JP7080013B2 - 水耕栽培システム及び水耕栽培方法 - Google Patents

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Description

本発明は、栽培対象の植物を配置した栽培ユニットを用いて養液により植物を栽培する水耕栽培システム及び水耕栽培方法に関する。
水耕栽培とは、土壌や土壌代替基材を使用せず、水及び養液(液体肥料)を使用して植物を栽培する方法を意味している。一般に、水耕栽培は、いわゆる植物工場や、ハウス栽培に好適な栽培形態であり、葉物野菜をはじめとして広く実現されている。水耕栽培に利用される養液には、主として、多量要素(NO3-N、NH4-N、P、K、Ca及びMg)や微量要素(Fe、Mn、B、Cu、Zn及びMo)が含まれている。
特許文献1(特開2016-86734号公報)には、栽培対象の苗が移植された栽培パネルが縦に配置された水耕栽培システムが開示されている。この水耕栽培システムでは、養液が栽培パネルの上方に設置した液肥供給パイプを介して当該栽培パネルに供給される。また、特許文献2(特許第4792533号)には、水耕栽培棚ユニットに植物の発育に合わせて組成の異なる養液を循環させる独立した2循環流路を形成し、当該2循環流路を切替えて使用することにより、異なる成分組成の養液を循環させて植物を栽培する水耕栽培装置が開示されている。
さらに、特許文献3(特開2015-136298号公報)には、同時に栽培する植物の生長状態が異なる場合に、それぞれの植物の成長に応じて異なる組成の養液を供給する水耕栽培装置が開示されている。具体的には、栄養生長期に好適な養液と、塊茎誘導期に好適な養液とを準備し、植物が栄養生長期にあるか塊茎誘導期にあるかという判断に基づいて養液を切り替える装置である。
特許文献2及び3に開示されるように、従来の水耕栽培装置においては、植物の成長に併せて複数種類の養液を切り替えて使用することができ、植物に含まれる成分を調節でき、あるいは、所望の植物の成長に適した栽培を行うことができる。
ところで、植物に含まれる各種成分のうちミネラル成分については、その含有量を増減させることができれば高ミネラル含有植物或いは低ミネラル含有植物として特徴付けることができる。例えば、特許文献4(特公平3-4168号公報)には、土壌栽培による方法であるものの、断食根(水と施肥を枯れ始めるまで断ち、その後、少量の水及び施肥を行う工程をくり返して)を生成した後に、ミネラルを含む施肥を行うことで高ミネラル含有植物を栽培する方法が開示されている。
また、非特許文献1には、収穫直前に一般の養液からFe化合物(クエン酸鉄アンモニウム施用)の高濃度単一養液に切替え、根から短期間にFeを吸収させることにより、葉菜類地上葉における鉄含量を増加させる方法が開示されている。
特開2016-86734号公報 特許第4792533号 特開2015-136298号公報 特公平3-4168号公報
「水耕栽培を利用した鉄高含量葉菜類の生産について」日本土壌液肥学雑誌第65巻第4号p,436~440 (1994)
しかしながら、特許文献4に開示された方法は、土壌栽培による方法であり水耕栽培に適用できるものではない。また、非特許文献1に開示された方法では、生理障害を生じさせずに鉄含有量を十分に高めることができないといった問題があった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、生理障害を生じさせずに、所定のミネラル成分を十分に高めることができる水耕栽培システム及び水耕栽培方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、水耕栽培における植物の培養において植物生長期の所定の期間、可給態のミネラル成分含量が低い養液にて栽培することで生理障害を生じさせず、ミネラル成分含量を著しく向上できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1) 栽培対象の植物が配置される栽培ユニットと、上記栽培ユニットに対して、養液を供給する養液供給装置とを備え、植物生長期の所定の期間、可給態のミネラル成分含量が低い養液にて上記栽培ユニットに配置された植物を栽培することを特徴とする水耕栽培システム。
(2) 上記養液供給装置は、可給態のミネラル成分含量が低い養液と、可給態のミネラル成分含量が高い養液とを切り替えて上記栽培ユニットに供給することを特徴とする(1)記載の水耕栽培システム。
(3) 上記養液は、ミネラル成分の有機酸態を含有することを特徴とする(1)記載の水耕栽培システム。
(4) 上記養液供給装置による上記栽培ユニットに対する養液の供給を制御する制御装置を更に備えることを特徴とする(1)記載の水耕栽培システム。
(5) 上記栽培ユニットは、植物を支持するとともに、上記養液供給装置から養液が供給される植物支持用治具を備え、上記植物支持用治具には、栽培対象の植物の生長に応じてミネラル成分含量が異なる養液が供給されることを特徴とする(1)記載の水耕栽培システム。
