JP7103969B2 - 無線装置 - Google Patents
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Description
従来、列車に搭載され、列車無線システムで用いられる無線装置があった。
列車無線システムの概略構成について図3を用いて説明する。図3は、列車無線システムの概略構成を示す説明図である。
図3に示すように、列車無線システムは、地上制御装置(指令局)61と、沿線に配置された基地局62と、列車に搭載された移動局である無線装置63とを備えている。
基地局62は、無線システムの基地局装置であり、移動局である無線装置63と無線通信を行い、地上制御装置61と有線で通信を行う。
無線装置63は、基地局62を介して地上制御装置61からの制御情報を受信して、車上の制御装置(図示せず)に出力し、制御装置が当該制御情報に対応した制御を行う。
また、無線装置63は、例えば、地上制御装置61からの制御情報に対する応答や、列車で検出した位置情報、速度情報等を地上制御装置61に送信する。
従来の無線装置について図4を用いて説明する。図4は、従来の無線装置の概略構成図である。
図4に示すように、従来の無線装置は、無線機10,20と、分配合成器30,40と、アンテナユニット50,60とを備えている。
無線機の選択は、例えば、現用の無線機に不具合が発生した場合に他方(予備)の無線機に切り替えるようにしている。尚、切替制御は制御装置によって行われるが、図4では記載していない。
一般的には、分配合成器30は、送信時には、無線機10及び無線機20から入出力端子30a,30bを介して入力された水平偏波を合成して入出力端子30cからアンテナユニット50に出力する。
但し、送信時は無線機10もしくは無線機20のどちらか一方からの送信となるため、無線機10もしくは無線機20のどちらか一方からの送信信号と他方の無信号(実質的には熱雑音)を合成することになる。
受信時には、入出力端子30cからの水平偏波を分配して、入出力端子30a,30bを介して無線機10及び20に出力する。
分配合成器40は、送信時には、無線機10及び無線機20から入出力端子40a,40bを介して入力された垂直偏波を合成して入出力端子40cからアンテナユニット60に出力する。
但し、送信時は無線機10もしくは無線機20のどちらか一方からの送信となるため、無線機10もしくは無線機20のどちらか一方からの送信信号と他方の無信号(実質的には熱雑音)を合成することになる。
受信時には、入出力端子40cからの垂直偏波を分配して、入出力端子40a,40bを介して無線機10及び20に出力する。
現用機と予備機が切り替えられた場合には、切替スイッチは、無線機20に接続する入出力端子30bと入出力端子30cとを接続して、水平偏波の入出力を行う。
現用機と予備機が切り替えられた場合には、切替スイッチは、無線機20に接続する入出力端子40bと入出力端子40cとを接続して、垂直偏波の入出力を行う。
アンテナユニット60は、給電点60aと、垂直偏波用のアンテナ60cを備えている。
そして、送信時には、分配合成器(もしくは切替スイッチ)30から給電点50aを介して入力される水平偏波をアンテナ50cから放射し、分配合成器(もしくは切替スイッチ)40から給電点60aを介して入力される垂直偏波をアンテナ60cから放射する。
また、受信時には、アンテナ50cで受信した水平偏波を給電点50aから分配合成器(もしくは切替スイッチ)30に出力し、アンテナ60cで受信した垂直偏波を給電点60aから分配合成器(もしくは切替スイッチ)40に出力する。
尚、列車無線システムに関する従来技術としては、特開2009-67375号公報「列車制御システム」(特許文献1)、特開2012-90328号公報「無線制御方法及び無線制御システム」(特許文献2)がある。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る無線装置(本無線装置)は、水平偏波と垂直偏波を送受信する第1及び第2の無線機と、水平偏波と垂直偏波を送受信する第1及び第2のアンテナユニットとを備え、第1の無線機の水平偏波を入出力する第1の端子が、第1のアンテナユニットの水平偏波の給電点に接続され、第1の無線機の垂直偏波を入出力する第2の端子が、第2のアンテナユニットの垂直偏波の給電点に接続され、第2の無線機の水平偏波を入出力する第1の端子が、第2のアンテナユニットの水平偏波の給電点に接続され、第2の無線機の垂直偏波を入出力する第2の端子が、第1のアンテナユニットの垂直偏波の給電点に接続され、制御部が、各無線機の状態に応じて現用機と予備機とを切り替えるものであり、分配合成器や切替スイッチを用いずに無線機の冗長化を実現し、電力損失を抑えると共に、通信環境に応じて無線機の切り替えを可能とし、通信品質を向上させることができるものである。
