この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置が適用される自律移動体システムの構成図である。
図1において、複数の携帯端末装置1の各々は、複数の人の各々に携帯される。例えば、複数の携帯端末装置1の各々は、スマートフォン等のウェアラブルデバイスである。例えば、複数の携帯端末装置1の各々は、建築物の内部において図示されない複数の利用者の各々に所持される。
エレベーター2は、建築物の内部に設けられる。エレベーター2は、かごを備える。当該かごは、建築物の内部において鉛直方向に移動し得るように設けられる。
複数の自律移動体3の各々は、建築物の内部に配置される。複数の自律移動体3の各々は、人が操作せずとも自律移動する機械装置である。例えば、複数の自律移動体3の各々は、ロボットである。例えば、複数の自律移動体3の各々は、パーソナルモビリティである。
複数の無線通信装置4の各々は、建築物の内部に設けられる。複数の無線通信装置4の各々は、携帯端末装置1と無線通信を行い得るように設けられる。
エレベーター制御装置5は、建築物の内部に設けられる。エレベーター制御装置5は、エレベーター2を全体的に制御し得るように設けられる。一群として管理される複数のエレベーター2群が存在する場合、エレベーター制御装置5は、複数のエレベーター2群の各々をバンクとして制御する。例えば、高層ビルにおいて高層階行きのエレベーター2群と低層階行きエレベーター2群とが存在する場合、エレベーター制御装置5は、高層階行きのエレベーター2群と低層階行きエレベーター2群とをそれぞれ別のバンクとして制御する。
自律移動体制御装置6は、建築物の内部に設けられる。自律移動体制御装置6は、複数の自律移動体3の各々を制御し得るように設けられる。
自律移動体3の業務計画装置7は、屋内地図データベース7aと業務データベース7bと自律移動体データベース7cと携帯端末装置データベース7dとを備える。
屋内地図データベース7aは、対象領域の屋内の地図に関する情報を記憶する。業務データベース7bは、自律移動体3の業務に関する情報を記憶する。自律移動体データベース7cは、自律移動体3に関する情報を記憶する。携帯端末装置データベース7dは、携帯端末装置1に関する情報を記憶する。
業務計画装置7は、充電量予測部7eと利用者流推定部7fと輸送効率評価部7gと移動ルート計画部7hと充電器設置場所決定部7jと行動計画部7iと進行方向予測部7kと衝突判定部7lとを備える。
充電量予測部7eは、複数の自律移動体3の各々の充電量を予測する。例えば、充電量予測部7eは、自律移動体制御装置6からの情報に基づいて複数の自律移動体3の各々の充電量を予測する。
利用者流推定部7fは、エレベーター2を利用する利用者の流れを推定する。例えば、利用者流推定部7fは、エレベーター制御装置5からのエレベーター2の動作履歴の情報に基づいて利用者の流れを推定する。
輸送効率評価部7gは、自律移動体3によるエレベーター2の利用が抑制される時間帯を予め規定する。輸送効率評価部7gは、エレベーター2の輸送効率を演算する。
例えば、輸送効率評価部7gは、エレベーター2を利用する利用者の流れに基づいて当該自律移動体3が候補として挙げられた時刻に移動を開始した際のエレベーター2の利用者の待ち時間を評価する。複数のバンクが選択され得る場合、輸送効率評価部7gは、複数のバンクを利用した際のエレベーター2の輸送効率を評価する。この際、業務計画装置7は、最も待ち時間の短いバンクを当該自律移動体3が利用するバンクとする。
エレベーター2の利用者の待ち時間が評価される際、輸送効率評価部7gは、エレベーター2の周回時間としてエレベーター2が主階床を出発して再び主階床に戻ってくるまでの時間を演算する。周回時間は、エレベーター2の総走行時間と総停止時間と利用者の総乗降時間との和で定義される。
輸送効率評価部7gは、1周当たりの走行距離をエレベーター2の速度で除算することで総走行時間を演算する。この際、輸送効率評価部7gは、階床数と階高との情報に基づいて1周当たりの走行距離を演算する。輸送効率評価部7gは、エレベーター2の加減速時間と戸開閉時間とを含む1回停止するごとに増加する時間と1周当たりの停止回数とを積算することで総停止時間を演算する。輸送効率評価部7gは、エレベーター2の定格速度をエレベーター2の制御方式で規定される加速度と減速度とで除算することで1回停止するごとに増加する時間を演算する。輸送効率評価部7gは、各階から乗車する利用者の数と当該利用者の行先階の個数の期待値を1周当たりの停止回数として演算する。
