本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.第5実施形態:
F.第6実施形態:
G.第7実施形態:
H.第8実施形態:
I.第9実施形態:
J.第10実施形態:
K.第11実施形態:
L.第12実施形態:
M.第13実施形態:
N.第14実施形態:
O.変形例:
P.上記各実施形態から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域GAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域GAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域GAの上部に放出され、その後、遊技領域GAを流下する。遊技領域GAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域GAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域GAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域GAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(大当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と上記閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1結果表示部37aと、第2結果表示部37bとを備えている。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1結果表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1結果表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。第2結果表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2結果表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
特図ユニット37は、さらに、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
可変表示ユニット40は、遊技領域GAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置によって構成されている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1結果表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2結果表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図4(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1~8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1~8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、図4(a)に示した数字1~8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1~Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。
なお、本明細書において、遊技回の1回とは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方と図柄表示装置41とにおいて、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて変動表示が開始されてから、所定の抽選結果が停止表示され、次の変動表示が開始されるまでの期間をいう。また、1回の遊技回に要する時間を表示継続時間とも呼ぶ。表示継続時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動表示時間と、所定の抽選結果が停止表示されてから次の遊技回の変動が開始されるまでの時間である停止表示時間とによって構成されている。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
さらに、図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、各種検知センサ67a~67eと、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。MPU62は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、MPU62は、各種検知センサ67a~67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されており、遊技中に遊技領域GAを流下する遊技球が各入賞口に入賞したか否かの入賞判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、MPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。
以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられ、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられ、図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられ、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1結果表示部37a及び第2結果表示部37b、並びに図柄表示装置41における表示継続時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1~C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。
RAM64には保留情報格納エリア64bが設けられている。保留情報格納エリア64bは、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報格納エリア64bに時系列的に格納される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブルとして記憶されている。
図7は、当否テーブル記憶エリア63aに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。図7(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図7(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図7(a)に示すように、大当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、図7(b)に示すように、大当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は21個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域GAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う確変抽選モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う通常抽選モードとを設定することができる。図7を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域GAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図ユニット38における1回の表示継続時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図8(a)は第1結果表示部用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2結果表示部用の振分テーブルを示している。
図8(a)の第1結果表示部用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、8R通常大当たり、16R通常大当たり、8R確変大当たり、16R確変大当たりが設定されている。8R通常大当たり及び16R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。8R通常大当たり及び16R通常大当たりにおける高頻度サポートモードは、高頻度サポートモード移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
8R確変大当たり及び16R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。8R確変大当たり及び16R確変大当たりにおける高頻度サポートモードは、次回の大当たり当選まで継続する。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~5」が8R通常大当たりに対応しており、「6~8」が16R通常大当たりに対応しており、「9~23」が8R確変大当たりに対応しており、「24~29」が16R確変大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図8(b)の第2結果表示部用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、8R通常大当たり、16R通常大当たり、8R確変大当たり、16R確変大当たりが設定されている。第2結果表示部用の振分テーブルでは、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~2」が8R通常大当たりに対応しており、「3~8」が16R通常大当たりに対応しており、「9~14」が8R確変大当たりに対応しており、「15~29」が16R確変大当たりに対応している。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
一方、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たりに振分けられる確率は同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルにおいても、第2結果表示部用の振分テーブルにおいても、16R確変大当たりに割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数と8R確変大当たりに割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数とを合計した数は、いずれも同じ21個となっている。但し、確変大当たりのうち遊技者にとって最も有利度合いが高い16R確変大当たりの発生確率は、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、当否抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに表示される図柄の停止結果を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに格納されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、大当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図4(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける表示継続時間の決定に際しては、ROM63の表示継続時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている表示継続時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングで、その格納された電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200~249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の1組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
A3.主制御装置において実行される各種処理:
次に、各遊技回の遊技を進行させるために主制御装置60のMPU62が実行するタイマ割込み処理及び通常処理について説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図9は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS101では、各種検知センサ67a~67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a~67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS102に進む。
ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS103に進む。
ステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104に進む。
ステップS104では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS104の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS104を実行した後、ステップS105に進む。
ステップS105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS105のスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図9:S104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図10は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS201では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS201において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S201:YES)、ステップS202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS204に進む。
ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS209に進む。
ステップS201において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S201:NO)、ステップS205に進み、遊技球が第2始動口34に入賞(始動入賞)したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS205において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S205:YES)、ステップS206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS207に進む。一方、ステップS205において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S205:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS208に進む。
ステップS208では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS209に進む。
ステップS209では、上述したステップS204又はステップS208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S209:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。一方、ステップS209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S209:YES)、ステップS210に進み、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS212に進む。
ステップS212では、ステップS103において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップS212を実行した後、ステップS213に進む。
ステップS213では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)を保留コマンドに格納する。その後、本始動口用の入賞処理を終了する。保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報をサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるとともに、今回の入賞に係る保留情報が、大当たりに対応しているか否か、大当たりに対応している場合にはどの種別の大当たりに対応しているか、リーチ発生に対応しているか否か等を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。この保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(図12:ステップS402)において音声発光制御装置90に送信され、保留コマンドを受信した音声発光制御装置90は、後述する確認処理(図27:ステップS1602、図29)によって、今回の入賞に係る保留情報が、大当たりに対応しているか否か、大当たりに対応している場合にはどの種別の大当たりに対応しているか、リーチ発生に対応しているか否か等を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に確認する。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
なお、主制御装置60のMPU62は、今回の入賞によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、今回の入賞に係る保留情報が、大当たりに対応しているか否か、大当たりに対応している場合にはどの種別の大当たりに対応しているか、リーチ発生に対応しているか否か等を確認する確認処理(図27のステップS1602及び図29における確認処理と同一の処理)を実行し、当該確認した結果を保留コマンドに設定する構成であってもよい。この場合、音声発光制御装置90による確認処理(図27:ステップS1602、図29)は、省略することができる。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図9:S105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図11は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS301では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS301において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S301:YES)、ステップS302に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS301において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S301:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS302において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S302:YES)、ステップS303に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS304に進む。一方、ステップS302において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S302:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS304では、ステップS103において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、本スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図12は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS401では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS402を実行した後、ステップS403に進む。
ステップS403では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS405に進む。ステップS405では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1結果表示部37a,第2結果表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS405を実行した後、ステップS406に進む。
ステップS406では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS407に進む。
ステップS407では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS408に進む。
ステップS408では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS402の外部出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS408において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S408:NO)、ステップS409及びステップS410において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS409において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS410において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップS408において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S408:YES)、ステップS402に戻り、ステップS402からステップS407までの各処理を実行する。
なお、ステップS402からステップS407の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図12:S405)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図13は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
ステップS501において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S501:YES)、ステップS502以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS501において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S501:NO)、ステップS502に進む。
ステップS502では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける変動表示中フラグ格納エリアに、変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S502:NO)、ステップS503~ステップS505の遊技回開始用処理に進む。ステップS503では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS503において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S503:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS503において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S503:NO)、ステップS504に進む。
ステップS504では、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS505に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS505では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。その後、本遊技回制御処理を終了する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。
ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S502:YES)、ステップS506~ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS506では、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、表示継続時間の一部である。具体的には、ステップS506では、RAM64の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、後述する表示継続時間の設定処理(図15:S714)において設定される。この設定された変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS506において、変動表示時間が経過していないと判定した場合には(S506:NO)、ステップS507に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS507を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS506において、変動表示時間が経過していると判定した場合には(S506:YES)、ステップS508に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(S505)において決定された結果表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。ステップS508を実行した後、ステップS509に進む。
ステップS509では、変動終了コマンドを設定する。ステップS509において設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS402にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信され、表示制御装置100では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄を確定表示(最終停止表示)させる。ステップS509を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
なお、パチンコ機10は、変動終了コマンドを利用しない構成であってもよい。この場合には、音声発光制御装置90及び表示制御装置100は、遊技回が開始されてからの経過時間をタイマカウンタ等によって計測し、所定の時間が経過したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させたり、その遊技回における最終停止図柄を確定表示(最終停止表示)させればよい。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図13:S504)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図14は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS601では、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定する。ステップS601において、第2始動保留個数RbNが「0」であると判定した場合には(S601:YES)、ステップS602~ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、一方、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S601:NO)、ステップS608~ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、図13で説明したように、合計保留個数CRNが1以上である場合である(図13:S503参照)。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留個数RaNが1以上であるか否かに関わらず、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを本データ設定処理の対象とする。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先される。
ステップS602では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS603に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS604に進む。ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS605に進む。
ステップS605では、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS605を実行した後、ステップS606に進む。
ステップS606では、各種フラグ格納エリア64eに第2結果表示部フラグが格納されている場合には当該フラグを消去し、格納されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS607へ進む。
ステップS607では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS402において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS601において、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S601:NO)、上述のように、ステップS608~ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ステップS608では、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS609に進む。ステップS609では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS610に進み、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS611に進む。
ステップS611では、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS611を実行した後、ステップS612に進む。
ステップS612では、各種フラグ格納エリア64eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリアに第2結果表示部フラグが格納されていない場合には当該フラグを格納し、格納されている場合にはその状態を維持する。その後、ステップS613に進む。
ステップS613では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS402において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図13:S505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図15は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられた高確率モードフラグ格納エリアに、高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たりに当選した場合に消去される。
ステップS701において、当否抽選モードが高確率モードでないと判定した場合には(S701:NO)、ステップS702に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、ステップS701において、高確率モードであると判定した場合には(S701:YES)、ステップS703に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。ステップS702又はステップS703を実行した後、ステップS704に進む。
ステップS704では、ステップS702又はステップS703における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS704において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S704:YES)、ステップS705~ステップS712において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS705では、RAM64に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS705において、第2結果表示部フラグが格納されていないと判定した場合には(S705:NO)、ステップS706に進み、第1結果表示部用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、8R通常大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R確変大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS705において、第2結果表示部フラグが格納されていると判定した場合には(S705:YES)、ステップS707に進み、第2結果表示部用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、8R通常大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R確変大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS706又はステップS707の処理を実行した後。ステップS708に進む。
ステップS708では、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS708において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S708:YES)、ステップS709に進む。
ステップS709では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS709を実行した後、ステップS710に進む。
ステップS710では、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)を、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける対応するエリアに格納する。具体的には、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグを格納し、15R確変大当たりである場合には15R確変フラグを格納する。その後、ステップS714に進む。
ステップS708において、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合(S708:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS711に進む。
ステップS711では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS711を実行した後、ステップS712に進む。
ステップS712では、ステップS706又はステップS707において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)を、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける対応するエリアに格納する。具体的には、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグを格納し、15R通常大当たりである場合には15R通常フラグを格納する。その後、ステップS714に進む。
ステップS704において、ステップS702又はステップS703における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S704:NO)、ステップS713に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS713を実行した後、ステップS714に進む。
ステップS714では、表示継続時間の設定処理を実行する。表示継続時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である表示継続時間を設定するための処理である。表示継続時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS714を実行した後、ステップS715に進む。
ステップS715では、RAM64に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS715において、RAM64に第2結果表示部フラグが格納されていないと判定した場合には(S715:NO)、ステップS716に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS714で設定された表示継続時間の情報が含まれている。一方、ステップS715において、第2結果表示部フラグが格納されていると判定した場合には(S715:YES)、ステップS717に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS714で設定された表示継続時間の情報が含まれている。ステップS716又はステップS717を実行した後、ステップS718に進む。
ステップS718では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、8R確変大当たりの情報、16R確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS716~ステップS718にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS402によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS718を実行後、ステップS719に進む。
ステップS719では、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS719を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<表示継続時間の設定処理>
次に、表示継続時間の設定処理について説明する。表示継続時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図15:S714)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図16は、表示継続時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS801では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU62のレジスタに記憶する。その後、ステップS802に進む。
ステップS802では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチが発生すると判定して(S802:YES)、ステップS803に進む。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合には、リーチが発生すると判定して(S802:YES)、ステップS803に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS803では、ROM63の表示継続時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得する。その後、ステップS804に進み、その表示継続時間情報に含まれる変動表示時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、表示継続時間の設定処理を終了する。
ステップS802において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S802:NO)、ステップS805に進み、表示継続時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を取得する。その後、ステップS806に進み、その表示継続時間情報に含まれる変動表示時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、表示継続時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用表示継続時間テーブルに記憶されている表示継続時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど表示継続時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど表示継続時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど表示継続時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど表示継続時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど表示継続時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど表示継続時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される表示継続時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い表示継続時間と選択され難い表示継続時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の表示継続時間テーブル、通常大当たり用の表示継続時間テーブル、外れリーチ用の表示継続時間テーブル及び完全外れ用の表示継続時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。以上のとおり、各遊技回の表示継続時間は、大当たりの有無、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図12:S406)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図17は、遊技状態移行処理を示す説明図である。ステップS901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS901において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S901:NO)、ステップS902に進み、1の遊技回の第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS902において、変動表示が終了したタイミングでないと判定した場合には(S902;NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS902において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S902:YES)、ステップS903に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、8R確変フラグ、16R確変フラグ、8R通常フラグ、16R通常フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていないと判定した場合には(S903:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS903において、上記各フラグのいずれかが格納されていると判定した場合には(S903:YES)、ステップS904に進み、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS904を実行した後、ステップS905に進む。
ステップS905では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に格納されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、16R通常フラグ、8R確変フラグ、8R通常フラグ)を確認する。ステップS905において、RAM64に格納されている大当たり種別フラグが16R確変フラグ又は16R通常フラグであると判定した場合には(S905:YES)、ステップS906に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、ステップS905において、RAM64に格納されている大当たり種別フラグが8R確変フラグ又は8R通常フラグであると判定した場合には(S905:NO)、ステップS907に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS906又はステップS907を実行した後、ステップS908に進む。
ステップS908では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS402にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS908を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS901において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S901:YES)、ステップS909に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS909を実行した後、ステップS910に進む。
ステップS910では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S910:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S910:YES)、ステップS911に進み、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS402において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS911を実行した後、ステップS912に進む。
ステップS912では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理は、今回の開閉実行モードが終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。開閉実行モード終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS912を実行した後、ステップS913に進む。
ステップS913では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。その後、ステップS914に進み、開閉実行モードの終了処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグが格納されている場合にはこれらのフラグを消去し、これらのフラグが格納されていない場合にはその状態を維持する。ステップS914を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図17:S909)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図18は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS1001では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS1001において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S1001:NO)、ステップS1002に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1002において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1002:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1002において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1002:NO)、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1003において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S1003:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1003において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S1003:YES)、ステップS1004に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS1005に進む。
ステップS1005では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS1005を実行した後、ステップS1006に進む。
ステップS1006では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図12:ステップS402)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS1001において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS1001:YES)、ステップS1007に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS1007において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S1007:NO)、ステップS1008に進む。
ステップS1008では、大入賞口36aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS1008において、入賞が発生していないと判定した場合には(S1008:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1008において、入賞が発生していると判定した場合には(S1008:YES)、ステップS1009に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS1010に進む。
ステップS1010では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1010において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S1010:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1007において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(S1007:YES)、又は、ステップS1010において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S1010:YES)、ステップS1011に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS1012に進む。
ステップS1012では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS1013に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1013において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1013:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1013において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1013:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS1014を実行した後、ステップS1015に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図12:ステップS402)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
それに対応した処理を実行する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図17:S912)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図19は、開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS1101では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、RAM64に16R確変フラグ又は8R確変フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1101において、RAM64に16R確変フラグ又は8R確変フラグが格納されていると判定した場合には(S1101:YES)、ステップS1102に進み、フラグ消去処理を実行する。フラグ消去処理とは、遊技状態を特定するための情報を消去する処理である。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、これらのフラグが格納されていない場合には、その状態を維持する。ステップS1102を実行した後、ステップS1103に進む。
ステップS1103では、高確率モードフラグを格納し、その後、ステップS1104に進み、高頻度サポートフラグを格納する。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS1105に進む。
ステップS1105では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS1101において、RAM64に、16R通常フラグ又は8R通常フラグが格納されていると判定した場合には(S1101:NO)、ステップS1106に進み、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1107に進む。
ステップS1107では、高頻度サポートフラグを格納した後、ステップS1108に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。遊技回数カウンタエリアにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが低確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、この場合、高頻度サポートモードは遊技回が100回実行された後に終了し、その後は、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。ステップS1108を実行した後、本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図12:S407)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図20は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS1201では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合に格納され、閉鎖状態に復帰させる場合に消去されるフラグである。ステップS1201において、サポート中フラグが格納されていないと判定した場合には(S1201:NO)、ステップS1202に進む。
ステップS1202では、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。ステップS1202において、サポート当選フラグが格納されていないと判定した場合には(S1202:NO)、ステップS1203に進む。
ステップS1203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の表示継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS1203において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1203:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1203:YES)、ステップS1204に進む。
ステップS1204では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1204において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S1204:YES)、ステップS1205に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS1204において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S1204:NO)、ステップS1206に進む。
ステップS1206では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS1206において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S1206:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1206において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S1206:YES)、ステップS1207に進む。
ステップS1207では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS1208に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1207において開閉実行モードではなく(S1207:NO)、且つ、ステップS1208において高頻度サポートモードである場合には(S1208:YES)、ステップS1209に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0~190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS1210に進む。
ステップS1210では、ステップS1209の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS1210において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S1210:YES)、ステップS1211に進み、サポート当選フラグを格納するとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS1212に進む。一方、ステップS1210において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S1210:NO)、ステップS1211の処理を実行することなく、ステップS1212に進む。
ステップS1212では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS1212において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S1212:YES)、ステップS1213に進む。一方、ステップS1212において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S1212:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1213では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS1213において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S1213:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1213において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS1214に進み、高頻度サポートフラグを消去する。その後、ステップS1215に進む。
ステップS1215では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS1215にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図12:ステップS402)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS1207において開閉実行モードであると判定した場合(S1207:YES)、又は、ステップS1218において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S1208:NO)、ステップS1216に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0~190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS1217に進む。
ステップS1217では、ステップS1216の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS1217において、サポート当選でないと判定した場合には(S1217:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1217において、サポート当選であると判定した場合には(S1217:YES)、ステップS1218に進み、サポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1202において、サポート当選フラグが格納されていると判定した場合には(S1202:YES)、ステップS1219に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の表示継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1219において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1219:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1219において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1219:YES)、ステップS1220に進む。
ステップS1220では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS1221に進み、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1201において、サポート中フラグが格納されていると判定した場合には(S1201:YES)、ステップS1222に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図20:S1222)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図21は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップS1301では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S1301:YES)、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1302において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1302:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS1302において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1302:YES)、ステップS1303に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS1303を実行した後、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS1305に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1305において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S1305:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS1305において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S1305:YES)、ステップS1306に進み、サポート中フラグを消去する。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップS1301において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S1301:NO)、ステップS1307に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1307において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S1307:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS1307において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S1307:YES)、ステップS1308に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS1309に進む。
ステップS1309では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S1309:NO)、ステップS1310に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS1310において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S1310:YES)、ステップS1311に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS1309において開閉実行モードであると判定した場合(S1309:YES)、又は、ステップS1310において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S1310:NO)、ステップS1312に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
A4.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図22は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、保留確認用テーブル記憶エリア93a、既視感予告発生テーブル記憶エリア93b、既視感予告用予告演出テーブル記憶エリア93c、既視感予告用停止図柄テーブル記憶エリア93d、変動表示パターンテーブル記憶エリア93e等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ格納エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c、既視感予告用予告演出記憶エリア94d等が設けられている。これらの詳細については後述する。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
A5.既視感予告:
A5-1.既視感予告の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10によって実行される既視感予告の概要について説明する。
図23は、本実施形態のパチンコ機10によって実行される既視感予告の一例を示すタイムチャートである。図24は、既視感予告が実行された場合に図柄表示装置41に表示される画像の一例を示す説明図である。既視感予告とは、少なくとも1つの演出要素を同一の内容で複数回実行させることによって、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与える演出である。演出要素とは、遊技演出を構成する一単位であり、例えば、所定の画像(静止画又は動画)を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、ミニキャラクター等の所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出(ミニキャラ予告演出)、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、所定の図柄の組合せを擬似的に停止させる図柄擬似停止演出、所定の図柄の組合せを完全に停止させる図柄完全停止演出等を挙げることができる。
本実施形態のパチンコ機10は、保留情報に基づいて、既視感予告の発生条件が満たされたか否かの判定、すなわち、既視感予告を発生させるか否かの判定を行なう。そして、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を同一の内容で複数回実行する。さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かの判定を、当該判定の対象となった保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する。
具体的には、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入賞し、保留情報を取得した場合に、下記の条件を満たすことを確認した上で、後述する既視感予告発生抽選処理を実行する。既視感予告発生抽選処理に当選した場合には、既視感予告の発生条件が満たされることとなる。
(条件1)既に記憶されている保留情報の中に大当たりに対応する保留情報が含まれていないこと
(条件2)第1始動口33に遊技球が入賞した場合には、今回の入賞に係る保留情報を含めた合計保留個数CRNが2以上であること
(条件3)第2始動口34に遊技球が入賞した場合には、今回の入賞に係る保留情報を含めた第2始動保留個数RbNが2以上であること
条件1の理由は、大当たりに対応する保留情報に係る遊技回と、今回入賞した保留情報に係る遊技回とを利用して、同一の内容の演出要素を複数回実行したとしても、大当たりに対応する保留情報に係る遊技回の後に大当たり演出が実行されるため、複数回実行した同一の内容の演出要素の連続性が中断され、遊技者に対して既視感を与えにくくなるからである。条件2及び条件3の理由は、今回の入賞に係る保留情報を含めた保留個数が2以上であれば、複数の遊技回に亘って既視感予告を実行することができるからである。なお、条件3において、第2始動保留個数RbNが基準となっている理由は、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34の入賞によって取得された保留情報は、第1始動口33の入賞によって取得された保留情報よりも優先して大当たり抽選の対象となるからである。ただし、これらの条件は例示であり、他の条件が課されてもよく、条件が無くてもよい。例えば、1回の遊技回において同一の内容の演出要素を複数回実行する構成とする場合には、これらの条件は無くてもよい。
本実施形態の既視感予告発生抽選処理では、今回の入賞に係る保留情報が、後に大当たり抽選の対象となった際に大当たり当選又はリーチ発生となる保留情報である場合のみ、既視感予告発生に当選しうるようになっている。この理由は、大当たり当選又はリーチ発生となる保留情報に係る遊技回では、比較的長い表示継続時間が設定されるため、後述する示唆演出や戦闘演出等を実行しやすいからである。そして、既視感予告発生抽選処理に当選した場合には、既視感予告の発生条件が満たされることとなり、パチンコ機10は、当該既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を同一の内容で複数回実行する。
図23(A)に示した例1では、合計保留個数CRNが2であるタイミングで第1始動口33に遊技球が入賞して合計保留個数CRNが3となり、当該入賞に係る保留情報に基づいて上記の判定が行なわれた結果、既視感予告の発生条件が満たされた場合を示している。そして、3回目の遊技回として示されている遊技回P03が、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報に係る遊技回である。
図23(A)に示した例1では、パチンコ機10は、同一の内容で複数回実行する演出要素Aとして、同一の内容のカットイン予告演出Aを選択し、当該同一の内容のカットイン予告演出Aを、3回の遊技回P01,P02,P03のそれぞれにおいて1回ずつ実行している。すなわち、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報に係る遊技回が終了するまでに、連続した遊技回の全てにおいてカットイン予告演出Aをそれぞれ実行している。
また、図23に示した例1では、パチンコ機10は、1回目の遊技回P01において外れ図柄A(例えば、「1、2、3」の図柄の組み合わせ)を完全に停止させる図柄完全停止演出を実行するとともに、2回目の遊技回P02においても同一の外れ図柄Aを完全に停止させる図柄完全停止演出を実行する。すなわち、パチンコ機10は、同一の内容で複数回実行する演出要素として、同一の外れ図柄Aを完全に停止させるという同一の内容の図柄完全停止演出を選択し、当該同一の内容の図柄完全停止演出を複数回実行している。
また、図23に示した例1では、パチンコ機10は、3回目の遊技回P3においてカットイン予告演出Aを実行した後に、外れ図柄Aを擬似的に停止させる図柄擬似停止演出を実行している。図柄擬似停止演出は、図柄を完全には停止させないという点で、厳密には図柄完全停止演出とは異なっている。しかし、図柄の組み合わせを擬似的に停止させた場合と完全に停止させた場合とで、遊技者が認識し得る演出の態様は酷似している。したがって、本明細書では、図柄擬似停止演出は、擬似停止させる図柄の組み合わせの内容が同一であれば、図柄を完全に停止させる図柄完全停止演出と、同一の内容の演出要素であるものとみなし、以下では、図柄完全停止演出と図柄擬似停止演出とを合わせて、図柄停止演出とも呼ぶ。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、同一の内容の演出要素を複数回実行した後に、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を実行する。図24に示した例では、示唆演出は、「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを女性のキャラクターが遊技者に投げかける画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、示唆演出は、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆することができれば、他の態様であってもよく、例えば、「ひょっとして、デジャブ?」、「デジャブなのか?」、「デジャブ?」、「デジャブは大当たりの前兆かも?」、「この演出、見覚えがある!」、「あれ?さっきも同じ演出を見たような...」、「これが、既視感!?」、「同じ演出ばかりじゃ、飽きちゃうよね...」等といったメッセージを含む画像を図柄表示装置41に表示させたり、これらのメッセージを含む音声をスピーカー46から出力させる演出等であってもよい。
なお、図23に示した例では、パチンコ機10は、示唆演出を実行した後、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが対決する戦闘演出を実行し、その後、大当たり抽選の結果に対応した結果演出(大当たりに当選した場合は勝利演出、外れ結果となった場合は敗北演出等)を実行する。図24に示した例では、戦闘演出は、遊技者側の女性キャラクターと敵側の男性キャラクターとが対決する画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、戦闘演出は他の態様であってもよく、省略してもよい。また、図24に示した例では、勝利演出は、遊技者側の女性キャラクターが勝利に喜ぶ画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果演出としての勝利演出は他の態様であってもよく、省略してもよい。その後、大当たりに当選した場合には、大当たりの種別に対応した大当たり演出を実行する。
本実施形態のパチンコ機10によれば、同一の内容の演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、大当たりに当選する可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に大当たりに当選することを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、単発で実行される演出要素の種類毎に異なる信頼度(期待度)を設定することができるので、例えば、信頼度の高い演出要素が同一の内容で複数回実行された場合には、遊技者は、大当たりに当選する可能性が非常に高いのではないかと強く期待するようになり、一方、信頼度の低い演出要素が実行された場合であっても、遊技者は、その演出要素が同一の内容で複数回実行されることを期待するようになり、演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができる。
また、大当たりに当選する可能性が高いことを直接的に示唆する演出、例えば、先読み保留ランプ等を通常時とは異なる色に点灯させる演出が実行されていない場合であっても、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かに注目するという遊技を付加することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、示唆演出を実行するので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。そして、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された場合に、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことは偶然に過ぎないのか、それとも、示唆演出を伴う既視感予告であったのかを、示唆演出が実行されるか否かによって確認するようになり、示唆演出が実行されることを期待するようになる。したがって、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、演出要素として、遊技者による演出操作ボタン24の操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素(ボタン演出)を実行することが可能であるが、既視感予告の発生条件が満たされた場合には、複数回実行させる演出要素として、ボタン演出を選択しないように構成されている。この理由について説明する。ボタン演出は、複数回実行された場合に、遊技者による演出操作ボタン24の入力操作の態様(例えば、演出操作ボタン24の押下の有無や、タイミング、押下の回数等)によって異なる内容で実行される場合がある。このため、仮に、既視感予告の発生条件が満たされ、パチンコ機10が同一の種類のボタン演出を複数回実行した場合であっても、演出操作ボタン24の入力操作の態様によっては、ボタン演出が異なる内容で実行されてしまい、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。これに対して、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数回実行させる演出要素として、ボタン演出を選択しないので、遊技者による演出操作ボタン24の入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であっても、複数回実行させる演出要素としてボタン演出を選択した場合には、既視感予告の実行を取り止めるように構成されていてもよい。
また、上述したように、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10は、上述したように、各遊技回に要する時間である表示継続時間を、各遊技回を開始する直前に決定する。このため、既視感予告の発生条件が満たされ、既視感予告において複数回実行する演出要素(例えば、カットイン予告演出)の種別をランダムに選択すると、各遊技回の表示継続時間内で実行することのできない長さの演出要素を選択してしまう場合がある。そこで、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合には、各遊技回において選択され得る表示継続時間の中で最も短い表示継続時間以下で実行可能な演出要素を、複数回実行する対象の演出要素として選択し、当該選択した演出要素を各遊技回において実行する。このようにすれば、各遊技回毎に決定された表示継続時間が異なっている場合であっても、各遊技回で同一の内容の演出要素を確実に実行することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、選択した演出要素を実行する対象である遊技回の表示継続時間の長さが、当該選択した演出要素を複数回実行可能な長さである場合には、当該1遊技回において当該選択した同一の内容の演出要素を複数回実行する。
図23(B)に示した例2では、2回目の遊技回P02の表示継続時間T2が、演出要素A(例えば、カットイン予告演出A)に要する時間の2倍以上の長さであるため、パチンコ機10は、同一の演出要素Aを遊技回P02において2回実行している。なお、パチンコ機10は、2回目の遊技回P02における1回目の演出要素Aの終了後に、1回目の遊技回P01において停止させた外れ図柄Aと同一の外れ図柄A(例えば、「1、2、3」の図柄の組み合わせ)を擬似的に停止させる図柄擬似停止演出を1回実行している。このため、遊技者に与える既視感をさらに強めることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、複数回実行する対象である同一の内容の演出要素(以下、既視感予告用の演出要素とも呼ぶ)を、より多くの回数実行することができるので、遊技者に対して既視感を強く認識させることができる。また、1遊技回の表示継続時間の長さによって、既視感予告用の演出要素が実行される回数が増減するので、遊技者の期待感に抑揚を与えることができる。
さらに、既視感予告用の演出要素は、各遊技回毎に決定され得る表示継続時間の中で最も短い表示継続時間以下で実行可能な演出要素であるので、1回の実行に要する時間は、1遊技回の表示継続時間の長さ以下である。よって、1遊技回において既視感予告用の演出要素を1回実行しても、表示継続時間に余剰時間が生じる場合がある。本実施形態のパチンコ機10によれば、1遊技回の表示継続時間の長さが、既視感予告用の演出要素(同一の内容の演出要素)を複数回実行可能な長さである場合には、当該1遊技回において当該同一の内容の演出要素を複数回実行するので、表示継続時間の余剰時間を最小限に抑えることができる。
なお、上記の例では、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報に係る遊技回が終了するまでに、連続した遊技回の全てにおいて演出要素Aをそれぞれ実行しているが、パチンコ機10は、同一の内容の演出要素を複数回実行すればよく、例えば、遊技回P01と遊技回P03においてのみ、演出要素Aを実行してもよい。
以下では、特に、既視感予告において同一の内容で複数回実行する演出要素として特定の予告演出を選択した場合に、当該選択した予告演出を「既視感予告用の予告演出」とも呼ぶ。また、既視感予告において同一の内容で複数回実行する演出要素として、特定の図柄の組み合わせを完全に停止又は擬似的に停止させる図柄停止演出を選択した場合に、当該選択した図柄停止演出において停止又は擬似的に停止させる特定の図柄の組み合わせを「既視感予告用の停止図柄」とも呼ぶ。
A5-2.既視感予告に係る制御:
次に、パチンコ機10において上述した既視感予告を実行するための具体的な制御の一例を説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図25は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS1401では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に格納するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップS1401を実行した後、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS1402を実行した後、ステップS1403に進む。
ステップS1403では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS1402のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS1403を実行した後、ステップS1404に進む。
ステップS1404では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS1402のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS1404を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図25:S1402)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図26は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS1501では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1501において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(S1501:YES)、ステップS1502に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、保留コマンドに設定されている情報に基づいて、上述した既視感予告に関する処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS1502を実行した後、ステップS1503に進む。一方、ステップS1501において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S1501:NO)、ステップS1502を実行することなく、ステップS1503に進む。
ステップS1503では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1503において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S1503:YES)、ステップS1504に進み、演出設定処理を実行する。演出設定処理では、今回の遊技回において実行される予告演出や、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。演出設定処理の詳細については後述する。ステップS1504を実行した後、ステップS1505に進む。一方、ステップS1503において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S1503:NO)、ステップS1504を実行することなく、ステップS1505に進む。
ステップS1505では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1505において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S1505:YES)、ステップS1506に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS1507に進む。一方、ステップS1505において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1505:NO)、ステップS1506を実行することなく、ステップS1507に進む。
ステップS1507では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1507おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S1507:YES)、ステップS1508に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後の遊技状態の内容を特定し、その遊技状態の内容に対応したエンディング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたエンディング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS1509に進む。一方、ステップS1507において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1507:NO)、ステップS1508を実行することなく、ステップS1509に進む。
ステップS1509では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図26:S1502)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図27は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS1601では、入賞時の更新処理を実行する。入賞時の更新処理では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS1601の入賞時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS1601を実行した後、ステップS1602に進む。
ステップS1602では、確認処理を実行する。確認処理では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが大当たりに対応しているか否か、リーチ発生に対応しているか否か等を音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS1602の確認処理の詳細については後述する。ステップS1602を実行した後、ステップS1603に進む。
ステップS1603では、既視感予告用処理を実行する。既視感予告用処理では、上述した既視感予告の発生条件が満たされるか否かを判定するための処理を実行するとともに、既視感予告の発生条件が満たされた場合に、既視感予告を実行するための設定処理を実行する。ステップS1603の既視感予告用処理の詳細については後述する。ステップS1603を実行した後、本保留コマンド対応処理を終了する。
<入賞時の更新処理>
次に、入賞時の更新処理について説明する。入賞時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図27:S1601)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図28は入賞時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS1701では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS1701において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S1701:YES)、ステップS1702に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS1702を実行した後、ステップS1704に進む。
ステップS1701において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S1701:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS1703に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS1703を実行した後、ステップS1704に進む。
ステップS1702及びステップS1703の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS1704では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS1704を実行した後、本入賞時の更新処理を終了する。
<確認処理>
次に、確認処理について説明する。確認処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図27:S1602)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。なお、上述したように、保留コマンドに、大当たり当選の有無や、大当たり種別、リーチ発生の有無等の情報が既に設定されている場合には、この確認処理は省略することができる。
図29は、確認処理を示すフローチャートである。上述したように、確認処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合に実行される処理である。以下、確認処理において実行される各ステップの処理について説明する。なお、以下の各ステップで説明する音光側ROM93の保留確認用テーブル記憶エリア93aに記憶されている各テーブルの内容は、主側ROM63の当否テーブル記憶エリア63a、振分テーブル記憶エリア63b、及びリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されている各テーブルの内容と同一である。
ステップS1801では、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれている大当たり乱数カウンタC1の値の情報を把握する。その後、ステップS1802に進み、現在の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに高確率モードフラグが格納されていない場合には、低確率モードであると判定し、高確率モードフラグが格納されている場合には、低確率モードでない、すなわち、高確率モードであると判定する。なお、高確率モードフラグは、主側MPU62から高確率モードコマンドを受信した場合に格納される。
ステップS1802において、低確率モードであると判定した場合には(S1802:YES)、ステップS1803に進み、音光側ROM93の保留確認用テーブル記憶エリア93aに記憶されている低確率モード用当否テーブルを参照する。その後、ステップS1805に進み、低確率モード用当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。一方、ステップS1802において、低確率モードでないと判定した場合には(S1802:NO)、ステップS1804に進み、音光側ROM93の保留確認用テーブル記憶エリア93aに記憶されている高確率モード用当否テーブルを参照する。その後、ステップS1805に進み、高確率モード用当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS1805において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応していると判定した場合には(S1805:YES)、ステップS1806に進み、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれている大当たり種別カウンタC2の値の情報を把握する。その後、ステップS1807に進み、音光側ROM93の保留確認用テーブル記憶エリア93aに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。
ステップS1808では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値の情報が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS1808において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S1808:YES)、ステップS1809に進み、音光側MPU92のレジスタに確変大当たり情報を一時記憶させる。その後、本確認処理を終了する。一方、ステップS1808において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S1808:NO)、ステップS1810に進み、音光側MPU92のレジスタに通常大当たり情報を一時記憶させる。その後、本確認処理を終了する。
ステップS1805において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S1805:NO)、ステップS1811に進み、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれているリーチ乱数カウンタC3の値の情報を把握する。その後、ステップS1812に進み、音光側ROM93の保留確認用テーブル記憶エリア93aに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS1813に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値の情報が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS1813において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S1813:YES)、ステップS1814に進み、音光側MPU92のレジスタにリーチ発生情報を一時記憶させる。その後、本確認処理を終了する。一方、ステップS1813において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S1813:NO)、そのまま本確認処理を終了する。
<既視感予告用処理>
次に、既視感予告用処理について説明する。既視感予告用処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図27:S1603)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図30は、既視感予告用処理を示すフローチャートである。ステップS1901では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS1901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S1901:NO)、すなわち、第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS1902に進む。
ステップS1902では、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに第1既視感予告フラグが格納されているか否かを判定する。第1既視感予告フラグは、第1始動口33への入賞に基づいた保留情報を契機として上述した既視感予告を開始する場合に格納され、当該既視感予告を終了する場合に消去されるフラグである。
ステップS1902において、第1既視感予告フラグが格納されていると判定した場合には(S1902:YES)、ステップS1903に進み、第1既視感予告フラグを消去するとともに、ステップS1904に進み、音光側RAM94の既視感予告用カウンタエリアに「0」をセットする。その後、ステップS1905に進む。
既視感予告用カウンタエリアは、既視感予告を実行するように設定した場合に、その既視感予告をその後に何回の遊技回に亘って実行するかを音光側MPU92にて特定するための計測手段である。後述するように、既視感予告用カウンタエリアには、保留個数の情報が設定され、新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新される。そして、更新後において既視感予告用カウンタエリアに記憶されている情報が初期値である「0」となっている場合に、その時点で格納されている既視感予告フラグが消去される。
ここで、保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものである場合、換言すれば、第2始動口34への入賞があった場合に、第1既視感予告フラグを消去する理由について説明する。本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34への入賞に係る保留情報は、第1始動口33への入賞に係る保留情報よりも優先して大当たり抽選の対象となるため、第2始動口34への入賞があった場合には、保留情報の大当たり抽選の順序が変更されてしまい、第1始動口33への入賞を契機として既に設定されていた既視感予告の前提が崩れてしまう。そこで、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34への入賞があった場合には、第1既視感予告フラグを消去することによって、前提が崩れてしまった既視感予告の実行をキャンセルすることとした。
ステップS1902において、第1既視感予告フラグが格納されていないと判定した場合には(S1902:NO)、ステップS1903及びステップS1904を実行することなく、ステップS1905に進む。
ステップS1901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S1901:YES)、ステップS1902、ステップS1903及びステップS1904を実行することなく、すなわち、第1既視感予告フラグの消去を実行することなく、ステップS1905に進む。
次に説明するステップS1905からステップS1911までの処理では、大当たり保留フラグに関する処理を実行する。したがって、ステップS1905からステップS1911までの処理の説明に先立って、大当たり保留フラグ、当該大当たり保留フラグを消去するか否かの判定に用いられる第1消去用カウンタエリア及び第2消去用カウンタエリアについて説明する。
大当たり保留フラグは、主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の中に、大当たりに対応した保留情報が含まれている場合に、それを音光側MPU92にて特定するための情報である。大当たり保留フラグの消去処理は、大当たり保留フラグが格納されている状況において、後述する第1消去用カウンタエリア及び第2消去用カウンタエリアに記憶されている情報の両方が初期値である「0」となっている場合に実行される。
第1消去用カウンタエリアは、第1結果表示部用保留エリアRaに大当たりに対応した保留情報が記憶されている場合に、当該保留情報が遊技回の開始対象となって第1結果表示部用保留エリアRaから消去されるタイミングを音光側MPU92にて特定するための計測手段である。当該第1消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報(すなわち、第1始動口33への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新される。
第2消去用カウンタエリアは、第2結果表示部用保留エリアRbに大当たりに対応した保留情報が記憶されている場合に、当該保留情報が遊技回の開始対象となって第2結果表示部用保留エリアRbから消去されるタイミングを音光側MPU92にて特定するための計測手段である。当該第2消去用カウンタエリアに設定された保留個数の情報は、後述するように、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報(すなわち、第2始動口34への入賞に基づき取得された保留情報)について新たに遊技回が開始されるたびに1減算されるように更新される。以下、大当たり保留フラグに関する処理の説明に戻る。
ステップS1905では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが大当たりに対応した保留コマンドであるか否かを判定する。ステップS1905において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが大当たりに対応した保留コマンドであると判定した場合には(S1905:YES)、ステップS1906に進み、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。
ステップS1906において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S1906:YES)、ステップS1907に進み、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる第1保留個数の情報を特定するとともに、特定した第1保留個数の情報を第1消去用カウンタエリアに対して設定する。ステップS1907を実行した後、ステップS1909に進む。
