JP7088902B2 - キメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸およびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するtリンパ球 - Google Patents

キメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸およびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するtリンパ球 Download PDF

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本発明は、腫瘍細胞の治療の分野に関し、具体的には、EGFRvIIIを発現するか、EGFRを高度発現する上皮由来の腫瘍に対する遺伝子組み換えTリンパ球による治療の分野に関する。
上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor、EGFR)は、膜貫通タンパク質で、分子量が170 KDで、癌原遺伝子C-erbB-1(HER-1)の発現産物で、幅広く人体の各組織の細胞膜に分布する[Alan Wells. Molecules in focus EGF receptor. Int J Biochem Cell Biol, 1999, 31: 637-643.]。 大半の腫瘍(たとえば非小細胞肺癌、膀胱癌、卵巣癌、乳癌、頭頚部扁平上皮癌、膠細胞腫、膵臓腺癌、食道癌、胃癌、前立腺癌など)において過剰発現および(または)突然変異が確認され、腫瘍の発生・進展、悪性転換、転移および予後と密接に関連する[Jose B. Why the epidermal growth factor receptor? The rational for cancer therapy [J]. Oncologist, 2002, 7 (4): 2-8.]。そのため、EGFRは腫瘍治療における重要な標的である。また、研究によって、EGFR287-302エピトープは、EGFRvIIIまたは過剰発現のEGFRの腫瘍のみで露出し、正常組織においては当該エピトープは隠れていることがわかった[Gan HKら Targeting of a conformationally exposed, tumor-specific epitope of EGFR as a strategy for cancer therapy. Cancer Res, 2012, 72(12):2924-2930.]。EGFR287-302エピトープはEGFRを標的とする関連腫瘍の治療の理想の部位の一つであることが示唆される。
EGFR287-302エピトープに対する抗体は既に開発され、優れた腫瘍特異的殺傷作用を示す。しかし、抗体治療には、抗体の体内血液循環における半減期の制限があり、一般的に、半減期は大体23日以内である。そのため、持続的投与および/または投与量の増加は腫瘍の抗体治療に必要で、これは患者の治療コストの増加に繋がり、そして一部では、治療を終えざるを得ないこともある。また、治療性抗体は、異種タンパク質として、体内でアレルギー反応を起こす可能性があり、当該治療性抗体に対する中和性抗体が生じるリスクもある。
Tリンパ球の腫瘍の免疫応答における作用は重要視されてきた。Tリンパ球に基づいた養子免疫療法は一部の腫瘍においてある程度の効果が得られ、しかもこのような免疫治療法は抗体治療の上記欠点を克服することができるが、大半の腫瘍における治療効果は満足できるものと言えない[Grupp SAら Adoptive cellular therapy. 2011, 344:149-72.]。近年、細胞毒性Tリンパ球の標的細胞に対する識別特異性はT細胞受容体(T Cell Receptor、TCR)に依存するという発見に基づき、腫瘍細胞関連抗原に対する抗体のscFvをT細胞受容体のCD3ζまたはFcεRIγなどの細胞内シグナルの活性化モチーフと融合させてキメラ抗原受容体(Chimeric antigen receptor、CAR)とし、そしてそれをたとえばレンチウイルス感染などの方法によってT細胞の表面に遺伝子的に修飾する。このようなCAR T細胞は主要組織適合遺伝子複合体(Major Histocompatibility Complex、MHC)に制限されない様態で選択的にTリンパ球の標的を腫瘍細胞に変えて特異的に腫瘍を殺傷することができる。CAR T細胞は、腫瘍免疫治療分野における新たな免疫治療策の一つである[Schmitz Mら Chimeric antigen receptor-engineered T cells for iImmunotherapy of Cancer. J Biomed Biotechnol, 2010, doi:10.1155/2010/956304.]。
キメラ抗原受容体は、細胞外結合領域、膜貫通領域および細胞内シグナル領域を含む。通常、細胞外領域は腫瘍関連抗原が識別できるscFvを含み、膜貫通領域はCD8、CD28などの分子の膜貫通領域を使用し、細胞内シグナル領域は免疫受容体活性化チロシンモチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motif、ITAM)、たとえばCD3ζ(すなわちCD3 zeta、Zと略す)またはFcεRIγおよび共刺激シグナル分子CD28、CD137、CD134などの細胞内シグナル領域を使用する。
細胞内シグナル領域がITAMだけを含むものは第一世代のCAR T細胞で、中では、キメラ抗原受容体の各部分はscFv-TM-CD3ζのように連結している。このようなCAR T細胞は、抗腫瘍の細胞毒性効果を起こすが、サイトカインの分泌が少なく、かつ体内において持久的な抗腫瘍効果が起こせない[Zhang T.ら Chimeric NKG2D-modified T cells inhibit systemic T-cell lymphoma growth in a manner involving multiple cytokines and cytotoxic pathways, Cancer Res 2007, 67(22):11029-11036.]。
その後発展してきた第二世代のCAR T細胞は、CD28またはCD137(4-1BBとも呼ばれる)の細胞内シグナル領域が入れられ、中では、キメラ抗原受容体の各部分はscFv-TM-CD28 -ITAMまたはscFv-TM-/CD137-ITAMのように連結している。細胞内シグナル領域で生じるB7/CD28または4-1BBL/CD137共刺激作用がT細胞の持続的な増殖を引き起こし、かつT細胞のIL-2およびIFN-γなどのサイトカインを分泌するレベルを上げ、同時にCAR Tの体内における生存期間および抗腫瘍効果を向上させる[Dotti G.ら CD28 costimulation improves expansion and persistence of chimeric antigen receptor modified T cells in lymphoma patients. J Clin Invest, 2011, 121(5):1822-1826.]。
