JP7089075B2 - 光拡散粘着剤層、及び光拡散粘着フィルム - Google Patents
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Description
これらの課題に対して、粘着剤層を介して偏光板、位相差板などの光学部材を液晶セルなどの被着体に貼合するため、優れた粘着力を有する種々の粘着フィルムが提案されている(例えば、特許文献1~2参照)。
特許文献1には、ブチルアクリレートなどを主成分のモノマーとし、アクリルアミド化合物などを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
特許文献2には、炭素数4~8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを主成分のモノマーとし、カルボキシル基を有するモノマー、及び窒素原子を有するビニルモノマーを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
また、粘着剤層の屈折率を高めるために、種々の工夫をした粘着フィルムが提案されている(例えば、特許文献3~9参照)。
特許文献3には、芳香族環を有し、屈折率1.51~1.75のタッキファイヤーを含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
特許文献4には、芳香族環を有するアクリル酸変性モノマーの共重合性ポリマーを含む粘着剤組成物を含有する粘着シートが記載されている。
特許文献5には、芳香族環を有する粘着付与樹脂と、芳香族リン酸エステル系可塑剤を含有する光学用粘着剤組成物が記載されている。
特許文献6には、アクリル系樹脂と、エチレン性不飽和基を1つ有する芳香族化合物を含有する粘着剤組成物が硬化されてなる粘着剤が記載されている。
特許文献7には、芳香族モノマーを含有するアクリル系の粘着剤を介して、位相差フィルム及び複屈折板を互いに固着してなる光学部品が記載されている。
特許文献8には、芳香族ジイソシアネートと、芳香族ポリエステルジオールを反応させてなるウレタン樹脂を含む粘着剤組成物が記載されている。
特許文献9には、アクリル酸エステル共重合体等の粘着性樹脂中に、イソシアネート等の架橋剤と、ポリスチレン樹脂粒子等の樹脂粒子からなる光拡散剤が添加された光拡散性粘着剤組成物が記載されている。
一般に、粘着剤層の粘着力は、粘着剤層の厚さに略比例していることから、粘着剤層の厚さを薄くすると、それに伴って粘着力が低下してしまう。
また、粘着剤層の厚さを薄くできること、及び、エージング処理(恒温で養生を行うこと)を施す必要がない粘着剤層を形成できることから、粘着フィルムの基材を省いた粘着剤層のみからなる、「離型フィルム/粘着剤層/離型フィルム」の部材構成をした、NCF(Non Carrier Film)の形態とすることが求められている。
しかしながら、NCFの形態をした粘着フィルムは、すでに粘着剤層のエージングを終了させていることから、被着体と粘着剤層との密着力が不足する。そのため、被着体の表面に対して、コロナ処理などの表面処理をする必要があるという問題があった。
これらの要求事項および問題を克服した粘着フィルムが、必要とされている。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、アクリル系ポリマーと、架橋剤と、珪素系粒子とを含有する粘着剤組成物から形成されてなる、光拡散機能を有する光拡散粘着剤層であり、前記アクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1~C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上と、(B)芳香族基を有する(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上と、(C)ヒドロキシル基を有する共重合性モノマーの少なくとも1種以上と、をカルボキシル基を有するビニルモノマーを含有しないで共重合させたアクリル系ポリマーであり、前記(B)芳香族基を有する(メタ)アクリレートモノマーが、ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシブチル(メタ)アクリレート、2-(1-ナフチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ナフチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、6-(1-ナフチルオキシ)ヘキシル(メタ)アクリレート、6-(2-ナフチルオキシ)ヘキシル(メタ)アクリレート、8-(1-ナフチルオキシ)オクチル(メタ)アクリレート、8-(2-ナフチルオキシ)オクチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールo-フェニルフェニルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールo-フェニルフェニルエーテルアクリレートからなる化合物群から選択した少なくとも1種であり、前記光拡散粘着剤層の厚みが20μmでの透過率が90%以上、ヘイズ値が40%以上90%以下であり、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を粘着力として、前記光拡散粘着剤層の厚みが20μmにおいて、ガラス板に対する粘着力が2.0N/25mm以上であることを特徴とする光拡散粘着剤層を提供する。
