JP7090904B2 - 発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発電装置に関する。
昼間と共に夜間も発電を行うことができる熱電変換装置が知られている。特許文献1には、「太陽熱集熱器、熱電変換素子に接して前記太陽熱集熱器側とその反対側にそれぞれ配置された第1及び第2の温度均一化ブロック、及び前記太陽熱集熱器の反対側の第2温度均一化ブロックに熱伝導部を介して接続され地中に埋設された冷却部を備えたことを特徴とする熱電変換装置。」が記載されている。
特開平4-139773号公報
本発明者らは、特許文献1に記載の熱電変換装置について検討したところ、昼間と共に夜間も、言い換えれば、太陽光の照射の有無にかかわらず発電できるものの、昼間と夜間とでは得られる電流の極性が異なることを知見している。従って、上記熱電変換装置によって得られた電流を利用する場合、極性反転回路等を別途準備しなければならず、システム全体が煩雑となってしまうという問題があった。
上記課題に鑑みて、本発明は、極性反転回路等を介さなくても、常に同一の極性の直流電流を得ることができる発電装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1]可視光、及び、近赤外光を反射する光反射層と、上記光反射層の一方の主面に配置された、可視光、及び、近赤外光を透過し、中赤外光を吸収する赤外放射層と、上記光反射層の他方の主面に配置され、上記光反射層側と、その反対側との温度差により起電力を生じる平板状の熱発電素子と、を有する発電装置。
[2]上記光反射層が、金属層を含む、[1]に記載の発電装置。
[3]上記赤外放射層が、ホウケイ酸ガラスからなる、[1]又は[2]に記載の発電装置。
本発明によれば、極性反転回路等を介さなくても、常に同一の極性の直流電流を得ることができる発電装置が提供できる。
本発明の実施形態に係る発電装置の模式的な断面図である。 熱発電素子の構造を示す模式図である。 熱源に対して下面側を接触させる形態で本発電装置を配置した場合の模式図である。 発電装置1及び発電装置2の起電力と太陽光強度の時間変化を示すグラフである。 昼間の時間帯に発電装置1及び発電装置2を屋外に配置した際の赤外線カメラ画像である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[発電装置]
本発明の実施形態に係る発電装置は、可視光、及び、近赤外光を反射する光反射層と、上記光反射層の一方の主面に配置された、可視光、及び、近赤外光を透過し、中赤外光を吸収する赤外放射層と、上記光反射層の他方の主面に配置され、上記光反射層側と、その反対側との温度差により起電力を生じる平板状の熱発電素子と、を有する発電装置である。
図1は、本発明の実施形態に係る発電装置の模式的な断面図を示している。発電装置10は、光反射層11と、上記光反射層11の一方の主面に配置された赤外放射層12と、光反射層11の他方の主面に配置された熱発電素子13とを有している。
なお、本明細書において、主面とは、シート状物(フィルム、シート、及び、平板状物)の面積がほぼ最大となる面を意味する。例えば、フィルムであれば、フィルムの表面及び裏面のそれぞれを主面と称する。なお、シート状物には積層体も含む。
図2は、熱発電素子13の構造を示す模式図である。熱発電素子13は、対向する一対の基板21及び22の間に配置された、複数のp型半導体ブロック25とn型半導体ブロック26とを有し、これらの半導体ブロックが、電極23、及び、24により交互に直列に連結されて直列接続体を形成し、上記直列接続体の両端には図示しない電流取り出し用の配線が接続されている。
熱発電素子13によれば、基板21、及び、基板22に温度差が与えられると、ゼーベック効果によりp型半導体ブロック25、及び、n型半導体ブロック26との間に電位差を生じ、上記配線から電流を取り出すことができる。このとき、電流の極性は、一般的には基板21及び22の温度の高低に依存する。すなわち、基板21の温度の方がより高い場合と、基板22の温度の方がより高い場合とでは、得られる電流の極性が異なる。
なお、上記熱発電素子においては、複数のp型半導体ブロックとn型半導体ブロックとが直列接続されているが、熱発電素子としては上記に制限されず、対向する2枚の基板中に配置され、いわゆるπ型に接続された一対のp型半導体ブロック、及び、n型半導体ブロックからなる熱発電素子であってもよい。
