(第1実施形態)
以下、遊技機の実施形態について説明する。本明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、外枠Y1と、中枠Y2と、前枠Y3と、を備えている。外枠Y1は、遊技場などの遊技機設置設備(所謂、島設備)に固定される。また、中枠Y2は、外枠Y1の開口前面側に開閉可能に支持されている。中枠Y2には、遊技盤YBを含む遊技盤ユニットが固定される。前枠Y3は、遊技盤YBの前面を覆うように、中枠Y2の前面側に開閉可能に支持されている。前枠Y3には、遊技盤YBを保護する保護ガラスが支持されている。なお、保護ガラスは、前枠Y3の開口部の全体を覆っている。本実施形態では、外枠Y1が支持部材に相当し、中枠Y2及び前枠Y3が扉部材に相当する。また、本実施形態では、前枠Y3が、前扉部材に相当する。前枠Y3は、パチンコ遊技機10の前面側を形成することから、遊技者が触れることが可能となっている。一方、遊技盤YBは、保護ガラスによって覆われていることから、遊技者が触れることが不能となっている。
パチンコ遊技機10には、中枠Y2及び前枠Y3が開放されることの規制や、当該規制の解除を行うための施錠機構Y4が設けられている。例えば、遊技場の管理者が管理する枠キー(鍵)を用いて施錠機構Y4を操作することで解錠され、中枠Y2及び前枠Y3を開放させることができる。パチンコ遊技機10は、扉部材としての中枠Y2及び前枠Y3の開放を検知する扉開放センサKS(図3に示す)を備えている。扉開放センサKSでは、中枠Y2及び前枠Y3のうち少なくとも一方が開放されたことを検知することが可能である。以下の説明において、扉部材が開放された場合とは、中枠Y2及び前枠Y3のうち少なくとも一方が開放された場合に相当し、扉部材が閉鎖された場合とは、中枠Y2及び前枠Y3が閉鎖された場合に相当する。本実施形態では、扉開放センサKSが、扉部材が開放されたことを検知可能な開放検知手段としての機能を実現する。本実施形態では、扉部材が開放されていることが、特定エラーが発生していることに相当し、扉開放センサKSは、特定エラーを検知する特定エラー検知手段に相当する。即ち、本実施形態において、特定エラー検知手段には、扉部材が開放されたことを検知可能な開放検知手段がある。つまり、開放検知手段は、扉部材が開放されたことを検知することで特定エラーを検出するようになっている。
パチンコ遊技機10は、前枠Y3の前面側に、発射ハンドルHDを備えている。パチンコ遊技機10では、発射ハンドルHDの操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技媒体としての遊技球が発射される。このように、発射ハンドルHDは、遊技球の発射を指示可能に構成されている。また、発射ハンドルHDは、発射ハンドルHDに触れたこと、つまり、発射ハンドルHDが操作されたことを検知可能なタッチセンサTSを有している。本実施形態において、タッチセンサTSは、発射ハンドルが操作されたことを検知可能な操作検知手段としての機能を有する。即ち、本実施形態において、発射ハンドルHDは、発射ハンドルHDが操作されたことを検知可能な操作検知手段を有している。
前枠Y3には、内蔵された発光体を発光、点滅、及び消灯させる演出(以下、発光演出と示す)を実行する装飾ランプLaが設けられている。前枠Y3には、各種の音を出力する演出(以下、音演出と示す)を実行するスピーカSpが設けられている。例えば、スピーカSpから出力される音には、背景音及び変動音などがある。背景音(所謂、BGM)は、例えば、遊技の進行に関係なく、スピーカSpから出力される音である。また、変動音は、例えば、遊技の進行に応じてスピーカSpから出力される音である。変動音は、例えば、遊技の進行に応じて出力される効果音である。また、変動音は、例えば、後述する特別ゲームの実行中に出力される音である。遊技機においては、視覚的及び聴覚的に興趣の向上を図ることが、興趣を向上させるにあたって重要な1つの要素となっている。そして、例えば、視覚的に興趣の向上を図ることや、聴覚的に興趣の向上を図ることについても更なる工夫が求められている。本実施形態において、スピーカSpは、音を出力可能な音出力手段に相当する。
前枠Y3には、遊技者が操作可能な第1操作ボタンBT1が設けられている。第1操作ボタンBT1は、原位置P1aと、演出位置P1bと、の間で変位可能となっている。即ち、第1操作ボタンBT1は、原位置P1aと演出位置P1bの間で、動作可能に構成されている。第1操作ボタンBT1は、操作部アクチュエータSA(図3に示す)から動力を受けて動作する。パチンコ遊技機10において、第1操作ボタンBT1は、操作部アクチュエータSAの動力を伝達するためのギア機構を有する。そして、パチンコ遊技機10では、操作部アクチュエータSAの動力がギア機構を経て、第1操作ボタンBT1を動作させる。このように、第1操作ボタンBT1は、動作可能な可動体である。本実施形態において、第1操作ボタンBT1は、遊技者が操作可能な操作可動体に相当する。第1操作ボタンBT1は前枠Y3に設けられていることから、本実施形態における操作可動体は、前扉部材に設けられている。また、パチンコ遊技機10は、第1操作ボタンBT1が原位置P1aに位置しているときに、当該第1操作ボタンBT1を検知可能な第1原位置センサGS1(図3に示す)を備えている。
前枠Y3には、遊技者が操作可能な第2操作ボタンBT2が設けられている。第2操作ボタンBT2は、第1操作ボタンBT1と異なり、動作不能に構成されている。また、前枠Y3には、遊技者が操作可能な上ボタンUB及び下ボタンDBが設けられている。上ボタンUB及び下ボタンDBは、第1操作ボタンBT1と異なり、動作不能に構成されている。即ち、第2操作ボタンBT2、上ボタンUB及び下ボタンDBは、可動体ではない。
パチンコ遊技機10の上部には、上部可動体80が設けられている。上部可動体80は、前枠Y3に設けられている。上部可動体80は、原位置P2aと、演出位置P2bと、の間で変位可能となっている。即ち、上部可動体80は、原位置P2aと演出位置P2bの間で、動作可能に構成されている。上部可動体80は、第1演出アクチュエータEA1(図3に示す)から動力を受けて動作する。パチンコ遊技機10において、上部可動体80は、第1演出アクチュエータEA1の動力を伝達するためのギア機構を有する。そして、パチンコ遊技機10では、第1演出アクチュエータEA1の動力がギア機構を経て、上部可動体80を動作させる。このように、上部可動体80は、動作可能な可動体である。また、パチンコ遊技機10は、上部可動体80が原位置P2aに位置しているときに、当該上部可動体80を検知可能な第2原位置センサGS2(図3に示す)を備えている。そして、パチンコ遊技機10において、前枠Y3に設けられた可動体には、第1操作ボタンBT1と、上部可動体80と、がある。このように、本実施形態の可動体には、前扉部材に設けられた可動体がある。本実施形態において、扉部材に設けられた可動体には、遊技者が操作可能な操作可動体がある。
図2に示すように、遊技盤YBの盤面には、正面視において略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技盤YBは、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球を、遊技領域YBaへ案内する案内通路19を備えている。遊技盤YBは、遊技領域YBaへ打ち出された遊技球が案内通路19へ逆戻りすることを防止する逆戻り防止弁20を備えている。発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、案内通路19で案内され、案内通路19の最下流に位置する逆戻り防止弁20を通過して遊技領域YBaに到達する。そして、遊技領域YBaに到達した遊技球は、遊技領域YBaを流下する。
パチンコ遊技機10は、情報表示パネル22を備えている。情報表示パネル22は、特別図柄表示部22aを備えている。特別図柄表示部22aは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に特別図柄を確定停止表示させる特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示する。このように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームを実行可能に構成されている。なお、特別ゲームは、特別図柄変動ゲームに相当する。特別図柄は、後述する内部抽選の結果を報知するための図柄である。
本明細書において「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。特別図柄表示部22aにおいて確定停止表示可能な特別図柄には、大当り図柄と、はずれ図柄と、がある。特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、大当りを認識可能である。特別ゲームにおいてはずれ図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、はずれを認識可能である。また、本実施形態では、大当りに当選すると、当該当選の対象となる特別ゲームの終了後、大当り遊技が生起(付与)される。
情報表示パネル22は、特別保留表示部22bを備えている。特別保留表示部22bは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、実行が保留されている特別ゲームの回数(以下、特別保留数と示す)を認識可能に表示する。
情報表示パネル22は、普通図柄表示部22cを備えている。普通図柄表示部22cは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲーム(以下、普通ゲームと示す)を表示する。普通図柄表示部22cに確定停止表示可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。普通ゲームにおいて普通当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、普通当りを認識可能である。普通ゲームにおいて普通はずれ図柄が確定停止表示された場合、遊技者は、普通はずれを認識可能である。本実施形態では、内部抽選(普通当り抽選)に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が確定停止表示された後、該普通当りの普通ゲームの終了後に普通当り遊技が生起(付与)される。また、情報表示パネル22は、普通保留表示部22dを備えている。普通保留表示部22dは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている普通ゲームの回数(以下、普通保留数と示す)を認識可能に表示する。
パチンコ遊技機10において、遊技領域YBaのほぼ中央には、画像表示部GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11は、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行する。
遊技盤YBには、内部上可動体90が設けられている。内部上可動体90は、原位置P3aと、演出位置P3bと、の間で変位可能となっている。即ち、内部上可動体90は、原位置P3aと演出位置P3bの間で、動作可能に構成されている。内部上可動体90は、第2演出アクチュエータEA2(図3に示す)からの動力を受けて動作する。パチンコ遊技機10において、内部上可動体90は、第2演出アクチュエータEA2の動力を伝達するためのギア機構を有する。そして、パチンコ遊技機10では、第2演出アクチュエータEA2の動力がギア機構を経て、内部上可動体90を動作させる。このように、内部上可動体90は、動作可能な可動体である。また、パチンコ遊技機10は、内部上可動体90が原位置P3aに位置しているときに、当該内部上可動体90を検知可能な第3原位置センサGS3(図3に示す)を備えている。
遊技盤YBには、内部下可動体95が設けられている。内部下可動体95は、原位置P4aと、演出位置P4bと、の間で変位可能となっている。即ち、内部下可動体95は、原位置P4aと演出位置P4bの間で、動作可能に構成されている。内部下可動体95は、第3演出アクチュエータEA3(図3に示す)からの動力を受けて動作する。パチンコ遊技機10において、内部下可動体95は、第3演出アクチュエータEA3の動力を伝達するためのギア機構を有する。そして、パチンコ遊技機10では、第3演出アクチュエータEA3の動力がギア機構を経て、内部下可動体95を動作させる。このように、内部下可動体95は、動作可能な可動体である。また、パチンコ遊技機10は、内部下可動体95が原位置P4aに位置しているときに、当該内部下可動体95を検知可能な第4原位置センサGS4(図3に示す)を備えている。
そして、パチンコ遊技機10において、遊技盤YBに設けられた可動体には、内部上可動体90と、内部下可動体95と、がある。このように、本実施形態の可動体には、遊技盤に設けられた可動体がある。即ち、本実施形態の可動体には、前扉部材に設けられた可動体と、遊技盤に設けられた可動体と、がある。因みに、パチンコ遊技機10では、正面視において、内部上可動体90が演出位置P3bに位置しているときの内部上可動体90の領域と、内部下可動体95が演出位置P4bに位置しているときの内部下可動体95の領域と、は少なくとも一部が重なっている。このため、パチンコ遊技機10では、仮に、内部上可動体90が演出位置P3bに位置し、且つ、内部下可動体95が演出位置P4bに位置する場合、各可動体90,95が接触することとなる。
パチンコ遊技機10は、第1始動口12を備えている。第1始動口12は、遊技領域YBaのうち演出表示装置11の下方に位置している。第1始動口12は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。パチンコ遊技機10は、第1始動口12に入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(図3に示す)を備えている。例えば、第1始動口12には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く(遊技盤YBから外部へ排出する)球通路が連設されており、その球通路に第1始動センサSE1が配設されている。第1始動センサSE1により遊技球が検知されると、特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、第2始動口13を備えている。第2始動口13は、遊技領域YBaのうち演出表示装置11の右下方に位置している。パチンコ遊技機10は、第2始動口13に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(図3に示す)を備えている。例えば、第2始動口13には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く球通路が連設されており、その球通路に第2始動センサSE2が配設されている。第2始動センサSE2により遊技球が検知されると、特別ゲームの始動条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。また、第2始動口13は、第1可変部材16を有する。第1可変部材16は、遊技球を第2始動口13へ入球させ易い、又は入球させることができる開状態と、遊技球を第2始動口13へ入球させ難い(又は、入球させることができない閉状態)と、に動作可能である。第1可変部材16は、第1アクチュエータA1(図3に示す)から動力を受けて動作する。以下の説明では、第1可変部材16が開状態となることを「第2始動口13が開放される」と示し、第1可変部材16が閉状態となることを「第2始動口13が閉鎖される」と示す場合がある。このように、パチンコ遊技機10は、始動口12,13への遊技球の入球を契機に特別ゲームを実行可能に構成されている。即ち、本実施形態は、始動口への遊技球の入球を契機に特別ゲームを実行可能に構成されている。
パチンコ遊技機10は、大入賞口14を備えている。大入賞口14は、遊技領域YBaのうち演出表示装置11の右方に位置している。パチンコ遊技機10は、大入賞口14に入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3(図3に示す)を備えている。例えば、大入賞口14には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く球通路が連設されており、その球通路にカウントセンサSE3が配設されている。カウントセンサSE3により遊技球が検知されると、賞球の払出条件が成立する。また、大入賞口14は、第2可変部材17を有する。第2可変部材17は、遊技球を大入賞口14へ入球させることができる開状態と、遊技球を大入賞口14へ入球させることができない閉状態と、に動作可能である。第2可変部材17は、第2アクチュエータA2(図3に示す)から動力を受けて動作する。第2可変部材17が開状態となる場合には、大入賞口14への遊技球の入球が許容される。第2可変部材17が閉状態となる場合には、大入賞口14への遊技球の入球が許容されない。以下の説明では、第2可変部材17が開状態となることを「大入賞口14が開放される」と示し、第2可変部材17が閉状態となることを「大入賞口14が閉鎖される」と示す場合がある。
パチンコ遊技機10は、ゲート18を備えている。ゲート18は、遊技領域YBaのうち演出表示装置11の右方に位置している。ゲート18には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口が開口されている。ゲート口には、入球し、通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4(図3に示す)が配設されている。ゲートセンサSE4により遊技球が検知されると、普通ゲームの始動条件が成立し得る。
パチンコ遊技機10は、アウト口36を備えている。本実施形態において、第1始動口12や第2始動口13、大入賞口14へ入球しなかった遊技球は、アウト口36から機外へと排出される(遊技盤YBから外部へ排出される)。なお、パチンコ遊技機10は、釘(遊技釘)や風車など、遊技領域YBaを流下する遊技球の挙動に変化を与える遊技構成部材を備えている。その他、パチンコ遊技機10は、特別ゲームや普通ゲームの始動条件は成立しない一方、賞球の払出条件が成立し、且つ、常時入球可能に構成された入球口(所謂、一般入賞口や普通入賞口などといわれる入賞口)を備えてもよい。
パチンコ遊技機10は、磁気を検知可能な磁気センサJSを備えている。磁気センサJSは、遊技盤YBの裏側に設けられている。磁気センサJSは、遊技盤ユニットの裏側に配置されている。磁気センサJSは、磁気を検知する磁気検知手段に相当する。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる遊技状態として、低確率状態及び高確率状態を備えている。大当り確率は、大当り抽選(内部抽選)において大当りに当選する確率である。高確率状態は、低確率状態に比して、大当り確率が高い遊技状態である。高確率状態では、大当り抽選に当選する可能性が低確率状態に比して高まることから、有利な遊技状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態及び高ベース状態を備えている。高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高い遊技状態である。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。高ベース状態では、遊技球が第2始動口13に入球する確率が高まることから、有利な遊技状態となる。高ベース状態であるときは、低ベース状態であるときに比して、第2始動口13への遊技球の入球に関する有利度が高い。
例えば、高ベース状態は、次に説明する第1の制御~第3の制御の3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における第1可変部材16の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における第1可変部材16の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第1可変部材16の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば、平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。
次に、パチンコ遊技機における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄は、第1大当り図柄と、第2大当り図柄と、に分類されている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められており、大当りの種類は複数ある。複数種類の大当り図柄には、大当り遊技の終了後の遊技状態が定められていてもよい。
大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング期間にわたって、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング期間(又は、オープニング演出)の終了後に、大入賞口14が開放されるラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技において、大入賞口14は、予め定めた上限個数の遊技球が入賞する第1ラウンド終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2ラウンド終了条件が成立する迄の間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング期間にわたって、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング期間(又は、エンディング演出)の終了に伴って終了される。
第1大当り図柄に分類されている大当り図柄及び第2大当り図柄に分類されている大当り図柄には、ラウンド遊技の上限回数が10回である大当り遊技が定められている。また、第1大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後、高確率状態に制御することが定められている。第2大当り図柄に分類される大当り図柄には、大当り遊技の終了後、低確率状態に制御することが定められている。また、第1大当り図柄、第2大当り図柄に分類されている大当り図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた上限回数(本実施形態では、80回)の特別ゲームが終了されるまでの間、又は、上限回数の特別ゲームが終了されるよりも前に大当り遊技が付与されるまでの間、高ベース状態に制御することが定められている。
本実施形態における演出表示装置11が実行可能な表示演出には、演出用の図柄(以下、演出図柄と示す)が複数列で変動表示され、最終的に演出図柄の組み合わせが確定停止表示される演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。このように、パチンコ遊技機10は、演出図柄を用いた演出図柄変動ゲームを実行可能に構成されている。演出図柄は、キャラクタや模様などの装飾が施された図柄であって、「装飾図柄」や「飾り図柄」ともいわれる。演出ゲームは、第1列、第2列及び第3列の図柄列をそれぞれ縦方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。第1列の演出図柄は所謂第1図柄であり、第2列の演出図柄は所謂第2図柄であり、第3列の演出図柄は所謂第3図柄である。以下の説明では、「第1列」を「左列」と示すとともに「第1図柄」を「左図柄」と示し、「第2列」を「中列」と示すとともに「第2図柄」を「中図柄」と示し、「第3列」を「右列」と示すとともに「第3図柄」を「右図柄」と示す。本実施形態において各列では、原則として、[1]~[8]の数字を模した演出図柄が所定の順序で変動表示される。
演出ゲームは、特別ゲームと連動して行われる。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。このように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームの実行中に演出ゲームを実行可能に構成されている。そして、演出ゲームでは、特別ゲームにて確定停止表示された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが確定停止表示される。特別ゲームにおいて大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出ゲームにおいて大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。例えば、大当りの図柄組み合わせは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。また、特別ゲームにおいてはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出ゲームにおいて、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。例えば、はずれの図柄組み合わせは、「323」や「426」などのように、少なくとも一列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組み合わせである。なお、演出ゲームにおいては、演出図柄が確定停止表示される前に一旦停止表示される。本明細書において「一旦停止表示」とは、例えば、「ゆれ停止状態」など、確定停止表示とは異なる状態を意味している。
