以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
また、以下実施の形態での説明及び図面中において、蓄電装置が有する複数の蓄電素子の並び方向、複数のスペーサの並び方向、拘束部材500の拘束方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向をX軸方向と定義する。また、複数の拘束部材500の並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、第一外装体と第二外装体との並び方向、電極端子の軸方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
[蓄電装置1の全体構成]
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。特に、本実施の形態では、蓄電装置1は、例えば自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体のエンジン始動用バッテリーとして用いられることが好ましい。この場合、蓄電装置1は、例えば、メンテナンスや交換作業を容易にするなどのために、当該移動体のボンネットやトランク内などの容易に触れることができる場所に露出された状態で設置される。また、蓄電装置1は、単独(単体)で外部負荷に給電可能、または、単独(単体)で外部電源から充電可能なものである。つまり、電気自動車やプラグインハイブリッド電気自動車などの動力用電源として複数の電池モジュール(蓄電装置)を接続してケースに収容し電池パックとする構成もあるが、本実施の形態における蓄電装置1は、このような構成とは異なるものである。なお、外部負荷または外部電源に応じて、複数の蓄電装置1を電気的に連結して電池パックを構成することにしてもよい。
図1及び図2に示すように、蓄電装置1は、第一外装体11と第二外装体12とからなる外装体10を備えている。また、蓄電装置1は、外装体10内方に収容される蓄電ユニット20と保持部材30とバスバー41、42とサーミスタ50等を備えている。
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)であり、一部においてのみ外部と連通可能とされ、ほぼ密閉された状態(準密閉状態)で使用される。つまり、外装体10は、蓄電ユニット20、保持部材30、バスバー41、42及びサーミスタ50の外方に配置され、この蓄電ユニット20等を所定の位置に配置し、蓄電ユニット20等を衝撃などから保護する。また、外装体10は、例えばポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁性の樹脂材料により構成されている。外装体10は、これにより、蓄電ユニット20等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
ここで、外装体10は、外装体10の蓋体を構成する第一外装体11と、外装体10の本体を構成する第二外装体12とを有している。第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、この第一外装体11には正極外部端子13と負極外部端子14とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子13と負極外部端子14とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電ユニット20、保持部材30、バスバー41、42及びサーミスタ50等を収容する。
なお、第一外装体11と第二外装体12とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
なお、第一外装体11の具体的な構成については、後述する。
蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、12個の蓄電素子100)と複数のバスバー200とを有しており、第一外装体11に設けられた正極外部端子13と負極外部端子14とに電気的に接続される。つまり、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の正極端子が、バスバー200を介して、正極外部端子13と電気的に接続される。また、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の負極端子が、バスバー200を介して、負極外部端子14と電気的に接続される。
また、蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子100が縦置きになった状態でX軸方向に並べられて、第二外装体12内に配置される。そして、蓄電ユニット20は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。なお、蓄電ユニット20の詳細な構成の説明については、後述する。
保持部材30は、バスバー41、42を保持し、バスバー41、42と他の部材との絶縁、及び、バスバー41、42の位置規制を行うことができる部材である。特に、保持部材30は、バスバー41、42を、蓄電ユニット20内のバスバー200、正極外部端子13及び負極外部端子14に対して位置決めする。