輸送効率評価部7gは、利用者数と利用者1人当たりの乗降時間とを積算することで利用者の総乗降時間を演算する。なお、利用者1人当たりの乗降時間は、予め規定される。
周回時間RTTの単位が秒であり、N台のエレベーター2が設置されている場合、いずれかのエレベーター2のかごが(RTT/N)の間隔で主階床に到着する。この場合、利用者の最長待ち時間は(RTT/N)秒である。利用者の最短待ち時間は0秒である。利用者の平均待ち時間は、(RTT/2N)である。
輸送効率評価部7gは、総移動時間として利用者の乗場での待ち時間と利用者がかごに乗ってから行先階で降りるまでの乗車時間との和を演算する。
輸送効率評価部7gは、利用者がかごに乗ってから行先階で降りるまでの乗車時間を演算する際にかごが上方に出発した場合の方向反転階と最初の停止階とを演算する。方向反転階は、行先階の中で最も高い階の期待値として演算される。最初の停止階とは、次の行先階の期待値として演算される。
輸送効率評価部7gは、周回時間RTTから主階床までの走行距離と方向反転階から主階床までの走行時間とを減算することで主階床から方向反転階までの走行時間T1を演算する。輸送効率評価部7gは、主階床から最初の停止階までの走行距離を定格速度で除算することで主階床から最初の停止階までの走行時間T2を演算する。
輸送効率評価部7gは、利用者の平均乗車時間を((T1+T2)/2)とする。輸送効率評価部7gは、利用者1人当たりの平均総移動時間を(RTT/(2N)+(T1+T2)/2)とする。
輸送効率評価部7gは、利用者の総移動時間と待ち時間とを周回時間RTTから演算しない場合もある。この場合、例えば、輸送効率評価部7gは、シミュレーションで利用者の総移動時間を演算することもある。この場合、対象とするビルの階床と階高とエレベーター2のかご台数と定格速度と定員とがシミュレーションに設定される。シミュレーションにおいて、任意に設定された利用者がエレベーター2を呼んだ際、適切なかごが応答する。その後、利用者がかごに乗る。その後、エレベーター2の戸が閉じる。その後、かごは、利用者が所望する行先階に移動する。その後、利用者は、行先階でかごから降りる。この際、輸送効率評価部7gは、シミュレーションにおいて個々の利用者の乗場到着時刻からかごへ乗った後にかごから降りるまでの移動時間を集計して利用者の待ち時間を演算する。
輸送効率評価部7gは、エレベーター2の輸送効率としてエレベーター2の総移動時間を演算することもある。輸送効率評価部7gは、エレベーター2の輸送効率としてエレベーター2の消費電力量を演算することもある。
移動ルート計画部7hは、複数の自律移動体3の各々の移動ルートを計画する。例えば、移動ルート計画部7hは、エレベーターが複数台ある場合に利用者の待ち時間の増加量が最も少なくなるエレベーター2を利用した移動ルートを自律移動体3の移動ルートとして計画する。
例えば、行動計画部7iは、充電器の設置場所での自律移動体3の充電量が必要量以上となるように、複数の自律移動体3の各々の業務の開始時刻と複数の自律移動体3の各々の業務の終了時刻と複数の自律移動体3の各々の移動の開始時刻と複数の自律移動体3の各々の移動の終了時刻とを計画する。
充電器設置場所決定部7jは、充電器の設置場所を決定する。例えば、充電器設置場所決定部7jは、自律移動体3の移動時間が予め規定された条件において最良となる移動ルートに対応した場所を充電器の設置場所とする。
進行方向予測部7kは、自律移動体3の進行方向と人の進行方向とを予測する。例えば、進行方向予測部7kは、自律移動体制御装置6からの情報に基づいて自律移動体3の進行方向を予測する。例えば、無線通信装置4からの情報に基づいて人の進行方向を予測する。
衝突判定部7lは、進行方向予測部7kによる予測結果に基づいて自律移動体3と人とが衝突するか否かを判定する。例えば、衝突判定部7lは、進行方向予測部7kによる予測結果において予め設定された条件が満たされた際に自律移動体3と人とが衝突すると判定する。
次に、図2を用いて、業務データベース7bを説明する。
図2はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置の業務データベースを説明するための図である。
例えば、業務データベース7bは、自律移動体3の業務を4つに分離して情報を記憶する。例えば、業務データベース7bは、時刻指定業務の情報と期間指定業務の情報と定期業務の情報とその他の業務の情報とを記憶する。
