JP7079317B2 - 基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム - Google Patents

基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラムに関する。
半導体装置(半導体デバイス)の製造プロセスの1つの工程として、例えばアニール処理に代表される改質処理がある。近年の半導体デバイスにおいては、素子の微細化、高集積化の傾向が著しく、これに伴い、高いアスペクト比を有する高密度のパターンが形成された基板への改質処理が求められている。このような基板への改質処理方法として、マイクロ波を用いた熱処理方法が検討されている。
特開2015-070045号公報
上記マイクロ波を用いた熱処理方法では、処理室内において、熱処理により高温に加熱された基板により処理室内の雰囲気温度が上昇してしまうので、プロセス再現性が悪くなってしまう。
本発明の目的は、プロセス再現性を向上させることが可能となるマイクロ波処理技術を提供する。
本発明によれば、基板を処理する処理室と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器と、前記処理室の内部温度を測定する温度測定部と、前記処理室の内へ冷却ガスを導入するガス導入部と、処理室外へ前記冷却ガスを排気する排気部と、前記処理室の内部温度の上限閾値及び下限閾値を記憶する記憶部と、前記処理室内の基板に対して前記処理室内の基板に対して前記マイクロ波発生器から発生される前記マイクロ波を供給し、前記温度測定部により測定した内部温度が前記下限閾値以上、且つ前記上限閾値以下である場合に前記ガス導入部から所定の流量で前記冷却ガスを前記処理室内へ導入し、前記測定した内部温度が前記上限閾値を超える場合に前記ガス導入部から前記所定の流量よりも多い前記冷却ガスを前記処理室内へ導入し、前記測定した内部温度が前記下限閾値に満たない場合に前記ガス導入部から前記所定の流量よりも少ない前記冷却ガスを前記処理室内へ導入するように前記マイクロ波発生器と前記ガス導入部を制御するよう構成される制御部と、を備えた技術が提供される。
本発明によれば、プロセス再現性を向上させることが可能となるマイクロ波処理技術を提供することができる。
本発明の第1実施の形態に係る基板処理装置を側方から見た概略断面図である。 図1に示される基板処理装置を上方から見た概略平面図である。 図1に示される基板処理装置の処理室を側方から見た拡大断面図である。 図3に示される処理室を基板処理装置の搬送室側、かつ、やや上方側から見た斜視図である。 図3に示される処理室を搬送室側から見た拡大断面図(図4に示されるA-A線において切った断面図)である。 図1に示される搬送室のパージガス循環構造を側方から見た概略構成図である。 図1に示される基板処理装置の制御部を含む制御システムを示すブロック構成図である。 図9に示される制御システムを用いて図1に示される基板処理装置を実行させる基板処理方法並びに基板処理プログラムを説明するフローチャートである。 第1実施の形態に係る基板処理装置において、処理室の内部温度と基板処理時間と冷却ガスの導入量との関係を示す図である。 第1実施の形態に係る基板処理装置において、処理室毎に1枚の基板処理を行う際の基板処理シーケンスを示す図である。 第1実施の形態に係る基板処理装置において、処理室毎に2枚の基板処理を行う際の基板処理シーケンスを示す図である。
[第1実施の形態]
図1~図11を用いて、本発明の第1実施の形態に係る基板処理装置、半導体装置の製造方法及び基板処理プログラムを説明する。
(基板処理装置1の構成)
図1に示される本実施の形態に係る基板処理装置1は、基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という)2に各種の熱処理を施す熱処理装置として構成されている。ここで、基板処理装置1は、マイクロ波(電磁波)を用いて、ウエハ2の表面に成膜された薄膜中の組成や結晶構造を変化させる処理、成膜された薄膜内の結晶欠陥等を修復する処理等のアニール処理を行う装置として説明する。基板処理装置1では、ウエハ2を内部に収容した収納容器(キャリア)としてポッド(FOUP:Front Opening Unified Pod)3が使用される。ポッド3は、基板処理装置1を含む様々な基板処理装置間において、ウエハ2を搬送する搬送容器として使用されている。
図1及び図2に示されるように、基板処理装置1は、ウエハ2を搬送する搬送室(搬送エリア)4と、ウエハ2を処理する処理室5とを備えている。搬送室4は搬送筐体(筐体)41の内部に設けられている。本実施の形態では、処理室5は2つの処理室51、52を備え、ポッド3とは対向する搬送筐体41の側壁に設けられている。処理室51、52は、それぞれ処理容器としてのケース53、54の内部に配設されている。
ここで、搬送室4の搬送筐体41は、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)等の金属材料、石英等により形成されている。
搬送室4において搬送筐体41の前側(図1中、右側)にはロードポートユニット(LP)6が配設されている。ロードポートユニット6は、ポッド3の蓋を開閉し、ポッド3から搬送室4へウエハ2を搬送し、又搬送室4からポッド3へウエハ2を搬出するポッド開閉機構として使用されている。
ロードポートユニット6は、筐体61と、ステージ62と、オープナ63とを備えている。ステージ62は、ポッド3を載置し、搬送室4において搬送筐体41の前方に形成された基板搬入搬出口42にポッド3を近接させる構成とされている。オープナ63は、ポッド3に設けられている図示省略の蓋を開閉させる構成とされている。
なお、ロードポートユニット6は、パージガスを用いてポッド3の内部をパージ可能な機能を備えてもよい。パージガスとしては、窒素(N2)ガス等の不活性ガスを使用することができる。また、搬送筐体41はパージガス流通機構としてのパージガス循環構造を備えている。パージガス循環構造は、窒素ガス等のパージガスを搬送室4の内部に流通させるパージガス流通機構として構成されている。
搬送室4において搬送筐体41の後側(図1中、左側)には、処理室51、52を開閉するゲートバルブ43が配置されている。搬送室4には、ウエハ2を移載する基板移載機構(基板移載ロボット)としての移載機7が設置されている。移載機7は、ウエハ2を載置する載置部としてのツィーザ(アーム)71、72と、ツィーザ71、72のそれぞれを水平方向に回転又は直動可能な移載装置73と、移載装置73を昇降させる移載装置エレベータ74とを含んで構成されている。
移載機7において、ツィーザ71、72、移載装置73、移載装置エレベータ74が連続動作することにより、処理室5の内部に配設された基板保持具としてのボート8(図1及び図3参照)やポッド3にウエハ2を装填(チャージング)することができる。また、移載機7において、ボート8やポッド3からウエハ2を脱装(ディスチャージング)することができる。
なお、本実施の形態の説明において、特に区別して説明する必要がない場合、処理室51、52は単に「処理室5」として説明する場合がある。
また、搬送室4にはウエハ冷却テーブル9Aが配設され、このウエハ冷却テーブル9A上にはウエハ2を冷却する基板冷却用載置具としてのウエハ冷却用載置具(冷却用ボート)9Bが配設されている。ウエハ冷却用載置具9Bは、搬送室4の上方の空間であって、クリーンユニット11よりも下方の空間に配置されている。ウエハ冷却用載置具9Bは、ボート8と同様の構造を有し、上方から下方へ向かって複数のウエハ保持溝を備えている。ウエハ冷却用載置具9Bでは、複数枚のウエハ2が水平状態において多段に積載される構成とされている。