具体的には、保持部材30は、蓄電ユニット20の上方(Z軸方向プラス側)に載置され、蓄電ユニット20に対して位置決めされる。また、保持部材30上に、バスバー41、42が載置されて位置決めされる。また、保持部材30上に、第一外装体11が配置される。これにより、バスバー41、42は、蓄電ユニット20内のバスバー200と、第一外装体11に設けられた正極外部端子13及び負極外部端子14とに対して位置決めされる。
また、保持部材30は、サーミスタ50を保持する機能も有している。つまり、保持部材30は、サーミスタ50が取り付けられることで、サーミスタ50を蓄電素子100に対して位置決めし、かつ、蓄電素子100に対して押圧した状態で固定する。
なお、保持部材30は、例えばPC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁性の樹脂材料により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
バスバー41、42は、蓄電ユニット20内のバスバー200と、第一外装体11に設けられた正極外部端子13及び負極外部端子14とを電気的に接続する。つまり、バスバー41は、蓄電ユニット20内の一端に配置されたバスバー200と正極外部端子13とを電気的に接続する導電性の部材であり、バスバー42は、蓄電ユニット20内の他端に配置されたバスバー200と負極外部端子14とを電気的に接続する導電性の部材である。
なお、バスバー41、42は、導電性の部材として、例えば銅で形成されているが、バスバー41、42の材質は特に限定されない。また、バスバー41、42は、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
サーミスタ50は、蓄電素子100に対して取り付けられる温度センサである。つまり、サーミスタ50は、蓄電素子100に取り付けられて、蓄電素子100の温度を計測する。本実施の形態では、2つの蓄電素子100に対して2つのサーミスタ50が配置されている。
[蓄電ユニット20]
次に、蓄電ユニット20の構成について、詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット20を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
同図に示すように、蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子100と、複数のバスバー200と、複数のスペーサ300(複数の第一スペーサ310、一対の第二スペーサ320及び一対の第三スペーサ330)と、一対の挟持部材400と、複数の拘束部材500と、バスバーフレーム600と、遮熱プレート700とを備えている。
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な矩形状を有しており、第一スペーサ310に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数の第一スペーサ310のそれぞれと交互に配置され、X軸方向に並べられている。本実施の形態では、12個の蓄電素子100が11個の第一スペーサ310と交互に隣接して配置されている。なお、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
また、同図に示すように、蓄電素子100は、容器110、正極端子120及び負極端子130を備えている。なお、容器110内方には、電極体(発電要素)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、また、電解液(非水電解質)などの液体が封入されているが、詳細な説明は省略する。
容器110は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製の蓋部とで構成されている。また、容器110は、電極体等を内部に収容後、蓋部と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。このように、容器110は、同図のZ軸方向プラス側に蓋部、X軸方向両側の側面に長側面、Y軸方向両側の側面に短側面、Z軸方向マイナス側に底面を有する直方体形状の容器である。なお、容器110の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
正極端子120は、正極集電体を介して、電極体の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電体を介して、電極体の負極に電気的に接続された電極端子であり、いずれも容器110の蓋部に取り付けられている。つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。本実施の形態では、蓄電素子100は、正極端子120及び負極端子130を上方に向けた状態で配置されている。