p型半導体ブロック25の材料成分としては特に制限されないが、例えば、ビスマス・テルル系材料(例えば、BiTe-SbTe等)が使用できる。また、CaCo、NaxCoO、及び、Ca3-xBiCo等も使用できる。また、n型半導体ブロック26の材料成分としては特に制限されないが、例えば、ビスマス・テルル系材料(例えば、BiTe-SbSe等)が使用できる。また、Ca0.9La0.1MnO、La0.9Bi0.1NiO、CaMn0.98Mo0.02、及び、NbドープSrTiO等も使用できる。
また、上記以外にも、例えば、特開2016-96242号公報等に記載される有機化合物等も使用可能である。
基板21、及び、22は絶縁性を有することが好ましい。基板の材料成分としては、例えば、セラミックス、及び、樹脂等が挙げられる。
セラミックスとしては、特に制限されないが、例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、及び、窒化ケイ素(Si)等が使用できる。
樹脂としては例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、及び、ポリイミド等が使用できる。
また、上記基板は熱伝導率が高いことが好ましく、そのような材料成分としては、上述のセラミックス(特にアルミナが好ましい)に加えて、例えば、金属が挙げられ、金属としては例えば、銅、及び、アルミニウム等が挙げられる。なお、基板が材料成分として金属を含有する場合、電極23及び24との絶縁を確保することが好ましく、その場合、セラミックス層、及び/又は、樹脂層(電極側)と金属層との積層体が好ましい。
電極23、及び、24の材料成分としては、例えば、金、白金、クロム、タングステン、タンタル、ニッケル、銅、アルミニウム、銀、及び、マグネシウム等の金属、又は、それらの合金;ポリシリコン、アモルファスシリコン、カーボンブラック、グラファイト、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、及び、導電性ポリマー等の材料を用いることができ、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RF(高周波)スパッタ法、及び、印刷法等の公知の方法により形成可能である。
なお、本発電装置に適用可能な熱発電素子としては上記に制限されない。熱発電素子としては、スピンゼーベック効果を応用した「スピン熱電変換素子」等と呼ばれる熱発電素子を使用することもできる。スピン熱電変換素子としては、例えば、特開2017-45762号公報の0014~0050段落に記載の熱発電素子、及び、国際公開第2017-082266号の0018~0063段落に記載の熱発電素子等も使用でき、上記内容は本明細書に組み込まれる。
また、熱発電素子としては、異常ネルンスト効果を応用した素子を使用することもできる。上記素子としては、例えば、特開2018-78147号公報の0014~0026段落に記載の素子が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態に係る発電装置10は、上記熱発電素子上に、光反射層11と、赤外放射層12とを有している。
このうち、光反射層は、可視光、及び、近赤外光を反射する機能を有する。なお、本明細書において、可視光とは波長が0.4~0.8μmの光を意味し、近赤外光とは、波長が0.8μmを超え、2.5μm以下の光を意味する。
また、可視光、及び、近赤外光を反射する、とは、光反射層に入射した光のうち、0.4~2.5μmの光の反射率が80%以上であることを意味し、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
なお、上限としては特に制限されないが、100%以下が好ましい。
本明細書において、光の反射率とは、以下の方法により測定される光の反射率(全光反射率)を意味する。
<光の反射率の測定方法>
(1)波長0.4~2.0μm
・使用装置:紫外可視近赤外分光光度計(型番:V-570、日本分光株式会社製)
(2)波長2.0~15μm
・使用装置:フーリエ変換赤外分光装置(型番:iS50R、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)
反射率、及び、透過率の計算:得られたデータを算術平均し、小数第1位を四捨五入する。
