JP7094688B2 - X線ct装置、スリップリング、ブラシ、及び、x線ct装置と遠隔保守装置とから成るシステム - Google Patents

X線ct装置、スリップリング、ブラシ、及び、x線ct装置と遠隔保守装置とから成るシステム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、X線CT装置、スリップリング、ブラシ、及び、X線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステムムに関する。
スリップリングは、回転体と非回転体との間を電気的に接続する技術である。環状の電路である受電部と受電部に電力や信号を伝達する送電部(以下ブラシと記載する。)とが接触することで回転体と非回転体とが電気的に接続される。例えば、X線CT(Computed Tomography)装置において、スリップリングは、連続スキャンや高速スキャンを実現するために重要な技術である。
X線CT装置のスリップリングでは、受電部に金属や炭素などの伝導体で構成されたブラシが接触することで、ブラシが摩耗する。また、ブラシの摩耗に伴い、ブラシの摩耗粉がX線CT装置の架台装置内に飛散する。そのため、定期的にブラシの交換やX線CT装置の架台装置内に飛散した摩耗粉を清掃する必要がある。
しかしながら、X線CT装置のスリップリングは、架台装置内部に取り付けられており、外部から観察することができない。したがって、X線CT装置のスリップリングの定期点検の際には、架台カバーを取り外し、架台装置内部にあるスリップリングを露出させる作業が発生し、メンテナンスにおける大きな負荷となっている。
特開平05-76525号公報
本発明が解決しようとする課題は、効率的にメンテナンスを実施することである。
実施形態に係るX線CT装置は、X線源及びX線検出器を一体として保持する回転体を備え、回転体を被検体の周りに回転させることで被検体のCT画像データを生成する。X線CT装置は、送電部と、受電部とを備える。送電部は、回転体の外部に設けられ、標識材を有する。受電部は、回転体に設けられ、送電部との接触により送電部から受電する。また、送電部は、回転体の回転による標識材の摩耗粉として、標識粉を生じさせるものである。
図1は、実施形態に係るX線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステムの一例を示すブロック図。 図2は、実施形態に係るX線CT装置のスリップリングの一例を示す概略図。 図3は、実施形態に係るX線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。 図4は、実施形態に係るX線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステムの動作の一例を示すフローチャート。 図5は、実施形態に係るスリップリングのブラシに設けられた標識材の第1の例を示す模式図。 図6は、実施形態に係るスリップリングのブラシに設けられた標識材の第2の例を示す模式図。 図7は、実施形態に係るスリップリングのブラシに設けられた標識材の第3の例を示す模式図。 図8は、実施形態に係るスリップリングのブラシに設けられた標識材の第4の例を示す模式図。 図9は、集積部に堆積した摩耗粉から標識粉を検出する第1の方法を示す模式図。 図10は、集積部に堆積した摩耗粉から標識粉を検出する第2の方法を示す模式図。 図11は、集積部に堆積した摩耗粉量を検出する第1の方法を示す模式図。 図12は、集積部に堆積した摩耗粉量を検出する第2の方法を示す模式図。
以下、実施形態のX線CT装置、スリップリング、ブラシ、及び、X線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステムを図面を参照して説明する。
(1)構成
図1は、実施形態に係るX線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステムの一例を示す概念的な構成図である。図1に示すように、X線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステム100では、X線CT装置と遠隔保守装置とがネットワークを介して接続されている。
X線CT装置1には、X線管とX線検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。以下の説明では、本実施形態に係るX線CT装置1として第3世代のRotate/Rotate-Typeを採用する場合の例を示す。
X線CT装置1は、架台装置10、寝台装置30及びコンソール装置40を有する。架台装置10及び寝台装置30は、検査室に設置される。架台装置10は、寝台装置30に載置された被検体Pに関するX線の検出データ(透過データ)を生成する。一方、コンソール装置40は、検査室に隣接する制御室に設置され、検出データに基づいて投影データを生成することで、再構成画像の生成及び表示を行う。
架台装置10は、X線管11、X線検出器12、撮像領域が内在する開口部19を有する回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)18及び処理回路20を備える。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射する真空管である。なお、本実施形態においては、一管球型のX線CT装置にも、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置にも適用可能である。