バスバー200は、蓄電ユニット20内の複数の蓄電素子100のそれぞれと電気的に接続されるバスバーである。つまり、バスバー200は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子と電気的に接続される導電性の部材であり、当該複数の蓄電素子100が有するいずれかの電極端子同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー200は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子の表面上に配置され、当該電極端子に接続(接合)される。
本実施の形態では、5枚のバスバー200が配置されており、12個の蓄電素子100は、当該5枚のバスバー200によって、並列に接続された3つずつの蓄電素子100の組が、4組直列に接続された構成となっている。また、端部に配置されるバスバー200は、上述のバスバー41、42と接続され、これによって、正極外部端子13及び負極外部端子14と電気的に接続される。
なお、バスバー200は、導電性の部材として、例えばアルミニウムで形成されているが、バスバー200の材質は特に限定されない。また、バスバー200は、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのバスバーが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
スペーサ300は、複数の第一スペーサ310と、一対の第二スペーサ320と、一対の第三スペーサ330とを有しており、例えばPC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁性の樹脂により形成されている。なお、第一スペーサ310、第二スペーサ320及び第三スペーサ330は、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもよく、また、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのスペーサが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
第一スペーサ310は、蓄電素子100の側方(X軸方向プラス側またはマイナス側)に配置される、当該蓄電素子100と他の部材とを絶縁する板状部材である。つまり、第一スペーサ310は、隣り合う2つの蓄電素子100の間に配置され、当該2つの蓄電素子100間を絶縁する。本実施の形態では、12個の蓄電素子100のそれぞれの蓄電素子100の間に、11枚の第一スペーサ310が配置されている。
また、第一スペーサ310は、蓄電素子100の正面側または背面側の略半分(X軸方向に2つに分けた場合の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、第一スペーサ310の正面側または背面側の両面(X軸方向の両面)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の略半分が挿入される。このような構成により、蓄電素子100の側方の第一スペーサ310が、蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、第一スペーサ310によって、蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。
第二スペーサ320は、後述する挟持部材400と外装体10との間に配置され、挟持部材400と外装体10との間を絶縁する板状部材である。また、第二スペーサ320は、外装体10に外部から衝撃が加えられた場合等に、蓄電ユニット20を保護する緩衝部材としての機能も有する。つまり、一対の第二スペーサ320が一対の挟持部材400を両側から挟み込むようにして当該一対の挟持部材400と外装体10との間に配置されており、蓄電ユニット20内の蓄電素子100等を絶縁し、かつ、外部からの衝撃から保護する。
第三スペーサ330は、複数の蓄電素子100におけるX軸方向の最外側に配置される、複数の蓄電素子100と他の部材とを絶縁する板状部材である。具体的には、複数の蓄電素子100のうち、最も外方に位置する一対の蓄電素子100の外側面は、第一スペーサ310には覆われていないために、この一対の第三スペーサ330によって、当該蓄電素子100の外側面を覆っている。これにより、一対の第三スペーサ330が、複数の蓄電素子100と、挟持部材400との間に配置されることになり、複数の蓄電素子100と、挟持部材400とを絶縁する。
挟持部材400及び拘束部材500は、蓄電素子100の電極体の積層方向において、蓄電素子100を外方から圧迫する部材である。つまり、挟持部材400及び拘束部材500は、複数の蓄電素子100を当該積層方向の両側から挟み込むことで、複数の蓄電素子100に含まれるそれぞれの蓄電素子100を両側から圧迫する。なお、蓄電素子100の電極体の積層方向とは、電極体の正極、負極及びセパレータが積層される方向であり、複数の蓄電素子100の並び方向(X軸方向)と同じ方向である。つまり、複数の蓄電素子100は、当該積層方向に配列されている。
具体的には、挟持部材400は、複数の蓄電素子100のX軸方向両側に配置された平板状部材(エンドプレート)であり、複数の蓄電素子100、複数の第一スペーサ310及び第三スペーサ330を、当該複数の蓄電素子100、複数の第一スペーサ310及び第三スペーサ330の並び方向(X軸方向)の両側から挟み込んで保持する。なお、挟持部材400は、強度の観点等から、例えば鋼やステンレス等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、これに限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。
