態では、図10Eに示すような第2の穿刺ヘッド1007が、ドーム状針1000Eから現れる。この穿刺ヘッドは、最初の穿刺を容易に生じさせ、その穿刺が針のドーム状の表面1008により、より容易に拡張され、針を入れ物内にさらに移動させ、凍結液体内容物の周囲の空間を拡大させる。幾つかの実施形態では、針の穿刺ヘッド1007の出現は、空気圧で駆動される。幾つかの実施形態では、この動きは、入れ物の閉鎖した端部にわずかな裂け目を形成し、その結果、ドーム状端部1008は、破損を拡張し、容易に通ることができる。一方、穿刺ヘッド1007は、針本体の中にすぐに後退することができる。
幾つかの実施形態では、希釈に使用される機械利用式システムの構成要素は、液体の予備(複数可)を含むことができる。幾つかの実施形態では、機械利用式システムは、より大きい液体の予備から、または適切な配管システム、例えば建物の水道に接続される濾水システムから希釈剤を小出しする配管システムに接続することができる。希釈液は水であっても良いが、凍結液体内容物を所望の組成物に希釈するために、ヒトの摂取に適した任意の栄養のある液体または栄養のない液体を含む、炭酸の液体、液体乳製品、またはそれらの組み合わせを含む任意の液体を使用することができる。幾つかの実施形態では、希釈用の液体を炭酸化して清涼飲料を作り出しても良く、また機械利用式システムは炭酸化する成分を含むことができる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物を室温または冷却した流体で融解させて冷飲料またはアイスの飲料を作るように、希釈液を特定の温度まで上昇させるかまたは加圧することができる。幾つかの実施例では、装置は、人間が入れ物と相互作用することなく、飲料に作り出される場所に入れ物を自動的に装填し得る、入れ物を貯蔵するための冷蔵室を含む。前の例は、機械におけるユーザインターフェース(すなわち、ヒューマンマシンインターフェース)と組み合わせて、自動販売機様式の用途で所望の入れ物を装填することができる。
希釈を必要とする所望の製品を作り出すための幾つかの実施形態では、希釈剤を加熱および/または流動させて、ジャストインタイムで凍結液体内容物から所望の風味、効能、体積、温度および口当たりの飲用可能な液状製品を作り出す。幾つかの実施形態では、希釈構成要素は、融解構成要素としても作用し得る。幾つかの実施形態では、希釈剤は、所望の特徴を有する飲用可能な液体製品を適時に作り出すために、任意の融解構成要素(例えば、電気ヒータ)を補うように、加熱および/または流動させる。
幾つかの実施形態では、水は、ディスペンサの内部で加熱して水蒸気にされ、入れ物または融解/希釈された流体のための出口経路を外部から加熱する手段として使用される。
幾つかの実施形態では、この外部の加熱は、異なる可能な目的に基づいて異なるレベル(量)または位置で使用することができる。例えば、これらの目的は、(a)凍結液体内容物の外側層のみを融解して、入れ物の閉鎖した端部からより容易に離れるようにすること、(b)より低い温度の最終的な製品が所望される、特にジュースおよび他の飲料のための融解/希釈に使用される温度の低い水の補充物として、凍結液体内容物の量を部分的に融解すること、(c)入れ物から希釈されていない融解した液体を小出しするための手段として、凍結液体内容物を完全に融解させること、(d)最終的な飲料をより望ましい温度に加熱するために、融解/希釈された飲料が出口チャネルを通って飲料カップまたはマグカップまたは他の入れ物に流れるとき、入れ物を出た後に融解/希釈された飲料を二次的に加温すること、(e)凍結液体内容物へのあるレベルの容易な貫通を促進するために、入れ物を穿孔すべく使用する針の1つを加熱することを含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、これらの目的で使用される蒸気は、熱風、または電気または天然ガスなどの可燃燃料を使用する、ディスペンサ本体の内部か外部のいずれかにおいて作り出される他の何らかの加熱されたガスで置き換え得る。蒸気または高温ガスを使用することは、凍結液体内容物の加熱/融解で、より高いレベルの制御を提供でき、このことは冷たい飲料または食品が最終飲食物として所望される場合に特に重要であり得る。また、このプロセスは、総エネルギーバランスに加えられる蒸気または高温ガスの量を注意深く計量/制御する手段を前提としている。
幾つかの実施形態では、ディスペンサに装填された入れ物は、入れ物の底部を穿孔する前に加熱される。これにより、凍結液体内容物への熱の移動を増加させるべく、凍結液体内容物が、入れ物の底部および側壁に接触した状態で留まることが可能になる。かかる具体化例では、選択された時間が経過した後、または入れ物が選択された温度に達した後に、入れ物の底部が穿刺される。入れ物の閉鎖した端部/底部を遅れて追加的に穿孔することは、ある量の融解/希釈流体が入れ物に入り、凍結した内容物を完全に囲み、出口の穿孔が作り出される前に、側壁と移動された凍結内容物との間の任意のエアギャップを満たせるようにすることが意図されている。そうすることにより、エアギャップの隔離効果がなくても、レシーバから液体および凍結内容物への効率的な熱の伝達を持続することが可能になる。
一実施形態では、図13Aに示すように、凍結液体内容物1320およびヘッドスペース1306を有するフィルタレス入れ物1310が、入れ物を受け入れるように設計された、ディスペンサの支持トレイ1302および加熱可能なレシーバ1301内に配置され、入れ物1310の側壁がレシーバ1301の壁に密接し、入れ物のフランジが、トレイ1302によって支持されるようにする。ディスペンサのカバー1303をユーザが閉じると、ディスペンサは、その入れ物を密着しているトレイ1302およびレシーバ1301でとらえて収容する。レシーバは、本明細書で開示されている任意の技術を用いて加熱可能で、レシーバの壁と入れ物の側壁間での密接な接触により、ディスペンサが入れ物の内容物を効率的に加熱することが可能になる。
図13Bを参照すると、レシーバのカバー1303を閉じている間、1つまたは2つ以上のばね付勢された供給針1304が入れ物の上蓋を貫通し、1つまたは2つ以上の排出針1200が入れ物の底部を貫通している。針の作動は、ディスペンサのレシーバを閉じるユーザの手動での力により動力が得られ、あるいは、これらの動作の一方または両方を、制御されたアクチュエータによって行うことができる。図13Bに示すように、これらの針はまた、凍結内容物1320を貫通しようとする際に針が加える力を制限するばね機構の助けにより適合させることができる。
図10Eを参照すると、幾つかの実施形態では、排出針1000Eの鈍い先端1008は、入れ物の凍結液体内容物を入れ物の閉じた底部から遠ざかる方向に移動させ、テーパ状のヘッドスペース内に至らせるが、それは同じ鈍い先端の排出針によって支えられている。一実施形態では、この鈍い排出針は、入れ物底部により近接して位置する針の側壁の開口部にあるT字形通路1009を利用して、支持されている凍結液体内容物から干渉されることなく二重の排出流を設けることができ、それによって入れ物を空にする/排出する。別の実施形態では、出口針は、図12Aおよび図12Bに示すように組立体の一部である。針組立体は、ディスペンサフレーム1201の一部によって固定され、ペネトレータ1203と、圧縮ばね1202と、ドーム形の針ハウジング1204と、流体収集トレイ1205とを備える。針組立体1200が最初に、入れ物の閉鎖した端部を貫通したとき、ペネトレータ1203は、針ハウジング1204に当接し、流体が入れ物を出るのを防ぐためにそれを封止する。続いて、ペネトレータ1203は、ばね1202によって上方に押し付けられ、針ハウジング1204の内側のチャネルを開き、流体が入れ物から出てトレイ1205によって収集され、その後ユーザのカップに小出しされるのを可能にする。
一方、ばね付勢された供給針(複数可)1304の尖った先端(複数可)は、入れ物の蓋を貫通し、移動したばかりの凍結内容物1320に当接するようになり、そこでこの針は、針の先端および凍結液体内容物の上面の間に界面があることに起因して、更に別の貫通を停止する。ディスペンサの加熱可能なレシーバ1301は、入れ物の凍結液体内容物を制御可能に温めて解凍することにより、入れ物内にある再配置されたばかりの凍結液体内容物を軟化させ、凍結液体内容物が追加の解凍および/または希釈の準備態勢に入るようにする。幾つかの実施形態では、液体の測定された部分が針の挿入と同時に入れ物に注入され、レシーバから、凍結内容物が入れ物の底部(および潜在的には側壁も)から離れるよう移動したときに生じる間隙を通るように、熱が伝達するよう促し、融解プロセスを加速する。
幾つかの実施形態では、供給針(複数可)が、凍結液体内容物が加熱により軟化しながら、背後のばねの圧力の影響下で入れ物の凍結液体内容物内にさらに移動するまで、入れ物内への液体の注入は遅延する。この作用が、凍結液体内容物をさらに解凍および/または希釈する。幾つかの具体化例では、内容物は、この時点で、鈍い排出針1000Eの対のT字形通路1009から制御可能に流出する。他の具体化例では、排出針は、図12Aに示すようにその流路に沿って閉じられ、それにより、図13Cに示すように、供給針(複数可)が、選択された展開の深さに達するまで、内容物の排出を防止する。同様に、入れ物の破裂および/または流出を防止するために、液体の注入は遅延される。
ディスペンサが凍結液体内容物を解凍および希釈し続けると、供給針(複数可)は、ばねの作用によって、完全に展開された長さまで図13Dに示すように完全に伸長し、入れ物の底部と接触する手前で停止する。供給針は、入れ物内の食品または飲料が必要とする温度および体積の範囲内で、流体を供給することができる。幾つかの実施形態では、図10Cおよび図10Dに示すように、これらの針1000C、1000Dは、流入する流体を入れ物の側壁に対して幾分接線方向に導き得る出口オリフィスを有する「L」字形の1つまたは2つの内部通路を有する。この幾何学形状は、入れ物の凍結液体内容物を制御して攪拌して、より良好な混合、より清潔な使用済みカップを提供し、かかる機械による攪拌を通じて解凍を速めることを意図している。固定された入れ物内のこの攪拌は、針の出口およびディスペンサの流れ制御弁により設計されているように、任意の方向に回転することも、常に変化する乱流作用でタンブルさせることもできる。さらに、幾つかの実施形態では、液体は、前後運動、回転運動、または他の乱流作用を導入するように、代替的な様式で、供給針に供給される。かかる液体の供給は、ディスペンサシステムによって制御される多方向弁を使用することによって達成することができる。別の実施形態は、凍結液体内容物の頂部に係合する十字形断面形状(例えば、本明細書のどこか別の場所で説明したように)を備えた供給針を含む。供給針は、電動式であり、入れ物内の凍結液体内容物を直接攪拌する。
オプションとして、係止機構は、凍結内容物を十分に軟化し液状化して針が内容物を貫通するようにすべく一定の基準が満たされるまで、例えば熱量が入れ物に加えられるまで、ばねを圧縮した状態に保つ。更に別の具体化例では、気体、液体または蒸気の形態の熱が、初期展開時に供給針(複数可)を通して供給される。気体、液体、または蒸気の供給は、針(複数可)が完全に伸びるまで、または他の基準が満たされるまで続けられる。
幾つかの実施形態では、融解構成要素(複数可)の変数、および希釈構成要素(複数可)の変数は、飲料および液状食品を作り出すためのより広い範囲の特徴を作り出すように、プログラム可能かつ調整可能である。例えば、希釈に使用する加圧された液体の温度を下げると、機械利用式システムおよび装置が作り出す飲用可能な液体製品の温度が低下する。
例示的な目的のみのために提示される1つの具体的な例示的実施形態において、TDSが12の凍結された1オンス(28.3g)のコーヒーエキスが入れ物に包装され、加熱した水を入れ物に供給することにより凍結液体内容物の融解を促進する機械利用式システムによって収容されて、その内容物を7オンス(198.4g)の200°F(93.3℃)の水で融解し希釈して、所望の温度で1.5のTDSを有する8オンス(226.8g)のホットコーヒー飲料1杯分を作り出す。幾つかの実施形態では、Brixといった、TDSの代わりの他の測定技術を使用することができる。あるいは、調整可能な希釈設定で、凍結させたコーヒーエキスを融解し、わずか1オンスの水で希釈して、約6のTDSを有する所望の温度の2オンス(56.7g)のエスプレッソスタイルの飲料を作り出すことができる。さらに、入れ物は、凍ったエキスがかろうじて融解するように加熱のみにすることができ、それを消費者が提供する液体、例えば冷却またはアイスラテ用の乳またはジュース、アイスコーヒーまたは茶のような別のアイスの飲料に、加えるようにすることができる。
また、幾つかの実施形態では、限られた機械設定/制御の機械利用式システムからの所望の食品または飲料の製造をさらに促進するために、凍結液体内容物を凍結するのに使用される液体の製造中に、温度、体積、形状、大きさ、部分性などの凍結液体内容物を規定する変数を調節し得る。例えば、他の事情が同じならば、所与の入れ物内の凍結液体内容物の基礎として、より効能が低いより体積の大きい流体を凍結することを利用して、より低温である飲料を作り出すことができる。
また、本明細書に記載の技術の一部として、機械利用式システムが、融解および/または希釈構成要素の設定を自動的に調節して所望の飲料または液状食品の結果を生み出すことができるセンサ技術を含むことも、企図し得る。また、穿孔の特徴は、入れ物の種類、大きさ、内容物、底部の位置および他の特性を認識するのを支援するセンサ技術を使用して、プログラム可能または自動的に確立しても良い。このセンサ技術はまた、特定の設定が適用されないようにするためにも使用できる。例えば、凍結ブロス濃縮物用の入れ物は、消費者が製品を過度に希釈して無駄にする設定を実施することを抑制し得る。別の例として、凍結ブロス濃縮物用の入れ物は、消費者が、例えばオレンジジュース濃縮物を過熱する設定を実施することを抑制することができる。幾つかの実施形態では、このセンサ技術は、望ましい製品を作り、人間の誤りを排除する補助をする。幾つかの実施形態では、このセンサの方法は、入れ物内に形成される特定の幾何学形状を利用して可能にされる。
例えば、図8および図9に示すような、特定の長さの窪みを、小出し装置によって物理的または光学的に感知させることができ、その測定を使用して入れ物の内容物に関する情報を伝え、それによって小出し装置が自動的に正しい融解/希釈プロセスを選択することができる。図8および図9に例示されるような入れ物の形状に対する物理的改変は、入れ物に注入された希釈液を混合するのを補助することもでき、したがって凍結液体内容物の液状化を速めるのに役立つ。
幾つかの実施形態では、融解および/または希釈の制御は、消費者の個人の嗜好を満たす製品を得るために、バーコード化した命令または入れ物上の他の視覚データシステムを使用して、プログラム可能であったり、確立されたりし得る。機械利用式システムは、バーコード、データグリフ、QRコード(登録商標)、パターン、外部マーク、RFIDタグ、磁気ストリップ、または他の機械可読ラベルを検出して読み取ることができる。幾つかの実施形態では、入れ物または凍結液体内容物の少なくとも1つの基準が、所望の製品を作り出すための適合する機械利用式システムの設定を確立または抑制する。これらの基準には、重量、色、形状、構造、温度が含まれ得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、機械利用式システムは、凍結液体内容物および/またはその入れ物の温度を検出し、その設定を自動的に調整して所望の風味、濃度、体積、温度および口当たりの飲料を作り出す熱電対を含むことができる。これは、希釈機能を無効にすること、および液体を小出ししない融解構成要素と係合することを含むことができる。さらに、消費者は、温度または効能のような正確な望ましい特徴を入力することができ、機械利用式システムは、それを利用可能なセンサ技術と組み合わせて所望のパラメータを得ることができる。
さらに、機械利用式システムは、種々の入れ物のスタイル、入れ物の大きさおよび凍結液体内容物から所望の飲料および液状食品を作り出すように設計しても良い。幾つかの実施形態では、機械利用式システムは、飲料を作製するための制御および設定を区別し制限する機械の機能を含むことができる。
さらに、機械利用式システムは、異なる入れ物および凍結液体内容物のタイプの製品作製に必要な機械の機能を含むことができる。幾つかの実施形態では、凍結液体内容物は、凍結液体内容物の表面積を増加させて融解速度を増加させるために、機械利用式システムによって粉砕または浸して軟化することができる。この機械の機能は、消費者が手動で開始しても良いし、センサのトリガが自動的に実施しても良い。例えば、入れ物の壁から凍結液体内容物を移動させることが問題を生み出す可能性があり、凍結液体内容物と接触しているところで入れ物を穿刺することを困難にし得ることが本明細書で熟慮されてきた。
幾つかの実施形態では、機械は、具体的な凍結入れ物の種類を認識することができ、重量や温度のような検知基準を使用して他の凍結入れ物と区別し、機械で入れ物を調整して、凍結液体内容物が入れ物と接触していない特定の場所でそれが穿孔され得るようにする。
これには、入れ物を上下逆にすることが含まれ得る。
幾つかの実施形態では、機械利用式システムは、加熱および加圧しても良い特定量の液体を入れ物に流したり押し込んだりすることによって、凍結液体内容物を完全に融解、または所望の風味、濃度、体積、温度、および口当たりに希釈する。この実施形態と組み合わせて、機械利用式システムは、消費者が希釈を望まない所望の飲用可能な液体を作り出すのを容易にするために、入れ物のヒータまたは加熱穿刺針などの追加の融解構成要素を含むことができる。幾つかの実施形態では、流れる液体は、凍結液体内容物全体を融解して廃棄物を除去し、均質な材料の入れ物に粉、残渣、またはフィルタがないように、そしてそのために容易にリサイクル可能な形態に変換されるように、融解または希釈プロセスの一部としてあらゆる残渣または汚染物の入れ物をすすぐ。リサイクルに特に重点を置く幾つかの実施形態では、製造業者は、各入れ物に対し手付金要件を導入し、手付金の払い戻しのため、販売した程度までそれを返すことを奨励する。
幾つかの実施形態では、凍結した食品または飲料の液体は、溢れ出ることなく、流れる希釈液を取り扱うように包装される。やはり、この特定の装置は、食品または飲料の液体を凍結させて、特定の幾何学形状、構造、および均整状態にして、入れ物を通って出口に至るのに必要な流路を備えることを含むことができる。
明確にするために、入れ物のタイプおよび設計、凍結液体内容物の性質、凍結液体内容物を融解および/または希釈するための手段、ならびに結果として得られる液体に適用され、ジャストインタイムで、所望の風味、効能、体積、温度、および口当たりに一貫した基準で、消費可能な食品または飲料を作り出すための供給機構に関して、システムの異なる態様の例示的な実施形態が記載されてきた。凍結液体内容物の入れ物の種類、形態および特徴、凍結液体内容物を融解および/または希釈するための機構、および液状化した内容物の供給手段に関するこれらの種々の選択肢を多くの異なる方法で組み合わせ、消費者が簡便に堪能することができる特定の特徴を有する満足のいく最終的な製品を作り出すことができることは、当業者には明らかであろう。
上記の説明から明らかなように、本発明の実施形態は、多様な種類の食品および飲料製品を作り出すことを可能にする凍結液体内容物を収容するフィルタレス単一チャンバ混合入れ物を提供する。入れ物は、ユーザが製品を作り出すことを決意するまで、凍結状態で、最終的な製品またはその濃縮版を保存する封止された環境、オプションとして酸素バリヤを含む環境として維持される。さらに、1つまたは複数の入口または出口による穿孔の後でも、入れ物は本質的に封止された混合チャンバのままであり、液体(複数可)を凍結液体内容物と混合することによって製品が作り出される一方で、さらに、制御された流体の出口を提供する。本明細書に記載されたディスペンサの実施形態のいずれか、または他の公知のシングルサーブの飲料製造機/ブリューイングシステムに挿入されると、入れ物は、フィルタレス単一チャンバ混合入れ物として機能するが、それは凍結液体内容物を融解してそれと結合して所望の製品を生成する融解液および/または希釈液(例えば水)を受け入れることによる。本明細書に記載された入れ物をこのように使用する実施形態により、既存の飲料メーカー/ブリューイングシステムが、システムの改変の必要なくディスペンサとして機能することが可能になり、したがって、ユーザの柔軟性により、既存のシステムをディスペンサまたはブリューワとして使用できるようになる。
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、凍結液体内容物の融解および/または解凍を制御するために入れ物および/または凍結液体内容物への希釈液の加熱、攪拌および/または追加のタイミング、順序、量、および手法を操作する。オプションとして、ディスペンサは、入れ物および/または最終製品に加えられる希釈液の温度を操作する。幾つかの具体化例では、ディスペンサは、気相への液相および/または固相の移行を減少させまたは阻止した状態で凍結内容物の少なくとも幾つかの部分を凍結相から液相に移行させる。