近年発展してきた第三世代のCAR T細胞は、中では、キメラ抗原受容体の各部分はscFv-TM-CD28-CD137-ITAMまたはscFv-TM-CD28-CD134-ITAMのように連結しており、CAR Tの体内における生存期間および抗腫瘍効果をさらに向上させる[Carpenito C.ら Control of large established tumor xenografts with genetically retargeted human T cells containing CD28 and CD137 domains. PNAS, 2009, 106(9): 3360-3365.]。
CAR T細胞は、腫瘍免疫治療において魅了的な将来性があるが、潜在的なリスクも考える必要がある。たとえば、ある正常組織においてCARに識別される特異的抗原が低発現されると、CAR T細胞は相応の抗原を発現する正常組織を損傷する。たとえば、腎細胞癌患者の腫瘍細胞で発現される抗原の炭酸脱水酵素IX(CAIX)は、初めて臨床に使用されるCAR T細胞の養子治療のケースで、初めてCAR細胞のオフターゲット効果が報告されたケースでもある。患者は数回のCAR T細胞の投与後レベル2~4の肝毒性が現れる。分析したところ、原因は肝内胆管上皮細胞におけるCAIXの低発現で、その臨床試験がやむを得ず中止になったと同時に、患者の治療効果のすべての評価も排除された。[Stoter G.ら Treatment of metastatic renal cell carcinoma with autologous T-lymphocytes genetically retargeted against carbonic anhydrase IX: first clinical experience. J clin oncol, 2006, 24(13): e20-e22.; Ngo MC.ら Ex vivo gene transfer for improved adoptive immunotherapy of cancer. Human Molecular Genetics, 2011, R1-R7]。
また、CARにおける過剰の共刺激シグナルはエフェクター細胞の活性化に必要な閾値を低下させ、遺伝子的に修飾されたT細胞が低レベルの抗原に誘導される条件または抗原による誘導のない条件でも活性化されるようにさせ、大量のサイトカインが放出されることで、いわゆる「サイトカインストーム」を引き起こす可能性がある。このようなシグナルの放出(singnal leakage)はオフターゲットの細胞毒性を起こすことで、非特異的な組織の損傷が生じる。たとえば、Her2に対する第三世代のCARによって臨床で肝臓と肺の転移のある末期結腸癌患者を治療する過程において、正常肺組織における低発現のHer2によるいわゆる「サイトカイン」によって患者が突然死した[Morgan RA.ら Report of a serious adverse event following the administration of T cells transduced with a chimeric antigen receptor recognizing Erbb2. Molecular Therapy, 2010, 18 (4): 843-851.]。
そのため、本分野では、上記欠点を克服するCAR Tリンパ球による腫瘍治療方法が切望されている。
本発明の第一は、T細胞の表面に発現されるキメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸に関し、前記キメラ抗原受容体タンパク質は順に連結した細胞外結合領域、膜貫通領域および細胞内シグナル領域を含み、中では、前記細胞外結合領域は特異的にヒト上皮成長因子受容体EGFRの287-302番目のアミノ酸(EGFR287-302)エピトープを識別する一本鎖抗体scFv(EGFR)を含む。上記キメラ抗原受容体タンパク質の細胞外結合領域はCD8のヒンジ領域でCD8またはCD28の膜貫通領域と連結し、膜貫通領域の次に細胞内シグナル領域が隣接する。本発明のポリヌクレオチドは、DNA形態でもRNA形態でもよい。DNA形態は、cDNA、ゲノムDNAまたは人工合成のDNAを含む。DNAは、一本鎖でも二本鎖でもよい。DNAは、コード鎖でも非コード鎖でもよい。
本発明のキメラ抗原受容体タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸コドンは縮重のものでもよく、すなわち、一つのアミノ酸配列をコードする複数種類の縮重核酸配列はいずれも本発明の範囲に含まれる。相応のアミノ酸をコードする縮重核酸コドンは本分野で公知のものである。本発明は、さらに、本発明と同じアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはポリペプチドの断片、類似物および誘導体をコードする上記ポリヌクレオチドの変異体に関する。このポリヌクレオチドの変異体は、天然に発生した対立遺伝子変異体でも非天然に発生した変異体でもよい。これらのヌクレオチド変異体は、置換変異体、欠失変異体および挿入変異体を含む。本分野で知られているように、対立遺伝子変異体は、ポリヌクレオチドの代替形態で、1つまたは2つ以上のヌクレオチドの置換、欠失または挿入でもよいが、実質的にコードするポリペプチドの機能を変えることはない。
本発明は、さらに、上記の配列とハイブリダイズし、かつ2つの配列の間に少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%または少なくとも95%の相同性を有するポリヌクレオチドに関する。本発明は、特に、厳格な条件で本発明に係るポリヌクレオチドとハイブリダイズできるポリヌクレオチドに関する。本発明において、「厳格な条件」とは、 (1)低いイオン強度および高い温度、例えば0.2×SSC、0.1%SDS、60℃でのハイブリダイズおよび溶離、あるいは(2)ハイブリダイズ時変性剤、例えば42℃で50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ胎児血清/0.1% Ficollなどを入れること、あるいは(3)2つの配列の間の相同性が少なくとも90%以上、好ましくは95%以上の時だけハイブリダイズすることである。そして、ハイブリダイズできるポリヌクレオチドがコードするポリペプチドは、配列番号2で表される成熟ポリペプチドと同じ生物学的機能および活性を有する。
特異的にヒト上皮成長因子受容体EGFRの287-302番目のアミノ酸エピトープを識別するモノクローナル抗体は中国特許文献CN102405235およびCN101602808Bで公開され、ほかの既知か将来発見される当該エピトープを識別するモノクローナル抗体も本発明の核酸がコードするキメラ抗原受容体タンパク質における一本鎖抗体の製造に使用することができる。一本鎖抗体は上記文献で公開された配列に基づいて遺伝子工学方法または化学合成方法によって製造することができる。本発明で使用される用語「一本鎖抗体(scFv)断片」とは以下のように定義される抗体断片で、リンカー(linker)によって連結した重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)を含む組換えタンパク質で、リンカーはこの2つのドメインを関連させて最終的に抗原結合部位を形成する。scFvの大きさは、通常、完全の抗体の1/6である。一本鎖抗体は一本のヌクレオチド鎖によってコードされる一本のアミノ酸鎖配列が好ましい。
