JP7109030B2 - 塗装プラスチックの塗膜剥離方法および塗膜剥離装置 - Google Patents
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Description
このような塗膜を除去する方法および装置として、例えば、本願出願人によって出願された「塗膜除去方法と塗膜除去装置」に関する発明が開示されている(特許文献1)。特許文献1に記載の塗膜除去方法は、アルカリ性剥離液を加熱手段及び撹拌手段を具備する反応槽に収容する第1の工程と、容器に表面に塗膜を有する基体を収容して反応槽内部に浸漬する第2の工程と、アルカリ性剥離液を撹拌手段で撹拌しながら120℃以上で基体の融点よりも20℃以上40℃以下高い温度まで加熱手段で加熱する第3の工程と、アルカリ性剥離液によって塗膜が剥離し反応槽から取り出された基体を洗浄する第4の工程と、を備えることを特徴とする。
特許文献2に開示された樹脂塗膜の分解除去方法は、アルカリ金属(IA族)またはアルカリ土類金属(2A族)或いは4級アンモニウムのチオシアン酸塩8~65重量%、常圧における沸点が100℃以下のアルコール類10~85重量%、水5~60重量%の3成分から構成された樹脂塗膜の分解除去剤を、50~100℃の温度で樹脂塗装部品に噴霧若しくは塗布するか、或いは上記分解除去剤に樹脂塗装部品を浸漬することにより塗装樹脂を分解除去することを特徴とする。
このような特徴を有する樹脂塗膜の分解除去方法によれば、環境衛生を悪化させず、塗膜樹脂のみを化学的に分解して溶液に溶解させ、効率的に樹脂塗膜を分解除去することができる。
特許文献3に開示された塗膜の剥離方法は、表面に塗膜を有するプラスチック成形物を、低級アルコールとガソリンとの混合液を主成分とする剥離剤に浸漬することによりプラスチック成形物表面の塗膜を剥離することを特徴とする。
このような特徴を有する塗膜の剥離方法によれば、特殊な装置を使用することなく簡単な手段で塗膜を短時間で剥離することができる。また、クローズドシステムで処理することにより、剥離剤の再使用が容易にできるので、廃液処理が不要となり、環境的にも、経済的にも利用価値が大きい。
特許文献4に開示された塗装プラスチック成形体の処理方法は、表面の一部又は全部が塗装されているプラスチック成形体を、アルカリ性アルカリ金属化合物含有アルコール溶液と接触させることを特徴とする。
このような特徴を有する塗装プラスチック成形体の処理方法によれば、塗膜をプラスチック成形体より分離除去せずに、アルカリ性アルカリ金属化合物0.25モル/リットル以下のアルコール溶液と接触処理させることにより、塗膜を形成する樹脂成分などを分解処理することができる。
特許文献5に開示された塗膜剥離剤は、ハロゲン化炭化水素100重量部と、アルコール系溶剤5~20重量部と、酸1~15重量部を含有してなることを特徴とする。
このような特徴を有する塗膜剥離剤によれば、特に、アルコール系溶剤として低分子アルコールと高級アルコールを併用したものおよび酸に塩酸を用いた場合に、塗膜を常温で放置して短時間に自然剥離させることができる。
また、特許文献2,6に開示された発明においては、強アルカリ剥離剤は、強アルカリが主成分であるため、スラリー状を呈している。そのため、撹拌等の開放系での処理操作が危険であり、浸漬後の強アルカリ剥離剤から塗装PPバンパーを分取し、洗浄することが困難である。
また、特許文献9,10に開示された発明においては、70~100℃に加温された水素結合パラメーター(δh)が8~13[(J/cm3)1/2]の溶剤で処理すると、ABSだけでなくPPでも一部溶解して劣化するという課題があった。
そして、撹拌工程においては、複数の小片の端面にそれぞれ剥離剤による剪断力が作用し、塗膜と膨潤した基材、又は基材と膨潤した塗膜、又は膨潤した基材と膨潤した塗膜が、速やかに分離する。なお、加温工程と撹拌工程は、異なる時期、又は同時期のいずれに実施されても良い。
また、プロパノールとは、1-プロパノール(慣用名プロパノール)と、2-プロパノール(慣用名イソプロパノール)のいずれをも含む概念である。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離方法においては、第1の発明の作用に加えて、浸漬工程によって、加温工程における基材、又は塗膜、又は、基材及び塗膜の膨潤が促進される。また、「撹拌工程の前に、」とは、浸漬工程が加温工程の前、又は、加温工程と同時期、又は加温工程と撹拌工程の間、のいずれに実施されても良いという意味である。このうち、浸漬工程が加温工程と同時期に実施されない場合には、浸漬工程における第2の温度は、加温工程における第1の温度の上限温度以下である限り、同等又は異なっていても良い。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離方法において、「ポリオレフィンを主成分とする場合」とは、例えば、基材の重量に対するポリオレフィンの重量の比率が、90%以上のものが考えられる。しかし、これに限定されず、基材の重量に対するポリオレフィンの重量の比率が、基材の重量に対するポリオレフィン以外の物質の重量の比率よりも大であればよい。
