JP7109644B2 - 体積oct画像データ処理 - Google Patents
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Description
本発明の例示的態様は、一般に眼科用光干渉断層計(OCT)撮像システムに関する。より具体的には、光干渉断層計(OCT)撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンのシーケンスから成るCスキャンデータを処理して、OCT撮像システムによるBスキャン取得時のOCT撮像システムと撮像ターゲットの相対運動による両者の距離変動に起因するBスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するための補正データ生成の方法及び装置に関する。
患者の眼の一部、例えば網膜の典型的な体積光干渉断層計(OCT)スキャン(Cスキャンとも称する)には、約1~5秒かかる。この間に、OCT撮像システムは、第1走査方向にOCTビームを反復走査し、(2次元の)Bスキャンのシーケンスを記録する。そのそれぞれは網膜表面上の第1走査方向に沿う個々の点で記録される一続きの軸方向走査から成る。BスキャンシーケンスにおけるBスキャンは、通常第1走査に垂直な方向に配列される。Cスキャンの取得中に、通常、患者の不随意運動によって、眼が軸方向(OCTビームの方向)に移動する場合がある。Cスキャン画像をうまく画像化し、かつそのCスキャン画像を基に行われる後続の計測の精度を確保するために、Cスキャン撮像中の患者の動きによる運動アーチファクトを補償することが必要となる場合がある。患者の動きによる、いくつかのBスキャン間での軸方向シフトを補正するためのBスキャンデータへの補償が行われない場合には、網膜層識別の精度及び後続する診断計測の精度に悪影響を与える可能性がある。
本発明者らは、本明細書の第1の例示的態様にしたがって、OCT撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンのシーケンスからなるCスキャンデータを処理して、OCT撮像システムによるBスキャン取得中にその間の距離を変動させる、OCT撮像システムと撮像ターゲットとの相対運動により生じる、Bスキャンシーケンス内のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、またさらにその生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成する方法を考案した。この方法は、シーケンス内の複数の隣接Bスキャンペアの内の各隣接Bスキャンペアに対し、隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって補正データを生成することを含む。この方法はさらに、Bスキャンシーケンス内のBスキャンの複数ペアを使用して、そのBスキャンの複数ペアが取得されたときのOCT撮像システムに対する撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックのそれぞれの値を計算し、そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えるか否かを判定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できないことを示すように設定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できることを示すように設定する、ことによって、信頼性指標を生成することを含む。
この補正データは、シーケンス内の隣接するBスキャンの対応するペアの位置による決定された指標の変動から、OCT撮像システムによるBスキャンの取得中におけるOCT撮像システムと撮像ターゲットの相対運動を示す、変動の第1周波数成分を決定することにより生成され得る。
軸方向シフトのそれぞれの指標は、各隣接Bスキャンペアに対して、隣接するBスキャンペア間の相互相関を計算し、計算された相互相関におけるピークに対応するBスキャンの間のオフセットを指標として決定するか、あるいは、隣接するBスキャンペアのBスキャンにおける共通の視覚特徴のそれぞれの位置を特定し、撮像システムの軸方向を表す、Bスキャン軸に沿う特定された位置同士の間の変位を決定することにより、決定され得る。
撮像ターゲットは曲率を有する場合があり、本方法はさらに、撮像ターゲットの曲率を示す、変動の第2周波数成分を決定することを含み得る。第2周波数成分は、決定された指標の変動に対してm次多項式をフィッティングさせることにより決定され得る。第1周波数成分は、決定された指標の変動内の指標から、m次多項式の値を引くことにより補正された指標変動を生成し、補正された指標変動にn次の多項式をフィッティングさせることにより決定され得る。ここで、mとnは整数であって、mがnより小さい。
本方法は、補正データが信頼できることを示す信頼性指標が設定されている場合には、補正データを使用して、OCT撮像システムと撮像ターゲットの相対運動により生じるBスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償することを更に含み得る。
第1の例示的態様の実施形態において、第1周波数成分は、(i)各残差値が複数の指標の変動における指標と、n次多項式の対応する値との間の差として計算される、複数の残差値を計算するステップと、(ii)その複数の残差値に、第1の正の閾値より高いか第1の負の閾値より低い外れ値が含まれるか否かを判定するステップと、(iii)その複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、外れ値に対応する指標を指標の変動から除去して、更新された指標変動を生成し、また、残差が外れ値を含まないと判定される場合には、n次多項式を第1周波数成分として決定して処理を終了するステップと、(iv)n次多項式を更新された指標変動にフィッティングさせるステップと、から成る処理の少なくとも2回の反復を更に実行することにより決定され得る。ここで、複数の残差値における各残差値は、処理の第1の反復において、補正された指標変動における指標と、指標の補正された変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算され、複数の残差値における各残差値は、処理の残りの1以上の反復の各反復において、処理のそれ以前の反復において生成された、更新された指標変動における指標と、処理のそれ以前の反復において生成された、更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される。
第1の例示的態様の実施形態において本方法は、信頼性指標が補正データが信頼できることを示すように設定されている場合において、第2の正の閾値が第1の正の閾値より小さく第2の負の閾値が第1の負の閾値より大きい場合、複数の残差値の中で第2の正の閾値よりも大きいか第2の負の閾値より小さい大きさを有する残差値の数を決定することと、決定された残差値の数が第3の閾値より小さい場合に、Bスキャンシーケンス内のBスキャンに第1周波数成分に基づくオフセットを適用することによってBスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償することと、決定された残差値の数が第3の閾値より小さくない場合に、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償しないように決定すること、とをさらに含む。
さらに本発明者らは、本明細書に記載の第2の例示的態様に従って、撮像ターゲットを横断して延在する、平行な複数の走査線に沿って走査するOCT撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンシーケンスからなるCスキャンデータと、走査線を横切るトレース走査線に沿って走査を実行するOCT撮像システムによって取得されたトレーススキャンデータとを処理して、OCT撮像システムによるBスキャンの取得中にその間の距離を変動させるOCT撮像システムと撮像ターゲットとの相対運動により生じるBスキャンシーケンス内のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、かつ、さらに生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成する方法を考案した。本方法は、シーケンスにおける少なくともいくつかのBスキャンの各Bスキャンに対し、Bスキャン及びトレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することにより補正データを生成することを含む。この方法はさらに、少なくともいくつかのBスキャン内のBスキャンのペアに対して決定された指標を使用して、Bスキャンの複数ペアが取得されたときのOCT撮像システムに対する撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を表すメトリックのそれぞれの値を計算し、そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えるか否かを判定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えると判定される場合に、補正データが信頼できないことを示す信頼性指標を設定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、補正データが信頼できることを示す信頼性指標を設定する、ことによって、信頼性指標を生成することを含む。
第2の例示的態様の方法は、補正データが信頼できることを示す信頼性指標が設定されている場合には、補正データを使用して、OCT撮像システムと撮像ターゲットの相対運動により生じる、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償することを更に含み得る。追加又は代替として、第2の例示的態様の実施形態では、補正データが、(i)各残差値が複数の指標の変動における指標と、n次多項式の対応する値との間の差として計算される、複数の残差値を計算するステップと、(ii)その複数の残差値に、第1の正の閾値より高いか第1の負の閾値より低い外れ値が含まれるか否かを判定するステップと、(iii)複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、外れ値に対応する指標を指標の変動から除去して更新された指標変動を生成し、また、残差が外れ値を含まないと判定される場合には、n次多項式を補正データとして決定して処理を終了するステップと、(iv)n次多項式を更新された指標変動にフィッティングさせるステップと、から成る処理の少なくとも2回の反復を更に実行することにより生成され得る。ここで、複数の残差値における各残差値は、処理の第1の反復において補正された指標変動における指標と指標の補正された変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算され、複数の残差値における各残差値は、処理の残りの1以上の反復の各反復において処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動における指標と、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される。
第2の例示的態様の実施形態では、本方法は、信頼性指標が前記補正データが信頼できることを示すように設定されている場合において、第2の正の閾値が第1の正の閾値より小さく、第2の負の閾値が第1の負の閾値より大きい場合、複数の残差値の中で第2の正の閾値よりも大きいか第2の負の閾値より小さい大きさを有する残差値の数を決定することと、決定された残差値の数が第3の閾値より小さい場合に、Bスキャンシーケンス内のBスキャンに補正データに基づくオフセットを適用することによってBスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償することと、決定された残差値の数が第3の閾値より小さくない場合に、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償しないように決定することと、をさらに含む。
さらに本発明者らは、本明細書に記載の第3の例示的態様に従って、プロセッサによって実行されるとき、上記の方法の少なくとも1つをプロセッサに実行させる、コンピュータプログラム命令を含む、コンピュータプログラムを考案した。コンピュータプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよいし、信号によって搬送されてもよい。
さらに本発明者らは、本明細書に記載の第4の例示的態様に従って、OCT撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンシーケンスからなるCスキャンデータを、
OCT撮像システムによりBスキャンを取得中にその間の距離を変動させるOCT撮像システムと撮像ターゲットとの相対運動により生じるBスキャンシーケンス中のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成するために、またさらに生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成するために、処理するように構成されたデータ処理装置を考案した。この装置は、シーケンス内の複数の隣接Bスキャンペアの内の各隣接Bスキャンペアに対し、隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴の各表示間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって補正データを決定するように構成された補正データ生成モジュールを備える。この装置はさらに、Bスキャンシーケンス内のBスキャンの複数ペアを使用して、そのBスキャンの複数ペアが取得されたときのOCT撮像システムに対する撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックのそれぞれの値を計算し、そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えるか否かを判定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できないことを示すように設定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できることを示すように設定することによって、信頼性指標を生成するように構成された信頼性指標生成モジュールを更に備える。
OCT撮像システムによりBスキャンを取得中にその間の距離を変動させるOCT撮像システムと撮像ターゲットとの相対運動により生じるBスキャンシーケンス中のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成するために、またさらに生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成するために、処理するように構成されたデータ処理装置を考案した。この装置は、シーケンス内の複数の隣接Bスキャンペアの内の各隣接Bスキャンペアに対し、隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴の各表示間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって補正データを決定するように構成された補正データ生成モジュールを備える。この装置はさらに、Bスキャンシーケンス内のBスキャンの複数ペアを使用して、そのBスキャンの複数ペアが取得されたときのOCT撮像システムに対する撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックのそれぞれの値を計算し、そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えるか否かを判定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できないことを示すように設定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できることを示すように設定することによって、信頼性指標を生成するように構成された信頼性指標生成モジュールを更に備える。
補正データ生成モジュールは、シーケンス内の隣接するBスキャンの対応するペアの位置による決定された指標の変動から、OCT撮像システムによるBスキャンの取得中におけるOCT撮像システムと撮像ターゲットの相対運動を示す変動の第1周波数成分をさらに決定することにより、補正データを生成するように構成することができる。
補正データ生成モジュールは、隣接Bスキャンのペア間の相互相関を計算し、かつ計算された相互相関のピークに対応するBスキャン間のオフセットを指標として決定することにより、又は、隣接BスキャンのペアのBスキャンにある共通の視覚特徴のそれぞれの位置を特定し、かつ特定された位置間の、撮像システムの軸方向を表すBスキャンの軸に沿う変位を決定することにより、隣接Bスキャンの各ペアに対する軸方向シフトのそれぞれの指標を決定するように構成することができる。
撮像ターゲットは曲率を有する場合があり、補正データ生成モジュールはさらに撮像ターゲットの曲率を表す、変動の第2周波数成分を決定するように構成することができる。補正データ生成モジュールは、決定された指標の変動にm次多項式をフィッティングして第2周波数成分を決定し、その決定された指標の変動の指標からm次多項式の値を引き算して、補正された指標変動を生成し、その補正された指標変動に対してn次多項式をフィッティングして第1周波数成分を決定するように構成することができる。ここで、mとnは整数であって、mがnより小さい。
上記のように設定されたデータ処理装置はさらに変位補償モジュールを備えることができる。これは、信頼性指標が、補正データが信頼できることを示すように設定された場合に、その補正データを使用して、OCT撮像システムと撮像ターゲットとの間の相対運動により生じるBスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するように構成される。
第4の例示的態様の実施形態において補正データ生成モジュールは、(i)各残差値が指標変動における指標とn次多項式の対応する値との差として計算される、複数の残差値を計算するステップと、(ii)その複数の残差値に、第1の正の閾値より高いか第1の負の閾値より低い外れ値が含まれるか否かを判定するステップと、(iii)その複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、外れ値に対応する指標を指標の変動から除去して、更新された指標変動を生成し、また、残差が外れ値を含まないと判定される場合には、n次多項式を第1周波数成分として決定して処理を終了するステップと、(iv)n次多項式を更新された指標変動にフィッティングさせるステップと、から成る処理の少なくとも2回の反復を更に実行することにより、第1周波数成分を決定するように構成可能である。ここで、複数の残差値における各残差値は、処理の第1の反復において、補正された指標変動における指標と、その指標の補正された変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算され、複数の残差値における各残差値は、処理の残りの1以上の反復の各反復において、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動における指標と、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される。
第4の例示的態様の実施形態では、信頼性指標が補正データは信頼できることを示すように設定されている場合、補正データ生成モジュール(2)が、複数の残差値の中で、第2の正の閾値より大きいか第2の負の閾値より小さい大きさの残差値の数を決定するように更に構成可能である。ここで第2の正の閾値は第1の正の閾値より小さく、第2の負の閾値は第1の負の閾値より大きい。決定された残差値の数が第3の閾値より小さい場合には、変位補償モジュールが、Bスキャンシーケンス内のBスキャンに対する補正データに基づいてオフセットを適用することによって、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位に対する補償を行うように構成可能である。そして、決定された残差値の数が、第3の閾値より小さくない場合には、変位補償モジュールは、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位の補償を行わないように構成可能である。
さらに本発明者らは、本明細書に記載の第5の例示的態様に従って、撮像ターゲットを横断して延在する平行な複数の走査線に沿って走査するOCT撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンシーケンスからなるCスキャンデータと、走査線を横切るトレース走査線に沿って走査を実行するOCT撮像システムによって取得されたトレーススキャンデータとを処理して、OCT撮像システムによるBスキャンの取得中にその間の距離を変動させるOCT撮像システムと撮像ターゲットとの相対運動により生じる、Bスキャンシーケンス内のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、かつ、さらに生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成するように構成されたデータ処理装置を考案した。この装置は、シーケンスにおける少なくともいくつかのBスキャンの各Bスキャンに対し、Bスキャンとトレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することにより補正データを生成するように構成された補正データ生成モジュールを備える。この装置はさらに、少なくともいくつかのBスキャン内のBスキャンのペアに対して決定された指標を使用して、Bスキャンの複数ペアが取得されたときのOCT撮像システムに対する撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を表すメトリックのそれぞれの値を計算し、そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が、閾値を超えるか否かを判定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できないことを示すように設定し、メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、信頼性指標を補正データが信頼できることを示すように設定することによって、信頼性指標を生成するように構成された信頼性指標生成モジュールを更に備える。
第5の例示的態様のデータ処理装置はさらに変位補償モジュールを備えることができる。これは信頼性指標が補正データが信頼できることを示すように設定された場合に、補正データを使用して、OCT撮像システムと撮像ターゲットとの間の相対運動により生じるBスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するように構成される。
第5の例示的態様の実施形態において、正データ生成モジュールは、(i)各残差値が指標変動における指標とn次多項式の対応する値との差として計算される複数の残差値を計算するステップと、(ii)その複数の残差値に、第1の正の閾値より高いか第1の負の閾値より低い外れ値が含まれるか否かを判定するステップと、(iii)その複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、外れ値に対応する指標を指標の変動から除去して更新された指標変動を生成し、また、残差が外れ値を含まないと判定される場合には、n次多項式を補正データとして決定して処理を終了するステップと、(iv)n次多項式を更新された指標変動にフィッティングさせるステップと、から成る処理の少なくとも2回の反復を実行することにより、補正データを生成するように構成可能である。ここで、複数の残差値における各残差値は、処理の第1の反復において、補正された指標変動における指標と、その指標の補正された変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算され、複数の残差値における各残差値は、処理の残りの1以上の反復の各反復において、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動における指標と、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される。
第5の例示的態様の実施形態では、信頼性指標が補正データは信頼できることを示すように設定されている場合、補正データ生成モジュールが、複数の残差値の中で、第2の正の閾値より大きいか第2の負の閾値より小さい大きさの残差値の数を決定するように構成可能である。ここで第2の正の閾値は第1の正の閾値より小さく、第2の負の閾値は第1の負の閾値より大きい。決定された残差値の数が第3の閾値より小さい場合には、変位補償モジュールが、Bスキャンシーケンス内のBスキャンに対する補正データに基づいてオフセットを適用することによって、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位に対する補償を行うように構成可能である。そして決定された残差値の数が、第3の閾値より小さくない場合に、変位補償モジュールは、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位の補償を行わないように構成可能である。
次に、本発明の例示的実施形態を以下に記載の添付図面を参照して、単なる非限定的な例として詳細に説明する。異なる図面に現れる同様の参照符号は、特に断らない限り同一又は機能的に類似の要素を表すことができる。
[例示的実施形態1]
図1は、第1の例示的実施形態による、データ処理装置10の概略図である。データ処理装置10は、OCT撮像システム30によって取得された撮像ターゲット20のBスキャンのシーケンスを含むCスキャンを処理して、Bスキャンのシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、さらに生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標5を生成するように構成される。
図1は、第1の例示的実施形態による、データ処理装置10の概略図である。データ処理装置10は、OCT撮像システム30によって取得された撮像ターゲット20のBスキャンのシーケンスを含むCスキャンを処理して、Bスキャンのシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、さらに生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標5を生成するように構成される。