図1に示されるように、ウエハ冷却用載置具9B及びウエハ冷却テーブル9Aは、搬送室4の内部において、基板搬入搬出口42及びゲートバルブ43の設置位置よりも上方に配設され、かつ、クリーンユニット11よりも下方に配設されている。すなわち、ウエハ冷却用載置具9B及びウエハ冷却テーブル9Aは、移載機7を用いてポッド3から処理室5へウエハ2を搬送する搬送経路外に配置されている。このため、ウエハ処理又はウエハ搬送におけるスループットが低下することなく、ウエハ処理後においてウエハ2を冷却することができる。
ここで、本実施の形態の説明において、ウエハ冷却用載置具9Bとウエハ冷却テーブル9Aとを合わせて冷却エリア(冷却領域)として説明する場合がある。
なお、冷却テーブル9A及びウエハ冷却用載置具9Bを搬送室4外に、例えば、処理室51と処理室52の間に冷却室を設け、この冷却室に冷却テーブル9A及びウエハ冷却用載置具9Bを配置する構成としても良い。
(処理室5の構成)
図1及び図2に示されるように、処理室5は基板処理装置1の処理炉として構成されている。ここで、処理室5において、一方の処理室51の構成は他方の処理室52の構成と同一であるので、以下、処理室51について説明し、処理室52の説明は省略する。
処理室51は、図3に示されるように、キャビティ(処理容器)としての中空直方体形状のケース53を備えている。ケース53は、マイクロ波を反射する例えばアルミニウム(Al)等の金属材料により形成されている。また、ケース53の天井部(上部)にはキャップフランジ(閉塞板)55が設けられている。キャップフランジ55は、ケース53と同様に金属材料等により形成されている。キャップフランジ55は図示省略の封止部材(シール部材)を介在させてケース53に取付けられ、処理室5の内部の気密性が確保されている。この処理室5の内部では、ウエハ2の処理が行われる。封止部材としては、例えばOリングが使用されている。
ここで、処理室51では、ケース53の内部にマイクロ波を透過させる石英製の反応管が設置されてもよい。この場合、反応管の内部が実効的な処理室51として使用される。また、ケース53は、キャップフランジ55を設けずに、天井が閉塞されていてもよい。
処理室51の底部には搬入搬出部57が設けられている。搬入搬出部57の搬送室4側の側壁にはゲートバルブ43を介して搬送室4へ連通される搬入出開口57Hが配設されている。
搬入搬出部57の内部には、処理室51の内部を上下方向へ移動可能な載置台56が設けられている。載置台56の上面には、ボート8が載置されている。ボート8としては、例えば石英ボードが使用されている。ボート8には、上下方向に離間し、かつ、対向して配置されたサセプタ81及び82が配置されている。搬入搬出部57へゲートバルブ43及び搬入出口57Hを通して搬入されたウエハ2は、サセプタ81とサセプタ82との間に挟まれてボート8に保持される構成とされている。
サセプタ81、82は、例えばシリコン半導体ウエハ(Siウエハ)、炭化シリコンウエハ(SiCウエハ)等のマイクロ波を吸収して自身が加熱される誘電体等の誘電物質により形成されたウエハ2を間接的に加熱する機能を有する。このため、サセプタ81、82は、エネルギ変換部材、輻射板又は均熱板と呼ばれている。特に、保持枚数は限定されるものではないが、例えば、ボート8は上下方向に所定間隔において重ね合わされた3枚のウエハ2を保持可能な構成とされている。サセプタ81、82を備えると、サセプタ81、82から生じる輻射熱によって、効率良く、均一にウエハ2を加熱することができる。
なお、ボート8では、サセプタ81の上部、サセプタ82の下部にそれぞれ断熱板としての石英プレートが配設されてもよい。
ここで、ケース53に周囲を囲まれた処理室5が配設された空間は、「処理空間」として説明する場合がある。
なお、本実施の形態では、処理室5は搬送室4に対して水平方向へ隣接して設置されているが、処理室5は、搬送室4に対して垂直方向、具体的には搬送室4の上方側又は下方側に隣接して設置されてもよい。
図1、図2及び図3に示すように、処理室5において、搬入搬出部57の搬送室4側の側面には、ゲートバルブ43に隣接した搬入出口57Hが設けられている。ウエハ2は、搬送室4から搬入出口57Hを通して処理室5へ搬入され、又処理室5から搬入出口57Hを通して搬送室4へ搬出される。ゲートバルブ43又は搬入出口57Hの周辺には基板処理において使用されるマイクロ波の1/4波長の長さを有する図示省略のチョーク構造が設けられている。チョーク構造はマイクロ波の漏洩対策として構成されている。
搬送室4とは反対側においてケース53の側面には、加熱装置としての電磁波供給部90が設置されている。電磁波供給部90はここではマイクロ波発生器91、92により構成されている。マイクロ波発生器91、92から供給されるマイクロ波は、処理室5の内部に導入されてウエハ2を加熱し、ウエハ2に各種処理を施す。
図3に示されるように、ボート8が載置される載置台56は、その下面中心部分において、回転軸としてのシャフト58の上端部に連結され、かつ、支持されている。シャフト58の他端部は、ケース53の底部、つまり搬入搬出部57の底部を貫通し、ケース53の下方側に配設された駆動機構59に連結されている。ここで、駆動機構59には電気モータ及び昇降装置が使用されている。電気モータの回転軸にはシャフト58の他端部が連結されている。駆動機構59にシャフト58が連結されているので、駆動機構59によりシャフト58を回転させて載置台56を回転させ、ボート8に保持されるウエハ2を回転させることができる。
ここで、搬入搬出部57の底部から駆動機構59へ至るシャフト58の外周囲は、上下方向へ伸縮可能なベローズ57Bに覆われている。ベローズ57Bは処理室5の内部及び搬送エリアの内部の気密を保持する構成とされている。
駆動機構59は、搬入搬出部57の底部と処理室5の底部との間において、上下方向へ載置台56を昇降可能な構成とされている。つまり、搬入搬出部57の内部においてウエハ2が保持される位置(搬入搬出位置)から、処理室5の内部においてウエハ2が保持される位置(ウエハ処理位置)まで、駆動機構59はボート8を上昇させる。逆に、処理室5の内部においてウエハ2が保持される位置から、搬入搬出部57の内部においてウエハ2が保持される位置まで、駆動機構59はボート8を下降させる。
(排気部10の構成)
本実施の形態に係る基板処理装置1では、図1及び特に図3に示されるように、処理室5の上部に排気部10が配設されている。排気部10は、処理室5の内部の雰囲気を排気する構成とされている。図3には簡略的に示されているが、排気部10では、処理室5の天井部に排気口11Aが設けられている。排気口11Aには排気管11の一端が接続されている。
詳しく説明すると、図4及び図5に示されるように、本実施の形態では、処理室5の天井部の四隅に相当する4箇所に、合計4つの排気口11A~11Dが配置されている。図4を用いて説明すると、搬送室4から処理室5を見て、天井部の右側手前の隅に排気口11Aが配置され、右側奥の隅に排気口11Bが配置されている。また、天井部の左側手前の隅に排気口11Cが配置され、左側奥の隅に排気口11Dが配置されている。排気口11A~11Dが特に天井部の四隅に配置されることにより、少ない個数であるにもかかわらず、処理室5の内部の上部空間の「熱こもり」を小さくして、排気効率を向上させることができる。
なお、排気口は少なくとも1箇所に配置されていればよいが、2以上の複数箇所に排気口が配置されることにより、排気効率を向上させることができる。
図4及び図5に示されるように、排気口11A~11Dにそれぞれ一端が接続された排気管11の他端は集合されて1本の排気管11とされている。この1本の排気管11は、図3に概念的に示されるように、バルブ12、圧力調整器13のそれぞれを順次直列に介在させて真空ポンプ14に接続されている。バルブ12は開閉弁として使用されている。圧力調整器13として、例えば処理室5の内部の圧力に応じて弁開度を制御する圧力制御コントローラ(APC:Adaptive Pressure Control)バルブが使用されている。
ここで、圧力調整器13は、処理室5の内部の圧力情報に基づいて排気量を調整することができれば、圧力制御コントローラバルブに限定されるものではなく、通常の開閉バルブと圧力調整弁とを併用する構成とされてもよい。圧力情報は、処理室5の天板部に配設された圧力センサ15から取得される。