時刻指定業務において、少なくとも、業務の内容と業務の実施場所と業務の開始時刻または業務の終了時刻とが規定される。時刻指定業務において、業務の内容と業務の実施場所と業務の開始時刻と業務の終了時刻とが規定されてもよい。時刻指定業務において、業務の実施時間または業務の実施条件が規定されてもよい。時刻指定業務において、他の業務と比べた時の実施優先度が規定されてもよい。
期間指定業務において、少なくとも、業務の内容と業務の実施場所と業務を実施してもよい期間とが規定される。業務を実施してもよい期間は、期間の開始時刻と終了時刻とが規定される。期間指定業務において、業務の実施時間または業務の実施条件が規定されてもよい。期間指定業務において、他の業務と比べた時の実施優先度が規定されてもよい。
定期業務において、少なくとも、業務の内容と業務の実施場所と前回の実施日時から次回の実施日時までの最小間隔または前回の実施日時から次回の実施日時までの最大間隔とが規定される。定期業務において、業務の内容と業務の実施場所と前回の実施日時から次回の実施日時までの最小間隔と前回の実施日時から次回の実施日時までの最大間隔とが規定されてもよい。定期業務において、業務の実施時間または業務の実施条件が規定されてもよい。定期業務において、他の業務と比べた時の実施優先度が規定されてもよい。
その他業務において、少なくとも、業務の内容と業務の実施場所とが規定される。その他業務において、業務の実施時間または業務の実施条件が規定されてもよい。その他業務において、他の業務と比べた時の実施優先度が規定されてもよい。
例えば、自律移動体3の充電は、自律移動体3にとって業務である。充電の実施条件は、充電量が規定値以下になることである。充電の実施優先度は最高である。この場合、充電は、その他業務として規定される。
次に、図3を用いて、自律移動体データベース7cを説明する。
図3はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置の自律移動体データベースを説明するための図である。
図3に示されるように、自律移動体データベース7cは、自律移動体3の個体識別子の情報と提供可能業務の情報と現在の充電量の情報と現在地の情報とを対応付けて記憶する。
次に、図4を用いて、携帯端末装置データベース7dを説明する。
図4はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置の携帯端末装置データベースを説明するための図である。
図4に示されるように、携帯端末装置データベース7dは、携帯端末装置1の個体識別子の情報と現在地の情報とを対応付けて記憶する。
次に、図5を用いて、自律移動体3の行動計画の作成方法を説明する。
図5はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置による自律移動体の行動計画の作成方法を説明するための図である。
図5に示されるように、業務計画装置7は、「R1」の自律移動体3の行動計画と「R2」の自律移動体3の行動計画と「R3」の自律移動体3の行動計画とを作成する。業務計画装置7は、「A1」から「AN」の業務と「B1」から「BN」の業務と「C1」から「CN」の業務とのうちの複数の業務を実施するための移動ルートと業務を実施する日時とを計画する。
次に、図6を用いて、自律移動体3の行動計画の選定方法を説明する。
図6はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置による自律移動体の行動計画の選定方法を説明するための図である。
一連の行動計画は、図6で表される。図6において、節点は、ノードと呼ばれる。節点を結ぶ辺は、エッジと呼ばれる。Sは、スタートノードを表す。R1は、「R1」の自律移動体3を表す。R2は、「R2」の自律移動体3を表す。R3は、「R3」の自律移動体3を表す。
スタートノードSから業務A1の開始時刻に、ノードR1とノードR2とノードR3とのうちのいずれかのノードに進む必要がある。
あるノードに進んだ場合のコストは、エレベーター2の輸送効率への影響を示す指標で演算される。例えば、当該コストは、エレベーター2の利用者の待ち時間の増加量で演算される。
次に、開始時刻が近い業務は、業務B2である。このため、業務B2の開始時刻に、ノードR1とノードR2とノードR3とのうちのいずれかのノードに進む必要がある。