演出ゲームでは、演出図柄の表示態様がリーチ態様となり(リーチが形成され)、リーチ演出が行われる場合がある。リーチ態様は、複数列のうち特定の列(例えば、左列と右列)に同一の数字を模した演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、特定の列とは異なる列(例えば、中列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。リーチ演出には、登場させるキャラクタや演出図柄の動作が異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出の開始後に行われるスーパーリーチ演出と、がある。そして、特別ゲームの実行中、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合に比して、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。リーチ演出は、特別ゲームの実行中に実行される。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御部としての主基板40を備えている。主基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)などの制御情報を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御部としての副基板41を備えている。副基板41は、主基板40が出力する制御情報に基づき所定の処理を行う。例えば、副基板41は、装飾ランプLaによる発光演出、スピーカSpによる音演出及び演出表示装置11による表示演出を実行させるための処理を行う。主基板40及び副基板41は、遊技盤YBの裏側に配設されている。遊技盤ユニットには、主基板40及び副基板41が含まれる。パチンコ遊技機10において主基板40及び副基板41は、機内部に配設されているともいえる。主基板40は、副基板41と接続されている。主基板40及び副基板41は、主基板40から副基板41へと一方向に制御情報を出力可能となるように接続されている。
また、パチンコ遊技機10は、電源ユニット60を備えている。電源ユニット60は、電源スイッチ60aをオン状態に切り替える操作が行われることによって、主基板40及び副基板41に電力供給を行うユニットである。このため、電源スイッチ60aをオン状態に切り替える操作が行われることで、パチンコ遊技機10に電力供給が開始される。なお、パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を有している。バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が停止した場合でも各種情報をバックアップ(内部的に保持)し、電力供給が開始されたときに、保持している各種情報に基づいて復帰する機能である。パチンコ遊技機10では、主基板40がバックアップ機能を有している一方、副基板41はバックアップ機能を有していない。
まず、主基板40について説明する。
主基板40は、主CPU40aと、主ROM40bと、主RWM40cと、を備えている。また、主基板40は、RWMクリアスイッチCSを備えている。主CPU40aは、主CPU40aの制御プログラム(主制御プログラム)を実行することにより、各種の処理を行う。
主ROM40bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いられる抽選テーブルや判定値などを記憶している。例えば、主ROM40bは、複数種類の変動パターンを記憶している。複数種類の変動パターンは、特別ゲームが開始されてから特別ゲームが終了されるまでの変動時間(特別ゲームの変動時間)が対応付けられている。変動パターンは、特別ゲームの変動時間を特定可能な情報といえる。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから特別ゲームが終了されるまでの間に行われる演出ゲームの演出内容のうち一部又は全てを特定可能な情報であってもよい。変動パターンには、例えば、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的に演出図柄による大当り図柄を確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。はずれ変動パターンには、はずれリーチなし変動パターンと、はずれリーチあり変動パターンと、がある。はずれリーチなし変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経ないで最終的に演出図柄によるはずれ図柄を確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。はずれリーチあり変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させる演出内容が対応付けられている。
主RWM40cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主RWM40cが記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。主基板40は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
主基板40には、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3及びゲートセンサSE4が接続されている。主CPU40aは、ポートを介して、各種のセンサSE1~SE4が出力する検知信号を入力可能に構成されている。主基板40には、情報表示パネル22が接続されている。主CPU40aは、駆動回路を介して、情報表示パネル22の表示内容を制御可能となっている。主基板40には、第1アクチュエータA1及び第2アクチュエータA2が接続されている。主CPU40aは、駆動回路を介して、第1アクチュエータA1の動作、第2アクチュエータA2の動作を制御可能となっている。主基板40には、磁気センサJSが接続されている。主CPU40aは、ポートを介して、磁気センサJSが出力する検知信号(以下、磁気検知信号と示す)を入力可能に構成されている。主基板40には、扉開放センサKSが接続されている。主CPU40aは、ポートを介して、扉開放センサKSが出力する検知信号(以下、開放検知信号と示す)を入力可能に構成されている。主基板40には、タッチセンサTSが接続されている。主CPU40aは、ポートを介して、タッチセンサTSが出力する検知信号(以下、ハンドル操作検知信号と示す)を入力可能に構成されている。
主CPU40aは、RWMクリアスイッチCSがオン状態に操作された場合に出力する操作信号を入力可能に構成されている。RWMクリアスイッチCSは、バックアップされている各種情報の初期化を指示する操作を可能に構成されている。
次に、副基板41について説明する。
副基板41は、副CPU41aと、副ROM41bと、副RWM41cと、を備えている。例えば、副CPU41aは、副CPU41aの制御プログラム(副制御プログラム)を実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。副ROM41bは、副制御プログラムや、抽選に用いられる抽選テーブルや判定値などを記憶している。副ROM41bは、演出表示装置11における表示演出の態様(内容)を特定可能な表示演出データを記憶している。副ROM41bは、装飾ランプLaにおける発光演出の態様(内容)を特定可能な発光演出データを記憶している。副ROM41bは、スピーカSpにおける音演出の態様(内容)を特定可能な音演出データを記憶している。
副RWM41cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副RWM41cが記憶する情報には、例えば、フラグ、カウンタ及びタイマなどがある。副基板41は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
副基板41には、装飾ランプLa、スピーカSp及び演出表示装置11が接続されている。副CPU41aは、駆動回路を介して、装飾ランプLa、スピーカSp及び演出表示装置11を制御可能となっている。副基板41には、第1操作ボタンBT1が接続されている。副CPU41aは、ポートを介して、第1操作ボタンBT1が操作された場合に出力する検知信号を入力可能に構成されている。副基板41には、操作部アクチュエータSAが接続されている。副CPU41aは、駆動回路を介して、操作部アクチュエータSAの動作を制御可能となっている。副基板41には、第2操作ボタンBT2が接続されている。副CPU41aは、ポートを介して、第2操作ボタンBT2が操作された場合に出力する検知信号を入力可能に構成されている。
副基板41には、第1演出アクチュエータEA1、第2演出アクチュエータEA2及び第3演出アクチュエータEA3が接続されている。副CPU41aは、駆動回路を介して、第1演出アクチュエータEA1の動作、第2演出アクチュエータEA2の動作、第3演出アクチュエータEA3の動作を制御可能となっている。副基板41には、上ボタンUBが接続されている。副CPU41aは、ポートを介して、上ボタンUBが操作された場合に出力する検知信号を入力可能に構成されている。副基板41には、下ボタンDBが接続されている。副CPU41aは、ポートを介して、下ボタンDBが操作された場合に出力する検知信号を入力可能に構成されている。副基板41には、第1原位置センサGS1、第2原位置センサGS2、第3原位置センサGS3及び第4原位置センサGS4が接続されている。副CPU41aは、ポートを介して、各種の原位置センサGS1~GS4が出力する検知信号を入力可能に構成されている。
次に、電源ユニット60について説明する。
電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を各基板40,41へ供給すべき電源電圧に変換する。電源ユニット60は、電源供給線を介して各基板40,41へ電力を供給する。電源ユニット60は、電源スイッチ60aを有している。電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態へ切り替える操作が行われると、各基板40,41への電力供給が開始される。一方、電源スイッチ60aをオン状態からオフ状態へ切り替える操作が行われると、各基板40,41への電力供給が遮断される。
以下、主CPU40aや副CPU41aが実行する制御内容を説明する。
最初に、主CPU40aが行う電源投入処理について説明する。
主CPU40aは、電力供給の開始時に起動処理によって起動すると、最初に電源投入処理を行う。電源投入処理において主CPU40aは、電力供給の開始時にRWMクリアスイッチCSの操作状態に応じて、主RWM40cの初期化の有無を判断する。具体的に、主CPU40aは、電力供給の開始時にRWMクリアスイッチCSがオン状態に操作されたかを判定する。主CPU40aは、RWMクリアスイッチCSがオン状態に操作されたときに出力される操作信号を入力した場合、RWMクリアスイッチCSがオン状態に操作されたと判定する。電力供給の開始時にRWMクリアスイッチCSがオン状態に操作されたと判定した場合、主CPU40aは、主RWMクリア処理を行い、遊技を行うことの可能な状態に復帰させる。主RWMクリア処理において主CPU40aは、主RWM40cにバックアップされている遊技情報を初期化する。また、主CPU40aは、初期化による起動を指示する制御情報(以下、初期時コマンドと示す)を出力バッファに格納する。出力バッファに格納された制御情報(制御コマンド)は、次回以降の割込処理において副基板41へと出力される。その後、主CPU40aは、電源投入処理を終了する。
また、電力供給の開始時にRWMクリアスイッチCSがオン状態に操作されたと判定しない場合、主CPU40aは、復帰処理を行う。復帰処理において主CPU40aは、バックアップされている各種情報が正常であるかを確認し、正常であればバックアップされている各種情報に基づき復帰する処理を行い、遊技を行うことの可能な状態に復帰させる。バックアップされている各種情報に基づき復帰する処理を行った場合、主CPU40aは、バックアップされている各種情報に基づく復帰を指示する制御情報(以下、復帰時コマンドと示す)、及び、復帰時(電力供給の遮断時にも相当)の制御状態を指定する制御情報(以下、状態指定コマンドと示す)を出力バッファに格納する。一方、バックアップされている各種情報が正常でない場合、主CPU40aは、主RWMクリア処理を行い、遊技を行うことの可能な状態に復帰させる。主RWMクリア処理を行った場合、主CPU40aは、初期時コマンドを出力バッファに格納する。復帰処理において、復帰時コマンド又は初期時コマンドを出力バッファに格納すると、主CPU40aは、復帰処理を終え、電源投入処理を終了する。
本実施形態では、電源投入処理が遊技を行うことが可能な遊技可能状態に復帰させる制御に相当し、主CPU40aが電源投入処理を行うことで復帰制御手段としての機能が実現される。また、本実施形態では、主RWMクリア処理が、電力供給の開始に伴ってバックアップされた情報を初期化して遊技可能状態に復帰させる初期化復帰制御に相当する。このように、本実施形態において、復帰制御手段は、遊技可能状態に復帰させる制御として、電力供給の開始に伴って初期化復帰制御を行うことが可能である。
次に、主CPU40aが行う特別図柄入力処理について説明する。
主CPU40aは、第1始動センサSE1又は第2始動センサSE2からの検知信号を入力したか否かに基づいて、始動口に遊技球が入球したかを判定する(以下、入力判定と示す)。入力判定の判定結果が肯定の場合、主CPU40aは、主RWM40cに記憶されている特別保留数が上限数(本実施形態では、4)未満であるかを判定する(以下、保留判定と示す)。保留判定の判定結果が肯定の場合、主CPU40aは、特別保留数に1加算して更新する。また、主CPU40aは、更新後の特別保留数を表示するように情報表示パネル22を制御する。主CPU40aは、更新後の特別保留数を特定可能な制御情報(以下、保留数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。なお、出力バッファに格納された制御情報(コマンド)は、次回以降の割り込み処理において副基板41へと出力される。また、保留判定の判定結果が肯定の場合、主CPU40aは、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM40cに記憶させる。このとき、主CPU40aは、乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。本実施形態では、乱数情報を主RWM40cに記憶させておくことで、特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留する。パチンコ遊技機10は、特別ゲームの実行を保留可能である。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。なお、例えば、乱数は、大当り抽選に用いる乱数、大当り図柄の決定に用いる乱数、変動パターンの決定に用いる乱数などである。乱数情報を主RWM40cに記憶させた後、主CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、主CPU40aが行う特別図柄開始処理について説明する。
主CPU40aは、特別ゲームの実行条件が成立しているかを判定する(以下、実行判定と示す)。実行判定において主CPU40aは、大当り遊技中ではなく、且つ、特別ゲーム中ではない場合に肯定判定する一方で、大当り遊技中又は特別ゲーム中である場合に否定判定する。実行判定の判定結果が否定の場合、主CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行判定の判定結果が肯定の場合、主CPU40aは、主RWM40cに記憶されている特別保留数が1以上であるかを判定する。特別保留数が0である場合、主CPU40aは、待機状態とすることを特定可能な制御情報(以下、デモコマンドと示す)を出力バッファに格納する。因みに、デモコマンドを出力バッファに格納してから特別ゲームを実行させるまで、主CPU40aは、デモコマンドを出力バッファに格納しない。つまり、デモコマンドは、特別保留数が0となってから特別ゲームが実行されるまでの間において、一度だけ出力バッファに格納される。
特別保留数が1以上である場合、主CPU40aは、主RWM40cに記憶されている特別保留数を1減算して更新する。主CPU40aは、更新後の特別保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU40aは、更新後の特別保留数を特定可能な保留数コマンドを出力バッファに格納する。続いて、主CPU40aは、乱数情報のうち最先に記憶された乱数情報を主RWM40cから読み出す。主CPU40aは、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主RWM40cから消去する。そして、主CPU40aは、読み出した乱数情報と、主ROM40bに記憶されている大当り判定値とを基に、大当りに当選とするかを判定する。この処理は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)に相当する。例えば、大当りに当選とするか否かの判定は、乱数情報の値と大当り判定値が一致するか否かにより判定してもよい。主CPU40aは、高確率状態において、低確率状態に比して、大当りに当選する確率が高くなるように大当り抽選を行う。大当りに当選とするか否かの判定は、乱数情報の値と大当り判定値を加算した値が、所定値を超えるか否かにより判定してもよい。
そして、大当り抽選において大当りに当選した場合、主CPU40aは、特別ゲームで確定停止表示させる大当り図柄と、大当り変動パターンと、を決定する。大当り図柄が抽選にて決定されることは、大当りの種類が抽選されることに相当する。一方、大当り抽選において大当りに当選しなかった場合(はずれの場合)、主CPU40aは、特別ゲームで確定停止表示させるはずれ図柄と、はずれ変動パターンと、を決定する。例えば、大当り抽選において大当りに当選しなかった場合、主CPU40aは、リーチ抽選を行い、当該リーチ抽選に当選した場合にはずれリーチあり変動パターンを決定し、リーチ抽選に非当選した場合にはずれリーチなし変動パターンを決定するようにしてもよい。なお、主CPU40aは、読み出した乱数情報を用いた抽選により、特別図柄や変動パターンを決定するとよい。その後、主CPU40aは、決定した特別図柄を特定可能な制御情報(以下、図柄コマンドと示す)及び変動パターンを特定可能な制御情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファに格納し、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主CPU40aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行い、特別ゲームを実行させる。具体的に、主CPU40aは、特別ゲームが開始されるように、情報表示パネル22を制御する。主CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに対応付けられた変動時間を計時する。そして、主CPU40aは、変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が確定停止表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに対応付けられた変動時間が経過すると、演出図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるためのゲーム終了コマンドを出力バッファに格納する。
次に、主CPU40aが行う賞球処理について説明する。
第1始動センサSE1からの検知信号を入力した場合、主CPU40aは、所定数の遊技球が払い出されるように制御する。第2始動センサSE2からの検知信号を入力した場合、主CPU40aは、所定数の遊技球が払い出されるように制御する。カウントセンサSE3からの検知信号を入力した場合、主CPU40aは、所定数の遊技球が払い出されるように制御する。
次に、主CPU40aが行う大当り処理について説明する。
主CPU40aは、特別ゲームにて大当り図柄を確定停止表示させた後、大当り処理を実行し、大当り遊技を生起させる。大当り処理において主CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(すなわち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。そして、主CPU40aは、大当りの特別ゲームの終了後、特定した大当り遊技を生起させる制御を開始する。主CPU40aは、大当り処理を実行することにより、大当り遊技を生起する。このように、パチンコ遊技機10では、大当りに当選した場合、特別ゲームの終了後、大当り遊技が生起される。
大当り処理において主CPU40aは、オープニングコマンドを出力バッファに格納する。主CPU40aは、オープニングコマンドを出力バッファに格納すると、オープニング時間を計時する。また、主CPU40aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。すなわち、主CPU40aは、開放態様(開放パターン)にしたがって、大入賞口14が開放するように第2アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。主CPU40aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1ラウンド終了条件又は第2ラウンド終了条件が成立すると、大入賞口14が閉鎖されるように第2アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主CPU40aは、ラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主CPU40aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンドコマンドを出力バッファに格納する。また、主CPU40aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディングコマンドを出力バッファに格納する。主CPU40aは、エンディングコマンドを出力バッファに格納すると、エンディング時間を計時する。そして、主CPU40aは、エンディング時間が経過すると、大当り処理を終了する。
次に、主CPU40aが行う遊技状態処理について説明する。
主CPU40aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、主RWM40cに記憶されている確率状態フラグに、高確率状態に制御することを特定可能な値を設定する。主CPU40aは、高確率状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定した場合、高確率状態であることを特定可能な制御情報(以下、高確率状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、主CPU40aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、主RWM40cに記憶されている確率状態フラグに、低確率状態に制御することを特定可能な値を設定する。また、主CPU40aは、低確率状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグに設定した場合、低確率状態であることを特定可能な制御情報(以下、低確率状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