本実施の形態では、排気部10は、図3~図5に示される排気口11A~11D、排気管11、バルブ12、圧力調整器13を含んで構成されている。また、排気部10は、更に真空ポンプ14を含んで構成されてもよい。ここで、図3に概念的に示される排気部10は処理室5の上方に配設されているが、実際には、図4に示されるように、排気部10の排気管11は、処理室5の上部において集合され、ケース53の外側壁に沿って下方向へ向かって配管されている。この排気管11の配管途中にバルブ12、圧力調整器13が配設され、そして排気管11は真空ポンプ14に接続されるレイアウトとされている。
なお、本実施の形態の説明において、単に「排気系」又は単に「排気ライン」として、排気部10を説明する場合がある。
(ガス導入部20の構成)
図3に示されるように、基板処理装置1において、処理室5の下部にガス導入部20が配設されている。詳しく説明すると、ガス導入部20は、搬入搬出部57の搬入出口57Hとは異なる側壁に配置された供給口21Aに一端が接続された供給管21を備えている。供給口21Aは、排気管11の排気口11Aよりも下方側に配置されている。供給管21の他端は、バルブ22、マスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)23のそれぞれが順次直列に介在されて、図示省略のガス供給源に接続されている。バルブ22は例えば開閉弁である。MFC23は流量制御器である。ガス供給源は不活性ガス、原料ガス、反応ガス等の各種基板処理に必要とされる処理ガスを供給し、供給された処理ガスは処理室5の内部に供給される。ここでは、不活性ガスとして、具体的には窒素ガスがガス供給源から処理室5の内部へ供給される構成とされている。
図4及び図5に示されるように、ガス導入部20は、更にケース53の上下方向中間部に配置された供給口24Aに一端が接続された供給管21を備えている。供給口24Aは、排気管11の排気口11Aよりも下方側であって、供給管21の供給口21Aよりも上方側に配置されている。供給管24の他端は、バルブ22と同等の図示省略のバルブ、MFC23のそれぞれが順次直列に介在されて、図示省略のガス供給源に接続されている。このガス供給源は、供給管21が接続されたガス供給源と同一のガス供給源である。このように、供給管24及びMFC23を含んで構成されるガス導入部20の一部は中間ガス導入部として構成されている。
なお、供給口24Aは、ケース53の側壁のここでは矩形状領域内に複数形成された貫通孔の集合体により構成されている。つまり、供給口24Aはメッシュ形状に形成されている。供給口24Aから処理室5の内部へ供給される、例えば窒素ガスは処理室5の内部に均一に広がりを持たせられるので、ボート8に保持されたウエハ2の面内において又は複数のウエハ2において均一な処理を施すことができる。
なお、基板処理に際して、処理室5の内部へ複数種類のガスを供給する場合には、図3に示される処理室5とバルブ22との間の供給管21に、他の種類のガスを導入する供給管が接続される。この供給管には、下流側から上流側へ向かって、バルブ、MFCのそれぞれが順次直列に介在されて他の種類のガス供給源が接続される。
また、複数種類のガスを供給するガス供給源から処理室5へそれぞれ直接接続される並列的に配管された供給管を備え、各供給管にバルブ及びMFCが配設されてもよい。
本実施の形態では、図3に示される供給管21、バルブ22及びMFC23を含んでガス導入部20が構成されている。また、ガス導入部20は図示省略のガス供給源を含んで構成されてもよい。さらに、ガス導入部20は、図5に示される中間ガス導入部としての供給管24、図示省略のバルブ、MFC23(及びガス供給源)を含んで構成されてもよい。
なお、ガス導入部20により供給される不活性ガスとしては、窒素ガスの他に、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、キセノン(Xe)ガス等の希ガスを使用することができる。
(温度測定部16の構成)
図3に示されるように、処理室5の天井部はキャップフランジ55により密閉され、キャップフランジ55には温度測定部16が配設されている。温度測定部16には非接触式の温度センサが使用されている。温度測定部16は処理室5の内部温度を測定して温度情報を生成し、この処理室5の内部温度情報に基づいて、ガス導入部20から導入される冷却ガスの流量が調整される。また、温度測定部16は、ウエハ2の温度を測定して温度情報を生成し、このウエハ2の温度情報に基づいて電磁波供給部90の出力等が調整される。これにより、ウエハ2の加熱温度が調整され、処理室5の内部における温度分布、つまりウエハ2の温度分布が最適化される。温度測定部16としての温度センサには、例えば放射温度計(IR:Infrared Radiation)を実用的に使用することができる。放射温度計では、ウエハ2の表面温度が測定される。ボート8にサセプタ81が設けられている場合には、放射温度計はサセプタ81の表面面度を測定する。
なお、本実施の形態の説明において、ウエハ2の温度(ウエハ温度)とは、温度変換データによって変換されたウエハ温度、すなわち推測されたウエハ温度という意味で使用される。また、ウエハ2の温度とは、温度測定部16を用いて、直接、ウエハ2の温度を測定して取得した温度という意味で使用される場合がある。さらに、双方の意味で使用される場合がある。
上記温度変換データは、図7に示される記憶部としての制御部100の記憶装置103又は制御部100の外部に設置された外部記憶装置105に予め記憶されている。温度変換データは、図3に示されるサセプタ81、ウエハ2のそれぞれに対する温度変化の推移を取得し、この推移から導き出されたサセプタ81の温度とウエハ2の温度との相関関係を示すデータである。
このような温度変換データが予め作成されると、サセプタ81の温度のみを測定すれば、ウエハ2の温度を推定することができる。そして、この推定されたウエハ2の温度に基づいて、電磁波供給部90の出力を調節して、処理温度を調節することができる。
温度測定部16は、前述の放射温度計に限定されるものではない。例えば、温度の測定手段として、熱電対を利用した温度計による温度の測定、この温度計に非接触式温度計を併用した温度の測定であってもよい。但し、熱電対を利用した温度計が使用される場合、ウエハ2の近傍に熱電対が配置されて温度測定が行われるので、電磁波供給部90から発生されたマイクロ波によって熱電対自体が加熱され、温度を正確に測定することが難しくなる。このため、温度測定部16として、非接触式温度計を実用的に使用することができる。
また、温度測定部16の配設場所はキャップフランジ55に限定されるものではない。例えば、温度測定部16は、載置台56に配設してもよい。また、温度測定部16は、キャップフランジ55や載置台56に直接配設するだけでなく、キャップフランジ55や載置台56に設けられた図示省略の測定窓からの放射光を鏡等を用いて反射させ、この反射光を間接的に測定して、温度を測定する構成としてもよい。さらに、温度測定部16は、処理室5に1つ配設することに限定されず、処理室5に複数配設してもよい。
(電磁波供給部90の構成)
図3及び図5に示されるように、搬送室4側とは反対側において、処理室5のケース53の側壁には、処理室5の内部と外部とを貫通する電磁波導入ポート90Bが配設されている。図5に示されるように、電磁波導入ポート90Bは、ここでは、上下方向に2個、左右方向に2個の合計4個配設されている。電磁波導入ポート90Bは、搬送室4から処理室5側へ見て、左右方向を長手方向とする矩形状に形成されている。なお、電磁波導入ポート90Bの個数並びに形状は特に限定されるものではない。