また、メタノールやエタノールは親水性が大きいことから、ポリオレフィンを主成分とする基材、例えばPP、及びその塗膜を膨潤することが困難である。これに対し、1-ブタノールは、メタノール等よりも親水性が小さく、しかもその沸点(117.5℃)はブタノールの異性体の各沸点中で最も高い。
よって、上記構成の塗装プラスチックの塗膜剥離方法においては、第1の発明又は第2の発明の作用に加えて、第1の温度が70℃以上、かつ107.5℃以下に加温された1-ブタノールを使用することによって、ポリオレフィンを主成分とする基材が良好に膨潤しうる。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離方法において、ABS樹脂及びアクリロニトリル-アクリルスチレン(ASA)樹脂は、剥離剤として例えば50℃以上の高温に加温された高級アルコールを使用するとき、それぞれの組成によっては溶解する場合がある。このとき、複数の小片が互いに溶着してしまうため、基材と塗膜が全く分離できないことになる。
これに対し、上記構成の塗装プラスチックの塗膜剥離方法においては、第1の発明又は第2の発明の作用に加えて、第1の温度が25℃以上、かつ55℃以下に加温されたメタノール等を使用することによって、ABS樹脂及びASA樹脂の溶解や小片同士の溶着が防止されることから、基材と塗膜の分離が可能となる。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離方法においては、第1乃至第4のいずれかの発明の作用に加えて、剥離剤は、水酸化ナトリウム水溶液が添加されるため、塗膜に含有される合成樹脂成分が分解され、塗膜の剥離が促進される。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離方法においては、第1乃至第5のいずれかの発明の作用に加えて、複数の小片は、最大サイズが10~100mmであるため、撹拌工程において、撹拌が容易になるとともに小片の端面に剪断力が効果的に作用する。
また、反応槽は、例えば上縁に開口部を有する円筒箱形状の容器体と、この開口部を開閉自在に閉止し、剥離剤の蒸発を防止する蓋体が使用される。なお、この反応槽は、剥離剤がその沸点-10℃以下に維持されるため、耐圧性を有しなくても良い。また、反応槽中に収容され、複数の小片を濾過して反応槽からの取り出しを容易とする濾過容器が付加されても良い。
さらに、撹拌手段として、例えば、蓋体の上方に設けられるモーターと、このモーターに上端が固定され、蓋体を貫通して反応槽の内部に挿入される回動軸と、この回動軸の下端に設けられる撹拌羽根が使用される。
上記構成の塗装プラスチックの塗膜剥離装置においては、第1乃至第5のいずれかの発明と同様の作用を有する。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離装置においては、撹拌手段が剥離剤を撹拌することにより、小片がフィンに衝突し衝撃を受けるため、フィンを備えない場合と比較して、塗膜に対する剥離力が向上する。
また、第7の発明においては、撹拌手段が剥離剤を容器体の中心軸を中心とした渦状に撹拌するとき、遠心力によって容器体の中心軸から内周面に近づくほど剥離剤の液面が上昇する。しかし、上記構成の第8の発明においては、フィンが、一の方向に向かって水平に対し上り勾配となる傾斜面を有して取り付けられていることから、剥離剤の流れ方向が一の方向と逆の方向に向かうよう剥離剤が撹拌される場合に、遠心力による剥離剤の液面上昇が抑制される。第8の発明のこれ以外の作用は、第7の発明の作用と同様である。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離装置においては、第8の発明の作用と同様の作用を有する。
このような構成の塗装プラスチックの塗膜剥離装置においては、第7乃至第9のいずれかの発明の作用に加えて、複数のモーターは、それぞれ対応する回動軸を中心として、いずれも同一の方向に複数の回動軸を回動させることから、これら回動軸を中心としてそれぞれ形成される剥離剤の渦状の流れは、いずれも同一の流れ方向を有する。そのため、剥離剤の複数の流れは、各境界部付近において互いに衝突する。したがって、剥離剤の複数の流れが互いに衝突する位置では、複数の小片に加えられる衝撃が増し、塗膜の剥離が促進される。