本無線装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本無線装置の概略構成を示す説明図である。
尚、以下の実施の形態では、本無線装置を図3に示した列車無線システムに用いた場合を例として説明するが、これに限るものではなく、他の無線システムにも適用可能である。
図1に示すように、本無線装置は、無線機1,2と、アンテナユニット3,4と、制御部5とを備えている。
2つのアンテナユニット3,4を用いることで、分配合成器や切替スイッチを不要として、電力損失を抑えることができるものである。
無線機1,2は、従来と同様に、水平偏波(H)と垂直偏波(V)の両方を送受信する無線機であり、制御部5によって選択された一方が現用機として動作し、他方が予備機となっている。ここでは、無線機1を現用機として説明する。
無線機1は、水平偏波用アンテナ接続端子1aと、垂直偏波用アンテナ接続端子1bとを備え、無線機2は、水平偏波用アンテナ接続端子2aと、垂直偏波用アンテナ接続端子2bとを備えている。
アンテナユニット3は、第1の給電点3aと、第2の給電点3bとを備え、第1の給電点3aは水平偏波用アンテナ3c(アンテナ3c)に接続され、第2の給電点3bは垂直偏波用アンテナ3d(アンテナ3d)に接続されている。
ここでは、第1の給電点3aを水平偏波用、第2の給電点3bを垂直偏波用としている。
なお、図面上では信号の流れを説明するうえで分かり易くするために水平偏波用アンテナ3c(アンテナ3c)と垂直偏波用アンテナ3d(アンテナ3d)を記しているが、実際にはアンテナユニット3内のアンテナ素子により実現されている。また、水平偏波と垂直偏波のように異なる偏波の場合には、それぞれの偏波に対応したアンテナ特性を同一のアンテナ素子から実現することが可能である。
なお、上記同様に図面上では信号の流れを説明するうえで分かり易くするために水平偏波用アンテナ4c(アンテナ4c)と垂直偏波用アンテナ4d(アンテナ4d)を記しているが、実際にはアンテナユニット4内のアンテナ素子により実現されている。また、水平偏波と垂直偏波のように異なる偏波の場合には、それぞれの偏波に対応したアンテナ特性を同一のアンテナ素子から実現することが可能である。
また、無線機1から出力された垂直偏波は、垂直偏波用アンテナ接続端子1bからアンテナユニット4の第2の給電点4bに入力され、垂直偏波用アンテナ4dから放射される。
また、アンテナユニット4の水平偏波用アンテナ4cで受信された水平偏波は、第1の給電点4aから無線機2に出力され、垂直偏波用アンテナ4dで受信された垂直偏波は、第2の給電点4bから無線機1に出力される。
つまり、本無線装置では、予備系の無線機2も、常時受信可能な状態とすることが可能となっている。
尚、通常は、制御部5は、現用機で受信したデータを受信データとして採用するが、予備機における受信データも用いて受信品質の向上を図ってもよい。
具体的には、制御部5は、現用の無線機1の水平偏波及び垂直偏波の受信強度と、予備の無線機2の水平偏波及び垂直偏波の受信強度を求め、各無線機の総合的な受信強度を求めて良好な方を現用機として選択する。
あるいは、現用機における受信強度が予め設定された一定レベルより低くなった場合に、現用機と予備機の切り替えを行うようにしてもよい。
尚、地上制御装置からの指示ではなく、制御部5が現用機と予備機の切り替えを行った場合には、制御部5は、その旨を地上制御装置に通知する。
具体的には、制御部5は、無線機1の水平偏波用アンテナ接続端子1a、垂直偏波用アンテナ接続端子1b、無線機2の水平偏波用アンテナ接続端子2a、垂直偏波用アンテナ接続端子2bの4つの接続端子の内、いずれかからの受信強度が著しく低下した場合、当該接続端子に接続するアンテナユニットのアンテナに不具合が発生したことを検出する。
また、上記では受信状態における検出について述べたが、他の方法として送信状態での電圧定在波比(VSWR)を測定することによって、送信信号の反射波からアンテナの不具合を検出してもよい。
例えば、アンテナユニット4のアンテナ4dに不具合が生じ、制御部5がそれを検出すると、当該アンテナ4dに接続される無線機1を予備機とし、無線機2を現用機とするよう切り替える。
これにより、不具合の発生したアンテナを用いずに、水平偏波と垂直偏波での送受信を行うことができるものである。
例えば、アンテナユニット3からの水平偏波の受信(無線機1の水平偏波用接続端子1aからの入力)及び垂直偏波の受信(無線機2の垂直偏波用アンテナ接続端子2bからの入力)が共に著しく低下した場合には、制御部5は、アンテナユニット3が故障したことを検出する。