本発明で使用されるモレキュラー・クローニング:研究室マニュアル本分野で既知の通常の技術、たとえばアミノ酸の欠失、挿入、置換、増加、および/または転移ならびに/あるいはほかの修飾方法を単独で使用しまたは併用し、さらに修飾してもよい。抗体のアミノ酸配列に対してそのDNA配列にこのような修飾の方法を導入するのは周知のものである。たとえば、Sambrook,モレキュラー・クローニング:研究室マニュアル,Cold Spring Harbor Laboratory(1989)N.Y.を参照する。前記の修飾は、核酸レベルで行われることが好ましい。上記一本鎖抗体は、さらに、その誘導体を含む。上記一本鎖抗体の誘導体は、たとえばWO 89/09622に記載のキメラ抗体の生成方法、EP-A10239400およびWO90/07861に記載のヒト化抗体の生成方法、WO91/10741、WO94/02602およびWO96/33735に記載の異種抗体、たとえばマウスにおけるヒト抗体を生成する方法を含むが、これらに限定されない。
本発明の用語「特異的に識別する」とは、本発明の二重特異性抗体は目的抗原以外のいずれのポリペプチドとも交差反応が発生しないか基本的にしないという意味です。その特異性の程度は免疫学技術によって判断することができ、免疫ブロット、免疫アフィニティークロマトグラフィー、フローサイトメトリー分析などを含むが、これらに限定されない。本発明において、特異的に識別するのはフローサイトメトリー技術によって確認することが好ましいが、具体的には、特異的な識別の基準は当業者が知っている本分野の常識によって判断する。
膜貫通領域は、CD8またはCD28などのタンパク質の膜貫通領域から選ばれる。CD8またはCD28はT細胞の表面の天然標識物である。ヒトCD8タンパク質はヘテロ二量体で、αβまたはγδの二本鎖からなり、本発明の一つの実施形態において、膜貫通領域はCD8αまたはCD28の膜貫通領域から選ばれる。また、CD8αヒンジ領域(hinge)は、可撓性の領域であるため、CD8またはCD28と膜貫通領域とヒンジ領域はキメラ抗原受容体CARの標的識別ドメインscFvと細胞内シグナル領域の連結に使用することができる。
細胞内シグナル領域は、CD3ζ、FcεRIγ、CD28、CD137、CD134タンパク質の細胞内シグナル領域、およびこれらの組み合わせから選ばれる。CD3分子は5つのサブユニットからなり、中では、CD3ζサブユニット(CD3 zetaとも呼ばれ、Zと略す)は3つのITAMモチーフを含み、当該モチーフはTCR-CD3複合体における重要なシグナル伝達領域である。CD3δZは突然変異のITAMモチーフを有さないCD3ζ配列で、本発明の実践において通常陰性コントロールの構築とされる。FcεRIγは主に肥満細胞および好塩基球の表面に分布し、一つのITAMモチーフを含み、構造、分布および機能ではCD3ζと類似である。また、前記のように、CD28、CD137、CD134は共刺激シグナル分子で、それぞれリガンドと結合した後その細胞内シグナル領域による共刺激作用でT細胞の持続的な増殖が生じ、かつT細胞のIL-2およびIFN-γなどのサイトカインの分泌レベルを上げると同時に、CAR T細胞の体内における生存期間および抗腫瘍効果を向上させる。
本発明の核酸がコードするキメラ抗原受容体タンパク質は、順に連結した細胞外結合領域、膜貫通領域および細胞内シグナル領域を含む、
scFv(EGFR)-CD8-CD3ζ、
scFv(EGFR)-CD8-CD137-CD3ζ、
scFv(EGFR)-CD28-CD28-CD3ζ、
scFv(EGFR)-CD28-CD28-CD137-CD3ζ、
およびこれらの組み合わせのようなキメラ抗原受容体タンパク質から選ばれ、ここで、関連キメラ抗原受容体タンパク質における1番目のCD28はその膜貫通領域を、2番目のCD28はその細胞内シグナル領域を表す。
本発明の一つの実施形態において、本発明の核酸は、配列番号1~4で示される配列を有する。本発明のもう一つの実施形態において、本発明の核酸は、配列番号31~34のいずれかを有するキメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸である。
本発明の第二は、上記T細胞の表面に発現されるキメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸を含有するベクターを含む。一つの具体的な実施形態において、本発明で使用されるベクターは、レンチウイルスプラスミドベクターpPWT-eGFPである。当該プラスミドは、第三世代の自己不活性化レンチウイルスベクターシステムに属し、当該システムは計3つのプラスミド、すなわちタンパク質Gag/Pol、Revタンパク質をコードするパッケージングプラスミドpsPAX2、VSV-Gタンパク質をコードするエンベローププラスミドPMD2.G、および空ベクターpPWT-eGFPを有し、核酸配列への組み込み、すなわちCARの核酸配列のコーディングに使用することができる。
空ベクターpPWT-eGFP(それ自身は後の試験におけるmockである)において、伸長因子-1 α(elongation factor-1α、EF-1α)プロモーターで強化型緑色蛍光タンパク質(enhanced green fluorescent protein、eGFP)の発現を調節する。一方、CARをコードする目的核酸配列を含む組み換え発現ベクターpWPT-eGFPは、口蹄疫ウイルス(food and mouthvires disease、FMDV)由来のリボソームスキッピング配列(ribosomal skipping sequence 2A)(F2Aと略す)によってeGFPとCARの共発現が実現される。
本発明の第三は、上記ベクターを含有するウイルスを含む。本発明のウイルスは、パッケージング後の感染力を有するウイルスを含み、感染力を有するウイルスへのパッケージングに必要な成分を含むパッケージングされるウイルスも含む。本分野で既知のほかのT細胞に形質導入するウイルスおよびそれに相応するプラスミドベクターも本発明に使用することができる。
本発明の一つの実施形態において、前記ウイルスは、上記pWPT-eGFP-F2A-CAR組み換えベクターを含む(すなわちscFv(EGFR)-CARを含有する)レンチウイルスである。
本発明の第四は、本発明の核酸または本発明の当該核酸を含有する上記組み換えプラスミド、あるいは当該プラスミドを含むウイルスシステムを形質導入した遺伝子組み換えTリンパ球を含む。本分野の通常の核酸形質導入方法は、非ウイルスの形質導入方法もウイルスによる形質導入方法も本発明に使用することができる。非ウイルスの形質導入方法は、エレクトロポレーション法およびトランスポゾン法を含む。最近、Amaxa社によって研究開発されたnucleofectorヌクレオフェクション装置は、直接外来遺伝子を細胞核に導入して目的遺伝子の効率的なトランスフェクションを実現することができる。