主CPU40aは、大当り遊技の終了後、主RWM40cに記憶されているベース状態フラグに、高ベース状態に制御することを特定可能な値を設定する。主CPU40aは、高ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定した場合、高ベース状態であることを特定可能な制御情報(以下、高ベース状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、主CPU40aは、高ベース状態に制御することを特定可能な値を設定した場合、高ベース状態に制御する特別ゲームの上限回数を、高ベース状態を付与する特別ゲームの残り回数として主RWM40cに記憶させる。そして、主CPU40aは、特別ゲームが実行される毎に、高ベース状態を付与する特別ゲームの残り回数を1減算する。主CPU40aは、高ベース状態を付与する特別ゲームの残り回数が0となった場合、当該残り回数が0となった特別ゲームの終了に伴って、ベース状態フラグに低ベース状態に制御することを特定可能な値を設定する。主CPU40aは、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグに設定した場合、低ベース状態であることを特定可能な制御情報(以下、低ベース状態コマンドと示す)を出力バッファに格納する。因みに、主CPU40aは、大当り遊技を生起する場合、低確率状態に制御することを特定可能な値を確率状態フラグ、低ベース状態に制御することを特定可能な値をベース状態フラグにそれぞれ設定する。
次に、主CPU40aが行う普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主CPU40aは、ゲートセンサSE4から検知信号を入力したかに基づいて、遊技球がゲート18を通過(入球)したか否かを判定する。遊技球がゲート18を通過していない場合、主CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。一方、遊技球がゲート18を通過した場合、主CPU40aは、主RWM40cに記憶されている普通保留数が上限数(本実施形態では、4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。普通保留数が上限数未満である場合、主CPU40aは、主RWM40cに記憶されている普通保留数を1加算して更新する。この場合、主CPU40aは、更新後の普通保留数を表示するように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU40aは、更新後の普通保留数を特定可能な制御情報(以下、普通保留数コマンドと示す)を出力バッファに格納する。次に、主CPU40aは、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主RWM40cに記憶させる。この場合、主CPU40aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。その後、主CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。
次に、主CPU40aが行う普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主CPU40aは、普通ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。主CPU40aは、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲーム中ではない場合に肯定判定する一方、普通当り遊技中、又は普通ゲーム中である場合に否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主CPU40aは、主RWM40cに記憶されている普通保留数が1以上であるか否かを判定する。普通保留数が1以上ではない場合、主CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が1以上である場合、主CPU40aは、主RWM40cに記憶されている普通保留数を1減算して更新する。この処理において、主CPU40aは、更新後の普通保留数が表示されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU40aは、更新後の普通保留数を特定可能な普通保留数コマンドを出力バッファに格納する。
次に、主CPU40aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RWM40cから読み出す。なお、主CPU40aは、最先の乱数情報を読み出すと、最先に記憶された乱数情報を主RWM40cから消去する。続いて、主CPU40aは、読み出した乱数情報と、主ROM40bに記憶されている普通当り判定値とをもとに、普通当りに当選とするか否かを判定する。この処理は、普通当りか否かの普通当り抽選(普通当り判定)に相当する。例えば、主CPU40aは、高ベース状態において、低ベース状態に比して、普通当りに当選する確率が高くなるように、普通当り抽選を行ってもよい。普通当りに当選とする場合、主CPU40aは、普通ゲームで導出させる普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、主CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。例えば、主CPU40aは、高ベース状態において、低ベース状態に比して、普通ゲームの変動時間として短い時間を決定する(又は、短い時間を決定し易い)ようにしてもよい。なお、主CPU40aは、普通ゲームの変動時間が定められた普通変動パターンを決定することによって、普通ゲームの変動時間を決定するように構成してもよい。普通変動パターンは、主ROM40bに記憶してもよい。
そして、主CPU40aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主CPU40aは、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が導出されるように、情報表示パネル22を制御する。また、主CPU40aは、普通ゲームの実行を開始させることに伴って、普通ゲームの実行が開始されることを特定可能な制御情報を出力バッファに格納する。
次に、主CPU40aが行う普通当り処理について説明する。
普通当りの普通ゲームの終了後、主CPU40aは、普通当り処理を行う。普通当り処理において主CPU40aは、高ベース状態及び低ベース状態の何れであるかに応じて、普通当り遊技を生起させる制御を開始する。主CPU40aは、普通当り処理を行うことにより、普通当りを生起する。このように、パチンコ遊技機10では、普通当りに当選した後に普通当り遊技が生起される。なお、普通当り遊技を生起させることは、普通当り遊技を付与することに相当する。普通当り処理において主CPU40aは、高ベース状態である場合、高ベース状態であるときの開放態様で第2始動口13が開放されるように、第1アクチュエータA1を制御する。また、主CPU40aは、低ベース状態である場合、低ベース状態であるときの開放態様で第2始動口13が開放されるように、第1アクチュエータA1を制御する。
次に、主CPU40aが行う検知処理について説明する。
磁気検知信号を入力した場合、主CPU40aは、磁気が検知されたことを特定可能な制御情報(以下、磁気検知コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、開放検知信号を入力した場合、主CPU40aは、扉部材が開放されていることを特定可能な制御情報(以下、開放検知コマンドと示す)を出力バッファに格納する。また、ハンドル操作検知信号を入力した場合、主CPU40aは、発射ハンドルHDが操作されたことを特定可能な制御情報(以下、ハンドル操作検知コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
その他、例えば、磁気検知信号を入力した場合、主CPU40aは、外部機器へと接続可能な外部端子から当該外部端子と接続されている外部機器へとセキュリティ信号が出力されるように制御してもよい。その他、例えば、開放検知信号を入力した場合、主CPU40aは、外部機器へと接続可能な外部端子から当該外部端子と接続されている外部機器へとセキュリティ信号が出力されるように制御してもよい。
次に、副CPU41aが行う各種処理について説明する。
最初に、電力供給の開始に伴う副CPU41aが行う制御について説明する。
副CPU41aは、電力供給の開始に伴い、電力供給の開始時に必要な各種設定(初期設定)を行う。各種設定が終了した後、副CPU41aは、主CPU40aによる電源投入処理において出力される各種制御情報の入力するまで待機する。副CPU41aは、主CPU40aよりも早く起動する。
副CPU41aは、初期時コマンドを入力すると、初期化復帰処理を行う。初期化復帰処理は、電力供給の開始に伴って行われる処理であって、バックアップされた情報を初期化して遊技を行うことが可能な状態に復帰させる処理である。初期化復帰処理において副CPU41aは、副ROM41bから初期状態の演出内容を示す情報を読み出し、当該情報に基づいて初期化による起動を行い、初期状態に起動し、遊技を行うことの可能な状態に復帰させる。また、初期化復帰処理において副CPU41aは、初期化報知を行わせるように、演出表示装置11及びスピーカSpを制御する。例えば、副CPU41aは、「初期化中」の文字情報を含む画像を演出表示装置11に表示させ、初期化報知を行わせる。また、例えば、副CPU41aは、「初期化中」という音声を含む音(以下、初期化報知音と示す)をスピーカSpから出力させ、初期化報知を行わせる。初期化報知音は、所定の復帰報知時間が経過するまでの間、継続してスピーカSpから出力される。
一方、副CPU41aは、復帰時コマンドを入力すると、バックアップ復帰処理を行う。バックアップ復帰処理は、電力供給の開始に伴って行われる処理であって、バックアップされた情報に基づいて遊技を行うことが可能な状態に復帰させる処理である。バックアップ復帰処理において副CPU41aは、復帰時コマンド及び状態指定コマンドに基づく起動を行い、バックアップ状態に起動し、遊技を行うことの可能な状態に復帰させる。また、バックアップ復帰処理において副CPU41aは、バックアップ報知を行わせるように、演出表示装置11及びスピーカSpを制御する。例えば、副CPU41aは、「復帰中」の文字情報を含む画像を演出表示装置11に表示させ、バックアップ報知を行わせる。また、例えば、副CPU41aは、「復帰中」という音声を含む音(以下、バックアップ復帰報知音と示す)をスピーカSpから出力させ、バックアップ報知を行わせる。バックアップ復帰報知音は、所定の復帰報知時間が経過するまでの間、継続してスピーカSpから出力される。
以上のように、パチンコ遊技機10において、スピーカSpが出力可能な音には、初期化報知音と、バックアップ復帰報知音と、がある。初期化報知音及びバックアップ復帰報知音は、主CPU40aによって電源投入処理が行われて初期時コマンド又は復帰時コマンドが副CPU41aに入力されることで、スピーカSpから出力される。つまり、初期化報知音及びバックアップ復帰報知音は、電力供給の開始に伴って出力される音である。即ち、本実施形態において、音出力手段が出力可能な音には、電力供給の開始に伴って出力可能な特定音がある。特に、初期化報知音は、主CPU40aによって主RWMクリア処理が行われて初期時コマンドが副CPU41aに入力させることで、スピーカSpから出力される。つまり、初期化報知音は、主CPU40aによって主RWMクリア処理が行われて遊技を行うことが可能な状態に復帰した場合、電力供給の開始に伴ってスピーカSpから出力される。このように、本実施形態における初期化報知音は、復帰制御手段によって初期化復帰制御が行われて遊技可能状態に復帰した場合、電力供給の開始に伴って音出力手段から出力される。つまり、本実施形態において、特定音は、復帰制御手段によって初期化復帰制御が行われて遊技可能状態に復帰した場合、電力供給の開始に伴って音出力手段から出力される。また、初期化報知音及びバックアップ復帰報知音は、遊技を行うことが可能な遊技可能状態への復帰に関する音に相当する。即ち、特定音は、遊技を行うことが可能な遊技可能状態への復帰に関する報知音である。
次に、各種可動体の初期動作(イニシャル動作)に係る制御について説明する。
副CPU41aは、電力供給の開始に伴って、各種可動体の初期動作を行う初期動作処理を行う。具体的に、副CPU41aは、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力を終了した後、初期動作処理を行う。このように、パチンコ遊技機10は、可動体を備えており、電力供給の開始に伴って可動体の初期動作を行うことが可能に構成されている。可動体の初期動作は、電力供給の開始に伴う、可動体の確認動作である。
初期動作処理において副CPU41aは、第1操作ボタンBT1を初期動作させる制御と、上部可動体80を初期動作させる制御と、内部上可動体90を初期動作させる制御と、内部下可動体95を初期動作させる制御と、を行う。
第1操作ボタンBT1を初期動作させる制御において、副CPU41aは、第1操作ボタンBT1が初期動作を行うように、操作部アクチュエータSAを制御する。副CPU41aは、第1原位置センサGS1からの検知信号の遷移を監視する。副CPU41aは、第1操作ボタンBT1の初期動作を開始させてから第1動作期間が経過した時点までにおいて、第1原位置センサGS1から検知信号を入力し続けているときに、第1操作ボタンBT1及び操作部アクチュエータSAのうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。また、副CPU41aは、第1操作ボタンBT1の初期動作を開始させてから第1動作期間が経過した時点までにおいて、第1原位置センサGS1からの検知信号を入力しなくなったまま当該検知信号を再び入力しなくなったときに、第1操作ボタンBT1及び操作部アクチュエータSAのうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。第1操作ボタンBT1及び操作部アクチュエータSAのうち少なくとも一方に異常が発生したと判定した場合、副CPU41aは、操作部アクチュエータSAを停止させるとともに、第1操作ボタンBT1の動作に異常があることを特定可能な情報(以下、第1可動体エラー情報と示す)を副RWM41cに記憶する。詳細については後述するが、副RWM41cに第1可動体エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、各種演出の実行時において、第1操作ボタンBT1を動作させない。第1可動体エラー情報が副RWM41cに記憶されている状況は、第1操作ボタンBT1に関する可動体エラーが発生している状況に相当する。因みに、副RWM41cに記憶された第1可動体エラー情報は、電力供給が遮断されると消去される。また、第1動作期間となる時間は、第1操作ボタンBT1の初期動作が正常に終了するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。
上部可動体80を初期動作させる制御において、副CPU41aは、上部可動体80が初期動作を行うように、第1演出アクチュエータEA1を制御する。副CPU41aは、第2原位置センサGS2からの検知信号の遷移を監視する。副CPU41aは、上部可動体80の初期動作を開始させてから第2動作期間が経過した時点までにおいて、第2原位置センサGS2から検知信号を入力し続けているときに、上部可動体80及び第1演出アクチュエータEA1のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。また、副CPU41aは、上部可動体80の初期動作を開始させてから第2動作期間が経過した時点までにおいて、第2原位置センサGS2からの検知信号を入力しなくなったまま当該検知信号を再び入力しなくなったときに、上部可動体80及び第1演出アクチュエータEA1のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。上部可動体80及び第1演出アクチュエータEA1のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定した場合、副CPU41aは、第1演出アクチュエータEA1を停止させるとともに、上部可動体80の動作に異常があることを特定可能な情報(以下、第2可動体エラー情報と示す)を副RWM41cに記憶する。詳細については後述するが、副RWM41cに第2可動体エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、各種演出の実行時において、上部可動体80を動作させない。第2可動体エラー情報が副RWM41cに記憶されている状況は、上部可動体80に関する可動体エラーが発生している状況に相当する。因みに、副RWM41cに記憶された第2可動体エラー情報は、電力供給が遮断されると消去される。また、第2動作期間となる時間は、上部可動体80の初期動作が正常に終了するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。
内部上可動体90を初期動作させる制御において、副CPU41aは、内部上可動体90が初期動作を行うように、第2演出アクチュエータEA2を制御する。副CPU41aは、第3原位置センサGS3からの検知信号の遷移を監視する。副CPU41aは、内部上可動体90の初期動作を開始させてから第3動作期間が経過した時点までにおいて、第3原位置センサGS3から検知信号を入力し続けているときに、内部上可動体90及び第2演出アクチュエータEA2のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。また、副CPU41aは、内部上可動体90の初期動作を開始させてから第3動作期間が経過した時点までにおいて、第3原位置センサGS3からの検知信号を入力しなくなったまま当該検知信号を再び入力しなくなったときに、内部上可動体90及び第2演出アクチュエータEA2のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。内部上可動体90及び第2演出アクチュエータEA2のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定した場合、副CPU41aは、第2演出アクチュエータEA2を停止させるとともに、内部上可動体90の動作に異常があることを特定可能な情報(以下、第3可動体エラー情報と示す)を副RWM41cに記憶する。詳細については後述するが、副RWM41cに第3可動体エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、各種演出の実行時において、内部上可動体90を動作させない。第3可動体エラー情報が副RWM41cに記憶されている状況は、内部上可動体90に関する可動体エラーが発生している状況に相当する。因みに、副RWM41cに記憶された第3可動体エラー情報は、電力供給が遮断されると消去される。また、第3動作期間となる時間は、内部上可動体90の初期動作が正常に終了するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。
内部下可動体95を初期動作させる制御において、副CPU41aは、内部下可動体95が初期動作を行うように、第3演出アクチュエータEA3を制御する。副CPU41aは、第4原位置センサGS4からの検知信号の遷移を監視する。副CPU41aは、内部下可動体95の初期動作を開始させてから第4動作期間が経過した時点までにおいて、第4原位置センサGS4から検知信号を入力し続けているときに、内部下可動体95及び第3演出アクチュエータEA3のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。副CPU41aは、内部下可動体95の初期動作を開始させてから第4動作期間が経過した時点までにおいて、第4原位置センサGS4からの検知信号を入力しなくなったまま当該検知信号を再び入力しなくなったときに、内部下可動体95及び第3演出アクチュエータEA3のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。内部下可動体95及び第3演出アクチュエータEA3のうち少なくとも一方に異常が発生したと判定した場合、副CPU41aは、第3演出アクチュエータEA3を停止させるとともに、内部下可動体95の動作に異常があることを特定可能な情報(以下、第4可動体エラー情報と示す)を副RWM41cに記憶する。詳細については後述するが、副RWM41cに第4可動体エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、各種演出の実行時において、内部下可動体95を動作させない。第4可動体エラー情報が副RWM41cに記憶されている状況は、内部下可動体95に関する可動体エラーが発生している状況に相当する。因みに、副RWM41cに記憶された第4可動体エラー情報は、電力供給が遮断されると消去される。また、第4動作期間となる時間は、内部下可動体95の初期動作が正常に終了するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。
以上のように、パチンコ遊技機10では、各種の原位置センサGS1~GS4からの検知信号に基づいて各種の可動体に関する可動体エラーが検出される。したがって、本実施形態では、各種の原位置センサGS1~GS4が、可動体に関する可動体エラーを検知する可動体エラー検知手段に相当する。
図4に示すように、副CPU41aは、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力が終了した後、各種の可動体を初期動作させる制御を行う。つまり、パチンコ遊技機10において、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力は、各種の可動体の初期動作が行われるよりも前に終了する。例えば、パチンコ遊技機10では、電力供給が開始されたことに伴って初期化報知音が出力されるときであって、且つ、可動体の初期動作が行われるときにおいて、可動体の初期動作が開始されるよりも前に初期化報知音の出力が終了する。同様に、例えば、パチンコ遊技機10では、電力供給が開始されたことに伴ってバックアップ復帰報知音が出力されるときであって、且つ、可動体の初期動作が行われるときにおいて、可動体の初期動作が開始されるよりも前にバックアップ復帰報知音の出力が終了する。このように、本実施形態では、電力供給が開始されたことに伴って特定音が出力されるときであって、且つ、可動体の初期動作が行われるときにおいて、可動体の初期動作が開始されるよりも前に特定音の出力が終了する。つまり、パチンコ遊技機10では、初期動作処理において可動体の初期動作が行われるよりも前に特定音の出力が終了していることから、電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間においては初期化報知音及びバックアップ復帰報知音が出力されない。よって、パチンコ遊技機10では、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、スピーカSpから初期化報知音及びバックアップ復帰報知音が出力されない。即ち、本実施形態では、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の特定時点までは、音出力手段から前記特定音が出力されない。
更に、初期動作処理において副CPU41aは、第1分類に分類される可動体を初期動作させる制御を行った後、第2分類に分類される可動体を初期動作させる制御を行う。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1分類に分類される可動体の初期動作が行われた後、第2分類に分類される可動体の初期動作が行われる。パチンコ遊技機10では、複数の可動体のうち第1操作ボタンBT1及び上部可動体80が第1分類に分類され、複数の可動体のうち内部上可動体90及び内部下可動体95が第2分類に分類される。パチンコ遊技機10において、第1分類に分類される可動体には、少なくとも前枠Y3に設けられた可動体が分類されている。即ち、本実施形態において、第1分類に分類される前記可動体には、少なくとも前扉部材に設けられた可動体を含む1又は複数の可動体が分類されている。このように、本実施形態において、操作可動体としての第1操作ボタンBT1は、第1分類に分類されている。つまり、本実施形態において、第1分類に分類される可動体には、少なくとも操作可動体を含む1又は複数の前扉部材に設けられた可動体が分類されている。一方、パチンコ遊技機10において、第2分類に分類される可動体には、少なくとも遊技盤YBに設けられた可動体が分類されている。即ち、本実施形態において、第2分類に分類される前記可動体には、少なくとも遊技盤に設けられた可動体を含む1又は複数の可動体が分類されている。以上のように、本実施形態において、可動体には、遊技者が操作可能な操作可動体を含む複数種類の可動体がある。
そして、初期動作処理において副CPU41aは、第1操作ボタンBT1を初期動作させる制御及び上部可動体80を初期動作させる制御を行った後、内部上可動体90を初期動作させる制御及び内部下可動体95を初期動作させる制御を行う。また、初期動作処理において副CPU41aは、内部上可動体90を初期動作させる制御を行った後、内部下可動体95を初期動作させる制御を行う。このように、パチンコ遊技機10では、複数種類の可動体のうち第1分類に分類される可動体に相当する第1操作ボタンBT1及び上部可動体80の初期動作が行われた後、複数種類の可動体のうち第2分類に分類される可動体に相当する内部上可動体90及び内部下可動体95の初期動作が行われるように構成されている。即ち、本実施形態は、複数種類の可動体のうち第1分類に分類される可動体の初期動作が行われた後、複数種類の可動体のうち第2分類に分類される可動体の初期動作が行われるように構成されている。
