JP7088463B2 - 液晶組成物、温度応答性調光素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶組成物、温度応答性調光素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶組成物、温度応答性調光素子およびその製造方法に関する。
従来、高分子分散型液晶(PDLC)において、液晶材料と光重合性モノマーを主とする混合原料を一対の透明基板間に挟んで露光し、光重合とともに誘起された相分離により微細な液晶滴が高分子中に分散した液晶-高分子相の二相構造が知られている。
この二相構造では、液晶相は、ネマチック-等方相転移による光学異方-等方性変化を有し、高分子相は光学等方性を有する。しかしながら、この光学等方性高分子相(屈折率np)と、低温時ネマチック相で光学異方性を示す液晶相(屈折率:ne、no)との二相間では、原理上、屈折率を合致させることができない。したがって、この二相構造では、低温で光散乱状態とし、高温で透明状態とする切替動作は可能であるが、この逆の切替動作、すなわち、低温で透明状態とし、高温で光散乱状態とすることは原理的に不可能であり、上記二相構造は、低温で透明状態、高温で光散乱状態であることが必要とされる調光窓ガラスに用いられる温度応答性調光素子に用いることができない。
特許文献1には、高分子分散型液晶において、光学等方性高分子相の代わりに光学異方性高分子材料を用いて光学異方性高分子相を形成し、ネマチック-等方相転移温度未満の温度では光透過状態、ネマチック-等方相転移温度を超える温度では光散乱状態に可逆的に変化する固相系の構造が提案されている。
特開2013-152445号明細書
JISR3106「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」(1998)
特許文献1に記載の高分子分散型液晶を得るには、光重合性モノマーを露光により重合して液晶相および高分子相へ相分離する際に、レーザー光源と照射対象面である基材との間に光拡散板を配置し、照射強度分布を不均一にした状態で露光する不均一露光と呼ばれる露光方法により、光重合性モノマーを、露光時の空間的な光強度の強弱に応じて局所的に重合させることで、液晶と高分子とを空間的に二相に分離させることが必要となる。
しかしながら、上記不均一露光による露光方法は、光拡散板を用いない通常の露光方法に比べ、操作が複雑であり、および用いる装置にかかる費用が高くなる場合がある。また、本発明者らは、従来の高分子分散型液晶は、低温および高温での光透過率変化、および低温での光透過率について満足のいくものではないことを見出した。
本発明の目的は、ネマチック-等方相転移温度未満の温度では光透過状態、ネマチック-等方相転移温度を超える温度では光散乱状態に可逆的に変化する温度応答性調光素子の製造において、重合性液晶化合物を重合させるためのレーザー照射または紫外線照射による露光の際に、光拡散板を用いる必要がない液晶組成物を提供することである。また、本発明の別の目的は、低温での光透過率が高い温度応答性調光素子を製造するための液晶組成物を提供することである。さらに、本発明の他の目的は、低温および高温での光透過率の差が大きい温度応答性調光素子を製造するための液晶組成物を提供することである。
本発明者らは、液晶化合物および重合性液晶化合物の種類および組成比について鋭意検討した結果、特定の重合性液晶化合物を用いることにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]液晶化合物と、シアノフェニル基を有する重合性液晶化合物とを含む液晶組成物。
[2]前記液晶組成物中の液晶化合物の含有量は、液晶化合物および重合性液晶化合物の総量を基準に45~90重量%である、[1]に記載の液晶組成物。
[3]前記液晶化合物は、ネマチック-等方相転移温度(TNI)が20~120℃の範囲である、[1]または[2]に記載の液晶組成物。
[4]シアノフェニル基はシアノフェニルエステル基またはシアノビフェニル基である、[1]~[3]のいずれかに記載の液晶組成物。
[5]前記重合性液晶化合物は、炭素原子数が1~12個であるアルキレン基または炭素原子数が1~12個であるオキシアルキレンエーテル基、および少なくとも1つの重合性基を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の液晶組成物。
[6]前記少なくとも1つの重合性基は、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基およびビニル基からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれかに記載の液晶組成物。
[7]前記重合性液晶化合物とは異なった重合性化合物を更に含む、[1]~[6]のいずれかに記載の液晶組成物。
[8]光ラジカル重合開始剤を更に含む、[1]~[7]のいずれかに記載の液晶組成物。
[9]液晶化合物と、シアノフェニル基を有する重合性液晶化合物が重合された重合体とを含有する層、および
前記層の両側に配された一対の基材
を備えてなる温度応答性調光素子。
[10]少なくとも1つの基材は配向膜付基材である、[9]に記載の温度応答性調光素子。
[11]20℃における可視直進透過率が60%以上である、[9]または[10]に記載の温度応答性調光素子。
[12]20℃と50℃におけるそれぞれの可視直進透過率の差が60%以上である、[9]~[11]のいずれかに記載の温度応答性調光素子。
[13][9]~[12]のいずれかに記載の温度応答性調光素子を含むフィルム。
[14]光シャッター、調光窓ガラス、センサー、アメニティ、熱駆動型光スイッチ、または光熱書き込み型メモリーにおける、温度応答性調光機能を付与するための[13]に記載のフィルムの使用。
[15][9]~[12]のいずれかに記載の温度応答性調光素子の製造方法であって、
1)一対の基材間に液晶組成物を配置する工程、および
2)液晶組成物を硬化する工程
を含む、製造方法。
[16]前記工程2)において、液晶組成物をレーザー照射または紫外線照射により硬化する、[15]に記載の製造方法。
本発明の液晶組成物を高分子分散型液晶の製造に用いた場合、製造にかかる費用を抑えるとともに、複雑な操作を行わなくとも、液晶相と光学異方性高分子相とを有する高分子分散型液晶を製造することができる。また、本発明の液晶組成物から構成される温度応答性調光素子は、低温および高温での光透過率の差が大きく、低温での光透過率が高いため、温度応答性調光機能が必要とされる製品に好ましく用いることができる。
本発明の温度応答性調光素子の代表的な例の模式的断面図である。 視感度曲線と地上での日射強度分布を示す。 直進透過率の測定光学系の概略図である。
<液晶組成物>
本発明の液晶組成物は、液晶化合物と、シアノフェニル基を有する重合性液晶化合物(以下、重合性液晶化合物とも称する)とを含む。
液晶化合物としては、液晶-等方相転移により光学異方-等方性変化を示す液晶化合物が好ましく、液晶相がネマチック相である液晶化合物(以下、ネマチック液晶化合物ともいう)がより好ましい。
ネマチック液晶化合物は、ネマチック-等方相転移温度(TNI)が、好ましくは10~120℃、より好ましくは20~100℃、さらに好ましくは30~80℃、より好ましくは30~50℃の範囲である。ネマチック液晶化合物が、上記範囲のネマチック-等方相転移温度(TNI)を有する場合には、温度応答性調光素子の材料として好ましく用いることができる。