拘束部材500は、両端が挟持部材400に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する長尺状かつ平板状の部材(拘束バー)である。つまり、拘束部材500は、当該複数の蓄電素子100、複数の第一スペーサ310及び一対の第三スペーサ330を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子100、複数の第一スペーサ310及び第三スペーサ330に対してこれらの並び方向(X軸方向)における拘束力を付与する。
本実施の形態では、複数の蓄電素子100の両側方(Y軸方向両側)に2つの拘束部材500が配置されており、当該2つの拘束部材500で当該複数の蓄電素子100を当該両側方から挟み込んで拘束する。なお、拘束部材500は、挟持部材400と同様に、例えば鋼やステンレス等の金属製の部材で形成されているのが好ましいが、金属以外の部材で形成されていてもかまわない。
バスバーフレーム600は、バスバー200と他の部材との絶縁、及び、バスバー200の位置規制を行うことができる部材である。特に、バスバーフレーム600は、バスバー200を、蓄電ユニット20内の複数の蓄電素子100に対して位置決めする。
具体的には、バスバーフレーム600は、複数の蓄電素子100の上方(Z軸方向プラス側)に載置され、複数の蓄電素子100に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム600上には、バスバー200が載置されて位置決めされる。これにより、バスバー200は、複数の蓄電素子100に対して位置決めされ、そして、当該複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子に接合される。なお、バスバーフレーム600は、例えばPC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁性の樹脂材料により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
遮熱プレート700は、蓄電素子100の安全弁の排気の流路の内方に配置される断熱性を有する板状の部材である。具体的には、遮熱プレート700は、蓄電素子100の安全弁の上方に位置するように、バスバーフレーム600の上方に配置される。つまり、遮熱プレート700は、異常時等に蓄電素子100の安全弁からガスが排出された場合に、蓄電ユニット20の上方に配置される回路基板等の電気機器を当該ガスの熱から保護する。なお、遮熱プレート700は、本実施の形態では、熱伝導性の低いステンレスなどの金属材料で形成されているが、これに限定されず、耐熱性が高く熱伝導性の低い材料であればよく、例えばガラス繊維で強化されたPPSやPBT等の樹脂、あるいはセラミック等で形成されていてもかまわない。
[第一外装体11]
以上のように構成された蓄電装置1において、第一外装体11の構成について、詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する蓋体である。第一外装体11には、上面視略T字状に上方に突出した中空の収容突部80が形成されており、この収容突部80の内部空間に、回路基板(図示省略)やリレー(図示省略)などの電気機器と、これらと蓄電ユニット20内の蓄電素子100とを接続するための配線(図示省略)とが収容されている。
ここで、回路基板には、例えば、蓄電素子100の充電状態や放電状態、電圧値、電流値、温度などの各種情報を取得し、監視し、制御したり、リレーのオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりするための制御回路が設けられている。
また、収容突部80の上面には、正極外部端子13とバスバー41との接続部分を露出させるための第一開口81と、負極外部端子14とバスバー42との接続部分を露出させるための第二開口82とが設けられている。通常時であると、第一開口81及び第二開口82は、収容突部80に取り付けられた閉塞部材83、84によって閉塞されている。また、組み立て時或いはメンテナンス時であると、閉塞部材83、84が収容突部80から取り外され、第一開口81及び第二開口82は露出している。
そして、第一外装体11は、正極外部端子13と、負極外部端子14とを一体的に備えている。具体的には、第一外装体11をなす樹脂材料によって、正極外部端子13と、負極外部端子14とをインサート成形することで、第一外装体11、正極外部端子13及び負極外部端子14が一体成形されている。
[正極外部端子13]
図4は、実施の形態に係る正極外部端子13の概略構成を示す斜視図である。図5は、実施の形態に係る正極外部端子13を、図4とは異なる方向から見た斜視図である。図6は、実施の形態に係る正極外部端子13の分解斜視図である。図7は、実施の形態に係る正極外部端子13を、図6とは異なる方向から見た斜視図である。なお、図6及び図7では、外部接続端子131が導電部材132に塑性接合される前の状態を示している。また、負極外部端子14においても正極外部端子13と概ね同じ構成であるので、負極外部端子14の説明は省略する。