例えば、ディスペンサは、凍結液体内容物を融解させるが、結果として生じる液体を沸騰させないようにする速度または束で入れ物および/または凍結液体内容物を非希釈熱源(すなわち、融解状態の凍結液体内容物を希釈する液体を入れ物の内部中に注入する以外の熱源)に当てることができる。同様に、ディスペンサは、凍結液体内容物の中間平均温度を達成するようマルチステップ食品または飲料作製プロセス中に入れ物および/または凍結液体内容物に供給される全非希釈熱量を制御することができる。すると、ディスペンサが既知の温度状態にある所定量の希釈液を入れ物の内部に供給すると、希釈液と内容物が組み合わさって所望の温度および量の製品を作る。
本明細書において説明するように、ディスペンサの実施形態は、機械可読ラベルに基づいて入れ物、凍結液体内容物および/または最終の意図した食品または飲料製品のある特定の特性を決定することができる。同様に、本明細書において説明するように、ディスペンサの具体化例は、入れ物および/または入れ物内の内容物の現在の状態に関するデータを集めるためにセンサを含む。さらにまた、ディスペンサは、加熱状態のかつ/あるいは周囲の希釈液の温度を算定するためにセンサを有するのが良い。機械可読ラベルから集められた利用可能なセンサ情報および特性に基づいて、ディスペンサは、所望の加熱プロフィールを達成するとともに所望の特性を備えた最終製品を得るために本明細書において説明した熱、攪拌、および希釈作用を調整する。例えば、熱および攪拌を入れ物に送っている間、ディスペンサは、入れ物の温度をモニタして供給される熱を調整し、それによりその温度が所定の値未満(例えば、沸点未満または内容物の品質を劣化させる温度未満)のままであるようにすることができる。別の実施例では、ディスペンサは、攪拌の有無を問わず、加熱の際に小休止を入れて熱を間欠方式で供給して入れ物の内容物全体がこの場合もまた、小休止の間に攪拌の有無を問わず釣り合うことができるようにすることができる。このようにすることは、入れ物内容物全体に関する温度の読みの精度を高めるとともに入れ物内の「ホットスポット」を生じさせる可能性を高める上で期待される。同様に、ディスペンサは、入れ物、凍結液体内容物および/または最終の意図した食品または飲料製品の特性に応じて攪拌の頻度(例えば、振動、往復動などの調整速度)を制御することができる。
入れ物の温度および/または入れ物の内容物全体の温度のモニタに加えて、ディスペンサは、入れ物の内部の圧力をモニタすることができる。例えば、熱を入れ物に加える前に、ディスペンサは、圧力センサと流体連通状態にあるルーメンを備えた針で入れ物を穿孔するのが良い。次に、加熱ステップの際、ディスペンサは、入れ物内の圧力増大の検出に応じて、熱を入れ物に加える速度を調整するのが良い。変形実施例では、ディスペンサは、トランスデューサ(例えば、ひずみ計または変位計)を入れ物の外部の一部分と接触状態に配置することができる。トランスデューサ、例えば容量型変位センサは、加熱中に膨れている入れ物の幾つかの部分に基づいて入れ物内の圧力上昇を検出することができる。
例えば、ディスペンサは、高TDSオレンジジュース凍結液体内容物を収容するものとして入れ物を識別する情報の検出に基づいて比較的低温のままである平均温度まで入れ物の内容物全体を加熱することができ、潜在的に部分的に融解状態の「スラッシュ(slush )」を生じさせる。次に、ディスペンサは、適当な量の周囲温度希釈液を加えて正確な濃度の冷えたオレンジジュースを作製することができる。この実施例では、ディスペンサは、凍結液体内容物を軟化させて内容物と希釈液の容易な混合を可能にするが、ディスペンサは、内容物を過熱することはない。この方式は、到来する周囲希釈液に冷却効果をもたらすよう高TDS内容物の比較的低い凍結点を利用する。プロセスのステップの任意のどれかまたは全ては、攪拌を含むことができる。
ある特定の実施形態では、入れ物の混合チャンバ内に十分な空いた空間が残って、凍結液体内容物をチャンバの空いた空間内に移動し、液体の入口および出口(例えば針)および/または流入および流出する液体を妨害しないようにすることができる。幾つかの実施形態では、入れ物内の凍結液体内容物は、入れ物の混合チャンバの総体積の半分未満を占める。他の実施形態では、凍結液体内容物は、混合チャンバの総体積の半分より多くを占める。
上述したように、ある特定の実施形態では、凍結液体内容物は、針の作用によって入れ物の底部から移動させる。入れ物のテーパ状の側壁は、凍結液体内容物が入れ物の底部から離されるのを促す。また、テーパ状の側壁は、以前入れ物の空いた空間であったところに内容物を移動した後、凍結液体内容物の周りの流路を設ける。凍結液体内容物を移動するのに必要な力の大きさに影響を及ぼす別の要因は、凍結液体内容物自体の大きさである。相対的に小さい凍結液体内容物は、チャンバと接触する内部表面積が相対的に小さく、その結果、より大きな凍結液体内容物と比較して、内容物を移動するのに必要な力の量が少なくなる。
凍結液体内容物の大きさを制御することは、更に別の利点をもたらす。例えば、凍結液体内容物の大きさを選択された範囲内または特定のしきい値以下に維持することによって、本発明の実施形態は、希釈液の全量が入れ物を通る前に凍結液体内容物が完全に融解することを確実にする。かかる実施形態では、凍結液体内容物が融解した後に入れ物を通る流体は、入れ物の内部を洗浄し、製品の出口流路から残留物を除く。このようにすると、入れ物のリサイクル性が向上し、また製品の出口流路の汚濁が低減される。さらに、凍結液体内容物の大きさをある範囲内または一定のしきい値未満に保つことにより、特定の製品にとって適切な温度範囲を、最終的な製品が確実に達成できるようにし得る。
一方、凍結液体内容物の濃度(例えば、TDSおよび/またはBrix(ブリックス)によって測定される)を制御することにより、凍結液体内容物の大きさおよび使用される希釈液の量を考慮して、適切な最終的な製品の濃度を確保することができる。同じ希釈液および融解液を使用する同じ最終的な製品について、相対的に大きな凍結液体内容物は、相対的に小さい凍結液体内容物よりも、低い濃度が必要である。所望の最終的な製品の濃度はまた、凍結液体内容物の濃度を決定し、例えば最終的なTDSが6である2オンス(56.7g)のエスプレッソは、最終的なTDSが1.25である8オンス(226.8g)のコーヒーよりも相対的に濃縮された凍結液体内容物が必要である。またさらに、幾つかの実施形態では、凍結液体内容物の濃度は十分に高く、凍結液体内容物の大きさが、ディスペンサまたは公知のブリューワから来る出口針が凍結液体内容物を通るのを可能にするのに十分小さいものであるのを可能にし、それによって内容物からの干渉なしに、針が凍結液体内容物の上方の空いた空間にアクセスすることを可能にする。したがって、本明細書に開示される入れ物のある特定の実施形態は、公知の出口針貫通深度を有する公知のシングルサーブブリューイングシステムに適合する大きさおよび形状を有する。これらの寸法は公知であるので、これらの実施形態は、針の貫く深さよりも内容物が低い高さであっても、内容物が実質的に入れ物の端部層全体と接触できるようにする濃度である凍結液体内容物を有する。このようにして、本発明の実施形態は、それらのシステムの公知の寸法および特徴に基づき、公知のシングルサーブブリューイングシステム用にカスタマイズされる。
上述したように、本明細書に記載されるある特定の実施形態は、入れ物の底部(端部層)と接触する入れ物のキャビティの内部に配置される凍結液体内容物を有する入れ物を含む。これらの実施形態では、ディスペンサまたはブリューイング用の機械から来る針が入れ物の底部を穿孔し、凍結液体内容物を入れ物内部のさもなければ空いている空間に上げる。針が凍結液体内容物を移動させるために、凍結液体内容物は、凍結液体内容物中に針が埋め込まれるのを防ぐのに十分な硬度で(ディスペンサ/ブリューワ内に配置されるときの温度で)なければならない。針が凍結液体内容物に埋め込まれた場合、内容物は入れ物の底層から移動せず、凍結液体内容物と入ってくる液体を混合することにより形成される最終的な製品用の出口流路は遮断されている。同様に、凍結液体内容物が針の衝撃箇所で曲がっても、凍結液体内容物は入れ物のチャンバの内壁から離されない。これもまた、出口流路の閉塞をもたらす。したがって、本発明のある特定の実施形態では、ディスペンサの針(例えば、長さ約4mmの対角線の尖った部分がある、約2.5mmの外径の中空円筒形の針)で凍結液体内容物に力が加えられるとき、針を内容物に埋め込んだり、内容物を移動させずに針から偏向したりするよりむしろ、凍結液体内容物を入れ物の内面から移動させるほど、凍結液体内容物が十分硬い。上記の針の例示的な寸法は、これらの実施形態の凍結液体内容物が、より大きいまたは小さい孔を有するものや、非円筒形の断面を有するものを含む他の針の寸法で機能するので、限定するものではない。
モーススケールで約1~約6(約0°F~約32°F(-17.8℃~0℃)において)の硬度レベルは、上記の望ましくない効果を経るよりも、むしろ本明細書に記載した入れ物の内面から移動するのに十分な硬度を提供すると考えられている。したがって、本発明のある特定の実施形態は、約0°F~約32°Fのモーススケールで約1~5の硬度を有する。本発明の他の実施形態は、約0°F~約32°Fのモーススケールで約1~4の硬度を有する。本発明のさらに他の実施形態は、約0°F~約32°Fのモーススケールで約1~3の硬度を有する。本発明の更に別の実施形態は、約0°F~約32°Fのモーススケールで約1~2の硬度を有する。本発明のある特定の実施形態は、約0°F~約32°Fのモーススケールで約0.5~1.5の硬度を有する。本発明の他の実施形態は、約0°F~約32°Fのモーススケールで約1.5~2.5の硬度を有する。本発明のさらに別の実施形態は、約0°F~約32°Fのモーススケールで約0.75~1.25の硬度を有する。
ある特定の実施形態では、凍結液体内容物は、例えば高い砂糖レベルによって引き起こされる凍結点の低下に起因して、内容物がディスペンサまたはブリューワの針により動かされるのに十分なほど硬くないような濃度(すなわち、相対的に高いTDS)である。これとは異なり、内容物中に埋まり込み、内容物は、針の妨害物となり、あるいは内容物が入れ物チャンバの内壁から移動することなく針から離れるように撓む。図14Aは、内部プラットホーム1405を有する入れ物1400の断側面図を示す。プラットホーム1405は、入れ物1400の端部層1410と凍結液体内容物1415との間に配置される。図14Aではプラットホーム1405は、端部層1410と凍結液体内容物1415から離間して示されている。幾つかの実施形態では、プラットホーム1405は、端部層1410上に置かれ、端部層1410と接触しており、凍結液体内容物1415は、プラットホーム1405、およびオプションとして、端部層1410の一部分と接触している。
本明細書では、このプラットホームを「プラットホーム」、「プッシャプレート」、「変位ディスク」、または単に「ディスク」ともいう場合がある。
図14Bは、内部プラットホーム1405が端部層1410から離れるように移動し、移動させられた凍結液体内容物1415を支える入れ物1400の断側面図を示す。図面に示すように、ディスペンサ/ブリューワの針1420は、端部層1410を穿孔するが、プラットホーム1405を穿孔しない。むしろ、針1420はプラットホーム1405に接触し、入れ物1400の内面から凍結液体内容物を動かす。かくして、プラットホーム1405は、針による凍結液体内容物の変位を可能にし、もしそうでなければ、凍結液体内容物自体に関し、かかる凍結液体内容物は、針による変位が行われるのに十分な硬さを欠く場合がある。本明細書において説明する種々のプラットホームは、針との接触による変位が行われるのに十分な硬さだけを有する凍結液体内容物にも使用できる。プラットホームを多種多様な凍結液体内容物入りの入れ物の内部で用いると、一様な変位挙動が得られる。プラットホーム1405は、オプションとして、入れ物1400と同じ材料で作られ、入れ物のリサイクル性を維持する(例えば、アルミニウム)が、プラットホームは、食品との接触をかのうにするためにまたはコスト面でその適性を高めるために入れ物とは異なる材料で作られるのが良い。プラットホーム1405は、当技術分野で知られている硬化処理によって、端部層1410よりも硬くすることができ、および/またはプラットホーム1405は端部層1410よりも厚い材料で作ることができる。プラットホームは、バイパス流をプラットホーム周りにまたはこれを貫通して作るのを助けるよう入れ物材料よりも高いまたは低い摩擦係数を有するものとして知られている材料で作られても良い。
図14Aおよび図14Bは、平らなディスクとしてプラットホーム1405を示している。しかしながら、他の実施形態は、図14Cおよび図14Dに示すものを含む。図14Cは、スカラップ状の円周1435を有するプラットホーム1430を示し、また、図14Dは、オーバーフロー管1445を備えたスカラップ状のプラットホーム1440を示す。オーバーフロー管1445は、プラットホームがディスペンサの針(例えば、図14Bの針1420のように)または圧縮ガスもしくは液体により持ち上げられたとき、プラットホーム1440に配置された凍結液体内容物の上方にある空間とプラットホーム下方に作り出される空間との間にチャネルを形成する。オーバーフロー管1445を説明する更に別の詳細は以下に続く。また更に別の実施形態は、わずかに凹状または凸状(端部層に対して)、円錐台状、波形状、刻印された渦巻きを有するプラットホーム、または他の扁平ではない外形を有するプラットホームを含む。かかる実施形態は、プラットホームが端部層に接着する可能性を低減し、および/または端部層に形成された出口を通る液体の流れに対するバリヤとして作用する可能性を低減する。プラットホーム1430および1440は、扁平であっても良いし、他のいずれかの扁平ではない外形を有しても良い。プラットホーム1430,1440は、滑らかな縁または図示のようなスカラップ状の縁を有することができる。
図15Aは、複合の抜き勾配を有する入れ物1500の実施形態を示す。入れ物1500は、約2.00インチ(5.08cm)の上部フランジ直径1505、約1.44インチ(3.66cm)の底部移行直径1510、および約1.26インチ(3.20cm)の端部層直径1515を有する。入れ物1500は、約1.72インチ(4.37cm)の高さ1520を有する。入れ物1500は、端部層(1530)から約0.75(1.90cm)インチのところに生じる遷移点1525を有する複合の抜き勾配を有する側壁を有する。遷移点1525の上方では、抜き勾配1535は約2.5°であり、一方で遷移点1540より下の抜き勾配は約8°である。側壁の下部のより大きい抜き勾配は、入れ物の端部層上にある凍結液体内容物が離れるのを容易にする。その一方で、上側のセクションにある下側の抜き勾配は、ディスペンサおよび/または公知のシングルサーブブリューワのレシーバ内に入れ物を固定するのを補助する。
図15Bは、図15Aの入れ物1500の細部Aを示す。この図は、入れ物のフランジの巻きリップ1545の部分ならびに巻きリップ1545の最も高いところの部分の下に位置する窪み1550を示している。ある特定の材料、例えばアルミニウムは、機械加工または打ち抜きされるとき、鋭い縁部を維持する。かかる縁部は、この縁部を有する入れ物のユーザに、安全上の危険をもたらす可能性がある。巻きリップ1545は、フランジの縁部をフランジの本体の下に押し込み、それにより、ユーザを残りの鋭い縁部から保護する。一方、窪み1550は、蓋がフランジ本体に取り付けられ、上蓋表面が巻きリップ1545の最も高いところの部分の下で維持されることを可能にする。入れ物1500について上述した特定の大きさは、複合の抜き勾配を維持しながら変化させることができ、依然本発明の範囲内である。
図16は、オーバーフロー管1610を有するプラットホーム1605を有する入れ物1600の断側面図を示す。プラットホーム1605は平らなディスクとして示されているが、本明細書に記載された形状のいずれかであっても良い。入れ物は、約2.00インチ(5.08cm)のフランジ直径1615と、約1.72インチ(4.37cm)の高さ1620とを有する。入れ物1600は、端部層(1630)から約0.75インチ(1.90cm)のところに生じる遷移点1625を有する複合の抜き勾配を有する側壁を有する。遷移点1625の上方では、抜き勾配1635が約2.5°であり、一方で遷移点1640より下の抜き勾配は約15°である。入れ物1600の端部層は、プラットホーム1605を収容する段差部1645を有するが、プラットホーム1605の外周と段差部との間にはほとんどまたはまったく空間がない。図示された実施形態では、プラットホーム1650と段差部付き特徴の直径は約1.16インチ(2.94cm)である。プラットホーム1605と段差部1645との間の密接な嵌合により、内容物が凍結される前にプラットホーム1605と端部層1675との間に液体内容物が沈降するのが低減または防止され、このことは、そうでなければ、凍結液体内容物を入れ物1600の内面から移動し、凍結内容物を、オーバーフロー管1610の底部に流入させて、融解/小出しサイクルの間に意図された流れを阻止するのに必要な力の量を増加する。プラットホーム1605と段付き部分1645との締り嵌めは、液体充填中および液体内容物が凍結されるまでプラットホームを定位置にしっかりと保持するよう働く。
他の実施形態(図示せず)では、プラットホーム1605と端部層1675との間に凍結液体内容物によって占められていないスペースを作るために別の段付き領域がプラットホーム1605の前に存在する。このスペースにより、流体は、端部層に設けられた孔を通って入れ物を出るためにオーバーフロー管沿いに下方に流れてプラットホームと端部層との間のスペースに流入することができる。
図16では、プラットホーム1605およびオーバーフロー管1610は、プラットホームおよびオーバーフロー管を入れ物1600の端部層(底部)1675と区別するためにクロスハッチ状態で(網目の陰影を施して)示されている。オーバーフロー管1610は、入れ物の中央線(1655)から約0.50インチ(1.27cm)内側の点に配置されている。この点は、既知のシングルサーブ式およびマルチサーブ式ブリューワの1本または2本以上の流出針に共通の入口箇所である。したがって、出口針が入れ物の端部層を貫通すると、針がオーバーフロー管1610のチャネルに入るのではなく、図14Bの実施形態について記載したのと同様の方法で、針がプラットホーム1605および凍結液体内容物(図示せず)を持ち上げる。オーバーフロー管1660の頂部は、プラットホームの上面から約0.50インチ(1670)の凍結液体内容物の公称充填ライン1665上方にある。入れ物1600について上述した特定の大きさは、複合の抜き勾配を維持しながら変化させることができ、本発明の範囲内にとどまる。
図17は、プラットホーム1705およびオーバーフロー管1710を有する入れ物1700を示し、凍結液体内容物1715がプラットホーム1705の上面に載っている。
この図面は、入れ物1700の端部層1725を貫通し、プラットホームおよび凍結液体内容物を持ち上げたディスペンサまたは公知のシングルサーブブリューワの針1720を示す。オーバーフロー管1710は、凍結液体内容物の周りの流路が閉塞されるか入ってくる液体の流れにとって不十分になる場合に、(例えば、上蓋(図示せず)を穿孔する入口針によって)入れ物1700内に注入される液体用の交互の流路を設ける。余剰な液体が入れ物内で増進したり、入れ物1700の混合チャンバの外側に溢れ出したりするよりむしろ、液体の高さがオーバーフロー管1710の上部入口1730に到達したとき、液体がプラットホーム1705の下方の空間に導かれ、そのためこれが針1720を介して出るようにし得る。また、このプロセス中、蓋を貫通する針を介して入れ物に導入されている水が、直接オーバーフロー管の中へと通り、それによって凍結内容物を融解し希釈するという目的を果たせないようにすることを防止しなければならない。ある特定の実施形態では、図10Cまたは図10Dに示されたものと同様の針の幾何学形状は、流入する水をオーバーフロー管1610から離し、入れ物の側壁に向かって構造上方向付けるのに有効であろう。
図18は、端部層内に設けられた隆起円形突出部1826(本質的には、窪み1825をもたらす)および僅かに持ち上げられた位置で示されている環状プラットホーム1805を備えた入れ物1800を示している。このプラットホームは、その中央円形開口部1806が通常の液体充填および取り扱い中、入れ物内の隆起突出部1826周りにぴったりと嵌まるよう設計されるとともに寸法決めされており、これら2つの部品相互間の軽い締まり嵌めによって生じる摩擦が充填中および液体内容物が凍結するまでプラットホームを定位置に保持する。使用中、入れ物の底部を突き通す針は、環状プラットホームを脱落させて凍結内容物を第2の位置に変位させるのを助ける。プラットホームに関するこの環状の形は、その重量を軽減し、そしてプラットホームが入れ物と別の材料で作られている場合、入れ物を全体としていっそう容易にリサイクルすることができるという二次的機能に役立つ。例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)製のプラットホームがアルミニウム製の入れ物内で用いられる場合、組立体全体のリサイクル可能性を維持することができ、この場合、入れ物組立体内のHDPEの割合全体がしきい量を下回って保たれている場合、プラットホームを入れ物から分離する必要はない。この実施形態では、プラットホームの環状開口部の寸法は、重量軽減度を最大にするよう針刺し通しゾーンの縁まで大きくされるのが良い。変形例として、ディスクは、例えば、食品との接触に関してFDAによって認可されたプラスチックで囲まれた金属製のワッシャ形状としてハイブリッド設計のものであっても良い。