ステップS1906において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S1906:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS1908に進み、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる第2保留個数の情報を特定するとともに、特定した第2保留個数の情報を第2消去用カウンタエリアに対して設定する。ステップS1908を実行した後、ステップS1909に進む。
ステップS1909では、音光側RAM94に大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1909において大当たり保留フラグが格納されていると判定した場合には(S1909:YES)、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。一方、ステップS1909において大当たり保留フラグが格納されていないと判定した場合には(S1909:NO)、ステップS1910に進み、音光側RAM94に大当たり保留フラグを格納する。ステップS1910を実行した後、ステップS1912に進む。
ステップS1905において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが大当たりに対応した保留コマンドでないと判定した場合には(S1905:NO)、ステップS1911に進み、音光側RAM94に大当たり保留フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1911において、音光側RAM94に大当たり保留フラグが格納されていないと判定した場合には(S1911:NO)、ステップS1912に進む。一方、ステップS1911において音光側RAM94に大当たり保留フラグが格納されていると判定した場合には(S1911:YES)、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。
上記のステップS1905からステップS1911までの処理で説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり保留フラグが既に格納されている場合には(S1909:YES、S1911:YES)、既視感予告を実行するための各種設定が行われない。これにより、既に主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに大当たりに対応した保留情報が記憶されている状況において、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に基づいて新たな保留情報が取得されたとしても、既視感予告を実行するための各種設定は行われない。
ステップS1912では、音光側RAM94に第1既視感予告フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1912において、第1既視感予告フラグが格納されていると判定した場合には(S1912:YES)、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。すなわち、第1既視感予告フラグが格納されている場合には、ステップS19の既視感予告発生抽選処理を実行しない。一方、ステップS1912において、第1既視感予告フラグが格納されていないと判定した場合には(S1912:NO)、ステップS1913に進む。
ステップS1913では、音光側RAM94に第2既視感予告フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1913において、第2既視感予告フラグが格納されていると判定した場合には(S1913:YES)、そのまま本保留コマンド対応処理を終了する。すなわち、第2既視感予告フラグが格納されている場合には、ステップS1917の既視感予告発生抽選処理を実行しない。一方、ステップS1913において、第2既視感予告フラグが格納されていないと判定した場合には(S1913:NO)、ステップS16に進む。
すなわち、既に第1始動口33への入賞に係る保留情報又は第2始動口34への入賞に係る保留情報のいずれかに基づいて既視感予告を実行するように既に設定されている状況においては、新たに保留コマンドを受信したとしても、既視感予告を実行するための新たな設定は行わない。
ステップS1914では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS1914において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S1914:YES)、ステップS1915に進み、合計保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数が2個以上であるか否かを判定する。
ステップS1915において、合計保留個数が2個以上であると判定した場合には(S1915:YES)、ステップS1917に進み、既視感予告発生抽選処理を実行する。既視感予告発生抽選処理の詳細については後述する。一方、ステップS1915において、合計保留個数が2個以上でないと判定した場合には(S1915:NO)、ステップS1917の既視感予告発生抽選処理を実行することなく、本保留コマンド対応処理を終了する。
ステップS1914において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S1914:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS1916に進み、第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数が2個以上であるか否かを判定する。
ステップS1916において、第2保留個数が2個以上であると判定した場合には(S1916:YES)、ステップS1917に進み、既視感予告発生抽選処理を実行する。一方、ステップS1916において、第2保留個数が2個以上でないと判定した場合には、ステップS1917の既視感予告発生抽選処理を実行することなく、本既視感予告用処理を終了する。
すなわち、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものである場合には、合計保留個数が2個以上である場合に限り、既視感予告発生抽選処理を実行する。一方、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものである場合には、第2保留個数が2個以上である場合に限り、既視感予告発生抽選処理を実行する。この理由は、本実施形態のパチンコ機10では、2回以上の遊技回を利用して既視感予告を実行するからである。なお、保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものである場合に、第2保留個数を基準とする理由は、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34の入賞によって取得された保留情報は、第1始動口33の入賞によって取得された保留情報よりも優先して大当たり抽選の対象となるからである。
<既視感予告発生抽選処理>
次に、既視感予告発生抽選処理について説明する。既視感予告発生抽選処理は、既視感予告用処理のサブルーチン(図30:S1917)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図31は、既視感予告発生抽選処理を示すフローチャートである。ステップS2001では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが大当たり又はリーチ発生に対応しているか否かを判定する。ステップS2001において、大当たり又はリーチ発生のいずれにも対応していないと判定した場合には(S2001:NO)、本既視感予告発生抽選処理を終了する。一方、ステップS2001において、大当たり又はリーチ発生に対応していると判定した場合には(S2001:YES)、ステップS2002に進み、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから既視感予告用乱数カウンタ値(数値情報)を読み出すとともに、音光側ROM93の既視感予告発生テーブル記憶エリア93bに記憶されている既視感予告発生テーブルを参照し、ステップS2003において、上記読み出した既視感予告用乱数カウンタ値が既視感予告発生当選に対応しているか否かを判定する。
なお、既視感予告発生当選となる確率は、任意に設定することができる。例えば、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりに対応した保留コマンドを受信した場合には、大当たり用の既視感予告発生テーブルを参照するように構成されており、当該大当たり用の既視感予告発生テーブルは、10分の7の確率で保留予告発生当選となるように設定されている。一方、リーチ発生に対応した保留コマンドを受信した場合には、リーチ用の既視感予告発生テーブルを参照するように構成されており、当該リーチ用の既視感予告発生テーブルは、10分の1の確率で保留予告発生当選となるように設定されている。
ステップS2003において、既視感予告用乱数カウンタ値が既視感予告発生当選に対応していないと判定した場合には(S2003:NO)、本既視感予告発生抽選処理を終了する。一方、ステップS2003において、既視感予告用乱数カウンタ値が既視感予告発生当選に対応していると判定した場合には(S2003:YES)、既視感予告の発生条件が満たされたことになり、ステップS2004に進む。
ステップS2004では、既視感予告用の予告演出の決定処理を実行する。具体的には、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから予告演出用乱数カウンタ値(数値情報)を読み出すとともに、音光側ROM93の既視感予告用予告演出テーブル記憶エリア93cに記憶されている既視感予告用予告演出テーブルを参照し、予告演出用乱数カウンタ値に対応した既視感予告用の予告演出を決定する。既視感予告用予告演出テーブルには、主側ROM63の表示継続時間テーブルに記憶されている表示継続時間のうち最も短い表示継続時間以下で実行可能な予告演出の内容と、予告演出用乱数カウンタ値とが対応付けて記憶されている。なお、本実施形態では、抽選によって決定された予告演出用乱数カウンタ値と、既視感予告用予告演出テーブルとを用いて既視感予告用の予告演出を決定する構成としたが、予め定められた所定の予告演出を、既視感予告用の予告演出として用いる構成であってもよい。この場合、予め定めされた所定の予告演出は、主側ROM63の表示継続時間テーブルに記憶されている表示継続時間のうち最も短い表示継続時間以下で実行可能な予告演出である。また、例えば、今回の既視感予告用の予告演出は予告演出A、次回に既視感予告の発生条件が満たされた場合に決定する既視感予告用の予告演出は予告演出Bといったように、決定する既視感予告用の予告演出の順番を予め設定しておいてもよい。このように、パチンコ機10は、種々の方法を採用して、各遊技回において実行する既視感予告用の予告演出の種類や内容を意図的、能動的に決定することができる。
ステップS2004を実行した後、ステップS2005に進み、決定した既視感予告用の予告演出の種類情報を、音光側RAM94の既視感予告用予告演出記憶エリア94dに記憶する。その後、ステップS2006に進む。
ステップS2006では、既視感予告用の停止図柄の決定処理を実行する。具体的には、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから停止図柄用乱数カウンタ値(数値情報)を読み出すとともに、音光側ROM93の既視感予告用停止図柄テーブル記憶エリア93dに記憶されている既視感予告用停止図柄テーブルを参照し、停止図柄用乱数カウンタ値に対応した停止図柄を決定する。なお、既視感予告用の停止図柄としては、外れ結果用の停止図柄が決定される。ステップS2006を実行した後、ステップS2007に進み、決定した既視感予告用の停止図柄の種類情報を、音光側RAM94に記憶する。その後、ステップS2008に進む。
ステップS2008では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS2008において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S2008:YES)、ステップS2009に進み、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに第1既視感予告フラグを格納する。その後、ステップS2010に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに格納されている情報を、音光側RAM94の既視感予告用カウンタエリアに設定する。その後、本既視感予告用処理を終了する。これにより、第1始動口33に係る保留情報を契機として既視感予告を実行すべき状態に設定される。
ステップS2008において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合には(S2008:NO)、ステップS2011に進み、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに第2既視感予告フラグを格納する。その後、ステップS2012に進み、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに格納されている情報を、音光側RAM94の既視感予告用カウンタエリアに設定する。その後、本既視感予告用処理を終了する。これにより、第2始動口34に係る保留情報を契機として既視感予告を実行すべき状態に設定される。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図26:S1504)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図32は、演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップS2101では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、リーチ発生の有無の情報及び表示継続時間の情報を特定するとともに、今回受信した種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は外れ結果の情報といった大当たり抽選の結果の情報を特定する。そして、ステップS2101では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び表示継続時間の情報を把握し、その把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。ステップS2101を実行した後、ステップS2102に進む。
ステップS2102では、音光側RAM94に既視感予告フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2102において、既視感予告フラグが格納されていると判定した場合(S2102:YES)、すなわち、既視感予告の発生条件が満たされている場合には、ステップS2103に進み、既視感予告に対応した演出の設定処理を実行する。当該処理では、既視感予告を実行する今回の遊技回において、図31のS2004において決定された既視感予告用の予告演出を実行するとともに、図31のS2006において決定された既視感予告用の停止図柄を用いた図柄停止演出を実行するように設定する。既視感予告に対応した演出の設定処理の詳細については後述する。
ステップS2102において既視感予告フラグが格納されていないと判定した場合には(S2102:NO)、ステップS2104に進み、予告演出発生抽選処理を実行する。予告演出発生抽選処理では、今回の遊技回において通常の予告演出を実行するか否かを抽選により決定する。通常の予告演出は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方が、リーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告演出発生抽選処理では、大当たりに対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告演出が発生し易く、さらに、出現率の低い予告演出が発生し易くなるように抽選を行う。ステップS2104を実行した後、ステップS2105に進む。
ステップS2105では、ステップS2104における予告演出発生抽選処理の結果、予告演出発生に当選したか否かを判定する。ステップS2105において、予告演出発生に当選したと判定した場合には(ステップS2105:YES)、ステップS2106に進み、当選した予告演出を今回の遊技回において実行するように設定する。その後、ステップS2107に進む。一方、ステップS2105において、予告演出発生に当選しなかったと判定した場合には(ステップS2105:NO)、ステップS2106を実行することなく、ステップS2107に進む。
ステップS2107では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS2107を実行した後、ステップS2108に進む。
ステップS2108では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の表示継続時間の情報を特定するとともに、当該表示継続時間の情報、当該表示継続時間に含まれる変動表示時間の情報、及び上記ステップS2107にて特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93eに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。
ステップS2103において既視感予告に対応した演出の設定処理を実行した後、又は、ステップS2108において変動表示パターンを設定した後、ステップS2109に進む。
ステップS2109では、今回の遊技回において設定された予告演出の種類情報、予告演出の実行回数、停止図柄の種類情報、及び変動表示パターンの種類情報を、演出コマンドに設定する。その後、ステップS2110に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS2110を実行した後、ステップS2111に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、本演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<既視感予告に対応した演出の設定処理>
次に、既視感予告に対応した演出の設定処理について説明する。既視感予告に対応した演出の設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図32:S2103)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図33は、既視感予告に対応した演出の設定処理を示すフローチャートである。上述したように、本設定処理は、今回の遊技回が、既視感予告を実行する複数の遊技回のうちの1つである場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される予告演出、図柄停止演出、及び、変動表示パターンを設定する処理である。以下、本設定処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2201では、音光側RAM94の既視感予告用予告演出記憶エリア94dに記憶されている既視感予告用の予告演出の種類情報を把握する。その後、ステップS2202に進み、音光側RAM94に記憶されている既視感予告用の停止図柄の種類情報を把握する。その後、ステップS2203に進む。
ステップS2203では、音光側RAM94の既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「1」であるか否かを判定する。すなわち、今回実行される遊技回が、既視感予告の発生条件が満たされた保留情報に係る遊技回であるか否かを判定する。本実施形態のパチンコ機10では、既視感予告の発生条件が満たされた保留情報に係る遊技回は、大当たり又はリーチ発生に係る遊技回である。したがって、既視感予告の発生条件が満たされた保留情報に係る遊技回である場合には、比較的長い表示継続時間が設定される。
ステップS2203において、既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「1」でないと判定した場合(S2203:NO)、すなわち、今回実行される遊技回が、既視感予告の発生条件が満たされた保留情報に係る遊技回でない場合には、ステップS2204に進み、今回実行される遊技回の表示継続時間内において、ステップS2201において把握した既視感予告用の予告演出を複数回実行可能か否かを判定する。
ステップS2204において、表示継続時間内に既視感予告用の予告演出を複数回実行可能でないと判定した場合には(S2204:NO)、ステップS2205に進み、既視感予告用の予告演出を1回実行するように設定する。その後、ステップS2208に進む。
ステップS2204において、表示継続時間内に既視感予告用の予告演出を複数回実行可能であると判定した場合には(S2204:YES)、ステップS2206に進み、既視感予告用の予告演出を複数回実行するように設定する。具体的には、表示継続時間内に既視感予告用の予告演出を2回実行可能である場合には、当該予告演出を2回実行するように設定し、表示継続時間内に既視感予告用の予告演出を3回実行可能である場合には、当該予告演出を3回実行するように設定する。なお、本実施形態のパチンコ機10では、1遊技回において最大3回まで既視感予告用の予告演出が実行されるように設定されている。ただし、1遊技回において実行される予告演出の最大回数は、1回又は2回に設定されていてもよく、4回以上に設定されていてもよい。
また、今回の遊技回における表示継続時間内での既視感予告用の予告演出の実行可能回数をM回とし、今回の遊技回における既視感予告用の予告演出の実際の実行回数をN回とした場合、MとNとの関係は、M=Nに制限されることはない。Nは、M≧N≧1の関係を満たしていれば、その値は任意に設定可能である。例えば、今回の遊技回における表示継続時間内での既視感予告用の予告演出の実行可能回数が5回であった場合、既視感予告用の予告演出の実際の実行回数は5回~1回の範囲で任意に設定することができる。Nの値は、抽選による決定や、MとNとを対応させたテーブルデータを用いた決定など、種々の方法で決定することができる。このように、同一の内容の演出要素の実行回数を意図的、能動的に決定することができる。
ステップS2206を実行した後、ステップS2207に進み、今回の遊技回において、既視感予告用の予告演出を実行した後に、ステップS2202において把握した既視感予告用の停止図柄を擬似的に停止させる図柄擬似停止演出を実行するように設定する。その後、ステップS2208に進む。
ステップS2205又はステップS2207を実行した後、ステップS2208では、今回の遊技回における停止図柄として、ステップS2202において把握した既視感予告用の停止図柄を設定する。その後、ステップS2212に進む。
ステップS2203において、既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「1」であると判定した場合(S2201:YES)、すなわち、今回実行される遊技回が、既視感予告の発生条件が満たされた保留情報に係る遊技回である場合には、ステップS2209に進み、既視感予告用の予告演出を1回実行するように設定するとともに、上述した示唆演出、戦闘演出、大当たり又は外れ結果に対応した結果演出を今回の遊技回において実行するように設定する。上述したように、既視感予告の発生条件が満たされた保留情報に係る遊技回は、大当たり又はリーチ発生に係る遊技回であるため、比較的長い表示継続時間が設定される。示唆演出、戦闘演出、及び結果演出のそれぞれの種別を選択する際には、今回の遊技回で設定された表示継続時間から、既視感予告用の予告演出に要する時間を差し引いた時間内で実行可能な演出の組合せを選択する。ステップS2209を実行した後、ステップS2210に進む。
ステップS2210では、今回の遊技回において、既視感予告用の予告演出を実行した後に、ステップS2202において把握した既視感予告用の停止図柄を擬似的に停止させる図柄擬似停止演出を実行するように設定する。その後、ステップS2211に進む。
ステップS2211では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果に対応した停止図柄を設定する。この停止図柄の設定処理の詳細は、図32のステップS2107における処理と同一であるため、説明を省略する。その後、ステップS2212に進む。
ステップS2212では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の表示継続時間の情報を特定するとともに、当該表示継続時間の情報、当該表示継続時間に含まれる変動表示時間の情報、及び上記ステップS2202にて特定した既視感予告用の停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93eに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS2212を実行した後、本設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、演出設定処理のサブルーチン(図32:S2111)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図34は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。以下に説明するステップS2301からステップS2311までの処理では、遊技回の開始に伴って、各種保留個数カウンタエリアのカウンタ値を更新するとともに、大当たり保留フラグの消去に関する処理を実行する。
大当たり保留フラグとは、既に説明したように、主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の中に、大当たりに対応した保留情報が含まれている場合に格納されるフラグである。また、第1消去用カウンタエリアには、大当たりに対応した保留情報が記憶されている場合に、第1結果表示部用保留エリアRaにおいてその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。また、第2消去用カウンタエリアには、大当たりに対応した保留情報が記憶されている場合に、第2結果表示部用保留エリアRbにおいてその保留情報が遊技回の開始対象となる順番が何番目であるかを特定するための情報が記憶される。よって、第1消去用カウンタエリアの値及び第2消去用カウンタエリアの値の両方が初期値としての「0」である場合とは、主制御装置60の第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている保留情報の中に、大当たりに対応した保留情報が含まれていないことを意味し、この場合には大当たり保留フラグが消去される。以下、変動開始時の更新処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2301では、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップS2302に進む。
ステップS2302では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップS2302において、第1変動用コマンドであると判定した場合には(S2302:YES)、ステップS2303に進み、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップS2304に進む。
ステップS2304では、音光側RAM94の第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上であるか否かを判定する。ステップS2304において、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上であると判定した場合には(S2304:YES)、ステップS2305に進み、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1減算されるように、当該第1消去用カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップS2309に進む。
ステップS2304において、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上でないと判定した場合には(S2304:NO)、ステップS2305、09~ステップS2311を実行することなく、ステップS2312に進む。
ステップS2302において、第1変動用コマンドでないと判定した場合(S2302:NO)、すなわち、今回受信した変動用コマンドが第2変動用コマンドである場合には、ステップS2306に進み、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップS2307に進む。
ステップS2307では、音光側RAM94の第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が「1」以上であるか否かを判定する。ステップS2307において、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上であると判定した場合には(S2307:YES)、ステップS2308に進み、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が1減算されるように、当該第2消去用カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップS2309に進む。
ステップS2307において、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が1以上でないと判定した場合には(S2307:NO)、ステップS2308、09~ステップS2311を実行することなく、ステップS2312に進む。
ステップS2309では、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」であるか否かを判定する。ステップS2309において、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」であると判定した場合には(S2309:YES)、ステップS2310に進む。一方、ステップS2309において、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」でないと判定した場合には(S2309:NO)、ステップS2310及びステップS2311を実行することなく、ステップS2312に進む。
ステップS2310では、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」であるか否かを判定する。ステップS2310において、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」であると判定した場合には(S2310:YES)、ステップS2311に進み、大当たり保留フラグを消去する。すなわち、第1消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」であり、かつ、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」である場合に、大当たり保留フラグを消去する。その後、ステップS2312に進む。一方、ステップS2310において、第2消去用カウンタエリアに記憶されている値が「0」でないと判定した場合には(S2310:NO)、ステップS2311を実行することなく、ステップS2312に進む。
次に説明するステップS2312からステップS2317までの処理では、既視感予告フラグの消去に関する処理を実行する。以下、具体的な処理について説明する。
ステップS2312では、音光側RAM94の既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「1」以上であるか否かを判定する。ステップS2312において、既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「1」以上でないと判定した場合には(S2312:NO)、本変動開始時の更新処理を終了する。一方、ステップS2312において、既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「1」以上であると判定した場合には(S2312:YES)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、音光側RAM94の既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が1減算されるように、当該既視感予告用カウンタエリアの情報を更新する。その後、ステップS2314に進む。
ステップS2314では、音光側RAM94の既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「0」であるか否かを判定する。ステップS2314において既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「0」でないと判定した場合には、本変動開始時の更新処理を終了する。一方、既視感予告用カウンタエリアに記憶されている値が「0」であると判定した場合には、ステップS2315に進む。
ステップS2315では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップS2315において第1変動用コマンドであると判定した場合には、ステップS2316に進み、音光側RAM94の第1既視感予告フラグを消去する。その後、本変動開始時の更新処理を終了する。一方、ステップS2315において第1変動用コマンドでないと判定した場合、すなわち、今回受信した変動用コマンドが第2変動用コマンドである場合には、ステップS2317に進み、音光側RAM94の第2既視感予告フラグを消去する。その後、本変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図35は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2401では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS2402に進む。
ステップS2402では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
<コマンド割込み処理>
図36は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS2501では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図37は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS2601では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図36)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S2601)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS2602では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S2601)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS2603に進む。
ステップS2603では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S2602)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS2604に進む。
ステップS2604では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S2603)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS2605に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、同一の内容の演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に大当たりに当選することを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告の発生条件が満たされ、既視感予告を実行することになった場合に、複数回実行させる演出要素の種類や内容を意図的に設定することができる。また、同一の内容の演出要素の実行回数を意図的に設定することもできる。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たりに当選した場合又はリーチが発生した場合における既視感予告の発生確率(発生頻度)を任意に設定することができる。
なお、パチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を制御してもよい。例えば、パチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させてもよい。以下、具体例について図面を参照して説明する。
図38は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させる一例を示すタイムチャートである。図38に示した例では、パチンコ機10は、最初の遊技回P01において演出要素Aを実行し、次の遊技回P02においても演出要素Aを実行するため、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数は1つである。パチンコ機10は、さらに、遊技回P02において演出要素Aに加えて演出要素Bも実行し、次の遊技回P03においても演出要素Aと演出要素Bとを実行するため、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数は2つになる。すなわち、パチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させている。このようにすれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
なお、図38に示した例では、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を増やす制御について説明したが、減らす制御をしてもよい。パチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を増減させることによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
B.第2実施形態:
次に第2実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との相違点は、既視感予告に関する処理内容である。以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が実行する既視感予告について説明をする。なお、上記第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。
図39は、本実施形態のパチンコ機10によって実行される既視感予告の一例を示すタイムチャートである。図39(A),(B)に、本実施形態における既視感予告の二つの例である例1,例2を示した。
例1は、合計保留個数CRNが2であるタイミングで第1始動口33に遊技球が入賞して合計保留個数CRNが3となり、当該入賞に係る保留情報が、既視感予告の発生条件を満たした場合を示している。すなわち、3回目の遊技回として示されている遊技回P03が、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回である。
パチンコ機10は、遊技回P03に係る保留情報が既視感予告の発生条件を満たした場合には、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回P03よりも前の遊技回P01において実行された遊技演出Aの内容を記憶する。すなわち、パチンコ機10は、遊技回P03の保留情報が既視感予告の発生を満たしたと判定した後、その後に実行される遊技回P01において実行する遊技演出Aの内容を記憶する。そして、遊技演出Aの内容が記憶された遊技回P01よりも後の遊技回であって、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回P03以前の遊技回である遊技回P02及び遊技回P03において、遊技回P01において記憶した遊技演出Aの内容を再現する。
上記第1実施形態においては、既視感予告として、同一の内容の「演出要素」を複数回実行するとしていたが、本実施形態においては、遊技回P01において実行された演出要素の組み合わせから成る「遊技演出」を1単位として複数回実行する。すなわち、遊技回P02及び遊技回P03の各遊技回における一定期間、遊技回P01と全く同じ遊技演出をそのまま再現する。このようにすることで、遊技者に好適に既視感を与えることが可能となる。
また、遊技回P03においては、遊技演出Aを実行した後に、上記第1実施形態と同様に、示唆演出、戦闘演出、結果演出(本例では勝利演出)を実行する。そして、遊技回P03において大当たり図柄を停止させた後、大当たり演出を実行する。
具体的な処理について説明する。遊技回P03に係る保留情報が既視感予告の発生条件を満たしたと判定すると、パチンコ機10の音声発光制御装置90は、その後に実行する遊技回P01の遊技演出Aについて、遊技演出Aを実行するための各種設定データを記憶する。各種設定データには、各種ランプ47など演出を実際に実行するハードウェアを動作させるための設定データや、表示制御装置100に送信するコマンド設定用のデータなどが含まれる。
遊技回P01が終了した後、音声発光制御装置90は、遊技回P02の開始に際して、記憶した遊技演出Aを実行するための各種設定データに基づいて、実際に遊技演出を実行するハードウェア(各種ランプ47やスピーカー46等)の制御を行う。遊技回P02の開始直前には、遊技回P02に係る保留情報に基づいて実行する遊技演出Bが決定しているが、音声発光制御装置90は、遊技回P02の開始時には、遊技演出Bをハードウェアの挙動に現れる態様で実行せずに、優先的に遊技演出Aを実行する。遊技演出Bの設定データによる処理は、遊技演出を実行するハードウェア(各種ランプ47やスピーカー46等)の挙動に現れない範囲で、内部処理として実行する。
図39(A)に示したように、遊技回P02の表示継続時間の方が、遊技演出Aを実行するための時間よりも長い場合には、音声発光制御装置90は、遊技回P02において遊技演出Aの実行が終了すると同時に、ハードウェアの挙動として現れない範囲で内部処理として実行していた遊技演出Bの設定データによる処理を、ハードウェアの挙動として現れる形での処理に切り替える。すなわち、遊技回P02において、遊技者は、遊技演出Aが実行された後に、遊技演出Bが途中から実行されたように認識する。その他の処理については、上記第1実施形態と同様の処理を行う。このようにして、パチンコ機10は、例1に示した既視感予告を実行する。
次に、本実施形態における既視感予告の例2について図39(B)を用いて説明する。例2も、例1と同様に、合計保留個数CRNが2であるタイミングで第1始動口33に遊技球が入賞して合計保留個数CRNが3となり、当該入賞に係る保留情報が、既視感予告の発生条件を満たした場合を示している。すなわち、3回目の遊技回として示されている遊技回P13が、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回である。
例2では、音声発光制御装置90は、遊技回P11において実行された遊技演出C0の一部の期間の遊技演出である遊技演出C1の内容を記憶する。そして、遊技演出C1の内容が記憶された遊技回P11よりも後の遊技回であって、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回P13以前の遊技回である遊技回P12及び遊技回P13において、記憶した遊技演出C1の内容を再現する。具体的には、遊技回P12の表示継続時間は、遊技演出C1の実行に要する時間より短いので、音声発光制御装置90は、遊技回P12において、記憶した遊技演出C1の一部の期間の遊技演出である遊技演出C1aを再現する。一方、遊技回P13の表示継続時間は遊技演出C1の実行に要する時間より長いので、音声発光制御装置90は、遊技回P13において、記憶した遊技演出C1の全部の内容を再現する。また、遊技回P13においては、遊技演出C1を実行した後、示唆演出、戦闘演出、結果演出(本例では勝利演出)を実行する。そして、遊技回P03において大当たり図柄を停止させた後、大当たり演出を実行する。
具体的な処理としては、遊技回P13に係る保留情報が既視感予告の発生条件を満たしたと判定すると、音声発光制御装置90は、既視感予告の発生条件を満たした後に実行される遊技回P11における遊技演出Cの一部の期間の遊技演出である遊技演出C1を実行するための各種設定データを記憶する。各種設定データには、各種ランプ47など演出を実際に実行するハードウェアを動作させるための設定データや、表示制御装置100に送信するコマンド設定用のデータなどが含まれる。本実施形態においては、記憶する遊技演出の長さ(時間)が予め設定されている場合において、当該設定した長さより遊技演出C0の表示継続時間の方が長いため、遊技回C0の一部の期間の遊技演出である遊技演出C1を記憶する。
さらに、遊技回P12の表示継続時間が、記憶した遊技演出C1の実行に要する時間より短いため、音声発光制御装置90は、遊技回P12においては、記憶した遊技演出C1の一部の内容である遊技演出C1aを再現する。その他の処理については、上記第1実施形態と同様の処理を行う。このようにして、パチンコ機10は、例2に示した既視感予告を行う。
なお、上記の説明では、音声発光制御装置90が、表示制御装置100に送信した設定データを記憶することによって、遊技回P01において実行された遊技演出を、遊技回P01以降の遊技回において再現しているが、遊技回P01において図柄表示装置41によって再生された動画データを表示制御装置100がそのままバッファに記憶し、遊技回P01以降の遊技回において、当該記憶した動画データを、再度、表示制御装置100が図柄表示装置41に送信し、再生してもよい。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、実行された遊技演出の内容を記憶して再現するので、少なくとも一部の期間においては、完全に同じ内容の遊技演出を遊技者は経験することになる。したがって、遊技者に好適に既視感を与えることができる。
また、上記第1実施形態と同様に、既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。遊技者は、同一の内容の遊技演出が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の遊技演出が複数回実行されることを期待して、遊技演出が実行される度に常に高い期待感を持って遊技演出に注目するようになる。したがって、同一の内容の遊技演出が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される遊技演出への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
図39(A),(B)で示したように、本実施形態においては、パチンコ機10は、同一の内容の遊技演出が再現されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、同一の内容の遊技演出が再現された後に実行する。したがって、同一の内容の遊技演出が再現されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の遊技演出が再現されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者による演出操作ボタン24の入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出を、記憶して再現する遊技演出の対象として選択しないとしてもよい。操作受入演出は、遊技演出として再現された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、記憶して再現する対象である遊技演出として、操作受入演出を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
C.第3実施形態:
次に第3実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との相違点は、既視感予告に関する処理内容である。以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が実行する既視感予告について説明をする。なお、上記第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。
図40は、本実施形態のパチンコ機10によって実行される既視感予告の一例を示すタイムチャートである。図40(A),(B)に、本実施形態における既視感予告の二つの例である例1,例2を示した。例1は、合計保留個数CRNが3であるタイミングで第1始動口33に遊技球が入賞して合計保留個数CRNが4となり、当該入賞に係る保留情報が、既視感予告の発生条件を満たした場合を示している。すなわち、4回目の遊技回として示されている遊技回P04が、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回である。
例1におけるパチンコ機10は、遊技回P04に係る保留情報が既視感予告の発生条件を満たした場合には、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回P04以前の連続した複数の遊技回である遊技回P01、遊技回P02、遊技回P03、遊技回P04の表示継続時間T1,T2,T3、T4として決定され得る最も短い表示継続時間の合計時間を算出する。実際に決定された各遊技回P01~P04の表示継続時間をTre(Tre=T1+T2+T3+T4)とし、各遊技回P01~P04の表示継続時間として決定され得る最も短い表示継続時間の合計時間をTsumとすると、Tsum≦Treの関係が成立する。
そして、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回P04が終了するまでに、算出した合計時間Tsumの中で複数回実行可能な同一の内容の演出要素を複数回実行する。図40に示した例1では、パチンコ機10は、実際に決定された各遊技回P01~P04の表示継続時間である時間Tre以下の時間Tsum以内で複数回実行可能な同一の内容の演出要素A、演出要素B、及び、演出要素Cを実行する。また、遊技回P04においては、遊技演出Aを実行した後に、示唆演出、戦闘演出、結果演出(本例では勝利演出)を実行する。
例1のパチンコ機10は、時間Tsum以内で演出要素Aを4回、演出要素Bを3回、演出要素Cを2回実行する。より具体的には、複数回実行する演出要素を、最初は演出要素Aのみ、次に演出要素Aと演出要素B、さらにその次に演出要素Aと演出要素Bと演出要素Cといったように、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させる。
また、図示するように、例1のパチンコ機10は、2回目、3回目及び4回目に実行する演出要素Aは、遊技回を跨いで実行している。すなわち、図柄の変動表示が停止するタイミングと、1回の演出要素Aの終了するタイミングとは異なる。以下、図41を用いて説明する。
図41は、本実施形態におけるパチンコ機10によって既視感予告が実行されているときの表示面41aを説明する説明図である。本実施形態においては、既視感予告が実行されるときには、表示面41aは、表示領域41aSと表示領域41aLとに区分される。そして、表示領域41aSでは、図柄の変動表示及び停止表示が実行される。表示領域41aSにおける図柄の変動表示及び停止表示は、各遊技回P01~P04の表示継続時間と同じ周期で実行される。
一方、表示領域41aLでは、演出要素A、演出要素B、演出要素Cに対応した表示がされる。演出要素Aとしては、例えば、表示領域41aL全体を使用した映像による演出要素が表示される。より具体的には、表示領域41aLの背景画像としての動画の表示や、背景画像と背景画像よりも前面に表示されるオブジェクト画像との組み合わせから成る動画の表示がされる。演出要素B及び演出要素Cとしては、例えば、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出などが挙げられる。なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技回P04の終了後に実行する大当たり演出は、表示面41a全体を用いた動画の表示によって実行する。
図41を用いて説明したように、例えば、表示面41aを表示領域41aSと表示領域41aLとに区分し、表示領域41aSでの図柄の変動表示及び停止表示と、表示領域41aLでの演出要素の表示とを、異なる周期で実行することによって、図柄の変動表示及び停止表示の周期(すなわち、実際の表示継続時間に同期した周期)と、演出要素A、演出要素B及び演出要素Cを実行する周期とを異なる態様とすることが可能となる。
次に、本実施形態における既視感予告の例2について図40(B)を用いて説明する。例2も、例1と同様に、合計保留個数CRNが3であるタイミングで第1始動口33に遊技球が入賞して合計保留個数CRNが4となり、当該入賞に係る保留情報が、既視感予告の発生条件を満たした場合を示している。すなわち、4回目の遊技回として示されている遊技回P14が、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回である。
例2では、複数回実行する対象である演出要素Aに要する時間は、遊技回P11の表示継続時間よりも長い。すなわち、パチンコ機10は、1回の演出要素Aを、遊技回を跨いで実行する。例2のパチンコ機10は、4回の遊技回P11~P14の表示継続時間として決定され得る最も短い表示継続時間の合計時間Tsumの中で3回実行可能な演出要素として演出要素Aを実行する。例2で示すように、同一の内容の演出要素を複数回実行するために要する遊技回の回数(例2では、遊技回が4回)と、同一の内容の演出要素の実行回数(例2では、演出要素Aが3回)とは異なっていてもよい。同一の内容として複数回実行する演出要素の種類やその実行回数は、算出した合計時間Tsumの値に応じて決定するとしてもよい。この場合、合計時間Tsumと、演出要素の種類及び実行回数とを対応付けたテーブルデータを用いて、同一の内容として複数回実行する演出要素の種類やその実行回数を決定するとしてもよい。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、各遊技回の表示継続時間として決定され得る最も短い表示継続時間の合計時間(Tsum)の中で複数回実行可能な同一の内容の演出要素を実行するので、複数回実行する対象である演出要素の1回分が、実際に1遊技回に要する時間である表示継続時間内(T1、T2、T3、T4)で終了できるものに制限されない。すなわち、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回以前の連続した複数の各遊技回を跨いで同一の内容の演出要素を複数回実行することができる。例2で示したように、複数回実行する対象である演出要素Aの1回分を、遊技回を跨いで実行することも可能となる。したがって、演出要素1回分の実行時間と、遊技回1回分の表示継続時間との関係を考慮せずに、複数回実行する対象である演出要素を選択することができる。
さらに、決定し得る最も短い表示継続時間の合計時間(Tsum)の中で複数回実行可能な同一の内容の演出要素を複数回実行するので、同一の内容の演出要素を複数回実行するのに要する時間は、実際の各遊技回の表示継続時間の合計時間(Tre)以下となる。したがって、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回以前の連続した複数の各遊技回を跨いで同一の内容の演出要素を複数回実行した際に、時間不足となることを回避し、確実に同一の内容の演出要素を複数回実行することができる。
また、上記実施形態1と同様に、同一の内容の演出要素が複数回(少なくとも2回)実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
図40(A),(B)で示したように、本実施形態においては、パチンコ機10は、同一の内容の演出要素が再現されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に実行する。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者による演出操作ボタン24の入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を、複数回実行させる演出要素として選択しないとしてもよい。操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、複数回実行させる演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容の演出要素が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
さらに、パチンコ機10は、同一の内容で複数回実行する演出要素として、表示領域41aLの背景画像としての動画の表示、背景画像と背景画像よりも前面に表示されるオブジェクト画像との組み合わせから成る動画の表示、カットイン予告演出、所定のキャラクターなどのオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させることによる予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、リーチ演出、及び、前扉枠14や遊技盤30に設けられた物理的に動作する役物による演出、各種ランプ47による点灯や点滅などによる演出など、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができる。よって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否という遊技者の注目を、様々な演出要素に対して向けさせることができる。
本実施形態におけるパチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を制御する。本実施形態の例1では、最初は演出要素Aを実行し、同一の内容の演出要素の個数は1つ、次に遊技演出Bを実行して同一の内容の演出要素の個数は2つになり、次に演出要素Cを実行して同一の内容の演出要素の個数は3つになる。本実施形態においては、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を増やす制御をしたが、減らす制御をしてもよい。パチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
また、本実施形態の例1おいては、最初は演出要素Aのみ、次に演出要素Aと演出要素B、さらにその次に演出要素Aと演出要素Bと演出要素Cといったように、既視感予告の発生条件を満たしたと判定した後から、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回(遊技回P04)が終了するまでの期間において、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させている。よって、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
D.第4実施形態:
次に第4実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との相違点は、既視感予告に関する処理内容である。以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が実行する既視感予告について説明をする。なお、上記第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。以下、本実施形態における具体的な処理について説明する。
図42は、本実施形態のパチンコ機10によって実行される既視感予告の一例を示すタイムチャートである。第1実施形態では、保留情報に基づいた既視感予告の発生条件が満たされるか否かの判定を、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に行っていた。一方、本実施形態においては、図示するように、保留情報に基づいた既視感予告の発生条件が満たされるか否かの判定を、当該保留情報が大当たり抽選の対象となったときに行う。すなわち、保留情報に基づいた既視感予告の発生条件が満たされるか否かの判定、及び、その保留情報に基づく大当たり抽選を、その保留情報に係る遊技回P01の開始直前に行う。
また、第1実施形態においては、既視感予告の実施態様として、同一の内容の演出要素の複数回の実行を、複数の遊技回に亘って行っていた。一方、本実施形態においては、図示するように、既視感予告の態様として、その遊技回の表示継続時間の中で複数回実行可能な演出要素A、演出要素B、及び、演出要素Cを、既視感予告の発生条件を満たすと判定した保留情報に係る1回の遊技回P01の中で複数回実行する。具体的には、パチンコ機10は、遊技回P01の中で、演出要素Aを4回、演出要素Bを3回、演出要素Cを2回実行する。より具体的には、複数回実行する演出要素を、最初は演出要素Aのみ、次に演出要素Aと演出要素B、さらにその次に演出要素Aと演出要素Bと演出要素Cといったように、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1実施形態と同様に、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、演出要素Aを複数回実行した後に実行する。さらにパチンコ機10は、示唆演出を実行した後に、戦闘演出、結果演出(勝利演出)を実行する。そして、遊技回P01の終了後に、大当たり演出を実行する。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、少なくとも1回の遊技回において、その遊技回の表示継続時間の中で複数回実行可能な演出要素を同一の内容で複数回実行するので、遊技者に既視感を1遊技回で与えることができる。また、第1実施形態と同様に、同一の内容の演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、パチンコ機10は、同一の内容の演出要素を複数回実行したことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、同一の内容の演出要素を複数回実行した後に実行する。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者による演出操作ボタン24の入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を、複数回実行させる演出要素として選択しないとしてもよい。操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、複数回実行させる演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容の演出要素が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
本実施形態におけるパチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を制御する。本実施形態では、最初は演出要素Aを実行し、同一の内容の演出要素の個数は1つ、次に遊技演出Bを実行して同一の内容の演出要素の個数は2つになり、次に演出要素Cを実行して同一の内容の演出要素の個数は3つになる。本実施形態においては、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を増やす制御をしたが、減らす制御をしてもよい。パチンコ機10は、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
また、本実施形態においては、最初は演出要素Aのみ、次に演出要素Aと演出要素B、さらにその次に演出要素Aと演出要素Bと演出要素Cといったように、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させている。よって、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
E.第5実施形態:
次に第6実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との相違点は、既視感予告に関する処理内容である。以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が実行する既視感予告について説明をする。なお、上記第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。
上記実施形態においては、既視感予告を実行するか否かの判定に基づく各遊技回の表示継続時間の制御は行っていなかった。本実施形態においては、既視感予告を実行する場合には、既視感予告の発生条件が満たされた保留情報に係る遊技回以前の遊技回のうち少なくとも2回の遊技回に対して、所定の長さの表示継続時間を確保するように制御を行う。そして、所定の長さの表示継続時間が確保された各遊技回において、確保した所定の長さの表示継続時間の中で実行可能な同一の内容の演出要素を実行する。以下、具体的に説明する。
図43は、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置60及び音声発光制御装置90において実行する処理の概要を説明する説明図である。第1実施形態において音声発光制御装置90が保留コマンド対応処理として実行していた処理内容を、本実施形態では、主制御装置60が実行する。すなわち、主制御装置60が、既視感予告発生抽選処理を実行する。そして、既視感予告の発生抽選に当選した場合、例えば、3回の遊技回を用いて既視感予告を実行する場合には、その3回分の遊技回の表示継続時間について、既視感予告の実行用に所定の長さを確保する。具体的には、主制御装置60において、既視感予告を実行する3回の各遊技回の表示継続時間を決定する際に、3回の各遊技回に係る変動種別カウンタCSの値と、ROM63の表示継続時間テーブル記憶エリア63dに格納されている表示継続時間テーブルとの照合において、照合に用いる表示継続時間テーブルとして、予め表示継続時間テーブル記憶エリア63dに格納している既視感予告実行用の表示継続時間テーブルを用いる。
主制御装置60は、3回の遊技回の表示継続時間を、既視感予告の実行用の長さに制御・決定した後、決定した各遊技回の表示継続時間の情報をコマンドとして音声発光制御装置90に送信する。音声発光制御装置90は、主制御装置60において既視感予告の実行用に長さが確保された各遊技回の表示継続時間の中で、実行可能な同一の内容の演出要素を決定する。このようにすることで、遊技回の表示継続時間の長さを既視感予告の実行用に制御することができる。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告の実行用に所定の長さの表示継続時間を確保するとともに、所定の長さの表示継続時間を確保した各遊技回で実行可能な同一の内容の演出要素を実行するので、同一の演出要素を実行するために要する時間が各遊技回において不足することを回避し、確実に各遊技回で同一の内容の演出要素を実行することができる。
また、既視感予告に用いる演出要素としては、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、及び、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出等を採用することができる。様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素に対して同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
さらに、本実施形態においては、既視感予告として同一の内容の演出要素を複数回実行したことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、同一の内容の演出要素を複数回実行した後に実行する。同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
また、上記第1実施形態と同様に、パチンコ機10は、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を制御するとしてもよい。複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
さらに、既視感予告の発生条件を満たしたと判定した後から、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回が終了するまでの期間において、複数回実行する同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させるとしてもよい。遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
また、本実施形態においては、先に、既視感予告を実行する各遊技回の表示継続時間を決定し、その後に、決定した表示継続時間に基づいて既視感予告として実行する演出要素を決定するとしたが、そのような処理形態に限ることなく、他の処理形態を採用することもできる。
例えば、先に、既視感予告として実行する演出要素を決定し、その後に、既視感予告として実行する演出要素を実行可能な長さの表示継続時間を各遊技回で確保するとしてもよい。具体的な処理としては、例えば、主制御装置60が、既視感予告発生抽選処理を行い既視感予告の実行を決定したとき、先に、既視感予告として実行する同一の内容の演出要素を決定する。その後に、主制御装置60が、既視感予告として同一の内容の演出要素を実行可能な長さの表示継続時間を各遊技回において確保する。そして、主制御装置60は、既視感予告を実行する各遊技回の表示継続時間及び既視感予告として実行する演出要素の内容をコマンドとして音声発光制御装置90に送信する。
このような処理形態を採用することで、同一の内容の演出要素を実行可能な長さの表示継続時間を各遊技回において確保することができるので、同一の演出要素を実行するために要する時間が各遊技回において不足することを回避し、確実に各遊技回で同一の内容の演出要素を実行することができる。
F.第6実施形態:
次に第6実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との相違点は、本実施形態におけるパチンコ機10は、時刻情報を取得する機能を有する点と、既視感予告に関する処理内容である。以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が実行する既視感予告について説明をする。なお、上記第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。
本実施形態におけるパチンコ機10は、時刻情報を取得する機能を備えるとともに、取得した時刻情報に基づいて時間の経過とともに継続して実行される演出要素である時刻連動演出要素を実行する機能を有する。本実施形態においては、パチンコ機10は、RTCモジュール(RTC:Real Time Clock)を備え、RTCモジュールから時刻情報を取得する。なお、時刻情報の取得は、RTCモジュールからの取得に限らず、例えば、パチンコ機10の外部から取得するなど、時刻情報の取得について技術的に可能な他の方法を採用するとしてもよい。
また、本説明においては、パチンコ機10によって実行される演出要素のうち、時刻情報に基づいて時間の経過とともに継続して実行される演出要素を「時刻連動演出要素」と呼び、時刻情報に基づかずに実行される演出要素を「非時刻連動演出要素」と呼ぶ。
図44は、本実施形態のパチンコ機10によって実行される既視感予告の一例を示すタイムチャートである。また、図44には、比較対象として、パチンコ機10と同じ遊技ホールに設置される、パチンコ機10と同じ機種の他のパチンコ機によって実行される時刻連動演出要素も示した。
図示するように、パチンコ機10及び他のパチンコ機は、時刻T0に時刻連動演出要素の実行を開始する。そして、パチンコ機10及び他のパチンコ機は、時刻連動演出要素を、時間の経過とともに継続して実行する。本説明においては、他のパチンコ機は、予め設定された一連の時刻連動演出要素を実行する。説明の便宜上、一連の時刻連動演出要素の時間的位置を示すために、他のパチンコ機が実行する一連の時刻連動演出要素には、時刻連動演出要素の時間的位置を示す指標として時間的位置TP1~TP20を図示した。なお、図示した各時間的位置は、「TP」の符号は省略した形式で記載している。
図示したように、パチンコ機10は、合計保留個数CRNが3であるタイミングで第1始動口33に遊技球が入賞して合計保留個数CRNが4となり、当該入賞に係る保留情報が、既視感予告の発生条件を満たし、既視感予告を実行する場合を示している。すなわち、4回目の遊技回として示されている遊技回P04が、既視感予告の発生条件を満たした保留情報に係る遊技回である。
パチンコ機10は、既視感予告の発生条件を満たしたと判定した後の遊技回P01が開始されたタイミングにおいて実行されている時刻連動演出要素の時間的位置TPを特定の時間的位置として記憶する。図44に示した例においては、パチンコ機10は、特定の時間的位置として時刻連動演出要素の時間的位置TP3を記憶する。そして、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件を満たしたと判定した後に実行が開始される遊技回であって既視感予告の発生条件を満たしたと判定した保留情報に係る遊技回P04以前の遊技回である遊技回P01、遊技回P02、遊技回P03及び遊技回P04の各遊技回を開始するタイミングを契機として、時刻連動演出要素を、先に記憶した特定の時間的位置である時間的位置TP3を開始位置として実行する。
さらに、図示するように、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件を満たしたと判定した場合であって、時刻連動演出要素とともに非時刻連動演出要素を実行している場合には、時刻連動演出要素と非時刻連動演出要素とを複数回実行する。そして、パチンコ機10は、演出要素(時刻連動演出要素及び非時刻連動演出要素)を複数回実行した後に、同一の演出要素を複数回実行したことを遊技者に対して示唆する示唆演出を実行する。そして、示唆演出を実行した後に、戦闘演出、結果演出(勝利演出)を実行する。
また、パチンコ機10は、複数回実行する非時刻連動演出要素の個数を制御することが可能である。本実施形態においては、複数回実行する非時刻連動演出要素を、遊技回P01では非時刻連動演出要素Aのみ、遊技回P02では非時刻連動演出要素Aと非時刻連動演出要素B、遊技回P03では非時刻連動演出要素Aと非時刻連動演出要素Bと非時刻連動演出要素C、遊技回P04でも非時刻連動演出要素Aと非時刻連動演出要素Bと非時刻連動演出要素Cといったように、複数回実行する同一の内容の非時刻連動演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させる。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、少なくとも一部の期間に実行される時刻連動演出要素が複数回実行されるので、新規な興趣を備えた演出を遊技者に提供することができる。また、少なくとも一部の期間に実行される時刻連動演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の時刻連動演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。
さらに、遊技者は、時刻連動演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、時刻演出要素が複数回実行されることを期待して、時刻連動演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って時刻連動演出要素に注目するようになる。したがって、時刻連動演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、時刻情報に基づいて実行される時刻連動演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、図44で示した他のパチンコ機のように、パチンコ機10と同じ特徴を備えたパチンコ機が、遊技ホールに複数台設置されている場合、既視感予告の発生条件を満たしたパチンコ機10と、既視感予告の発生条件を満たさないパチンコ機とでは、同じ時刻T0から同じ時刻連動演出が開始された場合であっても、実行される時刻連動演出要素に時間的な差異(ずれ)が生じる。結果として、パチンコ機10の遊技者に加え、周囲のパチンコ機の遊技者も、パチンコ機10において既視感予告が発生したことを認識する。したがって、既視感予告の発生条件を満たしたパチンコ機10で遊技を行っている遊技者に対して、優越感を与えることができる。
また、パチンコ機10は、特定の時間的位置である時間的位置TP3を開始位置とした時刻連動演出要素を、遊技回P01~遊技回P04の各遊技回で実行するので、遊技者に対して、時刻連動演出要素の特定の時間的位置である時間的位置TP3以後の部分に対して強い既視感を認識させることができる。さらに、パチンコ機10は、複数回実行する時刻連動演出要素の開始のタイミングと、各遊技回(遊技回P01~遊技回P04)の開始のタイミングを同期させることで、より強い既視感を遊技者に与えることができる。
また、仮に、既視感予告の処理として、各遊技回の開始のタイミングを契機として開始する時刻連動演出要素の開始位置を予め設定で定めているとした場合、時刻連動演出要素のうち一度も実行されていない時間的位置から、時刻連動演出要素を用いた既視感予告が実行される可能性がある。例えば、遊技回P01~遊技回P04の各遊技回の開始のタイミングを契機として、毎回、特定の時間的位置「TP10」から時刻連動演出要素を実行するという設定をしていた場合、遊技回P01~遊技回P04のうちの最初の遊技回P01が開始されるまでは連続的な一連の流れ(時間的位置TP1~TP2)として実行されていた時刻連動演出要素が、最初の遊技回P01の開始のタイミングで急に途切れるとともに、一度も実行されていない特定の時間的位置TP10から時刻連動演出要素が開始・実行されることになる。また、時間的位置TP3~TP9までは実行されないこととなる。
これに対して本実施形態のパチンコ機10は、遊技回P04が既視感予告の発生条件を満たしたと判定する処理を実行した時点より後に開始される遊技回P01が開始されたタイミングで実行されている時刻連動演出要素の時間的位置TP3を特定の時間的位置として記憶し、記憶した特定の時間的位置TP3を、複数回実行するうちの2回目以降(遊技回P02~遊技回P04)の時刻連動演出要素の開始位置とするので、時刻連動演出要素の連続的な一連の流れ(時間的位置TP1~TP5)として一度実行された中から、複数回実行する時刻連動演出要素の2回目以降の開始位置として時間的位置TP3を設定することができる。したがって、遊技回P01~遊技回P04のうちの最初の遊技回01が開始されるまでは連続的な一連の流れ(時間的位置TP1~TP2)として実行されていた時刻連動演出要素が、最初の遊技回P01の開始のタイミングで急に途切れることを回避するとともに、一度も実行されていない特定の時間的位置TP10から時刻連動演出要素が開始・実行されることを回避することができる。また、時刻連動演出要素の全ての部分(時間的位置TP1~TP20)が実行されることとなり、遊技者が時刻連動演出要素の全ての部分を経験することを可能にする。
さらに、パチンコ機10は、時刻連動演出要素に加え、非時刻連動演出要素も複数回実行するので、より強い既視感を遊技者に与えることができる。また、本実施形態におけるパチンコ機10は、複数回実行する非時刻連動演出要素の個数を制御することができる。したがって、複数回実行させる非時刻連動演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。パチンコ機10においては、非時刻連動演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者による演出操作ボタン24の入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を、複数回実行させる非時刻連動演出要素として選択しないとしてもよい。操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、複数回実行させる非時刻連動演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容の演出要素が実行されてしまうことを抑制することができる。また、パチンコ機10は、示唆演出を実行するので、同一の内容の演出要素(時刻連動演出要素、非時刻連動演出要素)が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
G.第7実施形態:
上記第1から第6実施形態のパチンコ機10は、既視感予告用の演出要素として、操作受入演出要素を選択しない構成であったが、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告用の演出要素として、操作受入演出要素の一つであるボタン演出を選択する場合がある構成となっている。以下では、既視感予告の発生条件が満たされ、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合について説明する。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例1>
図45は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XAを選択し、当該ボタン演出XAを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図46は、ボタン演出XAにおいて実行される演出態様XA1,XA2及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XAの実行を開始すると、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容を含む演出態様XA1を実行する(S2701)。図46に示した例では、演出態様XA1は、宝箱の画像を表示するとともに、演出操作ボタン24の押下を促す文字及び画像を表示する演出態様である。ただし、演出態様XA1は、他の態様であってもよい。
演出態様XA1を実行した後、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S2702:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XA1とは異なる演出態様XA2を実行する(S2703)。図46に示した例では、演出態様XA2は、宝箱の中から女性のキャラクターが出現する演出態様である。ただし、演出態様XA2は、他の態様であってもよい。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S2702:NO)、演出態様XA1を実行したまま、演出態様XA2を実行しない。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XAの実行を開始すると、1回目のボタン演出XAの場合と同様に、演出態様XA1を実行する(S2704又はS2707)。そして、1回目のボタン演出XAを実行した際に演出態様XA2を実行していた場合には、演出態様XA1を実行した後に(S2704)、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S2705)、演出態様XA2を実行する(S2706)。具体的には、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S2705:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XA2を実行する(S2706)。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S2705:NO)、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XA2を実行する(S2706)。
一方、1回目のボタン演出を実行した際に演出態様XA2を実行していなかった場合には、演出態様XA1を実行した後に(S2707)、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S2708)、演出態様XA1を実行したまま、演出態様XA2を実行しない。
2回目のボタン演出XAが終了すると、本実施形態のパチンコ機10は、同一の内容のボタン演出XAが複数回(上記の例では2回)実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S2709)。図46に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。
なお、ボタン演出XAを3回以上実行する場合には、2回目のボタン演出XAを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XAの終了後に示唆演出Fを実行すればよい。
上述したように、ボタン演出は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様(例えば、演出操作ボタン24の押下の有無や、タイミング、押下の回数等)によって異なる内容で実行される場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XAを複数回実行する際に、1回目のボタン演出XAにおいて演出態様XA2を実行した場合には、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降のボタン演出XAにおいて演出態様XA2を実行し、一方、1回目のボタン演出XAにおいて演出態X様A2を実行しなかった場合には、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降のボタン演出XAにおいて演出態様XA2を実行しない。したがって、ボタン演出XAを複数回実行した場合であっても、1回目と2回目以降に実行するボタン演出XAの内容を同一にすることができる。そして、上記の実施形態と同様に、遊技者に対して、同一の内容のボタン演出XAが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XAが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XAが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。ただし、示唆演出Fを実行することは必須ではなく、パチンコ機10は、示唆演出Fを実行しない構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に有った場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを契機として演出態様XA2を実行するので、遊技者をボタン演出XAに積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に無かった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XA2を実行することができる。さらに、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に無かった場合であっても、演出態様XA2を実行するので、遊技に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。ただし、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の押下や所定時間の経過を契機とせずに、所定のタイミングで演出態様XA2を実行する構成であってもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XAを選択し、当該ボタン演出XAを複数回実行する場合には、演出操作ボタン24の押下の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを表示しない。この理由について説明する。遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なう場合がある。ここで、仮に時間パラメーターを表示すると、遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なったということを認識してしまい、同一の内容でボタン演出が複数回実行されたとしても、複数回実行されたボタン演出に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を複数回実行する際に、時間パラメーターを表示しないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合に、時間パラメーターを表示する構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XAの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XAを複数回実行する構成であってもよい。
なお、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の態様を、押下が有った場合における態様(すなわち、押下により凹んだ態様)に変化させる変化手段を備えてもよい。そして、変化手段は、演出操作ボタン24の押下が無かった場合であって(S2705:NO)、演出態様XA2を実行する場合に(S2706)、演出操作ボタン24の態様を、押下が有った場合における態様に変化させるとよい。このような変化手段を設ければ、演出操作ボタン24の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができるとともに、演出操作ボタン24の押下が無かったにも関わらず演出態様XA2が実行されることに、説得力を持たせることができる。変化手段は、例えば、演出操作ボタン24の内部にソレノイドやモーター等のアクチュエーターを設けることによって実現することができる。
なお、本実施形態では、演出操作ボタン24の押下の有無に基づいて、ボタン演出XAにおいて実行される演出態様の制御を実行しているが、これに限定されず、例えば、演出操作ボタン24が押下されている時間や回数等、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすか否かに基づいて、ボタン演出XAにおいて実行される演出態様の制御を実行してもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XAの処理の一例について説明する。
図47は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XAが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS2801では、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに初回実行済フラグが格納されているか否かを判定する。初回実行済フラグは、既視感予告フラグが格納された後、すなわち、既視感予告の発生条件が満たされた後、既視感予告用の予告演出(ボタン演出XA)が既に1回実行済みであるか否かを音光側MPU92において特定するためのフラグである。
ステップS2801において、初回実行済フラグが格納されていないと判定した場合(S2801:NO)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XAが1回も実行されていない場合には、ステップS2802に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XA1を実行させる。演出態様XA1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容が含まれている。その後、ステップS2803に進む。
ステップS2803では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS2803において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S2803:YES)、ステップS2804に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XA2を実行させる。ステップS2804を実行した後、ステップS2805に進み、ボタン押下フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納する。ボタン押下フラグは、1回目のボタン演出XAを実行させた際に演出操作ボタン24の押下が有ったことを音光側MPU92において特定するためのフラグである。ステップS2805を実行した後、ステップS2807に進む。
ステップS2803において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S2803:NO)、ステップS2806に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS2806において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S2806:NO)、ステップS2803に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS2806において、所定時間が経過したと判定した場合(S2806:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS2804及びステップS2805を実行することなく、ステップS2807に進む。
ステップS2807では、初回実行済フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納した後、1回目のボタン演出XAを終了する。
ステップS2801において、初回実行済フラグが格納されていると判定した場合(S2801:YES)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XAが少なくとも1回既に実行済みである場合には、ステップS2808に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XA1を実行させる。その後、ステップS2809に進む。
ステップS2809では、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aにボタン押下フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2809において、ボタン押下フラグが格納されていないと判定した場合(S2809:NO)、すなわち、1回目のボタン演出XAを実行させた際に、演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS2810に進み、所定時間が経過するまで待機し、所定時間が経過した後は、演出態様XA2(ステップS2812)を実行することなく、2回目以降のボタン演出XAを終了する。
ステップS2809において、ボタン押下フラグが格納されていると判定した場合(S2809:YES)、すなわち、1回目のボタン演出XAを実行させた際に、演出操作ボタン24の押下が有った場合には、ステップS2811に進み、今回実行しているボタン演出XAにおいて演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。
ステップS2811において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S2811:YES)、ステップS2812に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XA2を実行させた後、2回目以降のボタン演出XAを終了する。
ステップS2811において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S2811:NO)、ステップS2813に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS2813において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S2813:NO)、ステップS2811に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS2813において、所定時間が経過したと判定した場合(S2813:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS2812に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XA2を実行させた後、2回目以降のボタン演出XAを終了する。
上記の処理によれば、ボタン演出XAを、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、同一の内容で複数回実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XAの処理を実現してもよい。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例2>
図48は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XBを選択し、当該ボタン演出XBを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図49は、ボタン演出XBにおいて実行される演出態様XB1,XB2,XB3及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XBの実行を開始すると、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容を含む演出態様XB1を実行する(S2901)。図49に示した例では、演出態様XB1は、宝箱の画像を表示するとともに、演出操作ボタン24の押下を促す文字及び画像を表示する演出態様である。ただし、演出態様XB1は、他の態様であってもよい。
演出態様XB1を実行した後、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S2902:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XB1とは異なる演出態様XB2を実行する(S2903)。図49に示した例では、演出態様XB2は、宝箱の中から女性のキャラクターが出現する演出態様である。ただし、演出態様XB2は、他の態様であってもよい。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S2902:NO)、所定時間の経過を契機として、演出態様XB1及び演出態様XB2とも異なる演出態様XB3を実行する(S2907)。図49に示した例では、演出態様XB3は、宝箱を魚のキャラクターが運び去る演出態様である。ただし、演出態様XB3は、他の態様であってもよい。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XBの実行を開始すると、1回目のボタン演出XBの場合と同様に、演出態様XB1を実行する(S2904又はS2908)。そして、1回目のボタン演出XBを実行した際に演出態様XB2を実行していた場合には、演出態様XB1を実行した後に(S2904)、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S2905)、演出態様XB2を実行する(S2906)。具体的には、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S2905:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XB2を実行する(S2906)。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S2905:NO)、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XB2を実行する(S2906)。
一方、1回目のボタン演出XBを実行した際に演出態様XB3を実行していた場合には、演出態様XB1を実行した後に(S2908)、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S2909)、演出態様XB3を実行する(S2910)。具体的には、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S2909:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XB3を実行する(S2910)。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S2909:NO)、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XB3を実行する(S2910)。
2回目のボタン演出XBが終了すると、本実施形態のパチンコ機10は、同一の内容のボタン演出XBが複数回(上記の例では2回)実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S2911)。図49に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。
なお、ボタン演出XBを3回以上実行する場合には、2回目のボタン演出XBを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XBの終了後に示唆演出Fを実行すればよい。
上述したように、ボタン演出は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様(例えば、演出操作ボタン24の押下の有無や、タイミング、押下の回数等)によって異なる内容で実行される場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XBを複数回実行する際に、1回目のボタン演出XBにおいて演出態様XB2を実行した場合には、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降のボタン演出XBにおいて演出態様XB2を実行し、一方、1回目のボタン演出XBにおいて演出態様XB3を実行した場合には、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降のボタン演出XBにおいて演出態様XB3を実行する。したがって、ボタン演出XBを複数回実行した場合であっても、1回目と2回目以降に実行するボタン演出XBの内容を同一にすることができる。そして、上記の実施形態と同様に、遊技者に対して、同一の内容のボタン演出XBが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XBが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XBが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。ただし、示唆演出Fを実行することは必須ではなく、パチンコ機10は、示唆演出Fを実行しない構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に有った場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを契機として演出態様XB2又は演出態様XB3を実行するので、遊技者をボタン演出XBに積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に無かった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XB2又は演出態様XB3を実行することができる。さらに、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に無かった場合であっても、演出態様XB2又は演出態様XB3を実行するので、遊技に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。ただし、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の押下や所定時間の経過を契機とせずに、所定のタイミングで演出態様XB2又は演出態様XB3を実行する構成であってもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XBを選択し、当該ボタン演出XBを複数回実行する場合には、演出操作ボタン24の押下の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを表示しない。この理由について説明する。遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なう場合がある。ここで、仮に時間パラメーターを表示すると、遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なったということを認識してしまい、同一の内容でボタン演出が複数回実行されたとしても、複数回実行されたボタン演出に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を複数回実行する際に、時間パラメーターを表示しないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合に、時間パラメーターを表示する構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XBの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XBを複数回実行する構成であってもよい。
なお、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の態様を、押下が有った場合における態様(すなわち、押下により凹んだ態様)に変化させる変化手段を備えてもよい。そして、変化手段は、演出操作ボタン24の押下が無かった場合であって(S2905:NO)、演出態様XB2を実行する場合に(S2906)、演出操作ボタン24の態様を、押下が有った場合における態様に変化させるとよい。このような変化手段を設ければ、演出操作ボタン24の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができるとともに、演出操作ボタン24の押下が無かったにも関わらず演出態様XB2が実行されることに、説得力を持たせることができる。変化手段は、例えば、演出操作ボタン24の内部にソレノイドやモーター等のアクチュエーターを設けることによって実現することができる。
なお、本実施形態では、演出操作ボタン24の押下の有無に基づいて、ボタン演出XBにおいて実行される演出態様の制御を実行しているが、これに限定されず、例えば、演出操作ボタン24が押下されている時間や回数等、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすか否かに基づいて、ボタン演出XBにおいて実行される演出態様の制御を実行してもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XBの処理の一例について説明する。