吸収率は、上記の方法により得られた反射率と透過率の和を100(%)から引いた値;(吸収率)=100-反射率-透過率
を意味する。
光反射層における光の透過率としては特に制限されないが、光反射層に入射した光のうち、0.4~2.5μmの光の透過率が、5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
光反射層は、所定の波長の光に対する反射特性を有していれば、特に制限されないが、波長が2.5μmを超える光(具体的には、2.5μmを超えて、15μm以下)に対する反射率としては、80%以上が好ましく、透過率としては、1%以下が好ましい。
所望の反射特性を有していれば、光反射層の材料成分としては、特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する発電装置が得られる点で、金属を含有することが好ましく、光反射層は、少なくとも金属からなる金属層を有することが好ましい。
すなわち、光反射層は、単一の層から形成されていてもよく、複数の層から形成された積層体であってもよいが、少なくとも金属層を有することが好ましい。
金属層の材料成分としては特に制限されないが、例えば、銀、アルミニウム、金、及び、これらの合金等が挙げられる。なお、金属層が合金からなる場合、その組織としては特に制限されず、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、及び、これらの混合物のいずれであってもよい。
また、光反射層としては、窒化チタン(TiN)等の金属窒化物、及び、炭化タンタル(TaC)等の炭化金属、等キャリア濃度の高い材料を用いることもできる。
光反射層の厚みとしては特に制限されないが、一般に、0.1~1μmが好ましい。
光反射層の形成方法としては特に制限されず、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RF(高周波)スパッタ法、及び、印刷法等の公知の方法により形成可能である。
赤外放射層12は、光反射層11の一方の主面側であって、熱発電素子13が配置されたのとは逆側の主面に配置された層である。赤外放射層は、可視光、及び、近赤外光を透過し、中赤外光を吸収する機能を有する。
なお、本明細書において、中赤外光とは、波長が2.5μmを超え、15μm以下の光を意味する。
可視光、及び、近赤外光を透過する、とは、赤外放射層に入射した光のうち、0.4~2.5μmの光の透過率が、80%以上であることを意味し、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
なお、透過率の上限としては特に制限されないが、一般に、100%以下が好ましい。
中赤外光を吸収するとは、赤外放射層に入射した光のうち、2.5μmを超え、15μm以下の光の吸収率が、80%以上であることを意味し、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
なかでも、中赤外光のうち、「大気の窓」と呼ばれる8~13μmの波長域のみ吸収率が高い構造があると、放射冷却の効率は更に高くなることが予想される。
赤外放射層の材料としては特に制限されないが、例えば、シリカ等の無機材料、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等のポリマーを含む有機材料、及び、それぞれの多層膜、並びに、上記を組み合わせた多層膜等によれば、より高い吸収率が得られる。またこのような多層膜を作製することで、「大気の窓」のみ吸収率の高い構造を作製することが可能である。
なお多層膜以外に、金属を含めた無機物や有機物の2次元や3次元構造を生成することでも中赤外光の領域においてに高い吸収率を持たせることができる。
本発電装置は、本発明の効果を奏する範囲内において、言い換えれば、上述の各層の反射、透過、及び、吸収特性に意図しない影響を与えない範囲内において、他の層を有していてもよい。他の層としては特に制限されないが、例えば、粘着剤層、及び、コーティング層等が挙げられる。粘着剤、及び、コーティングとしては特に制限されず、公知の材料が使用できる。
本発明の実施形態に係る発電装置は、極性反転回路等を介さなくても、常に同一の極性の直流電流を得ることができる。上記の効果が得られる推測機序について以下に説明する。ただし、本発明の効果が得られる機序は下記に限定されず、言い換えれば、下記の機序以外で本発明の効果が得られる場合であっても本発明に含まれる。