撮像ターゲット20は、本例示的実施形態においては、患者の眼25の網膜であってよい。ただしこれに代わって、例えば眼25の前方領域などの眼25の別の部分であってもよい。軸方向変位は、OCT撮像システム30によるBスキャンの取得中にOCT撮像システム30と撮像ターゲット20の間の距離を変化させる、OCT撮像システム30と撮像ターゲット20との相対運動によって生じる。軸方向変位は、網膜撮像のためのOCT撮像システム30使用時における、眼25へ入射するOCT光ビーム40の伝播方向に沿う変位として理解される。
OCT撮像システム30は眼科用スキャナを使用してOCT撮像光ビーム40を撮像ターゲット20上で走査し、Cスキャンデータを取得し、それをデータ処理装置10で処理する。データ処理装置10は、本例示的実施形態のように、PCやラップトップなどの単体型の処理装置として提供され得る。これがOCT撮像システム30に通信可能に(直接またはインターネットなどのネットワークを介して)結合されて、そこからのCスキャンデータを受信可能である。あるいは、データ処理装置30はOCT撮像システム30の一部として提供されてもよい。OCT撮像システム30は当業者に周知のOCTスキャナの任意の種類のものであってよく、患者の眼25からOCTデータを取得することができる。
図1に示すように、本例示的実施形態のデータ処理装置10は、補正データ生成モジュール2を備え、これがシーケンス内の複数の隣接Bスキャンペアの内の各隣接Bスキャンペアに対し、隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって補正データを生成するように構成される。本例示的実施形態における軸方向シフトとは、隣接するBスキャン内にある共通視覚特徴間の、軸方向(すなわち、Bスキャンを構成する複数のAスキャンの各Aスキャンのデータが配列される方向であり、このデータは眼25に入射するOCT光ビーム40の伝播方向に沿う様々な深さでの測定により取得される)に対応するBスキャン軸に沿うシフト(すなわちオフセット)を表す。本例示的実施形態において、補正データ生成モジュール2によって処理されるBスキャンのシーケンスは、OCT撮像システム30によって取得されたCスキャンを形成するBスキャンの全シーケンスを含む。ただし、補正データ生成モジュール2によって処理されるBスキャンのシーケンスは、上に述べた全シーケンスである必要はなく、代わりに全シーケンスの部分集合、例えばBスキャンの全シーケンス内の1つ置きのBスキャンを含む部分集合であってもよい。
データ処理装置10は、信頼性指標5を生成するように構成された信頼性指標生成モジュール4を更に備える。より具体的には、信頼性指標生成モジュール4は、Bスキャンのシーケンス内のBスキャンの複数ペアを使用して、Bスキャンの複数ペアが取得されたときのOCT撮像システムに対する撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックのそれぞれの値を計算するように構成される。信頼性指標生成モジュール4はさらに、このメトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えるか否かを判定するように構成される。メトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標生成モジュール4はその信頼性指標5を、その補正データが信頼できないことを示す設定とするように構成される。ただし、メトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えないと判定される場合には、信頼性指標生成モジュール4はその信頼性指標5を補正データが信頼でることを示す設定とするように構成される。
データ処理装置10は、図1に示す本例示的実施形態のように、変位補償モジュール6を更に備える。これは、OCT撮像システム30によるBスキャンの取得中にOCT撮像システム30と撮像ターゲット20との相対運動によって生じる、Bスキャンのシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位に対して、補正データを使って補償をするように構成される。いくつかの例示的実施形態では変位補償モジュール6は、信頼性指標5が、補正データが信頼できることを示すように設定された場合にのみ前述の補償をするように構成される。
Cスキャンはレンダリングにより眼25の一部の3次元画像を提供することができ、通常、眼25の2次元領域をOCT光ビーム40をラスターパターンなどで走査することにより取得されるBスキャンのシーケンスを含む。各Bスキャンは、OCT光ビーム40を単一方向(例えば網膜の表面のX軸に沿って)走査して取得され、眼25のその領域の2次元断面図(X軸とZ軸に沿った)を記録する。各Bスキャンは複数のAスキャンを含み、各Aスキャンは眼25の横方向の単一ポイントに関する、眼25の軸方向/深さ方向(すなわちZ軸に沿う)を表す画像データを提供する。
図2Aは、OCT撮像システム30に対する撮像ターゲット20(すなわち本例においては網膜)の動きの一例を示し、これによりCスキャンデータ取得中に網膜とOCT撮像システム30の間の距離の変化が生じる。図2Aの例に示すように、Bスキャン取得中の患者の動きは、網膜とOCT撮像システム30との間の距離を距離Dだけ(軸方向に沿って)減少させる。
図2Bは、共通の視覚特徴の位置の軸方向シフトを示し、これは図2Aに示す眼25とOCT撮像システム30の相対的な動きの前後でキャプチャされた、符号210及び220で表す隣接Bスキャンペアにおいて観察される。本例において、隣接Bスキャンペア内の共通視覚特徴は眼25の網膜層230である。図2Bに示すように、Bスキャンの取得中に発生する網膜の動きにより、Bスキャン220での網膜層230の位置はBスキャン210での位置に対してBスキャンのY軸に沿ってdピクセルの距離だけオフセットする。図2Bでは、Bスキャン210、220のY軸は軸方向を表し、X軸は網膜表面に沿った横方向を表す。もし補正されなければ、隣接するBスキャン同士における網膜層230の軸方向シフトは、Cスキャンのレンダリングにおいて、運動アーチファクトを出現させ、網膜に潜んでいる特徴の診断または測定が適切に遂行されることを妨げる可能性がある。
図3は、プログラム可能な信号処理ハードウェア300の概略図である。これは本明細書に記載の手法を用いてCスキャンデータを処理するように構成され、第1の例示的実施形態の補正データ生成モジュール2、信頼性指標生成モジュール4、及び変位補償モジュール6として機能することができる。
プログラム可能な信号処理装置300が、OCT撮像システム30と通信してそこからCスキャンデータを受信するための通信インタフェース(I/F)310を備える。信号処理装置300はさらに、プロセッサ(例えば中央処理ユニットCPU、及び/又はグラフィック処理ユニットGPU)320、作業メモリ330(例えばランダムアクセスメモリ)、及びコンピュータ可読命令から成るコンピュータプログラム390を格納する命令記憶部340を備え、コンピュータ可読命令はプロセッサ320によって実行されると、本明細書に記載の補正データ生成モジュール2、信頼性指標生成モジュール4、及び変位補償モジュール6などを含む様々な機能をプロセッサ320に実行させる。作業メモリ330は、コンピュータプログラム390を実行中にプロセッサ320によって使用される情報を格納する。命令記憶部340は、コンピュータ可読命令を前もってロードしたROM(例えば電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)又はフラッシュメモリ)を含んでもよい。あるいは、命令記憶部340はRAM又は類似の種類のメモリを備えてもよく、コンピュータプログラム390のコンピュータ可読命令を、CD-ROM、DVD-ROMなどの形態の、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体350などのコンピュータプログラム製品から、又はコンピュータ可読命令を搬送するコンピュータ可読信号360から、そこに入力することができる。いずれにせよ、コンピュータプログラム390はプロセッサ320で実行されるとき、プロセッサ320に本明細書に記載のCスキャンデータの処理方法を実行させる。ただし、補正データ生成モジュール2、信頼性指標生成モジュール4、変位補償モジュール6は、これに代わって、特定用途向け集積回路(ASIC)などの非プログラマブルハードウェアに実装されてもよいことに留意されたい。
図4は図1のデータ処理装置が、Bスキャンのシーケンスを含むCスキャンデータを処理して、Bスキャンのシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するための補正データと、生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標とを生成するための方法を示すフロー図である。
図4のステップS10において、補正データ生成モジュール2が、シーケンス内の複数の隣接Bスキャンペアの内の各隣接Bスキャンペアに対し、隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって補正データ生成する。軸方向シフトのそれぞれの指標は、本例示的実施形態におけるように、隣接Bスキャンペアにおける共通の視覚特徴のそれぞれの座標間の、上で述べた軸方向に対応するBスキャン軸に沿った距離であってよい。ただし、軸方向シフトの指標はこれに限るものではなく、代わりに距離に基づいて決定される値であってもよい。一例として、N+1個のBスキャンBk、ここでk=1,2,…,N+1に関し、Bスキャンのシーケンス内のN個のBスキャンのペアから、対応するN個の指標Si、ここでi=1,2,…,Nの組を求めることが可能である。ここで指標SiはBスキャンのBk=iとBk=i+1とから求められ、これがBスキャンのBk=iとBk=i+1のペア内にある共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトを示す。指標のインデックスiは、したがって、指標SiをもたらすBスキャンのシーケンス内の隣接Bスキャンペアの位置に対応する。
軸方向シフトの指標は、本例示的実施形態におけるように、隣接Bスキャンペア間の相互相関を計算し、計算された相互相関のピークに対応するBスキャン間のオフセットを指標として決定することにより、各隣接Bスキャンペアに対して決定可能である。相互相関は、例えば、(Bスキャンペアの内の)片方のBスキャン内にある視覚特徴の表示の位置の、もう一方のBスキャン内の同一の視覚特徴の表示の位置に対するオフセット(Bスキャンの両方の軸に沿う)を決定する、隣接Bスキャンペアの規格化された2次元相互相関であってよい。ただし、軸方向に対応するBスキャン軸に沿う決定されたオフセットのみが、隣接Bスキャンペア内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトの指標として採用され得る。いくつかの状況においては、Bスキャン取得中の眼の横方向の動きが無視できる場合には、隣接Bスキャンペアの1次元相互相関を実行可能であり、この計算された1次元相互相関におけるピークに対応するBスキャン間のオフセットが、軸方向シフトの指標として採用され得る。
軸方向シフトの指標は、本例示的実施形態では相互相関を使用して計算されるが、このほかの任意の適切な方法を代替的に使用可能である。例えば、代替的な実施形態では、隣接Bスキャンペアの内の複数のBスキャンにおける共通の視覚的特徴のそれぞれの位置を特定し、Bスキャン軸に沿うその特定された位置の間での、前述した軸方向に対応する変位を決定することにより、各隣接Bスキャンペアに対する軸方向シフトの指標を決定してもよい。隣接Bスキャンペアにおける共通の視覚的特徴のそれぞれの位置は、例えば機械学習アルゴリズム、又は他の任意の適切な処理アルゴリズムを用いて特定され得る。
図4のステップS20において、信頼性指標生成モジュール4はBスキャンシーケンス内の複数のBスキャンペアを使用して、複数のBスキャンペアが取得されたときのOCT撮像システム30に対する撮像ターゲット20の速度及び/又は加速度を表すメトリックのそれぞれの値を計算する。このメトリックは、本例示的実施形態におけるように、OCT撮像システム30に対する撮像ターゲット20の速度(軸方向への)を表す速度のメトリックであってよい。
速度メトリックは、本例示的実施形態のように、Bスキャンシーケンス内の隣接Bスキャンペアを用いて図4のステップS10で決定された指標により計算可能である。各指標は隣接Bスキャンペアにある共通の視覚的特徴の軸方向シフトを示すので、指標値は、隣接Bスキャン間の時間で割ると、撮像ターゲットのOCT撮像システム30に対する速度を表す。ただし、速度メトリックは隣接Bスキャンを使用して計算する必要はなく、代わりにBスキャンシーケンス内の、非隣接のBスキャンペアにある共通の視覚的特徴の軸方向シフトに基づいて計算してもよいことを理解されたい。より一般的には、Bスキャンペアにある共通視覚特徴の決定された軸方向シフトをBスキャンペアのBスキャンの撮影された時間間隔で割れば、共通視覚特徴の軸方向移動速度の指標が与えられ、したがって、撮像ターゲット20とOCT撮像システム30の相対運動の速度が示される。本例示的実施形態のように、このメトリックはシーケンス内の各隣接Bスキャンペアに対して計算可能であるが、代替的に、前に述べたように取得されたすべてのBスキャンのペアの部分集合に対してのみ計算されてもよい。
