JP7071701B2 - 非水系リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水系リチウムイオン二次電池に関する。
非水系リチウムイオン二次電池では、高温保存性や耐久性等を考慮すると、電池内で発生したガスに起因する電池膨れを抑制することが求められる。これに関連する従来技術文献として、特許文献1~4が挙げられる。例えば特許文献1には、負極活物質層を備える負極と、正極活物質層を備える正極と、非水電解質と、を備え、負極活物質層および/または正極活物質層に、比表面積が30m/g以上の炭素材料からなるガス吸着炭素材を添加した非水系リチウムイオン二次電池が開示されている。特許文献1によれば、電池内で発生したガスを高比表面積のガス吸着炭素材に吸着させて電池内のガス量を低減し得、電池膨れを抑制しうる。
特開2004-227818号公報 特開2008-037682号公報 国際公開2015/166839号公報 特開2016-134267号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1のように高比表面積の炭素材料をガス吸着炭素材としてそのまま用いる場合、当該ガス吸着炭素材の表面で非水電解質が分解されうる。このため、ガス吸着炭素材そのものがガス発生の原因となりうる。したがって、特許文献1の技術では電池内のガス量を低減する効果が限定的であり、例えば車載用の電池のように高容量の非水系リチウムイオン二次電池では、効果が不十分であった。また、本発明者らの検討により、例えばハイレートサイクル充放電等では、電池内で発生したガスが気泡となって正負極間に滞留する結果、正負極間の距離にムラが生じてLi析出耐性が低下することも新たに判明した。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池内でのガス発生が抑制され、Li析出耐性の高い非水系リチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明によって、正極と、負極と、非水電解質と、を備えた非水系リチウムイオン二次電池が提供される。上記負極は、負極活物質と、ガス吸着材と、を備える。上記ガス吸着材は、炭素材料と、上記炭素材料の表面に配置されている絶縁コート層とを備え、かつ、窒素吸着等温線からBJH法で求められる細孔分布曲線において、ピーク細孔径が1nm以上50nm以下の範囲にある。
上記構成の非水系リチウムイオン二次電池では、ガス吸着材の表面が絶縁性で、かつ、細孔径が最適化されている。このことにより、ガス吸着材の表面で非水電解質が分解されにくくなり、例えば高温環境下においても、電池内に溜まるガス量を低く抑えることができる。また、負極ではガス発生に起因したLi析出を低減することができ、例えばハイレートサイクル充放電においても、Li析出耐性を向上することができる。
一実施形態に係る負極を模式的に示す断面図である。 比較例1の負極を模式的に示す断面図である。 比較例2の負極を模式的に示す断面図である。 実施例3と比較例3に係るガス吸着材の細孔分布曲線である。 ハイレートサイクル試験における充放電パターンを表すグラフである。 放電容量測定時の充放電パターンを表すグラフである。
以下、ここに開示される非水系リチウムイオン二次電池の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない正極や非水電解質等の電池構成要素や、電池の一般的な製造プロセス等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、本明細書において範囲を示す「A~B」(A,Bは任意の数字)の表記は、A以上B以下の意と共に、「好ましくはAより大きい」および「好ましくはBより小さい」の意を包含するものとする。
図示は省略するが、本実施形態に係る非水系リチウムイオン二次電池は、電極体と非水電解液とが外装体に収容されて構成されている。電極体は、正極と負極10(図1参照)とを備えている。電極体は、例えば帯状の正極と帯状の負極とが帯状のセパレータを介して積層され、長手方向に捲回された捲回電極体であってもよい。捲回電極体は、扁平形状であってもよい。外装体は、例えば扁平形状の捲回電極体に対応した角型(直方体形状)の外形を有していてもよい。外装体の材質は、例えばアルミニウム等の軽量な金属製であってもよいし、ラミネートフィルム製であってもよい。非水系リチウムイオン二次電池は、ラミネート型電池であってもよい。
正極については従来と同様でよく、特に限定されない。正極は、典型的には、正極集電体と、正極集電体上に固着された正極活物質層とを備える。正極集電体は、導電性部材である。正極集電体の材質としては、例えばアルミニウムやニッケル等の導電性の良好な金属が例示される。正極活物質層は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質を必須として含み、その他の任意成分(例えば導電材やバインダ等)を含みうる。正極活物質としては、例えばリチウムニッケルマンガン複合酸化物やリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が例示される。導電材としては、例えばカーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック(AB))等の炭素材料が例示される。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂が例示される。
