JP7103101B2 - 電動作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の回転位置を検出する位置検出素子を有する電動作業機に関する。
モータ等の原動機の回転位置を検出するホールICやピックアップコイル等の位置検出素子を備えた電動作業機が知られている。
特開2016-203329号公報
電動作業機は、作業によって発熱するモータ等の原動機や原動機を制御する制御素子等の冷却が必要な場合があり、例えばファンによって本体の内部に空気の流れ(冷却風)を生成する必要が生じる。しかし、例えばグラインダ等の加工材を切断・研削する作業機の場合、作業時に発生する粉塵が空気と共に作業機本体の内部に取り込まれ、冷却風に乗って移動することで位置検出素子に付着したり、位置検出素子付近に堆積したりして、回転位置の検出に支障を来す恐れがある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、粉塵が回転位置の検出に及ぼす影響を抑制することの可能な電動作業機を提供することにある。
本発明のある態様は、電動作業機である。この電動作業機は、
固定子コアと回転子コアを有し、回転子コアに取り付けられた回転軸を有するモータと、
吸気口と排気口が設けられ、前記モータ及び冷却用のファンを収容するハウジング
前記回転子コアに設けられる回転子マグネットと、
前記回転子マグネットの磁界を検出することで前記回転軸の回転位置を検出する位置検出素子と、
一方側の面が前記回転子コアに面し、かつ他方の面に前記位置検出素子が設けられるセンサ基板と、
前記ハウジングに設けられ、前記モータ側へ開口した素子収容部と、を有し、
前記素子収容部の前記モータ側に前記センサ基板を配置し、前記位置検出素子、前記素子収容部と前記センサ基板によって囲われる空間に位置するように構成した、ことを特徴とする。
前記センサ基板は、前記モータの一部と当接することで前記ハウジングに位置決めされてもよい。
前記素子収容部を有する軸受保持部であって前記回転軸を支持する軸受を保持する軸受保持部を有し、
前記位置検出素子は、前記軸受保持部と前記センサ基板とで囲われる空間に位置してもよい。
前記ハウジングは、前記回転軸の延在方向における少なくとも一方が開口し、一体成型された筒型のハウジングであり、
前記軸受保持部は、前記モータ側に開口した凹部を有し、
前記位置検出素子は、前記凹部に位置してもよい。
前記センサ基板は、前記凹部の開口を塞ぐように設けられてもよい。
前記凹部は、前記回転軸を囲む環状の溝部であり、
前記センサ基板は、前記回転軸を囲む環状の板体であってもよい。
前記センサ基板の前記一方側の面が、前記ファンによって発生する冷却風の風路の内面の一部を成してもよい。
前記凹部の前記一方側に前記モータが位置してもよい。
前前記モータは、前記固定子コアを有する固定子と、前記回転子コアを有する回転子を有し、
前記センサ基板は、少なくとも一部が、前記回転軸の延在方向前記固定子とオーバーラップしてもよい。
前記ファンによって発生する冷却風を、前記固定子の内部に集中させるファンガイドを有してもよい。
前記ハウジングは、前記回転軸の延在方向の一方側において先端工具が着脱可能なスピンドルを支持するギヤケースを有すると共に、他方側に把持部を有し、
前記吸気口は、前記位置検出素子よりも前記他方側に位置し、
前記排気口は、前記位置検出素子よりも前記一方側に位置し、
前記吸気口からの吸い込まれた冷却風は、前記軸受保持部の外周部に設けられた通気口を通って前記排気口に抜けてもよい。
前記モータは、前記固定子コアを有する固定子と、前記回転子コアを有して前記固定子の内部に位置する回転子を有し、
前記ファンの回転によって前記固定子の内部に冷却風が流れてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、粉塵が回転位置の検出に及ぼす影響を抑制することの可能な電動作業機を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る電動作業機1の側面図。 電動作業機1の側断面図。 図2の要部拡大図。 電動作業機1における、モータ6のインシュレータ6f、モータハウジング2、及びセンサ基板40の分解斜視図。 モータハウジング2単体を前方から見た図。 センサ基板40を仮固定したモータハウジング2を前方から見た図。 電動作業機1の回路図。 本発明の実施の形態2に係る電動作業機1Aの正断面図。 電動作業機1Aの側面図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施の形態1)