図4~図7に示すように、正極外部端子13は、外部接続端子131と、導電部材132とを備えている。
[外部接続端子131]
外部接続端子131は、外部機器が電気的に接続される接続部1311と、接続部1311から突出する軸部1312と、軸部1312の先端に連続し、導電部材132に塑性接合されたカシメ部1316とを一体的に備えている。
接続部1311は、略円錐台状に形成されており、第一外装体11から露出している。接続部1311の周面には、外方に向けて突出した複数の凸部1314が、接続部1311の周方向に沿って配列されている。複数の凸部1314は、接続部1311における軸部1312側の端部(下端部)の外周面に設けられている。この複数の凸部1314は、全体が第一外装体11に封止されている。接続部1311においては、複数の凸部1314以外の部分が第一外装体11から露出している。
なお、複数の凸部1314間は、内方に向けて窪んだ凹部1315であるとも言える。つまり、接続部1311の周面には、複数の凹部1315が、接続部1311の周方向に配列されている、とも言える。この複数の凹部1315においても、全体が第一外装体11に封止されている。このように、複数の凸部1314または凹部1315の全体が第一外装体11に封止されているので、外部接続端子131自体の回転を規制することができる。
図7に示すように、軸部1312は、接続部1311の下端部の中心から下方に突出した軸体である。軸部1312は、軸方向視非円形状であり、塑性変形前においては軸方向に一様な形状となっている。具体的には、軸部1312は、軸方向視で正六角形状に形成されている。なお、軸部1312は、軸方向視非円形であれば、如何なる形状であってもよい。軸部のその他の形状としては、例えば、正六角形以外の多角形状、楕円状、長円状などが挙げられる。
また、塑性変形前の軸部1312の先端部は、塑性変形後には導電部材132に接合される。ここで、「塑性接合」とは、対象部位を塑性変形することにより導電部材132に接合することを言う。塑性変形には、圧入、カシメなどが含まれる。本実施の形態では、軸部1312の先端部が、カシメられることにより、導電部材132に塑性接合されているものとする。つまり、カシメにより形成されたカシメ部1316は、軸部1312の先端に連続し、導電部材132に塑性接合された接合部である。
図5に示すように、カシメ部1316は、軸方向視非円形状に形成されている。カシメ部1316の形状は、塑性変形前の軸部1312の形状に依存する。本実施の形態では、塑性変形前の軸部1312が軸方向視で正六角形であったために、カシメ部1316の軸方向視形状は、角が丸まった正六角形状となっている。
[導電部材132]
図4~図7に示すように、導電部材132は、外部接続端子131に組み付けられて、蓄電素子100に電気的に接続される上面視略L字状の板体である。具体的に、導電部材132は、長尺な本体部1321と、本体部1321の基端部から、当該本体部1321の長手方向に直交する方向に突出する突出部1322とを備えている。
突出部1322の先端部には貫通孔1323が形成されている。貫通孔1323に対しては、外部接続端子131の軸部1312が貫通し嵌合する。貫通孔1323は、軸方向視非円形状に形成されている。具体的には、貫通孔1323は、軸部1312が嵌合するように当該軸部1312の軸方向視形状に対応した形状、本実施の形態では正六角形状に形成されている。この貫通孔1323に軸部1312を挿通してカシメれば、貫通孔1323に軸部1312が嵌合するとともに、カシメ部1316が形成されることで、外部接続端子131に導電部材132が組み付けられる。
また、本体部1321の両側部には、半円状に切り欠かれた複数の切欠き1329が設けられている(図8参照)。
本体部1321の先端部は、他の部分よりも幅が広い拡幅部1324である。本体部1321における拡幅部1324とその他の部分との間には、拡幅部1324の方が一段高くなるように段差状の立ち上がり部分1328が形成されている。また、拡幅部1324には、貫通孔1325が形成されている。貫通孔1325に、図示しない固定部材を挿通して、当該固定部材をバスバー41に締結すれば、拡幅部1324がバスバー41に組み付けられる。これにより、導電部材132は、バスバー41を介して蓄電素子100に電気的に接続される。つまり、拡幅部1324は、蓄電素子100に電気的に接続される部分である。また、貫通孔1325は、導電部材132における蓄電素子100に接続される接続位置である。この接続位置と、組み付け位置との途中経路は、本体部1321から拡幅部1324及び突出部1322が突出しているために、屈曲した形状を2つ有している。なお、この途中経路においては、屈曲、湾曲及び折曲の少なくとも1つの形状を有していればよい。これにより、接続位置と組み付け位置とを直線状に結んだ形状よりも導電部材132が長い形状となる。また、立ち上がり部分1328によって、拡幅部1324は組み付け位置よりも上方に配置されている。
また、バスバー41の組み付け後には、バスバー41は、拡幅部1324の下方に配置されるため、導電部材132の段差内に収められる。
