JP7076232B2 - 勾配付与部材及び換気スリーブ - Google Patents

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本発明は、建物の壁を貫通する換気スリーブ及びこれに設けられる勾配付与部材に関し、特に前記換気スリーブの内管に勾配を付ける勾配付与部材に関する。
一般に、家屋等の建物には換気ダクトが配管されている。換気ダクトは、例えば厨房のレンジフード等から外壁へ延びている(特許文献1等参照)。例えば、特許文献1においては、換気ダクトの屋外側端部に換気スリーブが接続されている。換気スリーブは、鍔付きの外スリーブと、断熱層付きの内管を含む。外スリーブが建物の外壁の貫通孔に嵌められ、かつ該外スリーブの鍔が外壁にビス止めされている。外スリーブ内に収容された断熱層付き内管の内部空間が、換気ダクト内に連なる換気流路となっている。
特開2014-137154号公報
前記換気スリーブの屋内側端部に換気ダクトを接続すると、換気スリーブにおける内管の屋内側端部が換気ダクトの重みで下へ傾くことが懸念される。そうすると、内管の換気流路内に入り込んだ雨水や結露水が屋内側へ流れ込んでしまう。
鍔付き外スリーブの軸線を鍔の直交方向に対して若干斜めにすることで、鍔を鉛直な外壁に宛がうと、外スリーブの軸線が屋内へ向かって上へ傾くように勾配が付く換気スリーブも知られている。しかし、前記換気ダクトの重みを受けても内管の屋内側端部が下向きにならないようにするためには、前記勾配を大きく設定する必要がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、換気スリーブにおける内管の屋内側端部が換気ダクトの重み等で下方へ傾くのを防止し、ひいては雨水や結露水が屋内側へ流れ込むのを防止することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明は、建物の壁の貫通孔に設置される外スリーブに断熱層付きの内管を収容してなる換気スリーブに設けられる勾配付与部材であって、
前記壁又は外スリーブに取付けられる取付部と、
前記取付部に連なるとともに、前記内管を、屋内へ向かって上へ傾くように保持する保持部とを備えたことを特徴とする。
前記勾配付与部材によって換気スリーブの内管に勾配を付けることで、雨水や結露水が屋内側へ流れ込むのを防止できる。
換気スリーブの内管の屋内側端部に換気ダクトの重みが付与されたとき、その荷重は勾配付与部材を介して建物の壁又は外スリーブに受け渡される。外スリーブに受け渡された場合には、該外スリーブから建物の壁へ受け渡される。これによって、内管の屋内側端部が下へ傾くのを防止でき、設定勾配を維持できる。この結果、雨水や結露水が屋内側へ流れ込むのを確実に防止できる。
外スリーブは屋内へ向かって上向きの勾配が付けられている必要が無く、勾配を付けるとしてもその勾配を小さくすることができる。
前記保持部が、前記外スリーブと前記内管との屋内側端部の下側部分どうし間に挿入され、前記内管を押し上げるように配置されていることが好ましい。
これにより、勾配付与部材で内管の屋内側端部を持ち上げて勾配を付けることができる。
前記保持部が、前記内管の外周面の周方向に沿って延びていることが好ましい。
これにより、内管の周方向の広い範囲にわたって保持部を宛がうことで、内管を安定的に保持して勾配を付けることができる。
前記保持部は、前記内管の外周面の周方向に沿って円弧状(部分環状)に湾曲する帯板状であることが、より好ましい。
前記取付部が、前記保持部の両端部にそれぞれ連なる一対の取付片部を含み、各取付片部が前記壁又は外スリーブに取付けられることが好ましい。
これによって、勾配付与部材を壁又は外スリーブに安定的に取付けることができる。一対の取付片部間に保持部が架け渡され、該保持部によって内管を安定的に保持できる。
前記保持部の両端部からそれぞれ外周側へ折り返された折り返し部に前記取付片部が連なっていることが好ましい。
前記折り返し部は、外スリーブへの係止部として用いることができる。
また、本発明は、建物の壁の貫通孔に設置される外スリーブと、前記外スリーブに収容された断熱層付きの内管と、前記勾配付与部材とを備えた換気スリーブを特徴とする。
