JP7085957B2 - 作業スケジュール作成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作業スケジュール作成装置に関する。
ビル設備の保全、修理等のサービスを担う作業員は、作成された作業スケジュールにしたがってサービスを提供するための作業を実施する。したがって、作業を効率的に実施することができる作業スケジュールを作成することができた場合は、作業員の勤務時間を短縮することができる。
特許文献1に記載されたスケジューリング装置においては、作業員の能力情報に基づいて作業員の組み合わせが生成される(段落0018-0021)。
特許文献2に記載された計画管理システムにおいては、訪問する顧客と作業員との相性を考慮した上で作業に対して作業員が割当てられる(段落0013及び0077)。
特許第6008410号公報 特開2017-62656号公報
ビル設備の保全、修理等のサービスが提供される場合は、複数の作業員が協働して作業を実施しなければならない場合がある。また、複数の作業員が協働して作業を実施する場合は、各作業員の能力等の各作業員に固有の事情だけでなく、作業員の間の意思疎通、連携等の円滑さも作業の効率に影響する。しかし、特許文献1に記載されたスケジューリング装置、特許文献2に記載された計画管理システム等に代表される従来の技術においては、作業員の間の意思疎通、連携等の円滑さが考慮されないため、作業を効率的に実施することができる作業スケジュールを作成することができないことがある。この問題は、作成される作業スケジュールがビル設備の保全、修理等のサービスを提供するための作業スケジュール以外の作業スケジュールである場合にも生じる。
本発明は、この問題に鑑みてなされた。本発明が解決しようとする課題は、作業を効率的に実施することができる作業スケジュールを作成することができる作業スケジュール作成装置を提供することである。
本発明は、作業スケジュール作成装置に向けられる。
作業スケジュール作成装置は、相性決定部及び作業スケジュール作成部を備える。
相性決定部は、作業員の間の人間関係上の相性データを決定する。
作業スケジュール作成部は、当該相性データに基づいて、作業を実施する複数の作業員を定めた作業スケジュールを作成する。
前記相性決定部は、複数の評価項目からの評価項目の選択を受け付け、前記評価項目についての、操作を行う作業員の、他の作業員に対する人間関係上の評価の入力を受け付け、前記評価を表す評価データを送信する情報端末と情報通信を行い、前記評価データを受信し、前記評価データに基づいて、対象となる第1及び第2の作業員間の前記相性データを決定する。
前記評価データは、前記第1の作業員の前記第2の作業員に対する前記評価を表す第1の評価データと、前記第2の作業員の前記第1の作業員に対する前記評価を表す第2の評価データとを含む。
前記第1及び第2の評価データそれぞれが示す数値が高いほど、前記相性データが示す相性の良好度合が高くなる。
前記作業スケジュール作成部は、前記相性データが示す相性の良好度合が高くなるほど、前記第1及び第2の作業員が選択されやすくなる作成基準に沿って、前記作業スケジュールを作成する
本発明によれば、作業員の間の人間関係上の相性が作業スケジュールに反映される。このため、作業を効率的に実施することができる作業スケジュールを作成することができる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1の作業スケジュール作成装置を備える作業スケジュール作成システムを図示するブロック図である。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に通信可能に接続される情報端末を図示するブロック図である。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に通信可能に接続される情報端末の動作を図示するフローチャートである。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に通信可能に接続される情報端末の画面の例を模式的に図示する図である。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる相性決定部を図示するブロック図である。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる相性決定部の動作を図示するフローチャートである。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる組み合わせ生成部を図示するブロック図である。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる組み合わせ生成部の動作を図示するフローチャートである。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に格納されている作業データ及び作業員データ、並びに当該作業スケジュール作成装置により生成される組み合わせデータが記述されたテーブルの例を図示する図である。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる作業スケジュール作成部を図示するブロック図である。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる作業スケジュール作成部の動作を図示するフローチャートである。 実施の形態1の作業スケジュール作成装置に格納されている作業データ、組み合わせ評価値データ、移動時間データ、既存の作業スケジュール及び割り当て後の作業スケジュールが記述されたテーブルの例を図示する図である。
1 作業スケジュール作成システム
図1は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置を備える作業スケジュール作成システムを図示するブロック図である。
図1に図示される作業スケジュール作成システム100は、ビル設備の保全、修理等のサービスを提供するための作業スケジュールを作成する。作業スケジュール作成システム100が当該作業スケジュール以外の作業スケジュールを作成してもよい。
作業スケジュール作成システム100は、情報端末110及び作業スケジュール作成装置111を備える。作業スケジュール作成システム100がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
情報端末110は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。作業スケジュール作成装置111は、パーソナルコンピュータ等である。
作業スケジュール作成装置111は、情報端末110に通信可能に接続され、情報端末110と情報通信を行う。
