以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例の身体的就業能力マッチングシステムの構成例を示す図である。本実施例の身体的就業能力マッチングシステムは、身体的就業能力判定サーバ1、証明証発行サーバ2、現場作業管理サーバ3、複数の動き記録装置4a、4b、及び4c、及び、クライアント装置5a、5b、及び5cから構成される。
動き記録装置4a、4b、及び4c、及び、クライアント装置5a、5b、及び5cは、求人を行う現場企業11の求人を行う複数の作業現場、及び、測定機関12のいずれかが運用する。測定機関12は、人の身体的就業能力の獲得を目的として人の動き情報を取得する、資格認定機関10が認定したスポーツジムである。
求職者6は測定機関12を訪問し、測定機関12に身体的就業能力の判定を依頼する。測定機関12は、動き記録装置4cを用いて、資格認定機関10が予め定めた動きを求職者6に指示して、動き情報を記録する。資格認定機関10が予め定めた動きは、身体の一つの部位を動かすものに限らず、スクワット、ランジ、ヒールレイズ、ファンクショナルリーチなど、身体の複数の部位に負荷がかかる動きを含んでもよい。
動き記録装置4cは、例えば一般的なカメラ、又は、身体の各部位に設置する位置情報取得センサーである。測定機関12は、動き記録装置4cが記録した求職者6の動き情報14を、クライアント装置5cを用いて身体的就業能力判定サーバ1へ送信する。
現場企業11では求人を行う作業現場ごとに、動き記録装置4a、4bを用いて、求人業務を行う作業者7a、7bの動き情報を記録する。 動き記録装置4a、4bは、例えば一般的なカメラ、又は、身体の各部位に設置する位置情報取得センサーである。現場企業11は、動き記録装置4a、4bを用いて作業者7a、7bの動き情報13を、クライアント装置5b、5cを用いて身体的就業能力判定サーバ1へ送信する。
身体的就業能力判定サーバ1は、身体的就業能力判定サーバ運用企業9が運用する計算機であって、作業者の動き情報13、及び、求職者6の動き情報14を受信し、作業者及び求職者6の身体の各部位にかかる負荷を判定する。
証明証発行サーバ2は、資格認定機関10が運用する計算機であって、身体的就業能力判定サーバ1から判定結果15を受信し、身体的就業能力証明証17、及び、作業の要求能力証明証16を発行する。
現場企業11は、資格認定機関10から受け取った作業の要求能力証明証16を現場作業管理サーバ3に入力する。求職者6は、資格認定機関10から受け取った身体的就業能力証明証17を、求人を行う現場企業11の面接に持参し、面接者8へ身体的就業能力証明証18を提示する。面接者8は、身体的就業能力証明証18の内容を現場作業管理サーバ3へ入力し、身体的就業能力に基づいて求職者6が担当できる作業を確認の上、採用又は不採用を決定する。要求能力証明証16は、作業者が求人作業を行った動きに基づいて計測された、作業で必要な身体的就業能力が記載された証明書であり、身体的就業能力証明証17は、求人者が標準的な姿勢及び動作を行った動きに基づいて計測された身体的就業能力が記載された証明書である。
現場企業11は、複数の業務について求人を行う場合でも、求職者6の身体的就業能力証明証18に記載されいている内容と、求人業務に対して発行された作業の要求能力証明証16の内容とを現場作業管理サーバ3を用いて照合できる。これにより、各求人業務と同じ動作を求職者6に再現してもらうことなく、求職者6が担当可能な業務を効率的に判断できる。その結果、作業者の作業効率を向上でき、離職率を低下できる。
本実施例では、身体的就業能力のマッチングシステムソリューション、特に、求職者6が求人を行う現場企業11における求人作業が可能かを判定し、選考業務に必要な身体的就業能力と求職者の身体的就業能力とのマッチングをするシステムを説明するが、当該作業の候補者のうち求職者6以外の者(例えば、社内外のリソースである作業者)に作業を割り当てる際にも本実施例の身体的就業能力マッチングシステムを適用できる。
図2は、身体的就業能力判定サーバ1の構成の一例を示すブロック図である。身体的就業能力判定サーバ1は、ネットワーク(例えばインターネット)を介してクライアント装置5a、5b、5c、及び、証明証発行サーバ2と接続される複数の通信インタフェース101、CPU102、メモリ103、及び補助記憶装置104を有する計算機によって構成される。各構成要素は、バス105で接続される。
通信インタフェース101は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインタフェース装置である。
CPU102は、メモリ103に格納されたプログラムを実行する演算装置である。CPU102が、各種プログラムを実行することによって、身体的就業能力判定サーバ1の各部(例えば、姿勢・モーション数解析機能部106、最高負荷レベル継続時間算出機能部107、部位別スピード算出機能部108、Webサーバ機能部109など)による機能が実現される。なお、プロセッサがプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウエアウェア)で実行してもよい。
メモリ103は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサが実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。メモリ103には、姿勢・モーション数解析機能部106、最高負荷レベル継続時間算出機能部107、部位別スピード算出機能部108、及び、Webサーバ機能部109として機能するプログラムが記憶される。姿勢・モーション数解析機能部106は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14に含まれる姿勢分類と、動きの数を示すモーション数を解析する。最高負荷レベル継続時間算出機能部107は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14が示す身体の各部位への負荷レベルの最大値及びその継続時間を解析する。部位別スピード算出機能部108は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14が示す身体の各部位が示す最高移動速度を解析する。Webサーバ機能部109は、クライアント装置5a、5b、5cが作業者の動き情報13、求職者6の動き情報14、及び、求職者6や求人業務の識別子等の管理情報をアップロードするためのウェブサーバ機能を提供する。
補助記憶装置104は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置104は、CPU102がプログラムの実行時に使用するデータ、及びプロセッサが実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置104から読み出されて、メモリ103にロードされて、CPU102によって実行されることによって、身体的就業能力判定サーバ1の各機能を実現する。