しかしながら、ノードR2からノードR2に進むためには、自律移動体3の充電量が足りない。このため、ノードR2からノードR2に進むことはできない。ノードR3からノードR3に進むためには、エレベーター2の利用が抑制される時間帯にエレベーター2の利用が必要となる。エレベーター2の利用が抑制される時間帯にエレベーター2を利用しないと、業務B2の開始時刻に間に合わない。このため、ノードR3からノードR3へ進むことはできない。従って、第1の選択は、ノードR1からノードR2へ進むことである。第2の選択は、ノードR3からノードR1に進むことである。
スタートノードSからノードR1を経てノードR2に進んだ場合のコストは、業務A1を「R1」の自律移動体3に実施させたときのコストと業務B2を「R2」の自律移動体3に実施させたときのコストとの和として演算される。スタートノードSからノードR3を経てノードR1に進んだ場合のコストは、業務A1を「R3」の自律移動体3に実施させたときのコストと業務B2を「R1」の自律移動体3に実施させたときのコストとの和として演算される。
このように、業務計画装置7は、次の業務を決めた上で取り得るノードを決める。業務計画装置7は、取り得るノードに対応したコストを演算する。業務計画装置7は、当該演算を繰り返す。
例えば、1日分の自律移動体3の行動計画を作成する場合、コストが最小となる行動計画は、1日経過した時点でのコストが最小のノードに至る経路に対応する。この際、行動計画を効率的に作成する際に各種の探索アルゴリズムを利用すればよい。例えば、最良優先探索のためにダイクストラ法を利用すればよい。例えば、最良優先探索のためにエースターサーチを利用すればよい。
次に、図7と図8とを用いて、業務計画装置7が行動計画を作成する際の動作を説明する。
図7と図8とはこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置が行動計画を作成する際の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS1では、業務計画装置7は、次の業務を選択する。例えば、業務計画装置7は、業務データベース7bの中から開始時刻が最も近い業務を次の業務として選択する。例えば、業務計画装置7は、業務データベース7bの中から終了時刻が最も近い業務を次の業務として選択する。例えば、業務計画装置7は、業務データベース7bの中から開始時刻で開始して実施時間を経過した際の時間が最も近い業務を次の業務として選択する。例えば、業務計画装置7は、終了時刻で終了するために実施時間を確保するための時間が最も近い業務を次の業務として選択する。
その後、業務計画装置7は、ステップS2の動作を行う。ステップS2では、業務計画装置7は、自律移動体データベース7cの中から次の業務を提供し得る1台の自律移動体3を選択する。
その後、業務計画装置7は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、業務計画装置7は、当該自律移動体3の充電が必要か否かを判定する。具体的には、業務計画装置7は、当該自律移動体3が次の業務の実施場所へ移動した上で次の業務を実施するために必要な充電量を備えているか否かを判定する。
次の業務の実施場所への移動に必要な充電量は、次の業務の実施場所への移動による消費電力量に基づいて判定される。例えば、次の業務の実施場所への移動に必要な充電量は、予め規定される。例えば、次の業務の実施場所への移動に必要な充電量は、実績から学習される。
次の業務を実施するために必要な充電量は、次の業務の実施による消費電力量に基づいて判定される。例えば、次の業務を実施するために必要な充電量は、予め規定される。例えば、次の業務を実施するために必要な充電量は、実績から学習される。
ステップS3で当該自律移動体3の充電が不要である場合、業務計画装置7は、ステップS4の動作を行う。ステップS4では、業務計画装置7は、当該自律移動体3が現在位置から次の業務の実施場所へ移動を開始する時刻を決定する。例えば、現在時刻から次の業務の開始時刻までの間に、エレベーター2が混雑する時間帯等のエレベーター2の利用が抑制される時間帯が規定されている場合、業務計画装置7は、エレベーター2の利用が抑制される時間帯に含まれない時間帯に当該自律移動体3の移動の開始時刻の候補を決定する。
エレベーター2の利用が抑制される時間帯の前に当該自律移動体3が移動し得る場合とエレベーター2の利用が抑制される時間帯の後に当該自律移動体3が移動し得る場合がある。この場合、業務計画装置7は、エレベーター2の利用が抑制される時間帯の前に当該自律移動体3が移動し得る場合とエレベーター2の利用が抑制される時間帯の後に当該自律移動体3が移動し得る場合とで当該自律移動体3の移動の開始時刻の候補を決定する。