サービスを担う各作業員は、情報端末110を所持する。情報端末110は、情報端末110を所持する作業員の他の作業員に対する人間関係上の評価の入力を受け付け、入力された評価を表す評価データを作業スケジュール作成装置111に送信する。作業スケジュール作成装置111は、送信された評価データを受信し、受信した評価データに基づいて作業スケジュールを作成する。これにより、すべての作業員の間の人間関係が作業スケジュール作成装置111に集約され、集約されたすべての作業員の間の人間関係に基づいて作業スケジュールが作成される。作業スケジュール作成装置111が評価の入力を直接的に受け付けてもよい。
2 作業スケジュール作成装置
作業スケジュール作成装置111は、図1に図示されるように、相性決定部120、組み合わせ生成部121及び作業スケジュール作成部122を備える。これらの要素は、コンピュータにプログラムを実行させることにより構成される。これらの要素の全部又は一部がプログラムを実行しないハードウェアにより構成されてもよい。作業スケジュール作成装置111がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
相性決定部120は、情報端末110と情報通信を行い、情報端末110から人間関係上の評価を表す評価データを受信し、受信した評価データに基づいて作業員の間の人間関係上の相性を決定し、決定した相性を表す相性データを格納する。
相性決定部120は、過去に受信した評価データを蓄積しており、情報端末110の操作を行う作業員が評価の対象にする他の作業員を選択した際に、蓄積している評価データから、操作を行う作業員の、選択された作業員に対する人間関係上の評価を表す評価データを抽出し、抽出した評価データを情報端末110に送信する。
組み合わせ生成部121は、作業を実施することができる作業員を選択し、選択した作業員が作業に組み合わされた組み合わせを生成し、生成した組み合わせを表す組み合わせデータを作業スケジュール作成部122に渡す。
作業スケジュール作成部122は、渡された組み合わせデータを受け取り、受け取った組み合わせデータに基づいて作業を実施する作業員、及び作業が実施される時間帯を定めるスケジューリングを行い、作業を実施する作業員、及び作業が実施される時間帯を定めた作業スケジュールを作成し、作成した作業スケジュールを格納する。作業スケジュール作成部122は、スケジューリングを行う際に、受け取った組み合わせデータにより表される組み合わせにおいて作業に組み合わされた作業員を、当該作業を実施する作業員にする。
作業スケジュール作成部122は、組み合わせ生成部121により複数の組み合わせが生成され、各組み合わせにおいて作業に複数の作業員が組み合わされている場合は、相性決定部120から相性データを読み出し、読み出した相性データにより表される、各組み合わせにおいて作業に組み合わされた複数の作業員の間の相性に基づいて、生成された複数の組み合わせからひとつの組み合わせを選択し、選択したひとつの組み合わせにおいて作業に組み合わされた複数の作業員を、作業を実施する複数の作業員にする。これにより、作業スケジュール作成部122は、作業員の間の人間関係上の相性に基づいて、作業を実施する複数の作業員、及び作業が実施される時間帯を定めた作業スケジュールを作成する。ひとつの組み合わせが選択される際には、各組み合わせにおいて作業に組み合わされた複数の作業員の間の相性が良好になるほど当該各組み合わせがひとつの組み合わせとして選択されやすくなる選択アルゴリズムが用いられる。
実施の形態1によれば、作業員の間の人間関係上の相性が作業スケジュールに反映される。このため、作業を効率的に実施することができる作業スケジュールを作成することができる。
また、実施の形態1によれば、作業を実施する複数の作業員の間の人間関係上の相性が良好なものとなるように作業を実施する複数の作業員が決定される。このため、作業を実施する複数の作業員の間に良好でない人間関係が構築され作業の効率が低下することを回避することができる。
3 情報端末
図2は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に通信可能に接続される情報端末を図示するブロック図である。
情報端末110は、図2に図示されるように、評価項目格納部130、評価入力部131及びデータ送受信部132を備える。これらの要素は、コンピュータにプログラムを実行させることにより構成される。これらの要素の全部又は一部がプログラムを実行しないハードウェアにより構成されてもよい。情報端末110がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
評価項目格納部130は、他の作業員に対する人間関係上の評価の複数の評価項目を表す評価項目データを格納している。複数の評価項目は、複数のカテゴリに分類される。複数の評価項目は、例えば「好き」、「尊敬」、「信頼」、「何でもいえる」、「わかりやすい」、「要領がよい」及び「機転がきく」という評価項目を含む。複数のカテゴリは、例えば「感情」、「意思疎通」及び「能力」というカテゴリを含む。「感情」というカテゴリには、「好き」、「尊敬」及び「信頼」という評価項目が属する。「意思疎通」というカテゴリには、「何でもいえる」及び「わかりやすい」という評価項目が属する。「能力」というカテゴリには、「要領がよい」及び「機転がきく」という評価項目が属する。
評価入力部131は、評価の対象にする作業員の選択を受け付け、選択された作業員を識別する作業員識別子(ID)をデータ送受信部132に渡す。また、評価入力部131は、評価項目格納部130から評価項目データを読み出し、読み出した評価項目データにより表される複数の評価項目の一覧を画面に表示する。また、評価入力部131は、表示された一覧に含まれる複数の評価項目からの評価項目の選択を受け付け、選択された評価項目についての、操作を行う作業員の、選択された作業員に対する評価の入力を受け付け、選択された評価項目及び入力された評価を表す評価データをデータ送受信部132に渡す。渡される評価データは、評価項目についての評価を数値で表す評価値を含む。これにより、操作を行う作業員自身が設定した評価項目に数値で表される評価値を与える機能が情報端末110に付与される。
データ送受信部132は、渡された作業員IDを受け取り、操作を行う作業員の、受け取った作業員IDにより識別される作業員に対する評価を表す過去の評価データが存在するか否かを相性決定部120に照会する。データ送受信部132は、過去の評価データが存在する場合は、相性決定部120から過去の評価データを受信し、受信した評価データを評価入力部131に渡す。評価入力部131は、渡された評価データを受け取り、受け取った評価データにより表される過去の評価項目及び評価を画面に表示する。これにより、操作を行う作業員は、選択した作業員に対する過去の評価を閲覧することができる。