本発明の光拡散粘着剤層は、光拡散機能を有する光拡散粘着剤層であり、前記光拡散粘着剤層が、アクリル系ポリマーと、珪素系粒子とを含有する粘着剤組成物から形成されてなり、前記光拡散粘着剤層の透過率が90%以上、ヘイズ値が40%以上であり、屈折率が1.47以上であり、前記共重合体と前記珪素系粒子との界面反射率が0.01%以上であることを特徴とする。
また、前記光拡散粘着剤層のヘイズ値が、40%以上90%以下であることが好ましい。また、前記光拡散粘着剤層が、アルキル基の炭素数がC1~C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上と、共重合可能な官能基を有するモノマーとしてヒドロキシル基を有する共重合性モノマー、窒素原子を有するビニルモノマー、及び芳香族基を有するモノマーからなる群から選択した少なくとも1種以上と、を含む共重合体(アクリル系ポリマー)と、架橋剤及び、珪素系粒子を含有する粘着剤組成物から形成されてなることが好ましい。
また、前記粘着剤組成物が、アルキル基の炭素数がC1~C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上70~95重量部と、芳香族基を有する(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上5~30重量部とを合わせた主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、ヒドロキシル基を有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種以上を0.1~5重量部と、窒素原子を有するビニルモノマーの少なくとも1種以上を0~50重量部と、からなる共重合体を含有してなることが好ましい。
また、前記粘着剤組成物が、前記主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、架橋剤としてイソシアネート化合物0.001~5重量部、珪素系粒子を0.01~20重量部を含有してなることが好ましい。
本明細書において、アクリル系ポリマー(共重合体)がモノマーを含有する(含む)趣旨の記載は、主にモノマーがアクリル系ポリマー(共重合体)中に共重合されることを意味するものの、原料モノマーの一部がアクリル系ポリマー(共重合体)中に未反応のまま残存することを排除するものではない。
これらの芳香族基を有するモノマーを、主成分のモノマーであるアルキル基の炭素数がC1~C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと混合することにより、得られる光拡散粘着剤層の屈折率を上昇させて調整でき、光学部材間の屈折率差を少なくして、全反射を低減させることにより全光線透過率を向上させることができる。本発明に係わる光拡散粘着剤層において、粘着剤組成物に芳香族基を有するモノマーを含有させる場合は、主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部の内、5~30重量部の割合で含有させるのが好ましい。
また、本発明に係わる光拡散粘着剤層において、粘着剤組成物の前記アクリル系ポリマーに含有させる窒素原子を有するビニルモノマーとしては、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルカプロラクタムなどが特に好適に使用される。
また、本発明に係わる光拡散粘着剤層において、粘着剤組成物の前記アクリル系ポリマーに含有させるカルボキシル基を有する共重合性モノマーは、光拡散粘着剤層に対して必要な凝集力を付与させることができる。本発明に係わる光拡散粘着剤層において、粘着剤組成物の前記アクリル系ポリマーにカルボキシル基を有する共重合性モノマーを含有させなくてもよいが、含有させる場合、カルボキシル基を有する共重合性モノマーの割合は、主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、0~5重量部であることが好ましい。
また、本発明に係わる光拡散粘着剤層において、粘着剤組成物の前記アクリル系ポリマーに含有させるヒドロキシル基を有する共重合性モノマーは、得られる光拡散粘着剤層が透明導電性フィルムのITO表面などの腐食し易い被着体に対する腐食性に影響を与えるとされる、カルボキシル基を有する共重合性モノマーの含有量を減らすための共重合性モノマーとして使用できる。そのため、ヒドロキシル基を有する共重合性モノマーは、光拡散粘着剤層の粘着力を向上させ、且つ、腐食性を低減させることに役立てることができる。本発明に係わる光拡散粘着剤層において、粘着剤組成物の前記アクリル系ポリマーに含有させるヒドロキシル基を有する共重合性モノマーは、主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、0.1~5重量部であることが好ましい。
前記共重合体は、アクリル系ポリマーであることが好ましく、(メタ)アクリレートモノマーや(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド類などのアクリル系モノマーを50~100重量%含むことが好ましい。
本発明の光拡散粘着剤層に用いる粘着剤組成物は、主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対し、珪素系粒子を0.01~20重量部を含有することが好ましい。
架橋剤を用いて共重合体を架橋する場合、共重合体が、架橋剤と架橋反応可能な官能基(架橋剤の種類にもよるが、ヒドロキシル基やカルボキシル基など)を有することが好ましく、また、これらの官能基を側鎖に有するモノマーを含有することが好ましい。また、粘着剤組成物が、主成分の(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して、架橋剤としてイソシアネート化合物0.001~5重量部を含有することが好ましい。