図4のステップS30において、信頼性指標生成モジュール4は、メトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えるか否かを判定する。メトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標生成モジュール4は、図4のステップS40Aにおいて、信頼性指標5をその補正データが信頼できないことを示すように設定する。他方で、ステップS30において所定数より少ないメトリックの計算値しか閾値を超えていないと判定される場合には、信頼性指標生成モジュール4は図4のステップS40Bにおいて、信頼性指標5をその補正データが信頼できることを示すように設定する。メトリックが速度メトリックである本例示的実施形態では、図4のステップS30で使用される閾値は、OCTスキャンデータのキャプチャ中に発生することが予想可能な、撮像ターゲット20の物理的に可能な最大速度に相当する。この閾値を超えるいかなる計算値も、撮像ターゲット20とOCT撮像システム30の実際の相対運動というよりもBスキャン間の擬似相関によって生じる異常とみなすことができる。図4のステップS30の所定数はしたがって、補正データが信頼できないとみなされる前に受け入れ可能な最大数に基づいて設定され得る。
本例示的実施形態ではメトリックは速度メトリックであるが、図4のステップS20で計算されるメトリックは、他の形、例えばOCT撮像システム30に対する撮像ターゲットの加速度を表す加速度メトリックであってもよい。図4のステップS20において、メトリックとして加速度メトリックが用いられるときは、ステップS30における閾値は、撮像ターゲット20の加速度の現実的又は物理的に可能な最大値に基づいて設定され得る。信頼性指標生成モジュール4は、Bスキャンの第1のペア内の共通視覚特徴の軸方向シフト速度を示す第1の値と、Bスキャンの第2のペア内の共通視覚特徴の軸方向シフト速度を示す第2の値とを決定することにより加速度メトリックを評価可能である。ここで、第1のペアは第2のペアとは少なくとも1つのBスキャンだけ異なっている。信頼性指標生成モジュール4はさらに、第1の値と第2の値の間の差に基づいて加速度メトリックを評価可能である。例えば、時刻T1と時刻T2においてキャプチャされ、A1の軸方向シフト値の決定された速度を有するBスキャンの第1のペアと、時刻T3と時刻T4においてキャプチャされ(これはT1とT2より後で発生)、A2の軸方向シフト値の決定された速度を有するBスキャンの第2のペアに関しては、加速度メトリックは次のように計算される:
ただし、加速度メトリックは上記の形に限られるものではなく、A2とA2の間の差と、Bスキャンの2つのペアの間の時間的隔たりの別の尺度、例えばT3-T1あるいはT4-T2とに基づいて計算可能であることを理解されたい。
いくつかの例示的実施形態において、信頼性指標5が補正データが信頼できることを示すように設定されている場合には、図4のステップS50Bに示すように、変位補償モジュール6が補正データを使用して、OCT撮像システム30と撮像ターゲット20との相対運動により生じる、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償することが可能である。他方、信頼性指標5が補正データは信頼できないことを示すように設定されている場合には、ステップS50Aに示すように、変位補償モジュール6は前述の補正データを使用したBスキャン間の軸方向変位の補償を実行できない。例えば、信頼性指標が、補正データが信頼できないことを示すように設定されている場合、Bスキャンのシーケンスは破棄されるか、ユーザに信頼できないことを示すかの少なくともいずれかが行われ、Bスキャンの新規のシーケンスから成る新規のCスキャンデータが、撮像ターゲット20の新規のOCTスキャンを行うことによりキャプチャされ得る。Bスキャンの新規のシーケンスは、図4の処理を用いて処理され、新規の補正データ及び新規の信頼性指標が生成され得る。
シーケンス内の隣接するBスキャンの対応するペアの位置に伴って、決定された指標が変動することは、雑音データ及び/又はまばたきや線により生じる画像アーチファクトで汚染されたデータにより生じる高周波成分と、その結果としての隣接するBスキャン間の擬似相関を含む可能性がある。したがって、隣接するBスキャンに基づいて直接生成される指標は、外れ値や異常値を何らかの形で前以ってフィルタにかけて除去することなしでは、Bスキャン軸方向変位の補償への使用には適さない場合がある。したがっていくつかの例示的実施形態においては、Bスキャン取得中のOCT撮像システム30と撮像ターゲット20との相対運動を示す変動の周波数成分が、ステップS50Bで判定されて補償の実行に使用され得る。
図5は、本明細書に記載の第1の例示的実施形態による、Bスキャンの取得中におけるOCT撮像システム30と撮像ターゲット20の相対的運動を示す変動の第1周波数成分を決定するために補正データ生成モジュール2によって実行可能な方法を示すフロー図である。
図5のステップS210に示すように、補正データ生成モジュール2は、決定された指標の、シーケンス内の隣接するBスキャンの対応するペアの位置による変動から、OCT撮像システム30によるBスキャンの取得中のOCT撮像システム30と撮像ターゲット20の相対運動を示す変動の第1周波数成分を決定することにより補正データを生成し得る。図5のステップS220では、変位補償モジュール6は、Bスキャンシーケンス内のBスキャンに第1周波数成分に基づくオフセットを適用することにより、OCT撮像システム30と撮像ターゲット20の相対運動により生じるBスキャンシーケンス内のBスキャン間の変位に対する補償をすることが可能である。
例えば、図5のステップS210において、補正データ生成モジュール2は、指標の変動に対してn次多項式をフィッティングさせることにより、変動の第1周波数成分を生成可能である。そうして、図5のステップS220において、変位補償モジュール6が、n次多項式に基づいて、例えばそのn次多項式の1以上の値を用いて、Bスキャンシーケンス内の1以上のBスキャンにオフセットを与えることによって、シーケンス内の隣接Bスキャン間の軸方向変位を補償し得る。いくつかの例示的実施形態において、図5のステップS220において実行される補償は、信頼性指標が図4のステップS40Aにおいて補正データが信頼できることを示すように設定されていることが前提であり得ることに留意されたい。
また、第1周波数成分は図5のステップS210での多項式フィッティングによって決定される必要はなく、他の適切な方法が使用可能であることにも留意されたい。例えば、代替実施形態では、補正データ生成モジュール2は代わりに、撮像ターゲット20とOCT撮像システム30の相対運動に起因しない変動の高周波成分を除去するために、ステップS210において決定された指標の変動にローパスフィルタをかけて、第1周波数成分を生成してもよい。
図6は、眼25の撮像ターゲット20の6つの異なるBスキャンシーケンスから決定された、6つの異なる指標の組に対応する、6つのプロット例を示す。各プロットは、対応するBスキャンのシーケンスに関する決定された指標の変動を示し、ここで各指標は、シーケンス内の隣接Bスキャンペアを相互相関させることで計算され、また隣接Bスキャンペア間の軸方向シフトを表している。図6の例では、各隣接Bスキャンペアに対する決定された指標は、指標の指数iに対してプロットされ、これはまた隣接するBスキャンペアに対応し、したがってBスキャンシーケンス内の隣接するBスキャンペアの位置を表す。
図6に示すように、Bスキャンシーケンス内の対応する隣接Bスキャンペアの位置に伴う決定された指標の変動は、様々な原因による複数の周波数成分を含み得る。例えば、Bスキャンシーケンスの取得中の眼25とOCT撮像システム30との相対運動によって生じる周波数成分に加え、変動には様々なそのほかの周波数成分が含まれ得る。例えば、網膜の曲率によって生じる低周波成分であり、それはプロット510、520、530に見ることができる。具体的には、網膜の曲率に起因する周波数成分は、眼25の動きにより生じる周波数成分より低い可能性がある。それは、網膜の曲率によるBスキャンシーケンス内の視覚特徴の軸方向シフトの速度は、患者の動きから来る軸方向シフトよりも小さい可能性があるからである。さらに、シーケンス内の対応する隣接Bスキャンペアの位置に伴う指標の変動は、隣接Bスキャン間の擬似相関から生じる高周波成分も含み得る。そのような高周波成分がプロット540、550、560に見られ、そのそれぞれは、これらの指標値の変動内の高周波成分の存在に寄与する多数のピークを表す。
いくつかの例示的実施形態では、撮像ターゲット20は曲率を有し得る。これらの実施形態では、(隣接Bスキャンの相互相関により、あるいは隣接Bスキャンを使用して特徴の特定をすることにより決定される)指標を使用してBスキャンを直接補償すると、撮像ターゲット20がその曲率なしでレンダリングされる可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、視覚特徴のより正確な診断及び/又は測定のために、撮像ターゲット20の曲率をレンダリングされるCスキャン(補償されたBスキャンで形成される)に保持しておくことが望ましい場合がある。
図7は、撮像ターゲット20が曲率を有する実施形態において、図5のステップS210において第1の周波数成分を決定するために補正データ生成モジュール2が実行し得る方法を示す。図7のステップS310において、補正データ生成モジュール2が変動の第2周波数成分を決定する。これは撮像ターゲット20(本例では網膜)の曲率を表す。補正データ生成モジュール2は、本例示的実施形態のように、決定された指標の変動にm次多項式のフィッティングを行って第2周波数成分を決定することが可能である。ここでmは整数である。例えば、決定された指標のシーケンスSi,i=1,2,…,Nは、N個のデータ点(xi,Si),i=1,2,…,Nの組として表示され得る。次いで、指標のシーケンスを表す等価なデータ点(xi,Si),i=1~N、の組にm次多項式をフィッティングさせることによって、指標のシーケンスSi,i=1,2,…,Nにm次多項式Pm(x)をフィッティングさせることができる。ここで、xiは、データ点(xi,Si)での指標Siに関するX座標の値である。
図7のステップS320において、補正データ生成モジュール2が決定された指標の変動内の指標からm次多項式の値を引き算して、補正された指標変動を生成する。例えば、データ点形式(xi,Si),i=1,2,…,Nで表された、決定された指標のシーケンスSi,i=1,2,…,N及び指標のシーケンスにフィッティングされたm次多項式Pm(x)に対して、補正された指標変動が、Ci=Si-Pm(xi),i=1,2,…,Nの値の組で与えられる。本実施例では、網膜の曲率を示す、変動の第2周波数成分は、決定された指標の変動に2次多項式をフィッティングさせることにより決定される。ただし、撮像ターゲット20の予想される曲率によっては、異なる次数の多項式が使用される場合がある。2次多項式は、本例示的実施形態のように、指標の変動と2次多項式の間の残差値の2乗の合計を最小化する、最小二乗法を用いてフィッティング可能である。ただし、この他に任意の適切な多項式回帰法を使用可能である。
図7のステップS330において、補正データ生成モジュール2が、指標Ci,i=1,2,…,Nの補正された変動に対してn次多項式をフィッティングさせることにより、指標変動の第1周波数成分を決定する。ここで、nはmより大きい整数である。OCT撮像システム30と撮像ターゲット20の相対運動を表す第1周波数成分は、こうしてn次多項式で表される。一例として、指標Ci,i=1,2,…,Nの補正された変動はデータ点(xi,Ci),i=1,2,…,Nで表すことができ、n次多項式Pn(x)はデータ点(xi,Ci),i=1,2,…,Nにフィッティングさせることができる。いくつかの実施形態では、擬似相関から生じるデータ点への過剰フィッティングを回避するために、補正データ生成モジュール2が指標の補正変動へn次多項式をフィッティングさせる前に、(例えば移動平均フィルタを使用して)平滑化操作をまず行ってもよい。本例示的実施形態では、n次多項式として5次多項式が指標の補正変動にフィッティングされる。ただし、nの値はこれに限るものではなく、任意の適切な方法で選択可能である。いくつかの実施形態では、nの値は、OCT撮像システム30がCスキャンデータを取り込むために使用する走査パラメータ、例えば走査密度(網膜の単位面積当たりでキャプチャされるBスキャンの数)、及び走査継続時間(すなわちCスキャンデータ取得にかかる総時間)など、に基づいて選択可能である。原則として、走査密度が高く走査継続時間が長いほど、n次多項式に関してより大きなnの値が選択され得る。
本実施形態では網膜の曲率は、指標変動に対する低次多項式関数のフィッティングにより決定されるが、それに代わって他の方法も使用可能である。例えば、補正データ生成モジュール2がこれに代わって、指標の変動に対する周波数領域のサンプルを決定するために、指標(xi,Si),i=1,2,…,Nに離散的フーリエ変換を行って、網膜の曲率を表す、第2の周波数成分を決定してもよい。さらに補正データ生成モジュール2が、網膜の曲率に関係する所定の周波数域に対応する周波数領域サンプルの部分集合を抽出してもよい。この周波数域は、例えば網膜の予想される曲率を基に経験的に決定することも可能である。周波数決定モジュール4はさらに、周波数領域サンプルの部分集合に対して逆フーリエ変換を行って、第2周波数成分に対応する値を取得可能である。これを決定された指標の変動内の指標から差し引いて、補正された指標変動を生成可能である。
いくつかの例示的実施形態では、周波数領域サンプルの部分集合に対して逆フーリエ変換を行って、得られた第2周波数成分に対応する値を指標の変動から差し引く代わりに、補正データ生成モジュール2は、周波数領域サンプルの部分集合をゼロに設定してから、指標の補正変動を直接取得するためにその処理された周波数領域のサンプルに逆フーリエ変換を行ってもよい。あるいは、補正データ生成モジュール2は、補正された指標変動を決定するために指標変動に帯域フィルタをかけて網膜の曲率に対応する第2周波数成分を除去し、その後その補正された指標変動に対してn次多項式をフィッティングさせてもよい。帯域フィルタ処理の低域カットオフ周波数は、網膜の予想曲率に基づいて選択可能である。