次に、副CPU41aが行う状態処理について説明する。
副RWM41cには、遊技状態を特定可能な情報が記憶されている。副RWM41cに記憶されている遊技状態を特定可能な情報には、低確率状態と高確率状態のうち何れであるかを特定可能な情報(以下、副用確率状態フラグと示す)がある。副RWM41cに記憶されている遊技状態を特定可能な情報には、高ベース状態と低ベース状態のうち何れであるかを特定可能な情報(以下、副用ベース状態フラグと示す)がある。低確率状態コマンドを入力した場合、副CPU41aは、低確率状態を特定可能な値を副用確率状態フラグに設定する。高確率状態コマンドを入力した場合、副CPU41aは、高確率状態を特定可能な値を副用確率状態フラグに設定する。低ベース状態コマンドを入力した場合、副CPU41aは、低ベース状態を特定可能な値を副用ベース状態フラグに設定する。高ベース状態コマンドを入力した場合、副CPU41aは、高ベース状態を特定可能な値を副用ベース状態フラグに設定する。
次に、副CPU41aが行う大当り演出処理について説明する。
副CPU41aは、大当り遊技中、大当り演出が実行されるように、装飾ランプLa、スピーカSp及び演出表示装置11のうち少なくとも1つを制御する。具体的に、副CPU41aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出が実行されるように、装飾ランプLa、スピーカSp及び演出表示装置11のうち少なくとも1つを制御する。副CPU41aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出が実行されるように、装飾ランプLa、スピーカSp及び演出表示装置11のうち少なくとも1つを制御する。副CPU41aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出が実行されるように、装飾ランプLa、スピーカSp及び演出表示装置11のうち少なくとも1つを制御する。
次に、副CPU41aが行う演出ゲーム処理について説明する。
副CPU41aは、演出ゲームや、該演出ゲームに付随する演出が行われるように、装飾ランプLa、スピーカSp及び演出表示装置11のうち少なくとも1つを制御する。具体的に、副CPU41aは、図柄コマンド及び変動パターン指定コマンドを入力すると、演出ゲームを実行させる制御を行う。即ち、副CPU41aは、変動パターン指定コマンド及び図柄コマンドに基づいて、演出ゲームにおいて最終的に確定停止表示させる演出図柄による図柄組み合わせを決定する。副CPU41aは、図柄コマンドから特定可能な特別図柄が大当り図柄である場合、大当りの図柄組み合わせを決定する。副CPU41aは、図柄コマンドから特定可能な特別図柄がはずれ図柄である場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。副CPU41aは、リーチ条件が成立していることでリーチ演出を行う場合には、リーチを含むはずれの図柄組み合わせを決定するとよい。本実施形態では、リーチ演出用の変動パターンが指定された場合に、リーチ条件が成立する。
副CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出図柄を変動表示させるように、演出表示装置11を制御する。つまり、副CPU41aは、演出ゲームを開始させる。変動パターン指定コマンドは、変動パターンに基づく演出ゲームの開始を指示する制御情報といえる。そして、副CPU41aは、所定のタイミングにおいて、決定した演出図柄による図柄組み合わせを一旦停止表示させるように、演出表示装置11を制御する。その後、副CPU41aは、ゲーム終了コマンドの入力を契機に、演出図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるように、演出表示装置11を制御する。因みに、リーチ演出を実行する場合、副CPU41aは、特別ゲーム中における所定のタイミングにおいてリーチが形成されるように左列と右列の演出図柄を一旦停止表示させるように、演出表示装置11を制御する。また、リーチ演出としてスーパーリーチ演出を実行する場合、副CPU41aは、リーチが形成された後にノーマルリーチ演出が実行され、その後、スーパーリーチ演出が実行されるように、演出表示装置11を制御する。なお、副CPU41aは、変動パターンから特定可能な変動時間を計時し、該変動時間の経過を契機に図柄組み合わせを確定停止表示させるように制御してもよい。この場合、ゲーム終了コマンドは省略してもよい。
また、特別ゲームの実行中、副CPU41aは、変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。本実施形態において、変動音には、例えば、演出図柄の表示にあわせて出力される音や、各種の演出の実行に伴う音、リーチ演出の実行に伴う音などがある。例えば、副CPU41aは、演出図柄の変動表示が開始されるタイミングにおいて、所定の変動音(例えば、変動開始音)が出力されるようにスピーカSpを制御する。また、副CPU41aは、演出図柄が一旦停止表示されるタイミングにおいて、所定の変動音(例えば、停止音)が出力されるようにスピーカSpを制御する。このように、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中、変動音がスピーカSpから出力される。
副CPU41aは、デモコマンドを入力した場合、演出表示装置11に表示させている演出図柄が待機状態における停止態様(例えば、演出図柄を左右に揺らす)で停止表示されるように、演出表示装置11を制御し、待機状態に制御する。また、デモコマンドを入力してから変動パターン指定コマンドを入力することなくデモ時間が経過した場合、副CPU41aは、客寄せ演出が実行されるように、演出表示装置11を制御する。例えば、客寄せ演出は、パチンコ遊技機10が待機状態であることを報知し、客寄せ効果を得るための演出であって、デモンストレーション演出(デモ演出)ともいわれる。客寄せ演出では、各種の注意喚起が実行されることもある。各種の注意喚起としては、例えば、のめり込みに関する注意喚起や幼児の車内放置に関する注意喚起などがある。
また、副CPU41aは、背景音を出力されるようにスピーカSpを制御することが可能である。また、背景音を出力させているときにおいて、副CPU41aは、待機状態となってからハンドル操作検知コマンドを入力することなく所定の待機時間が経過した場合、背景音の出力を停止させる。
また、例えば、待機状態であるときであって背景音を出力させていないときにおいて、副CPU41aは、ハンドル操作検知コマンドを入力した場合、背景音が出力されるようにスピーカSpを制御する。このように、背景音は、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDが操作されたことが検知されたことを契機に出力される場合がある。但し、背景音は、発射ハンドルHDが操作されたことを特定不能な内容である。また、例えば、待機状態であるときであって背景音を出力させていないときにおいて、副CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力した場合、背景音が出力されるようにスピーカSpを制御する。因みに、このとき、副CPU41aは、変動パターン指定コマンドに対応する特別ゲームの実行中において、変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。このように、背景音は、始動口12,13への入球を契機として実行が保留された特別ゲームが実行されるときに出力される変動パターン指定コマンドが副CPU41aに入力されたことを契機に出力される場合がある。つまり、背景音は、始動口12,13への入球を契機に出力される場合がある。但し、背景音は、始動口12,13へ遊技球が入球したことを特定不能な内容である。なお、「始動口12,13への入球」とは、第1始動口12及び第2始動口13の両方への遊技球の入球を意味するものではなく、第1始動口12及び第2始動口13のうち何れか一方への遊技球の入球を意味する。同様に、特別ゲームの実行中に出力される変動音は、始動口12,13への入球を契機として実行が保留された特別ゲームが実行されるときに出力される変動パターン指定コマンドが副CPU41aに入力されたことを契機に出力される場合がある。つまり、変動音は、始動口12,13への入球を契機に出力される場合がある。なお、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知されて背景音が出力されずに、始動口12,13への入球を契機として背景音の出力が開始される状況については、後ほど説明する。
次に、副CPU41aが行うエラー検知処理について説明する。
磁気検知コマンドを入力した場合、副CPU41aは、磁気エラーが検知されたことを報知する磁気検知演出を実行させる磁気検知演出処理を行う。磁気検知演出処理において、副CPU41aは、磁気が検知されたことを報知する内容の画像が表示されるように、演出表示装置11を制御する。また、磁気検知演出処理において、副CPU41aは、磁気が検知されたことを報知する内容の音(以下、磁気検知報知音と示す)が出力されるように、スピーカSpを制御する。磁気検知報知音は、例えば、「磁気を検知しました」という音声と、磁気が検知されたことに伴う効果音と、であってもよい。なお、詳細については後述するが、パチンコ遊技機10では、磁気エラーが検知されたとしても、磁気検知演出処理の実行が制限されることがある。
開放検知コマンドを入力した場合、副CPU41aは、扉部材が開放されていることを報知する開放検知演出を実行させる開放検知演出処理を行う。開放検知演出処理において、副CPU41aは、扉部材が開放されていることを報知する内容の画像が表示されるように、演出表示装置11を制御する。また、開放検知演出処理において、副CPU41aは、扉部材が開放されていることを報知する内容の音(以下、扉開放報知音と示す)が出力されるように、スピーカSpを制御する。扉開放報知音は、例えば、「扉が開いています」という音声と、扉部材が開放されたことに伴う効果音と、であってもよい。このように、扉開放報知音は、扉部材が開放されていることを特定可能な内容である。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1操作ボタンBT1が操作されたことを契機に、演出が実行される場合がある。パチンコ遊技機10では、第1操作ボタンBT1の操作を促す操作促進演出が実行された後、第1操作ボタンBT1が操作されたことを契機に演出が実行される場合がある。同様に、パチンコ遊技機10では、第2操作ボタンBT2が操作されたことを契機に、演出が実行される場合がある。パチンコ遊技機10では、第2操作ボタンBT2の操作を促す操作促進演出が実行された後、第2操作ボタンBT2が操作されたことを契機に演出が実行される場合がある。
本実施形態において操作促進演出は、演出表示装置11において実行される。操作促進演出には、第1操作促進演出と、第2操作促進演出と、第3操作促進演出と、がある。
図5(a)に示すように、第1操作促進演出が実行される場合、演出表示装置11には、動作していない第1操作ボタンBT1を模した画像G1と、第1操作ボタンBT1の操作を促す文字を含む画像MG1と、が表示される。第1操作促進演出は、動作していない第1操作ボタンBT1の操作を促す演出といえる。図5(b)に示すように、第2操作促進演出が実行される場合、演出表示装置11には、動作している第1操作ボタンBT1を模した画像G2と、画像MG1と、が表示される。第2操作促進演出は、動作している第1操作ボタンBT1の操作を促す演出といえる。図5(c)に示すように、第3操作促進演出が実行される場合、演出表示装置11には、第2操作ボタンBT2を模した画像G3と、第2操作ボタンBT2の操作を促す文字を含む画像MG2と、が表示される。第3操作促進演出は、第2操作ボタンBT2の操作を促す演出といえる。
以下、操作ボタンBT1,BT2の操作に係る演出と、それらの演出の実行に係る制御と、について説明する。本実施形態において、第1操作ボタンBT1の操作に係る演出には、ボタン予告演出及び最終ボタン演出がある。また、本実施形態において、第2操作ボタンBT2の操作に係る演出には、大当りボタン演出がある。
まず、図6(a)及び図6(b)に基づき、ボタン予告演出について説明する。
パチンコ遊技機10では、演出ゲームの実行中であって、且つ、演出図柄が一旦停止表示されるよりも前に、ボタン予告演出が実行される場合がある。したがって、演出ゲームにおいてリーチ演出が実行される場合、ボタン予告演出は、リーチ演出よりも前に実行される。図6(a)に示すように、パチンコ遊技機10では、ボタン予告演出が実行される場合、操作促進演出が実行される。ボタン予告演出が実行されて操作促進演出が実行されているときに第1操作ボタンBT1が操作された場合、ボタン予告演出の結果が導出される。図6(b)に示すように、ボタン予告演出の結果が導出される場合、内部下可動体95が動作するとともに、演出表示装置11には内部下可動体95の動作に合わせて期待度画像KFが表示される。ボタン予告演出の結果には、青色をモチーフとした期待度画像KFが表示される第1結果と、黄色をモチーフとした期待度画像KFが表示される第2結果と、赤色をモチーフとした期待度画像KFが表示される第3結果と、がある。そして、本実施形態では、ボタン予告演出にて導出される結果に応じて、大当り期待度が異なる。具体的に、第1結果よりも第2結果の大当り期待度が高く、第2結果よりも第3結果の大当り期待度が高い。パチンコ遊技機10では、ボタン予告演出を実行するにあたって、操作促進演出が実行される。本実施形態のボタン予告演出では、操作促進演出として、第1操作促進演出又は第2操作促進演出が実行される。
ここで、ボタン予告演出の実行に係る制御について説明する。
変動パターン指定コマンドの入力後、副CPU41aは、ボタン予告演出を実行するかを決定する。例えば、副CPU41aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンの種類に応じた確率でボタン予告演出の実行を決定してもよい。また、ボタン予告演出の実行を決定した場合、副CPU41aは、ボタン予告演出にて導出する結果を決定する。本実施形態では、大当り変動パターンが指定された場合、はずれ変動パターンが指定された場合に比して、大当り期待度の高い結果が高い確率で決定される。また、本実施形態では、はずれリーチあり変動パターンが指定された場合、はずれリーチなし変動パターンが指定された場合に比して、大当り期待度の高い結果が高い確率で決定される。その後、副CPU41aは、操作促進演出として第1操作促進演出と第2操作促進演出のうち何れを実行するか、つまり、操作促進演出の種類を決定する。副CPU41aは、ボタン予告演出にて導出する結果に応じて、操作促進演出の種類を決定する。本実施形態では、大当り期待度の高い結果をボタン予告演出にて導出する結果として決定している場合ほど、第2操作促進演出が高い確率で決定される。即ち、ボタン予告演出では、第1操作促進演出が実行される場合よりも、第2操作促進演出が実行される場合の方が、大当り期待度の高い結果が導出されることへの期待度が高く、結果的に、大当り期待度が高まる。
ボタン予告演出の実行を決定した場合、演出図柄が一旦停止表示されるよりも前に、副CPU41aは、ボタン予告演出に係る操作有効期間(例えば、最大3秒)を設定する。このように、ボタン予告演出の実行を決定した場合、演出図柄が一旦停止表示されるよりも前に、ボタン予告演出に係る操作有効期間が設定される。また、ボタン予告演出の実行を決定した場合、演出図柄が一旦停止表示されるよりも前に、副CPU41aは、決定した種類の操作促進演出が実行されるように演出表示装置11を制御する。このとき、第2操作促進演出を実行させる場合、副CPU41aは、演出位置P1bまで第1操作ボタンBT1が動作するように、操作部アクチュエータSAを制御する。但し、副RWM41cに第1エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、第1操作ボタンBT1を動作させない。また、ボタン予告演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力した場合、副CPU41aは、操作促進演出の実行を終了させ、ボタン予告演出の結果が導出されるように演出表示装置11を制御する。即ち、ボタン予告演出において操作促進演出を実行させてからボタン予告演出に係る操作有効期間が経過するまでの間に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力した場合、副CPU41aは、操作促進演出の実行を終了させ、ボタン予告演出の結果が導出されるように演出表示装置11を制御する。このとき、ボタン予告演出に係る操作有効期間についても終了する。また、ボタン予告演出の結果を導出させる場合、副CPU41aは、演出位置P4bまで内部下可動体95が動作するように、第3演出アクチュエータEA3を制御する。更に、副CPU41aは、期待度画像KFが表示されるように、演出表示装置11を制御する。そして、ボタン予告演出の結果を導出させた後、ボタン予告演出の実行を終了させる場合、副CPU41aは、原位置P4aまで内部下可動体95が動作するように、第3演出アクチュエータEA3を制御する。但し、副RWM41cに第4エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、内部下可動体95を動作させない。
なお、ボタン予告演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力しない場合、副CPU41aは、操作促進演出の実行を終了させる。そして、ボタン予告演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力しない場合、副CPU41aは、ボタン予告演出の結果を導出させる制御を行わない。更に、ボタン予告演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力しない場合であって、第2操作促進演出を実行させた場合、副CPU41aは、ボタン予告演出の実行を終了させる場合、演出位置P1bに動作させている第1操作ボタンBT1を原位置P1aに動作させるように、操作部アクチュエータSAを制御する。因みに、パチンコ遊技機10では、第1操作ボタンBT1が演出位置P1bまで動作しているときに第1操作ボタンBT1が操作された場合、当該操作によって、第1操作ボタンBT1は原位置P1aに動作することとなる。
次に、図7(a)~図7(c)に基づき、最終ボタン演出について説明する。
パチンコ遊技機10では、スーパーリーチ演出にて残り1列の演出図柄が一旦停止表示されるよりも前の最終実行タイミングにおいて、最終ボタン演出が実行される。図7(a)に示すように、パチンコ遊技機10では、最終ボタン演出が実行される場合、操作促進演出が実行される。最終ボタン演出が実行されて操作促進演出が実行されているときに第1操作ボタンBT1が操作された場合、最終ボタン演出の結果が導出される。最終ボタン演出にて導出される結果には、大当りとなる場合に導出される第1最終結果と、はずれとなる場合に導出される第2最終結果と、がある。図7(b)に示すように、最終ボタン演出にて第1最終結果が導出される場合、内部上可動体90が動作するとともに、演出表示装置11には内部上可動体90の動作に合わせたエフェクト画像EF1が表示される。なお、最終ボタン演出にて第1最終結果が導出される場合には、演出ゲームにおいて大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示される。一方、図7(c)に示すように、最終ボタン演出にて第2最終結果が導出される場合、内部上可動体90は動作せず、演出表示装置11にはエフェクト画像EF1とは異なるエフェクト画像EF2が表示される。なお、最終ボタン演出にて第2最終結果が導出される場合には、演出ゲームにおいてはずれの図柄組み合わせが一旦停止表示される。パチンコ遊技機10では、最終ボタン演出を実行するにあたって、操作促進演出が実行される。本実施形態の最終ボタン演出では、操作促進演出として、第1操作促進演出又は第2操作促進演出が実行される。
ここで、最終ボタン演出の実行に係る制御について説明する。
スーパーリーチ演出を実行する場合、副CPU41aは、最終ボタン演出において操作促進演出として第1操作促進演出と第2操作促進演出のうち何れを実行するか、つまり、操作促進演出の種類を決定する。本実施形態では、大当り変動パターンが指定された場合、はずれ変動パターンが指定された場合に比して、第2操作促進演出が高い確率で決定される。即ち、最終ボタン演出では、第1操作促進演出が実行される場合よりも、第2操作促進演出が実行される場合の方が、大当り期待度が高まる。
そして、最終実行タイミングにおいて副CPU41aは、最終ボタン演出に係る操作有効期間(例えば、最大5秒)を設定する。また、最終実行タイミングにおいて副CPU41aは、決定した種類の操作促進演出が実行されるように演出表示装置11を制御する。このとき、第2操作促進演出を実行させる場合、副CPU41aは、演出位置P1bまで第1操作ボタンBT1が動作するように、操作部アクチュエータSAを制御する。但し、副RWM41cに第1エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、第1操作ボタンBT1を動作させない。また、最終ボタン演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力した場合、副CPU41aは、操作促進演出の実行を終了させ、最終ボタン演出の結果が導出されるように演出表示装置11を制御する。このとき、最終ボタン演出に係る操作有効期間についても終了する。第1最終結果を導出させる場合、副CPU41aは、演出位置P3bまで内部上可動体90が動作するように、第2演出アクチュエータEA2を制御する。更に、副CPU41aは、エフェクト画像EF1が表示されるように、演出表示装置11を制御する。そして、第1最終結果を導出させた最終ボタン演出の実行を終了させる場合、副CPU41aは、原位置P3aまで内部上可動体90が動作するように、第2演出アクチュエータEA2を制御する。但し、副RWM41cに第3エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、内部上可動体90を動作させない。一方、第2最終結果を導出させる場合、副CPU41aは、エフェクト画像EF2が表示されるように、演出表示装置11を制御する。また、最終ボタン演出の結果を導出させる場合、副CPU41aは、大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせが一旦停止表示されるように演出表示装置11を制御する。
なお、最終ボタン演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力しない場合、副CPU41aは、操作促進演出の実行を終了させる。そして、最終ボタン演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力しない場合、副CPU41aは、最終ボタン演出の結果を導出させる制御は行わない。更に、最終ボタン演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力しない場合であって、第2操作促進演出を実行させた場合、副CPU41aは、最終ボタン演出の実行を終了させる場合、演出位置P1bに動作させている第1操作ボタンBT1を原位置P1aに動作させるように、操作部アクチュエータSAを制御する。因みに、最終ボタン演出に係る操作有効期間内に第1操作ボタンBT1からの検知信号を入力しない場合であっても、副CPU41aは、大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせが一旦停止表示されるように演出表示装置11を制御する。
次に、図8(a)~図8(c)に基づき、大当りボタン演出について説明する。
パチンコ遊技機10では、大当り遊技の生起中、大当りボタン演出が実行される。本実施形態では、大当り遊技における3回目のラウンド遊技において大当りボタン演出が実行される。図8(a)に示すように、パチンコ遊技機10では、大当りボタン演出が実行される場合、第3操作促進演出が実行される。パチンコ遊技機10では、大当りボタン演出が実行されて第3操作促進演出が実行されているときに第2操作ボタンBT2が操作された場合、大当りボタン演出の結果が導出される。大当りボタン演出にて導出される結果には、高確率状態に制御される場合に導出される高確率結果と、低確率状態に制御される場合に導出される低確率結果と、がある。図8(b)に示すように、パチンコ遊技機10では、大当りボタン演出にて高確率結果が導出される場合、上部可動体80が動作するとともに、演出表示装置11には高確率状態に制御することを報知する画像Gaが表示される。一方、図8(c)に示すように、パチンコ遊技機10では、大当りボタン演出にて低確率結果が導出される場合、上部可動体80は動作せず、演出表示装置11には高確率状態に制御されないことを報知する画像Gbが表示される。