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
また、X線検出器12は、例えば、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー、Photo Multiplier Tube:PMT)等の光センサを有する。
なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。なお、回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やDAS18を更に備えて支持する。
なお、DAS18が生成した検出データは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分、例えば図示しない固定フレームに設けられたフォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。また、図示しない固定フレームは回転フレーム13を回転可能に支持するフレームである。
このように、X線CT装置1は、X線管11とX線検出器12とを対向させて支持する回転フレーム13を被検体Pの周りに回転させることで、被検体Pの周囲一周分、即ち、被検体Pの360°分の検出データを収集する。なお、CT画像の再構成方式は、360°分の検出データを用いるフルスキャン再構成方式には限定されない。例えば、半周(180°)+ファン角度分の検出データに基づいてCT画像を再構成するハーフ再構成方式であってもよい。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有する。また、X線高電圧装置14は、X線管11に印加する高電圧を発生する機能を有する高電圧発生装置及びX線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置を有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、後述する回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム側に設けられても構わない。
X線CT装置1の回転フレーム13と固定フレームとの間には、X線管11やDAS18などの回転フレーム13に設けられた各装置への電力の供給や種々の信号の授受のためにスリップリングが設けられている。スリップリングは、回転フレーム内に配置された環状の電路(金属製のリング)に対して、固定フレーム側のカーボンブラシやワイヤーブラシなどのブラシを押し当てることで、スリップさせながら電気伝導を確保する回転接続用のコネクタである。なお、X線管11への電力は、高電圧を高耐圧のスリップリングで供給してもよいし、低圧大電流をスリップリングで供給し、回転体側に高圧発生器を搭載してもよい。
また、スリップリングは、送電部及び受電部を設ける。送電部は、受電部と接触することで受電部に送電する。受電部は、送電部と接触することで送電部から受電する。ここで、スリップリングは、送電部及び受電部のいずれか一方を固定し、他方を回転体に設けて回転可能とする。具体的には、スリップリングは、受電部を固定して、送電部であるブラシを回転体に設けて回転可能としてもよいし、逆に、ブラシを固定して、受電部を回転体に設けて回転可能としてもよい。後者、つまり、送電部であるブラシを回転フレーム13の外部に固定する一方で、受電部を回転フレーム13に設けて回転可能とするスリップリングの構成について、後述の図2で詳細に説明する。
制御装置15は、不図示のメモリ、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構を有する。制御装置15は、スキャン動作全体を統括的に制御する。例えば、架台装置10をチルトさせる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。
なお、ここでは一例として、X線CT装置1の装置座標系を以下のように定義する。非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向と平行な方向をz軸方向、天板33の短手方向と平行であって、z軸方向に直交し、鉛直方向に垂直である軸方向をx軸方向、z軸方向及びx軸方向に直交し、鉛直方向に水平である軸方向をy軸方向とする。
また、制御装置15は、コンソール装置40や架台装置10に取り付けられた入力インターフェースから入力された撮像条件に基づいて、X線管11の角度や後述のウェッジ16及びコリメータ17を制御する。
処理回路20は、後述の判定機能21及び通知機能22を実現し、スリップリングのブラシの摩耗度を判定し、メンテナンスの要否を判定する機能を有する。処理回路20が実現する機能については後述の図3で詳細に説明する。
処理回路20は、専用のハードウェアで構成してもよいし、内蔵のプロセッサによるソフトウェア処理で後述する各種機能を実現するように構成してもよい。ここでは一例として、処理回路20がプロセッサによるソフトウェア処理によって各種機能を実現する場合について説明する。
なお、上記説明におけるプロセッサとは、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの回路を意味する。上記プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などが挙げられる。処理回路20は、不図示のメモリに記憶されたプログラム又は処理回路20のプロセッサ内に直接組み込まれたプログラムを読み出し、当該プログラムを実行することで各機能を実現する。
