[0001]本特許出願は、2019年12月31日に出願された米国特許仮出願第62/955,933号「Buffer Management and Identification in Bioprocessing System」に対する優先権の利益を主張するものであり、そのすべての内容を本明細書に援用する。
[0002]バッファ管理システムは通常、バイオプロセッシング用途において使用するバッファ溶液を含む多くのバイオコンテナバッグを具備する。従来のバッファ管理システムでは、重量計(通常、ロードセル)を使用して、自動化システムに送信される液面検出のためのバイオコンテナバッグ内の液体の重量を決定する。重量計により検出された重量は、変換係数を用いて、計算体積値に変換される。
[0003]従来のシステムにおいては、バッファ溶液がそのままの濃度で構成され、大量に生産されて、それぞれのトートに格納されている。通常のバイオプロセッシング用途の場合は、複数のバッファ溶液が使用されるが、各バッファ溶液の需要は可変であり、場合によっては各バッファにつき2000リットルのオーダである。そして、トートは、バッファ作成エリアからプロセス現場に運ばれる。結果として、バッファトートを伴うバイオプロセッシングのプロセス作業及びそのバッファ作成エリアは、相当な設置面積を消費する可能性がある。また、大型トートの場合は、特殊な移動機器が必要となる場合もあり、特有のリスクとなっている。
[0004]所与のバイオプロセッシング用途に用いられるバッファの管理には、多くの管接続が必要となり得る。通常、これらのバッファ接続の管理及び検査は、ユーザにより手動で実行されるため、((1つ又は複数の)誤接続等による)オペレータエラーの重大なリスクがもたらされて、プロセス遅延及び製品損失に至る可能性がある。
[0005]当技術分野においては、様々なバイオプロセッシング用途において使用されるバッファ溶液の管理を強化する付加的なソリューションを提供することが引き続き求められている。当然のことながら、この背景記述は、読者の助けとなるように本発明者らが作成したものであり、示唆する如何なる問題についても、それら自体が当技術分野において十分に認識されていることを示すものと捉えられるべきではない。記載の原理は、いくつかの態様及び実施形態において、他のシステムに特有の問題を軽減し得るものの、当然のことながら、保護対象の技術革新の範囲は、添付の特許請求の範囲により規定されるのであって、任意の開示特徴が本明細書に記載の任意特定の問題を解決できることによって規定されるわけではない。
[0031]図面は必ずしも原寸に比例しておらず、開示の実施形態は、図式的に部分図にて示していることが了解されるものとする。場合により、本開示の理解に不要な詳細又は他の詳細の把握を困難にする詳細については、省略している。本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されないことが了解されるものとする。
[0032]本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、バイオプロセッシングシステムにおいて使用されるように構成されている。本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、高濃度バッファ溶液供給物と、所定のバッファ特性を有するように高濃度バッファ溶液を選択的に希釈するように構成された希釈スキッドと、選択バイオプロセッシング用途における使用のため、ある体積の少なくとも1つの希釈バッファ溶液を格納するように構成された希釈バッファ溶液格納アセンブリとを含み得る。実施形態において、本開示の原理に従って構成された希釈スキッドは、シングルユースマニホールドを具備する。
[0033]本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、バイオ医薬品の環境において使用可能であるが、プロセスステーションに対する計量のために様々な流体、溶液、試薬、及び/又は化学薬品が格納される他の産業用途においても使用可能である。本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、下流のプロセス用途における使用のため、高濃度バッファ溶液供給物から少なくとも1つのバッファ溶液を選択的に作成するのに使用可能である。
[0034]本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、バイオプロセッシング用途における使用の目的で様々な異なるバッファ溶液を実現する比較的コンパクトな格納ソリューションとして構成されている。本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、高濃度バッファ溶液供給物と、シングルユースマニホールドを備えた希釈スキッドと、所定のバイオプロセッシング用途における使用のために所望の程度まで希釈されたバッファ溶液を格納するため、(特に、同様のバイオプロセッシング用途において使用するように構成された従来のワークステーションに対して)わずかな設置面積に積み重ねられた複数のバイオコンテナバッグとを含み得る。本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、同等のバイオプロセッシング用途に対して比較的大きな格納トートを使用する従来のシステムの代替として使用可能である。
[0035]本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、WFI(注射用水)によってバッファ濃縮物を希釈することにより、バッファ溶液を作成するように構成されている。本明細書における使用の通り、本開示の原理に係る実施形態においては、希釈目的又はその他任意の好適な混合操作のため、別の液体との混合での使用に適したその他任意の液体をWFIが含み得ることが了解されるものとする。実施形態において、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムは、5倍~20倍の範囲の希釈係数により、バッファ濃縮物を用いてバッファ溶液を作成することにより、最終的な希釈バッファ溶液を実現するように構成されている。
[0036]本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの実施形態は、高濃度バッファ溶液(所望のバッファ溶液の5倍~20倍の範囲の濃度の高濃度バッファ)を受け取り、可変比率でWFI(注射用水)供給物と混合することにより、所望のバッファ溶液を実現するように構成されている。希釈バッファ溶液は、必要に応じて、格納エリア(必要に応じてバイオプロセッシング用途(例えば、クロマトグラフィ/タンジェンシャルフロー濾過(TFF)用途)に使用する複数のバイオコンテナバッグの支持台となるラックタワー等)に送液可能である。
[0037]実施形態において、本開示の原理に従って構成されたマニホールドは、配管類、シングルユースポンプヘッド、センサ、及び少なくとも1つの高濃度バッファ溶液をWFIと選択的に混合することにより、所与のバッファ特性(例えば、pH若しくは伝導度等)又は2つ以上のバッファ特性の組み合わせに対して所定の許容範囲内の希釈バッファ溶液を作成するように構成された接続部を具備する。実施形態において、本開示の原理に従って構成されたマニホールドは、2つのシングルユースポンプヘッドを具備する(一方が少なくとも1つのバッファ濃縮物を送液し、他方がマニホールド内のバッファ濃縮物と混合するWFIを送液して、所定のバッファレシピに応じた希釈バッファ溶液を作成する)。実施形態において、マニホールドは、希釈スキッドの制御ユニットとともに配置され、例えば、少なくとも1つのセンサフィードバックループに応答してポンプ速度/比率を変更することにより、複数のバッファレシピから成るライブラリから所望のバッファレシピを実現し、所定の動作シーケンスに従って制御弁を選択的に動作させ、他の動作ユニットとの連動により、バッファ溶液に対する需要に応答することによって、バッファ管理システムの自動化動作を提供する。
[0038]実施形態において、本開示の原理に従って構成されたマニホールドは、複数のバッファ入口ポート、WFI入口ポート、一対のシングルユースポンプヘッド、少なくとも1つのバッファ特性測定用センサ、バッファ入口ポートの数に対応する複数のバッファ出口ポート、及び排水出口ポートを具備する。実施形態において、本開示の原理に従って構成されたマニホールドは、制御ユニットが、マニホールドを通じた液体流を閉鎖、開放、又は方向転換するように制御弁を操作して、多様なバッファ管理シーケンスを実行し得るように、複数の制御弁と相互作用するように構成された配管類配置を含む。
[0039]ここで図面を参照すると、図1~図3には、シングルユースマニホールド23を含む、本開示の原理に従って構成された希釈スキッド30を含む、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20の一実施形態を示している。実施形態において、バッファ管理システム20は、本開示の原理に従って構成されたマニホールド23の少なくとも1つの実施形態を含み得る。図示のバッファ管理システム20は、異なる高濃度バッファ溶液(バイオプロセッシングユニット24において目的のバイオプロセッシング用途に使用するバッファ溶液の濃度の5倍~20倍の範囲のバッファ溶液等)を受け取り、可変比率でWFI(注射用水)供給物と順次混合することによって、所望のバッファを実現するように構成されている。バッファ管理システム20は、バイオプロセッシングユニット24で必要に応じて実行されるバイオプロセッシング用途(クロマトグラフィ、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)等)への送液及びその用途による使用のため、希釈バッファ溶液を格納するように構成可能である。実施形態において、希釈バッファ溶液は、複数のバイオコンテナアセンブリ25に格納可能である。
[0040]実施形態において、バッファ管理システム20は、高濃度バッファ溶液供給物に対応するように構成された少なくとも1つのワークステーション22、26、27と、シングルユースマニホールド23を有するインライン希釈スキッド30と、バイオコンテナアセンブリ25に格納可能な高濃度バッファ溶液供給物から作製された希釈バッファ溶液を格納するように構成された少なくとも1つのワークステーション28、29とを具備する。実施形態において、バッファ管理システム20は、高濃度バッファ溶液から複数のバッファを作成するように構成されたシングルユースシステムを備える。実施形態において、バッファ管理システム20は、複数の異なる高濃度バッファに対応するように構成された複数のワークステーション22、26、27と、インライン希釈スキッド30を介して異なる高濃度バッファ溶液供給物から作製された対応する希釈バッファ溶液を格納するように構成された複数のサージバイオコンテナアセンブリ25を保持するように構成された複数のワークステーション28、29とを具備する。
[0041]図示の実施形態において、バッファ管理システム20は、異なる高濃度バッファ溶液供給物を保持するように構成された3つの高濃度バッファラックタワー22、26、27と、バイオプロセッシングユニット24におけるバイオプロセッシング用途に使用する複数の希釈バッファ溶液を作成するように構成されたインライン希釈スキッド30と、希釈バッファ溶液供給物を保持するように構成された一対の希釈バッファラックタワー28、29とを具備する。他の実施形態において、バッファ管理システム20は、高濃度バッファ溶液供給物及び/又は希釈バッファ溶液供給物を保持するように構成された異なる機器を具備し得る。例えば、他の実施形態において、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20は、高濃度バッファが充填された1つ又は複数のバイオコンテナアセンブリを保持するように構成された少なくとも1つのタワー22、26、27を具備し得る。他の実施形態において、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20は、希釈バッファが充填された1つ又は複数のタンクを保持するように構成された少なくとも1つのタワー28、29を具備し得る。
[0042]図2を参照すると、図示のバッファ管理システム20の3つの高濃度バッファラックタワー22、26、27は、類似の構成を有する。図示の高濃度バッファラックタワー22、26、27はそれぞれ、台車32、フレーム構造34、及び一対のバイオコンテナトート37を具備する。フレーム構造34は、台車32に取り付けられ、一対のバイオコンテナトート37を積み重ねた関係で支持台となるように構成されている。高濃度バッファラックタワー22、26、27は、インライン希釈スキッド30に対して選択的に送液する高濃度バッファ溶液を保持するように構成されたワークステーションを備える。
[0043]台車32は、基部40と、基部40に対して回転可能に取り付けられた複数の車輪41とを具備する。図示の実施形態において、基部40は矩形であり、基部40の各隅部には、車輪41が回転可能に取り付けられている。実施形態において、基部40としては、実質的に正方形状が可能である。台車32の基部40は、フレーム構造34の底部43に取り付けられている。
[0044]フレーム構造34は、台車32に接続されている。フレーム構造34は、台車32に接続され、互いに離隔関係の複数の垂直部45と、フレーム構造34がバイオコンテナトート37を互いに垂直に積み重ねた関係で支持台となるように、垂直部45のうちの2つの間に延びた複数の横部材47とを具備する。図示の実施形態において、各高濃度バッファラックタワー22、26、27は、2つのバイオコンテナトート37を積み重ねた関係で支持台となるように構成されている。他の実施形態において、高濃度バッファラックタワー22、26、27は、単一のバイオコンテナトート37等、異なる数のバイオコンテナトート37の支持台となるように構成可能である。
[0045]バイオコンテナトート37はそれぞれ、各バイオコンテナトート37とマニホールド23との間に延びた可撓性配管類ライン61、62、63、64、65、66それぞれを介して、インライン希釈スキッド30のマニホールド23と流体接続している。特に、配管類は、各バイオコンテナトート37とマニホールド23の複数のバッファ入口ポート121、122、123、124、125、126のそれぞれとの間に延びている。WFI(注射用水)供給物とマニホールド23のWFI入口ポート127との間に延びるように、給水ライン67がWFI供給物と流体連通可能である。実施形態において、可撓性配管類61、62、63、64、65、66は、シリコーン、熱可塑性エラストマ(TPE)等の任意好適な溶液により構成可能である。実施形態において、配管類61、62、63、64、65、66は、外部に取り付けられたピンチ弁によって選択的に閉塞されるように構成されている。
[0046]他の実施形態において、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの高濃度バッファラックタワー22、26、27は、異なる構成を有し得る。例えば、実施形態において、高濃度バッファラックタワーは、当技術分野における理解の通り、「2D」(すなわち「2次元」)バイオコンテナバッグを有する希釈バッファラックタワー28、29に関して後述するような複数のバイオコンテナアセンブリを具備し得る。
[0047]図3を参照すると、バッファ管理システム20の一対の希釈バッファラックタワー28、29は、類似の構成を有する。図示の希釈バッファラックタワー28、29はそれぞれ、台車32、フレーム構造34、及び複数のバイオコンテナアセンブリ25を具備する。フレーム構造34は、台車32に取り付けられ、多くのバイオコンテナアセンブリ25の支持台となるように構成されている。希釈バッファラックタワー28、29は、サージコンテナとして作用するように構成されたバイオコンテナ25を保持するように構成されたワークステーションを備える。
[0048]フレーム構造34は、多くのバッグ充填レベルアセンブリ35を互いに垂直に積み重ねた関係で支持台となり得る。図示の実施形態において、各希釈バッファラックタワー28、29は、4つのバッグ充填レベルアセンブリ35を互いに垂直に積み重ねた関係で支持するように構成されている。他の実施形態において、希釈バッファラックタワー28、29は、単一のバッグ充填レベルアセンブリ35等、異なる数のバッグ充填レベルアセンブリ35の支持台となるように構成可能である。バッグ充填レベルアセンブリ35は、希釈スキッド30の自動化制御ユニット100にフィードバックを与える液面センサを具備し得る。