図1~図6を参照し、本発明の実施の形態1に係る電動作業機1の機械構成を説明する。図1及び図2により、電動作業機1の上下及び前後方向を定義する。前後方向は、モータ6の回転軸6aの延出方向と平行である。電動作業機1は、外部の交流電源からの供給電力で動作するコード付きタイプのグラインダである。電動作業機1は、モータハウジング2、ハンドルハウジング(テールカバー)3、及びギヤケース4により、外殻(ハウジング)が形成される。モータハウジング2の後端部に、ホルダ(中間部材)17を介してハンドルハウジング3が取り付けられ(接続され)、モータハウジング2の前端部にギヤケース4が取り付けられる(接続される)。モータハウジング2及びハンドルハウジング3は、例えば樹脂成形体である。ギヤケース4は、例えばアルミ等の金属製である。
ハンドルハウジング3の後端部からは、外部の交流電源50(図7)に接続するための電源コード9が延びる。ハンドルハウジング3は、電動作業機1のハンドル(把持部)を構成する。ハンドルハウジング3の下部には、トリガ7が揺動(回動)可能に支持される。トリガ7は、モータ6の電流経路に設けられた第1スイッチ11のオンオフを使用者が切り替えるための操作部である。第1スイッチ11は、好ましくは機械式の接点スイッチであり、ハンドルハウジング3内に収容され、トリガ7の上方に位置する。使用者がトリガ7を握ると、トリガ7は上方に揺動し、第1スイッチ11がオンとなる。使用者がトリガ7の握りを緩めると、トリガ7は下方に揺動し、第1スイッチ11がオフとなる。
ハンドルハウジング3内の前部には、補助電源・制御基板20が設けられる。トリガ7の前側となる位置に、第2スイッチ12が設けられる。第2スイッチ12は、図7の演算部21に電気的に接続された例えば電子スイッチ(マイクロスイッチ等)であり、トリガ7の操作に連動してオンオフが切り替わる。第2スイッチ12は、トリガ7の操作を演算部21に迅速に伝達するために設けられ、自身のオンオフによって異なるレベルの信号を演算部21に送出する。使用者がトリガ7を握ると、トリガ7が上方に揺動し、第2スイッチ12がオンとなる。使用者がトリガ7の握りを緩めると、トリガ7が下方に揺動し、第2スイッチ12がオフとなる。ハンドルハウジング3のトリガ7の前方には、左右両側面にそれぞれ、吸気口3aが設けられる。吸気口3aの外側開口は、フィルタ部材としてのメッシュ3bによって覆われる。
モータハウジング2は、一体成型された前後方向に延びる円筒形状等の筒型であり、前端及び後端が開口する。モータハウジング2は、原動機としてのモータ6を収容すると共に、モータ6の前方に冷却用のファン10を収容し、モータ6の後方にブリッジ・インバータ基板(駆動基板)30を収容する。ファン10は、モータ6によって回転する。ファン10は、前方への気流を発生させる軸流ファンである。モータ6は、インナーロータ型のブラシレスモータである。ギヤケースの前面には、排気口4aが設けられる。ギヤケース4内には、回転伝達機構としての減速機構5が収容される。減速機構5は、一対のベベルギアを組み合わせたものであり、モータ6の回転を減速すると共に90度変換してスピンドル8に伝達する。スピンドル8の下端部には回転具(先端工具)としての砥石8aが一体回転可能に設けられる。モータ6の回転から砥石8aの回転に至るまでの機械的な構成及び動作は周知なので、これ以上の詳細な説明は省略する。
図3に示すように、モータ6は、回転軸6aと、回転軸6aの周囲に一体的に設けられた回転子コア6bと、回転子コア6bに挿入保持された回転子マグネット6cと、固定子コア6eと、インシュレータ6fと、を含む。回転子コア6bと、回転子マグネット6cと、がモータ6の回転子を構成する。固定子コア6eと、インシュレータ6fと、インシュレータ6fを介して固定子コア6eに巻回された固定子コイル(図示省略)と、がモータ6の固定子を構成する。