ここで、大当りボタン演出の実行に係る制御について説明する。
大当り遊技における3回目のラウンド遊技において副CPU41aは、大当りボタン演出に係る操作有効期間(例えば、3回目のラウンド遊技が終了するまでの期間)を設定する。また、大当り遊技における3回目のラウンド遊技において副CPU41aは、第3操作促進演出が実行されるように演出表示装置11を制御する。また、大当りボタン演出に係る操作有効期間内に第2操作ボタンBT2からの検知信号を入力した場合、副CPU41aは、操作促進演出の実行を終了させ、大当りボタン演出の結果が導出されるように演出表示装置11を制御する。このとき、大当りボタン演出に係る操作有効期間についても終了する。また、高確率結果を導出させる場合、副CPU41aは、演出位置P2bまで上部可動体80が動作するように、第1演出アクチュエータEA1を制御する。更に、副CPU41aは、画像Gaが表示されるように、演出表示装置11を制御する。そして、高確率結果を導出させた大当りボタン演出の実行を終了させる場合、副CPU41aは、原位置P2aまで上部可動体80が動作するように、第1演出アクチュエータEA1を制御する。但し、副RWM41cに第2エラー情報が記憶されている場合、副CPU41aは、上部可動体80を動作させない。一方、低確率結果を導出させる場合、副CPU41aは、画像Gbが表示されるように、演出表示装置11を制御する。
なお、大当りボタン演出に係る操作有効期間内に第2操作ボタンBT2からの検知信号を入力しない場合、副CPU41aは、第3操作促進演出の実行を終了させる。そして、大当りボタン演出に係る操作有効期間内に第2操作ボタンBT2からの検知信号を入力しない場合、副CPU41aは、大当りボタン演出の結果を導出させる制御を行わない。
以上のように、パチンコ遊技機10では、副CPU41aによって第1操作ボタンBT1、上部可動体80、内部上可動体90及び内部下可動体95の動作が制御される。このため、本実施形態では、副CPU41aが第1操作ボタンBT1、上部可動体80、内部上可動体90及び内部下可動体95の各種の可動体の動作を制御することで、可動体の動作を制御する動作制御手段としての機能が実現される。
ここで、本実施形態のスピーカSpが出力可能な音について、説明する。
パチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中、変動音がスピーカSpから出力される。また、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中に限らず、背景音がスピーカSpから出力される。また、パチンコ遊技機10では、磁気エラーが検知された場合、磁気検知報知音がスピーカSpから出力される。パチンコ遊技機10では、扉部材が開放された場合、扉開放報知音がスピーカSpから出力される。その他、パチンコ遊技機10では、主CPU40aによって主RWMクリア処理が行われた場合、初期化報知音がスピーカSpから出力される。また、パチンコ遊技機10では、主CPU40aによってバックアップされている各種情報に基づき復帰する処理が行われた場合、バックアップ復帰報知音がスピーカSpから出力される。ここでは、スピーカSpが出力可能な音として、変動音、背景音、磁気検知報知音、扉開放報知音、初期化報知音及びバックアップ復帰報知音を示しているが、その他の音についても出力可能に構成されている。その他の音としては、例えば、大当り遊技中における大当り演出の実行に伴う音などがある。
次に、本実施形態のスピーカSpにおける音の出力について、説明する。
副ROM41bに記憶されている音演出データには、ボリューム値が定められている。ボリューム値は、音演出データによって特定可能な音演出を出力する音量の基礎となる値である。音演出データには、「0~100」の範囲でボリューム値が定められている。因みに、ボリューム値は、「1、2、3、…、99、100」のように、1~100までの1刻みの値を取り得る。
また、副ROM41bには、状況に応じた音量に関する状況音量データが記憶されている。状況音量データには、状況値が定められている。状況値は、状況に応じて音演出を出力する音量の基礎となる値である。状況音量データには、「0~1」の範囲で状況値が定められている。因みに、状況値は、「0、0.1、0.2、…、0.9、1.0」のように、0~1までの0.1刻みの値を取り得る。例えば、状況音量データとしては、待機状態であるときの状況音量データと、特別ゲームの実行中であるときの状況音量データと、がある。例えば、パチンコ遊技機10では、待機状態であるときの状況音量データに状況値として「0.5」を定めており、特別ゲームの実行中であるときの状況音量データに状況値として「1.0」を定めている。
また、副RWM41cには、上ボタンUB又は下ボタンDBの操作によって調整可能な調整音量データが記憶されている。調整音量データには、調整値が定められている。調整値は、上ボタンUB又は下ボタンDBの操作によって調整可能である。パチンコ遊技機10では、「0.1~1」の範囲で調整値を調整することができる。因みに、調整値は、「0.1、0.2、…、0.9、1.0」のように、0.1~1までの0.1刻みの値を取り得る。このように、パチンコ遊技機10では、上ボタンUB又は下ボタンDBを操作することで、副RWM41cに記憶されている調整音量データを変更することができ、スピーカSpから出力される音のうち少なくとも一部の音の音量を調整することができる。本実施形態では、上ボタンUB及び下ボタンDBが、操作可能な調整操作手段に相当する。そして、本実施形態は、調整操作手段を操作することで、音出力手段から出力可能な音のうち少なくとも一部の音の音量を調整可能に構成されている。パチンコ遊技機10では、上ボタンUB又は下ボタンDBが操作されて音量調整が行われた場合、音量の調整が行われたことを特定可能な音量調整音がスピーカSpから出力されるように構成してもよい。音量調整音は、調整後の音量に応じて、音(例えば、音階)を異ならせてもよい。
そして、パチンコ遊技機10では、原則、音を出力する場合、ボリューム値と、状況値と、調整値と、を掛け合わせた音量で、音演出データから特定可能な音演出がスピーカSpから出力される。このため、パチンコ遊技機10では、ボリューム値、状況値及び調整値のうち少なくとも1つが「0(零)」であれば、音演出データから特定可能な音演出はスピーカSpから出力されない。なお、本明細書においては、音量が「0」であって音がスピーカSpから出力されない状況は、音量が最小音量である状況ではなく、単に、音が出力されていない状況に相当する。音が出力されていない状況は、音が出力されない状況であって、音が出力されない非音出力状態に相当する。逆に、音が出力されている状況は、音が出力される音出力状態といえる。このように、パチンコ遊技機10において、スピーカSpの音の出力状態には、音が出力されない非音出力状態と、音が出力される音出力状態と、がある。即ち、本実施形態において、音出力手段における音の出力状態には、音が出力されない非音出力状態と、音が出力される音出力状態と、がある。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、状況値及び調整値に関係なく、音が出力される場合がある。例えば、パチンコ遊技機10において、初期化報知音は、状況値及び調整値に関係なく、スピーカSpから出力される。具体的に、パチンコ遊技機10では、初期化報知音を出力するにあたって、実際の状況値が1未満であっても状況値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整されるとともに、実際の調整値が1未満であっても調整値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整される。そして、初期化報知音は、初期化報知音に関する音演出データに定められたボリューム値から低下させることなく、初期化報知音を出力可能な音量の最大音量で出力される。因みに、初期化報知音に関する音演出データには、ボリューム値として、ボリューム値が取り得る値の最大値が定められている。以上のように、初期化報知音は、上ボタンUB又は下ボタンDBが操作されて調整値が変更されていたとしても、当該調整値に関係なく、初期化報知音を出力するときの最大音量で出力される。つまり、初期化報知音が出力される音量は、上ボタンUB又は下ボタンDBを操作しても調整不能である。
例えば、パチンコ遊技機10において、バックアップ復帰報知音は、状況値及び調整値に関係なく、スピーカSpから出力される。具体的に、パチンコ遊技機10では、バックアップ復帰報知音を出力するにあたって、実際の状況値が1未満であっても状況値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整されるとともに、実際の調整値が1未満であっても調整値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整される。そして、バックアップ復帰報知音は、バックアップ復帰報知音に関する音演出データに定められたボリューム値から低下させることなく、バックアップ復帰報知音を出力可能な音量の最大音量で出力される。因みに、バックアップ復帰報知音に関する音演出データには、ボリューム値として、ボリューム値が取り得る値の最大値が定められている。以上のように、バックアップ復帰報知音は、上ボタンUB又は下ボタンDBが操作されて調整値が変更されていたとしても、当該調整値に関係なく、バックアップ復帰報知音を出力するときの最大音量で出力される。つまり、バックアップ復帰報知音が出力される音量は、上ボタンUB又は下ボタンDBを操作しても調整不能である。
また、例えば、パチンコ遊技機10において、磁気検知報知音は、状況値及び調整値に関係なく、スピーカSpから出力される。具体的に、パチンコ遊技機10では、磁気検知報知音を出力するにあたって、実際の状況値が1未満であっても状況値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整されるとともに、実際の調整値が1未満であっても調整値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整される。そして、磁気検知報知音は、磁気検知報知音に関する音演出データに定められたボリューム値から低下させることなく、磁気検知報知音を出力可能な音量の最大音量で出力される。因みに、磁気検知報知音に関する音演出データには、ボリューム値として、ボリューム値が取り得る値の最大値が定められている。以上のように、磁気検知報知音は、上ボタンUB又は下ボタンDBが操作されて調整値が変更されていたとしても、当該調整値に関係なく、磁気検知報知音を出力するときの最大音量で出力される。つまり、磁気検知報知音が出力される音量は、上ボタンUB又は下ボタンDBを操作しても調整不能である。
また、例えば、パチンコ遊技機10において、扉開放報知音は、状況値及び調整値に関係なく、スピーカSpから出力される。具体的に、パチンコ遊技機10では、扉開放報知音を出力するにあたって、実際の状況値が1未満であっても状況値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整されるとともに、実際の調整値が1未満であっても調整値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整される。そして、扉開放報知音は、扉開放報知音に関する音演出データに定められたボリューム値から低下させることなく、扉開放報知音を出力可能な音量の最大音量で出力される。因みに、扉開放報知音に関する音演出データには、ボリューム値として、ボリューム値が取り得る値の最大値が定められている。以上のように、扉開放報知音は、上ボタンUB又は下ボタンDBが操作されて調整値が変更されていたとしても、当該調整値に関係なく、扉開放報知音を出力するときの最大音量で出力される。つまり、扉開放報知音が出力される音量は、上ボタンUB又は下ボタンDBを操作しても調整不能である。
このように、初期化報知音、バックアップ復帰報知音、磁気検知報知音及び扉開放報知音は、状況値及び調整値に関係なく、スピーカSpから出力される。つまり、パチンコ遊技機10において、初期化報知音、バックアップ復帰報知音、磁気検知報知音及び扉開放報知音は、ボタンUB,DBの操作によって音量を調整不能である。即ち、本実施形態において、特定音の音量は、調整操作手段を操作しても調整不能である。また、パチンコ遊技機10では、初期化報知音、バックアップ復帰報知音、磁気検知報知音及び扉開放報知音を出力するにあたって、実際の状況値が1未満であっても状況値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整されるとともに、実際の調整値が1未満であっても調整値として取り得る値の最大値である「1」に状況値が調整される。そして、パチンコ遊技機10において、初期化報知音、バックアップ復帰報知音、磁気検知報知音及び扉開放報知音は、最大音量でスピーカSpから出力される。即ち、本実施形態において、特定音は、最大音量にて音出力手段から出力される。また、本実施形態において、特定エラー音は、最大音量にて出力可能である。
また、パチンコ遊技機10では、電力供給が開始された場合、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力が終了した後、各種の可動体の初期動作が行われる。パチンコ遊技機10では、原則、各種の可動体の初期動作が行われている間、スピーカSpから音が出力されないように構成されている。
図9(a)に示すように、例えば、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作の開始時点T1から当該可動体が初期動作している期間の途中の所定時点T2まで、磁気センサJSが磁気を検知したとしても磁気検知報知音がスピーカSpから出力されない。具体的に、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作の開始時点T1から前枠Y3に設けられた可動体の初期動作が終了する時点T2まで、磁気センサJSが磁気を検知したとしても磁気検知報知音がスピーカSpから出力されない。例えば、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作の開始時点T1から時点T2までの途中の時点T12において磁気センサJSが磁気を検知したとしても、磁気検知報知音がスピーカSpから出力されない。但し、可動体の初期動作が終了する時点T2以降は、磁気センサJSが磁気を検知した場合、前述したように、最大音量にて磁気検知報知音が出力される。例えば、パチンコ遊技機10では、内部下可動体95の初期動作が行われている途中の時点T3において磁気センサJSが磁気を検知した場合、最大音量にて磁気検知報知音が出力される。同様に、パチンコ遊技機10では、全ての可動体の初期動作が終了した後の時点T4において磁気センサJSが磁気を検知した場合、最大音量にて磁気検知報知音が出力される。
このように、パチンコ遊技機10において、磁気検知報知音は、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から前枠Y3に設けられた可動体の初期動作が終了する時点までは、スピーカSpから出力されない。なお、前述したように、パチンコ遊技機10において、初期化報知音及びバックアップ復帰報知音は、可動体の初期動作が開始されるよりも前に出力が終了していることから、電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から前枠Y3に設けられた可動体の初期動作が終了する時点においても、スピーカSpから出力されない。
本実施形態では、初期化報知音、バックアップ報知音及び磁気検知報知音が、特別音に相当する。即ち、本実施形態において、特別音には、電力供給の開始に伴って出力される音がある。このように、本実施形態において、音出力手段が出力可能な音には、特別音がある。また、本実施形態において、特別音の音量は、調整操作手段を操作しても調整不能である。また、本実施形態において、特別音は、最大音量にて音出力手段から出力される。また、本実施形態において、特定の音量は、特別音を出力するにあたっての最大音量である。つまり、本実施形態において、音出力手段が出力可能な音には、特定の音量で音出力手段から出力される特別音がある。また、本実施形態では、前枠Y3に設けられた可動体の初期動作が終了する時点が、可動体が初期動作している期間の途中の所定時点に相当する。そして、本実施形態では、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の所定時点までは、音出力手段から特別音が出力されない。
因みに、図9(b)に示すように、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間中、扉部材が開放された場合、扉開放報知音が出力される。このとき、扉開放報知音は、前述したように、最大音量で出力される。例えば、各種の可動体の初期動作の開始時点T1から当該可動体が初期動作している期間の途中の所定時点T2までの途中の時点T3において扉開放センサKSが扉部材の開放を検知した場合、最大音量にて扉開放報知音が出力される。例えば、パチンコ遊技機10では、時点T2以降の内部下可動体95の初期動作が行われている途中の時点T4において扉開放センサKSが扉部材の開放を検知した場合、最大音量にて扉開放報知音が出力される。例えば、パチンコ遊技機10では、全ての可動体の初期動作が終了した後の時点T5において扉開放センサKSが扉部材の開放を検知した場合、最大音量にて扉開放報知音が出力される。
また、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内においてタッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知された場合、背景音が出力される。但し、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、背景音は、最小音量にて出力される。具体的に、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、背景音を出力するにあたって、実際の状況値が0.1よりも高い値であっても状況値として取り得る値の0以外の最小値である「0.1」に状況値が調整される。更に、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、背景音を出力するにあたって、実際の調整値が0.1よりも高い値であっても調整値として取り得る値の最小値である「0.1」に状況値が調整される。
例えば、図9(c)に示すように、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作の開始時点T1から当該可動体が初期動作している期間の途中の所定時点T2までの途中の時点T3においてタッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知された場合、最小音量にて背景音が出力される。例えば、パチンコ遊技機10では、時点T2以降の内部下可動体95の初期動作が行われている途中の時点T4において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、最小音量にて背景音が出力される。但し、パチンコ遊技機10では、全ての可動体の初期動作が終了した後(例えば、時点T5)に発射ハンドルHDの操作が検知された場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量(図9(c)では、調整音量と示す)で背景音が出力される。このとき、実際の状況値及び実際の調整値のうち何れもが「0.1」以上であって、且つ、実際の状況値及び実際の調整値のうち少なくとも一方が「0.1」よりも高い場合、最小音量よりも大きい音量で背景音が出力される。
また、図9(d)に示すように、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内においてタッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知されて背景音が最小音量で出力されたとする。その後、パチンコ遊技機10では、最小音量で背景音が出力されているときに全ての可動体の初期動作が終了した場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量(図9(d)では、調整音量と示す)で背景音が出力される。このとき、実際の状況値及び実際の調整値のうち何れもが「0.1」以上であって、且つ、実際の状況値及び実際の調整値のうち少なくとも一方が「0.1」よりも高い場合、最小音量よりも大きい音量で背景音が出力される。
また、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、背景音及び変動音が出力される。但し、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内(例えば、時点T4)において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、背景音及び変動音は、最小音量にて出力される。具体的に、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、背景音を出力するにあたって、実際の状況値が0.1よりも高い値であっても状況値として取り得る値の0以外の最小値である「0.1」に状況値が調整される。更に、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、背景音を出力するにあたって、実際の調整値が0.1よりも高い値であっても調整値として取り得る値の最小値である「0.1」に状況値が調整される。同様に、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内(例えば、時点T4)において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、変動音を出力するにあたって、実際の状況値が0.1よりも高い値であっても状況値として取り得る値の0以外の最小値である「0.1」に状況値が調整される。更に、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、変動音を出力するにあたって、実際の調整値が0.1よりも高い値であっても調整値として取り得る値の最小値である「0.1」に状況値が調整される。
例えば、図9(c)に示すように、パチンコ遊技機10では、各種の可動体の初期動作の開始時点T1から当該可動体が初期動作している期間の途中の所定時点T2までの途中の時点T3において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、最小音量にて背景音及び変動音が出力される。例えば、パチンコ遊技機10では、時点T2以降の内部下可動体95の初期動作が行われている途中の時点T4において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、最小音量にて背景音及び変動音が出力される。但し、パチンコ遊技機10では、全ての可動体の初期動作が終了した後(例えば、時点T5)に始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始された場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量で背景音及び変動音が出力される。このとき、実際の状況値及び実際の調整値のうち何れもが「0.1」以上であって、且つ、実際の状況値及び実際の調整値のうち少なくとも一方が「0.1」よりも高い場合、最小音量よりも大きい音量で背景音及び変動音が出力される。
また、図9(d)に示すように、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内(例えば、時点T4)において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始されて背景音が最小音量で出力されたとする。その後、パチンコ遊技機10では、最小音量で背景音が出力されているときに全ての可動体の初期動作が終了した場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量で背景音が出力される。このとき、実際の状況値及び実際の調整値のうち何れもが「0.1」以上であって、且つ、実際の状況値及び実際の調整値のうち少なくとも一方が「0.1」よりも高い場合、最小音量よりも大きい音量で背景音が出力される。同様に、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13への入球を契機に特別ゲームの実行が開始されて変動音が最小音量で出力されたとする。その後、パチンコ遊技機10では、最小音量で変動音が出力されているときに全ての可動体の初期動作が終了した場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量で変動音が出力される。このとき、実際の状況値及び実際の調整値のうち何れもが「0.1」以上であって、且つ、実際の状況値及び実際の調整値のうち少なくとも一方が「0.1」よりも高い場合、最小音量よりも大きい音量で変動音が出力される。