[0049]図示の実施形態において、各希釈バッファラックタワー28、29は、最大4つのバイオコンテナアセンブリ25を積み重ねた関係で支持台となるように構成されている。他の実施形態において、希釈バッファラックタワー28、29は、単一のバイオコンテナアセンブリ25等、異なる数のバイオコンテナアセンブリ25の支持台となるように構成可能である。
[0050]実施形態において、バイオコンテナアセンブリ25はそれぞれ、各バイオコンテナ25とマニホールド23との間及び各バイオコンテナアセンブリ25とバイオプロセッシングユニット24との間に延びた可撓性配管類ライン91、92、93、94、95、96それぞれを介してインライン希釈スキッド30のマニホールド23と流体接続した少なくとも1つのバイオコンテナ55(図4参照)を具備する。特に、配管類91a、92a、93a、94a、95a、96aは、希釈バッファラックタワー28、29の各バイオコンテナトート25とマニホールド23の複数の出口ポート131、132、133、134、135、136のそれぞれとの間に延びている。配管類91b、92b、93b、94b、95b、96bは、バイオプロセッシングユニット24が必要に応じて使用することによりバイオプロセッシング用途を実行するため、希釈バッファラックタワー28、29の各バイオコンテナ25とバイオプロセッシングユニット24との間に延びている。排水流をマニホールドから好適な場所(例えば、別個のタンク又はドレンシステム)に接続し排水し得るように、排水ライン97がマニホールド23の排水ポート137と流体連通し得る。実施形態において、可撓性配管類91、92、93、94、95、96、97は、シリコーン、TPE等の任意好適な溶液により構成可能である。実施形態において、配管類91、92、93、94、95、96、97は、外部に取り付けられたピンチ弁によって選択的に閉塞されるように構成されている。
[0051]図4~図6を参照すると、実施形態において、各バイオコンテナアセンブリ25は、希釈バッファラックタワー28、29の一方のフレーム構造34に取り付けられた角度付き棚の形態の支持部材50、電子的充填レベルセンサ52、及びバイオコンテナバッグ55を具備する。実施形態において、角度付き支持部材50は、水平軸HAに対して傾斜した格納位置にてバイオコンテナバッグ55の支持台となるように構成された支持面57を含む。図示の実施形態において、各希釈バッファラックタワー28、29のフレーム構造34は、水平軸HAに対して傾斜角θに傾けられた一連の角度付き棚50を具備する。各棚50の下縁部は、フレーム構造34の前端に配置されている。各棚50の上縁部は、フレーム構造34の前端に対向する関係のフレーム構造34の後端に配置されている。
[0052]実施形態において、充填レベルセンサ52は、当該充填レベルセンサ52による検出として、バイオコンテナバッグ55の格納容積部内の溶液の体積を示す充填レベル信号を発信するように構成されている。実施形態において、充填レベルセンサ52は、容量方式充填レベルセンサを含む。
[0053]図4を参照すると、実施形態において、バイオコンテナバッグ55は、目的の用途に使用する所定体積の溶液を格納するように構成された任意好適なコンテナを備える。実施形態において、コンテナバッグ55は、当技術分野における理解の通り、「2D」(すなわち「2次元」)バイオコンテナバッグを含み、充填レベルセンサ52により検出されるバイオコンテナバッグ55の幅W及び長さLによって、バイオコンテナバッグ55の充填レベルの上昇具合が決まる。
[0054]図示の実施形態において、バイオコンテナバッグ55は、可撓性フィルム溶液により構成された2Dバイオコンテナバッグを含む。バイオコンテナバッグ55は、当該バッグ55の内部格納容積部内での溶液の受容及び/又は当該バッグ55からの溶液の排出を行うように構成された2つ以上のポート85、86及びコネクタ端部を備えた配管類を具備し得る。他の実施形態において、バイオコンテナバッグ55は、サンプリングポートとして使用するように構成された少なくとも1つの他のポートを具備する。実施形態において、バイオコンテナバッグ55は、例えば100リットル等、所定サイズの格納容積部を内部に画定することができる。他の実施形態において、格納容積部としては、異なるサイズも可能である。実施形態において、バイオコンテナバッグ55は、例えばPall Corporation、Port Washington、New Yorkからアレグロ(Allegro)(商標)2Dバイオコンテナバッグのブランド名で入手可能なもの等、好適な市販のシングルユースバイオコンテナバッグを含む。
[0055]実施形態において、バイオコンテナバッグ55は、一体的に接続された少なくとも一対の可撓性の面81を具備し得る。可撓性の面81は、一体的に協働して、所定体積(例えば、100リットル)の溶液を保持するように構成された内部格納容積部を画定する。実施形態において、各パネル81は、好適なプラスチック溶液により構成されている。例えば、実施形態において、各パネル81は、エチレンビニルアルコール共重合体(EvOH)ガスバリヤ内部フィルムを備えた低密度ポリエチレン(LDPE)流体接触・外部フィルムで構成されている。実施形態において、バイオコンテナバッグ55は、全身毒性、組織刺激、及び移植の生体適合性についてバイオコンテナの抽出物の効果をターゲットモニタリングするUSP<88>Biological Reactivity Tests,in vivo,for Class VI-50℃ Plastics、USP<87>Biological Reactivity Tests(in vitro)for plastics(cytotoxicity)、並びにISO 10993 Biological Evaluation of a Medical Device (第8.2.2項:ISO 10993 Biological Evaluation of Medical Devices)の第4項(Hemolysis)、第5項(Cytotoxicity)、第6項(Implantation Test)、第10項(Irritation and Sensitization Test)、及び第11項(Acute Systemic Toxicity)のうちの少なくとも1つの要件を満たす溶液により構成可能である。
[0056]図5及び図6を参照すると、実施形態において、各棚50は、所定サイズのバイオコンテナバッグ55の支持台となるように構成されている。角度付き支持部50は、水平軸HAに対して傾斜した格納位置にてバイオコンテナバッグ55の支持台となるように構成された支持面57を含む。バイオコンテナアセンブリ25の実施形態において、容量方式充填レベルセンサ52は、支持部材50を支持台としたバイオコンテナバッグ55内に格納された溶液の体積を検出できる任意好適な様態で支持部材50に取り付けられている。容量方式充填レベルセンサ52は、所定の最小充填体積と所定の最大充填体積との間の様々な液体体積にわたってバイオコンテナバッグ55が傾斜格納位置となる場合に、バイオコンテナバッグ55内に充填された液体の体積を検出する配置となるように、角度付き支持部材50に取り付け可能である。
[0057]棚50の支持面57は、大略平面状であり、水平軸HAに対して傾斜角θで設置されている。図示の実施形態において、傾斜角θは、25°である。実施形態において、バイオコンテナアセンブリの支持部材50の傾斜角θは、変動し得る。実施形態において、バイオコンテナアセンブリの支持部材50の支持面57は、水平軸HAに対して傾斜角θで設置可能であり、傾斜角θは、5°~45°の範囲、他の実施形態においては10°~40°の範囲、さらに他の実施形態においては15°~35°の範囲、さらに他の実施形態においては20°~30°の範囲である。実施形態において、本開示の原理に従って構成されたバイオコンテナアセンブリの支持部材50の支持面57は、水平軸に対して傾斜角θで設置可能であり、傾斜角θは、20°~28°の範囲、他の実施形態においては22°~30°の範囲である。実施形態において、支持部材50は、例えば好適なプラスチック又は金属等の任意好適な溶液により構成可能である。
[0058]当業者には当然のことながら、傾斜角θは、バイオコンテナアセンブリの使用が意図される用途の特定のパラメータに応じて変更可能である。例えば、モニタリングしたい液体体積の範囲が、バイオコンテナアセンブリで使用されているバイオコンテナバッグの最大充填体積未満である用途においては、小さな角度を使用可能である。充填レベルセンサストリップ52の分解能の向上及び/又は体積の微小変化のモニタリングの希望がある実施形態においては、大きな傾斜角を使用可能である。
[0059]実施形態において、各棚50には、少なくとも1つの電子的充填レベルセンサ52が関連付けられている。実施形態において、充填レベルセンサ52は、当該充填レベルセンサ52による検出として、バイオコンテナバッグ55の格納容積部内の溶液の量を示す充填レベル信号を発信するように構成されている。実施形態において、容量方式充填レベルセンサ52は、バイオコンテナバッグ55の格納容積部内に充填された流体媒体又は固体溶液の充填レベルの測定に使用可能である。実施形態において、容量方式充填レベルセンサ52としては、Balluff Ltd.から入手可能なもの等、例えば850mm等の所定長さにわたって充填レベルを検出できる好適な市販のストリップセンサが可能である。実施形態において、充填レベルを測定する容量方式充填レベルセンサ52は、バイオコンテナバッグ55内に格納された溶液の検出近位内となったことに応答して測定インピーダンスを発生させるように構成可能であり、その抵抗成分、特に、その容量成分は、バイオコンテナバッグ55内の溶液の充填レベルの尺度を反映し、充填レベル信号の発信に使用可能である。
[0060]実施形態において、容量方式充填レベルセンサ52は、ストリップ状の測定電極、ストリップ状の対電極、及びストリップ状の遮蔽電極を有する電極ユニットを具備する。実施形態において、遮蔽電極は、測定電極を少なくとも部分的に囲む。所定の周波数及び振幅を有する第1のAC電圧源が設けられており、遮蔽電極と測定電極との間に形成された遮蔽コンデンサーが遮蔽電極の長さに比例する遮蔽静電容量を有するように、遮蔽電極が第1のAC電圧源に接続されている。また、周波数が等しくて、所定の第2の振幅を有する第2のAC電圧源が設けられている。第2の振幅は、第1の振幅と位相が反対であり、対電極と測定電極との間に形成された測定コンデンサーが充填レベルに比例する測定静電容量を有するように、対電極がAC電圧源に接続されている。測定電極に存在する測定電極電圧は、充填レベルの決定に用いられる。実施形態において、容量方式充填レベルセンサ52は、他の点において、米国特許出願公開第2016/0047683号「Capacitive Fill Level Sensor」に開示のセンサに類似し得るものであり、そのすべての内容を本明細書に援用する。
[0061]実施形態において、充填レベルセンサ52は、棚50の支持面57に直接取り付け可能である。さらに他の実施形態において、充填レベルセンサ52は、支持部材50の下面に取り付け可能である。
[0062]他の実施形態において、容量方式充填レベルセンサ52は、マトリクス状に配置され、所望の制御シーケンスに対応する離散位置に配置された複数の充填レベルセンサにより置き換え可能である。実施形態において、複数の充填レベルセンサは、バッファ溶液の管理に使用可能なバイオコンテナバッグ55内の特定の液体体積(例えば、最大充填位置、最小充填位置、及び動作充填レベル)を示す充填レベル信号を与えるオン・オフ型センサとして動作可能である。
[0063]実施形態において、バイオコンテナアセンブリ25は、バイオコンテナ最大容積要件に応じて可変となり得る。他の実施形態において、棚50は、当該棚50に取り付けられた各電子的充填レベルセンサ52がそれぞれ関連付けられた複数のバイオコンテナバッグ55支持台となるように構成可能である。
[0064]他の実施形態において、バイオコンテナアセンブリ25は、異なる種類の充填レベルセンサを具備する。例えば、他の実施形態において、バイオコンテナアセンブリ25は、バイオコンテナバッグ55のそれぞれにおけるバッファ溶液の重量を決定する重量計を具備し得る。バッファ溶液の測定した重量は、このような液体の体積測定結果に変換可能である。他の実施形態において、重量計は、測定した重量を示す電気信号を発信する好適なロードセルを備える。
[0065]図1を参照すると、インライン希釈スキッド30は、台車138、キャビネット139、及びシングルユースマニホールド23を具備する。キャビネット139は、台車138の上に搭載されており、バッファ管理システム20の配管流路・自動化機器を収容するように構成されている。マニホールド23は、キャビネット139の内側の配管流路・自動化機器とともに動作可能に配置されるように、キャビネット39に対して取り付け取り外しが可能なシングルユースマニホールドを含む。
[0066]台車138は、基部140と、基部140に対して回転可能に取り付けられた複数の車輪141とを具備する。図示の実施形態において、基部140は矩形であり、基部140の各隅部には、車輪141が回転可能に取り付けられている。実施形態において、基部140としては、実質的に正方形状が可能である。
[0067]キャビネット139は、台車138の基部140に取り付けられている。実施形態において、キャビネット139は、自動化機器の格納ユニットを備え、例えばステンレス鋼等の好適な金属により構成されている。キャビネット139は、内部キャビティ143を画定するとともに、外面144を有する。実施形態において、キャビネット139は、制御ユニット100と、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147を含む一対のポンプ本体とを収容する。また、キャビネット139によって、複数の配管流路制御弁151~167(図7参照)を支持可能である。
[0068]図1を参照すると、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147は、キャビネット139の内部キャビティ143内に設置されている。シングルユースマニホールド23は、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147とともに動作可能に配置されるように、キャビネット139の外面144に対して取り付け取り外しが可能になっいる。
[0069]実施形態において、マニホールド23は、キャビネット139内に格納されたバッファポンプ本体145、WFIポンプ本体147、及び制御ユニット100、並びに制御弁151~167とともに動作可能に配置されるように構成されている(図7参照)。マニホールド23は、少なくとも1つの高濃度バッファ溶液供給物をWFI供給物と選択的に混合して、バイオプロセッシング用途における使用に対して所望のバッファ特性を有するバッファ溶液を作成するように構成されている。目的のバイオプロセッシング用途における使用の後、マニホールド23は、インライン希釈スキッド30のキャビネット139から取り外して、同様の構成の別のシングルユースマニホールドにより置き換えることができる。
[0070]図1を参照すると、ポンプ145、147は、制御ユニット100が当該ポンプ145、147を選択的に動作させ得るように、制御ユニット100と動作可能な関係にある。バッファポンプ145は、マニホールド23を通じて、高濃度バッファラックタワー22、26、27に格納された高濃度バッファ供給物のうちの少なくとも1つを送液するように構成されており、WFIポンプ147は、マニホールド23を通じて、WFI供給物を送液するように構成されている。実施形態において、ポンプ145、147としては、目的の用途の仕様を満たす液体流を作成し得る任意好適なポンプが可能である。実施形態において、バッファポンプ145及びWFIポンプ147は、可変容量ポンプを含む。
[0071]実施形態において、バッファ濃縮物は、5倍~少なくとも20倍以上の強度の範囲で構成可能である。結果として、WFIは比例的に、(1つ又は複数の)バッファ濃縮物よりも大きな体積で液送されて、所望の希釈バッファレシピを実現する。これにより、実施形態において、バッファポンプ145及びWFIポンプ147は、バッファ管理システム20での使用が意図される様々な希釈バッファレシピの特定の流れ要件それぞれを満たすようにサイズ設定されている。実施形態において、バッファ管理システム20は、最大1,200リットル/時を発生するように構成されているが、さらに他の実施形態においては、システムサイズを変更可能である。