幾つかの具体化例では、プラットホームと隆起突出部1826との締まり嵌めに代えまたはこれに加えて、プラットホームは、プラットホームの周縁と入れ物の側壁との間に締まり嵌め状態を有するのが良い。これらの具体化例では、プラットホームは、本明細書において説明する実施形態のうちの任意ものであって良い。
図19は、ドーム状端部層1926およびこれにマッチしたプラットホーム1905を備えた入れ物1900を示しており、プラットホーム1905の凸面区分1906は、入れ物内のドームの外方広がりにマッチするよう寸法決めされるとともに設計されている。
小出し機械中への挿入に先立ってまたは機械作動の一部として、入れ物ドーム1926は、内方に押されるようになっており、この場合、入れ物ドームは、新たな安定位置を達成し、そしてその外面周りに流路を備えた第2の位置に凍結内容物を保持しまたは変位させる。プラットホームの凸面1906は、上方に押されるが、その位置を逆にせず、すなわち、入れ物の閉鎖端部から見て凹状になることはない。かくして、この実施形態では、プラットホームは、今や底部上の内方に突き出た入れ物ドームに当接するとともに凍結内容物を上方に担持することによって部分的に凍結されまたはゴム状/軟質の内容物をこの隆起位置に指示する。入れ物の底部からの針突き通しは、プラットホームおよび凍結内容物の変位を助けることができる。さらに、他の実施形態の場合と同様、プラットホームは、針が部分的に凍結された内容物によって邪魔されるのを阻止する。
図20Aは、図19に示された入れ物1900の動作原理を示している。この初期位置では、ドーム状端部層1926は、凸状形態をしており、この凸状形態は、プラットホーム1905の凸面と同形である。ドーム状端部層1926は、図20Bに示されたその第2の位置では、凹状形態をしている。凹状端部層の一部分は、プラットホーム1905の底面と端部層1926の頂面との間にスペース1930を作るようプラットホーム1905の依然として凸状の部分にぶつかる。この衝突はまた、プラットホーム1905の頂部上に載っている凍結内容物周りに流路1935を作ってこれらを維持する。端部層およびプラットホームのドーム状区分のいずれか一方または両方は、双安定性であるのが良い。
図21は、入れ物2100を示しており、扁平な端部層および扁平なプラットホーム2106が底部針2105によって定位置に保持された部分的に溶けた凍結内容物2126を支持している。この図は、プラットホームが端部層から離れて持ち上げられたときの凍結内容物周りの流路2128を明確に示している。この特定の実施形態では、凍結内容物は、プラットホームのオフセンターを僅かにシフトさせて入れ物の側部に当たったままになっているように見える。幾つかの実施形態では、プラットホームが定位置から動くのを阻止するため、端部層と接触状態にある縁2127がヒンジ機構体、例えば小さなスポット溶接部(例えば、一体ヒンジを作るため)に物理的に取り付けられる。この実施形態もまた、底部針がヒンジと直径方向反対側で端部層を常に突き通すようにする鍵型結合特徴部を必要とする場合がある。
幾つかの実施形態では、プラットホームは、プラットホームの区分慣性モーメントを増大させ、それによりプラットホームの耐変形性を増大させるために隆起部を有している。
図22Aに示されているように、かかる一実施形態2205は、単一方向隆起部2210を有する。図22Bに示されている別の実施形態2215は、クロスハッチパターン2220を有する。図22Cは、隆起部があらゆる方向において増大した曲げ剛性を提供するよう垂直の向きに設定されているサンドイッチ構造2230を有するプラットホーム2225を示している。同様な作用効果は、異方性を示す剛性を備えた層状化材料によって達成できる。図22Dは、半径方向隆起部構造2240を有するプラットホーム2235を示している。幾つかの具体化例では、隆起部の高さは、十分に低く保たれ、これら隆起部は、プラットホームに接触する針とインターロック関係をなさないよう互いに十分に密接した状態に間隔を置いて設けられている。
別の実施形態では、プラットホームは、端部層の上方に維持され、その結果、幾分かの量の凍結内容物がプラットホームの底面と端部層の頂面との間に位置するようになっている。これら実施形態では、プラットホームの底面と端部層の頂面との間の距離は、針または他の穿孔器が凍結内容物を通過し、プラットホームに接触し、そして依然としてプラットホームを十分に持ち上げて凍結内容物周りに流路を作るよう最大に保たれる。
他の具体化例では、プラットホームは、エンボス加工または僅かに持ち上げられた特徴部を有し、かかる特徴部は、組立体を回しまたは揺すぶったときに凍結内容物を融解させて入れ物中に導入された融解用の液体と混合するのを助ける。ある特定の具体化例では、穿孔器がプラットホームに係合して揺すぶりまたは攪拌作用を与えるよう設計されている。例えば、図23に示されているように、プラットホーム2300の頂面は、プラットホームの頂面に垂直に延びる「タブ」2305を有するのが良い。プラットホーム2300もまた、その中心軸線に沿って鍵穴状開口部2310を有する。鍵穴状開口部2310は、プラットホーム全体を貫通するものとして図示されているが、幾つかの実施形態では、この開口部は、凍結液体内容物が開口部を満たすのを阻止するよう凍結液体内容物と接触状態にあるプラットホームの頂面上で閉じられる。図24は、プラットホーム2300の底面図である。穿孔器2400は、プラットホームの鍵穴状開口部2310と相補した形状を有する鍵状部分2405を有する。図25は、プラットホーム2300の特徴部としての鍵穴状開口部2310と嵌まり合った穿孔器の鍵状部分2405を示している。これにより、穿孔器は、駆動機構により旋回運動、往復運動、または他の振盪運動をプラットホームに与えることができ、その結果、穿孔器は、入れ物内でプラットホームおよび凍結内容物を旋回させるようになっている。
図26は、入れ物2600の断面図であり、凍結液体内容物2605が上述したようなタブおよび鍵穴状開口部を有するプラットホーム2610上に位置している。この図は、入れ物2600の端部層を穿孔するよう位置決めされた鍵状部分2620を有する穿孔器2615を示している。図27は、入れ物2600の断面図であり、凍結液体内容物2605がプラットホーム2610上に位置している。穿孔器2615は、入れ物の端部層を穿孔してプラットホームの鍵穴状開口部と穿孔器の鍵状部分により(符号2700のところに示されている)を介してプラットホームに係合している。穿孔器2615は、プラットホーム2610および凍結液体内容物2605を持ち上げてプラットホームと端部層との間にスペースを作るとともに凍結液体内容物2705周りに流路を作っている。入れ物2600および/またはプラットホーム2610を穿孔器2615によってその中心軸線回りに回すと、タブは、凍結内容物2605を入れ物と一緒に旋回させる。凍結内容物がプラットホームから離れるとともに液体がプラットホームの頂面を覆うと、タブは、液体中に乱流をもたらして入れ物内における凍結内容物の依然として凍結している部分と液体の混合を促進する。図28は、凍結液体内容物2605の何割かが溶けて凍結内容物内に埋め込まれたタブ2805の一部分が露出した後の図27の入れ物2600を示している。
図29Aは、穿孔器2900を示しており、この穿孔器の長さに沿って開口部2905が設けられている。開口部2905は、穿孔器に設けられた1つまたは2つ以上のルーメン(図示せず)と連通し、それにより、液体は、ルーメンと連通した穿孔器2900のベースのところに設けられている開口部2910を経て入れ物から出ることができる。同様に、図29Bは、穿孔器2920を示しており、穿孔器2920は、この穿孔器の外側に設けられたチャネル2925を有し、それにより、液体がこれらチャネルに沿って入れ物から出ることができる。
図30Aは、十字鍵状部分3005、側部開口部3010、および頂部開国部3015を有する穿孔器3000を示している。側部開口部3010および頂部開口部3015は、穿孔器を通過して穿孔器のベースまで延びる中央ルーメンと連通している。図30Bは、これまた十字鍵状部分3025を有する穿孔器3020を示している。穿孔器3020は、この穿孔器の外面に沿ってチャネル3030を有する。図30Cは、テーパ付き穿孔器3040を示しており、その遠位端3045のところの寸法は、その近位端3050のところの寸法よりも大きい。穿孔器3040もまた、十字鍵状部分3055を有する。かかる穿孔器は、入れ物の端部層に穴を作り、この穴は、穿孔器の近位部分よりも大きく、それにより液体が入れ物から出るための流路が穿孔器の周りに残される。同様に、図30Dは、ステム部分3070よりも大きな寸法を有する十字頭部分3065を有する穿孔器3060を示している。頭部分3065は、ステムの直径よりも大きな穴を作り、それにより液体が入れ物から出るための流路が作られている。上述の穿孔器の十字部分は、プラットホームに設けられた十字型開口部と嵌まり合うよう設計されている。
図31は、隆起リップ3107を備えたカップの形態をしている内側プラットホーム3105を備えた入れ物3100の断面側面図である。隆起リップ3107は、説明目的でのみ凍結液体内容物3115および入れ物の側壁から間隔を置いた状態で示されている。
この計画された実施形態では、隆起リップ3107は、入れ物側壁に接触しても良くまたは離隔状態であっても良い。さらに、凍結液体内容物は、隆起リップ3107の内部に接触することができる。隆起リップ3107は、凍結内容物の側部に沿って部分的にしか延びなくても良くあるいは隆起リップは、凍結内容部の頂部までまたはこれを超えて延びても良い。プラットホーム3105は、入れ物3100の端部層3110と凍結液体内容物3115との間に配置されている。プラットホーム3105は、端部層3110および凍結液体内容物3115から間隔を置いた状態で示されている。幾つかの実施形態では、プラットホーム3105は、端部層3110上に載りまたはこれと接触状態にあり、凍結液体内容物3115は、プラットホーム3105およびオプションとして端部層3110の一部分と接触状態にある。幾つかの具体化例では、隆起リップ3107は、依然としてプラットホームを端部層の近くのその位置からずらすことができる状態で入れ物の側壁と締まり嵌め関係をなす。幾つかの実施形態では、プラットホーム3105および/または隆起リップ3107の材料は、プラットホームおよび隆起リップによって画定されたスペース内に液体が残っていればこれを排出することができるよう穿孔される。
本明細書に開示された任意の入れ物の実施形態は、オプションとして、凍結液体内容物を内面からより離しやすくするために、入れ物が形成する混合チャンバの内面に、コーティングを有することができる。コーティングを選択するのに考慮することは、コーティングは食品に安全でなければならず、また、貯蔵中に凍結液体内容物へ、または凍結および/または希釈プロセス中に製品内に許容できないレベルの化学物質の浸出を示さないことを含む。同様に、特に、内容物が液体の形態である場合、充填および小出し操作中に、凍結内容物から所望の風味および芳香性の化合物または油を吸収してはならない。他の要因には、コーティングされていない表面に対して入れ物から凍結液体内容物を離すのに必要な力を減少させるために、コーティングが好ましい静摩擦係数、気孔率の大きさ、および表面粗さの大きさを有さなければならないことが含まれる。コーティングは、入れ物がさらされる温度の範囲(例えば、約-20°F~約212°F(-28.9℃~100℃))で、前述の望ましい特徴を維持しなければならない。幾つかの実施形態では、コーティングの静摩擦係数は、0.05~0.7の範囲である。他の実施形態では、コーティングの静摩擦係数は0.3~0.4の範囲である。他の実施形態では、コーティングの静摩擦係数は0.1~0.2の範囲である。他の実施形態では、コーティングの静摩擦係数は0.05~0.1の範囲である。他の実施形態では、コーティングの静摩擦係数は0.08~0.3の範囲である。他の実施形態では、コーティングの静摩擦係数は0.07~0.4の範囲である。他の実施形態では、コーティングの静摩擦係数は0.1~0.7の範囲である。幾つかの実施形態では、コーティングは、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、および/またはこれらの材料の混合物および/またはコポリマー、例えば、ポリプロピレン/ポリエチレン混合物の1つまたは2つ以上が挙げられる。
本発明の一実施形態では、本明細書に開示された幾何学形状のいずれか1つを有する入れ物は、凍結液体内容物を収容するが、これは凍結液体内容物と入れ物の端部層(底部)との間で少なくとも5mmの空間を可能にしながら、また内容物が端部層から移動したときに凍結液体内容物と入れ物のカバー層(頂部)との間に少なくとも5mmの空間を維持するように寸法設定される。この実施形態では、凍結液体内容物は、内容物(15°F(-9.4℃))を195°F(90.6℃)で8オンス(226.8g )の水と混合するときに、約140°F~190°F(60.0℃~87.8℃)の温度で最終的な飲料製品を提供するようにさらに寸法設定される。さらにこの実施形態では、凍結液体内容物は、8オンスの水と混合したときに、1.15TDS~1.35TDSの最終的な製品濃度を有するコーヒー飲料を作り出すような濃度レベルを有する。またさらに、この実施形態では、凍結液体内容物(0°F~32°F(-17.8℃~0.0℃)の温度)は、内容物と接触するディスペンサおよび/または公知のシングルサーブブリューワの針(例えば、約4mmの長さの対角線の尖った部分を有する、約2.5mmの外径の中空針)からの力が、内容物に埋め込んだり、入れ物の表面から離れるように内容物の一部のみを移動させたりするよりむしろ、内容物を入れ物の内面から移動するような硬度水準を有する。他の実施形態では、凍結液体内容物と入れ物の頂部と底部との間の間隔は、少なくとも7mmである。さらに他の実施形態では、凍結液体内容物は、8オンスの水と混合したときに約1.25TDSの最終的な製品の濃度を有するコーヒー飲料を作り出すような、濃度レベルを有する。
幾つかの具体化例では、凍結液体内容物の硬さに関する情報が例えばQRコード(登録商標)、RFID、または本明細書において説明する他の技術によりディスペンサによって集められた情報に含まれている。ディスペンサは、この情報を用いて製品作製プロセス中、入れ物を穿孔するかどうか、いつ穿孔するか、およびどこに穿孔するかを決定することができる。例えば、ディスペンサが凍結内容物の硬さが柔らかすぎて穿孔器が内容物を入れ物内のその定位置から外れるようにすることができないことを指示した情報を受け取った場合、ディスペンサは、二次的熱源を用いてこの内容物を部分的に融解させるのが良く、その後穴の存在場所と反対側の内容物位置に対応した場所で入れ物を穿孔する。変形実施形態では、ディスペンサは、凍結内容物の硬さを算定する硬さセンサ(例えば、超音波硬さセンサまたは既知の硬さセンサ)を有する。
図16に示す入れ物の幾何学形状に加え、本発明の実施形態は、図32に示す入れ物3200の外形と同様の外形を有するテーパ状をした円筒状の入れ物を含み、この入れ物は1.65インチ~1.80インチ(4.19cm~4.57cm)の範囲の高さ、1.65インチ~2.00インチ(4.19cm~5.08cm)の範囲の頂部内径(頂部ID)、4°~6°の範囲の抜き勾配、および1.30インチ~1.75インチ(3.30cm~4.45cm)の範囲の底部内径(底部ID)を有する(記載した範囲内の抜き勾配を維持している)。ある特定の実施形態では、高さは1.70インチ~1.75インチ(4.32cm~4.45cm)の範囲であり、頂部IDは1.70インチ~1.95インチ(4.32cm~4.95cm)の範囲で、抜き勾配は4°~6°の範囲で、底部IDは1.35インチ~1.70インチ(3.43cm~4.32cm)の範囲である(記載された範囲内の抜き勾配を維持している)。他の実施形態では、高さは1.65インチ~1.80インチ(4.19cm~4.57cm)の範囲で、頂部IDは1.75インチ~1.90インチ(4.45cm~4.83cm)の範囲で、抜き勾配は4°~6°の範囲で、底部IDは1.40インチ~1.65インチ(3.56cm~4.19cm)の範囲である(記載された範囲内の抜き勾配を維持している)。また更に別の実施形態では、高さは1.65インチ~1.80インチ(4.19cm~4.57cm)の範囲で、頂部IDは1.80インチ~1.90インチ(4.57cm~4.83cm)の範囲で、抜き勾配は4°~6°の範囲で、底部IDは1.45インチ~1.60インチ(3.68cm~4.06cm)の範囲である(記載された範囲内の抜き勾配を維持している)。一実施形態では、高さは約1.72インチ(4.37cm)、頂部IDは約1.80インチ(4.57cm)、抜き勾配は約5°で、底部IDは約1.45インチ(3.68cm)である。これらのパラメータの他の範囲は、本発明の範囲内である。
上述の入れ物の種々の実施形態は、テーパ付きの側壁を開示している。しかしながら、入れ物の他の実施形態は、真っ直ぐな側壁を有する。図33は、真っ直ぐな側壁3305を備えた入れ物3300の断面図であり、これら真っ直ぐな側壁3305は、入れ物の頂端から底端まで一様な直径を有する。真っ直ぐな側壁を有する実施形態は、上述した種々のプラットホーム特長のうちの任意のものを取り入れることができる。かかる実施形態を用いて最終の食品または飲料製品を作る場合、ディスペンサは、入れ物の頂部の近くの入口から凍結内容物を通過して入れ物の底部の近くの出口まで流路をもたらすために凍結内容物3310を少なくとも部分的に融解させるのが良い。
図34は、第1の真っ直ぐな側壁区分3405および第2の真っ直ぐな側壁区分3410を備えた入れ物3400の断面側面図である。第1の側壁区分3405は、第2の側壁区分3410よりも小さな直径を有し、その結果、凍結内容物3415が例えば出口穿孔器によってずらされると、入れ物を貫通する流路が作られる。隆起リップを備えたプラットホーム、例えば図31に示されている実施形態を入れ物3400に用いると、上記において詳細に説明したように凍結内容物を第1の側壁区分3405からずらすのを助けることができる。かかる実施形態では、プラットホームの隆起リップは、下側の真っ直ぐな側壁区分3405と同じ形をしていても良く、またはプラットホームの隆起リップは、側壁の内面からずらされても良い。
以下の非限定的な実施例は、説明の目的のみのために提供される。他の入れ物の大きさおよび他の凍結液体内容物は、本発明の範囲内にある。
実施例1‐コーヒー飲料
本発明の一実施形態では、フィルタレス単一チャンバ混合入れ物は、凍結液体内容物を含む。入れ物は、図32に示すものと同様の外形を有し、約1.72インチ(4.37cm)の高さ、約1.80インチ(4.57cm)の頂部ID、約5°の抜き勾配、および約1.45インチ(3.68cm)の底部IDを有する。入れ物は、穿孔可能な層で頂部が封止されており、端部層は(例えば、上述の針を含むがこれに限定されないディスペンサ/ブリューワの針によって)穿孔可能である。凍結液体内容物は、実質的に端部層全体および側壁の一部と接触している濃縮コーヒーエキスである。
1.15%~約1.35%のTDS(1.25%TDSの任意選択のターゲットで)のTDSを有する最終的なコーヒー飲料製品を作製するために、15°F(-9.4℃)の温度状態にある凍結液体内容物を195°F(90.6℃)の温度状態にある8オンスの水で融解するとともに希釈した。表1は、この実施形態の凍結液体内容物の幾つかの代替の実施形態、ならびに凍結液体内容物の量および内容物の濃度を変化させることが種々のパラメータへ及ぼす影響を示す。
表1
注:1立方インチ(in
3)は、16.39cm
3、1オンス(oz)は、28.35g、1インチ(in)は、2.54cm、華氏100度は、摂氏37.78度である。
表1に示すように、コーヒー飲料温度を140°F(60.0℃)超に保つために(例えば、120°F(48.9℃)を超える飲料の温度を維持しながら、ミルクまたはクリームを加えるのに対応するため)、凍結液体内容物の重量は約0.15~約1.2(4.25~34.02g)で約60%のTDS~約8%のTDSの濃度(内容物が小さいと高い濃度が必要)である。入れ物に含まれるとき、凍結液体内容物の上方、そして最上層(すなわちヘッドスペース)下方の空いた空間の長さは約0.6~約1.6インチ(1.52~4.06cm)であり、約41%~約91%の空のスペースの体積を生じる。
