JP7091676B2 - 超音波探傷方法 - Google Patents
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Description
上記のアレイ型超音波探触子及び2次元画像化手法を用いた超音波探傷方法によれば、高い空間分解能を有する2次元画像を生成できるため、各アレイ型超音波探触子の探傷領域内単独では、きずの位置や個数を正確に算出することが可能である。
図1(a)に示すように、1つのアレイ型超音波探触子1から送信された超音波は、シュー5及び接触媒質(図示せず)を介して、アレイ型超音波探触子1に対向する鋼片BLの側面から鋼片BLの内部に入射する。そして、鋼片BLに存在するきず等で反射したエコーは、接触媒質(図示せず)及びシュー5を介してアレイ型超音波探触子1で受信され、探傷信号として出力される。ここで、超音波を鋼片BLの側面に対して略垂直に送受信する垂直探傷を行う場合、図1(b)に示す探傷信号波形のように、送信エコー(送信パルス)Tに次いで強大な表面エコーSが観測され、5波から10波程度(距離に換算すると側面から数mm~十数mm)は表面エコーSが持続する。このため、表面エコーSが持続する領域にきずが存在する場合、きずエコーが表面エコーSに埋没して探傷することができない。すなわち、表面エコーSが持続する領域が不感帯になる。なお、鋼片BLの底面(アレイ型超音波探触子1を配置した側面と反対側の側面)近傍にきずが存在する場合、時間軸上で底面エコーBの前方にきずエコーが出現するため、きずエコーが底面エコーに埋没することなく底面直前まで探傷可能である。
図2(e)に示す領域A4では、4つのアレイ型超音波探触子1の探傷領域Aが重複している。また、領域A3では、3つのアレイ型超音波探触子1の探傷領域Aが重複している。さらに、領域A2では、2つのアレイ型超音波探触子1の探傷領域Aが重複している。前述の鋼片BLの中心にあるきずFのように、領域A4内に位置するきずは、実際の個数の4倍の個数に算出されてしまう。同様に、領域A3内に位置するきずは、実際の個数の3倍の個数に算出され、領域A2内に位置するきずは、実際の個数の2倍の個数に算出されてしまう。
また、アレイ型超音波探触子としては、一方向に配列された複数の振動子を具備する1次元アレイ型超音波探触子の他、直交する二方向にマトリックス状に配列された複数の振動子を具備する2次元アレイ型超音波探触子を用いることができる。
同様に、アレイ型超音波探触子として2次元アレイ型超音波探触子を用いる場合、本発明の第1の方法に係る超音波探傷方法の全体2次元画像生成工程においては、全体2次元画像が被探傷材の長手方向について複数同時に生成されることになる。全体2次元画像生成工程における「全体2次元画像を生成する」とは、このように被探傷材の長手方向について複数同時に全体2次元画像を生成する場合も含む概念である。
しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、アレイ型超音波探触子毎の2次元画像を被探傷材の長手方向の複数の断面について合成して3次元画像を先に生成した後、このアレイ型超音波探触子毎の3次元画像を合成して全体3次元画像を生成することも可能である。
本発明の第2の方法に係る超音波探傷方法においても、第1の方法に係る超音波探傷方法と同様に、被探傷材の側面の形状を測定する形状測定工程を含み、前記全体3次元画像生成工程において、前記形状測定工程において測定した前記被探傷材の側面の形状に基づき、前記アレイ型超音波探触子毎の前記3次元画像における前記基準位置の座標を算出し、該算出した基準位置が全て一致するように前記3次元画像を合成することで、前記全体3次元画像を生成する。このように、測定した被探傷材の実際の側面の形状に基づき、各3次元画像の基準位置の座標を算出し、算出後の基準位置が全て一致するように各3次元画像を合成するため、各3次元画像を合成する際の誤差が低減され、被探傷材の形状・寸法が設計値からずれる場合であっても、きずの個数を正確に算出可能である。
しかしながら、例えば、被探傷材が鋼片である場合、圧延工程の設定不良等に起因して、鋼片の形状・寸法が設計値からずれることもある。このように、被探傷材の形状・寸法が設計値からずれる場合には、設計値通りであることを前提として幾何学的に算出される各2次元画像の基準位置(理想状態での基準位置)も実際の基準位置からずれる場合がある。このずれ量が大きいと、各2次元画像の基準位置が全て一致するように各2次元画像を合成する際に誤差が生じ、きずの個数を正確に算出できなくなる可能性もある。
上記の可能性を回避するには、被探傷材の側面の形状を測定し、その測定結果に応じて、実際の基準位置の座標を算出することが好ましい。