図50は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XBが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3001では、音光側RAM94に初回実行済フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3001において、初回実行済フラグが格納されていないと判定した場合(S3001:NO)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XBが1回も実行されていない場合には、ステップS3002に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XB1を実行させる。演出態様XB1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容が含まれている。その後、ステップS3003に進む。
ステップS3003では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS3003において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S3003:YES)、ステップS3004に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XB2を実行させる。その後、ステップS3005に進み、ボタン押下フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納する。
ステップS3003において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S3003:NO)、ステップS3006に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS3006において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S3006:NO)、ステップS3003に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS3006において、所定時間が経過したと判定した場合(S3006:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS3007に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に上述した演出態様XB3を実行させる。その後、ステップS3008に進む。
ステップS3008では、初回実行済フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納した後、1回目のボタン演出XBを終了する。
ステップS3001において、初回実行済フラグが格納されていると判定した場合(S3001:YES)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XBが少なくとも1回既に実行済みである場合には、ステップS3009に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XB1を実行させる。その後、ステップS3010に進む。
ステップS3010では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS3010において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S3010:YES)、ステップS3012に進む。一方、ステップS3010において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S3010:NO)、ステップS3011に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS3011において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S3011:NO)、ステップS3010に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS3011において、所定時間が経過したと判定した場合(S3011:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS3012に進む。
ステップS3012では、ボタン押下フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3012において、ボタン押下フラグが格納されていると判定した場合には(S3012:YES)、ステップS3013に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XB2を実行させた後、2回目以降のボタン演出XBを終了する。一方、ステップS3012において、ボタン押下フラグが格納されていないと判定した場合には(S3012:NO)、ステップS3014に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XB3を実行させた後、2回目以降のボタン演出XBを終了する。
上記の処理によれば、ボタン演出XBを、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、同一の内容で複数回実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XBの処理を実現してもよい。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例3>
図51は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XCを選択し、当該ボタン演出XCを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図52は、ボタン演出XCにおいて実行される演出態様XC1,XC2及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XCの実行を開始すると、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容を含む演出態様XC1を実行する(S3101)。図52に示した例では、演出態様XC1は、宝箱の画像を表示するとともに、演出操作ボタン24の押下を促す文字及び画像を表示する演出態様である。ただし、演出態様XC1は、他の態様であってもよい。
演出態様XC1を実行した後、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S3102)、演出態様XC1とは異なる演出態様XC2を実行する(S3103)。具体的には、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S3102:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XC2を実行する(S3103)。図52に示した例では、演出態様XC2は、宝箱の中から女性のキャラクターが出現する演出態様である。ただし、演出態様XC2は、他の態様であってもよい。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S3102:NO)、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XC2を実行する(S3103)。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XCの実行を開始すると、1回目のボタン演出XCの場合と同様に、演出態様XC1を実行する(S3104)。演出態様XC1を実行した後、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S3105)、演出態様XC2を実行する(S3106)。具体的には、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S3105:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XC2を実行する(S3106)。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S3105:NO)、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XC2を実行する(S3106)。
2回目のボタン演出XCが終了すると、本実施形態のパチンコ機10は、同一の内容のボタン演出XCが複数回(上記の例では2回)実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S3107)。図52に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。
なお、ボタン演出XCを3回以上実行する場合には、1回目及び2回目のボタン演出XCを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XCの終了後に示唆演出Fを実行すればよい。
上述したように、ボタン演出は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様(例えば、演出操作ボタン24の押下の有無や、タイミング、押下の回数等)によって異なる内容で実行される場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、1回目にボタン演出XCを実行する場合も、2回目以降にボタン演出XCを実行する場合も、同様に、演出態様XC1を実行した後に、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、演出態様XC2を実行する。したがって、ボタン演出XCを複数回実行した場合であっても、1回目と2回目以降に実行するボタン演出XCの内容を同一にすることができる。そして、上記の実施形態と同様に、遊技者に対して、同一の内容のボタン演出XCが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XCが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XCが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。ただし、示唆演出Fを実行することは必須ではなく、パチンコ機10は、示唆演出Fを実行しない構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に有った場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを契機として演出態様XC2を実行するので、遊技者をボタン演出XCに積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に無かった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、演出態様XC2を実行することができる。さらに、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に無かった場合であっても、演出態様XC2を実行するので、遊技に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。ただし、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の押下や所定時間の経過を契機とせずに、所定のタイミングで演出態様XC2を実行する構成であってもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XCにおいて、遊技者が所定時間以内に演出操作ボタン24を押下しなくても、強制的に演出態様XC2を実行する。このため、この仕組みを知っている遊技者は、1回目のボタン演出XCが実行された時点で、あえて演出操作ボタン24を押下せずに、強制的に演出態様XC2が実行されることを期待することになる。また、このボタン演出XCに加えて、上記のボタン演出XAやボタン演出XBも実行可能なパチンコ機10の場合には、1回目のボタン演出において演出態様XC2が強制的に実行されなかった場合であっても、遊技者は、今回実行されているボタン演出は、ボタン演出XCではなく、上記のボタン演出XAである可能性又はボタン演出XBである可能性が残されていると認識し、示唆演出Fが実行される可能性が残されていると期待することになる。したがって、遊技者は、2回目以降のボタン演出に対しても期待を残して遊技をすることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XCを選択し、当該ボタン演出XCを複数回実行する場合には、演出操作ボタン24の押下の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを表示しない。この理由について説明する。遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なう場合がある。ここで、仮に時間パラメーターを表示すると、遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なったということを認識してしまい、同一の内容でボタン演出が複数回実行されたとしても、複数回実行されたボタン演出に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を複数回実行する際に、時間パラメーターを表示しないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合に、時間パラメーターを表示する構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XCの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XCを複数回実行する構成であってもよい。
なお、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の態様を、押下が有った場合における態様(すなわち、押下により凹んだ態様)に変化させる変化手段を備えてもよい。そして、変化手段は、演出操作ボタン24の押下が無かった場合であって(S3105:NO)、演出態様XC2を実行する場合に(S3106)、演出操作ボタン24の態様を、押下が有った場合における態様に変化させるとよい。このような変化手段を設ければ、演出操作ボタン24の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができるとともに、演出操作ボタン24の押下が無かったにも関わらず演出態様XC2が実行されることに、説得力を持たせることができる。変化手段は、例えば、演出操作ボタン24の内部にソレノイドやモーター等のアクチュエーターを設けることによって実現することができる。
なお、本実施形態では、演出操作ボタン24の押下の有無に基づいて、ボタン演出XCにおいて実行される演出態様の制御を実行しているが、これに限定されず、例えば、演出操作ボタン24が押下されている時間や回数等、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすか否かに基づいて、ボタン演出XCにおいて実行される演出態様の制御を実行してもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XCの処理の一例について説明する。
図53は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XCが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。このボタン演出XCでは、1回目に実行された場合と、2回目以降に実行された場合とで、同一の処理が実行される。
ステップS3201では、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に上述した演出態様XC1を実行させる。演出態様XC1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容が含まれている。その後、ステップS3202に進む。
ステップS3202では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS3202において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S3202:YES)、ステップS3204に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に上述した演出態様XC2を実行させた後、ボタン演出XCを終了する。
ステップS3202において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S3202:NO)、ステップS3203に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS3203において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S3203:NO)、ステップS3202に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。一方、ステップS3203において、所定時間が経過したと判定した場合(S3203:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS3204に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XC2を実行させた後、ボタン演出XCを終了する。
上記の処理によれば、ボタン演出XCを、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、同一の内容で複数回実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XCの処理を実現してもよい。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例4>
図54は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XAを選択し、当該ボタン演出XDを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図55は、ボタン演出XDにおいて実行される演出選択画面XD1,演出態様XD2及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XDの実行を開始すると、まず、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容を含むとともに、複数の選択肢の中から一の選択肢を遊技者に選択させる演出選択画面XD1を表示する(S3301)。演出選択画面XD1は、演出操作ボタン24が押下される毎に選択状態が切り替わる選択画面である。図55に示した例では、演出選択画面XD1は、画面の真ん中に女性キャラクターが登場するとともに、貝を背負った亀のキャラクターが当該女性キャラクターの前に複数登場し、演出操作ボタン24の押下がある毎に、亀のキャラクターが左に移動するとともに(S3302)、画面の右側から新しい亀のキャラクターが登場する態様である。なお、本実施形態では、それぞれの亀のキャラクターの絵柄は同一であるため、演出操作ボタン24の押下がある前後で、演出選択画面XD1の態様は変化しない。ただし、演出選択画面XD1は、図55に示した以外の他の態様であってもよく、また、演出操作ボタンの押下がある前後で異なる態様になる構成であってもよい。
そして、本実施形態のパチンコ機10は、所定時間が経過したタイミングで選択されている選択肢に対応する演出態様XD2を実行する(S3303)。図55に示した例では、演出態様XD2は、所定時間が経過したタイミングで女性キャラクターの前にいる亀のキャラクターが選択され、当該選択された亀のキャラクターに背負われた貝が開き、貝の中から所定の特徴を有する真珠が登場する演出態様である。なお、本実施形態では、それぞれの亀のキャラクターの絵柄は同一であるが、貝の中から登場する真珠等のオブジェクトの特徴は、それぞれの亀のキャラクター毎に異なっている。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XDの実行を開始すると、1回目のボタン演出XDにおいて表示した演出選択画面XD1と同一の演出選択画面XD1を表示する(S3304)。そして、演出操作ボタン24の押下がある毎に、亀のキャラクターを左に移動させるとともに(S3305)、所定時間が経過したタイミングで、1回目に選択された選択肢に対応する演出態様XD2と同一の演出態様XD2を実行する(S3306)。図55に示した例では、所定時間が経過したタイミングで女性キャラクターの前にいる亀のキャラクターが選択され、当該選択された亀のキャラクターに背負われた貝が開き、貝の中から1回目と同一の特徴を有する真珠が登場する演出態様XD2を実行する。
2回目のボタン演出XDが終了すると、本実施形態のパチンコ機10は、同一の内容のボタン演出XDが複数回(上記の例では2回)実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S3307)。図55に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。
なお、ボタン演出XDを3回以上実行する場合には、2回目のボタン演出XDを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XDの終了後に示唆演出Fを実行すればよい。
上述したように、ボタン演出は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様(例えば、演出操作ボタン24の押下の有無や、タイミング、押下の回数等)によって異なる内容で実行される場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XDを複数回実行する際に、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降に実行するボタン演出XDにおいて、1回目のボタン演出XDにおいて実行した演出態様と同一の演出態様を実行する。したがって、ボタン演出XDを複数回実行した場合であっても、1回目と2回目以降に実行するボタン演出XDの内容を同一にすることができる。そして、上記の実施形態と同様に、遊技者に対して、同一の内容のボタン演出XDが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XDが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XDが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。ただし、示唆演出Fを実行することは必須ではなく、パチンコ機10は、示唆演出Fを実行しない構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、演出選択画面XD1は、選択状態が切り替わる前後で、同一の態様であるため、ボタン演出XDが複数回実行された場合に、同一の態様の演出選択画面XD1から同一の演出態様XD2が実行されることになる。したがって、遊技者に与える既視感を高めることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XDを選択し、当該ボタン演出XDを複数回実行する場合には、演出操作ボタン24の押下の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを表示しない。この理由について説明する。遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なう場合がある。ここで、仮に時間パラメーターを表示すると、遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なったということを認識してしまい、同一の内容でボタン演出が複数回実行されたとしても、複数回実行されたボタン演出に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を複数回実行する際に、時間パラメーターを表示しないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合に、時間パラメーターを表示する構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XDの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XDを複数回実行する構成であってもよい。
なお、本実施形態では、演出操作ボタン24の押下の有無に基づいて、ボタン演出XDにおいて実行される演出態様の制御を実行しているが、これに限定されず、例えば、演出操作ボタン24が押下されている時間や回数等、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすか否かに基づいて、ボタン演出XDにおいて実行される演出態様の制御を実行してもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XDの処理の一例について説明する。
図56は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XDが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3401では、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに初回実行済フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3401において、初回実行済フラグが格納されていないと判定した場合(S3401:NO)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XDが1回も実行されていない場合には、ステップS3402に進み、上述した演出選択画面XD1を図柄表示装置41に表示させるとともに、スピーカー46及び各種ランプ47に演出選択画面XD1に対応した音及び光のパターンを実行させる。演出選択画面XD1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容が含まれている。その後、ステップS3403に進む。
ステップS3403では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS3403において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S3403:YES)、ステップS3404に進み、選択状態が切り替わった状態の演出選択画面XD1を図柄表示装置41に表示させる。図55に示した例では、演出選択画面XD1において、亀のキャラクターが左に移動するとともに、画面の右側から新しい亀のキャラクターが登場する態様を表示させる。その後、ステップS3405に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS3405において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S3405:NO)、ステップS3403に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。
ステップS3405において、所定時間が経過したと判定した場合には(S3405:YES)、ステップS3406に進み、選択された演出態様XD2を演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に実行させる。その後、ステップS3407に進む。
ステップS3407では、ステップS3406において実行された演出態様XD2の種類情報を記憶する。その後、ステップS3408に進み、初回実行済フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納した後、1回目のボタン演出XDを終了する。
ステップS3401において、初回実行済フラグが格納されていると判定した場合(S3401:YES)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XDが少なくとも1回既に実行済みである場合には、ステップS3409に進み、1回目と同一の演出選択画面XD1を図柄表示装置41に表示させるとともに、スピーカー46及び各種ランプ47に演出選択画面XD1に対応した音及び光のパターンを実行させる。その後、ステップS3410に進む。
ステップS3410では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS3410において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S3410:YES)、ステップS3411に進み、選択状態が切り替わった状態の演出選択画面XD1を図柄表示装置41に表示させる。その後、ステップS3412に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS3412において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S3412:NO)、ステップS3410に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。
ステップS3412において、所定時間が経過したと判定した場合には(S3412:YES)、ステップS3413に進み、ステップS3407において記憶された演出態様XD2を、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に実行させた後、2回目以降のボタン演出XDを終了する。
上記の処理によれば、ボタン演出XDを、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、同一の内容で複数回実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XDの処理を実現してもよい。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例5>
図57は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XEを選択し、当該ボタン演出XEを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図58は、ボタン演出XEにおいて実行される演出選択画面XE1,演出態様XE2及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XEの実行を開始すると、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容を含むとともに、複数の演出態様の中から一の演出態様を遊技者に選択させる演出選択画面XE1を表示する(S3501)。演出選択画面XE1は、演出態様の選択状態が時間の経過とともに切り替わる選択画面である。図58に示した例では、演出選択画面XE1は、選択カーソルが時間の経過とともに移動し、4つの演出態様の中から一の演出態様を選択させるルーレット型の選択画面である。本実施形態では、選択カーソルの移動速度は、遊技者が特定の演出態様を狙って選択することができない程度に高速である。なお、演出選択画面XE1は、他の態様であってもよい。
そして、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S3502)、複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様XE2を実行する(S3503)。具体的には、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S3502:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様XE2を実行する(S3503)。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S3502:NO)、所定時間が経過したことを契機として、複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様XE2を実行する(S3503)。図58に示した例では、選択された演出態様XE2は、亀のキャラクターを主役としたカットイン予告演出である。ただし、演出態様として他の演出態様が選択されてもよく、また、選択され得る各演出態様は、他の態様であってもよい。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XEの実行を開始すると、1回目に表示した演出選択画面XE1と同一の演出選択画面XE1を表示する(S3504)。そして、演出操作ボタン24の押下が有った場合及び無かった場合のいずれの場合であっても(S3505)、1回目に選択された演出態様と同一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様XE2を実行する(S3506)。具体的には、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S3505:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、1回目に選択された演出態様と同一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様XE2を実行する。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S3505:NO)、所定時間が経過したことを契機として、1回目に選択された演出態様と同一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様XE2を実行する(S3506)。
2回目のボタン演出XEが終了すると、本実施形態のパチンコ機10は、同一の内容のボタン演出XEが複数回(上記の例では2回)実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S3507)。図58に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。
なお、ボタン演出XEを3回以上実行する場合には、2回目のボタン演出XEを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XEの終了後に示唆演出Fを実行すればよい。
上述したように、ボタン演出は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様(例えば、演出操作ボタン24の押下の有無や、タイミング、押下の回数等)によって異なる内容で実行される場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XEを複数回実行する際に、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降に実行するボタン演出XEにおいて、1回目のボタン演出XEにおいて実行した演出態様と同一の演出態様が選択・実行される。したがって、ボタン演出XEを複数回実行した場合であっても、1回目と2回目以降に実行するボタン演出XEの内容を同一にすることができる。そして、上記の実施形態と同様に、遊技者に対して、同一の内容のボタン演出XEが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XEが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XEが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。ただし、示唆演出Fを実行することは必須ではなく、パチンコ機10は、示唆演出Fを実行しない構成であってもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XEを選択し、当該ボタン演出XEを複数回実行する場合には、演出操作ボタン24の押下の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを表示しない。この理由について説明する。遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なう場合がある。ここで、仮に時間パラメーターを表示すると、遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なったということを認識してしまい、同一の内容でボタン演出が複数回実行されたとしても、複数回実行されたボタン演出に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を複数回実行する際に、時間パラメーターを表示しないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合に、時間パラメーターを表示する構成であってもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10では、選択カーソルの移動速度は、遊技者が特定の演出態様を狙って選択することができない程度に高速である。したがって、1回目に選択された演出態様とは異なる演出態様に選択カーソルが止まるように遊技者が狙ったにも関わらず、1回目に選択された演出態様と同一の演出態様が強制的に選択されたという遊技者の違和感を低減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XEの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XEを複数回実行する構成であってもよい。
なお、本実施形態では、演出操作ボタン24の押下の有無に基づいて、ボタン演出XEにおいて実行される演出態様の制御を実行しているが、これに限定されず、例えば、演出操作ボタン24が押下されている時間や回数等、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすか否かに基づいて、ボタン演出XEにおいて実行される演出態様の制御を実行してもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XEの処理の一例について説明する。
図59は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XEが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3601では、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに初回実行済フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3601において、初回実行済フラグが格納されていないと判定した場合には(S3601:NO)、ステップS3602に進み、上述したルーレット型の演出選択画面XE1を図柄表示装置41に表示させるとともに、スピーカー46及び各種ランプ47に演出選択画面XE1に対応した音及び光のパターンを実行させる。演出選択画面XE1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容が含まれている。その後、ステップS3603に進む。
ステップS3603では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS3603において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S3603:YES)、ステップS3605に進み、演出操作ボタン24の押下が有ったタイミングで選択カーソルを止め、一の演出態様が選択されたことを示す画像を図柄表示装置41に表示させる。その後、ステップS3606に進む。
ステップS3603において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S3603:NO)、ステップS3604に進み、所定時間が経過しているか否かを判定する。ステップS3604において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S3604:NO)、ステップS3603に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。
ステップS3604において、所定時間が経過したと判定した場合には(S3604:YES)、ステップS3605に進み、所定時間が経過したタイミングで選択カーソルを止め、一の演出態様が選択されたことを示す画像を図柄表示装置41に表示させる。その後、ステップS3606に進む。
ステップS3606では、ステップS3605において選択された演出態様XE2を演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に実行させる。その後、ステップS3607に進む。
ステップS3607では、ステップS3606において実行された演出態様XE2の種別を音光側RAM94に記憶する。その後、ステップS3608に進む。
ステップS3608では、初回実行済フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納した後、1回目のボタン演出XEを終了する。
ステップS3601において、初回実行済フラグが格納されていると判定した場合(S3601:YES)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XEが少なくとも1回既に実行済みである場合には、ステップS3609に進み、1回目と同一の演出選択画面XE1を図柄表示装置41に表示させるとともに、スピーカー46及び各種ランプ47に演出選択画面XE1に対応した音及び光のパターンを実行させる。その後、ステップS3610に進む。
ステップS3610では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS3610において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S3610:YES)、ステップS3612に進み、演出操作ボタン24の押下が有った後のタイミングであってステップS3607において記憶された演出態様XE2が選択されたタイミングで選択カーソルを止め、当該記憶された演出態様XE2が選択されたことを示す画像を図柄表示装置41に表示させる。その後、ステップS3613に進む。
ステップS3610において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S3610:NO)、ステップS3611に進み、所定時間が経過しているか否かを判定する。ステップS3611において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S3611:NO)、ステップS3610に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。
ステップS3611において、所定時間が経過したと判定した場合には(S3611:YES)、ステップS3612に進み、所定時間が経過した後のタイミングであってステップS3607において記憶された演出態様XE2が選択されたタイミングで選択カーソルを止め、当該記憶された演出態様XE2が選択されたことを示す画像を図柄表示装置41に表示させる。その後、ステップS3613に進む。
ステップS3613では、ステップS3612において選択された演出態様XE2を演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に実行させた後、2回目以降のボタン演出XEを終了する。
上記の処理によれば、ボタン演出XEを、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、同一の内容で複数回実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XEの処理を実現してもよい。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例6>
図60は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XFを選択し、当該ボタン演出XFを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図61は、ボタン演出XFにおいて実行される演出態様XF1,XF2及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XFの実行を開始すると、遊技者に対して演出操作ボタン24の連打を示唆する内容と、所定のパラメーターが時間の経過とともに一定の方向に変化する内容とを含む演出態様XF1を実行する(S3701)。図61に示した例では、演出態様XF1は、遊技者側の蟹のキャラクターが、敵側の蛸のキャラクターから墨による攻撃を受け、当該墨の攻撃に耐えようとする内容を含むとともに、蟹のキャラクターの体力を示すパラメーターが、墨の攻撃を受けて減少する方向に変化していく演出態様である。また、演出態様XF1では、遊技者に対して演出操作ボタン24の連打を示唆するメッセージの一例として、「連打して耐えろ!」といった文字を表示する。ただし、演出態様XF1は、他の態様であってもよい。
本実施形態のパチンコ機10では、演出態様XF1を実行すると、パラメーターが時間の経過とともに減少していく(S3702)。このとき、演出操作ボタン24が遊技者によって連打されていると、パチンコ機10は、パラメーターの減少速度を小さくする制御を実行する。具体的には、パチンコ機10は、単位時間当たりの演出操作ボタン24の押下の数が多いほどパラメーターの減少速度が小さくなるように制御を実行する。このようにすれば、遊技者は、パラメーターの減少速度を小さくさせようとして、単位時間当たりの演出操作ボタン24の押下の数が多くなるように、演出操作ボタン24を連打するようになる。図61に示した例では、遊技者は、演出操作ボタン24を連打することによってパラメーターの減少速度を小さくし、蟹のキャラクターが蛸の攻撃に耐え切れるようにしようとする。したがって、遊技者をボタン演出XFに積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。
そして、本実施形態のパチンコ機10は、パラメーターが所定のパラメーター条件を満たした後に、演出態様XF2を実行する(S3704)。具体的には、パラメーターが減少して0になった後に、演出態様XF2を実行する(S3704)。図61に示した例では、演出態様XF2は、遊技者側の蟹のキャラクターが敵側の蛸のキャラクターの攻撃に耐え切れずに敗北してしまう内容を含む演出態様である。ただし、演出態様XF2は、他の態様であってもよい。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XFの実行を開始すると、1回目のボタン演出XFの場合と同様の制御を実行する。具体的には、演出態様XF1を実行し(S3705)、時間の経過とともにパラメーターを減少させ(S3706)、パラメーターが0になった後に(S3707)、演出態様XF2を実行する(S3708)。すなわち、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、演出態様XF1と演出態様XF2とが実行される。
2回目のボタン演出XFが終了すると、本実施形態のパチンコ機10は、同一の内容のボタン演出XFが複数回(上記の例では2回)実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S3709)。図61に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。
なお、ボタン演出XFを3回以上実行する場合には、2回目のボタン演出XFを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XFの終了後に示唆演出Fを実行すればよい。
上述したように、ボタン演出は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様(例えば、演出操作ボタン24の押下の有無や、タイミング、押下の回数等)によって異なる内容で実行される場合がある。本実施形態のパチンコ機10は、1回目にボタン演出XFを実行する場合も、2回目以降にボタン演出XFを実行する場合も、同様に、演出態様XF1を実行した後に、遊技者による入力操作の操作態様に関わらずパラメーターを減少させて0とし、演出態様XF2を実行する。したがって、ボタン演出XFを複数回実行した場合であっても、1回目と2回目以降に実行するボタン演出XFの内容を同一にすることができる。そして、遊技者に対して、同一の内容のボタン演出XFが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XFが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XFが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。特に、演出態様XF2として、遊技者にとって不利な演出態様(例えば、遊技者側のキャラクターが敗北する演出態様)が実行された場合には、落ち込んだ気持ちから一転、示唆演出が実行され、遊技者の期待感を一気に上昇させることができる。ただし、示唆演出Fを実行することは必須ではなく、パチンコ機10は、示唆演出Fを実行しない構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XFの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XFを複数回実行する構成であってもよい。
なお、パチンコ機10は、1回目のボタン演出XFを実行する際に、パラメーターが変化する過程を記憶するとともに、2回目以降のボタン演出XFを実行する際に、当該記憶したパラメーターが変化する過程を再現してもよい。このようにすれば、複数回実行されたボタン演出XFのそれぞれにおいて、パラメーターが変化する過程が同一となるので、さらに強い既視感を遊技者に与えることができる。
また、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の態様を、押下が有った場合における態様(すなわち、押下により凹んだ態様)に変化させる変化手段を備えてもよい。そして、パチンコ機10は、1回目のボタン演出XFを実行する際に、演出操作ボタン24が遊技者によって連打された際の演出操作ボタン24の態様の変化の過程を記憶するとともに、2回目以降のボタン演出XFを実行する際に、当該記憶した演出操作ボタン24の態様の変化の過程を、変化手段に再現させるとよい。このようにすれば、演出操作ボタン24の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができる。さらに、2回目以降のボタン演出XFにおいて、1回目のボタン演出XFにおける演出操作ボタン24の態様の変化の過程が再現されるので、さらに強い既視感を遊技者に与えることができる。
また、上記の例では、パラメーターを時間の経過とともに減少する方向に変化させる例について説明したが、パラメーターを時間の経過とともに増加する方向に変化させてもよい。この場合には、パチンコ機10は、単位時間当たりの演出操作ボタン24の押下の数が多いほどパラメーターの増加速度が大きくなるように制御を実行すればよい。時間の経過とともに増加させるパラメーターとしては、例えば、遊技者側のキャラクターの攻撃力パラメーターや、気力パラメーター等を挙げることができる。そして、パラメーターが増加し、最大値等の所定の値に達した後に、勝利演出などの肯定的な演出態様を実行すればよい。このようにすれば、上記の例と同様に、遊技者による演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、パラメーターが所定の最大値まで増加するので、パチンコ機10は、ボタン演出XFを同一の内容で複数回実行することができる。また、遊技者は、パラメーターの増加速度を大きくさせようとして、単位時間当たりの演出操作ボタン24の押下の数が多くなるように、演出操作ボタン24を連打するようになる。したがって、上記の例と同様に、遊技者をボタン演出XFに積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。
また、上記の例では、パラメーターは、棒状で示された態様であったが、これに限定されることなく、円等の他の形状で示された態様であってもよく、数値のみで示された態様であってもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XFの処理の一例について説明する。
図62は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XFが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。このボタン演出XFでは、1回目に実行された場合と、2回目以降に実行された場合とで、同一の処理が実行される。
ステップS3801では、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に上述した演出態様XF1を実行させる。演出態様XF1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の連打を示唆する内容と、体力パラメーターが時間の経過とともに減少する方向に変化する内容とが含まれている。ステップS3801を実行した後、ステップS3802に進む。
ステップS3802では、演出操作ボタン24が連打されているか否かを判定する。具体的には、例えば、所定時間内における演出操作ボタン24の押下の回数をカウントし、押下の回数が所定回数以上である場合には、演出操作ボタン24が連打されていると判定する。ステップS3802において、演出操作ボタン24が連打されていると判定した場合には(S3802:YES)、ステップS3803に進み、体力パラメーターを所定の速度で低下させる。その後、ステップS3805に進む。
ステップS3802において、演出操作ボタン24が連打されていないと判定した場合には(S3802:NO)、ステップS3804に進み、体力パラメーターをステップS3803における所定の速度よりも速い速度で低下させる。その後、ステップS3805に進む。
ステップS3805では、体力パラメーターが0になったか否かを判定する。ステップS3805において、体力パラメーターが0になっていないと判定した場合には(S3805:NO)、ステップS3802に戻り、演出操作ボタン24が連打されているか否かを判定する。すなわち、体力パラメーターが0になるまで演出操作ボタン24の連打の有無を監視し、演出操作ボタン24が連打されている期間は遅い速度で体力パラメーターを低下させ、演出操作ボタン24が連打されていない期間は速い速度で体力パラメーターを低下させる。
ステップS3805において、体力パラメーターが0になったと判定した場合には(S3805:YES)、ステップS3806に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に上述した演出態様XF2を実行させる。その後、1回目又は2回目以降の既視感予告用の予告演出を終了する。
なお、上記の例では、体力値を低下させる速度は、連打の有無に応じて2段階として説明したが、所定時間内における演出操作ボタン24の押下の回数に応じて3段階以上であってもよい。
上記の処理によれば、ボタン演出XFを、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様に関わらず、同一の内容で複数回実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XFの処理を実現してもよい。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例7>
図63は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XGを選択し、当該ボタン演出XAを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図64は、ボタン演出XGにおいて実行される演出態様XG1,XG2及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XGの実行を開始すると、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容を含む演出態様XG1を実行する(S3901)。図64に示した例では、演出態様XG1は、宝箱の画像を表示するとともに、演出操作ボタン24の押下を促す文字及び画像を表示する演出態様である。ただし、演出態様XA1は、他の態様であってもよい。
演出態様XG1を実行した後、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S3902:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XG1とは異なる演出態様XG2を実行する(S3903)。図64に示した例では、演出態様XG2は、宝箱の中から女性のキャラクターが出現する演出態様である。ただし、演出態様XG2は、他の態様であってもよい。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S3902:NO)、演出態様XG1を実行したまま、演出態様XG2を実行しない。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XGの実行を開始すると、1回目のボタン演出XGの場合と同様に、演出態様XG1を実行する(S3904又はS3908)。そして、演出態様XG1を実行した後、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S3905:YES又はS3909:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XG2を実行する(S3906又はS3910)。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S3905:NO又はS3909:NO)、演出態様XG1を実行したまま、演出態様XG2を実行しない。
そして、パチンコ機10は、複数回(上記の例では2回)実行されたボタン演出XGの全てにおいて演出態様XG2が実行された場合、又は、複数回実行されたボタン演出XGの全てにおいて演出態様XG2が1回も実行されなかった場合には、ボタン演出XGが同一の内容で複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S3907又はS3911)。図64に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。一方、複数回実行されたボタン演出XGにおいて1回でも同一の内容で実行されなかった場合、具体的には、1回目のボタン演出XGにおいて演出態様XG2が実行されたにも関わらず、2回目のボタン演出XGにおいて演出態様XG2が実行されなかった場合、及び、1回目のボタン演出XGにおいて演出態様XG2が実行されなかったにも関わらず、2回目のボタン演出XGにおいて演出態様XG2が実行された場合には、示唆演出Fを実行せず、通常のリーチ演出等を実行する。
なお、ボタン演出XGを3回以上実行する場合には、2回目のボタン演出XGを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XGの終了後に示唆演出Fを実行するか否かを判定すればよい。
本実施形態のパチンコ機10によれば、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて遊技者が同一の入力操作を行なうと、同一の内容でボタン演出XGが複数回実行されることになり、同一の内容のボタン演出XGが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を遊技者に与えることができる。さらに、同一の内容でボタン演出XGが複数回実行された場合には、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XGが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XGが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
さらに、遊技者は、同一の内容でボタン演出XGが複数回実行された後に示唆演出Fを経験すると、示唆演出Fが実行されることを期待して、ボタン演出XGが実行される度に、同一の入力操作を行なって同一の内容でボタン演出XGが実行されるように演出操作ボタン24を操作し、示唆演出Fの発生を期待するようになる。したがって、順次実行されるボタン演出XGへの遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に有った場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを契機として演出態様XG2を実行するので、遊技者をボタン演出XGに積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。ただし、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の押下を契機とせずに、所定のタイミングで演出態様XG2を実行する構成であってもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XGを選択し、当該ボタン演出XGを複数回実行する場合には、演出操作ボタン24の押下の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを表示しない。この理由について説明する。遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なう場合がある。ここで、仮に時間パラメーターを表示すると、遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なったということを認識してしまい、同一の内容でボタン演出が複数回実行されたとしても、複数回実行されたボタン演出に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を複数回実行する際に、時間パラメーターを表示しないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合に、時間パラメーターを表示する構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XGの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XGを複数回実行する構成であってもよい。
なお、本実施形態では、演出操作ボタン24の押下の有無に基づいて、ボタン演出XGにおいて実行される演出態様の制御を実行しているが、これに限定されず、例えば、演出操作ボタン24が押下されている時間や回数等、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすか否かに基づいて、ボタン演出XGにおいて実行される演出態様の制御を実行してもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XGの処理の一例について説明する。
図65は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XGが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS4001では、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに初回実行済フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS4001において、初回実行済フラグが格納されていないと判定した場合(S4001:NO)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XGが1回も実行されていない場合には、ステップS4002に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XG1を実行させる。演出態様XG1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容が含まれている。その後、ステップS4003に進む。
ステップS4003では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS4003において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S4003:YES)、ステップS4004に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XG2を実行させる。ステップS4004を実行した後、ステップS4005に進み、ボタン押下フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納する。ボタン押下フラグは、1回目のボタン演出XGを実行させた際に演出操作ボタン24の押下が有ったことを音光側MPU92において特定するためのフラグである。ステップS4005を実行した後、ステップS4007に進む。
ステップS4003において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S4003:NO)、ステップS4006に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS4006において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S4006:NO)、ステップS4003に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS4006において、所定時間が経過したと判定した場合(S4006:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS4004及びステップS4005を実行することなく、ステップS4007に進む。
ステップS4007では、初回実行済フラグをRAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納する。その後、ステップS4008に進み、示唆演出実行フラグをRAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納し、1回目のボタン演出XGを終了する。
示唆演出実行フラグは、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XGが複数回実行された場合に、当該複数回のボタン演出XGの全てにおいて同一の演出態様XG2が実行されたこと、又は当該複数回のボタン演出XGの全てにおいて演出態様XG2が一度も実行されなかったことを音光側MPU92において特定するためのフラグである。
以下の各ステップの処理で説明するように、示唆演出実行フラグは、既視感予告フラグが格納された後、1回目のボタン演出XGにおいて演出態様XG2が実行された場合において、2回目以降のボタン演出XGにおいて1回でも演出態様XG2が実行されなかった場合に、消去される。また、示唆演出実行フラグは、既視感予告フラグが格納された後、1回目のボタン演出XGにおいて演出態様XG2が実行されなかった場合において、2回目以降のボタン演出XGにおいて1回でも演出態様XG2が実行された場合に、消去される。すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XGが複数回実行された場合おいて、当該複数回のボタン演出XGの全てにおいて同一の演出態様XG2が実行された場合、又は当該複数回のボタン演出XGの全てにおいて演出態様XG2が一度も実行されなかった場合に、示唆演出実行フラグが消去されずに格納されたままとなる。本実施形態では、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報に係る遊技回の予告演出の内容を設定する場合に、この示唆演出実行フラグが格納されているか否かを判定し、示唆演出実行フラグが格納されていると判定した場合に、上述した示唆演出Fを実行する。一方、示唆演出実行フラグが格納されていないと判定した場合には、示唆演出Fを実行せず、通常のリーチ演出等を実行する。以下、図65の各ステップの処理の説明に戻る。
ステップS4001において、初回実行済フラグが格納されていると判定した場合(S4001:YES)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XGが少なくとも1回既に実行済みである場合には、ステップS4009に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XG1を実行させる。その後、ステップS4010に進む。
ステップS4010では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS4010において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S4010:YES)、ステップS4011に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XG2を実行させる。その後、ステップS4012に進み、ボタン押下フラグが音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納されているか否かを判定する。
ステップS4012において、ボタン押下フラグが格納されていると判定した場合には(S4012:YES)、示唆演出実行フラグを消去することなく、2回目以降のボタン演出XGを終了する。一方、ステップS4012において、ボタン押下フラグが格納されていないと判定した場合には(S4012:NO)、ステップS4015に進む。
ステップS4015では、示唆演出実行フラグが格納されている場合に、示唆演出実行フラグを消去し、2回目以降のボタン演出XGを終了する。示唆演出実行フラグが格納されていない場合には、そのまま2回目以降のボタン演出XGを終了する。
ステップS4010において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S4010:NO)、ステップS4013に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS4013において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S4013:NO)、ステップS4010に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS4013において、所定時間が経過したと判定した場合(S4013:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS4014に進む。
ステップS4014では、ボタン押下フラグが音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納されているか否かを判定する。ステップS4014において、ボタン押下フラグが格納されていると判定した場合には(S4014:YES)、上述したステップS4015に進み、示唆演出実行フラグが格納されている場合に、示唆演出実行フラグを消去する。一方、ステップS4014において、ボタン押下フラグが格納されていないと判定した場合には(S4014:NO)、示唆演出実行フラグを消去することなく、2回目以降のボタン演出XGを終了する。
上記の処理によれば、ボタン演出XGが同一の内容で複数回実行された場合のみ、示唆演出Fを実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XGの処理を実現してもよい。
<ボタン演出を用いた既視感予告の例8>
図66は、パチンコ機10が、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XHを選択し、当該ボタン演出XHを2回実行する場合の流れを示すフローチャートである。図67は、ボタン演出XHにおいて実行される演出態様XH1,XH2,XH3及び示唆演出Fの内容を示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機10は、1回目のボタン演出XHの実行を開始すると、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容を含む演出態様XH1を実行する(S4101)。図67に示した例では、演出態様XH1は、宝箱の画像を表示するとともに、演出操作ボタン24の押下を促す文字及び画像を表示する演出態様である。ただし、演出態様XH1は、他の態様であってもよい。
演出態様XH1を実行した後、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S4102:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XH1とは異なる演出態様XH2を実行する(S4103)。図67に示した例では、演出態様XH2は、宝箱の中から女性のキャラクターが出現する演出態様である。ただし、演出態様XH2は、他の態様であってもよい。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S4102:NO)、所定時間の経過を契機として、演出態様XH1及び演出態様XH2とも異なる演出態様XH3を実行する(S4109)。図67に示した例では、演出態様XH3は、宝箱を魚のキャラクターが運び去る演出態様である。ただし、演出態様XH3は、他の態様であってもよい。
本実施形態のパチンコ機10は、2回目のボタン演出XHの実行を開始すると、1回目のボタン演出XHの場合と同様に、演出態様XH1を実行する(S4104又はS4110)。そして、演出態様XH1を実行した後、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が有った場合には(S4105:YES又はS4111:YES)、演出操作ボタン24の押下が有ったことを契機として、演出態様XH2を実行する(S4106又はS4112)。一方、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には(S4105:NO又はS4111:NO)、所定時間の経過を契機として、演出態様XH3を実行する(S4107)。
そして、パチンコ機10は、複数回(上記の例では2回)実行されたボタン演出XHの全てにおいて演出態様XH2が実行された場合、又は、複数回実行されたボタン演出XHの全てにおいて演出態様XH3が実行された場合には、ボタン演出XHが同一の内容で複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出Fを実行する(S4108又はS4114)。図67に示した例では、示唆演出Fは、女性のキャラクターが「もしかして、デジャブ!?」といったメッセージを遊技者に投げかける演出である。ただし、示唆演出Fは、他の態様であってもよい。その後、パチンコ機10は、上述した戦闘演出等の他の演出を実行する。一方、複数回実行されたボタン演出XHにおいて1回でも同一の内容で実行されなかった場合、具体的には、1回目のボタン演出XHにおいて演出態様XH2が実行されたにも関わらず、2回目のボタン演出XHにおいて演出態様XH3が実行された場合、及び、1回目のボタン演出XHにおいて演出態様XH3が実行されたにも関わらず、2回目のボタン演出XHにおいて演出態様XH2が実行された場合には、示唆演出Fを実行せず、通常のリーチ演出等を実行する。
なお、ボタン演出XHを3回以上実行する場合には、2回目のボタン演出XHを実行した際と同様の制御を繰り返し実行するとともに、最後のボタン演出XHの終了後に示唆演出Fを実行するか否かを判定すればよい。
本実施形態のパチンコ機10によれば、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて遊技者が同一の入力操作を行なうと、同一の内容でボタン演出XHが複数回実行されることになり、同一の内容のボタン演出XHが複数回実行されたという既視感(デジャブ)を遊技者に与えることができる。さらに、同一の内容でボタン演出XHが複数回実行された場合には、示唆演出Fを実行するので、同一の内容のボタン演出XHが複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容のボタン演出XHが複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
さらに、遊技者は、同一の内容でボタン演出XHが複数回実行された後に示唆演出Fを経験すると、示唆演出Fが実行されることを期待して、ボタン演出XHが実行される度に、同一の入力操作を行なって同一の内容でボタン演出XHが実行されるように演出操作ボタン24を操作し、示唆演出Fの発生を期待するようになる。したがって、順次実行されるボタン演出XHへの遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者による演出操作ボタン24の押下が所定時間以内に有った場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを契機として演出態様XH2を実行するので、遊技者をボタン演出XHに積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。ただし、パチンコ機10は、演出操作ボタン24の押下を契機とせずに、所定のタイミングで演出態様XH2を実行する構成であってもよい。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出XHを選択し、当該ボタン演出XHを複数回実行する場合には、演出操作ボタン24の押下の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを表示しない。この理由について説明する。遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なう場合がある。ここで、仮に時間パラメーターを表示すると、遊技者は、複数回実行されたボタン演出のそれぞれにおいて異なるタイミングで演出操作ボタン24の押下を行なったということを認識してしまい、同一の内容でボタン演出が複数回実行されたとしても、複数回実行されたボタン演出に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ機10によれば、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を複数回実行する際に、時間パラメーターを表示しないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされた場合であって、既視感予告用の演出要素としてボタン演出を選択し、当該ボタン演出を複数回実行する場合に、時間パラメーターを表示する構成であってもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前に判定するとともに、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された場合には、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報が大当たり抽選の対象となるよりも前から、複数回実行する対象であるボタン演出XHの実行を開始する。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。ただし、パチンコ機10は、既視感予告の発生条件が満たされるか否かを、当該保留情報が大当たり抽選の対象となる際に判定し、当該保留情報に係る1遊技回の中でボタン演出XHを複数回実行する構成であってもよい。
なお、本実施形態では、演出操作ボタン24の押下の有無に基づいて、ボタン演出XHにおいて実行される演出態様の制御を実行しているが、これに限定されず、例えば、演出操作ボタン24が押下されている時間や回数等、演出操作ボタン24の入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすか否かに基づいて、ボタン演出XHにおいて実行される演出態様の制御を実行してもよい。
また、上記の例では、遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段として、演出操作ボタン24を例に挙げて説明したが、操作受入手段としては、これに限定されない。例えば、操作受入手段としては、遊技者が前後や左右に操作するスティックやレバー、遊技者がかざした手などを検知するボタン、液晶画面に近づいた手などを検知するタッチセンサー等を採用することができる。以下、ボタン演出XHの処理の一例について説明する。
図68は、既視感予告用の演出要素(予告演出)としてボタン演出XHが実行された場合の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS4201では、音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに初回実行済フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS4201において、初回実行済フラグが格納されていないと判定した場合(S4201:NO)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XHが1回も実行されていない場合には、ステップS4202に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XH1を実行させる。演出態様XH1には、遊技者に対して演出操作ボタン24の押下を示唆する内容が含まれている。その後、ステップS4203に進む。
ステップS4203では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS4203において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S4203:YES)、ステップS4204に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XH2を実行させる。ステップS4204を実行した後、ステップS4205に進み、ボタン押下フラグを音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納する。ボタン押下フラグは、1回目のボタン演出XHを実行させた際に演出操作ボタン24の押下が有ったことを音光側MPU92において特定するためのフラグである。ステップS4205を実行した後、ステップS4207に進む。
ステップS4203において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S4203:NO)、ステップS4206に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS4206において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S4206:NO)、ステップS4203に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS4206において、所定時間が経過したと判定した場合(S4206:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS4207に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に、上述した演出態様XH3を実行させる。その後、ステップS4208に進む。
ステップS4208では、初回実行済フラグをRAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納する。その後、ステップS4209に進み、示唆演出実行フラグをRAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納し、1回目のボタン演出XHを終了する。
示唆演出実行フラグは、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XHが複数回実行された場合に、当該複数回のボタン演出XHの全てにおいて同一の演出態様XH2が実行されたこと、又は当該複数回のボタン演出XHの全てにおいて演出態様XH2が一度も実行されなかったことを音光側MPU92において特定するためのフラグである。
以下の各ステップの処理で説明するように、示唆演出実行フラグは、既視感予告フラグが格納された後、1回目のボタン演出XHにおいて演出態様XH2が実行された場合において、2回目以降のボタン演出XHにおいて1回でも演出態様XH3が実行された場合に、消去される。また、示唆演出実行フラグは、既視感予告フラグが格納された後、1回目のボタン演出XHにおいて演出態様XH3が実行された場合において、2回目以降のボタン演出XHにおいて1回でも演出態様XH2が実行された場合に、消去される。すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XHが複数回実行された場合おいて、当該複数回のボタン演出XHの全てにおいて同一の演出態様XH2が実行された場合、又は当該複数回のボタン演出XHの全てにおいて同一の演出態様XH3が実行された場合に、示唆演出実行フラグが消去されずに格納されたままとなる。本実施形態では、既視感予告の発生条件が満たされたと判定された保留情報に係る遊技回の予告演出の内容を設定する場合に、この示唆演出実行フラグが格納されているか否かを判定し、示唆演出実行フラグが格納されていると判定した場合に、上述した示唆演出Fを実行する。一方、示唆演出実行フラグが格納されていないと判定した場合には、示唆演出Fを実行せず、通常のリーチ演出等を実行する。以下、図68の各ステップの処理の説明に戻る。
ステップS4201において、初回実行済フラグが格納されていると判定した場合(S4201:YES)、すなわち、既視感予告フラグが格納された後、ボタン演出XHが少なくとも1回既に実行済みである場合には、ステップS4210に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XH1を実行させる。その後、ステップS4211に進む。
ステップS4211では、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。ステップS4211において、演出操作ボタン24の押下が有ったと判定した場合には(S4211:YES)、ステップS4212に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XH2を実行させる。その後、ステップS4213に進み、ボタン押下フラグが音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納されているか否かを判定する。
ステップS4213において、ボタン押下フラグが格納されていると判定した場合には(S4213:YES)、示唆演出実行フラグを消去することなく、2回目以降のボタン演出XHを終了する。一方、ステップS4213において、ボタン押下フラグが格納されていないと判定した場合には(S4213:NO)、ステップS4217に進む。
ステップS4217では、示唆演出実行フラグが格納されている場合に、示唆演出実行フラグを消去し、2回目以降のボタン演出XHを終了する。示唆演出実行フラグが格納されていない場合には、そのまま2回目以降のボタン演出XHを終了する。
ステップS4211において、演出操作ボタン24の押下が無かったと判定した場合には(S4211:NO)、ステップS4214に進み、所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS4214において、所定時間が経過していないと判定した場合には(S4214:NO)、ステップS4211に戻り、演出操作ボタン24の押下が有ったか否かを判定する。すなわち、所定時間が経過するまで演出操作ボタン24の押下の有無を監視する。ステップS4214において、所定時間が経過したと判定した場合(S4214:YES)、すなわち、所定時間以内に演出操作ボタン24の押下が無かった場合には、ステップS4215に進み、演出実行手段としての図柄表示装置41、スピーカー46及び各種ランプ47に演出態様XH3を実行させる。その後、ステップS4216に進む。
ステップS4216では、ボタン押下フラグが音光側RAM94の各種フラグ格納エリア94aに格納されているか否かを判定する。ステップS4216において、ボタン押下フラグが格納されていると判定した場合には(S4216:YES)、上述したステップS4217に進み、示唆演出実行フラグが格納されている場合に、示唆演出実行フラグを消去する。一方、ステップS4216において、ボタン押下フラグが格納されていないと判定した場合には(S4216:NO)、示唆演出実行フラグを消去することなく、2回目以降のボタン演出XHを終了する。
上記の処理によれば、ボタン演出XHが同一の内容で複数回実行された場合のみ、示唆演出Fを実行することができる。なお、上記で説明した処理は一例であり、他のアルゴリズムによってボタン演出XHの処理を実現してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、遊技者に対して様々な期待感を与えることができる。特に、パチンコ機10が、上記のボタン演出XA,XB,XC,XG,XHのうちの少なくとも2つ以上を既視感予告用の演出要素として選択可能な構成であれば、遊技者は、ボタン演出において実行される演出態様に注視しつつ、どの種類のボタン演出が実行されているのか様々な予想をし、示唆演出の発生を期待するようになる。したがって、より一層、遊技の興趣向上を図ることができる。
H.第8実施形態:
次に第8実施形態について説明する。本実施形態と上記第1~7実施形態との主な相違点は、遊技領域GAの右側領域に、第2始動口を内部に含む第2始動口ユニット200が設けられている点と、2種類の高頻度サポートモードが設定されている点である。以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が備える第2始動口ユニット200の構成および第2始動口ユニット200に関する制御について説明する。なお、上記第1~7実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
図69は、第8実施形態のパチンコ機10の遊技盤30を示す説明図である。本実施形態では、上述したように、遊技領域GAの右側領域に、第2始動口を内部に含む第2始動口ユニット200が設けられている。本実施形態では、遊技球発射機構81から所定以上の発射強度で発射された遊技球は、全て第2始動口ユニット200の開口部202に入球するように構成されている。
図70は、第2始動口ユニット200の構成を示す説明図である。第2始動口ユニット200は、遊技球が入球可能な開口部202と、開口部202の下流の左側に設けられた経路R1と、開口部202の下流の右側に設けられた経路R2と、開口部202に入球した遊技球を左側の経路R1および右側の経路R2の交互に振り分ける交互振分機構204とを備えている。経路R1の下流には、遊技球が通過可能なスルーゲート206が設けられており、スルーゲート206及び経路R2の下流には、開閉入球装置208が設けられている。
交互振分機構204は、開口部202に入球した遊技球を経路R1に振り分けるとともに、経路R1に振り分けられる遊技球より後に到達した遊技球を経路R2に振り分けるように構成されている。具体的には、交互振分機構204は、中央に形成された中央片部204aと、中央片部204aの左側に形成された左側片部204bと、中央片部204aの右側に形成された右側片部204cと、左側片部204b及び右側片部204cの間に設けられた回転軸204dとを備えている。中央片部204aと左側片部204bとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する左側保持部204eとして機能する。また、中央片部204aと右側片部204cとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する右側保持部204fとして機能する。遊技球が交互振分機構204に到達した場合における当該交互振分機構204の挙動については後述する。
開閉入球装置208は、下部の回転軸を基点として前後に開閉動作する電動役物としての開閉扉208bを備えるとともに、遊技球が入球可能な第2始動口208aを開閉扉208bの内側に備えている。また、開閉扉208bの内側には、第2始動口208aに向かって傾斜した誘導路208cが設けられており、開閉扉208bの内側に入球した遊技球は、誘導路208cに沿って第2始動口208aに誘導される。第2始動口208aは、上記実施形態における第2始動口34と同じ役割を有している。開閉扉208bが閉鎖状態である場合には、第2始動口208aへの遊技球の入球が不可能な状態となっている。一方、開閉扉208bが開放状態である場合には、第2始動口208aへの遊技球の入球が可能な状態となっている。すなわち、開閉扉208bは、第2始動口208aの状態を、入球不能状態と入球可能状態との間で遷移させる機能を有している。なお、通常時では、開閉扉208bは閉鎖状態となっており、第2始動口208aは、入球不能状態となっている。
スルーゲート206は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート206を遊技球が通過すると、主制御装置60は、スルーゲート206を遊技球が通過したことを契機として、上述した開閉扉208bを開放状態に遷移させるか否かの内部抽選(電動役物開放抽選)を実行する。電動役物開放抽選の結果、開閉扉208bを開放状態に遷移させることに当選すると、主制御装置60は、電動役物開放抽選の結果を普図ユニット38に表示させるとともに、開閉扉208bを閉鎖状態から開放状態に遷移させる。
経路R1は、振り分けられた遊技球がスルーゲート206を通過することが可能であるように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置208の開閉扉208bが開放状態である場合には第2始動口208aに入球することが可能であるように構成されている。なお、本実施形態では、経路R1から分岐した経路R1xが設けられているが、経路R1に振り分けられた遊技球は、必ずスルーゲート206を通過するように構成されている。ただし、他の実施形態として、経路R1に振り分けられた遊技球がスルーゲート206を通過せず、経路R1xを通過する場合がある構成を採用してもよい。
経路R2は、振り分けられた遊技球がスルーゲート206を通過することが不可能であるように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置208の開閉扉208bが開放状態である場合には第2始動口208aに入球することが可能であるように構成されている。
本実施形態では、遊技球がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球がスルーゲート206を通過したことを契機として実行された電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されるまでの時間(すなわち、普図ユニット38の発光表示部が変動表示を開始してから、電動役物開放抽選の結果に対応した停止表示をするまでの変動時間)は、当該遊技球がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置208に至るまでの時間より短い時間に設定されている。具体的には、本実施形態では、遊技球がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置208に至るまでの時間は0.2秒程度であるため、普図ユニット38の変動時間は、0.05秒に設定されている。
さらに、本実施形態では、電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されてから、開閉入球装置208の開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの時間である開放待機時間が設けられていない。したがって、本実施形態では、電動役物開放抽選において当選すると、普図ユニット38の変動が終了して電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示された直後に、開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始することになる。
ただし、厳密には、電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されてから、開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでには、制御に要する時間が存在する。本実施形態では、電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されてから、開閉入球装置208の開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの制御に要する時間は、0.004秒程度となっている。0.004秒程度である理由については、主制御装置60は、上述したように、通常処理(図12)における電役サポート用処理(図12:S407、後述する図76)を0.004秒周期で繰り返し実行しており、電動役物開放抽選に当選し、当該当選結果を普図ユニット38に表示させる場合(図76:S4520)には、0.004秒周期で実行する次の巡回における電役サポート用処理(図76)の電役開閉処理(図76:S4522、後述する図77)において開閉扉208bの開放処理(図77:S4698)を実行するからである。すなわち、本実施形態では、普図ユニット38の変動時間および開閉扉208bの開放待機時間に加えて、制御に要する時間を考慮しても、遊技球がスルーゲート206を通過してから、開閉入球装置208の開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの時間は、当該遊技球がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置208に至るまでの時間より短い時間となる。
したがって、本実施形態では、遊技球がスルーゲート206を通過して電動役物開放抽選において当選すると、主制御装置60は、当該電動役物開放抽選の実行の契機となった遊技球が開閉入球装置208に至るタイミングよりも前に、開閉扉208bを閉鎖状態から開放状態に遷移させる。この結果、当該電動役物開放抽選の実行の契機となった遊技球は、当該電動役物開放抽選に当選した場合には、開閉扉208bの内側に設けられた第2始動口208aに入球することになる。
本実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉208bを制御する高頻度サポートモードの種別として、第1高頻度サポートモードと、第2高頻度サポートモードとを有している。第1高頻度サポートモードでは、電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉208bの開放回数が1回、開放時間が0.5秒に設定されている。第2高頻度サポートモードでは、電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉208bの開放回数が1回、開放時間が1.1秒に設定されている。すなわち、第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとの違いは、開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態に遷移した後に当該開放状態を維持する時間的長さであり、遊技球発射機構81によって遊技球が0.6秒間隔で連続して発射されている状況において第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図71は、第1高頻度サポートモードが実行されている場合における第2始動口ユニット200の挙動を示す説明図である。この図71に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。
状態A1に示すように、遊技球GB1が第2始動口ユニット200に到達し、開口部202から第2始動口ユニット200の内部に入球すると、交互振分機構204に到達する。状態A1に示した例では、交互振分機構204は、右側に傾いた状態となっているので、交互振分機構204に到達した遊技球は、一時的に左側保持部204eに保持される。すると、交互振分機構204は、左側保持部204eに保持された遊技球GB1の重さによって、回転軸204dを中心として左回り(反時計回り)に約90度回転して、状態A2となる。
状態A2に示すように、交互振分機構204が左側に傾いた状態となると、左側保持部204eに保持されていた遊技球GB1は、左側保持部204eから落下し、左側の経路R1に振り分けられる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は、スルーゲート206を通過する。遊技球GB1がスルーゲート206を通過すると、主制御装置60は、電動役物開放抽選を実行する。上述したように、本実施形態では、第1高頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選に当選した場合に開閉入球装置208の開閉扉208bが開放する回数は1回、開放時間は0.5秒に設定されている。また、電動役物開放抽選の抽選結果を表示する普図ユニット38の変動時間は、0.05秒に設定されている。そして、上述したように、本実施形態では、開閉扉208bの開放待機時間は設けられておらず、電動役物開放抽選の当選結果が普図ユニット38に表示されてから開閉入球装置208の開閉扉208bが開放状態への遷移を開始するまでの制御に要する時間は0.004秒程度となっている。したがって、開閉入球装置208の開閉扉208bは、遊技球GB1がスルーゲート206を通過してから約0.06秒後に開放状態に遷移し、当該開放状態を0.5秒間、維持する。上述したように、本実施形態では、遊技球がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置208に至るまでの時間は0.2秒程度であるので、スルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては開閉扉208bは開放状態となっており、当該遊技球GB1は、第2始動口208aに入球することになる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1の次の遊技球GB2が開口部202に入球して、状態A3となる。
状態A3に示すように、経路R1に振り分けられた遊技球GB1の次の遊技球GB2が開口部202に入球すると、交互振分機構204は、左側に傾いた状態となっているので、交互振分機構204に到達した遊技球GB2は、一時的に右側保持部204fに保持される。すると、交互振分機構204は、右側保持部204fに保持された遊技球GB2の重さによって、回転軸204dを中心として右回り(時計回り)に約90度回転して、状態A4となる。
状態A4に示すように、交互振分機構204が右側に傾いた状態となると、右側保持部204fに保持されていた遊技球GB2は、右側保持部204fから落下し、右側の経路R2に振り分けられる。その後、経路R2に振り分けられた遊技球GB2は、開閉入球装置208に至る。ここで、本実施形態では、遊技球発射機構81から発射される遊技球の間隔は0.6秒であるので、遊技球GB1が開閉入球装置208に到達してから、遊技球GB2が開閉入球装置208に到達するまでの間隔も0.6秒程度となる。したがって、本実施形態の第1高頻度サポートモードでは、遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては既に開閉扉208bが閉鎖状態に移行しているので、遊技球GB2は、開閉入球装置208の内部に設けられた第2始動口208aに入球することはできない。その後、再び状態A1となり、状態A1から状態A4が繰り返されることになる。
すなわち、本実施形態の第1高頻度サポートモードでは、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、経路R1に振り分けられてスルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいて開閉扉208bが開放状態に遷移しているとともに、経路R2に振り分けられた遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては開閉扉208bが閉鎖状態に遷移している。
図72は、第2高頻度サポートモードが実行されている場合における第2始動口ユニット200の挙動を示す説明図である。この図72の状態A1から状態A3までは、上述した図71の状態A1から状態A3までと同じである。ただし、第2高頻度サポートモードでは、開閉扉208bの開放時間が1.1秒に設定されているため、図72の状態A4に示すように、経路R1に振り分けられた遊技球GB1の次の遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいて、開閉入球装置208の開閉扉208bが開放状態を維持しており、遊技球GB2は、開閉扉208bの内側に設けられた第2始動口208aに入球することになる。
すなわち、本実施形態の第2高頻度サポートモードでは、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、第1の経路に振り分けられてスルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいて開閉扉208bが開放状態に遷移しているとともに、第2の経路に振り分けられた遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいても開閉扉208bが開放状態を維持している。
図73は、第8実施形態のパチンコ機10における振分テーブルの内容を示す説明図である。この図73には、参考のため、開閉実行モードの終了後に実行される高頻度サポートモードの種別およびその内容も記載されている。上述したように、本実施形態では、開閉実行モードの終了後に実行される高頻度サポートモードの種別として、第1高頻度サポートモードと、第2高頻度サポートモードとが設定されている。なお、本実施形態では、第2始動口208aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数は1個に設定されている。
図73(a)に示すように、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~9である場合には、8R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が10~19である場合には、16R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が20~24である場合には、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が25~29である場合には、16R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。
