(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による特定保健指導促進システムの全体構成例を示す図である。図1(a)はシステム全体のネットワーク構成を示し、図1(b)はシステム内の構成要素間における情報の流れを示している。
図1に示すように、第1の実施形態による特定保健指導促進システムは、特定健診および特定保健指導を含む健康診断に関する健保情報を管理する第1サーバ100と、特定保健指導を行うことのできる事業体が提供するサービスの利用者による利用に関する利用情報を管理する第2サーバ200と、特定保健指導の実施の促進に関する処理を実行する第3サーバ300と、事業体が使用する事業者端末400とを備えて構成される。
特定健診・特定保健指導では、医師、保健師または管理栄養士が作成する支援計画に基づいて、食生活の改善指導や運動の実践的指導をすることが決められている。食生活の改善指導および運動指導は、医師、保健師、管理栄養士、薬剤師、助産師、准看護師、理学療法士などが行う。特定保健指導を行うことのできる事業体とは、これらの保健指導ができる職種者(以下、保健指導職種者という)が在籍している事業体のことである。例えば、病院、歯科医院、保険薬局、ドラッグストア、スポーツクラブ、リラクゼーション施設などが該当する。事業者端末400は、これらの事業体ごとに設置されるクライアント端末である。
図1(a)に示すように、第1サーバ100、第2サーバ200、第3サーバ300および複数の事業者端末400は、インターネットや携帯電話網などの通信ネットワーク500に接続され、この通信ネットワーク500を介して、図1(b)に示すような流れに沿って情報のやり取りを行う。
第1サーバ100は、例えば、健康保険組合が管理するサーバである。第1サーバ100は、特定保健指導の対象者を特定する指導対象者情報を少なくとも記憶した健保情報記憶部11を備えている。指導対象者情報は、特定健診の結果に基づいて特定保健指導を受けることとなった対象者(将来指導対象となる可能性のある予備群を含めてもよい)の氏名、性別、生年月日、保険証情報(保険者番号など)などを含む。
図2は、第1の実施形態において健保情報記憶部11に記憶される健保情報(指導対象者情報を含む)の一例を示す図である。図2に示すように、健保情報記憶部11は、健康保険組合の被保険者および被扶養者ごとに情報を記憶する複数のレコードを有している。個々のレコードには、被保険者または被扶養者の氏名、性別、生年月日および保険者番号などの個人情報に加え、特定保健指導の対象者か否かを示す指導対象フラグと、事業体において保健指導を行ったか否かを示す指導実施フラグとが記録される。
指導対象フラグは、特定保健指導の対象者である場合は値が“1”、対象者でない場合は値が“0”とされる。指導対象フラグの値が“1”となっているレコードの情報が指導対象者情報に該当する。指導実施フラグは、特許請求の範囲の履歴データに相当するものであり、事業体において保健指導が一度でも行われた場合は値が“1”、一度も行われていない場合は値が“0”とされる。
なお、健保情報記憶部11の健保情報(指導実施フラグ以外)は、例えば、健康保険組合のスタッフが使用する端末(図示せず)に対するマニュアル操作によって適宜入力され、当該端末から第1サーバ100に送信されて記憶される。特定保健指導の対象者か否かは、被保険者から健康保険組合のスタッフに提出された特定健診の結果に基づいて当該スタッフにより判断される。そして、その判断に基づいて、指導対象フラグの値が“1”または“0”の何れかに設定される。また、事業体において保健指導を行った場合には、そのことが履歴データとして事業者端末400から第1サーバ100に送信され、健保情報記憶部11に指導実施フラグとして記録される。
あるいは、健保情報記憶部11の健保情報(指導実施フラグ以外)は、各事業体のスタッフが事業者端末400に対するマニュアル操作によって適宜入力し、当該事業者端末400から第1サーバ100に送信して記憶するようにしてもよい。
ここでは、健保情報記憶部11が健康保険組合の被保険者および被扶養者ごとに健保情報を記憶し、特定保健指導の対象者か否かを指導対象フラグによって識別する例を示したが、この構成に限定されない。例えば、特定保健指導の対象者についてのみ氏名、性別、生年月日および保険者番号などの個人情報と指導実施フラグとを健保情報記憶部11に記憶する構成としてもよい。この場合、健保情報記憶部11に記憶される健保情報が指導対象者情報に該当する。
第2サーバ200は、例えば、複数の事業者端末400との間で相互にやり取りを行うことが可能になされたポータルサイトのサーバであり、複数の事業体が提供するサービスのそれぞれについて、利用者による利用に関する利用情報を管理する。第2サーバ200は、各事業体のサービスの利用者を特定する利用者情報を少なくとも記憶した利用情報記憶部12を備えている。利用者情報は、例えば、サービスの利用予約を行った予約者に関する情報、または、サービスの利用のために来訪した来訪者に関する情報であり、利用者(予約者または来訪者)の氏名、性別、生年月日、会員証情報(会員番号など)、保険証情報(保険者番号など)などの少なくとも一部を含む(事業体ごとに記憶する情報が異なる)。
図3は、第1の実施形態において利用情報記憶部12に記憶される利用情報(利用者情報を含む)の一例を示す図である。利用情報は、サービスを提供する事業体毎に分けて記憶される。図3(a)は、病院や歯科医院のように、保険証の提示が必要となるサービスを提供している事業体のサービスに関する利用情報を示している。図3(a)に示すように、健保情報記憶部11は、病院や歯科医院の利用者ごとに情報を記憶する複数のレコードを有している。個々のレコードには、利用者の氏名、性別、生年月日、保険者番号、予約日時、来訪日時などの情報が利用情報として記録される。このうち、利用者の氏名、性別、生年月日および保険者番号が利用者情報である。
また、図3(b)は、スポーツクラブやリラクゼーション施設のように、会員証の提示が必要となるサービスを提供している事業体のサービスに関する利用情報を示している。図3(b)に示すように、健保情報記憶部11は、スポーツクラブやリラクゼーション施設の利用者ごとに情報を記憶する複数のレコードを有している。個々のレコードには、利用者の氏名、性別、生年月日、会員番号、予約日時、来訪日時などの情報が利用情報として記録される。このうち、利用者の氏名、性別、生年月日および会員番号が利用者情報である。
なお、図示はしてないが、保険薬局やドラッグストアのように、サービスを利用する際に保険証の提示も会員証の提示も不要な事業体のサービスに関しては、保険証情報および会員証情報が含まれない利用情報が記録される。この場合、利用者の氏名、性別および生年月日が利用者情報である。
事業体のサービスを予約したいと考える予約者は、その予約者が使用する利用者端末(図示せず)から第2サーバ200にアクセスし、第2サーバ200が提供する予約機能により、事業体のサービスを予約することができるようになっている。その予約の際に、予約者は予約に必要な情報を利用者端末から入力し、第2サーバ200に送信する。予約に必要な情報とは、予約したい事業体のサービス、予約者の氏名、性別、生年月日、保険証情報、会員証情報、予約日時などのうち、事業体が予約の際に要求する情報である。第2サーバ200は、利用者端末から送られた情報を1レコードの利用情報として利用情報記憶部12に記憶する。
