本願は2018年2月13日付で中国国家知識産権局に出願された「アップリンク同期方法及び装置」と題する中国特許出願番号第201810151028.3に対する優先権を主張しており、これは全体的に参照により本願に援用され、また本願は2018年4月4日付けで中国国家知識産権局に出願された「アップリンク同期方法及び装置」と題する中国特許出願番号第201810302366.2に対する優先権を主張し、これは全体的に参照により本願に援用されている。
技術分野
本願は、情報技術の分野、特にアップリンク同期方法及び装置に関連する。
背景
ワイヤレス通信システムでは、信号はエア・インターフェース経路を介して伝送され、信号が受信端に到達するまでに遅延が存在する。ワイヤレス通信システムでは、特定のフレーム構造が伝送に使用される。(端末からネットワーク側の送信ポイントへの)アップリンク伝送の場合、複数の端末は、アップリンク伝送中の様々な経路に起因する様々な伝送遅延を有する。送信端と受信端との間の一貫したタイミング関係を達成し、1つのセル内の様々な端末からのアップリンク送信間の干渉を回避するために、送信端はタイミング・アドバンス(Timing Advance,TA)を有することを必要とする。図1はアップリンク同期の概略図である。図1に示すように、基地局がT0の時点でアップリンク送信を受信することを可能にするために、端末1はTA1に従ってアップリンク送信を送る必要があり、端末2はTA2に従ってアップリンク送信を送る必要がある。このようにして、基地局は、端末1からのアップリンク送信と、端末2からのアップリンク送信との両方をT0の時点で受信することができる。
TAとキャリアの複信モードとの間に、ある関係が存在する。ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution,LTE)システムを例に使用すると、TAオフセット(TA offset)は、時分割複信(Time Division Duplexing,TDD)キャリアに対して更に設定される。この場合、TDDキャリアでは、アップリンク・タイミング・アドバンスの絶対時間は、アップリンク・タイミング・アドバンス(即ち、NTA+NTAoffset)の時間の粒度単位Tsとの積である。換言すれば、アップリンク・タイミング・アドバンスは2つの部分を含み、1つはTAリファレンス値NTAであり、もう1つはTAオフセットNTAoffsetである。LTE及びNRの両方において、複数のタイミング・アドバンス・グループ(TAG)がサポートされる。LTEでは、各TAGのキャリアのTAリファレンス値は同じであり、各TAG内のキャリア全てのTAオフセットも同じである。
しかしながら、NRシステムでは、各TAG内のキャリアのTAリファレンス値は同じであるが、1つのTAG内のキャリアが異なるTAオフセットに対応する可能性がある。従って、NRシステムでは、キャリアが異なるTAオフセットに対応する場合に、異なる端末間のアップリンク同期外れの問題が解決されることを要する。
この観点から、本願は、NRシステムにおける端末間のアップリンク同期外れの問題を解決するように、アップリンク同期方法及び装置を提供する。
第1態様によれば、本願の実施形態はアップリンク同期方法を提供する。方法は:ネットワーク・デバイスにより送信されたタイミング・アドバンスTAコマンドを通信デバイスにより受信するステップであって、タイミング・アドバンス・コマンドはTAリファレンス値を含み、TAリファレンス値はTAG内のキャリアに対応する、ステップ;TAG内の任意のキャリアに関し、通信デバイスにより、キャリアのキャリア情報に基づいてキャリアのTAオフセットを決定するステップ;及びTAリファレンス値とキャリアのTAオフセットとに基づいてキャリアのアップリンク送信タイミングを調整するステップを含む。この場合において、TAGが複数のキャリアを含む場合に、TAオフセットは、以下の条件:
TAGが第1タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第1差分であり;又はTAGが第2タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第2差分であり、第1差分は第2差分と同じであること;
を充足する。
一般に、第1タイプTAG内の少なくとも1つのキャリアはプライマリ・セルPCell又はプライマリ・セカンダリ・セルPSCellに対応し、第2タイプTAG内の全てのキャリアはセカンダリ・セルSCellに対応する。第1差分は第2差分と同じであるので、TAGにおける通信デバイスからのアップリンク送信が、別のTAGにおける、通信デバイスと同じセルに位置する別の通信デバイスからのアップリンク送信と同期することを保証することが可能であり、それにより、NRにおいてアップリンク同期外れに起因する信号干渉を回避する。
可能な設計において、通信デバイスは、先ずTAG内の複数のキャリアのTAオフセットの最大値を決定し、次いでTAリファレンス値と最大TAオフセットとに基づいて、TAG内の複数のキャリアのアップリンク送信タイミングを調整することができる。TAG内の各キャリアのアップリンク送信タイミングはTAリファレンス値値と最大TAオフセットとを利用することにより調整されることを学ぶことができる。従って、第1差分及び第2差分は両方とも0であり、なぜならこれは他のTAGにおける通信デバイスと同じセルに位置する他の通信デバイスからのアップリンク送信とのアップリンク同期を保証することができるからである。
別の可能な設計において、通信デバイスは、キャリアの周波数バンドに基づいてキャリアのTAオフセットを決定することが可能であり、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。例えば、6GHzを境界として使用すると、周波数バンドが6GHz未満であるキャリアのTAオフセットは約13μs(25560Tcに相当)であり、周波数バンドが6GHz以上であるキャリアのTAオフセットは約7μs(13763Tcに相当)である。
別の可能な設計において、通信デバイスは、キャリアのサブキャリア間隔に基づいて各キャリアのTAオフセットを決定することが可能であり、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。例えば、サブキャリア間隔が15kHz、30kHz及び60kHzであるキャリアは同じTAオフセットに対応し、サブキャリア間隔が120kHzであるキャリアと、サブキャリア間隔が120kHzより大きい別のキャリアとは同じTAオフセットに対応する。
別の可能な設計において、通信デバイスのためにネットワーク側によって決定される対応するTAGは、以下の特徴を有することが可能である:TAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以下である、又はTAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHzより大きい。言い換えると、一般に、サブキャリア間隔が15kHz、30kHz、60kHzであるキャリアは同じTAオフセットに対応し、サブキャリア間隔が120kHz以上である別のキャリアは同じTAオフセットに対応する。この場合、このようなグループ化方法で得られるTAG内のキャリアは、通常、同じTAオフセットに対応し、それによってアップリンク同期外れの問題を回避する。
また、更に別の可能な可能な設計において、NRシステムでは、通信デバイスのためにネットワーク側によって設定されたTAGが第1タイプTAGであったとしても、通信デバイスはそれでもTAG内のキャリアのTAオフセットを異なる値に設定することが可能である。例えば、TAG内に2つのキャリアが存在し、キャリアAのTAオフセットは、キャリアBのTAオフセットを参照せずに設定され、あるいはキャリアAのTAオフセットは、キャリアBのTAオフセットとは異なる。このように、TAGが第1タイプTAGである場合、第1差分は第2差分と依然として等しくなり、1つのキャリアにおける1つのセル内で異なる通信デバイスからのアップリンク送信を同期させることを保証する。
前述の実施形態において、異なるアップリンク同期方法が組み合わされてもよいことに留意すべきである。換言すれば、通信デバイスは、前述の条件の少なくとも1つに基づいて、アップリンク同期を調整することを決定することができる。
第2態様によれば、本願の実施形態は、ネットワーク側からのアップリンク同期方法を更に提供する。方法は:通信デバイスにより送信されたアップリンク信号に基づいてアップリンクTAとTAオフセットとをネットワーク・デバイスにより決定するステップであって、アップリンクTAとTAオフセットとの間の差分はTAリファレンス値である、ステップ;ネットワーク・デバイスにより、TAに基づいてTAリファレンス値を決定するステップであって、TAリファレンス値はタイミング・アドバンス・グループTAG内のキャリアに対応する、ステップ;及びネットワーク・デバイスにより、タイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信するステップであって、タイミング・アドバンス・コマンドはTAリファレンス値を含む、ステップを含む。このように、通信デバイスは、ネットワーク側と同様に、通信デバイスにより決定されるTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいてアップリンク・タイミングを調整することができる。
TAGが複数のキャリアを含む場合に、TAオフセットは、以下の条件:
TAGが第1タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第1差分であり;又は前記TAGが第2タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第2差分であり、第1差分は第2差分と同じであり、第1タイプTAG内の少なくとも1つのキャリアはプライマリ・セルPCell又はプライマリ・セカンダリ・セルPSCellに対応し、第2タイプTAG内の全てのキャリアはセカンダリ・セルSCellに対応すること;
を充足することに留意すべきである。
このように、第1差分は第2差分と同じであるので、TAGにおける通信デバイスからのアップリンク送信が、別のTAGにおける、通信デバイスと同じセルに位置する別の通信デバイスからのアップリンク送信と同期することを保証することが可能であり、それにより、NRにおいてアップリンク同期外れに起因する信号干渉を回避する。
可能な設計において、ネットワーク・デバイスは、アップリンク・タイミング・アドバンスと最大TAオフセットとに基づいてTAリファレンス値を決定し、最大TAオフセットは通信デバイスに応対するTAG内の複数のキャリアのTAオフセットの最大値である。
可能な設計において、ネットワーク・デバイスは、キャリアの周波数バンドに基づいてキャリアのTAオフセットを決定することが可能であり、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。例えば、6GHzを境界として使用すると、周波数バンドが6GHz未満であるキャリアのTAオフセットは約13μsであり、周波数バンドが6GHz以上であるキャリアのTAオフセットは約7μsである。
別の可能な設計において、ネットワーク・デバイスは、キャリアのサブキャリア間隔に基づいて各キャリアのTAオフセットを決定することが可能であり、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。例えば、サブキャリア間隔が15kHz、30kHz及び60kHzであるキャリアは同じTAオフセットに対応し、サブキャリア間隔が120kHzであるキャリアと、サブキャリア間隔が120kHzより大きい別のキャリアとは同じTAオフセットに対応する。
別の可能な設計において、通信デバイスのためにネットワーク側によって決定される対応するTAGは、以下の特徴を有することが可能である:TAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以下である、又はTAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHzより大きい。言い換えると、一般に、サブキャリア間隔が15kHz、30kHz、60kHzであるキャリアは同じTAオフセットに対応し、サブキャリア間隔が120kHzより大きい別のキャリアは同じTAオフセットに対応する。この場合、このようなグループ化方法で得られるTAG内のキャリアは、通常、同じTAオフセットに対応し、それによって、アップリンク同期外れの問題を回避する。
また、更に別の可能な可能な設計において、NRシステムでは、通信デバイスのためにネットワーク側によって設定されたTAGが第1タイプTAGであったとしても、通信デバイスはそれでもTAG内のキャリアのTAオフセットを異なる値に設定することが可能である。例えば、TAG内に2つのキャリアが存在し、キャリアAのTAオフセットは、キャリアBのTAオフセットを参照せずに設定され、あるいはキャリアAのTA値は、キャリアBのTAオフセットとは異なる。このように、TAGが第1タイプTAGである場合、第1差分は第2差分と依然として等しくなり、1つのキャリアにおける1つのセル内で異なる通信デバイスからのアップリンク送信を同期させることを保証する。
前述の実施形態において、異なるアップリンク同期方法が組み合わされてもよいことに留意すべきである。換言すれば、ネットワーク・デバイスは、前述の条件の少なくとも1つに基づいて、アップリンク同期を調整することを決定することができる。
第3態様によれば、本願の実施形態は装置を更に提供する。装置は、第1態様の実施形態における通信デバイスの動作を実現する機能を有する。機能は、ハードウェアによって実現されてもよいし、又は対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実現されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、前述の機能に対応する1つ以上のモジュールを含む。
可能な設計において、装置の構造は受信ユニットと処理ユニットとを含む。受信ユニットは、ネットワーク・デバイスにより送信されたタイミング・アドバンス・コマンドを受信するように構成される。処理ユニットは、キャリアのキャリア情報に基づいてキャリアのTAオフセットを決定し、TAリファレンス値とキャリアのTAオフセットとに基づいてキャリアのアップリンク送信タイミングを調整するように構成される。
TAGが複数のキャリアを含む場合に、TAオフセットは、以下の条件:
TAGが第1タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第1差分であり;又はTAGが第2タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第2差分であり、第1差分は第2差分と同じであり、第1タイプTAG内の少なくとも1つのキャリアはプライマリ・サービング・セルPCell又はプライマリ・セカンダリ・サービング・セルPSCellに対応し、第2タイプTAG内の全てのキャリアはセカンダリ・サービング・セルSCellに対応すること;
を充足することに留意すべきである。
削除
可能な設計において、TAGが複数のキャリアを含む場合に、処理ユニットは、具体的に:
TAリファレンス値と最大TAオフセットとに基づいて、TAG内の複数のキャリアのアップリンク送信タイミングを調整するように構成されており、最大TAオフセットは複数のキャリアのTAオフセットの最大値である。
別の可能な設計において、処理ユニットは、具体的に、キャリアの周波数バンドに基づいてキャリアのTAオフセットを決定するように構成されており;
キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。