さらに、眠り姫トランスポゾン(Sleeping Beauty system)またはPiggyBacトランスポゾンなどのトランスポゾンシステムのトランスフェクション効率は通常のエレクトロポレーション法よりも大幅に向上し、nucleofectorトランスフェクション装置とSB眠り姫トランスポゾンシステムの併用が既に報告され[Davies JK.ら Combining CD19 redirection and alloanergization to generate tumor-specific human T cells for allogeneic cell therapy of B-cell malignancies. Cancer Res, 2010, 70(10): OF1-10.]、当該方法は高いトランスフェクション効率も有し、目的遺伝子の部位特異的組み込みも実現できる。
本発明の一つの実施形態において、キメラ抗原受容体遺伝子の修飾を実現するTリンパ球のトランスフェクション方法はウイルス、たとえばレトロウイルスまたはレンチウイルスに基づいたトランスフェクション方法である。当該方法はトランスフェクション効率が高い、外来遺伝子を安定して発現する、および体外でTリンパ球を臨床級の数に培養する時間を短縮させるなどの利点がある。当該遺伝子組み換えTリンパ球の表面では、形質導入された核酸は転写、翻訳によってその表面に発現される。
様々な培養の腫瘍細胞に対して体外細胞毒性実験を行うことによって、本発明の表面にキメラ抗原受容体が発現される遺伝子組み換えTリンパ球は高度特異性の腫瘍細胞殺傷効果(細胞毒性とも呼ばれる)を有することが証明された。そのため、本発明のキメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸、当該核酸を含むプラスミド、当該プラスミドを含むウイルスおよび上記核酸、プラスミドまたはウイルスを形質導入した遺伝子組み換えTリンパ球は有効に腫瘍の免疫治療に使用することができる。
図1は、例示としての本発明のCARをコードする配列を含むレンチウイルスベクターpWPT-eGFP-F2A-CARを示す構造概略図である。 図2は、例示としてのレンチウイルスベクターに含まれる本発明のCARの異なる領域の間の連結関係を示す概略図で、ここで、リボソームスキッピング配列F2AによってeGFPとsvFv(EGFR)特異性キメラ抗原受容体が連結した。 図3は、MluI とSalI の二重酵素切断によって実施例1のレンチウイルスプラスミドを同定した核酸電気泳動像を示す。ここで、M1はDS2000分子量マーカー(広州東盛生物科技有限公司)で、M2はHind IIIマーカー(広州東盛生物科技有限公司)である。レーン1~6はそれぞれ1: pWPT-eGFP、2: pWPT-eGFP-F2A-806-δZ、3: pWPT-eGFP-F2A-806-Z、4: pWPT-eGFP-F2A-806-BBZ、5: pWPT-eGFP-F2A-806-28Z、6: pWPT-eGFP-F2A-806-28BBZである。
図4は、本発明の実施例2のウイルスでCD8+ Tリンパ球を感染した後の細胞が発現したeGFPのフローサイトメトリー技術による検出結果を示す。 図5は、本発明の実施例2の異なるキメラ抗原受容体(CAR+)を発現するCD8+ Tリンパ球の体外生長状況を示す。図において、ウイルス感染後14日目に、異なるキメラ抗原受容体を発現するCD8+ Tは体外で35~50倍増幅したことが示された。 図6は、本発明の実施例3に使用された各腫瘍細胞系の表面EGFR287-302エピトープの発現状況のフローサイトメトリー技術による検出結果を示す。
具体的な実施形態
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例で具体的な条件が示されていない実験方法は、通常の条件、例えばSambrookら、「モレキュラー・クローニング:研究室マニュアル(New York:Cold Spring Harbor laboratory Press,1989)」に記載の条件に従い、実施例で試薬の会社の説明書があると明記された場合、説明書のお薦めの条件に従う。
実施例1. 本発明のキメラ抗原受容体を発現するレンチウイルスプラスミドの構築
下記表1は本発明で例示されたキメラ抗原受容体の各部分の連結順を示し、また当該連結は図2を参照する。
Figure 0007088902000001
1.核酸断片の増幅
(1)Fv(EGFR)配列の増幅
scFv(EGFR)配列の増幅は、本実験室で構築した一本鎖二重機能抗体ヌクレオチド806/CD3またはhu7B3/CD3を鋳型とし、鋳型の配列はそれぞれ中国特許出願201210094008.xにおける配列番号10および11を参照する。増幅に使用されたプライマー対は、
上流プライマー5’-gacatcctgatgacccaatctccatcctc-3’(配列番号5)および下流プライマー5’- tgcagagacagtgaccagagtcccttgg-3’ (配列番号6)を806 scFv(EGFR)の増幅に、
そして上流プライマー5’-gatattcagatgacccagagcccg-3’(配列番号7)および下流プライマー5’-gctgctcacggtcaccagggtg-3’ (配列番号8)をhu7B3 scFv(EGFR)の増幅に使用した。
2つの場合とも、目的増幅バンドの大きさは720 bpである。PCR増幅条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、40s、アニーリング:58℃、40s、伸長:68℃、40sで25サイクル後、68℃、10minで伸長させた。PCR増幅バンドはアガロースゲル電気泳動によって予想の断片サイズに合うことが確認された。
陰性コントロールscFv(CD19)の配列はGenBankのFMC63-28Z(HM852952.1)配列によって決められ、配列は上海鋭勁生物技術有限公司によって全遺伝子合成で得られた。
(2)キメラ抗原受容体のほかの部分の核酸配列
キメラ抗原受容体タンパク質のほかの部分およびこれらの部分を連結するヒンジ領域の増幅は、1mlのTrizol(Invitrogen社)を1×107の健常者の末梢血の単核球(上海市血液中心から提供)に入れて細胞を分解させた後、フェノール-クロロホルム法で全RNAを抽出し、ImProm-II(登録商標) 逆転写キット(promaga社)逆転写でcDNAを製造した。上記で製造されたcDNAを鋳型として、それぞれ:
(a)上流プライマー 5’-cactgtctctgcaaccacgacgccagcg-3’ (配列番号9)および下流プライマー 5’-ggtgataaccagtgacaggag-3’ (配列番号10)で増幅してCD8αヒンジ領域-膜貫通領域を得、PCR増幅条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、30s、アニーリング:58℃、30s、伸長:68℃、30sで25サイクル後、68℃、10minで伸長させた。バンドの理論上のサイズは198 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(b)上流プライマー 5’-cactgtctctgcaaccacgacgccagcg-3’ (配列番号11)および下流プライマー 5’-gaggtcgacctacgcgggggcgtctgcgctcctgctgaacttcactctggtgataaccagtg-3’ (配列番号12)で増幅してCD8αヒンジ領域-膜貫通領域-delta Z(δZ)を得、PCR増幅条件は上記と同様である。