(6) 上記栽培ユニットは、植物を支持する支持部と、当該支持部が取り付けられ、上記養液供給装置から養液が供給される複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部とを備え、上記複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部はそれぞれ可給態のミネラル成分含量の異なる養液が供給されていることを特徴とする(1)記載の水耕栽培システム。
(7) 上記ミネラル成分は、鉄、亜鉛及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であることを特徴とする(1)記載の水耕栽培システム。
(8) 栽培対象の植物が配置された栽培ユニットを用いて、養液により当該植物を栽培する水耕栽培方法において、植物生長期の所定の期間に、可給態のミネラル成分含量が低い養液にて上記栽培ユニットに配置された植物を栽培することを特徴とする水耕栽培方法。
(9) 可給態のミネラル成分含量が低い養液と、可給態のミネラル成分含量が高い養液とを切り替えて上記栽培ユニットに供給することを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(10) 上記養液は、ミネラル成分の有機酸態を含有することを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(11) 上記栽培ユニットに対する養液の供給を制御装置により制御することを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(12) 上記栽培ユニットは、植物を支持するとともに養液が供給される植物支持用治具を備え、上記植物支持用治具には、栽培対象の植物の生長に応じてミネラル成分含量が異なる養液が供給されることを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(13) 上記栽培ユニットは、植物を支持する支持部と、当該支持部が取り付けられ、上記養液が供給される複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部とを備え、上記複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部には、栽培対象の植物の生長に応じて、それぞれ可給態のミネラル成分含量の異なる養液が供給されることを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(14) 上記ミネラル成分は、鉄、亜鉛及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であることを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(15) 栽培対象の植物を可給態のミネラル成分含量が低い養液で栽培した後、可給態のミネラル成分が高い養液で培養することを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(16) 栽培対象の植物を、ミネラル成分の有機酸態を含有する養液で栽培した後、可給態のミネラル成分が高い養液で培養することを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
(17) 栽培対象の植物を、ミネラル成分の有機酸態を含有する養液で栽培した後、可給態のミネラル成分が低い養液で培養することを特徴とする(8)記載の水耕栽培方法。
本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法によれば、生理障害を生じることなく、高ミネラル含有植物を栽培することができる。
本発明に係る水耕栽培システムの概略構成図である。 移動可能な植物支持用治具(栽培パネル)を備える水耕栽培システムの一例を示す概略構成図である。 複数の栽培槽を備える水耕栽培システムの一例を示す概略構成図である。 実施例2の栽培条件における、栽培日数と養液に溶解する鉄濃度との関係を示す特性の概要図である。 実施例9の栽培条件における、栽培日数と養液に溶解する鉄濃度との関係を示す特性の概要図である。 実施例10の栽培条件における、栽培日数と養液に溶解する鉄濃度との関係を示す特性の概要図である。