電磁波導入ポート90Bには導波管90Aの一端部が連結され、導波管90Aの他端部には電磁波供給部90が連結されている。ここで、電磁波供給部90にはマイクロ波発生器91、92が使用されている。処理室5の上側に配設された電磁波導入ポート90Bには導波管90Aを通してマイクロ波発生器91が連結されている。マイクロ波発生器91を用いて発生したマイクロ波は導波管90A及び電磁波導入ポート90Bを通して処理室5の内部へ供給される。処理室5の下側に配設された電磁波導入ポート90Bには導波管90Aを通してマイクロ波発生器92が連結されている。マイクロ波発生器92を用いて発生したマイクロ波は導波管90A及び電磁波導入ポート90Bを通して処理室5の内部へ供給される。
なお、マイクロ波発生器91、92として、マグネトロン、クライストロン等を使用することができる。マイクロ波発生器91、92により発生されるマイクロ波は、13.56 MHz以上、24.125 GHz以下の周波数範囲に制御されている。好適には、マイクロ波は、2.45 GHz、又は5.8 GHz以下の周波数に制御されている。
ここで、マイクロ波発生器91、92は、同一周波数のマイクロ波を発生させているが、異なる周波数のマイクロ波を発生させる構成としてもよい。また、電磁波供給部90は、1つの処理室5に1個のマイクロ波発生器を備えてもよいし、2個、3個又は5個以上のマイクロ波発生器を備えて構成されてもよい。また、処理室5の対向する側壁にマイクロ波発生器91、92のそれぞれを配設してもよい。
図1及び図3に示されるように、電磁波供給部90は制御部(コントローラ)100に接続されている。少し詳しく説明すると、図7に示されるように、電磁波供給部90は制御部100に接続され、制御部100は温度測定部16に接続されている。処理室5において、温度測定部16を用いてウエハ2の温度(処理室5の内部温度)が測定されると、測定された内部温度は温度情報として制御部100へ送信される。制御部100では、温度情報に基づいてマイクロ波発生器91、92の出力が調節され、ウエハ2の加熱温度(ウエハ2の処理温度)が調節される。
マイクロ波発生器91、92の出力の調節方法として、入力電圧レベルを調節する方法、入力電圧期間(電源のON時間とOFF時間との比率)を調節する方法のいずれかを使用することができる。
ここで、マイクロ波発生器91、92は、制御部100から送信される同一の制御信号によって制御される。なお、マイクロ波発生器91、92は、制御部100からそれぞれに個別の制御信号を送信して個々に制御する構成とされてもよい。
(処理室5のパージガス循環構造の構成)
図1及び図6に示されるように、処理室5に隣接する搬送室4には、搬送室4の内部のパージガスを流通させる機構としてパージガス循環構造が配設されている。図6に示されるように、搬送室4は、パージガス供給機構401と、圧力制御機構430とを備えている。パージガス供給機構401は、搬送室4の周囲に形成されたダクト内にパージガスとしての不活性ガス又は空気(フレッシュエアー)を供給する構成とされている。圧力制御機構430は搬送室4の内部の圧力を制御する。パージガス循環構造では、パージガス供給機構401及び圧力制御機構430を備えることにより、搬送室4の内部の酸素濃度を調節することができる。
搬送室4の内部に設置されたクリーンユニット11の上方(パージガス循環経路の上流側)には、パージガス循環構造を構成する検出部422が設けられている。クリーンユニット11は、搬送室4の内部に存在する塵や不純物等のパーティクルを取り除くフィルタと、パージガスを送風する送風機(ファン)420とを含んで構成されている。
検出部422は酸素濃度を検出する。また、検出部422は、酸素濃度に加えて水分濃度も検出する構成とされてもよい。
パージガスとしての不活性ガスには、処理室5の内部に供給される不活性ガスと同様の種類のガスを使用することができる。
圧力制御機構430は、搬送室4の内部を所定の圧力に保持する調整ダンパ434と、排気路414を全開又は全閉に調節可能な排気ダンパ435とにより構成される。調整ダンパ434は、搬送室4の内部の圧力が所定の圧力より高くなると開くオートダンパ(背圧弁)431と、オートダンパ431の開閉を制御するプレスダンパ432とを含んで構成されている。このように調整ダンパ434及び排気ダンパ435の開閉を制御することにより、搬送室4の内部を任意の圧力に制御することができる。
本実施の形態では、搬送室4の天井部において、クリーンユニット11が、図8中、左右に1つずつ配置されている。移載機7の周辺であって、搬送室4の上下方向中間部には、パージガスの流れを整える整流板としての多孔板403が設置されている。多孔板403には、例えばステンレス製板材に複数の貫通孔を有するパンチングパネルが使用されている。
多孔板403を備えることにより、搬送室4の内部の空間が上部空間としての第1空間401と下部空間としての第2空間402とに区画されている。すなわち、搬送室4の内部において、天井部と多孔板403との間の空間にウエハ搬送領域として使用される第1空間401が形成され、又多孔板403と搬送室4の床面との間の空間にガス排気領域として使用される第2空間402が形成されている。
搬送室4の内部において、第2空間402の下部には、移載機7を挟んで、図7中、左右にそれぞれ1つずつ吸出部412が配置されている。吸出部412は、搬送室4の内部を流れたパージガスを循環させ、更に排気する。
また、搬送筐体41の壁面内、すなわち、搬送筐体41の外壁面と内壁面の間には、循環路411及び排気路413が配設されている。循環路411及び排気路413はパージガスの循環経路を構築している。循環路411は、クリーンユニット11と吸出部412との間を繋ぐ循環経路である。循環路411は、図6中、左右一対に配設されている。排気路413は、吸出部412と圧力制御機構430とを繋ぐ循環経路である。
なお、循環経路には図示省略の冷却機構(ラジエータ)が配設可能である。冷却機構を備えると、循環経路を循環されるパージガスの温度を制御することができる。
循環経路は吸出部412から循環路411と排気路413とに分岐されている。循環路411は、クリーンユニット11の上流側へ繋がれ、搬送室4の内部へパージガスを再び供給し循環させる流路である。左右一対の排気路413は搬送室4の下部において1本の外部排気路414に集合され、この外部排気路414は圧力制御機構430に繋がれている。圧力制御機構430からは循環されたパージガスが搬送室4の外部に排気される。
上記パージガス循環構造の動作は以下の通りである。図6において、パージガスの流れは矢印を用いて概略的に示されている。
例えばパージガスとしての窒素ガスが、パージガス供給機構401から搬送室4の内部に導入される。窒素ガスは、クリーンユニット11を通して搬送室4の天井部から搬送室4の内部へ供給される。搬送室4の内部では、ダウンフローDFが形成される。搬送室4の内部では、多孔板403が設けられ、多孔板403の上方側が第1空間401、多孔板403の下方側が第2空間402とされているので、第1空間401と第2空間402との間に差圧が生じる。第1空間401の圧力は第2空間402の圧力よりも高くなる。
このような区画構造を採用することにより、ツィーザ71よりも下方において移載機エレベータ74等の駆動部から発生するパーティクルのウエハ搬送領域内への飛散を効果的に抑制又は防止することができる。また、搬送室4の内部において、床面から第1空間401へのパーティクルの舞い上がりが効果的に抑制又は防止することができる。
ダウンフローDFにより第1空間401から第2空間402に流れた窒素ガスは、吸出部412を通して搬送室4から吸い出される。窒素ガスの吸い出しには送風機420が使用される。搬送室4から吸い出された窒素ガスは、吸出部412の下流において循環路411と排気路413との2つの循環経路に分流される。循環路411に分流された窒素ガスは、搬送筐体41の上方に流れ、クリーンユニット11を通して搬送室4の内部へ循環される。
一方、排気路413に分流された窒素ガスは、搬送筐体41の下方に流れ、外部排気路414を通して搬送室4の外部へ排気される。