例えば、補助記憶装置104は、姿勢分類管理表110、タイムライン管理表111、最高負荷レベル継続時間管理表112、及び、部位別最高スピード管理表113を格納する。姿勢分類管理表110は、姿勢の分類とその姿勢をとったときに負荷がかかる身体の部位及び負荷の強さの対応情報を管理する。タイムライン管理表111は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14に含まれる動きに含まれる各姿勢分類の開始時間と終了時間と姿勢分類と動作数の対応情報を管理する。最高負荷レベル継続時間管理表112は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14の中で身体の各部位にかかる負荷の最大値と計測時間の対応情報を管理する。部位別最高スピード管理表113は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14の中で身体の各部位が示す一番早い動きの速度を管理するを格納する。
身体的就業能力判定サーバ1が最高負荷レベル継続時間管理表112、及び、部位別最高スピード管理表113を管理することによって、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14が示す動きが身体の各部位に与える負荷を判定結果15として出力できる。これにより、求人業務の動きに必要な身体的就業能力と、求職者6の身体的就業能力とを比較可能となる。
CPU102が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して身体的就業能力判定サーバ1に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置104に格納される。このため、身体的就業能力判定サーバ1は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインタフェースを有するとよい。
身体的就業能力判定サーバ1は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。例えば、身体的就業能力判定サーバ1の複数の構成部分の各々が別個の物理的又は論理的計算機上で動作しても、複数の構成部分が組み合わされて一つの物理的又は論理的計算機上で動作するものでもよい。
図4は、姿勢分類管理表110の一例を示す図である。姿勢分類管理表110は、姿勢分類及び負荷部位ごとの負荷レベルを記録する。姿勢分類管理表110は、蹲踞、体ひねり、及び手伸ばしなど、身体的負荷の観点による姿勢分類501、姿勢分類501によって負荷がかかる身体の部位を示す負荷部位502、及び、負荷レベル503を対応付けて記録する。負荷部位502は、体幹、上腿、及び、手などの身体の各部位のいずれかが記録される。負荷レベル503は、1から5までの5段階の値を格納し、数値が大きいほど負荷が高いことを意味する。
身体的就業能力判定サーバ1は、姿勢分類管理表110を管理することによって、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14に含まれる姿勢分類毎に、身体の各部位に生じる負荷レベルを判定できる。
図5A及び図5Bは、タイムライン管理表111の一例を示す図である。タイムライン管理表111は、分類された姿勢の開始時間及び終了時間と、当該姿勢の継続中において行われた動作の数を記録する。タイムライン管理表111は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14を、時系列順に姿勢分類管理表110が管理する姿勢分類501に従って分類したときの姿勢分類533、当該姿勢分類の開始時間531及び終了時間532、及び、開始時間531から終了時間532までの間に作業者及び求職者6が行っている動作数534を対応付けて記録する。
身体的就業能力判定サーバ1は、姿勢分類管理表110とタイムライン管理表111を管理することによって、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14を時系列順に姿勢に従って分類し、各姿勢で身体の各部位に生じる負荷レベルを判定できる。
また、身体的就業能力判定サーバ1は、タイムライン管理表111で動作数534を管理することによって、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14に含まれる動作数が最も多い動きを特定できる。これにより、求人を行う現場企業11の面接者8は、身体的就業能力判定サーバ1の判定結果に基づいて発行される作業の要求能力証明証16と身体的就業能力証明証17との比較によって、求職者6が求人業務と同じ動作を行わなくても、求職者6が求人業務に含まれる複雑な作業内容を理解して実施する能力を有するかを判定できる。
図7は、最高負荷レベル継続時間管理表112の一例を示す図である。最高負荷レベル継続時間管理表112は、負荷部位ごとの最高負荷レベルとその継続時間を記録する。すなわち、最高負荷レベル継続時間管理表112は、負荷部位561、負荷部位561に対して作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14の中で生じる最高負荷レベル562、及び、最高負荷レベル562の継続時間563を対応付けて記録する。
身体的就業能力判定サーバ1は、最高負荷レベル継続時間管理表112を管理することによって、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14から、各負荷部位561に生じる最高負荷レベル562及び継続時間563を解析できる。これにより、身体的就業能力判定サーバ1は、求人業務に必要な各負荷部位561の負荷耐性と、求職者6の各負荷部位561が持つ負荷耐性を判定できる。これにより、求人を行う現場企業11の面接者8は、身体的就業能力判定サーバ1の判定結果に基づいて発行される作業の要求能力証明証16と身体的就業能力証明証17との比較によって、求職者6が求人業務と同じ動作を行わなくても、求職者6が求人業務に必要な負荷耐性を有するかを判定できる。
図9A、図9B及び図9Cは、部位別最高スピード管理表113の一例を示す図である。部位別最高スピード管理表113は、身体の部位ごとの最高スピードを記録する。すなわち、部位別最高スピード管理表113は、身体の各部位581と、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14の中で各部位581が示した移動速度の最大値である最高スピード582とを対応付けて記録する。