バンドの理論上のサイズは234 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(c)上流プライマー 5’-ttttgggtgctggtggtggttgg-3’ (配列番号13)および下流プライマー 5’-gctgaacttcactctggagcgataggctgcgaag-3’ (配列番号14)で増幅してCD28膜貫通領域-細胞内シグナル領域断片を得、PCR増幅条件は上記と同様で、バンドの理論上のサイズは465 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(d)上流プライマー 5’-aaacggggcagaaagaaactc-3’ (配列番号15)および下流プライマー 5’-cagttcacatcctccttc-3’ (配列番号16)で増幅してCD137細胞内シグナル領域を得、PCR増幅条件は上記と同様で、バンドの理論上のサイズは126 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(e)上流プライマー 5’-cactggttatcaccagagtgaagttcagcaggagc-3’ (配列番号17)および下流プライマー 5’-cgaggtcgacctagcgagggggcagggcctgcatg-3’ (配列番号18)で増幅してCD3 zetaシグナル領域を得、PCR増幅条件は上記と同様で、バンドの理論上のサイズは339 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
2.核酸断片のアセンブリ
(a)上流プライマー 5’-accacgacgccagcgccg-3’ (配列番号19)および下流プライマー 5’-cacccagaaaataataaag-3’ (配列番号20)でアセンブリしてCD8αヒンジ領域-CD28膜貫通領域を得、アセンブリ条件は、CD8αヒンジ領域(50 ng)+CD28膜貫通領域(50 ng)で、前変性:94℃、4min、変性:94℃、30s、アニーリング:60℃、30s、伸長:68℃、30sで5サイクル後、68℃、10minで伸長させ、DNAポリメラーゼおよび上・下流プライマーを補充した後、PCR増幅を25サイクル行い、増幅条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、30s、アニーリング:60℃、30s、伸長:68℃、30sで25サイクル後、68℃、10minで伸長させた。理論上のサイズは216 bpである。増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(b)上流プライマー 5’-agagtgaagttcagcaggagcgcag-3’ (配列番号21)および下流プライマー 5’-cgaggtcgacctagcgagggggcagggcctgcatg-3’ (配列番号18)でアセンブリ・増幅して4-1BB細胞内シグナル領域とCD3 zeta、すなわちBBZを得、アセンブリとPCR増幅の条件は上記と同様である。バンドの理論上のサイズは465 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(c)上流プライマー 5’-cactgtctctgcaaccacgacgccagcg-3’ (配列番号22)および下流プライマー 5’-cgaggtcgacctagcgagggggcagggcctgcatg-3’ (配列番号18)で等モルのCD8αヒンジ領域-膜貫通領域とCD3 zeta(約50 ng)をアセンブリし、そしてPCRでCD8-CD3 zeta(すなわちCD8-Z)を得、アセンブリとPCR増幅の条件は上記と同様である。理論上のサイズは537 bpである。増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(d)上流プライマー 5’-cactgtctctgcaaccacgacgccagcg-3’ (配列番号23)および下流プライマー 5’-cgaggtcgacctagcgagggggcagggcctgcatg-3’ (配列番号18)でCD8αヒンジ領域-膜貫通領域をBBZとアセンブリし、そしてPCRで目的断片:CD8-CD137-CD3 zeta(すなわちCD8-BBZ)を得、アセンブリとPCR増幅の条件は上記と同様である。理論上のサイズは663 bpである。増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(e)上流プライマー 5’-accacgacgccagcgccg-3’ (配列番号24)および下流プライマー 5’-cgaggtcgacctagcgagggggcagggcctgcatg-3’ (配列番号18)でCD8αヒンジ領域-CD28膜貫通領域とZから上記と同様のアセンブリおよびPCR増幅によって目的断片:CD8ヒンジ領域-CD28膜貫通領域-28Z細胞内領域を得、アセンブリとPCR増幅の条件は上記と同様である。バンドの理論上のサイズは678 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(f)上流プライマー 5’-accacgacgccagcgccg-3’ (配列番号19)および下流プライマー 5’-cgaggtcgacctagcgagggggcagggcctgcatg-3’ (配列番号18)でCD8ヒンジ領域をCD28膜貫通領域-細胞内シグナル領域断片およびBBZとアセンブリし、目的断片:CD8ヒンジ領域-CD28TM-28BBZを得、その理論上のサイズは804 bpで、アセンブリ・増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
(g)等モルの上記増幅で得られたそれぞれヒンジ領域と膜貫通領域を有するδZ、 Zおよび28BBZ核酸断片で、それぞれ等モルの一本鎖抗体の核酸配列scFv806またはscFvCD19(質量約50 ng)とアセンブリしてPCRを行い、条件は上記断片のアセンブリおよびPCR増幅と同様で、図2で示される形態でアセンブリしてキメラ抗体806-δZ、806-Z、806-BBZ、806-28Zおよび806-28BBZをコードする核酸配列を得た。
3.プラスミドベクターの構築
本実施例で使用されたベクターシステムは、第三世代の自己不活性化レンチウイルスベクターシステムに属し、当該システムは計3つのプラスミド、すなわちタンパク質Gag/Pol、Revタンパク質をコードするパッケージングプラスミドpsPAX2、VSV-Gタンパク質をコードするエンベローププラスミドPMD2.Gおよび空ベクターpPWT-eGFPに基づいた目的遺伝子CARをコードする組み換え発現ベクターを有する。
空ベクターpPWT-eGFPにおいて、伸長因子-1α(elongation factor-1α,EF-1α)のプロモーターが強化型緑色蛍光タンパク質(enhanced green fluorescent protein,eGFP)の発現を調節し、一方、目的遺伝子CARをコードする組み換え発現ベクターにおいて、口蹄疫ウイルス由来のリボソームスキッピング配列(food and mouth virus disease、FMDV、ribosomal skipping sequence、F2A)でeGFPと目的遺伝子CARの共発現を実現させた。F2Aは口蹄疫ウイルスの2A(「自己切断ポリペプチド2A」ともいう)由来のコア配列で、2Aの「自己切断」機能を有し、上流と下流の遺伝子の共発現が実現できる。2Aは、切断効率が高く、上・下流遺伝子の発現のバランスが良く、かつそれ自身の配列が短いという利点のため、遺伝子治療用のマルチシストロン性ベクターの構築に有効で実行可能な策略を提供した。特に、キメラ抗原受容体遺伝子修飾Tリンパ球による免疫治療において、当該配列を用いて目的遺伝子とGFPまたはeGFPの共発現を実現させることが多く、GFPまたはeGFPを検出することで、CARの発現を間接に検出することができる。