本発電装置は、熱発電素子の一方の主面が光反射層と赤外放射層とを有する積層体に接触している。
ここに、太陽光(例えば、「AM1.5G」)が積層体側から入射した場合(図1中「hν」として記載した)を考える。このとき、赤外放射層においては、可視光、及び、近赤外光が透過する。一方、太陽光には、一般に中赤外光はほとんど含まれておらず、その影響は小さいものと推測される。
赤外放射層を透過した太陽光は、光反射層により反射される。上記により、太陽光の照射を原因とした積層体の温度上昇は抑制されるものと推測される。
ここで、赤外放射層は、中赤外光の吸収率が高く、これは言いかえれば放射率が高いこと意味する。従って、積層体(赤外放射層)からは、相対的に温度の低い空間(宇宙空間)へと熱放射がより起こりやすい(放射冷却されやすい)ものと推測される。
上記のとおり、本発電装置においては、積層体から熱放射が起こりやすい一方、太陽光を原因とする積層体の温度の上昇がより抑制されるため、熱発電素子における積層体と接する主面(以下「上面」ともいう。図1中のS1に対応する。)の温度が反対側の主面(以下、「下面」ともいう。図1中のS2に対応する。)と比較して低くなりやすい。
このため、昼間、及び、夜間を問わず、言い換えれば太陽光の照射の有無に関わらず、上面の温度より下面の温度が相対的に高くなりやすいため、結果として同一極性の電流が取得できるものと推測される。
また、本発電装置は太陽光の照射が無くても(熱放射がより起こりやすい点では、雲が少ない状態であることが好ましい。)発電が可能であるため、従来の太陽光発電装置、及び/又は、太陽熱温水器の設置が好ましくない場所(北向きの屋根、北向きの斜面、及び、太陽光発電パネルの間隙地)に設置しても効率よく発電できる。
また、本発電装置は、下面側を加熱すると、より大きな出力を得ることができる。図3は、熱源に対して下面側を接触させる形態で本発電装置を配置した場合の模式図を示した。
図3においては、熱発電素子13が熱源である建造物30側となるよう、発電装置が配置されている。このようにすると、下面側が加熱され、放射冷却される上面側との温度差がより大きくなり、より大きな起電力が得られやすい。
熱源となる建造物としては特に制限されず、工場、発電所、ビル、及び、一般家屋等が挙げられる。また、図3においては熱源が建造物であるが、本発電装置は、上記に制限されず、熱源となる構造物であれば、例えば、温まった冷却水配管等に配置して用いることもできる。
また、熱源は構造物以外でもよく、例えば、地面、及び、水面等に接するように配置されてもよい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[発電装置の作成]
5cm角、厚み1mmのホウケイ酸ガラス(「パイレックス(商品名)」)を準備し、真空蒸着法により、一方の主面にアルミニウム膜(厚み100nm)を成膜した。
次に、熱電変換素子(「型番TEC1-12706」、4cm角)を準備し、アルミニウム膜側を接着した。これにより、ホウケイ酸ガラス/アルミニウム膜/熱電変換素子を順に有する発電装置1を作成した。
次に、黒色塗料(株式会社イチネン社製「型番TA410KS」)により形成した塗膜、ホウケイ酸ガラス、熱電変換素子の順に積層された発電装置2(黒色塗膜/ホウケイ酸ガラス/熱電変換素子)を作成した。
[発電装置の光学特性]
上記により得られた発電装置1、及び、発電装置2について、ホウケイ酸ガラス側(発電装置1)、黒色塗膜側(発電装置2)から光を照射した場合の反射率、及び、吸収率(放射率)を以下の方法により求めた。結果を下記の表1に示した。
(1)波長0.4~2.0μm
・使用装置:紫外可視近赤外分光光度計(型番:V-570、日本分光株式会社製)
(2)波長2.0~15μm
・使用装置:フーリエ変換赤外分光装置(型番:iS50R、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)
反射率、及び、透過率の計算:得られたデータを算術平均し、小数第1位を四捨五入した。
吸収率は、上記の方法により得られた反射率と透過率の和を100(%)から引いた値;(吸収率)=100-反射率-透過率
とした。
Figure 0007090904000001
