JP7107580B2 - 配電網の早期故障の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配電網の早期故障検出の技術分野に関し、特に配電網の早期故障の検出方法に関する。
配電網にとって最も重要な評価指標は給電信頼性である。配電網機器の数が多く、領域が広いため、その運用・保守作業は主に、例えば故障箇所の特定、故障分離、故障回復のような故障後の処理に重点が置かれている。しかし、国家及び売電市場の給電信頼性に対する要求の向上に伴い、配電網の故障処理作業は、故障後の復電に注意を払うだけでなく、故障前の機器警報にも注意を払うべきであり、故障処理の作業方式を「事後応急修理巡検」から「事前警報能動処理」に変換させ、永久故障が発生する前に消滅させ、機器故障による停電事故の発生確率を大幅に低下させる。
機器が故障する前に、早期故障と呼ばれる異常の予兆信号がしばしば発生する。早期故障検出は電力状態検出方式の1つとして、配電網の運用・保守に新たな考え方を提供し、欠陥機器を事前に交換することを可能にし、給電信頼性を向上させる。同時に運用・保守の作業負荷を軽減させ、コストを節約する。
早期故障は一般的に持続時間が短く、繰り返し発生する。このような自己回復故障はアークを伴うことが多く、絶縁体や導体に損傷を与える可能性がある。さらに、絶縁体が損傷されるとより多くの故障を引き起こしてしまう。したがって、このような故障は永久故障に発展するまで繰り返し発生する場合が多い。早期故障の原因は機器の種類に関連している。ケーブルの場合、絶縁劣化は早期故障の主な原因となる。架空線の場合、例えば風吹き、動物と電線との接触、枝と電線との接触などの様々な非電力要因は早期故障の原因となる傾向がある。他の電力機器の場合、絶縁欠陥及び接触不良も早期故障を引き起こす。
早期故障検出は主にモデル駆動とデータ駆動の2種類に分けられるが、モデル駆動は単一のモデルに限定され、複雑な実際の状況に適応できないことが多いため、データ駆動の方法がよく採用されている。従来のデータ駆動方法では、大量のデータを必要とし、個別のシナリオにしか対応できないため、改善の余地がある。ヒューマノイド概念学習とは人間が波形を観察する過程を類比して波形を分解し、分解結果から波形の生成過程を再構築し、この過程を学習することで波形の認識を実現することである。しかしながら、如何にヒューマノイド概念学習を配電網の早期故障診断に適用するかは本分野で解決されるべき問題である。
本発明と類似する技術の説明又は報告は見いだされておらず、国内外で類似するデータもまだ収集されていない。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決するために、ヒューマノイド概念学習に関連する理論及び方法を配電網の早期故障診断に導入し、理論解析によって配電網の早期故障検出に対する配電網の早期故障の検出方法を提案し、且つ方法の合理性を検証することである。ヒューマノイド概念学習とは人間が波形を認識する過程をシミュレーションし、波形を異なる成分の重畳に分解し、成分及び成分間の時間的関係を学習することによって波形認識を実行することである。本発明の提供する配電網の早期故障の検出方法は、従来のアルゴリズムに比べて、事前知識を導入でき、必要とされるサンプルが少なく、正確率が高いなどの特徴を有する。
本発明は以下の技術的解決手段によって実現される。
電網の早期故障の検出方法であって、
ウェーブレット変換を用いて波形を近似形状素元と呼ばれる近似部分と歪み素元と呼ばれる詳細部分に分解するステップS1と、
極値点に基づいて歪み素元を高調波、パルス及び他の歪みという3つの素元に分割するステップS2と、
素元の特徴及び素元間の時間関係を抽出するステップS3と、
素元の特徴及び素元間の時間関係に基づいて波形の確率分布を構築するステップS4と、
種類の異なる波形の確率分布に基づいて波形の判断結果を得るステップS5と、を含む。
好ましくは、前記ステップS1では、ウェーブレット変換関数として5層Meyer関数を選択し、近似形状がa係数を取り、歪みが元の波形とa係数との差を取る。