データ送受信部132は、渡された作業員ID及び評価データを受け取り、受け取った作業員ID及び評価データを相性決定部120に送信する。
実施の形態1によれば、作業スケジュール作成装置111が作業員の間の相性の適切な決定の基礎となる正確な評価を情報端末110から取得することができ、作業を効率的に実施することができる作業スケジュール作成することが容易になる。
4 情報端末の動作
図3は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に通信可能に接続される情報端末の動作を図示するフローチャートである。
図3に図示されるステップS101においては、評価入力部131が、複数の作業員の一覧を画面に表示し、表示した一覧に含まれる複数の作業員からの評価の対象にする作業員の選択を受け付け、選択された作業員を識別する作業員IDをデータ送受信部132に渡す。
続くステップS102においては、データ送受信部132が、渡された作業員IDを受け取り、操作を行う作業員の、受け取った作業員IDにより識別される作業員に対する評価を表す過去の評価データが存在するか否かを相性決定部120に照会する。過去の評価データが存在する場合は、ステップS103が実行された後にステップS105が実行される。過去の評価データが存在しない場合は、ステップS104が実行された後にステップS105が実行される。
ステップS103においては、データ送受信部132が、過去の評価データを受信し、受信した過去の評価データを評価入力部131に渡す。また、評価入力部131が、渡された評価データを受け取り、受け取った評価データにより表される過去の評価項目及び評価値を画面に表示する。
ステップS104においては、評価入力部131が、評価項目格納部130から評価項目データを読み出し、読み出した評価項目データにより表される複数の評価項目の一覧を画面に表示する。また、評価入力部131は、評価項目の選択及び評価値の入力のための欄を画面に表示する。
続くステップS105においては、評価入力部131が、表示された一覧に含まれる複数の評価項目からの評価項目の選択を受け付ける。
続くステップS106においては、評価入力部131が、選択された評価項目についての、操作を行う作業員の、選択された作業員に対する評価値の入力を受け付ける。
続くステップS107においては、評価入力部131が、選択された作業員を識別する作業員ID、並びに選択された評価項目及び入力された評価値を表す評価データをデータ送受信部132に渡す。また、データ送受信部132は、渡された作業員ID及び評価データを受け取り、受け取った作業員ID及び評価データを相性決定部120に送信する。
5 情報端末の画面
図4は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に通信可能に接続される情報端末の画面の例を模式的に図示する図である。
図4に図示される画面140には、評価の対象とする作業員の選択のためのプルダウン150、複数の評価項目の一覧151、評価項目の選択及び評価値の入力のためのレーダーチャート152が表示される。複数の評価項目の一覧151は、「感情」というカテゴリに属する「好き」、「尊敬」及び「信頼」という複数の評価項目の一覧160、「意思疎通」というカテゴリに属する「何でもいえる」及び「わかりやすい」という複数の評価項目の一覧161、及び「能力」というカテゴリに属する「要領がよい」及び「機転がきく」という複数の評価項目の一覧162からなる。
画面140には、評価項目の選択、及び評価値の入力が完了した後に行われる評価データの作業スケジュール作成装置111への送信の指示のためのボタン153がさらに表示される。
6 相性決定部
図5は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる相性決定部を図示するブロック図である。
相性決定部120は、図5に図示されるように、評価データ格納部170、評価データ変換部171、相性計算部172及び相性データ格納部173を備える。
評価データ格納部170は、情報端末110により送信された作業員ID及び評価データを受信し、受信した作業員ID及び評価データを格納する。
評価データ変換部171は、評価データ格納部170から評価データを読み出し、読みだした評価データを変換済評価データに変換し、変換により得られた変換済評価データを相性計算部172に渡す。変換済評価データは、相性を評価するためのデータ形式を有する。
相性計算部172は、渡された変換済評価データを受け取り、受け取った変換済評価データに基づいて作業員の間の人間関係上の相性を計算し、計算した相性を表す相性データを相性データ格納部173に渡す。
相性データ格納部173は、渡された相性データを受け取り、受け取った相性データを格納する。
7 相性決定部の動作
図6は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる相性決定部の動作を図示するフローチャートである。
図6に図示されるステップS111においては、評価データ変換部171が、第1の作業員A及び第2の作業員Bからなる2人の作業員を選択し、評価データ格納部170から第1の作業員Aの第2の作業員Bに対する評価を表す第1の評価データa=(a,a,a,a,a,a)、及び第2の作業員Bの第1の作業員Aに対する評価を表す第2の評価データb=(b,b,b,b,b,b)を読み出す。
第1の評価データa=(a,a,a,a,a,a)は、第1の評価項目A,A,A,A,A及びAについての評価を表す。第1の評価データaを構成する成分a1,a2,a3,a4,a5及びa6は、それぞれ第1の評価項目A,A,A,A,A及びAについての評価を表す評価値である。第2の評価データb=(b,b,b,b,b,b)は、第2の評価項目B,B,B,B,B及びBについての評価を表す。第2の評価データbを構成する成分b1,b2,b3,b4,b5及びb6は、それぞれ第2の評価項目B,B,B,B,B及びBについての評価を表す評価値である。第2の評価項目B,B,B,B,B及びBは、第1の評価項目A,A,A,A,A及びAと同じである場合もあるし、第1の評価項目A,A,A,A,A及びAと異なる場合もある。第1の評価項目A,A,A,A,A及びAからなる6個の評価項目が5個以下又は7個以上の評価項目に置き換えられてもよい。第2の評価項目B,B,B,B,B及びBからなる6個の評価項目が5個以下又は7個以上の評価項目に置き換えられてもよい。第2の評価項目の数が第1の評価項目の数と異なってもよい。