第3の可能な設計において、処理ユニットは、具体的に、キャリアのサブキャリア間隔に基づいて各キャリアのTAオフセットを決定するように構成されており;
キャリアのサブキャリア間隔が特定の値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。
可能な実装において、TAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以下である、又はTAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHzより大きい。代替的に、可能な実装において、TAG内のキャリア全てのTAオフセットは別々に設定されている。
本願のこの実施形態において、これらのユニットは、第1態様の実施形態における対応する機能を実行することが可能である。詳細については、実施形態の詳細な説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
別の可能な設計において、装置が通信デバイス内のチップである場合、チップは、処理ユニットと通信ユニットとを含む。処理ユニットは例えばプロセッサであってもよい。通信ユニットは、例えば、入力/出力インターフェース、ピン、又は回路であってもよい。処理ユニットは、記憶ユニットに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行することが可能であり、その結果、第1態様又は可能な設計のうちの何れかにおけるアップリンク同期方法が実行される。オプションとして、記憶ユニットは、レジスタ又はキャッシュのようなチップ内の記憶ユニットであり、又は記憶ユニットは、リード・オンリ・メモリ、静的な情報及び命令を記憶することが可能な別のタイプの静的記憶装置、又はランダム・アクセス・メモリのような、通信デバイス内に位置するがチップ外に位置する記憶ユニットであってもよい。
第4態様によれば、本願の実施形態は装置を更に提供する。装置は、第2態様の実施形態におけるネットワーク・デバイスの動作を実現する機能を有する。機能は、ハードウェアによって実現されてもよいし、又は対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実現されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、前述の機能に対応する1つ以上のモジュールを含む。
可能な設計において、装置の構造は処理ユニットと送信ユニットとを含む。処理ユニットは:通信デバイスにより送信されたアップリンク信号に基づいてアップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとを決定し、アップリンク・タイミング・アドバンスに基づいてTAリファレンス値を決定するように構成され、TAリファレンス値はタイミング・アドバンス・グループTAG内のキャリアに対応し、TAリファレンス値はアップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとの間の差分である。送信ユニットは、タイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信するように構成され、タイミング・アドバンス・コマンドはTAリファレンス値を含む。
TAGが複数のキャリアを含む場合に、TAオフセットは、以下の条件:
TAGが第1タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第1差分であり;又はTAGが第2タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第2差分であり、第1差分は第2差分と同じであり、第1タイプTAG内の少なくとも1つのキャリアはプライマリ・サービング・セルPCell又はプライマリ・セカンダリ・サービング・セルPSCellに対応し、第2タイプTAG内の全てのキャリアはセカンダリ・サービング・セルSCellに対応すること;
を充足することに留意すべきである。
可能な設計において、処理ユニットは、具体的に:
アップリンク・タイミング・アドバンスと最大TAオフセットとに基づいて、TAリファレンス値を決定するように構成されており、最大TAオフセットは、通信デバイスに応対するTAG内の複数のキャリアのTAオフセットの最大値である。
別の可能な設計において、処理ユニットは、具体的に、キャリアの周波数バンドに基づいてキャリアのTAオフセットを決定するように構成されており、
キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。
別の可能な設計において、処理ユニットは、具体的に、キャリアのサブキャリア間隔に基づいて各キャリアのTAオフセットを決定するように構成されており、
キャリアのサブキャリア間隔が特定の値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。
可能な実装において、TAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以下である、又はTAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHzより大きい。代替的に、TAG内のキャリア全てのTAオフセットは別々に設定されている。
本願のこの実施形態において、これらのユニットは、第2態様の実施形態における対応する機能を実行することが可能である。詳細については、実施形態の詳細な説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
別の可能な設計において、装置がネットワーク・デバイス内のチップである場合、チップは、処理ユニットと通信ユニットとを含む。処理ユニットは例えばプロセッサであってもよい。通信ユニットは、例えば、入力/出力インターフェース、ピン、又は回路であってもよい。処理ユニットは、記憶ユニットに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行することが可能であり、その結果、第1態様又は可能な設計のうちの何れかにおけるアップリンク同期送信方法が実行される。オプションとして、記憶ユニットは、レジスタ又はキャッシュのようなチップ内の記憶ユニットであり、又は記憶ユニットは、リード・オンリ・メモリ、静的な情報及び命令を記憶することが可能な別のタイプの静的記憶装置、又はランダム・アクセス・メモリのような、ネットワーク・デバイス内に位置するがチップ外に位置する記憶ユニットであってもよい。
第5態様によれば、本願の実施形態はアップリンク同期方法を提供する。方法は:第2TAG内の第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットと第2TAリファレンス値とを第2ネットワーク・デバイスから取得することを、第1ネットワーク・デバイスにより要求するステップ;及び第2TAリファレンス値と第2TAオフセットとに基づいて、第1TAG内の第1アップリンク・キャリアの第1TAリファレンス値を、第1ネットワーク・デバイスにより決定するステップを含む。第1TAGは第1通信規格の第1ネットワーク・デバイスに対応し、第2TAGは第2通信規格の第2ネットワーク・デバイスに対応する。従って、第1ネットワーク・デバイスによって決定される第1TAリファレンス値は、第1アップリンク・キャリアの第1TAオフセットと第2TAオフセットとの間の差分以上である。このように、第1ネットワーク・デバイスが第1TAリファレンス値を含むタイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信した後、通信デバイスは、第1TAリファレンス値と第1TAオフセットとに基づいて、第1アップリンク・キャリアのアップリンク送信タイミングを調整することができる。
可能な設計において、第1通信規格がLTEであり、第2通信規格がNRである場合、第1アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じサービング・セルに対応するNR ULキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
別の可能な設計において、第1通信規格がNRであり、第2通信規格がLTEである場合、第1アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じTAGに属するTDDキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
第6態様によれば、本願の実施形態はアップリンク同期方法を提供する。方法は:第1ネットワーク・デバイスにより送信されたタイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスにより受信するステップであって、タイミング・アドバンス・コマンドは第1タイミング・アドバンスTAリファレンス値を含み、第1TAリファレンス値は第1タイミング・アドバンス・グループTAG内の第1キャリアに対応し、第1TAリファレンス値は第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットと第2TAリファレンス値とに基づいて決定され、第1TAGは第1通信規格の第1ネットワーク・デバイスに対応し、第2TAGは第2通信規格の第2ネットワーク・デバイスに対応する、ステップ;及び通信デバイスにより、第1TAリファレンス値に基づいて第1アップリンク・キャリアのアップリンク送信タイミングを調整するステップを含む。
可能な設計において、第1通信規格がLTEであり、第2通信規格がNRである場合、第1アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じサービング・セルに対応するNR ULキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
別の可能な設計において、第1通信規格がNRであり、第2通信規格がLTEである場合、第1アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じTAGに属するTDDキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
第7態様によれば、本願の実施形態は装置を更に提供する。装置は、第5態様の実施形態における第1ネットワーク・デバイスの動作を実現する機能を有する。機能は、ハードウェアによって実現されてもよいし、又は対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実現されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、前述の機能に対応する1つ以上のモジュールを含む。
可能な設計において、装置の構造は送信ユニットと処理ユニットとを含む。送信ユニットは、リクエストを第2ネットワーク・デバイスに送信するように構成され、送信されるリクエストは、第2TAG内の第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットと第2TAリファレンス値とを取得することを要求するために使用され、第2TAGは第2通信規格の第2ネットワーク・デバイスに対応する。処理ユニットは、第2TAリファレンス値と第2TAオフセットとに基づいて、第1TAG内の第1アップリンク・キャリアの第1TAリファレンス値を決定するように構成され、第1TAGは第1通信規格の第1ネットワーク・デバイスに対応する。送信ユニットは、第1TAリファレンス値を含むタイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信するように更に構成されている。
従って、第1処理ユニットによって決定される第1TAリファレンス値は、第1アップリンク・キャリアの第1TAオフセットと第2TAオフセットとの間の差分以上である。このように、処理ユニットに対応する第1ネットワーク・デバイスが第1TAリファレンス値を含むタイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信した後、通信デバイスは、第1TAリファレンス値と第1TAオフセットとに基づいて、第1アップリンク・キャリアのアップリンク送信タイミングを調整することができる。
可能な設計において、第1通信規格がLTEであり、第2通信規格がNRである場合、第1アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じサービング・セルに対応するNR ULキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
別の可能な設計において、第1通信規格がNRであり、第2通信規格がLTEである場合、第1アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じTAGに属するTDDキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
第8態様によれば、本願の実施形態は装置を更に提供する。装置は、第6態様の実施形態における通信デバイスの動作を実現する機能を有する。機能は、ハードウェアによって実現されてもよいし、又は対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実現されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、前述の機能に対応する1つ以上のモジュールを含む。
可能な設計において、装置の構造は受信ユニットと処理ユニットとを含む。受信ユニットは、第1ネットワーク・デバイスにより送信されたタイミング・アドバンス・コマンドを受信するように構成され、タイミング・アドバンス・コマンドは第1タイミング・アドバンスTAリファレンス値を含み、第1TAリファレンス値は第1タイミング・アドバンス・グループTAG内の第1アップリンク・キャリアに対応し、第1TAリファレンス値は第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットと第2TAリファレンス値とに基づいて決定され、第1TAGは第1通信規格の前記第1ネットワーク・デバイスに対応し、第2TAGは第2通信規格の第2ネットワーク・デバイスに対応する。処理ユニットは、第1TAリファレンス値に基づいて第1アップリンク・キャリアのアップリンク送信タイミングを調整するように構成されている。
従って、第1ネットワーク・デバイスユニットによって決定される第1TAリファレンス値は、第1アップリンク・キャリアの第1TAオフセットと第2TAオフセットとの間の差分以上である。このように、第1ネットワーク・デバイスが第1TAリファレンス値を含むタイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信した後、通信デバイスは、第1TAリファレンス値と第1TAオフセットとに基づいて、第1アップリンク・キャリアのアップリンク送信タイミングを調整することができる。
可能な設計において、第1通信規格がLTEであり、第2通信規格がNRである場合、第1アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じサービング・セルに対応するNR ULキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
別の可能な設計において、第1通信規格がNRであり、第2通信規格がLTEである場合、第1アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり;第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットは、第2アップリンク・キャリアと同じTAGに属するTDDキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