好ましくは、前記ステップS2では、歪みを分解し、歪み曲線における極値点に基づいて曲線を複数のセグメントに分割し、各セグメントと隣接するセグメントを組み合わせ、パルス、高調波及び他の歪みという3つの素元を構成する。
好ましくは、各セグメントと隣接するセグメントを組み合わせる規則としては、
-隣接するセグメントの単調性が逆であり、振幅と時間長との差が0.8倍から1.2倍であり且つこのようなセグメントが3つ以上存在する場合、高調波を構成し、
-隣接する2つのセグメントの単調性が逆であり、振幅が閾値を超え、時間長が閾値より小さい場合、パルスを構成し、
-高調波やパルスを構成できないセグメントが他の歪みである。
好ましくは、振幅閾値が0.5倍の基本波振幅に設定され、時間長閾値が0.25倍の基本波サイクルに設定される。
好ましくは、前記ステップS3では、素元の特徴抽出原則としては、
近似形状zの場合、各サイクルの振幅A、時間長T及び直流成分Aoftを抽出し、高調波zの場合、振幅A、周波数f及び総時間長tを抽出し、パルスzの場合、振幅A、パルス幅tを抽出し、他の歪みzotherの場合、特徴を抽出しない。
好ましくは、前記ステップS3では、素元間の時間関係は近似形状と歪みとの間の時間関係及び歪みと歪みとの間の時間関係を含み、ただし、
前記近似形状と歪みとの間の時間関係は相対的基本波位置Pと呼ばれ、相対的基本波位置Pは近似形状における歪みの初期時刻の位置を表し、この位置は位相角で表され、
歪みと歪みとの間の時間関係は、
-隣接する2つの歪みの間の時間間隔を表す間隔時間tintと、
-同相電圧又は電流波形において初期時刻が同じであるか又は近似する2つの歪みを表す単相素元対PPuniと、
-三相電圧又は電流波形において初期時刻が同じであるか又は近似する3つの歪みを表す三相素元対PPtriと、を含む。
好ましくは、前記近似形状と歪みとの間の時間関係及び歪みと歪みとの間の時間関係では、他の歪みに関係する時間関係を無視する。
好ましくは、前記ステップS4では、構築された波形の確率分布式は、
Figure 0007107580000001
であり、
ここで、θ は未知波形の例であり、ψは既知波形の種類であり、ノイズは正規分布S~N(μ,σ)に従い、素元数はκであり、素元のタイプはz={z,z,z,zother}であり、素元の特徴パラメータはPであり、素元間の時間関係はRであり、
配電網異常イベントに記録された三相電流に基づき、加算して中性点電流を得て、種類の異なる波形(I,I,I,I,U,U,U)を7つ生成し、得られた種類の異なる波形における異常イベントの確率分布式は、
Figure 0007107580000002
であり、
ここで、θ は未知イベントの例であり、ψは既知イベントの種類であり、波形w={I,I,I,I,U,U,U}である。
好ましくは、前記ステップS5では、種類の異なる波形における異常イベントの確率分布に基づき、異常イベントの種類を判断し、即ち種類の異なる波形におけるP(θ |ψ)の大きさを比較し、最大値に対応する波形の種類を取り、波形の判断結果を得る。
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
本発明の提供する配電網の早期故障の検出方法は、ヒューマノイド概念学習に関連する理論及び方法を配電網の早期故障検出に導入し、理論解析によって配電網の早期故障に対する検出アルゴリズムを提供し、且つ方法の合理性を検証する。電圧、電流波形は、視覚的概念の1つとして、近似形状と様々な歪みに分解され、各成分の確率分布を計算することで、波形全体の確率分布を求め、これにより波形の種類を判断できる。本発明の提供する配電網の早期故障の検出方法は、必要とされるデータ量及び正確性の面で従来の検出より大幅に優れ、配電網の早期故障の検出処理に重要な意味を有する。
以下の図面を参照して非限定的な実施例を詳しく説明することを通じて、本発明のその他の特徴、目的及び利点はさらに明らかになる。