複数のバンクにおいて、エレベーター2の利用が抑制される時間帯が一方のバンクのみに規定されている場合もある。この場合、業務計画装置7は、エレベーター2の利用が抑制される時間帯の前に一方のバンクのエレベーター2を利用して当該自律移動体3が移動し得る場合の当該自律移動体3の移動の開始時刻の候補を決定する。業務計画装置7は、エレベーター2の利用が抑制される時間帯の後に一方のバンクのエレベーター2を利用して当該自律移動体3が移動し得る場合の当該自律移動体3の移動の開始時刻の候補を決定する。業務計画装置7は、時間帯に関係なく他方のバンクのエレベーター2を利用して当該自律移動体3が移動し得る場合の当該自律移動体3の移動の開始時刻の候補を決定する。
その後、業務計画装置7は、ステップS5の動作を行う。ステップS5では、業務計画装置7は、エレベーター2の輸送効率を評価する。
その後、業務計画装置7は、ステップS6の動作を行う。ステップS6では、業務計画装置7は、エレベーター2を利用した当該自律移動体3の移動ルートを計画する。
その後、業務計画装置7は、ステップS7の動作を行う。ステップS7では、業務計画装置7は、当該自律移動体3が当該移動ルートで現在地から目的地へ移動したときに次の業務の開始時刻に間に合うか否かを判定する。
ステップS7で当該自律移動体3が当該移動ルートで現在地から目的地へ移動したときに次の業務の開始時刻に間に合わない場合、業務計画装置7は、当該自律移動体3が別のバンクのエレベーター2を利用する移動ルートで現在地から目的地へ移動した場合に次の業務の開始時刻に間に合うか否かを判定する。当該自律移動体3がどのバンクを利用する移動ルートでも現在地から目的地へ移動した場合に次の業務の開始時刻に間に合わない場合、業務計画装置7は、ステップS2の動作を行う。
ステップS7で当該自律移動体3が当該移動ルートで現在地から目的地へ移動したときに次の業務の開始時刻に間に合う場合、業務計画装置7は、ステップS8の動作を行う。ステップS8では、業務計画装置7は、業務の完了時刻を予測する。この際、業務データベース7bにおける業務の実施時間を参照してもよい。
その後、業務計画装置7は、ステップS9の動作を行う。ステップS9では、業務計画装置7は、業務の完了時における当該自律移動体3の充電量を予測する。
その後、業務計画装置7は、ステップS10の動作を行う。ステップS10では、業務計画装置7は、当該自律移動体3の充電量が必要十分であるか否かを判定する。例えば、業務計画装置7は、当該自律移動体3の充電量が充電器の設置個所に戻るために必要な受電量を満たしているか否かを判定する。例えば、業務計画装置7は、非常時向けの業務を行い得る規定台数以上の複数の自律移動体3において予測される充電量が規定値以上となるか否かを判定する。
ステップS10での判定が否定的である場合、業務計画装置7は、ステップS2の動作を行う。
ステップS10での判定が肯定的である場合、業務計画装置7は、ステップS11の動作を行う。ステップS11では、業務計画装置7は、選択し得るノードとして情報を記憶する。
その後、業務計画装置7は、ステップS12の動作を行う。ステップS12では、業務計画装置7は、次の業務を実施し得る全ての自律移動体3に対して移動ルートを計画したか否かを判定する。
ステップS12での判定が否定的である場合、業務計画装置7は、ステップS2の動作を行う。
ステップS12での判定が肯定的である場合、業務計画装置7は、ステップS13の動作を行う。ステップS13では、業務計画装置7は、目的関数が最良のノードを探索する。
その後、業務計画装置7は、ステップS14の動作を行う。ステップS14では、業務計画装置7は、目的関数が最良のノードの業務の完了時刻が規定の計画期間を超えているか否かを判定する。例えば、業務計画装置7は、最良のノードの業務の完了時刻が1日の計画期間の終わりを示す24時を超えているか否かを判定する。
ステップS14での判定が肯定的である場合、業務計画装置7は、ステップS1の動作を行う。
ステップS14での判定が否定的である場合、業務計画装置7は、動作を終了する。
ステップS3で当該自律移動体3の充電が必要である場合、業務計画装置7は、ステップS15の動作を行う。ステップS15では、業務計画装置7は、次の業務を「充電」に更新する。