図73(b)に示すように、第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~5である場合には、8R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が6~11である場合には、16R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が12~20である場合には、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が21~29である場合には、16R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。
ここで、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義するとともに、第i(iは1以上の整数)高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率を出球率Miと定義する。以下では、第1高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M1および第2高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M2について説明する。
第1高頻度サポートモードにおいて、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況では、上述したように、発射された2個の遊技球のうち1個の遊技球が開閉入球装置208の第2始動口208aに入球し、1個の遊技球が賞球として払い出されることになる。したがって、第1高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M1は、以下のとおりとなる。
M1=1/2=0.50
ここで、出球率が1未満であることは、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、遊技者の手持ちの遊技球が減少することを意味する。したがって、第1高頻度サポートモードでは、遊技者の手持ちの遊技球が減少することを意味している。具体的には、第1高頻度サポートモードでは、1.2秒の間に2個の遊技球が発射されて1個の遊技球が賞球として払い出されるので、遊技者の手持ちの遊技球は、1.2秒に1個の割合で減少することになる。
第2高頻度サポートモードにおいて、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況では、上述したように、発射された2個の遊技球のうち2個の遊技球が開閉入球装置208の第2始動口208aに入球し、2個の遊技球が賞球として払い出されることになる。したがって、第2高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M2は、以下のとおりとなる。
M2=2/2=1.00
ここで、出球率が1であることは、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、遊技者の手持ちの遊技球が増減しないことを意味する。したがって、第2高頻度サポートモードでは、遊技者の手持ちの遊技球が増減しないことを意味している。具体的には、第2高頻度サポートモードでは、1.2秒の間に2個の遊技球が発射されて2個の遊技球が賞球として払い出されるので、遊技者の手持ちの遊技球は増減しないことになる。
また、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートモードが実行される場合に占める、第i高頻度サポートモードが実行される割合をPAiと定義すると、第1高頻度サポートモードが実行される割合PA1および第2高頻度サポートモードが実行される割合PA2は、以下のとおりとなる。
PA1=第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第1高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(0~19)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=20/30
PA2=第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第2高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(20~29)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=10/30
また、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートが実行されている場合におけるトータルでの出球率を第1総合出球率T1と定義すると、第1総合出球率T1は、以下の式(1)によって定義することができる。
上記式(1)におけるnは高頻度サポートモードの種別の数であり、本実施形態ではn=2である。したがって、本実施形態における第1総合出球率T1は、以下のとおりとなる。
T1=M1×PA1+M2×PA2
=0.50×(20/30)+1.00×(10/30)=0.67
すなわち、第1総合出球率T1は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて実行される各高頻度サポートモードの出球率に実行割合を乗じたものの総和であり、出球率の期待値を意味することになる。
また、第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートモードが実行される場合に占める、第i高頻度サポートモードが実行される割合をPBiと定義する。すると、第1高頻度サポートモードが実行される割合PB1および第2高頻度サポートモードが実行される割合PB2は、以下のとおりとなる。
PB1=第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第1高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(0~11)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=12/30
PB2=第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第2高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(12~29)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=18/30
また、第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートが実行されている場合におけるトータルでの出球率を第2総合出球率T2と定義すると、第2総合出球率T2は、以下の式(2)によって定義することができる。
上記式(2)におけるnは高頻度サポートモードの種別の数であり、本実施形態ではn=2である。したがって、本実施形態における第2総合出球率T2は、以下のとおりとなる。
T2=M1×PB1+M2×PB2
=0.50×(12/30)+1.00×(18/30)=0.80
すなわち、第2総合出球率T2は、第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいて実行される各高頻度サポートモードの出球率に実行割合を乗じたものの総和であり、出球率の期待値を意味することになる。
このように、本実施形態では、第1総合出球率T1の値および第2総合出球率T2の値のいずれもが1以下となっている。したがって、本実施形態のパチンコ機10が実行する高頻度サポートモードにおいて、トータルでは遊技者の手持ちの遊技球は増加しないことを意味している。
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の一例について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる処理について説明し、同一の処理についてはその説明を省略する。
図74は、第8実施形態のパチンコ機10によって実行される始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。以下では、上記第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図10)との相違点について説明する。
本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS4306において、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その他の各ステップにおける処理は、上記第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図10)と同じであるため、説明を省略する。
図75は、第8実施形態のパチンコ機10によって実行される開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。以下では、上記第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図19)との相違点について説明する。
本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS4404において、第2高頻度サポートフラグを格納する。これにより、確変大当たりに対応した開閉実行モードを終了した後に、サポートモードが第2高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、第2高頻度サポートフラグは、第2高頻度サポートモードが実行中であるか否かを判定するために用いられる。
また、本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS4407において、第1高頻度サポートフラグを格納する。これにより、通常大当たりに対応した開閉実行モードを終了した後に、サポートモードが第1高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。その他の各ステップにおける処理は、上記第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図19)と同じであるため、説明を省略する。なお、第1高頻度サポートフラグは、第1高頻度サポートモードが実行中であるか否かを判定するために用いられる。
図76は、第8実施形態のパチンコ機10によって実行される電役サポート用処理を示すフローチャートである。以下では、上記第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図20)との相違点について説明する。
本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS4509において、電動役物開放抽選を行う。上述したように、本実施形態では、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されている。具体的には、電動役物開放カウンタC4のとり得る値が0~249であるため、電動役物開放カウンタC4の値が0~249であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「25」(すなわち0.05sec)をセットする。
また、本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS4511において、サポート当選フラグを格納するとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットする。これは、本実施形態の高頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合における開閉扉208bの開放回数が1回であることを意味する。その他の各ステップにおける処理は、上記第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図20)と同じであるため、説明を省略する。
図77は、第8実施形態のパチンコ機10によって実行される電役開閉処理を示すフローチャートである。上記第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図21)との主な相違点は、2種類の高頻度サポートモード毎に異なる開放時間を設定する点である。以下、具体的に説明する。
ステップS4601では、電動役物としての開閉扉208bが開放中であるか否かを判定する。開閉扉208bが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。開閉扉208bが開放されていると判定した場合には(S4601:YES)、ステップS4602に進む。
ステップS4602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、開閉扉208bの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS4602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」ではないと判定した場合には(S4602:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、開閉扉208bの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS4602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S4602:YES)、ステップS4603に進み、開閉扉208bを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「25」(すなわち0.05sec)をセットする。すなわち、開閉扉208bの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、開閉扉208bを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を開閉扉208bの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「25」をセットする。ステップS4603を実行した後、ステップS4604に進む。
ステップS4604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS4605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS4605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」ではないと判定した場合には(S4605:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS4605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S4605:YES)、ステップS4606に進み、サポート中フラグを消去する。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップS4601において、開閉扉208bが開放中ではないと判定した場合には(S4601:NO)、ステップS4607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、開閉扉208bの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS4607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」ではないと判定した場合には(S4607:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS4607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S4607:YES)、ステップS4608に進み、開閉扉208bを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS4609に進む。
ステップS4609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S4609:NO)、ステップS4610に進み、第1高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS4610において、第1高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S4610:YES)、ステップS4611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS4610において、第1高頻度サポートモード中ではないと判定した場合には(S4610:NO)、ステップS4612に進み、第2高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
ステップS4612において、第2高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S4612:YES)、ステップS4613に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「550」(すなわち1.1sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS4609において開閉実行モード中であると判定した場合(S4609:YES)、又は、ステップS4612において第2高頻度サポートモード中ではないと判定した場合には(S4612:NO)、ステップS4614に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は、スルーゲート206を通過することが可能であるとともに、開閉扉208bが開放状態である場合には第2始動口208aに入球することが可能となる。一方、遊技球GB1の後に到達した遊技球GB2は、経路R2に振り分けられるので、スルーゲート206を通過することが不可能であるとともに開閉扉208bが開放状態である場合には第2始動口208aに入球することが可能となる。すなわち、2個の遊技球GB1、GB2のうち、遊技球GB1のみがスルーゲート206を通過することが可能であり、2個の遊技球GB1、GB2のそれぞれが第2始動口208aに入球するか否かは、2個の遊技球GB1、GB2のそれぞれが開閉入球装置208に至ったタイミングにおいて開閉扉208bが開放状態となっているか否かに依存することになる。したがって、本実施形態によれば、2個の遊技球GB1、GB2のうち、スルーゲート206を通過する遊技球の個数を1個としつつ、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を開閉扉208bの状態に依存して変化させることができる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、遊技球GB1がスルーゲート206を通過したことを契機として電動役物開放抽選を実行するとともに、当該電動役物開放抽選の結果に基づいて開閉扉208bを制御する。遊技球GB1の後に到達した遊技球GB2はスルーゲート206を通過しないので、主制御装置60は、2個の遊技球GB1、GB2のそれぞれが開閉入球装置208に至ったタイミングにおける開閉扉208bの状態を閉鎖状態とするのか開放状態とするのか、すなわち、遊技球GB1、GB2のそれぞれを第2始動口208aに入球させるか否かを、遊技球GB1がスルーゲート206を通過したことを契機として実行する電動役物開放抽選の結果及びサポートモードの種別によって決定する。したがって、2個の遊技球GB1、GB2のそれぞれを第2始動口208aに入球させるか否かの制御を、1個の遊技球GB1がスルーゲート206を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、普図ユニット38の発光表示部が変動表示を開始してから、電動役物開放抽選の結果に対応した停止表示をするまでの変動時間は、当該電動役物開放抽選の契機となった1個目の遊技球GB1がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球GB1が開閉入球装置208に至るまでの時間より短い時間に設定されている。したがって、普図ユニット38は、スルーゲート206を通過して抽選の契機となった遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングより前に、当該抽選の結果を表示することが可能となる。ここで、主制御装置60は、普図ユニット38によって抽選の結果が表示された後に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始するので、スルーゲート206を通過して抽選の契機となった遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングより前に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始することができる。
さらに、本実施形態では、普図ユニット38の発光表示部が変動表示を開始してから、電動役物開放抽選の当選結果に対応した停止表示をし、開閉入球装置208の開閉扉208bが開放状態への遷移を開始するまでの時間は、当該電動役物開放抽選の契機となった1個目の遊技球GB1がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球GB1が開閉入球装置208に至るまでの時間より短い時間に設定されている。したがって、主制御装置60は、スルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいて開閉扉208bが開放状態となっている高頻度サポートモードを実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態に遷移した後に当該開放状態を維持する時間的長さを高頻度サポートモードの種別毎に異なるように制御するので、2個の遊技球GB1、GB2のうちの第2始動口208aに入球する遊技球の個数を高頻度サポートモードの種別毎に異なるようにすることができる。具体的には、本実施形態では、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は第2始動口208aに入球するとともに遊技球GB1の後に到達した遊技球GB2は第2始動口208aに入球しない第1高頻度サポートモード(出球率M1=0.50)と、遊技球GB1、GB2の両方が第2始動口208aに入球する第2高頻度サポートモード(出球率M2=1.00)とが実現されている。したがって、本実施形態によれば、出球率の異なる複数種類の高頻度サポートモードを実現することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
I.第9実施形態:
次に第9実施形態について説明する。本実施形態と上記第8実施形態との相違点は、第2始動口ユニットの構成が異なっている点と、3種類の高頻度サポートモードが設定されている点である。以下の説明においては、主に、本実施形態のパチンコ機10が備える第2始動口ユニット300の構成および第2始動口ユニット300に関する制御について説明する。なお、上記第1~8実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
図78は、第9実施形態のパチンコ機が備える第2始動口ユニット300の構成を示す説明図である。第2始動口ユニット300は、遊技球が入球可能な開口部302と、開口部302の下流の左側に設けられた経路R1と、開口部302の下流の右側に設けられた経路R2と、開口部302に入球した遊技球を左側の経路R1および右側の経路R2の交互に振り分ける第1交互振分機構304とを備えている。第2始動口ユニット300は、さらに、経路R1の下流に設けられた第2交互振分機構305と、第2交互振分機構305の下流の左側に設けられた経路R11と、第2交互振分機構305の下流の右側に設けられた経路R12とを備えている。経路R11の下流には、遊技球が通過可能なスルーゲート306が設けられており、スルーゲート306、経路R12及び経路R2の下流には、開閉入球装置308が設けられている。
第1交互振分機構304は、開口部302に入球した遊技球を左側の経路R1および右側の経路R2の交互に振り分けるように構成されている。具体的には、交互振分機構304は、中央に形成された中央片部304aと、中央片部304aの左側に形成された左側片部304bと、中央片部304aの右側に形成された右側片部304cと、左側片部304b及び右側片部304cの間に設けられた回転軸304dとを備えている。中央片部304aと左側片部304bとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する左側保持部304eとして機能する。また、中央片部304aと右側片部304cとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する右側保持部304fとして機能する。遊技球が到達した場合における第1交互振分機構304の挙動は、上記第8実施形態で説明した交互振分機構204の挙動と同じである。
第2交互振分機構305は、経路R1に振り分けられた遊技球を左側の経路R11および右側の経路R12の交互に振り分けるように構成されている。具体的には、第2交互振分機構305は、中央に形成された中央片部305aと、中央片部305aの左側に形成された左側片部305bと、中央片部305aの右側に形成された右側片部305cと、左側片部305b及び右側片部305cの間に設けられた回転軸305dとを備えている。中央片部305aと左側片部305bとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する左側保持部305eとして機能する。また、中央片部305aと右側片部305cとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する右側保持部305fとして機能する。遊技球が到達した場合における第2交互振分機構305の挙動は、上記第8実施形態で説明した交互振分機構204の挙動と同じである。
開閉入球装置308は、下部の回転軸を基点として前後に開閉動作する開閉扉308bを備えるとともに、遊技球が入球可能な第2始動口308aを開閉扉308bの内側に備えている。また、開閉扉308bの内側には、第2始動口308aに向かって傾斜した誘導路308cが設けられており、開閉扉308bの内側に入球した遊技球は、誘導路308cに沿って第2始動口308aに誘導される。第2始動口308aは、上記実施形態における第2始動口34と同じ役割を有している。開閉扉308bが閉鎖状態である場合には、第2始動口308aへの遊技球の入球が不可能な状態となっている。一方、開閉扉308bが開放状態である場合には、第2始動口308aへの遊技球の入球が可能な状態となっている。すなわち、開閉扉308bは、第2始動口308aの状態を、入球不能状態と入球可能状態との間で遷移させる機能を有している。なお、通常時では、開閉扉308bは閉鎖状態となっており、第2始動口308aは、入球不能状態となっている。
スルーゲート306は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート306を遊技球が通過すると、主制御装置60は、スルーゲート306を遊技球が通過したことを契機として、上述した開閉扉308bを開放状態に遷移させるか否かの内部抽選(電動役物開放抽選)を実行する。電動役物開放抽選の結果、開閉扉308bを開放状態に遷移させることに当選すると、主制御装置60は、電動役物開放抽選の結果を普図ユニット38に表示させるとともに、開閉扉308bを閉鎖状態から開放状態に遷移させる。
経路R11は、振り分けられた遊技球がスルーゲート306を通過することが可能であるように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態である場合には第2始動口308aに入球することが可能であるように構成されている。なお、本実施形態では、経路R11から分岐した経路R11xが設けられているが、経路R11に振り分けられた遊技球は、必ずスルーゲート306を通過するように構成されている。ただし、他の実施形態として、経路R11に振り分けられた遊技球がスルーゲート306を通過せず、経路R11xを通過する場合がある構成を採用してもよい。
経路R2及び経路R12は、振り分けられた遊技球がスルーゲート306を通過することが不可能であるように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態である場合には第2始動口308aに入球することが可能であるように構成されている。
本実施形態では、遊技球がスルーゲート306を通過してから、当該遊技球がスルーゲート306を通過したことを契機として実行された電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されるまでの時間(すなわち、普図ユニット38の発光表示部が変動表示を開始してから、電動役物開放抽選の結果に対応した停止表示をするまでの変動時間)は、当該遊技球がスルーゲート306を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置308に至るまでの時間より短い時間に設定されている。具体的には、本実施形態では、遊技球がスルーゲート306を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置308に至るまでの時間は0.2秒程度であるため、普図ユニット38の変動時間は、0.05秒に設定されている。
さらに、本実施形態では、電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されてから、開閉入球装置208の開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの時間である開放待機時間が設けられていない。したがって、本実施形態では、電動役物開放抽選において当選すると、普図ユニット38の変動が終了して電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示された直後に、開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始することになる。
なお、本実施形態においても、上述した第8実施形態と同様に、電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されてから、開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでには、0.004秒程度の制御に要する時間が存在するが、普図ユニット38の変動時間および開閉扉208bの開放待機時間に加えて、制御に要する時間を考慮しても、遊技球がスルーゲート306を通過してから、開閉入球装置308の開閉扉308bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの時間は、当該遊技球がスルーゲート306を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置308に至るまでの時間より短い時間に設定されている。
したがって、本実施形態では、遊技球がスルーゲート306を通過して電動役物開放抽選において当選すると、主制御装置60は、当該電動役物開放抽選の実行の契機となった遊技球が開閉入球装置308に至るタイミングよりも前に、開閉扉308bを閉鎖状態から開放状態に遷移させる。この結果、当該電動役物開放抽選の実行の契機となった遊技球は、当該電動役物開放抽選に当選した場合には、開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。
本実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉308bを制御する高頻度サポートモードの種別として、第1高頻度サポートモードと、第2高頻度サポートモードと、第3高頻度サポートモードとを有している。第1高頻度サポートモードでは、電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉308bの開放回数が1回、開放時間が0.5秒に設定されている。第2高頻度サポートモードでは、電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉308bの開放回数が1回、開放時間が1.1秒に設定されている。第3高頻度サポートモードでは、電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉308bの開放回数が1回、開放時間が1.7秒に設定されている。すなわち、第1~第3高頻度サポートモードにおける違いは、開閉扉308bが閉鎖状態から開放状態に遷移した後に当該開放状態を維持する時間的長さである。
図79は、第2始動口ユニット300に遊技球が入球した場合における遊技球の軌跡を示す説明図である。第2始動口ユニット300に設けられた第1交互振分機構304が右側に傾いた状態であり、かつ、第2交互振分機構305が右側に傾いた状態である場合において、1個目の遊技球GB1が開口部302から入球すると、遊技球GB1は、第1交互振分機構304によって経路R1に振り分けられるとともに、第2交互振分機構305によって経路R11に振り分けられる。この結果、遊技球GB1は、スルーゲート306を通過するとともに、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態であれば、開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。すなわち、1個目に入球した遊技球GB1の軌跡は、図79に示す軌跡L1となる。
遊技球GB1に続く2個目の遊技球GB2が開口部302から入球すると、遊技球GB2は、第1交互振分機構304によって経路R2に振り分けられる。この結果、遊技球GB2は、スルーゲート306を通過せずに開閉入球装置308に至ることになり、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態であれば、開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。すなわち、2個目に入球した遊技球GB2の軌跡は、図79に示す軌跡L2となる。
遊技球GB2に続く3個目の遊技球GB3が開口部302から入球すると、遊技球GB3は、第1交互振分機構304によって経路R1に振り分けられるとともに、第2交互振分機構305によって経路R12に振り分けられる。この結果、遊技球GB3は、スルーゲート306を通過せずに開閉入球装置308に至ることになり、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態であれば、開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。すなわち、3個目に入球した遊技球GB3の軌跡は、図79に示す軌跡L3となる。
遊技球GB3に続く4個目の遊技球GB4が開口部302から入球すると、遊技球GB4は、第1交互振分機構304によって経路R2に振り分けられる。この結果、遊技球GB4は、スルーゲート306を通過せずに開閉入球装置308に至ることになり、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態であれば、開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。すなわち、4個目に入球した遊技球GB4の軌跡は、図79に示す軌跡L4となる。
なお、遊技球GB4に続く5個目の遊技球が開口部302から入球する状況では、第1交互振分機構304は右側に傾いた状態であり、かつ、第2交互振分機構305は右側に傾いた状態である。したがって、5個目に入球した遊技球の軌跡は、1個目に入球した遊技球GB1の軌跡L1と同一となる。すなわち、本実施形態の第2始動口ユニット300は、4個の遊技球が入球することによって元の状態に戻ることになる。
ここで、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット300に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、上述した第1~第3高頻度サポートモードが実行されている場合について説明する。
第1高頻度サポートモードが実行されている場合には、遊技球がスルーゲート306を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉308bの開放回数が1回、開放時間が0.5秒に設定されている。したがって、開閉扉308bは、スルーゲート306を通過した1個目の遊技球GB1が開閉入球装置308に至るタイミングにおいては開放状態となっているが、2~4個目の遊技球GB2~GB4が開閉入球装置308に至るタイミングにおいては閉鎖状態となっている。この結果、第1高頻度サポートモードが実行されている場合には、4個の遊技球GB1~GB4のうち、1個目の遊技球GB1のみが開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。
第2高頻度サポートモードが実行されている場合には、遊技球がスルーゲート306を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉308bの開放回数が1回、開放時間が1.1秒に設定されている。したがって、開閉扉308bは、スルーゲート306を通過した1個目の遊技球GB1が開閉入球装置308に至るタイミングおよび2個目の遊技球GB2が開閉入球装置308に至るタイミングにおいては開放状態となっているが、3~4個目の遊技球GB3~GB4が開閉入球装置308に至るタイミングにおいては閉鎖状態となっている。この結果、第2高頻度サポートモードが実行されている場合には、4個の遊技球GB1~GB4のうち、1個目および2個目の遊技球GB1、GB2が開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。
第3高頻度サポートモードが実行されている場合には、遊技球がスルーゲート306を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉308bの開放回数が1回、開放時間が1.7秒に設定されている。したがって、開閉扉308bは、スルーゲート306を通過した1個目の遊技球GB1が開閉入球装置308に至るタイミング、2個目の遊技球GB2が開閉入球装置308に至るタイミングおよび3個目の遊技球GB3が開閉入球装置308に至るタイミングにおいては開放状態となっているが、4個目の遊技球GB4が開閉入球装置308に至るタイミングにおいては閉鎖状態となっている。この結果、第3高頻度サポートモードが実行されている場合には、4個の遊技球GB1~GB4のうち、1~3個目の遊技球GB1~GB3が開閉扉308bの内側に設けられた第2始動口308aに入球することになる。
図80は、第9実施形態のパチンコ機10における振分テーブルの内容を示す説明図である。この図80には、参考のため、開閉実行モードの終了後に実行される高頻度サポートモードの種別およびその内容も記載されている。上述したように、本実施形態では、開閉実行モードの終了後に実行される高頻度サポートモードの種別として、第1高頻度サポートモードと、第2高頻度サポートモードと、第3高頻度サポートモードとが設定されている。なお、本実施形態では、第2始動口308aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数は2個に設定されている。
図80(a)に示すように、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~9である場合には、8R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が10~19である場合には、16R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が20~24である場合には、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が25~29である場合には、16R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第3高頻度サポートモードに移行する。
図80(b)に示すように、第2始動口308aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~5である場合には、8R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が6~11である場合には、16R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が12~20である場合には、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が21~29である場合には、16R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第3高頻度サポートモードに移行する。
ここで、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット300に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義するとともに、第i(iは1以上の整数)高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率を出球率Miと定義する。以下では、第1高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M1、第2高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M2および第2高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M3について説明する。
第1高頻度サポートモードにおいて、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット300に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況では、上述したように、発射された4個の遊技球のうち1個の遊技球が開閉入球装置308の第2始動口308aに入球し、2個の遊技球が賞球として払い出されることになる。したがって、第1高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M1は、以下のとおりとなる。
M1=2/4=0.50
ここで、出球率が1未満であることは、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、遊技者の手持ちの遊技球が減少することを意味する。したがって、第1高頻度サポートモードでは、遊技者の手持ちの遊技球が減少することを意味している。具体的には、第1高頻度サポートモードでは、2.4秒の間に4個の遊技球が発射されて2個の遊技球が賞球として払い出されるので、遊技者の手持ちの遊技球は、2.4秒に2個の割合(1.2秒に1個の割合)で減少することになる。
第2高頻度サポートモードにおいて、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット300に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況では、上述したように、発射された4個の遊技球のうち2個の遊技球が開閉入球装置308の第2始動口308aに入球し、4個の遊技球が賞球として払い出されることになる。したがって、第2高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M2は、以下のとおりとなる。
M2=4/4=1.00
ここで、出球率が1であることは、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、遊技者の手持ちの遊技球が増減しないことを意味する。したがって、第2高頻度サポートモードでは、遊技者の手持ちの遊技球が増減しないことを意味している。具体的には、第2高頻度サポートモードでは、2.4秒の間に4個の遊技球が発射されて4個の遊技球が賞球として払い出されるので、遊技者の手持ちの遊技球は増減しないことになる。
第3高頻度サポートモードにおいて、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット300に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況では、上述したように、発射された4個の遊技球のうち3個の遊技球が開閉入球装置308の第2始動口308aに入球し、6個の遊技球が賞球として払い出されることになる。したがって、第3高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率M3は、以下のとおりとなる。
M3=6/4=1.50
ここで、出球率が1を超えていることは、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、遊技者の手持ちの遊技球が増加することを意味する。したがって、第3高頻度サポートモードでは、遊技者の手持ちの遊技球が増加することを意味している。具体的には、第3高頻度サポートモードでは、2.4秒の間に4個の遊技球が発射されて6個の遊技球が賞球として払い出されるので、遊技者の手持ちの遊技球は、2.4秒に2個の割合(1.2秒に1個の割合)で増加することになる。
また、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートモードが実行される場合に占める、第i高頻度サポートモードが実行される割合をPAiと定義する。すると、第1高頻度サポートモードが実行される割合PA1、第2高頻度サポートモードが実行される割合PA2および第3高頻度サポートモードが実行される割合PA3は、以下のとおりとなる。
PA1=第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第1高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(0~19)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=20/30
PA2=第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第2高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(20~24)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=5/30
PA3=第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第3高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(25~29)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=5/30
また、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートが実行されている場合におけるトータルでの出球率を第1総合出球率T1と定義すると、第1総合出球率T1は、以下の式(3)によって定義することができる。
上記式(3)におけるnは高頻度サポートモードの種別の数であり、本実施形態ではn=3である。したがって、本実施形態における第1総合出球率T1は、以下のとおりとなる。
T1=M1×PA1+M2×PA2+M3×PA3
=0.50×(20/30)+1.00×(5/30)+1.50×(5/30)
=0.75
すなわち、第1総合出球率T1は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて実行される各高頻度サポートモードの出球率に実行割合を乗じたものの総和であり、出球率の期待値を意味することになる。
また、第2始動口308aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートモードが実行される場合に占める、第i高頻度サポートモードが実行される割合をPBiと定義する。すると、第1高頻度サポートモードが実行される割合PB1、第2高頻度サポートモードが実行される割合PB2および第3高頻度サポートモードが実行される割合PB3は、以下のとおりとなる。
PB1=第2始動口308aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第1高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(0~11)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=12/30
PB2=第2始動口308aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第2高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(12~20)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=9/30
PB3=第2始動口308aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して第3高頻度サポートモードに移行することになる大当り種別カウンタC2の値(21~29)の数/大当り種別カウンタC2の値の総数=9/30
また、第2始動口308aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選して高頻度サポートが実行されている場合におけるトータルでの出球率を第2総合出球率T2と定義すると、第2総合出球率T2は、以下の式(4)によって定義することができる。
上記式(4)におけるnは高頻度サポートモードの種別の数であり、本実施形態ではn=3である。したがって、本実施形態でにおける第2総合出球率T2は、以下のとおりとなる。
T2=M1×PB1+M2×PB2+M3×PB3
=0.50×(12/30)+1.00×(6/30)+1.50×(6/30)
=0.95
すなわち、第2総合出球率T2は、第2始動口308aへの遊技球の入球に基づいて実行される各高頻度サポートモードの出球率に実行割合を乗じたものの総和であり、出球率の期待値を意味することになる。
このように、本実施形態では、出球率が1を超える第3高頻度サポートモードを実行可能であるにも関わらず、第1総合出球率T1の値および第2総合出球率T2の値のいずれもが1以下となっている。したがって、本実施形態のパチンコ機10が実行する高頻度サポートモードにおいて、トータルでは遊技者の手持ちの遊技球は増加しないことを意味している。
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の一例について説明する。以下では、上記第8実施形態と異なる処理について説明し、同一の処理についてはその説明を省略する。
図81は、第9実施形態のパチンコ機10によって実行される始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。以下では、上記第1、第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図10、図74)との相違点について説明する。
本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS4706において、払出制御装置70に遊技球を2個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その他の各ステップにおける処理は、上記第1、第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図10、図74)と同じであるため、説明を省略する。
図82は、第9実施形態のパチンコ機10によって実行される開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。上記第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図75)との主な相違点は、3種類の高頻度サポートモードのそれぞれに対応した第1~第3高頻度サポートフラグを格納する点である。なお、第1~第3高頻度サポートフラグは、それぞれ第1~第3高頻度サポートモードが実行中であるか否かを判定するために用いられる。以下、具体的に説明する。
ステップS4801では、RAM64に、大当たり種別フラグとして16R確変フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS4801において、RAM64に16R確変フラグが格納されていると判定した場合には(S4801:YES)、ステップS4802に進み、フラグ消去処理を実行する。フラグ消去処理とは、遊技状態を特定するための情報を消去する処理である。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、第1高頻度サポートフラグ、第2高頻度サポートフラグ、第3高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、これらのフラグが格納されていない場合には、その状態を維持する。ステップS4802を実行した後、ステップS4803に進む。
ステップS4803では、高確率モードフラグを格納し、その後、ステップS4804に進み、第3高頻度サポートフラグを格納する。これにより、16R確変大当たりに対応した開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが第3高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び第3高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS4805に進む。
ステップS4805では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS4806に進み、サポートモードが第3高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである第3高頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。なお、第3高頻度サポートコマンドを受信した音声発光制御装置90は、サポートモードが第3高頻度サポートモードであることを遊技者に示唆する演出を実行するように制御を開始する。サポートモードが第3高頻度サポートモードであることを示唆する演出としては、例えば、遊技球が増加中であり、大当たりになかなか当選しない状況であっても遊技者にとって有利であることを示唆する演出を挙げることができる。
ステップS4801において、RAM64に、16R確変フラグが格納されていないと判定した場合には(S4801:NO)、ステップS4807に進み、RAM64に、大当たり種別フラグとして8R確変フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS4807において、RAM64に8R確変フラグが格納されていると判定した場合には(S4807:YES)、ステップS4808に進み、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS4809に進む。
ステップS4809では、高確率モードフラグを格納し、その後、ステップS4810に進み、第2高頻度サポートフラグを格納する。これにより、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが第2高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び第2高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS4811に進む。
ステップS4811では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS4812に進み、サポートモードが第2高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである第2高頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。なお、第2高頻度サポートコマンドを受信した音声発光制御装置90は、サポートモードが第2高頻度サポートモードであることを示唆する演出を実行するように制御を開始する。サポートモードが第2高頻度サポートモードであることを示唆する演出としては、例えば、遊技球が増加も減少もしておらず、大当たりになかなか当選しない状況であっても遊技者にとって不利ではないことを示唆する演出を挙げることができる。
ステップS4807において、RAM64に、8R確変フラグが格納されていないと判定した場合には(S4807:NO)、ステップS4813に進み、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS4814に進む。
ステップS4814では、第1高頻度サポートフラグを格納した後、ステップS4815に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。遊技回数カウンタエリアにセットされる値は、遊技回数を限定して第1高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。これにより、通常大当たりに対応した開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが低確率モードであり、且つ、サポートモードが第1高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、この場合、第1高頻度サポートモードは遊技回が100回実行された後に終了し、その後は、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。ステップS4815を実行した後、ステップS4816に進む。
ステップS4816では、サポートモードが第1高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである第1高頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。なお、第1高頻度サポートコマンドを受信した音声発光制御装置90は、サポートモードが第1高頻度サポートモードであることを遊技者に示唆する演出を実行するように制御を開始する。サポートモードが第1高頻度サポートモードであることを示唆する演出としては、例えば、遊技球が減少中であり、大当たりになかなか当選しない状況は遊技者にとって不利であることを示唆する演出を挙げることができる。
図83は、第9実施形態のパチンコ機10によって実行される電役開閉処理を示すフローチャートである。上記第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図77)との主な相違点は、3種類の高頻度サポートモード毎に異なる開放時間を設定する点である。以下、具体的に説明する。
ステップS4901では、電動役物としての開閉扉308bが開放中であるか否かを判定する。開閉扉308bが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。開閉扉308bが開放されていると判定した場合には(S4901:YES)、ステップS4902に進む。
ステップS4902では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、開閉扉308bの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS4902において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」ではないと判定した場合には(S4902:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、開閉扉308bの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS4902において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S4902:YES)、ステップS4903に進み、開閉扉308bを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「25」(すなわち0.05sec)をセットする。すなわち、開閉扉308bの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、開閉扉308bを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を開閉扉308bの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「25」をセットする。ステップS4903を実行した後、ステップS4904に進む。
ステップS4904では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS4905に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS4905において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」ではないと判定した場合には(S4905:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS4905において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S4905:YES)、ステップS4906に進み、サポート中フラグを消去する。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップS4901において、開閉扉308bが開放中ではないと判定した場合には(S4901:NO)、ステップS4907に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、開閉扉308bの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS4907において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」ではないと判定した場合には(S4907:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS4907において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S4907:YES)、ステップS4908に進み、開閉扉308bを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS4909に進む。
ステップS4909では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S4909:NO)、ステップS4910に進み、第1高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS4910において、第1高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S4910:YES)、ステップS4911に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS4910において、第1高頻度サポートモード中ではないと判定した場合には(S4910:NO)、ステップS4912に進み、第2高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
ステップS4912において、第2高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S4912:YES)、ステップS4913に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「550」(すなわち1.1sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS4912において、第2高頻度サポートモード中ではないと判定した場合には(S4912:NO)、ステップS4914に進み、第3高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
ステップS4914において、第3高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S4914:YES)、ステップS4915に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「850」(すなわち1.7sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS4909において開閉実行モード中であると判定した場合(S4909:YES)、又は、ステップS4914において第3高頻度サポートモード中ではないと判定した場合には(S4914:NO)、ステップS4916に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、経路R11に振り分けられた1個目の遊技球GB1は、スルーゲート306を通過することが可能であるとともに、開閉扉308bが開放状態である場合には第2始動口308aに入球することが可能となる。一方、1個目の遊技球GB1の後に到達した3個の遊技球GB2、GB3、GB4は、経路R2または経路R12に振り分けられるので、スルーゲート306を通過することが不可能であるとともに、開閉扉308bが開放状態である場合には第2始動口308aに入球することが可能となる。すなわち、4個の遊技球のうち、1個目の遊技球GB1のみがスルーゲート306を通過することが可能であり、4個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が第2始動口308aに入球するか否かは、4個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が開閉入球装置308に至ったタイミングにおいて開閉扉308bが開放状態となっているか否かに依存することになる。したがって、4個の遊技球のうち、スルーゲート306を通過する遊技球の個数を1個としつつ、第2始動口308aに入球する遊技球の個数を開閉扉308bの状態に依存して変化させることができる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、遊技球がスルーゲート306を通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の結果に基づいて開閉扉308bを制御する。1個目の遊技球GB1の後に到達した3個の遊技球GB2、GB3、GB4はスルーゲート306を通過しないので、主制御装置60は、4個の遊技球のそれぞれが開閉入球装置308に至ったタイミングにおける開閉扉308bの状態を閉鎖状態とするのか開放状態とするのか、すなわち、4個の遊技球のそれぞれを第2始動口308aに入球させるか否かを、1個目の遊技球GB1がスルーゲート306を通過したことを契機として実行する電動役物開放抽選の結果及びサポートモードの種別によって決定する。したがって、4個の遊技球のそれぞれを第2始動口308aに入球させるか否かの制御を、1個目の遊技球GB1がスルーゲート306を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、普図ユニット38の発光表示部が変動表示を開始してから、電動役物開放抽選の結果に対応した停止表示をするまでの変動時間は、当該電動役物開放抽選の契機となった1個目の遊技球GB1がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球GB1が開閉入球装置208に至るまでの時間より短い時間に設定されている。したがって、普図ユニット38は、スルーゲート306を通過して電動役物開放抽選の契機となった1個目の遊技球GB1が開閉入球装置308に至るタイミングより前に、当該電動役物開放抽選の結果を表示することが可能となる。ここで、主制御装置60は、普図ユニット38によって電動役物開放抽選の結果が表示された後に、当該電動役物開放抽選の結果に基づいた制御を開始するので、スルーゲート306を通過して電動役物開放抽選の契機となった1個目の遊技球GB1が開閉入球装置308に至るタイミングより前に、当該電動役物開放抽選の結果に基づいた制御を開始することができる。この結果、主制御装置60は、スルーゲート306を通過した1個目の遊技球GB1が開閉入球装置308に至るタイミングにおいて開閉扉308bが開放状態となっている高頻度サポートモードを実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態に遷移した後に当該開放状態を維持する時間的長さを、高頻度サポートモードの種別毎に異なるように制御するので、4個の遊技球GB1~GB4のうちの第2始動口308aに入球する遊技球の個数を高頻度サポートモードの種別毎に異なるようにすることができる。具体的には、本実施形態では、1個目の遊技球GB1は第2始動口308aに入球するとともに遊技球GB1の後に到達した3個の遊技球GB2、GB3、GB4は第2始動口308aに入球しない第1高頻度サポートモード(出球率M1=0.50)と、1個目および2個目の遊技球GB1、GB2は第2始動口308aに入球するとともに3個目および4個目の遊技球GB3、GB4は第2始動口308aに入球しない第2高頻度サポートモード(出球率M2=1.00)と、1個目~3個目の遊技球GB1、GB2、GB3は第2始動口308aに入球するとともに4個目の遊技球GB4は第2始動口308aに入球しない第3高頻度サポートモード(出球率M3=1.50)とが実現されている。したがって、本実施形態によれば、出球率の異なる複数種類の高頻度サポートモードを実現することができるので、遊技に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技球を2つの経路のうちのいずれかの経路に交互に振り分ける交互振分機構(第1交互振分機構304、第2交互振分機構305)が2段に組み合わされた構成が採用されているので、第2始動口ユニット300に到達した1個の遊技球GB1を経路R11に振り分けるとともに当該遊技球GB1より後に到達した3個の遊技球GB1、GB2、GB3を経路R11とは異なる経路(経路R2、R12)に振り分ける機能を、電子制御等を用いて実現する構成と比較して、簡易な構成によって実現することができる。なお、電子制御等を用いて当該機能を実現する構成としては、例えば、第2始動口ユニット300に到達した遊技球の個数をカウンタ等を用いて計測するとともに電気的な力によって駆動する構造物等を利用して遊技球を振り分ける構成を挙げることができる。
さらに、本実施形態によれば、高頻度サポートモードの種別として、出球率が1を超える第3高頻度サポートモードが実行可能であるにも関わらず、高頻度サポートモードが実行された場合におけるトータルとしての出球率(第1総合出球率T1及び第2総合出球率T2)は1以下なので、遊技球が増加する第3高頻度サポートモードにおいて遊技者に高揚感を付与することを可能にしつつ、第1総合出球率T1及び第2総合出球率T2を1以下に抑えることによって、遊技者の射幸心が過度に高まることを抑制することができる。この結果、適切に遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、出球率が1を超える第3高頻度サポートモードが実行されている期間中は、遊技者の手持ちの遊技球が増加することになる。したがって、第3高頻度サポートモードが長く継続して欲しいといった期待感を遊技者に提供することができる。特に、本実施形態では、16R確変大当たりに当選すると、開閉実行モードが終了した後に、大当たり抽選の抽選モードが高確率モードに移行するとともに、第3高頻度サポートモードが実行される。そして、高確率モード及び第3高頻度サポートモードは、次に大当たり抽選に当選するまで継続する。すなわち、次に大当たり抽選に当選するまでは高確率モードが終了しない構成(いわゆるループ機)なので、高確率モード中に大当たり抽選に当選することは保証されており、大当たり抽選に当選するまでは、遊技球が増加する第3高頻度サポートモードが継続することになる。したがって、遊技者は、高確率モード中に大当たり抽選に当選することは保証されているので、なるべく長い期間大当たり抽選に当選せずに、第3高頻度サポートモードが長く継続して欲しいといった新たな期待感を抱くことになる。このように、本実施形態によれば、高確率モード中になるべく長い期間大当たり抽選に当選しないで第3高頻度サポートモードが長く継続して欲しいといった新たな期待感を遊技者に提供することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、このような構成において、高確率モード中における大当たり抽選の当選確率を低く設定すれば、高確率モード及び第3高頻度サポートモードが長く継続する確率が大きくなる。したがって、第3高頻度サポートモードにおいて増加させることのできる遊技球の個数の期待値を大きくすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、高確率モード及び第3高頻度サポートモードが、所定の回数(例えば120回)の大当たり抽選が実行された後に終了する構成(いわゆるスペシャルタイム機(ST機))を採用した場合には、遊技者は、第3高頻度サポートモードをなるべく長い期間継続させて遊技球を増加させたいので、高確率モードに移行して間もない遊技回では大当たり抽選に当選して欲しくないといった期待感と、高確率モードが終了してしまう前には大当たり抽選に当選して欲しいといった期待感とを抱くことになる。
そして、高確率モードに移行して間もない遊技回で大当たり抽選に当選した場合には、遊技者は、第3高頻度サポートモードが短い期間で終了してしまったという残念な思いを抱く一方で、やはり高確率モードが終了してしまう前に大当たり抽選に当選したといった満足感を抱くことになる。また、高確率モードが終了する間際の遊技回で大当たり抽選に当選した場合には、遊技者は、第3高頻度サポートモードが長い期間継続し、遊技球を大幅に増加させることができたといった満足感と、高確率モードが終了してしまう前に大当たり抽選に当選したといった満足感を抱くことになる。すなわち、高確率モードが終了する間際の遊技回で大当たり抽選に当選した場合には、遊技者は、二重の満足感を味わうことができる。また、高確率モードが終了するまでに大当たり抽選に当選しなかった場合には、遊技者は、第3高頻度サポートモードが長い期間継続し、遊技球を大幅に増加させることができたといった満足感を抱く一方で、高確率モードが終了してしまう前に大当たり抽選に当選しなかったといった残念な思いを抱くことになる。すなわち、高確率モードにおける心境の複雑な抑揚を遊技者に提供することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、第2始動口ユニットの構成の他の例について説明する。以下に説明するように、第2始動口ユニットとしては様々な構成を採用することができる。
図84は、第2始動口ユニットの構成の他の例を模式的に示す説明図である。参考として、図84(A)には、第9実施形態の第2始動口ユニット300が模式的に示されている。また、図84には、第2始動口ユニットに入球した遊技球の順番および振り分け先が示されている。
図84(B)には、例1として、第2始動口ユニット300Bが模式的に示されている。図84(A)に示した第9実施形態の第2始動口ユニット300との相違点は、経路R2に振り分けられた遊技球が、開閉扉308bが開放状態であっても第2始動口308aに入球することが不可能であるように構成されている点である。具体的には、開閉入球装置308の水平方向の長さが短くなっているため、各高頻度サポートモードにおける開閉扉308bの制御の態様に関わらず、2個目と4個目の遊技球は第2始動口308aに入球することが不可能となっている。このような構成によれば、第2始動口ユニット300の開口部302に入球した遊技球のうち、第2始動口308aに入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
図84(C)には、例2として、第2始動口ユニット300Cが模式的に示されている。また、図85には、第2始動口ユニット300Cの具体的な構成が示されている。図84(A)及び図78に示した第9実施形態の第2始動口ユニット300との相違点は、経路R2と経路R12とが合流して1つの経路となっている点である。このような構成によれば、第2始動口ユニットを小型化することができるので、遊技盤30への搭載性を向上させることができる。
図84(D)には、例3として、第2始動口ユニット300Dが模式的に示されている。図84(A)に示した第9実施形態の第2始動口ユニット300との相違点は、第2交互振分機構305の下流側に第3交互振分機構305Aが設けられている点である。第3交互振分機構305Aは、経路R11を流下する遊技球を左側の経路R111および右側の経路R112の交互に振り分ける。
経路R111は、振り分けられた遊技球がスルーゲート306を通過するように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態である場合には第2始動口308aに入球することが可能であるように構成されている。経路R112は、振り分けられた遊技球がスルーゲート306を通過することが不可能であるように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置308の開閉扉308bが開放状態である場合には第2始動口308aに入球することが可能であるように構成されている。
このような構成によれば、第2始動口ユニット300Dの開口部302に入球した8個の遊技球のうち、1個の遊技球のみがスルーゲート306を通過することになる。換言すれば、1個の遊技球がスルーゲート306を通過した後、続く7個の遊技球はスルーゲート306をせず、9個目の遊技球が再びスルーゲート306を通過することになる。したがって、各高頻度サポートモード毎に開閉扉308bの開放時間を異なる長さに設定することによって、第2始動口308aに入球する遊技球の個数を、1個から8個のうちの任意の値に設定することができる。例えば、1個の遊技球が第2始動口308aに入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)が2個に設定されている場合には、以下の8種類の高頻度サポートモードを実現することができる。
・第1高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:0.5秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:1個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:1個×2個=2個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が6個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=2個/8個=0.25
・第2高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:1.1秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:2個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:2個×2個=4個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が4個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=4個/8個=0.50
・第3高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:1.7秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:3個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:3個×2個=6個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が2個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=6個/8個=0.75
・第4高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:2.3秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:4個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:4個×2個=8個
遊技球の増減:増減なし
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=8個/8個=1.00
・第5高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:2.9秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:5個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:5個×2個=10個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が2個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=10個/8個=1.25
・第6高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:3.5秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:6個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:6個×2個=12個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が4個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=12個/8個=1.50
・第7高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:4.1秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:7個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:7個×2個=14個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が6個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=14個/8個=1.75
・第8高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:4.7秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:8個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:8個×2個=16個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が8個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=16個/8個=2.00
このように、第2始動口ユニット300Dの構成を採用すれば、高頻度サポートモードの種別を多段階に設定することができる。また、交互振分機構をさらに多段に構成すれば、スルーゲート306を通過しない遊技球の個数をさらに増加させることが可能となるとともに、高頻度サポートモードの種別をさらに多段階に設定することが可能となる。また、1個の遊技球が第2始動口308aに入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)は、1個や2個以外の値に設定することもできる。例えば、上記の8種類の高頻度サポートモードにおいて賞球を3個に設定した場合には、各高頻度サポートモードは以下のとおりとなる。
・第1高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:0.5秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:1個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:1個×3個=3個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が5個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=3個/8個=0.375
・第2高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:1.1秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:2個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:2個×3個=6個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が2個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=6個/8個=0.75
・第3高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:1.7秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:3個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:3個×3個=9個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が1個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=9個/8個=1.125
・第4高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:2.3秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:4個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:4個×3個=12個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が4個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=12個/8個=1.50
・第5高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:2.9秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:5個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:5個×3個=15個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が7個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=15個/8個=1.875
・第6高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:3.5秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:6個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:6個×3個=18個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が10個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=18個/8個=2.25
・第7高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:4.1秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:7個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:7個×3個=21個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が13個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=21個/8個=2.625
・第8高頻度サポートモード:
開閉扉308bの開放時間:4.7秒
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:8個/8個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:8個×3個=24個
遊技球の増減:8個の遊技球が発射される4.8秒間で遊技球が16個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=24個/8個=3.00
図84(E)には、例4として、第2始動口ユニット300Eが模式的に示されている。図84(D)に示した例3の第2始動口ユニット300Dとの相違点は、経路R2に振り分けられた遊技球が、開閉扉308bが開放状態であっても第2始動口308aに入球することが不可能であるように構成されている点である。具体的には、開閉入球装置308の水平方向の長さが短くなっているため、各高頻度サポートモードにおける開閉扉308bの制御の態様に関わらず、2、4、6、8個目の遊技球は第2始動口308aに入球することが不可能となっている。このような構成によれば、第2始動口ユニット300Eの開口部302に入球した遊技球のうち、第2始動口308aに入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
図84(F)には、例5として、第2始動口ユニット300Fが模式的に示されている。図84(D)に示した例3の第2始動口ユニット300Dとの相違点は、経路R2と経路R12と経路R112とが合流して1つの経路となっている点である。このような構成によれば、第2始動口ユニットを小型化することができるので、遊技盤30への搭載性を向上させることができる。
J.第10実施形態:
次に第10実施形態について説明する。本実施形態は、上記第8実施形態と同一の第2始動口ユニット200(図70)を備えている。上記第8実施形態との相違点は、開閉扉208bを制御する態様が異なっている点である。以下では、主に、開閉扉208bの制御の態様について説明する。なお、上記第8実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
本実施形態では、1種類の高頻度サポートモードが設定されているとともに、高頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合における当選の種別が2種類(第1種電役開放および第2種電役開放)設定されている。また、低頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合における当選の種別が1種類(第3種電役開放)設定されている。普図ユニット38の変動時間や、電動役物開放抽選の当選の種別毎の開閉扉208bの制御の態様の詳細は以下のとおりである。
・高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:0.05秒
当選確率:100%
当選した結果、第1種電役開放に振り分けられる割合:50%
当選した結果、第2種電役開放に振り分けられる割合:50%
・第1種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.05秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.8秒
・第2種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.25秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.8秒
・低頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:29.5秒
当選確率:10%
当選した結果、第3種電役開放に振り分けられる割合:100%
・第3種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.25秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.2秒
上述した開閉扉208bの制御の態様において、高頻度サポートモード中に第1種電役開放に当選した場合と第2種電役開放に当選した場合との違いは、普図ユニット38の変動表示が停止してから開閉扉208bが開放状態への遷移を開始するまでの時間である開放待機時間の長さであり、後述するように、遊技球発射機構81によって遊技球が0.6秒間隔で連続して発射されている状況において第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。なお、開閉扉208bの開放時間として設定される0.8秒という時間は、1個目の遊技球と2個目の遊技球の発射間隔である0.6秒より長く、1個目の遊技球と3個目の遊技球との発射間隔である1.2秒より短い時間である。
図86は、第1種電役開放に当選した場合における第2始動口ユニット200の挙動を示す説明図である。図87は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、第1種電役開放に当選した場合における開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図86及び図87に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。
図86の状態A1に示すように、遊技球GB1が第2始動口ユニット200に到達し、開口部202から第2始動口ユニット200の内部に入球すると、交互振分機構204に到達する。状態A1に示した例では、交互振分機構204は、右側に傾いた状態となっているので、交互振分機構204に到達した遊技球は、一時的に左側保持部204eに保持される。すると、交互振分機構204は、左側保持部204eに保持された遊技球GB1の重さによって、回転軸204dを中心として左回り(反時計回り)に約90度回転して、図86の状態A2となる。
図86の状態A2に示すように、交互振分機構204が左側に傾いた状態となると、左側保持部204eに保持されていた遊技球GB1は、左側保持部204eから落下し、左側の経路R1に振り分けられる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は、スルーゲート206を通過する。遊技球GB1がスルーゲート206を通過すると、主制御装置60は、電動役物開放抽選を実行する。上述したように、本実施形態では、高頻度サポートモード中における普図ユニット38の変動時間は、0.05秒に設定されているとともに、高頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選する確率は100%に設定されている。そして、電動役物開放抽選において第1種電役開放に当選した場合には、開閉扉208bの開放待機時間は0.05秒、開閉扉208bが開放する回数は1回、開放時間は0.8秒に設定される。なお、本実施形態では、後述するように、主制御装置60は、開放待機時間が経過したと判定した場合には(後述する図91:S5123)、開閉扉208bの開放状態への遷移を開始させる処理を、0.004秒周期で実行する次の巡回における電役開閉処理ではなく、同一の巡回における電役開閉処理(図91:S5124、後述する図92)において実行する。このため、開放待機時間が経過してから、開閉入球装置208の開閉扉208bが開放状態への遷移を開始するまでの制御に要する時間は、0.004秒より大幅に短い時間となっている。
したがって、開閉入球装置208の開閉扉208bは、遊技球GB1がスルーゲート206を通過してから約0.1秒後に開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間、維持する(図87)。上述したように、本実施形態では、遊技球がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置208に至るまでの時間は0.2秒程度であるので、スルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては開閉扉208bは開放状態となっており、当該遊技球GB1は、第2始動口208aに入球することになる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1の次の遊技球GB2が開口部202に入球して、図86の状態A3となる。
図86の状態A3に示すように、経路R1に振り分けられた遊技球GB1の次の遊技球GB2が開口部202に入球すると、交互振分機構204は、左側に傾いた状態となっているので、交互振分機構204に到達した遊技球GB2は、一時的に右側保持部204fに保持される。すると、交互振分機構204は、右側保持部204fに保持された遊技球GB2の重さによって、回転軸204dを中心として右回り(時計回り)に約90度回転して、図86の状態A4となる。
図86の状態A4に示すように、交互振分機構204が右側に傾いた状態となると、右側保持部204fに保持されていた遊技球GB2は、右側保持部204fから落下し、右側の経路R2に振り分けられる。その後、経路R2に振り分けられた遊技球GB2は、開閉入球装置208に至る。ここで、本実施形態では、遊技球発射機構81から発射される遊技球の間隔は0.6秒であるので、遊技球GB1が開閉入球装置208に到達してから、遊技球GB2が開閉入球装置208に到達するまでの間隔も0.6秒程度となる。また、本実施形態では、開閉扉208bの開放時間は0.8秒に設定されているので、遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいても開閉扉208bは開放状態を維持している。この結果、遊技球GB2は、開閉入球装置208の内部に設けられた第2始動口208aに入球することになる。遊技球GB2が第2始動口208aに入球した後、開閉扉208bは閉鎖状態となり、再び状態A1となる。なお、開閉扉208bの開放時間は0.8秒に設定されているので、開閉扉208bは、図87に示すように、遊技球GB2の次の遊技球GB3がスルーゲート206を通過するより前に、閉鎖状態となる。
すなわち、本実施形態では、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において第1種電役開放に当選した場合には、当該電動役物開放抽選の契機となった遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいて開閉扉208bが開放状態に遷移しているとともに、経路R2に振り分けられた遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいても開閉扉208bは開放状態を維持している。この結果、2個の遊技球GB1、GB2のうち、両方の遊技球が第2始動口208aに入球することになる。
図88は、第2種電役開放に当選した場合における第2始動口ユニット200の挙動を示す説明図である。図89は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達したタイミングを示すとともに、第2種電役開放に当選した場合における開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図88及び図89に示した例が、図86及び図87に示した例と異なる点は、開閉扉208bの開放待機時間が0.25秒に設定されており、スルーゲート206を通過した遊技球GB1が第2始動口208aに入球しない点である。以下、具体的に説明する。
図88の状態A1に示すように、遊技球GB1が第2始動口ユニット200に到達し、開口部202から第2始動口ユニット200の内部に入球すると、交互振分機構204に到達する。状態A1に示した例では、交互振分機構204は、右側に傾いた状態となっているので、交互振分機構204に到達した遊技球は、一時的に左側保持部204eに保持される。すると、交互振分機構204は、左側保持部204eに保持された遊技球GB1の重さによって、回転軸204dを中心として左回り(反時計回り)に約90度回転して、状態A2となる。
図88の状態A2に示すように、交互振分機構204が左側に傾いた状態となると、左側保持部204eに保持されていた遊技球GB1は、左側保持部204eから落下し、左側の経路R1に振り分けられる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は、スルーゲート206を通過する。遊技球GB1がスルーゲート206を通過すると、主制御装置60は、電動役物開放抽選を実行する。上述したように、本実施形態では、高頻度サポートモード中における普図ユニット38の変動時間は、0.05秒に設定されているとともに、高頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選する確率は100%に設定されている。そして、電動役物開放抽選において第1種電役開放に当選した場合には、開閉扉208bの開放待機時間は0.25秒、開閉扉208bが開放する回数は1回、開放時間は0.8秒に設定される。また、上述したように、本実施形態では、開放待機時間が経過してから、開閉入球装置208の開閉扉208bが開放状態への遷移を開始するまでの制御に要する時間は、0.004秒より大幅に短い時間となっている。
したがって、開閉入球装置208の開閉扉208bは、遊技球GB1がスルーゲート206を通過してから約0.3秒後に開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間、維持する(図89)。上述したように、本実施形態では、遊技球がスルーゲート206を通過してから、当該遊技球が開閉入球装置208に至るまでの時間は0.2秒程度であるので、スルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては開閉扉208bは閉鎖状態を維持しており、当該遊技球GB1は、第2始動口208aに入球することなく、開閉入球装置208を通過する。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1の次の遊技球GB2が開口部202に入球して、図88の状態A3となる。
図88の状態A3に示すように、経路R1に振り分けられた遊技球GB1の次の遊技球GB2が開口部202に入球すると、交互振分機構204は、左側に傾いた状態となっているので、交互振分機構204に到達した遊技球GB2は、一時的に右側保持部204fに保持される。すると、交互振分機構204は、右側保持部204fに保持された遊技球GB2の重さによって、回転軸204dを中心として右回り(時計回り)に約90度回転して、状態A4となる。
図88の状態A4に示すように、交互振分機構204が右側に傾いた状態となると、右側保持部204fに保持されていた遊技球GB2は、右側保持部204fから落下し、右側の経路R2に振り分けられる。その後、経路R2に振り分けられた遊技球GB2は、開閉入球装置208に至る。ここで、本実施形態では、遊技球発射機構81から発射される遊技球の間隔は0.6秒であるので、遊技球GB1が開閉入球装置208に到達してから、遊技球GB2が開閉入球装置208に到達するまでの間隔も0.6秒程度となる。また、本実施形態では、開閉扉208bの開放待機時間は0.25秒に設定されているので、遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては開閉扉208bは開放状態となっている。この結果、遊技球GB2は、開閉入球装置208の内部に設けられた第2始動口208aに入球することになる。遊技球GB2が第2始動口208aに入球した後、開閉扉208bは閉鎖状態となり、再び状態A1となる。なお、開閉扉208bの開放時間は0.8秒に設定されているので、開閉扉208bは、図89に示すように、遊技球GB2の次の遊技球GB3がスルーゲート206を通過するより前に、閉鎖状態となる。
すなわち、本実施形態では、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット200に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況において、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において第2種電役開放に当選した場合には、当該電動役物開放抽選の契機となった遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては開閉扉208bが閉鎖状態を維持しているとともに、経路R2に振り分けられた遊技球GB2が開閉入球装置208に至るタイミングにおいては開閉扉208bは開放状態に遷移している。この結果、2個の遊技球GB1、GB2のうち、1個の遊技球GB2が第2始動口208aに入球することになる。
以上より、本実施形態によれば、開閉扉208bの開放待機時間を変化させることによって、遊技球GB1がスルーゲート206を通過してからの1.2秒間(図87、図89)あたりにおける第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させることができる。
なお、低頻度サポートモード中における電動役物開放抽選において第3種電役開放に当選した場合には、普図ユニット38の変動時間が29.5秒、開閉扉208bの開放待機時間が0.25秒に設定されるので、開閉扉208bは、遊技球GB1および遊技球GB2が開閉入球装置208を通過した後に、開放状態に遷移することになる。すなわち、低頻度サポートモード中における電動役物開放抽選において第3種電役開放に当選した場合には、遊技球GB1および遊技球GB2の両方が第2始動口208aに入球しないことになる。
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の一例について説明する。以下では、上記第8実施形態と異なる処理について説明し、同一の処理についてはその説明を省略する。
図90は、第10実施形態のパチンコ機10によって実行される開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。上記第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図75)との主な相違点は、本実施形態では高頻度サポートモードが1種類であるため、高頻度サポートフラグに種別が設定されていない点である。以下、具体的に説明する。
本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS5004において、高頻度サポートフラグを格納する。これにより、確変大当たりに対応した開閉実行モードを終了した後に、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。また、本実施形態のパチンコ機10の主制御装置60は、ステップS5007において、高頻度サポートフラグを格納する。これにより、通常大当たりに対応した開閉実行モードを終了した後に、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。その他の各ステップにおける処理は、上記第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図75)と同じであるため、説明を省略する。