ただし、走査の空間範囲が網膜の曲率に比べて小さい場合には、網膜の曲率は無視し得ると仮定でき、したがって、第2周波数成分は決定する必要がないことに留意されたい。この場合、n次多項式は決定された指標のシーケンスSi,i=1,2,…,Nに直接フィッティングさせて、OCT撮像システム30と撮像ターゲット20の相対運動を示す第1周波数成分として決定することが可能である。
図7のステップS330でn次多項式を決定すると、図7のステップS340で、OCT撮像システム30によるBスキャン取得時のOCT撮像システム30と撮像ターゲット20の相対運動によって生じるBスキャンシーケンス内のBスキャン間の変位を、変位補償モジュール6が、n次多項式を補正データとして使用してn次多項式によるオフセットをBスキャンシーケンス内のBスキャンに適用することで、補償可能である。
本例示的実施形態では、第1周波数成分はn次多項式Pn(x)で与えられる。したがって、変位補償モジュール6は、Bスキャンシーケンス内の各Bスキャンにこのn次多項式の値に基づく相殺を行ってオフセットを適用することができる。例えば、図7のステップS330において、指標Ci,i=1,…,Nの補正された変動のシーケンスに対してフィッティングされた(あるいはより具体的にはデータ点(xi,Ci),i=1,2,…,Nの対応する組に対してフィッティングされた)n次多項式Pn(x)に関して、i=1,2,…,Nに対するn次多項式の値のPn(xi)の組を決定することができる。i=1,2,…,Nに関する値Pn(xi)の組と、シーケンス内のBスキャンとの間のマッピングを使用して、値Pn(xi),i=1,2,…,Nの組の各値をBスキャンシーケンス内のBスキャンのオフセットに使用できる。この例では、指標SiはBスキャンBk=iとBk=i+1から求められるので、多項式Pn(xi)の値は、BスキャンのBk=i+1のオフセットに使用可能である。ただし、各指標はシーケンス内の隣接するBスキャン間の軸方向シフトを示すので、Bスキャンシーケンス内の各Bスキャンに適用されるオフセットは、そのシーケンス内の先行する各Bスキャン(すなわち、シーケンス内のkより小さいインデックスを有するBスキャン)に適用されたオフセットの累積和も含むはずである。言い換えると、シーケンス内の各BスキャンBkに対し、軸方向変位を補正するために、Σi=1
k-1Pn(xi)がBスキャンに適用され得る。
一例として、Bk,k=1~100で表記される100個のBスキャンのシーケンスから成るCスキャンに関して、n次多項式Pn(x)が指標Si,i=1,2,…,99の変動から決定可能である。この指標の変動Si,i=1,2,…,99は、先ず、指標の変動から網膜の曲率を表すm次多項式を差し引いて補正された指標変動Ci,i=1,2,…,99を求め、次にこの補正された指標変動に対してn次多項式をフィッティングさせることによって、100個のBスキャンから計算される。変位補償モジュール6はさらに、補正された指標変動からn次多項式Pn(x)の、Pn(xi),i=1,2,…,99の値の組を決定可能である。Pn(xi),i=1,2,…,99の値の組はその後、BスキャンのBk,k=1~100のそれぞれのオフセットに使用される。例えば、変位補償モジュール6は、100個のBスキャンの間の変位を、BスキャンB2をPn(x1)の値だけオフセットし、BスキャンB3をPn(x1)+Pn(x2)の値だけオフセットすることにより、より一般的にはBスキャンBkをΣi=1
k-1Pn(xi)だけオフセットすることにより、補償可能である。
図7のステップS340ではBスキャンのオフセットは指標Ci,i=1,…,Nの補正された変動のシーケンスにフィッティングされたn次多項式の値に基づいているが、他のいくつかの例示的実施形態では、指標Ci,i=1,…,Nの補正された変動のシーケンスが第1の周波数成分とされて、Bスキャンシーケンス内のBスキャンを直接オフセットさせるために使用され得ることを理解されたい。例えば、シーケンス内の各BスキャンBkに対し、眼25の軸方向変位を補正するために、Σi=1
k-1CiがそのBスキャンに適用され得る。
いくつかの例示的実施形態では、指標Ci,i=1,…,Nの補正された変動にフィッティングされたn次多項式は、図7のステップS340でのBスキャンをオフセットするための第1の周波数成分としては直接には使用されない。その代わり補正データ生成モジュール2が、第2の例示的実装に従って図5のステップS210で、以下のステップから成る処理の少なくとも2つの反復を更に実行することにより第1の周波数成分を決定可能である。(i)各残差値が複数の指標の変動における指標とn次多項式の対応する値との間の差として計算される、複数の残差値を計算するステップ。(ii)複数の残差値に、第1の正の閾値を超えるか第1の負の閾値を下回る外れ値が含まれるか否かを判定するステップ。(iii)複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、その外れ値に対応する指標を指標の変動から除去して更新された指標変動を生成し、また、複数の残差値が外れ値を含まないと判定される場合には、その処理を終了してn次多項式を第1周波数成分として決定するステップ。(iv)このn次多項式を指標の更新された変動にフィッティングするステップ。
複数の残差値における各残差値は、上記処理の第1の反復において、補正された指標変動における指標と補正された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される。さらに、複数の残差値における各残差値は、上記処理の残りの1以上の反復の各反復において、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動における指標と、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される、
図8は、補正データ生成モジュール2が、第2の例示的実装に従って第1の周波数成分の決定のために実行し得る処理を示すフロー図である。図8に示すように、補正データ生成モジュール2は、図7において記述された処理のステップS310、S320、S330をまず実行してよい。ただし、第2の例示的実装では、ステップS330においてn次多項式が決定された後、n次多項式はステップS340においてBスキャンのオフセットには直接使用されない。代わりに、補正データ生成モジュール2がさらに、図8のステップS440において各残差値が複数の指標の変動における指標とn次多項式の対応する値との間の差として計算される、複数の残差値を計算する。この例においては、補正された指標変動Ci,i=1,2,…,Nは、データ点(xi,Ci),i=1,2,…,Nとして表され、n次多項式はPn(x)として表されるが、複数の残差値は、図7のステップS440において、I=1,2,…,Nに対してR(xi)=Ci-Pn(xi)として決定可能である。
図8のステップS450において、補正データ生成モジュール2は、第1の正の所定の閾値より高いか第1の負の所定の閾値より低い外れ値が複数の残差値に含まれるか否かを判定する。複数の残差値が外れ値を含むという判定に応答して、補正データ生成モジュール2が、図8のステップS460において外れ値に対応する補正された指標Ciを補正された指標変動Ci,i=1,2,…,Nから除去して、x=1~Nに対して更新された指標変動Uiを生成する。外れ値に対応する補正された指標Ciを除去することは、例えば、補正された指標Ciの値をゼロに設定することを含む。例えば、補正された指標Ci=pに対応する残差値が外れ値であると判定されると、データ点(xp,Cp)は、補正された指標変動を表すデータ点(xi,Ci),i=1,2,…,Nの組においてゼロに設定可能である。ただし、いくつかの実施形態では、外れ値に対応する補正された指標Cpをゼロに設定する代わりに、補正データ生成モジュール2が、外れ値に対応する補正された指標Ciを新しい値に代わりに置き換えることができる。この値はステップS460において外れ値としては判定されない残差値を有するCiの1以上の他の値に基づくものであって、例えばそれらの値の内挿により得られるものであってよい。
図8のステップS470において、補正データ生成モジュール2が、n次多項式をx=1,2,…,Nに対する更新された指標変動Uiにフィッティングする。そうして、ステップS440の処理を反復して、今度は複数の残差値を計算する。ここで、各残差値は、(ステップS460で決定された)更新された指標変動内の指標と、ステップS470で更新された指標変動に対してフィッティングされたn次多項式の対応する値との差として計算される。ステップS470が実行された後、反復するように決定された複数の残差値が外れ値を含まないことがステップS450において判定されるまで(あるいは代替の実装においては、所定数より少ない外れ値の数が含まれるまで)、図8のステップS440、S450、S460、S470が反復されてよい。ステップS450において、複数の残差値において外れ値がないと判定される場合は、処理はステップS450Aに進み、そこで、複数の残差値の生成に使用されたn次多項式が第1周波数成分として採用される。それが次に図7のステップS340において、網膜とOCT撮像システム30との(軸方向の)相対運動により生じるBスキャンシーケンス内のBスキャン間の変位を補償するためにBスキャンのオフセットに使用される。具体的には、補正データ生成モジュール2は、図7のステップS340に関して前に説明したようにして、n次多項式の値に基づいてBスキャンをオフセットさせることが可能である。
いくつかの例示的実施形態では、図8のステップS450で、反復のための複数の残差値がいかなる外れ値も含まないと判定されたとき、複数の残差成分を取得するために使用されたn次多項式を第1周波数成分として採用可能であり、図7のステップS340でBスキャンのオフセットへの使用の可否を判定するために、補正データ生成モジュール2が、複数の残差値を更に評価してもよい。より具体的には、図9を参照すると、補正データ生成モジュール2が、図9のステップS510において、複数の残差値の中で、第2の正の閾値より大きいか第2の負の閾値より小さい大きさを有する残差値の数を決定し得る。ここで、第2の正の閾値は、図8のステップS450における第1の正の閾値より小さく、また第2の負の閾値は図8のステップS450における第1の負の閾値より大きい。図9のステップS520において、補正データ生成モジュール2は、図9のステップS510において決定された残差値の数が第3の閾値を超えるか否かを判定する。図9のステップS510において判定された残差値の数が第3の閾値を超えないと判定されることに応じて、補正データ生成モジュール2が、図9のステップS530Aにおいて、第1周波数成分として複数の残差値(これは外れ値を含まない)の生成に使用されたn次多項式を選択し、第1周波数成分としてn次多項式使用することにより図7のステップS340を実行する。他方、補正データ生成モジュール2が、図9のステップS510で判定された残差値の数が第3の閾値を超えると判定する場合、図7のステップS340は実行されない。これは、多数の残差値が比較的大きい場合には、これは補正された指標変動(あるいは更新された指標変動)へのn次多項式のフィッティングがよくないことを示すものと受け取ることができるからである。したがって、n次多項式を用いて、Bスキャンシーケンスにおける軸方向変位を補正する代わりに、そのBスキャンのシーケンスを破棄して、撮像ターゲット20への新規のOCTスキャンを実行することにより、新規のBスキャンシーケンスを含む新規のCスキャンをキャプチャしてもよい。Bスキャンの新規のシーケンスは既述の任意の方法で処理して、OCT撮像システム30と撮像ターゲット20との相対運動によって生じる、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し得る。
[例示的実施形態2]
[例示的実施形態2]
上記の第1の例示的実施形態とその変形例においては、補正データはBスキャンシーケンス内の隣接Bスキャンペアから導くことができる。それに対し、この例示的実施形態のデータ処理装置では、Bスキャン間の軸方向変位を補償するために使用される補正データは、補正データ決定のために取得されたBスキャンに対して比較可能な参照データとして機能するトレーススキャンデータを使用して生成される。つまり、シーケンス内の複数のBスキャンの内の各隣接Bスキャンペアに対し、その隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示間での相対的な軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって補正データを生成するのではなく、それに代わって、シーケンス内の少なくともいくつかのBスキャンの各Bスキャンに関して、Bスキャンとトレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間での軸方向シフトのそれぞれの指標によって、補正データを決定可能である。
図10は本明細書の第2の例示的実施形態による、Cスキャンデータ処理のためのデータ処理装置10’の概略図である。データ処理装置10’は、撮像ターゲット20を横断して延在する平行な走査線に沿って走査するOCT撮像システム30によって取得された、撮像ターゲット20のBスキャンシーケンスから成るCスキャンデータを、トレーススキャンデータと共に処理し、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、かつ生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標5’を生成するように構成される。