なお、利用情報記憶部12に記憶された予約に関する利用情報は、予約されたサービスの提供元である事業体の事業者端末400に提供される。具体的には、事業者端末400から第2サーバ200にアクセスすることにより、予約に関する利用情報が記録された予約者表示画面を事業者端末400に表示させるようにする。あるいは、予約に関する利用情報を事業者端末400に送信することより、事業者端末400の予約者表示画面に予約者に関する利用情報を表示させるようにしてもよい。これにより、事業体では、利用者からサービスの予約が行われたことを把握することが可能である。
また、事業体のサービスを利用することを目的として利用者が事業体に来訪すると(予約の有無は問わない)、事業体の受付担当者は、利用者から会員証や保険証、診察券などを受け取り、その来訪者の氏名、性別、生年月日、会員証情報、保険証情報、来訪日時などのうちサービスの利用に必要な情報を事業者端末400に入力する(来訪日時は自動入力されるようにしてもよい)。事業者端末400は、入力された来訪に関する利用情報を第2サーバ200に送信し、第2サーバ200の利用情報記憶部12はこれを1レコードの利用情報として記憶する。ここで、予約に関する利用情報が既に利用情報記憶部12に記録されている利用者に関しては、その利用者の予約に該当するレコードに来訪日時のみが追加して記録される。
なお、ここでは、予約者が自身の氏名、性別、生年月日、保険証情報、会員証情報、予約日時などのうち予約に必要な情報を利用者端末から入力する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、以下のようにしてもよい。すなわち、第2サーバ200が発行するユーザIDと、利用者の氏名、性別、生年月日、保険証情報、会員証情報などの各情報とを関連付けてマスターデータベースに登録しておく。そして、予約の際には、ユーザIDと予約日時のみ(さらに氏名を含めてもよい)を利用者端末から入力して第2サーバ200に送信する。第2サーバ200は、ユーザIDをもとにマスターデータベースから氏名、性別、生年月日、保険証情報、会員証情報などの情報を読み出して、読み出した情報を合わせて利用情報記憶部12に記憶させる。
同様に、利用者が事業体に来訪した際に、ユーザIDと来訪日時のみ(さらに氏名を含めてもよい)を事業者端末400から入力して第2サーバ200に送信する。第2サーバ200は、ユーザIDに対応する利用者に関して予約に関する利用情報が利用情報記憶部12に既に記憶されている場合は、該当するレコードに来訪日時を追加して記憶させる。一方、ユーザIDに対応する利用者に関して予約に関する利用情報が利用情報記憶部12に記憶されていない場合は、ユーザIDをもとにマスターデータベースから氏名、性別、生年月日、保険証情報、会員証情報などの情報を読み出して、読み出した情報を合わせて利用情報記憶部12に記憶させる。
第3サーバ300は、特許請求の範囲のサーバ装置に相当するものであり、上述したように、特定保健指導の実施の促進に関する処理を実行する。図4は、この処理の実行に関する第3サーバ300の機能構成例を示すブロック図である。図4に示すように、第3サーバ300は、その機能構成として、指導対象者情報取得部31、利用者情報取得部32、指導対象者判定部33および指導対象者報知部34を備えている。
上記各機能ブロック31~34は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック31~34は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
指導対象者情報取得部31は、第1サーバ100から健保情報記憶部11に記憶されている指導対象者情報を取得する。利用者情報取得部32は、第2サーバ200から利用情報記憶部12に記憶されている利用者情報を取得する。例えば、利用者情報取得部32は、ある事業体のサービスに関してある利用者から利用の予約が第2サーバ200に対して行われたときに、その利用者に関する利用者情報(サービスの利用予約を行った予約者に関する情報)を第2サーバ200から取得する。指導対象者情報取得部31は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100から健保情報記憶部11に記憶されている指導対象者情報を取得する。
また、ある事業体のサービスを利用するために事業体に来訪した利用者に関する情報が事業者端末400に入力され、その利用者に関する利用者情報(サービスの利用のために来訪した来訪者に関する情報)が事業者端末400から第2サーバ200に送信されたときに、利用者情報取得部32はその利用者情報を第2サーバ200から取得する。指導対象者情報取得部31は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100から健保情報記憶部11に記憶されている指導対象者情報を取得する。
また、後述するように、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして予約者または来訪者の一覧を表示させる場合には、第2サーバ200が事業者端末400から一覧の表示要求を受けたときに、利用者情報取得部32は、その事業者端末400に該当する事業者のサービスに関する予約者全員または来訪者全員の利用者情報を第2サーバ200から取得する。指導対象者情報取得部31は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100から健保情報記憶部11に記憶されている指導対象者情報を取得する。ここでいう指導対象者情報の取得とは、以下に述べる指導対象者判定部33による突合処理を行うために参照用として一時的に取得することを含む。
指導対象者判定部33は、指導対象者情報取得部31により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し、利用者情報により示されるサービスの利用者(予約者または来訪者)が、指導対象者情報により示される特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する。上述したように、指導対象者情報は、保健指導対象者の氏名、性別、生年月日、保険証情報などを含む情報である。一方、利用者情報は、利用者の氏名、性別、生年月日、会員証情報、保険証情報などのうちサービスの予約または利用に必要な情報である。指導対象者判定部33は、例えば、指導対象者情報および利用者情報に共通する氏名、性別、生年月日が一致するか否かを確認することにより、サービスの利用者が特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する。なお、利用者情報の中に保険証情報が含まれている場合、指導対象者判定部33は保険証情報を更に用いて判定を行うようにしてもよい。
また、指導対象者情報は、指導実施フラグ(サービスの利用者に対して事業者が特定保健指導を行ったか否かの履歴データ)を含んでいる。指導対象者判定部33は、この指導実施フラグに基づいて、サービスの利用者がどこかの事業体で既に特定保健指導を受けているか否かについても判定する。