また、処理回路20は、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組合せによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数のメモリが設けられると共に、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応するメモリに記憶される構成でもよい。別の例としては、1個のメモリが複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。また、各機能に対応するプログラムが複数のメモリに分散して配置され、処理回路20は、個別のメモリから対応するプログラムを読み出す構成としてもよい。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16(ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter))は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組合せによってスリットを形成する。
DAS18(Data Acquisition System)は、X線検出器12の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS18が生成した検出データは、コンソール装置40へと転送される。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31、寝台駆動装置32、天板33及び支持フレーム34を備える。
基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(y軸方向)に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向(z軸方向)に移動するモータ或いはアクチュエータである。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。
なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向(z軸方向)に移動してもよい。また、寝台駆動装置32は、寝台装置30の基台31ごと移動させてもよい。本発明を立位CTに応用する場合、天板33に相当する患者移動機構を移動する方式であってもよい。また、ヘリカルスキャン撮影や位置決め等のためのスキャノ撮影等、架台装置10の撮像系と天板33の位置関係の相対的な変更を伴う撮影を実行する場合は、当該位置関係の相対的な変更は天板33の駆動によって行われてもよいし、架台装置10の固定フレームの走行によって行われてもよく、またそれらの複合によって行われてもよい。
コンソール装置40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インターフェース43及び処理回路45を有する。なお、以下の説明では、コンソール装置40が単一のコンソールで全ての機能を実行するものとするが、これらの機能は、複数のコンソールが実行してもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。
X線CT装置1が生成した投影データや再構成画像データは、メモリ41に記憶されてもよい。また、X線CT装置1が生成した投影データや再構成画像データは、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してX線CT装置1と接続可能な画像サーバなどの外部記憶装置に記憶されてもよい。同様に、メモリ41の記録媒体内のプログラム及びデータの一部又は全部は、ネットワークを介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスクなどの可搬型記憶媒体を介してメモリ41に与えられてもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路20で生成されたメンテナンス情報や、処理回路45によって生成された医用画像(CT画像)、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等である。
入力インターフェース43は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路45に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像を画像処理する際の画像処理条件等の設定情報をユーザから受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面に触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路及び音声入力回路等の入力デバイスにより実現される。
ネットワーク接続回路44は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワーク接続回路44は、この各種プロトコルに従ってX線CT装置1と遠隔保守装置70などの他の電気機器とを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続などを適用することができる。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、病院基幹LANなどの無線/有線LANやインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワーク及び衛星通信ネットワークなどを含む。