ここで、送風機420は、吸出部412への窒素ガスの吸い出しを促す。循環路411、排気路413のコンダクタンスが小さい場合には、送風機420を用いることにより、窒素ガスの流れが良くなり、窒素ガスの循環効率を向上させ、循環される窒素ガスのダウンフローDFを発生し易くすることができる。
このようなパージガス循環構造では、左右2つの循環経路に分かれてパージガスが循環され、更に排気されるので、搬送室4の内部において均一なパージガスの流れを発生させることができる。
パージガス循環構造は、パージガス供給機構401と、クリーンユニット11と、循環路411及び排気路413を含む循環経路とを主要な構成要素として構成されている。なお、圧力制御機構430、外部排気路414、調整ダンパ434、排気ダンパ435、吸出部412、第1空間401、第2空間402、送風機420の少なくとも1つは、パージガス循環構造を構築する主要な構成要素として含めてもよい。
ここで、パージガス循環構造において、搬送室4の内部に窒素ガスを循環させる制御は、調整ダンパ434及び排気ダンパ435の開閉制御により行ってもよい。例えば、パージガス循環構造において、オートダンパ431及びプレスダンパ432を開状態とし、排気ダンパ435を閉状態に制御することにより、搬送室4の内部に窒素ガスを循環させることができる。このとき、排気路413に流れる窒素ガスは、排気路413内に滞留させてもよいし、循環路411に流れる制御をしてもよい。なお、搬送室4の内部に冷却ユニットを備えれば、循環されるパージガスを冷却することができる。
ここで、基板処理装置1を用いた処理において、ポッド3の内部圧力、搬送室4の内部圧力及び処理室5の内部圧力は、すべて大気圧、又は大気圧よりも10 Pa ~ 200 Pa(ゲージ圧)程度の高い圧力に調節される。さらに、搬送室4の内部圧力は処理室5の内部圧力よりも高く調節され、又処理室5の内部圧力はポッド3の内部圧力よりも高く調節されることが好ましい。
(制御部100の構成)
図7に示されるように、制御部100は、中央演算処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)101、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)102、記憶装置103及び入出力(I/O)ポート104を含んで構成されている。すなわち、制御部100はコンピュータとして構成されている。ここで、本実施の形態の説明において、中央演算処理ユニット101はCPU101、ランダムアクセスメモリ102はRAM102、入出力ポート104はI/Oポート104と記載する。
CPU101は、内部バス110を通してRAM102、記憶装置103、I/Oポート104のそれぞれに接続されると共に、相互に情報の送受信を行うことができる。制御部100には内部バス110を通して入出力装置106が接続されている。入出力装置106としては、タッチパネル、キーボード、マウス等を使用することができる。記憶装置103には、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)等を使用することができる。
記憶装置103には、基板処理装置1の基板処理動作を制御する制御プログラム、プロセスレシピ等が読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、アニール(改質)処理の手順、条件等が記載され、基板処理における各手順を制御部100に実行させて所定の結果を得るために組み合わされたものであり、プログラム(ソフトウエア)として機能する。
本実施の形態の説明において、制御プログラム、プロセスレシピ等は、総称して、単に「プログラム」と記載する。また、プロセスレシピは、単に「レシピ」と記載する場合もある。ここで、「プログラム」とは、レシピ単体のみ、制御プログラム単体のみ、又は双方を含む意味において使用されている。RAM102は、CPU101により読み出されたプログラム、データ等を一時的に保存するメモリ領域(ワークエリア)として使用されている。
I/Oポート104は、MFC23、バルブ22、圧力センサ15、圧力調整器13、電磁波供給部90、温度測定部16、真空ポンプ14、ゲートバルブ43、駆動機構59、圧力制御機構430、等のそれぞれに接続されている。これらの接続には外部バス111が使用されている。
制御部100のCPU101は、記憶装置103から制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置106から入力される操作コマンド等に応じて記憶装置103からレシピを読み出す。
CPU101は、読み出されたレシピの内容に沿って、MFC23を用いた各種ガスの流量調整動作、バルブ243の開閉動作、圧力センサ15に基づく圧力調整器22を用いた圧力調整動作、真空ポンプ14の起動及び停止のそれぞれを実行する。また、CPU101は、温度測定部16に基づく電磁波供給部90の出力調整動作を実行する。さらに、CPU101は、駆動機構59による載置台56(又はボート8)の回転動作、回転速度調節動作、又は昇降動作等を実行する。
制御部100では、外部記憶装置105に格納されたプログラムがインストロールされる。外部記憶装置105には、例えばハードディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optic disk)、コンパクトディスク(CD:Compact Disk)等の光ディスクが使用されている。また、外部記憶装置105としては、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)メモリ等の半導体メモリを使用することができる。
ここで、記憶装置103、外部記憶装置105は、プログラム、データ等を読み取り可能な又は読み書き可能な記録媒体であり、総称して単に「記録媒体」と記載する場合がある。本実施の形態の説明において、記録媒体とは、記憶装置103単体のみ、外部記憶装置105単体のみ、又は双方を含む意味において使用されている。なお、プログラムは、記憶装置103や外部記憶装置105を用いることなく、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて、制御部100へ提供されてもよい。
(基板処理方法)
次に、基板処理装置1による基板処理方法について、図1~図7を参照しつつ、図8を用いて説明する。本実施の形態では、基板処理方法として、半導体装置(デバイス)の製造プロセスの一工程である、例えば、ウエハ(基板)2上に形成されたアモルファスシリコン膜の改質方法(結晶化方法)を説明する。ここで、図1に示される基板処理装置1の各構成要素は、図7に示される制御部100を用いて動作を制御する。
なお、基板処理装置1は複数の処理室51、52を備え、処理室51、52のそれぞれでは同一のレシピに基づいて同一の処理が実行されるので、一方の処理室51を用いた処理について説明し、他方の処理室52を用いた説明は省略する。
本実施の形態の説明において、「ウエハ2」とは、ウエハ2そのもの、又は表面に所定の単層膜や積層膜が形成されたウエハ2という意味において使用されている。「ウエハ2の表面」とは、ウエハ2そのものの表面、又はウエハ2に形成された単層膜や積層膜の表面という意味において使用されている。さらに、「ウエハ2の表面に所定の層を形成する」とは、ウエハ2そのものの表面に所定の層を直接形成する、又はウエハ2に形成された単層膜や積層膜の表面に、所定の層を形成するという意味において使用されている。また、「ウエハ2」は「基板」と同義として使用されている。
(1)基板取出し工程(ステップS1)
図1に示される基板処理装置1の搬送室4において、移載機7はロードポートユニット6によって開口されたポッド3から処理対象となるウエハ2を所定枚数取り出し、ツィーザ71、72のいずれか一方又は双方にウエハ2が載置される。
(2)基板搬入工程(ステップS2)