指導対象者報知部34は、事業体のサービスの利用者が特定保健指導の対象者に該当すると指導対象者判定部33により判定された場合、そのサービスの提供元である事業体の事業者端末400に報知を行う。例えば、指導対象者報知部34は、事業者端末400において予約者の情報を表示する予約者表示画面において、予約者が特定保健指導の対象者に該当する旨の報知を行う。予約者表示画面は、利用者端末から第2サーバ200に対してサービス利用の予約が行われたときに第2サーバ200から事業者端末400に送信される予約通知画面であってもよいし、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして表示可能な予約者リスト表示画面であってもよい。報知情報の表示の仕方は、予約者表示画面の1フィールドとして表示する形態としてもよいし、ポップアップ表示する形態としてもよい。
なお、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして予約者リスト表示画面を表示させる場合、第3サーバ300の利用者情報取得部32は、該当する事業者のサービスに関する予約者全員の利用者情報を第2サーバ200から取得する。そして、指導対象者判定部33は、予約者の一人ひとりについて、特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する。指導対象者報知部34は、指導対象者判定部33による判定結果に基づいて、特定保健指導の対象者に該当する者と該当しない者とを区別し得る態様で事業者端末400に対する報知を行う。あるいは、特定保健指導の対象者に該当する者のみを事業者端末400に報知するようにしてもよい。
ここで、第2サーバ200は、ポータルサイトで予約可能な事業体のサービス毎に事業者端末400のアドレス情報を記憶している。そして、利用者端末から第2サーバ200に対してサービス利用の予約が行われたときに第3サーバ300から事業者端末400に予約通知画面を送信する場合、例えば第2サーバ200から第3サーバ300(利用者情報取得部32)に利用者情報を提供する際に、予約されたサービスに関する事業者端末400のアドレス情報を合わせて提供するようにする。指導対象者報知部34は、この第2サーバ200から提供されたアドレス情報に基づいて、予約通知画面を事業者端末400に送信する。
また、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして行われた表示要求に応じて第3サーバ300から事業者端末400に予約者リスト表示画面を送信する場合も上記と同様、例えば第2サーバ200から第3サーバ300(利用者情報取得部32)に利用者情報を提供する際に、一覧表示の要求元である事業者端末400のアドレス情報を合わせて提供するようにする。指導対象者報知部34は、この第2サーバ200から提供されたアドレス情報に基づいて、予約者リスト表示画面を事業者端末400に送信する。
図5は、第1の実施形態において事業者端末400の予約者表示画面で表示される報知情報の一例を示す図である。図5に示す予約者表示画面(予約者リスト表示画面)の例では、サービス利用の予約を行った予約者の一覧が表示されるとともに、それぞれの予約者ごとに、予約日時と、特定保健指導の対象者であるか否かを示すマークとが表示されている。図5のように予約日時も表示する場合、利用者情報取得部32は利用者情報に加えて予約日時の情報も第2サーバ200から取得する。ここで、「◎」は特定保健指導の対象者であるが特定保健指導を受けていない者であることを示す。「○」は特定保健指導の対象者であって特定保健指導を受けている者であることを示す。「×」は特定保健指導の対象者でないことを示す。「◎」の特定保健指導対象者については、動機付け支援または積極的支援の何れであるかも表示されている。
事業体に在籍している保健指導職種者は、図5に示す予約者表示画面を確認することにより、「◎」が表示されている対象者が予約時間になってサービスを利用するために事業体に来訪してきたときに、必要な特定保健指導を行うことができる。「○」が表示されている対象者については、保健指導職種者は特定保健指導を行ってもよいし、行わなくてもよい。特定保健指導を行う場合、自事業体または他事業体で既に特定保健指導を受けている者であることが把握できるため、それを踏まえた適切な指導を行うことが可能である。
なお、自事業体または他事業体のどちらで特定保健指導を受けている者であるかを区別できるように、2種類のマーク(例えば、「○」と「△」など)の何れかを表示するようにしてもよい。この場合は、図2に示す指導実施フラグに加えて、特定保健指導を実施した事業体の情報も健保情報記憶部11に記憶する。そして、指導対象者判定部33は、特定保健指導の対象者であるか否か、特定保健指導を既に受けているか否かに加えて、どの事業体で特定保健指導を受けているかを判定し、指導対象者報知部34は、その判定結果に応じて予約者表示画面を表示する。
また、指導対象者報知部34は、事業者端末400において来訪者の情報を表示する来訪者表示画面において、来訪者が特定保健指導の対象者に該当する旨の報知を行う。来訪者表示画面は、サービスの利用者が事業体に来訪した際に、来訪に関する利用情報を受付担当者が事業者端末400に入力するときに表示される来訪者入力画面であってもよいし、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして表示可能な来訪者リスト表示画面であってもよい。報知情報の表示の仕方は、来訪者表示画面の1フィールドとして表示する形態としてもよいし、ポップアップ表示する形態としてもよい。
なお、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして来訪者リスト表示画面を表示させる場合、第3サーバ300の利用者情報取得部32は、該当する事業者のサービスに関する来訪者全員の利用者情報を第2サーバ200から取得する。そして、指導対象者判定部33は、来訪者の一人ひとりについて、特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する。指導対象者報知部34は、指導対象者判定部33による判定結果に基づいて、特定保健指導の対象者に該当する者と該当しない者とを区別し得る態様で事業者端末400に対する報知を行う。あるいは、特定保健指導の対象者に該当する者のみを事業者端末400に報知するようにしてもよい。
図6および図7は、上記のように構成した第1の実施形態による第3サーバ300の動作例を示すフローチャートである。なお、図6は、利用者端末から第2サーバ200に対してサービス利用の予約が行われたとき、および、事業者端末400から第2サーバ200に対してサービス利用者の来訪に関する情報入力が行われたときに実行される処理例を示したものである。図7は、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして予約者または来訪者の一覧表示要求が行われたときに実行される処理例を示したものである。
図6において、まず、利用者情報取得部32は、サービス利用の予約に関する利用者情報を第2サーバ200から取得したか否かを判定する(ステップS1)。上述したように、ある事業体のサービスに関してある利用者から利用の予約が第2サーバ200に対して行われたときに、その利用者に関する利用者情報が第2サーバ200から提供され、これを利用者情報取得部32が取得する。