身体的就業能力判定サーバ1は、部位別最高スピード管理表113を管理することによって、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14から、各部位581の最高スピード582を解析できる。これにより、身体的就業能力判定サーバ1は、求職者6が求人業務に必要な各部位581の俊敏性を有するかを判定できる。これにより、求人を行う現場企業11の面接者8は、身体的就業能力判定サーバ1の判定結果に基づいて発行される作業の要求能力証明証16と身体的就業能力証明証17との比較によって、求職者6が求人業務と同じ動作を行わなくても、求職者6が求人業務に必要な各部位581の俊敏性を有するかを判定できる。
図10は、証明証発行サーバ2の構成の一例を示すブロック図である。証明証発行サーバ2は、ネットワーク(例えばインターネット)を介して身体的就業能力判定サーバ1と接続する複数の通信インタフェース131、CPU132、メモリ133、及び補助記憶装置134を有する計算機によって構成される。各構成要素は、バス135で接続される。
通信インタフェース131は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインタフェース装置である。
CPU132は、メモリ133に格納されたプログラムを実行する演算装置である。CPU132が、各種プログラムを実行することによって、証明証発行サーバ2の各部(例えば、判定結果処理部136、証明証生成部137など)による機能が実現される。なお、プロセッサがプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウエアウェア)で実行してもよい。
メモリ133は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサが実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。メモリ133には、判定結果処理部136、証明証生成部137として機能するプログラムが記憶される。判定結果処理部136は、身体的就業能力判定サーバ1の判定結果15を受信して補助記憶装置134に保存する。証明証生成部137は、作業の要求能力証明証16及び身体的就業能力証明証17を発行する。
補助記憶装置134は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置134は、CPU102がプログラムの実行時に使用するデータ、及びプロセッサが実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置104から読み出されて、メモリ133にロードされて、CPU132によって実行されることによって、証明証発行サーバ2の各機能を実現する。
例えば、補助記憶装置134は、身体的就業能力判定サーバ1から受信した判定結果15の内容を管理する判定結果管理表138を格納する。
証明証発行サーバ2が、判定結果処理部136、証明証生成部137、及び、判定結果管理表138を管理することによって、身体的就業能力判定サーバ1から受信した判定結果15の内容に基づいて作業の要求能力証明証16及び身体的就業能力証明証17を発行できる。
CPU132が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して証明証発行サーバ2に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置134に格納される。このため、証明証発行サーバ2は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインタフェースを有するとよい。
証明証発行サーバ2は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。例えば、証明証発行サーバ2の複数の構成部分の各々が別個の物理的又は論理的計算機上で動作しても、複数の構成部分が組み合わされて一つの物理的又は論理的計算機上で動作するものでもよい。
図11は、判定結果管理表138の一例を示す図である。判定結果管理表138は、求人業務及び求職者6ごとの判定結果を記録する。すなわち、判定結果管理表138は、求人業務又は求職者6の識別子であるID601、作業名又は求職者6の氏名602、作業現場又は求職者6のいずれかの値をとる分類603、体幹の負荷レベル604、体幹の負荷継続時間605、上腿の負荷レベル606、上腿の負荷継続時間607、手の負荷レベル608、手の負荷継続時間609、足のスピード610、手のスピード611、指のスピード612、及び、動作数613を対応付けて記録する。動作数613は、タイムライン管理表111の動作数534に格納されている値の統計値(例えば、最大値、合計値、平均値など)を格納する。
証明証発行サーバ2は、判定結果管理表138を管理することによって、身体の各部位にかかる負荷及び負荷継続時間と動作数に基づいて、作業の要求能力証明証16及び身体的就業能力証明証17を発行できる。
次に、図12に示すシーケンスに従って、求人する現場企業11が作業者の動き情報に基づいて身体的就業能力を判定し、求職者6の動き情報に基づいて身体的就業能力を判定し、及び、作業の要求能力証明証16又は身体的就業能力証明証17を発行する手順を説明する。以下の説明では、カメラが撮影した画像を用いた処理を主に説明するが、位置情報取得センサーを用いて記録されたモーションキャプチャデータでもフレーム毎の位置情報を用いて同様の処理が可能である。
まず、求職者6又は現場企業11の作業者は、動き記録装置4を用いて、身体の動きを記録する(801)。
次に、現場企業11又は測定機関12の担当者が動きデータ802をクライアント装置5に保存する。次に、現場企業11又は測定機関12の担当者は、クライアント装置5にインストールされているWebブラウザを用いて、身体的就業能力判定サーバ1が公開する動きデータアップロードサイトのURI(Uniform Resource Identifier)を入力する(803)。すると、クライアント装置5は、身体的就業能力判定サーバ1にアップロードサイトのデータを要求するメッセージを送信する(804)。身体的就業能力判定サーバ1は、メッセージ804を受信すると、クライアント装置5のWebブラウザ画面に表示するアップロードサイトのデータを含めた応答を返送する(805)。この結果、クライアント装置5のWebブラウザ画面に、動きデータ802をアップロードするためのサイトが表示される。
現場企業11又は測定機関12の担当者は、動き記録装置4が記録した動きデータ802と、求職者6の氏名(現場企業11が作業者の動きデータを記録する場合は作業名)をアップロードサイトに登録し、送信する(807)。身体的就業能力判定サーバ1は、動きデータと作業名又は求職者6の氏名を受信すると、クライアント装置5へOK応答を返送する(808)。次に、身体的就業能力判定サーバ1は姿勢・モーション数解析機能部106の処理を行う(809)。