ツィーザ71、72のいずれか一方又は双方に載置されたウエハ2は、図1及び図3に示されるゲートバルブ43の開閉動作によって所定の処理室5の内部に搬入される(ボートローディングされる)。ここでは、処理室5の搬入搬出部57にボート8が降下されており、このボート8にウエハ2が保持される。ボート8に保持されたウエハ2は、駆動機構59により載置台56を上昇することでボート8を処理室5内に搬入される。
(3)炉内圧力、温度調整工程(ステップS3)
処理室5の内部(炉内)が所定の圧力に調節される。例えば、圧力は10 Pa ~102000 Paに調節される。具体的には、処理室5の内部が真空ポンプ14により排気されつつ、圧力センサ15により検出された圧力情報に基づいて圧力調整器13の弁開度がフィードバック制御され、処理室5の内部が所定の圧力に調節される。
また、同時に、予備加熱として電磁波供給部90が制御され、マイクロ波発生器91、92からマイクロ波を発信させて所定の温度まで処理室5の内部が加熱される。所定の基板処理温度まで昇温させる場合、ウエハ2の変形や破損を防止するため、電磁波供給部90は後工程である改質工程における出力よりも小さい出力において昇温させることが好ましい。
なお、大気圧下で基板処理を行う場合、処理室5の内部の圧力調整は行わず、処理室5の内部の温度調整のみを行った後、次の不活性ガス供給工程(ステップS4)へ移行する制御としてもよい。
(4)不活性ガス供給工程(ステップS4)
炉内圧力、温度調整工程により処理室5の内部の圧力と温度とが所定の値に調節されると、図3に示される駆動機構59は、シャフト58を回転させて載置台56上のボート8に保持されたウエハ2を回転させる。このとき、ガス導入部20から処理室5の内部への冷却ガスとしての不活性ガスの供給が開始される。不活性ガスには例えば窒素ガスが使用される。図示省略のガス供給源から、マスフローコントローラ23、バルブ22を介在させ、供給管21の供給口21Aを通して、処理室5の下部の搬入搬出部57内に窒素ガスが供給される。
一方、図3に示される排気部10の動作が開始され、処理室5の内部の雰囲気が排気される。詳しく説明すると、排気部10において、真空ポンプ14の動作が開始され、バルブ12、圧力調整器13を介在させ、排気口11A~11Dから排気管11を通して真空ポンプ14により雰囲気が排気される。処理室5の内部の圧力は10 Pa 以上102000 Pa以下に調節され、好ましくは101300 Pa 以上102000 Pa以下に調節される。
なお、後述する改質工程での電磁波供給部90からマイクロ波の供給が開始されたときに、この不活性ガス供給工程を開始するようにしても良い。
(5)改質工程開始(ステップS5)
処理室5の内部が所定の圧力に維持されると、電磁波供給部90から処理室5の内部にマイクロ波が供給される。マイクロ波の供給によって、ウエハ2が100℃以上1000℃以下の温度、好適には400℃以上900℃以下の温度に加熱される。さらに、500℃以上700℃以下の温度にウエハ2を加熱することが好ましい。
このような温度範囲において基板処理を実施することにより、ウエハ2が効率良くマイクロ波を吸収するので、改質処理の速度を向上させることができる。換言すると、ウエハ2が100℃よりも低い温度、又は1000℃よりも高い温度により処理されると、ウエハ2の表面が変質してしまい、マイクロ波が吸収され難くなってしまうので、ウエハ2が効率良く加熱し難くなる。
ここで、処理室5の内部へのマイクロ波の供給が開始されると、このタイミングに一致させ、図4~図5に示されるように、処理室5の内部に中間ガス導入部から冷却ガスとしての窒素ガスが供給される。つまり、ガス供給源からMFC23、図示省略のバルブを介在させ、供給管24の供給口24Aを通して、処理室5内に窒素ガスが供給される。
マイクロ波の供給が開始されると、処理室5の内部温度が急激に上昇する。処理室5の内部へのガス導入部20からの冷却ガスの供給に加えて、中間ガス導入部から冷却ガスが処理室5の内部に供給されることにより、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制又は防止することができる。
マイクロ波による加熱方式では、処理室5に定在波が発生し、ウエハ2上に局所的に加熱されてしまう加熱集中領域(ホットスポット)とそれ以外の加熱されない領域(非加熱領域)が生じ、ウエハ2が変形する。ここでは、ボート8のサセプタ81、82もウエハ2と同様に変形が生じる。このような変形を抑制するため、電磁波供給部90の電源のON/OFF制御が行われている。
このとき、電磁波供給部90の供給電力が低出力とされ、ホットスポットの影響を小さくすれば、ウエハ2の変形を効果的に抑制することができる。この場合、ウエハ2やサセプタ81、82に照射されるエネルギが小さくなるので、昇温温度が小さくなる。このため、加熱時間を長くする必要がある。
(6)温度測定(ステップS6)
図1及び図3に示される温度測定部16を用いて処理室5の内部温度が測定される。ここでは、温度測定部16に非接触式の温度センサが使用され、温度測定部16により測定された温度情報に基づいて、処理温度が制御される。温度測定の対象であるウエハ2に変形や破損が生じると、温度測定部16がモニタするウエハ2の位置やウエハ2に対する測定角度が変化するので、測定値(モニタ値)が不正確となり、測定温度が急激に変化してしまう。ここでは、ボート8のサセプタ81、82もウエハ2と同様に変形が生じる。このため、温度情報をトリガとして、電磁波供給部90の電源のON/OFFを制御し、処理室5の内部温度が調節される。
図7に示す記憶部としての記憶装置103には、処理室5の内部温度の上限閾値及び下限閾値が予め記憶されている。そして、温度測定部16から得られる温度情報に基づいて、処理室5内にガス導入部20から供給される冷却ガスの流量が調整される。
図9には、温度測定部16を用いて測定された温度と処理時間との関係並びに温度変化状態とMFC23を用いて調節された窒素ガスの流量[slm]との関係が示されている。内部温度が下限閾値以上、かつ、上限閾値以下である場合、所定の流量の窒素ガスが処理室5の内部に供給される。測定温度は横向きの矢印により表され、ここでは、例えばガス導入部20から処理室5内へ所定の流量の 5 slmの窒素ガスが供給されている。
ここで、処理室5の内部温度が上限閾値を超えるか否かが制御部100により判定される(ステップS7)。上限閾値を超える場合、所定の流量よりも多い冷却ガスがガス導入部20から処理室5内へ供給される(ステップS8)。上限閾値を超える場合(図9中、符号P2を用いて示される位置)には、測定温度は上向き矢印により表されるように上昇しているので、ガス導入部20から供給される窒素ガスの流量が多く調節される。ここでは、10 slmに窒素ガスの流量が多くされる。これにより、処理室5の内部温度を下げて、基板処理温度の最適化を図ることができ、更に処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制することができる。
ステップS7において、処理室5の内部温度が上限閾値を超えない場合、処理室5の内部温度が下限閾値に満たないか否かが制御部100により判定される(ステップS9)。下限閾値に満たない場合、所定の流量よりも少ない冷却ガスがガス導入部20から処理室5の内部に供給される(ステップS10)。下限閾値に満たない場合(図9中、符号P1を用いて示される位置)には、測定温度は下向き矢印により表されるように下降しているので、ガス導入部20から供給される窒素ガスの流量が少なく調節される。ここでは、2 slmに窒素ガスの流量が少なくされる。これにより、処理室5の内部温度を上げることができ、基板処理温度の最適化を図ることができる。
なお、内部温度の上限閾値の判定、下限閾値の判定のそれぞれの手順は逆であってもよい。
また、処理室5の内部温度が下限閾値に満たない場合、図5に示される中間ガス導入部から処理室5内への冷却ガスの供給を停止させるようにしても良い。これにより、処理室5の内部温度を上げることができ、基板処理温度の最適化を図ることができる。