ネマチック-等方相転移温度(TNI)の測定は、温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。
ネマチック液晶化合物は、複屈折率(Δn=n-n)が、好ましくは0.06~0.29、より好ましくは0.1~0.29、さらに好ましくは0.15~0.29の範囲である。ネマチック液晶化合物の複屈折率(Δn=n-n)が上記範囲内である場合には、低温時と高温時の光透過率の差が大きくなり易い傾向があるため好ましい。
複屈折率(Δn=n-n)は、例えば複屈折率測定装置(アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製))を用い、測定プリズム面に配向処理を施して、ネマチック液晶化合物の分子を配向させて屈折率nおよびnを測定し、その差を求めることにより得られる。
ネマチック液晶化合物の具体例としては、ネマチック-等方相転移温度および複屈折率が好ましい範囲にあることからシアノビフェニル系液晶化合物が好ましい。
シアノビフェニル系液晶化合物としては、以下の一般式(1):
Figure 0007088463000001
[式中、Rは炭素原子数が1~9個であるアルキル基を表す]
で表される4-シアノ-4’-アルキルビフェニル、および
一般式(2):
Figure 0007088463000002
[式中、Rは炭素原子数が1~9個であるアルキル基を表す]
で表される4-シアノ-4’-アルキルオキシビフェニル等が挙げられる。中でも、4-シアノ-4’-アルキルビフェニルが好ましく、4-シアノ-4’-ペンチルビフェニル(5CB)、4-シアノ-4’-ヘキシルビフェニル(6CB)、4-シアノ-4’-ヘプチルビフェニル(7CB)がより好ましい。
液晶化合物として、市販の液晶化合物を用いることができる。その代表的市販品の例としては、K18(4-シアノ-4’-ヘキシルビフェニル、TNI=29℃、メルク社製)、K15(4-シアノ-4’-ペンチルビフェニル、TNI=35℃、メルク社製)等が挙げられる。
上記液晶化合物は、所望とする光透過率や光学異方-等方性変化の切替温度に応じて、単独で用いてよく、または2種以上を組合わせて用いることができる。
本発明の液晶組成物は、上記液晶化合物と共に、重合性液晶化合物を含む。重合性液晶化合物は、シアノフェニル基を有するものであれば特に限定されない。重合性液晶化合物におけるシアノフェニル基としては、シアノフェニルエステル基およびシアノビフェニル基等が挙げられる。
重合性液晶化合物は、上述の液晶化合物が有する官能基の少なくとも1つと同一の官能基を有することが、温度応答性調光素子において、低温および高温での光透過率の差が大きく、および低温で高い光透過率が得られるため好ましい。
重合性液晶化合物の複屈折率(Δn=n-n)は、好ましくは0.06~0.29、より好ましくは0.1~0.29、さらに好ましくは0.15~0.29であり、ネマチック液晶化合物の複屈折率(Δn=n-n)との差が小さくなるように選択されることが望ましく、重合性液晶化合物とネマチック液晶化合物の複屈折率(Δn=n-n)の差は好ましくは0.01~0.2、より好ましくは0.01~0.1、さらに好ましくは0.01~0.05である。また、重合性液晶化合物は、重合性液晶化合物と液晶化合物の屈折率nおよびnのそれぞれの差が小さくなるように選択した場合、温度応答性調光素子において、低温および高温での光透過率の差が大きく、および低温で高い光透過率が得られ易くなる傾向がある。
重合性液晶化合物としては、炭素原子数が1~12個であるアルキレン基または炭素原子数が1~12個であるオキシアルキレンエーテル基、および少なくとも1つの重合性基を有する重合性液晶化合物が好ましく用いられる。
炭素原子数が1~12個であるアルキレン基または炭素原子数が1~12個であるオキシアルキレンエーテル基、および少なくとも1つの重合性基を有する重合性液晶化合物としては、以下の一般式(3):
Figure 0007088463000003
および
一般式(4):
Figure 0007088463000004
[式中、Pは重合性基、Rは炭素原子数が1~12個であるアルキレン基、およびnは1~12の整数を表すが、構造:-[R-O]n-中の全炭素原子数は1~12個である]
で表される化合物が挙げられる。
重合性基としては、光重合性基が好ましく、その例として、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基およびビニル基からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。光重合性基とは、光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸等によって重合反応し得る基をいう。
一般式(3)で表される重合性液晶化合物の具体例としては、以下の式(5):
Figure 0007088463000005
で示される6-{[4’-シアノ-(1,1’-ビフェニル)-4-イル]オキシ}ヘキシルアクリレート(CAS番号89823-23-4)が挙げられる。
一般式(4)で表される重合性液晶化合物の具体例としては、以下の式(6):
Figure 0007088463000006
で示される4-(6-アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸4-シアノフェニル(CAS番号83847-14-7)等が挙げられる。
重合性液晶化合物は、公知の製造方法、例えば「Macromolecules」、第26巻、第6132~6134頁、1993年に記載の方法、「Makromol.Chem.」、第183巻、第2311~2321頁、1982年に記載の方法等により製造されたものであってよい。また、重合性液晶化合物として、市販の重合性液晶化合物を用いることもできる。
上記重合性液晶化合物は、所望とする光透過率を得るため等を目的として、単独で用いてよく、または2種以上を組合わせて用いることができる。
本発明の液晶組成物は、光透過率の調節等を目的として、必要に応じて、上記シアノフェニル基を有する重合性液晶化合物とは異なった重合性化合物(以下、他の重合性化合物とも称する)を更に含むことができる。他の重合性化合物の例としては、シアノフェニル基を有さない重合性液晶化合物、例えば1,4-ビス-[4-(3-アクリロイルオキシプロピルオキシ)ベンゾイルオキシ]-2-メチルベンゼン、1,4-ビス-[4-(6-アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ]-2-メチルベンゼン、4-[[6-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ヘキシル]オキシ]安息香酸4-メトキシフェニル等;アクリル基、メタクリル基、エポキシ基またはビニル基のような重合性官能基を有する非液晶化合物、例えば単官能または多官能アクリレートモノマー等が挙げられる。