ただし、前記アレイ型超音波探触子の理想状態からの傾き角は、前記被探傷材の側面の形状が変形していない設計通りの理想状態であるときの前記アレイ型超音波探触子の姿勢を基準とし、前記形状測定工程において前記被探傷材の側面の形状を測定した際の前記アレイ型超音波探触子の姿勢の前記基準からの傾き角を意味する。
また、アレイ型超音波探触子の所定位置としては、アレイ型超音波探触子の中心位置を例示できる。アレイ型超音波探触子にシューが取り付けられている場合、アレイ型超音波探触子の中心位置はシューの中心位置を意味する。
前記アレイ型超音波探触子の理想状態からの傾き角の意味は、前述の通りである。また、アレイ型超音波探触子の所定位置の例示は、前述の通りである。
まず、第1実施形態について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る超音波探傷方法を実施するための超音波探傷装置の概略構成を示す図である。図3(a)は、全体構成を示す側面図である。図3(b)は、図3(a)の矢符Yの方向から見た図である。ただし、図3(b)では、制御・信号処理装置2、速度計3及び形状測定装置4の図示は省略している。図3(c)は、アレイ型超音波探触子周辺の詳細を示す拡大図である。
図3(a)、(b)に示すように、超音波探傷装置100は、アレイ型超音波探触子(以下、適宜「超音波探触子」と略称する)1と、制御・信号処理装置2とを備える。また、第1実施形態の超音波探傷装置100は、好ましい構成として、速度計3と、形状測定装置4とを備える。
4つの超音波探触子1を鋼片BLの長手方向について同じ位置に配置することも可能である。しかしながら、4つの超音波探触子1から同時に超音波を送受信する場合、一の超音波探触子1から送信した超音波が他の超音波探触子1で受信されることでノイズが生じる。このため、4つの超音波探触子1を鋼片BLの長手方向について同じ位置に配置する場合には、4つの超音波探触子1から超音波を送受信するタイミングをずらす必要があり、必要な探傷時間が増加する。
第1実施形態のように、4つの超音波探触子1を鋼片BLの長手方向について互いに位置をずらして配置することにより、4つの超音波探触子1から同時に超音波を送受信することができ、高速に探傷可能である。
制御・信号処理装置2は、パルサー、レシーバー、増幅器、A/D変換器、波形メモリなど、いわゆる超音波探傷用の探傷器が具備する公知の手段を備えることで超音波の送受信を制御する。また、制御・信号処理装置2には、波形メモリに記憶された探傷信号に対して信号処理を施すことで2次元画像を生成する等の所定のプログラムがインストールされている。2次元画像化手法に用いられる信号処理(開口合成処理等)については、例えば、前述した特許文献5に記載のような公知の内容を適用できるため、ここではその具体的な内容の記載を省略する。
図4は、第1実施形態に係る超音波探傷方法の概略工程を示すフロー図である。図4に示すように、第1実施形態に係る超音波探傷方法は、探傷工程S11、2次元画像生成工程S12、全体2次元画像生成工程S13及び全体3次元画像生成工程S14を含む。また、第1実施形態に係る超音波探傷方法は、好ましい方法として、形状測定工程S10及びきず検出・きず個数算出工程S15を含む。形状測定工程S10は必ずしも実行しなくてもよいが、鋼片BLの形状・寸法が設計値から大きくずれる場合があるときには実行した方が好ましい。以下、各工程S10~S15について順次説明する。最初に形状測定工程S10を実行しない場合について説明する。
具体的には、全体2次元画像生成工程S13では、制御・信号処理装置2が、超音波探触子1毎の2次元画像の重複探傷領域内に位置する所定の基準位置(第1実施形態では、鋼片BLの中心位置)が全て一致するように2次元画像を合成することで、全体2次元画像を生成する。例えば、2次元画像生成工程S13において、超音波探触子1毎に生成した複数の2次元画像のそれぞれに対して座標変換を施すことで、各2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)を全て一致させた後、全体2次元画像を構成する各画素の濃度が、対応する各2次元画像を構成する各画素の最大濃度に等しくなるように、全体2次元画像を生成する。以下、この点につき、図5を参照しつつ、より具体的に説明する。
図5(a)に示すように、超音波探触子1Aについて生成される2次元画像は、超音波探触子1Aの探傷領域A(AA)内に存在する鋼片BLの断面を含んでいる。いずれの超音波探触子1についても、探傷領域Aは、深さ方向(超音波探触子1と鋼片BLとの対向方向)については鋼片BLの中心よりやや超音波探触子1寄りの深さから底面までの範囲で、幅方向(超音波探触子1と鋼片BLとの対向方向に直交する方向)については両側面に亘る範囲に設定されている。したがい、この2次元画像は、鋼片BLの形状・寸法や、鋼片BLと超音波探触子1Aとの位置関係に基づき、幾何学的に算出される鋼片BLの中心位置Cを含んでいる。