また、基材自体の溶解を回避できることから、塗膜剥離後の基材及び剥離剤を容易に回収可能であって、これらを高い回収率で再生することができる。さらに、一価低級アルコールをその沸点-10℃以下に加温することで足りるので、圧力容器等の高価な装置の導入を不要になるとともに、加温工程と撹拌工程における操作を安全に行うことができる。
また、反応槽に濾過容器が設置される場合には、小片を剥離剤に混合又は剥離剤から取り出しをする際の作業が簡単になるので、利便性が高い。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本発明の実施の形態に係る塗装プラスチックの塗膜剥離装置(以下、塗膜剥離装置という。)1は、プラスチック製の基材51の表面が合成樹脂成分を含有する塗膜52で塗装されてなる塗装プラスチック50の塗膜52を、剥離剤53を用いて剥離する剥離装置である。
このうち、破砕手段は、後述するステップS1の破砕工程で使用され、加温手段2,2は、ステップS2の浸漬工程と、ステップS3の加温工程で使用される。また、反応槽3A,3Bは、ステップS2の浸漬工程乃至ステップS4の撹拌工程で使用され、撹拌手段4A,4Bは、ステップS4の撹拌工程で使用される。
剥離剤53は、メタノール、エタノール、プロパノール、1-ブタノールからなる一価低級アルコール群のうち少なくとも1種以上が選択され、基材51と塗膜52の少なくともいずれか一方を膨潤させる。
また、第1の温度T1は、25℃以上、かつ剥離剤53の沸点-10℃以下である。具体的には、上記一価低級アルコール群の沸点は、それぞれ単体でメタノール64.7℃、エタノール78.3℃、1-プロパノール97.2℃、イソプロパノール82.4℃、1-ブタノール117.5℃である。また、剥離剤53が一価低級アルコール群のうちの1種以上からなる混合物である場合には、その混合比率(重量比)に対応して、第1の温度T1の上限値が設定される。
また、反応槽3Aは、円筒形状の側壁5aと、底部5bと、側壁5aの上縁に開口する開口部5cからなる円筒箱形状の容器体5と、この開口部5cを開閉自在に閉止し、剥離剤53の蒸発を防止する半球状の蓋体6を備える。反応槽3Bも、容器体5と、蓋体6を備える。なお、この反応槽3A,3Bは、剥離剤53の最高温度がその沸点-10℃以下に維持されるため、いずれも耐圧性を有しなくても良い。
加えて、反応槽3Aには、開口部5c寄りの側壁5aに、外気に連通する通気部9aを備えるコンデンサー9と、通気部9aの下端と連通する戻し管9bが設けられる。このうち、通気部9aの周囲は、冷却水W(破線斜線部)が循環している。また、戻し管9bの下端は、側壁5aに開口している。
これにより、戻し管9bの内部を上昇してきた剥離剤53の蒸気は冷却水Wによって冷却されて液化し、液化した剥離剤53は、戻し管9bを流下して反応槽3Aへ戻される。このような通気部9aと、戻し管9bと、コンデンサー9は、反応槽3Bにも設けられる。
これ以外にも、塗膜剥離装置1には、容器体5,5の内部に収容され、剥離剤53とともに撹拌された複数の小片50aを濾過して剥離剤53から分離可能な、濾過容器が付加されても良い。
次いで、撹拌部材10によって複数の小片50aを加温された剥離剤53とともに設定された撹拌条件(第1の温度T1、撹拌時間及び回転数)下で撹拌する。これにより、塗膜52と膨潤した基材51、又は基材51と膨潤した塗膜52、又は膨潤した基材51と膨潤した塗膜52を、それぞれ分離させる。これらがそれぞれ十分に分離された場合は、容器体5から基材51と塗膜52を取り出す。さらに、取り出した基材51と塗膜52を乾燥手段(図示せず)によって乾燥し、分別手段(図示せず)によって分別することで、基材51の再生材を回収することができる。
上記の反応槽3Bを使用する場合では、送液管7a,7bとポンプ7を介し、反応槽3Aの容器体5から反応槽3Bの容器体5へ使用した後の剥離剤53を移送する。なお、移送に際し、剥離剤53は、濾過装置8の常時稼働によって不純物が除去される。
また、基材51の溶解及び塗膜52の溶解を回避できることから、塗膜52剥離後の基材51と、塗膜52と、剥離剤53を容易に分別回収可能である。したがって、基材51及び剥離剤53を高い回収率で再生することができる。
加えて、反応槽3A,3Bにはポンプ7と濾過装置8が設けられることから、反応槽3Bをも使用する場合には、反応槽3Aで使用した後の加温された剥離剤53を、反応槽3Bへ滞りなく連続的に送液できる。したがって、送液の手間を軽減し、作業時間と熱エネルギーが無駄にならずに済むので、作業効率と運転コストの抑制が可能である。加えて、反応槽3A,3Bには、それぞれ容器体5,5に、コンデンサー9が備えられるため、剥離剤53の回収効率を一層高めることができる。