図91は、第10実施形態のパチンコ機10によって実行される電役サポート用処理を示すフローチャートである。上記第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図76)との主な相違点は、電動役物開放抽選において当選した電役開放の種別に対応した開放待機時間を設定する点である。以下、具体的に説明する。
ステップS5101では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS5101において、サポート中フラグが格納されていないと判定した場合には(S5101:NO)、ステップS5102に進む。
ステップS5102では、RAM64の各種フラグ格納エリア64eに設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物開放抽選において電役開放に当選した場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。ステップS5102において、サポート当選フラグが格納されていないと判定した場合には(S5102:NO)、ステップS5103に進む。
ステップS5103では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS5103において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S5103:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S5103:YES)、ステップS5104に進む。
ステップS5104では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS5104において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S5104:YES)、ステップS5105に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS5104において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S5104:NO)、ステップS5106に進む。
ステップS5106では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS5106において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S5106:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS5106において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S5106:YES)、ステップS5107に進む。
ステップS5107では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS5108に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS5107において開閉実行モードではなく(S5107:NO)、且つ、ステップS5108において高頻度サポートモードである場合には(S5108:YES)、ステップS5109に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値を抽選実行エリアにシフトするとともに、抽選実行エリアの値と高頻度サポートモード用の電動役物開放抽選用テーブルとを照合する。本実施形態では、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において当選する確率は100%に設定されており、第1種電役開放に振り分けられる割合が50%、第2種電役開放に振り分けられる割合が50%に設定されている。具体的には、電動役物開放カウンタC4のとり得る値が0~249であるため、抽選実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0~124であった場合には、第1種電役開放に当選となり、電動役物開放カウンタC4の値が125~249であった場合には、第2種電役開放に当選となる。そして、電動役物開放抽選を実行した後、第2タイマカウンタエリアT2に「25」(すなわち0.05sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS5110に進む。
ステップS5110では、ステップS5109の電動役物開放抽選の結果が電役開放に当選(サポート当選)であるか否かを判定する。ステップS5110において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S5110:YES)、ステップS5111に進み、サポート当選フラグを格納するとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットする。なお、本実施形態では、高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選の結果、第1種電役開放に当選した場合には第1種サポート当選フラグを格納し、第2種電役開放に当選した場合には第2種サポート当選フラグを格納する。その後、ステップS5112に進む。一方、ステップS5110において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S5110:NO)、ステップS5111の処理を実行することなく、ステップS5112に進む。
ステップS5112では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS5112において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S5112:YES)、ステップS5113に進む。一方、ステップS5112において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S5112:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS5113では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS5113において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S5113:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS5113において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS5114に進み、高頻度サポートフラグを消去する。その後、ステップS5115に進む。
ステップS5115では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS5107において開閉実行モードであると判定した場合(S5107:YES)、又は、ステップS5118において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S5108:NO)、ステップS5116に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトするとともに、抽選実行エリアの値と低頻度サポートモード用の電動役物開放抽選用テーブルとを照合する。本実施形態では、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において当選する確率は10%に設定されており、第3種電役開放に振り分けられる割合が100%に設定されている。具体的には、電動役物開放カウンタC4のとり得る値が0~249であるため、抽選実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0~24であった場合には、第3種電役開放に当選となる。また、電動役物開放抽選を実行した後、第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS5117に進む。
ステップS5117では、ステップS5116の電動役物開放抽選の結果が電役開放に当選(サポート当選)であるか否かを判定する。ステップS5117において、サポート当選でないと判定した場合には(S5117:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS5117において、サポート当選であると判定した場合には(S5117:YES)、ステップS5118に進み、サポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS5102において、サポート当選フラグが格納されていると判定した場合には(S5102:YES)、ステップS5119に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS5119において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S5119:NO)、普図ユニット38における図柄が変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS5119において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S5119:YES)、ステップS5120に進む。
ステップS5120では、当選した電役開放の種別に対応した当たり表示を設定する。これにより、普図ユニット38における図柄の変動表示が終了し、当たり表示の種別に対応した図柄が停止表示される。その後、ステップS5121に進む。
ステップS5121では、当選した電役開放の種別に対応した開放待機時間を設定する。具体的には、第1種電役開放に当選した場合には開放待機時間タイマカウンタエリアTwに「25」(すなわち0.05sec)をセットし、第2種電役開放または第3種電役開放に当選した場合には開放待機時間タイマカウンタエリアTwに「125」(すなわち0.25sec)をセットする。開放待機時間タイマカウンタエリアTwは、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS5122に進み、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS5101において、サポート中フラグが格納されていると判定した場合には(S5101:YES)、ステップS5123に進み、開放待機時間が経過したか否かを判定する。具体的には、開放待機時間タイマカウンタエリアTwの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS5123において、開放待機時間タイマカウンタエリアTwの値が「0」であると判定した場合には(S5123:YES)、ステップS5124に進み、電動役物としての開閉扉208bを開閉制御するための電役開閉処理を実行する。電役開閉処理の詳細については後述する。その後、本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS5123において、開放待機時間タイマカウンタエリアTwの値が「0」でないと判定した場合には(S5123:NO)、電役開閉処理を実行することなく、本電役サポート用処理を終了する。
図92は、第10実施形態のパチンコ機10によって実行される電役開閉処理を示すフローチャートである。上記第8実施形態のパチンコ機10の主制御装置60が実行する処理(図77)との主な相違点は、高頻度サポートモード中に電役開放に当選した場合には、当選した電役開放の種別に関わらず開閉扉208bの開放時間を0.8秒に設定する点と、低頻度サポートモード中に電役開放に当選した場合には、開閉扉208bの開放時間を0.2秒に設定する点である。以下、具体的に説明する。
ステップS5201では、電動役物としての開閉扉208bが開放中であるか否かを判定する。開閉扉208bが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。開閉扉208bが開放されていると判定した場合には(S5201:YES)、ステップS5202に進む。
ステップS5202では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、開閉扉208bの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS5202において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」ではないと判定した場合には(S5202:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、開閉扉208bの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS5202において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S5202:YES)、ステップS5203に進み、開閉扉208bを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「25」(すなわち0.05sec)をセットする。なお、ステップS5203において設定される第2タイマカウンタエリアT2の値は、電動役物開放抽選の1回の当選において電動役物としての開閉扉208bが複数回開放する場合には、開閉扉208bが閉鎖してから次の開放までの時間的長さ(間隔)を意味し、電動役物開放抽選の1回の当選を契機とした開閉扉208bの開放状態から閉鎖状態への最後の移行である場合には、開閉扉208bが閉鎖してから次の電動役物開放抽選を実行するまでに待機する時間的長さを意味する。ステップS5203を実行した後、ステップS5204に進む。
ステップS5204では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS5205に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS5205において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」ではないと判定した場合には(S5205:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS5205において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S5205:YES)、ステップS5206に進み、サポート中フラグを消去する。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップS5201において、開閉扉208bが開放中ではないと判定した場合には(S5201:NO)、ステップS5207に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、開閉扉208bの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS5207において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」ではないと判定した場合には(S5207:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS5207において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S5207:YES)、ステップS5208に進み、開閉扉208bを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS5209に進む。
ステップS5209では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S5209:NO)、ステップS5210に進み、高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
ステップS5210において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S5210:YES)、ステップS5211に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「400」(すなわち0.8sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS5210において、高頻度サポートモード中ではないと判定した場合(S5210:NO)、および、ステップS5209において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S5209:YES)、ステップS5212に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、上述した第8実施形態と同様の効果を奏するとともに、開閉扉208bの開放待機時間を変化させることによって、遊技球GB1がスルーゲート206を通過してからの1.2秒間(図87、図89)あたりにおける第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させることができる。したがって、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、本実施形態によれば、開閉扉208bの開放時間を同一の長さ(本実施形態では0.8秒)に設定した場合であっても、開放待機時間の長さを変化させれば、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中において、普図ユニット38の変動時間を同一の長さ(本実施形態では0.05秒)に設定した場合であっても、開閉扉208bの開放待機時間を複数種類の長さ(本実施形態では0.05秒と0.25秒)に設定することによって、遊技球がスルーゲート206を通過してから開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を複数種類の長さに設定することができる。すなわち、本実施形態によれば、電動役物開放抽選の結果が普図ユニット38によって表示されてから開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遊技球がスルーゲート206を通過してから開閉扉208bが閉鎖状態から開放状態への遷移を開始するまでの時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させることができる
さらに、本実施形態によれば、主制御装置60は、高頻度サポートモード中において、普図ユニット38の変動時間を、遊技球GB1がスルーゲート206を通過してから当該遊技球GB1が開閉入球装置208に至るまでの時間より短い時間に設定する。したがって、普図ユニット38は、スルーゲート206を通過して電動役物開放抽選の契機となった遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングより前に、当該電動役物開放抽選の結果を表示することが可能となる。この結果、主制御装置60は、普図ユニット38によって電動役物開放抽選の結果が表示された後であって、スルーゲート206を通過して電動役物開放抽選の契機となった遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングより前に、開閉扉208bの閉鎖状態から開放状態への遷移を開始させる制御(第1種電役開放に当選した場合の制御)を実行することが可能となる。したがって、開閉扉208bが開放状態に遷移する契機となった遊技球GB1(スルーゲート206を通過して電動役物開放抽選の契機となった遊技球GB1)を第2始動口208aに入球させる制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、第1種電役開放に当選した場合(図86、図87)には、主制御装置60は開閉扉208bの開放待機時間を0.05秒に設定するので、スルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいて開閉扉208bは開放状態に遷移しており、当該遊技球GB1は第2始動口208aに入球する。一方、第2種電役開放に当選した場合(図88、図89)には、主制御装置60は開閉扉208bの開放待機時間を0.25秒に設定するので、スルーゲート206を通過した遊技球GB1が開閉入球装置208に至るタイミングにおいて開閉扉208bはまだ開放状態に遷移しておらず、当該遊技球GB1は第2始動口208aに入球しない。すなわち、本実施形態によれば、開放待機時間を変化させることによって第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選に当選した種別に基づいて、開閉扉208bの開放待機時間を設定する構成としたが、他の要素に基づいて、開閉扉208bの開放待機時間を設定する構成としてもよい。例えば、複数種類のサポートモードを実行可能な構成において、サポートモードの種別毎に、開閉扉208bの開放待機時間を異なる長さに設定する構成としてもよい。また、大当たり抽選の抽選モード(低確率モードおよび高確率モード)の種別毎に、開閉扉208bの開放待機時間を異なる長さに設定する構成としてもよい。また、開放待機時間を設定するための乱数カウンタを備え、取得した乱数カウンタの値に基づいて、開閉扉208bの開放待機時間を設定する構成としてもよい。また、大当たり抽選に当選した場合に、当該当選を契機とした開閉実行モードが終了した後の所定の回数の遊技回において、当該大当たり抽選に当選した種別に基づいて、開閉扉208bの開放待機時間を設定する構成としてもよい。
また、本実施形態では、開閉扉208bの開放待機時間を変化させることによって、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させる構成としたが、普図ユニット38の変動時間を変化させることによって、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させる構成としてもよい。また、普図ユニット38の変動時間と開閉扉208bの開放待機時間の両方を変化させることによって、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させる構成としてもよい。また、開閉扉208bの開放待機時間や普図ユニット38の変動時間に加えて、開閉扉208bの開放時間を変化させることによって、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させる構成としてもよい。
また、開閉扉208bの開放待機時間を変化させることによって、第2始動口208aに入球する遊技球の個数を変化させる構成を、上述した第9実施形態の第2始動口ユニット300、300B~300F(図78、図84、図85)に対して適用してもよい。
K.第11実施形態:
次に第11実施形態について説明する。本実施形態は、上記第10実施形態と同一の第2始動口ユニット200(図70)を備えている。上記第10実施形態との相違点は、開閉扉208bを制御する態様が異なっている点である。以下では、主に、開閉扉208bの制御の態様について説明する。なお、上記第10実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
本実施形態では、3種類の高頻度サポートモードが設定されているとともに、高頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合における当選の種別が1種類(第1種電役開放)設定されている。また、低頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合における当選の種別が1種類(第2種電役開放)設定されている。普図ユニット38の変動時間や、電動役物開放抽選の当選の種別毎の開閉扉208bの制御の態様の詳細は以下のとおりである。
・第1高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:0.05秒
当選確率:100%
当選した結果、第1種電役開放に振り分けられる割合:100%
・第1種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.95秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.8秒
・第2高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:0.05秒
当選確率:100%
当選した結果、第1種電役開放に振り分けられる割合:100%
・第1種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.25秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.8秒
・第3高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:0.05秒
当選確率:100%
当選した結果、第1種電役開放に振り分けられる割合:100%
・第1種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.05秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.8秒
・低頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:0.05秒
当選確率:10%
当選した結果、第2種電役開放に振り分けられる割合:100%
・第2種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.35秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.2秒
上述した開閉扉208bの制御の態様において、3つの高頻度サポートモードの違いは、普図ユニット38の変動表示が停止してから開閉扉208bが開放状態への遷移を開始するまでの時間である開放待機時間の長さであり、後述するように、遊技球発射機構81によって遊技球が0.6秒間隔で連続して発射されている状況において第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。なお、開閉扉208bの開放時間として設定される0.8秒という時間は、1個目の遊技球と2個目の遊技球の発射間隔である0.6秒より長く、1個目の遊技球と3個目の遊技球との発射間隔である1.2秒より短い時間である。
図93は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、第1高頻度サポートモードにおける開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図93に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。開口部202に入球した遊技球は、経路R1又は経路R2に交互に振り分けられる。遊技球が振り分けられる際の挙動については、図71と同様である。ただし、開閉扉208bの開閉パターン及び第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図93に示すように、本実施形態の第1高頻度サポートモードでは、1個目の遊技球GB1が経路R1に振分けられてスルーゲート206を通過すると、普図ユニット38の変動表示が開始する。普図ユニット38の変動時間である0.05秒及び開放待機時間である0.95秒が経過すると、開閉扉208bは、開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間維持する。
1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2は、開閉扉208bが開放状態に遷移するまでの0.10秒の間に、閉鎖状態の開閉扉208bを通過する。そして、3個目の遊技球GB3は、スルーゲート206を通過するとともに、開閉入球装置208に到達したタイミングでは開閉扉208bが開放状態に遷移しているので、第2始動口208aに入球する。なお、遊技球GB3がスルーゲート206を通過したタイミングでは、開閉扉208bが開放状態となっているため、普図ユニット38の変動表示は開始されず、保留される。
そして、0.8秒が経過して開閉扉208bが閉鎖状態に遷移すると、保留されていた普図ユニット38の変動表示が開始する。図93から理解できるように、普図ユニット38の変動表示が開始してから0.2秒後に4個目の遊技球GB4が開閉入球装置208に到達する。この関係は、普図ユニット38の変動表示が開始してから0.2秒後に1個目の遊技球GB1が開閉入球装置208に到達する関係と同じである。したがって、遊技球GB1から遊技球GB3のうち、遊技球GB3のみが第2始動口208aに入球するという関係が遊技球GB4以降でも継続することになる。以上説明した本実施形態の第1高頻度サポートモードを総括すると、以下のとおりとなる。なお、本実施形態では、第2始動口208aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数は2個に設定されている。
・第1高頻度サポートモード:
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:1個/3個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:1個×2個=2個
遊技球の増減:3個の遊技球が発射される1.8秒間で遊技球が1個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=2個/3個=0.67
図94は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、第2高頻度サポートモードにおける開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図94に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。開口部202に入球した遊技球は、経路R1又は経路R2に交互に振り分けられる。遊技球が振り分けられる際の挙動については、図71と同様である。ただし、開閉扉208bの開閉パターン及び第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図94に示すように、本実施形態の第2高頻度サポートモードでは、1個目の遊技球GB1が経路R1に振分けられてスルーゲート206を通過すると、普図ユニット38の変動表示が開始する。普図ユニット38の変動時間である0.05秒及び開放待機時間である0.25秒が経過すると、開閉扉208bは、開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間維持する。
1個目の遊技球GB1は、開閉扉208bが開放状態に遷移するまでの0.30秒の間に、閉鎖状態の開閉扉208bを通過する。2個目の遊技球GB2は、開閉入球装置208に到達したタイミングでは開閉扉208bが開放状態に遷移しているので、第2始動口208aに入球する。3個目以降の遊技球の挙動については、1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2の挙動の繰り返しであるため、説明を省略する。以上説明した本実施形態の第2高頻度サポートモードを総括すると、以下のとおりとなる。
・第2高頻度サポートモード:
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:1個/2個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:1個×2個=2個
遊技球の増減:増減なし
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=2個/2個=1.00
図95は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、第3高頻度サポートモードにおける開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図95に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。開口部202に入球した遊技球は、経路R1又は経路R2に交互に振り分けられる。遊技球が振り分けられる際の挙動については、図71と同様である。ただし、開閉扉208bの開閉パターン及び第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図95に示すように、本実施形態の第3高頻度サポートモードでは、1個目の遊技球GB1が経路R1に振分けられてスルーゲート206を通過すると、普図ユニット38の変動表示が開始する。普図ユニット38の変動時間である0.05秒及び開放待機時間である0.05秒が経過すると、開閉扉208bは、開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間維持する。
1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2は、開閉入球装置208に到達したタイミングでは開閉扉208bが開放状態に遷移しているので、第2始動口208aに入球する。3個目以降の遊技球の挙動については、1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2の挙動の繰り返しであるため、説明を省略する。以上説明した本実施形態の第3高頻度サポートモードを総括すると、以下のとおりとなる。
・第3高頻度サポートモード:
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:2個/2個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:2個×2個=4個
遊技球の増減:2個の遊技球が発射される1.2秒間で遊技球が2個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=4個/2個=2.00
図96は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、低頻度サポートモードにおける開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図96に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。開口部202に入球した遊技球は、経路R1又は経路R2に交互に振り分けられる。遊技球が振り分けられる際の挙動については、図71と同様である。ただし、開閉扉208bの開閉パターン及び第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図96に示すように、本実施形態の低頻度サポートモードでは、1個目の遊技球GB1が経路R1に振分けられてスルーゲート206を通過すると、普図ユニット38の変動表示が開始する。普図ユニット38の変動時間である0.05秒及び開放待機時間である0.35秒が経過すると、開閉扉208bは、10%の確率で開放状態に遷移し、当該開放状態を0.2秒間維持する。以下では、10%の確率で第2種電役開放に当選した場合について説明する。
1個目の遊技球GB1は、開閉扉208bが開放状態に遷移するまでの0.40秒の間に、閉鎖状態の開閉扉208bを通過する。2個目の遊技球GB2は、開閉入球装置208に到達したタイミングでは開閉扉208bが既に閉鎖状態に遷移しているため、第2始動口208aに入球することなく、閉鎖状態の開閉扉208bを通過する。3個目以降の遊技球の挙動については、1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2の挙動の繰り返しであるため、説明を省略する。以上説明した本実施形態の低頻度サポートモードを総括すると、以下のとおりとなる。
・低頻度サポートモード:
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:0個/2個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:0個×2個=0個
遊技球の増減:2個の遊技球が発射される1.2秒間で遊技球が2個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=0個/2個=0
図97は、第11実施形態のパチンコ機10における振分テーブルの内容を示す説明図である。この図97には、参考のため、開閉実行モードの終了後に実行される高頻度サポートモードの種別およびその内容も記載されている。上述したように、本実施形態では、開閉実行モードの終了後に実行される高頻度サポートモードの種別として、第1高頻度サポートモードと、第2高頻度サポートモードと、第3高頻度サポートモードとが設定されている。
図97(a)に示すように、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~15である場合には、振り分け結果は4R通常大当たりAとなり、4R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が16~19である場合には、振り分け結果は4R通常大当たりBとなり、4R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第3高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が20~29である場合には、振り分け結果は8R確変大当たりとなり、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。
図97(b)に示すように、第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~5である場合には、振り分け結果は4R通常大当たりAとなり、4R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が6~11である場合には、振り分け結果は4R通常大当たりBとなり、4R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第3高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が12~20である場合には、振り分け結果は8R確変大当たりとなり、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が21~29である場合には、振り分け結果は16R確変大当たりとなり、16R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。
なお、通常大当たりに対応した開閉実行モードの終了後に移行する高頻度サポートモードは、大当たり抽選に当選せずに所定の回数(本実施形態では100回)の遊技回が実行された場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。また、確変大当たりに対応した開閉実行モードの終了後に移行する高頻度サポートモードは、次に大当たり抽選に当選するまで終了せずに継続する。また、確変大当たりに対応した開閉実行モードの終了後に移行する高確率モードは、次に大当たり抽選に当選するまで終了せずに継続する。
また、本実施形態における第1総合出球率T1及び第2総合出球率T2は、以下のとおりとなる。
T1=M1×PA1+M2×PA2+M3×PA3
=0.67×(16/30)+1.00×(10/30)+2.00×(4/30)=0.96
T2=M1×PB1+M2×PB2+M3×PB3
=0.67×(6/30)+1.00×(18/30)+2.00×(6/30)=0.83
このように、本実施形態では、第1総合出球率T1の値および第2総合出球率T2の値のいずれもが1以下となっている。したがって、本実施形態のパチンコ機10が実行する高頻度サポートモードにおいて、トータルでは遊技者の手持ちの遊技球は増加しないことを意味している。
以上説明したように、本実施形態によれば、開放待機時間を変化させることによって、出球率が1未満である第1高頻度サポートモードと、出球率が1である第2高頻度サポートモードと、出球率が1を超える第3高頻度サポートモードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、本実施形態によれば、開閉扉208bが開放状態を維持する時間を同一の長さ(本実施形態では0.8秒)に設定した場合であっても、開放待機時間の長さを変化させれば、上述した3つの高頻度サポートモードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、交互振分機構204を1つだけ用いた簡易な構成である第2始動口ユニット200(図70)によって、出球率が1未満である第1高頻度サポートモードと、出球率が1である第2高頻度サポートモードと、出球率が1を超える第3高頻度サポートモードとを実行することができる。すなわち、2つの交互振分機構304、305を備えた第2始動口ユニット300(図78)によって3つの高頻度サポートモードを実行する構成と比較して、3つの高頻度サポートモードを実行するための機構を省スペースで実現することができるので、空いた遊技領域に他の役物を配置する等、遊技領域を有効に活用することができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が4R通常大当たりAとなると、高確率モードは開始されないが、第1高頻度サポートモードが開始される。第1高頻度サポートモードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、大当たり抽選の実行が促進される。しかし、第1高頻度サポートモードにおける出球率は1未満なので、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。第1高頻度サポートモードは、大当たり抽選の結果が大当たりとならずに大当たり抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、大当たり抽選の実行回数が規定回数に達して第1高頻度サポートモードが終了してしまう前に、大当たり抽選において大当たりとなって欲しいと期待しながら遊技を行なう。また、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早期の大当たり抽選において大当たりとなって欲しいと期待しながら遊技を行なう。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が8R確変大当たりとなると、高確率モードが開始されるとともに、第2高頻度サポートモードが開始される。高確率モードが開始されると、大当たり抽選の結果が大当たりとなる確率が向上する。また、第2高頻度サポートモードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、大当たり抽選の実行が促進される。また、第2高頻度サポートモードのにおける出球率は1なので、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。そして、高確率モードは、少なくとも、大当たり抽選の結果が大当たり(各種大当たり)となるまで継続する。また、第2高頻度サポートモードは、大当たり抽選の結果が大当たり(各種大当たり)となるまで継続する。したがって、遊技者は、大当たり抽選において大当たりとなるまでは高確率モード及び第2高頻度サポートモードが継続するので、大当たり抽選の結果が8R確変大当たりとなって高確率モードが継続することを期待しながら遊技を行なう。また、遊技者は、手持ちの遊技球が増加も減少もしないので、大当たり抽選の結果が大当たりとなった場合における結果の種別に気持ちを集中させることができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が4R通常大当たりとなると、高確率モードは開始されないが、第3高頻度サポートモードが開始される。第3高頻度サポートモードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、大当たり抽選の実行が促進される。さらに、第3高頻度サポートモードにおける出球率は1を超えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。第3高頻度サポートモードは、大当たり抽選の結果が大当たりとならずに大当たり抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、大当たり抽選の実行回数が規定回数に達する直前まで第3高頻度サポートモードを継続させて手持ちの遊技球を増加させつつも、第3高頻度サポートモードが終了してしまう前までには大当たり抽選の結果が大当たりとなって欲しいと期待しながら遊技を行なう。そして、大当たり抽選の実行回数が規定回数(100回)に達するまでに大当たり抽選の結果が大当たりとならなかった場合であっても、遊技者は、遊技球が増加する第3高頻度サポートモードが最長の期間継続したという満足感を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、3つの制御モードを効果的に利用して遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。また、本実施形態によれば、同じ4R通常大当たりであっても、開閉実行モードの終了後に移行する高頻度サポートモードに差異を設けることによって、遊技に抑揚を付加することができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果がリーチ発生となった場合には、大当たり抽選の結果が外れとなった場合よりも、特図ユニット37の変動時間として長い変動時間が設定される。第3高頻度サポートモードが実行されている期間において、大当たり抽選の結果がリーチ発生となる回数が多いほど、すなわち、特図ユニット37の変動時間として長い変動時間が設定される回数が多いほど、大当たり抽選(遊技回)の実行回数が規定回数である100回に達するまでに要する時間が長くなる。この結果、第3高頻度サポートが継続する期間も長くなるため、遊技者の手持ちの遊技球が増加する期間も長くなる。したがって、本実施形態によれば、第3高頻度サポートモードが実行されている期間において、大当たり抽選の結果がリーチ発生となる回数が多いほど遊技球が増加するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、他の実施形態として、第3高頻度サポートモードが開始された後に実行された大当たり抽選の回数が多くなるほど、特図ユニット37の変動時間として長い時間を設定する構成としてもよい。この構成によれば、大当たり抽選の実行回数が規定回数である100回に近づくほど、設定される特図ユニット37の変動時間が長くなるので、遊技球が増加する第3高頻度サポートモードが継続する期間がより長くなる。したがって、大当たり抽選抽選の実行回数が100回に近づいているにも関わらず大当たり抽選に当選しないといった遊技者の焦燥感を低減することができる。
また、他の実施形態として、開放待機時間を、第1高頻度サポートモードにおける0.95秒よりも長い時間に設定する高頻度サポートモードを実行する構成としてもよい。この構成によれば、第1高頻度サポートモードよりも出球率の小さい高頻度サポートモードを実行することができる。
また、本実施形態では、開放待機時間を複数の長さに設定することによって複数種類の高頻度サポートモードを実行する構成としたが、他の実施形態として、普図ユニット38の変動時間を複数の長さに設定することによって複数種類の高頻度サポートモードを実行する構成としてもよい。
L.第12実施形態:
次に第12実施形態について説明する。本実施形態は、上記第11実施形態と同一の第2始動口ユニット200(図70)を備えている。上記第11実施形態との相違点は、高確率モードが、大当たり抽選に当選せずに所定の回数(本実施形態では100回)の遊技回が実行された場合に終了する点(いわゆるスペシャルタイム機(ST機)である点)と、振分テーブルの内容が異なっている点である。以下では、主に、上記第11実施形態との相違点について説明する。なお、上記第11実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
図98は、第12実施形態のパチンコ機10における振分テーブルの内容を示す説明図である。この図98には、参考のため、開閉実行モードの終了後に実行される高頻度サポートモードの種別およびその内容も記載されている。
図98(a)に示すように、第1始動口33への遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~15である場合には、振り分け結果は4R通常大当たりAとなり、4R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が16~19である場合には、振り分け結果は4R通常大当たりBとなり、4R通常大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第3高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が20~29である場合には、振り分け結果は8R確変大当たりとなり、8R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。
図98(b)に示すように、第2始動口208aへの遊技球の入球に基づいた大当たり抽選に当選し、取得した大当たり種別カウンタC2の値が0~17である場合には、振り分け結果は10R確変大当たりAとなり、10R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第1高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が18~26である場合には、振り分け結果は10R確変大当たりBとなり、10R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第2高頻度サポートモードに移行する。また、取得した大当たり種別カウンタC2の値が27~29である場合には、振り分け結果は10R確変大当たりCとなり、10R確変大当たりに対応した開閉実行モードに移行するとともに、開閉実行モードの終了後に第3高頻度サポートモードに移行する。
なお、通常大当たりに対応した開閉実行モードの終了後に移行する高頻度サポートモードは、大当たり抽選に当選せずに所定の回数(本実施形態では100回)の遊技回が実行された場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。また、本実施形態では、確変大当たりに対応した開閉実行モードの終了後に移行する高頻度サポートモードであっても、大当たり抽選に当選せずに所定の回数(本実施形態では100回)の遊技回が実行された場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。また、確変大当たりに対応した開閉実行モードの終了後に移行する高確率モードも、大当たり抽選に当選せずに所定の回数(本実施形態では100回)の遊技回が実行された場合に終了する。
また、本実施形態における第1総合出球率T1及び第2総合出球率T2は、以下のとおりとなる。
T1=M1×PA1+M2×PA2+M3×PA3
=0.67×(16/30)+1.00×(10/30)+2.00×(4/30)=0.96
T2=M1×PB1+M2×PB2+M3×PB3
=0.67×(18/30)+1.00×(9/30)+2.00×(3/30)=0.90
このように、本実施形態では、第1総合出球率T1の値および第2総合出球率T2の値のいずれもが1以下となっている。したがって、本実施形態のパチンコ機10が実行する高頻度サポートモードにおいて、トータルでは遊技者の手持ちの遊技球は増加しないことを意味している。
以上説明したように、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が10R確変大当たりAとなると、高確率モードが開始されるとともに、第1高頻度サポートモードが開始される。高確率モードが開始されると、大当たり抽選の結果が大当たりとなる確率が向上する。また、第1高頻度サポートモードが開始されると、第2始動口208aへの遊技球の入球が促進されるので、大当たり抽選の実行が促進される。しかし、第1高頻度サポートモードにおける出球率は1未満なので、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。そして、高確率モードおよび第1高頻度サポートモードは、大当たり抽選の結果が大当たりとならずに大当たり抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、大当たり抽選の実行回数が規定回数に達して高確率モードが終了してしまう前に、なるべく早期の大当たり抽選において大当たりとなって欲しいと期待しながら遊技を行なう。さらに、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいといった期待からも、より早期の大当たり抽選において大当たりとなって欲しいと期待しながら遊技を行なう。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が10R確変大当たりBとなると、高確率モードが開始されるとともに、第2高頻度サポートモードが開始される。高確率モードが開始されると、大当たり抽選の結果が大当たりとなる確率が向上する。また、第2高頻度サポートモードが開始されると、第2始動口208aへの遊技球の入球が促進されるので、大当たり抽選の実行が促進される。また、第2高頻度サポートモードにおける出球率は1なので、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。そして、高確率モードおよび第2高頻度サポートモードは、大当たり抽選の結果が大当たりとならずに大当たり抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、大当たり抽選の実行回数が規定回数に達して高確率モードが終了してしまう前に、なるべく早期の大当たり抽選において大当たりとなって欲しいと期待しながら遊技を行なう。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が10R確変大当たりCとなると、高確率モードが開始されるとともに、第3高頻度サポートモードが開始される。高確率モードが開始されると、大当たり抽選の結果が大当たりとなる確率が向上する。また、第3高頻度サポートモードが開始されると、第2始動口208aへの遊技球の入球が促進されるので、大当たり抽選の実行が促進される。さらに、第3高頻度サポートモードにおける出球率は1を越えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。そして、高確率モードおよび第3高頻度サポートモードは、大当たり抽選の結果が大当たりとならずに大当たり抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、大当たり抽選の実行回数が規定回数に達する直前まで第3高頻度サポートモードを継続させて手持ちの遊技球を増加させつつも、大当たり抽選の実行回数が規定回数に達して高確率モードおよび第3高頻度サポートモードが終了してしまう前までには大当たり抽選の結果が大当たりとなって欲しいと期待しながら遊技を行なう。そして、大当たり抽選の実行回数が規定回数(100回)に達するまでに大当たり抽選の結果が大当たりとならなかった場合であっても、遊技者は、遊技球が増加する第3高頻度サポートモードが最長の期間継続したという満足感を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、規定回数限定の高確率モードが実行されている期間において遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。また、本実施形態によれば、同じ10R確変大当たりであっても、開閉実行モードの終了後に移行する高頻度サポートモードに差異を設けることによって、遊技に抑揚を付加することができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果がリーチ発生となった場合には、大当たり抽選の結果が外れとなった場合よりも、特図ユニット37の変動時間として長い変動時間が設定される。第3高頻度サポートモードが実行されている期間において、大当たり抽選の結果がリーチ発生となる回数が多いほど、すなわち、特図ユニット37の変動時間として長い変動時間が設定される回数が多いほど、大当たり抽選(遊技回)の実行回数が規定回数である100回に達するまでに要する時間が長くなる。この結果、第3高頻度サポートが継続する期間も長くなるため、遊技者の手持ちの遊技球が増加する期間も長くなる。したがって、本実施形態によれば、第3高頻度サポートモードが実行されている期間において、大当たり抽選の結果がリーチ発生となる回数が多いほど遊技球が増加するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、他の実施形態として、第3高頻度サポートモードが開始された後に実行された大当たり抽選の回数が多くなるほど、特図ユニット37の変動時間として長い時間を設定する構成としてもよい。この構成によれば、大当たり抽選の実行回数が規定回数である100回に近づくほど、設定される特図ユニット37の変動時間が長くなるので、遊技球が増加する第3高頻度サポートモードが継続する期間がより長くなる。したがって、大当たり抽選抽選の実行回数が100回に近づいているにも関わらず大当たり抽選に当選しないといった遊技者の焦燥感を低減することができる。
また、他の実施形態として、開放待機時間を、第1高頻度サポートモードにおける0.95秒よりも長い時間に設定する高頻度サポートモードを実行する構成としてもよい。この構成によれば、第1高頻度サポートモードよりも出球率の小さい高頻度サポートモードを実行することができる。
また、本実施形態では、開放待機時間を複数の長さに設定することによって複数種類の高頻度サポートモードを実行する構成としたが、他の実施形態として、普図ユニット38の変動時間を複数の長さに設定することによって複数種類の高頻度サポートモードを実行する構成としてもよい。
M.第13実施形態:
次に第13実施形態について説明する。本実施形態は、上記第12実施形態と同一の第2始動口ユニット200(図70)を備えている。上記第12実施形態との相違点は、開閉扉208bを制御する態様が異なっている点である。以下では、主に、開閉扉208bの制御の態様について説明する。なお、上記第12実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。
本実施形態では、1種類の高頻度サポートモードが設定されているとともに、高頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合における当選の種別が1種類(第1種電役開放)設定されている。そして、高頻度サポートモード中に設定される普図ユニット38の変動時間が3種類(0.95秒、0.25秒、0.05秒)用意されている。また、低頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合における当選の種別が1種類(第2種電役開放)設定されている。普図ユニット38の変動時間や、電動役物開放抽選の当選の種別毎の開閉扉208bの制御の態様の詳細は以下のとおりである。
・高頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:0.95秒、0.25秒、0.05秒のいずれか
当選確率:100%
当選した結果、第1種電役開放に振り分けられる割合:100%
・第1種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.95秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.8秒
・低頻度サポートモード中における電動役物開放抽選
普図ユニット38の変動時間:0.05秒
当選確率:10%
当選した結果、第2種電役開放に振り分けられる割合:100%
・第2種電役開放に当選した場合
開閉扉208bの開放待機時間:0.35秒
開閉扉208bの開放回数:1回
開閉扉208bの開放時間:0.2秒
本実施形態では、高頻度サポートモード中に設定される普図ユニット38の変動時間の長さが異なることによって、遊技球発射機構81によって遊技球が0.6秒間隔で連続して発射されている状況において第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。以下、具体的に説明する。なお、開閉扉208bの開放時間として設定される0.8秒という時間は、1個目の遊技球と2個目の遊技球の発射間隔である0.6秒より長く、1個目の遊技球と3個目の遊技球との発射間隔である1.2秒より短い時間である。
図99は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、高頻度サポートモード中に普図ユニット38の変動時間が0.95秒に設定された場合における開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図99に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。開口部202に入球した遊技球は、経路R1又は経路R2に交互に振り分けられる。遊技球が振り分けられる際の挙動については、図71と同様である。ただし、開閉扉208bの開閉パターン及び第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図99に示すように、本実施形態の高頻度サポートモードでは、1個目の遊技球GB1が経路R1に振分けられてスルーゲート206を通過すると、普図ユニット38の変動表示が開始する。普図ユニット38の変動時間として設定された0.95秒及び開放待機時間である0.05秒が経過すると、開閉扉208bは、開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間維持する。
1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2は、開閉扉208bが開放状態に遷移するまでの0.10秒の間に、閉鎖状態の開閉扉208bを通過する。そして、3個目の遊技球GB3は、スルーゲート206を通過するとともに、開閉入球装置208に到達したタイミングでは開閉扉208bが開放状態に遷移しているので、第2始動口208aに入球する。なお、遊技球GB3がスルーゲート206を通過したタイミングでは、開閉扉208bが開放状態となっているため、普図ユニット38の変動表示は開始されず、保留される。
そして、0.8秒が経過して開閉扉208bが閉鎖状態に遷移すると、保留されていた普図ユニット38の変動表示が開始する。図99から理解できるように、普図ユニット38の変動表示が開始してから0.2秒後に4個目の遊技球GB4が開閉入球装置208に到達する。この関係は、普図ユニット38の変動表示が開始してから0.2秒後に1個目の遊技球GB1が開閉入球装置208に到達する関係と同じである。したがって、普図ユニット38の変動時間が継続して0.95秒に設定された場合には、遊技球GB1から遊技球GB3のうち、遊技球GB3のみが第2始動口208aに入球するという関係が遊技球GB4以降でも継続することになる。
以上説明した高頻度サポートモード中に普図ユニット38の変動時間が0.95秒に設定された場合の態様を総括すると、以下のとおりとなる。なお、本実施形態では、第2始動口208aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数は2個に設定されている。
・高頻度サポートモード(普図ユニット38の変動時間=0.95秒):
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:1個/3個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:1個×2個=2個
遊技球の増減:3個の遊技球が発射される1.8秒間で遊技球が1個減少
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=2個/3個=0.67
図100は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、高頻度サポートモード中に普図ユニット38の変動時間が0.25秒に設定された場合における開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図100に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。開口部202に入球した遊技球は、経路R1又は経路R2に交互に振り分けられる。遊技球が振り分けられる際の挙動については、図71と同様である。ただし、開閉扉208bの開閉パターン及び第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図100に示すように、本実施形態の高頻度サポートモードでは、1個目の遊技球GB1が経路R1に振分けられてスルーゲート206を通過すると、普図ユニット38の変動表示が開始する。普図ユニット38の変動時間として設定された0.25秒及び開放待機時間である0.05秒が経過すると、開閉扉208bは、開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間維持する。
1個目の遊技球GB1は、開閉扉208bが開放状態に遷移するまでの0.30秒の間に、閉鎖状態の開閉扉208bを通過する。2個目の遊技球GB2は、開閉入球装置208に到達したタイミングでは開閉扉208bが開放状態に遷移しているので、第2始動口208aに入球する。3個目以降の遊技球の挙動については、普図ユニット38の変動時間が継続して0.25秒に設定された場合には、1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2の挙動の繰り返しであるため、説明を省略する。
以上説明した高頻度サポートモード中に普図ユニット38の変動時間が0.25秒に設定された場合の態様を総括すると、以下のとおりとなる。
・高頻度サポートモード(普図ユニット38の変動時間=0.25秒):
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:1個/2個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:1個×2個=2個
遊技球の増減:増減なし
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=2個/2個=1.00
図101は、遊技球がスルーゲート206及び開閉入球装置208に到達するタイミングを示すとともに、第3高頻度サポートモード中に普図ユニット38の変動時間が0.05秒に設定された場合における開閉扉208bの制御態様を示すタイミングチャートである。この図101に示した例では、遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30の右側に設けられた第2始動口ユニット200に到達することができる一定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている。したがって、遊技球は、0.6秒間隔で第2始動口ユニット200の開口部202に入球する。開口部202に入球した遊技球は、経路R1又は経路R2に交互に振り分けられる。遊技球が振り分けられる際の挙動については、図71と同様である。ただし、開閉扉208bの開閉パターン及び第2始動口208aに入球する遊技球の個数が異なっている。
図101に示すように、本実施形態の高頻度サポートモードでは、1個目の遊技球GB1が経路R1に振分けられてスルーゲート206を通過すると、普図ユニット38の変動表示が開始する。普図ユニット38の変動時間として設定された0.05秒及び開放待機時間である0.05秒が経過すると、開閉扉208bは、開放状態に遷移し、当該開放状態を0.8秒間維持する。
1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2は、開閉入球装置208に到達したタイミングでは開閉扉208bが開放状態に遷移しているので、第2始動口208aに入球する。3個目以降の遊技球の挙動については、普図ユニット38の変動時間が継続して0.05秒に設定された場合には、1個目の遊技球GB1及び2個目の遊技球GB2の挙動の繰り返しであるため、説明を省略する。
以上説明した高頻度サポートモード中に普図ユニット38の変動時間が0.05秒に設定された場合の態様を総括すると、以下のとおりとなる。
・高頻度サポートモード(普図ユニット38の変動時間=0.05秒):
遊技球の入球個数/遊技球の発射個数:2個/2個
払い出される遊技球の個数=遊技球の入球個数×賞球数:2個×2個=4個
遊技球の増減:2個の遊技球が発射される1.2秒間で遊技球が2個増加
出球率:払い出される遊技球の個数/遊技球の発射個数=4個/2個=2.00
このように、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中における普図ユニット38の変動時間を変更することによって、高頻度サポートモード中における出球率を変更することが可能となる。すなわち、高頻度サポートモード中における普図ユニット38の変動時間を変更することによって、遊技者の手持ちの遊技球を増加させたり、維持させたり、減少させたりすることができる。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、通常大当たりに当選した場合には、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行する。そして、当該高頻度サポートモードの移行後の大当たり抽選に当選した場合又は当該高頻度サポートモードの移行後の大当たり抽選に当選せずに大当たり抽選の実行回数が100回に達した場合には、当該高頻度サポートモードは終了する。
本実施形態では、通常大当たりに当選して高頻度サポートモードに移行した後であって、当該高頻度サポートモードが終了するまでの期間は、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルを参照することによって、特図ユニット37の変動時間及び普図ユニット38の変動時間を設定する。ただし、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルを参照する期間であっても、大当たり抽選に当選することになる遊技回の変動時間を設定する場合や、リーチ発生となる遊技回の変動時間を設定する場合には、大当たり用変動時間テーブル及びリーチ発生用変動時間テーブルを参照することによって、特図ユニット37の変動時間を設定する。
図102は、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルを示す説明図である。図102(A)は、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットAを示し、図102(B)は、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットBを示している。
本実施形態では、高頻度サポートモードに移行すると、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットAを参照することによって、特図ユニット37の変動時間及び普図ユニット38の変動時間を設定する。また、本実施形態では、大当たり抽選の結果として、小当たりが設定されており、高頻度サポートモード中に小当たりに当選すると、参照するテーブルを高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットAと、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットBとの間で切り替える。なお、小当たりとは、開閉実行モードに移行するが、サポートモード及び抽選モードは変更されない抽選結果である。
図102(A)に示すように、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットAは、特図ユニット用テーブルAと、普図ユニット用テーブルAとによって構成されている。
特図ユニット用テーブルAには、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数と、特図ユニット37の変動時間とが対応して記憶されている。本実施形態では、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が1~30回である期間中は、特図ユニット37の変動時間として1.0秒が設定される。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が31~70回である期間中は、特図ユニット37の変動時間として1.6秒が設定される。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が71~100回である期間中は、特図ユニット37の変動時間として2.2秒が設定される。
普図ユニット用テーブルAには、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数と、普図ユニット38の変動時間とが対応して記憶されている。なお、図102(A)には、参考のため、当該変動時間が設定された場合における遊技球の増減と、当該変動時間が設定された場合において遊技球が第2始動口208aに入球する間隔とが示されている。
本実施形態では、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が1~30回である期間中は、普図ユニット38の変動時間として0.05秒が設定される。したがって、この期間中は、0.6秒に1個の割合で遊技球が第2始動口208aに入球するとともに、遊技者の手持ちの遊技球は増加する。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が31~70回である期間中は、普図ユニット38の変動時間として0.25秒が設定される。したがって、この期間中は、1.2秒に1個の割合で遊技球が第2始動口208aに入球するとともに、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が71~100回である期間中は、普図ユニット38の変動時間として0.95秒が設定される。したがって、この期間中は、1.8秒に1個の割合で遊技球が第2始動口208aに入球するとともに、遊技者の手持ちの遊技球は減少する。
図102(B)に示すように、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットBは、特図ユニット用テーブルBと、普図ユニット用テーブルBとによって構成されている。
特図ユニット用テーブルBには、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数と、特図ユニット37の変動時間とが対応して記憶されている。本実施形態では、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が1~30回である期間中は、特図ユニット37の変動時間として2.2秒が設定される。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が31~70回である期間中は、特図ユニット37の変動時間として1.6秒が設定される。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が71~100回である期間中は、特図ユニット37の変動時間として1.0秒が設定される。
普図ユニット用テーブルBには、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数と、普図ユニット38の変動時間とが対応して記憶されている。なお、図102(B)には、参考のため、当該変動時間が設定された場合における遊技球の増減と、当該変動時間が設定された場合において遊技球が第2始動口208aに入球する間隔とが示されている。
本実施形態では、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が1~30回である期間中は、普図ユニット38の変動時間として0.95秒が設定される。したがって、この期間中は、1.8秒に1個の割合で遊技球が第2始動口208aに入球するとともに、遊技者の手持ちの遊技球は減少する。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が31~70回である期間中は、普図ユニット38の変動時間として0.25秒が設定される。したがって、この期間中は、1.2秒に1個の割合で遊技球が第2始動口208aに入球するとともに、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が71~100回である期間中は、普図ユニット38の変動時間として0.05秒が設定される。したがって、この期間中は、0.6秒に1個の割合で遊技球が第2始動口208aに入球するとともに、遊技者の手持ちの遊技球は増加する。
図103は、高頻度サポートモード中における遊技者の手持ちの遊技球の増減を模式的に示す説明図である。図103(A)は、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットAが選択されている場合の遊技球の増減の一例を示し、図103(B)は、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットBが選択されている場合の遊技球の増減の一例を示している。
図103(A)に示すように、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットAが選択されている場合には、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が1~30回である期間中は、遊技者の手持ちの遊技球は増加する。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が31~70回である期間中は、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が71~100回である期間中は、遊技者の手持ちの遊技球は減少する。この図103(A)に示した例では、100回の遊技回が終了した時点における遊技者の手持ちの遊技球は、高頻度サポートモードの開始時点よりも増加していることになる。
図103(B)に示すように、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットBが選択されている場合には、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が1~30回である期間中は、遊技者の手持ちの遊技球は減少する。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が31~70回である期間中は、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が71~100回である期間中は、遊技者の手持ちの遊技球は増加する。この図103(B)に示した例では、100回の遊技回が終了した時点における遊技者の手持ちの遊技球は、高頻度サポートモードの開始時点よりも増加していることになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中において遊技球が第2始動口208aに入球する割合が多い期間中ほど、特図ユニット37の変動時間として短い変動時間が設定される(図102)。したがって、特図ユニット37の変動中に第2始動口208aに遊技球が入球することによって保留された大当たり抽選を速やかに消化することができる。
さらに、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中における特図ユニット37の変動時間は、第2始動口208aに入球する遊技球の間隔よりも長い変動時間が設定される(図102)。したがって、大当たり抽選の保留が途切れて高頻度サポートモード中における大当たり抽選のリズム感が損なわれることを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果、大当たりやリーチ発生に当選すると、特図ユニット37の変動時間として長い変動時間(例えば30秒)が設定される。高頻度サポートモード中における遊技球が増加する期間中に特図ユニット37の変動時間として長い変動時間が設定されると、遊技球が増加する期間が長くなる。したがって、遊技者は、遊技球が増加する期間中には、なるべく多くリーチ発生に当選することを期待しながら遊技を行なう。すなわち、本実施形態によれば、リーチ発生に新たな価値を付加することができる。
さらに、本実施形態によれば、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットAが選択されており、高頻度サポートモードに移行後の遊技回の回数が71~100回である期間中は、遊技者の手持ちの遊技球は減少する。この期間中に小当たりに当選し、高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットBが選択されると、遊技者の手持ちの遊技球は再び増加することになる。したがって、遊技者は、遊技球が減少する期間中は小当たりに当選してテーブルが切り替わることを期待しながら遊技を行なうことになる。すなわち、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中において新たな期待感を遊技者に提供することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、AとBの2種類の変動時間テーブルセットが記憶されている構成としたが、変動時間テーブルセットの種類は、1種類であってもよく、3種類以上であってもよい。
また、他の実施形態として、高頻度サポートモード中に、普図ユニット38の変動時間のみ、普図ユニット用テーブルAまたは普図ユニット用テーブルBを参照して設定する構成としてもよい。この構成によっても、高頻度サポートモード中において遊技者の手持ちの遊技球を増減させることができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
N.第14実施形態:
上記第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態のパチンコ機10が備える遊技盤30(図69)及び第2始動口ユニット200(図70)を、以下に説明する遊技盤30a(図104)及び第2始動口ユニット500(図105)に置き換えた構成としてもよい。以下、具体的に説明する。
図104は、第14実施形態のパチンコ機10の遊技盤30aを示す説明図である。本実施形態では、遊技領域GAの右側領域に、第2始動口を内部に含む第2始動口ユニット500が設けられている。
本実施形態では、遊技球発射機構81から所定の発射強度以上(例えば、最大の発射強度)で発射された遊技球の全てが第2始動口ユニット500の開口部502に入球するように構成されている。具体的には、本実施形態では、第2始動口ユニット500の開口部502の上流にガイドレール501が設けられており、所定の発射強度以上で発射された遊技球は、遊技領域GAの右側の領域に到達した後、当該ガイドレール501によって一列に整流されて開口部502に入球する。また、本実施形態では、当該所定の発射強度未満であり、かつ、遊技領域GAの右側の領域に到達可能な発射強度で発射された遊技球は、第2始動口ユニット500の開口部502には入球せず、第2始動口ユニット500の左側の遊技領域(以下では「ユニット左側遊技領域GAu」とも呼ぶ)を流通するように構成されている。第2始動口ユニット500の左側の側部には、遊技球が入球可能な開口部505が設けられており、ユニット左側遊技領域GAuを流通する遊技球のうちのいくつかの遊技球は、当該開口部505に入球するように構成されている。
次に、本実施形態の第2始動口ユニット500の構成について説明する。
図105は、第2始動口ユニット500の構成を示す説明図である。第2始動口ユニット500は、遊技球が入球可能な開口部502と、開口部502の下流の左側に設けられた経路R1と、開口部502の下流の右側に設けられた経路R2と、開口部502に入球した遊技球を左側の経路R1または右側の経路R2のいずれかに振り分ける振分機構504とを備えている。経路R1の下流には、遊技球が通過可能なスルーゲート506が設けられており、スルーゲート506及び経路R2の下流には、開閉入球装置508が設けられている。
振分機構504は、中央に形成された中央片部504aと、中央片部504aの左側に形成された左側片部504bと、中央片部504aの右側に形成された右側片部504cと、左側片部504b及び右側片部205cの間に設けられた回転軸504dとを備えている。中央片部504aと左側片部504bとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する左側保持部504eとして機能する。また、中央片部504aと右側片部504cとによって挟まれた領域は、遊技球を一時的に保持する右側保持部504fとして機能する。振分機構504は、回転軸504dを中心として回転運動が可能となるように構成されており、例えば、前扉枠14を開けて振分機構504を指で触れて回転させると、当該振分機構504は回転軸504dを中心として1回転することができる。すなわち、振分機構504は、1回転しても周囲の壁等には接触しないように構成されている。ただし、後述するように、振分機構504は、回転軸504dを中心として回転可能な範囲(角度)が制限されている構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、右側片部504cの下部に、錘部504xが設けられている。したがって、振分機構504は、当該錘部504xの重さによって、右側片部504c及び左側片部504bが水平になっている状態から時計回りに回転した状態(すなわち、右側片部504cが水平位置から下方に移動し、左側片部504bが水平位置から上方に移動した状態)で静止している。遊技球が振分機構504に到達した場合における遊技球及び振分機構504の挙動については後述する。
開閉入球装置508は、下部の回転軸を基点として前後に開閉動作する電動役物としての開閉扉508bを備えるとともに、遊技球が入球可能な第2始動口508aを開閉扉508bの内側に備えている。また、開閉扉508bの内側には、第2始動口508aに向かって傾斜した誘導路508cが設けられており、開閉扉508bの内側に入球した遊技球は、誘導路508cに沿って第2始動口508aに誘導される。第2始動口508aは、上記実施形態における第2始動口34と同じ役割を有している。開閉扉508bが閉鎖状態である場合には、第2始動口508aへの遊技球の入球が不可能な状態となっている。一方、開閉扉508bが開放状態である場合には、第2始動口508aへの遊技球の入球が可能な状態となっている。すなわち、開閉扉508bは、第2始動口508aの状態を、入球不能状態と入球可能状態との間で遷移させる機能を有している。なお、通常時では、開閉扉508bは閉鎖状態となっており、第2始動口508aは、入球不能状態となっている。
スルーゲート506は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート506を遊技球が通過すると、主制御装置60は、スルーゲート506を遊技球が通過したことを契機として、上述した開閉扉508bを開放状態に遷移させるか否かの内部抽選(電動役物開放抽選)を実行する。主制御装置60は、電動役物開放抽選の結果を普図ユニット38に表示させるとともに、開閉扉508bを開放状態に遷移させることに当選すると、開閉扉508bを閉鎖状態から開放状態に遷移させる。
経路R1は、振り分けられた遊技球がスルーゲート506を通過することが可能であるように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置508の開閉扉508bが開放状態である場合には第2始動口508aに入球することが可能であるように構成されている。なお、本実施形態では、経路R1から分岐した経路R1xが設けられているが、経路R1に振り分けられた遊技球は、必ずスルーゲート506を通過するように構成されている。ただし、他の実施形態として、経路R1に振り分けられた遊技球がスルーゲート506を通過せず、経路R1xを通過する場合がある構成を採用してもよい。
経路R2は、振り分けられた遊技球がスルーゲート506を通過することが不可能であるように構成されているとともに、振り分けられた遊技球が、開閉入球装置508の開閉扉508bが開放状態である場合には第2始動口508aに入球することが可能であるように構成されている。
なお、電動役物開放抽選が実行された場合における普図ユニット38の変動時間、電動役物開放抽選において当選する確率、電動役物開放抽選において当選した場合における開閉扉508bの開放待機時間、開放回数、開放時間については、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態において説明した各種の制御態様を採用することができる。
図106及び図107は、第2始動口ユニット500に遊技球が入球した場合における振分機構504及び遊技球の挙動を示す説明図である。この図106及び図107に示した例では、遊技者は、操作ハンドル25を所定の回動量(回転角度)で回転させた一定の状態で遊技球を発射させている。遊技球は、遊技球発射機構81によって、遊技盤30aの右側に設けられた第2始動口ユニット500に到達することができる一定の発射強度で、かつ、0.6秒間隔で連続して発射されている。そして、発射された遊技球は、第2始動口ユニット500の上流に設けられたガイドレール501(図104)によって1列に整流され、0.6秒間隔で第2始動口ユニット500の開口部502に入球する。
図106の状態A1に示すように、1個目の遊技球GB1が第2始動口ユニット500に到達し、開口部502から第2始動口ユニット500の内部に入球すると、振分機構504に到達する。状態A1に示した例では、振分機構504は、錘部504xの重さによって右側に傾いた状態で静止しているので、振分機構504に到達した遊技球は、一時的に左側保持部504eに保持される。すると、振分機構504は、左側保持部504eに保持された遊技球GB1の重さによって、回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転して、図106の状態A2となる。
図106の状態A2に示すように、振分機構504が左側に傾いた状態となると、左側保持部504eに保持されていた遊技球GB1は、左側保持部504eから落下し、左側の経路R1に振り分けられる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は、スルーゲート506を通過する。遊技球GB1がスルーゲート506を通過すると、主制御装置60は、上述した電動役物開放抽選を実行する。
なお、電動役物開放抽選及び当該抽選の結果に基づいた開閉入球装置508の制御態様としては、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態において説明した各種の制御態様を採用することができる。例えば、電動役物開放抽選に当選した場合に、スルーゲート506を通過した遊技球GB1が開閉入球装置508に至るタイミングにおいて開閉扉508bが開放状態となる制御態様を採用した場合には、当該遊技球GB1は、開閉入球装置508の内部に設けられた第2始動口508aに入球することになる。遊技球GB1が左側保持部504eから落下した後、図106の状態A3となる。
図106の状態A3に示すように、遊技球GB1が左側保持部504eから落下した後、振分機構504は、錘部504xの重さによって回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転して右側に傾いた状態(右側片部504cが水平位置から下方に移動した状態)となり、その後、振り子の原理によって再び左回り(反時計回り)に回転して、図106の状態A4となる。本実施形態では、振分機構504は、0.6秒間隔で交互に右側に傾いた状態及び左側に傾いた状態となるように、錘部504xの重さや位置、回転軸504dにおける摩擦等の振分機構504の動作に関わる各要素が調整されている。
図106の状態A4に示すように、振分機構504が左側に傾いた状態となると、遊技球GB1の0.6秒後に発射された遊技球GB2が開口部502に入球し、振分機構504に到達する。遊技球GB2が振分機構504に到達したタイミングでは、振分機構504は、左側に傾いた状態となっているので、振分機構504に到達した遊技球GB2は、一時的に右側保持部504fに保持される。すると、振分機構504は、右側保持部504fに保持された遊技球GB2の重さによって、回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転して、図107の状態A5となる。
図107の状態A5に示すように、振分機構504が右側に傾いた状態となると、右側保持部504fに保持されていた遊技球GB2は、右側保持部504fから落下し、右側の経路R2に振り分けられる。その後、経路R2に振り分けられた遊技球GB2は、開閉入球装置508に至る。ここで、図106及び図107に示した例では、遊技球発射機構81から発射される遊技球の間隔は0.6秒であるので、遊技球GB1が開閉入球装置508に到達してから、遊技球GB2が開閉入球装置508に到達するまでの間隔も0.6秒程度となる。仮に、遊技球GB2が開閉入球装置508に至るタイミングにおいて開閉扉508bが開放状態となっていれば、当該遊技球GB2は、開閉入球装置508の内部に設けられた第2始動口508aに入球することになる。遊技球GB2が右側保持部504fから落下した後、図107の状態A6となる。
図107の状態A6に示すように、遊技球GB2が右側保持部504fから落下した後、振分機構504は、振り子の原理によって回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転して左側に傾いた状態(左側片部504bが水平位置から下方に移動した状態)となり、その後、振り子の原理によって再び右回り(時計回り)に回転して、図107の状態A7となる。
図107の状態A7に示すように、振分機構504が右側に傾いた状態となると、遊技球GB2の0.6秒後に発射された遊技球GB3が開口部502に入球し、振分機構504に到達する。遊技球GB3が振分機構504に到達したタイミングでは、振分機構504は、右側に傾いた状態となっているので、振分機構504に到達した遊技球GB3は、一時的に左側保持部504eに保持される。すると、振分機構504は、左側保持部504eに保持された遊技球GB3の重さによって、回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転して、上述した図106の状態A2と同じ状態となり、左側保持部504eに保持されていた遊技球GB3は、左側保持部504eから落下し、左側の経路R1に振り分けられる。その後、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット500に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況においては、上述した状態A2から状態A7に示した挙動が繰り返される。
すなわち、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット500に到達することのできる所定の発射強度で、かつ、0.6秒間隔で連続して発射されている状況においては、第2始動口ユニット500の開口部502に入球した遊技球は、振分機構504によって経路R1、経路R2に交互に振り分けられることになる。換言すれば、本実施形態の第2始動口ユニット500は、図70に示した第2始動口ユニット300と同様に、入球した遊技球を経路R1、経路R2に交互に振り分ける機能を有することになる。
したがって、本実施形態の第2始動口ユニット500を、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態に適用することによっても、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、仮に、遊技球GB1の後に遊技球GB2が振分機構504に到達しなかった場合には、振分機構504は、左回りの回転及び右回りの回転を交互に繰り返すことによって、左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態を交互に繰り返す。そして、回転軸504dにおける摩擦や空気抵抗等によって左回りの回転及び右回りの回転の回転量(回転角度)が徐々に小さくなって(回転が減衰して)、最終的には、振分機構504は、錘部504xの重さによって右側に傾いた状態(図106の状態A1と同じ状態)となって静止する。
また、遊技球GB1の後に遊技球GB2が0.6秒よりも間隔を空けて振分機構504に到達した場合には、遊技球GB2は、当該遊技球GB2が到達したタイミングにおける振分機構504の状態に応じて、経路R1又は経路R2のいずれかに振り分けられることになる。本実施形態では、振分機構504は、遊技球が到達してから1.2秒後には、当該遊技球が到達したタイミングにおける傾いた状態と同じ側に傾いた状態となるように、錘部504xの重さや位置、回転軸504dにおける摩擦等の振分機構504の動作に関わる各要素が調整されている。したがって、例えば、遊技球GB1の後に遊技球GB2が1.2秒後に振分機構504に到達した場合には、当該振分機構504は右側に傾いた状態となっており、当該遊技球GB2は、遊技球GB1と同様に経路R1に振り分けられる。そして、遊技球GB2に続く遊技球が1.2秒間隔で振分機構504に到達した場合には、遊技球GB2に続く遊技球も同様に経路R1に振り分けられることになる。また、例えば、遊技球GB1の0.6秒後に遊技球GB2が振分機構504に到達し、当該遊技球GB2に続く遊技球が1.2秒間隔で振分機構504に到達した場合には、遊技球GB1が経路R1に振り分けられた後、遊技球GB2及び当該遊技球GB2に続く遊技球は経路R2に振り分けられることになる。
すなわち、上述した第8実施形態における第2始動口ユニット200(図70)では、遊技球の入球の間隔やタイミングに関わらず、入球した遊技球は、入球した順序で経路R1、経路R2に交互に振り分けられることになるが、本実施形態における第2始動口ユニット500(図105)では、遊技球が入球した間隔(遊技球が到達したタイミングにおける振分機構504の状態)に応じて、経路R1又は経路R2のいずれかに振り分けられることになる。具体的には、例えば、0.6秒間隔以外の間隔で連続して遊技球が振分機構504に到達している状況においては、到達した遊技球が経路R1に連続して振り分けられる場合及び経路R2に連続して振り分けられる場合があるが、0.6秒間隔で連続して遊技球が振分機構504に到達している状況においては、到達した遊技球は経路R1及び経路R2に交互に振り分けられることになる。
したがって、遊技者は、遊技球が振分機構504に到達するであろうタイミングにおける当該振分機構504の状態を見極めて遊技球の発射のタイミングを調整することによって、第2始動口ユニット500に入球した遊技球が経路R1に振り分けられるように調整したり、あるいは経路R2に振り分けられるように調整することができる。この結果、例えば、遊技者は、遊技球の発射のタイミングを調整することによって、第2始動口ユニット500に入球させた遊技球の全てをスルーゲート506に通過させることも可能となる。
例えば、スルーゲート506を通過した遊技球のみが開閉入球装置508の内部に設けられた第2始動口508aに入球可能なサポートモード(上述した第8実施形態の第1高頻度サポートモード(図71))中において、第2始動口ユニット500に入球させた遊技球の全てをスルーゲート506に通過させることができれば、第2始動口ユニット500に入球させた遊技球の全てが第2始動口508aに入球することになる。上述した第8実施形態において第2始動口508aに設定されている賞球数は1個なので、遊技者は、手持ちの遊技球を減少させずに第2始動口508aへの遊技球の入球に基づく大当たり抽選を実行させることが可能となる。ただし、遊技者が遊技球の発射のタイミングを誤り、遊技球が振分機構504に到達したタイミングが、遊技者が想定したタイミングと異なってしまった場合には、遊技球が連続して経路R2に振り分けられてしまう場合がある。この場合には、遊技球を0.6秒間隔という一定の間隔で発射させて経路R1及び経路R2に交互に振り分けさせている場合よりも不利な結果となってしまう可能性がある。したがって、遊技者は、遊技球の発射のタイミングを自ら調整することによって、不利な結果となるリスクを負いつつも有利な結果を求めるのか、あるいは、遊技球を0.6秒間隔という一定の間隔で発射させて安定した結果を求めるのかを選択することができる。このように、本実施形態によれば、多様な遊技性を遊技者に提供することができる。
以上説明したように、本実施形態の遊技盤30a(図104)及び第2始動口ユニット500(図105)を、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態に適用することによっても、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、本実施形態によれば、初期状態または静止状態の振分機構504は、到達した遊技球を経路R1に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって回転軸504dを中心とした円軌道に沿って振動することで、右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分機構504の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分機構504を右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移させることができる。
さらに、本実施形態によれば、遊技者は、遊技球を経路R1に振り分けさせたい場合には、振分機構504が右側に傾いた状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を経路R2に振り分けさせたい場合には、振分機構504が左側に傾いた状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分機構504の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分機構504に到達した遊技球を経路R1に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て経路R1に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て経路R2に振り分けさせることや、後続の遊技球を経路R1および経路R2に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、振分機構504は、静止状態において、右側に傾いた状態及び左側に傾いた状態のいずれの状態にもなり得るのではなく、一定の状態(本実施形態では右側に傾いた状態)に復帰するので、振分機構504が静止状態となっている場合において、最初に第2始動口ユニット500に入球した遊技球を一定の態様で振り分けること(本実施形態では経路R1に振り分けること)ができる。この結果、例えば、パチンコ機10が電源投入直後の状態であるにも関わらず、最初に振分機構504に到達した遊技球をパチンコ機10毎に異なる態様で振り分けてしまい、パチンコ機10の電源投入直後における有利度にバラつきが生じてしまうことを抑制することができる。換言すれば、本実施形態によれば、パチンコ機10の電源投入直後における有利度を一定にすることができる。
また、本実施形態によれば、振分機構504は、静止状態では傾いた状態(本実施形態では右側に傾いた状態)となるので、開口部502から入球した遊技球が中央片部504aに引っ掛かってしまい、開口部502と振分機構504との間で遊技球が詰まってしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、振分機構504は、静止状態では右側に傾いた状態となるので、振分機構504が静止している初期状態において遊技球を第2始動口ユニット500に入球させれば、当該遊技球をスルーゲート506に通過させることが可能となる。したがって、例えば、高頻度サポートモードにおける遊技を遊技者にとって有利な状態から開始させることができる。
さらに、本実施形態によれば、振分機構504は、0.6秒間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に右側に傾いた状態と左側に傾いた状態とになるように錘部504xの重さや位置、回転軸504dにおける摩擦等の振分機構504の動作に関わる各要素が調整されている。したがって、振分機構504に0.6秒間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球は経路R1及び経路R2に交互に振り分けられることになる。すなわち、遊技者は、遊技球を経路R1及び経路R2に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を0.6秒間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分機構504に0.6秒間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を経路R1及び経路R2に交互に振り分けさせることができる。
さらに、本実施形態によれば、振り子として機能する振分機構504は、到達した遊技球から受ける力学的作用によって振動することで、右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移する。したがって、所望の周期で振動する振分機構504を採用することによって、振分機構504が右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移する際の周期を所望の周期とすることができる。この結果、パチンコ機10の設計の自由度を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、例えば、上述した第8実施形態における第1高頻度サポートモード中(図71)において、遊技者は、下記の3つの遊技方法から選択して遊技を行なうことができる。なお、第8実施形態における第1高頻度サポートモードとは、上述したように、スルーゲート506を通過した遊技球のみが開閉入球装置508の内部に設けられた第2始動口508aに入球可能なサポートモードである。
遊技方法1:操作ハンドル25を所定の回動量(回転角度)で回転させた一定の状態で遊技球を発射させて、遊技球を0.6秒間隔で第2始動口ユニット500の開口部502に入球させ、入球する遊技球を経路R1及び経路R2に交互に振り分けさせ、2個に1個の割合で確実に遊技球をスルーゲート506に通過させる遊技方法。
遊技方法2:遊技球の発射間隔を調整し、全ての遊技球をスルーゲート506に通過させようとする遊技方法。ただし、遊技球の入球割合が、2個に1個の割合よりも低い割合となる可能性もある遊技方法。
遊技方法3:ユニット左側遊技領域GAuを遊技球が流通するように遊技球を発射させ、当該開口部505から遊技球を入球させてスルーゲート506を通過させる遊技方法。
安定した結果を望む遊技者は、例えば遊技方法1を選択し、技量に自信のある遊技者は、例えば遊技方法2を選択し、遊技球が釘の間を流通する様子を観察して遊技球の発射強度を適宜調整したい遊技者は、例えば遊技方法3を選択することができる。すなわち、本実施形態によれば、遊技者の趣向に合った多様な遊技方法を提供することができる。
次に、本実施形態の第2始動口ユニットの他の例1について説明する。以下に説明するように、第2始動口ユニットとしては様々な構成を採用することができる。
図108及び図109は、第14実施形態の他の例1における第2始動口ユニット500Aの構成を示す説明図である。図108は、第2始動口ユニット500Aを遊技盤30の表側から示しており、遊技盤30の表側に設けられている部材を実線で示し、遊技盤30の裏側に設けられている部材を破線で示している。図109は、第2始動口ユニット500Aを遊技盤30の裏側から示しており、遊技盤30の裏側に設けられている部材を実線で示し、遊技盤30の表側に設けられている部材を破線で示している。
