JP7094708B2 - 伝線防止性組成物 - Google Patents

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Description

この発明は、伝線防止性組成物に関するものである。
より詳しくは、極めて優れた伝線防止性を有することによって、繊維製品、特にストッキングなどの弾性繊維で構成される繊維製品に対して優れた伝線防止性を付与し、かつ処理後の繊維製品の使用感および外観も良好である、繊維製品用の伝線防止性組成物に関するものである。
従来、ストッキングやタイツなどの、弾性性能を有する弾性繊維で構成された繊維製品(弾性繊維製品)は、伸びが大きく、伸長状態からの回復力やフィット性が良いものとして広く用いられている。
しかしながら、このような繊維製品においては、これを構成する繊維が細く、特に着用中にはテンションがかかっていることから、脱着の際、着用中、または洗濯の際などに繊維が容易に破断し、さらには着用中の伸縮負荷により、編組織が解編されたはしご状の線、いわゆる伝線が発生し、使用できなくなるという問題があった。
このような繊維製品の伝線を防止する具体的な方法として、特別な編み方によって繊維製品を製造する方法や、伝線防止剤による伝線防止効果を利用する方法が知られている。
例えば、特許第4497536号公報(特許文献1)においては、合成繊維そのものを補強して、例えば製品であるストッキングなどでは伝線やほころびの発生を防止することができる合成繊維用補強剤が提案されている。
この合成繊維用補強剤は、ショ糖脂肪酸エステルを5~20重量%、リンゴ酸ナトリウムを0.2~1重量%、重曹を3~5重量%、及び残部水を含有するものである。
さらに、特開平06-184446号公報(特許文献2)においては、鋭利物体によって引っ掻けられて糸切れが生じ、小さな破れ目または伝線が形成されたストッキングを破れ目または伝線の範囲内に抑止して新たに伝線が形成または拡大されるのを防止することができるストッキング伝線防止剤が提案されている。
このストッキング伝線防止剤は、水溶性樹脂が水または有機溶剤水溶液に溶解されてなる水溶性樹脂溶液からなるものである。
さらにまた、特開平06-179861号公報(特許文献3)においても、鋭利物体によって引っ掻けられて糸切れが生じ、小さな破れ目または伝線が形成されたストッキングを破れ目または伝線の範囲内に抑止して新たに伝線が形成または拡大されるのを防止することができるストッキング伝線防止剤が提案されている。
このストッキング伝線防止剤は、速乾性接着剤からなるものである。
特許第4497536号公報 特開平06-184446号公報 特開平06-179861号公報
前記特許文献1に開示されている合成繊維用補強剤は、これに合成繊維を3~30分程度浸漬することによって処理が行われるものであるため、処理時間が長いという問題があった。
さらに、前記特許文献2に開示されているストッキング伝線防止剤は、有機溶剤水溶液を使用する可能性があるものであるため、このストッキング伝線防止剤には、安全性に欠けるという問題があった。
前記特許文献2および3に開示されているストッキング伝線防止剤は、水溶性樹脂または速乾性接着剤を用いてストッキングを固めることにより伝線の拡大を防止するものであるので、前記ストッキング伝線防止剤には、処理後の着用時の使用感に劣るという問題や、伝線の発生後の利用に制限されるという問題があった。
さらにまた、ストッキングなどの、弾性繊維で構成される繊維製品は、その繊維破断をきっかけとして伝線が引き起こされ、着用中の伸縮負荷などにより、その伝線が急速に拡大するため、このような伝線の発生および拡大は、外観上好ましくなく、伝線が発生する前に対策することが求められる。
この発明はかかる現状に鑑み、繊維製品、特にストッキングなどの弾性繊維製品に対して、優れた伝線防止性を付与して、その繊維破断による伝線の発生と拡大を防止することができ、かつ処理後において、その着用時の装着感(使用感)を損なうことなく、簡便に使用することができる伝線防止性組成物を提供せんとするものである。
すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、
アニオン性ポリマーと、
溶媒と
を含有し、
温度25℃における粘度が0.01~0.025Pa・sであり、
前記アニオン性ポリマーは、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーまたはその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C 1-18 )/アルキル(C 1-8 )アクリルアミド)コポリマーまたはその塩から選択されること