処理回路45は、X線CT装置1の全体の動作を制御する。例えば、処理回路45は、画像生成機能を実現する。なお、コンソール装置40の処理回路45のハードウェア構成は、架台装置10の処理回路20と同様である。
処理回路45の画像生成機能は、DAS18から出力された検出データに対して補正処理などの前処理を実行し、前処理後の検出データを再構成処理してCT画像データの生成を実行する。更に、画像生成機能は、CT画像データを公知の方法により任意断面の断層像データや3次元画像データを生成する画像処理を実行する。これらの各機能はそれぞれプログラムの形態でメモリ41に記憶されている。
なお、処理回路45で実行される各機能は、コンソール装置40以外の統合サーバで実行されてもよい。統合サーバとは、複数のモダリティにおいて取得された検出データを一括して処理するコンピュータである。ここで、サーバとは、メモリ及びプロセッサを有し、ネットワークを介してクライアントコンピュータに対し自身の持つ機能やデータを提供するコンピュータである。また、サーバは、仮想サーバとして複数の物理サーバから構成されてもよいし、施設外に設けられ、コンソール装置40と広域ネットワークを介して接続可能なクラウドサーバであってもよい。
X線CT装置1は、遠隔保守装置70とネットワークを介して接続する。遠隔保守装置70は、例えば、パーソナルコンピュータにより構成され、メモリ71、ディスプレイ72、入力インターフェース73、処理回路74及びネットワーク接続回路75を有する。なお、メモリ71、ディスプレイ72、入力インターフェース73、処理回路74及びネットワーク接続回路75の各構成のハードウェア構成は、コンソール装置40のメモリ41、ディスプレイ42、入力インターフェース43、処理回路45及びネットワーク接続回路44と同様である。
図2は、実施形態に係るX線CT装置1のスリップリングの一例を示す概念的な構成図である。図2は、架台装置10のガントリ(架台)に設けられた架台カバーを取り外し、回転フレーム13の内部を露出させた状態を示している。なお、図2では、回転フレーム13の半径方向及び円周方向を回転フレーム13の中心Cを基準として矢印で示す。即ち、半径方向は、回転フレーム13の半径と平行な方向を示し、円周方向は、回転フレーム13の円周に沿った方向である。
架台装置10のガントリは、回転フレーム13、固定フレーム51、支持部53及び土台部54を有する。回転フレーム13は、固定フレーム51に設けられ、固定フレーム51は、支持部53及び土台部54によって支持されている。
回転フレーム13には、スリップリングの受電部55が設けられている。図2では、受電部55は、電路511、512、513及び514の4つの電路を備える例が示されている。各電路には送電部56のブラシがそれぞれ押し付けられるように設けられ、ブラシごとに異なる接続を確立している。このように、スリップリングは、複数のブラシを有する場合がある。
固定フレーム51は、送電部56、摩耗粉集積部57及びセンサ60を備える。受電部55が回転フレーム13の回転に伴って円周方向に回転する一方、送電部56は、固定フレーム51に固定されている。したがって、送電部56に設けられたブラシは、受電部55に設けられた各電路に押し付けられ、回転フレーム13が回転するのに伴って摩耗する。
摩耗粉集積部57は、摩耗粉が架台装置内に飛散しないように送電部56の下部に取り付けられている。回転フレーム13の回転によってブラシから発生した摩耗粉は、固定フレーム51に取り付けられた摩耗粉集積部57に堆積する。
センサ60は、摩耗粉集積部57に堆積した摩耗粉を検出する。センサ60は、摩耗粉に含まれる標識材の種類や性質に応じた信号を検出する。
従来のX線CT装置では、ブラシの摩耗度や摩耗粉の堆積度合いを確認するため、架台カバーを取り外し、送電部56や摩耗粉集積部57を露出させる必要があった。また、個々の装置によって使用頻度が異なる場合でも定期的な点検が必要であり、そのたびに架台カバーを取り外さなければならず、点検における工数が多かった。
そこで、本実施形態に係るX線CT装置1は、ブラシに当該ブラシの摩耗と共にブラシから標識粉が離脱する標識材を設け、摩耗粉集積部57に集積した摩耗粉中の標識材に基づいて、ブラシの摩耗度をセンサ60により計測する構成とした。この構成により、ブラシの摩耗度を架台外部から取得することができ、摩耗度に応じてメンテナンス要否を判断することができる。
図3は、実施形態に係るX線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステム100の機能構成例を示す機能ブロック図である。X線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステム100は、送電部56に設けられた標識材付きのブラシ、摩耗粉集積部57、センサ60及び処理回路20を有する。
送電部56を構成するブラシには、標識材が設けられている。ブラシは、一般的に金属や炭素などの導電体で構成される。標識材は、顔料、塗料、色素、樹脂、蛍光物質、放射線同位体などの放射性物質及び香料など、受電部55と送電部56との摩擦で溶解せず、ブラシの摩耗と共に減耗する不揮発性の物質であって、ブラシの摩耗によって生じる金属粉とセンサ60により識別可能な物質である。なお、標識材として香料を用いる場合、ブラシに塗布された状態では匂いは発生しないが、香料がブラシから離脱した時のみ匂いが発生するように合成、調合された物質を用いるのが好ましい。