ここで、予約に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得していない場合、処理はステップS4に遷移する。一方、予約に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得した場合、利用者情報取得部32はその利用者情報を内部メモリに一時記憶する(ステップS2)。そして、指導対象者情報取得部31は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100から指導対象者情報を取得する(ステップS3)。
その後、指導対象者判定部33は、指導対象者情報取得部31により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し(ステップS7)、利用者情報により示されるサービスの利用者(予約者)が、指導対象者情報により示される特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS8)。このとき、指導対象者判定部33は、指導実施フラグに基づいて、予約者がどこかの事業体で既に特定保健指導を受けているか否かについても判定する。
ここで、予約者が特定保健指導の対象者に該当しないと判定された場合、図6に示すフローチャートの処理は終了する。一方、予約者が特定保健指導の対象者に該当すると判定された場合、指導対象者報知部34は、予約されたサービスの提供元である事業体の事業者端末400に対して、その予約者が特定保健指導の対象者に該当する旨の報知を行う(ステップS9)。このとき、指導対象者報知部34は、予約者が既に特定保健指導を受けているか否かを区別し得る態様で報知を行う。
上記ステップS1からステップS4に処理が遷移した場合、利用者情報取得部32は、サービス利用者の来訪に関する利用者情報を第2サーバ200から取得したか否かを判定する(ステップS4)。上述したように、ある事業体のサービスを利用するために事業体に来訪した利用者に関する情報が事業者端末400から第2サーバ200に送信されたときに、その来訪に関する利用者情報が第2サーバ200から提供され、これを利用者情報取得部32が取得する。
ここで、来訪に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得していない場合、図6に示すフローチャートの処理は終了する。一方、来訪に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得した場合、利用者情報取得部32はその利用者情報を内部メモリに一時記憶する(ステップS5)。そして、指導対象者情報取得部31は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100から指導対象者情報を取得する(ステップS6)。
その後、指導対象者判定部33は、指導対象者情報取得部31により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し(ステップS7)、利用者情報により示されるサービスの利用者(来訪者)が、指導対象者情報により示される特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS8)。このとき、指導対象者判定部33は、指導実施フラグに基づいて、来訪者がどこかの事業体で既に特定保健指導を受けているか否かについても判定する。
ここで、来訪者が特定保健指導の対象者に該当しないと判定された場合、図6に示すフローチャートの処理は終了する。一方、来訪者が特定保健指導の対象者に該当すると判定された場合、指導対象者報知部34は、来訪に関する利用者情報の送信元である事業体の事業者端末400に対して、その来訪者が特定保健指導の対象者に該当する旨の報知を行う(ステップS9)。このとき、指導対象者報知部34は、来訪者が既に特定保健指導を受けているか否かを区別し得る態様で報知を行う。これにより、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
図7において、まず、利用者情報取得部32は、ある事業体のサービス利用に関する予約者全員または来訪者全員に関する利用者情報を第2サーバ200から取得したか否かを判定する(ステップS11)。上述したように、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして予約者または来訪者の一覧を表示させるための要求が行われたときに、利用者情報が第2サーバ200から提供され、これを利用者情報取得部32が取得する。
ここで、予約者または来訪者に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得していない場合、図7に示すフローチャートの処理は終了する。一方、予約者または来訪者に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得した場合、利用者情報取得部32はその利用者情報を内部メモリに一時記憶する(ステップS12)。そして、指導対象者情報取得部31は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100から指導対象者情報を取得する(ステップS13)。
その後、指導対象者判定部33は、指導対象者情報取得部31により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し、予約者または来訪者の一人ひとりについて、利用者情報により示されるサービスの利用者が、指導対象者情報により示される特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS14)。このとき、指導対象者判定部33は、指導実施フラグに基づいて、予約者または来訪者がどこかの事業体で既に特定保健指導を受けているか否かについても判定する。
そして、指導対象者報知部34は、指導対象者判定部33による判定結果に基づいて、特定保健指導の対象者に該当する者と該当しない者とを区別し得る態様で事業者端末400に対する報知を行う(ステップS15)。このとき、指導対象者報知部34は、予約者または来訪者が既に特定保健指導を受けているか否かを区別し得る態様で報知を行う。これにより、図7に示すフローチャートの処理を終了する。
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、第3サーバ300において、特定保健指導の対象者を特定する指導対象者情報を第1サーバ100から取得するとともに、特定保健指導を行うことのできる事業体が提供するサービスの利用者を特定する利用者情報を第2サーバ200から取得し、取得した両情報を突合することにより、事業体のサービスの利用者が特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定し、該当する場合に事業者端末400に報知を行うようにしている。