続くステップS112においては、評価データ変換部171が、読み出した第1の評価データa=(a,a,a,a,a,a)を、カテゴリC’,C’及びC’についての評価を表す第1の変換済評価データa’=(a’,a’,a’)に変換し、変換により得られた第1の変換済評価データa’=(a’,a’,a’)を相性計算部172に渡す。第1の変換済評価データa’を構成する第1の成分a’、第2の成分a’及び第3の成分a’は、それぞれカテゴリC’,C’及びC’についての評価を表す評価値である。また、評価データ変換部171は、読み出した第2の評価データb=(b,b,b,b,b,b)を、カテゴリC’,C’及びC’についての評価を表す第2の変換済評価データb’=(b’,b’,b’)に変換し、変換により得られた第2の変換済評価データb’=(b’,b’,b’)を相性計算部172に渡す。第2の変換済評価データb’を構成する第1の成分b’、第2の成分b’及び第3の成分b’は、それぞれカテゴリC’,C’及びC’についての評価を表す評価値である。これにより、第2の評価項目B,B,B,B,B及びBが第1の評価項目A,A,A,A,A及びAと異なる場合であっても、第1の変換済評価データa’=(a’,a’,a’)の次元と同じ次元を有する第2の変換済評価データb’=(b’,b’,b’)が得られ、第1の作業員Aの第2の作業員Bに対する評価と第2の作業員Bの第1の作業員Aに対する評価との相関を評価することが容易になる。したがって、第1の作業員と第2の作業員との間の人間関係上の相性を評価することが容易になり、作業を効率的に実施することができる作業スケジュールを作成することが容易になる。
カテゴリC’についての評価を表す第1の変換済評価データa’の成分a’は、カテゴリC’に属する第1の評価項目Aについての評価を表す第1の評価データaの成分aを因子として含み、カテゴリC’に1個の第1の評価項目Aが属する場合は当該1個の第1の評価項目Aについての評価を表す第1の評価データaの成分aの定数倍αであり、カテゴリC’に2個以上の第1の評価項目Ai1,・・・,Aimが属する場合は当該2個以上の第1の評価項目Ai1,・・・,Aimについての評価をそれぞれ表す第1の評価データaの成分ai1,・・・,aimの線形結合αi1i1+・・・+αimimである。カテゴリC’についての評価を表す第2の変換済評価データの成分b’は、カテゴリC’に属する第2の評価項目Bについての評価を表す第2の評価データの成分bを因子として含み、カテゴリC’に1個の第2の評価項目Bが属する場合は当該1個の第2の評価項目Bについての評価を表す第2の評価データの成分bの定数倍βであり、カテゴリC’に2個以上の第2の評価項目Bj1,・・・,Bjnが属する場合は当該2個以上の第2の評価項目Bj1,・・・,Bjnについての評価をそれぞれ表す第2の評価データbの成分bj1,・・・,bjnの線形結合βj1j1+・・・+βjnjnである。
例えば、第1の評価項目A,A,A,A,A及びA、並びに第2の評価項目B,B,B,B,B及びBがカテゴリC’(k=1,2,3)に分類されており、式(1)に表されるように第1の評価項目A,A及びA、並びに第2の評価項目B,B及びBがカテゴリC’に属し、式(2)に表されるように第1の評価項目A、並びに第2の評価項目B及びBがカテゴリC’に属し、式(3)に表されるように第1の評価項目A及びA、並びに第2の評価項目BがカテゴリC’に属する場合を考える。
Figure 0007085957000001
この場合は、式(4)に表されるように、カテゴリC’についての評価を表す第1の変換済評価データa’の成分a’は、カテゴリC’に属する第1の評価項目A,A及びAについての評価をそれぞれ表す第1の評価データaの成分a,a及びaの線形結合α+α+αである。カテゴリC’についての評価を表す第1の変換済評価データa’の成分a’は、カテゴリC’に属する第1の評価項目Aについての評価を表す第1の評価データaの成分aの定数倍αである。カテゴリC’についての評価を表す第1の変換済評価データaの成分a’は、カテゴリC’に属する第1の評価項目A及びAについての評価をそれぞれ表す第1の評価データaの成分a及び成分aの線形結合α+αである。ただし、第1の評価データaの成分aに乗じられる重み係数αは、α>0を満たす(i=1,2,3,4,5,6)。
Figure 0007085957000002
また、式(5)に表されるように、カテゴリC’についての評価を表す第2の変換済評価データbの成分b’は、カテゴリC’に属する第2の評価項目B,B及びBについての評価をそれぞれ表す第2の評価データbの成分b,b及びbの線形結合β+β+βである。カテゴリC’についての評価を表す第2の変換済評価データbの成分b’は、カテゴリC’に属する第2の評価項目B及びBについての評価をそれぞれ表す第2の評価データbの成分b及びbの線形結合β+βである。カテゴリC’についての評価を表す第2の変換済評価データbの成分b’は、カテゴリC’に属する第2の評価項目Bについての評価を表す第2の評価データbの成分bの定数倍βである。ただし、第2の評価データbの成分bに乗じられる重み係数βは、β>0を満たす(j=1,2,3,4,5,6)。
Figure 0007085957000003
続くステップS113においては、相性計算部172が、渡された第1の変換済評価データa’及び第2の変換済評価データb’に基づいて第1の作業員と第2の作業員との間の人間関係上の相性を計算する計算し、計算した相性を表す相性データを相性データ格納部172に渡す。相性データ格納部172は、渡された相性データを受け取り、受け取った相性データを格納する。
相性は、例えば、式(6)により計算される、第1の変換済評価データa’と第2の変換済評価データb’との内積a’・b’で表される。
Figure 0007085957000004
第1の作業員Aと第2の作業員Bとの間の相性は、内積a’・b’が大きくなるほど良好であるとみなされる。このため、第1の作業員Aと第2の作業員Bとの間の相性は、第1の変換済評価データa’からなるベクトル、及び第2の変換済評価データb’からなるベクトルのなす角が小さくなるほど良好であるとみなされ、第1の変換済評価データa’からなるベクトルの大きさが大きくなるほど良好であるとみなされ、第2の変換済評価データb’からなるベクトルの大きさが大きくなるほど良好であるとみなされる。これにより、第1の作業員Aと第2の作業員Bとの間の相性は、第1の作業員A及び第2の作業員Bが互いに相手に対して肯定的な評価を行うほどが良好であるとみなされる。
ただし、第1の変換済評価データa’の第kの成分a’、及び第2の変換済評価データb’の第kの成分b’のいずれも負の値を有する場合は、第kの成分a’と第kの成分b’との積には、-1が乗じられる。例えば、k=1である場合は、第1の成分a’と第1の成分b’との積に-1が乗じられ、相性が式(7)により計算される内積a’・b’で表される。これにより、第1の作業員Aと第2の作業員Bとの間の相性は、第1の作業員A及び第2の作業員Bが互いに相手に対して否定的な評価を行うほどが良好でないとみなされる。