本発明の液晶組成物は、必要に応じて光ラジカル重合開始剤、増感剤、界面活性剤、フィラーを本発明の目的が達成される範囲内の量で含むことができる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えばN-フェニルグリシン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤の代表的市販品としては、例えばBASFジャパン(株)からのダロキュアー1173(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン)、IRGACURE651(2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン)、IRGACURE184(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン)、IRGACURE127、IRGACURE500(IRGACURE184とベンゾフェノンの混合物)、IRGACUR2959、IRGACURE907、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE754、IRGACURE1300、IRGACURE819、IRGACURE1700、IRGACURE1800、IRGACURE1850、IRGACURE1870、ダロキュアー4265、ダロキュアーMBF、ダロキュアーTPO、IRGACURE784、IRGACURE、IRGACUREOXE01、IRGACUREOXE02等、および(株)ADEKAからのアデカオプトマーN-1919、アデカアークルズNCI-831およびアデカアークルズNCI-930等が挙げられる。ダロキュアーおよびIRGACUREはいずれもBASFジャパン(株)の登録商標である。アデカオプトマーおよびアデカアークルズはいずれも(株)ADEKAの登録商標である。液晶組成物が光ラジカル重合開始剤を含有する場合、液晶組成物中の光ラジカル重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物に対して例えば1重量%以下である。
増感剤としては、ジブロモフルオレセイン、ローズベンガル、ローダミン6G、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)等が挙げられる。液晶組成物が増感剤を含有する場合、液晶組成物中の増感剤の含有量は、重合性液晶化合物に対して例えば1重量%以下である。
界面活性剤としては、例えばシリコ-ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
フィラーとしては、有機フィラーおよび無機フィラーが挙げられる。
また、本発明の液晶組成物は、必要に応じて、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、着色剤等の添加剤を、本発明の目的が達成される範囲内の量であれば添加することができる。
液晶組成物中の液晶化合物の含有量は、液晶化合物および重合性液晶化合物の総量を基準に好ましくは45重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは55重量%以上、特に好ましくは60重量%以上である。液晶組成物中の液晶化合物の含有量が45重量%以上である場合、温度応答性調光素子の低温および高温での光透過率の差が大きくなり易い傾向がある。
液晶組成物中の液晶化合物の含有量は、液晶化合物および重合性液晶化合物の総量を基準に好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下、特に好ましくは75重量%以下、より特に好ましくは70重量%以下、さらに特に好ましくは65重量%以下である。液晶組成物中の液晶化合物の含有量が90重量%以下である場合、高分子相中で十分に分散した液晶相が得られ易くなる傾向がある。
液晶組成物中の液晶化合物の含有量は、液晶化合物および重合性液晶化合物の総量を基準に好ましくは45~90重量%、より好ましくは45~80重量%、さらに好ましくは50~70重量%、特に好ましくは60~65重量%である。
本発明の液晶組成物は、液晶化合物および重合性液晶化合物を、場合により他の重合性液晶化合物および/または添加剤等と共に混合することにより製造することができる。混合は、加熱および/または撹拌しながら行うことにより均一な溶液が得られるため好ましい。加熱温度は、液晶組成物の組成、液晶化合物および重合性液晶化合物の種類等に応じて適宜設定することができるが、例えば30~100℃の温度範囲で設定することができる。
本発明の液晶組成物は、常温で固体状、液体状またはこれらが混合した状態であってよく、成分の一部が液体状または固体状であってよい。液晶組成物は、好ましく室温~100℃の範囲、より好ましくは室温~80℃の範囲で各成分が均一に溶解した液体状である。
<温度応答性調光素子>
本発明の温度応答性調光素子は、上述の本発明の液晶組成物から構成される層(以下、液晶組成物層ともいう)および2つの基材を含み、液晶組成物から構成される層は2つの基材間に存在する。液晶組成物層は、液晶化合物と、重合性液晶化合物の重合物である液晶ポリマーとを含む層である。言い換えれば、本発明の温度応答性調光素子は、液晶化合物と、シアノフェニル基を有する重合性液晶化合物が重合された重合体とを含有する層(液晶組成物層)、および前記層の両側に配された一対の基材を備えてなる温度応答性調光素子である。
液晶組成物層では、液晶組成物に含まれる液晶化合物と重合性液晶化合物の重合物である液晶ポリマーとが相分離することにより、液晶化合物が液晶滴として液晶ポリマー中に分散して液晶相と高分子相とが形成されている。
液晶滴は通常、球状であり、その大きさは、例えば10nm~50μmが好ましく、50nm~20μmがより好ましく、50nm~10μmがさらに好ましい。液晶滴の大きさが上記範囲内である場合、高温時に効果的に光散乱し易くなる傾向がある。液晶滴の大きさは、液晶組成物に含まれる液晶化合物および重合性液晶化合物の種類および量、後述する温度応答性調光素子の製造方法において液晶組成物を注入および/または冷却する温度、重合時の温度等を適宜変更することにより調節することができる。
液晶滴中の液晶化合物分子は、ネマチック-等方相転移温度未満の温度では、重合した重合性液晶化合物の分子、すなわち液晶ポリマーの配向方向と同じ方向に配向されている。このため、ネマチック-等方相転移温度を超える温度では光散乱状態、ネマチック-等方相転移温度未満の温度では光透過状態に可逆的に変化する。
基材は、液晶組成物を重合するのに必要な光を透過するものであれば特に限定されず、例えばガラス基板やプラスチックフィルム等を用いることができる。プラスチックフィルムとしては、無色透明な樹脂フィルムが好ましく、樹脂フィルムに用い得る樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて2種以上を組合せて用いることもできる。また、基材は、後述する配向膜付基材であってよい。
2つの基材のうち少なくとも1つの基材の液晶組成物層側の表面は、液晶化合物のネマチック-等方相転移温度未満の温度において液晶化合物および液晶ポリマーの相を特定の方向に配向させるために、配向処理が施されていてよい。例えば配向処理が施された一対の基材の間に液晶組成物を注入した場合、液晶滴中の液晶化合物と重合性液晶化合物とは、分子配列方向が制御された状態で、光重合、相分離され、液晶化合物および液晶ポリマーの相が特定の方向に配向されることとなる。
液晶化合物が、ネマチック-等方相転移温度未満の温度においてネマチック状態で特定方向への配向秩序を高く維持することができ、高い光透過率が得られるため、2つの基材の両方が液晶組成物層側の表面に配向処理が施されている場合が好ましい。