本発明の一実施例による波形分解模式図である。 本発明の一実施例による歪み分解模式図である。 本発明の一実施例による素元間の時間関係定義の模式図であり、ただし、(a)は近似形状と歪みとの間の時間関係定義の模式図であり、(b)は歪みと歪みとの間の時間関係定義の模式図である。 本発明の一実施例による波形生成過程の模式図である。 本発明の一実施例による配電網の早期故障の検出方法の作業フローチャートである。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本実施例は、本発明の技術的解決手段を基にして実施され、詳細な実施形態及び具体的な操作過程が示される。なお、当業者であれば、本発明の概念から逸脱することなく、さらにいくつかの変形及び改良が可能であるが、それらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
(実施例)
図5に示すように、本実施例は、配電網の早期故障の検出方法を提供し、
ウェーブレット変換を用いて波形を近似形状素元と呼ばれる近似部分と歪み素元と呼ばれる詳細部分に分解するステップS1と、
極値点に基づいて歪み(詳細部分)を高調波、パルス及び他の歪みという3つの素元に分割するステップS2と、
素元の特徴及び素元間の時間関係を抽出するステップS3と、
素元の特徴及び素元間の時間関係に基づいて波形の確率分布を構築するステップS4と、
種類の異なる波形の確率分布に基づいて波形の判断結果を得るステップS5と、を含む。
以下、図面を参照しながら、本発明の上記実施例の技術的解決手段についてさらに詳細に説明する。
図1に示すように、元の波形に対してウェーブレット分解を行う波形分解模式図であり、ウェーブレット関数が5層Meyer関数を選択し、近似形状がa係数を取り、歪みが元の波形とa係数との差を取り、図1に示す分解結果を得る。図2に示すステップ1のように、図1における歪み(詳細部分)に対して続いて分解を行い、歪み曲線における極値点に基づいて曲線をセグメントに分割し、図2に示すステップ2のように、各セグメントを周囲のセグメントと組み合わせ、パルス、高調波、他の歪みという3つの素元を構成する。組み合わせ規則としては、1)隣接するセグメントの単調性が逆であり、振幅と時間長との差が小さく、且つ3つのセグメント以上が存在すると、高調波を構成する(図2に示す1、2、3、4セグメントの組み合わせ)。2)隣接する2つのセグメントの単調性が逆であり、振幅が閾値を超え(ここでは0.5倍の基本波振幅に設定される)、時間長が閾値より小さいと(ここでは0.25倍の基本波サイクルに設定される)、パルスを構成する(図2に示す5、6セグメントの組み合わせ)。3)高調波やパルスを構成できないセグメントは他の歪みと呼ばれる(図2に示す7、8セグメント)。ここでは、近似形状、高調波、パルス、他の歪みを総称して素元と呼ぶ。
素元の特徴抽出原則としては、近似形状zの場合、各サイクルの振幅A、時間長T及び直流成分Aoftを抽出し、高調波zの場合、振幅A、周波数f及び総時間長tを抽出し、パルスzの場合、振幅A、パルス幅tを抽出し、他の歪みzotherの場合、zotherが早期故障とはほとんど関係がないため、その特徴を抽出しない。素元間は同様に時間関係が存在し、素元は近似形状及び歪み(高調波、パルス、他の歪み)という2種類に分けることができ、素元間の時間関係は近似形状と歪みとの時間関係及び歪みと歪みとの時間関係に分けることができる。同様に、zotherに関連する時間関係については説明を省略する。近似形状と歪み素元との間の時間関係は相対的基本波位置Pと呼ばれ、Pは近似形状における歪み素元の初期時刻の位置を表し、この位置は位相角で表される。歪み素元の間の時間関係は、間隔時間tint、単相素元対PPuni及び三相素元対PPtriが挙げられる。間隔時間tintは隣接する2つの歪み素元の間の時間間隔を表す。単相素元対PPuniは同相電圧、電流波形において初期時刻が同じであるか/近似する2つの歪み素元を表す。三相素元対PPtriは三相電圧/電流波形において初期時刻が同じであるか/近似する3つの歪み素元を表す。PPuni及びPPtriは相関関係を表し、ここでnunit、ntriでそれぞれ両者の数を示している。以上の時間関係の模式図は図3(a)及び(b)に示される。