以上のように、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われる期間内において、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知されたこと、及び、始動口12,13へ遊技球が入球することのうち何れかの事象が発生した場合、スピーカSpから最小音量で音が出力される。本実施形態では、背景音及び変動音のうち少なくとも一方が、出力条件が成立した場合に出力される所定音に相当する。即ち、所定音には、背景音がある。また、所定音には、変動音がある。パチンコ遊技機10では、可動体が初期動作している期間内において、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDが操作されたことが検知されたことを契機に所定音が出力される。つまり、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、操作検知手段によって発射ハンドルが操作されたことが検知されたことを契機に所定音が出力される。また、パチンコ遊技機10では、可動体が初期動作している期間内において、始動口12,13への遊技球の入球を契機に所定音が出力される。つまり、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、始動口への遊技球の入球を契機に所定音が出力される。また、パチンコ遊技機10において、背景音及び変動音は、原則、ボタンUB,DBを操作することで音量を調整可能である。つまり、本実施形態において、調整操作手段を操作することで音量を調整可能な音には、可動体の初期動作が行われているときであっても出力条件が成立したことを契機に出力可能な所定音がある。
また、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われる期間内において、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知されたこと、及び、始動口12,13へ遊技球が入球することのうち何れかの事象が発生した場合、背景音及び変動音のうち少なくとも一方が出力される。一方、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われる期間内において、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知されたこと、及び、始動口12,13へ遊技球が入球することのうち何れの事象も発生しなければ、背景音及び変動音の何れも出力されない。つまり、本実施形態において、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内では、出力条件が成立した場合に所定音が出力される一方、出力条件が成立しない場合に所定音が出力されない。このように、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、出力条件が成立した場合に所定音が出力される場合がある。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、所定音が出力される場合がある。そして、本実施形態において、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において所定音が出力されるとき、当該所定音は、最小音量にて出力可能である。つまり、本実施形態において、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において所定音が出力されるとき、当該所定音は、最小音量にて出力可能である。
本実施形態において、出力条件には、操作検知手段によって発射ハンドルが操作されたことが検知されたことを契機に成立する出力条件が含まれる。また、本実施形態において、出力条件には、始動口への遊技球の入球を契機に成立する出力条件が含まれる。即ち、本実施形態において、出力条件には、操作検知手段によって発射ハンドルが操作されたことが検知されたことを契機に成立する第1出力条件と、始動口への遊技球の入球を契機に成立する第2出力条件と、が含まれる。このように、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、操作検知手段によって発射ハンドルが操作されたこと及び始動口へ遊技球が入球したことのうち少なくとも一方に基づき、所定音が出力される。
また、前述したように、パチンコ遊技機10では、最小音量で背景音が出力されているときに全ての可動体の初期動作が終了した場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量で背景音が出力される。同様に、パチンコ遊技機10では、最小音量で変動音が出力されているときに全ての可動体の初期動作が終了した場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量で変動音が出力される。このように、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われているときから当該初期動作の終了後にわたって背景音及び変動音のうち少なくとも一方が出力されているときにおいて、可動体の初期動作が終了した後、背景音及び変動音のうち少なくとも一方の出力されている音は、最小音量よりも大きい音量にて出力可能である。即ち、本実施形態では、可動体の初期動作が行われているときから当該初期動作の終了後にわたって所定音が出力されるときにおいて、可動体の初期動作が終了した後、所定音は、最小音量よりも大きい音量にて出力可能である。
また、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において、扉開放センサKSによって扉部材が開放されたことが検知された場合に扉開放報知音がスピーカSpから出力される。このように、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、特定エラーが検知された場合に特定エラー音が出力される。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って前記可動体が初期動作している期間内において、特定エラーが検知された場合に特定エラー音が出力され、出力条件が成立した場合に所定音が出力される場合がある。本実施形態において、音出力手段が出力可能な音には、所定音と、特定エラーに係る特定エラー音と、がある。また、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われる期間内において、扉開放センサKSによって扉部材が開放されたことが検知された場合、スピーカSpから最小音量よりも大きい最大音量で扉開放報知音が出力される。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において特定エラー音が出力されるとき、当該特定エラー音は、最小音量よりも大きい音量にて出力可能である。
このように、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われる期間内において、扉開放センサKSによって扉部材が開放されたことが検知されたこと、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知されたこと、及び、始動口12,13へ遊技球が入球することのうち何れかの事象が発生した場合、スピーカSpから音が出力される。一方、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われる期間内において、扉開放センサKSによって扉部材が開放されたことが検知されたこと、タッチセンサTSによって発射ハンドルHDの操作が検知されたこと、及び、始動口12,13へ遊技球が入球することのうち何れかの事象が発生しなければ、スピーカSpから音が出力されない。このように、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、所定条件が成立していないときには音出力手段における音の出力状態が非音出力状態となる一方、所定条件が成立したときには音出力手段における音の出力状態が音出力状態となる。そして、本実施形態において、所定条件には、開放検知手段によって扉部材が開放されたことが検知されたことを契機に成立する所定条件が含まれる。また、本実施形態において、所定条件には、操作検知手段によって発射ハンドルが操作されたことが検知されたことを契機に成立する所定条件が含まれる。また、本実施形態において、所定条件には、始動口への遊技球の入球を契機に成立する所定条件が含まれる。
また、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において、扉部材が開放されたときには扉部材が開放されていることを特定可能な内容の扉開放報知音がスピーカSpから出力される。つまり、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において扉開放センサKSによって扉部材が開放されたことが検知されたときにスピーカSpから出力される扉開放報知音は、扉部材が開放されていることを特定可能な内容である。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において開放検知手段によって扉部材が開放されたことが検知されたときに音出力手段から出力される特定エラー音は、扉部材が開放されていることを特定可能な内容である。一方、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において、発射ハンドルHDが操作されたとき、又は、始動口12,13へ遊技球が入球したときには背景音が出力される。背景音は、発射ハンドルHDが操作されたことを特定不能な内容であり、始動口12,13へ遊技球が入球したことを特定不能な内容である。したがって、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において発射ハンドルが操作されたことを契機に出力条件が成立したスピーカSpから出力される音は、発射ハンドルHDが操作されたことを特定不能な内容である。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において発射ハンドルが操作されたことを契機に出力条件が成立して音出力手段から出力される所定音は、発射ハンドルが操作されたことを特定不能な内容である。同様に、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13へ遊技球が入球したことを契機に出力条件が成立したスピーカSpから出力される音は、始動口12,13へ遊技球が入球したことを特定不能な内容である。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において始動口へ遊技球が入球したことを契機に出力条件が成立して音出力手段から出力される所定音は、始動口へ遊技球が入球したことを特定不能な内容である。
ここで、ボタンUB,DBの操作による音量調整に係る制御について、説明する。
ボタンUB,DBを操作することで音量調整を行うことが可能な期間において、上ボタンUBからの検知信号を入力した場合、副CPU41aは、副RWM41cに記憶されている調整値に0.1を加算し、調整値を更新する。但し、加算前の調整値が1.0に達している場合、副CPU41aは、調整値を更新しない。また、ボタンUB,DBを操作することで音量調整を行うことが可能な期間において、下ボタンDBからの検知信号を入力した場合、副CPU41aは、副RWM41cに記憶されている調整値から0.1を減算し、調整値を更新する。但し、減算前の調整値が0に達している場合、副CPU41aは、調整値を更新しない。本実施形態において、「ボタンUB,DBを操作することで音量調整を行うことが可能な期間」には、例えば、待機状態であるとき、特別ゲームの実行中であるとき、及び、大当り遊技中であるときがある。その他、本実施形態において、「ボタンUB,DBを操作することで音量調整を行うことが可能な期間」には、例えば、各種の可動体の初期動作が行われているときがある。
次に、音の出力に係る制御について、スピーカSpから音が出力される音量とともに、説明する。
初期化復帰処理において初期化報知音を出力させる場合、副CPU41aは、初期化報知音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の最大値である「1」と、調整値の最大値である「1」と、を掛け合わせた音量で初期化報知音が出力されるようにスピーカSpを制御する。また、バックアップ復帰処理においてバックアップ復帰報知音を出力させる場合、副CPU41aは、バックアップ復帰報知音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の最大値である「1」と、調整値の最大値である「1」と、を掛け合わせた音量でバックアップ復帰報知音が出力されるようにスピーカSpを制御する。
また、磁気検知コマンドを入力した場合であって、第1操作ボタンBT1及び上部可動体80の初期動作が終了している場合、副CPU41aは、磁気検知演出処理において磁気検知報知音が出力されるようにスピーカSpを制御する。このとき、副CPU41aは、磁気検知報知音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の最大値である「1」と、調整値の最大値である「1」と、を掛け合わせた音量で磁気検知報知音が出力されるようにスピーカSpを制御する。一方、磁気検知コマンドを入力した場合であっても、第1操作ボタンBT1又は上部可動体80の初期動作が行われている場合、副CPU41aは、磁気検知演出処理を実行しない。即ち、磁気検知コマンドを入力した場合であっても、第1操作ボタンBT1又は上部可動体80の初期動作が行われている場合、副CPU41aは、磁気検知報知音を出力させない。このように、パチンコ遊技機10では、第1操作ボタンBT1又は上部可動体80の初期動作が行われている期間内において、磁気検知演出処理の実行が制限される。因みに、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音を出力させている期間内において、副CPU41aは、磁気検知コマンドを入力したとしても、磁気検知報知音を出力させない。
開放検知コマンドを入力したことを契機に扉開放報知音を出力させる場合、副CPU41aは、扉開放報知音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の最大値である「1」と、調整値の最大値である「1」と、を掛け合わせた音量で磁気検知報知音が出力されるようにスピーカSpを制御する。因みに、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音を出力させている期間内において、副CPU41aは、開放検知コマンドを入力したとしても、扉開放報知音を出力させない。
また、背景音を出力させる場合、副CPU41aは、背景音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値と、調整値と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。但し、背景音を出力させる場合であっても、可動体の初期動作が行われている期間内であれば、副CPU41aは、背景音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の0以外の最小値である「0.1」と、調整値の最小値である「0.1」と、を掛け合わせた音量で背景音が出力されるようにスピーカSpを制御する。
また、変動音を出力させる場合、副CPU41aは、出力する変動音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値と、調整値と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。但し、変動音を出力させる場合であっても、可動体の初期動作が行われている期間内であれば、副CPU41aは、出力する変動音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の0以外の最小値である「0.1」と、調整値の最小値である「0.1」と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。
因みに、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音を出力させている期間内において、副CPU41aは、ハンドル操作検知コマンドを入力したとしても、背景音を出力させない。また、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音を出力させている期間内において、副CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力したとしても背景音を出力させない。同様に、また、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音を出力させている期間内において、副CPU41aは、変動パターン指定コマンドを入力したとしても変動音を出力させない。即ち、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音がスピーカSpから出力されているときには、背景音及び変動音がスピーカSpから出力されない。
ここで、図10(a)及び図10(b)に基づき、電力供給の開始に伴って各種の可動体の初期動作が行われているときと、背景音の出力態様と、について説明する。
パチンコ遊技機10では、電力供給が開始されてから副CPU41aに初期時コマンドが入力されると、初期化報知音が最大音量でスピーカSpから出力される。また、パチンコ遊技機10では、電力供給が開始されてから副CPU41aに復帰時コマンドが入力されると、バックアップ復帰報知音が最大音量でスピーカSpから出力される。そして、パチンコ遊技機10では、時点T12において初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力が終了すると、可動体の初期動作が開始される。
図10(a)に示すように、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内の時点T13において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、背景音が最小音量でスピーカSpから出力される。このとき、背景音は、状況値及び調整値に関係なく、最小音量でスピーカSpから出力される。その後、時点T13における発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球が、可動体の初期動作が行われている期間内の時点T14において第1始動口12へ入球したとする。この場合、背景音は、最小音量のままスピーカSpから出力される。また、パチンコ遊技機10では、時点T14において第1始動口12へ遊技球が入球したことを契機として特別ゲームの実行が開始されると、変動音が最小音量でスピーカSpから出力される。更に、時点T14における第1始動口12への入球を契機として実行が開始された特別ゲームの実行中、時点T15において全ての可動体の初期動作が終了した場合、背景音は継続して出力され、背景音が出力される音量は実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量(図10(a)では、調整音量と示す)となる。同様に、時点T14における第1始動口12への入球を契機として実行が開始された特別ゲームの実行中、時点T15において全ての可動体の初期動作が終了した場合、変動音が出力される音量は実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量となる。なお、実際の状況値及び実際の調整値の両方が「0.1」であれば時点T15において音量の変化はないものの、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中であるときの状況音量データに状況値として「1.0」を定めていることから、時点T15における実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量は、最小音量よりも大きい音量となる。
図10(b)に示すように、パチンコ遊技機10では、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音が出力されているときの時点T11において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、スピーカSpから背景音が出力されることはなく、出力されている初期化報知音又はバックアップ復帰報知音が継続して出力される。そして、時点T12において初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力が終了するよりも前に発射ハンドルHDの操作が検知されなくなった場合、時点T12において可動体の初期動作が開始されたとしても、スピーカSpからは背景音が出力されない。
また、時点T11における発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球が、可動体の初期動作が行われている期間内の時点T13において第1始動口12へ入球したとする。この場合、パチンコ遊技機10では、時点T13において第1始動口12へ遊技球が入球したことを契機として特別ゲームの実行が開始されると、背景音及び変動音が最小音量でスピーカSpから出力される。なお、図10(b)では、時点T13において第1始動口12に遊技球が入球したものとしたが、可動体の初期動作が行われている期間内であれば、例えば、時点T14であってもよい。そして、例えば、時点T14において第1始動口12に遊技球が入球した場合には、時点T13において第1始動口12に遊技球が入球した場合と同様、第1始動口12へ遊技球が入球したことを契機として特別ゲームの実行が開始されると、背景音及び変動音が最小音量でスピーカSpから出力される。
更に、時点T13における第1始動口12への入球を契機として実行が開始された特別ゲームの実行中、時点T15において全ての可動体の初期動作が終了した場合、背景音は継続して出力され、背景音が出力される音量は実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量(図10(b)では、調整音量と示す)となる。同様に、時点T13における第1始動口12への入球を契機として実行が開始された特別ゲームの実行中、時点T15において全ての可動体の初期動作が終了した場合、変動音が出力される音量は実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量となる。なお、実際の状況値及び実際の調整値の両方が「0.1」であれば時点T15において音量の変化はないものの、パチンコ遊技機10では、特別ゲームの実行中であるときの状況音量データに状況値として「1.0」を定めていることから、時点T15における実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量は、最小音量よりも大きい音量となる。
以上のように、パチンコ遊技機10では、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音が出力されているときに発射ハンドルHDが操作されたことによって遊技球が発射され、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力が終了するまでに発射ハンドルHDの操作が終えられ、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音が出力されているときに発射された遊技球がその後の可動体の初期動作が行われているときに始動口12,13へ入球した場合、発射ハンドルが操作されたことを契機とせずに始動口12,13へ遊技球が入球したことを契機として背景音が出力される。即ち、本実施形態では、特定音が出力されているときに発射ハンドルが操作されたことを契機に遊技球が発射され、特定音の出力が終了する前に発射ハンドルの操作が終えられ、特定音の出力が終了してから可動体の初期動作が行われているときに特定音が出力されているときに発射された遊技球が始動口へ入球した場合、第1出力条件が成立せずに第2出力条件が成立して音出力手段から所定音が出力される。
以下、本実施形態の効果について説明する。