[0072]制御ユニット100は、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147と電気的に接続している。制御ユニット100は、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147を選択的に動作させるように構成されている。図示の実施形態において、制御ユニット100は、バッファポンプ145及びWFIポンプ147を独立して動作させるように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147の少なくとも一方のポンプ速度及び体積変位の少なくとも一方を制御することにより、マニホールド23において一体的に混合されるバッファ溶液の体積比及び注射用水(WFI)の量を調整するように構成されている。
[0073]制御ユニット100は、マニホールド23及び希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナアセンブリ25から受信した少なくとも1つの入力信号に従って、ポンプ145、147を選択的に動作させることにより、複数のバッファ管理動作を与えるように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、インライン希釈スキッド30を動作させて、少なくとも1つのバッファ管理シーケンスを実行するように構成されている。
[0074]図3を参照すると、実施形態において、制御ユニット100は、コントローラ104、プロセッサ107、バッファ管理プログラムを保持する持続性コンピュータ可読媒体108、データ記憶装置109、及び表示装置110を具備する。コントローラは、例えばバッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147等、バッファ管理システム20の少なくとも1つの構成要素を選択的に動作させるように構成可能である。コントローラは、プロセッサ107とともに動作・通信可能に配置されている。プロセッサ107は、持続性コンピュータ可読媒体108とともに動作可能に配置されて、そこに含まれるバッファ管理プログラムを実行する。プロセッサ107は、表示装置110とともに動作可能に配置されて、バッファ管理プログラムからの出力情報の表示及び/又は表示装置110により表示されたグラフィカルユーザインターフェースからの入力情報の受け付けを選択的に行う。
[0075]実施形態において、コントローラ104は、1つ又は複数のユーザ作動入力制御信号を発信するように構成された1つ又は複数のユーザ作動機構(例えば、1つ又は複数の押しボタン、スライドバー、回転可能ノブ、キーボード、及びマウス)を有するユーザ入力及び/又はインターフェース装置を具備し得る。実施形態において、コントローラ104は、当業者には当然のことながら、バッファ管理システムの他の様々な制御機能を提供する1つ又は複数の他のユーザ作動機構を具備するように構成可能である。コントローラ104は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するように構成された表示装置を具備し得る。実施形態において、グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザ入力装置及び表示装置の両者として機能するように構成可能である。実施形態において、表示装置は、表示画面の様々な部分をタッチするユーザからの入力信号を受信するように構成されたタッチスクリーン装置を備え得る。実施形態において、コントローラ104は、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(例えば、無線モバイル装置)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、又は他種の装置の形態が可能である。実施形態において、コントローラ104及びプロセッサ107は、同じ装置又は一組の機器を備え得る。
[0076]実施形態において、プロセッサ107は、マニホールド23により当該プロセッサ107に送られたバッファ溶液データに基づいて、インライン希釈スキッドを通じて作成されるバッファ溶液が所与の所望バッファ溶液の所定の許容範囲内にあるかの判定に使用可能な特別プログラムのプロセッサを備える。図示の実施形態において、プロセッサ107は、コントローラ104とともに動作可能に配置されて、バッファ管理システム20の制御及び動作を容易化する。実施形態において、プロセッサ107は、コントローラ104からの入力信号の受信、コントローラ104への入力制御信号の送信、及び/又はコントローラ104への出力情報の送信を行うように構成可能である。実施形態において、コントローラ104及びプロセッサ107は、同じ装置を備え得る。
[0077]実施形態においては、少なくとも1つのセンサ171、172、173がマニホールド23の出口ライン183と関連付けられ、バッファ特性(例えば、伝導度又はpH等)又は流体パラメータの値を検知することにより、バッファ特性/流体パラメータの検知した値を示す信号を発信するとともに、信号を制御ユニット100に送信するように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、受信信号を用いて、バッファ管理システム20の動作を制御可能である。各センサ171、172、173は、各信号を送信するように、制御ユニット100と電気的に接続している。実施形態において、制御ユニット100は、このような少なくとも1つのセンサ171、172、173から受信した信号に基づいて、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147の少なくとも一方の動作を制御するように構成されている。
[0078]実施形態において、センサ171、172、173としては、バッファ溶液のパラメータを検出するように構成された任意好適なセンサが可能である。実施形態においては、バッファパラメータの使用により、作成対象のバッファ溶液が所望のバッファ溶液の特定の許容範囲内にあるか、及び/又は、所望の流体特性の所望の動作範囲内にあるかを判定することができる。図示の実施形態において、シングルユースマニホールド23は、当該マニホールド23の出口ライン183に接続され、伝導度信号、圧力信号、及びpH信号をそれぞれ制御ユニット100に送信するように構成された伝導度センサ171、圧力センサ172、及びpHセンサ173を具備する。実施形態において、バッファ管理プログラムは、伝導度信号及びpH信号の少なくとも一方を用いて、出口ラインを通過するバッファ溶液が所望のバッファの所与の仕様の所定の許容範囲内にあるかを判定することができる。実施形態において、バッファ管理プログラムは、圧力信号を用いて、マニホールド23が安全動作のための所定の最大圧力未満で動作しているかを判定することができる。
[0079]プロセッサ107は、マニホールド23とともに動作可能に配置されて、そこからバッファ溶液データを受信するとともに、希釈バッファラックタワー28、29とともに動作可能に配置されて、そこからバッファ溶液使用データを受信する。プロセッサ107と希釈バッファラックタワー28、29との間に延びた1つの電気的に接続ラインを示しているが、実施形態においては、希釈バッファラックタワー28、29の各バイオコンテナアセンブリがプロセッサ107と独立して連通可能であることが了解されるものとする。実施形態において、プロセッサ107は、有線通信チャネルを含む任意好適な技術によって、マニホールド23、希釈バッファラックタワー28、29、及び高濃度バッファラックタワー22、26、27と電気的に接続している。実施形態において、プロセッサ107は、Wi-Fiネットワークを含み、バッファ管理システム20の全体でモノのインターネット(IoT)装置に接続された無線通信ネットワークを介して、マニホールド23、希釈バッファラックタワー28、29、及び高濃度バッファラックタワー22、26、27のうちの少なくとも1つと電気的に接続している。
[0080]実施形態において、プロセッサ107は、マニホールド及び/又はラックタワー22、26、27、28、29から受信したバッファ溶液データを表示装置110に表示するように構成されている。また、バッファ溶液データは、プロセッサ107と動作可能に配置されたデータ記憶装置109にも格納可能であり、並びに/又は当該バッファ溶液データの所定のバッファ特性(例えば、pH等)との相関によって、マニホールドを通過するバッファ溶液の識別及び/若しくはマニホールドを通じて作成されるバッファ溶液が所望のバッファ溶液の所定の許容範囲内にあるかの判定を行う。
[0081]実施形態において、プロセッサ107は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ、携帯型コンピュータ装置、個人用記録ツール、デバイスコントローラ、論理デバイス(例えば、処理機能を実行するように構成されたプログラム可能な論理デバイス)、デジタル信号処理(DSP)装置、又は電化製品内の演算エンジン等の任意好適なコンピュータ装置を含み得る。また、実施形態において、プロセッサ107は、1つ又は複数の付加的な入力装置(例えば、キーボード及びマウス又は他の好適なヒューマンマシンインターフェース(HMI))を具備する。
[0082]プロセッサ107には、データ及び情報を格納する1つ又は複数のメモリデバイスが関連付けられ得る。1つ又は複数のメモリデバイスは、任意好適な種類を含み、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、EEPROM(電気的消去・プログラム可能リードオンリーメモリ)、フラッシュメモリ等の揮発性及び不揮発性メモリデバイスが挙げられる。一実施形態において、プロセッサ107は、持続性コンピュータ可読媒体に格納されたプログラムを実行することにより、本開示の原理に従った様態で様々な方法、プロセス、及び動作モードを実行するように構成されている。
[0083]バッファ管理プログラムは、マニホールド23からプロセッサ107が受信した測定信号に基づいて、マニホールド23を通じて作成されるバッファ溶液が所与の所望バッファ溶液の所定の許容範囲内にあるかを判定するように構成されている。実施形態において、バッファ管理プログラムは、マニホールド23のpHセンサ173からのpH信号を用いて、作成対象のバッファ溶液が、所与の所望バッファ溶液に与えられた公称仕様の所定の許容範囲内にあるかを判定するように構成されている。実施形態において、バッファ管理プログラムは、マニホールド23の伝導度センサ171からの伝導度信号を用いて、作成対象のバッファ溶液が、所与の所望バッファ溶液に与えられた公称仕様の所定の許容範囲内にあるかを判定するように構成されている。
[0084]実施形態において、持続性コンピュータ可読媒体108は、本開示の原理に従ってバッファ溶液を管理する方法の一実施形態を実装するように構成されたバッファ管理プログラムを含み得る。実施形態において、バッファ管理プログラムは、表示装置110により表示可能なグラフィカルユーザインターフェースを含む。グラフィカルユーザインターフェースの使用によって、ユーザによるバッファ管理プログラムへのコマンド及びデータの入力を容易化可能であるとともに、バッファ管理プログラムにより発出された出力を表示可能である。
[0085]バッファ管理プログラムは、任意好適なコンピュータ可読記憶媒体に格納可能である。例えば、実施形態において、本開示の原理に従うバッファ管理プログラムは、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD-ROMドライブ、テープドライブ、ジップドライブ、フラッシュドライブ、光学記憶装置、磁気記憶装置等に格納可能である。
[0086]実施形態において、マニホールド23からのpH及び伝導度データは、表示装置110のグラフィカルユーザインターフェースを介して、バッファ管理プログラムにより表示可能である。実施形態においては、オペレータがpH及び/又は伝導度に対して所定の許容範囲を設定可能であり、バッファ管理プログラムは、測定したpH及び伝導度の少なくとも一方が所定の許容範囲外となった場合に、アラームを発令するように構成可能である。実施形態において、アラームとしては、可聴信号及び/又はグラフィカルユーザインターフェースを介して表示装置110に表示される警報メッセージ等、任意好適なアラームが可能である。
[0087]実施形態において、プロセッサ107は、バッファ溶液データを含む少なくとも1つのデータベースを含むデータ記憶装置109と動作可能に連通している。実施形態において、バッファ管理プログラムは、マニホールドにより発出された測定データ及びラックタワーにより発出されたバッファ溶液データをデータ記憶装置109に格納するように構成可能である。実施形態において、測定データ及びバッファ溶液使用データは、所与の時間の様々なデータを検索可能となり得るように、データ記憶装置の時間データと論理的に関連付け可能である。
[0088]図7を参照すると、この図は、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20の実施形態における使用に適した、本開示の原理に従って構成されたマニホールド23の一実施形態を示している。図7に示すマニホールド23は、シングルユースインラインバッファ希釈マニホールドを含む。マニホールド23は、図1のバッファ管理システム20のインライン希釈スキッド30に対して取り付け取り外しが可能なように構成されている。図示の実施形態において、マニホールド23は、バイオプロセッシング用途における使用のため、インライン希釈スキッド30に組み込まれた後、取り外されて廃棄される交換可能な部品を備える。
[0089]図示の実施形態において、マニホールド23は、バッファ入口ライン181、WFI入口ライン182、出口ライン183、及び排水ライン184を有する配管類配置を含む。この配管類配置は、マニホールド23の様々なポート201~207、211~217を相互接続するとともに、制御弁151~167と関連付けられて、マニホールド23を通るバッファ溶液及びWFIの流れを制御する。実施形態において、配管類配置には、複数の可撓性の配管類配管類ラインを含む。実施形態において、可撓性の配管類配管類は、シリコーン、TPE等の任意好適な溶液により構成可能である。実施形態において、バッファ入口ライン181、WFI入口ライン182、出口ライン183、及び排水ライン184は、外部に取り付けられたピンチ弁によって選択的に閉塞されるように構成された配管類を備える。
[0090]バッファ入口ライン181は、混合接合部185と流体連通している。WFI入口ライン182についても、バッファ入口ライン181及び当該WFI入口ライン182が混合接合部185を介して互いに流体連通するように、混合接合部185と流体連通している。図示の実施形態において、混合接合部185は、「T」接続の形態である。
[0091]実施形態において、バッファ入口ライン181とは、少なくとも1つのバッファ入口ポート201~206が流体連通している。図示の実施形態において、マニホールド23は、バッファ入口ライン181と流体連通した6つのバッファ入口ポート201~206を具備する。バッファ入口ポート201~206それぞれとバッファ入口ライン181との間には、制御弁151~156がそれぞれ介在して、バッファ入口ポート201~206のそれぞれを通ってバッファ入口ライン181に至る高濃度バッファ溶液の流れを選択的に制御する。
[0092]バッファドレン接合部186は、バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182と流体連通して、両者間に介在している。バッファ入口ライン181は、バッファドレン接合部186と混合接合部185との間に延びている。
[0093]WFI入口ライン182及びバッファ入口ライン181の両者において、制御弁157、158がバッファドレン接合部186の上流にそれぞれ接続されている。バッファドレン制御弁158は、選択的な動作により、(WFI入口ライン182を介して)バッファ入口ライン181を排水ライン184と流体連通させて、バッファ排出動作を行わせることができる。WFI入口制御弁157は、選択的な動作により、WFI入口ライン182を通るWFIの流れを制御することができる。
[0094]WFI入口ライン182には、それに流体連通している水ポート207を含む。実施形態において、WFI入口ポート207は、好適なWFI源に流体接続可能である。実施形態において、WFI源は、WFIのタンクを含み得る。実施形態において、WFIは、多重効用蒸留及び蒸気圧縮の少なくとも一方を使用するオンサイトWFI生成システムを用いて生成される。
