JP7094708B2 - 伝線防止性組成物 - Google Patents
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Description
より詳しくは、極めて優れた伝線防止性を有することによって、繊維製品、特にストッキングなどの弾性繊維で構成される繊維製品に対して優れた伝線防止性を付与し、かつ処理後の繊維製品の使用感および外観も良好である、繊維製品用の伝線防止性組成物に関するものである。
しかしながら、このような繊維製品においては、これを構成する繊維が細く、特に着用中にはテンションがかかっていることから、脱着の際、着用中、または洗濯の際などに繊維が容易に破断し、さらには着用中の伸縮負荷により、編組織が解編されたはしご状の線、いわゆる伝線が発生し、使用できなくなるという問題があった。
アニオン性ポリマーと、
溶媒と
を含有し、
温度25℃における粘度が0.01~0.025Pa・sであり、
前記アニオン性ポリマーは、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーまたはその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C 1-18 )/アルキル(C 1-8 )アクリルアミド)コポリマーまたはその塩から選択されること
を特徴とする伝線防止性組成物である。
請求項1に記載の伝線防止性組成物において、
前記アニオン性ポリマーの含有量は、
組成物全体に対して2.0~10.0質量%であること
を特徴とするものである。
請求項1又は2に記載の伝線防止性組成物において、
前記伝線防止性組成物は、
繊維及び繊維製品用であること
を特徴とするものである。
請求項1~3のいずれかに記載の伝線防止性組成物をスプレー容器に充填したこと
を特徴とするスプレー式伝線防止剤である。
したがって、この伝線防止性組成物を、繊維製品、特にストッキングなどの、弾性繊維で構成された繊維製品(弾性繊維製品)やこれを構成する繊維などの対象物に対して塗布や噴霧等すると、この対象物の表面に皮膜が形成され、この皮膜によって繊維交点が補強されるので、極めて優れた伝線防止効果が発揮される。
さらに、ストッキングなどの繊維製品やこれを構成する繊維に使用した場合であっても、その使用感(装着感)が損なわれることがなく、外観も良好である。
したがって、前記アニオン性ポリマーは、対象物に対して、優れた伝線防止効果を付与することができるものである。
例えば、アクリル酸系ポリマー(ポリアクリル酸およびその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体およびその塩、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーおよびその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーおよびその塩)、メタクリル酸系ポリマー(ポリメタクリル酸およびその塩、メタクリル酸・アクリルアミド・ジアセトンアクリルアミド・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩等)、クロトン酸誘導体(酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等)、マレイン酸系ポリマー(無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体、イソブチレン・マレイン酸共重合体等)、ポリグルタミン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーなど
が挙げられる。
含有量が0.1質量%未満の場合には、伝線防止効果を十分に発揮することができない傾向にある。
含有量が5質量%を超える場合には、ごわつきの発生(使用感の悪化)や、製剤皮膜の発生(外観の不良)の要因となる傾向にある。
前記相溶可能な溶媒としては、
エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなど
が挙げられる。
前記溶媒を55質量%以上含有させることにより、組成物の粘度が高くなりすぎるのを抑え、取り扱い易い粘度に保つことができ、処理後の使用感を良好にすることができる。
なお、前記溶媒の含有量は、97.0質量%以下であることが好ましい。
前記伝線防止性組成物は、前記溶媒を前記範囲で含有する場合には、適度な粘性を有し、付着性や処理後の使用感において優れたものとなる。
この発明において、前記粘度は、温度25℃で、0.01~0.025Pa・s(10~25cP)であり、より好ましくは0.012~0.024Pa・s(12~24cP)である。
前記粘度が0.01Pa・s未満の場合には、伝線防止効果を十分に発揮することができない傾向にある。
前記粘度が0.025Pa・sを超えると、処理された繊維製品または繊維において、ごわつきや、組成物の皮膜、フレーキングが発生する傾向にある。
前記粘度を、所定の範囲に調整することによって、ストッキングなどの繊維製品に対して、浸漬、塗布、噴霧などにより処理した際には、前記アニオン性ポリマーが点として繊維上に留まることなく、繊維上を滑るように拡散していく。
したがって、ストッキングなどの繊維製品の繊維交点に対しても、有効成分としてのアニオン性ポリマーの皮膜を効率的に形成することが可能となる。
例えば、増粘剤、消臭剤、油剤、ゲル化剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、色素、紫外線吸収剤などを適宜添加することができる。
各種成分の混合順序についても特に限定されないが、例えば、溶媒に、アニオン性ポリマーおよび必要に応じて各種添加剤を添加・混合して、この発明の伝線防止性組成物を調製することができる。
したがって、溶媒中でアニオン性ポリマー同士が電気的に反発しており、アニオン性ポリマー同士が結びつくことが無く、両性ポリマーやノニオン性ポリマーに比較して、ポリマーが溶媒中に、より均一に分散しているので、均一な皮膜の形成が可能である。
これに対して、カチオン性ポリマーは、繊維製品を構成するナイロンなどの繊維が有するアミド結合にトラップされてしまい、繊維製品の繊維交点に集中的に皮膜の形成を行うことができない傾向にある。
その結果、繊維交点の補強を、効率的に行うことができなくなるおそれがあり、その場合には、伝線防止効果が十分に発現されない、或いはカチオン性ポリマーを多量に含有せしめる必要が生じて、ごわつきの発生(使用感の悪化)や、組成物ないし製剤の皮膜の発生(外観の不良)の要因となる傾向にある。