図3に、姿勢・モーション数解析機能部106の処理の詳細を示す。身体的就業能力判定サーバ1は、カメラが撮影した画像又は身体の各部位に位置情報センサーを装着して取得したモーションキャプチャデータが入力されると(301)、フレーム数を表すパラメータtに0を、動作数を表すパラメータmに0を、姿勢分類を表すパラメータpにnullを、開始時間を表すパラメータTsに0を設定する(302)。
次に、フレーム番号=tの画像で身体の各部位の位置関係に基づいて、人の姿勢に姿勢分類管理表110が管理する一つ以上の姿勢分類501を割り当てる(303)。ここで、入力データが映像の場合、身体的就業能力判定サーバ1は、骨格を検知して身体の各部位の関節位置を特定することによって、身体の各部位の位置関係を特定するとよい。
次にステップ304に進み、t=0であるかを判定する。t=0の場合は、ステップ311に進み、現在のフレームで取得した姿勢分類を姿勢分類pに書き込む。例えば、人の姿勢が”蹲踞”に分類される場合は、身体的就業能力判定サーバ1がp=”蹲踞”と設定する。
次にtに1を加算してt=1とし(307)、入力データにフレームtのデータが存在するかを確認する(308)。入力データにフレームtのデータが存在する場合、ステップ303に戻り、フレーム番号=tの画像における身体の各部位の位置関係に基づいて、姿勢分類管理表110が管理する一つ以上の姿勢分類501を人の姿勢に割り当てる。
次にステップ304に進み、t=0であるかを判定する。t=1の場合はステップ305に進み、ステップ303で分類した姿勢分類501が前フレームt=0で分類した姿勢分類pと一致しているかを判定する。姿勢分類が一致している場合はステップ306へ進む。
ステップ306で、身体的就業能力判定サーバ1は、身体の各部位が停止しているか動いているかの情報と、動いている場合の動きの方向の情報とに基づいて、前フレームからの連続動作か前フレームとは異なる動作かを判定する。前フレームまでと連続する動作の場合、ステップ307に進む。前フレームまでと異なる動作の場合、動作数mに1を加算し(309)、ステップ307に進む。
次にtに1を加算してt=2とし(307)、フレームtの入力データが存在するか確認する(308)。フレームtの入力データが存在する場合、ステップ303に戻り、フレーム番号=tの画像における身体の各部位の位置関係に基づいて、人の姿勢に姿勢分類管理表110が管理する一つ以上の姿勢分類501を割り当てる。
次にステップ304に進み、t=0であるかを判定する。t=2の場合はステップ305に進み、ステップ303で分類した姿勢分類501が前フレームで分類した姿勢分類pと一致しているかを判定する。
その後、姿勢分類501が前フレームで分類した姿勢分類pと一致している間、ステップ303、304、305、306、309、307、308の処理を繰り返す。
例えば、ステップ303で、”蹲踞、体ひねり”の二つの姿勢分類が割り当てられると、前フレームで分類した姿勢分類p=「蹲踞」と異なるので、ステップ310に進む。ステップ310では、身体的就業能力判定サーバ1は、姿勢分類管理表110を参照して、タイムライン管理表111に開始時間531としてTs、終了時間532としてt-1、姿勢分類533として前フレームの姿勢分類p、動作数534としてmを書き込み、保存する。この結果、t=11、m=3においては、図5Aに示すタイムライン管理表111が生成される。
次にステップ311に進み、現在のフレームで取得した姿勢分類を姿勢分類pに書き込む。ここでは、身体的就業能力判定サーバ1がp=”蹲踞、体ひねり”と設定する。
次にtに1を加算してt=12とし(307)、入力データにフレームtのデータが存在するか確認する(308)。以下、ステップ308でフレームtの入力データが存在している間、ステップ303、304、305、306、307、308、309、310、311の処理が繰り返し実行される。
その後、t=31となると、ステップ308において、入力データにフレームt=31のデータが存在するかを判定する。入力データにフレームt=31のデータが存在しない場合、処理を終了する(312)。この結果、図5Bに示すタイムライン管理表111が生成される。
身体的就業能力判定サーバ1は、姿勢・モーション数解析機能部106の処理により、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14から、姿勢分類管理表110を参照して、開始時間531、終了時間532、姿勢分類533、動作数534の対応情報からなるタイムライン管理表111を作成する。このように、身体的就業能力判定サーバ1は、姿勢分類管理表110を参照して、各負荷部位502にかかっている負荷レベル503に基づく判定結果を出力できる。
図12に戻り説明を続ける、身体的就業能力判定サーバ1は、姿勢・モーション数解析機能部106の処理(809)を完了すると、最高負荷レベル継続時間算出機能部107の処理を起動する(810)。
図6に最高負荷レベル継続時間算出機能部107の処理の詳細を示す。身体的就業能力判定サーバ1は、最高負荷レベル継続時間算出機能部107を起動すると、最高負荷レベル継続時間管理表112において予め姿勢分類管理表110に定義されている各負荷部位の最高負荷レベルと継続時間の値を0に設定する(331)。次に、タイムライン管理表111の先頭行を読み込む(332)。
次に、姿勢分類533の一つ目のデータをキーに、姿勢分類管理表110を検索する(333)。ここでは、タイムライン管理表111の行535に格納されている姿勢分類533”蹲踞”をキーに、姿勢分類管理表110を検索する。検索の結果、姿勢分類管理表110に姿勢分類501に”蹲踞”が格納されている行504が得られるので(ステップ334でYES)、ステップ335に進む。身体的就業能力判定サーバ1は、該当データの最高負荷レベル503が、現在保存している該当負荷部位の最高負荷レベルを超えているかを判定し(335)、該当データの最高負荷レベル503及び継続時間を書き込む。そして、ステップ337へ進み、検索を継続する。一方、該当データの最高負荷レベル503が、現在保存している該当負荷部位の最高負荷レベルを超えていない場合は、ステップ336をスキップしてステップ337へ進む。
例えば、姿勢分類管理表110の行504に格納されている最高負荷レベル503である負荷レベル2が、負荷部位502が格納する”体幹”の負荷レベルの保存値0を超えているので、該当負荷部位である”体幹”の最高負荷レベルを取得値である2を書き込み、継続時間をタイムライン管理表111の終了時間532である10と開始時間531である0の差分10を書き込む。
次に、ステップ334で、姿勢分類管理表110に姿勢分類501に”蹲踞”が格納されている行505が得られるので(ステップ334でYES)、ステップ335に進む。
身体的就業能力判定サーバ1は、該当データの最高負荷レベル503が、現在保存している該当負荷部位の最高負荷レベルを超えているか判定する(335)。ここでは、姿勢分類管理表110の行505に格納されている最高負荷レベル503である負荷レベル3が、負荷部位502が格納する”上腿”の負荷レベルの保存値0を超えているので、身体的就業能力判定サーバ1は、該当負荷部位である”上腿”の最高負荷レベルを取得値である3を書き込み、継続時間をタイムライン管理表111の終了時間532である10と開始時間531である0の差分10を書き込み、ステップ337へ進む(336)。続いてステップ337へ進み、検索を継続する。