Figure 0007085957000005
ここで、「好き」、「おもしろい」、「尊敬」及び「信頼」という評価項目が「感情」というカテゴリに属し、各評価項目についての評価を表す評価値が10点満点であり、第1の作業員Aの第2の作業員Bに対する評価を表す第1の評価データaが(好き,信頼)=(5,5)であり、第2の作業員Bの第1の作業員Aに対する評価を示す第2の評価データbが(尊敬,おもしろい)=(4,1)である場合を考える。この場合は、「好き」、「おもしろい」、「尊敬」及び「信頼」という評価項目が「感情」というカテゴリに属するため、各評価値に乗じられる重み係数を1にしたときは、第1の変換済評価データa’及び第2の変換済評価データb’がそれぞれ式(8)及び式(9)により表される。
Figure 0007085957000006
式(8)及び式(9)により表される第1の変換済評価データa’及び第2の変換済評価データb’からは、相性を表す内積が50という値を有することが導かれる。相性を表す内積の最良値は400であるため、相性を表す内積が50という値を有する場合は、作業員Aと作業員Bとの間の相性は良好であるとはいえない。
8 組み合わせ生成部
図7は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる組み合わせ生成部を図示するブロック図である。
組み合わせ生成部121は、図7に図示されるように、出勤作業員格納部180、実施作業格納部181及び組み合わせ決定部182を備える。
出勤作業員格納部180は、作成される作業スケジュールの期間内に出勤する作業員に関する作業員データを格納する。格納されている作業員データは、作業員を識別する作業員ID、及び作業員が有する属性を含む。属性は、例えば勤務年数、資格等である。
実施作業格納部181は、作成される作業スケジュールの期間内に実施することが推奨される作業に関する作業データを格納する。格納されている作業データは、作業を識別する作業ID、作業を実施するのに必要な作業員の人数、作業の優先度、及び作業を実施する作業員が有しなければならない属性を含む。属性は、例えば勤務年数、資格等である。
組み合わせ決定部182は、出勤作業員格納部180から作業員データを読み出し、実施作業格納部181から作業データを読み出し、読み出した作業員データ及び作業データに基づいて作業員が作業を実施することができるか否かを判定する。また、組み合わせ決定部182は、作業を実施することができる作業員を選択し、選択した作業員が作業に組み合わされた組み合わせを決定し、生成される組み合わせデータに決定した組み合わせを反映する。
9 組み合わせ生成部の動作
図8は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる組み合わせ生成部の動作を図示するフローチャートである。
図8に図示されるステップS121においては、組み合わせ決定部182が、実施作業格納部181から作業データを読み出し、読み出した作業データに含まれる複数の作業IDによりそれぞれ識別される複数の作業から作業を選択する。
続くステップS122においては、組み合わせ決定部182が、出勤作業員格納部180から作業員データを読み出し、読み出した作業データに含まれる、選択した作業を実施する作業員が有しなければならない属性、及び読み出した作業員データに含まれる、各作業員が有する属性に基づいて、当該作業を実施することができるすべての作業員を選択する。例えば、組み合わせ決定部182は、作業を実施する作業員が有しなければならない勤務年数及び資格を有するすべての作業員を選択する。
続くステップS123においては、組み合わせ決定部182が、選択した作業員が選択した作業に組み合わされた組み合わせを決定し、決定した組み合わせを組み合わせデータに反映する。組み合わせ生成部121は、選択した作業を実施するのに必要な作業員の人数が選択した作業員の人数と同じである場合は、選択した作業員の全部が選択した作業に組み合わされた組み合わせを決定する。また、組み合わせ生成部121は、選択した作業を実施するのに必要な作業員の人数が選択した作業員の人数より少ない場合は、選択した複数の作業員の一部が選択した作業に組み合わされた組み合わせを決定する。また、組み合わせ生成部121は、すべてのパターンの組み合わせを生成する。
組み合わせ決定部182によれば、適切な作業員を作業に組み合わせることができ、作業を適切に実施することができる作業スケジュールを作成することができる。
10 作業データ、作業員データ及び組み合わせデータの例
図9は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に格納されている作業データ及び作業員データ、並びに当該作業スケジュール作成装置により生成される組み合わせデータが記述されたテーブルの例を図示する図である。
図9(a)に図示されるテーブル190には、作業データが記述されている。記述されている作業データは、作業ID、勤務年数、資格、作業員の人数及び優先度を含む。勤務年数、資格、作業員の人数及び優先度は、作業IDに対応づけられている。作業IDに対応づけられている勤務年数は、当該作業IDにより識別される作業を実施する作業員が有しなければならない勤務年数である。作業IDに対応づけられている資格は、当該作業IDにより識別される作業を実施する作業員が有しなければならない資格である。作業IDに対応づけられている作業員の人数は、当該作業IDにより識別される作業を実施するのに必要な作業員の人数である。作業IDに対応づけられている優先度は、当該作業IDにより識別される作業の優先度である。作業の優先度は、例えば当該作業の対象となる機器の予測故障率が高くなるほど高くなる。
図9(b)に図示されるテーブル191には、作業員データが記述されている。記述されている作業員データは、作業員ID、勤務年数及び資格を含む。勤務年数及び資格は、作業員IDに対応づけられている。作業員IDに対応づけられている勤務年数は、当該作業員IDにより識別される作業員が有する勤務年数である。作業員IDに対応づけられている資格は、当該作業員IDにより識別される作業員が有する資格である。
図9(c)に図示されるテーブル192には、組み合わせデータが記述されている。記述されている組み合わせデータは、作業ID及び作業員IDを含む。作業員IDは、作業IDに対応づけられている。作業IDに対応づけられている作業員IDにより識別される作業員は、当該作業IDにより識別される作業に組み合わされている。組み合わせデータは、作業に複数の作業員が組み合わされている場合は、当該作業を識別する作業IDに対応づけられた複数の作業員IDを含む。