以下、本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法を図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法は、栽培対象の植物の植物生長期の所定の期間、所定のミネラルについて可給態としての含量が低い養液(可給態のミネラル成分含量が低い養液)にて栽培するものである。本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法によれば、栽培した植物における当該ミネラルの含有量を極めて向上させることができる。ここで、可給態とは、植物に吸収されやすく、生長に利用しやすい形態のものをいう。よって、可給態のミネラル成分含量が低い養液とは、所定のミネラル成分に関して可給態としての濃度が低ければ良く、当該ミネラル成分について不可給態として例えば高濃度で含有した養液も含む意味である。ここで不可給態とは、植物に吸収されにくい化合物を意味し、例えば、詳細を後述するがミネラル成分の有機酸態或いは無機酸態の形態を意味する。
水耕栽培システムとしては、例えば、図1に示すように、栽培対象の植物が配置される栽培ユニット1と、栽培ユニット1に対して可給態のミネラル成分含量が低い養液(以下、単に、ミネラル成分含量が低い養液と称する場合もある)を供給する養液供給装置2aとを備えている。なお、水耕栽培システムは、図1に示すように、養液供給装置2aで供給する養液と比較して、可給態のミネラル成分含量が高い養液(以下、単に、ミネラル成分含量が高い養液と称する場合もある)を供給する養液供給装置2bを備えていても良い。さらに、水耕栽培システムは、図示しないが、温度計、温度調節装置、湿度計、湿度調節装置及びその他、植物栽培に関連する種々の装置を備えていても良い。
ここで、ミネラルとは、特に限定されず、有機物を構成する炭素、水素、窒素及び酸素を除く元素からなる無機質及び当該元素を含む無機質のことを意味する。具体的に、ミネラルとしては、亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ヨウ素及びリンを挙げることができる。本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法では、ミネラルとして、鉄、亜鉛及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素に適用することが好ましい。特に、本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法では、ミネラルとして鉄に適用することがより好ましい。
ここで、栽培対象の植物としては、特に限定されないが、例えば、リーフレタス、コマツナ、ホウレンソウ、水菜、レタス、春菊、白菜、ネギ、キャベツ等の葉菜類、その他、水耕栽培可能な植物のいずれも含む意味である。なかでも、本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法では、リーフレタス又はコマツナを栽培対象の植物とすることが好ましい。
より具体的に、水耕栽培システムとしては、ミネラル成分含量が低い養液と、ミネラル成分含量が高い養液とを切り替えて栽培ユニット1に供給できることが好ましい。このような形態としては、植物を支持しながら養液を供給する機構が備えられている植物支持用治具が備わっており、例えば、図2に示すように、栽培対象の植物を配置した複数の植物支持用治具である栽培パネル3a、3bと、栽培パネル3a、3bを移動可能に支持するパネル支持部材4とを備える栽培ユニット1を有する水耕栽培システムが挙げられる。なお、図2に示した水耕栽培システムについては、例えば特開2016-086734号公報に開示されたシステムや、特開平5-076252号公報に開示されたシステムを適宜流用することができる。
図2に示した水耕栽培システムにおいて、栽培パネル3a及び栽培パネル3bは、図中矢印で示す方向に移動可能にパネル支持部材4に取り付けられている。なお、説明のため、水耕栽培システムにおいて、図2に示した栽培パネル3aの位置を第1の位置と称し、図2に示した栽培パネル3bの位置を第2の位置と称する。
図2に示した水耕栽培システムは、第1の位置の上方に配設された養液供給管5aと、第2の位置の上方に配設された養液供給管5bとを備えている。すなわち、図2の状態において栽培パネル3aの上方に養液供給管5aが配設され、栽培パネル3bの上方に養液供給管5bが配設されている。図示しないが、これら養液供給管5a及び5bは、それぞれ、ミネラル成分含量が低い養液を供給する養液供給装置2aと、ミネラル成分含量が高い養液を供給する養液供給装置2bと接続されている。
また、図2には図示しないが、水耕栽培システムは、栽培パネル3a及び3bの下方に配設され、供給された養液を回収するための養液槽(回収槽)を備えることができる。この場合、回収槽に回収した養液を養液供給装置2a及び2bに循環して再利用することができる。
また、栽培パネル3a及び3bは、栽培対象植物の苗を保持する複数の植え付け孔が穿設されている。これらの植え付け孔は、栽培対象植物の収穫期の大きさを考慮した適切な間隔で配列されているとともに、パネル面に対して一定の角度をもって穿設されている。
特に図示しないが、栽培パネルに苗を移植するには、例えば、小片に切り出されたスポンジ状の培地で苗を生育させて、当該培地ごと植え付け孔に保持させることができる。