第9態様によれば、本願の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを含む装置を提供する。プロセッサは、第1態様、第2態様、又は第1態様及び第2態様の可能な設計のうちの任意の1つにおけるアップリンク同期方法を実行するように構成される。メモリはプロセッサに結合される。
第10態様によれば、本願の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを含む装置を提供する。少なくとも1つのメモリは少なくとも1つのプロセッサに結合され、少なくとも1つのメモリはコンピュータ・プログラム・コードを格納するように構成され、コンピュータ・プログラム・コードはコンピュータ命令を含み、1つ以上のプロセッサがコンピュータ命令を実行すると、装置は、第1態様、第2態様、又は第1態様及び第2態様の可能な設計のうちの任意の1つにおけるアップリンク同期方法、又は、第5態様、第2態様、又は第5態様及び第2態様の可能な設計のうちの任意の1つにおけるアップリンク同期方法を実行する。
第11態様によれば、本願の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを含む装置を提供する。プロセッサは、第1態様、第2態様、又は第1態様及び第2態様の可能な設計のうちの任意の1つにおけるアップリンク同期方法、又は、第5態様、第6態様、又は第5態様及び第6態様の可能な設計のうちの任意の1つにおけるアップリンク同期方法を実行するように構成される。
第12態様によれば、本願の実施形態はチップを提供する。チップは装置の形態で存在し、チップは前述の態様における任意の装置であってもよい。
本願の実施形態で提供されるアップリンク同期方法は、NRシステムに適用可能である。その理由は、NRシステムでキャリア・アグリゲーションが実行される際の様々なキャリアが、複数の異なるTAオフセットに対応する場合、1つのキャリアにおける異なるユーザーからのアップリンク送信は同期していない可能性があるためである。本願の実施形態によれば、TAG内の各キャリアのTAオフセットは、TAG内のキャリアのキャリア情報に基づいて決定され、TAG内の各キャリアのアップリンク送信タイミングは、TAG内のキャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいて調整される。更に、TAGが第1タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセットの差分も第1差分であり、あるいはTAGが第2タイプTAGである場合に、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセットの差分も第2差分であり、第1差分は第2差分と同じである。第1差分は第2差分と同じであるので、TAGにおける通信デバイスからのアップリンク送信が、別のTAGにおける、通信デバイスと同じセルに位置する別の通信デバイスからのアップリンク送信と同期することを保証することが可能であり、それにより、NRにおいてアップリンク同期外れに起因する信号干渉を回避する。
更に、本願の実施形態で提供されるアップリンク同期方法は、デュアル・コネクティビティ・システムに適用可能である。デュアル・コネクティビティ・システムでは、異なる通信規格のネットワーク・デバイスが互いに相互作用することが可能である。従って、LTE基地局は、NR基地局のTAオフセットとTAリファレンスとに基づいてLTEアップリンク・キャリアのTAリファレンス値を決定することが可能であり;あるいは、NR基地局は、基地局のTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいてNRアップリンク・キャリアのTAリファレンス値を決定することが可能である。通信デバイスによって受信されるTAリファレンス値は、指定された条件を充足するので、アップリンク同期が実現され、それによりアップリンク同期外れに起因する信号干渉を回避する。
以下、添付図面を参照して本願を更に詳細に説明する。
本願の実施形態は、移動通信用グローバル・システム(global system for mobile communication,GSM)、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access,WCDMA)システム、及びロング・ターム・エボリューション(long term evolution,LTE)システムなどの既存のセルラー通信システムに適用されることが可能である。本願の実施形態は、将来の通信システム、例えばNRアクセス・ネットワークを使用する通信システム、クラウド無線アクセス・ネットワーク(cloud radio access network,CRAN)などの5G(第5世代移動通信)システムにも適用可能であり、また、ワイヤレス・フィデリティ(wIreless-fidelity,Wi-Fi)システム、マイクロ波アクセスの全世界相互運用(worldwide interoperability for microwave access,WiMAX)、及び3GPPに関連するセルラー・システムなどの同様のワイヤレス通信システムにも適用可能である。
図2は、本願が適用可能なアプリケーション・シナリオの概略図である。本発明の実施形態で説明されるネットワーク・アーキテクチャ及びサービス・シナリオは、本発明の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために使用されるが、本発明の実施形態で提供される技術的解決策を制限するものではない。本発明の実施形態で提供される技術的解決策は、ネットワーク・アーキテクチャが進化し且つ新しいサービス・シナリオが現れる場合に、同様な技術的問題に適用可能であることを、当業者は分かっているであろう。
図2は本発明における可能な適用シナリオの概略図である。アプリケーション・シナリオでは、少なくとも1つの端末10は、無線アクセス・ネットワーク(radio access network,RAN)と通信する。RANは、少なくとも1つの基地局20(base station,BS)を含む。明確化のために、ただ1つの基地局と1つのUEが図面に示されている。RANはコア・ネットワーク(core network,CN)に接続される。オプションとして、CNは、インターネット及び公衆交換電話網(public switched telephone network,PSTN)のような1つ以上の外部ネットワーク(external network)に結合されてもよい。
明確化のために、以下、本願で使用される幾つかの名詞を説明する。
(1)通信デバイスは、端末、ユーザー装置(User Equipment,UE)、又はユーザーに音声及び/又はデータ接続を提供するデバイス、例えばハンドヘルド・デバイス又は無線接続機能を有する車載デバイスとも言及される。一般の端末は、例えば、携帯電話、タブレット・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、パームトップ・コンピュータ、モバイル・インターネット・デバイス(mobile internet device,MID)、又は、スマート・ウォッチ、スマート・バンド及び歩数計などのウェアラブル・デバイスを含む。通信デバイスは、チップを利用することによって実現されてもよい。以下、説明を簡単にするために、通信デバイスはまとめてUEと言及される。
(2)ネットワーク・デバイスは、例えば、基地局であってもよい。基地局はまた、無線アクセス・ネットワーク(Radio Access Network,RAN)装置とも言及され、端末をワイヤレス・ネットワークに接続する装置であり、エボルブド・ノードB(evolved Node B,eNB)、無線ネットワーク・コントローラ(radio network controller,RNC)、ノードB(Node B,NB)、基地局コントローラ(Base Station Controller,BSC)、ベース・トランシーバ・ステーション(Base Transceiver Station,BTS)、ホーム基地局(例えば、ホーム・エボルブド・ノードB又はホーム・ノードB、略称HNB)、ベースバンド・ユニット(BaseBand Unit,BBU)、NodeB (g NodeB,gNB)、送受信ポイント(Transmitting and receiving point,TRP)及び送信ポイント(Transmitting point,TP)を含むが、これらに限定されない。更に、基地局は、Wi-Fiアクセス・ポイント(Access Point,AP)などを更に含むことができる。以下では、簡単に説明するために、ネットワーク・デバイスはまとめて基地局と言及される。
LTEでは、TAリファレンス値とTAオフセットとは以下のように定義される:UEがアップリンク送信を送るi番目のアップリンク無線フレームは、UEの対応するダウンリンク無線フレームの(NTA+NTAoffset)×Ts数秒前であるべきである。SCGがUEに設定されている場合は、0≦NTA≦4096であり;又はSCGがUEに設定されていない場合は、0≦NTA≦20512である。FDDフレーム構造タイプの場合、NTAoffset=0であり;TDDフレーム構造タイプの場合、NTAoffset=624である。
言い換えれば、UEは、NTA及びNTAoffsetに基づいて、アップリンク信号が送信される時間を決定する必要がある。具体的には、アップリンク・タイミング・アドバンスの絶対時間は、アップリンク・タイミング・アドバンス(即ち、数式におけるNTA+NTAoffset)と時間粒度単位Tsとの積に等しい。アップリンク・タイミング・アドバンス値は、2つの部分を含み:1つの部分はNTA、即ち本願の実施形態において言及されるTAリファレンス値であり;別の部分はNTAoffset、即ち本願の実施形態で言及されるTAオフセットである。
LTEにおけるものと同様の定義が現在のNRプロトコルにも存在する。具体的には、UEがアップリンク送信を送るi番目のアップリンク無線フレームは、UEの対応するダウンリンク無線フレームの(NTA+NTAoffset)×Tc数秒前であるべきである。
主な相違は、NRにおけるタイミング・アドバンスの時間粒度単位Tcが、LTEにおけるTsと相違することである。LTEにおける時間粒度単位は、Ts=1/2048/15000秒として定義される一方、NRにおける時間粒度は、Tc=1/4096/480000秒として定義される。時間単位はLTE及びNRにおいて異なって定義されるが、アップリンク・タイミング・アドバンス調整値は、TAリファレンス値NTA及びTAオフセットNTAoffsetという同じ部分を有する。
更に、LTE及びNR双方において、複数のTAGがサポートされ、各TAG内の全てのキャリアは同じTAリファレンス値に対応し、各TAG内の全てのキャリアは同じアップリンク・タイミング・アドバンス調整値に対応する。タイミング・アドバンス調整値の構成及び定義に基づき、LTE及びNRのキャリア・アグリゲーションのシナリオにおいて、TAオフセットNTAoffsetが各キャリアに使用されるか否か、又はどのTAオフセットが各キャリアに使用されるかは、キャリア情報にも依存する。
LTEでは、プライマリ・サービング・セル(PCell)又はプライマリ・セカンダリ・サービング・セル(PSCell)を含むTAGに関し、タイミング・アドバンス調整が実行される場合、PCell又はPSCellに対応するTAオフセットNTAoffsetが、TAG内の全てのキャリアに対して使用され、タイミング・アドバンス調整値を計算する。ここで、プライマリ・コンポーネント・キャリアに対応するTAオフセットNTAoffsetは、PCell又はPSCellがシングル・キャリアモードで動作する場合、PCell又はPSCellに使用されるTAオフセットNTAoffsetである。PCell又はPSCellを除くTAGに関し、TAG内の全てのセルが同じデュプレックス・モードを使用する場合、即ち、TAG内の全てのキャリアがTDDキャリアであるか、又はTAG内の全てのキャリアがFDDキャリアである場合、タイミング・アドバンス調整値を計算するために、グループ内の全てのキャリアに対してNTAoffset=0が使用される。PCell又はPSCellを除くTAGに関し、TAG内のセルが2つのデュプレックス・モードを使用し、TAGがFDDセル及びTDDセルの両方を含む場合、タイミング・アドバンス調整値を計算するために、TAG内の全てのキャリアに対してTAオフセットNTAoffset=624が使用される。メカニズム全体の観点から、このメカニズムは、任意のUEに対して、任意のTAG内の異なるアップリンク・キャリアにおけるアップリンク送信が同期することを保証する。本願における同期は、具体的には、2つのキャリアに対応する時間整合したサブフレームに関し、1つのキャリアに対応するアップリンク・サブフレームが、他のキャリアに対応するものと同じ時点を有することを意味する。
しかしながら、NRシステムでは、複数の異なるTAオフセットが存在する可能性がある。LTEの上記メカニズムが依然として使用される場合、問題が生じる可能性がある。主な理由は次のとおりである:PCell又はPSCellを除くTAGに関し、TAGがTDDセル及びFDDセルの両方を含む場合、TDDキャリアのTAオフセットがLTEで使用されるためである。しかしながら、NRでは、異なるTDDキャリアが異なるTAオフセットに対応している可能性がある。従って、UEはTAオフセットをどのように選択するのか分からない。その結果、LTEのTAオフセット調整メカニズムを使用することは、各TAG内の全てのキャリアが同じTAオフセットに対応することを保証することができず、1つのキャリアにおける異なるユーザーからのアップリンク信号は同期しない可能性がある。
LTE及びNRにおいて、セルは上位レイヤの概念であり、キャリアは物理レイヤの概念であることは指摘されるべきである。セルとキャリアとの間には対応関係が存在する。例えば、LTEにおいて、1つのセルは、アップリンク及びダウンリンク・キャリアの1つのペア、又は唯1つのダウンリンク・キャリアを含むように構成される。NRにおいて、1つのセルは、アップリンク及びダウンリンク・キャリアの1つのペア、又は唯1つのダウンリンク・キャリア、又は1つのアップリンク・キャリア、及び1つの補助アップリンク(supplementary uplink,SUL)キャリアを含むように構成されることが可能である。キャリアとセルとの間の対応関係に起因して、1つのキャリアは1つのセルのみに対応し、いったんセルが設定されると対応するキャリアを見出すことが可能であり、あるいはいったんキャリアが設定されると対応するセルを見出すことが可能である。従って、セルとキャリアは、本発明において互いに厳密には区別されず、混同が生じない場合には可換に使用されてよい。