その後、業務計画装置7は、ステップS16の動作を行う。ステップS16では、業務計画装置7は、当該自律移動体3が現在位置から充電器の設置場所へ移動を開始する時刻を決定する。この際の決定方法は、ステップS4の決定方法と同じである。
その後、業務計画装置7は、ステップS17の動作を行う。ステップS17では、業務計画装置7は、エレベーター2の輸送効率を評価する。この際の評価方法は、ステップS5の評価方法と同じである。
その後、業務計画装置7は、ステップS18の動作を行う。ステップS18では、業務計画装置7は、エレベーター2を利用した当該自律移動体3の移動ルートを計画する。この際の計画方法は、ステップS6の計画方法と同じである。
その後、業務計画装置7は、ステップS19の動作を行う。ステップS19では、業務計画装置7は、充電の完了時刻を予測する。この際、業務データベース7bにおける充電の実施時間を参照してもよい。
次に、図9を用いて、充電器の設置位置の決定方法を説明する。
図9はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置による充電器の設置位置の決定方法を説明するための図である。
図9に示されるように、建築物においては、充電器を設置し得る複数の場所が存在する。業務計画装置7は、当該複数の場所の中から最も適切な場所を充電器の設置場所として決定する。
次に、図10を用いて、業務計画装置7が充電器の設置場所を決定する際の動作を説明する。
図10はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置が充電器の設置場所を決定する際の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS21では、業務計画装置7は、1つの業務を選択する。その後、業務計画装置7は、ステップS22の動作を行う。ステップS22では、業務計画装置7は、充電器を設置し得る1つの場所を選択する。
その後、業務計画装置7は、ステップS23の動作を行う。ステップS23では、業務計画装置7は、選択された業務の終了時刻から自律移動体3が移動を開始する時刻を決定する。この際の決定方法は、図7の決定方法と同じである。
その後、業務計画装置7は、ステップS24の動作を行う。ステップS24では、業務計画装置7は、エレベーター2の輸送効率を評価する。この際の評価方法は、図7の評価方法と同じである。
その後、業務計画装置7は、ステップS25の動作を行う。ステップS25では、業務計画装置7は、自律移動体3の移動ルートを計画する。この際の計画方法は、図7の計画方法と同じである。この際の移動ルートにおいては、業務の実施場所から充電器を設置し得る場所への移動が想定される。
なお、充電器を設置し得る場所から業務の実施場所への移動を想定して移動ルートを計画してもよい。この場合、移動の開始時刻は、業務の開始時刻から移動時間を引いた時刻とすればよい。
その後、業務計画装置7は、ステップS26の動作を行う。ステップS26では、業務計画装置7は、目的関数fCpを演算する。例えば、業務計画装置7は、場所Cpに関する目的関数fCpは、次の(1)式で表される。
(1)式において、TMは、選択された業務Wの実施場所Wpから場所Cpまでの移動時間である。TAは、選択された業務Wの実施場所Wpから場所Cpまで移動するときに利用するエレベーター2を利用する利用者の待ち時間である。αは、係数である。αは、0以上で1以下の実数である。
なお、TMは、選択された業務Wの実施場所Wpから場所Cpまでのエレベーター2の消費電力量でもよい。TAは、選択された業務Wの実施場所Wpから場所Cpまで移動するときに利用するエレベーター2を利用する利用者の待ち時間の増加量でもよい。
その後、業務計画装置7は、ステップS27の動作を行う。ステップS27では、業務計画装置7は、充電器を設置し得る全ての場所が選択されたか否かを判定する。
ステップS27で充電器を設置し得る全ての場所が選択されていない場合、業務計画装置7は、ステップS22の動作を行う。
ステップS27で充電器を設置し得る全ての場所が選択された場合、業務計画装置7は、ステップS28の動作を行う。ステップS28では、業務計画装置7は、全ての業務が選択されたか否かを判定する。
ステップS28で全ての業務が選択されていない場合、業務計画装置7は、ステップS21の動作を行う。
ステップS28で全ての業務が選択された場合、業務計画装置7は、ステップS29の動作を行う。ステップS29では、業務計画装置7は、全ての場所Cpに関する目的関数fCpの中から最良の目的関数fCpとなる場所Cpを充電器の設置場所として決定する。