[0095]WFI入口ライン182は、水ポート207と混合接合部185との間に延びている。WFI入口ライン182は、WFIドレン接合部187を介して排水ライン184と流体連通している。WFIドレン接合部187は、水入口ポート207と混合接合部185との間に介在する。WFIドレン接合部187は、WFI入口ライン182が当該WFIドレン接合部187を介して排水ライン184と流体連通するように、WFI入口ライン182及び排水ライン184の両者と流体連通している。排水ライン184のWFIドレン接合部187の下流には、第1の排水制御弁159が設置されて、WFI入口ライン182から排水ライン184への流体の流れを選択的に遮蔽する。
[0096]出口ライン183は、混合接合部185を介して、バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182の両者と流体連通している。出口ライン183は、排出ドレン接合部188を介して排水ライン184と流体連通している。出口ライン183は、混合接合部185と排出ドレン接合部188との間に延びている。排出ドレン接合部188は、出口ライン183及び排水ライン184と流体連通している。排水ライン184の排出ドレン接合部188の上流及び下流にはそれぞれ、第2及び第3の排水制御弁160、167が設置されている。バッファ入口ライン181は、バッファドレン接合部186、WFIライン182、及びWFIドレン接合部187を介して排水ライン184と流体連通している。
[0097]実施形態において、出口ライン183は、流体連通している少なくとも1つのバッファ出口ポート211~216を含む。図示の実施形態において、マニホールド23は、出口ライン183と流体連通した6つのバッファ出口ポート211~216を具備する。実施形態において、出口ポート211~216の数は、バッファ入口ポート201~206の数に対応する。バッファ出口ポート211~216のそれぞれと出口ライン183との間には、制御弁161~166がそれぞれ介在して、マニホールドからバッファ出口ポート211~216のそれぞれを通って希釈バッファラックタワー28、29に至る希釈バッファ溶液の流れを選択的に制御する。
[0098]また、図示の実施形態において、出口ラインは、流体連通している完全性テストライン190を有する。実施形態においては、当業者には当然のことながら、完全性テストライン190の使用により、作成対象のバッファ溶液の他の好適なサンプリング及びテストを実施可能である。実施形態においては、完全性テストライン190を介した加圧空気のマニホールド23への導入によって、圧力減衰テストを実施可能であり、これによって、マニホールド23が完全であるかが示されることになる。
[0099]排水ライン184は、WFIドレン接合部187を介してWFI入口ライン182と流体連通するとともに、排出ドレン接合部188を介して出口ライン183と流体連通している。排水ライン184は、バッファドレン接合部186、WFIライン182、及びWFIドレン接合部187を介してバッファ入口ライン181と流体連通している。排水ライン184とは、排水出口ポート217が流体連通している。実施形態においては、排水ライン184から排水出口ポート217を通って好適なタンク又は施設ドレンへと流体を排出可能である。
[00100]図示の実施形態において、排水ライン184は、WFIドレン接合部187と排水出口ポート217との間に延びている。排水ライン184とは、3つの制御弁159、160、167が関連付けられており、当該排水ライン184を選択的に閉塞する。第1及び第2の排水制御弁159、160の使用により、バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182を排水出口ポート217に流体接続する排水ライン184の部分を選択的に閉塞可能である。第3の排水制御弁167の使用により、排出ドレン接合部188の下流の排水ライン184の部分を選択的に閉塞可能である。実施形態において、ポート201~207、211~217はそれぞれ、動作可能な関係にある複数の制御弁151~157、161~167を有することにより、制御ユニット100を介して、バッファ入口ポート201~206、WFI入口ポート207、バッファ出口ポート211~216、及び排水出口ポート217のそれぞれを選択的に閉塞する。
[0100]実施形態において、制御弁151~167としては、後述の通り、マニホールド23を通る流体の流れを選択的に制御するのに適した如何なる種類の制御弁も可能である。例えば、実施形態において、制御弁151~167は、ピンチ弁と配管類の間の接触点において当該可撓性の配管類配管類ライン内のオリフィスを選択的に閉塞するように構成されたピンチ弁を含む。制御弁151~167は、制御ユニット100が当該制御弁151~167を選択的に動作させ得るように、制御ユニット100とともに動作可能に配置されている。図示の実施形態において、制御ユニット100は、各制御弁151~167を独立して動作させるように構成されている。
[0101]図示の実施形態において、マニホールド23は、バッファポンプヘッド191及びWFIポンプヘッド192を具備する。バッファポンプヘッド191は、バッファ入口ライン181に設置され、インライン希釈スキッド30のキャビネット139においてバッファポンプ本体145とともに動作可能に配置されることにより、バッファポンプ本体145の動作によってバッファ入口ライン181内の流体の流れを選択的に発生するように構成されている。バッファポンプヘッド191は、バッファポンプの動作により、高濃度バッファラックタワー22、26、27からバッファ入口ライン181を通じて少なくとも1つの選択された高濃度バッファ溶液を液送し得るように、希釈スキッド30のキャビネット139においてバッファポンプ本体145とともに動作可能に配置されるように構成されている。
[0102]WFIポンプヘッド192は、WFI入口ライン182に設置され、インライン希釈スキッド30のキャビネット139においてWFIポンプ本体147とともに動作可能に配置されることにより、WFIポンプ本体147の動作によってWFI入口ライン182内の流体の流れを選択的に発生するように構成されている。WFIポンプヘッド192は、WFIポンプの動作により、WFI源からWFI入口ライン182を通じてWFI供給物を液送し得るように、希釈スキッド30のキャビネット139においてWFIポンプ本体147とともに動作可能に配置されるように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、バッファポンプ本体145及びWFIポンプ本体147の少なくとも一方のポンプ速度及び体積変位の少なくとも一方を制御することにより、バッファ入口ライン181を流れるバッファ溶液の体積比及びWFI入口ライン182を流れるとともに出口ライン183において一体的に混合されるWFIの量を調整するように構成されている。
[0103]実施形態において、マニホールド23は、出口ライン183に接続され、出口ライン183における流体のバッファ特性の値を検出するとともに、検知したバッファ特性の値を示すバッファ特性信号を発信するように構成された少なくとも1つのバッファ特性測定用センサ171、173を具備する。図示の実施形態において、マニホールド23は、出口ライン183に接続され、伝導度信号及びpH信号を制御ユニット100にそれぞれ送信するように構成された2つのバッファ特性測定用センサ171、173すなわち伝導度センサ171及びpHセンサ173を具備する。
[0104]また、実施形態において、出口ライン183には、少なくとも1つの動作センサ172を設けることができる。制御ユニット100は、動作センサ172から受信した信号を用いて、マニホールド23が所望の流体特性の所望の動作範囲内で動作しているかを判定するように構成可能である。図示の実施形態において、マニホールド23は、出口ライン183に接続され、圧力信号を制御ユニット100に送信するように構成された圧力センサ172を具備する。制御ユニット100は、圧力信号を用いて、例えば安全動作圧力範囲内等、マニホールド23が所望の動作圧力範囲内で動作しているかを判定するように構成可能である。
[0105]実施形態においては、図7に示すように、少なくとも1つのバッファ特性測定用センサ174が排水ライン184と関連付けられ、排水ライン184におけるバッファ溶液のバッファ特性の値を検知するとともに、検知したバッファ特性の値を示すバッファ特性信号を制御ユニット100に送信するように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、排水ライン184から受信したバッファ特性信号を用いて、バッファ管理システム20の動作を制御可能である。
[0106]実施形態において、排水ライン184中のバッファ特性測定用センサ174としては、任意好適なセンサ(例えば、伝導度センサ)が可能である。実施形態において、出口ライン183及び排水ライン184とは、同じ種類の少なくとも1つのセンサ171、174が関連付けられ得る。例えば、実施形態において、出口ライン183中の第1のバッファ特性測定用センサ171及び排水ライン184中のバッファ特性測定用センサ174はずれも、伝導度センサを含む。
[0107]図示の実施形態において、排水ライン184に接続された第2の伝導度センサ174は、第2の伝導度信号を制御ユニット100に送信するように構成されている。実施形態において、バッファ管理プログラムは、第2の伝導度信号を用いて、排水ライン184を通過する液体の識別及び/又は排水ライン184を通過するバッファ溶液が所望バッファの所与の仕様の所定の許容範囲内にあるかの判定を行うように構成可能である。実施形態において、制御ユニット100は、第2の伝導度センサ174からの第2の伝導度信号を用いて、WFIの伝導度が所定の範囲内で所望のバッファ溶液の作成における使用に適するかを判定するように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、バッファ特性信号に基づいて、排水ラインを通過する液体が所望のバッファの所与の仕様の所定の許容範囲内にあるかを判定するとともに、排水ライン中の流体が所定の許容範囲内にある場合に、第3の排水制御弁167を介して排水ライン184を閉塞する(そして、バッファ出口ポート211~216のうちの1つを開放する)ように構成されている。
[0108]実施形態において、制御ユニット100は、バッファ管理システム20の動作を自動的に制御して、所与の仕様の所定の許容範囲内でバッファ溶液を作製するように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、少なくとも1つのセンサフィードバックループを介して受信した情報に応答して、バッファポンプ及びWFIポンプの少なくとも一方の動作を自動的に制御することにより、所望のバッファ溶液を作成するように構成されている。実施形態において、制御ユニット100は、バッファポンプ及びWFIポンプの少なくとも一方のポンプ速度/体積変位を制御して、出口ライン183において一体的に混合されるWFIに対する高濃度バッファの比を調整することにより、所望のバッファレシピを実現するように構成されている。
[0109]図7を参照すると、実施形態においては、コンピュータ可読媒体108に格納されたバッファ管理プログラムでプロセッサ107がプログラムされている。実施形態において、バッファ管理プログラムは、マニホールド23を通過するバッファ溶液を自動的に識別するように構成された識別モジュールを含む。実施形態において、識別モジュールは、少なくとも1つのバッファ特性測定用センサ171、173、174から送信された少なくとも1つのバッファ特性信号に基づいて、バッファ入口ポート201~206のうちの1つを介してマニホールド23に入り、マニホールド23を通過する高濃度バッファ溶液を自動的に識別するように構成されている。図示の実施形態において、プロセッサ107は、マニホールド23のバッファ特性測定用センサ171、173、174から各バッファ特性信号を受信するようにバッファ特性測定用センサ171、173、174それぞれと電気的に接続している。
[0110]実施形態において、データ記憶装置109は、複数の異なるバッファレシピのバッファ溶液特性データを含む。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、少なくとも1つのバッファ特性測定用センサ171、173、174から受信した少なくとも1つのバッファ特性信号を解析して、バッファレシピのいずれが、(1つ又は複数の)バッファ特性測定用センサ171、173、174から受信した(1つ又は複数の)バッファ特性信号に最も近く一致するかを決定することにより、マニホールド23を通過する高濃度バッファ溶液を識別するように構成可能である。
[0111]実施形態において、データ記憶装置109に格納されたバッファレシピはそれぞれ、少なくとも2つの異なるバッファ特性(例えば、伝導度及びpH等)のバッファ溶液特性データを含む。実施形態において、バッファ管理プログラムの識別モジュールは、pHセンサ173及びバッファ伝導度センサ171、174の少なくとも一方等、2つの異なるバッファ特性測定用センサ171~174からのバッファ特性信号の値に基づいて、マニホールドを通過する高濃度バッファ溶液を識別するように構成されている。
[0112]当業者には当然のことながら、実施形態において、バッファレシピは、任意好適な技術を用いて記憶装置109にロード可能である。例えば、実施形態において、制御ユニット100は、少なくとも1つのバッファレシピの形態のオペレータ入力を受け付けるように構成されたヒューマンマシンインターフェース(HMI)を具備する。実施形態において、バッファ管理プログラムは、識別モジュールによる使用のため、少なくとも1つのバッファレシピのバッファ溶液特性デートをデータ記憶装置に格納するように構成されたレシピ管理モジュールを含む。レシピ管理モジュールは、プロセッサ107による使用のため、HMI110を介して記憶装置109に入力された少なくとも1つのバッファレシピを論理的に格納するように構成可能である。
[0113]実施形態において、バッファ管理プログラムの識別モジュールは、バッファ入口ポート201~206のそれぞれを通じて高濃度バッファ溶液を順次引き込むことにより、(1つ又は複数の)バッファ特性測定用センサ171、173、174から受信した(1つ又は複数の)バッファ特性信号に基づいて、高濃度バッファラックタワー22、26、27からの一組の高濃度バッファ溶液のいずれが、バッファ入口ポート201~206のいずれに接続されるかを識別するように構成されている。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、バッファ入口ポート201~206のそれぞれに流体接続された高濃度バッファ溶液の識別情報をデータ記憶装置109に格納するように構成可能である。
[0114]本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20の実施形態は、従来の手法に対して、バッファ作製室に必要な空間を低減可能である。作成に必要な比較的大量(例えば、2,000L)のバッファをそのままの濃度で使用する用途においては、(10倍希釈に基づいて)200Lのトートのみを使用可能である。バッファの総体積が20,000Lにも及ぶ用途においては、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムにおいて、(10倍希釈に基づいて)2,000Lの高濃度バッファ溶液を使用可能である。
[0115]本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システムの他の実施形態において、インラインバッファ希釈システムの構成は、別の形態も可能である。例えば、実施形態においては、ワークステーションをトートにより置き換え可能である。他の実施形態において、バッファ管理システムは、より大きなバッファ体積に合わせた拡大又は検査室での使用に合わせた縮小が可能である。実施形態においては、マニホールドアセンブリを剛性プラスチック構成により構築可能である。実施形態においては、本開示の原理に従って構成された管理システムの使用により、バッファ溶液以外の液体を処理して、別の用途の要件を満たすことができる。