このように構成した第1の実施形態によれば、特定保健指導を行うことのできる事業体が提供するサービスの利用者が特定保健指導の対象者に該当する場合には、その旨が事業体端末400に報知されるので、その報知を確認した事業体の保健指導職種者は、特定保健指導の対象者が事業者のサービスを利用する際に、当該保健指導対象者に対して適切に特定保健指導を行うことができる。これにより、特定保健指導を開始してから6ヶ月後の評価を行うまでの途中で、特定保健指導を受ける対象者と特定保健指導を行う指導者との間で連絡がつかなくなることを抑止でき、特定保健指導の完了率を上げることができる。
なお、上記実施形態では、第2サーバ200が複数の事業者端末400との間で相互にやり取りを行うことが可能になされたポータルサイトのサーバである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、個々の事業体ごとに予約および来訪の管理を行う複数の第2サーバ200により構成してもよい。これは、次に説明する第2の実施形態においても同様である。
また、上記第1の実施形態では、指導実施フラグを健保情報記憶部11に記憶させ、これに基づいて、事業体のサービス利用者が既に特定保健指導を受けているか否かを区別し得る態様で報知を行う例について説明したが、これは必須の構成ではない。ただし、この区別があった方が、保健指導職種者が保険指導を行う際により有用である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図9は、第2の実施形態による特定保健指導促進システムの全体構成例を示す図である。図9に示すように、第2の実施形態による特定保健指導促進システムは、第1サーバ100および第3サーバ300に代えて第1サーバ100’および第3サーバ300’を備えている。
図10は、第2の実施形態による第1サーバ100’の機能構成例を示すブロック図である。図10に示すように、第1サーバ100’は、健保情報記憶部11に代えて健保情報記憶部11’を備えている。また、第1サーバ100’は、その機能構成として、健診情報取得部12、健診情報記録部13、指導対象者特定部14、指導対象者情報提供部15および健診対象者情報提供部16を備えている。
上記各機能ブロック12~16は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック12~16は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
健診情報取得部12は、各個人(健康保険組合の被保険者および被扶養者)が病院で受診した特定健診の結果を示す特定健診情報を病院の事業者端末400から取得する。ここで、病院の事業者端末400は、個々の受診者について特定健診を実施するごとに特定健診情報を第1サーバ100’に提供するようにしてもよいし、定期的または不定期に複数の受診者に関する特定健診情報をまとめて第1サーバ100’に提供するようにしてもよい。
健診情報記録部13は、健診情報取得部12により取得された特定健診情報を健保情報記憶部11’に記憶させる。図11は、第2の実施形態において健保情報記憶部11’に記憶される健保情報の一例を示す図である。図11に示すように、健保情報記憶部11’には、健康保険組合の被保険者および被扶養者ごとに有する個々のレコードに対して、図2に示した情報に加えて、特定健診の対象者か否かを示す健診対象フラグと、健診情報取得部12により取得された特定健診情報とが記録される。
健診対象フラグは、特定健診の対象者である場合は値が“1”、対象者でない場合は値が“0”とされる。健診対象フラグの値が“1”となっているレコードの情報が健診対象者情報に該当する。特定健診の対象者か否かは、被保険者および被扶養者の生年月日から健康保険組合のスタッフにより判断される(特定健診は、40歳以上75歳未満の被保険者・被扶養者が対象となる)。そして、その判断に基づいて、健診対象フラグの値が“1”または“0”の何れかに設定される。なお、第1サーバ100’が生年月日から特定健診の対象者か否かを判定し、健診対象フラグの値を“1”または“0”の何れかに自動的に設定するようにしてもよい。
図11に示す例において、氏名「AAA」のユーザ(被保険者または被扶養者)は、特定健診の対象者で、特定健診を受診済みであり(特定健診情報が記録されている)、その特定健診の結果に基づいて特定保健指導の対象者として指定されていて、何れかの事業体において少なくとも1回は特定保健指導を受けている者であることを示している。氏名「BBB」のユーザは、特定健診の対象者ではない者であることを示している。氏名「CCC」のユーザは、特定健診の対象者で、特定健診を受診済みであるが、その特定健診の結果に基づいて特定保健指導の対象者として指定されなかった者であることを示している。氏名「XXX」のユーザは、特定健診の対象者であるが、まだ特定健診を受けていない(特定健診情報が記録されていない)者であることを示している。
指導対象者特定部14は、健保情報記憶部11’に記憶されている各個人の特定健診情報に基づいて特定保健指導の対象者を特定し、指導対象者情報を健保情報記憶部11’に記憶させる。具体的には、特定した対象者に該当するレコードの指導対象フラグを“1”に設定することにより、当該レコードの情報を指導対象者情報として記憶させる。上述した第1の実施形態では、指導対象フラグの設定は、被保険者から健康保険組合のスタッフに提出された特定健診の結果に基づいて当該スタッフが判断し、スタッフが使用する端末に対するマニュアル操作によって設定していた。これに対し、第2の実施形態では、指導対象フラグの設定を第1サーバ100’により自動的に行うことができる。
指導対象者情報提供部15は、第3サーバ300’の指導対象者情報取得部31からの要求に応じて、健保情報記憶部11’に記憶されている指導対象者情報を第3サーバ300’に提供する。ここで、指導対象者情報提供部15は、指導対象フラグの値が“1”となっているレコードの情報を指導対象者情報として抽出し、第3サーバ300’に提供する。図11のような健保情報が健保情報記憶部11’に記憶されている場合、指導対象者情報提供部15は、氏名「AAA」のユーザに関するレコードの情報を指導対象者情報として抽出し、第3サーバ300’に提供する。
健診対象者情報提供部16は、第3サーバ300’の健診対象者情報取得部35(後述する)からの要求に応じて、健保情報記憶部11’に記憶されている健診対象者情報を第3サーバ300’に提供する。ここで、健診対象者情報提供部16は、特定健診の対象者に該当するが、まだ受診していない者だけを健診対象者情報として抽出し、第3サーバ300’に提供するようにする。すなわち、特定健診の対象者のうち、既に特定健診を受診した者については健診対象者情報として第3サーバ300’に提供しないようにする。図11のような健保情報が健保情報記憶部11’に記憶されている場合、健診対象者情報提供部16は、氏名「XXX」のユーザに関するレコードの情報のみを健診対象者情報として抽出し、第3サーバ300’に提供する。