栽培パネル3a及び3bは、一方のパネル面が栽培面とされ、他方のパネル面が養液供給面とされている。栽培パネルに苗を移植するには、その根が養液供給面に添って成長していくように移植され、養液供給管5a及び5bを介して供給された養液が、養液供給面を伝わって移植された苗の根に行き渡るようにする。
養液供給管5a及び5bは、図示しないが、その内部を流れる養液が栽培パネル3a及び3bの養液供給面に向けて流下するように複数の小孔が穿設されている。そして、養液供給装置2a及び2bが養液の流量、流速を適宜調整するとともに、養液供給管5a及び5bに形成された小孔の配置や開口面積により、栽培パネル3a及び3bの養液供給面に均一に養液を供給できるようになっている。
なお、栽培パネル3a及び3bの養液供給面には、移植された苗の根に効率よく養液が行き渡るように、凹凸形状を設けたり、根の近傍に養液が滞留する養液だまりを形成したりすることもできるが、養液供給面の具体的な形態は特に限定されない。
以上のように構成された、図2に示す水耕栽培システムによれば、例えば、第1の位置にある栽培パネル3aに対して養液供給管5aを介して、ミネラル成分含量が低い養液を供給し、第2の位置にある栽培パネル3bに対して養液供給管5bを介して、ミネラル成分含量が高い養液を供給することができる。したがって、図2に示す水耕栽培システムでは、栽培対象の植物を栽培パネル3aに配置することで、植物生長期の所定の期間をミネラル成分含量が低い養液により植物を栽培することができる。また、当該期間が経過した後、栽培パネル3aを第2の位置に移動することで、当該期間の経過後はミネラル成分含量が高い養液により植物を栽培することができる。
なお、図示しないが、栽培パネル3aを第1の位置から第2の位置に移動する際、すなわち、第2の位置で栽培を開始する前に栽培パネル3aに配置した植物の根を洗浄しても良い。水耕栽培システムは、例えば、第1の位置と第2の位置との間に、栽培パネル3aに配置した植物の根を洗浄するための洗浄装置を備えていても良い。
なお、図2に示した水耕栽培システムでは、栽培パネル3a及び3bを矢印方向に移動させ、ミネラル成分含量が低い養液とミネラル成分含量が高い養液とを切り替えて栽培していた。しかし、図2に示した水耕栽培システムでは、第1の位置にある栽培パネル3aを移動させず、植物生長期の所定の期間、ミネラル成分含量が低い養液を養液供給管5aから供給し、その後、同養液供給管5aからミネラル成分含量が高い養液を供給してもよい。この場合、養液供給管5aには、ミネラル成分含量が低い養液を供給する養液供給装置2aとミネラル成分含量が高い養液を供給する養液供給装置2bとが接続され、切り替え弁によっていずれかの養液が通液することとなる。
一方、ミネラル成分含量が低い養液と、ミネラル成分含量が高い養液とを切り替えて栽培ユニット1に供給できる水耕栽培システムとしては、図2に示した形態に限定されず、例えば、図3に示すように、栽培対象の植物を配置した複数の養液槽(栽培槽)6a、6b及び6cを備える栽培ユニット1を有する水耕栽培システムが挙げられる。なお、図3に示した水耕栽培システムについては、例えば、特開2015-136298号公報に開示されたシステムを適宜流用することができる。
図3に示した水耕栽培システムは、栽培槽6a、6b及び6cと、栽培槽6a、6b及び6cに接続された複数の養液貯蔵部7a及び7bと、養液貯蔵部7aと栽培槽6a、6b及び6cとを接続する第1の配管8と、養液貯蔵部7bと栽培槽6a、6b及び6cとを接続する第2の配管9とを備える。また、水耕栽培システムは、栽培槽6a、6b及び6cに接続されたドレイン管10を有している。
栽培槽6a、6b及び6cは、それぞれ、植物を支持する支持台11と、支持台11が取り付けられ、内部に養液を保持する容器部12とから構成されている。
さらに、水耕栽培システムは、養液貯蔵部7a内の第1の配管8の起端部に第1のポンプ13と、養液貯蔵部7b内の第2の配管9の起端部に第2のポンプ14とを備えている。第1の配管8及び第2の配管9には、それぞれ複数の弁15及び16が配設されている。
さらにまた、図3に示した水耕栽培システムにおいて、養液貯蔵部7aにはミネラル成分含量が低い養液が貯蔵され、養液貯蔵部7bにはミネラル成分含量が高い養液が貯蔵されている。
以上のように構成された水耕栽培システムでは、例えば、栽培槽6aに配置した植物が植物生長期の所定の期間にある場合、養液貯蔵部7aからミネラル成分含量が低い養液を栽培槽6aに供給する。具体的には、養液貯蔵部7a内の第1のポンプ13を駆動し、第1の配管8にミネラル成分含量が低い養液を通液し、第1の配管8の弁15を制御して栽培槽6aにミネラル成分含量が低い養液を供給することができる。そして、所定の期間が経過した後、栽培槽6aに対するミネラル成分含量が低い養液の供給を停止し、養液貯蔵部7bからミネラル成分含量の高い養液を栽培部6aに供給する。このように、図3に示す水耕栽培システムでは、養液貯蔵部7a及び7bからの養液を切り替えることで、植物生長期の所定の期間をミネラル成分含量が低い養液により植物を栽培することができる。