テーブル190に記述されている作業データ、及びテーブル191に記述されている作業員データに基づいてテーブル192に記述されている組み合わせデータを生成する処理の流れを説明する。
テーブル190に記述されている作業データに含まれる作業ID「W001」には、勤務年数「3」が対応づけられており、資格「-」が対応づけられている。資格「-」は、特別な資格が不要であることを示す。また、テーブル191に記述されている作業員データに含まれる作業員ID「M001」、「M002」及び「M003」には、それぞれ勤務年数「5」、「10」及び「3」が対応づけられており、資格「-」が対応づけられている。このため、作業員ID「M001」、「M002」及び「M003」によりそれぞれ識別される3人の作業員は、いずれも、作業ID「W001」に対応づけられている勤務年数「3」及び資格「-」を満たし、作業ID「W001」により識別される作業を実施することができる。そこで、組み合わせ生成部121は、作業ID「W001」により識別される作業を実施することができる、作業員ID「M001」、「M002」及び「M003」によりそれぞれ識別される3人の作業員を選択する。
また、テーブル190に記述されている作業データに含まれる作業ID「W001」には、「2」という作業員の人数が対応づけられている。そこで、組み合わせ生成部121は、作業員ID「M001」、「M002」及び「M003」によりそれぞれ識別される3人の作業員から2人の作業員を選択し、選択した2人の作業員を作業ID「W001」により識別される作業に組み合わせ、作業ID「W001」、及び作業ID「W001」に対応づけられている、選択した2人の作業員をそれぞれ識別する作業員IDをテーブル192に記述されている組み合わせデータに含める。このため、テーブル192に記述されている組み合わせデータには、作業ID「W001」、並びに作業ID「W001」に対応づけられている作業員ID「M001」及び「M002」が含められ、作業ID「W001」、並びに作業ID「W001」に対応づけられている作業員ID「M001」及び「M003」が含められ、作業ID「W001」、並びに作業ID「W001」に対応づけられている作業員ID「M002」及び「M003」が含められる。
テーブル190に記述されている作業データに含まれる作業ID「W002」には、勤務年数「5」が対応づけられており、資格「-」が対応づけられている。また、テーブル191に記述されている作業員データに含まれる作業員ID「M001」、「M002」及び「M003」には、それぞれ勤務年数「5」、「10」及び「3」が対応づけられており、資格「-」が対応付けられている。このため、作業員ID「M001」及び「M002」によりそれぞれ識別される2人の作業員は、いずれも、作業ID「W002」に対応づけられている勤務年数「5」及び資格「-」を満たし、作業ID「W002」により識別される作業を実施することができる。しかし、作業員ID「M003」により識別される作業員は、作業ID「W002」に対応づけられている勤務年数「5」を満たさず、作業ID「W002」により識別される作業を実施することができない。そこで、組み合わせ生成部121は、作業ID「W002」により識別される作業を実施することができる、作業員ID「M001」及び「M002」によりそれぞれ識別される2人の作業員を選択する。
また、テーブル190に記述されている作業データに含まれる作業ID「W002」には、作業員の人数「1」が対応づけられている。そこで、組み合わせ生成部121は、作業員ID「M001」及び「M002」によりそれぞれ識別される2人の作業員から1人の作業員を選択し、選択した1人の作業員を作業ID「W002」により識別される作業に組み合わせ、作業ID「W002」、及び作業ID「W002」に対応づけられている、選択した1人の作業員を識別する作業員IDをテーブル192に記述されている組み合わせデータに含める。このため、テーブル192に記述されている組み合わせデータには、作業ID「W002」、及び作業ID「W002」に対応づけられている作業員ID「M001」が含められ、作業ID「W002」、及び作業ID「W002」に対応づけられている作業員ID「M002」が含められる。
11 作業スケジュール作成部
図10は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる作業スケジュール作成部を図示するブロック図である。
作業スケジュール作成部122は、図10に図示されるように、作業時間格納部200、移動時間格納部201、組み合わせ評価値計算部202、作業スケジュール格納部203及び組み合わせ割り当て部204を備える。
作業時間格納部200は、各作業員が各作業を実施するのに要する時間を表す作業時間データを格納する。各作業員が各作業を実施するのに要する時間は、各作業員の過去の実績、各作業員が有するスキル等から算出される。
移動時間格納部201は、各物件と各物件以外の物件との間を移動するのに要する時間を表す移動時間データを格納する。
組み合わせ評価値計算部202は、相性データ格納部173から相性データを読み出し、作業時間格納部200から作業時間データを読み出し、渡されたすべての組み合わせを受け取る。また、組み合わせ評価値計算部202は、読み出した相性データ及び作業時間データに基づいて、受け取ったすべての組み合わせの組み合わせ評価値を計算し、計算したすべての組み合わせの組み合わせ評価値を組み合わせ割り当て部204に渡す。
作業スケジュール格納部203は、渡された作業スケジュールを受け取り、受け取った作業スケジュールを格納する。格納されている作業スケジュールからは、未だ作業が割り当てられていない各作業員の空き時間帯、及び既に作業が割り当てられている各作業員の非空き時間帯を特定することができる。
組み合わせ割り当て部204は、生成された組み合わせデータを受け取り、受け取った組み合わせデータにより表される、ひとつの作業に作業員が組み合わされたすべての組み合わせを選択し、選択したすべての組み合わせを組み合わせ評価値計算部202に渡す。また、組み合わせ割り当て部204は、渡されたすべての組み合わせの組み合わせ評価値を受け取る。また、組み合わせ割り当て部204は、受け取ったすべての組み合わせの組み合わせ評価値に基づいて、選択したすべての組み合わせからひとつの組み合わせを選択し、選択したひとつの組み合わせの組み合わせ評価値、作業が実施される物件への移動時間、及び既存の作業スケジュールに基づいて、作業スケジュールを作成し、作成した作業スケジュールを作業スケジュール格納部203に渡す。
12 作業スケジュール作成部の動作
図11は、実施の形態1の作業スケジュール作成装置に備えられる作業スケジュール作成部の動作を図示するフローチャートである。