一方、図5(a)の右図に示すように、生成される全体2次元画像の座標系が鋼片BLの中心位置C(0,0)をXZ座標の原点とするXYZ直交座標系(YはYaと共通)であるとする。
この場合、超音波探触子1Aについて生成されるXaYaZa直交座標系の2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,-L)がXYZ直交座標系の全体2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,0)に一致するように、XaYaZa直交座標系の2次元画像を座標変換する。
また、座標変換が平行移動である場合、e=cos0°=1、g=-sin0°=0、f=sin0°=0、h=cos0°=1、j=X方向の移動量、k=Y方向の移動量となる。
図5(b)の左図に示すように、全体2次元画像生成前の超音波探触子1Bについて生成される2次元画像の座標系が、超音波探触子1Bの中心(本実施形態の場合は、シュー5が取り付けられているため、具体的にはシュー5の中心)が鋼片BLと接する点OB(0,0)をXbZb座標の原点とするXbYbZb直交座標系(YbはYと共通)であるとする。このとき、鋼片BLの形状・寸法が設計値通りの理想状態である場合、本実施形態で基準位置とする鋼片BLの中心位置CのXbZb座標はC(0,-M)となる。
この場合、超音波探触子1Bについて生成されるXbYbZb直交座標系の2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,-M)がXYZ直交座標系の全体2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,0)に一致するように、XbYbZb直交座標系の2次元画像を座標変換する。
図5(c)の左図に示すように、全体2次元画像生成前の超音波探触子1Cについて生成される2次元画像の座標系が、超音波探触子1Cの中心(本実施形態の場合は、シュー5が取り付けられているため、具体的にはシュー5の中心)が鋼片BLと接する点OC(0,0)をXcZc座標の原点とするXcYcZc直交座標系(YcはYと共通)であるとする。このとき、鋼片BLの形状・寸法が設計値通りの理想状態である場合、本実施形態で基準位置とする鋼片BLの中心位置CのXcZc座標はC(0,-L)となる。
この場合、超音波探触子1Cについて生成されるXcYcZc直交座標系の2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,-L)がXYZ直交座標系の全体2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,0)に一致するように、XcYcZc直交座標系の2次元画像を座標変換する。
図5(d)の左図に示すように、全体2次元画像生成前の超音波探触子1Dについて生成される2次元画像の座標系が、超音波探触子1Dの中心(本実施形態の場合は、シュー5が取り付けられているため、具体的にはシュー5の中心)が鋼片BLと接する点OD(0,0)を原点とするXdYdZd直交座標系(YdはYと共通)であるとする。このとき、鋼片BLの形状・寸法が設計値通りの理想状態である場合、本実施形態で基準位置とする鋼片BLの中心位置CのXdZd座標はC(0,-M)となる。
この場合、超音波探触子1Dについて生成されるXdYdZd直交座標系の2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,-M)がXYZ直交座標系の全体2次元画像の基準位置(鋼片BLの中心位置)C(0,0)に一致するように、XdYdZd直交座標系の2次元画像を座標変換する。
例えば、超音波探触子1Aについて生成されるXaYaZa直交座標系の2次元画像の原点OA(0,0)は、以下の式(1E)に従い、XYZ直交座標系の全体2次元画像の位置(0,L)に変換されることになる。
本実施形態の好ましい方法では、前述のように、全体2次元画像生成工程S13において、基準位置C’が全て一致するように2次元画像を合成することで、全体2次元画像を生成する。具体的には、超音波探触子1の理想状態からの傾き角と、基準位置C’とアレイ型超音波探触子1の所定位置(例えば、超音波探触子1の中心)との相対位置関係(例えば、基準位置C’から超音波探触子1の中心が鋼片BLと接する点に向かうベクトル)とに基づき、基準位置C’が全て一致するように2次元画像に対して座標変換を施して2次元画像を合成することで、全体2次元画像を生成する。以下、この点につき、図7~図9を参照しつつ、より具体的に説明する。