外部接続端子131と、導電部材132とは、それぞれ適切な導電材料によって一体成形されている。具体的には、外部接続端子131に適切な導電材料としては、例えば黄銅、銅、アルミニウムなどが挙げられる。また、導電部材132に適切な導電材料としては、例えば銅などが挙げられる。
そして、正極外部端子13は、外部接続端子131と、導電部材132とが組み付けられた状態で、第一外装体11をなす樹脂材料によってインサート成形されている。
[インサート成形後の正極外部端子13]
次に、インサート成形後の正極外部端子13について説明する。
図8は、実施の形態に係る第一外装体11の正極外部端子13近傍の構造を示す上面図である。図9は、実施の形態に係る第一外装体11の正極外部端子13近傍の構造を示す下面図である。図10は、図8におけるX-X線を含むXZ平面での断面図である。
図8~図10に示すように、正極外部端子13における外部接続端子131は、接続部1311の一部が第一外装体11から露出し、その他の部分が第一外装体11に埋設され、封止されている。第一外装体11の上面には、外部接続端子131の複数の凸部1314の全体を覆うように隆起した上面視円形状の隆起部117が設けられている。このように、複数の凸部1314の全体が隆起部117に埋設され、封止されているので、複数の凸部1314の輪郭が外部に露出していない。これにより、隆起部117と外部接続端子131の接続部1311との境界は、複数の凸部1314の影響を受けずに単純化されて、平面視円形状となっている。隆起部117と外部接続端子131の接続部1311との境界が単純化されていれば、インサート成形時における樹脂の充填性を高めることができ、複数の凸部1314間を確実に樹脂で埋めることができる。
導電部材132は、外部接続端子131よりも第一外装体11の内方に配置されている。導電部材132の拡幅部1324は、第一外装体11の第一開口81によって、第一外装体11から露出されている。つまり、導電部材132においては、拡幅部1324以外の部分が第一外装体11内に埋設され、封止されている。この第一開口81を介することにより、バスバー41と拡幅部1324との着脱を行うことができる。
そして、正極外部端子13は、接続部1311の一部と拡幅部1324とを除く部分が第一外装体11によって封止されているので、外部接続端子131及び導電部材132との間の気密性を確保することができる。また、接続部1311の一部と、拡幅部1324とを除く部分が封止されることにより、当該部分が第一外装体11により覆われるので、絶縁性を確保することができる。
ここで、図9及び図10に示すように、第一外装体11の下面において、カシメ部1316に対応する部分は、当該下面における他の部分から突出した円板状の突起118となっている。この突起118の突出量は、外装体10の内部スペース確保の観点から、極力小さくすることが望ましい。つまり、第一外装体11の下面において、正極外部端子13に対応する部分は、全体が平面であることが好ましい。さらには、当該部分の肉厚が、気密性及び絶縁性の少なくとも一方を阻害しない範囲で薄肉化されていることが好ましい。
特に、蓄電素子100がリチウムイオン電池であると、エネルギー密度を大きくする観点から、外装体10内においてリチウムイオン電池と外部接続端子131とを近づけて配置する場合が一般的である。リチウムイオン電池と外部接続端子131とを近づけるには、外装体10の肉厚を薄くすることが一案ではある。外装体10の肉厚を薄くしてしまうと、沿面距離を大きくとることができず、気密性も低下しやすくなるおそれがある。しかしながら、上記したように、外部接続端子131に設けられた凹部1315または凸部1314の全体が第一外装体11に封止されていれば、第一外装体11を肉厚にしなくとも、沿面距離を延ばすことができ、気密性も維持しやすい。このように、本実施の形態の構成は、リチウムイオン電池を蓄電素子100として備えた蓄電装置1に対して好適である。
[効果など]
以上のように、本実施の形態によれば、蓄電素子100と、外装体10とを備える蓄電装置1であって、外部接続端子131と、外部接続端子131に組み付けられて、蓄電素子100に電気的に接続された導電部材132とを備え、外部接続端子131は、外部機器が接続される接続部1311と、接続部1311から突出する軸部1312と、軸部1312の先端に連続し、導電部材132に塑性接合された接合部(カシメ部1316)とを備え、導電部材132には、軸部1312が嵌合する軸方向視非円形状の貫通孔1323が形成されており、外装体10は、外部接続端子131の接続部1311を露出した状態で、接合部を封止している。
この構成によれば、外部接続端子131における非円形の軸部1312が導電部材132の貫通孔1323に嵌合されるので、導電部材132に対する外部接続端子131の軸方向を中心とした回転移動が規制されることとなる。また、カシメ部1316は、軸部1312の先端に連続し、導電部材132に塑性接合されているので、このカシメ部1316によって、導電部材132に対する外部接続端子131の軸方向のスライド移動も規制される。このように、回転移動とスライド移動とが規制されているので、導電部材132と外部接続端子131との間に隙間ができにくくなる。このため、インサート成形時に導電部材132と外部接続端子131との間に樹脂が侵入することを抑制でき、安定した電気接続を確保することができる。