本実施例では、F2Aを介して連結するdGFPと特異性CARを共発現するレンチウイルス発現ベクターが構築され、pWPT-eGFP-F2A-CARと総称する。eGFP-F2A-CARの各部分をアセンブリする方法は以下のとおりである。
プライマーでアセンブリする方法によってF2A(66bp)-CD8αシグナルペプチド(63bp)ならびに上流eGFPおよび下流CARとアセンブリするわずかな核酸(約18 bp)配列を含む断片を得、理論上のサイズは165 bpで、プライマーはそれぞれ以下のとおりである。
5’-attcaaagtctgtttcacgctactagctagtccg-3’(配列番号25)
5’-gtgaaacagactttgaattttgaccttctgaagttggcaggagacgttgagtccaac-3’(配列番号26)
5’-agcggcaggagcaaggcggtcactggtaaggccatgggcccagggttggactcaacgtc-3’(配列番号27)
5’-ctcctgccgctggccttgctgctccacgccgccaggccggacatcctgatgacccaatc-3’(配列番号28)
プライマーによるアセンブリの条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、20s、アニーリング:50℃、20s、伸長:68℃、30sで25サイクル後、68℃、10minで伸長させた。増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
上流プライマー 5’-cttacgcgtcctagcgctaccggtcgccaccatggtgagcaagggcgaggag-3’ (配列番号29)および下流プライマー 5’-gctactagctagtccggacttgtacagctcgtccatg-3’ (配列番号30)で増幅して目的遺伝子eGFPを得、pWPT-eGFP空ベクターを鋳型とし、PCR増幅条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、40s、アニーリング:56℃、40s、伸長:68℃、40sで25サイクル後、68℃、10minで伸長させ、理論上のサイズは735 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
上流プライマー 5’-cttacgcgtcctagcgctaccggtcgccaccatggtgagcaagggcgaggag-3’ (配列番号29)および下流プライマー 5’-gaggtcgacctacgcgggggcgtctgcgctcctgctgaacttcactctggtgataaccagtg-3’ (配列番号12)で上記で得られた等モルのF2A-CD8αシグナルペプチド断片、eGFPおよび806-δZ(約80 ng)を用いてアセンブリしてeGFP-F2A-806-δZを得、アセンブリ条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、40s、アニーリング:62℃、40s、伸長:68℃、140sで5サイクル後、適切な体積のDNAポリメラーゼおよび上・下流プライマーを補充した後、PCR増幅を25サイクル行い、増幅条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、40s、アニーリング:62℃、40s、伸長:68℃、140sであった。理論上のサイズは1861 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。
上流プライマー 5’-cttacgcgtcctagcgctaccggtcgccaccatggtgagcaagggcgaggag-3’ (配列番号29)および下流プライマー 5’-gaggtcgacctagcgagggggcagggcctgcatgtgaag-3’ (配列番号18)で上記で得られた等モルのF2AとCD8αシグナルペプチド断片、eGFPおよび806-Z、 806-BBZ、CD19-BBZ 、806-28Zおよび806-28BBZ(約80 ng)を用いてそれぞれアセンブリした。アセンブリ条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、40s、アニーリング:62℃、40s、伸長:68℃、140sで5サイクル後、適切な体積のDNAポリメラーゼおよび上・下流プライマーを補充した後、PCR増幅を25サイクル行い、増幅条件は、前変性:94℃、4min、変性:94℃、40s、アニーリング:62℃、40s、伸長:68℃、140sであった。
得られたeGFP-F2A-806-Z、eGFP-F2A-806-BBZ、eGFP-F2A-806-28ZおよびeGFP-F2A-806-28BBZの理論上のサイズはそれぞれ2164 bp、2290 bp、2305 bp、2431 bpで、増幅産物はアガロースゲル電気泳動によって理論上のサイズと一致することが確認された。ここで、読み枠の上・下流にMluIおよびSalIの酵素切断サイトが導入された。上記で得られた目的遺伝子eGFP-F2A-CARをMluIおよびSalIで二重酵素切断し、同様に二重酵素切断されたpWPTベクターにライゲーションし、構築された各キメラ抗原受容体を発現するレンチウイルスベクターはMluIおよびSalIの酵素切断によって同定され(図3)、そして配列決定によって精確と確認された後レンチウイルスのパッケージングを行った。
前記のように、eGFP-F2A-CARは一本のmRNAに転写されるが、eGFPおよび抗EGFR287-302キメラ抗原受容体といった二つのタンパク質に翻訳され、CD8αシグナルペプチドの作用によって抗EGFR287-302キメラ抗原受容体を細胞膜に局在化させる。
4.293Tへのプラスミドのトランスフェクションおよびレンチウイルスのパッケージング
6~10代目まで培養した293T細胞(ATCC:CRL-11268)を10 cmシャーレに6×106の密度で接種し、37℃、5% CO2で一晩培養し、トランスフェクションへの使用に備えた。培地は10%牛胎児血清(PAA社)含有DMEM(PAA社)で、翌日、トランスフェクションの約2時間前に、培養液を無血清DMEMに変えた。
トランスフェクションの手順は以下の通りである。
4.1 20 μgの空プラスミドpWPT-eGFP(mockコントロール)または20 μgの目的遺伝子プラスミドpWPT-eGFP-F2A-CARを、それぞれ15 μgのパッケージングプラスミドPAX2および6 μgのエンベローププラスミドpMD2.Gとともに500 μLのMillQ水に溶解させ、均一に混合した。