次に、ステップ334で、姿勢分類管理表110に姿勢分類501に”蹲踞”が格納されている行が得られないので(ステップ334でNO)、ステップ338へ進む。タイムライン管理表111の行535に格納されている姿勢分類533は”蹲踞”のみなので、ステップ340へ進む。もし、ステップ338で未検索の姿勢分類533があれば、ステップ339へ進み、次の姿勢分類533をキーにステップ334~338の処理を繰り返す。
身体的就業能力判定サーバ1は、ステップ340でタイムライン管理表111の行が存在するか判定し、存在する場合はタイムライン管理表111の次の行を読み込み、ステップ333~340の処理を繰り返す。
一方、タイムライン管理表111の全ての行を対象にステップ333~341の処理を実行した後に、ステップ342へ進み、各負荷部位の最高負荷レベルと継続時間を最高負荷レベル継続時間管理表112に出力する。その結果、図7に示す最高負荷レベル継続時間管理表112が生成される。
身体的就業能力判定サーバ1は、最高負荷レベル継続時間算出機能部107の処理によって、身体の各負荷部位561の最高負荷レベル562と継続時間563を取得し、最高負荷レベル継続時間管理表112に出力する。これにより、身体的就業能力判定サーバ1は、作業者の動き情報13及び求職者6の動き情報14のそれぞれから得られる各負荷部位561の最高負荷レベル562と継続時間563に基づく負荷耐性の判定結果を出力できる。
図12に戻り説明を続ける、身体的就業能力判定サーバ1は、最高負荷レベル継続時間算出機能部107の処理を完了すると(810)、部位別スピード算出機能部108の処理を起動する(811)。
図8に部位別スピード算出機能部108の処理の詳細を示す。身体的就業能力判定サーバ1は、カメラが撮影した画像又は身体の各部位に位置情報センサーを装着して取得したモーションキャプチャデータが入力されると(361)、計測開始時間を表すパラメータに0、計測終了時間を表すパラメータに、予めスピード計測時間として定められた値5を設定する(362)。予め定められたスピード計測時間は、動きのスピードの速さや変化量によって適切な時間を決めるとよい。
次に、身体的就業能力判定サーバ1は、部位別最高スピード管理表113を作成し、足、手、指の部位毎の最高スピード0を保存する(363)。その結果、部位別最高スピード管理表113は図9Aに示す状態になる。
次に、身体的就業能力判定サーバ1は、計測開始時間と計測終了時間の各フレームにおける各部位の位置情報の差分を、計測開始時間と計測終了時間の差分で除算して、各部位の動きのスピードを算出する(364)。ここでは、足の動きのスピードが60cm/sec、手と指の動きのスピードは0cm/secと算出されたとする。
ステップ365に進み、ステップ364で算出された各部位のスピードの中に、現在保存している各部位のスピードより大きいものがあるかを判定する(365)。そして、現在保存している各部位のスピードより大きいものがある場合は、該当部位について、部位別最高スピード管理表113の該当部位581の最高スピード582を書き込み(366)、ステップ367に進む。もし、ステップ365で、ステップ364で算出した各部位のスピードの中に、現在保存している各部位のスピードよりも大きいものがない場合は、ステップ367に進む。例えば、ステップ364で算出した足のスピード60cm/secが現在保存しているスピード0cm/secより大きいので、部位別最高スピード管理表113の部位581に”足”が保存されている行583のスピードに”60”を書き込む。その結果、部位別最高スピード管理表113は図9Bに示す状態になる。
次に、身体的就業能力判定サーバ1は、計測開始時間と計測終了時間のそれぞれに1を加算し、計測開始時間を1、計測終了時間を6とする(367)。次に、身体的就業能力判定サーバ1は、入力データに計測終了時間のデータが存在するかを判定し(368)、存在する場合はステップ363に戻る。
以下、入力データにステップ368で計測終了時間のデータが存在する限りステップ363~368の処理を繰り返す。一方、ステップ368で入力データに計測終了時間のデータが存在しないと判定されると、身体的就業能力判定サーバ1は部位別スピード算出機能部108の処理を終了する(369)。以上の処理の結果、図9Cに示す部位別最高スピード管理表113が生成される。
身体的就業能力判定サーバ1は、部位別スピード算出機能部108の処理によって、身体の各部位581の最高スピード582を算出して部位別最高スピード管理表113に出力する。これにより、身体的就業能力判定サーバ1は、作業者の動き情報13又は求職者6の動き情報14から得られる身体の各部位581の最高スピード582に基づく俊敏性の判定結果を出力できる。
図12に戻り説明を続ける、身体的就業能力判定サーバ1は、部位別スピード算出機能部108の処理を終了すると(811)、作業名又は求職者6の氏名、タイムライン管理表111に含まれる動作数534の統計値(例えば、最大値、合計値、平均値など)、最高負荷レベル継続時間管理表112、及び、部位別最高スピード管理表113の内容を含む判定結果を生成し(812)、証明証発行サーバ2へ送信する(813)。なお、負荷の強度、負荷の継続時間、動作スピード及び動作数(動きの複雑さ)を計算して判定結果としたが、求人する現場企業11の要求に応じて、1以上の必要な項目のみを計算して判定結果としてもよい。また、負荷の強度、負荷の継続時間、動作スピード及び動作数(動きの複雑さ)を数値によって定量化したが、所定の基準(例えば、標準作業に要求される能力、求人する現場企業11が定めた基準など)によって能力の有無を判定してもよい。
証明証発行サーバ2は、身体的就業能力判定サーバ1から判定結果を受信すると、OK応答を証明証発行サーバ2へ返送する(814)。そして、証明証発行サーバ2は、判定結果処理部136を起動し、求人業務又は求職者6の識別子(ID)を付与し、受信した判定結果813の内容と併せて判定結果管理表138に書き込む。次に、証明証発行サーバ2は、証明証生成部137を起動し、判定結果管理表138の内容を反映した作業の要求能力証明証16及び身体的就業能力証明証17の一つ又は両方を出力する(816)。
資格認定機関10は、作業の要求能力証明証16を現場企業11へ送付し、身体的就業能力証明証17を求職者6へ送付する。
以上の処理によって、現場企業11は、要求能力証明証16と求職者6の身体的就業能力証明証17とを照合して、求職者6が求人業務を担当できるか判断できる。
図13は、現場作業管理サーバ3の構成の一例を示すブロック図である。現場作業管理サーバ3は、インターネットと接続する複数の通信インタフェース151、CPU152、メモリ153、及び補助記憶装置1544を有する計算機によって構成される。各構成要素は、バス155で接続される。