モータハウジング2は、モータ6とブリッジ・インバータ基板30との間に、軸受保持部2aを有する。軸受保持部2aは、リブ2b及び軸受収容部2cを含む。リブ2bは、モータハウジング2の内周面同士を渡すように格子状に延びる。軸受収容部2cは、リブ2bに支持され、軸受(ベアリング)28を収容保持する。軸受28は、モータ6の回転軸の後部を回転自在に支持する。図5及び図6に示すように、リブ2b間の隙間は、ファン10の発生する冷却風を通す通気口2hとなる。軸受保持部2aは、凹部2eを有する。凹部2eは、前方に開口する。凹部2eは、前後方向から見て回転軸6a及び軸受収容部2cを囲む環状の溝部である。
モータハウジング2内において、回転子コア6bと軸受保持部2aとの間に、素子保持部としてのセンサ基板40が設けられる。センサ基板40は、前後方向から見て回転軸6a及び軸受収容部2cを囲む環状の板体(回路基板)である。センサ基板40は、軸受保持部2aの凹部2eの開口を塞ぐように設けられる。モータハウジング2には、センサ基板40の取付けのために、位置決めボス2fと、ネジ止めボス2gと、が設けられる。センサ基板40は、位置決め用貫通穴40fと、ネジ止め用貫通穴40gと、を有する。位置決め用貫通穴40fと位置決めボス2fの位置を合わせながらセンサ基板40を凹部2eの前方に配置し、図6に示すようにネジ43をネジ止め用貫通穴40に通してネジ止めボス2gに螺着させる。これにより、センサ基板40がモータハウジング2に対して仮固定される。センサ基板40は、最終的にはインシュレータ6fによって前方から押さえられることで、モータハウジング2に対して固定される。凹部2eは、前後方向に軸受保持部2aを貫通する貫通孔2rを有する。貫通孔2rは、環状の溝部である凹部2eの周方向の一部を後方に貫通させるようにして形成されたものであり、センサ基板40から後方の補助電源・制御基板20まで延びる配線を通すための孔である。貫通孔2rに対して周方向一方側と他方側には、それぞれ壁部2pが設けられている。壁部2pは、ホール素子42が収容される凹部2eの領域と、貫通孔2rが位置する凹部2eの領域とを空間的に区分けするためのものである。
センサ基板40の後面には、ホール素子42が設けられる。ホール素子42は、回転軸6aの回転位置を検出する位置検出素子である。ホール素子42は、回転子マグネット6cの磁界を検出することで、回転軸6aの回転位置、すなわちモータ6の回転位置を検出する。ホール素子42は、センサ基板40によって、モータハウジング2に位置決めされる。ホール素子42は、軸受保持部2aの凹部2e内に位置する。凹部2e内の空間は、凹部2eの内面と、センサ基板40の後面と、で囲われる(閉塞される)。また、凹部2e内の空間は、凹部2eの内面と壁部2pとセンサ基板40の後面とで、ホール素子42が収容される空間と、貫通孔2rが位置する空間に区分けされる。貫通孔2rが位置する空間は、配線を通すために軸受保持部2aの後方空間と連通しているため、後方空間から貫通孔2rが位置する空間に粉塵等が侵入する恐れがあるが、壁部2pによってホール素子42が収容される凹部2eの領域までの粉塵の侵入は好適に抑制される。また、貫通孔2rは、配線が通された後で樹脂等によって閉塞されるため、貫通孔2rが位置する空間に粉塵等が侵入することが抑制される。センサ基板40の前面は、ファン10によって発生する冷却風の風路の内面の一部を成す。前後方向において、センサ基板40の位置は、モータ6のインシュレータ6fの位置と、少なくとも部分的にオーバーラップする。
モータハウジング2内において、ファン10の周囲にファンガイド29が設けられる。ファンガイド29は、例えば樹脂成形体である。ファンガイド29は、ファン10によって発生する冷却風を、モータ6の固定子コア6eの内部に集中させる。ファンガイド29があることにより、ファン10によって発生する冷却風は、固定子コア6eの外側よりも、固定子コア6eの内側に多く流れ、モータ6の冷却効果が高められる。ファン10の発生する冷却風は、吸気口3a(図1)から取り込まれて前方に流れ、補助電源・制御基板20を冷却して前方に流れ、ブリッジ・インバータ基板30を冷却して前方に流れ、軸受保持部2aの外周部の通気口2hを通って前方に流れ、センサ基板40とインシュレータ6fとの間を通って回転軸6a側に流れ、回転子コア6bと固定子コア6eとの間の隙間を通って前方に流れ、ファン10に吸い込まれて前方に流れ、ギヤケース4の排気口4aから排出される。