図7(a)に示すように、好ましい全体2次元画像生成工程S13では、図7(a)の左図に示す全体2次元画像生成前の超音波探触子1Aについて生成される2次元画像のXaYaZa直交座標系を、図7(a)の右図に示す全体2次元画像のXYZ直交座標系に座標変換する。この際、図5(a)を参照して前述した理想状態の場合と異なり、基準位置Cではなく基準位置C’が一致するように座標変換することになる。
上記の座標変換を数式で表わすと、以下の式(1G)となる。
上記の座標変換を数式で表わすと、以下の式(1H)となる。
或いは、傾き角θAと同様に、鋼片BLの長手方向から超音波探触子1A(シュー5)を撮像した撮像画像に基づき、点OA(XOA,ZOA)の座標を算出してもよい。
他の超音波探触子1B~1Dの中心が鋼片BLと接する点の座標についても同様である。
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係る超音波探傷方法を実施するための超音波探傷装置の構成は、図3に示す超音波探傷装置100と同じである。
第1実施形態に係る超音波探傷方法では、全体2次元画像生成工程S13において、超音波探触子1毎の2次元画像を合成して、鋼片BLの断面全体の2次元画像である全体2次元画像を先に生成した後、全体3次元画像生成工程S14において、鋼片BLの長手方向の複数の断面についての全体2次元画像を合成して、全体3次元画像を生成している。
これに対し、第2実施形態に係る超音波探傷方法では、超音波探触子1毎の2次元画像を鋼片BLの長手方向の複数の断面について合成して3次元画像を先に生成した後、この超音波探触子1毎の3次元画像を合成して全体3次元画像を生成する点だけが、第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態に係る超音波探傷方法について、主に第1実施形態と異なる点を具体的に説明する。
第2実施形態に係る超音波探傷方法の形状測定工程S20、探傷工程S21、2次元画像生成工程S22及びきず検出・きず個数算出工程S25は、それぞれ第1実施形態に係る超音波探傷方法の形状測定工程S10、探傷工程S11、2次元画像生成工程S12及びきず検出・きず個数算出工程S15と同じ内容であるため、説明を省略し、以下では、3次元画像生成工程S23及び全体3次元画像生成工程S24について説明する。
具体的には、全体3次元画像生成工程S24では、制御・信号処理装置2が、超音波探触子1毎の3次元画像の重複探傷領域内に位置する所定の基準位置(第2実施形態でも、鋼片BLの中心位置)が全て一致するように3次元画像を合成することで、全体3次元画像を生成する。
図11(a)に示すように、超音波探触子1Aについて生成される3次元画像は、超音波探触子1Aの探傷領域AA(図5(a)参照)内に存在する鋼片BLの断面を含んでいるため、鋼片BLの形状・寸法や、鋼片BLと超音波探触子1Aとの位置関係に基づき、幾何学的に算出される鋼片BLの中心位置C1を含んでいる。
図示は省略するが、超音波探触子1Bについて生成される3次元画像は、鋼片BLの形状・寸法や、鋼片BLと超音波探触子1Bとの位置関係に基づき、幾何学的に算出される鋼片BLの中心位置C2を含んでいる。また、超音波探触子1Cについて生成される3次元画像は、鋼片BLの形状・寸法や、鋼片BLと超音波探触子1Cとの位置関係に基づき、幾何学的に算出される鋼片BLの中心位置C3を含んでいる。さらに、超音波探触子1Dについて生成される3次元画像は、鋼片BLの形状・寸法や、鋼片BLと超音波探触子1Dとの位置関係に基づき、幾何学的に算出される鋼片BLの中心位置C4を含んでいる。
第1実施形態に係る超音波探傷方法の全体2次元画像生成工程S13と同様に、全体3次元画像生成工程S24では、制御・信号処理装置2が、超音波探触子1毎の3次元画像の重複探傷領域内に位置する所定の基準位置(鋼片BLの中心位置C1~C4)が全て一致するように、各3次元画像を回転・平行移動させて各3次元画像を合成することで、図11(b)に示すような全体3次元画像を生成する。
2・・・制御・信号処理装置
3・・・速度計
4・・・形状測定装置
100・・・超音波探傷装置
BL・・鋼片
Claims (4)
- 被探傷材の側面の形状を測定する形状測定工程と、
複数の振動子をそれぞれ具備する複数のアレイ型超音波探触子を前記被探傷材の側面に対向するように配置し、前記複数のアレイ型超音波探触子を前記被探傷材の長手方向に相対移動させることで前記被探傷材を探傷する探傷工程と、