本願で提供される実施形態は、アップリンク同期を実現するために使用される。様々なUEと基地局との間の距離は決定されておらず、1つのセル内の異なるUEからのアップリンク送信は時間的に整合させる必要がある。そうでなければ、1つのセル内の異なる端末からのアップリンク送信は、互いに干渉する。現在、UEは、ランダム・アクセス手順を使用することによって、基地局とのアップリンク同期を確立することができる。基地局は、UEがプリアンブル(preamble)信号を送信したことを検出し、受信したプリアンブル信号を利用することによりTAリファレンス値を推定し、ランダム・アクセス・レスポンスを利用することによりTAリファレンス値をUEに送信し;UEは、ランダム・アクセス・レスポンスを受信した後にTAを計算し、その結果、1つのキャリアにおける1つのセル内の異なるUEによって送信されるアップリンク信号は同時に基地局に到達する。RRC接続を確立した後、UEは、基地局によって送信されたパイロット信号を測定及び追跡することによって、小さなエリアの中で同期を更に追跡及び調整することが可能であり;基地局はまた、UEからのアップリンク信号を測定することによって、UEのタイミング・アドバンスを推定及び調整し、TACを利用することによりタイミング・アドバンスをUEに通知することも可能である。UEが同期外れであるかもしれないことを考慮する場合、基地局は、タイミング・アドバンスを測定及び調整するために、プリアンブル信号を送信するようにUEをトリガする可能性がある。従って、アップリンク同期の意義は、1つのキャリアにおける複数のUEからのアップリンク信号が基地局に到着するまでの遅延の間の差が、特定のレンジに収まることを確実にし、その結果、複数のUEからのアップリンク信号は互いに重大な干渉を与えず、基地局による複数のアップリンク信号の正確な受信が影響を受けないようにすることである。アップリンク・タイミング・アドバンスの技術的特徴は、UEが、タイミング・アドバンスを使用することによって、送信信号の空間的な伝送遅延を事前に補償することである。
本願で提供される実施形態は、キャリア・アグリゲーションのシナリオに適用可能である。キャリア・アグリゲーションにより、少なくとも2つのコンポーネント・キャリア(Component Carrier,CC)が、より大きな伝送帯域幅をサポートするように集約される。コンポーネント・キャリアはまた、キャリアと呼ばれてもよい。例えば、キャリア・アグリゲーションにおけるセルは、プライマリ・サービング・セル(Primary Component Cell,PCell)及びセカンダリ・セル(Secondary Component Cell,SCell)を含んでもよい。具体的には、PCellは、端末が初期接続確立中に基地局と通信するセル、RRC接続又は再設定が実行されるセル、又は、ハンドオーバ・プロセスにおいて基地局又は端末によって決定されるセルであって、基地局と端末との間のRRC通信を実現するために主に使用されるセルであってもよい。SCellは、端末に応対するためにRRC再設定の際に基地局によって追加されるセルであってもよい。例えば、RRC通信は、SCellと端末との間で行われない場合がある。プライマリ・コンポーネント・キャリア(Primary component carrier,PCC)はPCellに対応するCCであり、セカンダリ・コンポーネント・キャリア(Secondary component carrier,SCC)はSCellに対応するCCである。
キャリア・アグリゲーションのシナリオでは、複数のアップリンク・キャリアがUEのために設定される場合、複数のアップリンク・キャリアはネットワーク側で共存しないかもしれず、異なるキャリアのビーム方向は異なる等に起因して、異なるアップリンク・キャリアにおけるUEからの送信のタイミング・アドバンスは異なる場合がある。従って、異なるキャリアは異なるタイミング・アドバンス・グループ(Timing Advance Group,TAG)に分類され、1つのTAG内の全てのキャリアは同じTAリファレンス値に対応し、異なるTAGは異なるTAリファレンス値に対応する。TAGがPCell又はPSCellを含む場合、TAGは、本願の実施態様においてpTAGと称される。TAGが如何なるPCell又はPSCellも含まない場合、即ち、TAGがSCellのみを含む場合、TAGは、本願の実施態様においては、sTAGと称される。
また、タイミング・アドバンスとキャリアのデュプレックス・モードとの間にも関係が存在する。
周波数分割複信(Frequency Division Duplexing,FDD)キャリアの場合、アップリンク信号とダウンリンク信号のキャリア周波数は異なり、アップリンクとダウンリンクの両方が常に存在するので、アップリンク-ダウンリンクの切り替えは必要とされない。具体的には、基地局側によって送信されるダウンリンク・フレーム/スロットの開始点は、基地局側によって受信されるアップリンク・フレーム/スロットの開始点と同じであってもよく、あるいは、基地局側におけるダウンリンク・フレーム/スロット境界は、基地局側におけるアップリンク・フレーム/スロット境界と整合していてもよい。従って、UEにより送信されるアップリンク送信の実際のアップリンク・タイミング・アドバンスは、TACにおけるTAリファレンス値に等しい。
時分割複信(Time Division Duplexing,TDD)キャリアの場合、アップリンクとダウンリンクに対して異なるスロットが占められる。従って、基地局とUEとの間の伝送方向が変化する場合、即ち、伝送方向が上り伝送から下り伝送へ、又は下り伝送から上り伝送へ変化する場合には、切り替えを行うためにある時間期間が必要とされる。従って、TDDシステムでは、アップリンクのための十分なスイッチング時間を保証するために、十分なガード・インターバルがスイッチング中に確保されることを必要とする。厳密には、ガード・インターバルは2つの部分を含み、1つの部分はアップリンクからダウンリンクに切り替えるための時間であり、もう1つの部分はダウンリンクからアップリンクに切り替えるための時間である。ガード・インターバルは2つの部分を含む必要があり、後者はTAオフセットに密接に関係している。従って、送信方向がアップリンク送信からダウンリンク送信に変わった場合、UEはTAリファレンス値に基づいてTAを調整する必要がある。実際に調整されたTAは、TAリファレンス値とTAオフセットとの和に等しい。このように、UEがアップリンク送信を完了した後、UEと基地局の両方は、スイッチングを完了するのに十分な時間を有し、基地局は、スイッチング後にダウンリンク信号を通常的に送信することができ、UEは、スイッチング後にダウンリンク信号を通常的に受信することができる。従って、TDDキャリアの場合、UEのアップリンク・タイミング・アドバンスは、TACとTAオフセットのTAリファレンス値の和に等しい。
LTEでは、各TAG内のキャリアは同じTAリファレンス値に対応し、各TAG内の全てのキャリアは同じTAオフセットに対応するので、TAG内の全てのキャリアはまた、同じ実際のTA調整値(TAリファレンス値とTAオフセットとの和)に対応する。このように、適切なTAリファレンス値が異なるユーザーに対して設定されることが可能であり、その結果、各キャリアにおける様々なUEからのアップリンク信号は同期する。しかしながら、NRシステムにおいて、LTEでのTA調整メカニズムに完全に従う場合、複数の異なるTAオフセットが存在する可能性があるので、各TAG内の全てのキャリアは、異なるアップリンク・タイミング・アドバンスに対応する可能性がある。異なるキャリアが異なるTAオフセットに対応する場合において、TAG内の全てのキャリアが異なる実際のTA調整値に対応する場合、1つのキャリアにおける異なるユーザーからのアップリンク信号は同期しない可能性がある。
例えば、1つのサイトでサービス提供を受けるユーザー装置UE1とUE2に関し、キャリア・アグリゲーションがUE1とUE2の両方に設定され、UE1とUE2は両方とも共存するセル1、セル2、セル3によって応対される。セル1、セル2、セル3は、それぞれアップリンク・キャリアに対応する。セル1、セル2及びセル3がそれぞれ1つのアップリンク・キャリアに対応すると仮定すると、セル1、セル2及びセル3に対応するアップリンク・キャリアは、それぞれキャリアCC1、キャリアCC2及びキャリアCC3である。セル1は、UE1のプライマリ・サービング・セルであり、セル2及びセル3は、UE1のセカンダリ・サービング・セルであり;セル1、セル2及びセル3は、全て、UE2のセカンダリ・サービング・セルであると仮定する。UE1及びUE2については、キャリアCC1、キャリアCC2、及びキャリアCC3は、より大きな伝送帯域幅をサポートするために一緒に集約される。3つのキャリアは、共存関係に基づいてネットワーク側で分類され、TAGは、UE1及びUE2の各々に対して設定される。UE1の場合、セル1がUE1のプライマリ・サービング・セルであるので、UE1はpTAGに対応する。同様に、セル1、セル2、及びセル3は全て、UE2のセカンダリ・サービング・セルであるため、UE2は、sTAGに対応する。セル1とセル2の両方がTDDモードを使用し、セル3がFDDモードを使用すると仮定する。TDDキャリアは、TAリファレンス値に基づいて調整される必要がある。従って、TAオフセットが存在する。表1に列挙されるように、pTAGに関する基地局によって設定されるTAリファレンス値は1μsであり、セル1に対応するTAオフセット1は0.1μsであり、セル2に対応するTAオフセット2は0.2μsであり、セル3に対応するTAオフセット3は0.0μsであり;sTAGに関する基地局によって設定されるTAリファレンス値は0.6μsであり、セル1に対応するTAオフセット1は0.05μsであり、セル2に対応するTAオフセット2は0.2μsであり、セル3に対応するTAオフセット3は0.0μsであることが分かる。
LTEプロトコルに規定されているように、通信デバイスは、プライマリ・コンポーネント・キャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいて、TAG内の各キャリアのアップリンク送信タイミングを調整する。従って、pTAGでは、各キャリアに対して実際に使用されるTAオフセットは、プライマリ・コンポーネント・キャリアのTAオフセットと同じである。プライマリ・コンポーネント・キャリアがキャリアCC1であると仮定すると、キャリアCC2のTAオフセット2の実際に使用される値は0.1μsであり、キャリアCC3のTAオフセット3の実際に使用される値は0.1μsである。言い換えれば、キャリアCC1の実際のTA値は1.1μsであり、キャリアCC2の実際のTA調整値は1.1μsであり、キャリアCC3の実際のTA調整値は1.1μsである。
マクロ基地局と小セルはキャリアCC1、キャリアCC2、キャリアCC3をsTAG内で共有するので、キャリアCC1とキャリアCC2もTDDモードを使用し、キャリアCC3もFDDモードを使用する。sTAGでは
、TAリファレンス値は全て0.6μsであり、キャリアCC1とキャリアCC2のTAオフセットは異なる値に対応することが分かる。表2に列挙されているように、キャリアCC1のTAオフセット1は0.05μsであり、キャリアCC2のTAオフセット2は0.2μsである。言い換えれば、キャリアCC1の実際のTA調整値は0.65μsであり、キャリアCC2の実際のTA調整値は0.8μsである。キャリアCC3はFDDモードを使用するので、キャリアCC3の実際のTA調整値は、TAリファレンス値、即ち0.6μsに等しい。
このように、キャリアCC1とキャリアCC2の実際のTA調整値は同じであるので、即ち、どちらも1.1μsであるので、キャリアCC1においてUE1により送られるアップリンク送信及びキャリアCC2においてUE1により送られるアップリンク送信は、マクロ基地局に同時に到達することが可能である。しかしながら、この場合において、sTAGでは、キャリアCC1の実際のTA調整値は0.65μsであり、キャリアCC2の実際のTA調整値は0.8μsである。キャリアCC1においてUE2によって送信されるアップリンク送信が、UE1と同時にマクロ基地局に到着する場合、キャリアCC2においてUE2によって送信されるアップリンク信号は、0.15μs前にマクロ基地局に到着する。明らかに、UE1によって送信されるアップリンク送信及びキャリアCC2においてUE2によって送信されるアップリンク送信は、同期しない。
言い換えれば、UE1に対するキャリアCC1の実際のTA調整値1.1μsとUE1に対するキャリアCC2の実際のTA調整値1.1μsとの差は0μsであり、UE2に対するキャリアCC1の実際のTA調整値0.65μsとUE2に対するキャリアCC2の実際のTA調整値0.8μsとの差は-0.15μsである。アップリンク同期は、1つのCCにおける異なるUEからのアップリンク信号が、マクロ基地局に同時に到達することを要求し、差分0は差分-0.15μsと等しくない。この場合、UE1及びUE2がCC1においてアップリンク同期を実現する場合、UE1及びUE2は、キャリアCC2においてアップリンク同期を実現しない。
従って、NRシステムにおいてキャリア・アグリゲーションが行われる異なるキャリアが、複数の異なるTAオフセットに対応する場合、1つのキャリアにおける異なるユーザーからのアップリンク送信は同期しない可能性がある。
前述の問題を解決するために、本願の実施形態はアップリンク同期方法を提供する。概略フローチャートが図4に示されている。
ステップ401:ネットワーク・デバイスが、タイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信し、タイミング・アドバンス・コマンドはTAリファレンス値を含み、TAリファレンス値はTAG内のキャリアに対応する。
ステップ402:通信デバイスが、キャリアのキャリア情報に基づいてキャリアのTAオフセットを決定する。
ステップ403:通信デバイスが、TAリファレンス値とTAオフセットとに基づいて、TAG内の各キャリアのアップリンク送信タイミングを調整する。
具体的には、ステップ402において、通信デバイスによって決定されるTAG内の各キャリアのTAオフセットは以下の条件を充足する:TAGが第1タイプTAGである場合にTAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も、TAGが第2タイプTAGである場合にTAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分と同じであること。通常、第1タイプTAGはpTAGとも呼ばれ、第2タイプTAGはsTAGとも呼ばれる。換言すれば、TAGがpTAGである場合、pTAG内の第1キャリアのTAオフセットとpTAG内の第2キャリアのTAオフセットとの間の差分は第1差分であり;又はTAGがsTAGである場合、sTAG内の第1キャリアのTAオフセットとsTAG内の第2キャリアのTAオフセットとの間の差分は第2差分であり、第1差分は第2差分と同じである。ここで、第1キャリア及び第2キャリアは、TAG内の任意の2つのキャリアである。
1つの通信デバイスに対して、通信デバイスに対応するTAGは、pTAG又はsTAGである可能性があることは指摘されるすべきである。換言すれば、通信デバイスは、pTAG及びsTAGのうちの一方のみに対応することが可能である。確かに、TAGがpTAGである場合に通信デバイスに対応するTAGに含まれるキャリアは、TAGがsTAGである場合に通信デバイスに対応するTAGに含まれるキャリアと同じである。pTAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も、sTAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分と同じであるので、1つのCCにおける異なるUEからのアップリンク信号は、基地局に同時に到達することが可能である。
例えば、図3に示すように、UE2は
マクロ基地局からTACを受信し、TACはsTAGに対応する0.6μsの
TAリファレンス値を含む。TAオフセットが充足することを要する条件に基づいて、UE2は、以下の設定を実行する:sTAGにおいて、表3に示されるように、キャリアCC1のTAオフセット1が0.05μsであり、キャリアCC2のTAオフセット2が0.2μsであり、キャリアCC3のTAオフセット3が0μsであること;又はpTAGにおいて、表4に示されるように、キャリアCC1のTAオフセット1が0.1μsであり、キャリアCC2のTAオフセット2が0.25μsであり、キャリアCC3のTAオフセット3が0.05μsであること。sTAGにおいてキャリアCC1のTAオフセット1とキャリアCC2のTAオフセット2との間の差分は-0.15μsであり、pTAGにおいてキャリアCC1のTAオフセット1とキャリアCC2のTAオフセット2との間の差も-0.15μsであり;sTAGにおいてキャリアCC2のTAオフセット2とキャリアCC3のTAオフセット3との間の差分は0.2μsであり、pTAGにおいてキャリアCC