図1は、負極10を模式的に示す断面図である。負極10は、負極集電体12と、負極集電体12上に固着された負極活物質層14と、を備える。負極集電体12は、導電性部材である。負極集電体12の材質としては、例えば銅やニッケル等の導電性の良好な金属が例示される。負極活物質層14は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質16と、ガス吸着材18と、を含んでいる。
負極活物質16は特に限定されず、従来用いられているものの中から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。負極活物質は、例えば、黒鉛系炭素材料や、チタン酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物、リチウム遷移金属複合窒化物、Si元素を含有するシリコン化合物等であってもよい。なお、黒鉛系炭素材料とは、黒鉛のみからなる炭素材料と、黒鉛が50質量%以上を占める炭素材料との総称をいう。負極活物質16は粒子状(粉末状)である。特に限定されるものではないが、負極活物質16の平均粒径(レーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布おいて、体積基準の累積50%に相当する粒子径。以下同じ。)は、概ね1~30μm、例えば5~20μmであってもよい。負極活物質16の平均粒径は、ガス吸着材18の平均粒径よりも大きくてもよい。
ガス吸着材18は、炭素材料18Aと、炭素材料18Aの表面に配置されている絶縁コート層18Bと、を含んでいる。ガス吸着材18は、炭素材料18Aを主体(体積基準で最も多くを占めることをいう。以下同様。)として構成されていてもよい。ガス吸着材18は、粒子状(粉末状)であってもよい。ガス吸着材18は、例えばコア(母材)となる炭素材料18Aの一部または全部の表面に、炭素材料18Aよりも絶縁性の高い絶縁材料(子材)がコートされて構成されている。絶縁材料は、例えばスパッタリング法等の従来公知の方法によってコートすることができる。ガス吸着材18は、全表面積の半分以上に絶縁コート層18Bが形成されていてもよく、例えば表面の略全体に絶縁コート層18Bが形成されていてもよい。
炭素材料18Aとしては、例えば、アセチレンブラック(AB)やケッチェンブラック(KB)等のカーボンブラックや、活性炭、炭素繊維等の非晶質炭素材料が例示される。炭素材料18Aは、粒子状(粉末状)であってもよい。絶縁コート層18Bは、絶縁材料を含んでいる。絶縁材料としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)や酸化アルミニウム(アルミナ、Al)等のセラミック材料が挙げられる。絶縁材料は、比誘電率が炭素材料18Aよりも高い誘電材料であるとよい。なかでもチタン酸バリウムのような強誘電体が好ましい。このことにより、負極活物質16の表面で反応活性が高まり、Li析出耐性をより高いレベルで向上することができる。なお、絶縁コート層18Bに含まれる元素の種類は、例えば負極活物質層14の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、得られた観察画像をエネルギー分散型X線分光法(EDX)で解析することによって確認しうる。また、誘電材料の組成については、例えばX線回折法(XRD)で得られた回折パターンで確認しうる。
ここに開示される技術では、ガス吸着材18の細孔分布が最適化されている。ガス吸着材18は、ピーク細孔径(窒素ガス吸着測定で得られる窒素吸着等温線からBJH法で求められる細孔分布曲線において、最大のピークを示す細孔直径。以下同じ。)が、1~50nmの範囲にある。このことにより、電池内のガスを効果的に捕捉することができる。電池内のガス量をより高いレベルで低減する観点から、ガス吸着材18のピーク細孔径は、5~26nmの範囲にあるとよい。ガス吸着材18は、BET比表面積(窒素ガス吸着測定で得られる窒素吸着等温線からBET法(例えばBET多点法)で求められる表面積。以下同じ。)が、概ね30m/g以上、典型的には30~2000m/g、例えば100~1000m/gであるとよい。このような高比表面積のガス吸着材18を用いることで、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮しうる。
負極活物質層14は、負極活物質16とガス吸着材18とに加えて、任意成分(例えばバインダ、増粘剤、分散剤等)を含みうる。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素化樹脂が例示される。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類が例示される。
特に限定されるものではないが、負極活物質層14全体に占める負極活物質16の割合は、高エネルギー密度を実現する観点から、概ね80質量%以上であるとよく、典型的には80~99質量%、例えば85~95質量%であるとよい。負極活物質層14全体に占めるガス吸着材18の割合は、ここで開示される技術の効果を高いレベルで発揮する観点から、概ね1質量%以上であるとよく、典型的には1~20質量%、例えば5~15質量%であるとよい。また、負極活物質16を100質量部としたときに、ガス吸着材18の割合は、概ね1~20質量部、例えば5~15質量部であるとよい。