を特徴とする伝線防止性組成物である。
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の伝線防止性組成物において、
前記アニオン性ポリマーの含有量は、
組成物全体に対して2.0~10.0質量%であること
を特徴とするものである。
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の伝線防止性組成物において、
前記伝線防止性組成物は、
繊維及び繊維製品用であること
を特徴とするものである。
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1~3のいずれかに記載の伝線防止性組成物をスプレー容器に充填したこと
を特徴とするスプレー式伝線防止剤である。
この発明の伝線防止性組成物は、アニオン性ポリマーと溶媒とを含むもので、温度25℃における粘度を、0.01~0.025Pa・sとしたものである。
したがって、この伝線防止性組成物を、繊維製品、特にストッキングなどの、弾性繊維で構成された繊維製品(弾性繊維製品)やこれを構成する繊維などの対象物に対して塗布や噴霧等すると、この対象物の表面に皮膜が形成され、この皮膜によって繊維交点が補強されるので、極めて優れた伝線防止効果が発揮される。
さらに、ストッキングなどの繊維製品やこれを構成する繊維に使用した場合であっても、その使用感(装着感)が損なわれることがなく、外観も良好である。
前記伝線防止性組成物は、ストッキングなどの各種繊維製品やその原料となるナイロンやポリエステルなどの各種繊維に適用することができるもので、これによって、適用後の繊維製品の使用感および外観に影響を与えることなく、伝線の発生と拡大を防止または効果的に抑制することができるもので、例えば、繊維製品やその原料となる繊維への噴霧や、浸漬、塗布などによって、簡便に使用することができるものである。
なお、前記伝線防止性組成物については、これをスプレー容器に充填して、スプレー式の伝線防止剤として使用することができる。
以下、この発明にかかる伝線防止性組成物を実施するための形態を、詳細に説明するが、この発明は、これらに限定されるものではない。
この発明の伝線防止性組成物は、アニオン性ポリマーと溶媒を含むものである。
前記アニオン性ポリマーとしては、特に限定されるものではなく、粒子表面がアニオン性のポリマーであればよい。
前記アニオン性ポリマーは、前記伝線防止性組成物を、対象物(例えば、ストッキングなどの弾性繊維製品)に塗布や噴霧等したときに、その表面に皮膜が形成されることによって、その繊維交点が補強されるもので、この皮膜によって、伝線の発生と拡大が防止される。
したがって、前記アニオン性ポリマーは、対象物に対して、優れた伝線防止効果を付与することができるものである。
前記アニオン性ポリマーとしては、
例えば、アクリル酸系ポリマー(ポリアクリル酸およびその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体およびその塩、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーおよびその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーおよびその塩)、メタクリル酸系ポリマー(ポリメタクリル酸およびその塩、メタクリル酸・アクリルアミド・ジアセトンアクリルアミド・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩等)、クロトン酸誘導体(酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等)、マレイン酸系ポリマー(無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体、イソブチレン・マレイン酸共重合体等)、ポリグルタミン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーなど
が挙げられる。
これらのアニオン性ポリマーは、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
これらの中では、前記伝線防止性組成物に対して適度な粘性を付与することができるものを選択することが好ましく、アクリル酸系ポリマーを選択することがより好ましく、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーまたはその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーまたはその塩を選択することがさらに好ましい。