図105に示した第2始動口ユニット500との主な違いは、振分機構504の下方の位置であって遊技盤30の裏側(背面側)に、左側板バネ部材504g及び右側板バネ部材504hが設けられている点であり、他の構成は第2始動口ユニット500と同じである。なお、以下の説明で用いる「左」、「右」といった方向は、遊技盤30の表側から見た場合の方向として説明する。
左側板バネ部材504gは、振分機構504の下方の左側に配置された水平方向に延びる片持ち式の板バネであり、その左端が左側支点504gsに固定された固定端となっており、右端が自由端となっている。右側板バネ部材504hは、振分機構504の下方の右側に配置された水平方向に延びる片持ち式の板バネであり、その右端が右側支点504hsに固定された固定端となっており、左端が自由端となっている。そして、振分機構504が回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転すると、振分機構504の裏側に設けれらた棒部材504iが左側板バネ部材504gに接触し、一方、振分機構504が回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転すると、振分機構504の裏側に設けれらた棒部材504iが右側板バネ部材504hに接触するように構成されている。
次に、第2始動口ユニット500Aに遊技球が入球した場合について説明する。
図110は、第2始動口ユニット500Aに遊技球が入球した場合における振分機構504及び遊技球の挙動を示す説明図である。
図110の状態A1に示すように、遊技球GB1が第2始動口ユニット500Aに到達し、開口部502から第2始動口ユニット500Aの内部に入球すると、振分機構504に到達する。振分機構504は、錘部504xの重さによって右側に傾いた状態で静止しているので、振分機構504に到達した遊技球は、一時的に左側保持部504eに保持される。すると、振分機構504は、左側保持部504eに保持された遊技球GB1の重さによって、回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転して、図110の状態A2となる。
図110の状態A2に示すように、振分機構504が左側に傾いた状態となると、振分機構504の裏側に設けられた棒部材504iが左側板バネ部材504gに接触し、左側板バネ部材504gが下方に撓んだ状態となる。そして、左側保持部504eに保持されていた遊技球GB1は、左側保持部504eから落下し、左側の経路R1に振り分けられる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は、スルーゲート506を通過する。遊技球GB1がスルーゲート506を通過すると、主制御装置60は、上述した電動役物開放抽選を実行する。
遊技球GB1が左側保持部504eから落下した後、振分機構504は、下方に撓んだ左側板バネ部材504gの弾性力及び錘部504xの重さによって回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転して、図110の状態A3となる。
図110の状態A3に示すように、振分機構504が右側に傾いた状態となると、振分機構504の裏側に設けられた棒部材504iが右側板バネ部材504hに接触し、右側板バネ部材504hが下方に撓んだ状態となる。その後、振分機構504は、下方に撓んだ右側板バネ部材504hの弾性力によって回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転し、図110の状態A4となる。
図110の状態A4に示すように、振分機構504が左側に傾いた状態となると、振分機構504の裏側に設けられた棒部材504iが左側板バネ部材504gに接触し、左側板バネ部材504gが下方に撓んだ状態となる。その後、振分機構504は、下方に撓んだ左側板バネ部材504gの弾性力によって回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転し、再び図110の状態A3となる。
以降、振分機構504は、右側板バネ部材504h及び左側板バネ部材504gの弾性力によって、左回りの回転及び右回りの回転を交互に繰り返すことによって、左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態を交互に繰り返す。
そして、振分機構504が右側に傾いた状態(図110の状態A3)の時に遊技球が当該振分機構504に到達した場合には、当該遊技球は左側保持部504eに一時的に保持され、振分機構504が左回り(反時計回り)に回転して経路R1に振り分けられる。その後、振分機構504は、左側板バネ部材504g及び右側板バネ部材504hの弾性力によって、右回りの回転及び左回りの回転を交互に繰り返すことによって、右側に傾いた状態及び左側に傾いた状態を交互に繰り返す。
また、振分機構504が左側に傾いた状態(図110の状態A4)の時に遊技球が当該振分機構504に到達した場合には、当該遊技球は右側保持部504fに一時的に保持され、振分機構504が右回り(時計回り)に回転して経路R2に振り分けられる。その後、振分機構504は、右側板バネ部材504h及び左側板バネ部材504gの弾性力によって、左回りの回転及び右回りの回転を交互に繰り返すことによって、左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態を交互に繰り返す。
本実施形態の第2始動口ユニット500Aでは、遊技球GB1が振分機構504に到達してから0.6秒後に次の遊技球が振分機構504に到達した場合には、振分機構504は左側に傾いた状態(図110の状態A4)となっている。したがって、当該次の遊技球は、経路R2に振り分けられる。さらに、経路R2に振り分けられる遊技球が振分機構504に到達してから0.6秒後に次の遊技球が振分機構504に到達した場合には、振分機構504は右側に傾いた状態(図110の状態A3)となっている。したがって、経路R2に振り分けられる遊技球の次の遊技球は、経路R1に振り分けられる。
すなわち、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット500Aに到達することのできる所定の発射強度で、かつ、0.6秒間隔で連続して発射されている状況においては、第2始動口ユニット500Aの開口部502に入球した遊技球は、振分機構504によって経路R1、経路R2に交互に振り分けられることになる。換言すれば、図108に示した第2始動口ユニット500Aは、図70に示した第2始動口ユニット300と同様に、入球した遊技球を経路R1、経路R2に交互に振り分ける機能を有することになる。
したがって、本実施形態の第2始動口ユニット500Aを、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態に適用することによっても、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、遊技球GB1の後に続く遊技球が開口部502に入球せず、振分機構504に到達しない場合には、回転軸504dにおける摩擦や空気抵抗等によって左回りの回転及び右回りの回転の回転量(回転角度)が徐々に小さくなって(回転が減衰して)、最終的には、振分機構504は、錘部504xの重さによって右側に傾いた状態(図110の状態A1と同じ状態)となって静止する。
また、遊技球GB1の後に続く遊技球が0.6秒よりも間隔を空けて振分機構504に到達した場合には、当該遊技球は、当該遊技球が到達したタイミングにおける振分機構504の状態に応じて、経路R1又は経路R2のいずれかに振り分けられることになる。
以上説明したように、本実施形態の他の例1における第2始動口ユニット500A(図108)を、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態に適用することによっても、上述した各実施形態及び上述した第2始動口ユニット500(図105)と同様の効果を奏することができる。
さらに、本実施形態の他の例1における第2始動口ユニット500A(図108)によれば、到達した遊技球から受ける力学的作用によって左側板バネ部材504g及び右側板バネ部材504hが弾性振動することで、振分機構504は右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移する。したがって、所望の弾性力を有する弾性手段としての左側板バネ部材504g及び右側板バネ部材504hを採用することによって、振分機構504が右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移する際の周期を所望の周期とすることができる。この結果、パチンコ機10の設計の自由度を向上させることができる。
次に、本実施形態の第2始動口ユニットの他の例2について説明する。
図111は、第14実施形態の他の例2における第2始動口ユニット500Bの構成を示す説明図である。図105に示した第2始動口ユニット500との主な違いは、振分機構504の中央下部に板バネ部材504kが接続されている点と、振分機構504が回転軸504dを中心として回転した場合における板バネ部材504kの左右の移動範囲を規制する左側規制部材504m及び右側規制部材504nが設けられている点であり、他の構成は第2始動口ユニット500と同じである。
板バネ部材504kは、振分機構504の中央下部から下方に延びる片持ち式の板バネであり、その上端が振分機構504の中央下部に固定された固定端となっており、下端が自由端となっている。そして、振分機構504が回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転すると、振分機構504の中央下部に設けれらた板バネ部材504kが右側規制部材504nに接触し、一方、振分機構504が回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転すると、振分機構504の中央下部に設けられた板バネ部材504kの下端が左側規制部材504mに接触するように構成されている。
次に、第2始動口ユニット500Bに遊技球が入球した場合について説明する。
図112は、第2始動口ユニット500Bに遊技球が入球した場合における振分機構504及び遊技球の挙動を示す説明図である。
図112の状態A1に示すように、遊技球GB1が第2始動口ユニット500Bに到達し、開口部502から第2始動口ユニット500Bの内部に入球すると、振分機構504に到達する。振分機構504は、錘部504xの重さによって右側に傾いた状態で静止しているので、振分機構504に到達した遊技球は、一時的に左側保持部504eに保持される。すると、振分機構504は、左側保持部504eに保持された遊技球GB1の重さによって、回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転して、図112の状態A2となる。
図112の状態A2に示すように、振分機構504が左側に傾いた状態となると、振分機構504の中央下部に固定された板バネ部材504kの下端が右側規制部材504nに接触し、板バネ部材504kが撓んだ状態となる。そして、左側保持部504eに保持されていた遊技球GB1は、左側保持部504eから落下し、左側の経路R1に振り分けられる。その後、経路R1に振り分けられた遊技球GB1は、スルーゲート506を通過する。遊技球GB1がスルーゲート506を通過すると、主制御装置60は、上述した電動役物開放抽選を実行する。
遊技球GB1が左側保持部504eから落下した後、振分機構504は、撓んだ板バネ部材504kの弾性力及び錘部504xの重さによって回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転して、図112の状態A3となる。
図112の状態A3に示すように、振分機構504が右側に傾いた状態となると、振分機構504の中央下部に固定された板バネ部材504kの下端が左側規制部材504mに接触し、板バネ部材504kが撓んだ状態となる。その後、振分機構504は、撓んだ板バネ部材504kの弾性力によって回転軸504dを中心として左回り(反時計回り)に回転し、図112の状態A4となる。
図112の状態A4に示すように、振分機構504が左側に傾いた状態となると、振分機構504の中央下部に固定された板バネ部材504kの下端が右側規制部材504nに接触し、板バネ部材504kが撓んだ状態となる。その後、振分機構504は、撓んだ板バネ部材504kの弾性力によって回転軸504dを中心として右回り(時計回り)に回転し、再び図112の状態A3となる。
以降、振分機構504は、板バネ部材504kの弾性力によって、左回りの回転及び右回りの回転を交互に繰り返すことによって、左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態を交互に繰り返す。
そして、振分機構504が右側に傾いた状態(図112の状態A3)の時に遊技球が当該振分機構504に到達した場合には、当該遊技球は左側保持部504eに一時的に保持され、振分機構504が左回り(反時計回り)に回転して経路R1に振り分けられる。その後、振分機構504は、板バネ部材504kの弾性力によって、右回りの回転及び左回りの回転を交互に繰り返すことによって、右側に傾いた状態及び左側に傾いた状態を交互に繰り返す。
また、振分機構504が左側に傾いた状態(図112の状態A4)の時に遊技球が当該振分機構504に到達した場合には、当該遊技球は右側保持部504fに一時的に保持され、振分機構504が右回り(時計回り)に回転して経路R2に振り分けられる。その後、振分機構504は、板バネ部材504kの弾性力によって、左回りの回転及び右回りの回転を交互に繰り返すことによって、左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態を交互に繰り返す。
本実施形態の第2始動口ユニット500Bでは、遊技球GB1が振分機構504に到達してから0.6秒後に次の遊技球が振分機構504に到達した場合には、振分機構504は左側に傾いた状態(図112の状態A4)となっている。したがって、当該次の遊技球は、経路R2に振り分けられる。さらに、経路R2に振り分けられる遊技球が振分機構504に到達してから0.6秒後に次の遊技球が振分機構504に到達した場合には、振分機構504は右側に傾いた状態(図112の状態A3)となっている。したがって、経路R2に振り分けられる遊技球の次の遊技球は、経路R1に振り分けられる。
すなわち、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット500Bに到達することのできる所定の発射強度で、かつ、0.6秒間隔で連続して発射されている状況においては、第2始動口ユニット500Bの開口部502に入球した遊技球は、振分機構504によって経路R1、経路R2に交互に振り分けられることになる。換言すれば、図111に示した第2始動口ユニット500Bは、図70に示した第2始動口ユニット300と同様に、入球した遊技球を経路R1、経路R2に交互に振り分ける機能を有することになる。
したがって、本実施形態の第2始動口ユニット500Bを、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態に適用することによっても、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、遊技球GB1の後に続く遊技球が開口部202に入球せず、振分機構504に到達しない場合には、回転軸504dにおける摩擦や空気抵抗等によって左回りの回転及び右回りの回転の回転量(回転角度)が徐々に小さくなって(回転が減衰して)、最終的には、振分機構504は、錘部504xの重さによって右側に傾いた状態(図112の状態A1と同じ状態)となって静止する。
また、遊技球GB1の後に続く遊技球が0.6秒よりも間隔を空けて振分機構504に到達した場合には、当該遊技球は、当該遊技球が到達したタイミングにおける振分機構504の状態に応じて、経路R1又は経路R2のいずれかに振り分けられることになる。
以上説明したように、本実施形態の他の例2における第2始動口ユニット500B(図111)を、上述した第8実施形態、第10実施形態~第13実施形態に適用することによっても、上述した各実施形態及び上述した第2始動口ユニット500(図105)と同様の効果を奏することができる。
さらに、本実施形態の他の例2における第2始動口ユニット500B(図111)によれば、到達した遊技球から受ける力学的作用によって板バネ部材504kが弾性振動することで、振分機構504は右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移する。したがって、所望の弾性力を有する弾性手段としての板バネ部材504kを採用することによって、振分機構504が右側に傾いた状態と左側に傾いた状態との間を交互に遷移する際の周期を所望の周期とすることができる。この結果、パチンコ機10の設計の自由度を向上させることができる。
なお、上述した第14実施形態では、振分機構504は、初期状態および静止状態では右側に傾いた状態(到達した遊技球を経路R1に振り分ける状態)となっている構成としたが、他の構成として、振分機構504は、初期状態および静止状態では左側に傾いた状態(到達した遊技球を経路R2に振り分ける状態)となっている構成としてもよい。この理由について説明する。
例えば、上述した第14実施形態のように、振分機構504の初期状態及び静止状態が右側に傾いた状態である構成とした場合には、遊技者は、発射させた遊技球の全てを、スルーゲート506が設けられた経路R1に振り分けさせるために、遊技球を1個だけ発射させて、右側に傾いた状態となっている振分機構504に到達させ、当該遊技球を経路R1に振り分けさせた後、振分機構504の振動が減衰して静止状態となるまで次の遊技球の発射を待ち、振分機構504が静止状態となってから再び遊技球を発射させて、当該遊技球を右側に傾いた状態となっている振分機構504に到達させ、当該遊技球を再び経路R1に振り分けさせるといった遊技を行なう可能性がある。
しかしながら、上述したように、他の構成として、振分機構504の初期状態および静止状態が左側に傾いた状態となっている構成とすれば、遊技者は、スルーゲート506が設けられた経路R1に遊技球を振り分けさせたい場合には、振分機構504が静止状態となる前の振動中に、右側に傾いた状態となっている振分機構504に遊技球を到達させる必要がある。したがって、遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、到達した遊技球を振り分ける振分機構として、種々の振分機構を想定することができる。例えば、振分機構としては、遊技球を不利な経路に振り分ける不利状態と、遊技球を有利な経路に振り分ける有利状態とになることが可能であり、初期状態では不利状態となっており、不利状態である初期状態において到達した1個の遊技球を不利な経路に振り分けた後、当該振り分けた後の所定期間のみ有利状態となり、当該有利状態となっている当該所定期間において到達した遊技球を有利な経路に振り分け、当該所定期間の経過後に初期状態である不利状態に復帰する構成を想定することができる。
この想定される振分機構では、到達した1個目の遊技球を不利な経路に振り分けた後に有利状態となっている所定期間は限られ、当該所定期間の経過後に初期状態である不利状態に復帰してしまう。そして、初期状態である不利状態に復帰した後、振分機構を再び有利状態に遷移させるためには、不利状態である振分機構に遊技球を到達させて当該遊技球を不利な経路に振り分けさせる必要がある。すなわち、遊技球を有利な経路に振り分けさせるためには、振分機構が有利状態から初期状態である不利状態に復帰する毎に、不利状態である振分機構に遊技球を到達させて当該遊技球を不利な経路に振り分けさせる必要がある。したがって、この想定される振分機構では、1個目の遊技球を不利な経路に振り分けさせた後に、2個目以降の全ての遊技球を有利な経路に振り分けさせるといったことはできない。
これに対して、上述したように、本実施形態の振分機構504の初期状態および静止状態が左側に傾いた状態となっており、到達した遊技球を振り分けた後は左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態との間を交互に遷移する構成とすれば、左側に傾いた初期状態である振分機構504に1個目の遊技球を到達させて不利な経路である経路R2に振り分けさせた後、左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態との間を交互に遷移中の振分機構504が右側に傾いた状態となっているタイミングにおいて2個目の遊技球が到達するように遊技球の発射間隔を調整すれば、当該2個目の遊技球を有利な経路に振り分けさせることができる。そして、当該2個目の遊技球を振り分けたことを契機として左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態との間を交互に遷移中の振分機構504が右側に傾いた状態となっているタイミングにおいて3個目の遊技球が到達するように遊技球の発射間隔を調整すれば、当該3個目の遊技球を有利な経路に振り分けさせることができる。すなわち、左側に傾いた状態及び右側に傾いた状態との間を交互に遷移中の振分機構504が右側に傾いた状態となっているタイミングにおいて遊技球が到達するように遊技球の発射間隔を調整すれば、1個目の遊技球を不利な経路に振り分けさせた後に、2個目以降の全ての遊技球を有利な経路である経路R1に振り分けさせることが可能となる。
なお、上述した想定される振分機構において、初期状態である不利状態となっている振分機構に遊技球を到達させて不利な経路に振り分けさせた後、有利状態となっている所定期間の経過を待って、再び初期状態に復帰した振分機構に後続の遊技球を到達させることによって、全ての遊技球を不利な経路に振り分させることは可能であるが、遊技者にとって、遊技球を不利な経路に振り分けさせることのメリットはない。
また、上述した第14実施形態の図105に示した例では、振分機構504は、左側保持部504e及び右側保持部504fを備える構成としたが、他の構成として、振分機構504は、遊技球を一時的に保持することが可能な保持部を複数備える回転可能な円形の風車としてもよい。そして、0.6秒間隔で到達した遊技球を経路R1、経路R2に交互に振り分けるように当該風車の慣性モーメントや回転軸504dにおける摩擦等を調整すれば、第14実施形態の図105に示した例と同様の効果を奏することができる。具体的には、風車は、0.6秒間隔で遊技球が到達したタイミングにおいて、交互に、遊技球を経路R1に振り分ける状態と、遊技球を経路R2に振り分ける状態とになっていればよい。
また、上述した第14実施形態において説明した振分機構504の挙動は一例であり、振分機構504は、0.6秒間隔で遊技球が到達したタイミングにおいて、交互に、右側に傾いた状態及び左側に傾いた状態となるように構成されていれば、当該0.6秒間において振分機構504の状態が遷移する回数は任意の回数とすることができる。
また、上述した第14実施形態において、振分機構504は、静止状態において、右側に傾いた状態及び左側に傾いた状態のいずれの状態にもなり得る構成としてもよい。また、上述した第14実施形態の第2始動口ユニット500、500A、500Bにおいて、スルーゲート506及び開閉入球装置508を省略し、経路R1に一般入賞口32を設けることによって、経路R1を経路R2よりも有利な経路とする構成としてもよい。
O.変形例:
なお、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
O1.変形例1:
上記実施形態において、パチンコ機10は、保留情報の有無に関わらず、直近の遊技回において実行された遊技演出又は遊技演出を構成する演出要素の内容を記憶するとともに、既視感予告を実行する場合には、当該記憶された遊技演出又は遊技演出を構成する演出要素の内容を次の遊技回において実行する構成であってもよい。このような構成であれば、保留情報が無い状態において、新たに入賞があった場合であっても、当該入賞に係る遊技回において、前回の遊技回において実行された遊技演出又は遊技演出を構成する演出要素を実行するので、同一の内容の遊技演出又は遊技演出を構成する演出要素を複数回実行することができ、遊技者に対して既視感を与えることができる。
O2.変形例2:
上記実施形態において、同一の内容の演出要素を複数回実行する場合に、先に実行される演出要素が終了すると同時に、次に実行される演出要素が開始される態様であってもよい。このようにすれば、遊技者にさらに強い既視感を与えることができる。
O3.変形例3:
上記実施形態においては、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を実行する構成であったが、同一の内容の演出要素が複数回実行される前に、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを遊技者に対して示唆する事前示唆演出を実行する構成であってもよい。このようにすれば、事前示唆演出を認識した遊技者に、その後に実行される演出要素に対して強い関心を持たせることができる。この結果、遊技者に遊技演出を注目させることができ、興趣向上を図ることができる。
O4.変形例4:
上記第8実施形態および第9実施形態では、高頻度サポートモードの種別毎に、開閉扉208b、308bが開放状態を維持する時間的長さが異なっている構成としたが、この代わりに、高頻度サポートモードの種別毎に、開閉扉208b、308bが閉鎖状態から開放状態に遷移する回数や、開閉扉208b、308bが閉鎖状態から開放状態に遷移するタイミングが異なっている構成としてもよい。このような構成としても、第2始動口に入球する遊技球の個数が異なる複数種類の高頻度サポートモードを設定することができる。
O5.変形例5:
上記第9実施形態では、主制御装置60は、出球率が1を超える高頻度サポートモードとして、第3高頻度サポートモードの1種類のみを実行可能な構成としたが、主制御装置60は、出球率が1を超える複数種類の高頻度サポートモードを実行可能な構成としてもよい。
例えば、上記第9実施形態において、開閉扉308bの開放時間が2.3秒に設定された第4高頻度サポートモードを実行可能な構成としてもよい。開閉扉308bの開放時間が2.3秒に設定された第4高頻度サポートモードにおいて、遊技球が、遊技球発射機構81によって第2始動口ユニット300に到達することのできる所定の発射強度で、0.6秒間隔で連続して発射されている状況では、4個の遊技球の全てが第2始動口308aに入球することになり、賞球として8個の遊技球が払い出されることになる。したがって、第4高頻度サポートモードが実行されている場合における出球率は2.00となる。このような構成によれば、出球率が1を超える高頻度サポートモードにおいて遊技者に付与する高揚感の程度に差をつけることができる。この結果、遊技に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、第4高頻度サポートモードを実行可能な構成とした場合であっても、第1~第4高頻度サポートモードを実行するそれぞれの割合を調整することによって、上述した第1総合出球率T1および第2総合出球率T2の値を1以下にすることができる。
O6.変形例6:
上記第9実施形態では、4個の遊技球のうち、1個の遊技球GB1を経路R11に振り分けるとともに、遊技球GB1の後に到達した3個の遊技球GB2、GB3、GB4を経路R11とは異なる経路(経路R2および経路R12)に振り分ける構成としたが、この構成に代えて、1個の遊技球GB1を所定の経路に振り分けるとともに、遊技球GB1の後に到達した2個の遊技球を当該所定の経路とは異なる経路に振り分ける構成としてもよく、また、1個の遊技球GB1を所定の経路に振り分けるとともに、遊技球GB1の後に到達した4個以上の所定の個数の遊技球を当該所定の経路とは異なる経路に振り分ける構成としてもよい。すなわち、1個の遊技球GB1を所定の経路に振り分けるとともに、遊技球GB1より後に到達したN個(Nは2以上の整数)の遊技球を当該所定の経路とは異なる経路に振り分ける構成としてもよい。
また、当該所定の経路に振り分けられた1個の遊技球GB1のみが到達可能な位置に、上記第9実施形態におけるスルーゲート306に代えて、遊技球が入球可能な賞球口や所定の役物を設ける構成としてもよい。このような構成によれば、(N+1)個の遊技球のうち、1個の遊技球GB1のみを賞球口や所定の役物に到達させ、遊技球GB1より後に到達したN個の遊技球を賞球口や所定の役物に到達させないことが可能となる。
さらに、遊技機の設計時に、Nの値(当該所定の経路とは異なる経路に振り分けられる遊技球の個数)を所望の値に設定することによって、賞球口や所定の役物に到達する遊技球の割合を所望の割合に設定することができる。したがって、遊技機の設計上の自由度を向上させることができるとともに、遊技の多様化を図ることができる。
O7.変形例7:
上記第8実施形態~第13実施形態において、開閉扉208b、308bの代わりに、第2始動口208a、308aの状態を、遊技球の入球が困難な状態と遊技球の入球が容易な状態との間で遷移させる他の機構を採用してもよい。例えば、開閉扉208b、308bの代わりの他の機構として、いわゆる電動式チューリップを採用してもよい。
O8.変形例8:
上記第8実施形態~第13実施形態において、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において当選する確率が100%以外に設定されている構成を採用してもよい。例えば、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において当選する確率が99%や60%等に設定されている構成を採用してもよい。このような構成とすれば、高頻度サポートモードにおける出球率を低下させることができる。例えば、高頻度サポートモード中の電動役物開放抽選において当選する確率が100%に設定されている場合における出球率が1である構成に対して、電動役物開放抽選において当選する確率を100%未満に設定すれば、当該高頻度サポートモードにおける出球率を1未満とすることができる。
また、上記第8実施形態~第13実施形態において、1個の遊技球が第2始動口208a、308aに入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)を、1個や2個以外の任意の値に設定してもよい。このようにすれば、高頻度サポートモードにおける出球率を任意の値に設定することができる。また、1個の遊技球が第2始動口208a、308aに入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数)が、遊技状態に応じて変化する構成としてもよい。このような構成によれば、遊技状態に応じて高頻度サポートモードの出球率が変化するので、遊技の興趣向上を図ることができる。
O9.変形例9:
上記第8実施形態~第12実施形態では、高頻度サポートモードの種別は、大当たりの種別毎に設定されている構成としたが、高頻度サポートモードを実行する契機や、高頻度サポートモードの種別を決定する構成として、他の任意の構成を採用することができる。例えば、大当たり抽選に当選しない遊技回の連続回数が所定の回数を超えたことを契機として高頻度サポートモードを実行する構成や、大当たり抽選に当選しない遊技回の連続回数に応じて高頻度サポートモードの種別を決定する構成、高頻度サポートモードの実行の有無や種別を決定するための乱数カウンタを設けて、取得した乱数カウンタの値に応じて、高頻度サポートモードの実行の有無や高頻度サポートモードの種別を決定する構成、停止図柄の種別に応じて、高頻度サポートモードの実行の有無や高頻度サポートモードの種別を決定する構成、特定のリーチ演出が実行されたことを契機として高頻度サポートモードを実行する構成、実行されるリーチ演出の種別に応じて高頻度サポートモードの種別を決定する構成、始動口の保留個数が上限値となっているタイミングにおいて遊技球が入球した個数の合計が所定の閾値を越えたことを契機として高頻度サポートモードを実行する構成、始動口の保留個数が上限値となっているタイミングにおいて遊技球が入球した個数の合計に応じて高頻度サポートモードの種別を決定する構成等を採用することができる。
O10.変形例10:
上記第8実施形態~第12実施形態では、第1総合出球率T1および第2総合出球率T2が1以下となるように各高頻度サポートモードにおける出球率や実行割合が設定されている構成としたが、第1総合出球率T1および第2総合出球率T2が1未満となるように各高頻度サポートモードにおける出球率や実行割合が設定されている構成としてもよい。このような構成としても、遊技者の射幸心が過度に高まることを抑制することができる。
O11.変形例11:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
P.上記各実施形態から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴A1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、所定の演出要素を決定するとともに、
前記演出実行手段に、
前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回より前の遊技回から、前記決定した演出要素の実行を開始させ、
前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、前記決定した演出要素を同一の内容で複数回実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、同一の内容の演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、特徴A1によれば、特典が付与される可能性が高いことを直接的に示唆する演出(例えば、先読みランプ赤点灯)が実行されていない場合であっても、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かに注目するという遊技を実現することができる。したがって、遊技者は、順次実行される演出要素に対して常に高い期待感を持って遊技をすることができる。
なお、遊技演出は、遊技機が備えるスピーカー、表示装置、発光装置、物理的に動作する役物など、複数のハードウェアからの出力によって実行される。上記演出要素とは、遊技演出を司るこれら複数のハードウェアによる所定のタイミングでの出力の組み合わせを言う。例えば、スピーカー、表示装置、発光装置が予め定められたタイミングで各々出力を行うことにより1つの演出要素(例えば、カットイン予告演出や、リーチ演出など)が構成される。そして、複数の演出要素によって遊技演出が構成される。
上述のように、演出要素は、遊技演出を司る複数のハードウェアによる所定のタイミングでの出力の組み合わせであるので、例えば、スピーカー、表示装置、発光装置からの所定のタイミングでの出力によって構成される演出要素Aと、当該演出要素からスピーカーによる出力を削除した演出要素Bとは、表示装置、発光装置からの所定のタイミングでの出力の内容が同じであれば、同一の内容の演出要素を含むことになる。遊技機が演出要素Aを実行した後、演出要素Bを実行した場合には、遊技演出Bには遊技演出Aに対して音声(スピーカーからの出力)が含まれていないものの、他のハードウェア(表示装置と発光装置)からの出力の内容が同一であるので、遊技者に既視感を与えることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
[特徴A3]
特徴A2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後から前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでの期間において、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
[特徴A4]
特徴A1から特徴A3のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段を備え、
前記制御手段は、
前記演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択しないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。
特徴A4によれば、複数回実行させる演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
[特徴A5]
特徴A1から特徴A4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
[特徴A6]
特徴A1から特徴A5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出要素は、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、および、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素に対して同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴B1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を同一の内容で前記演出実行手段に複数回実行させるとともに、
前記同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、同一の内容の演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。
さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
[特徴B3]
特徴B2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後から前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでの期間において、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
[特徴B4]
特徴B1から特徴B3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回より前の遊技回から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報に係る遊技回より前の遊技回から、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴B5]
特徴B1から特徴B4のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段を備え、
前記制御手段は、
前記演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択しないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。
特徴B5によれば、複数回実行させる演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
[特徴B6]
特徴B1から特徴B5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出要素は、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、および、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素において同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴C1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
1遊技回に要する時間である表示継続時間を決定する決定手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の複数の遊技回のうち少なくとも2回の各遊技回において、前記決定手段が決定し得る前記表示継続時間の中で最も短い表示継続時間以下で実行可能な同一の内容の演出要素を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、同一の内容の演出要素が複数回(少なくとも2回)実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、特徴C1によれば、制御手段は、決定手段が決定し得る表示継続時間の中で最も短い表示継続時間以下で実行可能な同一の内容の演出要素を演出実行手段に実行させるので、決定手段が決定した各遊技回の表示継続時間が異なっている場合であっても、各遊技回で同一の内容の演出要素を演出実行手段に実行させることができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記同一の内容の演出要素を実行する1遊技回の前記表示継続時間の長さが、前記同一の内容の演出要素を複数回実行可能な長さである場合には、当該1遊技回において同一の内容の演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、複数回実行する対象である同一の内容の演出要素(以下、既視感予告用の演出要素とも呼ぶ)、を、より多くの回数実行することができるので、遊技者に対して既視感を強く認識させることができる。また、1遊技回の表示継続時間の長さによって、既視感予告用の演出要素が実行される回数が増減するので、遊技者の期待感に抑揚を与えることができる。
さらに、既視感予告用の演出要素は、決定手段が決定し得る表示継続時間の中で最も短い表示継続時間以下で実行可能な演出要素であるので、1回の実行に要する時間は、1遊技回の表示継続時間の長さ以下である。よって、1遊技回において既視感予告用の演出要素を1回実行しても、表示継続時間に余剰時間が生じる場合がある。この遊技機によれば、1遊技回の表示継続時間の長さが、既視感予告用の演出要素(同一の内容の演出要素)を複数回実行可能な長さである場合には、当該1遊技回において同一の内容の演出要素を複数回実行するので、表示継続時間の余剰時間を最小限に抑えることができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
[特徴C4]
特徴C3に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後から前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでの期間において、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
[特徴C5]
特徴C1から特徴C4のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段を備え、
前記制御手段は、
前記演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択しないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。
特徴C5によれば、複数回実行させる演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
[特徴C6]
特徴C1から特徴C5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴C6によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
[特徴C7]
特徴C1から特徴C6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出要素は、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、および、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする遊技機。
特徴C7によれば、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素に対して同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
<特徴D群>
特徴D群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴D1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定する判定手段と、
遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
前記遊技演出の内容を記憶する演出記憶手段と、
を備える遊技機において、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、
前記演出記憶手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回よりも前の遊技回において実行された遊技演出の少なくとも一部の期間における内容を記憶し、
前記制御手段は、前記遊技演出の内容が記憶された遊技回よりも後の遊技回であって、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の遊技回において、前記記憶された遊技演出の少なくとも一部の期間における内容を前記演出実行手段に再現させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、実行された遊技演出の少なくとも一部の期間における内容を記憶し、記憶した遊技演出の少なくとも一部の期間における内容を再現するので、遊技者に対して、同一の内容の遊技演出が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の遊技演出が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の遊技演出が複数回実行されることを期待して、遊技演出が実行される度に常に高い期待感を持って遊技演出に注目するようになる。したがって、同一の内容の遊技演出が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される遊技演出への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、特徴D1によれば、実行された遊技演出の内容を記憶して再現するので、完全に同じ内容の遊技演出を遊技者は経験することになる。したがって、遊技者に既視感を与えやすい。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、さらに、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段を備え、
前記制御手段は、
前記遊技演出として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記演出記憶手段が記憶する対象である遊技演出を遊技演出部に実行させる場合には、当該遊技演出として前記操作受入演出を選択しないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出は、遊技演出として再現された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。
特徴D2によれば、複数回実行させる遊技演出として、操作受入演出を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
[特徴D3]
特徴D1または特徴D2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、同一の内容の遊技演出が再現されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記記憶された遊技演出が再現された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の遊技演出が再現されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の遊技演出が再現されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
<特徴E群>
特徴E群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴E1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
1遊技回に要する時間である表示継続時間を決定する決定手段と、
前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の連続した複数の各遊技回の表示継続時間として前記決定手段が決定し得る最も短い表示継続時間の合計時間を算出する算出手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、前記算出手段が算出した前記合計時間の中で複数回実行可能な同一の内容の演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、同一の内容の演出要素が複数回(少なくとも2回)実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、特徴E1によれば、制御手段は、算出手段が算出した合計時間(決定手段が決定し得る最も短い表示継続時間の合計時間)の中で複数回実行可能な同一の内容の演出要素を演出実行手段に複数回実行させるので、複数回実行する対象である演出要素の1回分が、1遊技回に要する時間である表示継続時間内で終了できるものに制限されない。すなわち、所定の条件が満たされたと判定された特別情報に係る遊技回以前の連続した複数の各遊技回を跨いで同一の内容の演出要素を複数回実行することができる。例えば、複数回実行する対象である演出要素の1回分を、遊技回を跨いで実行することも可能となる。したがって、複数回実行する対象である演出要素を選択する際に、当該演出要素の1回分の実行時間を考慮せずに選択することができる。
さらに、決定手段が決定し得る最も短い各表示継続時間の合計時間の中で複数回実行可能な同一の内容の演出要素を複数回実行するので、同一の内容の演出要素を複数回実行するのに要する時間は、実際の各遊技回の表示継続時間の合計時間以下となる。したがって、所定の条件が満たされたと判定された特別情報に係る遊技回以前の連続した複数の各遊技回を跨いで同一の内容の演出要素を複数回実行した際に、時間不足となることを回避し、確実に同一の内容の演出要素を複数回実行することができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴E2によれば、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
[特徴E3]
特徴E2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後から前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでの期間において、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させることを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
[特徴E4]
特徴E1から特徴E3のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段を備え、
前記制御手段は、
前記演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択しないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。
特徴E4によれば、複数回実行させる演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
[特徴E5]
特徴E1から特徴E4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴E5によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
[特徴E6]
特徴E1から特徴E5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出要素は、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、および、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする遊技機。
特徴E6によれば、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素に対して同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
<特徴F群>
特徴F群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴F1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
1遊技回に要する時間である表示継続時間を決定する決定手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の遊技回のうちの少なくとも1回の遊技回において、当該遊技回の表示継続時間の中で複数回実行可能な演出要素を同一の内容で複数回、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、同一の内容の演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。
さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。
したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、特徴F1によれば、少なくとも1回の遊技回において、当該遊技回の表示継続時間の中で複数回実行可能な演出要素を同一の内容で複数回実行するので、遊技者に既視感を1遊技回で与えることができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴F2によれば、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
[特徴F3]
特徴F2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された後から前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでの期間おいて、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
[特徴F4]
特徴F1から特徴F3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回より前の遊技回から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報に係る遊技回より前の遊技回から、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴F5]
特徴F1から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
[特徴F6]
特徴F1から特徴F5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出要素は、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、および、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする遊技機。
特徴F6によれば、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素において同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
<特徴G群>
特徴G群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴G1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
1遊技回に要する時間である表示継続時間を決定する決定手段と、
を備える遊技機において、
前記決定手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の複数の遊技回のうち少なくとも2回の遊技回に対して、所定の長さの表示継続時間を確保するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の複数の遊技回のうち少なくとも2回の各遊技回において、同一の内容の演出要素を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、決定手段によって所定の長さの継続時間が確保された少なくとも2回の各遊技回において同一の内容の演出要素を実行することができる。同一の内容の演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記決定手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合に、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の複数の遊技回のうち少なくとも2回の遊技回に対して、所定の長さの表示継続時間を確保するものであり、
前記制御手段は、前記決定手段によって前記所定の長さの表示継続時間が確保された各遊技回において実行可能な同一の内容の演出要素を、各遊技回において前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、制御手段は、決定手段が所定の長さの表示継続時間を確保した各遊技回で実行可能な同一の内容の演出要素を演出実行手段に実行させるので、演出実行手段が同一の演出要素を実行するために要する時間が各遊技回において不足することを回避し、確実に各遊技回で同一の内容の演出要素を実行させることができる。
[特徴G3]
特徴G1記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合に、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の複数の遊技回のうち少なくとも2回の各遊技回において同一の内容の演出要素を前記演出実行手段に実行させるものであり、
前記決定手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の複数の遊技回のうち少なくとも2回の遊技回に対して、前記演出実行手段が同一の内容の演出要素を実行可能な長さの表示継続時間を確保するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、決定手段は、演出実行手段が同一の内容の演出要素を実行可能な長さの表示継続時間を確保するので、演出実行手段が同一の演出要素を実行するために要する時間が各遊技回において不足することを回避し、確実に各遊技回で同一の内容の演出要素を実行させることができる。
[特徴G4]
特徴G1から特徴G3のいずれか一つに記載に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
[特徴G5]
特徴G4に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後から前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでの期間において、前記複数回実行させる同一の内容の演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴G5によれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
[特徴G6]
特徴G1から特徴G5のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段を備え、
前記制御手段は、
前記演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択しないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。
特徴G6によれば、複数回実行させる演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
[特徴G7]
特徴G1から特徴G6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴G7によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
[特徴G8]
特徴G1から特徴G7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出要素は、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、および、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする遊技機。
特徴G8によれば、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素に対して同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
<特徴H群>
特徴H群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態から抽出される。
[特徴H1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
時刻情報を取得する時刻取得手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記演出要素として、前記時刻情報に基づいて時間の経過とともに継続して実行される時刻連動演出要素を前記演出実行手段に実行させるものであり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに前記時刻連動演出要素の実行が開始される場合には、少なくとも一部の期間に実行される前記時刻連動演出要素を、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、前記演出実行手段に複数回実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、少なくとも一部の期間に実行される時刻連動演出要素が複数回実行されるので、新規な興趣を備えた演出を遊技者に提供することができる。また、少なくとも一部の期間に実行される時刻連動演出要素が複数回実行されるので、遊技者に対して、同一の内容の時刻連動演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、時刻連動演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、時刻演出要素が複数回実行されることを期待して、時刻連動演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って時刻連動演出要素に注目するようになる。したがって、時刻連動演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、時刻情報に基づいて実行される時刻連動演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
仮に、特徴H1を備えた遊技機が遊技ホールに複数台設置されている場合、所定の条件を満たした遊技機と、所定の条件を満たさない遊技機とでは、同じ時刻から同じ時刻連動演出要素が開始された場合であっても、実行される時刻連動演出要素に時間的な差異(ずれ)が生じる。したがって、所定の条件を満たした遊技機で遊技を行っている遊技者に対して、優越感を与えることができる。
[特徴H2]
特徴H1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、所定の時間的長さを有する前記時刻連動演出要素の特定の時間的位置を、前記時刻連動演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる場合の開始位置として設定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、特定の時間的位置を開始位置として時刻連動演出要素を複数回実行するので、遊技者に対して、時刻連動演出要素の特定の時間的位置以後の部分に対して強い既視感を認識させることができる。
[特徴H3]
特徴H2に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後に実行が開始される遊技回であって前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回以前の遊技回のうち少なくとも2回の各遊技回を開始するタイミングを契機として、前記時刻連動演出要素を、前記特定の時間的位置を開始位置として、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、複数回実行される各時刻連動演出要素の開始のタイミングと、遊技回の開始のタイミングとを同期させることで、より強い既視感を遊技者に与えることができる。
[特徴H4]
特徴H2または特徴3に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後の遊技回が開始されたタイミングにおいて実行されている前記時刻連動演出要素の時間的位置を前記特定の時間的位置として記憶するものであることを特徴とする遊技機。
仮に、特定の時間的位置が時刻連動演出要素の終盤に設定されていると、時刻連動演出要素を特定の時間的位置から開始した場合、当該特定の時間的位置に対応する時刻連動演出要素が、少なくとも2回の遊技回の最初の遊技回の開始のタイミングで一度も実行されていないことがある。この場合、当該最初の遊技回が開始されるまでは連続的な一連の流れとして実行されていた時刻連動演出要素が、当該最初の遊技回の開始のタイミングで急に途切れるとともに、一度も実行されていない特定の時間的位置から時刻連動演出要素が開始・実行されることになる。
特徴H4によれば、所定の条件が満たされたと判定された後の遊技回、換言すれば、上記少なくとも2回の遊技回の最初の遊技回が開始されたタイミングにおいて実行されている時刻連動演出要素の時間的位置を特定の時間的位置として記憶し、記憶した特定の時間的位置を、複数回実行するうちの2回目以降の時刻連動演出要素の開始位置とするので、時刻連動演出要素の連続的な一連の流れとして一度実行された時間的位置を、複数回実行する時刻連動演出要素の2回目以降の開始位置とすることができる。したがって、最初の遊技回が開始されるまで連続的な一連の流れとして実行されていた時刻連動演出要素が、最初の遊技回の開始のタイミングで急に途切れることを回避するとともに、一度も実行されていない特定の時間的位置から時刻連動演出要素が開始・実行されることを回避することができる。
[特徴H5]
特徴H1から特徴H4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記演出要素として、さらに、前記時刻情報に基づかずに実行される非時刻連動演出要素を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記時刻連動演出要素とともに前記非時刻連動演出要素が実行されている場合には、少なくとも一部の期間に実行される前記時刻連動演出要素と前記非時刻連動演出要素とを、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、前記演出実行手段に複数回実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、時刻連動演出要素に加え、非時刻連動演出要素も複数回実行するので、より強い既視感を遊技者に与えることができる。
[特徴H6]
特徴H5記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数回実行させる前記非時刻連動演出要素の個数を制御するものであることを特徴とする遊技機。
特徴6によれば、複数回実行させる非時刻連動演出要素の個数を増減することによって、遊技者の期待感を増加・減少させることや、期待感に抑揚を与えるなど、遊技者の期待感に変化を与えることができる。
[特徴H7]
特徴H6に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された後から前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでの期間において、前記複数回実行させる前記非時刻連動演出要素の個数を、時間の経過とともに増加させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴H7によれば、遊技者が既視感を認識する対象となる演出要素の1つである非時刻連動演出要素の個数が時間の経過とともに増えるので、遊技者の期待感を時間の経過とともに増加させることができる。
[特徴H8]
特徴H1から特徴H7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段を備え、
前記制御手段は、
前記演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させることが可能であり、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記複数回実行させる非時刻連動演出要素として、前記操作受入演出要素を選択しないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容で実行される場合がある。この結果、遊技者に対して既視感を与えることができなくなる場合がある。
特徴H8によれば、複数回実行させる非時刻連動演出要素として、操作受入演出要素を選択しないので、遊技者による入力操作の態様によって異なる内容が実行されてしまうことを抑制することができ、遊技者に対して確実に既視感を与えることができる。
[特徴H9]
特徴H1から特徴H8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記同一の内容の演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴H9によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
[特徴H10]
特徴H1から特徴H9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出要素は、所定の画像を背景画像よりも前面に表示させるカットイン予告演出、所定のオブジェクト画像を背景画像よりも前面に表示させるオブジェクト予告演出、背景画像を通常時とは異なる態様に変化させる背景変化予告演出、所定の役物に所定の動作を実行させる役物予告演出、各種ランプを所定のパターンで発光させるランプ発光演出、所定のスクロールパターンで図柄列を変動させる図柄列変動演出、少なくとも1つの有効ライン上に同一の図柄を2つ停止させた状態で残りの1つの図柄列を変動させるリーチ演出、および、所定の図柄の組合せを停止させる図柄停止演出のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする遊技機。
特徴H10によれば、様々な演出要素を用いて遊技者に対して既視感を与えることができるので、様々な演出要素に対して同一の内容が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させることができる。
<特徴I群>
特徴I群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例1から抽出される。
[特徴I1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たした場合には、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を満たさなかった場合には、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させないものであり、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第2の演出態様が実行された場合には、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を満たした場合および満たさなかった場合のいずれの場合であっても、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第2の演出態様が実行されなかった場合には、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を満たした場合および満たさなかった場合のいずれの場合であっても、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させないものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴I1によれば、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、1回目の操作受入演出要素において第2の演出態様が実行された場合には、2回目以降の操作受入演出要素において第2の演出態様が実行され、一方、1回目の操作受入演出要素において第2の演出態様が実行されなかった場合には、2回目以降の操作受入演出要素において第2の演出態様が実行されないので、操作受入演出要素が複数回実行された場合であっても、1回目と2回目以降に実行される操作受入演出要素の内容を同一にすることができる。そして、遊技者に対して、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記操作態様が前記操作条件を所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであり、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第2の演出態様が実行された場合であって、前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第2の演出態様が実行された場合であって、前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たした場合には、操作態様が所定の操作条件を満たしたことを契機として第2の演出態様が実行されるので、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、第2の演出態様を実行することができる。さらに、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、第2の演出態様を実行するので、遊技に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる制御として、前記入力操作の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを前記演出実行手段に表示させないものであることを特徴とする遊技機。
遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なう場合がある。ここで、時間パラメーターを演出実行手段に表示させると、遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なったということを認識してしまい、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されたとしても、複数回実行された操作受入演出要素に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。
特徴I3によれば、操作受入演出要素を演出実行手段に複数回実行させる際に、時間パラメーターを演出実行手段に表示させないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴I4]
特徴I1から特徴I3のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記操作受入手段の態様を、前記遊技者による前記入力操作を受け入れた際の態様に変化させる変化手段を備え、
前記制御手段は、
前記遊技者による前記入力操作の操作態様が前記操作条件を満たさなかった場合であって、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させる場合に、
前記変化手段を制御して、前記操作受入手段の態様を、前記操作条件を満たす前記入力操作を前記遊技者から受け入れた際の前記操作受入手段の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴I4によれば、操作受入手段の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができる。さらに、遊技者による入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たさなかったにも関わらず第2の演出態様が実行されることに、説得力を持たせることができる。
[特徴I5]
特徴I1から特徴I4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴I5によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴I6]
特徴I1から特徴I5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記操作受入演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴I6によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
<特徴J群>
特徴J群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例2から抽出される。
[特徴J1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たした場合には、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を満たさなかった場合には、前記第1および第2の演出態様とは異なる第3の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであり、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第2の演出態様が実行された場合には、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を満たした場合および満たさなかった場合のいずれの場合であっても、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第3の演出態様が実行された場合には、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を満たした場合および満たさなかった場合のいずれの場合であっても、前記第3の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴J1によれば、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、1回目の操作受入演出要素において第2の演出態様が実行された場合には、2回目以降の操作受入演出要素において第2の演出態様が実行され、一方、1回目の操作受入演出要素において第3の演出態様が実行された場合には、2回目以降の操作受入演出要素において第3の演出態様が実行されるので、操作受入演出要素が複数回実行された場合であっても、1回目と2回目以降に実行される操作受入演出要素の内容を同一にすることができる。そして、遊技者に対して、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記操作態様が前記操作条件を所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として前記第3の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであり、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第2の演出態様が実行された場合であって、前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第2の演出態様が実行された場合であって、前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第3の演出態様が実行された場合であって、前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第3の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させた際に前記第3の演出態様が実行された場合であって、前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として前記第3の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たした場合には、操作態様が所定の操作条件を満たしたことを契機として第2または第3の演出態様を実行するので、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、第2または第3の演出態様を実行することができる。さらに、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、第2または第3の演出態様を実行するので、遊技に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴J3]
特徴J1または特徴J2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる制御として、前記入力操作の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを前記演出実行手段に表示させないものであることを特徴とする遊技機。
遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なう場合がある。ここで、時間パラメーターを演出実行手段に表示させると、遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なったということを認識してしまい、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されたとしても、複数回実行された操作受入演出要素に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。
特徴J3によれば、操作受入演出要素を演出実行手段に複数回実行させる際に、時間パラメーターを演出実行手段に表示させないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴J4]
特徴J1から特徴J3のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記操作受入手段の態様を、前記遊技者による前記入力操作を受け入れた際の態様に変化させる変化手段を備え、
前記制御手段は、
前記遊技者による前記入力操作の操作態様が前記操作条件を満たさなかった場合であって、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させる場合に、
前記変化手段を制御して、前記操作受入手段の態様を、前記操作条件を満たす前記入力操作を前記遊技者から受け入れた際の前記操作受入手段の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴J4によれば、操作受入手段の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができるとともに、遊技者による入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たさなかったにも関わらず第2の演出態様が実行されることに説得力を持たせることができる。
[特徴J5]
特徴J1から特徴J4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴J5によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴J6]
特徴J1から特徴J5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記操作受入演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴J6によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
<特徴K群>
特徴K群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例3から抽出される。
[特徴K1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たした場合および満たさなかった場合のいずれの場合であっても、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴K1によれば、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、第1の演出態様が実行された後に第2の演出態様が実行されるので、操作受入演出要素が複数回実行された場合であっても、1回目と2回目以降に実行される操作受入演出要素の内容を同一にすることができる。
そして、遊技者に対して、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴K2]
特徴K1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記操作態様が前記操作条件を所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たした場合には、操作態様が所定の操作条件を満たしたことを契機として第2の演出態様が実行されるので、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、第2の演出態様を実行することができる。さらに、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、第2の演出態様を実行するので、遊技に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴K3]
特徴K1または特徴K2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる制御として、前記入力操作の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを前記演出実行手段に表示させないものであることを特徴とする遊技機。
遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なう場合がある。ここで、時間パラメーターを演出実行手段に表示させると、遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なったということを認識してしまい、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されたとしても、複数回実行された操作受入演出要素に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。
特徴K3によれば、操作受入演出要素を演出実行手段に複数回実行させる際に、時間パラメーターを演出実行手段に表示させないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴K4]
特徴K1から特徴K3のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記操作受入手段の態様を、前記遊技者による前記入力操作を受け入れた際の態様に変化させる変化手段を備え、
前記制御手段は、
前記遊技者による前記入力操作の操作態様が前記操作条件を満たさなかった場合であって、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させる場合に、
前記変化手段を制御して、前記操作受入手段の態様を、前記操作条件を満たす前記入力操作を前記遊技者から受け入れた際の前記操作受入手段の態様に変化させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴K4によれば、操作受入手段の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができるとともに、遊技者による入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たさなかったにも関わらず第2の演出態様が実行されることに説得力を持たせることができる。
[特徴K5]
特徴K1から特徴K4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴K5によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴K6]
特徴K1から特徴K5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記操作受入演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴K6によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
<特徴L群>
特徴L群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例4から抽出される。
[特徴L1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含むとともに、複数の選択肢の中から一の選択肢を遊技者に選択させる選択画面であって、前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たす毎に選択状態が切り替わる選択画面を前記演出実行手段に表示させるとともに、
所定時間が経過したタイミングで選択されている選択肢に対応する演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであり、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記1回目に表示させた選択画面と同一の選択画面を前記演出実行手段に表示させるとともに、
前記所定時間が経過したタイミングで、1回目に選択された選択肢に対応する演出態様と同一の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴L1によれば、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降に実行される操作受入演出要素において、1回目の操作受入演出要素において実行された演出態様と同一の演出態様が実行されるので、操作受入演出要素が複数回実行された場合であっても、1回目と2回目以降に実行される操作受入演出要素の内容を同一にすることができる。そして、遊技者に対して、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴L2]
特徴L1に記載の遊技機であって、
前記選択画面は、前記選択状態が切り替わる前後で、同一の態様であることを特徴とする遊技機。
特徴L2によれば、操作受入演出要素が複数回実行された場合に、同一の態様の選択画面から同一の演出態様が実行されることになるので、さらに強い既視感を遊技者に与えることができる。
[特徴L3]
特徴L1または特徴L2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる制御として、前記入力操作の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを前記演出実行手段に表示させないものであることを特徴とする遊技機。
遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なう場合がある。ここで、時間パラメーターを演出実行手段に表示させると、遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なったということを認識してしまい、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されたとしても、複数回実行された操作受入演出要素に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。
特徴L3によれば、操作受入演出要素を演出実行手段に複数回実行させる際に、時間パラメーターを演出実行手段に表示させないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴L4]
特徴L1から特徴L3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴L4によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴L5]
特徴L1から特徴L4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記操作受入演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴L5によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
<特徴M群>
特徴M群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例5から抽出される。
[特徴M1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含むとともに、複数の演出態様の中から一の演出態様を遊技者に選択させる選択画面であって、選択状態が時間の経過とともに切り替わる選択画面を前記演出実行手段に表示させるとともに、
前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たした場合および満たさなかった場合のいずれの場合であっても、前記複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであり、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記1回目に表示させた選択画面と同一の選択画面を前記演出実行手段に表示させるとともに、
前記操作態様が前記操作条件を満たした場合および満たさなかった場合のいずれの場合であっても、1回目に選択された演出態様と同一の演出態様が選択された状態とし、当該選択された演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴M1によれば、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、2回目以降に実行される操作受入演出要素において、1回目の操作受入演出要素において実行された演出態様と同一の演出態様が選択・実行されるので、操作受入演出要素が複数回実行された場合であっても、1回目と2回目以降に実行される操作受入演出要素の内容を同一にすることができる。そして、遊技者に対して、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴M2]
特徴M1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記操作態様が前記操作条件を所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とし、
前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として前記複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とするものであり、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として1回目に選択された演出態様と同一の演出態様が選択された状態とし、
前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として1回目に選択された演出態様と同一の演出態様が選択された状態とするものであることを特徴とする遊技機。
特徴M2によれば、前記操作態様が前記操作条件を所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とするので、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、複数の演出態様の中から一の演出態様が選択された状態とすることができる。
[特徴M3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる制御として、前記入力操作の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを前記演出実行手段に表示させないものであることを特徴とする遊技機。
遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なう場合がある。ここで、時間パラメーターを演出実行手段に表示させると、遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なったということを認識してしまい、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されたとしても、複数回実行された操作受入演出要素に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。
特徴M3によれば、操作受入演出要素を演出実行手段に複数回実行させる際に、時間パラメーターを演出実行手段に表示させないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴M4]
特徴M1から特徴M3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴M4によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴M5]
特徴M1から特徴M4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記操作受入演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴M5によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
<特徴N群>
特徴N群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例6から抽出される。
[特徴N1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含むとともに、時間の経過とともに一定の方向に変化する所定のパラメーターを前記演出実行手段に表示させる第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記パラメーターが所定のパラメーター条件を満たした後に、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴N1によれば、第1の演出態様が実行された後に、遊技者による入力操作の操作態様に関わらず、パラメーターが所定のパラメーター条件を満たすこととなり、第2の演出態様が実行される。したがって、操作受入演出要素が複数回実行された場合であっても、1回目と2回目以降に実行される操作受入演出要素の内容を同一にすることができる。そして、遊技者に対して、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を与えることができる。
既視感を認識した遊技者は、既視感に対して特別な意味があるのではないか、例えば、特典が付与される可能性があるのではないかという期待感を持つようになる。さらに、遊技者は、同一の内容の演出要素が複数回実行された後に特典が付与されたことを経験すると、同一の内容の演出要素が複数回実行されることを期待して、演出要素が実行される度に常に高い期待感を持って演出要素に注目するようになる。したがって、同一の内容の演出要素が複数回実行されるか否かを遊技者に注目させるとともに、順次実行される演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴N2]
特徴N1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たした場合には、前記パラメーターの変化速度を変更させる速度変更処理を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴N2によれば、遊技者は、パラメーターの変化速度を変更させようとして、入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たすように操作受入手段を操作するようになる。したがって、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。
[特徴N3]
特徴N2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記パラメーターを時間の経過とともに減少する方向に変化させる場合には、前記操作受入手段が単位時間当たりに受け入れた前記入力操作の数が多いほど前記パラメーターの減少速度が小さくなるように、前記速度変更処理を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴N3によれば、遊技者は、パラメーターの減少速度を小さくさせようとして、単位時間当たりの入力操作の数が多くなるように操作受入手段を操作するようになる。したがって、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。
[特徴N4]
特徴N2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記パラメーターを時間の経過とともに増加する方向に変化させる場合には、前記操作受入手段が単位時間当たりに受け入れた前記入力操作の数が多いほど前記パラメーターの増加速度が大きくなるように、前記速度変更処理を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴N4によれば、遊技者は、パラメーターの増加速度を大きくさせようとして、単位時間当たりの入力操作の数が多くなるように操作受入手段を操作するようになる。したがって、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。
[特徴N5]
特徴N1から特徴N4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる際に、前記パラメーターが変化する過程を記憶するとともに、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる際に、前記記憶した前記パラメーターが変化する過程を前記演出実行手段に再現させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴N5によれば、複数回実行された操作受入演出要素において、パラメーターが変化する過程が同一となるので、さらに強い既視感を遊技者に与えることができる。
[特徴N6]
特徴N1から特徴N5のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記操作受入手段の態様を、前記遊技者による前記入力操作を受け入れた際の態様に変化させる変化手段を備え、
前記制御手段は、
1回目の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる際に、前記入力操作を受け入れた際の前記操作受入手段の態様の変化の過程を記憶するとともに、
2回目以降の前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる際に、前記記憶した前記操作受入手段の態様の変化の過程を、前記変化手段に再現させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴N6によれば、操作受入手段の態様が変化するので、遊技に意外性を付与することができる。さらに、2回目以降の操作受入演出要素において、1回目の操作受入演出要素における操作受入手段の態様の変化の過程が再現されるので、さらに強い既視感を遊技者に与えることができる。
[特徴N7]
特徴N1から特徴N6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴N7によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
[特徴N8]
特徴N1から特徴N7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を、前記操作受入演出要素が複数回実行された後に、前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴N8によれば、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
<特徴O群>
特徴O群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例7から抽出される。
[特徴O1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たした場合には、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が前記操作条件を満たさなかった場合には、前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させないものであり、
前記複数回実行された操作受入演出要素の全てにおいて前記第2の演出態様が実行された場合、または、前記複数回実行された操作受入演出要素の全てにおいて前記第2の演出態様が1回も実行されなかった場合には、
前記操作受入演出要素が同一の内容で複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴O1によれば、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて遊技者が同一の入力操作を行なうと、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されることになり、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を遊技者に与えることができる。そして、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行された場合には、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
さらに、遊技者は、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行された後に示唆演出を経験すると、示唆演出が実行されることを期待して、操作受入演出要素が実行される度に、同一の入力操作を行なって同一の内容で操作受入演出態様が実行されるように操作受入手段を操作し、示唆演出の発生を期待するようになる。したがって、順次実行される操作受入演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴O2]