塗膜剥離装置1の第1の変形例に係る塗膜剥離装置1aは、反応槽3A,3Bの代わりに、それぞれ反応槽15A,15Bを備える。ここで、反応槽15Bの構成は、反応槽15Aの構成と同様であるため、図示は省略する。ただし、反応槽3Bは、必ずしも反応槽15Bに置換されなくても良い。これ以外の塗膜剥離装置1aの構成は、塗膜剥離装置1の構成と同様である。
複数のフィン16は、それぞれ一の方向αに向かって水平Hに対し角度θ(θ>0度)をなして上り勾配となる傾斜面16aを有して取り付けられる。この角度θは、およそ15度である。そして、各フィン16は、平面視で略鋭角三角形をなす金属製平板であって、その隣辺に相当する端面が、反応槽15Aの容器体5の内周面5dに対し溶接され固着される。これ以外の反応槽15A,15Bの構成は、それぞれ反応槽3A,3Bの構成と同様である。
すると、小片50aがフィン16に衝突し衝撃を受けるため、フィン16を備えない場合と比較して、塗膜52に対する剥離力が向上する。また、塗膜剥離装置1のように、容器体5の内周面5dに複数のフィン16が取り付けられていない場合では、剥離剤53に発生する遠心力によって容器体5の中心軸Yから内周面5dに近づくほど剥離剤53の液面が上昇する。しかし、複数のフィン16が取り付けられ、かつ剥離剤53の流れ方向が方向βに向かう場合には、剥離剤53がフィン16の裏面に衝突する。これにより、剥離剤53の流れ方向が、傾斜面16aの裏面に沿ってやや下側に向かって変化することから(図2(c)矢印参照)、遠心力による剥離剤53の液面上昇が抑制される。これ以外の塗膜剥離装置1aの作用は、塗膜剥離装置1の作用と同様である。
塗膜剥離装置1の第2の変形例に係る塗膜剥離装置1bは、反応槽3A,3B(図1(a)参照)において、容器体5,5のいずれにも収容可能な濾過容器17が付加されたものである。
図3(a)及び図3(b)に示すように、複数のフィン16は、容器体5の内周面5dに設けられる代わりに、容器体5に取り出し可能に収容される濾過容器17の内側面に設けられる。
なお、複数のフィン16は、容器体5の中心軸Yを中心として容器体5の円周方向に沿って均等に8枚配置される。反応槽3Bも、反応槽3Aと同様に、複数のフィン16が、濾過容器17の円周方向に沿って均等に8枚配置される。さらに、複数のフィン16は、複数のリング18bのうち、最上部と最下部以外の2本のリング18bの内側面18cにそれぞれ設けられる。これ以外の塗膜剥離装置1bの構成は、塗膜剥離装置1aの構成と同様である。また、塗膜剥離装置1bの作用及び効果は、塗膜剥離装置1aの作用及び効果と同様である。
撹拌手段20Aは、撹拌部材10a,10bからなる。撹拌部材10a,10bは、それぞれ塗膜剥離装置1の撹拌部材10と同一の構成を備える。したがって、撹拌手段20Aは、2個のモーター11(図1参照)と、2本の回動軸12と、容器体5の内部において高さ位置の異なる2組の撹拌羽根13からなる。また、図示は省略するが、2本の回動軸12は、いずれも2個の軸受14を介し、蓋体6(図1参照)によって保持される。
このうち、2個のモーター11は、それぞれ対応する回動軸12を中心として、いずれも同一の方向に2本の回動軸12を回動させる。これ以外の塗膜剥離装置1cの構成は、塗膜剥離装置1の構成と同様である。
一方、容器体5の内周面5d付近では、剥離剤53の各流れはいずれも同一方向の流れ方向を有し、合流して内周面5dに沿った一つの流れf3を形成する。よって、内周面5dや濾過容器17に複数のフィン16が設けられる場合であっても、このフィン16による剥離剤53の液面上昇防止作用を発揮可能である。
したがって、剥離剤53の複数の流れf1,f2が互いに衝突し、流れ方向が変化する位置では、複数の小片50aに加えられる衝撃が増し、塗膜52の剥離が促進される。これ以外の塗膜剥離装置1cの作用は、塗膜剥離装置1の作用と同様である。
撹拌手段21Aは、撹拌部材10a~10cからなる。撹拌部材10a~10cは、それぞれ塗膜剥離装置1の撹拌部材10と同一の構成を備え、軸受14を介して蓋体6によって保持される。したがって、3個のモーター11は、それぞれ対応する回動軸12を中心として、いずれも同一の方向に3本の回動軸12を回動させる。これ以外の塗膜剥離装置1dの構成は、塗膜剥離装置1の構成と同様である。
したがって、剥離剤53の複数の流れf4~f6が互いに衝突する位置では、塗膜52の剥離が促進されるため、塗膜52が完全に剥離される。よって、塗膜剥離装置1dによれば、高品質の基材51を回収することができる。これ以外の塗膜剥離装置1dの作用及び効果は、塗膜剥離装置1の作用及び効果と同様である。