配向処理としては、例えば基材表面に配向膜を設ける方法等が挙げられる。具体的には、配向膜形成液を塗布した基材に対して、ナイロンなどの布を巻いたローラーを一定圧力で押し込みながら回転させることによって、配向膜表面を一定方向に擦る(ラビングする)ことにより基材表面に配向膜を設けることができる。配向膜の種類としては特に限定されず、例えばポリイミド膜等が挙げられる。配向方向としては、基材表面に対し平行かつ特定の方向であってよく、または基材表面に対し垂直方向であってよい。
2つの基材間は、所定の間隔でのギャップを有しており、その間隔は、1~500μmの範囲であってよく、3~100μmの範囲が好ましくは、5~50μmの範囲がより好ましい。基材間の距離が上記範囲内である場合には、所望の光散乱特性が得られ易い傾向がある。
本発明の温度応答性調光素子は、20℃における可視直進透過率(Tlum)が好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上、より特に好ましくは79.5%以上、さらに特に好ましくは80%以上、極めて特に好ましくは85%以上である。可視直進透過率(Tlum)は、後述する実施例において説明する測定方法に従って求めた。可視直進透過率(Tlum)はヘイズ(白濁度)の指標となり、可視直進透過率(Tlum)の増加(減少)は、ヘイズの減少(増加)に相当する。
本発明の温度応答性調光素子は、ネマチック-等方相転移温度より高温状態での可視直進透過率が、ネマチック-等方相転移温度より低温状態での可視直進透過率より低ければよい。本実施例では、液晶化合物のネマチック-等方相転移温度(29℃あるいは42℃)では、簡便化のため、統一的に高温状態を50℃、低温状態を20℃とし、以下では、この温度とするが、これに限るものでない。すなわち、50℃における可視直進透過率(Tlum)が20℃における可視直進透過率(Tlum)より低ければよく、好ましくは65%未満、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは35%以下、特に好ましくは15%以下、より特に好ましくは10%以下である。
本発明の温度応答性調光素子は、20℃と50℃におけるそれぞれの可視直進透過率(Tlum)の差が好ましくは0%より大きく、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは45%以上、より特に好ましくは60%以上、さらに特に好ましくは70%以上である。
20℃および50℃における可視直進透過率はそれぞれ、液晶組成物に含まれる液晶化合物および重合性液晶化合物の種類および量、後述する温度応答性調光素子の製造方法において液晶組成物を注入および/または冷却する温度、重合時の温度等を適宜変更することにより調節することができる。
温度応答性調光素子の形態としては、特に制限されず、温度応答性調光素子の基材の種類、製造方法、用途、保管および輸送方式等に応じてフィルム状やシート状であってよく、ロール状に巻き取られた形態や、所望の寸法に形成または断裁された形態等であってもよい。
図1は、本発明の代表的な温度応答性調光素子の模式的断面図を示す。
本発明の別の態様は、温度応答性調光素子を含むフィルムである。
本発明のフィルムは、例えばフィルム基材と温度応答性調光素子を貼り合わせたものであってよく、または上述の温度応答性調光素子の基材としてのプラスチックフィルムをフィルム基材としてその表面上に直接、温度応答性調光素子を形成したものであってもよい。
フィルム基材は、透明性および柔軟性を有するものであればよく、温度応答性調光素子の基材として上述した種々の無色透明な樹脂フィルムを用いることができる。
フィルム基材と温度応答性調光素子とは、粘着剤層を介して貼り合わせることができる。粘着剤層は、公知の粘着剤または接着剤から構成されてよく、粘着剤または接着剤は感圧型、UV硬化型、熱硬化型等であってよく、透明性であるものが好ましい。粘着剤層は、フィルム基材および温度応答性調光素子の少なくとも一方の貼合わせる表面上に形成することができる。形成方法としては、特に制限されず、ロールコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、ダイコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング等の種々のコーティング法により透明粘着剤または透明接着剤を塗布することにより形成する方法、およびいわゆる両面テープのような透明粘着剤または透明接着剤を添付することにより形成する方法等が挙げられる。
本発明のフィルムの製造方法としては、ロール状に巻き取られたフィルム基材と温度応答性調光素子を、粘着剤層を設けながらロールツーロール形式で貼合わせる方法、および所望の寸法に形成または断裁されたフィルム基材と温度応答性調光素子と、粘着剤層を設けた後、貼り合わせる方法等が挙げられる。
本発明のフィルムは、窓ガラス等の被着体と貼合わせるために、フィルムの少なくとも一方の表面に更なる粘着剤層を有していてよい。更なる粘着剤層は、上述の透明粘着剤または透明接着剤から構成されてよい。更なる粘着剤層は、その表面にプラスチックフィルム等からなる剥離層を有していてよく、本発明のフィルムと被着体とを貼合わせる際に剥離して、更なる粘着剤層を露出させて被着体と貼合わせることができる。
本発明のフィルムは、温度応答性調光機能を付与するために、光シャッター、調光窓ガラス、センサー、アメニティ、熱駆動型光スイッチ、または光熱書き込み型メモリーにおいて用いることができる。
<温度応答性調光素子の製造方法>
本発明の温度応答性調光素子の製造方法は、1)一対の基材間に液晶組成物を配置する工程、および2)液晶組成物を硬化する工程を含む製造方法である。
一対の基材間に液晶組成物を配置する方法としては、少なくとも一方の基材の表面に液晶組成物をコーティングした基材を貼合わせることにより液晶組成物を2つの基材間に挟み込む方法、所定の間隔でギャップを設けた基材間に液晶組成物を注入する方法等が挙げられる。
基材は、上述の温度応答性調光素子において説明した種々の基材であってよく、配向膜処理が施された基材であってよい。
一対の基材を所定の間隔のギャップで維持することを目的として、少なくとも一方の基材の表面に所定の高さを有するスペーサーを配置することができる。スペーサーとしては、公知のものを用いることができ、球状、棒状または柱状の樹脂スペーサーや球状シリカ等が挙げられる。球状樹脂スペーサーや球状シリカは、基材を貼合わせるための接着剤や封止剤中に、あるいは液晶組成物中に含有させて用いてよく、または基材表面に湿式または環式散布装置を用いて散布してよい。棒状樹脂スペーサーは、基材表面に接着剤等により接着して用いることができる。柱状樹脂スペーサーは、光硬化型樹脂組成物を公知のフォトリソグラフィ技術により基材表面に形成するものであってよい。スペーサーの高さは、所望とする基材間のギャップに応じて適宜選択することができ、通常、数nm~数百μmである。また、一定のギャップを有する市販のセル〔例えばKSRP-25/B507P7NSS(ギャップ間隔25μm)〕を用いることもできる。
液晶組成物をコーティングする方法としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、ダイコーティング、スピンコーティング、滴下法等が挙げられる。液晶組成物が溶剤を含む場合、コーティング後、液晶組成物の塗膜中に残存する溶剤を除去するために減圧および/または加熱することができる。
液晶組成物を注入する方法としては、公知の液晶注入法、例えば真空差圧を利用した方法等を用いることができる。