前記外スリーブの端部に一対のスリットが形成されており、前記勾配付与部材における両端部の折り返し部が、それぞれ対応する前記スリットに挿し込まれていることが好ましい。
これによって、勾配付与部材を外スリーブに対して簡単に位置決めして係止できる。ひいては、内管の勾配を一定に保持でき、施工誤差が生じるのを防止できる。
本発明によれば、換気スリーブの内管の屋内側端部が下へ傾くのを防止できる。ひいては雨水や結露水が屋内側へ流れ込むのを防止できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る換気スリーブが設けられた建物の外壁の縦断面図である。 図2は、前記換気スリーブを屋内側から見た正面図である。 図3は、前記換気スリーブの分解斜視図である。 図4(a)は、前記換気スリーブに設けられる勾配付与部材の平面図である。図4(b)は、前記勾配付与部材の正面図である。図4(c)は、前記勾配付与部材の斜視図である。 図5は、前記外壁に設置された換気スリーブの一部分を屋内側から見た斜視図である。 図6は、前記勾配付与部材の他の使用態様を示し、前記外壁に設置された換気スリーブの一部分を屋内側から見た斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、建物の外壁1(壁)に換気スリーブ2が設けられている。図1において二点鎖線で示す換気ダクト3が、厨房のレンジフード等から延びて換気スリーブ2に接続されている。
図2及び図3に示すように、換気スリーブ2は、外スリーブ10と、内管20を備えている。外スリーブ10は、外スリーブ部11と、鍔12を含む。短筒形状の外スリーブ部11の屋外寄り部分の外周に、四角形状の鍔12が設けられている。
外スリーブ部11及び鍔12の材質は、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属である。
図1に示すように、外スリーブ部11が外壁1の貫通孔1cに嵌められている。ひいては、換気スリーブ2が外壁1を貫通している。外スリーブ部11の軸線は略水平に向けられている。鍔12が、外壁1の鉛直な屋外側合板1aにビス止めされている。
なお、外スリーブ11の軸線は、屋外側へ向かって下へ僅かに傾けられていてもよい。
図1及び図2に示すように、外スリーブ部11に内管20が収容されている。
内管20は、内スリーブ部21と、断熱層22を含む。内スリーブ21は、外スリーブ部11より長くかつ小径の筒形状になっている。内スリーブ部21の内部が、換気流路2aとなっている。換気流路2aが、換気ダクト3内に連なっている
内スリーブ部21の材質は、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属である。
図2に示すように、内スリーブ部21の外周に断熱層22が設けられている。断熱層22は、厚肉の環状ないしは筒状になっている。断熱層22は、グラスウール、ガラス繊維フェルトなどの断熱材によって構成されている。
図1に示すように、断熱層22の外周に外スリーブ部11が被さっている。断熱層22の屋外側の端部には、金属製の環状の防水キャップ23が被せられている。
図3に示すように、断熱層22の屋外寄り部分の外周には、環状のパッキン24(シール部材)が設けられている。パッキン24は、ポリエチレンなどの樹脂、ゴムその他の水密性材質によって構成されている。パッキン24によって、外スリーブ部11と断熱層22との間がシールされている。
図3に示すように、換気スリーブ2には、勾配付与部材30が付加されている。勾配付与部材30は、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属によって構成されている。より好ましくは、勾配付与部材30は、所定形状(例えばコ字状)に打ち抜かれた1枚の金属板を折り曲げ加工することによって作製されている。
図4(a)~同図(c)に示すように、勾配付与部材30は、保持部31と、一対の取付ベース部33と、一対の取付片部34を含む。保持部31は、円弧状(部分環状)に湾曲する帯板状になっている。図2に示すように、保持部31の曲率は、内管20の断熱層22の外周面の曲率に合わせられている。図4(b)に示すように、保持部31の中心角α31は、好ましくはα31=90°~150°程度、より好ましくはα31=120°程度である。