図7は、電動作業機1の回路図である。交流電源50は、商用電源等の外部交流電源である。交流電源50には、ヒューズFinと、バリスタZ1と、パターンヒューズF1と、コンデンサC1と、抵抗R1と、チョークコイルL1と、を含むフィルタ回路が接続される。ヒューズFinは、スイッチング素子Q1~Q6が短絡した場合の保護用である。バリスタZ1は、サージ電圧吸収用である。パターンヒューズF1は、バリスタZ1が働いた場合に線間がショートするのを防止する役割を持つ。コンデンサC1及びチョークコイルL1は、線間のノイズ除去用である。抵抗R1は、コンデンサC1の放電用である。
前述のフィルタ回路の出力側とダイオードブリッジ15の入力側と間に、第1スイッチ11が設けられる。第1スイッチ11は、2極スイッチであり、フィルタ回路の一方の出力端子とダイオードブリッジ15の一方の入力端子との間、及びフィルタ回路の他方の出力端子とダイオードブリッジ15の他方の入力端子との間、の双方を開閉できるようになっている。整流回路としてのダイオードブリッジ15は、第1スイッチ11を介して入力される前述のフィルタ回路の出力電圧を、全波整流して直流に変換し、インバータ回路47に供給する。電解コンデンサC2は、サージ吸収用であり、ダイオードブリッジ15の出力端子間に設けられる。抵抗Rsは、モータ6に流れる電流を検出するための検出抵抗であり、モータ6の電流経路に設けられる。ダイオードブリッジ15、電解コンデンサC2、第1の制御部としてのインバータ回路47、及び抵抗Rsは、図2のブリッジ・インバータ基板30に設けられる。
インバータ回路47は、三相ブリッジ接続されたIGBTやFET等のスイッチング素子Q1~Q6を含み、第2の制御部としての演算部21の制御に従ってスイッチング動作し、モータ6の固定子コイル6d(U,V,Wの各巻線)に駆動電流を供給する。抵抗Rsの両端間の電圧により、演算部21はモータ6の電流を検出する。また、演算部21は、複数のホール素子(磁気センサ)42の出力電圧により、モータ6の回転位置(ロータ回転位置)を検出する。ホール素子42は、センサ基板40に設けられる。演算部21は、トリガ7の操作に連動する第2スイッチ12の状態(オンオフ)に応じて、モータ6の駆動及び制動を制御する。具体的には、演算部21は、トリガ7の操作により第2スイッチ12がオンされると、スイッチング素子Q1~Q6をスイッチング制御(例えばPWM制御)し、モータ6の駆動を制御する。演算部21は、トリガ7の操作により第2スイッチ12がオフされると、モータ6に制動力を与える制御(ブレーキ制御)を行う。ブレーキ制御は、例えば、インバータ回路47の上アーム側スイッチング素子Q1~Q3をオフに維持しながら下アーム側スイッチング素子Q4~Q6の少なくともいずれかを連続的ないし断続的にオンすることで、電気制動力を発生させる制御である。
整流回路としてのもう1つのダイオードブリッジ16は、第1スイッチ11を介さずに入力される前述のフィルタ回路の出力電圧を、全波整流して直流に変換する。電解コンデンサC3は、サージ吸収用であり、ダイオードブリッジ16の出力端子間に設けられる。ダイオードブリッジ16の出力側には、IPD回路22が設けられる。IPD回路22は、インテリジェント・パワー・デバイス(Intelligent Power Device)であるIPD素子やコンデンサ等により構成された回路であり、ダイオードブリッジ16及びサージ吸収用の電解コンデンサC3によって整流、平滑された電圧を例えば約18Vに降圧するDC-DCスイッチング電源回路である。IPD回路22は、集積回路であり、消費電力が小さく省エネルギーであるというメリットがある。IPD回路22の出力電圧は、レギュレータ26によって例えば約5Vに更に降圧され、演算部21に動作電圧(電源電圧Vcc)として供給される。