これにより、本無線装置では、アンテナユニット4のみを用いて、無線機2からの水平偏波と無線機1からの垂直偏波を送信することができ、アンテナユニットの一方が故障しても、両方の偏波で送受信を行うことができるものである。
電力損失を抑えるために、分配合成器や切替えスイッチを用いないで冗長構成を実現する場合、例えば従来と同様に、一方のアンテナユニットを水平偏波用、他方のアンテナユニットを垂直偏波用とする構成も考えられる。
次に、本無線装置の制御部5における受信レベルの監視処理について図2を用いて説明する。図2は、制御部5における受信レベルの監視処理を示すフローチャートである。
図2に示すように、本無線装置の制御部5は、無線機1及び無線機2の両偏波の受信強度を取得して、各無線機の総合的な受信強度を求める(S1)。
そして、制御部5は、無線機1と無線機2の受信強度を比較し(S2)、現用機の方が受信状態が良好か(受信強度が大きいか)どうかを判断し(S3)、現用機の方が受信状態が良好である場合(受信強度が大きい場合、Yesの場合)には処理S1に戻って監視を続ける。
そして、制御部5は、処理S1に移行して受信強度の監視を行う。
これにより、2台の無線機の内、受信品質が良好な無線機を現用機として選択することができるものである。
本無線装置は、2つのアンテナユニット3,4を備えているため、アンテナユニット3、4を離して設置することで、空間ダイバーシティの効果が十分得られるものである。
例えば、本無線装置を列車に搭載する場合に、アンテナユニット3を列車の正面の左側に設置し、アンテナユニット4を列車の正面の右側に設置する。
無線環境によっては、偏波とアンテナ位置の組み合わせで通信品質に差が出ることもあり、より良好な品質が得られるよう、制御部5は、受信状態を監視して現用機と予備機とを切り替えるよう制御することも可能である。
本無線装置では、制御部5が、各無線機における受信強度を比較して、良好な通信品質が得られる方を現用機として設定することが可能となる。
ここで、従来の無線装置と本無線装置とを比較して、本無線装置の効果について説明する。
図3に示した従来の無線装置は、分配合成器30,40(又は切替スイッチ)を備えており、電力損失が大きく、回線利得も低下してしまうのに対し、本無線装置は、分配合成器や切替スイッチを備えておらず、電力損失を防ぎ、回線利得の低下を抑えることができるものである。
これにより、例えば、無線機1,2で受信された信号を合成して、制御部5でノイズ除去等の処理を行い、受信品質を向上させることができるものである。
本無線装置によれば、水平偏波と垂直偏波を送受信する無線機1及び無線機2と、水平偏波と垂直偏波を送受信するアンテナユニット3及びアンテナユニット4とを備え、無線機1の水平偏波用アンテナ接続端子1aが、アンテナユニット3の第1の給電点3aに接続され、無線機1の垂直偏波用アンテナ接続端子1bが、アンテナユニット4の第2の給電点4bに接続され、無線機2の水平偏波用アンテナ接続端子2aが、アンテナユニット4の第1の給電点4aに接続され、無線機2の垂直偏波用アンテナ接続端子2bが、アンテナユニット3の第2の給電点3bに接続され、制御部5が、無線機1,2の状態に応じて現用機と予備機とを切り替えるものであり、分配合成器や切替スイッチを用いずに無線機の冗長化を実現し、電力損失を抑えると共に、通信環境に応じて無線機の切り替えを可能とし、通信品質を向上させることができる効果がある。
Claims (3)
- 水平偏波と垂直偏波を送受信する第1及び第2の無線機を備え、前記第1の無線機と前記第2の無線機の一方が現用機、他方が予備機として動作する無線装置であって、
水平偏波と垂直偏波を送受信する第1及び第2のアンテナユニットと、
前記第1及び第2の無線機の状態に応じて、現用機と予備機とを切り替える制御部とを備え、
前記第1の無線機の水平偏波を入出力する第1の端子が、前記第1のアンテナユニットの水平偏波の給電点に接続され、前記第1の無線機の垂直偏波を入出力する第2の端子が、前記第2のアンテナユニットの垂直偏波の給電点に接続され、前記第2の無線機の水平偏波を入出力する第1の端子が、前記第2のアンテナユニットの水平偏波の給電点に接続され、前記第2の無線機の垂直偏波を入出力する第2の端子が、前記第1のアンテナユニットの垂直偏波の給電点に接続されたことを特徴とする無線装置。 - 第1及び第2の無線機は、予備機として動作する場合にも受信動作を行い、
制御部が、前記第1及び第2の無線機の受信状態を監視して、受信状態が良好な方を現用機として選択することを特徴とする請求項1記載の無線装置。 - 第1のアンテナユニットと第2のアンテナユニットが、離れて設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の無線装置。
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