2のTAオフセット1とキャリアCC
3のTAオフセット2との間の差分も0.2であり;sTAGにおいてキャリアCC1のTAオフセット1とキャリアCC3のTAオフセット3との間の差分は0.05μsであり、pTAGにおいてキャリアCC1のTAオフセット1とキャリアCC3のTAオフセット3との間の差も0.05であることを学ぶことができる。
表3
表4
LTEプロトコルの規定を考慮すると、通信デバイスは、プライマリ・コンポーネント・キャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいて、TAG内の各キャリアのアップリンク送信タイミングを調整する。従って、pTAGにおいて、各キャリアに対して実際に使用されるTAオフセットは、プライマリ・コンポーネント・キャリアのTAオフセットと同じである。表4のpTAGが依然としてLTEプロトコルの規定に従う場合、アップリンク同期は依然として実現することができない。従って、本願のこの実施形態では、TAG内の全てのキャリアのTAオフセットが別々に設定されることが規定される。TAオフセットを別々に設定することは以下を意味する:キャリアAとキャリアBという2つのキャリアがpTAG内に存在する場合、端末は、キャリアBのTAオフセットを参照することなくキャリアAのTAオフセットを決定するか、又は端末は、キャリアBのTAオフセットとは異なるキャリアAのTAオフセットを決定する。簡易な個別設定方法は、pTAGとsTAGの両方で1つのキャリアに同じTAオフセットを設定することである。別の例として、表4において、pTAGにおいて、各キャリアに対して実際に使用されるTAオフセットは、プライマリ・コンポーネント・キャリアのTAオフセットと同じではない。プライマリ・コンポーネント・キャリアがキャリアCC1であると仮定すると、キャリアCC2のTAオフセット2の実際に使用される値は、依然として0.25μsであり、sTAGのキャリアCC2に使用されるTAオフセットと同じであり;キャリアCC3のTAオフセット3の実際に使用される値は、依然として0.05μsである。
本願のこの実施形態では、1つのアップリンク・キャリアにおける異なるユーザー間の信号同期は、代替的に、別の方法で実現されてもよい。例えば、あるUEがpTAG及びsTAG内の異なるアップリンク・キャリアで信号を送信するフレーム/スロット境界は同じであることが規定される。ここで、幾つかのフレーム/スロット境界が同じであることの主な理由は、異なる数に関するスロット長(キャリア情報)が異なることである。例えば、キャリアCC1のサブキャリア間隔は15kHzであり、スロットの持続時間は1msであり;キャリアCC2のサブキャリア間隔は30kHzであり、スロットの持続時間は0.5msである。この場合、CC1における1つのスロットは、CC2における2つのスロットに対応し、CC1におけるスロットは、CC2における2つの連続するスロットにおける第1スロットと同じ開始点を有し、CC2における2つの連続するスロットにおける第2スロットと同じ終点を有する。この解決策では、本願のこの実施形態において解決される必要がある問題は、TAG内の異なるキャリアが異なるTAオフセットに対応する場合に、TAGのTAオフセットをどのようにして決定するかであり、その結果、タイミング・アドバンスが実行される場合に、タイミング・アドバンスを調整するために、全てのキャリアに対して同じTAオフセットが使用される。現在のpTAGでは、TAオフセットはPCell又はPSCellに対応するTAオフセットである。従って、本発明は、主に、sTAG内の全てのキャリアに対して実際に使用されるTAオフセットを決定する方法を論じる。オプションとして、この方法はpTAGに適用されてもよい。
ある方法において、通信デバイスは、TAリファレンス値と最大TAオフセットとに基づいて、TAG内の各キャリアのアップリンク送信タイミングを調整し、TAオフセットの最大値は、TAG内の全てのキャリアのTAオフセットの最大値である。例えば、図3において、表1及び表2に現在存在する問題点は
次のとおりである:UE1に対するキャリアCC1の実際のTA調整値1.1μsとUE1に対するキャリアCC2の実際のTA調整値1.1μsとの間の差分は0であり、そして、UE2に対するキャリアCC1の実際のTA調整値0.65μsとUE2に対するキャリアCC2の実際のTA調整値0.8μsとの間の差分は-0.15μsであ
る。2つの差分は等しくないので、UE1とUE2はキャリアCC2においてアップリンク同期を実現しない。この問題を解決するために、UE
2は、sTAG内の3つのキャリアのアップリンク送信タイミングを調整するために、sTAG内で最大のTAオフセット0.2μsを使用することを選択することができる。具体的には、表5に列挙されるように、sTAGにおいて、キャリアCC1の実際の調整値は0.8μsであり、キャリアCC2の実際の調整値は0.8μsであり、キャリアCC3の実際の調整値は0.8μsである。このように、UE1に対するキャリアCC1の実際のTA調整値1.1μsとUE1に対するキャリアCC2の実際のTA調整値1.1μsとの間の差分は0であり、UE2に対するキャリアCC
1の実際のTA調整値0.8μsとUE2に対するキャリアCC2の実際のTA調整値0.8μsとの間の差分も0である。従って、UE1とUE2がCC1においてアップリンク同期を実現する場合、UE1とUE2もキャリアCC2においてアップリンク同期を実現する。
表5
全てのキャリアに対して実際に使用されるTAオフセットを決定する上記の方法に加えて、最小番号のSCellIndex、即ち最小のSCellIndexに対応するTAオフセットが、sTAG内の全てのキャリアに対して実際に使用されるTAオフセットとして選択されることが可能である。セル1のSCellIndexが5であり、セル2のSCellIndexが3であり、セル3のSCellIndexが6であると仮定すると、セル2のTAオフセット0.2μsが、セル1、セル2、セル3に実際に使用されるTAオフセットとして選択される。最終的な調整結果が更に表5に列挙されている。
予め設定されたルールに加えて、基地局は、ユーザーに対して、sTAGで使用されるTAオフセットを設定することにより、TAG内の全てのキャリアに使用される実際のTAオフセットを示すことが可能である。
本願のこの実施形態では、キャリアの様々なTAオフセットが、キャリアの様々なキャリア情報に基づいて、通信デバイスによって決定されることが可能である。キャリア情報は、通常、数であり、その数は通信システムで使用されるパラメータである。通信システム(例えば、5Gシステム)は、複数の数をサポートすることが可能である。数は、サブキャリア間隔、サイクリック・プレフィックス(cyclic prefix,CP)、時間単位、帯域幅などの1つ以上のパラメータ情報を使用することにより定義されることが可能である。
例えば、数はサブキャリア間隔とCPとを利用することにより定義されることが可能である。サブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、60kHz、120kHz、240kHz、480kHz等とすることが可能である。例えば、異なるサブキャリア間隔は、15kHzの整数倍であってもよい。サブキャリア間隔は、代替的に、別の値に設計されてもよいことを理解することができる。CP情報は、CP長及び/又はCPタイプを含んでもよい。例えば、CPは、ノーマルCP(normal CP,NCP)又は拡張CP(extended CP,ECP)であってもよい。
時間単位は、時間ドメインにおける時間単位を表すために使用される。例えば、時間単位は、サンプリング・ポイント、シンボル、ミニ・スロット、スロット、サブフレーム、又は無線フレームであってもよい。時間単位情報は、時間単位のタイプ、長さ、又は構造などを含んでもよい。帯域幅(bandwidth)は、周波数ドメインにおいて連続するリソースであってもよい。しばしば、帯域幅は、帯域幅部分(bandwidth part,BWP)、キャリア帯域幅部分(carrier bandwidth part)、サブバンド(subband)帯域幅、狭帯域(narrowband)帯域幅、又は別の名称で呼ばれることがある。名称は本願において限定されない。例えば、1つのBWPは、K(K>0)個の連続するサブキャリアを含み;あるいは、1つのBWPは、N個の重複しない連続するリソース・ブロック(resource block,RB)に対応する周波数ドメイン・リソースであり、RBのサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、60kHz、120kHz、240kHz、480kHz、又は別の値であってもよい。あるいは、1つのBWPは、M個の重複しない連続するリソース・ブロック・グループ(RBG)に対応する周波数ドメイン・リソースであり、1つのRBGはP個の連続するRBを含み、RBのサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、60kHz、120kHz、240kHz、480kHz、又は別の値、例えば15kHz×2の整数倍であってもよい。
キャリア情報は、サブキャリア間隔又は帯域幅などのパラメータを利用することによって定義されることが可能であるので、異なるTAオフセットは、異なるパラメータに基づいて決定されることが可能である。以下、具体的に幾つかの実装を説明する。
実装1において、通信デバイスは、キャリアのサブキャリア間隔に基づいて各キャリアのTAオフセットを決定する。例えば、サブキャリア間隔が15kHz、30kHz及び60kHzであるキャリアは、同じTAオフセットに対応し、サブキャリア間隔が120kHzであるキャリアと、サブキャリア間隔が120kHzより大きい他のキャリアとは、同じTAオフセットに対応する。一般に、サブキャリア間隔が60kHz以下のキャリアと、サブキャリア間隔が60kHz以上のキャリアは、1つのTAG内に共存できないことが規定される。換言すれば、1つのTAGは、サブキャリア間隔が60kHz以下である複数のキャリアのみを含むか、あるいはサブキャリア間隔が60kHzより大きい複数のキャリアのみを含む。
実装2において、何らかのキャリアに関し、通信デバイスは、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満であるか否かを判断し、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満である場合、通信デバイスは、キャリアのTAオフセットは第1閾値であると判断し;あるいはキャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満ではない場合、通信デバイスは、キャリアのTAオフセットは第2閾値であると判断し、ここで、第1閾値は第2閾値より大きい。例えば、6GHzを境界点として使用すると、周波数バンドが6GHz未満であるキャリアのTAオフセットは約13μsであり、周波数バンドが6GHz以上であるキャリアのTAオフセットは約7μsである。
図5は本願による別のアップリンク同期プロセスの一例を示す。方法は、ネットワーク・デバイスによって実行される。
ステップ501:ネットワーク・デバイスが、通信デバイスにより送信されたアップリンク信号に基づいて、アップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとを決定し、アップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとはタイミング・アドバンス・グループTAG内のキャリアに対応し、キャリアはアップリンク信号を搬送するために使用される。
ステップ502:ネットワーク・デバイスが、アップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとに基づいて、TAGのTAリファレンス値を決定し、TAリファレンス値は、アップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとの間の差分である。
ステップ503:ネットワーク・デバイスが、タイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信し、タイミング・アドバンス・コマンドはTAリファレンス値を含む。
ネットワーク・デバイスにより決定されるTAGのTAリファレンス値は、TAG内の各キャリアのアップリンク・タイミング・アドバンスとキャリアのTAオフセットとの間の差分であり、TAオフセットは以下の条件:pTAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も、sTAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分と同じであること;を充足する。
換言すると、ネットワーク・デバイスは、1つのセルにおいて通信デバイスにより送信されたアップリンク信号を受信し、UEがプリアンブル(preamble)信号を送信していることを検出し、受信したプリアンブル信号を利用することによりTAリファレンス値を推定する。また、TAGを形成する場合に、基地局は、同一のTAオフセット値を有するキャリアを、1つのグループに配置する。これは、端末からのアップリンク送信が非同期であるという問題を回避することができる。例えば、図2においてpTAG及びsTAGを形成する場合に、基地局は、表6及び表7に列挙されるように、同じTAリファレンス値及び同じTAオフセットを有するキャリアCC1及びキャリアCC2を、1つのグループに分類する。
基地局が積極的にTAGグループ化を調整する方法に加えて、本発明のこの実施形態におけるTAオフセットを調整する別の方法については、通信デバイス側に関して提示された実装を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
通信デバイスによって実行されるアップリンク伝送方法に関し、本願は装置を提供する。装置によって実行される具体的な内容については、前述の方法の実施形態を参照されたい。図6は、本願で提供される装置の概略的な構造図である。装置は、受信ユニット601及び処理ユニット602を含む。
受信ユニット601は、ネットワーク・デバイスによって送信されたタイミング・アドバンス・コマンドを受信するように構成され、タイミング・アドバンス・コマンドはタイミング・アドバンスTAリファレンス値を含み、TAリファレンス値はタイミング・アドバンス・グループTAG内のキャリアに対応する。
処理ユニット602は:キャリアのキャリア情報に基づいてキャリアのTAオフセットを決定し、キャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいてキャリアのアップリンク送信タイミングを調整するように構成される。
TAGが複数のキャリアを含む場合、TAオフセットは以下の条件:
TAGが第1タイプTAGである場合には、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第1差分であり;又はTAGが第2タイプTAGである場合には、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第2差分であり;第1差分は第2差分と同じであり、第1タイプTAG内の少なくとも1つのキャリアはプライマリ・サービング・セルPCell又はプライマリ・セカンダリ・サービング・セルPSCellに対応し、第2タイプTAG内の全てのキャリアはセカンダリ・サービング・セルScellに対応すること;
を充足する。