例えば、健診対象者情報提供部16は、健診対象フラグの値が“1”となっていて、かつ、特定健診情報が未記録となっているレコードの情報を健診対象者情報として抽出し、第3サーバ300’に提供するようにする。あるいは、特定健診情報が記録されたレコードの健診対象フラグの値を“1”から“0”に変更するようにし、健診対象者情報提供部16は、健診対象フラグの値が“1”となっているレコードの情報を健診対象者情報として第3サーバ300’に提供するようにしてもよい。別の例として、特定健診を受診済みか否かを示すフラグを健保情報記憶部11’に追加して記録するようにして、健診対象者情報提供部16は、健診対象フラグの値が“1”となっていて、受診済みフラグの値が“0”となっているレコードの情報を健診対象者情報として第3サーバ300’に提供するようにしてもよい。
なお、健診対象者情報提供部16が送信する健診対象者情報は、レコードに属する全ての情報とする必要はない。例えば、氏名、性別、生年月日、保険証情報のみを健診対象者情報として送信するようにしてもよい。
図12は、第2の実施形態による第3サーバ300’の機能構成例を示すブロック図である。図12に示すように、第2の実施形態による第3サーバ300’は、図4に示した構成に加えて、健診対象者情報取得部35、健診対象者判定部36および健診対象者報知部37を備えている。これらの機能ブロック35~37も機能ブロック31~34と同様、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。
健診対象者情報取得部35は、第1サーバ100’から健保情報記憶部11’に記憶されている健診対象者情報を取得する。例えば、健診対象者情報取得部35は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100’の健診対象者情報提供部16に健診対象者情報の取得を要求し、健診対象者情報提供部16により提供された健診対象者情報を取得する。
健診対象者判定部36は、健診対象者情報取得部35により取得された健診対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し、利用者情報により示されるサービスの利用者(予約者または来訪者)が、健診対象者情報により示される特定健診の対象者に該当するか否かを判定する。例えば、健診対象者判定部36は、健診対象者情報および利用者情報に共通する氏名、性別、生年月日が一致するか否かを確認することにより、サービスの利用者が特定健診の対象者に該当するか否かを判定する。なお、利用者情報の中に保険証情報が含まれている場合、健診対象者判定部36は保険証情報を更に用いて判定を行うようにしてもよい。
健診対象者報知部37は、事業体のサービスの利用者が特定健診の対象者に該当すると健診対象者判定部36により判定された場合、そのサービスの提供元である事業体の事業者端末400に報知を行う。例えば、健診対象者報知部37は、事業者端末400において表示する予約者表示画面または来訪者表示画面において、予約者または来訪者が特定健診の対象者に該当する旨の報知を行う。
図13は、第2の実施形態において事業者端末400の予約者表示画面で表示される報知情報の一例を示す図である。図13に示す予約者表示画面(予約者リスト表示画面)の例では、図5に示した情報に加えて、特定健診の対象者であるか否かを示すマークが表示されている。ここで、「◎」は特定健診の対象者であるが特定健診を受けていない者であることを示す。「○」は特定健診の対象者であって特定健診を受けている者であることを示す。「×」は特定健診の対象者でないことを示す。
事業体に在籍している保健指導職種者は、図13に示す予約者表示画面を確認することにより、特定健診の欄に関して「◎」が表示されている対象者が予約時間になってサービスを利用するために事業体に来訪してきたときに、特定健診を受けるように促すことができる。なお、「○」が表示されている対象者については、特定保健指導の欄において「◎」が表示されている場合には、当該対象者に対して必要な特定保健指導を行うことができる。特定保健指導の欄において「○」が表示されている対象者についても同様である。
図14および図15は、第2の実施形態による第3サーバ300’の動作例を示すフローチャートである。なお、図14は、利用者端末から第2サーバ200に対してサービス利用の予約が行われたとき、および、事業者端末400から第2サーバ200に対してサービス利用者の来訪に関する情報入力が行われたときに実行される処理例を示したものである。図15は、任意のタイミングで事業者端末400から第2サーバ200にアクセスして予約者または来訪者の一覧表示要求が行われたときに実行される処理例を示したものである。この図14および図15において、図6および図7に示したステップ番号と同一の番号を付したものは同一の処理を実行することを意味している。
図14において、まず、利用者情報取得部32は、サービス利用の予約に関する利用者情報を第2サーバ200から取得したか否かを判定する(ステップS1)。ここで、予約に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得していない場合、処理はステップS4に遷移する。一方、予約に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得した場合、利用者情報取得部32はその利用者情報を内部メモリに一時記憶する(ステップS2)。
そして、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、指導対象者情報取得部31が第1サーバ100’から指導対象者情報を取得するとともに(ステップS3)、健診対象者情報取得部35が第1サーバ100’から健診対象者情報を取得する(ステップS103)。
その後、指導対象者判定部33が、指導対象者情報取得部31により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合するとともに、健診対象者判定部36が、健診対象者情報取得部35により取得された健診対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合する(ステップS107)。そして、指導対象者判定部33は、利用者情報により示されるサービスの利用者(予約者)が、指導対象者情報により示される特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS8)。このとき、指導対象者判定部33は、指導実施フラグに基づいて、予約者がどこかの事業体で既に特定保健指導を受けているか否かについても判定する。
ここで、予約者が特定保健指導の対象者に該当すると判定された場合、指導対象者報知部34は、予約されたサービスの提供元である事業体の事業者端末400に対して、その予約者が特定保健指導の対象者に該当する旨の報知を行う(ステップS9)。このとき、指導対象者報知部34は、予約者が既に特定保健指導を受けているか否かを区別し得る態様で報知を行う。
上記ステップS8において、予約者が特定保健指導の対象者に該当しないと判定された場合、健診対象者判定部36は、利用者情報により示されるサービスの利用者(予約者)が、健診対象者情報により示される特定健診の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS108)。ここで、予約者が特定健診の対象者に該当すると判定された場合、健診対象者報知部37は、予約されたサービスの提供元である事業体の事業者端末400に対して、その予約者が特定健診の対象者に該当する旨の報知を行う(ステップS109)。