トレーススキャンデータは、OCT撮像システム30が上記の走査線と交差するトレース走査線に沿って走査を実行することにより取得される。第1の例示的実施形態のように軸方向変位は、OCT撮像システム30によるBスキャンの取得中に、その間の距離を変化させるOCT撮像システム30と撮像ターゲット20との相対運動によって生じる。図10に示すように、データ処理装置10’は、補正データ生成モジュール2’と信頼性データ生成モジュール4’とを備える。さらに、データ処理装置10’は本例示的実施形態のように、変位補償モジュール6’を備えてもよい。
図11は、図10のデータ処理装置10’がBスキャンシーケンスから成るCスキャンを処理して、補正データと信頼性指標5’を生成する方法を示すフロー図である。図11のステップS10’において補正データ生成モジュール2’が、シーケンス内の少なくともいくつかのBスキャンの各Bスキャンに対し、そのBスキャンとトレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することにより補正データを生成する。
図12は、第1の例による、Cスキャンを形成するBスキャンシーケンスのBスキャン内のAスキャンの位置と、トレーススキャンデータからのAスキャンとの間の関係を示す図である。図12において、マトリックス1200は、Cスキャンでカバーされる画像化ターゲットの横方向のすべての位置にわたるCスキャンを上から見た図を表す。マトリックス1200内の各セルはCスキャン内のAスキャンに対応する。さらに、マトリックス1200の各行はCスキャン内のBスキャンに対応する。マトリックス1200の複数の行に対応するBスキャンのシーケンスは、撮像ターゲット20に沿って延在する複数の走査線に沿ってOCTスキャンを実行することにより得られる。この点を図示するために、図12ではマトリックス1200に重ねてトレース走査線1220を示す。これに沿ってOCTスキャンが実行されて、対応するトレーススキャンデータが生成される。さらには図12において、灰色の各セル1205がトレーススキャンデータのAスキャンを表し、マトリックス1200で表されるCスキャン上に重ねられる。図12のトレーススキャンデータは撮像ターゲット20を横断して延在するトレース走査線に沿ってOCTスキャンを実行することにより生成される。
図12に示すように、トレース走査線1220は複数の走査線1210と交差し、マトリックス12000内の各Bスキャン(すなわちマトリックス1200の行)が、トレーススキャンデータの対応するAスキャンと重なるか交差するAスキャンを有するようになっている。したがって、BスキャンのAスキャンと、トレーススキャンデータの対応するAスキャンとを使用して、Cスキャン内のAスキャンをトレーススキャンデータ内の対応する場所のAスキャンに写像するマッピングに基づいて、ステップS10’で説明した指標を決定可能である。補正データ生成モジュール2’はこうして、Bスキャンシーケンスの1つのBスキャン内のAスキャンと対応する位置にあるトレーススキャンデータのAスキャンとを相互相関させることにより、ステップS10’で指標を決定することができる。あるいは、補正データ生成モジュール2’は共通特徴のそれぞれの表示間の(軸方向への)オフセットを判定する前に、適切な特徴識別アルゴリズムを使用して、BスキャンのAスキャンと、対応する位置にあるトレーススキャンデータのAスキャンとにある共通特徴の表示を識別してもよい。
ただし、トレース走査線は図12に示すような直線に限るものではなく、Bスキャンシーケンス生成のためにスキャンされる走査線と交差(又は重複)しさえすれば、画像ターゲット20を横切る任意の軌跡に沿ってより一般的に延在し得ることに留意されたい。
図13は、円形のトレーススキャンが使用される別の例における、Cスキャン内のAスキャンの位置と、トレーススキャンデータを形成するAスキャンの位置との間の関係を示す。マトリックス1200は、図12に関する説明と同様にCスキャンを表す。ただし、図13の例においては、トレーススキャンデータは、OCT撮像光により円形状に走査される、撮像ターゲット20上の複数の横方向位置に対応する複数のAスキャン1310からなる。言い換えると、OCT撮像システム30がOCT撮像光ビームを走査してトレーススキャンデータを生成するトレース走査線は、この例では撮像ターゲット20の表面に沿って円形軌跡を描く。さらには、図13に示すように、トレーススキャンデータを形成するAスキャンの密度によっては、トレーススキャンデータの複数のAスキャンが、Cスキャンを形成するBスキャンシーケンス内のBスキャンのAスキャンと重なり得る。そのような場合、複数のAスキャンのそれぞれに対して指標を計算可能であり、例えば、複数のAスキャンにより得られる指標の平均を計算してBスキャンに対する指標として使用可能である。
ここで再び図11を参照すると、図11のステップS10’で補正データを決定すると、信頼性データ生成モジュール4’が、ステップS20’とS30’、並びにS40A’とS40B’の内の1つを実行することにより信頼性指標5’を生成する。より具体的にはステップS20’において補正データ生成モジュール2’が、少なくともいくつかのBスキャン内のBスキャンのペア210、220に対して決定された指標を用いて、このBスキャンのペア210、220が取得されたときのOCT撮像システム30に対する画像ターゲット20のそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を表すメトリックのそれぞれの値を計算することにより、信頼性指標5’を生成する。
このメトリックは、本例示的実施形態におけるように、OCT撮像システム30に対する撮像ターゲット20の速度(軸方向への)を表す速度のメトリックであってよい。速度メトリックは、本例示的実施形態のように、図11のステップS10’で決定された複数の指標から指標の1つのペアを用いて計算可能であり、ここでこのペアの指標はBスキャンシーケンス内の2つのBスキャンに対応する。具体的には、2つの指標の値の差を、この2つの指標に対応する2つのBスキャンを取得する間の時間で割ると、OCT撮像システム30に対する撮像ターゲット20の速度となる。この2つの指標は、2つの隣接するBスキャンの指標である必要はない。代わりにBスキャンシーケンス内の2つの隣接しないBスキャンに対応する指標であってもよい。
いくつかの実施形態において、速度メトリックの代わりに、図4’のステップS20’で計算されるメトリックは、代わりに加速度メトリックであってもよい。これはOCT撮像システム30に対する撮像ターゲットの加速度を表す。信頼性指標生成モジュール4’は、Bスキャンの第1のペア内の共通視覚特徴の軸方向シフト速度を示す第1の値と、Bスキャンの第2のペア内の共通視覚特徴の軸方向シフト速度を示す第2の値とを決定することにより加速度メトリックを計算可能である。ここで、第1のペアは第2のペアとは少なくとも1つのBスキャンだけ異なっている。本例においては、第1の値は、ステップS10’で決定された複数の指標の内のBスキャンの第1のペアに対応する指標の第1のペアを用いて決定可能である。第1の値は、例えば指標の第1のペアの間の差として計算され得る。同様に、第2の値は、ステップS10’で決定された複数の指標の内のBスキャンの第2のペアに対応する指標の第2のペアを用いて決定可能である。第2の値は、例えば指標の第2のペアの間の差として計算され得る。信頼性指標生成モジュール4’はさらに、第1の値と第2の値の間の差に基づいて加速度メトリックを評価可能である。例えば、時刻T1と時刻T2においてキャプチャされ、A1の軸方向シフト値の決定された速度を有するBスキャンの第1のペアと、時刻T3と時刻T4においてキャプチャされ(これはT1とT2より後で発生)、A2の軸方向シフトの決定された速度を有するBスキャンの第2のペアに関しては、加速度メトリックは次のように計算可能である:
ただし、加速度メトリックは上記の形に限られるものではなく、A2とA2の間の差と、Bスキャンの2つのペアの間の時間的隔たりの別の尺度、例えばT3-T1あるいはT4-T2とに基づいて計算可能であることを理解されたい。ステップS20’において、メトリックが加速度メトリックである場合には、ステップS30’で設定される閾値は、現実的又は物理的に可能な、加速度の最大値に基づいて設定され得る。
ステップS30’において、信頼性指標生成モジュール4’は、メトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えるか否かを判定する。ステップS30’は図1のステップS30と同じであり、唯一の違いは、S20’でのメトリックの計算方法がステップS20でのメトリックに比べて異なるために、ステップS30’で使用される閾値及び所定数の値が図1のステップS30における対応する値とは異なり得ることである。
図11に戻ると、メトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標生成モジュール4’は、ステップS40A’において、信頼性指標5’をその補正データが信頼できないことを示すように設定する。ただし、メトリックの計算値の少なくとも所定数が閾値を超えないと判定される場合には、信頼性指標生成モジュール4’は信頼性指標5’をその補正データが信頼できることを示すように設定する。
いくつかの例示的実施形態において、補正データが信頼性指標5’は信頼できることを示すように設定されている場合には、図11のステップS50B’に示すように、変位補償モジュール6’は補正データを使用して、OCT撮像システム30と撮像ターゲット20との相対運動により生じる、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位を補償することが可能である。他方、補正データが信頼性指標5’は信頼できないことを示すように設定されている場合には、変位補償モジュール6’は前述の補正データを使用したBスキャン間の軸方向変位の補償を実行しない。
図10のデータ処理装置10’は、図1の装置とは以下の点で異なっていることを理解されたい。すなわち、シーケンス内の複数の隣接するBスキャンの内の各隣接Bスキャンペアに対し、その隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示間での軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって補正データを生成するのではなく、それに代わって、シーケンス内の少なくともいくつかのBスキャンの各Bスキャンに対して、Bスキャンとトレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間での軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって、補正データが生成される。これに関し、上で説明したデータ処理装置10のすべての実装の詳細は、データ処理装置10’にもまた適用可能である。例えば、図5を参照して説明した処理は、データ処理装置10’にもまた適用可能である。ただし、本例示的実施形態においては、第1周波数成分は、決定された指標の、シーケンス内の対応するBスキャンの位置による変動から決定可能であることだけが異なっている。さらに、多項式が指標にフィッティングされて第1周波数成分を決定する場合、図1の補正データ生成モジュール2に対比して、補正データ生成モジュール2’がその指標を違う方法で生成するとすれば、本例示的実施形態では異なる次数の多項式が選択され得る。
データ処理装置10’に関しては、図7のステップS310からステップS330に関連して説明したような、撮像ターゲット20の曲率を表す第2周波数成分の決定を実行する必要がない。それは、トレーススキャンデータを用いて生成した補正データに基づく補償の実行は、撮像ターゲット20のいかなる曲率の保持も許容し得るからである。これは、曲率が、トレーススキャンデータとBスキャンのシーケンスの両方でキャプチャされるからであって、トレーススキャンデータとBスキャンシーケンスの間の任意の計算された軸方向シフトは、スキャン取得中の相対運動による結果と前述したような擬似相関の結果のみのものであり得るからである。ただし、図8のステップS440からS470、及びこれらのステップに関連して上で説明したすべての例及び変形もまた、データ処理装置10’に適用可能である。より具体的には、データ処理装置10’に関しては、図11のステップS10’で生成された、変動指標に対してn次多項式をフィッティングさせることによって第1周波数成分を決定した後、データ処理データ装置10’が、以下のステップを含む処理を少なくとも2回反復することにより、補正データを生成可能である。(i)各残差値が軸方向シフトの決定された指標の変動における指標と、その指標の変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される、複数の残差値を計算するステップ。(ii)上記の複数の残差値に、第1の正の閾値より高いか第1の負の閾値より低い外れ値が含まれるか否かを判定するステップ。(iii)上記の複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、その外れ値に対応する指標を指標の変動から除去して更新された指標変動を生成し、また、残差が外れ値を含まないと判定される場合には、n次多項式を補正データとして決定して処理を終了するステップ。(iv)このn次多項式を指標の更新された変動にフィッティングするステップ。