出願人は、入れ物の端部層から約0.5インチ(1.27cm)以下の凍結液体内容物の高さを維持すると、端部層から内容物を離すのが一層容易になることを見出した。したがって、内容物は、約0.5~約0.1インチ(1.27~0.25cm)の高さにさらに制限することができ、それにより、約60%~約20%のTDSの対応する濃度を有する。こうすることにより、前の例と比較してヘッドスペースおよび空の部分の体積が増加し、そのことが凍結液体内容物に対する混合チャンバ内の水の割合が増加して融解および混合を改善することが予想される。
凍結液体内容物の濃度の範囲を35%以下のTDSに限定することが望ましい可能性がある。例えば、エネルギーを保存するために、高い濃度レベルの比較的凍結状態の液体内容物を作り出すことは、相対的に低い濃度のものよりも多くのエネルギーを消費し、抽出プロセス中の水の逆浸透除去などの二次処理が必要となる場合がある。かかる場合、凍結液体内容物は、約0.30~約0.5オンス(8.50~14.17g)の重量を有し、約73%~約85%の空の部分の体積を有する約1.2~約1.45インチ(3.05~3.68cm)のヘッドスペースを残す。
実施例2‐エスプレッソ飲料
本発明の別の実施形態では、フィルタレス単一チャンバ混合入れ物は、凍結液体内容物を含む。入れ物は、実施例1に記載されたものと同じ外形および寸法を有する。また、この実施例で、凍結液体内容物は、実質的に端部層全体および側壁の一部分と接触している濃縮コーヒーエキスである。
約9.15%~約9.35%のTDS(約9.25%TDSの任意選択のターゲットで)のTDSを有する最終的なエスプレッソ飲料製品を作製するために、15°F(-9.4℃)の温度状態にある凍結液体内容物を4オンス(113.40g)の小出し量(時にダブルエスプレッソと記載する)を得るのに十分な195°F(90.6℃)の温度状態にある水で融解するとともに希釈した。表2は、この実施形態の凍結液体内容物の幾つかの代替の具体化例、ならびに凍結液体内容物の量および内容物の濃度を変化させることが種々のパラメータへ及ぼす影響を示す。
表2
注:1立方インチ(in
3)は、16.39cm
3、1オンス(oz)は、28.35g、1インチ(in)は、2.54cm、華氏100度は、摂氏37.78度である。
同様の結果は、表1および2に記載し、上記の添付の説明で記述しているように、本明細書で開示された他の入れ物の設定を、凍結液体内容物の種々の具体化例と共に使用することによって得ることができる。したがって、本発明の範囲は、図32に示すような外形を有する入れ物内の凍結液体内容物の特定の具体化例の使用に限定されない。
本明細書全体を通じて論じたように、本発明の実施形態は多くの利点を提供する。例えば、入れ物が単一チャンバ混合入れ物であるため、入れ物は、フィルタ材料、使用済みコーヒー粉、使用済み茶葉、または入れ物が単一の流れとして容易にリサイクルされないようにする他の材料を保持しない。さらに、抽出プロセスによって作り出される凍結液体内容物を提供することにより、コーヒー粉などの副産物は、より容易にリサイクルまたは再利用(例えば、バイオマスエネルギー源および/または持続可能な土壌栄養素)することができる中央施設で維持される。またさらに、詳細に上述したように、凍結液体内容物の使用を通して、はるかに多様な最終製品を支援し得る。かくして、上述の実施例で与えられたTDS値よりも高いまたは低いTDS値を有する凍結液体内容物は、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。別の実施例は、0.5%TDS~68%TDSのTDS値を有し、これらTDS値は、1%TDSから68%TDSまでの範囲、2%TDSから68%TDSまでの範囲、3%TDSから68%TDSまでの範囲、4%TDSから68%TDSまでの範囲、および5%TDSから68%TDSまでの範囲を含む。
また、本明細書を通じて説明するように、本発明の実施形態は、原料物質に関する情報(例えば、凍結液体内容物、希釈液など)ならびに最終製品それ自体に関する情報(例えば、所望の量、温度など)に基づいて、多種多様な液体食品および飲料製品を作る自動システムおよび技術を提供する。さらに、かかる製品を作るシステムおよび技術の別の例示の実施形態が以下に記載される。これら実施形態の観点を上述の他の観点のうちの任意のものと組み合わせることができ、かかる観点は、本発明の範囲に含まれたままである。
図35A、図35B、図36A、および図36Bを参照すると、液体食品および飲料製品を作るディスペンサの部分の2つの互いに異なる実施形態が示されている。上述したように、ディスペンサのかかる部分は、液体を貯蔵し、オプションとして加熱し、そしてこの液体を小出し中の製品に応じて設定された期間で液体の計量された量としてディスペンサヘッド(液体を入れ物中に供給するための入口)に送るのに必要な機器、センサ、制御部などを含む。以下の実施例では、水が希釈液として用いられる。設定された温度範囲内にある計量された量の水が連続した流れかパルス化された流れかまたは空気パルス相互間の水の幾つかの量の状態に分けられた流れかのいずれかの状態でディスペンサヘッド中に通される。小出しの終わりに、空気がラインを通ってディスペンサヘッドに吹き込まれて空気/水ラインをパージするとともに残留水を処理し、それにより衛生上の問題を軽減する。図35Aおよび図35Bは、別々の流体ポンプ3551,3552および別々の空気ポンプ3521,3522が希釈流体(例えば、水)を主貯蔵リザーバ3510から加熱器3530を通るかまたは直接かのいずれかで移送箇所A3570経由でディスペンサヘッドに送るために用いられる一実施形態を示している。図36Aおよび図36Bは、1つだけの流体ポンプ3650および1つだけの空気ポンプ3620が、流体が加熱器3630を通って移送箇所A3670に進むかまたは直接移送箇所A3670に進むかを制御するために用いられる逸らせ弁3681,3682とともに用いられる別の実施形態を示している。
図35Aは、流体ポンプ3551および空気ポンプ3521が稼働中であり、流体をリザーバ3510から取り出してこれを加熱器3530中にポンプ輸送し、その結果流体がリザーバ内の温度よりも高いある温度で移送箇所Aに到達するようになっている場合を示している。空気ポンプ3521は、稼働時、加熱器3530および箇所A3570に通じる空気ラインをパージする。
図35Bは、流体ポンプ3552および空気ポンプ3522が稼働中であり、流体をリザーバ3510から取り出してこれをリザーバ3510内に貯蔵されている間の温度と同じ温度で箇所A3570に送っている場合を示している。幾つかの実施形態では、図35Aおよび図35Bに示されている動作原理を製品生成/小出しサイクル中に別々の時点で組み合わせて最終の飲料温度を加減してユーザの期待に応えることができるようにすることが可能である。一例として、低温飲料選択、例えばオレンジジュースの場合、少量のお湯をサイクルのはじめに小出しして入れ物内の凍結内容物を僅かに温めて入れ物出口に至る流体のための空いた出口経路を作ることが望ましいと言える。次に、温めすぎた飲料を作るのを回避するため、小出しサイクルのバランスが周囲温度の水をリザーバから直接用いて行われ、この場合、この水が入れ物内の残りの凍結内容物を融解させるプロセスによって幾分冷却されることが期待される。空気ポンプ3521,3522を水の小出し中に稼働させて入れ物内のキャビテーション/乱流度を増大させるのが良い。小出しサイクルがいったん完了すると、少なくとも消費者が飲料をディスペンサから取り出した時点を通過してお湯の最終の部分をシステムに通してディスペンサヘッド内の種々の成分を洗い落とすのが良い。次に、お湯のこの洗浄パージに続いて空気ポンプ3521,3522の両方から短い空気パージを行ってラインをきれいにするのが良い。幾つかの実施形態では、この洗浄水をドリップトレーに差し向け、ここで、この洗浄水は、蒸発するかユーザによって定期的に空にされる。
図36Aは、逸らせ弁3682が流体をリザーバ3610から加熱器3630、そして更に移送箇所A、アイテム3670に反らすよう構成された場合を示している。他方、逸らせ弁3681はまた、空気を加熱器3630に送るよう構成されている。
図36Bは、逸らせ弁3682が流体をリザーバ3610から直接移送箇所A3670に逸らせるよう構成された場合を示している。他方、逸らせ弁3681はまた、空気を直接移送箇所A3670に送るよう構成されている。
幾つかの実施形態の場合、リザーバ3510は、周囲温度/室温状態にあるのが良い非過熱状態の流体を収容しておりまたは冷却流体、例えば角氷を含んだ水を収容しても良い。幾つかの実施形態に関し、加熱器3530は、少量の流体を迅速に加熱するために当該技術分野において周知である電気加熱式容器に類似した電気加熱式容器である。加熱器3530は、圧力定格されても良くまたはそうでなくても良く、しかもお湯に代えて水蒸気を生じさせるのに適したものであっても良くまたはそうでなくても良い。幾つかの具体化例では、リザーバ3510は、例えば加熱器3530がリザーバ3510内の液体を加熱するのを阻止するために加熱器3530から断熱されている。図示していないが、ディスペンサのある特定の具体化例は、リザーバを出た液体の流路内に設けられたフィルタを有する。同様に、水質調整装置、例えば硬水軟化装置がリザーバを出た液体の流路内に設けられるのが良い。幾つかの実施形態では、リザーバは、取り外し式である。
幾つかの実施形態に関し、ポンプ3550,3551,3552は、定容量形ポンプ、例えば、ピストンポンプまたは蠕動ポンプそれともデュアルローブ型ポンプである。幾つかの実施形態に関し、ポンプ3550,3551,3552は、流速および絶対流量を測定するとともに制御するために流量センサと組み合わされる。これらポンプのうちのいずれか1つは、一定量を経時的にまたは1回転ごとにポンプ輸送せず、これとは異なり、閉ループプロセスで制御されて流量センサによって計測された測定量の流体を送り出す軸流ポンプまたは遠心ポンプであるのが良い。幾つかの実施例では、弁3681,3682は、当該技術分野において周知である三方玉弁である。幾つかの実施例では、弁3681,3682は、これまた当該技術分野において周知であるマルチポート型電磁弁である。幾つかの実施例では、弁3681,3682は、電動式圧縮弁である。幾つかの実施例では、圧力センサ3580,3582、温度センサ3590、および幾つかのポンプ3595,3597のためのストロークセンサを用いて種々のフィードバックアルゴリズムで使用可能にシステム性能情報をコントローラに戻してシステムを必要に応じて動作状態に保って流体を正しい量でかつ好ましい温度で小出ししてユーザの好みを満足させる最終の飲料を生じさせる。幾つかの実施例では、圧力センサ情報を用いてポンプのストロークを調節していずれかのシステム、すなわち高温または低温システム向きに小出しされた液体を微調整する。
ディスペンサの実施形態の1つの有益な観点は、二次的(非希釈)熱エネルギーを入れ物およびその凍結内容物に供給して小出しされた食品または飲料製品の最終平均温度の管理を助けるためのシステムである。本明細書において説明するように、熱エネルギーを追加する技術としては、電気加熱式または水加熱式カラーからの入れ物の側壁を通る直接伝導、高温のガス、空気、または水蒸気を入れ物の外部に当てること、入れ物を加熱することができるかまたは凍結内容物を直接加熱するかのいずれかを行うことができる種々の形態の電磁エネルギーの使用が挙げられる。後者の幾つかの実施例は、赤外線照射、RF加熱、マイクロ波加熱などを含む。図37A~図39Bは、ディスペンサシステムの幾つかの部分の3つの例示の実施形態を示しており、この二次的(非希釈)計量熱エネルギーをどのようにすれば(a)上述の移送箇所A3570を通って送り出される融解/希釈流体、(b)凍結内容物の液状化の促進を助けるための種々の形態の攪拌、(c)通気、流体追加、排出、および加熱された針/穿孔器を用いた加熱/融解を可能にするよう入れ物を保持して穿孔する種々の方式と組み合わせることができるかを示している。明確化のために言えば、これら熱源を「二次的」として特徴付ける場合には、熱を追加的に別の熱源に加えることまたは二次的熱源の供給熱が他の何らかの熱源の供給熱よりも少ないということが必要とされるわけではない。「非希釈」という用語は、希釈液を凍結内容物の加熱法として入れ物内部に供給することがない熱源を意味している。
図37A~図37Eは、多くの考えられる実施形態のうちの一実施形態を示しており、この実施形態では、温風を入れ物に当てるシステムが二次的(非希釈)熱エネルギーを提供している。この例示のシステムでは、多種多様な技術を組み合わせて入れ物内の凍結内容物を融解させ、希釈し、そしてかかる凍結内容物をユーザに満足のゆく所望の効力および量の飲料中に小出しするために用いられるシステム全体を形成する。当業者によって認識されるように、図37A~図37Eに示されかつ以下の他の説明全体を通じて示された種々の技術を多種多様な改造および組み合わせの状態に組み合わせると、同じ目的を実現することができる。幾つかの実施形態では、入れ物は、最初に、ある形式の光センサ3705を用いてその内容物の性状を確かめるよう走査される。幾つかの実施形態では、首尾良い走査(例えば、システムが入れ物を走査された情報により受け入れ可能であると認識する)により、引き出し3703が開き、したがって、入れ物キャビティ3706にユーザにとって最適な入れ物3704を詰め込むことができる。幾つかの実施形態では、ユーザは、ボタンを押し、引き出しをディスペンサハウジングに再び係合させることによって小出しサイクルの続行または他の何らかのステップを開始して続行決定を確実に指示する。ある特定の具体化例では、ディスペンサは、引き出し3703を閉じた後に働くロックを有し、その結果、ディスペンサが小出しサイクルを完了させるまでまたは違ったやり方で引き出しをロック解除するまで引き出し3703を再び開くことができない。
幾つかの実施形態では、この信号を受け取ると、ディスペンサ内の幾つかの構造要素3710によって指示された引き出し3703が摺動して閉じ状態になる。幾つかの実施例では、機構、例えばプレート3707が入れ物の頂部上に押し下げられて入れ物の蓋を漏れが生じないよう補強するとともに蓋を液体小出し針で穿孔する。幾つかの実施形態では、攪拌の開始および希釈液の追加前かこれらのステップと同時に、ある量の熱エネルギーを入れ物3706に追加して凍結内容物を温めまたは部分的にもしくは全体的に溶解させる。幾つかの実施形態では、この熱エネルギーは、ファン3701によって送風されてダクト3702を通り、そして加熱器3700に当てられる空気によって供給される。幾つかの実施形態では、加熱器3700は、電気加熱式である。幾つかの実施形態では、加熱器3700は、加熱器タンク(図35Aのアイテム3530)または何らかの二次的加熱器(図示せず)からの温水を用いた水‐空気熱交換器である。幾つかの実施形態では、加熱器3700は、入れ物またはキャビティをサイクル中の後のどこかの時点でまたはサイクル後に冷却して過剰の熱を除去するために使用できる一種の熱電装置(例えば、ペルチエ冷却機および/または加熱器)である。
温風加熱の有効性は、入れ物の側部に温風が直接当てられる場合に大幅に高められる。
したがって、幾つかの実施形態では、キャビティ3706は、入れ物3704の側壁の大部分または全てに衝突空気を直接接触させることができる開放または多孔性構造である。
例えば、キャビティは、入れ物側壁の最も上の部分または積み重ね可能なリングを捕捉し、そして入れ物を空気の流れから遮蔽するようには下方には決して延びないカラーだけから成っていても良い。幾つかの実施形態では、上述したように、二次的熱エネルギーの追加と関連してまたは希釈流体(例えば、水)の追加と関連してサイクルの後で、入れ物および内側の凍結内容物の幾分かの攪拌レベルを開始して希釈液と凍結内容物の衝突回数を増やし、希釈液の淀んだ層があればこれらをばらばらにするなどして凍結内容物の液状化を促進する。幾つかの実施形態では、この攪拌は、モータ3708によって引き起こされる。幾つかの実施形態では、攪拌は、回転3712である。幾つかの実施形態では、回転は、大きな動作(例えば、反転前に一方向に90~120°、そして次に繰り返される)または小さな動作(例えば、振動または90°未満)を含む往復運動である。変形具体化例では、ソレノイドが攪拌をもたらすよう用いられる。
幾つかの実施形態では、攪拌と関連してまたは攪拌開始前に、融解/希釈液を入れ物に加える。この液体は、上述したディスペンサの部分から移行箇所A3570経由で送り出される。幾つかの実施形態では、その融解/希釈液は、水リザーバから直接送り出され、そしてリザーバ内のその元の温度に近い温度で到達する。幾つかの実施形態では、この融解/希釈液は、移行箇所Aに至るまでの途中で加熱器タンクに通される。幾つかの実施形態では、融解/希釈液の追加と関連して、入れ物3704の底部は、第2の針または穿孔器3709で穿孔され、その結果、融解後の液体は、ユーザのカップ3714内に流れ込むことができる。幾つかの実施形態では、小出しサイクルがいったん終了して融解/希釈液のほぼ全てが入れ物から出て凍結内容物を完全に融解させて入れ物の内部をきれいに洗浄すると、引き出し3703が再び開き、入れ物3704を取り出して廃棄することができる(3716)。オプションとして、引き出しが再び開く前に、システムは、周囲空気または冷却された空気をダクト3702に通して入れ物3705に接触させることによって入れ物を冷却することができる。
本明細書のどこか他の場所で説明したように、凍結液体内容物の攪拌は、その液状化速度を増大させるための効果的な手段である。流体力学的観点からの機構そのもの、固体と加熱用液体との間の境界層をばらばらにするかどうか、これら2つ相互間の相対速度を増大させること、固体相互間の物理的接触の発生率の増大、または熱に変換される少量の運動エネルギーに関わらず、観察される結果は明瞭である。凍結内容物の融解は、攪拌なしの場合よりも攪拌した場合の方が非常に迅速に起こる。
幾つかの実施形態では、この攪拌は、内容物の振動または極めて小さな振幅の揺動運動の形態をしている。振動を機械的に誘起するシステムおよび技術は、当該技術分野においては周知であり、かかるシステムおよび技術としては、物質の励磁、圧電コンポーネントへの漸変電気信号の供給、およびオフセンター重り付き回転ディスクの使用が挙げられる。
振動レベルの揺動は、攪拌のない場合よりも効果的であるが、液状化の効率は、固体(凍結または部分凍結)成分と融解/希釈液との相互作用の振幅およびエネルギーレベルにつれて増大する。幾つかの実施形態では、この振幅の大きな攪拌は、機械的または流体力学的力によって誘起される。機械的力は、代表的には直接軸方向連結を介してまたはベルト、歯車または摩擦駆動装置を介してモータ駆動されるキャビティおよび/または入れ物の角度の比較的大きな回転を与えることを含む。中立点回りの回転の時計回りおよび反時計回りの振幅が短期間にわたって等しくない非対称揺動は、それにより規則的なパターン、定在波などの生成を阻止するので特に効率的であることが判明しており、その結果として流体の局所無秩序性状が高まる。多回転運動、すなわち、一方向に、次に他方の方向における数秒間にわたる旋回状の完全回転もまた有用である。この運動により生じる流体の無秩序運動が少なくなるが、遠心力により駆動された流体を優先的に差し向ける機会が得られる場合がある。
幾つかの実施形態では、機械的攪拌のための駆動モータは、DC駆動モータであり、かかるDC駆動モータは、場合によっては特定のモータについて最適化された専用モータ電源を介してコントローラによってこれらDC駆動モータに送られるDC電圧の振幅および極性によって駆動される。幾つかの実施形態では、駆動モータは、ステップまたはサーボモータであり、かかるステップまたはサーボモータは、特定の運動パターンを実行するよう正確にプログラム可能でありかつキー結合特徴部が入れ物およびキャビティに組み込まれた場合、キー結合特徴部をローディング、アンローディング、走査などのための特定の場所に戻すよう使用できる。
幾つかの実施形態では、上述したように、僅かな液体担持インターフェースが入れ物内面と凍結内容物との間でいったん融解すると、融解/希釈流体が入れ物中に接線方向に注入される。この液体は、凍結内容物が凍結内容物の迅速な液状化のために入れ物内で回るようにする目的で注入される。幾つかの場合、容器に加えることができる融解/希釈流体の量は、制限され、しかも所望の融解レベルを達成するのに十分長く凍結内容物を旋回状態のままにするには利用できない。幾つかの実施形態では、凍結内容物を旋回させるための別の技術は、圧縮空気または他のタスを針に通して注入してこのガスが凍結内容物の外周縁部近くで凍結内容物に接線方向に当たるようにすることである。幾つかの実施形態では、このガスは、当該技術分野において周知であるように機械的または化学的手段、例えば機械的ポンプまたはガスを生じさせるために知られている化学反応を用いてこのガスが必要とされる時点に先立って、発生/圧縮が行われ、そしてディスペンサ内またはこの近くに位置する適当な容器内に貯蔵される。
幾つかの実施形態では、ガスを所要の圧力で連続して生じさせる機械的または化学的手段が注入針への供給を行うために用いられる。例えば、大型ポンプを用いることができる。幾つかの実施形態では、注入針へのこのガスの流れは、ディスペンサシステムコントローラによって計時されるとともに制御され、そしてガスを注入する前もしくは後またはガスを割り込ませる前または後、同一または別個の針を通る融解/希釈液の流れと協調される。例えば、少量の液体を注入し、次にガスのバーストまたは長時間の流れを生じさせ、次により多くの液体を注入するなどし、ついには計画されたサイクルが完了する。