図5に示すように、本発明の実施の形態に係る塗装プラスチックの塗膜剥離方法(以下、塗膜剥離方法という。)30は、プラスチック製の基材51の表面が合成樹脂成分を含有する塗膜52で塗装されてなる塗装プラスチック50の塗膜52を、剥離剤53を用いて剥離する剥離方法であって、ステップS1の破砕工程と、ステップS2の浸漬工程と、ステップS3の加温工程と、ステップS4の撹拌工程を備える。このうち、ステップS2の浸漬工程は省略されても良い。また、ステップS3の加温工程と、ステップS2の浸漬工程の順序が入れ替わっても良い。
また、剥離剤53は、メタノール、エタノール、プロパノール、1-ブタノールからなる一価低級アルコール群のうち1種以上が選択され、基材51と塗膜52の少なくともいずれか一方を膨潤させる。
このようなサイズの複数の小片50aは、例えば、破砕機によって原料の塗装プラスチック50を破砕し、篩目の大きさが10~100mmを有するスクリーン等によって選別されることで得られる。
本工程においては、ステップS4の撹拌工程で、塗装プラスチック50を剥離剤53内の撹拌を容易にするとともに塗膜52を基材51から分離させ易くなる。
また、第2の温度T2は、後述する第1の温度T1の上限温度以下である。
本工程においては、基材51、又は塗膜52、又は、基材51及び塗膜52が十分に膨潤する。このとき、剥離剤53は、一価低級アルコールであり、かつ25℃以上、剥離剤の沸点-10℃以下に加温されるため、基材51と塗膜52がそれぞれ剥離剤53に完全溶解されることはない。この作用は、ステップS2の浸漬工程においても同様である。
本工程においては、複数の小片50aが剥離剤53とともに撹拌されることによって、複数の小片50aの端面にそれぞれ剥離剤53による剪断力が作用し、塗膜52と膨潤した基材51、又は基材51と膨潤した塗膜52、又は膨潤した基材51と膨潤した塗膜52が、速やかに分離することが期待できる。
ただし、予め設定した撹拌時間が終了した時点において、基材51と塗膜52が十分に分離されていない場合は、例えば、同じ反応槽3Aに収容したまま撹拌時間を延長したり、ステップS2の浸漬工程乃至ステップS4の撹拌工程を繰り返したりしても良い。また、反応槽3Bを追加使用し、ステップS3の加温工程乃至ステップS4の撹拌工程を繰り返しても良い。
塗膜剥離方法30a~30cについて説明すると、まず、塗膜剥離方法30aとは、基材51が、ポリカーボネートを含有せず、ポリオレフィンを主成分とする場合に、剥離剤53は、1-ブタノールであり、第1の温度T1は、70℃以上、かつ剥離剤53の沸点-10℃以下のものである。
また、塗膜剥離方法30bとは、基材51が、ABS樹脂、又はASA樹脂を含有する場合に、剥離剤53は、メタノール、エタノール、又はメタノールとエタノールの混合物のうちから選択されるいずれか1種であり、第1の温度T1は、25℃以上、かつ55℃以下のものである。
さらに、塗膜剥離方法30cとは、基材51が、ポリカーボネート、ポリエステル及びポリウレタンのいずれをも含有しない場合に、剥離剤53は、水酸化ナトリウム水溶液が添加され、剥離剤53の中に含まれる水酸化ナトリウムの濃度が0.01~0.5重量%のものである。
図6に示すように、各実施例の結果は、再生された基材51の外観を目視によって観察し、以下の基準で判定した。
◎:塗膜が基材から完全に剥離した
〇:塗膜が基材にわずかに残存した
△:塗膜が基材にかなり残存した
×:原料(塗装プラスチック)に変化なし
基材のみからなる未塗装のPP材(図示せず)を、1-ブタノールの剥離剤に、第2の温度T2:80℃、浸漬時間:60分の浸漬条件(1)下で浸漬した。その結果、PP材は、膨潤状態となった。そこで、PP材の接触角W、線膨張率Eを求めた。ここで、接触角W(度)とは、静止液体の自由表面が器壁に接する点において液面と器壁のなす角をいう。具体的には、静止液体として水が使用されている。また、線膨張率E(%)は、膨張前の物体の長さaとし、膨張後の物体の長さbとしたときに、[(b-a)/a]×100で算出した。
その結果、PP材の浸漬前及び浸漬後の接触角は、それぞれ99°、91°、ABS材の浸漬前及び浸漬後の接触角は、それぞれ79°、75°となり、いずれも親水性が向上することが確認された。また、線膨張率でPP材が0.9%、ABS材が0.8%膨張したことから、1-ブタノールやエタノールによってPP材及びABS材がそれぞれ膨潤することが確認された。
図8(a)に示すABS(銀塗装)材の塗膜片と、図8(b)及び図8(c)にそれぞれ示すABS材(白塗装)の塗膜片と、図8(d)及び図8(e)にそれぞれ示すPC(ポリカーボネート)-ABS材(パール、赤塗装)の塗膜片と、PPバンパーの塗膜片(図示せず)を、エタノールの剥離剤に、第2の温度T2:25℃、浸漬時間:30分又は60分の浸漬条件下で浸漬した。その結果、ABS(銀塗装)材の塗膜片は、30分の浸漬で膨潤し、軟化した(図示せず)。また、図8(f)に示すように、ABS材(白塗装)の塗膜片は60分の浸漬で塗膜が完全に剥離し、図8(g)に示すように、PC-ABS材(パール、赤塗装)の塗膜片は60分の浸漬で塗膜が膨潤し、爪で削ることができる程度に軟化した。しかし、図8(h)に示すように、PPバンパーの塗膜片は60分の浸漬でも変化が見られなかった。