複数の残差値における各残差値は、上記処理の第1の反復において、補正された指標変動における指標と、補正された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される。さらに、複数の残差値における各残差値は、上記処理の残りの1以上の反復の各反復において、処理のそれ以前の反復において生成された、更新された指標変動における指標と、処理のそれ以前の反復において生成された更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される。
さらに、図11のS40B’において信頼性指標が補正データは信頼できることを示すように設定されている場合、補正データ生成モジュール2’が、複数の残差値の中で、第2の正の閾値より大きいか第2の負の閾値より小さい大きさの残差値の数を決定し得る。ここで第2の正の閾値は第1の正の閾値より小さく、第2の負の閾値は第1の負の閾値より大きい。この決定された残差値の数が第3の閾値より小さい場合には、変位補償モジュール6’が、Bスキャンシーケンス内のBスキャンに対する補正データに基づいてオフセットを適用することによって、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位に対する補償を行い得る。ただし、決定された残差値の数が、第3の閾値より小さくない場合に、変位補償モジュール6’は、Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位の補償を行わない場合がある。
ここで述べた例示的態様は制約、特に従来のOCTデータ処理に関するコンピュータ技術に根差す制約を回避する。この制約は、一般に体積OCTデータ取得中の患者の不随意的な動きによって生じる運動アーチファクトを表示する、レンダリングされた体積OCTデータをもたらす可能性がある。これらの運動アーチファクトは、例えば視覚特徴の識別及びそれに続く任意の診断測定の精度に負の影響を与える可能性がある。本明細書に記載の例示的態様によって、Cスキャンを構成するBスキャンシーケンス内のBスキャン間の軸方向変位、これはOCT撮像システムと撮像ターゲットとの相対運動によって生じ得るものであるが、これを補償する補正データが生成される。具体的には、Bスキャンシーケンス内の隣接Bスキャンの各ペアに対して、その隣接Bスキャン内の共通視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標が決定される。さらに、補正データの信頼性を表す信頼性指標もまた生成される。信頼性指標は、相対運動の速度又は加速度を表すメトリックに基づく。少なくともいくつかの実施形態において、補正データは、信頼性指標がその補正データが信頼できることを示す場合にのみ、Bスキャン軸方向変位の補償に使用される。したがって、信頼性のある補正データのみが軸方向変位の補償に使用可能であるので、Bスキャン間の軸方向変位を補償するBスキャンの処理は改善することができる。少なくともいくつかの実施形態において、シーケンス内の隣接Bスキャンの複数のペアの、各隣接Bスキャンペアに対して、隣接Bスキャン内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトに対する個々の指標を決定して補正データを生成するのではなく、それに代わって、シーケンス内の少なくともいくつかのBスキャンの各Bスキャンに対して、Bスキャンとトレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間での軸方向シフトの個々の指標を決定することによって、補正データが決定可能である。さらに、少なくともいくつかの例示的実施形態において、決定された指標変動にフィッティングされた多項式の残差を用いて補正データの品質を推定し、そうして、その補正データを用いて補償を行うべきか否かを判定する。また、本明細書に記載の例示的態様の上記の機能は、これはコンピュータ技術に根差すものであるが、それによって、本明細書に記載の例示的態様は、コンピュータ及びコンピュータ処理/機能性を改善し、また少なくとも画像処理、光干渉断層計(OCT)とデータ処理、並びにOCT画像データの処理の分野もまた改善する。
上記の説明においては、例示的態様をいくつかの例示的実施形態を参照して説明した。したがって本明細書は、制限的ではなく、例示的であるとみなされるべきである。同様に、例示的実施形態の機能及び利点を強調する、図面に示す形状は例示のみを目的として提示される。例示的実施形態のアーキテクチャは十分に柔軟かつ設定可能であり、添付図に示すもの以外の方法で利用可能である。
本明細書に提示した例のソフトウェア実施形態は、命令又は命令のシーケンスを有する一つ又は複数のプログラムなどのコンピュータプログラム又はソフトウェアとして提供可能である。これらは一実施形態においては、機械でアクセス可能若しくは機械で読み取り可能な媒体、命令記憶部、又はコンピュータ可読記憶装置などの製品に含まれるか格納され、このそれぞれが非一時的であってよい。非一時的な機械アクセス可能媒体、機械可読媒体、命令記憶部、又はコンピュータ可読記憶装置上のプログラム又は命令は、コンピュータシステム又は他の電子デバイスのプログラムに使用可能である。機械可読媒体又はコンピュータ可読媒体、命令記憶部、及び記憶装置には、これに限らないが、フロッピディスク(登録商標)、光ディスク、及び光磁気ディスク、あるいは、電子的命令を格納若しくは送信するのに適した他の種類の、媒体/機械可読媒体/命令記憶部/記憶装置が含まれ得る。本明細書に記載の技術は、いかなる特定のソフトウェア構成にも限定されない。これらは任意のコンピューティング環境又は処理環境への適用性を見出し得る。本明細書に使用されている「コンピュータ可読」、「機械アクセス可能媒体」、「機械可読媒体」、「命令記憶部」及び「コンピュータ可読記憶装置」という用語は、機械、コンピュータ又はコンピュータプロセッサによって実行するために命令又は命令シーケンスを格納、コード化、又は送信することが可能で、かつ本明細書に記載の任意の方法を、機械/コンピュータ/コンピュータプロセッサに実行させる、任意の媒体を含むものとする。さらに、当分野においては、ソフトウェアは、ある形態又は別の形態であっても(例えばプログラム、手順、処理、アプリケーション、モジュール、ユニット、ロジックなど)、動作を起こし、結果をもたらすものを指すのが一般的である。そのような表現は、処理システムによるソフトウェアの実行が、プロセッサに動作を実行させて結果を生成させることの簡略的な記述に過ぎない。
いくつかの実施形態は、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイを用意することによって、又は従来のコンポーネント回路の適切なネットワークを相互接続することによっても、実装することができる。
いくつかの実施形態にはコンピュータプログラム製品が含まれる。コンピュータプログラム製品は、命令が格納された記憶媒体、命令記憶部、又は記憶装置であってよい。それを使用して、コンピュータ又はコンピュータプロセッサが本明細書に記載の例示的実施形態の任意の手順を実行することを制御し、又は実行させることができる。記憶媒体/命令記憶部/記憶装置には、これに限るものではないが一例として、光ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ、フラッシュカード、磁気カード、光カード、ナノシステム、分子メモリ集積回路、RAID、リモートデータストレージ/アーカイブ/ウェアハウジング、及び/又は命令及び/又はデータの格納に好適な他の任意の種類のデバイスが含まれ得る。
コンピュータ可読媒体、命令記憶部又は記憶装置のいずれかに格納されたいくつかの実装には、システムのハードウェアを制御し、システム又はマイクロプロセッサに人間のユーザ又は本明細書に記載の例示的実施形態の結果を利用する他の機構との対話可能とする、ソフトウェアが含まれる。そのようなソフトウェアには、これに限らないが、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及びユーザアプリケーションが含まれ得る。究極的には、そのようなコンピュータ可読媒体又は記憶装置には、上で説明したような本発明の例示的態様を実行するためのソフトウェアが更に含まれる。
プログラミング及び/又はシステムのソフトウェアには、本明細書に記載の手順を実行するためのソフトウェアモジュールが含まれる。本明細書のいくつかの例示的実施形態において、モジュールにはソフトウェアが含まれる。ただし本明細書の他の例示的実施形態ではモジュールにはハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせが含まれる。
以上本発明の様々な例示的実施形態を述べたが、これらは例示のために提示したものであり、限定するためのものではないことを理解されたい。形式及び詳細において様々な変更をなし得ることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は上記のいかなる例示的実施形態によっても制限されるものではなく、以下に述べる特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるべきである。
さらに、要約は、特許庁及び一般人、特に特許又は法律用語又は文体に精通していない科学者、技術者及び実務者が、大まかな調査で本出願の技術的開示の本質及び要点を迅速に判定できるようにすることを目的とするものである。要約は、いずれにしても本明細書に提示する例示的実施形態の範囲に関して制限的であることを意図するものではない。また、特許請求の範囲に説明される任意の手順は、必ずしも提示された順番で遂行されることを必要としないことも理解されたい。
本明細書には多くの特定の実施形態の詳細が含まれているが、それらは任意の発明又は特許請求されるものの範囲を制限するものとみなすべきではなく、むしろ本明細書に記載の具体的な実施形態に固有の特徴の記述として理解されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で記載されている特定の特徴は、組み合わせて単一の実施形態に実装することもできる。その逆に、単一の実施形態の文脈で記載されている様々な特徴は、複数の実施形態に別々に、又は任意の適切な部分的な組み合わせにして実装することもできる。さらに、上記において特徴が特定の組み合わせで作用するものとして記述され、また最初にそのように特許請求されているとしても、特許請求された組合せからの1つ以上の特徴は場合によってはその組み合わせから除外することが可能であり、特許請求された組み合わせは部分的な組み合わせ又は部分的な組み合わせの変形に向けることも可能である。
特定の状況下では、マルチタスク及び並列処理をすることも有利であり得る。さらに、上記の実施形態における様々な構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とすると理解するべきではなく、また、上記のプログラム要素及びシステムは一般に単体のソフトウェア製品に統合し、あるいは複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
ここまでにいくつかの例示的実施形態及び実施形態を説明したが、前述したものは例示であって限定ではなく、一例として提示されたことは明らかである。特に、本明細書に示した実施例の多くは、装置又はソフトウェア要素の特定の組み合わせを含むが、これらの要素は同じ目的を達成するために違う形で組み合わされてもよい。一つの実施形態に関連してのみ議論した作用、要素及び特徴は、他の実施形態における同様の役割から除外されることを意図するものではない。
本明細書に記載の装置は、その特性から逸脱することなく他の特定の形態で具体化されてもよい。前述の実施形態は、記述したシステム及び方法を限定するためではなく、説明するためのものである。本明細書に記載の装置の範囲は、したがって前述の説明よりもむしろ添付の特許請求の範囲に示され、特許請求の範囲の意味するところ及び等価物の範囲内にある変更は、その中に含まれる。
Claims (15)
- 光干渉断層計(OCT)撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンシーケンスからなるCスキャンデータを、前記OCT撮像システムによりBスキャンを取得中にその間の距離を変動させる前記OCT撮像システムと前記撮像ターゲットとの相対運動により生じる、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン同士間の軸方向変位を補償するための補正データを生成するために、及び、さらに前記生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成するために、処理する方法であって、
前記Bスキャンシーケンス内の複数の隣接Bスキャンペアの内の各隣接Bスキャンペアに対し、前記隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって前記補正データを生成することと、
前記信頼性指標を生成することであって、
前記Bスキャンシーケンス内のBスキャンの複数ペアを使用して、前記Bスキャンの複数ペアが取得されたときの前記OCT撮像システムに対する前記撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックのそれぞれの値を計算し、
前記メトリックの少なくとも所定数の前記計算値が、閾値を超えるか否かを判定し、
前記メトリックの少なくとも前記所定数の計算値が前記閾値を超えると判定される場合に、前記信頼性指標を前記補正データが信頼できないことを示すように設定し、
メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、信頼性指標を、補正データが信頼できることを示すように設定する、