ここまでは、1つの波形が以上の素元の組み合わせに一意に分解され、且つ素元特徴、時間関係はこの組み合わせを説明するために用いられる。次に、上記分解に基づいて図4に示す波形の生成過程を提供する。この過程は以下のように説明される。まず素元ライブラリにいくつかの素元(素元の種類が4であり、各種の素元の数が任意である)を選定し、各素元がそれぞれの特徴パラメータを有する。これらの素元を順番に波形に組み合わせ、これらの順番は素元間の時間関係を構成する。以上は種類階層に属する。波形の種類は、故障原因、故障機器、故障箇所によって決まる。実際には、同じ種類の波形は回線パラメータ、ネットワーク構造、負荷状況、センサパラメータ、ノイズなどの影響を受け、異なる例として表現される。素元に表現すると、素元の特徴パラメータ及び時間関係はある程度変化し、同時にノイズを導入する。以上は例階層に属する。
以上の生成過程に基づき、波形の確率分布式を導出できる。
Figure 0007107580000003
ここで、θ は未知波形の例であり、ψは既知波形の種類であり、ノイズは正規分布S~N(μ,σ)に従い、素元数はκであり、素元のタイプはz={z,z,z,zother}であり、素元の特徴パラメータはPであり、素元間の時間関係Rである。
配電網の1つの異常イベントに対し、それに対応する三相電圧、三相電流が記録されることが多く、三相電流を加算して中性点電流を得て、このようにして種類の異なる波形(I,I,I,I,U,U,U)を7つ生成する。したがって、種類の異なる波形における1つの異常イベントの確率分布式は、
Figure 0007107580000004
であり、
ここで、θ は未知イベントの例であり、ψは既知イベントの種類であり、波形w={I,I,I,I,U,U,U}である。
種類の異なる波形における異常イベントの確率分布に基づき、異常イベントの種類を判断でき、即ち種類の異なる波形におけるP(θ |ψ)の大きさを比較し、最大値に対応する波形の種類を取る。
100個の既知サンプルを取ってトレーニングを行い、イベント種類はそれぞれ単相単サイクル早期故障、単相多サイクル早期故障、相間短絡早期故障、仮故障過渡的外乱、及び永久故障(それぞれ1、2、3、4、5と番号付けられる)である。別の200個の未知サンプルを用いて試験を行い、実験結果を表1に示す。本発明の上記実施例が提供する配電網の早期故障の検出方法は、正確率が非常に高く、且つ必要とされるデータ量が比較的少ないことが分かる。
Figure 0007107580000005
以上は、本発明の具体的な実施例について説明した。なお、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば特許請求の範囲内で様々な変形や変更を行うことができ、それらは本発明の実質的な内容に影響を及ぼさない。
(付記)
(付記1)
ヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法であって、
ウェーブレット変換を用いて波形を近似形状素元と呼ばれる近似部分と歪み素元と呼ばれる詳細部分に分解するステップS1と、
極値点に基づいて歪み素元を高調波、パルス及び他の歪みという3つの素元に分割するステップS2と、
素元の特徴及び素元間の時間関係を抽出するステップS3と、
素元の特徴及び素元間の時間関係に基づいて波形の確率分布を構築するステップS4と、
種類の異なる波形の確率分布に基づいて波形の判断結果を得るステップS5と、を含むことを特徴とするヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記2)
前記ステップS1では、ウェーブレット変換関数として5層Meyer関数を選択し、近似形状がa係数を取り、歪みが元の波形とa係数との差を取ることを特徴とする付記1に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記3)
前記ステップS2では、歪みを分解し、歪み曲線における極値点に基づいて曲線を複数のセグメントに分割し、各セグメントと隣接するセグメントを組み合わせ、パルス、高調波及び他の歪みという3つの素元を構成することを特徴とする付記1に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記4)
各セグメントと隣接するセグメントを組み合わせる規則としては、