液晶組成物のコーティングまたは注入は、液晶組成物を所定の温度に加熱しながら行うことができる。加熱温度は、液晶組成物がコーティングまたは注入することができるように十分な流動状態であり、および各成分が均一に溶解する温度であればよく、例えば30℃~100℃の範囲の温度であってよい。液晶組成物が十分に流動することができる状態であれば、液晶化合物および重合性液晶化合物の分子を配向膜に沿って十分に配向させ易い傾向があり、およびコーティングムラや注入の際の気泡の発生が抑制され易い傾向がある。
液晶組成物をコーティングまたは注入した後、液晶組成物が配向する温度まで冷却することにより、液晶化合物および重合性液晶化合物の分子の配向状態を固定することができる。冷却温度は、液晶組成物が配向する温度以下の温度であればよく、例えば0~40℃等であってよい。
基材の貼合わせは、少なくとも一方の基材の表面に接着剤または封止剤を塗布し、基材同士を接着させることにより行うことができる。液晶組成物をコーティングにより配置する場合、接着剤または封止剤を、液晶組成物をコーティングする前に予め基材周囲に塗布しておくことにより、コーティングの際に液晶組成物が基材上からはみ出したり、貼合わせ後に液晶組成物が漏出したりすることを防止することができる。
液晶組成物を硬化する工程は、例えば液晶組成物中の重合性液晶化合物が光重合性である場合には、液晶組成物を配置した一対の基材を露光することにより、液晶組成物中の重合性液晶化合物を重合することにより行うことができる。
露光はレーザー照射または紫外線照射により行うことができる。本発明の液晶組成物は、光拡散板を用いることなく液晶化合物を液晶ポリマー中に分散するように硬化させることができるが、光拡散板を用いても硬化させることができる。
レーザー照射または紫外線照射を行う温度は、液晶化合物および重合性液晶化合物の分子の配向方向が固定された状態で行える温度であればよく、例えば0~40℃の範囲の温度で行うことができる。
レーザー照射は、例えばYAGレーザー、エキシマレーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザー等を用いることができる。照射するレーザー波長としては、光重合開始剤の反応域の波長であればよく、例えば波長532nmまたは351nmのレーザーを照射することにより行うことができる。レーザーを照射する時間は、レーザーの種類、液晶組成物の組成等に応じて適宜設定することができるが、例えば1秒~1時間の範囲で設定することができ、好ましくは10秒~10分の間である。
紫外線照射は、紫外線を発生させるランプ、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いて行うことができる。照射する紫外線の波長としては、光重合開始剤の反応域の波長であればよく、例えば365nm中心波長が好ましく、必要に応じて365nm未満の紫外線をカットして使用することがより好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm~100W/cmが好ましく、2mW/cm~50W/cmがより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、液晶組成物の組成等に応じて適宜調整することができるが、10mJ/cm~500J/cmが好ましく、100mJ/cm~200J/cmがより好ましい。紫外線を照射する時間は、照射する紫外線強度により適宜選択することができるが、例えば1秒~1時間の範囲で設定することができ、好ましくは10秒~10分の間である。
レーザー照射および紫外線照射は組合わせて行ってもよく、例えばレーザー照射を行った後、紫外線照射をさらに行うことができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。
<可視直進透過率>
試料セルの分光透過率(T(λ))を、温調アタッチメントを付属した分光光度計(日立ハイテクノロジーズU4100)を用い、図2に示す通り[非特許文献1]、日射エネルギーが分布する0.2~2.5μmの範囲の光波長(λ)で測定した。図3に示す通り、T(λ)の測定光学系は、セル後方から垂直に一定距離だけ離した位置に積分球検出器が配置され、セルを透過した光のうち、広がり角10°の範囲の直進成分が検出された。この直進透過率のうち、可視直進透過率(Tlum)を以下の式(1):
Figure 0007088463000007
に従って計算した。式(1)に示す通り、Tlumは、T(λ)を波長に関する重み付け積分平均で求めた。ここで、Tlum(λ)は視感度を表す重価係数(図2の黒色の曲線に相当)である[非特許文献1]。
<ネマチック液晶化合物>
〔6-CB〕
4-シアノ-4’-ヘキシルビフェニル、東京化成工業株式会社製、ネマチック-等方相転移温度(TNI)=30℃、複屈折率(Δn=n-n)=0.15
〔7-CB〕
4-シアノ-4’-ヘプチルビフェニル、東京化成工業株式会社製、ネマチック-等方相転移温度(TNI)=43℃、複屈折率(Δn=n-n)=0.15
<重合性液晶化合物>
〔重合性液晶A〕
6-{[4’-シアノ-(1,1’-ビフェニル)-4-イル]オキシ}ヘキシルアクリレート(「Macromolecules」、第26巻、第6132~6134頁、1993年に記載の方法に準拠して製造)
〔重合性液晶B〕
4-(6-アクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸4-シアノフェニル(「Makromol.Chem.」、第183巻、第2311~2321頁、1982年に記載の方法に準拠して製造)
〔重合性液晶C〕
1,4-ビス-[4-(3-アクリロイルオキシプロピルオキシ)ベンゾイルオキシ] -2-メチルベンゼン(メルク社製RM-257)
〔重合性液晶D〕
1,4-ビス-[4-(6-アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ] -2-メチルベンゼン(「Makromol.Chem.」、第190巻、第3201~3215頁、1998年に記載の方法に準拠して製造)
〔重合性液晶E〕
4-[[6-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]ヘキシル]オキシ]安息香酸4-メトキシフェニル(「Makromol.Chem.」、第183巻、第2311~2312頁、1982年に記載の方法に準拠して製造)
<液晶組成物>
実施例1
液晶化合物として6-CB、重合性液晶化合物として重合性液晶Aを重量比45/55(液晶化合物/重合性液晶化合物)で混合し、さらにこれに光ラジカル重合開始剤としてN-フェニルグリシン(東京化成工業株式会社製)を、重合性液晶化合物を基準に0.1重量%、および増感剤としてジブロモフルオレセイン(東京化成工業株式会社製)を、重合性液晶化合物を基準に0.1重量%加え、60℃~80℃に維持しつつ攪拌して均一な液晶組成物を作製した。
実施例2
上記実施例1に記載の液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を50/50に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の液晶組成物を得た。
実施例3
上記実施例1に記載の液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を60/40に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の液晶組成物を得た。