4.2 62 μLの2.5M CaCl2(Sigma社)を一滴ずつ入れ、1200 rpm/minで均一に渦流混合した。
4.3 最後に500 μLの 2×HeBS(280mM NaCl、10mM KCl、1.5mM Na2HPO4・2H2O、12mMブドウ糖、50mM Hepes(Sigma 社)、pH 7.05、0.22 μMろ過・除菌)を一滴ずつ入れ、1200 rpm/minで10s均一に渦流混合した。
4.4 直ちにシャーレに一滴ずつ入れ、軽く均一に振とうし、37℃、5% CO2で4~6 h培養した後、10%牛胎児血清含有DMEMに変えた。
トランスフェクションの次の日にトランスフェクション効率(すなわち緑色蛍光を示した細胞の割合)を観察し、~80%の陽性トランスフェクション効率の場合はトランスフェクション実験成功とした。トランスフェクションから48 hまたは72 h後、0.45 μmフィルター(Millipore社)でろ過してウイルスを収集し、その後Beckman Optima L-100XP超遠心機で28000 rpm、4℃で2時間遠心し、遠心上清を捨て、遠心で得られた沈殿を原液体積の1/10~1/50のQuantum 007培養液(PAA社)で再懸濁させ、100 μL/管で分注し、-80℃で凍結保存し、ウイルスの滴定またはTリンパ球への感染に備えた。
5.mockまたはeGFP-F2A-CARでパッケージングされたレンチウイルスの力価の測定
一日目は、1×105/mLで293T細胞を96ウェル培養プレートに100 μL/ウェルで接種し、37℃、5% CO2で培養し、培養液は10%牛胎児血清含DMEMであった。二日目は、培養上清を50 μL/ウェル捨て、新鮮な上記培養液を50μL /ウェルで追加し、最終濃度が6 μg/mLのポリブレンを含有させ、37℃、5% CO2で30 minインキュベートした。ウイルス原液を10 μL/ウェルで、またはウイルス濃縮液を1 μL/ウェルで入れ、5倍に希釈し、勾配を4つにし、重複ウェルを2つにし、37℃、5% CO2で培養した。感染から48 h後、フローサイトメーターによりeGFPを検出し、陽性率が5~20%の細胞数が好適で、力価(U/mL)=陽性率×希釈倍数×100×104で力価を算出した。リン酸カルシウムトランスフェクション法でパッケージングされたウイルスの力価は約0.5~2×106 U/mLで、濃縮後測定されたウイルスの力価は約2×107 U/mLであった。
実施例2.CD8 + Tリンパ球への組み換えレンチウイルスの感染
健常者の末梢血から密度勾配遠心法によりヒト末梢血単核球(上海市血液センターから提供)を得、末梢血単核球からCD8+ Tリンパ球磁気ビーズ(Stem Cell Technologies)ネガティブ分離方法によってCD8+ Tリンパ球を得、分離されたCD8+ Tリンパ球について、フローサイトメトリーによってCD8+ Tリンパ球の純度を検出し、CD8+ Tリンパ球の陽性率≧95%のものが好適で、次の操作に進めた。Quantum 007リンパ球培地液(PAA社)を約1×106/mLの密度で入れて培養し、且つ細胞:磁気ビーズの比率が1:1になるように抗CD3およびCD28抗体の両者で覆われた磁気ビーズ(Invitrogen社)と、最終濃度100 U/mLの組換えヒトIL-2(上海華新生物高技術有限公司)を入れ、24 h刺激培養した。その後、MOI≒5で上記組み換えレンチウイルスを用いてCD8+ Tリンパ球を感染した。感染された細胞を一日おきに5×105/mLの密度で継代するとともに、リンパ球培養液に最終濃度100 U/mLの組換えヒトIL-2を追加した。
感染されたCD8+ Tリンパ球について、培養の7日目にフローサイトメトリーによって各異なるキメラ抗原受容体の発現を検出し、eGFPとCARの共発現のため、eGFPの陽性細胞、すなわちキメラ抗原受容体を発現する陽性細胞を検出した(図4)。感染されないTリンパ球を陰性コントロールとし、異なるキメラ抗原受容体を発現するウイルス感染CD8+ Tリンパ球の陽性率は下記表に示す。当該陽性率の結果から、レンチウイルス感染方法によれば、ある程度の陽性率を有するCAR+ Tリンパ球が得られることは分かった。
Figure 0007088902000002
CD8+ Tリンパ球は、異なるキメラ抗原受容体がパッケージングされたウイルスにそれぞれ感染された後、細胞密度5×105/mlで一日おきに継代培養し、カウントし、かつ継代した細胞培養液にIL-2を(最終濃度100 U/ml)追加し、培養の14日目に約35~55倍増幅し(図5を参照)、異なるキメラ抗原受容体を発現するCD8+ Tリンパ球は体外である程度の数の増幅が可能で、その後の体外毒性試験および体内試験に保障を与えることが分かった。
実施例3.EGFR287-302エピトープの上皮由来腫瘍細胞系における露出状況に対する検出
フローサイトメーター検出方法を用いて蛍光活性化細胞選別装置(FACSCalibur、Becton Dickinsonから)によっていくつかの上皮由来の腫瘍細胞の表面EGFR287-302エピトープの露出状況を検出した。使用された材料は以下の通りである。
(1)本実験室で構築された当該サイトを識別するモノクローナル抗体CH12(構築方法は中国特許CN 101602808B実施例1~4を参照)を一次抗体とした(最終濃度20 μg/ml、100 μL/サンプル)。
(2)FITCで標識されたヒツジ抗ヒトIgGを二次抗体とした(AOGMA社)。
エピトープ露出状況の具体的な検出方法は以下の通りである。
1.対数増殖期の表3に示された各腫瘍細胞を6 cmシャーレに接種し、接種の細胞密度が約90%で、37℃のインキュベーターで一晩培養した。
2.10 mMのEDTAで細胞を消化し、200 g×5 minで遠心して細胞を収集した。~1×107/mLの濃度で1%ウシ胎児血清含有リン酸塩緩衝液(1%NBS/PBS)に最懸濁させ、100 μl/管の量でフローサイトメーター専用管に入れた。
3.200 g×5 minで遠心し、上清を捨てた。
4.実験群はそれぞれ被験抗体CH12を入れ、同時に一つのコントロール群は陰性コントロールとして無関連抗体を入れ、もう一つのコントロール群は抗体が入っていないPBSブランクコントロールである。各抗体の最終濃度はいずれも20 μg/mlで、各管に100ulずつ入れた。氷浴に45分間置いた。
5.各管に1%NBS/PBSを2mlずつ入れ、200 g×5 minで遠心し、計二回行った。
6.上清を捨て、1:50で希釈したFITCで標識されたヒツジ抗ヒトIgGを各管に100 μlずつ入れた。氷浴に45分間置いた。
7.各管に1%NBS/PBSを2mlずつ入れ、200 g×5 minで遠心し、計二回行った。
8.上清を捨て、300 μlの1%NBS/PBSに最懸濁させ、フローサイトメーターで検出した。
9.フローサイトメーターのデータ解析ソフトWinMDI 2.9でデータを解析した。
結果は図6に示すように、脳膠腫細胞系U87ではEGFR287-302エピトープの露出が検出されず、外来のEGFR過剰発現のU87-EGFR(本実験で独自に構築・保存し、構築方法はWang H.ら, Identification of an Exon 4-Deletion Variant of Epidermal Growth Factor Receptor with Increased Metastasis-Promoting Capacity. Neoplasia, 2011, 13, 461 - 471.を参照する)およびEGFRvIII過剰発現のU87-EGFRvIII(本実験で独自に構築・保存し、構築方法はWO/2011/035465を参照する)ではEGFR287-302エピトープの露出が検出され、また3つの膵臓腺癌細胞系PANC-1、CFPAC-1およびBxPC-3ではいずれもEGFR287-302エピトープの露出が検出された。