攪拌を引き起こす流体の利用技術は、液体の薄い膜が入れ物内の凍結内容物と入れ物壁の2つの表面相互間でいったん溶けて液体担持インターフェースが作られると、入れ物内の凍結内容物と入れ物壁との間に存在する低摩擦係数を利用する。この環境下において、入れ物側壁の近くで接線方向に差し向けられた注入針からの定常流またはパルス流を用いて凍結内容物を旋回させ始めることが可能である。流体誘起攪拌は、ディスペンサ内における機械的複雑さおよびコストの減少の面で特に魅力的である。これら利点は、幾つかの形式の飲料または食品入れ物に利用できる場合のある融解/希釈流体の量によって課されるプロセス制御の融通性および限度の低下に対して重視されなければならない。幾つかの実施形態では、長い針が入れ物および凍結内容物を完全に突き通し、そして入れ物から出てユーザのカップまたは小出し用品に至る内容物または希釈流体のドリップガイドとして定位置に位置したままである。幾つかの実施形態では、この針は、バヨネットのように形作られるとともに凍結内容物へのその突き通しを容易にするよう電気的に加熱される。針が入れ物の蓋および閉鎖端部を貫通していったん定位置に位置すると、第2の針を入れ物中に導入し、この第2の針は、流体を入れ物の側壁の直径方向曲率に対して接線方向に注入し、それにより凍結内容物を静止した入れ物内で旋回させ始め、溶けた内容物を旋回に対する潤滑剤として利用する/。幾つかの実施形態では、静止した入れ物は、バヨネットによる穿孔前および/または穿孔中、システムのエントロピーを増大させるとともに液状化を容易にする手段としての流体の導入前および/または導入中、電気的に外部から加熱される。内容物は、これが溶けながらバヨネットを越えて流れ、そしてその最も下の先端部からしたたり落ちる。幾つかの実施形態では、凍結内容物の最後のものは、希釈液を全て注入する前に溶け、それにより針/バヨネットをいったん引き抜くと、清浄なカップをディスペンサから取り出すことができる。
図38A~図38Eは、入れ物をディスペンサ内に捕捉することができ、凍結内容物を溶解させ、希釈させ、そして小出しすることができる別のシステムおよび技術を示している。この変形システムの特徴のうちの多くは、図37A~図37Eと関連してちょうど説明したその特徴に類似しているので、以下の説明は、二次的(非希釈)熱エネルギーを加える別の技術に焦点を合わせる。幾つかの実施形態では、図38に示されているように入れ物を走査し(図38A)、そしてチャンバ3801中に挿入する。入れ物3804をチャンバの厳密にマッチした円錐形表面3806によって保持する。当業者によって容易に理解される類比として、入れ物および加熱器の互いに合致する関係をなすテーパ付き側壁表面は、理想的には、両方とも互いに合致するモールステーパ(Morse Taper )で機械加工された機械工具と保持チャックが互いに密に接触状態にあるのと同じ仕方で非常に密な接触状態にある。幾つかの実施形態では、合致する相手方の外面3806は、電気抵抗加熱器3800の一部であり、この電気抵抗加熱器は、所望の温度(一端溶解した後における凍結内容物の沸点未満)、例えば195~205°F(90.6~96.1℃)まで制御可能に加熱されるのが良い。
温風を含む先の実施例の場合と同様、幾つかの実施形態では、この加熱器3800を当初の走査および種々の搭載型センサから得られた凍結内容物に関する知識を用いてディスペンサコントローラによって計算された期間の間、稼働させるのが良い。この期間は、所望の最終小出し飲料/食品温度および計画された量に応じて凍結内容物を温め、部分的に溶解させ、または完全に溶解させるよう設計されているのが良い。この加熱プロセスに関し、特に、その意図が凍結内容物を部分的に溶解させることである場合、凍結内容物の凍結/解凍温度の知識が必要である。本明細書においてどこか別の場所で説明したように入れ物3804を走査することによって得ることができるこの情報は、温度フィードバックループ制御内で用いられる。また、公称凍結/解凍点はまた、凍結内容物の含有量(%水、%砂糖、%脂肪、%タンパク質など)の知識に基づいて推定できる。図37A~図37Eと関連して上述したように、入れ物を加熱前、加熱中、または加熱後に攪拌するのが良く、液体食品または飲料製品を小出しする(図38D)。図38Eは、空でかつきれいになった入れ物3804の取り出しの仕方を示している。図示していないが、入れ物とチャンバの内面との締まり嵌め関係を達成するのに入れ物を加熱された液体浴中に沈めるのが良い。
図39Aは、図37A~図37Eおよび図38A~図38Eに示された実施形態について説明したプロセスと同様なプロセスを用いて二次的熱エネルギーの源を入れ物に提供するための高周波(RF)コイルの使用を示している。幾つかの実施形態では、電源3921が高周波電流をコイル3920に送る。揺動電界が氷と相互作用することが知られているが、熱に変わる相当な誘電損失が生じる。3MHz範囲内の揺動周波数は、この加熱プロセスにおいて特に効果的であることが示された。本明細書において提供する他の例示の場合と同様、この二次的熱は、ディスペンサ内に設けられたマイクロコントローラによって管理され、それによりタイミング(計時)、持続時間および電力を融解/希釈/小出しサイクル全体を通じて他のイベントと協調させ、かかるイベントとしては、攪拌、入れ物内への流体の追加、および互いに異なる針穿孔のスケジュールが挙げられる。
図39Bは、凍結内容物を加熱する二次的熱源としての電磁エネルギーの使用を示している。一具体化例では、マイクロ波エネルギーが用いられる。当業者であれば認識されるように、高周波電磁エネルギーを供給するために用いられるマグネトロンは、低いメガヘルツ範囲からギガヘルツ範囲までの周波数を発生させるよう設計されているのが良い。例示の実施例では、電源3940がマグネトロン(交流電気周波数発生器)3941に給電してエネルギーのビームを入れ物に送り与える。幾つかの動作方式では、電磁加熱サイクルは、入れ物が1本または2本以上の針によって穿孔される前に開始される。他の方式では、電磁加熱サイクルは、入れ物が1本または2本以上の針によって穿孔された後に開始される。幾つかの使用の場合、入れ物の最初の穿孔は、単に小さなベントを提供するよう管理され、その結果、二次的加熱プロセスによって生じる蒸気または水蒸気は、それほどの圧力増大を生じさせないで入れ物から逃げ出ることができるようになっている。幾つかの実施形態では、入れ物は、その対称軸が加熱中、希釈中および攪拌中、垂直に差し向けられた状態でディスペンサキャビティ内に保持される。この場合、電磁エネルギーは、入れ物の側壁を通って入れ物中に差し向けられる。幾つかの実施形態では、入れ物は、その対称軸が加熱中、希釈中、および攪拌中、水平に差し向けられた状態でディスペンサキャビティ内に保持される。この場合、電磁エネルギーは、入れ物の蓋または閉鎖端部を通って入れ物中に差し向けられる。入れ物材料がアルミニウム、他の何らかの金属または導電性である幾つかの具体化例では、入れ物の蓋または閉鎖端部に設けられた「窓」(どの側部がエミッタに向いているかに応じる)が用いられているエネルギーの周波数に対して透明である材料から作られる。幾つかの実施形態では、この窓は、円形または長方形パッチ(エミッタまたは入れ物の形状にマッチするために)であり、このパッチは、入れ物の閉鎖端部に設けられた穴またはアルミニウム蓋に設けられた穴を覆ってサーモシールされる。幾つかの実施形態では、入口側および出口側針は、接地平面によって遮蔽される。
図54は、ディスペンサ4700の一部分を示しており、このディスペンサは、他の実施形態に示されているように垂直位置ではなく、入れ物4715を水平位置に保持するチャンバ4710を備えている。希釈液入口4720は、製品出口4725が入れ物の頂部に形成される場所の上方の位置で入れ物の頂部(これは、金属製の箔で覆われているのが良い)を貫いている。一具体化例(矢印で示されている)では、チャンバは、チャンバ4710の中心軸線4730回りの攪拌をもたらす。変形具体化例では、ディスペンサは、中心軸線4730に沿う攪拌をもたらす。攪拌液入口4720を移送箇所A3570に接合する管および/または製品出口4725を最終の製品出口に接合する管は、入れ物に与えられる運動に順応するよう可撓性である。
本発明の一実施形態では、高周波(RF)誘電加熱システムは、二次的熱(すなわち、非希釈熱)を入れ物および/または入れ物内の凍結液体内容物に提供する。一具体化例では、このプロセスは、高周波、例えば、6MHzから42MHzまでの範囲にある電気信号を用いてコンパウンド中の水分子の迅速な振動を引き起こす。加熱は、アウトサイドインプロセスではなく、入れ物内容物の体積全体を通じて同時に起こることが考えられる。
かくして、RF誘電加熱は、幾つかの場合、液体を加熱する際、他の公知の技術、例えば接触または対流加熱よりも迅速である。
図40は、RF誘電加熱を用いて入れ物の凍結液体内容物を加熱するシステム4000の断面図である。図40は、入れ物ハウジング4003およびハウジング上の蓋4002を示し、入れ物は、凍結液体内容物4004を収容している。入れ物ハウジング4003は、金属製であってかつ導電性であり、他方、蓋4002の材料は、非導電性プラスチック、例えばポリプロピレンである。RF電源4006は、上側接点4001および下側接点4005に電気的に接続されている。下側接点4005もまた、金属製入れ物ハウジング4003と電気的に接触状態にある。交流電圧を上側接点4001と下側接点4005との間に印加すると、凍結内容物4004を通過する交流電界が生じる。オプションとして、上側接点4001は、ホットスポットを減少させるよう凍結液体内容物を通るかなり一様な磁力線/勾配を達成するよう寸法決めされている。一実施形態では、上側接点4001の直径は、上側接点の縁と入れ物ハウジング4003の側壁との間にほぼ等しい隙間を作るよう選択されている。
別の具体化例では、この場合もまた図40を参照すると、入れ物ハウジング4003と蓋4002の両方は、非導電性プラスチック材料である。オプションとして、上側接点4001および下側接点4005は、同じ寸法形状のものであり、接点は、扁平であり(すなわち、図40に示されているように曲げられていない側壁が設けられていない)、これら両方の接点の直径は、入れ物蓋4002の縁を越えて1~2mmにわたって延びる。
図49を参照すると、水と氷の両方に関与するRF誘電加熱技術に関する既知の問題のうちの1つは、このプロセスの加熱性が非一様であることにある。水分子が氷の場合のように結晶構造内に捕捉されると、水分子は、2つの電気接点相互間の電界の素早く変化する電気配向状態にもはや自由に追従することができず、または水分子は、衝突マイクロ波エネルギーによって作られる。0℃未満の温度に関してグラフ図に示されているように、この結果として、比較的低い誘電損率が生じる。しかしながら、氷がいったん溶けると、誘電損率は、極めて迅速に上昇し、溶けた水は、典型的にはRFまたはマイクロ波加熱により全体的氷構造内に作られた小さな局所ポケット内に存在し、迅速に昇温する。この非一様な加熱さえもその結果として、温度が釣り合うようにならない場合、局所沸騰および水蒸気発生が起こる場合がある。
この周知の問題を取り扱う幾つかの方法が開発された。公知の一技術は、オン/オフサイクルで電力の印加をパルス化することである。このようにすることにより、水の小さなポケット内の熱のうちの何割かが周囲の氷に伝わり、それにより各ポケットの容積を次第に拡大し、ついには、氷構造全体が水に変換されるようになる。この加熱技術は、当初全てが液体である製品(この場合、RFまたはマイクロ波電力を連続的に印加することができる)に関して可能な効率よりも低い効率のものであるが、この加熱技術は、より従来型の伝導加熱方法で達成できる速さよりも依然としてかなり速い。これは、外部熱源の温度がバルク凍結内容物の外側の近くに位置する加熱状態の液体に対する損傷を阻止するよう必然的に限定される場合に特に当てはまる。例えば、凍結オレンジジュースを加熱する場合と同様、過剰の熱が複合糖類の構造に悪影響を及ぼして味を損なう場合がある。
図41は、2本の流体送り出し針4102,4103およびオーム加熱のための中央電極4105を有するキャビティカバー4100の等角図である。オーム加熱は、凍結液体内容物を加熱するための誘電加熱の代替手段としての役目を果たすことができ、かかるオーム加熱は、容積測定条件に基づいて依然として働くことができる。このプロセスは、電気を通す凍結内容物を必要とするが、依然として、電子の流れに対して幾分かの抵抗をもたらす。一具体化例では、電流は、一方の接点のところで導入され、それにより電気が凍結液体内容物または融解状態の液体を通って第2の接点まで流れる。組立体4100のこの端面図では、非導電性材料、例えば射出成形プラスチックで作られたキャビティ封止プレート4101は、希釈液および/または融解状態の製品を流動させる針またはペネトレータ4102,4103を位置決めするとともに保持する。プレート4101もまた、絶縁シース4104を有する電極4105を位置決めするとともにこれを保持する。
幾つかの実施形態では、シース4104と電極4105の組み合わせである電極組立体は、一方の端部がプレート4101の裏を越えて延びる状態で定位置に固定される。オプションとして、この組立体は、ばね押しであり、それにより電気接点は、凍結内容物の幾つかの部分が溶けているときに入れ物中に入って次第に凍結コアとの接触状態を維持する。幾つかの実施形態では、絶縁体4104は、望ましい強度および比較的高い電気抵抗率を有するセラミック材料、例えば酸化アルミニウムである。
図42は、図41のオーム加熱システム4100の第1の具体化例の断面図である。単一の電気プローブ4105は、凍結内容物4004内に僅かに埋め込まれた状態で示されている。電気的絶縁体4104を用いて導体4105を覆うことにより、包装中に入れ物を閉じるための金属製蓋、例えばアルミニウム箔の使用が可能である。上記において詳細に説明した液体食品または飲料を作るプロセスの二次加熱段階の間、電気が電気接点4105から凍結内容物4004中に流れ、そして導電性(例えば、アルミニウム)入れ物ハウジング4003まで流れ、そして最終的には電気接点4107に流れる。電力は、源4106によって供給され、この源は、幾つかの実施形態では、交流電流(AC)電源である。AC電源を用いることは、直流(DC)電源の使用により一方または両方の電気接点のところに生じる場合のある電気分解に関する問題を回避すると考えられる。
図43は、図41のオーム加熱システム4100の第2の具体化例の断面図である。図示の実施形態では、電気接点4108は、この接点と一体の1つまたは2つ以上の小さな穿刺コーンまたは同様な形状の物体4109を備えている。これら円錐形突出部4109は、入れ物ハウジング4003の底部を穿刺して凍結内容物4004と電気接点4108との直接的な電気的接続部を作る。これは、入れ物ハウジング4003が非金属製でありまたは入れ物の内面が非導電性被膜、例えば、食品の安全性を高め、アルミニウムと食品との化学反応をなくすとともに/あるいはヒートシールされた蓋の溶接面を提供するようアルミニウム製の入れ物を被覆するために用いられたポリプロピレンの薄い層で覆われている場合に有益な場合がある。
図44は、2本の流体送り出し針4102,4103およびオーム加熱のための2つの電極4105,4111を有するキャビティカバー4200の等角図である。他方、図45は、図44のオーム加熱システム4200の断面図である。システム4200は、端板4201によって位置決めされるとともに保持された2つの電気接点4105,4111を用いている。完全な電気経路は、金属製入れ物ハウジング4003を必要としないで、2つの電気接点および凍結内容物を含む。かくして、この具体化例は、導電性(金属製)および非導電性(プラスチック製)入れ物ハウジング4003に等しく良好に働く。上述したように、これら電極組立体は、固定されても良くまたはばね押しされても良い。上述した他の二次的加熱源の場合と同様、オーム加熱の具体化例は、希釈流体の追加前、追加中、または追加後かつ/あるいは攪拌の有無を問わず熱を供給することができる。この技術的思想を上記において詳細に説明したディスペンサ形態のうちの任意のものに容易に適用することができ、かかるディスペンサ形態としては、例えば、垂直に整列したキャビティを備えるディスペンサが挙げられる。
幾つかの実施形態では、電源4106は、誘電体の差し迫った破壊を検出し、それに従って電流供給を制限し、それにより公知の方法を用いた電気アーク発生を阻止するための回路構成を有する。
図51および図52は、本明細書において説明するオーム加熱システムの実施形態に用いられる2つの螺旋コイル状電極4500の等角図である。上述したように、オーム加熱は、電流が材料を通って流れたときに発熱を生じさせるよう凍結固体または液体の抵抗率に基づいて働く。電流導入箇所のところの局所加熱により、非効率的または効果的ではない加熱が生じる場合がある。より一様な加熱は、電極/食品インターフェースのところの電気接点表面が小さいよりも大きい場合に起こる。一実施形態では、電気接点表面(電極)が入れ物内に凍結液体内容物を形成する前に入れ物内に設けられ、それにより針状電極で達成される表面積を超えて電気接点に利用できる表面積が増大する。
図51は、電極として働く2つの螺旋コイル状形物4501,4502を示している。
幾つかの実施形態では、これらコイル状電極は、接触表面4505,4506にそれぞれ取り付けられたステンレス鋼箔材料である。図52は、同じ螺旋コイル4501,4502および接触表面4505,4506を示しており、分かりやすくするためにカップ本体4515は省かれている。絶縁フレーム4510がコイルを定位置に保持している。接触表面4505,4506は、入れ物中に挿入されたときに(例えば、図45の実施形態について図示するとともに説明したように)ディスペンサシステム内の電極に接触するよう入れ物内に設けられている。図52は、開放長方形本体として形成された2つの電極4601,4602の別の実施形態を示している。
図46は、入れ物内の凍結液体内容物を加熱するためにマイクロ波エネルギーを用いる加熱システム4300の等角図である。加熱システム4300は、ヒンジ4316によって互いに接合されたチャンバ蓋4312とチャンバ本体4314を備えたチャンバ4310を有している。チャンバ本体4314は、凍結液体内容物を収容した入れ物を受け入れるよう寸法決めされている入れ物用開口部4318を有している。図46は、チャンバ4310を開放状態で示し、図47は、チャンバ4310を閉鎖状態で示している。他方、図48は、図46および図47の加熱システム4300の断面図である。
加熱システム4300は、本明細書において説明する幾つかの実施形態に使用できる二次的加熱システムの更に別の形態である。加熱システム4300は、マイクロ波エネルギー、高周波電気エネルギー源を用い、このエネルギーは、入れ物がチャンバ4310内に保持されたときに入れ物に伝達される。加熱システム4300の幾つかの具体化例は、マイクロ波エネルギーの源としてマグネトロンを用いる。このマグネトロンは、例えば約2.45ギガヘルツで動作することができる。他の実施形態は、5.8ギガヘルツで動作して700ワット以上を送り出すマグネトロンを用いる。さらに高い周波数で動作するマグネトロンが利用でき、かかるマグネトロンは、比較的低い電力レベルを示す。現時点において、5.8ギガヘルツ以上で動作するマグネトロンは、これらの2.45ギガヘルツ相当物よりも比較的高価である。しかしながら、比較的高い周波数で働くマグネトロンを用いることは、本発明の範囲に含まれ、かかる使用は、以下に説明するように利点をもたらすことができる。
マイクロ波周波数スペクトルの下端のところ、例えば、2.45GHzでは、生じた波形の伝送が導波路と同軸ケーブルの両方によって可能である。3Ghzを超える同軸ケーブルの使用は、少なくとも比較的高い電力レベルでは非実用的であると言える。エネルギー運搬のための同軸ケーブルの使用は、700ワット以下の電力レベルにおいて適していると考えられる。かくして、ある特定の具体化例では、同軸ケーブルは、チャンバ4310内に保持されたときに入れ物へのエネルギー運搬のために用いられる。かかる具体化例は、コスト、融通性およびRFエネルギー信号を送るためのディスペンサ内の所要の体積の面で有益である。同軸ケーブル伝送設計への適用は、例えば、米国特許第5,216,327号明細書に記載されている技術に従って達成でき、この米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
開示する技術は、凍結内容物を解凍して加熱するためのマイクロ波エネルギーの使用と関連した課題に取り組む。例えば、上述したように、適正な安全措置を具体化しなければ、最初に氷から液体になる凍結内容物体積が部分的に過熱する場合がある。また、上述したように、例えばRF誘電加熱のために働くパルス化加熱のような技術は、マイクロ波エネルギーによる加熱のために役立つ。導電性入れ物の内側におけるマイクロ波エネルギーの使用と関連した別の課題は、導電性材料の表面のところの電界が常時本質的にゼロであるということにある。このヌル(null)条件は、入れ物壁から波長の約1/4にわたって入れ物中に延びる非加熱ゾーンをセットアップする。入れ物が波長に対して十分に大きい、例えば、深さが数波長分を超える場合、加熱が凍結内容物の残部に起こる場合がある。