図2及び3に示した水耕栽培システムのいずれも、操作者による手動の制御によりミネラル成分含量が低い養液を栽培ユニット1に供給することができるが、栽培ユニット1に対する養液の供給を制御する制御装置を更に備えることもできる。例えば、図2に示した水耕栽培システムでは、栽培パネル3a及び3bの移動、ミネラル成分含量が低い養液とミネラル成分含量が高い養液との切り替え、養液の供給量やタイミング等を制御装置により制御することができる。また、図3に示した水耕栽培システムでは、養液貯蔵部7a及び7bからの養液の切り替え、液の供給量やタイミング等を制御装置により制御することができる。
また、水耕栽培システムは、図示しないが、栽培槽6a、6b及び6cに供給された養液に含まれる特定のミネラル成分のイオン濃度を測定する測定装置と、当該測定装置で測定したイオン濃度に基づいて栽培槽6a、6b及び6cに供給する養液をコントロールする養液コントローラーとを備えていてもよい。ここで、養液コントローラーとは、異なるミネラル成分含量に設定された複数の養液を用いて栽培槽6a、6b及び6cに供給された養液に含まれるミネラル成分のイオン濃度が所定の範囲になるよう、上記複数の養液を所定の比率で混合した混合液を栽培槽6a、6b及び6cに供給する手段とすることができる。また、養液コントローラーとは、上記手段に限定されず、異なるミネラル成分含量に設定された複数の養液を用いて栽培槽6a、6b及び6cに供給された養液に含まれるミネラル成分のイオン濃度が所定の範囲になるよう、上記複数の養液を選択的に栽培槽6a、6b及び6cに供給する手段とすることもできる。特に、養液コントローラーとは、上記手段に限定されず、栽培槽6a、6b及び6cに供給された養液に含まれるミネラル成分のイオン濃度を所定の範囲に調節できる如何なる手段も含む意味である。
本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法では、植物生長期の所定の期間、ミネラル成分含量が低い養液にて上記栽培ユニットに配置された植物を栽培することで、栽培した植物に含まれる当該ミネラル量が大幅に向上することとなる。
ここで、植物生長期とは、育苗期の後で収穫前の期間を意味する。育苗期は、栽培対象の植物によって異なるが、スポンジ状の培地に播種してから20日~40日までの期間である。例えば、リーフレタスの場合、播種から25~33日間の育苗期があり、その後、おおよそ15~30日間の植物生長期となる。
また、植物生長期の所定の期間とは、養液に含まれるミネラル含有量にもよるが、例えば植物生長期における6~20日間、好ましくは8~15日間、より好ましくは10~12日間を意味する。
また、本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法において、ミネラル成分含量が低い養液としては、特定のミネラル成分の可給態の濃度を通常の養液と比較して低減した養液と、特定のミネラル成分を不可給態(有機酸態や無機酸態)として含有する養液とを挙げることができる。
例えば、通常の養液において、ミネラル成分のうち鉄は可給態として1~6ppm程度、亜鉛は0.5~2ppm程度、カルシウムは50~250ppm程度含有されている。したがって、特定のミネラル成分の濃度を通常の養液と比較して低減した養液とは、これらの濃度の下限値に対して、例えば、50%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下の濃度でミネラル成分を含有する養液とすることができる。さらに、特定のミネラル成分の濃度を通常の養液と比較して低減した養液としては、当該ミネラル成分が検出限界以下である養液とすることもできる。
なお、前記特定のミネラル成分の濃度を通常の養液と比較して低減した養液は、ミネラル成分を錯化する作用のあるキレート剤を通常の養液に添加したものであってもよい。キレート剤としては、例えば、EDTA、DTPA、TTHA、NTA、HEDP、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、フルボ酸、フミン酸及びアスコルビン酸等の有機酸を挙げることができる。また、前記可給態のミネラル成分含量が低い養液は、植物への養液供給時点ですでに可給態のミネラル成分含量が低いものでもよく、植物への養液供給後徐々に可給態のミネラル成分含量が低くなる養液としてもよい。