図4(b)及び同図(c)に示すように、勾配付与部材30は、保持部31の両端部において、それぞれ保持部31の外周側へ略180°折り返されており、折り返し部32(係止部)が形成されている。保持部31の両端部にそれぞれ折り返し部32を介して取付ベース部33が連なっている。取付ベース部33は、保持部31の外周側に重なる板状になっている。保持部31と取付ベース部33との間の隙間厚さは、外スリーブ部11の厚みと同等かそれより少し大きい程度である。
図4に示すように、各取付ベース部33の屋内側の縁に取付片部34が連なっている。したがって、保持部31の両端部にそれぞれ折り返し部32及び取付ベース部33を介して取付片部34が連なっている。一対の取付片部33どうし間に保持部31が架け渡されている。
折り返し部32と取付ベース部33と取付片部34とによって、取付部36が構成されている。
図4(b)及び同図(c)に示すように、取付片部34は、取付ベース部33に対して直交する長方形の板状になっている。該取付片部34が、取付ベース部33から保持部31の半径方向へ沿って斜め下方へ突出されている。図4(b)に示すように、正面視において、一対の取付片部34どうしが互いに「ハ」字状をなすように配置されている。各取付片部34にはネジ挿通孔34cが形成されている。
取付片部34は、保持部31の屋内側の縁(図4(a)において上縁)と屋内外方向のほぼ同じ位置に配置されている。ここで、屋内外方向とは、外壁1の屋内側と屋外側を結ぶ方向(図4(a)の上下方向、図1の左右方向)を云う。
図2及び図3に示すように、換気スリーブ2には、前記勾配付与部材30を取り付けるために、一対のスリット11s(被係止部)が形成されている。スリット11sは、外スリーブ部11の屋内側端面から外スリーブ部11の軸線に沿って延びる切込み状になっている。スリット11sの切込み長さは、勾配付与部材30の保持部31の幅寸法とほぼ等しい。
図2に示すように、一対のスリット11sは、外スリーブ部11の下半部の互いに左右対称な位置に配置されている。外スリーブ部11の周方向における、一対のスリット11sどうしの離間角度は、勾配付与部材30の中心角α31と略等しい。一対のスリット11sどうしの離間距離は、勾配付与部材30の一対の折り返し部32どうし間の距離と実質等しい。
勾配付与部材30は、次のようにして換気スリーブ2に取付けられている。
図1及び図2に示すように、勾配付与部材30の保持部31が、外スリーブ10と内管20との屋内側端部の下側部分どうし間に挿入されている。図2及び図5に示すように、一対の折り返し部32が、外スリーブ10の対応するスリット11sに挿し込まれて係止されている。これによって、勾配付与部材30が外スリーブ10に取付けられている。
更に、図5に示すように、各取付片部34が、外壁1の屋内側石膏ボード1dの屋内側面に宛がわれている。詳細な図示は省略するが、ビス35が、挿通孔34cを通して石膏ボード1d及び屋内側合板1bに打ち込まれている。これによって、一対の取付片部34が外壁1に取付けられている。ひいては、勾配付与部材30が外壁1に固定されている。
図1及び図2に示すように、勾配付与部材30の保持部31は、外スリーブ部11の一対のスリット11sを結ぶように架け渡されるとともに、保持部31の中央部は、外スリーブ部11の底部から少し浮き上がり、断熱層22の外周面に下側から押し当てられることで、内管20の屋内側端部を押し上げるようにして保持している。これによって、内管20が、外スリーブ10に対して傾けられ、屋内へ向かって上へ傾く勾配が付けられている。当該内管20の勾配は、好ましくは30分の1~50分の1程度、より好ましくは40分の1程度である。
パッキン24が外スリーブ部11と内管20の角度の違いに合わせて弾性変形されることによって、外スリーブ部11と断熱層22との間のシールが確保されている。
換気スリーブ2においては、勾配付与部材30によって内管20に勾配が付けられることによって雨水や結露水が屋内側へ流れ込むのを防止できる。