Figure 0007088902000003
実施例4. キメラ抗原受容体を発現する細胞の体外毒性効果実験
体外毒性実験で使用された材料は以下の通りである。
標的細胞はそれぞれ上記表に示された6種類の細胞である。エフェクター細胞は、体外で12日間培養され、FACSによってキメラ抗原受容体の発現が検出された陽性細胞で、キメラ抗原受容体陽性(CAR+)のCD8+ Tリンパ球と記す。
エフェクター細胞対標的細胞比は場合によりそれぞれ3:1、1:1および1:3または5:1、2.5:1および1:1とし、標的細胞数は10000/ウェルとし、異なるエフェクター細胞対標的細胞比でエフェクター細胞を対応させた。各群ではいずれも重複ウェルを4つとし、4つの重複ウェルの平均値を取った。検出時間は18hまたは20hである。
ここで、各実験群および各コントロール群は以下の通りである。
各実験群:各標的細胞+異なるキメラ抗原受容体を発現するCD8+ Tリンパ球。
コントロール群1:標的細胞最大放出LDH。
コントロール群2:標的細胞自発放出LDH。
コントロール群3:エフェクター細胞自発放出LDH。
検出方法:CytoTox 96非放射性細胞毒性検出キット(Promega社)を用いて行った。当該方法は比色法に基づいた検出方法で、51Cr放出法の代わりとして用いられた。CytoTox 96(登録商標)検出で定量的に乳酸脱水素酵素(LDH)を測定した。LDHは安定した細胞質酵素で、細胞が溶解する時に放出され、その放出形態は放射性解析における51Crの放出形態と基本的に同様である。放出されたLDH培地上清において、30分間カップリングする酵素反応によって検出することができ、酵素反応において、LDHは一種のテトラゾリド(INT)を赤色のホルマザン(formazan)に変換させることができる。生成される赤色の産物の量は溶解した細胞の数に比例する。具体的には、CytoTox 96非放射性細胞毒性検出キットの取扱説明書を参照する。
細胞毒性の計算式は以下の通りである。
Figure 0007088902000004
結果から以下のことがわかる。
本発明のscFv(EGFR)-806-Z CAR+を発現するCD8+Tリンパ球および806-28BBZ CAR+のCD8+Tリンパ球は、腫瘍細胞U87-EGFRvIIIに対して非常に顕著な細胞毒性を示し、それぞれ55.5%および85%と高かった。
また、上記本発明のCD8+Tリンパ球の細胞毒性は高度腫瘍特異性のもので、EGFR287-302エピトープを露出する腫瘍細胞U87-EGFRvIIIに対する高細胞毒性に対し、EGFR287-302エピトープを露出しない腫瘍細胞U87に対して低い細胞毒性を示し、両者の場合いずれも2%未満であった。同時に、実験結果の信頼性の証拠としてのブランクコントロールの空プラスミド(mock)で形質移入されたT細胞および陰性コントロールとして元のT細胞におけるエフェクター分子の影響を評価するキメラ抗原受容体806-δZ遺伝子組み換えT細胞もいずれもU87およびU87-EGFRvIIIに対してほとんど同様の低い細胞毒性を示した。上記実験はエフェクター細胞対標的細胞比が5:1で、作用時間20 hの場合測定された。
Figure 0007088902000005
また、異なるエフェクター細胞対標的細胞比の場合、作用時間18 hの時に測定された本発明のscFv(EGFR)-806-Z CAR+を発現するCD8+Tリンパ球、および806-28BBZ CAR+のCD8+Tリンパ球はEGFR287-302エピトープを露出する腫瘍細胞U87-EGFRおよびU87-EGFRvIIIおよび三つの膵臓腺癌細胞系PANC-1、CFPAC-1およびBxPC-3に対する細胞毒性作用はいずれもエフェクター細胞対標的細胞比勾配に対する依存性を示し、下記表に示すように、エフェクター細胞対標的細胞比が高ければ、細胞毒性が高くなる。
Figure 0007088902000006
エフェクター細胞対標的細胞比が3:1の時、キメラ抗原受容体806-28BBZ CAR+のCD8+Tリンパ球のU87-EGFRに対する細胞毒性は98%と高く、U87-EGFRvIIIに対する細胞毒性は81%と高く、三つの膵臓腺癌細胞系PANC-1、CFPAC-1およびBxPC-3に対する細胞毒性はそれぞれ65%、40%および70%であった。
一方、陰性コントロールとして非特異性scFvのキメラ抗原受容体における影響を評価するキメラ抗原受容体CD19-BBZ CAR+のCD8+Tリンパ球は、三つの膵臓腺癌細胞系に対する細胞毒性がいずれも10%未満で、かつエフェクター細胞対標的細胞比勾配に対する依存性を示していない。

Claims (8)

  1. ヒトTリンパ球を含む組成物であって、該ヒトTリンパ球が、ヒトTリンパ球の表面にキメラ抗原受容体タンパク質を含み、ここでキメラ抗原受容体タンパク質が、ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)の287~302番目のアミノ酸エピトープに結合する細胞外結合領域を含み、キメラ抗原受容体タンパク質が、膜貫通領域および細胞内シグナル領域をさらに含み、細胞外結合領域、膜貫通領域および細胞内シグナル領域が、順に連結されている、前記組成物。
  2. 膜貫通領域が、CD8またはCD28の膜貫通領域およびヒンジ領域の配列を含む、請求項に記載の組成物。
  3. 細胞内シグナル領域が、CD3ζ、FcεRIγ、CD28、CD137、CD134の細胞内シグナル領域の配列、およびこれらの組み合わせから選ばれる、請求項1または2に記載の組成物。
  4. キメラ抗原受容体タンパク質が、
    scFv(EGFR)-CD8-CD3ζ、
    scFv(EGFR)-CD8-CD137-CD3ζ、
    scFv(EGFR)-CD28-CD28-CD3ζ、
    scFv(EGFR)-CD28-CD28-CD137-CD3ζ
    または、これらの組み合わせのいずれか1つであり、ここで、前記キメラ抗原受容体タンパク質における1番目のCD28はその膜貫通領域を、2番目のCD28はその細胞内シグナル領域を表す、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 組成物が、癌の処置に用いるためである、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 処置が、EGFRvIIIの発現またはEGFRの高度発現を伴う上皮由来の癌性腫瘍の処置を含む、請求項に記載の組成物。
  7. 癌が、非小細胞肺癌、膀胱癌、卵巣癌、乳癌、頭頚部扁平上皮癌、膠細胞腫、膵臓腺癌、食道癌、胃癌、前立腺癌、結腸癌、またはこれらの組み合わせを含む、請求項またはに記載の組成物。
  8. 癌が、膵臓腺癌である、請求項のいずれか一項に記載の組成物。
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