これらの帯電防止剤は、融点が低いため、また、長鎖のアルキル基を有するため、アクリル系ポリマーとの親和性は高いと推測される。
帯電防止性能を付与した場合、前記粘着剤組成物を架橋させてなる粘着剤層の、表面抵抗率が5.0×10+10Ω/□以下であることが好ましい。
また、前記アクリロイル基を有する4級アンモニウム塩型イオン性化合物の具体例としては、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート 六フッ化リン酸メチル塩〔(CH3)3N+CH2OCOCQ=CH2・PF6 -、ただし、Q=HまたはCH3〕、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドメチル塩〔(CH3)3N+(CH2)2OCOCQ=CH2・(CF3SO2)2N-、ただし、Q=HまたはCH3〕、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート ビス(フルオロスルホニル)イミドメチル塩〔(CH3)3N+CH2OCOCQ=CH2・(FSO2)2N-、ただし、Q=HまたはCH3〕等が挙げられる。
また、融点が25~50℃のイオン性化合物は、前記粘着剤組成物中に含有させる場合、前記主成分の(メタ)アクリレートモノマーの100重量部に対して、0.1~5.0重量部の割合が好ましい。
なお、界面反射率Kを百分率(%)で表すときは、右辺の値をさらに100倍すればよい。
KA:共重合体と粒子Aとの界面反射率(%)
KB:共重合体と粒子Bとの界面反射率(%)
A1:混合粒子中の、粒子Aの添加割合(重量%)
B1:混合粒子中の、粒子Bの添加割合(重量%)
光拡散粘着剤層の形成に用いる基材フィルムや、粘着面を保護する離型フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの光拡散粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
1つの光拡散粘着剤層の両面に、それぞれ離型フィルムの離型処理が施された面を合わせることで、「離型フィルム/光拡散粘着剤層/離型フィルム」の構成とすることもできる。この場合、両側の離型フィルムを、順次、あるいは同時に剥離して粘着面を表出することにより、光学フィルム等の光学部材と貼合可能になる。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム、紫外線吸収フィルム、赤外線吸収フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。例えば、偏光板と輝度向上フィルムとの層間に、光拡散粘着剤層を用いることが好ましい。
また、これらの光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記光拡散粘着剤層が積層されてなる粘着剤層付き光学フィルムとすることができる。具体的には、「光学フィルム/光拡散粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/光拡散粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/光拡散粘着剤層」、「光学フィルム/光拡散粘着剤層/光学フィルム/光拡散粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/光拡散粘着剤層/光学フィルム/光拡散粘着剤層/離型フィルム」、「離型フィルム/光拡散粘着剤層/光学フィルム/光拡散粘着剤層/離型フィルム」等の構成が挙げられる。光学フィルムの両面に粘着剤層を設ける場合、その片面のみを光拡散粘着剤層とすることもできる。
例えば、「光学フィルム/光拡散粘着剤層/離型フィルム」のように、離型フィルムで保護された光拡散粘着剤層を有する場合、離型フィルムを剥がして、「光学フィルム/光拡散粘着剤層」のように光拡散粘着剤層を表出させ、他の光学フィルムと貼合することにより、光拡散粘着剤層が層間の貼合に用いられた「光学フィルム/光拡散粘着剤層/光学フィルム」のような構成が得られる。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置にブチルアクリレート85重量部、ベンジルアクリレート10重量部、ベンジルメタクリレート5重量部、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート1.5重量部、ジエチルアクリルアミド10重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、重量平均分子量70万の、実施例1に用いるアクリル共重合体溶液1を得た。アクリル共重合体の一部を採取し、後述する酸価の測定試料として用いた。
[実施例2~5及び比較例1~3]
モノマーの組成を各々、表1の(A)、(B)、(C)、(D)の記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル共重合体溶液1と同様にして、実施例2~5及び比較例1~3に用いるアクリル共重合体溶液を得た。
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル共重合体溶液1に対して、コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体)0.2重量部とシリカメラミンコアシェル粒子(粒子径2μm、屈折率1.65)3.0重量部を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をシリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる剥離フィルムの上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋してなる光拡散粘着剤層(厚み20μm)を、剥離フィルムの片面上に有する、実施例1の光拡散粘着フィルムを得た。