実施例4
上記実施例1に記載の液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を65/35に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の液晶組成物を得た。
実施例5
上記実施例1に記載の液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を70/30に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の液晶組成物を得た。
実施例6
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Bを用いたこと、および液晶化合物と重合性液晶化合物の重量比を60/40に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の液晶組成物を得た。
実施例7
上記実施例1に記載のN-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を57/43に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の液晶組成物を得た。
実施例8
上記実施例1に記載のN-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を62.5/37.5に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の液晶組成物を得た。
実施例9
上記実施例1に記載のN-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を68.2/31.8に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の液晶組成物を得た。
実施例10
上記実施例1に記載のN-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を74.1/25.9に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の液晶組成物を得た。
実施例11
上記実施例1に記載のN-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を80.2/19.8に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例11の液晶組成物を得た。
実施例12
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Bを用いたこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を59.7/40.3に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例12の液晶組成物を得た。
実施例13
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Bを用いたこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を65.5/34.5に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例13の液晶組成物を得た。
実施例14
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Bを用いたこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を71.7/28.3に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例14の液晶組成物を得た。
実施例15
上記実施例1に記載の液晶化合物としての6-CBに代えて7-CBを用いたこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を65/35に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例15の液晶組成物を得た。
実施例16
上記実施例1に記載の液晶化合物としての6-CBに代えて7-CBを用いたこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を70/30に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例16の液晶組成物を得た。
実施例17
上記実施例1に記載の液晶化合物としての6-CBに代えて7-CBを用いたこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を76/24に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例17の液晶組成物を得た。
実施例18
上記実施例1に記載の液晶化合物としての6-CBに代えて7-CBを用いたこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、ジブロモフルオレセインを用いなかったこと、および液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を82/18に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例18の液晶組成物を得た。
比較例1
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Cを用いたこと、および液晶化合物と重合性液晶化合物の重量比を70/30に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の液晶組成物を得た。
比較例2
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Dを用いたこと、および液晶化合物と重合性液晶化合物の重量比を60/40に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の液晶組成物を得た。
比較例3
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Eを用いたこと、および液晶化合物と重合性液晶化合物の重量比を60/40に代えて混合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の液晶組成物を得た。
比較例4
上記実施例1に記載の重合性液晶Aに代えて重合性液晶Cを用いたこと、液晶化合物および重合性液晶化合物の重量比を70/30に代えて混合を行ったこと、N-フェニルグリシン0.1重量%に代えてIRGACURE-651(BASF社製)を重合性液晶化合物を基準に1重量%加えたこと、およびジブロモフルオレセインを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の液晶組成物を得た。
以下の表1に実施例1~20および比較例1~4において作製した液晶組成物の組成を示す。