非水電解質については従来と同様でよく、特に限定されない。非水電解質は、非水系リチウムイオン二次電池の使用温度範囲内、例えば-20~+60℃の温度範囲内で、液状もしくはポリマー状(ゲル状)であってもよい。非水電解質は、非水電解液であってもよい。非水電解質は、典型的には、非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類や、エーテル類、エステル類等が例示される。支持塩としては、例えばLiPF、LiBF等のリチウム塩が例示される。
ここに開示される非水系リチウムイオン二次電池は各種用途に利用可能であるが、例えば2C以上、5C以上、さらには10C以上、例えば10~30Cのハイレート充放電を繰り返す用途で好適に用いることができる。なお、「1C」とは、理論容量から予測される電池の定格容量(Ah)を1時間で充電できる電流値を意味する。好適な用途として、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が例示される。非水系リチウムイオン二次電池は、複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されうる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に限定することを意図したものではない。
〔比較例1〕
〈正極の作製〉まず、比較例1では、正極活物質としてのLiNiCoMnO(NCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、NCM:AB:PVdF=92:5:3の質量比率で混合して、正極スラリーを調製した。次に、上記調製した正極スラリーを帯状のアルミニウム箔(正極集電体、平均厚み15μm)の表面に塗布し、乾燥後、所定の厚みにプレスして、帯状の正極を作製した。
〈負極の作製〉まず、負極活物質としての黒鉛(C、平均粒径10μm)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=99:0.5:0.5の質量比率で混合して、負極スラリーを調製した。次に、上記調製した負極スラリーを帯状の銅箔(負極集電体、平均厚み10μm)の表面に塗布し、乾燥後、所定の厚みにプレスして、帯状の負極を作製した。図2は、比較例1の負極20を模式的に示す断面図である。負極20は、負極集電体22と負極活物質層24とを備える。負極活物質層24は、負極活物質26を含むが、ガス吸着材は含んでいない。
〈非水系リチウムイオン二次電池の構築〉まず、上記作製した帯状の正極と帯状の負極とを、帯状のセパレータを介して捲回し、扁平形状の捲回電極体を作製した。なお、セパレータとしては、PE層の両面にPP層が積層されたPP/PE/PPの三層構造を有する樹脂製の多孔質膜(平均厚み24μm)と、その片面に設けられ、セラミック粒子を含む耐熱層(平均厚み4μm)と、を備えたものを使用した。また、セパレータは、耐熱層が正極と対向するように配置した。次に、注液孔を有する角型の外装体に上記捲回電極体を収容し、外装体の開口部を封止した。次に、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、EC:DMC:EMC=3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。次に、注液孔から非水電解液を注入し、当該注液孔に封止用のネジを締め付けることにより、外装体を気密に封止した。そして非水電解液が捲回電極体に含浸されるように所定時間放置した後、初期充電と60℃でのエージング処理を行った。
このようにして、比較例1の非水系リチウムイオン二次電池を構築した。
〔比較例2〕
負極の作製時に、ガス吸着炭素材としての活性炭(AC、BET比表面積:780m/g、ピーク細孔径:80.7nm)を用いて、C:AC:SBR:CMC=89:10:0.5:0.5の質量比率で混合して、負極スラリーを調製した。また、負極活物質の量が比較例1と同じになるように負極スラリーを塗布した。図3は、比較例2の負極30を模式的に示す断面図である。負極30は、負極集電体32と負極活物質層34とを備える。負極活物質層34は、負極活物質36と、活性炭からなるガス吸着炭素材38とを含んでいる。このこと以外は上記比較例1と同様にして、比較例2の非水系リチウムイオン二次電池を構築した。
〔実施例1~5、比較例3〕
実施例1~5、比較例3では、まずガス吸着材を作製した。
実施例1では、スパッタリング法により、母材としてのアセチレンブラックの表面に、子材としての酸化アルミニウムをコートして、ガス吸着材(実施例1)を作製した。
実施例2~4、比較例3では、スパッタリング法により、母材としての活性炭の表面に、子材としての酸化アルミニウム(Al)をコートして、ガス吸着材(実施例2~4、比較例3)を作製した。なお、母材としての活性炭の細孔構造は、各試験例で異なっている。
実施例5では、スパッタリング法により、母材としての活性炭の表面に、子材としてのチタン酸バリウム(BaTiO)をコートして、ガス吸着材(実施例5)を作製した。
なお、全ての試験例において、スパッタリングには、キヤノンアネルバ(株)製のスパッタ装置(型式:E-200S)を使用した。また、スパッタリングターゲットは、(株)高純度化学研究所製の純度99%のものを使用した。