標識材付きのブラシからは、標識粉と金属粉とが含まれる摩耗粉が発生する。発生した摩耗粉は、摩耗粉集積部57に集積する。なお、ここで、標識粉とは、ブラシに設けられた標識材がブラシの摩耗に伴ってブラシから削り落ちることで発生する紛体であり、金属粉とは、ブラシの摩耗により発生する紛体のことである。以下の説明では、標識粉と金属粉とを合わせて摩耗粉と称する。
センサ60は、摩耗粉中に含まれる標識粉を検出する。センサ60は、ブラシに設けられる標識材の種類や性質に応じて異なる。例えば、標識材が顔料や塗料などの色材の場合、センサ60は、カメラで撮影した画像を画像処理することで標識粉の色を検出し、摩耗粉に含まれる標識粉を検出する。なお、カメラで撮影した画像を外部装置のディスプレイに表示し、ユーザが摩耗粉集積部57に集積した摩耗粉を目視で観察することで、メンテナンスの要否を判断できてもよい。
標識材が蛍光物質の場合、ルミノメータやフルオロメータのような物質から発生する光を検出するセンサにより摩耗粉に含まれる標識粉を検出する。標識材が放射性物質の場合、放射線検出器などの放射線を検出するセンサにより摩耗粉に含まれる標識粉を検出する。標識材が香料の場合、匂いセンサにより摩耗粉に含まれる標識粉を検出する。
なお、センサ60は、摩耗粉中に標識粉が存在するか否かだけでなく、摩耗粉中の標識粉の種類、量、割合などの標識粉情報のうちいずれかを検出できれば、センサの種類は限定されない。また、複数のセンサの組合せにより標識粉情報を取得するようセンサ60を構成してもよい。
センサ60で検出された標識粉の検出信号は、処理回路20に送信される。処理回路20は、センサ60で検出された標識粉情報に基づいて、スリップリングのメンテナンスが必要か否かを判定する。なお、センサ60による標識粉の検出方法については後述の図9及び図10で詳細に説明する。
処理回路20は、判定機能21及び通知機能22を有する。これらの各機能はそれぞれプログラムの形態で不図示のメモリに記憶されている。判定機能21及び通知機能22の各機能はメモリに格納されたプログラムを処理回路20が実行することによって実現される機能である。
判定機能21は、摩耗粉集積部57に集積した標識粉に基づいて、送電部56に設けられたブラシの摩耗度を判定する。また、ブラシへの標識材の設け方及びブラシの摩耗度の判定方法については、後述の図5乃至図8で詳細に説明する。
通知機能22は、送電部56に設けられたブラシの摩耗度に基づいた情報を外部装置に通知する。通知機能22は、判定機能21で判定されたブラシの摩耗度に基づいて、例えば、メンテナンスの要否を決定する。通知機能22は、メンテナンスが必要な場合、メンテナンス情報をコンソール装置40や遠隔保守装置70などの外部装置に送信する。
メンテナンス情報は、コンソール装置40のディスプレイ42や遠隔保守装置70のディスプレイ72に表示される。また、メンテナンス情報は、架台装置10に設けられたモニタに表示されてもよい。なお、メンテナンス情報は、スリップリングのメンテナンスが必要な旨の文字列であってもよいし、図形やイラストであってもよい。
更に、メンテナンス情報は、ディスプレイに表示される文字や画像には限定されない。例えば、音や光によって通知されてもよい。その場合、メンテナンス情報が通知される外部装置には、ディスプレイに替えてスピーカやLEDライトが設けられる。
なお、処理回路20が有する機能は、コンソール装置40の処理回路45が実現してもよいし、遠隔保守装置70の処理回路74が実現してもよい。コンソール装置40や遠隔保守装置70が処理回路20の有する機能を実現する場合、コンソール装置40のメモリ41又は遠隔保守装置70のメモリ71に格納されたプログラムが各装置の処理回路により実行される。コンソール装置40や遠隔保守装置70が処理回路20が有する機能を実行する場合、センサ60は、コンソール装置40又は遠隔保守装置70に検出した標識粉情報を送信する。
(2)動作
図4は、実施形態に係るX線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートのステップ番号に従って、実施形態に係るスリップリングにおける摩耗度の判定動作及びメンテナンス情報の通知動作を説明する。
ステップS101において、センサ60は、摩耗粉集積部57に集積した摩耗粉から標識粉情報を検出する。検出された標識粉情報は、判定機能21に送信される。
ステップS102において、判定機能21は、標識粉情報に基づいて、送電部56が備えるブラシの摩耗度を判定する。
ステップS103において、通知機能22は、判定機能21によって判定されたブラシの摩耗度に基づいて、スリップリングのメンテナンスが必要か否かを判定する。スリップリングのメンテナンスが不要な場合、ステップS103のNOに分岐し、ステップS101の処理に戻る。一方、スリップリングのメンテナンスが必要な場合、ステップS103のYESに分岐し、ステップS104に進む。
ステップS104において、通知機能22は、メンテナンス情報を生成し、メンテナンス情報をディスプレイを備える外部装置に送信する。
以上が摩耗度の判定動作及びメンテナンス情報の通知動作の説明である。以下、ブラシへの標識材の設け方及び摩耗度の判定方法について図5乃至図8を参照して説明する。
図5は、実施形態に係るスリップリングのブラシに設けられた標識材の第1の例を示す模式図である。図5は、送電部56の半径方向の断面の一部を模式的に示している。図5に示すように、ブラシ563は、ばね562を介してブラシ保持部561に保持され、ばね562によって受電部55の電路に押し付けられるように取り付けられている。