ダイオードブリッジ16、電解コンデンサC3、演算部21、IPD回路22、及びレギュレータ26等は、図2の補助電源・制御基板20に設けられる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) ホール素子42が軸受保持部2aの凹部2e内に位置し、凹部2e内の空間が凹部2eの内面とセンサ基板40の後面とで囲われるため、作業時に発生する粉塵がホール素子42に付着したり、ホール素子42付近に堆積したりすることを抑制できる。特に、図2に示されるような、冷却の必要性が高いモータ6及びブリッジ・インバータ基板(駆動基板)30の間にセンサ基板40を配置する構成の場合には、モータ6及びブリッジ・インバータ基板(駆動基板)30を冷却する空気の流れ(冷却風路)中にセンサ基板40及びホール素子42が位置することになり、粉塵がホール素子42に付着したり、ホール素子42付近に堆積したりする可能性がより高くなるが、本実施の形態においてはこれを好適に抑制できる。これにより、粉塵による回転位置検出への悪影響を抑制できる。
(2) センサ基板40が凹部2eの開口を閉じることでホール素子42の防塵効果が得られるため、防塵のために別部材を追加する必要がない。
(3) センサ基板40の位置が、モータ6のインシュレータ6fの位置と、少なくとも部分的にオーバーラップするため、電動作業機1の前後長の増加を抑制できる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る電動作業機1Aの正断面図である。図9は、電動作業機1Aの側面図である。図8及び図9により、電動作業機1Aにおける、前後、上下、左右方向を定義する。左右方向は、モータ6の回転軸の延出方向と平行である。電動作業機1Aは、携帯用切断機(携帯用丸鋸)である。電動作業機1Aは、周知のとおり、モータ6の回転を減速機構5によって減速し、鋸刃8bに伝達するものである。
モータハウジング2は、軸受保持部2aを有する。軸受保持部2aは、モータ6の回転軸の右端部を回転自在に支持する軸受28を保持する。軸受保持部2aは、左方に突出するセンサ基板保持部2iを有する。センサ基板保持部2iは、センサ基板40を保持する。センサ基板40の右面に、ホール素子42が設けられる。ホール素子42は、センサ基板40と、軸受保持部2aと、によって囲われた空間に位置する。ファン10は、左方に向かう気流を発生させる軸流ファンである。
図9に示すように、モータハウジング2は、前後二分割構造であり、前側ハウジング2j及び後側ハウジング2kをネジ止め等により互いに組み合わせて一体化したものである。後側ハウジング2kは、前側ハウジング2jをネジ止めするためのボス2nを有する。モータハウジング2は、右端面に、吸気口2mを有する。ハンドルハウジング3は、モータハウジング2の上方から後方に延びるD型形状である。本実施の形態では、センサ基板40が、前側ハウジング2j及び後側ハウジング2kによって挟持されることで保持されるようになっており、かつ軸受保持部2aのモータ6側を向いた開口がセンサ基板40によって閉塞されるようになっている。そして、センサ基板40及び軸受保持部2aによって囲われた空間にホール素子42が位置するようになっている。
本実施の形態によれば、ホール素子42が、センサ基板40と、軸受保持部2aと、によって囲われた空間に位置するため、作業時に発生する粉塵がホール素子42に付着したり、ホール素子42付近に堆積したりすることを抑制できる。これにより、粉塵による回転位置検出への悪影響を抑制できる。また、センサ基板40がセンサ基板保持部2iの左部開口を閉じることでホール素子42の防塵効果が得られるため、防塵のために別部材を追加する必要がない。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
本発明の電動作業機は、外部の交流電源からの供給電力で動作するコード付きタイプに限定されず、着脱可能に装着した電池パックからの供給電力で動作するコードレスタイプであってもよく、またグラインダや携帯用切断機以外の電動作業機であってもよい。原動機は、ブラシレスモータに限定されず、ブラシ付きモータやエンジン等であってもよい。