そして、外装体10の第一外装体11が、外部接続端子131の接続部1311を露出した状態でカシメ部1316を封止しているので、第一外装体11は、カシメ部1316だけでなく、導電部材132におけるカシメ部1316に接合された部分も封止することとなる。このため、第一外装体11と、外部接続端子131及び導電部材132との間の気密性を高めることができる。
ここで、振動等によって第一外装体11内で外部接続端子131が移動してしまうと、第一外装体11と外部接続端子131との境界に隙間が発生し、気密性が低下するおそれがある。しかしながら、上述したように、外部接続端子131は、導電部材132に対する回転移動とスライド移動とが規制されているために、第一外装体11内においても外部接続端子131の移動が規制されている。つまり、気密性を維持することが可能である。
また、接続部1311の周面は、全体が外装体10に封止された凹部1315または凸部1314を有する。
この構成によれば、外装体10の第一外装体11に全体が封止された凹部1315または凸部1314が接続部1311の周面に設けられているので、この凹部1315または凸部1314が第一外装体11に引っかかって、第一外装体11内における外部接続端子131の回転移動を安定して規制することができる。したがって、気密性を安定して維持することが可能である。
また、凹部1315または凸部1314が第一外装体11に引っかかるために、外部接続端子131の接続部1311に回転トルクを加えた際の、耐トルク強度も向上することになる。つまり、耐トルク強度の向上に伴って、気密性の安定した維持が可能となったとも言える。
また、凹部1315または凸部1314が全体として第一外装体11に封止されることで、凹部1315または凸部1314は第一外装体11から露出しない。つまり、外部から見た外部接続端子131と第一外装体11との境界は、単純化(例えば円形)されるために、インサート成形時における樹脂の充填性を高めることができる。したがって、凹部1315または凸部1314の周囲にまで隙間なく樹脂を充填することができ、気密性を高めることができる。
また、凹部1315または凸部1314は、接続部1311の周方向に沿って複数、配列されている。
この構成によれば、凹部1315または凸部1314が接続部1311の周方向に沿って複数、配列されているので、複数の凹部1315または凸部1314のそれぞれが第一外装体11に引っかかる。つまり、複数の位置で外部接続端子131の回転移動を規制することができ、気密性を長期にわたって維持することができる。
さらに、凹部1315または凸部1314が複数、配列されていれば、複数の凹部1315または凸部1314が第一外装体11に引っかかるために、耐トルク強度をより高めることが可能である。
また、接合部は、導電部材132にカシメられたカシメ部1316である。
例えば、接合部は、塑性変形されることにより導電部材132に接合された部位である。このため、圧入による塑性変形や、カシメによる塑性変形などによって接合部は形成される。圧入で形成された接合部よりも、カシメで形成された接合部の方が、強固に導電部材132と接合することが可能である。したがって、接合部がカシメ部1316であれば、導電部材132に対する外部接続端子131の軸方向のスライド移動を安定して規制することができる。
また、カシメ部1316は、軸方向視で非円形状に形成されている。
これによれば、カシメ部1316が非円形状に形成されているので、当該カシメ部1316が第一外装体11に係合して、軸方向を中心とした外部接続端子131の回転移動を規制することができる。したがって、気密性をより安定して維持することができる。回転移動が規制されれば、耐トルク強度もより高められることとなる。
[変形例1]
上記実施の形態では、カシメ前において外部接続端子131の軸部1312が、軸方向に一様な形状である場合を例示した。この変形例1では、カシメ前において軸部が軸方向に異なる形状となった外部接続端子について説明する。
図11は、変形例1に係る外部接続端子131aの、カシメ前の状態を示す斜視図である。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図11に示すように、カシメ前においては、外部接続端子131aの軸部1312aは、基端部が軸方向視正六角形状に形成されており、先端部が軸方向視円形状に形成されている。軸部1312aの基端部と先端部との間は、先端に行くほど軸方向視円形状に近づく形状となっている。また、軸部1312aの先端部は、基端部の外接円の直径よりも小さな直径となっている。つまり、軸部1312aは、全体として先細る形状になっている。この外部接続端子131aを、導電部材132の貫通孔1323に貫通させると、軸部1312aの基端部が貫通孔1323に嵌合する。軸部1312aをカシメると、軸部1312aの先端部が広がるように塑性変形して、導電部材132に接合される。つまり、カシメ後においては、貫通孔1323よりも広がった部分がカシメ部(接合部)となる。この場合のカシメ部は、実施の形態のカシメ部1316よりも円形に近い形状となる。
[変形例2]
上記実施の形態では、外部接続端子131のカシメ部1316の全体が第一外装体11に封止されている場合を例示した。この変形例2では、カシメ部の一部が第一外装体から露出した場合について説明する。