一方、不可給態ミネラル成分とは、特に限定されないが、クエン酸鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム、フマル酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、グルコン酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、フルボ酸錯体及びフミン酸錯体等の有機酸鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄等の無機酸鉄、グルコン酸亜鉛等の有機酸亜鉛、塩化亜鉛及び硝酸亜鉛等の無機酸亜鉛、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム及び乳酸カルシウム等の有機酸カルシウム、及び炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素酸カルシウム、過塩素酸カルシウム、臭素酸カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、クロム酸カルシウム、タングステン酸カルシウム及びモリブデン酸カルシウム等の無機酸カルシウム及び、これらの水和物を挙げることができる。特に、特定のミネラル成分を有機酸態として含有する養液が好ましい。これらのミネラル成分は養液中で徐々に沈殿するものがよい。特に、クエン酸鉄、硝酸鉄(III)、硫酸第一鉄が好ましい。
本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法では、植物生長期の所定の期間、ミネラル成分含量が低い養液にて植物を栽培した後、ミネラル成分含量が高い養液(通常の養液)を使用して植物の栽培を継続し、その後、収穫することが好ましい。これにより、ミネラル成分含量の高い植物を収穫することができる。なお、前記ミネラル成分含有量の高い養液(通常の養液)には、ミネラル成分を錯化する作用のある、キレート剤を添加してもよい。例えば、EDTA、DTPA、TTHA、NTA、HEDP、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、フルボ酸、フミン酸、アスコルビン酸等の有機酸を挙げることができる。
また、本発明に係る水耕栽培システム及び水耕栽培方法では、植物生長期の所定の期間、特定のミネラル成分を有機酸態として含有する養液を使用して植物を栽培した後、ミネラル成分の濃度を通常の養液と比較して低減した養液を使用して植物の栽培を継続し、その後、収穫することが好ましい。これにより、ミネラル成分含量の高い植物を収穫することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では、リーフレタス(フリルアイス、雪印種苗社製)を栽培対象の植物とし、ウレタンスポンジの培地に播種・緑化した後、以下の条件下で栽培し、収穫時の鉄含量を測定するとともに、可食部の収量及び外観を評価した。
栽培条件:
養液環境
・栽培方式:湛液栽培、エアレーションあり
・養液供給方法:追肥あり(対象の鉄成分を除く養液成分)
・養液pH:pH4~7
・養液調整:イオン交換水または、塩素を除去した水道水
・定植数:8L液肥につき10~3株、または2.5Lにつき6~3株
・肥料:
「肥料1」とは商品名(品番):M式水耕MK1号(OAT0162-3)、M式水耕M2号(OAT0008-5)、M式水耕M5号(OAT0163-4)(M式水耕研究所製)であり、表1-1及び1-2における「肥料2」とは商品名:M-plus1号,M-plus2号(東罐マテリアル・テクノロジー社製)である。これら「肥料1」及び「肥料2」は鉄成分としてEDTA-鉄が含まれている。また、「肥料3」とは組成:窒素6me/L、リン1.5me/L、カリウム4me/L、カルシウム2me/L、マグネシウム1me/Lとなるように山崎処方(対象作物レタス)で配合した。さらに、微量要素として、ホウ素0.5ppm、マンガン0.5ppm、亜鉛0.05ppm、銅0.02ppm、モリブデン0.01ppmとなるように調整し、単肥配合肥料を配合した。肥料3には鉄が含まれていない。さらに「肥料3+クエン酸鉄」や「肥料3+EDTA-鉄」とは肥料3にクエン酸鉄やEDTA-鉄を添加した肥料である。
・肥料調合方法:
「肥料1」:タンクを2つ用意して、一方にMK1号を7.5kgとM5号を500g、もう一方にM2号を5kg入れてそれぞれ50Lの水道水で溶解して肥料原液とする。栽培槽に90Lの水道水を溜めて、これに2種類の肥料原液をそれぞれ500mLずつ添加・混合して肥料1とした。必要に応じて、肥料原液濃度の添加量を変更して液肥の電気伝導度を調整した。
「肥料2」:タンクを2つ用意して、一方にM-plus1号を7.5kg、もう一方にM-plus2号5kg入れてそれぞれ50Lの水道水で溶解して肥料原液とする。栽培槽に8Lの純水を入れて、これに2種類の肥料原液をそれぞれ20mLずつ添加・混合して肥料2とした。必要に応じて、肥料原液濃度の添加量を変更して液肥の電気伝導度を調整した。
「肥料3」:多量要素について、容器を2つ用意して、一方にKNO3:40.4g,MgSO4・7H2O:12.3 g,NH4H2PO4:5.7 gを入れて1Lの純水で溶解し、もう一方にCa(NO3)2・4H2O:23.6gを入れて、1Lの純水で溶解し、100倍液を調整した。微量要素について、容器にH3BO3:8.6g,MnSO4・5H2O:6.3 g,ZnSO4・7H2O:0.67g,CuSO4・5H2O:0.23g,Na2MoO4・2H2O:0.067gを入れて1Lの純水で溶解し、3000倍液を調整した。栽培槽に8Lの純水を入れて、これに多量要素2種類の肥料原液をそれぞれ15mLずつ、微量要素の肥料原液を2.7mL添加・混合して肥料3とした。必要に応じて、肥料原液濃度の添加量を変更して液肥の電気伝導度を調整した。