例えば、液状の他、ゲル状、ジェル状、ミスト状、エアゾール状、エマルジョン状、サスペンション状の形態で使用することができる。
すなわち、噴霧手段を備えた容器(スプレー容器)に充填してなるスプレー式の伝線防止剤として使用することが好適である。
下記表1及び2に示した組成に従い、各成分を混合し、撹拌して、伝線防止性組成物を得た。
Brook field粘度計(MODEL DV-II+ VISCO METER)(spindle No.5,回転速度100rpm)で、粘度の測定を行った。
その結果を表3に示す。
上記実施例1において得られた伝線防止性組成物をスプレー容器に充填して、スプレー式の伝線防止剤を得た。
実施例1において得られた伝線防止性組成物に代えて、実施例2~6または比較例1~7において得られた伝線防止性組成物を用いること以外は、実施例7と同様の方法により、スプレー式の伝線防止剤を製造した。
上記実施例7~12および比較例8~14において得られたスプレー式の伝線防止剤について、下記評価方法に基づき、伝線の拡大の有無を目視により確認し、下記の評価基準に従って、伝線防止性の評価を行った。
その結果を表4に示す。
ポリウレタン弾性糸とナイロン糸で構成された交編ストッキングから、平置き時(伸長していない状態)で裏表の生地合わせて全周19cmの交編ストッキング試験片を切り出した。
この試験片を、着用時相当のテンションをかけるべく、円周52cmの円筒の先端に、その伸長率が約270%となるよう引き伸ばして装着した。
この状態の交編ストッキング試験片に対して、スプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物200μL/100cm2を、噴霧・乾燥した。
その後、交編ストッキングを構成する繊維のうち、1本を切断して穴開き部を形成し、この穴開き部を円周方向に対して垂直となる方向に手で引っ張ることによって、伝線の拡大の有無を確認した。
○:穴開き部において伝線の拡大が認められなかったもの
×:穴開き部において伝線の拡大が認められたもの
実施例7~12において得られたスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキング試験片では、穴開き部、すなわち伝線が発生した部位から、伝線の拡大は認められなかった。
以上のことから、この発明の伝線防止性組成物は、優れた伝線防止効果を有することは、明らかである。
上記実施例7~12および比較例8~14において得られたスプレー式の伝線防止剤を繊維製品としての交編ストッキングに適用した場合の風合いについて、下記評価方法に基づき、評価を行うことによって、使用感の評価を行った。
その結果を表5に示す。
スプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物200μL/100cm2を、交編ストッキングに噴霧した。
10分後、得られた交編ストッキングについて、手触りにて風合いの変化を確認し、下記の評価基準に従って、使用感の評価を行った。
○:伝線防止剤処理前後で風合いの変化が感じられなかったもの
×:ごわつきやべとつきなどの風合いの変化が感じられたもの
実施例7~12において得られたスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングは、いずれも風合いに変化が認められなかった。
これに対して、比較例10および12において得られたスプレー式の伝線防止剤では、これに含まれる伝線防止性組成物が比較的高粘度であるため、このスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングに、ごわつきやべとつきの発生が認められた。
以上のことから、この発明の伝線防止性組成物は、その粘度が特定の範囲に限定されているため、交編ストッキングなどの繊維製品の使用感に影響を及ぼすことがないことは、明らかである。
上記実施例7~12および比較例8~14において得られたスプレー式の伝線防止剤について、下記評価方法に基づき、噴霧(処理)跡が目立つかどうかを目視により確認し、下記の評価基準に従って、外観の評価を行った。
その結果を表6に示す。
スプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物200μL/100cm2を、交編ストッキングに噴霧・乾燥した。
その後、得られた交編ストッキングについて、目視にて、シミや膜状の異物(フレーキングなど)などの噴霧跡が目立つかどうかを確認し、下記の評価基準に従って、外観の評価を行った。
○:伝線防止剤処理後に、シミや膜状の異物などの噴霧跡が認められなかったもの
×:伝線防止剤処理後に、シミや膜状の異物などの噴霧跡が認められたもの
実施例7~12において得られたスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングには、いずれも噴霧跡が認められなかった。
これに対して、比較例10および12において得られたスプレー式の伝線防止剤では、これに含まれる伝線防止性組成物が比較的高粘度であるため、このスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングに、シミや膜状の異物の発生が認められた。
以上のことから、この発明の伝線防止性組成物は、その粘度が特定の範囲に限定されているため、交編ストッキングなどの繊維製品の外観に影響を及ぼすことがないことは、明らかである。
したがって、繊維業界において幅広く利用されるものである。
Claims (4)
- アニオン性ポリマーと、
溶媒と
を含有し、
温度25℃における粘度が0.01~0.025Pa・sであり、
前記アニオン性ポリマーは、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーまたはその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーまたはその塩から選択されること
を特徴とする伝線防止性組成物。 - 前記アニオン性ポリマーの含有量は、
組成物全体に対して2.0~10.0質量%であること
を特徴とする請求項1に記載の伝線防止性組成物。 - 前記伝線防止性組成物は、
繊維及び繊維製品用であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の伝線防止性組成物。 - 請求項1~3のいずれかに記載の伝線防止性組成物をスプレー容器に充填したこと
を特徴とするスプレー式伝線防止剤。
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