1、1A 電動作業機、2 モータハウジング、2a 軸受保持部、2b リブ、2c 軸受収容部、2e 凹部(溝部)、2f 位置決めボス、2g ネジ止めボス、2h 通気口、2i センサ基板保持部、2m 吸気口、2n ボス、3 ハンドルハウジング(テールカバー)、3a 吸気口、3b メッシュ(フィルタ部材)、4 ギヤケース、4a 排気口、5 減速機構(回転伝達機構)、6 モータ、7 トリガ、8 スピンドル、8a 砥石、8b 鋸刃、9 電源コード、10 ファン、11 第1スイッチ(接点スイッチ)、12 第2スイッチ(電子スイッチ)、15,16 ダイオードブリッジ、17 ホルダ(中間部材)、20 補助電源・制御基板、21 演算部、22 IPD回路、23 コネクタ(結線部材)、26 レギュレータ、27 ヒートシンク(放熱部材)、28 軸受(ベアリング)、29 ファンガイド、30 ブリッジ・インバータ基板(駆動基板)、40 センサ基板(素子保持部)、40f 位置決め用貫通穴、40g ネジ止め用貫通穴、42 ホール素子(磁気センサ)、43 ネジ、47 インバータ回路、50 交流電源

Claims (12)

  1. 固定子コアと回転子コアを有し、回転子コアに取り付けられた回転軸を有するモータと、
    吸気口と排気口が設けられ、前記モータ及び冷却用のファンを収容するハウジング
    前記回転子コアに設けられる回転子マグネットと、
    前記回転子マグネットの磁界を検出することで前記回転軸の回転位置を検出する位置検出素子と、
    一方側の面が前記回転子コアに面し、かつ他方の面に前記位置検出素子が設けられるセンサ基板と、
    前記ハウジングに設けられ、前記モータ側へ開口した素子収容部と、を有し、
    前記素子収容部の前記モータ側に前記センサ基板を配置し、前記位置検出素子、前記素子収容部と前記センサ基板によって囲われる空間に位置するように構成した、ことを特徴とする、電動作業機。
  2. 前記センサ基板は、前記モータの一部と当接することで前記ハウジングに位置決めされる、請求項1に記載の電動作業機。
  3. 前記素子収容部を有する軸受保持部であって前記回転軸を支持する軸受を保持する軸受保持部を有し、
    前記位置検出素子は、前記軸受保持部と前記センサ基板とで囲われる空間に位置する、
    請求項1又は2に記載の電動作業機。
  4. 前記ハウジングは、前記回転軸の延在方向における少なくとも一方が開口し、一体成型された筒型のハウジングであり、
    前記軸受保持部は、前記モータ側に開口した凹部を有し、
    前記位置検出素子は、前記凹部に位置する、請求項3に記載の電動作業機。
  5. 前記センサ基板は、前記凹部の開口を塞ぐように設けられる、請求項4に記載の電動作業機。
  6. 前記凹部は、前記回転軸を囲む環状の溝部であり、
    前記センサ基板は、前記回転軸を囲む環状の板体である、請求項4又は5に記載の電動作業機。
  7. 前記センサ基板の前記一方側の面が、前記ファンによって発生する冷却風の風路の内面の一部を成す、請求項4から6のいずれか一項に記載の電動作業機。
  8. 前記凹部の前記一方側に前記モータが位置する、請求項4から7のいずれか一項に記載の電動作業機。
  9. 前記モータは、前記固定子コアを有する固定子と、前記回転子コアを有する回転子を有し、
    前記センサ基板は、少なくとも一部が、前記回転軸の延在方向前記固定子とオーバーラップする、請求項1から8のいずれか一項に記載の電動作業機。
  10. 前記ファンによって発生する冷却風を、前記固定子の内部に集中させるファンガイドを有する、請求項に記載の電動作業機。
  11. 前記ハウジングは、前記回転軸の延在方向の一方側において先端工具が着脱可能なスピンドルを支持するギヤケースを有すると共に、他方側に把持部を有し、
    前記吸気口は、前記位置検出素子よりも前記他方側に位置し、
    前記排気口は、前記位置検出素子よりも前記一方側に位置し、
    前記吸気口からの吸い込まれた冷却風は、前記軸受保持部の外周部に設けられた通気口を通って前記排気口に抜ける、請求項からのいずれか一項に記載の電動作業機。
  12. 前記モータは、前記固定子コアを有する固定子と、前記回転子コアを有して前記固定子の内部に位置する回転子を有し、
    前記ファンの回転によって前記固定子の内部に冷却風が流れることを特徴とする請求項1に記載の電動作業機。
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