図9(a)に示すサイズ12mmのA社製PPバンパーの塗膜片200gを、容量が1000mlの圧力容器に貯留した剥離剤メタノール500mlに投入し、メタノールの沸点以上の100℃、撹拌時間:60分、回転数:800rpmで撹拌した。その結果、図9(b)に示すように、塗膜は完全に剥離せず、わずかに基材に残存した。なお、圧力容器は、本実施例のみにおいて使用されている。
図10(a)乃至図10(d)は、それぞれ本発明の実施例4に係る塗装プラスチック原料及び塗膜剥離後の基材の実物写真である。
図10(a)に示すサイズ12mmのA社製PPバンパーの塗膜片200gを、1-ブタノールの剥離剤650mlに投入し、第1の温度T1:80℃、90℃、100℃、撹拌時間:60分、回転数:400rpmで撹拌した。その結果、図10(b)乃至図10(d)にそれぞれ示すように、80℃では塗膜が完全に剥離せずやや基材に残存したが、90℃、100℃では塗膜はほぼ完全に剥離した。
サイズ30mmのB社製PPバンパー(プライマー塗装済、図示せず)の塗膜片200gを、1-ブタノールの剥離剤1200mlに投入し、第1の温度T1:90℃又は100℃、撹拌時間:60分、撹拌手段の250rpmで撹拌した。その結果、図11(a)に示すように、90℃では塗膜が基材にかなり残存し、しかも剥離した塗膜がそのまま基材に付着した。これに対し、図11(b)に示すように、1-ブタノールへ水酸化ナトリウム水溶液を添加し、1-ブタノールの中に含まれる水酸化ナトリウムの濃度を0.5重量%とし、第1の温度T1を100℃に加温した場合では、塗膜が基材にわずかに残存した。
図12(a)に示すサイズ12mmのB社製PPバンパー(プライマー塗装済)の塗膜片300gを、1-ブタノールの剥離剤1400mlに投入し、第2の温度T2:80℃、浸漬時間:5分の浸漬条件下で浸漬した後、第1の温度T1:80℃、撹拌時間:30分及び60分、回転数:850rpmで撹拌した。その結果、図12(b)に示すように、撹拌時間30分では塗膜が基材にかなり残存した。これに対し、図12(c)に示すように、撹拌時間60分では塗膜が基材にわずかに残存した。
図13(a)に示すサイズ12mmのB社製PC-ABS樹脂塗装製品の塗膜片250gを、1-ブタノールの剥離剤600mlに投入し、第1の温度T1:100℃、撹拌時間:60分、回転数:400rpmで撹拌した。その結果、図13(b)に示すように、塗膜が基材から完全に剥離した。ただし、基材の表面は部分溶出して少し白化しており、撹拌後の基材の回収量は約212gであった。これは、1-ブタノールにPCが溶出していることが原因と考えられ、後のIR分析の結果、PCの溶出が確認された。
図14(a)に示すサイズ15~20mのB社製PC-ABS樹脂塗装製品の塗膜片40gを、メタノールの剥離剤650mlに投入し、第1の温度T1:55℃、撹拌時間:60分、回転数:380rpmで撹拌した。その結果、図14(b)に示すように、塗膜が基材から完全に剥離した。樹脂の溶解は確認されなかった。
図15(a)に示すサイズ10mmのB社製ASA樹脂塗装製品の塗膜片240gを、メタノールの剥離剤650mlに投入し、第1の温度T1:50℃、撹拌時間:60分、回転数:370rpmで撹拌した。その結果、図15(b)に示すように、塗膜が基材から完全に剥離した。
図16(a)に示すサイズ15-20mmのA社製PC-ABS樹脂塗装製品の塗膜片150gを、メタノールの剥離剤650mlに投入し、第1の温度T1:55℃、撹拌時間:60分、回転数:450rpmで撹拌した。その結果、図16(b)に示すように、塗膜が基材にかなり残存した。
図17(a)に示すサイズ15-20mmのA社製ABS樹脂塗装製品の塗膜片150gを、メタノールの剥離剤700mlに投入し、第1の温度T1:50℃、撹拌時間:60分、初期回転数:250rpm、その後の回転数:450rpmで撹拌した。その結果、図17(b)に示すように、塗膜が基材から完全に剥離した。ただし、基材の表面は白化した。
図18(a)に示すサイズ30mmのB社製PC-ABS樹脂赤色塗装品の塗膜片300gを、メタノールの剥離剤1000mlに投入し、第1の温度T1:50℃、撹拌時間:20分、回転数:800rpmで撹拌した。その結果、図18(b)に示すように、塗膜が基材にわずかに残存した。