なお、前記アニオン性ポリマーの含有量は、組成物全体に対して好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.1~3質量%である。
含有量が0.1質量%未満の場合には、伝線防止効果を十分に発揮することができない傾向にある。
含有量が5質量%を超える場合には、ごわつきの発生(使用感の悪化)や、製剤皮膜の発生(外観の不良)の要因となる傾向にある。
この発明の伝線防止性組成物は、前記アニオン性ポリマーを適当な溶媒に溶解または分散させたもので、液状成分として用いられるものである。
前記溶媒としては、水が最も好ましいが、この発明の目的および効果(伝線防止性や、処理後の使用感および外観等)を阻害しない範囲で、水と相溶可能な溶媒が混合されていてもよい。
前記相溶可能な溶媒としては、
エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなど
が挙げられる。
前記伝線防止性組成物において、前記溶媒の含有量は、その用途により異なるが、組成物全体に対して、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。
前記溶媒を55質量%以上含有させることにより、組成物の粘度が高くなりすぎるのを抑え、取り扱い易い粘度に保つことができ、処理後の使用感を良好にすることができる。
なお、前記溶媒の含有量は、97.0質量%以下であることが好ましい。
前記伝線防止性組成物は、前記溶媒を前記範囲で含有する場合には、適度な粘性を有し、付着性や処理後の使用感において優れたものとなる。
この発明の伝線防止性組成物の粘度は、その用途により異なるが、低いことが好ましい。
この発明において、前記粘度は、温度25℃で、0.01~0.025Pa・s(10~25cP)であり、より好ましくは0.012~0.024Pa・s(12~24cP)である。
前記粘度が0.01Pa・s未満の場合には、伝線防止効果を十分に発揮することができない傾向にある。
前記粘度が0.025Pa・sを超えると、処理された繊維製品または繊維において、ごわつきや、組成物の皮膜、フレーキングが発生する傾向にある。
前記粘度の調整は、例えば、アニオン性ポリマーの重合度の制御や、増粘剤の添加などの公知の方法によって、行うことができる。
前記粘度を、所定の範囲に調整することによって、ストッキングなどの繊維製品に対して、浸漬、塗布、噴霧などにより処理した際には、前記アニオン性ポリマーが点として繊維上に留まることなく、繊維上を滑るように拡散していく。
したがって、ストッキングなどの繊維製品の繊維交点に対しても、有効成分としてのアニオン性ポリマーの皮膜を効率的に形成することが可能となる。
なお、前記アニオン性ポリマー及び伝線防止性組成物の粘度は、B型粘度計を用いて測定することが可能であり、本書において、粘度は、Brook field粘度計(MODEL DV-II+ VISCO METER)(spindle No.5,回転速度100rpm)により25℃で測定した値である。
この発明の伝線防止性組成物には、必要に応じて、さらに、この発明の目的および効果(伝線防止性や、処理後の使用感および外観等)を阻害しない範囲で、各種添加剤を任意に添加することができる。
例えば、増粘剤、消臭剤、油剤、ゲル化剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、色素、紫外線吸収剤などを適宜添加することができる。
前記伝線防止性組成物には、界面活性剤を配合することも可能であるが、カチオン系界面活性剤を使用しないことが好ましい。
この発明の伝線防止性組成物の調製方法については、特に限定されず、種々の方法で調製可能である。
各種成分の混合順序についても特に限定されないが、例えば、溶媒に、アニオン性ポリマーおよび必要に応じて各種添加剤を添加・混合して、この発明の伝線防止性組成物を調製することができる。
かかる伝線防止性組成物は、アニオン性ポリマーを含むもので、このアニオン性ポリマーは、溶媒中に分散した状態にある。
したがって、溶媒中でアニオン性ポリマー同士が電気的に反発しており、アニオン性ポリマー同士が結びつくことが無く、両性ポリマーやノニオン性ポリマーに比較して、ポリマーが溶媒中に、より均一に分散しているので、均一な皮膜の形成が可能である。
さらに、前記伝線防止性組成物において、前記アニオン性ポリマーは、両性ポリマーやノニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーと比較して、少量の使用で、良好な伝線防止効果を発揮する。
これに対して、カチオン性ポリマーは、繊維製品を構成するナイロンなどの繊維が有するアミド結合にトラップされてしまい、繊維製品の繊維交点に集中的に皮膜の形成を行うことができない傾向にある。