この方式は、定在波が作られる場合には依然としてホットスポットおよびコールドスポットを生じさせる場合があるが、融解が起こることになる。このホットスポットおよびコールドスポットは、分散ファン、回転プラテンなどを介してマイクロ波オーブン内で取り扱われる。この公知の技術を本明細書において開示するシステムに利用することができる。
上述の後の方の課題に対する一解決策は、非導電性材料、例えばポリマーで構成された入れ物を用いることである。かかる入れ物は、エンクロージャ内に入れられ、このエンクロージャは、入れ物の外側頂壁および底壁をエンクロージャの対応の頂壁および底壁から伝搬マイクロ波周波数の約1/4のところに位置決めする。例えば、2.45GHz周波数マイクロ波加熱システムが用いられる場合、波長は約12.2cmである。波長の1/4は、3.05cmまたは1.2インチの距離である。かくして、エンクロージャの頂壁および底壁と対応の入れ物壁との間に1.2インチの隙間を維持するようプラスチック製入れ物を収容保持する金属エンクロージャは、入れ物の頂壁と底壁との間で測定して入れ物の中心と大まかに整列した加熱領域を作る。エンクロージャおよび入れ物の頂壁および底壁の使用は、例示にすぎず、エンクロージャに対する入れ物の他の向きは、本発明の範囲に含まれる。
他方、依然としてアルミニウム製入れ物または他の導電性材料を用いた場合の後の方の問題に対する別の解決策は、比較的高い周波数のマイクロ波信号を用いる。有利には、水および氷の誘電損率は、催告薬18GHzまでの周波数の増大につれて増大する。誘電加熱効果もまた、熱に変換されるエネルギーが、分子が通過する振動のあらゆるサイクルについて同一であるので、周波数に比例する。この組み合わせにより示唆されることとして、18~24GHzの周波数は、この実施形態では良好に働き、と言うのは、入れ物壁と加熱領域との間のヌルゾーンが約0.12インチ(0.30cm)から0.16インチ(0.41cm)までの範囲にある。オプションとして、導波路は、マイクロ波エネルギー(同軸ケーブルではなく)を運ぶために用いられる。例えば、24.125GHzの周波数(FCCおよび類似の世界の機関による制限のない使用のために除外される工業‐科学‐医療帯域内の最も高い許容マイクロ波周波数)に関し、最適導波路寸法は、0.34×0.17インチ(0.86×0.43cm)(WR34)である。
図46~図48は、24.125GHz信号を導波路4303により伝送ホーン4304に供給し、そして部分的にマイクロ波に対して透明のキャビティ端板4301を通ってチャンバ本体4314(チャンバが密閉されている場合)によって画定される空きスペース4318中に供給するマグネトロン4302を用いるマイクロ波加熱システム4300を示している。金属製入れ物およびこの中の凍結液体内容物は、マイクロ波エネルギーを受け取る。最適信号インピーダンス整合を保証してマグネトロンを後方散乱などから保護する例示の基本設計に対する改造および追加は、当業者の通常の知識の範囲内にある。さらに、電磁線を二次的加熱源として採用する本明細書において説明した実施形態のうちの任意のものに関し、入れ物を保持するチャンバは、部分的に、二次的熱源が入れ物および/または凍結内容物を加熱するために用いる波長に対して不透明である。幾つかの具体化例では、チャンバ中への「窓」だけが電磁線を入らせることができ、他方、チャンバの残部は、エネルギーを残りの壁に通すのを許容しない。チャンバ壁は、オプションとして、チャンバからの熱損失を減少させるよう断熱される。
図50は、赤外線加熱システム4400の等角図である。この加熱システム4400は、二次的熱源の更に別の例である。入れ物4410内に入れられた凍結内容物もまた、赤外線(IR)加熱器を用いて溶解させるとともに加熱することができる。幾つかの実施形態では、熱源4403は、搭載型電源(図示せず)によって電力供給される組み合わせ型IR加熱器・リフレクタである。幾つかの実施形態では、このIR加熱器は、約1200°K(926.85℃)の黒体エミッタと一致した中心が約2~2.5ミクロンにあるIRスペクトルを放出して水および氷に最適な吸収帯域にマッチングさせる。幾つかの実施形態では、約2.0ミクロンから3.3ミクロンまでの範囲にある放射線が入れ物4410に達することができるようにする帯域通過フィルタ4402が熱源4403と入れ物4410との間に配置されている。かかるフィルタは、入れ物4410を覆うとともに封止するために用いられているポリプロピレンまたはポリエチレン材料に特有の高い吸収ピークを減少させる。これら吸収ピークのところでのエネルギーを減少させることにより蓋材料の融解の恐れが減少し、他方、凍結内容物が加熱される。幾つかの実施形態では、IR加熱器は、非干渉性光源である。幾つかの実施形態では、加熱器は、赤外線レーザシステムである。幾つかの実施形態では、このレーザシステムは、干渉性ビームを拡大して入れ物の全直径または穿孔針の内部のある小さな直径にマッチングさせるためのビームエキスパンダ光学系を含む。
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、入れ物の温度および内容物のいかんに関わらず変化しない各入れ物についての所定の加熱および攪拌機能を有するのが良い。設定値は、様々な温度の凍結入れ物から許容可能な温度で飲料を提供するよう定められるのが良い。しかしながら、ある特定の具体化例では、熱検出機器ならびに凍結内容物または入れ物に関する情報を受け取るシステムおよび技術が組み込まれることにより、ディスペンサにある特定の状態方程式および/または入力および出力表を介して所望の風味、効能、量、温度、および口当たりの飲料を適宜達成するために飲料作製プロセスの変数を処理するとともに配合する能力が与えられる。
小出し装置内に組み込まれた温度検出機器は、任意形式のセンサを含むのが良く、かかるセンサの形式としては、RTD、サーミスタ、熱電対、他の熱センサおよび赤外線エネルギーセンサが挙げられるが、これらには限定されない。変形例として、例えば多種多様なサーモクロミックインキを用いて作られる温度指示ストリップが温度ストリップの外観または特性の変化により入れ物内の温度を視覚的な信号で知らせるよう入れ物に設けられるのが良い。この温度ストリップは、小出し装置中にローディングされる前にポッドが適正に凍結されているかどうかに関する信号を消費者に出すとともに可視信号を電気的な読みに変換するためにある形式のカメラ/モニタを介してディスペンサによって用いられるのが良い。サーモクロミックインキの幾つかの実施形態は、熱および温度がこれらの作動点まで減少したときに透明から不透明/着色に移行に敏感なロイコ染料を利用する。幾つかの実施形態では、このロイコ染料は、入れ物の外側に施された各々が異なるロイコ染料処方のものである小さな印刷正方形のストリップの状態に構成されるとともにカップの温度が下がっているときに不透明/着色状態のストリップの長さが着実に長くなりまたは形状が変化するよう順序づけされる。
同様に、入れ物が使用に先立って受け入れられないほど高い温度にさらされた場合、消費者に警告する手段として、幾つかの実施形態では、入れ物の外側は、何らかの活性化温度に達しまたはこれを超えた場合に色が不可逆的に変化する物質で覆われた領域を有するのが良い。例えば着色紙および所望の温度で融解するよう配合された特別のワックスを利用したこの種のシステムは、当該技術分野において周知である。
本明細書のどこか他の場所で言及するように、入れ物は、凍結内容物または入れ物に関する情報を、光センサを介してディスペンサに伝えるためにバーコード、QRコード(登録商標)、マーキング、画像、数または他形式のグリフを有するのが良い。幾つかの実施形態では、この情報は、他の製造業者による模倣に対するバリヤを作るよう暗号化される。コードなしでは、装置は、非動作状態のままでありかつ/あるいは入れ物を受け入れるのを拒否する。変形例として、コードなしでは、ディスペンサは、飲料を送り出すよう動作するが、最適なユーザ経験を生じさせることができない減少した組をなす機能でのみ動作する。光センサは、光スイッチ、カメラまたはレーザ形態であって良く、かかる光センサは、任意形式の光導電性、光起電性、フォトダイオード、またはフォトトランジスタデバイスを用いることができる。入れ物は、変形例として、この入れ物がどんな飲料を収容しているかを規定する電気的に抵抗性の印刷物を有するのが良い。ディスペンサ内に設けられた単純なプローブは、塗料に接触して抵抗を読み取る。
入れ物は、変形例として、入れ物内に入っている凍結内容物の特性を規定するようキーとして作用する物理的構造を有しても良い。幾つかの実施形態では、入れ物のこの幾何学的形状は、ディスペンサによって検出され、そしてこの特定の幾何学的形状に基づき、飲料作製のための種々の設定値がその飲料に関して工場またはユーザにより作られるパラメータと一致するよう調節される。
幾つかの実施形態では、プローブが入れ物を穿刺して分光計、クロマトグラフィ、または他の公知の技術に基づいて内容物を識別し、それにより組成上の特徴を識別するために用いられる場合がある。他の実施形態では、ディスペンサ内に設けられた電磁センサおよび入れ物内に埋め込まれた適合性のある電磁ラベル(例えば、RFID、NFC、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))など)を利用した通信システムが凍結内容物に関する情報をディスペンサに伝送する。別の実施形態では、入れ物は、目盛り/重量センサを用いて秤量されても良く、そして質量が識別方法として互いに異なる製品に割り当てられても良い。同様に、質量センサが充填状態の入れ物の質量を直接算定するために使用されても良い。
ディスペンサにより検出される情報は、凍結内容物の組成を含んでも良くまたはこの内容物の質量および/またはある特定の熱力学的特性を指示することができるその誘導体であっても良い。幾つかの実施例では、内容物は、タンパク質、脂肪、炭水化物、繊維、灰分、または他の食品成分のその量によって分類可能である。他の実施形態では、内容物は、ジュースのようなカテゴリ、またはオレンジジュースのようなサブカテゴリによって識別可能であり、かかるカテゴリは、入れ物を互いに類似した熱力学的特性および所望の飲用温度でグループ分けする。凍結内容物の質量、温度、および熱力学的理解により、ディスペンサは、マイクロプロセッサを用いてその飲料作製設定値を調節し、それにより凍結内容物を所望の量、効能、温度、口当たりなどに合わせて注意深く溶解させ、希釈し、そして加熱するのが良い。
変形例として、入れ物は、ある特定の重要な変数の形態をした凍結内容物の組成に由来する熱力学的特性の表示を有しても良い。入力として働くこれら熱力学的特性および他の特性としては、質量、形状、密度、比熱、エンタルピー、融解エンタルピー、蒸発エンタルピー、熱伝導率、熱容量、初期凍結点、凝固点降下、熱拡散率もしくは任意の組み合わせまたは融解および再熱特性を表わす分類の派生が挙げられるが、これらには限定されない。凍結内容物および/または入れ物に関する他の情報は、入れ物内に存在する充填および/またはヘッドスペースの量を含む。
幾つかの実施形態では、ある特定のプロセス変数を決定するためにディスペンサに送られる情報は、製造日を含むのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、入れ物内の食品成分は、生鮮果物または野菜を含む場合があり、これら生鮮果物または野菜は、呼吸により熱を発生して蒸散により水分を失う。これらプロセスの全ては、正確な熱伝達計算のために参入されるべきである。まれな場合においては、時間変数に基づく熱力学的特性の変化を考慮に入れるべきである。他の実施形態では、製造日は、凍結内容物中のある特定の寿命に敏感な成分が許容保存寿命を超えたかどうかを判定する際に重要であり、この製造日は、オプションとして、ディスペンサに伝送される情報に含まれる。かかる実施形態では、ディスペンサは、ユーザの安全のために入れ物を受け付けず、その処理を阻止するようプログラムされるのが良い。
飲料作製機能および設定値の決定においては、1つまたは2つ以上の変数を含む方程式を用いるのが良い。例えば、ディスペンサは、飲料製品または液体食品を調製してこれを消費者のカップに特定の温度、特定のコンシステンシー、および特定の量で送るのに最も効率的な仕方を決定するために多変数方程式において温度、質量、比熱、および融解のエンタルピーを用いるのが良い。変形例として、設定値および機能の決定は、データベースにおける入力および出力の表を用いてプロセッサに基づいても良い。例えば、検出されたカテゴリおよび温度を有する入れ物がデータベース内に含まれ、それにより融解させ、希釈し、そして再熱するために可変機能と関連づけられるのが良い。データベースは、ディスペンサ内にまたは遠隔の場所に格納されて通信ネットワークによりアクセス可能であるのが良い。幾つかの実施形態では、方程式と入力および出力表の組み合わせを用いると、適正な飲料作製設定値を決定することができ、かかる設定値は、ディスペンサの高度、電圧および使用中の電圧降下の調整結果を含む。
凍結組成物の質量および温度の全ての組み合わせでは、ある特定の量のエネルギーを加えて凍結組成物を希釈液および他の融解および再熱手段により融解させて所望の温度まで加熱することができるようにすることが必要である。液体食品を所望の温度で作るための熱力学的モデル化方程式では、大気、入れ物壁への熱エネルギー損失および他の同様な作用効果を考慮に入れることが重要である。加うるに、製品が作られている環境内における周囲条件もまた、小出しされる製品の所望の最終温度を達成する際に役割を果たす場合がある。本明細書において説明するディスペンサの実施形態は、製品調製のためにプロセスおよび設定値を決定する際にかかる変数を考慮に入れる。
調節可能な設定値としては、到来する希釈液、小出し中における高圧空気の持続時間、シーケンス、タイミング、量、パルス化、熱を供給する頻度、攪拌、または凍結内容物へのエネルギーの他の形態、小出しの際における特定の時点での攪拌期間相互間の休止期間、全希釈液量、希釈液温度、希釈液温度の変化、液体注入率(注入の際の小休止を含む)、液体注入圧力、入れ物の位置決め具合、入れ物に対する穿孔場所、穿孔サイズ、穿孔形状、穿孔が行われる時点、穿孔の数、および任意のフォローアップクリーニング機能、例えば注入キャビティのすすぎ洗いまたは保守通知が挙げられるが、これらには限定されない。変動性、シーケンス、タイミング、再実行、持続時間およびこれら機能の組み合わせを多種多様な仕方で具体化して所望の特性を備えた液体製品を作ることができる。別の実施形態では、ディスペンサは、希釈に対する二次的手段としての希釈液および/または内容物の混合度および液状化の効率を向上させるための手段として入れ物に加えられる融解用液体と一緒に注入されるべき空気の使用を含むとともにこれを調節する。
幾つかの実施形態では、これらの機能を組み合わせると飲料を最小量の時間でまたは最小量のエネルギーを用いて作ることができる。幾つかの実施形態では、熱源がある特定の温度を達成するための時間の長さは、飲料作製設定値を決定する際に含まれるのが良い。
例えば、加熱状態の希釈剤は、凍結内容物を融解させる上で迅速な源であるのが良いが、もしそうでなければ電磁線を用いてそのエネルギーを加えた場合に必要とされる時間の長さよりも凍結内容物のある特定の所要の温度に達するのにはるかに長い時間を要する。一例として、機械は、ディスペンサに電源を投入するのがつい最近であった場合かつキャビティまたは加熱器タンク内の水の温度が低い場合、凍結内容物を加熱するために多量の電磁線を用いるようプログラムされるのが良い。これとは逆に、希釈剤の入った水タンクがすでに高温である場合、ディスペンサは、所望の製品を迅速に作るために少量の電磁線に戻るのが良い。
変形例として、これら機能の組み合わせを用いて小出しする際により一様なコンシステンシーを生じさせても良い。例えば、ディスペンサの設定値を調節すると、凍結内容物または凍結内容物のちょうど外側部分の安定した融解速度を生じさせて流れを開始させ、その結果、液体製品の効能が長い小出し持続時間にわたって終始一貫するようにするのが良い。
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、小出しされた液体の温度を読み取って小出しプロセス全体を通じて飲料作製設定値を連続して調節する。幾つかの実施形態では、非希釈熱源および希釈剤は、凍結内容物を加熱し、融解させるとともに/あるいは希釈するよう飲料作製キャビティ内で調和して働くのが良い。
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、凍結内容物を融解させるとともに希釈する希釈剤を冷却して低温の飲料を作るための冷凍コンポーネントを有する。注入された冷却状態の希釈剤が凍結内容物よりも温かい間は、この希釈剤は、凍結内容物を解凍する熱的リソースとして依然として作用することになる。
幾つかの実施形態では、到来する液体の背圧は、希釈/融解用液体のための小出しシステムに対する変更を可能にするよう圧力センサで測定される。例えば、しきい値よりも高い圧力が検出された場合、このことは、入口から凍結内容物を通過して出口に至る流路が不十分であるという結果であると言える。かかる場合、液体を入れ物中に注入する小出しポンプを一時的に作動停止させて凍結内容物のうちの幾分かの融解が起こることができるようにし、それにより多くの液体が追加される前に出口への大きい/良好な流路を作るのが良い。この特徴は、入れ物またはディスペンサの外側での液体の損失を阻止することができ、その結果、小出しされた製品の全体量の精度が高くなる。
幾つかの実施形態では、所望の効能、量、きめ、温度、または他の飲料特性は、消費者によってプログラムされまたは消費者によってある範囲のオプションの中から選択される。ディスペンサは、凍結内容物に関する温度および組成に関する情報と組み合わせてこの所望の出力を取り出して設定値を注意深く調節し、それにより所望の最終製品を作ることができる。
凍結液体ポッドから温度および組成に関する情報を取り出して設定値を調節し、それにより所望の飲料を作るための多くの考えられる実施形態が存在するが、温度、質量、およびある特定の化合物の存在におけるある特定の増加および減少に基づくディスペンサ機能の出力の一貫した変化が存在すべきである。幾つかの実施形態では、ディスペンサは、空の/使用済みの入れ物の挿入を認識し、そしてユーザがそのことを把握するようユーザに警告する。
一実施例では、ディスペンサは、同一であるが初期温度が異なる凍結内容物の入った入れ物から同一の量、効能、および温度の飲料を作るための設定値を調節する。低温である入れ物は、内容物を融解させてこれらを所望の温度まで再熱するのに多量の移送エネルギーを必要とする。低温入れ物の場合、ディスペンサは、長い予熱、高温の予熱、高温の希釈剤、またはいっそうの攪拌を調節具体化して完成した飲料の温度を増大するのに必要なエネルギーを加え、それにより他の条件が等しければ、最初に温かいポッドから作られた飲料と名目上同一である最終飲料を生じさせることができる。上述した任意の飲料作製設定値を巧妙に組み合わせると、追加のエネルギーを低温入れ物に伝達することができる。
入れ物内の凍結内容物の質量およびBrixは、内容物を溶解させてこれをある特定の温度まで再熱するのに必要なエネルギーに影響を及ぼすことは言うまでもない。別の実施形態では、ユーザは、標準温度で最終製品の異なるサイズおよび効能から選択することができる。これには、程度の差はあれ、量/効能選択に応じて、凍結内容物に供給される希釈液、熱、および攪拌が必要である。
凍結内容物の組成は、液体製品作製設定値が一様である場合、最終飲料の温度に劇的な影響を及ぼす。質量および温度が所与の場合に凍結内容物の各構成は、内容物を溶解させて再熱するために伝達されるある特定の量のエネルギーを必要とする。理解されるべきこととして、多くの添加剤が組成物の熱力学的測定基準に影響を及ぼす。凍結内容物入れ物内のこれらの差を検出することにより、ディスペンサは、その設定値を調節して凍結内容物から所望の最終液体製品を提供することができる。例えば、ディスペンサは、その設定値を調節して同一質量を有する入れ物から同一の量および温度の飲料を作ることができるが、一方のポッドは、他方よりも高い糖含量を有する。一方の入れ物内の追加の糖類は、内容物の凍結点を下げ、これは、比熱、融解エンタルピー、熱伝導率などに影響を及ぼし、その結果、それにより、糖含量の少ない入れ物と同一の量および温度の飲料を作るのとは異なる量のエネルギーおよび/または融解環境が必要になる。食品および飲料の熱特性を推定する技術が知られており、かかる技術を本明細書において説明する本発明の実施形態に使用することができる。
上述したように、ディスペンサは、凍結内容物の何らかの熱的性質表示を種々の仕方で引き出すことができる。この情報は、最終飲料の精度を高めるために多数の変数を含むのが良い。変形例として、情報は、融解および再熱のしやすさのベースラインを表わす単一の変数であっても良い。熱力学的特性およびこれら熱力学特性が飲料作製設定値にどのような影響をおよぼすかどうかについての幾つかの例につき以下において説明する。