図5は、ブラシ563の表面に標識材564を設けた例を示している。例えば、ブラシ563の形状が円柱状である場合、円柱の側面に標識材564が設けられる。ここで、標識材をブラシに設けるとは、液状又は霧状の標識材をブラシに塗布することに加えて、固体の標識材をブラシに取り付けること、又は、シール状、シート状の標識材をブラシに貼り付けることを含む。
ブラシ563の摩耗度は、例えば、摩耗粉中の標識材564の量により判定される。ブラシが線L1を超えて短くなった場合をブラシの交換時期とする場合、摩耗粉中の標識粉の量により、ブラシ563が線L1よりも短くなったことが判定できる。
図5は、ブラシ563の側面全てに標識材564を設ける例を示したが、標識材564は、ブラシ563の側面の一部に設けられてもよい。
図6は、実施形態に係るスリップリングのブラシ563に設けられた標識材の第2の例を示す模式図である。図6は、ブラシ563の側面の一部に標識材564を設けた例を示している。
具体的には、図6は、ブラシの交換時期の目安である線L1よりばね562側の側面に標識材564が設けられた例を示している。この場合、摩耗粉集積部57に堆積した摩耗粉に標識粉が混ざったことがセンサ60で検出された時点でブラシ563の交換時期が判定できる。
なお、標識材564を線L1より受電部55側に設けてもよい。また、標識材564がブラシ563の側面の円周方向に沿って一周分設けられた例を示したが円周方向の一部に標識材564を設けてもよい。
図5及び図6では、1つのブラシ563に1つの標識材564を設ける例を示したが、ブラシ563に設けられる標識材は1種類には限定されない。
図7は、実施形態に係るスリップリングのブラシ563に設けられた標識材の第3の例を示す模式図である。図7は、1つのブラシ563に複数の標識材を設ける例を示している。図7では、3種類の標識材564、565、566をブラシ563の側面に設ける例を示している。
具体的には、ブラシ563のばね562側(以下、ブラシ上端と称する)からブラシ563の交換時期の目安となる線L1との間の側面に第1の標識材564を設け、線L1からブラシ563の交換時期が近付いていることを示す線L2との間の側面に第2の標識材565を設け、線L2からブラシ563と受電部55の接触面(以下、ブラシの下端と称する)との間の側面に第3の標識材566を設ける。
このように、標識材ごとに設ける位置を変えることで、ブラシ563がどの位置まで摩耗したかを摩耗粉に含まれる標識粉の種類によって判定することができる。即ち、摩耗粉に第3の標識材566由来の標識粉のみが含まれる場合、ブラシ563の下端側の位置(ブラシの長軸方向の長さ)は、線L2よりも下であることがわかる。同様に、摩耗粉に第2の標識材565由来の標識粉が含まれるようになった場合、ブラシ563が交換の目安となる長さまで摩耗したと判定できる。
図5乃至図7では、ブラシ563の表面に標識材を設ける例を示したが、標識材はブラシの表面に設けられる場合には限定されない。
図8は、実施形態に係るスリップリングのブラシ563に設けられた標識材の第4の例を示す模式図である。図8は、ブラシ563の一部に設けられた穴に標識材553を挿入する例を示している。この場合、ブラシ563の摩耗度は、図5の場合と同様に、摩耗粉中に含まれる標識粉の量に基づいて判定される。
図8では、ブラシと同じ長さの標識材564がブラシ563を貫通するように設けられた例が示されているが、標識材564が挿入される長さは、ブラシ563の長さ以下であれば標識材564の長さは限定されない。具体的には、ブラシの上端から線L1までの長さの標識材564をブラシ563に挿入してもよい。この場合、図6の場合と同様に、摩耗粉に標識粉が混ざったことがセンサ60で検出された時点でブラシ563の交換時期が判定できる。
なお、図8では、ブラシ563の中軸に標識材564を挿入する例を示したが、標識材564を挿入する位置は、ブラシ563の中軸には限定されない。例えば、ブラシ563側面の一部に切欠きを設け、当該切欠き部分に標識材567を設けてもよい。
図5乃至図8では、ブラシ563の一部に標識材を設ける例を示したが、ブラシ563を構成する金属自体に標識材を混ぜ込むことにより、ブラシ563に標識材が含有されていてもよい。例えば、ブラシを構成する主な金属とは異なる種類の金属を標識材としてブラシに含有させてもよい。この場合、例えば、磁性体か否かといった金属の性質に基づいて、標識材として混ぜ込まれた金属の由来の標識粉を検出してもよい。また、ブラシを構成する金属の同位体比を変えてもよい。
また、図5乃至図8では、1つのブラシへの標識材の設け方を説明したが、標識材を設けるブラシは1つには限定されない。即ち、スリップリングは、複数のブラシを備える場合がある。スリップリングに設けられた摩耗粉集積部57が1つの場合、複数のブラシから生じる摩耗粉が全て同じ摩耗粉集積部57に堆積する。この場合、ブラシごとに摩耗度が判定できるよう、ブラシごとに異なる標識材を設けてもよい。
以上がブラシ563への標識材の設け方及びブラシの交換時期の判定方法に関する説明である。以下、摩耗粉集積部57に堆積した標識粉をセンサ60により検出する方法について説明する。
図9は、摩耗粉集積部57に堆積した摩耗粉から標識粉を検出する第1の方法を示す模式図である。図9は、標識材が蛍光物質を含む場合の標識粉の検出方法を示している。
図9に示すように、摩耗粉は、摩耗粉集積部57の底部57bに堆積していく。標識材が蛍光物質を含む場合、摩耗粉集積部57の底部57b全体が蛍光物質を検出可能なセンサ60による検出範囲になるようセンサ60は設置される。その場合、例えば、センサ60は、摩耗粉集積部57の上部に設置される。