ことによって、信頼性指標を生成することを含む方法。 - 前記補正データは、前記Bスキャンシーケンス内の前記隣接するBスキャンの対応するペアの位置による前記決定された指標の変動から、前記OCT撮像システムによる前記Bスキャンの取得中における前記OCT撮像システムと前記撮像ターゲットの相対運動を示す、前記変動の第1周波数成分を決定することにより生成される、請求項1に記載の方法。
- 前記軸方向シフトの前記それぞれの指標は、前記各隣接Bスキャンペアに対して、
隣接するBスキャンペア間の相互相関を計算し、計算された相互相関におけるピークに対応するBスキャンの間のオフセットを指標として決定するか、あるいは、
前記隣接するBスキャンペアの前記Bスキャンにおける前記共通の視覚特徴のそれぞれの位置を特定し、前記撮像システムの軸方向を表す、Bスキャン軸に沿う前記特定された位置同士の間の変位を決定する、
ことにより決定される、請求項1又は請求項2に記載の方法。 - 前記撮像ターゲットは曲率を有し、前記方法は、前記撮像ターゲットの前記曲率を示す、前記変動の第2周波数成分を決定することを更に含む、請求項2又は請求項3に記載の方法。
- 前記第2周波数成分は、前記決定された指標の前記変動に対してm次多項式をフィッティングさせることにより決定され、
第1周波数成分は、前記決定された指標の前記変動内の前記指標から、前記m次多項式の値を引くことにより補正された指標変動を生成し、前記補正された指標変動にn次の多項式をフィッティングさせることにより決定され、
ここで、mとnは整数であって、mがnより小さい、請求項4に記載の方法。 - 前記補正データが信頼できることを示す信頼性指標が設定されている場合には、前記補正データを使用して、前記OCT撮像システムと前記撮像ターゲットの相対運動により生じる、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の前記軸方向変位を補償することを更に含む、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1周波数成分は、
(i)各残差値が指標変動における指標とn次多項式の対応する値との差として計算される、複数の残差値を計算するステップと、
(ii)前記複数の残差値に、第1の正の閾値より高いか第1の負の閾値より低い外れ値が含まれるか否かを判定するステップと、
(iii)その複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、外れ値に対応する指標を指標の変動から除去して、更新された指標変動を生成し、また、残差が外れ値を含まないと判定される場合には、n次多項式を第1周波数成分として決定して処理を終了するステップと、
(iv)n次多項式を更新された指標変動にフィッティングさせるステップと、
から成る処理の少なくとも2回の反復を更に実行することにより決定され、
複数の残差値における各残差値は、処理の第1の反復において、補正された指標変動における指標と、指標の補正された変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算され、
前記複数の残差値における各残差値は、前記処理の残りの1以上の反復の各反復において、前記処理の以前の反復において生成された前記更新された指標変動における指標と、前記処理の以前の反復において生成された前記更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される、請求項5に記載の方法。 - 信頼性指標が、前記補正データが信頼できることを示すように設定されている場合において、
第2の正の閾値が前記第1の正の閾値より小さく、第2の負の閾値が前記第1の負の閾値より大きい場合、前記複数の残差値の中で、第2の正の閾値よりも大きいか、第2の負の閾値より小さい大きさを有する残差値の数を決定することと、
前記決定された残差値の数が第3の閾値より小さい場合に、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャンに前記第1周波数成分に基づくオフセットを適用することによって、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の前記軸方向変位を補償することと、
前記決定された残差値の数が、第3の閾値より小さくない場合に、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の前記軸方向変位を補償しないように決定することと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。 - 撮像ターゲットを横断して延在する平行な複数の走査線に沿って走査する光干渉断層計(OCT)撮像システムにより取得された前記撮像ターゲットのBスキャンシーケンスからなるCスキャンデータと、前記走査線を横切るトレース走査線に沿って走査を実行する前記OCT撮像システムによって取得されたトレーススキャンデータとを、前記OCT撮像システムによるBスキャンの取得中にその間の距離を変動させる前記OCT撮像システムと前記撮像ターゲットとの相対運動により生じる、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、かつ、さらに前記生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成するために処理する方法であって、
前記Bスキャンシーケンスにおける少なくともいくつかの各Bスキャンに対し、前記Bスキャン及び前記トレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することにより前記補正データを生成することと、
信頼性指標を生成することであって、
前記少なくともいくつかのBスキャン内のBスキャンのペアに対して決定された前記指標を使用して、前記Bスキャンの複数ペアが取得されたときの前記OCT撮像システムに対する前記撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックのそれぞれの値を計算し、
前記メトリックの計算値の少なくとも所定数が、閾値を超えるか否かを判定し、
前記メトリックの計算値の少なくとも所定数が前記閾値を超えると判定される場合に、前記補正データが信頼できないことを示す信頼性指標を設定し、
前記メトリックの計算値の少なくとも所定数が前記閾値を超えないと判定される場合に、前記補正データが信頼できることを示す信頼性指標を設定する、
ことによって、信頼性指標を生成することと、
を含む、処理方法。 - 前記補正データが信頼できることを示す信頼性指標が設定されている場合には、前記補正データを使用して、前記OCT撮像システムと前記撮像ターゲットとの間の相対運動により生じる、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の前記軸方向変位を補償することを更に含む、請求項9に記載の方法。
- 前記補正データは、
(i)各残差値が複数の指標の変動における指標と、n次多項式の対応する値との間の差として計算される、複数の残差値を計算するステップと、
(ii)前記複数の残差値に、第1の正の閾値より高いか第1の負の閾値より低い外れ値が含まれるか否かを判定するステップと、
(iii)前記複数の残差値に外れ値が含まれると判定される場合、前記外れ値に対応する前記指標を前記指標の変動から除去して更新された指標変動を生成し、また、前記残差値が外れ値を含まないと判定される場合には、前記n次多項式を前記補正データとして決定して処理を終了するステップと、
(iv)n次多項式を更新された指標変動にフィッティングさせるステップと、
から成る処理の少なくとも2回の反復を更に実行することにより生成され、
ここで、複数の残差値における各残差値は、処理の第1の反復において、補正された指標変動における指標と、指標の補正された変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算され、
前記複数の残差値における各残差値は、前記処理の残りの1以上の反復の各反復において、前記処理の以前の反復において生成された前記更新された指標変動における指標と、前記処理の以前の反復において生成された前記更新された指標変動にフィッティングされたn次多項式の対応する値との間の差として計算される、請求項9又は請求項10に記載の方法。 - 信頼性指標が、前記補正データが信頼できることを示すように設定されている場合において、
第2の正の閾値が前記第1の正の閾値より小さく、第2の負の閾値が前記第1の負の閾値より大きい場合、前記複数の残差値の中で、第2の正の閾値よりも大きいか、第2の負の閾値より小さい大きさを有する残差値の数を決定することと、
前記決定された残差値の数が第3の閾値より小さい場合に、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャンに前記補正データに基づくオフセットを適用することによって、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の前記軸方向変位を補償することと、
前記決定された残差値の数が、第3の閾値より小さくない場合に、前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン間の前記軸方向変位を補償しないように決定することと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。 - プロセッサによって実行されるとき、請求項1~請求項12の少なくとも1項に記載の方法を前記プロセッサに実行させるコンピュータプログラム命令を含む、コンピュータプログラム。
- 光干渉断層計(OCT)撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンシーケンスからなるCスキャンデータを、前記OCT撮像システムによりBスキャンを取得中にその間の距離を変動させる前記OCT撮像システムと前記撮像ターゲットとの相対運動により生じる前記Bスキャンシーケンス中のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成するために、またさらに前記生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成するために、処理するように構成されたデータ処理装置であって、
前記Bスキャンシーケンス内の複数の隣接Bスキャンペアの内の各隣接Bスキャンペアに対し、隣接するBスキャン内の共通の視覚特徴の各表示間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することによって前記補正データを決定するように構成された補正データ生成モジュールと、
信頼性指標生成モジュールであって、
前記Bスキャンシーケンス内のBスキャンの複数ペアを使用して、前記Bスキャンの複数ペアが取得されたときの前記OCT撮像システムに対する前記撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックのそれぞれの値を計算し、
前記メトリックの少なくとも所定数の前記計算値が、閾値を超えるか否かを判定し、
前記メトリックの少なくとも前記所定数の計算値が前記閾値を超えると判定される場合に、前記信頼性指標を前記補正データが信頼できないことを示すように設定し、
メトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、信頼性指標を、補正データが信頼できることを示すように設定する、
ことによって、信頼性指標を生成するように構成された信頼性指標生成モジュールと、
を含む、データ処理装置。 - 撮像ターゲットを横断して延在する平行な走査線に沿って走査する光干渉断層計(OCT)撮像システムにより取得された撮像ターゲットのBスキャンシーケンスからなるCスキャンデータと、前記走査線を横切るトレース走査線に沿って走査を実行する前記OCT撮像システムによって取得されたトレーススキャンデータとを、前記OCT撮像システムによるBスキャンの取得中にその間の距離を変動させる前記OCT撮像システムと前記撮像ターゲットとの相対運動により生じる前記Bスキャンシーケンス内のBスキャン同士の間の軸方向変位を補償するための補正データを生成し、かつ、さらに前記生成された補正データの信頼性を示す信頼性指標を生成するために、処理するように構成されたデータ処理装置であって、
前記Bスキャンシーケンスにおける少なくともいくつかのBスキャンの各Bスキャンに対し、前記Bスキャン及び前記トレーススキャンデータ内の共通の視覚特徴のそれぞれの表示の間の軸方向シフトのそれぞれの指標を決定することにより前記補正データを生成するように構成された補正データ生成モジュールと、
信頼性生成モジュールであって、
前記少なくともいくつかのBスキャン内のBスキャンのペアに対して決定された前記指標を使用して、前記Bスキャンの複数ペアが取得されたときの前記OCT撮像システムに対する前記撮像ターゲットの相対的なそれぞれの速度又はそれぞれの加速度を示すメトリックの、それぞれの値を計算し、
そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が、閾値を超えるか否かを判定し、
そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えると判定される場合に、信頼性指標を、補正データが信頼できないことを示すように設定し、
そのメトリックの少なくとも所定数の計算値が閾値を超えないと判定される場合に、信頼性指標を、補正データが信頼できることを示すように設定する、
ことによって、信頼性指標を生成するように構成された信頼性生成モジュールと、
を含む、データ処理装置。
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