図19(a)に示すサイズ30mmのB社製PC-ABS樹脂白色塗装品の塗膜片300gを、メタノールの剥離剤1400mlに投入し、第2の温度T2:40℃、浸漬時間:5分の浸漬条件下で浸漬した後、第1の温度T1:40℃、撹拌時間:25分、回転数:800rpmで撹拌した。その結果、図19(b)に示すように、塗膜が基材から完全に剥離した。
図20(a)に示すサイズ30mmのB社製ABS樹脂白色塗装品の塗膜片300gを、メタノールの剥離剤1400mlに投入し、第2の温度T2:50℃、浸漬時間:5分の浸漬条件下で浸漬した後、第1の温度T1:50℃、撹拌時間:25分、回転数:800rpmで撹拌した。その結果、図20(b)に示すように、塗膜が基材から完全に剥離し、このとき図20(c)に示すように、塗膜は膨潤して基材から浮き上がった。
図21(a)に示すサイズ30mmのB社製ABS樹脂銀色塗装品の塗膜片300gを、メタノールの剥離剤1400mlに投入し、第2の温度T2:50℃、浸漬時間:5分の浸漬条件下で浸漬した後、第1の温度T1:50℃、撹拌時間:25分、回転数:800rpmで撹拌した。その結果、図21(b)に示すように、銀色のメタリック部分は剥離したが、黒灰色の下地部分は残存した。
次に、実施例3は、従来の圧力容器を使用してメタノールの沸点以上に加温し、撹拌するものであることから、その「〇:塗膜が基材にわずかに残存した」という結果は、従来技術のもたらす効果と考えることができる。
これに対し、図6に示すように、実施例5の上段の結果と、実施例10の上段の結果を除いて、実施例5乃至15の結果は、「〇」、又は、「◎:塗膜が基材から完全に剥離した」となった。
また、実施例7の結果と、実施例14の中・下段の結果と、実施例15の上・中段の結果では、それぞれ基材51が一部溶解したものの、これら以外に基材51の溶解は見られない。したがって、塗膜剥離方法30,30a~30cによれば、基材51と塗膜52の少なくともいずれか一方を剥離剤53に溶解させることなく膨潤させ、従来技術よりも効率的に基材51と塗膜52を分離可能であることが実証された。
そして、塗膜剥離方法30cによれば、実施例5,6の結果に示されるように、水酸化ナトリウム水溶液が添加されないよりも、添加された方が塗膜52が基材51から剥離され易い傾向となった。また、従来技術では、PPを主成分とする基材にプライマー塗装が施されている場合には、塗膜を十分に剥離できないという課題があったが、実施例5の下段及び実施例6にそれぞれ示されるように、塗膜が基材にわずかに残存、又は塗膜が基材から完全に剥離する結果になったため、このような課題をほぼ解決することができた。
また、本発明に係る塗膜剥離方法30,30a~30cは、本実施例に示すものに限定されない。例えば、ステップS2の浸漬工程における第2の温度T2と、ステップS3の加温工程における第1の温度T1は、第2の温度T2が第1の温度T1の上限温度以下である限り、異なる温度であっても良い。
1a…塗膜剥離装置
1b…塗膜剥離装置
1c…塗膜剥離装置
1d…塗膜剥離装置
2…加温手段
3A…反応槽
3B…反応槽
4A…撹拌手段
4B…撹拌手段
5…容器体
5a…側壁
5b…底部
5c…開口部
5d…内周面
6…蓋体
7…ポンプ
7a…送液管
7b…送液管
8…濾過装置
8a…送液管
8b…送液管
9…コンデンサー
9a…通気部
9b…戻し管
10…撹拌部材
10a…撹拌部材
10b…撹拌部材
10c…撹拌部材
11…モーター
12…回動軸
12a…上端
12b…下端
13…撹拌羽根
14…軸受
15A…反応槽
15B…反応槽
16…フィン
16a…傾斜面
17…濾過容器
18…枠体
18a…バー
18b…リング
18c…内側面
19…濾過材
20A…撹拌手段
21A…撹拌手段
30…塗膜剥離方法
30a…塗膜剥離方法
30b…塗膜剥離方法
30c…塗膜剥離方法
50…塗装プラスチック
50a…小片
51…基材
52…塗膜
53…剥離剤
Claims (10)
- プラスチック製の基材(51)の表面が合成樹脂成分を含有する塗膜(52)で塗装されてなる塗装プラスチック(50)の前記塗膜(52)を、剥離剤(53)を用いて剥離する剥離方法であって、
前記塗装プラスチック(50)を複数の小片(50a)に破砕する破砕工程(S1)と、
前記剥離剤(53)を第1の温度に加温する加温工程(S3)と、
複数の前記小片(50a)を加温された前記剥離剤(53)とともに撹拌する撹拌工程(S4)を備え、
前記剥離剤(53)は、メタノール、エタノール、プロパノール、1-ブタノールからなる一価低級アルコール群のうち1種以上が選択され、前記基材(51)と前記塗膜(52)の少なくともいずれか一方を膨潤させ、
前記第1の温度は、25℃以上、かつ前記剥離剤(53)の沸点-10℃以下であり、
前記撹拌工程(S4)の前に、複数の前記小片(50a)を第2の温度に加温された前記剥離剤(53)に浸漬する浸漬工程(S2)を備え、