なお、クエン酸鉄の添加方法としては、商品名:クエン酸鉄(III)(n水和物)(1級,(Fe:16~20%),キシダ化学製)0.5gを100mlの純水に溶解し、クエン酸鉄溶液を用意した。
また、EDTA-鉄の添加方法としては、商品名:Fe(III)-EDTA(同仁化学社製)を濃度が1000ppmとなるように溶解し、EDTA-鉄溶液を用意した。
空調環境
・温度:エアコン冷房21℃設定(屋内)、湿度30%以上
・CO2:大気400ppm
光環境
・光源:LED(LEDチップの赤青比=12:3,大友製作所製,AGR900-PCN4D,消費電力43.5W)
・栽培面の光源からの距離243mm,光合成光量子束密度168(μmolm-2s-1)
・照射時間12hr/日
本実施例では、先ず、栽培対象のリーフレタスを培地に播種し、約1週間水道水で播種・緑化の栽培を行った。さらに、約3~4週間、肥料1にて育苗期の栽培を行い、その後、表1-1及び1-2に示した条件で生長期の栽培を行い、実施例1~12のリーフレタスとした。
なお、表1-1及び表1-2において、(鉄添加)とは、肥料2又は肥料3に、前述のクエン酸鉄溶液又はEDTA-鉄溶液を添加したものである。「(鉄添加:クエン酸鉄)」は、肥料3の1/200の量のクエン酸鉄溶液を添加し、「(鉄添加:EDTA-鉄)」は、肥料2又は肥料3の1/100~1/200の量のEDTA-鉄溶液を添加した。また、表1-2には、実施例1~9に関して、鉄を欠乏した養液で栽培した後に使用する、鉄を含有する液肥(ここでは浸漬液と表記)について記載している。
鉄含量測定条件:
・葉を対象部位とした。
・前処理:乾式灰化法(イオン交換水で検体を洗浄後、乾燥させてから520℃に熱した電気炉で灰化した。その後、塩酸で加熱分解・ろ過し、ろ過後の液体を測定用試料とした。)
・測定用試料を装置:ICPE-9000(島津製作所製)で測定した。
Figure 0007080013000001
Figure 0007080013000002
また、表1-1及び1-2に示すように、比較例1は、通常の養液培養の条件と同様に、生長期の全ての期間において鉄含有肥料(肥料2)を養液として使用した比較例に相当する。また、比較例2は、生長期の全ての期間において鉄含有肥料(肥料3にクエン酸鉄を加えた肥料)を養液として使用した比較例に相当する。
また、表1-1及び1-2に示すように、実施例1~8は、生長期の所定の期間において鉄を含まない養液を使用し、その後、鉄を含む養液を使用した例である。実施例9は、生長期の所定の期間において使用する鉄を含まない養液として、クエン酸鉄(鉄の有機酸態)を含む養液を使用し、その後、鉄を含む養液を使用した例である。なお、クエン酸鉄を含む養液は、時間の経過とともに鉄が沈殿し、鉄含有量が低下する性質を有している。さらに、実施例10~12は、生長期の所定の期間において使用する鉄を含まない養液として、クエン酸鉄(鉄の有機酸態)を含む養液を使用し、その後、鉄を含まない養液を使用した例である。
ここで、実施例2の栽培条件において、栽培日数と養液に溶解する鉄濃度との関係を図4に示した。実施例1、3~8の栽培条件においても、図4と同様に、養液中の鉄濃度が変動している。
また、実施例9の栽培条件において、栽培日数と養液に溶解する鉄濃度との関係を図5に示した。実施例9の栽培条件においても、図5と同様に、養液中の鉄濃度が変動している。
さらに、実施例10の栽培条件において、栽培日数と養液に溶解する鉄濃度との関係を図6に示した。実施例11及び12の栽培条件においても、図6と同様に、養液中の鉄濃度が変動している。
実施例1~12及び比較例1~2について、収穫後、乾燥物1gあたりの鉄含量(ppm/乾物1g)を測定した。実施例1~3、5~9については、鉄を含まない養液に浸漬する前に一部収穫し、乾燥物1gあたりの鉄含量(ppm/乾物1g)を測定した。また、実施例1~12及び比較例1~2について、収穫後、可食部の収量を測定するとともに、目視により外観(生理障害や枯れの有無)を評価した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0007080013000003
表2より、生長期における所定の期間に鉄を含まない養液を用いて栽培することで、収穫時に鉄含量が著しく向上することが明らかとなった。特に、実施例1~9については、鉄を含有しない養液(肥料3)、又はクエン酸鉄を含む養液であってクエン酸鉄が十分に沈殿して鉄欠乏になった養液を使用しており、その後、鉄を含む養液を使用することで鉄の吸収が促進されたものと考えられる。一方、実施例10~12については、クエン酸鉄を含む養液であって鉄が溶解した状態で根に鉄が吸収され、その後、鉄を含まない養液で栽培することで根に吸収された鉄が葉に移動したと考えられる。