なお、上記表1中、反射率、及び、吸収率はその波長域における値の算術平均値を表す。例えば、「可視光」の「反射率」は、0.4~0.8μmにおける平均反射率を示している。
なお、可視光、及び、中赤外光の反射率については、各層の複素誘電率と膜厚とを入力パラメータとして、マクスウェル方程式を解析的に解くことで電磁場計算を実施して、同様に反射率を計算したところ、上記測定結果とよく一致した。
[評価]
発電装置1、及び、発電装置2を、ホウケイ酸ガラス面が上に、熱電変換素子が下になるよう、発泡スチロール板上(発泡スチロール板には、熱電変換素子が接触する)に配置した。
ホウケイ酸ガラス面に太陽光が照射されるよう調整して屋外に配置し、発生する電圧、及び、太陽光強度を測定し、結果を図4に示した。また、昼間の時間帯に発電装置1と2を屋外に配置した際の赤外線カメラ画像を図5に示した。
図4の結果から、発電装置1は、昼間及び夜間を通じて同一符号の電圧が発生することがわかった。一方、発電装置2では、昼間と夜間で異なる符号の電圧が発生することがわかった。
これは、発電装置2では、昼間から夜間にかけて太陽光強度(図4の右軸)が減少することによって外気温が低下し、熱電変換素子の上下間の温度が逆転した(相対的に、昼間は太陽光照射側が高温となり、夜間は発泡スチロール板側が高温となった)ことを示している。
一方、発電装置1では、昼間、及び、夜間のいずれも発泡スチロール板側が高温となっていたことを示している。これは、発電装置1において、昼夜を問わず太陽光照射側が、発泡スチロール板側より低温となっていることを表している。すなわち、光の照射の有無にかかわらず、赤外放射層、及び、反射層を有する側の表面が放射冷却されているためと推測される。
上記により発電装置1では、昼間、夜間(太陽光照射の有無)に関わらず、同一極性の電流を取り出すことが可能である。
また、図5の結果から、気温24℃のところ、発電装置1の表面の温度は18℃であり、気温、及び、発電装置2の27℃と比較して、より低いことがわかった。
10 発電装置
11 光反射層
12 赤外放射層
13 熱発電素子
21、22 基板
23、24 電極
25 p型半導体ブロック
26 n型半導体ブロック
30 建造物

Claims (9)

  1. 可視光、及び、近赤外光を反射する光反射層と、
    前記光反射層の一方の主面に配置された、可視光、及び、近赤外光を透過し、中赤外光を吸収する赤外放射層と、
    前記光反射層の他方の主面に配置され、前記光反射層側と、その反対側との温度差により起電力を生じる平板状の熱発電素子と、を有する発電装置。
  2. 前記可視光は波長が0.4~0.8μmの光であり、
    前記近赤外光は波長が0.8μmを超え、2.5μm以下の光であり、
    前記光反射層は、入射した光のうち0.4~2.5μmの光の反射率が80%以上である、請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記中赤外光は、波長が2.5μmを超え、15μm以下の光であり、
    前記赤外放射層は、入射した光のうち0.4~2.5μmの光の透過率が80%以上であり、かつ、前記中赤外光の吸収率が80%以上である、請求項1又は2に記載の発電装置。
  4. 前記光反射層が、金属層を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の発電装置。
  5. 前記金属層の材料成分が、銀、アルミニウム、金、及び、これらの合金からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の発電装置。
  6. 前記光反射層が、金属酸化物、金属窒化物、及び、金属炭化物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の発電装置。
  7. 前記光反射層の厚みが0.1~1μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の発電装置。
  8. 前記赤外放射層が、シリカ、及び、ポリジメチルシロキサンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の発電装置。
  9. 前記赤外放射層が、ホウケイ酸ガラスからなる、請求項1~8のいずれか1項に記載の発電装置。
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