改質工程を実行することにより、ウエハ2が加熱され、ウエハ2の表面上に形成されているアモルファスシリコン膜がポリシリコン膜へと改質(結晶化)される。すなわち、ウエハ2には、均一に結晶化されたポリシリコン膜を形成することができる。
そして、改質工程が終了したか否かが制御部100により判定される(ステップS11)。具体的には、予め設定された処理時間が経過したか否かが判定され、所定時間が経過していない場合、すなわち、改質工程が終了していない場合にはステップS7に戻る。
一方、所定時間が経過すると、ボート8の回転、冷却ガスの供給、マイクロ波の供給及び処理室5の内部の排気が停止され、改質工程を終了する。
(7)不活性ガス供給工程(ステップS12)
ステップS11において、改質工程が終了したと判定されると、処理室5の圧力調整器13もしくは搬送室4の圧力制御機構430の少なくともいずれか一方を調整することにより、処理室5の内部圧力が搬送室4の内部圧力よりも低く調節される。そして、ゲートバルブ43が開放される。これにより、搬送室4の内部を循環するパージガスが処理室5の下部から上部へ向かって排気され、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制することができる。
(8)基板搬出工程(ステップS13)
ゲートバルブ43が開放されるので、処理室5と搬送室4とが空間的に連通される。その後、ボート8に保持されている改質工程後のウエハ2が移載機7のツィーザ71、72により搬送室4へ搬出される。
(9)基板冷却工程(ステップS14)
ツィーザ71、72によって搬出されたウエハ2は、移載装置73、移載装置エレベータ74の連続動作により、冷却エリアまで移動され、ツィーザ71によって、ウエハ冷却用載置具9Bに載置される。
ここで、図1に示されるように、冷却エリアがクリーンユニット11の近傍、すなわち、クリーンユニット11のパージガス送出口の少なくとも一部に対向する位置に配置されることにより、ウエハ2の冷却効率を向上させることができる。さらに、ウエハ2の冷却にはパーティクルの少ないパージガスが使用されるので、ウエハ2の表面又は表面上に形成された薄膜の膜質を向上させることができる。
また、ウエハ冷却用載置具9Bは、ウエハ2を載置するウエハ保持溝9aの上方にウエハ2の径と同一又はより大きい径を有する円盤形状の天板を備えてもよい。これにより、クリーンユニット11からのダウンフローDFが直接ウエハ2に吹き付けられないので、急速冷却によるウエハ2の均一な冷却を抑制することができ、ウエハ2の変形を効果的に抑制又は防止することができる。
以上の動作が繰り返されることにより、ウエハ2に改質処理が施され、本実施の形態に係る基板処理工程が終了する。
ここで、前述の図3に示される処理室5では、ボート8に3枚のウエハ2を保持させて基板処理が行われているが、このウエハ2の枚数に限定されるものではない。例えば、図10に示される基板処理シーケンスに示されるように、処理室51、52のそれぞれのボート8に1枚のウエハ2を保持させ、同一の基板処理を並列的に行った後に、ウエハ2に冷却処理を施してもよい。
また、図11に示されるように、スワップ処理を行い、処理室51、52のそれぞれにおいて2枚のウエハ2に基板処理を施してもよい。このとき、処理室51、52のそれぞれで行われる基板処理の回数が一致するようにウエハ2の搬送先を制御することができる。このように制御されると、各処理室51、52における基板処理の実施回数が一定となり、メンテナンス等の保守点検作業を効率良く行うことができる。例えば、処理室51にウエハ2が前回搬送された場合、次回搬送されるウエハ2の搬送先は処理室52とされることにより、各処理室51、52における基板処理の実施回数を調節することができる。
(本実施の形態による効果)
本実施の形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(1)本実施の形態は、処理室5と、ボート8と、マイクロ波発生器91、92と、温度測定部16と、ガス導入部20と、排気部10と、記憶装置103(図9参照)と、制御部100とを備える。処理室5はウエハ2を処理する。ボート8は、処理室5の内部に配設され、ウエハ2を保持する。マイクロ波発生器91、92は、処理室5の内部にマイクロ波を発生させる。温度測定部16は、処理室5の内部温度を測定する。ガス導入部20は、処理室5の下部に配設され、処理室5の内部へ冷却ガスを導入する。排気部10は、処理室5の上部に配設され、処理室5の外部へ冷却ガスを排気する。
ここで、記憶装置103では、処理室5の内部温度の上限閾値及び下限閾値が記憶される。制御部100は、マイクロ波発生器91、92からマイクロ波を発生させて処理室内のウエハ2を加熱処理し、温度測定部16による処理室5の内部温度を測定し、内部温度が下限閾値以上、かつ、上限閾値以下の場合に、ガス導入部20から所定の流量の冷却ガスを処理室5内へ導入し、内部温度が上限閾値を超える場合にガス導入部20から所定の流量よりも多い冷却ガスを処理室5内へ導入し、内部温度が下限閾値に満たない場合にガス導入部20から所定の流量よりも少ない冷却ガスを処理室5内へ導入するように制御する。
このため、処理室5の内部温度が下限閾値と上限閾値との範囲内に制御され、最適化された温度範囲内において基板処理が行えるとともに、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制又は防止することができるので、プロセス再現性を向上させることができる。
(2)本実施の形態では、排気部10は、処理室5内において、マイクロ波を用いたウエハ2の処理により生じる熱を冷却ガスと共に排出することができるので、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制又は防止することができる。
(3)本実施の形態は、処理室内の圧力を調整する圧力調整器13と、冷却ガスが供給され、処理室5に隣接する搬送室4と、搬送室4の圧力制御を行う初力制御機構430と、搬送室4と処理室5との間に配設され、搬送室4から処理室5へのウエハ2の搬入に際して開閉するゲートバルブ43と、を更に備える。そして、制御部100は、圧力調整器13もしくは圧力制御機構430を調整の少なくともいずれか一方により、処理室5の内部圧力が搬送室4の内部圧力よりも低い状態にして、ゲートバルブ43を開き、搬送室4に供給される冷却ガスを処理室5内へ導入するように制御を行う。
このため、搬送室4に供給される冷却ガスを用いて、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制又は防止することができる。
(5)本実施の形態では、排気部10は、処理室5の四隅にそれぞれ連結された排気管11を備えているので、処理室5の上部隅の熱こもりが生じ易い部位において熱こもりを効果的に抑制又は防止することができる。
(6)本実施の形態では、ガス導入部は、処理室5の下部に配設されているので、処理室5の下部から上部への冷却ガスの流れを形成し、処理室5の上部の熱こもりを効果的に抑制又は防止することができる。
(7)本実施の形態は、処理室5の側壁の上下方向中間部に配設され、処理室5内へ冷却ガスを導入する中間ガス導入部を更に備えているので、加熱処理直後の基板の急激な温度上昇を効果的に抑制することができる。
[その他の実施の形態]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、ウエハ2に形成されたアモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に改質する処理について説明したが、本発明は、この例に限定されない。