通信インタフェース151は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインタフェース装置である。
CPU152は、メモリ153に格納されたプログラムを実行する演算装置である。CPU152が、各種プログラムを実行することによって、現場作業管理サーバ3の各部(例えば、募集作業管理表編集機能部156、マッチング機能部157など)による機能が実現される。なお、プロセッサがプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウエアウェア)で実行してもよい。
メモリ153は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサが実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。メモリ153には、募集作業管理表編集機能部156、及び、マッチング機能部157として機能するプログラムが記憶される。募集作業管理表編集機能部156は、募集作業データを編集する。マッチング機能部157は、求職者6と求人業務のマッチングを行う。
補助記憶装置154は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置154は、CPU152がプログラムの実行時に使用するデータ、及びプロセッサが実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置154から読み出されて、メモリ153にロードされて、CPU152によって実行されることによって、現場作業管理サーバ3の各機能を実現する。
例えば、補助記憶装置154は、募集作業管理表158、及び、補完手段管理表159を格納する。募集作業管理表158は、求人作業の作業名と求人作業に必要な身体的就業能力の情報と募集人数の対応を管理する。補完手段管理表159は、作業者をホ補助する補完手段ごとに、補助する身体的就業能力の項目と、補助できるレベルと、コストとの対応情報を管理する。
現場作業管理サーバ3が募集作業管理表編集機能部156を備えることにより、面接者8は、資格認定機関10から受け取った作業の要求能力証明証16の内容に基づいて募集作業管理表158を編集できる。
また、現場作業管理サーバ3が募集作業管理表158と補完手段管理表159とマッチング機能部157を備えることにより、現場作業管理サーバ3が、求職者6の身体的就業能力と求人業務に必要な身体的就業能力を照合し、求職者6に適する求人業務を面接者8に提示できる。さらに、求職者6に適する求人業務が存在しない場合であっても、補完手段を用いることで担当できる求人業務がある場合には、該当する求人業務を面接者8に提示できる。
CPU152が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介して現場作業管理サーバ3に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置154に格納される。このため、現場作業管理サーバ3は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインタフェースを有するとよい。
現場作業管理サーバ3は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。例えば、現場作業管理サーバ3の複数の構成部分の各々が別個の物理的又は論理的計算機上で動作しても、複数の構成部分が組み合わされて一つの物理的又は論理的計算機上で動作するものでもよい。
図14は、募集作業管理表158の一例を示す図である。募集作業管理表158は、現場企業11が求人する作業現場に関する負荷、継続時間、スピードなどの情報を記録する。すなわち、募集作業管理表158は、求人作業の作業名641、体幹に生じる負荷の強さ642及び継続時間643、上腿に生じる負荷の強さ644及び継続時間645、手に生じる負荷の強さ646及び継続時間647、足に必要なスピード648、手に必要なスピード649、指に必要なスピード650、作業者が行う最大の動作数651、及び、募集人数652を対応付けて記録する。
現場作業管理サーバ3は、募集作業管理表158を管理することによって、求職者6の身体的就業能力で担当可能な求人業務を選択し、面接者8に提示できる。
図15は、補完手段管理表159の一例を示す図である。補完手段管理表159は、求職者6の身体的就業能力の補助を目的とする製品である補完手段に関する負荷、継続時間、スピードなどの軽減に関する情報を記録する。補完手段管理表159は、求職者6の身体的就業能力の補助を目的とする製品である補完手段671、求職者6の体幹が耐えられる負荷強度の補完手段671適用による増加値672、求職者6の体幹が耐えられる負荷継続時間の補完手段671適用による増加値673、求職者6の上腿が耐えられる負荷強度の補完手段671適用による増加値674、求職者6の上腿が耐えられる負荷継続時間の補完手段671適用による増加値675、求職者6の手が耐えられる負荷強度の補完手段671適用による増加値676、求職者6の手が耐えられる負荷継続時間の補完手段671適用による増加値677、補完手段671適用による求職者6の足のスピードの増加値678、補完手段671適用による求職者6の手のスピードの増加値679、補完手段671適用による求職者6の手のスピードの増加値680、求職者6が記憶して実施できる動作数の補完手段671適用による増加値681、及び、補完手段671適用に要するコスト682を対応付けて記録する。なお、補完手段管理表159には、各補完手段の適用時の増加値(各人の身体的就業能力に加算される値)を記録したが、各人の身体的就業能力(負荷、継続時間、スピード、動作数など)に乗ずる係数や、補完手段によって実現される身体的就業能力(負荷、継続時間、スピード、動作数など)の値を記録してもよい。
現場作業管理サーバ3は、補完手段管理表159を参照することによって、求職者6が担当できる求人業務が存在しない場合であっても、補完手段671が適用された求職者6が担当可能な求人業務を面接者8へ提示できる。その結果、面接者8は、補完手段671に要するコスト682も参考にして、求職者6の採否、及び、採用可能な担当業務を決定できる。
面接者8は、求職者6が身体的就業能力証明証18から受け取ると、現場作業管理サーバ3に身体的就業能力証明証18の内容を入力する。例えば、図11に示す判定結果管理表138の行616に示す日本太郎が、求職者6として身体的就業能力証明証18を面接者8へ提示し、面接者8が身体的就業能力証明証18の内容を現場作業管理サーバ3へ入力したとする。現場作業管理サーバ3は、身体的就業能力証明証18の内容が入力されると、マッチング機能部157の処理を起動する。