隣接するセグメントの単調性が逆であり、振幅と時間長との差が0.8倍から1.2倍であり且つこのようなセグメントが3つ以上存在する場合、高調波を構成し、
隣接する2つのセグメントの単調性が逆であり、振幅が閾値を超え、時間長が閾値より小さい場合、パルスを構成し、
高調波やパルスを構成できないセグメントが他の歪みであることを特徴とする付記3に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記5)
振幅閾値が0.5倍の基本波振幅に設定され、時間長閾値が0.25倍の基本波サイクルに設定されることを特徴とする付記4に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記6)
前記ステップS3では、素元の特徴抽出原則としては、
近似形状zの場合、各サイクルの振幅A、時間長T及び直流成分Aoftを抽出し、高調波zの場合、振幅A、周波数f及び総時間長tを抽出し、パルスzの場合、振幅A、パルス幅tを抽出し、他の歪みzotherの場合、特徴を抽出しないことを特徴とする付記1に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記7)
前記ステップS3では、素元間の時間関係は近似形状と歪みとの間の時間関係及び歪みと歪みとの間の時間関係を含み、ただし、
前記近似形状と歪みとの間の時間関係は相対的基本波位置Pと呼ばれ、相対的基本波位置Pは近似形状における歪みの初期時刻の位置を表し、この位置は位相角で表され、
歪みと歪みとの間の時間関係は、
隣接する2つの歪みの間の時間間隔を表す間隔時間tintと、
同相電圧又は電流波形において初期時刻が同じであるか又は近似する2つの歪みを表す単相素元対PPuniと、
三相電圧又は電流波形において初期時刻が同じであるか又は近似する3つの歪みを表す三相素元対PPtriと、を含むことを特徴とする付記1に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記8)
前記近似形状と歪みとの間の時間関係及び歪みと歪みとの間の時間関係では、他の歪みに関係する時間関係を無視することを特徴とする付記7に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記9)
前記ステップS4では、構築された波形の確率分布式は、
Figure 0007107580000006
であり、
ここで、θ は未知波形の例であり、ψは既知波形の種類であり、ノイズは正規分布S~N(μ,σ)に従い、素元数はκであり、素元のタイプはz={z,z,z,zother}であり、素元の特徴パラメータはPであり、素元間の時間関係はRであり、
配電網異常イベントに記録された三相電流に基づき、加算して中性点電流を得て、種類の異なる波形(I,I,I,I,U,U,U)を7つ生成し、得られた種類の異なる波形における異常イベントの確率分布式は、
Figure 0007107580000007
であり、
ここで、θ は未知イベントの例であり、ψは既知イベントの種類であり、波形w={I,I,I,I,U,U,U}であることを特徴とする付記1に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。
(付記10)
前記ステップS5では、種類の異なる波形における異常イベントの確率分布に基づき、異常イベントの種類を判断し、即ち種類の異なる波形におけるP(θ |ψ)の大きさを比較し、最大値に対応する波形の種類を取り、波形の判断結果を得ることを特徴とする付記9に記載のヒューマノイド概念学習に基づく配電網の早期故障の検出方法。

Claims (5)

  1. 配電網の早期故障の検出方法であって、
    ウェーブレット変換を用いて配電網の三相電圧又は電流波形である波形を近似形状素元と呼ばれる近似部分と歪み素元と呼ばれる詳細部分に分解するステップS1と、
    前記詳細部分の極値点に基づいて歪み素元を高調波、パルス及び他の歪みという3つの素元に分割するステップS2と、
    素元の特徴及び素元間の時間関係を抽出するステップS3と、
    素元の特徴及び素元間の時間関係に基づいて前記波形の確率分布を構築するステップS4と、