Figure 0007088463000008
<温度応答性調光素子>
実施例19
(レーザー露光、光拡散板あり)
二枚のラビング配向膜付きガラス基板(イーエッチシー社製、アンチパラレル)をギャップ間隔30±5μmとしてスペーサビーズを挟んで接着したガラスセルに、実施例1において作製した液晶組成物を注入し、照射対象面であるガラス基板から距離20mm離れた位置に配置した光拡散板(砂番#1500)を介して、この液晶組成物を光重合するため波長532nmレーザー(約100mW/cm)を散乱させ、ガラス基板中の面内位置で不均一強度分布を持たせ露光した。上記のレーザー露光は具体的には、20~50℃の範囲内で一定温度に調整しながら、約5分行った。その後、UVランプ(中心波長365nm)で5分ほど照射して重合により形成した構造を定着させて温度応答性調光素子を得た。
実施例20
上記実施例19に記載の液晶組成物を実施例2において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして実施例20の温度応答性調光素子を得た。
実施例21
上記実施例19に記載の液晶組成物を実施例3において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして実施例21の温度応答性調光素子を得た。
実施例22
上記実施例19に記載の液晶組成物を実施例4において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして実施例22の温度応答性調光素子を得た。
実施例23
上記実施例19に記載の液晶組成物を実施例5において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして実施例23の温度応答性調光素子を得た。
実施例24
上記実施例19に記載の液晶組成物を実施例6において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして実施例24の温度応答性調光素子を得た。
実施例25
(レーザー露光、光拡散板なし)
二枚のラビング配向膜付きガラス基板(イーエッチシー社製、アンチパラレル)をスペーサビーズを挟んでギャップ間隔30±5μmとして接着したガラスセルに、実施例3において作製した液晶組成物を注入し、この液晶組成物を光重合するため波長532nmレーザー(約100mW/cm)で露光した。上記のレーザー露光は具体的には、30~50℃の範囲内で一定温度に調整しながら、約5分行った。その後、UVランプ(中心波長365nm)で5分ほど照射して重合により形成した構造を定着させて温度応答性調光素子を得た。
実施例26
(UV露光、光拡散板なし)
二枚のラビング配向膜付きガラス基板(イーエッチシー社製、アンチパラレル)をスペーサビーズを挟んでギャップ間隔30±5μmとして接着したガラスセルに、実施例7において作製した液晶組成物を注入し、この液晶組成物を光重合するため紫外線照射(約10mW/cm)により露光し、温度応答性調光素子を得た。上記露光は具体的には、30~50℃の範囲内で一定温度に調整しながら、約5分行った。
実施例27
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例8において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例27の温度応答性調光素子を得た。
実施例28
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例9において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例28の温度応答性調光素子を得た。
実施例29
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例10において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例29の温度応答性調光素子を得た。
実施例30
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例11において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例30の温度応答性調光素子を得た。
実施例31
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例12において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例31の温度応答性調光素子を得た。
実施例32
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例13において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例32の温度応答性調光素子を得た。
実施例33
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例14において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例33の温度応答性調光素子を得た。
実施例34
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例15において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例34の温度応答性調光素子を得た。
実施例35
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例16において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例35の温度応答性調光素子を得た。
実施例36
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例17において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例36の温度応答性調光素子を得た。
実施例37
上記実施例26に記載の液晶組成物を実施例18において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして実施例37の温度応答性調光素子を得た。
(レーザー露光、光拡散板あり)
比較例5
上記実施例19に記載の液晶組成物を比較例1において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして比較例5の温度応答性調光素子を得た。
比較例6
上記実施例19に記載の液晶組成物を比較例2において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして比較例6の温度応答性調光素子を得た。
比較例7
上記実施例19に記載の液晶組成物を比較例3において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例19と同様にして比較例7の温度応答性調光素子を得た。
(レーザー露光、光拡散板なし)
比較例8
上記実施例25に記載の液晶組成物を比較例1において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例25と同様にして比較例8の温度応答性調光素子を得た。