次に、上記作製したガス吸着材(実施例1~5、比較例3)の窒素ガス吸着測定を行った。そして、得られた窒素吸着等温線からBET多点法により、BET比表面積を求めた。また、得られた窒素吸着等温線からBJH法により細孔分布曲線を得た。図4には、一例として、実施例3と比較例3に係るガス吸着材の細孔分布曲線を示している。図4に示す細孔分布曲線は、細孔直径(D)nmに対して、細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)をプロットした微分細孔容積分布である。そして、細孔分布曲線で最大のピークを示す細孔直径を、ピーク細孔径として求めた。結果を表1に示す。
そして、負極の作製時に活性炭にかえてガス吸着材を用いたこと以外は比較例2と同様にして、実施例1~5、比較例3の非水系リチウムイオン二次電池を構築した。
〈ガス量の測定〉まず、上記構築した非水系リチウムイオン二次電池を、SOC80%の充電状態に調整した後、60℃の温度環境下で30日間放置した。そして、試験前後のガス量の比較から、ガス増加率を算出した。結果を表1に示す。なお、表1では、比較例1のガス増加率を基準(100%)とした相対値で結果を表している。ガス量は、数値が小さいほど電池内に溜まるガスが少なく、電池膨れが抑えられていることを示す。
〈Li析出耐性の評価〉まず、上記構築した非水系リチウムイオン二次電池を、SOC56%の充電状態に調整した後、-10℃の温度環境下において、図5に示す充放電パターン(充放電電流値:20Cのレート)でハイレート定電流充放電を1000サイクル繰り返した。次に、図6に示す充放電パターン(充放電電流値:0.5Cのレート)で試験前後の放電容量を測定した。そして、サイクル後の放電容量をサイクル前の放電容量で割って100を掛けることにより、容量維持率を算出した。得られた結果を、Li析出耐性として表1に示す。なお、表1では、比較例1の容量維持率を基準(100%)とした相対値で結果を表している。Li析出耐性(容量維持率)は、数値が大きいほどLi析出耐性が高く、容量劣化が小さいことを示す。
Figure 0007071701000001
表1の「ガス量」の欄に示すように、活性炭そのものをガス吸着材として負極に含む比較例2では、ガス吸着材を含まない比較例1に比べて電池内のガス量が増加していた。この理由としては、活性炭が導電性を有するために、負極で非水電解液が還元分解され、活性炭の存在がガス発生を促進したことが考えられる。これに対して、実施例1~5および比較例3では、炭素材料の表面が絶縁コートされたガス吸着材を用いることで、比較例1、2に比べて電池内のガス量が低く抑えられていた。この理由としては、ガス吸着材の表面で非水電解質が分解されにくくなり、ガスの発生が抑制されたことが考えられる。また、ガス吸着材が効果を発揮して、例えば負極で発生したガスがガス吸着材に吸着された結果、負極からのガス流出が抑えられたことが考えられる。
表1の「Li析出耐性」の欄に示すように、比較例2では、ガス吸着材を含まない比較例1に比べてLi析出耐性が大幅に悪化していた。この理由としては、負極で発生したガスがセパレータと負極との界面に気泡となって存在し、正負極間の距離にムラができた結果、負極のなかに充放電に寄与しない未反応部分が生じたことが考えられる。すなわち、負極の実質的な反応領域が減少した結果、抵抗が増大したことが考えられる。これに対して、ピーク細孔径が1nm以上50nm以下であるガス吸着材を負極に含む実施例1~5では、比較例1、2に比べて大幅にLi析出耐性が向上していた。この理由としては、ガス吸着材の作用によって負極からのガス流出が抑えられた結果、負極の反応領域を安定に維持することができたことが考えられる。
以上のことから、炭素材料の表面が絶縁コートされ、かつピーク細孔径が1nm以上50nm以下であるガス吸着材を負極に含むことで、電池内でのガス発生を抑制することができ、優れたLi析出耐性を発揮することができるとわかった。かかる結果は、本発明の技術的意義を示すものである。
さらに、表1の「Li析出耐性」の欄に示すように、ガス吸着材の絶縁コートにチタン酸バリウムを用いた実施例5では、Li析出耐性をより高いレベルで向上することができた。この理由として、定かではないが、チタン酸バリウムの誘電分極によって、負極活物質とガス吸着材との界面で例えば電荷担体(リチウムイオン)の脱溶媒和が促進され、界面抵抗が低減された結果、負極活物質の表面での反応が促進されたことが考えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 負極
12 負極集電体
14 負極活物質層
16 負極活物質
18 ガス吸着材
18A 炭素材料
18B 絶縁コート層

Claims (1)

  1. 正極と、負極と、非水電解質と、を備えた非水系リチウムイオン二次電池であって、
    前記負極は、負極活物質と、ガス吸着材と、を備え、
    前記ガス吸着材は、
    炭素材料と、前記炭素材料の表面に配置されている絶縁コート層とを備え、かつ、
    窒素吸着等温線からBJH法で求められる細孔分布曲線において、ピーク細孔径が1nm以上50nm以下の範囲にある、
    非水系リチウムイオン二次電池。
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