詳しく説明すると、本発明は、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、水素(H)のうち、少なくとも1以上を含むガスを供給し、基板表面に形成された膜を改質してもよい。例えば、ウエハに、高誘電体膜としてのハフニウム酸化膜(HfxOy膜)が形成されている場合、酸素を含むガスを供給しながらマイクロ波を供給して加熱することにより、フニウム酸化膜中の欠損した酸素を補充し、高誘電体膜の特性を向上させることができる。なお、ここでは、ハフニウム酸化膜について示したが、本発明は、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、鉛(Pb)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の少なくともいずれかを含む金属元素を含む酸化膜、すなわち金属系酸化膜を改質する場合に適用可能である。
すなわち、上述の成膜シーケンスは、ウエハ上に形成された、TiOCN膜、TiOC膜、TiON膜、TiO膜、ZrOCN膜、ZrOC膜、ZrON膜、ZrO膜、HfOCN膜、HfOC膜、HfON膜、HfO膜、TaOCN膜、TaOC膜、TaON膜、TaO膜、NbOCN膜、NbOC膜、NbON膜、NbO膜、AlOCN膜、AlOC膜、AlON膜、AlO膜、MoOCN膜、MoOC膜、MoON膜、MoO膜、WOCN膜、WOC膜、WON膜又はWO膜を改質する場合にも、本発明を適用することができる。
また、高誘電体膜に限らず、不純物がドーピングされたシリコンを主成分とする膜を加熱させる場合にも、本発明を適用することができる。シリコンを主成分とする膜としては、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)シリコン酸炭化膜(SiOC膜)、シリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)、シリコン酸窒化膜(SiON膜)等のSi系酸化膜がある。不純物としては、例えば、硼素(B)、炭素(C)、窒素(N)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)、砒素(As)等の少なくとも1つ以上が含まれる。
メタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Polymethylmethacrylate、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルフェニール樹脂等の少なくともいずれかをベースとするレジスト膜に本発明を適用することができる。
また、本発明は、液晶パネルの製造プロセスにおけるパターニング処理、太陽電池の製造プロセスにおけるパターニング処理や、パワーデバイスの製造プロセスにおけるパターニング処理等、基板を処理する技術にも適用可能である。
1 基板処理装置
2 ウエハ
4 搬送室
5 処理室
10 排気部
20 ガス導入部
90 電磁波供給部
91、92 マイクロ波発生器
100 制御部
103 記憶装置

Claims (12)

  1. 基板を処理する処理室と、
    マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器と、
    前記処理室の内部温度を測定する温度測定部と、
    前記処理室内へ冷却ガスを導入するガス導入部と、
    前記処理室の上部の四隅に設けられ、前記処理室の上部にこもった熱を前記冷却ガスと共に排出する排気部と、
    前記処理室の内部温度の上限閾値及び下限閾値を記憶する記憶部と、
    前記処理室内の前記基板に対して前記マイクロ波発生器から発生される前記マイクロ波を供給し、前記温度測定部により測定した内部温度が前記下限閾値以上、且つ前記上限閾値以下である場合に前記ガス導入部から所定の流量で前記冷却ガスを前記処理室内へ導入し、前記測定した内部温度が前記上限閾値を超える場合に前記ガス導入部から前記所定の流量よりも多い前記冷却ガスを前記処理室内へ導入し、前記測定した内部温度が前記下限閾値に満たない場合に前記ガス導入部から前記所定の流量よりも少ない前記冷却ガスを前記処理室内へ導入するように前記マイクロ波発生器と前記ガス導入部を制御するよう構成される制御部と、
    を備えた基板処理装置。
  2. 前記排気部は、前記処理室の内部において、前記マイクロ波を用いた前記基板の処理により生じる熱を前記冷却ガスと共に排出する請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記制御部は、前記マイクロ波発生器から前記マイクロ波が発生されると、前記ガス導入部から前記処理室内へ前記冷却ガスを導入するように前記ガス導入部の制御するよう構成される請求項1に記載の基板処理装置。
  4. 前記処理室内の圧力を調整する圧力調整器と、
    前記冷却ガスが供給され、前記処理室に隣接する搬送室と、
    前記搬送室の圧力制御を行う圧力制御機構と、
    前記搬送室と前記処理室との間に配設され、前記搬送室から前記処理室への前記基板の搬入に際して開閉するゲートバルブと、を更に備え、
    前記制御部は、前記処理室内の圧力より前記搬送室内の圧力が高くなるようにし、前記ゲートバルブを開き、前記搬送室に供給される前記冷却ガスを前記処理室の内部へ導入するように前記圧力調整器もしくは前記圧力制御機構の少なくともいずれか一方と前記ゲートバルブを制御するよう構成される請求項1記載の基板処理装置。
  5. 前記処理室の上部の四隅に設けられる前記排気部は、それぞれが連結される排気配管を備える請求項に記載の基板処理装置。
  6. 前記ガス導入部は、前記処理室の下部に配設されている請求項1に記載の基板処理装置。
  7. 前記処理室の側壁の上下方向中間部に配設され、前記処理室内へ前記冷却ガスを導入する中間ガス導入部を更に備えた請求項1に記載の基板処理装置。
  8. 前記中間ガス導入部は、矩形状領域内に複数形成された貫通孔により構成される請求項に記載の基板処理装置。
  9. 前記マイクロ波発生器は、前記処理室の壁面に複数設けられる請求項1に記載の基板処理装置。
  10. 前記基板を複数のサセプタとの間に挟んで保持する基板保持部を備える請求項1に記載の基板処理装置。
  11. 処理室内へ基板を搬入する工程と、
    前記処理室内へ冷却ガスを導入しながらマイクロ波発生器から発生されるマイクロ波により前記処理室内の基板を加熱処理する工程と、
    前記処理室の上部の内部温度を測定する工程と、
    前記内部温度が下限閾値以上、且つ上限閾値以下の場合に前記冷却ガスを所定の流量で前記処理室内へ導入し、前記内部温度が前記上限閾値を超える場合に前記所定の流量より多い前記冷却ガスを前記処理室内へ導入し、前記内部温度が前記下限閾値に満たない場合に前記所定の流量より少ない前記冷却ガスを前記処理室内へ導入する工程と、
    前記処理室の上部の四隅から、前記処理室の上部にこもった熱を前記冷却ガスと共に排出する工程と、
    前記加熱処理後の前記基板を前記処理室内から搬出する工程と、
    を備えた半導体装置の製造方法。
  12. 基板処理装置の処理室内へ基板を搬入する手順と、
    前記処理室内へ冷却ガスを導入しながらマイクロ波発生器から発生されるマイクロ波により前記基板を加熱処理する手順と、
    前記処理室の上部の内部温度を測定する手順と、
    前記内部温度が下限閾値以上、且つ上限閾値以下の場合に前記冷却ガスを所定の流量で前記処理室内へ導入し、前記内部温度が前記上限閾値を超える場合に前記所定の流量より多い前記冷却ガスを前記処理室内へ導入し、前記内部温度が前記下限閾値に満たない場合に前記所定の流量より少ない前記冷却ガスを前記処理室内へ導入する手順と、
    前記処理室の上部の四隅から、前記処理室の上部にこもった熱を前記冷却ガスと共に排出する手順と、
    前記加熱処理後の前記基板を前記処理室内から搬出する手順と、
    をコンピュータを用いて前記基板処理装置に実行させるプログラム。
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