(1-1)電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内においては、発射ハンドルHDの操作が検知されないなどして所定条件が成立しなければ非音出力状態となるため、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても当該異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。また、可動体が初期動作している期間内であっても発射ハンドルHDの操作が検知されるなどして所定条件が成立すれば音が出力されるため、スピーカSpが正常に動作していることを確認することができる。例えば、所定条件が成立しているにもかかわらずスピーカSpから音が出力されなければ、スピーカSpに異常がある可能性を疑うことができる。
更に、第1操作ボタンBT1が分類されている第1分類の可動体の初期動作を、第2分類の可動体の初期動作よりも先に行われる。このように、遊技者が操作可能な第1操作ボタンBT1の初期動作を優先して行うことによって、当該第1操作ボタンBT1の初期動作を早期に終了させることができ、第1操作ボタンBT1を操作しようとする遊技者が初期動作した第1操作ボタンBT1に驚いてしまうことを抑制することができる。また、第1操作ボタンBT1の初期動作を早期に終了させることで、遊技者が操作することが可能な第1操作ボタンBT1を用いた演出を早期に楽しませることができるようになる。この結果、例えば、第1操作ボタンBT1を用いた演出が実行されたにもかかわらず、当該第1操作ボタンBT1の初期動作が終了していないことを要因として、第1操作ボタンBT1を用いた演出を楽しむことができなくなることを抑制することができる。
(1-2)電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内においては、発射ハンドルHDの操作が検知されるなどして出力条件が成立した場合に背景音が出力される場合があり、その際、背景音は、最小音量にてスピーカSpから出力される。このように、出力条件が成立したとしても最小音量で背景音が出力されるため、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても当該異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
更に、第1操作ボタンBT1が分類されている第1分類の可動体の初期動作を、第2分類の可動体の初期動作よりも先に行われる。このように、遊技者が操作可能な第1操作ボタンBT1の初期動作を優先して行うことによって、当該第1操作ボタンBT1の初期動作を早期に終了させることができ、第1操作ボタンBT1を操作しようとする遊技者が初期動作した第1操作ボタンBT1に驚いてしまうことを抑制することができる。また、第1操作ボタンBT1の初期動作を早期に終了させることで、遊技者が操作することが可能な第1操作ボタンBT1を用いた演出を早期に楽しませることができるようになる。この結果、例えば、第1操作ボタンBT1を用いた演出が実行されたにもかかわらず、当該第1操作ボタンBT1の初期動作が終了していないことを要因として、第1操作ボタンBT1を用いた演出を楽しむことができなくなることを抑制することができる。
(1-3)遊技者が触れることが可能な前枠Y3に設けられた可動体を第1分類に分類し、遊技者が触れることが不能な遊技盤YBに設けられた可動体を第2分類に分類した。これにより、遊技者が触れることが可能な前枠Y3に設けられた可動体の初期動作が、遊技者が触れることが不能な遊技盤に設けられた可動体の初期動作よりも先に行われるため、例えば、初期動作している可動体に遊技者が触れることで可動体の初期動作が正常に行われないことを抑制することができる。
(1-4)発射ハンドルHDが操作される状況は、遊技者が遊技球を発射させようとしている状況や遊技球を発射させている状況を想定することができる。このような状況において、スピーカSpによる音の出力を制限してしまうと、スピーカSpの故障が疑われる虞がある。しかし、発射ハンドルHDが操作されたことを契機として背景音が出力されるようにすることで、スピーカSpの故障が疑われることを抑制することができる。また、遊技者でなくても、発射ハンドルHDを操作すれば、スピーカSpが正常に動作していることを確認することができるようになる。即ち、故障等を確認する者のタイミングで音を出力させることができるため、確認作業の自由度を高めることができる。
(1-5)扉部材の開放は、遊技機を管理する管理者によって行われることが想定され、当該管理者が遊技機における各種部材の故障などを確認することが想定される。そして、扉部材が開放されたことで扉開放報知音が出力されるように構成した。これにより、扉部材を開放すれば、スピーカSpが正常に動作していることを確認することができる。即ち、故障等を確認する者のタイミングで音を出力させることができるため、確認作業の自由度を高めることができる。
(1-6)少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、初期化報知音が出力されない。このため、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても、当該異音を初期化報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。換言すると、初期化報知音を出力しないことによって異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
また、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、バックアップ復帰報知音が出力されない。このため、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても、当該異音をバックアップ復帰報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。換言すると、バックアップ復帰報知音を出力しないことによって異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
(1-7)少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、最大音量にてスピーカSpから出力される初期化報知音が出力されない。このため、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても、当該異音を最大音量で出力される初期化報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。換言すると、最大音量で出力される初期化報知音を出力しないことによって異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
また、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、最大音量にてスピーカSpから出力されるバックアップ復帰報知音が出力されない。このため、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても、当該異音を最大音量で出力されるバックアップ復帰報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。換言すると、最大音量で出力されるバックアップ復帰報知音を出力しないことによって異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
(1-8)少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、ボタンUB,DBを操作したとしても音量を調整不能な初期化報知音がスピーカSpから出力されない。このため、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても、当該異音を音量調整不能な初期化報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。換言すると、音量を調整不能な初期化報知音を出力しないことによって異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
また、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、ボタンUB,DBを操作したとしても音量を調整不能なバックアップ復帰報知音がスピーカSpから出力されない。このため、少なくとも電力供給の開始に伴う可動体の初期動作の開始時点から当該可動体が初期動作している期間の途中の時点までは、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても、当該異音を音量調整不能なバックアップ復帰報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。換言すると、音量を調整不能なバックアップ復帰報知音を出力しないことによって異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
(1-9)電力供給の開始に伴って出力可能な初期化報知音の出力が終了した後で、可動体の初期動作が行われるため、可動体が動作したときに生じ得る異音が初期化報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。即ち、初期化報知音を出力しつつも、可動体の異常を発見し易くすることができる。
また、電力供給の開始に伴って出力可能なバックアップ復帰報知音の出力が終了した後で、可動体の初期動作が行われるため、可動体が動作したときに生じ得る異音がバックアップ復帰報知音の出力によって聞き取り難くなることを抑制することができる。即ち、バックアップ復帰報知音を出力しつつも、可動体の異常を発見し易くすることができる。
(1-10)主RWMクリア処理が行われて遊技を行うことが可能な状態に復帰した場合において、電力供給の開始に伴って初期化報知音がスピーカSpから出力される。即ち、初期化報知音の出力によって、バックアップされた情報が初期化されたことを報知することができる。このように、バックアップされた情報が初期化されたか否かについては、遊技を開始するにあたって重要事項であるため、把握させる必要がある。だからといって、可動体が初期動作を行っている期間において初期化報知音が出力される場合、初期化報知音を聞かせることができても、可動体の動作によって生じ得る異音が聞き取り難くなってしまう。このため、初期化報知音を出力することでバックアップされた情報が初期化されたことを報知しつつ、可動体が初期動作を行っている期間にて初期化報知音を出力しないことで、バックアップされた情報が初期化されたことを把握させつつ、可動体の動作によって生じ得る異音を聞き取り易くなって可動体の異常を発見し易くすることができる。
(1-11)電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内においては、発射ハンドルHDの操作が検知されるなどして出力条件が成立した場合に背景音が出力される場合があるものの、その際、背景音は、最小音量にてスピーカSpから出力される。そして、可動体の初期動作が行われているときから当該初期動作の終了後にわたって背景音が出力されるときにおいて、可動体の初期動作が終了した後、背景音は、最小音量よりも大きい音量で出力可能である。このように、可動体の初期動作が終了すれば背景音が最小音量よりも大きい音量で出力されるため、可動体の初期動作が終了すれば背景音を楽しませ、興趣の向上を図ることができる。
(1-12)発射ハンドルHDが操作される状況では、遊技者が遊技球を発射させようとしている状況、又は、遊技球を発射させている状況と想定することができる。このような状況において、スピーカSpによる音の出力を制限してしまうと、スピーカSpの故障が疑われる虞がある。しかし、可動体が初期動作している期間内であっても発射ハンドルHDの操作が検知されたことを契機に背景音が出力されるように構成することで、スピーカSpの故障が疑われることを抑制することができる。同様に、始動口12,13へ遊技球が入球した状況では、遊技者が既に遊技球を発射させている状況であることが想定できる。このような状況において、スピーカSpによる音の出力を制限してしまうと、スピーカSpの故障が疑われる虞がある。しかし、可動体が初期動作している期間内であっても始動口12,13への遊技球の入球を契機に背景音が出力されるように構成することで、スピーカSpの故障が疑われることを抑制することができる。
例えば、可動体が初期動作している期間内であっても始動口12,13への遊技球の入球を契機に背景音が出力されず、発射ハンドルHDの操作が検知されたことを契機に背景音が出力されるようにしたとする。この場合、初期化報知音やバックアップ復帰報知音が出力されているときに発射された遊技球が可動体の初期動作が開始された後に始動口12,13へ入球したとしても、可動体の初期動作が行われているときに発射ハンドルHDが操作されていないのであれば、背景音が出力されないこととなる。一方、可動体が初期動作している期間内であっても発射ハンドルHDの操作が検知されたことを契機に背景音が出力されず、始動口12,13への遊技球の入球を契機に背景音が出力されるようにしたとする。この場合、遊技球が発射されなくても、遊技を開始するにあたって発射ハンドルHDを操作したとしても、背景音が出力されないこととなる。このように、始動口12,13への遊技球の入球を契機に背景音が出力されるように構成することと、発射ハンドルHDの操作が検知されたことを契機に背景音が出力されるように構成することと、のうち何れか一方のみを採用する場合、背景音が出力されないが故にスピーカSpの故障が疑われてしまう機会が創出される可能性がある。
しかし、可動体が初期動作している期間内であっても、発射ハンドルHDの操作が検知されたことを契機に背景音が出力されるように構成されているとともに、始動口12,13への遊技球の入球を契機に背景音が出力されるように構成した。したがって、初期化報知音やバックアップ復帰報知音が出力されているときに発射ハンドルHDが操作されたことで遊技球が発射され、初期化報知音やバックアップ復帰終了音の出力が終了する前に発射ハンドルHDの操作が終えられ、初期化報知音やバックアップ復帰報知音の出力が終了してから可動体の初期動作が行われているときに先の発射された遊技球が始動口12,13へ入球したとしても背景音が出力される。これにより、このような状況において背景音が出力されずにスピーカSpの故障が疑われることを抑制することができる。
(1-13)電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内においては、始動口12,13へ遊技球が入球したり、発射ハンドルHDの操作が検知されたりするなどして出力条件が成立しなければ、背景音は出力されない。一方、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内においては、始動口12,13へ遊技球が入球したり、発射ハンドルHDの操作が検知されたりするなどして出力条件が成立した場合に背景音が出力されるが、その際、背景音は、最小音量にてスピーカSpから出力される。このように、始動口12,13へ遊技球が入球したり、発射ハンドルHDの操作が検知されたりするなどして出力条件が成立しなければ背景音は出力されないし、始動口12,13へ遊技球が入球したり、発射ハンドルHDの操作が検知されたりするなどして出力条件が成立したとしても最小音量で背景音が出力される。このため、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても当該異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
(1-14)電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内においては、発射ハンドルHDの操作が検知されるなどして出力条件が成立すると背景音が出力される場合があるものの、その際、背景音は、最小音量にてスピーカSpから出力される。このように、可動体が初期動作している期間内において出力条件が成立したとしても最小音量で背景音が出力されるため、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても当該異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
ところで、例えば、単純に可動体の動作に伴う異音を聞き取り易くするために音の出力を抑えた場合、他に問題が発生していたとしても当該問題の発生に気が付かない虞がある。しかし、可動体が初期動作している期間内において可動体エラーとは異なる特定エラーの検知として扉部材が開放されていることが検知された場合には、可動体が初期動作している期間内であっても、最小音量よりも大きい音量(最大音量)で扉開放報知音がスピーカSpから出力されるようにした。これにより、可動体の動作に伴う異音を聞き取り易くしつつも、特定エラーの発生については気が付かせ易くすることができる。
(1-15)扉部材が開放されている状況では、遊技機にて正常に遊技を行うことができない可能性がある。このため、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において扉開放センサKSによって扉部材が開放されたことが検知されたときにスピーカSpから出力される扉開放報知音は、扉部材が開放されていることを特定可能な内容とした。これにより、扉開放報知音の出力要因を特定し易くなる。一方、遊技を行うにあたっては発射ハンドルHDを操作する必要があり、発射ハンドルHDが操作されることによって正常に遊技を行うことができなくなることはない。このため、発射ハンドルHDが操作されているときに、発射ハンドルHDが操作されていることを特定可能な内容の背景音が出力されると、発射ハンドルHDを操作していることによって遊技が正常に行うことができないことが報知されているかのように勘違いさせてしまう虞がある。このため、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において発射ハンドルHDが操作されたことを契機にスピーカSpから出力される背景音は、発射ハンドルHDが操作されたことを特定不能な内容とすることで、勘違いを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、遊技機の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明及び図面については省略する。
第1実施形態では、可動体の初期動作が行われている期間内において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、最小音量にて背景音が出力される。同様に、第1実施形態では、可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13へ遊技球が入球した場合、最小音量にて背景音及び変動音が出力される。一方、第2実施形態では、可動体の初期動作が行われている期間内において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、実際の状況値及び実際の調整値に基づく音量(以下、調整音量と示す)で背景音が出力される。同様に、第2実施形態では、可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13へ遊技球が入球した場合、調整音量で背景音及び変動音が出力される。
但し、第2実施形態では、可動体の初期動作が行われている期間内において背景音が出力されているときにおいて、第2操作ボタンBT2が切替時間(例えば、2秒)にわたって長押しされた場合、背景音が出力されている音量が調整音量から最小音量へと切り替わる。同様に、第2実施形態では、可動体の初期動作が行われている期間内において変動音が出力されているときにおいて、第2操作ボタンBT2が切替時間(例えば、2秒)にわたって長押しされた場合、変動音が出力されている音量が調整音量から最小音量へと切り替わる。このように、第2実施形態では、第2操作ボタンBT2を操作することで、出力されている背景音及び変動音の音量を最小音量に切り替えることが可能となっている。本実施形態では、第2操作ボタンBT2が切替操作手段に相当する。
このように、第2実施形態におけるパチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において背景音及び変動音のうち少なくとも一方が出力される場合があり、当該背景音及び変動音のうち少なくとも一方が出力される音量は、第2操作ボタンBT2を操作することで最小音量に切り替え可能である。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において、出力条件が成立した場合に所定音が出力される場合があり、当該所定音が出力される音量は、切替操作手段を操作することで最小音量に切り替え可能である。特に、第2実施形態におけるパチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内において背景音及び変動音のうち少なくとも一方が出力されるとき、当該背景音及び変動音のうち少なくとも一方が出力される音量は、第2操作ボタンBT2を切替時間にわたって長押しすることで最小音量に切り替え可能である。即ち、本実施形態では、電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において出力条件が成立して前記所定音が出力されるとき、当該所定音が出力される音量は、切替操作手段を長押しすることで最小音量に切り替え可能である。
以下、第2実施形態における背景音の出力に関する制御及び変動音の出力に関する制御について、説明する。
背景音を出力させる場合、副CPU41aは、背景音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値と、調整値と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。また、背景音を出力させている場合であって、可動体の初期動作が行われている期間内において第2操作ボタンBT2からの検知信号を切替時間にわたって入力した場合、副CPU41aは、最小音量で背景音が出力されるようにスピーカSpを制御する。このとき、副CPU41aは、背景音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の0以外の最小値である「0.1」と、調整値の最小値である「0.1」と、を掛け合わせた音量で背景音が出力されるようにスピーカSpを制御する。その後、可動体の初期動作が終了した後に背景音を出力させる場合、副CPU41aは、背景音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値と、調整値と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。
変動音を出力させる場合、副CPU41aは、出力する変動音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値と、調整値と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。また、変動音を出力させている場合であって、可動体の初期動作が行われている期間内において第2操作ボタンBT2からの検知信号を切替時間にわたって入力した場合、副CPU41aは、最小音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。このとき、副CPU41aは、出力する変動音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値の0以外の最小値である「0.1」と、調整値の最小値である「0.1」と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。その後、可動体の初期動作が終了した後に変動音を出力させる場合、副CPU41aは、変動音に関する音演出データに定められたボリューム値と、状況値と、調整値と、を掛け合わせた音量で変動音が出力されるようにスピーカSpを制御する。
ここで、図11に基づき、第2実施形態における、電力供給の開始に伴って各種の可動体の初期動作が行われているときと、背景音の出力態様と、について説明する。
パチンコ遊技機10では、電力供給が開始されてから副CPU41aに初期時コマンドが入力されると、初期化報知音が最大音量でスピーカSpから出力される。また、パチンコ遊技機10では、電力供給が開始されてから副CPU41aに復帰時コマンドが入力されると、バックアップ復帰報知音が最大音量でスピーカSpから出力される。そして、パチンコ遊技機10では、時点T21において初期化報知音又はバックアップ復帰報知音の出力が終了すると、可動体の初期動作が開始される。