特徴O1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記操作態様が前記操作条件を所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴O2によれば、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たした場合には、操作態様が所定の操作条件を満たしたことを契機として第2の演出態様が実行されるので、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。
[特徴O3]
特徴O1または特徴O2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる制御として、前記入力操作の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを前記演出実行手段に表示させないものであることを特徴とする遊技機。
遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なう場合がある。ここで、時間パラメーターを演出実行手段に表示させると、遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なったということを認識してしまい、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されたとしても、複数回実行された操作受入演出要素に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。
特徴O3によれば、操作受入演出要素を演出実行手段に複数回実行させる際に、時間パラメーターを演出実行手段に表示させないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴O4]
特徴O1から特徴O3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴O4によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
<特徴P群>
特徴P群は、上述した各実施形態、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態の例8から抽出される。
[特徴P1]
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に含まれる情報と、予め定められた特典付与情報とが一致しているか否かを照合する照合手段と、
前記特別情報の前記照合の結果を1遊技回毎に報知する報知手段と、
前記特別情報の前記照合の結果、前記特別情報に含まれる情報と前記特典付与情報とが一致している場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記特別情報に含まれる情報のうちの少なくとも一つに基づいて、所定の条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
演出要素によって構成される遊技演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
遊技者による入力操作を受け入れる操作受入手段と、
を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報に係る遊技回が終了するまでに、少なくとも1つの演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させるものであり、
前記複数回実行させる演出要素として、前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に実行させる制御として、
前記遊技者による前記入力操作の受け入れを示唆する内容を含む第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作受入手段が受け入れた前記入力操作の操作態様が所定の操作条件を満たした場合には、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記第1の演出態様を前記演出実行手段に実行させた後に、前記操作態様が所定の操作条件を満たさなかった場合には、前記第1および第2の演出態様とは異なる第3の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであり、
前記複数回実行された操作受入演出要素の全てにおいて前記第2の演出態様が実行された場合、または、前記複数回実行された操作受入演出要素の全てにおいて前記第3の演出態様が実行された場合には、
前記操作受入演出要素が同一の内容で複数回実行されたことを遊技者に対して示唆する示唆演出を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
操作受入演出要素は、複数回実行された場合に、遊技者による入力操作の操作態様によって異なる内容で実行される場合がある。
特徴P1によれば、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて遊技者が同一の入力操作を行なうと、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されることになり、同一の内容の演出要素が複数回実行されたという既視感(デジャブ)を遊技者に与えることができる。そして、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行された場合には、示唆演出を演出実行手段に実行させるので、同一の内容の演出要素が複数回実行されたことを遊技者に対して認識させることができるとともに、同一の内容の操作受入演出要素が複数回実行されたことに特別な意味があることを遊技者に確信させることができる。
さらに、遊技者は、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行された後に示唆演出を経験すると、示唆演出が実行されることを期待して、操作受入演出要素が実行される度に、同一の入力操作を行なって同一の内容で操作受入演出態様が実行されるように操作受入手段を操作し、示唆演出の発生を期待するようになる。
したがって、順次実行される操作受入演出要素への遊技者の注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴P2]
特徴P1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記操作態様が前記操作条件を所定時間以内に満たした場合には、前記操作態様が前記操作条件を満たしたことを契機として前記第2の演出態様を前記演出実行手段に実行させ、
前記操作態様が前記操作条件を前記所定時間以内に満たさなかった場合には、前記所定時間が経過したことを契機として前記第3の演出態様を前記演出実行手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴P2によれば、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たした場合には、操作態様が所定の操作条件を満たしたことを契機として第2の演出態様を実行するので、遊技者を操作受入演出要素に積極的に関与させることができ、遊技者に対して遊技との一体感を提供することができる。また、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、所定時間が経過したことを契機として、第3の演出態様を実行することができる。さらに、遊技者による入力操作の操作態様が所定時間以内に所定の操作条件を満たさなかった場合であっても、第3の演出態様を実行するので、遊技に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴P3]
特徴P1または特徴P2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記所定の条件が満たされたと判定された場合であって、前記複数回実行させる演出要素として、前記操作受入演出要素を選択した場合には、
前記操作受入演出要素を前記演出実行手段に複数回実行させる制御として、前記入力操作の受け入れが可能な時間内であるか否かを示す時間パラメーターを前記演出実行手段に表示させないものであることを特徴とする遊技機。
遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なう場合がある。ここで、時間パラメーターを演出実行手段に表示させると、遊技者は、複数回実行された操作受入演出要素のそれぞれにおいて異なるタイミングで入力操作を行なったということを認識してしまい、同一の内容で操作受入演出要素が複数回実行されたとしても、複数回実行された操作受入演出要素に対して遊技者が既視感を感じにくくなってしまうおそれがある。
特徴P3によれば、操作受入演出要素を演出実行手段に複数回実行させる際に、時間パラメーターを演出実行手段に表示させないので、遊技者が既視感を感じにくくなってしまうことを抑制することができる。
[特徴P4]
特徴P1から特徴P3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記判定手段は、前記所定の条件が満たされるか否かを、当該特別情報が前記照合の対象となるよりも前に判定するものであり、
前記制御手段は、前記所定の条件が満たされたと判定された場合には、前記所定の条件が満たされたと判定された前記特別情報が前記照合の対象となるよりも前から、前記演出実行手段に、前記複数回実行する対象である演出要素の実行を開始させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴P4によれば、所定の条件が満たされたと判定された特別情報が照合の対象となるよりも前から、複数回実行する対象である演出要素の実行が開始されるので、複数の遊技回に亘って、既視感に対する期待感を遊技者に与えることができる。
<特徴Q群>
特徴Q群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8、第9実施形態から抽出される。
[特徴Q1]
遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
発射された遊技球が入球可能な入球部(第8実施形態では第2始動口208a、第9実施形態では第2始動口308a)と、
発射された遊技球が通過可能な通過部(第8実施形態ではスルーゲート206、第9実施形態ではスルーゲート306)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第8実施形態では開閉扉208b、第9実施形態では開閉扉308b)と、
到達した遊技球を複数の経路に振り分ける振分手段(第8実施形態では交互振分機構204、第9実施形態では第1交互振分機構304および第2交互振分機構305)と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成された第1の経路(第8実施形態では経路R1、第9実施形態では経路R11)と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第2の経路(第8実施形態では経路R2、第9実施形態では経路R2および経路R12)と、
を備え、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した遊技球を前記第2の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっているか否かに依存することになる。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移した後に当該第2の状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移する回数、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御する構成とした場合には、第1、第2の遊技球のうちの入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴Q2]
特徴Q1に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図77、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴Q2によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第2の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の状態とするのか第2の状態とするのか、すなわち、第1、第2の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
[特徴Q3]
特徴Q2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モード(第8実施形態では第1、第2高頻度サポートモード、第9実施形態では第1~第3高頻度サポートモード)を有しており、
当該制御モード毎に、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移した後に当該第2の状態を維持する時間的長さ、遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間的長さ、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移する回数、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移するタイミングのうちの少なくとも1つが異なっている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q3によれば、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうちの入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴Q4]
特徴Q2または特徴Q3に記載の遊技機であって、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果を表示する表示手段(普図ユニット38)を備え、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されるまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q4によれば、表示手段は、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果を表示することが可能となる。制御手段は、表示手段によって抽選の結果が表示された後に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始するので、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始することができる。
例えば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
[特徴Q5]
特徴Q4に記載の遊技機であって、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されて前記入球部が前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q5によれば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
[特徴Q6]
特徴Q2から特徴Q5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モードを有しており、前記複数の制御モードとして、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられた遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第1の状態である第1の制御モード(第8実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられた遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態である第2の制御モード(第8実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q6によれば、第1の遊技球は入球部に入球するが、第2の遊技球は入球部に入球しない第1の制御モードと、第1の遊技球および第2の遊技球の両方が入球部に入球する第2の制御モードとを実現することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Q7]
特徴Q1から特徴Q5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路(第9実施形態における経路R11)に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達したN個(Nは2以上の整数)の遊技球を前記第2の経路(第9実施形態における経路R2および経路R12)に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられるN個の遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q7によれば、1個の遊技球が第1の経路に振り分けられるとともに、N個の遊技球が第2の経路に振り分けられるので、(N+1)個の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。この結果、遊技の多様化を図ることができる。例えば、(N+1)個の遊技球のうちの入球部に入球する遊技球の個数を制御モード毎に異なるようにすれば、遊技球が入球部に入球する個数の異なる多様な制御モードを実現することが可能となる。
[特徴Q8]
特徴Q7に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段と、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果を表示する表示手段と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モードを有しており、前記複数の制御モードとして、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられたN個の遊技球が前記入球部に至る全てのタイミングにおいて当該入球部が前記第1の状態である第1の制御モード(第9実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられたN個の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態である第2の制御モード(第9実施形態における第2高頻度サポートモードおよび第3高頻度サポートモード)と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q8によれば、第1の遊技球は入球部に入球するがN個の遊技球は入球部に入球しない第1の制御モードと、第1の遊技球は入球部に入球しN個の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球は入球部に入球する第2の制御モードとを実現することができるので、遊技に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Q9]
特徴Q7または特徴Q8に記載の遊技機であって、
前記第2の経路は、N個の経路(第9実施形態における経路R2および経路R12)によって構成されており、
前記振分手段は、遊技球を2つの経路のうちのいずれかの経路に交互に振り分ける交互振分機構(第9実施形態における第1交互振分機構304および第2交互振分機構305)が多段に組み合わされることによって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q9によれば、到達した1個の遊技球を第1の経路に振り分けるとともに第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達したN個の遊技球を第2の経路に振り分ける機能を、電子制御等を用いて実現する構成と比較して、簡易な構成によって実現することができる。なお、電子制御等を用いて当該機能を実現する構成としては、例えば、到達した遊技球の個数をカウンタ等を用いて計測するとともに電気的な力によって駆動する構造物等を利用して遊技球を振り分ける構成を挙げることができる。
[特徴Q10]
特徴Q1から特徴Q9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第3の経路(図84の例1および例4における経路R2)を備え、
前記振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路(図84の例1では経路R11、図84の例4では経路R111)に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した複数の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球を前記第2の経路(図84の例1では経路R12、図84の例4では経路R12および経路R112)に振り分け、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した複数の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球を前記第3の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球および前記第3の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第3の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合であっても、当該入球部に入球することが不可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q10によれば、振り分けられた遊技球が入球部に入球することが不可能であるように構成された第3の経路を備えるので、さらに遊技の多様化を図ることができる。例えば、多数の遊技球が第3の経路に振り分けられるように構成すれば、入球部に入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
<特徴R群>
特徴R群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態から抽出される。
[特徴R1]
遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
発射された遊技球が入球可能な入球部(第9実施形態における第2始動口308a)と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する入球補助モード(高頻度サポートモード)を実行する実行手段(主制御装置60)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて、遊技球を賞球として払い出す払出手段(払出装置71)と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合に、
前記実行手段は、
前記出球率の異なるn種類(nは2以上の整数)の入球補助モードを実行可能であって、
前記n種類の入球補助モードのうちの1つとして、少なくとも、前記出球率が1未満である遊技球減少モード(第9実施形態における第1高頻度サポートモード)と、前記出球率が1を超える遊技球増加モード(第9実施形態における第3高頻度サポートモード)とを実行可能であり、
第i(iは1からnまでの整数)の入球補助モードが実行されている場合における前記出球率をMiと定義し、
前記入球補助モードが実行される場合に占める、前記第iの入球補助モードが実行される割合をPiと定義した場合に、
下記の関係式(R1)
を満たすように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴R1によれば、入球補助モードの一態様として出球率が1を超える遊技球増加モードが実行可能であるにも関わらず、入球補助モードが実行された場合におけるトータルとしての出球率は1以下なので、遊技球増加モードにおいて遊技者に高揚感を付与することを可能にしつつ、遊技者の射幸心が過度に高まることを抑制することができる。この結果、適切に遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴R2]
特徴R1に記載の遊技機であって、
前記実行手段は、前記出球率の異なる複数種類の前記遊技球増加モード(変形例5における第3高頻度サポートモードおよび第4高頻度サポートモード)を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴R2によれば、出球率の異なる複数種類の遊技球増加モードが実行可能であるので、遊技球増加モードにおいて遊技者に付与する高揚感の程度に差をつけることができる。この結果、遊技に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴R3]
特徴R1または特徴R2に記載の遊技機であって、
発射された遊技球が通過可能な通過部(第9実施形態におけるスルーゲート306)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第9実施形態における開閉扉308b)と、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図83に示す処理)と、
到達した遊技球を複数の経路に振り分ける振分手段(第9実施形態における第1交互振分機構304および第2交互振分機構305)と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるとともに、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第9実施形態における経路R11)と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるとともに、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第9実施形態における経路R2および経路R12)と、
を備え、
前記振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達したN個の遊技球を前記第2の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられるN個の遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モードを有しており
前記遊技球増加モードは、前記制御手段によって前記複数の制御モードのうちの一の制御モードが実行されることによって実現されるモードであり、
前記遊技球減少モードは、前記制御手段によって前記複数の制御モードのうちの他の制御モードが実行されることによって実現されるモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴R3によれば、第1の経路に振り分けられた1個の遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、第1の遊技球の後に到達したN個の遊技球は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1の遊技球およびN個の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が入球部に入球するか否かは、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっているか否かに依存することになる。
第1の遊技球の後に到達したN個の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の状態とするのか第2の状態とするのか、すなわち、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球を入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び各制御モード毎に設定された状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、(N+1)個の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
さらに、特徴R3によれば、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移した後に当該第2の状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移する回数、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移するタイミング等を、各制御モード毎に異なるように制御する構成とした場合には、(N+1)個の遊技球のうちの入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、各制御モードにおける出球率を異なる値に設定することができる。
[特徴R4]
特徴R3に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記複数の制御モードとして、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられたN個の遊技球が前記入球部に至る全てのタイミングにおいて当該入球部が前記第1の状態である第1の制御モード(第9実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられたN個の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態である第2の制御モード(第9実施形態における第2高頻度サポートモードおよび第3高頻度サポートモード)と、
を有し、
前記遊技球増加モードは、前記制御手段によって前記第2の制御モードが実行されることによって実現されるモードであり、
前記遊技球減少モードは、前記制御手段によって前記第1の制御モードが実行されることによって実現されるモードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴R4によれば、第1の遊技球は入球部に入球するがN個の遊技球は入球部に入球しない遊技球減少モードと、第1の遊技球は入球部に入球しN個の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球は入球部に入球する遊技球増加モードとを実現することができるので、遊技に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴S群>
特徴S群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態から抽出される。
[特徴S1]
遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
到達した遊技球を複数の経路に振り分ける振分手段(第9実施形態における第1交互振分機構304および第2交互振分機構305)と、
を備え、
前記振分手段は、
到達した1個の遊技球を第1の経路(第9実施形態における経路R11)に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達したN個(Nは2以上の整数)の遊技球を前記第1の経路とは異なる経路である第2の経路(第9実施形態における経路R2および経路R12)に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられるN個の遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、(N+1)個の遊技球のうち、1個の遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)を第1の経路に振り分け、第1の遊技球より後に到達したN個の遊技球を第2の経路に振り分けることができるので、第1の経路および第2の経路を効果的に利用することによって、遊技の多様化を図ることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
例えば、第1の経路に振り分けられた第1の遊技球のみが到達可能な位置に、遊技球が入球可能な入球部や所定の役物を設ける構成とした場合には、(N+1)個の遊技球のうち、第1の遊技球のみを入球部や所定の役物に到達させ、第1の遊技球より後に到達したN個の遊技球を入球部や所定の役物に到達させないことが可能となる。さらに、遊技機の設計時に、Nの値(第2の経路に振り分けられる遊技球の個数)を所望の値に設定することによって、入球部や所定の役物に到達する遊技球の割合を所望の割合に設定することができる。したがって、遊技機の設計上の自由度を向上させることができるとともに、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴S2]
特徴S1に記載の遊技機であって、
遊技球が通過可能な通過部(第9実施形態におけるスルーゲート306)を備え、
前記第1の経路は、当該第1の経路に振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成されており、
前記第2の経路は、当該第2の経路に振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S2によれば、(N+1)個の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能となる。したがって、遊技球が通過部を通過したことを契機として所定の処理を実行する構成とした場合には、当該所定の処理を、(N+1)個の遊技球が振分手段に到達する毎に1回の割合で実行させることができる。
例えば、遊技球が通過部を通過したことを契機として所定の抽選を実行する構成とした場合には、当該所定の抽選は、(N+1)個の遊技球が振分手段に到達する毎に1回の割合で実行されることになる。さらに、遊技機の設計時に、Nの値(第2の経路に振り分けられる遊技球の個数)を所望の値に設定することによって、当該所定の抽選が実行される頻度を所望の頻度に設定することができる。したがって、遊技機の設計上の自由度を向上させることができるとともに、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴S3]
特徴S2に記載の遊技機であって、
発射された遊技球が入球可能な入球部(第9実施形態における第2始動口308a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第9実施形態における開閉扉308b)と、
を備え、
前記第1の経路および前記第2の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S3によれば、第1の経路に振り分けられた第1の遊技球は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、第1の遊技球の後に到達したN個の遊技球は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1の遊技球およびN個の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が入球部に入球するか否かは、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっているか否かに依存することになる。したがって、(N+1)個の遊技球のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移した後に当該第2の状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移する回数、入球部が第1の状態から第2の状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御する構成とした場合には、(N+1)個の遊技球のうちの入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴S4]
特徴S3に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴S4によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第1の遊技球の後に到達したN個の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球が入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の状態とするのか第2の状態とするのか、すなわち、第1の遊技球およびN個の遊技球のうちのそれぞれの遊技球を入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び当該制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、(N+1)個の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
[特徴S5]
特徴S4に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モード(第9実施形態における第1~第3高頻度サポートモード)を有しており、
当該制御モード毎に、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移した後に当該第2の状態を維持する時間的長さ、遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間的長さ、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移する回数、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移するタイミングのうちの少なくとも1つが異なっている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S5によれば、(N+1)個の遊技球のうちの入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴S6]
特徴S5に記載の遊技機であって、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果を表示する表示手段(普図ユニット38)を備え、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されるまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S6によれば、表示手段は、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果を表示することが可能となる。制御手段は、表示手段によって抽選の結果が表示された後に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始するので、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始することができる。
例えば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
[特徴S7]
特徴S7に記載の遊技機であって、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されて前記入球部が前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S7によれば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
[特徴S8]
特徴S7に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モードを有しており、前記複数の制御モードとして、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられたN個の遊技球が前記入球部に至る全てのタイミングにおいて当該入球部が前記第1の状態である第1の制御モード(第9実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられたN個の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の状態である第2の制御モード(第9実施形態における第2高頻度サポートモードおよび第3高頻度サポートモード)と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴S8によれば、第1の遊技球は入球部に入球するがN個の遊技球は入球部に入球しない第1の制御モードと、第1の遊技球は入球部に入球しN個の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球は入球部に入球する第2の制御モードとを実現することができるので、遊技に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴S9]
特徴S1から特徴S8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の経路は、複数の経路(第9実施形態における経路R2および経路R12)によって構成されており、
前記振分手段は、遊技球を2つの経路のうちのいずれかの経路に交互に振り分ける交互振分機構(第9実施形態における第1交互振分機構304および第2交互振分機構305)が多段に組み合わされることによって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S9によれば、到達した1個の遊技球を第1の経路に振り分けるとともに第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達したN個の遊技球を第2の経路に振り分ける機能を、電子制御等を用いて実現する構成と比較して、簡易な構成によって実現することができる。なお、電子制御等を用いて当該機能を実現する構成としては、例えば、到達した遊技球の個数をカウンタ等を用いて計測するとともに電気的な力によって駆動する構造物等を利用して遊技球を振り分ける構成を挙げることができる。
[特徴S10]
特徴S1から特徴S9のいずれか一つに記載の遊技機であって、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第3の経路(図84の例4における経路R2)を備え、
前記振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路(図84の例4における経路R111)に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した複数の遊技球のうちの少なくともN個の遊技球を前記第2の経路(図84の例4における経路R12および経路R112)に振り分け、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した複数の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球を前記第3の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球および前記第3の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第3の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合であっても、当該入球部に入球することが不可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴S10によれば、振り分けられた遊技球が入球部に入球することが不可能であるように構成された第3の経路を備えるので、さらに遊技の多様化を図ることができる。例えば、多数の遊技球が第3の経路に振り分けられるように構成すれば、入球部に入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
<特徴T群>
特徴T群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第10実施形態から抽出される。
[特徴T1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第10実施形態における第2始動口208a)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第10実施形態におけるスルーゲート206)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第10実施形態における開閉扉208b)と、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
遊技状態(第10実施形態では電動役物開放抽選の結果およびサポートモードの種別)に基づいて、
遊技球が前記通過部を通過してから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間である遷移開始待ち時間(第10実施形態では普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、複数種類の長さに設定することが可能であり、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、所定時間(第10実施形態では遊技球GB1がスルーゲート206を通過してからの1.2秒間(図87、図89))あたりの前記入球部に入球する遊技球の個数は、前記制御手段によって設定された前記遷移開始待ち時間の長さによって異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴T1によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴T1によれば、例えば、入球部が第2の状態を維持する時間(第10実施形態では開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴T2]
特徴T1に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図91のステップS5109に示す処理)と、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果を表示する表示手段(普図ユニット38)と、
を備え、
前記制御手段は、
遊技状態(第10実施形態では電動役物開放抽選の結果)に基づいて、
前記抽選の結果が前記表示手段によって表示されてから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間(第10実施形態では開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、複数種類の長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴T2によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴T2によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を複数種類の長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を複数種類の長さに設定することができる。すなわち、特徴T2によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。
[特徴T3]
特徴T1または特徴T2に記載の遊技機であって、
前記入球部は、前記第2の状態である場合には前記通過部を通過した遊技球が入球することが可能であるように構成されており、
前記制御手段は、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定する、
ことを特徴とする遊技機。
特徴T3によれば、表示手段は、通過部を通過して抽選の契機となった遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果を表示することが可能となる。この結果、制御手段は、表示手段によって抽選の結果が表示された後であって、通過部を通過して抽選の契機となった遊技球が入球部に至るタイミングより前に、入球部の第1の状態から第2の状態への遷移を開始させる制御を実行することが可能となる。したがって、入球部が第2の状態に遷移する契機となった遊技球(通過部を通過して抽選の契機となった遊技球)を、第2の状態に遷移した入球部に入球させることが可能となる。
[特徴T4]
特徴T1から特徴T3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記入球部は、前記通過部を通過した遊技球が当該入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されており、
前記制御手段は、
遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間である前記遷移開始待ち時間(第10実施形態では普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、当該遊技球が前記通過部を通過してから当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定する第1の制御と、
遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間である前記遷移開始待ち時間(第10実施形態では普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、当該遊技球が前記通過部を通過してから当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より長い時間に設定する第2の制御と、
を実行することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴T4によれば、第1の制御を実行した場合には、通過部を通過した遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部は第2の状態に遷移しているので、通過部を通過した当該遊技球は入球部に入球し、一方、第2の制御を実行した場合には、通過部を通過した遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部はまだ第2の状態に遷移していないので、通過部を通過した当該遊技球は入球部に入球しない。すなわち、特徴T4によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴T5]
特徴T1から特徴T4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
到達した遊技球を複数の経路に振り分ける振分手段(第10実施形態では交互振分機構204)と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成された第1の経路(第10実施形態では経路R1)と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第2の経路(第10実施形態では経路R2)と、
を備え、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した遊技球を前記第2の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴T5によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の状態となっているか否かに依存することになる。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。そして、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
さらに、特徴T5によれば、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として遷移開始待ち時間を複数種類の長さに設定することができるので、例えば、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)の両方が入球部に入球することになる遷移開始待ち時間に設定したり(第10実施形態において第1種電役開放に当選した場合の制御(図87))、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち第2の遊技球のみが入球部に入球することになる遷移開始待ち時間に設定することができる(第10実施形態において第2種電役開放に当選した場合の制御(図89))。すなわち、特徴T5によれば、遷移開始待ち時間の長さを変化させることによって、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴T6]
特徴T5に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路(第9実施形態における経路R11)に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達したN個(Nは2以上の整数)の遊技球を前記第2の経路(第9実施形態における経路R2および経路R12)に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられるN個の遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴T6によれば、1個の遊技球が第1の経路に振り分けられるとともに、N個の遊技球が第2の経路に振り分けられるので、(N+1)個の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。さらに、特徴T6によれば、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として遷移開始待ち時間を複数種類の長さに設定することができる。すなわち、特徴T6によれば、遷移開始待ち時間の長さを変化させることによって、(N+1)個の遊技球のうちの入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴T7]
特徴T6に記載の遊技機であって、
前記第2の経路は、N個の経路(第9実施形態における経路R2および経路R12)によって構成されており、
前記振分手段は、遊技球を2つの経路のうちのいずれかの経路に交互に振り分ける交互振分機構(第9実施形態における第1交互振分機構304および第2交互振分機構305)が多段に組み合わされることによって構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴T7によれば、到達した1個の遊技球を第1の経路に振り分けるとともに第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達したN個の遊技球を第2の経路に振り分ける機能を、電子制御等を用いて実現する構成と比較して、簡易な構成によって実現することができる。なお、電子制御等を用いて当該機能を実現する構成としては、例えば、到達した遊技球の個数をカウンタ等を用いて計測するとともに電気的な力によって駆動する構造物等を利用して遊技球を振り分ける構成を挙げることができる。
[特徴T8]
特徴T5から特徴T7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第3の経路(図84の例1および例4における経路R2)を備え、
前記振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路(図84の例1では経路R11、図84の例4では経路R111)に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した複数の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球を前記第2の経路(図84の例1では経路R12、図84の例4では経路R12および経路R112)に振り分け、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した複数の遊技球のうちの少なくとも1個の遊技球を前記第3の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球および前記第3の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第3の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合であっても、当該入球部に入球することが不可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴T8によれば、振り分けられた遊技球が入球部に入球することが不可能であるように構成された第3の経路を備えるので、さらに遊技の多様化を図ることができる。例えば、多数の遊技球が第3の経路に振り分けられるように構成すれば、入球部に入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
<特徴U群>
特徴U群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴U1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第11実施形態における第2始動口208a(図70))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第11実施形態における開閉扉208b(図70))と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第11実施形態におけるスルーゲート206)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて抽選を実行する抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記抽選実行手段による前記抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する表示手段(普図ユニット38)と、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御モードを有しており、
前記表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、
前記出球率が1未満である第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1である第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1を超える第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴U1によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴U1によれば、例えば、入球部が第2の状態を維持する時間(第11実施形態では開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した3つの制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴U2]
特徴U1に記載の遊技機であって、
到達した遊技球を2つの経路に交互に振り分ける交互振分手段(第11実施形態における交互振分機構204(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成された第1の経路(第11実施形態における経路R1(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第2の経路(第11実施形態における経路R2(図70))と、
を備え、
前記交互振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第2の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されており、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、所定時間あたりの前記入球部に入球する遊技球の個数は、前記制御モード毎に設定された前記遷移開始待ち時間の長さによって異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴U2によれば、交互振分手段を1つだけ用いた簡易な構成によって、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができる。すなわち、3つの制御モードを実行するための機構を省スペースで実現することができるので、空いた遊技領域に他の役物を配置する等、遊技領域を有効に活用することができる。
[特徴U3]
特徴U1または特徴U2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴U3によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴U3によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴U3によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実現することが可能となる。
<特徴V群>
特徴V群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第11実施形態から抽出される。
[特徴V1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第11実施形態における第2始動口208a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第11実施形態における開閉扉208b)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて入球部用抽選を実行する入球部用抽選実行手段と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記入球部用抽選実行手段による前記入球部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する入球部用抽選結果表示手段(特図ユニット37)と、
前記入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する高確率抽選モード(高確率モード)を開始する開始手段と、
前記高確率抽選モードを終了する終了手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第11実施形態におけるスルーゲート206)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて通過部用抽選を実行する通過部用抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する通過部用抽選結果表示手段(普図ユニット38)と、
前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御することによって、前記入球部を前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる制御手段と、
を備え、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御モードを有しており、
前記出球率が1未満である第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1である第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1を超える第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能であり、
前記第1の制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第1の結果(第11実施形態における4R通常大当たりA(図97))となったことに基づいて開始するとともに、当該第1の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記第2の制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第2の結果(第11実施形態における8R確変大当たり(図97))となったことに基づいて開始するとともに、当該第2の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)となったことに基づいて終了し、
前記第3の制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第3の結果(第11実施形態における4R通常大当たりB(図97))となったことに基づいて開始するとともに、当該第3の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記高確率抽選モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果のうち前記第2の結果(8R確変大当たり)となったことに基づいて開始し、前記高確率抽選モード中における前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果のうち前記第1の結果(4R通常大当たりA)または前記第3の結果(4R通常大当たりB)となったことに基づいて終了する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V1によれば、入球部用抽選の結果が第1の結果(4R通常大当たりA)となると、高確率抽選モードは開始されないが、第1の制御モード(第1高頻度サポートモード)が開始される。第1の制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。しかし、第1の制御モードにおける出球率は1未満なので、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。第1の制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達して第1の制御モードが終了してしまう前に、入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。また、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早期の入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。
さらに、特徴V1によれば、入球部用抽選の結果が第2の結果(8R確変大当たり)となると、高確率抽選モードが開始されるとともに、第2の制御モード(第2高頻度サポートモード)が開始される。高確率抽選モードが開始されると、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する。また、第2の制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。第2の制御モードにおける出球率は1なので、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。そして、高確率抽選モードは、少なくとも、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となるまで継続する。また、第2の制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となるまで継続する。したがって、遊技者は、入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となるまでは高確率抽選モード及び第2の制御モードが継続するので、入球部用抽選の結果が第2の結果(8R確変大当たり)となって高確率抽選モードが継続することを期待しながら遊技を行なう。また、遊技者は、手持ちの遊技球が増加も減少もしないので、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となった場合における結果の種別に気持ちを集中させることができる。
さらに、特徴V1によれば、入球部用抽選の結果が第3の結果(4R通常大当たりB)となると、高確率抽選モードは開始されないが、第3の制御モード(第3高頻度サポートモード)が開始される。第3の制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。そして、第3の制御モードにおける出球率は1を超えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。第3の制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達する直前まで第3の制御モードを継続させて手持ちの遊技球を増加させつつも、第3の制御モードが終了してしまう前までには入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。そして、入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達するまでに入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならなかった場合であっても、遊技者は、遊技球が増加する第3の制御モードが最長の期間継続したという満足感を得ることができる。
このように、特徴V1によれば、3つの制御モードを効果的に利用して遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴V2]
特徴V1に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記第3の制御モードが実行されている期間において、
前記第3の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が多くなるほど、前記入球部用変動時間として長い時間を設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V2によれば、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づくほど、設定される入球部用変動時間が長くなるので、遊技球が増加する第3の制御モードが継続する期間がより長くなる。したがって、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づいているにも関わらず入球部用抽選の結果が所定の結果とならないといった遊技者の焦燥感を低減することができる。
[特徴V3]
特徴V1または特徴V2に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用抽選実行手段は、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)ではないと判定した場合であっても、所定の条件(リーチ発生条件)が成立した場合には条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))と判定し、前記所定の条件が成立しなかった場合には条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))と判定し、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記第3の制御モードが実行されている期間において、
前記入球部用抽選の結果が前記条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さを、
前記入球部用抽選の結果が前記条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さよりも、
長い時間に設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴V3によれば、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となった場合には、条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となった場合よりも、入球部用変動時間として長い変動時間が設定される。入球部用変動時間として長い変動時間が設定される回数が多いほど、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達するまでに要する時間が長くなる。この結果、第3制御モードが継続する期間も長くなるため、遊技者の手持ちの遊技球が増加する期間も長くなる。したがって、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる回数が多いほど遊技球が増加するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴V4]
特徴V1から特徴V3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記通過部用抽選結果表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態では普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、
前記第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴V4によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴V4によれば、例えば、入球部が第2の状態を維持する時間(第11実施形態では開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した3つの制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴V5]
特徴V4に記載の遊技機であって、
到達した遊技球を2つの経路に交互に振り分ける交互振分手段(第11実施形態における交互振分機構204(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成された第1の経路(第11実施形態における経路R1(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第2の経路(第11実施形態における経路R2(図70))と、
を備え、
前記交互振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第2の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されており、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、所定時間あたりの前記入球部に入球する遊技球の個数は、前記制御モード毎に設定された前記遷移開始待ち時間の長さによって異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴V5によれば、交互振分手段を1つだけ用いた簡易な構成によって、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができる。すなわち、3つの制御モードを実行するための機構を省スペースで実現することができるので、空いた遊技領域に他の役物を配置する等、遊技領域を有効に活用することができる。
[特徴V6]
特徴V4または特徴V5に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴V6によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴V6によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴V6によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実現することが可能となる。
<特徴W群>
特徴W群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第12実施形態から抽出される。
[特徴W1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第11実施形態における第2始動口208a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第11実施形態における開閉扉208b)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて入球部用抽選を実行する入球部用抽選実行手段と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記入球部用抽選実行手段による前記入球部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する入球部用抽選結果表示手段(特図ユニット37)と、
前記入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する高確率抽選モード(高確率モード)を開始する開始手段と、
前記高確率抽選モードを終了する終了手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第11実施形態におけるスルーゲート206)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて通過部用抽選を実行する通過部用抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する通過部用抽選結果表示手段(普図ユニット38)と、
前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御することによって、前記入球部を前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる制御手段と、
を備え、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御モードを有しており、
前記出球率が1以下である遊技球非増加制御モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1を超える遊技球増加制御モード(第12実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能であり、
前記遊技球非増加制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第1の結果(第12実施形態における10R確変大当たりA、10R確変大当たりB(図98))となったことに基づいて開始するとともに、当該遊技球非増加制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記遊技球増加制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第2の結果(第12実施形態における10R確変大当たりC(図98))となったことに基づいて開始するとともに、当該遊技球増加制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記高確率抽選モードは、前記入球部用抽選の結果が前記第1の結果(10R確変大当たりA、10R確変大当たりB)または前記第2の結果(10R確変大当たりC)となったことに基づいて開始し、当該高確率抽選モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W1によれば、入球部用抽選の結果が第1の結果(10R確変大当たりAまたは10R確変大当たりB)となると、高確率抽選モードが開始されるとともに、遊技球非増加制御モード(第1高頻度サポートモードまたは第2高頻度サポートモード)が開始される。高確率抽選モードが開始されると、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する。また、遊技球非増加制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。しかし、遊技球非増加制御モードにおける出球率は1以下なので、遊技者の手持ちの遊技球は増加しない。そして、高確率抽選モードおよび遊技球非増加制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達して高確率抽選モードが終了してしまう前に、なるべく早期の入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。
さらに、特徴W1によれば、入球部用抽選の結果が第2の結果(10R確変大当たりC)となると、高確率抽選モードが開始されるとともに、遊技球増加制御モード(第3高頻度サポートモード)が開始される。高確率抽選モードが開始されると、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する。また、遊技球増加制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。さらに、遊技球増加制御モードにおける出球率は1を越えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。そして、高確率抽選モードおよび遊技球増加制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達する直前まで遊技球増加制御モードを継続させて手持ちの遊技球を増加させつつも、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達して高確率抽選モードおよび遊技球増加制御モードが終了してしまう前までには入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。そして、入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達するまでに入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならなかった場合であっても、遊技者は、遊技球が増加する遊技球増加制御モードが最長の期間継続したという満足感を得ることができる。
このように、特徴W1によれば、規定回数限定の高確率抽選モードが実行されている期間において遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴W2]
特徴W1に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記遊技球増加制御モードが実行されている期間において、
前記遊技球増加制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が多くなるほど、前記入球部用変動時間として長い時間を設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W2によれば、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づくほど、設定される入球部用変動時間が長くなるので、遊技球が増加する遊技球増加制御モードが継続する期間がより長くなる。したがって、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づいているにも関わらず入球部用抽選の結果が所定の結果とならないといった遊技者の焦燥感を低減することができる。
[特徴W3]
特徴W1または特徴W2に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用抽選実行手段は、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)ではないと判定した場合であっても、所定の条件(リーチ発生条件)が成立した場合には条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))と判定し、前記所定の条件が成立しなかった場合には条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))と判定し、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記遊技球増加制御モードが実行されている期間において、
前記入球部用抽選の結果が前記条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さを、
前記入球部用抽選の結果が前記条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さよりも、
長い時間に設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴W3によれば、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となった場合には、条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となった場合よりも、入球部用変動時間として長い変動時間が設定される。入球部用変動時間として長い変動時間が設定される回数が多いほど、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達するまでに要する時間が長くなる。この結果、遊技球増加制御モードが継続する期間も長くなるため、遊技者の手持ちの遊技球が増加する期間も長くなる。したがって、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる回数が多いほど遊技球が増加するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴W4]
特徴W1から特徴W3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記通過部用抽選結果表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態では普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、
前記遊技球非増加制御モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモード)と、
前記遊技球増加制御モード(第12実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴W4によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率が1以下である遊技球非増加制御モードと、出球率が1を超える遊技球増加制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴W4によれば、例えば、入球部が第2の状態を維持する時間(第12実施形態では開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した2つの制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴W5]
特徴W4に記載の遊技機であって、
到達した遊技球を2つの経路に交互に振り分ける交互振分手段(交互振分機構204(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成された第1の経路(経路R1(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第2の経路(経路R2(図70))と、
を備え、
前記交互振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第2の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されており、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、所定時間あたりの前記入球部に入球する遊技球の個数は、前記制御モード毎に設定された前記遷移開始待ち時間の長さによって異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴W5によれば、交互振分手段を1つだけ用いた簡易な構成によって、出球率が1以下である遊技球非増加制御モードと、出球率が1を超える遊技球増加制御モードとを実行することができる。すなわち、2つの制御モードを実行するための機構を省スペースで実現することができるので、空いた遊技領域に他の役物を配置する等、遊技領域を有効に活用することができる。
[特徴W6]
特徴W4または特徴W5に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を開始するまでの時間(第12実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴W6によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴W6によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴W6によれば、抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されてから入球部が第1の状態から第2の状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、出球率が1以下である遊技球非増加制御モードと、出球率が1を超える遊技球増加制御モードとを実現することが可能となる。
[特徴W7]
特徴W1から特徴W6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記出球率が1以下である遊技球非増加モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモード)として、
前記出球率が1未満である遊技球減少制御モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1である遊技球維持制御モード(第12実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴W7によれば、遊技球減少制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。しかし、遊技球減少制御モードにおける出球率は1未満なので、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早期の入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。このように、特徴W7によれば、遊技者に多様な期待感を付与することができるので、遊技球の興趣向上を図ることができる。
<特徴X群>
特徴X群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第13実施形態から抽出される。
[特徴X1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第11実施形態における第2始動口208a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段(第11実施形態における開閉扉208b)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する取得手段と、
前記取得した特別情報に基づいて入球部用抽選を実行する入球部用抽選実行手段と、
前記入球部用抽選の実行に基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記入球部用抽選実行手段による前記入球部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する入球部用抽選結果表示手段(特図ユニット37)と、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さ(特図ユニット37の変動時間)を設定する入球部用変動時間設定手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第11実施形態におけるスルーゲート206)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて通過部用抽選を実行する通過部用抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する通過部用抽選結果表示手段(普図ユニット38)と、
前記通過部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である通過部用変動時間の長さ(普図ユニット38の変動時間)を設定するとともに、前記通過部用変動時間が経過した後に、前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御することによって、前記入球部を前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させる制御手段と、
前記入球部用抽選の実行回数に対応して前記入球部用変動時間の長さが記憶された入球部用変動時間テーブル(第13実施形態における特図ユニット用テーブルA(図102))と、前記入球部用抽選の実行回数に対応して前記通過部用変動時間の長さが記憶された通過部用変動時間テーブル(第13実施形態における普図ユニット用テーブルA(図102))と、を1組のテーブル群(第13実施形態における高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットA(図102))として記憶するテーブル記憶手段と、
を備え、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御態様を実行可能であり、
前記通過部用変動時間の長さを、前記制御態様毎に異なる長さに設定することによって、
前記出球率が1未満となる第1の制御態様(第13実施形態における高頻度サポートモードの図99に示す態様)と、
前記出球率が1となる第2の制御態様(第13実施形態における高頻度サポートモードの図100に示す態様)と、
前記出球率が1を超える第3の制御態様(第13実施形態における高頻度サポートモードの図101に示す態様)と、
のうちの少なくとも2つの制御態様を実行可能であり、
前記入球部用変動時間設定手段が、前記入球部用変動時間テーブルを参照して前記入球部用変動時間の長さを設定する場合には、
前記入球部用変動時間テーブルと1組のテーブル群として記憶されている前記通過部用変動時間テーブルを参照して前記通過部用変動時間の長さを設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴X1によれば、通過部用変動時間(普図ユニット38の変動時間)の長さを、制御態様毎に異なる長さに設定することによって、出球率が1未満となる第1の制御態様と、出球率が1となる第2の制御態様と、前記出球率が1を超える第3の制御態様と、のうちの少なくとも2つの制御態様を実行することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、特徴X1によれば、通過部用変動時間の長さと入球部用変動時間の長さは、入球部用抽選(遊技回)の実行回数に基づいて設定される。そして、設定された通過部用変動時間の長さによって、出球率が変化する。すなわち、入球部への遊技球の入球割合が変化する。したがって、入球部への遊技球の入球割合に適した入球部用変動時間の長さを予め入球部用変動時間テーブルに記憶させておけば、入球部用抽選(遊技回)の実行回数に基づいて変化する入球部への遊技球の入球割合に適した入球用変動時間を設定することができる。
[特徴X2]
特徴X1に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段による識別情報の変動表示の開始から停止表示の終了までの間に取得した前記特別情報を規定数を上限として保留記憶する保留記憶手段を備え、
前記入球部用変動時間テーブル(第13実施形態における特図ユニット用テーブルA(図102))には、前記通過部用変動時間の長さが設定された場合に前記入球部に入球することになる遊技球の間隔よりも長い変動時間が記憶されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴X2によれば、常に保留記憶手段に特別情報が記憶された状態とすることができるので、入球部用抽選が途切れることなく連続して実行される状態を実現することができる。
[特徴X3]
特徴X1または特徴X2に記載の遊技機であって、
前記テーブル記憶手段は、複数の前記テーブル群(第13実施形態における変動時間テーブルセットAおよびB(図102))を記憶しており、
前記制御手段は、所定の条件が満たされた場合(小当たりに当選した場合)に、参照する前記テーブル郡を切り替える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X3によれば、参照するテーブル群を切り替えるので、入球部用抽選の実行回数に基づいて設定される入球部用変動時間、通過部用変動時間及び出球率を変更することができる。したがって、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴X4]
特徴X1から特徴X3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
到達した遊技球を2つの経路に交互に振り分ける交互振分手段(交互振分機構204(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成された第1の経路(経路R1(図70))と、
振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成された第2の経路(経路R2(図70))と、
を備え、
前記交互振分手段は、
到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるとともに、
前記第1の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第2の経路に振り分け、
前記第2の経路に振り分けられる遊技球より後に到達した1個の遊技球を前記第1の経路に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されており、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、所定時間あたりの前記入球部に入球する遊技球の個数は、前記通過部用変動時間の長さによって異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴X4によれば、交互振分手段を1つだけ用いた簡易な構成によって、出球率が1未満である第1の制御態様と、出球率が1である第2の制御態様と、出球率が1を超える第3の制御態様とを実行することができる。すなわち、3つの制御態様を実行するための機構を省スペースで実現することができるので、空いた遊技領域に他の役物を配置する等、遊技領域を有効に活用することができる。
<特徴Y群>
特徴Y群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴Y1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
遊技球が通過可能な経路である第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が通過可能な経路である第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分ける第1の状態(右側に傾いた状態)と、
到達した遊技球を前記第2の経路に振り分ける第2の状態(左側に傾いた状態)と、
になることが可能であり、
初期状態および静止状態は前記第1の状態であり、
初期状態または静止状態の前記振分手段は、到達した遊技球を前記第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作(振動)することで、前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y1によれば、初期状態または静止状態の振分手段は、到達した遊技球を第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作することで、第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分手段の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分手段を第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移させることができる。
さらに、本特徴によれば、遊技者は、遊技球を第1の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第1の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を第2の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第2の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分手段の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分手段に到達した遊技球を第1の経路に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て第1の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て第2の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を第1の経路および第2の経路に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Y2]
特徴Y1に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
振り子として機能する振り子手段を備え、
到達した遊技球から受ける力学的作用によって前記振り子手段が動作(振動)することで、当該振分手段は前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y2によれば、到達した遊技球から受ける力学的作用によって振り子手段が動作することで、振分手段は第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移する。したがって、所望の周期で動作する振り子手段を採用することによって、振分手段が第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移する際の周期を所望の周期とすることができる。この結果、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。
[特徴Y3]
特徴Y1に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
弾性体として機能する弾性手段(第14実施形態における左側板バネ部材504g及び右側板バネ部材504h(図108)、板バネ部材504k(図111)を備え、
到達した遊技球から受ける力学的作用によって前記弾性手段が動作(弾性振動)することで、当該振分手段は前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移する
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y3によれば、到達した遊技球から受ける力学的作用によって弾性手段が動作することで、振分手段は第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移する。したがって、所望の弾性力を有する弾性手段を採用することによって、振分手段が第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移する際の周期を所望の周期とすることができる。この結果、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。
[特徴Y4]
特徴Y1から特徴Y3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記振分手段は、所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に前記第1の状態と前記第2の状態とになるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y4によれば、振分手段は、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に第1の状態と第2の状態とになるように構成されている。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球は第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けられることになる。すなわち、遊技者は、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を所定の間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせることができる。
[特徴Y5]
特徴Y4に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a(図105))と、
遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506(図105))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b(図105))と、
を備え、
前記第1の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成され、
前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成され、
前記第1の経路および前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y5によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御する構成とした場合には、入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴Y6]
特徴Y5に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図77、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴Y6によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第2の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の入球部状態とするのか第2の入球部状態とするのか、すなわち、第1、第2の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