しかも、換気スリーブ2の屋内側端部に換気ダクト3の重みが付与されたとき、その荷重は勾配付与部材30を介して外壁1に受け渡される。したがって、内管20の屋内側端部が下へ傾くのを防止できる。これによって、雨水や結露水が屋内側へ流れ込むのを一層確実に防止できる。
勾配付与部材30の両端の折り返し部32(係止部)が外スリーブ10のスリット11s(被係止部)に係止されることによって、勾配付与部材30が外スリーブ10に対して位置固定される。ひいては、内管20の勾配が一定の大きさに決められる。したがって、作業者が内管20の勾配を可変調節する必要が無く、施工誤差が生じるのを防止できる。
図6は、勾配付与部材30の他の使用態様を示したものである。
図6においては、勾配付与部材30が、図1及び図5の態様に対して前後反転されている。このため、取付片部34が、保持部31の屋外側の縁と屋内外方向におけるほぼ同じ位置に配置されている。該取付片部34が、屋内側合板1bに宛がわれ、ビス35によって屋内側合板1bに直接固定されている。取付片部34は、屋内側合板1bと屋内側石膏ボード1dとの間に挟まれている。保持部31の幅が石膏ボード1dの厚さと実質等しいために、保持部31の屋内外方向の位置は、図1及び図5の態様とほぼ同じである。
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、勾配付与部材が換気スリーブ2の屋外側部に設けられていてもよい。保持部が、外スリーブ10と内管20との屋外側端部の上側部分どうし間に挟まれ、内管20の屋外側端部を押し下げていてもよい。
勾配付与部材の保持部は、外スリーブ10と内管20との間に介在されたスペーサ状であってもよい。
勾配付与部材の取付部36が、外スリーブ10を経ずに壁1に直接取り付けられていてもよい。
逆に、勾配付与部材の取付部36が、壁1には取り付けられずに、外スリーブ10だけに取付けられていてもよい。例えば、取付部36が外スリーブ10にビス止めや溶接で固定されていてもよい。換気スリーブ2の荷重が、勾配付与部材及び外スリーブ10を介して壁1に伝わるようにしてもよい。
本発明は、例えば、建物の換気用のダクト設備に適用できる。
1 外壁(壁)
1a 屋外側合板
1b 屋内側合板
1c 貫通孔
1d 屋内側石膏ボード
2 換気スリーブ
2a 換気流路
3 換気ダクト
10 外スリーブ
11 外スリーブ部
11s スリット(被係止部)
12 鍔
20 内管
21 内スリーブ部
22 断熱層
23 防水キャップ
24 パッキン
30 勾配付与部材
31 保持部
32 折り返し部(係止部)
33 取付ベース部
34 取付片部
34c ネジ挿通孔
35 ビス
36 取付部
α31 中心角

Claims (5)

  1. 建物の壁の貫通孔に設置される外スリーブに断熱層付きの内管を収容してなる換気スリーブに設けられる勾配付与部材であって、
    前記壁又は外スリーブに取付けられる取付部と、
    前記取付部に連なるとともに、前記内管を、屋内へ向かって上へ傾くように保持する保持部とを備え、
    前記保持部が、前記内管の外周面の周方向に沿って延び、前記取付部が、前記保持部の両端部にそれぞれ連なる一対の取付片部を含み、各取付片部が前記壁又は外スリーブに取付けられることを特徴とする勾配付与部材。
  2. 前記保持部が、前記外スリーブと前記内管との屋内側端部の下側部分どうし間に挿入され、前記内管を押し上げるように配置されていることを特徴とする請求項1の記載の勾配付与部材。
  3. 前記保持部の両端部からそれぞれ外周側へ折り返された折り返し部に前記取付片部が連なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の勾配付与部材。
  4. 建物の壁の貫通孔に設置される外スリーブと、前記外スリーブに収容された断熱層付きの内管と、請求項1~3の何れか1項に記載の勾配付与部材とを備えたことを特徴とする換気スリーブ。
  5. 前記外スリーブの端部に一対のスリットが形成されており、
    請求項3に記載の勾配付与部材における両端部の折り返し部が、それぞれ対応する前記スリットに挿し込まれていることを特徴とする請求項4に記載の換気スリーブ。
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