また、パチンコ遊技機10では、可動体の初期動作が行われている期間内の時点T22において発射ハンドルHDの操作が検知された場合、背景音が調整音量でスピーカSpから出力される。その後、背景音が出力されているときであって可動体の初期動作が行われている期間内の時点T23において第2操作ボタンBT2が切替時間にわたって長押しされた場合、背景音が最小音量でスピーカSpから出力される。このとき、背景音は、状況値及び調整値に関係なく、最小音量でスピーカSpから出力される。なお、時点T23において第2操作ボタンBT2が長押しされたときにおいて、実際の状況値及び実際の調整値の両方が「0.1」であれば時点T23において背景音が出力される音量の変化はないものの、調整音量で背景音が出力される状況から、最小音量で背景音が出力される状況へと切り替わることとなる。因みに、実際の状況値及び実際の調整値の両方が「0.1」であれば時点T23において音量の変化はないものの、パチンコ遊技機10では、待機状態であるときの状況音量データに状況値として「0.5」を定めていることから、時点T23における調整音量は、最小音量よりも大きい音量となる。
その後、パチンコ遊技機10では、背景音が出力されているときに時点T24において全ての可動体の初期動作が終了した場合、背景音は継続して出力され、当該背景音は調整音量でスピーカSpから出力される。なお、実際の状況値及び実際の調整値の両方が「0.1」であれば時点T24において音量の変化はないものの、パチンコ遊技機10では、待機状態であるときの状況音量データに状況値として「0.5」を定めていることから、時点T24における調整音量は、最小音量よりも大きい音量となる。
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1-1)、(1-3)~(1-10)及び(1-15)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(2-1)電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内においては、背景音が出力される場合があるものの、その際、背景音が出力される音量は、第2操作ボタンBT2を操作することで最小音量に切り替えることが可能である。このように、可動体が初期動作している期間内において背景音が出力されたとしても第2操作ボタンBT2を操作することで背景音が出力される音量を最小音量することができる。このため、例えば、可動体の動作に伴って異音が生じている場合であっても当該異音を聞き取り易くなり、可動体の異常を発見し易くなる。このような可動体の異常を発見することで、可動体を早期に修理することができ、結果的に可動体を用いた演出を実行することで興趣の向上を図り易くなる。
(2-2)電力供給の開始に伴って可動体が初期動作している期間内において背景音が出力されているとき、第2操作ボタンBT2を長押しすることによって、背景音が出力される音量を最小音量に切り替えることができる。このため、第2操作ボタンBT2に接触して、第2操作ボタンBT2が不意に操作されたとしても背景音が出力される音量が最小音量に切り替わらない。したがって、意図せず背景音が出力される音量が最小音量に切り替わってしまい、スピーカSpの故障が疑われてしまうことを抑制することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・前枠Y3に設けられた可動体の初期動作の開始タイミングを変更してもよい。例えば、前枠Y3に設けられた可動体の初期動作は、一部の可動体の初期動作が開始された後、残りの可動体の初期動作が開始されるように構成してもよい。例えば、第1操作ボタンBT1の初期動作が終了した後、上部可動体80の初期動作が開始されるように構成してもよい。また、遊技盤YBに設けられた可動体の初期動作の開始タイミングを変更してもよい。例えば、内部上可動体90の初期動作と、内部下可動体95の初期動作と、が同じタイミングで開始されるように構成してもよい。但し、この場合、正面視において、内部上可動体90が演出位置P3bに位置しているときの内部上可動体90の領域と、内部下可動体95が演出位置P4bに位置しているときの内部下可動体95の領域と、が重ならないように構成することが好ましい。また、第2分類に分類される可動体の初期動作が行われた後、第1分類に分類される可動体の初期動作が行われるように構成してもよい。
・可動体の初期動作が開始した後のタイミングにおいて、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音がスピーカSpから出力されるように構成してもよい。例えば、電力供給が開始されたことに伴って初期化報知音又はバックアップ復帰報知音が出力されるときであって、且つ、可動体の初期動作が行われるときにおいて、可動体の初期動作が終了した後、初期化報知音又はバックアップ復帰報知音がスピーカSpから出力されるように構成してもよい。このとき、例えば、可動体の初期動作が行われている期間内において背景音の出力が開始され、当該背景音が可動体の初期動作が終了した後も継続して出力される場合、当該背景音の音量よりも大きい音量で初期化報知音又はバックアップ復帰報知音がスピーカSpから出力されるように構成してもよい。また、可動体の初期動作が行われている期間内のうち一部又は全部において、初期化報知音及びバックアップ復帰報知音のうち少なくとも一方が出力される場合があってもよい。
・可動体の初期動作が行われている期間内において始動口12,13へ遊技球が入球したとしても、少なくとも可動体の初期動作が終了するまでは、背景音及び変動音がスピーカSpから出力されないように構成してもよい。同様に、可動体の初期動作が行われている期間内において発射ハンドルHDが操作されたとしても、少なくとも可動体の初期動作が終了するまでは、背景音及び変動音がスピーカSpから出力されないように構成してもよい。また、可動体の初期動作が行われている期間内において扉部材が開放されたとしても、少なくとも可動体の初期動作が終了するまでは、扉開放報知音がスピーカSpから出力されないように構成してもよい。
・可動体の初期動作が行われている期間のうち、磁気検知演出処理の実行が制限される期間を変更してもよい。例えば、磁気センサJSが設けられている遊技盤YBに設けられた可動体が初期動作している期間内は、磁気検知演出処理の実行が制限されるように構成してもよい。また、可動体の初期動作が行われている期間内においては、第1操作ボタンBT1及び上部可動体80の初期動作が終了した後であっても、磁気検知演出処理の実行が制限されるように構成してもよい。また、上記実施形態では、磁気センサJSによる磁気の検知を対象としたが、例えば、扉開放センサKSによる扉部材の開放の検知を対象とし、可動体の初期動作が行われている期間のうち一部又は全部の期間において、開放検知演出処理の実行が制限されるように構成してもよい。また、可動体の初期動作が行われている期間内において磁気センサJSによって磁気が検知されたとしても、少なくとも可動体の初期動作が終了するまでは、磁気検知報知音がスピーカSpから出力されないように構成してもよい。
・上記実施形態では、扉部材が開放されることによって、特定エラーが検知されるように構成したが、扉部材の開放以外の事象を特定エラーとしてもよい。例えば、磁気センサJSによって磁気が検知されることによって特定エラーが検知されるように構成してもよい。その他、例えば、電磁誘導センサを設け、電磁誘導センサによって電磁誘導が検知されることによって特定エラーが検知されるように構成してもよい。
・初期化報知音が出力される音量は、最大音量でなくてもよい。同様に、バックアップ復帰報知音が出力される音量は、最大音量でなくてもよい。但し、不正行為によって主RWMクリア処理が行われることを考慮すると、少なくとも初期化報知音が出力される音量は、最小音量よりも大きい音量であることが好ましい。以上のように、特定の音量となる音量は、最大音量でなくてもよいが、最小音量よりも大きい音量であることが好ましい。また、磁気検知報知音が出力される音量は、最大音量でなくてもよく、例えば、調整音量であってもよい。また、扉開放報知音が出力される音量は、最大音量でなくてもよく、例えば、調整音量であってもよい。
・可動体の初期動作が行われている期間内において、発射ハンドルHDが操作されたことを契機として、背景音を出力しなくてもよい。同様に、可動体の初期動作が行われている期間内において、始動口12,13へ遊技球が入球したことを契機として、背景音を出力しなくてもよい。また、第2実施形態のように、可動体の初期動作が行われている期間内において、発射ハンドルHDが操作された場合、及び、始動口12,13へ遊技球が入球した場合、最小音量よりも大きい音量(例えば、調整音量)で背景音が出力されるように構成してもよい。ここでは、背景音を挙げたが、背景音に限らず、変動音についても同様に構成してもよい。
・可動体の初期動作が行われている期間内においては、可動体の初期動作に関する音がスピーカSpから出力されるように構成してもよい。このとき、可動体の初期動作に関する音が出力される場合であっても、当該音の出力が停止される期間が設けられるように構成してもよい。また、可動体の初期動作に関する音としては、例えば、現時点において初期動作している可動体を特定可能な内容の音であってもよいし、パチンコ遊技機10におけるどの辺りに注意して異音を聞くことが好ましいかについて解説する内容の音であってもよい。例えば、遊技盤YBの左方に設けられた内部下可動体95の初期動作が行われているとき、「遊技盤YBの左方に耳を傾けてください」という音声がスピーカSpから出力されるように構成してもよい。このとき出力される音の音量は、調整音量であってもよいし、最小音量であってもよい。
・パチンコ遊技機10が備える可動体の数及び種類を変更してもよい。例えば、前枠Y3に設けられた可動体の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。同様に、例えば、遊技盤YBに設けられた可動体の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、可動体として、第1操作ボタンBT1及び内部上可動体90の計2つを備える遊技機であってもよい。また、第1操作ボタンBT1は、動作可能に構成しなくてもよい。また、第2操作ボタンBT2は、動作可能に構成してもよい。例えば、上記第2実施形態では、可動体の初期動作が行われている期間内にて背景音が出力されているときにおいて、動作可能な第2操作ボタンBT2を操作することで、背景音の音量が最小音量に切り替わるように構成してもよい。
・第1操作促進演出及び第2操作促進演出のうち何れか一方のみを操作促進演出として実行可能に構成してもよい。例えば、第1操作促進演出及び第2操作促進演出のうち第2操作促進演出のみを実行可能に構成する場合、第1操作ボタンBT1の操作を促す操作促進演出が実行される場合には、第1操作ボタンBT1が動作するように構成してもよい。一方、例えば、第1操作促進演出及び第2操作促進演出のうち第1操作促進演出のみを実行可能に構成する場合、第1操作ボタンBT1を動作可能に構成しなくてもよい。
・第1操作促進演出が実行される場合に演出表示装置11に表示される画像は、画像G1と画像MG1のうち何れか一方であってもよく、画像G1と画像MG1のうち何れか一方が表示される場合であっても第1操作ボタンBT1の操作を促す演出といえる。同様に、第2操作促進演出が実行される場合に演出表示装置11に表示される画像は、画像G2と画像MG1のうち何れか一方であってもよく、画像G2と画像MG1のうち何れか一方が表示される場合であっても第1操作ボタンBT1の操作を促す演出といえる。第1操作促進演出が実行される場合と、第2操作促進演出が実行される場合と、において演出表示装置11に表示される操作ボタンの操作を促す画像の一部又は全部を異ならせてもよい。また、第3操作促進演出が実行される場合に演出表示装置11に表示される画像は、画像G3と画像MG2のうち何れか一方であってもよく、画像G3と画像MG2のうち何れか一方が表示される場合であっても第2操作ボタンBT2の操作を促す演出といえる。
・操作ボタンBT1,BT2の操作に係る演出として実行可能な演出としては、ボタン予告演出、最終ボタン演出及び大当りボタン演出のうち全部を実行可能に構成しなくてもよく、例えば、一部の演出を実行可能に構成してもよいし、他の演出を実行可能に構成してもよい。また、ボタン予告演出は、導出される結果によって大当り期待度が変化するように構成したが、例えば、大当りとなって高確率状態に制御されることへの期待度が変化するように構成してもよい。また、大当りボタン演出は、導出される結果によって高確率状態に制御されるかを特定可能に構成したが、例えば、大当り遊技におけるラウンド遊技の回数を特定可能に構成してもよい。この場合、ラウンド遊技の回数が異なる大当り遊技を生起可能に構成するとよい。
・上ボタンUBが長押しされた場合に調整値が最大値に調整されるように構成し、上ボタンUBを長押しすることによって最大音量に調整可能に構成してもよい。同様に、下ボタンDBが長押しされた場合に調整値が最小値に調整されるように構成し、下ボタンDBを長押しすることによって最小音量に調整可能に構成してもよい。
・上記実施形態において、第1始動口12への入球に基づき実行される特別ゲーム(以下、第1特別ゲームという)と、第2始動口13への入球に基づき実行される特別ゲーム(以下、第2特別ゲームという)と、を別けてもよい。例えば、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームが優先して実行されるように構成してもよいし、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの特別ゲームの種類に関係なく実行が保留された順序で実行されるように構成してもよい。また、第2特別ゲームよりも第1特別ゲームが優先して実行されるように構成してもよい。その他、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームを同時に実行可能に構成してもよく、例えば、低ベース状態においては第1特別ゲームに対応する演出ゲームが実行される一方、高ベース状態においては第2特別ゲームに対応する演出ゲームが実行されるように構成してもよい。また、例えば、第1特別ゲームが大当りとなったときと、第2特別ゲームが大当りとなったときと、で決定される大当りの種類及び各種大当りの決定率のうち少なくとも一方を異ならせてもよい。
・上記実施形態は、大当り抽選の他、小当り抽選を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。一般的に、小当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与される。実施形態の遊技機は、例えば、通常の遊技状態(例えば、低確率状態であって低ベース状態である遊技状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能なパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・高確率状態に制御可能なパチンコ遊技機として、次に大当り遊技が付与されるまで高確率状態に制御する仕様や、転落抽選に当選するまで高確率状態に制御する仕様(転落機)、予め定めた回数分の特別ゲームが終了するまで高確率状態に制御する仕様(ST機)がある。また、高確率状態に制御可能なパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に高確率状態に制御する仕様(V確変機)がある。上記実施形態は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。また、V確変機は、単数の大入賞口を備えて、特定領域への遊技球の通過が許容される特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。また、V確変機は、特定のラウンド遊技で開放される大入賞口(V入賞口)と特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技で開放される大入賞口からなる複数の大入賞口を備えて特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。上記実施形態のパチンコ遊技機は、これらの仕様のうち何れかの仕様のV確変機に具体化してもよい。
・大当りに当選しなかったとしても、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に、高ベース状態に制御可能に構成してもよい。ここでいう所定期間内における特別ゲームの実行回数は、例えば、低確率状態に制御されてから大当り遊技が付与されることなく実行された特別ゲームの実行回数であってもよいし、大当り遊技終了後から次の大当り遊技が付与されることなく実行された特別ゲームの実行回数であってもよい。例えば、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御される場合、予め定められた上限回数の特別ゲームが実行される迄の間、又は、上限回数の特別ゲームが実行されるよりも前に大当り遊技が付与される迄の間、高ベース状態に制御されるように構成してもよい。但し、上限回数の特別ゲームが実行される迄の間に大当り遊技が付与されずに高ベース状態が終了した場合、大当り遊技が付与される迄は、特別ゲームの実行回数を契機として高ベース状態に制御されないように構成してもよい。なお、電力供給の開始に伴って主RWMクリア処理が行われた場合には、所定期間内における特別ゲームの実行回数が初期化されるように構成してもよい。その他、既に所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御し終えている場合であっても、電力供給の開始に伴って主RWMクリア処理が行われた場合には、電力供給の開始後、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に、高ベース状態に制御可能に構成してもよい。
以上のように構成する場合において、例えば、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御してから上限回数の特別ゲームが実行される迄の間に大当り遊技が付与されずに高ベース状態が終了した後に電力供給が遮断されたとする。その後、電力供給の開始に伴って復帰処理が行われた場合には、既に所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御し終えていることを特定可能な演出(以下、特定報知演出と示す)が実行されるように構成してもよい。この特定報知演出は、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpのうち一部又は全部の演出装置において実行されるように構成してもよい。同様に、例えば、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御されるよりも前に電力供給が遮断されたとする。その後、電力供給の開始に伴って復帰処理が行われた場合には、未だ所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御していないことを特定可能な演出(以下、非特定報知演出と示す)が実行されるように構成してもよい。この非特定報知演出は、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpのうち一部又は全部の演出装置において実行されるように構成してもよい。例えば、非特定報知演出は、所定期間内における特別ゲームの実行回数、又は、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達するまでの残り回数を特定可能な演出であってもよい。特定報知演出及び非特定報知演出のうち少なくとも一方は、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御可能な機能に関する報知に相当する。また、特定報知演出は、所定期間内における特別ゲームの実行回数が既に規定回数に達しているかに応じた演出と捉えることもできる。その他、非特定報知演出は、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達するまでの残り回数に応じた演出と捉えることもできる。
そして、特定報知演出及び非特定報知演出は、例えば、上記実施形態において、復帰報知音の出力と平行して実行されるように構成してもよいし、復帰報知音の出力が終了した後のタイミングで実行されるように構成してもよい。また、特定報知演出及び非特定報知演出は、復帰報知音として実行されるように構成することもできる。以上のような特定報知演出及び非特定報知演出のうち少なくとも一方を実行可能に構成した場合、電力供給の開始に伴って、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機として高ベース状態に制御されたかを特定することが可能となる。この結果、例えば、主RWMクリア処理が行われるようにすべきかについて判断し易くなる。例えば、既に所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機として高ベース状態に制御されているにもかかわらず、所定期間内における特別ゲームの実行回数が規定回数に達したことを契機に高ベース状態に制御されることを期待して遊技をさせることを抑制することが可能となる。
・上記実施形態をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンでは、MAXBETの操作や、メダルの投入によって、賭数(掛け数ともいわれる)を設定することができる。スロットマシンでは、賭数を設定した後、スタートレバーが操作されると、複数のリールが回転する。スロットマシンでは、複数のリールが回転した後、ストップボタンが操作されると、対応するリールの回転が停止する。そして、スロットマシンでは、全てのリールの回転が停止すると、停止した図柄組み合わせに応じて賞が付与される。
・上記実施形態は、複数の設定値の中から設定値を設定可能な遊技機に適用してもよい。このような遊技機では、設定されている設定値に応じた当選確率の大当り抽選が行われる。即ち、複数種類の大当り抽選の当選確率を定めた設定値の中から設定値を設定可能な遊技機に適用してもよい。設定値を設定可能な遊技機において、電力供給の開始に伴って設定値を変更可能な設定変更状態に制御可能に構成してもよい。また、設定値を設定可能な遊技機において、電力供給の開始に伴って設定値を確認可能な設定確認状態に制御可能に構成してもよい。例えば、設定値の設定に関する操作手段(以下、設定操作手段と示す)を備え、電力供給が開始されるときに設定操作手段とRWMクリアスイッチCSの両方が操作されている場合には、設定変更状態に制御されるように構成してもよい。そして、設定変更状態の終了後には、上記実施形態における主RWMクリア処理が行われるように構成してもよい。なお、設定変更状態に制御する処理と、上記実施形態における主RWMクリア処理と、を纏めて主RWMクリア処理(初期化処理)と捉えることもできる。一方、例えば、電力供給が開始されるときに設定操作手段が操作される一方でRWMクリアスイッチCSが操作されていない場合には、設定確認状態に制御されるように構成してもよい。そして、設定確認状態の終了後には、上記実施形態における復帰処理が行われるように構成してもよい。なお、設定確認状態に制御する処理と、上記実施形態における復帰処理と、を纏めて復帰処理と捉えることもできる。以上のようなことから、上記実施形態において主RWMクリア処理が行われるときは、設定変更状態に制御されたとき、つまり、設定値が変更されたときと捉えることもできる。更に、上記実施形態において、復帰処理が行われるときは、設定確認状態に制御されたとき、つまり、設定値が確認されたときと捉えることもできる。
・上記実施形態において、副基板41をサブ統括制御基板とし、副基板41とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。
・上記実施形態において、単一の基板に主基板40の主CPU40aと副基板41の副CPU41aを搭載してもよい。また、上記の変更例において、表示制御基板、発光制御基板及び音制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、又は、複数の基板としてもよい。
・情報表示パネル22は、遊技球の発射強度に関する報知を行う右打ち表示部を備えていてもよい。情報表示パネル22は、遊技者に払い出す賞球の残り個数を表示する残数表示部を備えていてもよい。情報表示パネル22は、大当り遊技中のラウンド遊技の回数を表示するラウンド数表示部を備えていてもよい。また、情報表示パネル22が有する各種の表示部は、同一部材(上記実施形態でいえば、情報表示パネル22)に設ける必要はなく、例えば、一部又は全部の表示部が他の表示部とは別の部材に設けられていてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記音出力手段が出力可能な音には、電力供給の開始に伴って出力可能な特定音があり、電力供給が開始されたことに伴って前記特定音が出力されるときであって、且つ、前記可動体の初期動作が行われるときにおいて、前記可動体の初期動作が開始されるよりも前に前記特定音の出力が終了する。
(ロ)始動口への遊技球の入球を契機に特別ゲームを実行可能に構成されており、前記所定音には、前記特別ゲームの実行中に出力可能な変動音があり、前記出力条件には、前記始動口への遊技球の入球を契機に成立する出力条件が含まれる。