次に、図11を用いて、自律移動体3と人との衝突の判定方法を説明する。
図11はこの発明の実態の形態1における自律移動体の業務計画装置による自律移動体と人との衝突の判定方法を説明するための鳥瞰図である。
業務計画装置7は、時刻(t-n)の自律移動体3の位置(X、Y、Z)と携帯端末装置1の位置(x、y、z)とを管理する。なお、tは現在時刻である。nは0以上の自然数としてx-y平面は水平面である。
業務計画装置7は、最小二乗法を利用して時刻(t-n)から現在時刻tまでの携帯端末装置1の位置(xm、ym)から、一次関数(y=px+q)を作成する。例えば、図11に示されるように、業務計画装置7は、時刻tの位置(x1、y1)と時刻(t-1)の位置(x2、y2)と時刻(t-2)の位置(x3、y3)とから、一次関数(y=px+q)を作成する。なお、mは自然数である。業務計画装置7は、一次関数の傾きpを携帯端末装置1の進行方向と推定する。
業務計画装置7は、最小二乗法を利用して時刻(t-n)から現在時刻tまでの自律移動体3の位置(Xl、Yl)から、一次関数(y=ux+v)を作成する。例えば、図11に示されるように、業務計画装置7は、時刻tの位置(X1、Y1)と時刻(t-1)の位置(X2、Y2)と時刻(t-2)の位置(X3、Y3)とから、一次関数(y=ux+v)を作成する。なお、lは自然数である。業務計画装置7は、一次関数の傾きuを自律移動体3の進行方向と推定する。
業務計画装置7は、一次関数(y=px+q)と一次関数(y=ux+v)との交点A(xa1、ya1)を衝突予測地点として演算する。業務計画装置7は、次の(2)式で表される条件と次の(3)式で表される条件とが満たされる際に携帯端末装置1と自律移動体3とが衝突し得ると判定する。
(2)式においては、次の(4)式で表される条件は、自律移動体3の最新の位置と交点Aとの距離が規定値Interval未満であることを示す。
(2)式においては、次の(5)式で表される条件は、自律移動体3の最新の位置が過去の位置よりも交点Aに近いことを示す。
(3)式においては、次の(6)式で表される条件は、携帯端末装置1の最新の位置と交点Aとの距離が規定値Interval未満であることを示す。
(3)式においては、次の(7)式で表される条件は、携帯端末装置1の最新の位置が過去の位置よりも交点Aに近いことを示す。
例えば、業務計画装置7は、携帯端末装置1と自律移動体3とが衝突し得ると判定した際に自律移動体制御装置6を介して自律移動体3に対して衝突の可能性を示す信号を送信する。例えば、業務計画装置7は、携帯端末装置1と自律移動体3とが衝突し得ると判定した際に自律移動体制御装置6を介して自律移動体3に対して高速走行の停止信号を送信する。
以上で説明した実施の形態1によれば、自律移動体3の充電量が確保される。このため、自律移動体3は、充電器の設置場所に確実に戻ることができる。このため、自律移動体3に業務を遂行させることができる。
また、自律移動体3の移動ルートは、エレベーター2の利用者の待ち時間が最良となるエレベーター2を利用した移動ルートとなる。この際、自律移動体3によるエレベーターの利用が抑制される時間に含まれない時間帯よりも前における自律移動体3の移動の終了時刻または自律移動体3によるエレベーターの利用が抑制される時間帯に含まれない時間帯よりも後における自律移動体3の移動の開始時刻を決定すればよい。この場合、エレベーター2の輸送効率への影響を抑えた自律移動体3の行動計画と移動計画とを作成することができる。
また、利用者の待ち時間は、利用者の流れに基づいて演算される。このため、より正確に利用者の待ち時間を演算することができる。
また、行動計画と移動計画とは、非常時向けの業務を行い得る規定台数以上の複数の自律移動体3において予測される充電量が規定値以上となるように作成される。このため、非常時に必要な業務を自律移動体3に確実に遂行させることができる。例えば、避難誘導の業務を自律移動体3に確実に遂行させることができる。
また、充電器の設置場所は、自律移動体3の移動時間または利用者の待ち時間で決定される。このため、充電器を適切な場所に設置することができる。
また、自律移動体3と人との衝突が自律移動体3の進行方向と人の進行方向とに基づいて判定される。このため、自律移動体3と人との衝突を回避しながら、自律移動体3に業務を遂行させることができる。例えば、衝突がないと判定された際に、自律移動体3を高速で走行させれば、自律移動体3による業務を効率的に行うことができる。