熱伝導率は、熱を伝導する物質の性質である。熱伝導率の増大により、熱が凍結内容物全体を通じて一様に分布されるのが容易になる。熱伝導率はまた、凍結内容物とどのような希釈液であってもこれとのインターフェースのところで極めて重要であり、熱伝導率を凍結内容物に及ぼされる攪拌またはもしそうではない場合にインターフェースのところに位置する淀んだ流体の薄い表面層を壊す他の労力によって増大させることができる。一般に、凍結内容物中に含まれるタンパク質、脂肪、炭水化物、繊維および/または灰分を含む食品成分の量の増加により、内容物の熱伝導率が高くなる。
融解潜熱とも呼ばれている融解のエンタルピーは、状態が固体から同一温度の液体に変化するのに必要な系統エンタルピーの変化である。この小出しシステムの場合、融解エンタルピーは、ある量の凍結内容物がいったんすでにその融解温度まで温められたとき、かかるある量の凍結内容物を融解させるのに必要なエネルギーの量である。融解エンタルピーは、このディスペンサシステムが二次的機械的冷却システムを使用しないで冷却された飲料を凍結内容物から作ることができるかどうかにおいて重要な役割を果たし、と言うのは、相当な量の熱を希釈液から奪うことができるからである。凍結内容物の融解エンタルピーが高ければ高いほど、融解エンタルピーが内容物を溶解させるのに必要とするエネルギーがそれだけいっそう多くなる。したがって、凍結内容物を融解させてかかる凍結内容物を高い融解エンタルピーで製品についてある特定の温度まで再熱するのに必要なエネルギーは多くなる。
サーマルキャパシティまたは熱容量は、物体から与えられまたは取られた熱と、結果としての物体の温度変化の比として定められた測定可能な物理量である。物体の質量とは無関係な尺度としての比熱は、メートル法では、1グラムの物質の温度を1°Kだけ高めるのに必要な熱として説明される。融解エンタルピーと同様、所与の組成物の比熱は、最初に固体凍結組成物の温度をその融解点まで高め、次に内容物がいったん液体になるとかかる内容物を更に加熱するのに必要な熱の量において重要な役割を果たす。比熱は、組成物が液相であるかこれに対して固相であるかで異なる場合のあることに注目することが重要である。例えば、水のその固相の状態にある場合の比熱は、その液相の場合のその値の約半分である。このことは、凍結した水をほぼ同じ質量の液体としての水と比較して1℃増大させるのに必要なエネルギーが約半分であることを意味している。
これら変数が高い相互関連性を持っているということは、ディスペンサに関して飲料作製設定値を計算する際に重要である。反応環境全体は、新たな条件について調節を行う際に考慮されなければならない。例えば、希釈液および/または別の熱源から熱エネルギーの量を単に計算に入れることによっては例えば攪拌や希釈液流量のような変数を考慮に入れない場合、所望の最終製品平衡温度が得られることはない。例えば、入れ物に供給される流量、圧力、および攪拌を用いると、供給熱と凍結内容物との間における熱伝達を増大させることができる。
完全に液体の食品/飲料を凍結内容物から調製するためのアルゴリズムの一実施形態は、次の通りである。
○入力:ポッドバーコードまたはQRコード(登録商標)を走査して以下を収集する: ・内容物質量(Mfc)
・液体であるときの内容物量(Vfc)
・内容物の融解点(Tmp)
・内容物の融解潜熱(Hfc)
・固体内容物の比熱容量(cs-使用平均)
・液体であるときの内容物の比熱容量(cl-使用平均)
・最終製品の許容温度範囲
・最終製品の許容量範囲
○入力:ディスペンサ温度センサが凍結内容物(Tfc)を測定する
○入力:ユーザが走査された範囲によって制限される所望の量(Vd)および最終製品の温度(Td)を提供する(またはこれら値は、コード化情報によって設定される)
○入力:ディスペンサ温度センサが周囲温度水温度(Ta)および温水温度(Th)を測定する
○決定:凍結内容物全体を融解点にし、次に内容物全体を液状化するのに必要な熱の量(Ql):
・Ql=[Mfc×cs×(Tmp-Tfc)]+Hfc
・Tmpは、「混合」食品/飲料に関するはっきりした融点ではなく経験的に定められた温度である可能性がある。
○決定:飲料作製プロセス中における熱損失を考慮に入れた融点の状態にある液体内容物を所望の製品温度にするのに必要な熱の量(Qd):
・Qd=Mfc×cl×(Td-Tmp)
○決定:希釈温水から利用できる過剰の熱の量(Qex):
・Qex=(Vd-Vfc)×(体積熱容量)×(Th-Td)
○決定:希釈からの過剰分が十分ではない場合に必要な追加の熱の量(Qadd):
・Qex<Ql+Qdである場合、Qadd=Ql+Qd-Qexであり、
・この追加の熱の供給に関し、本発明者は、損失係数を適用する必要がある。
・マイクロ波熱源に関し、本発明者は、食品/飲料内容物に基づいて「吸収」係数を適用する必要がある。
○決定:希釈からの過剰分が多すぎる場合、温水および周囲温度水の混合:
・Qex≧Ql+Qdである場合、
・Vh=Vdil/((Td-Th)/(Ta-Td)+1)
・Va=Vdil-Vh
・上式において:
・Vhは、温水の量
・Vdilは、前希釈量(Vd-Vfc)
・Vaは、周囲温度水または冷却水の量である。
二次的(非希釈)熱を加える持続時間およびタイミングは、小出し操作の全体的タイミング、効率および成功度(飲料/食品の味、温度、効能、量および所要の時間/利便性によって尺度づけられる消費者によっての肯定的な経験の達成)に影響を及ぼす多くのパラメータのうちの2つである。幾つかの実施形態では、これらパラメータは全て、システムコントローラのファームウェアまたはソフトウェアに組み込まれた制御アルゴリズムによって決定される。このアルゴリズムに対する入力としては、小出しされた食品の温度、量、および小出しサイクルの開始時にヒューマンマシンインターフェースへのユーザによる入力としての消耗品の強度または効能に関するユーザの好みを含むのが良い。また、製品バーコード、QRコード(登録商標)、RFIDまたは小出しのためにユーザによって選択された特定の製品に取り付けられている他のデータ伝送機構の走査中に集められたデータが入力として含まれるのが良い。このデータは、凍結内容物の熱力学的特性に関する情報、内容物が好ましい効能限度内で供給することができる小出し量の範囲、および内容物が推奨される保存寿命を超えたかどうかまたは内容物が細菌成長観点から安全でないと見なされる温度にさらされたかどうかを含むのが良い。そして最後に、集められたデータは、ディスペンサ内に埋め込まれているセンサから集められた物理的性質および存在場所情報を含むのが良い。幾つかの実施形態では、このデータは、リザーバ流体の温度および量、小出し用品の温度、質量および体積特性、入れ物および/または凍結内容物の温度、先のサイクル中に小出しされた内容物およびこれが起こった時期に関する知識、およびディスペンサが配置される高度(気圧が沸騰温度に影響を及ぼし、たいていの場合、システムまたは入れ物内に水蒸気を生じさせることが望ましくないので)を含むであろう。
システムコントローラのアルゴリズムに利用できるこの情報の全てにより、コントローラは、幾つかの実施形態では、このアルゴリズムを用いてサイクルタイミングに関する種々の制御値、温度、持続時間、液体体積、液体流量、入れ物に穿孔する時期または入れ物を通気する時期に関する決定などの計算/選択を行って既知の開始条件の全てが所与の場合に飲料品質の所望のエンドポイントに達する。幾つかの実施形態では、システムコントローラはまた、センサからの目下のデータ入力を利用してサイクル中に「学習」し、そして目下の温度または持続時間または体積を調節して僅かな観察された規格外または悪化傾向条件を是正する。かくして、蓋通気または穿孔のタイミング、二次的加熱の追加、流体の追加、攪拌タイミングおよび持続時間、および最終の小出しは、全て、アルゴリズムに従って設定されるとともに調節される。経時的に(月単位または年単位)、このアルゴリズムをWi‐Fiまたは他のディジタル手段経由でアップデートするのが良く、と言うのは、改良策が開発され、新たな製品が導入され、危険なまたは偽造品が発見され、または予期しない安全性への懸念が知られるようになっているからである。幾つかの実施形態では、アルゴリズムは、凍結内容物の加熱速度または最大温度を調節して例えばオレンジジュースのようなある特定の熱に敏感な成分を加熱しないようにし、それにより考えられる限り最も新鮮な味を保つ。
希釈液注入量は、小出しされている飲料/食品の種類およびサイズに応じて大幅に異なると言える。上述したように、これらの値は、幾つかの実施形態に関し、システムコントローラによって計算されるとともに設定される。しかしながら、大まかな指針として、推定される流量範囲は、下側において30秒にわたって小出しされる2オンス(56.7g)エスプレッソの作製を考慮するとともに、上側において90秒にわたって小出しされる32オンス(907.2g)カラフェを考慮すると、推定できる。これら流量は、流体流量ポンプに関する規格として1分あたり0.02~0.25ガロン(75.7~946.3mL)の流量範囲を示唆する。これよりも速いまたは遅い流速は、大きなおよび小さな給仕サイズと同様、本発明の範囲に含まれる。
幾つかの実施形態では、流体の流れの量およびタイミングは、水がリザーバを直接供給源としているかどうかまたは最初に加熱チャンバを通らなければならないかどうかおよび冷たい飲料を作る際に凍結内容物から可能な冷却効果を最大利用するための何らかの手段が採用されるかどうかに基づいて調節される。例えば、幾つかの実施形態では、周囲温度または加減された(高温と周囲温度の混合)水を最初に用いてこれを入れ物と密な接触状態にある水ジャケットに通すことにより幾分かの熱を入れ物の外部に加える。熱が入れ物に伝わると、水ジャケットを通過する流体の温度が減少する。この冷却された水を二次的容器、例えば加圧装置(市販の製品、例えばエクストロール(Extrol)タンクと機能が類似している)内に捕捉してこの中に蓄えることができる場合、次に流体を入れ物の内部に流して追加のポンプまたはモータを使用しないで凍結内容物を更に溶解させるとともに希釈することができる。中間貯蔵タンクが十分に大きい場合、熱伝達流体の量と後で入れ物中に注入されるべき量をバランスさせることに関して心配することは必要ではない。(貯蔵タンク内の過剰流体を小出しサイクルの終わりにリザーバに戻すことができる。)このように、凍結内容物の「冷たさ」または「負の熱エネルギー」のうちの大部分を捕捉してディスペンサ内の搭載型機械式冷凍方式なしで低温飲料の小出しを可能にすることができる。
入れ物に加えられる水の温度は、これが完成された製品温度に大幅な影響を及ぼすとともに小出しされた製品が消費者の期待に添うかどうかに関する消費者の判断の際に大きな比重を占めるので、小出しサイクルにおける重要なパラメータである。水温度は、ディスペンサに組み込まれた機構およびセンサを介してシステムコントローラによって制御される。第1に、ディスペンサによって入れ物に供給された周囲温度水は、ディスペンサのリザーバを直接的な供給源としても良くまたは加熱器タンクを通って送られても良い。リザーバ水それ自体はまた、これがユーザの蛇口から来た場合に1年のうちのどの季節か、これが室温と釣り合うようどれほど長く与えられたか、および例えば冷たい飲料が計画されたときにユーザが氷を加えるよう選択したかどうかに基づいて温度が変動する場合がある。加熱器タンクを通って送られた水を今日の大抵のコーヒーブリューワにおいてよく見かけるように全ての操作について一定の温度に加熱することができまたはシステムコントローラからの出力信号に基づいて他の何らかの可変温度に合わせて制御できる。送り出された水は、加減されるのが良く、すなわち、温水タンクを供給源とする水と冷たい水のリザーバを供給源とする水を混ぜ合わせるのが良く、最終温度は、1組の比例型流量弁および下流側の温度センサによって決定される。入れ物に送り出された水の温度の何らかの最終の「微調整」は、二次的加熱器が針または管の周りに位置した状態で針または管を通過しているときに実施できる。そして、最後に、入れ物を出た水をこれが入れ物を出て何らかの小出しチャネルを通ってユーザのコーヒーカップまたは他の小出し用品まで流れる際に更に加熱することができる。
注目されるべきこととして、装置がディスペンサであってブリューワではないので、適正な機能発揮に必要な最高水温度は、今日における大抵の周知のコーヒーブリューワで見受けられる最高水温度よりもかなり低い場合のあることは注目されるべきである。(ブリューワ用の水は、典型的には、例えばコーヒー粉からの溶出抽出の最適レベルを達成するためには190~205°F(87.8~96.1℃)の温度で供給される。)したがって、実際問題として幾つかの高度の高い場所での局所沸点を超える場合のある高い温度設定値に関する懸念に容易に取り組むことができる。例えば、180~185°F(82.2~85.0℃)の水に関する最大温度設定値を用い、それにより沸点が平均海抜約12,000フィート(3,657.6m)よりも低いどの場所についても超えることがないようにすることが可能である。かくして、システムコントローラは、気圧センサからの入力を用いまたはGPSまたはWi‐Fi由来の場所に基づいて高度を推定するようプログラム可能であるが、この複雑さは、優れた性能ならびに水が沸騰する懸念に関連した操作上の安全性を達成する上では不要である。幾つかの実施形態では、温水タンクによって得られる水の温度は、存在場所入力に基づいて局所条件について考えられる限り最も高い温度に維持され、そして次に、この水は、飲料をユーザによって望まれる温度で小出しするのに必要な熱力学的性質を最適化するために必要に応じて加減される。
別の実施形態では、機械学習の原理は、ディスペンサ特性の計算に利用される。例えば、ポッドの走査および種々のコンポーネントの温度は、初期入力として採用されるのが良い。しかしながら、しかる後、ディスペンサは、一連の短い「経験」を送って入力された熱力学的性質を有効にしまたは洗練する。例えば、二次的熱源を5秒間稼働し、その結果生じる温度に対する影響に注目する。このレベルのエネルギー入力および凍結内容物の元々入力された性質が所与の場合、特定の温度上昇が見込まれる。測定された温度上昇分が十分に異なる場合、比熱、熱伝導率などに関する値を調節すると、観察された現実にいっそう厳密にマッチさせることができる。これら新たなパラメータ値を用いると、計画されたディスペンサ「レシピ」を即座に再計算してユーザの指定した好みにマッチした飲料をより厳密に生じさせることができる。
幾つかの実施形態では、ユーザのグラス、コーヒーカップ、ボウル、他の容器(本明細書において「小出し用品」と呼んでいる)の特性もまた、バーコード、QRコード(登録商標)、RFID、または他の手段によりディスペンサに送られる。この情報は、(1)溶解されて小出しされた飲料液体または食品用の受け入れ小出し用品がオーバーフローなしで小出しされた材料の全てを受け入れるのに十分大きな容積を有するようにするとともに(2)小出し用品が小出しされた食品または飲料に及ぼす冷却効果を良好に理解して制御システムのための小出し温度設定値を調節することができるようにする上でディスペンサにとって関心の対象である。幾つかの実施形態では、小出しされた流体および小出し用品が熱的平衡状態になった後に小出し用品内で測定した小出し飲料の温度は、ユーザによってユーザの好ましい飲料/食品温度として指定された温度である。
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、ディスペンサが凍結内容物の融解/小出しを行う時間の前にまたはその時間中、ユーザの小出し用品を加熱しまたは冷却するための稼働状態にある装置を含む。幾つかの実施形態では、この装置は、熱電子デバイスによって加熱されまたは冷却される表面プレートである。幾つかの実施形態では、小出し用品は、小出しされた流体温度のより正確な調節を可能にするようその実際の温度をディスペンサに送る。
幾つかの実施形態では、二次的熱の追加は、凍結内容物の液状化および蒸発の速度または局所化を制限するよう制御される。幾つかの実施形態では、非希釈熱源は、入れ物内の凍結内容物を溶解させるために入れ物を加熱することができ、またはディスペンサは、希釈液が入れ物および飲料作製キャビティを通って移動しているときに希釈液として周囲温度の液体を加熱することができる。
幾つかの実施形態では、二次的非希釈熱源を入れ物が攪拌されている間に利用することができる。別の実施形態では、希釈液は、入れ物が攪拌されるとともに非希釈熱源によって加熱されている間、入れ物を通って小出しされるのが良い。溶解させている間に攪拌するという組み合わせは、熱のより均一な分布の手段となる。入れ物を攪拌することにより、熱は、過熱を起こすある特定の領域ではなく、入れ物全体を通じて分散することができる。
幾つかの実施形態では、希釈液は、入れ物を通過することはなく、これとは異なり、入れ物を貫通して設けられた注入部をバイパスして融解状態の凍結内容物の小出し場所の近くに位置する場所で小出しされる。オプションとして、入れ物を収納保持するキャビティは、融解状態の液体製品を入れ物から受け入れてこれを希釈液と組み合わせる混合領域を有する。幾つかの実施形態では、穿孔器は、加圧空気を注入して入れ物を洗浄してきれいにし、そして融解状態の凍結内容物が飲料容器内で希釈液と混合させる圧力を増大させる。これは、ディスペンサ内に設けられた空気圧縮システムを含むのが良い。希釈液および融解状態の凍結内容物の小出しは、一斉に起こっても良く、あるいは、一方の小出しが他方の小出し前に起こっても良い。別の実施形態では、液体の小出しは、多数回にわたって交互に行われても良い。幾つかの実施形態では、ある量の希釈液が入れ物を通って小出しされ、別のある量が飲料容器中に直接小出しされる。
幾つかの実施形態では、水は、ディスペンサ内で1つの温度まで加熱されるに過ぎないが、ディスペンサは、入れ物内に注入される前に加熱をバイパスする流路を有し、その結果、入れ物に加えられた水は、周囲温度状態になる。水加熱器をバイパスすることは、次の少なくとも2つのやり方で、(a)ピストンポンプが周囲温度水をリザーバから小出しヘッドに至る途中に位置する温水加熱タンクを通るか小出しヘッド中に直接そらした後に三方弁を用いて(これについては、図36Aおよび図36BのL形弁を参照されたい)、または(b)水リザーバのベースのところに設けられた単純なT継手が2つの別々のピストンポンプへの供給を行うことができ、この場合、一方のピストンポンプが水を小出しヘッドに至る途中までに水加熱器中に供給し、他方のピストンポンプが水を図35Aおよび図35Bに示されているように小出しヘッドに直接供給することによって実施できる。幾つかの実施形態では、配管系統または水道設備が希釈剤を冷蔵するために小出しチャネルまたはバイパスシステムを含むのが良い。上述の技術のうちの任意のものにより、ディスペンサは、入れ物に供給される希釈液の温度を制御することができる。
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、少なくとも2つのリザーバ、すなわち、周囲温度の水のためのリザーバおよび加熱された水のためのリザーバを有する。ディスペンサは、温水を周囲温度水から入れ物および/または最終の食品または飲料容器に別々に供給する流体経路を更に有する。幾つかの具体化例では、ディスペンサは、二酸化炭素の源および二酸化炭素を周囲温度水リザーバに供給して水に炭酸ガスを注入する注入経路を有する。他の具体化例では、ディスペンサは、水を周囲温度水リザーバまたは別の水供給源から受け取る別個の容器を有し、炭酸ガス注入システムは、別個の容器内の水に炭酸ガスを注入する。幾つかの実施形態では、水に流路沿いにインラインで炭酸ガスを注入することができる。かくして、本発明の具体化例は、最終の食品または飲料容器に直接供給される液体に炭酸ガスを注入する機能を有する。
ディスペンサは、補充(非希釈)熱源を有し、この補充熱源は、電磁エネルギー(例えば、マイクロ波)、温風、電気加熱器、または他の源を含むことができる。ディスペンサは、攪拌(例えば、往復運動または円形運動もしくは振動)を用いて凍結内容物の融解、解凍および/または加熱を容易にするとともに制御することができる。ディスペンサは、例えば温度センサおよび圧力センサを含む検出コンポーネント(センサ)および入れ物およびその内容物に関する情報を得るための光学読み取り装置を有する。本明細書において説明した熱源、攪拌源、および検出コンポーネントは、全くの例示であり、これらステップを当該技術分野において知られている任意の加熱、運動、または検出手段に利用することができることに注目することが重要である。加うるに、この実施形態に含まれるステップは、例示であり、ステップを追加したりなくしたりしても同様の結果をもたらすことができる。
幾つかの実施形態では、小出しシステムは、ネットワークインターフェースを含み、この小出しシステムは、通信ネットワーク、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイヤレスLAN(WLAN)に接続可能であり、その結果、この通信ネットワークは、ディスペンサの使用に関する情報を記録した他の装置、例えばスマートフォンまたはサーバシステムと通信することができる。幾つかの実施形態では、ディスペンサは、ディスペンサの使用に関するデータ、例えばどの製品がこれによって作られているかを記録することができ、そしてネットワーク接続が再び確立されたときサーバにアップデートされるべきデータを局所的に記録することができる。幾つかの実施形態では、このネットワーク接続を利用すると、新規かつ将来の製品パラメータに関する問題およびアップデートソフトウェアを診断することができる。