[実施例2~5及び比較例1~3]
添加剤の組成を各々、表1の(E)、(F)の記載のようにする以外は、上記の実施例1の光拡散粘着フィルムと同様にして、実施例2~5及び比較例1~3の光拡散粘着フィルムを得た。
また、表1に用いた各成分の略記号の化合物名を、表2に示す。なお、コロネート(登録商標)HX、同HL及び同L-45は日本ポリウレタン工業株式会社の商品名であり、D-110Nは三井化学株式会社の商品名である。HDIはヘキサメチレンジイソシアネートを意味し、TDIはトリレンジイソシアネートを意味し、XDIはキシリレンジイソシアネートを意味する。
実施例1~5及び比較例1~3における光拡散粘着フィルムから、剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、光拡散粘着剤層を表出させ、偏光板(フィルム)の片面に光拡散粘着剤層を転写した。
厚さ180μmの偏光板(フィルム)の片面に光拡散粘着剤層を転写して、試料となる光拡散粘着フィルム(粘着剤層付き光学フィルム)を得た。
光拡散粘着フィルムを、ソーダライムガラスのアセトンで洗浄した非錫面に圧着ロールで貼り合わせ、50℃、0.5MPa×20分間の条件でオートクレーブ処理した。その後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過後の光拡散粘着フィルムの剥離強度を引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を、光拡散粘着フィルムの光拡散粘着剤層の粘着力とした。
23℃の光拡散粘着剤層の屈折率を、アッベ式屈折計(メーカ名:ERMA、型式:ER-2S)で測定する。
共重合体の屈折率naは、前の項目で測定した光拡散粘着剤層の屈折率に等しいとみなし、珪素系粒子の屈折率をnbとするとき、数式((na-nb)/(na+nb))2×100(%)を計算することにより、前記共重合体と前記珪素系粒子との界面反射率を求めた。光拡散粘着剤層が2種類の珪素系粒子を含む場合、上述の(式2)により計算した。
光透過率の測定方法:JIS K7105、「プラスチックの光学的特性試験方法」により、光拡散粘着剤層の透過率を測定する。
ヘイズ値の測定方法:JIS K7136、「プラスチック-透明材料のヘーズの求め方」により、光拡散粘着剤層のヘイズ値を測定する。
粘着力の測定時と同様の方法で、作成した10cm角の光拡散粘着フィルムを、ソーダライムガラスの非錫面に貼り合わせて作成した試料を、80℃×90%RHの雰囲気下に250時間放置後、23℃×50%RH雰囲気下に取り出し、1時間後に光拡散粘着フィルムの状態を目視で観察して耐久性を判断した。
○・・光拡散粘着フィルムの剥がれ及び発泡が全くない。
△・・光拡散粘着フィルムの一部に剥がれ及び発泡が発生している。
×・・光拡散粘着フィルムの全体に剥がれ及び発泡が発生している。
比較例2の粘着フィルムは、アルキル基の炭素数がC1~C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの含有率が低く、珪素系粒子の含有量が多いためか、粘着力が低く、透過率が低く、耐久性にも劣っていた。
比較例3の粘着フィルムは、珪素系粒子の含有量が少ないため、ヘイズ値が低く、粘着剤組成物が架橋されていないため、耐久性にも劣っていた。
このように、比較例1~3の粘着フィルムでは、従来の要求事項および問題を克服することができなかった。
Claims (3)
- アクリル系ポリマーと、架橋剤と、珪素系粒子とを含有する粘着剤組成物(但し、芳香族環を有するタッキファイヤーを含有したものを除く)から形成されてなる、光拡散機能を有する光拡散粘着剤層であり、
前記アクリル系ポリマーが、
(A)アルキル基の炭素数がC1~C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上を70~95重量部と、
(B)芳香族基を有する(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上を5~30重量部と、を合わせた100重量部と、
(C)ヒドロキシル基を有する共重合性モノマーの少なくとも1種以上を0.1~5重量部と、
をカルボキシル基を有するビニルモノマーを含有しないで共重合させたアクリル系ポリマーであり、
前記(C)ヒドロキシル基を有する共重合性モノマーが、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群から選択した少なくとも1種であり、
前記(A)と(B)とを合わせた100重量部に対して、前記架橋剤としてイソシアネート化合物を0.001~5重量部、前記珪素系粒子を0.01~20重量部の割合で含有してなり、
前記光拡散粘着剤層の厚みが20μmでの透過率が90%以上、ヘイズ値が40%以上90%以下であることを特徴とする光拡散粘着剤層。 - 基材の片面上に、請求項1に記載の光拡散粘着剤層が積層されてなることを特徴とする光拡散粘着フィルム。
- 光学フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1に記載の光拡散粘着剤層が積層されている粘着剤層付き光学フィルム。
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