<特徴Z群>
特徴Z群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴Z1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
遊技球が通過可能な経路である第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が通過可能な経路である第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記振分手段は、
所定の間隔(0.6秒間隔)以外の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路に連続して振り分ける場合及び前記第2の経路に連続して振り分ける場合があるにも関わらず、
前記所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z1によれば、振分手段は、所定の間隔以外の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を第1の経路に連続して振り分ける場合及び第2の経路に連続して振り分ける場合があるにも関わらず、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けるように構成されている。したがって、遊技者は、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を所定の間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせることができる。
[特徴Z2]
特徴Z1に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分ける第1の状態(右側に傾いた状態)と、
到達した遊技球を前記第2の経路に振り分ける第2の状態(左側に傾いた状態)と、
になることが可能であり、
初期状態および静止状態は前記第1の状態であり、
初期状態または静止状態の前記振分手段は、到達した遊技球を前記第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作(振動)することで、前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移し、
前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に前記第1の状態と前記第2の状態とになるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z2によれば、初期状態または静止状態の振分手段は、到達した遊技球を第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作することで、第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分手段の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分手段を第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移させることができる。そして、振分手段は、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に第1の状態と第2の状態とになるように構成されているので、到達した遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けることが可能となる。
さらに、本特徴によれば、遊技者は、遊技球を第1の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第1の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を第2の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第2の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分手段の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分手段に到達した遊技球を第1の経路に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て第1の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て第2の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を第1の経路および第2の経路に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴Z3]
特徴Z1または特徴Z2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a(図105))と、
遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506(図105))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b(図105))と、
を備え、
前記第1の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成され、
前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成され、
前記第1の経路および前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z3によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御する構成とした場合には、入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴Z4]
特徴Z3に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図77、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴Z4によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第2の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の入球部状態とするのか第2の入球部状態とするのか、すなわち、第1、第2の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
<特徴αA群>
特徴αA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αA1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
遊技球が通過可能な経路である第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が通過可能な経路である第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記振分手段は、
当該振分手段を回転可能な状態で支持する回転軸と、
到達した遊技球を一時的に保持可能な第1の保持手段(左側保持部504e)と、
到達した遊技球を一時的に保持可能な第2の保持手段(右側保持部504f)と、
を備え、
到達した遊技球を前記第1の保持手段に一時的に保持させることが可能な状態であって、当該保持させた遊技球を、前記回転軸を中心として第1の方向(反時計回りの方向)に回転することによって前記第1の保持手段から落下させて前記第1の経路に振り分ける第1の状態(右側に傾いた状態)と、
到達した遊技球を前記第2の保持手段に一時的に保持させることが可能な状態であって、当該保持させた遊技球を、前記回転軸を中心として第2の方向(時計回りの方向)に回転することによって前記第2の保持手段から落下させて前記第2の経路に振り分ける第2の状態(左側に傾いた状態)と、
になることが可能であり、
初期状態および静止状態は前記第1の状態であり、
初期状態または静止状態の前記振分手段は、到達した遊技球を前記第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって前記回転軸を中心とした円軌道に沿って動作(振動)することで、前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA1によれば、初期状態または静止状態の振分手段は、到達した遊技球を第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって回転軸を中心とした円軌道に沿って動作することで、第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分手段の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分手段を第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移させることができる。
さらに、本特徴によれば、遊技者は、遊技球を第1の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第1の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を第2の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第2の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分手段の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分手段に到達した遊技球を第1の経路に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て第1の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て第2の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を第1の経路および第2の経路に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αA2]
特徴αA1に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に前記第1の状態と前記第2の状態とになるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA2によれば、振分手段は、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に第1の状態と第2の状態とになるように構成されている。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球は第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けられることになる。すなわち、遊技者は、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を所定の間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせることができる。
[特徴αA3]
特徴αA2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a(図105))と、
遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506(図105))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b(図105))と、
を備え、
前記第1の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成され、
前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成され、
前記第1の経路および前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA3によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御する構成とした場合には、入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴αA4]
特徴αA3に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図77、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αA4によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第2の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の入球部状態とするのか第2の入球部状態とするのか、すなわち、第1、第2の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
<特徴αB群>
特徴αB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αB1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
遊技球が通過可能な経路である第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が通過可能な経路である第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分ける第1の状態(右側に傾いた状態)と、
到達した遊技球を前記第2の経路に振り分ける第2の状態(左側に傾いた状態)と、
になることが可能であり、
初期状態および静止状態は前記第2の状態であり、
初期状態または静止状態の前記振分手段は、到達した遊技球を前記第2の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作(振動)することで、前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移し、
前記動作(振動)が時間の経過に伴って減衰することによって、当該振分手段は静止状態である前記第2の状態となる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB1によれば、初期状態または静止状態の振分手段は、到達した遊技球を第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作することで、第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分手段の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分手段を第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移させることができる。
さらに、本特徴によれば、遊技者は、遊技球を第1の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第1の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を第2の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第2の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分手段の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分手段に到達した遊技球を第1の経路に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て第1の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て第2の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を第1の経路および第2の経路に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、振分手段は静止状態において第1の状態及び第2の状態のいずれの状態にもなり得るのではなく、振分手段は静止状態において第2の状態となるので、振分手段が静止状態となっている場合において、最初に振分手段に到達した遊技球を一定の態様で振り分けること(第2の経路に振り分けること)ができる。この結果、例えば、遊技機が電源投入直後の状態であるにも関わらず、最初に振分手段に到達した遊技球を遊技機毎に異なる態様で振り分けてしまい、遊技機の電源投入直後における有利度にバラつきが生じてしまうことを抑制することができる。換言すれば、遊技機の電源投入直後における有利度を一定にすることができる。
[特徴αB2]
特徴αB1に記載の遊技機であって、
前記第1の経路は、前記第2の経路よりも遊技者にとって有利な経路となっている(経路R1にスルーゲート506が設けられている)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB2によれば、第1の経路は、第2の経路よりも遊技者にとって有利な経路となっており、振分手段の動作が時間の経過に伴って減衰することによって、振分手段は静止状態である第2の状態となるので、遊技者は、有利な経路である第1の経路に遊技球を振り分けさせたい場合には、振分手段が静止状態となる前に、第1の状態となっている振分手段に遊技球を到達させる必要がある。したがって、遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
仮に、振分手段の静止状態が、到達した遊技球を有利な経路である第1の経路に振り分ける第1の状態である構成とした場合には、遊技者は、発射させた遊技球の全てを有利な経路である第1の経路に振り分けさせるために、遊技球を1個だけ発射させて第1の状態となっている振分手段に到達させ、当該遊技球を有利な経路である第1の経路に振り分けさせた後、振分手段の動作が減衰して静止状態となるまで次の遊技球の発射を待ち、振分手段が静止状態となってから再び遊技球を発射させて、当該遊技球を第1の状態となっている振分手段に到達させ、当該遊技球を再び有利な経路である第1の経路に振り分けさせるといった遊技を行なう可能性がある。
しかしながら、上述したように、本特徴によれば、振分手段は静止状態では、到達した遊技球を第2の経路に振り分ける第2の状態となるので、遊技者は、有利な経路である第1の経路に遊技球を振り分けさせたい場合には、振分手段が静止状態となる前の動作中に、第1の状態となっている振分手段に遊技球を到達させる必要がある。したがって、遊技にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αB3]
特徴αB1または特徴αB2に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に前記第1の状態と前記第2の状態とになるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB3によれば、振分手段は、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に第1の状態と第2の状態とになるように構成されている。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球は第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けられることになる。すなわち、遊技者は、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を所定の間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせることができる。
[特徴αB4]
特徴αB3に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a(図105))と、
遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506(図105))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b(図105))と、
を備え、
前記第1の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが可能であるように構成され、
前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるように構成され、
前記第1の経路および前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB4によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御する構成とした場合には、入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴αB5]
特徴αB4に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図77、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αB5によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第2の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の入球部状態とするのか第2の入球部状態とするのか、すなわち、第1、第2の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
<特徴αC群>
特徴αC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αC1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a(図105))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b(図105))と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数の制御モードを有しており、
前記複数の制御モードには、前記出球率の異なる複数の制御モードが含まれている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各制御モード毎に異なるように制御することによって、入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、各制御モード毎の出球率を異なる値に設定することができる。
そして、特徴αC1によれば、出球率の異なる複数の制御モードを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αC2]
特徴αC1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記複数の制御モードとして、
前記出球率が1を超える第1の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1以下である他の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC2によれば、出球率が1を超える第1の制御モードと、出球率が1以下である他の制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、第1の制御モードにおける出球率は1を超えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。したがって、遊技者は、遊技球が増加する第1の制御モードがなるべく長い期間にわたって継続して欲しいと期待しながら遊技を行なう。
また、他の制御モードにおける出球率は1以下なので、当該他の制御モードにおける出球率が1である場合には、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球が増加も減少もしないので、例えば、入球部に遊技球が入球した場合に所定の抽選が実行される構成とした場合には、当該所定の抽選における抽選結果に気持ちを集中させることができる。また、当該他の制御モードにおける出球率が1未満である場合には、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早く当該第1の制御モードが終了して欲しいと期待しながら遊技を行なう。
このように、特徴αC2によれば、出球率の異なる複数の制御モードを効果的に利用して遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αC3]
特徴αC1または特徴αC2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記複数の制御モードとして、
前記出球率が1である第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1以外である他の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード、第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC3によれば、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1以外である他の制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、第2の制御モードにおける出球率は1であるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球が増加も減少もしないので、例えば、入球部に遊技球が入球した場合に所定の抽選が実行される構成とした場合には、当該所定の抽選における抽選結果に気持ちを集中させることができる。
また、他の制御モードにおける出球率は1以外なので、当該他の制御モードにおける出球率が1を超える場合には、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。したがって、遊技者は、遊技球が増加する第1の制御モードがなるべく長い期間にわたって継続して欲しいと期待しながら遊技を行なう。また、当該他の制御モードにおける出球率が1未満である場合には、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早く当該第1の制御モードが終了して欲しいと期待しながら遊技を行なう。
このように、特徴αC3によれば、出球率の異なる複数の制御モードを効果的に利用して遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができる。この結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αC4]
特徴αC1から特徴αC3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分ける第1の状態(右側に傾いた状態)と、
到達した遊技球を前記第2の経路に振り分ける第2の状態(左側に傾いた状態)と、
になることが可能であり、
初期状態および静止状態は前記第1の状態であり、
初期状態または静止状態の前記振分手段は、到達した遊技球を前記第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作(振動)することで、前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC4によれば、初期状態または静止状態の振分手段は、到達した遊技球を第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作することで、第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分手段の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分手段を第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移させることができる。
さらに、本特徴によれば、遊技者は、遊技球を第1の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第1の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を第2の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第2の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分手段の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分手段に到達した遊技球を第1の経路に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て第1の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て第2の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を第1の経路および第2の経路に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αC5]
特徴αC4に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、前記所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に前記第1の状態と前記第2の状態とになるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC5によれば、振分手段は、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に第1の状態と第2の状態とになるように構成されている。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球は第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けられることになる。すなわち、遊技者は、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を所定の間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせることができる。
[特徴αC6]
特徴αC1から特徴αC5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて抽選を実行する抽選実行手段(図91のステップS5109に示す処理)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記抽選実行手段による前記抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する表示手段(普図ユニット38)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、前記出球率の異なる複数の制御モードを実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC6によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率の異なる複数の制御モードを実行することができる。また、特徴αC6によれば、例えば、入球部が第2の入球部状態を維持する時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した出球率の異なる各種の制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴αC7]
特徴αC6に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC7によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴αC7によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴αC7によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、上述した出球率の異なる各種の制御モードを実現することが可能となる。
<特徴αD群>
特徴αD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αD1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a(図105))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b(図105))と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数の制御モードを有しており、
前記複数の制御モードとして、
前記出球率が1未満である第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1である第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1を超える第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各制御モード毎に異なるように制御することによって、入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、各制御モード毎の出球率を異なる値に設定することができる。
そして、特徴αD1によれば、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
具体的には、第1の制御モードにおける出球率は1未満なので、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早く当該第1の制御モードが終了して欲しいと期待しながら遊技を行なう。また、第2の制御モードにおける出球率は1なので、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球が増加も減少もしないので、例えば、入球部に遊技球が入球した場合に所定の抽選が実行される構成とした場合には、当該所定の抽選における抽選結果に気持ちを集中させることができる。また、第3の制御モードにおける出球率は1を超えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。したがって、遊技者は、遊技球が増加する第3の制御モードがなるべく長い期間にわたって継続して欲しいと期待しながら遊技を行なう。
このように、特徴αD1によれば、3つの制御モードを効果的に利用して遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αD2]
特徴αD1に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分ける第1の状態(右側に傾いた状態)と、
到達した遊技球を前記第2の経路に振り分ける第2の状態(左側に傾いた状態)と、
になることが可能であり、
初期状態および静止状態は前記第1の状態であり、
初期状態または静止状態の前記振分手段は、到達した遊技球を前記第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作(振動)することで、前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD2によれば、初期状態または静止状態の振分手段は、到達した遊技球を第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作することで、第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分手段の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分手段を第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移させることができる。
さらに、本特徴によれば、遊技者は、遊技球を第1の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第1の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を第2の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第2の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分手段の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分手段に到達した遊技球を第1の経路に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て第1の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て第2の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を第1の経路および第2の経路に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αD3]
特徴αD2に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、前記所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に前記第1の状態と前記第2の状態とになるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD3によれば、振分手段は、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に第1の状態と第2の状態とになるように構成されている。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球は第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けられることになる。すなわち、遊技者は、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を所定の間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせることができる。
[特徴αD4]
特徴αD1から特徴αD3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて抽選を実行する抽選実行手段(図91のステップS5109に示す処理)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記抽選実行手段による前記抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する表示手段(普図ユニット38)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、
前記第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD4によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができる。また、特徴αD4によれば、例えば、入球部が第2の入球部状態を維持する時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した3つの制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴αD5]
特徴αD4に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD5によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴αD5によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴αD5によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実現することが可能となる。
<特徴αE群>
特徴αE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αE1]
遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
発射された遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a)と、
発射された遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b)と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記振分手段は、所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されており、
前記遊技機は、さらに、
遊技球が前記振分手段を経由せずに前記通過部を通過することが可能であるように構成された第3の経路(第14実施形態におけるユニット左側遊技領域GAu及び開口部505(図104、図105))を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御することによって、入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
さらに、本特徴によれば、遊技球が振分手段を経由せずに通過部を通過することが可能であるように構成された第3の経路を備えるので、遊技者は、振分手段を経由させずに第3の経路を通して遊技球を通過部に通過させる遊技方法と、遊技球を振分手段に到達させて第1の経路及び第2の経路に振り分けさせる遊技方法とを比較して、遊技者にとって有利な遊技方法や好みの遊技方法を選択することができる。すなわち、本特徴によれば、多様な遊技方法を遊技者に提供することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αE2]
特徴αE1に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
到達した遊技球を前記第1の経路に振り分ける第1の状態(右側に傾いた状態)と、
到達した遊技球を前記第2の経路に振り分ける第2の状態(左側に傾いた状態)と、
になることが可能であり、
初期状態および静止状態は前記第1の状態であり、
初期状態または静止状態の前記振分手段は、到達した遊技球を前記第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作(振動)することで、前記第1の状態と前記第2の状態との間を交互に遷移する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE2によれば、初期状態または静止状態の振分手段は、到達した遊技球を第1の経路に振り分け、当該到達した遊技球から受ける力学的作用によって動作することで、第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移するので、電気的な力によって振分手段の状態を遷移させる機構を導入することなく、振分手段を第1の状態と第2の状態との間を交互に遷移させることができる。
さらに、本特徴によれば、遊技者は、遊技球を第1の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第1の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整し、一方、遊技球を第2の経路に振り分けさせたい場合には、振分手段が第2の状態となっているタイミングで遊技球が到達するように遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することができる。
そして、遊技者は、遊技球の発射のタイミングや間隔と、発射された遊技球が到達したタイミングにおける振分手段の状態との関係を見極めることができれば、遊技球の発射のタイミングや間隔を調整することによって、遊技球を所望の経路に振り分けさせることが可能となる。具体的には、初期状態の振分手段に到達した遊技球を第1の経路に振り分けさせた後、例えば、後続の遊技球を全て第1の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を全て第2の経路に振り分けさせることや、後続の遊技球を第1の経路および第2の経路に交互に振り分けさせることが可能となる。すなわち、遊技球を所望の経路に振り分けさせるために遊技球の発射のタイミングや間隔を調整するといった戦略性を遊技に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αE3]
特徴αE2に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、前記所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に前記第1の状態と前記第2の状態とになるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE3によれば、振分手段は、所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、遊技球が到達するタイミングにおいて交互に第1の状態と第2の状態とになるように構成されている。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球は第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けられることになる。すなわち、遊技者は、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせたい場合には、遊技球を所定の間隔で連続して発射させるといった簡易な操作を実行すれば、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達することになり、遊技球を第1の経路及び第2の経路に交互に振り分けさせることができる。
[特徴αE4]
特徴αE1から特徴αE3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図77、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αE4によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第2の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の入球部状態とするのか第2の入球部状態とするのか、すなわち、第1、第2の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
[特徴αE5]
特徴αE4に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モード(第8実施形態における第1、第2高頻度サポートモード)を有しており、
当該制御モード毎に、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さ、遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間的長さ、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移する回数、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移するタイミングのうちの少なくとも1つが異なっている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE5によれば、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうちの入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴αE6]
特徴αE4または特徴αE5に記載の遊技機であって、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果を表示する表示手段(普図ユニット38)を備え、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されるまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE6によれば、表示手段は、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果を表示することが可能となる。制御手段は、表示手段によって抽選の結果が表示された後に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始するので、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始することができる。
例えば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
[特徴αE7]
特徴αE6に記載の遊技機であって、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されて前記入球部が前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE7によれば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
<特徴αF群>
特徴αF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αF1]
遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
発射された遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a)と、
発射された遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b)と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備え、
前記振分手段は、所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記第1の経路および前記第2の経路は、前記振分手段によって振り分けられた遊技球が、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各モード毎に異なるように制御することによって、入球部に入球する遊技球の個数を各モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴αF2]
特徴αF1に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図76のステップS4509に示す処理)と、
前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段(図76、図77、図83に示す処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αF2によれば、制御手段は、遊技球が通過部を通過したことを契機として実行される抽選の結果に基づいて状態遷移手段を制御する。第2の遊技球は通過部を通過しないので、制御手段は、遊技球が発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に至ったタイミングにおける当該入球部の状態を第1の入球部状態とするのか第2の入球部状態とするのか、すなわち、第1、第2の遊技球のそれぞれを入球部に入球させるか否かを、第1の遊技球が通過部を通過したことを契機として実行する抽選の結果及び制御手段による状態遷移手段の制御の態様によって決定する。したがって、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のそれぞれを入球部に入球させるか否かの制御を、1個の遊技球(第1の遊技球)が通過部を通過したことを契機とする一連の制御で実現することができる。
[特徴αF3]
特徴αF2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モード(第8実施形態における第1、第2高頻度サポートモード)を有しており、
当該制御モード毎に、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さ、遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間的長さ、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移する回数、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移するタイミングのうちの少なくとも1つが異なっている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF3によれば、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうちの入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、遊技の多様化を図ることができる。
[特徴αF4]
特徴αF2または特徴αF3に記載の遊技機であって、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果を表示する表示手段(普図ユニット38)を備え、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されるまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF4によれば、表示手段は、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果を表示することが可能となる。制御手段は、表示手段によって抽選の結果が表示された後に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始するので、通過部を通過して抽選の契機となった第1の遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果に基づいた制御を開始することができる。
例えば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
[特徴αF5]
特徴αF4に記載の遊技機であって、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されて前記入球部が前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間は、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF5によれば、制御手段は、通過部を通過した第1の遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっている制御モードを実現することが可能となる。
[特徴αF6]
特徴αF2から特徴αF5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する複数の制御モードを有しており、前記複数の制御モードとして、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の入球部状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられた遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第1の入球部状態である第1の制御モード(第8実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
遊技球が前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔で連続して発射されている状況において、前記第1の経路に振り分けられて前記通過部を通過した遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の入球部状態であるとともに、前記第2の経路に振り分けられた遊技球が前記入球部に至るタイミングにおいて当該入球部が前記第2の入球部状態である第2の制御モード(第8実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF6によれば、第1の遊技球は入球部に入球するが、第2の遊技球は入球部に入球しない第1の制御モードと、第1の遊技球および第2の遊技球の両方が入球部に入球する第2の制御モードとを実現することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴αG群>
特徴αG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態から抽出される。
[特徴αG1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、前記状態遷移手段を制御する制御モードであって、前記入球部への遊技球の入球を補助する制御モードである入球補助制御モード(高頻度サポートモード)をn種類(nは2以上の整数)実行可能であり、
前記n種類の入球補助制御モードのうちの1つとして、少なくとも、前記出球率が1未満である遊技球減少制御モード(第9実施形態における第1高頻度サポートモード)と、前記出球率が1を超える遊技球増加制御モード(第9実施形態における第3高頻度サポートモード)とを実行可能であり、
第i(iは1からnまでの整数)の入球補助制御モードが実行されている場合における前記出球率をMiと定義し、
前記入球補助制御モードが実行される場合に占める、前記第iの入球補助制御モードが実行される割合をPiと定義した場合に、
下記の関係式(R1)
を満たすように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各入球補助制御モード毎に異なるように制御することによって、入球部に入球する遊技球の個数を各入球補助制御モード毎に異なるようにすることができるので、各入球補助制御モード毎の出球率を異なる値に設定することができる。
そして、特徴αG1によれば、入球補助制御モードの一態様として出球率が1を超える遊技球増加制御モードが実行可能であるにも関わらず、入球補助制御モードが実行された場合におけるトータルとしての出球率は1以下なので、遊技球増加制御モードにおいて遊技者に高揚感を付与することを可能にしつつ、遊技者の射幸心が過度に高まることを抑制することができる。この結果、適切に遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αG2]
特徴αG1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、前記出球率の異なる複数種類の前記遊技球増加制御モード(変形例5における第3高頻度サポートモードおよび第4高頻度サポートモード)を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG2によれば、出球率の異なる複数種類の遊技球増加モードが実行可能であるので、遊技球増加モードにおいて遊技者に付与する高揚感の程度に差をつけることができる。この結果、遊技に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴αH群>
特徴αH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αH1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b)と、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、所定時間(第10実施形態における遊技球GB1がスルーゲート206を通過してからの1.2秒間(図87、図89))あたりの前記入球部に入球する遊技球の個数を所定時間入球個数と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、
遊技状態(第10実施形態における電動役物開放抽選の結果およびサポートモードの種別)に基づいて、
遊技球が前記通過部を通過してから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間である遷移開始待ち時間(第10実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、複数種類の長さに設定することが可能であり、
前記所定時間入球個数は、前記制御手段によって設定された前記遷移開始待ち時間の長さによって異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
そして、特徴αH1によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴αH1によれば、例えば、入球部が第2の入球部状態を維持する時間(第10実施形態における開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴αH2]
特徴αH1に記載の遊技機であって、
前記通過部を遊技球が通過したことを契機として抽選を実行する抽選実行手段(図91のステップS5109に示す処理)と、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果を表示する表示手段(普図ユニット38)と、
を備え、
前記制御手段は、
遊技状態(第10実施形態における電動役物開放抽選の結果)に基づいて、
前記抽選の結果が前記表示手段によって表示されてから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(第10実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、複数種類の長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH2によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴αH2によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を複数種類の長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を複数種類の長さに設定することができる。すなわち、特徴αH2によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。
[特徴αH3]
特徴αH1または特徴αH2に記載の遊技機であって、
前記入球部は、前記第2の入球部状態である場合には前記通過部を通過した遊技球が入球することが可能であるように構成されており、
前記制御手段は、
遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記通過部を通過したことを契機として実行された抽選の結果が前記表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を、
当該遊技球が前記通過部を通過してから、当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定する、
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH3によれば、表示手段は、通過部を通過して抽選の契機となった遊技球が入球部に至るタイミングより前に、当該抽選の結果を表示することが可能となる。この結果、制御手段は、表示手段によって抽選の結果が表示された後であって、通過部を通過して抽選の契機となった遊技球が入球部に至るタイミングより前に、入球部の第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始させる制御を実行することが可能となる。したがって、入球部が第2の入球部状態に遷移する契機となった遊技球(通過部を通過して抽選の契機となった遊技球)を、第2の入球部状態に遷移した入球部に入球させることが可能となる。
[特徴αH4]
特徴αH1から特徴αH3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記入球部は、前記通過部を通過した遊技球が当該入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能であるように構成されており、
前記制御手段は、
遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間である前記遷移開始待ち時間(第10実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、当該遊技球が前記通過部を通過してから当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より短い時間に設定する第1の制御と、
遊技球が前記通過部を通過してから前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間である前記遷移開始待ち時間(第10実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、当該遊技球が前記通過部を通過してから当該遊技球が前記入球部に至るまでの時間より長い時間に設定する第2の制御と、
を実行することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH4によれば、第1の制御を実行した場合には、通過部を通過した遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部は第2の入球部状態に遷移しているので、通過部を通過した当該遊技球は入球部に入球し、一方、第2の制御を実行した場合には、通過部を通過した遊技球が入球部に至るタイミングにおいて当該入球部はまだ第2の入球部状態に遷移していないので、通過部を通過した当該遊技球は入球部に入球しない。すなわち、特徴αH4によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴αI群>
特徴αI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αI1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a(図105))と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b(図105))と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて抽選を実行する抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記抽選実行手段による前記抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する表示手段(普図ユニット38)と、
前記抽選実行手段による前記抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御する制御手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2(図105))と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御モードを有しており、
前記表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、
前記出球率が1未満である第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1である第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1を超える第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
そして、特徴αI1によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴αI1によれば、例えば、入球部が第2の入球部状態を維持する時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した3つの制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴αI2]
特徴αI1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI2によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴αI2によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴αI2によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実現することが可能となる。
<特徴αJ群>
特徴αJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αJ1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて入球部用抽選を実行する入球部用抽選実行手段と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記入球部用抽選実行手段による前記入球部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する入球部用抽選結果表示手段(特図ユニット37)と、
前記入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する高確率抽選モード(高確率モード)を開始する開始手段と、
前記高確率抽選モードを終了する終了手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて通過部用抽選を実行する通過部用抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する通過部用抽選結果表示手段(普図ユニット38)と、
前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御することによって、前記入球部を前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移させる制御手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2)と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態の振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御モードを有しており、
前記出球率が1未満である第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1である第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1を超える第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能であり、
前記第1の制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第1の結果(第11実施形態における4R通常大当たりA(図97))となったことに基づいて開始するとともに、当該第1の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記第2の制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第2の結果(第11実施形態における8R確変大当たり(図97))となったことに基づいて開始するとともに、当該第2の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)となったことに基づいて終了し、
前記第3の制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第3の結果(第11実施形態における4R通常大当たりB(図97))となったことに基づいて開始するとともに、当該第3の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記高確率抽選モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果のうち前記第2の結果(8R確変大当たり)となったことに基づいて開始し、前記高確率抽選モード中における前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果のうち前記第1の結果(4R通常大当たりA)または前記第3の結果(4R通常大当たりB)となったことに基づいて終了する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各制御モード毎に異なるように制御することによって、入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、各制御モード毎の出球率を異なる値に設定することができる。
そして、特徴αJ1によれば、入球部用抽選の結果が第1の結果(4R通常大当たりA)となると、高確率抽選モードは開始されないが、第1の制御モード(第1高頻度サポートモード)が開始される。第1の制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。しかし、第1の制御モードにおける出球率は1未満なので、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。第1の制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達して第1の制御モードが終了してしまう前に、入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。また、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早期の入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。
さらに、特徴αJ1によれば、入球部用抽選の結果が第2の結果(8R確変大当たり)となると、高確率抽選モードが開始されるとともに、第2の制御モード(第2高頻度サポートモード)が開始される。高確率抽選モードが開始されると、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する。また、第2の制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。第2の制御モードにおける出球率は1なので、遊技者の手持ちの遊技球は増加も減少もしない。そして、高確率抽選モードは、少なくとも、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となるまで継続する。また、第2の制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となるまで継続する。したがって、遊技者は、入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となるまでは高確率抽選モード及び第2の制御モードが継続するので、入球部用抽選の結果が第2の結果(8R確変大当たり)となって高確率抽選モードが継続することを期待しながら遊技を行なう。また、遊技者は、手持ちの遊技球が増加も減少もしないので、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となった場合における結果の種別に気持ちを集中させることができる。
さらに、特徴αJ1によれば、入球部用抽選の結果が第3の結果(4R通常大当たりB)となると、高確率抽選モードは開始されないが、第3の制御モード(第3高頻度サポートモード)が開始される。第3の制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。そして、第3の制御モードにおける出球率は1を超えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。第3の制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達する直前まで第3の制御モードを継続させて手持ちの遊技球を増加させつつも、第3の制御モードが終了してしまう前までには入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。そして、入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達するまでに入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならなかった場合であっても、遊技者は、遊技球が増加する第3の制御モードが最長の期間継続したという満足感を得ることができる。
このように、特徴αJ1によれば、3つの制御モードを効果的に利用して遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αJ2]
特徴αJ1に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記第3の制御モードが実行されている期間において、
前記第3の制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が多くなるほど、前記入球部用変動時間として長い時間を設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ2によれば、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づくほど、設定される入球部用変動時間が長くなるので、遊技球が増加する第3の制御モードが継続する期間がより長くなる。したがって、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づいているにも関わらず入球部用抽選の結果が所定の結果とならないといった遊技者の焦燥感を低減することができる。
[特徴αJ3]
特徴αJ1または特徴αJ2に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用抽選実行手段は、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)ではないと判定した場合であっても、所定の条件(リーチ発生条件)が成立した場合には条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))と判定し、前記所定の条件が成立しなかった場合には条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))と判定し、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記第3の制御モードが実行されている期間において、
前記入球部用抽選の結果が前記条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さを、
前記入球部用抽選の結果が前記条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さよりも、
長い時間に設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ3によれば、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となった場合には、条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となった場合よりも、入球部用変動時間として長い変動時間が設定される。入球部用変動時間として長い変動時間が設定される回数が多いほど、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達するまでに要する時間が長くなる。この結果、第3制御モードが継続する期間も長くなるため、遊技者の手持ちの遊技球が増加する期間も長くなる。したがって、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる回数が多いほど遊技球が増加するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αJ4]
特徴αJ1から特徴αJ3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記通過部用抽選結果表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、
前記第1の制御モード(第11実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記第2の制御モード(第11実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
前記第3の制御モード(第11実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ4によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴αJ4によれば、例えば、入球部が第2の入球部状態を維持する時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した3つの制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴αJ5]
特徴αJ4に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(第11実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ5によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴αJ5によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴αJ5によれば、抽選の結果が表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、出球率が1未満である第1の制御モードと、出球率が1である第2の制御モードと、出球率が1を超える第3の制御モードとを実現することが可能となる。
<特徴αK群>
特徴αK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αK1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて入球部用抽選を実行する入球部用抽選実行手段と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記入球部用抽選実行手段による前記入球部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する入球部用抽選結果表示手段(特図ユニット37)と、
前記入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する高確率抽選モード(高確率モード)を開始する開始手段と、
前記高確率抽選モードを終了する終了手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて通過部用抽選を実行する通過部用抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する通過部用抽選結果表示手段(普図ユニット38)と、
前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御することによって、前記入球部を前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移させる制御手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2)と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御モードを有しており、
前記出球率が1以下である遊技球非増加制御モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1を超える遊技球増加制御モード(第12実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能であり、
前記遊技球非増加制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第1の結果(第12実施形態における10R確変大当たりA、10R確変大当たりB(図98))となったことに基づいて開始するとともに、当該遊技球非増加制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記遊技球増加制御モードは、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)のうち第2の結果(第12実施形態における10R確変大当たりC(図98))となったことに基づいて開始するとともに、当該遊技球増加制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了し、
前記高確率抽選モードは、前記入球部用抽選の結果が前記第1の結果(10R確変大当たりA、10R確変大当たりB)または前記第2の結果(10R確変大当たりC)となったことに基づいて開始し、当該高確率抽選モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が、前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)とならずに規定回数(100回)に達したことに基づいて終了する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
例えば、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移した後に当該第2の入球部状態を維持する時間的長さや、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移する回数、入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態に遷移するタイミング等を、各制御モード毎に異なるように制御することによって、入球部に入球する遊技球の個数を各制御モード毎に異なるようにすることができるので、各制御モード毎の出球率を異なる値に設定することができる。
そして、特徴αK1によれば、入球部用抽選の結果が第1の結果(10R確変大当たりAまたは10R確変大当たりB)となると、高確率抽選モードが開始されるとともに、遊技球非増加制御モード(第1高頻度サポートモードまたは第2高頻度サポートモード)が開始される。高確率抽選モードが開始されると、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する。また、遊技球非増加制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。しかし、遊技球非増加制御モードにおける出球率は1以下なので、遊技者の手持ちの遊技球は増加しない。そして、高確率抽選モードおよび遊技球非増加制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達して高確率抽選モードが終了してしまう前に、なるべく早期の入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。
さらに、特徴αK1によれば、入球部用抽選の結果が第2の結果(10R確変大当たりC)となると、高確率抽選モードが開始されるとともに、遊技球増加制御モード(第3高頻度サポートモード)が開始される。高確率抽選モードが開始されると、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となる確率が向上する。また、遊技球増加制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。さらに、遊技球増加制御モードにおける出球率は1を越えるので、遊技者の手持ちの遊技球は増加していく。そして、高確率抽選モードおよび遊技球増加制御モードは、入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならずに入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達すると終了する。したがって、遊技者は、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達する直前まで遊技球増加制御モードを継続させて手持ちの遊技球を増加させつつも、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達して高確率抽選モードおよび遊技球増加制御モードが終了してしまう前までには入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。そして、入球部用抽選の実行回数が規定回数(100回)に達するまでに入球部用抽選の結果が所定の結果(各種大当たり)とならなかった場合であっても、遊技者は、遊技球が増加する遊技球増加制御モードが最長の期間継続したという満足感を得ることができる。
このように、特徴αK1によれば、規定回数限定の高確率抽選モードが実行されている期間において遊技者に多様な期待感を付与するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αK2]
特徴αK1に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記遊技球増加制御モードが実行されている期間において、
前記遊技球増加制御モードが開始された後に実行された前記入球部用抽選の回数が多くなるほど、前記入球部用変動時間として長い時間を設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK2によれば、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づくほど、設定される入球部用変動時間が長くなるので、遊技球が増加する遊技球増加制御モードが継続する期間がより長くなる。したがって、入球部用抽選の実行回数が規定回数に近づいているにも関わらず入球部用抽選の結果が所定の結果とならないといった遊技者の焦燥感を低減することができる。
[特徴αK3]
特徴αK1または特徴αK2に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さを設定する入球部用変動時間設定手段を備え、
前記入球部用抽選実行手段は、
前記入球部用抽選の結果が前記所定の結果(各種大当たり)ではないと判定した場合であっても、所定の条件(リーチ発生条件)が成立した場合には条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))と判定し、前記所定の条件が成立しなかった場合には条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))と判定し、
前記入球部用変動時間設定手段は、
前記遊技球増加制御モードが実行されている期間において、
前記入球部用抽選の結果が前記条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さを、
前記入球部用抽選の結果が前記条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となる当該入球部用抽選に対応した前記入球部用変動時間の長さよりも、
長い時間に設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK3によれば、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となった場合には、条件非成立結果(外れ結果(リーチ非発生))となった場合よりも、入球部用変動時間として長い変動時間が設定される。入球部用変動時間として長い変動時間が設定される回数が多いほど、入球部用抽選の実行回数が規定回数に達するまでに要する時間が長くなる。この結果、遊技球増加制御モードが継続する期間も長くなるため、遊技者の手持ちの遊技球が増加する期間も長くなる。したがって、入球部用抽選の結果が条件成立結果(外れ結果(リーチ発生))となる回数が多いほど遊技球が増加するという新たな遊技性を創出することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αK4]
特徴αK1から特徴αK3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記通過部用抽選結果表示手段が前記変動表示を開始してから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの遷移開始待ち時間(第11実施形態における普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を、前記制御モード毎に異なる長さに設定することによって、
前記遊技球非増加制御モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモード)と、
前記遊技球増加制御モード(第12実施形態における第3高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK4によれば、遷移開始待ち時間を変化させることによって、出球率が1以下である遊技球非増加制御モードと、出球率が1を超える遊技球増加制御モードとを実行することができるので、遊技に抑揚を付加することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴αK4によれば、例えば、入球部が第2の入球部状態を維持する時間(第12実施形態における開閉扉208bの開放時間)を同一の長さに設定した場合であっても、遷移開始待ち時間の長さを変化させれば、上述した2つの制御モードを実行することができるので、遊技機の設計上の自由度を向上させることができる。
[特徴αK5]
特徴αK4に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報が停止表示されてから、前記入球部が前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(第12実施形態における開閉扉208bの開放待機時間)の長さを、前記制御モード毎に異なる長さに設定することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK5によれば、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)は、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)と、抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)とを合計した時間となる。したがって、特徴αK5によれば、遊技球が通過部を通過してから抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されるまでの時間(普図ユニット38の変動時間)を同一の長さに設定した場合であっても、抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を異なる長さに設定することができる。すなわち、特徴αK5によれば、抽選の結果が通過部用抽選結果表示手段によって表示されてから入球部が第1の入球部状態から第2の入球部状態への遷移を開始するまでの時間(開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることによって、遷移開始待ち時間(普図ユニット38の変動時間+開閉扉208bの開放待機時間)を変化させることができるとともに、入球部に入球する遊技球の個数を変化させることができる。この結果、出球率が1以下である遊技球非増加制御モードと、出球率が1を超える遊技球増加制御モードとを実現することが可能となる。
[特徴αK6]
特徴αK1から特徴αK5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記出球率が1以下である遊技球非増加モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモード)として、
前記出球率が1未満である遊技球減少制御モード(第12実施形態における第1高頻度サポートモード)と、
前記出球率が1である遊技球維持制御モード(第12実施形態における第2高頻度サポートモード)と、
を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK6によれば、遊技球減少制御モードが開始されると、入球部への遊技球の入球が促進されるので、入球部用抽選の実行が促進される。しかし、遊技球減少制御モードにおける出球率は1未満なので、遊技者の手持ちの遊技球は減少していく。したがって、遊技者は、手持ちの遊技球の減少を最小限に抑えたいため、なるべく早期の入球部用抽選において所定の結果(各種大当たり)となって欲しいと期待しながら遊技を行なう。このように、特徴αK6によれば、遊技者に多様な期待感を付与することができるので、遊技球の興趣向上を図ることができる。
<特徴αL群>
特徴αL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態~第14実施形態から抽出される。
[特徴αL1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構81)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な入球部(第14実施形態における第2始動口508a)と、
前記入球部の状態を、当該入球部への遊技球の入球が不可能または困難な状態である第1の入球部状態と、当該入球部への遊技球の入球が可能または容易な状態である第2の入球部状態との間で遷移させる状態遷移手段(第14実施形態における開閉扉508b)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球として遊技球を払い出す払出手段(払出装置71)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する取得手段と、
前記取得した特別情報に基づいて入球部用抽選を実行する入球部用抽選実行手段と、
前記入球部用抽選の実行に基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記入球部用抽選実行手段による前記入球部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する入球部用抽選結果表示手段(特図ユニット37)と、
前記入球部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である入球部用変動時間の長さ(特図ユニット37の変動時間)を設定する入球部用変動時間設定手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が通過可能な通過部(第14実施形態におけるスルーゲート506)と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて通過部用抽選を実行する通過部用抽選実行手段と、
前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて識別情報の変動表示を開始するとともに、前記変動表示を終了して前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に対応した識別情報を停止表示する通過部用抽選結果表示手段(普図ユニット38)と、
前記通過部用抽選結果表示手段において識別情報が変動表示する時間である通過部用変動時間の長さ(普図ユニット38の変動時間)を設定するとともに、前記通過部用変動時間が経過した後に、前記通過部用抽選実行手段による前記通過部用抽選の結果に基づいて前記状態遷移手段を制御することによって、前記入球部を前記第1の入球部状態から前記第2の入球部状態に遷移させる制御手段と、
前記入球部用抽選の実行回数に対応して前記入球部用変動時間の長さが記憶された入球部用変動時間テーブル(第13実施形態における特図ユニット用テーブルA(図102))と、前記入球部用抽選の実行回数に対応して前記通過部用変動時間の長さが記憶された通過部用変動時間テーブル(第13実施形態における普図ユニット用テーブルA(図102))と、を1組のテーブル群(第13実施形態における高頻度サポートモード用の変動時間テーブルセットA(図102))として記憶するテーブル記憶手段と、
遊技球が前記通過部を通過することが可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第1の経路(第14実施形態における経路R1(図105))と、
遊技球が前記通過部を通過することが不可能な経路であって、前記入球部が前記第2の入球部状態である場合には当該入球部に遊技球が入球することが可能であるようにように構成された第2の経路(第14実施形態における経路R2)と、
到達した遊技球を前記第1の経路または前記第2の経路のいずれかに振り分ける振分手段(第14実施形態における振分機構504(図105))と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で所定の間隔(0.6秒間隔)で連続して遊技球が発射されている状況における、発射された遊技球の個数に対する払い出された遊技球の個数の割合を出球率と定義した場合において、
前記振分手段は、前記所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、到達した遊技球を前記第1の経路及び前記第2の経路に交互に振り分けるように構成されており、
前記制御手段は、
前記状態遷移手段を制御する複数種類の制御態様を実行可能であり、
前記通過部用変動時間の長さを、前記制御態様毎に異なる長さに設定することによって、
前記出球率が1未満となる第1の制御態様(第13実施形態における高頻度サポートモードの図99に示す態様)と、
前記出球率が1となる第2の制御態様(第13実施形態における高頻度サポートモードの図100に示す態様)と、
前記出球率が1を超える第3の制御態様(第13実施形態における高頻度サポートモードの図101に示す態様)と、
のうちの少なくとも2つの制御態様を実行可能であり、
前記入球部用変動時間設定手段が、前記入球部用変動時間テーブルを参照して前記入球部用変動時間の長さを設定する場合には、
前記入球部用変動時間テーブルと1組のテーブル群として記憶されている前記通過部用変動時間テーブルを参照して前記通過部用変動時間の長さを設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL1によれば、第1の経路に振り分けられた遊技球(以下、第1の遊技球とも呼ぶ)は、通過部を通過することが可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。一方、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、第1の遊技球の後に到達した遊技球(以下、第2の遊技球とも呼ぶ)は、第2の経路に振り分けられるので、通過部を通過することが不可能であるとともに、入球部が第2の入球部状態である場合には当該入球部に入球することが可能となる。すなわち、第1、第2の遊技球のうち、第1の遊技球のみが通過部を通過することが可能であり、第1、第2の遊技球のそれぞれが入球部に入球するか否かは、第1、第2の遊技球がそれぞれ入球部に至ったタイミングにおいて当該入球部が第2の入球部状態となっているか否かに依存することになる。したがって、振分手段に所定の間隔で連続して遊技球が到達している状況においては、2個の遊技球(第1の遊技球および第2の遊技球)のうち、通過部を通過する可能性のある遊技球の個数を1個としつつ、入球部に入球する遊技球の個数を当該入球部の状態に依存して変化させることができる。
そして、特徴αL1によれば、通過部用変動時間(普図ユニット38の変動時間)の長さを、制御態様毎に異なる長さに設定することによって、出球率が1未満となる第1の制御態様と、出球率が1となる第2の制御態様と、前記出球率が1を超える第3の制御態様と、のうちの少なくとも2つの制御態様を実行することができるので、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、特徴αL1によれば、通過部用変動時間の長さと入球部用変動時間の長さは、入球部用抽選(遊技回)の実行回数に基づいて設定される。そして、設定された通過部用変動時間の長さによって、出球率が変化する。すなわち、入球部への遊技球の入球割合が変化する。したがって、入球部への遊技球の入球割合に適した入球部用変動時間の長さを予め入球部用変動時間テーブルに記憶させておけば、入球部用抽選(遊技回)の実行回数に基づいて変化する入球部への遊技球の入球割合に適した入球用変動時間を設定することができる。
[特徴αL2]
特徴αL1に記載の遊技機であって、
前記入球部用抽選結果表示手段による識別情報の変動表示の開始から停止表示の終了までの間に取得した前記特別情報を規定数を上限として保留記憶する保留記憶手段を備え、
前記入球部用変動時間テーブル(第13実施形態における特図ユニット用テーブルA(図102))には、前記通過部用変動時間の長さが設定された場合に前記入球部に入球することになる遊技球の間隔よりも長い変動時間が記憶されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL2によれば、常に保留記憶手段に特別情報が記憶された状態とすることができるので、入球部用抽選が途切れることなく連続して実行される状態を実現することができる。
[特徴αL3]
特徴αL1または特徴αL2に記載の遊技機であって、
前記テーブル記憶手段は、複数の前記テーブル群(第13実施形態における変動時間テーブルセットAおよびB(図102))を記憶しており、
前記制御手段は、所定の条件が満たされた場合(小当たりに当選した場合)に、参照する前記テーブル郡を切り替える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL3によれば、参照するテーブル群を切り替えるので、入球部用抽選の実行回数に基づいて設定される入球部用変動時間、通過部用変動時間及び出球率を変更することができる。したがって、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、上記特徴A群~特徴αL群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、構造や演出等の様々な観点から改良が行われている。
ここで、上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。