なお、表2において鉄欠とは、鉄欠乏になった養液、つまり可給態の鉄含量が低くなった養液を意味している。

Claims (10)

  1. 栽培対象の植物が配置される栽培ユニットと、
    上記栽培ユニットに対して、養液を供給する養液供給装置とを備え、
    植物生長期の所定の期間、可給態のミネラル成分含量が低い養液にて上記栽培ユニットに配置された植物を栽培し、
    上記可給態のミネラル成分含量が低い養液は、可給態の鉄を0.5ppm以下で含有する養液及び/又は不可給態の鉄を含有する養液であり、
    上記栽培ユニットに配置された植物を上記可給態のミネラル成分含量が低い養液にて栽培した後に可給態の鉄を1~6ppmで含有する可給態のミネラル成分含量が高い養液に切り替えて上記植物を栽培するか、
    上記栽培ユニットに配置された植物を可給態の鉄を0.5ppm以下で含有する養液にて栽培した後に不可給態の鉄を含有する養液に切り替えて上記植物を栽培するか、
    上記栽培ユニットに配置された植物を不可給態の鉄を含有する養液にて栽培した後に可給態の鉄を0.5ppm以下で含有する養液に切り替えて上記植物を栽培することを特徴とする水耕栽培システム。
  2. 上記不可給態の鉄は、クエン酸鉄、硝酸鉄(III)又は硫酸第一鉄であることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培システム。
  3. 上記養液供給装置による上記栽培ユニットに対する養液の供給を制御する制御装置を更に備えることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培システム。
  4. 上記栽培ユニットは、植物を支持するとともに、上記養液供給装置から養液が供給される植物支持用治具を備え、
    上記植物支持用治具には、栽培対象の植物の生長に応じてミネラル成分含量が異なる養液が供給されることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培システム。
  5. 上記栽培ユニットは、植物を支持する支持部と、当該支持部が取り付けられ、上記養液供給装置から養液が供給される複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部とを備え、
    上記複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部はそれぞれ可給態のミネラル成分含量の異なる養液が供給されていることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培システム。
  6. 栽培対象の植物が配置された栽培ユニットを用いて、養液により当該植物を栽培する水耕栽培方法において、
    植物生長期の所定の期間に、可給態のミネラル成分含量が低い養液にて上記栽培ユニットに配置された植物を栽培し、
    上記可給態のミネラル成分含量が低い養液は、可給態の鉄を0.5ppm以下で含有する養液及び/又は不可給態の鉄を含有する養液であり、
    上記栽培ユニットに配置された植物を上記可給態のミネラル成分含量が低い養液にて栽培した後に可給態の鉄を1~6ppmで含有する可給態のミネラル成分含量が高い養液に切り替えて上記植物を栽培するか、
    上記栽培ユニットに配置された植物を可給態の鉄を0.5ppm以下で含有する養液にて栽培した後に不可給態の鉄を含有する養液に切り替えて上記植物を栽培するか、
    上記栽培ユニットに配置された植物を不可給態の鉄を含有する養液にて栽培した後に可給態の鉄を0.5ppm以下で含有する養液に切り替えて上記植物を栽培することを特徴とする水耕栽培方法。
  7. 上記不可給態の鉄は、クエン酸鉄、硝酸鉄(III)又は硫酸第一鉄であることを特徴とする請求項記載の水耕栽培方法。
  8. 上記栽培ユニットに対する養液の供給を制御装置により制御することを特徴とする請求項記載の水耕栽培方法。
  9. 上記栽培ユニットは、植物を支持するとともに養液が供給される植物支持用治具を備え、
    上記植物支持用治具には、栽培対象の植物の生長に応じてミネラル成分含量が異なる養液が供給されることを特徴とする請求項記載の水耕栽培方法。
  10. 上記栽培ユニットは、植物を支持する支持部と、当該支持部が取り付けられ、上記養液が供給される複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部とを備え、
    上記複数の養液槽及び/又は養液貯蔵部には、栽培対象の植物の生長に応じて、それぞれ可給態のミネラル成分含量の異なる養液が供給されることを特徴とする請求項記載の水耕栽培方法。
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