その結果、繊維交点の補強を、効率的に行うことができなくなるおそれがあり、その場合には、伝線防止効果が十分に発現されない、或いはカチオン性ポリマーを多量に含有せしめる必要が生じて、ごわつきの発生(使用感の悪化)や、組成物ないし製剤の皮膜の発生(外観の不良)の要因となる傾向にある。
さらに、かかる伝線防止性組成物は、その性状および必要に応じて配合される各種添加剤に応じて、任意の形態で使用することができ、その使用形態は特に限定されない。
例えば、液状の他、ゲル状、ジェル状、ミスト状、エアゾール状、エマルジョン状、サスペンション状の形態で使用することができる。
さらに、前記伝線防止性組成物は、糸、織編物、織布、不織布、紙などの有機または無機繊維や、樹脂、衣料素材または衣類などの基材(対象)、好ましくは織編物に適用することができる。
具体的には、前記伝線防止性組成物については、カーテン等の布地、スーツ、セーター、スカート、コート等の衣類、カーペットなどの各種の繊維製品に対して適用することができ、特に、ストッキング、タイツ、ソックス、手袋などの、弾性性能が要求される各種の弾性繊維製品に対して適用することができる。
前記各種基材に、前記伝線防止性組成物を、噴霧、塗布、吸着、混合、分散、乳化、混練、担持、浸透あるいは含浸等によって、前記繊維製品およびこれを構成する繊維の表面上に前記伝線防止性組成物の皮膜を形成させることで、伝線防止性を付与し、その結果、伝線の発生および拡大を防止または効果的に低減させることができる。
なお、前記伝線防止性組成物を適用する方法としては、塗布や噴霧、含浸が好ましいが、噴霧がより好ましく、各種トリガースプレイヤーなどの空気圧を利用した噴霧方法が考えられる。
すなわち、噴霧手段を備えた容器(スプレー容器)に充填してなるスプレー式の伝線防止剤として使用することが好適である。
以下に、実施例を挙げて、この発明を詳細に説明するが、この発明は、これらの実施例により制限されることはない。
[実施例1~6および比較例1~7]
下記表1及び2に示した組成に従い、各成分を混合し、撹拌して、伝線防止性組成物を得た。
Figure 0007094708000001
Figure 0007094708000002
[試験例1]粘度の測定
Brook field粘度計(MODEL DV-II+ VISCO METER)(spindle No.5,回転速度100rpm)で、粘度の測定を行った。
その結果を表3に示す。
Figure 0007094708000003
[実施例7]
上記実施例1において得られた伝線防止性組成物をスプレー容器に充填して、スプレー式の伝線防止剤を得た。
[実施例8~12および比較例8~14]
実施例1において得られた伝線防止性組成物に代えて、実施例2~6または比較例1~7において得られた伝線防止性組成物を用いること以外は、実施例7と同様の方法により、スプレー式の伝線防止剤を製造した。
[試験例2]伝線防止性の評価
上記実施例7~12および比較例8~14において得られたスプレー式の伝線防止剤について、下記評価方法に基づき、伝線の拡大の有無を目視により確認し、下記の評価基準に従って、伝線防止性の評価を行った。
その結果を表4に示す。
<評価方法>
ポリウレタン弾性糸とナイロン糸で構成された交編ストッキングから、平置き時(伸長していない状態)で裏表の生地合わせて全周19cmの交編ストッキング試験片を切り出した。
この試験片を、着用時相当のテンションをかけるべく、円周52cmの円筒の先端に、その伸長率が約270%となるよう引き伸ばして装着した。
この状態の交編ストッキング試験片に対して、スプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物200μL/100cmを、噴霧・乾燥した。
その後、交編ストッキングを構成する繊維のうち、1本を切断して穴開き部を形成し、この穴開き部を円周方向に対して垂直となる方向に手で引っ張ることによって、伝線の拡大の有無を確認した。
<評価基準>
○:穴開き部において伝線の拡大が認められなかったもの
×:穴開き部において伝線の拡大が認められたもの
Figure 0007094708000004
<結 果>
実施例7~12において得られたスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキング試験片では、穴開き部、すなわち伝線が発生した部位から、伝線の拡大は認められなかった。
以上のことから、この発明の伝線防止性組成物は、優れた伝線防止効果を有することは、明らかである。
[試験例3]使用感の評価
上記実施例7~12および比較例8~14において得られたスプレー式の伝線防止剤を繊維製品としての交編ストッキングに適用した場合の風合いについて、下記評価方法に基づき、評価を行うことによって、使用感の評価を行った。