図12は、変形例2に係る第一外装体11bの正極外部端子13近傍の構造を示す断面図である。図12は、図10に対応する図である。図12に示すように、第一外装体11bは、外部接続端子131におけるカシメ部1316の一部(下面)が露出している。このため、第一外装体11bには、実施の形態の第一外装体11に備えられていた突起118がない。第一外装体11bでは、突起118分だけ肉厚を薄くすることができる。この場合においても、外部接続端子131に設けられた凹部1315または凸部1314の全体が第一外装体11bに封止されているので、第一外装体11bを肉厚にしなくとも、沿面距離を延ばすことができ、気密性も維持しやすい。
また、変形例2では、蓄電素子100と、外装体10とを備える蓄電装置1であって、外部接続端子131と、外部接続端子131に組み付けられて、蓄電素子100に電気的に接続された導電部材132とを備え、外部接続端子131は、外部機器が接続される接続部1311と、接続部1311から突出する軸部1312と、軸部1312の先端に連続し、導電部材132に塑性接合された接合部(カシメ部1316)と、を備え、接続部1311の周面は凹部1315または凸部1314を有しており、導電部材132には、軸部1312が嵌合する軸方向視非円形状の貫通孔1323が形成されており、外装体10は、外部接続端子131の接続部1311の一部を露出した状態で、凹部1315または凸部1314を封止している。
これによれば、外部接続端子131における非円形の軸部1312が導電部材132の貫通孔1323に挿通されるので、導電部材132に対する外部接続端子131の軸方向を中心とした回転移動が規制されることとなる。また、カシメ部1316は、軸部1312の先端に連続し、導電部材132に塑性接合されているので、このカシメ部1316によって、導電部材132に対する外部接続端子131の軸方向のスライド移動も規制される。このように、回転移動とスライド移動とが規制されているので、導電部材132と外部接続端子131との間に隙間ができにくくなる。このため、インサート成形時に導電部材132と外部接続端子131との間に樹脂が侵入することを抑制でき、安定した電気接続を確保することができる。
そして、外装体10の第一外装体11bが、外部接続端子131の接続部1311の一部を露出した状態で、凹部1315または凸部1314を封止している。これにより、凹部1315または凸部1314が第一外装体11bに引っかかることとなって、第一外装体11b内における外部接続端子131の回転移動を規制することができる。つまり、回転移動を起因とした隙間の発生を抑制することができ、気密性を長期にわたって維持することが可能である。
また、凹部1315または凸部1314が全体として第一外装体11bに封止されることで、凹部1315または凸部1314は第一外装体11bから露出しない。つまり、外部から見た外部接続端子131と第一外装体11bとの境界は、単純化(例えば円形)されるために、インサート成形時における樹脂の充填性を高めることができる。したがって、凹部1315または凸部1314の周囲にまで隙間なく樹脂を充填することができ、気密性を高めることができる。
[その他]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及び変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、導電部材132の拡幅部1324が第一外装体11から露出している場合を例示した。しかし、導電部材132の全体が第一外装体11に埋設され、封止されていてもよい。この場合、導電部材132とバスバー41との電気的な接続を確保しておく必要がある。これを実現するための手法としては、例えば、導電部材132とバスバー41との接続部分も含んでインサート成形する手法や、導電部材132に接続された他の導電部材を第一外装体11から露出し、当該露出部分を介してバスバー41に接続する手法などが挙げられる。
また、導電部材132の突出部1322が本体部1321の長手方向に直交している場合を例示して説明したが、導電部材の突出部は長手方向に対して交差する方向に突出していればよい。このように、本体部1321の長手方向に交差する方向に突出する突出部1322に対して、外部接続端子131が組み付けられていれば、突出部1322の突出量を調整することで外部接続端子131との組み付け位置を調整することができる。
また、上記実施の形態では、接合部がカシメによって形成されたカシメ部1316である場合を例示したが、接合部は塑性変形によって導電部材に接合されるのであれば、その他の塑性変形方法で形成されていてもよい。カシメ以外の塑性変形方法としては、圧入が挙げられる。具体的には、外部接続端子の軸部を導電部材の貫通孔内に圧入することで、外部接続端子と導電部材とが接合される。圧入により形成された接合部は、導電部材の貫通孔内に嵌合した部位となる。
また、上記実施の形態では、接続部1311の全周にわたって複数の凹部1315または凸部1314が配列されている場合を例示した。しかし、複数の凹部または凸部は、接続部1311の周面に沿って、当該接続部の一部にのみ配列されていてもよい。さらには、接続部の周面には、少なくとも一つの凹部または凸部が形成されていればよい。凹部または凸部が1つであっても、これらは外装体に対して引っかかるので、外部接続端子の回転移動を規制することが可能である。