蛍光物質を検出可能なセンサ60は、例えば、紫外線ライトなどの蛍光励起光源63と、ルミノメータなどの光度計61aとを有する。蛍光励起光源63から照射される励起光63aにより、摩耗粉中の標識粉が蛍光を発し、発生した蛍光を光度計61aで測定することで、摩耗粉中の標識粉の量を蛍光量に基づいて測定することができる。
また、複数のブラシに異なる色に蛍光する蛍光物質を含む標識材を設けた場合、摩耗粉集積部57には、複数のブラシ由来の摩耗粉が堆積する。この場合、標識粉から発せられる蛍光の波長の違いに基づいて、どのブラシ由来の標識粉かを特定することができる。なお、1つのブラシに複数の標識材を設けた場合も同様である。
図10は、摩耗粉集積部57に堆積した摩耗粉から標識粉を検出する第2の方法を示す模式図である。図10において、図9と異なる点は、センサ60が摩耗粉集積部57の底部57b側に設けられている点である。標識材が放射性物質を含む場合を例として説明する。
図10は、放射性物質を検出可能なセンサ60として、放射線検出器61bが摩耗粉集積部57の底部57b側に設けられた例を示している。放射線検出器61bは、放射線を放出する標識粉を含む摩耗粉と距離が近い方が放射線の検出能が高くなる。そこで、摩耗粉集積部57の底部57bに窓57cを設けることで、摩耗粉集積部57の底部57bに堆積した摩耗粉に含まれる標識粉から放出される放射線を検出する例を示している。この場合、単位面積当たりの放射線量に基づいて、摩耗粉中の標識粉の量を測定することができる。
図9及び図10では、摩耗粉収集部75の上部又は底部57bにセンサ60を設ける例を示したが、センサ60の設置位置は、摩耗粉収集部75の上部又は底部57bには限定されない。例えば、摩耗粉収集部75の側面57aに窓を設置し、摩耗粉収集部75の底部57bに堆積する摩耗粉から標識粉を検出するようにセンサ60を設置してもよい。
なお、図9及び図10では、センサ60として、光度計61aや放射線検出器61bを用いる例を示したが、センサ60は、光度計61aや放射線検出器61bには限定されない。例えば、標識材として顔料などの色材を用いる場合、センサ60はカメラで取得した画像を解析して画像中に含まれる色を特定する色センサを用いるのが好ましい。また、標識材として香料を用いる場合、センサ60は、匂いセンサを用いるのが好ましい。
なお、標識材として香料を用いる場合、センサ60は必須の構成ではない。即ち、摩耗粉集積部57に香料を含む標識材由来の標識粉が堆積した場合、匂い物質が架台装置10の外に拡散することで、ユーザの嗅覚によりメンテナンス時期が把握されてもよい。
センサ60で検出された標識粉情報は、判定機能21に送信され、判定機能21においてブラシの摩耗度が判定される。更に、通知機能22は、ブラシの摩耗度に基づいてスリップリングのメンテナンスが必要か否かを判定し、保守作業員やユーザにメンテナス情報を通知する。このように、ブラシの摩耗度を自動で判定し、外部装置に通知することにより、架台カバーを外しブラシを露出させることなくブラシのメンテナンス時期を把握することができる。
更に、ブラシのメンテナンス時期を外部から把握できることにより、定期的なメンテナンス作業が不要となり、ブラシの交換やスリップリングの清掃が必要な場合のみ架台カバーを外しブラシを露出させればよいため、メンテナンスの回数を減らすことができる。
以上、図5乃至図10を参照して、ブラシに設けた標識材から発生する標識粉に基づいてブラシの摩耗度を判定する方法を説明した。しかしながら、ブラシの摩耗度の判定は、ブラシに標識材を設ける場合には限定されない。即ち、ブラシに標識材を設けず、摩耗粉集積部57に集積したブラシ由来の金属粉の堆積量に基づいてブラシの摩耗度を判定してもよい。以下、図11及び図12を用いて、摩耗粉集積部57に集積した金属粉の堆積量を金属粉の電気抵抗に基づいて判定する方法を説明する。
図11は、摩耗粉集積部57に堆積した摩耗粉量を検出する第1の方法を示す模式図である。図11に示すように、ブラシの金属粉の堆積量を検出するセンサ60は、抵抗計61c、電極64a及び電極64b、絶縁体65を有する。抵抗計61cの一端は、電極64aに接続し、他端は、電極64bに接続している。絶縁体65は、電極64a及び電極64bに設けられ、摩耗粉集積部57の底部57b側に電極64a及び電極64bの一部を覆うように取り付けられている。
摩耗粉集積部57の底部57bに金属粉が堆積していない状態では、電極64aと電極64bとの間には導電体である金属粉が存在しないため通電しない。そのため、抵抗計61cは抵抗値は検出できない。また、実線で示す位置に金属粉が堆積した場合であっても、各電極を覆うように絶縁体65が取り付けられているため電極64aと電極64bとは通電せず、抵抗計61cは抵抗値を検出しない。
一方、金属粉が破線で示す位置まで堆積した場合、即ち、金属粉が絶縁体65の長さを超えて堆積した場合、電極64aと電極64bとの間が導電体である金属粉で満たされる。この場合、電極64aと電極64bとの間が通電し、抵抗計61cで抵抗値が検出できる。
このように、電極間が堆積した金属粉で満たされたことを抵抗計61cで検出することで、金属粉の堆積量からブラシの摩耗度を判定することができる。また、金属粉の堆積量が一定以上になったらブラシのメンテナンスを行う場合、絶縁体65の長さを調整することで、電極64aと電極64bとが通電するタイミングを調整できる。
図11では、摩耗粉集積部57の底部57b側に電極を設けた例を示したが、電極の設置位置は底部57bには限定されない。
図12は、摩耗粉集積部57に堆積した摩耗粉量を検出する第2の方法を示す模式図である。図11は、図10と異なり、電極64a及び電極64bが摩耗粉集積部57の上部側に設置される例を示している。