[0116]本開示の原理に従ってバッファ管理システム20を使用する方法の実施形態においては、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20の使用により、本明細書に記載の通り、所望のバッファ溶液を連続して作成する。実施形態においては、本開示の原理に係るシングルユースマニホールド23を有するインライン希釈スキッド30の一実施形態を含み得る、本明細書に記載の原理に係るバッファ管理システム20の任意の実施形態とともに、本開示の原理に従ってバッファ管理システムを使用する方法を用いることができる。
[0117]一実施形態において、バッファ管理システム20を使用する方法は、ある量のバッファ濃縮物及びある量の注射用水(WFI)をインライン希釈スキッド30に引き込むことを含む。ある量のバッファ濃縮物及びある量のWFIは、インライン希釈スキッドで混合されて、希釈バッファ溶液を構成する。
[0118]インライン希釈スキッド30においては、希釈バッファ溶液のバッファ特性が検知される。そして、検知したバッファ特性の値を示すバッファ特性信号が制御ユニット100に送信される。制御ユニット100の使用により、バッファ特性信号に基づいて、希釈バッファ溶液が選択したバッファレシピの所定の許容範囲内にあるかを判定する。希釈バッファ溶液が所定の許容範囲内にあるものと制御ユニットが判定したら、希釈バッファ溶液は、インライン希釈スキッド30からバイオコンテナ55に送液される。
[0119]実施形態において、この方法は、希釈バッファ溶液が所定の許容範囲外であるものと制御ユニット100が判定した場合に、インライン希釈スキッド30から排水ライン184を通じて、希釈バッファ溶液を移送することをさらに含む。制御ユニット100の使用により、バッファ特性信号に基づいて、ある量のバッファ濃縮物をインライン希釈スキッドに引き込むバッファポンプ及びある量のWFIをインライン希釈スキッド30に引き込むWFIポンプの少なくとも一方を調整する。
[0120]実施形態においては、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20の一実施形態の使用により、高濃度バッファラックタワー22、26、27に格納された少なくとも1つのバッファ濃縮物を配管類経由でインライン希釈スキッド30に引き込むとともに、混合T接続185を通じたバッファポンプ及びWFIポンプの少なくとも一方の調整により可変となる比で高濃度バッファをある量のWFI(注射用水)と混合可能である。混合後は、希釈バッファ溶液が第1の伝導度センサ171を通過した後、pHセンサ173を通過する。制御ユニット100のバッファ管理プログラムは、第1の伝導度信号及びpH信号の少なくとも一方に基づいて、出口ライン183を通過する希釈バッファ溶液が選択バッファレシピの所定の許容範囲内にあるかを判定するように動作可能である。希釈バッファ溶液は、正しい仕様に達するまで、排水ライン184に回される。制御ユニット100は、マニホールド23を自動的に制御して、所望の希釈バッファレシピを生成するとともに、フィードバックセンサ171、173、174から受信した信号に基づいて、希釈スキッド30の制御弁201~217の制御並びにバッファポンプ及びWFIポンプの少なくとも一方の制御により、希釈バッファ溶液を希釈バッファラックタワー28、29の所望のサージコンテナバッグ55に送るように構成されている。
[0121]排水ライン184中の第2の伝導度センサ174からの第2の伝導度信号を制御ユニット100に送り、バッファ管理プログラムによる使用によって、排水ライン184を通過する希釈バッファ溶液が選択バッファレシピの仕様範囲内にあるかを判定することができる。混ぜ合わせた液体が排水ライン184を通過するときに、高濃度バッファ溶液及びWFIの混合が継続し得ることから、第2の伝導度信号をモニタリングして、希釈バッファ溶液が所望のレシピの仕様範囲内にあるかを判定することにより、排水ライン184に回される溶液の量を減らすことが有用となり得る。
[0122]制御ユニット100は、マニホールド23内で作成される希釈バッファ溶液が所望のバッファレシピの仕様範囲内にあるものと判定したら、希釈バッファラックタワー28、29のサージバイオコンテナのうちの選択された1つに希釈バッファ溶液が案内されるように、マニホールド23を動作させ得る。選択されたサージバイオコンテナに格納された希釈バッファ溶液は、操作プロセス(例えば、TFF又はクロマトグラフィ等)に送液可能な状態ができている。
[0123]本開示の原理に従ってバッファ管理システム20を使用する方法の実施形態においては、本開示の原理に従って構成されたバッファ管理システム20の使用により、バイオプロセッシング用途におけるバッファ溶液の配置を自動的に識別する。実施形態においては、本開示の原理に係るシングルユースマニホールド23を有するインライン希釈スキッド30の一実施形態を含み得る、本明細書に記載の原理に係るバッファ管理システム20の任意の実施形態とともに、本開示の原理に従ってバッファ識別動作を実行するバッファ管理システムを使用する方法を用いることができる。
[0124]一実施形態において、バッファ管理システムを使用する方法は、一組の高濃度バッファ溶液のうちの1つのある量をマニホールドの複数のバッファ入口ポートのうちの第1のバッファ入口ポートに引き込むステップを含む。高濃度バッファ溶液のバッファ特性がマニホールドにおいて検知される。検知したバッファ特性の値を示すバッファ特性信号を制御ユニットに送信する。制御ユニットを用いることにより、バッファ特性信号に基づいて、第1のバッファ入口ポートを介してマニホールドに入る高濃度バッファ溶液を識別する。
[0125]実施形態においては、複数のバッファレシピのバッファ溶液特性データをデータ記憶装置にロード可能である。制御ユニットは、バッファ特性信号を解析して、バッファ特性信号に最も近く一致する記憶装置中のバッファレシピのうちの1つを決定することにより、マニホールドを通過する高濃度バッファ溶液を識別するように構成可能である。このような実施形態のうちの少なくともいくつかにおいては、第1のバッファ特性と異なる高濃度バッファ溶液の第2のバッファ特性をマニホールドにおいて検知可能である。検知した第2のバッファ特性の値を示す第2のバッファ特性信号を制御ユニットに送信可能である。制御ユニットは、第1のバッファ特性信号及び第2のバッファ特性信号に基づいて、第1のバッファ入口ポートを介してマニホールドに入る高濃度バッファ溶液を識別するように構成可能である。これら実施形態の少なくともいくつかにおいて、第1のバッファ特性及び第2のバッファ特性はそれぞれ、伝導度及びpHを含む。
[0126]本開示の原理に従ってバッファ管理システムを使用する方法の実施形態は、一組の高濃度バッファ溶液のうちの1つのある量をマニホールドの複数のバッファ入口ポートのそれぞれに順次引き込むことを含み得る。一組の高濃度バッファ溶液のうちの1つのバッファ特性は、マニホールドにおいて順次検知可能である。一組の高濃度バッファ溶液のうちの1つの検知したバッファ特性の値を示すバッファ特性信号は、制御ユニットに順次送信可能である。制御ユニットを順次使用することにより、バッファ特性信号に基づいて、マニホールドの複数のバッファ入口ポートのそれぞれを介してマニホールドに入る一組の高濃度バッファ溶液のうちの1つを識別することができる。バッファ入口ポートのそれぞれに流体接続された高濃度バッファ溶液の識別情報は、データ記憶装置に格納バイオコンテナからの充填レベル信号の変化に基づいて可能である。
[0127]本開示の原理に従ってバッファ管理システムを使用する方法の実施形態は、マニホールドの複数のバッファ送液うちの第1のバッファ出口ポートから複数のバイオコンテナのうちに1つにある量の液体を移送することを含み得る。複数のバッファ出口ポートは、複数のバイオコンテナのうちの異なる1つとそれぞれ流体連通している。複数のバイオコンテナのそれぞれに格納された溶液の量をそれぞれ検知可能である。複数のバイオコンテナのそれぞれにおいて検知した溶液の量の値を示す充填レベル信号を制御ユニットにそれぞれ送信可能である。制御ユニットを用いることにより、第1のバッファ出口ポートが流体連通したバイオコンテナを、そのバイオコンテナからの充填レベル信号の変化に基づいて識別する。
[0128]実施形態においては、バッファ出口ポートのそれぞれを通じて流体が順次排出される。これに対応して、制御ユニットを順次用いることにより、バッファ出口ポートのそれぞれが流体連通したバイオコンテナを、そのバイオコンテナからの充填レベル信号の変化に基づいて識別する。バッファ出口ポートのそれぞれに流体接続されたバイオコンテナの識別情報は、データ記憶装置に格納される。
[0129]本開示の原理に従ってバッファ管理システムを使用する方法の実施形態は、バイオコンテナのそれぞれからバイオプロセッシングユニットの複数のユニット入口ポートのうちの1つにある量の液体を順次移送することを含み得る。複数のバイオコンテナは、バイオプロセッシングユニットのユニット入口ポートのうちの異なる1つとそれぞれ流体連通している。これに対応して、制御ユニットを順次用いることにより、ユニット入口ポートのそれぞれが流体連通したバイオコンテナを、そのバイオコンテナからの充填レベル信号の変化に基づいて識別する。
[0130]図8~図11を参照すると、これらの図は、第1のバイオコンテナサージバッグ充填シーケンスを示している。実施形態において、各サージバッグ充填シーケンスは、マニホールド23をフラッシングすることと、作成対象のバッファ溶液が所与の希釈バッファレシピの所定の許容範囲内にあるものと制御ユニット100が判定するまで、バッファ溶液を排水ライン184に排水することと、希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナサージバッグのうちの選択した1つを所定の体積まで充填することとを含む。図示の実施形態において、最初のサージバッグ充填シーケンスは、マニホールド23をフラッシングすることと、マニホールド23を通るWFIの流れを準備することと、作成対象のバッファ溶液が所与の希釈バッファレシピの所定の許容範囲内にあるものと制御ユニット100が判定するまで、バッファ溶液を排水ライン184に排水することと、希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナサージバッグのうちの選択した1つを所定の体積まで充填することとを含む。
[0131]図8を参照すると、マニホールド23は、フラッシング位置にある。フラッシングステップの実行により、任意のバッファ溶液の残留物又はマニホールド23中のその他任意の不純物を除去して、各充填シーケンスを開始する。フラッシング位置において、希釈スキッド30の制御ユニット100は、高濃度バッファラックタワーの高濃度バッファ及び希釈バッファラックタワー22、26、27のバイオコンテナアセンブリがすべてマニホールド23から流体隔離されるように、制御弁151~167を制御可能である。バッファ入口ライン181、WFI入口ライン182、出口ライン183、及び排水ライン184はすべて、WFIがこれらのライン181、182、183、184を通り、排水出口ポート217から流出し得るように、WFI入口ポート207を介してWFI源と流体連通している。このような構成において、マニホールド23がフラッシング位置にある場合は、WFI入口ポート207から排水出口ポート217までマニホールドを通る複数の流路が確立される。図示の実施形態において、制御ユニット100は、バッファ入口制御弁151~156及びバッファ出口制御弁161~166を動作させて、各バッファ入口ポート201~206及び出口ポート211~216を閉塞済みである。
[0132]実施形態において、フラッシングステップは、所定の期間にわたって実行可能である。実施形態において、フラッシングステップは、第2の伝導度センサ174からの第2の伝導度信号が所定の仕様を満たすものと制御ユニット100のバッファ管理プログラムが判定するまで実行可能である。
[0133]図9を参照すると、マニホールド23は、WFI導入位置にある。通常のバッファレシピにおけるWFIの需要が、WFIと混合される高濃度バッファ溶液の量の5倍~20倍の範囲となり得ることから、マニホールドの実施形態においては、WFIポンプ192がバッファポンプ191よりも大きい。これに比例して、WFIは、(1つ又は複数の)バッファ濃縮物よりも大きな体積で液送される。準備ステップは、所望の高濃度バッファ溶液をマニホールド23に導入してWFIと混合する前に、マニホールド23を通るWFIの流れによる定常状態を発生させるために含み得る。
[0134]WFI導入位置において、希釈スキッドの制御ユニット100は、高濃度バッファラックタワーの高濃度バッファ及び希釈バッファラックタワーのバイオコンテナアセンブリがすべてマニホールドから流体隔離されるように、制御弁を制御可能である。バッファ入口ライン181は、WFI入口ライン182、出口ライン183、及び排水ライン184から流体隔離されている。WFI入口ライン182、出口ライン183、及び排水ライン184はすべて、WFIがWFI入口ポート207に入り、これらのライン182、183、184を通って、排水出口ポート217から流出し得るように、WFI源と流体連通している。制御ユニット100は、WFI入口制御弁157及び第3の排水制御弁167を開放するように動作済みである。このような構成において、マニホールド23が導入位置にある場合は、WFI入口ライン182、出口ライン183、及び排水ライン184を介して、WFI入口ポート207から排水出口ポート217までマニホールド23を通る流路が確立される。
[0135]図10を参照すると、マニホールド23は、第1のバッファ平衡化位置にある。マニホールド23が第1のバッファ平衡化位置に保持されると、作成対象のバッファ溶液が所与の第1の希釈バッファレシピの所定の許容範囲内にあるものと制御ユニット100が判定するまで、最初に作成された希釈バッファ溶液が排水ライン184に回される。
[0136]第1のバッファ平衡化位置において、希釈スキッドの制御ユニット100は、第1のバッファ入口ポート201がバッファ入口ライン181と流体連通し、その他5つのバッファ入口ポート202~206がマニホールド23から流体隔離されるように、制御弁151~156を制御可能である。制御ユニット100は、WFI入口ポートがWFI入口ライン182と流体連通してWFIが流入し得るように、WFI入口制御弁157を開放済みである。バッファ出口ポート211~216は、希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナアセンブリがすべてマニホールド23から流体隔離されるように、出口ライン183から流体隔離されている。WFI入口ライン182及びバッファ入口ライン181は、出口ライン183と流体連通しており、その出口ライン183は、バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182をそれぞれ流れる第1のバッファ濃縮物及びWFIの組み合わせが出口ライン183及び排水ライン184を通り、排水出口ポート217から流出し得るように、排水ライン184と流体連通している。このような構成において、マニホールド23が第1のバッファ平衡化位置にある場合は、マニホールド23を通る複数の流路、すなわち、WFI入口ポート207から排水出口ポート217までの流路及び第1のバッファ入口ポート201から排水出口ポート217までの別の流路が確立される。
[0137]実施形態において、マニホールド23は、当該マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が第1のバッファレシピの所定の仕様範囲内にあるものと制御ユニット100が判定するまで、第1のバッファ平衡化位置に保持される。制御ユニット100は、第1の伝導度センサ171、pHセンサ173、及び第2の伝導度センサ174のうちの少なくとも1つにより発信されたバッファデータ信号を使用して、マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が所望の第1のバッファレシピの仕様範囲内にあるもの判定することができる。実施形態において、制御ユニット100は、マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が第1の希釈バッファレシピの仕様範囲内にない場合、バッファポンプ191の流量及びWFIポンプ192の流量の少なくとも一方を調整することにより、マニホールド23において一体的に混合されるバッファ濃縮物及びWFIの比を調整するように構成可能である。制御ユニット100は、マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が所望の第1のバッファレシピの仕様範囲内にあるものと判定されるまで、(1つ又は複数の)センサフィードバックループを使用して、バッファ管理システム20の動作を調整するように構成可能である。