実施形態において、TAGが複数のキャリアを含む場合、処理ユニット602は、TAリファレンス値と最大TAオフセットとに基づいて、TA内の複数のキャリアのアップリンク送信タイミングを調整するように構成され、最大TAオフセットは、複数のキャリアのTAオフセットの最大値である。例えば、キャリアAに対応するTAオフセットは0.1μsであり、キャリアBに対応するTAオフセットは0.2μsである。この場合、キャリアAに対応するTAオフセットは0.2μsであり、且つキャリアBに対応するTAオフセットは0.2μsであると最終的に決定される。
別の実施形態では、処理ユニット602は、キャリアの周波数バンドに基づいてキャリアのTAオフセットを決定するように構成され、ここで、
キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値以上である場合に決定されるTAオフセットよりも大きい。
別の可能な実施において、処理ユニット602は、キャリアのサブキャリア間隔に基づいて各キャリアのTAオフセットを決定するように構成され、ここで、
キャリアのサブキャリア間隔が特定の値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。
可能な実装において、TAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以下であるか、又はTAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以上である。代替的に、TAG内の全てのキャリアのTAオフセットは別々に設定される。
本願のこの実施形態において、これらのユニットは図4の実施形態における対応する機能を実行することが可能である。詳細については、実施形態の詳細な説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
本願において、通信デバイスは前述の実施形態に基づいて機能モジュールに区分されることが可能である。例えば、種々の機能に対応する機能モジュールが区分けによって得られてもよいし、あるいは少なくとも2つの機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形式で実装されてもよいし、あるいはソフトウェア機能モジュールの形式で実装されてもよい。本願において、モジュールの区分けは一例であり、単なる論理な機能の区分けに過ぎないことに留意すべきである。実際の実装の際には別の区分け方法が使用されてもよい。
ネットワーク・デバイスによって実行される上記アップリンク同期方法に関し、本願は装置を提供する。装置によって実行される具体的な内容については、前述の方法の実施形態を参照されたい。図7は、本願で提供される装置の概略構造図である。装置は、処理ユニット701と送信ユニット702とを含む。
処理ユニット701は:通信デバイスによって送信されたアップリンク信号に基づいて、アップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとを判定し、アップリンク・タイミング・アドバンス及びTAオフセットに基づいてTAリファレンス値を判定するように構成されており、TAリファレンス値は、タイミング・アドバンス・グループTAG内のキャリアに対応し、TAリファレンス値は、アップリンク・タイミング・アドバンスとTAオフセットとの間の差分である。
送信ユニット702は、タイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信するように構成されており、タイミング・アドバンス・コマンドはTAリファレンス値を含む。
TAGが複数のキャリアを含む場合、TAオフセットは以下の条件:
TAGが第1タイプTAGである場合、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第1差分であり、TAGが第2タイプTAGである場合、TAG内のどの2つのキャリアのTAオフセット間の差分も第2差分であり、第1差分は第2差分と同じであり、第1タイプTAG内の少なくとも1つのキャリアは、プライマリ・サービング・セルPCell又はプライマリ・セカンダリ・サービング・セルPSCellに対応し、第2タイプTAG内の全てのキャリアは、セカンダリ・サービング・セルSCellに対応する;
を充足することに留意すべきである。
可能な設計において、処理ユニット701は、アップリンク・タイミング・アドバンスと最大TAオフセットとに基づいてTAリファレンス値を決定するように具体的に構成され、最大TAオフセットは、通信デバイスに応対するTAG内の複数のキャリアのTAオフセットの最大値である。
TAGにおける各キャリアのアップリンク送信タイミングは、TAリファレンス値と最大TAオフセットとを利用することにより調整されることを学ぶことが可能である。従って、第1差分及び第2差分は両方とも0であり、なぜなら、これは他のTAGにおける通信デバイスと同じセル内に位置する別の通信デバイスからのアップリンク送信とのアップリンク同期を保証できるからである。
可能な設計において、処理ユニット701は、キャリアの周波数バンドに基づいてキャリアのTAオフセットを決定するように具体的に構成され、ここで、
キャリアの周波数バンドが特定の周波数値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアの周波数バンドが特定の周波数値以上である場合に決定されるTAオフセットよりも大きい。
別の可能な設計において、処理ユニット701は、キャリアのサブキャリア間隔に基づいて各キャリアのTAオフセットを決定するように具体的に構成され、ここで、
キャリアのサブキャリア間隔が特定の値未満である場合に決定されるTAオフセットは、キャリアのサブキャリア間隔が特定の値以上である場合に決定されるTAオフセットより大きい。
可能な実装において、TAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以下である、又はTAG内のキャリアに対応するサブキャリア間隔は60kHz以上である。代替的に、TAG内の全てのキャリアのTAオフセットは別々に設定される。
装置は、本願で提供されるアップリンク同期方法において、ネットワーク・デバイスにより実行されるステップを実現するように構成されてもよいことを理解すべきである。関連する機能については、前述の説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
本願において、ネットワーク・デバイスは前述の実施形態に基づいて機能モジュールに区分されることが可能である。例えば、種々の機能に対応する機能モジュールが区分けによって得られてもよいし、あるいは少なくとも2つの機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形式で実装されてもよいし、あるいはソフトウェア機能モジュールの形式で実装されてもよい。本願において、モジュールの区分けは一例であり、単なる論理な機能の区分けに過ぎないことに留意すべきである。実際の実装の際には別の区分け方法が使用されてもよい。
本願において記憶することは、1つ以上のメモリに記憶することを意味する可能性がある。1つ以上のメモリは、別々に配置されてもよいし、あるいはエンコーダ又はデコーダ、プロセッサ、チップ、通信装置、又は端末に統合されてもよい。代替的に、1つ以上のうちの幾つかのメモリは別々に配置されてもよいし、1つ以上のうちの幾つかのメモリは、デコーダ、プロセッサ、チップ、通信装置、又は端末に統合されてもよい。メモリは任意の形式の記憶媒体であってもよい。これは本願において限定されない。
本願の実施形態は通信装置を更に提供する。通信装置はプロセッサとメモリとを含む。メモリはコンピュータ・プログラムを記憶する。プロセッサがメモリに記憶されたコンピュータ・プログラムを読み出して実行する場合に、通信装置は、図4に示されるプロセスにおいて通信デバイスにより実行される方法、又は図5に示されるプロセスにおいてネットワーク・デバイスにより実行される方法を実現することが可能である。図8は、通信装置800の概略構造図である。装置800は、前述の方法の実施形態で説明される方法を実現するように構成されることが可能である。詳細については、前述の方法の実施形態における説明を参照されたい。通信装置800は、チップ、基地局、端末、又は他のネットワーク・デバイスであってもよい。
通信装置800は1つ以上のプロセッサ801を含む。プロセッサ801は、汎用プロセッサ、専用プロセッサなどであってもよい。例えば、プロセッサ801は、ベースバンド・プロセッサ又は中央処理ユニットであってもよい。ベースバンド・プロセッサは、通信プロトコルと通信データとを処理するように構成されることが可能であり、中央処理ユニットは:通信装置(基地局、端末、又はチップなど)を制御し、ソフトウェア・プログラムを実行し、ソフトウェア・プログラムのデータを処理するように構成されることが可能である。
可能な設計において、図6及び図7に示される1つ以上のモジュールは、1つ以上のプロセッサ、又は1つ以上のプロセッサ及びメモリを利用することによって実現されてもよい。
可能な設計において、通信装置800は1つ以上のプロセッサ801を含み、1つ以上のプロセッサ801は、前述のアップリンク同期方法を実現することが可能である。例えば、通信装置は基地局であってもよい。アップリンクTAリファレンス値及びTAオフセットの決定については、図4及び図5の関連する部分の説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
オプションとして、設計において、プロセッサ801は命令803(場合によっては、コード又はプログラムとも呼ばれる)を含んでもよい。命令は、通信装置800が前述の実施形態で説明された方法を実行するように、プロセッサ上で動作することが可能である。別の可能な設計において、通信デバイス800は回路を更に含む可能性があり、回路は、前述の実施形態におけるアップリンク同期機能を実現することが可能である。
オプションとして、設計において、通信装置800は1つ以上のメモリ802を含んでもよい。メモリ802は命令804を記憶し、命令は、通信装置800が前述の方法の実施形態で説明された方法を実行するように、プロセッサ上で動作することが可能である。
オプションとして、メモリは更にデータを格納することが可能である。オプションとして、プロセッサは、命令及び/又はデータを格納することも可能である。プロセッサ及びメモリは、別々に配置されてもよいし、あるいは一緒に統合されてもよい。
オプションとして、前述の実施形態において「記憶すること」は、メモリ802に記憶すること、又は他の周辺メモリ又は記憶装置に記憶することを意味する可能性がある。
オプションとして、通信装置800は、トランシーバ805とアンテナ806とを更に含んでもよい。プロセッサ801は、処理ユニットと言及されてもよく、通信装置(端末又は基地局)を制御することができる。トランシーバ805は、トランシーバ・ユニット、トランシーバ、トランシーバ回路などと呼ばれ、アンテナ806を利用することにより通信装置の送信及び受信の機能を実現するように構成される。
前述の装置の実施形態の具体的な実装は、方法の実施形態のものに対応する。装置の実施形態の具体的な実装及び有益な効果については、方法の実施形態の関連する説明を参照されたい。
本願の実施形態はチップを更に提供する。チップはメモリに接続され、メモリはコンピュータ・プログラムを記憶し、チップは、メモリに記憶されたコンピュータ・プログラムを読み出して実行し、図4に示されるプロセスにおいて通信デバイスによって実行される方法、又は図5に示されるプロセスにおいてネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現するように構成される。
本願の実施形態はコンピュータ記憶媒体を更に提供する。コンピュータ記憶媒体はプログラム・コードを記憶する。記憶されたプログラム・コードがプロセッサによって実行されると、プログラム・コードは、本願の図4に示されるプロセスにおいて通信デバイスによって実行される方法を実現するために使用される。
本願の実施形態はコンピュータ記憶媒体を更に提供する。コンピュータ記憶媒体はプログラム・コードを記憶する。記憶されたプログラム・コードがプロセッサによって実行されると、プログラム・コードは、本願の図5に示されるプロセスにおいてネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現するために使用される。
本願の実施形態はコンピュータ・プログラム・プロダクトを更に提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトはコンピュータ・ソフトウェア命令を含み、コンピュータ・ソフトウェア命令は、プロセッサによってロードされ、本願の図4に示されるプロセスにおいて通信デバイスによって実行される方法を実現することができる。
本願の実施形態はコンピュータ・プログラム・プロダクトを更に提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトはコンピュータ・ソフトウェア命令を含み、コンピュータ・ソフトウェア命令は、プロセッサによってロードされて、本願の図5に示されるプロセスにおいてネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現することができる。
本願の実施形態は、更に、アップリンク同期方法を提供する。アップリンク同期法は、デュアル・コネクティビティ技術が導入される通信システムに適用可能である。デュアル・コネクティビティ技術では、複数の基地局が同時に端末に応対する。代替的に、アップリンク同期方法もまた、非理想的なバックホールの前提の下でキャリア・アグリゲーションに適用可能である。例えば、1つの端末が2つの基地局に接続されることが可能であり、それらはデータ通信のために非理想的なバックホールを介して接続される。典型的なシナリオは次のとおりである:1つの基地局がマクロ基地局であり、もう1つの基地局がスモール基地局、マイクロ基地局、又はピコ基地局である。例えば、マクロ基地局とスモール基地局は、標準的なX2インターフェースを介して接続される。図9は、デュアル・コネクティビティの制御プレーン・アーキテクチャ・トポロジーである。901は、マスター基地局MeNBを表し、MeNBはマクロ基地局であってもよく;902は、セカンダリ基地局SeNBを表し、SeNBは代替的にスモール基地局であってもよく;903は、コア・ネットワーク・デバイス、例えばモビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity,MME)を表す。端末、MeNB、及びMMEの間のシグナリング接続は次のようであってもよい:例えば、端末は1つの無線リソース制御(RRC)シグナリング(Radio Resource Control,RRC)リンクと1つのS1シグナリング・リンクとを有する。SeNBとMeNBは、X2インターフェース又は拡張X2インターフェースを介して接続される。
キャリア・アグリゲーションは、図9のMeNB及びSeNBの両方に設定されることが可能である。エボルブド・ユニバーサル地上無線アクセス・ネットワーク(Terrestrial Radio Access Network,E-UTRAN)-ニュー・ラジオ(new radio,NR)デュアル接続モード(略称EN-DCモード)において、ネットワークの発展段階を考慮して、現在デフォルトではE-UTRANはマスター・セル・グループに対応し、NRはセカンダリ・セル・グループに対応する。NRはまた、新世代ネットワークとも呼ばれてもよい。現在サポートされているEN-DCバンド(bandwidth)の組み合わせは、以下のいずれかのバンドの組み合わせを含む:
LTE:例えばバンド3であり、ここで、ダウンリンク帯域幅は1805MHz~1880MHzである可能性があり、アップリンク帯域幅は1710MHz~1785MHzであり(これは、FDDバンド周波数分割複信帯域幅である)、アップリンク(uplink,UL)キャリアを含む。