金属粉の堆積量が実線で示す位置にある場合、各電極の先端は、堆積した金属粉に触れていないため通電しない。一方、金属粉が破線で示す位置まで堆積した場合、各電極の先端は、いずれも堆積した金属粉に触れることになる。その場合、電極64aと電極64bとが通電することで、抵抗計61cは、抵抗値を検出する。
なお、図11及び図12では、摩耗粉集積部57への金属粉の堆積量を電気抵抗に基づいて測定し、ブラシの摩耗度を判定する例を示したが、金属粉の堆積量は、電気抵抗に基づいて測定する方法には限定されない。例えば、センサ60として摩耗粉集積部57に堆積した金属粉の重量を測定する重量計を備え、堆積した金属粉の重量に基づいてブラシの摩耗度を判定してもよい。
摩耗粉集積部57に堆積した金属粉の電気抵抗や重量などの金属粉情報は、判定機能21に送信され、ブラシの摩耗度が判定される。更に、通知部22は、ブラシの摩耗度に基づいてブラシのメンテナンス要否を判定し、外部装置に通知する。このように、摩耗粉集積部57に堆積したブラシ由来の摩耗粉(金属粉)に基づいて、ブラシの摩耗度を判定することで、従来のブラシを用いて摩耗度を判定することができる。また、標識材を用いる方法と同様に、メンテナンスの回数を減らすことができる。
なお、X線CT装置1のスリップリングを例として説明したが、本発明は、例えば、歯科用CT、発電機、モータ、工作機械など回転体と固定体との間で電力や信号を授受するために利用されるスリップリングに対しても適用できる。更に、ブラシを介して移動体と固定体との間の電気伝導性を確立するためのコネクタであれば、移動体の形状は環状(リング)でなくてもよい。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、効率的にメンテナンスを実施することが可能となる。
請求項の用語と実施形態との対応関係を説明する。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
実施形態における判定機能21は、判定部の一例である。また、実施形態における通知機能22は、通知部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線CT装置
21 判定機能
22 通知機能
57 摩耗粉集積部
60 センサ
70 遠隔保守装置

Claims (10)

  1. X線源及びX線検出器を一体として保持する回転体を備え、前記回転体を被検体の周りに回転させることで前記被検体のCT画像データを生成するX線CT装置であって、
    前記回転体の外部に設けられ、標識材を有する送電部と、
    前記回転体に設けられ、前記送電部との接触により前記送電部から受電する受電部と、
    を備え、
    前記送電部は、前記回転体の回転による前記標識材の摩耗粉として、標識粉を生じさせるものである、
    X線CT装置。
  2. 前記標識粉を集積する集積部と、
    前記集積部に集積した前記標識粉に基づいて、前記送電部の摩耗度を判定する判定部と、
    前記送電部の摩耗度に基づいた情報を通知する通知部と、更に備える、
    請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記判定部は、前記集積部に前記標識粉が堆積しているか否かに基づいて前記送電部の摩耗度を判定する、
    請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記判定部は、前記集積部に集積された標識粉の種類に応じて、前記送電部の摩耗度を判定する、
    請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 前記集積部に集積した前記標識粉を検出するセンサを更に備え、
    前記判定部は、前記センサで検出された標識粉情報に基づいて、前記送電部の摩耗度を判定する、
    請求項2乃至4のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  6. 前記送電部が有する前記標識材は、顔料、塗料、色素、放射線同位体、蛍光物質及び香料の少なくとも1つである、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  7. 前記送電部は、前記標識材を含有する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  8. 回転体に設けられた受電部と接触し、前記回転体の外部から前記受電部に送電可能なブラシであって、
    標識材を有し、前記回転体の回転による前記標識材の摩耗粉として標識粉を生じさせる、
    ブラシ。
  9. 回転体の外部に設けられ、標識材を有する送電部と、
    前記回転体に設けられ、前記送電部との接触により前記送電部から受電する受電部と、
    を備え、
    前記送電部は、前記回転体の回転による前記標識材の摩耗粉として、標識粉を生じさせるものである、
    スリップリング。
  10. 回転体の外部に設けられ、標識材を有する送電部と、
    前記回転体に設けられ、前記送電部との接触により前記送電部から受電する受電部と、
    前記回転体の回転による前記標識材の摩耗粉として生じた標識粉を集積する集積部と、
    前記集積部に集積した前記標識粉を検出するセンサと、
    前記センサで検出された標識粉情報に基づいて、前記送電部の摩耗度を判定する判定部と、
    前記送電部の摩耗度に基づいた情報を通知する通知部と、
    を備えるX線CT装置と遠隔保守装置とから成るシステム。
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