[0138]第1のバッファ平衡化位置において、排水ライン184を通じて送られた希釈バッファ溶液は、排水出口ポート217の近くに配置された第2の伝導度センサ174を通過する。第1のバッファ濃縮物及びWFIの混合流が第1の伝導度センサ171と第2の伝導度センサ174との間の出口ライン183において混合し続けることから、第2の伝導度信号の使用により、希釈バッファ溶液が所望の第1の希釈バッファレシピの仕様に達したタイミングをより迅速に検出することによって、排水に送られる有効なバッファ溶液の量を低減するのに役立ち得る。
[0139]図11を参照すると、マニホールド23は、第1のバッファ充填位置にある。マニホールド23は、所望の第1の希釈バッファレシピ用の希釈バッファラックタワー28、29の指定のサージバッグ55’に対して、第1の希釈バッファレシピの仕様範囲内にある希釈バッファ溶液が搬送されるように、第1のバッファ充填位置に保持される。
[0140]第1のバッファ充填位置において、希釈スキッド30の制御ユニット100は、第1のバッファ入口ポート201がバッファ入口ライン181と流体連通し、その他5つのバッファ入口ポート202~206がマニホールド23から流体隔離されるように、制御弁151~156を制御可能である。第1のバッファ出口ポート211は、マニホールド23の出口ライン183と流体連通しており、その他のバッファ出口ポート212~216は、マニホールド23から流体隔離されている。第1のバッファ出口ポート211は、第1の希釈バッファレシピに従って構成されたバッファ溶液を受容するように指定された第1の希釈バッファラックタワー28のバイオコンテナバッグ55’と流体連通している。バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182は、出口ライン183と流体連通しており、その出口ライン183は、バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182をそれぞれ流れる第1のバッファ濃縮物及びWFIの組み合わせが出口ライン183を通り、第1のバッファ出口ポート211から流出し得るように、第1のバッファ出口ポート211と流体連通している。排水ライン184は、出口ライン183から流体隔離されている。このような構成において、マニホールド23が第1のバッファ充填位置にある場合は、第1の希釈バッファレシピに従って混合された希釈バッファ溶液を第1のバッファ出口ポート211が受け付けるように、マニホールド23を通る複数の流路、すなわち、WFI入口ポート207から第1のバッファ出口ポート211までの流路及び第1のバッファ入口ポート201から第1のバッファ出口ポート211までの別の流路が確立される。
[0141]図示の実施形態において、第1のバッファ充填位置の場合、第1のバッファ出口ポート211は、第1のバッファ出口ポート211を介して、第1の希釈バッファレシピに従って構成されたバッファ溶液を受容するように指定された希釈バッファラックタワーのバイオコンテナバッグ55’と流体連通している。他の実施形態においては、別のバッファ出口ポート(例えば、第3のバッファ出口ポート213等)が指定のバイオコンテナバッグに流体接続して、第1の希釈バッファレシピを受け付け可能であることが了解される。このような構成において、マニホールドが第1のバッファ充填位置にある場合は、第1のバッファ入口ポートから第3のバッファ出口ポートまでの流路がマニホールドを通って確立される。
[0142]マニホールド23は、指定のサージバッグ55’が所定の最大充填量の第1のバッファ溶液を格納したことを示す第1の希釈バッファラックタワー28からの第1の充填レベル信号を希釈スキッド30の制御ユニット100が受信するまで、第1のバッファ充填位置に保持して、指定のサージバッグ55’を第1の希釈バッファ溶液で充填することができる。制御ユニット100は、指定のサージバッグ55’が所望の最大量の第1のバッファ溶液を有することを示す充填レベル信号を受信したら、第1のバッファ溶液の作成を中断するように動作可能である。
[0143]実施形態において、制御ユニット100は、サージバッグ55’中の第1のバッファ溶液の体積を所望の最小充填レベルに保持するように構成可能である。実施形態において、第1のバイオコンテナバッグ55’中の第1のバッファ溶液のレベルが所定のレベルを下回ることを第1のバイオコンテナバッグ55’からの第1の充填レベル信号が示す場合、制御ユニット100は、第1のバッファ充填シーケンスを行って、所定の動作レベルを上回るように第1のバッファ溶液のレベルを戻すように構成可能である。実施形態において、動作レベルは、最大充填レベルと異なっていてもよい。実施形態において、各バイオコンテナアセンブリは、バイオプロセッシング用途の一部として、各バイオコンテナバッグ55内の液体のレベルをモニタリングするように構成可能である。実施形態において、バッファ管理システム20は、バイオコンテナアセンブリの各容量方式液面センサから受信した充填レベル信号を使用して、各バッグ55に格納された液体の体積の変化具合をモニタリングすることにより、実時間フィードバックを得るように構成可能である。バッファ管理システム20においては、様々な動作モードに対して、充填レベル信号のモニタリングを利用可能である。例えば、実施形態においては、充填レベル信号のモニタリングにより、各サージバッグ55’中のバッファ溶液の体積を所望の最小充填レベルに保持することができる。
[0144]図12及び図13を参照すると、これらの図は、第2のバイオコンテナサージバッグ充填シーケンスを示している。実施形態においては、所与のバイオプロセッシング用途に異なるバッファ溶液が用いられる。実施形態において、バッファ管理システム20は、このようなバイオプロセッシング用途において使用する異なる希釈バッファ溶液レシピを生成するように構成されている。実施形態においては、バッファ管理システム20の使用により、複数の希釈バッファ溶液を順次作成可能である。希釈スキッド30は、希釈バッファ溶液の作成をあるバッファレシピから異なるバッファレシピに切り替えるごとに、フラッシングステップを実施するように構成可能である。実施形態において、バッファ管理システム20は、図8に示すように、フラッシングサイクルで各充填シーケンスを開始する。実施形態において、第2のサージバッグ充填シーケンスは、マニホールド23をフラッシングすることと、作成対象のバッファ溶液が所与の第2の希釈バッファレシピの所定の許容範囲内にあるものと制御ユニット100が判定するまで、第2のバッファ溶液を排水ライン184に排水することと、希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナサージバッグのうちの選択した1つを所定の体積まで充填することとを含む。
[0145]実施形態において、システム20が任意の液体を初めてマニホールド23(この時点まで乾燥)に引き込んでいる場合は、最初のバッファ充填シーケンスに準備が含まれる。システム20がバッファを切り替える場合、すなわち、あるバッファを希釈して、2番目のバッファに移る準備ができた場合、これら2つのステップ間では、WFIフラッシングのみで十分である(過去のステップから、マニホールドは既に液体で満たされているため、準備は不要である)。
[0146]図12を参照すると、マニホールド23は、第2のバッファ平衡化位置にある。マニホールド23が第2のバッファ平衡化位置に保持されると、作成対象のバッファ溶液が所与の第2の希釈バッファレシピの所定の許容範囲内にあるものと制御ユニット100が判定するまで、最初に作成された希釈バッファ溶液が排水ライン184に回される。実施形態において、第2の希釈バッファレシピは、第1の希釈バッファレシピと異なる。
[0147]第2のバッファ平衡化位置において、希釈スキッド30の制御ユニット100は、第2のバッファ入口ポート202がバッファ入口ライン181と流体連通し、第1及び第3~第6のバッファ入口ポート201、203~206がマニホールド23から流体隔離されるように、制御弁151~156を制御可能である。制御ユニット100は、WFI入口ポート207がWFI入口ライン182と流体連通してWFIが流入し得るように、WFI入口制御弁157を開放済みである。バッファ出口ポート211~216は、希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナアセンブリがすべてマニホールド23から流体隔離されるように、出口ライン183から流体隔離されている。バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182は、出口ライン183と流体連通しており、その出口ライン183は、バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182をそれぞれ流れる第2のバッファ濃縮物及びWFIの組み合わせが出口ライン183及び排水ライン184を通り、排水出口ポート217から流出し得るように、排水ライン184と流体連通している。このような構成において、マニホールド23が第2のバッファ平衡化位置にある場合は、マニホールド23を通る複数の流路、すなわち、WFI入口ポート207から排水出口ポート217までの流路及び第2のバッファ入口ポート202から排水出口ポート217までの別の流路が確立される。
[0148]実施形態において、マニホールド23は、当該マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が第2のバッファレシピの所定の仕様範囲内にあるものと制御ユニット100が判定するまで、第2のバッファ平衡化位置に保持される。制御ユニット100は、第1のバッファ平衡化位置に関して上述したように、マニホールド23の動作を制御するように構成可能である。制御ユニット100は、第1の伝導度センサ171、pHセンサ173、及び第2の伝導度センサ174のうちの少なくとも1つにより発信されたバッファデータ信号を使用して、マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が所望の第2の希釈バッファレシピの仕様範囲内にあるもの判定することができる。実施形態において、制御ユニット100は、マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が第2の希釈バッファレシピの仕様範囲内にないとの判定に応答して、バッファポンプ191の流量及びWFIポンプ192の流量の少なくとも一方を調整することにより、マニホールド23において一体的に混合されるバッファ濃縮物及びWFIの比を調整するように構成可能である。制御ユニット100は、マニホールド23中の作成対象の希薄バッファ溶液が所望の第2の希釈バッファレシピの仕様範囲内にあるものと判定されるまで、(1つ又は複数の)センサフィードバックループを使用して、バッファ管理システムの動作を調整することができる。
[0149]図13を参照すると、マニホールド23は、第2のバッファ充填位置にある。マニホールド23は、所望の第2の希釈バッファレシピ用の希釈バッファラックタワー28、29の指定のサージバッグに対して、第2の希釈バッファレシピの仕様範囲内にある希釈バッファ溶液が搬送されるように、第2のバッファ充填位置に保持される。
[0150]第2のバッファ充填位置において、希釈スキッド30の制御ユニット100は、第2のバッファ入口ポート202がバッファ入口ライン181と流体連通し、第1及び第3~第6のバッファ入口ポート201、203~206がマニホールド23から流体隔離されるように、制御弁151~156を制御可能である。第2のバッファ出口ポート212は、マニホールドの出口ラインと流体連通しており、第1及び第3~第6のバッファ出口ポート211、213~216は、マニホールド23から流体隔離されている。第2のバッファ出口ポート212は、第2の希釈バッファレシピに従って構成されたバッファ溶液を受容するように指定された希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナバッグと流体連通している。バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182は、出口ライン183と流体連通しており、その出口ライン183は、バッファ入口ライン181及びWFI入口ライン182をそれぞれ流れる第2のバッファ濃縮物及びWFIの組み合わせが出口ライン183を通り、第2のバッファ出口ポート212から流出し得るように、第2のバッファ出口ポート212と流体連通している。排水ライン184は、出口ライン183から流体隔離されている。このような構成において、マニホールド23が第2のバッファ充填位置にある場合は、第2の希釈バッファレシピに従って混合された希釈バッファ溶液を第2のバッファ出口ポート212が受け付けるように、マニホールドを通る複数の流路、すなわち、WFI入口ポート207から第2のバッファ出口ポート212までの流路及び第2のバッファ入口ポート202から第2のバッファ出口ポート212までの別の流路が確立される。
[0151]図示の実施形態において、第2のバッファ充填位置の場合、第2のバッファ出口ポート212は、第2のバッファ出口ポート212を介して、第2の希釈バッファレシピに従って構成されたバッファ溶液を受容するように指定された希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナバッグと流体連通している。他の実施形態においては、別のバッファ出口ポート(例えば、第3のバッファ出口ポート213等)が指定のバイオコンテナバッグに流体接続して、第2の希釈バッファレシピを受け付け可能であることが了解される。このような構成において、マニホールド23が第2のバッファ充填位置にある場合は、第2のバッファ入口ポート202から第3のバッファ出口ポート213までの流路がマニホールドを通って確立される。
[0152]マニホールド23は、指定のサージバッグが所定の最大充填量の第2のバッファ溶液を格納したことを示す希釈バッファラックタワー28、29からの第2の充填レベル信号を制御ユニット100が受信するまで、第2のバッファ充填位置に保持して、指定のサージバッグを第2の希釈バッファ溶液で充填することができる。制御ユニット100は、指定のサージバッグが所望の最大量の第2のバッファ溶液を有することを示す充填レベル信号を受信したら、第2のバッファ溶液の作成を中断するように動作可能である。他の点において、第2の希釈バッファ溶液の作成及び保守に関する希釈スキッド30の動作は、第1の希釈バッファ溶液に関して説明したものと類似し得る。
[0153]図示の実施形態において、マニホールド23は、異なる希釈バッファレシピのバッファ溶液の作成に使用する最大6つの異なるバッファ濃縮物に対して、6つのバッファ入口ポート201~206を具備する。バッファ充填シーケンスは、第3~第6のバッファ入口ポート203~206によってそれぞれ、第3~第6の高濃度バッファ溶液に対して同様に実行可能である。他の実施形態においては、異なる数のバッファ入口ポート201~206を設けることができる。
[0154]図14及び図15を参照すると、これらの図は、バッファ濃縮物ドレンシーケンスを示している。実施形態において、高濃度バッファラックタワー22、26、27に格納された各バッファ濃縮物は、各トートから順次ドレン可能である。このような動作は、新たなシングルユースマニホールドを使用する別のバイオプロセッシング用途に向けたバッファ管理システム20の準備を容易化するため、所望のバイオプロセッシング用途の完了後に形成し得る。
[0155]図14を参照すると、マニホールド23は、第1の高濃度バッファドレン位置にある。マニホールド23は、高濃度バッファラックタワー22、26、27に格納された第1の高濃度バッファ溶液をドレン可能なように、第1の高濃度バッファドレン位置に保持される。