上記ステップS1からステップS4に処理が遷移した場合、利用者情報取得部32は、サービス利用者の来訪に関する利用者情報を第2サーバ200から取得したか否かを判定する(ステップS4)。ここで、来訪に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得していない場合、図14に示すフローチャートの処理は終了する。一方、来訪に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得した場合、利用者情報取得部32はその利用者情報を内部メモリに一時記憶する(ステップS5)。
そして、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、指導対象者情報取得部31が第1サーバ100’から指導対象者情報を取得するとともに(ステップS6)、健診対象者情報取得部35が第1サーバ100’から健診対象者情報を取得する(ステップS106)。
その後、指導対象者判定部33が、指導対象者情報取得部31により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合するとともに、健診対象者判定部36が、健診対象者情報取得部35により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合する(ステップS107)。そして、指導対象者判定部33は、利用者情報により示されるサービスの利用者(来訪者)が、指導対象者情報により示される特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS8)。このとき、指導対象者判定部33は、指導実施フラグに基づいて、来訪者がどこかの事業体で既に特定保健指導を受けているか否かについても判定する。
ここで、来訪者が特定保健指導の対象者に該当すると判定された場合、指導対象者報知部34は、来訪に関する利用者情報の送信元である事業体の事業者端末400に対して、その来訪者が特定保健指導の対象者に該当する旨の報知を行う(ステップS9)。このとき、指導対象者報知部34は、来訪者が既に特定保健指導を受けているか否かを区別し得る態様で報知を行う。
上記ステップS8において、来訪者が特定保健指導の対象者に該当しないと判定された場合、健診対象者判定部36は、利用者情報により示されるサービスの利用者(来訪者)が、健診対象者情報により示される特定健診の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS108)。ここで、来訪者が特定健診の対象者に該当すると判定された場合、健診対象者報知部37は、来訪に関する利用者情報の送信元である事業体の事業者端末400に対して、その来訪者が特定健診の対象者に該当する旨の報知を行う(ステップS109)。これにより、図14に示すフローチャートの処理は終了する。
図15において、まず、利用者情報取得部32は、ある事業体のサービス利用に関する予約者全員または来訪者全員に関する利用者情報を第2サーバ200から取得したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、予約者または来訪者に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得していない場合、図15に示すフローチャートの処理は終了する。
一方、予約者または来訪者に関する利用者情報を利用者情報取得部32が第2サーバ200から取得した場合、利用者情報取得部32はその利用者情報を内部メモリに一時記憶する(ステップS12)。そして、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、指導対象者情報取得部31が第1サーバ100’から指導対象者情報を取得するとともに(ステップS13)、健診対象者情報取得部35が第1サーバ100’から健診対象者情報を取得する(ステップS113)。
その後、指導対象者判定部33は、指導対象者情報取得部31により取得された指導対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し、予約者または来訪者の一人ひとりについて、利用者情報により示されるサービスの利用者が、指導対象者情報により示される特定保健指導の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS14)。このとき、指導対象者判定部33は、指導実施フラグに基づいて、予約者または来訪者がどこかの事業体で既に特定保健指導を受けているか否かについても判定する。
また、健診対象者判定部36は、健診対象者情報取得部35により取得された健診対象者情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し、予約者または来訪者の一人ひとりについて、利用者情報により示されるサービスの利用者が、健診対象者情報により示される特定健診の対象者に該当するか否かを判定する(ステップS114)。
そして、指導対象者報知部34および健診対象者報知部37は、指導対象者判定部33による判定結果および健診対象者判定部36による判定結果に基づいて、特定健診の対象者に該当する者と該当しない者とを区別し、かつ、特定保健指導の対象者に該当する者と該当しない者とを区別し得る態様で、事業者端末400に対する報知を行う(ステップS115)。このとき、指導対象者報知部34は、予約者または来訪者が既に特定保健指導を受けているか否かを区別し得る態様で報知を行う。これにより、図15に示すフローチャートの処理を終了する。
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、第3サーバ300’において、特定健診の対象者を特定する健診対象者情報を第1サーバ100’から取得するとともに、事業体が提供するサービスの利用者を特定する利用者情報を第2サーバ200から取得し、取得した両情報を突合することにより、事業体のサービスの利用者が特定健診の対象者に該当するか否かを判定し、該当する場合に事業者端末400に報知を行うようにしている。
このように構成した第2の実施形態によれば、事業体が提供するサービスの利用者が特定健診の対象者に該当する場合には、その旨が事業体端末400に報知される。よって、その報知を確認した事業体の保健指導職種者は、特定健診の対象者が事業者のサービスを利用する際に、利用者に対して特定健診の受診を促すことができる。また、その際に、事業体が特定健診の対象者から承諾を得た上で、事業者端末400から第2サーバ200にアクセスすることにより、病院が提供している特定健診サービスの受診の予約を代行することも可能である。
また、第2の実施形態では、病院で実施した特定健診の結果を示す特定健診情報を病院の事業者端末400から第1サーバ100’に提供して健保情報記憶部11’に記憶させるようにし、健保情報記憶部11’に記憶された各個人の特定健診情報に基づいて特定保健指導の対象者を特定し、指導対象者情報(指導対象フラグ)を健保情報記憶部11’に記憶させるようにしている。これにより、事業者端末400に対して報知することが必要な特定保健指導の対象者を自動的に特定することができる。