図16にマッチング機能部157の処理の詳細を示す。現場作業管理サーバ3は、面接者8が求職者6の身体的就業能力証明証18のデータを入力すると(381)、募集作業管理表158の先頭行653のデータを読み込む(382)。次に、現場作業管理サーバ3は。入力された身体的就業能力のうち、求人業務の要求能力を下回っている項目があるかを判定する(383)。ただし、負荷の項目で求職者6の身体的就業能力が求人業務の要求能力を超えている場合、該当部位の時間の項目は評価しなくてもよい。
例えば、先に入力された日本太郎さんの身体的就業能力と募集作業管理表158の行653の組立工程の身体的就業能力とを比較すると、全ての項目において求人業務の要求能力以上であるため、現場作業管理サーバ3はステップ384へ進み、画面に表示するデータとして、募集作業管理表158の該当行653のデータを保存する。次に、現場作業管理サーバ3は、募集作業管理表158に次の行があるかを判定する(385)。募集作業管理表158に次の行654が存在すれば、行654のデータを読み込み(386)、求職者6の身体的就業能力のうち求人業務の要求能力を下回っている項目があるかを判定する(383)。ただし、負荷の項目で求職者6の身体的就業能力が求人業務の要求能力を超えている場合、該当部位の時間の項目は評価しなくてもよい。
例えば、先に入力された日本太郎さんの身体的就業能力と募集作業管理表158の行654の梱包工程の身体的就業能力とを比較すると、求人業務の要求能力の動作数の要求値3より求職者6の身体的就業能力の動作数2が小さいので、ステップ387へ進む。現場作業管理サーバ3は補完手段管理表159の先頭行683のデータを読み込み、該当する補完手段を適用した時、求職者6の身体的就業能力のうち求人業務の要求能力を下回っている項目があるかを判定する(388)。ただし、負荷の項目で求職者6の身体的就業能力が求人業務の要求能力を超えている場合、該当部位の時間の項目は評価しなくてもよい。
補完手段管理表159の行683のVR/AR683を適用すると、求職者6の身体的就業能力は求人業務の要求能力以上になるので、ステップ389へ進み、現場作業管理サーバ3は、画面に表示するデータとして、募集作業管理表158の該当行654のデータと、VR/AR683の情報を保存し、ステップ390へ進む。
次に、現場作業管理サーバ3は補完手段管理表159に次の行が存在するかを判定する。補完手段管理表159に次の行684が存在するので、行684のパワードスーツの内容を読み込み(391)、ステップ388へ戻る。
現場作業管理サーバ3は、該当する補完手段を適用した時、求職者6の身体的就業能力のうち求人業務の要求能力を下回っている項目があるかを判定する(388)。ただし、負荷の項目で求職者6の身体的就業能力が求人業務の要求能力を超えている場合、該当部位の時間の項目は評価しなくてもよい。
補完手段管理表159の行684のパワードスーツを適用しても、求人業務の要求能力の動作数の要求値3より求職者6の身体的就業能力の動作数2が小さいので、ステップ390へ進む。
次に、現場作業管理サーバ3は、補完手段管理表159に次の行が存在するかを判定する。補完手段管理表159に次の行が存在しないので、ステップ385へ進み、募集作業管理表158に次の行が存在するかを判定する。
募集作業管理表158に次の行が存在しないので、現場作業管理サーバ3はステップ392へ進み、保存した全てのデータを、求職者6向けに提案する求人業務として画面にリストアップし、処理を終了する(393)。
次に、クライアント装置5a、5b、5cの構成を説明する。クライアント装置5a、5b、5cは、図示は省略するが、プロセッサ(CPU)、メモリ、補助記憶装置、通信インタフェース、入力インタフェース、及び、出力インタフェースを有する計算機によって構成される。
プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する演算装置である。プロセッサが、各種プログラムを実行することによって、クライアント装置5a、5b、5cの機能(例えば、webサーバと接続してデータを送受信するwebブラウザ)が実現される。なお、プロセッサがプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウエアウェア)で実行してもよい。
メモリは、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサが実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
補助記憶装置は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置は、プロセッサがプログラムの実行時に使用するデータ、及びプロセッサが実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置から読み出されて、メモリにロードされて、プロセッサによって実行されることによって、クライアント装置5a、5b、5cの各機能を実現する。
通信インタフェースは、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインタフェース装置である。
入力インタフェースは、キーボードやマウスなどの入力装置が接続され、オペレータからの入力を受けるインタフェースである。出力インタフェースは、ディスプレイ装置やプリンタ(図示省略)などの出力装置が接続され、プログラムの実行結果をオペレータが視認可能な形式で出力するインタフェースである。
プロセッサが実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介してクライアント装置5a、5b、5cに提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置に格納される。このため、クライアント装置5a、5b、5cは、リムーバブルメディアからデータを読み込むインタフェースを有するとよい。
図17及び図18に現場作業管理サーバ3がクライアント装置5a、5bを介して面接者8へ提示する、求職者6と求人業務のマッチング画面の一例を示す。図17及び図18は一つのマッチング画面を上側及び下側に分割して示すものであるが、面接時における用途によっては、複数の画面に分割して表示してもよい。マッチング画面は、求職者情報902、割り当て可能作業一覧903、割り当て時の身体的就業能力と求人業務の要求能力の比較グラフ904及び905、及び、身体的就業能力補完手段一覧906を含む。
面接者8は、求職者6の身体的就業能力証明証18を参照して、求職者情報902の氏名907、体幹の負荷908及び時間909、上腿の負荷910及び時間911、手の負荷912及び時間913、足のスピード914、手のスピード915、指のスピード916、及び、動作数917を入力し、作業検索ボタン901を操作(例えば、クリック、タップ)する。
現場作業管理サーバ3はマッチング機能部157を起動して処理を実行し、割り当て可能作業一覧903、割り当て時の身体的就業能力と求人業務の要求能力の比較グラフ904及び905、及び、身体的就業能力補完手段一覧906を作成して、マッチング画面に表示する。