NR:例えばバンド78であり、ここで、アップリンクとダウンリンク帯域幅の両方が3300MHz~3800MHzである可能性がある。
NR:例えばバンド80であり、ここで、アップリンク帯域幅は1710MHz~1785MHzである可能性があり、補助アップリンク・キャリア(supplementary uplink,SUL)を含む。
NR SULキャリアとLTE UL(アップリンク)キャリアとは同じスペクトル・リソースを共有することを学ぶことができる。例えば、SULキャリアに対応する1つの1.8GLTEセル及び1つのNRセルはEN-DCを形成する。オプションとして、NR SULキャリアとLTE ULキャリアとが同じ動作周波数である場合、UEはLTEバンド3の1.8Gキャリア上で動作するだけでなく、NR SULバンド80の1.8G SULキャリア上でも動作することが可能である。この場合、LTE ULキャリア及びNR SULキャリアは、TDM時分割多重モード又はFDM周波数分割多重モードにおいて1.8Gアップリンク周波数ドメイン・リソースで多重化されることが可能である。図10は、TDM時分割多重化の例示的な図である。本発明のこの実施形態では、NR SULキャリア及びNR ULキャリアは、1つのTAGに属する可能性があり、NR SULキャリアのTAオフセットは、NR ULキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。
本発明のこの実施形態では、アップリンク・リソースは、アップリンク送信に使用されるキャリアの一部(非CAシナリオのキャリア及びCAシナリオのCCを含む)又はアップリンク送信に使用されるサービング・セルの一部(CAシナリオのサービング・セル及び非CAシナリオのサービング・セルを含む)として理解されることが可能である。CAシナリオにおけるCCは、プライマリCC又はセカンダリCCである可能性があり、CAシナリオにおけるサービング・セルは、プライマリ・セル(primary cell,PCell)又はセカンダリ・セル(Secondary cell,SCell)である可能性がある。アップリンク・リソースは、アップリンク・キャリアと言及される可能性もある。相応して、ダウンリンク伝送に使用されるキャリア又はサービング・セルの一部は、ダウンリンク・リソース又はダウンリンク・キャリアとして理解されることが可能である。例えば、周波数分割複信(FDD)において、キャリアでアップリンク送信に使用される周波数リソースは、アップリンク・リソース又はアップリンク・キャリアとして理解されることが可能であり、ダウンリンク送信に使用される周波数リソースは、ダウンリンク・リソース又はダウンリンク・キャリアとして理解されることが可能である。別の例として、時分割複信(time division duplex,TDD)システムにおいて、キャリアでアップリンク送信に使用される時間ドメイン・リソースは、アップリンク・リソース又はアップリンク・キャリアとして理解されることが可能であり、ダウンリンク送信に使用される時間ドメイン・リソースは、ダウンリンク・リソース又はダウンリンク・キャリアとして理解されることが可能である。
LTE及びNRにおいて、セルは上位レイヤの概念であり、キャリアは物理レイヤの概念であることは指摘されるべきである。セルとキャリアとの間には対応がある。例えば、LTEでは、1つのセルは、1対のアップリンク及びダウンリンク・キャリア、又は唯1つのダウンリンク・キャリアを含むように設定されることが可能である。NRにおいて、1つのセルは、1対のアップリンク及びダウンリンク・キャリア、又は唯1つのダウンリンク・キャリア、又は1つのダウンリンク・キャリア、1つのアップリンク・キャリア、及び1つの補助アップリンク・キャリア(SUL)を含むように設定されてもよい。キャリアとセルとの間の対応関係に起因して、1つのキャリアは1つのセルのみに対応し、いったんセルが設定されると、対応するキャリアを見出すことが可能であり、あるいはいったんキャリアが設定されると、対応するセルを見出すことが可能である。従って、セルとキャリアは、本発明において互いに厳密には区別されず、混同が生じない場合には可換に使用されることが可能である。
前述のEN-DCのシナリオでは、LTE FDDキャリアに対応するNTA-offset1は0であるので、UEによって調整されるLTE ULキャリアのタイミング・アドバンスは、TAリファレンス値、即ちNTA1=TA1+NTA-offset1に基づいて決定されることが可能である。しかしながら、NR3.5G TDDキャリアのNTA-offset2は13μsであり、UEによって調整されるSULキャリアのタイミング・アドバンスは、TAリファレンス値及びTAオフセット、即ちNTA2=TA2+NTA-offset2に基づいて決定されることが可能である。NR SULキャリアとLTE ULキャリアは、LTE ULの時間-周波リソースを共有するので、時間ドメインにおける直交性を保証するために、LTE ULキャリアのタイミング・アドバンスは、NR SULキャリアのタイミング・アドバンス、即ち、TA1+NTA-offset1=TA2+NTA-offset2に等しいことを必要とする。ここで、LTEはFDDキャリアを使用し、即ちNTA-offset1=0である一方、LTEネットワーク及びNRネットワークにより送信されるTAリファレンス値TA1及びTA2はともに0以上である。従って、2つのTA調整値が等しいことを保証するために、LTE ULキャリアのTA1はSULキャリアのTAオフセット以上、即ちTA1≧NTA-offset2であることが少なくとも保証されることを必要とする。UEにより受信されるLTE ULキャリアのTAコマンドは、取得したTA1がSULキャリアのTAオフセット以上であることを前提とする。本発明のこの実施形態では、オプションとして、LTEの場合において、受信したTA1がNTA-offset2以上であると判断した場合、UEは、アップリンク同期を実現するために、LTE ULキャリアと同じ周波数のSULセルをPSCellとして追加することができる。NRの場合において、受信したTA2がNTA-offset1-NTA-offset2以上であると判断した場合、UEは、アップリンク同期を実現するために、LTE ULキャリアと同じ周波数のSULセルをPSCellとして追加する。
以上の理由から、本願の実施形態は、図11に示すように、アップリンク同期方法の概略フローチャートを提供する。
ステップ1101:第1ネットワーク・デバイスが、リクエストを第2ネットワーク・デバイスへ送信する。
このステップでは、第1ネットワーク・デバイスは、第2ネットワーク・デバイスから上記の情報を取得するために、第2TAG内の第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセット及び/又は第2TAリファレンス値を、第2ネットワーク・デバイスから要求することができる。
ステップ1102:第1ネットワーク・デバイスが、第2TAG内の第2アップリンク・キャリアの第2TAオフセットと第2TAリファレンス値とに基づいて、第1TAG内の第1アップリンク・キャリアの第1TAリファレンス値を決定する。
ステップ1103:第1ネットワーク・デバイスが、第1TAリファレンス値を含むタイミング・アドバンス・コマンドを通信デバイスに送信する。
前述のステップにおいて、第1TAGは第1通信規格の第1ネットワーク・デバイスに対応し、第2TAGは第2通信規格の第2ネットワーク・デバイスに対応する。第2TAオフセットは、予め定義された固定値であってもよい。この場合、第1ネットワーク・デバイスは、第2ネットワーク・デバイスから第2TAオフセットを要求しないかもしれない。例えば、EN-DCシナリオにおいて、第1通信規格はLTEであってもよく、第2通信規格はNRである;又は第1通信規格はNRであってもよく、第2通信規格はLTEである。
以下、2つのシナリオを別々に説明する。
シナリオ1
第1通信規格がLTEであり、第2通信規格がNRである場合、第1ネットワーク・デバイスはLTE基地局である可能性があり、第2ネットワーク・デバイスはNR基地局である可能性があり、第1アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアである可能性があり、第2アップリンク・キャリアはNR SULキャリアである可能性がある。このシナリオでは、LTE基地局は、NR基地局から、NR SULキャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とを取得し、NR SULキャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいてLTE ULキャリアのTAリファレンス値を決定する。LTE基地局は、決定されたTAリファレンス値を、タイミング・アドバンス・コマンド(timing advance command,TAC)を利用することにより、通信デバイスに送信することが可能であり、通信デバイスは、ULキャリアのTAリファレンス値とULキャリアのTAオフセットとに基づいて、ULキャリアのアップリンク送信タイミングを調整する。
例えば、NRアップリンク・タイミング・アドバンスについては、NTA2=TA2+NTA-offset2であり、ここで、TA2は図11の第2TAリファレンス値を表し、NTA-offset2は図11の第2TAオフセットを表す。LTEアップリンク・タイミング・アドバンスについては、NTA1=TA1+NTA-offset1であり、ここで、TA1は図11の第1TAリファレンス値を表し、NTA-offset1は図11の第1TAオフセットを表す。従って、アップリンク同期を実現するために、NTA2はNTA1に等しいことを必要とし、LTE基地局は、NR基地局のTA2とNTA-offset2とをNR基地局から取得することを必要とする。
可能な実装において、LTE基地局は、TA1が、少なくともNR基地局のNTA-offset2とLTE基地局のNTA-offset1との間の差分より少なくとも大きいか又は等しいことを判定する。例えば、TA1はTA2+NTA-offset2-NTA-offset1に等しい。
別の可能な実装において、第1アップリンク・キャリアがFDDキャリアである場合、通常、NTA-offset1は0に等しく、LTE基地局によって配信されるTA1は、NR基地局のNTA-offset2より少なくとも大きいか又は等しい。NR基地局のSULキャリアのNTA-offset2は、通常、SULキャリアと同じサービング・セルに対応するNR ULキャリアのTAオフセットに等しいことに留意すべきである。
更に別の可能な実装において、LTE ULキャリアが属するTAGが更に少なくとも1つのLTE TDDキャリアを有する場合、TAGは第2ネットワーク・デバイスに対応する第2TAGであり、LTE ULキャリアのNTA-offset1は0からLTE TDDキャリアのTAオフセットに等しい値に変化する。この場合、TA1は、少なくとも、NR基地局のNTA-offset2とLTE基地局のNTA-offset1との間の差分以上である。
シナリオ2
第1通信規格がNRであり、第2通信規格がLTEである場合、第1ネットワーク・デバイスはNR基地局である可能性があり、第2ネットワーク・デバイスはLTE基地局である可能性があり、第1アップリンク・キャリアはNR SULキャリアである可能性があり、第2のアップリンク・キャリアはLTE ULキャリアである可能性がある。この場合、第1アップリンク・キャリア及び第2アップリンク・キャリアは、イントラ周波数キャリアであってもよい。このシナリオでは、NR基地局は、LTE基地局から、LTE ULキャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とを取得し、LTE ULキャリアのTAオフセットとTAリファレンス値とに基づいてNR SULキャリアのTAリファレンス値を決定し、ここで、TAオフセットはプロトコルで予め定められていてもよい。NR基地局は、TACを利用することにより、決定したTAリファレンス値を通信デバイスに配信することができる。このように、通信デバイスは、SULキャリアのTAリファレンス値とSULキャリアのTAオフセットとに基づいて、SULキャリアのアップリンク送信タイミングを調整することができる。
例えば、NRアップリンク・タイミング・アドバンスについては、NTA2=TA2+NTA-offset2であり、ここで、TA2は図11の第1TAリファレンス値を表し、NTA-offset2は図11の第1オフセットを表す。LTEアップリンク・タイミング・アドバンスについては、NTA1=TA1+NTA-offset1であり、ここで、TA1は図11の第2TAリファレンス値を表し、NTA-offset1は図11の第2TAオフセットを表す。従って、アップリンク同期を実現するために、NTA2はNTA1と等しいことを必要とする。可能な実装において、NR基地局は、LTE基地局と相互作用し、LTE基地局のTA1及びNTA-offset1を積極的に取得し、TA2が、LTE基地局のNTA-offset1とNR基地局のNTA-offset2との間の差分以上であることを判定する。例えば、TA2はTA1+NTA-offset1-NTA-offset2に等しい。
可能な実装において、第1アップリンク・キャリア、即ちNR SULキャリアのNTA-offset2は、通常、SULキャリアと同じサービング・セルに対応するNR ULキャリアのTAオフセットに等しい。第2アップリンク・キャリア、即ちLTE ULキャリアは、通常、FDDキャリアである。従って、NTA-offset1は通常0に等しく、LTE基地局により配信されるTA1は、NR基地局のNTA-offset2以上である。
可能な実装において、LTE ULキャリアが属するTAGが更に少なくとも1つのLTE TDDキャリアを有する場合、TAGは第2ネットワーク・デバイスに対応する第2TAGであり、TAGはsTAG又はpTAGである可能性があり、LTE ULキャリアのNTA-offset1は0からLTE TDDキャリアのTAオフセットに等しい値に変化する。例えば、TA2は、LTE基地局のNTA-offset1とNR基地局のNTA-offset2との間の差分以上である。
図11の第1アップリンク・キャリア及び第2アップリンク・キャリアは、イントラ周波数キャリアであってもよいし、あるいは別の周波数ドメイン関係を充足するキャリアであってもよいことに留意すべきである。これは、本願のこの実施態様において特に限定されない。
更に、本願の実施形態は、図12に示すように、通信デバイス側からのアップリンク同期方法の概略フローチャートを更に提供する。
ステップ1201:通信デバイスが、第1ネットワークにより送信されたタイミング・アドバンス・コマンドを受信する。
ステップ1202:通信デバイスが、タイミング・アドバンス・コマンドにおける第1TAリファレンス値に基づいて、第1アップリンク・キャリアのアップリンク送信タイミングを調整する。
本発明のこの実施形態では、通信デバイスはデュアル・コネクティビティ・モードで動作する。デュアル接続モードでは、通信デバイスは、第1TAG内の第1アップリンク・キャリアに対応するセルと、第2TAG内の第2アップリンク・キャリアに対応するセルとの両方への接続を確立することができる。
オプションとして、通信デバイスは、タイミング・アドバンス・コマンドにおける第1TAリファレンス値と、第1アップリンク・キャリアの第1TAオフセットとに基づいて、第1アップリンク・キャリアのアップリンク送信タイミングを調整する。第1TAオフセットはプロトコルで予め定められていてもよい。
更に、第1TAGは第1通信規格の第1ネットワーク・デバイスに対応し、第2TAGは第2通信規格の第2ネットワーク・デバイスに対応する。例えば、EN-DCシナリオでは、第1通信規格はLTEである可能性があり、第2通信規格はNRであり;あるいは第1通信規格はNRである可能性があり、第2通信規格はLTEである。