以上のように、第2の実施形態によれば、健保情報記憶部11’に記録された生年月日に基づく特定健診の対象者の特定、事業体のサービス利用者が特定健診の対象者である旨の報知、特定健診の受診結果を示す特定健診情報の健保情報記憶部11’への記録、健保情報記憶部11’に記録された特定健診情報に基づく特定保健指導の対象者の特定、事業体のサービス利用者が特定保健指導の対象者である旨の報知、といった一連のサイクルをシステムとして支援することができる。これにより、特定保健指導の完了率をより効果的に上げることが期待できる。
なお、上記第1および第2の実施形態では、指導対象者情報と利用者情報との突合および健診対象者情報と利用者情報との突合に関して、氏名、性別、生年月日(場合によってはさらに保険証情報)を用いる例について説明したが、突合に用いる情報はこれに限定されない。すなわち、指導対象者情報および利用者情報に共通する情報、健診対象者情報および利用者情報に共通する情報であればよく、住所、所定のID、メールアドレス、職場情報などを用いてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、第3サーバ300,300’から事業者端末400に対して直接的に報知を行う例について説明したが、第3サーバ300,300’から第2サーバ200を介して間接的に事業者端末400に対する報知を行うようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、事業者端末400において予約者の情報を表示する予約者表示画面や、事業者端末400において来訪者の情報を表示する来訪者表示画面において、予約者または来訪者が特定保健指導または特定健診の対象者に該当する旨の報知を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電子メールや電子FAXなどの通信手段を用いて報知を行うようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、図5に示すように、特定保健指導の対象者(「◎」および「○」が表示されている者)も非対象者(「×」が表示されている者)も報知の対象としていたが、特定保健指導の対象者のみを報知対象とするようにしてもよい。例えば、特定保健指導の対象者のみをリスト表示するようにしてもよい。また、上記第1および第2の実施形態では、特定保健指導の対象者のうち、特定保健指導を受けている者も特定保健指導を受けていない者も報知の対象としていたが、特定保健指導の対象者であって特定保健指導を受けていない者のみを報知の対象としてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、特定保健指導の対象者に該当する旨の報知を何れの事業者端末400にも行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、指導対象者報知部34は、第2サーバ200に記憶されている利用者による事業体ごとのサービス利用頻度情報に基づいて、報知対象とする特定保健指導の対象者に関してサービスの利用頻度が最も大きい事業体の事業者端末400に対してのみ、サービスの利用者が特定保健指導の対象者である旨の報知を行うようにしてもよい。このようにすれば、利用者は、いつも同じ事業体の保健指導職種者から特定保健指導を受けることができ、ストレスなく安心して特定保健指導を受けることが可能となる。
これと同様に、第2の実施形態において、第3サーバ300’が、第2サーバ200に記憶されている利用者による事業体ごとのサービス利用頻度情報を取得するようにし、健診対象者報知部37が、サービス利用頻度情報に基づいて、報知対象とする特定健診の対象者に関してサービスの利用頻度が最も大きい事業体の事業者端末400に対してのみ、サービスの利用者が特定健診の対象者である旨の報知を行うようにしてもよい。このようにすれば、利用者は、サービスを使い慣れた事業体の保健指導職種者から特定健診の受診を促されることになるので、唐突感や違和感がない状態で受診案内を受け入れることが可能となる。
また、上記第1および第2の実施形態では、事業体のサービス利用者が特定保健指導の対象者または特定健診の対象者に該当する旨を事業者端末400に報知する例について説明したが、これに加えて、事業体のサービス利用者が先発医薬品の使用者に該当する場合に、その旨を事業者端末400に報知するようにしてもよい。この報知を受けた事業者の保健指導職種者は、事業体に来訪してきたサービス利用者に対して、先発医薬品から後発医薬品への切り替えを促すことができる。
図16は、このようにサービス利用者が先発医薬品の使用者に該当する旨を報知する機能を備えた変形例に係る特定保健指導促進システムの全体構成例を示す図である。図16に示すように、当該変形例による特定保健指導促進システムは、第1サーバ100”および第3サーバ300”を備えている。なお、この変形例に係る特定保健指導促進システムは、第1の実施形態に対する変形としても適用可能であるし、第2の実施形態に対する変形としても適用可能である。図16は、第1の実施形態に対する変形例を示したものである。
第1サーバ100”の健保情報記憶部11”は、第1の実施形態で説明した健保情報記憶部11または第2の実施形態で説明した健保情報記憶部11’に記憶された情報に加えて、各個人(健康保険組合の被保険者および被扶養者)が先発医薬品または後発医薬品の何れを使用しているかを特定する使用医薬品情報を更に記憶する。この使用医薬品情報は、各個人を特定する情報と、各個人が先発医薬品または後発医薬品の何れを使用しているかを示す情報とを含むものであり、被保険者から健康保険組合のスタッフに提出された情報に基づいて、当該スタッフが使用する端末に対するマニュアル操作によって入力され、当該端末から第1サーバ100”に送信されて健保情報記憶部11”に記憶される。
第3サーバ300”は、その機能構成として、第1の実施形態で説明した第3サーバ300の機能構成または第2の実施形態で説明した第3サーバ300’の機能構成に加えて、使用医薬品情報取得部と、先発使用者判定部と、先発使用者報知部とを更に備える。
使用医薬品情報取得部は、第1サーバ100”から健保情報記憶部11”に記憶されている使用医薬品情報を取得する。例えば、使用医薬品情報取得部は、利用者情報取得部32が第2サーバ200から利用者情報を取得したことをトリガとして、第1サーバ100”に使用医薬品情報の取得を要求し、第1サーバ100”により提供された使用医薬品情報を取得する。なお、使用医薬品情報取得部は、各個人全員の使用医薬品情報を取得してもよいし、先発医薬品を使用していることが示されている個人の使用医薬品情報のみを取得してもよい。
先発使用者判定部は、使用医薬品情報取得部により取得された使用医薬品情報と、利用者情報取得部32により取得された利用者情報とを突合し、利用者情報により示されるサービスの利用者(予約者または来訪者)が先発医薬品の使用者に該当するか否かを判定する。先発使用者報知部は、サービスの利用者が先発医薬品の使用者に該当すると先発使用者判定部により判定された場合、そのサービスの提供元である事業体の事業者端末400に報知を行う。
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。