(UV露光、光拡散板あり)
比較例9
一対の水平配向処理ポリイミド膜付きガラスセルの隙間に、比較例4において作製した液晶組成物を注入し、この液晶組成物を光重合するため、照射対象面であるガラス基板から距離20mm離れた位置に配置した光拡散板を介して、紫外線照射(約10mW/cm)で、ガラス基板中の面内で散乱させ面内位置で不均一強度分布を持たせ露光し、比較例9の温度応答性調光素子を得た。上記露光は具体的には、30~50℃の範囲内で一定温度に調整しながら、約5分行った。
(UV露光、光拡散板なし)
比較例10
上記実施例26に記載の液晶組成物を比較例4において作製した液晶組成物に代えて温度応答性調光素子を作製したこと以外は、実施例26と同様にして比較例10の温度応答性調光素子を得た。
以下の表2に実施例19~37および比較例5~10においた作製した温度応答性調光素子の可視直進透過率(Tlum)を示す。
Figure 0007088463000009
表2に示される通り、本発明による液晶組成物(実施例1~6)からは、低温時に高い光透過率を示し、低温時と高温時の光透過率の差が大きい(70%以上の差の)温度応答性調光素子が従来の不均一露光により得られた(実施例19~24)。これに対し、本発明によらない液晶組成物(比較例1~3)からは、従来の不均一露光により、最も良い条件でも低温時と高温時の光透過率の差が70%を下回り、高い光透過率を有する温度応答性調光素子は得られなかった(比較例5~7)。
また、本発明による液晶組成物(実施例3)を用いて拡散板を用いないレーザー照射により作製された温度応答性調光素子の低温時と高温時の光透過率の差は70%を超え(実施例25)、本発明によらない液晶組成物(比較例1)を用いて拡散板を用いないレーザー照射により作製された温度応答性調光素子(比較例8)に対し低温時と高温時の光透過率の差が大きいことが分かる。
さらに、本発明による液晶組成物(実施例7~18)からは、拡散板を用いずに紫外線照射により、温度応答性調光素子が得られ(実施例26~37)、組成の調整により、70%を超える低温時と高温時の光透過率の差が得られた。これに対し、本発明によらない液晶組成物(比較例4)からは、拡散板の有無にかかわらず紫外線照射では、温度変化にともなう光透過率の変化が確認されず、温度応答性調光素子は得られなかった(比較例9、10)。
1 温度応答性調光素子
11 基材
12 配向膜
13 接着剤
14 スペーサー
15 液晶相
16 高分子相

Claims (14)

  1. ネマチック-等方相転移温度(TNI)が20~50℃の範囲であるシアノビフェニル系液晶化合物と、
    シアノフェニル基を有する光重合性の重合性液晶化合物が重合された重合体である液晶ポリマーと、を含有し、
    前記液晶化合物を、前記液晶化合物および前記液晶ポリマーの総量を基準に50重量%以上68.2重量%以下含有する層、および
    前記層の両側に配置された一対の基材を備え、
    20℃における可視直進透過率が80%以上であり、
    20℃と50℃におけるそれぞれの可視直進透過率の差が60%以上である、光散乱型温度応答性調光素子。
  2. 前記液晶化合物が、下記一般式(1)
    Figure 0007088463000010
    [式中、Rは炭素原子数が1~9個であるアルキル基を表す]
    で表される4-シアノ-4’-アルキルビフェニル、および、
    一般式(2):
    Figure 0007088463000011
    [式中、Rは炭素原子数が1~9個であるアルキル基を表す]
    で表される4-シアノ-4’-アルキルオキシビフェニルの少なくとも一方である、請求項1に記載の光散乱型温度応答性調光素子。
  3. 前記液晶化合物が、4-シアノ-4’-ヘキシルビフェニル、又は4-シアノ-4’-ヘプチルビフェニルである、請求項2に記載の光散乱型温度応答性調光素子。
  4. ネマチック-等方相転移温度(TNI)が20~50℃の範囲であるシアノビフェニル系液晶化合物である4-シアノ-4’-ヘプチルビフェニルと、
    シアノフェニル基を有する光重合性の重合性液晶化合物が重合された重合体である液晶ポリマーと、を含有し、
    前記液晶化合物を、前記液晶化合物および前記液晶ポリマーの総量を基準に60重量%以上85重量%以下含有する層、および
    前記液晶組成物の層の両側に配置された一対の基材を備え、
    20℃における可視直進透過率が80%以上であり、
    20℃と50℃におけるそれぞれの可視直進透過率の差が60%以上である、光散乱型温度応答性調光素子。
  5. 前記重合性液晶化合物は、炭素原子数が1~12個であるアルキレン基または炭素原子数が1~12個であるオキシアルキレンエーテル基、および少なくとも1つの重合性基を有する、請求項1~4のいずれかに記載の光散乱型温度応答性調光素子。
  6. 前記少なくとも1つの重合性基は、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基およびビニル基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれかに記載の光散乱型温度応答性調光素子。
  7. 前記重合性液晶化合物の複屈折率と前記シアノビフェニル系液晶化合物の複屈折率との差が0.01~0.2である、請求項1~6のいずれかに記載の光散乱型温度応答性調光素子。
  8. 少なくとも1つの基材は配向膜付基材である、請求項7に記載の光散乱型温度応答性調光素子。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の光散乱型温度応答性調光素子を含むフィルム。
  10. 光シャッター、調光窓ガラス、センサー、アメニティ、熱駆動型光スイッチ、または光熱書き込み型メモリーにおける、温度応答性調光機能を付与するための請求項9に記載のフィルムの使用。
  11. 請求項1~3、および請求項5~8のいずれかに記載の光散乱型温度応答性調光素子の製造方法であって、
    1)一対の基材間にネマチック-等方相転移温度(TNI)が20~50℃の範囲であるシアノビフェニル系液晶化合物と、シアノフェニル基を有する光重合性の重合性液晶化合物とを含み、前記液晶化合物を、前記液晶化合物および前記重合性液晶化合物の総量を基準に50重量%以上68.2重量%以下含む液晶組成物を配置する工程、および
    2)前記液晶組成物を露光して硬化する工程
    を含む、製造方法。
  12. 請求項4~8のいずれかに記載の光散乱型温度応答性調光素子の製造方法であって、
    1)一対の基材間にネマチック-等方相転移温度(TNI)が20~50℃の範囲であるシアノビフェニル系液晶化合物である4-シアノ-4’-ヘプチルビフェニルと、シアノフェニル基を有する光重合性の重合性液晶化合物とを含み、前記液晶化合物を、前記液晶化合物および前記重合性液晶化合物の総量を基準に60重量%以上85重量%以下含む液晶組成物を配置する工程、および
    2)前記液晶組成物を露光して硬化する工程
    を含む、製造方法。
  13. 前記工程2)において、液晶組成物をレーザー照射または紫外線照射により硬化する、請求項11または12に記載の製造方法。
  14. 液晶組成物が、光ラジカル重合開始剤をさらに含む、請求項11~13のいずれかに記載の製造方法。
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