図11に図示されるステップS131においては、組み合わせ割り当て部204が、実施作業格納部181から作業データを読み出し、読み出した作業データに含まれる複数の作業IDから最高の優先度に対応づけられた作業IDを選択する。また、組み合わせ割り当て部204は、渡された組み合わせデータを受け取り、受け取った組み合わせデータに含まれる、選択した作業IDにより識別される作業に作業員が組み合わされた組み合わせを選択する。これにより、組み合わせ割り当て部204は、最高の優先度を有する作業に作業員が組み合わされたすべての組み合わせを選択する。また、組み合わせ割り当て部204は、選択したすべての組み合わせを組み合わせ評価値計算部202に渡す。
続くステップS132においては、組み合わせ評価値計算部202が、相性データ格納部173から相性データを読み出し、作業時間格納部200から作業時間データを読み出し、渡されたすべての組み合わせを受け取る。また、組み合わせ評価値計算部202は、読み出した相性データ及び作業時間データに基づいて、渡されたすべての組み合わせの組み合わせ評価値を計算し、計算したすべての組み合わせの組み合わせ評価値を組み合わせ割り当て部204に渡す。
各組み合わせの組み合わせ評価値は、各組み合わせにおいて作業に複数の作業員が組み合わされている場合は、当該複数の作業員が当該作業を実施するのに要する合計の作業時間を、当該複数の作業員の間の相性により補正した補正済作業時間である。したがって、各組み合わせの組み合わせ評価値においては、当該複数の作業員の間の相性が考慮されている。
組み合わせにおいて集合Mを構成する複数の作業員が作業wに組み合わされている場合は、組み合わせ評価値Iw,Mは、集合Mに属する作業員m∈Mが作業wを実施するのに要する個人の作業時間Tm,wを用いて、式(10)により表される。
Figure 0007085957000007
作業時間Tm,wは、式(11)により表されるように、作業時間データに含まれる、作業員mが作業wを実施するのに要する個人の作業時間tm,wを、作業員mと作業員m以外の作業員m’∈Mとの間の相性を表す相性データsm,m’=sm’,mにより補正することにより得られる。式(11)に現れるパラメータμは、作業時間tm,wと相性データsm,m’とのスケーリングを行うための任意パラメータである。相性データsm,m’としては、上述した内積を用いることができる。
Figure 0007085957000008
続くステップS133においては、組み合わせ割り当て部204が、渡されたすべての組み合わせの組み合わせ評価値を受け取り、受け取ったすべての組み合わせの組み合わせ評価値に基づいて、選択したすべての組み合わせから最小の組み合わせ評価値を有する組み合わせを選択する。
続くステップS134においては、組み合わせ割り当て部204が、移動時間格納部201から移動時間データを読み出し、作業スケジュール格納部203から既存の作業スケジュールを読み出し、読み出した移動時間データ及び既存の作業スケジュールに基づいて、選択したひとつの組み合わせにおいて作業に組み合わされている作業員に当該作業を割り当て可能な空き時間帯が存在するか否かを判定する。空き時間帯が存在すると判定された場合は、ステップS136が実行される。空き時間帯が存在しないと判定された場合は、ステップS135が実行された後にステップS134が再び実行される。
ステップS135においては、組み合わせ割り当て部204が、選択したすべての組み合わせから直近に選択した組み合わせの組み合わせ評価値の次に小さい組み合わせ評価値を有する組み合わせを選択する。
ステップS134及びS135が実行されることにより、作業に組み合わされた作業員に作業を割り当て可能な空き時間帯が存在する組み合わせのうち、最小の組み合わせ評価値を有する組み合わせが選択される。したがって、組み合わせにおいて作業に組み合わされている作業員に当該作業を割り当て可能であるという制約条件のもとで、各組み合わせの組み合わせ評価値が小さくなるほど、すなわち各組み合わせの補正済作業時間が短くなるほど当該各組み合わせは選択されやすくなる。
ステップS136においては、組み合わせ割り当て部204が、直近に選択した組み合わせにおいて作業に組み合わされている作業員の空き時間帯に当該作業を割り当てた作業スケジュールを作成し、作成した作業スケジュールを作業スケジュール格納部203に渡す。作業スケジュール格納部203は、渡された作業スケジュールを受け取り、受け取った作業スケジュールを格納する。
13 作業データ、組み合わせ評価値データ、移動時間データ、既存の作業スケジュール及び割り当て後の作業スケジュールの例
図12は、作業データ、組み合わせ評価値データ、移動時間データ、既存の作業スケジュール及び割り当て後の作業スケジュールが記述されたテーブルの例を図示する図である。
図12(a)に図示されるテーブル210には、作業データが記述されている。記述されている作業データは、作業ID、物件及び優先度を含む。物件及び優先度は、作業IDに対応づけられている。作業IDに対応づけられている物件は、当該作業IDにより識別される作業が実施される物件である。作業IDに対応づけられている優先度は、当該作業IDにより識別される作業の優先度である。
図12(b)に図示されるテーブル211には、組み合わせ評価値データが記述されている。記述されている組み合わせ評価値データは、組み合わせ及び組み合わせ評価値を含む。組み合わせ評価値は、組み合わせに対応づけられている。組み合わせに対応づけられている組み合わせ評価値は、当該組み合わせの組み合わせ評価値である。
図12(c)に図示されるテーブル212には、移動時間データが記述されている。記述されている移動時間データは、物件と当該物件と異なる物件との間を移動するのに要する時間を含む。
図12(d)に図示されるテーブル213には、既存の作業スケジュールが記述されている。記述されている作業スケジュールは、作業員ID及びタイムテーブルを含む。タイムテーブルは、作業員IDに対応づけられている。作業員IDに対応づけられているタイムテーブルは、当該作業員IDにより識別される作業員に割り当てられている作業、及び当該作業を実施すべき時間帯を含む。
図12(e)に図示されるテーブル214には、割り当て後の作業スケジュールが記述されている。記述されている作業スケジュールは、作業員ID及びタイムテーブルを含む。タイムテーブルは、作業員IDに対応づけられている。作業員IDに対応づけられているタイムテーブルは、当該作業員IDにより識別される作業員に割り当てられている作業、及び当該作業を実施すべき時間帯を含む。
テーブル210に記述されている作業データ、テーブル211に記述されている組み合わせ評価値データ、テーブル212に記述されている移動時間データ、及びテーブル213に記述されている既存の作業スケジュールに基づいてテーブル214に記述されている割り当て後の作業スケジュールを作成する処理の流れを説明する。