前記第2の温度は、前記第1の温度の上限温度以下であることを特徴とする塗装プラスチックの塗膜剥離方法(30)。 - (削除)
- 前記基材(51)が、ポリカーボネートを含有せず、ポリオレフィンを主成分とする場合に、
前記剥離剤(53)は、前記1-ブタノールであり、
前記第1の温度は、70℃以上、かつ前記剥離剤(53)の沸点-10℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗装プラスチックの塗膜剥離方法(30a)。 - 前記基材(51)が、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、又はアクリロニトリル-アクリルスチレン樹脂を含有する場合に、
前記剥離剤(53)は、前記メタノール、前記エタノール、又は前記メタノールと前記エタノールの混合物のうちから選択されるいずれか1種であり、
前記第1の温度は、25℃以上、かつ55℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗装プラスチックの塗膜剥離方法(30b)。 - 前記基材(51)が、ポリカーボネート、ポリエステル及びポリウレタンのいずれをも含有しない場合に、
前記剥離剤(53)は、水酸化ナトリウム水溶液が添加され、前記剥離剤(53)の中に含まれる水酸化ナトリウムの濃度が0.01~0.5重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求項4に記載の塗装プラスチックの塗膜剥離方法(30c)。 - 複数の前記小片(50a)は、最大サイズが10~100mmであることを特徴とする請求項1、又は、請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の塗装プラスチックの塗膜剥離方法(30,30a~30c)。
- プラスチック製の基材(51)の表面が合成樹脂成分を含有する塗膜(52)で塗装されてなる塗装プラスチック(50)の前記塗膜(52)を、剥離剤(53)を用いて剥離する剥離装置であって、
前記塗装プラスチック(50)を複数の小片(50a)に破砕する破砕手段と、
前記剥離剤(53)を第1の温度に加温する加温手段(2)と、
加温された前記剥離剤(53)を貯留する反応槽(3A,3B)と、
この反応槽(3A,3B)の内部に設置され、複数の前記小片(50a)を加温された前記剥離剤(53)とともに撹拌する撹拌手段(4A,4B)を備え、
前記剥離剤(53)は、メタノール、エタノール、プロパノール、1-ブタノールからなる一価低級アルコール群のうち少なくとも1種以上が選択され、前記基材(51)と前記塗膜(52)の少なくともいずれか一方を膨潤させ、
前記第1の温度は、25℃以上、かつ前記剥離剤(53)の沸点-10℃以下であり、
前記反応槽(15A,15B)は、円筒箱形状の容器体(5)と、前記容器体(5)の内周面(5d)に設けられるフィン(16)を備え、
前記フィン(16)は、一の方向(α)に向かって水平に対し上り勾配となる傾斜面(16a)を有して取り付けられ、
前記撹拌手段(4A,4B)は、前記剥離剤(53)の流れ方向が前記一の方向(α)と逆の方向(β)に向かうように、前記剥離剤(53)を前記容器体(5)の中心軸(Y)を中心とした渦状に撹拌することを特徴とする塗装プラスチックの塗膜剥離装置(1a)。 - (削除)
- 前記フィン(16)は、前記容器体(5)の前記内周面(5d)に設けられる代わりに、前記容器体(5)に取り出し可能に収容される濾過容器(17)の内側面に設けられ、
前記濾過容器(17)は、少なくともその一部に、前記剥離剤(53)とともに撹拌された複数の前記小片(50a)を濾過して前記剥離剤(53)から分離可能な濾過材(19)を備えることを特徴とする請求項7に記載の塗装プラスチックの塗膜剥離装置(1b)。 - 前記撹拌手段(20A,21A)は、複数の撹拌部材(10a~10b,10a~10c)を備え、
複数の前記撹拌部材(10a~10c)は、それぞれ前記反応槽(3A,3B)の蓋体(6)の上方に設けられるモーター(11)と、このモーター(11)に上端が固定され、前記蓋体(6)を貫通して前記反応槽(3A,3B)の前記内部に挿入される回動軸(12)と、この回動軸(12)の下端に設けられる撹拌羽根(13)を備え、
複数の前記モーター(11)は、それぞれ対応する前記回動軸(12)を中心として、いずれも同一の方向に複数の前記回動軸(12)を回動させることを特徴とする請求項7又は請求項9に記載の塗装プラスチックの塗膜剥離装置(1c,1d)。
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