なお、自律移動体3が建築物の内部で業務を実施する仕組みを構築する場合、自律移動体3が実施予定の業務を確実に実施できるように設備計画を作成する必要がある。例えば、自律移動体3の仕様と性能とを決定する必要がある。例えば、充電池の仕様と性能とを決定する必要がある。例えば、自律移動体3の種類と台数とを決定する必要がある。例えば、充電器の種類と台数とを決定する必要がある。
例えば、高機能および高性能の自律移動体3ほど高価である。例えば、充電容量の多い充電池を搭載した自律移動体3ほど高価である。消費電力量の少ない自律移動体3など高価である。例えば、高機能および高性能の充電器ほど高価である。例えば、高速充電し得る充電器ほど高価である。
実施の形態1において、業務データベース7bにある業務を複数の自律移動体3の各々で実施する計画が成立する場合、想定した自律移動体3の種類と台数および充電器の種類と台数において、想定している業務を実施させることができる。
この際、自律移動体3の種類と台数および充電器の種類と台数の組み合わせを選択する設備選択部7mと、設備選択部7mにより選択された組み合わせの中から想定している業務を実施し得る最良の組み合わせを決定する設備計画決定部7nと、を備えてもよい。最良の組み合わせは、適宜設定される。例えば、最良の組み合わせとして、最も安価な組み合わせが選択される。具体的には、予算内で最も短時間に全業務を終える組み合わせが選択される。この場合、自律移動体3が建築物の内部で業務を実施する仕組みを最適化することができる。
従って、実施の形態1の業務計画装置7によれば、自律移動体3の種類と台数と充電器の種類と台数等の設備計画も提供することができる。このため、合理的な設備計画を得ることができる。
次に、図12を用いて、業務計画装置7の例を説明する。
図12はこの発明の実施の形態1における自律移動体の業務計画装置のハードウェア構成図である。
業務計画装置7の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ8aと少なくとも1つのメモリ8bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア9を備える。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ8aと少なくとも1つのメモリ8bとを備える場合、業務計画装置7の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ8bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ8aは、少なくとも1つのメモリ8bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、業務計画装置7の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ8aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ8bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア9を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、業務計画装置7の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、業務計画装置7の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
業務計画装置7の各機能について、一部を専用のハードウェア9で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、充電量予測部7eの機能については専用のハードウェア9としての処理回路で実現し、充電量予測部7eの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ8aが少なくとも1つのメモリ8bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア9、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで業務計画装置7の各機能を実現する。
なお、利用者流推定部7fと輸送効率評価部7gとの機能をエレベーター制御装置5に持たせてもよい。