その結果を表5に示す。
<評価方法>
スプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物200μL/100cmを、交編ストッキングに噴霧した。
10分後、得られた交編ストッキングについて、手触りにて風合いの変化を確認し、下記の評価基準に従って、使用感の評価を行った。
<評価基準>
○:伝線防止剤処理前後で風合いの変化が感じられなかったもの
×:ごわつきやべとつきなどの風合いの変化が感じられたもの
Figure 0007094708000005
<結 果>
実施例7~12において得られたスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングは、いずれも風合いに変化が認められなかった。
これに対して、比較例10および12において得られたスプレー式の伝線防止剤では、これに含まれる伝線防止性組成物が比較的高粘度であるため、このスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングに、ごわつきやべとつきの発生が認められた。
以上のことから、この発明の伝線防止性組成物は、その粘度が特定の範囲に限定されているため、交編ストッキングなどの繊維製品の使用感に影響を及ぼすことがないことは、明らかである。
[試験例4]外観の評価
上記実施例7~12および比較例8~14において得られたスプレー式の伝線防止剤について、下記評価方法に基づき、噴霧(処理)跡が目立つかどうかを目視により確認し、下記の評価基準に従って、外観の評価を行った。
その結果を表6に示す。
<評価方法>
スプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物200μL/100cmを、交編ストッキングに噴霧・乾燥した。
その後、得られた交編ストッキングについて、目視にて、シミや膜状の異物(フレーキングなど)などの噴霧跡が目立つかどうかを確認し、下記の評価基準に従って、外観の評価を行った。
<評価基準>
○:伝線防止剤処理後に、シミや膜状の異物などの噴霧跡が認められなかったもの
×:伝線防止剤処理後に、シミや膜状の異物などの噴霧跡が認められたもの
Figure 0007094708000006
<結 果>
実施例7~12において得られたスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングには、いずれも噴霧跡が認められなかった。
これに対して、比較例10および12において得られたスプレー式の伝線防止剤では、これに含まれる伝線防止性組成物が比較的高粘度であるため、このスプレー式の伝線防止剤から伝線防止性組成物を噴霧した交編ストッキングに、シミや膜状の異物の発生が認められた。
以上のことから、この発明の伝線防止性組成物は、その粘度が特定の範囲に限定されているため、交編ストッキングなどの繊維製品の外観に影響を及ぼすことがないことは、明らかである。
この発明にかかる伝線防止性組成物は、対象物としての繊維製品、特にストッキングなどの弾性繊維製品に対して適用されると、極めて優れた伝線防止性を付与し、このような対象物に適用する場合であっても、処理後において、その使用感が損なわれることがなく、外観も良好である。
したがって、繊維業界において幅広く利用されるものである。

Claims (4)

  1. アニオン性ポリマーと、
    溶媒と
    を含有し、
    温度25℃における粘度が0.01~0.025Pa・sであり、
    前記アニオン性ポリマーは、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーまたはその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーまたはその塩から選択されること
    を特徴とする伝線防止性組成物。
  2. 前記アニオン性ポリマーの含有量は、
    組成物全体に対して2.0~10.0質量%であること
    を特徴とする請求項1に記載の伝線防止性組成物。
  3. 前記伝線防止性組成物は、
    繊維及び繊維製品用であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の伝線防止性組成物。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の伝線防止性組成物をスプレー容器に充填したこと
    を特徴とするスプレー式伝線防止剤
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