[0156]第1の高濃度バッファドレン位置において、希釈スキッド30の制御ユニット100は、第1のバッファ入口ポート201がバッファ入口ライン181と流体連通し、その他5つのバッファ入口ポート202~206がマニホールド23から流体隔離されるように、制御弁151~156を制御可能である。希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナアセンブリはすべて、マニホールド23から流体隔離されている。バッファ入口ライン181は、出口ライン183と流体連通しており、その出口ライン183は、第1のバッファ濃縮物が高濃度バッファラックタワー22、26、27から第1のバッファ入口ポート201、バッファ入口ライン181、出口ライン183、及び排水ライン184を通り、排水出口ポート217から流出し得るように、排水ライン184と流体連通している。WFI入口ライン182は、バッファ入口ライン181、出口ライン183、及び排水ライン184から流体隔離されている。このような構成において、マニホールド23が第1の高濃度バッファドレン位置にある場合は、第1のバッファ入口ポート201からマニホールド23を通って排水出口ポート217までの流路が確立される。
[0157]制御ユニット100は、バッファポンプ191を動作させて、第1の高濃度バッファドレンシーケンスを実行するように構成可能である。実施形態において、制御ユニット100は、マニホールド23を第1の高濃度バッファドレン位置に置き、所定の期間にわたってバッファポンプ191を動作させることにより、第1の高濃度バッファドレンシーケンスを動作させるように構成可能である。実施形態において、バッファ管理システムは、第1の高濃度バッファ溶液のドレン経路に沿って、流路を通る液体の流れを示すフロー信号を受信するように制御ユニット100と連通配置された好適な流量計を具備し得る。実施形態において、制御ユニット100は、ドレン経路に沿った液体の流れが所定の閾値を下回ることをフロー信号が示すまで、バッファポンプ191を動作させて、第1の高濃度バッファドレンシーケンスを実行するように構成可能である。
[0158]図15を参照すると、マニホールド23は、第2の高濃度バッファドレン位置にある。マニホールド23は、高濃度バッファラックタワーに格納された第2の高濃度バッファ溶液をドレン可能なように、第2の高濃度バッファドレン位置に保持される。
[0159]第2の高濃度バッファドレン位置において、希釈スキッドの制御ユニットは、第2のバッファ入口ポート202がバッファ入口ライン181と流体連通し、第1及び第3~第6のバッファ入口ポート201、203~206がマニホールド23から流体隔離されるように、制御弁151~156を制御可能である。希釈バッファラックタワーのバイオコンテナアセンブリ25はすべて、マニホールド23から流体隔離されている。バッファ入口ライン181は、出口ライン183と流体連通しており、その出口ライン183は、第2のバッファ濃縮物が高濃度バッファラックタワーから第2のバッファ入口ポート202、バッファ入口ライン181、出口ライン183、及び排水ライン184を通り、排水出口ポート217から流出し得るように、排水ライン184と流体連通している。WFI入口ライン182は、バッファ入口ライン181、出口ライン183、及び排水ライン184から流体隔離されている。このような構成において、マニホールド23が第2の高濃度バッファドレン位置にある場合は、第2のバッファ入口ポート202からマニホールド23を通って排水出口ポート217までの流路が確立される。
[0160]制御ユニットは、第1の高濃度ドレンシーケンスに関して上述したのと同様に、第2の高濃度バッファドレンシーケンスを実行するように構成可能である。高濃度バッファドレンシーケンスは、第3~第6のバッファ入口ポート203~206によってそれぞれ、第3~第6の高濃度バッファ溶液に対して同様に実行可能である。
[0161]図16を参照すると、マニホールド23は、システムドレン位置にある。マニホールド23は、システムに格納された液体をドレン可能なように、システムドレン位置に保持される。
[0162]システムドレン位置において、希釈スキッド30の制御ユニット100は、すべてのバッファ入口ポート201~206がバッファ入口ライン181と流体連通し、すべてのバッファ出口ポート211~216が出口ライン183と流体連通するように、制御弁151~156、161~166を制御可能である。バッファ入口ライン181は、バッファドレン接合部186を介してWFI入口ライン182と流体連通しており、そのWFI入口ライン182は、排水ライン184と流体連通している。出口ライン183は、排水ライン184と流体連通している。このような構成において、マニホールド23がシステムドレン位置にある場合は、各バッファ入口ポート201~206からマニホールド23を通って排水出口ポート217まで、及び、各バッファ出口ポート211~216からマニホールド23を通って排水出口ポート217まで、複数の流路が確立される。このため、マニホールド23がシステムドレン位置にある場合は、重力の影響によって、システムの液体を排水出口ポート217からドレン可能である。実施形態において、マニホールド23は、種々好適な構成での配置及び種々シーケンスでの採用により、当該マニホールド23から流体を効果的にドレン可能である。当業者には当然のことながら、この動作は、当業者が精通する多様な技術によって達成可能である。
[0163]実施形態において、制御ユニット100は、マニホールド23がシステムドレン位置にある場合、すべての制御弁を開放位置に配置するように構成されている。システムドレン位置の使用は、液体をマニホールド23からドレンするのに役立ち得る。すべての制御弁が開放された状態で、重力の影響により、マニホールド23内の余剰液体がドレン点まで流れ得る。マニホールド23の上部の空気ライン190の開放は、液体をマニホールド23から変位させるのに役立ち得る。マニホールド23内の流体をドレンすることは、使用済みマニホールド23の取り扱い及び廃棄の容易化に役立ち得る。
[0164]制御ユニット100は、システムドレンシーケンスを動作させるように構成可能である。実施形態において、制御ユニット100は、マニホールド23を所定の期間にわたってシステムドレン位置に置くことにより、システムドレンシーケンスを動作させるように構成可能である。実施形態において、バッファ管理システムは、排水出口ポート217の近くのドレン経路に沿って、流路を通る液体の流れを示すフロー信号を受信するように制御ユニット100と連通配置された好適な流量計を具備し得る。実施形態において、制御ユニット100は、少なくともドレン経路に沿った液体の流れが所定の閾値を下回ることをフロー信号が示すまで、マニホールド23をシステムドレン位置に保持するように構成可能である。
[0165]図17を参照すると、実施形態において、制御ユニット100のコンピュータ可読媒体108に格納されたバッファ管理プログラムは、マニホールド23を通過するバッファ溶液を自動的に識別するように構成された識別モジュールを含み得る。実施形態において、バッファ管理プログラムは、高濃度バッファラックタワー22、26、27からマニホールド23を通って希釈バッファラックタワー27、28に至る所与のバッファ溶液の流路を識別するように構成可能であるため、制御ユニット100は、どのバッファ(高濃度及び希釈バッファ)が希釈スキッドのマニホールド23のどのバッファ入口ポート201~206及びバッファ出口ポート211~216をそれぞれ通過するか、並びに、希釈バッファラックタワー27、28のどのバイオコンテナがマニホールド23からバッファ溶液をそれぞれ受容するかを学習することになる。このようなバッファ管理プログラムの自動識別機能が備わっていると、オペレータは、高濃度バッファラックタワー22、26、27のトートとマニホールド23との間又は希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナとマニホールド23との間に設定された接続パターンを把握する必要がない。バッファ管理システム20におけるバッファ溶液の配置が識別されたら、制御ユニット100は、この情報をバイオプロセッシングユニット24に送信可能であるため、バイオプロセッシングユニット24は、希釈バッファラックタワー28、29の特定のラインを動作させて、特定のバッファ溶液を引き込むことができる。
[0166]実施形態において、ユーザは、制御ユニット100の動作により、バッファ管理システムの使用が意図される所与のバイオプロセッシング用途において使用するために選択された各バッファレシピのバッファ溶液特性データを入力可能である。以下の表Iは、例えば、6つの異なるバッファ溶液のサンプルについて、このようなバッファ特性データの一例を含んでおり、最初の3つのバッファが3つの異なる高濃度バッファで、最後の3つのバッファがそれぞれの希釈(1倍)形態の同等物である。実施形態において、バッファ特性データには、例えばpH、伝導度、及び濃縮係数等、当業者が精通する好適な特性に関する各バッファ溶液の情報を含み得る。実施形態において、バッファ溶液特性データは、制御ユニット100のヒューマンマシンインターフェース(HMI)110を介して、希釈スキッド30の制御ユニット100のデータ記憶装置109に入力可能である。
[0167]実施形態において、HMI110は、希釈スキッド30上に配置可能である。他の実施形態において、HMI110は、モバイルアプリケーション(「アプリ」)の一部であってもよいし、或いは、希釈スキッド30から遠隔に配置され、無線ネットワークを介して制御ユニット100と連通していてもよい。実施形態において、バッファ管理プログラムは、本開示の原理に従ってバッファ溶液を識別するプロセスにおいて即時検索するバッファ管理プログラムのレシピ管理モジュールの一部として、HMI110を通じて受け付けたバッファ溶液特性データをデータ記憶装置109に論理的に格納するように構成されている。
[0169]図17を参照すると、バッファ管理システム20のマニホールド23の複数のバッファ入口ポート201~206と流体連通した異なるバッファ溶液の配置を識別する本開示の原理に従うプロセスの実施形態においては、制御ユニット100の使用により、マニホールド23を第1~第6のバッファドレン位置に順次配置することによって、マニホールド23により第1~第6のバッファ入口ポート201~206をそれぞれ介して引き込まれるバッファ溶液を決定することができる。
[0170]図17においては、バッファ管理プログラムが把握していない無相関の様態で一組の高濃度バッファコンテナ1~6が第1~第6のバッファ入口ポート201~206に接続されている(すなわち、例えばバッファコンテナ3がマニホールド23の第1のバッファ入口ポート201に接続されている)。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、マニホールド23を第1~第6のバッファドレン位置に順次配置することによって、高濃度バッファラックタワーにおける一組の高濃度バッファのいずれが、第1~第6のバッファ入口ポート201~206のいずれに接続されるのかを体系的に識別するように構成可能である。
[0171]実施形態において、バッファ管理プログラムは、図17に示すように、バッファ入口ポート201~206を開放し、第1のバッファ入口ポート201で開始となって、マニホールド23を第1のバッファドレン位置に配置することにより第1のバッファドレン経路を開放するシーケンスを行うように構成されており、第1のバッファ入口ポート201は、排水出口ポート217と流体連通している。制御ユニット100は、バッファポンプ191の動作によって、高濃度バッファラックタワー22、26、27のバイオコンテナ3(これは、第1のバッファ入口ポート201と流体連通した高濃度バッファラックタワーのバイオコンテナであるので)から第3の高濃度バッファ供給物を引き込み、マニホールド23を通って排水ライン184の排水出口ポート217から移送することができる。
[0172]第1の伝導度センサ171及びpHセンサ173は、第1の伝導度信号及びpH信号を制御ユニット100に送信可能である。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、第1の伝導度信号及びpH信号の少なくとも一方を解析して、データ記憶装置109に格納された様々なバッファレシピのいずれが、マニホールド23を通過するバッファ溶液に最も近く一致するかを決定するように構成可能である。実施形態において、識別モジュールは、第1の伝導度信号及びpH信号の追加又は代替として、第2の伝導度センサ174からの第2の伝導度信号を使用するように構成可能である。実施形態において、バッファ管理プログラムは、バッファの一意の識別子として作用する、マニホールドセンサ171、173、174により検知された伝導度及びpH並びに制御ユニット100に格納されたバッファレシピの値の少なくとも一方に基づいて、マニホールド23を通過する高濃度バッファを識別するように構成されている。実施形態において、バッファ管理プログラムは、バッファの一意の識別子として作用する、マニホールドセンサ171、173、174により検知された伝導度及びpH並びに制御ユニット100に格納されたバッファレシピの両者の値に基づいて、マニホールド23を通過する高濃度バッファを識別するように構成されている。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、あとで読み出してバッファ管理プログラムにより使用できるように、第1のバッファ入口ポート201に流体接続されたバッファ溶液の識別情報をデータ記憶装置109に論理的に格納するように構成されている。
[0173]バッファ管理プログラムがすべての高濃度バッファ溶液及びマニホールド23のバッファ入口ポート201~206の全体配置を識別することにより、バッファ入口ポート201~206のうちの所与の1つが開放されてバッファポンプ191が動作する場合に、マニホールド23を通じて引き込まれた高濃度バッファ溶液を制御ユニット100が識別済みとなり得るように、識別モジュールがマニホールド23を第2~第6のバッファドレン位置に順次配置することによって、上記識別ステップを残りの第2~第6のバッファ入口ポート202~206に対して繰り返すことができる。この配置の識別情報は、データ記憶装置109に格納して、あとで使用可能である。実施形態において、バッファ管理プログラムは、バッファ管理システム20の以前の使用によってデータ記憶装置109に格納された高濃度バッファ接続データに上書きするように構成することも可能であるし、以前の配置をタイムスタンプ履歴データベースに格納することも可能である。
[0174]図18を参照すると、バッファ管理システム23のマニホールド23の複数のバッファ出口ポート211~216と流体連通した異なるバイオコンテナ55の配置を識別する本開示の原理に従うプロセスの実施形態においては、制御ユニット100の使用により、マニホールド23を第1~第6のバッファ充填位置に順次配置することによって、第1~第6のバッファ出口ポート211~216をそれぞれ通じて送液されたバッファ溶液を受容する希釈バッファラックタワー28、29のサージバイオコンテナ55を決定することができる。
[0175]実施形態において、マニホールド23のバッファ出口ポート211~216は、希釈バッファラックタワー28、29のサージバイオコンテナのうちの異なる1つとそれぞれ流体連通している。図18においては、バッファ管理プログラムが把握していない無相関無相関の様態で希釈バッファラックタワー28、29の一組のサージバイオコンテナ55が第1~第6のバッファ出口ポート211~216に接続されている(すなわち、例えば第2のサージバイオコンテナ55’’がマニホールド23の第1のバッファ出口ポート211に接続されている)。
[0176]バッファ管理プログラムの識別モジュールは、バッファ出口ポート211~216のそれぞれを通じて流体を順次移送することにより、バイオコンテナ55のいずれが、バッファ出口ポート211~216のいずれに接続されているかを識別するように構成されている。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、マニホールド23を第1~第6のバッファ充填位置に順次配置することによって、希釈バッファラックタワー28、29の一組のサージコンテナ55のいずれが、第1~第6のバッファ出口ポート211~216のいずれに接続されるのかを体系的に識別することができる。