以下、2つのシナリオを別々に説明する。
シナリオ1
第1通信規格がLTEであり、第2通信規格がNRである場合、第1ネットワーク・デバイスはLTE基地局である可能性があり、第2ネットワーク・デバイスはNR基地局である可能性があり、第1アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはNR SULキャリアである。このシナリオでは、通信デバイスは、LTE基地局からTACコマンドを受信し、LTE基地局は、NR基地局と相互作用した後に、LTE ULキャリアのTAリファレンス値を決定する。可能な実装において、TAリファレンス値は、SULキャリアのTAオフセットとLTE基地局のULキャリアのTAオフセットとの間の差分以上である。このように、LTE ULキャリアのTAオフセットを受信した後に、通信デバイスは、ULキャリアのTAリファレンス値がSULキャリアのTAオフセット以上であることを判定する。その後、アップリンク同期調整を実行することができる。
可能な実装において、LTE ULキャリアがFDDキャリアである場合、LTE ULキャリアのTAオフセットは0に等しい。NR SULキャリアのTAオフセットが13μsであると仮定すると、通信デバイスが、ULキャリアのTAリファレンス値が13μs以上であると判断した場合に、アップリンク同期調整を実行することが可能である。
図12の第1アップリンク・キャリア及び第2アップリンク・キャリアは、イントラ周波数キャリアであってもよいし、あるいは別の周波数ドメイン関係を充足するキャリアであってもよいことに留意すべきである。これは、本願のこの実施態様において特に限定されない。
シナリオ2
第1通信規格がNRであり、第2通信規格がLTEである場合、第1ネットワーク・デバイスはNR基地局である可能性があり、第2ネットワーク・デバイスはLTE基地局である可能性があり、第1アップリンク・キャリアはNR SULキャリアであり、第2アップリンク・キャリアはLTE ULキャリアである。このシナリオでは、通信デバイスは、NR基地局からTACコマンドを受信する。NR基地局は、LTE基地局と相互作用した後、NR SULキャリアのTAリファレンス値を決定するので、通信デバイスは、TAリファレンス値を受信した後、アップリンク同期を実現することができる。
可能な実装において、TAリファレンス値は、ULキャリアのTAオフセットとNR基地局のSULキャリアのTAオフセットとの間の差分以上である。この場合、NR SULキャリアのTAオフセットを受信した後、通信デバイスは、SULキャリアのTAリファレンス値がULキャリアのTAオフセットとNR基地局のULキャリアのTAオフセットとの間の差異以上であることを判定する。その後、アップリンク同期調整を実行することが可能である。
可能な実装において、NR SULキャリアのTAオフセットは、NR SULキャリアと同じサービング・セルに対応するNR ULキャリアのTAオフセットに基づいて決定される。NR ULのTAオフセットが13μsであると仮定すると、LTE ULキャリアが属するTAGが更に少なくとも1つのLTE TDDキャリアを有し、TAGが第2ネットワーク・デバイスに対応する第2TAGである場合、TAGはsTAG又はpTAGである可能性があり、LTE ULキャリアのNTA-offset1は、0からLTE TDDキャリアのTAオフセットに等しい値に変化する。LTE TDDキャリアのTAオフセットが20μsであると仮定すると、NR基地局により通信デバイスへ配信されるTAリファレンス値は、20μs-13μs=7μs以上である。
第1ネットワーク・デバイスによって実行される前述のアップリンク同期方法のために、本願の実施形態は装置を提供する。装置によって実行される具体的な内容については、図11に示される方法の実施形態を参照されたい。図13は、本願による装置の概略構造図である。装置は、送信ユニット1301と処理ユニット1302とを含む。本願の実施形態において、これらのユニットは、図11の実施形態における第1ネットワーク・デバイスの対応する機能を実行することができる。詳細については、実施形態の詳細な説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
通信デバイスにより実行される前述のアップリンク同期方法に関し、本願は装置を提供する。装置によって実行される具体的な内容については、前述の方法の実施形態を参照されたい。図14は、本願による装置の概略構造図である。装置は、受信ユニット1401と処理ユニット1402とを含む。本願の実施形態において、これらのユニットは、図12の実施形態における通信デバイスの対応する機能を実行することができる。詳細については、実施形態の詳細な説明を参照されたい。詳細はここで繰り返さない。
本願の実施形態は通信デバイスを更に提供する。通信装置はプロセッサとメモリとを含む。メモリはコンピュータ・プログラムを記憶する。プロセッサがメモリに記憶されたコンピュータ・プログラムを読み出して実行すると、通信装置は、図11に示されるプロセスにおいて第1ネットワーク・デバイスによって実行される方法、又は図12に示されるプロセスにおいて通信デバイスによって実行される方法を実現することができる。図15は、通信装置1500の概略構造図である。装置1500は、前述の方法の実施形態に記載される方法を実現するように構成されることが可能である。詳細については、前述の方法の実施形態の説明を参照されたい。通信デバイス1500は、チップ、基地局、端末、又は他のネットワーク・デバイスであってもよい。
通信デバイス1500は、1つ以上のプロセッサ1501を含む。プロセッサ1501は、汎用プロセッサ、専用プロセッサなどであってもよい。例えば、プロセッサ1501は、ベースバンド・プロセッサ又は中央処理ユニットであってもよい。ベースバンド・プロセッサは、通信プロトコル及び通信データを処理するように構成されることが可能であり、中央処理ユニットは:通信装置(基地局、端末、又はチップなど)を制御し、ソフトウェア・プログラムを実行し、ソフトウェア・プログラムのデータを処理するように構成されることが可能である。
可能な設計において、図13及び図14に示される1つ以上のユニットは、1つ以上のプロセッサ、又は1つ以上のプロセッサ及びメモリを使用することにより実現されてもよい。
可能な設計において、通信装置1500は1つ以上のプロセッサ1501を含み、1つ以上のプロセッサ1501は、前述のアップリンク同期方法を実現することができる。例えば、通信装置は基地局であってもよい。アップリンク・タイミング・アドバンス・リファレンス値及びタイミング・アドバンス・オフセットの決定については、図11及び図12の関連する部分の説明を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
オプションとして、設計において、プロセッサ1501は命令1503(場合によってはコード又はプログラムとも呼ばれてもよい)を含む可能性がある。命令は、通信装置1500が前述の実施形態で説明された方法を実行するように、プロセッサ上で動作することが可能である。別の可能な設計において、通信装置1500は、回路を更に含む可能性があり、回路は、前述の実施形態においてアップリンク同期機能を実現する可能性がある。
オプションとして、設計において、通信デバイス1500は1つ以上のメモリ1502を含む可能性がある。メモリ1502は命令1504を記憶し、命令は、通信装置1500が前述の方法の実施形態で説明された方法を実行するように、プロセッサ上で動作することが可能である。
オプションとして、メモリは更にデータを格納することが可能である。オプションとして、プロセッサは、命令及び/又はデータを格納することも可能である。プロセッサ及びメモリは、別々に配置されてもよいし、あるいは一緒に統合されてもよい。
オプションとして、前述の実施形態において「記憶すること」は、メモリ1502に記憶することを意味してもよいし、又は他の周辺メモリ又は記憶装置に記憶することを意味してもよい。
オプションとして、通信装置1500は、トランシーバ1505とアンテナ1506とを更に含んでもよい。プロセッサ1501は、処理ユニットと言及されてもよく、通信装置(端末又は基地局)を制御することができる。トランシーバ1505は、トランシーバ・ユニット、トランシーバ、トランシーバ回路などと呼ばれ、アンテナ1506を利用することにより通信装置の送信及び受信の機能を実現するように構成される。
前述の装置の実施形態の具体的な実装は、方法の実施形態のものに対応する。装置の実施形態の具体的な実装及び有益な効果については、方法の実施形態の関連する説明を参照されたい。
本願の実施形態はチップを更に提供する。チップはメモリに接続され、メモリはコンピュータ・プログラムを記憶し、チップは、メモリに記憶されたコンピュータ・プログラムを読み出して実行し、図11に示されるプロセスにおいて第1ネットワーク・デバイスによって実行される方法、又は図12に示されるプロセスにおいて通信デバイスによって実行される方法を実現するように構成される。
本願の実施形態はコンピュータ記憶媒体を更に提供する。コンピュータ記憶媒体はプログラム・コードを記憶する。記憶されたプログラム・コードがプロセッサによって実行されると、プログラム・コードは、本願の図11に示されるプロセスにおいて第1ネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現するために使用される。
本願の実施形態はコンピュータ記憶媒体を更に提供する。コンピュータ記憶媒体はプログラム・コードを記憶する。記憶されたプログラム・コードがプロセッサによって実行されると、プログラム・コードは、本願の図12に示されるプロセスにおいて通信デバイスによって実行される方法を実現するために使用される。
本願の実施形態はコンピュータ・プログラム・プロダクトを更に提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトはコンピュータ・ソフトウェア命令を含み、コンピュータ・ソフトウェア命令は、プロセッサによってロードされ、本願の図11に示されるプロセスにおいて第1ネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現することができる。
本願の実施形態はコンピュータ・プログラム・プロダクトを更に提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトはコンピュータ・ソフトウェア命令を含み、コンピュータ・ソフトウェア命令は、プロセッサによってロードされて、本願の図12に示されるプロセスにおいて通信デバイスによって実行される方法を実現することができる。
本願は実施形態に関連して説明されるが、保護を請求する本願を実施するプロセスにおいて、当業者は、添付図面、開示内容、及び添付の請求項を参照することによって、開示された実施形態の別の変形を理解し及び実施する可能性がある。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」は、別の構成要素又は別の工程を除外せず、「ある」又は「いずれかの」は、複数の場合を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙される幾つかの機能を実現することができる。幾つかの手段は、互いに異なる従属請求項に記録されるが、これは、これらの手段がより良い効果を生み出すように組み合わせることができないことを意味しない。
本願の実施形態は、方法、装置(デバイス)、又はコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供されてもよいことを、当業者は理解するはずである。従って、本願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせによる実施形態の形態を使用することができる。これらはまとめて「モジュール」又は「システム」と言及される。更に、本願は、コンピュータで利用可能なプログラム・コードを含む、1つ以上のコンピュータ利用可能記憶媒体(ディスク・メモリ、CD-ROM、光メモリなどを含むが、これらに限定されない)において実装されるコンピュータ・プログラム・プロダクトの形態を使用することができる。コンピュータ・プログラムは、適切な媒体に記憶/配信され、他のハードウェアと一緒にハードウェアの一部として提供又は使用され、例えば、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを使用することによって、他の配信形態を使用することができる。
本願は、本願の実施態様による方法、装置(デバイス)及びコンピュータ・プログラム・プロダクトのフローチャート及び/又はブロック図に関連して説明される。コンピュータ・プログラム命令は、フローチャート及び/又はブロック図における各プロセス及び/又は各ブロック、並びに、フローチャート及び/又はブロック図におけるプロセス及び/又はブロックの組み合わせを実現するために使用されてもよいことが理解されるべきである。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、内蔵プロセッサ、又は他の任意のプログラマブル・データ処理デバイスに提供されることが可能であり、その結果、コンピュータ又は任意の他のプログラマブル・データ処理デバイスのプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1つ以上のプロセス及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおける特定の機能を実現するための装置を生成するように、マシンを生成する。
これらのコンピュータ・プログラム命令は、特定の方法で動作するようにコンピュータ又は他の任意のプログラマブル・データ処理デバイスに命令することが可能なコンピュータ読み取り可能なメモリに格納されてもよく、その結果、コンピュータ読み取り可能なメモリに格納される命令は、命令装置を含む人工産物を生成する。命令装置は、フローチャートの1つ以上のプロセス及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおける特定の機能を実現する。
これらのコンピュータ・プログラム命令はまた、コンピュータ又は別のプログラマブル・データ処理デバイスにロードされる可能性があり、その結果、一連の動作及びステップがコンピュータ又は別のプログラマブル・デバイスで実行され、それによって、コンピュータで実行される処理を生成する。従って、コンピュータ又は別のプログラマブル・デバイスで実行される命令は、フローチャートの1つ以上のプロセス及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおける特定の機能を実現するためのステップを提供する。
本願は、特定の特徴及びその実施態様に関連して説明されるが、明らかに、様々な修正及び組み合わせが、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、それらに対してなされる可能性がある。相応して、明細書及び添付図面は、添付の特許請求の範囲によって定義される本願の単なる例示的な説明であり、この出願の範囲をカバーする修正、変形、組み合わせ又は均等物のうちの何れか又は全てと考えられる。明らかに、当業者は、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願に種々の修正及び変更を行うことが可能である。このように、本願は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等な技術によって定義される保護範囲内に該当することを条件として、本願のこれらの修正及び変形をカバーするように意図されている。