テーブル210に記述されている作業データに含まれる作業ID「W001」及び「W002」には、それぞれ優先度「80」及び「60」が対応づけられている。また、テーブル211に記述されている組み合わせ評価値データに含まれる組み合わせ「W001⇔(M001,M002)」、「W001⇔(M001,M003)」及び「W001⇔(M002,M003)」においては、作業ID「W001」により識別される作業に作業員が組み合わされており、組み合わせ評価値データに含まれる組み合わせ「W002⇔M001」及び「W002⇔M002」においては、作業ID「W002」により識別される作業に作業員が組み合わされている。このため、最高の優先度「80」を有する作業に作業員が組み合わされている組み合わせは、組み合わせ「W001⇔(M001,M002)」、「W001⇔(M001,M003)」及び「W001⇔(M002,M003)」である。そこで、組み合わせ割り当て部204は、組み合わせ「W001⇔(M001,M002)」、「W001⇔(M001,M003)」及び「W001⇔(M002,M003)」を選択する。
また、組み合わせ「W001⇔(M001,M002)」、「W001⇔(M001,M003)」及び「W001⇔(M002,M003)」の組み合わせ評価値は、それぞれ「67.75」、「57」及び「54.45」である。このため、最小の組み合わせ評価値「54.45」を有するひとつの組み合わせは、組み合わせ「W001⇔(M002,M003)」である。そこで、組み合わせ割り当て部204は、ひとつの組み合わせ「W001⇔(M002,M003)」を選択する。
また、テーブル213に記述されている既存の作業スケジュールには、作業員ID「M002」及び「M003」により識別される作業員に共通する空き時間帯が8月2日の午後に存在する。当該空き時間帯の長さは、選択されたひとつの組み合わせ「W001⇔(M002,M003)」の組み合わせ評価値「54.45」、及び移動時間データの合計より長い。このため、当該空き時間帯には、作業ID「W001」により識別される作業を割り当て可能である。そこで、組み合わせ割り当て部204は、作業員ID「M002」及び「M003」により識別される作業員に作業ID「W001」により識別される作業を割り当てる。
同様に、組み合わせ割り当て部204は、作業員ID「M001」により識別される作業員に作業ID「W002」により識別される作業を割り当てる。
これにより、テーブル214に記述されている割り当て後の作業スケジュールが作成される。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
100 作業スケジュール作成システム、110 情報端末、111 作業スケジュール作成装置、120 相性決定部、121 組み合わせ生成部、122 作業スケジュール作成部。

Claims (6)

  1. 作業員の間の人間関係上の相性データを決定する相性決定部と、
    前記相性データに基づいて、作業を実施する複数の作業員を定めた作業スケジュールを作成する作業スケジュール作成部とを備え、
    前記相性決定部は、
    複数の評価項目からの評価項目の選択を受け付け、前記評価項目についての、操作を行う作業員の、他の作業員に対する人間関係上の評価の入力を受け付け、前記評価を表す評価データを送信する情報端末と情報通信を行い、
    前記評価データを受信し、
    前記評価データに基づいて、対象となる第1及び第2の作業員間の前記相性データを決定し、
    前記評価データは、前記第1の作業員の前記第2の作業員に対する前記評価を表す第1の評価データと、前記第2の作業員の前記第1の作業員に対する前記評価を表す第2の評価データとを含み、
    前記第1及び第2の評価データそれぞれが示す数値が高いほど、前記相性データが示す相性の良好度合が高くなり、
    前記作業スケジュール作成部は、
    前記相性データが示す相性の良好度合が高くなるほど、前記第1及び第2の作業員が選択されやすくなる作成基準に沿って、前記作業スケジュールを作成する
    作業スケジュール作成装置。
  2. 各組み合わせにおいて複数の作業員が前記作業に組み合わされた複数の組み合わせを生成する組み合わせ生成部をさらに備え、
    前記作業スケジュール作成部は、
    選択基準に沿って、前記複数の組み合わせからひとつの組み合わせを選択し、
    前記選択基準は、前記各組み合わせにおいて前記作業に組み合わされた複数の作業員の間の前記相性データが示す相性の良好度合が高いほど、前記各組み合わせが前記ひとつの組み合わせとして選択されやすくなる基準であり
    前記ひとつの組み合わせにおいて前記作業に組み合わされた複数の作業員を、前記作業を実施する複数の作業員にする
    請求項1の作業スケジュール作成装置。
  3. 前記組み合わせ生成部は、
    各作業員が有する属性、及び前記作業を実施する作業員が有しなければならない属性に基づいて前記作業を実施することができる複数の作業員を選択し、選択した複数の作業員の全部又は一部を前記各組み合わせにおいて前記作業に組み合わされる複数の作業員にする
    請求項の作業スケジュール作成装置。
  4. 前記作業スケジュール作成部は、前記各組み合わせにおいて前記作業に組み合わされた複数の作業員が前記作業を実施するのに要する合計の作業時間を、前記各組み合わせにおいて前記作業に組み合わされた複数の作業員の間の前記相性データにより補正した前記各組み合わせの補正済作業時間を計算し、
    前記選択基準は、前記各組み合わせの補正済作業時間が短くなるほど前記各組み合わせが前記ひとつの組み合わせとして選択されやすくなる基準である
    請求項2又は3の作業スケジュール作成装置。
  5. 前記作業スケジュールは、前記作業が実施される時間帯をさらに定め、
    前記作業スケジュール作成部は、前記ひとつの組み合わせの補正済作業時間、前記作業が実施される物件への移動時間、及び既存の作業スケジュールに基づいて前記作業スケジュールを作成する
    請求項の作業スケジュール作成装置。
  6. 前記相性決定部は、
    第1の評価項目についての前記第1の評価データを第1の変換済評価データに変換し、
    前記第1の評価項目と異なる第2の評価項目についての前記第2の評価データを前記第1の変換済評価データの次元と同じ次元を有する第2の変換済評価データに変換し、
    前記第1の変換済評価データ及び前記第2の変換済評価データに基づいて前記第1の作業員と前記第2の作業員との間の前記相性データを決定する
    請求項1からまでのいずれかの作業スケジュール作成装置。
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