[0177]実施形態において、バッファ管理プログラムの識別モジュールは、バイオコンテナ55からの充填レベル信号の変化に基づいて、バッファ出口ポート211~216のそれぞれが流体連通したバイオコンテナ55を自動的に識別するように構成可能である。実施形態においては、好適な充填レベルセンサL01~L06がサージバイオコンテナ55のそれぞれと関連付けられている。充填レベルセンサL01~L06はそれぞれ、各充填レベル信号を送信するように、制御ユニット100と電気的に接続している。各充填レベルセンサL01~L06は、サージバイオコンテナ55内の溶液の量を検出するとともに、検出した溶液の量を示す充填レベル信号を発信するように構成されている。実施形態において、充填レベルセンサL01~L06としては、例えば容量方式充填レベルセンサ又はロードセル等、任意好適な種類が可能である。実施形態において、第1~第6のバッファ入口ポート211~216それぞれからバッファ溶液を受容する特定のサージバイオコンテナ55の識別は、関連する各充填レベルセンサL01~L06から受信したそれぞれの充填レベル信号をモニタリングすることにより決定可能である。希釈バッファラックタワー28、29の様々な充填レベルセンサL01~L06(ひいては、様々なサージバイオコンテナ55)の識別情報(例えば、上から下にL01~L06)は、どの充填レベルセンサL01~L06から所与の充填レベル信号が発信されたかを認識するようにバッファ管理プログラムが構成されるように、希釈スキッドの制御ユニット100を通じて制御される。
[0178]バッファ管理プログラムの識別モジュールは、第1のバッファ充填位置にある間の充填レベル信号をモニタリングすることにより、サージバイオコンテナ55のいずれが第1のバッファ出口ポート211に流体接続されるか、ひいては、第3の希釈バッファ溶液が格納される希釈バッファラックタワー28、29の一組のサージバイオコンテナ55のうちの特定の1つであるかを識別するように構成可能である。実施形態において、識別モジュールは、サージコンテナ55から受信した充填レベル信号の変化をモニタリングする(すなわち、第1のバッファ充填シーケンスにおいて、関連するサージバイオコンテナ55に格納された液体の増加を充填レベルセンサL01~L06が示す)ことにより、サージバイオコンテナ55のいずれが第1のバッファ出口ポート211に流体接続されるか、ひいては、第3の希釈バッファ溶液が格納される一組のサージバイオコンテナ55のうちの1つであるかを決定することができる。
[0179]図示の実施形態において、第3の希釈バッファ溶液が第1のバッファ出口ポート211から送液されている間は、第2のサージバイオコンテナ55’’から制御ユニット100により受信された第2の充填レベル信号が変化(増加)していることから、識別モジュールは、第1のバッファ出口ポート211と流体連通した一組のサージバイオコンテナ55のうちの1つとして第2のサージバイオコンテナ55’’を識別するように構成されている。
[0180]実施形態において、制御ユニット100は、この識別プロセス中にその他のサージコンテナ55の充填レベルが変化しないように、バッファ管理システムの動作を制御するように構成可能である。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、あとで読み出してバッファ管理プログラムにより使用できるように、第1のバッファ出口ポート211に流体接続されたサージバイオコンテナ55’’の識別情報をデータ記憶装置109に論理的に格納するように構成されている。
[0181]希釈バッファラックタワー28、29のサージバイオコンテナ55及びマニホールド23の関連するバッファ出口ポート212~216の全体配置をバッファ管理プログラムが識別し得るように、上記識別ステップを残りの第2~第6のバッファ充填位置に対して繰り返すことができる(それぞれが識別され、あとで使用できるように、データ記憶装置109に格納される)。実施形態において、バッファ管理プログラムは、バッファ管理システムの以前の使用によってデータ記憶装置109に格納されたサージバイオコンテナ接続データに上書きするように構成することも可能であるし、以前の配置をタイムスタンプ履歴データベースに格納することも可能である。
[0182]実施形態において、バッファ管理プログラムは、図10に示すように、マニホールド23を第1のバッファ平衡化位置に配置するように制御弁を制御するシーケンスを行う。制御ユニット100は、バッファポンプ191及びWFIポンプ192を動作させることにより、第3の高濃度バッファが(バッファ管理プログラムが、図17に示す高濃度バッファの以前の識別によって、高濃度バッファ3が第1のバッファ入口ポート201と流体連通していることをデータ記憶装置109から読み出すことが可能となる)また、WFIでインライン希釈されるようにインライン希釈スキッドを動作させ得るようにする。流体混合物は、インライン伝導度センサ171及びpHセンサ173により検出された値に従って、第3の高濃度バッファ溶液がその動作濃度(すなわち、1倍)となるように希釈され、仕様に入るまで、センサ171、173を通じて排水出口ポート217に液送される。
[0183]実施形態において、バッファ管理プログラムは、図18に示すように、マニホールド23を第1のバッファ充填位置に配置するように制御弁を制御するシーケンスを行うように構成可能である。バッファポンプ191及びWFIポンプ192は、マニホールド23を通じて第3の高濃度バッファ溶液及びWFIを引き込み続け、第1のバッファ出口ポート211から移送する。バッファ管理プログラムは、インラインセンサ171、173により検知されたpH/伝導度の「指紋」に基づいて、第1のバッファ出口ポート211から送液されるバッファ溶液が第3の希釈バッファレシピの仕様範囲内であるものと判定するように構成可能である。
[0184]図19を参照すると、実施形態において、バッファ管理プログラムの識別モジュールは、バイオコンテナ55からの充填レベル信号の変化に基づいて、希釈バッファラックタワー28、29のバイオコンテナ55のそれぞれが流体連通したバイオプロセッシングユニット24のユニット入口ポート301~307のうちの1つを自動的に識別するように構成されている。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、バイオコンテナ55のそれぞれが流体接続したバイオプロセッシングユニット24のユニット入口ポート301~307の識別情報をデータ記憶装置109に格納するように構成されている。
[0185]バイオプロセッシングユニット24の複数の入口ポート301、302、304~307と流体連通したバイオコンテナ55の配置を識別する本開示の原理に従うプロセスの実施形態においては、制御ユニット100の使用により、バイオプロセッシングユニット24の各ユニット入口ポート301、302、304~307にバッファ溶液を移送する希釈バッファラックタワー28、29のサージバイオコンテナ55を決定することができる。実施形態において、バッファ管理プログラムの識別モジュールは、バイオプロセッシングユニット24の入口ポート301、302、304~307のいずれが、希釈バッファラックタワー28、29に格納されたバッファ溶液のいずれを受け付けるかを識別するように構成可能である。
[0186]図19においては、バッファ管理プログラムが把握していない無相関の様態或いはデータ記憶装置109から入手可能な無相関の様態で希釈バッファラックタワー28、29の一組のサージバイオコンテナ55がバイオプロセッシングユニット24の6つのユニット入口ポート301、302、304~307に接続されている(すなわち、例えば第2のサージバイオコンテナ55がバイオプロセッシングユニット24の第4のユニット入口ポート304に接続されている)。
[0187]バッファ管理プログラムの識別モジュールは、充填レベル信号をモニタリングすることにより、サージバイオコンテナ55’’のいずれが第4のユニット入口ポート304に流体接続されるか、ひいては、第4のユニット入口ポート304を通じてバイオプロセッシングユニット24に第3の希釈バッファ溶液が提供される希釈バッファラックタワー28、29の一組のサージバイオコンテナ55’’のうちの特定の1つであるかを識別するように構成可能である。実施形態において、識別モジュールは、第4のユニット入口ポート304を通じてバッファ溶液を引き込むようにバイオプロセッシングユニット24が動作する第4のバッファ注入手順においてサージコンテナ55から受信した充填レベル信号の変化をモニタリングする(すなわち、第4のバッファ注入手順において、関連するサージバイオコンテナ55に格納された液体の減少を充填レベルセンサL01~L06が示す)ことにより、サージバイオコンテナ55’’のいずれが第4のユニット入口ポート304に流体接続されるかを決定することができる。
[0188]バッファ管理プログラムの識別モジュールは、一組のサージバイオコンテナ55からバイオプロセッシングユニット24のユニット入口ポート301、302、304~307のうちの識別された1つを通じてバッファ溶液を順次引き込むことにより、希釈バッファラックタワー28、29の一組のサージコンテナ55のうちの特定の1つから受信した充填レベル信号の変化に基づいて、希釈バッファラックタワー28、29のサージコンテナ55のいずれが、バイオプロセッシングユニット24のユニット入口ポート301、302、304~307のいずれに流体接続されるかを体系的に識別するように構成可能である。第2のサージバイオコンテナ55’’とバイオプロセッシングユニット24の第4の入口ポート304との間の相関は、両者間に確立された通信リンクを介して、希釈スキッドの制御ユニット100に送信可能である。
[0189]実施形態において、希釈スキッド30の制御ユニット100は、バイオプロセッシングユニット24の制御システムと連通している。第2のサージバイオコンテナ55’’からバイオプロセッシングユニット24までバッファが通過すると、希釈スキッド30の制御ユニット100は、第2のサージバイオコンテナ55’’における液面の変化を検出して、バイオプロセッシングユニット24に移送されたバッファ(例えば、図18のプロセスに基づくなら、バッファ3)を厳密に識別する。この情報は、制御ユニット100からバイオプロセッシングユニット24の制御システムに受け渡される。同時に、バイオプロセッシングユニット24の制御システムは、開放された入口弁(例えば、304)を識別して、2つの情報を一体的にリンクさせる(すなわち、バッファ3をポート304にリンクさせる)。
[0190]実施形態においては、サージバッグラックのレベルセンサがバイオプロセッシングユニット24の制御システムに直接且つ物理的にリンクされており、このシステムの内部には、レベルセンサL01~L06の場所(上下)がプログラムされている。そして、バイオプロセッシングユニット24の制御システムにより直接、液面変化及び入口ポート情報の両者が取得される。他の実施形態において、制御ユニット100は、包括的で、希釈スキッド30及びバイオプロセッシングユニット24の両者に共通する集中監視システムを備える。
[0191]図示の実施形態において、バイオプロセッシングユニット24は、疑似移動床クロマトグラフィユニットを備える。他の実施形態において、バイオプロセッシングユニット24は、その動作に複数のバッファを使用し、「バッファ注入独立」となり得る(すなわち、如何なる特定のバッファについても、バッファ注入が予備割り当てされない)任意好適なユニット動作スキッドを備え得る。
[0192]図示の実施形態においては、第4の入口ポート304が開放されて第2のサージバイオコンテナバッグ55’’からバッファ溶液が導入されるように、バイオプロセッシングユニット24が動作する。実施形態において、バイオプロセッシングユニット24は、第4のユニット入口ポート304が希釈バッファラックタワー28、29にバッファ溶液を求めていることを制御ユニット100に伝達送液可能である。識別モジュールは、サージコンテナ55と関連付けられた充填レベルセンサL01~L06から受信した充填レベル信号の変化をモニタリングすることにより、サージバイオコンテナ55’’のいずれがバイオプロセッシングユニット24の第4のユニット入口ポート304に流体接続されるかを決定するように構成可能である。図示の実施形態において、第3のバッファ溶液が第2のサージバイオコンテナ55’’からバイオプロセッシングユニット24の第4のユニット入口ポート304に送液されている間は、第2のサージバイオコンテナ55’’から制御ユニット100により受信された充填レベル信号が変化していることから、識別モジュールは、第4のユニット入口ポート304と流体連通した一組のサージバイオコンテナ55のうちの1つとして第2のサージバイオコンテナ55’’を識別することができる。実施形態において、制御ユニット100は、この識別プロセス中にその他のサージコンテナの充填レベルが変化しないように、バッファ管理システム20の動作を制御するように構成可能である。バッファ管理プログラムの識別モジュールは、あとで読み出してバッファ管理プログラムにより使用できるように、バイオプロセッシングユニット24の第4のユニット入口ポート304に流体接続されたサージバイオコンテナ55’’の識別情報をデータ記憶装置109に論理的に格納するように構成可能である。
[0193]サージバイオコンテナ55及びバイオプロセッシングユニット24の関連する入口ポート301、302、304~307の全体配置をバッファ管理プログラムが識別し得るように、上記識別ステップをバイオプロセッシングユニット24のその他のユニット入口ポート301、302、304~307に対して繰り返すことができる(このように識別された各配置が識別され、あとで使用できるように、データ記憶装置109に格納される)。実施形態において、バッファ管理プログラムは、バッファ管理システム20の以前の使用によってデータ記憶装置109に格納されたバイオプロセッシングユニット接続データに上書きするように構成することも可能であるし、以前の配置をタイムスタンプ履歴データベースに格納することも可能である。
[0194]実施形態において、識別モジュールは、他の識別用途にも使用可能である。例えば、実施形態においては、バッファを管理して別の動作システムに分配する如何なるシステムにおいても、本開示の原理に従って構成された識別モジュールを使用可能である。実施形態において、インライン希釈スキッドは、繰り返して使用できるように構成され、その目的に適した溶液により構成されている(例えば、ステンレス鋼により構成されている)。実施形態において、希釈バッファタワーのバイオコンテナアセンブリは、例えばロードセル又はスケール等、異なる種類の充填レベルセンサを具備する。
[0195]本明細書に引用の公開公報、特許出願公報、及び特許公報を含むすべての参考文献は、それぞれが援用を個別且つ具体的に指示され、そのすべてが本明細書に示されるのと同じ程度まで本明細書に援用する。
[0196]本発明の説明の文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における用語「a」、「an」、「the」、及び類似の指示対象の使用は、文脈上の別段の指示又は明らかな矛盾がない限り、単数形及び複数形の両者を含むものと解釈されるものとする。また、用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「具備する(including)」、及び「含む(containing)」は、別段の指定のない限り、オープンエンドな用語(すなわち、「~を含むが、これらに限定されない(including,but not limited to)」を意味する)として解釈されるものとする。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書における別段の指示のない限り、当該範囲内の各別個の値を個々に参照する簡潔な方法として機能することを意図したに過ぎず、各別個の値は、本明細書において個々に列挙されるかの如く、本明細書に援用する。本明細書に記載のすべての方法は、文脈上の別段の指示又は明らかな矛盾がない限り、任意好適な順序で実行可能である。本明細書に提示のありとあらゆる例又は例示的な表現(例えば、「~等(such as)」)の使用は、本発明をより明確化することのみを意図しており、別段の要求のない限り、本発明の範囲に何ら制約を課すものではない。本明細書の表現は、本発明の実施に必須の如何なる非請求要素を示すとも解釈されないものとする。
[0197]本明細書においては、本発明者らが把握している本発明を実行するための最良の形態を含めて、本発明の好適な実施形態を説明している。上記説明を読めば、これら好適な実施形態の変形例が当業者には明らかとなり得る。本発明者らは、このような変形例を熟練技術者が必要に応じて採用することを予想しており、本明細書の具体的な記述とは別に本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、準拠法が許可する添付の特許請求の範囲に列挙の主題のすべての改良物及び同等物を含む。さらに、文脈上の別段の指示又は明らかな矛盾がない限り、上述の要素は、その考え得るすべての変形例において、任意の組み合わせが本発明に包含される。