前記探傷工程において前記複数のアレイ型超音波探触子からそれぞれ出力される探傷信号に対して信号処理を施すことで、前記アレイ型超音波探触子毎に前記被探傷材の長手方向に直交する方向の断面についての2次元画像を生成する2次元画像生成工程と、
前記2次元画像生成工程において生成された前記アレイ型超音波探触子毎の前記2次元画像を合成して、前記被探傷材の断面全体の2次元画像である全体2次元画像を生成する全体2次元画像生成工程と、
前記全体2次元画像生成工程において生成された前記被探傷材の長手方向の複数の断面についての前記全体2次元画像を合成して、前記被探傷材全体の3次元画像である全体3次元画像を生成する全体3次元画像生成工程と、
を含み、
前記探傷工程において、前記被探傷材の長手方向から見た場合に前記複数のアレイ型超音波探触子の探傷領域のいずれもが重複する部分である重複探傷領域を有するように、前記複数のアレイ型超音波探触子を配置し、
前記全体2次元画像生成工程において、前記形状測定工程において測定した前記被探傷材の側面の形状に基づき、前記アレイ型超音波探触子毎の前記2次元画像の前記重複探傷領域内に位置する所定の基準位置の座標を算出し、該算出した基準位置が全て一致するように前記2次元画像を合成することで、前記全体2次元画像を生成する、超音波探傷方法。 - 前記全体2次元画像生成工程において、
前記形状測定工程において測定した前記被探傷材の側面の形状に基づき、前記アレイ型超音波探触子毎の前記2次元画像における前記基準位置の座標を算出し、前記アレイ型超音波探触子の理想状態からの傾き角と、前記算出した基準位置と前記アレイ型超音波探触子の所定位置との相対位置関係とに基づき、前記算出した基準位置が全て一致するように前記2次元画像に対して座標変換を施して前記2次元画像を合成することで、前記全体2次元画像を生成する、請求項1に記載の超音波探傷方法。
ただし、前記アレイ型超音波探触子の理想状態からの傾き角は、前記被探傷材の側面の形状が変形していない設計通りの理想状態であるときの前記アレイ型超音波探触子の姿勢を基準とし、前記形状測定工程において前記被探傷材の側面の形状を測定した際の前記アレイ型超音波探触子の姿勢の前記基準からの傾き角を意味する。 - 被探傷材の側面の形状を測定する形状測定工程と、
複数の振動子をそれぞれ具備する複数のアレイ型超音波探触子を前記被探傷材の側面に対向するように配置し、前記複数のアレイ型超音波探触子を前記被探傷材の長手方向に相対移動させることで前記被探傷材を探傷する探傷工程と、
前記探傷工程において前記複数のアレイ型超音波探触子からそれぞれ出力される探傷信号に対して信号処理を施すことで、前記アレイ型超音波探触子毎に前記被探傷材の長手方向に直交する方向の断面についての2次元画像を生成する2次元画像生成工程と、
前記2次元画像生成工程において生成された前記被探傷材の長手方向の複数の断面についての前記2次元画像を合成して、前記アレイ型超音波探触子毎に前記被探傷材の3次元画像を生成する3次元画像生成工程と、
前記3次元画像生成工程において生成された前記アレイ型超音波探触子毎の前記3次元画像を合成して、前記被探傷材全体の3次元画像である全体3次元画像を生成する全体3次元画像生成工程と、
を含み、
前記探傷工程において、前記被探傷材の長手方向から見た場合に前記複数のアレイ型超音波探触子の探傷領域のいずれもが重複する部分である重複探傷領域を有するように、前記複数のアレイ型超音波探触子を配置し、
前記全体3次元画像生成工程において、前記形状測定工程において測定した前記被探傷材の側面の形状に基づき、前記アレイ型超音波探触子毎の前記3次元画像の前記重複探傷領域内に位置する所定の基準位置の座標を算出し、該算出した基準位置が全て一致するように前記3次元画像を合成することで、前記全体3次元画像を生成する、超音波探傷方法。 - 前記全体3次元画像生成工程において、
前記形状測定工程において測定した前記被探傷材の側面の形状に基づき、前記アレイ型超音波探触子毎の前記3次元画像における前記基準位置の座標を算出し、前記アレイ型超音波探触子の理想状態からの傾き角と、前記算出した基準位置と前記アレイ型超音波探触子の所定位置との相対位置関係とに基づき、前記算出した基準位置が全て一致するように前記3次元画像に対して座標変換を施して前記3次元画像を合成することで、前記全体3次元画像を生成する、請求項3に記載の超音波探傷方法。
ただし、前記アレイ型超音波探触子の理想状態からの傾き角は、前記被探傷材の側面の形状が変形していない設計通りの理想状態であるときの前記アレイ型超音波探触子の姿勢を基準とし、前記形状測定工程において前記被探傷材の側面の形状を測定した際の前記アレイ型超音波探触子の姿勢の前記基準からの傾き角を意味する。
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