    イベントの種類の異なる波形における異常イベントの確率分布に基づいて異常イベントの種類を判断し前記波形を得るステップS5と、を含み、
    前記ステップS3では、前記素元の特徴抽出原則として、前記近似形状素元の場合、各サイクルの振幅、時間長及び直流成分を抽出し、前記高調波の場合、振幅、周波数及び総時間長を抽出し、前記パルスの場合、振幅及びパルス幅を抽出し、前記他の歪みの場合、特徴を抽出せず、
    前記ステップS3では、素元間の時間関係は前記近似形状素元と前記歪み素元との間の時間関係及び前記歪み素元と前記歪み素元との間の時間関係を含み、ただし、
    前記近似形状素元と前記歪み素元との間の時間関係は相対的基本波位置Pと呼ばれ、相対的基本波位置Pは前記近似形状素元における前記歪み素元の初期時刻の位置を表し、この位置は位相角で表され、
    前記歪み素元と前記歪み素元との間の時間関係は、
    隣接する2つの前記歪み素元の間の時間間隔を表す間隔時間tintと、
    一の相の電圧又は電流波形において初期時刻が同じである2つの前記歪み素元を表す単相素元対PPuniと、
    三相電圧又は電流波形において初期時刻が同じである3つの前記歪み素元を表す三相素元対PPtriと、を含み、
    前記ステップS4では、構築された波形の確率分布式は、
    Figure 0007107580000008
    であり、
    ここで、θ は未知波形であり、ψは既知波形の種類であり、ノイズは正規分布S~N(μ,σ)に従い、素元数はκであり、素元のタイプはz={z,z,z,zother}={(前記近似形状素元),(前記高調波),(前記パルス),(前記他の歪み)}であり、素元の特徴パラメータはPであり、素元間の時間関係はRであり、
    前記素元の特徴パラメータは、素元の振幅、時間長、直流成分、周波数、総時間長、及びパルス幅の少なくとも一つを含み、
    配電網異常イベントに記録された三相電流に基づき、加算して中性点電流を得て、種類の異なる波形(I,I,I,I,U,U,U)を7つ生成し、得られた種類の異なる波形における異常イベントの確率分布式は、
    Figure 0007107580000009
    であり、
    ここで、θ は未知イベントの例であり、ψは既知イベントの種類であり、波形w={I,I,I,I,U,U,U}である、
    ことを特徴とする配電網の早期故障の検出方法。
  2. 前記ステップS2では、前記歪み素元の曲線を前記曲線における極値点に基づいて複数のセグメントに分割し、各セグメントと隣接するセグメントを組み合わせ、パルス、高調波及び他の歪みという3つの素元を構成し、
    各セグメントと隣接するセグメントを組み合わせる規則としては、
    隣接するセグメントの単調性が逆であり、振幅の比と時間長の比とがそれぞれ0.8倍から1.2倍の範囲であり且つこのようなセグメントが3つ以上存在する場合、前記高調波を構成し、
    隣接する2つのセグメントの単調性が逆であり、それぞれの振幅が振幅閾値を超え、それぞれの時間長が時間長閾値より小さい場合、前記パルスを構成し、
    高調波やパルスを構成できないセグメントが前記他の歪みであることを特徴とする請求項1に記載の配電網の早期故障の検出方法。
  3. 前記振幅閾値が基本波振幅の0.5倍に設定され、前記時間長閾値が基本波サイクルの0.25倍に設定されることを特徴とする請求項に記載の配電網の早期故障の検出方法。
  4. 前記近似形状素元と前記歪み素元との間の時間関係及び前記歪み素元と前記歪み素元との間の時間関係では、他の歪みに関係する時間関係を無視することを特徴とする請求項1に記載の配電網の早期故障の検出方法。
  5. 前記ステップS5では、前記種類の異なる波形における異常イベントの確率分布に基づき、異常イベントの種類を判断し、即ちイベントの種類の異なる波形におけるP(θ |ψ)の大きさを比較し、最大値に対応する波形の種類を取り、波形を得ることを特徴とする請求項1に記載の配電網の早期故障の検出方法。
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