割り当て可能作業一覧903は、グラフ描画選択ラジオボタン918、作業名919、体幹の負荷920及び時間921、上腿の負荷922及び時間923、手の負荷924及び時間925、足のスピード926、手のスピード927、指のスピード928、動作数929、募集人数930、及び、適用される補完手段とコスト931の情報を表示する。
面接者8がグラフ描画選択ラジオボタン918を選択すると、該当する求人業務に必要な身体的就業能力と求職者6の身体的就業能力を比較するグラフ904及び905が表示される。もし、補完手段931が空欄でない場合は、該当する求人業務に必要な身体的就業能力と、該当する補完手段931を適用したときの求職者6の身体的就業能力をグラフに表示するとよい。
面接者8は、グラフ描画する求人業務を選択することによって、該当する求人業務で必要な身体的就業能力に対して、求職者6の身体的就業能力がどの程度上回っているか確認したうえで、求職者6に作業を割り当てられる。
また、現場作業管理サーバ3は、身体的就業能力補完手段一覧906に補完手段管理表159の内容を表示する。面接者8は、身体的就業能力補完手段一覧906を見ることによって、補完手段951に要するコスト962も参考にして、求職者6の採否、及び、採用可能な担当業務を決定できる。
以上の処理によって、現場企業11の面接者8は、求人業務が複数ある場合でも、現場作業管理サーバ3を用いて求職者6の身体的就業能力で担当可能な求人業務を割り当てることができる。
なお、現場作業管理サーバ3がマッチング画面をクライアント装置5に表示する例を説明したが、現場作業管理サーバ3はマッチング処理の結果をデータで(例えば、他のシステムが利用可能な形態で)出力してもよい。
また、現場企業11の面接者8は、各求人業務と同じ動作を求職者6に再現してもらうことなく、求職者6が求人業務を担当可能かを効率的に判断できる。その結果、作業者の作業効率を向上でき、離職率を低下できる。
なお、本実施例では、証明証発行サーバ2が作業の要求能力証明証16及び身体的就業能力証明証17を出力し、資格認定機関10が現場企業11及び求職者6へ送付する構成としたが、証明証発行サーバ2が現場作業管理サーバ3及び求職者6が使用する計算機とネットワークを介して接続し、作業の要求能力証明証16及び身体的就業能力証明証17を電子的に送付する構成でもよい。証明証の電子的な送付によって、印刷物の郵送に要する人的リソース及び時間を節約できる。
また、本実施例では身体的就業能力として身体の各部位が耐えられる負荷の強度、負荷の継続時間、身体の各部位のスピード、及び、記憶して実施できる動作数を用いる構成としたが、求人を行う現場企業11の作業者及び求職者6の身体にウェアラブルセンサーを装着して動作前後の脈拍値を測定し、脈拍の増加値を身体的就業能力の一項目として用いてもよい。これにより、現場作業管理サーバ3は、求人業務に必要な持久力及び求職者6の持久力に基づいて、求職者6が求人業務を担当可能かを判定できる。
以上に説明したように、本発明の実施例の身体的就業能力マッチングシステムは、身体的就業能力を判定する身体的就業能力判定サーバ1と、身体的就業能力の判定結果に基づいて作業の適否を判定する現場作業管理サーバ3とを備え、身体的就業能力判定サーバ1は、身体の姿勢及び動きを表す動き情報から、姿勢及び動きが身体へ与える負荷の強度、負荷の継続時間、動きのスピード、動きの複雑さ及び持久力の少なくとも一つに関する情報を含む身体的就業能力を身体の部位又は身体能力の観点において分類した身体的就業能力判定結果を出力し、現場作業管理サーバ3は、候補者(例えば求職者6)の身体的就業能力と作業の要求能力との比較によって、候補者が作業に適するかを判定する。このように、人の動き情報から、姿勢を分類し、身体の各部位の動き情報を取得することによって身体的就業能力を客観的に判定でき、求人業務で必要な動きと、求職者6が行う動きが異なる場合でも、それらの動きから得られる身体的就業能力を面接者8が比較可能となる。これにより、求職者6の属性(年齢、性別、経験など)によらず、求職者6と作業を適切にマッチングできる。また、求職者6が、予め決まった動きを実施して身体的就業能力を測定することで、求人業務と同じ動作を再現することなく、求職者6が求人業務を担当可能かを判定でき、選考業務を効率的に実施できる。このため、求職者6と作業とのミスマッチを未然に防止でき、作業者の怪我や離職を低減できる。また、求人を行う現場企業11は選考業務を効率的に実施でき、求職者6は各業務と同じ動作を再現する試験を受ける必要がなくなり、効率的に応募できる。
また、身体的就業能力判定サーバ1は、分類された身体的就業能力を定量化した数値を含めた身体的就業能力判定結果を出力するので、身体的就業能力を定量的に判定できる。
また、身体的就業能力は、身体の各部位の位置関係に基づいて分類される姿勢における負荷の強度及び継続時間と、動きのスピードを表す身体の各部位の速度と、動きの複雑さを表す作業の数と、持久力を表す姿勢及び動きを実施する前後での脈拍の変動値との少なくとも一つを含むので、負荷の強度及び継続時間によって特定の姿勢や動きが可能かを判定でき、作業の数によって複雑な作業の可否を判定でき、スピードによって作業速度を判定でき、脈拍の変動値によって持久力を判定できる。
また、身体的就業能力マッチングシステムは、身体的就業能力判定サーバ1から出力された身体的就業能力判定結果に基づいて、候補者の身体的就業能力を証明する身体的就業能力証明証18と候補者が行う予定の作業で必要な身体的就業能力を証明する要求能力証明証16とを発行する証明証発行サーバ2を備え、現場作業管理サーバ3は、身体的就業能力証明証18と要求能力証明証16との比較によって、候補者が作業に適するかを判定するので、身体的就業能力の客観的な判定結果に基づいて作業への適否を判定できる。
また、証明証発行サーバ2は、身体的就業能力と、人又は作業を識別するための情報とを対応づけて管理し(判定結果管理表138)、身体的就業能力判定結果に基づいて、各人又は各作業の身体的就業能力を証明する証明証16、17を発行するので、作業の客観的評価を証明できる。
また、現場作業管理サーバ3は、身体的就業能力の補完手段が身体的就業能力に与える影響、及び、当該補完手段の費用の情報(補完手段管理表159)を取得可能であって、候補者の身体的就業能力が作業で必要な身体的就業能力に満たず、かつ、補完手段を適用すると当該候補者の身体的就業能力が当該作業で必要な身体的就業能力を満たす場合、当該補完手段と共に当該候補者に適する作業を選択するので、求職者6が担当可能な業務が増え、求人を行う現場企業11は作業を割り当てられる候補者が増え、求職者6の就業機会を増加でき、経済を強くし、全員参加型の経済社会システムを構築できる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウエアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。