本明細書において説明するディスペンサの実施形態が種々の液体食品または飲料を作る上でこれらの動作パラメータおよびプロセス全体をどのように変化させるかについての例示の実施例の説明が以下に続く。他の食品および飲料の種類は、かかる製品を作るための他の作動方法の場合と同様に本発明の範囲に含まれる。
第1の実施例では、飲料スタイルの検出およびユーザによって選択された2オンス(56.7g)設定値に基づき、ディスペンサは、入れ物頂部蓋に通気開口部を形成し、それにより飲料作製プロセス中に生じた内部圧力が大気中に逃げることができるようにする。
次に、ある量の補充(すなわち、二次的)熱(上述したように提供される)を加えて凍結内容物を温めまたは融解させる(部分的にまたは完全に)。この場合、高温飲料が望ましく、飲料作製レシピは、内容物を適正に融解させてかかる内容物を所望の温度まで加熱す上で、ほんの僅かな量の希釈用の加熱水を必要とする。したがって、予熱持続時間は、凍結内容物全体を融解させて結果として得られる液体の温度を約85°F(29.4℃)まで高め、その後希釈剤を小出ししまたは加えるよう計算される。85°Fまでの凍結/融解内容物のこの昇温は、内容物の熱的性質の知識に基づいて開ループ方式で、または1つまたは2つ以上の温度センサが内容物の昇温状態を追跡して適当な時点で二次的加熱器への電力を切る閉ループフィードバック駆動システムで達成できる。往復運動をその後にまたは補充熱と同時に利用して内容物を均質にすることができる。補充熱の強度およびその全体的持続時間もまた、凍結内容物のうちの任意ものの水蒸気への局所的蒸発を最小限に抑えるよう制御される。
約85°F(29.4℃)の温度にいったん達すると、入れ物が収納されているキャビティの下に配置された穿孔器は、入れ物底部を貫いて上方に押してこれを穿孔し、それにより液体内容物が穿孔器のチャネルから流れ出てディスペンサのノズルを通り、そして飲料容器中に流れることができる。先に作られたベントまたは通気穴よりも(穿孔器の周囲周りに締まり嵌め関係をなすようにするために)大きな直径を有する穿孔器が入れ物の蓋に設けられた通気穴と同じ場所に挿入され、それにより穿孔器と入れ物蓋との間に実質的に漏れのない嵌合状態を生じさせ、したがって、190°F(87.8℃)に加熱された1.25オンス(35.4g)の水を入れ物中に小出しして融解状態の凍結内容物を混合し、希釈し、そして小出しすることができ、それによりTDSが7.5、量が2オンス(56.7g)および温度が約150°F(65.6℃)のエスプレッソ飲料を作ることができる。小出しサイクルの終わりに生じる温水注入により、入れ物から全てのエキスが除かれた入れ物を洗浄して入れ物のリサイクル適合性を最適化する。攪拌を高温希釈剤の小出しと同期して加えると、入れ物および小出しチャネルの残留物を良好にフラッシュすることができる。次に、空の容器を取り出してリサイクルすることができる。
第2の実施例では、ホットピーチグリーンティー飲料を作るようになった1オンス(28.3g)入れ物には、TDS40の0.5オンス(14.2g)の凍結濃縮ティーエキスおよびBrix50の0.25オンス(7.1g)の凍結ピーチ濃縮液が入っている。
ディスペンサは、入れ物に施されているマークまたは他の指標から情報を集め、そしてこの飲料に関し、量を選択するオプションを提供することはない(オプションは、入れ物と関連した情報によって制御される)。入れ物検出に続き、ディスペンサに設けられているボタンが赤色に点滅していることは、飲料がホット状態で小出しされることを伝えている。ディスペンサは、ディスペンサによって検出された入れ物と関連している情報に基づいてレシピを確立する。この実施例では、ディスペンサは、収集した情報に基づいて予熱持続時間、穿刺回数、注入回数、希釈液温度、および希釈液の量を定める。上述の実施例の場合と同様、入れ物は、次に、ディスペンサの飲料作製キャビティ中にローディングされて定位置に固定され、そしてキャビティ内に設けられていて入れ物2つ分以上のサイズに対応する中間段部上に載る。
入れ物がいったん固定されると、ユーザは、最終の一動作、例えば、ディスペンサまたはこれに接続されている装置に設けられているボタンを押して製品作製のための自動機能を開始させる動作を行うことができる。飲料スタイル設定値の検出に基づいて、ディスペンサは、入れ物の頂部蓋に通気開口部を作り、そして補充予熱持続時間を開始させて凍結内容物の外側部分を軟らかくするとともに液状化し、その結果、段部の下の穿孔器が大きな力なしで入れ物を突き通すことができ、それにより凍結内容物を必要ならば入口箇所から遠ざける。出口穿孔器が入れ物を穿孔した後、蓋の通気穴よりも大きな直径を有する穿孔器が入れ物の蓋の通気穴と同じ場所に挿入される。これにより、約190°F(87.8℃)(元のレシピに基づいてプロセッサにより計算され、次に予熱の最後に入れ物について行われた実際の温度測定値に基づいて変更される)に加熱された7.25オンス(205.5g)の水の追加を可能にする締まり嵌め状態を作り、この水は、入れ物中に小出しされて入れ物内容物を混合し、融解させ、希釈し、そしてこれとともに小出ししてグリーンティーの所望の濃度およびピーチの風味を備えた8オンス(226.8g)の飲料を作る。
予熱機能および7.25オンス(205.5g)の約190°F(87.8℃)希釈剤は、最終の小出しされた製品を約150°F(65.6℃)温度にする。温水注入により入れ物が洗浄されてこれから実質的に全ての内容物が除かれ、そして再び、攪拌が高温希釈剤の小出しと同期して加えられ、それにより入れ物および小出しチャネルの残留物を良好にフラッシュする。攪拌はまた、凍結内容物の融解速度を増大させることができ、そして衛生のために純水の長時間にわたるすすぎ洗いをもたらすことができる。次に、空の容器を取り出してリサイクルすることができる。
第2の容量の大きい入れ物が例えば1回限りのコールド飲料、濃縮するのが困難な成分、例えば乳製品を含むシングルサーブの比較的多量のホット飲料の大きなバッチ提供を可能にするよう設計される。一実施例では、2.25オンス(63.8g)入れ物は、8オンス(226.8g)分の一人分の冷たいジュースを作ることを意図してBrix47.2の2オンス(56.7g)の凍結濃縮オレンジジュースを収容する。ディスペンサは、入れ物の凍結内容物に関する情報を集め(例えば、入れ物に施されている光学マークを光センサによって読み取ることによって)、そして入れ物内容物からFDA規格により100%ジュース(Brix11.8)として認定された8オンスのコールドオレンジジュースを作るのに必要なプロセス設定値を定める。加うるに、入れ物検出に続き、ディスペンサの前面に設けられているボタンが青色に点滅してコールド飲料であることを伝え、そして恐らくは、ユーザに最終の小出し製品を受け取るのに適したカップを用いることを思い出させる。(オプションとして、ディスペンサは、全部で8オンスの提供飲料を受け入れるのに必要な最小サイズのグラスまたはカップが存在しているかどうかをチェックするセンサを有するのが良い。)
この実施例では、ディスペンサは、ディスペンサによって収集された情報に基づいて、予熱持続時間、穿刺回数、注入回数、希釈液の温度、希釈液の量、および注入された希釈液の注入流量を定める。次に、容器は、ディスペンサの飲料作製キャビティ中に入れられて定位置に固定される。キャビティの底深さ部もまた、穿孔器を有し、この実施形態では、この穿孔器は、入れ物の内方に穿刺し、引っ込み、そして更にその連結された管とともに側方に動くことができ、それにより凍結内容物の液状化を促進するために用いられる攪拌により動くことができる小出しチャネルを形成することができる。穿孔器は、当初、キャビティの底深さ部の下に位置決めされており、この穿孔器は、入れ物に入ることはない。入れ物がいったん固定されると、ユーザは、最終の一動作、例えば、ディスペンサまたはこれに接続されている装置に設けられているボタンを押して製品作製のための自動機能を開始させる動作を行うことができる。入れ物がいったん固定されると、ユーザは、最終の一動作、例えば、ディスペンサまたはこれに接続されている装置に設けられているボタンを押して製品作製のための自動機能を開始させる動作を行うことができる。
飲料スタイルの検出に基づいて、ディスペンサは、入れ物の蓋に通気開口部を作り、そして補充予熱期間を開始して内容物の大部分を凍結状態に維持した状態で入れ物内の凍結内容物の最も外側の部分だけを溶解させる。この場合、所望の飲料がコールドであることが予定されているので、凍結内容物の融解エンタルピーは、希釈液の温度を冷却または冷蔵温度に低下させるために用いられる。凍結オレンジジュース内容物の外側部分を凍結内容物およびエネルギーの追加量の知識による開ループで決定されたようにまたは1つまたは2つ以上の温度センサによって集められた情報により閉ループで決定されたように融解させた後、キャビティの底深さ部の下に配置された穿孔器は、入れ物中に上方に押され、入れ物を穿孔し、それにより液体内容物が穿孔器のチャネルから流れ出てディスペンサのノズルを通り、そして飲料容器中に流れることができる。加うるに、もう1つの穿孔器、すなわち、蓋の通気穴よりも大きな直径を有する穿孔器が入れ物蓋の通気穴と同じ場所に挿入されて締まり嵌めシールを作り、典型的にはホット飲料に用いられる速度よりも遅い速度で入れ物中に約6オンス(170.1g)の周囲温度水を送り込むことにより、凍結内容物と相互作用してかかる凍結内容物の完全な融解を促進するために多くの時間が低温の注入液に与えられる。攪拌が加えられて凍結内容物と希釈液の混合が促進され、標的効能および標的温度が得られる。このように、作られた小出し製品は、凍結内容物と周囲温度希釈剤との平衡状態に達したときに冷蔵温度に達することができる。最終の製品は、100%オレンジジュースについてFDA規格に適合したBrix11.8のグラス入り冷却オレンジジュースである。
別の例示の実施例では、2.25オンス(63.8g)入れ物が1オンス(28.3g)の凍結濃縮ミルク、1/2オンス(14.2g)の凍結ヘビークリーム、10グラムの砂糖、およびBrix24の1/2オンスの凍結コーヒーエキスを収容し、これらはまとめて、ホットな1杯のカフェラテを作るようになっている。ディスペンサは、光センサで入れ物に施されている視覚的マークを読み取ってプロセス設定値を定め、それにより1.5%TDSのコーヒー濃縮液および標的乳製品およびスウィートネスレベルの8オンス(226.8g)ホットラテを作る。加うるに、入れ物検出に続き、ディスペンサに設けられているボタンが赤色に点滅していることは、飲料がホット状態で小出しされることを伝えていると言える。
この実施例では、ディスペンサは、入れ物に施されたマークからディスペンサによって収集された情報に基づいて予熱持続時間、穿刺回数、注入回数、希釈液の温度、希釈液の量、および注入された希釈液の注入流量を定める。上述の実施例の場合と同様、次に、容器は、ディスペンサの飲料作製キャビティ中に入れられて定位置に固定される。入れ物がいったん固定されると、ユーザは、最終の一動作、例えば、ディスペンサまたはこれに接続されている装置に設けられているボタンを押して製品作製のための自動機能を開始させる動作を行うことができる。ディスペンサは、入れ物の蓋に通気開口部を作り、そして補充加熱期間を開始させて凍結内容物の大部分を融解させる。従前通り、この期間は、開ループまたは閉ループ制御可能である。この場合、所望の飲料がホットであることが予定されて全部で2オンス(56.7g)の凍結内容物を融解させて加熱しなければならず、第1の容量の小さい入れ物から作られたほぼ同じサイズのホットコーヒー飲料よりも長い予熱が必要になる。
凍結内容物の塊の大部分を温度センサ読みおよび/または全エネルギー入力に基づいて融解させた後、キャビティの底深さ部の下に配置された穿孔器は、入れ物中に上方に押され、入れ物を穿孔し、それにより液体内容物が穿孔器のチャネルから流れ出てディスペンサのノズルを通り、そして飲料容器中に流れることができる。加うるに、蓋の通気穴よりも大きな直径を有する穿孔器が入れ物蓋の通気穴と同じ場所に挿入され、水加熱器によって190°F(87.8℃)まで加熱された6オンス(170.1g)の水を入れ物に送り出すために穿孔器の周りに締まり嵌めシールを作る。水は、残りの凍結内容物を完全に融解させ、入れ物の内容物と混合し、これを希釈し、そして加熱し、それにより標的温度および効能の飲料の小出しを可能にする。攪拌および流量は、融解した内容物および小出し器を入れ物内でできるだけ高く均質化するよう制御されるのが良い。
さらに例示の実施例では、2.25オンス(63.8g)入れ物は、大きなバッチのコーヒー1回分を作るようになったBrix44.8の2オンス(56.7g)の凍結コーヒーエキスを収容する。ディスペンサは、入れ物に施されている視覚的マークを光センサで読み取ってプロセス設定値を定め、それにより1.4のTDSを有する64オンス(1814.4g)のホットコーヒーを作る。ディスペンサは、リザーバの水位を検出してユーザに必要ならば水を追加するよう命令するのが良い。入れ物検出に続き、ディスペンサの前面に設けられている赤色に点滅しているボタンを用いると、飲料がホットであることを伝えることができ、リマインダーがユーザに大型飲料容器を用いて小出しされた製品を受け取るよう注意を促すことができる。または、1回分の64オンスの飲料に適したものとしてディスペンサによって容易に検出されるよう設計された(例えば、近接センサ、RFIDチップ、バーコードまたはQRコード(登録商標)などによって)カラフェの存在を検出する。この実施例では、ディスペンサは、ディスペンサが収集した情報に基づいて予熱持続時間、穿刺回数、注入回数、希釈液温度、希釈液の量、および希釈液の注入流量を定める。
先の実施例の場合と同様、次に、容器は、ディスペンサの飲料作製キャビティ中に入れられて定位置に固定される。入れ物がいったん固定されると、ユーザは、最終の一動作、例えば、ディスペンサまたはこれに接続されている装置に設けられているボタンを押して製品作製のための自動機能を開始させる動作を行うことができる。ディスペンサは、入れ物の蓋に通気開口部を作り、そして補充加熱期間を開始させて凍結内容物の小さな外側層を融解させる。この場合、飲料は、多量の加熱液で希釈され、かかる飲料は、入れ物穿孔のために凍結内容物を柔らかくするために最小限の予熱しか必要としない。予熱がいったん始まると、キャビティの底深さ部の下に配置された穿孔器は、入れ物中に上方に押され、入れ物を穿孔し、それにより液体内容物が穿孔器のチャネルから流れ出てディスペンサのノズルを通り、そして大型飲料容器中に流れることができる。加うるに、蓋の通気穴よりも大きな直径を有する穿孔器が入れ物蓋の通気穴と同じ場所に挿入され、190°F(87.8℃)に加熱された62オンス(1757.7g)の水を送り出すために締まり嵌めシールが形成される。追加された水は、内容物の任意の残りの凍結部分を融解させ、入れ物の内容物と混合し、これを希釈し、そして加熱し、それにより大きなバッチの1回分のコーヒーを作る。
本明細書において説明したディスペンサシステム実施形態のうちの任意のものは、ディスペンサシステムのコンポーネントのうちの任意のものまたは全ての下に設けられたドリップトレーを有するのが良い。例えば、ドリップトレーは、ディスペンサハウジングの最も下の部分内に収納されるのが良く、その結果、ディスペンサの任意の部分によって生じて収容されなかった液体をドリップトレーによって捕捉する。また、最終製品が容器、例えば魔法瓶、マグ、カップ、タンブラー、ボウル、および/またはその他中に小出しされるので、製品容器は、オーバーフローまたはこぼれ分を捕捉するよう格子付き開口部を有するドリップトレーの一部分上に置かれるのが良い。ドリップトレーは、製品容器が製品作製プロセス中に取り外された場合に液体を捕捉するよう製品出口および/または希釈液出口の下に配置されるのが良い。ドリップトレーは、ディスペンサシステムから取り外し可能であるとともに手動でも電動でも取り外し可能である。オプションとして、ディスペンサは、ドリップトレー内の液を検出してユーザに液体しきい値に達したときにドリップトレーを空にするよう警告するレベルセンサを有する。さらに、ディスペンサは、ディスペンサがドリップトレー内の高い液を検出した場合に最終製品作製プロセスを停止させることができる。
オプションとして、本明細書において説明したディスペンサシステムの種々の実施形態の部品のうちの多くは、取り外し可能であって食器洗い機で洗える。すなわち、これら部品は、病的影響を受けないで標準の商用または家庭用食器洗い機を用いて洗浄できる。例えば、チャンバの全てまたは幾つかの部分、希釈液供給入口のために用いられる穿孔器、製品出口のために用いられる穿孔器、ならびにドリップトレー組立体の全てまたは幾つかの部分は、標準型食器洗い機で洗浄できる。代替的にまたは追加的に、ある特定の具体化例は、自動洗浄機構体を含む。例えば、ディスペンサは、高温液または水蒸気を種々の液体流路、チャンバ、容器、およびリザーバに通してこれら要素を洗浄するとともに消毒することができる。また、これらの部分を洗浄する手段として役立つよう汚染を生じがちなディスペンサの領域にUV光源が設けられるのが良い。例えば、入れ物を保持するチャンバは、チャンバの内部および/または希釈液穿孔器/インジェクタおよび最終製品出口/穿孔器を紫外線に当てるUV光源を収容するのが良い。
本発明の別の観点では、本明細書において説明したディスペンサシステムのうちの任意のものは、凍結液体内容物を収容した入れ物を収容するチャンバなしで具体化できる。これとは異なり、変形具体化例では、ディスペンサシステムは、外部連結部を含み、この外部連結部は、凍結内容物入れ物に設けられた相補連結部と嵌合する。これら互いに相補する連結部により、ディスペンサシステムは、漏れを最小限に抑えながら希釈液を入れ物内部に提供することができる。オプションとして、入れ物入口連結部は、入れ物中への希釈液の流れを可能にするよう破れる入口シールを有する。幾つかの実施形態では、入れ物は、希釈液を注入したときに拡張するパウチである。他の実施形態では、注入された希釈液の圧力は、最終の食品または飲料製品の出口を提供するよう外側シールを破る。入れ物がディスペンサの外部に位置しているが、入れ物および/または凍結液体内容物に関する情報を学習するディスペンサの種々の技術および最終の製品調製を制御する技術は、同等に利用できる。
本明細書において開示する所望の温度および所望の量でかつ自動方式での食品または飲料の作製に関連づけられた技術およびシステムの観点は、コンピュータシステムまたはコンピュータ化電子装置と併用可能なコンピュータプログラム製品として具体化できる。かかる具体化例は、有形/非一過性媒体、例えばコンピュータ可読媒体(例えば、ディスケット、CD‐ROM、ROM、フラッシュメモリまたは他の目盛りもしくは固定ディスク)上に固定されまたはモデムもしくは他のインターフェース装置、例えば媒体によりネットワークに接続された通信アダプタを介してコンピュータシステムまたは装置に伝送可能な一連のコンピュータ命令または論理を含むことができる。
媒体は、有形媒体(例えば、光またはアナログ通信ライン)かワイヤレス技術(例えばWi‐Fi、セルラー、マイクロ波、赤外線または他の伝送技術)で具体化される媒体かのいずれかであるのが良い。一連のコンピュータ命令は、システムに対して本明細書において説明した機能の少なくとも一部を具体化する。当業者であれば理解されるべきこととして、かかるコンピュータ命令を多くのコンピュータアーキテクチャまたはオペレーティングシステムに使用可能な多くのプログラミング言語で書かれるのが良い。
かかる命令は、任意の有形記憶装置、例えば半導体、時期、光または他の記憶装置に記憶可能であり、かかる命令は、任意の通信技術、例えば、光、赤外線、マイクロ波、または他の伝送技術を用いて伝送可能である。
かかるコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにあらかじめ組み込まれた(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)またはサーバもしくは電子掲示板からネットワーク(例えば、インターネットまたはワールドワイドウェブ)により配信される、添付の印刷または電子ドキュメンテーション(例えば、収縮包装(パッケージ)ソフトウェア)を含むリムーバブル媒体として流通可能である。当然のことながら、本発明の幾つかの実施形態は、ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム製品)とハードウェアの両方の組み合わせとして具体化できる。本発明の更に別の実施形態は、全体としてハードウェア、または全体としてソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム製品)として具体化される。
この開示内容を読むと当業者には明らかなように、本発明は、上述の具体的に開示した形態以外の形態で具体化できる。したがって、上述の特定の実施形態は、例示として解されるべきであって本発明を限定するものと解されてはならない。当業者であれば、日常的に行われるに過ぎない実験を用いて、本明細書において説明した特定の実施形態の多くの均等例を認識しまたは確認することができる。